FC2ブログ
HOME   »  NFL
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 「20世紀の4大ボウルゲーム」の全てに勝っているのがオハイオ州立大学チームです。

 これは「有るようでなかなか無い」記録でしょう。
 バックアイズは、カレッジフットボールの名門チームなのです。

 アメリカ合衆国オハイオ州コロンバスに在るオハイオ州立大学自体が、全米屈指の名門公立総合大学です。
 創立は1870年、公立名門校が集う「パブリックアイビー」のひとつです。

 そのオハイオ州立大学のフットボールチームの活躍は、全米に鳴り響いています。
 
 ローズボウルでは、1950年の初勝利を皮切りに8度の勝利を重ねています。
 今年2019年1月1日に行われたゲームでも勝利しました。

 シュガーボウルでも、1999年の初制覇から2015年までに3度の勝利。

 オレンジボウルでも、1977年に勝利。

 コットンボウルでも、2017年に勝利しているのです。

 出場チームが、決められたカンファレンス所属という「伝統的な条件」がある4大ボウルにおいて、それを全て制覇しているというのは、凄いことだと思います。
 もちろん、ボウル・チャンピオンシップ・シリーズBCSやカレッジフットボール・プレーオフの開始に伴って、伝統的なボウルゲームの出場校が、「全米王者決定戦」に向けて変化してきたことが、全てのボウルゲームに出場できることになった要因のひとつなのですけれども、それにしても、少ない出場機会を活かして勝利するというのは、容易なことではないでしょう。

 数ある「カレッジフットボール名門チーム」の中でも、オハイオ州立大学バックアイズは「21世紀になってもとても強い」チームと言って良いと思います。

 4大ボウルゲームに比べて、少し新しいフィエスタボウルにおいても大活躍しています。
 1983年にピッバーグ大学パンサーズを破って初勝利を挙げると、2002年、2003年、2005年、2015年、とこれまで6勝、2008年、2016年には惜しくも敗れていますが、出場するだけでも大変なことですから、21世紀におけるバックアイズの強さには驚かされるばかりです。

 そして「プレーオフ制度」がスタートした2015年1月12日の全米王者決定戦(AT&Tスタジアム)では、オレゴン大学ダックスを42-20で下して、全米王者に輝きました。

 「21世紀にも強い」オハイオステート・バックアイズですから、NFLで活躍するOBも現役選手が目白押し。

 まずはジョーイ・ボッサ選手。ロサンゼルス・チャージャーズのディフェンスエンドDEです。2016年にデビューし、2017年にはプロボウルにも選ばれました。J.J.ワット選手(ヒューストン・テキサンズ)2世との呼び声も高い、若手ディフェンダーです。

 続いてはエゼキエル・エリオット選手。ダラス・カウボーイズのランニングバックRBです。やはり2016年にデビューし、その年にプロボウル選出。

 続いては、マイケル・トーマス選手。ニューオーリンズ・セインツのワイドレシーバーWR。やはり2016年デビューですが、クオーターバックQBドリュー・ブリーズ選手を中心とした華麗なパス攻撃のチームにおいて、既にエースレシーバーです。

 前述のボッサ選手やエリオット選手、トーマス選手が在籍した頃のバックアイズが強かったのは、自然なことなのでしょう。2014年シーズンの全米チャンピオン、ビッグ・テン・カンファレンス優勝に輝いています。

 続いては、キャメロン・ヘイワード選手。ピッツバーグ・スティーラーズのDEです。2011年デビュー。「鉄のカーテン」を誇るスティーラーズで、プロボウルとオールプロに選出されています。

 続いては、マルコム・ジェンキンズ選手。フィラデルフィア・イーグルスのフリーセイフティFSです。NFLデビューは2009年、ニューオーリンズ・セインツのコーナーバックでした。この2チームで、2010年(第44回)と2018年(第52回)の2度のスーパーボウル制覇に貢献しています。2チームで2度のスーパーボウル、そして2度の制覇というのは、マルコム・ジェンキンズ選手の「星の強さ」を感じます。

 さて、ミシガン大学ウルヴァリンズの記事の中で、ミシガン・スタジアムが全米大学の中で最大と書きましたが、オハイオステート・バックアイズのホーム、オハイオ・スタジアムも100,000人以上を収容する巨大なものです。
 バックアイズは、全米屈指のハイレベルなカンファレンスであるビック・テン・カンファレンスに所属しています。そして、ウルヴァリンズとは伝統的なライバル関係にあります。ただでさえ入手困難なバックアイズ戦チケットですが、オハイオ州立VSミシガンのチケットはなかなか手に入らないそうです。

 ちなみにバックアイズとは「トチノキ」のことで、オハイオ州が”Buckeye State”と称されることに由来しています。
 オハイオ州立大学は、オハイオ州を代表する大学なのです。
スポンサーサイト



 少し間が空いてしまいましたが、全米カレッジフットボールのシリーズは続きます。

 前稿の通り、1902年の第1回ローズボウルにおいて、西部代表のスタンフォード大学カージナルに49-0で圧勝したのがミシガン大学ウォルバリンズです。

 ウォルバリンズは、アメリカ合衆国のカレッジフットボール創成期から現在に至るまで、強豪チームとして厳然たる地位を占めています。

 カレッジフットボールの歴史が古いミシガン大学ですが、そもそもミシガン大学自体が1817年に当時のミシガン準州のデトロイトに創設されており、アメリカ合衆国で最も歴史の有る公立大学です。
 1837年に現在のアナーバーに移設されたというのですから、まさに「歴史と伝統を誇る」名門大学なのです。

 チーム愛称「ウォルバリンズ」のウォルバリンは「クズリ=クロアナグマ」のことで、ミシガン州の別名が”Wolverine State”であるところから名づけられているのですから、「The ミシガン州」と呼んで良いチームなのでしょう。

 ウォルバリンズの戦績は「華やか」の一語でしょう。
 特に20世紀においては、全米屈指の強豪チームでした。

 ローズボウルでは1902年を皮切りに8度の勝利を重ねていますし、シュガーボウルでも2012年に勝ちました。オレンジボウルでも2000年に勝利し、フィエスタボウルでも1985年に勝っています。
 
 また、ミシガン大学には全米大学最大のスタジアム「ミシガン・スタジアム」があります。
 そして、ウォルバリンズの1試合当たりの平均観客数は11万人を超えると言われています。
 「入れ物」の大きさの関係もあるのですが、NFLの各チームより平均観客数は相当に多いのです。

 ウォルバリンズが所属するのは、全米屈指のレベルを誇る「ビッグ・テン・カンファレンス」です。
 「ビッグ・テン」における、ミシガン州立大学スパルタンズ、オハイオ州立大学バックアイズ、ペンシルベニア州立大学ニタニーライオンズ、ウィスコンシン大学バッジャーズといった「強豪チーム」との競り合いは、毎シーズン熾烈を極めます。
 アメリカンフットボールファンならば、一度は「ビック・テン」の一シーズンの全試合を観てみたいと考えることでしょう。
 「ミシガン・スタジアム」がいつも11万人大観衆で埋め尽くされるのも、さもありなん、というところなのです。

 NFLで活躍するOBということになると、何といってもニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバックQBトム・ブレイディ選手でしょう。「ペイトリオッツ王朝」のQBとして、あらゆるNFL記録を塗り替えつつあります。

 その名門ミシガン大学ウォルバリンズも、20世紀に比べて21世紀になってからは、やや精彩を欠いているとの指摘もあります。

 ウォルバリンズの「復活」が期待されているのでしょう。

 カリフォルニア州スタンフォードに本部を置くスタンフォード大学は、ご存知のように全米屈指の名門校です。

 全米大学ランキングでも、MITマサチューセッツ工科大学やハーバード大学と並んで、常にトップ3に入っている印象が有ります。
 入学への難易度や大学内での教育水準・研究のレベル、OBの活躍、等々、全ての面で全米を代表する大学のひとつなのでしょう。

 そのスタンフォード大学カージナルは、カレッジフットボールの世界でも、屈指の名門チームなのです。

 全米カレッジフットボールにおいて最古の歴史を誇るボウルゲーム・ローズボウルの1902年・第1回のカードは、スタンフォード大学VSミシガン大学でした。
 西部の大学チームを代表するスタンフォードが、東部を代表するミシガンを招待して行われたものですが、このゲームは49-0でミシガンが圧勝しています。

 このゲームが始まりとなって、ローズボウルはPacific Coast conference(現在のパシフィック12カンファレンス)とビッグ・ナイン・カンファレンス(現在のビッグ・テン・カンファレンス)のゲームとして、長い間運営されてきたのです。

 スタンフォード大学カージナルは、ローズボウルでは1927年・1928年・1936年・1941年・2013年・2016年と6度の優勝を誇りますし、オレンジボウルでも2011年に勝利、フィエスタボウルにも2011年に出場(オクラホマステート・カウボーイズに惜敗)するなど、犇めきあう有名強豪チームの間に入って、着実な実績を積み上げています。

 NFLで活躍したOBでは、何といってもデンバー・ブロンコスのクオーターバックQBジョン・エルウェイ選手が有名でしょう。1990年から5度スーパーボウルに進出し、最初の3度は勝てなかったというか、大敗を続けましたが、1998年と99年には連覇しました。その闘志溢れるプレー振りは、多くのファンを魅了したのです。

 スタンフォード大学カージナルは、20世紀前半のローズボウルを彩り、21世紀になってからは各ボウルゲームで、活躍を魅せています。

 いわゆる「カレッジフットボール強豪校チーム」を相手にしても、「強い時にはとても強いチーム」として、全米カレッジフットボール界に個性十分な存在感を示し続けているのです。

 ここまで「20世紀の4大ボウルゲーム」と「ニューイヤーシックス」などについて書いてきました。
 
 アメリカ合衆国のカレッジフットボールの歴史の中で、素晴らしいチームが、素晴らしいゲームを繰り広げてきたことが、よく分かります。

 本稿からは、これまで採り上げなかったカレッジフットボールのチームの中で、個性豊かなチームについて書きたいと思います。

 まずは、ピッバーグ大学パンサーズ。

 医療分野では世界屈指のレベルと高評価を誇るピッツバーグ大学ですが、フットボールにおいても異彩を放っています。
 もちろん、伝統校のチームですから、20世紀においても活躍していました。
 変な書き方で恐縮ですが、「時々、とても強い」のです。

 ローズボウルでは1937年に勝利、シュガーボウルでも1977年に勝ち、フィエスタボウルも1979年に制覇しています。
 フィエスタボウルには、1973年、1983年と2004年にも登場し惜しくも敗れていますから、相当の長きにわたって「全米ランキング上位」を維持しているチームと観るのが自然なのでしょう。

 更に素晴らしいのは、出身プレーヤーのNFLでの活躍です。

 まずは、クオーターバックQBダン・マリーノ選手。1980年代から90年代にかけてマイアミ・ドルフィンズで活躍し、数々の大記録を打ち立てました。ダン・マリーノ選手がNFL史上屈指のQBであることに、異論を差し挟む人は極めて少ないと思います。

 さらには、ランニングバックRBトニー・ドーセット選手。1976年のハイズマントロフィー(全米カレッジフットボールにおいてその年度に最も活躍したプレーヤーに贈られる賞)受賞プレーヤーですが、NFLダラス・カウボーイズのRBとして、数々の記録を打ち立て、スーパーボウル制覇に貢献しました。その柔らかく、縦横無尽な走りは、RBのひとつの「型」を確立したようにさえ見えます。
 我が国のファンも含めて、RBとしての人気の高さも史上屈指でしょう。

 現役では、ワイドレシーバーWRのラリー・フィッツジェラルド選手。本ブログにも何度も登場していますが、アリゾナ・カージナルスの「看板プレーヤー」として、衰えを知らぬ素晴らしいプレーを続けています。

 ちなみに、世界的なポップアート画家(アメリカを代表する画家のひとりでもあります)アンディー・ウォーホール氏や、世界的指揮者ロリン・マゼール氏も、ピッツバーグ大学の出身です。

 「とても懐が深い大学」なのでしょう。
 20世紀の末になって、アメリカのカレッジフットボール界に「全米王者を直接対決によって決めて行こう」という動きが、具体化してきたことを見てきました。
 今回は、その仕組みづくりに新たに加わった2つのボウルゲームを採り上げます。

 20世紀の前半に生まれた4大ボウルが、年月を経るごとに人気を上げ、アメリカ合衆国を代表するスポーツイベントに成長して来たのですが、その記事の中でも書いたように、商業ベースで十分に採算に乗る、それどころか「とても儲かる」となれば、全米で「絶大」な人気を誇るカレッジフットボールですから、「私達の街でもボウルゲームを」という機運が全米各地で高まるのは、自然なことでしょう。

 20世紀の後半には、全米各地で数多くのボウルゲームが立ち上げられたのです。
 数え切れない程のボウルゲームが、全米各地で立ち上げられました。
 
 その中で、21世紀に至って「4大ボウルゲームと並んで重要な役割」を果たしているのが、ピーチボウルとフィエスタボウルでしょう。

 ピーチボウルはジョージア州アトランタで、これは大晦日=12月31日に行われることが多いボウルゲームです。
 1968年に創設されました。
 現在の会場は、メルセデスベンツ・スタジアム(NFLスーパーボウル2019の会場)です。以前は、隣地に在るジョージア・ドームでした。(ジョージア・ドームの隣地にメルセデスベンツ・スタジアムが建てられたと言った方が正確です)

 一方のフィエスタボウルは、アリゾナ州グレンデールで開催されているボウルゲームです。
 1971年に創設されました。
 こちらも当初は12月下旬に開催されることが多かったのですが、近時は1月1日あるいは2日に開催されるようになりました。
 会場は、当初はサン・デビル・スタジアムで行われ、2007年からはステートファーム・スタジアムでの開催となっています。ステートファーム・スタジアムもNFLスーパーボウル2008の会場となりました。
(スーパーボウルの会場となったという表記は、70,000人以上の収容能力を備える巨大な施設という意味です)

 さて20世紀後半に、全米中で数多く生まれたであろうボウルゲームの中で、ピーチボウルとフィエスタボウルを採り上げているのは、この2つのボウルゲームが、現在の「カレッジフットボール・プレーオフ」制度の中で、重要な役割を果たしているからです。

 20世紀の4大ボウルゲームと、この2つのボウルゲーム、つまり、ローズボウル、シュガーボウル、オレンジボウル、コットンボウルとピーチボウル、フィエスタボウルの6つのボウルゲームにおいて、「カレッジフットボール・プレーオフにおける準決勝戦が、持ち回りで開催されるルールとなっているのです。

 年末年始に行われる、これらの6つのボウルゲームは、現在では「ニューイヤーシックス」と呼ばれ、特別な扱いを受けています。
 現時点では「21世紀の6大ボウルゲーム」という位置付けであろうと思います。(時代が2100年近辺まで進んだ時に「21世紀の6大ボウルゲーム」と呼ばれているかどうかは分からないところですが・・・)

 毎年、この6大ボウルの内の2ゲームが「プレーオフ」の準決勝戦となり、これを勝ち上がった2チームが翌週→1月の第2月曜日に開催される「全米王者決定戦」に進出して、覇を競うのが「カレッジフットボール・プレーオフ制度」です。(従って、全米王者決定戦の日程が最初に決まり、準決勝が開催されるボウルゲームの日程が決まる形となりますから、歴史的に1月1日に開催されることが原則であったボウルゲームが、12月の最終週に前倒しで開催される場合があります)

 年末年始のカレッジフットボール6大ボウルゲームと全米王者決定戦、そしてNFLポストシーズンの進行、そして2月月初のスーパーボウル・・・。
 12月末から2月初めにかけての時期は、アメリカンフットボールファンには、本当に「至福の季節」なのでしょう。

 ここまで「20世紀の4大ボウルゲーム」を4回に渡って書いてきました。

 ローズボウル、シュガーボウル、オレンジボウル、コットンボウルという4つのボウルゲームを中核として、20世紀アメリカのカレッジフットボール界は動いていたと思います。

 一方でとても興味深いのは、これらの4大ボウルゲームは「全米NO.1決定戦」ではなかったという点でしょう。

 例えばローズボウルなら、ビッグナイン・カンファレンス優勝校とパシフィックエイト・カンファレンス優勝校が対戦していた時期が長かったように、各会場の近隣の対抗戦形式で戦っていたカンファレンスの優勝チームが登場するなど、出場チームは一定の「歴史に裏打ちされた」ルールの下で決められていたのです。
 我が国の関東大学ラグビーにおける「対抗戦グループ」「リーグ戦グループ」をイメージすると分かり易いのかもしれません。

 こうして各カンファレンスでの成績や、各ボウルゲームでの成績を比較して、「全米NO.1」のチームを「相対的な評価」により選定してきた歴史。

 また、4大ボウルゲームには当初は特定の大スポンサーが付いて居なかったと記憶しています。
 言わば、地元のカレッジフットボールファンが中心となって、大イベントを開催し続けていたのでしょう。

 とはいえ、4大ボウルゲームの規模がどんどん大きくなり、全米の注目度がどんどん上がるに至って、20世紀の後半になると「有名企業スポンサー」が名乗りを上げ、そして4大ボウルゲームへの資金提供を開始しました。
 「注目度が極めて高いイベント」となれば、時代の流れの中では逆らえないことだったと感じます。

 加えて、アメリカ中で「絶大な人気」を誇るカレッジフットボールですから、大スポンサー自らが「新しいボウルゲームを立ち上げる」ようになって来たのです。
 20世紀の後半には、4大ボウルゲーム以外にも、数多くのボウルゲームが発足しました。

 一方で、20世紀終盤になり、「直接対決無しで『全米NO.1』を決める」ことへの様々な意見が出されるようになったことも、ある意味では自然なことですし、従来の様な伝統的な「4大ボウルゲーム」の在り様を支持する意見もある中で、「全米ランキング1位のチームと2位のチームの対戦を観てみたい」といった素朴な感情論(人間に備わっている「強弱」をはっきりさせたいという欲求でしょうか)に、商業ベースでは「必ず成功する*」といった視点からの働き掛けもあってか、「全米NO.1」を決める仕組みが待望されるようになりました。(*カレッジフットボールの観客動員力は非常に高く、2012年シーズンには、1試合平均観客動員数10万人以上が4大学チーム、8万人以上が17大学チーム、4万人以上が60大学チームと、NFL並み、あるいはNFLを凌ぐ動員力が有ると報じられています。もちろん、チケット価格水準は考慮しなければなりませんが)

 そして1998年、「ボウル・チャンピオンシップ・シリーズBCS」が立ち上げられました。「全米NO.1」を決める為に、BCSカンファレンスと呼ばれる、全米における実力上位のカンファレンスの優勝チームが、権威のある各ボウルゲームに登場する仕組みです。
 この仕組みに4大ボウルゲームも組み込まれていったのです。
 BCSは、そのルーティンが度々見直されましたが、2013年まで続きました。

 このトライは2014年に、「カレッジフットボール・プレーオフ」に昇華しました。
 ついに「全米ランキング上位校チームによるトーナメント方式の年間王者決定戦」が始まったのです。4チームによって準決勝と決勝が行われる形式です。
 この制度は、2025年まで継続されることが決まっています。

 この制度の準決勝戦に、伝統的なボウルゲームが「持ち回り」で使用されることとなりました。ローズ、シュガー、オレンジ、コットンの「20世紀の4大ボウルゲーム」もその舞台となったのです。

 さて、アメリカンフットボールはその競技の性格上「1週間に1試合しかできない」ので、こうしたトーナメント形式による「NO.1決定戦」実施には長い時間が必要となります。
 NFLポストシーズンは、そうした競技特性を踏まえて整備されてきた仕組みなのでしょう。

 他方、カレッジフットボールについても、長い年月をかけた試行錯誤の結果として、このような「プレーオフ」が導入されるに至ったのでしょう。こうしたやり方の行く末については、ファンとして注目しつづけたいと思います。

 当然ながら「変革」の影には、「古き良きものを失う痛み」が伴います。

 新年を祝うイベントのひとつとして、大好きなカレッジフットボールの好ゲーム・馴染み深いチーム同士が覇を競うゲーム、を家族揃って観戦するという、「4大ボウルゲームの伝統的・地元ファン」にとっては、「これまであまり観たことが無かったチーム」が「我らがボウルゲーム」に登場するという事態になっているのかもしれません。
 また、もともと入手が難しかったチケットが、一層手に入らなくなっている可能性も有ります。

 ローズボウルならば「1世紀を超える歴史と伝統」を誇りますが、そのローズボウルを始めとする「4大ボウルゲーム」の行く末は、地元ファンならずとも、とても気になるところなのです。

 さて、この「全米王者を決める仕組みの構築」には、「20世紀の4大ボウルゲーム」に、別の2つのボウルゲームが加わりました。
 それについては、その6で・・・。
 「20世紀の4大ボウルゲーム」の掉尾を飾るのはコットンボウルです。

 コットンボウルはアメリカ合衆国テキサス州で、毎年年末年始に開催されます。
 会場は、1937年から2009年までは、ダラスのコットンボール・スタジアム、2010年以降はアーリントンのAT&Tスタジアムです。

 コットンボウルの名称の由来でもあるコットンボール・スタジアムは、観客92,000人余を収容する大スタジアムです。
 現在のAT&Tスタジアムは、平常時は80,000人、立ち見を加えれば110,000人余が観戦できるとされています。
 両方とも、それぞれの時代を代表するスタジアムなのです。

 記憶に残るコットンボウルの制覇チームは、ノートルダム大学ファイティングアイリッシュとテキサス大学ロングホーンズでしょうか。

 押しも押されもせぬ、全米カレッジフットボールの名門・ノートルダム・ファイティングアイリッシュは、全米チャンピオン13回を数え、何時の時代もカレッジフットボール界を牽引してきた存在だと思います。

 他の有名チームとは異なり、特定のカンファレンスに所属せずインディペンデントとも呼ばれる「ファイティングアイリッシュ」は、コットンボウルのみならず、他のボウルゲームでも優勝を重ねていますが、やはりコットンボウルにおける足跡が大きいのではないでしょうか。1971年から94年の間に5度勝利しています。

 同チーム出身のNFLプレーヤーも数多いのですが、やはり代表格はクオーターバックQBジョー・モンタナ選手です。サンフランシスコ49ersにおけるプレー、スーパーボウル他で魅せてくれた素晴らしいプレーは、「ザ・ドライブ」を始めとして多くの「伝説」さえ生んでいます。

 モンタナ選手は、我が国にNFLの情報が相当量入るようになった時期に、最も活躍していたこともあるのでしょうか、我が国で最も有名なNFLのQBではないかと感じます。
 アメリカンフットボールをあまり見ない人達・知らない人達にも、知られている存在、つまり最もメジャーな存在でしょう。

 ファイティングアイリッシュの「金色のヘルメット」は、全米カレッジフットボールの象徴といっても良いのではないでしょうか。

 コットンボウルでの活躍でもう1チームを挙げるとすれば、テキサス大学ロングホーンズでしょう。
 コットンボウルの地元チームであり、優勝回数も最も多いのではないかと思います。
 1943年の初制覇から2003年の制覇まで、連綿たるコットンボウル勝利の歴史を積み上げてきました。
 全米チャンピオンにも4度輝いています。

 「コットン」は、アメリカ合衆国の南部を代表する産物でしょう。
 コットンボウルは、「大」テキサス州のカレッジフットボールの象徴だったのです。

 さて、ここまで「20世紀の4大ボウルゲーム」を観てきました。

 ローズ、シュガー、オレンジ、コットンの4ボウルは、全米カレッジフットボールの象徴として運営され、繁栄を極めて来たのです。

 しかし、20世紀の末になって、4大ボウルにも変化の時期が訪れました。
 その話は、その5から・・・。
 その3はオレンジボウルです。

 アメリカ合衆国フロリダ州マイアミで年頭に開催されるボウルゲームですが、その名の由来は会場がマイアミ・オレンジボール・スタジアムであったことでしょうし、スタジアム名の由来は、名産品のオレンジから来ているのであろうと思います。

 1935年に開始されたオレンジボウルは、1995年までマイアミ・オレンジボールで開催されました。1960年代・70年代には80,000人余を収容していましたし、閉場間際の2007年でも72,000人余を収容する大スタジアムでした。
 1996年以降オレンジボウルはハードロック・スタジアムで開催されています。
 こちらも75,000人余を収容する大スタジアムです。

 ちなみに、1996年のアトランタオリンピックの際に、サッカー日本代表チームがブラジル代表チームを破った「マイアミの奇跡」の舞台が、マイアミ・オレンジボールです。
 とても開放的な造りで、マイアミの青空が良く似合うスタジアムでした。
 
 オレンジボール・スタジアムは2008年に解体され、跡地にMLBマイアミ・マーリンズのホーム、マーリンズパークが建設されました。
 イチロー選手が活躍したマーリンズパークです。

 さて、オレンジボウルで印象的なチームと言えば、オクラホマ大学とフロリダ州立大学でしょうか。
 前篇「シュガーボウル」にも登場したネブラスカ大学コーンハスカーズはオレンジボウルでも強く、1971年から73年の3連覇を始めとして1998年まで数多くの勝利を手にしています。

 一方で1979年から81年まで3連覇したのがオクラホマ大学スーナーズです。
 これまで全米チャンピオンに7度輝いている、大学フットボール界の名門。
 21世紀に入っても、何度かオレンジボウルの舞台に登場していますが、このところはなかなか勝てず、2001年の制覇が最後となっています。

 もうひとつはフロリダ州立大学セミノールズ。
 全米チャンピオンに3度輝く、こちらも名門。
 オレンジボウルでは1977年に初勝利を挙げ、1993年から96年の4年間で3度制覇しています。21世紀に入ってからも2013年と16年に勝利していますので、すっかり常連チームとなりました。

 オクラホマ・スーナーズ出身のNFLプレーヤーとしては、あのエイドリアン・ピーターソン選手が挙げられます。当代屈指の名ランニングバックRBです。

 オハイオステート・セミノールズ出身のNFLプレーヤーとしては、あの「二刀流」ディオン・サンダース選手でしょうか。MLBの名プレーヤーでもあったサンダース選手は、アメリカプロスポーツ界にあって、最強の二刀流プレーヤーのひとりです。

 「スーナーズ」はオクラホマ州の創成期の開拓者の名前に因んだものですし、「セミノールズ」はオハイオ州のネイティブアメリカンの部族名に因んでいると伝えられています。
 アメリカ開拓史を彷彿とさせるチーム名なのです。

 さて、「20世紀の4大ボウルゲーム」のトリはコットンボウルです。
 これは「その4」で・・・。

 その2はシュガーボウルです。

 アメリカ合衆国南部のルイジアナ州ニューオーリンズで年頭に開催されるボウルゲームですが、歴史的にニューオーリンズが綿花と「砂糖」の一大輸出港であったことから「シュガー」ボウルと名付けられたのでしょう。

 1935年開始ですが、1974年まではチュレーン・スタジアムで開催されました。
 80000万人余を収容する大スタジアム。1974年までは、NFLニューオーリンズ・セインツのホームでもあり、スーパーボウルも3度開催されました。

 私には、シュガーボウルといえばチュレーン・スタジアムですが、現在の会場であるルイジアナ・スーパードーム(現、メルセデスベンツ・スーパードーム)に移ったのは1975年ですから、もう40年以上の月日が経っています。意外に古くからスーパードームで行われていたということになります。

 シュガーボウルの勝利チームというと、ネブラスカ大学とアラバマ大学が印象に残っています。(例によって、1970年代・80年代に強かったチームです)

 ネブラスカ州には、NFL、MLB、NBAのチームが有りませんので、スポーツファンの注目はカレッジフットボールに集中します。その1に書いた「カレッジフットボールの人気が高い」要因の典型的なエリアなのでしょう。

 ネブラスカ大学コーンハスカーズ(コーンの皮をむく人という意味で、いかにもコーンの名産地らしい愛称です)は、これまで5度の全米チャンピオンに輝いている名門です。
 ハイズマントロフィー受賞者も3名輩出しています。
 シュガーボウルでも、1974年、85年、87年と勝利しました。
 但し、名伯楽トム・オズボーンが1997年に引退してからは、かつての強さが影を潜めているのはとても残念です。

 一方のアラバマ大学クリムゾンタイドの強さは健在です。
 全米カレッジフットボール界最多17回の全米チャンピオンに輝いており、2019年1月7日の全米王者決定戦でも、惜しくもクレムゾン大学タイガースに敗れたとはいえ、全米トップクラスの実力を維持しているのです。
 全米カレッジフットボールの歴史上、ノートルダム大学ファイティングアイリッシュと並ぶ超名門チームでしょう。

 クリムゾンタイドOBには、NFLの歴史に燦然と輝くプレーヤーが並びます。
 第1回、第2回スーパーボウルMVP・バート・スター選手(グリーンベイ・パッカーズ)、第3回スーパーボウルMVP・ジョー・ネイマス選手(ニューヨーク・ジェッツ)、第11回スーパーボウル優勝QBケン・ステブラー選手(オークランド・レイダーズ)等々、初期のスーパーボウルを彩ったプレーヤーが並んでいます。

 もちろん、シュガーボウルにおけるクリムゾンタイドの活躍は素晴らしいものです。
 1978年から80年の3年連続優勝を始めとして9回の制覇に輝いています。

 続いては、フロリダ州マイアミで開催されるオレンジボウルです。
 これは「その3」で・・・。
 スーパーボウル2019はニューイングランド・ペイトリオッツの6度目の優勝で幕を閉じました。
 アメリカンフットボール競技最高峰のゲーム、アメリカ合衆国最大のスポーツイベントは、今回も数多くのドラマを提供してくれました。

 さて、スーパーボウルが終了して、アメリカンフットボール界は「休息期間」に入りました。

 このオフシーズンを利用して、KaZブログとしてはアメリカの「カレッジフットボール」について書いてみたいと思います。
 前々から書いてみたいと考えていたテーマです。

 不思議なことに、21世紀に入ってから、我が国ではアメリカのカレッジフットボールについての情報やゲームのテレビ放送が減ってきているように感じますので、上手く書けるかどうか自信はありませんが、お楽しみいただければと思います。

-------------------------------

 アメリカ合衆国において、カレッジフットボールの人気は「絶大」です。

 もちろん、プロのフットボール、特にNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の人気の高さは、皆様ご承知の通りですが、感覚的には「NFLに勝るとも劣らない人気」が、カレッジフットボールには有ると思います。

 特に、NFLのチーム(全32チーム)が無い州(全米50州ですから多くの州にNFLのチームが無いのです)においては、最も人気が高いスポーツのひとつとして、存在感が大きく、秋から冬のアメリカ合衆国を彩るビッグイベントとなっています。

 各「州」の独立性が高く、それぞれの州がひとつの独立国といった見方もあったアメリカにおいては、カレッジフットボールにおいても「我らが州の大学チーム」という意識が高く、19世紀以降長い間「全米大学NO.1チームを決める大会・試合」は行われていませんでした。

 そうした状況下で、「我らがチームが、他の州のチームと戦う試合」として、高い地位を誇っていたのが、本編における「20世紀の4大ボウルゲーム」なのです。

 私がアメリカンフットボールを観始めた1970年代、アマチュア最高峰としての「4大ボウルゲーム」の存在感は抜群でした。

 元旦1月1日になると、時には日本においてもゲームのテレビ放送が行われ、いかにもアメリカ合衆国らしい華やかな絵が、日本のお茶の間にも流されたのです。(20世紀の4大ボウルは原則として1月1日に行われたと記憶しています)

 その4大ボウルとは、
① ローズボウル(1902年開始)
② シュガーボウル(1935年開始)
③ オレンジボウル(1935年開始)
④ コットンボウル(1937年開始)
です。

 ローズボウルは、歴史と伝統を誇る4大ボウルの中でも最も古く1902年開始です。
 そして、21世紀の現在でも「アメリカのカレッジフットボールを代表するゲーム」であろうと思います。

 カリフォルニア州バサディナのローズボール・スタジアムを会場として開催されるボウルゲームですが、その収容人員は92000人余という、世界一のスポーツ大国アメリカにおいても、全てのスポーツ競技を通じて最大級のスタジアムなのです。

 これまでに計5回、NFLスーパーボウルの会場ともなっています。(第11回・1977年、第14回・1980年、第17回・1983年、第21回・1987年、第27回・1997年。現在の様に各地に巨大なドームスタジアムが無かった時代には、スーパーボウル会場の選定に当たって当日の天候がとても大事な要素でしたので、「天気の良い日が多い」屋外スタジアムが会場に選ばれることが多かったのです。カリフォルニア州パサディナは「晴れる日」がとても多い地域なのです)
 アメリカンフットボール以外でも、1994年サッカーFIFAワールドカップ・アメリカ大会決勝、ブラジルVSイタリアの試合もローズボール・スタジアムが会場でした。
競技を問わず、世界最高峰の試合が開催される、まさに「アメリカを代表するスタジアム」と言って良いでしょう。

 また、ローズボウル開催に伴って「恒例のパレード」が会場近辺で行われるのですが、このパレードもとても有名です。パレード好きのアメリカの人々からも注目される程の、素晴らしいパレードなのです。

 さて歴代の優勝チームの中では、USC(南カリフォルニア大学)とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が印象に残っていますが、これは私がローズボウルに最も興味を持っていた時期が1970年代から80年代であり、その頃この2チームが強かったということなのでしょう。
 ちなみにこの時期(1970年から1989年)、USCトロージャンズは7回ローズボウルで勝利していますし、UCLAブルーインズは4回勝っています。その後もUSCは2017年にも勝つなど、ローズボウルの名門チームとして活躍を続けていますが、一方のUCLAは1986年を最後に勝っていませんし、1999年が最後の登場(この時はウィスコンシンに敗れました)となっていますので、21世紀の両チームは対照的な成績となっているのです。
 それにしても、USCトロージャンズのマーチングバンドは、その軍隊風の装束と言い、演奏の上手さ・華やかさと言い、とてもカッコ良いと思います。

 思い出は尽きませんが、ローズボウルがアメリカを代表するスポーツイベントのひとつであることは、間違いないでしょう。

 続いては、ルイジアナ州ニューオーリンズで開催されるシュガーボウルですが、これは「その2」で・・・。
 NFL2018~19シーズンのポストシーズン、NHK・BS-1放送のワイルドゲーム中継の中で、「NFL2004年ドラフト上位の4プレーヤー」に付いての説明が有りました。

 「データ大好き」のアメリカ合衆国のスポーツにおいては、試合中継の最中でも、とても興味深い情報が提示されます。
 
 この情報は、ボルチモア・レイブンズVSロサンゼルス・チャージャーズのゲームの中で提示されました。チャージャーズのクオーターバックQBフィリップ・リバース選手に関する情報だったのです。

 2004年のドラフトに登場した選手達は、もし2005年シーズンからNFLにデビューしたとすれば既に15年目のベテランプレーヤーです。同期には、引退した選手も多いことでしょう。

 こうした中で、この4プレーヤーはいまだ現役を続けて居るわけですから、「チームにとって大切な選手」であることは、間違いありません。チームにとって不可欠な選手でなければ、これ程長く現役を続けること=これだけ長くチームに必要とされて契約をつづけること、は出来ないことは自明です。

 その4プレーヤーは、以下の通り。

[2004年NFLドラフト]
・1順目・全体1位 イーライ・マニング選手(QB) ニューヨーク・ジャイアンツ
・1順目・全体3位 ラリー・フィッツジェラルド選手(WR) アリゾナ・カージナルス
・1順目・全体4位 フィリップ・リバース選手(QB) ロサンゼルス・チャージャーズ
・1順目・全体11位 ベン・ロスリスバーガー選手(QB) ピッツバーグ・スティーラーズ

 錚々たるというか、NFLを代表するプレーヤーが並んでいます。

 NFLドラフトにおいて「1順目」に指名されるというのは、全米の大学あるいは高校のアメリカンフットボーラーのトップに位置づけられているプレーヤーです。
 アメリカ合衆国で最も人気のあるスポーツのひとつであるアメリカンフットボールの、最高のプロリーグであるNFLは大学・高校他のプレーヤーにとって憧れの的ですから、そのドラフトにおいて「1順目指名」を受けるというのは、大変な名誉ですし、当該プレーヤーの能力の髙さを証明することでもあります。
 ましてや、各チームの「1位指名」ということですから、日本プロ野球NPBのドラフト1位指名選手を見ても、その価値の大きさが分かると思います。

 とはいえ、ドラフト1順目指名を受け入団したプレーヤーと言えども、順調にNFLデビューを飾り、チームの中心選手として活躍するというのは「至難の技」であることも、NPBを観ても容易に想像できることでしょう。
 ドラフト上位でプロのチームに入ったとしても、活躍できずに引退して行くプレーヤーの方がずっと多いのです。

 そうした状況の下で、2004年ドラフトにおける、前述の4プレーヤーの活躍は「見事」の一語でしょう。
 「ドラフトの当たり年」と言っても良いのかもしれません。

 「全体1位」の大看板を背負ったイーライ・マニング選手は、「2度のスーパーボウル制覇」という素晴らしい成績を誇り、現在もジャイアンツの主戦QBです。お兄さんのペイトン・マニング選手と比較されることも多いのですが、こと「スーパーボウルでの成績」となれば、互角、あるいは「お兄さん以上」との声もありそうです。大舞台でミラクルなプレーを披露するタイプのプレーヤーなのです。

 全体3位のワイドレシーバーWRラリー・フィッツジェラルド選手は、押しも押されもしない「カージナルスの大看板」です。信じられないようなパスレシーブと、受け手からの前進力は、いまだ衰えることを知りません。NFLのWRには素晴らしい選手が数多く居ますが、その実績は文句のつけようがないのは当然として、35歳となった現在でも身体能力の髙さは類を観ないレベルでしょう。
 フィッツジェラルド選手は、2008年のスーパーボウルにも出場しています。

 全体11位のQBベン・ロスリスバーガー選手も「スーパーボウル2度制覇」を誇ります。
 前述のフィッツジェラルド選手が出場した、2008年の第43回スーパーボウルでカージナルスと対戦したのがスティーラーズで、このゲームは27-23の接戦となり、スティーラーズが勝ちましたが、この時のQBがロスリスバーガー選手でした。
 NFLにおいても、人気の高いチームであるスティーラーズの主戦QBを、36歳になった今でも務めているというのは、凄いことです。
 「ビッグベン」と称される、NFLを代表するQBなのです。

 そして、全体4位指名を受けたフィリップ・リバース選手も、NFL屈指のQBとして37歳になった現在も、チャージャーズの中心選手として活躍を続けています。
 記録を挙げれば切りが無い程のプレーヤーですが、この試合で採り上げられた理由は、この4プレーヤーの中で「唯一スーパーボウル出場経験が無い」という視点からでした。

 これ程素晴らしいQBでありながら、まだスーパーボウルに出ていないというのは「不思議な話」であり、今季はそのチャンスでもあるという意味なのでしょう。(残念ながら、出場はなりませんでした)

 それにしても、この「2004年ドラフト上位の4プレーヤー」には、全くと言って良いほど「引退」の話がありません。
 これが、何より凄いことなのでしょう。
 
 スーパーボウル2019に向けてのポストシーズンゲームは全て記事にしようと考えていました。ひとつだけ残っていましたので、ここで採り上げようと思います。

[1月13日・メルセデスベンツ・スーパードーム]
ニューオーリンズ・セインツ20-14フィラデルフィア・イーグルス

 NFL2017~18シーズンのスーパーボウルを制覇し、2018~19シーズンのワイルドカードも勝ち抜いて、2シーズンに渡り「ポストシーズン負け無し」だったイーグルスに、ついに土が付いたゲームです。

 ミラクルなゲームを続けてきた「ニック・フォールズ劇場」も終演を迎えたのです。

 このゲームの第1クオーターQは、「劇場の継続」を観るようでした。
 クオーターバックQBフォールズ選手のパスと自身のランによって2つのタッチダウンTDを奪い、イーグルスが14-0とリードしたのです。

 QBドリュー・ブリーズ選手を中心とした強力なセインツオフェンスを零封した、イーグルス守備陣も、さらなる勝利に向けて、十分に機能していたのです。

 第2Q以降も、イーグルスディフェンスは良くセインツの攻撃を押さえ続けましたが、一方でイーグルス攻撃陣は、第2Q以降「神通力を失い」ました。
 第1Qの攻防から、セインツ守備陣が適応し、結局第2~4Qにかけて、イーグルスは無得点でした。

 イーグルス守備陣の堅い守りに苦しんだセインツでしたが、さすがに「百戦錬磨」のQBブリーズ選手は、ここぞというパスを決めて、第2Q以降着実に得点を重ね、イーグルスを押し切ったのです。

 苦労しながらとはいえ、2つのTDパスを通したQBドリュー・ブリーズ選手は「さすが」の一語。パスオフェンスの権化のような存在でしょう。

 さて、セインツはチャンピオンシップゲームに駒を進めましたが、ラムズとのオーバータイムOTの激戦の末敗れてしまい、惜しくもスーパーボウルに進出できなかったことは、皆さんご存知の通りです。
 
[2月3日・アトランタ・メルセデスベンツスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ13-3ロサンゼルス・ラムズ

 両チーム合わせて「16得点」という、史上最少得点のロースコアゲームとなった、第53回スーパーボウルでした。
 
 チャンピオンシップゲームから2週間の間、両チームはオフェンスとディフェンスを磨き上げてきたのでしょうが、今回は「スーパーボウルへの準備におけるディフェンス面の準備がオフェンス面を凌駕した」のです。

 ゲーム開始早々、ペイトリオッツ自慢の攻撃陣は、クオーターバックQBトム・ブレイディ選手の下ランプレーを駆使してファーストダウンを重ね、前進しました。オープニングドライブ・タッチダウンTDを目指しての順調な立ち上がりに観えたのです。
 ラン攻撃を繰り返しながら着実に前進した攻撃において、QBブレイディ選手がこのゲームにおける最初のパスを投じた時、ラムズ守備陣がこれをインターセプトしたのです。
 集中力抜群の素晴らしいプレーでした。

 「百戦錬磨」、スーパーボウルにおいてNFL史上最高の実績と経験を誇るトム・ブレイディ選手が、このタイミングでインターセプトを受けるとは「夢にも思わなかった」のではないでしょうか。
 ラムズ守備陣は、ブレイディ選手にとっても衝撃的なプレーを披露したのであろうと思います。

 歓喜に沸いたラムズベンチでしたが、QBジャレット・ゴフ選手と共に、「インターセプトの勢いを乗せての攻撃」に入りましたが、散々の結果でした。
 ペイトリオッツ守備陣はラムズ攻撃陣に何もさせなかったのです。
 準備万端の「計算し尽くされた守備」に観えました。
 
 ペイトリオッツのゲーム前の準備において、ラムズの攻撃が「丸裸」にされていると、ゴフ選手も実感したことでしょう。
 この後、ラムズオフェンスは様々なバリエーションの攻撃を仕掛けますが、少なくとも前半は悉く潰されました。「3アンドアウト」の連続だった印象です。

 ビル・ベリチックHCヘッドコーチを始めとするペイトリオッツスタッフのゲーム前準備の精度・クオリティの高さは定評の有る所ですが、スーパーボウル2019に対する「守備面の準備」は、ベリチックHCの素晴らしいキャリアの中でも屈指のものであったと感じます。
 世界最高レベルのゲームに対して、これ程の準備が出来るものなのだと、改めて感心するばかりでした。

 精緻な研究をベースに、熟考の上で構築された守備プレーを、ラインバッカーLBハイタワー選手やバンノイ選手、ストロングセイフティSSパトリック・チャン選手、フリーセイフティFSデビン・マコーティ選手らが躍動しました。
 ラムズオフェンスに対して「先手を打ち続けた」のです。

 さて、守備面で完璧な対応を魅せたペイトリオッツでしたが、攻撃陣ではラムズ守備陣の「凄まじい抵抗」に遭いました。
 ラムズの守備陣は、スーパーボウルにおいて「史上最高の経験値を誇るペイトリオッツの攻撃」を抑え込み続けたのです。
 こちらの守備は、ペイトリオッツとは異なり、「個々のプレーヤーの気迫と頑張り」をベースとしたものに観えました。これはもう「スーパーボウル制覇に向けての執念」が具現化したようなプレーでした。

 少し種類は異なりますが、両チームのとてもレベルの高い守備プレーによって、ゲームは史上稀に見るロースコアゲームとなったのです。
 「火花が飛び散るような守り合い」でした。

 結果として、両チーム合わせて「14本ものパント」が飛び交うゲームとなりました。
 ペイトリオッツが5本、ラムズが9本でした。

 今季のポストシーズン、チャンピオンシップとディビジョナル計6ゲームの平均パント数は「8.17本」でした。6ゲーム中最もパントが多かったのはディビジョナルプレーオフゲーム、コルツVSチーフス戦で、コルツが7本、チーフスが4本のゲームでしたが、スーパーボウルはこれをも3本上回ったのです。
 2018年のスーパーボウルにおいては、両チーム合わせて「パントが1本」という、これも記録的にパントが少ないゲームだったのですが、それとは好対照のゲームであったことが分かります。

 そして、「個々のプレーヤーの気迫とスピード」をベースにしたラムズの守備に、僅かに疲労が観えた第4Q、ペイトリオッツの攻撃がようやく実り、10点を挙げて勝ち切ったというのが、第53回スーパーボウルだったのでしょう。

 その攻撃とて、QBブレイディ選手からワイドレシーバーWRエデルマン選手やタイトエンドTEグロンコウスキー選手へのパスという、ペイトリオッツにとっての「定番の鉄板プレー」、最も「信頼できるプレー」の積み上げ、それも「伸るか反るか」のギリギリのプレー、インターセプトされても何の不思議もないプレーの連続の中から、このゲーム唯一のTDが生れたのです。

 僅かに疲労が観えたとはいえ、ラムズ守備陣は最後まで機能し、QBトム・ブレイディ選手を中心としたペイトリオッツ攻撃陣は、その「史上最高の勝負強さ」を示したように感じます。

 このゲームの主役であった、ラムズ守備陣の先発ラインアップを記録しておきます。
 スーパーボウルの歴史に刻まれる守備陣です。

陣形の前から
① ノーズタックルNT エンダマカン・スー選手
② ディフェンスタックルDT 左マイケル・ブロッカーズ先選手、右アーロン・ドナルド選手
③ ラインバッカーLB  左アウトサイドラインバッカーOLBダンテ・ファウラー選手、右OLBサムソン・エブーカム選手、左インサイドラインバッカーILBコリー・リトルトン選手、右ILBマーク・バロン選手
④ コーナーバックCB 左マーカス・ピーターズ選手、右アキブ・タリブ選手
⑤ ストロングセイフティSS ジョン・ジョンソン選手
⑥ フリーセイフティFS ラマーカス・ジョイナー選手

 本当に素晴らしいイレブンでした。
 その健闘に、惜しみない賞賛を送りたいと思います。

 それにしても、メルセデスベンツスタジアムはペイトリオッツを応援する観客の方が圧倒的に多かったと感じます。まるでペイトリオッツのホームの様な有様でした。
 ラムズの攻撃の際の「雑音」がもの凄かったのです。

 一方のチームのファンにチケットが偏ることが無い筈の「スーパーボウルのチケット配布方法」なのですが、結果としてはペイトリオッツを応援する観客がとても多いゲームとなったのです。
 最後はこの「応援量の差」が、ペイトリオッツを後押ししたようにも観えました。

 この「応援量の差」を生んだのが「ペイトリオッツ王朝の歴史の積み上げ」であったとすれば、第53回スーパーボウルの勝利は「王朝の遺産」から生まれたものと言えるのかもしれません。
 第53回スーパーボウルは、ペイトリオッツが13-3でラムズを破り優勝しましたが、両チーム合わせて「16得点」は、スーパーボウルの史上最少得点でした。

 2018年、イーグルスがペイトリオッツを41-33で破った第52回が、攻撃面での最高記録ずくめのゲームであったことと対照的に、スーパーボウル2019は「両チームの守備が見事に機能したゲーム」だったのです。

 スーパーボウルにおける「ロースコアゲーム」を観て行きましょう。(第1回から第4回のAFL-NFLチャンピオンシップ時代のゲームは含まれていません)

① 2019年 ペイトリオッツ13-3ラムズ
② 1973年 ドルフィンズ14-7レッドスキンズ
③ 1975年 スティーラーズ16-6バイキングス
④ 1972年 カウボーイズ24-3ドルフィンズ
⑤ 2006年 スティーラーズ21-10シーホークス
  2008年 ジャイアンツ17-14ペイトリオッツ

 総得点の少ないゲーム順に、5位タイまでを挙げました。
 ペイトリオッツとスティーラーズが2回ずつ登場していますので、この両チームはロースコアゲームが得意というか、ロースコアゲームで十分に戦えるチームと言って良いのかもしれません。

 また、直ぐにお気づきのことと思いますが、1970年代にロースコアゲームが数多く記録されています。
 スーパーボウル創生時期の70年代は、スーパーボウルにおいて「失点を最少にした上で勝ち切る」という戦略のチームが多かったとも言えるのでしょう。
 とはいえ、21世紀に入ってからも、点の取り合いというゲームばかりでは無く、しっかりとした守り合いのゲームも存在しています。やはり、両チームのゲームに対する戦略が、結果に大きく反映されているのであろうと感じます。

 それにしても第53回は、前半を終えて「3-0」、第3クオーターQを終えて「3-3」という、「ローエストゲーム」と呼びたくなるほどの「守備が勝った」ゲームでした。

 「第3QまでタッチダウンTDを観ることができなかったスーパーボウル」として、長く語り継がれるゲームだったのでしょう。
[2月3日・アトランタ・メルセデスベンツスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ13-3ロサンゼルス・ラムズ

 ロースコアゲームとなった第53回スーパーボウルは、第4クオーターQに1タッチダウンTD、1フィールドゴールFGを挙げたペイトリオッツがラムズを振り切り勝利しました。

 両チームのディフェンスDFがとても良く機能した試合であろうとは思いますが、忙しさもあって、試合全体の録画映像を観ることができていないので、試合内容へのコメントは「ゆっくりとじっくりと観てから」にしようと思います。(皆様からとても遅れた視聴ですが、本当に楽しみです)

 今回は、ペイトリオッツの「6度目の制覇」についてです。

 スーパーボウルの最多制覇記録は6度です。

 この記録は、ピッツバーグ・スティーラーズとペイトリオッツが保持しています。

 1970年代に、クオーターバックQBテリー・ブラッドショー選手やランニングバックRBフランコ・ハリス選手、ワイドレシーバーWRリン・スワン選手といった錚々たるメンバーを擁し、チャック・ノールHCヘッドコーチのもとで全盛期を迎えたスティーラーズは、2度の連覇で4度のスーパーボウル制覇を成し遂げ、その後21世紀に入って2度の制覇の合計6度の制覇としています。

 一方のペイトリオッツは、20世紀に2度のスーパーボウル出場は果たしましたが、残念ながら制覇はなりませんでした。
 そして2001年、「ペイトリオッツ王朝」が幕を開けます。
 ビル・ベリチックHCとQBトム・ブレイディ選手を中核とした「王朝」は、2001年から2019年に至るまで、NFLの主役として存在し続け、9度のスーパーボウル出場・6度の制覇という、信じられないような成績を残してきたのです。
 「同一王朝」にて6度の制覇というのは、ペイトリオッツ王朝自体が来シーズン以降も記録を積み上げていかない限り、空前絶後の記録であろうと思います。

 そもそも、同じHCとQBのコンビによって18シーズン続けて、ひとつのチームが運営されること自体が滅多に無いことですし、その18シーズンの内9シーズンでスーパーボウルに進出するということは想像を絶する実績ですし、同じHCとQBにより6度のスーパーボウル制覇が成し遂げられるというのも、まさにミラクルなこととしか言いようが有りません。(形容の仕様が無いほどに凄いことです)

 同じコンビによるスーパーボウル制覇という視点で、この実績に比較しうるのは、前述のチャック・ノールHCとQBテリー・ブラッドショー選手のスティーラーズと、ビル・ウォルシュHCとQBジョー・モンタナ選手のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ49ers=1980年代の49ersの2チームでしょうが、それとて制覇回数は、ペイトリオッツ6度、スティーラーズと49ersが4度(1989~90年シーズンの49ersはHCが途中で代わりましたので3.5度と言った方が良いかもしれません)と、ペイトリオッツが圧倒しています。

 やはり、このコンビは「空前絶後」なのでしょう。

 さらに驚くべきは、このコンビには「引退」という話が皆無ということでしょう。

 NFL史上に燦然と輝く「ペイトリオッツ王朝」は、まだまだ続きそうです。

 スーパーボウル2019を戦う、ニューイングランド・ペイトリオッツとロサンゼルス・ラムズの両チームが、開催地であるアトランタに入ったと、1月27日に報じられました。

 両チームともに1週間前の現地入りということです。
 当然ながら、「時間がいくらあっても足りない」状況下で、本拠地で戦略・戦術を練りに練って現地入りしてきたのでしょうから、現地においても「どうしても1週間の時間が必要」であることは、間違いありません。
 アメリカ合衆国最大のスポーツイベントに臨むに際して、「たった2週間しか」時間が無いのですから、1分1秒を無駄にしない取組の連続であることは、容易に想像できます。

 どれ程のデータベースと、どれ程の最高の頭脳、そしてどれ程のAIが駆使されているのかは、想像も付きません。おそらく、私達の想像の100倍、いや1000倍の苦心惨憺が行われているのでしょう。

 さて、スーパーボウル2019の展望です。

 レギュラーシーズンの成績を観れば、
① ペイトリオッツ 11勝5敗 総得点436・総失点325 対NFC3勝1敗 
② ラムズ 13勝3敗 総得点527・総失点384 対AFC4勝0敗

 やはり全体としては、「攻撃のラムズ、守備のペイトリオッツ」という図式になりそうです。

 クオーターバックQBジャレット・ゴフ選手、ランニングバックRBトッド・ガーリー選手、C.J.アンダーソン選手、ワイドレシーバーWRジョシュ・レイノルズ選手、ブランディン・クックス選手、ロバート・ウッズ選手、キッカーKグレッグ・ズーライン選手等を主体としたラムズの攻撃陣は、今季NFL屈指の破壊力を保持していることは間違いないでしょう。

 もちろん、QBトム・ブレイディ選手、RBソニー・ミシェル選手、レックス・バークヘッド選手、WRジュリアン・エデルマン選手、ロブ・グロンコウスキー選手(タイトエンドTEですがWRとしての活躍が目立ちます)、ジェームズ・ホワイト選手、クリス・ホーガン選手等のペイトリオッツの攻撃陣も相当に強力ですが、得点力という面では、やはりラムズの方が一枚上であろうと思います。

 一方守備はと観れば、ラムズはディビジョナルプレーオフゲームで22失点、チャンピオンシップゲームで23失点と、ポストシーズンに入って相手チームを20点台前半に抑え込んでいます。
 ペイトリオッツは、ディビジョナルで28失点、チャンピオンシップで31失点となっているのです。ポストシーズンのペイトリオッツは「相手以上の得点を挙げる」形で勝ち抜いてきています。
 逆にラムズは、自慢の攻撃陣が30点未満に抑え込まれている状況下、守備陣が20点台前半の失点で凌ぎ、接戦を制している形なのです。

 両チームともに「レギュラーシーズンとは異なる試合ぶり」でスーパーボウルに進出してきているのです。

 さて、展望ですが、

・ほぼ「互角」の戦い
・僅かにラムズが有利

 と観ています。

 2001年から連綿と続くペイトリオッツ王朝は、「キッチリと管理された戦略・戦術」の下で、プレーヤー達が「一糸乱れぬプレー」を継続することで、王座を維持してきた歴史が有ります。
ベリチックHCとQBトム・ブレイディのコンビは、「これだけ勝利しても」奢ることなく、慢心することなく、飽くことなく、勝利を追い求める「凄まじい精神力」を具備しているのです。
 「ルイス・ロンバルディ・トロフィー」に対する執念という面で、これ程のコンビはNFLの歴史上にも他には存在しないでしょう。

 その名コンビをスーパーボウルで2度も破っているのは、ニューヨーク・ジャイアンツ、QBイーライ・マニングの攻撃でしょう。
 この攻撃は「予想を超えたミラクルなプレー」で構成されています。
 ペイトリオッツの想定を遥かに超える「有り得ないプレー」の連発の中で、王朝に土を付けているのです。

 ラムズのQBジャレット・ゴフ選手を中心としたオフェンスには、こうした「臭い」を感じます。
 ポストシーズンの2ゲームで体得した経験をベースとして、強固なディフェンスはそのままに、攻撃面でレギュラーシーズンの様な「自在」なプレーを披露することが出来れば、得点面で僅かにペイトリオッツを上回ることが出来るのではないでしょうか。

 第53回スーパーボウルは、まさに「互角」の戦いとなるでしょう。
 そして第4クオーターQの「超ミラクル」なプレーにより、ラムズが勝利を収めるような気がします。

 「スーパーボウルweek」でアトランタの街は沸き返っていることでしょう。
 その熱狂を味わってみたいものです。
[1月20日・アローヘッドスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ37-31カンザスシティ・チーフス

 NFCチャンピオンシップに続いてOTオーバータイム(延長)に縺れ込んだゲームでしたが、ペイトリオッツがタッチダウンTDを挙げて押し切りました。
 最後は、このゲームのペイトリオッツの戦略であった「ラン攻撃主体の攻め」が実った形です。
 ホーム・アローヘッドで戦い、「あと一歩」までペイトリオッツを追い込んだチーフスにとっては、本当に残念な結果となりましたが、「良く戦ったゲーム」であったと感じます。負けはしたものの「ポストシーズンに弱い」という定評を覆すに十分な内容でしょう。

 このゲームのポイントは第4クオーターQの攻防でした。

 第3Qを終ってペイトリオッツが17-7と2ポゼッションをリードしました。
 両チームの守備陣が踏ん張り、第1Q~3Qでは「爆発的な攻撃」を抑え込んできたのです。

 特にペイトリオッツ守備陣の「前掛かりな守り」、ブリッツを多用して、チーフスのクオーターバックQBパトリック・マホームズ選手にプレッシャーを掛け続けた守備は「迫力満点」でした。
 マホームズ選手は第3Qまでに4つのサックを喫し、持ち前の「異次元のハイパーオフェンス」はなかなか発揮できなかったのです。
 このまま持ち味を発揮できないままチーフスが敗れ去るようなら、「ポストシーズンに弱い」という酷評は残るだろう、と考えながら観ました。

 ところが第4Q、チーフスオフェンスは力を発揮したのです。

 まず、第4Qに入って早々にランニングバックRBデイミアン・ウィリアムズ選手への2ヤードTDパスを決めました。14-17の3点差としたのです。

 続いて、試合時間残り7分52秒、QBマホームズ選手は再びウィリアムズ選手に23ヤードのTDパスを決め、17-21と逆転しました。
 ついにゲームを引っくり返したのです。

 「常勝軍団」ペイトリオッツを相手にしての逆転は、チーフスに歓喜を齎しました。選手達はフィールド上で喜びのパフォーマンスを演じ、アローヘッドスタジアムには大歓声が響き渡りました。

 さて、逆転を許したペイトリオッツですが、試合時間は7分以上も残っていますから、こちらとしては「いつもの」逆転に向けてのプレーを開始しました。
 試合時間残り3分35秒、RBソニー・ミッチェル選手が10ヤードのTDラン。
 必死に守るチーフス守備陣を突き抜ける、スピード十分なランでした。
 ペイトリオッツが24-21と逆転したのです。

 再度の逆転を目指してQBマホームズ選手がフィールドに登場しました。
 そして、相手エンドゾーンに迫り残り2分6秒、RBウィリアムズ選手が2ヤードを抜き切りTD。
 チーフスが28-24と再度逆転したのです。

 「百戦錬磨」のQBトム・ブレイディ選手がフィールドに登場しました。
 当然ながら「2分もあれば」ブレイディ選手にとっては十二分でした。
 残り42秒、RBバークヘッド選手が4ヤードを走りTD。
 ペイトリオッツが31-28として再度再度逆転しました。

 さすがに試合は決まったと思いました。
 キッチリとゲームをマネジメントするペイトリオッツが、試合時間残り40秒で3点をリードしたのですから、残り時間の守備マネジメントを考慮してもチーフスの反撃は困難であろうと感じました。ペイトリオッツにとっては、プレーオフゲームにおける「いつもの3点差勝利」なのであろうと思ったのです。

 しかし「マホームズの切れ味」は、ペイトリオッツのベリチックHCヘッドコーチの想定をも超えるものだったのです。

 残り時間がとても少ない中で、チーフスは前進し、残り11秒キッカーKのハリソン・バッカー選手が39ヤードYのフィールドゴールFGを決めました。
 60分・4つのQを終えて、ゲームは31-31と振り出しに戻ったのです。

 このOTでペイトリオッツが勝ち切ったことは頭書の通りですが、この第4Qの攻防は、本当に素晴らしいものでした。「4度の逆転と1度の同点」が、第4Qを彩ったのです。
 若きQBマホームズ選手にとって、得ることが多い試合であったことでしょう。

 ペイトリオッツは「いつものようにスーパーボウルに進出」しました。
 これだけのシーズンを重ねても、「決して飽くことが無い」ベリチックHCとQBブレイディ選手の「勝利への執念」には、感心するばかりです。

 とても良いチームを創り上げつつあるチーフスには、来シーズンの捲土重来に期待します。
 
[1月20日・メルセデスベンツスーパードーム]
ロサンゼルス・ラムズ26-23ニューオーリンズ・セインツ

 セインツが先行し、ラムズが追いかけ、第4クオーターQ試合時間残り19秒で23-23の同点となったゲームは、オーバータイムOT(延長)でラムズが押し切りました。
 両チームが持ち味を発揮した素晴らしいゲームでした。

 このゲームの勝敗を決めたのは、ひとりのキッカーの高難度のフィールドゴールFG成功でした。
 ビックゲームにおける、「熟練の技」でしたが、ミラクルでした。

 第4Q試合時間残り1分45秒、セインツのキッカーKウィル・ルッツ選手が31ヤードYのFGを決め、23-20とリードした時には、さすがはクオーターバックQBドリュー・ブリーズ選手とショーン・ペイトンHCヘッドコーチの巧みなゲームマネジメントが功を奏したと感じました。

 しかし、ラムズは全く諦めていなかったのです。

 QBジャレット・ゴフ選手を中心とした攻撃陣の反撃が始まりました。
 強力なセインツ守備陣の抵抗にあいながらもじりじりと前進、何とかFGが可能なレンジまで到達しました。
 とはいえ「48Y」のFGトライ。
 このキックの成否により、闘いを続けられるかどうかか決まるという「プレッシャーの固まり」の様なFGに挑むのは、ラムズのKグレッグ・ズーライン選手。
 この環境ですから、レギュラーシーズンの成績など全く関係が無い、大袈裟に言えば「NFLプレーヤーとしてのキャリアを賭けたトライ」でした。

 恒例?の嫌がらせタイムアウトも入って、ズーライン選手のトライは続きます。
 
 セインツのホーム・メルセデスベンツスーパードームの大観衆が固唾をのんでというより、大騒音を発揮し続ける中、ショットはやや右側に飛び、ぎりぎりに入りました。
 ラムズにとっては「乾坤一擲」のFG成功。
 ゲームはOTに入りました。

 OT最初のセインツの攻撃を、ラムズ守備陣が抑え込みました。
 セインツオフェンスを抑え込んだことは、今季ラムズディフェンスの充実振りを如実に示していました。

 続くラムズオフェンスに対してのセインツディフェンスの抵抗も見事なもので、フィールドポジションを勘案すれば、ラムズはパントに追い込まれたように観えました。
 ところがパンターでは無く、Kのズーライン選手が登場したのです。

 60ヤード近いのではないかと思いましたが、「57ヤードのトライ」でした。スナッパーからの距離も、通常のFGトライより数ヤード短くセットされていたように観えましたが、それでも「57ヤード」というとても長いトライ。
 そもそも「届くのだろうか」と思いました。方向はもちろんとして、飛距離・シンを食うキックが必須というのですから、難度は増すばかり。

 蹴りました。

 ボールは真ん中を通過しました。
 距離的には、まだ少し余裕がある程の「スーパーショット」でした。

 ショーン・ペイトンHCの積極的なトライが見事に成功した瞬間でもありました。
 もし、この4thダウンのトライが失敗すれば、センターライン近辺という自軍にとってはとても苦しい、セインツにとってはとても良いポジションからの攻撃を許容することになるのですから、真の「賭け」だったのです。

 Kズーライン選手は、NFCチャンピオンシップゲーム2019において、ミラクルな2本のショットを決めました。

 決まるか決まらないかで、ゲームの勝敗が決するというショットを2本も決めるというのは、キッカー冥利に尽きるゲームであったことでしょう。

 NFCチャンピオンシップ2019は、Kグレッグ・ズーライン選手にとってのキャリア最高のゲームとなったのです。
 NFCナショナル・フットボール・カンファレンスとAFCアメリカン・フットボール・カンファレンスの、今季NO.1チームを決めるチャンピオンシップゲームが、1月20日に行われました。

[NFCチャンピオンシップ2019・メルセデスベンツスーパードーム]
ロサンゼルス・ラムズ26-23ニューオーリンズ・セインツ(延長)

[AFCチャンピオンシップ2019・アローヘッドスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ37-31カンザスシティ・チーフス(延長)

 共にオーバータイムOT(延長)に縺れ込む激戦となりましたが、NFCはラムズが、AFCはペイトリオッツが勝ち切りました。
 4チームの中で、どのチームがスーパーボウルに進出するのかは、最後の最後まで分からなかったのです。

 個々のゲームについては、今後書くことが有るかもしれません。

 ペイトリオッツのクオーターバックQBトム・ブレイディ選手とセインツのQBドリュー・ブリーズ選手という、NFLを代表するベテランQBと、ラムズのQBジャレット・ゴフ選手とチーフスのQBパトリック・マホームズ選手という、NFLの若手を代表するQBの対決は「1勝1敗」でした。

 ゴフ選手とマホームズ選手は共に、初のチャンピオンシップゲームでとても良く戦いました。

 後から行われたAFCチャンピオンシップの第4クオーターQにチーフスが逆転した時には、ラムズVSチーフスのスーパーボウルが観られるのではないかという展開でしたが、さすがに「ペイトリオッツ王朝」の壁は厚かったということでしょう。

 また、この2ゲームを通じては、各チームの「守備陣の頑張り」がとても印象的でした。
 
 20世紀のポストシーズンゲームは、「堅い守備」を前面に押し出したロースコアゲームが多かったのですけれども、2019年のチャンピオンシップゲームも当時に劣らぬ「堅守」を感じさせるものでした。
 
 「オフェンスもディフェンスも進歩している」状況下でも、やはり「堅守」無くしはカンファレンスチャンピオン獲得が不可能であることを、良く示してくれた2つのゲームであったとも思います。

 さて、第53回スーパ―ボウルは、ペイトリオッツとラムズの戦いとなりました。

 計算し尽くされたプレーの積み上げによってゲームを支配するペイトリオッツと、攻守のバランスがとても良いラムズは、ともに「スーパーボウルで戦うに相応しいチーム」です。

 最新鋭のメルセデスベンツ・スタジアムにおけるゲームは、「どのような映像を見ることが出来るのか」も含めて、とても素晴らしいものになるでしょう。

 決戦は2月3日です。
[1月12日・ロサンゼルスメモリアルコロシアム]
ロサンゼルス・ラムズ30-22ダラス・カウボーイズ

 NFCの人気チーム同士の対戦は、ラムズがカウボーイズを下しました。

 クオーターバックQBジャレット・ゴフ選手とダック・プレスコット選手、ランニングバックRBトッド・ガーリー選手とエゼキエル・エリオット選手、こうした対決にも注目が集まりましたが、試合全体を観れば「ラムズのラン攻撃がカウボーイズを上回った」印象です。

 ラムズは、エースRBガーリー選手とC.J.アンダーソン選手が共に活躍し、ガーリー選手が16度のキャリーで115ヤードをゲイン、1タッチダウンTD、アンダーソン選手が23度のキャリーで123ヤードをゲインし、2TDを挙げたのです。
 故障から回復途上のガーリー選手をカバーして余りある、アンダーソン選手の走りでした。

 一方、今季レギュラーシーズンにおいて1,434ヤードを走り、リーディングRBとなったエリオット選手は、20度のキャリーで47ヤードのゲインに止まりました。
 両チームの戦法の違いももちろんあるのでしょうが、このランゲインの差(ラムズ273ヤード、カウボーイズ50ヤード)は大きかったと感じます。

 今季「爆発的な攻撃」で勝ち進んできたラムズの攻めが実ったのが、第2クオーターQでした。
 第2Q開始早々にグレッグ・ズーライン選手のフィールドゴールFGで3点を返したラムズは、残り7分5秒にC.J.アンダーソン選手、残り3分35秒にはガーリー選手がランTDを挙げ、このクオーターで17得点、カウボーイズを0点に抑えて、前半を20-7で折り返したのです。
 この「13点差」が最後まで物を言ったゲームでした。

 全体として、インターセプトやファンブルが少ない「しっかりとしたゲーム」を両チームは繰り広げました。結果として、ラムズの方が強かったのでしょう。

 ラムズはNFCチャンピオンシップゲームに駒を進めました。

 「とてもバランスの良いチーム」がスーパーボウルを目指します。
[1月13日・ジレットスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ41-28ロサンゼルス・チャージャーズ

 ペイトリオッツは、特にポストシーズンに入ると、相手チームの特性に合わせて、様々なスペシャルプレーを披露します。
 もちろん、他のチームも事前準備は行うのですが、ペイトリオッツが用意する戦法のバリエーションの豊富さ・完成度の高さ、スペシャルプレーを繰り出すタイミング、等には、いつも感心させられます。
 このゲームも、プレーオフゲームに向けて「練りに練った戦法」が見事に当たったものとなりました。

 第1クオーターQと第2Qにおいて、ペイトリオッツは「ラン攻撃」を止めの戦法と位置づけ、ランニングバックRBにはソニー・ミシェル選手を立てました。
 クオーターバックQBトム・ブレイディ選手のパス攻撃主体と想定していたであろうチャージャーズにとっては、対応に手間取ったことでしょう。

 「変幻自在」という言葉がぴったりのペイトリオッツのラン攻撃が展開され、第1Qに2つのタッチダウン、第2Qに3TDを重ねて、前半だけで35得点を奪い、28点をリードしました。
 これでゲームの勝敗は決まったのです。

 第3Q以降は、インターセプトやキックオフリターンによるTDを回避し、十分に時間を使った攻撃を続けました。
 勝ち切るための「慎重さ」は、ペイトリオッツ本来のものです。
 決して「調子に乗る」ということが無いのが、ベリチックヘッドコーチHCとQBトム・ブレイディ選手なのです。

 第4Q、41-14とリードを広げてから、チャージャーズに2TD・14点を奪われましたが、「試合を終わらせるために攻撃をさせた」ようにさえ観える、ゲーム・マネジメントでした。
 危なげない勝利というのは、こういうゲームを指すのでしょう。

 ペイトリオッツらしくなかった?のは、得失点差でしょうか。
 「13点もの大差」でポストシーズンゲームを勝つのは、ペイトリオッツとしては珍しいことです。
 おそらくは、第1Q・第2Qの攻撃が、試合前の想定以上に上手く行ったのであろうと、勝手に想像しています。

 チャージャーズは、QBフィリップ・リバース選手を中心としたパスオフェンスで、自らのプレーを展開しました。
 リバース選手は331ヤードを投げて3TDを奪っていますから、まずまずの出来だったのです。
 しかし、リバース選手は51回パスを投げて25回しか成功していません。
 ペイトリオッツは、チャージャーズのプレー、QBリバース選手のパスプレーを研究し尽くし、十分な対策を講じて、ディフェンスを行ったのであろうと感じます。

 このゲームは、攻守とも「ペイトリオッツが想定した通り」の内容だったのではないでしょうか。

 「2001年から連綿と続くペイトリオッツ王朝」は、やはり「畏るべし」なのです。

[1月12日・アローヘッドスタジアム]
カンザスシティ・チーフス31-13インディアナポリス・コルツ

 初めてプレーオフゲームに臨んだ、チーフスのクオーターバックQBマホームズ選手でしたが、最初のプレーから持ち味を十分に発揮し、着々と得点を重ねて、チームを勝利に導いたのです。
 「ポストシーズンに弱い」筈?のチーフスにとって、これ以上ない「頼もしい」プレー振りでした。

 2017年ドラフトでチーフス入りし、2018年から主戦QBになったマホームズ選手にとって、最初のポストシーズンゲームがディビジョナルプレーオフという、とても重いものでしたが、「大きな舞台」でも怯むことは無いことを明示して魅せたのです。

 ワイルドカードプレーオフで強さを示したコルツディフェンスに対して、レッドゾーンまではパス主体、相手陣深く入り込みタッチダウンTDを狙う時にはラン主体という、見事な使い分け。
 このゲームでのQBマホームズのTDパスは0本でしたが、4つのTDを奪ったのです。

 まず第1クオーターQに、デイミエン・ウィリアムス選手のランと、タイリーク・ヒル選手のランで2TD。
 第2Qには、自らの4ヤードランでTDと、前半でフィールドゴールを含む24得点とゲームを支配しました。

 その後は手堅い試合運びで時間を消費し、第4Q残り2分32秒に、ダレル・ウィリアムス選手のランで止めのTDという、「落ち着き払った」マネジメントでした。
 
 「異次元」とも呼ばれる今季のチーフスオフェンスですが、守備陣の頑張りがこうした手堅い試合運びを可能にしたことも、間違いありません。
 「強力なオフェンスライン」を擁するコルツオフェンスを、特に第1Qでは見事に抑え込みました。
 コルツとしては、「雪が降る屋外フィールド」というのも影響したのかもしれません。(ホームスタジアムが屋内であるコルツはもともと屋外が苦手な傾向が有る上に、降雪があり、フィールド表面も荒れていました)

 さて、今季第1シードのチーフスは、AFCチャンピオンシップでペイトリオッツと戦うこととなりました。
 21世紀のAFCにおいて「スーパーボウルに進出するためには、どうしても打ち破らなければならない厚い壁」です。

 23歳のパトリック・マホームズ選手と41歳のトム・ブレイディ選手の対決は、今季ポストシーズンの最大の見所のひとつです。
 2月3日に行われる第53回スーパーボウルに向けての、NFL2018~19年シーズンのポストシーズンは、1月12日・13日の両日に、ディビジョナルプレーオフゲーム4試合が行なわれました。

 今季のポストシーズンに付いて、少しおさらいしておきましょう。(このところ毎季この形です)

① 2018年から行われたレギュラーシーズン・各チーム16試合の結果を踏まえて、アメリカン・フットボール・カンファレンスAFCの4地区16チームの地区優勝4チームと成績上位2チーム計6チームと、ナショナル・フットボール・カンファレンスNFCの4地区16チームの同6チームの、総計12チームがポストシーズンに進出しました。

② AFCとNFCのポストシーズン進出各6チームのレギュラーシーズン成績を比較し、上位から第1シード、第2シードの順で第6シードまでを決めます。

③ ワイルドカードプレーオフゲーム
 各カンファレンスの第3シードから第6シードまでの4チーム・計8チームが戦い、勝ったチーム、各カンファレンス2チーム・計4チームがディビジョナルプレーオフに進出します。

④ ディビジョナルプレーオフゲーム
 ワイルドカードプレーオフゲームに勝った4チームが、各カンファレンスの第1シード・第2シードのチームと戦います。各カンファレンス2チームずつが勝ち上がり、チャンピオンシップゲームに進出します。

⑤ チャンピオンシップゲーム
 AFCとNFCのチャンピオンチームを決めるゲームです。カンファレンスチャンピオンは、それだけで大きな栄誉です。

 そして、カンファレンスチャンピオンとなった2チームが、今季ナショナル・フットボール・リーグNFLのチャンピオンを決めるゲーム「スーパーボウル」に進出します。

 各カンファレンスのチャンピオンチーム(日本プロ野球で言えば、セントラルリーグ・パシフィックリーグの優勝チームのようなものです)は、当然のことながら、とても尊重されますので、スーパーボウルに出場すること自体が大変な名誉であり、出場したプレーヤーには「第○回スーパーボウル出場」とキャリアに記されます。

⑥ スーパーボウル
 AFCとNFCのチャンピオンチームが覇を競う、世界一のスポーツ大国アメリカ合衆国においても、最大のスポーツイベントです。

 ご存じの方には退屈な記述だったと思いますが、念のため簡単に「おさらい」しました。

 さて、話を戻しましょう。

 今季のディビジョナルプレーオフゲームの結果です。

[AFC・1月12日・アローヘッドスタジアム]
カンザスシティ・チーフス31-13インディアナポリス・コルツ

[NFC・1月12日・ロサンゼルスメモリアルコロシアム]
ロサンゼルス・ラムズ30-22ダラス・カウボーイズ

[AFC・1月13日・ジレットスタジアム]
ニューイングランド・ペイトリオッツ41-28ロサンゼルス・チャージャーズ

[NFC・1月13日・メルセデスベンツスーパードーム]
ニューオーリンズ・セインツ20-14フィラデルフィア・イーグルス

 AFC第1シード・チーフス、第2シード・ペイトリオッツ、NFC第1シード・セインツ、第2シード・ラムズの、シード上位4チームが全て勝ち上がりました。
 かつては「ワイルドカードからの勢いのあるチーム」が勝ち上がることも珍しくなかったのですが、近年は上位シードチームの強さが目立つようになってきました。
今季はその典型でしょう。

 ポストシーズンはサドンデスの戦いであり、怪我も厭わない凄まじいプレーが続きますので、「本気の戦い」とも言われますから、従来はあまり差が付かないこと多かったのですが、今季ディビジョナルプレーオフでは「3点差以内のゲーム」は有りませんでした。
 上位シードチームがレギュラーシーズンでの戦い振りをプレーオフでも魅せた形ですし、しばらくゲームが無かったことに伴う「試合勘」の問題も見事にクリアしています。
 ヘッドコーチを始めとするスタッフの努力が感じられますし、NFL各チームにポストシーズンゲームの戦い方についてのノウハウが蓄積されつつあるようにも感じます。

 4つのゲームの中では、セインツを相手にしたイーグルスが第1クオーターQに2つのタッチダウンTDを挙げて、一気に14-0とリードしたのが「戦いを続けて来たチームの勢い」を感じさせるものでした。
 第2Q以降、セインツが冷静に逆転したのは、さすがという他はありません。

 この4ゲームの個々の内容については、別途書くことが有るかもしれません。

 カンファレンス優勝チームを決めるチャンピオンシップゲームは、以下の通りに開催されます。

[AFC・1月20日]
カンザスシティ・チーフスVSニューイングランド・ペイトリオッツ

[NFC・1月20日]
ニューオーリンズ・セインツVSロサンゼルス・ラムズ

 NFLを代表するベテランQB、セインツのドリュー・ブリーズ選手とペイトリオッツのトム・ブレイディ選手は共に、既にスーパーボウルを制しているなど、実績十二分なスーパープレーヤーです。

 この偉大なる2人のスーパースターに挑むのは、チーフスのQBパトリック・マホームズ選手とラムズQBジャレッド・ゴフ選手です。共に、若手QBの代表格であり、今季の活躍は見事なものでした。

 「新旧対決」となる、2つのチャンピオンシップゲームから眼が離せません。

 個人的には、QBマホームズ選手とチーフスの戦いに期待しています。
 これまで「ポストシーズに弱い」と酷評されてきたチーフスが、ペイトリオッツ王朝を相手に、その歴史を変える戦いを魅せてくれるのでしょうか。
[1月6日・ソルジャーフィールド]
フィラデルフィア・イーグルス16-15シカゴ・ベアーズ

 ナショナル・フットボール・カンファレンスNFC北地区1位のベアーズと東地区2位のイーグルスのワイルドカードは、イーグルスが1点差で勝利しました。

 クオーターバックQBミッチェル・トゥルビスキー選手を中心とした、得点力十分な攻撃陣と「伝統」の守備陣を擁し、レギュラーシーズンを12勝4敗としたベアーズが相当有利なのではないかと、戦前見られていたゲームでした。
 そして第4クオーターQ残り時間9分9秒、QBトゥルビスキー選手のタッチダウンTDパスが決まって15-10と逆転した時には、ホーム・ソルジャーフィールドのベアーズファンは「勝利を確信」したことでしょう。

 ベアーズ守備陣は、その後のイーグルスの攻撃を良く凌ぎましたが、第4Q残り1分1秒、ついにQBニック・フォールズ選手からワイドレシーバーWRゴールデン・テイト選手へのパスが決まって、イーグルスが16-15と再逆転しました。

 残り時間は1分を切っていましたから、ベアーズとしては相当に追い込まれた状況でしたが、点差は僅かに1点、フィールドゴールFG3点で逆転可能でしたから、地元ファンの大声援を背にベアーズ攻撃陣が奮起、タリク・コーエン選手の見事なキックオフリターンから、相手陣25ヤードまで前進しました。

 43ヤードのフィールドゴールトライは、短くは無いものの、NFLのキッカーであれば十分に決められる距離です。
 試合時間残り10秒=イーグルスに反撃の余裕を与えない時間となって、キッカーのコーディ・パーキー選手が登場しました。

 この試合、前半のベアーズの得点はFGによるものでした。パーキー選手は既に3本のFGを決めていたのです。4本目を決めればベアーズの勝利、8シーズンぶりにポストシーズンに登場し、地元ファンが待ちに待ったプレーオフでの勝利が目前に迫りました。

 パーキー選手のキックは成功しました。(後から見れば1度目のトライ)
 しかし、キック直前にイーグルスからのタイムアウト申請が有って蹴り直しとなったのです。
 NFLでは「恒例」の嫌がらせ?です。

 そして2度目のパーキー選手のキック。
 これが左のポストを直撃し、手前に跳ね返ってしまいました。
 ベアーズファンの「悲鳴」がソルジャーフィールドに響き渡りました。

 ベアーズにとっては「悪夢」のような幕切れでした。

 イーグルスにとっても「信じられないような」結果でしょう。自陣ゴール前25ヤードまで前進を許した時には、半ば諦めていた勝利が転がり込んだのですから。
 日本流にいえば「勝負は下駄を履くまで分からない」のです。

 QBカーソン・ウェンツ選手でシーズンを開始し、終盤にQBニック・フォールズ選手に交替してポストシーズンを勝ち進むという「イーグルス・システム」?は、2017~18年シーズンにはスーパーボウル制覇に結びつき、今季も「信じられないような」ワイルドカードゲーム勝利を生みました。

 イーグルスはディビジョナルプレーオフゲームで、南地区1位・第1シードのニューオーリンズ・セインツと戦います。
 QBドリュー・ブリーズ選手を中心とした、圧倒的な攻撃力を誇るチームを相手にして、この「イーグルス・システム」がどのような威力を発揮するのか、とても楽しみです。
[1月5日・AT&Tスタジアム]
ダラス・カウボーイズ24-22シアトル・シーホークス

 実力伯仲の人気チーム同士の対戦は、カウボーイズが第4クオーターQの2つのタッチダウンTDでリードを奪い、シーホークスの反撃を1TDに抑えて勝ち切りました。

 ゲームは全体としてカウボーイズのペースでした。
 ファーストダウン獲得数はカウボーイズ23回、シーホークス11回、総獲得ヤードもカウボーイズ380ヤード、シーホークス299ヤードだったのです。
 カウボーイズのラン攻撃が上手く行き、対照的にシーホークスのランはなかなか出ませんでした。

 しかし、シーホークスは巧みな試合運びで互角の戦いを繰り広げました。
 第3Qには、クオーターバックQBラッセル・ウィルソン選手のランでTD、2ポイントコンバージョンも成功させて14-10とリードを奪いました。
 この試合でQBウィルソン選手は、3回のキャリーで14ヤードのゲインと、本来の動きは発揮できなかった(作戦として、走る回数を減らしたのかもしれません)のですけれども、「ここぞ」という場面では、NFLを代表するモバイルQBの力を示した形です。

 そして、続く4Qの残り時間12分32秒と同2分14秒に、カウボーイズはTDを挙げて逆転しました。
 この2つのTDは共に、QBブレスコット選手のランを中心に、ゴール前にシーホークスを押し込んで奪い取ったTDであり、このゲームの流れをついに物にした形でしょう。

 NFL屈指の人気チームであるカウボーイズが、ディビジョナルゲームに進出しました。

 テキサス州のみならず、全米のファンの盛り上がりは、大変なものでしょう。
 ロサンゼルス・ラムズとの対決が楽しみです。
[1月6日・M&T BANKスタジアム]
ロサンゼルス・チャージャーズ23-17ボルチモア・レイブンズ

 実力伯仲の戦いは、チャージャーズのフィールドゴールFGによる得点の積み重ね、特に第2クオーターQまでに4本のFGを成功させて、前半を12-0とリードしたことが大きく、そのまま押し切ったゲームであったと思います。

 NFLを代表するクオーターバックQBのひとり、フィリップ・リバース選手を中心とするチャージャーズのハイパーオフェンスと、守備の強さをチームカラーとするレイブンズのディフェンスが正面からぶつかった、見ごたえ十分なゲームでした。

 あのQBリバース選手が、このゲームにおいてパスで獲得したのは160ヤード。リバース選手としては、とても少ない数字です。
 レイブンズ伝統のディフェンスが良く機能したのです。

 一方で、タッチダウンTDを挙げるのが困難と見たチャージャーズは、第1Q残り時間7分3秒に21ヤード、同残り1分14秒に53ヤード、第2Q同3分26秒に40ヤード、同4秒に34ヤードのFGを決めました。
 両チームの守備陣が、良く頑張っていた中で、3×4=12点はとても重いものとなったのでしょう。

 チャージャーズは、第4Q残り9分14秒に5本目のFGを決め23-3として、試合を優位に進めました。
 この後、レイブンズが2TDを決めて14点を返したのですけれども、この「20点差」をひっくり返すことは出来なかったのです。

 ゲームを通してみれば、チャージャーズのディフェンスも良く機能したことが分かります。
 売出し中のモバイルQBラマー・ジャクソン選手のランも、9回のキャリーで54ヤードゲインに抑え込んでいます。試合前の守備戦略構築と実行が、とても上手く行ったのでしょう。

 チャージャーズはワイルドカードを勝ち抜きました。
 得意ではないであろうロースコアゲームを、勝ち切ったのです。

 もともと攻撃力には定評のあるチームですので、ニューイングランド・ペイトリオッツとのディビジョナルゲームでは、持ち味のハイパーオフェンスを披露すべく、準備を進めていることと思います。
 チャージャーズにも、十分にチャンスがあります。
[1月5日・NRGスタジアム]
インディアナポリス・コルツ21-7ヒューストン・テキサンズ

 アメリカン・フットボール・カンファレンスAFC南地区の同地区対決となったゲームは、レギュラーシーズン10勝6敗で地区2位だったコルツが、11勝5敗で首位だったテキサンズを破って、ディビジョナルプレーオフへの進出を決めました。

 エースクオーターバックQBアンドリュー・ラックの故障に伴う不在により、昨シーズン不振を極めたコルツでしたが、今季序盤もなかなか勝てず、レギュラーシーズンを1勝5敗という悲惨な成績でスタートしました。
 「今季もダメか」と思われましたが、そこから驚異の復活を魅せたのです。
 その後の10試合を9勝1敗の好成績で乗り切り、week17最終戦を勝てばプレーオフ進出というゲームも、タイタンズを33-17で下しました。

 1勝5敗からのプレーオフ進出はNFLのタイ記録でした。

 QBラック選手は、「ずーっとポストシーズンゲームを戦っていたようなシーズンだった」と回顧し、「この勢いで勝ち進みたい」とも語りました。

 一方のテキサンズも、自慢の守備陣に加えて、モバイルQBデショーン・ワトソン選手を中心とした攻撃陣が充実し、地区1位でのプレーオフ進出を果たしていましたから、注目の同地区対決となったのです。

 テキサンズのディフェンスプレーヤーと言えば、ラインのJ.J.ワット選手とラインバッカーのジェイデビオン・クロウニー選手が「2枚看板」です。
 今レギュラーシーズンでも、ワット選手がQBサック16回、クロウニー選手が同9回と、2人で25サックという、相手QBにとっては「とんでもない」プレーヤーが左右から襲い掛かってきたのです。

 このゲームでも、QBラック選手を守るコルツ・オフェンスラインと、襲い掛かるワット選手・クロウニー選手の対決が、見所のひとつでした。

 結果としては、「コルツ・オフェンスラインの勝ち」と言って良いでしょう。
 ダリウス・レナード選手を始めとするオフェンスラインは、ラック選手に十分なプレー時間を齎しつつ、サックの危険からも守り切りました。
 ワット選手やクロウニー選手を見事に封じて魅せたのです。
 戦前の守備プランが良かったことも間違いないところでしょう。

 ポケットの中で十分な時間を与えられれば、QBアンドリュー・ラック選手はNFL屈指のパス能力を存分に発揮できます。第1クオーターQ、第2Qと正確なパスが良く決まりました。
 そして、第1Qに2本、第2Qに1本のタッチダウンTDを奪ったコルツが、前半を21-0でリードしたのです。

 今レギュラーシーズンでの対戦成績は1勝1敗であり、2ゲームとも3点差以内の接戦だったのですが、このゲームはコルツの一方的なゲームとなりました。
 戦前の予想を大きく裏切る展開となったのです。
 会場がテキサンズのホーム・NRGスタジアムでしたから、テキサンズの攻撃が失敗する度に、場内には第1Qからブーイングが響きました。

 熱狂的な地元ファンの大声援を背に、しかし、テキサンズのオフェンスは上手く行きませんでした。第3Qまで、テキサンズオフェンスが零封されるというのは、本当に予想外だったのです。
 もちろん、コルツ守備陣の大活躍があったことは言うまでもありません。
 
 ゲームを通じて、コルツの「攻守に渡る落ち着き払った試合運び」が印象的でした。

 コルツはディビジョナルプレーオフでカンザスシティ・チーフス(第1シード・西地区1位)と戦うこととなりました。
 23歳・売出し中のQBパトリック・マホームズ選手を中心に、とても強力な攻撃力で第1シードを獲得したチーフスは、今季こそ「ポストシーズンに弱い」という情けない定評を覆そうとゲームに臨んでくることでしょう。

 2012年ドラフト全体1位、当時のコルツにとって「ペイトン・マニングの再来」とも評されたアンドリュー・ラック選手が、先輩QBとしてどのようなプレーを魅せるのか、見所十分なゲームが待っています。

[week17・2018年12月30日・M&Tバンクスタジアム]
ボルチモア・レイブンズ26-24クリーブランド・ブラウンズ

 レギュラーシーズン最終戦・week17のゲームを勝って、レイブンズはポストシーズン進出を決めました。
 第4クオーターQのブラウンズの反撃を凌いでの勝利でした。

 このゲームで際立ったのは、レイブンズのルーキークオーターバックQBラマー・ジャクソン選手の活躍でした。それもパスプレーでは無く、ランプレーでの活躍だったのです。

 このゲームでQBジャクソン選手は179ヤードを投げましたが、タッチダウンTDパスを挙げることは出来ませんでした。一方で、20回のキャリーで90ヤードを走り、2つのTDを挙げました。
 ランニングバックRBプレーヤー顔負けの走りでした。

 ジャクソン選手のランは、トップスピードまでの加速が素晴らしく、トップスピードの速度・キレ共申し分なく、カットバックが上手いのですから、文字通り「トップRBレベルのラン」なのです。

 現在のNFLのモバイルQBで言えば、パンサーズのキャム・ニュートン選手よりはシーホークスのラッセル・ウィルソン選手に近いと思いますが、おそらく前進速度ではウィルソン選手より上でしょう。

 2018年のドラフト1順目でレイブンズから指名され入団したジャクソン選手は、今季week11から先発QBとして登場しました。
 そして、このデビュー戦でベンガルズを相手に24-21で勝利しました。
 このゲームでも、ジャクソン選手は27回のキャリーで117ヤードを走っています。

 NFLデビュー戦で「100ヤード以上を走る」ことはRBプレーヤーでも難しいことですが、QBがそれを実現しました。このゲームのチームNO.1ランナーでした。

 加えて、QBジャクソン選手の登場により、「レイブンズの攻撃が大変化」を魅せたことが、多くのマスコミ・識者から指摘されました。「ブラウンズオフェンスを変えた」と言っても良いのかもしれません。

 続くweek12でも、レイダーズを相手に34-17の勝利に貢献し、自らも11回のキャリーで71ヤードをゲインしました。

 week13でも、ファルコンズを相手にしての26-16の勝利に貢献し、自らも17回のキャリーで75ヤードを稼ぎ1TDを挙げました。

 こうしてweek11~week17の7試合を6勝1敗としたレイブンズは、レギュラーシーズン10勝6敗として、プレーオフゲームに進出したのです。
 week10までの4勝5敗を考え合わせても、QBラマー・ジャクソン選手が攻撃の中心に座ってからの「6勝」がとても大きかったことは言うまでも無いことでしょう。

 ワイルドカードゲームにおいて、レイブンズは1月6日にロサンゼルス・チャージャーズと対戦します。
 チャージャーズは、QBフィリップ・リバース選手を中心とする攻撃のチームです。現在のNFLにおける屈指のハイパーオフェンスを駆使するチームでしょう。
 また、QBリバース選手はNFL15年目、パス関連のNFL記録を多数保持する百戦錬磨のベテランQBなのです。

 1月6日、ラマー・ジャクソン選手は「21歳」でポストシーズンゲームに出場する予定です。もし出場するようならば、「ポストシーズン最年少QB記録」となります。モバイルQBの先輩マイケル・ビック選手の22歳の記録を更新するのです。

 さらに「新人QBのポストシーズンでの勝利」も期待されます。
 当然と言えば当然なのですが、新人QBはポストシーズンゲームでなかなか勝てません。特に、ベテランQBを相手にしては分が悪いのです。

 NFL屈指のQB、フィリップ・リバース選手を相手にして、新人QBラマー・ジャクソン選手がどのようなプレーを魅せてくれるのか、本当に楽しみです。
 2018年12月30日に行われた、レギュラーシーズン最終戦・week17のゲームを終えて地区順位が決定しました。
 そしてポストシーズン緒戦、ワイルドカードのカードも決まったのです。

[1月5日]
① コルツ(AFC南2位)VSテキサンズ(AFC南1位)
② シーホークス(NFC西2位)VSカウボーイズ(NFC東1位)

[1月6日]
③ チャージャーズ(AFC西2位)VSレイブンズ(AFC北1位)
④ イーグルス(NFC東2位)VSベアーズ(NFC北1位)

 AFC南地区の1位テキサンズ(11勝5敗)と2位のコルツ(10勝6敗)の同地区対決が実現しました。
 連勝を続けていたテキサンズがweek16でイーグルスに30-32に惜敗を喫しました。
 最終週は20-3で勝ちましたけれども、ポストシーズンに向けては「チームコンディション」がポイントとなりそうです。

 カウボーイズとシーホークスは人気チーム同士の対戦となりました。
 レギュラーシーズンは共に10勝6敗。
 クオーターバックQBプレスコット選手率いるカウボーイズが、どのような戦いを魅せてくれるか楽しみです。

 AFCのチャージャーズ(レギュラーシーズン12勝4敗)とNFCのベアーズ(同12勝4敗)は、今季ポストシーズンの「台風の目」でしょう。
 共に、調子を上げて、レギュラーシーズンを勝ち抜きました。
 共に戦力は十分です。
 ワイルドカードを上手く勝ち抜くようなら、ディビジョナルゲームでも、上位チームの脅威となることでしょう。

 さて、今シーズンも「一発勝負・超本気」のポストシーズンが始まります。

 「恐ろしい程のパワーとテクニック」を存分に発揮してほしいものです。
[week11・11月19日・ロサンゼルスメモリアルコロシアム]
ロサンゼルス・ラムズ54-51カンザスシティ・チーフス

 ロサンゼルスメモリアルコロシアムに大観衆(10万人越え?)を集めて行われた、今季好調の両チームの激突は、滅多に観られないハイスコアゲームとなりました。

 両チーム合わせて90点を超えるゲームでも、なかなか観られないハイスコアゲームなのですが(2017年10月30日付の本ブログの記事「[NFL2017~18]両チーム合わせて90点のハイスコアゲーム」をご参照ください)、100点を超えるとなると半端なものではありません。

 チーフスのクオーターバックQBパトリック・マホームズ選手がパス478ヤードを投げて6本のタッチダウンTDを決めれば、ラムズのQBジャレット・ゴフ選手も413ヤードを投げて4本のTDを決めていますから、得点力十分な両チームのハイパーオフェンスが炸裂したゲームでした。

 とはいえ、攻撃側が相手守備を完全に凌駕し、「やりたい放題」であったかというと、必ずしもそうではなかったというところが、このゲームの奥深いところでしょう。

 第2クオーターQ残り2分、17対17の同点で迎えたチーフスの攻撃。ラムズのアーロン・ドナルド選手がQBマホームズ選手をサックし、マホームズ選手がボールをファンブル、このボールをラムズのサブソン・イブカム選手がリカバーして、そのまま持ち込みTDを挙げました。
 ラムズ守備陣の見事なプレーでした。

 第3Q残り2分24秒、チーフスの攻撃、QBマホームズ選手のパスをラムズのディフェンス・イブカム選手がインターセプト、そのまま持ち込んでTD。
 イブカム選手は、この日2つ目のTDとなりました。

 このように、守備陣、特にラムズ守備陣の頑張りから、3つのインターセプトが生まれ、それがゲームの趨勢にとても大きな影響を与えたのです。

 QBマホームズ選手としては、46本のパスを投げ33本を成功させて478ヤードを奪い、6本のTDという大成果を挙げたのですけれども、ラムズ守備陣は「降り注ぐパス」の合間を縫って、しっかりと仕事をしたということになります。
 「超ハイスコアゲーム」においても、その存在感を十分に示したのです。

 AFCとNFCのトップを走っていたチーフスとラムズが激突したゲームは、両チーム合わせて100点を超えるハイスコアゲームでありながら、両チームともに50得点以上を挙げ「3点差での決着」という、大接戦でもありました。ハイスコアゲームでありながらも、一方的なゲームでは無かったというところも、このゲームの特徴でしょう。

 ラムズとチーフスは、week16を終えても地区首位を走っています。(両チームともに終盤に来て負け試合が増えてはいますが)
 両チームがスーパーボウル2019で激突する可能性も、十分にあるのでしょう。

 その時には、このweek11のゲームを踏まえて、どんな戦いを繰り広げてくれるのでしょうか。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031