大会4日目第3試合・智弁和歌山高校と明徳義塾高校の対戦は、期待に違わぬ大接戦となり、延長15回の末3-2で明徳義塾がサヨナラ勝ちしました。
1回戦屈指の好カード、両チームとも甲子園大会の常連・強豪校であり、今年のチームも共に優勝を狙える実力を有していましたから、いわば横綱同士の対決といった面持でしたが、その予想をも超えるゲームでした。
智弁和歌山が2回に先制し、5回に明徳義塾が追い付いて1-1となってからは、両チームの先発投手がキッチリとした投球を見せ、守備も極めて安定していましたから、高いレベルの締まった試合となったのです。
智弁・高嶋、明徳・馬淵の両監督も、その持ち味を十分に発揮しました。両監督がテレビ画面に登場する度に、このゲームが強豪校同士の対戦であることを印象付けました。この2人の監督は、既に「甲子園大会の風景」でした。
引き分け・延長再試合となる延長15回の裏に決着したゲームですから、両チームの全選手・ベンチスタッフが死力を尽くした戦いでしたので、全員がヒーローですが、敢えて明徳義塾の勝因を検討してみたいと思います。
① 先発・岸投手の好投
名にし負う強打の智弁和歌山打線を2点に抑え切った岸投手の好投が第一の勝因でしょう。15イニング・188球を投げ切りました。
智弁打線は12安打を浴びせましたが、岸投手は決定打を許しませんでした。特に、ゲームの前半は智弁和歌山が5.5対4.5で押し気味でしたので、再三ピンチが訪れましたが、極めて冷静な投球が続きました。
その球威・コントロールの良さはもちろんとして、何よりその「安定した心持」が見事であったと感じます。
② 12回裏の森選手のヒット
前述の通り、延長11回までは智弁和歌山が押し気味にゲームを進めていました。12回の表、3番の山本選手のホームランが飛び出し、2-1とリードしたのです。これで智弁和歌山が相当有利になったと感じました。智弁の先発斎藤投手の投球が冴えわたっていたからです。
そして12回の裏を迎えます。ここで先頭の森選手が痛烈なヒットを放ちました。初球か2球目だったと思います。
この「思い切り」が素晴らしいと思います。やや押され気味の状況下、じっくりとボールを待つというプレーになりがちですが、森選手は好球必打を実践したのです。
私は、森選手のこの一打が、明徳義塾勝利の最大の要因であったと考えます。
ゲームの流れを引き戻した、驚くべき一打でした。
一方智弁和歌山としては、2-1で押し切りたかったところでしょう。
③ 12回裏のスクイズ
前述の森選手のヒットを足掛かりとして、1死1・3塁とチャンスを広げた明徳義塾は、1番・尾崎選手がスクイズを決めて2-2の同点としました。
このスクイズはさすがでした。
ボールが転がったのを確認してから走るセイフティ・スクイズでは無く、文字通りのスクイズ。3塁ランナーの森選手も好スタートを切りました。
このプレーは、ベンチとしてもとても勇気ある作戦だったと思います。好守の智弁和歌山を相手に出したサインなのです。もし小フライでも上がればダブルプレーとなりゲームセットになるプレー。
実際、バントは斎藤投手のほぼ正面に比較的強い打球で転がりましたから、セイフティ・スクイズでは本塁憤死の可能性が高かったと思いますが、森選手は猛然と本塁に突進していましたから、斎藤投手もキャッチャーへのトスを諦めたのです。
馬淵監督会心のプレーでしたし、明徳義塾に球運が微笑んだというところでしょうか。
このプレーを境として、今度は5.5対4.5で明徳義塾が押し気味のゲームとなりました。後攻めの利が活きてきたのです。
このスクイズプレーが決まった後、智弁和歌山・高嶋監督が大写しになりました。少し微笑んでいたようにも観えました。「やりおるわい」と呟いているようでした。
センバツの歴史に残る好ゲームは、両チームの全選手・ベンチスタッフの努力の結晶でした。心から拍手を送ります。
1回戦屈指の好カード、両チームとも甲子園大会の常連・強豪校であり、今年のチームも共に優勝を狙える実力を有していましたから、いわば横綱同士の対決といった面持でしたが、その予想をも超えるゲームでした。
智弁和歌山が2回に先制し、5回に明徳義塾が追い付いて1-1となってからは、両チームの先発投手がキッチリとした投球を見せ、守備も極めて安定していましたから、高いレベルの締まった試合となったのです。
智弁・高嶋、明徳・馬淵の両監督も、その持ち味を十分に発揮しました。両監督がテレビ画面に登場する度に、このゲームが強豪校同士の対戦であることを印象付けました。この2人の監督は、既に「甲子園大会の風景」でした。
引き分け・延長再試合となる延長15回の裏に決着したゲームですから、両チームの全選手・ベンチスタッフが死力を尽くした戦いでしたので、全員がヒーローですが、敢えて明徳義塾の勝因を検討してみたいと思います。
① 先発・岸投手の好投
名にし負う強打の智弁和歌山打線を2点に抑え切った岸投手の好投が第一の勝因でしょう。15イニング・188球を投げ切りました。
智弁打線は12安打を浴びせましたが、岸投手は決定打を許しませんでした。特に、ゲームの前半は智弁和歌山が5.5対4.5で押し気味でしたので、再三ピンチが訪れましたが、極めて冷静な投球が続きました。
その球威・コントロールの良さはもちろんとして、何よりその「安定した心持」が見事であったと感じます。
② 12回裏の森選手のヒット
前述の通り、延長11回までは智弁和歌山が押し気味にゲームを進めていました。12回の表、3番の山本選手のホームランが飛び出し、2-1とリードしたのです。これで智弁和歌山が相当有利になったと感じました。智弁の先発斎藤投手の投球が冴えわたっていたからです。
そして12回の裏を迎えます。ここで先頭の森選手が痛烈なヒットを放ちました。初球か2球目だったと思います。
この「思い切り」が素晴らしいと思います。やや押され気味の状況下、じっくりとボールを待つというプレーになりがちですが、森選手は好球必打を実践したのです。
私は、森選手のこの一打が、明徳義塾勝利の最大の要因であったと考えます。
ゲームの流れを引き戻した、驚くべき一打でした。
一方智弁和歌山としては、2-1で押し切りたかったところでしょう。
③ 12回裏のスクイズ
前述の森選手のヒットを足掛かりとして、1死1・3塁とチャンスを広げた明徳義塾は、1番・尾崎選手がスクイズを決めて2-2の同点としました。
このスクイズはさすがでした。
ボールが転がったのを確認してから走るセイフティ・スクイズでは無く、文字通りのスクイズ。3塁ランナーの森選手も好スタートを切りました。
このプレーは、ベンチとしてもとても勇気ある作戦だったと思います。好守の智弁和歌山を相手に出したサインなのです。もし小フライでも上がればダブルプレーとなりゲームセットになるプレー。
実際、バントは斎藤投手のほぼ正面に比較的強い打球で転がりましたから、セイフティ・スクイズでは本塁憤死の可能性が高かったと思いますが、森選手は猛然と本塁に突進していましたから、斎藤投手もキャッチャーへのトスを諦めたのです。
馬淵監督会心のプレーでしたし、明徳義塾に球運が微笑んだというところでしょうか。
このプレーを境として、今度は5.5対4.5で明徳義塾が押し気味のゲームとなりました。後攻めの利が活きてきたのです。
このスクイズプレーが決まった後、智弁和歌山・高嶋監督が大写しになりました。少し微笑んでいたようにも観えました。「やりおるわい」と呟いているようでした。
センバツの歴史に残る好ゲームは、両チームの全選手・ベンチスタッフの努力の結晶でした。心から拍手を送ります。
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