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 長い歴史と伝統を誇る、アメリカ合衆国のプロベースボールですが、スプリングトレーニングが開始されたのは1886年と伝えられています。
 開始したチームはシカゴ・ホワイトストッキングス(1889年まで存在しました。現在のシカゴ・カブスの前身です)。
 このホワイトストッキングスのプレーヤー兼監督だったキャップ・アンソンがスプリングトレーニングを始めたのです。

 アンソン監督は、4月のレギュラーシーズン開始に向けて、ある程度前から選手達を集めてトレーニングを積ませたら、シーズンの戦いに向けて大きな効果があるのではないかと考えました。現在なら当然のことでしょうが、当時としては「画期的な考え方」だったのです。(現在では「当たり前」「当然」と思われることでも、最初にそれを考え、アイディアを創出し、実行するというのは大変なことです。そのこと自体が素晴らしい才能であり、実行力であることは間違いありません。どんなことであっても、「当たり前」「当然」と考えるのではなく、常に「疑問」を持ち、様々な角度から物事を考えて行く習慣を身に付けたいものだと、いつも思います。そうした行為、物の捉え方こそが、「進歩を生む」ものなのでしょう)

 さて、この案を球団内に提案したところ、反対が多く出されました。
 各プレーヤーが「この時期は別の仕事をしているから事前トレーニングには参加できない」というのが、その理由でした。
 当時のメジャーリーガーはプロスポーツ選手としての収入が少なかったので、オフシーズンには皆、別の仕事をしていたのです。

 なるほど、と感じさせられる話です。

 21世紀に隆盛を極めているプロスポーツの多くが「19世紀後半に始まっている」のですが、開始当初は、どのスポーツでも十分な収入が得られなかったのでしょう。「お金を払ってスポーツを観る」ということが、時代の最先端のエンターティンメントであった頃です。多額のお金を観戦に支払うということが一般化するのは、もっとずっと後の時代なのでしょう。

 そこでアンソン監督は「スプリングトレーニング中は1日に付き何ドルか支給する」ことを確約し、1886年2月はじめに、アーカンソー州ホットスプリングスの地に全選手を集めたのだそうです。
 
 こうして、史上初のスプリングトレーニングが始まったのですが、その効果は絶大で、このシーズン、ホワイトストッキングスは独走優勝を飾ったのです。

 こうした「良い取組」が他のチームに広がっていくのは自然な流れでしょう。翌年から導入するチームもあって、1890年代に普及し、1910年頃には一般的なものになったそうです。

 スプリングトレーニング実施に向けての最大の障害が「選手達の低収入」にあったというのは、プロスポーツの創成期、そして発展期を考えて行く時、とても興味深いところです。

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 NPBは、例年通り2月1日にキャンプインしましたが、MLBもキャンプインというかスプリングトレーニングのスタートが近付いてきました。

 アメリカらしい、というか、別に厳密な規則がある訳ではないのでしょうから、各球団が自主的に決めた日にスタートする形ですが、2019年シーズンの開始日は以下のように報じられています。

・ボストン・レッドソックス 2月14日
・ロサンゼルス・ドジャース 2月13日
・ヒューストン・アストロズ 2月13日
・ニューヨーク・ヤンキース 2月13日
・アトランタ・ブレーブス 2月13日
・クリーブランド・インディアンズ 2月14日
・シカゴ・カブス 2月15日
・ロサンゼルス・エンジェルス 2月13日
・シアトル・マリナーズ 2月14日
     ・
     ・
     ・

 現世界チャンピオンのレッドソックスは2月14日スタートですけれども、今季は13日に開始するチームが多いようです。

 この開始日は、ご承知のように「バッテリーのトレーニング開始日」です。
 野手陣は、概ね1週間位後にスタートするのです。

 こちらもご承知のように、スプリングトレーニングの開催場所は「フロリダ」と「アリゾナ」です。日本で言えば、沖縄と宮崎と高知に相当するのでしょう。
 この2箇所に、丁度15チームずつが入るというところも興味深いところです。自主性が尊重されるアメリカ合衆国の事ですから、「偶然」ということなのでしょうか。

 そして、フロリダでトレーニングを行う15チームを「グレープフルーツ・リーグ」と呼び、アリゾナ組を「カクタス・リーグ」と呼びます。
 NPBで言うところのオープン戦、MLBではこのシーズン前のゲームのこともスプリングトレーニングと呼びますから、「狭義のスプリングトレーニング」と言って良いのかもしれません。

 こちらのゲームの方は、2月22日のアスレティックスVSマリナーズの試合によりスタートします。カクタス・リーグの方が1日早くゲームを始めるという形です。グレープフルーツ・リーグの方は、2月23日のレイズとフィリーズの試合でスタートするのです。

 スプリングトレーニングへの注目度は、当然ながらとても高いので、スプリングトレーニングの両リーグの成績も日々報じられます。「MLBでも球春真っ盛り」という様相を呈するのです。
 近時は、日本からの「スプリングトレーニング・ゲーム観戦ツアー」も増えてきました。

 もちろん、レギュラー争いというか、レギュラーシーズン開幕に向けて「ロースターを目指す各プレーヤーの争い」は熾烈を極めます。これはNPBのキャンプと同じです。
 「グレープフルーツ」や「カクタス」から感じられる、ほのぼのとしたムードは、スプリングトレーニングの現場には皆無なのです。

 「メジャーリーガーを目指して」の2019年のスプリングトレーニングが迫りました。

 1月22日、今季のMLBベースボール殿堂入りプレーヤーが発表されました。
 オフシーズンの恒例行事です。

 そして、元ニューヨーク・ヤンキース、2013年シーズンを最後に引退したクローザ、マリアノ・リベラ氏が「資格獲得1年目」にして殿堂入りを果たしました。

 リベラ氏が「殿堂入り」するのは、誰もが予想していた通りですが、特筆すべきはその得票率でした。425名の全投票資格保持者が、全員リベラ氏に投票したのです。
 これは、ベースボール殿堂制度史上初めてのことでした。

 「投票資格者」とは、全米ベースボール記者協会に10年以上在籍している記者です。
 この資格自体が、相当に難しいものだと思いますけれども、そうした「ベースボールを知り尽くした記者425名」を相手にしての「満票」というのは、信じられないというか、ある意味では「異常」なことのように感じられます。
 どんなに素晴らしいプレーヤーでも、425名の中には「あまり評価していない記者」が5名や10名いても何の不思議もありませんし、19シーズンに渡ってプレーしたリベラ選手の事を、何らかの出来事・きっかけによって嫌っている記者が居ても、これも何の不思議もないでしょう。ヤンキースの事が大嫌いな記者もいる筈です。
 人間社会において、同業者425名全員が高く評価してくれることなど、本当に有り得るのか、と考えてしまいますが、リベラ氏への投票は、その「異常な事態」を示現して魅せたのです。

 何か、現役時代の「信じられないようなプレー」を観ているようです。

 殿堂への選出ラインは、全投票資格者の75%以上の得票です。
 
 これまでの最高得票率は、2016年のケングリフィー・ジュニア氏の99.23%でした。これとて、信じられないような高率と当時言われました。
 あのベーブルース氏が95.13%(1936年)、カルリプケン・ジュニア氏が98.53%(2007年)であったことを勘案しても、今回のリベラ氏の「100.00%」の凄さが分かります。

① 通算652セーブ

 というMLB最多記録は、もちろんとして

② ポストシーズン通算96試合登板・141イニングを投げて42セーブ、防御率0.70

 という、大舞台での強さは、ズバ抜けて居ます。登板数、セーブ数、防御率は、もちろんMLB最高記録です。

 試合の流れが完全に相手チームに傾いた場面でマウンドに上がり、「何もなかったかのように」抑えるというシーンを、私たちは何度も眼にしました。
 他に類を見ない、文字通りの「火消し」役でした。

 それも、ここぞという投球は「必ずカットボール」なのです。相手打者は、次に必ずカットボールが来ることが分かっているのに打てない、という本当に不思議なシーンが続きました。
 世界最高レベルの打者が揃うMLBのポストシーズンゲームで、来る球が分かっていても打てないというクローザは、「空前絶後」なのかもしれません。

③ ヤンキースにおいて1115試合登板

 同一球団における、史上最多登板記録です。リベラ投手は、最後のシーズン=2013年シーズンにも44セーブを挙げるなどヤンキースにおいて長く好成績を挙げ続け、ヤンキースファンに長く愛され、ヤンキース球団も常に高い評価を与え続けたことが分かります。
 本当に素晴らしい記録だと思います。

 マリアノ・リベラ氏は、ベースボール殿堂入り投票においても、ひと癖もふた癖もある数多くの記者達を相手に、見事な投球を魅せてくれたのでしょう。

 NPB西武ライオンズからポスティングシステムでMLB挑戦を目指していた菊池雄星投手でしたが、契約交渉期限となる2018年12月31日(日本時間2019年1月1日)にシアトル・マリナーズとの契約が発表されました。

 そして1月3日、マリナーズの本拠地Tモバイルパークで入団会見を行ったのです。

 「流暢な英語」が、入団会見を報じた記事に共通したポイントでしょう。
 15歳の時からメジャーリーグを夢見ていた菊池投手にとっては、メジャーでプレーをして行く、メジャーで通用する投手になるために効果的なことは全て対応して行くことにしていたのでしょう。「英語」もそのひとつだったのだと思います。

 入団会見でも、マリナーズを選んだ理由を聞かれ、”I feel this team needs me the most. I felt the chemistry between us.”(このチーム=マリナーズが最も自分を必要としていてくれると感じました。相性の良さを感じました。)と応え、メディアの記者達を驚かせたと伝えられました。”the chemistry between us”が「相性が良い」という意味なのを、私は初めて知りました。

 マリナーズでの背番号は「18」。
 これは、2019年からNPB読売ジャイアンツでプレーすることとなった岩隈久志投手が2018年までマリナーズで背負っていた番号です。
 
 菊池投手は、まるで岩隈投手と「交替」のように、マリナーズ入りしたのです。

 MLBでは(NPBでも)、「左腕先発投手」はとても貴重な存在です。
 当然のことを書き恐縮ですが、右腕投手と左腕投手は違うのです。
 これまでMLBを観て来た感じからすると、例えば「スピードボール」について観れば「右腕の160kmと左腕の155kmが同じ位」打ち難い投球ではないでしょうか。
 変化球に付いても同様で、左腕の変化球はとても効果的です。

 もともと右利きのプレーヤーの方が多いので、大半のプレーヤーにとって右投手と当たる回数の方が多く慣れていること、逆に言えば左投手の投球に不慣れなことがこうした違いの要因のひとつでしょう。
 また、左打者にとっても同様で、やはり右投手の球を打ってきた経験の方が多いのです。
 投球の出所・角度・球筋が右投手とは明らかに異なりますから、打ち難いのも自然なことなのでしょう。

 MLBのスーパースターで言えば、ランディ・ジョンソン投手やクレイトン・カーショー投手が「左腕先発」の代表格でしょうか。

 菊池雄星投手のMLB挑戦は「日本の左腕先発投手」の挑戦でもあります。

 菊池投手の「高目ストレート」がMLBの強打者に通じるのか、MLB2019最大の見所のひとつでしょう。
 12月2日から5日にかけて、シアトル・マリナーズとニューヨーク・メッツの間で「大きなトレード」が行われたと報じられました。

 その内容は下記の通り。

[マリナーズ]
・ロビンソン・カノ選手(内野手)
・エドウィン・ディアス選手(クローザ)
+2000万ドル(約22億円)

[メッツ]
・ジェイ・ブルース選手(外野手)
・アンソニー・スウォーザック投手(右腕)
・ジャレッド・クレニック選手(外野手、2018年ドラフト1位)
・ジャスティン・ダン投手(右腕、2016年ドラフト1位)
・バーソン・バティスタ投手(右腕)

 2名+2000万ドル対5名という大型トレードが成立したのです。

 ロビンソン・カノ選手(36歳)といえば、2005年から2013年までニューヨーク・ヤンキースでプレーし、ヤンキースはもとよりMLBを代表する強打の二塁手としてならしましたが、突然マリナーズと10年契約を結んで、2014年からはシアトルでプレーしていました。
 現役プレーヤーの中では、「3000本安打に最も近いプレーヤー」と目され、殿堂入り確実とも言われる名選手です。

 また、エドウィン・ディアス投手(24歳)は2017年からブレイクし、2018年シーズンでは57セーブを挙げて、アメリカンリーグのセーブ王に輝きました。

 この2名が「マリナーズの看板プレーヤー」であることは間違いありませんから、マリナーズとしては思い切った決断をしたことになります。

 2015年9月に就任以来、毎年のように「MLBを驚かせるトレード」を披露している、マリナーズのジェリー・ディポートGMが、2018年オフシーズンでも大型トレードを実現した形です。
 2019年以降のマリナーズは、メッツから移籍してきた「若手」の育成に注力し、チームを再生しようという意図なのかもしれませんが、それにしても「右投手」が3名も居るのは驚きです。
 マリナーズは「右投手が不足」していたのでしょうか。

 さて、カノ選手とディアス投手の2名は、12月4日、メッツの本拠地・ニューヨークのシティフィールドで入団会見を行いました。メッツのユニフォームに袖を通し、「満面の笑み」でインタビューに答える姿が配信されています。

 メッツのブロディ・バンワグネンGMとしては、2018年7月に放出したファミリア投手に代わるクローザを入団させ、かつては代理人をしていて、熟知しているカノ選手を獲得したのですから、こちらは「2019年シーズンの優勝・ワールドシリーズ進出」を狙う強化ということになります。

 正直に言って、マリナーズ入団後のカノ選手には、ヤンキース時代の様な「輝き」が不足していると感じていましたので、「ニューヨークのロビンソン・カノ」に大いに期待しているのです。

 今回は、2018年レギュラーシーズンのチーム毎のOPSとERAを見てみましょう。

 OPS(出塁率+長打率)は打力の、ERA(防御率)は守備力の、代表的な指標と位置付けてみようという試みです。

[OPS・アメリカンリーグAL]
・1位 ボストン・レッドソックス .792
・2位 ニューヨーク・ヤンキース .781
・3位 クリーブランド・インディアンズ .766
・4位 オークランド・アスレティックス .764
・5位 ヒューストン・アストロズ .754

[ERA・AL]
・1位 ヒューストン・アストロズ 3.11
・2位 タンパベイ・レイズ 3.74
・3位 ボストン・レッドソックス 3.75
・4位 クリーブランド・インディアンズ 3.77
・5位 ニューヨーク・ヤンキース 3.78

[OPS・ナショナルリーグNL]
・1位 ロサンゼルス・ドジャース .774
・2位 コロラド・ロッキーズ .757
・3位 ワシントン・ナショナルズ .753
・4位 ミルウォーキー・ブリュワーズ .747
・5位 シカゴ・カブス .744

[ERA・NL]
・1位 ロサンゼルス・ドジャース 3.38
・2位 シカゴ・カブス 3.65
・3位 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 3.72
・4位 ミルウォーキー・ブリュワーズ 3.73
・5位 アトランタ・ブレーブス 3.75

 両リーグの第5位までを挙げました。

 NLは、OPS・ERA共にドジャースがトップでした。こうなると、リーグチャンピオンシップ勝利とワールドシリーズ進出は「妥当」ということなのかもしれません。

 シカゴ・カブスはOPS5位・ERA2位とバランスの良いシーズンを送ったのですが、ワイルドカードゲームでロッキーズに1-2で敗れてしまい、ポストシーズンで十分にはその力を発揮することが出来ませんでした。
 もちろんロッキーズもOPS2位と、攻撃力で勝ってきたチームですから、その力が一発勝負の場で発揮されたということなのでしょう。

 ブリュワーズはOPS・ERA共に4位ですから、攻守に優れたチームであることを示し、ポストシーズンでもワールドシリーズまであと一歩に迫りました。

 ALでは、レッドソックスがOPS1位・ERA3位とバランスの良さを示しています。
 ヤンキースはOPS2位・ERA5位とやはりバランスが良いのですが、レッドソックスが投打に渡って少し上回ったという形でしょう。

 アストロズはOPSが5位ですがERAが1位、それも3.11と断トツの1位でした。確かに、今シーズンの前半は先発投手陣の5名が全員しっかりとローテーションを守って投げ続けるという、他のチームから見れば羨ましい限りの運営がなされていました。その素晴らしい運営が、2018年のチームの活躍に結びついていたことが良く分かります。

 今回は、チームのOPSとERAを観てきました。

 やはり、レギュラーシーズンで良い成績を残し、ポストシーズンでも活躍したチームは、OPS、ERA共に相応の数値を残しています。

 その面からは、2018年のポストシーズンは「波乱が少なかった」ということになりそうです。
 2018年のレギュラーシーズン、アメリカンリーグALのOPS第1位は、ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手でした。1.088という素晴らしい数値を叩き出したのです。

 OPSは出塁率OBPと長打率SLGを合計した数値で、MLBの打撃部門において「チーム勝利への貢献度の高さ」を示す指標として、近年重要性が増している指標です。

 OPSが「1」を越えると、「リーグあるいはMLBを代表するプレーヤー」の証明となりますので、毎シーズン数人しか居ない、あるいはひとりも居ないシーズンもあります。

 2018年レギュラーシーズンで見ると、「1」を超えているのは、

[アメリカンリーグAL]
マイク・トラウト選手 1.088
ムーキー・ベッツ選手(ボストン) 1.078
J.D.マルティネス選手(ボストン) 1.031

[ナショナルリーグNL]
クリスチャン・イエリッチ選手(ミルウォーキー) 1.000

 の計4人しか居ません。

 ベッツ選手、マルティネス選手、イエリッチ選手は、いずれもチームの地区優勝に極めて大きな貢献をしたことは周知の事実でしょう。

 一方で、トラウト選手は、チームの成績はいまひとつでしたから、「孤軍奮闘」といった活躍であったのかもしれません。(もちろん、大谷翔平選手・投手も活躍しましたけれども)

 このマイク・トラウトと言うプレーヤーは、「常に高いOPSを叩き出す」プレーヤーとして知られています。
 別の言い方をすれば、「常にMLBを代表する野手」であるということになります。

 トラウト選手の過去5年間のOPSを見て行きましょう。

・2018年 OPS1.088(AL1位) OBP.460 SLG.628 四球122個
・2017年 OPS1.071(AL1位) OBP.442 SLG.629 四球94個
・2016年 OPS.991(AL2位) OBP.441 SLG.550 四球116個
・2015年 OPS.991(AL1位) OBP.402 SLG.590 四球92個
・2014年 OPS.939(AL3位) OBP.377 SLG.561 四球83個

 トラウト選手は、2011年にデビューし、2012年以降全てのシーズンで「OPSのAL3位以内」を確保している、素晴らしいプレーヤーです。

 2015年シーズンにおいて、「.991」の記録で初めてリーグトップを達成しました。そして、2017年・18年は2シーズン連続のリーグ1位となっているのです。

 OBP(出塁率)もSLG(長打率)も安定していますが、近時は出塁率の高さが際立っています。2018年シーズンでは.460とリーグ1位です。感覚的には「2打席に1度出塁している」感じなのです。
 攻撃における貢献度は、計り知れないものが有ります。
 何しろ、トラウト選手が打席に立てば、2回に1度は出塁するのですから。

 これには四球が大きな役割を果たしていることも、間違いありません。
 トラウト選手の2018年の四球は122個と、これもAL1位です。2014年シーズンと比較すれば、40個近く四球が増えていることが分かります。

 MLB屈指の好打者に対する相手投手達の警戒と、選球眼の良さが要因であろうと思います。

 2018年の盗塁も24個ですし、中堅手としての守備力、快足を飛ばしての好守備にも定評がありますから、トラウト選手がMLBを代表するオールラウンダーであることも、周知の事実です。
 常に「OPSリーグ3位以内」を確約できるプレーヤーというのは、MLBにおいてさえ「唯一無二」の存在なのです。

 新人王を受賞して帰国した大谷翔平選手が記者会見で、「トラウト選手からは学ぶことしかない」とコメントしていたことも、当然のことなのでしょう。
 アメリカンリーグALのエドウィン・ディアス投手(シアトル・マリナーズ)とナショナルリーグNLのウェイド・デービス投手(シカゴ・カブス)が、2018年シーズンのセーブ王です。

 ディアス投手は57セーブを挙げ、2位のクレイグ・キンブレル投手(ボストン・レッドソックス、42セーブ)、3位のブレイク・トレイネン投手(オークランド・アスレティックス、38セーブ)、4位のアロルディス・チャップマン投手(ニューヨーク・ヤンキース、32セーブ)らを抑えて、圧倒的なトップでした。

 デービス投手は43セーブを挙げ、2位のケンリー・ジャンセン投手(ロサンゼルス・ドジャース、38セーブ)、3位のフェリペ・バスケス投手(ピッツバーグ・パイレーツ、37セーブ)らを抑えて、こちらも独走のセーブ王獲得です。

 ディアス投手は2016年にメジャーデビューした24歳ですが、2017年には34セーブを挙げて頭角を表し、2018年の大ブレイクを迎えました。
 身長191cm・体重75kg、右投げです。

 デービス投手は2009年メジャーデビューの33歳ですが、こちらは先発でスタートし中継ぎを経てクローザに転身、2016年27セーブ、2017年32セーブと存在感を増して、2018年に頂点に立ったのです。
 身長196cm・体重100kg、右投げです。

 両投手は、若手とベテランという違いはあるものの、「近年、急速に力を付けてきた」という点では同じです。
 
 クローザ界の重鎮達の中で、次第に自らの存在感を上げ、ついにリーグを代表するクローザとなったのです。
 
 共に160km/h前後の速球を主体に、ディアス投手はスライダー、デービス投手はナックルカーブを駆使して、共に高い奪三振率を誇ります。

 年齢こそ差が有りますが、クローザとしてはニューフェイスの両投手の今後の活躍に注目です。

 2018年シーズンをワシントン・ナショナルズで戦ったハーパー選手とロサンゼルス・ドジャースで戦ったマチャド選手が、2018年オフシーズンにおけるFAの注目プレーヤーです。

 どちらも「実績十分」なプレーヤーですので、多くの球団による「大争奪戦」が予想されます。
 両選手が共に26歳と、FAプレーヤーとしては「とても若い=今後長く活躍できる可能性がある」ことが、両選手の「市場価値」を一層高めているのでしょう。
 つまり両選手共に、とても若い頃からメジャーリーガーだったのです。
 
 ブライス・ハーパー選手は、ラスベガス高校時代から「全米に知られたスーパープレーヤー」でした。
 アメリカ合衆国最大手、というか世界で最も有名なスポーツ誌「スポーツ・イラストレーテッド」は、ハーパー選手を、2009年6月8日号の表紙に登場させています。「570フィート=約174mのホームランを打ち、96マイル=約154km/hの速球を投げる、16歳」として紹介しています。
 今風に言えば「素晴らしい二刀流プレーヤー」としての紹介であり、「ベースボール界の選ばれし者」と称していたのです。最大級の賛辞でしょう。NBAのスーパースター、「王様」レブロン・ジェームズ選手(同じく、高校生時代に同誌の表紙を飾りました)を引き合いに出して、ハーパー選手を「ベースボール界のレブロン・ジェームズ」とも評しました。

 当然のことながら、MLBドラフトにおいても最上級の評価を得て、2010年のドラフト全体1位でナショナルズから指名を受け入団しました。
 2012年シーズンに20歳でメジャーデビューして以降の活躍はご承知の通りです。
 膝等の故障により、時々出場できなくなるところは少し残念ですけれども、出てくれば常に強烈な打撃を披露してきました。2015年シーズンは、153試合に出場して42本塁打、OPS1.109とリーグ最高値を叩き出したのです。

 また、特筆すべきはその守備力でしょう。主にライトフィールダーとして守るハーパー選手ですが、センターやレフトでも十分に働けるのです。「大型ホームランバッター」にありがちな守備面の不安は無いと言って良さそうです。

 マニー・マチャド選手は、ハーパー選手と同期のドラフトで、野手としてハーパー選手に次ぐ2番手でボルチモア・オリオールズから指名を受け入団しました。
 そして、2018年の7月にロサンゼルス・ドシャースにトレードされ、2018年のワールドシリーズで中心選手として大活躍したことは、記憶に新しいところです。
 こちらも2012年にメジャーデビューし、ショートあるいはサードの華麗で堅実な守備と、シーズン30本以上の本塁打を安定して打てる打棒で鳴らしています。とても「頼りになるプレーヤー」ということでしょう。

 この2選手は、体格も似ています。
 身長は共に6フィート3インチ=約191cmと同じ。野手としては大柄な体躯から、素晴らしいプレーを繰り出すのです。

 この2選手は「FA史上最高額の契約」を示現する可能性があるとも報じられています。
 今オフシーズンの最大の注目点でもあるのです。

 ブライス・ハーパー選手とマニー・マチャド選手の行方は、2019年シーズンの戦いにも大きな影響を与えることでしょう。

 11月13日朝、大谷翔平選手が「新人王」に選出されたとのニュースが入りました。
 嬉しいことです。

 大谷選手の今回の受賞を最も良く表現しているのは、11月12日のニューヨーク・ポスト紙(電子版)のコメントでしょう。
 「アンドゥハー、トーレス(共にヤンキースの選手)はアメージングな大谷には足りない」と評し、大谷選手の新人王受賞を予想したのです。
 今回の選考において、大谷選手のライバルとなったアンドゥハー選手、トーレス選手が所属するヤンキースの地元紙、バリバリのヤンキース応援誌であるニューヨーク・ポスト紙の冷静で客観的で的確な評価でした。

 「アメージング」、これこそがMLB2018年レギュラーシーズンの大谷翔平選手・投手の活躍を最も良く表現している言葉でしょう。

 毎日毎日、「今日の大谷は何をしてくれるのだろう」「何を魅せてくれるのだろう」と、日本のファンのみならず、アメリカのベースボールファン、あるいは普段はベースボールを観ない人々も、「ワクワクしながら」注目し続けたのです。
 
 このような状態が、プロスポーツの「ベストな在り様」であることは、明らかです。
 
 「お金を取ってプレーを見せる」プロスポーツが追い求めなければならない「義務」の究極のゴールが、「アメージングなプレー」「ファンをいつもワクワクさせる」ことであるのは当然です。
 楽しいこと、ワクワクさせてくれることに対して、ファンや観客は喜んでお金を払うのですから。

 少し話が逸れますが、「チームや個人の勝利」も、観ている者を「ワクワクさせる」ひとつの手段に過ぎません。逆に言えば、「ワクワクしない勝利」はプロスポーツにおいては無意味というか有害です。これは、アマチュア・スポーツにおいてさえ無意味・有害なものでしょう。
 いつも書いて恐縮ですが、「勝てば良い」というものではないのです。
 「誰からも支持されない勝利」や「多くの人から敬遠・軽蔑される勝利」というものが、数多く存在するのです。
 そんな勝利は、無い方が良いのは当然でしょう。

 話を戻しますが、2018年の大谷選手・投手のプレーは、常に「ワクワクさせてくれるもの」でした。それも「とても」ワクワクさせてくれるものであったと思います。
 今日も大谷選手が観られると思ってテレビのスイッチを入れた時、「明日登板予定」だから先発出場していないと分かった時の「ショック」というのは、甚大なものでした。これほどがっかりしたのも久しぶりというか、スポーツを観始めて初めてのことかもしれないと感じます。

 アメリカの人々も同じだったようで、SNS等のWebへの投稿で「大谷が出場しているゲーム以外は、ベースボールは観ない」といったものさえ、相当数ありました。
 普段はベースボールを観ない人も、大谷選手・投手のプレーだけは観ようとしたのです。言うまでもないことですが、大谷選手のプレーにそれだけの魅力が備わっていた、「アメージング」であったということになります。
 やはり、「見たことが無いもの」から発せられるインパクトは、想像以上に大きなものなのでしょう。「ハイレベルな二刀流」というのは、そうした存在なのです。

 それだけに、「肘の故障」により投手・大谷が観られなくなった時の「衝撃」や、ファンの心配、失望はとても大きなものだったことでしょうが、選手・大谷はその不安の相当部分を、打者としてカバーしました。肘を故障してから、打撃成績は向上したのです。

 これも凄いことというか、信じられないようなパフォーマンスと言わなければならないでしょう。
 少なくとも21世紀のMLBにおいては、「大谷翔平以外には成し遂げることが出来ない芸当」なのです。

 従って、大谷選手・投手の新人王受賞は、打率やホームラン数、OPS、登板数や勝ち星等々の成績で評価することは出来ないものであろうと思います。

 「凄いホームランだ」、「凄い速球だ」「凄いベースランニングだ」と、一投一打に眼を見張り、歓声を挙げ、とても幸せな気分を味わったこと、他に代替物が無いほどの「アメージング」を提供してくれた「大谷翔平」という存在に、心からお礼を申し上げます。

 2018年シーズンのアメリカンリーグAL最多勝投手は、タンパベイ・レイズのブレイク・スネル投手でした。21勝5敗という、堂々たる成績です。

 コーリー・クルバー投手(クリーブランド・インディアンズ、20勝7敗)やルイス・セベリーノ投手(ニューヨーク・ヤンキース、19勝8敗)、カルロス・カラスコ投手(クリーブランド・インディアンズ、17勝10敗)、リック・ポーセロ投手(ボストン・レッドソックス、17勝7敗)といった、錚々たる投手達を抑えて、今季AL最多勝の栄光を手にしたのです。

 ところで、スネル投手と聞いて、今春直ぐにピンときた方は相当のMLB通でしょう。
 私は、シーズン途中から、「もの凄い投手が現れた」と認識しました。正直なところ、レギュラーシーズン開幕前は全く知らなかったのです。

 2011年といいますから、今から7年前にドラフト1位でショアウッド高校からレイズに入団しましたが、マイナーリーグで2015年までトレーニングを続けました。高校卒業とはいえ、5年間に及ぶマイナー生活を送ったのです。
 それも、AAAに上がったのは2015年の様ですから、マイナーの中でも相当に苦労したように観えます。

 一方で、2015年にAAAに上がってからは、本来の才能が開花した印象が有り、2016年4月23日のヤンキース戦でメジャーデビューを果たし、6月のボストン戦でメジャー初勝利を挙げました。

 しかし、メジャーでの大活躍には、再び時間がかかりました。
 2016年シーズンは19試合に登板して6勝8敗・防御率3.54、2017年シーズンは24試合に登板して5勝7敗・防御率4.04と、先発投手陣の中では「6番目の投手」といった役割でしょうか。

 そのスネル投手が、2018年シーズンで大ブレイクしたのです。

 コントロールが良くなり、150km/h台半ばのストレートとチェンジアップ、カーブ、スライダーを交えての投球が、圧倒的な威力を示したのです。

 いったい「2017年から2018の間に、スネル投手に何があったのか」という感じがします。

 2018年シーズンは最多勝のみならず、防御率も1.89でAL1位、ピッチャーとして現在最も注目されている指標であるWHIP(投球イニング当たりの与四球・被安打数合計)では、ジャスティン・バーランダー投手(ヒューストン・アストロズ)の0.90に次いで、0.97でAL2位という、素晴らしい成績なのです。
 改めて書くことでもないのですが、「打線の援護に恵まれて最多勝投手となった訳では無い」ことは明らかです。

 身長193cm・体重82㎏のスリムな左腕は、25歳にして覚醒した感が有ります。

 さすがに「ドラフト1位」だとも思いますが、7年に及ぶキャリアにおいて「着々と力を蓄えた」ことも間違いないのでしょう。

 21勝・防御率2点切りは、本物にしか出来ない数字だと思います。

 2019年シーズン以降のブレイク・スネル投手の活躍が、とても楽しみです。

 10月26日の第3戦、ゲーム前の始球式にトミー・ラソーダ氏が登場しました。

 91歳のラソーダ氏をエスコートしたのは、NBAロサンゼルス・レイカーズのスーパースター、マジック・ジョンソン氏でした。

 マウンドに向かったカートから、まずジョンソン氏が降り、回り込んでラソーダ氏の手を取りました。
 
 ラソーダ氏は、ホームプレートに2m位まで近づいて投球を行いましたが、それでもボールは届きませんでした。
 体型も相当ふっくらしていましたけれども、91歳になって尚、投球しようとする姿勢と真剣な面持ちは、とても印象的でした。

 ドジャースタジアムの上には、「カリフォルニアの青い空」がいっぱいに広がっていました。
 本当に綺麗な「青」でした。

 ロサンゼルス・ドジャースは、2018年のワールドシリーズで、トミー・ラソーダ監督時代の1988年シーズン以来のワールドチャンピオンを目指して戦いました。

 しかし残念ながら、30年振りの優勝はなりませんでした。

 1勝4敗でボストン・レッドソックスに敗れたのです。

 ドジャースの1勝は、ラソーダ元監督が始球式を行ったゲームでした。
 
 延長18回、7時間20分という、ワールドシリーズ史上最長ゲームでした。

 この歴史的なゲームにおけるドジャースの勝利には、「ラソーダ氏の勝利への飽くなき執念」も加勢していたのかもしれません。
[10月27日・第4戦・ドシャ―スタジアム]
ボストン・レッドソックス9-6ロサンゼルス・ドジャース

 6回を終え、ドジャースが快勝するゲームに観えました。
 試合の流れは完全にドジャースに有ったのです。

① 前半は第3戦と同様の投手戦

 ドジャース先発のヒル投手、レッドソックス先発のロドリゲス投手、両投手は良く投げました。
 ヒル投手のカーブの前に、ボストン打線は手も足も出ない様子でしたし、ロドリゲス投手のキレの良いストレートと上質なコンビネーションも見事でした。

 特に、ボストン打線は、第3戦から「沈黙状態」に入っていましたから、ドジャースとしてはレッドソックス打線が眠っている間に、勝利を決めておきたいところでした。

② プイグ選手の3ランホームラン

 6回裏、ドジャースにチャンスが訪れました。
 ベリンジャー選手の内野ゴロからのレッドソックスの守備の乱れをついて1点を先取。
 続くプイグ選手が、ロドリゲス選手のストレートをレフトスタンドに突き刺しました。
 打った瞬間にそれと分かるホームラン。

 リーグチャンピオンシップシリーズでも観られた、プイグ選手の勝負強い打撃でした。
 以前も書きましたが、ヤシエル・プイグはドジャースのムードメーカーですから、ベンチはもちろんとして、ドジャースタジアムを埋め尽くしたドジャースファンも「お祭り騒ぎ」となりました。

 「自慢のブルペン陣」を考慮すれば、このまま「4-0」でドジャースが勝つと、誰もが信じて疑わない空気が、スタジアム全体に漂ったのです。

 第3戦「歴史的延長戦」を制した勢いそのままに、ドジャースがシリーズの流れをも掴んでいるように観えました。

③ モアランド選手の3ランホームラン

 ところが7回表、先発のヒル投手とリリーフのアレクサンダー投手がひとつずつ四球を与えての1・2塁から、ボストンの代打モアランド選手がライトスタンドに3ランホームランを放り込みました。
 ドジャースのライトフィールダー・プイグ選手が一歩も動けない、大きな当たりでした。

 レッドソックスファンは全米中に居ますから、この日のドジャースタジアム、54000人以上の観客を飲み込んだスタジアムにも、かなりの数のレッドソックスファンが居たわけですが、そのファンが大声援を送りました。
 そしてドジャースのプレーヤーやファンは、「何かおかしいぞ」と感じ始めたのです。

 「快勝」であるはずのゲームに、暗雲が漂い始めたという感じでしょうか。

④ ジャンセン投手が再び被弾

 ドジャースは8回からクローザのジャンセン投手をマウンドに送りました。
 昨日のゲームで2イニングを投げているジャンセン投手でしたが、ロバーツ監督は再び2イニングを任せたのです。

 そして8回表、ジャンセン投手はピアース選手に同点ソロホームランを浴びてしまいました。
 昨日に続いての被弾でした。

 当たりが止まっていた、ボストンの中軸打者ピアース選手のホームランは、レッドソックス打線が目を覚ますきっかけとなりました。

⑤ 9回表の怒涛の攻め

 持ち味であるカットボールのキレが悪く、球速も不十分というジャンセン投手では抑え切れないと見て、ドジャースは9回表、フローロ投手をマウンドに送りました。

 延長戦でもないのに、クローザの後にさらに投手を投入するということ自体が異例のことですので、これでは「抑え切れない」と感じました。
 フローロ投手→ウッド投手→前田投手と繋いだドシャースブルペン陣でしたが、レッドソックス打線の餌食となり5点を献上しました。

 前夜に続いて登板した前田投手も、前夜に比べればストレート・スライダー共にキレが不足していましたから、「目を覚ました」ボストン打線には歯が立ちませんでした。

 結果として見れば、8回からジャンセン投手を投入したドジャースベンチの作戦ミスが最大の敗因に観えますが、9回裏の守備におけるレッドソックスのキャッチャーの様子を観れば、「両ベンチ共にギリギリの人繰りの中で戦っていること」は間違いありませんので、ベンチ采配の巧拙と言うより、「チーム力の差」と考える方が自然なのかもしれません。

 いずれにしても、ドジャースにとっては「痛恨の逆転負け」でした。

 総合力で上回るレッドソックスを相手に、このゲームを4-0あるいは4-1で勝利して、2勝2敗のタイとすることができれば、シリーズを振り出しに戻すことができたのですが・・・。

 レッドソックスが3勝1敗と、2018年のワールドチャンピオンに王手をかけました。

 このままレッドソックスが押し切ると思います。

 ドジャースにとっては「奇跡の3連勝」しか道が無くなってしまいました。
[第3戦・10月26日・ドジャースタジアム]
ロサンゼルス・ドジャース3-2ボストン・レッドソックス
(延長18回・ドシャースのサヨナラ勝ち)

 試合時間という面では「記録ずくめ」のゲームでした。

 ワールドシリーズの最多イニング試合は、過去3度延長14回があったそうですが、このゲームはそれを大きく超えて「18回」まで戦いました。

 MLBの100年を優に超える歴史上、ポストシーズンゲームの最長試合時間も更新したのです。

 「1世紀に1度しか観られない」凄いゲームと言っても良いのでしょう。

 両軍が1本ずつソロホームランを打ち合って、1-1のまま試合は延長に入りました。

 その延長13回の表裏に、両軍ともに守備のミスを犯して1点ずつを失い、2-2となって、延長戦は続きました。

 そして延長15回の裏、前田健太投手がマウンドに上がりました。ドジャースの7人目の投手でした。

 前田投手は、内野安打と四球で無死1・2塁のピンチを招いてしまいます。
 絶体絶命のピンチ。
 前田投手も頻繁に深呼吸をしていましたから、とても緊張していたのでしょう。

 ここでレッドソックスは送りバントに出ました。1死2・3塁として、確実に「1点」を奪おうという作戦でした。
 バスケス選手が三塁方向に慎重にバントしました。
 前田投手は素早くマウンドから駆け下り、3塁に矢のような送球。間一髪アウト。

 目の覚めるようなプレー。
 前田投手のフィールディング能力の髙さを示すプレーでした。

 試合後のインタビューで「何をしてくるのか分からなかったが、1球目からバントの構えをしてくれたので、これは確実にバントさせて、3塁でアウトにしようと思った」と、前田投手はコメントしました。

 高校野球時代から「バントプレーの経験が豊富」な日本人投手の利点も、存分に発揮されたのでしょう。
 「確実にバントさせて」というところが、いかにもという感じがします。
 確かに、バントと分かっていながら、前田投手は「バントがし易いコースに、バントがし易い中速球」を投げ込んだように観えました。
 日本人投手の中でも、取り分けフィールディングに定評のある前田投手にとっては、「バントをしてくれる方がベター」という感じだったのであろうと思います。

 1死1・2塁とした前田投手は、ここから2打者連続三振として、この回のピンチを乗り切りました。
 
 延長15回の裏、ドジャースは得点を挙げることが出来ず、ゲームは16回に進みました。
 16回表も、前田投手はマウンドに上がりました。
 そして、3打者連続三振という見事な投球を魅せました。
 これで、15回から「5打者連続三振」を成し遂げたのです。

 特に、右打者の外角低めへのスライダーのキレは抜群でした。
 前田投手がMLBで戦って行く上での最大の武器であることを明示してくれたのです。

 17回裏には、「代打」としてカーショー投手(選手)が左打席に入るなど、両チームとも残されたプレーヤーは殆ど居なくってきました。
 このまま試合が続けば、「誰が投げ、誰が打つのか」分からない状況が予想されるところまで来ていたのです。

 そして18回裏、マンシー選手がイバルディ投手の投球を捉え、レフトスタンドにサヨナラホームランを打ちこんで、さしもの死闘も幕を閉じました。

 このゲームを落とすようなことが有れば、今シリーズ3連敗となり、ワールドチャンピオンが絶望的な状況になる所でしたから、ドジャースにとっては「MLB史上・ワールドシリーズ史上に残るロングゲーム」を戦ったことはもちろんとして、「勝利し1勝2敗」としたことが、とても大事であったことは言うまでも有りません。

 サヨナラ勝ちの勢いを利しての、ドジャースの反撃が期待されるところです。
[第1戦・10月23日・フェンウェイパーク]
ボストン・レッドソックス8-4ロサンゼルス・ドジャース

[第2戦・10月24日・フェンウェイパーク]
ボストン・レッドソックス4-2ロサンゼルス・ドジャース

 2018年のワールドシリーズWSは、レッドソックスの2連勝で幕を開けました。

 先攻・後攻の有るベースボールにおいて、「点の取り合い」となり、レッドソックスの得点力がドジャースに勝っているという展開の2ゲームでしょう。

 第1戦、1回裏、レッドソックスの1番打者ムーキー・ベッツ選手と、ドジャースの大エース・クレイトン・カーショー投手の対決が象徴的でした。
 粘ったベッツ選手が、最後はセンター前に運んだのです。

 「ベッツ選手が出塁してホームに帰ってくる」というのが、2018年のレッドソックスのプレーでした。(ベッツ選手は今季アメリカンリーグAL得点王です)
 ワールドシリーズの舞台でも、自分達のパターンで戦って行けることを、この対決で示したのです。
 
 また、ボストンの上位打線は良く当たっています。
 第1戦は、1~4番で7安打。第2戦は4安打。1番ベッツ選手、2番ベニンテンディ選手、3番ピアース選手、4番D.J.マルティネス選手というラインナップは、とても強力で好調を維持している感じです。
 「1~3番が出塁して4番で返す」という日本の野球の様な展開がとても効果的なシリーズとなっています。

 この1~3番の特徴は「大きくない」ということでしょうか。3プレーヤーとも身長175cm~180cmと、MLBの野手の中では「普通」あるいは「少し小さい」サイズなのですが、どの選手もとても粘り強く、好打の持ち主です。
 そこに「勝負強さの塊」たるマルティネス選手(今季AL打点王)が控えているのですから、ボストンの得点力は半端なものではありません。

 一方のドジャースは、第1戦でカーショー投手が4イニング・5失点で降板しては、分が悪い。
 第2戦のリュ・ヒョンジン投手も4と2/3イニング・4失点と、レッドソックスの強力打線を抑えきれませんでした。

 レッドソックスにとっては、第2戦先発のデビット・プライス投手の6イニング・2失点の好投も大きかったと感じます。
 ブルペンも、ケリー投手、イオバルディ投手、クローザのキンブレル投手が、それぞれ1イニングを零封するという「理想的な継投」が実現しています。

 第2戦までは、投打ともに「レッドソックスが一枚上手」というシリーズ展開となりました。
 カーショー投手、リュ投手で連敗のドジャースにとっては苦しい展開と言わざるを得ません。

 ホーム・ドシャースタジアムに戻っての、ドジャースの巻き返しが期待されます。
 アメリカ合衆国・ニューヨーク州・クーパーズタウンのベースボール殿堂博物館に、大谷翔平選手が今季公式戦で使用したヘルメット、脛当て、肘当てを寄贈したと、10月11日に報じられました。

 ベースボール殿堂博物館からの依頼に応じたものだそうです。

 「殿堂博物館に自身が使った道具が展示されること」は、MLBでプレーする全てのプレーヤーの憧れの的であることは言うまでもありませんが、そこに「デビューしたてのルーキープレーヤーのアイテム」が展示されるのは、異例のこととなります。
 ましてや「複数のアイテム」ともなると、極めて異例ということでしょう。

 大谷選手・投手は、今季4月にMLB初登板・初勝利を飾った際に、その時に使用した「帽子」を既に寄贈していると伝えられていますから、4アイテムが殿堂博物館に寄贈されたことになるのです。(立派な「大谷コーナー」ができそうです)

 これは、先発投手として、打者として、いわゆる「二刀流での活躍」が、殿堂博物館から高く評価されたことを明確に示す事実でしょう。

 それは、取りも直さず、「1世紀以上ぶり」という活躍の連続に、アメリカのベースボールファンが大注目し、大絶賛していることの表れでもあります。

 既に「伝説」となった感のある「MLB2018年シーズンの大谷翔平」ですが、2019年シーズン以降、この「伝説」をどんどん上積みして行ってほしいものです。
[10月20日・NLCS第7戦・ミラーパーク]
ロサンゼルス・ドジャース5-1ミルウォーキー・ブリュワーズ

 最終の第7戦まで縺れ込んだ、ナショナルリーグNLのリーグチャンピオンシップシリーズCSは、2本のホームランで5点を挙げたドジャースが、ブリュワーズを振り切ってリーグチャンピオンに輝き、ワールドシリーズに駒を進めました。
 ドジャースは2年連続23回目のNLチャンピオンとなったのです。

 第6戦を勝ち、3勝3敗としたブリュワーズが、ホームで戦う第7戦でしたので、互角の両チームとはいえ、ブリュワーズにやや分があるかと観られていましたが、ドジャースは好打・好守でゲームの主導権を握りました。

① 1回・2回は今シリーズ不振のプレーヤーが活躍

 1回裏、ブリュワーズの2番打者、今シリーズ不振をかこっていたイエリッチ選手が、右中間にホームランを放ちました。
 立ち上り、「ボールが来ている」ように観えた、ドジャース先発ビューラー投手の速球にやや詰まったかに観えましたが、打球はドジャースライトフィールダー・プイーグ選手のグラブの上を超えて、ギリギリにフェンスをも超えました。

 第6戦勝利の勢いをそのまま受け継いだかのような、イエリッチ選手のホームランでしたから、ミラーパークは大歓声に包まれました。

 そして2回表を迎えます。
 この回先頭の4番マチャド選手が打席に立つと、ミラーパークは「地鳴りのようなブーイング」に包まれました。
 第4戦、1塁手のアギラール選手の脚を「わざと蹴った」ように観えるプレー、MLBから1万ドルの罰金を科されたプレーに対するブーイングです。
 第6戦から続くこのブーイングの音はとても大きく、とても響くものでした。

 今シリーズの前半は活躍が目立ったマチャド選手でしたが、第6戦以降は鳴りを潜めていましたから、存外このブーイングが堪えているのかなとも感じました。

 そのマチャド選手が三塁前にバントヒットを決めたのです。
 メジャーリーグでは滅多に観られない、大型中軸プレーヤーのバントヒットでした。

 続く5番のベリンジャー選手が、右中間スタンド深いところへ2ランホームランを放ちました。これは会心の当たりでしょう。
 今シリーズ全くの不振であったベリンジャー選手から、会心のホームランが飛び出したのです。

 イエリッチ選手のホームランで傾きかけていたゲームの形勢を、一気に引き戻した大ホームランでした。

 第7戦の1回と2回は、今シリーズ不振であった選手達が結果を残し、ゲームを動かしたのです。

② 5回裏、テイラー選手の超ファインプレー

 第7戦の帰趨に最も大きな影響を与えたプレーを選定するとすれば、このファインプレーでしょう。
 勝敗を決めたファインプレーと言っても良いと思います。

 ドジャースの先発ビューラー投手は、初回こそイエリッチ選手にホームランを許しましたが、以降はしっかりと立ち直りました。
 158km/h前後のストレートが良く決まり、ブリュワーズに連打を許しません。
 5回裏も2アウトを取り、このまま5回を投げ切るかに観えましたが、1番のケイン選手(このところの好調さを示しました)に2ベースヒットを浴びてしまいます。

 ここでロバーツ監督がベンチを出て、ビューラー投手は降板となりました。
 4イニングと2/3、73球、被安打6、奪三振7、与四死球0、失点1の好投でしたので、レギュラーシーズンなら続投もあったかもしれませんが、さすがにポストシーズン・リーグチャンピオンシップシリーズ第7戦ともなれば、交替は自然なことでしょう。
 
 続く打者は、第一打席でホームランを放っているイエリッチ選手ですから、ロバーツ監督は「左」のウリーヤス投手をマウンドに送りました。
 MLBでは「左投手対左打者」は、左投手が相当有利というのが定説になっています。
 あの大谷翔平選手も、相手チームの先発が左となれば、ベンチスタートが多かったのです。

 さて、イエリッチ選手VSウリーヤス投手の対戦は、イエリッチ選手が意地を見せました。NLの首位打者・打点2位・本塁打3位という「あわや三冠王」という好成績を残し、2018年シーズンのNL・MVP有力候補としての意地です。
 レフトフェンス際に大飛球を放ったのです。「抜けた」と感じました。

 ところが、この大飛球を、レフトフィールダー・テイラー選手が、背走し体を一杯に伸ばして、グラブの先で好捕したのです。
 スーパーキャッチでした。

 この打球が抜けていれば、2塁に居たケイン選手がホームインして2-2の同点となり、ブリュワーズにとってはチャンスが続きましたから、ゲームの帰趨は全く分からないものとなっていたことでしょう。
 ホームの大声援も、一段と威力を発揮していたと思います。

 しかし、それら全てをテイラー選手の美技が抑え込みました。
 ミラーパークは静まり返ったのです。

③ 6回表、プイーグ選手の3ランホームラン

 実質的に試合を決めたのは、このホームランでした。

 MLBのプレー構成を変革しつつあるとも言われている、ブリュワーズのカウンセル監督ですが、その特徴でもある小刻みな投手リレーが、6回表にも観られました。

 この回、3イニングを抑え切ったヘイダー投手に代えて、マウンドにセデーニョ投手を送り込みました。最初から、この回先頭のマンシー選手ひとりを抑えるための登板だったのです。

 ところが、セデーニョ投手はマンシー選手にヒットを許してしまいます。その役割期待に応えられなかったのです。

 直ぐにジェフレス投手にスイッチされました。

 ジェフレス投手は、ヘイダー投手らと共に、2018年のブリュワーズの快進撃を支えてきた看板投手です。カウンセル監督としては「自慢の投手陣」を繋いで、1点差のまま終盤の反撃に望みをかける戦略だったのでしょう。

 しかし、ジェフレス投手は続くターナー選手にヒットを許して、無死1・2塁というピンチを招きました。
 続くマチャド選手はライトフライに打ち取って、1死1・2塁。
 続くベリンジャー選手を2塁ゴロに打ち取って、2死1・3塁と、何とか2アウトまで漕ぎつけました。

 そして打席に6番のプイーグ選手を迎えたのです。

 プイーグ選手は、「馬」と称される筋骨隆々(特にお尻の筋肉)のプレーヤーです。喜怒哀楽を表情や行動に露わにするタイプのアスリートでもあり、ある意味ではドジャースのムードメイカーとも言えるプレーヤーですが、一方で「やや淡白なプレー」も指摘されています。

 そのプイーグ選手が、ジェフレス選手の外角スライダーを見事に弾き返しました。
 打った瞬間にバンザイのような仕草を披露しましたから、余程手応えが良かったのでしょう。
 打球は、左中間スタンドに一直線、ライナーで飛び込みました。

 1塁ベース近辺でホームランを確認してからのプイーグ選手の喜び様は大変なもので、ホームベースを踏んでからは、大声を出してベンチに戻り、ベンチの中でも大声を出して「喜びを爆発」させました。
 静まり返ったミラーパークに、ドシャースの選手達の歓声が響き渡りました。

 その爆発に見合うだけの、「値千金の一発」だったのです。

 ドシャースのロバーツ監督は、7回裏2死からクローザーのジャンセン投手をマウンドに送りました。
 クローザーを7回から送るというのは、MLBでも滅多に観られないことで、クローザーに「7.つのアウト」を期待するというか、任せるというのは、2イニング位なら投げられるジャンセン投手といっても、やや荷が重いのではないかと感じました。

 さすがにジャンセン投手は、7回裏、8回裏をピシャリと抑えました。
 4つのアウトの内3つが三振でしたから、ブリュワーズ打線は「手も足も出なかった」のです。

 ミラーパークは、静まり返りました。
 ここでNLCSが行われているとは、信じられない程の「静けさ」でした。

 一方で、8回裏辺りから、ドジャースのブルペンではカーショー投手のピッチが上がりました。
 「まさか、9回裏にクレイトン・カーショーを投入するなんてことは無いだろう・・・」と思いましたが、カーショー投手はガンガン投げ込んでいます。完全に登板の準備なのです。

 9回表のドジャースの攻撃で、ジャンセン投手に代打が出されましたから、投手交代が決まりました。
 そして9回裏、カーショー投手がゆっくりとライト側からマウンドに上がったのです。

 静まり返ったミラーパークには「驚きの空気」が漂いました。

 カーショー投手は、淡々と、ある意味では「簡単に」3アウトを取ったように観えました。

 カーショー投手のこの日のクローザーとしての登板には、謎が多いと感じます。

 確かに、このゲームのブルペンの一員としてカーショー投手は登録されていましたから、ロバーツ監督はゲーム前から「今日はカーショーで締めよう」と考えていたのかもしれません。

 一方で、ワールドシリーズを考えれば、大エース・カーショー投手は「初戦の先発投手候補」でしょう。
 その緒戦は10月23日に迫っているのです。僅か「中2日」で先発させるのでしょうか。
 「十分な休息」という面からは、この登板は有害な物の様に観えます。

 私には、この登板は「カーショー投手が強く希望したもの」に観えます。

 ドジャースの大看板である、クレイトン・カーショー投手から「どうしても投げたい」と言われれば、ロバーツ監督としても断ることは難しいでしょう。

 であるとすれば、カーショー投手としては「20日にクローザーとして登板することが23日の先発に有益である」と判断したことになります。

 さて、MLB2018年ポストシーズンのワールドシリーズは、アメリカンリーグALのボストン・レッドソックスとNLのロサンゼルス・ドジャースの対戦となりました。

 MLB屈指の名門チーム同士の対戦です。

 戦力的には、レギュラーシーズン108勝のレッドソックスに分があると見るのが妥当でしょう。
 投打共に、非常に高いレベルのチームに仕上がっています。

 一方で、「2年連続のワールドシリーズ」であるドジャースには、昨年の敗退への反省と、リベンジに向けた強い気持ちがあります。

 ドジャースがレッドソックスと互角以上のワールドシリーズを戦って行くためには、やはり、クレイトン・カーショー投手の「大車輪の活躍」が、絶対に必要だと思います。
[10月17日・ドシャースタジアム]
ロサンゼルス・ドシャース5-2ミルウォーキー・ブリュワーズ

[10月17日・ミニッツメイドパーク]
ボストン・レッドソックス8-6ヒューストン・アストロズ

 ナショナルリーグNLのリーグチャンピオンシップシリーズ第5戦は、ドジャースが先発クレイトン・カーショー投手の好投もあって、ブリュワーズを押し切り、対戦成績を3勝2敗として、NLチャンピオンに王手をかけました。

 アメリカンリーグALのリーグチャンピオンシップシリーズ第4戦は、レッドソックスが点の取り合いを制して勝ち切り、対戦成績を3勝1敗として、ALチャンピオンに王手をかけました。

 例年同様に、「一投一打」でゲームの流れががらりと変わる激戦が続いていますが、両リーグともに大詰めに来たのです。

 ALの方は、総合的に観てレッドソックスの方が力量的に僅かに上の印象です。
 アストロズは先発投手陣と、粘り強い打線をベースに「とても負け難いチーム」なのですが、レッドソックスはその上を行っている感じで、アストロズを優しく包み込む舞台である筈のミニッツメイドパークで、レッドソックスが連勝しているのが大きいと思います。

 ALは、このままボストンが押し切ると見ます。

 一方NLは、「互角」の戦いが続きましたが、第4戦1-1からの延長戦をドジャースがサヨナラ勝ちで制して、シリーズの流れが少しドジャースに傾きました。
 加えて第5戦の、大エース・カーショー投手の好投は心強い限りでしょう。
 ポストシーズンに入ってから、「なかなか三振が取れない投球」が続いていたカーショー投手ですが、このゲームでは7イニングで9奪三振と本来の投球に戻りつつある印象です。投球に本来の「キレ」が戻ってくれば、MLB最強投手の力を発揮してくることでしょう。
 もしドシャースがワールドシリーズに進出すれば、「強力な軸」となりそうです。
 
 とはいえ、NLCSの帰趨はまだまだはっきりしないと感じています。
 ミルウォーキーの反撃も十分に考えられますので、今後も「1球でシリーズの流れが変わり得る戦い」が続くものと見ます。

 ALのレッドソックスとワールドシリーズを戦うのは、どちらのチームなのでしょうか。
 ポストシーズン真っ盛りのMLBですが、2018年のレギュラーシーズン結果にも、眼を向けて行きたいと思います。
 今回は「シーズン安打数」です。

[アメリカンリーグAL]
1位 ウィット・メリフィールド選手(カンザスシティ) 192本
2位 J.D.マルティネス選手(ボストン) 188安打
3位 ニコラス・カステラノス選手(デトロイト) 185安打

11位 ホセ・アルトゥーベ選手(ヒューストン) 169安打

[ナショナルリーグNL]
1位 フレディ・フリーマン選手(アトランタ) 191安打
2位 クリスチャン・イエリッチ選手(ミルウォーキー) 187安打
3位 ニック・マークエイキス選手(アトランタ) 185安打

 両リーグとも、今シーズンは「200安打打者」が誕生しませんでした。
 ALで毎年のように「200安打越え」を示現してきたアルトゥーベ選手が、今季は故障の為137試合の出場に留まったことが大きかったとは思いますが、MLB全体として、「安打数」への拘りが小さくなったことも、理由のひとつにあるのでしょう。

 今シーズンも「全体の三振数が安打数を上回り」ました。
 現在のMLBでは、「長打の試合勝利への貢献度」が高く評価されていますので、三振を恐れることなく長打を狙っていく形の攻撃が、奨励されているように観えます。
 ヤンキースのジャッジ選手が115安打/152三振・27本塁打、オークランドのクリス・デービス選手が142安打/175三振・48本塁打、テキサスのギャロ選手は103安打/207三振・40本塁打といった具合。

 今後MLBにおいては、「シーズン200安打」という指標の価値が、年々下がって行く可能性があるのかもしれません。

[アメリカンリーグAL地区シリーズ]
ヒューストン・アストロズ<3勝0敗>クリーブランド・インディアンズ

[ナショナルリーグNL地区シリーズ]
ミルウォーキー・ブリュワーズ<3勝0敗>コロラド・ロッキーズ

[NL地区シリーズ]
ロサンゼルス・ドジャース<3勝1敗>アトランタ・ブレーブス

 2018年シーズンの地区シリーズは、早々に3カードの決着が付きました。

 アストロズVSインディアンズは、3ゲームとも接戦となりましたが、「最後はアストロズが押し切った」印象ですので、アストロズの方が地力が上、特に「先発投手陣の安定感」で上回ったというところでしょうか。

 ブリュワーズVSロッキーズも、3ゲームとも接戦でしたが、3ゲームとも先制したブリュワーズが終始ゲームを優位に進め、終盤の得点で勝ち切ったという形。ロッキーズにとっては、初戦のサヨナラ負けが悔やまれるところでしょう。

 ドジャースVSブレーブスは「互角」と見られていましたが、初戦・第2戦のドジャース先発投手の好投が光りました。2試合連続完封勝ちと言うのは、ポストシーズン地区シリーズではなかなか観られないものでしょう。先に王手をかけられてしまい、ブレーブスとしては一矢を報いるのがやっとでした。

 いずれも、レギュラーシーズンの成績上位のチームが勝ち上がったのです。

 これら6チームのレギュラーシーズンの勝ち数を見ると
・アストロズ103勝-インディアンズ91勝
・ブリュワーズ96勝-ロッキーズ91勝
・ドジャース92勝-ブレーブス90勝

 となっていますから、他地区チームやインターリーグのゲームを踏まえたレギュラーシーズンの成績通りの結果になっている形で、今季は「番狂わせ」が少ないことが分かります。

 残る地区、ALのもうひとつのカードが最期になりました。
ボストン・レッドソックス<3勝1敗>ニューヨーク・ヤンキース

 レギュラーシーズンの勝ち星でも、レッドソックス108勝VSヤンキース100勝となっていますから、こちらもレギュラーシーズン成績上位が勝つという結果となりました。
 ヤンキースは第2戦で意地を見せましたけれども、第3戦の大敗で勢いを失ったのでしょう。

 2018年のMLBポストシーズンは、NLワイルドカードにおいて、ロッキーズ(レギュラーシーズン91勝)がシカゴ・カブス(同95勝)を破った以外は、レギュラーシーズンの勝ち数比較通りの結果となったのです。
 
 さて、ポストシーズン2018は、いよいよAL・NLのリーグチャンピオンシップに突入します。

 このままの傾向が続くとすれば、ALはレッドソックスが、NLはブリュワーズが有利と言うことになりますが、それでは「ポストシーズンゲームの意味が無い」という、極端なご意見も出てきそうです。

 アストロズとドジャースの健闘が期待されますし、両チームにはリーグチャンピオンに輝く実力が十分に有ると感じます。
 
 昨2017年シーズン終了後、マイアミ・マーリンズは大幅なチームの改革を実施しました。
 元ヤンキースのデレク・ジータ氏を始めとするチーム首脳陣が、「年俸の高い中心選手達」を放出し、若手主体のチーム作りに取り掛かったのです。

 ジャンカルロ・スタントン選手、クリスチャン・イエリッチ選手、ディー・ゴードン選手らが放出されました。

 マーリンズの屋台骨を支えていた、これらのプレーヤー達の2018年シーズンを観て行きましょう。

 まずはイエリッチ選手。
 ミルウォーキー・ブリュワーズに移籍し、ナショナルリーグNLの首位打者に輝きました。
 打率.326、187安打、36本塁打、22盗塁、OPS1.000という、見事な活躍です。
 打って、走って、守れるという、万能型プレーヤーとして、リーグ最高水準の成績を残したのです。
 イエリッチ選手について観れば、「移籍が才能を開花させた」と言って良いでしょう。

 続いてはスタントン選手。
 売り物のホームランは38本とまずまずでしたが、打率は.266とやや低く、OPSも.852と不本意なものでした。
 ニューヨーク・ヤンキースに移籍して、ややヤンキースの毒気?に当てられたというところでしょうか。

 続いてはゴードン選手。
 シアトル・マリナーズに移籍しましたが、売り物の盗塁こそ30個とまずまずでしたが、打率は.268と不本意なものでした。力を発揮できていないと見るのが妥当でしょうか。

 イエリッチ選手とスタントン選手は、チームがポストシーズンに進出し、両名とも中心選手として頑張っています。
 大袈裟に言えば「解体された」マーリンズの中心プレーヤー達は、さすがに何処に行っても「隠れ無き実力」を示しているのです。

 一方で「大改革」を目指したマーリンズの方は、63勝98敗・勝率.391という散々な成績、MLB全体で見ればボルチモア・オリオールズに次ぐ低い勝率で2018年レギュラーシーズンを終えました。

 「再建途上」ということはあるのかもしれませんが、マーリンズファンから「何も楽しむものが無いチーム」という声が出てきている怖れはあります。

 当然のことながら、プロスポーツは、もちろん勝った方が良いのですが、「勝てば良いというものでは無い」のです。
 例えば、贔屓のプレーヤーが活躍すれば、試合は負けても満足できることも有るのですから・・・。
[10月3日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース7-2オークランド・アスレティックス

 アメリカンリーグALのワイルドカードゲームは、ヤンキースが終始試合をリードして勝ち抜きました。
 ボストン・レッドソックスとの地区シリーズに駒を進めたのです。

 1回表、ヤンキース先発のルイス・セベリーノ投手は「フルスロットル」で入りました。
 全力投球を続けたのです。
 そして、アスレティックスの攻撃を0点に抑えました。
 この気迫が、1回裏の得点に結びついたように感じます。

 1回裏、ヤンキースは1番アンドリュー・マカッチェン選手が四球を選び2番のアーロン・ジャッジ選手を迎えます。そして、ジャッジ選手はレフトスタンドに完璧なホームラン。
 打つべき人が打って、ヤンキースとしては理想的な形で先制したのです。

 2回表からセベリーノ投手は「巡航速度」での投球となりましたが、やはり1回表のフルスロットルが影響したのでしょうか、5回を投げ切ることが出来ませんでした。

 オークランドにも何度かチャンスがありましたが、日本流に言えば「あと1本が出なかった」形です。2死からのヒットが奪えなかったのです。
 両チームとも、特にアスレティックスは継投を続けましたが、形としては「息詰まるような投手戦」が続きました。

 そして6回裏、ヤンキースは4点を挙げ、ゲームを支配しました。

 この回の攻撃では、5番ルーク・ボイト選手のライトオーバーの2点タイムリーが効果的でした。
 アスレティックスのクローザー、ブレイク・トレイネン投手との対戦でしたが、粘りに粘って、外角のスライダーを見事に弾き返しました。トレイネン投手も、いつもとは異なる6回の登板に戸惑ったのかもしれませんが、レギュラーシーズン防御率0.78の好投手からのタイムリーは値千金でしょう。

 ヤンキースは小刻みな投手リレーで、この差をキープし、最期はクローザーのチャップマン投手がしっかりと抑えました。
 
 気迫溢れるベンチ内の雰囲気と、後押しする4万9千人を超えるヤンキースファンに歓喜の瞬間が訪れました。

 さて、予想もされていた、AL東地区1位と2位の地区シリーズが始まります。
 レギュラーシーズン108勝のボストン・レッドソックスと100勝のニューヨーク・ヤンキースの対戦という、極めてハイレベルなシリーズとなります。

 相当強い「今季のボストン」を相手に、田中将大投手がどのようなピッチングを魅せるのかも、とても楽しみです。
 9月24日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナー契約を締結した、元社会人野球パナソニックの吉川峻平投手(23歳)が入団会見を行ったと報じられました。

 大阪出身の吉川投手は、北陽高校から関西大学、社会人野球のパナソニックと野球キャリアを進め、2018年8月10日にダイヤモンドバックスとマイナー契約を結びました。

 身長188cm・体重79㎏の本格派右腕ですが、日本プロ野球での実績は無く、いきなりメジャーに挑戦した形です。
 この「いきなり」については、日本野球連盟の規則に反するものですから、事実上の「日本球界からの永久追放」処分になったと報じられました。

 この日の入団会見で「また野球が出来ることに幸せや喜びを感じた」というコメントが示されたのも、こうした経緯の為でしょう。

 マイナーリーグからメジャーへの階段を上って行かなければならない吉川投手の前には「茨の道」が広がっているのでしょう。ご本人も「今の段階では何も通用しない」と語っています。

 とはいえ、近時、日本球界からメジャーリーグへの挑戦者が減少している状況下、吉川選手の挑戦を応援したいと思います。
 持ち球であるストレートとシンカーに磨きをかけていただき、いつの日かメジャーのマウンドに立ってもらいたいものです。

 また、ダイヤモンドバックスとしては、シーズン74試合登板の日本人投手新記録を打ち立てた平野佳寿(ひらの よしひさ)投手に続く日本人投手として、吉川選手と契約したのでしょう。球団として「日本人投手の良さ」を感じているのかもしれません。

 「また野球が出来ることの喜び」は、吉川峻平投手にとっての最大の武器になるのでしょう。

 9月25日に球団の公式サイトで公表されました。

 9月5日、右ひじ靭帯に新たな損傷が見つかってから、約20日間での決断でした。

 日本に帰って、NPB時代からのかかりつけ医師に相談するとの報道もありましたが、現地の複数の医師に相談の上で、手術を受けることを決めたようです。

① 打者として出場しながら、最速のタイミングでの手術

 レギュラーシーズン終盤の9月、大谷選手はDHとして毎試合のように出場しています。既にポストシーズン進出が無くなったエンゼルスですが、来季に向けて様々なことを試す大切な時期ですし、何よりファンの期待に応えるベースボールを披露して行くのは、プロプレーヤーとしての義務ですから、大谷選手はレギュラーシーズン最後の試合まで出場するのでしょう。

② 打者としても、投手としても、最速でグラウンドに戻ってくるための手術

 2018年10月第1週に手術を行えば、打者としてなら、2019年の前半に復帰できる可能性があります。
 投手としてなら12ヵ月から16か月かかると言われていますから、早ければ2020年シーズンの前半に復帰できるのでしょう。

 いずれにしても「一刻も早くグラウンドに戻ってくる」ことを目指していることは、間違いないのでしょう。

③ 手術前のパフォーマンスを維持するための手術

 大谷投手・選手は、ただ「二刀流」をやれれば良い、ということではなく、投手としても打者としても「MLB最高水準のプレー」をしたいという考え方を継続しているように観えます。

 つまり、投手としてなら160~165kmのストレートとよく曲がる変化球を自在に操ること、打者としてなら初速180km以上・飛距離150m(9月25日時点で実戦では137m弾=4月7日の第3号ホームラン、が最長ですが、試合前の練習では何度も150m弾を放っています)の本塁打を打てる、プレーヤーとしてMLBで戦って行きたいのです。

 こうした理由から、「二刀流」としての1~2年を棒に振ったとしても、「トミー・ジョン手術」を受ける決断をしたのだと思います。

 とても思い切りの良い決断だと感じます。

 世界最高の舞台で、自身最高のプレーを披露して行くためなら「何にでもトライする」という姿勢は、「大谷翔平の存在そのもの」なのでしょう。
 MLB2018のレギュラーシーズンも佳境を迎え、地区優勝チームも出始めました。

 総決算に向けて、各地区の様子を見てみましょう。

[アメリカンリーグAL・東地区]
1位 ボストン・レッドソックス 104勝49敗 優勝
2位 ニューヨーク・ヤンキース 93勝59敗 10.5ゲーム差
3位 タンパベイ・レイズ 85勝67敗 18.5差

[AL・中地区]
1位 クリーブランド・インディアンズ 85勝67敗 優勝
2位 ミネソタ・ツインズ 71勝81敗 14.0差
3位 デトロイト・タイガース 62勝91敗 23.5差

[AL・西地区]
1位 ヒューストン・アストロズ 95勝57敗
2位 オークランド・アスレティックス 92勝61敗 3.5差
3位 シアトル・マリナーズ 84勝68敗 11.0差

[ナショナルリーグNL・東地区]
1位 アトランタ・ブレーブス 85勝68敗
2位 フィラデルフィア・フィリーズ 78勝74敗 6.5差
3位 ワシントン・ナショナルズ 77勝76敗 8.0差

[NL・中地区]
1位 シカゴ・カブス 89勝63敗 
2位 ミルウォーキー・ブリュワーズ 87勝66敗 2.5差
3位 セントルイス・カージナルス 84勝69敗 5.5差

[NL・西地区]
1位 ロサンゼルス・ドジャーズ 85勝68敗
2位 コロラド・ロッキーズ 82勝70敗 2.5差
3位 アリゾナ・ダイヤモンドバックス 79勝74敗 6.0差

 今シーズンは、ボストン・レッドソックスを始めとするAL東地区の強さが際立っています。

 ボストンは100勝を超えて、地区優勝も決めましたが、2番手のヤンキースも93勝とAL西地区のヒューストン以外のどの地区の首位チームより勝ち数が多いのです。そして、東3番手のタンパベイも85勝と、アトランタやクリーブランド、ドジャーズと同じ勝ち数になっています。

 逆に、AL中地区のクリーブランドは、85勝ながら今季MLBいの一番で地区優勝しました。同地区2番手のミネソタでさえ「借金10」でしたので、圧倒的な首位だった訳です。
 やはりリーグ戦というのは「相対的なもの」だと改めて感じます。

 残り10ゲーム余りとなっても大接戦が続いているのは、NL中地区と西地区でしょう。
 首位と2番手の差が2.5ゲームですから、まだまだ逆転の可能性があります。
 特に西地区のドジャーズとロッキーズは、負け数差が2しかありませんので、眼が離せません。

 ワイルドカード争いは、ALはヤンキースとアスレティックスの競り合いが続いています。ホームゲームの取り合いは、最後まで続きそうです。
 NLは、ブリュワーズとカージナルス、ロッキーズの争いです。特に、カージナルスとロッキーズは最後まで分かりません。

 今シーズンは、インターリーグの成績の影響もあって、AL中地区の成績が悪すぎました。

 地区割りの変更という話までは行かないと思いますが、AL中地区の2位以下のチームの強化は喫緊の課題なのでしょう。

 さて、レギュラーシーズンが終われば直ぐに始まるポストシーズンゲームに向けて、どのチームが上手くコンディションを上げてくるのか、見所満点の終盤戦が続きます。

 9月11日、残念なニュースが飛び込んできました。
 
 2017年秋に右肩手術を受け、復帰を目指していた岩隈久志投手が、今シーズン限りでシアトルを退団するというのです。球団からの発表でした。

 今季はマイナーからメジャーへの昇格を目指すシーズンでしたが、なかなか上手く行かず、こうした結果になったのでしょうが、これまでの活躍を考えると少し早いかなという感じがします。

 ストライクからボールになる投球で勝負するのではなく、「ストライク投球」で勝負する岩隈投手は、それだけに「球数を少なく抑えることが出来る」ので、日本出身の投手の中では「最もMLBに適応した投手」であろうと観ていました。

 当然ながら完投能力も高く、2015年8月にはボルチモア・オリオールズを相手にノーヒット・ノーランも達成しています。
 ローテーションピッチャーとしても高い能力を示し、2016年にはシーズン16勝も達成しました。

 こうした実績を保持している岩隈投手の姿を、MLBのマウンドで再び観る日をとても楽しみにしていたのですが・・・。

 ご本人から、「来期(2019年)は日本でプレーしたい。プロ生活をスタートした日本でキャリアを終えようと思う」とのコメントも出されています。
 それを楽しみにしようと思います。

 岩隈久志投手、MLB7年間の通算成績は63勝39敗2セーブ・防御率3.42。

 堂々たる成績です。
[9月14日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース11-0トロント・ブルージェイズ

 先発した田中将大投手は、6イニング・90球を投げて、被安打4、奪三振8、与四球2、失点0の好投を魅せて、今シーズン12勝目(5敗)を挙げました。
 安定感抜群の投球でした。

 初回、フォーシームで入った田中投手は、ピンチとなればスプリットを連投し、トロント打線に的を絞らせませんでした。低め主体の投球でしたが、いつものように高目や内角への投球も交えて、効果的な投球を展開したのです。

 これで4試合に渡って「20イニング無失点」という記録を積み上げています。
 不調な時期の様な「一発病」も無く、ポストシーズンに向けてコンディションの良さを示しています。

 先日10勝目を挙げた際に、「5年連続二桁勝利」が話題となりました。
 MLBデビューから5年連続で10勝以上の成績を続けているのです。
 見事な成績です。

・2014年 13勝5敗
・2015年 12勝7敗
・2016年 14勝4敗
・2017年 13勝12敗
・2018年 12勝5敗(9月14日現在)

 5シーズンで64勝33敗と、相変わらず「勝数が負数を大幅に上回る」成績を堅持しています。当然ながら、MLBにおいても屈指の成績です。

 NPB時代から勝率が高く、2013年には24勝0敗・勝率100%という空前絶後の記録を樹立しているのは、ご承知の通りですが、その持ち味をメジャーリーグでも発揮しているところが素晴らしいと感じます。

 かつては「日本人投手は3年間しか活躍できない」とMLB関係者から指摘されました。
 確かに、松坂大輔投手や佐々木主浩投手のようなNPBを代表する大投手でも、MLBでは3年間しか活躍できませんでした。

 その理由としては、高校野球時代からNPB時代にかけての「投げ過ぎ」による蓄積された疲労や、NPBのボールよりひとまわり大きく重いメジャー球を投げ続けることによる疲労増大や、そもそもNPBで何年も働いた後MLBに行くから、と色々な要因が挙げられていたのです。
 いずれにしても「日本人投手は3年間しか活躍できない」残念な状況が続きました。

 この状況を、先発投手としてまず打破したのは黒田博樹投手であったと思います。
 2008年から2016年までの7年間、ロサンゼルス・ドジャーズとヤンキースで安定した活躍を披露し、79勝79敗という成績を残しました。

 そして今、田中投手が続いているのです。

 2014年1月、田中投手とヤンキースが「7年契約」を結んだというニュースが流れた時、そんなに長く活躍できるのだろうか、と心配する向きもありました。
 しかし、田中将大投手は、それを杞憂としました。

 29歳の田中投手には、野茂英雄投手に続く「MLB100勝」を達成して欲しいものだと思います。
 9月10日の日本経済新聞配信、メジャーリポート・杉浦大輔氏の記事「勝ち星恵まれぬデグロム 異例の最優秀投手候補」をとても楽しませていただきました。

 少し前から感じていたことを、杉浦氏はきっちりと記事にしてくれたのです。

 ニューヨーク・メッツのジェイコブ・デグロム投手(30歳)は、チームのエースにして、MLB屈指の好投手・剛球投手です。
 そのデグロム投手は、今シーズンも素晴らしいパフォーマンスを示しているのですが、不思議なほどに勝ち星に恵まれていません。9月11日時点で8勝8敗なのです。

 デグロム投手の防御率はというと1.68でMLBトップ、それも2番手のクリス・セール投手(ボストン・レッドソックス)の1.97を引き離しての断トツのトップなのです。

 登板試合数はというと、デグロム投手は28、セール投手は23、しかし勝敗はセール投手が12勝4敗と大きく上回っています。
 
 現時点のMLB最多勝である、ブレイク・スネル投手(タンパベイ・レイズ、18勝5敗、防御率2.06、27登板)やコーリー・クルバー投手(クリーブランド・インディアンズ、18勝7敗、防御率2.91、30登板)と比較しても、いかにデグロム投手が勝ち星に恵まれていないか分かります。

 9月3日のロサンゼルス・ドジャースとのゲームでも、6イニングを投げて被安打2・失点1の好投を魅せ、おまけに5回には自ら同点タイムリーヒットを放ちながらも、結局勝ち投手にはなれませんでした。

 とにかく、今季のメッツ打線は打てないのです。

 自責点1以下に抑えた12ゲームで勝利投手になっていないというのですから、MLBのゲーム・シーズンとしては「異常な状況」と言って良いでしょう。

 勝ち数が投手の能力や貢献度を、必ずしも正確に示すものでは無いということは、従来から指摘されてきたことですが、今季のデグロム選手の例は、極めて極端なものになっていますから、MLBナショナルリーグNLにおける最優秀選手賞=サイ・ヤング賞の選考は「とても難しいものとなる」と予想されているのです。

 8月9日のワシントン・ポスト紙には「今季のデグロム(の投球)は勝ち星がいかにばかげたデータであるかを示している」という、強烈な見出しの記事を掲げました。

 とはいえ、一方で「勝ち星は投手のチームに対する貢献度合いを測る上で重要」であるという見方が有るのは当然のことで、様々な意見が出されているのです。

 「いつも打線の援護に恵まれる投手」と「恵まれない投手」の違いが、どこにあるのか、シーズン毎に異なるのか、投球のテンポやアウトカウントの内容等が関係するのか、チーム内のコミュニケーションの影響は有るのか、いつの時代にも様々な形で議論になるところですけれども、それにしても今シーズンのデグロム投手の成績は「極端」です。

 2018年シーズン、NLのサイ・ヤング賞の行方が注目されます。
[9月4日・アーリントンパーク]
テキサス・レンジャーズ4-2ロサンゼルス・エンゼルス

 2番DHで先発出場した大谷翔平選手が、第3打席で右中間スタンドに飛び込むホームランを放ちました。
 今シーズンの第16号でした。

 投手・大谷が故障で一時休止となった時、打者・大谷の目指すべきひとつの道標として、松井秀喜選手のルーキーイヤーのホームラン数16本が存在しました。

 日本人メジャーリーガーを代表するホームランバッターである松井選手の記録は、ことホームランに関するものなら全て、今後の日本人メジャーリーガーの目標なのです。

 そして、打者・大谷はついにこの記録に並びました。
 二刀流として2018年にデビューし、ルーキー打者としては立派な記録を残したと言って良いでしょう。

 「16号ホームラン」には、2つのポイントが有ったと考えます。

① 左投手からの初ホームラン

 右投手と左投手で大谷選手の成績が大きく異なることと、MLBでは「左対左は投手が優位」という概念が確立されている、という事情が重なって、相手チームの先発ピッチャーが左だった時には、大谷選手はベンチスタートという図式が出来あがってしまいました。
 日本時代には見なかった図式です。

 とはいえ、事実としての「成績」もありますので、大谷選手としては「左投手でも苦にしない」という実績を積み上げて行く必要がある訳で、その点では、この初ホームランの意味は大きいのでしょう。

② 右中間スタンドへの綺麗なホームラン

 これまでの大谷選手のホームランが「センター方向」に多いというのは、既に多方面から分析されていて、センター方向に多いことが、打者・大谷の非凡さを示しているとの論評も、数多くなされています。
 実際に大谷選手のホームランを観ると、センター方向のどちらかといえば「左中間寄り」の打球が多いと感じます。

 一方で、「引っ張る当り」は無いのか、とも感じていました。
 左打者であれば、右中間への当りがもっと有っても良いと思っていたのです。

 もちろん、これまでもヤンキースのセベリーノ投手の内角高めの力の有る投球を右中間スタンドに叩き込んだというホームランがありました。素晴らしい打撃(打球初速は180kmを越え、16本塁打の中で最速と記憶しています)と絶賛されたホームランでしたが、これはややラインドライブがかかった打球でしたから、いわゆる左打者が気持ちよく振り切った打球では無かった感じがしました。

 本ゲームの当りは、大谷選手にとって初めての「引っ張った打球」に観えたのです。

 スタッツキャストによれば、初速165km・飛距離126mのホームランとのこと。初速は、通常の大谷選手のホームランの中では遅い方ですし、飛距離も大谷選手としては普通(これが普通というのが凄いところ)ですが、軌道というか飛行線が美しいものでした。
 スタンドに「すーっと」飛び込んで行ったのです。
 こうした「普通?のホームラン」が増えて行けば、普通では無い?ホームランとともに、大谷選手の本塁打数はどんどん増えて行くのではないでしょうか。

 ルーキーイヤーの松井秀喜選手の本塁打数16本に並んだ、このゲームのホームランは、これからの大谷翔平選手にとって、大きな意味のあるものだったのでしょう。
 ボストン・レッドソックスのJ.D.マルティネス選手が好調です。
 打率、ホームラン、打点の3部門でトップ争いを演じているのです。

 8月22日時点のアメリカンリーグAL個人打撃成績・上位3選手です。

[打率]
・ムーキー・ベッツ選手(レッドソックス) .340
・J.D.マルティネス選手(レッドソックス) .333
・ホセ・アルトゥーベ選手(アストロズ) .328

[ホームラン]
・J.D.マルティネス選手 38本
・クリス・デービス選手(アスレティックス) 38本
・ホセ・ラミレス選手(インディアンズ) 37本

[打点]
・J.D.マルティネス選手 108点
・クリス・デービス選手 102点
・ホセ・ラミレス選手 91点

 2018年レギュラーシーズンも130試合近くを消化し、ラストスパートに入っています。
 ボストン・レッドソックスはAL東地区で89勝39敗、日本風に言えば「貯金50」という圧倒的な強さを魅せて、首位を疾走しています。
 ALとナショナルリーグNLの全地区を通じても、断トツの勝率を誇っているのです。
 このまま行けば「シーズン110勝越え」も夢ではありません。

 2番手のニューヨーク・ヤンキースも79勝47敗で「貯金32」と、普通ならば十分にトップに立てる成績なのですけれども、レッドソックスが強すぎる、というのが2018年シーズンのAL東地区なのでしょう。

 そうした状況下、31歳のJ.D.マルティネス選手も自身のキャリア最高の成績を残しつつあります。

 ホームランと打点はトップ、打率が同僚のベッツ選手に続いての2番手、十分に三冠王を狙える位置に居ます。

 打点は2番手のデービス選手に6点差を付けていますので、打点王は相当有力でしょう。
 ホームランは、そのデービス選手と並んでいます。今後も激しい争いが続きそうです。

 やはり、打率・首位打者が一番難しいと感じます。
 何時の時代も、「三冠王を目指すプレーヤーにとって『首位打者』がポイント」となるのです。
 ベッツ選手もライバルですが、現在3番手のアルトゥーベ選手は、首位打者を取るという意欲がとても高いプレーヤーですので、今後の追い上げが予想されるところです。

 いずれにしても、アストロズ→タイガース→ダイヤモンドバックス→レッドソックスと移籍を続け、MLB8シーズン目となり、これまで所謂「個人タイトル」に縁がある方では無かったマルティネス選手が、三冠王を取るとなれば、MLB史上に輝く快挙となることは間違いありません。
 2017年シーズンで45本塁打を放ち、長打力に磨きがかかって来たとは感じていたのですが、2018年シーズンの安打数と打点の伸びは、驚異的です。

 ボストンに来て、大輪の花を咲かせるのか。
 フリオ・ダニエル・マルティネス選手の活躍から眼が離せません。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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