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 アイルランドの調教師エイダン・オブライエン(48歳、エイダン・オブライエン厩舎)は、1997年から2006年まで10年連続でアイルランド競馬平地リーディングトレーナーを獲得し、2001年・2002年にはイギリスの同リーディングトレーナーも獲得しています。
 この頃のAオブライエン調教師の勢いは、凄まじいものがありました。

 こう書くと「過去の栄光」のように聞こえてしまうかもしれませんが、リーディングトレーナーを獲得しなくなってからのAオブライエン調教師の方が、欧州競馬全体へのインパクトが一層強くなっているように感じられるところが、素晴らしいと感じます。

 例えば、2017年の所謂「欧州三大レース」の様子を観てみましょう。

 6月3日に行われた英ダービーは、ウイングスオブイーグルス号が勝利を収めました。2着はクリスオブモハー号でした。この両馬の調教師がAオブライエンなのです。
 それどころか、Aオブライエン厩舎からは、このレースに6頭が出走しています。全18頭の1/3がAオブライエン調教師の管理馬だったのです。

 7月29日に行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは、10頭が出走し、エネイブル号が制しましたが、このレースの3着・アイダホ号を始めとして3頭がAオブライエン調教師の管理馬でした。

 10月1日の凱旋門賞には18頭が出走してきました。そしてエネイブル号がキングジョージに続いて優勝しましたが、このレースにもAオブライエン調教師は5頭を送り出しています。
 ちなみに、2016年の凱旋門賞では、Aオブライエン調教師は3頭を出走させ、その3頭(ファウンド号、ハイランドリール号、オーダーオブセントジョージ号)が1~3着を独占しました。信じられないような成績を収めたのです。

 欧州の大レースの出走馬の1/3~1/4を常時送り出し、好成績を収め続けているように見えるというのは、驚異的というか奇跡的な活躍と言った方が良さそうです。

 「良い馬を預かっている」ことは間違いないのでしょうが、いくら良い馬を沢山預かっているとしても、これ程の成績を残し続けるというのは尋常なことでは無く、Aオブライエン調教師および厩舎スタッフの「極めて高い能力」は疑いようがなさそうです。

 加えて、自身が管理し2001年の英ダービー・愛ダービーの2ダービー制覇に輝いたガリレオ号の産駒により、素晴らしい成績を残している(例えば2016年の凱旋門賞1~3着は全てガリレオ産駒)ことを考え合わせると、「ガリレオ産駒の調教に精通している」ことも間違いないのでしょう。

 欧州競馬には、20年以上に渡って、Aオブライエン旋風が吹き続けているのです。
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 12月24日の有馬記念競走はキタサンブラックが完勝しました。
 見事な引退レースでした。

 スタートから先頭に立ったキタサンブラックは、4角を先頭で回ると、直線でも二の脚を使って、2着のクイーンズリングに1と1/2馬身差を付けてゴールイン。
 一度も先頭を譲ることなく2500mを駆け抜けました。

 直線に入ると、Cルメール騎手、Hボウマン騎手、Mデムーロ騎手を乗せた3頭が襲い掛かりましたが、「追いつかれそうで追い付かれない」「抜かれそうで抜かれない」という、キタサンブラックの持ち味が如何なく発揮されたのです。

 彼が走るどのレースでも観られることですが、このレースでも1900m~2100mが11秒7、2100m~2300mが11秒2、2300m~2500mが12秒3と、それぞれのハロンのペースは大きく変動しているにもかかわらず、キタサンブラックと追い上げてくる3頭の差は「詰まりそうで詰まらない」という状況で、「まるで4頭が同じ速度で走っているかのよう」に見えるのです。これが、キタサンブラックの競馬なのでしょう。
 なかなか出来ないというか、不思議な走りを魅せてくれるサラブレッドなのです。

 鞍上の武豊騎手の手綱裁きも絶妙でした。
 900m~1300mの2ハロンを、13秒3と13秒2というスローペースでクリアして、キタサンブラックのエネルギー消費を抑えました。
 スターホース15頭を相手にしての、見事な走りでしょう。

 2周目の向こう正面を走る16頭のサラブレッドが、冬の夕陽に映えました。
 一団となって疾駆する姿は、正に日本競馬最高峰のレースを表していました。
 そして、騎手服のカラフルな色彩が眼に焼き付いたのです。

 「綺麗だな」と呟きました。

 有馬記念2017は、本当に鮮やかな競走でした。
 2017年も最後の大レースを迎えました。

 「有馬」は好きな馬を買え、という言葉があります。

 もともとファン投票をベースにしたオールスターレースですから、ファンに支持された馬が出走してくる形式です。

 何故ファンに支持されているかというと、その年のレース、特にG1レースでファンの印象に残る走りを魅せた、大抵の場合好成績を残したということに他なりませんから、G1レースで勝ち負けの勝負が出来る「実力馬」が集うレースということになります。

 ということは、どの馬が勝っても不思議は無いメンバーということになりますので、「有馬は好きな馬を買え」ということになるのでしょう。

 そう考えながら、2017年の出馬表を眺めました。

 今年は、いつもとは少し違う景色。
 「キタサンブラック1強」の空気が色濃いのです。

 ファン投票2位のサトノダイヤモンド、4位のレイデオロ、6位のマカヒキ、7位のキセキ、8位のソウルスターリング、10位のゴールドアクター、らが出てきていないということもあるのでしょうが、やはり「引退レース」の重みが響き渡っているのでしょう。

 キタサンブラックの有終の美を観たいというファンの気持ちが表れているのです。

 とはいえ、レースを、それも2017年を締めくくるG1レースを観る以上は、キタサンブラックを倒す可能性がある馬を探すことも、大事なことでしょう。

 なかなか難しいことですが・・・。

 第一の注目馬は、6枠12番のサトノクラウン。
 当日は馬場も良さそうですから、キタサンブラックを倒すとすれば地力の高い馬ということになります。今年、香港ヴァーズと宝塚記念というG1レースで魅せてくれた「強さ」をここでも期待します。

 第二の注目馬は、7枠13番のミッキークイーン。
 2015年のオークス馬もこのところなかなか勝ち星に恵まれませんが、前走エリザベス女王杯のゴール前の脚色は、久し振りの切れ味でした。中山でもあの脚を披露できれば、チャンスがありそうです。

 第三の注目馬は、3枠6番のサトノクロニエル。
 前走チャレンジカップG3は、デニムアンドルビーらとの大接戦を制し、1番人気に応えました。晩成のハーツクライ産駒、本格化のレースになってほしいものです。

 もちろん、有馬記念2017の主役はキタサンブラックです。
 圧倒的な一番人気になるでしょう。

 ラストランをじっくりと観戦させていただきます。
 12月11日、JRAから「武豊騎手の2017年度ロンジンIFHA国際功労賞受賞について」が報じられました。

 武豊騎手、そして日本競馬界にとって、素晴らしい受賞です。

① ロンジン賞の重み

 スイスの時計メーカー・ロンジン社は、世界の競馬に様々な面で関わりを持っています。
 例えば、「ロンジン・ワールドベストホース・ランキング」は世界中のサラブレッドに「ハンディキャップ」という形でレーティングを行いランキング付けするもので、こうした格付けとしては、世界で最も権威のあるもののひとつでしょう。

 そのロンジン社が、2013年6月に国際競馬統括機関連盟(IFHA)とオフィシャルパートナー契約を結び、IFHA国際功労賞を設立したのです。
 「国際競馬において顕著な功績を残し、競馬発展の為に多大な貢献を齎した競馬関係者」に贈られる賞なのです。

 世界中のホースマンにとって、とても名誉ある賞です。
 他のスポーツに例えれば、「世界競馬殿堂入り」といったレベルの賞なのではないでしょうか。

② 世界で6番目、日本初の受賞

 前述のように2013年設立という新しい賞ですから、これまで2013~16年の間に5名(内ひとつは「家」)しか受賞していません。(フランス1名・1家、アメリカ1名、アイルランド1名、チリ1名)

 武豊騎手の受賞は、日本人初であり、世界でも6番目なのです。
 競馬先進国たる欧州各国、アメリカ合衆国他で、数えきれないほどのホースマンが日々、競馬に打ち込んでいることを思えば、日本のホースマンが6番目に受賞したというのは、とても早いと感じますし、武騎手の功績の偉大さを改めて感じます。

③ 世界8か国で100勝以上

 武騎手がJRAで3900勝以上の勝ち鞍を挙げ、重賞勝ち322、G1勝利74、23年連続G1レース勝利等々、我が国のJRA競馬騎手の記録のほとんどを手にしていることは周知のことですが、国際舞台での活躍も見事の一言です。

 イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、UAEなど世界8か国の競馬場で通算100勝を超える勝利を手にしています。
 G1レースでも数々の好騎乗を魅せてくれています。
 1998年のモーリス・ド・ゲスト賞のシーキングザパールや2001年香港ヴァーズのステイゴールド、2007年ドバイ・デューティフリーのアドマイアムーンの勝利などは、本当に印象的でした。

 それらのレースにおける活躍はもちろんとして、競馬場や厩舎、トレーニングセンターなどにおける、武豊騎手の立ち居振る舞い、良好なコミュニケーション、日本競馬文化の伝播、等々が、世界中の一流ホースマン達から高い評価を得ていたことも特筆されるべきことなのでしょう。

 地域的にも、人間的にも、武騎手の極めて幅の広い活動・活躍が、今回の受賞につながったことは間違いないと思います。

 武豊騎手が、前述の8か国の言葉にどれくらい精通しているのかは知りませんけれども、外国語が使えるからコミュニケーションが取れ、仕事が出来るといったものでないことは、皆さん良くご存じの通りでしょうし、逆に苦手であっても、真のコミュニケーション創りに本質的には支障が無いことも、明らかなことです。

 良好なコミュニケーションのための「人柄」「人格」「知恵」が、武豊騎手に備わっていることも、間違いのないところなのでしょう。
 これらの要素をベースにして、世界トップクラスの騎乗技術や知見があればこそ、「世界競馬の発展の為に多大な貢献」が出来るのです。

 今回の受賞により、武騎手は世界競馬界における「日本競馬の看板」となりました。

 というか、もともと看板だったものが、明示されたと言った方が良いのかもしれません。
 12月17日、阪神競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第69回朝日杯フューチュリティステークスFS競走G1の注目馬検討です。

 2017年の2歳王者を決めるレースです。今年は牝馬の挑戦はありませんでした。

 「2強対決」という印象です。

 11月4日に行われた京王杯2歳ステークスG2では、タワーオブロンドンが2着に2馬身差を付けて完勝しました。「2馬身」は大きな差ですから、現時点ではこのレースに出ていた馬たちとの力量比較は済んでいると思います。

 また、10月7日のサウジアラビアロイヤルカップG3では、ダノンプレミアムがレコード勝ちを収めました。マイル戦における圧倒的なスピードを示したのです。

 今年の朝日杯FSの出走馬を観ると、この2頭の力が抜けていると思います。
 共に枠順にも恵まれました。

 16頭立てとフルゲートにならなかった要因のひとつも、この2頭の強豪馬の存在が有るのでしょう。

 この2頭に割って入る馬を探すのがポイントとなりそうです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のタワーオブロンドン。
 レイヴンズパス産駒。510㎏を超える大型馬ですが、バランスの良い馬体です。前述のように、前走・京王杯2歳Sは完勝でした。2走目のクローバー賞ではダブルシャープの大駆けにあって2着に敗れましたが、それ以外のレースではとても安定した走りを魅せています。軸馬です。

 第二の注目馬は、1枠1番のダノンプレミアム。
 ディープインパクト産駒。ピークは過ぎたという見方もあるディープですが、いまだに2歳競馬において他の追随を許さぬ成績を残しています。凄い種牡馬です。
 そのディープの現時点の2歳代表がダノンプレミアムです。いかにもスピードのありそうな馬体。2戦2勝。となれば、勝ち負けのレースが期待されます。

 第三の注目馬は、5枠10番のステルヴィオ。
 ロードカナロア産駒。新種牡馬としてのロードカナロアの活躍は見事なものですが、重賞ではなかなか活躍できていないのも事実。
 前走サウジRCではダノンプレミアムのレコード勝ちの前に1と3/4馬身敗れましたが、この馬も十分なスピードを披露しました。
 展開次第では、その「勝負強さ」が活きるかもしれません。

 今回は以上の3頭に期待します。

 門別から来た2頭、ダブルシャープとイシマツの走りも楽しみです。(外枠は残念ですが)
 2014年のきさらぎ賞G3を勝ち、クラシック戦線で有力候補の一頭とされていたトーセンスターダム(6歳馬)が、今シーズンオーストラリアのG1レースで2勝しました。

 日本のG1では、皐月賞11着、日本ダービー16着、菊花賞8着、宝塚記念12着と好成績は残せなかったトーセンスターダムでしたが、2年連続でオーストラリアに遠征した後、2016年4月に「移籍」(ダレン・ウイアー厩舎)したのです。
 新天地での走りに賭けたというところでしょうか。

 そして、6戦して2着2回・3着1回の後、2017年10月14日のG1トゥーラックハンディ競走(芝1600m)に優勝し自身初のG1勝利を挙げると、11月11日のG1エミレーツステークス(芝2000m)にも勝利して、G1レース2連勝を達成したのです。

 6歳の秋になって本格化した、急に強くなったとは考えにくいので、もともと適性があった豪州競馬に慣れてきたと観る方が良いように思います。
 トーセンスターダムは、もともと日本競馬より豪州競馬に向いていたのかもしれません。

 また、豪州競馬界は短距離馬の層は厚いが、中距離馬・長距離馬の層は薄いとも言われます。

 今回のトーセンスターダムの活躍は、日本馬の活躍の舞台を世界に広げる、ひとつのモデルケースとなりそうです。
 サラブレッドのロジスティック技術の向上も相まって、「より適性の有る国で、馬場で走る」という選択肢が増えたのです。

 我が国の競馬関係者にとっても、たとえ日本競馬で好成績を挙げられなかったとしても、○○国の競馬に向いているかもしれないと考えて、戦いの場を変えることができるようになったのです。

 各々の国の各々の競馬場への向き不向きの情報が、今後はどんどん蓄積されていくことでしょう。とても大切なノウハウです。

 ディープインパクト産駒のトーセンスターダムが豪州で種牡馬になる様なら、ディープの血がオーストラリアでも根付いて行く可能性があります。

 これも間違いなく、「日本競馬の国際化」のひとつの道なのです。
 12月10日、阪神競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第69回阪神ジュベナイルフィリーズ競走G1の注目馬検討です。

 今年も2歳女王決定戦に18頭が出走して来ました。フルゲートです。

 毎年同じことを書いて恐縮ですが、この時期の牝馬となればコンディションが安定しない上に、1勝馬も登場しますから地力も不明確ですから、予想はとても難しいのです。
 何となく好きな馬、何かを感じさせてくれる馬を選ぶということになるのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠11番のラッキーライラック。
 オルフェーヴル産駒。2戦2勝です。前走アルテミスステークスG3はサヤカチャンに3/4馬身差で優勝しました。若いのに勝負強いという感じ。勝ちどころを知っているように見えます。

 第二の注目馬は、8枠18番のロックディスタウン。
 オルフェーヴル産駒。2戦2勝です。前走札幌2歳ステークスG3では牡馬を相手に接戦を制しました。大外に回ったのは少し不利でしょうが、現状では最も安定していると観ます。

 第三の注目馬は、7枠14番のノーブルアース。
 ハーツクライ産駒。前走の赤松賞は僅差の6着に敗れましたが、デビュー戦は牡馬を相手に5馬身差の圧勝でした。ここまで「突き抜ける」馬が少ない印象の世代の中で、圧倒的な力を見せていただきたいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 「オルフェーヴル産駒がどのようなレースを魅せてくれるのか」がこのレースのポイントだと思います。
 12月3日、中京競馬場ダート1800mコースで行われる、第18回チャンピオンズカップ競走G1の注目馬検討です。

 今回も「2017年のダート王」を目指して、16頭が出走してきました。
 現在の日本ダート競馬の強豪馬が概ね顔を揃えたレースとなっていますから、日本一決定戦に相応しいと感じます。

 これだけのメンバーが揃ってくると、まずは「現在の調子」が良い馬をピックアップすることになります。

 続いては、「中京のダート」への相性がポイントでしょう。
 何度も書いて恐縮ですが、「砂馬場」が存在した日本の競馬場のダートコースは、競馬場によって微妙に異なると感じられるからです。

 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、4枠8番のグレンツェント。
 中京で行われた、今年1月の東海ステークスG2を快勝しています。前走JBCクラシックG1は5着に敗れていますが、中京との相性の良さを評価したいと思います。

 第二の注目馬は、7枠14番のサウンドトゥルー。
 前年のこのレースの覇者が、前走JBCクラシックG1も勝ちましたので、軸馬としてはこの馬でしょう。毎年この季節になると調子を上げている感じです。

 第三の注目馬は、1枠2番のケイティブレイブ。
 6月に大井の帝王賞G1に勝って本格化した様子です。G1レースの常連となりました。このレースを勝つようなら、今後のダート界の中心馬となるのでしょう。

 今回は以上の3頭に注目します。

 両7歳馬、コパノリッキーとアウォーデイーの走りも楽しみです。
 ダート界の今後を占うレースとなるのでしょう。
 2017年のブリーダーズカップ・クラシック競走G1(サラ3歳以上ダート10ハロン)は、11月4日、アメリカ合衆国カリフォルニア州のデルマー競馬場で行われ、4歳牡馬のガンランナーが2着に2馬身以上の差を付けて快勝しました。

 ガンランナーは、これで今年6月からG1レース4連勝となりました。
 3月のドバイワールドカップG1でアロゲートの2着に敗れて以来、連勝を続けていますので、「ついに本格化」という印象です。

 2016年のケンタッキーダービーで3着に入るなど、世代トップクラスの力は見せていましたが、なかなかG1に優勝することが出来なかったガンランナー(Gun Runner)でしたが、4歳になっての充実ぶりは目覚ましく、現時点での「世界最強馬」との見方もありますし、通算18戦11勝(G1・5勝)となれば、種牡馬キャンディライドの代表産駒としての役割、良血を受け継ぐ使命も果たさなければならないのでしょう。

 ガンランナー号、父キャンディライド、母クワイエットジャイアント、母の父ジャイアンツコーズウェイ、通算18戦11勝の現役馬です。

 キャンディライドはアルゼンチン馬で、通算6戦6勝(G1・3勝)の無敗馬です。
 とはいえアルゼンチン馬ですから、現役時代の前半の評価は高くは無かったのでしょうが、キャリア5戦目のG2と6戦目のG1パシフィッククラシックステークスをアメリカで走って連勝して、種牡馬入りしました。

 キャンディライドの父はクリプトクリアランス、アメリカ馬で通算44戦12勝(G1・4勝)と良く走る馬でしたが、超一流の成績という訳ではなかったと思います。クリプトクリアランスが種牡馬として活躍することが出来たのは、その父ファピアノが大種牡馬ミスタープロスペクターの直仔であったことが大きかったのでしょう。

 ガンランナーは、ミスタープロスペクター→ファピアノ→クリプトクリアランス→キャンディライドと続く血脈の中で、アルゼンチンを経てアメリカに戻ってきた「血統」なのであろうと思います。

 この事実は、現在の「アルゼンチン競馬」の力も示しているのでしょう。

 キャンディライドは、アルゼンチンで4戦4勝の実績を引っ提げてアメリカ競馬に挑戦したのです。そして、アメリカでも2戦2勝でした。
 アルゼンチン競馬界にとっても、嬉しい活躍だったことでしょう。
(日本の無敗馬が、アメリカの重賞を戦っても無敗であったなら、どんなに嬉しいことでしょうか)

 ちなみに、ガンランナーの母の父ジャイアンツコーズウェイは、主にヨーロッパで走ったアメリカ産馬。通算13戦9勝・2着4回、生涯2着を外さずG1を6勝という名馬です。
 2000年のセントジェームズステークスからアイルランドチャンピオンステークスまでのG1・5連勝の時期には「世界最強馬」の名を欲しい儘にしました。そして2000年のカルティエ年度代表馬に輝いたのです。
 我が国に、世界中の大レースの映像が沢山入ってくるようになった時期以降の活躍馬ですから、ご存知の方も多いと思います。
 
 2017年のブリーダーズカップ・クラシックに優勝したガンランナーの、今後の競走馬としての活躍、そして種牡馬としての活躍が大いに期待されるのです。
 11月26日、東京競馬場芝2400mコースで行われる、第37回ジャパンカップ競走G1の注目馬検討です。

 メンバーが揃いました。
 現在の日本競馬における「2400mレースの覇者」を決めるのに相応しいメンバーが揃い、加えてヨーロッパ勢を主体とした外国馬も多士彩々。
 華やかな雰囲気が一杯です。

 この距離の現役最強馬であろう前年の覇者・キタサンブラック、3歳牡馬の代表・日本ダービー馬のレイデオロ、3歳牝馬の代表・オークス馬のソウルスターリング、2017年上半期の総決算・宝塚記念を制したサトノクラウン・・・。
 王者キタサンブラックに挑む、2400mのG1を「今年勝った馬」がズラリと並びました。

 11月1日に行われたバイエルン大賞(ドイツ・G1)の優勝馬ギニョール、そのレースの2着馬・凱旋門賞2017の7着馬イキートス、オーストラリアの2400mG1を10月に勝っているブースタイム、7月のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスG1の3着馬アイダホ・・・。
 外国馬では、アイダホとギニョールが強力だと思います。

 21世紀に入り、日本馬のレベルアップもあって、海外馬が「固い日本の馬場・高速競馬」になかなか対応できない状況が続いていますから、今回も日本馬中心のレースとなりそうですが、一方で、今秋の長雨によりさしもの府中の芝も例年になく傷んでいますから、現在の東京競馬場コースは「力の要る馬場」になっていることも事実です。
 力の要る馬場となれば、深い芝コースで走っている海外勢が有利でしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、1枠2番のレイデオロ。
 6戦5勝という安定感を誇ります。また、レース間隔を取って大事に使われている印象もあります。軸馬となればこの馬でしょう。

 第二の注目馬は、2枠4番のキタサンブラック。
 現在の日本最強馬です。超不良馬場の天皇賞(秋)も堂々と押し切りました。懸念があるとすれば、その疲労残りでしょうが、回復しているとの報道も多いので、勝ち負けの勝負を魅せてくれそうです。

 第三の注目馬は、6枠12番のサトノクラウン。
 香港ヴァーズG1に勝ち、宝塚記念にも勝ち、天皇賞(秋)は僅差の2着となれば、実力は折り紙付き。ここでも勝ち負けの勝負を披露してくれることでしょう。

 「本命サイド」の選定となっていますが、これだけメンバーが揃った中で、レース展開を予想すれば、どうしてもこうなってしまいます。穴党の方には、お詫び申し上げる次第です。

 「2017年の年度代表馬を争うサラブレッド達」の「力勝負」が、本当に楽しみです。
 11月19日、京都競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第34回マイルチャンピオンシップ競走G1の注目馬検討です。

 今年も「秋のマイル王」の栄誉を目指して、18頭のフルゲートとなりました。

 一見して「混戦」という印象です。
 そもそも現在のマイル戦線は、絶対的な力量を保持する馬が居ない中で、古馬・3歳馬が入り混じったメンバーですから、難しい訳です。

 加えて、「ベテラン馬」が頑張っているなとも感じます。
 イスラボニータ(23走)、サトノアラジン(22走)、レッドファルクス(25走)の6歳陣は強力。
 いずれもG1ホースであり「無事これ名馬」の域に達しているでしょう。

 3歳陣は、アメリカズカップ、サングレーザー、レーヌミノル、ジョーストリクトリ、ペルシアンナイトと5頭が挑戦してきました。

 こうしてみると、本来中心となるべき世代である4歳陣、5歳陣が少し薄いのかな、とも思います。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠12番のイスラボニータ。
 2014年の皐月賞馬ですが、6歳になっても元気いっぱい。大きな故障も無く走り続けています。良馬場のマイル戦なら「安定感抜群」でしょう。勝ち負けの勝負はしてくれるものと思います。

 第二の注目馬は、6枠11番のエアスピネル。
 サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズらとともに「最強世代」を形作ってきた1頭です。ようやく「この馬の番が来た」といったところでしょう。強力な決め手がないところが弱点ですが、いつも一生懸命走ってくれますので、やはり勝ち負けの勝負はしてくれるものと思います。

 第三の注目馬は、8枠18番のペルシアンナイト。
 皐月賞2着馬の力を見せる時でしょう。今注目のハービンジャー産駒。Mデムーロ騎手の騎乗にも期待します。

 サトノアラジンは前走の超不良馬場の疲労残り、レッドファルクスはやはり少し距離が長いかなと思います。
 3着までなら、前走を圧勝したアメリカズカップが気になります。

 京都の長い直線、ゴール直前まで競り合いが続きそうです。
 11月12日、京都競馬場芝外回り2200mコースで行われる、第42回エリザベス女王杯競走G1の注目馬検討です。

 メンバーが揃いました。

 まさに「2017年秋の最強牝馬決定戦」に相応しいメンバーです。

 まずは3歳牝馬陣。秋華賞2017の1~3着が出てきました。こういう年も珍しいのではないでしょうか。
 続いて古馬牝馬陣。
 4歳のヴィブロスがドバイターフ優勝、クロコスミアが府中牝馬S優勝。
 5歳のルージュバックがオールカマー優勝。
 7歳のスマートレイアーが京都大賞典優勝、と好成績を引っ提げての出走です。

 特にヴィブロス、ルージュバック、スマートレイアーは、牡馬一線級を相手にしての優勝ですから、相当強い布陣です。

 各馬が順調に来ているということですが、調教師、厩務員等の関係者の皆さんのご努力が実を結んでいるということでしょう。

 多士済々の難しいレースとなりました。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠16番のヴィブロス。
 2000m超のレースを走ったことが無いところは気になりますが、ドバイターフの末脚が印象的でした。前走府中牝馬ステークスは太目残りと観ます。やはり、世界の強豪馬を倒した力が、最後に物を言うのではないでしょうか。

 第二の注目馬は、8枠17番のルージュバック。
 オークス2015で2着の素質馬が、ようやく本格化したと見ます。京都・外回りの長い直線で実力を披露してくれることでしょう。

 第三の注目馬は、3枠5番のモズカッチャン。
 前走秋華賞は、Mデムーロ騎手にしては珍しく仕掛けが早かった感じがします。実力馬ですので、しっかり乗ればチャンスはあります。

 上がり馬も居ますが、これだけメンバーが揃うと苦しいのではないでしょうか。

 パンとした馬場でのレースを期待しています。
 1975年にイギリスのエリザベス女王が来日し、それを記念して1976年に、それまで「ビクトリアカップ」として施行されていたレースを「エリザベス女王杯」と名付け、第1回として開催されたことは、以前の記事にも書きました。

 同時に、桜花賞、オークスと共に、秋の最強3歳牝馬決定戦と位置付けられ、この3レースを勝ったサラブレッドを「牝馬三冠」と呼ぶことになったのです。

 この取扱いは1995年まで続きました。
 「2400mのエリザベス女王杯」が20年間に渡って、3歳牝馬限定レースだったのです。
 1996年以降は、秋華賞が「牝馬三冠」の対象レースとなり、距離も2200mに短縮されて、3歳以上牝馬による秋の最強牝馬決定戦となり、現在に至っています。

 さて、1976年の第1回レースに優勝したのが、ディアマンテでした。

 この年の牝馬クラシック路線は、アローエクスプレスの娘・テイタニアが桜花賞とオークスを快勝していましたから、いきなりの「牝馬三冠」誕生かと注目されていました。
 私もテイタニアが最有力だろうと観ていたことを覚えています。

 当日の京都競馬場は、前日の雨の影響が残り「やや重」馬場でした。
 シービークイン(三冠馬ミスターシービーの母)が逃げを打ち、直線の叩き合いでディアマンテが抜け出して、2着のニッショウダイヤに2馬身差を付けて、ディアマンテが優勝したのです。3着フジエクスプレス、4着にテイタニアが入り、5着はスカッシュソロンでした。

 ディアマンテとテイタニアは、共に稲葉幸夫厩舎所属でしたので、「稲葉厩舎は2頭で牝馬三冠」とも言われました。

 ディアマンテは410kg台の小柄な黒鹿毛のサラブレッドでした。「いつも一生懸命走る」馬でもありました。ディアマンテは、このレースでその名の通り(スペイン語でダイヤモンドのこと)、燦然と輝いたのです。
 
 少し逸れますが、馬体重「410kg台」というと、現在ではとても小柄という印象ですが、当時の牝馬なら少し小柄といったところでしょう。
 このレースの上位馬を見ても、2着のニッショウダイヤが430kg、3着のフジエクスプレスが454kg、4着のテイタニアが440kg、5着のスカッシュソロンが412kg、10着のカミノロウゼンは392㎏となっています。
 当時は、牝馬なら420kgから430kg位で、いかにも「ほっそり」としていて、直ぐに牝馬と分かる馬が多かったと思います。
 1975年の牝馬二冠・テスコガビーは480kg台で走りましたが、こちらの方が例外的に、とても大きな牝馬だったのでしょう。

 我が国の牝馬が大型化するのは、1990年代にヒシアマゾンやエアグルーブが活躍するようになってからだと思います。

 話を戻します。

 ディアマンテは、凱旋門賞馬トピオの産駒でした。同期のシービークインもトピオ産駒です。そしてこの2頭が、我が国におけるトピオの代表産駒だと思います。

 ディアマンテ号、父トピオ、母アテナ、母の父パーソロン。通算成績28戦6勝。主な勝ち鞍:エリザベス女王杯、福島記念。ちなみに6勝は全て「重」か「やや重」馬場でした。間違いなく「重巧者」だったのです。

 ディアマンテは1999年に亡くなりました。26歳でした。
 その前年には、同じ厩舎のライバルであったテイタニアが他界しています。
 1976年の牝馬三冠レースを争った、ディアマンテとテイタニアは、仲良しだったのではないかと、勝手に想像しています。
 2017年10月29日、雨降りしきる東京競馬場で行われた、第156回天皇賞(秋)は、一番人気のキタサンブラックが優勝しました。

 不良馬場、それも相当酷い馬場でしたが、キタサンブラックは4角で内一杯を突いて先頭に立ち、サトノクラウンの追い上げを「クビ」差押さえての勝利でした。
 いかにもキタサンブラックらしい、素晴らしい粘り脚でした。

 前走宝塚記念の9着で「走る気が失せたか」と感じていましたが、それは「大間違い」でした。彼の闘争心は、いささかも衰えていなかったのです。
 畏れ入りました。

 スタートは出遅れました。ゲートに突進してしまい、ぶつかったと、鞍上の武豊騎手がレース後にコメントしていました。
 出遅れ後は落ち着いた様子で、コース内側を走り続け、徐々に先頭集団への追い付きを図りました。
 特に、大欅前後で一気に前方に進出した形。

 脚が長く飛びが大きい馬は不良馬場には向いていない、と言われていますが、キタサンブラックは十分に不良馬場に適応していました。
 そう言えば、あのハイセイコーも大柄で飛びが大きな馬でしたが、重い馬場では別格の強さを魅せていました。飛びの大きさと重・不良馬場への適性とは、必ずしも関連性が無いということになりそうです。
 要は、「走り方と筋力」なのでしょう。

 これで、2017年の天皇賞(春)と(秋)を連覇したキタサンブラックは、史上2頭目の「天皇賞3勝馬」ともなりました。
 「日本競馬史上にその名を刻む優駿」となったのです。

 この後は、ジャパンカップと有馬記念に走るとのこと。

 歴史的名馬の残り2走に注目しましょう。
 10月29日、東京競馬場芝2000mコースで実施される、第156回天皇賞(秋)競走G1の注目馬検討です。

 我が国の古馬最高の栄誉を目指して、今年も18頭が出走して来ました。フルゲートです。

 天皇賞(秋)を見る時いつも思うのは、2000mという距離が絶妙というか微妙であるということ。
 マイルのスペシャリストでもギリギリ対応できそうですし、2400mに強い馬には少し短い感じ。悩ましい距離なのです。
 加えて「府中の2000m」ですから、直線が500メートメ以上あり、どちらかと言えばスピードよりもパワーが必要な気がします。

 さて、今年のレースで最も留意しなくてはならないのは「キタサンブラック」の取捨選択でしょうか。
 既にG1レースを5勝し、2016年の年度代表馬ともなっている、我が国を代表するサラブレッドです。その強さは折り紙つき。
 一方で、前走の宝塚記念では1番人気で9着と、久し振りに大敗を喫しました。

 これが、2016年10月の京都大賞典G2からの「使い詰めによる疲労残り」が原因なのか、馬自身が「走る気を無くしてしまったのか」がポイントとなりそうです。
 私は、後者ではないかと考えています。

 キタサンブラックは気合で走るタイプだと思います。20世紀風に言えば、「根性」で走るのです。多くの場合、最後の直線で先頭に立ち、追い上げてくる馬達との競り合いとなりますが、キタサンはなかなか抜かせない。
 サトノダイヤモンドに交わされてしまった有馬記念2016でも、「敗れて尚強し」でした。

 そのキタサンが、宝塚記念2017では直線でズルズルと後退したのです。「もういいよ」と言いたそうなレースでした。
 「火を落としてしまった」キタサンブラックは、もう好走できないのではないかと感じています。

 一方、他の馬の検討に際しては、コンディションを重視したいと思います。
 頭書のように、府中の2000mはとてもハードなコースですので、調子の良くない馬では乗り切れないと考えます。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、1枠2番のサトノクラウン。
 2016年12月、香港ヴァーズG1を快勝してから好調を維持しています。前走の宝塚記念も勝ち切りました。2000mから2400mであれば、現在最も安定した力を魅せてくれるサラブレッドでしょう。

 第二の注目馬は、2枠3番のネオリアリズム。
 前走4月の香港QE2世C・G1を勝ちました。少し間は空きましたが、遠征疲れを取るには、良い頃合いでしょう。6歳になって本格化した力を示していただきたいものです。

 第三の注目馬は、2枠4番のリアルスティール。
 前走のG2毎日王冠を快勝しました。調子は一番よさそうです。この馬には、府中の2000mは少し長い感じですが、コンディションの良さでゴール前の叩き合いに持ち込み、粘りの競馬を魅せていただきたいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 一発大駆けがあるとすればソウルスターリングでしょうが、前走で牡馬の力を見てしまいましたので、気後れしていないか心配です。
 このところ、闘争心が萎えてしまったかのようなレースを続けて居るマカヒキのレース振りも気になるところではあります。

 雨降りが多い2017年の秋競馬ですが、明日はしっかりとした馬場でレースが行われて欲しいものです。
 10月22日、京都競馬場芝外回りコースで開催される、第78回菊花賞競走Gの注目馬検討です。

 三冠最後のレースに、今年も18頭が出走して来ました。フルゲートです。
 多くの出走馬にとって初体験となる3000mという長距離戦ですから、長い歴史においても数多くのドラマが生まれて来ました。
 ただでさえ、予想が難しいレースなのです。

 これに加えて、今年は「重い馬場」が加わりました。
 連日のように降り続く雨、レース当日は台風の接近も有って大雨の可能性も有りますから、「不良」馬場となるかもしれません。
 深い芝の不良馬場となれば、過去の戦績は殆ど参考にならないと感じます。

 今回は、「不良馬場」に適応できるかもしれない馬を選ぶことにします。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠10番のベストアプローチ。
 英国ダービー馬ニューアプローチの産駒です。重いエプソム競馬場のダービーを制した父親の力量に期待します。
 青葉賞G2や日本ダービーでの戦い振りから、相応の地力も備わっていると思います。

 第二の注目馬は、8枠17番のプラチナヴォイス。
 米国三冠レースで2着2回のエンパイアメーカー産駒です。パワーが必要なアメリカのダートコースで活躍した父親、既に大種牡馬の仲間入りをしている父親の力に期待します。
 スプリングステークスG2や皐月賞、前走セントライト記念G2の走りは、同期上位の力を示しています。

 第三の注目馬は、1枠1番のブレスジャーニー。
 エンパイアメーカー産駒のブレスブランの仔です。エンパイアメーカーの血統を日本に入れようとして輸入されましたが、そのエンパイアメーカー自身が日本に輸入された形。
 休養明けの1戦となりますが、2歳時には東スポ2歳ステークスG3を制しています。
 同期トップクラスの馬の復活と見たいところです。

 今回は以上の3頭に注目します。

 もともと「実力が拮抗している」と言われてきた今年の3歳牡馬陣です。
 この馬場では、どんな展開になるのでしょうか。
 10月15日、京都競馬場芝2000mコースで開催される、第22回秋華賞競走G1の注目馬検討です。

 オークス馬ソウルスターリングが毎日王冠G2に回りましたので、やや混戦模様のレースとなりました。

 オークス経由の馬達、モズカッチャン、ディアドラ、リスグラシュー、ブラックオニキス、ブラックスビーチらと、その他の路線を進んできた馬達、アエロリット、ファンディーナ、そして上り馬達、ラビットラン、タガノヴェローナ、リガビトスら、の三つ巴の戦いです。

 安定感のリスグラシューか重賞2連勝中のアエロリットが中心となるレースだと思いますが、直線の短い内回りコースですので「自在性」がポイントとなりそうです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠4番のモズカッチャン。
 オークス2着馬ですから、世代トップグループの実力は証明されています。前走ローズSの7着は仕上がり途上と観ます。ソウルスターリング不在のこのレースなら勝ち負けの勝負をしてくれるでしょう。

 第二の注目馬は、1枠1番のアエロリット。
 G1NHKマイルの勝ち馬です。ここまで7戦3勝・2着3回と安定感も十分。このレースの中心となる馬です。前走クイーンSでは2着に2・1/2馬身差を付けての完勝でした。コンディションも上々でしょう。

 第三の注目馬は、1枠2番のラビットラン。
 前走ローズSでは、春の主役達を従えての堂々たるレース振りでした。秋になって本格化したと観たいところです。

 秋華賞2017は、以上の3頭に注目します。

 あとは、全勝馬(3戦3勝)のリカビトスが眼に付きます。
 
 レース当日の京都地方の天候は雨。
 重馬場の影響が気になる所です。
 例年通り、10月の第一日曜日、2017年は10月1日、こちらは例年とは異なりシャンティー競馬場において開催される、第96回凱旋門賞の検討です。

 凱旋門賞については、本ブログでも毎年のように採り上げていますから、その傾向は概ねお分かりのこととは思いますが、少しお浚いをしておきましょう。

① 欧州馬が強い。

 過去95回のレースで、欧州以外の国の調教馬は優勝したことがありません。
 これは厳然たる事実です。

② フランス馬が強い。

 欧州馬の中でも、地元フランス馬が66回優勝していますから、3レースに2レース以上の確率ですので、圧倒的な強さと言って良いでしょう。

 但し、最近の10年では、フランス馬が4勝、アイルランド馬が3勝、イギリス馬が2勝、ドイツ馬が1勝となっていますから、勢力図が拡大しているとも言えそうです。

③ 3歳馬が強く、近年は3歳牝馬の活躍が目立つ。

 国際大レースの中で凱旋門賞に際立つ特徴は「3歳馬の強さ」でしょう。過去59勝もしています。
 これは「斤量の有利さ」が如実に表れている事象でしょう。

 「3歳56.5kg、4歳以上59.5kg、牝馬は△1.5kg」というレギュレーションですから、3歳牡馬は56.5kg、4歳以上牡馬は59.5㎏と、3㎏の斤量差があるのです。相当大きなハンディキャップ差だと感じます。

 これが3歳牝馬となると55㎏ですから、その差は4.5kgとなります。
 そもそも55㎏という絶対値が、こうした大レースでは「軽い」と思いますし、4.5㎏差は大差です。

 さて、以上の傾向から、凱旋門賞2017の出走馬を観ると、明快な本命馬が居ます。
 馬番17番のエネイブル(イギリス)です。

 3歳牝馬のエネイブルは、ここまで7戦6勝・3着1回、特に近時5戦は5連勝、内G1レースを4連勝という抜群の成績です。
 さらに凄いのは、「2400mのスペシャリスト」というところでしょう。
 4連勝のG1レースは、イギリスオークス、アイルランドオークス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、ヨークシャーオークスといずれも2400mのレース(イギリスオークスは12ハロン6ヤードですから2420m位になりますが、これは2400mのレースと言って良いでしょう)なのです。

 特筆すべきは、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス2017の優勝でしょう。欧州三大レースの一角を占めるレースであり、牡馬を相手にしての優勝ですから、その価値は重いものです。

 加えて、キングジョージとヨークシャーオークスは「稍重」馬場での優勝ですから、重い馬場になりそうな凱旋門賞2017の馬場にも適性が有ることになります。

 これは「大本命」でしょう。
 コンディションが整っていれば、エネイブルに勝たれる可能性が高いレースだと思います。

 そうなると2着馬・3着馬を探すレースとなりますが、こちらは大混戦です。
 1頭ずつ検討してみると、

・馬番1番のザラック(フランス)
・同4番のユリシーズ(アイルランド)
・同8番のチンギスシークレット(ドイツ)
・同12番のオーダーオブセントジョージ(アイルランド)
・同14番のブラムト(フランス)
・同15番のカプリ(アイルランド)

 が有力かと思います。

 以上から、凱旋門賞2017の注目馬です。

 第一の注目馬は、17番のエネイブル(イギリス)。
 大本命でしょう。

 第二の注目馬は、12番のオーダーオブセントジョージ(アイルランド)。
 牡5歳場ですが、前走のアイルランドセントレジャーG1(2800m)で優勝、直近の5走で優勝3回・2着2回と好調を維持しています。凱旋門賞2016の3着も、シャンティー競馬場への適性を示す材料と考えます。

 第三の注目馬は、14番のブラムト(フランス)。
 2017年のフランスダービー馬です。前走ドーヴィル競馬場のG2で5着と敗れてしまいましたが、それまでは7戦6勝・2着1回、フランス2000ギニーとダービーを連勝しました。フランスの2冠馬なのです。
 凱旋門賞で強いフランス馬の代表格としての活躍に期待します。

 凱旋門賞2017は、以上の3頭に注目したいと思います。

 日本から挑戦する、9番のサトノダイヤモンドと10番のサトノノブレスにも、もちろん期待していますが、「重い馬場のシャンティー」でその能力を発揮するのはなかなか大変だろうとも感じています。

 また、今年のレースでは、もうひとつ注目ポイントが有ります。
 それは「ガリレオ産駒」の活躍です。

 18頭が出走してきたレースですが、ユリシーズ(アイルランド)、アイダホ(アイルランド)、オーダーオブセントジョージ(アイルランド)、セブンスヘブン(アイルランド)、カプリ(アイルランド)、ウインター(アイルランド)、の6頭のガリレオ産駒が並んだのです。

 ガリレオは、以前の記事でも採り上げましたが、2001年のイギリスダービー、アイルランドダービー、キングジョージを3連勝した名馬ですが、このところの産駒の活躍は目覚ましく、2010年以降7年連続でイギリスとアイルランドのリーディングサイアーを獲得しています。大種牡馬サドラーズウェルズの後継種牡馬として、十分な成績を残してきているのです。
 このガリレオの産駒の、凱旋門賞2017における活躍も見逃せません。

 エネイブルの圧勝か、ガリレオ軍団の快走か、地元フランス馬の巻き返しか、それとも日本馬の史上初の優勝か。
 最も聞きたいニュースが「日本馬初制覇」であることは、言うまでもありません。
 中央競馬2017年上半期を締めくくるG1レース、第58回宝塚記念競走の注目馬検討です。

 11頭立てと、少頭数のレースとなりました。

 やはり、キタサンブラック中心のレースとなることは間違いありません。
 大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念と、関西で上半期に行われる、古馬を対象としたG1レースの3連勝がかかります。
 大阪杯がG1に昇格した年に、早くも快挙の報が聞けるかもしれません。

 阪神の2200mとなると、前に行ける馬の方が有利でしょう。一方で、キタサンとしては珍しく外枠を引きましたから、どれくらいの影響があるか興味深いところです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠12番のサトノクラウン。
 距離がピッタリでしょう。前走の6着は、調子が落ちていた(馬体重も12㎏減)と見ています。香港以来の疲れが出たのかもしれません。今回はキッチリと仕上げてきてくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠5番のシュヴァルグラン。
 ジャパンカップ2016の3着、天皇賞(春)2017の2着と、すっかりG1レースの常連となりました。ハーツクライ産駒、大器晩成と行きたいところです。
 
 第三の注目馬は、8枠11番のキタサンブラック。
 この馬の強さは、誰もが認めています。少し走り過ぎかなと思いますが、その安定感はずば抜けています。ここでも、勝ち負けのレースを魅せてくれることでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ゴール前100mの競り合いが、とても楽しみです。
 2017年のオークスはソウルスターリングが、日本ダービーはレイデオロが制しました。

 共に、東京競馬場の最後の直線、残り100mから「グイッ」と前に出る、安定感抜群の勝ち方でした。

 そして共に、鞍上はクリストフ・ルメール騎手でした。

 2017年のオークスと日本ダービーは、共に強力な逃げ馬がいなかったこともあり、スローペースとなりました。どちらのレースも「残り600mからのヨーイドン」となったのです。

 こうしたレースを勝つためには、4角で先頭集団に居ることが有利です。
 ルメール騎手は、きっちりと必要な位置に馬を置きました。

 特に、前半の1000m・63秒台という「珍しいほどのスローペース」となった日本ダービーでは、3コーナー手前から一気にポジションを上げ、4コーナーでは先頭に並びかけ、直線入り口では既に先頭でした。
 強烈な末脚を保持したライバルが、ゴール版までに間に合うようであれば負けてしまいますが、レース展開から見て「最も勝つ確率が高い乗り方」をしていたように観えました。

 そして、デムーロ騎手が乗ったアドミラブルの追い込みは、僅かに届かなかったのです。
 この展開を考慮すれば、アドミラブルの末脚は強烈なものでしたが、「前と後ろ」を十分に考慮したルメール騎手の騎乗が、レイデオロに優勝を齎した形なのでしょう。

 ルメール騎手は、生誕の地フランスでも、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)とディアヌ賞(仏オークス)を一度ずつ制しています。

 そして2015年から日本競馬を主たる舞台として活躍を開始し、3年目に優駿牝馬と東京優駿を制したのです。
 中央競馬デビュー早々から、ルメール騎手の全体としての騎乗成績は素晴らしいもので、文句のつけようがないが、一方でG1レース、特にかつての「八大レース」ではいまひとつといった評価もありました。ルメールは「ここ一番」では勝ち切れないという声も聞かれたのです。

 しかし、この2017年のオークス・日本ダービーの連勝で、もう何も気になるところは無くなったことでしょう。

 ルメール騎手の騎乗の特徴は、前述にもありましたが「馬を必要な場所に置く上手さ」でしょう。
 日本ダービー2017の4角先頭は、その典型です。
レースにおける多くの要素を勘案して、騎乗馬を「勝利に導くことが出来る位置」に持ってくるのです。この能力がとても高い。

 言い方を変えれば、「あとは馬の力だよ」といったところでしょうか。

 日本ダービー2016では、サトノダイヤモンドをマカヒキとの競り合いの位置に運びました。そして、壮絶な競り合いの末、マカヒキに敗れたのです。
 天皇賞(春)では、サトノダイヤモンドをキタサンブラックを追い抜ける位置に運びました。しかし、先にバテたのはダイヤモンドの方でした。京都の3200mでは、キタサンの方が強かったのです。
 桜花賞2017では、あとは直線でいつもの脚が使えれば勝てる位置に、ソウルスターリングを運びました。しかし、スターリングは不思議と伸びませんでした。

 ルメール騎手が人気馬に乗った時、ほとんどの場合「期待通りの騎乗」を魅せてくれていると感じます。観ている者は「これで負けたのなら仕様が無い」と考えることが多いのではないでしょうか。

 この「確率の高さ」が「ルメールの騎乗」なのでしょう。

 従って、ルメール騎手に「思いもよらぬ騎乗」「奇策」を見ることは出来ません。
 期待してはならないやり方なのでしょう。

 母国のダービー・オークスの勝利数に、早々に並んだルメール騎手。
 今後、東京優駿と優駿牝馬の勝利数をどこまで伸ばしていってくれるのか、とても楽しみです。
 東京開催G1シリーズを締めくくる、上半期のマイル王決定戦、6月4日に芝1600mコースで行われる、第67回安田記念競走G1の注目馬検討です。

 1951年(昭和26年)に「安田賞」として創設された、歴史と伝統を誇る大レースです。

 中距離を得意とするサラブレッドなら、一度は勝っておきたいレースですから、フルゲートになることが多く、2017年も18頭が挑戦してきました。
 もともと層の厚い距離の競走であることに加えて、現在は一頭抜けた馬が存在しない時期、戦国時代の様相を呈していますから、「混戦」であることは間違いありません。

 人気となりそうな馬が、比較的外枠に集まったことも、「混戦」に拍車をかけている印象です。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠8番のエアスピネル。
 強いと言われた2016年世代のトップグループを走り続けました。なかなか1着に慣れないタイプですが、一方で、安定感は抜群です。そろそろG1馬となっても良いころでしょう。

 第二の注目馬は、7枠15番のイスラボニータ。
 この馬も好走はするものの、なかなか勝てませんでしたが、前走のマイラーズカップで久々の重賞勝ち。その勢いで、ここでも勝ち負けの勝負を魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、3枠6番のレッドファルクス。
 前走G2京王杯SCは快勝でした。2016年のスプリンターズステークスG1の勝馬ですから、スピードは折り紙つき。前走から200メートル伸びたコースも、なんとか克服してくれるのではないでしょうか。内枠も味方しそうです。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 昨年の優勝馬ロゴタイプや、ビューティオンリ、コンテントメントの2頭の外国馬の走りも、とても楽しみです。
 目黒記念競走G2が、何時から日本ダービーの日に行われるようになったのかと調べてみました。2006年からでした。

 私のようなオールドファンにしてみれば、目黒記念は「天皇賞と同様に、年に2回開催される大レース」でした。
 今から40年程前は、現在と比べて重賞競走が少なく、例えば、一流馬が天皇賞や有馬記念を目指すとなれば、所謂「オープン競走」出走によりコンディションを整えていました。あのシンザンは19戦していますが、内8戦はオープン競走なのです。

 そうした「重賞の数が少ない」状況下で、目黒記念は貴重な重賞、それも「関東の八大競走優勝馬が目指すに相応しい重賞」のひとつだったのです。
 競走馬の東西輸送が、現在のように容易ではなかった時代のことです。(関西の同様のレースは京都記念です)

 1984年のレース体系見直しにより、目黒記念は年一回の開催となりました。(京都記念も年一回となりました)

 以上のような経緯から、過去の目黒記念の優勝馬には歴史的な優駿がズラリと並んでいます。
 春なら、1955年(昭和30年)のハクリヨウ、1957年のハクチカラ、1967年のスピードシンボリ、1971年のメジロムサシ、1979年のサクラシヨウリ 等々。
 秋なら、1934年のカブトヤマ、1957年のハクチカラ、1958年のミスオンワード、1971年のアカネテンリユウ、1980年のカツラノハイセイコ、1981年のアンバーシヤダイ、といった感じです。他にも、数多くの名馬が名を連ねています。

 1985年以降は、ややメンバーも小粒になった印象ですが、それでも2000年にはステイゴールドが勝っていますし、長距離を得意とする馬にとっては大切な重賞だったのです。

 21世紀に入ってからは、世界的な傾向としても、競馬自体がマイルから2000m位の距離のレースを中心とした構成に変わってきましたので、目黒記念の優勝馬は「G2レース」相応のメンバーとなってきたように感じます。
 レース体系の整備が一段と進んだ中では、止むを得ないことなのでしょう。

 第1回目黒記念は、1932年(昭和7年)に開始されました。同年の第1回東京優駿(日本ダービー)の6日前に行われたので、目黒記念は「中央競馬で現在行われている重賞としては最古」のものとされています。

 そして、第1回東京優駿が開催された目黒競馬場(東京競馬場の前身)を記念して設けられた重賞であることが考慮されて、現在は日本ダービーの開催日、同じ日に行われるようになったのかもしれません。

 目黒記念は、「日本ダービー・デイ」の掉尾を飾るレースとなっているのです。
 「競馬の祭典」日本ダービーが、今年も迫りました。

 5月28日、東京競馬場芝2400mと舞台はいつもの通り。回を重ねて、第84回のレースです。

 日本ダービーの持つ「華やかさ」は、他に類を見ないものです。

 また、普段は競馬を見ない人達も、日本ダービーだけは見るという人も多いと思います。

 やはり、日本ダービーは日本競馬最大のお祭りなのでしょう。

 さて、2017年の出馬表を見ると、まさに「大混戦」の様相。色々な角度から検討してみても、通常のやり方では注目馬を絞り込むことが難しいのです。
 2017年のダービーダンディーズは「粒ぞろい」なのですが、粒が揃い過ぎて、有意な差が見出せません。

 そこで、今回は「なんとなく予想」にしてみようと思います。いい加減な感じで申し訳ありません。

 第一の注目馬は、2枠4番のスワーヴリチャード。
 2015年ドゥラメンテ、2016年マカヒキと短い名前の馬が続きましたので、2017年は長い名前が来るのではないかということで選びました。

 第二の注目馬は、3枠6番のサトノアーサー。
 2016年からの「サトノ軍団」の勢いに期待します。

 第三の注目馬は、1枠1番のダンビュライト。
 日本ダービーの外枠は、やはり相当のハンディキャップです。何といっても1枠1番は有利だと思います。

 今回は、とても「ざっくり」とした注目馬選定になってしまいました。
 
 競馬界最大の「お祭り」に因んでお許しいただければと思います。
 「ダービーステークス」と言えば英国のレースです。

 英国は、近代競馬発祥の地であり、ダービーを始めとする多くのレースが始まった国なのです。

 今回は、その「ダービーステークス」の勝ち馬、1780年に始まり、今年第238回を迎えるという長い長い歴史の中から、21世紀の勝ち馬を見て行きたいと思います。(馬名に続いて、生産地、通算成績、主な勝ち鞍)

・2001年 ガリレオ(アイルランド) 8戦6勝 英ダービー、愛ダービー、キングジョージQE
・2002年 ハイシャパラル(アイルランド) 13戦10勝 英ダービー、愛ダービー、ブリーダーズCターフ2勝
・2003年 クリスキン(アメリカ) 7戦3勝 英ダービー
・2004年 ノースライト(アイルランド) 7戦3勝 英ダービー
・2005年 モティベイター(イギリス) 7戦4勝 英ダービー
・2006年 サーパーシー(アイルランド) 10戦5勝 英ダービー
・2007年 オーソライズド(アイルランド) 7戦4勝 英ダービー、英国際S
・2008年 ニューアプローチ(アイルランド) 11戦8勝 英ダービー、愛チャンピオンS、英チャンピオンS
・2009年 シーザスターズ(アイルランド) 9戦8勝 英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、英国際S、愛チャンピオンS、凱旋門賞
・2010年 ワークフォース(イギリス) 9戦4勝 英ダービー、凱旋門賞
・2011年 プールモア(アイルランド) 5戦3勝 英ダービー
・2012年 キャメロット(イギリス) 10戦6勝 英2000ギニー、英ダービー、愛ダービー
・2013年 ルーラーオブザワールド(アイルランド) 11戦4勝 英ダービー
・2014年 オーストラリア(イギリス) 8戦5勝 英ダービー、愛ダービー、英国際S
・2015年 ゴールデンホーン(イギリス) 9戦7勝 英ダービー、エクリプスS、愛チャンピオンS、凱旋門賞
・2016年 ハーザンド(アイルランド) 7戦4勝 英ダービー、愛ダービー

(凡例 愛ダービー→アイルランドダービー、キングジョージQE→キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、エクリプスS→エクリプスステークス、英国際S→英インターナショナルステークス、エクリプスS→エクリプスステークス、愛チャンピオンS→アイルランドチャンピオンステークス、英チャンピオンS→イギリスチャンピオンステークス、全てG1)

 さすがに錚々たるメンバーが並んでいます。
 我が国の競馬報道の中で、自然に耳にしてきた馬名も多いのです。

 最初に眼に付くのは「アイルランド産馬」の多さでしょう。
 2001年~16年の16頭のダービー馬の内、10頭がアイルランド産馬です。
 これは圧倒的なシェアです。イギリス産馬5頭、アメリカ産馬1頭より遥かに多いのです。
 
 現代のイギリス競馬は、アイルランド産馬なくしては成立しない、と言っても良いでしょう。

 アイルランドの生産馬に押されっぱなしであったイギリス産馬ですが、2010年以降は4頭が優勝しています。おそらく、イギリスにおけるサラブレッド生産体制が整ってきているのであろうと思います。アイルランドの競馬界がイギリス競馬界を刺激してきたと言っても良いと思います。

 加えて、英ダービーと愛ダービーの両方を勝っている馬も眼に付きます。
 ガリレオ、ハイシャパラル、キャメロット、オーストラリア、ハーザンドと5頭も居るのです。
 愛ダービーは、英ダービーからのスケジュールも丁度良い上に、欧州中の強豪3歳馬がこぞって参加するG1レースですので、「勝つ価値のある大レース」となっているのです。

 16頭のダービー馬の成績を見ると、「勝率の高い馬」が多い印象です。
 2009年のシーザスターズ・9戦8勝、2015年のゴールデンホーン・9戦7勝、2008年のニューアプローチ・11戦8勝を始めとして、勝率5割以上のサラブレッドが16頭中12頭。相当高い比率でしょう。

 加えて、英ダービー以外のG1に勝っている馬も多く、10頭が複数のG1レースを制しています。

 当たり前のことだと叱られそうですが、「英ダービー馬は強い」のです。その世代のヨーロッパ最強馬の一角を占めることは、間違いないのでしょう。

 そうした「強い」ダービー馬ですが、2003年から2006年まで4年連続で、G1勝ちがダービーのみという年が続きました。
 おそらく、この頃の英国競馬は、少し地盤沈下していたのではないかと思います。
 そして、近代競馬発祥の地としての強化施策が実行されて、2008年のニューアプローチ、2009年のシーザスターズの誕生に結び付いていると感じられます。

 個別に見て行きましょう。

 まずは、2001年のガリレオ。

 8戦6勝、英愛ダービーとキングジョージQEを勝っている戦績、その結果2001年のカルティエ賞(ヨーロッパ年度代表馬表彰)最優秀3歳牡馬となった戦績も素晴らしいのですが、種牡馬になっての活躍はより凄いものです。

 2008年ダービー馬ニューアプローチ、2013年ダービー馬ルーラーオブザワールド、2014年ダービー馬オーストラリア、と3頭のダービー馬の父です。産駒のG1馬は枚挙に暇が無く、特に1000ギニー、2000ギニーといった短距離から中距離のレースで力を発揮している産駒が多いように感じられます。「現代競馬にフィットした血統」なのでしょう。
 その代表格がフランケルです。14戦14勝・G1を10勝という怪物フランケルの父であるガリレオの血統=父サドラーズウェルズ(ノーザンダンサーの直仔・大種牡馬)、母アーバンシー(1993年凱旋門賞馬、同年のジャパンカップにも出走。2009年英ダービー馬シーザスターズの母でもありますから、2頭の英ダービー馬の母)は、今後も欧州競馬の中で脈々と受け継がれていくのでしょう。

 続いては、2002年のハイシャパラル。
 13戦10勝ですが、残りの3走も2着1回、3着2回。デビュー戦の2着はともかくとして、2回の3着が3歳時と4歳時の凱旋門賞なのです。これに勝っていれば歴史的名馬と評されていたことでしょう。
 種牡馬としても、ソーユーシンクなどの強豪馬を輩出しています。

 続いては、2005年のモティベイター。
 G1勝ちは英ダービー1勝ですので、競走成績としてはやや物足りないのですが、種牡馬としては、我が国に知られるサラブレッドを送り出しました。あのトレブです。
 ご承知のように、トレブは2013年・2014年の凱旋門賞優勝馬であり、2013年のレースでは、我らがオルフェーヴルをゴール前差し切ったのです。
 牝馬ながらも、2013年には仏オークス、ヴェルメイユ賞、凱旋門賞のG1を3勝しての4戦4勝という好成績を残して、カルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牝馬のダブル受賞を果たしました。
 モティベイターは「女傑」の父なのです。

 続いては、2008年のニューアプローチ。
 11戦8勝、2着2回、3着1回ですが、この2着2回が英愛の2000ギニーなのです。共にヘンリーザナビゲーターに敗れました。ヘンリーザナビゲーターはマイル戦に滅法強い馬でした。ミルリーフとブリガディアジェラードではありませんが、強い馬が同世代と言うのは、時々見られることです。
 産駒のトーンアプローチが英2000ギニーを制していますから、ニューアプローチの夢は、その仔が達成してくれたのです。

 そして2009年のシーザスターズ。
 21世紀の英ダービー馬では最強かもしれません。
 9戦8勝ですが、敗れたのはデビュー戦(4着)のみ。その後は勝ち続け、英2000ギニーに勝利して以降はG1を6連勝しています。
 英ダービーに勝ち、英国際Sを制して、凱旋門賞も快勝(2着のユームザインに2馬身差)しました。3歳馬として、欧州中の古馬を相手にしての快進撃は高く評価され、2009年のカルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬をダブル受賞したのです。
 種牡馬としても、2016年の英ダービー馬ハーザンドを出しています。「ダービー馬はダービー馬から」という原則?がここでも生きているのです。

 続いては、2012年のキャメロット。
 1970年のニジンスキー以来の「三冠馬」誕生かと期待され、セントレジャーステークスで惜しくも2着(勝ったエンキーと3/4馬身差)に敗れましたが、セントレジャーを回避するダービー馬が続いていた中で、果敢な挑戦は高く評価されました。
 デビューから5戦5勝で2000ギニーとダービー(2着に5馬身差)を制し、愛ダービーにも快勝した(2着に2馬身差)した時には、三冠への期待が膨らみました。
 一方で、3歳の凱旋門賞で7着に大敗して以降は、やや精彩を欠きました。

 最期は2015年のゴールデンホーン。
 9戦7勝、2着2回という素晴らしい戦績です。5連勝でダービーとエクリプスSのG1レースを連勝した時には、無敗の記録をどこまで伸ばすかが注目されましたが、続く英国際Sでよもやの2着となりました。3歳牝馬アラビアンクイーンにクビ差及ばなかったレースでしたが、生涯唯一のG1勝利を挙げたアラビアンクイーンの一世一代の走りだったのでしょう。(いずれにしても、前述のトレブもそうですが、国際大レースにおける3歳牝馬の活躍が続いているのです)
 初黒星を喫したゴールデンホーンでしたが、続く愛チャンピオンSに勝ち、凱旋門賞も快勝し、強さを証明してみせたのです。

 今回は、「ザ・ダービー」と呼んでよい英国ダービー、その21世紀の優勝馬を見てきました。さすがに「強いサラブレッド」が目白押しであったと感じます。

 そして、各馬の「通算レース回数の少なさ」も印象的でした。

 最も多く走ったハイシャパラルでも13走であり、16頭中13頭が10走以下なのです。
 レース体系の違いや、2~3歳時の使い方の違いもあるのでしょうが、「ダービー馬への敬意」も感じられます。
 「ダービー馬」という最高の栄誉を手にしたサラブレッドには、相応しいレースを選び、可能な限り万全のコンディションでレースに臨み、やや力が衰えたと観れば、引退させるといった「文化」が、イギリス競馬にはあるのかもしれません。

 もちろん、ダービー馬ともなれば種牡馬になるケースが大半なのでしょうから、早々に引退させてシンジケートを組むということも有るのでしょうが、必ずしも「良い血統」では無い馬でも、いつまでも走らせているケースは少ないと感じます。

 受け継がれていく「ダービー馬への敬意」こそが、ダービーステークスを発展させて行く最強の原動力なのでしょう。
 5月21日、東京競馬場芝2400mコースで行われる、第78回優駿牝馬(オークス)競走G1の注目馬検討です。

 今年も3歳牝馬NO.1の栄誉を目指して、フルゲート18頭が出走してきました。

 桜花賞で断然の一番人気だったソウルスターリングが3着に敗れたために、オークスも混戦模様となりました。
 桜花賞組とフローラステークスG2組の比較も、興味深いところです。

 枠順を見ると、人気となりそうな馬はソウルスターリングを除いて、レーヌミノル13番、リスグラシュー14番、アドマイアミヤビ16番、と外枠に入りました。どれくらい影響があるものなのでしょうか。 

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のフローレスマジック。
 前走フローラSはモズカッチャンと僅差の3着でした。父ディープインパクト・母マジックストームという「走る組合せ」、ラキシス、サトノアラジンの全妹という良血が、大一番で花開いてくれることに期待します。

 第二の注目馬は、7枠14番のリスグラシュー。
 阪神JF、桜花賞とG1での2着が続いていますが、そろそろこの馬が勝っても良いころでしょう。6頭も出走してきているハーツクライ軍団の代表として、力を発揮してもらいたいと思います。

 第三の注目馬は、1枠2番のソウルスターリング。
 桜花賞では不思議なレースをしました。好位置で4角をまわって、ここからというところで伸びませんでした。「稍重」馬場の影響とも言われていますが、それにしても動かな過ぎという印象です。コンディションが悪かったのではないかと見ています。
 オークスは距離的に少し長いかとも思いますが、怪物フランケルの走りを是非披露していただきたいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 展開が読み難いレースだと思います。
 思いもよらぬ馬が飛び出してくる可能性もあるでしょう。

 好天の下の好勝負が期待されます。
 いわゆる「オークス」競走、イギリスのオークスは1779年に始まりました。
 イギリスのダービー競走が始まったのが1780年ですから、オークスの方が1年早いことになります。

 第12代ダービー卿が、貴族仲間の友人と、所有する牝馬同士の競走を始めたのが1779年(この年ダービー卿は結婚し、奥様の希望で牝馬同士のレースを創設したとも言われています)で、これがオークスの始まりです。レース名は、レースを行った領地の地名に因んでいるとのこと。
 その広大な領地には、おそらく大きな樫の木(オーク)が聳え立っていたのでしょう。

 イギリスでは自然が良く守られていると言われます。
 日本のように、田畑の中に商品看板が立っているといった風景は、滅多に見られない、あるがままの自然が保たれているというご指摘ですが、これは貴族による領地の保有が、現在でも続いていることが、大きな要因なのでしょう。
 イギリスの国土の半分近くが、いまだに貴族の所有だと言われています。その貴族の所有地には当然ながら一般の人々は入れませんし、一般の人々が入れないとなれば、商品看板を設置する意味も無いし、観光目的の舗装道路や駐車場、サービスエリアの整備や、景色を楽しむための整備された歩道も設置する必要が無いのですから、自然が守られるという訳です。

 さて、話をオークス競走に戻します。

 本家イギリスのオークス競走は、毎年6月の第一金曜日に、エプソム競馬場の12ハロン(2423m)の芝コースで開催されます。3歳牝馬限定で、斤量は9ストーン(約57㎏)となっています。

 今年が第239回となります。さすがに「クラシック」レースなのです。
 今から200年以上前に、自らの領地で友人とのプライベートな競馬を楽しむ、第12代ダービー卿の姿を思い浮かべる時、何とも言えない感慨があるのです。

 3歳馬限定のダービー競走と共に、オークス競走も3歳牝馬限定の大レースとして世界中に広まりました。近代競馬発祥の地であるイギリスの大レース、歴史と伝統を誇るクラシックレースの中でも、その中核を占めるダービーとオークスが、他の国々の競馬にとっても重要な位置づけとなったことは、自然なことでしょう。

 例えば、フランスではディアヌ賞競走がフランスオークスと呼ばれています。
 こちらはシャンティ競馬場の芝2100mコースで行われます。距離は2400mではないのです。斤量は57㎏と本家とほぼ同じです。1841年に開始されていますから、イギリスより60年余り遅いことになります。(それでも、とても古いですが)

 ちなみにフランス競馬において「ダービー」に相当するのは、ジャッケクルブ賞ですが、こちらもシャンティ競馬場の2100mコースで行われます。
 さすがに「独自性」を大切にするお国柄、「ダービー」や「オークス」という名称は使わない上に、距離も変えてしまうところが、フランスらしいのではないでしょうか。
 ちなみに、ジャッケクルブ賞は1836年開始です。フランスでは、ダービーの方がオークスよリ5年早かったのです。

 イギリスのお隣の国アイルランドでは、アイリッシュオークス競走があります。1895年創設、12ハロンの3歳牝馬限定レース、斤量は57.2㎏と、イギリスオークスとほとんど同じレギュレーションでのレースとなります。
 毎年7月に行われるレースですが、欧州中の有力3歳牝馬が出走してくるレースとなっています。欧州の3歳牝馬にとって、格の高いレースなのです。
 
 アメリカ競馬にも「オークス」の名を配するレースがいくつかあります。
 最も有名なのは、ケンタッキーオークスでしょうか。ケンタッキーダービーと同じ、チャーチルダウンズ競馬場の1と1/8マイル(9ハロン・約1811m)のダートコース、3歳牝馬限定のレースです。斤量は121ポンド(約54.9㎏)。
 1875年開始ですから、本家のオークスより約1世紀遅れての開始となっています。(ちなみに、創設当時は12ハロンでしたが、1920年からは9ハロンです)

 例年、ケンタッキーダービーの前日に開催されていて、ケンタッキーダービーの盛り上がりに一役かっている形です。
 
 そして我が国の「優駿牝馬」競走です。

 優駿牝馬競走は、オークスと呼ばれています。
 「東京優駿」競走が、日本ダービーと呼ばれるのと比較して、いつも不思議に思うことがあります。「オークスには『日本』が付かない」のです。
 ダービーには『日本』を付して、オークスには付けないのは、何故なんでしょうか。もう50年くらい日本競馬を見ていますが、いまだに知らないことです。

 おかげで?、ダービーの方は、イギリスのダービーが「ダービー」と表記され、東京優駿は「日本ダービー」と表示されますから、区別が付きやすいのですが、オークスの方は表記が同じですから、日本語で書くときには本家の競走の方を「英オークス」とか「イギリスオークス」と表記することになるのです。

 また、優駿牝馬の斤量は55㎏です。
 2400m芝コースという点は、本家オークスと同じなのですが、斤量はアメリカのケンタッキーオークスに近いというのが興味深いところです。
 優駿牝馬競走創設時に、日本のホースマンたちは、何故本場より2㎏軽い斤量にしたのでしょうか。

 ちなみにダービー競走の斤量は、牡馬126ポンド(約57.2㎏)、牝馬123ポンド(約55.8㎏)となっていて、この点は東京優駿の57㎏・55㎏に近い形ですから、オークス競走の9ストーン・約57㎏というのは、「伝統の斤量」というか、「牝馬同士で争うなら3歳でもこの重さ」ということなのかもしれません。
 我が国では、日本ダービーの斤量とオークスの斤量を合わせたのでしょうか。

 200年以上前のイギリス・ロンドン郊外に思いをはせながら、2017年5月21日、第78回優駿牝馬(オークス)が今年も開催されるのです。
 5月14日、東京競馬場芝1600mコースで行われる、第12回ヴィクトリアマイル競走G1の注目馬検討です。

 上半期の古馬牝馬NO.1決定戦、その年のマイル女王決定戦、という位置づけのレースです。
 古馬となっても走り続ける牝馬のためのG1レースとして、すっかり定着した感があります。

 府中のマイル戦ですから、ただ速いだけでは勝つのが難しいレースともなっていますので、1800mや2000m以上の距離に実績のある馬にも、十分にチャンスがあります。

 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、1枠2番のスマートレイアー。
 前走の京都記念G2は、サトノクラウンに敗れて2着でしたが、マカヒキには先着しました。牡馬一線級を相手に堂々たるレースでした。休養十分で望むこのレースでも、持ち味を存分に発揮してほしいものです。

 第二の注目馬は、6枠11番のミッキークイーン。
 前走の阪神牝馬特別G2を快勝して、挑戦してきました。2016年のこのレース2着から、エリザベス女王杯3着、有馬記念5着とG1レース上位の常連です。安定した実力を示してくれることでしょう。

 第三の注目馬は、7枠14番のレッツゴードンキ。
 前走の高松宮記念G1を2着、前々走京都牝馬ステークスG3で優勝と、直近の4レースで1着1回、2着3回と好調を維持しています。2015年の桜花賞馬として、久々のG1勝利と行きたいところです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 残り200mで抜け出してくるのは、どの淑女なのでしょうか。
 2017年5月7日、東京競馬場芝1600mコースで開催される、第22回NHKマイルカップ競走G1の注目馬検討です。

 3歳馬のマイル王を決めるレースです。今回もフルゲート18頭が挑戦して来ました。
 第一印象は「大混戦」。

 桜花賞から3頭、皐月賞から3頭が挑んできましたけれども、クラシックレースにおける最高成績はカラクレナイの桜花賞4着ですから、有力馬が挑んできたという感じではないでしょう。
 一方で、4月8日のニュージーランドトロフィーG2から5頭が来ました。同レースの優勝馬ジョーストリクトリも出走しますので、このレースはNZT出走馬が中心となると見てよさそうです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠6番のボンセルヴィーソ。
 ダイワメジャー産駒。ここまで7戦して1勝と、なかなか優勝できないタイプですが、直近の4走(全て重賞)は、2着2回・3着2回と安定していますし、朝日杯FSで3着と同世代トップクラスの実力を証明しています。直線の長い東京コースで力を発揮してほしいものです。

 第二の注目馬は、1枠1番のモンドキャンノ。
 キンシャサノキセキ産駒。前走のスプリングステークスG2は10着に敗れましたが、朝日杯FS2着の実力は高く評価したいと思います。世代トップに躍り出るチャンスが来たのです。

 第三の注目馬は、2枠4番のカラクレナイ。
 ローエングリン産駒。桜花賞は、勝ったレーヌミノルから僅差(1馬身以内)の4着と惜敗でした。牡馬との2㎏の斤量差を活かして、好勝負を見せてくれるのではないでしょうか。鞍上のミルコ・デムーロ騎手のG1レースでの勝負強さにも期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ディパインコードやアエロリットも加わった、残り200mからの叩き合いが楽しみです。
 2017年春のG1戦線真っ盛りですが、この時期になるとキングカメハメハを思い出します。

 ハワイの王様のような印象的な名前だったキングカメハメハは、2003年11月、京都競馬場の芝1800m新馬戦でデビューしました。このレースを1/2馬身差で勝ち、続く500万下のエリカ賞も1/2馬身差で連勝したのです。
 2歳の冬のことですから、当然本格化前だったわけですが、この頃から「勝負強さ」の片鱗が伺えます。後に「名馬」と呼ばれるサラブレッドの中には、デビュー戦で5馬身差、10馬身差でぶっちぎる馬もいるのですが、キングカメハメハは必要な着差で勝つという術を、早々に身に付けていたように見えます。

 3歳となった2004年1月の京成杯G3(中山競馬場芝2000m)で、キングカメハメハは初めて敗れます。フォーカルポイント、マイネルマクロスから離されての3着でした。
 結局、この1敗が「生涯唯一の敗戦」となるわけですが、この1敗の影響は大きく、皐月賞と同じコースでの敗戦を踏まえて、陣営は皐月賞出走を回避することとなったのです。

 その後、キングカメハメハは2月のオープンレース、3月の毎日杯G3(阪神競馬場芝2000m)に臨み、連勝しました。
 特に、毎日杯では、京成杯で敗れたマイネルマクロスを破り、2着のシェルゲームに2・1/2馬身差の完勝でした。ようやく「パンとしてきた」のでしょう。

 キングカメハメハは、5月9日のNHKマイルカップG1に勇躍駒を進めました。

 そして、このレースを圧勝したのです。
 2着のコスモサンビームに5馬身差、1分32秒5のレースレコード勝ちでした。

 残り1ハロンまでは競り合った形のレースであったと記憶していますが、そこからの伸びが凄かった。一完歩ごとに差を広げ、ゴール板では5馬身差を付けたのです。

 続いて5月30日の日本ダービーです。

 NHKマイルカップの前身レースであったNHK杯(2000m)が、日本ダービーのトライアルレースだったころから、この2つのレースを連勝するのはローテーション的にきつい、と言われていましたし(あのハイセイコーもNHK杯を勝ち、ダービーは3着でした)、NHK杯がG1・NHKマイルカップになってからは、一層厳しいと考えられていました。マイルの専門家が大挙して出走してくるからです。
 いずれにしても、「3週間でG1レースを2走」というのは、誰が見ても「しんどい」感じがします。

 しかし、キングカメハメハ陣営は敢然と挑戦してきました。後に、皐月賞回避を決めた時点で、NHKマイルとダービーの連勝を狙っていたと報じられました。

 2004年の日本ダービーは、道中ハイペースの展開となりました。
 4角を回って、いつものように好位に付けたキングカメハメハは、馬場の7分どころを通って直線に進出しました。

 道中のハイペースがたたってか、あるいは、3歳馬にとっての初めての2400mの厳しさか、直線での叩き合いは「我慢比べ」の様相でしたが、このレースでも「残り200m」からキングカメハメハはグイッと前に出て、大外を強襲したハーツクライの追い上げを1・1/2馬身凌ぎ切ったところがゴールでした。
 素晴らしいレースでした。

 2分23秒3という走破タイムはレコードでした。緩みの無いペースの中で、キングカメハメハがスピードと持久力を示したレースでしたし、ゴール前で見事な伸び脚を魅せたハーツクライのレース振りは、後の「大成」を予感させるに十分なものでした。(このレコードタイムは翌年の三冠馬ディープインパクトと同タイムであり、2015年、キングカメハメハの仔ドゥラメンテの2分23秒2に破られるまで続きました。日本ダービーのタイムとしては、キングカメハメハ・ドゥラメンテの親子およびディープインパクトの走破タイムが、歴代でも抜けています。もちろん、馬場状態との関係があるのでしょうが、レベルの高いタイムであろうと思います)

 キングカメハメハは、NHKマイルカップ→日本ダービーという「新しい道」を選択し、見事に連勝して魅せたのです。
 「変則二冠」とも呼ばれるローテーションですが、2008年のディープスカイとともに、史上2頭しか成し遂げていない快挙です。

 マイル戦特化の傾向が一層強まり、1600mと2400mは「別の世界」と評されるようになった現在では、この「変則二冠」に挑む馬も多くは無いことでしょう。

 3歳秋には、天皇賞(秋)を目指して神戸新聞杯を快勝したキングカメハメハでしたが、屈腱炎を発症して、そのまま引退しました。

 キングカメハメハ号、父キングマンボ、母マンファス、母の父ラストタイクーン。大種牡馬ノーザンダンサーの4×4・血量12.5%。超良血との評もあります。
 通算成績8戦7勝・3着1回。主な勝ち鞍、日本ダービー、NHKマイルカップ。

 種牡馬となったキングカメハメハは、ご承知のように、サンデーサイレンス血統が全盛期を迎えた日本競馬の中で、対になる血統として抜群の存在感を示しています。活躍産駒も枚挙にいとまがありませんから、こちらは、別の記事で書いてみたいと思います。

 競走馬としてのキングカメハメハのピークは、NHKマイルカップであったろうと考えています。
 その3週間後に、残された力の全てを投じて日本ダービーをもレコード勝ちしてくれました。

 「ゴール前200mの強さ」が、キングカメハメハの真骨頂なのです。
 妙な題名になってしまいましたが、2017年の天皇賞(春)は明快な「2強対決」となりました。
 4月30日、京都競馬場芝3200mで行われる、第155回天皇賞(春)競走G1は、日本競馬史に残るレースとなることでしょう。

① 最強5歳馬と最強4歳馬の対決

 例えば、クラシックレースにおいて同世代のサラブレッド同士が2強対決というのは、キャリア(出走レース数他)も近いので、時々は見られるものなのですが、異なる世代で、古馬になって異なるルートを歩んできた2頭の馬が、それぞれのルートで圧倒的な強さを魅せて、大レースで対決するというのは、いかにも「本格的」だと思います

 キタサンブラックとサトノダイヤモンドは、まさにそうした形で激突するのです。

② 2度目の対決

 両馬は2016年の有馬記念で矛を交えています。最初の対決でした。
 ご承知のようにこのレースは、直線で先頭に立ちゴールを目指すキタサンブラックを、サトノダイヤモンドが残りわずかなところで「クビ」差捕えて優勝しました。

 サトノダイヤモンドの差し脚も凄かったのですが、キタサンブラックの粘り脚も凄いもので、両馬の力量は「互角」であることが明示されたレースでした。

 当代屈指の強豪馬、それも力量互角の2頭が合いまみえるレースは「本格的」です。

③ 安定感抜群の2頭

 サトノダイヤモンドは、ここまで9戦して7勝、2着1回(日本ダービー)、3着1回(皐月賞)という、抜群の安定性を誇ります。直近の4走=4重賞は、4連勝です。

 一方のキタサンブラックも、15戦して9勝、2着2回、3着3回、着外は僅かに1回とこちらも安定感十分なのです。直近の4走=4重賞は3勝、2着1回(サトノダイヤモンドに惜敗した有馬記念)となっていますから、このところはサトノダイヤモンドにしか負けていないのです。

 今回の2強対決は、両馬とも、たとえ敗れたとしても、大敗はしないであろうと予想される点で「本格的」なのです。

 さて、キタサンブラックとサトノダイヤモンドのどちらが、第155回天皇賞(春)を制覇するのでしょうか。

 距離適性では,天皇賞(春)2016を制しているキタサンと、菊花賞2016を制しているサトノですから、共に不安無しと見るのが妥当でしょうし、京都コースへの適応力も十分と言うことになります。

 直接対決ではサトノの1勝ですが、何度も書くように「互角」の内容でした。

 ここまでは甲乙付け難いということになります。

 そうなると「有馬記念2016以降の成長度合い」位しか、比較する項目が無くなってしまうのです。
 その点では、大阪杯G1のパドックでのキタサンブラックの「物凄い馬体」が思い出されます。「ああ、これは勝たれる」と強く感じました。それ程に凄い馬体だったのです。

 本来、「成長度」という物差しならば、4歳馬の春に分がありそうですが、5歳になってもなお成長しているように見える、それも「大きな変わり身」を魅せたキタサンブラックの方に分があるように、感じられるのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のキタサンブラック。
 この馬は、本当に「内枠」に恵まれます。無理なく、逃げ、あるいは先行を取れるという点でも有利でしょう。

 第二の注目馬は、8枠15番のサトノダイヤモンド。
 この4歳最強のステイヤーの力は、底知れぬものがあります。ここを勝つようなら、歴史上の名馬の道を歩むことになりそうです。

 第三の注目馬は、1枠1番のシャケトラ。
 2強に挑むのなら、2強と勝負付が済んでいない、この馬に注目したいと思います。マンハッタンカフェ産駒の長距離適性を活かして、思い切ったレースを魅せてほしいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 「2強対決」は、その展開も概ね予想できます。
 しかしながら、京都の直線での叩き合いの結果だけは、全く分からないのです。

 良いレースが観られますように・・・。
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カエサルjr

Author:カエサルjr
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