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 JRAホームページの「日本馬海外遠征の記録」の2014年の欄、牡6歳のアドマイヤラクティの1行目は、オーストラリア・コーフィールドカップG1・1着とあります。
 見事な豪州G1レースの優勝です。
 そして2行目は、オーストラリア・メルボルンカップG1・22着とあります。
 このレースは最下位でした。
 このレースの直後に「悲劇」が起こったのです。

 10月18日、芝2400mのコーフィールドカップ快勝で勢いに乗ったアドマイヤラクティは、11月4日の芝3200mのメルボルンカップに挑みました。
 長距離に強く、日本国内で唯一の重賞勝ちが2013年のダイヤモンドステークスG3(芝3400m)でしたから、距離が伸びて良いと観られていましたし、前走G1の勝利で、このレースでは一番人気に支持されました。
 しかし、レースでは4角から後退し、最下位の22着に敗れてしまいました。
 意外な負け方でした。

 レース後、滞在している厩舎に帰ったアドマイヤラクティは馬房内で倒れ、そのまま死亡しました。検死の結果、心臓麻痺でした。
 
 レース中に発症していたのではないかと観ています。
 心臓に故障を起こしたアドマイヤラクティは、懸命にゴールまで走ったのでしょう。
 その頑張りには、今でも涙が零れます。

 ハーツクライの仔として2010年にデビューしたアドマイヤラクティは、2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げましたが、その後も500万下や特別レースで健闘するものの、なかなか重賞には縁が有りませんでした。
 重賞初出走も、4歳12月の金鯱賞G2でした。このレースで3着に入着し、その後は重賞レースの常連となりました。
 2013年には前述のダイヤモンドステークスG3の優勝を始め、G2アメリカジョッキークラブカップ3着、天皇賞(春)4着、ジャパンカップ4着、G2アルゼンチン共和国杯と阪神大章典が2着と健闘しましたが、やはり主役にはなり切れなかったと感じます。

 そのアドマイヤラクティが、初めてG1を制したのがオーストラリアでした。
 オーストラリアの競馬が合っていたことは間違いないのでしょう。

 アドマイヤラクティは、大好きであったろう「豪州」の地に埋葬されています。

 3月29日、中京競馬場芝1,200mコースで開催(無観客)される、第50回高松宮記念競走G1の注目馬検討です。

 フルゲート18頭。
 春の短距離王決定戦ですが、良いメンバーが揃いました。

 現時点の「1,200m最強馬」という趣の馬は出走していませんので、これからのJRAスプリンター路線の軸となる馬を決めるレースと言って良いのでしょう。

 また、2月のフェブラリーステークスを制したモズアスコットの出走も、興味深いところです。ダートG1と芝G1の連勝というのは、素晴らしいことでしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、5枠9番のタワーオブロンドン。
 昨秋のスプリンターズステークスG1の覇者ですから、最も格上でしょう。ここを勝つようなら、「THE古馬」の仲間入りです。

 第2の注目馬は、4枠8番のグランアレグリア。
 桜花賞馬であり、前走阪神カップG2も5馬身差で圧勝しました。牡馬一線級を相手に、どこまで戦えるかに注目です。

 第3の注目馬は、8枠18番のノームコア。
 大外に回ってしまいましたし、昨秋のヴィクトリアマイルG1勝ちを観ても1,200mは少し短いかとも思いますが、陣営としては持ち味のスピードが活かせる舞台と踏んでいるのでしょう。
 新しいスプリンターの登場に期待します。

 今回は、以上の3頭に注目します。
 いずれもG1馬ですから、やや「格」に偏った選定かもしれません。

 残念ながら今週も「無観客」のレースですけれども、熱い戦いを魅せていただけることでしょう。
 JRAホームページの「日本馬海外遠征の記録」の1997年の欄、一番上にホクトベガのドバイワールドカップ挑戦が記されています。
 着順は「中止」。

 「悲劇」が起こったのです。

 皆さんご承知の通り、ホクトベガはこのレースで転倒し左前脚を複雑骨折、予後不良と診断され安楽死処分となりました。
 報じられた直後の衝撃と悲しみを、今でも思い出します。

 1997年のドバイワールドカップは、まだ第2回でした。ドバイワールドカップが世界屈指の競馬ミーティングに成長して行く過程の開催だったのです。
 
 さらに、当初開催予定であった3月29日が、ドバイでは滅多に観られない程の大スコールとなって、4月3日に延期されていました。

 また、ホクトベガの体調についても、ドバイへの長距離輸送の影響で飼葉食いが落ち、馬体重も20kg以上減ってしまいました。もちろん陣営としては懸命にコンディションの回復を図り、何とか出走できる状態にまでには仕上げたと報じられていたのです。
 7歳牝馬には、負担が大きい挑戦だったのかもしれません。

 今となってみれば、「出走回避」できなかったものかと感じますが、詮無いことなのでしょう。

 1996年のホクトベガは、10戦8勝、内G1レースで5勝という素晴らしい成績を残しています。
 6歳であったこの年は、「ダートの鬼」として、地方競馬とのダート交流戦にも挑み続け、勝ち続けたのです。
 1月の川崎記念、2月のフェブラリーステークス、3月のダイオライト記念、6月の帝王賞、12月の浦和記念とダートG1・5勝の戦績は見事なものです。

 そして、1997年2月の川崎記念を連破して、勇躍ドバイに乗り込んだ形です。

 もともと3歳時には、芝のG1・エリザベス女王杯を制していたホクトベガですが、5歳の6月に、川崎のエンプレス杯G1に勝利して、ダート競馬への適性を示し、6歳時の大活躍に繋がりました。
 この走りならドバイでも、と考えたのも止む無しというところでしょうか。

 2014年、オーストラリアのメルボルンカップG1に挑戦し、レース後死亡したアドマイヤラクティとともに、日本馬による海外競馬挑戦における最大の悲劇であろうと思います。

 「中止」は、長い「日本馬海外遠征の記録」における、唯一の記載なのです。

 JRAホームページの「日本馬海外遠征の記録」から、もうひとつ。

 日本馬による、史上初の海外重賞制覇は、有名な「1959年ハクチカラによるワシントンバースデイハンデ競走優勝」です。
 当時の中央競馬NO.1調教師・尾形藤吉が、当時の中央競馬NO.1ジョッキーであった保田隆芳を連れて、アメリカ競馬に挑戦した結果です。
 ハクチカラは5歳から6歳にかけて、アメリカで17走し1勝を挙げたのです。
 当時の日本競馬界NO1の名馬とともに、果敢にアメリカ競馬に挑んだ尾形調教師と保田騎手、そして関係したホースマンの皆さんの「高い志」と努力に頭が下がります。

 さて、ハクチカラが開拓した海外競馬への道ですが、このハクチカラに続いて海外重賞を制する日本馬は、しかし、なかなか出ませんでした。

 現在に比べ、遠征の負担(馬に対する負担も、馬主に対する負担も)が大きかったことも、理由のひとつなのでしょうけれども、何より、「日本馬より海外馬の方が強かった」ことが最大の要因であろうと思います。

 1967年と69年に、スピードシンボリが凱旋門賞(着外)やキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(5着)を含む4走していますけれども、やはり優勝は遠いものでした。(このスピードシンボリの1969年の挑戦が、日本馬による初の凱旋門賞出走でした)

 同じ1969年にタケシバオーがワシントンDCインターナショナル競走に挑み(7着)、1972年にはメジロムサシが凱旋門賞(18着)とワシントンDC(7着)に出走しています。
 優勝こそ出来ないものの、日本馬による海外重賞への挑戦は、営々と続いたのです。

 1986年にはシンボリルドルフがアメリカのG1・サンルイレイステークス(6着)に、ライバルだったギャロップダイナがフランスのジャックルマロワ賞(12着)とムーランドロンシャン賞(10着)の2つのG1に出走しています。
 日本馬による海外重賞への挑戦が少なかった1980年代においても、果敢な遠征は続きました。

 そして1993年になると、日本馬による海外重賞、特に香港競馬への挑戦が増え始めました。
 私は、1992年ジャパンカップにおけるトウカイテイオー、1993年ジャパンカップにおけるレガシーワールド、の優勝が大きかった、「日本馬の関係者に勇気を与えた」のではないかと感じています。
 1981年に開始されたジャパンカップでは、当初は「日本馬は全く歯が立たず」、海外からの遠征馬同士の優勝争いが続き、1984年カツラギエース、1985年シンボリルドルフが優勝したとはいえ、その後は再び、海外遠征馬が優勝を続けるという時期でした。
 そうした中で、ついにトウカイテイオーとレガシーワールドが連勝し、さらにはその「レース内容」から、日本の競馬関係者の間には「相当追い付いた」という感覚が芽生えていたのでしょう。

 「挑戦する遠征」から「勝ちに行く遠征」へと、日本馬の海外遠征が変化していったのであろうと考えます。
 遠征場所も、欧米に比べれば組し易い「香港」を選んでいます。

 1994年に6歳(新表記の馬齢)で香港国際カップ競走G2(芝1,800m)に挑み4着と健闘したフジヤマケンザンは、翌1995年にも7歳で同じレースに挑み、ついに優勝(1分47秒0のレコード勝ち)したのです。
 35走目の優勝であり、日本において中山記念G2と七夕賞G3を7歳になって勝った「遅咲きの名馬」でした。

 そしてこれが、ハクチカラ以来、実に36年振りの「日本馬による海外重賞制覇」だったのです。

 フジヤマケンザンによる香港国際カップ優勝については、当時の香港競馬のレベル等から、様々な評価が有るのかもしれません。(香港国際カップ自体が、香港ではG1、国際基準ではG2でした)

 しかし、世界屈指の競馬において日本馬が「壁を破ったという価値」は計り知れないものであったと感じます。

 1998年には、日本競馬史を飾る、シーキングザパールによる「日本馬初の海外G1制覇」、タイキシャトルによる「海外G1レース2勝目」が生まれます。
 そして同じ年に、4歳馬ミッドナイトベットによる香港国際カップ優勝も記録されているのです。

 フジヤマケンザンの1995年の優勝が、その後の日本馬による海外重賞競走における活躍の「門を開いた」ことは間違いないのでしょう。

 JRAのホームページに「日本馬海外遠征の記録」というデータがあります。

 1958年から最近まで、60年間余の、日本馬による海外競馬への挑戦の記録が記載されているものですが、私の様な一般的競馬ファンにとっては、適度の情報量となっていて、とても楽しめますし、参考になる資料です。

 ただ眺めているだけでも、「あの時の・・・」と思い出し、感じ入ることが多い資料ですが、今回はカジノドライヴのアメリカ競馬挑戦を観て行こうと思います。

 2008年、3歳の2月に新馬戦で勝利したカジノドライヴは、半兄ジャッジ、半姉ラグズトゥリッチズに続くベルモントステークス優勝に向けて、動くこととなったのです。
 母ベターザンオナーの仔は「ベルモントステークスにとても強い」ことが明らかでしたので、自然な流れだったのでしょう。(山本オーナー、藤沢調教師の決断も見事でした)

 3歳の4月、日本競馬で「1戦1勝馬」のカジノドライヴはアメリカ遠征に出ました。

 アメリカでの緒戦は5月10日のピーターパンステークス(ベルモントパーク競馬場)でしたが、ベルモントステークスへのステップレースとなるこのG2重賞レースで、カジノドライヴは何と1番人気になっています。
 アメリカの競馬ファンには馴染の薄い日本馬であるにもかかわらず、1番人気に押されたのは「血統」所以でしょう。
 そして、カジノドライヴはこのレースを、2着に5と3/4馬身差を付けて圧勝しました。
 三冠レースを始め、アメリカ合衆国の数多くの大レースが行われる「ダートコース」における快勝だったのです。

 兄姉が勝っている、アメリカ三冠レース最後の一冠・ベルモントステークスに向けて、カジノドライヴの人気は高まるばかりでしたが、好事魔多し。
 本番前日の6月6日、左後脚に挫石を発症して、残念ながら出走を回避することとなったのです。

 その後、カジノドライヴは、ブリーダーズカップクラシック、ジャパンカップダート、フェブラリーステークス、ドバイワールドカップと内外のG1レースに挑みましたが、優勝することはできませんでした。

 やはり、カジノドライヴの脚質は「ベルモントパーク競馬場のダートにとてもマッチしていた」のであろうと思います。

 2008年のピーターパンステークスG2の優勝は、「日本馬によるアメリカ競馬ダート重賞・初優勝」であり、現在に至るまで唯一無二の優勝なのです。

 その偉業は、長く語り継がれるものでしょうし、今後の、日本馬によるアメリカダート重賞への挑戦が待たれるところでもあるのでしょう。

 2020年の中央競馬最初のG1、フェブラリーステークスはモズアスコットの圧勝でした。
 内側のコースから直線に出たモズアスコットは、クリストフ・ルメール騎手の巧みな手綱捌きから少し外に持ち出し、後は思い切り走るだけ。
 あっという間に先頭に躍り出ると、2着のケイティブレイブに2と1/2馬身差を付けました。
 マイルG1レースでの「2馬身以上の差」というのは、滅多に観られるものでは無く、圧勝と呼ぶに相応しい内容です。

 これでモズアスコットは、2018年の安田記念(芝1,600m)に続いてのG1レース2勝目、今回はダートコースですから、芝とダートの異なる走路でのG1制覇となりました。
 今風の言い方ならば「二刀流」ということになるのでしょう。

 パドックの様子では、それほど出来が良いようには観えませんでした。
 2番アルクトスと3番のワイドファラオの馬体が良く観えましたが、この2頭が先行争いを演じ、直線までビッシリと追い比べをしてくれたことも、この圧勝の一因かも知れません。
 いずれにしても、モズアスコットはパドック映えがしないタイプなのでしょう。

 中距離の名馬というか、世界競馬史上最強の中距離馬の一頭である、父フランケル(通算14戦14勝G1レース10勝*)の血を良く受け継ぎ、6歳になっても強さを魅せるモズアスコットは、我が国における「フランケルの代表産駒」なのでしょう。(*本ブログ2012年11月19日付記事「[競馬コラム21] フランケル14戦14勝で引退」をご参照ください)

 古馬になってから本格化した感のあるモズアスコットにとっては、6歳となった現在こそが最強の時期なのかもしれません。
 ダートで勝ち星を積み重ねるも良し、再び芝のマイルG1に挑戦するも良し。

 「二刀流」モズアスコットの活躍が、本当に楽しみです。
 2020年2月9日(日)午前8時40分頃、中山競馬場正門前を車で通りかかりました。

 所用で、休日の朝早く出かけたのです。

 正門前には、既に30名ほどの人達が並んで、開門を待っていました。

 少し驚きました。

 この日は気温が低く、この時間の正門前は3℃位でしたし、風も吹いていたのです。
 寒いだろうと思いました。
 5月の東京優駿開催日ならいざ知らず、この季節の開門待ちは大変です。

 ひとりで来ている年輪を重ねた男性が多いように観えましたが、中には背中に「敷物」を担いで待っているペアも居ました。

 この日は、東京競馬場で東京新聞杯G3、京都競馬場できさらぎ賞G3が予定されていましたが、中山ではレースは開催されませんでしたので、並んでいるファンは、中山競馬場の大きなビジョンで、これらのレースを楽しみ、「日がな一日」過ごすのであろうと思いました。

 一瞬で通り過ぎてしまいましたが、「羨ましいな」と感じ、春までには競馬場に足を運ばなくてはと、軽く決心?したのです。

 1月24日、サクラローレルの死亡が報じられました。

 死因は「老衰」、29歳でした。

 何と堂々たる死であろうと感じました。

 1994年1月、3歳(新馬齢表記とします)で遅いデビューを果たしたサクラローレルは、3戦目で未勝利を勝ち、6戦目で500万下を勝ちましたが、同期の中で目立つ存在では無く、秋のセントライト記念こそ8着に入りましたが、3歳クラシックレースとは無縁でした。

 1995年1月、中山金杯G3で重賞初制覇を遂げましたが、春の天皇賞を目指しての調教中に「両前脚深管骨折」という大怪我をしてしまい、長期の休養に入ったのです。

 そして1996年、5歳となったサクラローレルは復帰し、ついに「本格化」したのです。
 3月の中山記念G2で皐月賞馬ジェニュインを破って優勝し、4月の天皇賞(春)では三冠馬ナリタブライアンを破って1着、10月の天皇賞(秋)ではバブルガムフェロー、マヤノトップガンに先着を許し3着でしたが、続く12月の有馬記念はマーベラスサンデー以下を退け優勝したのです。
 1996年の年度代表馬ともなりました。

 この1996年有馬記念レースの馬券売上金額875億円が、競馬における1レースの売上額世界最高記録であることは、本ブログ2012年12月19日付の記事「[競馬コラム29] 875億円の第41回有馬記念とサクラローレル」をご覧ください。
 
 日本競馬の全盛期を象徴するレース「有馬記念1996」を制したのがサクラローレルであったことは、もちろん偶然なのでしょうが、堂々たる馬体と堂々たるレース内容を誇るサクラローレルこそが「このレースの優勝馬に相応しい」とも感じます。

 栃栗毛・500kgの雄大で明るい馬体、本当に力強く悠然とした最後の直線の走り、は比類なきものでしょう。
 敗れた天皇賞(秋)でも、バブルガムフェローとマヤノトップガンに1/2馬身ほど届きませんでしたけれども、慌てる様子など微塵も無く、「ドドド」と追い込んできたレース振りは、このレースの主役が誰であるのかを、明示していたように感じられました。

 太平洋戦争後の日本競馬の「ひとつのピーク」を体現したサクラローレル号。

 ゆっくりとお休みください。
 1月7日早朝、素晴らしいニュースが飛び込んできました。

 1月6日、ばんえい競馬の帯広11レース「ばんえい十勝金杯」に出走したホクショウマサル(牡8歳)が、見事に1着でゴールし、通算30連勝を記録したのです。
 30連勝は、1973年以降(記録がコンピュータ管理された年)、地方競馬の連勝記録、2000年11月19日に、宇都宮競馬場でドージマファイターが記録した29連勝を、20年ぶりに塗り替えたとも報じられたのです。
 「30連勝」は、おそらく地方競馬のみならず、中央競馬も含めての最高記録、つまり、公に行われている競馬における「日本新記録」であろうと思います。

 正直に言って、このニュースに接するまでは、ホクショウマサルが29連勝の日本タイ記録に居たことも知りませんでした。
 本当に素晴らしい快挙です。

 このレースで、ホクショウマサルは出遅れましたが、最終・第2障害を乗り越えるとグイグイと前進し、先行するハクタイホウを抜いて2馬身余の差を付けたところがゴールでした。阿部武臣騎手の手綱に見事に応えました。
 力強い走りであったと感じます。

 単勝1.0倍という、断然の1番人気でした。

 私は40年ほど前に、夏休みを取り、友人と北海道に旅行しました。
 札幌に着いてから、岩見沢競馬場で「ばんえい競馬の有馬記念」が開催されているという情報を得て(当時は、こうした情報を旅行前に東京で入手するというのは難しいことでした。ネットなど無かった時代です)、さっそく出かけました。

 第1レースから観戦したのですが、まず、パドックでの馬体の大きさに驚きました。
 馬体重は800kgから1,100kgくらいだったと記憶していますが、1トン前後の巨大な馬が、重いソリ(橇)を引いて、2つの山を越えてゴールを目指す、直線コースのレースでした。

 ソリに乗る騎手が手綱等で馬の臀部をバシバシ叩きます。励ましているというか、気合を入れているのですが、初めの内は少し可哀そうな感じがしました。
 しかし、第2・第3とレースが進むにつれて、観客席から大声で応援していました。
 こうした「絵」が、ばんえい競馬の見所のひとつなのでしょう。

 当日は、第1から最終まで、「ばんえいの有馬記念」と呼ばれていたオールスターレースも含めて、全レースで馬券を買いましたが、見事に全て外れました。
 最初は「馬体が大きな馬」を買いましたが、800㎏台の小柄?な馬が勝ち、今度は「筋骨隆々の馬」を買いましたが、スラリとした馬が勝ち、悉く外れたのです。
 ビギナーズラックも皆無だったわけですが、「ばんえい競馬の馬券は難しい」と感じたことを、よく憶えています。

 さて2020年、テレビ映像で観る限り、ホクショウマサルは大きな馬です。おそらく、ばんえい競馬においても大柄な馬体でしょう。そして、とても力強い走りが特徴なのであろうと思います。

 ホクショウマサルは、復帰戦となった2018年7月28日のB4クラスレースで勝利してから、2020年1月6日まで「負け知らずの30連勝」。
 「のど鳴り」をも克服しての日本記録樹立なのです。

 ホクショウマサル号、父エビスカチドキ、母アサヒシャルダン。鹿毛。主な勝ち鞍、イレネー記念、ばんえいダービー。

 故障から復帰直後の2018年のレースでは、圧倒的な差を付けての勝利が多かったと伝えられていますが、今回のばんえい十勝金杯では逆転での2馬身差余の勝利でした。
 ホクショウマサル自身の力がやや落ちてきたのか、ライバル馬達の力が増してきているのかは分かりませんけれども、ホクショウマサルも簡単には勝てない時期が来ているのでしょう。
 そうした中で、「どこまで連勝=日本記録を伸ばしてくれるのか」、今後の活躍が大いに期待されます。

 12月29日、中山競馬場芝2,000mコースで行われる、第36回ホープフルステークスG1の注目馬検討です。

 2歳牝馬の重賞として1984年に開始され、様々な変遷を経て、2017年からはG1競走となったホープフルステークスですが、同じ2歳馬限定の朝日杯フューチュリテイーステークスと比べて、「牡馬3歳クラシックレース」との関連が強いとも言われています。

 2012年以降を観ても、エピファネイア(後に菊花賞、ジャパンカップ制覇)、ワンアンドオンリー(日本ダービー)、レイデオロ(日本ダービー、天皇賞(秋))、サートゥルナーリア(皐月賞)と、このレースの勝ち馬から牡馬クラシックホースが出ていますので、関連が強いと言われるのは自然な話でしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、2枠2番のコントレイル。
 前走東京スポーツ杯2歳ステークスG3は、2着に5馬身差のレコード勝ちでした。1分44秒5の走破タイムも優秀。出走馬中NO.1だった上がり33秒1の脚とともに、強烈な印象を残したのです。おそらくは、大本命でしょう。
 この馬の強さを観るレース、という側面もあります。

 第2の注目馬は、5枠7番のワーケア。
 2戦2勝。前走アイビーステークスは快勝でした。ハーツクライ産駒の勢いと、「底を見せていない」馬としての走りに期待します。

 第3の注目馬は、7枠11番のオーソリティ。
 こちらも2戦2勝。前走芙蓉ステークスは快勝でした。少し間が空いていますが、オルフェーヴル×シンボリクリスエスという、いかにも中山コースに強そうな血統に期待します。

 今回は、以上の3頭に注目します。
 凄い走りを魅せてくれた馬と、未知の魅力に溢れる馬達です。

 2020年を締めくくるG1レースが、良いレースになりますように・・・。

 12月22日、中山競馬場芝2,500mコースで開催される、第64回有馬記念競走G1の注目馬検討です。

 年末の風物詩、1年締め括りのビッグイベントです。

 アーモンドアイが出走してきました。
 この馬が出てきた以上は、最大の検討ポイントは「アーモンドアイが勝つか否か」です。
 
 2,500mは初の距離ですが、東京競馬場の2,400mコースでオークスとジャパンカップを勝っていますので、距離の問題は無いでしょう。
 コンディションは、追い切りの様子やタイムを観ると、順調なようです。

 そうなると、後は「展開」ということになりそうです。
 「中山の短い直線」が、アーモンドアイ勝利の確率を左右する最大のポイントでしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、5枠9番のアーモンドアイ。
 10戦8勝2着1回3着1回、国内外のG1を6勝という実績は「圧倒的」です。歴史的名馬への道を着実に歩んでいるのでしょう。
 「4角最後方」という展開だけが心配ですが、そこは鞍上のクリストフ・ルメール騎手にお任せします。

 第2の注目馬は、3枠6番のリスグラシュー。
 国内外のG1レースを連勝中です。ローテーションも良いと思います。牝馬の1・2着と観ています。

 第3の注目馬は、7枠14番のヴェロックス。
 皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着という安定感を評価します。ここでも着実に走ってくれることでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 もちろん、有馬記念ですから絢爛豪華な出走馬が並びます。

 好きな馬を応援するという「有馬記念の原則」は、昔も今も不変なのでしょう。

 12月15日に行われた、朝日杯フューチュリティステークス2019は、1番人気のサリオスが、2着のタイセイビジョンに2・1/2馬身差を付けて快勝しました。

 走破タイムも1分33秒0と優秀なもの。

 そして何より、最後の直線で魅せた「二の脚」が印象的でした。

 4角を回って、3番手に付けていたサリオスが先頭に立ちます。
 ここで外からタイセイビジョンが襲い掛かりました。
 このレースでまだ勝利が無い武豊騎手のムチに応えて、タイセイビジョンはぐんぐん差を詰めます。一時はクビ差くらいまで迫ったと思います。
 タイセイビジョンの勝ちか、と思われたゴール前150mから、サリオスが再び動いたのです。

 4角から追い詰のライアン・ムーア騎手の動きに合わせて、グイグイと脚を伸ばします。
 ゴールでは2馬身以上の差となっていました。

 通常「二の脚」というのは、苦しくなってから再びスピードを上げるものですから、逃げる方も追う方も比較的いっぱいいっぱいの状況が多いと思いますが、このレースでは、追うタイセイビジョンの脚色も良く、前に居たサリオスの脚は「力強く速い」ものでした。

 この世代のレベルの高さを証明するような叩き合いだったのです。

 歴史的には、クラシックロードであまり活躍しないと言われる「朝日杯FS組」ですが、2019年の朝日杯組は相当に強いと感じます。
 2020年のG1レースにおける活躍が期待されるのです。

 12月8日に行われた阪神ジュベナイルフィリーズは、レシステンシアの圧勝でした。

 あのウオッカのレースレコード1分33秒1を0.4秒も更新する、1分32秒7で駆け抜けたのです。

 素晴らしい走りでした。
 残り200mから100mの走りは、まさに「飛んで」いました。
 久しぶりに、「本物の快足牝馬」を観た気がします。

 「パンパン」ではなかった馬場で、これだけのタイムを叩き出し、2着のマルターズディオサに5馬身差を付けた走りは、見事の一語。
 2020年のクラシックロードでの大活躍も期待されます。

 先般の注目馬検討の際に、「2戦2勝馬」主体のレースとしながら、ウーマンズハートとリアアメリアを採り上げながら、レシステンシアを外したことを猛省しています。

 やはり、この時期の2歳牝馬は難しいのです。

 12月15日、阪神競馬場芝1,600mコースで行われる、第71回朝日杯フューチュリティステークスG1の注目馬検討です。

 2歳馬NO.1を競うレースに、今年も16頭が挑戦してきました。
 
 長い間、中山競馬場で行われていましたが、2014年に阪神に移って6度目のレースとなります。

 先週の阪神ジュベナイルフィリーズ2019と同様に、「この馬で仕方がない」と感じさせる突出した存在は居ませんが、「2戦2勝馬」が3頭出走しています。
 この「2戦2勝馬」を中心としたレースになりそうです。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、3枠6番のサリオス。
 前走サウジアラビアロイヤルカップG3はレコード勝ちでした。同レースで2着となったクラヴァシュドールが先週の阪神JFで3着に食い込んでいます。力量は十分でしょう。上がり33秒1のタイムも優秀です。

 第2の注目馬は、6枠12番のレッドベルジュール。
 前走のデイリー杯2歳ステークスG2は快勝でした。上がり33秒8もメンバー最速。2019年クラシック路線のディープインパクト産駒代表としての走りが期待されます。

 第3の注目馬は、7枠14番のタガノビューティー。
 前走プラタナス賞は快勝でした。ダートで2戦2勝ですが、父ヘニーヒューズの産駒は芝でも十分に力を発揮します。2013年のこのレースでアジアエクスプレスが勝っているのです。パワーのある馬が多いと言われる血統ですから、少しでも馬場が渋るようなら、評価を上げなくてはならないでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 結局、2戦2勝の3頭になってしまいましたが、京王杯2歳ステークスG2の覇者タイセイビジョン、同レース2着のビアンフェ、デイリー杯2歳ステークス2着のウイングレイテスト、同レース3着のペールエースなど、他にも有力馬が目白押し。

 さすがに、2歳王者決定戦なのです。

 12月8日、阪神競馬場芝1,600mコースで行われる、第71回阪神ジュベナイルフィリーズ競走G1の注目馬検討です。

 2歳牝馬NO.1を決めるレースです。
 今年も16頭が出走してきました。

 メンバーを観ると「頭抜けた存在」は居ないという印象です。
 一方で、「2戦2勝馬」が3頭も居て、このレースの中心となりそうです。

 阪神外回りの1,600mコースは直線がとても長いので、マイラーよりは1,800m、2,000mに強い馬向きでしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、2枠3番のウーマンズハート。
 前走8月の新潟2歳ステークスから間が空きましたが、しっかり調整されていると観ます。ハーツクライの2歳牝馬というのも、とても楽しみです。

 第2の注目馬は、5枠10番のクラヴァシュドール。
 前走のサウジアラビアロイヤルカップG3は、サリオスのレコード勝ちの2着でしたが、良く走っていたと感じます。こちらも、ハーツクライの2歳牝馬。ハーツクライの親子丼(そういう言い方が有るのかどうか?)に期待します。

 第3の注目馬は、8枠15番のリアアメリア。
 前走アルテミスステークスG3の上がり33秒の脚は素晴らしいものでした。外枠になってしまったのが残念ですが、ディープインパクト産駒の2020年に繋がる走りに期待します。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 この時期の牝馬の戦いですから、何が起こっても不思議ではありません。

 12月1日、中京競馬場ダート1,800mコースで行われる、第20回チャンピオンズカップ競走G1の注目馬検討です。

 2019年のダート競走馬NO.1を決めるレースです。

 かつてはジャパンカップダートとして、ジャパンカップと同週に東京競馬場(第3回は中山競馬場)にて行われていましたが、2008年の第9回からは阪神競馬場にコースを移し、2014年の第15回からは、レース名もチャンピオンズカップに変更し、コースも中京競馬場となり、現在に至っています。
 このまま、「中京のダートGI」として定着して行くのでしょうか。

 地方競馬の多くがダートコースですので、ダートレース重賞は様々な競馬場で開催されます。とてもバラエティに富んでいるのです。加えて、一口に「ダート」といっても、コース毎に微妙に異なります(当然ながら、芝コースもコース毎に異なるのですが、異なる度合いがダートコースの方が大きいと感じます)ので、あのコースで好成績を収めたから、このコースでも、という風には成り難いのが、難しいところでしょう。
 同じコースで、連続してレースが行われることの意義のひとつが、ここにあるのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠11番のゴールドドリーム。
 2017年のこのレースの覇者です。前走、10月4日盛岡のMCS南部杯Jpn1は3着でしたが、このところG1級のダートレースで3着以内を継続している安定感を評価します。
 前走からのローテーションも良いと思います。

 第二の注目馬は、2枠3番のチュウワウィザード。
 前走・JBCクラシックG1を快勝しました。今、最も乗っている馬でしょう。
 こちらもG1級レースでの安定感は抜群ですが、鞍上の乗り替わりと、ややローテーションがきついことが心配材料でしょうか。

 第三の注目馬は、3枠5番のクリソベリル。
 3枠両頭で迷いましたが、こちらにしました。3歳馬ですが、このところ急に力を付けてきた印象です。ここを勝つようなら、ダート界の次代を担う存在になるかもしれません。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 青空の下でのレースを観たいと思います。
 
 11月24日、東京競馬場芝2,400mコースで開催される、第39回ジャパンカップ競走G1の注目馬検討です。

 海外からの出走馬が0のジャパンカップとなりました。
 当然ながら、「国際競走」として、いかがなものかというご意見が出されています。

 2018年のアーモンドアイの優勝タイム2分20秒6は、現在の芝2,400mの世界最高記録ですが、今年の凱旋門賞の優勝タイムより11秒以上速いのです。
 もちろん、馬場状態の違いから生まれる「差」なのでしょうが、世界最速のスピード競馬となっている、現在の中央競馬芝レースに対して、海外の強豪馬が尻込みするのは止むを得ないところでしょう。
 
 「重い芝の馬場」で強さを発揮するサラブレッドと、「固い芝の馬場」で力を発揮するサラブレッドは、全く異なるタイプであることは明白ですので、今後も海外強豪馬の「ジャパンカップ敬遠」は続くものと思われます。

 もちろん、日本の競馬は高速馬場における優劣を競い、高速馬場で強いサラブレッドの血統を育んできたものですから、今後ジャパンカップに海外の馬に出てもらうために、「馬場を柔らかく重いものにしていく」というのも、これまでの日本競馬の歴史を無にしてしまうことの様にも感じます。
 
 なかなか対策が難しい問題でしょうが、今後の検討を待ちたいと思います。

 海外馬が居ないとはいえ、さすがにジャパンカップ、とても良いメンバーが揃いました。
 特に「古馬牡馬」という面であれば、日本の強豪馬勢揃いという感じもします。

 また、「このところ勝てていない馬」が多いことも特徴でしょうか。
 出走15頭の内、前走1着は僅かに2頭なのです。
 「このところ勝に恵まれていないG1馬」のレースという形になっています。
 そこに、上がり馬が加わり、難しいレースになっているのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠8番レイデオロ。
 前走オールカマーG2も伸びきれず4着と、このところ勝ち切れないレースが続いていますが、府中2,400mの大レース・日本ダービーを勝った力に期待します。そろそろ、でしょう。

 第二の注目馬は、2枠2番のワグネリアン。
 こちらも日本ダービー馬として評価したいと思います。ゴール前の叩き合いとなれば、この馬の持ち味が生きるでしょう。

 第三の注目馬は、3枠4番のムイトオブリガード。
 前走アルゼンチン共和国杯G2は快勝でした。上り馬として、思い切ったレースに期待します。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 実力馬同士の大混戦。
 骨太のレースが展開されることでしょう。
 11月17日、京都競馬場芝1,600mコースで行われる、第36回マイルチャンピオンシップ競走G1の注目馬検討です。

 秋のマイル王決定戦に17頭が出走してきました。
 良いメンバーです。
 
 天皇賞(秋)組、毎日王冠組、毎日スワンステークス組、富士ステークス組が主体となっています。
 天皇賞(秋)からは中3週です。20世紀なら問題の無い休息期間ですが、現代競馬では少し短いという見方もあるでしょう。特に、天皇賞(秋)はとても厳しいレースですから。
 ちなみに、毎日王冠からは5週、毎日スワンSと富士Sからは4週、空いています。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、1枠1番のダノンキングリー。
 前走毎日王冠G2は快勝でした。皐月賞3着、日本ダービー2着と世代トップレベルの力量は証明されています。そろそろG1を勝つ頃でしょう。

 第2の注目馬は、3枠5番のインディチャンプ。
 安田記念2019を制覇しました。春のマイル王が2019年のマイル二冠に挑んできた形です。前走毎日王冠は3着。マイラーズカップ4着からの安田記念制覇と、同じローテーションです。

 第3の注目馬は、8枠17番のレイエンダ。
 前走富士ステークスは差の無い2着でした。多士済々のレースであり、3番手は大混戦ですが、ここはクリストフ・ルメール騎手の冷静な騎乗に期待します。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 大接戦から残り100mで抜け出してくるのは、どの馬なのでしょうか。
 11月10日、京都競馬場芝2,200mコースで行われる、第44回エリザベス女王杯競走G1の注目馬検討です。

 当初は、牝馬三冠の最後の一冠レースという位置付けだったエリザベス女王杯が、古馬も含めた「秋のNO.1牝馬決定戦」となって、44回を数えるまでになりました。「歴史と伝統」を備えるレースとなったのです。

 2019年は、オークス馬と秋華賞馬が出走してきました。
 3歳馬が中心のレースです。

 オークス2019の勝ち馬ラヴズオンリーユーはここまで4戦4勝。ここを勝つようなら、名牝への道まっしぐらという感じです。

 秋華賞2019の勝ち馬クロノジェネシスはここまで7戦4勝・2着1回・3着2回。とても安定した強さを魅せています。

 そして「上がり馬」も揃いましたから、とても面白いレースとなりそうです。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、4枠8番のクロノジェネシス。
 前走・秋華賞は強い勝ち方を魅せました。秋の充実を評価します。

 第2の注目馬は、6枠11番のラヴズオンリーユー。
 やはり、無敗馬を外すことはできません。成長振りを観るレースです。

 第3の注目馬は、3枠5番のポンデザール。
 このところ4連勝中の上がり馬。前走の丹頂ステークスは圧勝でした。格下ですが、ここでも良い勝負を期待しています。

 今回は以上の3頭に注目します。

 「あっと驚く」結果になる可能性もあると思いますが・・・。

 第80回菊花賞のテレビ放送を観ていて、びっくりしました。

 「とても小さな馬」が出走していたのです。

 4枠8番のメロディーレーンでした。

 他の馬より、ひとまわり、いや、ふたまわりは小さく観えました。
 馬体重は340㎏とのこと。
 加えて牝馬ということもあってか、トモまわりの貧弱さが目立ち、「本当に菊花賞・京都淀の3,000mを走破できるのか?」と心配になりました。
 馬主さんは、どうしてこの馬を菊花賞に出走させたのだろう、と余計な心配までしてしまいました。

 さて、スタート。
 メロディーレーンは良いスタートを切り、先頭から5~10番手に居ましたが、鞍上・坂井瑠星騎手はゆっくりと下げました。後方から5番手辺りの位置としたのです。

 レースは淡々と進みました。
 そういう目で見るせいか、メロディーレーンは「やっと付いていっている」ように観えました。
 「大差の最下位でなければ良いが」と感じました。

 レースは残り500m辺りからの「ヨーイドン」になりました。
 各馬が一斉に加速したのです。
 メロディーレーンにも「ゴー」が出ました。

 後方から5番手辺りに居た彼女が、徐々に前に進出します。
 残り100mからは、大外一気という感じでした。
 
 「5着」。ワールドプレミア、サトノルークス、ヴェロックス、ディバインフォースについでの5着に入線したのです。

 「凄いな」というのが、最初の言葉でした。

 「完走できるのか」「可哀そうだろう」などと考えた自分の浅慮を恥じ入りました。
 メロディーレーンは立派に菊花賞を戦ったのです。
 上がり3ハロン・35秒7は、サトノルークスと並ぶメンバー最速でした。

 340㎏というのは、中央競馬のG1レースに出走した馬の中で史上最軽量記録だと報じられました。
 中央競馬にグレード制が導入されたのは1984年ですから、それ以前、1960年前後には、これ位小さな馬がレースに出ていた可能性が有ります。
 ダイナナホウシュウやタカオーといった名馬も、390kgくらいで走っていたと伝えられていますから、その頃ならメロディーレーンも「少し小さな馬」であったことでしょうが、大型化が進む時代にあっては、本当に小さく観えるのです。
 このレースで一番重かったユニコーンライオン(526kg)と比較すれば、186㎏も少ないのですから。
 とはいえ、メロディーレーンは5着、ユニコーンライオンは15着でしたけれども・・・。

 メロディーレーン号(3歳牝馬)、父オルフェーヴル、母メーヴェ。通算成績13戦2勝(重賞勝ちはありません)。勝っているレースは、2,400m(3歳未勝利)と2,600m(3歳上1勝クラス)ですから、ステイヤーである可能性が高いと思います。

 次はいつ、彼女が出走するレースを観ることができるのでしょうか。

 10月27日、東京競馬場芝2,000mコースで開催される、第160回天皇賞(秋)競走G1の注目馬検討です。

 競走しているところを観てみたいと願う2頭のサラブレッドの「対決」を、実際に目にすることができるのは、滅多に無いことでしょう。

 強い馬は、なかなか一緒には走らないのです。

 しかし、天皇賞(秋)2019では、その「夢の対決」が実現しました。
 アーモンドアイとサートゥルナーリアが出走してきたのです。

 「2,000mという距離」なら、一時期は世界最強ではと称されたアーモンドアイと、3歳馬最強と言われるサートゥルナーリア。
 その2頭の名前が出馬表に並んでいるだけで、本当にワクワクします。

 ところが?、このレースには他にも素晴らしいメンバーが揃ったのです。
 出走馬16頭を、2つ、あるいは、3つのレースに分けても「豪華」と言われるであろう強豪馬・実績馬が、これでもか、と言わんばかりに並んでいるレース、それが天皇賞(秋)2019なのでしょう。

 2018年の日本ダービー馬・ワグネリアン、2016年の日本ダービー馬マカヒキ、2019年香港のクイーンエリザベス2世カップG1優勝馬ウインブライト、2018年のNHKマイルカップ馬ケイアイノーテック、2017年のNHKマイルカップ馬アエロリット、2017年の皐月賞馬アルアイン、2017年の朝日杯FS馬ダノンプレミアム、2018年の大阪杯馬スワーヴリチャード、とG1ホースを挙げて行くだけでも、とても大変という、何だか凄いレースになってしまいました。

 大袈裟に言えば、「現在の中央競馬を象徴するレース」なのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠10番のサートゥルナーリア。
 6戦5勝。敗れたのは日本ダービー2019の4着1度だけ。前走の神戸新聞杯G2は2着のヴェロックスに3馬身差の圧勝。「菊」には目もくれず、敢然と古馬とのG1に出走してきました。「勢い」十分を買います。

 第二の注目馬は、1枠2番のアーモンドアイ。
 完調なら、この馬が一番強いのでしょうが、近時はやや「ずぶく」なっている感じがします。レース後の熱中症のような症状というのも気になるところです。勝たれれば「あっさり」ということもありそうですが、ここは二番手にしました。

 第三の注目馬は、2枠4番のスワーヴリチャード。
 ジャパンカップ2018、ドバイシーマC2019、宝塚記念2019と、このところG1レースの3着が続いています。ある意味での「安定感」、ハイレベルなレースでの安定感を評価しています。日本ダービー2017の2着馬でもありますから、東京コースへの適性も十分でしょう。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 馬場の回復状況も大きく影響するでしょう。

 本当に目移りするメンバーです。

 「歴史に残るレース」となることを期待しています。

 10月20日、京都競馬場芝3,000mコースで開催される、第80回菊花賞競走G1の注目馬検討です。

 2019年のクラシック三冠を締めくくるレースです。

 出走馬を見ると、日本ダービー馬、皐月賞馬がおらず、春のクラシックレースには縁が無かったものの、秋になって力を付けてきた「上がり馬」が数多く居ます。

 もともと、この時点で「3,000mという長距離」に対する3歳各馬の適性が分からないために、いつも難しい予想が、今年は一層難しいと思います。
 申し訳ありませんが、知らない馬も多いので、展開さえ想定できないのです。

 とはいえ、「こういう菊花賞」も時々ありますので、これはこれでとても楽しみです。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、7枠13番のヴェロックス。
 大本命に成りそうです。春の二冠の勝ち馬が居ない中では、皐月賞2着、日本ダービー3着という実績は圧倒的です。地力が高いことが証明されています。加えて、トライアルレース神戸新聞杯も2着と、調整も順調なのです。
 なかなか1着になれないという面はありますが、「軸」はこの馬でしょう。

 第2の注目馬は、5枠10番のカウディーリョ。
 前走HTB賞を勝ちました。まだまだ格下という感じですが、3,000mで一気に花開く馬として期待します。キングカメハメハ×サンデーサイレンスという、現代を代表するクラシック血統にも期待しています。

 第3の注目馬は、1枠1番のザダル。
 前走セントライト記念は3着でした。ようやく本格化開始というところでしょうが、「混戦の一発屋・トーセンラー」の血に期待しています。

 我が国の競馬においても、皐月賞・日本ダービーと菊花賞は別物、という考え方が一般的になってきているのかもしれないと感じさせる、2019年の菊花賞です。

 10月13日、京都競馬場芝2,000mコースで開催される、第24回秋華賞競走G1の注目馬検討です。

 台風19号の接近、首都圏通過後の13日に行われたG1として、後世に語り継がれるかもしれません。レースとしては、京都コースですからしっかりと実施されることになるのでしょうが・・・。

 桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーが共に出走してこないレースとなりました。
 やはり「混戦」ということになりそうです。

 トライアルレースである、ローズステークスG2と紫苑ステークスG3の好走馬が中心となりそうです。

 ローズSは、ダノンファンタジーがレコード勝ちを収めました。もともと阪神JF2018の勝ち馬であり、2019年の牝馬クラシック戦線の主役と目されていた存在ですから、ここでは軸馬と観たいところなのですが、ローズSの2・3着馬との着差がクビ・アタマというところが心配です。この上位3頭は、ほぼ力の差は無いと観ています。

 紫雲Sも勝ったパッシングスルーと2着馬との着差はハナですので、こちらも抜けた存在とはいえません。

 やはり、秋華賞2019は「混戦」なのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠7番のビーチサンバ。
 前走ローズSはダノンファンタジーの2着。もともと、阪神JF2018では3着と、同期トップクラスの実力は示してきている存在です。デビュー戦以降1勝もできていない「ジリ脚」タイプですが、一方で「必ず上位に来る」ところを評価したいと思います。混戦向きと観ています。

 第二の注目馬は、5枠10番のシェーングランツ。
 2歳時は、藤沢和雄厩舎の牝馬2枚看板として、グランアレグリアと共に評価が高かった馬です。こちらも、このところなかなか勝てていませんが、そろそろ実力を発揮する頃でしょう。

 第三の注目馬は、3枠5番のクロノジェネシス。
 阪神JFで2着、桜花賞とオークスで3着、と安定した成績を誇ります。桜花賞馬とオークス馬が居ないのであれば、この馬がトップに来る可能性は十分です。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ミルコ・デムーロ騎手が乗るサトノダムゼル、クリストフ・ルメール騎手が乗るコントラチェックが気になるところですが・・・。

 JRA唯一人の女性ジョッキー・藤田菜七子騎手が、10月2日、大井競馬場で行われた第53回東京盃(JPNⅡ、ダート1,200m)においてコパノキッキングに騎乗し、見事な勝利を飾りました。

 2016年にデビューし、今年で4年目・22歳になる藤田騎手にとって初めての重賞制覇であり、同時にJRA女性騎手による初めての重賞制覇という偉業でもありました。

 レースはコパノキッキングの逃げ切り勝ちでしたが、スタートからグイグイ行ったのではなく、スタート直後は外枠の馬が前に居たものを、少しずつ差を詰めて自然な形で先頭に立ち、一気に差を広げるのではなく、「だましだまし」という感じで4角を回って、直線では差を広げる一方というレース内容でした。
 「秀逸な騎乗」と言って良いと思います。
 藤田騎手の騎乗技術は、騎乗を重ねる度に向上しているのでしょう。

 通算勝利数77(2019年9月29日時点)を始めとして、藤田騎手はJRAにおけるあらゆる女性騎士の記録を塗り替え続けています。
 そして、重賞制覇も成し遂げました。

 11月4日に開催されるJBCスプリント(G1、1,400m)に、コパノキッキングとのコンビで挑戦するという話も出ているとのこと。

 次に目指すは「G1制覇」ということなのでしょう。

 藤田菜七子選手の活躍から眼が離せません。

 第98回凱旋門賞が迫りました。
 10月6日、舞台はいつものパリ・ロンシャン競馬場です。

 日本からは、キセキ、ブラストワンピース、フィエールマンの3頭が挑みます。
 欧州以外の地域の馬が勝ったことが無い凱旋門賞ですから、日本馬がなかなか勝てないのも不思議では無いのですが、エルコンドルパサーやオルフェーヴルの2着惜敗など、いまや日本競馬の悲願でもある「凱旋門賞制覇」に向けて、頑張っていただきたいものです。

 とはいえ、今年も「大本命」が存在します。
 エネイブル(5歳牝馬)です。
 2017年、2018年と連覇を成し遂げ、3連覇を目指して勇躍出走してくるのです。
 3連覇となれば、これは「凱旋門賞史上初」です。

 2017年・3歳時から強かった(オークスG1、アイリッシュオークスG1、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS・G1、ヨークシャーオークスG1、凱旋門賞G1とG1を5勝)エネイブルですが、4歳時にも凱旋門賞とブリーダーズカップターフG1を勝ち、5歳になってもG1エクリプスS、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、ヨークシャーオークスを制して、G1通算10勝。
 他格付けのレースを含めて、13戦12勝・3着1回という、おそらくは「21世紀最強牝馬」の実績を積み上げています。

 3歳時には、いわゆる「斤量に恵まれた3歳牝馬」という面もあると言われていましたが、4歳になっても、5歳になっても、全く「負けることを知らない」というのですから、これはもう歴史的名馬の仲間入りを果たしている感じがします。

 その勝ちっぷりも、2017年の凱旋門賞は2と1/2馬身差で快勝したかと思えば、2018年の凱旋門賞は短クビ差という接戦を制していますし、2017年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを4と1/2馬身差で圧勝したかと思えば、2019年の同レースはクビ差で競り勝ちました。
 つまり、ちぎっても勝てるし、競っても強い、ということになって、「死角」が見当たらない様子なのです。

 この「21世紀最強牝馬」の3連覇に「いちゃもんを付ける」ことはとても難しいのですが、強いて言えば、「3・4歳時に比べて5歳になってから2着馬との着差が小さくなっている傾向が有る」という点と、「凱旋門賞を3連覇した馬は居ない。あのタンティエームでも、リボーでも、アレッジドでも2連覇しか出来なかったのだから、無理だろう」という、あまり合理的ではないものしかないように、観えます。

 2019年のレースでエネイブルのライバルになりそうなのは、ガイヤース(4歳牡馬)、ヴァルトガイスト(5歳牡馬)あたりなのでしょうが、やはりエネイブルの優位は動かないと感じます。
 加えて、斤量に恵まれていると言われる「3歳牝馬」が2019年のレースには居ないのです。

 凱旋門賞2019、エネイブルを破る馬が現れるのでしょうか。


 JRA秋のG1レース緒戦、9月29日に中山競馬場芝1,200mコースで開催される、第53回スプリンターズステークスの注目馬検討です。

 台風が日本列島を襲った2019年の夏もようやく終り、本格的な秋の到来を告げる、「伝統」のレースです。
 「電撃の6ハロン」とも呼ばれますが、これまでも数々の名レースを生んできました。

 2019年のメンバーを観ると、「世代交代」を強く感じます。
 2020年以降の短距離界の「地図」を示してくれるレースとなることでしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、4枠8番のタワーオブロンドン。
 前走・産経賞セントウルステークスG2の勝ちっぷりは見事の一語。ハンデ頭57㎏を背負っての3馬身差レコード勝ちは、この馬の本格化を高らかに宣言したものに観えました。
 ここも勝つようなら、今後の短距離界の「軸」になることでしょう。

 第2の注目馬は、8枠16番のファンタジスト。
 前走セントウルSは、タワーオブロンドンのレコード勝ちの2着と健闘しました。1分7秒2という走破タイムは、とても優秀です。もともと2歳時は、クラシック戦線の主役の一頭と目されていた存在ですから、こちらも本格化しつつあると観ます。ロードカナロア×ディープインパクトという血統も、日本競馬にはピッタリでしょう。

 第3の注目馬は、7枠13番のミスターメロディ。
 春の高松宮記念2019の勝ち馬です。久々だった前走セントウルSでは8着と敗れましたが、高松宮記念の時も前走・阪急杯G3は7着でした。「叩かれて良くなる」タイプなのでしょう。高松宮記念では1分7秒3という優秀な時計で走破しています。地力十分と観ます。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 この3頭の中から、ロードカナロアに続く「世界で活躍できるスプリンター」が出て来て欲しいものです。
 9月15日、ヴェルサイユリゾートファームから、同場で暮らしているタイキシャトルとローズキングダムの鬣(たてがみ)が、何者かによって切り取られていたと、報じられました。

 切り取られていた鬣が見つかったという報はありませんので、切り取られたうえで、盗まれた可能性が高いのでしょう。

 タイキシャトルの鬣は、幅15cm・長さ8cmに渡って切り取られていたそうです。相当に大きな切り取り方ですので、相応の大きさの刃物を使用したと思われます。
 タイキシャトルやローズキングダムに怪我が無かったことは、不幸中の幸いでしょう。

 犯人=泥棒の目的は何なのでしょうか。

① 熱狂的なファンによる犯行

 タイキシャトルとローズキングダムの熱狂的なファンの犯行という見方です。
 この場合、盗み取った鬣は、大切に本人が保管していることになります。

 こうしたファンによる犯行なら、まずは牧場の関係者に「鬣を分けてもらえないか」と相談するものかもしれません。
 鬣は伸びるものでしょうから、牧場の方も「小さな鬣」を譲ってくれるかもしれません。

 とはいえ、一部のファンに「特別に」ということが公になると、他のファンからも申し込みが殺到する可能性が有りますから、牧場側も断る可能性が有りますし、こうしたやり方なら「8cm×15cm」といった大きなものは入手できそうもありませんから、大ファンが自ら切り取ったということになるのかも知れません。

 また、前述のように、相当に大きな刃物を、馬体近くで使用することになりますから、馬が少し暴れたりすれば、怪我をしてしまうリスクがあります。
 大ファンなら、そんなリスクは冒さないのではないかとも思います。

② 転売目的による犯行

 タイキシャトルもローズキングダムも、G1レースを複数勝利している名馬ですので、その鬣は、その種のマーケットで高く売れるものなのかもしれません。
 つまり、お金に困った犯人が、転売目的で犯行に及んだ可能性です。

 更には、両馬のコレクターである人物あるいは「名馬の鬣マーケットに強い人物」が、別人に「泥棒を依頼した」可能性も有りそうです。
 この場合には、売却先が固まっていますので、前述のケースとは異なりますが、転売目的=お金のための犯行である点は同じです。

③ 名馬のDNA確保目的による犯行

 鬣から良質なDNAが採れるのかどうか、私は知りませんが、何らかの理由で「名馬のDNAを確保」しようとした人物の犯行という見方です。
 前述の2説と比べて、可能性は低そうですが、近時のDNA関連科学の長足の進歩を観るにつけ、有り得ないことでは無いとも思います。

 こうした研究においては、相応の量を確保する必要があると聞いていますので、大きく切り取った理由にもなります。

 今回の不思議な犯行について、犯行動機を考えてみました。

 やはり、②が最もありそうに観えます。

 もし「お金欲しさ」から、名馬2頭の鬣(たてがみ)を切り取り盗んだ人物あるいは人達がいるのであれば、その人物・人達の「心の貧しさ」に呆れている人達が、沢山いることでしょう。

(後日、ウイニングチケット号やビワハヤヒデ号の鬣が切り取られ、盗まれて、ネットで売りに出されたりするという事件が報じられましたが、こちらはそのやり方から観て、頭書の事件とは別の泥棒かもしれません。いずれにしても、こうした事件が続くと、本当のサラブレッドファンが名馬に触れる機会がどんどん減っていくことになるのでしょう。迷惑至極です)
[8月1日・グッドウッド競馬場(イギリス)右回り芝1,980m]
1着 ディアドラ(牝5歳) 2分2秒93
2着 メダーイー(牝3歳) 1・1/4馬身
3着 ローダー(牝4歳) 1・1/4馬身

 英国遠征中だった、2017年の秋華賞馬ディアドラが、見事に英国のG1レースを制しました。
 牝馬限定のナッソーステークスです。

 日本馬による英国G1制覇は、2000年のアグネスワールド(ジュライカップ)以来です。
 21世紀初の快挙なのです。

 レースは直線で先行したメダーイーをディアドラが追い上げ、きっちりと差し切った形です。
 斤量60㎏のトップハンデ(メダーイーは56.5kg)での快勝は、ディアドラの実力を示したものでしょう。

 4歳の3月にドバイターフG1に挑戦(3着)して以来、ディアドラは海外G1レースに挑み続けてきました。
 4歳の12月には香港・沙田競馬場の香港カップで2着、5歳の3月には再びメイダン競馬場のドバイターフで4着、4月には沙田競馬場でのクイーンエリザベス2世カップで6着、6月には英国・アスコット競馬場のプリンスオブウェールズステークスで6着と、世界の舞台で健闘しながらも、なかなか勝てないレースを続けていたのです。

 そして、海外G1の6レース目で、ついに今回の優勝に辿り着きました。
 粘り強く、着実な取組が実ったということになります。

 レース後、橋田調教師は「ニューマーケットでの調教でイギリスの馬場に合うように仕上げることができた」とコメントしています。

 日本競馬の国際化を如実に示すコメントでしょう。

 7月30日、ディープインパクトの安楽死が報じられました。
 頸椎の骨折から、立ち上がることができなくなり、安楽死が選択されたと。
 3月頃から具合が悪く、種付けを行っていなかったとは報じられていましたが、7月29日の午前中は元気であったことを考え合わせれば、急死です。
 本当に残念です。

 競走馬としては、「日本競馬界史上最強馬」の話題の際に、必ず採り上げられる一頭です。
 三冠馬にして14戦12勝・2着1回という成績は、歴代の名馬に全く引けを取りません。
 
 例えば、10勝以上の名馬ならば、
① セントライト 三冠馬 12戦9勝・2着2回・3着1回
② クリフジ(牝) 三冠(日本ダービー、オークス、菊花賞) 11戦11勝
③ シンザン 三冠馬 19戦15勝・2着4回
④ シンボリルドルフ 三冠馬 16戦13勝・2着1回・3着1回

 こうした、それぞれの時代を代表する名馬たちと比べても、勝るとも劣らない競走成績なのです。
 ディープインパクトの現役時代は2004年から2006年ですから、「21世紀を代表する競走馬」と評して良いのでしょう。

 一方、内国産種牡馬としての評価であれば、これはもう「史上最高」です。
 2012年から2018年まで「7年連続リーディングサイアー」という金字塔。
 中央競馬はもちろんとして、地方競馬も含めた日本競馬全体のリーディングサイアーを7年連続で成し遂げたのです。
 「空前絶後」と言って良いと思います。

 また、産駒のG1レースでの強さ(51勝)も特筆すべきですが、特にクラシックレースでの強さは素晴らしいものです。

① 2008年産 マルセリーナ(桜花賞)
② 2009年産 ディープブリランテ(日本ダービー)、ジェンティルドンナ(桜花賞、オークス)、
③ 2010年産 キズナ(日本ダービー)、アユサン(桜花賞)
④ 2011年産 ハープスター(桜花賞)
⑤ 2012年産 ミッキークイーン(オークス)
⑥ 2013年産 マカヒキ(日本ダービー)、シンハライト(オークス)
⑦ 2014年産 アルアイン(皐月賞)
⑧ 2015年産 ワグネリアン(日本ダービー)、フィエールマン(菊花賞)、[サクソンウォリアー(英国2,000ギニー)]
⑨ 2016年産 ロジャーバローズ(日本ダービー)、ラヴズオンリーユー(オークス)、グランアレグリア(桜花賞)

 2008年から2016年まで、全ての年の産駒からクラシックホースを輩出しているというのは「驚異的」であり、おそらくは「奇跡的」なことでしょう。
 日本で活躍した外国産種牡馬も含めて「初年度から8年連続でクラシックホース輩出」というのは、過去に例が無く、他の国の大種牡馬を見ても、21世紀においては滅多に観ることができない偉業であろうと感じます。

 ディープインパクト産駒は1,600頭に上ると報じられました。

 ディープインパクトが、これまでも、そしてこれからも、「日本競馬の屋台骨を支える存在」であることは、間違いないでしょう。
 今後、種牡馬の父として、ブルードメアサイアーとして、ディープインパクトの血統は長く日本競馬の発展に貢献して行くのです。

 「偉大な競走馬」であり「偉大な種牡馬」でもあった、「優駿」ディープインパクト号のご冥福をお祈り申し上げます。
 「強い競馬」でした。

 追い縋るキセキ、スワーヴリチャードを寄せ付けず、どんどん引き離してゴールに飛び込んだのは、リスグラシューでした。
 
 3馬身という着差も含めて、これほどの圧勝は2019年の中央競馬G1レースにおいて初めてでしょう。

 パドックでは、屈強な男馬達を前にして、460㎏のリスグラシューはいかにも牝馬という体格でした。ひとまわり小さく観える馬体からは、クラシックホースを始めとする牡馬一線級とのレースは厳しいかと感じられたのです。

 パドックでは、特にキセキが良く観えました。筋骨隆々という雰囲気で、500㎏を越える馬体が黒光りし、ツル首で悠然と走り出した返し馬では、首を低く出して、好調を印象付けました。

 スタートから、予想通りにキセキが先頭に立ちましたが、外からリスグラシューが並びかけました。「ひっかかっているのか」と思いましたが、レーン騎手の指示通り2番手に控えて向う正面を走ります。

 3角から4角にかけて、レイデオロのルメール騎手が押しに押していますから、行きっぷりが良くないか、手応えが無くなったのかもしれない、と思いました。

 4角を回って最後の直線、リスグラシューが直ぐにキセキに並びかけました。力強く美しいフットワーク。
 キセキも粘りますが、その差はじりじりと詰まり、ついに抜き去りました。
 後ろからスワーヴリチャードが追ってきますが、リスグラシューの脚色が勝ります。

 残り100mからは、リスグラシューが後続馬との差を拡大しました。
 その差は開く一方。
 リスグラシューの疾駆する馬体がとても大きく観えました。

 リスグラシューはグランプリレースを圧勝したのです。
 日本ダービー馬2頭、皐月賞馬、菊花賞馬を従えての勝利。
 語り継がれるレースです。
 
 世界の競馬を観ても「牝馬の強さ」が目立つ昨今ですが、アーモンドアイに続いて、日本競馬にも「強い牝馬」が登場しました。

 5歳と遅咲きですが、その強さは十分に世界に通用するものでしょう。

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