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 毎年「驚かされる」ことが多い、MLBの7月31日ですが、2017年はダルビッシュ有投手の移籍が話題の中心でした。

 2017年のポストシーズン進出が難しい成績となったテキサス・レンジャーズの、今季今後の対応策として、相当前から移籍の話が出ていて、移籍先候補としてニューヨーク・ヤンキースとロサンゼルス・ドジャーズ、そして「第三の球団」(結局どこであるかは分かりませんでしたが)が上げられていました。

 トレードの期限である7月31日午後4時(日本時間8月1日午前5時)の寸前に、このトレードが成立したのです。
 毎年のことながら「ギリギリのビッグディール」が必ず有るのがMLBなのです。

 ご承知のように、7月31日現在、ドジャーズは74勝31敗・勝率.705(驚くべき高率)で、ナショナルリーグ西地区の「断トツの首位」、メジャーリーグ全体でも圧倒的な勝ち星と勝率で2017年のレギュラーシーズンを快走中です。
 今シーズンは、地区優勝はもちろんとして、久しく遠ざかっている1988年以来のワールドシリーズ制覇に向けて、準備中だったのです。

 もともとニューヨークに存した球団(ブルックリン・ドジャーズ)であり、1958年にロサンゼルスに移転してからは、東のヤンキース、西のドジャーズとして、MLB屈指の名門チームとしての存在感は抜群です。ワールドシリーズ制覇も6回を数えます。

 とはいえ、そのドジャーズもこのところのポストシーズンではなかなか勝ち進むことが出来ず、気が付けば「21世紀に入って1度もリーグチャンピオンになっていない」のも事実。
 熱狂的なことで知られるドジャーズファンにとっては、ライバルであるサンフランシスコ・ジャイアンツ(同じく1958年にニューヨークからサンフランシスコに移転)の21世紀に入ってからの活躍(3度のワールドシリーズ制覇)を横目で見ながら、「歯痒いシーズン」が続いていたことになります。

 こうした状況下ですから、2017年シーズンに賭けるファンの気持ちはとても強かったのです。

 ところが、2017年の快進撃、圧倒的な強さの中心プレーヤーであった大エース、クレイトン・カーショー投手が、持病の腰を悪化させて戦線を離脱してしまったのです。7月23日のことでした。

 ドジャーズにとっては、「カーショーが帰ってくるまでチームを支える、エース級のピッチャー」が急募されることとなったのは自然なことでした。
 そして、ダルビッシュ有投手に白羽の矢が立ったということになるのでしょう。

 カーショー投手の2016年シーズンの故障期間を考慮すれば、マウンドに帰ってくるまでには2ヵ月位を要すると思われますので、8月から9月末まで、つまり「2017年レギュラーシーズン終了まで」、ドジャーズはカーショー投手抜きで戦うことになりそうです。

 現在の大きな貯金を考え合わせれば、地区優勝は当然として、ポストシーズンに体制を整えて気持ち良く向かうための準備期間を、カーショー投手抜きで戦うことになったドジャーズにとって、ダルビッシュ投手への期待は極めて大きいということになります。

 カーショー投手が帰ってくるポストシーズンでは、チームを支える「2本柱」としての活躍が期待されることでしょう。

 ダルビッシュ投手にとっては、メジャーリーグで最初に所属した球団であり、5年半を過ごしたレンジャーズへの思いは、相当強いものがあると思います。
 大投手ノーラン・ライアン球団社長と共に行われた入団会見や、9回裏2アウトまで続けた完全試合へのトライ、トミー・ジョン手術で1年半ほどプレーが出来なかったことなど、ダルビッシュ投手にとってレンジャーズは忘れることが出来ないチームでしょう。

 しかし、2017年8月1日から、ダルビッシュ投手はドジャーズの一員として戦うこととなったのです。
 野茂英雄投手、石井一久投手、黒田博樹投手、そして前田健太投手の例を出すまでも無く、「ドジャーブルーのユニフォーム」は日本出身投手に良く似合います。

 ダルビッシュ有投手のワールドシリーズ制覇に向けての戦いが、今始まったのです。
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 ロサンゼルス・ドシャーズが走っています。

 驚異的なハイペースです。

 7月18日時点、オールスターゲーム2017を挟む34試合で30勝、この間の勝率が88%を超えるというのですから、想像を絶する強さでしょう。

 これ程の勝率は、1977年のカンザスシティ・ロイヤルズ以来40年振りと報じられています。
 これ程勝ち続けている状態が、史上初では無く、過去にも存在したいというのが、MLBの歴史を感じさせるところです。

 また、同時点でドジャーズはナショナルリーグNL西地区で2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスに10.5ゲーム差を付けて首位を快走していますが、2位チームとの差という面では、MLBのNO.1ではないというのも、興味深いところです。

 各地区で、最も2位との差が大きいのは、アメリカンリーグAL西地区で、ヒューストン・アストロズが2位のシアトル・マリナーズに16.5ゲーム差を付けてトップですし、NL東地区でも、ワシントン・ナショナルズが2位のアトランタ・ブレーブスに11.5ゲーム差を付けていますから、ドジャーズの10.5ゲーム差というのは「3番目の大差」ということになるのです。
 AL3地区、NL3地区、計6地区で3番目ですから、特出した大差ということにはならないでしょう。

 リーグ内での各地区間のチーム同士の対戦や、インターリーグもあって、各地区毎の勝率が異なるところがポイントなのでしょう。

 とはいえ、ドジャーズの65勝29敗・勝率.691は、アストロズの63勝31敗・勝率.670、ナショナルズの57勝36敗・勝率.613を上回っていますから、2017年レギュラーシーズンで今のところ「最も勝っているチーム」であることは、間違いありません。

 大エースのクレイトン・カーショー投手も既に15勝を挙げました。

 ドジャーズの驚異的な勝ちっぷりは、どこまで続くのでしょうか。
[7月11日・マーリンズパーク]
アメリカンリーグAL 2-1 NLナショナルリーグ(延長10回)

 例年同様に素晴らしいプレーヤーに彩られた「夢のゲーム」でしたが、2017年はピッチャー陣の頑張りが目立ちました。

 NLの先発はマックス・シャーザー投手(ナショナルズ)。
 1回表、ランナーを置いてALの3番、現在売出し中のルーキー、アーロン・ジャッジ選手(ヤンキース)を迎えました。オールスターゲームでの先発登板も含めて経験十分のシャーザー投手ですが、ジャッジ選手への投球は慎重を極めました。カウント3-2から変化球を外角に投じて空振りの三振としたのです。
 シャーザー投手の「実績と意地」が感じられる対決でした。

 ALの先発はクリス・セール投手(レッドソックス)。
 1イニングで交替したシャーザー投手とは異なり、セール投手は2イニングを投げました。NL打線に3安打は許しましたけれども、要所を締めて零封しました。

 この2先発投手の頑張り、安打は許したものの、「絶対に抑える」という強い意志を感じさせる投球が、試合を締まったものにしたと感じます。

 その後ALは、ベタンセス、バルガス、キンツラー、サンタナ、オズナ、デベンスキー、キンブレル、ミラーと投手を繋ぎました。
 NLは、ニシェク、マルティネス、ウッド、グレインキー、ハンド、ホランド、ジャンセン、デービスと投手を繋いだのです。

 そして、両チームの投手陣は、MLBを代表する打線を9回1失点に抑え込んだのです。

 オールスターゲームは、年によって打撃戦になることもあれば、投手戦になることもあるのですが、2017年は投手戦だったということになります。

 久しぶりに延長戦に縺れ込んだゲームは、延長10回表、ALのロビンソン・カノー選手(マリナーズ)がホームランを放ち、決着しました。
 こうした展開ですから、MVPはカノー選手となったのです。

 レギュラーシーズンのゲームであれば、100球前後の投球を任せられる、両リーグのエース級先発投手が1~2イニングを任せられた時の投球の凄さが、特に印象的でした。
 各々の投手の投球フォームが「超スローモーション映像」で流されたこともあって、まさに「腕も折れんばかりの投球」を観ることが出来たのです。

 愚妻が「あれだけ腕を酷使するのだから、故障するのも当然ね」と感心していました。

 もちろん、この「腕も折れんばかり」に観える投球フォームは理に適ったもので、「この投げ方とバランスであれば故障の心配はない」という、NHK-BS放送の小宮山氏の解説を聞いて、安心した次第です。

 今年から、オールスターゲームの勝利リーグがワールドシリーズの開幕戦を取るというルールが適用されなくなりました。
 本当の理由は知りませんけれども、ひょっとすると「この権利を取るために、オールスターゲームが真剣勝負になってしまい、面白くない」といった指摘に応えるルール変更だったのかも知れません。

 「オールスターゲームは、もっと和気あいあいとしたもの」になるべきであり、「華やかな打ち合いが望ましい」という見方もあるのでしょうか。

 しかし、ゲーム内容は、そうした狙い?とは裏腹に、息づまるような投手戦となりました。
 両リーグを代表する投手たちが「己のプライド」にかけて、両リーグを代表する打線を抑え込んだのです。

 登板する投手達の表情には「和んだ様子」は皆無で、「まなじりを決した」雰囲気が漂い続けました。
 最初は、少し華やいだ空気が漂っていた野手、打席に入る野手達も次第に本気モードになり、フィールドでは「世界最高レベルのプレー」が展開されたのです。

 ベースボールの頂点に居るプレーヤー達のプライドの高さを、改めて感じた、素晴らしいゲームでした。
 MLBオールスターゲーム2017の出場選手による「恒例」の個別会見が、7月10日にマーリンズパークで行われました。
 
 ベースボールプレーヤーにとっての名誉ある舞台・MLBオールスターゲームに選ばれたプレーヤーにとって、とても誇らしい舞台です。

 今年は、日本人選手はダルビッシュ有投手ひとりでしたが、ダルビッシュ投手も喜び一杯の個別会見だったそうです。

 ところが、その会見でダルビッシュ投手が「飛び過ぎるボール」について言及したと報じられたのです。

 2017年レギュラーシーズン前半は、過去に例をみないほどホームランが量産されていて、MLB使用球が飛ぶようになっているのではないかという話は、時々耳にしてきましたが、これほど明確にコメントしたのは珍しいかもしれません。

 「先日、眼を閉じた状態でコーチから2つのボールを渡され、明らかに固いボールがあったので、これが固いですと答えたら2017年のものだった。(他の投手も)みんな一致していた。2016年も前年から変わっていたはずなのですが、さらに今年は飛ぶようになっているのかなと思います」と。

 「自分がバッティング練習していてもセンターに入っちゃう。そんなこと絶対、自分の野球人生で、ホント1回も無かった。それが今、この31の年になって、センターに入るって、絶対におかしいと思います」と続きます。

 ダルビッシュ投手は、苦笑交じりにコメントしていたそうです。

 これが、ダルビッシュ投手の勘違い、肉体改造によりパワーが増したこと等によるものなのか、それとも本当に「飛び過ぎる」ボールに変わっているのか、は分からないところでしょうが、世界最高レベルのプレーヤーが集まるMLBのことですから、各プレーヤーは直ぐに分かった筈です。

 それでも、各々のプレーヤーからは中々言い出しにくいことを、ダルビッシュ投手が「外国人」プレーヤーとして、(やや気楽な立場から)明言したのかもしれません。

 日本プロ野球NPBでは数年前から何度も「飛ぶボール」が話題となってきました。

 その議論の根底には、「飛ぶボールなど使っていては、何時まで経っても、メジャーリーグには追いつけない」「飛ばないと言われるメジャーリーグのボールを遠くへ飛ばしてこそ、本当のパワーヒッターなのだ」という考え方があったと思います。

 そのメジャーリーグのボールが「飛び過ぎる」ようになっている、それも2016年・2017年と「2年連続で、より飛ぶように変化してきた」というのは、残念な話です。

 ファンは「ホームランが沢山出るゲーム」を観たがる、派手な打ち合いを喜ぶ、といった見方があるとすれば、少しファンをバカにしている感じもします。

 それにしても、その「飛び過ぎるボール」を投げながら、前半戦だけで14勝を挙げ、防御率2点そこそこ、99球・13奪三振で完投するという、クレイトン・カーショー投手というのは、改めて凄いプレーヤーだとも思うのです。
[7月9日・ドジャースタジアム]
ロサンゼルス・ドジャーズ5-2カンザスシティ・ロイヤルズ

 オールスターブレイクを控えた、両チームにとっての2017年レギュラーシーズン前半最終戦は、カーショー投手の素晴らしいピッチングで締めくくられました。

 「記録ずくめ」の快投と言って良いでしょう。

① 99球の完投勝利
② 13個の奪三振

 この2つの要素は、通常はトレード・オフの関係にあるものです。

 100球未満の完投勝利を挙げるためには、「打たせて取る」必要があります。三振を取るには「最低3球」の球数を要しますし、このゲームでカーショー投手は6安打を浴びて、33人の打者と対していますから、まさに「1打者・平均3球」でゲームを進めて行かないと99球での完投は出来ないのです。

 当然のことながら「概ね3~5球」で三振を取り、加えて三振を取れない打者からは「早いカウントで打たせて取る」ピッチングが必要となるのです。
 結果として「ストライク」コースで勝負しながら、三振と凡打を積み上げるという、至難の技が求められることになります。「有り得ないこと」のようにさえ感じます。

 ストライクが来ると分かっていながら、MLBの打者が三振してしまう「凄まじい球威」と、コーナーに投げ分けながら凡打を取る「絶妙なコントロール」の「併存」という、「ピッチャーの夢」を具現した投球、クレイトン・カーショー投手はこれをやってのけました。

 ミラクルでしょう。

 もちろん、「100球未満で完投し13個の三振を奪った」のは、MLB史上初のことです。

③ 前半戦で14勝

 2017年シーズンのカーショー投手の成績は、本当に高いレベルのものです。
 19試合に先発登板し、132と1/3イニングを投げ、防御率は2.18で14勝2敗。
 
 シーズン20勝を挙げることが、とても難しいMLBにあって、シーズン200イニングを投げることが「エース級の先発投手の条件」であるMLBにあって、何という素晴らしい成績なのでしょう。

 既に、2011年・2013年・2014年と3度のサイ・ヤング賞に輝き、現在のMLBを代表するピッチャーであるカーショー投手にとっても、2017年シーズンの前半は「生涯最高のパフォーマンス」であることは、間違いなさそうです。

 「こんな投手が存在するんだ」というのが、私の素直な感想です。
[7月6日]
セントルイス・カージナルス4-3マイアミ・マーリンズ

 イチロー選手が6日のカージナルス戦に7番ライトで7試合ぶりに先発出場し、3打数2安打として、MLB通算安打数を3054安打に伸ばし、歴代24位に上がりました。

 今回イチロー選手が抜いたのは、3053安打のロッド・カルー選手ですが、パナマ出身のカルー選手は、これまで「アメリカ以外の国の出身者」としての最多安打数記録を保持していましたから、これでイチロー選手がMLBにとっての「外国人」プレーヤーとして最多安打記録保持者となりました。

 首位打者7度・15シーズン連続打率3割という、MLB史上屈指の「安打製造機」カルー選手を抜き去ったことも凄いことですが、日本プロ野球で9シーズンもプレーした後、27歳でMLBデビューしたプレーヤーとしては「驚異的」な数字でしょう。

 この記録達成後のインタビューでイチロー選手は「誰の記録を抜いたかが、僕にとっては重要。・・・(カルー氏は)ちょっと王さんに通じるもの(雰囲気)があって、そういう意味で特別な記録だった」とコメントしました。

 「達人は達人を知る」ということなのでしょう。

 私にとっては、この大記録もとても嬉しいことですが、何より「イチロー選手が先発で試合に出場すること」、フィールドでプレーする姿を観ることが、最も嬉しいことなのです。
 2017年のMLBレギュラーシーズンは、6月19日時点で両リーグに10勝投手が登場する展開となりました。

 まずはナショナルリーグNLのクレイトン・カーショー投手(ロサンゼルス・ドジャーズ)。

 「泣く子も黙る」感じの、現MLBのNO.1投手が2017年も好調なのです。
 15試合・103と1/3イニングを投げて、防御率2.61、奪三振115、10勝2敗と安定感抜群の投球を続けています。
 何より凄いのが、開幕後「中4日のローテーションを維持」しているところでしょう。
 「完璧なMLBの先発投手」なのです。

 続いてアメリカンリーグALのジェイソン・バルガス投手(カンザスシティ・ロイヤルズ)。
 14試合・87と1/3イニングを投げて、防御率2.27、奪三振68、10勝3敗と、こちらはキッチリと打たせて取るピッチングを続けています。
 トミージョン手術からの回復過程にあった2016年シーズンは3試合の登板に止まりましたが、まさに「故障からの回復」のためのシーズンを過ごし、2017年の大活躍に結びつけました。
 チームと本人が一体となった、素晴らしい復活でしょう。
 「故障前より良いピッチング」が出来ているとの評もあります。

 今季は、この2投手以外にも、好成績を挙げている先発投手が目白押しです。

 NLなら、コロラド・ロッキーズのセンザテーラ投手が9勝で続き、同じロッキーズのフリーランド投手が8勝と続きます。
 ロッキーズとドジャーズはNL西地区で首位争いを演じていますが、センザテーラとフリーランド2投手の活躍が、ロッキーズの原動力となっていることは間違いありません。

 そして、ザック・グレインキー投手、マックス・シャーザー投手、ストラスバーグ投手といったベテラン、実績十分な投手も8勝で続いていますから、NLのサイヤング投手争いは激戦となるでしょう。カーショー投手が先頭を走りながらも「激戦」というところが、凄いところです。

 ALは、2015年のサイヤング賞・カイケル投手が9勝で続き、セール投手、サンタナ投手が8勝となっています。
 NL程ではないにしても、こちらも大接戦です。「勝ち慣れている」カイケル投手がどこまで星を伸ばすかがポイントとなりそうです。

 2017年は「有力な先発投手が勝ち星を積み重ねているシーズン」となっています。(6月25日時点では、カーショー投手とバルガス投手は共に11勝目を挙げています)

 しっかりとした実力を保持する投手が、故障も無く、好調な投球を続けているシーズンということになるのでしょう。(日本人投手の名前が無いのが少し残念ですが)

 こうした好調な投手たち、「負ける気がしない投手たち」の「投げ合い」はMLB最大の見所のひとつですが、優勝争いの帰趨を決めることにも繋がりそうです。
[6月23日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース2-1テキサス・レンジャーズ(延長10回)

 MLBにおいて初めて実現した、田中将大投手とダルビッシュ有投手の対決は、両先発の見事な投手戦となりました。

 7回を終って0-0。両投手の投球内容も文字通りの「拮抗」したものでした。
・田中投手 84球、被安打2、奪三振7、与四球1
・ダルビッシュ投手 88球、被安打2、奪三振10、与四球0

 投球の迫力では、ダルビッシュが勝りました。4シーム、スライダーを主体とした投球でヤンキース打線から三振の山を築いたのです。
 特に、6回から7回にかけての4連続三振は圧巻。売出し中のジャッジ選手からも、糸を引くような154kmの4シームで三振を奪いました。
 7回の三者三振は、このゲームで最も力を入れた投球でしたから、この回で交替かなと感じました。

 一方の田中投手は、投球を低めに集め、スプリットを効果的に使って対抗しました。
 ストレートも154kmを記録しましたが、どちらかと言えば打たせて取るピッチングであったと感じます。
 3回の無死1・2塁のピンチ、ヒットとフォアボールで招いたピンチは、3塁手トレイエス選手の好守備もあってダブルプレーで切り抜けました。
 このゲームでは、トレイエス選手の好守備が光りました。

 ダルビッシュ投手は7回で降板しましたが、田中投手は8回表もマウンドに上がりました。そしてヒットとフォアボールで再びピンチを招きましたが、これを気力で凌ぎ、8回を投げ抜きました。
 100球を投げて、被安打3、与四球2、奪三振9、無失点という、素晴らしい投球でした。

 ベンチに戻る田中投手には、スタンドのファンから大きな拍手が送られました。

 降雨の影響で、1時間半ほど遅れて始まった試合でしたが、両投手はこの「異例の事態」にも全く動じることなく、持ち味を存分に発揮してくれました。
 MLBにおける日本人投手を代表する2人が、その存在感を発揮したのです。

 レンジャーズとヤンキースという、強力打線を持つチームをキッチリと抑え切ったのです。
 
 田中将大とダルビッシュ有が、MLBにおける存在感を十分に披露した好ゲームでした。
 ドミニカ出身のMLBプレーヤーを代表する、2選手が大記録を樹立しつつあります。

 まずは、ロサンゼルス・エンゼルスのアルバート・プホルズ選手(37歳)が6月4日のミネソタ・ツインズ戦の4回に満塁ホームランを放ち、MLB通算600号を達成しました。
 MLB史上9人目であり、2001年4月にメジャーデビューして、17年をかけての大記録でした。(6月19日時点では602本としています)

 続いては、テキサス・レンジャーズのエイドリアン・ベルトレイ選手(38歳)。
 6月19日現在、通算安打数を2959まで伸ばしています。3000本安打まで、あと41本。
 1998年6月にメジャーデビューしていますから、19年かけての記録達成となりそうなのです。

 今季は故障で出場が遅れ、5月29日からの登場となりましたが、出場してくればいつもの「元気いっぱい」のプレーを披露して、連続試合安打を続けていますから、2017年シーズン中に3000本に到達するのは間違いないところでしょう。

 実は、プホルズ選手は6月19日時点で通算2886安打も記録していますから、現在の活躍を観る限り、3000本安打を達成する可能性は、かなり高いと思います。

 従って、ドミニカ共和国出身のMLBプレーヤーとして、初の「3000本安打クラブ」プレーヤーがベルトレイ選手、2人目がプホルズ選手になるものと予想されます。

 共に、チームの中心プレーヤーであり、迫力十分、そして「そのプレーを是非観たい」と感じさせる、本物のプロフェッショナルなのです。
 ヒューストン・アストロズが好調です。
 アメリカンリーグAL西地区の首位を快走しているのです。

 今シーズンは、青木宣親選手を始めとして、カルロス・ベルトラン選手やブライアン・マッキャン選手を補強し、その補強が功を奏して、6月17日時点でチーム打率が.276でAL2位と、攻撃力が格段に向上しました。

 今季からメンバー入りした青木選手も、生き生きとプレーしている感じがします。

 ご存じのように、青木選手は2012年にミルウォーキー・ブリュワーズでMLBデビューし、その後2014年にカンザスシティ・ロイヤルズ、2015年にサンフランシスコ・ジャイアンツ、2016年にシアトル・マリナーズ、そして2017年にアストロズでプレーしています。

 その2014年にはワールドシリーズに出場しました。残念ながらジャイアンツの前に敗れて、世界一はなりませんでしたけれども、あの時のロイヤルズの中心メンバーのひとりであったことは間違いないでしょう。
 そして今季も、ポストシーズンゲームに向けてまっしぐらと言う感じなのです。

 青木選手には「勢いのあるチームの一員となる」という巡り会わせがあるように思います。
 別の見方をすれば、青木選手がチームに「福」を齎していると言えるのかもしれません。
 当然のことながら、相当の一流プレーヤーでも、ワールドシリーズに出場することは難しいことです。まさに「巡り会わせの賜物」という気がします。

 この「招福」効果と言う点では、田口壮選手が青木選手の上を行っているかもしれません。
 田口選手は、2002年から2009年までMLBでプレーし、2006年にセントルイス・カージナルスで、2007年にフィラデルフィア・フィリーズで、ワールドシリーズを制覇しました。
 日本人プレーヤーで、2度の世界一に輝いているのは田口選手だけでしょう。

 客観的に観て、田口選手はどちらの世界一の時も、チームの中心選手とは言えなかったと思いますが、チームに勝ちを齎す存在であったことは、カージナルス時代に地元紙のアンケートで「ベストなベンチ要員」において断然トップであったことを見ても明らかでしょう。
 多くのポジションを熟せるユーティリティプレーヤーとしての側面と、ムードメーカーとしての役割が高く評価されていたのです。
 カージナルスの名称ラルーサ監督も、田口選手を大変高く買っていたと何度も報じられました。

 「招福」効果が髙いと思われる青木選手が加わったヒューストン・アストロズですから、2017年シーズンの大活躍が期待されるのです。
[6月14日・インターリーグ・マーリンズパーク]
マイアミ・マーリンズ11-6オークランド・アスレティックス

 5回に代打で出場したイチロー選手がヒットを打ち、チームの勝利に貢献しました。
 これでイチロー選手は5試合連続ヒットとなり、打率も.217に上げました。

 そして、このヒットはMLB通算3048安打目であるとともに、インターリーグ(交流戦)での365安打目となりました。(301試合出場、打率.318)
 インターリーグ365安打は、それまで364安打でトップタイに並んでいたデレク・ジータ選手の記録を抜いて、MLB新記録となりました。

 このところのイチロー選手のキャリアは「記録との戦い」という側面がありますが、今回も素晴らしい記録を樹立することとなったのです。
 27歳からメジャーリーグに登場したプレーヤーが、通算記録でMLB歴代トップに躍り出るというのは、「驚異的」という他はありません。

 頭書のヒットは、イチロー選手にとっての今季18本目のヒットでした。
 1ヵ月に50本以上のヒットを量産したことが何度もあるイチロー選手にとっては、とても少ない数です。

 今季はシーズン当初から出場機会に恵まれず、途中ヒットが出ない時期もあったものですから、「限界説」も囁かれました。
 伝説のプレーヤーも43歳になって、さすがに衰えが目立つようになった、などと報じる記事も目に付くようになったのです。

 私としては、そんなことはない、要は試合出場機会が少な過ぎるだけ、試合勘というよりも「試合体力」を鍛えるチャンスが無いだけ、感じていました。

 当たり前のことで恐縮ですが、どんなスポーツにおいても、「練習と試合は全く違う」のです。

 練習でどんなに真剣・正確にプレーしても、試合のそれとは多くの点で異なるのは当然のことでしょう。そもそも、アドレナリンの出方ひとつ、心持ひとつ、違うのですから。

 従って、どんなに優れたトレーニングを継続していたとしても、試合におけるパワー・スピード・瞬発力を維持するのは困難なのです。
 試合で通用するパワーやスピードは、試合に出場しながら積み上げていく他は無いのでしょう。

 レギュラーではないプレーヤーのコンディション作りの難しさが、そこにあります。

 この数年、イチロー選手は「控え」の立場でしたから、相当の準備をしてゲームに望んできたのでしょうが、シーズン60試合を越えた時点で89度しか打席に立てないという、出場頻度の少なさでは、さすがに「試合レベルのパワー・スピードの養成」は困難だったのです。
 もともと「スロースターター」のイチロー選手にとっては、尚更でしょう。

 ここにきて、少なくとも「毎試合出場できる状況」になりましたので、イチロー選手のフィジカルも試合用に向上してきたと考えます。

 もし、イチロー選手が毎試合出場し、3試合に1試合でも先発出場できるようになれば、打率も上がり、ヒット数も飛躍的に増えることでしょう。

 イチロー選手には、まだまだ、その能力が十分に有ると思います。
 
 リーグ屈指の「強力な外野手トリオ」を有するマーリンズにおいては、イチロー選手の出場機会の飛躍的増加は難しいのかもしれませんが、ドン・マッティングリー監督におかれては、DHも含めて、「イチロー選手の力をチームの優勝・成績アップの為に」活用していただきたいと思うのです。
 ニューヨーク・ヤンキースのジャッジ選手の活躍が続いています。

 6月8日終了時点で、ホームラン18本・打点41のアメリカンリーグALの二冠王。

 6月9日のボルチモア・オリオールズ戦でも、初回「弾丸ライナー」のホームランをレフトスタンドに叩き込みました。
 「弾丸ライナー」という言葉は時々使われますが、これは真の弾丸ライナーでした。
 打球の初速が時速195.8kmという、今シーズンのMLBで出た全てのホームランの中で最速、それどころか、2015年シーズンに導入された「打球初速計測機」で確認された最速のホームランだったのです。
 この3シーズンにかけて、MLBでは数百本以上のホームランが観られたと思いますが、その中で最速なのです。
 確かに、テレビカメラが打球を追いかけ、捉えた時にはスタンドに突き刺さる直前でした。もの凄い打球です。

① 十分なマイナー生活

 25歳のジャッジ選手ですが、カリフォルニア州立大学から2013年のMLBドラフト一巡目(全体32位)でヤンキースから指名されて、プロ入りしました。
 そして、MLB初出場が2016年8月ですから、3年近くマイナーリーグで鍛えられたことになります。

 大学卒のドラフト一巡目指名プレーヤーとなれば、直ぐに一軍で使って見ようという方法もあるのでしょうが、MLBでは「一定期間マイナーで育成する」ことも多いようです。

 例えば、あのデレク・ジータ選手も、1992年ドラフト一巡目でヤンキースに指名されて入団しましたが、MLBデビューは1995年5月でした。ジータほどのスーパースターなら、入団即MLBデビューしたのではないかと考えてしまいますが、しっかりと「マイナーで力を蓄えた」のです。
ジャッジ選手もジータ選手とほぼ同じ期間マイナーで育成されています。

 「本物のスターはしっかりとした育成から生まれる」のかもしれません。

 「25歳のルーキー」とは、少し遅れて来たルーキーと言う感じもしますが、それだけ「本物度が高い」のではないでしょうか。

② アレックス・ロドリゲス選手に似たシルエットとスイング

 ジャッジ選手の打席における構え、スイングはAロッドに似ている感じがします。
 ロドリゲス選手も、身長191cm・体重102㎏と、デビューした当時には「大型野手」として鳴らしました。
 ジャッジ選手は201cm・125㎏と、ロドリゲス選手よりひとまわり大きい体躯を誇りますが、そのボールの捉え方、スイングイメージはとても良く似ています。

 ジャッジ選手のホームランは、センター周辺が多く、大きな放物線を描いて飛んで行く打球が多いのですが、その点でもAロッド選手に似ています。

 通算696本塁打、MLB歴代4位というホームランアーティストだったアレックス・ロドリゲス選手に似たスイングのジャッジ選手のバットから、沢山のホームランが生れるのは自然なことなのかもしれません。

 もちろん、Aロッド選手と同じようなスイングを身に付けることは、とても難しいことであるのは間違いないことです。

③ 凄い人気

 オールスターゲーム2017のファン投票が続いていますが、ジャッジ選手はALの得票数NO.1です。
 数多いるMLBのスーパースター達を尻目に、ルーキーがトップに立っているのです。

 また、ヤンキースタジアムには「ジャッジズ・チェンバース」と呼ばれる専用席が出来ました。ジャッジ選手のファン専用の席で、ジャッジ選手のプレーを「ジャッジする」判事席の様なものです。
 ジャッジズ・チェンバースの「判事」達は、ジャッジ選手のプレーの都度、「立ち上がって応援するように」等々の「判決」を、他の観客に出すのです。

 その風貌・人柄・雰囲気が、既にファンの心を掴んでいるジャッジ選手が、ヤンキースの中心選手、MLBのスーパースターに育っていくのに、それほど時間はかからないでしょう。

 それにしても、ニューヨーク・ヤンキースの若手プレーヤーの活躍は、眼を見張るものが有ります。

 頭書のオリオールズ戦の2番ヒックス選手は27歳、5番のカストロ選手も27歳、6番のサンチェス選手は24歳、7番のグレゴリウス選手は27歳、そしてこの試合先発のセベリーノ投手は23歳と、これからのヤンキースを牽引して行くであろう若手プレーヤーが目白押しなのです。

 丁度1990年代前半に、若手としてデビューしてきた、デレク・ジータ選手、フォルヘ・ポサダ選手、アンディ・ペティット投手、マリアーノ・リベラ投手が登場してきた頃を彷彿とさせます。
 この4名が中核となったヤンキースが黄金時代を迎えたことは、ご承知の通りです。
 こうした生え抜きのプレーヤーを「骨格」として、トレードで優秀な選手を補強しながら、10年以上に渡ってMLBの主役を演じ、ワールドシリーズでの優勝を重ねたのです。

 2010年代に入って、この1990年代に登場した「骨格」プレーヤー達が次々と引退し、ヤンキースは「雌伏」の時期を迎えました。こうした時期には、ヤンキースは豊富な資金力を動員して、他球団のスター選手、完成されたプレーヤーを引き抜き・ラインナップに並べることが多いのですが、今回は数年に渡って「野手の大型トレード」は少なかったと思います。

 この「雌伏の期間」、ヤンキースは「育成」に努めたのでしょう。
 その「育成」が実りつつあります。
 こうした「育成」が得意とは言えない印象が有るヤンキースですが、実際にはGM、マイナーリーグの指導者、チームスタッフ、そして監督・コーチ陣に、素晴らしい人材が揃っているのでしょう。そうでなければ、こうは行かない筈です。

 当たり前のことですが、チーム創りはプレーヤーとベンチスタッフだけでは出来ません。チームの各部署に有能な人材を揃え、その有能な人材が高い意欲と使命感を持って当たらなければ、良いチームは創れないのです。

 頭書のゲーム、オリオールズの1塁手はクリス・デービス選手でした。
 この試合でも一矢を報いるホームランを放った、MLB屈指の長距離ヒッターであるデービス選手も、相当に大きなプレーヤーです。
 ところが、ジャッジ選手がヒットで1塁に出ると、ジャッジ選手の方がデービス選手より、ひとまわりも、ふたまわりも大きいのです。

 MLBでは、2mを超える投手は相当数いますが、野手にも2m時代が到来したのかもしれません。
 ジャッジ選手は、その体格も含めて、あらゆる点で「大きなプレーヤー」なのでしょう。
[5月20日・コメリコパーク]
デトロイト・タイガース9-3テキサス・レンジャーズ

 10連勝中のレンジャーズをホームに迎えて、タイガースが快勝したゲームでした。

 タイガースの先発はジャスティン・バーランダー投手でした。
 タイガースのエースであり、MLBを代表する好投手でもあります。
 バーランダー投手が、好調なレンジャーズ打線をどのように抑えるかが注目された試合でした。

 この試合の始めに、NHK-BS放送の解説者であった小宮山氏が「バーランダー程の投手だから、もう10連勝もしているのだから、そろそろ負けるだろうという位の感じで考えていると思いますよ」とコメントしていました。

 その通りだと、私も思いました。

 2連勝・3連勝ならいざ知らず、10連勝ともなると、チームがピークアウトし下降線に入っている可能性が高いのです。
 そこにMLB屈指の好投手・バーランダーがマウンド上で仁王立ちですから、レンジャーズには厚い壁に見えたでしょうし、タイガースの同僚にとっては頼もしい姿であったことでしょう。
 タイガース打線は、序盤からホームランを量産しました。

 当たり前のことを書いて恐縮ですが、「大きな連勝をしているチーム」は「そろそろ負ける」可能性が高いのです。
 世界最高のベースボールリーグであり、世界最高のプレーヤーが集まっているMLBにおいて、いつまでも勝ち続けるということの方が、余程不自然で不思議なことなのでしょう。

 同様のことが、試合における打者の成績に付いても言えるのではないでしょうか。

 例えば、その試合で、それまで「3打数ノーヒット」の打者であれば、4打席目にヒットを打つ可能性が高いと観るべきでしょう。
 逆に、そこまで「3打数3安打」の打者は、4打席目は凡退する可能性が高い。

 打率.270の打者であれば、4打席立てば1本はヒットを打つ可能性が高いと思います。それまでノーヒットですから、プレーヤーにも一層気合が入っているのです。

 逆に「4打数4安打」というのは、なかなか観られないのは、ご承知の通りです。

 従って、ピッチャー側から見れば、例えば8回表ランナー2塁・3塁のピンチで、そのノーヒットの打者を迎えた時には、余程慎重に投げなければならないでしょう。
 その打者が投手でも無い限りは、「全く打てない」あるいは「絶不調」であれば、MLBの試合に出場していない筈でしょう。いくらでも、代わりのプレーヤーが居るのです。何しろMLBなのですから。

 「このチャンスで、今日3安打と好調な選手を迎えました」とか、「このピンチで、打席には今日ノーヒットと不振の選手を迎えました」といったコメントが流れたとしたら、私なら全く逆の感覚を持って、ゲームに注目します。

 その試合で、まだヒットを打っていない選手は、とても怖いのです。
 MLB2017のレギュラーシーズンも、5月15日終了時点で各チームが35~40試合を消化しました。
 長いレギュラーシーズンの1/4前後を終えたことになります。

 まだ序盤とはいえ、2017年シーズンにおける各チームの調子が分かる時期とも言えます。

[アメリカンリーグAL]

[東地区]
 ニューヨーク・ヤンキースが22勝13敗でボルチモア・オリオールズに0.5ゲーム差をつけて首位に立っています。僅差とはいえ、今季のヤンキースの勢いを感じます。
 3番手のボストン・レッドソックスが19勝18敗と5割に近い成績ですので、この時点ではヤンキースとオリオールズが抜けていて、激しい首位争いを演じている形です。

[中地区]
 ミネソタ・ツインズが0.5ゲーム差でクリーブランド・インディアンズを押さえて首位に居ます。東地区同様に首位争いが続いている地区です。
 3番手のデトロイト・タイガースが18勝18敗で勝率5割ですから、この地区もしばらくはツインズとインディアンズの争いが続くのでしょう。

[西地区]
 首位のヒューストン・アストロズが、2番手のロサンゼルス・エンジェルスに8ゲーム差を付けて独走しています。アストロズの貯金は15、エンジェルス以下の4チームが借金生活となっています。
 アストロズの独走を止めるチームが現れるかどうかが注目でしょう。

[ナショナルリーグNL]

[東地区]
 首位のワシントン・ナショナルズが、2番手のニューヨーク・メッツに8ゲーム差を付けて独走しています。AL西地区とよく似た状況ですが、異なる点は、2番手以下のチームの負越数がAL西地区より大きいのです。2番手のメッツでも16勝21敗と「借金5」もあります。
 この地区の2番手以下のチームが「インターリーグ」で勝てていないということになります。メッツ、ブレーブス、フィリーズ、マーリンズの各チームの調子が上がっていないということですので、この地区はこのままナショナルズが走ってしまうかもしれません。

[中地区]
 セントルイス・カージナルスが2番手のミルウォーキー・ブリュワーズに1.5ゲーム差を付けて首位に立っています。3番手には19勝18敗でシンシナティ・レッズが続いています。
 この地区は、4番手・18勝19敗のシカゴ・カブスを含めた4チームの争いが続くと思われます。大混戦なのです。

[西地区]
 コロラド・ロッキーズがロサンゼルス・ドジャーズに2ゲーム差を付けて首位に立っています。
 3番手には、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが22勝18敗で続いています。
 4番手のジャイアンツと5番手のパドレスは、やや離されていますから、当面は上位3チームの争いが続くと思われます。

 以上、MLB6地区の状況を見てきました。

① AL西地区とNL東地区は、早くも独走態勢
 ヒューストンとワシントンが走っています。共に、シーズン開始からの好調を維持している形です。他チームの反撃が期待されるところですが、どちらかといえば、AL西地区の方が、今後接戦となる可能性があると思います。

② その他の地区は「接戦」

 2016年のワールドチャンピオン・カブスはNL中地区の4位、ワールドシリーズで接戦を演じたインディアンズはAL中地区の2位と、まだエンジンがかかっていない感じですが、十分に逆転できる位置に居ます。

 一方で、「まだ1/4が終わっただけ」ですので、どの地区も「今後何が起こるかわからない」というのが本当のところなのでしょう。

 2017年レギュラーシーズンは、これからなのです。
 ベースボール専門メディア「Full Count」の4月29日の「田中将大はMLB随一の『勝てる投手』 驚異の勝率.712は現役1位&歴代3位」という記事を、とても楽しく読みました。

 以前から、何となく感じていたことを明示していただいた記事でした。

 記事は、4月27日のレッドソックス戦(97球完封勝利)までの記録をベースとしています。
 この勝利で、田中投手はMLB通算、80登板、42勝17敗となり、勝率は.712になったとのこと。
 日本プロ野球においても、通算勝率.739(99勝35敗)という高勝率を誇った田中投手ですが、メジャーにおいても7割越えを実現しているという訳です。

 この.712という数字は、メジャーで5試合以上登板している現役投手の中で1位、通算80試合以上登板している投手と比較すると、2位のクレイトン・カーショー投手の.681(130勝61敗)を大きく上回っていると。
 現役3位がマックス・シャーザー投手の.646、4位がウェインライト投手の.633、5位がジョン・レスター投手の.632、と続いています。どの投手も、MLBを代表する先発投手です。

 「80試合以上登板」の歴代投手との比較では、アル・スポルディング投手の.796、スパッド・チャンドラー投手の.717に次ぐ第3位となっているとのこと。

 いずれにしても、田中将大投手は現在のMLBにおいて「勝つ能力」「負けない能力」で際立っていると、記事は指摘しています。

 もちろん

① 登板数が80の投手と200・300以上の投手を単純比較することの無理
② 田中投手が登板した時のヤンキースの得点力(失点が多くとも、それ以上に得点してくれることが多い)

 といった要素がありますから、一概に比較することは出来ないのでしょうが、例えば②のような傾向があるとすれば、「田中投手は味方打線が攻撃しやすいリズムで投げている」ことになるのでしょうし、①も、より勝率が上がる可能性もあるという見方もできます。

 事実として、4月27日のレッドソックス戦以降、田中投手は2試合に登板し、2勝を挙げていますから、現在の通算成績は44勝17敗、勝率72.1%となって、歴代2位に上がっていることになります。

 客観的に観て、田中将大が「負けにくい投手」であることは、間違いないのでしょう。

 「Full Count」は、とても面白い記事を提供してくれるメディアだと思います。
 2017年7月12日に、マイアミ・マーリンズのホーム・マーリンズスタジアムを舞台に開催される第88回オールスターゲームのファン投票が始まりました。

 日本からもインターネットで投票できますので、私も毎年投票しています。

 今年の投票対象選手を見て、少しガッカリしました。

 予想していたことですが、日本人プレーヤーが居ないのです。

 現在、日本人野手としてMLBでロースターに入っているのは、イチロー選手と青木選手だけです。残念ながら2人共、投票対象選手=候補選手に入ることが出来ませんでした。

 投手については、監督・選手の推薦等により決まりますから、田中将大投手やダルビッシュ有投手がオールスターゲームに出場する可能性は、まだまだ残っていますが、野手に付いては可能性が無いのです。

 かつては毎年のようにオールスターに出場していた感が有ったのですが、MLBにおける日本人野手の選手層は「細るばかり」という印象です。

 内野手に付いては、人工芝グラウンドに慣れている日本人プレーヤーがなかなか自然芝のプレーに慣れることが出来ないといった点が指摘されています。
 確かに、松井稼頭央選手がショートからセカンドにポジション変更を余儀なくされたことを勘案しても、「守備面の適応」が日本人野手にとっての壁になっている面はあるようです。

 とはいえ、外野手となれば「自然芝への慣れ」という要素の重さは減るでしょうし、そもそも日本人プレーヤーは、内野・外野共に守備が上手いと思いますので、本質的には守備面の問題が、MLBでのプレーに対する障害となっているとは考えにくいところでしょう。

 では何故、MLBにおける日本人野手は減少の一途を辿っているのでしょうか。

① 試合数が多いこと

 良く知られていることですが、メジャーリーグのレギュラーシーズンは160試合を超えます。連戦が当たり前なのです。それも20連戦は珍しいものでは無く、時には30連戦も有ります。

 加えて、アメリカは大きいので「移動時間」も長いのです。

 加えて、アメリカは広いので気候の差も大きいのです。5月6日のシカゴ・カブスとニューヨーク・ヤンキースのゲーム(シカゴ・リグレーフィールド)の気温は摂氏4度でした。
 ベンチ内のマッドン監督は、分厚いインナーの上にウインドブレーカーを着用することは勿論として、毛糸の帽子と大きな手袋をして指揮していましたし、観客の中にはダウンジャケットを身に付けている人や毛布にくるまっている人も多数居ました。一見すると「スキー場のような服装・風景」の中で、5月にベースボールをしているのです。
 20連戦、30連戦が続く中で、暑さ・寒さにも適応し、世界最高水準のプレーを日々披露して行くのは容易なことでは無いでしょう。

 加えて、メジャーには「引分」は存在しませんから、決着がつくまで何時間でもゲームを行います。結果として、当日朝1時までプレーし、その日の午後3時頃からゲームが行われるといったスケジュールも現出するのです。

 加えて、ベンチ入りのプレーヤー数が25名と少ないので、野手の交替選手は「2~3名」しか居ません。レギュラーの野手は「毎日毎日出場」しなければならないのです。

 こうした事柄を総合すると、MLBのレギュラー野手として活躍するには、毎日出場を続けながら「自らのパフォーマンスを継続する力」が必要と言うことになります。
 いわゆる「体力」が必要なのです。

 日本人野手がなかなかMLBに「長期間に渡って」定着できない、最大の要因ではないかと感じます。

② 内野手に求められる打力

 日本野球においては、「内野手は守備の人」というイメージがあります。逆に、「外野手は打撃の人」ということになります。

 もちろん、20世紀と比較すれば、望ましい内野手に対する「守備の比重」が相対的には下がってきている、つまり高い守備力+高い打撃力が期待されるようになってきていることは事実でしょう。

 とはいえ、MLBにおける望ましい内野手像に期待される打力は、日本プロ野球NPBにおいて内野手に求められる打力より、相当に高いレベルの様に感じられます。
 特に、相応の「長打力」が求められるのです。(デトロイト・タイガースの三塁手、ミゲル・カブレラ選手は三冠王に輝いていますが、これはMLBにおいても「特別な存在」なのでしょうが・・・)

 加えて、MLBのボールはNPBのボールより飛ばない、と言われています。
 色々なゲームを見たり、関連記事を読むにつけ、これは事実の様です。

 従って、NPBにおいて「高い守備力+相応の打力」を保持していると評価されている野手でも、MLBにおいては「打力不足」と評価されてしまうことが多いのかもしれません。

 そうなると、MLBで求められる内野手像と、NPBで求められる内野手像は、異なるのでしょうか。

 イチロー選手と松井秀喜選手が、MLBにおいて活躍した、活躍している、日本人野手を代表する存在であることは、異論の無いところでしょう。
 共に外野手ですから、日本人外野手がMLBで通用することは明らかなのですが、その日本人外野手もMLBにおいては数が激減しています。

 この2人のプレーヤーは、NPBにおいてもスバ抜けた能力を示したプレーヤーですし、「特別な存在」という見方もあるかもしれません。

 「特別な存在」の選手は、そうは出てこないという見方があるとすれば、「経常的にMLBに日本人野手を送り込む」という面から観れば、今後は「MLB向きの野手」によるMLB挑戦が続いて行く必要があるのかもしれません。

 NPB向きの野手はNPBで活躍し、MLB向きのプレーヤー=30連戦に耐える体力と相応の長打力を有するプレーヤー(一方で、バントや走者を先の塁に進めるといった繊細な打撃プレーや、守備におけるキメ細かなサインプレーが求められる比率は低いと思われます)はMLBで活躍する、という形が取れれば良いと思います。

 シーズン安打数でMLB新記録を樹立したり、両リーグでノーヒッターを成し遂げたり、日本人プレーヤーがMLBで通用する、それも相当高いレベルで通用することは、明確に証明されています。
 
 多くの日本人野手、日本人野球選手が、自らの特徴を活かすためにMLBに挑戦するという時代が来て欲しいものです。
[5月6日・リグレーフィールド]
ヤンキース11-6カブス

 2017年シーズン、ヤンキースが好調な戦いを繰り広げています。
 このゲームでも打線が爆発し、14安打で11点を奪い圧勝しました。
 アメリカンリーグ東地区でも、ボルチモア・オリオールズとの首位争いを展開しています。

 2015~16年シーズンに、所謂「ビッグネーム」プレーヤーがどんどんチームを離れてしまい、「まるで2軍チーム」の様だとも言われたヤンキースですが、2017年シーズンに入ってそのチーム創りがようやく実を結んできた印象です。

 このゲームでも、2番のヒックス選手(27歳)が5打数4安打3打点3得点、3番のカストロ選手(27歳)が4打数3安打3打点2得点、5番のサンチェス選手(24歳)が5打数2安打1打点2得点、6番のグレゴリウス選手(27歳)が4打数2安打1得点と、大活躍でした。
 「ニュー」ヤンキースが躍動しているのです。

 この試合では5打数0安打と「ひとり蚊帳の外」という感じだった、4番のジャッジ選手(25歳)も含めて、これら「ニュー」ヤンキースのメンバーの今季通算打率も素晴らしいものです。
 ヒックス選手が.355、カストロ選手が.381、ジャッジ選手が.320、グレゴリウス選手が.344というのですから、この打線は「本物になりつつある」という印象です。
 
 時速190kmを超える打球の初速の速さで、今季MLBでNO.1のジャッジ選手は、身長2mに迫る体躯を誇る外野手ですが、今季既に13本のホームランを放っている長距離バッターでもあります。
 キャリア通算17本塁打ですから、実質的にはルーキーイヤーと見て良いのでしょうが、既に「ヤンキースの4番」に定着しつつあるのです。

 「ニュー」ヤンキースの面々は、学校を卒業したばかりのルーキーという訳では無く、この世界に入って相応にキャリアを重ねながら、実力を蓄えてきた若手プレーヤーです。
 
 丁度、1990年代前半に頭角を現し、その後ヤンキースの黄金時代の骨格を構成することとなった、デレク・ジータ選手、フォルヘ・ポサダ選手、バーニー・ウィリアムズ選手らが登場した時期に似ているのかもしれないと思います。

 「ニュー」ヤンキースの面々の中から、将来のビッグネーム、ヤンキースの屋台骨を支えるプレーヤーが育つかもしれないのです。

 2017年のニューヨーク・ヤンキースの活躍が、本当に楽しみです。
 2017年のMLBレギュラーシーズンも開幕約1か月となり、各チーム、各プレーヤーも「通常運行」になってきました。これからが本番といったところでしょうか。

 そのMLBにおいて、今シーズン少し変調を感じるのが「審判の判定」です。

 特に「ホームベース上の判定」において、変調を感じます。

 ストライクとボールの判定が、その最たるものです。

 もちろん、「外角に甘い審判・辛い審判」「低目に厳しい審判・甘い審判」といった、審判員ごとに微妙な違いが有ることは、よく知られているところです。
 ゲームに臨む、チームのベンチスタッフやピッチャーが、そのゲームの審判員の氏名・構成を見て、「今日は外角で勝負しよう」とか「低目を多用しよう」といった対応を行うのは、当然というか、自然と言うか、「実行しなくてはならないこと」でしょう。
 個々の審判員の特性と言うのは、ゲームを彩る大切な要素なのです。

 ところが、今シーズン見られる変調は、「試合中に物差しが変わる」ところです。
 ゲーム序盤は「ストライク」と判定していた投球が、中盤には「ボール」判定に変わり、終盤には再び「ストライク」戻るといったゲームを度々眼にするのです。

 これは、プレーヤーやベンチスタッフは「たまったものでは無い」でしょう。

 明らかにボールと判断して見送った投球をストライクと判定されるバッターも、間違いなくストライクだと思った投球をボールと判定されたピッチャーも、「やってられない」と感じるのは、当然のことです。

 ストライク・ボールの判定以外にも、空振り・ファウルの判定や、セーフ・アウトの判定でも、今シーズンは「揉める」ことが多いように見えます。

 MLBの審判に何が起こっているのでしょうか。

 ベースボールに限ったことでは無く、「世界最高水準のゲーム・プレーに対する審判員・判定者」において、急に「疑惑の判定」が増えていることが「たまたま」「偶然」ということは、有り得ないでしょう。
 必ず、何か「原因・理由」があるのです。

 「世代交代」なのかもしれません。これまで長い間、MLBの判定を支えてきたベテラン審判員が大挙して引退を迎え、若手が数多くボールパークに登場してきている可能性はあります。
 こうした若手審判員が、MLBの大舞台に立ち、緊張して「不安定な判定」を多発している可能性があると思います。MLBは「ベースボールにおける世界最高の舞台」ですから、審判員にとっても世界最高の檜舞台ですから、慣れるのに時間がかかることは考えられるでしょう。
 これが原因であれば、あまり心配は要りません。審判員向けのハイレベルな才能を具備した人材が、修練を積めば、世界最高の舞台でしっかりと判定を下していくことが出来るようになるのでしょう。
 
 とはいえ、これが原因であれば、ニュースになっていても良さそうです。
 もちろん、私の耳に入っていないだけで、「周知の事実」である可能性もあります。

 別の原因としては、「正規の審判員」が何らかの理由、例えば「処遇の問題」でMLBと揉めて、現在は「代用審判」が出場していることも、有り得ます。
 NFLでも数年前に、「給与水準の問題」で正規審判がストライキをして、シーズン開始当初「代用審判」がゲームで判定を下していたことが有りました。
 MLBにおいても、同様のことが有り、現在は、普段なら3A、2Aといったゲームで審判をしている方がメジャーのゲームに登場している可能性です。

 これもありそうなことですが、やはり「ニュースになっていない」のです。(私が知らないだけかもしれません)

 いずれにしても、審判員の皆さんには「正確な判定」、「1ゲームを通じて同じ物差しによる判定」を励行していただかなくてはなりません。難しいことを書くようですが、これは「絶対」です。

 「1ゲームに1球位のミス・物差しの変動は仕方が無い・いいじゃないか」というご意見も有るかもしれませんが、「1球」でゲームの勝敗が決すること、あるいは、ある選手の選手生命を左右する、ということは、そう少ないことでは無いでしょう。

 「1球」は重い、とても重いのです。

 審判と言うか、「判定の機械化」は従来から検討されていることです。
 ベースボールに限らず、テニスやサッカーの世界最高水準の大会では、機械判定の範囲が拡大される傾向にあります。
 ベースボールにおいても「チャレンジ制度」が導入され、活用されています。

 キャッチャーの後ろに、大きな黒い箱とカメラが設置されている光景、あるいは、キャッチャーの後ろに誰も居ない、何もない光景(球場各所からのカメラワークで判定する方式)を想像してみます。

 1塁・2塁・3塁ベース近辺にも、審判員の姿が無い光景を想像してみます。

 例えば、ショートゴロが飛び、これを遊撃手が捕球し、一塁手に送球します。

 そうすると、大きな人工音声とともに、球場の大ビジョンに「アウト」と表示されるベースボール。
 慣れていないせいもあるのでしょうが、あまり面白くないと感じます。不気味でさえあります。
 こうしたベースボールを見たいかと聞かれれば、見たくないと答えるでしょう。
 
 現在の審判員の皆さんに頑張っていただき、正確な判定の確率を維持・向上することで、「機械判定によるベースボールが導入される日」を、1日でも先送りにしてもらいたいと、私は思うのです。
[4月27日・フェンウェイパーク]
ニューヨーク・ヤンキース3-0ボストン・レッドソックス

 MLB伝統のライバル対決、ヤンキース対レッドソックスのゲームで、先発した田中将大投手は、9イニング・97球を投げて、被安打3、奪三振3、与四死球0の見事なピッチングを披露しました。
 今季3勝目となる完投シャットアウト勝ちは、2014年5月14日の対ニューヨーク・メッツ戦以来の、自身MLBで2度目の完封勝ちとなったのです。

① 97球(内ストライク72球)

 これが最も素晴らしい!
 ほとんどの投球がストライクコースであるため、レッドソックスの打者は打っていかざるを得ません。

 見送っていては三振、それも少ない球数での三振を喫してしまうからです。
 その「ストライク投球」が高低・コースとも難しいところに来るのですから、「凡打の山」が築かれることになります。

 先発投手の球数が概ね100球前後に限定されているメジャーリーグのプレーにおいては、理想的でしょう。
 逆に言えば、この投球が出来なければ、完投はとても難しいのです。

② 奪三振3

 従って、三振の数は少なくなります。
 三振を取るには、やはりボール球を交えなくてはなりません(MLBの強打者を軒並み三球三振というのはほとんど不可能なことでしょう)から、球数が多くなってしまうのです。

 この日の田中投手の投球は、ストライク投球で打たせて取るという、最も効率の良いものでしたから、当然に三振の数は少なくなるのです。

 「打者1人1球で打たせて取れば27球」で27アウト・完投となりますが、「打者全員を三球三振でとっても27人×3球=81球」を要します。
 奪三振を指向すれば、完投は難しいものになってしまうのでしょう。

③ 16年振り、MLB今季初の「マダックス」

 ヤンキースの投手がフェンウェイパークで完封勝ちをしたのは、2001年のムッシーナ投手以来であると報じられました。
 滅多に観ることが出来ない快挙なのです。

 そして「100球未満の完投シャットアウト勝ち」を、MLBでは「マダックス」と呼ぶのだそうです。
 あの、アトランタ・ブレーブス全盛期の大投手、グレッグ・マダックス投手が13度も成し遂げたことから「マダックス」と名付けられているのですが、田中投手は今回「マダックス」をやり遂げたのです。MLB2017年シーズン「初」の「マダックス」でした。
 完投シャットアウト勝ちの中でも難易度が高い形での勝利。まさにMLBの先発投手が目指す投球内容だったということになります。

 肘の故障から回復しつつある田中将大投手ですが、2017年シーズンはスプリングトレーニングから調子が良いようです。
 シーズン当初こそ、失点を重ねる投球がありましたが、次第に今シーズンの投球が披露できるようになりました。

 このレッドソックス戦は「2017年型田中将大」を明確にしたものだったのでしょう。

 ゲーム後のインタビューで「全ての球種が良かった」と、田中投手はコメントしていました。
 この投球を続けることが出来れば、2017年シーズンが田中将大投手にとって、MLBにおける最高のシーズンとなることは間違いないでしょう。
 マイアミ・マーリンズのイチロー選手が、4月19日に行われたシアトル・マリナーズ戦の9回、右中間スタンドにホームランを放ちました。エバン・マーシャル投手からの一打は、2017年シーズン、イチロー選手にとっての初ホームランでした。

 古巣マリナーズのホーム、セーフコフィールドでの一発は、様々な意味で重い、記録にも記憶にも残るものとなりました。

① MLB17年連続

 このホームランは、イチロー選手にとってMLBにおける17シーズン連続のものとなりました。
 2001年に始まったMLBでの活躍ですが、2017年シーズンまで途切れることなくホームランが続いているのです。

 凄いことです。

 特に、2014年から2016年は、各シーズン1本ずつです。2016年シーズンは、シーズン終盤になって「1号ホームラン」が飛び出しました。正直、少し心配していたのです。
 加齢に加えて、出場機会の減少がありましたから、ひょっとすると出ないかも、と感じていたのです。

 それが2017年は、開幕早々の4月のホームランですから、ある面では今シーズンは「安心して?」シーズンの活躍を観ることが出来ます。

② 日米通算25年連続

 オリックス時代も通算すると25シーズン連続ホームランと言うことになります。

 「25年連続」は、MLB記録(リッキー・ヘンダーソン選手)に並ぶ数字です。
 日本プロ野球ならば、谷重元信選手の26年連続に次ぐ記録であり、野村勝也選手の25年連続に並んだことになります。

 「日米通算」ということですが、絶対期間としての「25年連続」の偉大さは、高く評価されるべきものでしょう。

③ セーフコフィールドでの最後のホームラン?

 地元やアメリカのメディアにおいては、この点が強調されているようです。

 「セーフコのファンは彼がベースを回る間、スタンディングオベーションし、彼がダグアウトに入って見えなくなっても名前をくり返した」と報じられていますし、シアトルの三塁手カイル・シーガー選手は「対戦相手のホームランは見たくない。でも、あの瞬間はとても特別なものだったね。ぞくっとしたよ。もちろん、彼にはホームランを打ってほしくはなかった。けど、イチローがセーフコで打つときは、これまで彼がやってきたこと全てがそうだったように、ベースボールにとって特別な、ゲームより大きなものだったと思う」とコメントしたとシアトルタイムズ紙が伝えました。

 MLBおけるイチロー選手の位置づけ・価値、特別な価値が良く分かるコメントだと感じます。

 そして一方では、シアトルタイムズ紙のディビッシュ記者が「イチローのセーフコでの最後の打席は、ホームランだったということになるのだろうか」と問いかけてもいます。

 確かに、43歳になったイチロー選手の2018年以降のシーズンのことは、誰にもわかりませんから、セーフコフィールドのファンがそうした気持ちになるのも分かります。

 それに対してイチロー選手は「自分たちの試合がここであれば、またここに戻ってくる。・・・このシリーズで最後の試合とだけ考えていた」と応えたと報じられました。

 何と力強いコメントでしょうか。
 MLBの2017年シーズンが開幕しました。

 今年も「ベースボール・イズ・アメリカ」の季節が到来したのです。

 シーズン開幕早々ですが、田中将大投手、ダルビッシュ有投手、岩隈久志投手、前田健太投手と、日本人ピッチャーが次々とマウンドに登場するものの、まだ1勝も挙げることができていないのが気がかりなところです。(調子が出ていないプレーヤーばかりではありませんので、「めぐり合わせ」であろうと思っていますが)

 そういった中で、4月4日大リーグ機構から、今季のMLB開幕メンバー868名のデータが公表されました。

 アメリカ以外の国・地域の出身者が259名となり29.8%を占めました。統計を取り始めた1995年以降では最多の数字とのこと。出身地も19となり、過去最多を記録しました。ミネソタ・ツインズの外野手ケプラー選手がドイツ出身者として、初めてメジャー入りを果たしたのです。

 アメリカを除く国別では、ドミニカが93名と最多、ベネズエラ77名、キューバ23名、プエルトリコ16名と続き、日本は8名で第6位でした。

 チーム別の「外国人プレーヤー数」では、テキサス・レンジャーズの14名が最多、サンディエゴ・パドレスとシアトル・マリナーズが12人で続いていると報じられています。

 ベースボールというスポーツにおけるMLBの位置づけは極めて重いものです。
 例えば、サッカーにおけるリーガ・エスパニョーラやプレミアリーグの「重さ」比較にならない「重さ」でしょう。(単純に比較すべきものでは無いとは思いますが)

 ベースボールはサッカーに比べれば、盛んな国の数と言う面の国際化が遅れていて、アメリカの比重が大きい=MLBの比重が大きい競技ですから、現状では「MLBの様子」が「ベースボールの様子」に近いものとなっていると見てよいと思います。

 もちろん、日本プロ野球も素晴らしいプロスポーツとして、確固たる地位を築いていますが、こちらは「野球」の最高峰なのであろうと感じるのです。(野球とベースボールの違いは、説明することが極めて難しい、永遠のテーマであろうと思います)

 そのMLBにおいて、「外国出身プレーヤーの比率が最大になった」のですから、ベースボールの国際化が着実に進んでいると言って良いのでしょう。

 我らが日本人プレーヤーも、もちろん、MLBにおいては外国人プレーヤーです。

 一方で、MLBにおける日本人プレーヤーが「助っ人」であるという印象はありません。
 「世界最高の舞台で生き生きと戦うプレーヤー」という印象が強いのです。

 そのこと自体が、プロフェッショナル・ベースボール=MLBという実態を、改めて感じさせるところなのでしょう。
 3月2日、アメリカ大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が、今シーズンのルール変更を発表しました。
 毎年この時期に行われる発表であり、今シーズンもいくつかの変更点が示されましたが、最もインパクトの有る変更点は「守備側の監督が審判に意思表示するだけで敬遠四球となる→投手が1球も投げずに四球が成立する」というルールでしょう。

① スピーディな試合進行をめざすものか

 近年のルール変更では「スピーディな試合進行実現を目指す施策」が多く、今年の変更点の中にも「監督がビデオ判定を要求するかどうかを判断する時間は30秒以内」といった変更も行われています。

 この「申告制敬遠四球」もその一環でしょう。
 観客にとっての「退屈な時間」を少しでも減らし、試合時間短縮を狙う施策であろうと思います。

② 暴投リスク

 敬遠四球で投手が4.球を投ずる際に、暴投が発生することがあります。
 ピッチャーにとっては「普段投げない位置」に投球するのですから、敬遠四球自体は、そう易しいプレーでは無いのでしょう。現役投手からも「易しいプレーでは無い」とのコメントが聞かれます。
 こうしたミスが生じないように、キャッチャーは大きくグラブを広げて、投球位置を示しています。

 この「敬遠四球」における不測の事態・暴投も、ベースボールのひとつのシーンであり、面白さの一部であるとのご意見も有りそうですが、このシーンは2017年シーズンでは観られないこととなりました。

③ 打って行くプレー

 これは滅多に観られないプレーですが、「敬遠四球」の投球を打者が打って行くというプレーがあります。日本プロ野球におけるクロマティ選手や新庄選手の打撃は、現在でも「好プレー・珍プレー」のひとつとしてテレビ番組で採り上げられることがあります。

 こうした「意外性満点のプレー」も、今シーズンは観られなくなりました。

 もちろん、敬遠四球プレー時に「暴投」や「ヒッティング」は滅多に起こらないことだからこそ、こうしたルール変更が実施されたのでしょう。

④ 投球数

 投手側から見れば、敬遠四球に要した「4球」の投球数が減ることになります。
 投球数が重要視されるMLBにおいては、この「4球」は思ったより大きな影響を与えるかもしれません。
 もちろん、敬遠四球の投球は通常の投球に比べて、投手の疲労蓄積が少ないという見方もあろうとは思いますが、前述のように「暴投」や「打ってくる」というリスクも存在しますので、そうそう手を抜いた投球も出来ないでしょうし、投球のリズムを変えることは投手にとってはリスクが大きいでしょうから、やはりこの「投球不要」は大きいと感じます。

 敬遠四球が2打者に対して行われれば8球になります。8球で1イニングを終らせることは、そう珍しいことでは無いでしょう。

 総合的に見れば、このルール変更は投手側・守備側に有利なものと言えそうです。

 この変更がレギュラーシーズンのプレーにどれ位の影響を与えるのか。
 とても興味深いところです。
 2017年シーズンのスプリングトレーニングにおいて、イチロー選手が怪我をしたというニュースが、2月22日に流れました。

 43歳のイチロー選手にとって、怪我・故障は絶対に回避したいところですので、ニュースに見入りました。

 事は外野フライをキャッチする練習で、センターを守っていたイチロー選手と、ライトを守っていたバーンズ選手が、同時に捕球体勢に入り、両選手とも声掛けをしたものの、両選手とも聞こえず、接触してしまったというもの。

 マーリンズ球団の公式ホームページによれば、この接触は「衝突」ではなく「かすめる程度」のものであったそうです。
 イチロー選手は、歩きにくそうにクラブハウスに入っていったと続きます。
 そして、現時点では、開幕出場に影響が出るほどの怪我ではないと結んでいます。

 怪我の程度が軽そうであることにホッとしますが、話はここから盛り上がるのです。
 イチロー選手ならではの「盛り上がり」といって良いでしょう。

 イチロー選手が「何人かの選手がトレーナー室に入ってきて、僕と一緒に写真を撮った。なぜなら、彼らは僕をトレーナー室で見かけたことが無いから」とコメントしたとも報じられています。
 「イチロー選手がトレーナー室に居ること自体が事件というかビッグニュース」なのです。

 トレーナー室でイチロー選手の患部を診察することに使われた、医療用の手袋が捨てられずに保存されていること、そして、治療に使用されたスチームが出る機器も別に保管されて二度と使われることは無い、とも伝えられています。

 「これらは全てクーパーズタウン(ベースボール殿堂博物館)行き」とも書かれています。

 「怪我さえ伝説になる」イチロー選手の存在感は、さすがという他はありません。

 後は、イチロー選手の怪我が、本当に軽傷であることを祈るばかりです。
 シーズンオフに入ったMLBでは、例年様々な記録が採り上げられます。

 先日も「ニューヨーク・デイリーニュース電子版」に、打率4割に近づいたプレーヤーが特集されていたと報じられました。

 ベースボールファンならご承知のように、シーズン打率4割の記録は、1941年のテッド・ウィリアムス選手の.406が最期となっていますから、既に75年間もの長きに渡って達成されていない記録となっています。

 ホームランの記録は近世になって次々と塗り替えられていますが、打率記録はなかなか更新が難しいというか、投球術・投手力の進歩も有ってか、過去の記録に近づくことさえ難しい状況が続いているのです。

 この「75年間」で最も4割に近づいたのは、1994年のトニー・グウィン選手です。
 グウィン選手は、1982年から2001年まで20シーズンに渡って、サンディエゴ・パドレス一筋のプレーヤーでした。20シーズン・1チームのMLBプレーヤーというのは、実は珍しいのではないかと思います。
 
 1994年シーズンのグウィン選手は165安打でした。意外に少ないと感じますが、この年は8月から「選手会による長期ストライキ」が有った年で、グウィン選手も110試合しか出場していません。
 このシーズンが中断した時点での打率が.394だった訳で、例年の通り150試合前後に出場していたら、4割を達成できたのかどうかは、とても興味深いところです。

 グウィン選手は、通算3,141安打、8度の首位打者タイトル獲得、オールスターゲーム出場15回という、まさにスーパースターでした。

 これに続くのは、1980年ジョージ・ブレット選手の.390、1977年ロッド・カルー選手の.388、1999年ラリー・ウォーカー選手、1948年スタン・ミュージアル選手の.376、2000年ノマー・ガルシアパーラ選手とトッド・ヘルトン選手の.372となります。

 そして21世紀に入ると、2004年イチロー選手の.372が輝いています。
 ご承知のように、2004年のイチロー選手は、MLB新記録の262安打を樹立し、首位打者タイトルも獲得しました。

 このイチロー選手以降、MLBでは.370を超える打者は登場していませんから、このイチロー選手の記録の偉大さがよく分かります。

 常に「幾多のベースボールの天才」が集うMLBにおいてさえ、「シーズン打率4割」は厚い壁として聳え立っています。

 2017年シーズンに、この「夢の記録」に挑む強者は現れるのでしょうか。
 その年に最も活躍した投手に対して、アメリカンリーグAL、ナショナルリーグNLのそれぞれから1人ずつ選出されるのが、投手にとってのMLB最高の栄誉「サイ・ヤング賞」です。

 11月16日に2016年の受賞者が発表されました。
 ALはボストン・レッドソックスのリックポーセロ投手(27歳。22勝で最多勝)、NLはワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー投手(32歳。228回と1/3イニング投球、20勝、共にリーグ最多)が選出されたのです。

 2投手の2016年の活躍は素晴らしいものでした。

 また、シャーザー投手は2013年に続いて2度目の受賞であり、2013年はALのデトロイト・タイガースにおける受賞でしたから、「両リーグにおけるサイ・ヤング賞受賞」を達成しました。

 30チームにより構成される、世界最高のベースボールリーグであるMLBにおいて、「NO.1ピッチャー」の称号を受けることは、ものすごく難しいことですが、それを「両リークで」というのですから、歴史に残る快挙ということになります。

 「両リーグでサイ・ヤング賞受賞」という投手は、MLBの歴史においても「僅か6人」しか居ないのです。
 達成した順に見てみましょう。

① ゲイロード・ペリー投手 

 1972年にクリーブランド・インディアンズ、1978年にサンディエゴ・パドレス、で受賞しました。キャリア通算314勝265敗、述べ9チームで活躍しました。MLB史上最も有名なスピットボーラーでしょう。

② ペドロ・マルティネス投手 

 1997年にモントリオール・エクスポズ、1999年にボストン・レッドソックス、2000年にもボストンでサイ・ヤング賞を受けています。「両リーグ」を達成したのは1999年ということになります。通算219勝100敗、速球(フォーシーム、ツーシーム)、カーブ、チェンジアップなど多彩な球種をコントロール良く投げ込むことから、イチロー選手が「完璧な投手」と呼んだと報じられました。

③ ランディ・ジョンソン投手

 1995年シアトル・マリナーズ、1999年アリゾナ・ダイヤモンドバックスで受賞すると、ここから2002年まで「4年連続のサイ・ヤング賞」という「連続受賞記録」(グレッグ・マダックス投手とのタイ記録)を成し遂げました。5度の受賞は史上2位。
 「両リーグ」を達成したのは1999年で、マルティネス投手と同じ年です。
 6フィート10インチ=約208cmの長身から投ずる、最速102マイル=約164kmの速球を主体に、スライダーやスプリットを投げ込みました。奪三振率10.61(9イニング当たりの奪三振数)はMLB史上1位です。
 「ビッグユニット」と称された、色々な面で「大きな」投手でした。

④ ロジャー・クレメンス投手

 1986年にボストン・レッドソックスで初受賞したのを皮切りに、1987年と1991年にもボストンで、1997年・1998年にトロント・ブルージェイズで、2001年にはニューヨーク・ヤンキースで受賞しました。そして2004年にヒューストン・アストロズで受賞して「両リーグ」を達成したのです。
 計7度のサイ・ヤング賞は史上最多、通算354勝184敗、MLB通算24年という息の長い名投手でした。

⑤ ロイ・ハラディ投手

 2003年にトロント・ブルージェイズで、2010年にフィラデルフィア・フィリーズで受賞し、「両リーグ」を成し遂げました。通算203勝105敗、シンカーやチェンジアップといった落ちるボールを得意とする、代表的なグラウンドボールピッチャー(ゴロを打たせてアウトを取る)と呼ばれています。結果として「少ない球数で打者を料理する」ことから、シーズン230イニング以上投球を5度も記録しています。

⑥ マックス・シャーザー投手 前述のとおりです。

 当然のことながら、いずれ劣らぬ名投手が並びますが、ペリー投手ほどではないにしても「多くの球団を渡り歩いた投手」が多いのも特徴でしょうか。
 マルティネス投手が5チーム、クレメンス投手も5チーム、シャーザー投手も減益ながら既に3チームを経験しています。

 MLBのピッチャーにとっての最大の勲章「サイ・ヤング賞」。

 日本人投手の受賞が待たれます。
 MLB2016ワールドシリーズは、シカゴ・カブスがクリーブランド・インディアンズを4勝3敗で下し、108年振り3度目の王座に就きました。

 常に凄まじい戦いが繰り広げられるワールドシリーズですが、2016年の戦いは接戦・激戦・死闘の連続という様相を呈し、歴史に残るシリーズになったと思います。

 その「歴史に残るシリーズ」をベンチの中に居て、つぶさに目の当たりにしたのが、川崎宗則選手でした。
 
 ワールドシリーズ2016の全試合を球場で観戦した人は、アメリカ合衆国には相当数存在すると思いますが、川崎選手のような形で観戦した方は、ほとんど居ないでしょう。

 川崎選手は、カブスのベンチの中から戦いを観ていました。

 一方で、今シリーズのカブスのロースター(出場可能選手)25名には入っていませんでしたから、試合に出場することは出来ない立場として、しかし、ベンチの中に常に居たのです。

 まず、こうした環境でワールドシリーズを観ることは、滅多にできないことでしょう。

 先発プレーヤーとして、あるいは控えのプレーヤーとして、ベンチに居ることはできるというか、ブルペンも含めて25名のプレーヤーは、こうした立場でゲームに関わっていました。常に緊張を強いられる立場です。

 これに対して川崎選手は、試合がどれほど煮詰まってきても、自ら出場したいという気持ちが高まったとしても、試合に出ることは出来ないのですが、緊張の極みにあるプレーヤーの隣に存在し、話をすることもでき、好プレーを演じたプレーヤーとハイタッチもする、立場だったのです。

 「ワールドシリーズに最も近い位置」に居ながら、とても冷静にシリーズを見つめることが出来る、私のような観客としての立場から見れば「素晴らしいポジション」だと思います。(不謹慎と言われそうで、恐縮です)

 川崎選手への役割期待は、どのようなものだったのでしょう。

① ベンチのムードメーカー

 おそらくは、この役割が最大だったのではないでしょうか。
 常に明るく、元気いっぱいの川崎選手は、チームメイトに勇気を与え続け、激励し続けたのではないかと思います。
 この役割を担わせて、ムネリン以上の活躍が出来るプレーヤーは、なかなか居ないのかもしれません。

② 「勝利の女神」としての存在

 男性の川崎選手を女神というのも変ですが、ひょっとするとこうした役割もあったのではないかと感じます。

 日本流にいえば「吉運」を齎す存在です。

 マッドン監督やカブスファンにとって、川崎選手は「勝利を招き入れる存在」だったのかもしれません。

 今シリーズ、川崎選手は「黒縁のメガネ」をかけていました。
 とても目立つメガネでしたから、時々カブスベンチがテレビ映像で流されると、川崎選手の存在が直ぐに分かりました。

 黒メガネの川崎選手は、味方がヒットやホームランを打つと「大喜び」し、味方のピンチには「神妙な表情」で見つめていました。

 そして、味方のシリーズ勝利が決まった瞬間には、一気にベンチを飛び出していました。
 ムネリンは「カブスの風景」の一部だったのです。

 もちろんワールドシリーズの試合に出場したかったのでしょうけれども、川崎選手はこのシリーズにおける役割を十分に果たしたように感じます。
 クリーブランド・インディアンズが3勝1敗として王手を掛けた、2016年のワールドシリーズでしたが、シカゴ・カブスが第5戦・第6戦を連勝して3勝3敗のタイとし、最終第7戦に縺れ込みました。

 11月2日、インディアンズの本拠地プログレッシブ・フィールドで行われた第7戦は、こちらも延長に縺れ込むという、まさに「死闘」となりました。

① 8連続フライアウト

 インディアンズの先発はクルーバー投手でした。このシリーズ3度目の先発です。
 1試合1試合、1点1点がとても重い、レギュラーシーズンの試合とは相当趣を異にする試合、疲労の蓄積が早い試合が続く状況下、中3日で3度目の登板というのは、まさに「大エース」の活躍ということになります。

 そのクルーバー投手が1回から3回にかけて、8連続フライアウトを取ったのです。

 8連続フライアウトというのは、そのこと自体とても珍しいことだと思いますが、投げているのが、「ゴロアウト」主体に打たせて取る投球を得意にする、今シーズン18勝を挙げた、インディアンズの大エース・クルーバー投手となると、本当に不思議な話となります。

 やはり、普段の投球と比べて、球筋が高く、投球の変化が小さかったと観るべきなのでしょう。
 今シリーズ既に2勝を挙げ、カブス打線を翻弄してきたクルーバー投手にも、さすがに疲労が蓄積していたのです。

 この「いつもより高く、キレの無い投球」を、カブスの一番打者・ファウラー選手が捉え、先頭打者ホームランを浴びせました。ここまで完璧に牛耳られてきたクルーバー投手に対して、カブス打線が魅せた意地の一発でした。

 クルーバー投手は4回にも、犠牲フライとセンターオーバーのタイムリー2ベースヒットにより2点を失い、5回にもバイエス選手のホームランで失点しました。
 4失点、いずれの失点も「フライ性の打球」から生まれています。

 残念ながらこのゲームでは、クルーバー投手は持ち味を発揮できなかったのです。

② レスター・ラッキー・アリエタの揃い踏み

 2回を終えたところで、カブスのベンチからレスター投手、ラッキー投手、アリエタ投手がブルペンに向かって歩き始めました。

 シカゴの誇る先発投手陣が、ブルペンに向かったのです。
 その姿は「迫力満点」。
 向かって左にレスター投手、真ん中にラッキー投手、右にアリエタ投手。

 このゲームは投手陣の総力を挙げて戦うという、マッドン監督の意志の表れだったのでしょう。

③ 不調だったミラー投手とチャップマン投手

 本来の投球を見せることができなかったクルーバー投手をリリーフしたのは、インディアンズブルペンの「切り札」ミラー投手でしたが、こちらも本来の投球とは行きませんでした。

 スピード・球のキレ共に、好調時とは比べ物にならないものでした。
 やはり、ポストシーズンに入ってからの厳しいゲームの連続で、疲労が相当蓄積されていたのでしょう。

 ミラー投手は、5回表、リリーフした直後に1失点し、6回表にもホームランを浴びてしまいました。
 5回裏に2点を挙げて、3-5とカブスが追い上げた後だけに、とても残念な被弾でした。

 カブス6-3の3点リードで迎えた8回裏、「守護神」チャップマン投手がマウンドに上がりました。
 MLB・NO.1の快速球投手にして、シカゴ・カブスのクローザーであるチャップマン投手がマウンドに上がった以上は、「これで試合は決まり」と観るのが常道です。

 ところが、このチャップマン投手も、本来の出来とはかけ離れた投球となってしまったのです。
 最初の打者に対する、最初の3球を見て「おやっ」と思いました。
 球速が160kmに届かないのです。

 8回1死からの、クローザーとしては「長い」投球になるので、力をセーブしているのかと思いましたが、そうではなくて、調子が悪いのだということに気が付くのに時間はかかりませんでした。

 長打を浴びて、1塁ランナーが一気にホームイン。
 6-4と2点差になりました。

 そして、続くデービス選手がレフトスタンドに突き刺さる、弾丸ライナーの2ランホームラン!6-6の同点。
 やや意気消沈気味であったインディアンズファンの喜びが爆発し、ボールパークは大声援に包まれました。観客として来ていた、NBAクリーブランド・キャバリアーズの大黒柱レブロン・ジェームズ選手も大喜びでした。
 カブスが押し続けていたゲームが、ついに振り出しに戻ったのです。

 今年ニューヨーク・ヤンキースから移籍してきた、インディアンズのミラー投手、カブスのチャップマン投手は、共にポストシーズンの両チームの勝ち上がりに、圧倒的な貢献を魅せてきましたが、共にこの最終戦では、全く「らしくない」投球に終わりました。

 ミラー投手には「疲労」、チャップマン投手には「右足首の故障」が大きな影を落としたのでしょう。

④ カブスファンの大歓声

 1回表、先頭のファウラー選手がホームランを放った時、プログレッシブ・フィールドには大歓声が響きました。

 アウェイのチームは、タイムリーヒットを打とうが、ホームランを打とうが、「何もなかったかのように」静まり返るのが、MLBの筈なのですが、この試合のスタンドには相当多くのカブスファンが詰めかけていたのです。

 どのような方法でチケットを入手したのかは分かりませんけれども、インディアンズファン対カブスファンの比率は、6対4というのは大袈裟にしても、7対3位ではあったという感じがします。

 赤い装束に身を包んだインディアンズファンの合間に、青い装束のカブスファンが相当数混じっていました。そして、カブスのプレーヤーの一投一打に大声援を送り続けたのです。
 これが、カブスの敵地での勝利に大きな力となったことは間違いありません。

 この試合の、良い席のチケットは、200万円近くの値段が付いたとの情報が有りました。1試合・1枚・1席・200万円というのは、驚きの価格ですけれども、それだけの価値が有る試合なのでしょうし、アメリカ合衆国におけるプロスポーツの人気の高さ、ひいてはアメリカ経済の実力を如実に示しているとも感じます。

⑤ 雨

 事前の気象情報でも、この日は夜遅くなると雨が降る、とされていました。
 そして試合は、6-6の同点で延長に入る長い試合となったのです。

 予報通り、雨が降り始めました。9回表から降り始めていた雨が、9回終了時には強くなったのです。
 ダイヤモンドには「覆い」がかけられました。

 時刻は、11月3日の午前0時を過ぎました。この時刻になっても、観客は誰も帰ろうとはしません。これがMLBなのです。

 雨足が相当強かったので、再開の目途は立ちそうも有りませんでしたから、このまま翌日に、この状況のままで再試合になるかもしれないと考え始めた頃、急に雨が止みました。

 「ベースボールの神様」が、この「死闘」にブレイクタイムを挟んでくれたかのようでした。

 10回表、クローザーのアレン投手をリリーフしたショー投手がマウンドに上がっていましたが、降雨中断後、カブス打線がショー投手に襲い掛かりました。
 そして2点を捥ぎ取り8-6として、10回裏を迎えました。

 10回裏2死ランナー無しとなった時には、これでカブスの優勝だと、誰もが思いましたが、ここからインディアンズが反撃して1点を返し、8-7。ランナーが居ましたから、ここでホームランが飛び出せばインディアンズのサヨナラ勝ち、という状況となりました。

 両チームの意地と意地のぶつかり合いは、最後の1球まで続いたのです。
 そしてインディアンズ最後の打者の打球を、カブスの3塁手が捌き、1塁に投げて、アウトとなった時にも、「試合終了」に気が付くまでに、少し(1~2秒)時間がかかりました。

 「いつ果てるとも知れない」ゲームが終ったことを実感するのは、なかなか大変なことだったのです。

 ゲームは8-7でシカゴ・カブスが勝ちました。
 そして、2016年のワールドシリーズを4勝3敗で制したのです。

 カブスにとって1908年以来、108年振り3度目の世界一でした。

 「クリーブランドの風」を制して、シカゴ・カブスは「ヤギの呪い」を完全に払拭したのです。
 10月29日に行われたワールドシリーズ2016・第4戦は、クリーブランド・インディアンズが7-2でシカゴ・カブスに快勝し、通算成績を3勝1敗としました。
 日本流に言えば、「ワールドチャンピオンに王手をかけた」形です。

 第3戦・第4戦はカブスのホーム・リグレーフィールドで開催されました。ブルー一色に染め上げられた「完全アウェイ」の中で、しかし、インディアンズは伸び伸びとプレーし、自らの持ち味である「競り合いでの強さ」を如何なく発揮しています。

 シリーズが始まる前は、レギュラーシーズン103勝を挙げたカブスが有利との意見が多く、伝説の「ヤギの呪い」も相俟って、今シリーズは「カブスのシリーズ」という観が強かったのですが、始まってみれば、ここまではインディアンズのシリーズとなっているのです。

 まるで「フランコーナ・マジック」の様だと思います。

 インディアンズのテリー・フランコーナ監督は今回で3度目のワールドシリーズ出場ですが、「まだ1敗しかしていない」のです。
 ボストン・レッドソックス時代の2度のワールドシリーズは共に4勝0敗でワールドチャンピオンに輝きました。
 フランコーナ監督にとっては、今シリーズ第2戦で1-5でカブスに敗れたのが、ワールドシリーズにおける初めての敗戦だったというのですから驚きです。

 これほど「ワールドシリーズでの勝率が高い監督」はなかなか居ないでしょう。

 それで「フランコーナ・マジック」となるわけです。

 采配を見れば、やはり「投手起用の妙」が特徴でしょう。今シリーズもここまでカブス打線を抑え込んでいます。第3戦で1-0の勝利、第4戦で7-2の勝利ですから、2試合で2失点ですから、勝利を挙げる確率は当然ながら高くなるわけです。
 ついでに言えば、初戦も6-0の完封勝ちでした。

 レギュラーシーズンにおいて得点力十分だったカブス打線をほぼ完全に封じているのは、見事という他はありません。

 さて、シカゴ・カブスは追い込まれました。
 第5戦は、エースのジョン・レスター投手を立てての戦いとなります。
 
 ちなみにカブスの先発として、第4戦に登板したジョン・ラッキー投手と第1戦に登板したジョン・レスター投手という「2人のジョン」は、フランコーナ監督の下でボストン・レッドソックスが黄金時代を築いた時の主力ピッチャーでした。
 ひょっとするとフランコーナ監督は、レスター投手とラッキー投手の攻略法を熟知しているのかもしれません。

 メジャーリーグベースボールの「聖地のひとつ」であるリグレーフィールドには、全米屈指の熱狂的な野球ファンが集まっています。
 そのファンの前で、カブスは3連敗する訳には行かないでしょう。

 フランコーナ・マジックを乗り越えるには、カブス打線の奮起が不可欠です。

 インディアンズのトレバー・バウアー投手に対して、カブスのプレーヤー達は、どのような戦術と気迫で立ち向かっていくのでしょうか。
 クリーブランド・インディアンズとシカゴ・カブスの戦いとなった、今季のワールドシリーズですが、今季のトレード期限ぎりぎりにニューヨーク・ヤンキースから移籍した2人の投手がカギを握っているシリーズとも言えそうです。

 インディアンズのアンドルー・ミラー投手は、セットアッパーとして、フランコナ監督の「絶対の信頼」を得ています。

 クローザーに繋ぐ7回・8回に出て来ると、バッタバッタと打者を打ち取って行きます。
 特に、その三振奪取率は高く、1イニング3アウトの内2つは三振で取っているという印象です。
 相手打者の内角を突く高速スライダーの威力は、MLB最高レベルでしょう。

 もうひとりは、カブスのアロルディス・チャップマン投手。こちらはクローザーです。

 チャップマン投手といえば、言わずと知れた「100マイルピッチャー」です。
 ほとんどストレートで押し、そのストレートがほとんど160kmを超えるのです。
 チャップマン投手が、その大きなユニットを稼働させて投球を魅せる時、カブスファンの声援は最高潮となるのです。

 ミラー投手とチャップマン投手、どちらの投手がより輝くかということが、ワールドシリーズの帰趨に大きな影響を与えることでしょう。

 それにしても、これだけ良いプレーヤーを次々と放出したヤンキースは、どんなチームを創ろうとしているのでしょうか。
 MLB2016ポストシーズンも、10月25日から始まるワールドシリーズを残すだけとなりました。

 今年のワールドシリーズは、アメリカンリーグALのクリーブランド・ブラウンズとナショナルリーグNLのシカゴ・カブスの対戦となりました。
 結果としては、両リーグともに順当なチームがリーグチャンピオンとなった印象です。

 ワールドシリーズ2016が興味深いのは、両チームとも「負けられない」シリーズとなっているところでしょうか。

 インディアンズにとっては「クリーブランドへの風」を受けてのシリーズとなります。
 アメリカ4大スポーツのチームが本拠地を置く都市の中で、最も長い間「優勝を味わっていなかった」のがオハイオ州クリーブランドでした。
 1964年のNFLクリーブランド・ブラウンズの優勝以来、50年以上に渡って「クリーブランドの市民」は優勝の喜びを忘れていたのです。

 この長い空白を破ったのが、今2016年のNBAのクリーブランド・キャバリアーズでした。
 エースのレブロン・ジェームズ選手の活躍などにより、1勝3敗からNBAファイナルを制し、初優勝を遂げると共に、クリーブランドのスポーツファンを歓喜の渦に巻き込みました。

 そして、今度はMLBの番だとばかりにインディアンズが快進撃を続け地区優勝。ポストシーズンに入っても、地区シリーズでボストン・レッドソックスを3勝0敗でスイープ、リーグチャンピオンシップでもトロント・ブルージェイズを4勝1敗で早々に退け、早々とワールドシリーズ進出を決めました。
 素晴らしい勢いで勝ち続けているのです。

 インディアンズ自体も、最後にワールドシリーズを制したのは1948年ですから、68年振りの世界制覇を目指すシリーズとなります。

 一方のシカゴ・カブスは、有名な「ヤギの呪い」を解くシリーズとなります。

 1945年のワールドシリーズでファンが、自分が飼っていたヤギと共にリグレーフィールドに入場しようとするのを止められた(それまでは入場を許されていたのですが、この時はそのヤギの匂いを理由に拒絶されたのです)時、このファンが「ワールドチャンピオンはおろか、二度とこの球場でワールドシリーズが開催されることは無いだろう」と予言したとされるのが、「ヤギの呪い」です。(この年のワールドシリーズでカブスは3勝4敗でデトロイト・タイガースに惜敗しました)

 それ以降、インディアンズは1984年・1989年・2003年・2007年・2008年と地区優勝するなどポストシーズンに挑んできましたが、リーグチャンピオンとなることは出来ず、今2016年シーズンでの優勝=ワールドシリーズ進出は71年振りのこととなりました。

 ワールドシリーズ進出で「ヤギの呪い」の半分はクリアされたように見えますが、やはりワールドシリーズを制してこそ、完全に呪いの呪縛から逃れることが出来ると見るのが順当でしょう。
 カブスにとっては、どうしても負けられないワールドシリーズ、最後に世界一になった1908年以来108年振りの制覇を目指すシリーズなのです。

 ポストシーズン2016突入時点では、戦力的にはカブスの方が優位と見られていましたが、地区シリーズ、リーグチャンピオンシップと戦いを続けて行くうちに、インディアンズの調子が上がり、接戦であろうと見られていたレンジャーズとの地区シリーズ、ブルージェイズとのリーグチャンピオンシップを悠々と勝ち抜いて行くに至って、「互角のワールドシリーズ」との評価が高まっています。

 テリー・フランコナ監督(インディアンズ)、ジョー・マッドン監督(カブス)、両監督の采配も注目されます。

 フランコナ監督(57歳)は、レッドソックスの監督時代、2004年シーズンと2007年シーズンの2度ワールドシリーズに勝っています。名門ですが、なかなかワールドシリーズに手が届かなかったレッドソックスに、久々の「世界一」をもたらした監督として知られていますし、特に「投手交代の妙」が高く評価されています。
 今季のインディアンズは「接戦での強さ」が目立ちますが、フランコナ監督の采配も冴えているのでしょう。

 一方のマッドン監督は、タンパベイ・レイズ時代の2008年シーズンにワールドシリーズに進出しましたが、この時はフィラデルフィア・フィリーズに敗れました。
 2008年と2011年にAL最優秀監督、2015年にNL最優秀監督に選ばれています。
 「バランスの良い采配」という印象で、選手の力を十分に発揮させる采配が得意だと思います。
 二人の名監督の対決も、見所のひとつでしょう。

 「68年振り」と「108年振り」の世界制覇を目指す戦いであり、「クリーブランドの風」と「ヤギの呪いの完全解消」という話題が存在するワールドシリーズでもあります。

 クリーブランドとシカゴという、五大湖を巡る「お隣同士」の対戦となったワールドシリーズ2016。

 興味は尽きません。
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