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HOME   »  錦織圭とシュティフィ・グラフ
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 11月11日のフジテレビの番組・小倉智昭の「とくダネ!」の中で、ATPツアーファイナル2014に進出した8選手への「特別な待遇」が紹介されていました。

 広いホテルと専用の車による移動、ハイクラスな席での飛行機によるロンドン到着等々、通常のツアー大会なら自らの費用負担で転戦するところですし、宿泊・会場入りも当然ながら自分で準備しなければなりません。ファイナル進出者は特別なのです。

 「この雰囲気に呑まれないように頑張る」といった趣旨の、錦織選手のコメントも紹介されていました。

 ATPツアーファイナルが特別な大会であることを示すための、主催者側の演出であることは間違いありません。

 11日時点で、錦織選手の1次グループでの成績は、マリー選手に勝ち、フェデラー選手には敗れて1勝1敗と「想定の範囲内」でしょう。残されたラオニッチ戦に勝利して2勝1敗とすれば、決勝トーナメント進出の可能性は十分です。

 さて一方で、今から20年ほど前に、出張で新大阪駅の新幹線ホームを歩いていると、長身で極めてスリムな女性が、大股で私の前を歩いて行きます。大きな荷物を抱えていながら、とても力強く速い歩行なのです。
 シュティフィ・グラフ選手でした。

 当時、全盛期を迎えていた「世界最強の女子テニスプレーヤー」として、日本の大会に出場するか、したか、であったのでしょう。

 グラフ選手の後ろから、小柄で小太りの女性が懸命に歩いて追いかけます。グラフ選手の母親だと思いました。この頃、グラフ選手は母親とともに転戦していたのです。

 グラフ選手のキリリとした表情、背筋を真っ直ぐに伸ばし、大股でタンタンという感じで歩く姿、鍛え上げられたとても細いシルエット、にオーラが、とても強いオーラが漂っていました。

 それにしても、20年ほど前にはシュティフィ・グラフ程のプレーヤーでも、自分で大きな荷物を持ち、新幹線で移動していたのです。
 当たり前のことと言われるかもしれませんが、仕事としてのツアープレーヤーの大変さが感じられました。

 現在の錦織選手には「チーム錦織」が付いていることは、広く知られています。もちろん、錦織選手が自分のお金で組成しているチームなのですが、世界中どこに行くときも、トレーナー他の3~4人が同行しています。体調管理やスケジューリング等々に活躍しているのでしょう。

 ひとりで転戦しているように見えたグラフ選手と、チームで行動する錦織選手、どちらがどうと言うことではなく、「20年の間にプロテニス界も変わった」という風に考えたいと思います。グラフ選手の時代と、錦織選手の時代とが違うのでしょう。

 この変化が進歩なのかどうかも分かりませんが、「多くの人の生活を支える事業」としてのプロテニスツアーは、関係者による日々の努力無しには何十年もの間存続するのは、容易なことではないのでしょう。
 
 ツアーファイナル進出8プレーヤーへの特別待遇も、チーム錦織の存在も、まさに2014年の世界トップクラスのプロテニス界に観られる事象なのです。
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