ラグビーワールドカップ・イングランド大会は、10月18日までに準々決勝が行われ、ベスト4が決まりました。
・南アフリカ23-19ウェールズ
大接戦でした。
前半は13-12とウェールズが1点のリードで折り返しました。
後半も一進一退の展開が続き、ウェールズチームが19-18とリードして迎えた後半35分に、南アフリカのデュプレア選手がトライを決めて逆転、そのまま押し切りました。
ウェールズとしては、グループリーグGLのA組で故障者が続出し、ベストメンバーを組めない状態にも拘らず、ハイパント攻撃やダン・ビガー選手のドロップゴールなど、伝統国の力を如何なく発揮したゲームであったと感じます。
南アとしては、全体にやや小粒で「攻め込まれると受け身に回ることが多い」という今大会のチームの弱点が、このゲームでも露見した形ですが、最後は勝利をものにするという「伝統の勝負強さ」は健在でした。
・ニュージーランド62-13フランス
オールブラックスの圧勝でした。
フランスチームは、前半こそ1トライを挙げて13-29と追い縋りましたが、後半10分にニュージーランドチームにトライを許すと、その後は守勢に回り、ゲーム残り20分からは一方的なゲームとなってしまいました。言葉は悪いのですが「切れてしまった」状態でしょうか。
ニュージーランドは、計9トライを挙げて大差の勝利を収めました。
ワールドカップにおける対フランス戦では、苦戦が多かった印象ですから、意外な大勝とも言えそうです。
サヴェア選手を始めとする、個々のプレーヤーの圧倒的な能力の髙さが如何なく発揮されたゲームでした。
・アルゼンチン43-20アイルランド
アルゼンチンチームが、持ち前の攻撃力を発揮して快勝したゲームでした。
勝負は前半13分までに決まったように感じます。この13分間でアルゼンチンチームは17点を挙げて、17-0とリードしたのです。
戦前、「ロースコアゲームに持ち込めれば」アイルランドチームが有利と予想しましたが、それが実現できなかったのです。
大きなリードを許した後、アイルランドは反撃に移り、一時3点差まで追い上げましたが、一度火が付いてしまったアルゼンチンの勢いは止まらず、その後は差が開く形のゲームとなってしまいました。
初のベスト4入りが期待されたアイルランドの戦いは終わりました。
・オーストラリア35-34スコットランド
ワールドカップの歴史に残る大激戦でした。「逆転に次ぐ逆転」とは、こういうゲームを指すのでしょう。
オーストラリアチームが先制しましたが、スコットランドチームが逆転し、前半は16-15とスコットランド1点リードで折り返しました。
後半に入るとオーストラリアチームが猛攻を見せて逆転しました。総合力に勝るワラビーズが優位に立ったかと思われましたが、スコットランドチームが猛然と反撃に転じて再び逆転しました。
残り3分を切って、スコットランドがリードしたままゲームは最終盤。ここでオーストラリアがPGを決めて、再度再度の逆転、試合時間の残りは30秒でした。
スコットランドの健闘が際立ったゲームといえるでしょう。
ベスト4・準決勝の組合せは、以下の通りです。
① 南アフリカVSニュージーランド
② アルゼンチンVSオーストラリア
スプリングボックスとオールブラックスの対決となったゲーム①は、今大会これまでの試合内容を見る限り、オールブラックスの方に分がありそうですが、「やってみなければ分からない」という側面もあります。
抜群の得点力を示しながら、決勝トーナメントに入ると「突然、得点力が落ちるゲーム」をオールブラックスが見せるというのは、いくつもの大会で現出してきたことなのです。
組織的なプレーを得意とするニュージーランドチームですが、試合前半にその組織的な攻撃が抑え込まれた時、後半これを跳ね返すことは、あまり得意ではないようです。
このゲームにしても、前半30分まで南アフリカチームが「伝統の守備力」を発揮して、ニュージーランドの攻撃をノートライ・1~2本のPGに抑え込めるようであれば、大接戦となるでしょう。
南アフリカチームが自らのペースでゲームを展開できれば、残り10分まで縺れる「互角の勝負」となる可能性も有ります。
大接戦を勝ち上がったオーストラリアチームと、持ち味を存分に発揮して準々決勝を快勝したアルゼンチンチームの対戦となったゲーム②ですが、こちらも見所十分です。
ワラビーズは準々決勝で大苦戦しました。
スコットランドの健闘は見事でしたが、オーストラリアの動きにはいつもの「切れ味」が無かったという見方もありそうです。「死の組・A組」の激闘の疲労が、チーム全体に残っていたのかもしれません。
準々決勝を勝ったことで、ワラビーズにいつもの力が戻って来るとすれば、総合力に勝るオーストラリアですから、アルゼンチンを相手にしても分があるでしょう。
一方のアルゼンチンチームは、アイルランド戦で抜群のパフォーマンスを示しました。得意とする「攻撃ラグビー」が炸裂したのです。
欧州トップクラスの実力を保持するアイルランドを撃破したことは、チームに大きな自信を与えたことでしょう。
アルゼンチンとオーストラリアのゲームは、「オーストラリアの疲労の回復度合い」次第という感じがします。
アルゼンチンにとっては、決勝進出に向けて絶好のチャンスが到来したとも言えそうです。
イングランド開催となった今大会で、ワールドカップ史上初めて「ベスト4進出チームが全て南半球のチーム」となったことは、少し皮肉なことですが、ラグビーの聖地たるトゥイッケナム・スタジアムで、南半球の4チームが激突するというのも、「ラグビー競技の長い歴史・世界中への普及」を感じさせる事実です。
北半球の、特に欧州の各チームにとっては、今大会のプレーを十分に分析・研究し、従来のトレンドに囚われない新たなチーム造りを開始する時が来たのでしょう。
・南アフリカ23-19ウェールズ
大接戦でした。
前半は13-12とウェールズが1点のリードで折り返しました。
後半も一進一退の展開が続き、ウェールズチームが19-18とリードして迎えた後半35分に、南アフリカのデュプレア選手がトライを決めて逆転、そのまま押し切りました。
ウェールズとしては、グループリーグGLのA組で故障者が続出し、ベストメンバーを組めない状態にも拘らず、ハイパント攻撃やダン・ビガー選手のドロップゴールなど、伝統国の力を如何なく発揮したゲームであったと感じます。
南アとしては、全体にやや小粒で「攻め込まれると受け身に回ることが多い」という今大会のチームの弱点が、このゲームでも露見した形ですが、最後は勝利をものにするという「伝統の勝負強さ」は健在でした。
・ニュージーランド62-13フランス
オールブラックスの圧勝でした。
フランスチームは、前半こそ1トライを挙げて13-29と追い縋りましたが、後半10分にニュージーランドチームにトライを許すと、その後は守勢に回り、ゲーム残り20分からは一方的なゲームとなってしまいました。言葉は悪いのですが「切れてしまった」状態でしょうか。
ニュージーランドは、計9トライを挙げて大差の勝利を収めました。
ワールドカップにおける対フランス戦では、苦戦が多かった印象ですから、意外な大勝とも言えそうです。
サヴェア選手を始めとする、個々のプレーヤーの圧倒的な能力の髙さが如何なく発揮されたゲームでした。
・アルゼンチン43-20アイルランド
アルゼンチンチームが、持ち前の攻撃力を発揮して快勝したゲームでした。
勝負は前半13分までに決まったように感じます。この13分間でアルゼンチンチームは17点を挙げて、17-0とリードしたのです。
戦前、「ロースコアゲームに持ち込めれば」アイルランドチームが有利と予想しましたが、それが実現できなかったのです。
大きなリードを許した後、アイルランドは反撃に移り、一時3点差まで追い上げましたが、一度火が付いてしまったアルゼンチンの勢いは止まらず、その後は差が開く形のゲームとなってしまいました。
初のベスト4入りが期待されたアイルランドの戦いは終わりました。
・オーストラリア35-34スコットランド
ワールドカップの歴史に残る大激戦でした。「逆転に次ぐ逆転」とは、こういうゲームを指すのでしょう。
オーストラリアチームが先制しましたが、スコットランドチームが逆転し、前半は16-15とスコットランド1点リードで折り返しました。
後半に入るとオーストラリアチームが猛攻を見せて逆転しました。総合力に勝るワラビーズが優位に立ったかと思われましたが、スコットランドチームが猛然と反撃に転じて再び逆転しました。
残り3分を切って、スコットランドがリードしたままゲームは最終盤。ここでオーストラリアがPGを決めて、再度再度の逆転、試合時間の残りは30秒でした。
スコットランドの健闘が際立ったゲームといえるでしょう。
ベスト4・準決勝の組合せは、以下の通りです。
① 南アフリカVSニュージーランド
② アルゼンチンVSオーストラリア
スプリングボックスとオールブラックスの対決となったゲーム①は、今大会これまでの試合内容を見る限り、オールブラックスの方に分がありそうですが、「やってみなければ分からない」という側面もあります。
抜群の得点力を示しながら、決勝トーナメントに入ると「突然、得点力が落ちるゲーム」をオールブラックスが見せるというのは、いくつもの大会で現出してきたことなのです。
組織的なプレーを得意とするニュージーランドチームですが、試合前半にその組織的な攻撃が抑え込まれた時、後半これを跳ね返すことは、あまり得意ではないようです。
このゲームにしても、前半30分まで南アフリカチームが「伝統の守備力」を発揮して、ニュージーランドの攻撃をノートライ・1~2本のPGに抑え込めるようであれば、大接戦となるでしょう。
南アフリカチームが自らのペースでゲームを展開できれば、残り10分まで縺れる「互角の勝負」となる可能性も有ります。
大接戦を勝ち上がったオーストラリアチームと、持ち味を存分に発揮して準々決勝を快勝したアルゼンチンチームの対戦となったゲーム②ですが、こちらも見所十分です。
ワラビーズは準々決勝で大苦戦しました。
スコットランドの健闘は見事でしたが、オーストラリアの動きにはいつもの「切れ味」が無かったという見方もありそうです。「死の組・A組」の激闘の疲労が、チーム全体に残っていたのかもしれません。
準々決勝を勝ったことで、ワラビーズにいつもの力が戻って来るとすれば、総合力に勝るオーストラリアですから、アルゼンチンを相手にしても分があるでしょう。
一方のアルゼンチンチームは、アイルランド戦で抜群のパフォーマンスを示しました。得意とする「攻撃ラグビー」が炸裂したのです。
欧州トップクラスの実力を保持するアイルランドを撃破したことは、チームに大きな自信を与えたことでしょう。
アルゼンチンとオーストラリアのゲームは、「オーストラリアの疲労の回復度合い」次第という感じがします。
アルゼンチンにとっては、決勝進出に向けて絶好のチャンスが到来したとも言えそうです。
イングランド開催となった今大会で、ワールドカップ史上初めて「ベスト4進出チームが全て南半球のチーム」となったことは、少し皮肉なことですが、ラグビーの聖地たるトゥイッケナム・スタジアムで、南半球の4チームが激突するというのも、「ラグビー競技の長い歴史・世界中への普及」を感じさせる事実です。
北半球の、特に欧州の各チームにとっては、今大会のプレーを十分に分析・研究し、従来のトレンドに囚われない新たなチーム造りを開始する時が来たのでしょう。
スポンサーサイト