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 エネイブルが、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(KGⅥ&QES)において、史上初の「3度目の優勝」を飾ったというニュースに接して、改めて、この大レースを復習する機会に恵まれました。
 どんなスポーツ競技・種目においても、大記録が生まれると、当該競技・種目を振り返る機会が生まれるのです。

 KGⅥ&QESが、ヨーロッパの夏競馬を代表する大レースであることは、競馬コラム274にも書いた通りです。
 1951年7月21日に第1回のレースが開催されて以降、幾多の名馬が挑戦し、勝利を収めてきました。
 それはもう、眩いばかりです。

 優勝馬達を、少し観て行きましょう。

・1956年 リボー(イタリア馬-イギリス生まれ、16戦16勝)
・1970年 ニジンスキー(アイルランド馬-カナダ生まれ、13戦11勝・2着2回)
・1971年 ミルリーフ(イギリス馬-アメリカ生まれ、14戦12勝・2着2回)
・1972年 ブリガディアジェラード(イギリス馬-イギリス生まれ、18戦17勝・2着1回)
・1973年・74年 ダリア(フランス馬-アメリカ生まれ、48戦15勝)

 世界の競馬ファンであれば誰もが知っている「名馬」のオンパレードです。
 1頭1頭が、世界の競馬史に燦然と輝く存在なのです。(改めて、1970年代前半にこれだけの名馬たちが揃っていたことに驚かされます)

・1977年 ザミンストレル(アイルランド馬-カナダ生まれ、9戦7勝)
・1981年 シャーガー(イギリス馬-アイルランド生まれ、8戦6勝)
・1986年 ダンシングブレーヴ(イギリス馬-アメリカ生まれ、10戦8勝)
・1989年 ナシュワン(イギリス馬-フランス生まれ、7戦6勝)
・1997年・98年 スウェイン(フランス&イギリス馬-アイルランド生まれ、22戦10勝)

 20世紀の末にかけても名馬が並びます。
 後に日本において種牡馬となり、日本で生涯を終えたダンシングブレーヴも優勝しています。

・2001年 ガリレオ(アイルランド馬-アイルランド生まれ、8戦6勝)
・2006年 ハリケーンラン(フランス馬-アイルランド生まれ、14戦8勝)
・2017年・18年・20年 エネイブル(イギリス馬-イギリス生まれ、17戦14勝・現役)

 21世紀になってからも、数々の名馬がこのレースを制しています。
 大種牡馬サドラーズウェルズの後継種牡馬にして、既に大種牡馬と呼ばれるガリレオが、21世紀最初の優勝馬でした。

 今回は、ヨーロッパの夏競馬を代表する12ハロン=約2,400mの大レース、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスの優勝馬を観てきました。
 他の年の優勝馬の中にも、数多くの名馬が並んでいます。(本稿での挙げ方は私の好みですので、ご容赦ください)

 このレースも斤量が、3歳牡馬は54.9kg、4歳以上牡馬が60.3kg、牝馬はそれぞれ△1.4kgに設定されていますから、3歳牡馬・牝馬が有利に観えます。

 日本の3歳馬の挑戦が待たれるところです。

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[7月25日・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・アスコット競馬場(イギリス)]
1着 エネイブル(6歳牝) 2分28秒92
2着 ソヴリン(4歳牡) 5・1/2馬身差
3着 ジャパン(4歳牡) 11馬身差

 イギリスというか、ヨーロッパの夏競馬を代表する大レース、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスG1(芝12ハロン=約2,400m)が行われ、エネイブルが圧勝しました。

 今年のレースは3頭立てでした。(当初は4頭立てでしたが、アンソニーヴァンダイクが取り消し、3頭立てとなりました)
 これだけの大レースが5頭以下で行われることは、我が国では滅多にありませんが、欧州競馬であれば、時折眼にすることがあります。
 「勝ち目無し」と判断すれば、出走を回避する陣営も多いのです。

 レースはソヴリンが逃げエネイブルが追う展開。
 4角を回ってエネイブルがソヴリンを交わして、そのままゴールインしました。

 エネイブルは、2019年に続いてこのレースを連覇、2017年にも優勝していますから、3度目の制覇となります。
 1951年に創設された、このレースを3度制したのは、エネイブルが史上初です。
 (1973年・74年で連覇を果たした名牝ダリアをも超えたのです)
 
 それだけ(あまり適切な言葉ではありませんが)でも凄いことなのですが、この勝利により、エネイブルは「G1レース・11勝目」となりました。
 
 G1の勝ち鞍数ということであれば、21世紀ならば中距離の名馬フランケルの10勝が直ぐに思い出されますが、エネイブルはそれをも超えたのです。

 さらに、「2,400mのG1」にとても強いところが、エネイブルの特徴でしょう。

・イギリスオークス
・アイリッシュオークス

 と、3歳牝馬の12ハロンG1を計2勝。

・ヨークシャーオークス(3歳以上牝馬限定・12ハロン) 2勝

 そして、欧米の2,400mの大レース制覇が並びます。(アメリカでも勝っているところに、一層の凄さを感じます)

・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス 3勝
・凱旋門賞 2勝
・ブリーダーズカップ・ターフ

 2,400m以外の距離でG1を勝ったのは、2019年のエクリプスステークス(2,000m)の1勝だけなのですから、これはもう「12ハロン・2,400mのスペシャリスト」と呼ぶべき存在なのです。

 2,400mが「大レースの距離」であることは、日本の競馬を観てもよく分かることですから、エネイブルは欧米の大レースで無類の強さを魅せる存在、と言うことになります。

 彼女が次に狙うのは、凱旋門賞2020なのでしょう。

 2017年・18年の凱旋門賞連覇は記憶に新しいところですが、2019年のレースでは惜しくも2着となりました。
 こちらも「史上初」の「凱旋門賞3勝目」を目指して、エネイブルの挑戦が注目されるところです。

 それにしても、頭書のレースの制覇により、通算17戦14勝(含む12連勝)・2着2回・3着1回、G1を11勝とした成績を観ると、エネイブルは、まさに世界競馬史における「歴史的名牝」なのでしょう。

 7月21日、ビワハヤヒデの死去が報じられました。
 老衰の為、30歳で亡くなったと。まさに大往生でしょう。

 とても強い「芦毛の名馬」でした。

① 勝つ時にはとても強く、負ける時は惜敗

 初のG1制覇であった1993年の菊花賞は2着ステージチャンプに5馬身差、1994年天皇賞(春)は2着のナリタタイシンに1と1/4馬身差、同じ年の宝塚記念は2着のアイルトンシンボリに5馬身差、同じ年の京都記念G2は2着のルーブルアクトに7馬身差と、優勝する時のビワハヤヒデは、圧倒的な強さを魅せてくれました。

 一方で、敗れたレースは、1992年の朝日杯3歳ステークスがエルウェーウィンにハナ差の2着、1993年の皐月賞がナリタタイシンにクビ差の2着、日本ダービーがウイニングチケットに1/2馬身差の2着、同じ年の有馬記念がトウカイテイオーに1/2馬身差の2着と、何か「遠慮したかのような」惜敗が多かったと感じます。

 間違いなく、「高いレベルでの安定した強さ」を具備していたのです。

② 15走連続の連対

 デビューの新馬戦から、15走目の産経賞オールカマーG3まで、15走連続で2着以内を確保しました。
 凄い記録です。
 これは、日本記録であるシンザンの19走連続連対に次ぐ、日本2位の記録なのです。
 この点ならば、シンボリルドルフやディープインパクトをも凌いでいます。

③ ナリタブライアンとの兄弟対決ならず

 これ程強かったビワハヤヒデが、当時あまり目立たなかった理由のひとつとして挙げられるのが、1歳年下の半弟・ナリタブライアンの存在でしょう。
 三冠馬・ナリタブライアンの活躍は、その「勝ちっぷりの豪快さ」も相俟って、この時代を代表するサラブレッドとしての評価が高かったのです。

 1994年の有馬記念において、「兄弟対決」が期待されましたが、ビワハヤヒデは天皇賞(秋)で故障を発症し、初めて5着に敗れて、そのまま引退してしまいました。

 現在でも、ナリタブライアンとビワハヤヒデがあの有馬記念で戦ったら、どちらが強かったか、という話が、競馬仲間内で出ることが有りますが、私はビワハヤヒデが僅かに上だったのではないかと考えています。

④ 30歳という長寿

 競走馬で、30歳以上の長寿を全うする馬は滅多に居ません。
 G1レース3勝、1993年の年度代表馬といった、栄光の道を歩み、長寿を全うしたビワハヤヒデは、素晴らしいサラブレッドだと思います。

 ビワハヤヒデ号、父シャルード(芦毛。フォルティノ系)、母パシフィカス、母の父ノーザンダンサー。通算16戦10勝・2着5回。

 ビワハヤヒデのレースの中では、やはり菊花賞が印象的でした。
 上がり3ハロン・34秒5という、出走馬中最速で走り、ゴールに向かって、どんどん差を広げたのです。

 「強いなぁ」と呟きました。

 ご冥福をお祈り申し上げます。
 中央競馬会のHPにある「日本馬海外遠征の記録」というDBに則って、1958年から21世紀に至る、日本馬の海外挑戦の記録を追ってきましたが、2011年にはひとつのピークが訪れました。

 ヴィクトワールピサ(牡4歳)によるドバイワールドカップ優勝です。

 毎年春に開催されるドバイミーティングのメインレース・ドバイワールドカップG1において、日本馬が優勝するのは初めてでしたし、まだ2頭目の優勝馬は出ていませんから、現時点では「空前絶後」の快挙です。

 このレースについては、録画が残っていて、久し振りに観てみました。

 ダート2,000m、14頭立てのレースには、ヴィクトワールピサ、トランセンド(牡5歳)、ブエナビスタ(牝5歳)の3頭の日本馬が出走しました。
 スタートから、レース前の予想通りトランセンドが逃げます。

 イギリスのエクリプスステークスG1やチャンピオンズステークスG1を勝っているトワイスオーヴァーらとともにヴィクトワールピサは中団に進出し、ブエナビスタは後方から進みました。
 トランセンドは、顔をやや左に向けたまま走ります。
 解説によれば、左前方からレースを撮影しているカメラを観ているのであろうということでしたが、左を観ながら真っ直ぐ走る様子がずっと続いていました。

 4角、トランセンドは先頭で回り、外から一気にヴィクトワールピサが並びかけます。
 しかしトランセンドもよく粘って大接戦。
 ヴィクトワールピサがグイッと出て、1/2馬身差を付けて勝ちました。

 鞍上のミルコ・デムーロ騎手が喜びを爆発させています。
 泣いているようにも見えました。
 それはそうでしょう。ドバイワールドカップに勝ったのですから。

 2着のトランセンドも、持ち前の先行力と二の脚で、本当に良く粘りました。
 藤田伸二騎手の好騎乗でしょう。
 ブエナビスタは伸び切れず8着でした。

 「力と力の勝負」というレースでした。
 そうしたレースで、日本馬は1・2フィニッシュを果たしたのです。

 2011年には、2010年の凱旋門賞で惜敗したナカヤマフェスタ(牡5歳)が、蛯名正義騎手と共に再びフランスに遠征しましたが、前年程のコンディションでは無かったのでしょう。フォワ賞G2で4着、凱旋門賞では11着に終わりました。
 ヒルノダムール(牡4歳)もナカヤマフェスタと共に挑戦しましたが、こちらはフォワ賞2着、凱旋門賞10着でした。

 12月には、2010年の牝馬三冠・アパパネが香港マイルG1に挑みましたけれども、13着と大敗を喫しました。2011年夏から調子を落としていたアパパネですが、残念ながら走る意欲が感じられませんでした。

 2011年、海外遠征に出た日本馬で、海外重賞を制したのはヴィクトワールピサ1頭でしたが、その勝利は「大金星」だったのです。
 第61回宝塚記念は、4歳牝馬クロノジェネシスの圧勝でした。
 2着キセキに「6馬身差」というのは、想像を遥かに超える強さでしょう。

[6月28日・阪神競馬場]
1着 クロノジェネシス 2分13秒5
2着 キセキ 6馬身差
3着 モズペッロ 5馬身差
4着 サートゥルナーリア 1・3/4馬身差
5着 メイショウテンゲン クビ差

 サートゥルナーリアとラッキーライラックの争いが予想されたレースでしたが、クロノジェネシスの人気も高く、締め切り時点では2番人気になっていました。
 
 馬体重は+10kgの464kgとなっていましたけれども、500㎏を超える強力な牡馬陣を相手にしては、やや荷が重いかと思われました。
 しかし、直線に出て、ラッキーライラックと少し競った後は「独走」でした。
 やや重馬場とは思えないような、綺麗なギャロップでした。

 レース前に再び雨が降ったと報じられましたが、思ったより重い馬場だったのでしょうし、各馬の馬場状態への巧拙が、はっきりと出たレースでもあったのでしょう。

 グローリーヴェイズは「行き脚」が悪く、向う正面から追い詰めでした。最後はブービーに終わっています。
 ラッキーライラックも、最後の直線でズルズルと後退してしまいました。
 サートゥルナーリアは、意地を見せましたけれども4着止まりでした。

 このレースの走りを観ると、たとえ良馬場であってもクロノジェネシスは勝ち負けの競馬は出来たであろうと思いますが、馬場状態の為に大きな差が付いたのであろうとも思います。
 2着に入ったキセキも、おそらくは「重巧者」です。3着馬に5馬身差を付けているのですから。

 「重巧者」あるいは「道悪巧者」という言葉は、21世紀になってからは、あまり聞かれなくなりました。
 馬場の芝が良くなったこともあってか、全体として良い馬場での開催機会が増えたのかもしれないと感じます。

 20世紀においては、道悪に滅法強い馬が何時の時代にも居て、各種のレースをとても面白いものにしてくれました。

 直ぐに思い出すのは1980年の天皇賞(秋)です。
 この頃、天皇賞(秋)は3,200mでしたが、このレースではプリティキャストが「大逃げ」を打ち、そのまま逃げ切ったのです。
 少なくとも私が観た八大競走・G1レースにおいて、あれ程の「大逃げ」は空前絶後でした。
 一時は、2番手の馬に100m前後の差を付けていたでしょう。
 
 このレースは重馬場でした。
 そして「重巧者」(私はそう考えています)の5歳牝馬・プリティキャストは、カツラノハイセイコやホウヨウボーイといった強い牡馬を倒したのです。
 一世一代の走りでした。

 もちろん21世紀においても、道悪上手・下手の馬は居るのでしょうから、そうした情報と気象情報を良く突合して、レースを予想することが必要なのでしょう。
 
 「重巧者」という言葉・概念を思い出させてくれた、クロノジェネシスの快走でした。
 6月28日、阪神競馬場芝2,200mコースで行われる、第61回宝塚記念競走G1の注目馬検討です。

 夏のグランプリレースに、今年も18頭が出走して来ました。
 とても良いメンバーが揃ったと感じます。

 宝塚記念のポイントのひとつは「2,200m」という距離でしょう。
 マイラーにとっては長いのです。
 かと言って、2,000mを得意とする馬にも、少し長いと感じます。
 とはいえ、ステイヤーには少し短いのでしょう。
 
 こうしたオールスター戦用の「微妙な距離」だと思います。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、2枠3番のグローリーヴェイズ。
 前走、香港ヴァーズG1(2,400m)では、ラッキーライラック以下に快勝しました。少し間が空きましたが、出て来る以上はキッチリと仕上げてくれるでしょう。もともと、レース間隔が長いタイプです。

 第2の注目馬は、3枠5番のサートゥルナーリア。
 前走、金鯱賞G2は快勝でした。天才肌のサラブレッドという感じがしますので、今回も、気持ち良く走れるかどうかがポイントでしょう。C.ルメール騎手の手腕に期待します。

 第3の注目馬は、6枠11番のラッキーライラック。
 前走、大阪杯G1は強い勝ち方でした。あまりにも「強い勝ち方過ぎ」という感じさえして、その反動が少し心配です。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 多士彩々の良いレースが、とても楽しみです。
 海外重賞未勝利に終わった2009年に続く2010年も、日本馬にとっては厳しい結果となりました。

 重賞勝ちは、秋華賞馬レッドディザイア(牝4歳)によるG2アル・マクトゥームチャレンジ・ラウンド3のひとつだけでした。
 前稿にも書きましたが、ウオッカがこのレースの8着となっています。
 レッドディザイアは、続いて本番であるドバイワールドカップG1に挑み、こちらは11着でした。

 レッドディザイアはこの年の10~11月にはアメリカにも遠征し、フラワーボウル・インビテーショナルG1を叩いて、ブリダーズカップ・フィリー&メアターフG1に挑みましたが、3着と4着でした。

 2010年の4歳牝馬レッドディザイアによる、ドバイワールドカップとBCフィリー&メアターフへの挑戦は、世界を代表する大レースへの連続挑戦という、素晴らしい「冒険」だったのでしょう。

 なかなか勝てなかった2010年の日本馬ですが、とても惜しいレースもありました。

 まずは、ドバイシーマクラシックG1のブエナビスタ(牝4歳)です。
 2009年の桜花賞とオークスを制したブエナビスタが、4歳時の2戦目として挑んだのがドバイシーマクラシックでした。
 このレースは、最後の直線で英国馬ダーレミと激しい競り合いを演じ、3/4馬身差で惜しくも2着となりました。地力を挙げてきていたブエナビスタを振り切ったのですから、このレースはダーレミの出来がとても良かったのであろうと考えています。
 
 ちなみにこの年、ブエナビスタはヴィクトリアマイルと天皇賞(秋)の2つのG1を制し、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念を2着として、年度代表馬に輝いています。

 続いては、ナカヤマフェスタ(牡4歳)のフランス遠征です。
 宝塚記念2010の優勝を引っ提げて、凱旋門賞のためにフランスに渡ったナカヤマフェスタは、トライアルとしてフォワ賞G2に挑み2着となりました。
 そして本番では、直線でいったん先頭に立ち、追い上げてきた英国ダービー馬ワークフォースとの壮絶な叩き合いを披露しました。
 ゴールでは僅かにアタマ差での2着でした。
 4角で蛯名正義騎手が立ち上がるほどの不利を受けながら、勝ち負けの勝負を魅せたナカヤマフェスタは、直後のワールドサラブレッド・ランキングで127ポンド・5位となっています。
 世界が、その力を高く評価したのです。

 この凱旋門賞2010にはもう一頭、ヴィクトワールピサ(牡3歳)も出走し7着となっています。
 2011年の活躍を予感させる「試走」だったのかもしれません。
 
 また、2010年の秋冬には、トウカイトリック(牡8歳)がオーストラリアに遠征しています。
 コーフィールドカップG1とメルボルンカップG1に出走しましたが、共に12着でした。
 この後12歳まで走るトウカイトリックにとって、最初で最後の海外遠征となりました。

 2010年の日本馬による海外重賞挑戦は、レッドディザイアによるG2レース制覇の1勝に終わりましたけれども、アメリカ、フランス、UAE、オーストラリア、香港、シンガポールという、多彩な舞台における挑戦だったのです。

 6月7日、東京競馬場芝1,600mコースで開催される、第70回安田記念競走G1の注目馬検討です。

 春のマイル王決定戦です。

 日本中央競馬会の初代理事長・安田伊左衛門氏の功績を讃えて、1951年に創設された「歴史と伝統を誇るマイル重賞」です。
 1984年のグレード制導入と共にG1に格付けされています。
 「有馬記念」にしても「安田記念」にしても、重賞レース名に相応しい名字?の方々が日本競馬の発展に貢献してきていると、妙な視点から、毎年のように感心させられます。

 今年は14頭が出走してきました。
 良いメンバーが揃ったと感じます。

 レース検討のポイントは、ヴィクトリアマイルに続いて、「アーモンドアイ」の取捨ということになります。
 万全の状態であれば、牡馬牝馬を問わず「最強」と観られるのでしょうが、今回はレース間隔が短いことが気がかりです。
 5月17日から20日余りで、敢然と挑戦してきたのを観ると、陣営の強気が伝わってきます。このローテーションでも「勝てる」と踏んでいるのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠5番のアーモンドアイ。
 疲労残りが心配されますが、出てくる以上は本命でしょう。枠にも恵まれました。2㎏の斤量差も大きいと思います。
 
 第二の注目馬は、6枠9番のアドマイヤマーズ。
 朝日杯FS2018、NHKマイルカップ2019、香港マイル2019と、マイルG1を3賞していますから、現在の「マイルの鬼」という存在でしょう。アーモンドアイとの激突が、とても楽しみです。

 第三の注目馬は、4枠6番のインディチャンプ。
 安田記念2019、マイルチャンピオンシップ2019とマイルG1を2勝、前走マイラーズカップG3も快勝しています。脂が乗り切った時期の快走に期待します。

 今回は以上の3頭に注目します。

 ダノンプレミアムの大駆けが、あるかもしれません。

 府中の1,600mは「力勝負」です。
[2020年5月24日・優駿牝馬(オークス)・東京競馬場(無観客)]
1着 デアリングタクト
2着 ウインマリリン
3着 ウインマイティー

[2020年5月31日・東京優駿(日本ダービー)・東京競馬場(無観客)]
1着 コントレイル
2着 サリオス
3着 ヴェルトライゼンデ

 2020年は、「無敗のオークス馬」と「無敗の日本ダービー馬」が同時に誕生しました。

 2頭とも、とても強いレースを魅せてくれました。
 
 オークスにおけるデアリングタクトは、最後の直線の動きが見事でした。
 残り400mから、デアリングタクトは「進出ルート」を探しましたが、これがなかなか見つからない。
 松山騎手は何度か「外」を目指しましたが敵わず、残り距離はどんどん短くなります。
 残り250m辺りでしょうか、松山騎手は「内」を突きました。僅かに空いた馬間に飛び込んだのです。
 グイッと前に出て、前方に馬が居なくなってから、デアリングタクトは持ち前の「ピッチ走法」を繰り出しました。一完歩ごとに差を詰め、先行集団を捉えたのはゴール前30m辺りだったでしょうか。

 最後まで「レースの流れに乗れなかった」形ですが、それでも勝つところに、底知れぬ強さを感じます。

 「無敗のオークス馬」と言われて、直ぐには思い当たりませんでした。
 アーモンドアイにしても、ジェンティルドンナにしても、ブエナビスタにしても、ダイワスカーレットにしても、メジロラモーヌにしても、テスコガビーにしても、オークスに臨むときに「無敗」ではなかったと思い、クリフジは無敗馬だったが・・・と考えている内に「ミスオンワード」の名を思い出しました。
 「クリフジの再来」と言われたミスオンワードは無敗だったかもしれないと思い当たったのです。
 そして、テレビ放送で「63年振り」、ミスオンワード以来の無敗オークス馬と報じられました。(本ブログの2015年12月9日の記事「[競馬コラム158] 「京都3歳ステークス」を制した名牝ミスオンワード号」をご参照ください)
 1957年・昭和32年以来の大記録でした。

 8戦8勝で桜花賞とオークスの2冠を制したミスオンワードと4戦4勝の2冠馬デアリングタクト。半世紀以上の期間を経ているのですから、驚きです。
 
 ミスオンワードは、翌週の日本ダービーに臨みました。
 「連闘」にもかかわらず、何と3番人気に支持されましたが、これはやはり無理で、17着に敗れています。
 デアリングタクトには、ミスオンワードの様な無理はせず、きっちりと次のレースを選択していただきたいと思います。

 日本ダービーのコントレイルは「完璧」なレースでした。
 このレースでまず感心したのは、「ゲート入り」のスムースさでした。
 奇数番号が入り、偶数番号が入り、最後に18番のウインカーネリアンが入るまで、とても順調でした。
 これ程に何事も無く、あっという間にゲート入りが完了するG1レースは、滅多にないでしょう。私は初めて観た感じがします。
 「これが無観客の影響か」とも思いました。
 例年ならば、大観衆の眼前ですから、大歓声の中でのゲート入りとなり、興奮する出走馬が複数頭居るのです。

 さて、スタートもスムースでした。
 コントレイルも絶好のスタートを切り、逃げれば逃げられたであろう形でしたが、福永騎手はしっかりと抑えました。
 コントレイルは3~4番手でレースを進め、大欅の前あたりで他馬がしかけても落ち着いていましたから、6~7番手に下がりました。エネルギーを消費することなく4角に差し掛かったのです。

 直線に出て、馬場の真ん中に位置を取ったコントレイルは、残り300mから追い出しにかかりました。
 ぐんぐんと加速します。
 コントレイルの2馬身後方に居たサリオスもほぼ同時に追い始め、一時は少し差を詰めましたが、残り200mからスピードアップしたように観えるコントレイルとの差は、どんどん開き、ゴールでは3馬身となっていました。
 「一分の隙もない」、コントレイルのレース振りでした。

 父ディープインパクト以来15年振りの「無敗の2冠馬」誕生の瞬間は、余裕綽々の様子だったのです。
 「凄いレースをするなぁ」と呟きました。

 「サリオスも、こんな強い同期生が居なければ、とても強い2冠馬になれたのに」と妻が言いました。確かに、その通りでしょう。

 コントレイルの潜在能力はとても高いと感じます。
 大種牡馬ディープインパクトの代表産駒になるかもしれません。
 「三冠」を狙うに相応しい優駿ですが、凱旋門賞に挑んでいただきたいとも思います。
 凱旋門賞は「3歳馬が有利」なのですから。
 
 コントレイルとデアリングタクト。
 2020年の日本競馬は、素晴らしい3歳牡馬・牝馬を得ました。
 本当に、幸せなことです。

 5月31日、東京競馬場芝2,400mコースで開催される、第87回東京優駿競走G1の注目馬検討です。

 「競馬の祭典」日本ダービー。
 
 世界中の競馬において、「ダービーステークス」は常に注目される存在なのですけれども、我が国においては、その重要度・注目度が、他国比一層高いように観えます。
 G1レースも数多くあるのですが、多くのホースマンに「一番勝ちたいレース」を問えば、10人中9人、いや10人中10人が「日本ダービー」と答えるのではないでしょうか。
 本当に特別なレースなのです。

 2020年・第87回のレースにも18頭が出走してきました。フルゲートです。
 
 日本ダービーは「出走するだけでもとても名誉なレース」であることも、よく知られています。
 馬主の方々は、「表彰式のための正装」を準備して東京競馬場に向かうと言われています。
 出走するどの馬にも優勝のチャンスがあることは間違いないのですから・・・。

 過去にも書きましたが、20世紀においても、日本ダービーだけはカップルの観客が多かったと記憶しています。古い言葉で恐縮ですが「彼女を連れて行っても良い」雰囲気のレースだったのです。
 「競馬の祭典」ならではでしょう。(「無観客」は本当に残念です)

 日本ダービーには「好天」が似合います。
 良い天気になりますように。

 さて、注目馬検討です。

 2020年の日本ダービーは「2強対決」となりました。コントレイルとサリオスです。
 それも、その2強の強さは、そうとう抜けています。
 2歳時の2つのG1レースの優勝を分け合い、無敗で皐月賞に臨み、1着コントレイル、2着サリオス、その差は1/2馬身で、3着馬を3馬身以上離しての競り合いでした。
 この結果を観る限り、日本ダービーも「2強対決」と観るのが自然です。
 これを覆す理屈は、皆無でしょう。

 多くの出走馬にとって2,400mは未知の距離です。
 コントレイルもサリオスも「短距離血統」であるという根拠も、いまのところありません。
 そして、他馬との勝負付けは済んでいるのですから、「2強対決」となるのが必然なのです。

 一方で、「皐月賞1・2着」→「日本ダービー1・2着」とスライドしたのは、1983年のミスターシービーとメジロモンスニーまで37年間遡らなくてはなりませんし、「皐月賞1・2着」→「日本ダービー2・1着」を観ても、1995年のジェニュイン・タヤスツヨシ→タヤスツヨシ・ジェニュインまで25年間も遡らなくてはならないのですから、2020年のレースが皐月賞1・2着馬で決まると、簡単に考えることはできません。
 「皐月賞1・2着馬のどちらかが連から外れる」あるいは「皐月賞1・2着馬が共に連から外れる」と観る方が、歴史の流れには沿っている感じがします。
 30年に一度のことが2020年に起こると、考えるかどうか・・・。

 出走馬のレース実績からは「コントレイルとサリオスで鉄板」としか判断できませんが、日本ダービーの歴史からは「コントレイルとサリオスの1・2着」は滅多に起こりえないこととなります。
 
 極めて悩ましいのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠3番のワーケア。
 展開等の要素を含めて、2強を破るとすれば、この馬だと考えます。

 第二の注目馬は、6枠11番のガロアクリーク。
 短距離に強かったキンシャサノキセキ産駒ですが、スプリングステークスG2を制しているように距離適性は有りそうです。母系のキングマンボの血に期待しています。

 第三の注目馬は、8枠17番のヴァルコス。
 前走青葉賞G2の2着で府中の2,400mを経験しています。三浦康生騎手の手綱にも期待しています。

 今回は、以上の3頭に注目します。
 
 2強であっさりと決まってしまったとしても、それはそれで「21世紀初の出来事」となります。

 「競馬の祭典」を楽しみましょう。

 5月24日、東京競馬場芝2,400mコースで開催される、第81回優駿牝馬競走G1の注目馬検討です。

 今年もオークスがやってきました。
 無観客での開催は残念ですけれども、レースを重ねて行くこと、「歴史の積み重ね」が競馬の本質でもあろうと思います。

 今年も18頭のフルゲートとなりました。
 良いメンバーが揃ったと思います。

 4月12日に実施されたクラシック第1弾・桜花賞の結果は、当然ながら重要です。
 このレースを制したデアリングタクトは、2着のレシステンシアに1と1/2馬身、3着のスマイルカナに3馬身以上の差を付けました。
 レシステンシアはNHKマイルカップに出走しましたので、オークスには出てきません。
 そうすると、デアリングタクトはオークスに出走してくる桜花賞組の馬達に、桜花賞において「2馬身以上の差」を付けていることになります。
 大レースにおける「2馬身以上の差」は、勝負付けが付いているという見方が一般的でしょう。

 デアリングタクトは血統的に短距離馬であるとは見られていませんので、オークスにおいて彼女に先着する可能性のある馬を見出していくためには、桜花賞組以外を検討するということになります。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、2枠4番のデアリングタクト。
 桜花賞の末脚は素晴らしいものでした。様々な展開に対応できる脚質でもあります。枠にも恵まれましたから、軸はこの馬でしょう。

 第二の注目馬は、8枠16番のウインマリリン。
 4戦3勝。前走フローラステークスG2はゴール前の接戦を制しました。スクリーンヒーロー産駒ならではの「遅れてきた駿馬」となってほしいものです。

 第三の注目馬は、1枠1番のデゼル。
 前走スイートピーステークスLの上がり32秒5の脚は強烈でした。底を見せていない馬としての活躍が楽しみです。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 安定感十分のクラヴァシュドール、桜花賞3着のスマイルカナの走りも楽しみです。

 「優駿牝馬」の名に相応しい好レースが期待されます。

 アーモンドアイの快勝でした。

 強い馬が強いレースを魅せて勝利するというのは、多いようで少ないものですが、このレース程「見事な」勝ちっぷりは、滅多に観られないものでしょう。

 とても良いスタートを切りました。
 ゲートの中で落ち着きが無く、決してスタート上手では無いアーモンドアイですが、素晴らしいスタートでした。

 そのまま逃げても良かった位ですが、クリストフ・ルメール騎手は控えました。4~5番手でレースを進めます。

 4コーナー、ゆっくりと馬場の中央に出てきました。
 このシーンが、このレースにおいて最も好きです。
 力強く、悠然と右に動き、前が開けました。
 あとはゴールまで走るだけです。

 持ったまま先頭に立ち、残り250m辺りで、ルメール選手は追い出しましたが、ほんの100mでした。
 素晴らしい手応えに「これで十分」と感じたのでしょう。ルメール騎手は余裕を持って振り返り、他馬との差を確認して、追うのをやめました。

 アーモンドアイは楽走に入り、ゴール前では2度、跳ねるようなランを魅せました。
 「止まるための作業」に入っていたのでしょう。
 ゴール後、アーモンドアイは返し馬の様に動き、直ぐに止まりました。
 ノームコアが追い越して行きました。

 戻ってくるアーモンドアイは、息も乱れておらず、興奮もしていません。
 何もなかったかのようにスタンド前に来たのです。

 鞍上のルメール騎手のとても嬉しそうな様子が印象的でした。
 百戦錬磨の名手であるからこそ、彼女の強さを味わっていたのでしょう。
 本物は本物を知るのです。

 「桁違いのレース」を魅せていただきました。
 5月17日、東京競馬場芝1,600mコースで開催される、第15回ヴィクトリアマイル競走G1の注目馬検討です。

 今年も18頭のフルゲート(ディメンシオンが取消して17頭のレースとなりましたが)です。

 そして、アーモンドアイが出走してきました。
 ヴィクトリアマイル2020の最大のポイントでしょう。

 新型コロナウイルス禍の影響でドバイミーティング2020が行われなくなった結果ですが、私達としては日本で久しぶりに彼女の姿を眼にすることが出来るのです。

 有馬記念2019の直線で手応えが無くなり、ずるずると後退したのが、今でも不思議ですが、天皇賞(秋)2019までの走りが出来るならば、大本命であることは間違いないでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠12番のアーモンドアイ。
 出てくる以上は「大本命」です。

 第二の注目馬は、1枠1番のラブズオンリーユー。
 5戦4勝・3着1回、オークス2019の優勝馬です。前走エリザベス女王杯G1は、ラッキーライラックの「復活」の前に3着に敗れましたが、良く走っていたと感じます。

 第三の注目馬は、3枠5番のプリモシーン。
 三番手は大混戦ですが、「乗れている」ミルコ・デムーロ騎手の手腕に期待します。

 サウンドキアラは「大外枠」を克服できるかどうか・・・。

 それにしても、全18頭の内9頭がディープインパクト産駒とは。
 「死してなお」、本当に凄い種牡馬です。
 2008年の海外遠征については、先の記事でカジノドライブを採り上げた際に少し触れましたが、海外の重賞で勝利したのはカジノドライブ1頭でした。
 それが、アメリカのダート重賞で日本馬が挙げた唯一の勝利でした。

 そして2008年には、ウオッカ(牝4歳)がドバイデューティフリーG1に挑戦しています。結果は4着でしたが、ウオッカにとっては「経験を積む」ための遠征であったようです。

 2009年には、日本牝馬の遠征が続きました。

 まずアースリヴィング(牝3歳)が、UAEのクラシックレースに挑みました。
 UAE1000ギニー(ダート1,600m)で、ソーシャイニーに次いで2着、続くUAEオークス(ダート1,800m)もデヴォティーの2着と、惜しいところで勝ち鞍を挙げることが出来ませんでした。
 アースリヴィングは帰国後、日本で走り、結局重賞を制覇することはできませんでしたけれども、このUAEでの活躍は見事なものです。

 アースリヴィングはブラックエンブレム(牝4歳)と一緒にUAEに渡っています。
 そして、そのブラックエンブレムもバランシーンG3に出走し、9着でした。

 続いては、ウオッカ(牝5歳)の2年連続のドバイミーティング挑戦です。
 まずジュベルハッタG2で走り(5着)、本番のドバイデューティフリーに再挑戦したのです。
 しかし、残念ながら7着に終わりました。
 名牝ウオッカのドバイへの挑戦は、6歳=2010年も続き、G2アル・マクトゥームチャレンジ・ラウンド3に挑みましたが8着に終わっています。
 ウオッカは、ドバイとは相性が悪かったのでしょうか。

 2009年は、もちろん牡馬もシンガポールや香港の競馬に挑戦しましたけれども、残念ながら日本馬は海外重賞で勝利を挙げることはできませんでした。

 5月10日、東京競馬場芝1,600mコースで開催される、第25回NHKマイルカップ競走G1の注目馬検討です。

 今年も18頭が出走します。
 そして、今年も良いメンバーが揃いました。

 注目されるのは「牝馬陣」でしょう。
 桜花賞2着からオークスに行かずマイル路線を選択したレシステンシア、ファルコンステークスG3で牡馬相手に快勝したシャインガーネット、アーリントンカップG3で2着に食い込んだギルデッドミラー、同じく4着のボンオムトゥックと4頭が挑戦しています。
 とても強力でしょう。

 また、前走を快勝してきたサラブレッドも居ます。
 アーリントンカップを快勝したタイセイビジョン。
 ニュージーランドトロフィーG2を制したルフトシュトローム。
 毎日杯G3の覇者サトノインプレッサ。
 前述のシャインガーネット。

 そして無敗馬も居ます。
 ルフトシュトロームとサトノインプレッサです。

 どの角度からレースを検討するかによって、様々な結論が出てきそうな、とても興味深いレースなのです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、1枠2番のタイセイビジョン。
 ここまで5戦3勝・2着2回。2歳王者決定戦・朝日杯FSで2着、重賞2勝という実績は、ここでも最上位でしょう。前走アーリントンカップも快勝でした。我が国におけるタートルボウルの代表産駒となるかもしれません。

 第二の注目馬は、2枠3番のレシステンシア。
 2歳女王決定戦・阪神JFの走りは圧巻でしたし、レコード勝ちですから当然ですが、時計も優秀でした。桜花賞は「重」が堪えたと観ています。ここでも勝ち負けの競馬を魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、7枠14番のルフトシュトローム。
 前走NZTを勝っての3連勝。マイルのスペシャリストとして、早くも地力を示しつつあります。しっかりとした末脚に期待しています。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 多士彩々の3歳マイル路線。
 素晴らしいレースを魅せてくれることでしょう。


 スティッフェリオとフィエールマンの競り合いは、見応え十分でした。

 ゴール前100mでは、「届かない」ように観え、ゴール前30mでもスティッフェリオが明らかにリードしていました。
 ところが、ゴール前10mからフィエールマンがどんどん追込み、ゴール寸前で捉えた形です。

 フィエールマンは、天皇賞(春)2019においてもグローリーヴェイズと追い合って、クビ差先着しています。
 長距離戦におけるゴール前の勝負強さを、2年連続で示してくれたのです。
 
 天皇賞(春)を連破した、史上5頭目(メジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノ、キタサンブラック、フィエールマン)のサラブレッドですけれども、フィエールマン程「僅差」での連覇は、史上初めてでしょう。

 もちろん、この接戦はスティッフェリオの健闘から生まれたことは間違いありません。

 レース後のインタビューで、クリストフ・ルメール騎手は「(4コーナーで)楽勝だと思った」とコメントしました。十分に余力を残して、最後の直線に臨むことが出来たのでしょう。
 私もレースを観ていて、4角から直線にかけて、フィエールマンが前の馬にぶつかりそうになりながら左に交わして、追い出しにかかった時、「フィエールマンの勝ち」に観えました。
 ところが、スティッフェリオがとても良い二の足を使ったのです。
 今後のスティッフェリオのG1路線における活躍が、とても楽しみです。

 クリストフ・ルメール騎手といえば、これで天皇賞4連勝という、こちらも大記録を樹立しました。

① 2018年10月28日 第158回 天皇賞(秋) レイデオロ
② 2019年4月28日 第159回 天皇賞(春) フィエールマン
③ 2019年10月27日 第160回 天皇賞(秋) アーモンドアイ
④ 2020年5月3日 第161回 天皇賞(春) フィエールマン

 の4連勝。
 第158回から161回までの天皇賞の鞍上は、全てC.ルメール騎手なのです。
 空前の大記録。

 第161回天皇賞(春)は、記録ずくめのレースとなりました。

 その記録達成が、ゴール寸前で決まったことが、本当に凄いところなのでしょう。

 5月2日、京都競馬第10レース・下鴨ステークス(芝2,000m)に出走した、牡11歳のスズカルパンは、JRA通算100走を達成しました。

 レース結果は、13頭立ての10着でしたが、元気な姿を魅せていただきました。

 2011年9月10日の2歳新馬戦でデビュー(4着)したスズカルパンは、2012年3月4日、9走目の3歳未勝利戦で初勝利を挙げました。1番人気での勝利でした。

 同期のゴールドシップやジェンティルドンナの活躍の陰で、3歳時はこれ以上勝利を挙げることはできませんでした。

 迎えて4歳、2013年5月18日の4歳以上500万下戦で2勝目を挙げます。自身24走目でした。
 そして5歳、2014年4月26日の4歳以上500万下戦で3勝目。36走目でした。
 さらに7歳、2016年5月8日の鴨川特別(1000万下)戦で4勝目。63走目でした。

 以上がスズカルパンの勝ち鞍です。通算100戦4勝となります。

 本当に良く走ってきたと感じますし、勝ち鞍が3~5月に集まっていますので、「春が得意」ということなのでしょう。

 お父さんは、あのスズカマンボ(父サンデーサイレンス、母スプリングマンボ)です。
 天皇賞(春)2005を制覇し、朝日チャレンジカップG3にも優勝しています。
 
 さて、競馬界には「無事これ名馬」という言葉が有ります。
 
 スズカルパンは、戦績的にはいまひとつなのでしょうが、まさに「無事これ名馬」の一頭でしょう。
 20世紀に比べれば、出走するレース間隔が広くなっていると感じられる21世紀の競馬において、11歳まで走り100走を達成したのですから。
 素晴らしい記録でしょう。

 この記録は、中央競馬史上第8位の記録なのだそうです。
 1位は、1998年にデビューし2006年に引退したハートランドヒリュの127走(4勝)とのこと。

 スズカルパンがこの記録を抜くことは難しいのでしょうけれども、これからも元気な姿を魅せていただきたいと思います。
 
 5月3日、京都競馬場芝3,200mコースで開催される、第161回天皇賞(春)競走G1の注目馬検討です。
 
 歴史と伝統を誇る天皇賞(春)ですが、2020年も14頭が出走してきました。
 3,200mという、現在JRAで行われるG1レースの中では最長です。

 マイルから中距離のレースが多くなった昨今では、とても長く感じますし、距離適性が問われるレースでもあります。
 20世紀から21世紀にかけての時期には、スローペースで進行し、4角にかけての辺りから「ヨーイドン」という競馬が観られるようになり、距離適性は関係ないという時期もあったように思いますが、2010年頃からは、やはりステイヤーが強いレースになってきているように感じます。
 それが、現代における「天皇賞(春)の価値」なのでしょう。
 
 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠14番のフィエールマン。
 当代随一のステイヤーでしょう。天皇賞(春)2019の勝ち馬であり、菊花賞2018も制しています。大外は長距離戦でも不利ですが、この馬なら熟してくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠7番のユーキャンスマイル。
 前走阪神大賞典G2は快勝でした。レース毎にややムラが有るところが気になりますが、浜中騎手の手綱に期待します。

 第三の注目馬は、6枠9番のミライヘノツバサ。
 前走ダイヤモンドステークスG3はメイショウテンゲンとの叩き合いを制しました。長距離レースのハナ差勝ちは、ステイヤー資質を示していると考えます。格下の7歳ですが、乾坤一擲の走りに期待しています。

 今回は以上の3頭に注目します。

 エタリオウとメロディーレーンの大駆けが、少し気になりますが。

 淀の3,200m・・・。
 いつもワクワクさせられるレースです。

 2007年のエポックはアドマイヤムーンのドバイデューティフリーG1制覇でしょう。

 3歳時、皐月賞4着、日本ダービー7着と、同期トップクラスの実力は認められながらも、今ひとつ勝ち切れなかったアドマイヤムーンは、4歳になって本格化、2月の京都記念G2に勝利して、海外遠征に出ました。
 その緒戦のドバイデューティフリー(現、ドバイターフ)を快勝したのです。
 このレースではダイワメジャーも3着に食い込みました。

 アドマイヤムーンは返す刀で香港のクイーンエリザベス2世カップG1にも挑みましたが、これは3着に敗れました。
 この後、宝塚記念とジャパンカップの国内G1を制覇したアドマイヤムーンは、2007年の年度代表馬に選出されました。

 2007年の海外G1制覇は、もうひとつあります。
 シャドウゲイトのシンガポールエアラインズインターナショナルカップ。

 アジアの競馬であれば、香港での活躍が続いていた時期ですが、シンガポール競馬でも活躍が始まったのです。
 実は、このレースでは、2006年にコスモバルクが優勝していました。
 中央競馬からでは無く、ホッカイドウ競馬からの挑戦でしたが、2007年のレースでも2着に食い込んでいます。日本馬の1・2フィニッシュでした。

 また、アメリカのキャッシュコールマイル招待(ロイヤルヒロインマイル)G2に3頭の日本馬が出走しています。
 キストゥヘブンが4着、ディアデラノビアが5着、コイウタが9着でした。

 こうして見て来ると、2007年には「同一レースに複数の日本馬が出走する」ことが多かったようです。

 数多くの日本のホースマン達が、海外挑戦を検討・実行するようになってきたということなのでしょう。
 2006年になると、海外競馬を走る日本馬が本当に多くなりました。
 既に「挑戦」というよりは、馬毎の特性やキャリアに合わせて、走るレースを選ぶ際の選択肢に海外の競馬が含まれるようになったという感じでしょうか。

 春3月には、ドバイミーティングでの活躍が有りました。

 まず、ユートピア(牡6歳)がゴドルフィンマイルG2(ダート1,600m)を制しました。
 ユートピアは、ハーツクライの僚馬としてドバイに行ったのではないかと思いますが、自らのフィールド・ダート競馬で金星を挙げたのです。
 ユートピアは、中央競馬で18走、地方競馬で12走、ドバイで1走、アメリカで3走と、「走る場所を選ばなかった」サラブレッドです。
 ゴドルフィンマイルの時には日本馬でしたが、アメリカでウェストチェスターハンディキャップG3を勝った時には、アラブ首長国連邦のシェイクモハメド殿下が率いるゴドルフィンに移籍していましたから、日本馬では無くなっていたのです。色々な意味で、インターナショナルな存在でした。

 さて、ユートピアと共にドバイミーティングに挑んだハーツクライ(牡5歳)は、ドバイシーマクラシックG1(芝2,400m)を圧勝しました。
 有馬記念2005でディープインパクトに土を付けたハーツクライが、翌年のドバイミーティングでもウィジャボードを始めとする世界の強豪馬を相手に4馬身差を付けての勝利を挙げたのです。
 気分良く走った時のハーツクライの先行力は、世界屈指だったのでしょう。

 ハーツクライは7月、英国のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスG1という欧州屈指の大レースにも挑み、こちらは残念ながら3着に終わりました。
 橋口調教師が「ハーツクライが寂しがっていた」とコメントしていましたから、この時もユートピアを帯同させていれば、結果は違っていたのかもしれません。
 彼には「気分良く走ってもらう」必要があったのでしょう。

 同じ7月、ダンスインザムード(牝5歳)が、アメリカのキャッシュコールマイルG3を制しました。
 3歳時に桜花賞を勝った後、アメリカンオークスG1の2着に食い込んだことは4月14日の記事にも書きましたが、これでアメリカ競馬に慣れていたのでしょうか、5歳になって重賞勝ちを収めました。

 2006年秋のエポックは、10月のデルタブルース(牡5歳)によるメルボルンカップG1(オーストラリア、芝3,200m)制覇でしょう。
 日本で、菊花賞(3,000m)やステイヤーズステークスG2(3,600m)に勝っているように典型的なステイヤーのデルタブルースが、その本領をオーストラリアでも発揮した形です。
 
 このレースにはポップロック(牡5歳)も出走していて、2着に食い込みました。
 日本馬による1・2フィニッシュ。

 日本のサラブレッドにとって、「活躍のフィールドが世界中の競馬場」になったことを象徴するような、メルボルンカップ2006でした。

 2005年に限定しなくとも、イギリスのインターナショナルステークスG1に挑んだゼンノロブロイ(牡5歳)の戦い振りは、日本馬の海外遠征全般を通じて、屈指のものであったと感じます。

 2004年の秋冬、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念を連勝して「年度代表馬」に君臨したゼンノロブロイが、勇躍挑んだのが、英インターナショナルステークスでした。
 結果は2着でした。
 G1の中のG1と書くと、誤解を招いてしまいそうですが、とても格の高いレースでの2着。

 長い日本馬海外遠征の歴史においても、このレースに挑戦したのは、2005年のゼンノロブロイと2019年のシュヴァルグラン(8着)の2頭だけです。

 インターナショナルS2005でゼンノロブロイを破ったのは、エレクトロキューショニストでした。クビ差でした。
 
 ご存知のようにエレクトロキューショニストは、通算12戦8勝、ドバイワールドカップやミラノ大賞も勝っているイタリアの名馬です。21世紀のイタリア最強古馬の一頭でしょう。インターナショナルSを勝ってから、プリンスオブウェールズステークスG1ではウィジャボードの2着、続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスG1ではハリケーンランの2着と、本場の強豪古馬相手に互角の戦いを演じています。

 そのエレクトロキューショニストとゼンノロブロイが、一歩も引かぬ叩き合いを演じたのです。

 これは、凱旋門賞1999のエルコンドルパサーとモンジュー、凱旋門賞2010のナカヤマフェスタとワークフォース、凱旋門賞2012のオルフェーヴルとソレミアに匹敵する接戦では無かったかと思います。
 ゼンノロブロイは、惜しくも大魚を逸したのでしょう。

 さて、2005年の海外での牡馬によるG1勝利は、ハットトリック(4歳)の香港マイルのみです。
 香港競馬において、着々と地歩を固めつつあった日本勢ですが、G1勝利となればやはり容易なことではありません。
 ハットトリックは、大外から豪快な追い込みを決めて、2着のザデュークに1・1/4馬身差を付け快勝しています。
 日本競馬を代表するマイラーとしての素晴らしい勝利でしょう。

 2005年の日本馬の海外遠征には、3歳牝馬シーザリオのアメリカでのG1勝利、4歳牡馬ハットトリックの香港でのG1勝利、そして5歳牡馬ゼンノロブロイの英国G1での大健闘、と素晴らしいドラマが展開されたのです。

 4月19日、中山競馬場芝2,000mコースで開催される、第80回皐月賞競走G1の注目馬検討です。

 1939年、横浜競馬場1,850mコースを舞台に、4歳馬(現在の3歳馬)限定レースの、横浜農林省賞典四歳呼馬(よんさいよびうま)競走として創設されたレースも、第80回を迎えました。
 クラシックレースとして、これからも開催され続けて欲しいものです。

 皐月賞2020はフルゲートの18頭が出走してきました。
 桜花賞と共に、良いメンバーが揃ったと感じます。
 無観客は、とても残念なことですけれども、良いレースを魅せていただきたいものです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠7番のサリオス。
 3戦3勝。昨年の2歳チャンピオン。その朝日杯フューチュリティ―ステークスG1での強さは、瞼に残っています。2歳時に活躍した馬は、なかなかクラシックでは活躍できないとも言われますが、この馬は違うとも感じます。
 
 第二の注目馬は、3枠5番のサトノフラッグ。
 4戦3勝。前走弥生賞G2は快勝でした。3歳になって、皐月賞と同じコース・距離のレースにおける強さは、本番での力になることでしょう。

 第三の注目馬は、1枠1番のコントレイル。
 3戦3勝。昨年末のホープフルステークスG1は快勝でした。サリオスを相手に「クラシックロードの主役」を決めるレースとなるのでしょうか。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 クリスタルブラックやガロアクリークにとっては、地力が試されるレースとなるのでしょう。

 最後の100mで抜け出してくるのは、どの馬なのでしょうか。

 JRAのHPにある「日本馬海外遠征の記録」という素晴らしいDB、今回は2004年からの3歳牝馬によるアメリカンオークス挑戦の記録を観てみましょう。

 アメリカンオークスステークスは、2002年に創設された、比較的新しいレースです。
 アメリカのレースとしては珍しく?、芝2,000m(正確には2,012m)で争われるレースであり、2004年からG1になっています。

 2002年から2013年までの間は、ハリウッドパーク競馬場で開催されていましたから、本稿の「日本馬4年連続出走」の舞台は、現在のサンタアニアパーク競馬場では無く、ハリウッドパークでした。

 さて、日本の3歳牝馬が、この創設間もないレースに挑むようになった経緯については分かりませんけれども、「芝コースの大レース」となれば、十分に戦えると日本のホースマン達が考えたことは、自然なことでしょう。

 成績です。
① 2004年 ダンスインザムード 2着
② 2005年 シーザリオ 1着
③ 2006年 アサヒライジング 2着
④ 2007年 ローブデコルテ 5着

 2004年は桜花賞馬の挑戦でした。
 2005年はオークス馬の挑戦でした。
 2006年は、桜花賞4着、オークス3着馬の挑戦でした。
 2007年はオークス馬の挑戦でした。

 この4年間、我らが日本競馬トップクラスの3歳牝馬がアメリカンオークスに出走し、好成績を残したのです。

 特にシーザリオは、スペシャルウィーク産駒として、通算6戦5勝・2着1回(桜花賞でラインクラフトの2着)でした。
 我が国における、21世紀最強牝馬の一頭でしょう。
 アメリカンオークスの勝利は、そのキャリアに燦然と輝く金字塔です。

 近時は、アメリカ合衆国の特にカリフォルニア州における競馬産業の不振のために、このレースの賞金額が激減し、G1格付けからも外れてしまい、海外からの挑戦馬にとっては魅力が減じてしまったと言われています。
 
 2004年から2007年にかけての、日本の3歳牝馬によるアメリカンオークスステークス挑戦は、日本馬による海外遠征のエポックのひとつなのです。

 4月12日、阪神競馬場芝1,600mコースを舞台に開催される、第80回桜花賞競走G1の注目馬検討です。

 2020年もクラシック競走が始まります。

 「無観客」はとても残念ですけれども、2020年の3歳世代に、きちんとした戦いの舞台が用意されたことは、とても素晴らしいことであり、レースの歴史が「競馬の本質」であることを考え合わせれば、関係者の皆様のご努力に頭が下がります。

 2020年の桜花賞は、フルゲートの18頭となりました。
 2歳時から活躍している馬も含めて、良いメンバーが揃ったと思います。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、3枠5番のマルターズディオサ。
 前走チューリップ賞G3の勝ち馬です。近時は、桜花賞に向けてチューリップ賞の位置付けが高くなっていると感じます。クラヴァシュドールとの大接戦でしたが、勝負強さを示したものと捉えています。

 第二の注目馬は、5枠9番のデアリングタクト。
 前走エルフィンステークスは、4馬身差を付けての圧勝でした。2戦2勝馬の潜在能力に期待しています。

 第三の注目馬は、2枠4番のサンクテュエール。
 前走シンザン記念G3は牡馬を相手に勝利しました。ディープインパクト産駒の強さを魅せて欲しいものです。

 2歳女王レシステンシアとフィリーズレビュー勝ち馬エーボスは8枠に入りました。
 上位に食い込む力は十分にあると思いますが、大外はやはり不利でしょう。

 2020年春、桜は早々に開花しましたが、その花は良く持っています。
 桜花賞においては、大歓声の代わりに、桜吹雪が乙女たちを包んでくれることを、祈っています。

 JRAのHPにある「日本馬海外遠征の記録」という素晴らしいDB、今回は2002年と2003年の記録を観てみましょう。

 2001年の香港競馬におけるG1・3勝やドバイのG2における勝利に比べ、2002年と2003年は、なかなか勝てなかったという印象です。

 この2年間で勝利したのは、2001年の稿にも登場したエイシンプレストンのクイーンエリザベス2世カップ(香港)G1の連勝のみです。
 エイシンプレストンは、「香港競馬における3年連続G1勝利」を成し遂げたのです。

 もちろん、2002~03年の日本馬海外遠征にも「惜しい」レースがいくつかありました。

 2002年では、やはりエアトゥーレ(牝5歳)のモーリスドゲスト賞G1の2着でしょう。
 あのシーキングザパールによる1998年の日本馬史上初の海外G1勝利のレースです。
 この短距離戦(1,300m)にエアトゥーレは勇躍挑戦し、好成績を残したのです。
 メイボールに3/4馬身差の2着でした。

 通算23走、重賞勝ちは阪神牝馬ステークスG2の1勝でしたが、このモーリスドゲスト賞での大健闘は、スプリンターとしての彼女の誇りでしょう。

 2003年では、ローエングリン(牡4歳)のムーランドロンシャン賞G1の2着でしょう。
 4歳となり、勇躍フランス競馬に挑戦したローエングリンは、ネブラスカトルネードに1/2馬身差の2着に食い込んだのです。
 日本においては、マイラーズカップと中山記念というG2レースに、それぞれ2勝ずつの重賞4勝と「マイル戦での強さ」を魅せてくれましたが、やはりマイルのムーランドロンシャン賞においても、その強さを発揮してくれたのです。

 2002年と2003年は、日本馬の海外遠征にとっては「力を蓄える時期」だったと考えた方が良さそうです。

 JRAのHPにある「日本馬海外遠征の記録」という素晴らしいDB、今回は2001年の記録を観てみましょう。
 
 2001年は「香港競馬での活躍」が目立った年でしょう。

① ステイゴールド(牡7歳) 香港ヴァーズG1 1着
② アグネスデジタル(牡4歳) 香港カップG1 1着
③ エイシンプレストン(牡4歳) 香港マイルG1 1着

 と、3頭がG1レースに勝っています。
 日本馬の香港競馬挑戦史上でも空前の成績であったと思います。

 ステイゴールドにとっては、自身唯一のG1勝利でした。
 アグネスデジタルにとっては、天皇賞(秋)からの「2,000mG1」連勝となりました。
 エイシンプレストンにとっては、朝日杯3歳ステークスG1以来のG1勝利であり、2002年と2003年のクイーンエリザベス2世カップ(香港)G1連勝に繋がる活躍でしょう。

 いずれも「堂々たる勝利」でした。
 この3頭の活躍によって、香港競馬における日本馬の地位が確立されたと言っても良いのかもしれません。

 ステイゴールドはこの年、ドバイシーマクラシックG2にも挑戦し、優勝しています。
 彼には「海外競馬の方が向いていた」のでしょうか。

 2001年の日本馬の海外挑戦で忘れてはならないのが、ドバイワールドカップG1におけるトゥザビクトリー(牝5歳)の2着入線でしょう。
 キャプテンスティーブの2着でしたが、当時の「牝馬によるドバイワールドカップ史上最高着順」ですから、大健闘です。
 ダートコース直線で、世界の一流牡馬と競り合う姿に、思わず「頑張れー」と声が出ました。

 2001年の日本馬による海外挑戦は、映像を観ていて、「ワクワクする」レースが多かったと感じます。

 JRAホームページの「日本馬海外遠征の記録」に関連する記事です。

 日本の競走馬による海外重賞挑戦の歴史において、1998年が特別な意味を持つことは、これまでも何度か書いてきました。

 それは、「1998年に日本馬が初めて海外『G1レース』に優勝」したことです。

 前年1997年のホクトベガの悲劇を乗り越えて、日本馬が大輪の花を咲かせてくれたのが、1998年だったのです。

 この年、海外遠征したのは、キョウトシチー、シーキングザパール、タイキシャトル、ロイヤルスズカ、ミッドナイトベットの5頭でした。
 2010年代以降と比べれば、とても少ないのですけれども、その戦いの内容はとても濃かったのです。

 まずシーキングザパールが8月9日、フランスのモーリスドゲスト賞(ドーヴィル競馬場)を勝ちました。鞍上は、武豊騎手でした。
 これが、日本馬による史上初の海外G1制覇でした。
 シーキングザパールの「初の日本馬海外G1制覇」という栄光は未来永劫変わらないのです。(本ブログ2014年11月11日付記事「[競馬コラム127] 日本馬初の欧州G1優勝 シーキングザパール号」、および、2019年4月30日付記事「KaZブログが選ぶ 平成のスポーツ10大ニュース」、をご参照ください)

 続いて翌週の8月16日、タイキシャトルがジャック・ル・マロワ賞G1(ドーヴィル競馬場)を制覇しました。鞍上は、岡部幸雄騎手でした。
 2週連続の、日本馬によるフランスG1制覇でした。(本ブログ2015年11月18日付記事「[競馬コラム156] マイルの鬼 タイキシャトル号」をご参照ください)

 そして12月13日、ミッドナイトベットが香港国際カップG2に優勝しています。
 鞍上は、河内洋騎手でした。
 同レースにおける、1995年のフジヤマケンザン以来2頭目の日本馬の優勝でした。

 1998年に海外遠征を行った5頭の日本馬の内3頭が重賞勝ちを収めたのです。
 内2頭は、日本競馬史にその名を刻むG1勝ちでした。

 残りの2頭はと言えば、キョウトシチーはドバイワールドカップG1で6着、ロイヤルスズカは香港国際ボウルG2で4着と、こちらも健闘しています。

 1998年は、日本馬の海外レース挑戦における「栄光の年」であったと感じます。

 4月5日、阪神競馬場芝2,000mコースで行われる、第64回大阪杯競走G1の注目馬検討です。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無観客レースが続いていて残念至極ですけれども、良いメンバーが揃いました。

 大阪杯というと「力の勝負」という印象があります。
 残り200mからの競り合いは、いつも見所満点。
 一気に末脚を伸ばす馬がいれば、一気に失速する馬もいる、という「絵」がよく観られます。
 4角までの走り、いかに余力を残すかがポイントとなるレースなのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠12番のクロノジェネシス。
 前走京都記念G2は快勝でした。カレンブーケドールやステイフーリッシュを寄せ付けないレース振りには、桜花賞・オークス3着、秋華賞優勝から、さらに成長した雰囲気があります。

 第二の注目馬は、6枠8番のダノンキングリー。
 前走中山記念G2は快勝でした。皐月賞3着、日本ダービー2着から、一歩成長した、「本格化」を感じさせます。

 第三の注目馬は、4枠4番のワグネリアン。
 第三の注目馬は、迷いに迷いました。
 有馬記念馬ブラストワンピース、エリザベス女王杯馬ラッキーライラックとワグネリアンで迷ったのです。
 日本ダービー2018の優勝から、いまひとつ勝ち切れないレースを続けてきましたが、そろそろ復活の時ではないかと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ゴール前、一気に抜け出してくるのは、どの馬なのでしょう。

 JRAホームページの「日本馬海外遠征の記録」の2014年の欄、牡6歳のアドマイヤラクティの1行目は、オーストラリア・コーフィールドカップG1・1着とあります。
 見事な豪州G1レースの優勝です。
 そして2行目は、オーストラリア・メルボルンカップG1・22着とあります。
 このレースは最下位でした。
 このレースの直後に「悲劇」が起こったのです。

 10月18日、芝2400mのコーフィールドカップ快勝で勢いに乗ったアドマイヤラクティは、11月4日の芝3200mのメルボルンカップに挑みました。
 長距離に強く、日本国内で唯一の重賞勝ちが2013年のダイヤモンドステークスG3(芝3400m)でしたから、距離が伸びて良いと観られていましたし、前走G1の勝利で、このレースでは一番人気に支持されました。
 しかし、レースでは4角から後退し、最下位の22着に敗れてしまいました。
 意外な負け方でした。

 レース後、滞在している厩舎に帰ったアドマイヤラクティは馬房内で倒れ、そのまま死亡しました。検死の結果、心臓麻痺でした。
 
 レース中に発症していたのではないかと観ています。
 心臓に故障を起こしたアドマイヤラクティは、懸命にゴールまで走ったのでしょう。
 その頑張りには、今でも涙が零れます。

 ハーツクライの仔として2010年にデビューしたアドマイヤラクティは、2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げましたが、その後も500万下や特別レースで健闘するものの、なかなか重賞には縁が有りませんでした。
 重賞初出走も、4歳12月の金鯱賞G2でした。このレースで3着に入着し、その後は重賞レースの常連となりました。
 2013年には前述のダイヤモンドステークスG3の優勝を始め、G2アメリカジョッキークラブカップ3着、天皇賞(春)4着、ジャパンカップ4着、G2アルゼンチン共和国杯と阪神大章典が2着と健闘しましたが、やはり主役にはなり切れなかったと感じます。

 そのアドマイヤラクティが、初めてG1を制したのがオーストラリアでした。
 オーストラリアの競馬が合っていたことは間違いないのでしょう。

 アドマイヤラクティは、大好きであったろう「豪州」の地に埋葬されています。

 3月29日、中京競馬場芝1,200mコースで開催(無観客)される、第50回高松宮記念競走G1の注目馬検討です。

 フルゲート18頭。
 春の短距離王決定戦ですが、良いメンバーが揃いました。

 現時点の「1,200m最強馬」という趣の馬は出走していませんので、これからのJRAスプリンター路線の軸となる馬を決めるレースと言って良いのでしょう。

 また、2月のフェブラリーステークスを制したモズアスコットの出走も、興味深いところです。ダートG1と芝G1の連勝というのは、素晴らしいことでしょう。

 さて、注目馬です。

 第1の注目馬は、5枠9番のタワーオブロンドン。
 昨秋のスプリンターズステークスG1の覇者ですから、最も格上でしょう。ここを勝つようなら、「THE古馬」の仲間入りです。

 第2の注目馬は、4枠8番のグランアレグリア。
 桜花賞馬であり、前走阪神カップG2も5馬身差で圧勝しました。牡馬一線級を相手に、どこまで戦えるかに注目です。

 第3の注目馬は、8枠18番のノームコア。
 大外に回ってしまいましたし、昨秋のヴィクトリアマイルG1勝ちを観ても1,200mは少し短いかとも思いますが、陣営としては持ち味のスピードが活かせる舞台と踏んでいるのでしょう。
 新しいスプリンターの登場に期待します。

 今回は、以上の3頭に注目します。
 いずれもG1馬ですから、やや「格」に偏った選定かもしれません。

 残念ながら今週も「無観客」のレースですけれども、熱い戦いを魅せていただけることでしょう。
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