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 シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が、3月5日のスプリングトレーニングゲームに登板し、サンディエゴ・パドレス打線を3イニング・無安打・無失点・5三振と完璧に抑えたと報じられました。

 この好投を、MLB公式サイトは「まるで別人」との見出しで報じ、サービス監督が「・・・以前より球速が上がっている。・・・調子が上がってくると96マイル(約154km/h)出ていた。キャンプを通して素晴らしい出来で、まるで別人のようだ」とコメントしたと伝えました。

 「生まれ変わったかのような」菊池投手のパフォーマンスが称賛されている訳ですが、実のところ、随分前にこのことをメディアに伝えていたプレーヤーが居たのです。
 それは、ダルビッシュ有投手でした。

 2月13日、スプリングトレーニングでブルペンに入った菊池投手の映像を観たダルビッシュ投手が自身のツィッターにおいて、「去年のシーズン終わりからこの短期間でここまでテークバックを変えられるってマジですごい。どれだけ考えて、練習したらこうなるんや。」と呟きました。

 所謂「新フォーム」の凄さを、ダルビッシュ投手はひと目で見抜いていたのです。

 達人は達人を知る、ということなのでしょうが、2020年シーズンの菊池投手の活躍が本当に楽しみです。

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 MLBの2020年スプリングトレーニングも佳境を迎え、スプリングトレーニングのゲーム(NPBのオープン戦に相当するもの)も行われています。

 そうした中で3月3日、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手はチームのゲームには帯同せず、キャンプ地のアリゾナ州テンピでトレーニングを行ったと報じられました。

 そのフリーバッティングにおいて、今スプリングトレーニングで一番の打撃を披露したのです。
 36スイングで柵越えが13本、特に最終の5セット目の最初の打球はセンターバックスクリーン(メイン球場。高さ8m!)を越える推定140m弾、6球目は右中間後方の高さ約15mの椰子の木の「葉」に当てる特大場外弾、だったのです。

 今スプリングトレーニングのフリー打撃においては、最初から「140m弾」が飛び出してはいましたけれども、柵越えの数、その内容共に、最も充実した打撃練習であったと伝えられました。
 頼もしい限りです。

 ここまでのゲームでは、8打数1安打6三振と、まだまだ調子が上がっていない印象で、「ボールとの距離感が掴めていない」といった話が伝えられていましたが、徐々に調整が進んできたのでしょう。
 そもそも、スプリングトレーニングにおいて調子が良過ぎるプレーヤーは、レギュラーシーズンでは活躍できないとも言われますから、何の心配も無いことなのかもしれません。

 前日の3月2日にはブルペンに入り、全球種・47球を投じたとも伝えられています。
 チームのキャロウェー投手コーチは「非常に良かった」とのコメントも出されています。

 「二刀流復活」への足取りは、確かなようです。

 新型コロナウイルス禍など微塵も感じさせない、大谷翔平選手の様子には、少し羨ましい感じさえします。
 MLBのスプリングトレーニングは、例年の通り、バッテリー組が早く始まり、野手組が続いて開始され、本格化しています。

 2019年秋・冬にトミー・ジョン手術からのリハビリを完了した大谷翔平選手は、バッテリー組からスプリングトレーニングを開始し、現在では野手組のトレーニングも熟しているわけですから、大忙しということらなります。
 「二刀流プレーヤー」のトレーニングは、考えただけでもハードです。

 その大谷選手が、2月16日の打撃練習で推定飛距離140mの大飛球を放ったと報じられました。
 この時の大谷選手は、44スイング中柵越え5本と、「大谷選手にしては」柵越えの本数は少なかったのですが、41・42スイングで柵越えを連発すると、最後の44スイング目で右中間深いところまで飛ばし、この打球が140m級であったとのこと。

 昨年リハビリが完了したと言っても、リハビリ中に落ちたであろう「筋力」他の回復途上にある筈ですから、トレーニングも慎重に行われていると推測されますので、そうした慎重なプレーの中で、本気で打った打球が44スイング目ということになりそうです。

 大谷選手の打球飛距離は、MLBの長距離打者たちが異口同音に「驚異的」と評していますが、その飛距離が落ちていないという情報に接すると、ひと安心というところでしょう。
 あの「大きな打球」は、打者・大谷選手の最大の魅力のひとつなのですから。

 投手としての練習を行い、打者としての練習も行い、その後ウエイトトレーニングも行い、さらに室内練習場で打ち込みを行う大谷選手について、今シーズンからエンゼルスの監督に就任したジョー・マドン監督が、「大谷はジム・ラット(練習の虫)だね」と語ったと報じられました。

 私には、やっと存分にプレーすることが出来るようになった大谷翔平投手・選手が、嬉々としてスプリングトレーニングに取り組んでいるようにも見えます。大谷投手・選手は間違いなく、「ベースボールが大好き」なのです。

 「好きこそものの上手なれ」は、大谷投手・選手にピッタリの言葉なのでしょう。
 1月21日、2020年のアメリカ野球殿堂入りメンバーが、全米記者協会(BBWAA)から発表されました。

 現役引退後5年を経過すると「選考対象」となるルールですが、ジータ氏は選考対象となった最初の年に殿堂入りを果たしたことになります。

 殿堂入りの基準は極めて高く、BBWAAに10年以上所属している記者の皆さんの投票により、全記者数の75%以上を獲得して初めて「殿堂入り」できるのです。
 2020年の投票で、ジータ氏は397票の内396票を獲得、得票率99.7%というとても高い数値でした。一方で、2019年に得票率100.0%で殿堂入りを果たしたマリアノ・リベラ氏には、僅かに及ばなかったことになります。

 2019年2月5日付の記事「[MLB2018~19・オフシーズン] マリアノ・リベラ氏 「満票」で殿堂入り」にも書きましたけれども、397票=397名の記者との間に、長い現役生活(ジータ氏は20年間)において、ジータ氏から1度や2度不愉快な思いをさせられた記者が5人や10人居ても何の不思議もありませんから、資格取得1年目に「満票」とか「1票入らなかった」というのは、ほとんど信じられないような高得票であることは、言うまでもないことです。

 デレク・ジータ氏の現役時代の実績、ニューヨーク・ヤンキース一筋で5度の世界一を経験していることを始めとする素晴らしい実績については、今更申し上げるまでも無いものでしょう。
ジータ氏の殿堂入りに、大きな拍手を送らせていただきます。

 さて、2020年にはもうひとり殿堂入りした方が居ました。
 ラリー・ウォーカー氏はカナダ出身のメジャーリーガー。モントリオール・エクスポス、コロラド・ロッキーズ、セントルイス・カージナルスで外野手として17年間プレーし、通算2,160安打、383本塁打、1,311打点は、いずれもカナダ出身プレーヤーとしての最高記録であり、「史上最強のカナディアン」とも呼ばれています。

 殿堂入りに相応しい実績を残しているウォーカー氏ですが、その選ばれ方も「とても渋い」と感じます。

 BBWAAの投票により殿堂入りするためには、「現役引退後5年超10年未満」の間の投票で75%以上の得票を得なくてはならない(チャンスは5度)のですが、ウォーカー選手はラストチャンスでものにしたのです。
 2019年までの投票では、おそらくは「惜しくも」選ばれなかったのでしょうが、2020年に「劇的」な殿堂入りが待っていたことになります。

 頭書しましたが、殿堂入りが「難関」であることは言うまでもありません。
 MLBでプレーした選手ならば、誰もが憧れることなのです。

 2020年の投票で観れば、あのカート・シリング投手、ダイヤモンドバックスやレッドソックスで大活躍し、通算216勝を挙げた大投手ですが、278票に止まり、得票率70.0%で落選となりました。
 また、通算354勝、7度のサイ・ヤング賞受賞に輝くロジャー・クレメンス投手も242票に止まり得票率61.0%で落選したのです。
 
 薬物疑惑などの諸要素があるとはいえ、BBWAAの記者の75%以上から支持されることの難しさは、想像以上のものなのかもしれません。

 1936年に始まった、メジャーリーグの「殿堂表彰」の重みは、年々増すばかりなのでしょう。

 1月8日、シンシナティ・レッズの本拠地グレートアメリカンボールパークで、秋山翔吾選手が入団会見を行いました。

 NPB西武ライオンズから「海外FA権」を取得し、MLB球団への入団を模索していた、秋山選手が、最終的な行き先として決めた、シンシナティ・レッズとの契約について公表したのです。

 3年・2,100万ドル(約22億9千万円、1ドル=109円)の契約と報じられています。

 ポスティング方式による大リーグ挑戦が多い中で、海外FA権取得によるMLB入りというのは、逆に新鮮な感じもします。

 そして、秋山選手のレッズ入りは、「日本人プレーヤーによるMLB全30球団でのプレー」を実現するものでもあります。
 1964年に、サンフランシスコ・ジャイアンツで村上雅則投手がデビューし、1995年に野茂英雄投手が挑戦してスタートした、日本人プレーヤーによるMLB挑戦も、「全球団制覇」というひとつの節目を迎えたのでしょう。

 レッズは、1882年創設と、MLBでも屈指の伝統があり、5度のワールドシリーズ優勝、9度のナショナルリーグ制覇という輝かしい歴史を誇る名門チームなのです。ジョニー・ベンチ選手やピート・ローズ選手らを擁した「ビックレッドマシン」時代の1970年代が黄金期でした。

 ナショナルリーグNL中地区は、レッズの他、セントルイス・カージナルス、シカゴ・カブス、ミルウォーキー・ブリュワーズ、ピッツバーグ・パイレーツで構成されています。

 田口壮選手がカージナルスに居た時代、カージナルスがワールドチャンピオンになったこともあって、NL中地区のゲーム・チームを観る機会が多かったのですが、秋山選手のレッズ加入により、例えば、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手との対決など、日本のファンにとっては話題に事欠かない状況となりました。

 「ベースボールどころ」のプレーが、本当に楽しみです。

 2019年春の話題と言えば、イチロー選手の引退でしょう。

 このまま、本当に50歳までプレーするのではないかと誰もが感じていたスーパースターが、日本での今季開幕シリーズを終えて、引退を表明したのです。

 引退後のインタビューも話題となり、「後悔などあろうはずがない」という言葉は、2019年の流行語大賞にノミネートされたほどです。
 
 野球・ベースボールを通じての「稀代のヒットメーカー」の動静は、今後も私達を楽しませてくれるものと思います。

 さて、「ヒットメーカー」としてのイチロー選手は、数々の信じられないような記録を残しましたが、中でも「4度の月間50安打」は特筆すべきものでしょう。

 そもそも、月間50安打以上という記録自体が、至難の技というか、一度の奇跡では成し遂げられないものであることは、誰にでも分かることでしょう。
 メジャーリーグでは、1ヵ月に各チーム28試合前後のゲームが行われる(休みの日がとても少ないのです)のですが、毎試合2安打ペースという感じでヒットを量産しないと50安打越えは出来ないことになります。(当たり前のことを書き恐縮です)

 一方で、毎試合ヒットを放つことはとても難しいこと(それが出来れば連続試合安打の大記録が直ぐに出来てしまいます)ですので、普通に見られる「ノーヒットの試合」の次の試合には4安打しないと、1試合平均2安打は達成できないことになります。
 1試合4安打というのも、これはなかなか出来ないことです。
 プレーヤーの感覚としては「月間50安打」をクリアするには、「ヒットを打つ試合においてはいつも3安打を放つ感じ」なのかもしれないと思います。

 実際に、21世紀になってからの19シーズン、MLB全体で「月間50安打越え」は計11度しか記録されていません。
 MLBの全プレーヤーを持ってして、「1シーズンに1度あるかないか」の記録なのです。

 その記録を4度達成しているイチロー選手は、間違いなく「稀代のヒットメーカー」なのです。

① 2001年8月 51安打
② 2004年5月 50安打
③ 2004年7月 51安打
④ 2004年8月 56安打

 イチロー選手の4度の大記録の内3度は2004年に達成されています。
 あの「シーズン262安打」のMLB新記録を樹立した2004年です。

 当たり前のことなのですけれども、3度の月間50安打越えをベースにして、シーズン262安打が樹立されていることになります。

 このシーズンで特に凄いのが、7月・8月の2ヵ月連続50安打越えでしょう。
 「2ヵ月連続」自体が空前の記録でしょうが、さらに8月の56安打は、21世紀のMLB最多月間安打記録なのですから、またまた凄いのです。
 ちなみに2位は、2007年6月のシェーン・フィギンス選手の53安打ですから、この「56安打」が突出した記録であることが分かります。

 現在のMLBのベースボールでは「月間50安打」は有り得ない数字なのかもしれません。

 その「有り得ない数字」を4度達成したイチロー選手の偉大さは、筆舌に尽くしがたいものなのです。

 12月19日、エンゼルスの地元新聞の記者他、アメリカの複数のメディアが「大谷翔平選手が、右肘のトミージョン手術からのリハビリを完了させた」と報じました。

 「右肘の治療が完了した」ということなのでしょう。

 報道は「日本への帰国許可が(チームから)出た。1月中旬に(アメリカに)戻ってきて、エンゼルスは2020年の起用法を計画することとなる」と続きます。

 「完治した」大谷選手にとって、今回の帰国は休養のための帰国ということになりますし、既に大谷選手は故障者では無い、ということでもあるのでしょう。

 2018年10月1日(2018年のシーズンが終了した翌日)に手術してから444日間のリハビリでした。
 この間、2019年9月13日には、左膝の分裂膝蓋骨の手術も受け、右肘と共に治療にあたっていたわけですが、こちらも、もちろん完治していますから、今や大谷選手は「万全」の状態となったのです。

 何か何事も無く、2019年を通じたリハビリが完了したように観えますが、おそらくは艱難辛苦の道であったと思います。少し良くなったと思えば、投球練習等の過程で再び悪化するといったこともあったことでしょう。細心の注意を払いながら、大胆な決断をしていくことの繰り返しであったのではないでしょうか。
 その「艱難辛苦の道」を、大袈裟な動きや発表も無く、淡々と、しかも最速で歩んできたのが、大谷選手だったのです。
 リハビリの苦労を微塵も感じさせなかったところに、プレーヤー大谷の「凄さ」を感じます。

 今後は、プレーに必要な、おそらくは「二刀流に必要な」筋力や俊敏性の具備等のためのトレーニングを積むことになると思います。

 アリゾナ州テンピで行われる、ロサンゼルス・エンゼルスのスプリングトレーニングは、投手・捕手組が2020年2月12日から、野手組が2月17日から始まります。
 大谷選手は2月12日からの参加となるのでしょう。

 大谷選手は、2019年の「厳しくも難しいリハビリ」を完遂しました。
 2020年の大活躍が、本当に楽しみです。

 12月11日、ロサンゼルス・エンゼルスは、ワシントン・ナショナルズからフリーエージェントFAとなったアンソニー・レンドン内野手(29歳)と、7年総額2億4500万ドル(約270億円)の契約で合意したと、球団公式サイトで発表しました。

 2019年のワールドシリーズで世界一に輝いたナショナルズの主軸選手であり、当該ワールドシリーズでの大活躍が印象的なプレーヤーですが、2019年のレギュラーシーズンでも、打率.319、打点126(リーグトップ=打点王)、本塁打34、OPS1.010という素晴らしい成績を残しました。
 加えて、三塁手や二塁手としての守備力にも定評があり、特に守備範囲の広さが高く評価されています。
 とてもバランスの良い「オールラウンドプレーヤー」なのです。

 さらに、この7年契約には全球団を対象としたトレード拒否権が含まれている一方で、オプトアウトオプションが入っていないところが特徴でしょう。
 レンドン選手は「7年間エンゼルスでプレーし続ける」ことになるのです。
 現在のMLBの一流プレーヤーは、より良い契約を自ら求めることができる権利として、「オプトアウト」を契約に入れることが多いのですが、レンドン選手は36歳までエンゼルスでプレーする道を選んだのです。
 テキサス州ヒューストン出身のレンドン選手が、こうした契約を選択した理由は何だったのでしょうか。

 いずれにしても、エンゼルスにとっては長期にわたって良いプレーヤーが居てくれることになりましたので、今後のチーム創りにとってはとても良いことでしょう。
 マイク・トラウト選手、大谷翔平選手、そしてレンドン選手と、エンゼルスの攻撃陣はますます充実することとなりました。

 今後、2020年シーズン以降の成績アップに向けてエンゼルスに求められるのは、投手陣、特に先発投手陣の充実です。
 どのような投手が加わって来るのか。本当に楽しみです。

 11月14日、MLBは2019年シーズンのMVP(最優秀選手)を発表しました。

 アメリカンリーグALは、マイク・トラウト選手(ロサンゼルス・エンゼルス)、ナショナルリーグNLは、コディ・ベリンジャー選手(ロサンゼルス・ドジャース)でした。

 トラウト選手は、134試合に出場して、打率.291、本塁打45、打点104、出塁率.438、OPS1.083と、とてもバランスの良い成績を収めました。

 ベリンジャー選手は、156試合に出場して、打率.305、本塁打47、打点115、出塁率.408、OPS1.035と、こちらも、とてもバランスの良い成績だったのです。
 
 両選手とも、良く似た、素晴らしい成績だと感じます。

 トラウト選手は、2014年、2016年に続いて3度目の受賞、ベリンジャー選手は初受賞でした。
 トラウト選手の「3度」の受賞は、バリー・ボンズ選手の7度は別格として、ヨギ・ベラ選手やジョー・ディマジオ選手、ミッキー・マントル選手、スタン・ミュージアル選手、アルバート・プホールズ選手、アレックス・ロドリゲス選手、らと並ぶ「歴代2位タイ」の素晴らしい記録です。

 近時、野手を評価する際に重要度が増しているOPSにおいて、両選手は1点以上という高数値を残していますし、ホームランも40本以上放っていますから、ゲームにおいてチームに勢いを齎し、チームの勝利に貢献したことは間違いありません。

 現在のMLBにおけるベースボールに求められるスキルが、良く分かる受賞であったと言っても良いのでしょう。

 11月13日、MLBは2019年シーズンのサイヤング賞を発表しました。

 アメリカンリーグALはジャスティン・バーランダー投手(ヒューストン・アストロズ)、ナショナルリーグNLはジェイコブ・デグロム投手(ニューヨーク・メッツ)でした。

 バーランダー投手は、34試合に先発し、223イニングを投げ、21勝6敗、奪三振300、防御率2.58という、圧巻の成績でした。
 2011年シーズンに続く2度目の受賞となったバーランダー投手ですが、9月1日のノーヒッター(3度目)やチームのワールドシリーズ進出など、まさに大車輪の活躍でした。

 デグロム投手は、2018年に続いて2シーズン連続の受賞となりました。
 その成績がとても興味深いのです。
 2018年は、32試合・217イニングに登板して10勝9敗。
 2019年は、32試合・204イニングに登板して11勝8敗。
 どちらのシーズンも、「サイヤング賞受賞投手」としては、一見物足りないように見えます。
 しかし、両シーズン共にデグロム投手は、しっかりとした支持を受けて受賞しているのです。

 これは、ひとつにはニューヨーク・メッツの「得点力不足」が要因となっています。2018年シーズンのデグロム投手は防御率1.70とNL最高の成績でしたが、登板時の味方の援護に恵まれず、10勝に止まりました。大袈裟に言うと「6回1失点で負け投手」という感じでした。
 2019年も、この傾向は変わりませんでしたけれども、奪三振255というNLトップの実績が物を言ったのでしょう。
 何より、デグロム投手の圧倒的な「存在感」、「打たれないというオーラ」が観客にとって素晴らしい姿・空気であったということだと思います。
 とにかく「マウンドに立つデグロム投手」を観たい、という観客、加えてMLB関係者もとても多かったのでしょう。
 まさに「MLBというプロスポーツ」において、最も求められる要素を、デグロム投手が具備していたのです。

 高目のストレートを主体に三振を取るバーランダー投手も同様ですが、「サイヤング賞投手にはサイヤング賞投手の雰囲気」があるのです。

 それが、MLBにおける「シーズン最優秀投手」にとって最も重要なことのように思われます。

 GM会議真っ只中のMLBにセンセーショナルなニュースが舞い込みました。

 スポーツ専門サイト「アスレティック」が、ヒューストン・アストロズによる組織的な「サイン盗み」があったと報じたのです。そしてMLB(大リーグ機構)も11月12日に調査に乗り出したと報じられました。

 「アスレティック」は、2017年にアストロズに在籍したマイク・ファイアーズ投手(現在はオークランド・アスレティックス)と匿名の球団関係者3名の証言から、アストロズが2017年のホーム・ミニッツメイドパークのゲームにおいて、センター後方にカメラを設置し、相手チームのキャッチャーのサインを、ダグアウトとクラブハウスのモニターに映し出しチェックして、チェンジアップ系のサインが出た時に、ダグアウトに置いてあるごみ箱を叩いて、自軍打者に伝えていた、と報じたのです。

 この「サイン盗み」は、2017年のポストシーズン、アストロズがワールドシリーズを制覇したポストシーズンゲームにおいても実行されていたとのこと。

 ことの真偽は、今後の調査を待つことになりますが、もし真実であれば、とんでもないことです。

 世界最高峰のベースボールリーグであるMLBは、世界中のベースボールの「手本」でなければならないのは、当然のことでしょう。

 絶対に「あってはならないこと」なのです。

 それにしても、本件についてアストロズから何の反論も出ていない、「やっていない」という表明も出されていない(アメリカでは出されていて、我が国には報じられていないのかもしれませんが)ように観えるのは、とても不思議な感じがします。

 さらに、もし「サイン盗み」が行われていたとすれば、アストロズの2017年のワールドシリーズ制覇は、どのような扱いになるのか。対戦相手だったロサンゼルス・ドジャースの優勝と成るのか、そもそもレギュラーシーズンのアストロズの成績自体が「不正から生まれた」ものなので、ポストシーズン緒戦からの戦績自体が「不存在」ということになるので、「2017年のMLBポストシーズン全体が無かったこと」になるのか、少なくともアメリカンリーグALのポストシーズンは不存在(ナショナルリーグNLのリーグチャンピオンシップまでは有効と観る考え方)ということになるのか、対応がとても難しいでしょう。

 さらにさらに、もしアストロズが2019年シーズンでも「サイン盗み」を実行していたとすれば、そのアストロズを2019年ワールドシリーズにおいて「ミニッツメイドパークでの4勝」で破ったワシントン・ナショナルズの強さは、凄いものであったということになります。

 余計なことまで考えさせる、本当にセンセーショナルなニュースなのです。

11月11日~14日、MLBオフシーズン恒例の「GM会議」が行われています。

 MLB全チームのジェネラルマネージャーGMが、アメリカ合衆国アリゾナ州スコッツデールのリゾートホテルに集まって開催されるもので、来シーズンへの補強等が話題になります。

 各チームのプレーヤーの構成を決めるGMが一堂に会するのですから「話が早い」のです。和やかに見える会合ですが、トレードやドラフトの話など、まさにギラギラした話がここそこで展開されるのでしょう。

 NPBからMLBへの挑戦を表明している3名の野手、西武からFAとなった秋山選手、ポスティングで挑むDeNA・筒香選手、広島・菊池選手の動向も、この会議で方向感が出るかもしれません。

 このところ、投手の挑戦ばかりが続き、イチロー選手や松井秀喜選手らに続く野手の挑戦が減っていた(「二刀流」大谷選手は例外的な存在です)NPBですが、今オフは一気に賑やかになりました。
 3名ともNPBを代表するプレーヤーであり、抜群のスキルを備えていますので、MLBの各チームがどのような評価を下すのか、本当に楽しみです。

 MLB2020シーズンのボールパークで、秋山選手、筒香選手、菊池選手が元気に活躍している姿を、是非観てみたいものです。

 11月11日、MLBから2019年シーズンの「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」=新人王が発表されました。
 ナショナルリーグNL、アメリカンリーグAL共に、予想通りの選出であったと思います。

 NLはニューヨーク・メッツのピート・アロンソ選手でした。
 何しろ、デビューイヤーにホームラン王に輝いたのですから、自然な選出だったのでしょう。
 アロンソ選手の成績は、161試合に出場して、155安打、打率.260、53本塁打、120打点、OPS.941という、堂々たるものです。

 特に、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が記録したシーズン52本塁打の新人記録を塗り替えたところが高く評価されています。
 私は「161試合出場」が素晴らしいと感じます。ルーキーイヤーに、ほぼフル出場を果たしたのです。大きな故障も無く1シーズンをプレーし通すというのは、どんなプレーヤーにとっても至難の技であろうと思いますが、アロンソ選手は見事にやってのけたのです。

 2016年のMLBドラフト・2巡目(全体64位)でメッツから指名され入団。
 2016年から2018年にかけては、マイナーリーグのチームで活躍し腕を磨いてきました。
 2019年シーズンは、シーズン当初からロースター入りして3月28日のワシントン・ナショナルズ戦で「2番・一塁手」でメジャーデビューを果たし、ホームランを量産してオールスターにも選出され、ホームラン競争で優勝するなど、一気に開花しました。

 9月に入り、ジャッジ選手の52本が目前に迫った中で9月28日に53本塁打を放ったというのは、精神面の強さをも示しているように感じます。

 アメリカ合衆国フロリダ州タンパ出身の24歳、身長190cm、体重111kg、の大型内野手です。

 ALはヒューストン・アストロズのヨルダン・アルバレス選手です。
 アルバレス選手の2019年シーズンの成績は、87試合に出場して、98安打、打率.313、27本塁打、78打点、OPS1.067です。
 2019年シーズン開幕をAAAで迎え、メジャーデビュー(5番・指名打者)が6月9日と遅かったために出場試合数は少ないのですが、成績の内容は素晴らしいものです。

 打率3割を達成し、OPS1.067というのが、新人離れしています。出塁率の.412も見事ですが、長打率.655が凄いのです。27本塁打+26二塁打という内訳ですが、今後の大活躍が期待されるのも自然なことでしょう。

 アルバレス選手は、2016年6月にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結び、同年8月にアストロズに移籍、2016~2019年6月の間をマイナーリーグで過ごしています。

 キューバのラストゥーナス出身の22歳、身長196cm、体重102㎏の大型プレーヤーです。

 お二人とも、今後の「打者としての活躍」が期待されるプレーヤーですが、MLBの新人の在り様を観るにつけ、「マイナーリーグでの修行」の重要性を改めて感じます。
 入団、即ロースターというのは、滅多に無いことなのです。
 マイナー生活が1年以内というプレーヤーも、あまり居ないと思います。
 多くの超一流プレーヤーが「複数年のマイナー生活」を経験した後、メジャーデビューを果たしているのです。

 ベースボールの長い歴史に裏打ちされた「MLBのやり方」なのでしょう。
 各球団が、若手プレーヤーに「MLBで長く戦って行けるスキル」を身に付けさせるシステムが、確立されているのです。

 おそらくは、フィジカル・メンタルの両面から、とても「奥行きの深いシステム」なのであろうと感じます。

 ワシントン・ナショナルズが制したワールドシリーズ2019のMVPは、シリーズ2勝のストラスバーグ投手に輝きました。

 文句無しの受賞でしょう。
 ワールドシリーズの敵地での2勝は重いのです。

 ストラスバーグ投手の「2009年のMLBドラフト」における注目度の高さを憶えておられる方なら、ようやく「本格化」したという感想を持たれることでしょう。
 この時、ストランバーグ投手は「MLBドラフト史上最高のプレーヤー」と称されたのです。これ以上の高評価は、滅多にないでしょう。
 メディアの殺到振りは、現在でも語り草となっています。

 サンディエゴ州立大学時代の2008年、ユタ大学戦で23奪三振を記録。
 2009年の空軍士官学校戦ではノーヒッター・17奪三振と、桁違いの活躍を魅せつづけていました。
 100マイル(161km)を越えるストレートを主体としたピッチングは、空前のものだったのです。
 2009年のゴールデンスパイク賞(全米大学最優秀選手賞)も受賞しています。

 そして、このドラフトにおいて、前年度勝率最下位のナショナルズに「全体1位」で指名され、入団しました。

 ストラスバーグ投手は2010年にデビューしましたが、そのフォームに無理がある、との指摘もあり、なかなか活躍できませんでした。右肘を痛め、トミージョン手術を受けたのです。
 2010年は5勝3敗、2011年は1勝1敗と苦難の時期を過ごしました。

 そして2012年シーズン、手術からの回復が成ったストラスバーグ投手は15勝6敗の大活躍。
 以降は、安定した成績を残してきました。(2018年までにMLB通算94勝52敗)

 とはいえ、その成績は、あの「2009年MLBドラフト」の時の史上最高の注目度から観れば、「まだまだ」という感じでした。
 それ程に凄い「喧噪」だったのです。

 2019年7月に31歳になったストラスバーグ投手は、チームのワイルドカード進出、ワイルドカード勝ち抜け、地区シリーズ突破、ナショナルリーグチャンピオンシップ制覇、ワールドシリーズ進出に大貢献し、ついにワールドシリーズMVPを達成しました。
 これで、ようやく「あのフィーバーに釣り合うプレーヤー」になった気がします。

 身長196cm(6フィート・5インチ)、体重106kg。
 NFLのクオーターバックとしても理想的な感じがする、恵まれた体躯から投げ下ろされるフォーシーム、カーブ、チェンジアップ、スライダーを駆使する投球は、現在のMLB先発投手として最高レベルのものでしょう。

 私には「ストラスバーグの活躍はようやく始まったばかり」に観えます。

 2020年シーズンの大活躍が、本当に楽しみです。

[10月30日・第7戦・ミニッツメイドパーク]
ワシントン・ナショナルズ6-2ヒューストン・アストロズ

 互いにアウェイで3勝ずつという「不思議な」状況で迎えた、2019年のワールドシリーズ第7戦=最終戦は、ナショナルズが6-2で勝ちました。
 ナショナルズは、ワールドシリーズ初出場・初制覇を成し遂げたのです。

 ナショナルズ・シャーザー、アストロズ・グレインキーという、両「サイヤング賞受賞先発投手」の投げ合いとなったゲームですが、アストロズが2回と5回に1点ずつを挙げて、6回まで2-0とリードしました。

 しかし7回表、ナショナルズはレンドン選手のソロホームランとケンドリック選手の2ランで一気に逆転しました。
 7回までマウンドに登ったグレインキー投手を攻略した形。

 そして、8回表にはソト選手の、9回表にはイートン選手のタイムリーで3点を追加したナショナルズが、そのまま押し切った試合でした。

 「ホームチームがなかなか得点できない」という、2019年ワールドシリーズの「魔法」は、最後まで生きていたのでしょう。
 結局、アストロズはこの試合でも「2点しか」挙げることができなかったのです。
 球場を埋め尽くした「オレンジ色」のアストロズサポーターにとっては、本当に残念なゲームとなってしまいました。

 妙な言い方で恐縮ですが、アストロズの敗因は「最終戦がミニッツメイドパークで行われたこと」ということになりそうです。

 ナショナルズは、先発のシャーザー投手が5回まで、ランナーを背負いながら2失点で抑え(さすがの気迫です)、6回からは先発陣の一角コービン投手が繋ぎ、ハドソン投手がクローズするという、見事な投手リレーで勝ち切ったのです。
 もちろん、第7戦でアストロズが2点しか取れなかった理由は、このナショナルズの投手リレーにあることは、言うまでもありません。

 また、ポストシーズンに入ってから好調を維持していた、アストロズのアルトゥーベ選手の調子が、ワールドシリーズ第6戦辺りから下降していたことも、残念な敗退の大きな要因であろうと感じます。

 以上のような、試合内容、チームコンディションの分析があるとはいえ、やはり「敵地でしか勝てない」という、史上初の珍しい現象が、今シリーズを特徴づけたことは間違いないでしょう。(ナショナルズのマルティネス監督は「気持ちが悪い」とコメントしていました)

 本当に「不思議なシリーズ」でした。

 その「不思議なシリーズ」を勝ち抜いたナショナルズに、「世界一」の大勲章が待っていたのです。

[10月22日・ミニッツメイドパーク]
ナショナルズ5-4アストロズ

[10月23日・ミニッツメイドパーク]
ナショナルズ12-3アストロズ

[10月25日・ナショナルズパーク]
アストロズ4-1ナショナルズ

[10月26日・ナショナルズパーク]
アストロズ8-1ナショナルズ

[10月27日・ナショナルズパーク]
アストロズ7-1ナショナルズ

[10月29日・ミニッツメイドパーク]
ナショナルズ7-2アストロズ

 不思議なワールドシリーズになっています。

 ワシントン・ナショナルズとヒューストン・アストロズが共に、ホームで1勝も出来ず、アウェイは全勝で、6戦を終えて3勝3敗のタイ。最終の第7戦で雌雄を決することとなりました。
 115回を数えるワールドシリーズの歴史においても、初めてのことであると報じられています。

 両チームとも、強力な先発投手陣を擁していますから、大量得点を挙げることは容易では無いのですが、それにしても、ナショナルズがホームの3試合で僅かに計3得点しかできず、アストロズもホームの3試合で計9得点(1試合平均3得点)しか取ることができないのです。
 勝利チームの最少得点が「4」ですから、これではホームでの勝利は覚束ないのです。

 両チームとも、あたかも「ホームグラウンドでは打てない」という魔法にかかったようなシリーズとなっています。
 偶然なのかもしれませんが、本当に不思議なシリーズです。

 さて、第7戦の予想ですが、ワールドシリーズの戦いを良く知っているプレーヤーが多いアストロズの方が有利、と見るのが常道でしょうが、今シリーズに付いて言えば、アストロズ打線が何点取れるかに注目なのでしょう。

 おそらくは、ナショナルズがマックス・シャーザー投手、アストロズがザック・グレインキー投手を先発に立てることが予想されます。

 ワールドシリーズ2019は、どのようなエンディングを迎えるのでしょうか。
[10月23日・第2戦・ミニッツメイドパーク]
ワシントン・ナショナルズ12-3ヒューストン・アストロズ

 「強力な先発投手陣」を擁するチーム同士の対戦となったワールドシリーズ2019ですが、第2戦は、ナショナルズがスティーブン・ストラスバーグ投手、アストロズがジャスティン・バーランダー投手を先発に立てました。

 両投手とも、現在のMLBを代表する先発投手です。

 初回の表裏、共に2失点しました。
 好投手とはいっても、やはり「立ち上がり」は難しいものなのですが、2回から6回までの投球が素晴らしいものでした。

 ストラスバーグ投手は、良い意味で「しつこい」アストロズ打線にヒットは許すものの、得点は許しませんでした。
 バーランダー投手も、勢いに乗るナショナルズ打線を抑え込み続けました。
 両投手の「意地」が感じられる投げ合いとなったのです。

 この拮抗した状態が崩れたのは7回表でした。
 ナショナルズのカート・スズキ選手がソロホームランを放ちました。
 バーランダー投手から放ったこのホームランによって、試合の流れはナショナルズに傾きました。
 この回、2死満塁から3本のタイムリーヒットを連ねて、一挙6点を挙げたのです。
 これで概ねゲームは決しました。
 
 ナショナルズは、初出場のワールドシリーズを2連勝でスタートしました。
 それも、敵地ミニッツメイドパークにおいてです。
 アストロズはホームでのビッグゲームにとても強いのですが・・・。
 
 さらに言えば、アストロズが誇る3本柱の内、コール投手とバーランダー投手を攻略しました。とても大きなことでしょう。

 ナショナルズは、2019年MLBポストシーズンで、地区シリーズ(対ロサンゼルス・ドジャース)の第4戦から、リーグチャンピオンシップ(対セントルイス・カージナルス)をスイープして、これで「8連勝」と破竹の進撃を続けています。選手達は「負ける気がしない」のではないでしょうか。

 第3戦はナショナルズのホーム・ナショナルズパークに移ります。
 この第3戦でアストロズの先発マウンドには、3本柱の最後の1本、ザック・グレインキー投手が上がるのでしょう。

 グレインキー投手がアストロズの「破竹の進撃」を止めることができるかどうか。
 早くも、今シリーズの山場がやってきたのです。

 2019年シーズンのワールドシリーズは、ナショナルリーグNLチャンピオンのワシントン・ナショナルズと、アメリカンリーグALチャンピオンのヒューストン・アストロズの対戦となり、10月22日に開幕しました。

 「強力な先発投手陣」を擁する両チームの対戦です。

 ナショナルズには、アニバル・サンチェス、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグ、パトリック・コービンの4先発投手が揃っています。(本ブログ2019年10月20日の記事「[MLB2019NLCS] ワシントン・ナショナルズ 4連勝でワールドシリーズ進出」をご参照ください)
 この強力な先発投手陣を擁して、ナショナルリーグ・チャンピオンシップNLCSをスイープで勝ち上がったのです。

 一方のアストロズにも、ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コール、ザック・グレインキー、ウェイド・マイリーの4先発投手が居ます。(本ブログ2019年8月26日の記事「[MLB2019] ヒューストン・アストロズの素晴らしい先発陣」をご参照ください)
 こちらの先発投手陣もとても強力です。サイ・ヤング賞受賞歴といった実績ならば、アストロズの方が上でしょう。
 さすがのニューヨーク・ヤンキースも、このアストロズの先発投手陣の前に沈黙し、アメリカンリーグ・チャンピオンシップALCSは、4勝2敗でアストロズの勝利となりました。

 さて、この「3本柱+もうひとり」という、7戦で戦うポストシーズンにおいては、これ以上は望めない先発投手陣を擁する両チームの激突となった、ワールドシリーズ2019が激戦となるのは、自然な流れでしょう。

[MLB2019ワールドシリーズ第1戦]
ワシントン・ナショナルズ5-4ヒューストン・アストロズ

 第1戦は、コール投手とシャーザー投手という「剛腕同士」の投げ合いとなりました。
 5回表にナショナルズがコール投手を攻略して3点を挙げ、ゲームを優位に進めました。
 アストロズも2-5から追い上げましたが、ナショナルズが押し切ったゲームでした。

 コール投手とシャーザー投手は、いかにも両チームの監督が「シリーズの先発」に選びそうな投手でしょう。
 どちらも「気迫」で投げ、一歩も引かないタイプだからです。

 第2戦以降も、両チームが繰り出す好投手を両チームの打線がどのように攻略して行くのか(丁度、第1戦でファン・ソト選手がコール投手を打ち込んだように)、そして、ブルペン陣の踏ん張り、がポイントとなります。

 セントルイス・カージナルスとワシントン・ナショナルズの戦いとなった、2019年のナショナルリーグ・リーグチャンピオン決定シリーズNLCSは、ナショナルズが4連勝・スイープでカージナルスを破り、リーグチャンピオンとなるとともに、ワールドシリーズ進出を決めました。
 ナショナルズにとって球団史上初のリーグチャンピオン、ワールドシリーズ進出となったのです。

[10月11日・第1戦・ブッシュスタジアム]
ナショナルズ2-0カージナルス

[10月12日・第2戦・ブッシュスタジアム]
ナショナルズ3-1カージナルス

[10月14日・第3戦・ナショナルズスタジアム]
ナショナルズ8-1カージナルス

[10月15日・第4戦・ナショナルズスタジアム]
ナショナルズ7-4カージナルス

 戦前の予想を大きく覆した「スイープ」でしたが、4ゲームを通じて、カージナルスの得点力不足が目立つ展開となりました。4ゲーム計6得点では、チャンピオンシップシリーズを勝ち抜くのは至難の技でしょう。
 逆に言えば、「ポストシーズンでの強さ」に定評があるカージナルスを、ほぼ完全に抑え込んだナショナルズ投手陣の活躍が際立ったのです。

 この状況を生み出した最大の功労者は、第1戦のナショナルズの先発アニバル・サンチェス投手であることは、間違いないでしょう。
 サンチェス投手は、敵地で行われたこの試合で、8回2死まで、カージナルス打線をノーヒッターに抑え込んだのです。8回2死からチーム初安打を放ったマルティネス選手も「出塁することだけを考えた」とコメントしていますから、サンチェス投手の投球の素晴らしさがよく分かります。

 緒戦の完封勝ちで勢いを得たナショナルズは、第2戦で先発マックス・シャーザー投手が7イニングを被安打1、奪三振11、無失点の好投、第3戦では先発スティーブン・ストラスバーグ投手が7イニングを失点1、奪三振12の好投、第4戦では初回に一挙7点を奪うと、先発パトリック・コービン投手が5イニングを4失点、奪三振12で凌ぎ、4連勝としたのです。

 サンチェス、シャーザー、ストラスバーグ、コービンの4先発投手が、各々の役割期待に応えて、見事な仕事をした結果としての4連勝でした。
 この4投手は、シャーザー、サンチェスの35歳を筆頭に、いずれも30歳を越える経験豊かな先発投手陣です。
 生え抜きのストラスバーグ投手を始めとして、「脂の乗り切った」先発投手陣が、2019年シーズンに至って素晴らしい威力を発揮していると言って良いのでしょう。

 1969年に新球団モントリオール・エクスポスとして発足し、2005年にはワシントンに移ってワシントン・ナショナルズとなったチームですが、「悲願のリーグ制覇・ワールドシリーズ進出」を成し遂げました。
 現在の戦力と勢いならば、「世界制覇」の可能性も十分でしょう。

[10月12日・ミニッツメイドパーク]
ニューヨーク・ヤンキース7-0ヒューストン・アストロズ

 アメリカンリーグALの地区シリーズを勝ち付がった両チームの初戦は、ヤンキースが快勝しました。
 リーグチャンピオンシップゲーム緒戦の「完封勝ち」というのは珍しいと感じましたが、ヤンキース史上初との報道が有りました。20度を優に超える、MLB最多のワールドシリーズ制覇を誇るヤンキースでも、これまでできなかった「快勝」なのです。

 さて、大事な試合の先発を任された田中将大投手は、「丁寧」な投球を魅せて、6イニング・68球を投げて、被安打1、奪三振4、与四球1、失点0という、ポストシーズンの先発投手として「理想的」な内容でした。

 ゲーム後のインタビューで答えていたように「決して調子はそれ程良くなかった」ように観えました。ボールのキレは、絶好調時のものでは無かったのです。
 しかし、「外角高めのスライダー」を上手く使って、アストロズ打線を抑え込みました。

 私は「打者が最も捉えにくいコース」は「外角高め」であろうと考えています。
 あのイチロー選手も「外角高め」の空振り・三振が最も多かったように観えました。
 
 その「外角高め」に、この日は効果的なスライダーが配されていました。
 この投球によってダブルプレーやアルトゥーベ選手からの三振を実現していたのです。
 
 「投」の殊勲者が田中投手ならば、ヤンキースの「打」のヒーローは、3番のグレイバー・トーレス選手でしょう。
 この日は5打数3安打5打点と大活躍。
 アストロズ先発のザック・グレインキー投手をひとりで攻略した感があります。

 また、1回裏田中投手の立ち上り、2つの打球、ヒットになってもおかしくない当たりをしっかりと捌いた2塁手としての守備も、秀逸でした。
 ヤンキースにとって、今季ポストシーズンのラッキーボーイ的な存在となっています。
 この好調が何時まで続くのか、とても楽しみです。

 ヤンキースはALCS2019において、絶好のスタートを切りました。

 田中将大投手は、再び「大試合に強い」ことを示したのです。

[AL地区シリーズ・10月4日から10月7日]
ニューヨーク・ヤンキース3勝-0勝ミネソタ・ツインズ

[AL地区シリーズ・10月4日から10月10日]]
ヒューストン・アストロズ3勝-2勝タンパベイ・レイズ

[NL地区シリーズ・10月3日から10月9日]
ワシントン・ナショナルズ3勝-2勝ロサンゼルス・ドシャース

[NL地区シリーズ・10月3日から10月9日]
セントルイス・カージナルス3勝-2勝アトランタ・ブレーブス

 MLB2019年シーズンのポストシーズン、地区シリーズが完結しました。

 例年、比較的3勝0敗、3勝1敗で決着することが多い地区シリーズですが、今季は4カードの内3カードが3勝2敗決着という、珍しい?シーズンとなりました。
 本当に大激戦が続いたのです。

 これまでなら、レギュラーシーズンで圧倒的な力を魅せたチームは「スイープ」という形、3勝0敗で勝ち上がることが多いと感じていましたが、今季は、特にドジャースが苦戦どころが敗退するという、ある意味では意外な結果となりました。

 ドジャースは、レギュラーシーズンで「106勝56敗」と、ナショナルリーグNL最多勝チームであり、NL西地区で2位のダイヤモンドバックスに「21ゲーム差」を付けてぶっちぎりで優勝していたのですが、まさかの地区シリーズ敗退となったのです。
 21世紀に入って世界制覇の無い名門ドジャースのワールドシリーズ進出の夢は、早々に消えました。
 ナショナルズが地力を発揮したシリーズになった形ですが、特に1勝2敗からの第4戦がターニングポイントになった感じです。エース・シャーザー投手を立てて6-1でドジャースに完勝し、シリーズの流れを完全にナショナルズのものとしました。
 やはり、強力な先発投手は短期決戦の流れを大きく左右するものなのです。

 アメリカンリーグAL西地区優勝のアストロズも、思わぬ?苦戦を強いられました。
 レギュラーシーズンは107勝という、両リーグトップの勝利数を挙げて圧勝したのですが、地区シリーズではレイズと最終戦にもつれ込む接戦となりました。
 初戦、第2戦をホームで快勝して、少し油断が有ったようにも見えます。
 最終の第5戦は、コール投手を立ててしっかりと勝ち切りました。
 こちらは、なんとかAL優勝決定シリーズに駒を進めたのです。
 ヤンキースとのALCSは「大激闘」となることでしょう。

 残るカード、NL東地区と中地区の優勝チーム同士の戦いは、「互角」の展開で最終第5戦に縺れ込みましたが、この第5戦の初回、カージナルス打線が爆発、1イニング10得点の猛攻で勝負を決めました。
 ホームでの戦いとなったブレーブスとしては、まさかの展開だったことでしょう。

 NLは、ナショナルズとカージナルスのリーグ優勝決定シリーズとなりました。
 意外な?というとファンの皆様からお叱りを受けそうですが、近時では「新鮮なNLCS」でしょう。

 優勝候補同士の激突となるAL、新鮮なカードであるNL、リーグチャンピオンシップシリーズが本当に楽しみです。

[10月5日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース8-2ミネソタ・ツインズ

 アメリカンリーグALの地区シリーズ第2戦に先発した田中投手は、5イニング・83球を投げ、被安打3、奪三振7、与四死球2、失点1という好投を魅せて、勝利投手となりました。

 低目に、様々な角度の変化球を集めて、強打(今季レギュラーシーズン307本目―塁打のMLB新記録を樹立した)のツインズ打線をしっかりと抑えました。投球にはキレも有りました。

 これで、ポストシーズン3連勝とした田中投手は、ポストシーズン通算4勝2敗、6試合35イニングを投げて防御率1.54と抜群の安定感を魅せ、6試合すべてにおいて「4安打以下&2失点以下」を示現しています。
 これは、MLBポストシーズン史上唯一の記録であるとも報じられました。

 田中将大投手は、ポストシーズンにとても強い投手なのです。

 地区シリーズ2連勝としたヤンキースの、ワールドシリーズ進出に向けての戦が続きます。

[9月19日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース9-1ロサンゼルス・エンゼルス

 今季31度目の先発登板に臨んだ田中将大投手は、7イニング・86球を投げて、被安打4、奪三振6、与四球0、失点1の好投を魅せ、11勝目(8敗)を挙げました。

 このゲームを勝利したヤンキースは7年振りの地区優勝を飾りましたが、2014年にMLBデビューして6年目の田中投手としては、「自身初の地区優勝」ということになります。
 その試合で勝利投手となったのですから、喜びもひとしおということでしょう。

 それにしても、ヤンキースの地区優勝が「久しぶり」というのも意外でした。
 これまで、ポストシーズンで投げる田中投手を観てきたからですが、これらはいずれもワイルドカードによるポストシーズン登場であったことが分かります。
 この間は、ボストン・レッドソックスが強かったのでしょう。

 9月19日に地区優勝を決めたというのは、「ポストシーズンへの準備」という面でとても大きなことだと思います。ワイルドカードであれば、レギュラーシーズン終了寸前まで、他球団の様子を観ながらの戦いを続けなければならないのですから・・・。

 地区優勝チームの2019年ポストシーズン初戦は10月4日。
 各選手のコンディション調整を始めとして、ポストシーズン開始前の約2週間の期間を、存分に活用できる権利を、ヤンキースは得たのです。

 2009年以来のワールドシリーズ制覇に向けて、ヤンキースの戦いは続きます。

 9月17日のゲームを終えて、2019年のレギュラーシーズンも、各チーム150試合前後を消化し、10試合前後を残すのみとなりました。

 各地区の優勝争いもラストスパートに入っているのですが、アメリカンリーグAL西地区ではヒューストン・アストロズが100勝53敗・勝率.654と早くも100勝に乗せ、東地区ではニューヨーク・ヤンキースが99勝54敗・勝率.647で走り、ナショナルリーグNL西地区ではロサンゼルス・ドジャースが98勝55敗・勝率.641で2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスに20.0ゲーム差を付ける大独走を実現しています。
 両リーグで、この3チームが高い勝率を誇っているのです。

 一方で今季は、ワイルドカード争いが熾烈になっています。

 ALでは、西地区のオークランド・アスレティックスが92勝61敗・勝率.601、東地区のタンパベイ・レイズが90勝63敗・勝率.588、中地区のクリーブランド・インディアンズが89勝63敗・勝率.586で大接戦を繰り広げています。

 かたやNLでも、東地区のワシントン・ナショナルズが83勝68敗・勝率.550、中地区のシカゴ・カブスが82勝70敗・勝率.539、同じく中地区のミルウォーキー・ブリュワーズが82勝70敗・勝率.539と、こちらも大接戦なのです。
 特に中地区は、そもそも優勝争いが熾烈で、現在首位のセントルイス・カージナルスも含めた3チームの争いがまだまだ続きそうです。

 両リーグともに、ワンゲームプレーオフに進出するチームが、全く分からない状況と言って良いでしょう。

 150試合前後を戦っての「大接戦」というのは、ある意味では「プロスポーツとして最高の展開」なのかもしれません。

 9月13日、ロサンゼルス・エンゼルスが「大谷翔平選手が左ひざの手術を受ける」と発表したことが、我が国に報じられました。

 手術箇所は二部膝蓋骨、全治まで8~12週間とも伝えられています。
 これで、2019年シーズンには大谷選手のプレーを観ることはできなくなりました。

 大谷選手から「膝の違和感・痛み」の連絡が球団に有ったのは2019年2月。
 直ぐにMRI検査が行われ、この症状は先天的なものと判断され、その時点では症状が軽かったので、シーズンインしてからもプレーを続けたとのこと。
 
 一方で、2018年10月に受けた右肘のトミージョン手術からの回復過程で、投球のスピードを上げるに従い、左ひざの症状が重くなって来たので、手術を決めたとのこと。

 大谷選手は、2019年シーズン前半には、昨季同様の大活躍を魅せ、前半戦で14本塁打も放っていましたから「このペースならシーズン30本塁打も・・・」と期待されましたが、後半戦に入ると不振に陥りました。
 そして9月11日までに、僅か4本塁打に止まりましたから、「何か問題があるのではないか」と、ファンはとても心配していたと思います。

 もちろん、この膝の症状と後半戦の成績の因果関係は分かりませんが、突然の様にホームランが打てなくなったことに影響が有ったと観るのが自然でしょう。

 今回の手術により、8~12週間の間、打撃練習はもちろんとして、投手としてのトミージョン手術からのリハビリ作業も休むこととなります。
 大谷選手・投手の復帰が少し遅れるのは、致し方ないことなのでしょう。
 慌てることなく、膝も肘もしっかりと直して、元気いっぱいの姿で、グラウンドに戻ってきてほしいものです。

 それにしても、トミージョン手術といい、今回の膝の手術といい、「手術までの時間の短いこと」には、驚かされます。

 確か昨年は、9月30日にレギュラーシーズンが終了し10月1日にトミージョン手術を受けていたと思いますし、今回も「手術を決断したのが9月12日」で9月13日(それも朝一番)に手術が行われています。
 最速の対応であることは、間違いありません。

 「手術を早く実施すればするほど、完治・復帰も早いというのは、当たり前のこと」なのでしょうが、「気持ちの整理のための時間」などという概念・感覚は、全く無いように観えます。
 この思い切りの良さ、というか、「プレーに必要なことなら何でも直ぐに取組む」という合理的な考え方が、大谷選手・投手のストロングポイントのひとつなのでしょう。

[9月2日・ヤンキースタジアム]
テキサス・レンジャーズ7-0ニューヨーク・ヤンキース

 田中将大投手が先発登板したゲームでしたが、ヤンキース打線が沈黙し、レンジャーズに敗れました。
 田中投手は、6イニング・103球を投げて、被安打7、奪三振5、与四球2、失点2と好投しましたけれども、味方の援護には恵まれず8敗目(10勝)を喫しました。
 
 それにしても、「どこからでもホームランが飛び出す超重量級打線」を誇るヤンキース*が完封負けを喫したのは、本当に久しぶりのことです。
 記憶には無かったのですが、2019年6月30日の対ボストン・レッドソックス戦(0-11)以来、221試合ぶりなのだそうです。
 この「220試合連続得点」は、1900年以降では、ヤンキースの歴史上2番目に長い記録ということですから、現在のヤンキースにおいては「滅多に観られないこと」なのです。
(*2019年8月、ヤンキースは月間74ホームランというMLB新記録を達成しました。それまでの58ホームランを大幅に更新する新記録でした)

 ヤンキースを6安打完封した、レンジャーズの先発マイク・マイナー投手(7と1/3イニング・111球)、2番手ショーン・ケリー投手(2/3イニング・7球)、エマニュエル・クレース投手(1イニング・15球)は、見事な継投を演じてくれました。
 
 この3投手は、いずれも「30歳台」です。

 ベテランの技が超重量級打線を抑え込んだゲームだったのでしょう。

[2019年9月1日]
ヒューストン・アストロズ2-0トロント・ブルージェイズ
→ジャスティン・バーランダー投手がノーヒッター達成

[1876年7月15日]
セントルイス・ブラウンストッキングス2-0ハートフォード・ダークブルース
→ジョージ・ブラッドリー投手がMLB史上初のノーヒッター達成

 ジャスティン・バーランダー投手が、8年振り自身3度目のノーヒッターを達成しました。

 期待通り*に大記録を達成してくれるところが、さすがに現在のMLBを代表する先発投手なのでしょう。(*本ブログ2019年8月8日の記事「[MLB2019] ジャスティン・バーランダー投手の活躍」をご参照ください)

 この快挙を観て、MLB最初のノーヒッター投手を調べてみました。
 それが頭書のゲームにおけるジョージ・ブラッドリー投手なのです。

 時は1876年。

 MLBに詳しい方なら、1876年=MLB創設の年、であることに気付かれることでしょう。
 そう、この年にナショナルリーグNLが創設され、現在に続いているのです。

 そして、MLB創設年の7月15日に、史上初のノーヒッターが達成されたという訳です。
 
 ジョージ・ブラッドリー投手は、1852年7月13日生まれですから、この時24歳。
 投手と3塁手で活躍したプレーヤーで、投手としては通算171勝151敗。MLBの通算記録で観れば、この1876年シーズンに「16完封勝利」を挙げていて、これがMLB歴代最多タイ記録です。また、各シーズンのリーグ最高記録としては1879年の「40敗」が残っています。1879年はトロイ・トロージャンズに在籍し13勝40敗でした。
 40敗出来る程に登板するというのは、チームの主力投手であったことは間違いなく、このシーズンのブラッドリー投手は、54登板・53完投という、現在では考えられないようなプレーを展開しています。

 打者としては、通算518安打でホームラン3本ですから、少なくとも大砲では無かったことになります。
 やはり、ブラッドリー選手は「投手」が本業だったのでしょう。

 通算成績の数字で観れば、現在ではほとんど話題に上ることが無い投手なのでしょうけれども、「MLB史上初のノーヒッター」の称号は、永遠にブラッドリー投手のものなのです。

 それにしても、143年前のノーヒッターゲームと最新のノーヒッターゲームのスコアが、共に「2-0」というのは興味深いところです。

 頭書のゲームにおいて、アストロズが2点を挙げ、バーランダー投手を援護したのは9回表でした。8回までは0-0のゲームだったのです。

 勝手な想像で恐縮ですが、「2-0」は投手の緊張感を維持し、落ち着いて投球するのに、丁度良いスコアなのかもしれません。

[8月27日・Tモバイルパーク]
ニューヨーク・ヤンキース7-0シアトル・マリナーズ

 田中将大投手が素晴らしいパフォーマンスを魅せて、日本人投手同士の初対決を制しました。

 田中投手は、7イニング・106球を投げ、被安打3、奪三振7、与四球1、失点0という見事な投球でした。
 途中まではノーヒッターさえ感じさせる内容であったと感じます。
 先輩投手として、貫録を示したというところでしょうか。

 菊池雄星投手は、1回表アーロン・ジャッジ選手に2ランホームランを浴びたのが痛かった。
 ご承知のように、現在のヤンキース打線は「MLB史上最強のホームラン軍団」です(2019年8月の本塁打数が60本を超えて、1球団としてのMLB最多記録を更新し続けています)ので、一度火を付けると止まらないのです。
 3回表にはカードナー選手に3ランホームランを浴びてしまいました。
 菊池投手の調子は決して悪くなかったように感じましたが、「今のヤンキース打線は手が付けられない」のでしょう。

 菊池投手は、4イニング・95球を投げ、被安打8、奪三振1、与四球3、失点5という内容でした。「苦心」が伺われる内容でしょう。

 この勝利により、田中投手は今季10勝(7敗)となって、日本出身投手として初の「6年連続二桁勝利」を示現しました。
 日本人投手としてねMLBの歴史に新しい記録を刻んだのです。

 それにしても、今シーズン残り30試合を切って、ヤンキースの強さはズバ抜けています。
 これで87勝47敗、勝率.649、貯金40というのですから・・・。

 久しぶりのワールドシリーズ制覇に向けて、ヤンキースの進撃は続きます。


[8月27日・シティフィールド]
シカゴ・カブス5-2ニューヨーク・メッツ

 カブスのダルビッシュ投手が、8イニング・104球を投げて、被安打5、奪三振7、与四球1、失点1という堂々たるピッチングを魅せて、5勝目(6敗)を挙げました。
 今季27試合目の先発登板でした。

 素晴らしい投球内容でしたが、このゲームで注目されたのが「与四球1」でした。

 何しろ「約1ヵ月間、ダルビッシュ投手はフォアボールを与えていなかった」のです。
 何だか凄い話です。

 世界最高のベースボールリーグで、キッチリと先発ローテーションを守っている投手が、1か月間に渡って「与四球0」というのは、ある意味では信じられないことです。

 ダルビッシュ投手のコントロールの良さはもちろんとして、常に「逃げることなく勝負している」ことを示す、事実なのでしょう。
 3ボール2ストライクから、ボールになる球を投げていないこともありますし、たとえボールになる球を投げたとしても、それをMLBの打者が高率で打ちに行っているということですから、高度な投球術であることは間違いありません。

 ダルビッシュ投手は、定評のある「投球の威力」に加えて、「良いコントロール」と「高度な投球術」をも身に付けたと見ます。

 「鬼に金棒」。
 一層の活躍が期待されます。

[8月23日・ミニッツメイドパーク]
ヒューストン・アストロズ5-4ロサンゼルス・エンゼルス

 アストロズの先発は、ザック・グレインキー投手でした。
 かつては、ロサンゼルス・ドジャースにおいてクレイトン・カーショー投手とともに2枚看板の一翼を担い、アリゾナ・ダイヤモンドバックスではエースとして活躍し、2019年7月にアストロズに移籍しました。

 この試合で勝利投手となって、今シーズン14勝4敗、アストロズ移籍後は4勝0敗という、見事な成績です。相変わらず、MLBを代表する先発投手のひとりなのです。

 グレインキー投手を加えて、アストロズの先発投手陣は一層充実したというか、MLB・NO.1の布陣になったのかもしれません。(成績は8月23日終了時点)

① ジャスティン・バーランダー投手 15勝5敗
② ゲリット・コール投手 15勝5敗 
③ ザック・グレインキー投手 4勝0敗
④ ウェイド・マイリー投手 12勝4敗

 バーランダー、コール、グレインキーの3本柱に、マイリー投手を加え、アストロズの先発陣は「4人まで万全」の体制です。
 バーランダーとグレインキー投手は「200勝投手」ですし、2018年にパイレーツから移籍したコール投手は、2018年の15勝から、安定した投球を魅せているのです。

 2017年にワールドシリーズを制覇したアストロズが、2019年も世界一の座を狙っていることは、間違いありません。

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