FC2ブログ
HOME   »  ゴルフ
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 9月23日に行われた最終日、松山英樹選手は6バーディ・1ボギーの5アンダーパー、65打のこの日のベストスコアタイでラウンドし、順位を一気に上げて、4日間通算6アンダー・4位タイでフィニッシュしました。

 今シーズン、なかなか調子が上がらず、未勝利に終わった松山選手にとっては、シーズン最終戦最終日に、シーズン一番のプレーが出来たように観えます。

 フェデックスカップのプレーオフに入って次第に調子を上げてきた松山選手は、全体27位で最終戦=ツアーチャンピオンシップ大会に進出しました。世界のトップ30しか出場できない大会に、5年連続で駒を進めたのです。

 コンディションを上げて来ていたので、最終戦での活躍が期待されましたが、初日は2オーバー・72打という平凡なスコアとなりました。1番ホールをボギーとしてしまい、勢いに乗れなかった感じでしょう。

 2日目は、とても安定したラウンドで、前後半共に2バーディの計4バーディ、通算2アンダーとして10位タイに順位を上げました。

 3日目は、やはり1番でボギーを打ってしまい、6番をイーグルとするも、後半は2ボギーとスコアを伸ばすことが出来ず、この日1オーバー、通算1アンダーで16位に後退しました。

 そして最終4日目の快スコアが生れたのです。

 あまりに単純な見方とお叱りを受けそうですが、1番ホールでボギーを打った日は伸び悩み、1番ホールをパープレーでスタート日は好スコアをマークしています。
 世界トップレベルの大会となると、こうした微妙なリズムが重要なのかもしれません。

 ホールアウト後、インタビューに応えた松山選手は「今日みたいなプレーを『スタンダードなところ』に持って行かないと・・・」とコメントしました。松山選手にとっての理想のプレートまでは言えないが、目指すレベルのスタンダードなプレーが出来たことを表明したのです。

 今大会に「5年連続で出場」しているのは、ダスティン・ジョンソン選手、ジェイソン・デイ選手、パトリック・リード選手と松山選手の4名しかおらず、5年続けてホールアウトしたのは、リード選手と松山選手しか居ないと報じられました。

 松山選手の地力の高さと安定感が世界トップクラスであることは明らかです。

 2018~19年シーズンの活躍が大いに期待されます。
スポンサーサイト
 今季ツアーの最終戦=フェデックスカップ2017~18プレーオフ第4戦のツアーチャンピオンシップ2018は、9月20日から23日にかけて、アメリカ合衆国ジョージア州のイーストレイク・ゴルフクラブを舞台に開催され、アメリカのタイガー・ウッズ選手が4日間通算269打・11アンダーパーのスコアで優勝しました。

 この勝利で、ウッズ選手はPGAツアー80勝目となりました。
 また、前回の勝利から5年1ヶ月ぶりの勝利を挙げ、「完全復活」を印象付けました。

 今季初から、ウッズ選手は次第に調子を上げ、メジャートーナメントでも一時的にはトップに立つなど復活の兆しを見せていましたが、この勝利、今シーズンの世界の上位30プレーヤーしか出場できない、とても高いフィールドで勝ち切ったのです。

 優勝は、ウッズ選手の復活を象徴する結果ですけれども、そのプレー内容もまさに全盛期を髣髴とさせるものでした。

① 最終日トップでスタートし、そのまま押し切っての勝利

 以前の記事にも書きましたが、ウッズ選手は全盛時において、「最終日トップでスタートして、そのまま優勝するという勝ち方」を得意とするというか、概ねそれ以外の勝ち方をしないプレーヤーでした。

 その「自分の勝ち方」を、今大会で見事に踏襲したのです。
 3日目を終えて12アンダー・2位に3打差でトップに立ち、最終日は1オーバーのラウンドで2位に2打差を付けての逃げ切り勝利は、ウッズ選手の勝ち方そのものです。
 まさに「復活」でしょう。

② タイガーチャージは3日目の前半

 最終日をトップでスタートするために、1~3日目のプレーの中で「一気にスコアを伸ばすプレー」を披露するのが、ウッズ選手のパターンなのですが、今大会では、それが「3日目の前半9ホール」でした。

 このハーフのプレーで、3番ホールから7番ホールまでの5連続バーディを含む6バーディを奪い、9番をボギーとしたもののハーフ30打のラウンドを実現し、一気にトップに立ちました。圧倒的なプレーでした。

 このハーフは、まさに「タイガーチャージ」でした。
 「タイガーチャージ」があってこその「復活」でしょう。

③ 大観衆

 今大会における、タイガー・ウッズ選手の組に付いたファンの数は凄いものであり、その大歓声も凄まじいものでした。

 この大観衆・大歓声が「タイガー・ウッズ選手ならでは」のものであることは、言うまでも無いことです。他のどんなプレーヤーでも、これほどの「大観衆・大歓声」を創り上げることはできません。

 タイガー・ウッズ選手の「復活」を象徴する事象です。

 最終日18番ホール・パー5のティーショットがフェアウェイFWをヒットした時、ウッズ選手は同伴競技者であるロリー・マキロイ選手と笑顔で会話(このラウンド初めてのシーンと報じられました)し、ティーインググラウンドを一緒に歩き降りました。
 勝利を確信したのでしょう。

 そしてFWを歩くウッズ選手とマキロイ選手の後ろに、雲霞の如き大観衆が続いたのです。これはもう湧き出るように現れる人の群れでした。
 グリーンまで50ヤード付近まで、ウッズ選手が歩いて来た時、まだティーインググラウンドから歩き降りてくる観衆が居ましたから、底無しの大観衆といって良いでしょう。

 貧乏性の私などは、コースが踏み潰されてしまうのではないか、といらぬ心配をしてしまう程の光景。
 これがまさに「タイガー・ウッズの絵」なのです。

 このホールの第5打、10cmのパーセービングパット、を決めたタイガー・ウッズ選手は両手を高々と上げて喜びを表現しました。

 タイガー・ウッズ選手の「第2のプライムタイム」到来を告げる「大歓声」が、イーストレイクGCに響き渡りました。
 「復活」に向けての道程を着実に歩んでいるタイガー・ウッズ選手が、今シーズンのプレーオフシリーズ第3戦・BMW選手権大会も6位タイの好成績とし、フェデックスカップポイントランキングも20位としてトップ30に食い込み、最終戦・ツアーチャンピオンシップ大会(イーストレイク・ゴルフクラブ)に駒を進めました。
 5年振りの最終戦登場です。

 今シーズンの目標として、「ライダーカップへの出場」と「ツアーチャンピオンシップへの出場」を挙げていたウッズ選手としては、両方とも見事に達成したことになります。

 BMW選手権大会では、初日に62打の好成績でトップに立ちました。
 かつて、数多くのメジャータイトルを獲得した際に使用していた、スコッティキャメロンのピン型パターを使用してのラウンドは、「今週のパットは良かった」というコメントに結びついています。

 「すごく感覚が良くなっている」ともコメントしています。
 カムバック後のウッズ選手としては珍しいコメントです。

 ゴルフ史上屈指の名プレーヤーが「感覚が良くなっている」というのです。

 イーストレイクGCでの大活躍は間違いないでしょう。

 ジョージアの森に大歓声が響き渡る大会が、待ち遠しいものです。
 PGAツアー2017~18シーズンのプレーオフシリーズ第3戦・BMW選手権大会は、9月10日最終日が行われ、キーガン・ブラッドリー選手がプレーオフの末、ジャンティン・ローズ選手を破って優勝しました。
 4日間通算260打・20アンダーパーのスコアでした。

 雨で順延となった最終日、ブラッドリー選手は64打の好成績を挙げてローズ選手に並び、プレーオフ最初のホール(18番)をパーとして、ボギーだったローズ選手に競り勝ちました。
 1打差・19アンダーパーの3位タイには、シャウフェレ選手とホーシェル選手が食い込み、そこから1打差の5位にはマキロイ選手が入るという、まさに「大接戦」の第3戦でした。

 松山英樹選手は最終日69打と、いまひとつスコアを伸ばせず15位で大会を終え、フェデックスカップポイント27位で、プレーオフ第4戦=今シーズンのツアー最終戦であるツアーチャンピオンシップ大会に駒を進めました。(選手権=チャンピオンシップ、ですので、BMW選手権とツアーチャンピオンシップが併記されているのは、少しおかしいのですが、どちらの大会も、こうした表記が一般的ですので、あしからず)

 ツアーチャンピオンシップ大会は、「そのシーズンのポイントランキング・トップ30のプレーヤー」が出場する大会として知られています。
 つまり、この大会に出場する30名が、現時点での「世界のトップ30」と言って良いのでしょう。
 当然のことながら、世界中のプロゴルファーにとって「憧れの舞台」です。

 そして、松山選手はこの大会に「5年連続出場」となります。

 もちろん、日本人プレーヤーとして史上最高の記録ですけれども、本当に素晴らしい実績であり、松山英樹が世界のトップゴルファーであることの、何よりの証明なのです。

 今シーズンの松山選手は、序盤からなかなか調子が上がらず、結局ここまで未勝利ですが、終盤になって調子を上げ、プレーオフシリーズ初戦のザ・ノーザントラスト大会で15位タイ、第2戦のデルテクノロジーズ選手権大会で4位タイ、第3戦のBMW選手権大会で15位と、連続して上位に食い込み、キッチリと「30位以内」を確保したのは、さすがでした。

 9月20日~23日、「いつものように」イーストレイク・ゴルフクラブ(アメリカ合衆国・ジョージア州)で開催されるツアーチャンピオンシップ大会は、松山選手にとっては「勝手知ったる舞台」です。
 ショット、パット共に上り調子に有ると報じられていますので、最終戦での優勝、そして大逆転での初の「年間王者」獲得に向けての戦いが、大いに期待されるところです。

 PGAツアー2017~18シーズンも、8月23日開幕のザ・ノーザントラスト大会からプレーオフ・シリーズに入りました。
 今シーズンの成績上位者による年間王者獲得に向けての戦いです。

 プレーオフ・シリーズの緒戦ザ・ノーザントラスト大会は、アメリカ合衆国・ニュージャージー州・リッジウッドカントリークラブを舞台に行われ、Bデシャンボー選手(24歳)が18アンダーパーのスコアで優勝しました。
 2位のトニー・フィナウ選手に4打差を付けての快勝でした。

 第2戦のデルテクノロジー選手権大会は、8月31日~9月3日、マサチューセッツ州のTPCボストンを舞台に行われました。
 緒戦と同様に、3日目に63打という好スコアを叩き出し、最終日も67打でまとめて、16アンダーパーでの優勝でした。
 2位のジャスティン・ローズ選手に2打差を付けての勝利は、「勝ち方を知っている」かのようなプレー振りでしょう。

 今季、プレーオフ・シリーズに入るまでは、5月~6月にかけて行われたザ・メモリアルトーナメントの1勝だったデシャンボー選手ですが、プレーオフ・シリーズを連勝して、一気にフェデックスカップポイントでもトップに立ちました。

 アマチュア時代に、全米アマチュア選手権とNCAAゴルフ選手権の2大タイトルを獲得した史上5人目(ジャック・ニクラウス選手、フィル・ミケルソン選手、タイガー・ウッズ選手、ライアン・ムーア選手に続いて)のプレーヤーとして、鳴り物入りで2016年にデビューしたデシャンボー選手ですが、これでPGAツアー通算4勝、今季3勝目となりました。
 ついに本格化したといったところでしょう。

 デシャンボー選手と言えば「全てのアイアンクラブの長さを37.5インチに統一」するという、独自のゴルフ理論で知られていましたが、今プレーオフでの大活躍により、再びその理論が注目を浴びることになるかもしれません。
 8月23日から26日にかけて、ポンドックインダ・ゴルフクラブを舞台に開催された、男子ゴルフ競技において、個人戦では中島啓太選手(18歳)が金メダルを獲得し、団体戦でも日本チームが優勝しました。

 中島選手も日本チームも、初日から首位を走り、そのまま押し切るという素晴らしい金メダルでした。

 中島選手は、初日68打(4アンダーパー)で首位に立ち、2日目も68打、3日目は70打、最終日は71打とまとめて、4日間通算277打・11アンダーパーでした。
 最終日は、2位のオ・スンテク選手(韓国、278打)、3位の金誠選手(中国、279打)との競り合いとなりましたが、勝ち切った形です。

 中島選手は埼玉出身の18歳。2017年の関東アマチュアゴルフ選手権大会を制して勢いに乗り、日本代表として出場したデュークオブヨーク・ヤングチャンピオンズトロフィー大会(イングランドのロイヤルリバプール・ゴルフクラブ)で2位タイの好成績を収め、2018年1月のオーストラリアン・アマチュア選手権大会に優勝し、今大会をも制したという、現在の日本男子アマチュアゴルフ界を代表するプレーヤーです。

 何より、「国際大会で優勝している」という実績は、とても大きいと思います。
 ゴルフに限らず、どの競技でも「1位と2位の差」は大きいのでしょうが、特にゴルフ競技においては、優勝することの価値は、技術・体力に加えて、メンタル面の強さを示すものに他ならないと感じます。
 今後の中島選手の活躍が、一層楽しみになりました。

 日本チームでは、金谷拓実選手が281打で個人戦4位、今野大喜選手が284打で同8位、米沢蓮選手が286打で同13位と健闘しました。各メンバーがこれだけ上位に食い込めば、団体戦で圧勝するのも、自然なことでしょう。
 団体ではトータル836打、2位の中国チームに7打差を付けての快勝でした。

 日本の男子若手ゴルファーの力をアジア大会の場で存分に示したのです。

 ところで、同期間に行われた女子の個人戦では、笹生優花選手(17歳)が優勝しました。
 笹生優花選手は、日本人の父とフィリピン人の母を持つ、フィリピン代表のプレーヤーです。
笹生選手の活躍もあって、団体戦でもフィリピンチームが金メダルに輝きました。

 フィリピンを代表する女子ゴルファーとして、笹生選手の今後の活躍もとても楽しみです。
 
 8月17日~19日、大箱根カントリークラブで開催されたCAT Ladies大会2018は、プロテストに合格して3試合目・23日目の大里桃子選手が、3日間通算209打・10アンダーパーのスコアで優勝しました。
 20歳の大里選手は、ツアー初優勝です。

 最終・3日目を10アンダーパーでスタートした大里選手は、3ハーディ・3ボギーのパープレーでラウンドし、2位の森田遥選手に2打差を付けての勝利でした。
 落ち着いたラウンドが印象的な初優勝であったと感じます。

 「プロになり立ての若手」に優勝をさらわれたベテラン陣の不甲斐無さを批判する声もありますが、一方で、現在の日本女子プロゴルフに確固たる地位を築きつつある「黄金世代」の一角であるという評価もあるのでしょう。

 1998年4月から1999年3月までに生まれた女子プロの皆さんが「黄金世代」と呼ばれています。
 若いが、とても女子プロが集まっている世代なのです。
 
 アマチュア時代に15歳でツアーに勝利し、2017年にプロデビューして、ステップアップツアーの山陰合同銀行Dueカードレディス2017で優勝を飾り、2018年のLPGAツアーでも、リゾートトラスト・レディスやヨネックス・レディスゴルフトーナメントで2位に食い込むなどの活躍を魅せている、勝みなみプロ(20歳)が先導役を果たしている感のある「黄金世代」ですが、2018年になってから、新垣比菜選手(19歳)が4月のサイバーエージェント・レディスゴルフトーナメントに優勝するなど、活躍が広がっていました。
 そして今回、大里選手が登場したという形です。

 大里選手は熊本県出身、8歳の時ゴルフを始めでメキメキと力をつけ、ジュニアの時代から注目されていたと報じられています。
 
 大里桃子選手の、今後の大活躍が期待されます。
 今シーズンのメジャートーナメント最終戦、第100回全米プロゴルフ選手権は、8月9日~12日、アメリカ合衆国ミズーリ州のベルリーフ・カントリークラブを舞台に開催され、アメリカのブルックス・ケプカ選手(28歳)が、4日間通算264打・16アンダーパーのスコアで優勝を飾りました。

 ケプカ選手は、この勝利で、PGAツアー通算4勝目となりましたが、4勝の内3勝がメジャートーナメント(2017年・2018年の全米オープン連覇、2018年全米プロ優勝)という、「メジャートーナメントにとても強いプレーヤー」としての存在感を誇示する結果となりました。

 2014年にPGAツアーデビューを果たしたケプカ選手ですが、2015年のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン大会でPGAツアー初優勝を飾ると、その後はメジャーを3勝というのですから、驚かされます。
 勝つならメジャー大会といった感じでしょうか。

 日本ツアーでも、2016年・17年のダンロップ・フェニックス大会を連覇しています。
 ダンロップ・フェニックス・トーナメントは、長い間我が国の最高賞金大会として知られてきた大会です。ケプカ選手は「大きな大会に強い」プレーヤーとして、我が国でも良く知られる存在なのです。

 2014年にPGAツアーにデビューした頃は、とにかく「飛ばし屋」として鳴らしました。
 PGAツアーの「飛ばし屋」といえば、ダスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手の名前が上がりますが、デビューした頃のケプカ選手は、こうした選手達と互角以上の飛距離を誇りました。
 身長185cmの「筋骨隆々たる体躯」から、驚異的なショットを放っていたのです。

 その飛距離が少し落ちてきた感じがした2017年から、メジャートーナメントに勝ち始めたのですから、これは明らかに「飛距離を抑えている」と判断すべきなのでしょう。

 今回の全米プロでも、最終日一緒にラウンドしていたアダム・スコット選手と、飛距離では互角、時にはスコット選手の方が飛んでいました。
 もちろん、オーストラリアのスコット選手も飛ばし屋ですが、2015年頃のケプカ選手を思い出すと、意外な感じもしました。
 一方で、スコアはとても安定していました。この大会も、初日から69打、63打、66打、66打と、4日間60台のスコアを並べて、危なげなく勝利しているのです。
 この安定感に、2日目63打という爆発力も兼ね備えているのですから、強い訳です。

 おそらく、ケプカ選手は「ドライバーショットをコントロール」しているのでしょう。そして、300ヤード+αに飛距離を抑えているのです。
 方向性の正確さを向上させて、「メジャーに勝てるゴルフ」を身に付けたのではないでしょうか。

 28歳にして3つ目のメジャータイトルホルダーとなったケプカ選手の活躍は、これからも続いて行くのでしょうし、PGAツアーを代表する=世界のゴルフ界を代表するプレーヤーに成長する可能性も十分に有ると感じます。
 7月19日~22日にかけてカーヌスティ・ゴルフリンクスを舞台に行われた全英オープンゴルフ大会2018において、タイガー・ウッズ選手は4日間通算279打・5アンダーパーで6位タイに食い込みました。
 様々なトラブルや体調不良からの復調の過程としては、とても良い成績を残したのです。

 特に最終日の前半では、他の選手がスコアを崩す中で、堅実なプレーを魅せて一時トップに立ちました。
 「タイガーの2008年以来のメジャー制覇」に期待が高まりましたが、サンデーバックナインで失速してしまい、6位タイに終わったのです。

 このラウンド、「最終ラウンドを首位から4打差の6位でスタートして、結局優勝できなかった」タイガー・ウッズ選手のプレーを観て、「全盛期のタイガーとは違う」といった見解がいくつか示されているようですが、それはタイガー・ウッズ選手の全盛期のゴルフと比較すると、的外れな感じがします。

 タイガー・ウッズ選手のメジャー14勝(マスターズ4勝、全米オープン3勝、全英オープン3勝、全米プロ4勝)は全て、「最終日、首位か首位タイからスタート」した時に達成されているというのは、相当有名な事実です。
 タイガー・ウッズ選手は、メジャー大会において、最終日に逆転優勝したことは1度も無いのです。

 全盛期においても最終ラウンドで逆転優勝したことが無いプレーヤーが、今回カーヌスティで4打差をひっくり返して優勝することは考えにくいことですし、もし逆転で勝利を収めることがあれば、それは「タイガー・ウッズ選手の変身」とでも呼ぶべきことでしょう。
 
 20世紀末から2008年までのプライムタイムにおいても、ウッズ選手は「最終日首位でスタートして逃げ切るというパターン」以外では、メジャートーナメントでは勝っていないのですから、今回勝利を収められなかったことは、「全盛期のタイガーと同じ」と評価するべきことでしょう。

 こうした形は、別にメジャー大会に限ったことでは無く、通常のPGAツアーの大会や他のトーナメントでも、ウッズ選手は殆どが逃げ切り勝ちです。逆転勝ちは、ごく僅かなのです。

 タイガー・ウッズ選手の戦い方は、第3ラウンドまでに首位に立ち=優位に立って、最終日にスコアを伸ばすことが出来れば伸ばす(2000年のペブルビーチGLにおける全米オープンはこのパターンでした)けれども、多くの場合には「第3ラウンドまでのスコアを維持」しようというプレーを展開します。決して、スコアを落とすリスクのあるプレー、バーディを無理に狙っていくといったプレーには挑まないのです。
 そして、他の選手のプレー振り・スコアを観ながら、「追い上げられたり、並ばれたり、逆転されたりしたら、リスクを取って行く」といった具合に、ホール毎に慎重に最終日のプレーを進める、という形なのです。

 タイガー・ウッズ選手は「とても慎重なプレーヤー」であると、私は考えています。
 従って、「最終日の派手な大逆転劇」とは無縁のプレーヤーなのです。

 「タイガーチャージ」という表現があります。タイガー・ウッズ選手がバーディやイーグルを連発し、スコアを大きく伸ばすラウンドを指した表現ですが、これは第1~3ラウンドまでの間に実行されるプレー振りで、多くの場合には「3ラウンドの内のひとつのラウンド」だけです。
 ウッズ選手は、タイガーチャージにより3日目終了時点で首位に立ち、最終ラウンドはそのリードをしっかりと守るタイプのプロゴルファーなのです。

 ウッズ選手は、自身のゴルフを良く知っているので、今回最終ラウンドの途中で追い上げて首位に立ちながら、結局6位タイに終わったことについて、ラウンド後のインタビューでもそれ程悔しさを表現しませんでした。
 「最終日首位でスタート」することが出来るようになってはじめて、「真の復活」であると、自身でも良く分かっているのではないでしょうか。

 タイガー・ウッズ選手がメジャートーナメントに勝てなくなってから「10年以上」が過ぎました。
 この10年間のゴルフ道具等の進歩は目覚ましく、300ヤードドライブは多くのプレーヤーが「容易に」実現できるプレーになっています。タイガー・ウッズ選手より飛ばすプレーヤーも何人も出てきました。タイガーの「飛距離の優位」は無くなったのです。

 一方で、ウッズ選手は42歳になりました。
 多くのゴルファーにとってのプライムタイムである「30歳前後」から、随分時を経たのです。
 肉体的な衰えは隠せないでしょう。

 こうした状況下で、しかし、ゴルフ界は「タイガー・ウッズ選手の復活」を待っています。切望していると言っても良いでしょう。
 何より、他の選手たちの「タイガー待望」は、本当に強いものだと感じます。

 ツアー復帰後のタイガー・ウッズ選手が出場しているトーナメントに出場した、数多くのライバルプレーヤー達が「ゴルフ場に響き渡る大歓声、(大ギャラリーを連れた)タイガーの組から発せられる大歓声を聞くと、以前のPGAツアーを思い出す」、「これこそPGAツアーの在るべき姿」であるとコメントしています。

 PGAツアーに出場している多くのプロゴルファーにとって、「タイガーの居ないトーナメント」は、とても寂しいものだったのでしょう。
 「タイガーが居なければ、自分が勝てる確率が上がる」などと考えるプレーヤーでは、世界最高峰のPGAツアーでプレーし続けることは出来ないのであろうと思います。
 「PGAツアーの繁栄が有って初めて、ツアープレーヤーとしての自分達の活躍の場がある」「大歓声が響き渡るコースこそ、自分がプレーする所である」「世界中の人達・メディアに注目されるフィールドで戦いたい」、と考えるようでなければ、生き残っては行けないのがPGAツアーなのであろうと思います。(他の世界最高峰のプロスポーツ競技でも同様でしょう)

 ファンはもちろんとして、ライバル選手達からも、その「復活」を切望されているのですから、タイガー・ウッズ選手は、何としても復活しなければならないのでしょう。

 スーパースターというのは、「とても辛い」存在なのかもしれません。
 シネコックヒルズ・ゴルフクラブを会場として、6月14日~17日に実施された、2018年の全米オープン大会は、アメリカのブルックス・ケプカ選手が4日間通算281打・1オーバーパーのスコアで優勝しました。

 ケプカ選手は、昨2017年大会に続いての「連覇」でした。
 
 「最も難しいコースで開催されるメジャートーナメント」である全米オープンを連覇したのは、1989年のカーティス・ストレンジ選手以来、29年ぶりのことでした。

 2017年、エリンヒルズ・ゴルフコースにおけるケプカ選手の優勝スコアは16アンダーパーという、全米オープンとしてはとても少ない打数でした。
 主催する全米ゴルフ協会USGAとしては、これ程大きなアンダーパーが出るようでは、「全米オープンらしくない」と考えたのかもしれないと思います。
 2018年のコース設定は、とても難しいものでした。

 特に、「3日目のグリーン」は、ひょっとすると「難しいを通り越して」いたかもしれません。

 3日目の後半にラウンドしたプレーヤーは、いずれもスコアを大きく崩しました。
 優勝争いを目指すプレーヤーにとって、艱難辛苦のプレーとなってしまったのです。

 松山英樹選手は79打でした。
 ダスティン・ジョンソン選手は77打でした。
 リッキー・ファウラー選手は84打でした。

 4アンダーのトップでスタートしたDジョンソン選手は、2日目までに「11打差」を付けていたトニー・フィナウ選手、ダニエル・バーガー選手に、3日目の1ラウンドで追いつかれてしまったのです。
 フィナウ選手、バーガー選手が、前半の早い内にラウンドし、Dジョンソン選手が最終組で回ったことが、大きな要因であろうという見解は一理あるところでしょう。

 また、あのフィル・ミケルソン選手が13番ホールのグリーンで、まだ止まっていないボール・転がって動いているボールを、意図的にパッティングしたとも報じられました。
 信じられないようなプレーです。そんなプレーを、フィル・ミケルソン選手ともあろうプレーヤーが行ってしまうというのは、異常なことでしょう。「抗議」のためのプレーだったのかもしれません。

 松山選手は4パットを2回してしまいました。1m位のパッティングから3パットというシーンもありました。

 グリーンが凸凹で、ボールがどちらに曲がるか「打ってみないと分からない」ような状況だったのです。テレビ画面からも、上下左右に「ゴトゴト転がる」ボールが映し出されました。
 松山選手はラウンド後、「悪いパットは全くしていないのに・・・」とコメントしていました。

 報じられているところによると、「1日目のグリーンが考えていたより柔らかくて遅かった」ので、2日目・3日目と散水しなかったのだそうです。
 おかげで?、グリーンは茶色くなり、芝にはすっかり元気がなくなっていました。
 風が強かったことも相まって、グリーンはカラカラだったのでしょう。
 結果として出来上がってしまった「緑色と茶色のまだらのグリーン」は、プレーヤーの「読む」行為を無為なものとしてしまったのです。

 「ラインとスピードを読み」、打っていくのがパッティングでしょう。
 微妙なアンジュレーションとスピードの変化を、プレーヤーが読み切れるかどうか。
 それが難しいグリーンのことを「難しいグリーン」と呼ぶのでしょう。(当たり前のことを書き、恐縮です)
 そうした「難しさ」ならば、世界トップクラスのプレーヤー達は必死に挑戦して行くはずです。

 ところが3日目のグリーンは「打ってみなければ、どのように転がるか分からない」ような状態でした。
 これは「難しいグリーン」ではなく、「アンフェアなグリーン」ということになりそうです。「ラインとスピードを読み、プレーする」ことに、意味が無くなってしまうからです。

 3日目のグリーン上の各選手のプレー振りを観て、さすがに、3日目のプレー後、主催者によって「グリーンに水が撒かれた」のです。
 それでも、4日目のグリーンの「速さ」は、ほとんど3日目と変わらなかったと伝えられました。しかし、ラインを読むことに「意味がある」状態になったのです。
 松山選手は「グリーンは3日目の様に『汚く』はなかった。転がりは奇麗でした」とコメントしました。

 「1オーバーパーの優勝」は、全米オープンらしいスコアかもしれませんが、世界最高のトーナメントを標榜する全米オープンが、「打ってみなければわからないショット」を各プレーヤーに要求するのは、いただけません。

 そこには「ゴルフ競技の進歩に貢献する」何物も存在しないように感じられます。
 6月14日から17日にかけて、2018年の全米オープンゴルフが開催されます。
 サッカーのワールドカップ・ロシア大会開幕と機を一にしてのメジャートーナメントとなります。

 今年の開催コースは、ニューヨーク州ロングアイランド・サウザンプトンのシネコックヒルズGCです。
 アメリカのコースとしては珍しいであろう「リンクス」タイプのコース。「選手がプレーするエリアには1本の木も無かった」と記憶していますし、池といったウォーターハザードも殆ど無かった(おそらく1箇所だけ)と思います。

 一方で、リンクスですから「バンカーが多い」のですが、これが本場?のイギリスのコースよりも多い感じがします。意図的に配されているのでしょう。ホールによっては「バンカーだらけ」という印象です。
 いかにもアメリカ合衆国らしい?「管理されたリンクス」(この言葉自体に矛盾を感じます)といったところでしょうか。

 シネコックヒルズGCが最初に全米オープンのコースに選ばれたのは1896年ですから、1895年に開始されたトーナメントの第2回大会のコースとなった訳ですが、その後90年間は使われることが無く、2回目の開催は1986年を待たなければなりませんでした。

 そういう意味では、「新しいコースとして試用」された形ですが、全米ゴルフ協会やファン、そしてプレーヤーの評価が高かったのでしょう、1995年、2004年と使用され、今年2018年の会場(5回目)となり、2026年の開催も予定されているのですから、シネコックヒルズGCは「全米オープンに相応しいコース」としての地位を確立していることになります。

 全米オープンも、他国のナショナルオープントーナメントと同様に、「特定のコースの持ち回り型」ですので、同じコースで複数回開催されるのですが、特に全米オープンにおいては、開催回数を重ねる度に「距離が延びる」傾向が顕著です。

 シネコックヒルズGCも例外では無く、2004年の時6994ヤード・パー70だったものが、2018年は7445ヤード・パー70と、451ヤードも距離が長くなっています。
 近年の各プレーヤーの飛距離伸長に合わせて、「難しくて好スコアが出難いトーナメント」としての「全米オープンの威厳」を保っていくためには、致し方ないことなのかもしれませんが、200ヤードを越えるパー3がひとつ(2番ホール252ヤード)、500ヤードを越えるパー4がふたつ(3番ホール500ヤード、14番ホール519ヤード)、600ヤードを越えるパー5がひとつ(16番ホール616ヤード)というホール配置でとなりました。

 かつては、イーブンパーEか5アンダー未満のアンダーパー、時にはオーバーパースコアで優勝が決まることが多かった全米オープンも、2000年ペブルビーチ・ゴルフリンクスでのタイガー・ウッズ選手の12アンダーでの優勝を皮切りに、2011年のコングレッショナルGCにおけるロリー・マキロイ選手の16アンダー、そして昨年2017年のエリンヒルズ・ゴルフコースにおけるブルックス・ケプカ選手の16アンダーでの優勝と、時折は「二桁アンダー」での勝利が観られるようになりました。

 主催する全米ゴルフ協会としては切歯扼腕の状況であろうと感じますが、2018年の「長くなったシネコックヒルズ」が、協会の期待にどこまで応えてくれるのかは、興味深いところです。

 1986年以降のシネコックヒルズGCでの優勝者は、レイモンド・フロイド選手(1アンダー)、1995年がコーリー・ペイビン選手(E)、2004年がレティーフ・グーセン選手(4アンダー)となっています。
 これまでは、「飛ばし屋」というよりは「ショットメーカー」が好成績を残している印象です。

 現在の世界ランキングの1位ダスティン・ジョンソン選手、2位ジャスティン・トーマス選手、3位ジャスティン・ローズ選手、4位ジョーダン・スピース選手、5位ジョン・ラーム選手、6位ロリー・マキロイ選手、7位リッキー・ファウラー選手、8位ジェイソン・デイ選手、9位ブルックス・ケプカ選手、10位松山英樹選手のTOP10のプレーヤーを観れば、トーマス選手、ローズ選手あたりが「当代屈指のショットメーカーとして」有力ということになるのでしょうか。

 もちろん、ダスティン・ジョンソン選手やマキロイ選手、デイ選手の様に「飛んで上手い」プレーヤーも、優勝候補です。

 我らが松山選手にも頑張っていただきたいと思いますし、「復活の途上」という現状が、かえって精神面では良いかもしれません。「初メジャータイトル」のチャンスも十分に有ると感じます。
 5月3日から6日にかけて、ノースカロライナ州クエイルホロークラブを舞台に開催された、ウェルズファーゴ選手権大会2018は、オーストラリアのジェイソン・デイ選手が終始コースを支配し、4日間通算272ストローク・12アンダーパーのスコアで快勝しました。

 本年1月のファーマーズインシュアランス大会で優勝していますから、今季2勝目となるのですけれども、今大会のプレー内容の方が、全盛時の世界ランキング1位の頃のプレーにより近づいた感じがしますので、「真の復活」と呼びたいと思います。

 「もの凄く飛び、グリーン周りも秀逸」というのが、全盛時のデイ選手のゴルフですが、今大会のプレーは、それを髣髴とさせるものでした。

 350ヤードを超えるティーショットを何度も魅せましたが、特に凄かったのは、最終日の16番ホール、クエイルホローの「グリーンマイル」と呼ばれる難しい上がり3ホールの最初のホール、アーロン・ワイズ選手に10アンダーで並ばれて迎えた16番のティーショットです。379ヤードと報じられました。
 いかに下り斜面とはいっても、桁違いの飛距離でしょう。

 全盛時のデイ選手が「ダイエット」したのか、ひとまわりもふたまわりも細くなり、やや迫力が衰えて、なかなかトーナメントで好成績を残せなくなった時には、「体の絞り過ぎ」が原因ではないかと、私は感じました。
 その状態が、長く続いたのです。

 ところが今大会のデイ選手は、スリムな体はそのままに「臀部や太もも」に筋肉が付きました。
 そして、かつての爆発的な飛距離を取り戻した感があります。
 数字上の飛距離では無く、ショットの迫力・存在感としての飛距離のことです。
 世界ランキング1位で、圧倒的な飛距離を誇るダスティン・ジョンソン選手とも、十分に張り合って行けそうです。

 また、「秀逸なグリーン周り」も披露しました。
 4日間通算16度のバンカーショットで、「15度を寄せワン」でセーブしたのです。
 長いショット、短いショット、深いバンカー、浅いバンカー、ライもスタンスも様々な状況にありながらの15/16のセーブというのは、「秀逸なグリーン周り」を象徴するデータでしょう。

 ジョーダン・スピース選手、ロリー・マキロイ選手と共に「新・三強」と称されてから、この3プレーヤーの活躍が減ったのは皮肉な感じがしましたが、スピース選手とマキロイ選手に復活の兆しが見られ、デイ選手が完全復活したとなれば、今後の2017~18年シーズンは、「新・三強」を中心に回るのかもしれません。
 4月12日~15日、アメリカ合衆国サウスカロライナ州ハーバータウン・ゴルフリンクスで開催された、PGAツアー・RBCヘリテージ大会で、小平智選手がプレーオフの末優勝を飾りました。

 小平選手は初めてのPGAツアー優勝でした。

 最終日、首位から6打差でスタートした小平選手は、1番から3番ホールを連続バーディとして勢いに乗り、7バーディ・2ボギーの66打で回り、4日間通算12アンダーパーとして、トップに立っていたキム・シウ選手の結果を待ちました。

 ハーバータウンGLの各ホールはとても難しいコースですから、14アンダーでスタートしたキム選手も次第にスコアを崩して、ついに12アンダーで並びプレーオフに突入したのです。

 そしてプレーオフの3ホール目で小平選手がバーディを奪い、優勝を決めました。

 この日の最終ラウンドでも5m前後の難しいパッティングを決めて、難度か踏み止まっていた小平選手でしたが、最後のバーディパットも相当に長いものでした。

 初優勝の鍵は「絶妙なパッティング」ということになりそうです。

 それにしても、5m前後のパッティングが入るか入らないかで、それも「複数」入るか入らないかで勝敗が決まるというのは、「勝利の神様の存在」を改めて感じる展開でした。

 小平選手のPGAツアー優勝は、男子日本人プレーヤー5人目の快挙です。
 1983年の青木功選手の優勝を皮切りに、丸山茂樹選手(3勝)、今田竜二選手、松山英樹選手(現役、5勝)、そして小平智選手の5名。

 日本ツアーを主戦場としているプレーヤーによる「21世紀の初制覇」と言っても良いのかもしれませんし、そうだとすれば、日本ツアーで戦う選手たちに大いなる勇気を与える優勝なのでしょう。
 1月25日から28日にかけて、サンディエゴのトーリーパインズ・ゴルフクラブ・サウスコースで開催されたファーマーズ・インシュアランス・オープン大会に、タイガー・ウッズ選手が出場しました。そして4日間をプレーし、3アンダーパー、23位タイという成績で大会を終えています。

 腰の故障からの回復に手間取り、なかなかトーナメントで姿を観ることが出来なかったウッズ選手ですが、過去に7勝し「相性の良い大会」として、ファーマーズインシュアランスオープンを復活の場として選んだのでしょう。

 プレー振りは、タイガー・ウッズ選手らしいものであったと感じます。

 ドライバーショットは310ヤード位飛びます。
 もともと圧倒的な飛距離を武器に戦っていたプレーヤーですが、2010年以降は各プレーヤーの飛距離も伸びましたので、その優位は以前ほどではありませんけれども、それでもまだまだロングヒッターです。何より、2000年前後のプレーと比較しても飛距離が落ちていない、むしろ伸びているところが凄いところです。(この間のゴルフ道具の改良も感じさせます)
 但し、ドライバーショットがフェアウェイFWをヒットする確率は50%に遠く及びませんでしたので、要改善ポイントとなるのでしょうが、全盛期においてもタイガーのドライバーのFWヒット率は高くは有りませんでしたので、それ程気にすることは無いと感じます。

 アイアンショット、アプローチショットも「タイガーのショット」でした。
 パッティングは、試合勘を取り戻しながら改善して行けることでしょう。
 
 この大会におけるタイガー・ウッズ選手のプレーは、「復活への確かな手ごたえ」を感じさせるものでした。
 
 唯一気になったのは、全てのショット、ドライバーからパッティングまで共通して、「スイングの最後の締まり」が、全盛時とは違うと感じました。ここが、しっかりとフィニッシュできるようになれば、優勝争いもそう遠いことでは無いでしょう。

 42歳になったウッズ選手ですが、まだまだ老け込むには早過ぎるでしょう。

 タイガー・ウッズ選手の「第2のプライムタイム」到来が待たれるところです。
 アメリカ・ハワイ州マウイ島カパルアのプランテーションコースで、1月4日から7日にかけて開催された、毎年頭恒例のトーナメント、前シーズンの優勝者しか出場できない、セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズの最終日、ダスティン・ジョンソン選手が信じられないようなショットを魅せてくれました。

 19アンダーパーの大会首位で迎えた12番のパー4。
 433ヤードの打ちおろしホール。
 ジョンソン選手は1番ウッドを使ったティーショットを振り切りました。

 現在のPGAで屈指の飛ばし屋であるDジョンソン選手が「振り切るドライバーショット」を放つのは珍しいことです。いつもは「軽く」振ることが多いのですが、この時はフルショットに観えました。
 「ダスティンがフルショット・・・珍しいな」と呟きました。

 このショットは、フェアウェイFW左サイドとラフの境い目をヒットし、下りにかかって何回か跳ね、FWを転がりました。
 そして、グリーンに乗り!、そのままピンを目指して転がります。

 完全にラインに乗っているように観えましたし、強さも丁度という感じでしたから、「ダブルイーグルか・・・」と思いました。

 転がるボールの勢いが急速に衰え、止まったのはピン手前15cmでした。
 テレビ画面では分からない登り傾斜が、グリーンに存在したのでしょう。

 グリーンに上がったジョンソン選手は、このバットをタップイン。
 テレビ解説の田中プロが「生涯最短のイーグルパットでしょうか・・・」とコメントしました。

 本当にミラクルなホールでしたが、何より凄いのはティーショットの飛距離です。
 放送では「430ヤードのティーショット」と報じられていました。

 距離が正確なアメリカのコースですから、「433ヤード・パー4」というのは間違いないでしょう。グリーン一番奥に切られたカップまで届いた(15cmショートでしたが)ドライバーショットが430ヤード飛んだというのは、納得できます。

 いくら下りのホールとはいっても、PGAツアーでもなかなか観られるものでは無いスーパーショットでした。

 ちなみに、この後の14番ホール・パー4でも、ジョンソン選手はワンオンしていました。
 解説の田中プロは「ひとりだけパー3が多い・・・」と呆れながらコメントしていました。

 ダスティン・ジョンソン選手は、24アンダーパー、2位に8打差を付けて、この大会を圧勝しました。

 「世界ランキング1位の実力」を、まざまざと示したのです。

 昨シーズン、ツアー4勝のDジョンソン選手ですが、今季のPGAでも大活躍、というか、ただ勝つというレベルを超える、「信じられないようなプレー」を、何度も魅せていただけることでしょう。
 11月29日にNIKKEI NETに配信された記事「日本のゴルフ存続の危機 いま私たちにできること」(日本ゴルフ協会専務理事 山中博史氏)は、衝撃的でした。
 
 何より書き出しの数字が凄い。

① 2016年に日本のゴルフコースで1回以上ゴルフをした人の数は、2015年比210万人少ない550万人だった(27.6%減)こと
② ゴルフ人口の高齢化。年代別構成比は、60歳台が23%、70歳台が30%、合わせて53%。これを上回るレジャーはゲートボール(63.5%)だけ

 最近ゴルフ場には高齢者が多いと感じていましたが、これ程とは思いもよりませんでした。
 これが、第3者的立場の方の記事であれば、「ものの見方の違い」や「数値の信憑性の問題」もあるのでしょうが、日本ゴルフ協会専務理事という「当事者中の当事者」の記事というのですから、まさに「真実」ということになります。

 ゴルフコースでプレーする人の半数以上が60歳以上というのも驚きですが、その60歳以上の中でも70歳以上の方が多いというのは驚愕の事実でしょう。日本のゴルフ人口の3人に1人が70歳以上なのです。

 我が国のゴルフコースが、70歳以上の高齢者のプレーにより生きながらえているのは明らかで、その70歳以上のプレーヤー達が、病気・怪我・経済的な問題等々、様々な理由から「ゴルフコースでのプレーを引退」することで、ゴルフ人口が急減しているということです。

 そもそも、たった1年で27%以上もプレーヤーが減少するというのは「異常」なことですし、普通これだけ減少すれば、「ゴルフ競技の存続の危機」が叫ばれても何の不思議もありません。
 にもかかわらず、「存続の危機」という言葉を眼にすることは滅多に無いのです。
 これも不思議なことです。

 おそらく、ゴルフコースの数自体も急減しているために、個々のコースにおいては、それなりに入場者数が確保されているのだろうと思います。
 
 それにしても「存続の危機」であることに変わりはありませんから、ゴルフというスポーツに係わる人たちは、真剣に対応策を考えなければなりません。

 この記事の中にも「スタープレーヤーの創出」といった対応策が記述されていますが、「世界的なプレーヤー」という意味であれば、現在の松山英樹選手は、「日本ゴルフ史上最高のプレーヤー」であることは間違いないことですから、「かつてないほどのスタープレーヤー」が存在することになります。

 おそらくは、そういう問題では無いのでしょう。
 
 現在のゴルフ界を支えている人たちが「高度成長期にゴルフを始めた人たち」であること、そしてその人たちが「ゴルフ会員権保有者の太宗を占めること」を十分に認識する必要があるのでしょう。

 我が国のゴルフ界、ゴルフコースは、「この方々」により支えられてきたのです。
 そして、21世紀になって「新しいゴルファーの開拓」にゴルフ界は失敗したのです。
 それでも「この方々」に支えられて、今日まで生きながらえてきたということになりそうです。

 しかし、さすがの「この方々」も年齢には勝てず、ゴルフコースという表舞台から、どんどん姿を消しているのが、現状なのでしょう。

 一方で、世界のゴルフをリードするアメリカ合衆国においても、ゴルフ人口が減少していることは知られている事実です。3000万人を割り込んでいると報じられています。アメリカでもゴルフ人口は減っているのです。

 「ゴルフ衰退」の現象がわが国特有のもので、隆盛の国が有るのであれば、対応策も見つかり易いと思いますが、世界中で衰退しているということになると、これを改善して行くことは容易なことでは無いでしょう。
 そもそもゴルフと言うスポーツが、21世紀の社会では受け入れられ難いということに、なり兼ねないからです。

 費用が高い、実施に手間と時間がかかる・・・等々、若者がゴルフをやらなくなった理由はいくつも考えられるのでしょう。

 一方で、ゴルフよりよほど費用が掛かる趣味、例えば「釣り」が趣味の友人(ゴルフも月一位プレーします)は、ゴルフより1回のプレーあたり、相当多くの費用が掛かると言っていますが、毎週のように全国各地の釣り場に出かけて行きます。
 要は、消費時間も含めたコストに見合う、あるいはコスト以上の「楽しさ」を提供できる趣味・スポーツであるかどうかがポイントなのです。

 いくつかの問題点をカバーして余りある程に、「ゴルフの面白さ」を人々に呈示することが肝心であることは、間違いありません。
 10月1日、我孫子ゴルフ倶楽部で行われた最終日、3日目を終了してトップに立っていた畑岡選手が、最終日も7アンダーパーで回り、4日間通算20アンダーという、「女子オープン」史上最少スコアで2位に8打差をつけて、圧勝しました。
 1977年の樋口久子選手以来40年振りの大会連覇でした。

 まだアマチュアであった昨年、この大会を17歳263日で史上最年少優勝し、今年ダンロップ女子オープン大会を18歳254日で制して日本女子プロゴルフツアー史上最年少優勝するなど、憧れの宮里藍選手の記録を次々と破ってきた畑岡選手にとっても、「女子オープン連覇」というのは、まさに偉業と言えるでしょう。

 我が国の女子ゴルファーにとって、「女子オープン」は別格の大会です。
 女子プロの方や、女子プロを目指すゴルファーの方に話を伺っても、異口同音に「女子オープンに勝ちたい」と言います。
 計り知れない重みがあるのでしょう。

 全ての面で完璧であったプレーでした。
 270ヤードに届こうかというドライバーショット、思い切りの良い、方向性抜群のアイアンショット、絶妙のアプローチショット、とても転がりの良いパッティング・・・。

 18歳の、身長158cmの決して大柄とは言えない体躯から、素晴らしいショットが次々と繰り出されるのです。

 安定感とパワーを両立させるゴルフというか、「別次元」のプレーを魅せていただきました。

 次々と新しいプレーヤーが出現する日本女子ゴルフ界ですが、一方で「勝ち続けるプレーヤー」が少ないという印象も有ります。

 2017年は、宮里藍選手が引退し、畑岡奈紗選手がプロ入り初勝利を挙げ、日本女子オープンゴルフ選手権競技を連覇したという年、「日本女子ゴルフの主役」が交替した年なのかもしれません。
 PGAツアー2016年~17年シーズンの掉尾を飾る、FedExCupプレーオフシリーズも第3戦を終えました。

 9月17日に幕を閉じた、プレーオフ第3戦・BMW選手権大会2017は、マーク・レイシュマン選手(オーストラリア)が23アンダーパーのスコアで、2位に5打差を付けて優勝しました。
 アーノルドパーマー招待大会に続いての、今季2勝目でした。
 爆発力のあるレイシュマン選手の圧勝劇でした。

 これで、FedExCupプレーオフシリーズ第4戦、今季PGAツアー最終戦のツアー選手権大会に出場する30名のプレーヤーが決まりました。
 現在の世界のゴルフ界を牽引する「トップ30」です。

 日本の松山英樹選手も、ポイントランク7位で最終戦に進出しました。
 松山選手は、PGAツアーデビュー以来4年連続のツアーチャンピオンシップ進出です。
 本当に凄いことです。
 まさに世界を代表するゴルファーのひとりであることを、証明してくれているのです。

 さて、今年のツアー選手権大会において活躍が期待されるプレーヤーを検討してみたいと思います。

[ポイントランキング上位10名]
1位 ジョーダン・スピース選手(アメリカ)
2位 ジャスティン・トーマス選手(アメリカ)
3位 ダスティン・ジョンソン選手(アメリカ)
4位 マーク・レイシュマン選手(オーストラリア)
5位 ジョン・ラーム選手(スペイン)
6位 リッキー・ファウラー選手(アメリカ)
7位 松山英樹選手(日本)
8位 ジャスティン・ローズ選手(イギリス)
9位 ブルックス・ケプカ選手(アメリカ)
10位 ポール・ケーシー選手(イギリス)

 ツアー選手権大会に進出する程のゴルファー・世界のトップ30の好プレーヤーですから、どの選手にも優勝する力かあることは間違いありませんが、やはり今季の調子を観る上では「ランキング上位」であることは重要でしょう。

 現代の3強の一角、今季3勝のジョーダン・スピース選手がポイント1位で進出しました。
 今季5勝と最多勝のジャスティン・トーマス選手が2位です。
 今季4勝で3位進出のダスティン・ジョンソン選手は、現在の世界ランキング1位です。
 今季3勝で7位進出の松山英樹選手は、世界ランキング3位です。

 さて、ツアー選手権大会2017で活躍が期待される5名のプレーヤー検討です。

 今シーズンのトーナメントにおける「爆発力」を見ると、ジャスティン・トーマス選手が抜群でしょう。調子が良いトーナメントでは、他を寄せ付けない強さを示します。
 9月1日から4日に行われた、プレーオフシリーズ第2戦のデルテクノロジーズ選手権でも、2位に3打差を付けて押し切りました。
 一方で、調子の波が大きいのも特徴のひとつでしょう。強い時は滅法強いが、調子が出ない時は、上位に顔を出すことは少ないのです。
 今季、最多の5勝を挙げながら、ポイントランクが2位というのが、それを如実に示しています。
 ちなみに、プレーオフシリーズ第3戦のBMW選手権では47位タイに終わりました。

 逆に、「安定感」という面からは、ジョーダン・スピース選手が抜群でしょう。
 今季のプレーオフシリーズでも、第1戦ノーザントラスト大会で2位、第2戦デルテクノロジーズも2位、第3戦のBMWで7位と、確実に上位に食い込んでいるのです。
 とはいえ「勝ち切れない」という見方もありそうです。

 では、ツアー選手権2017で活躍が期待される5名のプレーヤーを挙げてみます。

① ジャスティン・ローズ選手(イギリス)

 第3戦のBMWでは2位タイに食い込みました。調子を上げているのです。
 アイアンショットの精度では当代屈指でしょう。
 優勝を狙う力が十分に有ると思います。

② 松山英樹選手(日本)

 プレーオフシリーズ直前には、ポイントランキング1位でしたが、調子が出ずに7位まで下がりました。
 一方で、第3戦のBMWでは調子を上げてきている様子でした。
 ツアー選手権に焦点を絞って調整していると観たいところです。

③ ジャスティン・トーマス選手(アメリカ)

 初日にトップに立てば、そのまま押し切る力が有ります。
 「松山選手の天敵」といった存在でもあります。

④ ダスティン・ジョンソン選手(アメリカ)

 その飛距離は、いつも驚かされます。
 プレーオフ初戦も制していますので、コンディションは良いと思います。

⑤ ジョーダン・スピース選手(アメリカ)

 今季は「静かに戦っている」という印象です。
 最後に笑うのは、スピース選手かもしれません。

 ツアーチャンピオンシップ2017は、以上の5名のプレーヤーに期待します。

 アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ郊外の、イーストレイク・ゴルフクラブ、巧みに池を配した美しいコースで、闘いの幕が開くのです。
 8月10日~13日にかけて、アメリカ・ノースカロライナ州シャーロットのクウェイルホローを舞台に行われた、2017年の全米プロ無選手権大会で、松山英樹選手は最終日首位でスタートするなど、優勝争いを演じましたが、サンデーバックナインで失速し、5位タイに終わりました。

 2日目に64打のラウンドを披露して、一気にトップグループに躍り出て、最終日は首位と1打差の2位でスタートし、前半一時トップに立った時には、前週の世界ゴルフ選手権大会優勝の勢いが感じられましたから、今回こそはメジャー大会制覇の夢が広がりましたけれども、惜しくも成らなかったのです。

 最終日のラウンド後のインタビューで、珍しく涙を見せていました。
 余程、悔しかったのでしょう。

 印象的なコメントが有りました。

 (今回の敗戦の経験を次に生かしたい、といった質問に対して)
 「これを経験したからといって克服できるものではないと思うが、場数が増えていけば、それだけチャンスが増えるということだと思う。その1回が(優勝に)当たるように、もっとチャンスを増やしたい」とコメントしたのです。

 何と冷静なコメントでしょう。

 そして、世界のトップで戦い続けているプレーヤーならではの言葉だと感じます。

 メジャートーナメント出場回数を増やしたからといって、勝利を掴めるものでは無いということ、経験の積み上げでは優勝できるものではないと、松山選手は言っています。

 一方で、「トライの回数」=優勝を狙える位置での最終日のラウンドを増やすことで、チャンスは来るとも言っています。

 その通りなのでしょう。

 トライの回数が増えれば、幸運がほほ笑むこともありそうです。

 世界最高水準の心技体を具備したプレーヤーでも、運と実力を総動員しなければ勝てないのが、メジャートーナメントなのでしょう。
 ビッグトーナメントが開催されている時のファイアーストーン・カントリークラブで61打、というのは物凄いスコアです。
 それが最終日のプレーともなれば尚更でしょう。
 7400ヤード・パー70という数字を見るまでも無く、距離十分のセッティングに加えて、高速グリーンと難しいラフという、まさに「難関コース」なのです。

 8月3日~6日にかけて行われた、世界ゴルフ選手権大会WGC「ブリヂストン招待」の舞台は、ファイアーストーンCCでした。
 WGCは、メジャートーナメントに次ぐ高いフィールドの大会です。ファイアーストーンCCは、その舞台に相応しいコースなのです。

 そして松山英樹選手は、そのコースで最終日に61打をマークして、圧勝したのです。

 2番ホール・パー5でイーグルを奪ったのを皮切りに、7つのバーディを重ねて、前半30打、後半31打の61打、4日間通算16アンダーパー、2位のザック・ジョンソン選手に5打差を付けての勝利でした。

 15番ホールを終えて13アンダーとし、2位に2打差を付けた時、松山選手の表情には自信が溢れていました。
 「考えた通りのラウンドが出来ている」ことを実感していたのでしょう。

 16番・パー5、17番・パー4・18番・パー4を3連続バーディで締めくくったのです。

 18番のバーディパットは、難しい下りの3mでしたが、これをきっちりと沈めました。
 パッティングの調子もとても良かったのでしょう。

 4年前、21歳の時に松山選手はタイガー・ウッズ選手と同組でファイアーストーンCCをプレーしました。
 そして、その時ウッズ選手は61打でラウンドしたのです。
 ラウンド後、松山選手は「大人と子供の差がある」とコメントしていました。

 今大会の最終日、松山選手はそのタイガー・ウッズ選手のスコアに並んだのです。

 強い時の松山英樹は、尋常ではない。
 今や世界最強のゴルファーなのかもしれません。
 ロイヤル・バークデール・ゴルフクラブを舞台に繰り広げられた、2017年の全英オープンは、アメリカのジョータン・スピース選手が通算12アンダーパーで優勝を飾りました。
 2位に3打差を付け、4日間トップを守り続けた完全優勝でした。

 3日目を終えて4アンダーの5位タイで最終日のプレーを迎えた松山英樹選手は、スコアを2つ落とし2アンダーでホールアウト。14位タイで大会を終えました。
 「メジャートーナメント制覇」を期待された松山選手でしたが、今大会での達成はなりませんでした。

 もともと、トップのスピース選手とは7打差でのスタートでしたから、ビッグスコア、大きなアンダーパーのラウンドが必要であった松山選手でしたが、出だしの1番ホール・パー4でトリプルボギーを打ってしまいました。
 この時点で、優勝は無くなってしまったのでしょう。

 常に「深いラフ」が用意される全英オープンですから、ティーイングショットにはフェアウェイヒットが求められるのです。

 松山選手も、当然ながら十分に分かっていて、1番ホールのティーショットは3番ウッド・スプーンで打って行きました。
 世界トップクラスのプレーヤーのスプーンによるショットは、1番ウッド・ドライバーによるショットと比べて、圧倒的に「方向性が安定」します。飛距離を犠牲にして(とはいっても280ヤードを超えるショットが観られますから、凄いものなのですが)、方向性を取るショットとなるものなのです。

 ところが、このスプーンによるショットは、大きく右に曲がってしまいました。

 深いラフというか、背の高い草がもしゃもしゃに生えたエリアにボールが吸い込まれた時、OB(アウトオブバウンズ)は間違いないと思われました。

 打ち直しの第3打はしっかりと狭いフェアウェイを捕えていましたから、本当に惜しまれる第1打だったのです。

 こうなれば、所謂「OBボギー」を取って、1打のロスで1番ホールをクリアしようと狙った第4打、ピンに絡むショットが期待された第4打が、これも全英オープンの名物である深いバンカーに捕まってしまいました。

 まさに、全英オープンの罠に嵌ってのトリプルボギーとなってしまったのです。

 松山英樹選手の全英オープン2017は、とても残念な結果となってしまいましたけれども、最終日の1番ホールでトリプルボギーを打ちながらも、残りの17ホールでスコアを1打改善したところに、実力の高さを感じます。

 完全に勢いを削がれた状態でも、スコアを大きく崩すことが無かったプレーでした。

 松山選手のメジャー制覇への挑戦は、さらに続きます。
 6月15日~18日にかけて、ウィスコンシン州エリンヒルズ・ゴルフコースで開催された、2017年の全米オープンゴルフ大会において、松山英樹選手は4日間通算276打・12アンダーパーの好成績で2位タイに食い込みました。

 4大メジャー大会における2位の成績は、日本人選手の歴代最高成績に並ぶ、見事な結果でした。

 何より素晴らしいのは、「トーナメントの展開次第では優勝も有り得る内容」であったことでしょう。

 松山選手が12アンダーでホールアウトした時、首位を争っていたケプカ選手とハーマン選手は13アンダーでした。
 全米オープンという「とても難しいセッティング」の大会ですから、この2人のプレーヤーのスコアが崩れる可能性は十分に有り、バーディとボギーが交錯するサンデーバックナインの様子次第では、「12アンダーでのプレーオフ」は十分に有り得ると感じました。

 結果的には、ブルックス・ケプカ選手が、その状況から3連続バーディという離れ業をやってのけ、今大会を制したのです。
 全米オープンのサンデーバックナインで「3連続バーディ」というのは、素晴らしいプレーであり、優勝者に相応しいプレーでもありました。
 今大会は「ケプカ選手の大会」となったのです。

 松山選手について見れば、2日目と4日目のプレーが秀逸でした。
 特に2日目の「7バーディ0ボギー・65打」のラウンドは、メジャートーナメントを戦っていくために必要な内容を、見事に具現してくれたものでしょう。
 4日目の「8バーディ2ボギー・66打」も、メジャートーナメント最終日のラウンドとしては、望みうる最上のラウンドでしょう。
 特に、15番・パー4で痛いボギーを打った後、16番と18番をバーディとした反発力は、松山選手の力量の高さを見事に示してくれたものだと思います。

 この「反発力」こそが、世界のトップで戦っていくために必要な資質なのです。

 初日の74打が惜しまれるところですが、これはラウンドの流れ・4日間の流れの中の話でしょう。
 「初日が74打・2オーバーだったから、4日間通算12アンダーが出た」のであろうと考えます。

 3日目に、「9バーディ1イーグル2ボギー・63打」という爆発的なスコアを叩き出し、一気に9打スコアを伸ばしたジャスティン・トーマス選手が、最終日の前半に3つのボギーを叩いて、優勝争いから脱落したのは、トーナメントにおける「1日1日のプレーの違い・流れ」を痛いほど感じさせるものでした。
 3日目に9アンダーでラウンドしたコースを、4日目は3オーバーなのです。1日違うだけで「12打の違い」が生ずるのですから、ゴルフというのは、それもメジャートーナメントというのは、怖いものだと思います。

 今大会で、松山英樹選手は「メジャートーナメントの優勝への戦い」を実感したことでしょう。得る物が多かったのではないかと思います。

 世界ランキング上位の3選手が、いずれも決勝ラウンドに進めなかったトーナメントで、2位に入った松山選手は、そのランキングを2位まで上げました。
 ついに2位まで上がってきたのです。ランキングは結果に過ぎないとはいえ、素晴らしいことです。

今後の様々なトーナメントにおける、松山選手の活躍が、本当に楽しみです。
 6月15日から18日にかけて行われる、2017年の全米オープンゴルフ大会に新しいコースが登場します。

 ウィスコンシン州のエリンヒルズ・ゴルフコースです。

 四大トーナメントの中で「最も難しいセッティング」で開催される全米オープンの会場に、初めて選出されたコースですから、さぞかし「難易度の高いコース」でしょうし、その姿・様子を観ることも、今年の大会の大きな楽しみです。

 エリンヒルズは、過去にPGAツアーで使用されたことはありません。
 一方で、2011年の全米アマチュア選手権大会の会場として使われています。従って、この全米アマでの様子が、コースを観る際のポイントとなりそうです。

 全米アマの時には、全長7760ヤード/パー72のセッティングだったそうです。相当に長いコースです。
 その時の1番ホールは、615ヤード/パー5、5番は507ヤード/パー4、6番は236ヤード/パー3、10番は504ヤード/パー4、18番は660ヤード/パー5となっていますので、間違いなく長いコースでしょう。

 加えて、インターネットの情報、写真によるコースの様子を観ると各コースのプレーをするエリアには「木が全く見当たりません」ので、風の影響を大きく受けそうなコースということになります。

 さすがは、全米オープン会場に新しく加えられたコースなのです。

 21世紀に入ってから、これまで3つのコースが全米オープンの新コースとして加えられました。

・2002年 ベスページステートパーク・ブラックコース(ニューヨーク州) 優勝者タイガー・ウッズ
・2008年 トーリーパインズゴルフコース・サウスコース(カリフォルニア州) 優勝者タイガー・ウッズ
・2015年 チェンバーズベイ・ゴルフコース(ワシントン州) 優勝者ジョーダン・スピース

 この3コースの内、ベスページとトーリーパインズは既に「全米オープンに相応しいコース」として認識されたようです。
 そのこと自体が、とても価値あることだと思います。
 ベスページ・ブラックコースは、既に2009年に2回目の会場となっていますし、トーリーパインズ・サウスコースも2021年の会場に決まっているのです。

 これまでも、新コースとして使用されながら「2度目の開催が無い」コースもあるのですから、選ばれるだけでもとても光栄なことであり、開催コースとして「定着」するのは相当に難しいことなのでしょう。

 少し話は逸れますが、この2つの新コースで開催された大会は、いずれもタイガー・ウッズ選手が優勝しています。全盛期のタイガー・ウッズ選手の適応力の高さを示す事実でしょう。

 話を戻します。

 エリンヒルズの「難しさの源」はその長い距離であろうと思いますので、ベスページ・ブラックコースと同じようなセッティングが行われると観てよさそうです。
 そうすると、全米オープン2017は、7800ヤード/パー70いったレギュレーションになるのでしょう。
 グリーンも、もちろんアンジュレーション満点の作りですから、これで風でも強く吹こうものなら、とんでもなく難しいコースに成る可能性があります。

 オークモント・カントリークラブやバルタスロールゴルフクラブ、コングレッショナル・カントリークラブ、ウィングドフット・ゴルフクラブ、ペブルビーチ・ゴルフリンクス、オークランドヒルズ・カントリークラブ、といった、全米オープン100年の歴史を支えてきた常連の難コースに、全米ゴルフ協会は新しいコースを次々に加えてきています。

 2017年のエリンヒルズ・ゴルフコースに続いて、2022年にはザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州)、2023年にはロサンゼルス・カントリークラブ(カリフォルニア州)が登場するのです。

 歴史と伝統を誇る世界最高のゴルフトーナメント(全米ゴルフ協会はもちろん、そう認識していることでしょう)は、時代の流れ、ゴルフ競技各方面の進化・変化に対して、柔軟に対応し、新しい方法を導入していかなければならないのは、当然のことなのかもしれません。

 「いつまでも継続・存続」していくためには、「常に進化・変化を続けていかなくてはならない」、「不変の為には、変化し続けなければならない」のは、ゴルフ競技、あるいはスポーツに限らず、世の中の全ての事柄・事象・組織・事業に共通したことなのでしょう。
 2016年後半から2017年前半の素晴らしい活躍を受けて、日本人プレーヤーによる初のメジャー制覇が期待された松山選手でしたが、3日目までの出遅れが響き、最終日67打の好スコアで追い上げを図ったものの、前日の28位から11位まで順位を上げるに止まりました。

 最終日のラウンドが素晴らしいものであったので、本当に3日目までの不振が惜しまれるところです。

 3日目までの松山選手は、前半の7番ホールと、パッティングに悩まされました。

 7番ホールでは、初日・2日目と大叩きしました。
 最終日は見事に克服していましたので、苦手ホールにはならずに済んだのではないでしょうか。

 パッティングでは、まずは「3~4m」位がなかなか入らない、3日目まではバーディは皆2メートル以内という状況が続きました。
 オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのグリーンで、ボールをピンから2メートル以内に寄せるというのは「至難の技」です。ほとんど止まりかけた状況から、10m以上転がったり、グリーン外に出てしまうというのが、決して珍しくは無い、高速かつ傾斜のきついグリーンだからです。

 パッティングが不調な中で、3日目まででも相当数のバーディを獲得していたことを勘案すれば、松山選手のショットの素晴らしさが分かります。

 具体的なホールで言えば、何といっても3日目の18番ホールが痛かった。

 70cmから3パットしてしまい、このホール4パットでダブルボギー。せっかく2オーバーパーまでスコアを戻していただけに、このダブルボギーは堪えました。
 今大会の松山選手に「止めを刺した4パット」ではなかったかと感じます。

 苦しんだ今大会で、しかし4日目の67打は光明でしょう。

 ラウンド後のインタビューで「昨年末から今年初めのパッティングがいつでも出来る状態になれば、(マスターズ・トーナメントで)絶対に勝てると思う」とコメントしました。
 「絶対に勝てる」という言葉に、松山選手の今大会のプレーに対する悔しさと自信が表れていました。

 近時、「分析」が大好きで得意なアメリカスポーツ界・メディアの詳細な研究により、松山英樹選手の弱点が「パッティング」にあると報じられるようになりました。
 そして、4大メジャートーナメントの中で、最もパッティングの占める比重が重いとされるマスターズ大会の事前予想において、松山選手の順位予想は、世界ランキング4位というポジションからすると、相当低いものでした。

 そして、残念ながら、今大会の結果はその「予想」に近いものとなってしまったのです。

 とはいえ、昨年末から今年初めのパッティングを取り返す時間は、まだまだ十分にあるのです。

 2017年の残りの3つのメジャー大会、そして2018年のマスターズ大会に向けて、松山英樹選手の挑戦は続きます。
 10代で世界トップクラスのトーナメントに彗星のように現れ、好成績を残して、「神の子」と称されたガルシア選手が、37歳となった2017年のマスターズ・トーナメントで、ついに優勝を捥ぎ取りました。
 自身、四大メジャートーナメント74回目の挑戦でした。

 そもそも、マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロの四大トーナメントに、74度も出場すること自体が、大変なことです。
 20年間連続して、四大トーナメントに出場して、ようやく80回なのですから。

 約18年間に渡って「四大トーナメント出場資格」を維持し続けてきたのですから、ガルシア選手がいかに安定した成績を残し続けてきたのかが分かりますし、四大トーナメントでの2位・3位といった上位の成績も、当然ながら残してきました。

 しかし、「四大トーナメント・チャンピオン」という称号だけは、これまで手に出来なかったのです。
 PGAツアー9勝、欧州ツアー13勝を始めとして、世界中の大会で好成績を残してきたガルシア選手なのですから、不思議なことだと思っていました。
 「神の子」と呼ばれたプレーヤーでも、このまま「メジャー未勝利」で終わる可能性も有ると感じ始めていた矢先の、マスターズ制覇でした。

 4月9日の最終日もガルシア選手の戦いは苦難の連続でした。

 15番・パー5で、素晴らしい第2打から難しいパッティングを決めて、ガルシア選手がイーグルを奪い、同ホールをバーディとしたジャスティン・ローズ選手と9アンダーで並んだ時には、ガルシア選手が有利に観えました。

 迎えて16番のパー3。
 オナーのガルシア選手は2m弱にグリーンヒット。負けじとローズ選手も2m強にグリーンヒット。別々のルートからの寄せ合いは、見ごたえ十分。
ローズ選手がフックラインをしっかりと決めてバーディ。ガルシア選手は、スライスラインを打ち切れずにパー。ローズ選手が1打リード。
 2mを打ち切れなかったガルシア選手に、メジャー大会におけるプレッシャーが感じられましたので、メジャー優勝経験者(2013年全米オープン)であるローズ選手に、トーナメントの帰趨は傾いたかと感じられました。

 ところが、続く17番・パー4の第2打。ローズ選手のショットはグリーン手前のバンカーへ。近年、勝敗に大きな影響を及ぼすこととなったバンカーが、2017年も牙をむいたのです。

 こうしてガルシア選手とローズ選手は9アンダーのままホールアウトし、勝負はプレーオフに持ち込まれました。
 その第1ホール、18番パー4で、ガルシア選手は2mほどのパッティングを決めてバーディを奪取し、決着を付けました。
 
 かつては、そのアドレスに要する時間の長さ、いつ果てるともしれない「ワッグル」の回数・長さもあって、「メジャートーナメントにおける精神面の弱さ」が指摘されることもあったガルシア選手でしたが、「73度の大会」において培った力が、見事に結実した印象です。

 セべ・バレステロス選手、ホセ・マリア・オラサバル選手に続く、スペイン出身プレーヤー3人目の優勝でした。

 控えめなガルシア選手の、力いっぱいのガッツポーズが、18番ホールのグリーン上で炸裂していました。
 
 寒い日が続くので、今回はすき焼きを食べながら日本酒を楽しみました。

S君「東京オリンピックのゴルフ会場に決まっている霞ヶ関カンツリー。最近「男女平等」ではないということで、女性にも「正会員」を開放すべきだとIOCから注文を付けられているらしい。」

私「結構大きなニュースになっているね。」

S君「変な話だと思うよ。「クラブライフの独立性」はどう評価されているんだろう。クラブは会員が協議の上で運営されているはず。であれば、霞ヶ関カンツリーは「正会員は男性に限定する」と決めているだけの話。そのことと「男女平等」は別の話だろう。」

私「確かに、クラブ運営の独立性は確保されるべきものだよね。おそらく世界中に、様々なルールが用意されているゴルフクラブが存在するだろうし、ゴルフ、あるいは、スポーツに限らず、独自のルールを決めている各種のクラブは無数に存在しそうだ。クラブライフにおいては、会員の自治権が尊重されるべきだし、そのクラブのやり方が気に入らないのであれば、クラブに入らなければよい。脱会することもできる。」

S君「オリンピック会場に使われるという理由だけで、そのルールを廃止しなさいと言われる理由は無いだろう。」

私「たくさんある候補コースの中から霞ヶ関は、そのコースの品格、歴史と伝統、36ホールのスペース等々の理由で白羽の矢が立ったのに、ここにきて、当初全く示されていなかった「新基準」が登場した形。」

S君「霞ヶ関カンツリーはこの指摘を断れば良いと思う。そして、東京オリンピックは別のコースを探せば済むことだ。」

私「プレーしたことがあるけれども、確かに霞ヶ関は良いコースだと思う。十分な距離と、アリソン型のフェアウェイバンカー等により、とても難しいコースとなっている。日本屈指の名コースと呼ばれるだけのことはある。とはいえ、唯一無二という訳でもないだろう。東京近辺の、例えば日本オープン開催コースなら十分に代替できると思う。」

S君「霞ヶ関は、女性ゴルファーでもプレーをすることができる。プレーしている女性から「男女差別」のようなものは感じられないとのコメントもあるようだ。当然ながら、クラブとしても女性がプレーするためのインフラを整備しているのだろう。」

私「ゴルフクラブの中には、諸条件を満たしても、会員からの反対があるとメンバーに成れないコースもある。これは男女の別無く、会員になれない。そうした時に「これは平等じゃない」と言うのだろうか。その人は「クラブに入れてもらえなかった」ということであり、現在のクラブメンバーが「相応しくない」と判断したということ。クラブとはそういうものなのだろう。」

S君「例えば、今度のことで正会員を女性にも開放して、2020年のオリンピックまでに「数人の女性正会員が誕生した」として、今度は男性正会員と比べて女性が少なすぎる、なんていう意見が出てくるかもしれない。相当変な話だと思うよ。」

 お酒も進み、テーブル上のすき焼きのお肉や野菜がすっかり無くなりました。
 
 私とS君は「ごちそうさま」と言って、席を立ちました。
 この言葉は、アメリカのゴルフ中継で、松山英樹選手が映った時に、アナウンサーや解説者がよく口にするものだそうです。
 「NumberWeb 2月8日」の記事に登場しています。とても面白い記事でした。

 日本語では「高い基準、高い期待値」といった意味の様です。

 松山選手は、ショットした際に、クラブから手を放したり、がっかりした様子を示したりすることが時々あります。ところが、ボールはしっかりフェアウェイやグリーンをヒットし、時には同伴競技者の中で最もピンに近いところに乗っていたりする、そうした場合に、アナウンサーや解説者が発する言葉なのです。

 「ピンの近くにボールが落ちたのに、何であんなリアクションなんだ」「またフィニッシュで手を放したけれど、どうせグリーンに乗っているんだろう」といったコメントも出されているようです。

 そして「絶好のバーディチャンスにつけようが、松山が納得顔でグリーンに向かう姿は稀だ。天を仰ぎ、ふくれっ面でグローブを手から取りながらも、ボールは同伴競技者の中で一番カップに近いところにあるなんてことは珍しいことではない」と続きます。

 「彼が求める基準や理想が他選手に比べずいぶん高そうなことは、米国でも多くが知ることとなった」とも書かれています。

 フェニックスオープン大会2017の優勝会見の第一声は「良いプレーかどうかは分からないですけど・・・勝つことができてうれしいです」でした。
 世界最高レベルのPGAツアーの公式戦、それも相当高いフィールドの大会で優勝したなら、自動的に「良いゴルフをした」ということになりそうですし、そもそも「良いゴルフをしなければ優勝できない」もののように思われますが、松山選手の「基準」は別のところにあるようです。

 聞く人によっては「自分のゴルフは不満足なものだったけれども優勝した」→「自分は自分にとって最高レベルのプレーを展開できなくてもPGAツアーの大会で優勝できる」かのように聞こえてしまうかもしれないコメントです。
 もちろん、松山選手はそういう意味でコメントしているわけではないのでしょうが・・・。

 「求めるところが高い」ということなのでしょう。

 この高い向上心、飽くことのないハイレベルなゴルフの追及、この姿勢こそが松山英樹選手の強さの源であることは、間違いありません。
 TPCスコッツデール・コースにおける強さ、そしてプレーオフでの強さ、を存分に披露して、松山英樹選手がPGAツアー4勝目を挙げました。

 この優勝は、PGAツアーにおける日本人選手の優勝として「記録ずくめ」のものとなりました。

① 通算最多の4勝目

 丸山茂樹選手の3勝を抜いて最多優勝記録です。

② 1シーズン2勝目

 日本人選手として、史上初めてのことです。これから佳境を迎える2016~17年シーズンですから、3勝目4勝目が十分に狙えることでしょう。

③ 同一大会2勝目

 歴史と伝統を誇るビッグトーナメントでの複数優勝は見事の一語です。

④ 同一大会連覇

 こうした記録は、松山選手が日本人ゴルファーとして「史上最強」であることを如実に示していると思います。

 そして、PGAツアーの記録において際立っているのは「プレーオフに滅法強い」ということなのでしょう。
 これで「3戦3勝」なのです。

 72ホール目の18番、松山選手のバーディパットはカップ寸前で止まりました。あと一転がりが無かったのです。松山選手も天を仰いで悔しがります。しかしボールはカップインしませんでした。
 これでプレーオフにとなったのです。

 まるでゴルフの神様が「プレーオフが観たい」と言っているようでした。

 そして、プレーオフ3ホール目の10番、ウェブ・シンプソン選手のバーディパットはカップ寸前で「急停止」しました。とても不思議な光景でした。この高速グリーンで、下りから登りに差し掛かるラインとはいえ、あと3cmの転がりが無かったのです。

 まるでゴルフの神様が「プレーオフで勝つのはMATSUYAMAだよ」と言っているようでした。

 プレーオフは、昨年の大会、リッキー・ファウラー選手との争いと同じ4ホール目・17番で決着しました。
 松山選手は3m弱のバーディパットをキッチリと決めて、勝利したのです。
 2年連続の長いプレーオフの戦いでした。

 2年連続のTPCスコッツデールでのプレーオフ、2年連続の4ホール目突入、2年連続の勝利。

 この2つの大会で違っていたのは、大観衆の声援でした。

 2016年は「完全アウェイ」、大観衆の殆どがリッキー・ファウラー選手を応援し続ける状況下、松山英樹選手は勝利を捥ぎ取ったのです。

 2017年は「ヒデキ!」の声が響き渡りました。
 勝負を決めた17番ホールのバーディパットは、静寂の中インパクトした瞬間から「ヒデキ!」の大歓声が会場を包み、大歓声の中でボールはカップに吸い込まれました。

 この1年間で、松山英樹選手が「PGAツアーにおける看板選手」に成ったことを示す、素晴らしい、本当に素晴らしいシーンであったと思います。
 1月12日から15日にかけて、ハワイ・ワイアラエカントリークラブを舞台に行われた、PGAツアー、ソニーオープンinハワイ2017は、アメリカのジャスティン・トーマス選手が253打・27アンダーで、2位に7打差をつけて圧勝しました。

 トーマス選手は前週のトーナメントofチャンピオンズに続いての連続優勝で、今シーズン3勝目。
 「253打」は、72ホールのトーナメントとしてPGAツアー新記録という、素晴らしい優勝となりました。
 長いPGAツアーの歴史、ベン・ホーガン選手やアーノルド・パーマー選手、ジャック・ニクラウス選手やトム・ワトソン選手、タイガー・ウッズ選手といった、ゴルフ史上に燦然と輝く名プレーヤー達でも成し遂げることが出来なかった記録を樹立したのです。

 前週のチャンピオンズ大会の優勝の際には、松山英樹選手の「天敵」になりつつあると書きましたが、そうではなくて、トーマス選手が絶好調であり、現時点では世界最強のゴルファーであることを証明したのです。(これまでの記録は、2003年のバレロテキサスオープンのトミー・アーマー三世選手の254打)

 2位にジャスティン・ローズ選手、3位にロリー・マキロイ選手といった「メジャーチャンピオン」を従えての優勝は、圧勝に花を添えるものとなりましたし、松山選手と激しく競り合っていたフェデックスカップ・ポイントでも、首位に立ったのです。

 もともと「ガンガン行く」タイプのプレーヤーであり、初優勝、優勝2戦目が共に、ハイスコアの争いになることが多いCIMBクラシック大会でしたので、その爆発力には定評がありましたが、2017年に入っての2つのトーナメントでの戦い振りを観ると、厳しい局面での粘り強さが加わってきましたので、「鬼に金棒」という状態でしょう。

 まだ23歳、現3強の一角ジョーダン・スピース選手と同期であり、松山英樹選手より1歳年下ですから、今後の世界ゴルフ界を牽引していく存在であることは、間違いないのでしょう。

 2017年のメジャー大会における、松山選手との競り合いが、とても楽しみです。
 変化に満ちた最終日のラウンドでした。

 PGAツアー、2017年の緒戦、昨シーズンのトーナメントチャンピオンだけが出場を許される年初のビッグトーナメント、トーナメントオブチャンピオンズ大会2017の最終ラウンドは、1月8日ハワイ・カパルアのプランテーションコースで行われました。

 この日の松山選手は、このところのラウンドでは調子が悪い方であったと感じます。
 各ショットのアドレスが長く、中々ワッグルが終らない光景は、久し振りに見られたと思います。

 13番ホールを終えて、トップのジャスティン・トーマス選手が22アンダーとスコアを伸ばし、2番手の松山選手に5打差を付けた時には、トーマス選手が優勝に近づいたと感じましたが、トーナメントはここから3転しました。

① 14番ホールで松山選手がチップインイーグル

 ワンオンも狙える短いパー4の14番で、松山選手は果敢にドライバーを振り抜き、グリーン手前のバンカー近くまで運びました。
 とはいえ、バンカー越えの打ち上げのアプローチショットですから、難しいショットだと思って見ていましたが、これを松山選手は直接カップインしてイーグルとしました。

 5打差を3打差に詰めるスーパーショットでした。

② 15番ホールでトーマス選手がダブルボギー

 15番ホール・パー5の第2打、トーマス選手はフェアウェイからのショットを左側のハザードに打ち込んでしまいました。ここまで安定感抜群のプレーを継続してきたトーマス選手にとっては痛恨の一打。前下がりのライは、このレベルのプレーヤーにとっても易しくは無いのでしょう。

 そして3m強のボギーパットが右に外れてダブルボギーとなってしまったのです。
 松山選手との差は1打に縮まりました。

 松山選手にとって惜しまれるのは、このホールで4m弱のバーディーパットを右に外してしまったことでしょう。ダブルボギー・バーディで3打差を一気に詰めるチャンスでした。

③ 17番ホール、トーマス選手の素晴らしい第2打

 1打差で迎えた17番ホール、ティーショットは松山選手の方が飛んでいましたが、先に打ったトーマス選手の第2打、200ヤードを優に超えるアイアンショットでしたが、これがピンに1m弱というスーパーショット。

 左側が崖になっているようなピンに対して、キッチリとピンの根元に打って行ったのです。トーナメント優勝はこのショットで決まったという印象です。

 松山選手もグリーンセンターにキッチリと第2打を運びましたが、10m弱のパッティングが1.5m程オーバーし、返しも入らずボギーとしてしまい、彼我の差は3打に開きました。

 3打差で迎えた18番ホール・パー5、先にトーマス選手が2オンしてイーグルパットを残した状況下、松山選手も2オンし、トーマス選手よりピンに近い位置にボールを運びました。
 素晴らしいショットの応酬は、PGAツアーの醍醐味を感じさせる、世界最高レベルのものであったと思います。

 松山英樹選手は2位でトーナメントを終えました。
 第1ラウンドから徐々に調子を上げての2位は、ご本人のコメントにもあったように、決して悪い成績では無いと感じます。

 これで松山選手は、直近の6大会で、優勝4回・2位2回という、相変わらずの好調を維持しているのですが、その2位2回の大会で優勝したのが、共にジャスティン・トーマス選手なのです。
 変な書き方で恐縮ですが、トーマス選手は松山選手の「天敵」になりつつあるのかもしれません。

 ジェイソン・デイ選手やジョーダン・スピース選手、ダスティン・ジョンソン選手らの世界のトップランカーを相手に、堂々たる優勝争いを演じた松山英樹選手の実力は、まさに世界トップクラスであることは間違いないでしょうし、こうしたフィールドで毎試合優勝争いを演じている姿はミラクルそのもので、現時点では「世界最強のゴルファー」と言っても良いのかもしれません。

 松山英樹選手は「日本の誇り」なのです。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031