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 10月15日、京都競馬場芝2000mコースで開催される、第22回秋華賞競走G1の注目馬検討です。

 オークス馬ソウルスターリングが毎日王冠G2に回りましたので、やや混戦模様のレースとなりました。

 オークス経由の馬達、モズカッチャン、ディアドラ、リスグラシュー、ブラックオニキス、ブラックスビーチらと、その他の路線を進んできた馬達、アエロリット、ファンディーナ、そして上り馬達、ラビットラン、タガノヴェローナ、リガビトスら、の三つ巴の戦いです。

 安定感のリスグラシューか重賞2連勝中のアエロリットが中心となるレースだと思いますが、直線の短い内回りコースですので「自在性」がポイントとなりそうです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠4番のモズカッチャン。
 オークス2着馬ですから、世代トップグループの実力は証明されています。前走ローズSの7着は仕上がり途上と観ます。ソウルスターリング不在のこのレースなら勝ち負けの勝負をしてくれるでしょう。

 第二の注目馬は、1枠1番のアエロリット。
 G1NHKマイルの勝ち馬です。ここまで7戦3勝・2着3回と安定感も十分。このレースの中心となる馬です。前走クイーンSでは2着に2・1/2馬身差を付けての完勝でした。コンディションも上々でしょう。

 第三の注目馬は、1枠2番のラビットラン。
 前走ローズSでは、春の主役達を従えての堂々たるレース振りでした。秋になって本格化したと観たいところです。

 秋華賞2017は、以上の3頭に注目します。

 あとは、全勝馬(3戦3勝)のリカビトスが眼に付きます。
 
 レース当日の京都地方の天候は雨。
 重馬場の影響が気になる所です。
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 例年通り、10月の第一日曜日、2017年は10月1日、こちらは例年とは異なりシャンティー競馬場において開催される、第96回凱旋門賞の検討です。

 凱旋門賞については、本ブログでも毎年のように採り上げていますから、その傾向は概ねお分かりのこととは思いますが、少しお浚いをしておきましょう。

① 欧州馬が強い。

 過去95回のレースで、欧州以外の国の調教馬は優勝したことがありません。
 これは厳然たる事実です。

② フランス馬が強い。

 欧州馬の中でも、地元フランス馬が66回優勝していますから、3レースに2レース以上の確率ですので、圧倒的な強さと言って良いでしょう。

 但し、最近の10年では、フランス馬が4勝、アイルランド馬が3勝、イギリス馬が2勝、ドイツ馬が1勝となっていますから、勢力図が拡大しているとも言えそうです。

③ 3歳馬が強く、近年は3歳牝馬の活躍が目立つ。

 国際大レースの中で凱旋門賞に際立つ特徴は「3歳馬の強さ」でしょう。過去59勝もしています。
 これは「斤量の有利さ」が如実に表れている事象でしょう。

 「3歳56.5kg、4歳以上59.5kg、牝馬は△1.5kg」というレギュレーションですから、3歳牡馬は56.5kg、4歳以上牡馬は59.5㎏と、3㎏の斤量差があるのです。相当大きなハンディキャップ差だと感じます。

 これが3歳牝馬となると55㎏ですから、その差は4.5kgとなります。
 そもそも55㎏という絶対値が、こうした大レースでは「軽い」と思いますし、4.5㎏差は大差です。

 さて、以上の傾向から、凱旋門賞2017の出走馬を観ると、明快な本命馬が居ます。
 馬番17番のエネイブル(イギリス)です。

 3歳牝馬のエネイブルは、ここまで7戦6勝・3着1回、特に近時5戦は5連勝、内G1レースを4連勝という抜群の成績です。
 さらに凄いのは、「2400mのスペシャリスト」というところでしょう。
 4連勝のG1レースは、イギリスオークス、アイルランドオークス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、ヨークシャーオークスといずれも2400mのレース(イギリスオークスは12ハロン6ヤードですから2420m位になりますが、これは2400mのレースと言って良いでしょう)なのです。

 特筆すべきは、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス2017の優勝でしょう。欧州三大レースの一角を占めるレースであり、牡馬を相手にしての優勝ですから、その価値は重いものです。

 加えて、キングジョージとヨークシャーオークスは「稍重」馬場での優勝ですから、重い馬場になりそうな凱旋門賞2017の馬場にも適性が有ることになります。

 これは「大本命」でしょう。
 コンディションが整っていれば、エネイブルに勝たれる可能性が高いレースだと思います。

 そうなると2着馬・3着馬を探すレースとなりますが、こちらは大混戦です。
 1頭ずつ検討してみると、

・馬番1番のザラック(フランス)
・同4番のユリシーズ(アイルランド)
・同8番のチンギスシークレット(ドイツ)
・同12番のオーダーオブセントジョージ(アイルランド)
・同14番のブラムト(フランス)
・同15番のカプリ(アイルランド)

 が有力かと思います。

 以上から、凱旋門賞2017の注目馬です。

 第一の注目馬は、17番のエネイブル(イギリス)。
 大本命でしょう。

 第二の注目馬は、12番のオーダーオブセントジョージ(アイルランド)。
 牡5歳場ですが、前走のアイルランドセントレジャーG1(2800m)で優勝、直近の5走で優勝3回・2着2回と好調を維持しています。凱旋門賞2016の3着も、シャンティー競馬場への適性を示す材料と考えます。

 第三の注目馬は、14番のブラムト(フランス)。
 2017年のフランスダービー馬です。前走ドーヴィル競馬場のG2で5着と敗れてしまいましたが、それまでは7戦6勝・2着1回、フランス2000ギニーとダービーを連勝しました。フランスの2冠馬なのです。
 凱旋門賞で強いフランス馬の代表格としての活躍に期待します。

 凱旋門賞2017は、以上の3頭に注目したいと思います。

 日本から挑戦する、9番のサトノダイヤモンドと10番のサトノノブレスにも、もちろん期待していますが、「重い馬場のシャンティー」でその能力を発揮するのはなかなか大変だろうとも感じています。

 また、今年のレースでは、もうひとつ注目ポイントが有ります。
 それは「ガリレオ産駒」の活躍です。

 18頭が出走してきたレースですが、ユリシーズ(アイルランド)、アイダホ(アイルランド)、オーダーオブセントジョージ(アイルランド)、セブンスヘブン(アイルランド)、カプリ(アイルランド)、ウインター(アイルランド)、の6頭のガリレオ産駒が並んだのです。

 ガリレオは、以前の記事でも採り上げましたが、2001年のイギリスダービー、アイルランドダービー、キングジョージを3連勝した名馬ですが、このところの産駒の活躍は目覚ましく、2010年以降7年連続でイギリスとアイルランドのリーディングサイアーを獲得しています。大種牡馬サドラーズウェルズの後継種牡馬として、十分な成績を残してきているのです。
 このガリレオの産駒の、凱旋門賞2017における活躍も見逃せません。

 エネイブルの圧勝か、ガリレオ軍団の快走か、地元フランス馬の巻き返しか、それとも日本馬の史上初の優勝か。
 最も聞きたいニュースが「日本馬初制覇」であることは、言うまでもありません。
 中央競馬2017年上半期を締めくくるG1レース、第58回宝塚記念競走の注目馬検討です。

 11頭立てと、少頭数のレースとなりました。

 やはり、キタサンブラック中心のレースとなることは間違いありません。
 大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念と、関西で上半期に行われる、古馬を対象としたG1レースの3連勝がかかります。
 大阪杯がG1に昇格した年に、早くも快挙の報が聞けるかもしれません。

 阪神の2200mとなると、前に行ける馬の方が有利でしょう。一方で、キタサンとしては珍しく外枠を引きましたから、どれくらいの影響があるか興味深いところです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠12番のサトノクラウン。
 距離がピッタリでしょう。前走の6着は、調子が落ちていた(馬体重も12㎏減)と見ています。香港以来の疲れが出たのかもしれません。今回はキッチリと仕上げてきてくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠5番のシュヴァルグラン。
 ジャパンカップ2016の3着、天皇賞(春)2017の2着と、すっかりG1レースの常連となりました。ハーツクライ産駒、大器晩成と行きたいところです。
 
 第三の注目馬は、8枠11番のキタサンブラック。
 この馬の強さは、誰もが認めています。少し走り過ぎかなと思いますが、その安定感はずば抜けています。ここでも、勝ち負けのレースを魅せてくれることでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ゴール前100mの競り合いが、とても楽しみです。
 2017年のオークスはソウルスターリングが、日本ダービーはレイデオロが制しました。

 共に、東京競馬場の最後の直線、残り100mから「グイッ」と前に出る、安定感抜群の勝ち方でした。

 そして共に、鞍上はクリストフ・ルメール騎手でした。

 2017年のオークスと日本ダービーは、共に強力な逃げ馬がいなかったこともあり、スローペースとなりました。どちらのレースも「残り600mからのヨーイドン」となったのです。

 こうしたレースを勝つためには、4角で先頭集団に居ることが有利です。
 ルメール騎手は、きっちりと必要な位置に馬を置きました。

 特に、前半の1000m・63秒台という「珍しいほどのスローペース」となった日本ダービーでは、3コーナー手前から一気にポジションを上げ、4コーナーでは先頭に並びかけ、直線入り口では既に先頭でした。
 強烈な末脚を保持したライバルが、ゴール版までに間に合うようであれば負けてしまいますが、レース展開から見て「最も勝つ確率が高い乗り方」をしていたように観えました。

 そして、デムーロ騎手が乗ったアドミラブルの追い込みは、僅かに届かなかったのです。
 この展開を考慮すれば、アドミラブルの末脚は強烈なものでしたが、「前と後ろ」を十分に考慮したルメール騎手の騎乗が、レイデオロに優勝を齎した形なのでしょう。

 ルメール騎手は、生誕の地フランスでも、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)とディアヌ賞(仏オークス)を一度ずつ制しています。

 そして2015年から日本競馬を主たる舞台として活躍を開始し、3年目に優駿牝馬と東京優駿を制したのです。
 中央競馬デビュー早々から、ルメール騎手の全体としての騎乗成績は素晴らしいもので、文句のつけようがないが、一方でG1レース、特にかつての「八大レース」ではいまひとつといった評価もありました。ルメールは「ここ一番」では勝ち切れないという声も聞かれたのです。

 しかし、この2017年のオークス・日本ダービーの連勝で、もう何も気になるところは無くなったことでしょう。

 ルメール騎手の騎乗の特徴は、前述にもありましたが「馬を必要な場所に置く上手さ」でしょう。
 日本ダービー2017の4角先頭は、その典型です。
レースにおける多くの要素を勘案して、騎乗馬を「勝利に導くことが出来る位置」に持ってくるのです。この能力がとても高い。

 言い方を変えれば、「あとは馬の力だよ」といったところでしょうか。

 日本ダービー2016では、サトノダイヤモンドをマカヒキとの競り合いの位置に運びました。そして、壮絶な競り合いの末、マカヒキに敗れたのです。
 天皇賞(春)では、サトノダイヤモンドをキタサンブラックを追い抜ける位置に運びました。しかし、先にバテたのはダイヤモンドの方でした。京都の3200mでは、キタサンの方が強かったのです。
 桜花賞2017では、あとは直線でいつもの脚が使えれば勝てる位置に、ソウルスターリングを運びました。しかし、スターリングは不思議と伸びませんでした。

 ルメール騎手が人気馬に乗った時、ほとんどの場合「期待通りの騎乗」を魅せてくれていると感じます。観ている者は「これで負けたのなら仕様が無い」と考えることが多いのではないでしょうか。

 この「確率の高さ」が「ルメールの騎乗」なのでしょう。

 従って、ルメール騎手に「思いもよらぬ騎乗」「奇策」を見ることは出来ません。
 期待してはならないやり方なのでしょう。

 母国のダービー・オークスの勝利数に、早々に並んだルメール騎手。
 今後、東京優駿と優駿牝馬の勝利数をどこまで伸ばしていってくれるのか、とても楽しみです。
 東京開催G1シリーズを締めくくる、上半期のマイル王決定戦、6月4日に芝1600mコースで行われる、第67回安田記念競走G1の注目馬検討です。

 1951年(昭和26年)に「安田賞」として創設された、歴史と伝統を誇る大レースです。

 中距離を得意とするサラブレッドなら、一度は勝っておきたいレースですから、フルゲートになることが多く、2017年も18頭が挑戦してきました。
 もともと層の厚い距離の競走であることに加えて、現在は一頭抜けた馬が存在しない時期、戦国時代の様相を呈していますから、「混戦」であることは間違いありません。

 人気となりそうな馬が、比較的外枠に集まったことも、「混戦」に拍車をかけている印象です。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠8番のエアスピネル。
 強いと言われた2016年世代のトップグループを走り続けました。なかなか1着に慣れないタイプですが、一方で、安定感は抜群です。そろそろG1馬となっても良いころでしょう。

 第二の注目馬は、7枠15番のイスラボニータ。
 この馬も好走はするものの、なかなか勝てませんでしたが、前走のマイラーズカップで久々の重賞勝ち。その勢いで、ここでも勝ち負けの勝負を魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、3枠6番のレッドファルクス。
 前走G2京王杯SCは快勝でした。2016年のスプリンターズステークスG1の勝馬ですから、スピードは折り紙つき。前走から200メートル伸びたコースも、なんとか克服してくれるのではないでしょうか。内枠も味方しそうです。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 昨年の優勝馬ロゴタイプや、ビューティオンリ、コンテントメントの2頭の外国馬の走りも、とても楽しみです。
 目黒記念競走G2が、何時から日本ダービーの日に行われるようになったのかと調べてみました。2006年からでした。

 私のようなオールドファンにしてみれば、目黒記念は「天皇賞と同様に、年に2回開催される大レース」でした。
 今から40年程前は、現在と比べて重賞競走が少なく、例えば、一流馬が天皇賞や有馬記念を目指すとなれば、所謂「オープン競走」出走によりコンディションを整えていました。あのシンザンは19戦していますが、内8戦はオープン競走なのです。

 そうした「重賞の数が少ない」状況下で、目黒記念は貴重な重賞、それも「関東の八大競走優勝馬が目指すに相応しい重賞」のひとつだったのです。
 競走馬の東西輸送が、現在のように容易ではなかった時代のことです。(関西の同様のレースは京都記念です)

 1984年のレース体系見直しにより、目黒記念は年一回の開催となりました。(京都記念も年一回となりました)

 以上のような経緯から、過去の目黒記念の優勝馬には歴史的な優駿がズラリと並んでいます。
 春なら、1955年(昭和30年)のハクリヨウ、1957年のハクチカラ、1967年のスピードシンボリ、1971年のメジロムサシ、1979年のサクラシヨウリ 等々。
 秋なら、1934年のカブトヤマ、1957年のハクチカラ、1958年のミスオンワード、1971年のアカネテンリユウ、1980年のカツラノハイセイコ、1981年のアンバーシヤダイ、といった感じです。他にも、数多くの名馬が名を連ねています。

 1985年以降は、ややメンバーも小粒になった印象ですが、それでも2000年にはステイゴールドが勝っていますし、長距離を得意とする馬にとっては大切な重賞だったのです。

 21世紀に入ってからは、世界的な傾向としても、競馬自体がマイルから2000m位の距離のレースを中心とした構成に変わってきましたので、目黒記念の優勝馬は「G2レース」相応のメンバーとなってきたように感じます。
 レース体系の整備が一段と進んだ中では、止むを得ないことなのでしょう。

 第1回目黒記念は、1932年(昭和7年)に開始されました。同年の第1回東京優駿(日本ダービー)の6日前に行われたので、目黒記念は「中央競馬で現在行われている重賞としては最古」のものとされています。

 そして、第1回東京優駿が開催された目黒競馬場(東京競馬場の前身)を記念して設けられた重賞であることが考慮されて、現在は日本ダービーの開催日、同じ日に行われるようになったのかもしれません。

 目黒記念は、「日本ダービー・デイ」の掉尾を飾るレースとなっているのです。
 「競馬の祭典」日本ダービーが、今年も迫りました。

 5月28日、東京競馬場芝2400mと舞台はいつもの通り。回を重ねて、第84回のレースです。

 日本ダービーの持つ「華やかさ」は、他に類を見ないものです。

 また、普段は競馬を見ない人達も、日本ダービーだけは見るという人も多いと思います。

 やはり、日本ダービーは日本競馬最大のお祭りなのでしょう。

 さて、2017年の出馬表を見ると、まさに「大混戦」の様相。色々な角度から検討してみても、通常のやり方では注目馬を絞り込むことが難しいのです。
 2017年のダービーダンディーズは「粒ぞろい」なのですが、粒が揃い過ぎて、有意な差が見出せません。

 そこで、今回は「なんとなく予想」にしてみようと思います。いい加減な感じで申し訳ありません。

 第一の注目馬は、2枠4番のスワーヴリチャード。
 2015年ドゥラメンテ、2016年マカヒキと短い名前の馬が続きましたので、2017年は長い名前が来るのではないかということで選びました。

 第二の注目馬は、3枠6番のサトノアーサー。
 2016年からの「サトノ軍団」の勢いに期待します。

 第三の注目馬は、1枠1番のダンビュライト。
 日本ダービーの外枠は、やはり相当のハンディキャップです。何といっても1枠1番は有利だと思います。

 今回は、とても「ざっくり」とした注目馬選定になってしまいました。
 
 競馬界最大の「お祭り」に因んでお許しいただければと思います。
 「ダービーステークス」と言えば英国のレースです。

 英国は、近代競馬発祥の地であり、ダービーを始めとする多くのレースが始まった国なのです。

 今回は、その「ダービーステークス」の勝ち馬、1780年に始まり、今年第238回を迎えるという長い長い歴史の中から、21世紀の勝ち馬を見て行きたいと思います。(馬名に続いて、生産地、通算成績、主な勝ち鞍)

・2001年 ガリレオ(アイルランド) 8戦6勝 英ダービー、愛ダービー、キングジョージQE
・2002年 ハイシャパラル(アイルランド) 13戦10勝 英ダービー、愛ダービー、ブリーダーズCターフ2勝
・2003年 クリスキン(アメリカ) 7戦3勝 英ダービー
・2004年 ノースライト(アイルランド) 7戦3勝 英ダービー
・2005年 モティベイター(イギリス) 7戦4勝 英ダービー
・2006年 サーパーシー(アイルランド) 10戦5勝 英ダービー
・2007年 オーソライズド(アイルランド) 7戦4勝 英ダービー、英国際S
・2008年 ニューアプローチ(アイルランド) 11戦8勝 英ダービー、愛チャンピオンS、英チャンピオンS
・2009年 シーザスターズ(アイルランド) 9戦8勝 英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、英国際S、愛チャンピオンS、凱旋門賞
・2010年 ワークフォース(イギリス) 9戦4勝 英ダービー、凱旋門賞
・2011年 プールモア(アイルランド) 5戦3勝 英ダービー
・2012年 キャメロット(イギリス) 10戦6勝 英2000ギニー、英ダービー、愛ダービー
・2013年 ルーラーオブザワールド(アイルランド) 11戦4勝 英ダービー
・2014年 オーストラリア(イギリス) 8戦5勝 英ダービー、愛ダービー、英国際S
・2015年 ゴールデンホーン(イギリス) 9戦7勝 英ダービー、エクリプスS、愛チャンピオンS、凱旋門賞
・2016年 ハーザンド(アイルランド) 7戦4勝 英ダービー、愛ダービー

(凡例 愛ダービー→アイルランドダービー、キングジョージQE→キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、エクリプスS→エクリプスステークス、英国際S→英インターナショナルステークス、エクリプスS→エクリプスステークス、愛チャンピオンS→アイルランドチャンピオンステークス、英チャンピオンS→イギリスチャンピオンステークス、全てG1)

 さすがに錚々たるメンバーが並んでいます。
 我が国の競馬報道の中で、自然に耳にしてきた馬名も多いのです。

 最初に眼に付くのは「アイルランド産馬」の多さでしょう。
 2001年~16年の16頭のダービー馬の内、10頭がアイルランド産馬です。
 これは圧倒的なシェアです。イギリス産馬5頭、アメリカ産馬1頭より遥かに多いのです。
 
 現代のイギリス競馬は、アイルランド産馬なくしては成立しない、と言っても良いでしょう。

 アイルランドの生産馬に押されっぱなしであったイギリス産馬ですが、2010年以降は4頭が優勝しています。おそらく、イギリスにおけるサラブレッド生産体制が整ってきているのであろうと思います。アイルランドの競馬界がイギリス競馬界を刺激してきたと言っても良いと思います。

 加えて、英ダービーと愛ダービーの両方を勝っている馬も眼に付きます。
 ガリレオ、ハイシャパラル、キャメロット、オーストラリア、ハーザンドと5頭も居るのです。
 愛ダービーは、英ダービーからのスケジュールも丁度良い上に、欧州中の強豪3歳馬がこぞって参加するG1レースですので、「勝つ価値のある大レース」となっているのです。

 16頭のダービー馬の成績を見ると、「勝率の高い馬」が多い印象です。
 2009年のシーザスターズ・9戦8勝、2015年のゴールデンホーン・9戦7勝、2008年のニューアプローチ・11戦8勝を始めとして、勝率5割以上のサラブレッドが16頭中12頭。相当高い比率でしょう。

 加えて、英ダービー以外のG1に勝っている馬も多く、10頭が複数のG1レースを制しています。

 当たり前のことだと叱られそうですが、「英ダービー馬は強い」のです。その世代のヨーロッパ最強馬の一角を占めることは、間違いないのでしょう。

 そうした「強い」ダービー馬ですが、2003年から2006年まで4年連続で、G1勝ちがダービーのみという年が続きました。
 おそらく、この頃の英国競馬は、少し地盤沈下していたのではないかと思います。
 そして、近代競馬発祥の地としての強化施策が実行されて、2008年のニューアプローチ、2009年のシーザスターズの誕生に結び付いていると感じられます。

 個別に見て行きましょう。

 まずは、2001年のガリレオ。

 8戦6勝、英愛ダービーとキングジョージQEを勝っている戦績、その結果2001年のカルティエ賞(ヨーロッパ年度代表馬表彰)最優秀3歳牡馬となった戦績も素晴らしいのですが、種牡馬になっての活躍はより凄いものです。

 2008年ダービー馬ニューアプローチ、2013年ダービー馬ルーラーオブザワールド、2014年ダービー馬オーストラリア、と3頭のダービー馬の父です。産駒のG1馬は枚挙に暇が無く、特に1000ギニー、2000ギニーといった短距離から中距離のレースで力を発揮している産駒が多いように感じられます。「現代競馬にフィットした血統」なのでしょう。
 その代表格がフランケルです。14戦14勝・G1を10勝という怪物フランケルの父であるガリレオの血統=父サドラーズウェルズ(ノーザンダンサーの直仔・大種牡馬)、母アーバンシー(1993年凱旋門賞馬、同年のジャパンカップにも出走。2009年英ダービー馬シーザスターズの母でもありますから、2頭の英ダービー馬の母)は、今後も欧州競馬の中で脈々と受け継がれていくのでしょう。

 続いては、2002年のハイシャパラル。
 13戦10勝ですが、残りの3走も2着1回、3着2回。デビュー戦の2着はともかくとして、2回の3着が3歳時と4歳時の凱旋門賞なのです。これに勝っていれば歴史的名馬と評されていたことでしょう。
 種牡馬としても、ソーユーシンクなどの強豪馬を輩出しています。

 続いては、2005年のモティベイター。
 G1勝ちは英ダービー1勝ですので、競走成績としてはやや物足りないのですが、種牡馬としては、我が国に知られるサラブレッドを送り出しました。あのトレブです。
 ご承知のように、トレブは2013年・2014年の凱旋門賞優勝馬であり、2013年のレースでは、我らがオルフェーヴルをゴール前差し切ったのです。
 牝馬ながらも、2013年には仏オークス、ヴェルメイユ賞、凱旋門賞のG1を3勝しての4戦4勝という好成績を残して、カルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牝馬のダブル受賞を果たしました。
 モティベイターは「女傑」の父なのです。

 続いては、2008年のニューアプローチ。
 11戦8勝、2着2回、3着1回ですが、この2着2回が英愛の2000ギニーなのです。共にヘンリーザナビゲーターに敗れました。ヘンリーザナビゲーターはマイル戦に滅法強い馬でした。ミルリーフとブリガディアジェラードではありませんが、強い馬が同世代と言うのは、時々見られることです。
 産駒のトーンアプローチが英2000ギニーを制していますから、ニューアプローチの夢は、その仔が達成してくれたのです。

 そして2009年のシーザスターズ。
 21世紀の英ダービー馬では最強かもしれません。
 9戦8勝ですが、敗れたのはデビュー戦(4着)のみ。その後は勝ち続け、英2000ギニーに勝利して以降はG1を6連勝しています。
 英ダービーに勝ち、英国際Sを制して、凱旋門賞も快勝(2着のユームザインに2馬身差)しました。3歳馬として、欧州中の古馬を相手にしての快進撃は高く評価され、2009年のカルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬をダブル受賞したのです。
 種牡馬としても、2016年の英ダービー馬ハーザンドを出しています。「ダービー馬はダービー馬から」という原則?がここでも生きているのです。

 続いては、2012年のキャメロット。
 1970年のニジンスキー以来の「三冠馬」誕生かと期待され、セントレジャーステークスで惜しくも2着(勝ったエンキーと3/4馬身差)に敗れましたが、セントレジャーを回避するダービー馬が続いていた中で、果敢な挑戦は高く評価されました。
 デビューから5戦5勝で2000ギニーとダービー(2着に5馬身差)を制し、愛ダービーにも快勝した(2着に2馬身差)した時には、三冠への期待が膨らみました。
 一方で、3歳の凱旋門賞で7着に大敗して以降は、やや精彩を欠きました。

 最期は2015年のゴールデンホーン。
 9戦7勝、2着2回という素晴らしい戦績です。5連勝でダービーとエクリプスSのG1レースを連勝した時には、無敗の記録をどこまで伸ばすかが注目されましたが、続く英国際Sでよもやの2着となりました。3歳牝馬アラビアンクイーンにクビ差及ばなかったレースでしたが、生涯唯一のG1勝利を挙げたアラビアンクイーンの一世一代の走りだったのでしょう。(いずれにしても、前述のトレブもそうですが、国際大レースにおける3歳牝馬の活躍が続いているのです)
 初黒星を喫したゴールデンホーンでしたが、続く愛チャンピオンSに勝ち、凱旋門賞も快勝し、強さを証明してみせたのです。

 今回は、「ザ・ダービー」と呼んでよい英国ダービー、その21世紀の優勝馬を見てきました。さすがに「強いサラブレッド」が目白押しであったと感じます。

 そして、各馬の「通算レース回数の少なさ」も印象的でした。

 最も多く走ったハイシャパラルでも13走であり、16頭中13頭が10走以下なのです。
 レース体系の違いや、2~3歳時の使い方の違いもあるのでしょうが、「ダービー馬への敬意」も感じられます。
 「ダービー馬」という最高の栄誉を手にしたサラブレッドには、相応しいレースを選び、可能な限り万全のコンディションでレースに臨み、やや力が衰えたと観れば、引退させるといった「文化」が、イギリス競馬にはあるのかもしれません。

 もちろん、ダービー馬ともなれば種牡馬になるケースが大半なのでしょうから、早々に引退させてシンジケートを組むということも有るのでしょうが、必ずしも「良い血統」では無い馬でも、いつまでも走らせているケースは少ないと感じます。

 受け継がれていく「ダービー馬への敬意」こそが、ダービーステークスを発展させて行く最強の原動力なのでしょう。
 5月21日、東京競馬場芝2400mコースで行われる、第78回優駿牝馬(オークス)競走G1の注目馬検討です。

 今年も3歳牝馬NO.1の栄誉を目指して、フルゲート18頭が出走してきました。

 桜花賞で断然の一番人気だったソウルスターリングが3着に敗れたために、オークスも混戦模様となりました。
 桜花賞組とフローラステークスG2組の比較も、興味深いところです。

 枠順を見ると、人気となりそうな馬はソウルスターリングを除いて、レーヌミノル13番、リスグラシュー14番、アドマイアミヤビ16番、と外枠に入りました。どれくらい影響があるものなのでしょうか。 

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のフローレスマジック。
 前走フローラSはモズカッチャンと僅差の3着でした。父ディープインパクト・母マジックストームという「走る組合せ」、ラキシス、サトノアラジンの全妹という良血が、大一番で花開いてくれることに期待します。

 第二の注目馬は、7枠14番のリスグラシュー。
 阪神JF、桜花賞とG1での2着が続いていますが、そろそろこの馬が勝っても良いころでしょう。6頭も出走してきているハーツクライ軍団の代表として、力を発揮してもらいたいと思います。

 第三の注目馬は、1枠2番のソウルスターリング。
 桜花賞では不思議なレースをしました。好位置で4角をまわって、ここからというところで伸びませんでした。「稍重」馬場の影響とも言われていますが、それにしても動かな過ぎという印象です。コンディションが悪かったのではないかと見ています。
 オークスは距離的に少し長いかとも思いますが、怪物フランケルの走りを是非披露していただきたいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 展開が読み難いレースだと思います。
 思いもよらぬ馬が飛び出してくる可能性もあるでしょう。

 好天の下の好勝負が期待されます。
 いわゆる「オークス」競走、イギリスのオークスは1779年に始まりました。
 イギリスのダービー競走が始まったのが1780年ですから、オークスの方が1年早いことになります。

 第12代ダービー卿が、貴族仲間の友人と、所有する牝馬同士の競走を始めたのが1779年(この年ダービー卿は結婚し、奥様の希望で牝馬同士のレースを創設したとも言われています)で、これがオークスの始まりです。レース名は、レースを行った領地の地名に因んでいるとのこと。
 その広大な領地には、おそらく大きな樫の木(オーク)が聳え立っていたのでしょう。

 イギリスでは自然が良く守られていると言われます。
 日本のように、田畑の中に商品看板が立っているといった風景は、滅多に見られない、あるがままの自然が保たれているというご指摘ですが、これは貴族による領地の保有が、現在でも続いていることが、大きな要因なのでしょう。
 イギリスの国土の半分近くが、いまだに貴族の所有だと言われています。その貴族の所有地には当然ながら一般の人々は入れませんし、一般の人々が入れないとなれば、商品看板を設置する意味も無いし、観光目的の舗装道路や駐車場、サービスエリアの整備や、景色を楽しむための整備された歩道も設置する必要が無いのですから、自然が守られるという訳です。

 さて、話をオークス競走に戻します。

 本家イギリスのオークス競走は、毎年6月の第一金曜日に、エプソム競馬場の12ハロン(2423m)の芝コースで開催されます。3歳牝馬限定で、斤量は9ストーン(約57㎏)となっています。

 今年が第239回となります。さすがに「クラシック」レースなのです。
 今から200年以上前に、自らの領地で友人とのプライベートな競馬を楽しむ、第12代ダービー卿の姿を思い浮かべる時、何とも言えない感慨があるのです。

 3歳馬限定のダービー競走と共に、オークス競走も3歳牝馬限定の大レースとして世界中に広まりました。近代競馬発祥の地であるイギリスの大レース、歴史と伝統を誇るクラシックレースの中でも、その中核を占めるダービーとオークスが、他の国々の競馬にとっても重要な位置づけとなったことは、自然なことでしょう。

 例えば、フランスではディアヌ賞競走がフランスオークスと呼ばれています。
 こちらはシャンティ競馬場の芝2100mコースで行われます。距離は2400mではないのです。斤量は57㎏と本家とほぼ同じです。1841年に開始されていますから、イギリスより60年余り遅いことになります。(それでも、とても古いですが)

 ちなみにフランス競馬において「ダービー」に相当するのは、ジャッケクルブ賞ですが、こちらもシャンティ競馬場の2100mコースで行われます。
 さすがに「独自性」を大切にするお国柄、「ダービー」や「オークス」という名称は使わない上に、距離も変えてしまうところが、フランスらしいのではないでしょうか。
 ちなみに、ジャッケクルブ賞は1836年開始です。フランスでは、ダービーの方がオークスよリ5年早かったのです。

 イギリスのお隣の国アイルランドでは、アイリッシュオークス競走があります。1895年創設、12ハロンの3歳牝馬限定レース、斤量は57.2㎏と、イギリスオークスとほとんど同じレギュレーションでのレースとなります。
 毎年7月に行われるレースですが、欧州中の有力3歳牝馬が出走してくるレースとなっています。欧州の3歳牝馬にとって、格の高いレースなのです。
 
 アメリカ競馬にも「オークス」の名を配するレースがいくつかあります。
 最も有名なのは、ケンタッキーオークスでしょうか。ケンタッキーダービーと同じ、チャーチルダウンズ競馬場の1と1/8マイル(9ハロン・約1811m)のダートコース、3歳牝馬限定のレースです。斤量は121ポンド(約54.9㎏)。
 1875年開始ですから、本家のオークスより約1世紀遅れての開始となっています。(ちなみに、創設当時は12ハロンでしたが、1920年からは9ハロンです)

 例年、ケンタッキーダービーの前日に開催されていて、ケンタッキーダービーの盛り上がりに一役かっている形です。
 
 そして我が国の「優駿牝馬」競走です。

 優駿牝馬競走は、オークスと呼ばれています。
 「東京優駿」競走が、日本ダービーと呼ばれるのと比較して、いつも不思議に思うことがあります。「オークスには『日本』が付かない」のです。
 ダービーには『日本』を付して、オークスには付けないのは、何故なんでしょうか。もう50年くらい日本競馬を見ていますが、いまだに知らないことです。

 おかげで?、ダービーの方は、イギリスのダービーが「ダービー」と表記され、東京優駿は「日本ダービー」と表示されますから、区別が付きやすいのですが、オークスの方は表記が同じですから、日本語で書くときには本家の競走の方を「英オークス」とか「イギリスオークス」と表記することになるのです。

 また、優駿牝馬の斤量は55㎏です。
 2400m芝コースという点は、本家オークスと同じなのですが、斤量はアメリカのケンタッキーオークスに近いというのが興味深いところです。
 優駿牝馬競走創設時に、日本のホースマンたちは、何故本場より2㎏軽い斤量にしたのでしょうか。

 ちなみにダービー競走の斤量は、牡馬126ポンド(約57.2㎏)、牝馬123ポンド(約55.8㎏)となっていて、この点は東京優駿の57㎏・55㎏に近い形ですから、オークス競走の9ストーン・約57㎏というのは、「伝統の斤量」というか、「牝馬同士で争うなら3歳でもこの重さ」ということなのかもしれません。
 我が国では、日本ダービーの斤量とオークスの斤量を合わせたのでしょうか。

 200年以上前のイギリス・ロンドン郊外に思いをはせながら、2017年5月21日、第78回優駿牝馬(オークス)が今年も開催されるのです。
 5月14日、東京競馬場芝1600mコースで行われる、第12回ヴィクトリアマイル競走G1の注目馬検討です。

 上半期の古馬牝馬NO.1決定戦、その年のマイル女王決定戦、という位置づけのレースです。
 古馬となっても走り続ける牝馬のためのG1レースとして、すっかり定着した感があります。

 府中のマイル戦ですから、ただ速いだけでは勝つのが難しいレースともなっていますので、1800mや2000m以上の距離に実績のある馬にも、十分にチャンスがあります。

 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、1枠2番のスマートレイアー。
 前走の京都記念G2は、サトノクラウンに敗れて2着でしたが、マカヒキには先着しました。牡馬一線級を相手に堂々たるレースでした。休養十分で望むこのレースでも、持ち味を存分に発揮してほしいものです。

 第二の注目馬は、6枠11番のミッキークイーン。
 前走の阪神牝馬特別G2を快勝して、挑戦してきました。2016年のこのレース2着から、エリザベス女王杯3着、有馬記念5着とG1レース上位の常連です。安定した実力を示してくれることでしょう。

 第三の注目馬は、7枠14番のレッツゴードンキ。
 前走の高松宮記念G1を2着、前々走京都牝馬ステークスG3で優勝と、直近の4レースで1着1回、2着3回と好調を維持しています。2015年の桜花賞馬として、久々のG1勝利と行きたいところです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 残り200mで抜け出してくるのは、どの淑女なのでしょうか。
 2017年5月7日、東京競馬場芝1600mコースで開催される、第22回NHKマイルカップ競走G1の注目馬検討です。

 3歳馬のマイル王を決めるレースです。今回もフルゲート18頭が挑戦して来ました。
 第一印象は「大混戦」。

 桜花賞から3頭、皐月賞から3頭が挑んできましたけれども、クラシックレースにおける最高成績はカラクレナイの桜花賞4着ですから、有力馬が挑んできたという感じではないでしょう。
 一方で、4月8日のニュージーランドトロフィーG2から5頭が来ました。同レースの優勝馬ジョーストリクトリも出走しますので、このレースはNZT出走馬が中心となると見てよさそうです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠6番のボンセルヴィーソ。
 ダイワメジャー産駒。ここまで7戦して1勝と、なかなか優勝できないタイプですが、直近の4走(全て重賞)は、2着2回・3着2回と安定していますし、朝日杯FSで3着と同世代トップクラスの実力を証明しています。直線の長い東京コースで力を発揮してほしいものです。

 第二の注目馬は、1枠1番のモンドキャンノ。
 キンシャサノキセキ産駒。前走のスプリングステークスG2は10着に敗れましたが、朝日杯FS2着の実力は高く評価したいと思います。世代トップに躍り出るチャンスが来たのです。

 第三の注目馬は、2枠4番のカラクレナイ。
 ローエングリン産駒。桜花賞は、勝ったレーヌミノルから僅差(1馬身以内)の4着と惜敗でした。牡馬との2㎏の斤量差を活かして、好勝負を見せてくれるのではないでしょうか。鞍上のミルコ・デムーロ騎手のG1レースでの勝負強さにも期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ディパインコードやアエロリットも加わった、残り200mからの叩き合いが楽しみです。
 2017年春のG1戦線真っ盛りですが、この時期になるとキングカメハメハを思い出します。

 ハワイの王様のような印象的な名前だったキングカメハメハは、2003年11月、京都競馬場の芝1800m新馬戦でデビューしました。このレースを1/2馬身差で勝ち、続く500万下のエリカ賞も1/2馬身差で連勝したのです。
 2歳の冬のことですから、当然本格化前だったわけですが、この頃から「勝負強さ」の片鱗が伺えます。後に「名馬」と呼ばれるサラブレッドの中には、デビュー戦で5馬身差、10馬身差でぶっちぎる馬もいるのですが、キングカメハメハは必要な着差で勝つという術を、早々に身に付けていたように見えます。

 3歳となった2004年1月の京成杯G3(中山競馬場芝2000m)で、キングカメハメハは初めて敗れます。フォーカルポイント、マイネルマクロスから離されての3着でした。
 結局、この1敗が「生涯唯一の敗戦」となるわけですが、この1敗の影響は大きく、皐月賞と同じコースでの敗戦を踏まえて、陣営は皐月賞出走を回避することとなったのです。

 その後、キングカメハメハは2月のオープンレース、3月の毎日杯G3(阪神競馬場芝2000m)に臨み、連勝しました。
 特に、毎日杯では、京成杯で敗れたマイネルマクロスを破り、2着のシェルゲームに2・1/2馬身差の完勝でした。ようやく「パンとしてきた」のでしょう。

 キングカメハメハは、5月9日のNHKマイルカップG1に勇躍駒を進めました。

 そして、このレースを圧勝したのです。
 2着のコスモサンビームに5馬身差、1分32秒5のレースレコード勝ちでした。

 残り1ハロンまでは競り合った形のレースであったと記憶していますが、そこからの伸びが凄かった。一完歩ごとに差を広げ、ゴール板では5馬身差を付けたのです。

 続いて5月30日の日本ダービーです。

 NHKマイルカップの前身レースであったNHK杯(2000m)が、日本ダービーのトライアルレースだったころから、この2つのレースを連勝するのはローテーション的にきつい、と言われていましたし(あのハイセイコーもNHK杯を勝ち、ダービーは3着でした)、NHK杯がG1・NHKマイルカップになってからは、一層厳しいと考えられていました。マイルの専門家が大挙して出走してくるからです。
 いずれにしても、「3週間でG1レースを2走」というのは、誰が見ても「しんどい」感じがします。

 しかし、キングカメハメハ陣営は敢然と挑戦してきました。後に、皐月賞回避を決めた時点で、NHKマイルとダービーの連勝を狙っていたと報じられました。

 2004年の日本ダービーは、道中ハイペースの展開となりました。
 4角を回って、いつものように好位に付けたキングカメハメハは、馬場の7分どころを通って直線に進出しました。

 道中のハイペースがたたってか、あるいは、3歳馬にとっての初めての2400mの厳しさか、直線での叩き合いは「我慢比べ」の様相でしたが、このレースでも「残り200m」からキングカメハメハはグイッと前に出て、大外を強襲したハーツクライの追い上げを1・1/2馬身凌ぎ切ったところがゴールでした。
 素晴らしいレースでした。

 2分23秒3という走破タイムはレコードでした。緩みの無いペースの中で、キングカメハメハがスピードと持久力を示したレースでしたし、ゴール前で見事な伸び脚を魅せたハーツクライのレース振りは、後の「大成」を予感させるに十分なものでした。(このレコードタイムは翌年の三冠馬ディープインパクトと同タイムであり、2015年、キングカメハメハの仔ドゥラメンテの2分23秒2に破られるまで続きました。日本ダービーのタイムとしては、キングカメハメハ・ドゥラメンテの親子およびディープインパクトの走破タイムが、歴代でも抜けています。もちろん、馬場状態との関係があるのでしょうが、レベルの高いタイムであろうと思います)

 キングカメハメハは、NHKマイルカップ→日本ダービーという「新しい道」を選択し、見事に連勝して魅せたのです。
 「変則二冠」とも呼ばれるローテーションですが、2008年のディープスカイとともに、史上2頭しか成し遂げていない快挙です。

 マイル戦特化の傾向が一層強まり、1600mと2400mは「別の世界」と評されるようになった現在では、この「変則二冠」に挑む馬も多くは無いことでしょう。

 3歳秋には、天皇賞(秋)を目指して神戸新聞杯を快勝したキングカメハメハでしたが、屈腱炎を発症して、そのまま引退しました。

 キングカメハメハ号、父キングマンボ、母マンファス、母の父ラストタイクーン。大種牡馬ノーザンダンサーの4×4・血量12.5%。超良血との評もあります。
 通算成績8戦7勝・3着1回。主な勝ち鞍、日本ダービー、NHKマイルカップ。

 種牡馬となったキングカメハメハは、ご承知のように、サンデーサイレンス血統が全盛期を迎えた日本競馬の中で、対になる血統として抜群の存在感を示しています。活躍産駒も枚挙にいとまがありませんから、こちらは、別の記事で書いてみたいと思います。

 競走馬としてのキングカメハメハのピークは、NHKマイルカップであったろうと考えています。
 その3週間後に、残された力の全てを投じて日本ダービーをもレコード勝ちしてくれました。

 「ゴール前200mの強さ」が、キングカメハメハの真骨頂なのです。
 妙な題名になってしまいましたが、2017年の天皇賞(春)は明快な「2強対決」となりました。
 4月30日、京都競馬場芝3200mで行われる、第155回天皇賞(春)競走G1は、日本競馬史に残るレースとなることでしょう。

① 最強5歳馬と最強4歳馬の対決

 例えば、クラシックレースにおいて同世代のサラブレッド同士が2強対決というのは、キャリア(出走レース数他)も近いので、時々は見られるものなのですが、異なる世代で、古馬になって異なるルートを歩んできた2頭の馬が、それぞれのルートで圧倒的な強さを魅せて、大レースで対決するというのは、いかにも「本格的」だと思います

 キタサンブラックとサトノダイヤモンドは、まさにそうした形で激突するのです。

② 2度目の対決

 両馬は2016年の有馬記念で矛を交えています。最初の対決でした。
 ご承知のようにこのレースは、直線で先頭に立ちゴールを目指すキタサンブラックを、サトノダイヤモンドが残りわずかなところで「クビ」差捕えて優勝しました。

 サトノダイヤモンドの差し脚も凄かったのですが、キタサンブラックの粘り脚も凄いもので、両馬の力量は「互角」であることが明示されたレースでした。

 当代屈指の強豪馬、それも力量互角の2頭が合いまみえるレースは「本格的」です。

③ 安定感抜群の2頭

 サトノダイヤモンドは、ここまで9戦して7勝、2着1回(日本ダービー)、3着1回(皐月賞)という、抜群の安定性を誇ります。直近の4走=4重賞は、4連勝です。

 一方のキタサンブラックも、15戦して9勝、2着2回、3着3回、着外は僅かに1回とこちらも安定感十分なのです。直近の4走=4重賞は3勝、2着1回(サトノダイヤモンドに惜敗した有馬記念)となっていますから、このところはサトノダイヤモンドにしか負けていないのです。

 今回の2強対決は、両馬とも、たとえ敗れたとしても、大敗はしないであろうと予想される点で「本格的」なのです。

 さて、キタサンブラックとサトノダイヤモンドのどちらが、第155回天皇賞(春)を制覇するのでしょうか。

 距離適性では,天皇賞(春)2016を制しているキタサンと、菊花賞2016を制しているサトノですから、共に不安無しと見るのが妥当でしょうし、京都コースへの適応力も十分と言うことになります。

 直接対決ではサトノの1勝ですが、何度も書くように「互角」の内容でした。

 ここまでは甲乙付け難いということになります。

 そうなると「有馬記念2016以降の成長度合い」位しか、比較する項目が無くなってしまうのです。
 その点では、大阪杯G1のパドックでのキタサンブラックの「物凄い馬体」が思い出されます。「ああ、これは勝たれる」と強く感じました。それ程に凄い馬体だったのです。

 本来、「成長度」という物差しならば、4歳馬の春に分がありそうですが、5歳になってもなお成長しているように見える、それも「大きな変わり身」を魅せたキタサンブラックの方に分があるように、感じられるのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のキタサンブラック。
 この馬は、本当に「内枠」に恵まれます。無理なく、逃げ、あるいは先行を取れるという点でも有利でしょう。

 第二の注目馬は、8枠15番のサトノダイヤモンド。
 この4歳最強のステイヤーの力は、底知れぬものがあります。ここを勝つようなら、歴史上の名馬の道を歩むことになりそうです。

 第三の注目馬は、1枠1番のシャケトラ。
 2強に挑むのなら、2強と勝負付が済んでいない、この馬に注目したいと思います。マンハッタンカフェ産駒の長距離適性を活かして、思い切ったレースを魅せてほしいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 「2強対決」は、その展開も概ね予想できます。
 しかしながら、京都の直線での叩き合いの結果だけは、全く分からないのです。

 良いレースが観られますように・・・。
 天皇賞(春)は、我が国における3000m以上のレースの中で、菊花賞と共にG1に格付けされています。
 菊花賞が3歳限定なのに対して、天皇賞(春)は4歳以上のレースとなっていますから、「古馬最高の栄誉」と評されているのです。我が国の近代競馬が始まった時から、「古馬最高の栄誉」は不変の価値でしょう。

 一方で、20世紀終盤から「長距離競馬の地盤沈下」が叫ばれて久しく、世界の、そして日本の競馬の主流は、マイル戦から2000m辺りまでの距離のレースとなりました。

 2400mで行われることが多い、各国の「ダービー競走」でさえ、「長い」と言われるようになったのです。

 確かに、競馬レースの距離区分法として、世界的に定着している「SMILE区分」では

・S(sprint) 短距離 1000m~1300m
・M(mile) マイル 1301m~1899m
・I(intermediate) 中距離 1900m~2100m
・L(long) 長距離 2101m~2700m
・E(extended) 超長距離 2701m以上

 と規定されていますから、2400mのダービーは長距離競走であり、3200mの天皇賞(春)は超長距離のレースとなるのです。

 ところで、近代競馬発祥の地イギリスには「カップ三冠」と呼ばれる超長距離レースの体系が存在します。

① ゴールドカップ(アスコット・ゴールドカップ)G1 20ハロン(約4023m)
② グッドウッドカップG1 16ハロン(約3218m)
③ ドンカスターカップG2 18ハロン(約3621m)

 この3レースを全て勝利すれば「カップ三冠馬」となるのです。
 過去に、6頭の馬が三冠を達成しているそうです。

 ドンカスターカップは1766年に始まっています。18世紀半ば、今から250年以上前という、とても長い歴史を誇るレースであり、最古のクラシックレース(面白い言葉ですが)であるセントレジャー競走より10年も早く始まっているのです。
 現在も続いているレースとしては「世界最古のレース」と言われています。

 ゴールドカップは1807年に開始されました。19世紀初頭ですから、こちらも長い歴史を誇ります。
 また、競馬が盛んな国における、世界で最も長い距離のG1レースでもあります。(フランスのガトラン賞→凱旋門賞当日に実施、が4000mで続きます)
 現在では、イギリス王室が主催する世界屈指の競馬の祭典「ロイヤルアスコット」のメインレースのひとつとなっていますので、アスコット・ゴールドカップと呼ばれることも多いレースです。

 グッドウッドカップは1812年開始と、3つのレースの中では最も新しいレースですが、それでも200年以上前のスタートです。イギリス競馬の歴史と伝統を感じます。6頭の「カップ三冠馬」は、200年の歴史の上で登場していることになりますから、約30年強に1頭が達成するということになるのでしょうか。
 当初は24ハロン(約4827m)であったと伝えられていて、1911年に現在の距離となりました。このレースにさえ距離短縮の歴史があるのです。

 長距離レースの凋落に伴い、「カップ三冠」レースの位置付けは、20世紀初頭(100年前!)
とは比べ物にならない程、下がったと言われています。
 これらのレースが、セントサイモン号(1884年のゴールドカップ優勝馬)やキンツェム号(1878年のグッドウッドカップ優勝馬)といった「歴史上の名馬」の活躍の場であったことを考え合わせると、少し寂しい感じがします。

 しかし一方で、近年「カップ三冠」レースの格付が上がっているのも事実です。

 グッドウッドカップは、当初G3だったものが、1995年にG2、2017年にG1となりましたし、ドンカスターカップは当初G3でしたが、2003年にG2となりました。

 超長距離レースの格付が見直されつつあるのです。
 
 このことが「長距離血統」の維持・拡大に結びついてくれれば、本当に良いのですが・・・。
 4月15日に開催された、第19回中山グランドジャンプJG1はオジョウチョウサンが優勝し、中山大障害と合わせて、JG1レース3連勝を成し遂げました。
 最後の障害を飛び終えて、直線に向かってからのスピードが他の追随を許さないレベルですので、現在の障害レース界を牽引する存在であることを、再び証明しました。

 障害レース界には、皆さんもご存じの通り、時折「圧倒的に強い馬」が登場します。
 (1998年までは、中山大障害が春と秋の年2回開催されていましたが、1999年から春の競走が中山グランドジャンプに変わりました。中山大障害と中山グランドジャンプが、我が国の障害レースを代表する競走なのです)

 まずはフジノオーでしょう。
 1963年の中山大障害(秋)に勝ってから、1964年(第一回東京オリンピックの年・昭和39年・シンザンが三冠を達成した年)の春・秋の中山大障害に勝ち、1965年の春の大障害まで、中山大障害4連覇を成し遂げました。
 この後、世界最大の障害レース、イギリスのグランドナショナル競走にも挑戦しました。
 平場も含めて、世界競馬に名乗り出た、最初の日本馬であろうと思います。

 続いてはグランドマーチス。
 1974年・75年の中山大障害(春)・(秋)を4連覇しました。通算賞金額が大きくなり、京都大障害などのレースでは66kgや68kgといった「酷量」を背負って勝ち続けた、本当に強い馬でした。障害競走馬としてJRA顕彰馬に選出されています。

 続いてはバローネターフ。
 1977年から79年にかけて、中山大障害を5勝しています。凄い戦績です。
 実は、1975年の中山大障害(秋)において、グランドマーチスと戦っていて、5馬身差の2着となっています。2頭の偉大な障害競走馬が、一緒に走ったことがあったのです。
 
 続いてはカラジ。
 2005年から2007年まで、中山グランドジャンプを3連覇しました。オーストラリア馬ですが、日本で活躍を続けたのです。

 そして、オジョウチョウサンです。
 2016年~17年にかけて、中山グランドジャンプを連覇し、中山大障害にも勝って、JG1を3連勝中です。現代の障害競走界をリードしているのです。
 父ステイゴールド、母シャドウシルエット、母の父シンボリクリスエスという良血。5歳になって本格化し、最盛期を迎えている印象ですから、今後の活躍も大いに期待できます。

 フジノオーやグランドマーチスに並ぶ、あるいは超えて行く可能性も十分でしょう。
 坂を上がってからアルアインが伸びました。
 内一杯を走っていたペルシアンナイトのデムーロ騎手が、残念そうにアルアインを見つめたところがゴールでした。

 勝たれてみれば、前走3月25日の毎日杯G3を快勝しての東上でしたから、皐月賞の優勝争いに向けて、十分な資格を保持していたのですが、9番人気での挑戦となったのです。

 ディープインパクト産駒としては518㎏の大型馬ですが、ゴール前100mの「飛ぶような走り」は正にディープでした。

 それにしても、「大混戦」を象徴するような展開でした。
 向う正面を映したNHK競馬放送の画面は、いつものように「上下2画面」でしたが、上段の遠景画面の「1画面に全ての馬が入って」いました。これほど団子状態のクラシックレースは、滅多に観られないでしょう。

 その団子の中で、アルアインは4~5番手と言う絶好の位置でレースを繰り広げました。
 しかし、3コーナーで一気に後退したのです。

 レース後の松山弘平騎手のインタビューで「3コーナーで手応えが無くなった・・・」とコメントされていましたが、その瞬間でしょう。10番手位まで下がったアルアインは、しかし、直線に入ってから前進を続け、坂では先頭集団の一頭となり、そこから伸びたのです。

 古い話で恐縮ですが、1970年タニノムーティエが勝った皐月賞の2着馬、アローエクスプレスの加賀武見騎手の様な騎乗ぶりに見えました。

 この「後退」は、松山選手の様子からは、意図したものでは無く、単に荒れた馬場に脚を取られたためのようでしたが、この「後退」が勝利の一因となったことは間違いないでしょう。

 坂にかかったところで一度先頭に立ったファンディーナと、そのファンディーナに襲い掛かった人気馬がゴール前で失速するのを尻目に、「脚を溜めた馬達」がゴール前の競り合いを展開したのです。

 馬場の外側を、より状態の良いコースを走ることが出来ていればペルシアンナイトにも勝機が有ったでしょうし、ゴールが50m先であればダンビュライトが突き抜けるシーンが観られたことでしょう。

 ダンビュライトから1・1/4馬身差で4着はクリンチャー。そのクリンチャーから10着のプラチナヴォイスまでの7頭の着差は、クビ・クビ・クビ・アタマ・クビ・アタマでした。4着から10着までの馬達にも、勝つチャンスが有ったレースとも言えそうです。本当に「大接戦」だったのです。
 
 「大混戦」と呼んでいた2017年世代ですが、「多士彩々」と呼び直そうと思います。

 皐月賞2017は、日本ダービーやNHKマイルに向けて、多くの馬にチャンスが有ることを、改めて証明してくれたのでしょう。
 どの馬がどのレースを目指すのか、とても興味深いところです。
 4月16日、中山競馬場芝2000mコースで開催される、第77回皐月賞競走G1の注目馬検討です。

 2016年に比べて「小粒」といわれてきた、2017年の3歳牡馬陣ですが、さすがにクラシックレースを控えて陣容が揃いつつあります。
 一方で、無敗の牝馬ファンディーナが敢然と挑戦してくるところを見れば、「今年の3歳牡馬相手なら勝機あり」と考えていることも明らかでしょう。

 「波乱含みの皐月賞」と言って良いと思います。
 出走18頭のどの馬が勝っても不思議では無いレースでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠5番のレイデオロ。
 今年の3歳牡馬陣は、軸になる馬が不在ということで、重賞レースごとに勝ち馬が変わります。展開や馬場状態によって勝敗が変わるのです。馬同士の「勝負付け」が済んでいない状態と言ってよさそうです。
 そうなると、無敗=底を見せていない馬を選びたくなるのです。
 前走ホープフルステークスG2は快勝でした。3ヵ月半空いたところが心配ごとですが、底を見せていない有力牡馬の力を発揮してほしいところです。

 第二の注目馬は、2枠4番のカデナ。
 前走の弥生賞G2を勝ち切りました。こちらはクラシックロードの王道を歩んできたのです。レース毎に勝ち馬が変わる、今季のクラシックロードの中で、重賞を2勝している点を評価したいと思います。粘り強い走りを見せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、4枠8番のファンディーナ。
 3戦3勝、前走のフラワーカップG3は2着に5馬身差の圧勝でした。中山の重賞を走っているのも強みでしょう。
 もし牝馬が勝利すれば、1948年(昭和23年)のヒデヒカリ以来「69年ぶりの牝馬勝利」となります。凄いことです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 実力接近のレースですから、アメリカズカップ、ウインブライト、スワーヴリチャードも加わっての、ゴール前の競り合いが楽しみです。
 2017年シーズンのクラシックレースが始まります。
 春競馬の本番です。

 今年は桜の開花が例年より相当遅いので、4月9日の第77回レース当日の阪神競馬場は「満開」なのではないでしょうか。
 このところ「葉桜」を見ることが多かったレースですが、今年はその名の通りの「桜花賞」を見ることが出来そうです。

 「桜満開のクラシック」という意味では、1975年カブラヤオーの皐月賞が思い出されます。4月13日に行われたのですが、中山競馬場の桜が本当に満開でした。その満開の桜を背に、カブラヤオーの強烈な逃げが展開されたのです。あの頃は、4月中旬になっても桜が満開と言う年が有ったということでしょう。
 近年は「桜色の無い皐月賞」が多いのですが、2017年は久し振りに桜の花と皐月賞のコラボが観られるかもしれません。

 さて、桜花賞の話に戻りましょう。

 今年の桜花賞最大の見所は、ソウルスターリングの走りです。
 4戦4勝で臨む桜花賞ですが、全勝での桜花賞挑戦ということより、あのフランケル産駒の挑戦の方が、よりインパクトが大きいように感じます。
 世界の競馬史上「最強の中距離馬」とも評されるフランケルの娘が、日本のクラシックでどんな走りを魅せてくれるのでしょうか。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、7枠14番のソウルスターリング。
 圧倒的な一番人気で登場するであろう彼女の走りは、このレースの骨格を成す物でしょう。展開に左右されない実力を発揮してもらいたいと思います。ルメール騎手にとっても、失敗が許されないレースとなります。

 第二の注目馬は、7枠15番のアドマイヤミヤビ。
 デビュー戦こそ2着でしたが、その後は3連勝で駒を進めました。前走クイーンカップG3も制しました。ルメール騎手がソウルスターリングに乗りますので、デムーロ騎手に乗り替わります。G1におけるデムーロ騎手の勝負強さも注目点でしょう。

 第三の注目馬は、4枠8番のカラクレナイ。
 前走フィリーズレビューG2を勝っての桜花賞。このレースで2着となったレーヌミノルと共に大舞台での健闘が期待されます。
デムーロ騎手から田辺騎手への乗り代わりとなります。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 「咲く桜も有れば、散る桜も有る」桜花賞。
 日本競馬史に残る名レースになって欲しいものです。
 4月2日、阪神競馬場芝2000mコースで行われる、第61回大阪杯競走G1の注目馬検討です。

 今年からG1に昇格した大阪杯ですが、例年同様というか例年以上にメンバーが揃いました。

 2016年の年度代表馬キタサンブラック、同日本ダービー馬マカヒキ、同香港ヴァーズG1の勝ち馬サトノクラウンとG1馬というか、近時の日本競馬を代表する古馬が並んでいます。

 人気と実力を兼ね備えたサラブレッド達が、2017年のG1戦線緒戦に挑むのですから、予想は大変難しいものになります。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠7番のサトノクラウン。
 香港ヴァーズを勝って、2月の京都記念G2もマカヒキ、ミッキーロケット以下を寄せ付けませんでした。香港ヴァーズ以降の本格化は目を見張るばかり。キタサンブラックとの力量比較は難しいところですが、順調に使われているところを評価して、第一の注目馬とします。

 第二の注目馬は、4枠5番のキタサンブラック。
 この馬の強さは、その安定感に有ります。通算14戦、1着8回、2着2回、3着3回、4着以下1回。3走目のスプリングステークスからの12走は、全てG2以上のレースであることを勘案すれば、見事な成績でしょう。
 先行できますから、「自力でレースを作れる」ところが最大の強みです。
 大阪杯2017でも「軸」はこの馬だと思います。
 唯一の不安点は「久々」というところ。有馬記念以来のレースで、どこまで地力を発揮できるかがポイントでしょう。

 第三の注目馬は、8枠14番のマカヒキ。
 前走の京都記念は、絶好の展開から伸び切れずの3着でした。一叩きしての変わり身に期待しています。昨年の日本ダービー以来、やや精彩を欠くレースが続いていますが、そろそろ蘇る頃でしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ヤマカツエースやミッキーロケットも目につきますが、少し届かないかなという感じです。

 強豪馬同士のゴール前の競り合いから、眼が離せません。
 2017年、産経大阪杯が大阪杯と名前を変えて、G2からG1に昇格しました。

 例年メンバーが揃うことが多く、最もG1に近いG2とか、G1を超えるG2と言われていましたので、「順当な昇格」と見ても良いのかもしれません。
 また、近年は1600mのマイル戦や1200mの短距離戦はレース体系が整備されてきましたが、所謂「中距離戦」とマイル戦の区別が曖昧な感じもしていましたので、「2000m・中距離戦」というジャンルを確立しようとする意図も有るのかもしれません。

 このレースの第33回、1989年に優勝したのがヤエノムテキです。

 ヤエノムテキはその生涯で良馬場の2000mを4度走り、3勝でした。下記がその3走です。
① 1988年 皐月賞
② 1989年 産経大阪杯
③ 1990年 天皇賞(秋)

 皐月賞と天皇賞(秋)はG1ですし、かつての八大競走でもありますから、その戦績はヤエノムテキのキャリアにおける代表的な勝ち鞍と言えるのでしょう。

 1988年の皐月賞は、1番人気がモガミナイン、2番人気サクラチヨノオー、3番人気トウショウマリオと続き、ヤエノムテキは9番人気でした。この年の日本ダービーを制したサクラチヨノオーをマークしてレースを進めたヤエノムテキは、直線で追い上げてくるディクターランドを3/4馬身抑えて優勝しました。

 1989年の産経大阪杯では、ヤエノムテキは1番人気でレースに臨み、2着のランドヒリュウに3・1/2馬身差を付けて快勝しました。3着はゴールドシチーでした。

 1990年の天皇賞(秋)では、オグリキャップ、オサイチジョージに次ぐ3番人気で臨み、メジロアルダンをアタマ差押さえて優勝しました。1分58秒2というレースレコードでの勝利でした。この頃、「地方競馬から14連勝中」で「中央競馬に移籍して重賞6連勝中」という、最も強かった時期のオグリキャップを抑えての、圧巻の勝利でした。

 ヤエノムテキの重賞勝ちは、前述の3鞍に加えて、京都新聞杯(2200m)、鳴尾記念(2500m)となっています。
 鳴尾記念にも勝っていますから、長距離がダメだったということには成りませんが、やはり2000m前後のレースに強かったことが分かりますし、不思議なことに1600mでは勝っていません(1990年の安田記念2着、マイラーズカップ3着)から、やはり「2000mに強かったサラブレッド」ということになるのでしょう。

 また、その2000mでも重馬場の毎日杯で4着、稍重の1990年産経大阪杯で3着でしたから、良馬場の方が力を発揮できたようです。

 良馬場の2000m戦で唯一敗れたのは1989年の天皇賞(秋)、スーパークリークの4着でした。このレースは、スーパークリーク、オグリキャップ、メジロアルダン、ヤエノムテキと入線し、6着にイナリワンという、当時の中央競馬を代表する好メンバーが揃った、とてもフィールドの高いレースでした。
 前述の安田記念2着も、オグリキャップの2着であり、3着がオサイチジョージでしたから、ヤエノムテキがこの頃の中央競馬を代表するサラブレッドの一頭であったことが良く分かります。

 引退後は種牡馬としても活躍しましたが、血統の流行に乗ることが無かったこともあってか、期待されたほどの成績は残せませんでした。

 2014年3月に死去が報じられました。29歳の大往生でした。

 ヤエノムテキ号、父ヤマニンスキー、母ツルミスター、父の父ニジンスキー、母の父イエローゴッド。通算成績23戦8勝、主な勝ち鞍、皐月賞、天皇賞(秋)。

 生産者の皆さんは「あのニジンスキー」の再来を目指したのかもしれませんが、ヤエノムテキはニジンスキーとは異なるタイプに見えました。
 栗毛の四白・大流星。その四白も白い部分が長めでしたから、遠目には「白いソックス」を履いているように観えました。その為もあって、ヤエノムテキのギャロップはとても目立ちました。

 ヤエノムテキは、500kg近い明るい栗毛の馬体が印象的な優駿だったのです。
 2017年のドバイミーティング(ドバイ・ワールドカップデー)は、3月25日、アラブ首長国連合のドバイ・メイダン競馬場で開催され、ドバイワールドカップ他のレースが行われました。

 今年も日本から多くの馬が、多くのレースに出走しました。
 このところ、世界各国のG1レースにおいて、日本馬の健闘が目立ちますが、2017年のドバイミーティングにおいても、ドバイターフG1(1800m)においてヴィブロスが優勝しました。

 2016年の秋華賞馬であるヴィブロス(4歳牝馬)が、2つ目のG1制覇に輝いたレースでしたが、そのレース内容も強烈でした。

 スタートから馬群の後方・後ろから3番手に控えたヴィブロスでした。4角を回って最後の直線に出た所でも、後方でした。
 ここからヴィブロスの追い上げが始まったのです。

 ぐんぐんと加速し、残り100mでは3番手まで上がりました。
 そしてゴール3~40m手前で、やはり追い上げて先頭に立っていたエシェム(牡4歳、アイルランド)を一気に交わしました。
 素晴らしい末脚でした。

 57㎏と55kgの2㎏の斤量差が有るとはいえ、国際G1レースにおいて、4歳牝馬が4歳牡馬を差し切っての勝利というのは、見事という他はありません。

 近年は、牝馬が牡馬を抑えて、世界的なレースで活躍する傾向が有りますが、ヴィブロスの今後の活躍が、とても期待されます。
 3月26日、中京競馬場芝1200mコースで開催される、第47回高松宮記念競走G1の注目馬検討です。

 春のスプリンター王決定戦です。

 今回は、今後の短距離界を担って行くであろう馬達が揃いました。
 短距離の実績馬、軸となるであろう強豪馬は居ませんから、「混戦」ということになります。勝つチャンスのある馬が数多く居るレースとなっています。

 色々な角度からの検討が可能ですが、今回は今後の短距離界をリードしてもらいたい馬をえらんでいくことにします。

 第一の注目馬は、3枠6番のセイウンコウセイ。
 アドマイアムーン産駒の4歳牡馬。前走シルクロードステークスG3が初重賞で2着という上り馬です。スピードと粘り強い脚質が特徴でしょう。「強い世代」のスプリンター代表に育ってほしいものです。

 第二の注目馬は、7枠13番のソルヴェイグ。
 ダイワメジャー産駒の4歳牝馬。前走シルクロードSG3は6着と精彩を欠きましたが、昨秋のスプリンターズステークスG1では3着と好走しています。1200mのスペシャリストの道を選んだ彼女の活躍が待たれます。

 第三の注目馬は、2枠3番のレッツゴードンキ。
 キングカメハメハ産駒の5歳牝馬。2015年の桜花賞という大勲章を得てから、やや元気の無いレースを続けて来ましたが、2016年末から復活の兆しです。このレースで完全復活と行きたいところでしょう。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 香港帰りのレッドファルクスや外国産馬メラグラーナも加わって、ゴール直前まで競り合いが続くレースになりそうです。
 今年も「弥生賞」が3月5日に迫ってきました。
 
 いつも書くことで恐縮ですが、弥生賞が行われると「春が来た」と感じますし、クラシックロードが本格化するのです。
 1995年から「皐月賞トライアル」の副題が付いたレースですが、1964年(昭和39年、第1回東京オリンピックの年、シンザンが三冠馬となった年)の第1回から、弥生賞は「名馬への登竜門」として、とても華やかな歴史を刻んで来ました。

 弥生賞の優勝馬には、クラシックレース、かつての「八大競走」、現在のG1レースの勝ち馬がズラリと並んでいます。それはもう、眩いばかりです。

 1965年・第2回の優勝馬キーストンは日本ダービー優勝、1967年・第4回のアサデンコウも日本ダービー優勝、1968年・第5回のアサカオーは菊花賞優勝、1969年・第6回のワイルドモアは皐月賞優勝、1970年のタニノムーティエは皐月賞・日本ダービーの2冠、1972年・第9回のロングエースは日本ダービー優勝、1973年・第10回のハイセイコーは皐月賞馬、1975年・第12回のカブラヤオーは皐月賞・日本ダービーの2冠、1976年・第13回のクライムカイザーは日本ダービー馬、1977年・第14回のラッキールーラも日本ダービー馬、1978年・第15回のファンタストは皐月賞馬、1983年・第20回のミスターシービーは三冠馬、1984年・第21回のシンボリルドルフも三冠馬、1987年・第24回のサクラスターオーは皐月賞・菊花賞の2冠馬、1988年・第25回のサクラチヨノオーは日本ダービー馬、と枚挙に暇がないとはこのことでしょう。

 この1964年から1989年までの間は、「弥生賞とクラシックレースの関係がとても強い時期」であったと思います。弥生賞の勝ち馬は、毎年のようにクラシックレース、特に皐月賞と日本ダービーで抜群の強さを魅せていたのです。
 さらに言えば、「皐月賞より日本ダービーに強かった」という印象です。

 後に皐月賞トライアルという名を配するのですから、スケジュール的にも距離面からも、皐月賞との関連が最も強いと見るのが妥当なのでしょうけれども、実際には日本ダービーで、より強さを発揮しているということになります。

 弥生賞は「距離的にも適応力が有る強い馬」が勝つということであり、「名馬への登竜門」という言葉を立証しているように思われます。

 その傾向は、1990年・第27回優勝馬メジロライアンから明確になるのです。メジロライアンは三冠レースでは惜しくも勝ち切れませんでしたが、古馬になって宝使記念に勝ち、種牡馬として大成功したことは、ご承知の通りです。

 そして1993年・第30回のウイニングチケットは日本ダービーに優勝し、1995年・第32回のフジキセキは脚部不安からその後のレースでは走れませんでしたけれども、種牡馬としての活躍が光ります。
 1996年・第33回のダンスインザダークは菊花賞馬、1998年・第35回のスペシャルウィークは日本ダービー、天皇賞(春)(秋)、ジャパンカップに優勝、1999年・第36回のナリタトップロードは菊花賞馬、2001年・第38回のアグネスタキオンは僅か4走で引退を余儀なくされましたが、種牡馬としてリーディングサイアーに輝いています。そして2005年・第42回のディープインパクトは三冠馬となっているのです。

 特筆すべきは、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ディープインパクトの3頭の三冠馬が、いずれも弥生賞優勝馬であることでしょう。
 弥生賞の位置付けが良く分かる事実だと思います。

 ディープインパクトの優勝以降も、弥生賞優勝馬の活躍は続いています。

 2006年・第43回のアドマイアムーンは、ドバイDF、宝塚記念、ジャパンカップに優勝、2009年・第46回のロジユニバースは日本ダービー馬、2010年のビクトワールピサは皐月賞、有馬記念、ドバイWCに優勝(日本馬としての初優勝)、2011年・第47回のサダムパテックはマイルチャンピオンシップに優勝、2015年・第52回のサトノクラウンは香港バーズ、2016年・第53回のマカヒキは日本ダービーに優勝しています。

 こうして見ると、弥生賞馬は海外G1レースにも強いことが分かります。

 また、少し不思議なことですが、弥生賞優勝馬は「全て牡馬」です。牝馬が出走可能な重賞競走で、「53回の競走で全て牡馬が優勝しているレース」は、他には無いかもしれません。

 2歳時の朝日杯FSを経て、様々な2歳馬同士・3歳馬同士のクラシック前哨戦を戦いながら、次第に馬体を充実させ、概ねその馬の才能が見えてきた時期に弥生賞が開催されているのでしょう。

 弥生賞は「時代を駆ける能力」を証明するレースの様に見えます。
 2月19日、東京競馬場ダート1600mコースで開催される、第34回フェブラリーステークスG1の注目馬検討です。

 2017年のG1レース緒戦です。

 今年のG1を占う1戦ですが、まさに「大混戦」という様相です。
 世代交代が進んでいるダート界ですが、「覇者」と呼べる馬が出現しておらず、重賞レース毎に勝ち馬が異なる時期が続いているのです。
 そこに平場の有力馬デニムアンドルビーが参戦して来ましたから、混戦の度合いは一層深まりました。

 さて、注目馬の検討です。

 第一の注目馬は、1枠1番のサウンドトゥルー。
 G1チャンピオンズステークス2016の勝ち馬であり、このところG1を4戦して全て3着以内という安定感が光ります。東京コースは久し振りですが、力の要る馬場で実力を発揮してくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠10番のカフジテイク。
 前走の根岸ステークスG3の勝ち馬です。今最も調子が良い馬でしょう。このレースも勝つようなら、今後のダート界の中心馬になってくれるかもしれません。

 第三の注目馬は、4枠8番のデニムアンドルビー。
 2013年のジャパンカップでジェンティルドンナの2着、2015年の宝塚記念でラブリーデイの2着と、なかなか優勝は出来ないものの、平場G1で牡馬を相手に互角の戦いを演じて来た彼女も、7歳になってダートに挑戦することとなりました。
 ダートへの適性は未知数ですけれども、ここはひとつ応援してみようと思います。

 今回は、以上の3頭に注目したいと思います。

 G1を8勝している大豪コパノリッキーに、かつての力強さが感じられなくなっている現在、今後のダート界を占うレースとなります。最若手の4歳馬2頭の活躍にも期待したいところです。
 勝ったのはサトノダイヤモンドでした。

 最後の直線、坂を上がってからの追い上げで、ゴール板ではキタサンブラックを首差差し切っていました。有馬記念史上に刻まれる、凄まじい競り合いでした。
 とてもレベルが高いと言われる牡馬2016年世代の力を証明したレースでもあったと感じます。

 一方で、キタサンブラックの直線での粘り強い走り、差し返す迫力も「見事」なものであったと思います。

 4角をキタサンが先頭で回ることは予想通り、ゴールドアクターが追いすがるのも昨年のレースを思わせる展開、そしてサトノダイヤモンドが襲い掛かるのも戦前から言われていたことでした。

 そして、サトノダイヤモンドが2頭の古馬を抜き去り勝利するであろうと思っていました。

 ところが、ことはそう簡単には進まず、坂に差し掛かったところからキタサンブラックが「二の脚」を使いました。
 この二の脚は、普通の逃げ馬の二の脚とは桁が違うものでした。
 ゴールドアクターは一杯となり、サトノダイヤモンドも離されかけたのです。

 残り100mでは、サトノダイヤモンドは追いつけないように見えました。

 この後の展開は、頭書の通りです。

 「敗れて尚強し」という言葉がありますが、有馬記念2016のキタサンブラックは正にその言葉通りでしょう。
 「完成されたサラブレッド」という印象です。

 2016年の年度代表馬を決める手続きは、これから行われるのでしょうが、有馬記念2016に敗れたとはいっても、「強さ」という物差しで測れば、ジャパンカップ2016の勝ちっぷりと有馬記念2016の二の脚は、年度代表馬2016に相応しいものであったと思います。

 キタサンブラックは、本当に強いサラブレッドに成ったのです。
 さて、1年収めの有馬記念です。

 12月25日クリスマス、中山競馬場芝2500mコースで開催される、第61回グランプリ有馬記念競走G1の注目馬検討です。

 2016年の競馬を締めくくる大レース、16頭が出走して来ました。
 ひと目見て「良いメンバーが揃った」という印象です。日本ダービー2016の勝ち馬マカヒキが居ないことが、少し残念というところでしょうか。

 キタサンブラックは「再び1枠1番」を引きました。逃げ馬であるキタサンにとっては「絶好」でしょう。
 一方でマリアライトは16番の大外です。強豪牝馬と言っても、これだけのメンバーを相手にしての「大外」は苦しいという感じがします。
 
 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、6枠11番のサトノダイヤモンド。
 菊花賞での強さは見事なものでした。素質馬が本格化した印象です。好位を維持できる脚質も軸馬の条件でしょう。
 このところの「サトノ」の馬の勢いもプラスになると思います。

 第二の注目馬は、1枠1番のキタサンブラック。
 ジャパンカップ→有馬記念の連覇は、本当に難しいところで、まさに「ザ古馬」にしか出来ないものだと思いますが、1枠1番を引いた運を見ても、可能性は十分に有ります。
 マークされることから勝ち切るのは容易なことでは無いと思いますが、武豊騎手の手綱さばきに期待がかかります。

 第三の注目馬は、3枠6番のサウンズオブアース。
 いまだ重賞勝ち無しの2勝馬ですが、G1レースにおける実績は素晴らしいものです。有馬記念2015での2着、ジャパンカップ2016でも2着とあと一歩に迫っているのです。
 そろそろこの馬がG1に勝っても、何の不思議も無いでしょう。

 いつの時代も、有馬記念は「好きな馬を買うレース」です。

 そして、ワクワクしながらテレビに見入るのです。
 12月18日、阪神競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第68回朝日杯フューチュリティステークスG1の注目馬検討です。

 今年も「2歳王者」の栄冠を目指して、18頭が出走して来ました。

 もともと牡馬限定レースでは無いものの、大抵は牡馬同士の戦いとなることが多いレースですが、今年は牝馬のミスエルテが挑戦し、有力馬の一頭と目されているところに特徴が有ります。

 今年の2歳牡馬陣は「小粒」という印象です。

 昨年と比較すると、その差は歴然でしょう。
 サトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティの、後に3強と呼ばれることになる3頭に加えて、エアスピネルやリオンディーズが居た2015年の2歳牡馬陣は、豪華絢爛でした。
 私はこの5頭を「5強」と呼んでいましたが、いずれも例年であれば十分にクラシックレースの複数制覇が狙える5頭でした。
 変な言い方で恐縮ですが、エアスピネルが2016年の2歳馬であれば、「三冠馬の有力候補」だったのではないかとさえ思います。

 1年の違いで、これ程の差が有るものなのかとも感じます。
 もちろん、今後2017年世代を代表する強い牡馬が登場して来るのでしょうが・・・。

 こうした状況ですから、牝馬のミスエルテ陣営が阪神JFではなくて朝日杯FSでも勝てると考えたのも無理も無いところかもしれません。
 阪神JF2016に優勝したソウルスターリングと同じフランケル産駒であるミスエルテに、期待がかかるという形となっているのです。

 とはいえ、牝馬が牡馬に勝つというのは「難事」であることも間違いないところでしょう。
 2戦2勝のミスエルテといっても、この2戦はいずれも「牝馬限定レース」でのものですから、牡馬との力の比較の材料とはなりません。
 また、前走G3ファンタジーステークスの走りは、そのギャロップがまだまだ本格化には至っていない、前駆と後躯の開きが不十分に見えますから、発展途上にあると感じます。

 小粒な牡馬陣と発展途上の有力牝馬となれば、結果としてこのレースの予想は大変難しいということなのでしょう。

 そこで本ブログでは、このレースは「期待の種牡馬の産駒」に注目することとしました。

 第一の注目馬は、1枠2番のアシャカリアン。
 サマーバードの産駒です。サマーバードはアメリカ馬で、通算9戦4勝、アメリカ三冠レースの一角ベルモントステークスを始めとしてG1を3勝しています。2000mから2400mのG1を勝っていますので、中長距離に強い馬でした。
 この実績馬を、日本軽種牡馬協会が購入して種牡馬として供用した経緯。
 ミスタープロスペクター系という、現在世界で最も成功している血統のひとつですので、我が国でも活躍が期待されるところです。
 実はサマーバードは2013年12月に7歳で死去しています。
 その血統を受け継ぐものとしてのアシャカリアンに期待したいのです。

 第二の注目馬は、4枠8番のダンビュライト。
 ルーラーシップの産駒です。ご存じのように、ルーラーシップは日本ではAJC杯や鳴尾記念といったG2レースに勝っていて、香港のクイーンエリザベス2世杯G1も勝っています。
 我が国ではG1に手が届かなかったのですが、その粘り強さ・安定感は高く評価されていました。特に、ラスト4走、2012年の宝塚記念2着、天皇賞(秋)3着、ジャパンカップ3着、有馬記念3着は、まさしくG1レースの常連と呼ぶに相応しいものでした。
 キングカメハメハ×エアグルーブの良血を受け継いで行ってほしいものです。

 第三の注目馬は、5枠10番のモンドキャンノ。
 キンシャサノキセキの産駒。キンシャサノキセキは2010年・2011年の高松宮記念の勝ち馬です。母親のレイズアンドコールもサクラバクシンオーということですから、生粋のスプリンターという感じですが、前走G2京王杯2歳ステークスでは距離が伸びても戦えそうな脚を披露しました。
 フジキセキの血統を継ぐキンシャサノキセキの代表産駒になって欲しいものです。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 新しい、あるいはこれまであまり活躍を見せていなかった種牡馬の産駒に期待したいレースです。
 12月11日、阪神競馬場1600m芝外回りコースで行われる、第68回阪神ジュベナイルフィリーズ競走G1の注目馬検討です。

 今年も「最強2歳牝馬」の栄冠を目指して18頭が出走して来ました。

 この時期の牝馬は、レース毎に調子の波が大きい上に、レース経験が浅く地力の比較も難しいことから、いつも予想が難しいレースですが、今年はここまで行われた重賞・特別レース等で圧倒的な強さを見せて勝った馬が居ませんので、一層「混戦」という感じがします。
 2015年のメジャーエンブレムのような存在が、今のところ無いのです。

 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、1枠2番のソウルスターリング。
 2戦2勝馬です。何と言っても、あのフランケルの産駒であることが、この馬最大の売り?でしょう。常に圧勝していた印象が有り、14戦14勝というパーフェクトな競走成績を残して、「21世紀最強の中距離馬」の名を欲しい儘にしてきたフランケルの産駒なのです。

 ソウルスターリング自身は、デビュー戦がクビ差、第2戦のアイビーステークスが1・3/4馬身差と、お父さんに比べると着差が小さい印象ですが、実はフランケルも圧倒的なスピードを保持して大差で勝つ一方で、競り合いにも滅法強かったのです。レースの前半で飛ばし過ぎて、よれよれになりながらも先頭を譲らなかったレースが印象的です。そうでなければ、14戦14勝・G1レースを10勝(内9勝は連勝)などという凄まじい成績は残せません。
 
 「混戦」なればこそ、ここはフランケルの力に期待したいと思います。
 ソウルスターリングは、来週の朝日杯FSに出走するであろうミスエルテとともに、我が国における最初の「フランケルの風」を魅せてくれるかもしれません。

 第二の注目馬は、6枠11番のジューヌエコール。
 3戦3勝馬。前走G2デイリー杯2歳ステークスでは接戦を制しました。2歳のこの時期と言っても、牡馬を相手に競り勝った力は高く評価したいと思います。
 クロフネ×アグネスタキオンの血統にも注目でしょう。

 第三の注目馬は、6枠12番のアリンナ。
 前走の秋明菊賞を逃げ切りました。京都の直線で一度後続馬を引き離し、ゴール前は手綱を締めた感じですから、とても良いレース内容であったと感じます。マツリダゴッホ×グラスワンダーという血統にも、「一発屋」の気配が漂いますから、圧勝するとすればこの馬なのかもしれません。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 なにしろ「混戦」ですから、ゴール前の激しい競り合いが見物です。
 12月4日、中京競馬場ダート1800mコースで開催される、第17回チャンピオンズカップ競走G1の注目馬検討です。

 「ダート王者」を目指して15頭が出走して来ました。
 
 このレースを検討する際にいつも思うのは、「中京のダートコース」の難しさです。芝のコースでも、各競馬場により違いが有るのでしょうが、ダートとなるとその違いはより大きいように感じます。
 中京コースは、当初の「砂馬場」の伝統?を受け継いでいて、一層柔らかい、踏ん張りが効かないコースの様に感じています。
 従って、他の競馬場のダートコースで好成績を挙げていても、中京となると力を発揮できない馬が居るように思うのです。

 今回は「中京のダートに強いであろう馬」を選んでみたいと思います。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠4番のアスカノロマン。
 前走みやこSは14着と大敗しましたが、今年1月のG2東海Sでは好走して優勝しています。「良馬場」でも好成績を残していますので、柔らかい馬場にも強そうです。大駆けに期待しています。

 第二の注目馬は、5枠8番のサウンドトゥルー。
 昨年のこのレースの3着馬です。このところG1レースで惜敗を続けて居ますが安定した成績を残しています。今回も、勝ち負けのレースを魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、2枠2番のアウォーディー。
 6連勝中で、前走川崎のJBCクラシックで初めてG1に勝ちました。連勝しているとはいえ「上り馬」と見てもよさそうです。中京コースはあまり得意では無さそうですが、「連勝の勢い」に期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 G1を8勝している大豪コパノリッキーやアメリカ三冠レースに挑戦したラニなど、他にも期待がかかる馬達が居ますが、ここは中京のダートコースとの相性を考えて、今回は外しました。

 どの馬にとっても、4角を何番手で回って来るかがポイントになるのでしょう。
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カエサルjr

Author:カエサルjr
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