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 読売ジャイアンツ原辰徳監督の剛腕なのか、2018年シーズンオフは「巨人軍のオフ」と言っても良さそうな状況です。

 今オフにFA宣言をした5名のプレーヤーの内、丸佳浩外野手(元広島カープ)と炭谷銀仁朗捕手(元、西武ライオンズ)の2名を獲得し、返す刀で自由契約となった中島宏之内野手(オリックス・バファローズ)と契約、加えてMLBからもクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(パドレス)を取り、マリナーズを退団した岩隈久志投手も獲得したのです。
 
 12月15日時点で、いわゆる「即戦力」候補の選手だけでも5名という、超大型補強なのです。(9名で行うセ・リーグの野球ですから過半数です)

 もちろん、資金力十分の巨人軍ですから、毎年のように大型補強を行う訳ですが、今オフの補強は、成功する可能性が高いと感じます。

① 一気に5名の補強であること

 過去の補強の例を見れば、他球団で大活躍したスタープレーヤーが巨人に入ると「思ったほどでは無い」あるいは「全く期待外れ」というケースが多いのです。

 これは別に21世紀特有の話では無く、国鉄スワローズの大黒柱として長く活躍を続けた「400勝投手」金田正一投手が、1965年シーズンから巨人でプレーすることとなった訳ですが、1年目の成績は何と11勝6敗・141と2/3イニング登板でした。
 前年1964年(昭和39年・第1回東京オリンピック開催年)が27勝12敗・310イニング登板、その前の年1963年が30勝17敗・337イニング登板であったことと比較すれば、大きな落ち込みに観えました。「あの金田でも、巨人では大活躍はできない」と感じたことを憶えています。

 もちろん、巨人軍の選手層の厚さから、金田投手が国鉄スワローズ時代と同じように「毎日のようにマウンドに登る」訳には行かないことは良く分かりますし、そもそも投球イニング数が半分以下になったのだから、11勝というのは×2の22勝分の勝ちが有る、という説も理解できなくもないのですけれども、やはり「大球団」では金田選手程のビッグネームでも、なかなか思ったようにはプレー出来ないものだと思いました。
 現在よりも、日本プロ野球界における巨人軍の存在が大きかった時代、「巨人・大鵬・たまご焼き」の時代でしたから、尚更だったのでしょう。

 2010年以降でも、鳴り物入りで巨人入りしたプレーヤーが、なかなか活躍できない状況は続いています。少なくとも「巨人入りする前以上に活躍する」選手はほとんど居ないというのが実情でしょう。

 その要因として「ひとり入団」があると考えています。
 大選手でも、「ひとり」だけで巨人に入ると、周りのしがらみの多さ、マスコミの騒ぎの大きさ、チーム内の勢力争い、等々によって、連日同じようにプレーすることが難しいのでしょう。
 ひとりでは、「外様」などと言われて、入団当初から「孤独」な日々を過ごすことも多そうです。

 ところが、今2018年のオフは「5名一緒」です。
 「同期が5人」というのは、心強いことでしょうし、自然と相談相手にもなることでしょう。
 「一流の5プレーヤーを一気に取る」というのは、読売ジャイアンツの補強としても、あまり無かったのではないでしょうか。
 新入団のスター選手たちが、力を発揮しやすい環境であろうと思います。

② プレーヤーのポジションの多様性

 様々なポジションの選手が並んでいます。

 この5名の選手に期待されるのは「チャンピオンフラッグの奪還」であることは間違いありませんから、チーム力を早急に大幅に上げるための補強ということになります。
 投手、捕手、内野手、外野手の各ポジションへの補強は、「チームの姿を大きく変える」、2018年シーズンとの連続性を断つという面からは、とても効果的なやり方に観えます。

 各ポジションへの「新風」は、時を追うごとに「チーム全体への新風」に昇華して行く可能性があるのでしょう。
 もちろん、十分に考え、練られた施策であり、今補強のポイントのひとつだと感じます。

 豊富な資金力を活かしての、読売ジャイアンツの補強が続きます。
 この補強により「チームがどのように変わるか」を見ること自体が、2019年シーズンの大きな楽しみのひとつです。

 実は最大の補強策である「原辰徳・新監督」のもと、5年振りの優勝に向かって、巨人軍の反攻は、既に始まっているのでしょう。
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 過去の日本球界における高年俸選手は、以下の通りと報じられています。(推定金額とも報じられます)

① 佐々木主浩 6億5000万円(2004年、2005年)
② 松井秀喜 6億1000万円(2002年)
③ 阿部慎之助 6億円(2014年)
  黒田博樹 6億円(2016年)

 いずれも、日本プロ野球にその名を刻む名プレーヤーが並んでいます。
 特に、佐々木主浩投手と松井秀喜選手の年俸は、投手と野手の「上限」という意味合いが強いものでしたし、現在でもその位置付けは変わっていないように観えます。

 確かに、21世紀になって、「圧倒的な実力」をNPBで示し、共にMLBに挑戦して、大活躍した両選手は、NPBのトップクラスの選手にとっての大きなメルクマールになっているのは間違いありません。

 一方で、各々の選手を評価する際に、「佐々木と比べて」「松井と比べて」という話になり、契約交渉の際にも「さすがに佐々木以上と言うことは無いだろう」「松井以上と言うことは無いだろう」ということになって、NPBトップクラスの選手にとっての「年俸キャップ」としての機能を果たしてきたのでしょう。
 別の言い方をすれば、もっと稼ぎたいという選手にとっては「壁となる存在」であったとも言えそうです。

 しかしながら、2018年シーズンオフ、FA宣言をした浅村栄斗内野手(27歳、西武ライオンズ)に対して、ソフトバンク・ホークスが4年・28億円前後の大型契約を用意していると報じられたのです。
 年俸に換算すれば7億円です。
 佐々木投手の6億5000万円を大きく超える金額が提示されたことになります。

 加えて、「4年契約」というのが凄いところでしょう。
 前述の佐々木投手や松井選手が、1~2年の年俸金額であったのに対して、浅村選手にソフトバンクが提示しようとしていると報じられている契約は4年なのです。

 この「大型契約」は実現すれば、日本プロ野球の年俸上限、契約体系に、大きな影響を与えるものとなります。(もちろん、他の球団からより魅力的な契約が提示される可能性もあります)

 様々な要因の下で、NPBの年俸はMLBに比して低いのです。
 例えば、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は、年俸21億円・7年契約です。
 単年の金額も、例えばNPB2005年の佐々木投手の3倍ですし、何より「7年」は長い。

 もちろん、各球団の財務状況や、企業としての儲ける力、といった面で、MLBはNPBより遥かに強く大きいことがベースになっているのでしょうから、「NPBは低いから上げるべき」などと簡単に言うことは出来ないことなのでしょう。
 そもそも、NPBの各球団は「企業として黒字なのかどうか」が何時の時代も指摘されてきているのです。
 一般的には「赤字企業が高年俸を払う」というのは、不自然なことです。

 とはいえ、「親会社の広告手段として十分な価値が有り、親会社がとても高収益」ということであれば、球団単体の収支や財務力が弱くとも、高年俸を払い得ることになるのでしょう。

 2018年のシーズンオフになって、NPBのFA選手が「高年俸を目指す姿勢」を明確にしているように観えます。プロ選手としては、当然のことなのかもしれません。
 西勇希投手(27歳、オリックス・バッファローズ)に対しても、ホークスは4年・20億円前後の契約を用意していると報じられていますし、丸佳浩外野手(29歳、広島カープ)にはカープから3年・12億円(含む出来高払い)の契約が提示されたにもかかわらず、丸選手はFAを宣言しています。そして、読売ジャイアンツが6年・25億円前後の契約を用意しているとも報じられているのです。

 NPBトップクラスの選手たちが、こうした大型契約をものにすることとなれば、当然ながら、他の選手達の来シーズン以降の年俸契約交渉にも甚大な影響を与えることになるでしょうし、NPBプレーヤー全体の年俸底上げに結びつく可能性もありそうです。

 MLBでは、「年俸30億円超」のプレーヤーが既に居ますし、今オフシーズンでも新しい「30億円プレーヤー」の誕生が予想されています。

 一方で2018年は、NPBにとって「新しい水準・タイプ」の契約方法が生まれる年になるのかもしれません。

 ソフトバンク・ホークスが4勝1敗で制した、2018年の日本シリーズですが、ホークスの捕手・甲斐拓也選手がシリーズMVPに輝きました。

 文句無しの受賞でしょう。

 このシリーズで、最も「記憶に残るプレー」を魅せたプレーヤーがMVPとなったのです。

 日本シリーズにおいて「捕手」がMVPを受賞するのは、2009年のジャイアンツ・阿部慎之助選手以来とのことですが、阿部選手は「捕手としての守備プレーと共に、チームの中心打者としての打棒」も評価されてのMVPであったと思いますが、甲斐選手は「守備力、特に盗塁を阻止する強肩」が評価されてのことでしょうから、同じ捕手受賞と言っても、異なる内容であることは確かです。

 シリーズを通じて「6度連続でカープの盗塁を阻止」したのです。もちろん、日本シリーズ新記録でした。
 広島カープに一度も盗塁を許さなかったのですから、ホークスの優勝への貢献も極めて大きなものでした。

 また、その「盗塁阻止の様子」が凄い。
 カープの快足を誇る走者が2塁ベースの遥か手前、1~2m位手前の位置に居る時に、ソフトバンクの2塁ベース上の守備選手が「球を持って待ち受けている」シーンが何度も観られました。
 クロスプレーにさえならず「悠々とアウトを取る」絵が、何度も観られたのです。

 本塁から2塁への送球のスピード・強さ・コントロールも見事なものですが、何と言っても「投球を捕球してから、球をグラブから取り出し、2塁に投げる」一連の動きの俊敏性は、素晴らしいものが有ります。
 「目にもとまらぬ素早さ」なのです。

 この「素早さ」を甲斐選手がどのようにして身に付けたのかは分かりませんけれども、この「素早さ」が、野球・ベースボールを通じて世界最高レベルであることは間違いないでしょう。

 甲斐拓也選手の、日本シリーズ2018におけるプレー振りとMVP受賞は、日本プロ野球の「捕手レベルの向上」を明示したものだと感じます。
[11月3日・第6戦・マツダスタジアム]
ソフトバンク・ホークス2-0広島カープ

 2回裏、カープは1死1・3塁という、絶好のチャンスを迎えました。
 打席には7番の野間峻祥(のま たかよし)選手。

 「ここで点が取れなければ、カープには苦しいゲームになる」とテレビの前で呟きました。

 1勝3敗と追い込まれ、絶対に勝たなければならない試合ですから、先制点がとても重要なことは言うまでも有りません。
 相手が強打のホークスですから、出来ることならばヒットで「複数得点」に繋げてほしい状況でした。

 野間選手は粘り強い打席を繰り広げましたが、最後はバンデンハーク投手の外角低めのストレートに空を切り、残念ながら三振に倒れました。

 「このゲームもホークスのものだろう」と感じました。

 野間選手のプレーの良し悪しを書いているのではありません。
 このゲームにおいては、カープは「最初の得点機」を絶対にものにする必要が有ったのです。たまたま、そのシーンで打席に立ったのが野間選手だったということでしょう。

 バンデンハーク投手とジョンソン選手は、本当に素晴らしい投手戦を魅せてくれました。

 ハイレベルな日本シリーズを締めくくるゲームに相応しい内容であったと思います。

 2018年の日本シリーズは4勝1敗で、福岡ソフトバンク・ホークスが勝利しました。

[第1戦・10月27日・マツダスタジアム]
広島2-2ソフトバンク(延長12回引分)

[第2戦・10月28日・マツダスタジアム]
広島5-1ソフトバンク

[第3戦・10月30日・ヤフオクドーム]
ソフトバンク9-8広島

[第4戦・10月31日・ヤフオクドーム]
ソフトバンク4-1広島

[第5戦・11月1日・ヤフオクドーム]
ソフトバンク5-4広島(延長10回サヨナラ勝ち)

 延長12回、4時間30分を超える引分で始まった日本シリーズですが、ホークスが地元ヤフオクドームにおける「不敗伝説」を継続して、第3戦から3連勝とし、王手をかけました。

 とてもハイレベルな内容のゲームが多く、一投一打で試合の流れが変わるという緊張感に溢れたシリーズが続いているのですけれども、両チームによる点の取り合いの中で、最後はホークス打線の力が僅かに勝るという結果が続いています。

 カープ投手陣も持てる力を発揮し、ホークスの各打者の弱点を良く付いているのですが、カープ投手陣に慣れてきた感のあるホークス打線が、ここぞというシーンで快打を飛ばしていて、その「確率」が逆=カープ打線とホークス投手陣の関係、を上回っているというところでしょうか。

 第5戦では、柳田選手がバットを折られながらも決勝ホームランを放っていますが、ここまでの本シリーズを象徴するようなシーンでした。

 ここまでは、ホークス打線>カープ投手陣なのでしょう。

 さて、追い込まれたカープですが、第2戦の1勝の効果から、地元に戻ることが出来ます。この1勝は、とても重いものだったのです。
 まだまだ、ここから十分に反撃する余地があります。

 カープとしては、持ち前の機動力が、ホークス捕手陣の強肩の前に為す術もない状況から脱する必要があるのでしょう。
 盗塁を狙うにしても、ヒットエンドランにトライするにしても、「もうひと工夫」が必要なのです。
 強力なホークス打線を相手にしたチームは、「相応の失点」を覚悟したうえで、それ以上の得点を挙げなければ勝てないという感じがします。

 地元ファンの大声援を背に、広島カープの反攻が期待されます。

[第1戦・10月27日・マツダスタジアム]
広島カープ2-2ソフトバンクホークス
(延長12回・規定により引き分け)

 2018年の日本一チームを決める日本シリーズ第1戦は、両チーム総力を挙げてのゲームとなり、12回を戦い切って引分けました。
 4時間38分の激闘。

 スピード十分な好プレーの応酬、何とも言えない緊張感に溢れた試合は、さすがに「日本プロ野球最高のゲーム」でした。

 初回にカープが2点を先制し、5回ホークスが2点を挙げて追い付きました。
 カープが8投手、ホークスが7投手を繰り出しての攻防は、見応え満点の展開でした。
 両チームの力量が「互角」であることを示した試合とも言えそうです。

 日本シリーズ緒戦の引分けは1986年以来32年振りと報じられています。
 両チーム合わせて「44選手」が登場したのは、史上タイ記録とのことです。

 ある意味では、両チームとも「手の内を披露した」試合でもあったと思います。

 交流戦が有るとはいえ、リーグが異なる両チームにとっては、貴重な情報を入手することが出来た試合であったと思います。
 12回の激闘で得られた「膨大な情報」を、どちらのチームが上手く、第2戦以降に活かして行くのでしょうか。

 その「情報活用力」がシリーズの帰趨を決めることになるかもしれません。
[10月14日・神宮球場]
読売ジャイアンツ4-0ヤクルトスワローズ

 セントラルリーグのクライマックスシリーズCSファーストステージ第2戦、ジャイアンツの菅野智之投手がノーヒットノーランの快投を魅せました。
 CS史上初の快挙です。

 スワローズを相手に6回までパーフェクトピッチング、7回2死から山田哲人選手との息づまるような対戦から四球を出してしまいましたが、後続をピシャリと締めて、ノーヒッターを達成しました。

 9イニング・113球を投げて、奪三振7、与四球1の完璧な投球でした。

① 「凄み」満点の投球

 このゲームの菅野投手は1回から「打たれる感じがしない」投球を披露しました。

 大谷翔平投手の様な165km/hの速球がある訳では無く、大魔神・佐々木主悦投手の様に落差抜群のフォークボールがある訳でもないのですが、「打者が振り切ることが出来ない投球」だったのです。
 もの凄い決め球がある訳ではない中での好投でしたから、一層「凄み」が感じられました。

 「球威十分」、コントロール抜群の投球だったのです。ヤクルト攻撃陣は、文字通りの「きりきり舞い」でした。
 そうした状況下で、唯一の出塁・四球を選んだのが山田哲人選手であったことが、この記録の重みを増していると感じます。今季も30・30を達成した、ヤクルト打線最強の打者にして、四球を選ぶのが精いっぱいだったように観えました。

 「ザ・投球」と称されるべき、菅野投手の9イニングであったと思います。

② 20世紀の大投手達を髣髴とさせるパフォーマンス

 21世紀になってから、還暦を過ぎたお茶の間のお父さん達からは「6回まで投げればよいとか、100球が目途とか、先発投手が情けない限りだ」という声が上がっていました。
 確かに「投手の分業化」は著しく進んでいたのです。

 しかし、そうした風潮の中で「菅野投手は別」だったのです。

 2018年シーズンの菅野投手のプレー振りは、20世紀の先発投手達、それもとびっきりの大投手達に一歩も引けを取らない、というか、それを超えている感さえ有ります。(いずれも2リーグ制導入以降の記録)

 例えば、「シーズン8完封勝利」

 これは、NPB全体でも1978年の鈴木啓示投手以来の記録ですし、ジャイアンツでは1963年の伊藤芳明投手(10完封)以来55年振りの記録となります。斎藤雅樹投手も江川卓投手も達成できていないのです。

 続いては、「2度目の3連続完封勝利」

 この記録を達成しているのは、金田正一投手(1958年・1965年)、米田哲也投手(1964年・1965年)、バッキー投手(1965年・1966年)の3投手のみ。菅野投手は4人目の達成者です。
 半世紀を経ての達成というのも、素晴らしいことでしょう。

 続いては、「3年連続の最優秀防御率」

 過去に達成しているのは稲尾和久投手(1956年~58年)のみ。菅野投手は史上2人目です。

 続いては、「200イニング超を投げ200奪三振」

 ジャイアンツにおいては、1981年の江川卓投手以来の記録です。

 等々、他にも挙げればきりが無いほどの記録が続きます。
 「お父さん達の嘆き」に、十分以上に応える大活躍でしょう。

③ 28登板、202イニング投球、10完投、8完封、15勝8敗、防御率2.14、200奪三振

 菅野投手は2018年のペナントレースでこうした記録を残し、最多勝・最優秀防御率・最多奪三振の「投手部門三冠」を達成しました。

 「沢村賞」の選考基準7項目を全てクリアしています。
 ミラクルなシーズンを送ったのです。

 菅野智之投手が、現在の「日本プロ野球界最高の投手」であることは、間違いないでしょう。
 ボール犬「わさび」(柴犬、メス、14歳)の引退式が10月8日に行われたと報じられました。

 3歳時、始球式のボールをマウンドに運ぶボール犬としてデビューした「わさび」にとって、11シーズンに渡る活躍に終止符が打たれたのです。

 「わさび」のデビュー戦は、2008年独立リーグの信濃グランセローズ戦でした。
 以降、籠に入れたボールを運ぶ愛くるしさが評判となり、NPBの千葉ロッテ、北海道日本ハム、東京ヤクルト等々の試合に登場するようになり、2013年にはオールスター第3戦(福島・いわきグリーンスタジアム)にも登場したのです。
 「わさび」はオールスター戦出場回数1回を誇る名犬?ということになります。

 さすがに14歳ともなると、年齢的な衰えもあり、今般の引退となったのでしょう。

 NPBのボール犬といえば、その草分け的存在である「ミッキー」(ゴールデンレトリバー、オス)が有名です。
 2005年3月、広島カープVS福岡ソフトバンクのオープン戦で、日本プロ野球初のボール犬としてデビューしました。
 8歳の誕生日目前のことでした。

 「ミッキー」は広島カープ所属のボール犬でした。背番号は111、登場曲はフランダースの犬でした。「ミッキー」は「わさび」と違い、始球式用とは限らず、ボールを運ぶことが仕事でした。デビュー戦?も、3回裏終了後、主審が「来い」と合図すると、ボール3個入りの竹籠を加えてホームベース付近に行ったそうです。

 当然のことながら、ボール犬となるには、場内の大歓声や大きな音に驚かないという資質、とても重要な資質が必須な訳で、目的地に間違いなく籠を運ぶ能力と共に、十分なスキルが要求されます。
 「ミッキー」も「わさび」も高いスキルを具備していたのです。

 「ミッキー」も2006年7月にオールスター戦に登場しています。
 「わさび」は「ミッキー」に続いたということになります。

 「ミッキー」は2007年9月、高齢を理由に惜しまれながら引退しました。
そして、今度の「わさび」の引退により、NPBにはボール犬が居なくなったと報じられています。

 MLBでは、いくつかの球団にボール犬が居ると聞いていますし、中にはボールだけでは無くバットも運ぶ「BatDog」も居るそうです。

 最高峰の技術・体力を保持する選手たちが、人生をかけて戦う「真剣勝負」、プロ野球の試合において、「一服の清涼剤」としてボール犬が果たす役割は、とても大きなものだと感じます。
 「ミッキー」はベースボールカードにも登場し、背番号111のレプリカユニフォームも在ったと聞いていますので、「ファンの発掘」にも寄与していたのでしょう。

 「ミッキー」や「わさび」に続く、ボール犬の登場が待たれます。
 10月3日、読売ジャイアンツの高橋由伸監督(43歳)の今季限りの辞任公表に続いて、11日、阪神タイガースの金本知憲監督(50歳)の辞任が報じられました。

 ジャイアンツとタイガースという、セントラルリーグの老舗名門球団の監督が揃ってユニフォームを脱ぐということになったのです。

 2018年ペナントレースの成績を観れば、ジャイアンツは3位、タイガースは最下位と言うことですが、両監督共、「成績不振」を辞任理由に挙げています。

 また、両監督共に「球団からは来季監督を依頼されている中」での辞任と伝えられました。
 俗な言い方をすれば、「クビになった訳では無く、自ら身を引いた」形です。

 両監督のコメントを見ると、「チーム成績が主要因」と言いつつも、「(監督在任中)しんどかった」という印象が色濃く滲んでいます。
 お二方とも、監督としての仕事がとても辛かったということなのでしょう。
 成績の良し悪しもさることながら、この「辛さ」がお二方に大きなダメージを与えたものと感じられます。

 名門球団の監督が大変な重責であることは言うまでも無いことであり、どんな方が取り組んだとしても「楽しい仕事である筈は無い」のでしょうが、お二人とも「重責を楽しむ部分が小さかった」ということなのかもしれません。

 どんなに辛い仕事でも、全体の10分の1位楽しめる部分、喜べる部分が有れば、なんとか耐えていけるものでしょうが、お二方のコメントからは「常に苦しかった」というニュアンスが伝わってきます。
 その心労蓄積は、私達の想像を大きく超えるものだったのでしょう。

 お二方とも、監督としてはまだ若いので再びユニフォームを着るチャンスがありそうですが、取り敢えずは「お疲れ様でした。しばらくはゆっくりお休みください」という言葉をかけて上げるのが良いのかなと、一野球ファンとして思います。
 ペナントレースも終盤となりました。

 セントラルリーグは2018年も広島カープの優勝です。

 これで3連覇となりましたが、その広島カープにあって、2018年シーズンに驚異的な出塁率をマークしているのが丸佳浩選手です。

 9月25日終了時点で.481。5割に近い出塁率です。
 
 打率も.321とセ・リーグの7位に居るのですが、何といっても四球121個が圧倒的です。2番手の山田哲人選手(ヤクルト)の100個を大きく引き離して、断トツなのです。

 丸選手は、もともと四球を良く選ぶプレーヤーです。2014年シーズンには100個、2015年シーズンには94個を選んで、リーグトップでした。
 とはいえ、その2シーズンと比較しても、今季の数字は驚異的です。

 丸選手に何が有ったのか?といったところでしょう。

 一方で、丸選手は本塁打でも38本と筒香嘉智選手(DeNA)と並んでトップを走っています。そして、長打率も.662でトップなのです。

 ホームランを沢山打ち四球も多いとなると、かつての王貞治選手を思い出させます。

 打率、出塁率が高く、ホームランも打てるとなると、チームへの貢献度はとても高いと見るのが自然でしょう。

 広島カープの中心打者としての丸選手の活躍が続きます。
[9月15日・メットライフドーム]
西武ライオンズ11-5ソフトバンクホークス

[9月16日・メットライフドーム]
西武ライオンズ8-5ソフトバンクホークス

[9月17日・メットライフドーム]
西武ライオンズ8-1ソフトバンクホークス

 9月の中旬に3.5ゲーム差で迎えた、首位・2位の直接対決という「天王山の3連戦」は、西武の3連勝という結果となりました。

 2018年のパシフィックリーグ・ペナントレースは、西武ライオンズが走り、一時は独走状態となりましたが、シーズン前本命視されていたソフトバンクが、8月に入って猛追撃を開始しました。
 さすがに、チーム力十分のホークスの反撃でしたから、一気に差が詰まり、9月14日時点で3.5ゲーム差となって、まだまだ大きな差ではあるものの、この直接対決3連戦の結果次第ではペナントの行方は予断を許さないところまで来ていました。

 この3連戦で際立ったのは、「ライオンズの先制攻撃」でしょう。

 初戦は、1回裏に千賀投手から3点を奪い、5回までに7-2とリードして、優位に試合を進めました。

 第2戦は、1回裏・2回裏にそれぞれ4点ずつの計8点を奪い、そのまま押し切りました。

 第3戦は、1回裏栗山選手の満塁ホームランで4点を挙げて、試合を支配したのです。

 各ゲームのヒット数を観れば、第3戦こそ西武11安打・ソフトバンク4安打と西武が上回りましたが、初戦は西武12安打・ソフトバンク11安打と互角、第2戦は西武11安打・ソフトバンク14安打とソフトバンクが上回っています。
 いかに「得点を挙げる時期」が物を言ったかが分かります。
 ライオンズの先制パンチが極めて有効であり、この3連戦でホークスは一度もリードできなかったのです。

 ライオンズとホークスの差は、一気に6.5ゲームに開きました。15試合前後の残り試合数を考え合わせると、ペナントレースの帰趨は決したと見るべきでしょう。

 パ・リーグは、西武、ソフトバンク、日本ハムの3チームによるクライマックスシリーズが確実視されていますから、今後は2位・3位の順位争い=クライマックスシリーズのホームチーム決め、が大切な要因となります。

 そして、日本シリーズ進出に向けた戦いへの、3チームのコンディション作りがポイントとなるのでしょう。

 セントラルリーグのペナントレースは、9月15日のゲームを終えて、3位以下の4チームが「1.5ゲーム差」に犇めく、大混戦となりました。

 順位は以下の通り。

1位 広島 74勝51敗 マジック6
2位 ヤクルト 64勝61敗 10.0ゲーム差
3位 巨人 60勝67敗 15.0差
4位 中日 60勝70敗 16.5差
5位 DeNA 57勝67敗 16.5差
6位 阪神 55勝65敗 16.5差

 残り試合数は、中日11、巨人12、DeNA17、阪神22となっています。

 少し驚かされるのは、巨人が借金7、他の3チームが借金10という、大幅な負け越し下の競り合いとなっているところでしょう。
 例年同様に、交流戦でパシフィックリーグに負け越し、別のリーグに対しても借金を背負っているセ・リーグ各球団ですから、広島の独走を許せば、こうした状況に追い込まれることは、容易に予想できることでしょうが、それにしても大きな借金であり、それにしても「よく揃って」います。

 残り11~22ゲームの戦いでは、「チーム状態」を上げることが出来たチームが勝ち抜くのでしょう。現在2位のヤクルトスワローズも、少し前までは、この大接戦の一員だったのですが、近時は調子を上げてきているのです。

 「チーム状態を上げる」ことを前提とすれば、最も残り試合数が多い阪神タイガースが3位となる可能性が最も高いと言えるかもしれませんし、続いてはDeNAが上がってくる可能性があるのでしょう。

 9月の中旬になっても、最下位のチームにクライマックスシリーズ進出の可能性が大いにあるというのは、珍しいシーズンなのではないでしょうか。
 首位に立つ広島カープの調子がいまひとつであることも、この大混戦に拍車をかけているのです。

 各チームの現状を見ると、3位に来るのはDeNAベイスターズかなと思います。
 横浜DeNAベイスターズのファンの方と話す機会がありました。

 今、ベイスターズファンの盛り上がりは、21世紀に入ってから最高ではないかとのことでした。

 特に、横浜スタジアムのマウンドに、クローザーの山﨑康晃(やまさき やすあき)投手が登場する時の盛り上がりは「凄い」と。

 帝京高校から亜細亜大学に進み、2014年のドラフトで横浜DeNAベイスターズから1位指名を受けて入団し、2015年・ルーキーイヤーからクローザーに定着、2018年シーズンも8月22日現在で25セーブ(セ・リーグ3位)を挙げて、自身の持つ「入団1年目からの連続20セーブ以上の記録を4シーズン連続」に伸ばしています。
 見事な活躍です。

 山﨑投手が2015年に新人王を受賞した素晴らしいプレーヤーであることは知っていましたが、「ファンの盛り上がり」がそれ程の水準に達しているというのは、知りませんでした。
 残念ながら10年間以上、横浜スタジアムのプロ野球観戦には行けていなかったのです。

 愛称は「小さな大魔神」とのこと。

 あの佐々木主浩投手の「大魔神」に形容詞を付けた形です。山﨑選手は身長178cmと、佐々木投手の190cmと比較すれば小さいので、こうした愛称となっているのでしょうが、山﨑投手に対するベイスターズファンの「愛情」が感じられます。

 この話を聞いて、久し振りに横浜スタジアムに行き、「Zomble NationのKemkraft400」に乗って山﨑選手がマウンドに向かう際に、ファンが行う「康晃ジャンプ」を、一度は観てみたいし、恐縮ながら私自身もやってみたいと思います。

 このところ、セントラルリーグと言えば「広島カープファンの盛り上がり」が喧伝されていましたが、横浜ベイスターズも負けず劣らずの雰囲気になっているようです。
 素晴らしいことだと感じます。
[7月20日・マツダスタジアム]
広島10-9巨人

 上原浩治投手が同点の7回に登板し、1イニングを被安打1・無失点に抑えてホールドを達成、日米通算100ホールドとして、トリプル100(日米通算134勝・128セーブ・100ホールド)を達成しました。

 日本人プレーヤーとして史上初のトリプル3達成であり、MLB・NPBを通じても、ニューヨーク・ヤンキースなどで活躍したトム・ゴードン投手に続く2人目の快挙です。

 トリプル100が極めて達成困難な記録であることは明らかでしょう。
 先発投手であればセーブとホールドを積み上げるのは困難ですし、クローザーであれば勝利を積み上げるのは容易なことではありませんし、セットアッパーとなれば勝利投手となるのはクローザー以上に至難の技となります。

 上原投手は、1999年に巨人でデビューしエースとして活躍、2006年に通算100勝を成し遂げました。
 2009年からMLBに舞台を変えた後は主にブルペンで活躍し、クローザーとして大活躍。ボストン・レッドソックス時代の2015年に通算100セーブに到達しました。
 そして2018年、巨人に復帰して通算100ホールドとしたのです。

 先発から入り、クローザーを担当し、セットアッパーに役割を映してきたことで、信じられないような大記録を達成することが出来たということになります。
 達成者が僅かに2名という事実を観ても、「達成困難度」では最上級の記録といって良いでしょう。

 上原投手が、日本プロ野球史上屈指の大投手であることは、これまでも本ブログで書いてきました。
 特にコントロールの良さは、比類無きレベルです。

 例えば、奪三振数を与四球数で割るK/BB(制球力を示す指標)においては、日本プロ野球において1000イニング以上を投げた投手の中では、上原投手が6.68で1位、土橋正行投手が4.61で2位、田中将大投手が4.50で3位となっています。上原投手は1位といっても、圧倒的な1位であり、競り合う相手も居ない比類無きトップなのです。
 当初日本プロ野球に在籍した10年間・1549イニングでの与四球は僅か206個。与四球率は1.20となり、これも圧倒的なトップとなっています。(空前の記録でしょう)

 K/BBについて観れば、MLBにおいても8.96で100イニング以上投げた投手の中で、2014年までの歴代トップです。

 フォーク(スプリット)を主要球種として投げる投手ですから暴投が多くなりそうですが、上原投手はとても少なく、2014年までの、NPB10年間で10個、MLB6年間で4個と、16年間で14個しかありません。驚異的な数値でしょう。1年間で1個も無いのですから、「上原投手の暴投を観ること」は、極めて難しいことになります。(NPB、MLBで上原投手を相当の回数観ている私も、残念?ながらお目にかかったことがありません)

 暴投が極めて少ないという事実は、ワンバウンドが少ないことをも示しているのでしょうが、それ以上に「キャッチャーが構えた所に投げ込めること」を示しているものでしょう。低めが上手く使えなければMLBやNPBにおいて投手を続けて行くことは難しい筈ですから、低めに多投している中で、暴投にならないというのは、キャッチャーが予想しているところに正確に投げ込めていることを如実に示している事実だと考えます。

 MLBボルチモア・オリオールズ時代の捕手マット・ウィータース選手は「構えた所に寸分の狂い無く投げ込んで来るから、受けるのが楽しい投手だった」とコメントしています。MLBにおいても、滅多に居ない「コマンド(狙ったところに投げる能力)が優れた投手」なのです。
 レッドソックス時代のファン・ニエベス投手コーチは「スプリット(フォーク)もただ落とすだけではなく、思い通りのコースに投げることが出来るから、打者も対応できない」とコメントしています。
 複数種類のスプリットをコントロール良く投球できる投手というのは、多くは無いでしょうし、あの驚異的な暴投の少なさに結び付いていることは間違いないでしょう。

 レッドソックス時代の2013年シーズンには、リーグチャンピオンシップとワールドシリーズで胴上げ投手となり、リーグチャンピオンシップのMVPに輝くなど、日本人メジャーリーガーとして初の、そして唯一の大記録を残していることは、皆さん良くご存知の通りです。

 上原浩治投手も43歳となりました。

 大投手のキャリアも仕上げの段階に入っているのでしょう。
 交流戦は6月7日終了時点で、各チームが全18試合の約半分を消化しました。

 今年「も」パシフィック・リーグが勝ち星を重ね、リードしています。

 とはいえ、「異変」も起きています。
 ヤクルト・スワローズが首位を快走しているのです。

 ヤクルトが首位の状況を「異変」と呼ぶのは、失礼なこととご指摘を受けてしまいそうですが、交流戦前のセントラル・リーグのペナントレースで広島カープの後塵を拝していたチームが、交流戦に入ってから連勝を重ねるというのは、やはり「尋常なことでは無い」でしょう。

 ヤクルトファンにとっては「嬉しい異変」ということになりそうです。

 2位には1ゲーム差でソフトバンク・ホークス、同率の2位には西武ライオンズ、4位にはオリックス・ブルーウェーブ、4位タイには日本ハム・ファイターズ、6位にロッテ・マリーンズと、ズラリとパ・リーグのチームが上位を占めていますので、いつもの風景に、ヤクルトが加わったという形に見えます。

 パ・リーグでは唯一、楽天ゴールデンイーグルスが、阪神タイガースと共に11位タイ=最下位に沈んでいます。今季の不振が、交流戦でも見られているということでしょうか。

 全12球団の中で、交流戦の「防御率」が一番良いのはスワローズで2.59。これがヤクルト快進撃の要因であることは間違いないでしょう。
 とはいえ、防御率と順位との関係は必ずしも明確では無く、2位タイの西武は4.98と良くないのですが、打線の力と得点力でカバーしています。また、7位の広島は6.08とワーストなのですが、3点台の阪神や楽天より上位です。

 当たり前のことで恐縮ですが、「野球は総合力の勝負」なのです。

 このままヤクルトが走り切るのか、パ・リーグの波に飲み込まれてしまうのか、交流戦2018は後半戦を迎えます。
[4月30日・ナゴヤドーム]
中日ドラゴンズ3-1横浜DeNAベイスターズ

 松坂大輔投手が、NPBでは4241日ぶりの勝利投手となりました。

 与8四球という苦しい投球でしたが、大事な局面での「気迫溢れるプレー」は、さすがに松坂と、大向うを唸らせる迫力に満ちていました。

 ナゴヤドームを埋め尽くした36,000人を超える、今季最高の大観衆も、大声援を送り続けていました。

 現在では珍しくさえなった「しっかりしたワインドアップ」からの投球は、まさに先発投手そのもの。

 37歳になった松坂投手の復活に対しては、「難しいのでは・・・」という見方も多かったのですが、前回登板に引き続いて、この日の投球も「球威が戻った」印象です。

 MLB1シーズン18勝という記録は、現在でも「日本人投手シーズン最多勝」です。
 これだけの実績を誇る大投手が、日本プロ野球に戻ってきて、「復活」しつつあるというのは、頼もしい限りでしょう。

 「松坂投手のワインドアップモーション」は、本当に絵になります。
 プロ野球は4月11日時点で、各チームが10~11試合を消化しました。

 とても「面白い」展開です。

[セントラル・リーグ]
① 阪神タイガース
② 広島カープ 0.5ゲーム差
③ ヤクルトスワローズ 
④ DeNAベイスターズ 0.5ゲーム差
⑤ 中日ドラゴンズ 0.5ゲーム差
⑥ 読売ジャイアンツ 1.0ゲーム差

 大本命・広島を抑えて、阪神が首位に立っています。
 相変わらずチーム打率は低い(.239、リーグ5位)のですが、チーム防御率が断トツのトップ(2.56、2位のDeNAは3.01)となっていて、投手力・守備力によって首位に立っていることが分かります。
 ヤクルトの健闘も目立ちますが、ポイントは首位→6位の差が、僅かに2.5ゲームと言う点でしょう。
 大混戦なのです。

 カープが走り始めるのが何時なのかが焦点になりますが、当面の間、セ・リーグは混戦が続きそうです。

[パシフィック・リーグ]
① 西武ライオンズ
② ロッテマリーンズ 1.5ゲーム差
③ 日本ハムファイターズ 1.0ゲーム差
④ ソフトバンクホークス 0.5ゲーム差
⑤ 楽天ゴールデンイーグルス 2.0ゲーム差
⑥ オリックスブルーウェーブ 1.0ゲーム差

 8勝2敗で西武が好スタートダッシュを切りました。
 セ・リーグの阪神と同様に、チーム防御率2.66はリーグで断トツのトップです。
 やはり、勝率と防御率には、相当の相関関係があるのでしょう。
 加えて、チーム打率.273もリーグトップです。
 現在のライオンズは、投打ともに好調なのです。

 ロッテが7勝4敗で続いています。
 チーム防御率3.65はリーグ3位、チーム打率.264は2位とバランスが良い戦い振りとなっています。

 また、パ・リーグは、まだ10試合強しか消化していないのに、首位→6位に6ゲームもの差が付いています。西武・ロッテの2チームが白星を重ねているということになります。
 こちらも、大本命のソフトバンクが何時走り始めるのかがポイントですが、西武がどこまでこのペースで勝ち続けられるかも、注目点のひとつでしょう。
 大エースを擁するチームが走ると、なかなか止められないものなのです。

 プロ野球ペナントレースは、とても面白い展開になっています。
 「まだ10試合」という人もいれば、「もう10試合」という人もいます。
 
 大本命の広島とソフトバンクに対して、他のチームがどこまで戦えるのか、あっと驚く下剋上はあるのか、興味は尽きません。
 球春到来です。

 これは、ひとつのお祭りなのかもしれません。

 例年のこととはいえ、ファンにとっては「待ちに待った日」なのでしょう。

 開幕日3月30日のカードは、パシフィック・リーグが、日本ハムVS西武(札幌ドーム)、ロッテVS楽天(ZOZOマリンスタジアム)、ソフトバンクVSオリックス(ヤフオクドーム)、
 セントラル・リーグが、巨人VS阪神(東京ドーム)、広島VS中日(マツダスタジアム)、DeNA VSヤクルト(横浜スタジアム)となりました。

 全てナイトゲーム。
 20世紀には、天候が気になったものですが、6ゲームの内4ゲームがドーム球場ですから、天候が不安定なこの時期でも安心感が大きくなりました。
 横浜や広島の天候も、今年は良いようです。

 昭和30年代から40年代には、プロ野球は庶民にとっての最大の娯楽でした。
 それも、4月から10月まで、とても長く楽しめる、それも毎日のように楽しめる、唯一のエンターティンメントでした。

 21世紀に入って、プロ野球の地盤沈下が叫ばれて久しいのですが、近時は新しいファンも増えています。
 「プロ野球新時代」が到来しているのかもしれません。

 多くのプロ野球ファンにとっての「日常」の始まりです。
 2月24日に始まり3月25日に終了した2018年のNPBオープン戦は、読売ジャイアンツが11勝5敗1引分の勝率.688で首位、2位には8勝4敗2引分・勝率.667で千葉ロッテマリーンズが入り、3位には9勝5敗2引分・勝率.643で東北楽天ゴールデンイーグルスが来ました。

 オープン戦ですから、各チームの試合数も違いますし、対戦しないチーム(例えばジャイアンツは広島、中日とは試合がありませんでした)もありますので、単純な成績比較はできないという見方もあるでしょうが、とはいえ昨年のオープン戦で5勝14敗・勝率.263で最下位(公式戦も不振)であったジャイアンツにしてみれば、2018年は良い準備が出来たということにはなりそうです。

 オープン戦は、当然ながら、公式戦・ペナントレースに向けての準備期間ですから、チーム毎の事情により、戦い方は様々でしょう。

 既にチームが相応のレベルで出来あがっているなら、「試してみたいプレーヤー」を実践で観てみるゲームが多くなりそうです。「個々の選手のコンディショニング・新しい選手の試行のためのゲーム」ということになりますから、チームとしての勝敗にはあまり重きが置かれないことになるのでしょう。

 一方で、チーム力向上の場としてオープン戦を捉えているチームにとっては、「試合に勝つためのチームプレー・チームのバランス」を検証し、チームとしての「勝つ形」を見出していく場となりますから、ゲームの勝利は重要な意味を持つのでしょう。

 様々な意図を持ったチームが、それぞれの方針を持ってオープン戦を戦って行くのですから、その成績についての各チームの評価も様々、ということになります。

 2018年ペナントレースでも「主役」になりそうな、パシフィックリーグの福岡ソフトバンク・ホークスと、セントラルリーグの広島東洋カープは、それぞれ10位・11位でした。
 2017年のペナントレースで、共に史上屈指の早さで優勝した両チームの2018年オープン戦は、まさに「新しい選手を試す場」だったのかもしれません。

 それにしても、こうしたオープン戦においても、成績上位6チームの内4チームがパ・リーグ、結果として下位6チームの内4チームがセ・リーグというのは、少し情けない感じがします。

 交流戦では「いつもパ・リーグの後塵を拝し」、日本シリーズでもなかなか勝てない中で、オープン戦までパ・リーグが優位というのでは・・・。

 2017年のオープン戦でも、上位6チームの内5チームがパ・リーグでしたし、2016年・2015年も上位6チーム中4チームがパ・リーグでした。

 今シーズンは、セ・リーグ各チームの奮起に期待したいと思います。
 3月26日、ムネリンこと川崎宗則選手(36歳)の現役引退が報じられました。
 
 所属している福岡ソフトバンク・ホークスとしては再契約を望んでいたのですが、体調が戻らずに、自ら自由契約=引退を選択したとのことです。

 大ファンの私としては、とても残念ですが、いつも「明るい話題」を提供してくれたムネリンに感謝また感謝です。

 1999年のNPBドラフト会議で、福岡ダイエー・ホークスから4位指名を受けて入団し、2000年から2011年までソフトバンク・ホークスに在籍、「イチロー選手への憧れ」から2012年はMLBのシアトル・マリナーズでプレーし、2013年~15年はトロント・ブルージェイズ、2016年はシカゴ・カブス、そして2017年にNPBに戻りソフトバンク・ホークスに所属していたのです。

 MLBに行ってからは、メジャーとマイナーを行ったり来たりの状態でしたが、何しろその明るさは際立っていました。
 マイナーの練習の様子が報じられても、その行動・コメントはインパクト十分でしたし、メジャーに行っては、出場機会における「元気いっぱい」のプレーが大いに評価されていたと感じます。

 2016年のシカゴ・カブスの108年ぶりのワールドシリーズ制覇の際には、アクティブロースターには入らなかったものの、継続してチームに帯同、ベンチにおけるムードメーカーとしての役割を存分に果たしました。
 「福の神」としての存在感は十分であり、カブスにとって必要不可欠な選手だったのでしょう。

 川崎選手のプレーの特徴を観て行きましょう。

① 俊足・走塁の上手さ

既に鹿児島工業高校時代には50m/5.8秒という快足を誇っていましたが、NPBにおいても2004年シーズンに42盗塁、2009年に44盗塁と好成績を残しました。

 そしてMLBにおいても、その走塁は常に高い評価を得たのです。

② コンタクト能力

打席において投球を捕える能力は、内外から高く評価されました。
 2010年シーズンには、両リーグトップの546個のファウルを記録しています。

 この好走塁とコンタクト能力は、まさにムードメーカーに相応しい能力であろうと思います。
 打席に立っては、ファウルで粘り滅多に三振を喫しない、塁に出ては常に快足を飛ばすのですから、チームの意気は嫌がおうにも上がるのです。

 盗塁王(2004年)や最多安打(2004年)、2度のベストナイン、そして2006年・2008年の2度のワールドベースボールクラシック大会での日本チーム優勝への多大な貢献など、川崎選手のキャリアには輝かしい記録があります。

 しかし、川崎宗則選手を語るとき「記録よりも記憶に残るプレーヤー」とするのが相応しいことに、異論を挟む人は少ないでしょう。

 ムネリンは、「観る者をいつも元気にしてくれる」、偉大なプロスポーツプレーヤーだったのです。
 3月17日の日刊ゲンダイDigitalの記事、コラム「権藤博の『奔放主義』」をとても興味深く読みました。

 今シーズン、日本球界に復帰した、読売ジャイアンツ・上原浩治投手の活躍を例に取り、「日本式キャンプの無意味さ 10年ぶり巨人復帰の上原が証明」と題したコラムでした。

 2月1日に全球団一斉にキャンプインした日本球界に、3月になってから加わり、素晴らしい球を投げている上原投手の様子から、持論を展開している訳ですが、全くおっしゃる通りだと感じます。

 権藤氏は、プロフェッショナルとしての高いスキルを身に付けているプレーヤーが、集まって一斉に同じメニューのトレーニングを行うことの無意味さ、というか「有害さ」を披露してくれているものと思います。

 「成果主義」という言葉が世に出てから、どれくらいの時間が経っているのでしょうか。少なくとも20世紀には、この言葉が存在しました。

 仕事の現場における成果で評価される、プロ野球であれば公式戦における成績で評価されるのが「成果主義」ということになります。
 グラウンドと言う「戦場」で、高いパフォーマンスを出していくために行うのが、シーズン前のトレーニングであり、そのトレーニングが全選手一律・一斉である必要はないというか、一律・一斉である筈が無いとも思います。

 「練習は裏切らない」という言葉があります。何やら「禅問答」のようなフレーズです。
 このフレーズの意味が、私にはよく分かりません。
 「練習を積み重ねれば必ず実力が付き、ゲームにおけるパフォーマンスが必ず上がる」といった意味であれば、そんなことは有り得ないと思います。

 大量に練習さえすれば実力が上がるのであれば、こんな簡単なことはありません。
 プロフェッショナルの世界で自己の力を向上させていくのは、もっと難しいことなのです。

 強いて言えば「効果的なトレーニング」を積めば、実力が向上する可能性が有る、といったことでしょうか。

 自らの現状の実力を良く把握・分析し、ストロングポイントを伸長させ、ウィークポイントを改善することで、実力が向上するのでしょう。トレーニングの内容は、よく考えて決めて行かなければなりません。
 当然ながら、個々のプレーヤー毎にトレーニングの内容は千差万別の筈です。

 「今日は何時間も練習した」「何百球も投げた」「何百球も打った」「何キロも走った」といったことで「自己満足」しているような練習では、効果を得ることは難しいと感じられます。不要な疲労が残るようなら、有害でしょう。そんな練習をすると、故障を発症したり、実力が下がる怖れが有ります。

 また、公式戦開始後に期待されたようなパフォーマンスが出せなかった時の「言い訳」として、「長時間・大量練習」があるとすれば、「あんなに練習したのに成果が出なかったのだから仕方が無い」という、関係者や自分自身に対する「言い訳」の為の練習であれば、これはもはやプロフェッショナルではありません。そんなプレーヤーは少ないとは思いますが・・・。

 「自己満足」や「言い訳」のためのトレーニングに意味が無いことは、誰にでも分かることだと思います。

 この話は、何やら、現在喧伝されている「働き方改革」に通じるものが有りそうです。
 長時間労働、大量の時間外労働を伴う仕事ぶりは、「自己満足」と「言い訳」のためのものなのかもしれません。「成果」によって、個々人の仕事のパフォーマンスは測られるべきものなのでしょう。

 権藤博氏のコラムは、いつも示唆に富んでいます。

 権藤氏が、日本プロ野球史に残る大投手であり、監督やコーチとしても活躍してきたことが、そのコラムに「大きな説得力」を具備させていることも、間違いないところでしょう。
 3月13日の日本経済新聞ネット版に「しなやかに熱く 女子プロ野球が21日開幕」という記事が掲出されました。(編集委員・鈴木亮氏の記事)

 少し前から「日本女子プロ野球」が行われていることは知っていましたが、関連記事を眼にすることは、そう多くはありませんので、とても興味深く読ませていただきました。

 「少し前」と書きましたが、「現在の」女子プロ野球は2010年開始とのことですから、既に8年前から行われていたことになります。自分の認識不足を反省しました。

 埼玉アストライア、京都フローラ、愛知ディオーネの3チームにより、年間60試合のペナントレースが開幕するということです。

 プレーヤーはソフトボール経験者が多いとのこと。
 日本の女子ソフトボールは、オリンピックチャンピオンに輝いたこともある世界トップクラスですから、プレーヤーのフィジカル面の強さは「折り紙つき」なのでしょう。

 頭書に「現在の女子プロ野球」と書いたのは、20世紀半ばにも日本女子プロ野球が存在したからです。
 1948年(昭和23年)に、日本初の女子プロ野球チームと言われる「東京ブルーバード」が結成され、1950年には日本女子野球連盟が発足しプロリーグが開始されましたが、残念ながら1952年にはノンプロリーグに移行しました。
 プロスポーツとしての集客力、ひいては「お金を生む力」が十分では無かったので、当時、他の競技でも一般的になりつつあった企業スポーツとして、継続されたということでしょう。

 もちろん、「女子野球」の基盤というか「裾野」がとても小さかったことも、女子プロ野球消滅の原因のひとつであろうと思います。

 1987年には全日本大学女子野球選手権大会が始まり(軟式野球)、1990年には全日本女子軟式野球選手権大会が開始され、1997年には全国高等学校女子硬式野球選手権大会がスタートしています。
 そして2002年に全日本女子野球協会が発足しました。

 プレーヤーの増加を背景とした、「女子野球」の様々な取り組みの中で、着々と裾野が拡大し、足腰が強化されてきたのです。
 その成果のひとつとして、現在の女子プロ野球が始まったことは、間違いないことのように思います。

 「硬式球」を扱うには、相当の筋力が必要ですから、女性の体力では男性の様な訳には行かない、プレーのスピードもパワーも差があることは事実でしょうけれども、一流投手の球速は130km/hを越え、男性と同じ大きさの球場で(違う大きさの球場を作ることの方が余程困難でしょう)、ホームランも飛び出していますから、他の競技と同様のレベルの「女性の種目」という位置づけになりつつあるのでしょう。

 「白球を追う思い」に、男女の別は無いと思いますし、男性にとっても女性にとっても「野球は面白いスポーツ」なのです。
 
 小・中学、高校、大学で女子野球やソフトボールをプレーする選手たちの、最高峰の活躍の場として、女子プロ野球の一層の発展が期待されます。
 2月24日から始まった今季のオープン戦は、3月8日時点で各チームが5試合程度を終えました。

 まだ5試合ですから、各チームの戦力比較や仕上がり状態を見るには早すぎるのでしょうが、既に気がかりなチームがあります。
 阪神タイガースと中日ドラゴンズです。

 阪神は5連敗。
 とにかく「得点力が不足」しているようです。この間の最大得点は3月4日・ソフトバンク戦の4点ですが、このゲームは6失点で敗れました。なかなか得点を積み上げられない中で、相手チームにキッチリと得点されているのですから、勝利が遠いのです。
 新戦力も今のところ不発ですから、金本監督の悩みは深いのでしょう。

 中日は1勝4敗。
 こちらは「先発投手陣の乱調」です。新外国人プレーヤーのジー投手や、大野(雄)投手が早々と打ちこまれて、試合を作ることが出来ません。
 森監督からは、開幕投手が居ないとの声が上がっています。

 共にセントラルリーグのチームです。

 このところ、交流戦の成績を持ち出すまでも無く、パシフィックリーグ優位が続いているNPB。
 名門チームたる阪神タイガースと中日ドラゴンズの復調が期待されるところです。
 2月末になっても、MLBの今季FA市場の動きは鈍く、シカゴ・カブスをFAになった上原浩治投手(42歳)にも、いまだどこの球団からも声がかからないという状態が続いていました。

 そうした中で、上原投手に「日本球界復帰」の意志があると報じられたのです。

 昨年12月には、「メジャー以外は引退」と表明していた上原投手でしたが、ここに至って日本球界でもやってみたいという意向となったのです。
 上原投手にとっても、MLBのFA市場がこれほどまでに冷え込むとは予想しなかったのでしょう。

 「プレーしたい」というのが、上原投手の本音というか願望なのだと思います。
 こうした超一流のアスリートに共通していることですが、「当該スポーツが大好き」なのです。好きこそものの上手なれ、と言われますが、好きな上に、高い能力を有し、体が十分に動く、アスリートにとっては、「プレーする場を求める」のは自然なことだと感じます。

 プレーする場が決まらないというか、ひょっとすると「無いかもしれない」状況下、日々トレーニングを積むというのは、前述のようなアスリートにとってはとても辛いことなのであろうとも思います。
 上原投手は現在、連日90球の投球練習を積み上げ、移籍先が決まれば2週間で試合のマウンドに上がることが出来る状態であると伝えられています。セットアッパーやクローザとして活躍するための、準備は万端なのです。

 上原投手が「帰国」を示唆したことにより、まるでチキンレースをしているようなMLB各球団から、上原投手にオファーが来ることになる可能性はあります。3月中旬までのNPB、MLBの動きには注意しなければならないのでしょう。

 いずれにしても、日本の球場で上原投手の投球を観ることが出来るかもしれないというのは、私にとっては朗報です。

 「日本プロ野球史上最高のコントロール」を誇るピッチャーのひとりである上原投手の投球は、日本プロ野球が忘れかけていたように観える「コントロールの大切さ」を眼前に示していただけると思いますし、「コントロールの持つ力・魅力」を改めて野球界に再認識させることでしょう。

 良いコントロールの投球というのは、野球・ベースボールの最高技術のひとつであり、とても美しく楽しいものなのです。
 2017年12月の日本経済新聞「私の履歴書」は江夏豊氏でした。

 江夏豊と言えば、日本プロ野球史上最速の投手のひとりとして、様々な足跡を残されたスーパーアスリートです。

 その江夏氏が、自らの投手人生を、文字通り「赤裸々」に綴った文章は、とても興味深く、スポーツ好きにとっては面白いことこの上ない「私の履歴書」でした。
 毎日ワクワクしながら読ませていただきました。

 全編見所満載ですが、今回は12月21日・第20号を観て行きたいと思います。

 そして、本記事を今年の書き収めとします。

 1973年シーズンの話です。
 「・・・ただ、個人記録より、自分はとにかく優勝したかった。シーズン大詰めの10月20日。混戦から頭一つ抜け出した阪神はマジック1として中日戦を迎えた。残り試合は2つ。この試合と甲子園での巨人戦のどちらかに勝てばいい。阪神入団7年目、優勝を掴みとれるところまで来た。・・・」

 自身初のペナントレース制覇に向けての、江夏投手の思いが切々と語られています。

 しかし、この中日戦で江夏投手は6回9安打3失点で負け投手になってしまいました。この当時の江夏投手の力量を持ってすれば意外な投球内容と言うことになります。
 そして、その理由が続くのです。

 「・・・試合前日、球団幹部に呼び出された。優勝のご褒美の話かと思ったら『これは金田監督も了解していることだが、名古屋で勝ってくれるな』ときた。一瞬意味がわからなかったが、選手の年俸アップを心配してか、優勝すると金がかかるとか、ぶつぶつ言っている。テーブルをひっくり返して席を立った。こうなったら絶対勝ってやる-。その気持ちが裏目に出た。・・・」と。

 球団=企業の経営サイドがお金の心配をするのは仕事のひとつなので、分からなくもないのですが、それを試合直前の選手・先発投手に伝え、負けるように言うというのは、信じられないような行為です。

 「優勝を目指して長いペナントレースを戦うのがプロ野球」であると、ファンにも公示しているのは周知のことですが、そこで「優勝したら色々お金がかかるので、勝たないでくれ」と先発投手に頼むというのですから、その「愚かさ」に驚かされるばかり。
 「八百長の勧め」にもなりかねない行為です。

 「情けない」の一語。
 真に「貧しい行為」でしょう。

 球団幹部の狙い通りに、江夏は敗戦投手となりました。江夏投手の性格まで見抜いたうえで、こうした発言を行っていたとすれば、品性下劣な知能犯ということになるのかもしれません。

 もちろん、プロスポーツが「純白」なものとは思いません。残念ながら、お金の動くところには有象無象が徘徊するものなのでしょう。アマチュアスポーツにおいてさえ、そうなのかもしれません。

 それにしても、この行為は、最もやってはならないことであろうと感じます。
 プレーヤーの心情を踏みにじる行為は、下の下でしょう。

 2018年のスポーツ界においては、こうした行為が少しでも減りますようにと、願わずにはいられません。
 11月17日、日本野球機構から2017年シーズンのベストナイン賞受賞選手が、発表されました。

 ベストナイン賞は、プロ野球選手なら誰もが目指す、素晴らしい賞だと思います。

 担当記者の皆さんの投票で選ばれる賞ですが、多くのポジションでは2017年シーズンの活躍が際立つプレーヤー、多くのファンが「このプレーヤーだろう」「このプレーヤーなら仕方がない」といった形で、独走状態で選出されることが多いのですが、2017年のパ・リーグの遊撃手部門は、大接戦となりました。
 ベストナイン史上でも「三つ巴の大接戦」というのは、珍しいのではないでしょうか。

 争ったのは、ソフトバンクホークスの今宮健太選手(26歳)、楽天ゴールデンイーグルスの茂木英五郎選手(23歳)、西武ライオンズの源田壮亮選手(24歳)です。
 
 3選手とも、プロ野球を代表するショートストップであることは間違いありませんが、事は「2017年の活躍」ですので、成績を観てみましょう。

[今宮選手-得票数90]
① 守備率 .988
② 打率 .264
③ 本塁打数 14
④ 出場試合数 140
⑤ OPS .739

[茂木選手-得票数87]
① 守備率 .977
② 打率 .296
③ 本塁打数 17
④ 出場試合数 103
⑤ OPS .864

[源田選手-得票数81]
① 守備率 .971
② 打率 .270
③ 本塁打数 3
④ 出場試合数 143
⑤ OPS .669

 3選手の得票数は「僅差」でした。
 受賞した今宮選手と2位の茂木選手の差は僅か4票だったのです。
 有効投票数258の中での4票差でしたから、概ね互角と言って良いでしょう。

 遊撃手ですから、やはり守備率は大事な項目ですが、ここは今宮選手がトップでした。
 一方で打撃面を観ると、茂木選手が上回っています。
 出場試合数では、ルーキーとして「全イニング出場」という快記録を達成した源田選手がトップに立っているのです。

 茂木選手にとって惜しまれるのは右肘の故障で、一時期戦線を離脱したことなのでしょう。その長打力と高いOPSを観れば、茂木選手が今シーズンのゴールデンイーグルスに対して、大きな貢献をしたことは明白ですから、この一時離脱が本当に残念なのです。

 各項目を総合的に判断すれば、今宮選手の受賞は妥当なものという感じがします。

 それにしても、パ・リーグには「良い遊撃手が多い」と思います。

 この3プレーヤーは、いずれも20歳代の若さを誇る選手達ですから、当分の間パ・リーグのゲームにおいて「素晴らしい遊撃手のプレー」が観られることになります。
 2018年シーズンのベストナイン争いも熾烈なものとなりそうです。

 プロ野球でもMLBでも、「ショートの好プレーはゲームを締める」ものだと、私は思います。
 埼玉西武ライオンズの新人遊撃手・源田壮亮(げんだ そうすけ)選手が「快挙」です。

 ルーキーとしてのフルイニング出場も1961年以来56年振りという、大変な記録なのですが、これが遊撃手となると2リーグ制開始以降「史上初」という快挙なのです。

 プロ野球において、野手にも「キチンと休養日を設ける」のが当たり前の時代になってから久しいのですが、そうした状況下、源田選手は「フルイニング出場」を続けたのです。

 2016年のドラフト3位で西武ライオンズに入団し、「開幕一軍」だけでも容易なことでは無い筈ですが、そこから源田選手はペナントレース最終戦まで出続けました。

 575打数155安打、打率.270、打点57、本塁打3と遊撃手として堂々たる成績を残しましたが、何より「三塁打10」というのが光ります。
 ルーキーで三塁打を10本以上放ったのは、1958年の阪急・本屋敷錦吾選手以来59年振りとのことです。
 源田選手の2017年シーズンの活躍は「半世紀振り」の記録ずくめのものだったのです。

 西武ライオンズも、シーズン中に「源田選手に休養日を」という発想にならなかったとは思えませんので、そうした監督やコーチの思惑を超える「元気さ」が源田選手の全身から漂っていたということなのでしょうか。

 それにしても、こうした「快挙」が達成されると、過去の記録が掘り起こされるのが興味深いというか、楽しいところです。

 新人のフルイニング出場プレーヤーの中に、1958年の長嶋茂雄選手の名前が有りました。
 新人シーズンに、ホームラン王・打点王・盗塁王の三冠に輝いたスーパールーキーでしたが、その長嶋選手が「フルイニング出場」であったことは、初めて知りました。

 まさに「記録は時代を超える」ということなのでしょう。

 11月20日、源田選手の2017年シーズンの新人王受賞が報じられました。
 プロ野球を代表する遊撃手としての、今後の活躍に期待です。
 プロ野球2017年シーズンの首位打者は、セリーグが.323で宮崎敏郎選手(DeNAベイスターズ)、パリーグが.322で秋山翔吾選手(西武ライオンズ)でした。
 共に初のリーディングヒッタータイトル獲得です。おめでとうございました。

 さて、両リーグの首位打者の打率は、ほぼ同じでした。
 一見して、少し低いなという印象を受けます。

① .340以上の打率の首位打者が減っているのか?

 21世紀になってから、2001年から2010年間のシーズンでは、セリーグでは7名が、パリーグでは5名が.340以上の打率で首位打者を獲得しています。単純な比率では60%ということになります。

 2011年から2017年では、セ・パ両リーグとも2名が.340を越えています。単純な比率では33.3%ということです。
 
 どうやら.340以上の首位打者は減少傾向にあるようです。

② パリーグでは2005年シーズン以降、首位打者の打率が急下降しているのか?

 パリーグでは、2004年シーズンに松中選手が.358で首位打者となり、2005年シーズンでは和田選手が.322で首位打者となっていますが、その2005年以降パリーグでは.340を越える首位打者が2名しか居ません。首位打者の打率が一段下がったように見えます。

 とはいえ、2015年には柳田選手が.363という久々の高打率(2000年のイチロー選手の.387以来の高打率)で首位打者となっていますから、打率が下降傾向と、一概には言えないのかもしれません。

 パリーグにおいては、2005年シーズンから好投手が増えた、あるいは「より高度な投球術」が広まった、といったことが理由としては考えられますが・・・。

③ 左打者と首位打者の関係

 2011年以降、セリーグでは2名の左打者が首位打者となっていますが、パリーグでは6名が首位打者となっていて、パリーグにおいては圧倒的に「左打者の首位打者確立が高い」のです。

 パリーグにおいては、2001年から2017年で見ても、右打者の首位打者は3名しか居ません。(2005年の和田選手、2008年のリック選手、2011年の内川選手)

 左打者の方が右打者より1塁ベースに近いので、ヒットを打つという面では有利と言われますが、そうするとセリーグにおいて「右」の首位打者が多いのは何故か?ということになってしまいます。

 この両リーグの傾向の違いは、どんな要因から生まれているのでしょうか。
 パリーグの方が、絶対数として左打者が多いといった理由は考えられますが・・・。

 今回は、2017年のリーディングヒッターから始まって、21世紀に入ってのNPB両リーグの首位打者の傾向についての「何故?・何故?」という記事になってしまいました。

 原因・要因探しは、今後のテーマにしたいと思います。
 10月5日、2017年のクライマックスシリーズCSを控えた時期に、広島カープの石井琢朗打撃コーチ(47歳)と河田雄祐外野守備走塁コーチ(49歳)が、今季限りで退団すると報じられました。

 お2人とも、東京に家族を残しての「単身赴任」をしていて、家族との時間を大切にしたいとの意向から、球団に辞任を申し入れ了承されたとのことです。

 2016年・17年シーズンを連覇し、黄金時代を迎えた感のある広島カープにとっては、衝撃的な発表でしょう。
 セントラルリーグを席巻する広島野球の強さの源泉である、「打撃」と「機動力」を創出し支えてきた2人のコーチが、同時にチームを去るのですから。

 野球というスポーツにおける、監督・コーチの役割の大きさは、高校野球のかつての名門校が、監督が代わったとたんに「甲子園大会で名前を聞くことさえ殆ど無くなる」という事実、池田高校・箕島高校・沖縄水産高校・取手二高校等々の例を見るまでも無く、周知のことです。

 石井コーチと河田コーチが、若き最強軍団を創り上げる過程において残してきた功績は、とても大きなものでしょう。

 2018年シーズン以降、広島カープがこの「大穴」をどのようにして埋めていくのかに注目したいと思います。

 それにしても、CSを控えたこの時期に発表されたことに、何か意味があるのかと訝ってしまいます。この発表でチームに動揺が走らなければよいのだが、と心配してしまうのです。
 シーズンが終わってからの発表でも良かったのではないかと。(余計な心配かもしれず、恐縮です)

 一方で、2人のコーチへの「はなむけ」としてチームが団結し、短期決戦では力が出ると判断しているのでしょうか。

 また、この2人のコーチの実力は既に証明されていますから、「在京」球団による争奪戦が始まるのかもしれませんし、その争奪戦に向けての、この時期の発表であったのかもしれないとも感じてしまうのです。
 2017年の日本シリーズは、福岡ソフトバンク・ホークスが4勝2敗で横浜DeNAベイスターズを下して、「日本一」に輝きました。

 ペナントレースをパリーグ史上最速で制し、クライマックスシリーズも危なげ無く突破して、日本シリーズでもしっかりと栄冠を手にしたホークスが、打力・投手力・守備力のいずれの分野でも、日本プロ野球最高レベルにあることを明示したシリーズでした。

 そうした中で、私にとって最も印象的だったのは、ホークスの「守備力」でした。
 ベイスターズとの間で最も大きな差が有ったのも、「守備力」であったと思います。
 
 日本シリーズの6試合の中で、ホークスの素晴らしい守備が随所に観られました。

① ショートの今宮健太選手

 遊撃手としての今宮選手のプレーは、まさにプロフェッショナルという感じがします。

 ポジショニング、打球への反応、キャッチング、スローイングと、全てが素晴らしい。
 難しいプレーを、いとも簡単に熟しているように見えるところが、超一流プレーヤーの証でしょう。

 この選手を、2010年のドラフト1位で獲得しているホークススカウト陣、育て上げた関係者各位の力量も、見事なものだと感じます。

 まだ26歳の今宮選手ですから、しばらくの間は、NPBを代表する遊撃手としての活躍が観られることでしょう。

② キャッチャーの甲斐拓也選手

 今シリーズで、ホークスはベイスターズの盗塁をいくつ刺したのでしょう。
 ベイスターズが攻勢に出ようとする大事なところで、それもクロスプレーでは無く、「完全なアウト」を連発した印象です。

 2塁盗塁を許せば、相手チームの得点チャンスが増加するのは当然のことですから、「チャンスの芽」を摘みつづけたのが、ホークスの内野陣だったのです。

 盗塁を阻止するには、投手の協力が不可欠なことは言うまでも無いことですが、何より大事なことが「捕手の肩の強さと送球のコントロール、そしてスローイングの俊敏性」であることも明白です。
 
 育成出身で25歳の甲斐選手は、これからがNPBにおける力の見せ所となります。
 我が国を代表する捕手に成長していただきたいと思います。

③ セカンドの川島慶三選手とサードの松田宣浩選手

 もともと守備には定評の有るベテランプレーヤー達ですが、今シリーズでも実力を如何なく発揮していました。

 「何事も無かったかのように」難しい打球を処理する様子には、惚れ惚れさせられました。

 ホークスの屋台骨を支える「34歳コンビ」は、まだまだ元気なのです。

 もちろん外野陣、右翼手の江川智晃選手、左翼手の中村晃選手の素晴らしい守備、強肩も見事でした。

 一塁手の内川選手とセンターの柳田選手の守備もとても上手なのですけれども、この2プレーヤーは、やはり「打撃」に注目すべきなのでしょう。

 ソフトバンク・ホークスの守備は、基本に忠実であると共に、とても力強くメリハリがあると感じます。パワフルで生き生きとしているのです。

 他のチームが「ホークス王朝」に迫るためには、まずは「守備力」の差を縮めて行く必要があるのでしょう。
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