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 大相撲2020年9月場所は、東の関脇・正代が13勝2敗で優勝しました。
 素晴らしい優勝でした。

 中日を終えて、全勝はおろか1敗力士も居ないという大混戦でしたが、正代は「2敗を維持」して、9月場所を押し切りました。そのことが最も凄いことでしょう。

 特に、13日目、14日目、千秋楽の相撲は見事なものでした。

[9月25日・13日目]
正代○-(突き落とし)-●貴景勝

 立合いから貴景勝が押しますが、正代は1歩も引かず、間合いを取っての相撲から強烈な突き落とし。貴景勝は、ばったりと土俵に落ちました。
 今場所の正代の「前に出るパワー」を示す大相撲でした。

[9月26日・14日目]
正代○-(押し出し)-●朝乃山

 立合いから正代が前に出て、一気に押し出した相撲です。
 今場所の正代の圧倒的な強さを示す一番でしょう。
 観ている人の多くが「どちらが大関なのだろう」と感じたかもしれません。

[9月27日・千秋楽]
正代○-(突き落とし)-●翔猿

 土俵下に居る時から、正代には「緊張」が感じられました。
 この一番の「重さ」を考えれば、当然の緊張なのですが、おそらくは元来緊張するタイプの力士なのでしょう。
 優勝インタビューにおいても「土俵人生において最も緊張した」とコメントしていました。
 呼び出しを受けて土俵に上がった正代は、最初の蹲踞で少しバランスを崩したようにさえ観えました。後ろに倒れそうになったのです。何回やって来たか分からない蹲踞においてさえ、そのバランスを崩すほどの緊張だったのかもしれません。

 変幻自在でスピード十分な翔猿ですから、立合いでの「注文」も無くは無いと考えるのが自然です。
 そこで、様子を観ながら、前に出るパワーを半分も使わずに立ち会えば、真っ直ぐ押してきた時に、一気に押し出される可能性があると観ていました。
 安美錦にしても、豊ノ島にしても、その技士としての活躍のベースは「前に出る力」であり、こうした歴史的な技士のベースとなる決まり手は「押し出し」であることは周知のことです。
 大相撲の今後を背負う力士のひとりであろう翔猿も、やはり十分な「前に出る力」を具備しているのです。

 立合いから、翔猿が一気に正代を寄り立てました。
 正代は俵で何とかこの寄りを堪えます。
 押し切れないと観た翔猿が、少し引いたのでしょうか、今度は正代が一気に寄り立てます。
 しかし、一気に押された「空気」が残っていますから、やや慌てた押しになっていました。これが、立合いから一気の押しの効果なのでしょう。
 押し込まれた翔猿は、右からのおっつけ。
 タイミング・角度・パワーともに十分なおっつけでしたから、大きな正代の体のバランスが崩れ、体が入れ替わりました。体勢逆転。

 「チャンス」と観た翔猿が寄り立てます。
 小兵力士が大きな力士に対して「勝機」と観ての寄りでしたから、今度は翔猿が少し焦っていたのは止むを得ないところなのでしょう。
 取組後のNHKテレビ放送の解説者・北の富士氏が、前みつを取って寄っていれば・・とコメントしていましたが、それが出来ないところが勝負の綺なのでしょう。
 押し込まれ、絶体絶命に観えた正代でしたが、そこは体格差で堪え、右からの強烈な突き落とし。
 翔猿の体が落ちるのを確認してから、正代も土俵外に出ました。

 「大相撲」でした。両力士が死力を尽くした「大相撲」。
 さすがに、9月場所の優勝を決める一番だったのです。

 2020年1月場所、7月場所と、優勝のチャンスがありながら、残念ながら掴めなかった正代が、「3度目の正直」で優勝をものにしたのです。
 優勝インタビューでも、「良く体が動いてくれた」と最後の突き落としを評していましたが、翔猿に押し込まれながらもとっさに出た技というのは、正代の地力そのものなのでしょう。

 優勝をものにした正代は、直近3場所の勝ち星が32勝に達したということもあって、大関に昇進することが確実となりました。

 9月場所について観れば、2名の大関より正代の方が強い、それも相当に強いことは、誰の眼にも明らかでしょう。

 角界に待望久しい「新横綱誕生」に向けて、正代関の一層の活躍が期待されます。

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 9月13日に開幕した9月場所は、20日に中日を終えて、全勝・勝ち越しはおろか1敗の力士も居ないという「大混戦」となりました。

 この傾向は既に2日目から現れていて、5日目を終えた時点で、全勝は阿武咲ひとりでした。7月場所においては5力士が全勝でしたから、全く別の絵だったのです。

 2敗は、東の関脇・正代、照ノ富士、霧馬山、高安、琴勝峰、翔猿、西の大関・貴景勝、若隆景、阿武咲、の9力士です。
 大関から前頭14枚目まで、番付全体に万遍なく広がっていますから、優勝争いは全く分からないでしょう。混沌としています。

 もたろん、大関・貴景勝と関脇・正代が優勝争いの中心であることは間違いないのですが、相撲振りを観ると平幕力士にも十分にチャンスがあるでしょう。

 初日・2日目と、相手力士に動き回られて組むことが出来ず連敗した照ノ富士ですが、3日目からは本来の相撲を取り返して連勝を重ねています。

 霧馬山、高安、翔猿は、初日から好調な相撲を披露しています。
 「充実の土俵」を展開しているのです。

 阿武咲は、場所前好調を伝えられた7月場所は散々な内容でしたが、その好調さが9月場所に出ている感じがします。

 琴勝峰と若隆景は、幕ノ内の相撲に適応して来ていて、1番1番を丁寧に捕っている印象です。

 この「大混戦」ですから、優勝ラインは11勝4敗であろうと思います。

 従って、中日を終えて3敗の力士にも、まだまだチャンスがあるのでしょう。
 9月13日~27日、東京両国国技館を舞台に開催される、2020年大相撲9月場所の注目力士検討です。

 新型コロナウイルス禍の中で開催された7月場所では、帰り入幕・幕尻の照ノ富士が見事に優勝を飾りました。
 9月場所は、どのような展開になるのでしょうか。

 さて、注目力士です。

1. 横綱

 やはり、第一人者・白鵬に期待します。
 鶴竜を含めて、近時の横綱陣は「15日間取り切る」ことがなかなか出来なくなっていますが、9月場所では是非、元気なところを魅せていただきたいと思います。

2. 大関

 大関陣では、貴景勝の故障からの回復度合いがポイントとなります。
 相当良くなっているのではないかと思いますが、9月場所では朝乃山に注目したいと思います。
 「綱取りの足掛かりとなる場所」にして欲しいものです。

3. 関脇以下の力士

③関脇・正代
 2020年になって、前に出る圧力が増した印象です。体格・体力に恵まれた力士ですから、大関を目指して大勝ちして欲しいと思います。

④関脇・御嶽海
 このところ、11日目以降に疲れが見える感じがしますが、相撲戦法・戦術の上手さは、現役力士屈指でしょう。こちらも、大関取りを目指して、二桁勝ち星に期待します。

⑤霧馬山
 先場所は「上位の壁」に跳ね返されてしまいましたが、上位の取口にも慣れたことでしょう。足腰の良い力士ですから、そのスピード相撲で暴れまくって欲しいものです。

⑥大栄翔
 先場所、小結での11勝は、力が無ければ出来ない成績でしょう。関脇・小結が充実している今、ここから抜け出して行けるかどうかの試金石の場所となります。

⑦照ノ富士
 上位力士による研究が進む場所ですから、一番一番大変な取組が続くこととは思いますが、現在の勢いなら乗り切って行けそうです。大関復帰は、夢物語ではないのです。

⑧若隆景
 先場所は、帰り入幕で二桁勝利でした。思い切りの良い相撲に期待します。

⑨阿炎
 色々なことが有りましたが、力士を続けて行く以上、今場所は「元気の良い相撲」を取らなくてはならないのでしょう。活躍がとても楽しみです。

⑩豊昇龍
 大横綱・朝青竜とは少し違う取口ですが、足腰の良さは共通しているのでしょう。次代を担う力士の活躍に期待します。

 9月場所は、以上の10名の力士に注目します。

 もちろん、隠岐の海と遠藤の両小結にもとても期待しているのですが、枠が10しかありませんでしたので、今回は入りませんでした。

 「充実した土俵」が繰り広げられることでしょう。
 大相撲2020年7月場所は、照ノ富士の優勝で幕を閉じました。

 三賞受賞力士は、以下の通りです。
・殊勲賞 西関脇・御嶽海、東小結・大栄翔、東前頭17枚目・照ノ富士
・敢闘賞 東関脇・正代
・技能賞 東前頭17枚目・照ノ富士

 これらの力士に、西大関・朝乃山を加えた力士たちが、7月場所の骨格であったことは、間違いないでしょう。

 そして、KaZブログが選ぶ7月場所の最優秀力士=MVPは、西小結・隠岐の海です。

 7月場所を9勝6敗で終えた隠岐の海ですが、その取組内容は秀逸でした。

 初日の横綱・白鵬戦、5日目の正代戦、6日目の御嶽海戦、7日目の大栄翔戦、9日目の朝乃山戦、隠岐の海はいずれの取組でも敗れましたが、どの一番も見所十分。
 どの一番にも「勝つチャンス」があったと思います。

 場所中に35歳の誕生日を迎えたベテランですが、現在でも「大関取り」を目指していると伝えられていますし、その強さはいささかも衰えないというか、7月場所では強さを増しているようにさえ観えました。
 何より見事だったのは、稽古不足もあってか、10日目以降に疲れが出て、精彩を欠く相撲が増えた中で、隠岐の海は「元気一杯」の取口を披露してくれたことです。
 7月場所の15日間で唯一残念だったのは、千秋楽の玉鷲戦でしょうか。
 東土俵際から押し返した際に、右のまわしを取ることが出来ず、西土俵際における、玉鷲の逆転を許したことは、今場所の隠岐の海にとって、唯一の痛恨の失敗であったように感じます。
 それ程に、充実した土俵を展開していただいたのです。

 7月場所の相撲を今後も継続することが出来れば、「大関取り」も夢ではないと思います。

 大関・朝乃山については、色々なご意見があるのでしょうが、私は「良くやってくれた」と思います。
 横綱、大関4力士の内3力士が途中休場した場所で、孤軍奮闘した新大関の活躍は、大袈裟に言えば「大相撲の秩序」を維持してくれた形でしょう。
 14日目の照強戦が惜しまれますが、これは照強の乾坤一擲の技を褒めるべきであろうと考えます。

 先ほども書きましたが、今場所は「10日目以降の体力・持久力」の差が、相撲の内容に大きく影響しました。
 十分な稽古が出来ない状況下、各力士の「心持ち」と「トレーニングの工夫」が試された場所だったのかもしれません。

 こうした状況は、今後もしばらく続くのでしょう。

 2020年は、ここまで3場所が開催され、2場所が幕尻力士の優勝、1場所が横綱の優勝となっています。

 次の場所では、大関・関脇・小結の優勝が観てみたいものです。

 8月2日に千秋楽を迎えた、大相撲2020年7月場所は、前頭17枚目の照ノ富士が13勝2敗で優勝しました。

[8月2日・千秋楽・東京両国国技館]
照ノ富士○-(寄り切り)-●御嶽海

 離れて取れば御嶽海、四つになれば照ノ富士が有利と予想されていた一番でした。
 次の大関候補と言われている御嶽海が、そう簡単には、照ノ富士にまわしを許すまいとも考えられましたから、御嶽海がやや有利であろうとも観られていました。

 しかし、立合い直後に照ノ富士は御嶽海の左上手を取りました。朝乃山との一番とは異なり、やや深い位置でしたが、これも照ノ富士の作戦通りだったようです。

 御嶽海はもろ差しから一気に出るという狙いを持っていたようですが、前に出る圧力ならば照ノ富士が圧倒していました。
 右上手も取り、外四つから一気に押して、あっという間に御嶽海を寄り切りました。
 堂々たる取口でした。

 この相撲で最も素晴らしかったのは、照ノ富士の「前に出る圧力」でした。
 その圧力は、全盛時に引けを取らないものであったと感じます。

 照ノ富士は優勝決定後のインタビューで、「相撲を続けてきた良かった」とコメントしました。
 元大関の力士が、故障と病気で5場所連続休場に追い込まれ、序二段まで番付を落としたことは、番付により全く扱いが異なる大相撲の世界においては、「耐え難い屈辱」であったと推測されますし、糖尿病や肝臓・腎臓の疾患により、大関時代と比べて著しく低下した体力を考え合わせれば、「引退」しても何の不思議も無かったことでしょう。

 幕ノ内から十両へ、十両から幕下へ、降格することと同時に引退する力士も多く、それは「プライド」の面からも、何も恥じる必要はないことでしょうが、照ノ富士はその選択をしませんでした。

 もちろん、ご家族や親方、関係者の皆さんの様々な形での励まし、援助が大きな力となったことは間違いないのでしょうが、何より大きな要因は、照ノ富士自身の「気持ちの強さ」と、的確な故障・病魔との戦いの日々、であったと考えます。

 この大相撲史に刻まれる「大復活」は、照ノ富士自身の「心身の強さ」で成し遂げたものなのです。

 テレビを観ていて、少し泣いてしまいました。

 それにしても、幕ノ内最高優勝に関連する沢山のトロフィー・商品を受け取る度に(正確には2品に1回であったと思いますが)、呼び出しの方が、照ノ富士の掌にアルコール系消毒剤と思われる液体を噴射し、照ノ富士は掌を揉むようにして洗浄していました。

 何度、掌を揉み、洗浄したことでしょう。

 表彰式に使用する数々の品は、事前に入念に消毒されていたに違いないと思いますが、それでもなお土俵上の受け渡しの際にも消毒するという念の入れよう。
 新型コロナウイルス禍における大相撲本場所を象徴する対応であったと、改めて感じ入りました。

[7月31日・13日目]
照ノ富士○-(寄り切り)-●朝乃山

 10日目までは、横綱・白鵬が10戦全勝でトップを走り、9勝1敗で朝乃山と照ノ富士が追う展開でしたが、11日目から「大変動」が始まりました。

 11日目に白鵬が大栄翔に不覚を取り、1敗で3力士が並びました。

 12日目に白鵬が御嶽海の土俵際の突き落としに敗れて、2敗に後退。(そのまま休場しました)

 優勝争いの先頭には、朝乃山と照ノ富士が1敗で並走しました。

 そして13日目、その2力士が結びの一番で対戦したのです。
 前頭17枚目の照ノ富士と大関・朝乃山の取組は、通常であれば組まれることは無いのですが、幕ノ内最高優勝を争う両力士の対戦として、特別に組まれたものなのでしょう。

 東から照ノ富士が、西から朝乃山が、土俵に上がりました。
 両力士共に右四つを得意としていますから、右四つの形での取組になると予想されていました。

 立合いと同時に、両力士は左上手を取りました。
 照ノ富士は前みつの絶好の位置、朝乃山は照ノ富士の体の真横、腰の辺りの、やや深い位置の上手でした。
 そして、この上手の位置が勝敗を決したのです。

 照ノ富士は、直ぐに朝乃山の上手を切り、がっちりと引き付けて、寄って出ます。
 朝乃山も懸命に堪えましたが、照ノ富士の圧力が勝り、そのまま寄り切りました。

 まるで「大関同士の対決」のような、重厚で迫力満点の一番でした。

 取組前は、さすがに現役大関の方が強いであろう、と観ていましたが、照ノ富士の強さは、全盛期にも劣らないものに観えました。

 今場所の朝乃山は、立合いと同時に、この一番と同じ位置の左上手を取る、あるいは狙いに行くことが多かったと思いますし、それが今場所の朝乃山の取口でしょうけれども、その戦法の弱点が示された取組でもありました。

 「上手を取る位置の重要性」は、何時の時代も、解説者や親方から語られることが多いのですが、これ程明確に「その差」が現れた取組も珍しいかもしれません。
 成長中の朝乃山にとっても、「ただ左上手を取れば良い」というものではないことを、しっかりと学んだことでしょう。

 照ノ富士は、場所が進むにつれて、一日一日「相撲を思い出している」感じでしょうか。
 この取組における「どっしりとした腰」は、まさに大関レベルでした。
 13日目になっても、本場所の疲労の蓄積から来る体力面の衰えが全く感じられないところが、最も素晴らしいところでしょう。
心身の充実が取口に如実に現れています。

 照ノ富士が1敗を守りました。
 優勝争いの単独トップに躍り出たのです。

 帰り入幕早々の優勝・・・。
 もし、実現出来れば、大相撲史に残る快挙です。
 そして、その可能性は十分にあります。

 7月19日に幕を開けた大相撲2020年7月場所も、7月26日に中日を終えました。

 横綱・白鵬と大関・朝乃山が8戦全勝で並走しています。

 満足に場所前の稽古も出来なかった中で、白星を重ねている両力士は立派だと思います。

 白鵬は、本当に「厳しい」相撲を取っています。
 鋭い立合いから、相手力士に相撲を取らせない取り口は、一段と強さを増した印象が有り、この異例な場所における「第一人者」の責任感と調整力の髙さが感じられます。

 新大関の朝乃山は、「新」という立場であれば、中日まで1~2敗していても不思議はないところでしょうが、更なる「前に出る力」を身に付けた印象で、一段と強くなった感じがします。
 こちらも、大関に相応しい相撲を取るべく全力を傾注しているのでしょう。

 7勝1敗の力士の健闘も目立ちます。

 まずは、関脇・正代。
 自信満々の取口が印象的です。全身からパワーがみなぎっている感じで、中日、御嶽海との一番も圧倒しました。優勝候補の一角と言っても良いでしょう。

 続いては、照ノ富士。
 持ち味の豪快さに、良く考えた取口が加わりました。安定感ならば、故障前を上回っているのではないでしょうか。
 故障を抱えていますから、常に再発のリスクがあるのですが、この丁寧な取り口を続けて行けるようなら、今後も白星を積み上げて行くことでしょう。

 幕ノ内最高優勝は、以上の4力士によって争われる可能性が高いと思います。

 「充実した土俵」が繰り広げられています。
 観客の数を制限して開催されている、大相撲2020年7月場所は5日目を終えました。

 各力士は序盤を戦い終えた形ですが、大相撲としても、無事に滑り出すことが出来たというところでしょう。

 「観客の拍手」という、リアルタイムの反応の下で、良い土俵が展開されていると感じます。

 さて、序盤を終えて全勝の力士を観て行きたいと思います。

 まずは、東前頭15枚目の琴勝峰です。
 本当に思い切りの良い相撲です。
 元大関・高安を始めとする実力者に真っ向勝負を挑み、白星を並べているのですから、大活躍と言って良いでしょう。
 5名の幕ノ内力士を揃える佐渡ヶ嶽部屋躍進の象徴となっています。

 続いては、西前頭10枚目の妙義龍。
 このところ、やや精彩を欠く相撲、前に出る力が衰えてきたように感じられていたベテランですが、今場所は本来の相撲が戻っています。ひょっとすると、どこか故障していたのかもしれないと思いますが、リフレッシュした、かつての「三役の常連」の相撲に注目しましょう。

 続いては、関脇・御嶽海。
 全勝力士の中でも、最も元気が良い印象です。
 もともと、本場所の土俵で強いタイプですが、今場所は「下がることなく」前に出ながら、理詰めの相撲を展開しています。
 初日から心に決めたものが有るような雰囲気を漂わせていますが、大関を目指しての戦いは、迫力十分です。

 さらには、大関・朝乃山。
 新大関として序盤を無傷でクリアしました。
 3日目までの取口は完璧でした。悪い癖である、一度受けて後退しそこから巻き返す、という相撲では無く、受け止めて前に出る形が出来ていました。
 4日目の大栄翔戦で今場所初めて押し込まれ、5日目の霧馬山戦では左上手が取れず我慢の相撲となりましたが、乗り切りました。
 大関となれば、対戦相手が良く研究し、倒しにかかるのは当然のことなのでしょう。
 各力士のチャレンジに対して、どのように対抗して行くのか、今場所最大の見所です。

 最後は横綱・白鵬。
 厳しい相撲が続きます。鋭い立合いから、抜群の相撲勘を持って、相手力士の弱点を突く相撲は、全く容赦がありません。
 今場所は、立合いのスピード・パワーが戻ってきているようにも観えます。
 新型コロナウイルス禍による空白期間を、十分に活用し、自らの相撲に磨きをかけたのでしょう。
 第一人者が隙の無い相撲を展開しているのですから、優勝候補の筆頭です。

 以上が、5戦全勝の力士達ですが、これに続く4勝1敗の力士達も、元気一杯の相撲を披露してくれています。
 
 東前頭17枚目の照ノ富士や関脇・正代の相撲は、実力を十分に発揮している感じがします。
 まさに、「土俵を元気にしてくれる」相撲でしょう。

 見所満載の7月場所。
 中盤戦の取組が始まります。
 7月19日、大相撲2020年7月場所が開幕しました。
 開催場所は、東京・両国国技館です。

 新型コロナウイルス禍のもとで、細心の注意を払っての運営です。
 観客数は2,500人に限定されました。

 定員4名のマス席1つに、1名の観客を配し、2階席の椅子席は4座席に1名という配置。
 テレビ画面に映し出された瞬間、綺麗に並んだ観客の皆さんが眼に入りました。

 1つのマス席に1名といっても、「マス席の中央に座っている」のです。
 隣席のお客様との一定の距離を確保するという目的であろうと思われます。
 さて、取組が進むにつれて、マス席の端の方に移動したり、肘をつき横になって観戦する方が現れないか、折角、普段は「狭い」と感じるであろうマスを1人で使えるという、素晴らしい?権利を手にしたお客様達ですので、そうしたビヘイビアを取る方が、少数でも出現するのではないかと、おかしな目線で観ていましたが、どうしてどうして、最後まで、ほとんどのお客様が「マス席の中央」にキチンと座っていました。

 とても「お行儀が良い」観客だったのです。

 国技・大相撲を観戦するお客様は、さすがに、とても「日本人らしい」行動を取るものだと、妙なところに感心してしまいました。
 相撲協会の指導にしっかりと従ったのであろう観客の皆さんの行動は、なかなか真似のできるものではないでしょう。

 そして、「歓声を出さない」というルールも、しっかりと守られていました。
 横綱土俵入りの四股の際には、どうしても「よいしょ」といった掛け声が出てしまうものでしょうが(筆者もテレビの前で掛け声をかけていました)、ドスっという四股の音の後、湧き上がる拍手のみという、これまで観たことも無いシーンが現出しました。
 ある意味では、「素晴らしい観客」であったと思います。

 そうした、史上初の環境下の土俵では、良い相撲が多かったと思います。

 佐渡ヶ嶽部屋の若手力士、琴勝峰と琴ノ若の相撲は、若さに溢れた取口でした。
 ひたすら前に出た琴勝峰と、土俵際で高安を逆転した琴ノ若。
 2力士共に、今後が本当に楽しみです。

 栃ノ心の相撲からは、かつての「迫力」が感じられました。
 今回の空白期間は、栃ノ心の心身のオーバーホールに、とても良い影響を及ぼしたのかもしれません。

 関脇・御嶽海の相撲は、「気迫に溢れ」ていました。今場所にかける強い気持ちが現れていたのです。

 そして、新大関・朝乃山は見事な取口を魅せました。
 何より「一歩も引かない」力強さが印象的。伸び盛りの隆の勝を相手にしての、堂々たる相撲でした。

 静かに、しかし、存在感十分に館内に響く「拍手」。

 2020年7月場所は、「拍手」を楽しむ場所なのかもしれません。
 7月19日(日)から、東京・両国国技館を舞台に開催される、大相撲7月場所の注目力士検討です。

 新型コロナウイルス禍の影響で、日程を含めて異例ずくめの場所となりました。

 とはいえ、「大相撲が在る日常」は、多くの相撲ファン、ひいては日本国民全体にとって、とても大切な事であろうと思いますので、「開催できること」自体に感謝しなければなりません。

 さて、注目力士の検討です。

1. 横綱陣

 先場所の優勝力士、横綱・白鵬に注目します。
 いまや「無人の野を行くが如き」横綱ですが、何より大きな故障が無いことが強みです。
 勝ち方を知っていることも、長い大相撲キャリアの源泉でしょう。

2. 大関陣

 新大関・朝乃山の活躍が、本当に楽しみです。

 もちろん、カド番の貴景勝も虎視眈々と優勝を狙っていることでしょう。

3. 関脇以下の力士

③関脇・正代
 持ち前の地力が発揮されてきました。立合いが高いところは気になりますが、この形で勝つノウハウが蓄積されているように感じます。大関取りの足場の場所にしてほしいものです。

④阿武咲
 相当「体が戻ってきた」ように観えます。もともと貴景勝のライバルとして、凌ぎを削ってきた間柄です。次の大関候補のひとりと観ています。

⑤霧馬山
 足腰の良さは、幕内でも有数でしょう。毎場所強くなっていると感じます。この番付でも十分に戦えるでしょう。

⑥阿炎
 この、思いもよらぬ休息時間は、阿炎の回復に大きな力となったことでしょう。
 ある意味では、安定した相撲を取っていると感じています。

⑦関脇・御嶽海
 大関への挑戦、このテーマに本気で取り組む時期でしょう。本場所での強さを如何なく発揮して欲しいものです。

⑧照ノ富士
 かつての力に戻ることは相当難しいのでしょうが、その心持ちは不変です。
 「相撲に強い」取口を存分に魅せていただきたいものです。

⑨栃ノ心
 まだまだ老け込むには早いでしょう。この休息期間で故障が少しでも良くなっていれば、この番付なら物が違うでしょう。

⑩豊山
 三役が目の前です。ここが踏ん張りどころでしょう。もともと地力は十分ですから、自信を持って取ってほしいものです。

 7月場所は、以上の10力士に注目します。

 日本中を「元気にする」、素晴らしい場所になりますように・・・。

 4月18日、豊ノ島の引退が報じられました。

 「ああ、そうか」と思うと共に、「お疲れ様でした」と呟きました。

 大相撲にとって、かけがえのない力士の引退です。

 身長168cmの梶原少年は、当時の新弟子検査の基準に満たない体格でした。
 第2新弟子検査で角界入りし、2002年1場所で初土俵を踏みました。
 序ノ口、序二段を連続優勝し、三段目、幕下では「豊ノ島の相撲」を磨き上げ、2004年5月場所、十両に昇進しました。力士キャリアの中で最も嬉しいと、数多くの力士が語る「関取」に上ったのです。「第2新弟子検査」で角界入りした力士として、史上初めてという快挙でした。

 2005年1月場所には入幕を果たし、2005年9月場所では14勝1敗で十両優勝。
 2007年1月場所は西前頭9枚目で12勝3敗の好成績を残して、初の三賞(敢闘賞と技能賞)を受賞しています。
 そして2008年7月場所、西小結に昇進し10勝5敗の好成績。翌9月場所は西関脇でした。
 
 角界が八百長問題で揺れる時期には、三役と前頭上位で「技士」として素晴らしい相撲を披露し続けました。
 
 その後、故障により幕下まで番付を下げましたけれども見事に復活し、2019年7月場所には再入幕を果たしています。(本ブログの2019年3月2日付記事「[大相撲2019年3月場所] 豊ノ島関 16場所ぶりに幕内へ」をご参照ください)

 18年に渡るキャリアは、栄光と故障の歴史でもありました。

 殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞4回の計10回の三賞受賞は、大相撲史に残る素晴らしい活躍でしょう。

 しかし、豊ノ島を想う時、最も素晴らしいものが「相撲の内容」であることは、周知のことです。
 大柄な強豪力士を相手に、様々な技を繰り出し、しっかりと前に出て勝機を掴む取口、土俵際の見事な粘りと逆転劇は、「本当に面白い相撲」でした。
 大相撲ファンに喜んでもらう、という観点からならば、史上屈指の力士でしょう。
 まさに「プロフェッショナル・プレーヤー」だったのです。

 今後は、親方・井筒を襲名し、後進の指導に当たることとなります。

 相当難しいことでしょうけれども、第2の豊ノ島を育てていただきたいものです。

 3月25日、日本相撲協会は5月場所の番付編成会議と臨時理事会を開催し(於、エディオンアリーナ大阪)、3月場所で関脇だった朝乃山の大関昇進を満場一致で決めました。
 
 続いて高砂部屋(大阪の宿舎である久成寺)において伝達式が行われ、朝乃山は「・・・大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」と口上を述べたと報じられました。

 このところ、やや意気消沈気味のスポーツ界において、とても明るい話題です。

 朝乃山の最近3場所の勝ち星計が32勝ということで、「目安の33勝」に足りないということが話題に上っていましたが、もとより「33勝」という基準が有る筈も無く、なんとなくそんな感じ、という話ですから、選考基準とは直接の関係は無いのでしょう。

 昭和の頃なら、「30勝」とか昭和45年頃からなら「32勝」が目安と報じられていたと記憶していますが、平成に入ってからは「33勝」といわれることが多くなった感じがします。
 
 皆さんご認識の通り、大関昇進の基準は「継続して、大関の相撲を取れるか取れないか」の一点でしょう。
 では「大関の相撲とは?」ということになりますが、多くの人の眼で観て、「大関の相撲である」と感じられる相撲のことでしょう。
 もちろん、強さも必要なのでしょうが、例えば「注文相撲」ばかりで、「勝つためなら手段を選ばない」という相撲では、国技とされる大相撲の高位の番付を張るには相応しくないことが明らかです。
 
 大関という地位の力士には「強さ」は必要ですが、「絶対に負けない」という必要はないのでしょう。
 端的に言って「汚い、卑怯な取口」で勝ち続けても、ファンの誰もが評価しないどころか、どんどん評価を落とすばかりなのが、日本社会なのです。

 そういう意味から、朝乃山の口上「力士として正義を全うし」という言葉には、とても重みを感じます。
 大相撲の看板力士のひとりとして、是非実行して行って欲しいものです。

 それにしても、将来、2020年3月の朝乃山・大関昇進を思い出す時、それは「新型コロナウイルス感染症の流行」の只中の時期であったことを、誰も忘れることはできないでしょう。

 そして、朝乃山の活躍と、この感染症鎮圧が、並行して進むようなら、「日本国を守る力としての大相撲」の役割が立派に果たされることとなるのです。

 3月8日~22日にかけて開催された、2020年の大相撲3月場所は、横綱・白鵬が13勝2敗で優勝しました。

 千秋楽の「横綱相星決戦」という、7年振りの取組で鶴竜を寄り切りで破ったのです。

 何もかもが「異例」な場所でしたが、最後は番付通りの頂上決戦が行われ、第一人者が優勝するという、最も「順当」な結果となりました。
 35歳になった白鵬が、スピード十分な取り口を魅せてくれたのです。

 新型コロナウイルス感染者が、力士および協会関係者からひとりでも出れば「中止」という、極めて難しい条件下でスタートした本場所は、毎日が「綱渡り」のような運営でした。
 
 八角理事長を始めとする協会関係者が、毎朝力士の体温を気にするという状況が続き、千代丸関が高熱を発した時には、少し天を仰いだかもしれません。
 しかし、千代丸は新型コロナウイルス感染症ではありませんでした。

 そして、「ついに迎えた千秋楽」、結びの一番で白鵬が勝ち、全ての取組が終わった時、多くの相撲関係者の肩の荷が降りたのでしょう。

 おそらくは、15日間を完結できたことが、3月場所最大の成果だったのです。

 関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。

 もちろん、「天運が味方した」面もあるのでしょうが、この「運の良さ」が、元来「大相撲」に備わっているものであるとすれば、そして、それを確認できた場所であったとすれば、「無観客場所の決行」にも意味があったということになりそうです。

 それにしても、結びの一番の後に行われた「協会挨拶」や「表彰式」、そして「神事」は、これまで観たことも無いテレビ映像を提供してくれました。
 若い力士(候補生?)達による行事さんの胴上げが、大相撲の明日を創り出す力になって欲しいものです。

 3月8日、大相撲2020年3月場所・初日を、NHK総合テレビ放送で観戦しました。
 大相撲史上初の無観客場所の初日観戦です。

 想像以上に「無音」の土俵でした。
 そもそも、これまで観たことが無いのですから、大した想像力も働かないのは当然のことかもしれません。
 初めて、無観客場所を観たということなのでしょう。

 力士の柏手の音、四股の音、立合いの音、呼び出しや行事の声、といった音以外の音は全く聞こえません。

 とても静かで、仕切りが進むと、一層静けさが深まる感じさえします。

 「ここで必ず大きな拍手・歓声が湧く」場面で、全く音が無いのですから、最初は「変な感じ」でしたが、取組が進むにつれて、やはり一層静けさが深まる印象でした。

 この違和感は何?、と思いました。

 しばらくして、「大相撲には音楽が無い」ことに思い当りました。

 現代において、「全く音楽が無いスポーツ」は殆ど無いというか、無観客大相撲以外にはあまり存在しないのではないかと思います。

 プロ野球であれば「応援の鳴り物」があります。
 陸上競技や競泳、ボクシングやレスリングであれば、選手が登場する際の音楽。
 サッカーにおいても「応援の歌や鳴り物」があります。

 一方で、柔道や剣道には音楽が無いと思います。

 相撲、柔道、剣道といった、日本古来の「格闘技」には、音楽が無いのかもしれません。

 そのかわり?、相撲、柔道、剣道には観衆の「歓声・拍手」があります。
 そして、その「歓声・拍手」を失っているのが、今回の無観客場所ということになります。

 その無観客場所において、唯一、大きな音を響かせてくれるのが、呼出しによる「拍子木」なのでしょう。
 無観客場所では、とても大きな音に聞こえます。綺麗な音でもあります。

 大相撲の拍子木は「桜の木」製なのだそうです。

 2020年3月場所では、拍子木の音を楽しむことといたしましょう。
 
 3月8日~22日にかけて、エディオンアリーナ大阪を舞台に開催される、大相撲2020年3月場所は、長い歴史上初めての「無観客開催」となりました。
 
 観客が居ない中での土俵がどのような雰囲気になるのか想像も出来ませんが、新型コロナウイルス肺炎感染拡大の中で、開催に踏み切った大相撲界を応援して行きたいと思います。

 「歓声が無い土俵」に強い力士が居るのかどうかも全く分りませんけれども、恒例によって、活躍が期待される10名の力士を挙げて行きます。

1. 横綱陣

 残念ながら近時は、白鵬、鶴竜の両横綱は「15日間を取り切る」ことがなかなか出来なくなっています。ベテランとなり、体のあちこちに故障が有る上に、取組によって故障を発症することも多くなっているのでしょう。

 今場所は、白鵬の頑張りに期待します。

 2011年5月場所=技能審査場所での優勝にも伺えるように、「大相撲の一大事の場所」では、角界の第一人者が役割を果たすことになると考えるからです。

2. 大関陣

 「陣」ではなく「ひとり大関」となった貴景勝の踏ん張りに期待します。

3. 関脇以下の力士

③ 関脇・朝乃山
 大相撲の次代を支える存在として、その活躍は多くの大相撲ファンが望んでいることでしょう。

④ 小結・北勝富士
 相撲に安定感が感じられるようになって来ました。着々と力を付けて行くタイプでしょう。大爆発の場所になるかもしれません。

⑤ 霧馬山
 次代を担うモンゴル勢の筆頭でしょう。朝青龍を継ぐ存在として、期待しています。

⑥ 関脇・正代
 1月場所の準優勝はフロックではないと思います。地力の上に、新しい取口を身に着けた力士の活躍に期待します。

⑦ 徳勝龍
 1月場所の「14勝」1敗の優勝は地力の証明でしょう。一気に三役に駆け上がってください。

⑧ 琴奨菊
 前頭13枚目となれば、この力士の地力はまだまだ上位でしょう。場所の終盤に、三役力士との対戦が組まれる様な活躍を期待します。

⑨ 阿武咲
 ようやく故障が癒えて来たという感じがします。台風の目になって欲しいものです。

⑩ 琴ノ若
 この名前を幕ノ内で聞くのも久しぶりです。既に体重173㎏と立派な体です。思う存分取っていただきたいと思います。

 3月場所は、以上の10力士に注目します。

 もちろん、高安、御嶽海、阿炎の反攻もとても楽しみです。

 感染リスク回避の観点から、エディオンアリーナ大阪周辺での入り待ち・出待ち・滞留行為も禁止された3月場所ですが、私達はテレビの前で手に汗を拭って応援しています。

 頑張れ、大相撲!!
 1月場所では、照ノ富士が十両優勝(13勝2敗)、宇良が序二段優勝(7勝0敗)を果たしました。

 共に幕ノ内の土俵を沸かせた人気力士ですが、共に膝他の故障により、番付を大きく下げていました。
 そして、共に「怪我・故障が次第に良くなり」本来の力を発揮し始めたのです。

 もともと地力が有ることは、誰もが認めるところですから、患部が直ってくれば、現在の番付ならば白星を重ねることに不思議はありません。

 照ノ富士が13連勝した時には、「全勝」も有り得ると言われましたし、その圧倒的な強さは全勝優勝を予感させるに十分でした。
 しかし14日目、錦木との相撲は長い相撲となり、最後は敗れてしまいました。
 久しぶりに15日間取って、少し「疲れが出た」と考えたいと思います。
 故障個所を再び痛めたものでないことを祈るばかりです。

 宇良は、優勝決定戦に登場しました。
 そして見事に勝利しました。
 膝の、特に右膝の大きなサポーターは、痛々しい様子でしたが、相撲内容は元気一杯でした。
 これからも、十分に注意して、持ち味の相撲を魅せていただきたいものです。

 照ノ富士は29歳、宇良は27歳。
 月日ばかりは着実に過ぎて行きます。
 
 急ぎたいが無理は出来ない、歯がゆい思いがあるとは思いますが、おふたりにはお二人にしか取れない相撲が有り、その相撲は「大相撲にとっての財産」なのでしょう。

 幕ノ内での、照ノ富士、宇良の相撲が本当に楽しみです。

 新入幕の霧馬山(24歳)が11勝4敗という好成績で「敢闘賞」に輝きました。

 特に、「8日目からの8連勝」は見事の一語でしょう。

 7日目まででも3勝4敗と、新入幕力士としては頑張っているという印象でしたが、8日目に琴恵光を上手投げで破ってからは、9日目には琴奨菊を送り出し、10日目は剣翔を寄り切り、11日目は東龍を寄り切り、12日目は佐田の海を送り出し、13日目は石浦を叩き込み、14日目は碧山を肩すかし、そして千秋楽は千代丸を送り出しで破りました。

 この「8連勝」の内3勝が「送り出し」という決まり手である所に、霧馬山の相撲の特徴が現れています。
 俊敏性に優れ、相手力士が付いて来られないスピードがあるのでしょう。

 このスピードは「大きな武器」です。

 モンゴル出身力士のひとつのタイプ(例えば日馬富士や朝青龍)の力士が幕ノ内に登場したのかもしれません。
 その朝青龍の新入幕の場所が9勝6敗、同じく日馬富士が8勝7敗であったことを考え合わせると、霧馬山への期待感が高まります。

 霧馬山は、身長184cm・体重138㎏と「小柄」な部類の力士です。
 
 炎鵬、石浦、照強と、小兵力士の大活躍が目立っている大相撲界に、新星が加わったのでしょう。

 陸奥部屋で親方(元大関・霧島)の薫陶を受け、三役、大関へと番付を上げて行っていただきたいものです。


 徳勝龍優勝の熱気も冷めやらぬ1月27日、大関・豪栄道の引退が報じられました。

 大きな衝撃が角界を走りました。

 1月場所、カド番で臨んだ1月場所で5勝10敗と負け越し、3月場所は関脇に陥落することが決まっていましたが、引退することとなったのです。

 数多くの力士の引退を観てきましたが、この引退は「衝撃的」でした。
 まさか「このタイミング」で・・・。

 1月場所の豪栄道は、相当調子が悪そうで、立合いからの眼にも止まらぬスピードで「秒殺」する相撲が影を潜めました。
 5秒以上かかったら豪栄道の相撲では無い、と私は考えていましたから、どこか故障しているのではないか、故障の具合が悪いのではないかと感じていました。

 とはいえ、3月場所は地元の大阪ですから、大観衆の大声援を受けて、「10勝」を挙げ、大関に復帰するのであろうとも思っていました。
 そして万一、3月場所後の大関復帰が成らなかった時には、ひょっとすると引退するかもしれないと感じてもいました。

 「大阪のファンに雄姿を披露する」ことは必須のことであろうと考えていたのです。

 ところが、1月場所の千秋楽後直ぐの表明。
 
 報道内容を観ると、いかにも豪栄道らしい「潔さ」が感じられました。
 「自らの相撲を取ることが出来なくなった」ので引退するというのでしょう。
 大関昇進の際の口上「これからも大和魂を貫いてまいります」を貫徹したとも言えそうです。

 体に、サポーターや包帯を付けない力士としても知られていました。
 体の美しさも力士の大切な要素であり、「力士の大きくて美しい肉体を見に行く」というファンも多い(力士の鍛え上げられた体や肌・肌色の美しさは、なかなかテレビ画面からは伝わり難いところです)のですが、豪栄道は故障している時でも、土俵上ではその体に余計なものは纏わない力士でした。
 大相撲の本質を具現していた存在と言っても良さそうです。

 歴代10位、33場所の大関在位という素晴らしい記録を残して、豪栄道関は土俵去ります。これからは、年寄・武隈となり、親方となって、後進の指導に入ります。
 長い間土俵を彩った力士の引退は本当に残念ですけれども、魅せていただいた比類なき相撲に、心からお礼申し上げます。

 さて、この話には余談もあります。

 私も観ていたのですが、千秋楽のNHKテレビ放送で、向う正面の解説・舞の海氏が、豪栄道の取組前に館内から「豪栄道コール」が起きたことに対して、「(豪栄道が)この一番で引退すると思っているお客さんもいるのでは・・・」とコメントし、正面解説の北の富士氏が、「いないでしょう」と否定し、「舞の海さんは境川部屋のコーチだから何か知ってるね?」と続けたのです。
 もちろん、舞の海氏は否定しましたが・・・。

 舞の海氏が「引退」を知っていたか、いなかったかは分かりませんけれども、翌日の衝撃的な報道を受けて、そういうやり取りがあったことを思い出しました。

 大相撲界に、新しい波が寄せていることは間違いないのでしょう。

[1月26日・両国国技館・千秋楽結びの一番]
徳勝龍○-(寄り切り)-●貴景勝

 幕内出場力士中の番付最上位である大関・貴景勝と、幕尻の徳勝龍の対戦は、まさに「大相撲」でした。

 立合いで当たり合った後、まわしの取り合いがあり、まきかえも有って、左四つに組みました。
 一気に押し出そうとしていた貴景勝にとっては、四つ相撲は避けたいところだったのでしょうが、貴景勝の押しを徳勝龍が組み止めたのです。

 得意の左四つに組んだ徳勝龍は、貴景勝を寄り立てます。
 東と向う正面の間の俵に詰まった貴景勝は、右からの突き落としを見せました。
 強烈な突き落としでしたので、徳勝龍も一度は後退し、今度は東と正面の間に寄り立てます。
 懸命に堪える貴景勝でしたが、圧力に抗しきれず、左足から土俵を割りました。

 おそらく10秒に満たない取組であったと思いますが、攻防に溢れた素晴らしい相撲、「大相撲」でした。
 今場所屈指の大相撲でしょう。

 14日目に、正代との「1敗対決」を制した徳勝龍でしたが、その正代が千秋楽に御嶽海を破り2敗を堅持しました。

 こうなると、後から取る徳勝龍には大きなプレッシャーとなります。
 徳勝龍が結びの一番で敗れれば、「2敗同士の優勝決定戦」になるからです。

 正代は、決定戦に向けて、準備万端という感じでした。

 また、貴景勝とすれば、大関としては絶対に負けられないと考えていたでしょうから、徳勝龍は相当に追い込まれた状況でした。
 時間いっぱい前の仕切りで、呼び出しに「水」を要求したのは、喉がカラカラだったからと、取組後判明しましたが、それ程に緊張した状態だったのです。

 しかし、徳勝龍は「立合いに注文を付けることなく」、堂々と当たって行きました。
 そして、大関と互角のやり取りを披露して、取り切ったのです。
 
 妻は、「こんな相撲が取れるなら、いつもやればいいのに」と言いました。
 それはおっしゃる通りですが、「優勝する力士には何か特別な力が出る」と観るのが妥当なのでしょう。
 徳勝龍にとって、力士人生で最高の場所であり、千秋楽の相撲は「最高の相撲」だったのではないでしょうか。素晴らしい15日間でした。

 さて、3年程前から、上位と下位の力量差が小さくなってきていると、何度も書きましたけれども、将来、2020年1月場所は「力量差が最小になった場所」と位置付けられる可能性が有ります。

 幕尻力士の優勝を始めとして、大関返り咲きを目指した、関脇・高安が6勝9敗と負け越し、カド番の大関・豪栄道が5勝10敗と負け越し、小結・阿炎と大栄翔も負け越しました。とても残念な現実でしょう。
 もちろん、個々の力士のコンディションの良し悪しが、たまたま重なったという面はあるのでしょうが、三役力士で勝ち越したのは、大関・貴景勝と関脇・朝乃山の2力士のみだったのです。
 結果として、多くの白星が前頭の力士に配されるのですから、「大波乱の場所」になるのも、無理は無いという形です。

 3月場所は大関がひとりになります。

 横綱・白鵬、横綱・鶴竜、大関・貴景勝の頑張りが期待されます。

[1月25日・14日目・両国国技館]
徳勝龍○-(つき落とし)-●正代

 13日目を終って12勝1敗で並んでいた両力士が、幕ノ内の前半戦で激突しました。

 仕切りの時には、徳勝龍の「巨体」が目立ちました。体の厚みが凄いのです。

 立合いから両力士の攻防が続き、右上手を取った徳勝龍が正面土俵に正代を寄り立て、体を少し開きました。
 これが正代を呼び込んだ形となり、今度は正代が向う正面に寄り立てます。
 徳勝龍は俵に詰まりましたが、ここで右上手を離して左からの突き落とし。
 これが決まりました。

 正代は寄り立てた際に、少し脚が流れたところが惜しまれます。

 これで徳勝龍は5日連続の土俵際での技による勝利です。
 まさに「土俵際の魔術師」と呼んでも良いような取り口です。

 1月場所の幕ノ内最高優勝の行方を大きく左右する大一番は、徳勝龍の勝利でした。
 13勝1敗とした徳勝龍が「賜杯」に大接近したことは間違いありません。

 「賜杯」といえば、この日は令和に入って初の天覧相撲でした。
 天皇・皇后両陛下、愛子内親王が観戦に訪れたのです。
 この頃の慣例に則って、幕ノ内後半戦からの観戦でした。

 つまり、この大一番は、国技館のロイヤルボックスからはご覧いただけなかったのです。
 1月場所屈指の大相撲を、ご覧いただきたかったとも感じます。

 私も平成時代の1月場所を国技館で観戦していた日が、「天覧相撲」の日になったことがありました。
 天皇・皇后両陛下がご入場された際に、自然に湧き上がった荘重な拍手、鳴り止まぬ拍手、をよく覚えています。
 本当に暖かい空気、独特の雰囲気が場内に漂っていました。

 「天覧相撲」ほど、「国技・大相撲」を感じさせる瞬間は無いのでしょう。

 1月場所も3日目を終えて、各力士のコンディションが相当観えてきました。

① 横綱・大関陣の不振

 「まだ3日目ではないか」というご指摘もあろうとは思いますが、そもそも「2横綱が共に1勝2敗」という事実自体が、実はとても珍しいことではないかと感じます。(4日目には、白鵬の休場が報じられました)

 大関でも、豪栄道が0勝3敗ですから、横綱・大関陣にとっては、大変な場所になっているのです。

② 3勝0敗の力士

 関脇・朝乃山、前頭筆頭・遠藤、同2枚目・北勝富士、同4枚目・正代、同11枚目・輝、同14枚目・照強、の6力士が3戦全勝です。

 この3戦全勝力士たちが、いずれも「とても元気」という印象です。
 おそらく、1月場所を彩る存在なのでしょう。

 中でも遠藤は、2横綱・1大関を破っての3勝ですから、驚異的な活躍です。
 その取組内容も素晴らしい。
 当代屈指の相撲の上手さと、自身の持ち味である「密着相撲」が威力を発揮しています。
 2日目の白鵬戦の勝利後、土俵下に降りた遠藤への割れんばかりの大声援、国技館に響き渡った「遠藤コール」は、滅多に観られない光景でした。

 朝乃山の相撲には、既に「貫録」が感じられます。
 柔軟な取口と、自身の型に持ち込んだ時の強さは、現在の幕内屈指のものでしょう。

 正代も、持ち味を存分に発揮しています。もともと器用な相撲ですが、今場所は「前に出る力」が加わりました。大関候補返り咲きを狙う場所となりそうです。

 輝が一層強くなりました。2019年11月場所から、リニューアルされた強さの片りんを示していましたが、かつては左右に振られると弱さを露呈していたのですが、1月場所では充実感さえ感じさせます。大きな体を活かした相撲で十分に三役を狙えるでしょう。

 照強は、持ち味の「前に出る力」が活きています。
 同じ小兵力士の炎鵬の活躍に刺激されたのかもしれませんが、「照強の相撲」が花開いている印象です。今後も活躍が続くことでしょう。

 こうして観ると、「持ち味を発揮している力士」が好成績というか、良い相撲を魅せているようです。
 各々の力士には、「持ち味を発揮するためのベース」、フィジカルとメンタルの充実があるのでしょう。

③ 貴景勝の強さ

 横綱・大関で唯一気を吐いているのが貴景勝です。

 本当に強くなったと感じます。「番付通りに取っている」大関でしょう。
 2日目は、立合いが合わなかったというか、北勝富士の「巧みな間合い」に、押す力を外された形でしたが、これは、アマチュアの頃から貴景勝を良く知っている北勝富士ならではの取口でしょう。
 この相撲に敗れたからと言って、貴景勝の強さにはいささかの影響も無いと感じます。
 やはり「23歳」、伸び盛りの力が発揮されているのです。

 1月場所は、大波乱の場所となっています。
 良い取組が多い土俵でもあります。

 そうした中で、幕ノ内最高優勝の本命は貴景勝、二番手は朝乃山でしょう。

 そして、遠藤の快進撃がどこまで続くのかにも注目したいと思います。

[1月12日・東京両国国技館]
○炎鵬-(下手投げ)-宝富士●

 体格が全く違うプレーヤー同士が同じ条件で戦う=階級制が存在しない、のが大相撲の特徴のひとつなのですが、炎鵬が土俵立つたびに、「こんなに大きな人と戦って大丈夫なのだろうか」と感じてしまいます。

 この日の対戦相手・宝富士と仕切りをしている姿も、そうでした。

 炎鵬は、体重99㎏と報じられていますが、本当は90㎏くらいしかないのではないかと思います。

 立合いから、炎鵬・宝富士双方が、少し相手力士と距離を取りました。まわしを取りに行かなかったのです。
 10cm単位のやり取りが続いて、宝富士が左上手まわしを取った瞬間から相撲が動きました。
 炎鵬もほぼ同時に、右前みつを取ったのです。

 取組前の解説で、舞の海氏が「宝富士は学生相撲の経験から『小さな力士を相手にするのに』慣れています」と説明されていましたので、宝富士にとっては左上手を取れば十分という体制だったのでしょう。

 一方で、炎鵬にとっても右前みつは得意な形です。
 ここから宝富士の体の下に「もぐりこみ」ました。

 炎鵬の相撲を観ると、よく出てくる形なのですが、首がとても苦しそうです。
 変に動くと、首が折れてしまうのではないかと心配します。
 第一、土俵面が眼の前なのです。

 この体制でやり取りが有った後、炎鵬が前に出ます。とても苦しそうな体制で、宝富士に圧力をかけるのですから、観衆の心配は、ますます増加します。

 そして、機を観て頭を抜き、左からの下手投げ。
 これが豪快に決まりました。

 国技館は、割れんばかりの大歓声。

 炎鵬が勝ったのです。

 大銀杏が結われていたことが分からない程、炎鵬の髪は乱れています。


 現在の大相撲において、人気NO.1力士は炎鵬です。
 土俵入りの時から、声援の大きさはスバ抜けています。

 それもそのはずで、「炎鵬の相撲は面白い」のです。

 小さな力士が大きな力士を倒すという、「小よく大を制す」というベーシックな視点はもちろん有るのでしょうが、それ以上に、よく考えられた取口で懸命にプレーする姿が、共感を、大きな共感を生むのでしょう。

 お客様に喜んでいただく、楽しんでいただく、ことが、プロスポーツにとって最も大切なことであるとすれば、炎鵬は、現在の大相撲界において、最も「プロフェッショナルなプレーヤー」ということになります。

 もちろん炎鵬は、圧倒的に強い力士ではありません。
 前述のような必死の土俵の中で、勝ったり負けたりを繰り返すのです。
 取組前に考えていた取り口が上手くいかなかった時には、あっさり負けることもあります。というか、珍しくなく有ります。
 そうすると、大観衆はとてもガッカリします。

 しかし、炎鵬の人気はいささかも衰えません。
 「明日は面白い相撲を魅せてくれるだろう」とファンの誰もが思い、炎鵬はその期待に応えるのです。
 凄い力士だと感じます。

 勝とうが負けようが、観客に面白いプレーを披露する、という、プロスポーツの本質を炎鵬は示現しているのです。

 勝つこと、好成績を残すこと、優勝することも、観客を楽しませる要素なのですが、それ以上に重要な要素を、炎鵬は実行しているのでしょう。

 プロ野球の読売巨人軍には有名な言葉があります。チーム是と言って良い言葉ですが、「巨人軍は強くあれ」というのです。
 「巨人軍は勝たねばならない」という言葉では無いところが、プロスポーツの本質を表しているように感じます。
 「強くなければ、お客様に楽しんでいただくことは出来ないが、必ず勝たなければならないというものでは無い」、相手チームとの試合の中で、お互いに素晴らしいプレーを披露して、お客様に楽しんでいただく、最高のエンターティンメントを提供することこそが、プロスポーツのあるべき姿である、ということなのでしょう。

 大相撲においても白星は重要です。
 負け越してばかりでは、あっという間に番付が下がってしまいますし、高いスキルをベースとした取り口が、お客様にエンターティンメントを提供することは間違いありません。

 一方で、「何をやってもいいから勝てば良い」というのは、違うのでしょう。

 アマチュアスポーツにおいては「勝利は至上命題」なのでしょうが、プロスポーツにおいては「面白いこと、楽しめること、が至上命題」なのではないかと考えます。

 加えて、我が国、日本においては、「卑怯な手段で勝つ」というのは、最も嫌われることなのです。卑怯な手段で勝つくらいなら、正々堂々と負けた方が良い、とさえ考えられるのかもしれません。(勝利至上主義のアマスポーツにおいても、「卑怯なプレー」は決して正当化されないことは、皆様ご認識の通りです)

 卑怯な手段を用いることは「恥」だという文化。「恥」を背負い、社会を構成する他の人達から「後ろ指を指されながら生きる」ことを、最も嫌う文化。

 大袈裟に言えば、炎鵬関の相撲は「日本文化そのもの」なのかもしれません。

 今日の土俵においても、炎鵬は大歓声に包まれて土俵に上がるのでしょう。

 
 1月12日から、東京両国・国技館で行われる、2020年の大相撲初場所の注目力士検討です。

 2019年の土俵は、「若手とベテランが入り乱れた」感が有りました。
 そして、11月場所は横綱・白鵬の優勝で幕を閉じたのです。
 
 このところ、世代交代という声も上がるものの、現実の土俵を観ると、「若手が伸び悩み」、ベテラン力士を追い抜くまでには至っていないというのが、客観的な評価でしょう。

 長く「大関候補」と言われ続けた御嶽海が、11月場所の負け越しにより「振出し」に戻ってしまいました。
 代わって、現在最もホットな「大関候補」は朝乃山という状況です。

 若手がもたもたしている間に、元大関・栃ノ心が平幕に下がり、元大関・高安も陥落してしまい、大関・豪栄道はカド番です。
 大関が貴景勝ひとりになってしまう可能性もあるのです。

 大相撲の「形」を維持して行くためにも、若手の頑張りが期待される2020年ということなのでしょう。

 さて、注目力士です。

1. 横綱陣

 先場所優勝の白鵬と休場明けの鶴竜となれば、やはり白鵬の活躍に期待するのが自然なのでしょう。
 とはいえ、共にベテランの域に達していますから、まずは15日間を取り切っていただくことが、大切です。

2. 大関陣

 ここはやはり、貴景勝に優勝争いを演じていただきたいと思います。

3. 関脇以下の力士

③関脇・朝乃山

 毎場所強くなっている印象です。この場所を「大関取りの場所」にしてくれるような、大活躍を期待します。

④小結・阿炎

 11月場所は、東小結で9勝6敗と頑張りましたが、番付は上がりませんでした。力を付けています、今場所は二桁白星を期待します。

⑤魁聖

 故障からの回復に時間がかかりましたが、そろそろ全開でしょう。本来の力を発揮できれば、前頭16枚目なら大勝が可能です。

⑥小結・大栄翔

 着々と力を付け小結に上がりました。「強いなあ」と感じさせる相撲が増えています。この番付でどこまで星を伸ばせるか。

⑦隆の勝

 十両と幕ノ内で2場所連続10勝。この力でどこまで上がれるか、とても楽しみです。

⑧遠藤

 11月場所は、千秋楽の琴勇輝戦で敗れて負け越しました。ここが正念場。さらに上を目指すなら、大きな勝ち越しが必要です。

⑨妙義龍

 かつての「三役の常連」がコツコツと勝ち星を積み上げて、ついに前頭筆頭まで復活してきました。良い頃の相撲が観られるようになっています。定位置?の関脇まで、あと一歩です。

⑩霧馬山

 新入幕です。炎鵬や照強といった「小兵力士」の人気が高い現在、もうひとりの小兵力士が登場したというところでしょうか。土俵を沸かせていただきたいものです。

 1月場所は、以上の10力士に期待します。

 大関から陥落した高安については、今回は選外としました。
 10勝以上を挙げて、キッチリと復帰していただきたいと思います。ある意味では、思い切って取れる場所かもしれませんので、10日目まで上手く取れたならば、優勝も狙ってほしいものです。

 2020年は、真の「大相撲新時代」の到来が待たれるのでしょう。
 2019年の大相撲は、「新旧入り乱れた」土俵となりました。
 どの場所でも、どの力士が幕ノ内最高優勝に輝くのか、場所前の予想が出来ない状況でした。
 そうした中で、あの力士が帰ってきたのです。

 11月27日、日本相撲協会は2020年1月場所の番付編成会議を開催し、かえり十両5力士を決め、発表しました。
 その5力士の最後に「照ノ富士」の名前が有りました。

 2015年5月場所・東関脇の番付で初優勝を飾り、翌7月場所に大関に昇進した照ノ富士は、「横綱昇進も時間の問題」と言われた豪快な相撲で角界を沸かせました。
 もろ差しを許しても、外四つで十分に戦える相撲は、当時の横綱・大関陣を震撼させたのです。

 ところが好事魔多し。

 2015年9月場所に右膝を負傷し、2016年1月には右肩を負傷するなど、故障に見舞われ、3度のカド番をいずれも8勝7敗で凌ぎました。(これも凄いことだと思います)
 2017年には、一時期怪我から回復した相撲を披露(3月場所13勝、5月場所12勝)していましたが、残念ながら再発してしまい、11月場所にはついに関脇に陥落しました。

 その後は休場がちになり、2018年3月場所には十両に、同年7月場所には幕下に、同年11月場所には三段目に、2019年3月場所には序二段に、陥落を続けたのです。

 大関経験者で優勝経験者でもある力士が、序二段で相撲を取ること自体が異例のことでしたから、「引退も止む無し」と観られました。
 どちらかと言えば、「良く頑張った」という評価が多かったと思います。

 ところが、この「どん底」の状況から、「照ノ富士の反攻」が開始されたのです。

 怪我や病気(糖尿病)が少しずつでも良くなって来れば、そこは「物が違い」ます。

 序二段、三段目、幕下と瞬く間に駆け上がり、2019年11月場所では7勝0敗で幕下優勝して、一気に「関取に返り咲いた」のです。

 照ノ富士ほど「ジェットコースターのように番付を上下させた」力士は、長い大相撲の歴史においても滅多に居ないでしょう。

 怪我も病気も、いまだ完治してはいないとのこと。

 完治、あるいは完治に近い状況まで回復することができれば、「大関→序二段→横綱」という離れ業も、夢ではないかもしれません。

 2020年の照ノ富士関の活躍が期待されます。
[12月1日・決勝・東京両国国技館]
谷岡選手○-(上手投げ)-●イェルシン選手

 12月1日に行われた、第68回天皇杯全日本相撲選手権大会・決勝の取組において、近畿大学4年生の谷岡倖志郎選手(22歳)が勝ち、初のアマチュア横綱となりました。

 身長180cm・体重125㎏と、現代においては小柄な部類に入る谷岡選手ですが、まわしを引いての巧みな相撲で勝ち上がりました。
 決勝トーナメント2回戦では、振り返ってみれば「実質的な優勝決定戦」ではなかったかと思う、日本体育大学1年生の中村泰輝選手(19歳)との取組で、一気に前に出てくる中村選手(これが中村選手の取口であり、この相撲で11月の全日本学生選手権を制しています)の前みつを離さず、土俵際の上手出し投げで勝利しました。
 いかにも谷岡選手らしい取口でしたし、小兵力士が大きな力士に勝つ相撲そのものであったと感じさせる、見事な相撲でした。

 その後も、相手力士によって取口を変える相撲で勝ち上がり、決勝でも、パルタグル・イェルシン選手の突進を、かいくぐり、いなして右を差し、左上手も引いての上手投げで仕留めました。この大会を通じて、谷岡相撲のポイントであった「いなし」が決勝でも威力を発揮したのです。
 とても「理詰め」の相撲であったと思います。

 ご本人は、横綱・千代の富士の相撲を理想としていると報じられていますが、私には大関・霧島を髣髴とさせる相撲に観えました。
 いずれにしても、勢いに任せて取るのではなく、「相手力士毎に良く考えて作戦を立て、それを土俵上で実践する」という姿勢が、とてもプロ向きだと感じます。

 一方で、ご本人は「プロは目指さず、教員になって子供たちに相撲を教えたい」という希望であると報じられています。

 それが、好力士・谷岡の希望なのかもしれませんし、大相撲に挑戦したからといって成功できる保証もありませんし、その稽古や取組の厳しさは、想像を絶するものなのでしょう。ですから、安易な角界入りなど、考えられないことなのでしょうが、それでも少し「惜しい」と感じるのは、私だけなのでしょうか。

 大相撲11月場所は、横綱・白鵬が14勝1敗で優勝しました。
 43回目の優勝です。自身が持つ最多優勝記録を再び更新するものでした。

 白鵬は2日目に大栄翔に不覚を取りましたが、その後は白星を重ね、終盤は安定した内容の取口で他力士の追い上げを許しませんでした。

 対戦相手毎に、良く考えられた取口で、あらゆる手段を講じて取組に向かう姿勢、別の言い方をすれば、「勝利に対する凄まじいまでの執念」が実った形でしょう。
 千秋楽の貴景勝戦はその典型でした。

 一度目の立合いではじっくりと構えて、結局は「まった」。
 二度目は、腰を割った直後に跳びかかり、貴景勝の意表を突いたというか、先手を取ることに成功しました。一度目の「まった」と二度目の立合いがセットであったと感じさせる、計算し尽くされた取口でした。

 もともと経験十分で、力量も上位の力士が「あらゆる手段」を講じて取組に向かっているのですから、対戦する力士とすれば「それ以上」の研究と細心の注意を払った取口を見せない限り「互角」の勝負は出来ないのは道理で、従って、白鵬が優勝したということになるのでしょう。

 横綱が「あらゆる手段」を講じて、スピード相撲で臨んでくるのであれば、対戦相手の力士も「あらゆる手段」を講じなければなりません。
 2020年の各力士の事前研究と大胆な取口の展開に期待しましょう。

 白鵬を追いかけたのが朝乃山でした。
 11日目まで2敗を堅持し、1敗の白鵬に付いていったのです。
 しかし12日目、御嶽海に敗れて3敗となり、白鵬の独走となりました。

 朝乃山は千秋楽にも正代に敗れて、11勝4敗となってしまいましたが、「初三役」の場所で二桁勝利を挙げた価値は大きいと思います。あの貴花田(後の横綱・貴乃花)も初三役の場所は11勝4敗でした。
 11月場所で技能賞に獲得、そして「年間最多勝」(55勝。小結では史上初の受賞)にも輝いた、朝乃山の今後の成長が、本当に楽しみです。

 殊勲賞に輝いたのは、横綱・白鵬に唯一の黒星を付けた大栄翔でした。
 東前頭筆頭の番付で8勝7敗と勝ち越しました。
 難しい番付での勝ち越しは、「力を付けた証左」でしょう。
 
 敢闘賞は正代。11勝4敗でした。
 千秋楽の朝乃山との一番は「前に出て」の圧勝でした。
 一時は「大関候補」と言われていましたが、近時は勝ったり負けたりの相撲になってしまっていました。
 「胸を出していく」立合いが、もう少し低くなれば、もっと星が上がると言われて久しいのですが、やはり一度覚えた相撲はなかなか変えることが難しいようです。
 要するに「胸を出していく」立合いでも勝てるということなのでしょう。
 地力が有ることは誰もが認めていますので、もう一段上がるために、どのような工夫と稽古を熟していくかがポイントです。

 その他の力士では、まず小結・阿炎の活躍が目立ちました。
 1勝3敗の序盤でしたが、そこから8勝3敗で仕上げたところは、地力を示しました。
 特に、14日目と千秋楽で、貴景勝、御嶽海を連破した相撲は見事。
 ひらりひらりと動きながら、「前に出る力」を示すことができれば、星は自然に上がります。次代の大関候補のひとりでしょう。

 続いては、西前頭6枚目の炎鵬。
 14日目、千秋楽を連勝して勝ち越しました。素晴らしい終盤の粘りです。
 小兵ながら常に良く健闘し、土俵を盛り上げる相撲は、当代随一の人気です。
 来場所は上位との取組が組まれる番付に上がります。
 1月場所・国技館でも、大歓声に包まれることでしょう。

 さらに、西前頭12枚目の隆の勝。
 中日からの7勝1敗は素晴らしい。10勝5敗で仕上げました。
 4つ目のしこ名(舛ノ勝→舛の勝→隆の勝→)が合っているのかもしれません。今後の活躍が楽しみです。

 残念だったのは、関脇・栃ノ心。
 5日目から休場し、2勝3敗10休となって、大関返り咲きはなりませんでした。
 怪我との戦いに勝利していただき、再び、栃ノ心ならではの豪快な相撲を魅せていただきたいものです。

 残念な結果に終わった力士がもうひとり。
 東関脇・御嶽海です。
 11月場所で12勝以上を挙げれば一気に大関昇進が期待されましたが、結果は6勝9敗の負け越し。天国から地獄へという感じですが、場所前から「11月場所はコンディション調整が難しい」と言っていましたので、どうやら11月場所は「苦手」な様子です。
 そうなると御嶽海としては、3月場所、5月場所辺りから成績を上げ、7月場所、9月場所で勝負する形を取らなければならないことになります。
 白紙に戻った「大関取り」に向けて、2020年の奮闘が期待されます。

 序盤戦は「大混戦」を予感させる土俵でしたが、後半は横綱・白鵬が強さを魅せました。

 横綱・鶴竜、大関・豪栄道、大関・高安、友風、逸ノ城、若隆景らの、今場所休場してしまった力士の皆さんの復活も、待たれるところです。治療に専念してもらって、1月場所で元気な姿を見せていただきたいものです。

 2019年は「新旧入り乱れた大相撲」であったと感じます。

 2020年の土俵には、どんなシーンが待っているのでしょうか。


 11月場所の2日目は、大波乱でした。

 横綱・大関が全敗というのも滅多に観られないことだった(本ブログ2019年5月22日付の記事「[大相撲2019・5月場所・11日目] 関脇以上の力士が全敗」をご参照ください)筈ですが、今年に入って2度目の波乱の土俵となってしまいました。

 波乱の始まりは、遠藤VS明生の一番でしょう。前頭・明生が小結・遠藤を突き落としで破りました。
 続いては、御嶽海VS北勝富士。小結・北勝富士が関脇・御嶽海を突き落としで破ったのです。
 さらに、栃ノ心VS妙義龍。前頭の妙義龍が関脇・栃ノ心を引落しで破りました。
 続く、豪栄道VS隠岐の海は隠岐の海の不戦勝で、これは止むを得ないのでしょうが、さらに続く、貴景勝VS朝乃山は、小結・朝乃山が大関・貴景勝を上手出し投げで破り、高安VS阿炎は、小結・阿炎が大関・高安を押し出しで破りました。
 そして結びの一番、白鵬VS大栄翔は前頭・大栄翔が横綱・白鵬を押し出したのです。

 全ての取組で、番付下位の力士が白星を獲得しています。
 「下剋上の極み」という感じですし、「番狂わせ」という言葉を使うのが憚られる様相でもあります。

 大相撲の世界では番付が絶対的な地位を示すものですので、「番付の権威」にも係わる事態でしょう。

 加えて、11月場所は「怪我・故障による休場」が相次いでいます。

 場所開始直前には逸ノ城が、初日開始前には横綱・鶴竜が、初日取組後には大関・豪栄道が、2日目取組後には友風が、休場しました。
 これだけ「連日連続」するのも、滅多に無いことでしょう。

 何やら不穏な空気が漂う11月場所ですが、小結・朝乃山や優勝経験者・玉鷲が2勝0敗で頑張っています。

 まだ2日目ですけれども、ある意味では「大相撲の秩序」が試される場所なのかもしれません。

 11月10日から福岡国際センターを舞台に開催される、大相撲2019年11月場所の注目力士検討です。

 今場所の前頭上位から関脇までの力士を観ると、とても充実していて、横綱・大関陣も含め、誰が優勝しても不思議ではない感じがします。

 今場所も、序盤を上手く乗り切った力士の優勝争いとなるのでしょう。

 さて、注目力士です。

1. 横綱陣

 このところ休場がちであり、精彩を欠いている横綱陣ですが、11月場所では鶴竜に期待します。
 この横綱の集大成と言うべき活躍が期待されるところです。

 大横綱・白鵬については、15日間取り切れるかどうかがポイントでしょう。
 もちろん、まだまだ優勝する力はあります。

2. 大関陣

 こちらも、近時精彩を欠いていますが、今場所は婚約を発表した高安に期待します。
 優勝していない大関と言うのは、珍しくはありませんが、とはいえやはり初優勝で結婚に花を添えたいところでしょう。

3. 関脇以下の力士

① 関脇・御嶽海

 大関取りの場所です。過去1年間の安定感では、全ての力士の中で最上位でしょう。しっかりと取ってくれれば、結果は付いてくると思います。

② 小結・朝乃山

 小結が4人居る場所というのも珍しいのですが、力を付けてきた力士が数多く居るということでしょう。そして「生き残りをかけた戦い」とも言えるのでしょう。

 中でもまず、朝乃山に期待します。2019年3月場所辺りまでは、強い時と弱い時の差が大きいと感じましたが、相当安定してきました。柔軟な足腰を生かした相撲が取れれば、二桁勝利も可能でしょう。

③ 豊山

 そろそろ本格化と観ています。幕内に上がり、十両に落ちて、相撲を磨いてきました。取口が多彩になっていますので、今度は幕内上位を目指す戦いとなります。

④ 阿炎

 4人の小結の一角。前に出る力がポイントとなる力士です。今場所、この力が発揮できれば、ひょっとすると優勝するかもしれません。

⑤ 遠藤

 4人の小結の一角。大相撲の一時代を支えた人気力士も29歳となりました。そろそろ、自らのゴールラインを目指す時期でしょう。故障も相当に癒えた感じですので、大関取りに向けた大相撲を魅せていただきたいものです。

⑥ 隆の勝

 新入幕です。先場所は東十両2枚目で10勝5敗の成績でした。押しを基本とした相撲で、大暴れして欲しいものです。

⑦ 北勝富士

 4名の小結の一角。外連味の無い取口は好感が持てます。あまり大勝ちしないタイプですが、そろそろ「爆発」してほしいものです。

⑧ 逸ノ城

 このまま終わってしまう力士では無いでしょう。「底知れぬ力」と評された実力を発揮する場所です。

 11月場所は、以上の10力士に注目します。

 今後の「大相撲の形」を決めて行く場所になりそうです。

[9月22日・千秋楽]
貴景勝○-(押し出し)-●隠岐の海

[9月22日・千秋楽]
御嶽海○-(寄り切り)-●遠藤

[9月22日・優勝決定戦]
御嶽海○-(寄り切り)-●貴景勝

 14日目を終えて3敗で並んだ、御嶽海、貴景勝、隠岐の海の3力士ですが、千秋楽・本割の取組で貴景勝が隠岐の海を破り、御嶽海が3敗をキープして、優勝決定戦に縺れ込みました。

 そして、この一番を御嶽海が制して、2度目の幕ノ内最高優勝を果たしたのです。

 2横綱が早々に休場し。2大関がカド番からの脱出に注力して本来の相撲が取れないでいる中で、場所をリードし、締めたのは、残る力士の最高位である2関脇でした。

 そういう意味では、大混戦の場所でしたけれども、「番付け」という大相撲の秩序はギリギリ守られたということになるのかもしれません。

 まず、隠岐の海が8連勝で走り、これを明生が1敗で追う展開となって、9日目には両力士が1敗で並びました。
 10日目には両力士が2敗となって、両関脇と朝乃山が並ぶという目まぐるしい展開。
 11日目には、御嶽海と隠岐の海、朝乃山が3敗となって後退、12日目には明生が敗れて貴景勝が単独トップに立ちました。
 その貴景勝も13日目に敗れて、賜杯の行方は3敗力士による争いとなったのです。

 この展開を観てみると、優勝経験のある3力士に隠岐の海、明生が絡んだ形ですので、
 隠岐の海・明生の健闘が目立つと共に、やはり「優勝する力士は何かが違う」ことを表しているようにも感じます。

 御嶽海にとっては、11月場所が大関取りの場所となります。2度目の優勝は大きな実績となることでしょう。

 大関復帰を賭けた場所で、最後まで優勝を争った貴景勝は立派な場所でした。大関の力が十分に有ることを明示して魅せたのです。

 この2力士が、今後の大相撲を支えて行く存在であることは、間違いなさそうです。

 大相撲2019年9月場所は中日を終えました。

 幕ノ内最高優勝の行方は全く分からない、大混戦となっています。

 大混戦の最大の要因は、二人の横綱の休場でしょう。
 白鵬は初日で破れて直ぐに休場、鶴竜は4連勝の後3連敗となって休場しました。
 横綱であっても、コンディションが良くない時には、平幕とも互角の相撲になってしまうという「現状」を示しているのでしょう。

 また、大関陣も二人ともカド番ですから、毎日の土俵で白星を取ることに精一杯という状況です。
 
 横綱・大関陣がそろって不振な場所が「混戦」になるのは、自然なことなのでしょう。

 そうした中で中日勝ち越しを決めたのが、東前頭8枚目の隠岐の海です。
 入幕以来最高の連勝を、ベテランが続けて居るのですから素晴らしい。
 「簡単にはあきらめない」のが今場所の隠岐の海なのです。

 続くのは、西前頭10枚目の明生。7勝1敗です。
 2日目に炎鵬に敗れましたが、それ以外の取組では「強い」という内容のものが多いと感じます。

 そして「6勝2敗」には、数多くの力士が並びます。
 御嶽海、貴景勝の関脇陣、小結・遠藤、前頭の朝乃山、剣翔、石浦、の6力士です。
 虎視眈々と優勝を狙っている形です。

 全勝から2敗までに8力士が居ますから、おそらくはこの8力士の中から優勝力士が出るのでしょう。

 現時点で最も優勝に近いのは隠岐の海なのでしょうが、上位との対戦が早めに組まれる可能性もありますから、全く分からないというのが妥当な見方なのでしょう。

 2019年9月場所は、本当に面白いのです。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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