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 天皇賞(春)は、我が国における3000m以上のレースの中で、菊花賞と共にG1に格付けされています。
 菊花賞が3歳限定なのに対して、天皇賞(春)は4歳以上のレースとなっていますから、「古馬最高の栄誉」と評されているのです。我が国の近代競馬が始まった時から、「古馬最高の栄誉」は不変の価値でしょう。

 一方で、20世紀終盤から「長距離競馬の地盤沈下」が叫ばれて久しく、世界の、そして日本の競馬の主流は、マイル戦から2000m辺りまでの距離のレースとなりました。

 2400mで行われることが多い、各国の「ダービー競走」でさえ、「長い」と言われるようになったのです。

 確かに、競馬レースの距離区分法として、世界的に定着している「SMILE区分」では

・S(sprint) 短距離 1000m~1300m
・M(mile) マイル 1301m~1899m
・I(intermediate) 中距離 1900m~2100m
・L(long) 長距離 2101m~2700m
・E(extended) 超長距離 2701m以上

 と規定されていますから、2400mのダービーは長距離競走であり、3200mの天皇賞(春)は超長距離のレースとなるのです。

 ところで、近代競馬発祥の地イギリスには「カップ三冠」と呼ばれる超長距離レースの体系が存在します。

① ゴールドカップ(アスコット・ゴールドカップ)G1 20ハロン(約4023m)
② グッドウッドカップG1 16ハロン(約3218m)
③ ドンカスターカップG2 18ハロン(約3621m)

 この3レースを全て勝利すれば「カップ三冠馬」となるのです。
 過去に、6頭の馬が三冠を達成しているそうです。

 ドンカスターカップは1766年に始まっています。18世紀半ば、今から250年以上前という、とても長い歴史を誇るレースであり、最古のクラシックレース(面白い言葉ですが)であるセントレジャー競走より10年も早く始まっているのです。
 現在も続いているレースとしては「世界最古のレース」と言われています。

 ゴールドカップは1807年に開始されました。19世紀初頭ですから、こちらも長い歴史を誇ります。
 また、競馬が盛んな国における、世界で最も長い距離のG1レースでもあります。(フランスのガトラン賞→凱旋門賞当日に実施、が4000mで続きます)
 現在では、イギリス王室が主催する世界屈指の競馬の祭典「ロイヤルアスコット」のメインレースのひとつとなっていますので、アスコット・ゴールドカップと呼ばれることも多いレースです。

 グッドウッドカップは1812年開始と、3つのレースの中では最も新しいレースですが、それでも200年以上前のスタートです。イギリス競馬の歴史と伝統を感じます。6頭の「カップ三冠馬」は、200年の歴史の上で登場していることになりますから、約30年強に1頭が達成するということになるのでしょうか。
 当初は24ハロン(約4827m)であったと伝えられていて、1911年に現在の距離となりました。このレースにさえ距離短縮の歴史があるのです。

 長距離レースの凋落に伴い、「カップ三冠」レースの位置付けは、20世紀初頭(100年前!)
とは比べ物にならない程、下がったと言われています。
 これらのレースが、セントサイモン号(1884年のゴールドカップ優勝馬)やキンツェム号(1878年のグッドウッドカップ優勝馬)といった「歴史上の名馬」の活躍の場であったことを考え合わせると、少し寂しい感じがします。

 しかし一方で、近年「カップ三冠」レースの格付が上がっているのも事実です。

 グッドウッドカップは、当初G3だったものが、1995年にG2、2017年にG1となりましたし、ドンカスターカップは当初G3でしたが、2003年にG2となりました。

 超長距離レースの格付が見直されつつあるのです。
 
 このことが「長距離血統」の維持・拡大に結びついてくれれば、本当に良いのですが・・・。
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 4月15日に開催された、第19回中山グランドジャンプJG1はオジョウチョウサンが優勝し、中山大障害と合わせて、JG1レース3連勝を成し遂げました。
 最後の障害を飛び終えて、直線に向かってからのスピードが他の追随を許さないレベルですので、現在の障害レース界を牽引する存在であることを、再び証明しました。

 障害レース界には、皆さんもご存じの通り、時折「圧倒的に強い馬」が登場します。
 (1998年までは、中山大障害が春と秋の年2回開催されていましたが、1999年から春の競走が中山グランドジャンプに変わりました。中山大障害と中山グランドジャンプが、我が国の障害レースを代表する競走なのです)

 まずはフジノオーでしょう。
 1963年の中山大障害(秋)に勝ってから、1964年(第一回東京オリンピックの年・昭和39年・シンザンが三冠を達成した年)の春・秋の中山大障害に勝ち、1965年の春の大障害まで、中山大障害4連覇を成し遂げました。
 この後、世界最大の障害レース、イギリスのグランドナショナル競走にも挑戦しました。
 平場も含めて、世界競馬に名乗り出た、最初の日本馬であろうと思います。

 続いてはグランドマーチス。
 1974年・75年の中山大障害(春)・(秋)を4連覇しました。通算賞金額が大きくなり、京都大障害などのレースでは66kgや68kgといった「酷量」を背負って勝ち続けた、本当に強い馬でした。障害競走馬としてJRA顕彰馬に選出されています。

 続いてはバローネターフ。
 1977年から79年にかけて、中山大障害を5勝しています。凄い戦績です。
 実は、1975年の中山大障害(秋)において、グランドマーチスと戦っていて、5馬身差の2着となっています。2頭の偉大な障害競走馬が、一緒に走ったことがあったのです。
 
 続いてはカラジ。
 2005年から2007年まで、中山グランドジャンプを3連覇しました。オーストラリア馬ですが、日本で活躍を続けたのです。

 そして、オジョウチョウサンです。
 2016年~17年にかけて、中山グランドジャンプを連覇し、中山大障害にも勝って、JG1を3連勝中です。現代の障害競走界をリードしているのです。
 父ステイゴールド、母シャドウシルエット、母の父シンボリクリスエスという良血。5歳になって本格化し、最盛期を迎えている印象ですから、今後の活躍も大いに期待できます。

 フジノオーやグランドマーチスに並ぶ、あるいは超えて行く可能性も十分でしょう。
 坂を上がってからアルアインが伸びました。
 内一杯を走っていたペルシアンナイトのデムーロ騎手が、残念そうにアルアインを見つめたところがゴールでした。

 勝たれてみれば、前走3月25日の毎日杯G3を快勝しての東上でしたから、皐月賞の優勝争いに向けて、十分な資格を保持していたのですが、9番人気での挑戦となったのです。

 ディープインパクト産駒としては518㎏の大型馬ですが、ゴール前100mの「飛ぶような走り」は正にディープでした。

 それにしても、「大混戦」を象徴するような展開でした。
 向う正面を映したNHK競馬放送の画面は、いつものように「上下2画面」でしたが、上段の遠景画面の「1画面に全ての馬が入って」いました。これほど団子状態のクラシックレースは、滅多に観られないでしょう。

 その団子の中で、アルアインは4~5番手と言う絶好の位置でレースを繰り広げました。
 しかし、3コーナーで一気に後退したのです。

 レース後の松山弘平騎手のインタビューで「3コーナーで手応えが無くなった・・・」とコメントされていましたが、その瞬間でしょう。10番手位まで下がったアルアインは、しかし、直線に入ってから前進を続け、坂では先頭集団の一頭となり、そこから伸びたのです。

 古い話で恐縮ですが、1970年タニノムーティエが勝った皐月賞の2着馬、アローエクスプレスの加賀武見騎手の様な騎乗ぶりに見えました。

 この「後退」は、松山選手の様子からは、意図したものでは無く、単に荒れた馬場に脚を取られたためのようでしたが、この「後退」が勝利の一因となったことは間違いないでしょう。

 坂にかかったところで一度先頭に立ったファンディーナと、そのファンディーナに襲い掛かった人気馬がゴール前で失速するのを尻目に、「脚を溜めた馬達」がゴール前の競り合いを展開したのです。

 馬場の外側を、より状態の良いコースを走ることが出来ていればペルシアンナイトにも勝機が有ったでしょうし、ゴールが50m先であればダンビュライトが突き抜けるシーンが観られたことでしょう。

 ダンビュライトから1・1/4馬身差で4着はクリンチャー。そのクリンチャーから10着のプラチナヴォイスまでの7頭の着差は、クビ・クビ・クビ・アタマ・クビ・アタマでした。4着から10着までの馬達にも、勝つチャンスが有ったレースとも言えそうです。本当に「大接戦」だったのです。
 
 「大混戦」と呼んでいた2017年世代ですが、「多士彩々」と呼び直そうと思います。

 皐月賞2017は、日本ダービーやNHKマイルに向けて、多くの馬にチャンスが有ることを、改めて証明してくれたのでしょう。
 どの馬がどのレースを目指すのか、とても興味深いところです。
 4月16日、中山競馬場芝2000mコースで開催される、第77回皐月賞競走G1の注目馬検討です。

 2016年に比べて「小粒」といわれてきた、2017年の3歳牡馬陣ですが、さすがにクラシックレースを控えて陣容が揃いつつあります。
 一方で、無敗の牝馬ファンディーナが敢然と挑戦してくるところを見れば、「今年の3歳牡馬相手なら勝機あり」と考えていることも明らかでしょう。

 「波乱含みの皐月賞」と言って良いと思います。
 出走18頭のどの馬が勝っても不思議では無いレースでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠5番のレイデオロ。
 今年の3歳牡馬陣は、軸になる馬が不在ということで、重賞レースごとに勝ち馬が変わります。展開や馬場状態によって勝敗が変わるのです。馬同士の「勝負付け」が済んでいない状態と言ってよさそうです。
 そうなると、無敗=底を見せていない馬を選びたくなるのです。
 前走ホープフルステークスG2は快勝でした。3ヵ月半空いたところが心配ごとですが、底を見せていない有力牡馬の力を発揮してほしいところです。

 第二の注目馬は、2枠4番のカデナ。
 前走の弥生賞G2を勝ち切りました。こちらはクラシックロードの王道を歩んできたのです。レース毎に勝ち馬が変わる、今季のクラシックロードの中で、重賞を2勝している点を評価したいと思います。粘り強い走りを見せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、4枠8番のファンディーナ。
 3戦3勝、前走のフラワーカップG3は2着に5馬身差の圧勝でした。中山の重賞を走っているのも強みでしょう。
 もし牝馬が勝利すれば、1948年(昭和23年)のヒデヒカリ以来「69年ぶりの牝馬勝利」となります。凄いことです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 実力接近のレースですから、アメリカズカップ、ウインブライト、スワーヴリチャードも加わっての、ゴール前の競り合いが楽しみです。
 2017年シーズンのクラシックレースが始まります。
 春競馬の本番です。

 今年は桜の開花が例年より相当遅いので、4月9日の第77回レース当日の阪神競馬場は「満開」なのではないでしょうか。
 このところ「葉桜」を見ることが多かったレースですが、今年はその名の通りの「桜花賞」を見ることが出来そうです。

 「桜満開のクラシック」という意味では、1975年カブラヤオーの皐月賞が思い出されます。4月13日に行われたのですが、中山競馬場の桜が本当に満開でした。その満開の桜を背に、カブラヤオーの強烈な逃げが展開されたのです。あの頃は、4月中旬になっても桜が満開と言う年が有ったということでしょう。
 近年は「桜色の無い皐月賞」が多いのですが、2017年は久し振りに桜の花と皐月賞のコラボが観られるかもしれません。

 さて、桜花賞の話に戻りましょう。

 今年の桜花賞最大の見所は、ソウルスターリングの走りです。
 4戦4勝で臨む桜花賞ですが、全勝での桜花賞挑戦ということより、あのフランケル産駒の挑戦の方が、よりインパクトが大きいように感じます。
 世界の競馬史上「最強の中距離馬」とも評されるフランケルの娘が、日本のクラシックでどんな走りを魅せてくれるのでしょうか。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、7枠14番のソウルスターリング。
 圧倒的な一番人気で登場するであろう彼女の走りは、このレースの骨格を成す物でしょう。展開に左右されない実力を発揮してもらいたいと思います。ルメール騎手にとっても、失敗が許されないレースとなります。

 第二の注目馬は、7枠15番のアドマイヤミヤビ。
 デビュー戦こそ2着でしたが、その後は3連勝で駒を進めました。前走クイーンカップG3も制しました。ルメール騎手がソウルスターリングに乗りますので、デムーロ騎手に乗り替わります。G1におけるデムーロ騎手の勝負強さも注目点でしょう。

 第三の注目馬は、4枠8番のカラクレナイ。
 前走フィリーズレビューG2を勝っての桜花賞。このレースで2着となったレーヌミノルと共に大舞台での健闘が期待されます。
デムーロ騎手から田辺騎手への乗り代わりとなります。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 「咲く桜も有れば、散る桜も有る」桜花賞。
 日本競馬史に残る名レースになって欲しいものです。
 4月2日、阪神競馬場芝2000mコースで行われる、第61回大阪杯競走G1の注目馬検討です。

 今年からG1に昇格した大阪杯ですが、例年同様というか例年以上にメンバーが揃いました。

 2016年の年度代表馬キタサンブラック、同日本ダービー馬マカヒキ、同香港ヴァーズG1の勝ち馬サトノクラウンとG1馬というか、近時の日本競馬を代表する古馬が並んでいます。

 人気と実力を兼ね備えたサラブレッド達が、2017年のG1戦線緒戦に挑むのですから、予想は大変難しいものになります。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠7番のサトノクラウン。
 香港ヴァーズを勝って、2月の京都記念G2もマカヒキ、ミッキーロケット以下を寄せ付けませんでした。香港ヴァーズ以降の本格化は目を見張るばかり。キタサンブラックとの力量比較は難しいところですが、順調に使われているところを評価して、第一の注目馬とします。

 第二の注目馬は、4枠5番のキタサンブラック。
 この馬の強さは、その安定感に有ります。通算14戦、1着8回、2着2回、3着3回、4着以下1回。3走目のスプリングステークスからの12走は、全てG2以上のレースであることを勘案すれば、見事な成績でしょう。
 先行できますから、「自力でレースを作れる」ところが最大の強みです。
 大阪杯2017でも「軸」はこの馬だと思います。
 唯一の不安点は「久々」というところ。有馬記念以来のレースで、どこまで地力を発揮できるかがポイントでしょう。

 第三の注目馬は、8枠14番のマカヒキ。
 前走の京都記念は、絶好の展開から伸び切れずの3着でした。一叩きしての変わり身に期待しています。昨年の日本ダービー以来、やや精彩を欠くレースが続いていますが、そろそろ蘇る頃でしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ヤマカツエースやミッキーロケットも目につきますが、少し届かないかなという感じです。

 強豪馬同士のゴール前の競り合いから、眼が離せません。
 2017年、産経大阪杯が大阪杯と名前を変えて、G2からG1に昇格しました。

 例年メンバーが揃うことが多く、最もG1に近いG2とか、G1を超えるG2と言われていましたので、「順当な昇格」と見ても良いのかもしれません。
 また、近年は1600mのマイル戦や1200mの短距離戦はレース体系が整備されてきましたが、所謂「中距離戦」とマイル戦の区別が曖昧な感じもしていましたので、「2000m・中距離戦」というジャンルを確立しようとする意図も有るのかもしれません。

 このレースの第33回、1989年に優勝したのがヤエノムテキです。

 ヤエノムテキはその生涯で良馬場の2000mを4度走り、3勝でした。下記がその3走です。
① 1988年 皐月賞
② 1989年 産経大阪杯
③ 1990年 天皇賞(秋)

 皐月賞と天皇賞(秋)はG1ですし、かつての八大競走でもありますから、その戦績はヤエノムテキのキャリアにおける代表的な勝ち鞍と言えるのでしょう。

 1988年の皐月賞は、1番人気がモガミナイン、2番人気サクラチヨノオー、3番人気トウショウマリオと続き、ヤエノムテキは9番人気でした。この年の日本ダービーを制したサクラチヨノオーをマークしてレースを進めたヤエノムテキは、直線で追い上げてくるディクターランドを3/4馬身抑えて優勝しました。

 1989年の産経大阪杯では、ヤエノムテキは1番人気でレースに臨み、2着のランドヒリュウに3・1/2馬身差を付けて快勝しました。3着はゴールドシチーでした。

 1990年の天皇賞(秋)では、オグリキャップ、オサイチジョージに次ぐ3番人気で臨み、メジロアルダンをアタマ差押さえて優勝しました。1分58秒2というレースレコードでの勝利でした。この頃、「地方競馬から14連勝中」で「中央競馬に移籍して重賞6連勝中」という、最も強かった時期のオグリキャップを抑えての、圧巻の勝利でした。

 ヤエノムテキの重賞勝ちは、前述の3鞍に加えて、京都新聞杯(2200m)、鳴尾記念(2500m)となっています。
 鳴尾記念にも勝っていますから、長距離がダメだったということには成りませんが、やはり2000m前後のレースに強かったことが分かりますし、不思議なことに1600mでは勝っていません(1990年の安田記念2着、マイラーズカップ3着)から、やはり「2000mに強かったサラブレッド」ということになるのでしょう。

 また、その2000mでも重馬場の毎日杯で4着、稍重の1990年産経大阪杯で3着でしたから、良馬場の方が力を発揮できたようです。

 良馬場の2000m戦で唯一敗れたのは1989年の天皇賞(秋)、スーパークリークの4着でした。このレースは、スーパークリーク、オグリキャップ、メジロアルダン、ヤエノムテキと入線し、6着にイナリワンという、当時の中央競馬を代表する好メンバーが揃った、とてもフィールドの高いレースでした。
 前述の安田記念2着も、オグリキャップの2着であり、3着がオサイチジョージでしたから、ヤエノムテキがこの頃の中央競馬を代表するサラブレッドの一頭であったことが良く分かります。

 引退後は種牡馬としても活躍しましたが、血統の流行に乗ることが無かったこともあってか、期待されたほどの成績は残せませんでした。

 2014年3月に死去が報じられました。29歳の大往生でした。

 ヤエノムテキ号、父ヤマニンスキー、母ツルミスター、父の父ニジンスキー、母の父イエローゴッド。通算成績23戦8勝、主な勝ち鞍、皐月賞、天皇賞(秋)。

 生産者の皆さんは「あのニジンスキー」の再来を目指したのかもしれませんが、ヤエノムテキはニジンスキーとは異なるタイプに見えました。
 栗毛の四白・大流星。その四白も白い部分が長めでしたから、遠目には「白いソックス」を履いているように観えました。その為もあって、ヤエノムテキのギャロップはとても目立ちました。

 ヤエノムテキは、500kg近い明るい栗毛の馬体が印象的な優駿だったのです。
 2017年のドバイミーティング(ドバイ・ワールドカップデー)は、3月25日、アラブ首長国連合のドバイ・メイダン競馬場で開催され、ドバイワールドカップ他のレースが行われました。

 今年も日本から多くの馬が、多くのレースに出走しました。
 このところ、世界各国のG1レースにおいて、日本馬の健闘が目立ちますが、2017年のドバイミーティングにおいても、ドバイターフG1(1800m)においてヴィブロスが優勝しました。

 2016年の秋華賞馬であるヴィブロス(4歳牝馬)が、2つ目のG1制覇に輝いたレースでしたが、そのレース内容も強烈でした。

 スタートから馬群の後方・後ろから3番手に控えたヴィブロスでした。4角を回って最後の直線に出た所でも、後方でした。
 ここからヴィブロスの追い上げが始まったのです。

 ぐんぐんと加速し、残り100mでは3番手まで上がりました。
 そしてゴール3~40m手前で、やはり追い上げて先頭に立っていたエシェム(牡4歳、アイルランド)を一気に交わしました。
 素晴らしい末脚でした。

 57㎏と55kgの2㎏の斤量差が有るとはいえ、国際G1レースにおいて、4歳牝馬が4歳牡馬を差し切っての勝利というのは、見事という他はありません。

 近年は、牝馬が牡馬を抑えて、世界的なレースで活躍する傾向が有りますが、ヴィブロスの今後の活躍が、とても期待されます。
 3月26日、中京競馬場芝1200mコースで開催される、第47回高松宮記念競走G1の注目馬検討です。

 春のスプリンター王決定戦です。

 今回は、今後の短距離界を担って行くであろう馬達が揃いました。
 短距離の実績馬、軸となるであろう強豪馬は居ませんから、「混戦」ということになります。勝つチャンスのある馬が数多く居るレースとなっています。

 色々な角度からの検討が可能ですが、今回は今後の短距離界をリードしてもらいたい馬をえらんでいくことにします。

 第一の注目馬は、3枠6番のセイウンコウセイ。
 アドマイアムーン産駒の4歳牡馬。前走シルクロードステークスG3が初重賞で2着という上り馬です。スピードと粘り強い脚質が特徴でしょう。「強い世代」のスプリンター代表に育ってほしいものです。

 第二の注目馬は、7枠13番のソルヴェイグ。
 ダイワメジャー産駒の4歳牝馬。前走シルクロードSG3は6着と精彩を欠きましたが、昨秋のスプリンターズステークスG1では3着と好走しています。1200mのスペシャリストの道を選んだ彼女の活躍が待たれます。

 第三の注目馬は、2枠3番のレッツゴードンキ。
 キングカメハメハ産駒の5歳牝馬。2015年の桜花賞という大勲章を得てから、やや元気の無いレースを続けて来ましたが、2016年末から復活の兆しです。このレースで完全復活と行きたいところでしょう。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 香港帰りのレッドファルクスや外国産馬メラグラーナも加わって、ゴール直前まで競り合いが続くレースになりそうです。
 今年も「弥生賞」が3月5日に迫ってきました。
 
 いつも書くことで恐縮ですが、弥生賞が行われると「春が来た」と感じますし、クラシックロードが本格化するのです。
 1995年から「皐月賞トライアル」の副題が付いたレースですが、1964年(昭和39年、第1回東京オリンピックの年、シンザンが三冠馬となった年)の第1回から、弥生賞は「名馬への登竜門」として、とても華やかな歴史を刻んで来ました。

 弥生賞の優勝馬には、クラシックレース、かつての「八大競走」、現在のG1レースの勝ち馬がズラリと並んでいます。それはもう、眩いばかりです。

 1965年・第2回の優勝馬キーストンは日本ダービー優勝、1967年・第4回のアサデンコウも日本ダービー優勝、1968年・第5回のアサカオーは菊花賞優勝、1969年・第6回のワイルドモアは皐月賞優勝、1970年のタニノムーティエは皐月賞・日本ダービーの2冠、1972年・第9回のロングエースは日本ダービー優勝、1973年・第10回のハイセイコーは皐月賞馬、1975年・第12回のカブラヤオーは皐月賞・日本ダービーの2冠、1976年・第13回のクライムカイザーは日本ダービー馬、1977年・第14回のラッキールーラも日本ダービー馬、1978年・第15回のファンタストは皐月賞馬、1983年・第20回のミスターシービーは三冠馬、1984年・第21回のシンボリルドルフも三冠馬、1987年・第24回のサクラスターオーは皐月賞・菊花賞の2冠馬、1988年・第25回のサクラチヨノオーは日本ダービー馬、と枚挙に暇がないとはこのことでしょう。

 この1964年から1989年までの間は、「弥生賞とクラシックレースの関係がとても強い時期」であったと思います。弥生賞の勝ち馬は、毎年のようにクラシックレース、特に皐月賞と日本ダービーで抜群の強さを魅せていたのです。
 さらに言えば、「皐月賞より日本ダービーに強かった」という印象です。

 後に皐月賞トライアルという名を配するのですから、スケジュール的にも距離面からも、皐月賞との関連が最も強いと見るのが妥当なのでしょうけれども、実際には日本ダービーで、より強さを発揮しているということになります。

 弥生賞は「距離的にも適応力が有る強い馬」が勝つということであり、「名馬への登竜門」という言葉を立証しているように思われます。

 その傾向は、1990年・第27回優勝馬メジロライアンから明確になるのです。メジロライアンは三冠レースでは惜しくも勝ち切れませんでしたが、古馬になって宝使記念に勝ち、種牡馬として大成功したことは、ご承知の通りです。

 そして1993年・第30回のウイニングチケットは日本ダービーに優勝し、1995年・第32回のフジキセキは脚部不安からその後のレースでは走れませんでしたけれども、種牡馬としての活躍が光ります。
 1996年・第33回のダンスインザダークは菊花賞馬、1998年・第35回のスペシャルウィークは日本ダービー、天皇賞(春)(秋)、ジャパンカップに優勝、1999年・第36回のナリタトップロードは菊花賞馬、2001年・第38回のアグネスタキオンは僅か4走で引退を余儀なくされましたが、種牡馬としてリーディングサイアーに輝いています。そして2005年・第42回のディープインパクトは三冠馬となっているのです。

 特筆すべきは、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ディープインパクトの3頭の三冠馬が、いずれも弥生賞優勝馬であることでしょう。
 弥生賞の位置付けが良く分かる事実だと思います。

 ディープインパクトの優勝以降も、弥生賞優勝馬の活躍は続いています。

 2006年・第43回のアドマイアムーンは、ドバイDF、宝塚記念、ジャパンカップに優勝、2009年・第46回のロジユニバースは日本ダービー馬、2010年のビクトワールピサは皐月賞、有馬記念、ドバイWCに優勝(日本馬としての初優勝)、2011年・第47回のサダムパテックはマイルチャンピオンシップに優勝、2015年・第52回のサトノクラウンは香港バーズ、2016年・第53回のマカヒキは日本ダービーに優勝しています。

 こうして見ると、弥生賞馬は海外G1レースにも強いことが分かります。

 また、少し不思議なことですが、弥生賞優勝馬は「全て牡馬」です。牝馬が出走可能な重賞競走で、「53回の競走で全て牡馬が優勝しているレース」は、他には無いかもしれません。

 2歳時の朝日杯FSを経て、様々な2歳馬同士・3歳馬同士のクラシック前哨戦を戦いながら、次第に馬体を充実させ、概ねその馬の才能が見えてきた時期に弥生賞が開催されているのでしょう。

 弥生賞は「時代を駆ける能力」を証明するレースの様に見えます。
 2月19日、東京競馬場ダート1600mコースで開催される、第34回フェブラリーステークスG1の注目馬検討です。

 2017年のG1レース緒戦です。

 今年のG1を占う1戦ですが、まさに「大混戦」という様相です。
 世代交代が進んでいるダート界ですが、「覇者」と呼べる馬が出現しておらず、重賞レース毎に勝ち馬が異なる時期が続いているのです。
 そこに平場の有力馬デニムアンドルビーが参戦して来ましたから、混戦の度合いは一層深まりました。

 さて、注目馬の検討です。

 第一の注目馬は、1枠1番のサウンドトゥルー。
 G1チャンピオンズステークス2016の勝ち馬であり、このところG1を4戦して全て3着以内という安定感が光ります。東京コースは久し振りですが、力の要る馬場で実力を発揮してくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠10番のカフジテイク。
 前走の根岸ステークスG3の勝ち馬です。今最も調子が良い馬でしょう。このレースも勝つようなら、今後のダート界の中心馬になってくれるかもしれません。

 第三の注目馬は、4枠8番のデニムアンドルビー。
 2013年のジャパンカップでジェンティルドンナの2着、2015年の宝塚記念でラブリーデイの2着と、なかなか優勝は出来ないものの、平場G1で牡馬を相手に互角の戦いを演じて来た彼女も、7歳になってダートに挑戦することとなりました。
 ダートへの適性は未知数ですけれども、ここはひとつ応援してみようと思います。

 今回は、以上の3頭に注目したいと思います。

 G1を8勝している大豪コパノリッキーに、かつての力強さが感じられなくなっている現在、今後のダート界を占うレースとなります。最若手の4歳馬2頭の活躍にも期待したいところです。
 勝ったのはサトノダイヤモンドでした。

 最後の直線、坂を上がってからの追い上げで、ゴール板ではキタサンブラックを首差差し切っていました。有馬記念史上に刻まれる、凄まじい競り合いでした。
 とてもレベルが高いと言われる牡馬2016年世代の力を証明したレースでもあったと感じます。

 一方で、キタサンブラックの直線での粘り強い走り、差し返す迫力も「見事」なものであったと思います。

 4角をキタサンが先頭で回ることは予想通り、ゴールドアクターが追いすがるのも昨年のレースを思わせる展開、そしてサトノダイヤモンドが襲い掛かるのも戦前から言われていたことでした。

 そして、サトノダイヤモンドが2頭の古馬を抜き去り勝利するであろうと思っていました。

 ところが、ことはそう簡単には進まず、坂に差し掛かったところからキタサンブラックが「二の脚」を使いました。
 この二の脚は、普通の逃げ馬の二の脚とは桁が違うものでした。
 ゴールドアクターは一杯となり、サトノダイヤモンドも離されかけたのです。

 残り100mでは、サトノダイヤモンドは追いつけないように見えました。

 この後の展開は、頭書の通りです。

 「敗れて尚強し」という言葉がありますが、有馬記念2016のキタサンブラックは正にその言葉通りでしょう。
 「完成されたサラブレッド」という印象です。

 2016年の年度代表馬を決める手続きは、これから行われるのでしょうが、有馬記念2016に敗れたとはいっても、「強さ」という物差しで測れば、ジャパンカップ2016の勝ちっぷりと有馬記念2016の二の脚は、年度代表馬2016に相応しいものであったと思います。

 キタサンブラックは、本当に強いサラブレッドに成ったのです。
 さて、1年収めの有馬記念です。

 12月25日クリスマス、中山競馬場芝2500mコースで開催される、第61回グランプリ有馬記念競走G1の注目馬検討です。

 2016年の競馬を締めくくる大レース、16頭が出走して来ました。
 ひと目見て「良いメンバーが揃った」という印象です。日本ダービー2016の勝ち馬マカヒキが居ないことが、少し残念というところでしょうか。

 キタサンブラックは「再び1枠1番」を引きました。逃げ馬であるキタサンにとっては「絶好」でしょう。
 一方でマリアライトは16番の大外です。強豪牝馬と言っても、これだけのメンバーを相手にしての「大外」は苦しいという感じがします。
 
 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、6枠11番のサトノダイヤモンド。
 菊花賞での強さは見事なものでした。素質馬が本格化した印象です。好位を維持できる脚質も軸馬の条件でしょう。
 このところの「サトノ」の馬の勢いもプラスになると思います。

 第二の注目馬は、1枠1番のキタサンブラック。
 ジャパンカップ→有馬記念の連覇は、本当に難しいところで、まさに「ザ古馬」にしか出来ないものだと思いますが、1枠1番を引いた運を見ても、可能性は十分に有ります。
 マークされることから勝ち切るのは容易なことでは無いと思いますが、武豊騎手の手綱さばきに期待がかかります。

 第三の注目馬は、3枠6番のサウンズオブアース。
 いまだ重賞勝ち無しの2勝馬ですが、G1レースにおける実績は素晴らしいものです。有馬記念2015での2着、ジャパンカップ2016でも2着とあと一歩に迫っているのです。
 そろそろこの馬がG1に勝っても、何の不思議も無いでしょう。

 いつの時代も、有馬記念は「好きな馬を買うレース」です。

 そして、ワクワクしながらテレビに見入るのです。
 12月18日、阪神競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第68回朝日杯フューチュリティステークスG1の注目馬検討です。

 今年も「2歳王者」の栄冠を目指して、18頭が出走して来ました。

 もともと牡馬限定レースでは無いものの、大抵は牡馬同士の戦いとなることが多いレースですが、今年は牝馬のミスエルテが挑戦し、有力馬の一頭と目されているところに特徴が有ります。

 今年の2歳牡馬陣は「小粒」という印象です。

 昨年と比較すると、その差は歴然でしょう。
 サトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティの、後に3強と呼ばれることになる3頭に加えて、エアスピネルやリオンディーズが居た2015年の2歳牡馬陣は、豪華絢爛でした。
 私はこの5頭を「5強」と呼んでいましたが、いずれも例年であれば十分にクラシックレースの複数制覇が狙える5頭でした。
 変な言い方で恐縮ですが、エアスピネルが2016年の2歳馬であれば、「三冠馬の有力候補」だったのではないかとさえ思います。

 1年の違いで、これ程の差が有るものなのかとも感じます。
 もちろん、今後2017年世代を代表する強い牡馬が登場して来るのでしょうが・・・。

 こうした状況ですから、牝馬のミスエルテ陣営が阪神JFではなくて朝日杯FSでも勝てると考えたのも無理も無いところかもしれません。
 阪神JF2016に優勝したソウルスターリングと同じフランケル産駒であるミスエルテに、期待がかかるという形となっているのです。

 とはいえ、牝馬が牡馬に勝つというのは「難事」であることも間違いないところでしょう。
 2戦2勝のミスエルテといっても、この2戦はいずれも「牝馬限定レース」でのものですから、牡馬との力の比較の材料とはなりません。
 また、前走G3ファンタジーステークスの走りは、そのギャロップがまだまだ本格化には至っていない、前駆と後躯の開きが不十分に見えますから、発展途上にあると感じます。

 小粒な牡馬陣と発展途上の有力牝馬となれば、結果としてこのレースの予想は大変難しいということなのでしょう。

 そこで本ブログでは、このレースは「期待の種牡馬の産駒」に注目することとしました。

 第一の注目馬は、1枠2番のアシャカリアン。
 サマーバードの産駒です。サマーバードはアメリカ馬で、通算9戦4勝、アメリカ三冠レースの一角ベルモントステークスを始めとしてG1を3勝しています。2000mから2400mのG1を勝っていますので、中長距離に強い馬でした。
 この実績馬を、日本軽種牡馬協会が購入して種牡馬として供用した経緯。
 ミスタープロスペクター系という、現在世界で最も成功している血統のひとつですので、我が国でも活躍が期待されるところです。
 実はサマーバードは2013年12月に7歳で死去しています。
 その血統を受け継ぐものとしてのアシャカリアンに期待したいのです。

 第二の注目馬は、4枠8番のダンビュライト。
 ルーラーシップの産駒です。ご存じのように、ルーラーシップは日本ではAJC杯や鳴尾記念といったG2レースに勝っていて、香港のクイーンエリザベス2世杯G1も勝っています。
 我が国ではG1に手が届かなかったのですが、その粘り強さ・安定感は高く評価されていました。特に、ラスト4走、2012年の宝塚記念2着、天皇賞(秋)3着、ジャパンカップ3着、有馬記念3着は、まさしくG1レースの常連と呼ぶに相応しいものでした。
 キングカメハメハ×エアグルーブの良血を受け継いで行ってほしいものです。

 第三の注目馬は、5枠10番のモンドキャンノ。
 キンシャサノキセキの産駒。キンシャサノキセキは2010年・2011年の高松宮記念の勝ち馬です。母親のレイズアンドコールもサクラバクシンオーということですから、生粋のスプリンターという感じですが、前走G2京王杯2歳ステークスでは距離が伸びても戦えそうな脚を披露しました。
 フジキセキの血統を継ぐキンシャサノキセキの代表産駒になって欲しいものです。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 新しい、あるいはこれまであまり活躍を見せていなかった種牡馬の産駒に期待したいレースです。
 12月11日、阪神競馬場1600m芝外回りコースで行われる、第68回阪神ジュベナイルフィリーズ競走G1の注目馬検討です。

 今年も「最強2歳牝馬」の栄冠を目指して18頭が出走して来ました。

 この時期の牝馬は、レース毎に調子の波が大きい上に、レース経験が浅く地力の比較も難しいことから、いつも予想が難しいレースですが、今年はここまで行われた重賞・特別レース等で圧倒的な強さを見せて勝った馬が居ませんので、一層「混戦」という感じがします。
 2015年のメジャーエンブレムのような存在が、今のところ無いのです。

 さて、注目馬検討です。

 第一の注目馬は、1枠2番のソウルスターリング。
 2戦2勝馬です。何と言っても、あのフランケルの産駒であることが、この馬最大の売り?でしょう。常に圧勝していた印象が有り、14戦14勝というパーフェクトな競走成績を残して、「21世紀最強の中距離馬」の名を欲しい儘にしてきたフランケルの産駒なのです。

 ソウルスターリング自身は、デビュー戦がクビ差、第2戦のアイビーステークスが1・3/4馬身差と、お父さんに比べると着差が小さい印象ですが、実はフランケルも圧倒的なスピードを保持して大差で勝つ一方で、競り合いにも滅法強かったのです。レースの前半で飛ばし過ぎて、よれよれになりながらも先頭を譲らなかったレースが印象的です。そうでなければ、14戦14勝・G1レースを10勝(内9勝は連勝)などという凄まじい成績は残せません。
 
 「混戦」なればこそ、ここはフランケルの力に期待したいと思います。
 ソウルスターリングは、来週の朝日杯FSに出走するであろうミスエルテとともに、我が国における最初の「フランケルの風」を魅せてくれるかもしれません。

 第二の注目馬は、6枠11番のジューヌエコール。
 3戦3勝馬。前走G2デイリー杯2歳ステークスでは接戦を制しました。2歳のこの時期と言っても、牡馬を相手に競り勝った力は高く評価したいと思います。
 クロフネ×アグネスタキオンの血統にも注目でしょう。

 第三の注目馬は、6枠12番のアリンナ。
 前走の秋明菊賞を逃げ切りました。京都の直線で一度後続馬を引き離し、ゴール前は手綱を締めた感じですから、とても良いレース内容であったと感じます。マツリダゴッホ×グラスワンダーという血統にも、「一発屋」の気配が漂いますから、圧勝するとすればこの馬なのかもしれません。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 なにしろ「混戦」ですから、ゴール前の激しい競り合いが見物です。
 12月4日、中京競馬場ダート1800mコースで開催される、第17回チャンピオンズカップ競走G1の注目馬検討です。

 「ダート王者」を目指して15頭が出走して来ました。
 
 このレースを検討する際にいつも思うのは、「中京のダートコース」の難しさです。芝のコースでも、各競馬場により違いが有るのでしょうが、ダートとなるとその違いはより大きいように感じます。
 中京コースは、当初の「砂馬場」の伝統?を受け継いでいて、一層柔らかい、踏ん張りが効かないコースの様に感じています。
 従って、他の競馬場のダートコースで好成績を挙げていても、中京となると力を発揮できない馬が居るように思うのです。

 今回は「中京のダートに強いであろう馬」を選んでみたいと思います。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠4番のアスカノロマン。
 前走みやこSは14着と大敗しましたが、今年1月のG2東海Sでは好走して優勝しています。「良馬場」でも好成績を残していますので、柔らかい馬場にも強そうです。大駆けに期待しています。

 第二の注目馬は、5枠8番のサウンドトゥルー。
 昨年のこのレースの3着馬です。このところG1レースで惜敗を続けて居ますが安定した成績を残しています。今回も、勝ち負けのレースを魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、2枠2番のアウォーディー。
 6連勝中で、前走川崎のJBCクラシックで初めてG1に勝ちました。連勝しているとはいえ「上り馬」と見てもよさそうです。中京コースはあまり得意では無さそうですが、「連勝の勢い」に期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 G1を8勝している大豪コパノリッキーやアメリカ三冠レースに挑戦したラニなど、他にも期待がかかる馬達が居ますが、ここは中京のダートコースとの相性を考えて、今回は外しました。

 どの馬にとっても、4角を何番手で回って来るかがポイントになるのでしょう。
 11月27日、東京競馬場芝2400mコースで行われる、第36回ジャパンカップ競走G1の注目馬検討です。

 日本競馬の進歩、世界に通用する馬の育成を目指して1981年に創設されたジャパンカップも、第36回を数えることとなりました。
 ご承知のように、第1回から10回までのレースでは日本馬の2勝8敗と、海外勢の圧倒的な強さが目立ちました。第1回のメアジードーツ(アメリカ)や第2回のハーフアイスト(アメリカ)、第6回のジュピターアイランド(イギリス)、第7回のルグロリュー(フランス)、第9回のホーリックス(ニュージーランド)といった優勝馬の強さは、「日本馬では歯が立たない」といった印象を与えました。
 地力の差はもとより、入国時の厳格な「検疫」をも乗り越えて、初めての馬場で力を発揮するサラブレッド達の雄姿を目の当たりにして、「国際馬」のなんたるかを思い知らされたものです。

 その後、日本の競馬関係者の努力が続き、20世紀の末から21世紀にかけては、日本馬と海外馬が互角の戦いを見せるようになりました。

 そして、直近の10年間、2006年~15年の10回のレースは、日本馬が全勝しています。

 もちろん、ジャパンカップ自体の変化や、他の国際レースとのバランスから、遠征してくる海外馬のレベルが下がったのではないか、といった見方も有りますが、基本的には「日本馬の実力が向上」し、「日本の硬い馬場」において海外馬が勝つことが容易では無くなったことが主因でしょう。

 第36回となる2016年のレースも、日本馬優位と見られています。

 その日本馬の中でも、2頭の強豪馬に注目が集まっています。
 キタサンブラックとゴールドアクター。

 この2頭は、その実績から高く評価されるのは当然でしょう。
 キタサンブラックは、菊花賞2015の勝ち馬であり、天皇賞(春)2016にも優勝していますから、当代屈指のステイヤーと言って良いでしょう。
 一方のゴールドアクターは、有馬記念2015の優勝馬であり、直近の10走で8勝・3着1回と抜群の安定感を誇ります。
 脚質から見ても、「逃げ」のキタサンブラックと「好位差し」のゴールドアクターですから、このレースの骨格を成す2頭であることも間違いなさそうです。

 とはいえ、ひとつ気になることがあります。

 この2頭は共に「右利き」なのではないかという点。この2頭は「右回りのコース」には強いが、左回りではいまひとつ力を発揮出来ていないところです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠16番のリアルスティール。
 前走天皇賞(秋)はモーリスに敗れて2着でしたから、敗れて強しの内容でした。2015年の皐月賞2着、日本ダービー4着、菊花賞2着と距離適性は十分だと思います。今年はドバイターフでG1を勝ち、そろそろコンディションが整ってきたと見ます。

 第二の注目馬は、4枠8番のイラプト。
 アイルランド産のフランス馬です。昨年に続いての2年連続のJC挑戦となりました。「世界を股にかけて」という言葉がピッタリの国際馬でもあります。2016年も地元フランスのG1を始めとして、世界屈指の大レース・イギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスSやカナディアン・インターナショナルにも挑み、前走カナディアン・インターナショナルG1では優勝しました。
 日本の馬場にも適性が有りそうですから、2度目の挑戦に期待します。

 第三の注目馬は、8枠15番のナイトフラワー。
 アイルランド産のドイツ馬です。直近3走はドイツの2400mG1レースを2着・2着・1着と健闘しています。いずれも58.5kgを背負っての好走なのです。4歳牝馬ですから、JCは55kgで走れます。このところ国際レースで力を発揮する4歳牝馬に期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 2005年のアルカセット(イギリス)以来の海外馬優勝の可能性も、十分に有ると思います。
 2012年の牝馬三冠を制していたジェンティルドンナの「本当の強さ」を魅せていただいたのが、2012年のジャパンカップです。

 オルフェーヴル(2011年三冠、有馬記念2勝)、ルーラーシップ(香港G1・クイーンエリザベスカップ)、フェノーメノ(2013年14年天皇賞(春)連覇)といった、牡馬一線級を相手にするとなっては、いかに「牝馬三冠」を制しているとはいえ、まだ3歳の乙女には荷が重いだろうと思いました。

 特にオルフェーヴルは、前年の三冠馬にして、脂の乗り切った4歳牡馬ですから、これを倒すというのは、強豪牡馬をもってしても容易なことではないのです。ジェンティルドンナが挑んでも「勝負にならない」という声も多かったと記憶しています。

 レースは4コーナーを回って直線に入り、内ラチいっぱいを通ってジェンティルドンナが先頭に立ちました。強豪古馬牡馬を相手に3歳牝馬が、ジャパンカップの直線で先頭に立ったのですから、その光景だけでも驚きました。

 そこへオルフェーヴルが襲い掛かったのです。
 ジェンティルドンナを内ラチに押しつぶすような追い上げでした。ひとまわり大きなオルフェーヴルの馬体が躍動します。

 2頭は並んだまま競り合い、外のオルフェーヴルが一歩出たように見えました。
 3歳乙女の健闘もここまでかと思った、ゴール前50mから、ジェンティルドンナが「差し替えした」のです。
 一完歩ごとにオルフェーヴルとの差を詰め、ほとんど並んだところがゴールでした。
 
 ゴール版前で並んでいるように見えても、多くの場合には「外の馬が有利」なのですが、このレースに限っては、わずかに、内のジェンティルドンナの方が出たように見えました。

 そして「確定」。
 ジェンティルドンナが「ハナ」差勝っていたのです。

 素晴らしいレースでした。

 競馬通の友人と、「日本競馬史上の名レース10選」を選ぶことがあれば、間違いなく入るレースだろう、と語り合いました。

 このレースに端的に観られるように、「ジェンティルドンナは僅差の競り合いに強い」のです。その強さは、絶対的なものに見えます。

 例えば、秋華賞ではヴィルシーナを「ハナ」差抑えています。牝馬三冠全て2着という、これはこれで凄い記録を残したヴィルシーナの渾身の追い上げを凌ぎ切ったのです。

 2013年のジャパンカップでもデニムアンドルビーとの競り合いを「ハナ」差制しています。
 ジェンティルドンナはジャパンカップを史上唯一2連覇していますが、それは「ハナ差での2連覇」なのです。

 オークスの5馬身差のように大きな差での勝利もあり、2013年・14年の宝塚記念のように大きな差での敗戦もありますが、僅差の勝負となれば「無類の強さ」を発揮しました。

 牡馬一線級、特にオルフェーヴルのような超強豪牡馬を相手に、ジャパンカップや有馬記念を勝利するというのは、当該牝馬の評価を著しく高めてくれます。
 ジェンティルドンナは、今2016年9月、中央競馬会の顕彰馬に選出されました。それも、圧倒的な得票率でした。

 近時の牝馬では、日本ダービーを圧勝したウオッカと並び称される名牝でしょう。

 加えて、日本競馬の歴史の中でも、11戦11勝で日本ダービー・オークス・菊花賞の変則三冠馬となったクリフジを除けば、最も上位のグループにランクされる牝馬であろうと思います。

 イタリア語で「貴婦人」を意味する馬名「ジェンティルドンナ」。

 その貴婦人は、「競り合いに滅法強い貴婦人」でした。
 11月20日、京都競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第33回マイルチャンピオンシップ競走G1の注目馬検討です。

 秋のマイル日本一を目指して、今年も18頭が出走して来ました。

 今年の特徴は、「マイルG1レースで実績の有る馬が少ない」ところでしょうか。
 かつては強さを発揮した馬は居ますが、近時はG1レースで力を発揮できていない馬や、G2・G3レースでは実績が有るのだけれどもG1の壁が厚い馬が並びました。

 「混戦」なのでしょう。

 層が厚くなったと言われる日本競馬の中距離陣ですが、2016年秋に限っては、強力な軸馬が居ない、別の見方をすれば「世代交代」の時期なのかもしれません。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠8番のイスラボニータ。
 一昨年2014年の皐月賞馬です。日本ダービーも2着でしたから、世代トップクラスの実力を保持していたことは間違いありません。ところが、セントライト記念G2に勝って以降、勝利が遠い状態です。
 持ち味の「器用な脚」を使って、最後の直線で見せ場は作るのですが、今一歩優勝には届かないレースを続けて居ます。昨年の天皇賞(秋)とこのレースで3着でした。
 5歳の秋になりましたが、このまま老け込んでしまう?とも思えませんので、混戦の本レースで久しぶりのG1勝利と行きたいところです。

 第二の注目馬は、5枠10番のマジックタイム。
 5歳になって本格化した感が有ります。牝馬には厳しいマイルG1レースですが、混戦の2016年なら展開次第で十分にチャンスが有ると思います。大器晩成型のハーツクライ血統が花開く時なのかもしれません。

 第三の注目馬は、3枠5番のヤングマンパワー。
 3連勝中の上り馬です。G1はいかにも荷が重いという戦績ですが、前走の富士ステークスG3でイスラボニータを破っている力は侮れません。名種牡馬ディンヒルの血を継ぐサラブレッドとしての活躍期待も込めて、注目馬とします。

 今回は以上の3頭に注目します。

 マイル路線から短距離路線に切り替えた感のあるミッキーアイルの巻き返しや、札幌記念でモーリスに完勝したネオリアリズムの走りも楽しみです。
 今年3月、ドバイミーティングのG2・UAEダービーで優勝し、日本の競馬ファンをアッと言わせたラニ号の2016年の活躍は見事でした。

 アメリカ競馬の三冠レース全てに挑戦し、立派な成績を残したのです。
 もちろん、アメリカの三冠レース全てに出走した日本馬は、ラニが初めてでした。

 そもそもドバイのUAEダービーに出走したこと自体が、「アメリカ三冠レースに出走するための資格獲得」が目的だったのですから、ラニ陣営の周到な準備が感じられます。

① ケンタッキーダービー

 ケンタッキー州ルイビルに在るチャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービーが、アメリカ三冠レースの第一弾です。
 ダートの10ハロン・約2000m。2016年は5月7日に行われました。

 このレースで、ラニは20頭立ての9着でした。鞍上は武豊騎手。
 初めてのアメリカのコースでのレースとしては、健闘したと感じます。

 アメリカのレースに出走した日本馬の関係者の多くが感想として述べる「前半のペースが速い」というコメントが今回も聞かれました。
 日本のダートコースとは「土の構成が異なり」固くてスピードが出る馬場に慣れるのは、なかなか大変です。

 ちなみにケンタッキーダービー2016の優勝馬・ナイキストの優勝タイムは2分1秒31でした。
 直前に雨が降ったダートコースのレースとしては、相当速いと思います。

② プリークネスステークス

 メリーランド州ボルティモアのピムリコ競馬場で開催されるプリークネスステークスが、アメリカ三冠レースの第二弾です。
 ダートの9.5ハロン・約1900m。今年は5月21日に行われました。

 このレースでラニは、11頭立ての5着でした。

 やはり重い馬場になったと伝えられましたが、最初はついていけなかったラニは、最後の直線で良く追い上げました。

 ようやくアメリカの環境にも慣れたのでしょうか、松永調教師、武騎手共に、ラニの調子が上がってきたとコメントしています。

③ ベルモントステークス

 ニューヨーク州エルモントに在るベルモントパーク競馬場で行われる、アメリカ三冠最後のレースです。
 ダートの12ハロン・約2400m。今年は6月11日に開催されました。

 このレースでラニは、13頭立ての3着でした。

 今回は、前半から遅れることなく付いて行き、最後の直線で良く追い上げました。
 優勝したクリエイターからハナ、1・1/2の差でしたから、十分勝負になったレースでした。

 武豊騎手も「直線では一瞬勝利を意識した」とコメントしています。
 アメリカ競馬に慣れたラニが、自分のレースを魅せてくれたのでしょう。

 ベルモントステークスを終えて帰国したラニは、10月のブラジルカップ、11月のみやこステークスと、日本のダート戦を走りましたが、3着、13着と結果を残せていません。
 アメリカ三冠レースで小差の3着に食い込む力を保持するサラブレッドとしては、とても不本意な成績でしょう。

 帰国後のコンディションが良くないのか、それともコースとの相性なのかは、今後の走りを観なくては分からないところなのでしょうが、私には「ラニはアメリカのダート向き」であるように感じられます。

 ラニのお父さんはタピット。タピットの祖父はあのシアトルスルー、母系にはミスタープロスペクターが配されている「超良血」なのです。タピットは2014年・2015年の2年連続で北米のリーディングサイアーを獲得しています。今、アメリカで最も注目されている種牡馬でしょう。

 ラニのお母さんのヘブンリーロマンスはサンデーサイレンス産駒。ヘブンリーロマンスは牝馬ながらも2005年の天皇賞(秋)に勝っています。

 ラニは「日米の良血の結晶」と言っても良いのかもしれません。

 シアトルスルーの血脈を我が国に広げていくという点からも、貴重なサラブレッドだと思います。
 11月13日、京都競馬場芝外回り2200mコースで行われる、第41回エリザベス女王杯競走G1の注目馬検討です。

 もともと、3歳牝馬の秋の大レース(現在の秋華賞の位置付け)でスタートしたレースですが、すっかり「秋の最強牝馬決定戦」として定着しました。

 淀の外回り2200mというのがポイントで、スピードとスタミナの両方を兼ね備えていないと、なかなか栄冠を勝ち取ることが出来ません。

 この形式=3歳「以上」牝馬の2200m戦、になった1996年以降の勝ち馬を観ても、ダンスパートナーやメジロドーベル、ファレノプシス、アドマイアグルーブ、ダイワスカーレット、スノーフェアリーと地力十分な乙女たちの活躍が目立ちます。

 そして、G1レースとしては「連覇」の多いレースでしょう。メジロドーベル、アドマイアグルーブ、スノーフェアリーの3頭が連覇を成し遂げています。一般的に「好調な時期が短い」と言われる牝馬ですが、スタミナを要するこのレースは、適性が有る馬にとっては十分に連覇を狙えるレースということなのかもしれません。

 さて、注目馬検討です。

 今年も15頭が出走して来ました。

 第一の注目馬は、2枠2番のマリアライト。
 前走G2オールカマーは、ゴールドアクターの5着と直線でやや伸びを欠きましたが、牡馬一線級を相手に差の無いレースを見せてくれました。3ヶ月ぶりのレースで、ズルズルと後退しなかったレース振りに、この馬の強さが表れていると見ます。
 昨年の勝ち馬でもあり、今年の宝塚記念馬でドゥラメンテを抑えて優勝した、この馬の強さを披露していただきたいものです。

 第二の注目馬は、1枠1番のミッキークイーン。
 オークスと秋華賞を勝った世代最強牝馬が駒を進めてきました。何と言っても、ジャパンカップ2015以外の9戦で「連を外していない」安定感が、この馬の特徴でしょう。
 スタミナも十分ですから、勝ち負けのレースを魅せていただけるものと思います。

 第三の注目馬は、8枠15番のパールコード。
 前走・秋華賞では惜しくも2着に敗れましたが、「本格化」を印象付けました。ヴィクトワールピサの代表産駒となる活躍に期待しています。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 過去の実績から観れば「2強」の色彩が強いレースですが、3頭出てきているマンハッタンカフェ産駒の走りも楽しみです。
 10月30日、東京競馬場芝2000mコースで行われる、第154回天皇賞(秋)競走G1の注目馬検討です。

 良いメンバーが揃いました。

 昨年の覇者にしてG1・2勝のラブリーデイ、海外2走も含めてG1・4勝のモーリス、13戦10勝・海外G1・2勝のエイシンヒカリ、皐月賞を含めて国内G1・3勝のロゴタイプ、海外G1・1勝を含め重賞2勝のリアルスティール、G2を含めて重賞6勝のクラレント、G2を含めて重賞3勝のルージュバック・アンビシャス・サトノクラウン・ヤマカツエース、G2を2勝しているアドマイアデウス、等々、出走馬の競走実績には素晴らしいものがあります。
 近時の日本競馬の中距離層の充実を示しているレースとも言えそうです。

 従って、多くの馬に優勝のチャンスがあるレースなのですが、近時の走りっぷりを見ると、少し絞り込めそうです。

第一の注目馬は、1枠1番のエイシンヒカリ。
「鉄砲」がきくというか、休み明けに強い馬です。海外で2000m・1800mのG1に勝っていますから、距離の心配もありません。逃げ馬ですので、行き過ぎの心配はあるのですが、何より「前走から1か月以上空いて走ればめっぽう強い」ところを評価したいと思います。
 連戦ではストレスが溜まるタイプなのかもしれません。

第二の注目馬は、5枠9番のルージュバック。
54㎏から56㎏への斤量増加は気にはなりますが、本格化と見ます。東京コースに強いので、ここでも良い勝負を魅せてくれるでしょう。

第三の注目馬は、5枠8番モーリス。
近時の重賞7連戦で5勝・2着2回と、抜群の安定感を誇ります。この中には、香港でのG1・2勝が含まれていますから、マイル戦ならこの馬ということになります。後は、東京の2000mへの適性ということになります。
 少し長いかなという感じがしますが、ここはスクリーンヒーローの「秋の強さ」と相殺したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 レースの骨格となる「エイシンヒカリの逃げ」が、とても楽しみです。
 素晴らしいレースでした。

 ハイペースな流れの中で、各馬の仕掛けが交錯し、目まぐるしくポジションが変化して行く展開において、サトノダイヤモンドが「自分のレース」を走り切ったという印象です。

 ミライヘノツバサがレースを引っ張りました。
 最初の1000mが60秒を切るタイムでした。長距離戦としては早いペースとなりましたので、「最後の直線でヨーイドンのレース」とはならず、「各馬の地力が発揮されやすい展開」となったのです。

 そして最後の直線、馬場の中央を通ってサトノダイヤモンドが進出しました。
 堂々たる姿でした。

 内からエアスピネルが追い縋りましたが、サトノダイヤモンドを捉える迫力は無く、外から来たレインボーラインとディーマジェスティがエアスピネルを捕まえたところがゴールでした。
 その2と1/2馬身先でサトノダイヤモンドがゴールを駆け抜けていました。

 サトノダイヤモンドは、最後の直線を本当に「真っ直ぐ走った」という印象です。余程調子が良かったのでしょう。

 ゴールイン後のルメール騎手は、本当に嬉しそうでした。
 サトノダイヤモンドの首筋を何回も撫で、愛馬を褒めてあげると共に、首筋に抱き付き、喜びを表現しました。

 レース後のインタビューでも「感情が高ぶっている。日本のクラシックレースを勝ったのは初めて。とても嬉しい」とコメントしました。その表情はとても晴れやかでした。

 2016年の皐月賞はディーマジェスティ、日本ダービーはマカヒキ、菊花賞はサトノダイヤモンドが優勝しました。
 振り返って見れば、今シーズンの牡馬クラシックレースは「三強の戦い」でした。
 
 この「三強」は、今後の中央競馬を牽引して行ってくれる力を保持していると思います。

 そして、スピード十分な菊花賞を快勝したサトノダイヤモンドは、今後の長距離G1レースの軸馬となって行くのでしょう。
 10月23日、京都競馬場芝3000mコースで行われる、第77回菊花賞競走G1の注目馬検討です。

 今年もフルゲート18頭が出走してきました。
 所謂クラシック三冠レースの最後の1冠を決めるレースです。
 
 まさに「若駒」といった風情の皐月賞・日本ダービーから、ひと夏を越えて、少し大人になった3歳馬の激しいレースが繰り広げられるのです。

 今年は、春の2冠レースの主役であった、ディーマジェスティ(皐月賞馬)とサトノダイヤモンド(日本ダービー2着馬)が揃ってトライアルレースを快勝しました。この2頭が中心のレースであることは、間違いありません。

 今季の3歳クラシック路線を観ると、菊花賞の主役はサトノダイヤモンドであろうと感じます。2月のきさらぎ賞を圧勝して、「今年の主役」に躍り出た感があり、鞍上のルメール騎手も「三冠制覇」を口にしていました。これだけのベテランジョッキーがコメントしている以上「馬の力が相当上位にある」と考えるのは自然なことでした。

 ところが、皐月賞ではよもやの直線失速、日本ダービーではマカヒキとの競り合いに敗れ僅差の2着と、まだ「無冠」なのです。
 そうなれば、菊花賞はサトノダイヤモンドのもの、という雰囲気が漂うのも無理のないところなのでしょう。

 そして、枠順も絶好の2枠3番。こちらも絶好の3枠6番を引き当てたディーマジェスティとともに、このレースを支配するように感じられるのです。

 とはいえ一方で、ディープインパクト産駒はこれまで菊花賞に勝っていないという事実も存在します。
 これだけ、日本だけではなく世界の重賞で大活躍を魅せているディープ産駒が、この菊花賞競走では勝ち切れないのです。

 ディープ自身は勝っているのですが、その子供たちは、3歳の3000mでは力を発揮できていないということになります。

 サトノダイヤモンドもディーマジェスティも、ディープインパクト産駒です。このジンクスを破ってほしいという期待と共に、大きな心配も残るところです。

 セントライト記念と神戸新聞杯という2つのトライアルレースで、2頭は負けませんでしたけれども、2つのレースが「競り合い」であったことも忘れてはならないでしょう。力の差を見せつけての圧勝ではなかったのです。

 以上のことから、今回は2頭とも注目馬から外そうと思います。

 第一の注目馬は、2枠4番のシュベルミエール。
 前走1000万円下の兵庫特別を勝って出走してきました。ここまで7戦して4着以下がありません。そしてステイゴールド産駒。上がり馬として、3000mを存分に走っていただきたいと思います。

 第二の注目馬は、3枠5番のミライヘノツバサ。
 前走1000万円下の習志野特別を快勝して駒を進めてきました。ドリームジャーニー産駒という面からも、大仕事の雰囲気が漂います。本格化の途上にあると見ています。

 第三の注目馬は、4枠8番のミッキーロケット。
 前走の神戸新聞杯G2では、サトノダイヤモンドと首差の勝負を演じました。上がり3ハロンのタイムでは上回ったのです。このレースに3頭出場しているキングカメハメハ産駒の代表として、大駆けに期待したいと思います。

 良いメンバーが揃いました。

 後世に語り継がれるような、素晴らしいレースが期待されます。
 10月16日に、京都競馬場芝内回り2000mコースで行われる、第21回秋華賞競走G1の注目馬検討です。

 オークスを制し、トライアルのローズステークスG2でも強烈な末脚を披露して勝ったシンハライトが故障で欠場となったために、混戦の様相を呈しました。
 多くの出走馬にチャンスが生まれたのでしょう。18頭がエントリーして来ました。

 いつも言われることですが、「内回りコース」であることがポイントのひとつです。
 直線が短いので、4角を回る時に前目に位置できる馬が有利、相応に器用な脚が使えることが、勝利への条件となるのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠10番のビッシュ。
 オークス2016の1・2着馬が不在の中にあっては、3着馬であるこの馬の力量が上位でしょう。前走の紫苑ステークスG3も圧勝しました。大事に使われている印象ですから、出て来る以上は仕上がっていると観ます。軸馬はビッシュにしたいと思います。

 第二の注目馬は、5枠9番のクロコスミア。
 ローズステークスではゴール直前でシンハライトに差し切られましたが、ゴール前の粘り強い走りが印象的でした。ステイゴールド産駒として、秋に本格化したと見ます。直線が短い本番では、さらにその実力を発揮してくれることでしょう。

 第三の注目馬は、1枠2番のジュエラー。
 第三の注目馬は迷いました。上り馬にも良さそうな馬が数多く居るからです。とはいえ、やはり桜花賞馬を外すわけにはいかないのでしょう。
 前走ローズSはかかり気味の走りで、4角では先頭争い、直線で失速しました。デムーロ騎手としては残念な騎乗となりました。
 休み明けひと叩きしての秋華賞で、あの器用な脚を魅せていただきたいものです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 大接戦となるであろうゴール前で、グイッと抜け出すのは、どの馬なのでしょうか。
 秋のG1シリーズ開幕戦です。

 やはり、芝の状態が良い中での1200m戦となれば、展開によってはチャンス十分とのことで、今年も16頭が挑戦してきました。

 一方で、今年は「短距離の王者」に就きそうなサラブレッドが居ます。
 ビッグアーサーは、高松宮記念・セントウルSと連勝して、1200m戦3連勝を目指しています。ここを取るようなら、ロードカナロア以来の「短距離王朝」を築き上げることが出来るでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、1枠1番のビッグアーサー。
 このところの強さは抜けています。トライアルのセントウルSも1馬身差で圧勝しました。
 ライバルと目されているネロとミッキーアイルが外枠に入りましたので、ますます確度が上がった感じです。
 「ザ・スプリンター」サクラバクシンオーの血統が花開くことでしょう。

 第二の注目馬は、1枠2番のブランボヌール。
 3歳牝馬には、やや厳しいレースでしょうが、前走キーンランドカップG3の勝ち方は本物でした。「勢い」を買いたいと思います。

 第三の注目馬は、7枠13番のレッドファルクス。
 前走CBC賞G3では競り合いを制して勝ち切りました。5歳を迎えて本格化したと見ます。
 父スゥエプトオーヴァーボードの我が国競馬への適性を見るレースなのかもしれません。

 今回は、以上の3頭に注目します。
 結果的には、前走を勝っている3頭になりました。

 ゴール前の素晴らしい競り合いが楽しみです。
 9月18日に中山競馬場で開催されたセントライト記念は、皐月賞馬ディーマジェスティが、直線で他馬との競り合いを制して優勝しました。
 菊花賞2016に向けて、順調な調整ぶりを示したのです。

 圧倒的一番人気でのレースとなったディーマジェスティと蛯名正義騎手のコンビでしたが、とても落ち着いたレースを展開しました。

 スタートから後方待機、向う正面では一度前に進出しかけましたが、他馬のスピードアップに伴って再び後退、3~4コーナーの半ばになって一気に先行馬を捕まえにかかりました。
 スローペースを感じていた蛯名騎手の判断だと思いますが、これがレース一番の好判断であったと感じます。
 ほとんど先頭の位置で直線に出たディーマジェスティは、外から追い上げてきたブロディガルサンを振り切り、内で粘るゼービントを競り落としたところがゴールでした。

 一完歩毎に、走る方向やスピードを微妙に変えているようにさえ観える、ディーマジェスティの「器用さ」が際立つレースでした。

 皐月賞優勝馬が秋緒戦のG2を勝ち切ったところに、この勝利の勝ちが有ると思いますが、一方で、圧倒的な強さを示したわけでは無いところは気になります。

 9月25日の神戸新聞杯には、サトノダイヤモンドとエアスピネルの出走が予定されています。

 ダービー馬マカヒキは凱旋門賞2016に挑戦しますから、菊花賞2016への出走は難しいと思いますけれども、「春の3歳牡馬4強」の内、ディーマジェスティとサトノダイヤモンド、エアスピネルの3頭がクラシック最後の一冠を狙って、「無事に夏を過ごした」感が有るのは、素晴らしいことでしょう。

 関係者の皆さんのご努力に敬意を表します。

 そして、菊花賞2016への興味は増すばかりです。
 9月18日、阪神競馬場で開催されたローズステークスは、オークス馬シンハライトが、「届くのかな」という位置からの強烈な末脚を魅せて優勝しました。

 秋華賞を始めとする秋のG1レースに向けて、春のクラシックレースを飾った3歳牝馬が揃って顔を見せたレースとなりました。

 スタートから桜花賞馬ジュエラーが先行しました。
 いつになく前に行っている、という印象でしたが、鞍上ミルコ・デムーロ騎手の感覚なのであろうと思いました。

 ジュエラーは4角を回ったところで先頭への進出を目指しましたが脚色が悪くズルズルと後退。
 内を回ったクロコスミアが逃げ込みを図りました。岩田康成騎手の好騎乗かと思った瞬間、外からシンハライトが飛んできました。

 父ディープインパクトを思わせる素晴らしい脚でした。

 2016年の桜花賞馬とオークス馬が激突したレースでしたが、シンハライトは1着、ジュエラーは11着と明暗を分けました。

 これでシンハライトは6戦5勝・2着1回(桜花賞)と、名牝への道をまっしぐらと言う感じですが、一方で、直線が長い阪神外回りコースで、一杯一杯届いた感のあるレースですので、内回りコースにおける不安が残りました。

 ハナ差2着のクロコスミアはもちろんとして、3着のカイザーバル、4着のデンコウアンジュにも、今後のチャンスが広がった感もあります。

 春のG1上位常連組と、秋の上り馬。
 2016年秋の牝馬G1戦線が注目です。
 2016年も、かつて中央競馬のターフを沸かせた優駿達が亡くなっています。

 訃報を聞く度に、印象的なシーンが頭に浮かびます。

 メジロライアンとニッポーテイオーも、記憶に残るサラブレッドでした。

 まず、3月17日にメジロライアン死去のニュースが報じられました。

 メジロライアンは「おおらかな馬」でした。

 どのレースも首の高いフォームから悠然と走り、勝つときは勝ち、負ける時は負ける、といった風情で、「勝利への執念」といった概念からは、遠いサラブレッドであったような気がします。
 「勝利への執念」が不足しているというのは、サラブレッドの資質としては不十分なのでしょうけれども、その「おおらかさ」と「明るい鹿毛の雄大な馬体」が、ライアンの人気(特に女性ファンに人気が有りました)の基であったとも思います。

 結果として、クラシックレースは皐月賞3着・日本ダービー2着・菊花賞3着と惜敗を続け、3歳時の有馬記念も2着、4歳になっての天皇賞(春)も4着と、なかなか大レースには手が届かない形でしたが、良く観ると「距離に関係なく好成績」を残していましたから、その能力が極めて高いオールラウンドプレーヤーだったのでしょう。

 その「大きな才能」が種牡馬になって開花しました。
 初年度産駒の中から、メジロドーベルとメジロブライトの2頭のG1ホースを出したのです。

 まさに「ライアンの娘」であったメジロドーベルは、オークス・秋華賞・エリザベス女王杯2勝・阪神3歳牝馬ステークスとG1を5勝。中央競馬史上屈指の名牝でした。

 メジロブライトは天皇賞(春)を勝ち、父が果たせなかった夢を実現しました。こちらは、ステイヤーズステークス・阪神大賞典・日経新春杯・AJC杯と長い距離に滅法強いサラブレッドでした。

 メジロライアンは父アンバーシャダイの最高傑作であり、日本競馬を席巻したノーザンテーストの血統を継ぐ代表的存在であったと感じます。

 続いて、8月16日にニッポーテイオーが旅立ちました。

 こちらは、まさに「中距離の王者」であったと思います。

 4歳秋に本格化し、天皇賞(秋)で初のG1勝ち、マイルチャンピオンシップも制して、5歳の春には安田記念も優勝しました。そして5歳の宝塚記念(2200m)で、当時の最強ステイヤー・タマモクロスと激突、1番人気はニッポーテイオーでしたが、レースではタマモクロスに2馬身余りの差で2着でした。
 このレースは、「1600m~2000mの最強馬」と「2400m以上の最強馬」が2200mの距離で覇を競い、1・2着を分けたという「劇的」なものでした。我が国の競馬では滅多に観られない「対決」でしょう。

 競走馬を引退し種牡馬となったテイオーでしたが、産駒はあまり活躍しませんでした。ニッポーテイオーは「現役時代にその力の全てを出し切った」のかもしれません。
 産駒の中で印象的なのは「113戦0勝」という記録的な連敗で、かえって全国から注目を集めた、高知競馬のハルウララでしょうか。

 メジロライアンは29歳まで、ニッポーテイオーは33歳まで長生きしました。天寿を全うしたのです。

 多くのファンに夢と希望を与えてくれた両馬が共に、種牡馬を引退した後の余生を、ゆったりと過ごしてくれたことは、何よりであったと感じます。
 
 6月30日、ドゥラメンテの現役引退が報じられました。

 宝塚記念2016のレース中に故障を発症していましたから、今年の凱旋門賞は回避するであろうと思っていましたが、まさか引退とは・・・。

 衝撃的なニュースでした。

 2015年の皐月賞・日本ダービーを圧勝した時には、三冠達成の可能性が高く、ひょっとすると日本競馬史上最強馬が誕生するのではないかと感じました。

 ところが日本ダービー後骨折が判明して菊花賞を回避しました。今回の故障も含めて、その競走馬としてのキャリアには「故障の陰」が付きまとっていたのです。

 ドゥラメンテの競走成績は9戦5勝・2着4回でした。連を外したことが無かったのです。

 日本競馬史上「最も多くのレースを走り、連を外さなかった馬」は、あのシンザンです。
 シンザンは19戦15勝・2着4回でした。
 「日本競馬史上最強馬」の評価は、今も変わらないのでしょう。

 この他には、ダイワスカーレットの12戦8勝・2着4回が目立ちます。
 ダイワスカーレットも、日本競馬史上最強の牝馬の1頭であることは間違いありません。

 ドゥラメンテは、シンザンやダイワスカーレットに匹敵する記録を残すことが出来る能力を保持したサラブレッドであったと思います。

 2015年5月31日、日本ダービーのパドックを観た時の感動を忘れることが出来ません。
 ドゥラメンテの馬体が見事だったのです。

 私が観た3歳馬の馬体の中で、最高のものであったと思います。

 その素晴らしい馬体は、また、「骨格が勝り、筋肉が少し足りない」感じがしました。
 つまり「大きな伸びしろ」を感じさせるものだったのです。
 3歳秋、4歳と、「ドゥラメンテの馬体はどこまで成長するのだろう。そして、いつ完成するのだろう」と思いました。
 馬体が完成した時には、「世界一のサラブレッド」になるのではないか、そして「世界競馬史に残るサラブレッドになるのではないか」とも思いました。

 しかし、残念ながら、「完成したドゥラメンテの馬体」を観ることは出来ませんでした。
 
 この点が、心残りです。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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