FC2ブログ
HOME   »  大相撲
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 3月25日、日本相撲協会は5月場所の番付編成会議と臨時理事会を開催し(於、エディオンアリーナ大阪)、3月場所で関脇だった朝乃山の大関昇進を満場一致で決めました。
 
 続いて高砂部屋(大阪の宿舎である久成寺)において伝達式が行われ、朝乃山は「・・・大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」と口上を述べたと報じられました。

 このところ、やや意気消沈気味のスポーツ界において、とても明るい話題です。

 朝乃山の最近3場所の勝ち星計が32勝ということで、「目安の33勝」に足りないということが話題に上っていましたが、もとより「33勝」という基準が有る筈も無く、なんとなくそんな感じ、という話ですから、選考基準とは直接の関係は無いのでしょう。

 昭和の頃なら、「30勝」とか昭和45年頃からなら「32勝」が目安と報じられていたと記憶していますが、平成に入ってからは「33勝」といわれることが多くなった感じがします。
 
 皆さんご認識の通り、大関昇進の基準は「継続して、大関の相撲を取れるか取れないか」の一点でしょう。
 では「大関の相撲とは?」ということになりますが、多くの人の眼で観て、「大関の相撲である」と感じられる相撲のことでしょう。
 もちろん、強さも必要なのでしょうが、例えば「注文相撲」ばかりで、「勝つためなら手段を選ばない」という相撲では、国技とされる大相撲の高位の番付を張るには相応しくないことが明らかです。
 
 大関という地位の力士には「強さ」は必要ですが、「絶対に負けない」という必要はないのでしょう。
 端的に言って「汚い、卑怯な取口」で勝ち続けても、ファンの誰もが評価しないどころか、どんどん評価を落とすばかりなのが、日本社会なのです。

 そういう意味から、朝乃山の口上「力士として正義を全うし」という言葉には、とても重みを感じます。
 大相撲の看板力士のひとりとして、是非実行して行って欲しいものです。

 それにしても、将来、2020年3月の朝乃山・大関昇進を思い出す時、それは「新型コロナウイルス感染症の流行」の只中の時期であったことを、誰も忘れることはできないでしょう。

 そして、朝乃山の活躍と、この感染症鎮圧が、並行して進むようなら、「日本国を守る力としての大相撲」の役割が立派に果たされることとなるのです。

スポンサーサイト



 3月8日~22日にかけて開催された、2020年の大相撲3月場所は、横綱・白鵬が13勝2敗で優勝しました。

 千秋楽の「横綱相星決戦」という、7年振りの取組で鶴竜を寄り切りで破ったのです。

 何もかもが「異例」な場所でしたが、最後は番付通りの頂上決戦が行われ、第一人者が優勝するという、最も「順当」な結果となりました。
 35歳になった白鵬が、スピード十分な取り口を魅せてくれたのです。

 新型コロナウイルス感染者が、力士および協会関係者からひとりでも出れば「中止」という、極めて難しい条件下でスタートした本場所は、毎日が「綱渡り」のような運営でした。
 
 八角理事長を始めとする協会関係者が、毎朝力士の体温を気にするという状況が続き、千代丸関が高熱を発した時には、少し天を仰いだかもしれません。
 しかし、千代丸は新型コロナウイルス感染症ではありませんでした。

 そして、「ついに迎えた千秋楽」、結びの一番で白鵬が勝ち、全ての取組が終わった時、多くの相撲関係者の肩の荷が降りたのでしょう。

 おそらくは、15日間を完結できたことが、3月場所最大の成果だったのです。

 関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。

 もちろん、「天運が味方した」面もあるのでしょうが、この「運の良さ」が、元来「大相撲」に備わっているものであるとすれば、そして、それを確認できた場所であったとすれば、「無観客場所の決行」にも意味があったということになりそうです。

 それにしても、結びの一番の後に行われた「協会挨拶」や「表彰式」、そして「神事」は、これまで観たことも無いテレビ映像を提供してくれました。
 若い力士(候補生?)達による行事さんの胴上げが、大相撲の明日を創り出す力になって欲しいものです。

 3月8日、大相撲2020年3月場所・初日を、NHK総合テレビ放送で観戦しました。
 大相撲史上初の無観客場所の初日観戦です。

 想像以上に「無音」の土俵でした。
 そもそも、これまで観たことが無いのですから、大した想像力も働かないのは当然のことかもしれません。
 初めて、無観客場所を観たということなのでしょう。

 力士の柏手の音、四股の音、立合いの音、呼び出しや行事の声、といった音以外の音は全く聞こえません。

 とても静かで、仕切りが進むと、一層静けさが深まる感じさえします。

 「ここで必ず大きな拍手・歓声が湧く」場面で、全く音が無いのですから、最初は「変な感じ」でしたが、取組が進むにつれて、やはり一層静けさが深まる印象でした。

 この違和感は何?、と思いました。

 しばらくして、「大相撲には音楽が無い」ことに思い当りました。

 現代において、「全く音楽が無いスポーツ」は殆ど無いというか、無観客大相撲以外にはあまり存在しないのではないかと思います。

 プロ野球であれば「応援の鳴り物」があります。
 陸上競技や競泳、ボクシングやレスリングであれば、選手が登場する際の音楽。
 サッカーにおいても「応援の歌や鳴り物」があります。

 一方で、柔道や剣道には音楽が無いと思います。

 相撲、柔道、剣道といった、日本古来の「格闘技」には、音楽が無いのかもしれません。

 そのかわり?、相撲、柔道、剣道には観衆の「歓声・拍手」があります。
 そして、その「歓声・拍手」を失っているのが、今回の無観客場所ということになります。

 その無観客場所において、唯一、大きな音を響かせてくれるのが、呼出しによる「拍子木」なのでしょう。
 無観客場所では、とても大きな音に聞こえます。綺麗な音でもあります。

 大相撲の拍子木は「桜の木」製なのだそうです。

 2020年3月場所では、拍子木の音を楽しむことといたしましょう。
 
 3月8日~22日にかけて、エディオンアリーナ大阪を舞台に開催される、大相撲2020年3月場所は、長い歴史上初めての「無観客開催」となりました。
 
 観客が居ない中での土俵がどのような雰囲気になるのか想像も出来ませんが、新型コロナウイルス肺炎感染拡大の中で、開催に踏み切った大相撲界を応援して行きたいと思います。

 「歓声が無い土俵」に強い力士が居るのかどうかも全く分りませんけれども、恒例によって、活躍が期待される10名の力士を挙げて行きます。

1. 横綱陣

 残念ながら近時は、白鵬、鶴竜の両横綱は「15日間を取り切る」ことがなかなか出来なくなっています。ベテランとなり、体のあちこちに故障が有る上に、取組によって故障を発症することも多くなっているのでしょう。

 今場所は、白鵬の頑張りに期待します。

 2011年5月場所=技能審査場所での優勝にも伺えるように、「大相撲の一大事の場所」では、角界の第一人者が役割を果たすことになると考えるからです。

2. 大関陣

 「陣」ではなく「ひとり大関」となった貴景勝の踏ん張りに期待します。

3. 関脇以下の力士

③ 関脇・朝乃山
 大相撲の次代を支える存在として、その活躍は多くの大相撲ファンが望んでいることでしょう。

④ 小結・北勝富士
 相撲に安定感が感じられるようになって来ました。着々と力を付けて行くタイプでしょう。大爆発の場所になるかもしれません。

⑤ 霧馬山
 次代を担うモンゴル勢の筆頭でしょう。朝青龍を継ぐ存在として、期待しています。

⑥ 関脇・正代
 1月場所の準優勝はフロックではないと思います。地力の上に、新しい取口を身に着けた力士の活躍に期待します。

⑦ 徳勝龍
 1月場所の「14勝」1敗の優勝は地力の証明でしょう。一気に三役に駆け上がってください。

⑧ 琴奨菊
 前頭13枚目となれば、この力士の地力はまだまだ上位でしょう。場所の終盤に、三役力士との対戦が組まれる様な活躍を期待します。

⑨ 阿武咲
 ようやく故障が癒えて来たという感じがします。台風の目になって欲しいものです。

⑩ 琴ノ若
 この名前を幕ノ内で聞くのも久しぶりです。既に体重173㎏と立派な体です。思う存分取っていただきたいと思います。

 3月場所は、以上の10力士に注目します。

 もちろん、高安、御嶽海、阿炎の反攻もとても楽しみです。

 感染リスク回避の観点から、エディオンアリーナ大阪周辺での入り待ち・出待ち・滞留行為も禁止された3月場所ですが、私達はテレビの前で手に汗を拭って応援しています。

 頑張れ、大相撲!!
 1月場所では、照ノ富士が十両優勝(13勝2敗)、宇良が序二段優勝(7勝0敗)を果たしました。

 共に幕ノ内の土俵を沸かせた人気力士ですが、共に膝他の故障により、番付を大きく下げていました。
 そして、共に「怪我・故障が次第に良くなり」本来の力を発揮し始めたのです。

 もともと地力が有ることは、誰もが認めるところですから、患部が直ってくれば、現在の番付ならば白星を重ねることに不思議はありません。

 照ノ富士が13連勝した時には、「全勝」も有り得ると言われましたし、その圧倒的な強さは全勝優勝を予感させるに十分でした。
 しかし14日目、錦木との相撲は長い相撲となり、最後は敗れてしまいました。
 久しぶりに15日間取って、少し「疲れが出た」と考えたいと思います。
 故障個所を再び痛めたものでないことを祈るばかりです。

 宇良は、優勝決定戦に登場しました。
 そして見事に勝利しました。
 膝の、特に右膝の大きなサポーターは、痛々しい様子でしたが、相撲内容は元気一杯でした。
 これからも、十分に注意して、持ち味の相撲を魅せていただきたいものです。

 照ノ富士は29歳、宇良は27歳。
 月日ばかりは着実に過ぎて行きます。
 
 急ぎたいが無理は出来ない、歯がゆい思いがあるとは思いますが、おふたりにはお二人にしか取れない相撲が有り、その相撲は「大相撲にとっての財産」なのでしょう。

 幕ノ内での、照ノ富士、宇良の相撲が本当に楽しみです。

 新入幕の霧馬山(24歳)が11勝4敗という好成績で「敢闘賞」に輝きました。

 特に、「8日目からの8連勝」は見事の一語でしょう。

 7日目まででも3勝4敗と、新入幕力士としては頑張っているという印象でしたが、8日目に琴恵光を上手投げで破ってからは、9日目には琴奨菊を送り出し、10日目は剣翔を寄り切り、11日目は東龍を寄り切り、12日目は佐田の海を送り出し、13日目は石浦を叩き込み、14日目は碧山を肩すかし、そして千秋楽は千代丸を送り出しで破りました。

 この「8連勝」の内3勝が「送り出し」という決まり手である所に、霧馬山の相撲の特徴が現れています。
 俊敏性に優れ、相手力士が付いて来られないスピードがあるのでしょう。

 このスピードは「大きな武器」です。

 モンゴル出身力士のひとつのタイプ(例えば日馬富士や朝青龍)の力士が幕ノ内に登場したのかもしれません。
 その朝青龍の新入幕の場所が9勝6敗、同じく日馬富士が8勝7敗であったことを考え合わせると、霧馬山への期待感が高まります。

 霧馬山は、身長184cm・体重138㎏と「小柄」な部類の力士です。
 
 炎鵬、石浦、照強と、小兵力士の大活躍が目立っている大相撲界に、新星が加わったのでしょう。

 陸奥部屋で親方(元大関・霧島)の薫陶を受け、三役、大関へと番付を上げて行っていただきたいものです。


 徳勝龍優勝の熱気も冷めやらぬ1月27日、大関・豪栄道の引退が報じられました。

 大きな衝撃が角界を走りました。

 1月場所、カド番で臨んだ1月場所で5勝10敗と負け越し、3月場所は関脇に陥落することが決まっていましたが、引退することとなったのです。

 数多くの力士の引退を観てきましたが、この引退は「衝撃的」でした。
 まさか「このタイミング」で・・・。

 1月場所の豪栄道は、相当調子が悪そうで、立合いからの眼にも止まらぬスピードで「秒殺」する相撲が影を潜めました。
 5秒以上かかったら豪栄道の相撲では無い、と私は考えていましたから、どこか故障しているのではないか、故障の具合が悪いのではないかと感じていました。

 とはいえ、3月場所は地元の大阪ですから、大観衆の大声援を受けて、「10勝」を挙げ、大関に復帰するのであろうとも思っていました。
 そして万一、3月場所後の大関復帰が成らなかった時には、ひょっとすると引退するかもしれないと感じてもいました。

 「大阪のファンに雄姿を披露する」ことは必須のことであろうと考えていたのです。

 ところが、1月場所の千秋楽後直ぐの表明。
 
 報道内容を観ると、いかにも豪栄道らしい「潔さ」が感じられました。
 「自らの相撲を取ることが出来なくなった」ので引退するというのでしょう。
 大関昇進の際の口上「これからも大和魂を貫いてまいります」を貫徹したとも言えそうです。

 体に、サポーターや包帯を付けない力士としても知られていました。
 体の美しさも力士の大切な要素であり、「力士の大きくて美しい肉体を見に行く」というファンも多い(力士の鍛え上げられた体や肌・肌色の美しさは、なかなかテレビ画面からは伝わり難いところです)のですが、豪栄道は故障している時でも、土俵上ではその体に余計なものは纏わない力士でした。
 大相撲の本質を具現していた存在と言っても良さそうです。

 歴代10位、33場所の大関在位という素晴らしい記録を残して、豪栄道関は土俵去ります。これからは、年寄・武隈となり、親方となって、後進の指導に入ります。
 長い間土俵を彩った力士の引退は本当に残念ですけれども、魅せていただいた比類なき相撲に、心からお礼申し上げます。

 さて、この話には余談もあります。

 私も観ていたのですが、千秋楽のNHKテレビ放送で、向う正面の解説・舞の海氏が、豪栄道の取組前に館内から「豪栄道コール」が起きたことに対して、「(豪栄道が)この一番で引退すると思っているお客さんもいるのでは・・・」とコメントし、正面解説の北の富士氏が、「いないでしょう」と否定し、「舞の海さんは境川部屋のコーチだから何か知ってるね?」と続けたのです。
 もちろん、舞の海氏は否定しましたが・・・。

 舞の海氏が「引退」を知っていたか、いなかったかは分かりませんけれども、翌日の衝撃的な報道を受けて、そういうやり取りがあったことを思い出しました。

 大相撲界に、新しい波が寄せていることは間違いないのでしょう。

[1月26日・両国国技館・千秋楽結びの一番]
徳勝龍○-(寄り切り)-●貴景勝

 幕内出場力士中の番付最上位である大関・貴景勝と、幕尻の徳勝龍の対戦は、まさに「大相撲」でした。

 立合いで当たり合った後、まわしの取り合いがあり、まきかえも有って、左四つに組みました。
 一気に押し出そうとしていた貴景勝にとっては、四つ相撲は避けたいところだったのでしょうが、貴景勝の押しを徳勝龍が組み止めたのです。

 得意の左四つに組んだ徳勝龍は、貴景勝を寄り立てます。
 東と向う正面の間の俵に詰まった貴景勝は、右からの突き落としを見せました。
 強烈な突き落としでしたので、徳勝龍も一度は後退し、今度は東と正面の間に寄り立てます。
 懸命に堪える貴景勝でしたが、圧力に抗しきれず、左足から土俵を割りました。

 おそらく10秒に満たない取組であったと思いますが、攻防に溢れた素晴らしい相撲、「大相撲」でした。
 今場所屈指の大相撲でしょう。

 14日目に、正代との「1敗対決」を制した徳勝龍でしたが、その正代が千秋楽に御嶽海を破り2敗を堅持しました。

 こうなると、後から取る徳勝龍には大きなプレッシャーとなります。
 徳勝龍が結びの一番で敗れれば、「2敗同士の優勝決定戦」になるからです。

 正代は、決定戦に向けて、準備万端という感じでした。

 また、貴景勝とすれば、大関としては絶対に負けられないと考えていたでしょうから、徳勝龍は相当に追い込まれた状況でした。
 時間いっぱい前の仕切りで、呼び出しに「水」を要求したのは、喉がカラカラだったからと、取組後判明しましたが、それ程に緊張した状態だったのです。

 しかし、徳勝龍は「立合いに注文を付けることなく」、堂々と当たって行きました。
 そして、大関と互角のやり取りを披露して、取り切ったのです。
 
 妻は、「こんな相撲が取れるなら、いつもやればいいのに」と言いました。
 それはおっしゃる通りですが、「優勝する力士には何か特別な力が出る」と観るのが妥当なのでしょう。
 徳勝龍にとって、力士人生で最高の場所であり、千秋楽の相撲は「最高の相撲」だったのではないでしょうか。素晴らしい15日間でした。

 さて、3年程前から、上位と下位の力量差が小さくなってきていると、何度も書きましたけれども、将来、2020年1月場所は「力量差が最小になった場所」と位置付けられる可能性が有ります。

 幕尻力士の優勝を始めとして、大関返り咲きを目指した、関脇・高安が6勝9敗と負け越し、カド番の大関・豪栄道が5勝10敗と負け越し、小結・阿炎と大栄翔も負け越しました。とても残念な現実でしょう。
 もちろん、個々の力士のコンディションの良し悪しが、たまたま重なったという面はあるのでしょうが、三役力士で勝ち越したのは、大関・貴景勝と関脇・朝乃山の2力士のみだったのです。
 結果として、多くの白星が前頭の力士に配されるのですから、「大波乱の場所」になるのも、無理は無いという形です。

 3月場所は大関がひとりになります。

 横綱・白鵬、横綱・鶴竜、大関・貴景勝の頑張りが期待されます。

[1月25日・14日目・両国国技館]
徳勝龍○-(つき落とし)-●正代

 13日目を終って12勝1敗で並んでいた両力士が、幕ノ内の前半戦で激突しました。

 仕切りの時には、徳勝龍の「巨体」が目立ちました。体の厚みが凄いのです。

 立合いから両力士の攻防が続き、右上手を取った徳勝龍が正面土俵に正代を寄り立て、体を少し開きました。
 これが正代を呼び込んだ形となり、今度は正代が向う正面に寄り立てます。
 徳勝龍は俵に詰まりましたが、ここで右上手を離して左からの突き落とし。
 これが決まりました。

 正代は寄り立てた際に、少し脚が流れたところが惜しまれます。

 これで徳勝龍は5日連続の土俵際での技による勝利です。
 まさに「土俵際の魔術師」と呼んでも良いような取り口です。

 1月場所の幕ノ内最高優勝の行方を大きく左右する大一番は、徳勝龍の勝利でした。
 13勝1敗とした徳勝龍が「賜杯」に大接近したことは間違いありません。

 「賜杯」といえば、この日は令和に入って初の天覧相撲でした。
 天皇・皇后両陛下、愛子内親王が観戦に訪れたのです。
 この頃の慣例に則って、幕ノ内後半戦からの観戦でした。

 つまり、この大一番は、国技館のロイヤルボックスからはご覧いただけなかったのです。
 1月場所屈指の大相撲を、ご覧いただきたかったとも感じます。

 私も平成時代の1月場所を国技館で観戦していた日が、「天覧相撲」の日になったことがありました。
 天皇・皇后両陛下がご入場された際に、自然に湧き上がった荘重な拍手、鳴り止まぬ拍手、をよく覚えています。
 本当に暖かい空気、独特の雰囲気が場内に漂っていました。

 「天覧相撲」ほど、「国技・大相撲」を感じさせる瞬間は無いのでしょう。

 1月場所も3日目を終えて、各力士のコンディションが相当観えてきました。

① 横綱・大関陣の不振

 「まだ3日目ではないか」というご指摘もあろうとは思いますが、そもそも「2横綱が共に1勝2敗」という事実自体が、実はとても珍しいことではないかと感じます。(4日目には、白鵬の休場が報じられました)

 大関でも、豪栄道が0勝3敗ですから、横綱・大関陣にとっては、大変な場所になっているのです。

② 3勝0敗の力士

 関脇・朝乃山、前頭筆頭・遠藤、同2枚目・北勝富士、同4枚目・正代、同11枚目・輝、同14枚目・照強、の6力士が3戦全勝です。

 この3戦全勝力士たちが、いずれも「とても元気」という印象です。
 おそらく、1月場所を彩る存在なのでしょう。

 中でも遠藤は、2横綱・1大関を破っての3勝ですから、驚異的な活躍です。
 その取組内容も素晴らしい。
 当代屈指の相撲の上手さと、自身の持ち味である「密着相撲」が威力を発揮しています。
 2日目の白鵬戦の勝利後、土俵下に降りた遠藤への割れんばかりの大声援、国技館に響き渡った「遠藤コール」は、滅多に観られない光景でした。

 朝乃山の相撲には、既に「貫録」が感じられます。
 柔軟な取口と、自身の型に持ち込んだ時の強さは、現在の幕内屈指のものでしょう。

 正代も、持ち味を存分に発揮しています。もともと器用な相撲ですが、今場所は「前に出る力」が加わりました。大関候補返り咲きを狙う場所となりそうです。

 輝が一層強くなりました。2019年11月場所から、リニューアルされた強さの片りんを示していましたが、かつては左右に振られると弱さを露呈していたのですが、1月場所では充実感さえ感じさせます。大きな体を活かした相撲で十分に三役を狙えるでしょう。

 照強は、持ち味の「前に出る力」が活きています。
 同じ小兵力士の炎鵬の活躍に刺激されたのかもしれませんが、「照強の相撲」が花開いている印象です。今後も活躍が続くことでしょう。

 こうして観ると、「持ち味を発揮している力士」が好成績というか、良い相撲を魅せているようです。
 各々の力士には、「持ち味を発揮するためのベース」、フィジカルとメンタルの充実があるのでしょう。

③ 貴景勝の強さ

 横綱・大関で唯一気を吐いているのが貴景勝です。

 本当に強くなったと感じます。「番付通りに取っている」大関でしょう。
 2日目は、立合いが合わなかったというか、北勝富士の「巧みな間合い」に、押す力を外された形でしたが、これは、アマチュアの頃から貴景勝を良く知っている北勝富士ならではの取口でしょう。
 この相撲に敗れたからと言って、貴景勝の強さにはいささかの影響も無いと感じます。
 やはり「23歳」、伸び盛りの力が発揮されているのです。

 1月場所は、大波乱の場所となっています。
 良い取組が多い土俵でもあります。

 そうした中で、幕ノ内最高優勝の本命は貴景勝、二番手は朝乃山でしょう。

 そして、遠藤の快進撃がどこまで続くのかにも注目したいと思います。

[1月12日・東京両国国技館]
○炎鵬-(下手投げ)-宝富士●

 体格が全く違うプレーヤー同士が同じ条件で戦う=階級制が存在しない、のが大相撲の特徴のひとつなのですが、炎鵬が土俵立つたびに、「こんなに大きな人と戦って大丈夫なのだろうか」と感じてしまいます。

 この日の対戦相手・宝富士と仕切りをしている姿も、そうでした。

 炎鵬は、体重99㎏と報じられていますが、本当は90㎏くらいしかないのではないかと思います。

 立合いから、炎鵬・宝富士双方が、少し相手力士と距離を取りました。まわしを取りに行かなかったのです。
 10cm単位のやり取りが続いて、宝富士が左上手まわしを取った瞬間から相撲が動きました。
 炎鵬もほぼ同時に、右前みつを取ったのです。

 取組前の解説で、舞の海氏が「宝富士は学生相撲の経験から『小さな力士を相手にするのに』慣れています」と説明されていましたので、宝富士にとっては左上手を取れば十分という体制だったのでしょう。

 一方で、炎鵬にとっても右前みつは得意な形です。
 ここから宝富士の体の下に「もぐりこみ」ました。

 炎鵬の相撲を観ると、よく出てくる形なのですが、首がとても苦しそうです。
 変に動くと、首が折れてしまうのではないかと心配します。
 第一、土俵面が眼の前なのです。

 この体制でやり取りが有った後、炎鵬が前に出ます。とても苦しそうな体制で、宝富士に圧力をかけるのですから、観衆の心配は、ますます増加します。

 そして、機を観て頭を抜き、左からの下手投げ。
 これが豪快に決まりました。

 国技館は、割れんばかりの大歓声。

 炎鵬が勝ったのです。

 大銀杏が結われていたことが分からない程、炎鵬の髪は乱れています。


 現在の大相撲において、人気NO.1力士は炎鵬です。
 土俵入りの時から、声援の大きさはスバ抜けています。

 それもそのはずで、「炎鵬の相撲は面白い」のです。

 小さな力士が大きな力士を倒すという、「小よく大を制す」というベーシックな視点はもちろん有るのでしょうが、それ以上に、よく考えられた取口で懸命にプレーする姿が、共感を、大きな共感を生むのでしょう。

 お客様に喜んでいただく、楽しんでいただく、ことが、プロスポーツにとって最も大切なことであるとすれば、炎鵬は、現在の大相撲界において、最も「プロフェッショナルなプレーヤー」ということになります。

 もちろん炎鵬は、圧倒的に強い力士ではありません。
 前述のような必死の土俵の中で、勝ったり負けたりを繰り返すのです。
 取組前に考えていた取り口が上手くいかなかった時には、あっさり負けることもあります。というか、珍しくなく有ります。
 そうすると、大観衆はとてもガッカリします。

 しかし、炎鵬の人気はいささかも衰えません。
 「明日は面白い相撲を魅せてくれるだろう」とファンの誰もが思い、炎鵬はその期待に応えるのです。
 凄い力士だと感じます。

 勝とうが負けようが、観客に面白いプレーを披露する、という、プロスポーツの本質を炎鵬は示現しているのです。

 勝つこと、好成績を残すこと、優勝することも、観客を楽しませる要素なのですが、それ以上に重要な要素を、炎鵬は実行しているのでしょう。

 プロ野球の読売巨人軍には有名な言葉があります。チーム是と言って良い言葉ですが、「巨人軍は強くあれ」というのです。
 「巨人軍は勝たねばならない」という言葉では無いところが、プロスポーツの本質を表しているように感じます。
 「強くなければ、お客様に楽しんでいただくことは出来ないが、必ず勝たなければならないというものでは無い」、相手チームとの試合の中で、お互いに素晴らしいプレーを披露して、お客様に楽しんでいただく、最高のエンターティンメントを提供することこそが、プロスポーツのあるべき姿である、ということなのでしょう。

 大相撲においても白星は重要です。
 負け越してばかりでは、あっという間に番付が下がってしまいますし、高いスキルをベースとした取り口が、お客様にエンターティンメントを提供することは間違いありません。

 一方で、「何をやってもいいから勝てば良い」というのは、違うのでしょう。

 アマチュアスポーツにおいては「勝利は至上命題」なのでしょうが、プロスポーツにおいては「面白いこと、楽しめること、が至上命題」なのではないかと考えます。

 加えて、我が国、日本においては、「卑怯な手段で勝つ」というのは、最も嫌われることなのです。卑怯な手段で勝つくらいなら、正々堂々と負けた方が良い、とさえ考えられるのかもしれません。(勝利至上主義のアマスポーツにおいても、「卑怯なプレー」は決して正当化されないことは、皆様ご認識の通りです)

 卑怯な手段を用いることは「恥」だという文化。「恥」を背負い、社会を構成する他の人達から「後ろ指を指されながら生きる」ことを、最も嫌う文化。

 大袈裟に言えば、炎鵬関の相撲は「日本文化そのもの」なのかもしれません。

 今日の土俵においても、炎鵬は大歓声に包まれて土俵に上がるのでしょう。

 
 1月12日から、東京両国・国技館で行われる、2020年の大相撲初場所の注目力士検討です。

 2019年の土俵は、「若手とベテランが入り乱れた」感が有りました。
 そして、11月場所は横綱・白鵬の優勝で幕を閉じたのです。
 
 このところ、世代交代という声も上がるものの、現実の土俵を観ると、「若手が伸び悩み」、ベテラン力士を追い抜くまでには至っていないというのが、客観的な評価でしょう。

 長く「大関候補」と言われ続けた御嶽海が、11月場所の負け越しにより「振出し」に戻ってしまいました。
 代わって、現在最もホットな「大関候補」は朝乃山という状況です。

 若手がもたもたしている間に、元大関・栃ノ心が平幕に下がり、元大関・高安も陥落してしまい、大関・豪栄道はカド番です。
 大関が貴景勝ひとりになってしまう可能性もあるのです。

 大相撲の「形」を維持して行くためにも、若手の頑張りが期待される2020年ということなのでしょう。

 さて、注目力士です。

1. 横綱陣

 先場所優勝の白鵬と休場明けの鶴竜となれば、やはり白鵬の活躍に期待するのが自然なのでしょう。
 とはいえ、共にベテランの域に達していますから、まずは15日間を取り切っていただくことが、大切です。

2. 大関陣

 ここはやはり、貴景勝に優勝争いを演じていただきたいと思います。

3. 関脇以下の力士

③関脇・朝乃山

 毎場所強くなっている印象です。この場所を「大関取りの場所」にしてくれるような、大活躍を期待します。

④小結・阿炎

 11月場所は、東小結で9勝6敗と頑張りましたが、番付は上がりませんでした。力を付けています、今場所は二桁白星を期待します。

⑤魁聖

 故障からの回復に時間がかかりましたが、そろそろ全開でしょう。本来の力を発揮できれば、前頭16枚目なら大勝が可能です。

⑥小結・大栄翔

 着々と力を付け小結に上がりました。「強いなあ」と感じさせる相撲が増えています。この番付でどこまで星を伸ばせるか。

⑦隆の勝

 十両と幕ノ内で2場所連続10勝。この力でどこまで上がれるか、とても楽しみです。

⑧遠藤

 11月場所は、千秋楽の琴勇輝戦で敗れて負け越しました。ここが正念場。さらに上を目指すなら、大きな勝ち越しが必要です。

⑨妙義龍

 かつての「三役の常連」がコツコツと勝ち星を積み上げて、ついに前頭筆頭まで復活してきました。良い頃の相撲が観られるようになっています。定位置?の関脇まで、あと一歩です。

⑩霧馬山

 新入幕です。炎鵬や照強といった「小兵力士」の人気が高い現在、もうひとりの小兵力士が登場したというところでしょうか。土俵を沸かせていただきたいものです。

 1月場所は、以上の10力士に期待します。

 大関から陥落した高安については、今回は選外としました。
 10勝以上を挙げて、キッチリと復帰していただきたいと思います。ある意味では、思い切って取れる場所かもしれませんので、10日目まで上手く取れたならば、優勝も狙ってほしいものです。

 2020年は、真の「大相撲新時代」の到来が待たれるのでしょう。
 2019年の大相撲は、「新旧入り乱れた」土俵となりました。
 どの場所でも、どの力士が幕ノ内最高優勝に輝くのか、場所前の予想が出来ない状況でした。
 そうした中で、あの力士が帰ってきたのです。

 11月27日、日本相撲協会は2020年1月場所の番付編成会議を開催し、かえり十両5力士を決め、発表しました。
 その5力士の最後に「照ノ富士」の名前が有りました。

 2015年5月場所・東関脇の番付で初優勝を飾り、翌7月場所に大関に昇進した照ノ富士は、「横綱昇進も時間の問題」と言われた豪快な相撲で角界を沸かせました。
 もろ差しを許しても、外四つで十分に戦える相撲は、当時の横綱・大関陣を震撼させたのです。

 ところが好事魔多し。

 2015年9月場所に右膝を負傷し、2016年1月には右肩を負傷するなど、故障に見舞われ、3度のカド番をいずれも8勝7敗で凌ぎました。(これも凄いことだと思います)
 2017年には、一時期怪我から回復した相撲を披露(3月場所13勝、5月場所12勝)していましたが、残念ながら再発してしまい、11月場所にはついに関脇に陥落しました。

 その後は休場がちになり、2018年3月場所には十両に、同年7月場所には幕下に、同年11月場所には三段目に、2019年3月場所には序二段に、陥落を続けたのです。

 大関経験者で優勝経験者でもある力士が、序二段で相撲を取ること自体が異例のことでしたから、「引退も止む無し」と観られました。
 どちらかと言えば、「良く頑張った」という評価が多かったと思います。

 ところが、この「どん底」の状況から、「照ノ富士の反攻」が開始されたのです。

 怪我や病気(糖尿病)が少しずつでも良くなって来れば、そこは「物が違い」ます。

 序二段、三段目、幕下と瞬く間に駆け上がり、2019年11月場所では7勝0敗で幕下優勝して、一気に「関取に返り咲いた」のです。

 照ノ富士ほど「ジェットコースターのように番付を上下させた」力士は、長い大相撲の歴史においても滅多に居ないでしょう。

 怪我も病気も、いまだ完治してはいないとのこと。

 完治、あるいは完治に近い状況まで回復することができれば、「大関→序二段→横綱」という離れ業も、夢ではないかもしれません。

 2020年の照ノ富士関の活躍が期待されます。
[12月1日・決勝・東京両国国技館]
谷岡選手○-(上手投げ)-●イェルシン選手

 12月1日に行われた、第68回天皇杯全日本相撲選手権大会・決勝の取組において、近畿大学4年生の谷岡倖志郎選手(22歳)が勝ち、初のアマチュア横綱となりました。

 身長180cm・体重125㎏と、現代においては小柄な部類に入る谷岡選手ですが、まわしを引いての巧みな相撲で勝ち上がりました。
 決勝トーナメント2回戦では、振り返ってみれば「実質的な優勝決定戦」ではなかったかと思う、日本体育大学1年生の中村泰輝選手(19歳)との取組で、一気に前に出てくる中村選手(これが中村選手の取口であり、この相撲で11月の全日本学生選手権を制しています)の前みつを離さず、土俵際の上手出し投げで勝利しました。
 いかにも谷岡選手らしい取口でしたし、小兵力士が大きな力士に勝つ相撲そのものであったと感じさせる、見事な相撲でした。

 その後も、相手力士によって取口を変える相撲で勝ち上がり、決勝でも、パルタグル・イェルシン選手の突進を、かいくぐり、いなして右を差し、左上手も引いての上手投げで仕留めました。この大会を通じて、谷岡相撲のポイントであった「いなし」が決勝でも威力を発揮したのです。
 とても「理詰め」の相撲であったと思います。

 ご本人は、横綱・千代の富士の相撲を理想としていると報じられていますが、私には大関・霧島を髣髴とさせる相撲に観えました。
 いずれにしても、勢いに任せて取るのではなく、「相手力士毎に良く考えて作戦を立て、それを土俵上で実践する」という姿勢が、とてもプロ向きだと感じます。

 一方で、ご本人は「プロは目指さず、教員になって子供たちに相撲を教えたい」という希望であると報じられています。

 それが、好力士・谷岡の希望なのかもしれませんし、大相撲に挑戦したからといって成功できる保証もありませんし、その稽古や取組の厳しさは、想像を絶するものなのでしょう。ですから、安易な角界入りなど、考えられないことなのでしょうが、それでも少し「惜しい」と感じるのは、私だけなのでしょうか。

 大相撲11月場所は、横綱・白鵬が14勝1敗で優勝しました。
 43回目の優勝です。自身が持つ最多優勝記録を再び更新するものでした。

 白鵬は2日目に大栄翔に不覚を取りましたが、その後は白星を重ね、終盤は安定した内容の取口で他力士の追い上げを許しませんでした。

 対戦相手毎に、良く考えられた取口で、あらゆる手段を講じて取組に向かう姿勢、別の言い方をすれば、「勝利に対する凄まじいまでの執念」が実った形でしょう。
 千秋楽の貴景勝戦はその典型でした。

 一度目の立合いではじっくりと構えて、結局は「まった」。
 二度目は、腰を割った直後に跳びかかり、貴景勝の意表を突いたというか、先手を取ることに成功しました。一度目の「まった」と二度目の立合いがセットであったと感じさせる、計算し尽くされた取口でした。

 もともと経験十分で、力量も上位の力士が「あらゆる手段」を講じて取組に向かっているのですから、対戦する力士とすれば「それ以上」の研究と細心の注意を払った取口を見せない限り「互角」の勝負は出来ないのは道理で、従って、白鵬が優勝したということになるのでしょう。

 横綱が「あらゆる手段」を講じて、スピード相撲で臨んでくるのであれば、対戦相手の力士も「あらゆる手段」を講じなければなりません。
 2020年の各力士の事前研究と大胆な取口の展開に期待しましょう。

 白鵬を追いかけたのが朝乃山でした。
 11日目まで2敗を堅持し、1敗の白鵬に付いていったのです。
 しかし12日目、御嶽海に敗れて3敗となり、白鵬の独走となりました。

 朝乃山は千秋楽にも正代に敗れて、11勝4敗となってしまいましたが、「初三役」の場所で二桁勝利を挙げた価値は大きいと思います。あの貴花田(後の横綱・貴乃花)も初三役の場所は11勝4敗でした。
 11月場所で技能賞に獲得、そして「年間最多勝」(55勝。小結では史上初の受賞)にも輝いた、朝乃山の今後の成長が、本当に楽しみです。

 殊勲賞に輝いたのは、横綱・白鵬に唯一の黒星を付けた大栄翔でした。
 東前頭筆頭の番付で8勝7敗と勝ち越しました。
 難しい番付での勝ち越しは、「力を付けた証左」でしょう。
 
 敢闘賞は正代。11勝4敗でした。
 千秋楽の朝乃山との一番は「前に出て」の圧勝でした。
 一時は「大関候補」と言われていましたが、近時は勝ったり負けたりの相撲になってしまっていました。
 「胸を出していく」立合いが、もう少し低くなれば、もっと星が上がると言われて久しいのですが、やはり一度覚えた相撲はなかなか変えることが難しいようです。
 要するに「胸を出していく」立合いでも勝てるということなのでしょう。
 地力が有ることは誰もが認めていますので、もう一段上がるために、どのような工夫と稽古を熟していくかがポイントです。

 その他の力士では、まず小結・阿炎の活躍が目立ちました。
 1勝3敗の序盤でしたが、そこから8勝3敗で仕上げたところは、地力を示しました。
 特に、14日目と千秋楽で、貴景勝、御嶽海を連破した相撲は見事。
 ひらりひらりと動きながら、「前に出る力」を示すことができれば、星は自然に上がります。次代の大関候補のひとりでしょう。

 続いては、西前頭6枚目の炎鵬。
 14日目、千秋楽を連勝して勝ち越しました。素晴らしい終盤の粘りです。
 小兵ながら常に良く健闘し、土俵を盛り上げる相撲は、当代随一の人気です。
 来場所は上位との取組が組まれる番付に上がります。
 1月場所・国技館でも、大歓声に包まれることでしょう。

 さらに、西前頭12枚目の隆の勝。
 中日からの7勝1敗は素晴らしい。10勝5敗で仕上げました。
 4つ目のしこ名(舛ノ勝→舛の勝→隆の勝→)が合っているのかもしれません。今後の活躍が楽しみです。

 残念だったのは、関脇・栃ノ心。
 5日目から休場し、2勝3敗10休となって、大関返り咲きはなりませんでした。
 怪我との戦いに勝利していただき、再び、栃ノ心ならではの豪快な相撲を魅せていただきたいものです。

 残念な結果に終わった力士がもうひとり。
 東関脇・御嶽海です。
 11月場所で12勝以上を挙げれば一気に大関昇進が期待されましたが、結果は6勝9敗の負け越し。天国から地獄へという感じですが、場所前から「11月場所はコンディション調整が難しい」と言っていましたので、どうやら11月場所は「苦手」な様子です。
 そうなると御嶽海としては、3月場所、5月場所辺りから成績を上げ、7月場所、9月場所で勝負する形を取らなければならないことになります。
 白紙に戻った「大関取り」に向けて、2020年の奮闘が期待されます。

 序盤戦は「大混戦」を予感させる土俵でしたが、後半は横綱・白鵬が強さを魅せました。

 横綱・鶴竜、大関・豪栄道、大関・高安、友風、逸ノ城、若隆景らの、今場所休場してしまった力士の皆さんの復活も、待たれるところです。治療に専念してもらって、1月場所で元気な姿を見せていただきたいものです。

 2019年は「新旧入り乱れた大相撲」であったと感じます。

 2020年の土俵には、どんなシーンが待っているのでしょうか。


 11月場所の2日目は、大波乱でした。

 横綱・大関が全敗というのも滅多に観られないことだった(本ブログ2019年5月22日付の記事「[大相撲2019・5月場所・11日目] 関脇以上の力士が全敗」をご参照ください)筈ですが、今年に入って2度目の波乱の土俵となってしまいました。

 波乱の始まりは、遠藤VS明生の一番でしょう。前頭・明生が小結・遠藤を突き落としで破りました。
 続いては、御嶽海VS北勝富士。小結・北勝富士が関脇・御嶽海を突き落としで破ったのです。
 さらに、栃ノ心VS妙義龍。前頭の妙義龍が関脇・栃ノ心を引落しで破りました。
 続く、豪栄道VS隠岐の海は隠岐の海の不戦勝で、これは止むを得ないのでしょうが、さらに続く、貴景勝VS朝乃山は、小結・朝乃山が大関・貴景勝を上手出し投げで破り、高安VS阿炎は、小結・阿炎が大関・高安を押し出しで破りました。
 そして結びの一番、白鵬VS大栄翔は前頭・大栄翔が横綱・白鵬を押し出したのです。

 全ての取組で、番付下位の力士が白星を獲得しています。
 「下剋上の極み」という感じですし、「番狂わせ」という言葉を使うのが憚られる様相でもあります。

 大相撲の世界では番付が絶対的な地位を示すものですので、「番付の権威」にも係わる事態でしょう。

 加えて、11月場所は「怪我・故障による休場」が相次いでいます。

 場所開始直前には逸ノ城が、初日開始前には横綱・鶴竜が、初日取組後には大関・豪栄道が、2日目取組後には友風が、休場しました。
 これだけ「連日連続」するのも、滅多に無いことでしょう。

 何やら不穏な空気が漂う11月場所ですが、小結・朝乃山や優勝経験者・玉鷲が2勝0敗で頑張っています。

 まだ2日目ですけれども、ある意味では「大相撲の秩序」が試される場所なのかもしれません。

 11月10日から福岡国際センターを舞台に開催される、大相撲2019年11月場所の注目力士検討です。

 今場所の前頭上位から関脇までの力士を観ると、とても充実していて、横綱・大関陣も含め、誰が優勝しても不思議ではない感じがします。

 今場所も、序盤を上手く乗り切った力士の優勝争いとなるのでしょう。

 さて、注目力士です。

1. 横綱陣

 このところ休場がちであり、精彩を欠いている横綱陣ですが、11月場所では鶴竜に期待します。
 この横綱の集大成と言うべき活躍が期待されるところです。

 大横綱・白鵬については、15日間取り切れるかどうかがポイントでしょう。
 もちろん、まだまだ優勝する力はあります。

2. 大関陣

 こちらも、近時精彩を欠いていますが、今場所は婚約を発表した高安に期待します。
 優勝していない大関と言うのは、珍しくはありませんが、とはいえやはり初優勝で結婚に花を添えたいところでしょう。

3. 関脇以下の力士

① 関脇・御嶽海

 大関取りの場所です。過去1年間の安定感では、全ての力士の中で最上位でしょう。しっかりと取ってくれれば、結果は付いてくると思います。

② 小結・朝乃山

 小結が4人居る場所というのも珍しいのですが、力を付けてきた力士が数多く居るということでしょう。そして「生き残りをかけた戦い」とも言えるのでしょう。

 中でもまず、朝乃山に期待します。2019年3月場所辺りまでは、強い時と弱い時の差が大きいと感じましたが、相当安定してきました。柔軟な足腰を生かした相撲が取れれば、二桁勝利も可能でしょう。

③ 豊山

 そろそろ本格化と観ています。幕内に上がり、十両に落ちて、相撲を磨いてきました。取口が多彩になっていますので、今度は幕内上位を目指す戦いとなります。

④ 阿炎

 4人の小結の一角。前に出る力がポイントとなる力士です。今場所、この力が発揮できれば、ひょっとすると優勝するかもしれません。

⑤ 遠藤

 4人の小結の一角。大相撲の一時代を支えた人気力士も29歳となりました。そろそろ、自らのゴールラインを目指す時期でしょう。故障も相当に癒えた感じですので、大関取りに向けた大相撲を魅せていただきたいものです。

⑥ 隆の勝

 新入幕です。先場所は東十両2枚目で10勝5敗の成績でした。押しを基本とした相撲で、大暴れして欲しいものです。

⑦ 北勝富士

 4名の小結の一角。外連味の無い取口は好感が持てます。あまり大勝ちしないタイプですが、そろそろ「爆発」してほしいものです。

⑧ 逸ノ城

 このまま終わってしまう力士では無いでしょう。「底知れぬ力」と評された実力を発揮する場所です。

 11月場所は、以上の10力士に注目します。

 今後の「大相撲の形」を決めて行く場所になりそうです。

[9月22日・千秋楽]
貴景勝○-(押し出し)-●隠岐の海

[9月22日・千秋楽]
御嶽海○-(寄り切り)-●遠藤

[9月22日・優勝決定戦]
御嶽海○-(寄り切り)-●貴景勝

 14日目を終えて3敗で並んだ、御嶽海、貴景勝、隠岐の海の3力士ですが、千秋楽・本割の取組で貴景勝が隠岐の海を破り、御嶽海が3敗をキープして、優勝決定戦に縺れ込みました。

 そして、この一番を御嶽海が制して、2度目の幕ノ内最高優勝を果たしたのです。

 2横綱が早々に休場し。2大関がカド番からの脱出に注力して本来の相撲が取れないでいる中で、場所をリードし、締めたのは、残る力士の最高位である2関脇でした。

 そういう意味では、大混戦の場所でしたけれども、「番付け」という大相撲の秩序はギリギリ守られたということになるのかもしれません。

 まず、隠岐の海が8連勝で走り、これを明生が1敗で追う展開となって、9日目には両力士が1敗で並びました。
 10日目には両力士が2敗となって、両関脇と朝乃山が並ぶという目まぐるしい展開。
 11日目には、御嶽海と隠岐の海、朝乃山が3敗となって後退、12日目には明生が敗れて貴景勝が単独トップに立ちました。
 その貴景勝も13日目に敗れて、賜杯の行方は3敗力士による争いとなったのです。

 この展開を観てみると、優勝経験のある3力士に隠岐の海、明生が絡んだ形ですので、
 隠岐の海・明生の健闘が目立つと共に、やはり「優勝する力士は何かが違う」ことを表しているようにも感じます。

 御嶽海にとっては、11月場所が大関取りの場所となります。2度目の優勝は大きな実績となることでしょう。

 大関復帰を賭けた場所で、最後まで優勝を争った貴景勝は立派な場所でした。大関の力が十分に有ることを明示して魅せたのです。

 この2力士が、今後の大相撲を支えて行く存在であることは、間違いなさそうです。

 大相撲2019年9月場所は中日を終えました。

 幕ノ内最高優勝の行方は全く分からない、大混戦となっています。

 大混戦の最大の要因は、二人の横綱の休場でしょう。
 白鵬は初日で破れて直ぐに休場、鶴竜は4連勝の後3連敗となって休場しました。
 横綱であっても、コンディションが良くない時には、平幕とも互角の相撲になってしまうという「現状」を示しているのでしょう。

 また、大関陣も二人ともカド番ですから、毎日の土俵で白星を取ることに精一杯という状況です。
 
 横綱・大関陣がそろって不振な場所が「混戦」になるのは、自然なことなのでしょう。

 そうした中で中日勝ち越しを決めたのが、東前頭8枚目の隠岐の海です。
 入幕以来最高の連勝を、ベテランが続けて居るのですから素晴らしい。
 「簡単にはあきらめない」のが今場所の隠岐の海なのです。

 続くのは、西前頭10枚目の明生。7勝1敗です。
 2日目に炎鵬に敗れましたが、それ以外の取組では「強い」という内容のものが多いと感じます。

 そして「6勝2敗」には、数多くの力士が並びます。
 御嶽海、貴景勝の関脇陣、小結・遠藤、前頭の朝乃山、剣翔、石浦、の6力士です。
 虎視眈々と優勝を狙っている形です。

 全勝から2敗までに8力士が居ますから、おそらくはこの8力士の中から優勝力士が出るのでしょう。

 現時点で最も優勝に近いのは隠岐の海なのでしょうが、上位との対戦が早めに組まれる可能性もありますから、全く分からないというのが妥当な見方なのでしょう。

 2019年9月場所は、本当に面白いのです。
 9月8日~9月22日、東京両国国技館で開催される、大相撲2019年9月場所の注目力士検討です。

 7月場所では、横綱・鶴竜の復活優勝の一方で、大関陣がひとりも千秋楽を迎えることができなかったという「異常事態」も発生しました。

 上位陣の不安定さが目立つ昨今ですので、大相撲界にとっては「次代を担う力士」の登場が待たれるところでしょう。

 さて、注目力士です。

1. 横綱陣

 先場所、自らの相撲の完成型を感じさせた鶴竜に、今場所も期待したいと思います。円熟の境地の相撲を魅せていただきたいものです。

 白鵬は、「前に出る力」の復活がポイントになりそうです。

2. 大関陣

 カド番が多く、大関陣にとっては踏ん張りどころでしょう。
 9月場所では、高安に期待します。初優勝を観てみたいものです。

 陥落した貴景勝はコンディション次第。故障の回復が待たれます。

3. 関脇以下の力士

③御嶽海

 東の関脇として、大相撲の次代を担う存在として、大活躍が期待されます。

④朝乃山

 7月場所は、1勝3敗、2勝5敗と前半戦は苦しい戦いが続きましたが、中日からは持ち直し、最後は7勝8敗まで挽回しました。どっしりと落ち着いた相撲を取れば、上位とも互角以上の相撲が取れると思います。

⑤豊山

 幕ノ内に復帰です。もともとコンディションが良ければ、幕ノ内上位の力は十分に有ると思います。私生活の充実も活かして、二桁白星を期待します。

⑥遠藤

 7月場所は、9日目からの7連勝で三役に返り咲きました。この強さが本物であることを証明するのが、9月場所なのです。

⑦豊ノ島

 7月場所は大負けの印象でしたが、実は7勝8敗と踏ん張りました。12日目から14日目の3連勝が大きかったのです。現在の幕ノ内の相撲にもだいぶ慣れてきたと思いますので、「豊ノ島の相撲」を存分に披露していただきたいと思います。

⑧友風

 初土俵以来「負け越し無し」の記録は、いまだに続いています。さすがに前頭三枚目は家賃が高いかとも思いますが、ここも勝ち越して、一気に三役へという可能性も十分にあります。

⑨阿炎

 7月場所は、見後に勝ち越しました。しかも中日から6勝2敗という「後半型」の場所を披露してくれたのです。この勢いで、9月場所も走っていただきたいものです。

⑩逸ノ城

 7月場所の横綱・白鵬を破った一番を出すまでも無く、実力上位は誰もが認めるところでしょう。キチンと取れれば、優勝も夢ではありません。

 9月場所は、以上の10力士に注目します。

 横綱から前頭まで、実力差が小さくなっていますから、9月場所も「誰が優勝してもおかしくない」場所になるのでしょう。

 西前頭16枚目、幕尻の照強が素晴らしい15日間を演じてくれました。

 12勝3敗で敢闘賞に輝いたのです。

 13日目を終わって11勝2敗は、両横綱に次ぐ成績で、当然ながら優勝争いにも加わっていました。

 初日からの5連勝、中日を終えての6勝2敗も見事な成績でしたが、7月場所の照強はここからが凄かった。

 9日目から13日目までの5連勝は、称賛に値する大活躍です。
 
 中日6勝2敗、あるいは7勝1敗から、後半戦で黒星が増え、最終的に二桁勝利に結びつかないどころか、残念なことに負け越してしまうことも、決して珍しいことでは無いのが幕ノ内の相撲なのですが、7月場所の照強は後半戦で勝率を上げて魅せたのですから・・・。

 14日目の北勝富士戦は、「照強の幕ノ内最高優勝の資格」を問う取組でした。
 かつては、こうした「番付からは有り得ない取組」は組まれなかったのです。結果として「平幕優勝」も時折見られたものなのですが、近時は必ず相当上位の力士との取組が組まれるようになりました。
 こうした取組の「是非」については別の記事に譲るとして、照強も前頭筆頭・北勝富士との対戦となりました。
 これは「立合い負け」という相撲で、北勝富士の圧力に屈しました。立合いで先手が取れれば、7月場所の照強(小兵ながら前に出る力がとても強かった)であれば、勝負にはなったと思うのですが、残念な結果となりました。この敗戦で、照強の優勝の可能性は消えたのです。

 凄いと感じるのは千秋楽の取組でしょう。
 同様に好調な場所を披露してきた友風との「11勝3敗同士」の対戦でした。
 前頭7枚目の友風、明らかに格上で相撲が上手い友風を、堂々と「押し出し」て魅せたのです。

 2019年7月場所の「照強劇場」を完結させる、本当に素晴らしい白星でした。

 9月場所では大きく番付を上げる照強関の、上位陣を相手にしての相撲が、本当に楽しみです。

[7月21日・千秋楽]
遠藤-(寄り切り)-北勝富士

 9勝5敗同士の対戦となった、前頭筆頭の北勝富士と前頭2枚目の遠藤の一番は、激しい攻防の応酬となりました。

 立合いから北勝富士が押して出ます。持ち味の相撲です。
 遠藤は堪えて、まわしを狙いますが、北勝富士の突き放しが強烈ですから、なかなか回しに手がかかりません。
 遠藤は引き足で土俵伝いに後退します。これを北勝富士が追いかけ、押し立てます。

 ここで遠藤は、さがりをしっかりと掴んで、押しに堪えます。
 遠藤の持ち味である「密着相撲」を実現するためには、まわしが必要なのですけれども、まわしが取れないとなれば「さがり」を掴んででも、北勝富士との距離を保とうとしたわけです。
 「さがり」が取口の中で使用されることは多くはありませんが、この取組ではとても重要な役割を果たしました。

 遠藤を追いかけ続ける北勝富士は、遠藤との間に少し距離が出来たところを、西土俵に押し立てます。
 しかし、上体が伸び切ってしまい、自慢の押しの威力が弱かったこともあってか、遠藤が良く持ちこたえ、両力士は再び土俵中央に戻りました。

 遠藤の右下手、北勝富士の左上手の半身の体勢。
 この形からなら、北勝富士の上手投げが有利だと思いました。遠藤が寄って出た時に打つのです。

 しかしここで遠藤は「真っ直ぐに押し」ました。
 この「真っ直ぐな押し」が効果的で、北勝富士は土俵を割りました。

 両力士が持ち味を発揮した、2019年7月場所屈指の「大相撲」であったと思います。

 この場所、技能賞に輝いた遠藤は、さすがの相撲でした。
 「さがり」を握りしめての粘りや、土俵際での防戦など、随所に「上手さ」を発揮していました。当代随一の技能派の本領を発揮したのです。
 これで10勝5敗としましたから、9月場所は三役に返り咲く可能性が高いと思います。

 7月場所は膝などのコンディションも良かったのでしょう。
 9月場所でもコンディションを維持していただき、「遠藤の相撲」を存分に披露していただきたいものです。
[7月21日・千秋楽]
鶴竜-(寄り切り)-白鵬

 鶴竜が白鵬との千秋楽・横綱対決を制して優勝を決めました。

 立合い、白鵬が左に少し変化して左上手を確保しました。
 右四つの体制となり、鶴竜はなかなか上手が取れませんでしたが、何回かのトライで、これを確保しました。
 そして鶴竜は巻き替えを狙いますが、さすがに白鵬も容易にはこれを許しませんでした。

 これも何回かのトライの中で鶴竜が巻き替えに成功し、一時はもろ差しとなりましたが、鶴竜はこの体制を嫌い、右上手を自ら抜いて、今度は左四つとなりました。
 この時の、鶴竜の動きはとても素早いものでした。

 左四つのまま両横綱の攻め合いが続きましたが、鶴竜の前に出る圧力が勝り、東土俵で今度は鶴竜がもろ差しとなって、一気に白鵬を西土俵際に押し込みました。
 白鵬は土俵際で粘りを見せましたが、鶴竜はしっかりと寄り切って白星を物にしました。

 鶴竜の落ち着いた取り口が印象的な一番でした。

 場所前は、腰の故障で出場も危ぶまれた鶴竜でしたが、初日から良い相撲を続けました。
 悪い癖である「無理なはたき込み」も無く、堂々たる取口の相撲を披露し続けたのです。
 13日目の友風戦だけは、頭を下げ過ぎてよもやの叩き込みに敗れましたが、取組後に本人が言っていたように、これはやや油断した感があります。「立ち合いで突進を止めれば勝てる」と考えたのでしょう。
 これ程に充実した場所でも、こうした一番が生ずることを思えば「全勝」の難易度の高さが改めて分かります。
 この一番以外は、とても安定した横綱相撲を展開した鶴竜の優勝は自然なことのように感じられます。
 鶴竜にとって、キャリアで最も安定した取口の優勝だったと思います。

 一方の白鵬は、今場所は「前に出る力」が不足していました。
 これは初日から不足していて、相手の動きを観ながら勝機を見出す相撲で、何とか白星を重ねていましたが、強引な技も目立ちましたから、調子は悪かったのでしょう。
 こんな状態でも「中日勝ち越し(48度目)」を成し遂げてしまうところが、白鵬の相撲の奥行きの深さを感じさせるところでもあります。

 こうした状況で後半戦を迎えた白鵬ですが、やはり疲労も出てきたのでしょう、9日目に逸ノ城に完敗を喫しました。
 相手の動きを観ながら勝機を見出していく相撲では、がっぷり四つとなっては分が悪いのです。ましてや怪力・逸ノ城ですから、ジリジリと寄られて、為す術も無く寄り切られてしまいました。

 こんなに調子が悪いのに、この後13日目まで1敗のドライブを続けたのは、ある意味では凄い感じがしますが、その内容は「乱暴な相撲」という指摘を受けそうに見えました。
 格闘技において重要な、対戦相手の重心移動の把握や、相手の体制を「合理的に」崩す動きといった、基本的な技が無く、強引に押さえつけたり引いたりする取口は、横綱=最高峰の相撲とはかけ離れたものという指摘も、止むを得ないものだったとも感じますが、一方で、その「白星への執念」が最高レベルであることは、間違いないでしょう。

 4大関全員が、場所の途中で土俵から居なくなるという「緊急事態」については、2名の横綱が締めてくれたことで、土俵の秩序は保たれたと評価されるべきでしょう。
 2横綱は、「番付の重み」を証明して魅せたのです。
 
 「当たり前のこと」というご意見もありそうですが、それはやはり簡単なことでは無く、立派なことでしょう。

 2019年7月場所は、「横綱・鶴竜の相撲の完成形」を魅せていただいた場所であったと感じます。

 7月17日朝、大関・高安の休場が公表されました。
 これで、貴景勝、栃ノ心、豪栄道に続いての高安の休場となって、「大関不在の7月場所」となってしまいました。
 四大関体制においての全員休場は、昭和以降史上初めての事態と報じられています。

 大相撲界にとっては「恐れていたことが現実になった」ことになります。

 33歳・大関在位30場所の豪栄道はベテランであり、体のあちこちに古傷が有るのは止むを得ない面が有ります。
 31歳の栃ノ心は常に膝の故障を抱えており、悪化すればどうしても休場になります。
 貴景勝は、2019年5月場所での故障から回復途上にあり、来場所は関脇に陥落します。

 そうなると、常に土俵に立っている可能性が最も高いのが、29歳・大関在位13場所の高安なのですが、その高安が8日目の玉鷲との一番で左肘を故障してしまい、何とか10日目までは取りましたが、ついに休場に追い込まれてしまったのです。

 こうした事態=「大関不在」のリスクは、以前から指摘されていました。
 このリスクに対しては「若い大関」の誕生が待望されていたわけで、貴景勝の昇進は、大相撲界にとって大慶事だったのです。
 ところが、その貴景勝が早々に陥落してしまうとは・・・。

 さらなるリスク=番付としての大関0人、についても認識しておく必要があるでしょう。(協会関係者や多くの大相撲ファンなら、百も承知のことなのでしょうが)
 来9月場所は、高安、豪栄道、栃ノ心の3大関体制となりますが、豪栄道と栃ノ心はカド番です。
 万が一、両力士が負け越し、貴景勝が関脇において10勝を挙げることができなければ、11月場所の大関は「高安ひとり」になってしまう怖れが有ります。
 その高安も、肘の回復が遅れ9月場所に出場できるかどうかは、分からないのです。(元鳴門部屋、元横綱・隆の里から相撲を学んだ高安にとっては、左肘は生命線です)

 「悪いことばかり想像するのは・・・」というご意見もあるのでしょうが、国技・大相撲の運営・経営に携わる者であれば、しっかりと認識しておく必要があるリスク、それも可能性が極端に低いリスクでは無く、十分に起こり得るリスクなのです。

 その面からは、「7月場所で高安が勝ち越した後に休場した」ことは、とても重要なことなのでしょう。
 もし高安が10日目から休場、あるいは10日目に明生に敗れていれば、9月場所は全3大関がカド番という異様な場所、大相撲界にとってはハイリスクな場所となる可能性があったのですから。

 悪い話ばかりを書いて恐縮ですが、更なるリスクが存在することも、多くの方々が感じているでしょう。

 それは「横綱・大関0人のリスク」です。

 白鵬、鶴竜の両横綱も近時は休場がちであることは周知のことです。
 大きな怪我を負うことが有れば、引退に追い込まれる可能性もあるでしょう。

 「全横綱・大関が休場」することによる、「横綱・大関不在の場所」というリスクは、決して有り得ないことではありません。

 更には「2横綱の引退と全大関の引退・陥落」によって、「番付から横綱・大関が居なくなる」可能性も0とは言えません。十分に有り得ることのように観えます。

 最高番付が「関脇」となる土俵・場所は、協会としては何としても避けなければならないのでしょうし、大相撲ファンも「そんな場所は見たくない」でしょう。
 当然ながら「若手力士の大関・横綱への昇進」が待望されることになります。

 残念ながら、大相撲界は相当追い込まれています。

 あまり時間が無いのです。
 7月16日、安美錦の引退が報じられました。

 今場所2日目に右膝の怪我が悪化し3日目から休場していました。
 このままでは幕下に陥落してしまうと心配していましたが、この日の引退発表となったのです。
 致し方無いことなのでしょうが、大ファンのひとりとしては、とても寂しい気持ちです。

 もう「あの相撲」が観られないのです。

 相撲どころ青森県深浦町出身。
 1997年初場所18歳で初土俵を踏み、2000年の名古屋場所で新入幕、ここまでは20世紀の話です。爾来今日まで土俵を湧かせてきました。振り返ってみれば「気の遠くなるような」歳月です。
 40歳となった現在、幕内最年長力士としても長く土俵に上がり続けた安美錦ですから、輝かしい記録も沢山あります。
① 通算勝ち星 907勝(歴代8位)
② 三賞受賞 10回(殊勲4、敢闘2、技能6)(歴代10位タイ)
③ 金星 8個(現役最多タイ)
④ 関取在位 117場所(歴代1位タイ)

 角界を代表する「技能派力士」としての存在感は何時の時代も大きく、「大相撲の看板力士」として輝き続けた力士人生でした。

 とはいえ、こうした「記録」もさることながら、安美錦は「記憶」に残る力士であったと感じます。

 技能派といっても、基本的には「持ち前の前に出るパワー」をベースにした取り口でした。
 相手力士が「安美錦が何かやるに違いない」と腰を引いて準備していると、そのまま押し出すという相撲が多かったと思います。肩や背中や腰で押し出すこともありました。
 もちろん、立合いや土俵際での「巧みな相撲」は常に大向うを唸らせるものでした。
 ファンが多かったことは、言うまでもありません。

 「技のデパート」というよりは、「こうすれば相撲に勝てる」という自在の攻めが多かったのです。
 相手力士の特徴を良く把握し、その取組の流れを計算に入れ、勝つために必要なプレーを展開するというタイプの「技能派」でしょう。
 「送り投げ」や「送り引き落し」といった技は、安美錦らしい決まり手かもしれません。
 こうしたやり方が、安美関に最も合っていたのだと思います。

 その意味では、「他に類を見ないタイプ」であったようにも感じます。
 大袈裟に言えば「安美錦の前に安美錦無く、安美錦の後にも安美錦無し」ではないでしょうか。

 引退後は年寄「安治川」を襲名すると報じられています。

 安治川親方には、第二の安美錦を育てるのは相当に難しいと思いますので、個々の力士の持ち味を最大限生かす育成、に注力していただければと思います。
 7月7日、愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で開幕する、大相撲2019年7月場所の注目力士検討です。

 平幕・朝乃山の優勝で幕を閉じた5月場所ですが、上位と下位の力量差が小さくなっている現状では、どの場所も「誰が優勝してもおかしくない」のでしょう。
 7月場所も、序盤で勢いに乗った力士が活躍することになりそうです。

1. 横綱陣

 出場することができれば、白鵬の安定した取口が期待されます。

2. 大関陣

 奮起を期待したい大関陣では、復帰した栃ノ心に期待します。

3. 関脇以下の力士

③御嶽海

 定位置?である関脇に戻りました。良く考えて取る相撲は健在です。

④阿炎

 力を付けてきました。そろそろ「爆発」しても良い頃でしょう。

⑤北勝富士

 朝乃山が優勝したのなら自分も・・・と考えているでしょう。押しの強さが15日間続くようなら、大活躍が期待できます。

⑥逸ノ城

 5月場所は不甲斐ない内容でした。どこか故障していたのではないかと思います。それを治しての7月場所では、本来の相撲が期待されます。

⑦阿武咲

 5月場所では、本来の押し相撲が不発でした。このところ、やや勢いに欠けますが、調子が戻れば二桁勝利も狙えます。

⑧朝乃山

 連続優勝となれば、一気に大関昇進も夢ではありません。十分な潜在能力も具備していると思います。

⑨遠藤

 現在の大相撲に欠かせない力士でしょう。上手い相撲で大活躍してほしいものです。

⑩貴源治

 5月場所は13勝2敗で十両優勝を飾りました。かねてから「大器」と目されていた力士も23歳になりました。一気に駆け上がるために、大切な場所です。

 7月場所は、以上の10力士に期待します。
 やや上位に偏った選定となりましたが、幕ノ内上位から三役にかけては、力量差がとても小さいので、こうした形になったものです。

 「大混戦」の、そしてとても面白い、7月場所になるのでしょう。

 6月24日朝、7月場所の番付が発表されました。

 西小結は竜電でした。初の三役です。

 どんな力士にとっても、関取になる(十両昇進)→入幕(幕ノ内に昇進)→三役昇進は、角界入りした時の目標でしょうし、達成することは無上の喜びなのでしょうが、竜電の場合には「ひとしお」という感じがします。

 竜電は「一度関取に昇進し、序の口まで落ちてから、三役に昇進した」史上初めての力士なのです。
 本当に凄いことだと感じます。

 2006年3月場所でデビューした竜電は順調に昇進を続け、2012年11月場所には新十両となりました。ついに関取となったのです。
 ところが好事魔多し。
 この11月場所8日目に右股関節を骨折してしまいます。

 股関節、腰の骨を骨折するというのは「余程のこと」であり、その後再起をかけた竜電は、同じ個所を3度骨折してしまいます。
 そして、休場を重ねて、ついに序の口まで下がってしまいました。2014年1月場所の事です。

 2014年9月場所で序の口優勝するまで、5場所連続の序の口でした。
 1月場所から7月場所まで「4場所連続・1勝6休」を続けています。「全休すれば番付外に落ちてしまう」ために、各場所1番だけ取り、1勝していたのです。
 「もの凄い執念」と表現するのも憚られる様な、大相撲への意識でしょう。

 2014年9月場所、7戦全勝で優勝してからの竜電は、とても安定した強さを魅せ、超速で再十両を果たすと、新入幕そして新三役と、着実な歩みを示現しています。見事という他は無いでしょう。

 1990年生まれの28歳、遅咲きの三役です。
 身長190cm、体重152kgという堂々たる体躯を誇りますが、竜電関の強みは何と言っても「卓越した精神力」なのでしょう。
 その精神力をベースとした相撲、良く研究された相撲で、大関を目指した頂きたいものです。


[5月26日・千秋楽]
友風○-(押し倒し)-●佐田の海

 西前頭9枚目の友風と西前頭13枚目の佐田の海の7勝7敗対決となった一番は、友風が押し倒しで勝ち、勝ち越しを決めました。

 前頭9枚目の友風にとっては、7勝8敗・ひとつの負け越しであれば、十分に幕ノ内に残留できますし、大きく番付を落とす可能性も小さいのでしょうけれども、ここでは「勝ち越し」がとても大きな意味を持ちました。

 何しろこれで、「初土俵以来13場所連続勝ち越し」となったのですから。

 いわゆる「連続勝ち越し記録」ということであれば、元横綱・武蔵丸の55場所連続が大相撲におけるNO.1記録であることは良く知られていますが、それは「強くなってからの勝ち越し記録」なのです。

 初土俵からの連続勝ち越し記録というのは、なかなか見られないものでしょう。

[友風の初土俵からの連続勝ち越し記録]
・2017年7月場所 東序ノ口25枚目 7勝0敗(序ノ口優勝)
・2017年9月場所 東序二段15枚目 6勝1敗
・2017年11月場所 東三段目53枚目 7勝0敗(三段目優勝)
・2018年1月場所 東幕下31枚目 5勝2敗
・2018年3月場所 東幕下18枚目 4勝3敗
・2018年5月場所 東幕下13枚目 4勝3敗
・2018年7月場所 東幕下10枚目 5勝2敗
・2018年9月場所 西幕下4枚目 5勝2敗
・2018年11月場所 西十両11枚目 12勝3敗(十両優勝)
・2019年1月場所 東十両4枚目 10勝5敗
・2019年3月場所 東前頭13枚目 9勝6敗
・2019年5月場所 西前頭9枚目 8勝7敗

 まずは、故障・怪我等による休場が無いことが大前提となりますが、この点を友風はキッチリとクリアしています。

 続いては、「関取を目指す数多くの力士」と「再起を目指す元十両・元幕内力士」が犇めく幕下上位での戦いは、何時の時代も、どの力士にとっても、とても厳しいものなのですが、友風は2018年3月場所・5月場所を4勝3敗でクリアし、力を付けて、十両を僅か2場所で突破しています。
 この戦績を観ても、「幕下時代の頑張り・努力」が友風の礎となっているのは、間違いないでしょう。

 ちなみに、友風は「初土俵から11場所で新入幕」を果たしていますが、これは元大関・琴欧洲らと並んで「史上4位タイのスピード出世」です。
 尾車部屋所属の友風は、自らが関取になった(十両昇進)後も、部屋の先輩関取・嘉風の付き人をしていたことでも知られています。
 その尊敬する大先輩は「所要12場所」で幕内に進んでいますが、この先輩の記録を1場所上回ったことを、友風がとても喜び、「僕にとっての目標達成」とコメントしたとも報じられていました。

 幕ノ内力士として、友風が「新入幕以来の勝ち越し記録をどこまで伸ばして行ってくれるのか」が、とても楽しみですけれども、その点からも、2019年5月場所・千秋楽の佐田の海戦の「押し倒し」は大きな白星だったのです。

 5月場所千秋楽、幕内2番目の取組は、東前頭11枚目の松鳳山と西前頭14枚目の炎鵬の、7勝7敗同士の対戦でした。

 いかにも千秋楽らしい、勝ち越しをかけた「7・7対決」となったのですが、この相撲が素晴らしいものでした。
 立合いから、両力士の攻めと守りが交互に繰り出され、両力士共に「危ないシーン」を何とか何度かクリアしながら、相撲が延々と続きました。

 四つ相撲では無いのに、相当長い相撲という印象。
 おそらくは30秒位の取組だったのでしょうが、途中からは、こうした「丁々発止のやり取り」が永遠に続くようにさえ感じられたのです。(感動を与えながら「永遠を感じさせるプレー」というのは、どんなスポーツにおいても好プレーでしょう)

 西土俵際で炎鵬が攻め立て、それを松鳳山が上手投げで返したところで、ようやく?勝負が付きました。

 場内は大歓声と大拍手の嵐・・・。

 千秋楽一番の「大相撲」でしたし、5月場所を通じても屈指の「大相撲」でしょう。

 身長177cm・体重137㎏の松鳳山と身長168cm・体重99㎏の炎鵬の取組は、幕ノ内力士の平均体重が160㎏に迫る現在であれば、「小兵力士同士の対戦」ということになりますが、「相撲の迫力は体の大きさだけでは決まらない」ことを如実に示してくれました。

 それにしても、炎鵬は9日目まで7勝2敗と好調な場所を展開していましたが、10日目からの6連敗で負け越しとなってしまいました。
 本当に残念な結果でしょう。

 しかし、千秋楽の取組はもちろんとして、毎日の取組の素晴らしさ、「エンターテインメントとしてのプロスポーツの質」という面からならば、炎鵬は現在の大相撲界屈指の力士といって良いのでしょう。
 大相撲ファンは、日々の炎鵬の取組をとても楽しみにしていることは間違いありませんし、炎鵬はその期待に本当に良く応えています。

 炎鵬の活躍は「2019年5月場所を見事に彩った」ものであると感じます。


[5月25日・14日目]
朝乃山○-(寄り切り)-●豪栄道

 西前頭8枚目の朝乃山が、大関・豪栄道を寄り切りで破り、2敗を堅持。
 結びの一番で、3敗で追っていた横綱・鶴竜が敗れて、朝乃山の幕ノ内最高優勝が決まりました。

 豪栄道との一番も、「前に出る力」を感じさせるものでした。
 豪栄道の本来の取口であれば、「数秒で勝負を決する」筈ですから、四つになって土俵中央で落ち着いた時には、朝乃山にも十分に勝機があると思いました。

 その後、豪栄道の攻勢を凌ぎ切って、最後は寄り切ったのです。
 
 堂々たる取口でした。

 朝乃山の優勝は、
 「三役経験の無い力士の優勝は佐田の山以来58年振り」
 「富山県出身力士の優勝は大正時代以来103年振り」と、歴史的なものとなりました。
 
 大相撲の長い長い歴史を感じさせる優勝でもあるのでしょう。

 それにしても、大連勝もするが、負け始めると大連敗もするのが持ち味?であった朝乃山ですから、いつその癖が出るのかと場所中心配していましたが、5月場所はついに取り切りました。素晴らしいことです。
 3月場所から5月場所の間の2ヵ月間に、何が有ったのかという気もします。
 今後の大活躍が期待されるところです。

 さて、このところ「誰が優勝してもおかしくない」場所が続いている大相撲ですが、令和最初の場所も、大混戦となって、「純粋なる平幕優勝」(変な書き方で恐縮です)となったのです。

 一方で、こうした混戦ながら14日目に優勝が決まったのも、少し不思議な感じがします。
 混戦なら千秋楽に縺れ込むのが自然でしょう。

 まるで、アメリカ合衆国・トランプ大統領の来場を控えて、千秋楽は「大相撲ファンがゆったりとした気持ち」で土俵を楽しめるようにと、相撲の神様が取り計らったようにさえ感じるのです。

 神事たる大相撲であれば、十分有り得ることでしょう。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930