5月12日のNHKの番組で、元NFL(アメリカンフットボール)プレーヤーの78%、元NBA(バスケットボール)プレーヤーの68%が、現役引退後自己破産に追い込まれているという報道がありました。アメリカの調査機関の発表だそうですが、ショッキングな内容です。調査対象の範囲などが明確ではありませんでしたが、概ね間違いのない調査結果であろうと思います。
昔から、時折「あのトッププレーヤーが」といった形で報道されていましたから、相当の比率で自己破産が生じているのではないかと思っていましたが、これほどの高率とは予想もしませんでした。78%といえば、統計学的には「全員」といってもよい数字です。
番組には、具体的な例として元ボルチモア・レイブンズの中心選手が出ていました。彼は、2001年から10年間に渡って、レイブンズの中心選手として活躍し2010年を最後に引退したのです。そして、遊園地ビジネスに15億円、その他2つの事業に7億円と5億円の計27億円を投資し、全て失敗、自宅も押収されて、弁護士の事務所でインタビューに応じていました。現在は、トラックのセールスに従事しているとのことです。
現役引退後僅か2~3年で自己破産。まだ30歳代半ばの元スタープレーヤーです。
番組では、若い頃から当該スポーツ一筋に打ち込んできたために、こうした投資についての知識が不足していることを指摘していました。
私は、こうした事態が生ずる原因は、以下のようなものではないかと考えます。
① プレーヤーを勘違いさせてしまう環境
アメリカにおいて、アメリカンフットボールやバスケットボールの才能あふれるプレーヤーは、高校生の時から「蝶よ花よ」と育てられてしまいます。高校も大学も、その花形プレーヤーにより高収益を上げることができるからです。
アメリカの大学フットボールの名門チームは、練習試合でも数万人の観客を集めることができます。もし、全米から注目されるスタープレーヤーがチームに所属していれば、一層多くの観客を集めることができますし、テレビ放送も行われますから、大学に取っては大変な収入源となるのです。従って、スタープレーヤーに対しては、大学も、マスコミも、そのプレーヤーを取り巻く全ての関係者が「褒め捲り」「持ち上げる」のです。
そしてNFLやNBAのドラフトで上位指名を受ければ、当該プレーヤーは大きな契約金を手にすることができます。10億円以上のビッグマネーも、珍しいことではありません。
続いて、NFL・NBAのレギュラー選手となれば、当該プレーヤーは巨額の年俸を毎年手にします。
こうした一連の流れの中で、スタープレーヤーは常に周りから「蝶よ花よ」と褒められ続けますから、プレーヤー本人が「自分は特別な人間だ」と考えるようになるのも、無理のないことの様に思います。加えて、自分に良くしてくれる周りの人間を疑うことなど、全く無くなってしまうのでしょう。
最終的には、プレーヤー達は「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまうようになるのではないでしょうか。
この考え方は、現役引退後のビッグマネーを手にした元スタープレーヤー達にとっては、不都合な考え方なのです。有象無象が、近づいてきます。
② ビッグマネーに群がる取り巻きの人達
数十億円、数百億円といったビッグマネーを持った元スタープレーヤーには、様々な投資話が舞い込んできます。
現役時代にも、多くの人達が取り巻いていたスタープレーヤーです。中には、そのプレーヤーに惚れ込んで応援していた人達も居たと思いますが、一方で大金持ちにたかっていた人達も居たことでしょう。ところが引退後ともなれば、前者は減少し、大半の取り巻きは後者となります。元スタープレーヤーからお金を毟り取ろうとする輩ばかりが、周囲をウロツクことになるのでしょう。
現役時代は、その人気と実力から持ち上げられ続け、騙されたことなどなく「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまっている元スタープレーヤーですから、そうした輩の話に簡単に乗ってしまいます。そして、あちらで騙され、こちらで騙されしながら、あっという間に自己破産に追い込まれるのでしょう。
こうした事象の責任は、最終的には元スタープレーヤー本人にあることは間違いありません。子供ではないのですから、自らのお金は自らの判断で使っていくのです。自己責任です。
とはいえ一方で、NFLやNBAという世界最高水準のプロスポーツを通じて、現役時代には観客に夢や勇気を提供し続けたプレーヤー達の大半が自己破産していくという社会は、異常だとも言えると思います。
本稿の趣旨とは少し違いますが、引退後、妻を自宅で殺害した容疑で起訴され、長い裁判の結果無罪を勝ち取ったものの、その膨大な弁護士費用支払いのために経済的破綻に追い込まれてしまった、元NFLを代表するランニングバックRBであったOJシンプソン氏の例も、「自分のすることは何でも通る」という考え方が、ベースにあったようにも感じられますから、根本には共通したものがあるように思います。
また我が国でも、元プロ野球選手などが不動産投資に失敗したり、怪しげな投資話に乗って大損してしまったというような話が、時々報じられます。
元プロスポーツ選手の資産をキチンと運用する「公的な信託制度」の設立と、「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまっている元プレーヤー達のメンタル面でのカウンセリング体制の構築が、必要なのかもしれません。
昔から、時折「あのトッププレーヤーが」といった形で報道されていましたから、相当の比率で自己破産が生じているのではないかと思っていましたが、これほどの高率とは予想もしませんでした。78%といえば、統計学的には「全員」といってもよい数字です。
番組には、具体的な例として元ボルチモア・レイブンズの中心選手が出ていました。彼は、2001年から10年間に渡って、レイブンズの中心選手として活躍し2010年を最後に引退したのです。そして、遊園地ビジネスに15億円、その他2つの事業に7億円と5億円の計27億円を投資し、全て失敗、自宅も押収されて、弁護士の事務所でインタビューに応じていました。現在は、トラックのセールスに従事しているとのことです。
現役引退後僅か2~3年で自己破産。まだ30歳代半ばの元スタープレーヤーです。
番組では、若い頃から当該スポーツ一筋に打ち込んできたために、こうした投資についての知識が不足していることを指摘していました。
私は、こうした事態が生ずる原因は、以下のようなものではないかと考えます。
① プレーヤーを勘違いさせてしまう環境
アメリカにおいて、アメリカンフットボールやバスケットボールの才能あふれるプレーヤーは、高校生の時から「蝶よ花よ」と育てられてしまいます。高校も大学も、その花形プレーヤーにより高収益を上げることができるからです。
アメリカの大学フットボールの名門チームは、練習試合でも数万人の観客を集めることができます。もし、全米から注目されるスタープレーヤーがチームに所属していれば、一層多くの観客を集めることができますし、テレビ放送も行われますから、大学に取っては大変な収入源となるのです。従って、スタープレーヤーに対しては、大学も、マスコミも、そのプレーヤーを取り巻く全ての関係者が「褒め捲り」「持ち上げる」のです。
そしてNFLやNBAのドラフトで上位指名を受ければ、当該プレーヤーは大きな契約金を手にすることができます。10億円以上のビッグマネーも、珍しいことではありません。
続いて、NFL・NBAのレギュラー選手となれば、当該プレーヤーは巨額の年俸を毎年手にします。
こうした一連の流れの中で、スタープレーヤーは常に周りから「蝶よ花よ」と褒められ続けますから、プレーヤー本人が「自分は特別な人間だ」と考えるようになるのも、無理のないことの様に思います。加えて、自分に良くしてくれる周りの人間を疑うことなど、全く無くなってしまうのでしょう。
最終的には、プレーヤー達は「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまうようになるのではないでしょうか。
この考え方は、現役引退後のビッグマネーを手にした元スタープレーヤー達にとっては、不都合な考え方なのです。有象無象が、近づいてきます。
② ビッグマネーに群がる取り巻きの人達
数十億円、数百億円といったビッグマネーを持った元スタープレーヤーには、様々な投資話が舞い込んできます。
現役時代にも、多くの人達が取り巻いていたスタープレーヤーです。中には、そのプレーヤーに惚れ込んで応援していた人達も居たと思いますが、一方で大金持ちにたかっていた人達も居たことでしょう。ところが引退後ともなれば、前者は減少し、大半の取り巻きは後者となります。元スタープレーヤーからお金を毟り取ろうとする輩ばかりが、周囲をウロツクことになるのでしょう。
現役時代は、その人気と実力から持ち上げられ続け、騙されたことなどなく「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまっている元スタープレーヤーですから、そうした輩の話に簡単に乗ってしまいます。そして、あちらで騙され、こちらで騙されしながら、あっという間に自己破産に追い込まれるのでしょう。
こうした事象の責任は、最終的には元スタープレーヤー本人にあることは間違いありません。子供ではないのですから、自らのお金は自らの判断で使っていくのです。自己責任です。
とはいえ一方で、NFLやNBAという世界最高水準のプロスポーツを通じて、現役時代には観客に夢や勇気を提供し続けたプレーヤー達の大半が自己破産していくという社会は、異常だとも言えると思います。
本稿の趣旨とは少し違いますが、引退後、妻を自宅で殺害した容疑で起訴され、長い裁判の結果無罪を勝ち取ったものの、その膨大な弁護士費用支払いのために経済的破綻に追い込まれてしまった、元NFLを代表するランニングバックRBであったOJシンプソン氏の例も、「自分のすることは何でも通る」という考え方が、ベースにあったようにも感じられますから、根本には共通したものがあるように思います。
また我が国でも、元プロ野球選手などが不動産投資に失敗したり、怪しげな投資話に乗って大損してしまったというような話が、時々報じられます。
元プロスポーツ選手の資産をキチンと運用する「公的な信託制度」の設立と、「自分のやることは全て上手く行く」と勘違いしてしまっている元プレーヤー達のメンタル面でのカウンセリング体制の構築が、必要なのかもしれません。
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