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 ペブルビーチ・ゴルフリンクスを舞台に開催されている、第119回全米オープンゴルフ大会は、「カリフォルニアの青い空」は無く、曇天の3日間のラウンドを終えて、最終日を迎えることとなりました。

 最高気温で観ると、先週は26℃あったものが、トーナメント2日目には12℃、3日目も14℃と、この時期としては肌寒い気候でしたが、一方で、とても穏やかなラウンドが続きました。
 風が強い時のペブルビーチは、とても難しいのですけれども、今回の第3ラウンドまでは、微風と言っても良い状況であったと思います。(もちろんリンクスコースですから無風という訳には行かず、ときには5m位の風は吹いたのですが、「ペブルビーチとしては」穏やかな環境でした)

 さて、3日目を終えてのトップ10は、

・1位 ウッドランド選手 11アンダーパー
・2位 ローズ選手 10アンダー
・3位タイ ケプカ選手 7アンダー
・3位タイ リービー選手 7アンダー
・3位タイ ウーストヘイゼン選手 7アンダー
・6位 マキロイ選手 6アンダー
・7位タイ クーチャー選手 5アンダー
・7位タイ ハドリー選手 5アンダー
・9位タイ ウィレット選手 4アンダー
・9位タイ マクドゥエル選手 4アンダー
・9位タイ ラーム選手 4アンダー
・9位タイ ステンソン選手 4アンダー
・9位タイ ウォレス選手 4アンダー

 となっています。

① 優勝スコア予想→10~11アンダーパー

 メジャートーナメントですから、最終日にはスコアが伸びないのが通常です。ましてや、最も難しいセッティングの全米オープンですから、現在トップのスコアである11アンダーで、最終日最終ホールをクリアできれば、優勝の可能性は相当高いと見るのか妥当です。

 3日目まで非常に穏やかなペブルビーチ、いわば「借りてきた猫」のような様子でしたから、最終日に少しでも「牙を剥けば」、優勝スコアが下がる可能性が高いので、10アンダーの可能性もあるでしょう。

② 優勝候補

 優勝候補の1番手は、ゲイリー・ウッドランド選手です。スコアを伸ばしていくことが、とても難しい全米オープンの最終日ですから、3日目終了時点でトップに立っている選手が優勝候補筆頭であることは、自然なことです。

 優勝候補の2番手は、ジャスティン・ローズ選手です。前述と同様の理由で、3日目終了時点で2位の選手が、優勝候補次席となります。
 今回は「単独2位」であり、タイスコアの選手が居ませんので、明確な優勝候補2番手であると考えます。

 ウッドランド選手とローズ選手の比較ですが、3日目のラウンドの内容を観ると、ウッドランド選手に「ミラクルなプレー」がいくつか観られました(12番ホールのチップインや14番ホールの10m以上のパッティングが入ったことなど)ので、こうした「ミラクルなプレー」が連日続く可能性は低いと考えれば、優勝候補1・2番手の差は小さいと見るのが妥当でしょう。

 ウッドランド選手とローズ選手は最終日・最終組で「互角」の優勝争いを繰り広げると思います。

 優勝候補の3番手は「居ない」というのが、冷静な見方でしょう。

 現時点で3位タイのプレーヤーのスコアは7アンダーですから、優勝スコアを11アンダーとすれば、全米オープンの最終日、スタート時点でトップ10に入っている選手が「4アンダー以上のスコア」を叩き出す可能性は極めて低いてしょう。

 もし、3日目を終えて7アンダーパー以下のプレーヤーが、上位の2選手を捕えることがあるとすれば、ウッドランド選手とローズ選手が共にスコアを大きく崩した時に限られます。
 少なくとも、メジャータイトルホルダーであり、オリンピック金メダリストでもあるジャスティン・ローズ選手が、その精神力と経験をベースにしたプレーを展開すれば、スコアを大きく崩すというのは考えにくいところです。

 「何が起こるか分からない」と言われるメジャー大会ですが、実際のところは、大逆転優勝など滅多に起こりませんし、優勝者が「3日目を終えて首位から3打差以内のプレーヤー」から出る可能性がとても高いことは、皆さん良くご承知の通りです。

 世界トップクラスの選手達が、「スコア維持」の為に、世界最高の技と精神力を駆使して闘うのが、全米オープン最終日のラウンドなのです。
 そして、その戦いはとても味わい深いものなのでしょう。

 従って、優勝候補の3番手は居ないと観ているのですが、上位の2選手が大崩れした時に、どの選手が優勝に近いかということであれば、ブルックス・ケプカ選手とルイ・ウーストヘイゼン選手でしょうか。
 共にメジャータイトルホルダーであり、粘り強いプレーが持ち味です。

 114年振りの「全米オープン3連覇」を目指すケプカ選手にとっては、3日目までの「穏やかなコンディション」が想定外であったろうと感じます。
 通常の全米オープンの様に3日目を終えてアンダーパープレーヤーが10名以内というトーナメントとなれば、ケプカ選手が狙う最終日となったのでしょうが、今大会ここまでは26名のプレーヤーがアンダーパーであり、ケプカ選手にとっては「良いスコアが出過ぎている」ように観えます。

 我らが松山英樹選手は、3日目に7.バーディを奪い、スコアを1つ伸ばしました。
 7つのバーディを奪いながら、スコアが1つしか伸びないのは、コースのセッティングが難しいからであり、スコアを伸ばすためにアグレッシヴなプレーを展開すれば、バーディも取れるがボギーやダブルボギーも出るのが「全米オープンのセッティング」なのです。

 「堅実にパーを積み重ねる安全第一のゴルフをしながら、ここぞというチャンスで1つか2つのバーディを実らせ、1ラウンドで1打伸ばすプレー」を選択するのか、「攻め捲り、多くのバーディと多くのボギーを交錯させて1打伸ばすプレー」を選択するのかは、全米オープンに挑むプレーヤーの戦略判断そのものです。
 もちろん、全米オープンにおいて「1ラウンドで5打伸ばそう」とすれば、後者の戦略を採用し、ボギー・ダブルボギーを最小限に抑えるというラウンドを示現する以外にはありません。

 さて、本ブログでは何度も書いていますが、総合的に観て「世界最高のアイアンショットメーカー」であろうジャスティン・ローズ選手の、最終日のプレーに注目しています。
 今大会は2~3m位のパッティングも堅実ですから、2013年以来2度目の全米オープン制覇も、夢では無いでしょう。
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 第119回全米オープンゴルフ選手権大会が、6月13日~16日、アメリカ合衆国カリフォルニア州のペブルビーチ・ゴルフリンクスを舞台に開催されます。

 全米オープンは、1895年に開始された、世界屈指のナショナルオープン大会であり、世界四大メジャートーナメントのひとつであり、コースの難易度が最も高いメジャートーナメントでもあります。

 今年の舞台、ペブルビーチ・ゴルフリンクスは、1972年、1982年、1992年、2000年、2010年に続いて6回目の全米オープン開催となります。

 「6回」というのは、オークモント・ゴルフクラブの9回、バルタスロール・ゴルフクラブ・ローワーコースの7回、オークランドヒルズ・カントリークラブ・サウスコースの6回、ウイングドフット・ゴルフクラブウエストコースの5回、シネコックヒルズ・ゴルフクラブの5回、と共に、「全米オープン開催コース」として「定着」しているコースのひとつです。
 さらに言えば、バルタスロールGCやオークランドヒルズCCが、近時は舞台となっていないことと比較すれば、「20世紀から21世紀にかけて、継続して全米オープンの舞台となっている」ゴルフ場のひとつなのです。(既に、2027年の第127回大会の舞台にも内定しています)

 「ペブルビーチ」は、「狭いフェアウェイと懲罰的な深く濃いラフ、そして箱庭的な佇まい」という典型的な全米オープンのコースである「オークモント」と比べれば、おおらかな感じで距離が有り(21世紀のコースとしては短い方に入るのですげれども)、フェアウェイFWのすぐ横まで海が在り、風の強い日であれば18番ホールなどは「飛沫がFWにもかかる」というコースです。
 カリフォルニアの明るい陽射し、真っ青な空、碧い海、白く打ち寄せる波頭。大きな波しぶきがFWの半ばまで飛ぶ姿は、ペブルビーチの名物と言って良いのかもしれません。他の全米オープン開催コースとは異なる、ペブルビーチ独特の「絵」がここかしこに溢れています。

 一方で、「リンクス」という呼称から、全英オープン開催コースに近いかと言えば、それも違っていると思います。
 ドックレッグの形状やラフの在り様がスコットランドやイングランドのリンクスコースとは相当異なりますし、FWの芝の様子やグリーンのコンディションは、まさにアメリカ合衆国のコースという面持ちです。
 また、全英オープン大会で、海の飛沫がFWに、眼に見える量・形で飛んでいるというシーンをこれまで観た記憶がありませんので、「海との距離-水平距離・垂直距離」共に、ペブルビーチは全英オープン開催コース比、とても近いのではないかと思います。

 つまり、ペブルビーチ・ゴルフリンクスは、アメリカ合衆国で造られ、時代と共に、ファンの思いも乗せて成長した、「アメリカンリンクス」とでも呼ぶべきゴルフ場なのでしょう。

 また、「ペブルビーチ」は、マスターズトーナメントの会場である「オーガスタナショナル」や、全英オープン大会の会場のひとつである「セントアンドリュース」らと並んで、世界で最も著名なゴルフ場のひとつです。
 結果として、ゲームのソフトウェアに登場する頻度も、最も多いゴルフコースでしょう。
 ホール毎の形状・景色の違いがダイナミックで、とても美しいので、おそらくはゲームソフトにぴったりなのです。

 ペブルビーチ・ゴルフリンクスは、1972年に初めて全米オープンの舞台としてデビューしました。今から47年前のことです。
 テレビ画面で、初めてこのコースを眼にした時、その従来の全米オープン開催コースとの余りの違い、その「非日常性」に驚かされました。
 そして、この大会はジャック・ニクラウス選手が優勝しました。

 強風吹きすさび海が至近のショット、確か195ヤード位の距離であったと思いますが、ニクラウス選手はこれを4番ウッド(バフィー)で狙って行きました。
 メジャートーナメント、1打が重いメジャートーナメントで、大変な「冒険」だと感じました。低く打ち出されたショットは、空中で大きく曲がりましたが、きっちりとグリーンを捕えました。凄いショットでした。(全て私の記憶ですので、間違っていたらご容赦ください)

 まだ本物の木(パーシモン製)だった4番ウッドや、いくら風が有るとはいえ、195ヤードを4番ウッドで打っていくところなど、隔世の感が有りますが、本当に素晴らしいプレーをテレビで観させていただきました。

 ちなみに、1972年の優勝賞金額は30,000ドルでした。当時の為替レートは1ドル305円位でしたから、9,150,000円位です。現在の優勝賞金額は180万ドル位でしょうから、1ドル110円として1億9800万円となりますから約20倍、こちらも隔世の感が有ります。
 PGAツアーの賞金額は、急激に上がったのです。

 さて、振り返ってみると、ペブルビーチで開催された全米オープンでは、「時代時代を代表するプレーヤー」が勝利を収めていることが多いと感じます。
 1972年がジャック・ニクラウス選手、1982年がトム・ワトソン選手、2000年はタイガー・ウッズ選手が優勝しているのです。

 さて、2019年大会は誰が優勝を飾るのでしょうか。
[4月25~28日・ザロイヤルゴルフクラブ(茨城県)]
1位 安田祐香選手 11アンダーパー
2位 アタヤ・ティティクル選手(タイ) 3アンダー
3位 イ・イェウン選手(韓国) 2アンダー

 「令和」において活躍が期待される若きプレーヤーが、女子ゴルフ界にも登場しました。
 兵庫県・神戸市出身の18歳、安田祐香選手が見事なプレーを魅せて、アマチュア・アジアNO.1に輝いたのです。

 トーナメント最終日、パッティングが好調だった安田選手は65打のラウンドを魅せて、2位に8打差を付けて圧勝しました。
 素晴らしいプレー内容であったと思います。

 この勝利によって安田選手には、2019年のエビアン・チャンピオンシップと全英女子オープンの2つのメジャー大会と、2020年のオーガスタナショナル女子アマチュア大会の、計3つの大会への出場権が付与されました。
 これらの大会での活躍も期待されますが、18歳のアスリートとして、この3大会から様々なことを吸収していただきたいと思います。

 それにしても、本大会における日本人女子アマチュアプレーヤーの皆さんの活躍は見事です。
 西村優菜選手(5位)、古江彩佳選手(7位タイ)、吉田優利選手(12位タイ)、小倉彩愛選手・佐渡山理莉選手・梶谷翼選手(17位タイ)、後藤未有選手(40位タイ)、と若きプレーヤーがそのプレーを披露してくれました。

 切磋琢磨して、日本女子ゴルフ界を牽引して行って欲しいものです。
 マスターズ2019の松山英樹選手の、ラウンド後の練習量が話題になりました。

 毎日のラウンド後、2時間以上、3日目などは3時間以上の練習をしていました。
 凄い練習量だと思います。

 チーム松山の関係者の話として、時には「ちょっと気分転換の為にゴルフしよう」と言ったりするのだそうです。

 ゴルフを仕事としている松山選手が「気分転換」の為にゴルフをするというのは、とても興味深い話です。

 普通に考えれば、日々の仕事に疲れたので「別の形で気分転換」をしようとするのでしょう。
 例えば、営業職や事務職のサラリーマンなら、業後の「一杯」とか、好きなゲームをやるとか、休日には好きなスポーツをするといった形、仕事とは全く違うことをするのが気分転換になります。

 ところが松山選手は、仕事と気分転換が同じゴルフなのです。
 不思議な話でしょう。

 考えられるのは、「松山選手はゴルフが大好き」ということでしょうか。
 大好きなゴルフですが、仕事となれば「やりたくはないトレーニング」もやらなくてはならない。そのトレーニングによって、少し「ゴルフが嫌」になりそうになったら、「気分転換にゴルフをする」のかもしれません。

 こうして書いてくると、ある話を思い出します。
 マラソンの高橋尚子選手の逸話です。
 高橋選手が現役時代に、練習が終わった後「ちょっと遊んできます」と言って15~20km走っていたというのです。(本ブログ2015年9月5日の記事「高橋尚子氏「練習が終わってから『ちょっと遊んできます』といって15~20km走っていました」をご参照ください」

 松山選手にしても、高橋選手にしても、プロゴルファーとして、オリンピックの金メダルを目指すランナーとして、我が国を代表するプレーヤーです。
 その二人は共に、自分が取組んでいる競技が大好きなのでしょう。

 そして松山選手はマスターズトーナメントのラウンド後、1ラウンド出来る位の時間を練習に費やし、高橋選手は40km位の強く厳しい練習後に15~20kmを走っていたのですから、「大好き」というだけでは、とても出来ないことでしょう。

 お二人とも、「抜群の持久体力・精神力」を具備していること、いたことは間違いありません。
 
 この「持久体力・精神力」こそが、トップアスリートに備わっている資質なのかもしれません。

 3日目を終えて11アンダーパー、首位のフランチェスコ・モリナリ選手と2打差で最終日のスタートを切ったタイガー・ウッズ選手の18ホールを観て行きましょう。

 3番ホールをバーディとしたものの4番でボギーを打ち、最も苦手としている5番も落として連続ボギーとしてしまいました。
 14年振りのマスターズ制覇、11年振りのメジャートーナメント優勝を目指すウッズ選手の前途に暗雲が漂ったのです。

 モリナリ選手は第1ラウンドの12番ホールから、第2・第3ラウンドとノーボギーという、バーディとボギーが交錯するのが一般的なオーガスタ・ナショナルゴルフクラブを相手にして「完璧なゴルフ」を展開していましたから、追い付くどころか差が開く状況だったのです。

 「やはり今回も難しいか」と感じられた7番ホール。
 タイガー・ウッズ選手はここをバーディとし、モリナリ選手は久しぶりのボギーを打ちました。
 続く8番パー5も素晴らしいセカンドショットによって2オンを果たし、惜しくも?イーグルは成らなかったものの、連続バーディとして、ウッズ選手に「僅かな希望」が生まれたように感じられました。

 とはいえ、久々のボギーを打ったモリナリ選手も、キッチリと8番ホールでバーディを奪って13アンダーを堅持していました。

 そして、最終組はアーメンコーナーに入りました。
 難しい11番ホールで、ウッズ選手はボギー。モリナリ選手は、さすがのパーでした。再び差が開いたのです。

 12番パー3。世界で最も美しいパー3と言う人もいるホールです。
 「最も」かどうかは分かりませんけれども、幾多のドラマを生んできたホールであることは確かです。
 マスター達にとっては短いパー3なのですけれども、この短いホールでマスター達がグリーンヒットできなかったり、時には池に打ち込むのですから、とても不思議と言うか、怖ろしいホールです。マスターズの女神がいたずらをするとも言われています。おそらくは、上空の風が安定せず、その読みが難しいことと、オーバーしてのグリーン奥からの寄せが難しいので、選手たちが「手前目」を狙っていることが多いのが、「いたずら」の原因であろうと思います。

 そして、モリナリ選手はこの「罠」に嵌ってしまったのです。
 
 よもやの池ポチャ。
 第3打も寄らず、ダブルボギーとしました。

 ウッズ選手はこのパー3をキッチリとパーで通過しました。
 2人のプレーヤーは11アンダーで並んだのです。

 他方、最終組がスコアを伸ばせない状況下、前の組のプレーヤーが抜き去って行くのもメジャートーナメントの特徴です。
 何しろ、世界トップレベルのプレーヤーが凌ぎを削っているのですから、最終日に自らのスコアを伸ばせないプレーヤーが順位を落とすのは「自然な」ことでしょう。
 15番パー5をイーグルとしたパトリック・カントレー選手や13・14番を連続バーディとしたザンダー・シャウフェレ選手が12アンダーとスコアを伸ばして、トップに立ったのです。

 タイガー・ウッズ選手が戦わなければならない相手が増えました。

 そして13番。左ドッグレッグのパー5。これも、とても有名なホールです。
 ティーインググラウンドからの絵で、多くのゴルフファンが、ひと目で「オーガスタの13番」と分かるのですが、そういうパー5は、世界中のコースを観ても多くは無いでしょう。

 ウッズ選手とモリナリ選手は共にバーディとして、12アンダーで首位タイに上がりました。

 そして15番パー5、マスターズで勝つためには、どうしてもスコアを伸ばさなければならないホールです。
 タイガー・ウッズ選手はこの勝負所でバーディを奪っています。
 
 マスターズに優勝する時には、こうした局面で「イーグル」が出ることも多いのですが、今回・このホールではモリナリ選手が第3打を池ポチャしてしまったのです。
 おそらくはライが悪かったのでしょうが、まるでクラブフェースとボールの間に水膜が出来てしまったショットのように、飛距離が出ませんでした。
 12番の池は、土手に当たって落ちたものでしたが、15番のそれは池のど真ん中に落ちてしまいました。モリナリ選手にとっては本当に不本意なプレーだったことでしょう。

 これを観たウッズ選手は、慎重に、本当に慎重にバーディパットをプレーしました。
 これで13アンダーとして、ウッズ選手は「単独トップ」に踊り出たのです。
 そして、この13アンダーが優勝スコアとなりました。

 続く16番パー3で、タイガー・ウッズ選手は連続バーディを奪い、2番手グループとの差を2打としました。
 16番パー3はウッズ選手が得意としている、相性の良いホールでしょう。これまでのマスターズ大会においても、劇的なシーンがいくつも観られました。
 今回も、「伝統的な最終日のピン位置」に対して、「ここに打たなければならない」グリーン上のポイントにティーショットをヒットさせました。ボールはゆっくりと斜面を転がり下り、カップのすぐ横を通過して、ピン下70cm位のところに止まりました。このパットをしっかりと決めたのです。

 オーガスタ・ナショナルゴルフクラブをラウンドしたことが無い人でも、これまでマスターズトーナメントを見続けてきた人なら、最終日の16番ホールは「あそこに打てば良い」ことは分かっています。
 しかし、そこに中々打てないのです。直径1m弱のターゲットポイントに、きっちり打てる、それも、マスターズの優勝争いの最中に、首位に立つプレーヤーとして打って行けるところが、何よりも凄いことなのでしょう。

 18番パー4では、タイガー・ウッズ選手の第2打が、あまり飛びませんでした。
 こちらもライが悪かったのであろうと思いますが、モリナリ選手の15番の第3打と共に、「不思議なショット」でした。最新のクラブとボールとの間で発生しうる現象だとしたら、要対応事案なのかもしれません。

 18番ホールをボギーとしたタイガー・ウッズ選手ですが、1打差で勝ち切りました。
 短いボギーパットを決めた瞬間、オーガスタの森には「大」歓声が響き渡り、ウッズ選手は喜びを爆発させました。これまで観たことも無い「弾ける喜び」であったと感じます。

 「逆転のシャウフェレ」と呼ばれ、今大会も3日目を終えてトップから5打差という、自らのパターンに沿った位置からの追い上げを魅せて、12アンダーまでスコアを伸ばした、ザンダー・シャウフェレ選手。
 「メジャーに滅法強く」、メジャートーナメント3連勝を目指して、冷静かつ計算し尽くされたプレーで12アンダーまでスコアを伸ばした、ブルックス・ケプカ選手。
 現在の「世界ランキング1位」を争う存在として、常に優勝争いの中心に居て、12アンダーまでスコアを伸ばした、ダスティン・ジョンソン選手。

 この3名の誰が優勝しても、おかしくないトーナメントだったのでしょう。

 しかし、この3プレーヤーを抑えて13アンダーで栄冠に輝いたのは、「生きる伝説」タイガー・ウッズ選手でした。
 タイガー・ウッズ選手でなければ、抑え切れなかったのではないか、とも感じます。

 様々なショット、驚きに溢れたシーンが交錯した、素晴らしい大会でした。
 1997年、2001年、2002年、2005年、2019年・・・。

 タイガー・ウッズ選手がマスターズ・トーナメントを制した年です。

 この2005年から2019年までの「長い空白」に、ウッズ選手の苦悩が滲んでいます。
 「雌伏14年」・・・、一言で済ませるには、あまりに長い期間でしょう。

 現在43歳のウッズ選手にとって、この「長い空白」は概ね「自身の30歳代」に重なります。
 
 ゴルフ史上に燦然と輝く存在、史上最強との呼び声も高いタイガー・ウッズ選手にしても、その「30歳代」を棒に振った感もあるのです。
 
 メジャー大会15勝、PGAツアー通算81勝という「金字塔」は、「もしタイガーの30歳代が健在であったなら」、もっと凄い数字になっていたかもしれない、とも思います。

 他方、ゴルフというスポーツの長く深い歴史を考慮すると、あのまま、あの20歳代の勢いでウッズ選手が走り続けていたなら、早い時期に故障を、致命的な故障を発症していたかもしれないとも思います。

 ジャック・ニクラウス選手のメジャー18勝、サム・スニード選手のPGAツアー82勝という史上最高成績は、幾多のゴルフプレーヤーの血と汗と涙の上に成立しているものであることを考え合わせれば、どのような形にしろ、ウッズ選手も「あのスピードで走り続けることはできなかった」可能性が高いのではないでしょうか。

 以上を総括すると、タイガー・ウッズ選手にとっては、色々なことが有った30歳代が結果として良い休憩期間となって、これからの「第二のタイガー・ウッズの戦歴」の礎となったと考えたいところです。

 精神面、肉体面を含めた、多くのトラブルと多くの手術・治療を経て、多方面で成長した「新生タイガー・ウッズ」が誕生し、ついにマスターズ・トーナメントに再び勝利するに至りました。
 それも、全盛期には成し遂げられなかった「メジャートーナメントにおける『逆転勝ち』」。
 明らかに、新しいタイガーが生まれたのです。

 もちろん、加齢に伴う肉体的な衰えはどんなアスリートでも避けて通ることは出来ませんから、体や心と相談しながらの「40歳代のラウンド」になるのでしょうが、ウッズ選手の持つオーラの大きさは、他の選手の追随を許さないものですから、なるべく多くの大会に姿を魅せていただきたいものです。
 
 「タイガー・イズ・バック」・・・。

 「世界ゴルフ界の至宝」としての、タイガー・ウッズ選手のラウンドは、これからも続きます。

 マスターズ・トーナメントは2日目を終えて、決勝ラウンド進出プレーヤーが決まりました。

 日本人勢では、小平智選手と松山英樹選手が+1、金谷拓実選手が+3のスコアで予選ラウンドを突破しました。

 さて、1・2日目のラウンドを観て、タイガー・ウッズ選手(△6で6位タイ・首位と1打差)のプレーが印象的でした。
 何より、「ショットにもパットにも雰囲気があり」ました。
 世界NO.1プレーヤーとしての貫録というのか、オーラというのか、「静けさ」というのか、全盛時に匹敵する部分と、新生タイガーとしての新たな空気が、良くマッチしています。
 まだショットの距離感が合わないこともありますが、決勝ラウンドに向けてしっかりと調整して来ると思います。
 このストロークのスムースと美しさが有る限り、ウッズ選手が優勝争いに絡んで来ることは間違いないでしょう。

 その他のプレーヤーでは、ブルックス・ケプカ選手(△7で首位タイ)の自信溢れるプレーが目立ちました。
 PGAツアー5勝の内3勝がメジャータイトルという、メジャー大会に滅法強いプレーヤーですが、今大会も「想定通りのドライブ」を継続しています。(本ブログ2018年8月15日の記事「[全米プロ選手権] メジャー大会に強い ブルックス・ケプカ選手」をご参照ください)

 さらには、ザンダー・シャウフェレ選手も、1日目は73打とやや出遅れましたが、2日目には65打と一気にスコアを伸ばし、トータル△6で首位グループに1打差と好位置につけています。今季の好調さを持って決勝ラウンドでの活躍が期待されるところでしょう。

 また、本命のダスティン・ジョンソン選手も、ショットの距離のバラつきに苦労はしていますが、それでも△6というのが凄いところ。世界屈指の飛ばし屋としては、オーガスタナショナルは苦手なコースであろうと思いますけれども、克服する実力が有ることは衆目の一致するところでしょう。

 チャールズ・ハウエル三世(△4で12位タイ)も好調です。このところやや不調の時期が続いていましたが、今大会のコンディションは良いようです。プレー振りから見てオーガスタには有っていると思います。

 加えて、ジャスティン・トーマス選手(△3で16位タイ)も次第に調子を上げているように観えます。現代最強のゴルファーのひとりであり、爆発力抜群ですから、走り始めれば一気に抜け出す可能性が有ります。

 松山英樹選手は、1日目は相当調子が悪い感じでした。プレーがバラバラで、ショット、パットともに「力み」があり、それが悪い結果に繋がっていたように思います。
 ところが2日目に入り、どんどん調子を上げました。2日目の前半はショットがとても良かったのですが、ゲームの組み立てが悪くスコアには結び付きませんでした。そして2日目の後半、プレー全体のバランスが良くなりました。その象徴が18番ホールのバーディでしょう。3m前後のパッティングも、とても良い感じでした。
 この調子であれば、3日目・4日目にスコアを伸ばして行ってくれることでしょう。
 かえすがえすも、決勝ラウンドのスタート位置が低い(+1)ことが悔やまれるところです。
 4日間通算20位前後まで順位を上げてくれるものと思います。

 タイガー・ウッズ選手は「オーガスタの大舞台」にとても似合います。
 本当に多くのパトロンを引き連れて、オーガスタの森に「大歓声」を齎しています。

 アーノルド・パーマー選手やジャック・ニクラウス選手らも生み出していた、この「大歓声」こそが、PGAツアーそのものなのです。
 今シーズンのメジャートーナメント初戦、マスターズトーナメントの開幕が4月11日に迫りました。

 いつも同じコースで開催される唯一のメジャーです。

 今年も、美しい、本当に美しいオーガスタナショナルゴルフクラブを舞台に、華やかなトーナメントとなることでしょう。

 さて、近時のPGAツアーというか、世界のプロゴルフ界は「戦国時代」と呼ぶに相応しい状況、メジャー大会に「誰が勝っても不思議では無い」位に、上位プレーヤーの力量差が小さくなっていると思います。

 今シーズンのメジャー大会開始にあたって、それぞれのランキングを確認しておきましょう。

[世界ランキング・4月8日現在]
1位 ジャスティン・ローズ選手(イングランド)
2位 ダスティン・ジョンソン選手(アメリカ)
3位 ロリー・マキロイ選手(北アイルランド)
4位 ブルックス・ケプカ選手(アメリカ)
5位 ジャスティン・トーマス選手(アメリカ)    
   ・
26位 松山英樹選手

[FedExCupポイントランキング・4月8日現在]
1位 マット・クーチャー選手(アメリカ)
2位 ロリー・マキロイ選手(北アイルランド)
3位 ザンダー・シャウフェレ選手(アメリカ)
4位 ポール・ケーシー選手(イングランド)
5位 ゲーリー・ウッドランド選手(アメリカ)
   ・
10位 ジャスティン・ローズ選手
   ・
12位 ダスティン・ジョンソン選手
   ・
36位 ジェイソン・デイ選手(オーストラリア)
37位 松山英樹選手
   ・
81位 タイガー・ウッズ選手(アメリカ)
   ・
170位 ジョーダン・スピース選手(アメリカ)

 世界ランキングでは、相変わらず、ジャスティン・ローズ選手とダスティン・ジョンソン選手が「世界一」の座を巡って争っています。

 一方で、今シーズンの成績を示すFedExCupポイントでは、マット・クーチャー選手やザンダー・シャウフェレ選手といった、ベテランから中堅に位置するプレーヤーが頑張っているのです。
 クーチャー選手は、マヤコバ・クラシック大会とソニーオープンinハワイ大会で今季2勝、シャウフェレ選手は、WGC・HSBCチャンピオンズ大会とセントリートーナメントofチャンピオンズ大会で今季2勝と、好調なのです。

 世界ランキングが上位で、FedExCupポイントも上位なのは、ロリー・マキロイ選手です。今季はザ・プレーヤーズという大きな大会を制しています。

 一方で、マキロイ選手と共に、一時は「新・3強」とも呼ばれた、ジェイソン・デイ選手とジョーダン・スピース選手は、今季は不調を囲っています。
 スピース選手に至っては、ほとんどトーナメントで姿を観ない状況なのです。

 とはいえ、「メジャーとなれば話は別」というプレーヤーも多いのでしょう。
 タイガー・ウッズ選手にとっても、得意なコースで一気に大活躍するシーンが観られるかもしれません。

 「誰が優勝するのか」、予想がとても難しいマスターズ2019ですが、個人的には、シャウフェレ選手、Dジョンソン選手、マキロイ選手、ケプカ選手、ウッドランド選手、そしてタイガー・ウッズ選手と松山英樹選手、に注目したいと考えています。

 アメリカPGAツアーに、また新星が登場しました。

 23歳のキャメロン・チャンプ選手です。

 チャンプ選手は、10月25日~28日に行われた、サンダーソンファームズ選手権大会で、4日間通算267打・21アンダーパーのスコアで2位に4打差を付けて、PGAツアー初優勝を飾りました。
 4日間首位を守っての完全優勝でした。

 ツアー9戦目にしての初優勝でしたが、そのプレー内容が凄いのです。

 4日間を通じてのドライバー(1番ウッド)ショットの平均飛距離が344ヤード、最もとんだショットは360ヤードだったと報じられました。
 PGAツアーには、ジャスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手といった「飛ばし屋」が相当数居ますが、それらの飛ばし屋達に勝るとも劣らない飛距離を具備しています。
 身長183cmの決して大柄とは言えない体躯のどこから、あの飛びが生まれてくるのか、不思議な感じさえします。

 加えて、パッティングが上手いのです。
 このトーナメントでも2位の成績だったそうです。

 「とても飛んで、パッティングも上手い」となれば、並みのルーキーではないでしょう。

 次の週に行われたシュライナーズホスピタルforチュルドレンオープン大会でも、3日目途中まで優勝争いを演じていました。(最終ラウンドで73打を叩き、28位タイという結果でした)

 PGAツアーには、どんどん新星が登場します。
 相当強いプレーヤーが、どんどん出てくるのです。
 「懐の深さ」を感じます。

 現在の世界ランキング1位はブルックス・ケプカ選手です。ジャスティン・ローズ選手やダスティン・ジョンソン選手、ジャスティン・トーマス選手らと激しいトップ争いを演じています。
 新3強、ロリー・マキロイ選手、ジェイソン・デイ選手、ジョーダン・スピース選手も復権に向かって戦いを続けています。
 我らが松山英樹選手も頑張っています。
 そして、タイガー・ウッズ選手も復活しました。
 もちろん、他にも強豪プレーヤーが目白押しです。

 こうした状況のPGAツアーに、新星キャメロン・チャンプ選手も加わったのです。

 PGAツアーは今、「戦国時代」と呼んで良いのかもしれません。
 10月18日から21日にかけて、韓国のナインブリッジコースで開催された、ザCJカップ大会2018は、ブルックス・ケプカ選手(アメリカ)が4日間通算267打・21アンダーパーの好スコアで優勝しました。
 ケプカ選手はPGAツアー5勝目、2017年の全米オープンでメジャー初制覇を果たして以降、安定したプレーが続いている印象です。現在のPGAツアーの主役のひとりと言って良いでしょう。(この優勝で世界ランキング1位となりましたから当然と言えば当然ですが)

 さて、このトーナメントの最終日、最終的には3位タイに入ったライアン・パーマー選手(アメリカ)が素晴らしいプレーを披露しました。
 前半9ホールを3バーディ・ノーボギーの33打でクリアしたパーマー選手は、後半12番ホールから最終18番ホールまで「7ホール連続バーディ」としたのです。

 ショットが悉くピンに絡んでの結果というよりは、パットが「入り捲った」連続バーディという印象です。4~7m位の易しくは無いパッティングが、面白いように入りました。

 後半は「29打」のロースコアプレーであり、18ホール通算62打という新コースレコードでした。

 ハーフ20打台のプレーというのは、これまでも何度かテレビ画面で目にしましたけれども、多くの場合にはイーグルを交えてのもので、「7連続バーディ」というのは記憶にありません。
 痛快なプレーであったと感じます。

 このトーナメントにおけるナインブリッジコースは、とても良く整備されていて、フェアウェイFWも芝が綺麗に揃っていましたから、打ち易い環境だったのでしょう、各選手のショットの度に大きくて長いターフ(この長さに超一流の技を感じます)が飛び、ピンに絡んでいくショットも数多く観られました。

 グリーンも良く出来ていましたし、加えて「ホール周辺に微妙なアンジュレーションが少なかった」ように観えましたから、全体として長めのパットも良く決まりました。「ラインに乗せることが出来れば、しっかり入る」グリーンだったのです。

 従って、パーマー選手以外のプレーヤーにも好スコアが続出していました。
 
 このように、予想できない要素が少なければ、5m以上のパッティングでもポンポン入れて来るというところに「PGAツアーのトッププロの凄い技術」を、改めて感じます。
 グリーンの状態が良ければ、どんどん入るのです。
 
 まっすぐ打つこと(とても難しいことです)はもちろんとして、ライン・強さも含めて、相当数の要素を瞬時に把握して、間違えることなくパットして行く姿は、まさに世界最高水準のプレーでしょう。
 月一ゴルファーには想像もできないような領域です。

 350ヤードを超えるようなドライビングショットも凄いものですが、こうしたパッティングも負けず劣らず凄いものだと感じます。

 凄いショットと凄いパットの両方を具備していなければ勝利することが出来ないのが、PGAツアーなのでしょう。(当たり前のことを書き、恐縮です)
 10月11日~14日、横浜カントリークラブCCを舞台に開催された2018年の日本オープンは、4日目・最終日を首位でスタートした稲森佑貴選手(24歳)が68打でクリアして、2位のショーン・ノリス選手に2打差の通算270打・14アンダーパーのスコアで優勝しました。

 稲森選手は、史上8人目のツアー初優勝→日本オープン制覇を達成したのです。

 凄い飛距離を有するわけでは無く、ミラクルなパッティングを持ち味とするわけでもない稲森選手ですが、「ティーイングショットの正確性」でラウンドを構築しました。
 これは「極めて正確」で、最終ラウンドでもパー3を除く全てのホールで、ティーショットがフェアウェイFWをヒットしました。

 FWが広めの横浜CCといっても、「日本オープンのセッティング」のもとでは驚異的な安定感と言って良いでしょう。

 身長169cm・体重69kgという、日本人プレーヤーの中に入っても小柄な稲森選手ですが、この「正確性」で、日本ゴルフ最高峰の大会を制しました。

 海外ゴルフのプレーヤーのタイプであれば、かつてのジーン・リトラー選手やゲーリー・プレーヤー選手を思い出させるタイプでしょうか。(古過ぎるとお叱りを受けそうですが・・・)
 
 我が国にもこのタイプ、「精密機械タイプ」のプレーヤーが登場したのです。

 稲森佑貴選手の今後の活躍が期待されます。
 9月23日に行われた最終日、松山英樹選手は6バーディ・1ボギーの5アンダーパー、65打のこの日のベストスコアタイでラウンドし、順位を一気に上げて、4日間通算6アンダー・4位タイでフィニッシュしました。

 今シーズン、なかなか調子が上がらず、未勝利に終わった松山選手にとっては、シーズン最終戦最終日に、シーズン一番のプレーが出来たように観えます。

 フェデックスカップのプレーオフに入って次第に調子を上げてきた松山選手は、全体27位で最終戦=ツアーチャンピオンシップ大会に進出しました。世界のトップ30しか出場できない大会に、5年連続で駒を進めたのです。

 コンディションを上げて来ていたので、最終戦での活躍が期待されましたが、初日は2オーバー・72打という平凡なスコアとなりました。1番ホールをボギーとしてしまい、勢いに乗れなかった感じでしょう。

 2日目は、とても安定したラウンドで、前後半共に2バーディの計4バーディ、通算2アンダーとして10位タイに順位を上げました。

 3日目は、やはり1番でボギーを打ってしまい、6番をイーグルとするも、後半は2ボギーとスコアを伸ばすことが出来ず、この日1オーバー、通算1アンダーで16位に後退しました。

 そして最終4日目の快スコアが生れたのです。

 あまりに単純な見方とお叱りを受けそうですが、1番ホールでボギーを打った日は伸び悩み、1番ホールをパープレーでスタート日は好スコアをマークしています。
 世界トップレベルの大会となると、こうした微妙なリズムが重要なのかもしれません。

 ホールアウト後、インタビューに応えた松山選手は「今日みたいなプレーを『スタンダードなところ』に持って行かないと・・・」とコメントしました。松山選手にとっての理想のプレートまでは言えないが、目指すレベルのスタンダードなプレーが出来たことを表明したのです。

 今大会に「5年連続で出場」しているのは、ダスティン・ジョンソン選手、ジェイソン・デイ選手、パトリック・リード選手と松山選手の4名しかおらず、5年続けてホールアウトしたのは、リード選手と松山選手しか居ないと報じられました。

 松山選手の地力の高さと安定感が世界トップクラスであることは明らかです。

 2018~19年シーズンの活躍が大いに期待されます。
 今季ツアーの最終戦=フェデックスカップ2017~18プレーオフ第4戦のツアーチャンピオンシップ2018は、9月20日から23日にかけて、アメリカ合衆国ジョージア州のイーストレイク・ゴルフクラブを舞台に開催され、アメリカのタイガー・ウッズ選手が4日間通算269打・11アンダーパーのスコアで優勝しました。

 この勝利で、ウッズ選手はPGAツアー80勝目となりました。
 また、前回の勝利から5年1ヶ月ぶりの勝利を挙げ、「完全復活」を印象付けました。

 今季初から、ウッズ選手は次第に調子を上げ、メジャートーナメントでも一時的にはトップに立つなど復活の兆しを見せていましたが、この勝利、今シーズンの世界の上位30プレーヤーしか出場できない、とても高いフィールドで勝ち切ったのです。

 優勝は、ウッズ選手の復活を象徴する結果ですけれども、そのプレー内容もまさに全盛期を髣髴とさせるものでした。

① 最終日トップでスタートし、そのまま押し切っての勝利

 以前の記事にも書きましたが、ウッズ選手は全盛時において、「最終日トップでスタートして、そのまま優勝するという勝ち方」を得意とするというか、概ねそれ以外の勝ち方をしないプレーヤーでした。

 その「自分の勝ち方」を、今大会で見事に踏襲したのです。
 3日目を終えて12アンダー・2位に3打差でトップに立ち、最終日は1オーバーのラウンドで2位に2打差を付けての逃げ切り勝利は、ウッズ選手の勝ち方そのものです。
 まさに「復活」でしょう。

② タイガーチャージは3日目の前半

 最終日をトップでスタートするために、1~3日目のプレーの中で「一気にスコアを伸ばすプレー」を披露するのが、ウッズ選手のパターンなのですが、今大会では、それが「3日目の前半9ホール」でした。

 このハーフのプレーで、3番ホールから7番ホールまでの5連続バーディを含む6バーディを奪い、9番をボギーとしたもののハーフ30打のラウンドを実現し、一気にトップに立ちました。圧倒的なプレーでした。

 このハーフは、まさに「タイガーチャージ」でした。
 「タイガーチャージ」があってこその「復活」でしょう。

③ 大観衆

 今大会における、タイガー・ウッズ選手の組に付いたファンの数は凄いものであり、その大歓声も凄まじいものでした。

 この大観衆・大歓声が「タイガー・ウッズ選手ならでは」のものであることは、言うまでも無いことです。他のどんなプレーヤーでも、これほどの「大観衆・大歓声」を創り上げることはできません。

 タイガー・ウッズ選手の「復活」を象徴する事象です。

 最終日18番ホール・パー5のティーショットがフェアウェイFWをヒットした時、ウッズ選手は同伴競技者であるロリー・マキロイ選手と笑顔で会話(このラウンド初めてのシーンと報じられました)し、ティーインググラウンドを一緒に歩き降りました。
 勝利を確信したのでしょう。

 そしてFWを歩くウッズ選手とマキロイ選手の後ろに、雲霞の如き大観衆が続いたのです。これはもう湧き出るように現れる人の群れでした。
 グリーンまで50ヤード付近まで、ウッズ選手が歩いて来た時、まだティーインググラウンドから歩き降りてくる観衆が居ましたから、底無しの大観衆といって良いでしょう。

 貧乏性の私などは、コースが踏み潰されてしまうのではないか、といらぬ心配をしてしまう程の光景。
 これがまさに「タイガー・ウッズの絵」なのです。

 このホールの第5打、10cmのパーセービングパット、を決めたタイガー・ウッズ選手は両手を高々と上げて喜びを表現しました。

 タイガー・ウッズ選手の「第2のプライムタイム」到来を告げる「大歓声」が、イーストレイクGCに響き渡りました。
 「復活」に向けての道程を着実に歩んでいるタイガー・ウッズ選手が、今シーズンのプレーオフシリーズ第3戦・BMW選手権大会も6位タイの好成績とし、フェデックスカップポイントランキングも20位としてトップ30に食い込み、最終戦・ツアーチャンピオンシップ大会(イーストレイク・ゴルフクラブ)に駒を進めました。
 5年振りの最終戦登場です。

 今シーズンの目標として、「ライダーカップへの出場」と「ツアーチャンピオンシップへの出場」を挙げていたウッズ選手としては、両方とも見事に達成したことになります。

 BMW選手権大会では、初日に62打の好成績でトップに立ちました。
 かつて、数多くのメジャータイトルを獲得した際に使用していた、スコッティキャメロンのピン型パターを使用してのラウンドは、「今週のパットは良かった」というコメントに結びついています。

 「すごく感覚が良くなっている」ともコメントしています。
 カムバック後のウッズ選手としては珍しいコメントです。

 ゴルフ史上屈指の名プレーヤーが「感覚が良くなっている」というのです。

 イーストレイクGCでの大活躍は間違いないでしょう。

 ジョージアの森に大歓声が響き渡る大会が、待ち遠しいものです。
 PGAツアー2017~18シーズンのプレーオフシリーズ第3戦・BMW選手権大会は、9月10日最終日が行われ、キーガン・ブラッドリー選手がプレーオフの末、ジャンティン・ローズ選手を破って優勝しました。
 4日間通算260打・20アンダーパーのスコアでした。

 雨で順延となった最終日、ブラッドリー選手は64打の好成績を挙げてローズ選手に並び、プレーオフ最初のホール(18番)をパーとして、ボギーだったローズ選手に競り勝ちました。
 1打差・19アンダーパーの3位タイには、シャウフェレ選手とホーシェル選手が食い込み、そこから1打差の5位にはマキロイ選手が入るという、まさに「大接戦」の第3戦でした。

 松山英樹選手は最終日69打と、いまひとつスコアを伸ばせず15位で大会を終え、フェデックスカップポイント27位で、プレーオフ第4戦=今シーズンのツアー最終戦であるツアーチャンピオンシップ大会に駒を進めました。(選手権=チャンピオンシップ、ですので、BMW選手権とツアーチャンピオンシップが併記されているのは、少しおかしいのですが、どちらの大会も、こうした表記が一般的ですので、あしからず)

 ツアーチャンピオンシップ大会は、「そのシーズンのポイントランキング・トップ30のプレーヤー」が出場する大会として知られています。
 つまり、この大会に出場する30名が、現時点での「世界のトップ30」と言って良いのでしょう。
 当然のことながら、世界中のプロゴルファーにとって「憧れの舞台」です。

 そして、松山選手はこの大会に「5年連続出場」となります。

 もちろん、日本人プレーヤーとして史上最高の記録ですけれども、本当に素晴らしい実績であり、松山英樹が世界のトップゴルファーであることの、何よりの証明なのです。

 今シーズンの松山選手は、序盤からなかなか調子が上がらず、結局ここまで未勝利ですが、終盤になって調子を上げ、プレーオフシリーズ初戦のザ・ノーザントラスト大会で15位タイ、第2戦のデルテクノロジーズ選手権大会で4位タイ、第3戦のBMW選手権大会で15位と、連続して上位に食い込み、キッチリと「30位以内」を確保したのは、さすがでした。

 9月20日~23日、「いつものように」イーストレイク・ゴルフクラブ(アメリカ合衆国・ジョージア州)で開催されるツアーチャンピオンシップ大会は、松山選手にとっては「勝手知ったる舞台」です。
 ショット、パット共に上り調子に有ると報じられていますので、最終戦での優勝、そして大逆転での初の「年間王者」獲得に向けての戦いが、大いに期待されるところです。

 PGAツアー2017~18シーズンも、8月23日開幕のザ・ノーザントラスト大会からプレーオフ・シリーズに入りました。
 今シーズンの成績上位者による年間王者獲得に向けての戦いです。

 プレーオフ・シリーズの緒戦ザ・ノーザントラスト大会は、アメリカ合衆国・ニュージャージー州・リッジウッドカントリークラブを舞台に行われ、Bデシャンボー選手(24歳)が18アンダーパーのスコアで優勝しました。
 2位のトニー・フィナウ選手に4打差を付けての快勝でした。

 第2戦のデルテクノロジー選手権大会は、8月31日~9月3日、マサチューセッツ州のTPCボストンを舞台に行われました。
 緒戦と同様に、3日目に63打という好スコアを叩き出し、最終日も67打でまとめて、16アンダーパーでの優勝でした。
 2位のジャスティン・ローズ選手に2打差を付けての勝利は、「勝ち方を知っている」かのようなプレー振りでしょう。

 今季、プレーオフ・シリーズに入るまでは、5月~6月にかけて行われたザ・メモリアルトーナメントの1勝だったデシャンボー選手ですが、プレーオフ・シリーズを連勝して、一気にフェデックスカップポイントでもトップに立ちました。

 アマチュア時代に、全米アマチュア選手権とNCAAゴルフ選手権の2大タイトルを獲得した史上5人目(ジャック・ニクラウス選手、フィル・ミケルソン選手、タイガー・ウッズ選手、ライアン・ムーア選手に続いて)のプレーヤーとして、鳴り物入りで2016年にデビューしたデシャンボー選手ですが、これでPGAツアー通算4勝、今季3勝目となりました。
 ついに本格化したといったところでしょう。

 デシャンボー選手と言えば「全てのアイアンクラブの長さを37.5インチに統一」するという、独自のゴルフ理論で知られていましたが、今プレーオフでの大活躍により、再びその理論が注目を浴びることになるかもしれません。
 8月23日から26日にかけて、ポンドックインダ・ゴルフクラブを舞台に開催された、男子ゴルフ競技において、個人戦では中島啓太選手(18歳)が金メダルを獲得し、団体戦でも日本チームが優勝しました。

 中島選手も日本チームも、初日から首位を走り、そのまま押し切るという素晴らしい金メダルでした。

 中島選手は、初日68打(4アンダーパー)で首位に立ち、2日目も68打、3日目は70打、最終日は71打とまとめて、4日間通算277打・11アンダーパーでした。
 最終日は、2位のオ・スンテク選手(韓国、278打)、3位の金誠選手(中国、279打)との競り合いとなりましたが、勝ち切った形です。

 中島選手は埼玉出身の18歳。2017年の関東アマチュアゴルフ選手権大会を制して勢いに乗り、日本代表として出場したデュークオブヨーク・ヤングチャンピオンズトロフィー大会(イングランドのロイヤルリバプール・ゴルフクラブ)で2位タイの好成績を収め、2018年1月のオーストラリアン・アマチュア選手権大会に優勝し、今大会をも制したという、現在の日本男子アマチュアゴルフ界を代表するプレーヤーです。

 何より、「国際大会で優勝している」という実績は、とても大きいと思います。
 ゴルフに限らず、どの競技でも「1位と2位の差」は大きいのでしょうが、特にゴルフ競技においては、優勝することの価値は、技術・体力に加えて、メンタル面の強さを示すものに他ならないと感じます。
 今後の中島選手の活躍が、一層楽しみになりました。

 日本チームでは、金谷拓実選手が281打で個人戦4位、今野大喜選手が284打で同8位、米沢蓮選手が286打で同13位と健闘しました。各メンバーがこれだけ上位に食い込めば、団体戦で圧勝するのも、自然なことでしょう。
 団体ではトータル836打、2位の中国チームに7打差を付けての快勝でした。

 日本の男子若手ゴルファーの力をアジア大会の場で存分に示したのです。

 ところで、同期間に行われた女子の個人戦では、笹生優花選手(17歳)が優勝しました。
 笹生優花選手は、日本人の父とフィリピン人の母を持つ、フィリピン代表のプレーヤーです。
笹生選手の活躍もあって、団体戦でもフィリピンチームが金メダルに輝きました。

 フィリピンを代表する女子ゴルファーとして、笹生選手の今後の活躍もとても楽しみです。
 
 8月17日~19日、大箱根カントリークラブで開催されたCAT Ladies大会2018は、プロテストに合格して3試合目・23日目の大里桃子選手が、3日間通算209打・10アンダーパーのスコアで優勝しました。
 20歳の大里選手は、ツアー初優勝です。

 最終・3日目を10アンダーパーでスタートした大里選手は、3ハーディ・3ボギーのパープレーでラウンドし、2位の森田遥選手に2打差を付けての勝利でした。
 落ち着いたラウンドが印象的な初優勝であったと感じます。

 「プロになり立ての若手」に優勝をさらわれたベテラン陣の不甲斐無さを批判する声もありますが、一方で、現在の日本女子プロゴルフに確固たる地位を築きつつある「黄金世代」の一角であるという評価もあるのでしょう。

 1998年4月から1999年3月までに生まれた女子プロの皆さんが「黄金世代」と呼ばれています。
 若いが、とても女子プロが集まっている世代なのです。
 
 アマチュア時代に15歳でツアーに勝利し、2017年にプロデビューして、ステップアップツアーの山陰合同銀行Dueカードレディス2017で優勝を飾り、2018年のLPGAツアーでも、リゾートトラスト・レディスやヨネックス・レディスゴルフトーナメントで2位に食い込むなどの活躍を魅せている、勝みなみプロ(20歳)が先導役を果たしている感のある「黄金世代」ですが、2018年になってから、新垣比菜選手(19歳)が4月のサイバーエージェント・レディスゴルフトーナメントに優勝するなど、活躍が広がっていました。
 そして今回、大里選手が登場したという形です。

 大里選手は熊本県出身、8歳の時ゴルフを始めでメキメキと力をつけ、ジュニアの時代から注目されていたと報じられています。
 
 大里桃子選手の、今後の大活躍が期待されます。
 今シーズンのメジャートーナメント最終戦、第100回全米プロゴルフ選手権は、8月9日~12日、アメリカ合衆国ミズーリ州のベルリーフ・カントリークラブを舞台に開催され、アメリカのブルックス・ケプカ選手(28歳)が、4日間通算264打・16アンダーパーのスコアで優勝を飾りました。

 ケプカ選手は、この勝利で、PGAツアー通算4勝目となりましたが、4勝の内3勝がメジャートーナメント(2017年・2018年の全米オープン連覇、2018年全米プロ優勝)という、「メジャートーナメントにとても強いプレーヤー」としての存在感を誇示する結果となりました。

 2014年にPGAツアーデビューを果たしたケプカ選手ですが、2015年のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン大会でPGAツアー初優勝を飾ると、その後はメジャーを3勝というのですから、驚かされます。
 勝つならメジャー大会といった感じでしょうか。

 日本ツアーでも、2016年・17年のダンロップ・フェニックス大会を連覇しています。
 ダンロップ・フェニックス・トーナメントは、長い間我が国の最高賞金大会として知られてきた大会です。ケプカ選手は「大きな大会に強い」プレーヤーとして、我が国でも良く知られる存在なのです。

 2014年にPGAツアーにデビューした頃は、とにかく「飛ばし屋」として鳴らしました。
 PGAツアーの「飛ばし屋」といえば、ダスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手の名前が上がりますが、デビューした頃のケプカ選手は、こうした選手達と互角以上の飛距離を誇りました。
 身長185cmの「筋骨隆々たる体躯」から、驚異的なショットを放っていたのです。

 その飛距離が少し落ちてきた感じがした2017年から、メジャートーナメントに勝ち始めたのですから、これは明らかに「飛距離を抑えている」と判断すべきなのでしょう。

 今回の全米プロでも、最終日一緒にラウンドしていたアダム・スコット選手と、飛距離では互角、時にはスコット選手の方が飛んでいました。
 もちろん、オーストラリアのスコット選手も飛ばし屋ですが、2015年頃のケプカ選手を思い出すと、意外な感じもしました。
 一方で、スコアはとても安定していました。この大会も、初日から69打、63打、66打、66打と、4日間60台のスコアを並べて、危なげなく勝利しているのです。
 この安定感に、2日目63打という爆発力も兼ね備えているのですから、強い訳です。

 おそらく、ケプカ選手は「ドライバーショットをコントロール」しているのでしょう。そして、300ヤード+αに飛距離を抑えているのです。
 方向性の正確さを向上させて、「メジャーに勝てるゴルフ」を身に付けたのではないでしょうか。

 28歳にして3つ目のメジャータイトルホルダーとなったケプカ選手の活躍は、これからも続いて行くのでしょうし、PGAツアーを代表する=世界のゴルフ界を代表するプレーヤーに成長する可能性も十分に有ると感じます。
 7月19日~22日にかけてカーヌスティ・ゴルフリンクスを舞台に行われた全英オープンゴルフ大会2018において、タイガー・ウッズ選手は4日間通算279打・5アンダーパーで6位タイに食い込みました。
 様々なトラブルや体調不良からの復調の過程としては、とても良い成績を残したのです。

 特に最終日の前半では、他の選手がスコアを崩す中で、堅実なプレーを魅せて一時トップに立ちました。
 「タイガーの2008年以来のメジャー制覇」に期待が高まりましたが、サンデーバックナインで失速してしまい、6位タイに終わったのです。

 このラウンド、「最終ラウンドを首位から4打差の6位でスタートして、結局優勝できなかった」タイガー・ウッズ選手のプレーを観て、「全盛期のタイガーとは違う」といった見解がいくつか示されているようですが、それはタイガー・ウッズ選手の全盛期のゴルフと比較すると、的外れな感じがします。

 タイガー・ウッズ選手のメジャー14勝(マスターズ4勝、全米オープン3勝、全英オープン3勝、全米プロ4勝)は全て、「最終日、首位か首位タイからスタート」した時に達成されているというのは、相当有名な事実です。
 タイガー・ウッズ選手は、メジャー大会において、最終日に逆転優勝したことは1度も無いのです。

 全盛期においても最終ラウンドで逆転優勝したことが無いプレーヤーが、今回カーヌスティで4打差をひっくり返して優勝することは考えにくいことですし、もし逆転で勝利を収めることがあれば、それは「タイガー・ウッズ選手の変身」とでも呼ぶべきことでしょう。
 
 20世紀末から2008年までのプライムタイムにおいても、ウッズ選手は「最終日首位でスタートして逃げ切るというパターン」以外では、メジャートーナメントでは勝っていないのですから、今回勝利を収められなかったことは、「全盛期のタイガーと同じ」と評価するべきことでしょう。

 こうした形は、別にメジャー大会に限ったことでは無く、通常のPGAツアーの大会や他のトーナメントでも、ウッズ選手は殆どが逃げ切り勝ちです。逆転勝ちは、ごく僅かなのです。

 タイガー・ウッズ選手の戦い方は、第3ラウンドまでに首位に立ち=優位に立って、最終日にスコアを伸ばすことが出来れば伸ばす(2000年のペブルビーチGLにおける全米オープンはこのパターンでした)けれども、多くの場合には「第3ラウンドまでのスコアを維持」しようというプレーを展開します。決して、スコアを落とすリスクのあるプレー、バーディを無理に狙っていくといったプレーには挑まないのです。
 そして、他の選手のプレー振り・スコアを観ながら、「追い上げられたり、並ばれたり、逆転されたりしたら、リスクを取って行く」といった具合に、ホール毎に慎重に最終日のプレーを進める、という形なのです。

 タイガー・ウッズ選手は「とても慎重なプレーヤー」であると、私は考えています。
 従って、「最終日の派手な大逆転劇」とは無縁のプレーヤーなのです。

 「タイガーチャージ」という表現があります。タイガー・ウッズ選手がバーディやイーグルを連発し、スコアを大きく伸ばすラウンドを指した表現ですが、これは第1~3ラウンドまでの間に実行されるプレー振りで、多くの場合には「3ラウンドの内のひとつのラウンド」だけです。
 ウッズ選手は、タイガーチャージにより3日目終了時点で首位に立ち、最終ラウンドはそのリードをしっかりと守るタイプのプロゴルファーなのです。

 ウッズ選手は、自身のゴルフを良く知っているので、今回最終ラウンドの途中で追い上げて首位に立ちながら、結局6位タイに終わったことについて、ラウンド後のインタビューでもそれ程悔しさを表現しませんでした。
 「最終日首位でスタート」することが出来るようになってはじめて、「真の復活」であると、自身でも良く分かっているのではないでしょうか。

 タイガー・ウッズ選手がメジャートーナメントに勝てなくなってから「10年以上」が過ぎました。
 この10年間のゴルフ道具等の進歩は目覚ましく、300ヤードドライブは多くのプレーヤーが「容易に」実現できるプレーになっています。タイガー・ウッズ選手より飛ばすプレーヤーも何人も出てきました。タイガーの「飛距離の優位」は無くなったのです。

 一方で、ウッズ選手は42歳になりました。
 多くのゴルファーにとってのプライムタイムである「30歳前後」から、随分時を経たのです。
 肉体的な衰えは隠せないでしょう。

 こうした状況下で、しかし、ゴルフ界は「タイガー・ウッズ選手の復活」を待っています。切望していると言っても良いでしょう。
 何より、他の選手たちの「タイガー待望」は、本当に強いものだと感じます。

 ツアー復帰後のタイガー・ウッズ選手が出場しているトーナメントに出場した、数多くのライバルプレーヤー達が「ゴルフ場に響き渡る大歓声、(大ギャラリーを連れた)タイガーの組から発せられる大歓声を聞くと、以前のPGAツアーを思い出す」、「これこそPGAツアーの在るべき姿」であるとコメントしています。

 PGAツアーに出場している多くのプロゴルファーにとって、「タイガーの居ないトーナメント」は、とても寂しいものだったのでしょう。
 「タイガーが居なければ、自分が勝てる確率が上がる」などと考えるプレーヤーでは、世界最高峰のPGAツアーでプレーし続けることは出来ないのであろうと思います。
 「PGAツアーの繁栄が有って初めて、ツアープレーヤーとしての自分達の活躍の場がある」「大歓声が響き渡るコースこそ、自分がプレーする所である」「世界中の人達・メディアに注目されるフィールドで戦いたい」、と考えるようでなければ、生き残っては行けないのがPGAツアーなのであろうと思います。(他の世界最高峰のプロスポーツ競技でも同様でしょう)

 ファンはもちろんとして、ライバル選手達からも、その「復活」を切望されているのですから、タイガー・ウッズ選手は、何としても復活しなければならないのでしょう。

 スーパースターというのは、「とても辛い」存在なのかもしれません。
 シネコックヒルズ・ゴルフクラブを会場として、6月14日~17日に実施された、2018年の全米オープン大会は、アメリカのブルックス・ケプカ選手が4日間通算281打・1オーバーパーのスコアで優勝しました。

 ケプカ選手は、昨2017年大会に続いての「連覇」でした。
 
 「最も難しいコースで開催されるメジャートーナメント」である全米オープンを連覇したのは、1989年のカーティス・ストレンジ選手以来、29年ぶりのことでした。

 2017年、エリンヒルズ・ゴルフコースにおけるケプカ選手の優勝スコアは16アンダーパーという、全米オープンとしてはとても少ない打数でした。
 主催する全米ゴルフ協会USGAとしては、これ程大きなアンダーパーが出るようでは、「全米オープンらしくない」と考えたのかもしれないと思います。
 2018年のコース設定は、とても難しいものでした。

 特に、「3日目のグリーン」は、ひょっとすると「難しいを通り越して」いたかもしれません。

 3日目の後半にラウンドしたプレーヤーは、いずれもスコアを大きく崩しました。
 優勝争いを目指すプレーヤーにとって、艱難辛苦のプレーとなってしまったのです。

 松山英樹選手は79打でした。
 ダスティン・ジョンソン選手は77打でした。
 リッキー・ファウラー選手は84打でした。

 4アンダーのトップでスタートしたDジョンソン選手は、2日目までに「11打差」を付けていたトニー・フィナウ選手、ダニエル・バーガー選手に、3日目の1ラウンドで追いつかれてしまったのです。
 フィナウ選手、バーガー選手が、前半の早い内にラウンドし、Dジョンソン選手が最終組で回ったことが、大きな要因であろうという見解は一理あるところでしょう。

 また、あのフィル・ミケルソン選手が13番ホールのグリーンで、まだ止まっていないボール・転がって動いているボールを、意図的にパッティングしたとも報じられました。
 信じられないようなプレーです。そんなプレーを、フィル・ミケルソン選手ともあろうプレーヤーが行ってしまうというのは、異常なことでしょう。「抗議」のためのプレーだったのかもしれません。

 松山選手は4パットを2回してしまいました。1m位のパッティングから3パットというシーンもありました。

 グリーンが凸凹で、ボールがどちらに曲がるか「打ってみないと分からない」ような状況だったのです。テレビ画面からも、上下左右に「ゴトゴト転がる」ボールが映し出されました。
 松山選手はラウンド後、「悪いパットは全くしていないのに・・・」とコメントしていました。

 報じられているところによると、「1日目のグリーンが考えていたより柔らかくて遅かった」ので、2日目・3日目と散水しなかったのだそうです。
 おかげで?、グリーンは茶色くなり、芝にはすっかり元気がなくなっていました。
 風が強かったことも相まって、グリーンはカラカラだったのでしょう。
 結果として出来上がってしまった「緑色と茶色のまだらのグリーン」は、プレーヤーの「読む」行為を無為なものとしてしまったのです。

 「ラインとスピードを読み」、打っていくのがパッティングでしょう。
 微妙なアンジュレーションとスピードの変化を、プレーヤーが読み切れるかどうか。
 それが難しいグリーンのことを「難しいグリーン」と呼ぶのでしょう。(当たり前のことを書き、恐縮です)
 そうした「難しさ」ならば、世界トップクラスのプレーヤー達は必死に挑戦して行くはずです。

 ところが3日目のグリーンは「打ってみなければ、どのように転がるか分からない」ような状態でした。
 これは「難しいグリーン」ではなく、「アンフェアなグリーン」ということになりそうです。「ラインとスピードを読み、プレーする」ことに、意味が無くなってしまうからです。

 3日目のグリーン上の各選手のプレー振りを観て、さすがに、3日目のプレー後、主催者によって「グリーンに水が撒かれた」のです。
 それでも、4日目のグリーンの「速さ」は、ほとんど3日目と変わらなかったと伝えられました。しかし、ラインを読むことに「意味がある」状態になったのです。
 松山選手は「グリーンは3日目の様に『汚く』はなかった。転がりは奇麗でした」とコメントしました。

 「1オーバーパーの優勝」は、全米オープンらしいスコアかもしれませんが、世界最高のトーナメントを標榜する全米オープンが、「打ってみなければわからないショット」を各プレーヤーに要求するのは、いただけません。

 そこには「ゴルフ競技の進歩に貢献する」何物も存在しないように感じられます。
 6月14日から17日にかけて、2018年の全米オープンゴルフが開催されます。
 サッカーのワールドカップ・ロシア大会開幕と機を一にしてのメジャートーナメントとなります。

 今年の開催コースは、ニューヨーク州ロングアイランド・サウザンプトンのシネコックヒルズGCです。
 アメリカのコースとしては珍しいであろう「リンクス」タイプのコース。「選手がプレーするエリアには1本の木も無かった」と記憶していますし、池といったウォーターハザードも殆ど無かった(おそらく1箇所だけ)と思います。

 一方で、リンクスですから「バンカーが多い」のですが、これが本場?のイギリスのコースよりも多い感じがします。意図的に配されているのでしょう。ホールによっては「バンカーだらけ」という印象です。
 いかにもアメリカ合衆国らしい?「管理されたリンクス」(この言葉自体に矛盾を感じます)といったところでしょうか。

 シネコックヒルズGCが最初に全米オープンのコースに選ばれたのは1896年ですから、1895年に開始されたトーナメントの第2回大会のコースとなった訳ですが、その後90年間は使われることが無く、2回目の開催は1986年を待たなければなりませんでした。

 そういう意味では、「新しいコースとして試用」された形ですが、全米ゴルフ協会やファン、そしてプレーヤーの評価が高かったのでしょう、1995年、2004年と使用され、今年2018年の会場(5回目)となり、2026年の開催も予定されているのですから、シネコックヒルズGCは「全米オープンに相応しいコース」としての地位を確立していることになります。

 全米オープンも、他国のナショナルオープントーナメントと同様に、「特定のコースの持ち回り型」ですので、同じコースで複数回開催されるのですが、特に全米オープンにおいては、開催回数を重ねる度に「距離が延びる」傾向が顕著です。

 シネコックヒルズGCも例外では無く、2004年の時6994ヤード・パー70だったものが、2018年は7445ヤード・パー70と、451ヤードも距離が長くなっています。
 近年の各プレーヤーの飛距離伸長に合わせて、「難しくて好スコアが出難いトーナメント」としての「全米オープンの威厳」を保っていくためには、致し方ないことなのかもしれませんが、200ヤードを越えるパー3がひとつ(2番ホール252ヤード)、500ヤードを越えるパー4がふたつ(3番ホール500ヤード、14番ホール519ヤード)、600ヤードを越えるパー5がひとつ(16番ホール616ヤード)というホール配置でとなりました。

 かつては、イーブンパーEか5アンダー未満のアンダーパー、時にはオーバーパースコアで優勝が決まることが多かった全米オープンも、2000年ペブルビーチ・ゴルフリンクスでのタイガー・ウッズ選手の12アンダーでの優勝を皮切りに、2011年のコングレッショナルGCにおけるロリー・マキロイ選手の16アンダー、そして昨年2017年のエリンヒルズ・ゴルフコースにおけるブルックス・ケプカ選手の16アンダーでの優勝と、時折は「二桁アンダー」での勝利が観られるようになりました。

 主催する全米ゴルフ協会としては切歯扼腕の状況であろうと感じますが、2018年の「長くなったシネコックヒルズ」が、協会の期待にどこまで応えてくれるのかは、興味深いところです。

 1986年以降のシネコックヒルズGCでの優勝者は、レイモンド・フロイド選手(1アンダー)、1995年がコーリー・ペイビン選手(E)、2004年がレティーフ・グーセン選手(4アンダー)となっています。
 これまでは、「飛ばし屋」というよりは「ショットメーカー」が好成績を残している印象です。

 現在の世界ランキングの1位ダスティン・ジョンソン選手、2位ジャスティン・トーマス選手、3位ジャスティン・ローズ選手、4位ジョーダン・スピース選手、5位ジョン・ラーム選手、6位ロリー・マキロイ選手、7位リッキー・ファウラー選手、8位ジェイソン・デイ選手、9位ブルックス・ケプカ選手、10位松山英樹選手のTOP10のプレーヤーを観れば、トーマス選手、ローズ選手あたりが「当代屈指のショットメーカーとして」有力ということになるのでしょうか。

 もちろん、ダスティン・ジョンソン選手やマキロイ選手、デイ選手の様に「飛んで上手い」プレーヤーも、優勝候補です。

 我らが松山選手にも頑張っていただきたいと思いますし、「復活の途上」という現状が、かえって精神面では良いかもしれません。「初メジャータイトル」のチャンスも十分に有ると感じます。
 5月3日から6日にかけて、ノースカロライナ州クエイルホロークラブを舞台に開催された、ウェルズファーゴ選手権大会2018は、オーストラリアのジェイソン・デイ選手が終始コースを支配し、4日間通算272ストローク・12アンダーパーのスコアで快勝しました。

 本年1月のファーマーズインシュアランス大会で優勝していますから、今季2勝目となるのですけれども、今大会のプレー内容の方が、全盛時の世界ランキング1位の頃のプレーにより近づいた感じがしますので、「真の復活」と呼びたいと思います。

 「もの凄く飛び、グリーン周りも秀逸」というのが、全盛時のデイ選手のゴルフですが、今大会のプレーは、それを髣髴とさせるものでした。

 350ヤードを超えるティーショットを何度も魅せましたが、特に凄かったのは、最終日の16番ホール、クエイルホローの「グリーンマイル」と呼ばれる難しい上がり3ホールの最初のホール、アーロン・ワイズ選手に10アンダーで並ばれて迎えた16番のティーショットです。379ヤードと報じられました。
 いかに下り斜面とはいっても、桁違いの飛距離でしょう。

 全盛時のデイ選手が「ダイエット」したのか、ひとまわりもふたまわりも細くなり、やや迫力が衰えて、なかなかトーナメントで好成績を残せなくなった時には、「体の絞り過ぎ」が原因ではないかと、私は感じました。
 その状態が、長く続いたのです。

 ところが今大会のデイ選手は、スリムな体はそのままに「臀部や太もも」に筋肉が付きました。
 そして、かつての爆発的な飛距離を取り戻した感があります。
 数字上の飛距離では無く、ショットの迫力・存在感としての飛距離のことです。
 世界ランキング1位で、圧倒的な飛距離を誇るダスティン・ジョンソン選手とも、十分に張り合って行けそうです。

 また、「秀逸なグリーン周り」も披露しました。
 4日間通算16度のバンカーショットで、「15度を寄せワン」でセーブしたのです。
 長いショット、短いショット、深いバンカー、浅いバンカー、ライもスタンスも様々な状況にありながらの15/16のセーブというのは、「秀逸なグリーン周り」を象徴するデータでしょう。

 ジョーダン・スピース選手、ロリー・マキロイ選手と共に「新・三強」と称されてから、この3プレーヤーの活躍が減ったのは皮肉な感じがしましたが、スピース選手とマキロイ選手に復活の兆しが見られ、デイ選手が完全復活したとなれば、今後の2017~18年シーズンは、「新・三強」を中心に回るのかもしれません。
 4月12日~15日、アメリカ合衆国サウスカロライナ州ハーバータウン・ゴルフリンクスで開催された、PGAツアー・RBCヘリテージ大会で、小平智選手がプレーオフの末優勝を飾りました。

 小平選手は初めてのPGAツアー優勝でした。

 最終日、首位から6打差でスタートした小平選手は、1番から3番ホールを連続バーディとして勢いに乗り、7バーディ・2ボギーの66打で回り、4日間通算12アンダーパーとして、トップに立っていたキム・シウ選手の結果を待ちました。

 ハーバータウンGLの各ホールはとても難しいコースですから、14アンダーでスタートしたキム選手も次第にスコアを崩して、ついに12アンダーで並びプレーオフに突入したのです。

 そしてプレーオフの3ホール目で小平選手がバーディを奪い、優勝を決めました。

 この日の最終ラウンドでも5m前後の難しいパッティングを決めて、難度か踏み止まっていた小平選手でしたが、最後のバーディパットも相当に長いものでした。

 初優勝の鍵は「絶妙なパッティング」ということになりそうです。

 それにしても、5m前後のパッティングが入るか入らないかで、それも「複数」入るか入らないかで勝敗が決まるというのは、「勝利の神様の存在」を改めて感じる展開でした。

 小平選手のPGAツアー優勝は、男子日本人プレーヤー5人目の快挙です。
 1983年の青木功選手の優勝を皮切りに、丸山茂樹選手(3勝)、今田竜二選手、松山英樹選手(現役、5勝)、そして小平智選手の5名。

 日本ツアーを主戦場としているプレーヤーによる「21世紀の初制覇」と言っても良いのかもしれませんし、そうだとすれば、日本ツアーで戦う選手たちに大いなる勇気を与える優勝なのでしょう。
 1月25日から28日にかけて、サンディエゴのトーリーパインズ・ゴルフクラブ・サウスコースで開催されたファーマーズ・インシュアランス・オープン大会に、タイガー・ウッズ選手が出場しました。そして4日間をプレーし、3アンダーパー、23位タイという成績で大会を終えています。

 腰の故障からの回復に手間取り、なかなかトーナメントで姿を観ることが出来なかったウッズ選手ですが、過去に7勝し「相性の良い大会」として、ファーマーズインシュアランスオープンを復活の場として選んだのでしょう。

 プレー振りは、タイガー・ウッズ選手らしいものであったと感じます。

 ドライバーショットは310ヤード位飛びます。
 もともと圧倒的な飛距離を武器に戦っていたプレーヤーですが、2010年以降は各プレーヤーの飛距離も伸びましたので、その優位は以前ほどではありませんけれども、それでもまだまだロングヒッターです。何より、2000年前後のプレーと比較しても飛距離が落ちていない、むしろ伸びているところが凄いところです。(この間のゴルフ道具の改良も感じさせます)
 但し、ドライバーショットがフェアウェイFWをヒットする確率は50%に遠く及びませんでしたので、要改善ポイントとなるのでしょうが、全盛期においてもタイガーのドライバーのFWヒット率は高くは有りませんでしたので、それ程気にすることは無いと感じます。

 アイアンショット、アプローチショットも「タイガーのショット」でした。
 パッティングは、試合勘を取り戻しながら改善して行けることでしょう。
 
 この大会におけるタイガー・ウッズ選手のプレーは、「復活への確かな手ごたえ」を感じさせるものでした。
 
 唯一気になったのは、全てのショット、ドライバーからパッティングまで共通して、「スイングの最後の締まり」が、全盛時とは違うと感じました。ここが、しっかりとフィニッシュできるようになれば、優勝争いもそう遠いことでは無いでしょう。

 42歳になったウッズ選手ですが、まだまだ老け込むには早過ぎるでしょう。

 タイガー・ウッズ選手の「第2のプライムタイム」到来が待たれるところです。
 アメリカ・ハワイ州マウイ島カパルアのプランテーションコースで、1月4日から7日にかけて開催された、毎年頭恒例のトーナメント、前シーズンの優勝者しか出場できない、セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズの最終日、ダスティン・ジョンソン選手が信じられないようなショットを魅せてくれました。

 19アンダーパーの大会首位で迎えた12番のパー4。
 433ヤードの打ちおろしホール。
 ジョンソン選手は1番ウッドを使ったティーショットを振り切りました。

 現在のPGAで屈指の飛ばし屋であるDジョンソン選手が「振り切るドライバーショット」を放つのは珍しいことです。いつもは「軽く」振ることが多いのですが、この時はフルショットに観えました。
 「ダスティンがフルショット・・・珍しいな」と呟きました。

 このショットは、フェアウェイFW左サイドとラフの境い目をヒットし、下りにかかって何回か跳ね、FWを転がりました。
 そして、グリーンに乗り!、そのままピンを目指して転がります。

 完全にラインに乗っているように観えましたし、強さも丁度という感じでしたから、「ダブルイーグルか・・・」と思いました。

 転がるボールの勢いが急速に衰え、止まったのはピン手前15cmでした。
 テレビ画面では分からない登り傾斜が、グリーンに存在したのでしょう。

 グリーンに上がったジョンソン選手は、このバットをタップイン。
 テレビ解説の田中プロが「生涯最短のイーグルパットでしょうか・・・」とコメントしました。

 本当にミラクルなホールでしたが、何より凄いのはティーショットの飛距離です。
 放送では「430ヤードのティーショット」と報じられていました。

 距離が正確なアメリカのコースですから、「433ヤード・パー4」というのは間違いないでしょう。グリーン一番奥に切られたカップまで届いた(15cmショートでしたが)ドライバーショットが430ヤード飛んだというのは、納得できます。

 いくら下りのホールとはいっても、PGAツアーでもなかなか観られるものでは無いスーパーショットでした。

 ちなみに、この後の14番ホール・パー4でも、ジョンソン選手はワンオンしていました。
 解説の田中プロは「ひとりだけパー3が多い・・・」と呆れながらコメントしていました。

 ダスティン・ジョンソン選手は、24アンダーパー、2位に8打差を付けて、この大会を圧勝しました。

 「世界ランキング1位の実力」を、まざまざと示したのです。

 昨シーズン、ツアー4勝のDジョンソン選手ですが、今季のPGAでも大活躍、というか、ただ勝つというレベルを超える、「信じられないようなプレー」を、何度も魅せていただけることでしょう。
 11月29日にNIKKEI NETに配信された記事「日本のゴルフ存続の危機 いま私たちにできること」(日本ゴルフ協会専務理事 山中博史氏)は、衝撃的でした。
 
 何より書き出しの数字が凄い。

① 2016年に日本のゴルフコースで1回以上ゴルフをした人の数は、2015年比210万人少ない550万人だった(27.6%減)こと
② ゴルフ人口の高齢化。年代別構成比は、60歳台が23%、70歳台が30%、合わせて53%。これを上回るレジャーはゲートボール(63.5%)だけ

 最近ゴルフ場には高齢者が多いと感じていましたが、これ程とは思いもよりませんでした。
 これが、第3者的立場の方の記事であれば、「ものの見方の違い」や「数値の信憑性の問題」もあるのでしょうが、日本ゴルフ協会専務理事という「当事者中の当事者」の記事というのですから、まさに「真実」ということになります。

 ゴルフコースでプレーする人の半数以上が60歳以上というのも驚きですが、その60歳以上の中でも70歳以上の方が多いというのは驚愕の事実でしょう。日本のゴルフ人口の3人に1人が70歳以上なのです。

 我が国のゴルフコースが、70歳以上の高齢者のプレーにより生きながらえているのは明らかで、その70歳以上のプレーヤー達が、病気・怪我・経済的な問題等々、様々な理由から「ゴルフコースでのプレーを引退」することで、ゴルフ人口が急減しているということです。

 そもそも、たった1年で27%以上もプレーヤーが減少するというのは「異常」なことですし、普通これだけ減少すれば、「ゴルフ競技の存続の危機」が叫ばれても何の不思議もありません。
 にもかかわらず、「存続の危機」という言葉を眼にすることは滅多に無いのです。
 これも不思議なことです。

 おそらく、ゴルフコースの数自体も急減しているために、個々のコースにおいては、それなりに入場者数が確保されているのだろうと思います。
 
 それにしても「存続の危機」であることに変わりはありませんから、ゴルフというスポーツに係わる人たちは、真剣に対応策を考えなければなりません。

 この記事の中にも「スタープレーヤーの創出」といった対応策が記述されていますが、「世界的なプレーヤー」という意味であれば、現在の松山英樹選手は、「日本ゴルフ史上最高のプレーヤー」であることは間違いないことですから、「かつてないほどのスタープレーヤー」が存在することになります。

 おそらくは、そういう問題では無いのでしょう。
 
 現在のゴルフ界を支えている人たちが「高度成長期にゴルフを始めた人たち」であること、そしてその人たちが「ゴルフ会員権保有者の太宗を占めること」を十分に認識する必要があるのでしょう。

 我が国のゴルフ界、ゴルフコースは、「この方々」により支えられてきたのです。
 そして、21世紀になって「新しいゴルファーの開拓」にゴルフ界は失敗したのです。
 それでも「この方々」に支えられて、今日まで生きながらえてきたということになりそうです。

 しかし、さすがの「この方々」も年齢には勝てず、ゴルフコースという表舞台から、どんどん姿を消しているのが、現状なのでしょう。

 一方で、世界のゴルフをリードするアメリカ合衆国においても、ゴルフ人口が減少していることは知られている事実です。3000万人を割り込んでいると報じられています。アメリカでもゴルフ人口は減っているのです。

 「ゴルフ衰退」の現象がわが国特有のもので、隆盛の国が有るのであれば、対応策も見つかり易いと思いますが、世界中で衰退しているということになると、これを改善して行くことは容易なことでは無いでしょう。
 そもそもゴルフと言うスポーツが、21世紀の社会では受け入れられ難いということに、なり兼ねないからです。

 費用が高い、実施に手間と時間がかかる・・・等々、若者がゴルフをやらなくなった理由はいくつも考えられるのでしょう。

 一方で、ゴルフよりよほど費用が掛かる趣味、例えば「釣り」が趣味の友人(ゴルフも月一位プレーします)は、ゴルフより1回のプレーあたり、相当多くの費用が掛かると言っていますが、毎週のように全国各地の釣り場に出かけて行きます。
 要は、消費時間も含めたコストに見合う、あるいはコスト以上の「楽しさ」を提供できる趣味・スポーツであるかどうかがポイントなのです。

 いくつかの問題点をカバーして余りある程に、「ゴルフの面白さ」を人々に呈示することが肝心であることは、間違いありません。
 10月1日、我孫子ゴルフ倶楽部で行われた最終日、3日目を終了してトップに立っていた畑岡選手が、最終日も7アンダーパーで回り、4日間通算20アンダーという、「女子オープン」史上最少スコアで2位に8打差をつけて、圧勝しました。
 1977年の樋口久子選手以来40年振りの大会連覇でした。

 まだアマチュアであった昨年、この大会を17歳263日で史上最年少優勝し、今年ダンロップ女子オープン大会を18歳254日で制して日本女子プロゴルフツアー史上最年少優勝するなど、憧れの宮里藍選手の記録を次々と破ってきた畑岡選手にとっても、「女子オープン連覇」というのは、まさに偉業と言えるでしょう。

 我が国の女子ゴルファーにとって、「女子オープン」は別格の大会です。
 女子プロの方や、女子プロを目指すゴルファーの方に話を伺っても、異口同音に「女子オープンに勝ちたい」と言います。
 計り知れない重みがあるのでしょう。

 全ての面で完璧であったプレーでした。
 270ヤードに届こうかというドライバーショット、思い切りの良い、方向性抜群のアイアンショット、絶妙のアプローチショット、とても転がりの良いパッティング・・・。

 18歳の、身長158cmの決して大柄とは言えない体躯から、素晴らしいショットが次々と繰り出されるのです。

 安定感とパワーを両立させるゴルフというか、「別次元」のプレーを魅せていただきました。

 次々と新しいプレーヤーが出現する日本女子ゴルフ界ですが、一方で「勝ち続けるプレーヤー」が少ないという印象も有ります。

 2017年は、宮里藍選手が引退し、畑岡奈紗選手がプロ入り初勝利を挙げ、日本女子オープンゴルフ選手権競技を連覇したという年、「日本女子ゴルフの主役」が交替した年なのかもしれません。
 PGAツアー2016年~17年シーズンの掉尾を飾る、FedExCupプレーオフシリーズも第3戦を終えました。

 9月17日に幕を閉じた、プレーオフ第3戦・BMW選手権大会2017は、マーク・レイシュマン選手(オーストラリア)が23アンダーパーのスコアで、2位に5打差を付けて優勝しました。
 アーノルドパーマー招待大会に続いての、今季2勝目でした。
 爆発力のあるレイシュマン選手の圧勝劇でした。

 これで、FedExCupプレーオフシリーズ第4戦、今季PGAツアー最終戦のツアー選手権大会に出場する30名のプレーヤーが決まりました。
 現在の世界のゴルフ界を牽引する「トップ30」です。

 日本の松山英樹選手も、ポイントランク7位で最終戦に進出しました。
 松山選手は、PGAツアーデビュー以来4年連続のツアーチャンピオンシップ進出です。
 本当に凄いことです。
 まさに世界を代表するゴルファーのひとりであることを、証明してくれているのです。

 さて、今年のツアー選手権大会において活躍が期待されるプレーヤーを検討してみたいと思います。

[ポイントランキング上位10名]
1位 ジョーダン・スピース選手(アメリカ)
2位 ジャスティン・トーマス選手(アメリカ)
3位 ダスティン・ジョンソン選手(アメリカ)
4位 マーク・レイシュマン選手(オーストラリア)
5位 ジョン・ラーム選手(スペイン)
6位 リッキー・ファウラー選手(アメリカ)
7位 松山英樹選手(日本)
8位 ジャスティン・ローズ選手(イギリス)
9位 ブルックス・ケプカ選手(アメリカ)
10位 ポール・ケーシー選手(イギリス)

 ツアー選手権大会に進出する程のゴルファー・世界のトップ30の好プレーヤーですから、どの選手にも優勝する力かあることは間違いありませんが、やはり今季の調子を観る上では「ランキング上位」であることは重要でしょう。

 現代の3強の一角、今季3勝のジョーダン・スピース選手がポイント1位で進出しました。
 今季5勝と最多勝のジャスティン・トーマス選手が2位です。
 今季4勝で3位進出のダスティン・ジョンソン選手は、現在の世界ランキング1位です。
 今季3勝で7位進出の松山英樹選手は、世界ランキング3位です。

 さて、ツアー選手権大会2017で活躍が期待される5名のプレーヤー検討です。

 今シーズンのトーナメントにおける「爆発力」を見ると、ジャスティン・トーマス選手が抜群でしょう。調子が良いトーナメントでは、他を寄せ付けない強さを示します。
 9月1日から4日に行われた、プレーオフシリーズ第2戦のデルテクノロジーズ選手権でも、2位に3打差を付けて押し切りました。
 一方で、調子の波が大きいのも特徴のひとつでしょう。強い時は滅法強いが、調子が出ない時は、上位に顔を出すことは少ないのです。
 今季、最多の5勝を挙げながら、ポイントランクが2位というのが、それを如実に示しています。
 ちなみに、プレーオフシリーズ第3戦のBMW選手権では47位タイに終わりました。

 逆に、「安定感」という面からは、ジョーダン・スピース選手が抜群でしょう。
 今季のプレーオフシリーズでも、第1戦ノーザントラスト大会で2位、第2戦デルテクノロジーズも2位、第3戦のBMWで7位と、確実に上位に食い込んでいるのです。
 とはいえ「勝ち切れない」という見方もありそうです。

 では、ツアー選手権2017で活躍が期待される5名のプレーヤーを挙げてみます。

① ジャスティン・ローズ選手(イギリス)

 第3戦のBMWでは2位タイに食い込みました。調子を上げているのです。
 アイアンショットの精度では当代屈指でしょう。
 優勝を狙う力が十分に有ると思います。

② 松山英樹選手(日本)

 プレーオフシリーズ直前には、ポイントランキング1位でしたが、調子が出ずに7位まで下がりました。
 一方で、第3戦のBMWでは調子を上げてきている様子でした。
 ツアー選手権に焦点を絞って調整していると観たいところです。

③ ジャスティン・トーマス選手(アメリカ)

 初日にトップに立てば、そのまま押し切る力が有ります。
 「松山選手の天敵」といった存在でもあります。

④ ダスティン・ジョンソン選手(アメリカ)

 その飛距離は、いつも驚かされます。
 プレーオフ初戦も制していますので、コンディションは良いと思います。

⑤ ジョーダン・スピース選手(アメリカ)

 今季は「静かに戦っている」という印象です。
 最後に笑うのは、スピース選手かもしれません。

 ツアーチャンピオンシップ2017は、以上の5名のプレーヤーに期待します。

 アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ郊外の、イーストレイク・ゴルフクラブ、巧みに池を配した美しいコースで、闘いの幕が開くのです。
 8月10日~13日にかけて、アメリカ・ノースカロライナ州シャーロットのクウェイルホローを舞台に行われた、2017年の全米プロ無選手権大会で、松山英樹選手は最終日首位でスタートするなど、優勝争いを演じましたが、サンデーバックナインで失速し、5位タイに終わりました。

 2日目に64打のラウンドを披露して、一気にトップグループに躍り出て、最終日は首位と1打差の2位でスタートし、前半一時トップに立った時には、前週の世界ゴルフ選手権大会優勝の勢いが感じられましたから、今回こそはメジャー大会制覇の夢が広がりましたけれども、惜しくも成らなかったのです。

 最終日のラウンド後のインタビューで、珍しく涙を見せていました。
 余程、悔しかったのでしょう。

 印象的なコメントが有りました。

 (今回の敗戦の経験を次に生かしたい、といった質問に対して)
 「これを経験したからといって克服できるものではないと思うが、場数が増えていけば、それだけチャンスが増えるということだと思う。その1回が(優勝に)当たるように、もっとチャンスを増やしたい」とコメントしたのです。

 何と冷静なコメントでしょう。

 そして、世界のトップで戦い続けているプレーヤーならではの言葉だと感じます。

 メジャートーナメント出場回数を増やしたからといって、勝利を掴めるものでは無いということ、経験の積み上げでは優勝できるものではないと、松山選手は言っています。

 一方で、「トライの回数」=優勝を狙える位置での最終日のラウンドを増やすことで、チャンスは来るとも言っています。

 その通りなのでしょう。

 トライの回数が増えれば、幸運がほほ笑むこともありそうです。

 世界最高水準の心技体を具備したプレーヤーでも、運と実力を総動員しなければ勝てないのが、メジャートーナメントなのでしょう。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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