fc2ブログ
HOME   »  松井秀喜
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 2013年3月2日、イングランド・プレミアリーグのゲーム、マンチェスター・ユナイテッド対ノリッジのゲームで、日本の香川真司選手がハットトリック(1試合で、1人の選手が3得点すること)を達成しました。マンチェスター・ユナイテッドのホームスタジアム、オールドトラフォードでのゲームでした。

 香川選手は、1989年兵庫県神戸市生まれの23歳、172㎝・63㎏。宮城県・仙台市にサッカー留学し、FCみやぎバルセロナ・チームのジュニアユースに所属してU-15日本代表に選出されるなど、頭角を現しました。
 2006年16歳の時に、Jリーグのセレッソ大阪に入団し、プロサッカープレーヤーとしてのキャリアをスタートしました。
 2007年には、飛び級でU-20ワールドカップの日本代表(ディフェンダーDF登録)に選出され、2008年にはU-19の日本代表とU-23の日本代表に選ばれ、J2リーグでは35試合に出場し16得点10アシストと活躍しました。
 2009年になると、J2の得点王になるなど、チームのJ1昇格に貢献、2010年にはJ1リーグの11試合で7得点の活躍でした。

 そして、2010年の7月にドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムントに移籍、育成補償金約4000万円での完全移籍という、ドルトムントにとっては「お試し」プレーヤーの一人であったと思いますが、その後の大活躍により、ドルトムントのブンデスリーガ制覇に大きく貢献したことは、沢山の報道の通りです。

 2012年6月には、ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントからイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)への完全移籍が発表されました。移籍金は約16億円と報じられました。ボルシア・ドルトムントにとっては、主力選手の移籍であり、チーム戦力上は痛手でしょうが、クラブ経営上は4000万円で購入?した選手が、僅か2年間の在籍期間を経て40倍の16億円で売れた?のですから、大成功の投資であったことも間違いありません。

 一方、香川選手にとっては、欧州4大リーグのブンデスリーガ優勝チームから同じく4大リーグのプレミアリーグのトップクラスのチームに移籍する、それも高額の移籍金で、ということですから、世界一流のプロサッカープレーヤーになったことを証明しました。
 移籍直後の2012年8月、マンUのシーズン開幕戦でプレミアリーグデビューを果たし、活躍が大いに期待されたのです。

 しかし、デビュー2戦目でプレミア初得点を記録するなどスタートは順調でしたが、10月の欧州チャンピオンズ・リーグのゲームで左膝を故障し2か月間の戦線離脱、12月の復帰後も、ファンの期待水準には及ばない成績であったと思います。
 マンUは、サッカー界における世界屈指のビッグクラブですから、香川選手と同じ時期に、世界的なフォワードFWプレーヤーであるオランダのファンペルシ選手を獲得するなど、選手層が厚いので、香川選手がレギュラーの座を確保できるかどうか、正直に言って微妙な立場にあったと思います。

 そうした状況下での、今回のハットトリックでした。

 1点目は、ファンペルシからこぼれて(パスには観えませんでした)目の前にきたボールを右足のアウトサイドで蹴り込んだもの。2点目は、ルーニーからのパスを、相手キーパー・ディフェンダーの動きの逆方向に流し込んだもの。3点目は、同じくルーニーからパスを受け、自らドリブルで相手ゴールに迫り、相手キーパーが出て来るところを、浮き球で押し込んだものでした。

 強烈なミドルシュートといったものは無く、いずれも「上手い」ゴールでしたから何か簡単にゴールしたような印象を与えるものでした。翌日の地元紙には、日本人ジャパニーズをもじって、ジャパン-イーズイ(日本人が簡単にやった)と報道されていたそうです。

 このクレバーな3つのゴールは、地元ファンに強烈な印象を与えたと思います。ある意味では、この2013年3月2日に、香川選手はマンチェスター・ユナイテッドのメンバーになったのだと思います。
 その意味では、2003年4月8日、アメリカMLBのニューヨーク・ヤンキースのホームスタジアムであるヤンキースタジアム・デビュー戦で松井秀喜選手が放ったグランドスラム・満塁ホームランに似ています。松井選手にとっての生涯最高の本塁打のひとつであったこのホームランで、松井選手は名門ヤンキースの一員として認められたのです。

 こうした「強烈なインパクト」を与えるプレーは、二つの点で重要だと思います。ひとつは、ファンに良く憶えてもらえること、もうひとつは、今後多少不調な時期があったとしても、それをある程度カバーできる実績となること、です。

 香川選手は、このハットトリックでマンUの一員となりました。今後も、安定した活躍が期待できると思います。同チームのファーガソン監督も「いいフィニッシャー」と評価しました。

 香川選手について、私が不思議に思っているのは、多くの一流サッカー選手が、少年時代には点取り屋・フォワードFWで、キャリアを重ねる中で、ミッドフィールダーMFになったり、ディフェンダーDFになったり、そのままFWを続けたりする(丁度、ベースボールプレーヤーが、投手で4番打者だったものが、野手・投手に分化していくのに似ています)のですが、香川は、少年時代はDFで登録され、現在はMF登録されているのですが、期待されているのはFWプレーヤー的なフィニッシャーとしての役割である点です。

 普通の一流プレーヤーが、相手ゴール前のポジションから、次第にポジションを下げて来るものなのに、香川選手は、キャリアを重ねるにつれて「ポジションを前に進めていること」です。
 このハットトリックの3点目などは、FCバルセロナのメッシ選手を髣髴とさせるゴールでした。これからの香川選手の一層の進化が期待される所以でしょう。

 香川選手の唯一の懸念は、怪我が多いことです。セレッソ大阪、ボルシア・ドルトムント、そしてマンチェスター・ユナイテッドと、どのチームでも怪我による長期の戦線離脱を経験しています。確かに172㎝・63㎏の体躯では、怪我をし易いとも言えます。
 しかし、怪我に強いのも一流選手の条件ですから、身体を鍛えるとともに、怪我をしにくいプレーも身に付けて行っていただきたいと思います。

 何しろ、マンチェスター・ユナイテッドと日本代表チームにおける、香川選手の好プレーを、しばらくの間は楽しみたいものですから。

スポンサーサイト



プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ内山」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も35年目。同時に20個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031