HOME   »  MLB
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 2月14日から始まった、ロサンゼルス・エンゼルスatアナハイムの2018年のスプリングトレーニングにおける、大谷翔平選手の動静が、毎日のように報じられています。

 「36球投げた。20球と16球に分けて」、「正捕手マルドナルド選手が全ての球が素晴らしいと評価」といった報道が続きますが、近時(といってもまだ1週間しか経っていないのですが)目立つのが、「打撃も凄い」という評価です。

 2月15日のフリーバッティングで、35スイング、安打性打球が20本、内12本が柵越え、中にはバックスクリーン越えの150m弾も、と伝えられました。
 1/3が柵越えというのは、大谷選手の飛距離を示すものです。

 当然ながら、「柵越えの為のスイング」によって大きな飛球を飛ばすだけなら、メジャーリーグのスプリングトレーニングに参加しているプレーヤーなら、それほど珍しいことでは無いのでしょう。
その打球が「生きた打球」であるかどうかは、MLB関係者であれば即座に見抜くのです。

 そのMLB関係者から、「素晴らしいパフォーマンス」との評価が高まっているというのですから、頼もしい限り。

 シーズン前には「二刀流」に懐疑的だった関係者、その多くは「投手・大谷翔平」を評価していた人達ですが、その人達からも「打者としての可能性を見出した」といったコメントが、数多く出されているのです。
 
 また、エンゼルスのマイク・ソーシア監督からは、2月17日に「三刀流」も考えている旨のコメントも出されました。大谷選手の走力を高く評価しての発言で、先発投手として出場する合間の試合でDHや代打として出場することはもちろんとして、「代走」でも活躍してもらうとの方針なのです。

 日本においては、投打はともかくとして、「走」が注目されたことは少なかった大谷選手ですが、スプリングトレーニング3日目にして、指揮官の眼には「素晴らしい走塁」が焼き付けられたことになります。

 大谷翔平というアスリートの「底知れぬ潜在能力」については、およそ「スポーツを知っている人」「スポーツを理解している人」なら、誰でも高く評価することは、これは間違いのないところで、特に世界トップクラスのプレーに係わっている人達が異口同音に「凄い」と言うのですから、物凄い身体能力を具備していることは、疑いの余地がありません。

 その大谷選手が、「伸び伸びとプレーしている」様子が報じられていることが、何より嬉しいことだと思います。
 「ベースボールが出来る喜び」を感じている様子が、沢山の報道の随所に感じられるのです。

 球聖ベーブ・ルースが「13勝7敗・11本塁打」を記録したのは1918年、今から100年前です。

 ベースボールも、この100年間に随分と変わったとは思いますが、21世紀のベースボールにおいて、大谷翔平というアスリートが、どんな活躍を魅せてくれるのかは、全てのベースボール&野球関係者・ファンの、大きな大きな関心事なのです。
スポンサーサイト
 投手なら2月14日頃、野手なら2月20日頃に、メジャーリーグの「スプリングトレーニング」が始まります。
 NPBにおける「キャンプ」に相当するものですから、球団が公式に行う、2018年シーズンに向けての準備ということになります。とても重要なことは、言うまでもありません。

 2018年のスプリングトレーニング開始を目前にして、しかし、今季のFAマーケットの動きは、かつて見たことも無いほどに悪いと報じられています。

 日本人メジャーリーガーも例外では無く、ダルビッシュ有投手を始めとするプレーヤーの所属チームがまだ決まっていないのです。

 いくつかのチームとの交渉が進んでいるという報道もありますから、ダルビッシュ投手が2018年シーズンでプレーできないということは無いのでしょうが、それにしても遅すぎるという感じがします。

 2018年シーズン終了後のFA史上に、質・量共にFA史上最高レベルのプレーヤーが登場するため、ここに資金を投入するために、今FA市場では各球団とも「可能な限り出費を抑えている」とも伝えられています。
 高年俸チームに課せられる「ぜいたく税」の抑制方針とも相まって、こうした「異例な」状況が続いているのでしょうか。

 もちろん、メジャーリーガー、それも一流のプレーヤーともなれば、スプリングトレーニングで、他の同僚との練習をしなくとも、直ぐにチームに合流し、持てる力を存分に発揮できることは、毎年7月末の移籍期限ギリギリのやり取りの中で、移籍して翌日や翌々日には新しいユニフォームを着たプレーヤーがグラウンドに立つ姿を観てきましたから、理解できなくもないのですけれども、シーズン途中の移籍とスプリングトレーニング前の移籍は少し違うようにも思います。

 こうした「異例な」状況が生まれてしまった根源には、「メジャーリーガーのサラリー高騰」もあるのでしょう。総額100億円を超えるような契約が珍しいものでは無くなってしまったのです。

 球団の経営者から見れば「1ドルでも安く、良いプレーヤーを手に入れたい」と考えるのも分からなくはありません。

 一方で、球団の雇用行動とプレーヤーの就職活動が「チキンレース」の様になってしまうことが良いことがどうか、という視点もありそうです。
 契約締結を伸ばしに伸ばして、球団にとっての「最安値」を示現した時に、当該プレーヤーの気持ちはどんなものなのでしょうか。

 プロフェッショナルなのだから、心情で働きに差が出るのはおかしい、といった見方もあるのでしょうが、そもそもFA制度が1976年に導入される契機となった事件、1975年に「球団から提示された契約条件」に不満を持った2人のプレーヤーが、契約書にサインしないまま1シーズン働き、裁判、MLB機構と選手会の話し合いを経てFA制度が導入されたことを思い起こせば、プレーヤーの心情というのは、とても大事なもののように感じられるのです。

 また、ある意味では、「夢」を提供する義務のあるプロスポーツにおいて、「チキンレース」の様な有様をファンの眼前で繰り広げるのも、得策とは言えないでしょう。

 2018年スプリングトレーニング前のFA市場が、早く穏便に収束していただきたいものだと思います。
 12月11日、今季のウインターミーティングが始まって早々に、ビッグニュースが流れました。ニューヨーク・ヤンキースがマイアミ・マーリンズのスタントン外野手をトレードで獲得したと発表したのです。

 スタントン選手は、MLB2017年シーズンのナショナルリーグNLホームラン王・打点王の2冠に輝く長距離ヒッターです。
 59本塁打・136打点を記録し、リーグのMVPにも輝きました。

 ご承知のようにヤンキースには、2017年シーズンのアメリカンリーグALホームラン王のアーロン・ジャッジ選手が居ますから、2018年のヤンキースには「AL・NL両リーグのホームラン王」が並ぶことになります。長打力という面ではこの上ない打線となるのです。

 それにしても、マイアミ・マーリンズの「チーム大改革」は驚くべき規模とスピードで進んでいる印象です。
 先日、「マーリンズの顔」とも言うべき、快足・好守のディー・ゴードン二塁手をシアトル・マリナーズに放出しており、今般シーズンMVPのスタントン選手も、ということですから、2018年のマーリンズは「2017年とは全く別のチーム」になりそうです。(イチロー選手も出されてしまいました)

 元ヤンキースのスター選手であった、デレク・ジータ氏によるマーリンズの「チーム大改革」の行方・成否も、2018年シーズンの大きな見所であることは間違いありません。
 12月5日、ニューヨーク・ヤンキースの新しい監督に、アーロン・ブーン氏が決まったと報じられました。

 10月下旬に、ジョー・ジラルディ前監督が2018年シーズンは指揮を取らないと報じられて以来、約1ヵ月半が経っての発表でした。

 アーロン・ブーン氏は、1973年生まれの44歳。シンシナティ・レッズやヤンキース等、MLBの6球団で三塁手としてプレーした後、2010年に現役を引退し、ESPNの解説者として活躍してきました。MLBおよび傘下の球団も含めて、指導者としてのキャリアは初めてとも報じられています。

 私たち日本のMLBファンにとっては、アーロン・ブーン氏のお兄さん、ブレット・ブーン氏の方が馴染みがあります。
 イチロー選手がMLBに挑戦し、シアトル・マリナーズで活躍を始めた頃、その同僚として、「強打の二塁手」として大活躍を魅せていたからです。この2001年のブレット・ブーン選手は141打点で打点王に輝くとともに、37本塁打を放ち、シーズン116勝という史上最高記録を達成したチームに、多大な貢献をしたのです。

 「ブーン家」は、祖父のレイ・ブーン氏、父のボブ・ブーン氏、兄のブレット・ブーン氏、そしてアーロン・ブーン氏と「3代4名のメジャーリーガー」を輩出していて、これはMLBの記録となっています。
 何より凄いのが、その4名が4名ともオールスターゲームに出場していることでしょう。

 メジャーリーガーに成るだけでも、類稀なことであることは言うまでもありませんが、その中でオールスター戦に出場するというのは、MLBのトッププレーヤーの証です。
 3代4名がオールスター戦に出場するというのは、空前絶後の記録に見えます。

 さて、そうした「MLBのエリート一族」の一員であるアーロン・ブーン氏に、ヤンキース監督というMLBでも最も注目される監督就任の「白羽の矢」を立てたということになります。

 ヤンキースの監督ひいてはMLBの監督の選定基準は、当然ながら、私のような素人には計り知れないものですが、近時は「40代の若い監督」が増えているように見えます。
 2017年のワールドシリーズも、43歳のAJヒンチ監督率いるヒューストン・アストロズと、45歳のデーブ・ロバーツ監督率いるロサンゼルス・ドジャーズの対戦となりました。
 40歳台のMLB監督は、決して珍しくはなくなっているのです。

 様々な関連情報を見ると、現在MLBで求められている監督像には
① 若いプレーヤー達と良好なコミュニケーションを取ることが出来るパーソナリティを具備していること
② 各種のデータ分析に精通し、実践の戦術に応用する力があること

 の2点が必要とされているようです。
 この①などは、コミュニケーション能力では無く、コミュニケーションを取ることが出来る「パーソナリティ」というのですから、才能としてもともと備わった「個性」ということになります。
 MLBの監督に就任するためには「天賦の才」が必要ということになるのです。

 ニューヨーク・ヤンキースは、アーロン・ブーン氏に「その能力あり」と判断したことになります。

 もうひとつ、ヤンキース固有の事項として、久し振りに「捕手出身」以外の、三塁手という「野手出身」の監督ということが挙げられそうです。

 ヤンキースは、1996年~2007年のジョー・トーリ監督、2008年~2017年のジョー・ジラルディ監督と2代・22シーズンに渡って、捕手出身者が監督を務めてきました。
 色々な理由があると思いますが、「トーリ監督の成功」が大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

 MLB史上最多の27回のワールドシリーズ制覇を誇るヤンキースですが、その内20回は1960年代前半までに獲得されたもので、1970年代以降「世界一」の回数は激減し、1970年から1995年までの間には、僅か2回しか優勝できませんでした。
 そして、1980年から95年の間は、ワールドシリーズどころか、ポストシーズンもままならないシーズン、「低迷の時代」が長く続いたのです。

 この苦境からヤンキースを引き上げて魅せたのが名将ジョー・トーリ監督でした。
 トーリ監督は、4回のワールドシリーズ優勝、6回のリーグ優勝と、ヤンキースファンに久方ぶりの「黄金時代」を提供したのです。

 「捕手出身監督は良い」という評価が、ヤンキースおよびヤンキースファンの間で固まることは、自然なことだったのでしょう。
 そして、ジラルディ監督も10シーズンの間指揮を執り、2009年シーズンにはワールドシリーズを制覇しました。松井秀喜選手がMVPを獲得したワールドシリーズです。

 そのジラルディ監督も2010年以降は、なかなかワールドシリーズにチームを導くことが出来なくなり、今回の退任ということになったのでしょう。
 ポストシーズン進出位では、ヤンキースファンは満足してくれないということでしょうか。大変なポストです。

 さて、ブーン新監督には、ワールドシリーズ制覇が期待されるのでしょう。
 2016年シーズンから「一気の若返り」を進め、アーロン・ジャッジ選手を始めとする、今後10年のヤンキースを支えるプレーヤー達が育ちつつあるチームを、ワールドシリーズに連れて行く責務が課されることは、間違いないのでしょう。

 若きプレーヤー達との良好なコミュニケーションと、セイバーメトリクスを始めとするデータ分析と戦術・プレーへの応用をベースとして、ブーン監督ならではの工夫を加えた指揮が、2018年のヤンキースに大きな変革を齎すことでしょう。

 その采配が、今からとても楽しみです。
 11月13日、MLB2017シーズンの両リーグの新人王が発表されました。

 アメリカンリーグALは、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手、ナショナルリーグNLはロサンゼルス・ドジャーズのコディ・ベリンジャー選手でした。

 2人共「満票」での選出でした。「文句無し」の受賞だったのです。
 両リーグともに満票での選出は20年振り、史上4度目だそうです。

 ジャッジ選手は打率.284、本塁打52本、打点114、ALホームラン王です。
 ベリンジャー選手は打率.267、本塁打39本、打点97、チームのNLチャンピオンシップ勝利に大貢献しました。

 2人の若手プレーヤーに共通しているのは、打撃面、守備面共にまだまだ未完成であるということでしょう。
 ポストシーズンに入って、ジャッジ選手もベリンジャー選手もなかなか打てませんでした。当然ながら、相手チームの研究による対策の「壁」にぶち当たったのです。

 そして2人に共通しているのは、この「壁」を正面から破って行ったことです。
 当てに行くといった「対処療法」を実施することなく、自身本来のスイングを続けながら、次第に相手投手の投球のコース・変化・スピードに対応し、打てるようになって行ったことが、本当に素晴らしいと感じます。「伸びしろ」がとても大きいのです。

 2人共「本物」なのでしょう。
 今後、メジャーリーグを代表する野手に育って行ってくれるものと思います。

 ジャッジ選手は、ヤンキースのプレーヤーとして、1996年のデレク・ジータ選手以来の新人王受賞と報じられました。
 ヤンキースがジータ選手の登場と共に黄金期を迎えたことは、ご存じの通りです。
 
 ジャッジ選手の新人王受賞も、ヤンキース黄金期到来の起爆剤となるような気がします。
 11月3日、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、残り3年のヤンキースとの契約を破棄せず残留する旨を表明したと、報じられました。

 2014年にNPB楽天ゴールデンイーグルスから、MLBヤンキースに移籍した田中投手の契約には、「2017年シーズン終了後に田中投手側から契約を破棄できる条項=オプトアウト条項」が含まれているとされていて、田中投手の動向が注目されていたのです。

 オプトアウト条項は、田中投手側が「より良い契約を示したチームに移籍する権利」です。田中投手の活躍を観て、ヤンキースより良い条件を提示するチームが登場した時に、田中投手が移籍を検討することができる権利ということになります。

 一方で、2017年のレギュラーシーズンの田中投手は、13勝を挙げたものの、12敗と田中投手としては珍しく負け数が多く、防御率4.74もキャリアワースト、登板毎の出来不出来の波が大きく、被本塁打も目立つという、田中投手にとっては不満の残るものでした。

 地元ニューヨークにおける評判も厳しいものが多く、「田中はもはやヤンキースのエースでは無い」から始まって、「田中は要らない」といったものまで、厳しい論評が続きました。
 オプトアウトどころではなく、ヤンキースの方が田中投手を放出するのではないかという状況だったのかもしれません。

 そうした評価の下で迎えたポストシーズンで、田中将大は自らの力を示したのです。

 3試合に先発して、総失点は僅かに2、2勝を挙げて、チームの窮地を救ったのです。
 MLBにおける自身の投球を確立したポストシーズンでもあったのでしょう。

 「大試合に強い投手」として、ニューヨークにおける田中投手の評価は、再び高いものとなりました。

 そして今回の「残留表明」となったのです。

 2018年シーズンも「ピンストライプ」を身に付けた田中投手の活躍を観ることが出来るようになったことは、とても嬉しいことです。

 「2018年の田中投手の素晴らしい投球」が、今からとても楽しみです。
 NHK-BS放送では、今シーズンからピッチャーの投ずるボールの回転数や、バッターの放つ打球の初速や角度を測定する仕組み、「スタットキャスト」と称している映像解析システムを導入し、放送の中でデータを紹介しています。

 プレーの結果を数値化することで、新しい視点を提供しているのです。

① 投球の回転数

 MLBの各投手のストレート、ツーシーム、スライダー、チェンジアップ、スピリットといった各球種の平均回転数(/分)を示し、放送している試合で投げている投手の回転数と比較したりします。

 「MLBの平均は2300回転ですが、この投手は2500回転です。」といったアナウンスが流れるのです。

 時々感じるのは、「回転数が多い方が良い」といったニュアンスの放送が行われることです。「先ほどのスライダーは2300回転でしたが、今の投球は2600回転と上がりました」「平均より相当多い回転数です」といった具合。

 当たり前のことを書いて恐縮ですが、「回転数が多ければ良い」といったことは無いわけですから、「回転数が上がりました」といったアナウンスが、やや興奮気味に行われるというのは、ピントがずれています。

 投球の回転数は、投手毎のフォームや体格によって様々なのですし、球種によって適した回転数も異なるのでしょうから。例えば、スプリットは回転数が少ない方がよく落ちそうです。

 一方で、「何回転なら相手打者を抑えられる」といった、絶対値としての物差が出来上がることも、現状では期待できないと思います。投手毎に体躯や筋力が異なる以上は、それぞれのピッチャーは自らに合った投球を指向し練習するのでしょうから。

 また、「自分のスライダーは、いつもは2200回転なのに、今日は2300回転だから、調子が悪い(あるいは良い)」といった判断材料に、ピッチャーが使うということも、少なそうです。
 MLBのマウンドに立つことが出来る程のピッチャーは、自らの調子の良し悪しは、何球か投げてみれば自分で分かるでしょうし、投球を受けるキャッチャーやコーチも、その投手の調子を掴むのに、回転数を必要とはしないでしょう。

 投球の回転数というのは、「結果」として観るものなのでしょうが、その意味からも、今のところ「新しい発見」に結び付くような傾向は、見つかってはいない様に思います。

② 打球の初速・角度

 どんな打球でも適用できるのでしょうが、主にホームランについて解析が行われているように見えます。

 初速158km/時以上、角度30度前後の打球が、ホームランになり易いと言った説明もされています。

 この分析も、プレーヤーにとっては「結果」に過ぎず、自らのプレーの向上などに活かしていくのは、難しいことの様に見えます。

 再び当たり前のことで恐縮ですが、初速158km・角度30度の打球を狙って打って行く打者は居ないでしょう。そんな難しいことを考えていては、プレーは出来ません。
 打者は、タイミングを合わせて、強い打球を打って行こうとするだけです。

 打者毎に、身長や体重、筋力等が異なるわけですから、スイングプレーンやバットを振る速度が異なるわけですし、相手投手の体格等によって投球の角度やスピードが異なりますし、球種によってもホームベース上の投球の軌道も異なりますから、打球の初速158km・角度30度を実現しようとすれば、「変数」がとても多くなります。
 やはり、タイミングを合わせて強く振って行くことになりそうです。

 もちろん、180km以上の初速を実現できる筋力やスピードを保持する打者なら、打球角度は15度位でもホームランを打つことが出来るでしょう。マーリンズのスタントン選手などは、大袈裟に言えば「水平に見える打球でもホームラン」、実際には角度5度位の打球でもスタンドまで運ぶことが出来ます。

 ここまで観てきましたが、少なくとも現時点では、投球の回転数や打球の初速・角度といったデータから、新しいトレーニング方法やゲームにおける戦術が生れているようには見えません。

 いまのところは「単なる結果論」に過ぎないように見えます。
 そして「結果論」としての観戦する側のツールという面からも、効果的で興味深い物差が生れているようにも見えません。

 とはいえ、今季からの新しい取組ですから、今後何か大きな発見に結び付く可能性はあるのでしょう。

 「データ分析が大好き」なアメリカにおいて、この仕組みから思いもよらぬ「物差」が生れ、ベースボールにおける新しい取組方法が構築されることを期待しています。
[10月24日・第一戦・ドシャースタジアム]
ロサンゼルス・ドジャーズ3-1ヒューストン・アストロズ

[10月25日・第二戦・ドシャースタジアム]
アストロズ7-6ドジャーズ(延長11回)

[10月27日・第三戦・ミニッツメイドパーク]
アストロズ5-3ドジャーズ

[10月28日・第四戦・ミニッツメイドパーク]
ドジャーズ6-2アストロズ

[10月29日・第五戦・ミニッツメイドパーク]
アストロズ13-12ドジャーズ(延長10回)

 5試合を終えて、アストロズが3勝2敗と一歩リード。

 「例年通り」のこととはいえ、ワールドシリーズWS2017も毎試合「劇的なシーン満載」のシリーズとなっています。
 変な言い方で恐縮ですが「このクオリティの高さ」には、いつも感心させられます。

 「世界一」の栄誉に向けての、メジャーリーガー達の高いパフォーマンスと「凄まじい執念」がワンプレー・一球ごとに感じられるところは、プロフェッショナルスポーツの究極形というか、それを超えたところに存在する、「世界最高の領域」のようです。
 観戦している私たちの口から出るのは「凄い」という言葉ばかり・・・。

 ドジャーズにとっては、リードしながら9回に追いつかれてしまい、延長に入って壮絶な・信じられないようなホームランの打ち合いとなった第二戦を落としたことがとても痛く、第五戦で9回に3点差を追い付いて、第二戦の悲劇を帳消しにしようとしましたが、それは成就しませんでした。

 一方でアストロズとしては「ミニッツメイドパークにおける不敗伝説」を第四戦で失ったダメージは、とても大きなものでしょう。
 ドジャーズは「ベリンジャー選手の復活」により、アストロズと互角の得点力を得たのです。

 さて、第6戦は「バーランダー投手VSドジャーズ打線」の戦いとなります。

 悲願のWS制覇に向けて、バーランダー投手は自らのスキルを最大限に発揮し、「精魂を込めたピッチング」を披露することでしょう。
 ホームに戻ったドジャーズが、どのようにこの大投手を攻略するのでしょうか。

 ベースボールファンにとっての最高の「ごちそう」も残りは僅か。

 第七戦も、両チームが死力を尽くしたプレーの連続となることでしょう。
[10月24日・WS第1戦・ドジャースタジアム]
ロサンゼルス・ドジャーズ3-1ヒューストン・アストロズ

 ワールドシリーズWS第1戦は、ドジャーズ先発のカーショー投手が7イニングを投げて、被安打3、奪三振11、失点1の好投を魅せ、モロー投手、ジャンセン投手と繋いで、強打のアストロズ打線を1失点に封じ、快勝しました。
 大エースを立てて、ドジャーズにとっては「負けられない初戦」をキッチリ物にした形です。

 レギュラーシーズンを通じて、打率・得点等、打撃部門でリーグトップの成績を誇るアストロズから二桁奪三振を奪うこと自体が、とても難しく、アストロズから見れば「珍しい」ことですが、それが「ワールドシリーズの舞台」となると、その価値は飛躍的に高まるのは道理です。

 ドジャーズにおいて、WSで「二桁奪三振」を記録した投手は、1965年の第7戦、サンディ・コーファックス投手がミネソタ・ツインズを相手に11三振を奪って以来というのですから、52年・半世紀振りということになります。

 こうした快記録が出ると、過去のプレーヤーにスポットライトが当たるものですが、サンディ・コーファックス投手とは懐かしい・・・。

 1954年ブルックリン・ドジャーズ(ニューヨーク)時代に入団し、チームのロサンゼルスへの本拠地移転と共にロサンゼルス・ドジャーズのエースとなり、3度のWS制覇(内2度はコーファックス投手がシリーズMVP)など、ドジャーズの黄金時代を支えた、まさに「大投手」でした。

 身長188cmの体躯から、大きく脚を上げて投げ下ろすストレート(4シーム)と落差十分のカーブの威力は抜群で、1963年のWSを戦い、敗れたヤンキースの中心選手だったヨギ・ベラ選手(伝説的なキャッチャー)は「何故、あの男が25勝できたかはよく分かった。分からないのは、何故5敗したのかということだ」と語ったと伝えられています。

 コーファックス投手は、通算165勝87敗と、高い勝率(65.5%)を誇りました。
 カーショー投手は、現時点で144勝64敗と、こちらも抜群の勝率(69.2%)です。

 20世紀半ばと21世紀のドジャーズを背負って立つ「2人の左腕」は、それぞれの時代のMLBを代表するピッチャーでもあるのでしょう。

 1935年生まれのコーファックス氏は、81歳となってまだまだ元気。ドジャーズのスペシャルアドバイザーを務めておられるそうです。
 コーファックス氏に、現在のカーショー投手についてのコメントを伺いたいものです。

 それはもう宝石のような「深いコメント」であろうと思います。
 MLB2017のワールドシリーズWSは、10月24日(日本時間25日)に開幕します。

 ロサンゼルス・ドジャーズとヒューストン・アストロズは、どちらもレギュラーシーズン中の一時期、驚異的な強さを魅せて、圧倒的な勝率を残したチームですから、ある意味では順当な組合せと言っても良いのでしょう。

 では、WSでの戦い振りはどのようになりそうなのでしょうか。

① コンディション

 ドジャーズは4勝1敗でナショナルリーグ・チャンピオンシップNLCSを勝ち抜きました。そしてWSに向けて「中4日」の休養期間を得たのです。
 ドジャーズは、地区シリーズも3連勝で勝ち上がりましたから、やはり地区シリーズからNLCSまでの間にも「中4日」ありました。

 こうしたスケジュールは、ポストシーズンを戦って行く上での「疲労」、特に「心の疲労」を取るためには有効なものだと思います。

 一方でアストロズは、アメリカンリーグ・チャンピオンシップALCSを最終の第7戦まで戦いました。そして殆ど休み無しでWSに臨みます。

 コンディション面では、ドジャーズが有利と観るのが常識的なのでしょう。

② 達成感

 こうした大きなシリーズ、大会では、「達成感」を感じたチーム、目標としてきた位置まで勝ち上がった次の試合で、チームが敗れ去るというシーンを、時折目にします。

 甲子園大会やユーロ(サッカー欧州選手権)、ワールドカップなどで、チームの歴史上最高の成績を確保した次のゲームで、意外にも敗れてしまうケースがあるのです。

 プレーヤーの「心持ち」が、プレー内容に微妙に影響しているのではないかと考えます。

 今シリーズに臨むに際して、「達成感」がより高いチームはどちらでしょうか。
 私はドジャーズなのではないかと思います。

 西海岸の名門チームとして、常にポストシーズンに駒を進めるチームですが、1988年以来、NLCSの勝利、WSへの進出から遠ざかっていました。
 同じ、ニューヨークから西海岸に移動したライバルチーム、サンフランシスコ・ジャイアンツの21世紀における活躍、何度もWSを制覇する姿を観て歯がゆい思いをしてきたことでしょう。

 そのドジャーズが29年振りにNLCSを制して、リーグチャンピオンに輝いたのです。

 選手やチーム関係者の喜びは、他から見るより遥かに大きいものであったのではないでしょうか。「達成感」は、想像以上に大きいと感じます。

 一方のアストロズは、いまだWS制覇の実績は無く、ALCSを勝ち上がったのも初めてです。
 WS初制覇に向けて、意欲満々と言うところでしょう。
 連戦連戦で疲れは残っているけれども、空腹感十分で、眼をぎらつかせている野獣といった雰囲気があります。

 「達成感」という面からは、アストロズに分がありそうです。

 コンディションではドジャーズが優位、「達成感」ではアストロズに分がある、といった状況下、2つの要素を総合すると、どうでしょうか。

 私は、僅かにアストロズが4勝を挙げる可能性が高いと感じます。

 ドジャーズは、初戦をものにして一気に押し切る形を取りたいところでしょう。コンディションの良さで圧倒したいところです。
 逆にいえば、クレイトン・カーショー投手を立てての初戦を落とすようだと、苦しくなりそうです。

 アストロズは初戦を落としたとしても、「諦めることの無い戦い」を続けて行きそうです。

 今シーズンの「世界一」を目指して、激闘が幕を開けます。
2017年のワールドシリーズWSは、ロサンゼルス・ドジャーズ(ナショナルリーグNL)とヒューストン・アストロズ(アメリカンリーグAL)の対戦となりました。

 共に、レギュラーシーズンで一時期、驚異的な強さを示したチーム同士の争いとなったのです。
 ある意味では、順当な組合せと言って良いのでしょう。

 そして、レギュラーシーズン途中で、それぞれのチームの「ワールドシリーズ制覇」に向けて、トレードで移籍してきた、バーランダー投手とダルビッシュ投手にとっても、「本番」がやって来た形でしょう。

 サイ・ヤング賞を始めとする、MLBにおいて投手に与えられる栄誉のほとんどを手にしてきたバーランダー投手にとっては、残る栄冠は「ワールドシリーズのチャンピオンズリング」のみとなっていましたから、今季WS進出の可能性が高いアストロズへの移籍は、望むところであった筈です。
 そして、見事にその夢を実現しました。

 日本からMLBに挑戦し、数々の活躍を魅せてきたダルビッシュ投手にとっても、WSの舞台は「憧れの場所」であり、一度は立ってみたいところであったことでしょう。
 こちらもポストシーズンで見事な投球を披露して、その場に辿り着いたのです。

 ドジャーズにはカーショー投手、アストロズにはカイクル投手という「絶対的なエース」が存在しますから、バーランダー投手とダルビッシュ投手は「絶対的な2番手」ということになります。
 そして、両チームの2人の投手は、チームの「世界一」に向けて、とても大きな責任を負っているのです。

 見所満載の今シリーズですが、「優勝請負人」としてのバーランダー投手とダルビッシュ投手の比較も、見逃せないポイントなのです。
[10月21日・ALCS第7戦]
ヒューストン・アストロズ4-0ニューヨーク・ヤンキース

 両チーム3勝3敗を受けての、アメリカンリーグ・チャンピオンシップALCSシリーズの最終戦は、アストロズ投手陣がヤンキース打線を零封し勝利、ワールドシリーズWS進出を決めました。
 アストロズはALCS初制覇、WSへの2度目の進出となりました。

① 両チームとも地元で負けず。

 ミニッツメイドパークで行われた4試合はアストロズが4勝、ヤンキースタジアムの3仕合はヤンキースが3勝というシリーズとなりました。

 両チームとも「地元で強かった」のです。

 第7戦も、ミニッツメイドパークを埋め尽くした4万3000人の大観衆の大声援が、1回表から試合終了まで響き続けました。

 「ミニッツメイドパークの力」が、アストロズプレーヤーの背中を押し続けたのです。

② 打てなければ勝てない。

 第7戦、ヤンキースは完封負けを喫しました。
 ベースボールは「0得点では勝てない」のです。(当たり前のことを書いて恐縮です)
 特にMLBのポストシーズンでは、打てなければ勝利はおぼつきません。

 こうした結果になってみると、ヤンキースにとっては第1戦・2戦の「1-2の2連敗」が痛かったのでしょう。打線が打つことで、どちらかのゲームを取れていれば、シリーズの流れは全く違うものとなったことでしょう。

③ 精神的支柱

 2016年シーズンの半ばからスタートしたヤンキースのチーム大改造は、最短期間で大きな成果を上げました。
 野手陣の若返り施策が、これ程速く成果を挙げると予想した人は少なかったのではないでしょうか。

 ポストシーズンでもワイルドカードを勝ち抜くと、地区シリーズではレギュラーシーズン102勝のクリーブランド・インディアンズを相手に0勝2敗の土俵際からの3連勝という、「驚異的な反発力」を魅せました。
 田中将大投手の第3戦の好投が、流れを大きく変えたことは、間違いありません。

 そしてALCSでも2連敗から3連勝を魅せました。
 常に追いかける立場、追い込まれた立場で「若きヤンキース」は地力を発揮したのです。

 しかし、初めて3勝2敗と、あと1勝でWS進出という立場、相手チームより優位な立場になった時、初めて「若さ」が顔を覗かせたのではないでしょうか。

 第6戦を落として3勝3敗となっての最終戦、先制を許して劣勢になった時、「チームを鼓舞するプレーヤー」が見当たりませんでした。
 ベンチに元気が無かったのです。

 「若きヤンキース」では止むを得なかったのでしょう。
 
 それでも、2017年シーズンは「若きヤンキース」にとって、とても有意義なものであったと思います。ひとりひとりのプレーヤーが、多くのものを学び、身に付けたことでしょう。
 2018年シーズン以降の飛躍に向けての土台となったと感じます。

 田中将大投手の2017年シーズンも終了しました。
 ポストシーズンにおける活躍は、見事でした。MLBにおける自らの投球スタイルを確立したシリーズであったと思います。

 契約の関係から、2018年シーズンに田中投手がどのチームでプレーするのかは決まっていないのでしょうけれども、「ヤンキースにとって不可欠なプレーヤー」であることを、自ら証明したポストシーズンともなったのです。
[10月18日・ALCS第5戦・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース5-0ヒューストン・アストロズ

 ヤンキースの先発として登板した田中将大投手は、7イニング・103球を投げて、被安打3、与四球1、奪三振8、失点0という見事なピッチングを魅せました。
 「ポストシーズンの先発投手の投球」の見本のような、端正で美しいプレーであったと感じます。
 これで田中投手は、今季ポストシーズン2勝目となりました。

 1回目の登板が失点0、2回目の登板が失点2、そして今回・3回目の登板が失点0というのですから、ポストシーズンゲーム=大試合における強さを如何なく発揮している形でしょう。
 マウンドを降りる田中投手に対して、ヤンキースタジアムのファンからの拍手が、なかなか鳴り止みませんでした。

 これで、今季ポストシーズンに出場した日本人3投手は、いずれも「ポストシーズン2勝目」を挙げたことになります。

 凄い活躍です。

 本来の先発としてでは無く、中継ぎとして登板している前田健太投手(ロサンゼルス・ドジャーズ)は、レギュラーシーズンの投球にも増して「素晴らしいコントロールと球威」が際立っています。
 「必ずストライクが取れる投手」を相手にすると、打者は初球から打っていかないと、追い込まれてしまっては分が悪いと考えますので、自然に早打ちになります。
 前田投手の2勝目の登板(3度目の登板)は「わずか5球で3アウト」を取りました。
 これで、ポストシーズン4度の登板で、全て1イニングを投げて、12人の打者を相手にパーフェクト。「何事も無かったかのように抑えて」いるのです。

 あたかも、ボストン・レッドソックス時代の上原浩治投手のポストシーズンの活躍の様です。あの時は「上原浩治の3分クッキング」と称されました。
 今季の前田投手の活躍は、上原投手の後を継いでの「3分クッキング」に観えます。
 上原投手は、日本プロ野球史上屈指のコントロールを誇る投手ですが、前田投手にもそのコントロールの良さが備わっているのでしょう。加えて150km台半ばのストレートがありますから、「鬼に金棒」状態なのです。

 ドジャーズにワールドシリーズ制覇を齎すために、今季途中で移籍してきたダルビッシュ有投手は、その期待に存分に応える活躍を魅せています。
 こちらは「気迫溢れる投球で相手打線を捻じ伏せている」印象。
 ストレートの数を抑えて、メジャー屈指と評されるスライダーを始めとする変化球を、容赦なく投げ込みます。
 パワーピッチャーが、自在に変化球を操るとなれば、これは打てないのが道理です。
 ダルビッシュ投手は、ドジャーズに行って、その持てる力を十分に発揮できるようになった感が有ります。

 さて、前田投手とダルビッシュ投手が所属するドジャーズと、田中投手が所属するヤンキースが、それぞれのリーグチャンピオンシップシリーズを優位に進めています。

 ドジャーズVSヤンキースのワールドシリーズとなる可能性が十分にあるのです。

 さて、「ポストシーズン3勝目」を先に挙げるのは、どの投手なのでしょうか。

 ワクワクします。
[10月17日・ALCS第3戦・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース8-1ヒューストン・アストロズ

 アストロズ2勝0敗を受けての、アメリカンリーグ・チャンピオンシップゲームALCS第3戦は、ヤンキースが2回裏に3点、4回裏に5点を挙げてリードし、先発のサバシア投手が6イニングを無失点の好投、アストロズの反撃を9回表の1点に抑えて、快勝しました。

 第1戦、第2戦を1-2という接戦で落としたヤンキースでしたが、地元に戻っての快勝ですから、反撃開始というところでしょう。

 第1戦の先発・田中将大投手、第2戦の先発・セベリーノ投手が共に良く投げ、アストロズ打線を抑えたのですけれども、2ゲーム共に1点しか取れなかったヤンキースとしては、何か「負けた感じがしない」ゲームが続いていたように思います。
 とはいえ、シリーズとしてはアストロズが2勝とリードし、相当優位に立っていたことも事実です。

 レギュラーシーズンの勢いそのままに、アストロズがこのまま押し切ってしまうのではないかと思われましたが、ヤンキースとしては「踏み止まった」形でしょう。

 特に、ジャッジ選手の3ランホームランが飛び出したのが大きいと感じます。
 「ヤンキースのワールドシリーズ進出」に、ジャッジ選手のホームランは不可欠だからです。

 ポストシーズンに入って「絶不調」だったジャッジ選手が、ついに目覚めたのです。
 これでヤンキースとしては「戦う態勢が整った」ということでしょう。

 まだ2勝1敗と、アストロズが優位にあることは間違いありませんが、一方でアストロズ打線は、ヤンキースから1試合に2点までしか取れない状況が続いているのですから、余裕のある戦いを披露しているわけではありません。

 こうなると、第4戦は「天王山」となりそうです。
 アストロズが勝って「王手」をかけるのか、ヤンキースが勝って「シリーズの流れを掴むのか」、注目の一戦です。
 アメリカンリーグのチャンピオンシップALCSも2試合を終えました。
 ヒューストン・アストロズが2勝0敗と、ニューヨーク・ヤンキースをリードしています。

 レギュラーシーズンにおける強さをホストシーズンでも示している形ですが、特に目立つのはアルトゥーベ選手の大活躍でしょう。
 攻・走・守の全てに渡って、絶好調と言える活躍を魅せているのです。

① 23打数13安打

 地区シリーズの4試合とALCSの2試合、計6試合で23打数13安打・打率.565という驚異的な成績。
 4打数3安打が3ゲームも有るのです。

 今季レギュラーシーズン204安打の首位打者としての打棒を如何なく発揮しているのです。

② 初球から打つ

 相手投手の投ずる初球から打ち、ヒットにするシーンが多いと感じます。
 カウントを取りに来る投球=ストライク投球を逃さずに打っている形ですが、相手投手の様子を見ている暇も無く振っていているという難しさもあるでしょう。

 「ボールがよく見えている」ことは間違いありません。

③ 抜群の走塁

 10月14日のALCS第2戦、1-1で迎えた9回裏、1塁ランナーだったアルトゥーベ選手は、コレア選手の2塁打で一気にホームインしました。サヨナラ勝ちを演出したのです。
 とても本塁を陥れることは出来そうもないタイミングでしたが、アルトゥーベ選手は全く迷うことなく快足を飛ばし、3塁ベースを蹴って、本塁に突入しました。
 素晴らしいベースランニングでした。

 当然、塁に出れば常に盗塁を狙いますから、相手チームとってこれ程嫌なプレーヤーは居ないでしょう。

④ ファインプレーの連続

 もともと2塁守備に定評があるアルトゥーベ選手ですが、今季のポストシーズンでも再三ファインプレーを魅せています。
 「抜けるか」というゴロを止めて、アウトにするのです。

 派手な動きはありませんが、ファインプレーレベルの守備がとても多いと思います。

 身長168cm(165cmとの報道もあります)のMLBで最も小さなプレーヤーと言われているアルトゥーベ選手は、まさに「小さな巨人」なのです。
[10月11日・地区シリーズ第5戦・プログレッシブフィールド]
ニューヨーク・ヤンキース5-2クリーブランド・インディアンズ

 最終の第5戦まで縺れ込んだ地区シリーズでしたが、アウェイのヤンキースが快勝しました。
 先発のサバシア投手が4と1/3イニングを2失点で乗り切り、リリーフしたロバートソン投手とチャップマン投手がインディアンズ打線を無安打・無失点に抑え込んでの勝利でした。
 打っては、3番のグレゴリアス選手が2本のホームランでリードしました。
 9回表の追加点、インディアンズ守備陣の乱れも加わっての追加点には、このシリーズにおけるインディアンズの焦りが観えました。

 戦前は「インディアンズの優位」が伝えられました。
 9月の記録的な「22連勝」で勢いに乗るインディアンズに対して、ついにボストン・レッドソックスを捉えることが出来ず、ワイルドカードを勝ち上がってきたヤンキースでしたから、ポストシーズンへの準備という面からも、インディアンズの優位は動かないという見方が、多かったのです。

 そしてシリーズ第1戦、ヤンキースはインディアンズが繰り出す、バウアー投手・ミラー投手・アレン投手の前に手も足も出ず「3安打・零封」を喫したのです。
 「力の差とコンディションの差は明確」と誰もが感じました。

 第2戦、8-3とリードし好投を続けていたサバシア投手を早々にグリーン投手に交替し、大逆転負けを喫した時には「采配ミス」との指摘も多かったのですが、ヤンキースベンチも「第1戦完敗」のショックを引き摺っていたのでしょう。
 それ程に、シリーズの流れは一方的なものでした。

 この流れを一気に堰き止め、逆にヤンキースの流れに引き戻したのは、第3戦の田中将大投手の7イニング・無失点の力投であったことは、異論のないところでしょう。
 贔屓目では無く、客観的に観て、あの力投の価値は計り知れないものが有ります。

 「縦に落ちるボール」を持つ投手と、殆ど対戦が無かったインディアンズ打線は、田中投手の投球に「きりきりまい」したのです。(古い言葉で恐縮です)
 そして、「田中投手がいつ何時マウンドに上がるかもしれない」という恐怖?のようなものが、インディアンズ打線の調子を狂わせたというのは、穿ちすぎた見方でしょうか。

 地区シリーズ「2連敗からの3連勝」というのは、滅多に観られるものではありません。
 まさに「大逆転」なのです。

 アメリカンリーグALのチャンピオンを決めるリーグチャンピオンシップは、10月13日から始まります。
 ヒューストン・アストロズとニューヨーク・ヤンキースの顔合わせとなりました。

 今シーズン開始直後からAL西地区を独走し、早々に地区優勝を決めたアストロズは、地区シリーズでもレッドソックスを3勝1敗で破り、悠々とリーグチャンピオンシップに進出してきました。

 このリーグNO.1決定シリーズも、やはりアストロズ優位という評判なのでしょう。

 しかし、レギュラーシーズン102勝のインディアンズを破ったヤンキースですから、レギュラーシーズン101勝のアストロズにも、怯むことなく戦いを挑んでくれることでしょう。

 レギュラーシーズン100勝以上のチーム2つ破って、ワールドシリーズに進出したチームというのは、過去に有るのでしょうか?

 ヤンキースには、「MLBの歴史に残る快挙」を期待します。
[10月8日・地区シリーズ・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース1-0クリーブランド・インディアンズ

 ヤンキースの先発・田中将大投手が素晴らしい投球を魅せました。

 7イニング・92球を投げ、被安打3・奪三振7・与四球1の失点0という見事な投球でした。

 1回表はストレート主体、2回表は変化球主体と、キャッチャーのサンチェス選手との協働も万全というところでしょう。ひとつのイニングが終わる度に、ベンチ内で入念な打ち合わせが行われていました。

 4回表の1死3塁のピンチは2者連続三振で乗り切り、6回表のリンド選手の大飛球はジャッジ選手が冷静に捕りました。
 身長201cmのジャッジ選手ですから、ほんの少しジャンプすれば届く打球でしたが、何しろタイミングが大切、少しでも狂えばホームランになる打球でしたが、完璧なタイミングでした。「絶対に負けられない試合」という重みを考慮すれば、大ファインプレーでしょう。

 いくつかの山を乗り越えながら、田中投手は冷静で気迫十分な投球を続けました。

 0勝2敗と追い込まれた状況で、相手打線を零封するために、持てる力を存分に発揮したのです。
 特に、「打たせて取る」ピッチングが出来たことが何よりでした。球数を抑えることが出来、必要な時には三振を取るという、超一流投手の投球だったと思います。

 2017年シーズンは、被本塁打も多く、防御率も4.7を超えるという不本意かつ不安定な投球であった田中投手ですが、この大事なゲームで今季1・2の投球が出来るのですから、凄いものです。

 チャンスに強い打者をクラッチヒッターと呼びますが、この日の田中投手はさながら「クラッチピッチャー」といったところでしょうか。
 この大試合での強さは、田中投手に備わった特質なのかもしれません。

 ヤンキースは、7回裏のバード選手の特大ホームランで奪った1点を、ロバートソン投手、チャップマン投手のリレーで守り切りました。
 2安打を浴びながらも、4三振を奪って、1と2/3イニングを粘り強く投げ切ったチャップマン投手の熱投も見事でした。

 1敗を喫したとはいえ、地区シリーズにおけるインディアンズの優位は変わらないところでしょうが、ヤンキースが第4戦をジャッジ選手のホームランで勝つようなら、大逆転も有り得るでしょう。
[10月7日・地区シリーズ・ナショナルズパーク]
ワシントン・ナショナルズ6-3シカゴ・カブス

 試合は、8回裏の大逆転でナショナルズの勝利となりましたが、カブスの先発・レスター投手の好投が印象的でした。

 ボストン・レッドソックス時代の活躍を始めとして、大試合の経験十分なレスター投手は、「落ち着き払った投球」を展開しました。
 6イニング・86球を投げて、被安打2、奪三振2、与四球2、失点1という、見事な投球でした。

 何より素晴らしいと感じるのは、フライアウト・ゴロアウトが多いことです。特に、フライアウトは9(全18アウトの半分)を数えました。
 従って、球数を抑えることが出来ます。4回を終えて44球と、極めて効率的な投球でした。「三振を取らない、取りに行かない」ことが、この好投の要因のひとつなのでしょう。

 5回裏には2死満塁のピンチを招きましたが、ナショナルズの1番テイラー選手を三振に抑えました。ここぞという場面では、狙って三振を取ることが出来る能力の高さは、素晴らしいものです。
 外角へのチェンジアップで空振りを取ったのですが、さすがにレスター投手もガッツポーズを魅せました。

 当然ながら、「落ち着き払った」プレーでも、心の中には「闘志が溢れている」訳です。闘志満々でありながら落ち着いているから意味が有るのであって、冷え切って意気消沈した状態で、静かにプレーしていても、何の意味も有りません。
 そうした心持では、ベースボールの最高峰であるMLBのポストシーズンゲームを戦って行くことは、到底不可能でしょう。

 5回に多くの球数を要したため、レスター投手の球数は73となりました。
 そして6回を無失点で抑えたレスター投手は、86球でマウンドを降りたのです。

 「1球が重い」ポストシーズンゲームでは、各チームのエースと位置づけられる投手でも、クオリティスタート(6イニングを3失点以下で投球すること)を実現するのは至難の業です。
 ご承知のように、2017年のポストシーズンでも、各チームの大エースと呼ばれる投手達が、次々と2回、3回といった短いイニングでマウンドを降りています。打者側の気迫がもの凄く、レギュラーシーズンの様な投球を披露するのが、非常に難しいのです。

 そうした中で、キッチリとクオリティスタートを切ったレスター投手の好投が際立ちます。
 86球での降板でしたが、「1球が重い」ポストシーズンですから、レギュラーシーズンゲームにおける100球以上の投球に相当するのではないでしょうか。

 ジョン・レスター投手は、まさに「MLBのスターター」なのです。
[10月6日・地区シリーズ・ドジャースタジアム]
ロサンゼルス・ドジャーズ9-5アリゾナ・ダイヤモンドバックス

 ナショナルリーグNL西地区同士の対戦となった地区シリーズの第1戦は、初回に4点を先制したドジャーズが、そのままリードを保って押し切りました。

 その1回裏のドジャーズの攻撃において、「ワンアウトを取る難しさ」が表れていました。

 地区シリーズ第1戦の先発を任された、ダイヤモンドバックスのウォーカー投手でしたが、いきなり2人のランナーを許し、3番のターナー選手を迎えました。
 そしてターナー選手は3ランホームランをレフトスタンドに叩き込みました。

 続くベリンジャー選手がヒットで出て、プイーグ選手のタイムリーヒットが生まれて、ドジャーズは4-0とリードしたのです。
 ここまでノーアウト。

 ウォーカー投手が、グランダーソン選手を三振に仕留め、ワンアウトを取ったのは「38球目」でした。

 本当に長い道のりだったのです。

 9番のカーショー投手を打ち取って、ウォーカー投手が1回表のドジャーズの攻撃を終らせるのに要した球数は「48球」に及びました。
 そして、1イニングでマウンドを降りたのです。

 先発投手は「ワンアウトを取ることで落ち着く」と言われますが、そのワンアウトを取ることは容易なことではありません。ましてや「1球が重いポストシーズンゲーム」となれば尚更でしょう。
 ウォーカー投手、そしてダイヤモンドバックスにとっては、ワンアウトを取る難しさを痛感する試合となってしまいました。

 ダイヤモンドバックを苦手とし、打線のコンディションが心配されていた、ドジャーズにとっては、絶好の「ポストシーズン立ち上り」となりました。
 このゲームにとっても、ポストシーズンを戦って行く上でも、大きな4得点だと感じます。

 1回の表を投げ切って、ベンチで休んでいた大エース・カーショー投手が、1回裏の自軍の攻撃の際に、少し驚いたような表情を見せていたのが印象的でした。
 「長い長い攻撃」が続き、ついには自身の打席が回ってきてしまったのです。

 カーショー投手は、このゲームでソロホームランを4本浴びました。
 現在のメジャーリーグNO.1投手との呼び声が高いカーショー投手としては、不本意な投球だった訳ですが、この「長い長い攻撃」の間が、カーショー投手にも影響を与えた可能性が有ります。

 一方で、この攻撃で火が付いたドジャーズ打線は計9点を挙げて、カーショー投手が勝利投手となりました。
 ポストシーズンゲームの初戦に登板することが多い(大エースですから当然のことですが)カーショー投手ですが、これまでは殆ど負け投手となっています。(ポストシーズン初戦でカーショー投手が勝ち投手になったゲームが有ったかどうか、記憶に在りません)

 そのカーショー投手が「勝利投手」になったのです。

 ドジャーズにとっては、この上無い、ポストシーズンの幕開けとなりました。
[10月4日・ワイルドカード・チェースフィールド]
アリゾナ・ダイヤモンドバックス11-8コロラド・ロッキーズ

 地区2位と3位の対戦となった、ナショナルリーグNLのワイルドカードは、2位のダイヤモンドバックスが17安打・11得点の猛打で、13安打・8得点のロッキーズを押し切り、地区シリーズ進出を決めました。

 ロッキーズ・グレイ投手、ダイヤモンドバックス・グレインキー投手の先発で始まったゲームでしたが、初回からダイヤモンドバックス打線が火を噴き、1~3回で6点を挙げて一方的な展開になるかと思われました。

 ところが、ダイヤモンドバックスの大エース・グレインキー投手が4回表に掴まり、一挙4失点。ゲームは一気に接戦となったのです。
 
 グレイ投手は1イニングと1/3、グレインキー投手は3イニングと2/3しかマウンドに居られなかったのですから、ポストシーズンゲームというのは怖いものです。

 ロッキーズは7回表に1点を加え5-6と追いすがりましたが、7回裏と8回裏に計5点を挙げたダイヤモンドバックスが勝ち切ったゲームでした。

 さすがに、「大貯金」でゆうゆうと首位を走るロサンゼルス・ドジャーズを横目に、こつこつと?貯金を積み上げてきた両チームの戦いは、一筋縄では行きませんでした。まさに「実力十分なチーム同士」のワンゲームプレーオフだったのでしょう。

 さて、NL勝率トップでポストシーズンに臨むドジャーズの、地区シリーズの相手はダイヤモンドバックスに決まりました。
 
 レギュラーシーズンで104勝(今季MLB最多勝利数)を挙げ、「向かうところ敵無し」といった雰囲気のドジャーズですが、実はダイヤモンドバックスには苦労していたのです。
 その「苦手」が地区シリーズの相手となりました。

 我らがダルビッシュ有投手・前田健太投手にとっても、「相手にとって不足は無い」といったところでしょうか。

 ダルビッシュ投手・前田投手のポストシーズンの戦いが始まります。
[10月3日・ALワイルドカード・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース8-4ミネソタ・ツインズ

 1回表、ヤンキースの先発セベリーノ投手が4安打・1四球で一気に3点を失い、わずか1アウトを取っただけで降板した時には、ヤンキースの前途は真っ暗闇でした。
 1ゲームプレーオフとしては、相当に痛い失点であり、先発投手のノックアウトだったからです。

 しかし、ヤンキース打線は劣勢をものともしませんでした。
 1回裏、グレゴリアス選手の3ランで同点とすると、2回裏にはガードナー選手のソロホームランで勝ち越し、3回裏にはバード選手のタイムリーヒット、4回裏にはジャッジ選手の2ランホームランと畳み掛けて、ゲームを優位に進めました。

 ポストシーズンゲームにおける打線の活躍の重要性が、よく分かる試合になったのです。

 ツインズとしては、ヤンキースのセべリーノ投手ほどではないにしても、先発のサンタナ投手が2イニングしか持たずに降板したのが痛く、不安定さが指摘されていたブルペン陣もヤンキースの攻撃を支えきれませんでした。
 逆にヤンキースは、2番手のグリーン投手、3番手のロバートソン投手、4番手のカンリー投手がよく踏ん張りました。この好調な中継ぎ投手陣は、今後のポストシーズンゲームにおいても、頼もしい存在となることでしょう。

 ヤンキースは地区シリーズに駒を進めました。

 我らが田中将大投手の出番が来たのです。
 アリゾナ・ダイヤモンドバックスの傘下マイナーに所属している中後悠平選手(元ロッテ・マリーンズ)の、今季メジャーリーグへの昇格が無くなり、1995年の野茂英雄投手以来毎年続いていた日本人プレーヤーのメジャーデビューが「22年連続」で途絶えたと報じられました。

 このニュースは「残念なこと」として取り扱われていましたが、逆に、1995年以来毎年、日本人プレーヤーが22年間に渡ってメジャーデビューを続けてきたことに、驚きを感じました。
 日本人プレーヤーは、集中的にメジャーリーグに挑戦したのではなく、継続的に挑戦し続けてきたのです。
 これは凄いことだと思います。

 野茂英雄投手、イチロー選手、松井秀喜選手、黒田博樹投手、上原浩治投手といったプレーヤー達の華やかな活躍は、誰の眼にも留まるものですけれども、当然ながら「デビューは1度」しかありませんから、22年間連続の為には、他の数多くのプレーヤーの挑戦があったのです。

 最初から「メジャー契約」というプレーヤーは多くはありませんから、マイナーからメジャーへの「厚い壁」を突破して、我らが日本人プレーヤーはメジャーにデビューして行ったのでしょう。

 柏田貴史投手(読売→1997年メッツ)、小林雅英投手(ロッテ→2008年インディアンズ)、高橋健投手(広島→2009年メッツ)、多田野数人投手(立教大学→2004年インディアンズ)、建山義紀投手(日本ハム→2011年レンジャーズ)、野村貴仁投手(読売→2002年ブリュワーズ)、福盛和男投手(楽天→2008年レンジャーズ)、薮田安彦投手(ロッテ→2008年ロイヤルズ)、といった選手たちは、メジャーでのプレーの期間は短く、ご本人には不満の残る挑戦だったのでしょうが、何より「メジャーリーガー」となったこと、それ自体がとても大きな勲章なのです。
 何時の時代も、メジャーデビューというのは、ベースボールプレーヤーにとって大きな夢なのですから。
 
 2017年シーズンにメジャーデビューを果たした日本人プレーヤーが居なかったこと自体は、そういう年もあるのであろうと思います。

 一方で、「メジャーリーグへの日本人プレーヤーの挑戦者数が、その絶対数が減ってきている」とすれば、それはとても残念なことだと思うのです。

 「世界最高峰のリーグ」を目指すプレーヤーが減るということは、パフォーマンスと気概・夢の両面から、野球に限らず、その国の当該スポーツのレベルにも影響があるのではないでしょうか。
 2017年レギュラーシーズンも終盤を迎えましたが、最近のMLBでは「アッバーステング」が増えてきたという見解が多いように感じます。
 打者のスイングプレーンの方向の事ですが、下に向かって振るのがダウンスイング、水平に振るのがレベルスイング、上に向かって振るのがアッパースイング、とざっくり言えばそういうことだと思います。

 かつては、ダウンスイングの方が優れていると言った見方が多かったように思います。
 投球を待ち構えている形から「最短距離でバットが出て行く」点や、ボールに逆回転スピンをかけやすいのでボールが良く飛ぶ、ゴロは攻撃の時に様々なバリエーションを生むのでゴロを打ち易いダウンスイングが良い、といった理由からでしょう。
 特に、「最短距離でバットが出て行く」点は、体や視線の上下動を防ぐという面から、ダウンスイング優位の論拠であったと思います。

 MLBにおけるダウンスイングヒッターの代表格といえば、昨年引退したアレックス・ロドリゲス選手でしょうか。600本以上のホームランを記録した、21世紀を代表するロングヒッターです。ダウンスイングから「高々とした打球」を放ち、ボールをスタンドまで運ぶプレーヤーでした。

 ところが、近時のMLBにおいてはアッパースイングを選択する打者が多いというのです。

① 守備シフト

 2010年以降でしょうか、MLBにおいては「極端な守備シフト」が敷かれるようになりました。徹底したデータ分析から、各打者の打球方向を分析し、野手を打球が飛ぶ方向に集めるのです。

 守備シフトが始まった頃には、これで逆方向に打たれたら簡単にヒットになってしまう、と心配したものですが、シフトが成功して来たのでしょうか、守備位置はどんどん極端なものになって行き、現在では、左バッターの時に1塁手と2塁手の間に遊撃手が居るというのは、珍しくも無い守備体型となりました。
 打者の方も、2塁ベースより左側には1人しか野手が居ないという状況でも、決してその方向を狙おうとはしません。

 これはいかにもMLBらしい感じがします。「自分が打つ方向に、沢山の野手が守っていても、その間を抜くことが出来る強く速い打球を打てば良い」と考えるのでしょう。メジャーリーガーのプライドという面もあるのでしょうし、普段と違う打ち方をすることで、バッティングの調子自体を崩してしまうことを怖れているのかもしれません。

 ファンの方も、「がら空きの方向」を狙えといった意見は全く持っていないようです。アンフェアと考えるのか、「せこい」と感じるのかは分かりませんが、少なくとも、極端な守備シフトに対して、反対方向を狙うことが「クレバーなプレー」であるとは、絶対に考えないのでしょう。ひょっとすると「卑怯な行為」と捉えるのかもしれません。
 MLBのプレーヤーとファンの在り様なのです。

 さて、話を戻します。

 この極端な守備シフトによって、「ゴロでヒットを打つのが、以前より困難になった」ことは間違いないことの様です。従って、バッターとしては、よりボールを上げやすいアッパースイングを採用するようになったという見方です。

② アーロン・ジャッジ選手

 ニューヨーク・ヤンキースのルーキー、アーロン・ジャッジ選手の活躍が続いています。
 オールスター以降は、やや勢いが衰えたとはいえ、9月27日時点でホームラン50本、111打点と、ルーキーとしてのヤンキースの記録、MLBの記録を樹立する勢いの打撃が続いているのです。

 このジャッジ選手がアッパースイングなのです。
 打球の初速や角度について、従来以上に詳細な情報が開示されるようになった2017年シーズンを代表するバッターなのです。

 ジャッジ選手の打球初速は200km/時に近い数値(もちろんMLBのNO.1です)ですし、打球角度も理想的とされる25度前後となることが多く、結果としてホームランが量産されることらなるのです。

 ジャッジ選手の大活躍は、現代のMLBのプレーにおける「アッパースイングの優位性」を具現しているものだという見方です。

 さて、アッパースイングとダウンスイング、これにレベルスイングも加えて、3つの打ち方のどれが優れているのでしょうか。

 これは、まだ結論が出ていない、というか、結論の出ない議題なのでしょう。(当たり前の話で恐縮です)

 頭書しましたが、21世紀最高のホームランアーティストのひとり、アレックス・ロドリゲス選手の打球は、本当に高く上がって、スタンドに落下する時には「真上から落ちて来たのではないか」と観える程でした。あれ程高い打球でホームランを放つ打者を、他に直ぐには思い当りません。
 つまり、ボールを上げること、高い打球を打つことに関しては、Aロッドは比類なき打者だったのです。そしてAロッドはダウンスイングの打者でした。

 もちろん、Aロッドにはライナー性の打球も数多くありました。ダウンスイングからライナーも放っていたのです。

 現代最高の「ライナー性ホームラン打者」であるジャンカルロ・スタントン選手、そしてアッパースイングの代表格であるアーロン・ジャッジ選手、レベルスイングから素晴らしい打球を披露するアルバート・プポールズ選手、今後も、それぞれの打者が自らに合ったスイングを選択し、プレーに反映して行くことになるのでしょう。

 どの「スイング」も、とても美しく力強いものだと感じます。
 MLB2017のレギュラーシーズンも大詰めを迎えました。
 ポストシーズン進出チームが続々と決まっています。

 9月に入ってからのよもやの11連敗もあって、地区優勝が遅れていたロサンゼルス・ドジャーズも9月22日地区優勝を決めました。ドジャーズのポストシーズン進出決定がここまで遅れた最大の要因は、11連敗では無く、同地区2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスと3位のコロラド・ロッキーズの頑張りであることは明らかでしょう。
 ダイヤモンドバックスは9月23日時点で89勝65敗、勝率.598と他の地区なら優勝してもおかしくない好成績(例えば、ナショナルリーグNL中地区首位のシカゴ・カブスは86勝68敗、勝率.558です)
 ロッキーズも83勝71敗、勝率.539と、他地区の2位チームを上回る好成績で続いています。NLのワイルドカードは、この両チームで争われると見られています。
 つまり、今季のポストシーズンに、NL西地区から3チームが進出するのです。

 98勝というリーグ最高勝率のドジャーズでも、この2位・3位チームが居ては、なかなか優勝できなかったということでしょう。

 さて、そのドジャーズにとっては1988年以来のワールドシリーズ制覇を目指すポストシーズンとなります。
 様々な面から、着々と準備が進められていることでしょう。

 シーズン途中、11連勝、10連勝、9連勝と驚異的な強さを魅せて来た2017年のドジャーズですが、気になる点として「打戦の核の不在」を、以前にも指摘させていただきました。
 その弱点が、9月の大連敗の要因のひとつであったとも感じます。

 連勝を重ねていた頃のドジャーズは「どこからでも点が取れる」と言われていました。それは取りも直さず「打てなくなれば、全然打てない」ということの裏返しとなることが多いのです。
 「ここぞという時に打ってくれる打者」「チャンスに強い打者」、いわゆる「リーグ屈指のクラッチヒッター」の不在が、強い強い2017年のドジャーズの、唯一と言ってもよい問題点だったのです。

 この問題点のクリアに向けて期待したいのが、コディ・ベリンジャー選手です。

 ルーキーのベリンジャー選手は、9月16日のゲームで今季第38号のホームランを放ちました。新人としては驚異的な記録です。
 また、7月15日にはサイクルヒットも記録(新人として球団初)しています。
 
 身長193cm、体重95kgという恵まれた体躯から繰り出される打球は、リーグ屈指の初速を誇っているのです。

 短期決戦は、打てなければ勝てません。

 ベリンジャー選手を核として、シーガー選手、ターナー選手、プイグ選手、グランダーソン選手らが、伸び伸びとした打撃を発揮してこそ、名門ロサンゼルス・ドジャーズの、1988年以来のワールドシリーズ制覇が実現するのです。
[9月18日・マーリンズパーク]
マイアミ・マーリンズ13-1ニューヨーク・メッツ

 近時は「出場すれば記録が生まれる」感のある、マーリンズのイチロー選手ですが、7番・センターフィールダーで出場したメッツ戦で、「17年連続・敬遠四球」という記録を打ち立てました。

 イチロー選手の敬遠は、通算181個目だそうですが、メジャーデビューした2001年からの連続記録を更新したことになります。
 また、「投げずに四球」は自身初めてであったとも報じられました。

 こうした記録を見ると、21世紀当初からMLBで活躍を続けるイチロー選手の凄さを改めて感じます。

 この日は、自身の持つ「MLB最年長中堅手先発記録」も「43歳331日」に更新しました。
 まさに「伝説のプレーヤー」なのです。

 こうした次から次への記録更新もとても嬉しいことなのですけれども、私達にとって何より嬉しいのは、「イチロー選手が先発出場し、ヒットを放った」というニュースであることは間違いありません。

 この試合でマルチヒットを記録したイチロー選手の通算安打数は、3078となったのです。
[9月14日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース13-5ボルチモア・オリオールズ

 先発した田中将大投手は、7イニング・102球を投げて、被安打8、与四球2、奪三振8、失点2の好投を魅せて、今季12勝目(11敗)、日米通算150勝という節目の勝利を挙げました。

 278試合登板での150勝到達は、松坂投手の285試合を上回る、日本投手史上最速でした。

 このゲームは、1回裏にヤンキース打線が爆発、一挙に6得点を挙げました。田中投手にとっては大きな援護点となったのです。
 4回表に1点を失いましたが、その裏再びヤンキースは3点を挙げてリードを広げ、6回表に2点目を取られると、その裏に4点を追加するという猛打振り。頼もしい限りの打線の頑張りでした。

 この試合を終えての、田中投手の今季の防御率は4.73とまだまだの水準ですが、ポストシーズン進出に向けて、「田中が投げれば、打線が打つ」という好循環が生まれるとすれば、田中投手にとっても、ヤンキースにとっても、とても良いことだと思います。
 8月24日から勝ち続け、いつまで続くのか、と注目していた連勝ですが、9月12日のデトロイト・タイガース戦も2-0で勝ち切り、インディアンズの連勝はついに20の大台に乗りました。

 連戦が続くMLBでは、連勝も連敗も起き易いとは言われますが、それにしても「20連勝」は滅多に見られるものではありません。
 シーズン終盤に入って、インディアンズは間違いなく調子を上げているのです。

① 史上4度目の20連勝越え

・ニューヨーク・ジャイアンツ 26連勝(1916年9月7日~30日)
・シカゴ・カブス 21連勝(1934年9月4日~27日)
・オークランド・アスレティックス 20連勝(2002年8月13日~9月4日)
・クリーブランド・インディアンズ 20連勝(2017年8月24日~継続中)

 1876年開始という、長いMLBの歴史上でも、20連勝以上はこの4度しか記録されていません。(単純に割り算すると35年に一度となります)
 この4度の大連勝に共通しているのは、「8月から9月」つまりシーズン終盤の記録であることです。
 シーズン前半には存在しないところが、興味深いところでしょう。

② 20連勝の内、19試合で先制

 やはり、ベースボールは「先制することが大事」なのです。先制点の価値は、考える以上に大きなものなのでしょう。試合に臨んでは、チームとして「先制する」ことに注力しなくてはならないのです。

③ この20試合は、134得点・32失点

 投打のバランスという面から、素晴らしい数字です。
 この得失点なら、後はゲームマネジメントを上手く行えば、連勝が出来るのでしょう。

④ アメリカンリーグ中地区 89勝56敗 勝率.614となりマジック5

 インディアンズは、69勝56敗・勝率.552・貯金13から、一気に貯金を33に増やしました。(20連勝したのだから、当然なのですが・・・)
 地区優勝へのマジックも「5」に減らしています。

 この間に、突っ走っていたロサンゼルス・ドジャーズが10連敗を喫していますから、ひょっとすると、インディアンズはドジャーズより先に地区優勝を決めるかもしれません。
 8月の半ばには想像も出来ないことでした。

 大連勝の威力というのは、凄いものです。
 MLB2017レギュラーシーズンも、残り約1ヵ月・30ゲームを残すのみとなり、終盤戦に突入しました。

 チーム成績、個人成績も固まりつつある時期ですが、OPS(出塁率+長打率)は、アメリカンリーグALとナショナルリーグNLにおいて異なる様相を呈しています。

 OPSは「打者のチームへの貢献度」を示す値として、近時定着してきている指標です。

 0.9を超えていれば「チームの中心打者」であり、1.0を超えていれば「リーグを代表する打者」といった評価となります。

 8月30日時点でのNLを見ると、
・ジャンカルロ・スタントン選手(マイアミ) 1.049
・ジョイ・ボット選手(シンシナティ) 1.037
・ブライス・ハーパー選手(ワシントン) 1.034
・ポール・ゴールドシュミット選手(アリゾナ) 1.026
・チャーリー・ブラックモン選手(コロラド) 1.023

 の5名のプレーヤーが1.0を超えています。
 いずれ劣らぬ好プレーヤーが並んでいます。打率上位に居て、出塁率が高いボット選手やゴールドシュミット選手、ブラックモン選手らに対して、長打率が高いスタントン選手、どちらも高いハーパー選手と、各プレーヤーの特徴が良く出ていると感じます。

 一方でALは、というと、「OPSが1.0を超えているプレーヤー」が居ないのです。
 上位は、
・アーロン・ジャッジ選手(ヤンキース) 0.990
・ホセ・アルトゥーベ選手(ヒューストン) 0.977
・ジャスティン・スモーク選手(トロント) 0.933

 となっています。実際には、春先からオールスターゲーム前までは、アーロン・ジャッジ選手が1.0を超える、それもかなり大幅に超える数値を記録していたのですが、本人の調子が下がったことと、他チームの対ジャッジ選手への研究が進んだためか、以降OPSが下降して、1.0を切っているのです。

 とはいえ、両リーグで、これだけの違いが生ずるのも珍しいことでしょう。

 今季のALは、投手が優位なのか、打者の調子が今ひとつなのか・・・。

 これだけは言えると思うのは、「今季のNLにおけるOPS1.0超えのプレーヤー5名は多い」ということでしょう。
 例えば、2016年シーズンでは、両リーグでOPS1.0超えのプレーヤーは1名しか居ませんでした。2015年は3名、2014年は0名だったのですから、2017年の5名はとても多い印象です。

 そうなると、今季のNLは打者が優位なのかもしれません。

 いずれにしても、このままこの5名のプレーヤーが「1.0超えを維持」したままレギュラーシーズンを戦い切るのか、注目なのです。
 2017年のMLBレギュラーシーズンも、各チームが残り30試合前後となり、終盤戦に突入しました。

 8月30日時点のアメリカンリーグALの東地区では。ボストン・レッドソックスがニューヨーク・ヤンキースに5.0ゲーム差を付けて首位に立っています。
 今季当初はヤンキースが若手野手の活躍で首位争いを演じましたが、ここにきて投手力の差が出てきています。若手野手にも、少し疲れが見えると言ったところでしょう。

 ヤンキースとしては、ワイルドカードでポストシーズン進出を見据えているのでしょうが、少し前までは「間違いなく」と思われていたワイルドカード争いでも、他チームとの差が詰まってきています。
 2番手のミネソタ・ツインズと1.5ゲーム差、3番手のボルチモア・オリオールズとの差が2.5ゲームですから、チームの調子が下降気味のヤンキースとしては油断ならない状況と言えるでしょう。

 AL中地区は、クリーブランド・インディアンズがミネソタに7.5ゲーム差を付けてトップに立っています。もともと地力の高いチームですから、次第に調子を上げてきたというところ。連勝ができる状態になってきていますので、ポストシーズンに向けても、十分に期待できます。

 AL西地区は、ヒューストン・アストロズがロサンゼルス・エンジェルスに12.0ゲーム差を付けての独走を続けています。春先に「突っ走った」アストロズが、ゆうゆうと走っている感じですが、このところ勝ったり負けたりのゲームを続けていますから、春先程の勢いはない感じがします。
 アストロズとしては、ポストシーズンを睨んだチーム力向上が求められるところです。

 ナショナルリーグNL東地区は、ワシントン・ナショナルズがマイアミ・マーリンズに15.0ゲーム差を付けて独走しています。
 終始安定した戦いを繰り広げていますし、8月下旬になって一層調子を上げている感じですから、ポストシーズンにおけるナショナルズの活躍が期待できます。

 NL中地区は、シカゴ・カブスがミルウォーキー・ブルワーズに3.0ゲーム差で首位に立っています。
 2016年のワールドチャンピオンが地力を魅せているということなのですけれども、「意外にもたついている」という印象は否めません。
 3ゲームは、残り30試合で十分に射程距離ですので、ブルワーズの戦い振りが注目されるところです。

 NL西地区は、ロサンゼルス・ドジャーズがアリゾナ・ダイヤモンドバックスに18.0ゲーム差を付けて「大独走」しています。
 91勝39敗で勝率.700というのですから、圧倒的な強さを魅せているのです。
 21世紀になって、リーグチャンピオン、ワールドチャンピオンのタイトルを取っていない「名門」にとっては、今季は絶好のチャンスと言えるでしょう。
 とはいえ、ポストシーズンの短期決戦を控えては、「打線の爆発力」が不可欠ですから、やや「軸になるバッターの不在」が心配なところです。
 まあ、これだけ勝っていて、心配というのも、ぜいたくな悩みなのでしょうけれども。

 NLのワイルドカードは、現時点ではアリゾナとコロラド・ロッキーズが3番手のミルウォーキーに3.0ゲーム差を付けて優位に立っています。
 アリゾナもコロラドも西地区のチームですから、西地区の2位と3位のチームがワイルドカードに進出する可能性が高いということになります。
 「大独走」しているドジャーズの陰に隠れてはいますが、2チームとも「10以上の貯金を持って、良く戦っている」ということであり、ドジャーズの勝ちっぷりの凄さを示す事実でもあるのでしょう。

 MLB2017のレギュラーシーズンは、ポストシーズンを睨んだ戦いの段階に入りました。

 地区優勝を巡る厳しい競り合いに注目ですが、独走している各チームの投手陣・打撃陣のコンディションアップに向けた取り組みにも、注目して行きたいと思います。
[8月25日]
ロサンゼルス・ドジャーズ3-1ミルウォーキー・ブリュワーズ

 先発した前田投手が好投を魅せました。
 6イニング・84球を投げて、被安打1、与四死球2、奪三振7、1失点は、唯一の被安打であるドミンゴ・サンタナ選手に浴びたホームランでした。

 もともとコントロールの良い投手ですが、この日はストレートが走っていましたので、自在の投球が出来ました。
 球速も153kmという、自身のMLBにおける最速、ひょっとするとNPBも含めてキャリア最速のストレートを投じていたのではないかと思います。

 そのストレートを、主に「高目の釣り球」に使いながら、変化球で打者を料理するというクレバーな投球を繰り広げました。
 クレバーな投球と言っても、投球に一定の「威力」が必要なことは言うまでも無いことです。

 例えば、ストライクコースから「ボールひとつ分」外した、コントロール抜群の投球であっても、スピード・威力共に不足しているなら、MLBの打者なら簡単に安打にすることでしょう。「ボールの出し入れ」以前の問題なのです。

 この日の前田投手の投球には、「MLBで戦って行くために十分な威力」が感じられました。
 「12勝」というのも立派な成績です。
 前田健太投手の今後の大活躍を予感させます。

 8月25日~27日の3ゲームは、MLBのプレーヤーズ・ウィークエンドです。
 各プレーヤーが、自らの「あだ名」を、背番号の上に表記したユニフォームでプレーするのです。
 あだ名が表示されるユニフォーム自体も、普段使っているものよりカラフルです。とても華やかと言うか、浮き浮きするような雰囲気がボールパークを覆っているのです。

 MLBも色々な企画を考えるものだと感心しますが、このウィークエンドは少年野球のイベントと連動しているものだそうです。
 少年野球とMLBのコラボというのは、いかにも「将来のファン」を確保するために有効な施策でしょう。

 思わぬ副産物もあります。あのニューヨーク・ヤンキースのプレーヤー達も「あだ名」を背負うのです。プレーヤー名を背番号の上に表示するのが一般的になったMLBにおいても、ヤンキースは「頑なに?」名前を表示していません。
 そのヤンキースでも、プレーヤーズ・ウィークエンドばかりは、背中にあだ名を表示するのです。ヤンキースファンにとっては、贔屓の選手達の「滅多に観られない」貴重な姿なのです。ちなみに田中将大投手は「MASA」と表示されているそうです。
 ヤンキースは、メジャーリーグの中でも、最もメジャーな球団のひとつですから、MLBファンの間でも注目されているのではないかと思います。

 この日の、前田健太投手のあだ名は「MAEKEN」でした。
 NPB広島カープ時代のあだ名を、そのまま使用した形です。

 このゲームの投球を観ると、アメリカ中のMLBファンが前田選手を「MAEKEN」と呼ぶ日が来る可能性が十分に有ると感じました。
 
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728