[7月12日・エディオンアリーナ大阪]
村田諒太-(2ラウンド2分34秒TKO)-ロブ・ブラント(アメリカ)
2018年10月、アメリカ合衆国ラスベガスでの試合で「よもや」の判定負けを喫した村田選手が、リターンマッチで圧勝しました。
ラスベガスの試合は、村田選手にとっては「世界へのデビュー戦」と呼ぶべきもので、その試合に勝利し、それも圧倒的な勝利を魅せて、世界一のボクシング大国であるアメリカにおけるビッグビジネスのスタートとする目論見だったのでしょう。
ところが、ブラント選手の「手数」、試合開始の頃には「威力不足のパンチ」を打たせ放題打たせるといった戦い振りで余裕を見せていましたが、言わばピストルのようなブラント選手のパンチを受け続けながら、自らの大砲は空振りばかりという試合でスタミナを消耗し、ダメージも次第に蓄積して、12ラウンドを戦い終えた時には勝敗は明らかという「完敗」でした。
顔が腫れあがった村田選手にとっては、信じられないような敗戦だったことでしょうし、ファンにとっても「悪い夢」を見ているような試合でした。
この敗戦のショックは相当大きなもので、「引退」さえ噂される事態となりました。
「再起」に向けての動きもなかなか報じられませんでしたから、本当に「引退」するのではないかと、心配になりました。
ようやくリターンマッチが報じられましたが、今度は「勝てるのか」が心配になりました。
ラスベガスの試合を思い出すと、パンチのスピードでブラント選手が圧倒していましたから、村田選手のパンチが当たるのかが心配だったのです。
この心配は、この試合のゴングが鳴るまで続きました。
この試合の村田選手の第1ラウンドは、本当に秀逸でした。
生涯最高のラウンドでは無かったかと感じます。
第1ラウンド開始早々、ブラント選手が打ってきました。「手数」で勝負するブラント選手のいつもの戦い振りです。
村田選手は、カードだけではなくスウェーバックやダッキングも駆使して、ラスベガスの試合に比べれば、ブラント選手のパンチを交わしていましたが、それでも何発か受けました。
このまま前戦と同じ経過になるのかと観ていましたが、1分を過ぎた頃から村田選手がパンチを出し始めました。
このパンチが強烈。
前戦に比べてスピードが有り、威力も十分でした。
ブラント選手としては「驚いた」であろうと思いますが、打ち合いは望むところでしょうから、パンチを返しました。手数では、やはり村田選手を上回りました。
試合後のインタビューで村田選手は、「(ラスベガスでの試合に比べて)ブラント選手のパンチにも最初から威力が有った。腰の入ったパンチだった」とコメントしていますから、ブラント選手も前戦とは戦い方を変えていたことが分かります。1度防衛に勝利して、自信を付けていたのかもしれません。
結果として、この試合は「第1ラウンドから壮絶な打ち合い」になったのです。
しかし、ボディへのパンチを交えた村田選手の攻撃はブラント選手にとって大きなダメージとなりました。第1ラウンドから、相当効いている様子が、随所に観られたのです。
ブラント選手のガードを5~10cm外した辺りに打ち込まれる村田選手のパンチが次々と当たります。
両手ガードの僅かな隙間を付いて的確に顔面にヒットする右ストレート、こめかみやあごを捉えるフック、そしてボディへの強烈なパンチ、これらがスピード十分な形で繰り出されました。
ボクシングの「ひとつのお手本」のようなラウンドであったと感じます。
そして第2ラウンド。
やはりラウンド開始直後はブラント選手が打って行きました。
村田選手はガードを固めてブラント選手の動きを良く観察し、パンチを繰り出しました。これがしっかりとヒットして、ブラント選手が「逃げ腰」になりました。
第1ラウンドのダメージも相当に残っていたと思います。
フック、フック、ボディというリズムで、上から下に打ち分ける村田選手の攻撃は迫力満点。特にテンプルへのヒットが効きました。
ブラント選手がダウン。
効いていないという表情でファイティングポーズを取りましたが、試合再開になった直後の村田選手のストレートをまともに顔面に受けていましたから、ほとんど村田選手の動きは見えていなかったことは明らかです。
あとはサンドバック状態。
あれだけパンチを受けながら、なかなか倒れなかったことは不思議ですが、レフェリーが試合を止めて、村田選手のTKO勝ちとなりました。
村田選手の「渾身の一戦」であったと感じます。
今思えば、ラスベガスの試合はコンディションが悪かったのでしょう。
体のキレ、スピード共に、この試合とは比べ物にならないものでした。
今回はキッチリと仕上げて来たのでしょう。
これが「村田諒太のボクシング」なのです。
「ミドル級の世界タイトルマッチ」を魅せていただきました。
パンチの迫力、重量感は「さすが」でした。
ラスベガスでブラント選手が勝ち、大阪で村田選手が勝ちました。
第3戦は行われるのでしょうか。
村田諒太-(2ラウンド2分34秒TKO)-ロブ・ブラント(アメリカ)
2018年10月、アメリカ合衆国ラスベガスでの試合で「よもや」の判定負けを喫した村田選手が、リターンマッチで圧勝しました。
ラスベガスの試合は、村田選手にとっては「世界へのデビュー戦」と呼ぶべきもので、その試合に勝利し、それも圧倒的な勝利を魅せて、世界一のボクシング大国であるアメリカにおけるビッグビジネスのスタートとする目論見だったのでしょう。
ところが、ブラント選手の「手数」、試合開始の頃には「威力不足のパンチ」を打たせ放題打たせるといった戦い振りで余裕を見せていましたが、言わばピストルのようなブラント選手のパンチを受け続けながら、自らの大砲は空振りばかりという試合でスタミナを消耗し、ダメージも次第に蓄積して、12ラウンドを戦い終えた時には勝敗は明らかという「完敗」でした。
顔が腫れあがった村田選手にとっては、信じられないような敗戦だったことでしょうし、ファンにとっても「悪い夢」を見ているような試合でした。
この敗戦のショックは相当大きなもので、「引退」さえ噂される事態となりました。
「再起」に向けての動きもなかなか報じられませんでしたから、本当に「引退」するのではないかと、心配になりました。
ようやくリターンマッチが報じられましたが、今度は「勝てるのか」が心配になりました。
ラスベガスの試合を思い出すと、パンチのスピードでブラント選手が圧倒していましたから、村田選手のパンチが当たるのかが心配だったのです。
この心配は、この試合のゴングが鳴るまで続きました。
この試合の村田選手の第1ラウンドは、本当に秀逸でした。
生涯最高のラウンドでは無かったかと感じます。
第1ラウンド開始早々、ブラント選手が打ってきました。「手数」で勝負するブラント選手のいつもの戦い振りです。
村田選手は、カードだけではなくスウェーバックやダッキングも駆使して、ラスベガスの試合に比べれば、ブラント選手のパンチを交わしていましたが、それでも何発か受けました。
このまま前戦と同じ経過になるのかと観ていましたが、1分を過ぎた頃から村田選手がパンチを出し始めました。
このパンチが強烈。
前戦に比べてスピードが有り、威力も十分でした。
ブラント選手としては「驚いた」であろうと思いますが、打ち合いは望むところでしょうから、パンチを返しました。手数では、やはり村田選手を上回りました。
試合後のインタビューで村田選手は、「(ラスベガスでの試合に比べて)ブラント選手のパンチにも最初から威力が有った。腰の入ったパンチだった」とコメントしていますから、ブラント選手も前戦とは戦い方を変えていたことが分かります。1度防衛に勝利して、自信を付けていたのかもしれません。
結果として、この試合は「第1ラウンドから壮絶な打ち合い」になったのです。
しかし、ボディへのパンチを交えた村田選手の攻撃はブラント選手にとって大きなダメージとなりました。第1ラウンドから、相当効いている様子が、随所に観られたのです。
ブラント選手のガードを5~10cm外した辺りに打ち込まれる村田選手のパンチが次々と当たります。
両手ガードの僅かな隙間を付いて的確に顔面にヒットする右ストレート、こめかみやあごを捉えるフック、そしてボディへの強烈なパンチ、これらがスピード十分な形で繰り出されました。
ボクシングの「ひとつのお手本」のようなラウンドであったと感じます。
そして第2ラウンド。
やはりラウンド開始直後はブラント選手が打って行きました。
村田選手はガードを固めてブラント選手の動きを良く観察し、パンチを繰り出しました。これがしっかりとヒットして、ブラント選手が「逃げ腰」になりました。
第1ラウンドのダメージも相当に残っていたと思います。
フック、フック、ボディというリズムで、上から下に打ち分ける村田選手の攻撃は迫力満点。特にテンプルへのヒットが効きました。
ブラント選手がダウン。
効いていないという表情でファイティングポーズを取りましたが、試合再開になった直後の村田選手のストレートをまともに顔面に受けていましたから、ほとんど村田選手の動きは見えていなかったことは明らかです。
あとはサンドバック状態。
あれだけパンチを受けながら、なかなか倒れなかったことは不思議ですが、レフェリーが試合を止めて、村田選手のTKO勝ちとなりました。
村田選手の「渾身の一戦」であったと感じます。
今思えば、ラスベガスの試合はコンディションが悪かったのでしょう。
体のキレ、スピード共に、この試合とは比べ物にならないものでした。
今回はキッチリと仕上げて来たのでしょう。
これが「村田諒太のボクシング」なのです。
「ミドル級の世界タイトルマッチ」を魅せていただきました。
パンチの迫力、重量感は「さすが」でした。
ラスベガスでブラント選手が勝ち、大阪で村田選手が勝ちました。
第3戦は行われるのでしょうか。
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