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[8月20日・準決勝]
大阪桐蔭5-2済美

 「大本命」と目されたチームが、順調に決勝まで歩を進めるというのは、夏の甲子園大会においては「至難」の技でしょう。
 大阪桐蔭チームは、これをやってのけました。

 緒戦から準決勝戦までの道のりは、当事者の眼から見れば「茨の道」だったのでしょうが、各々の試合を観ている限り「勝つべくして勝ってきた」ゲームを披露し続けたと感じます。

 このチームは、とても「強い」のです。

 この試合は、柿木投手を立てました。
 今大会最速の151kmの速球を具備している柿木投手を準決勝に先発させることが出来るというのが、大阪桐蔭チームの選手層の厚さでしょう。

 決勝では、休養十分の根尾投手を先発に立てるのでしょうか。

 狙い通りに「春夏連覇」を達成するとすれば、底知れぬ強さを保持したチームとして、夏の甲子園大会の歴史を飾ることになります。

 金足農VS大阪桐蔭。
 1915年・第1回大会の決勝、京都二中VS秋田中以来の秋田代表の登場です。
 
 いかにも、2018年第100回大会の決勝戦というところでしょうか。

 大阪桐蔭が地力を発揮して勝ち切るのか、金足農が「黄金の9人」によるミラクルな戦いを魅せるのか。

 素晴らしい決勝戦が期待されます。
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[8月20日・準決勝]
金足農2-1日大三

 秋田大会から「9人の選手」で戦ってきた金足農業高校チームが、準決勝を勝ち抜き、ついに決勝に駒を進めました。

 この夏の大会、金足農チームには、代打も、代走も、リリーフ投手も、一切無かったのです。
 とても厳しい接戦も、この不動のメンバーで乗り切ってきました。
 私は「黄金の9人」と呼びたいと思います。

 もちろん、金足農チームにも控えのプレーヤーが居て、「黄金の9人」に怪我や故障が出た時には、しっかりとフォローする体制は出来ているのでしょうが、この「9人」の素晴らしいところは、ここまでひとりの落伍者も無く、勝ち上がってきたというところでしょう。

 秋田県勢103年振りの決勝進出は、もちろん凄いことですけれども、私は「不動の9人」が戦い抜いてきたことに、大きな価値を感じます。
 戦術的な一体感の高さは当然のこととして、決して「無理なプレー」に走らなかったことの証左でしょうし、本当の意味での「チームワーク」の存在を強く感じます。

 チームの中心に立っているのは「吉田投手⇔菊池亮捕手」のバッテリーなのですが、このバッテリーを支える守備陣は、上手いというより強力と言う感じでしょう。
 
 この試合でも、9回裏日大三チームの反撃、1死1塁のシーンでの佐藤英選手の強い当たりを、三塁手・打川選手は止めました。一塁への送球は間に合わず、日大三のチャンスは一死1・2塁へと拡大したのですけれども、この「止めたプレー」がチームに大いなる勇気を与え、日大三への無言のプレッシャーとなったと感じます。
 吉田投手にも、とても頼もしいプレーであったことでしょうし、ピンチの中でも「自分達のプレーが出来ている」という自信に繋がったと思います。

・1番二塁手 菅原 天空 選手
・2番左翼手 佐々木 大夢 選手
・3番投手 吉田 輝星 選手
・4番三塁手 打川 和輝 選手
・5番中堅手 大友 朝陽 選手
・6番一塁手 高橋 佑輔 選手
・7番右翼手 菊池 彪吾 選手
・8番捕手 菊池 亮太 選手
・9番遊撃手 斎藤 璃玖 選手

 金足農チームの歴史に、秋田県高校野球の歴史に、そして第100回全国高等学校野球選手権記念大会の歴史に、永遠に刻まれるであろう「黄金の9人」。

 決勝戦でも、「これまでやって来たプレー」を継続し、「黄金の9人の野球」を甲子園球場で存分に披露していただきたいと思います。

 少し前の話になりますが、恒例となっている元ブラジル代表フォワードのロナウド氏が選ぶ「世界ベストイレブン」の2018年版が、ワールドカップ2018ロシア大会開催を控えて公開され、話題となりました。

[ロナウドのベストイレブン2018]
・ゴールキーパーGK ブフォン選手(イタリア)
・ディフェンダーDF カンナバーロ選手(イタリア)、マルディーニ選手(イタリア)
           カフー選手(ブラジル)、ロベルト・カルロス選手(ブラジル)
・ミッドフィールダーMF ジダン選手(フランス)、ピルロ選手(イタリア)
             マラドーナ選手(アルゼンチン)、メッシ選手(アルゼンチン)
・フォワードFW ペレ選手(ブラジル)、ロナウド選手(ブラジル)

 相当「腹に落ちる」ベストイレブンです。
 
 華麗な攻撃ならば「セレソン」のブラジル。そのブラジルからペレ選手とロナウド選手のツートップ、サイドバックにカフー選手(ワールドカップ3度出場・2度優勝・1度準優勝)と、レアル・マドリードなどで強烈なフリーキックで鳴らしたロベルト・カルロス選手(ワールドカップ優勝1度、準優勝1度)。

 堅守ならば「アズーリ」のイタリア。そのイタリアからブフォン選手とカンナバーロ選手、マルディーニ選手(ワールドカップ4度出場。本来は左サイドバック)のGKとセンターバック陣、加えて「ザ・司令塔」のピルロ選手。(ブフォン選手、カンナバーロ選手、ピルロ選手は2006年ワールドカップ優勝メンバー)

 MFの右にマラドーナ選手、左にメッシ選手のアルゼンチン勢。
 そして、「魔術師」ジダン選手が締めるという布陣。

 ロナウド選手と「同時代の輝く星」を主体に、過去と未来から、唯一無二のプレーヤーを加えた形となっています。

20世紀、21世紀を問わずの「ベストイレブン」ですから、当然のことながら、「選出されるべきプレーヤーが漏れる」ことがある訳ですが、今回はクリスティアーノ・ロナウド選手が選ばれなかったことが、評判です。

 所謂「有名選手」となれば、どうしても得点に絡むプレーヤーが多くなるのが道理。一方で各ポジションの数には限りがあります(当たり前のことですが)から、結果として、FWやMFのスタープレーヤーが選から漏れることになるのです。

 頭書のベストイレブンを観ても、FWの「神様」ペレ選手は「誰が見ても」選ばれるのでしょうが、ロナウド選手のところに、ヨハン・クライフ選手(近代サッカーの申し子、空飛ぶオランダ人)やゲルト・ミュラー選手(ドイツ、ワールドカップ得点3位・14得点)、ミロスラフ・クローゼ選手(ドイツ、ワールドカップ得点王・16得点)らが選出されても、何の不思議もない訳で、バロンドール5度受賞を誇るクリスティアーノ・ロナウド選手と言えども、「ひとつの椅子」を競うとなれば、なかなかゲットするのは難しいのでしょう。

 ここは、ワールドカップ得点2位・15得点を誇り、レアル・マドリードやFCバルセロナ、インテル等々で活躍した、ロナウド選手が自ら選んだベストイレブンを尊重するしかないのです。

 それにしても、ワールドカップ優勝5度のブラジルから4選手、同4度のイタリアからも4選手が選ばれ、アルゼンチンから2選手、フランスから1選手が選ばれていますが、同4度のドイツからはひとりも選ばれていないのは、興味深いところです。

 ドイツにも、前述の2プレーヤーに加えて、例えば、「皇帝」フランツ・ベッケンバウアー選手やDFベルディ・フォクツ選手らのスーパースターが居るのですが・・・。

 ドイツ代表チームが伝統的に「個の力よりも組織プレーを重視する」サッカーであることも、要因のひとつなのでしょうが、それよりも、世界の強豪ナショナルチームにとって、世界中のスーパースターにとつて、「何時の時代も最も戦いたくないチーム」がドイツであることを、示しているような気もします。

 2018年ロシア大会では、ドイツチームが史上初めてグループリーグGLで敗退するという「サプライズ」がありました。(これがサプライズになること自体が凄いことですが)
 「ドイツチームも決勝トーナメントに進出できないことがある」ことを踏まえて、来年以降のロナウドの世界ベストイレブンに変化が生まれるのかどうか、こちらも興味深いところです。
[8月18日・準々決勝・第4試合]
金足農3-2近江

 金足農業高校チームが9回裏の大逆転で勝利し、準決勝進出を決めました。

 試合開始直後からの投手戦の中で、大事なシーンでの得点で勝り、試合を優位に進め、勝利目前だった近江高校チームでしたが、最期は「金足農チームの勢い」に押された感じであり、惜しい星を落としました。

 9回裏、6番高橋佑輔選手の安打などで、金足農はノーアウト満塁というチャンスを創りました。
 そして、9番斎藤璃玖選手のスクイズバントが決まったのですが、とても思い切った、とてもハイリスクな攻撃でした。

① フライとなればトリプルプレーの怖れ

 斎藤選手のバントが小フライとなり、例えば近江の林優樹投手が捕った場合には、そのまま、三塁・二塁とボールが転送され、トリプルプレーが成立していた可能性が有ります。
 金足農の3塁ランナー・2塁ランナーは、このプレーにおいて「一気のスタート」を切っていましたから、フライと観て塁に戻ることは出来なかったことでしょうし、「戻ることが出来るような中途半端なスタート」では、2ランスクイズは成功していなかったことでしょう。

② 斎藤選手のバントの強さ

 近江の三塁手・北村恵吾選手は、スクイズバントを捕球し迷うことなく1塁に投じました。
 2-2の同点にされたものの、まだまだ試合はこれからであり、同点のままで延長戦に突入するためには、アウトカウントを増やしていく必要があるという、とても合理的な判断からでしょう。

 この際に、斎藤選手のバントがもう少し強ければ、北村選手は「本塁封殺」を狙って、本塁に送球していたかもしれず、そうすれば、ひとり目のランナーは刺せなかったとしても、二人目のランナーは生還できていなかった可能性が高いのです。

 逆に、斎藤選手のバントがもう少し弱ければ、近江の捕手・有馬諒選手が捕球していたかもしれず、そうなれば、2塁ランナーが一目散に三塁ベースを回り本塁に突入してくる姿が見えた可能性が有りますから、2人目のランナーを封殺することが出来たでしょう。

 結果として、斎藤選手のスクイズバントは「絶妙の強さ」だったことになります。
 斎藤選手の技術の高さを示す事実ですが、まさに「球運」も大きく働いたようにも感じられます。

③ 2塁ランナーが3塁ベースを回ったことに、誰も気づかなかったのか?

 三塁手の北村選手がバントを捕球した瞬間に、近江チームの他の選手から「ホーム」という声がかかっていたようには観えませんでした。
 近江の守備陣全員が、金足農の2塁ランナーの動きを観ていなかったのかもしれません。

 サッカー競技では時々見られることですが、野球においても「ボールウォッチャー」という現象、チーム全員がボールを観てしまい、他の状況に気が付かなず、体も動かないという現象、が発生するのかもしれないと思いました。

 別の見方をすれば、近江の内野に居た野手の誰かが、金足農の2塁ランナーの動きに気付き、大声で「ホーム」と叫んでいれば、ホームで封殺されていた可能性が有った訳です。

 以上のようなリスクが存在する、多くのリスクが存在する中で、百も承知で、金足農チームの中泉一豊監督は敢然と2ランスクイズのサインを出したことになります。
 「スクイズのサインは、監督にとって、とても勇気がいる」といわれますが、2ランスクイズのサインともなれば、「その勇気は何倍にもなる」のでしょう。

 日々の練習を信じ、「自分達の戦い方」を貫いた、本当に見事なチームプレーに、野球の神様も思わず頷いたというシーンだったのかもしれません。

 前日の横浜高校チームとの激闘で160球以上を投げていた、金足農のエースというか、「他に投手が居ない」中では、マウンドに立ち続けなければならない存在である吉田輝星投手は、さすがに疲労の色が濃く、横浜戦で150km/hを記録したストレートも、この試合では140km台前半でした。
 それでも、「ボールのキレ」は前日同様というか、前日以上であったようにも感じられ、強打の近江高校打線を2点に抑え込んだのです。

 9回表も、ノーアウト1・2塁という大ピンチでしたが、最期は速球で三振を奪って、このピンチを乗り切りました。
 三振を奪った瞬間、マウンドから駆け下りながらの吉田投手の笑顔が、本当に印象的でした。

 金足農チームの9回裏の劇的な大逆転勝利を生んだのが、この「堅守」であったことは間違いありません。
 「稀代の好投手」吉田輝星を得た金足農チームは、秋田大会から一貫した戦いを継続しているのでしょう。

 34年振りの準決勝進出を果たした金足農チームは、休養日を挟んだ8月20日、日大三チームとの戦いに臨みます。
 僅か1日ですが、その間に吉田投手の体調が回復していることが期待されます。
 低目で良く伸びる、最近の甲子園ではなかなか見ることが出来ない「素晴らしい回転のストレート」、150kmを超えるストレートを、再び披露していただきたいものです。

 甲子園の常連、優勝候補の一角でもある大豪・日大三チームとのゲームが、とても待ち遠しいところです。
 北海道は、我が国最大のサラブレッドの産地です。

 そして、暑い夏を乗り切るために、現役のサラブレッド達の多くも、夏の北海道で静養・調教を行います。

 その夏季の北海道・札幌競馬場におけるビッグイベントが札幌記念競走G2なのです。

 1965年・昭和40年に第1回レースが行われました。砂馬場2000mコースでした。
 1969年からはダート2000mコースでの開催となりました。
 長い間ダートコースでのレースが続き、1990年から、現在と同じ芝2000mでのレースとなったのです。

 ダートコースの頃も、クラシック競走で活躍していたサラブレッドが出走していましたが、やはり「芝」馬場になってからは、夏を北海道で過ごしている重賞常連のサラブレッド達にとって格好のレースとなりましたから、強豪馬が一層多く出走するようになりました。

 そうした中で、「芝」の札幌記念を連覇している唯一の馬がエアグルーブなのです。
 「女傑」エアグルーブは、1997年と98年のレースを連覇しました。

 1996年のオークス馬エアグルーブは、4歳になって6月阪神のマーメイドステークスG3に勝つと、8月の札幌記念G2を制して、10月の天皇賞(秋)G1で、1番人気だったバブルガムフェローを始めとする強豪牡馬陣を一蹴して、重賞3連勝を飾りました。
 勢いを駆って、11月のジャパンカップG1でも世界の強豪と互角の競り合いを魅せて、勝ったピルサドスキーにクビ差の2着、12月の有馬記念G1ではシルクジャスティス、マーベラスサンデーに次いでの3着と大健闘を続けました。
 そして、1997年の年度代表馬に輝いたのです。1971年のトウメイ以来、史上2頭目の牝馬の年度代表馬でした。

 エアグルーブは5歳となった1998年も走り続け、4月の産経大阪杯G2(現在の大阪杯G1)を勝った後、7月の宝塚記念G1はサイレンススズカの3着、続いて8月の札幌記念を勝利したのです。58㎏を背負いながらも3馬身差の圧勝でした。

 この後の、11月のジャパンカップが圧巻でした。エルコンドルパサーには敗れたものの、日本ダービー馬スペシャルウィークを抑えての2年連続の2着。「女傑」の力を如何無く発揮したのです。
 私は、スペシャルウィークやチーフベアハート、シルクジャスティス、ステイゴールドらに先着した、この1998年のジャパンカップが、エアグルーブのベストレースではないかと感じています。

 この年の有馬記念を最後に、エアグルーブは現役を引退しました。

 エアグルーブ号、父トニービン、母ダイナカール、母の父ノーザンテースト。おそらくこの頃の我が国最高の血統であろうと思います。通算成績19戦9勝、主な勝ち鞍、オークス、天皇賞(秋)。
 470㎏を超える堂々たる体躯で、強豪牡馬達と互角以上の戦いを繰り広げました。

 生まれ故郷・北海道(社台ファーム早来=現在のノーザンファーム)の夏、札幌記念競走でエアグルーブは、とても気持ち良く走ったのでしょう。
 第100回大会も2回戦を終えました。
 熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられています。

 1イニング8得点というゲームがありました。
 7点のリードも、1イニングで逆転されるのかと思うと、セイフティリードは何点なのだろうかと感じます。

 そうして観ると、今大会は所謂ビッグイニングが多いのかもしれません。

 今大会ここまで=8月15日終了時点=2回戦終了時点の「1イニング5得点以上」を挙げてみます。「5得点」としたのは、満塁ホームランを超えるという物差しです。

① 8月6日 山梨学院VS高知商 5回表山梨学院8得点
② 8月10日 木更津総合VS敦賀気比 6回表木更津総合6得点
③ 8月10日 日大三VS折尾愛真 1回裏日大三7得点
④ 8月12日 星稜VS済美 1回表星稜5得点、8回裏済美8得点
⑤ 8月12日 高知商VS慶応義塾 2回表高知商7得点
⑥ 8月14日 横浜VS花咲徳栄 4回表横浜6得点

 以上の6試合7ケースがありました。
 1ゲームに2度あるのもびっくりします。
これが例年の大会より多いのか少ないのかは調べてはいないのですけれども、十分な数の「集中攻撃・集中打」が生まれていることは間違いないでしょう。

 そして、①や④では1イニング5得点以上のビッグイニングを創出しても、残念ながら敗れているチームが有るのですから、これも驚きです。
 「流れが大きく変わる」試合があるということになります。

 多くの場合には、連打に四死球とエラーが重なっての大量失点なのですが、一度傾いた流れを引き戻すのが、とても難しくなっているということかもしれません。
 堅守を誇っていたチームに、突然エラーが生まれるのも不思議です。

 プレーヤーの精神面が主な要因なのかもしれませんが、「ピンチになると動揺する」というプレーヤーが増えてきているとすれば、その原因は「強いチームを創ろう」とする指導者の皆さんとしては、把握して行かなければならないのでしょう。
 もちろん、とても難しいことなのでしょうけれども。

 野球に限らず、劣勢になった時の「強さ」は、全ての競技において求められているのです。
 「第100回記念大会」に関連して、様々な催し物が行われていますが、8月5日にテレビ朝日系列で放送された「ファン10万人がガチで投票!高校野球総選挙!」も面白い企画でした。

 投票結果も、相当味わい深いものであったと思います。

 ベスト10までを記載します。(敬称略)

・1位 松井秀喜
・2位 松坂大輔
・3位 江川卓
・4位 清原和博
・5位 田中将大
・6位 大谷翔平
・7位 王貞治
・8位 桑田真澄
・9位 清宮幸太郎
・10位 ダルビッシュ有

 番組における各タレントというか野球専門家の「1位予想」は、野村克也氏が「田中将大」、太田幸司氏が「江川卓」、定岡正二氏が「太田幸司」でした。
 これらの皆さんの予想とも、相当に違う結果となっていたのです。

 夏の甲子園大会における成績とも、無関係と言って良いほどの、ある意味では「意外」な結果でした。

① 高校野球ファンは「怪物」が好き?

 上位を占めたプレーヤーは、いずれも「怪物感あふれる選手」達です。
 元祖(投票した人達にとっての元祖)怪物・江川卓、平成の怪物・松坂大輔はもちろんとして、松井秀喜、清原和博もまさに「怪物」でした。

② 「怪物」の度合いを決めたものは・・・。

 その「怪物感あふれる選手」達の中で、その順位を決めたのは、「ファンが受けた印象の強さ」であったように感じます。

 「5連続敬遠」は、想像以上のインパクトを日本中に及ぼしたのでしょう。あの星稜VS明徳義塾のゲームで、明徳のキャッチャーは松井選手の打席で1度も立たなかったと記憶していますので、厳密には「敬遠」ではないのかもしれませんが、ファンには「松井は1度も勝負してもらえなかった」という印象が残り、それが世代を超えて「ゴジラの迫力」として深く心に刻まれたものと(勝手に)考えております。

 3位の江川投手も、「あの投球」、ボールがホップする凄まじい投球の迫力が、とても強かったのであろうと思います。信じられないようなパフォーマンスだったのでしょう。

 そして、2位の松坂投手は「甲子園で無敗」という実績や、決勝でのノーヒットノーランという「ミラクル」な活躍がありました。

 4位の清原選手も、「驚異的な飛距離とホームラン数」がファンの心を捕えたものと思います。何時ホームランが飛び出すのだろうという期待と、それに応えるプレーの現出の繰り返しは、深く心に刻まれたのです。

 優勝・準優勝は、もちろんファンにとって大きな思い出となりますが、「観たことが無いレベルのプレー」が持つインパクトは、それを超えるものなのかもしれません。
 今シーズンのメジャートーナメント最終戦、第100回全米プロゴルフ選手権は、8月9日~12日、アメリカ合衆国ミズーリ州のベルリーフ・カントリークラブを舞台に開催され、アメリカのブルックス・ケプカ選手(28歳)が、4日間通算264打・16アンダーパーのスコアで優勝を飾りました。

 ケプカ選手は、この勝利で、PGAツアー通算4勝目となりましたが、4勝の内3勝がメジャートーナメント(2017年・2018年の全米オープン連覇、2018年全米プロ優勝)という、「メジャートーナメントにとても強いプレーヤー」としての存在感を誇示する結果となりました。

 2014年にPGAツアーデビューを果たしたケプカ選手ですが、2015年のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン大会でPGAツアー初優勝を飾ると、その後はメジャーを3勝というのですから、驚かされます。
 勝つならメジャー大会といった感じでしょうか。

 日本ツアーでも、2016年・17年のダンロップ・フェニックス大会を連覇しています。
 ダンロップ・フェニックス・トーナメントは、長い間我が国の最高賞金大会として知られてきた大会です。ケプカ選手は「大きな大会に強い」プレーヤーとして、我が国でも良く知られる存在なのです。

 2014年にPGAツアーにデビューした頃は、とにかく「飛ばし屋」として鳴らしました。
 PGAツアーの「飛ばし屋」といえば、ダスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手の名前が上がりますが、デビューした頃のケプカ選手は、こうした選手達と互角以上の飛距離を誇りました。
 身長185cmの「筋骨隆々たる体躯」から、驚異的なショットを放っていたのです。

 その飛距離が少し落ちてきた感じがした2017年から、メジャートーナメントに勝ち始めたのですから、これは明らかに「飛距離を抑えている」と判断すべきなのでしょう。

 今回の全米プロでも、最終日一緒にラウンドしていたアダム・スコット選手と、飛距離では互角、時にはスコット選手の方が飛んでいました。
 もちろん、オーストラリアのスコット選手も飛ばし屋ですが、2015年頃のケプカ選手を思い出すと、意外な感じもしました。
 一方で、スコアはとても安定していました。この大会も、初日から69打、63打、66打、66打と、4日間60台のスコアを並べて、危なげなく勝利しているのです。
 この安定感に、2日目63打という爆発力も兼ね備えているのですから、強い訳です。

 おそらく、ケプカ選手は「ドライバーショットをコントロール」しているのでしょう。そして、300ヤード+αに飛距離を抑えているのです。
 方向性の正確さを向上させて、「メジャーに勝てるゴルフ」を身に付けたのではないでしょうか。

 28歳にして3つ目のメジャータイトルホルダーとなったケプカ選手の活躍は、これからも続いて行くのでしょうし、PGAツアーを代表する=世界のゴルフ界を代表するプレーヤーに成長する可能性も十分に有ると感じます。
[8月12日・大会8日目・2回戦]
済美13-11星稜(延長13回・タイブレーク)

 大会史上2試合目のタイブレークゲームは、済美高校チーム・矢野選手の「逆転満塁サヨナラホームラン」という、球史に輝く形で決着しました。

 延長13回表、星稜高校チームは2点を挙げて、再びリードしました。
 7-1から7-9と逆転され、9回表に2点を返して9-9の同点となり、延長戦に入った試合でしたから、この2点のリードは大きいという感じがしました。

 ところが済美チームは、政吉選手の「絶妙な3塁前へのバントヒット」を決めて、満塁と攻め立てます。
 少し話は戻りますが、このバントは本当に見事でした。あの局面で、これだけ精緻なプレーを披露するのは、素晴らしいの一言でしょう。

 そして、矢野選手のライトポール直撃の本塁打が飛び出したのです。
 テレビ画面で、矢野選手が「ファウルか」と観たのでしょうか、打席に戻りかけたところで、ポールに打球が当たりました。
 矢野選手が「事態を把握するのに少し時間がかかった」ように観えました。
 滅多に起こることでは無いというか、大会史上僅か2度目の「サヨナラ逆転満塁ホームラン」だったのですから。

 星稜の寺沢投手も良く投げました。
 延長12回の裏、一死満塁のピンチを2者連続三振、それも2打者とも「カウント3-2からの真ん中低め一杯のストレート」で見逃し三振に切って取ったのです。
 気迫あふれる投球でした。

 「どちらが勝ってもおかしくないゲーム」は済美チームの勝利という結果となりました。
 タイブレーク制度下での劇的な試合ですから、このゲームは球史に刻まれる好ゲームとなりました。

 それにしても、星稜チームは、第61回大会の箕島高校チームとの死闘もそうでしたが、「球史に残る延長戦における敗者」という、残念な役回りが続いているようにも感じられます。

 甲子園大会で、次こそは「星稜高校チームが笑顔でゲームセットの延長戦」を観てみたいものだと思います。
 さて、ビックデータが必要量確保できた、あるいは確保できる目途が立ったところで、次にポイントとなるのは、プログラムの巧拙です。

 良いプログラムの作成は難事でしょう。

 まさに、その目的に適合した判定、判断、結論が導き出されるかどうかは、プログラムの巧拙にかかっているのです。

 「AIによる分析」というフレーズが、いろいろなところで使われる時代となっていますが、当然のことながら、「AIによる分析」=正確あるいは精度が高い、ということが必ずしも担保されるものではありません。
 間違ったプログラム、ピント外れのプログラム、であれば不正確どころか間違っているケースも有ることでしょう。

 それは、これまで「同じデータを使っても、使う人によって、全く結論が異なっていた」、人間による分析と、何ら変わるところはありません。

 銀行ATMやスマートフォンなどで行われている「顔認証」といった、単純なAI判定(ひょっとするとAIとは呼べないレベルかもしれませんが)であれば、考え方の違い、アプローチ方法の違い、が存在したとしても、大過無く対応出来そうですが、これが空港における多数の入国者の顔認証となれば、一気に難度が増すのでしょう。

 移動しつづける多数の顔を同時に把握し、個々の顔毎に光量の異なる映像を下に、髪の長短、服装の違い、眼鏡の有無、等々の様々な変数を考慮して、例えば「国際指名手配犯」を短時間で見つけ出す作業というのは、人間の眼ではとても難しいことで、まさにAIの得意領域なのでしょうが、こうした作業となると、プログラムの巧拙が大きな影響を与えそうです。
 作業のスピードも求められますから、いくら精緻なプログラムでも点検ポイントが多数に及び過ぎて、時間がかかり過ぎるようであれば、「犯人」は歩いてゲートを出てしまいます。
 つまり、シンプルで効果的なプログラムが必要ということになります。この「シンプル」の実現が難しいのであろうと思います。

 スポーツにおけるAI活用においては、この「シンプル」実現がより大切な要素となるのでしょう。
 全国・全世界の大会や学校において、その調査や分析に使用するとなれば、大掛かりな仕組みは負担となります。小さくて効果的な仕組みが求められるのです。

 「目的を実現するための小さなプログラム」開発こそが、求められるのであろうと考えます。

 ここからは、世界中の開発者の腕の見せ所でしょう。

 さらに、「プログラム開発を行うAI」の登場も、そう遠いことでは無いのかもしれません。

 本ブログでは、これまで「AIとスポーツ」をテーマに、12の記事を呈示してきました。
 また書くこともあると思いますが、今シリーズは「12」で一度終了にしたいと思います。
 
 ご愛読いただき、ありがとうございます。
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カエサルjr

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