FC2ブログ
HOME   »  ゴルフ
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 2020年のマスターズ・トーナメントはダスティン・ジョンソン選手の優勝で幕を閉じましたが、トーナメントの初日、ケビン・ナ選手(アメリカ)がとても珍しい記録を残しました。

① 18ホール全てパーオン

 この日のパーオン率100%という「快記録」でした。
 PGAの関係者によれば、「2009年以来初めてのパーオン率100%のラウンド」だったとのことで、これは滅多に観られないスーパーなラウンドだったのです。

 そもそも、難しいセッティングであるメジャートーナメントにおいてパーオン率100%というのが至難の業であることは、誰が考えても分かります。

② 39パット

 ところが、この日のナ選手はパッティングの調子が悪かったのでしょう。「39パット」を記録してしまいました。
 18ホール×2=36ですから、1ホール2打以上のパッティングを要したことになります。プロゴルファー、特に、世界最高峰のPGAツアーで戦うプロゴルファーで、既にツアー4勝を挙げているナ選手にとっては、本当に残念な結果であったことでしょう。

 ケビン・ナ選手が自身のインスタグラムに「1ラウンド39パットは私の新記録です」と投稿したとも報じられました。

 自身9度目のマスターズ大会出場であり、オーガスタのグリーンも良く知り、攻め方も十分に理解しているナ選手にとっては、悪夢のようなパッティングの連続だったことでしょう。

③ オーバーパー

 結果として、マスターズ・トーナメント2020初日のナ選手のスコアは、1バーディ・2ボーの73打・1オーバーパーでした。
 通常であれば、PGAツアーの常連プレーヤーが、パーオン率100%のラウンドを示現すれば、1パットで上がるホールも少なくないのでビッグスコアも出る筈なのです。

 しかし、今回は残念ながらオーバーパーとなってしまいました。

 PGA関係者の指摘によれば、「(30年以上に及ぶ統計が残っている中で)マスターズの歴
 史上、全てのホールでパーオンしながらオーバーパーで終えた唯一のプレーヤーとなった」と報じられました。

 ある意味では、とても不思議な記録と言うことでしょうか。

 こうしたミステリアスな記録が生まれた要因の一つに、「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのグリーンの難しさ」があるのも事実なのでしょう。

 「世界中のマスター達がオーガスタのグリーンをどのように攻略して行くのか」は、いつの時代もマスターズ・トーナメント最大の見所のひとつなのです。

スポンサーサイト



 新型コロナウイルス禍の影響から、11月12日~15日に開催された、2020年のマスターズ・トーナメントは、3日目を終えて首位に立っていたダスティン・ジョンソン選手が最終日も危なげないプレーを展開し、初優勝しました。

 最終ラウンドスタート時の2位との4打差を、5打差に広げての、悠然たる優勝でした。

[マスターズ秋2020・オーガスタナショナルG.C.]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 268打・20アンダーパー
2位タイ キャメロン・スミス選手(オーストラリア) 15アンダー
2位タイ イム・ソンジュ選手(韓国) 15アンダー
4位 ジャスティン・トーマス選手 12アンダー
5位タイ ディラン・フリッテリ選手(南アフリカ) 11アンダー
5位タイ ロリー・マキロイ選手(北アイルランド) 11アンダー
7位タイ ジョン・ラーム選手(スペイン) 10アンダー
7位タイ ブルックス・ケプカ選手 10アンダー
7位タイ パン・チェンツェン選手(台湾) 10アンダー

13位タイ 松山英樹選手 8アンダー

38位タイ タイガー・ウッズ選手 1アンダー

 D.ションソン選手は3番パー4で、最終ラウンド最初のバーディを奪いました。
 結果的には、このバーディが大きかったと思います。
 最終日のスコアをバーディから動かしたことが、その後の余裕に繋がったのでしょう。

 この後、4番パー3、5番パー4と連続ボギーとしましたが、3番の貯金が大きく、6番パー3、8番パー5をバーディとして、前半を1アンダーでクリアしました。
 そして後半=サンデーバックナインでは、13番と15番のパー5と14番パー4を3連続バーディとして、スコアを新記録の20アンダーとし、トーナメントを制覇したのです。

 ジョンソン選手にとって、オーガスタのパー5はいずれも「2オン狙い」の対象なのでしょうが、これをレイアップして3オンを目指すラウンドとなれば、ボギー、ダブルボギーのリスクは半減します。
 サンデーバックナインにおいて、「そういうプレー」が出来るところに、2番手プレーヤーとの大きな差が表れているのは、言うまでもありません。

 オーガスタナショナルG.C.は、バーディを取りに行かなければならないコースですが、少し間違えるとボギー、ダブルボギーも出てしまうコースです。
 この日のタイガー・ウッズ選手の12番パー3における「10打」というのは、もちろん特別な悪スコアなのですが、あのタイガー・ウッズ選手でもパープレーの3倍以上を打つ怖れがあることが明示されたのです。

 ジョンソン選手と優勝を争うのではないかと見られていたジョン・ラーム選手も、凄まじいサンデーバックナインのプレーでした。
 10番パー4をボギー、12番パー3をダブルボギーとしたラーム選手が「怒った」のでしょうか、13番パー5をバーディ、15番パー5をイーグルとして反攻開始、16番パー3をもバーディとしましたが、残念ながら17番パー4はボギー、18番パー4はバーディと、出入りが激しいというか、バックナインでパーのホールは2つだけという、「オーガスタらしい」プレーを披露してくれました。

 メジャートーナメント最終日においては、スコアの上下動はあるものの、結局スタート時のスコアから、一方的に上げる、6アンダー・7アンダーといったラウンドを示現することは極めて難しいのです。
 最終日なのですから、3日目までより一層難しいセッティングになっているのは自然な話なのですから。

 2019~20年のPGAツアー年間王者に輝いたダスティン・ジョンソン選手は、返す刀でマスターズも制しました。自身のメジャー大会2勝目を挙げたのです。
 既にPGAツアー20勝を達成しているプレーヤーにとって、唯一の弱点といわれていた「メジャー大会での弱さ」も克服したように観えます。

 2020~21年シーズンも「ダスティン・ジョンソンの年」になる可能性は、十分にあります。

 マスターズ秋2020は第3ラウンドを終了しました。
 そして、ダスティン・ジョンソン選手が2位に4打差を付けて、独走状態に入りつつあります。
 第3ラウンドは、まさに「ダスティン・ジョンソンワールド」全開でした。

 2日目を終えて9アンダーのトップタイで3日目をスタートしたジョンソン選手は、2番パー5でイーグル(30cm以内のパッティング。私達のゴルフ風に言えば「OKイーグル」でしょう)、3番・4番・7番ホールでバーディとして前半5アンダー、バック9も13番と15番のパー5を確実にバーディとして後半2アンダー、第3ラウンド通算7アンダー、トータル16アンダーとしたのです。
 3日目のバック9から、「悠々としたプレー振り」が印象的でした。

[11月14日・第3ラウンド終了時点の順位]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 16アンダーパー
2位タイ イム・ソンジュ選手(韓国) 12アンダー
2位タイ キャメロン・スミス選手(オーストラリア)
2位タイ アブラム・アンサー選手(メキシコ)
5位 ディラン・フリッテリ選手(南アフリカ) 11アンダー
6位 ジャスティン・トーマス選手 10アンダー

10位タイ 松山英樹選手(日本) 8アンダー

20位タイ タイガー・ウッズ選手 5アンダー

29位タイ ブライソン・デシャンボー選手 3アンダー

 メジャートーナメントにおいては、第3ラウンドを終えて「首位と2打差以内」に居るプレーヤーが最終日に優勝争いを行う、と私は考えていますので、今大会は「余程のこと」が無い限りダスティン・ジョンソン選手が優勝すると思います。

 現在の2番手グループは、ジョンソン選手と比較して、PGAツアーにおける実績面で大きな差があり、ジョンソン選手と互角の戦を演じることが出来るであろう実績を具備しているプレーヤーとなれば、6位のトーマス選手(世界ランキング3位)が最上位で6打差がありますし、現在世界ランキング2位のジョン・ラーム選手が9アンダー・7打差、ローリー・マキロイ選手やブルックス・ケプカ選手が8アンダー・8打差、ですので、ジョンソン選手優勝の確率は相当に高いと感じます。

 前述の「余程のこと」とは、ジョンソン選手が日曜日の前半9ホールで「3~4打スコアを落とす」ことですが、3日目後半のプレー、慎重かつ余裕を持ったプレーを観ると、その可能性は低いでしょう。もちろん、ゴルフに絶対は無く、過去にもそうした形からの大逆転が、稀に見られますが・・・。

 今大会のダスティン・ジョンソン選手の強さの要因を考えてみましょう。

① 好調維持

 ジョンソン選手は、2019~20年シーズンのPGAツアー年間王者に輝きました。(本ブログ2020年9月10日付記事「[PGAツアー2019~20(無観客)] ダスティン・ジョンソン選手 初の年間王者」をご参照ください)

 昨シーズン終盤からの好調さを維持し、マスターズ・トーナメント前の数週間は少し調整期間に当てて、大会に臨んできたのではないでしょうか。
 自身2度目のメジャー大会制覇に向けて、準備は万端だったのでしょう。

② 柔らかいグリーン

 マスターズ秋2020は、初日に2時間以上の降雨がありました。そして、「ガラスのグリーン」が柔らかくなったのです。

 初日には、ボールがグリーンにめり込むシーンが度々見られましたし、デシャンボー選手のティーショットがラフエリアに落下し、どの辺りに落下したのか衆人環視の中で、結局「ロストボール」となるというシーンもありました。ボールが土にめり込んでしまい、発見できなかったのです。

 こうした「柔らかい土」、特に「柔らかいグリーン」はマスターズ大会2020の性格を相当変化させました。
 例年の大会ならば、ピンをデッドに狙い、ビン周辺のグリーンをヒットしたボールがそのままグリーン外に転がり出てしまう、それも1ヤードや2ヤード出て行くのではなく、5ヤード、10ヤード転がり出ることは珍しいことでは無いというか、「マスターズらしい」シーンなのですが、今大会は3日目になっても、グリーンヒットしたボールがヒット地点から半径50cm以内に留まるというシーンが観られます。

 「春と比べて秋の方が、グリーンの乾く速度が遅い」こともあるのかもしれません。
 結果として、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの最大の特徴である「高速グリーン」の威力が相当に減殺されたと感じます。

 そうとなれば、ピンをデッドに狙って行ける「飛距離と技術」を具備するダスティン・ジョンソン選手が、存分に力を発揮できる環境が整ったとも言えそうです。

 さて、圧倒的優位に立ったD.ジョンソン選手は、どのようにマスターズ秋2020を仕上げるのでしょうか。

 それとも「世紀の大逆転」が観られるのでしょうか。

 新型コロナウイルス禍の中で、開催時期が秋に変更されたマスターズ・トーナメント2020ですが、2日目・11月13日のプレーを終えて、「超」ベテランプレーヤーの活躍が目立っています。

 まずは、ベルンハルト・ランガー選手でしょう。
 ランガー選手は2ラウンドを終えて3アンダーパーと、予選通過を確実としました。
 63歳2か月18日での予選通過は、史上最年長記録となります。
 
 50歳からはシニアツアーの対象となるのですが、そのシニア入りが遥か昔というのですから、素晴らしいことです。

 ベルンハルト・ランガー選手と言えば、1985年と1993年の2度のマスターズ制覇で知られ、日本のトーナメントでも1983年のカシオワールド大会を制覇しています。
 
 1970年代のドイツゴルフ界は、後進国と呼ばれても仕方のないレベルであったと思いますが、ランガー選手が先頭を切って国際舞台に進出し、メジャー大会制覇を始めとして堂々たる実績を残したのです。
 身長173cm・体重73㎏と報じられていますが、「痩身・小柄」な体躯から放たれる美しいアイアンショットが特徴でしょう。切れ味鋭いアイアンショットで、世界中の大会を戦い抜いてきたのです。
 
 現在は主にシニアツアーでの活躍を魅せていますが、その強さは「別格」と言われています。
 3度の全米シニアオープン制覇、4度の全英シニアオープン制覇などなど、シニアのビックトーナメントにおいて、無類の強さを示していますが、今回はマスターズ大会においても、その強さを示したのです。

 続いては、ラリー・マイズ選手です。
 62歳のマイズ選手(アメリカ)は、1987年のマスターズチャンピオンです。
 プレーオフでグレッグ・ノーマン選手を破った1987年大会は、既に伝説ですが(本ブログの2013年4月14日付の記事「[PGA] ラリー・マイズのマスターズ・トーナメント」をご参照ください)、その姿を2020年の大会でも眼にすることが出来、本当に嬉しく感じました。
 2日目のプレーが日没サスペンデットとなってしまい、第2ラウンドの6番から9番までの4ホールを残して2オーバーパーと、予選通過ギリギリのところで踏ん張っています。
 3日目初の4ホールのプレーでの頑張りに期待したいと思います。

 3人目は、フレッド・カプルス選手です。
 61歳のカプルス選手(アメリカ)は、1992年のマスターズチャンピオンです。
 「ゆったりとしたスイング」からの素晴らしい飛距離をベースとした、カプルス選手のプレーは、アメリカ合衆国のゴルフファンに絶大な人気を誇ります。
 今大会では、第1.・2ラウンドを終えて6オーバーと予選通過は出来ませんでしたが、相変わらずのスイングと笑顔が印象的でした。

 マスターズ秋2020における、「超ベテランプレーヤー」の皆さんの大活躍に、大きな拍手を送ります。
 全米オープン大会と同様に、2020年春のトーナメントが秋に移行されたマスターズ大会も、2020~21年シーズンに2度行われます。

 1度目は、2020年11月12日~15日の開催です。

 2度目は、2021年4月8日~11日に予定されています。

 2度目は、例年通りの時期ですので、どのような景色になるのか、おおよそ予想が出来るのですが、1度目の大会は秋の開催となります。「観たことも無い景色」のマスターズ大会となりそうです。

 春のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、アゼリアの花がコースのいたるところに咲き誇り、アメリカ合衆国に本格的な「春の到来」を告げる大会ですが、秋のオーガスタは、どのような花が、選手達を、観客を迎えてくれるのでしょうか。
 11月中旬のジョージア州アトランタを訪れたことが有りませんので、全く想像が出来ず、それがとても楽しみなのです。

 オーガスタ・ナショナルG.C.は、大会前の半年間は使用しない、とも言われていますから、例年なら、4月はじめのマスターズ大会に向けて、前年の10月からはクローズされて、整備されるのでしょう。
 そうすると、約300名と報じられているメンバーの方々は、大会終了後の4月中旬から10月までの約半年間でプレーを楽しむことになります。

 それが2020年について言えば、11月に「特別な大会」が開催されることとなりましたので、5月から11月の間もクローズされていたのかもしれません。
 もちろん、新型コロナウイルス禍の中で、そもそもコースがクローズされていた時期があった可能性もあります。

 「オーガスタでのプレー」は、多くのゴルファーの夢でしょう。

 会員の同伴が無いとプレー出来ないと言われていますから、ラウンドするのは至難の業です。
 
 そうした中で、25年ほど前にプレーしたことが有る方に、お話を伺ったことがあります。
 
 日本のコースならば「平均して1ラウンド80打前後」の、アマチュアとしては上級の腕前の方でしたが、95打で回ったとのこと。
 感想としては、「ラフが無く、距離が短い(当時は)ので、ティーイングショットやアプローチショットをきちんと打てれば、パーオンやグリーン近くまで少ない打数でボールを運ぶことは難しくは無い」とのことでしたが、グリーンに立つと「呆然とする」そうです。

 まさに「ポテトチップス」のようなグリーンで、自分が立っている平面と、ピンが立っている平面の高低差が、自分の身長より大きいことが「普通」とのことでした。
 どのパッティングも難しいのですが、その中でも、グリーンのどこに乗っているのかによって、パッティングの難易度が全く違うとのこと。

 テレビ画面からはなかなか把握できない、グリーンの形状こそが、オーガスタの特徴なのかもしれません。

 その方によれば、「自分がプレーした時には、グリーンの芝は、それ程刈り込まれていなかったと思うが、あのグリーンでマスターズ・トーナメントの時のような『ガラスのような速さ』となれば、自分ならパッティング出来ないかもしれない。触っただけでも、グリーン外に飛び出してしまうことも、とても多いと感じました」とのことでした。

 とんでもないグリーンですが、それはそれで『怖いもの見たさ』でプレーしたいという気持ちは不変です。

 マスターズ・トーナメントの優勝者や、アメリカ合衆国大統領経験者で無いとメンバーにはなれないと伝えられていて、その他のルートで会員になるには『数十年待たなくてはならない』とも言われていますから、会員になるのは至難の業ですし、知り合いに「会員」も居ませんので、オーガスタでのラウンドは、私にとっては夢のまた夢なのでしょう。

 今日から始まる、「秋のマスターズ・トーナメント」を、テレビ放送で楽しむことにいたします。
 先日の全米オープン2020を制覇した、ブライソン・デシャンボー選手の言葉として報じられました。

 2020年10月1日配信の日本経済新聞オンザグリーンの記事「デシャンボーのゴルフ革命 オーガスタをも動かす?」(串田孝義氏著)はとても興味深い記事でした。

 デシャンボー選手が、ゴルフ競技、それもPGAツアーという世界トップクラスの舞台におけるゴルフの「常識」を打ち破りながらプレーしていることは、広く知られているところです。

 特に、新型コロナウイルス禍の中で再開されたPGAツアーに、「筋骨隆々な肉体」を披露して、凄い飛距離をも具備してトーナメントに臨み、ついに全米オープンを制覇するに至ったのです。
 
 アイアンクラブの長さを全部揃えるといった手法は、当然ながら、色々な意見に晒されてきたのですが、この手法がメジャー大会制覇に結びついたこと、加えて、全米アマチュア大会、全米学生大会、全米オープン大会という「全米三冠」制覇を実現したとなると、全米三冠制覇者が、ジャック・ニクラウス選手、タイガー・ウッズ選手に続いて3人目なのですから、「デシャンボーの手法」の正当性を示すものと言って良いのかもしれません。

 さて、11月12日~15日に開催が予定されているマスターズ2020に向けても、デシャンボー選手は「あと5kgは増量する」と公言しているとのことで、ルールぎりぎりの48インチ(122cm)のドライバーを使用する、ともコメントしているそうです。(大会直前の情報では、どうやら、47.5インチのドライバーで挑むようだと報じられています)
 
 全米オープン2020において、ウイングドフット・ゴルフクラブを制した350ヤードのドライバーショットに更に磨きをかけて、マスターズ2020のむオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブに挑むという訳です。
 
 オーガスタにおいて370ヤードのドライバーが炸裂すると、第2打は「どんな景色」から放たれるのでしょうか。

 丁度、プロデビュー直後のタイガー・ウッズ選手が、その圧倒的な飛距離によって、11番ホールなどの第2打の景色を全く変えてしまったことを思い出させます。

 こうした、デシャンボー選手の挑戦に対してマスターズ委員会も、13番・パー5のティーインググラウンドを大きく後方に下げることを検討しているとのこと。
 比較的短いパー5で、左に大きくドッグレッグしていますが、ジャック・ニクラウス選手の時代ならば、ティーショットで大きなフックボールを打って、左側を流れるクリーク沿いの「狭い平面」(ニクラウス選手によれば、13番ホールのフェアウェイにおいて唯一平らなところ)にフェアウェイヒットさせることで、2オンを狙っていくホールでしたが、近時の大会では、正面の木立エリアに思い切り飛ばして、第2打はライ次第で考える、といった狙い方を採用するプレーヤーが増えていました。
 このホールのティーインググラウンドが後方に大きく下がる=ホールの距離が大幅に長くなる、と、プレーにどのような変化が訪れるのか、全く分りませんし、とても興味深いところです。

 もちろん、他のホールでも色々な変更が検討されているのでしょうが、「2020年秋のマスターズ」に向けては時間がありませんから、(対デシャンボー選手向けに)やれることは限られているでしょう。

 デシャンボー選手とオーガスタ・ナショナルG.C.の鬩ぎ合いが、ゴルフ競技の進歩に結びつくことを願っていますし、マスターズ2020が本当に楽しみです。

 10月29日~11月1日、ポートロイヤル・ゴルフクラブを舞台に行われたバミューダ選手権大会2020は、プレーオフの末、ブライアン・ゲイ選手が優勝しました。
 48歳のゲイ選手は、7年振りのPGAツアー優勝(5勝目)でしたが、2020~21粘ツアーらしい、ベテランプレーヤーの久しぶりの優勝が、今トーナメントでも観られたのです。

 さて、NHK-BS放送の中で、2019年のこの大会のチャンピオン、ブレンダン・トッド選手(35歳)の大会前のインタビューが映し出されました。
 とても興味深いインタビューでした。

 「この大会の素晴らしいところは、優勝すれば500ポイントを得ることが出来るところだ。(ツアーランキング上位のプレーヤーが出場していない)このフィールドから、ツアー最終戦・ツアー選手権への出場者が出ると信じている。」

 2014年のHPバイロンネルソンクラシック大会で、PGAツアー初優勝を遂げたトッド選手でしたが、その後は低迷し、シード権が無い時期も過ごしました。
 そして、2019年のバミューダ選手権で久しぶりの優勝を果たし、翌週のマヤコバ・ゴルフクラシック大会でも優勝して、PGAツアー2週連続優勝としたのです。素晴らしい活躍でした。
 そして、その勢いを持って、ツアー選手権大会(その年のポイント上位30位までの選手しか出場できない大会)にも出場を果たしたのです。

 低いフィールドの大会からでも、PGAトップの大会に出場できる可能性が有ることを、トッド選手は静かに語りました。

 「(昨シーズン2勝を挙げて)何もかも変わった。人生が全く違うものになったよ。」

 プロスポーツの世界を如実に表す言葉です。
 「勝つことにより、人生が変わる」という、ある意味では当たり前のことなのですが、厳しい世界を生き抜いているプレーヤーの言葉には、何とも言えない『重み』があります。

 「我々にとっては、シード権がとても大切。」

 「(PGAツアーで)1勝すれば、キャリアが2~3年伸びる。」

 このフィールドの選手達にとっては、「食べて行くために」、シード権の確保はとても大切なことであるという、これも当たり前のことなのでしょうが、メディアのインタビューに対して、はっきりと言う選手や機会は、そう多くはないでしょう。
 増してや、それが世界最高峰PGAのシード権ともなれば、それが得難い「宝物」であることも間違いありません。

 さらに、PGAツアーで勝利することが、メジャー大会への勢いを付けるといった「前向きな意味」で語られることは多いのですが、「2~3年キャリアが伸びる」という視点を、はっきりと大会前のインタビューで口にする選手も、そう多くは無いと感じます。

 「成績が悪くなり、一度PGAツアーに出場できなくなってしまうと、再び出場できるようになることが至難の技であり、そのまま引退に追い込まれるプレーヤーがとても多い」ということは、プロゴルフ関係者ならば誰もが認識していることなのでしょうが、それを公言するプレーヤーはなかなか居ないのでしょう。
 トッド選手は、大半のプロゴルファーの「本音」を、静かにはっきりと語ったのです。

 バミューダ選手権2020において、ブレンダン・トッド選手は2日目を終ったところで予選落ちしました。
 2019年の大会とは、全く異なる結果だったのです。

 「地に足をしっかりと付けている」プロゴルファーであるトッド選手が、2020~21年シーズンにおいて、どのような活躍を魅せてくれるのか。

 本当に楽しみです。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、会場をアメリカ合衆国カリフォルニア州シャーウッド・ゴルフ場に移して開催された、ZOZOチャンピオンシップ大会2020には、日本人プレーヤーが8名も出場しました。
 これ程多くの日本人選手が出場したPGAツアーの大会は、過去には無かったように感じます。(全英オープンには相当の数の日本人選手が出場していた例がありますが)
 この大会は前半2ラウンドを終えての「カット」がありませんでしたから、少なくとも最終日に8名の日本人選手がラウンドしたPGAツアーは、史上初めてでしょう。

 会場となったシャーウッドは、とてもチャレンジングなコースで、大会は「スコアの伸ばし合い」の様相を呈しましたが、ジャック・ニクラウス氏設計のコースは、バーディやイーグルも取れるが、ダブルボギー・トリプルボギーも生まれるという、とてもスリリングなものですので、トーナメントは「目の離せない展開」となりました。

[10月25日・ZOZO選手権最終日・通算成績]
1位 パトリック・キャントレー選手 265打・23アンダーパー
2位タイ ジャスティン・トーマス選手 22アンダー
2位タイ ジョン・ラーム選手 22アンダー

28位タイ 松山英樹選手 13アンダー
35位タイ 小平智選手 12アンダー
41位タイ 金谷拓実選手 11アンダー
63位タイ 石川遼選手 5アンダー
66位タイ 今平周吾選手 4アンダー
66位タイ 堀川未来夢選手 4アンダー
72位タイ 星野陸也選手 1アンダー
75位 関籐直熙選手 1オーバー

 トーナメントは、上位選手が目まぐるしく入れ替わる混戦でしたが、4日間を通じては、ラーム選手とトーマス選手が引っ張っていたという印象です。
 そして、サンデーバック9に入って、11番・13番・14番・15番で4バーディを奪ったキャントレー選手が一気に抜け出し、トーマス選手、ラーム選手の追い上げを凌ぎ切った形でしょう。
 ラーム選手にとっては、サンデーバック9の12番・13番の連続ボギーが、トーマス選手にとっては15番のボギーが、痛かったのです。

 NHKテレビ中継の解説者・田中秀道プロが何度も、「(パトリック・キャントレー選手のゴルフは)丁寧なプレー」と評していましたが、その「丁寧なプレー」が最後に実りました。

 「8人のサムライ」の中では、1日目・2日目に小平選手や金谷選手が好スコアを出して走りましたが、さすがに3日目からは松山選手が地力を魅せて、最後は「8人のサムライ」最上位の成績を残しました。

 「無観客」のトーナメントでしたけれども、会場のシャーウッドは高級住宅地の中に存するコースですから、数多くの大邸宅の広い庭からコースを、プレーを観ることが出来ますので、時折「歓声」が、コースのあちこちで湧きあがりました。
 選手も、異例の「観客」に手を振って応えたりしていました。

 これはこれで、とても良いシーンに観えましたけれども、やはり「大観衆」の「大歓声」がPGAツアーには相応しいのでしょう。

 PGAツアーの2020~21年シーズンは、10月11日までに5つのトーナメントを終了しました。
 第2戦の全米オープン、ウイングドフットG.C.で開催されたメジャー大会は記憶に新しいところです。

 通常年ならば「フォールシリーズ」と呼ばれる、この時期、秋から冬にかけてのトーナメントでは、若手・ルーキーの活躍が目立つものです。
 ビッグネームが出場しないトーナメントも多いので、若手にとっての活躍の場となっているのです。この時期に「初優勝」を飾って、ツアーの主要メンバーに登って行くプレーヤーも数多く居るのです。

 ところが、2020~21年シーズンは少し様子が違います。

 ベテランプレーヤーの復活優勝が続いているのです。

 まずは今期緒戦、9月10日~13日に行われたセーフウェイオープン大会では、スチュワート・シンク選手が優勝しました。
 2009年の全英オープンチャンピオンというメジャー大会優勝経験者ですが、しばらく名前を聞くことがとても少なくなっていました。
 何時以来の優勝だろうかと調べてみましたが、まさにその全英オープン以来11年振りの優勝でした。
 1973年生まれの47歳。
 粘り強いプレーが持ち味であろうと思いますが、今後の活躍がとても楽しみです。

 そしてシーズン4戦目となるサンダーソンファームズ選手権大会、10月1日~4日に行われた大会では、あのセルヒオ・ガルシア選手が優勝しました。
 2017年のマスターズ大会以来のPGA優勝ですから3年振りなのですが、もう少し長期間「鳴りを潜めていた」印象があります。
 「神の子」と呼ばれ、スペイン出身ゴルファーとしてPGAツアーに衝撃的なデビューを飾ったガルシア選手も40歳になりました。
 PGAツアー10勝、欧州ツアー16勝、アジアツアー6勝と、世界中で大活躍を続けているガルシア選手の、今後の活躍も、本当に楽しみです。

 さて、2名のメジャーチャンピオンプレーヤーの「復活」を観てきましたが、この2大会以外のトーナメントでも、ベテランの復活と呼んで良い活躍が見られるのです。

 シーズン第3戦のコラレスプンタカナリゾート&クラブ選手権大会(9月24日~27日)では、ハドソン・スワッフォード選手(33歳)が3年振りの優勝を飾りました。
 2017年以来のPGA2勝目ですが、2018~19年は故障で戦線を離脱していたのです。見事な「復活」優勝です。

 さらにシーズン第5戦のシュライナーズホスピタルforチュルドレンオープン大会(10月8日~11日)では、マーティン・レアード選手(37歳)が優勝しました。
 スコットランド出身のレアード選手も7年振りの優勝、PGAツアー3勝目でした。
 見事な「復活」優勝でしょう。

 スワッフォード選手とレアード選手の今後の活躍が期待されることは、言うまでも有りません。

 こうして観てくると、PGA2020~21シーズンは、第1戦から5戦までのトーナメントで、全米オープンを除く4トーナメントが「ベテランの復活優勝」ということになります。

 若手やルーキーが全く勝てていないというのは、ある意味では不思議な現象にも感じられますが、こうした「しっかりとした実力を具備しているベテランプレーヤー」が復活して活躍するというのは、PGAツアーの選手層の厚さを如実に示しているとも言えそうです。

 さて、「2020~21年シーズン初のルーキー優勝」は、いつの大会になるのでしょうか。

 全米オープン2020(無観客)は、ブライソン・デシャンボー選手の優勝で幕を閉じましたが、会場となったウイングドフットG.C.西コースは、さすがの「絵」を魅せてくれました。

 2006年以来14年振り6度目の舞台となりましたが、20世紀の全米オープンと同じ「絵」もありましたし、21世紀のというか、2020年独特の「絵」もあったと感じます。

① 深くて濃いラフ

 これはまさに「ウイングドフットそのもの」でした。
 ファーストカット、セカンドカット、そして本ラフと、3段階のラフが用意されていましたが、当然ながら本ラフに打ち込んだ時の選手に対するダメージは、相変わらずでした。

 当然ながら選手達は、フェアウェイにボールを置くことに注力するのです。アイアンや3番ウッド、ハイブリッドクラブなどを使用して、コントロール重視でティーショットを行うプレーヤーも多かったのですが、これが不思議と曲がるのです。
 世界トップクラスのプレーヤー達にして、何故これ程に曲がるのだろう、と感じたことは、これは20世紀のウイングドフットにおける全米オープンと同じでした。

 名手たちが曲げないようにと工夫をして打って行くにも拘らず、曲がる、時には大きく曲がるというのは、ウイングドフットやオークモントといった、難しいコースにおける全米オープンの特徴なのでしょう。

 そして、その深くて濃いラフからの次のショットは、とても難しいのです。

 今回の大会で興味深く感じたのは、グリーン周りのアプローチショットならば「ファーストカット」の方が打ち易いと、公言されていたことでしょうか。
 確かに、刈り込まれたフェアウェイより、ややボールが浮くファーストカットの方が、微妙なアプローチショットには適しているのでしょうが、ファーストカットに止まることを狙って打って行くというのは至難の技でしょうから、「結果論」という見方もありそうです。

② グリーン入り口付近の急傾斜

 今大会、何度も眼にしたのは、グリーン上の手前側をヒットしたボールが、下り斜面で転がり落ちて、大きくグリーン外に運ばれるシーンです。
 これは、グリーンからちょっと外れるといったレベルでは無く、10ヤード、時には20ヤードも転がり落ちます。
 
 もちろん、フェアウェイからグリーンにかけての面も、刈り込まれた急傾斜であることから、こうした現象が発生するのですが、ウイグドフットのグリーンの手前側がこれ程に急傾斜であったかどうか、については、残念ながら記憶がありませんので、この現象が20世紀から続いているものなのか、2020年の特徴なのかは分からないのですけれども、とにかくアプローチショットが「1~2ヤード短かった」ために、グリーンを一度はヒットしたボールが、ピンから30ヤード・40ヤード離れてしまうというシーンが、多発していました。

 多くのアベレージゴルファーから観ると「選手が可哀そう」ということになるのでしょう。

 こうした現象は、マスターズ・トーナメントの会場であるオーガスタ・ナショナルG.C.において良く観られるのですけれども、オーガスタの転げ落ち方より、ずっと長い距離を転げ落ちているように観えます。
 「次はパッティング」と考えていたプレーヤーに、40ヤード以上の難しいアプローチショットを強いるのですから、これは厳しいコースです。

③ 波打つグリーン

 グリーンのアンジュレーションの大きさにも、驚かされました。
 これはおそらく、20世紀から継続されているものなのでしょうが、20世紀と21世紀の「映像技術の進歩」によって、お茶の間のテレビ画面にも、その凄まじさが伝えられるようになったのでしょう。

 グリーンの大きなアンジュレーションと言えば、前述のオーガスタ・ナショナルが有名ですが、ウイングドフットも勝るとも劣らない凄まじさでした。
 長いパッティングともなれば、「どうやって打つのだろう」と感じるシーンも数多く在りましたし、実際に名手たちが大きくオーバーするパッティングを見せていました。

 さて、大会前にUSGA(全米ゴルフ協会)は、今大会の優勝スコアを「+8打=8オーバーパー」と予想していました。1ラウンド平均+2打での4日間です。

 初日は、ウエルカムセッティングと言わんばかりの、比較的容易なピン位置でしたから、首位は5アンダーという良いスコアが出ましたし、アンダーパーのプレーヤーも多かったのですが、2日目からは「これが全米オープン」と言わんばかりのセッティングとなって、プレーヤー達は次々とオーバーパーに落ちて行きました。
 そして4日間を終えて、アンダーパーは唯一人となったのです。

 しかし、4日間通算6アンダーパーで押し切ったデシャンボー選手は、これは見事に「ウイングフットG.C.西コースに打ち勝った」のでしょう。
 本当に、本当に素晴らしいプレーでした。

 そして、USGAとしては、「これ程に難しいセッティングにしてもアンダーパー、それも1アンダーや2アンダーではない」プレーをする選手が居ることを、再認識したのではないかと思います。
 USGAが「もっと難しいセッティング」が必要だと考えたとしたら、プレーヤーにとっては「とんでもない話」なのかもしれません。

 全米オープン2020、4日間とても楽しませていただきました。観る側にとって、これ程面白い大会は、そうは無いでしょう。

 次回のウイングフットは、何時の大会なのでしょうか。

 10月1日~4日にかけて、ザ・クラシックゴルフ倶楽部(福岡県)を舞台に開催された、日本女子オープン2020は、原英莉花選手の優勝で幕を閉じました。

 2日目からは、原選手と小祝さくら選手の「一騎打ち」の様相を呈した大会となりました。

[10月4日・日本女子オープン2020通算成績]
1位 原英莉花選手 272打・16アンダーパー
2位 小祝さくら選手 12アンダー
3位タイ 上田桃子選手 8アンダー
3位タイ 仲宗根澄香選手 8アンダー
5位タイ 蛭田みな美選手 7アンダー
5位タイ イナリ選手 7アンダー

 2日目を終えて、小祝選手が9アンダー、原選手が6アンダーと、小祝選手が3打差でトップに立ちました。原選手が2位でした。
今シーズン好調なプレーを維持している小祝選手が、優位にトーナメントを進めていると感じました。

 しかし3日目の前半9ホールで、小祝選手は大きくスコアを崩してしまいます。
 ボギー、ダブルボギーを重ねて、今シーズンここまでのプレーからは想像しにくいほどの崩れ方でした。
 後半持ち直し、第3ラウンドを1オーバーで凌いだところはさすがでしたが、この間に、原選手が大きくスコアを伸ばしたのです。

 原選手は第3ラウンドを6アンダーでクリアしました。
 小祝選手を逆転し、通算12アンダーまでスコアを伸ばしたのです。
 小祝選手は8アンダーの2位ですから、「4打差」を付けて、最終ラウンドに臨むこととなりました。

 我が国の女子ゴルファーであれば誰もが憧れる「女子オープン」、このビッグタイトルに向けては、「4打差」でも十分とは言えないのは当然のことですし、こうした「一騎打ち」の形になって、最終ラウンドを同組で回ることになった場合には、「どちらかが大きくスコアを乱す」ことも多いと言われていましたから、4日目の対決に注目が集まりました。

 最終日のラウンドが始まりました。
 そして、2名の女子ゴルファーは、大相撲風に表現すれば、「がっぷり四つ」のラウンドを繰り広げたのです。

 この「がっぷり四つ」のラウンドこそが、2020年の女子オープンを象徴する「絵」だったのでしょう。

 最終日の前半9ホールでは、原選手は2バーディ・1ボギー、小祝選手は3バーディ・2ボギーとして、共に35打でラウンド、1打ずつスコアを伸ばしました。
 「4打差」は不変でした。
 
 原選手が1番ホールをバーディとし、小祝選手が2番ホールでボギーをたたいた時には、その差が6打にひらきましたけれども、小祝選手はここから盛り返し、「4打差」をキープしたまま、サンデーバックナインに突入したのです。

 そして、「がっぷり四つ」を象徴する11番パー4に来ました。
 
 小祝選手の第2打は「ベタピン」のスーパーショットでした。
 バーディは確実な状況。
 このホールで原選手がボギーとするようなら、差は一気に2打に縮まります。

 国内最高のビッグタイトルを前にしての、原選手の第2打となったのですが、何と、こちらも「ベタピン」だったのです。

 ビッグトーナメントにおいて滅多に観られない、本当に素晴らしい、「ベタピンの応酬」でした。

 11番ホールを両選手がバーディとした時、原選手の勝利がぐっと近づいたと感じました。

 両選手は続く12番パー5も、共にバーディとし、13番パー3では、原選手がチップインバーデイを奪いました。
 このバーディによって、勝負は決まったと思います。

 小祝選手も、「女子オープン」の最終日を4アンダーで回ったのですから、決して悪いプレーをしたわけではない、というか、通常の「女子オープン」ならば逆転していても不思議では無い、良いラウンドだったのです。

 しかし、この日の原選手の落ち着き払ったプレーは、その上を行きました。
 ビッグタイトルへのプレッシャーは有ったものと思いますが、プレーは「淡々」と進めていたようにさえ観えました。
 その心身の強さは、素晴らしいレベルでしょう。

 これまでは、抜群の飛距離を誇りながら、トーナメントのどこかで崩れてしまうことが多いと言われ、ツアー1勝に止まっていた原選手が、2勝目で最高のタイトルをものにしました。

 一皮むけたというか、「一段強くなった」と観るのが良さそうです。

 黄金世代の主要プレーヤーとしての、原英莉花選手の今後の国内外における活躍が、本当に楽しみです。

 一般のPGAトーナメントも同様ですが、特にメジャートーナメントにおいては、「3日目終了時点で首位、および首位から2打差以内」のプレーヤーでないと、優勝できない傾向が強い(大逆転優勝は滅多に起こらない)ので、最終ラウンドのスタート前の段階で、3日目まで5アンダーで首位のマシュー・ウルフ選手と、2打差2番手のデシャンボー選手の優勝争いと観ていました。

[全米オープン2020最終結果・ウイングドフットG.C.西コース(ニューヨーク州))]
1位 ブライソン・デシャンボー選手 274打・6アンダーパー
2位 マシュー・ウルフ選手 イーブンパー
3位 ルイ・ウーストハイゼン選手(南アフリカ) 2オーバー
4位 ハリス・イングリッシュ選手 3オーバー
5位 ザンダー・シャウフェレ選手 4オーバー

 最終日の前半では、デシャンボー選手がバーディを先行させたのに対して、ウルフ選手はボギーを先行させましたから、9ホールを終えて、両選手の順位が逆転しました。

 圧巻は9番ホール・パー5、550ヤードを超えるホールですが、共に2オンを果たしイーグルパットに入りました。
 まずデシャンボー選手、15mは有ろうかというロングパットでしたが、デシャンボー選手はこれをキッチリと入れました。ミラクルパッティング!
 続くマシュー選手は5m位のイーグルトライ。
 何しろ、1mでも難しいウイングドフットのグリーンですから、5mともなれば極めて難しいパッティングです。増してや、相手にミラクルなパットが決まっている状況ですから、通常?ならば入らない感じなのですが、ウルフ選手もこれをしっかりと決めました。

 「イーグルVSイーグル」、ウイングドフットの全米オープンで、このようなホールが観られるというのは、凄いことだと思います。

 両者の気迫、このトーナメントに対する強い気持ちがプレーにも現れていました。

 前半9ホールを終えて、追いかけているプレーヤー達が次々とオーバーパーになってしまい、アンダーパーのプレーヤーはデシャンボー選手△5とウルフ選手△4の2人だけとなりましたから、サンデーバックナインは2選手による「マッチプレー」となりました。

 そして、そのマッチプレーにおいて、デシャンボー選手が押し気味にトーナメントを進めることとなったのです。

① 気迫・心持ち

 これだけ難易度の高いコースと戦う時、少しでも気後れしては、あっという間にスコアを崩してしまいます。それはもうあっという間です。
 最終ラウンドにおいては、3日目まで「落ち着き払っていた」ウルフ選手の「心の乱れ」が時折観られました。
 ショット後に視線を動かす機会が、明らかに増えたのです。

 「恐ろしいウイングドフット」を相手にしてのラウンドですから、ミスショットや不運とも感じられる結果が現れることは珍しくはありませんので、いちいち反応していては、心が疲れてしまいますし、尾を引くことにもなりかねません。

 この日のマシュー選手は、ショット後すぐにキャディを観て、「上手く行かなかった」という表情を見せていました。

 一方のデシャンボー選手は、大きな声でプレー解説をしたりして、いつものようにプレーしているように見えたのです。

 「心身の疲れ」が大影響を齎す全米オープンですので、この日のこの点では、デシャンボー選手の方が上であったのでしょう。

② ラフに入った時のライ

 ラフの厳しさ(ショットを曲げたプレーヤーに対して厳格に罰を与える考え方)で知られる全米オープン開催コースの中でも、オークモントC.C.と並んで最も厳しいラフとして知られているウイングドフットG.C.ですから、ショットを曲げてラフに打ち込んだ時には、プレーヤー達は皆天を仰ぎます。
 次には「ライがどうなっているのか」が気になることでしょう。

 ボールが見えない程の深いラフの中にも、ラフが濃いところと薄いところ、ラフの流れが打って行く方向に順じているのか、逆なのか、横なのか、によって、次のショットの難易度は全く違うからです。
 このレベル=世界最高峰の選手達ですから、「キチンと振れるライ」ならば、相当困難な状況でも熟すのです。

 3日目のプレー後のインタビューで、マシュー選手は「ラフでも打てる状況が多かった」とコメントしていました。
 全米オープンにおける最高の僥倖が続いたことになります。
 簡単に言えば「ツイていた」のでしょう。

 しかし最終日は、今度はデシャンボー選手がラフからしっかり打っていたことが多かったように観えました。

 もちろん、新型コロナウイルス禍の中で体を鍛え捲り、別人とも言われる程にマッチョな肉体を創り上げて来たデシャンボー選手ですから、そのパワーは計り知れませんので、普通のPGAツアートップクラスのプレーヤー(矛盾した表現ですが)であればとても打ち抜けない、ウイングドフットのラフであっても、デシャンボー選手だけは打って行けるケースもあったのでしょうが、それにしても、ラフからあれだけのショットを何度も打てるというのは、「恵まれたライ」が多かったのではないかと考えています。

 ライの良し悪しはまさに「運・不運」の領域でしょうし、ゴルフの神様の存在を感じさせるところですから、全米オープン2020の最終日は「デシャンボー選手の日」だったのです。

 バック9の最初のホール・10番パー3において、ウルフ選手はボギーを叩きました。
 これで、デシャンボー選手が5アンダー、ウルフ選手が3アンダーとなって、2打差が付いたのです。
 ウルフ選手の様子から「気持ちが切れかかっている」と感じました。

 そして11番・パー4。
 デシャンボー選手は、このホールをバーディとしました。素晴らしいプレーです。
 デシャンボー選手6アンダー、ウルフ選手3アンダーと3打差となって、私はこのホールで、全米オープン2020は決着したと観ています。

 13番・224ヤードのパー3。
 デシャンボー選手はこのホールを8番アイアンで打ちました。224ヤードを8番アイアンというのは・・・。全く想像もできない世界です。
 このホールでデシャンボー選手は3m強のパーセービングパットを残しましたが、これをきっちりと入れました。
 一打一打に落ち着きと自信が感じられるプレーでしょう。

 14番・パー4。
 ウルフ選手がボギーとしました。既に気持ちが切れているウルフ選手は、3日目と比較すれば「僅かに雑」なプレーが目立ちました。
 気持ちが切れている、少し違いますが別の言い方をすれば、「集中力が不足している」状態では、ウイングドフットには抗しえないのです。
 2アンダーに後退したウルフ選手、アンダーパーの世界に残れるのだろうかという心配が頭をもたげました。

 16番・パー4。
 ウルフ選手がダブルボギーを打って、ついにスコアがEイーブンパーとなってしまいました。
 気落ちしたプレーヤーに対して、ウイングドフットは容赦しないのです。

 トーナメントはこのまま幕を閉じました。
 デシャンボー選手6アンダーパー、ウルフ選手イーブンパーという結末でした。
 
 5アンダーでラウンドを開始したウルフ選手が、5打落としてのE、3アンダーでスタートしたデシャンボー選手が3打伸ばして6アンダー。
 デシャンボー選手は、全米オープン2020最終日の「唯一のアンダーパープレーヤー*」でした。おそらくは、これまでのゴルファー人生において「最高のラウンド」を示現したのでしょう。
 このタイミングで生涯最高を実現できるところに、デシャンボー選手の強さが現れていることは、言うまでもありません。
(*パープレーヤーは、ザック・ジョンソン選手を始めとして3名居ましたが、このレベルのプレーヤーが61名もトライして、57名がオーバーパーというのですから、全米オープン最終日のウイングドフットG.C.西コースの凄まじさがよく分かります)

 「ゴルフを科学する」と公言し、全てのアイアンクラブのシャフトの長さを7番アイアン(37.5インチ)に揃えるという、「常識を超えるゴルフ」で名を馳せて来たブライソン・デシャンボー選手(27歳)が、初めてメジャートーナメントを制しました。

 185cm・106㎏というマッチョな肉体をも擁するプレーヤーの、今後の活躍が本当に楽しみです。
 全米オープン2020=第120回大会は、9月17日~20日、ニューヨーク郊外のウイングドフットG.C.西コースを舞台に開催されます。

 新型コロナウイルス禍のために3ヵ月遅れの大会となりましたが、舞台は「ザ・USオープンコース」と呼んで良い、歴史と伝統を誇る、重厚な名門コースです。

 私の感覚=全米オープンのコースは「極めて難しい」、では、オークモント・カントリークラブとウイングドフット・ゴルフクラブが、最も全米オープンらしいコースなのです。
 ラフが深く、ラフに入れてしまえば「1打罰」と考えて良いほどのコース、そもそもテレビから流れる「絵」そのものが、重々しい感じ、挑戦するゴルファーに毅然と立ち向かうような雰囲気さえ与えるのです。

 ウイングドフットG.C.西コースにおいては、過去5度の全米オープンが開催されました。

① 1929年大会 優勝者はあのボビージョーンズです。「球聖」と呼ばれる伝説のプレーヤーが、ウイングドフットの全米オープンデビュー戦を制しています。

② 1959年大会 優勝者はビリー・キャスパー選手です。優勝スコアは2オーバーパー。キャスパー選手は、1966年のオリンピッククラブにおける全米オープンや1970年のマスターズ大会にも優勝した、名プレーヤーでした。

③ 1974年大会 優勝者はヘール・アーウィン選手です。優勝スコアは7オーバーパー。ヘール・アーウィン選手といえば「難コースに強い」ことで知られていました。この後、1979年と1990年の全米オープンも制覇していますが、メジャートーナメント制覇が、「全米オープンのみ・3度」というのが、アーウィン選手のゴルフを良く示す事実です。
 ちなみに、私の記憶に残るウイングドフットの全米オープンは、この1974年の大会からです。「何と難しいコースが存在するのだろう」と感じたことを、よく憶えていますし、「ブーツから羽が生えているようなマーク」、文字通りのウイングドフットですが、そのマークが記憶に残りました。

④ 1984年大会 優勝者はファジー・ゼラー選手です。優勝スコアは4アンダーパー。ウイングドフットでもアンダーパーが出るんだと、不思議な感じがしたものです。
 ゼラー選手は1979年のマスターズ大会にも勝っていて、メジャートーナメント2勝の名手でした。「葉巻を咥えながらラウンド」していて、豪放磊落なプレーヤーというイメージですが、そのためもあってか、米国民に大変人気があるプレーヤーでもあったと思います。
 この1984年大会では、4日間通算4アンダーで並んだ、グレッグ・ノーマン選手(オーストラリア)とゼラー選手がプレーオフを闘い、ゼラー選手が競り勝ちました。
 当時、長く「世界ランキング1位」に君臨していたノーマン選手ですが、メジャー大会には縁が薄く、残念ながら全米オープンやマスターズ、全米プロには勝てませんでした。(アメリカにおけるメジャー大会で2位が8回)

⑤ 2006年大会 優勝者はジェフ・オグルビー選手(オーストラリア)です。優勝スコアは5オーバーパー。1984年大会で「アンダーパーの優勝者」を生んだので、さすがのウイングドフットも「道具とボールの進歩」には抗しえないのかと感じていましたが、どうしてどうして、距離を伸ばしたことを主因に、再び「超難関コース」に変貌していました。
 この大会では、「悲願の全米オープン制覇」を目指したフィル・ミケルソン選手が最終日の18番ホールまで4オーバーパーでラウンドし、最終ホールをパーでクリアすれば優勝という状況でしたが、残念ながらこのホールをダブルボギーとして、オグルビー選手に逆転優勝を許してしまったのです。(ミケルソン選手は、全米オープンで2位が6度ありますが、まだ優勝していません)

 今回は、ウイングドフットG.C.西コースを舞台に開催された、過去5度の全米オープンをざっと観てきました。
 オーバーパーでの優勝も多く、また「劇的な幕切れ」も多い印象です。

 ウイングドフットG.C.を設計したのは、アルバート・ウォーレン・ティリングハースト氏(1876年~1942年)です。
 数多くのコース設計に携わったティリングハースト氏ですが、やはり全米オープン開催コースとして有名なバルタスロール・ゴルフクラブとウイングドフットが代表作なのではないかと、勝手に考えています。(ちなみに、1895年の第1回全米オープン大会の開催コース、ニューポート・カントリークラブもティリングハースト氏が改修設計しています)

 あの1980年大会、ジャック・ニクラウス選手と青木功選手の死闘(日本人プレーヤーが全米オープンタイトルに最接近した闘い)は、バルタスロールG.Cを舞台に繰り広げられました。この時の「箱庭のように美しく、しかしながら、とても難しいコース」が心に刻まれています。

 ウイングドフットもバルタスロールも、ニューヨーク近郊のコースです。ティリングハースト氏は、ニューヨーク近郊で数多くの素晴らしいコース、現在では「名門」と呼ばれる数多くのコースを手掛けているのです。
 ある意味では、「アメリカ合衆国のゴルフ史の一端を担った人物」と言っても良いのでしょう。
 ティリングハースト氏は、死後70年以上の後、2015年に世界ゴルフ殿堂入りしました。

 さて、2020年の全米オープンもオーバーパーの決着となるのか。(2020年の世界トップクラスのプレーヤー達とウイングフットG.C.の戦いです)

 いずれにしても、最終日・最終ホールまで目が離せない大会となることは、間違いありません。

 そして、6度目の開催となる「2020年大会のウイングドフットの『絵』」も、本当に楽しみです。
 9月4日~7日にかけて、ジョージア州イーストレイク・ゴルフクラブを舞台に開催された、PGAツアー2019~20シーズンの「フェデックスカップ」プレーオフ第3戦=最終戦、ツアーチャンピオンシップ大会byコカコーラは、ダスティン・ジョンソン選手が269打・21アンダーパーで優勝し、初の年間王者となりました。

 プレーオフ第1戦・ザ・ノーザントラスト大会で優勝し、第2戦・BMWチャンピオンシップ大会でプレーオフの末2位となって、最終戦にポイント1位で臨んだD.ジョンソン選手が、そのまま押し切ったという「堂々たる優勝・年間王者獲得」でした。

[ツアー選手権大会・最終結果]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 269打・21アンダーパー
2位タイ ジャスティン・トーマス選手 18アンダー
2位タイ ザンダー・シャウフェレ選手 18アンダー
4位 ジョン・ラーム選手 17アンダー
5位 スコッティ・シェフラー選手 14アンダー
6位 コリン・モリカワ選手 13アンダー

 本大会の最終日にD.ジョンソン選手に食い下がったのは、ジャスティン・トーマス選手とザンダー・シャウフェレ選手でした。
 最終日を2アンダーでラウンドしたジョンソン選手に対して、トーマス選手とシャウフェレ選手は4アンダーで回り、最後までジョンソン選手を脅かし続けたのです。

 しかし、ジョンソン選手は慌てることなく、トーマス選手、シャウフェレ選手との差を2~3打差で維持して、とても冷静なプレーを続けていたように感じられます。

 20勝以上の勝利を挙げながら、メジャー大会は2016年の全米オープンのみであり、メジャー大会の2位が目立つ存在、「精神面の弱さ」を指摘されることもあった存在でした。
 今大会でも、最終日の16番パー4のティーショットで、珍しくフィニッシュでクラブがぶれる動きを見せた時には、「プレッシャー」かと感じられましたが、その後のショット・フォームは、いつもの形・リズムを取り戻していたように観えました。

 大選手を相手に恐縮ですが、「一皮剥けた」のかもしれません。

 PGAツアー2019~20シーズンは、ダスティン・ジョンソン選手が年間王者となり終了しました。
 例年通りのイーストレイクG.C.における、しかし、新型コロナウイルス禍の中での「無観客」の表彰式が、印象的でした。

 そして、2020~21年シーズンが直ぐに始まります。

 9月10日~13日は、セーフウェイオープン大会が行われ、9月17日~20日には「全米オープン」が開催されるのです。
 これは、本来2019~20年シーズンに開催されるはずだった大会です。
 舞台は、ニューヨーク州のウィングドフット・ゴルフクラブ。
 「ザ・全米オープン開催コース」と呼んで良い「超」名門コースです。

 2020~21年シーズンには、2021年6月17日~20日にも全米オープンが開催されます。舞台は、カリフォルニア州のトーリーパインズ・ゴルフクラブ。こちらも名門です。

 PGAツアー2020~21年シーズンは、全米オープンやマスターズ(2020年11月12日~15日、および2021年4月8日~11日に予定されています)が「2度開催される」シーズンなのです。
 そして、東京オリンピック2021のゴルフ競技も行われます。

 ビッグトーナメントが目白押しの新シーズン、本当に楽しみです。
 「年間王者」を決めるためのプレーオフシリーズ第3戦=最終戦・ツアーチャンピオンシップ大会2020の2日目、前半が終了しました。
 大会日程は、9月4日~7日(金曜日から月曜日)の4日間、会場はいつものように、アメリカ合衆国・ジョージア州アトランタ近郊のイーストレイク・ゴルフクラブです。

 昨年の大会から、プレーオフ最終戦に臨む時点のポイント順位によって、あらかじめ10アンダーパー、8アンダーパー、7アンダーパーといった形で、トーナメント開始時点でハンディキャップを設け、目の前で行われているトーナメントのスコアにより優勝・順位が決まる形に変更されました。

[9月5日・2日目終了時点の順位]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 13アンダーパー(2日間3アンダー)
2位 イム・ソンジュ選手(韓国) 12アンダー(同8アンダー)
3位 サンダー・シャウフェレ選手 11アンダー(同8アンダー)
4位 ジャスティン・トーマス選手 10アンダー(同3アンダー)
5位タイ コリン・モリカワ選手 9アンダー(同4アンダー)
5位タイ ティレル・ハットン選手(イングランド) 9アンダー(同7アンダー)
5位タイ ジョン・ラーム選手(スペイン) 9アンダー(同1アンダー)

17位タイ 松山英樹選手 4アンダー(同イーブンパー)

 プレーオフ第2戦=BMW選手権大会を終えてポイントトップに立っていたD.ジョンソン選手が、2日間を戦って首位をキープしています。
 2日間で3アンダーは、爆発力を身上とするジョンソン選手としては「不本意」でしょうが、それても首位をキープしているところが、現在の好調さを示しているように感じます。

 ポイント2位の8アンダーからスタートしたジョン・ラーム選手は、1日目を65打・5アンダーとして、ジョンソン選手に並びました。BMW選手権大会で、ジョンソン選手をプレーオフの末に破り優勝した好調さを、最終戦にも持ち込んでいるように観えましたが、意外なことに2日目に失速、4オーバー・74打としてしまい5位タイに後退しました。

 イーストレイクG.C.は、PGAツアーのシーズン最終戦に使用されているコースですから、当然ながらとても良いコースであり、難易度も高いのですが、そうしたコースを相手にしても「爆発的なスコアを叩き出す」プレーヤーが「複数」登場するのが、世界最高のPGAツアーなのです。

 ツアー選手権2020の前半においても、イム・ソンジュ選手とザンダー・シャウフェレ選手が、2日間で8アンダー、ティレル・ハットン選手が2日間で7アンダーという、見事なラウンドを披露してくれました。
 一気の追い上げで、順位を大きく上げたのです。

 我らが松山選手は、1日目70打、2日目70打とイーブンパーの2ラウンドを重ね、スコアはスタート時の4アンダーのままです。
 初日が2バーディ・2ボギー、2日目が3バーディ・3ボギーと、スコアを伸ばせていないところは「歯痒い」ところですけれども、「パー」を重ねてのスコアというところに「可能性」、3日目以降の爆発の予感がします。
 ショットもパッティングも決して悪くは有りませんから、松山英樹選手の「追い上げ」が十分に期待できると思います。

 さて、ツアー選手権大会の優勝争い=年間王者争いですが、やはり、プレーオフ第1戦・ザ・ノーザントラスト大会の覇者にして、プレーオフ最終戦にポイントトップで臨んだダスティン・ジョンソン選手、プレーオフ第2戦・BMW選手権大会の覇者ジョン・ラーム選手、PGA2016~17シーズンの年間王者にして、プレーオフシリーズ開始前のポイントリーダーであったジャスティン・トーマス選手が、有力であろうと考えます。

 その他のプレーヤーであれば、PGA2015~16シーズンおよび18~19シーズンの2度の年間王者を誇るロリー・マキロイ選手(北アイルランド、2日目を終えて8位タイ・8アンダー)、今シーズン唯一のメジャー・全米プロ選手権大会を制したコリン・モリカワ選手、2018年のマスターズ大会チャンピオン・パトリック・リード選手、そして我らが松山英樹選手が有力だと思います。

 ツアーチャンピオンシップbyコカコーラ大会、3日目・4日目においては、何が起こっても不思議では無い、熾烈極まりない戦いが繰り広げられることでしょう。

 年間王者を決めるためのプレーオフシリーズに突入している、PGAツアー2019~20ですが、そのプレーオフ第2戦・BMWチャンピオンシップトーナメントで、松山英樹選手が見事な戦いを繰り広げました。

[8月27~30日・BMW選手権2020・オリンピアフィールズC.C.(イリノイ州)]
1位 ジョン・ラーム選手(スペイン) 276打 4アンダーパー
(プレーオフ1ホール目で決着)
2位 ダスティン・ジョンソン選手 4アンダー
3位タイ 松山英樹選手 2アンダー
3位タイ ホアキン・ニーマン選手(チリ) 2アンダー
5位 トニー・フィナウ選手 1アンダー

 出場プレーヤーから「全米オープン」レベルと評され、とても難しいセッティングであったオリンピアフィールズでの戦いでした。
 特にグリーンが硬く、ショットが直接グリーンヒットすると、そのままグリーンを出てしまうというシーンが何度も観られました。
 またラフも深く、大きな木々に囲まれた林間コースですから、僅かなショットのミスが1打の罰に結びついてしまう戦いとなったのです。

 そうした状況下、初日を3アンダーパーとして単独首位に立った松山選手は、トーナメントを通じて優勝争いを演じました。
 見事な戦い振りであったと感じます。

 3日目からは、「松山選手とダスティン・ジョンソン選手のマッチプレー」の様相を呈していた大会の4日目にも、その争いに絡んでくるプレーヤーが複数いるというのが、世界最高峰・PGAツアーの舞台なのでしょう。
 今回は、ホアキン・ニーマン選手とジョン・ラーム選手とトニー・フィナウ選手でした。

 これらの選手たちの追い上げに対して、ジョンソン選手は最後まで抵抗しました。
 プレーオフ第1戦のノーザントラスト大会を制し、プレーオフ2週連続を目指しての戦いでした。

 松山選手は、最終日の前半9ホールまで、良く食い下がりましたが、サンデーバック9においては、僅かに爆発力に欠けた感じがします。
 最終日11番パー4のアプローチショットが1m弱ショートし、バンカーに突き刺さってしまったことと、15番パー5のイーグルパットを決められなかったことが、本当に惜しまれます。距離のあるパッティングでしたが、「勝つ時はロングパットが決まる」、別の言い方をすれば、「ロングパットを決められなければビッグトーナメント制覇は覚束ない」のでしょう。
 この大会の3位タイを踏まえて、通算ランキング10位でプレーオフ最終戦・ツアーチャンピオンシップ大会に進出(7年連続!素晴らしい)する松山選手の、大活躍に期待したいと思います。

 優勝したジョン・ラーム選手は、2つの驚異的なパッティングを決めました。
① 最終日16番パー3の8m位のバーディパット
→15番パー4をバーディとしていたラーム選手が、連続バーディとして、一気に2位に2打差を付けたパッティングでした。
② プレーオフ最初のホールにおける15m位のバーディパット。
→ダスティン・ジョンソン選手が内側・より近いところに付けていた状況下、下りの大きなスライスラインの難しいパッティングであり、「2パット」でホールアウトするのも容易ではないと観られていましたが、ラーム選手はこれを真ん中から決めて魅せたのです。
 この後、6m位を狙ったジョンソン選手のパットは惜しくも右に外れました。

 そもそも、3アンダーで最終日18番ホールに向かったジョンソン選手が10m以上の「驚異的なパット」を決めて、プレーオフに持ち込んだ形ですから、驚異的なパッティングの数が「2つ」のラーム選手が、「1つ」のジョンソン選手を破ったようにさえ観える幕切れでしょう。

 BMW選手権大会がオリンピアフィールズC.C.(ノースコース)で開催されるのは1971年以来と報じられました。
 全米オープン大会にも2度使用されている名コースです。

 2003年の全米オープンでは、ジム・フューリック選手が優勝していますが、本当に久しぶりに「オリンピアフィールズの絵」を魅せていただきました。
 
 良いコースと良いプレーヤーのトーナメントは、本当に面白いものなのです。

 小樽カントリークラブを舞台に、8月27~30日開催された第11回ニトリレディスゴルフトーナメントは、笹生優花選手が制しました。
 19歳の笹生選手は2週連続優勝であり、プロデビュー後3戦2勝となりました。

[8月27~30日・小樽C.C.]
1位 笹生優花選手 275打 13アンダーパー
2位 小祝さくら選手 11アンダー
3位タイ 三ケ島かな選手 3アンダー
3位タイ 李知姫選手 3アンダー
3位タイ 濱田茉優選手 3アンダー

 女子トーナメントでは少ない4日間大会でしたが、3日目からは笹生選手と小祝選手の一騎打ちとなりました。
 
 雨が降りしきる北海道・小樽の地、相当寒い気候であったと思いますが、両選手は一歩も引かぬ見事なプレーを展開しました。
 圧倒的な飛距離を武器に押し続ける笹生選手に対して、小祝選手は正確なショットで応酬しました。見応え十分な戦いでした。
 小祝選手も、手ごたえ十分なプレーを展開していたのです。

 勝敗を分けたのは、最終日12番パー3であったと思います。
 2人共ティーショットでグリーンを捕えることが出来ず、アプローチ勝負となりました。ピンまでの距離は笹生選手の方が遠かったので、まず笹生選手がショットしました。
 低い球出しから転がしで寄せるアプローチ。
 これが直接カップインしました。
 素晴らしいチップインバーディでした。

 続いて小祝選手がショットしましたが、これは高い球で攻め、残念ながら寄りませんでした。

 1打差で競り合っていた2プレーヤーの差が開いたホールとなり、この後、出入りがありましたが、2人は「2打差」でホールアウトしました。

 テレビ解説の樋口久子氏が「(笹生選手は)次元の違うゴルフをする」とコメントしていましたが、250ヤードを遥かに超えるドライバーショット、200ヤードを正確に狙って行けるアイアンショットと、とても上手なパッティングを具備している笹生選手のゴルフは、大袈裟に言えば「日本の女子ゴルフを変える」もののように感じられます。

 丁度2000年前後に、タイガー・ウッズ選手がPGAツアーに新時代を齎した時の衝撃に似ています。

 当面の間、笹生選手が出場する大会は、笹生選手が普通に自分のプレーをすれば笹生選手が優勝し、笹生選手の調子が悪い時には、他の好調な選手が勝つという展開になるのではないか、とさえ思わせる「強さ」でした。

 今シーズンのPGAツアーの締め括りとなるプレーオフシリーズの初戦、ザ・ノーザントラスト大会が、8月20日~23日、TPCボストン(マサチューセッツ州)を舞台に開催され、ダスティン・ジョンソン選手が2位に11打差を付けて、独走での優勝を飾りました。

 3日目を終えて、2位に5打差を付けてトップに立っていたジョンソン選手は、最終日の前半、2番パー5でイーグル、4・5・7・8番ホールをバーディとして、一気に6打スコアを縮め、2位との差を大きく広げて、悠々と勝ち切りました。
 この大会の第2日目には、前半を27打・9アンダーとするなど、TPCボストンの1~9番を完全に制覇する、凄まじいラウンドを示現して魅せたのです。

[ザ・ノーザントラスト2020の最終順位]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 254打 30アンダーパー
2位 ハリス・イングリッシュ選手 19アンダー
3位 ダニエル・バーガー選手 18アンダー
4位 スコッティ・シェフラー選手 17アンダー
4位タイ ケビン・キズナー選手 17アンダー
6位 ウェブ・シンプソン選手 16アンダー
6位タイ ジョン・ラーム選手(スペイン) 16アンダー

 圧倒的な飛距離とアイアン技術の高さから、世界ランキング1位にも相当期間居たことが有るダスティン・ジョンソン選手ですが、メジャートーナメントは1勝しかしていないこともあって、「最終日に弱い」という精神面を指摘する声もありますが、今大会は、圧倒的な強さで押し切りました。

 PGAツアーのトーナメントとなれば「1打が重く」、大差で優勝できるプレーヤーは、タイガー・ウッズ選手やロリー・マキロイ選手といった、頭抜けた力を保持するプレーヤーに限られています。
 そうした中での、プレーオフ大会における「11打差」は、通算22勝を誇るジョンソン選手としても「会心の勝利」でしょう。

 プロゴルファー、それも世界トップクラスのプロゴルファーしか成し得ない「超絶ショット」の連続は、世界中のゴルフファンを魅了するものであったと思います。

 この勝利で、今期のフェデックスカップポイント争いのトップに立った、ダスティン・ジョンソン選手の活躍が期待されるところです。

 さて、ポイント上位125位までのプレーヤーにーが出場した、プレーオフ第1戦が終了しました。

 我らが松山英樹選手は、ザ・ノーザントラスト大会を10アンダー・29位タイでクリアし、フェデックスカップポイント順位を18位として、プレーオフ第2戦に進出しました。

 プレーオフ第2戦・BMWチャンピオンシップ大会は、8月27日~30日、オリンピアフィールズ・カントリー・クラブ・ノースコース(イリノイ州)で開催されます。
 出場資格は、ポイント上位70位までのプレーヤーです。

 そして、BMW選手権を終えて、ポイント上位30位以内のプレーヤーが、プレーオフ最終戦、ツアーチャンピオンシップ大会(9月4日~7日、イーストレイク・ゴルフクラブ(ジョージア州))に出場できるのです。
 ツアー選手権大会への出場は、世界の「トッププロゴルファーの証」に他なりません。

 松山選手の7年連続のツアー選手権大会への出場が、大いに期待されるところです。

 最終日を3位でスタートした笹生優花選手が、この日9アンダー・63打の好スコアでラウンド、トータル16アンダーで快勝しました。
 19歳の笹生選手は、日本国内ツアーデビュー2戦目での優勝でした。

[8月14日~16日・軽井沢72ゴルフ北コース]
1位 笹生優花選手 220打・16アンダーパー
2位 若林舞衣子選手 12アンダー
2位タイ 藤田さいき選手 12アンダー
4位 有村智恵選手 11アンダー
5位 西郷真央選手 10アンダー

 最終ラウンドの笹生選手はパッティングが良く決まりました。3~6m位のパットがどんどん入ったのです。そして、パー5の第2打・195ヤードのショットがグリーンヒットし、この3mのイーグルパットを捻じ込むなどスコアを伸ばしました。ショットの飛距離も十分なのです。
 2位に4打差を付けての快勝は、笹生選手の潜在能力の高さを示しています。

 日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生を受けた笹生選手は、14歳の頃からゴルフで活躍し、2018年アジア大会の個人戦で優勝し一躍日本にも知られる存在となりました。
 2019年には日本のプロテストに合格し、新型コロナウイルス禍の中でツアーのトーナメントが激減する状況下、今回の優勝を勝ち取った形です。
 ジャンボこと尾崎将司選手に師事していると報じられています。

 「飛んでパッティングも上手い」となれば、まさに女性版ジャンボ尾崎ということになりますから、今後の活躍が大いに期待されるところです。

 それにしても、日本女子ゴルフ陣は本当に強力です。
 素晴らしいプレーヤーが次々と生まれてくるのですから。

 日本女子ゴルフは、今後の世界ゴルフ界を牽引する存在なのでしょう。

 サンデーバックナインに入って、トップタイの10アンダーパーに、一時は7名が並ぶ大接戦となりました。
 さすがはPGAツアー、さすがはメジャートーナメント、と感じましたが、それにしても「トップタイに7プレーヤー」というのは、観た記憶が無い程の競り合い。
 その競り合いから抜け出したのは、2019年にデビューしたばかりの23歳の新鋭、アメリカのコリン・モリカワ選手でした。

[8月9日・通算成績・TPCハーディングパーク(カリフォルニア州・サンフランシスコ)]
1位 コリン・モリカワ選手 267打 13アンダーパー
2位タイ ダスティン・ジョンソン選手 11アンダー
2位タイ ポール・ケーシー選手(イングランド) 11アンダー
4位タイ スコッティ・シャフラー選手 10アンダー
4位タイ ジェイソン・デイ選手(オーストラリア) 10アンダー
4位タイ トニー・フィナウ選手 10アンダー
4位タイ ブライソン・デシャンボー選手 10アンダー
4位タイ マシュー・ウルフ選手 10アンダー

 どこから誰が抜け出すのか、全く予想が付かない展開の中、コリン・モリカワ選手は「2つのミラクルショット」を魅せてくれました。

① 14番ホール・パー4の第3打をチップインバーディ。

 第2打を打って、グリーンに相当距離を残した第3打でした。砲台気味に観えるグリーンでしたから、モリカワ選手は高く打ち上げるアプローチショット。これがグリーンを捉えてホールに向かって転がり、そのまま入りました。

 大ピンチからのミラクルショット。

 アプローチショットが「寄らず入らず」のボギーの可能性が十分にあった状況でしたから、これは本当に大きな一打でした。
 メジャータイトルをグイッと引き寄せたスーパーショットだったのです。

 テレビ解説の丸山茂樹プロは「何か持ってるな」とコメントしました。

② 16番ホール・パー4のワンオン・イーグル

 16番ホールは294ヤード、距離の無いパー4でした。この大会に出場する選手ならば、大半の選手が「ワンオン」可能な距離ですし、我らが松山茂樹選手も4日間通してワンオンを狙って行ったと思います。

 しかし、メジャートーナメントの距離の無いパー4となれば、いくつものトラップが仕掛けられているのは当然のことでしょう。なかなかワンオンには成功できないのです。

 体格面では決して大きくは無く、所謂「飛ばし屋」では無いモリカワ選手にとっては、自らの1番ウッドの飛距離に合った距離のパー4でしたから、しっかりと打って行った最終日のティーショットは、トラップの間を縫ってグリーンヒット、転がったボールは、カップ手前2.5mに止まりました。

 スーパーショット!

 ラインも「ほぼ真っ直ぐ」の良い位置でしたから、慎重に読んだモリカワ選手は、このパッティングを綺麗に決めました。(僅かにスライスしてからストレートのラインでした)

 凄まじい競り合いの中でのイーグルは、「勝負を決めた」のです。
 この状況下、まさにミラクルなイーグルはコリン・モリカワ選手の「星の強さ」を感じさせると言えば、少し大袈裟でしょうか。

 本大会は、PGA2019~20シーズン唯一のメジャートーナメントですから、現在の世界ゴルフ界を代表するプレーヤーが集結しました。
 そして、サンデーバック9においては、ジャスティン・ジョンソン選手、ジェイソン・デイ選手、トニー・フィナウ選手といった現在のPGAを代表するプレーヤーと、コリン・モリカワ選手、スコッティ・シャフラー選手、マシュー・ウルフ選手といった、デビューしたばかりの「新世代」の争いとなったのです。
 そして、「新世代」のモリカワ選手が優勝を捥ぎ取りました。

 23歳のモリカワ選手は、2019年にデビューし、既にPGAツアーで2勝を挙げていました。メジャーは、2019年の全米オープン以来の2戦目、全米プロは初出場でしたが、これを制したのです。
 「23歳でのメジャー制覇」は、ジャック・ニクラウス選手、タイガー・ウッズ選手、ロリー・マキロイ選手に続いて、史上4人目の快挙でもありました。

 日系アメリカ人で、カリフォルニア大学バークレー校出身のコリン・モリカワ選手は、「優れたショットメーカー」でしょう。力みの無いフォームから、とても正確で美しいショットが生れます。その精神面、極めて冷静なプレーも印象的です。この大会において、唯一「(メジャー制覇への)プレッシャーの存在」を感じさせたのは、最終日18番・パー4の第2打でしょうか。珍しく左に引っ張ったように観えました。下半身の動きが少し悪かったのかもしれません。
 しかし、このショットとて、スイング中に修正して、そのミスを最小限に抑えていたように観えました。(ピン位置と反対側のリスクが低いと考えられる)グリーン右サイドを狙ったであろうショットは、ピン奥4mをヒットしたのです。

 さて、モリカワ選手を始めとする「新世代」の選手達は、アマチュア時代の輝かしい経歴から「黄金世代」と呼ばれることもあります。
 これらの「若き精鋭」達は、今後のPGA、世界ゴルフ界を牽引する存在となるかもしれません。
 その活躍が大いに期待されるのです。

 我らが松山英樹選手は、4アンダー・22位タイで大会を終えました。
 1日目のラウンドを観て、決して調子は悪くないと感じましたし、実際、次第にスコアを伸ばすラウンドを披露していましたから、3日目の午前中に2バーディを奪い「トップと2打差」に迫った時には、最終日の競り合いへの参加が期待されました。
 その「慎重なプレー振り」が、好調時を彷彿とさせたのです。

 その松山選手にとって惜しまれるのは、3日目の13番・14番の連続ボギーでしょう。
 12番~14番は、このコースでも最も難しいホールの連続ですから、止むを得ないという見方もあるのでしょうが、「メジャータイトル挑戦に向けての最終日午後の競り合いへの参加資格」を得るためには、どうしてもクリアしなければならなかったところでしょう。

 注目のタイガー・ウッズ選手は、1アンダー・37位タイでトーナメントを終えました。
 ところどころに、見所十分なプレーを魅せるのですけれども、「タイガーチャージ」を観ることは出来ませんでした。
 長袖の服を身に付けてのプレーが多かったので、「寒さ」が影響したのかもしれません。

 新型コロナウイルス禍の中の異例づくめの全米プロゴルフ選手権2020は、「新時代の到来」を予感させる大会でした。

 今シーズン唯一のメジャートーナメント、全米プロゴルフ選手権2020(第102回)が開幕しました。

 全英オープン2020が中止となり、マスターズ大会2020と全米オープン大会2020が今秋に開催時期が変更になったために、PGAツアー2019~20シーズンのメジャー大会は全米プロ2020のみとなったのです。
 
 当然のことながら、現在の世界のトップゴルファーが一堂に集う、極めて高いフィールドの大会となりました。
 その出場メンバーを観るだけでも嬉しくなってしまうトーナメントなのです。

[8月6日・大会1日目・TPCハーディングパーク(7,234ヤード・パー70)]
1位 ジェイソン・デイ選手(オーストラリア) 65打・5アンダーパー
1位タイ ブレンドン・トッド選手
3位 バド・コーリー選手 4アンダー
3位タイ ブレンダン・スティール選手
3位タイ マイケルロレンゾ・ベラ選手(フランス)
3位タイ スコッティー・シェフラー選手
3位タイ マーティン・カイマー選手(ドイツ)
3位タイ ザンダー・シャウフェレ選手
3位タイ ブルックス・ケプカ選手
3位タイ ジャスティン・ローズ選手(イングランド)

20位タイ タイガー・ウッズ選手 2アンダー

48位タイ 松山英樹選手(日本) イーブンパー

90位タイ 石川遼選手(日本) 2オーバー

 1日目のトップは、ブレンドン・トッド選手とジェイソン・デイ選手が△5で並びました。
 そして、「1打差に10選手」という、いかにもPGAツアーという形で上位が犇めきあっています。
 「1打の重み」という言葉がありますが、それは、世界最高のゴルフツアーPGAにおいて、最も良く分かることなのです。PGAツアーにおいては、例えば30cmのパッティングをうっかり外してしまったり、罰打を受けてしまったりしていては、勝利は到底覚束ないのです。

 タイガー・ウッズ選手も出場し、初日は20位タイという「絶好の位置」につけました。
 さすが、という感じがします。

 日本からは、松山選手と石川選手が出状していますが、両選手とも、1日目は出遅れました。
 松山選手は2バーディ・2ボギーのイーブンでしたが、その2バーディは共にチップインバーディでした。放送を見る限り、パッティングの調子は決して悪くないと思いますので、2日目以降の巻き返しが十分に期待できます。
 久しぶりにPGAツアー・メジャー大会に臨む石川選手の活躍にも期待です。

 この他にも、12位タイ(3アンダー)にトニー・フィナウ選手、20位タイにアダム・スコット選手(オーストラリア)、ブライソン・デシャンボー選手、33位タイ(1アンダー)にジャスティン・ジョンソン選手、48位タイにジョン・ラーム選手(スペイン)、ロリー・マキロイ選手(北アイルランド)、68位タイ(1オーバー)にジャスティン・トーマス選手、90位タイにフィル・ミケルソン選手、109位タイ(3オーバー)にリッキー・ファウラー選手、ジョーダン・スピース選手、等々、注目プレーヤーが目白押しなのです。

 2日目以降の戦いが、本当に楽しみです。

 それにしても、会場のTPCハーディングパークの「絵」が、とても印象的です。
 メジャートーナメントで使用されるのは初めてではないかと思いますが、「絵」の中核をなしている「糸杉」が、良く効いていて、コースのアイデンティティとなっています。

 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに存するコースですが、コース全体に配されているアンジュレーションというか、「平らなところが殆ど無い」造作が、アメリカンコースのひとつの典型でしょう。
 フェアウェイの芝の色や、高速でありながら登りならばしっかり止まるグリーンなど、メジャートーナメントのコースの「格」をも感じさせるコースでしょう。

 「この雰囲気は別のコースでも・・・」と感じ、調べてみたところ、あの「ザ・オリンピック・クラブ」(全米オープン開催5度を誇る名門・難関コース)と同じ、サム・ホワイティング氏の設計とのこと。
 また、2つのコースは近隣に存するとのことですので、いくつかの理由により似ているのかもしれません。

 久しぶりのメジャートーナメントを、思い切り楽しみましょう。

 PGAツアー2019~20年シーズンの、再開後第3戦、トラベラーズ選手権大会は、ダスティン・ジョンソン選手が優勝しました。

[6月28日~28日・TPCリバーハイランズ(コネチカット州)]
1位 ダスティン・ジョンソン選手 261打 19アンダーパー
2位 ケビン・ストリールマン選手 18アンダー
3位 マッケンジー・ヒューズ選手(カナダ) 17アンダー
3位タイ ウィル・ゴードン選手 17ンダー
5位 ケビン・ナ選手 16アンダー

 再開後、鳴りを潜めていた?ダスティン・ジョンソン選手が「3日目に爆発」、その勢いで最終日も押し切り、今シーズン初優勝、PGAツアー13年連続・21勝目を挙げました。
 現在のPGAツアーにおける最強プレーヤーのひとりが、目を覚ましたというところでしょうか。

 3日目は「9バーディ・ノーボギー」の61、キャリア最少スコアのラウンドを示現し、一気に2位に浮上しました。

 9バーディ・ノーボギーというのは凄いラウンドですが、同じスコア・内容でラウンドしたプレーヤーがもうひとり居た、というところが、いかにもPGAツアーらしいところです。選手層が圧倒的に厚いのです。
 それは、ブランドン・トッド選手でした。
 トッド選手はこのラウンドにより3日目を終えてトップに立ちました。
 今シーズン既に2勝を挙げている好調さを示したのです。

 ところが、トッド選手は最終ラウンドで75と大叩きを演じてしまい、11位タイまで順位を下げてしまいました。
 前日61打で回ったコースを、同じプレーヤーが翌日75を打つのです。
 ゴルフ競技において時折眼にする状況ですけれども、何度観ても本当に不思議なことです。

 歴史と伝統を誇るトラベラーズ・チャンピオンシップ大会ですが、開催コースであるTPCリバーアイランズも、とても特徴があると感じます。
 距離が短く、深い林に囲まれているホールと、大きな池に面しているホールが連なり、大きな砲台グリーンが随所に観られ、ティーインググラウンドが段々になっている、というと、日本で良く観られるコースの様です。
 もちろん、随所にトラップが仕込まれ、とても難易度が高くなっているのですけれども、PGAツアー開催コースの中では、「最も日本的なコース」なのではないかと感じます。

 それが、TPCソーグラスなどの最もアメリカ的なコース設計で知られる、有名なピート・ダイ氏の設計というのですから、ダイ氏の多彩な視点に感心させられるばかり。

 池の中など随所に配された、トレードマークの大きな「赤い傘」が、いつも印象的なトーナメントなのです。

[RBCヘリテージ大会・6月18日~21日・ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)]
1位 ウェブ・シンプソン選手 262打・22アンダーパー
2位 アブラム・アンセル選手(メキシコ) 21アンダー
3位タイ ティレル・ハットン選手(イングランド) 20アンダー
3位タイ ダニエル・バーガー選手 20アンダー

 PGAツアー再開後の第2戦、RBCヘリテージトーナメントは、アメリカのウェブ・シンプソン選手がサンデーバック9の猛チャージによって逆転勝ちを収めました。
 最終ラウンドの7アンダーも見事ですが、何より、12番・13番・15番・16番・17番と、バック9における5つのバーディーが素晴らしい。
 今季2勝目となるシンプソン選手ですが、34歳と「脂の乗り切ったシーズン」を迎えていますから、今後の活躍が本当に楽しみです。

 林、池というハザードを巧みに配したコース(ピート・ダイ氏の設計)ですから、まずフェアウェイキープが求められる戦いでしたけれども、シンプソン選手の巧みなコースマネジメントが印象的でした。

 そうした中で、ベテランプレーヤーの戦い振りも眼に付きました。

 まずは、ベルンハルト・ランガー選手(ドイツ)です。
 62歳になったランガー選手は、既にPGAグランドチャンピオンズツアーの一員なのですが、一般?のPGAツアーにも敢然と挑戦しています。
 この大会でも、予選を通過し、4日間通算8アンダーの58位タイでホールアウトしました。
 1985年と1993年のマスターズトーナメントを制し、世界中で40勝以上の優勝を飾っている名選手ですが、余程「ゴルフトーナメントが好き」なのでしょうか。60歳を過ぎても、若手のプレーヤー達を相手に、一歩も引かぬプレーを披露しているのです。

 続いては、アーニー・エルス選手(南アフリカ)です。
 50歳になったエルス選手は、PGAチャンピオンズツアーにも参加していますが、やはり一般の?PGAツアーにも挑んでいます。
 この大会でも予選を通過し、4日間通算10アンダー、48位タイでホールアウトしました。
 1994年と1997年の全米オープン、2002年と2012年の全英オープンと、メジャーを4勝している名プレーヤーは、まだまだメジャートーナメントへの夢を持ち続けているように観えます。

 最後は、ビジェイ・シン選手(フィジー)です。
 57歳となったシン選手は、この大会は惜しくも予選落ち(2日間通算1アンダー)でした。
 2000年のマスターズと1998年・2004年の全米プロのメジャー3勝を誇る名ゴルファーです。
 もともと「練習の虫」として知られていますが、その「ゴルフ好き」は不変なのでしょう。
 今後もPGAツアーへの挑戦が続くと思います。

 こうした素晴らしいベテランプレーヤー達が、まだまだ頑張っているのです。

 そして、こうしたベテランプレーヤー達の活躍が、新型コロナウイルス禍からのゴルフ界の復興にとって、とても重要な役割を果たすのではないかと感じています。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していた、アメリカPGAツアー2019~20年シーズンが、6月11日再開しました。
 待ちに待った「再開」です。
 
[6月11日~14日・チャールズシュワブチャレンジ大会・コロニアルCC(テキサス州)]
1位 ダニエル・バーガー選手(アメリカ) 265打・15アンダーパー
2位 コリン・モリカワ選手(アメリカ) 15アンダー・プレーオフ1ホール目で敗退
3位タイ ザンダー・シャウフェレ選手(アメリカ) 14アンダー
3位タイ ブライソン・デシャンボー選手(アメリカ) 14アンダー
3位タイ ジャスティン・ローズ選手(イングランド) 14アンダー
3位タイ ジェイソン・コクラック選手(アメリカ) 14アンダー

 テキサス州の名門コロニアル・カントリークラブを舞台に行われたトーナメントは、PGAツアーらしい大接戦となりました。
 1打差・2打差に数多くのプレーヤーが犇めき、1ホール毎に一喜一憂する展開が続いたのです。

 そうした中で最も安定したプレーを続けていたザンダー・シャウフェレ選手でしたが、サンデーバック9に入ってから2つのボギーを打ってしまい、コリン・モリカワ選手とダニエル・バーガー選手に逆転を許してしまいます。

 3日目までトーナメントを引っ張った、ジャスティン・ローズ選手やブライソン・デシャンボー選手も、最終日の後半、良く追い上げましたが、惜しくも1打届かなかったのです。

 トーナメントは、再開初戦からプレーオフに入り、1ホール目の17番・パー4でモリカワ選手が1m余のパーパットを外して、バーガー選手の優勝が決まりました。
 PGAツアー3勝目の見事な勝利でした。
 
 「無観客」で行われたトーナメントは、当然ながら、グッドショットに対する大歓声も無く、近隣の住宅地から観えるホールで、小さな歓声が起こるだけの大会となりました。

 アメリカというか、世界ゴルフ史上屈指の名手ベン・ホーガン選手に因んで「ホーガンの庭」と呼ばれた名コースは、容易にスコアを伸ばすことを許さず、特に、最終日はテキサス特有の強風が選手達を悩ませました。

 3ヵ月振り(91日振り)のトーナメントは、プレーの様子、選手たちの様子にも、やはり影響を与えていたようです。
 デシャンボー選手は、随分と立派な体格に変わっていました。とても科学的というか、「ゴルフ競技に科学的に取り組もうとする」プレーヤーですから、この3か月の間に、自らの体躯の弱点を補うトレーニングに勤しんでいたのでしょう。

 全般的なショットについては「飛び過ぎ」が多かったように感じます。
 そして、コロニアルCCは、グリーン奥からの「寄せ」はとても難しいのです。
 多くのプレーヤーの「飛び過ぎ」は、試合から遠ざかっていた期間が長かったことを表しているのでしょう。

 好天に恵まれた大会でした。真っ青な空が広がっていました。
 とても美しい光景です。
 
 将棋の棋聖戦やNHK杯、京都フィルハーモニー室内管弦合奏団の演奏会、各地の遊園地、等々の再開が続いています。

 ようやく、新型コロナウイルス感染が続いている中での、「新しい」日常生活がスタートしつつあるのです。

 PGAツアー再開は、世界ゴルフ界「再スタート」の象徴なのでしょう。

 世界規模の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、スポーツイベントにも大きな影響が出ていて、毎日のように様々な情報に接します。

 ゴルフの4大メジャートーナメントも、もちろん、例外ではありません。

 現在までの情報では、まず全英オープン大会の中止が決まりました。
 1945年以来75年振りの中止。

 先日のテニス・全英オープン=ウインブルドン大会の中止に続くものです。
 2020年春夏は、イギリスにおいて開催予定であった2つのメジャー大会が、第2次世界大戦以降初めて中止になったのです。
 信じられないような事態です。

 続いては、4月に開催が予定されていたマスターズ大会の延期です。
 「マスターズ」が4月に行われることは、定着していたというか、本格的なゴルフシーズン到来を告げる、季節のイベントとして「固定」されていたものでしょうが、これが11月12日~15日に延期となりました。
 オーガスタナショナルG.C.において、4月ならばアゼリアを始めとする春の花々に囲まれた「華やかなトーナメント」が、2020年秋にはどのような「絵」になるのか、これは、楽しみに待ちたいと思います。

 続いては、5月に開催が予定されていた全米プロ選手権大会が、8月6日~9日に延期となりました。
 もともと、東京オリンピック2020との関係で、開催時期が変更されていたものですが、これが8月に戻ったというか、再変更になったのです。
 初の開催となるTPCハーディングパークでのプレーがとても楽しみですが、8月上旬となると、本当に開催できるのか心配になるのが、本当に残念なところです。

 最後は、6月に開催予定であった全米オープン大会が、9月17日~20日に延期となりました。
 秋の全米オープンというのも、なかなか観られないものです。
 2006年以来6度目の開催となる、名門ウイングドフットG.C.の「伝統のラフ」は、秋になるとどのような威力を発揮するのでしょうか。
 本当に楽しみです。

 こうした「大変更」が4月の上旬に決まったことは、対応のスピードとして、大変素晴らしいことだと感じます。
 関係者各位のご努力に、大きな拍手を送りたいと思います。

 そして、こうした「大変更」が行われた限りは、是非開催していただき、スーパープレーヤー達の世界最高のプレーを魅せていただきたいと思います。

[2月13日~16日・カリフォルニア州リビエラCC]
1位 アダム・スコット選手 4日間通算273打 11アンダーパー
2位タイ マット・クーチャー選手 同275打 9アンダー
2位タイ カン・スン選手 9アンダー
2位タイ スコット・ブラウン選手 9アンダー
5位タイ 松山英樹選手 276打 8アンダー
5位タイ ロリー・マキロイ選手 8アンダー
5位タイ ジョエル・ダーメン選手 8アンダー
5位タイ マックス・ホマ選手 8アンダー
5位タイ ブライソン・デシャンボー選手 8アンダー

 3日目に「64打・7アンダー」を叩き出し、一気に通算6アンダー・11位タイに追い上げてきた松山選手の、最終日のプレーが注目されましたが、5バーディ・3ボギーのプレーでスコアを2打のばしたものの、惜しくも5位タイに終わりました。

 ショット・パット共に好調だった3日目のプレーであれば、「大逆転優勝も」と感じたのですが、残念な結果でした。

 ジェネシス・インビテーショナル・トーナメント最終4日目のリビエラ・カントリークラブCCのグリーンは、とても固く締まり、速かったと報じられています。
 この「戦略性が極めて高いコース」において、グリーンが速くなれば、どのようなプレーヤーでもスコアを大きく伸ばすことは難しくなります。
 従って、上位の選手達もなかなかスコアを伸ばすことが出来ず、10アンダーのトップタイで最終ラウンドに臨んだ中で、唯一スコアを伸ばした(1打)アダム・スコット選手が、PGAツアー4年振りの優勝に輝きました。
 松山選手にとって惜しまれるのは、14番から17番の4ホールでしょう。ボギー、バーディ、ボギー、バーディと続いた4ホールでしたが、この2ボギーを抑え込めていたら、と感じます。もちろん、ゴルフに「たら」は無いのですけれども・・・。

 いつ観ても、リビエラCCは素晴らしいコースです。
 距離こそ、最近のコースの中では長い方ではありませんが、その「戦略性の高さ」は全米でも屈指でしょう。
 1926年開場の歴史と伝統が、コースの隅々にまで感じられる名コースだと思います。

 それにしても、2位タイが3人、5位タイが5人という、いかにも「PGAツアーらしい」リーダーボードです。
 世界最高峰のフィールドには、世界最高レベルのプレーヤーが犇めきあっているのです。

 PGAツアーにおける「1打の重み」を、改めて感じさせるトーナメントでした。

 2月9日朝のNHK・BS-1放送、PGAツアー・ペブルビーチプロアマトーナメントに、楽しい映像が流れました。
 ペイトン・マニング氏とイーライ・マニング氏の兄弟が同組でラウンドしていたのです。

 ペブルビーチプロアマ大会は、PGAツアーのプロ選手と各界の著名人がペアになってラウンドし、プロ選手の成績およびペアの成績を競うトーナメントです。

 その各界の著名人として、NFLのスーパースター、ペイトン・マニング氏とイーライ・マニング氏が出場し、この日(3日目)は同組でプレーしたということです。

 オフィシャルハンディキャップは、ペイトン氏が「8」、イーライ氏が「10」と報じられていましたが、お二人ともとても上手くて力強いプレーを披露していました。
 そして、ラウンドの最中には二人そろってインタビューにも応じていました。
 何だか、凄い「絵」なのですが、2015年に引退し、現在43歳のペイトン氏より、つい先日引退を表明したイーライ氏(39歳)の方が、やはり筋肉量が多く、やや大きく見えました。身長は両氏ともに196cm前後なのですが・・・。

 両氏ともに、とても楽しそうに、ペブルビーチゴルフリンクスをラウンドしていたのが印象的でした。

 ペブルビーチプロアマ大会は、1940年代から続く、歴史と伝統を誇る大会です。
 これまでも、沢山の著名人がプレーし、何時の時代も豊富な話題を提供して来ました。
 とても厳しいPGAツアーのトーナメントの中では「異色」の存在ですが、こうしたレギュレーションの大会が、プロアマ大会としてなら1937年から80年以上続いているというのが、いかにもアメリカ合衆国という感じです。

 今年の大会も、政界、芸能界、等々多彩なメンバーが揃って居ました。

 NFL関係者で観ると、マニング兄弟を始めとして、現役ならばアーロン・ロジャース選手やラリー・フィッツジェラルド選手(フィッツジェラルド選手は毎年のように出場しています)、OBならばトニー・ロモ氏(元ダラス・カウボーイズのクオーターバックQB)、スティーブ・ヤング氏(元サンフランシスコ49ersのQB)、らの顔がありました。

 他にも、NHLのスーパースターというか伝説的プレーヤーであるウェイン・グレツキー氏やMLBのジャスティン・バーランダー投手の姿もありました。
 ユニフォームを着ていない、こうした名選手の「絵」というのも、このトーナメントならではでしょう。

 アメリカ合衆国のスポーツ界の懐は、とても深いのです。
[ダイヤモンドリゾートトーナメントofチャンピオンズ・1月16日~20日・フォーシーズンGスポーツC(アメリカ合衆国フロリダ州)]

1位 ギャビー・ロペス選手(メキシコ) 271打 13アンダーパー
2位 畑岡奈紗選手 13アンダー
3位 朴仁妃選手(韓国) 13アンダー
(3選手によるプレーオフが19日~20日にかけて行われ、ロペス選手が優勝)

 アメリカLPGAツアーの2020年開幕戦に挑んだ畑岡選手は、4日間通算13アンダーで首位タイとなってプレーオフに進出、19日のプレーオフは5ホールが行われ、3ホール目で朴選手が脱落しましたが、畑岡選手とロペス選手は決着が付かず、日没で翌日のプレーに持ち越されたのです。

 そして20日の1ホール目は分けての2ホール目、193ヤードのパー3。
 女子には長いホールですが、オナーのロペス選手はキッチリとピン右側8mにグリーンヒット。続く畑岡選手のショットは狙い通りのグリーン右奥をヒットしました。ボールはグリーンの傾斜に乗ってピンに向かって転がり、ピン右上3mに付けたのです。

 「畑岡選手が有利」に観えました。

 ところが、この8mのパットをロペス選手が捻じ込んだのです。カップ左側からゆっくりと落ちて行くカップイン。距離がぴったりの見事なパッティングでした。

 こうなると立場は逆転。
 やや下りの3mは、とても難しいパッティングになりました。

 真っ直ぐ転がるのか、左に落ちるのかは、とても微妙なラインでしたが、畑岡選手は「あまり曲がらない」と判断したのでしょう、薄目に打っていきました。
 しかし、しっかりと左に曲がるラインだったのです。
 畑岡選手のボールは、カップに触れることも無く、カップ横では25~30cm程左でした。
 
 ギャビー・ロペス選手の優勝です。

 畑岡選手には残念な結果でしたけれども、試合後の畑岡選手には充実感が漂っていたように観えました。「自らのプレーを高く評価」していたように観えましたし、第1に勝ち負けより「プレーの内容」を考え感じるところが「一流アスリート」であることを証明しています。

 2020年の開幕戦で、畑岡選手にはとても良いプレーを披露していただきました。

 2019年にスタートした新しい大会である、ダイヤモンドリゾートトーナメントofチャンピオンズは、前シーズンのツアー優勝者だけが出場できる大会です。
 男子のPGAツアーの年初の大会・トーナメントofチャンピオンズに相当する大会なのでしょう。
 この大会で昨年16位に終わった畑岡選手は、2020年は首位タイ→プレーオフ→2位に食い込みました。
 自らのプレーに、十分な手ごたえを感じたことでしょう。

 日本女子ゴルファーの中で、現在最も東京オリンピック2020の代表に近い畑岡奈紗選手の、2020年の大活躍が期待されます。

[1月2日~5日・プランテーションコースatカパルア]
1位 ジャスティン・トーマス選手 278打・14アンダーパー(プレーオフにて優勝)
2位タイ パトリック・リード選手 278打・14アンダー
2位タイ ザンダー・シャウフェレ選手 278打・14アンダー
4位 パトリック・カントレー選手 281打・11アンダー
5位タイ ホアキン・ニーマン選手 282打・10アンダー
5位タイ リッキー・ファウラー選手 282打・10アンダー

 4日間・72ホールを終えて278打で並んだ、トーマス選手、リード選手、シャウフェレ選手がプレーオフを行い、プレーオフ3ホール目でトーマス選手がバーディとして、パーだったリード選手を振り切りました。シャウフェレ選手は、プレーオフ1ホール目で脱落し、連覇を逃しました。

 トーマス選手は、2017年に続いて本トーナメント2勝目、また、PGAツアー2019~20シーズンにおいても、2019年10月のCJカップ@ナインブリッジ大会に続いての2勝目となり、フェデックスカップポイントでも首位に立ちました。

 その名が示す通り、本トーナメントには前シーズンのPGAツアー優勝者しか出場できません。
 そして、チャンピオン達が年頭のPGAツアーを華やかに彩るのです。

 1953年(昭和28年)から開始されたトーナメントオブチャンピオンズですから、歴史と伝統を誇る大会となっています。
 優勝者にも、ジーン・リトラー選手、サム・スニード選手、アーノルド・パーマー選手、ジャック・ニクラウス選手、ゲーリー・プレーヤー選手、トム・ワトソン選手、フィル・ミケルソン選手、タイガー・ウッズ選手、といった錚々たる名前、時代時代を代表するゴルファーの名前が並んでいます。
 優勝回数比較では、ニクラウス選手の5回が最多、3回でジーン・リトラー選手、アーノルド・パーマー選手、トム・ワトソン選手、スチュワート・アップルビー選手が続いています。何だか、凄いトーナメントなのです。

 現在の開催コース、プランテーションコースatカパルアに会場が移ったのは1999年からですから、「21世紀のトーナメントオブチャンピオンズはハワイ・マウイ島」ということで定着しているのです。
 プランテーションコースは、PGAツアーのコースとしては起伏に富んでいて、高低差が300m以上あります。従って、打上げ、打ち下ろしのホールも多いのですが、特に有名なのが18番パー5でしょう。
 第2打が打ち下ろしの雄大なホール。
 チャンピオン達は、積極的に2オンを狙って行き、上手く行けばイーグルもある、スリリングなホールです。
 タイガー・ウッズ選手とアーニー・エルス選手のプレーオフにおいて、両選手が共に2オンし、共にイーグルを奪って(相当長めのパッティングが入っていました)、決着しなかったシーンは、今でも良く憶えています。
 「狙ってイーグルを取って行く」両選手の姿は、世界のトッププロそのものでした。

 さて、2020年の出場プレーヤーを見ると、ジェイソン・デイ選手やジョーダン・スピース選手、ロリー・マキロイ選手の「新3強」の名前が有りません。
 これは、やや寂しいというよりは、「時代の変遷」と言った方が良さそうです。

 フレッシュな選手名が数多く並んだ2020年のトーナメントオブチャンピオンズは、「PGAの新時代を開く大会」だったのかもしれません。

[10月24日~28日・アコーディアゴルフ習志野カントリークラブ]
1位 タイガー・ウッズ選手 19アンダーパー
2位 松山英樹選手 16アンダーパー
3位 ロリー・マキロイ選手 13アンダーパー
3位タイ イム・ソンジュ選手 13アンダーパー
5位 ゲーリー・ウッドランド選手 12アンダーパー

 日本で初めて開催されたPGAツアーの一戦、ZOZOチャンピオンシップ大会は、何か「シナリオが存在したかのような」結果となりました。

 タイガー・ウッズ選手が優勝し、PGAツアー通算82勝という「史上最多勝タイ記録」を樹立しました。不滅の記録、空前絶後の記録と呼ばれたサム・スニード選手の「82勝」に、ウッズ選手がついに並んだのです。
 あの「帝王」ジャック・ニクラウス選手でさえ73勝(史上3位)なのですから、この記録の凄さが分かります。
 
 この大記録が、習志野カントリークラブで達成されたのですから、習志野カントリークラブの名前も、PGA史にしっかりと刻まれました。

 そのタイガー・ウッズ選手を追いかけ続けたのが、松山英樹選手でした。

 日本で初めて開催されたPGAツアーのトーナメントで、日本出身プレーヤーが大活躍するというのは素晴らしいことですが、これは「狙ってできる」ことではないでしょう。

 松山選手にも一段と「気合」が入ったのでしょうが、見事な活躍に大きな拍手です。

 さて、このトーナメントを前にして、もしプロデューサー(名前は山田氏としましょう)が居て、各種の条件を考慮しながら「ストーリーを創造する」とすれば、

① タイガー・ウッズ選手の「82勝」達成
② タイガー・ウッズ選手と松山英樹選手の優勝争い

 の2点が最も望まれることであったと思います。

 とはいえ、これはなかなか実現できそうもないこと、世界最高峰のプレーヤーが数多く参戦してくるのですから、そんなにうまく行く筈が無いと見るのが普通でしょう。

 ロリー・マキロイ選手はもとより、ジェイソン・デイ選手、ジャスティン・トーマス選手、ババ・ワトソン選手、トニー・フィナウ選手、ジョーダン・スピース選手、ルーカス・グローバー選手、パトリック・リード選手、シェーン・ローリー選手、ザンダー・シャウフェレ選手、ライアン・パーマー選手、等々、キラ星の如く、一流プレーヤーが出場してきているのですから。

 タイガー・ウッズ選手は、マスターズ2019に優勝して以降不振で、8月には手術もしています。回復途上にあるのです。
 松山選手も、PGAツアーでは2017年8月以降勝利していません。もちろん、世界のトッププロとしての活躍は続けていますが、このところはなかなか優勝争いが出来ていないのが実情だったのです。
 山田プロデューサーの「目論見」が実現する可能性は、とても小さいと思われました。

 ところが、ところが、トーナメントは山田プロデューサーの狙い通りの展開・結果となりました。

 まさに「奇跡的」なことでしょう。

 「ゴルフの神様」の存在を信じるしかなさそうです。

プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930