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 3月31日、プロ野球の2017年シーズンが開幕しました。

 「球春」です。

 今年は桜の開花が遅れ気味ですので、まさにプロ野球と共に春が来たというところでしょう。

 とはいえ、日本列島は雨模様でしたから、少し肌寒い「球春」となりました。

 かつては、開幕試合といっても雨が降れば順延になることも多かったのですが、全国にドーム型球場が出来てからは、予定通りに試合が行われるようになりました。
 良いことだと思います。

 今シーズンの開幕戦では、マツダスタジアムの広島対阪神、神宮球場のヤクルト対DeNAの2試合が屋根無し球場でのプレーとなりましたが、雨気味の天候を押して、試合が行われましたので、予定されていた6試合全てが揃った開幕日となりました。
 これも良いことでしょう。(雨が降っていた神宮球場のお客様はやや寒い観戦となったかもしれませんが)

 色々なメディアにおいて、2017年シーズンの「優勝予想」も展開されています。
 ヤフーの投票(2月21日~3月30日)を見てみましょう。(得票率です)

 まずは、2016年の日本チャンピオン・日本ハムが所属するパシフィックリーグ。

① ソフトバンクホークス 49.9%
② 日本ハムファイターズ 27.7%
③ ロッテマリーンズ 6.1%
④ オリックスバッファローズ 5.6%
⑤ 西武ライオンズ 5.5%
⑥ 楽天ゴールデンイーグルス 5.2%
 
 となっています。

 昨年のペナントレース優勝・準優勝チームの「2強」の形で、これは相当に抜けた「2強」ということになります。
 また、その2強の中でも、ソフトバンクが大きくリードしました。
 ファンは、ソフトバンクホークスの「戦力優位」を強く感じているのでしょう。

 続いて、セントラルリーグ。

① 東洋カープ 26.1%
② 読売ジャイアンツ 26.0%
③ 阪神タイガース 17.6%
④ DeNAベイスターズ 15.0%
⑤ 中日ドラゴンズ 9.0%
⑥ ヤクルトスワローズ 6.3%

 となりました。
 パ・リーグに比べて、こちらは混戦模様です。現在のセ・リーグの状況を良く表している投票結果だと感じます。
 昨季の覇者カープがトップであるのは妥当なところですが、そこにジャイアンツが肉薄しているところが興味深い。戦力補強に対する、ジャイアンツファンの期待が込められているように見えます。

 WBC2017で大健闘を魅せてくれた「侍ジャパン」メンバーも、各々のチームに戻って、長く激しいペナントレースの幕が切って落とされました。

 野球ファンにとっての「日常」がスタートしたのです。
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 ソフトバンクホークスの千賀滉大投手(24歳)が、WBC2017の1次ラウンド・2次ラウンドで素晴らしい活躍を魅せました。

 まず、3月8日・1次ラウンドのオーストラリア戦、3番手で登板し零封。
 続いて、3月12日・2次ラウンドのオランダ戦、3番手で登板し零封。
 そして、3月15日・2次ラウンドのイスラエル戦で先発し、5イニングを零封。

 計9イニングを投げて失点0、イスラエル戦の先発5イニング零封は、今大会の先発投手で最長・随一の成績です。

 リリーフも先発も熟し、「付け入る隙を与えない」というのですから、侍ジャパン投手陣の軸と評価すべきでしょう。

 さすがに、千賀投手にとっての緒戦となったオーストラリア戦の立ち上がりは、投球が落ち着かずコントロールに苦労していましたが、その後は本来のピッチングに戻り、試合を重ねるごとに安定感と威力が向上していった印象です。

 オーストラリア戦で披露した「155kmのストレート」は、大谷翔平投手に続く速球投手としてのパフォーマンスでしたし、持ち味である「消えるフォーク」も次第にペナントレース中の軌道に近くなって行きました。
 ここに切れの良いスライダーを交えるのです。

 「全てのボールが一級品」と評される理由が良く分かる投球内容でした。

 そうなると、いかにオランダチームやイスラエルチームのMLBプレーヤーといえども、容易には捕えられない投球、現在の野球・ベースボールにおける最高レベルのピッチングとなるのです。

 中学校時代には軟式野球の三塁手。
愛知県立蒲郡高校から育成選手としてソフトバンクホークスに入った千賀投手には、甲子園大会出場などの華やかなキャリアはありませんけれども、現在では日本プロ野球屈指の好投手と成りました。

 身長186㎝・体重96㎏の堂々たる体躯に恵まれた若きプレーヤーは、この大会で一気に世界デビューしようとしているのでしょう。
 侍ジャパンの2次ラウンド第1戦、オランダとの戦いは、延長11回・史上初のタイブレークに縺れ込む、5時間近い激闘となりました。
 記録ずくめの試合となったわけですが、その7回に飛び出した、「菊池涼介選手の超美技」も歴史に残るものとなりました。

 日本チームが6-5と1点のリードで迎えた7回裏、マウンドにはリリーフの松井投手が上がり、1死1塁から、オランダ3番のボガーツ選手がピッチャー返しの強い打球を放ちました。
 センター前ヒットか、と思われた打球を菊池選手がバックハンドで好捕、グラブの中のボールをそのまま2塁ベース上の坂本選手にトスして、1塁ランナー・プロファー選手を刺したのです。

 超ファインプレー!

 ボールをグラブに深々と入れながらのトスに見えました。
 どのような技術によるプレーなのかは、私のような素人には到底わかりませんけれども、とても難しいプレーであろうとは感じました。

 その点はプロフェッショナルの世界でも同様なようで、MLBの公式サイトが直ぐに取り上げ、「キクチのファンタスティックプレー」として動画をアップ、解説も大興奮の絶叫であったと報じられました。
 MLBレベルで観ても、驚嘆すべきプレーだったのです。

 解説のマルティネス氏(2006年第一回WBCのアメリカチームの監督)は「キクチは昨シーズン141試合に出場して、僅かに4失策。彼はグラブを持った『魔法使い』だ。」とコメントしたと伝えられています。

 実は、菊池選手のファインプレーがアメリカ野球界から注目されるのは、これが2度目です。
 1度目は、2014年11月20日の日米野球(親善試合)の4回に飛び出した、やはりグラブトスプレーでした。

 当時のMLB公式サイトの動画において、「侍ジャパンの菊池涼介がすべてのグラブトスの理想像を披露」と称賛されたのです。
 この時の打者は、あのアルトゥーベ選手。MLBの盗塁王にも輝き、快速で鳴らすアルトゥーベ選手を見事に1塁でアウトにしたのです。

 「・・・全ての他のグラブトスは、ホセ・アルトゥーベを1塁でアウトにした、このグラブトスが壁に映り込んだ影に過ぎない。紳士淑女の皆さん、これこそグローブ達が抱く将来の夢です」と、哲学者プラトンの比喩を引用して、大絶賛されました。(MLB公式サイトにおいて、日本選手のプレーがこれほどの称賛を受けること自体が、滅多に無いことでしょう)

 「世界最高のグラブトス」は、「菊池涼介選手の代名詞」になりつつあります。
[3月12日・東京ドーム]
日本8-6オランダ

[3月14日・東京ドーム]
日本8-5キューバ

[3月15日・東京ドーム]
日本8-3イスラエル

 日本代表チームは、1次ラウンド3戦3勝に続いて、2次ラウンドも3戦3勝として、E組首位で準決勝進出を決めました。
 第一回と第二回のWBC優勝チームである日本代表ですが、予選を全勝で勝ち抜いたのは初めてのことです。「侍ジャパン2017」の充実ぶりがよく分かります。

① 3試合とも「8得点」

 侍ジャパン打線は破壊力十分です。「飛ばないボール」が使用されているにも関わらず、要所でホームランも飛び出しました。
 今大会の予選6試合における、安定した戦い振りのベースにあるのが「高い得点力」であることは間違いないでしょう。

 こうした世界大会で、MLB経験者をはじめとする一線級のピッチャーを相手に、3試合連続で8得点というのは素晴らしいことだと思います。
 スモールベースボール面はもちろんとして、長打力においても遜色ない力を魅せていただきました。

② 様々な試合展開への対応力

 第1戦のオランダ戦は、日本チームが常にリードしながら試合を進めましたが、オランダ代表チームの粘り強い攻撃に会って6-6の同点に追いつかれ、延長タイブレークでの勝利。

 第2戦は逆に、キューバ代表チームがリードし、侍ジャパンが追いかける展開。6回に5-5に追いついて、8回に突き放した形。

 第3戦は、日本代表チームがイスラエル代表チームを8-0とリードし、終盤のイスラエルの反撃を抑えて勝利。

 2次ラウンドの3ゲームは、それぞれ異なる展開でしたが、侍ジャパンはいずれのパターンにもしっかりと対応して、勝利をものにしました。
 実力が無ければ、できないことでしょう。

 第3試合の展開が最も望ましい形なのでしょうが、いつもいつもそういう訳には行かないでしょうから、「試合展開への自在の対応力」というのは、大切な要素でしょう。

 さて、アメリカ・ドジャースタジアムにおける準決勝、そこを勝ち抜けば決勝が待っています。

 一発勝負という、どのチームにとってもリスクの高いレギュレーションですから、先発投手の出来不出来と、1回表裏の攻防がとても大切でしょう。

 侍ジャパンのメンバーの皆様には、少し休養を取っていただき、明るいカリフォルニアの空のもとで、存分に力を発揮していただきたいと思います。
[3月7日・B組・東京ドーム]
日本11-6キューバ

[3月8日・B組・東京ドーム]
日本4-1オーストラリア

 ワールド・ベースボール・クラシック大会2017の1次ラウンドが幕を開けました。

 そして、我らが「侍ジャパン」は2戦2勝と、素晴らしいスタートを切ったのです。

 緒戦のキューバ戦は、キューバチームというネームバリューもあって、とても盛り上がりました。
 日本代表チームの関係者はもちろんとして、日本中の野球ファンが見つめた試合となったのです。

 この試合、日本チームは5回までに7-1とリードしました。
 大会前の「貧打」とは打って変わって、打線が好調なプレーを続けたのです。
 このまま圧勝かに見えた7回、キューバチームはデスパイエ選手、アービレイス選手のホームランとタイムリーヒットで3点を奪い、試合は打ち合いの様相を呈しました。
 しかし、「侍ジャパン」は動じることなく、打ち勝ったのです。4安打を放った松田選手や、追い上げられた7回に2ランホームランを放った筒香選手などなど、14安打11点の猛攻でした。

 こうした大きな大会の緒戦で、打線に火が付くというのは、とても良い滑り出しだと感じました。

 第2戦は、一転、投手戦となりました。
 やはり野球・ベースボールは、良い投手が投げると、そうそう点は取れません。
 オーストラリアのアサートン投手、日本の菅野投手、両投手の好投が目立ちました。

 前夜、好調な打撃を展開した「侍」でしたが、この日はフライを上げることが多く、アサートン投手の術中に嵌っているという印象。
 6回まで1-1と、緊張感満点の試合となりました。

 この均衡を破ったのが中田選手でした。7回の先頭打者として初球をレフトスタンドに運びました。少しタイミングを外されていた感じでしたが、ものともせずに「巻き込んで運ぶ」ところは、いかにも中田選手らしいところで、「侍」の中軸打者として、長距離砲としての役割をしっかりと果した仕事でした。

 そして8回には、筒香選手が2ランホームラン。
 これは、内角低めの難しい投球を、右ひじを折り曲げながら捉え、ライトポールの内側へ運ぶという、「パワーと技術」の両面が備わっていなければ、到底実現できない、とても高度なバッティングでした。

 ファウルにならないようにバットの面を作ることはできても、パワーが無ければ、あそこまでは飛ばせない、本当に見事なスイングであったと思います。

 主砲2選手のホームランが目立ったとはいえ、第2戦は投手陣の踏ん張りがポイントとなった試合でした。菅野投手、岡田投手、千賀投手、宮西投手、牧田投手と繋いだリレーは、安定感十分であったと思います。
 特に千賀投手は、最速155kmのストレートと多彩な変化球を織り交ぜ、オーストラリア打線に付け入る隙を与えませんでした。

 2戦2勝とした「侍ジャパン」は、3月9日の試合結果を経て2次ラウンド進出を決めました。
 第1戦は打線、第2戦は投手陣、が主役となった試合運びも、チームとしてのバランスの良さを示しています。

 大会前の練習試合で「打てず守れず」といった様相を呈し、とても心配されていた今大会の代表チームですが、大会が始まってみれば、投打共に「強さを存分に魅せて」います。
 いくつかのミスがありながらの、この強さは、「WBC2017の侍ジャパン」の実力を示しているのでしょう。

 「3度目の優勝」に向かって、伸び伸びと戦っていただきたいと思います。
 ソフトバンクの松坂大輔投手(36歳)の宮崎キャンプにおける調子が上がっていると、いくつかのメディアで紹介されています。

 2月7日にはブルペンでの「圧巻の239球」と報じられました。
 ハイペースというか、とても速い仕上がりを感じさせるニュースでしょう。

① 2015年8月の方の手術からの回復

 239球という、まとまった数の投球練習は、春先ということとは関係なく、肩の調子が戻ってきていることの証左に他なりません。2015年の8月に実施した手術からの回復が、ようやく本物になったと見たいところです。

 全盛期のような「投球の威力」はさすがに加齢により難しくなっているのでしょうから、「コントロールと投球術」をベースとしたピッチングでの復活を目指す松坂投手にとっては、「投げ込みによるフォームの修正」「新フォームの定着・完成」が待たれるところでしょうから、肩を気にせず、多くの球を投げ込めることは何よりであろうと思います。

② プエルトリコのウインターリーグへの参加

 今オフシーズン、松坂投手はプエルトリコのウインターリーグに参加しました。
 過去2年間未勝利であり、肩の手術まで行った投手として、無理をしてほしくないと思っていましたが、現在報じられているハイペースの調整状況を見ると、このウインターリーグへの参加はプラスに働いたように観えます。

 こうしたトレーニングを選択できるということは、体調が良化してきたことに他ならないのでしょう。

③ 肩と体の休息

 高校野球時代から、日本のトップクラス、あるいはMLBにおいて「投げ続けてきた」松坂投手にとって、この2年間が「良い休息」になっていれば良いと感じるのは、私だけではないでしょう。

 もちろん、怪我や故障による休みは避けたいところですけれども、松坂大輔程のスタープレーヤーとなれば、いかなる形であろうとも「まとまった休息」は得難いものであろうと思います。

 この「休息」が、復活への基盤、選手寿命延長へのベース、となってほしいと思います。

 「華」の有るプレーヤーは、プロスポーツにおいては得難い存在です。
 「華」は、単に成績を上げるだけでは、なかなか身につかないものなのでしょう。

 松坂大輔投手には「華」があります。それも、日本プロ野球界屈指の「華」でしょう。

 その復活は、ソフトバンクのみならず日本プロ野球界、そして多くのファンが待ち望んでいることなのでしょう。
 2016年のゴールデンスピリット賞の表彰式が、11月29日に行われたと報じられました。

 日本プロ野球の選手・監督・コーチ等の中で、毎年、社会貢献活動についての優秀者が表彰されるのが、ゴールデンスピリット賞です。
 1999年に創設されました。

 内海投手の表彰内容は、「毎年、児童養護施設の子供たちにランドセルを寄付」しているというもので、その数は1,087個に達したとのこと。
 ランドセルを貰った子供たちの、嬉しそうな声・様子がとても印象的でした。

 テレビに映し出されたランドセルは、カバー部分を開けたところに、読売ジャイアンツのキャラクター・ジャビット君のイラストが配されていますし、とてもお洒落なデザイン・造作になっています。
 
 小学生の間・最大6年間使用するものですから、このランドセルを持って通学する子供たちは、プロ野球の、そして巨人軍のファンになる可能性もありそうです。

 社会福祉活動としての価値が大きいことは言うまでもなく、将来の日本プロ野球ファンを増やす効果も望めるのでしょう。
 
 内海投手は2009年1月に「ランドセル基金」を設立し、この活動を開始したとのことですので、長期にわたる地道な活動が、今回の受賞に結びついたということでしょう。
 素晴らしい取組だと感じます。

 MLBにも同種の「ロベルト・クレメンテ賞」(1971年創設)があり、毎年1名のMLB関係者が表彰されています。受賞者は、選手や関係者の極めて高い尊敬を集める賞として定着しています。

 我が国のゴールデンスピリット賞も、その年の「もうひとりのMVP」として高く評価されていますが、願わくば、マスメディアに取り上げられる機会がもっと増えてくれればと感じています。
 プロ野球の2016年シーズンのベストナインが、11月25日に発表されました。

 セリーグは、3塁手の村田選手(巨人)が4度目の受賞で最多、遊撃手の坂本選手(巨人)と二塁手の山田選手(ヤクルト)が3度目で続き、一塁手の新井選手(広島)と外野手の筒香選手(DeNA)、丸選手(広島)が2度目の受賞となりました。
 そして、投手の野村選手(広島)、捕手の石原選手(広島)、鈴木選手(広島)の3選手が初受賞となりました。

 今季ペナントレースで圧勝した広島カープのプレーヤーが5人を占めたのです。
 今季のセントラルリーグは、広島カープ一色であったことがよく分かる結果となっています。

 一方のパリーグでは、外野手の糸井選手(オリックス)が5度目の受賞で最多、投手の大谷選手(日ハム)、一塁手の中田選手(日ハム)、遊撃手の鈴木選手(ロッテ)、外野手の角中選手(ロッテ)が2度目の受賞で続き、捕手の田村選手(ロッテ)、二塁手の浅村選手(西武)、三塁手のレアード選手(日ハム)、外野手の西川選手(日ハム)、指名打者の大谷選手(日ハム)が初受賞となりました。

 球団別では、日ハムが4人と最多ですが、ロッテからも3人が選ばれている一方で、日本ハムと最後まで熾烈な優勝争いを演じたソフトバンクからは1人も選出されていないという、少し不思議な結果となっています。

 プロ野球を最も良く見て知っている新聞記者の皆さんの投票であることを勘案すれば、2016年シーズンは、日本ハムが個々のプレーヤーの比較という点からも一歩リードしていたということであり、ロッテについて言えば「来季が楽しみ」ということになるのかもしれません。

 さて、ここで目を引くのは、「大谷選手の2ポジションでの受賞」でしょう。
 投手とDHの2部門です。

 規定投球回数や規定打数に達していない、とのご意見が多数あることも認識していますが、2016年シーズンで最も印象的なプレーを魅せてくれた「投手」と「DH」が大谷選手であることに、異議を差し挟む人は少ないのではないでしょうか。

 投手として140イニングを投げて10勝4敗、防御率1.86。
 野手として104試合に出場し382度打席に立って、打率.322、打点67、本塁打22、OPS1.004。

 どちらも素晴らしい成績です。
 また、「ここぞ」という場面での活躍、記録より記憶という面からも、大谷選手は抜群であったと感じます。
 投手としての日本最速165km/hのスピード、打者としての反対方向への大ホームラン、などなど、個別の試合のシーンを採り上げれば枚挙に暇がない程の活躍でしょう。

 プロ野球が、多くのファンの支持のもとに成立していることを勘案すれば、文句無しの2部門受賞であると思います。

 「170kmのスピードボールを目指す」と、大谷投手が語ったとも報じられていますから、「世界一のプレーヤー」への道を着実に歩んでいるのでしょう。

 アスリートとしての才能の大きさという点では、大谷翔平選手は日本プロ野球史上、あるいは日本スポーツ史上、最高のプレーヤーのひとりと言えるのかもしれません。

 11月28日には、圧倒的な得票で今シーズンのMVPに選出されたとのニュースが流れました。
大谷選手は、プロ野球の「至宝」です。

 一頭抜けた能力を備えた「孤高の存在」になりつつあります。

 この現象を前にして、日本プロ野球界としては、このプレーヤーに続く選手、160kmを超える速球を投げる投手や、OPSが1を大きく超えるような長距離打者を育成し、選手層を厚くすることに注力することで、全体のレベルアップを図る時期が来ているように思います。
 第1戦・第2戦を広島カープが連勝し、第3戦の7回までカープが2-1とリードしていた、2016年の日本シリーズは、その8回に日本ハムが逆転し、9回広島が同点に追いついたものの、日本ハムが押し切りました。

 結果として、この第3戦がこのシリーズのターニングポイントとなったのです。
 第4戦以降も接戦が続きましたが、結局日本ハムが連勝を重ねて4勝2敗で日本一の座を捥ぎ取りました。

 まさに「紙一重」の勝負が続いた日本シリーズ2016でしたから、テレビ放送の視聴率もうなぎ上りでした。

 その第3戦、カープの先発投手は黒田博樹投手でした。
 黒田投手に対する広島ファンの思いは、私達には計り知れないものが有るのでしょう、このゲームで広島ホームテレビの瞬間最高視聴率は74.1%を記録しました。
 
 娯楽・エンターティンメントが少なかった昭和30年代ならいざ知らず、インターネットが普及し、テレビ離れが叫ばれて久しい平成28年になっての70%越えというのは、驚異的としか言いようがありません。

 日本ハムが3勝2敗と王手を掛けて迎えた第6戦では、関東地区の平均視聴率が25.1%、関西地区は26.7%、広島地区は54.9%、北海道地区は50.8%を記録したのです。
 このゲームの瞬間最高視聴率は、関東地区で34.8%、関西地区で38.4%、広島地区で68.3%、北海道地区で66.5%であったと報じられました。
 いすれも、もの凄い数字です。

 スポーツ超大国・アメリカのMLBワールドシリーズやNBAファイナルにも、十分に対抗できる水準だと思います。

 近時は「視聴率を取れない」という理由から、地上波での中継放送が減っているプロ野球ですが、良い試合にはやはり注目が集まるのです。

 今季のパリーグ・クライマックスシリーズでは、地上波やBSでも放送が無い試合が多く、とてもガッカリしましたし、何故放送されないのか不思議でした。

 各テレビ局の関係者の皆さんには、是非地上波でのプロ野球放送を増やしていただきたいと思います。
 日本シリーズ2016における、日本ハムの中島卓也選手の活躍は目覚ましいものでした。

 とにかく「相手投手に沢山投げさせる」のです。

 2ストライクを取られてからの粘り、ファウルを続け、ボール球は見送り、「いつ果てるとも知れない」打席を続けるのです。
 「1打席・10球以上」というのも、中島選手にとっては、そう珍しいことではありません。

 相手投手にとって、これほど「嫌な打者」も居ないでしょう。

 試合前の打撃練習でも、大半の打球をバッティング・ゲージに当てると報じられていますから、「意図してファウルを打つ技術を身に付けている」ことは明らかです。

 そして、中島選手が凄いのは、粘りに粘った後でヒットや四球で出塁することです。

 先発投手が100球を投ずるとして、1人の打者の1打席に10球を要するとすれば、3打席で30球となりますから、1/3の投球を1人の打者に投ずることとなります。
 これだけでも、相手投手にとっては大変な負担となります。通常の試合なら、6イニング・7イニングを投げ切れるものが、中島卓也選手の居る日本ハムを相手にする時には5イニングしか投げられないと言っても良さそうです。

 相手チームにとって、これたけの脅威となる存在感に加えて、中島選手の場合には「出塁する」のですから、チームにとっての価値は一層高いことになります。

 中島選手は、第5戦から第6戦にかけて「7打席連続出塁」を果たしました。
 第6戦は、2安打・3四球で5打席連続出塁だったのです。チームの勝利への貢献度は、極めて高かったのです。

 第5戦終了時点で、今シリーズのMVP候補として、中田選手、レアード選手、西川選手、バース投手といったプレーヤーが上げられていました。そして、第6戦の満塁本塁打が効いてレアード選手がMVPに輝きましたけれども、中島卓也選手が「もうひとりの最優秀選手」だったのではないかと、私は思います。
 8回表の攻防が試合を決めました。

 ギリギリの戦いが続く今シリーズ、日本ハムの3勝2敗で迎えた第6戦も競り合いのゲームとなりました。

 4-4の同点で迎えた8回表日本ハムの攻撃も2アウト。6試合連続登板となったジャクソン投手が良く投げ、このまま8回裏の広島の攻撃に向かうかと思われました。

 広島が先制し日本ハムが追い上げるパターンが多かった日本シリーズ2016でしたが、この試合は逆で、日本ハムが初回に先制し、2回裏広島が日ハムの守備の乱れをついて2-1と逆転しました。

 4回表、今度は広島の田中遊撃手が打球を弾いて日ハムのチャンスが広がり、西川選手の右中間三塁打が飛び出し4-2と再逆転しました。西川選手はこの試合2本目の三塁打でした。西川選手のベースランニングは、日本一を争う試合に相応しい、素晴らしいスピードでした。

 2点差という、本シリーズでは「大差」に見える差が付き、ここから日本ハムの「自慢のリリーフ陣」が登場しましたから、試合は日本ハムがこのまま押し切るかに見えました。

 しかし、広島カープの追い上げも凄まじいものでした。
 5回裏、丸選手がソロホームランで3-4。右中間フェンスギリギリのホームランでしたが、この試合に賭ける広島カープの執念、そしてマツダスタジアムに詰め掛けた広島ファンの思いがボールを運んだように感じられました。
 続くチャンスで下水流選手がショートに内野安打を放ち、ついに4-4の同点としたのです。

 試合は振り出しに戻り、再び「1点を争うギリギリの戦い=日本シリーズ2016の戦い」が始まりました。

 そして8回表2アウトからの攻防を迎えたのです。

 ジャクソン投手の投球には、いつものキレは有りませんでした。コントロールも定まらず、時折真ん中高めへの力の無い球が観られました。さすがに「6試合連続登板の疲れ」は隠しようも無かったのでしょう。

 日ハムは、この試合絶好調の西川選手に始まり、中島卓選手、岡選手の3連打で2死満塁のチャンスを創り出しました。打席には4番の中田選手、ネクストバッターズサークルには大谷選手が立っていました。
 
 この「大谷選手の姿」がプレッシャーとなったのでしょうか、ストライクが入りません。よもやのストレートの四球となって、日ハムが5-4と勝ち越しました。
 続く打席には、バース投手がそのまま入りました。大谷選手の代打は無かったのです。
 栗山監督としては、5-4で押し切るために「投手」大谷翔平を温存した形なのでしょうか。

 ところが、このバース投手がセンター前にタイムリーヒットを放つに至って、試合は大きく日本ハムに傾きました。ジャクソン投手の真ん中高めへの投球をしっかりと弾き返したバッティングでしたが、ジャクソン投手の投球に球威が無くなっていたのは明らかでした。

 そしてレアード選手の満塁ホームランが飛び出して、日本シリーズ2016は終焉を迎えました。
 このグランドスラムは、レアード選手のシリーズMVPをも決定付ける一打でした。「MVP選定がとても難しいシリーズ」にも決着を付けるホームランだったのです。

 6つのゲームを振り返ると、本当に接戦続きの「濃密な時間が続いたシリーズ」でした。
 どの試合も、一投一打で「流れ」が広島に傾いたり、日本ハムに傾いたりする、まさに拮抗した日本シリーズであったと感じます。

 カープにとって惜しまれるのは、第3戦を2-1で勝ち切れなかったことでしょう。
 第1戦、第2戦を連勝し、第3戦も優位に試合を進めていたのです。そのまま押し切っていれば、広島の4連勝も有ったシリーズでしょう。

 日ハムにとっては、最後に来て「リリーフ陣の層の厚さ」が生きました。カープの勝ちパターンの継投を構成する、今村投手・ジャクソン投手が共に「6試合連続登板」であったことを思うと、その感を一層強くします。
 拮抗した両チームの勝敗を分けたのは、このポイントであったのでしょう。

 それにしても、稀に見る「競り合いが続いた」シリーズでした。

 後世の人達が2016年の日本シリーズの結果を見た時、初戦・第2戦・第5戦が5-1、第6戦が10-4と、一方的なゲームが多かったような印象を受けるかもしれませんが、この5-1のゲームの内容は、いずれも「2-1」であり、10-4のゲームの内容も実際には「5-4」の競り合いであったことを、私達は語り継いで行かなければならないと思います。

 日本ハムファイターズ、広島カープの両チームの選手、チーム関係者の皆さんの素晴らしいプレーが随所に飛び出した、見所満載の日本シリーズでした。
 「プロ野球の面白さ」を改めて強く・深く感じました。

 「プロ野球の神髄」を魅せていただいた皆さんに、大きな拍手を送らせていただきます。
[第一戦 10月22日 マツダスタジアム]
広島5-1日本ハム

 この試合については、本ブログの今年10月23日の記事「広島カープ 投手陣の踏ん張りで快勝!」をご参照ください。

[第二戦 10月23日 マツダスタジアム]
広島5-1日本ハム

 広島カープの先勝を受けての第二戦も、ゲームは終始広島ペースでした。
 ランナーを出しながらも、なかなか決定打が出ない日本ハムファイターズに、次第に「焦りの色」が濃くなり、思いもよらぬエラーも飛び出すに至って、勝負は決しました。

 第二戦について見れば、第一戦敗戦の影響が日本ハムに大きく影を落としていた印象です。

 日本シリーズに臨むに際して、「セリーグよりパリーグの方が明らかに強い」という概念と、そのパリーグのペナントレースで奇跡的な逆転優勝を成し遂げたことからくる自信とから、日本ハムのプレーヤーには「自分たちの方が強く、絶対に勝てる」という自負があったのでしょう。

 ところが、広島投手陣の丁寧かつ粘り強い投球の前に「ホームベースが遠い」状況が生まれ、「こんなはずではない」という日本ハムプレーヤー達の意識が「焦り」に結びついたように感じます。

 一方、広島カープ側から見れば、投手陣の予想以上の頑張りが際立ちました。
 おそらく「事前の日本ハム各打者の研究」も相当進んでいて、ピッチングの組立自体が上手かったことも要因として挙げられるのでしょう。

 当然ながら、こうした「ビッグゲーム」では「1点の重み」が違いますから、失点を最小に抑えることは、勝利への必須条件となります。カープ投手陣はこの鉄則を見事に実行したのです。

 ファイターズとしては「1点では勝てない」ことを再認識させられた2試合だったことでしょう。

[第三戦 10月25日 札幌ドーム]
日本ハム4-3広島

 この試合も、広島カープ先発の黒田投手が素晴らしい投球を披露しました。
 大谷選手以外の打者を見事な投球で抑え込んだのです。

 試合は2-1でカープがリードしたまま終盤に入りました。
 再び「1点では勝てない」試合となりそうな状況下、8回裏に中田選手のタイムリーヒットが飛び出して、日ハムが3-2と逆転しました。
 このタイムリーヒットの価値は大きなものがあります。日ハム打線が「2点目を挙げた」のです。

 カープとしては2-1のまま押し切れれば、「日本ハム打線を完全に抑え込み、1試合1点しか与えない」戦略が見事に成功するところでした。この勢いで「4連勝」も夢ではなかったことでしょう。

 しかし、日本ハム打線は「2点以上を挙げる」ことに目覚めてしまいました。

 9回表、カープは鈴木選手の3塁打を足場に3-3の同点に追いつきましたが、もはや「1試合1点しか挙げられない日本ハム」ではありませんでした。
 10回裏、好調な打撃を魅せる大谷選手のタイムリーが飛び出し、この試合を制したのです。

 実力が極めて拮抗している戦いが「一方的な結果に終わる」ことは、スポーツの世界では時々見られます。
 この第3戦を広島が2-1で勝ち切っていれば、まさにそうしたシリーズとなる可能性が有りました。

 第3戦終盤の広島投手陣には、「自分達の投球の威力と研究の成果が功を奏している。日ハム打線を抑え込める」という自信が芽生えていたのかもしれません。2試合と3試合目の7イニングに渡って、日本ハムには各試合1点ずつしか与えていなかったのですから。
 そこに「僅かな油断」が生れていた可能性が有ります。

 このサヨナラ勝ちは、日本ハムにとってはいくつかの意味で貴重な勝利となったのでしょう。

[第四戦 10月26日 札幌ドーム]
日本ハム3-1広島

 前日のサヨナラ勝ちの勢いをかって、日本ハム打線が爆発するかに見えたゲームでしたが、やはり日本ハムにとって「ホームの遠いゲーム」となりました。

 1-0で広島がリードし、カープ投手陣は引き続き粘り強い投球を展開しました。

 6回裏、中田選手のホームランで同点となりましたが、1-1のままゲームは終盤を迎えました。両チームにとって「2点目がとても重い試合」となったのです。

 そして8回裏、レアード選手の2ランホームランが飛び出しました。バックスクリーン左側への特大の一発でした。
 第三試合と同じく、日ハムは「8回裏にリードした」のです。広島に残された攻撃は1イニングしかありません。

 9回表も2アウトランナー無しとなり、このままファイターズが押し切るかに見えましたが、ここから四球、ヒット、ヒットで満塁と攻め立てました。打席には3番の丸選手が入りました。
 マウンド上の宮西投手と丸選手の息詰まるような一投一打が続き、カウントは3-2。2アウト満塁3-2。

 最後は宮西投手渾身の一投を、丸選手が空振りしてゲームセット。

 勝負は最後の一球まで、どちらに転ぶか分からない、息詰まるような展開でした。

 日本シリーズ2016は2勝2敗のタイとなりました。互角の戦いが続いていると感じます。強いて言えば、広島のキーマン・今村投手の「投げ過ぎ」が少し心配されるところでしょうか。

 「紙一重」の戦いが続きます。
 10月22日、マツダスタジアムで行われた日本シリーズ2016・第1戦は、広島カープが日本ハムファイターズを5-1で破りました。

 日本ハム・大谷翔平投手の先発が予想されたゲームでしたから、日本ハムの優勢が伝えられましたが、広島カープが攻守にわたって「勝負どころでの強さ」を魅せて勝ち切りました。

① 10安打を浴びながら失点1に抑えた投手陣の頑張り

 この試合のヒット数は広島が7、日ハムが10でしたから、日本ハムの打線はよく打ったことになります。

 この日ハム打線に決定打を許さなかった広島カープ「最大の勝因」でしょう。

 大谷投手を相手に堂々と投げ合い、互角以上の投球を魅せたクリストファー・マイケル・ジョンソン投手、そのジョンソン投手が同点となるランナーを残した7回表、リリーフ登板し、このピンチをしっかりと抑えた今村猛投手、セットアッパーとして見事に役割期待に応えたジェイ・ジャクソン投手、そしてクローザーとして落ち着いた投球を魅せた中崎翔太投手、いずれも見事な仕事ぶりでした。

② 大谷投手から3得点

 2回裏ダブルスチールが決まって先制した広島でしたが、大谷投手に11三振を奪われ、一方で毎回のように日本ハムがランナーを出していましたから、ゲームは日本ハムが押し気味でした。

 ところが4回裏、松山竜平選手とブラッド・エルドレッド選手の連続ホームランが飛び出しました。リードを3点に広げる効果的なホームランでした。

 この2発で、試合の流れは広島に傾いたのです。

③ 降りしきる雨

 この試合の大谷投手は、あまり調子が良さそうではありませんでした。158kmのストレートを投げ、11三振を奪っても「不調」と言われるところが大谷投手の凄いところですが、この「不調」の要因の一つとして「雨」が上げられるのでしょう。

 強くは無いが止むことの無かった雨が、大谷投手のリズムを狂わせたように感じます。

④ 真っ赤なスタンド

 この降りしきる雨の中でも、マツダスタジアムは広島ファンで埋め尽くされていました。雨合羽に身を包んだカープ女子の姿も目立っていました。

 この熱狂的なファンの「期待」がカープのプレーヤー達に、大いなる力と勇気を齎したことも、間違いないことだと思います。

 日本シリーズ2016・第一戦は、広島カープの快勝となりましたが、試合内容を観れば「僅差の試合」であり、どちらに勝利の女神が微笑んでも不思議の無いゲームであったとも思います。
 「雨」と「ファン」の分だけ、広島が上回ったのかもしれません。

 第2戦からも、目の離せない試合が続くことでしょう。
 プロ野球2016は、ペナントレースおよびクライマックスシリーズを終えて、10月22日から日本シリーズが始まります。

[ペナントレース]

 セントラルリーグのペナントレースは、夏場以降、広島カープの独走でした。
 89勝52敗・勝率.631、貯金が37、2位の読売ジャイアンツとの差が17.5ゲームというのは見事な成績です。

 一方、パシフィックリーグは、日本ハムファイターズとソフトバンクホークスの熾烈な首位争いが続きました。

 ソフトバンクはシーズン前半独走しました。一時期は日本ハムに11.5ゲーム差をつけていたのです。今シーズンもソフトバンクの圧勝であろうと思われました。最終成績でも、83勝54敗・勝率.606、29もの貯金を積み上げながらもついに優勝できなかったのです。ある意味では、これも「記録的なシーズン」と言えそうです。

 春から夏にかけてはソフトバンクの後塵を拝していた日本ハムでしたが、夏場から大反攻に出ました。この反攻は凄まじいもので、球団新記録の15連勝を始め、「ほとんど負けない時期」を示現したのです。そして、ついにソフトバンクを捕え、抜き去りました。
 87勝53敗・勝率.621という最終成績は、「記録的独走」であったセリーグの広島の成績と遜色ないものとなっています。
 2つのチームが共に勝ち星を積み上げることが出来たのは、交流戦でのパリーグ優位の結果なのでしょう。

[クライマックスシリーズ・CS]

 セントラルリーグのCSは、読売ジャイアンツとDeNAベイスターズの戦いから始まりました。
 戦前は、やや有利なのではないかと言われていたジャイアンツでしたが、これを1勝2敗で落としました。3つのゲームはいずれも接戦でしたから、結果としては「菅野投手の不在」がジャイアンツに大きな影を落としたということになるのでしょう。

 大エースの不在が、短期決戦におけるチームの勝敗に大きな影響を与えることは間違いありませんが、別の見方をすれば、2016年シーズンのDeNAと巨人の差は「菅野投手の存在分」であったと言えるのかもしれません。

 ファイナルラウンドは、広島が3勝1敗で順当に勝ち切りました。
 これは、まさに今季の力の差と見てよいのでしょう。第3戦を3-0で勝ち、第4戦も接戦を演じたDeNAの健闘が目立ったラウンドとも言えそうです。

 パリーグはソフトバンクとロッテマリーンズの戦いで始まりました。
 戦前の予想は、ソフトバンクが圧倒的に有利というものでしたが、「下剋上」を得意とする?ロッテがどこまで食い下がるか、興味深いラウンドでした。

 結果はソフトバンクの2連勝でした。順当な結果であり、選手層の厚さの差が出た印象でした。
 悠々と勝ち上がった感のあるソフトバンクでしたが、内容を観ると2戦とも接戦であり、「シーズン終盤に来て、やや得点力が落ちている」印象も受けました。

 ファイナルシリーズは、ペナントレース同様のギリギリの戦いが予想されました。
 そして、4勝2敗(試合では3勝2敗)で日本ハムが勝ち抜いたのです。

 両チームが持ち味を発揮したラウンドでしたが、第5戦が象徴的なゲームであったと思います。
 初回に大量4点をソフトバンクが先制したときには、試合の帰趨は大きく傾いたと思いましたが、ここからの日本ハムの反撃は見事なものでした。戦力面では大きな差はないものの、シーズン終盤の「チームの勢い」には相当の差があったのです。

 特に、日本ハムの投打の軸、中田翔選手と大谷翔平投手が好調な状態でゲームを迎えていたという事実が勝敗を分けました。このラウンドのソフトバンクと日本ハムの差は、この2人のプレーヤーの活躍であったと感じます。

 同じ試合で、3番DHからクローザーとしての登板という「離れ業」「二刀流の神髄」を演じた大谷投手は、165kmの投球という日本プロ野球新記録をも示現しました。
 いまや「世界一のピッチャー」との評もあるスーパープレーヤーの存在感は、増すばかりですし、どこまで伸びていくのかという「底無しの才能」にも驚かされるばかりです。

[日本シリーズ]

 素晴らしいカードとなりました。いくつかのポイントで比較してみましょう。

① 勢い
 両チームとも、シーズンが深まるにつれて「チーム力」を上げてきていますから、「勢い」十分です。
 両チームとも勢い十分で迎える日本シリーズというのも、実は珍しいものなのかもしれません。

 「勢い」の比較というのは難しいものですが、ここは広島カープの方が僅かに上のように感じます。
 「負けない」という雰囲気が満ちています。

② 攻撃力

 両チームとも、機動力をも併せ持つ打線ですが、一発の迫力ではやや日本ハムが上回ります。特に中田翔選手が好調ですから、この点は日本ハムが勝っているのでしょう。

③ 投手力

 この点は互角でしょう。同じ投手が毎試合投げるわけにはいかない(かつて「権藤、権藤、雨、権藤」と言われた大投手もいましたが)ことを勘案すれば、投手陣の厚みは互角だと思います。

 但し、「絶対的な威力」という面では、大谷翔平投手の存在は大きいと思われます。

 その「絶対的な威力」を考慮すれば、投手力も日本ハムが上回っていると言えるのでしょう。

 そうなると、日本シリーズ2016は日本ハムがやや有利ということになりそうです。

 広島としては、第1戦・第2戦の戦い方が、とても大切になるのでしょう。
 ここで自慢の1~3番、田中選手・菊池選手・丸選手が機能して、2勝することが出来れば、シリーズの流れを掴むことが出来そうです。逆に言えば、それが実現できなければ、ジリジリと日本ハムに押されるシリーズとなる可能性が高いと思います。

 10月22日の第1戦、1回裏の広島カープの攻撃が、このシリーズの流れを決めるような気がします。
 パリーグの優勝を決めた日本ハムファイターズのチーム作りに対して、称賛の声が上がっています。

 主力選手に生え抜きの選手がずらりと並んでいるからです。

 21世紀のプロ野球では、FAになった他球団のスター選手を高額のサラリーで獲得することで、チームを作るやり方が目立ちました。
 確かに、「相当高い確率で一定の活躍が期待できる」という面からは、学校を卒業したばかりの新人選手を一から育てるという「手間とリスク」を省くことが出来ます。その「手間とリスク」に高いお金を払っているとも言えるのでしょう。

 一方で、当然のことながらFAとなった選手は年齢が行っていますし、既にピークを過ぎていて伸びしろが小さかったり、残された活躍期間が短いという面もあります。
 
 こうした面から、とにかく「生え抜き」の育成を目指す日本ハム球団のやり方が、注目されているわけです。

① スター選手は自前で作るという信念

 「うちはFAに高いお金を出さない。ドラフトは本当に大事」と栗山監督は言います。
 そして、ドラフト会議では重複指名を厭わず、評価が高い選手を敢然と指名して来ました。2011年の菅野投手は巨人に行きましたが、2012年には「絶対にメジャーに行く」と言っていた大谷投手を指名し、球団を挙げての説得に成功しました。

 大事な「一位指名権」を無駄にしたくない、との思いから、他球団と競合しない選手を指名する球団が少ない中で、日本ハム球団は常に「高く評価したプレーヤー」を指名し、取りに行っているのです。

 「出来そうで出来ないこと」でしょう。

② 育成選手は採らない。

 選手の育成においては、「実戦経験」に重きを置いていると報じられています。

 全体の選手数を65名前後に抑え、選手ひとりひとりの試合への出場機会を多くするようにしているのです。
 結果として、育成選手は採っていないのです。

 低コストで若手プレーヤーを支配下に置くことが出来る「育成選手」を採らないというのも、出来そうで出来ないことでしょう。

 島田球団代表は「育成枠はスカウティングの劣化につながる」とコメントしています。
 日本ハム球団のスカウトには、常に厳しい評価が待っていることになりますし、そこに「責任あるスカウティング」が育まれる素地が有るのでしょう。

③ 使ってくれる勇気のある監督

 島田代表は、また、「(実績が無い選手を)使ってくれる監督がいたのはラッキーだった」ともコメントしています。

 栗山監督は、就任初年から中田翔選手を4番に据え、我慢強く使い続けました。そして、中田選手は「日本を代表する中軸バッター」となったのです。今シーズンのレギュラープレーヤーにも、高梨投手や中島選手などの活躍に、栗山監督の用兵の妙が表れています。

 こうした「選手を育てる能力」と言う点では、かつての長嶋茂雄監督に近いのかもしれません。長嶋監督も野手で見れば、入院していた篠塚選手を「物が違います」とドラフトで指名・獲得し、NPBを代表するヒットメーカーに育て上げ、投手で見れば、新浦投手、定岡投手を使い続けて、チームの中軸投手としました。
 長島監督のゲームにおける采配については、いろいろな評価があるのでしょうが、選手の育成力という面では、NPB史上でも屈指であることは、異論はないでしょう。

 栗山監督も、その域に近づいているのかもしれません。

 さて、「生え抜きの選手を育て」でチームを作ってきた、というチームが、2016年の日本プロ野球にもうひとつあります。
 広島カープです。

 チーム強化の主体を「スカウティングと育成」に置く両チームが、2016年の両リーグのペナントレースを制したというのは、当然のことながら、決して偶然ではないのです。
 大谷翔平投手の素晴らしいピッチングでした。
 
 マジック1としていた日本ハムが、9月28日の西武ライオンズ戦を1-0で制し、2016年パシフィックリーグ・ペナントレースの優勝を決めました。

 レアード選手のホームランで得た「虎の子」の1点を、大谷投手が完投・シャットアウトの投球で守り切ったのです。15奪三振という、圧巻の投球でした。

 ソフトバンクホークスとの差は、6月に最大11.5ゲームもありました。そして追い上げに入ってからの15連勝もありました。
様々な記録に彩られた「球史に残る大逆転優勝」であったことは、間違いありません。

 それにしても、この大事なゲームに先発した大谷投手の姿は、しなやかで、堂々としていて、とても美しいものでした。
 プロ野球を代表する投手に成長した姿が、そこには在りました。

 アウェイの西武プリンスドームでの試合でしたが、日本ハムファンが球場を埋め尽くしていました。

 そのグラウンドで、大歓声に包まれて、栗山監督が8度宙に舞いました。
[9月10日]
広島カープ6-4読売ジャイアンツ

 カープの「勢い」がジャイアンツの「意地」を上回った試合でした。
 
 1回裏坂本選手が黒田投手から2ランホームランを放ち、ジャイアンツが2-0とリードしました。
 先日の阪神戦で逆転3ランホームランを打った坂本選手でしたが、そのホームランと「瓜二つ」の当たりでした。相当手前でボールを捌き、レフトフェンスをギリギリ超えたのです。坂本選手は「この打ち方」を体得したのかもしれません。

 3回表に、その坂本選手のエラーで1点を返したカープは、4回表に鈴木選手・松山選手の連続ソロホームランで逆転しました。今季のカープの勢いを感じさせる見事な攻撃でしたし、東京ドームの2/5を埋めたカープファンは大騒ぎでした。

 そして5回表、鈴木誠也選手の2打席連続ホームラン・2ランが飛び出し、カープは5-2として、そのリードを3点と広げました。
 現状のジャイアンツの打力とカープの投手力の力関係からして、ジャイアンツが5点以上の得点を挙げるのはとても難しいと考えていましたので、これで試合は大きくカープに傾いたと感じました。

 その後、両チームは1点ずつを加え6-4となって、ゲームセットでした。

① カープの25歳前後のプレーヤー・実力がしっかりと身に付いたプレーヤーの活躍

 広島の1・2・3番打者・「タナ・キク・マル」とも呼ばれる、田中選手・菊池選手・丸選手は、26歳・27歳の同世代のプレーヤーです。投手陣では、中継ぎの今村投手が25歳、クローザーの中﨑投手が24歳。鈴木誠也選手は22歳と、少し若いのですが。

 カープには、チームを支える「25歳前後の選手」がズラリと並びます。
 学校を卒業後、一気に花開いたのではなく、着実に力を付けてプロ野球界屈指のプレーヤーに育ったのです。
 この「育成の上手さ」が、今季の広島カープの優勝を支えたことは間違いありません。

② ベテラン選手の活躍

 25歳前後のプレーヤーと共にカープを支えたのは、ベテラン達でした。
 41歳の黒田投手、39歳の新井選手、37歳の石原選手、34歳の赤石選手と、その持ち味を存分に発揮してくれたのです。

 優勝決定後、緒方監督の胴上げを前にして、泣きながら抱き合う、黒田投手と新井選手の姿が、とても印象的でした。

③ マイコラス投手・5イニングで144球

 巨人の先発・マイコラス投手は、5イニングを投げ切るのに144球を要しました。球数がとても多かったのです。これは、好調な立ち上がりに見えたマイコラス投手に対して、広島カープの打者(黒田投手も含めて)が打席においてよく喰らい付いて行った結果と言えるのでしょうが、冷静に観れば「マイコラス投手の球威が少し不足していた」結果なのでしょう。

 粘ろうとして粘れるのであれば、好投手・好調な投手を迎えたチームは、皆この作戦を実行するのでしょうが、実際の試合においては「相手打者に粘りを許さない投球」が披露されることもあるのです。

 僅かに、本来の調子では無かったマイコラス投手に対して、カープ打線が驚くべき粘りと集中力を魅せた結果、「5イニングで144球」が生まれたのであろうと思います。

④ カープ女子の存在

 東京ドーム観客席の、内野3塁側から、レフトスタンド半ばまでを「赤く」埋め尽くした、カープ応援団の迫力は、凄まじいものでした。

 この試合では、応援の「声量」でもジャイアンツを圧倒していたと感じます。

 時々テレビ画面に大写しされるカープ応援席には、いわゆる「カープ女子」の姿が目立ちました。青年の姿も多かったと思います。
 一方のジャイアンツ応援席の観客は、失礼ながらもう少し年齢が高いファンが多かったように観えました。

 25歳前後のプレーヤーがチームの中核を占めている広島カープには、同じような年齢のファンも育っているということなのでしょうか。
 プロ野球の球団としては、その人気の継続性を担保するために、「若いファンの育成」も大切なことでしょうから、広島カープはその面でも成功しているというところでしょう。

 優勝決定後、東京ドームの内野で、カープの歓喜の胴上げが続きました。
 緒方監督が7回宙に舞った後、黒田投手が4回、新井選手が5回、胴上げされました。
 監督と両ベテランは、いずれも「涙の胴上げ」でした。

 前回「25年前の優勝の頃」生まれたプレーヤー達の大活躍で、9月10日の優勝決定という、史上屈指の早い優勝を、広島カープは勝ち取りました。本当に見事なシーズン・戦い振りでした。

 それにしても、セリーグにとっては久し振りの「大試合」でした。

 もちろん、圧倒的な成績で首位を走るカープにとっては、このゲームを落としても優勝は時間の問題なのでしょうが、それでも、黒田投手を立てて、「絶対に勝つ」というカープの思いと、「目の前で胴上げは絶対に見たくない」と、東京ドームでの2連勝を目指したジャイアンツの意地、この「気迫が激突」した試合は、見所満載でした。重量感満点でした。

 こういう「大試合」は、いつ観ても良いものですし、プロスポーツ最大のイベントであろうと思います。
 パシフィックリーグのペナントレースは、9月3日終了時点で、福岡ソフトバンクホークスが北海道日本ハムファイターズに1.5ゲーム差を付けて首位に立っています。
 ホークスはマジックも19としていますが、残り試合数が20前後の状況では、「心細い」マジックであり、2チームの首位争いは熾烈を極めている印象です。

 攻守の各項目のリーグ内チーム成績を比較してみましょう。

① 防御率
 日本ハムが3.04でトップ、ソフトバンクが3.05で2位。両チームの防御率は、ほぼ同じです。
② 得点
 ソフトバンクが545でトップ、日本ハムが539で2位。
③ 失点
 日本ハムが398で最小、ソフトバンクが404で2位。

 以上から、両チームの「得失点差」はほぼ同じということになります。

④ 打率
 日本ハムが.267でトップ、ソフトバンクは.261で3位。(2位は西武ライオンズの.265)
⑤ 本塁打数
 日本ハムが109本でトップ、ソフトバンクは99本で3位。(2位は西武の103本)
⑥ 盗塁数
 日本ハムが117個でトップ、ソフトバンクは92個で3位。(2位はオリックスの96個)

 こうして見ると、ソフトバンクと日本ハムの投手力・守備力は互角、打力・機動力では日本ハムが勝りますが、得点力はほぼ互角となっています。
 おそらく、ソフトバンクは「試合運びの上手さ」で長打力・機動力の差をカバーしているのでしょう。

 いすれにしても、「両チームの戦力は互角」ということですから、ペナントレース争いは最後まで縺れそうです。

 2016年シーズン開始前には、2015年シーズンの強さから見ても「ソフトバンクの独走での優勝」が予想されていましたし、春先から交流戦が終る頃までは、予想通りの展開でした。
 ところが、そこから日本ハムの猛追撃が始まったのです。

 2016年の日本プロ野球ペナントレースは、大混戦と観られたセリーグが広島カープの独走となり、ソフトバンクの独走と観られていたパリーグが熾烈な首位争いという、「予想外の展開」となっています。

 日本プロ野球の「奥深さ」と「面白さ」が存分に感じられるシーズンとなっているのです。
 9月に入り、プロ野球のペナントレースも佳境に入りました。

 セントラルリーグでは、9月3日終了時点で、広島東洋カープが2位の読売ジャイアンツに13.5ゲームの大差を付けて、マジックを6とし、優勝を目前にしています。

 セリーグのチーム毎の攻守の成績を見ると、広島カープが他を圧倒しています。

① 得点614でトップ
② 失点451で最小
③ 打率.275でトップ
④ 本塁打136本でトップ
⑤ 盗塁108個でトップ
⑥ 防御率3.33でトップ

 となっています。打力主体で首位に立っているわけでも無く、投手力・守備力に頼って首位に居るのでもない。攻守にわたってこれだけの項目でリーグトップとなると、首位に立ち、早々に優勝を決めそうであるのも、「当然」のことと言えるでしょう。

 特に凄いなと感じるのは、本塁打数で2位のジャイアンツ(111本)に25本差を付けてトップという長打力を誇りながら、盗塁数でも2位のヤクルトスワローズ(72個)に36個の大差を付けて断トツのトップなのです。
 「一発の威力」で他チームに勝る一方で、スモールベースボール面でも圧倒的な優位にあるとなれば、「独走」も当然ということになるでしょう。

 とても不思議なのは、2016年シーズンの春のキャンプ時点において、この「広島カープの圧倒的な戦力」がほとんど指摘されていなかったことです。
 各種の予想でも、必ずしも広島カープを優勝候補とする専門家は多くはありませんでした。
 春の時点では、セリーグ各チームの戦力に大きな差は無いと見られていたのでしょう。

 ところが、シーズンが始まってみれば、春先こそ混戦でしたが交流戦を終えた頃から広島カープの快進撃が始まり、ついにその勢いのままペナントレースを制することは間違いないでしょう。
 何より目立つのは、広島カープと他の球団の攻守各項目の成績の差です。
 「全く勝負にならない程の差」がついているのです。

 この差は、何処から生まれたのでしょうか。単に「勢い」で片付けるには、あまりに大きな差の様に感じます。

 2016年シーズンの広島東洋カープに「何が起こっているのか」、その「秘密」が解き明かされて欲しいものです。
 2016年の日本プロ野球NPBオールスターゲームが、7月15・16日に行われました。

 そして、大谷翔平選手が大活躍を魅せました。

 まずは7月15日、福岡ヤフオクドームのホームランダービーに登場しました。
 トーナメント第一戦は山田哲人選手との対戦。
 大谷選手は6本を放ち、5本の山田選手を抑えて、決勝に進みました。

 決勝では、筒香嘉智選手を下した柳田悠岐との対戦となり、3本対2本の成績で優勝しました。

 「投手」としてオールスターゲームに選出されていた大谷選手が、ホームランダービーで優勝したのです。

 続いて16日、横浜スタジアムでもホームランダービーに挑みました。
 そもそも「投手」が2戦連続でホームランダービーに登場するだけでも、空前の事でしょう。

 緒戦で再び山田哲人選手を下しましたが、さすがに決勝ではメヒア選手に、0本対1本の成績で敗れました。
 大谷選手が「7アウト」の内に、1本のホームランも打てなかったのは意外でしたが、セ・パ両リーグを代表するスラッガーを相手に、2戦連続優勝することに、少し気が引けた?のかもしれません。

 ホームランダービー後に行われたオールスター2016の第二戦、大谷選手は「全パ」の5番DHで先発出場しました。
 そして5回には左中間にホームラン。大谷選手の球宴第1号でした。
 7回には先頭打者としてレフト前ヒットで出塁、ホームを踏みました。
 8回にはライト前にタイムリーヒットを放ちました。

 ゲームは5-5の引分けでしたが、3安打2打点の大谷選手はMVPに輝きました。
 自身初の球宴MVP受賞でした。

 結局、オールスターゲーム2016で大谷「投手」の登板は有りませんでしたが、大谷「選手」は打者として大活躍を魅せてくれたのです。

 大谷翔平選手は、本当にスケールの大きなプレーヤーに成長しました。そして、まだまだ成長過程に在るのでしょう。

 「日本球界最速163kmの速球」を誇る投手が、ホームランダービーでも優勝するというのですから、大谷選手は正に「夢の球宴」を体現してくれたのでしょう。
 少し前の話で恐縮ですが、日本プロ野球NPBの2016年のセ・パ交流戦は6月20日に幕を閉じました。

 「今年も」パシフィックリーグが60勝47敗1引分と勝ち越しました。
 全108試合で60勝というのは、勝率5割5分を超えますから「圧倒」している状況です。

 そして、2004年の開始以来、12度の交流戦で「パ・リーグが11度勝ち越し」ているのですから、セ・リーグのファンの皆さんには申し訳ないのですが、これはもう「パ・リーグの方が強い」というのは厳然たる事実でしょう。

 「同じ野球というスポーツ」において、ドラフトという「機会均等の選手雇用制度」が在る中で、明らかな力の差が長期間に渡って存在しているというのは、不思議という他はありません。

 20世紀のNPBにおいても、「人気のセ、実力のパ」という言葉が存在していました。
 これは、オールスター戦などでパ・リーグの選手の活躍が目立つことを指しての表現であったと思いますし、セ・リーグとりわけ巨人軍の人気が高く、こうした状況に対して、パ・リーグのチーム・選手が「俺達も強いぜ」と主張している言葉であったようにも思います。

 客観的に観て、20世紀のNPBは「セとパが凌ぎを削っている」状況であったと思います。パ・リーグも強かったけれども、セ・リーグにも「巨人軍栄光の9連覇」を始めとして、時々に強力なチームが存在していました。
 ところが21世紀に入って、このバランスが大きく崩れてしまったのです。

 21世紀に入ってからの15度の日本シリーズにおいても、セ・リーグは5度しか勝てていませんし、最近10年はパ・リーグの7勝3敗となっています。

 セ・リーグの各球団は、野球というスポーツで強くなることよりも、「セ・リーグでの戦いで勝つためのチーム作り・プレー」を目指しているのではないかと、勘ぐられてしまいそうな結果となっているのです。

 交流戦2016の成績・結果を観ると、当然のことながら、打撃・投手力のどちらの部門でも、パがセを圧倒しています。
 
 試合内容を観ると、特に打撃・得点力の差が大きいようです。
 打撃10傑の中に、セ・リーグの打者は広島の鈴木選手、巨人の長野選手、DeNAの宮崎選手の3人しか居ません。
 
 セ・リーグの投手は、パ・リーグの強打者を意識するあまり、ボール球が増え、カウントを悪くしては打たれるという悪循環に成り易かったと感じます。
 それというのも、味方打線の得点力が小さく、「大きな援護=大量点は期待できない」と投手陣が感じているからに他ならないでしょう。

 セ・リーグの各球団の打線は、どうしてこんなに「小粒」になってしまったのでしょう。
 そして、各チームは何故「強化に努めない」のでしょう。
 「努めているとしたら」、何故これほど長きにわたって結果が出ないのでしょう。

 セ・リーグの球団のファンは、10年以上もの間、パ・リーグより明らかに弱いチームを応援し続けさせられているように見えます。

 2リーグあるいは2カンファレンスという形を取っているプロフェッショナルスポーツは、主に日米に数多く存在していますが、これ程一方が強い状態が続いているというのは、日本プロ野球だけではないでしょうか。

 とても残念な状況だと思います。
 5月21日の巨人戦で、「開幕27登板連続無失点」のNPB新記録を樹立した、中日ドラゴンズの田島慎二投手が、6月7日のオリックス戦で1失点し、残念ながら連続無失点記録は「31」でストップしました。

 とはいえ、開幕31登板連続無失点は、素晴らしい記録です。

 150km前後のストレートと高速フォーク、シュートを主体とした投球で、球質の重さで抑え込むパワータイプ。
 31試合の登板で29と2/3イニングを投げています。
ほとんどの登板機会で、1イニングをキッチリと抑え込んでいるところが、一層評価されるところでしょう。

 また、こうした記録が樹立されると、一層評価が上がるのが、「開幕」を外した「連続無失点登板記録」です。現記録は、阪神・藤川球児投手の「38」です。
 凄い記録が有るものです。

 記録は途切れてしまいましたけれども、田島慎二投手の今後の活躍もとても楽しみです。
 
 5月10日の対ロッテ戦に先発登板した、ソフトバンク・ホークスのリック・バンデンハーク投手は8回・10奪三振・1失点の好投を魅せて、2015年6月14日のデビュー以来無傷の14連勝として、元巨人の堀内恒夫投手が1966年にマークした13連勝を抜いて、「50年振りに」日本プロ野球NPB新記録を樹立しました。
 見事な新記録です。

 オランダ出身のMLBプレーヤーとして2007年にフロリダ・マーリンズでデビューしたバンデンハーク投手はボルチモア・オリオールズ、ピッツバーグ・パイレーツとキャリアを重ね、MLB6シーズンで50度の登板・35度の先発、8勝11敗の成績を残しています。
 その後、韓国プロ野球で2シーズンを過ごし、日本プロ野球に移籍したのです。

 150km前後のスピードボールと130km台のスライダーを主体とし、ナックルカーブやチェンジアップも織り交ぜて投球を組み立てます。
 198cmの長身を活かした投球の軌道には、独特の角度が有ると感じます。
 NPBの野球に、良くマッチしているのでしょう。

 バンデンハーク投手は、NPBにおけるプレーを存分に楽しんでいるように感じます。
 12歳の時に、世界少年野球大会で日本を訪れたことがあると伝えられていますから、基本的に日本の事が好きなのではないでしょうか。

 5月17日の日本ハム・ファイターズ戦で、ついに黒星が付いてしまいましたけれども、NPBにおける更なる大活躍が期待されます。
 5月17日のテレビ朝日の番組「グッド!モーニング」の中で、MLB2016のゲームにおける大乱闘シーンが報じられました。(結局、この乱闘騒ぎでは両チーム計14人のプレーヤーが処分を受けました)

 この放送の際に、アナウンサーが「そういえば、最近日本の野球では乱闘が減りましたね」と、コメンテイターの里崎智也氏(元ロッテマリーンズ)に振りました。
 里崎氏は「各チームの主力選手が、侍(サムライ)ジャパンで仲良くなっているから」と回答しました。

 明快なコメントでした。

 私も近時のNPBでは「乱闘」が少なくなったと思っていましたので、大いに感じ入りました。

 2009年に野球日本代表チームが「サムライ・ジャパン」と呼ばれるようになり、2012年からはチームとしての「侍ジャパン」が常設されるようになってから、NPB各チームの主力選手は「侍ジャパン」の練習等で「定期的に接する機会」が増え、コミュニケーションが向上し、力を合わせて海外のチームと戦うに至って、「仲良く」なってきたのでしょう。

 結果として、ペナントレースなどの公式戦において、以前ならば「乱闘」に結び付いた可能性の有るプレーが発生しても、両チームの主力選手同士が「仲良し」ならば、なかなか乱闘には発展しないことになります。

 時折見られた「乱闘」もプロ野球の風物詩のひとつであったと思いますが、ひょっとすると今後は観られないのかもしれません。

 不謹慎ながら、少し残念な気もします。
 2016年のプロ野球が本日3月25日に開幕します。

 野球ファンのみならず、日本国民の多くの方々にとって「球春」が到来するのです。

 春から秋にかけての日本のスポーツの中核は、やはりプロ野球なのでしょう。

 アメリカ合衆国におけるMLB(メジャーリーグ・ベースボール)と我が国におけるプロ野球は、その歴史と伝統から、暖かい季節の中心的スポーツの位置を占めていると思います。

 さて、今シーズンのオープン戦の成績を観てみましょう。

・1位 阪神 7勝3敗5引分 勝率.700
・2位 ロッテ 9勝4敗3引分 勝率.692
・3位 ソフトバンク 8勝4敗3引分 勝率.667
・4位 楽天 9勝5敗1引分 勝率.643
・5位 西武 8勝5敗2引分 勝率.615
・6位 広島 8勝6敗2引分 勝率.571
・7位 巨人 9勝9敗1引分 勝率.500
・8位 日本ハム 7勝8敗 勝率.467
・9位 ヤクルト 6勝12敗1引分 勝率.333
・10位 オリックス 4勝9敗3引分 勝率.308
     中日 
     DeNA (2引分)

 オープン戦は、試合数自体も巨人やヤクルトのように19試合を戦ったチームもあれば、阪神やソフトバンクのように15試合のチームもあり、引分数もチームごとに相当異なりますから、順位といっても、公式戦と同列に論じることは出来ません。

 また、プロ野球の専門家の多くが「オープン戦の成績はあてにならない」と言って居ます。
 確かに、オープン戦は「調整の場」であって「勝負の場」ではないのでしょう。

 とはいえ、2015年シーズンも、セリーグ・パリーグともにオープン戦で好成績を上げたチームがペナントレースを制していますから、オープン戦の成績が「全く参考にならない」ということでは無いようです。

 そうすると、今シーズンのセントラルリーグは阪神タイガース、パシフィックリーグはロッテマリーンズに注目ということになるのでしょう。

 オープン戦2016の阪神は、防御率が1.93と全体2位でした。投手陣が好調なのです。加えてチーム打率も.277と全体の2位。投打のバランスが取れている形です。
一方のロッテは、打率が全体1位の.282でした。こちらは打線が好調なのです。

 阪神もロッテも、「明確な強み」を具備しているようですから、ペナントレースでも十分に期待できるということになります。

 少し寒い気候が予想されていますが、プロ野球の開幕とともに日本列島に春が来ます。
 3月12日(土)午前10時30分から、日本テレビ系で「80歳 長嶋茂雄の今」という番組が放送されました。
 東日本大震災とも関連した内容でしたが、とても興味深い内容であり、最近の長嶋氏を観ることが出来ました。

 病気からのリハビリに挑む長嶋氏は、とても元気でした。

 表情も豊かになりましたし、血色も良く、声も大きくなりました。以前より、格段に元気になったと感じます。

 長嶋茂雄には不思議なオーラが有ります。

 「周囲を明るくする」というオーラです。その力は、おそらく、他に類を見ない強いものでしょう。
 野球界に限らず、あらゆるジャンルを通じても、日本一の、「別格」の強さなのではないでしょうか。

① リハビリに挑む姿勢

 その長嶋氏の、リハビリに挑む姿は、試合や練習に挑むプレーヤーの様でした。本当に必死に取り組んでいるのです。
 ほとんど動かない「右半身」をも使って、色々なメニューを熟していきます。

 80歳の大病後の男性として、驚異的な運動能力だと感じました。

② 昭和30年代の映像が欲しい。

 こうした番組になると、現役時代の長嶋選手の映像が映し出されますが、昭和40年代、全盛期を過ぎた長島選手の映像が多いのです。
 
 デビューした年に打率・本塁打のタイトルと共に盗塁王にも輝いた「スピードスター」としての細く引き締まった肉体を駆使した長島選手を観ることは、殆どできないのです。走攻守が非常に高いレベルで備わった、素晴らしいプレーヤーでした。

 もちろん、昭和30年台中盤はテレビ放送創世の時期であり残された映像が少ないことが主因でしょうけれども、当時のメジャーリーグのプレーヤー・コーチ達が口を揃えて「直ぐにメジャーで活躍できる」と称賛したプレーの数々は映像として残されていないのでしょうか。

 当時の日本プロ野球において、最もメジャーリーグに近かったプレーヤーとしての長嶋茂雄選手のプレーを、是非再び観てみたいものだと感じます。

③ 「苦汁を嘗め尽くす」

 番組の後半で長嶋氏は、「現在は野球で言えばスランプの様なもの。苦汁を嘗め尽くして、次への糧にする」とコメントしました。

 「戦後日本最強の太陽の様な人物」の口から出た言葉として、大変感じ入りました。

 80歳になっても、未来に目を向けて「苦汁を嘗め尽くす」という姿勢には、頭が下がりますし、励まされます。

 一緒に番組を観ていた妻が、「長嶋さんは野球に接している時表情が全然違うのね。よっぽど野球が好きなのね」と言いました。

 その通りだと思います。
 日本プロ野球NPB2016は、巨人の高橋由伸監督(40歳)に代表される「若手新人一軍監督」が話題となっていますが、二軍監督にもフレッシュなメンバーが揃いました。

 まずは、阪神の掛布雅之監督。
 60歳と、年齢的にはフレッシュとは言えないかもしれませんが、現役時代「ミスタータイガース」と呼ばれた掛布選手のユニフォーム姿をグラウンドで再び観ることが出来るのは、とても嬉しいことです。
 独特の「大きなスイング」でホームランを量産した掛布監督の指導から、個性豊かな選手が生まれて欲しいものです。

 続いては、巨人の斎藤雅樹監督。
 50歳。野球殿堂入りしたばかりの年に、二軍監督に就任しました。「競争心」をスローガンに掲げています。
 巨人軍の大エースとして君臨した斎藤投手ですが、埼玉・市立川口高校時代には甲子園大会には出場できませんでした。決して陽の当たる道ばかりを歩いてきたキャリアでは無いのです。
 「心身ともに大きな監督」が、精神面の強さを選手達に植え付けてくれることでしょう。

 オリックスには田口壮監督が誕生しました。
 46歳。アメリカ・メジャーリーグで「チャンピオンリング」を手にした、ある意味では「強運の持ち主」でしょう。
 何とも言えない「明るさ」が持ち味であり、比類なき闘争心をベースとした野球を身上にしていると思います。オリックスの二軍選手達に「気持ちの強さ」を教え込み、「勝負強いプレーヤー」を送り出してほしいものです。

 そして中日の小笠原道大監督。
 42歳になりました。現役時代には「求道者」の雰囲気が有りました。とことん練習し、試合前にもとことん準備するという、自らのやり方は、監督になっても変わらないのではないでしょうか。
 相当厳しい指導が展開されると思います。「一芸に秀でた選手」が生れるのではないでしょうか。

 21世紀に入ってからのNPBは、多様なスターティングラインナップを用意できるチームがペナントレースを制する傾向が有ります。
 体調やコンディションの調整も含めて、個々の選手が一軍と二軍を行き来する頻度が、「20世紀のプロ野球」より格段に増えているのです。

 一軍と二軍の総合力、選手層の厚さが、各チームの成績を決める時代。
 二軍監督への期待は、一層大きくなっているのでしょう。
 10月29日に行われた、日本シリーズ2015の第5戦、ソフトバンク・ホークスがヤクルト・スワローズを5-0で破り、通算成績を4勝1敗として、今シーズンの日本チャンピオンに輝きました。
 ソフトバンクは、球団史上初めての日本シリーズ連覇でした。

 「他球団との力の差」を見せ付けたシーズンでした。

① パシフィックリーグのペナントレースで独走

 ご承知の通り、ペナントレースでは「悠然たる」戦い振りを見せて、早々に優勝を決めました。

② プレーオフでは8戦して7勝1敗

 クライマックス・シリーズのファイナルステージでは3連勝、日本シリーズに入っても4勝1敗ですから、「負ける気がしない」戦いが続いたのではないでしょうか。

 投手力・打力共に、他の球団を圧倒する力を魅せました。

③ プレーオフ唯一の敗戦は「記録的なゲーム」

 大混戦であったセントラルリーグのペナントレース2015を制した、ヤクルト・スワローズも、その持てる力を精一杯発揮したシリーズであったと感じました。決して、ヤクルト・スワローズが不調であった訳ではないと思います。

 そのヤクルトが唯一勝利したシリーズ第3戦は、山田哲人選手の「3打席連続本塁打」という、日本シリーズ史上初の快挙が生まれた試合でした。

 こうした過去に例が無い程の活躍が有って初めて勝利できる、逆に言えば、過去に例が無い程のプレーを見せなければ、現在のソフトバンクには歯が立たない、ということなのでしょう。

④ 「常に優位」という雰囲気・試合運び

 今シリーズの大事な局面においては、常にソフトバンクのプレーヤーが「精神的優位」に立っていたように観えました。

 ソフトバンクの攻撃・チャンスの時には、ヤクルトのピッチャー陣が追い込まれた様子になり、ソフトバンクの守備・ピンチの時には、ヤクルトのバッター陣が追い込まれた様子でした。
 「心の余裕」に大きな差が有ったのでしょう。

 過去の日本シリーズでも、これ程の「心の余裕の差」が感じられたシリーズは無かったように思います。

 過去、長期間に渡って最強チームの名を欲しい儘にした、読売ジャイアンツや西武ライオンズの全盛時でも、感じられなかった程の「差」でした。

 2015年シーズンにおける福岡ソフトバンク・ホークスと、他の11球団との力の差は、日本プロ野球史上最大のものであったのかもしれません。
 10月24日から始まる今季の日本シリーズは、福岡ソフトバンク・ホークスと東京ヤクルト・スワローズの対戦となりました。
 何か、とても新鮮な印象のカードです。

 両チームには、ペナントレースでトリプルスリーを達成した選手が居ます。
 ヤクルトの山田哲人選手とソフトバンクの柳田悠岐選手です。
 二人とも、素晴らしい2015年シーズンを魅せました。

[山田選手の成績]
・打率.329
・本塁打38
・盗塁34
・打点100

[柳田選手の成績]
・打率.363
・本塁打34
・盗塁32
・打点99

 両プレーヤー共に、打率3割・本塁打30本・盗塁30という所謂「トリプルスリー」を悠々とクリアし、100点前後の打点を記録しましたから、「チームの攻撃の核」であったことは間違いありません。

 当然ながら、日本シリーズ2015においても、両チームの攻撃の中心選手となりますし、柳田選手・山田選手の活躍度合いが、シリーズの行方に大きく影響することも間違いないことでしょう。

 ほとんど同水準の記録を残した両選手ですが、バッティングの形は異なります。

 常にホームランを狙っているかのような柳田選手の大きなフルスイングは、柳田選手のアイデンティティでもあります。
 打球は、大きな放物線を描きます。飛距離も出ます。横浜スタジアムの電光掲示板を直撃した打球は、その電光板の相当上の部分を壊していました。

 一方の山田選手は、ライナー性の打球が多いように観えます。本質的にはシュアな「中距離ヒッター」ということなのでしょうか。

 そうすると、山田選手は高打率を確保し、柳田選手は多くのホームランを放つ、打者の様に感じられますが、実際の成績では、打率は柳田選手の方が高く、本塁打数は山田選手の方が上なのです。
 とても興味深いことです。

 記録は嘘を付きませんから、おそらくは、振り回しているように観える柳田選手はキッチリとミートしヒットを積み重ねていく技術を保持しており、コンパクトなスイングでヒット狙いに徹しているように観える山田選手はいつも「強くボールを叩いている」のでしょう。

 「13年振りに同じ年に登場した二人のトリプルスリー・プレーヤー」が対決する日本シリーズ2015。

 スピードとパワーに溢れた、素晴らしいプレーが期待されます。
 10月2日、スワローズが今シーズンのセントラルリーグ・ペナントレース優勝を決めました。14年振りの優勝でした。

 一時期は、所属全チームが借金生活に陥るという「史上空前の状況」になっていたセントラルリーグにおいて、少しずつながら着実に「貯金を積み上げた」ヤクルト・スワローズが、ついに抜け出したのです。

 優勝決定時の成績は、75勝64敗2引分・勝率.540でした。
 決して高い勝率とは言えませんが、貯金を11まで伸ばしたところが素晴らしいと感じます。

 打線では、何と言っても山田哲人選手の活躍が目立ちます。
 37本塁打、34盗塁、打率3割越えの所謂「トリプル3」を達成するシーズンとなりました。そのこと自体が球史に残るものですが、本塁打数・盗塁数共にチームNO.1なのですから、ペナントレース制覇への貢献度の高さが分かります。

 もちろん、川端慎吾選手や畠山和洋選手の打棒もここぞという試合における、チームの勝負強さの源になったことは間違いありません。

 投手陣では、小川泰弘投手・石川雅規投手を中心とした先発陣の粘り強いピッチングと、オンドルセク投手のセットアッパーとしての活躍、そしてバーネット投手のセーブと、それぞれの投手が自らの役割をキッチリと果たした印象です。
 「強力なエース」が居なくとも、総合力で競り合いをものにしてきたのでしょう。

 忘れてならないのは、真中監督の采配でしょう。
 2013年・2014年と2シーズン連続最下位であったチームを、優勝に導いた指導力は素晴らしいものであったと思います。

 今シーズン前半は、手探りの状態でチームを運営していたように観えました。チーム力を見極める時期だったのでしょう。後半戦は「現状の戦力でやれるベストの試合」にトライしていたように観えました。
 指揮官に必要な要素であろう「強い信念」を感じさせる采配・選手起用でした。この強い信念が、戦力的にはほぼ互角のチームが揃ったセントラルリーグにおける優勝を、勝ち取る要因となったのでしょう。

 「前シーズン最下位からのペナント制覇」は、これまでも相当数有った印象でしたが、実は1950年の2リーグ制開始以降「僅かに5チーム目」というのは意外でした。
 65年間で5度ですから、13年に一度の快挙と言うことになります。
 やはり、チーム力は一朝一夕には上がってこないということなのでしょうか。

 「14年振りの優勝」に輝いた東京ヤクルト・スワローズの、クライマックスシリーズでの活躍にも期待したいと思います。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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