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 4月8日、花巻東高校女子野球部が初練習を行ったと報じられました。
 同校の野球場で、男子野球部の練習後、自分達の練習を行ったのです。

 昨年11月、花巻東高校に「女子」野球部が出来ると報じられていましたが、新型コロナ禍の中でどうなるのだろうと思っていました。それが予定通り、2020年春に始動出来たのです。(岩手県は、現時点でも全国で唯一の感染確認者0都道府県です)

 今春には、もうひとつ、駒大苫小牧高校にも女子野球部が出来たと報じられています。

 全国区の男子野球部が存在する高校に、女子野球部が続々と出来ているのを観ると、女子の硬式野球熱が高まっているということなのでしょう。

 女子高校野球界においては、毎年3月に全国選抜大会、7月に全国選手権大会、8月に全国ユース大会の、3つの全国大会が開催されています。
 2019年には、選抜に26チーム、選手権に32チーム、ユース大会に24チームが参加しています。(2020年の選抜大会は、残念ながら中止となりました)
 現在のところ、全国高等学校女子硬式野球連盟の加盟校が少ないので、各県の予選大会は行われていませんが、連盟の設立が1998年であることを考え合わせても、女子高校野球も着々と歴史を積み重ねているのです。

 2020年春時点の女子高校野球の名門チームを観て行きましょう。

 まず挙げられるのは、埼玉栄高校チームでしょう。
 選手権7回、選抜6回の優勝を誇る、女子高校野球界NO.1の名門でしょう。

 続いては、花咲徳栄高校チーム。
 選手権2回、選抜3回の優勝を誇ります。

 埼玉県が、我が国における女子高校野球の先進県であることは間違いないでしょう。

 さらには、神村学園高校チームは、選手権6回、選抜3回の優勝を誇ります。
 また、福知山成美高校チームは、選手権1回、選抜2回の優勝を誇ります。

 他にも、作新学院高校チームや、履正社高校チームも強く、近年では神戸弘陵高校チームが、創部間もないにも拘わらず6度の全国制覇を重ねています。

 いずれも、男子野球部が全国でも名を知られた名門高校ですので、基本的には「野球が盛んな地域」ということなのでしょう。
 そして、そうした地域では、女子アスリートの中にも「野球をやりたい」という方が多いのでしょう。
 もちろん、女子硬式野球の指導者が居ることも、とても大事なことです。

 神戸弘陵高校チームの例にも観られますように、創部間もないチームでも全国制覇を狙うことが出来ます。
 花巻東高校チームと駒大苫小牧高校チームの、今後の全国大会での活躍が、本当に楽しみです。

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 3月19日に開幕予定の2020年春の甲子園大会は、無観客試合で行われる方向で検討が進められていますが、まだ中止の可能性も残っていて、3月11日に最終的な結論が出されると報じられています。

 国民的イベントがここまで追い込まれるのを観ると、新型コロナウイルス禍の凄まじさを改めて感じます。
 どれほど多くの人々に影響を及ぼしているのか、想像もつきません。

 この感染症は、罹患した本人への悪影響ももちろん大きいのですが、周囲の人々への悪影響がとても大きいことをよく認識しておく必要があります。
 「かかっても軽症で済みそうだから、私は気にしない」といった考え方は、全く通用しない、ひとりの患者が生ずると、関連する数百人いや数千人の人々に悪影響を及ぼし、そのひとりのためにいくつもの会社が倒産に追い込まれる→関連する多くの人々の人生を激変させる可能性が有ることを、心に刻んでおく必要があるのでしょう。
 もちろん、見えないウイルスに罹患する際には「不運」という要素が有って、個人の力では如何ともしがたい面があるのでしょうが、わざわざかかり易い行動をとるという「愚」は犯したくないものです。

 さて、春の甲子園2020の無観客試合化(あるいは中止)も、本当に大きな波紋を周囲に及ぼすのでしょう。それはもう想像を絶するレベルです。
 例えば、応援に来阪する観客の皆さんが宿泊する予定だったホテル・旅館のキャンセルの影響は、十分に想像が出来ます。数万、あるいは数十万件のキャンセルのダメージは甚大でしょう。

 いわゆる「甲子園グッズ」を取り扱う皆さんへの影響も空前のものでしょう。
 2020年大会に出場する全チームの名前が印刷されたタオルや、各チーム毎のペナントやキーホルダーといった各種のグッズは、相当の販売数量が見込まれていて、その数量についてのノウハウが蓄積されている業者さんは、販売予定数量を既に製作し、いつでも販売できる体制を構築済みの筈です。
 トータルすれば、数十万個あるいは数百万個、下手をすると1千万個を超える数量なのかもしれません。
 これらが「売れ残る」とすれば、それはもう多くの中小企業にとって死活問題です。

 業者さんたちの対応策を考えてみると、まずは出場予定各チームの関係者に連絡を取ることになりそうです。(毎大会行われていることかもしれませんが)
 当該チームの応援に来る予定であった方々に、当該チームのグッズを紹介するのです。
 当該チームの選手の関係者はもちろんとして、当該チームが属する地域の皆さんは、そのチームが初出場であれば尚更、関連するグッズへのニーズが高いからです。
 次回の出場が何時になるのか、あるいは、もう二度と出場できないかもしれないと考えれば、関連するグッズへの需要が極めて高いのは自然なことでしょう。
 こうした需要は、いわゆる常連校チームの関係者の皆さんにとっても、それ程大きな差は無いのかもしれません。
 「春の甲子園2020」は、唯一無二のものだからです。

 こうした個別の出場予定チームの関係者の皆さんには、出場全チームに関連したグッズへのニーズもあることでしょう。自分達が応援するチームが出場した大会の他の出場校に関する情報も、とても第切な物だからです。
 無観客形式であろうと開催されることとなれば当然、優勝校チームも存在することとなります。優勝校チームの名前と共に、応援するチームの名前が記載されたグッズは、選手のみならず関係者の皆さんにとっても「一生の思い出」となります。

 こうした形で、業者さんたちは製作済みの各種グッズの相当量を捌いて行くことになりそうですが、それでも残りそうであれば、ネット販売を行って欲しいものです。

 私も、甲子園大会を観る為に阪神甲子園球場に何度か足を運びました。大会グッズもいくつか購入しました。自らの「あの頃の人生」を思い出すのに、これほど良い品物は無いとも感じます。

 一方で、甲子園球場に足を運ばない各大会における関連グッズについては、なかなか入手が困難です。
 テレビなどで紹介されるグッズの中には、欲しいなと感じるものも多々あります。
 甲子園大会グッズは、基本的には「現場・甲子園球場に行って」購入するものなのでしょう。
 日本中の甲子園大会ファンの中には、同じように感じている方々も居ると思います。
 
 甲子園グッズ関連の業者の皆さんにおかれては、売れ残る怖れのあるグッズ類については、しっかりとしたPRの上で、ネットで販売していただきたいと思います。
 勝手な要望で恐縮ですが、個人的には出場全チームの名前が記載されたタオル、大きなタオルであればより良いのですが、これは是非入手したいと思います。

 今回は「個人的要望」も交えた記事になってしまいました。
 お詫び申し上げ、お願い申し上げる次第です。
 
 夏の甲子園2019の記事をもうひとつ。

[8月12日・第2試合]
海星3-2聖光学院

 海星高チーム・柴田蓮人、聖光学院高チーム・須藤翔、両先発投手の素晴らしい投手戦でした。
 
 テレビで観戦していると「どんどんイニングが進み」ました。
 あっという間に5回終了、という感じだったのです。

 柴田投手は、9イニング・93球、33人の打者を相手にして、被安打7、与四死球0、奪三振2。
 須藤投手は、9イニング・109球、36人の打者を相手にして、被安打8、与四死球0、脱三振2、という「互角」の投球内容でしょう。

 決して、両投手ともノーヒットノーランに近いピッチングをしていたわけでは無く、ヒットも相当数浴びていますが、ランナーを背負い、失点しても、「打たせて取る」というスタイルに徹していたのです。

 両チームの打線も、ウェイティングという戦法を取らず積極的に打って行った、別の言い方をすれば「打者に打てると感じさせる」投球を、両投手が行っていたということになります。

 結果として、

① 令和の甲子園大会初の「無四球試合」
② 両投手の球数計202球
③ 試合時間1時間43分

 という、とてもスピーディなゲームが実現したのです。
 しかも大接戦、両チームが力を尽くした密度の濃い試合でした。

 21世紀の甲子園大会のゲームで完投すれば、大抵は「130球越え」、時には「150球前後」の球数になってしまうことが、決して「当たり前では無い」ことを、柴田・須藤の両投手は示してくれました。
 
 今大会、屈指の好ゲームであったことは、間違いありません。

[8月22日・決勝]
履正社5-3星稜

 今大会NO.1ピッチャーと呼び声高い奥川投手という「盾」と、準決勝まで全てのゲームで二桁安打を記録し、勝利に必要な得点を確実に挙げている骨太な履正社打線という「鉾」が激突した決勝戦は、「鉾」の勝利となりました。

 1回表の攻防が、ゲームの形を決めた様に感じます。
 履正社1番の好選手・桃谷選手はショートゴロに打ち取られましたが、2番・池田選手がレフトオーバーの3塁打を放ちました。ここは、奥川投手が3・4番を抑えましたが、少なくとも「バットに当たる」という感触を、履正社打線は持ったことでしょう。

 「気持ち良く投げられたら手も足も出ない」とは、履正社・岡田監督の試合前のコメントですが、履正社打線は1回表から、奥川投手に「気持ち良く投げさせない」ことに成功したのでしょう。

 奥川投手としては、やはり連戦の疲れが残っていたのか、決勝戦への気負いからか、力みが観られる投球で、コースが高めに偏り、ボールのキレも不足していました。

 3回表の攻防で、「いまひとつ」の奥川投手を、履正社4番の井上選手が捉えました。
 2死からの2四球で生まれた、ランナー1・2塁のチャンスで、奥川投手が投じた真ん中高めのスライダーを完ぺきに捕え、センターオーバーの3ランホームラン・・・。
 これで、試合の流れは完全に履正社チームに傾きました。

 「勝負あり」とも感じました。

 この後、星稜チームの打線は良く反撃し、3-3の同点まで追い上げましたが、7回裏同点とした後の2死満塁、5番・大高選手がセカンドフライに倒れてしまいました。
 星稜チームに「勝機」があったとすれば、ここでしょうけれども、そもそも「先行逃げ切り」であるべきゲームで、逆転を目指すということが、今年の星稜には馴染まなかったのかもしれません。

 「鉾」と「盾」の対決は、今回は「鉾」に軍配が上がりました。

 戦う度に、勝ったり負けたりというのが、2019年決勝の両チームであろうと思いますが、甲子園大会決勝を勝ち切った履正社チームの「勝負強さ」が際立ったゲームでした。


[8月20日・準決勝第2試合]
星稜9-0中京学院大中京

 今大会NO.1投手、星稜高チームの奥川投手が先発し、見事な投球を魅せて7回まで中京学院大中京高打線を抑え込みました。
 8回からは寺沢投手に替わり、寺沢投手も8・9回の2イニングをしっかりと抑え、星稜が完封勝ちを収めました。

 星稜打線も、3回戦までの得点力不足から立ち直り、準々決勝に続いて、十分な得点を挙げました。
 3回裏二死からの9番・山瀬選手のタイムリーヒットが、試合を決めた一打でしょう。

 「終盤の逆転」で勝ち上がってきた中京チームも、奥川投手の「超高校級」のピッチングの前に沈黙を余儀なくされ、得点差が付いてからは、やや戦意を失った感もありました。

 やはり、どんなに強力な打線でも、素晴らしい投手が好調な時には、打ち込むのは、本当に容易なことでは無いのでしょう。

 さて、星稜チームは決勝に駒を進めました。

 決勝では「骨太」の強力打線を誇る履正社チームとの一戦です。
 履正社打線は、春の甲子園2019緒戦で奥川投手に完全に抑え込まれた(17三振)経験を踏まえて、鍛え上げてきたとも報じられています。

 今大会NO.1投手・奥川投手と履正社打線の激突は、「鉾と盾」の対決にも観えます。
[8月20日・準決勝第1試合]
履正社7-1明石商

 今大会屈指の好投手・中森投手と強力・履正社打線の対決が注目された試合でしたが、履正社高チームの打力が勝りました。

 ここまで「全てのゲームを1点差」で勝ち抜いてきた明石商高チームとしては、このゲームも接戦に持ち込む必要があった訳ですが、1回表の履正社の攻撃が、明石商の思惑を一気に打ち破った印象です。

 1回表、履正社の1番・桃谷選手がセンターオーバーの三塁打。このゲームの流れに対する、物凄いインパクトでした。
続く2番・池田選手のレフトへのタイムリーヒットで、あっという間に先制します。
 4番の井上選手がヒットで続き、5番・内倉選手がライトへのツーベースで2-0とリードを広げます。そして6番・西川選手がレフト前タイムリーヒットを放って、履正社は4-0とリードしたのです。

 150km/hを超えるストレートを擁して、連打を打つのはなかなか難しいと言われていた中森投手が「落ち着く暇」を与えない、一気の攻めでした。

 この「4点」で履正社チームはゲームを支配した、のでしょう。

 履正社先発の岩崎投手は、1回裏、明石商1番の来田選手にホームランを許しましたが、結局この1失点で完投しました。
 準々決勝・関東一チームとのゲームの清水投手といい、履正社には「完投できる」、それも甲子園大会の準々決勝・準決勝という「重いゲーム」を投げ切る力の有る投手が複数居るというのは、凄いことだと思います。

 打線に話を戻します。
 準決勝までの履正社チームの勝ち上がりを観ると、緒戦が11-6、第2戦が7-3、第3戦が9-4、準々決勝が7-3、準決勝が7-1と、「余裕を持って勝利するに必要十分な得点」を挙げているというか、それだけの得点しか挙げていない、ように感じます。
 別の言い方をすれば「無駄な点は取らない」ということなのかもしれません。
 まだ、「余力」さえ感じるのです。

 スイングの鋭さ、打球の速さ、どれを取っても履正社チームの打線は「骨太」です。

 春の大会ベスト4という、甲子園のマウンド経験も十分な好投手、中森投手でも抑えられませんでした。

 2019年夏の甲子園の履正社打線を抑え込むのは、本当に容易なことでは無いのでしょう。

[8月18日・準々決勝第2試合]
中京学院大中京6-3作新学院

 終盤の逆転劇で勝ち進んでいる中京高チームが、この試合でも7回・8回に集中打を魅せて、見事な逆転勝利を掴みました。

 2-3と1点差に迫った中京は、8回裏4番・藤田選手、5番・小田選手、6番・不後選手が四球を選び、無死満塁のチャンスを掴みました。
 作新学院高チームとしては、藤田選手に四球を与えた、先発・林投手を三宅投手に交替しての連続四球は、残念なことでしょう。とはいえ、林投手には疲労の色が濃かったので、止むを得なかったと感じます。

 打席には、中京チームのマウンドを守る元選手が立ちました。
 そして、元選手がレフトポール際に満塁ホームランを放ったのです。
 
 事実は小説よりも奇なり、と言いますが、本当に劇的なホームランでした。

 それにしても、2回戦の北照高チームとの試合の7回裏一挙4点、3回戦・東海大相模高チームとの試合の7回表一挙7点、そしてこのゲームの7・8回の6点と、中京チームの終盤の得点力は本物ということでしょう。
 「東の横綱」とも言われた東海大相模をねじ伏せたゲームも、決してフロックでは無いことを証明してくれました。

 また、中京チームのこのゲームの陰の立役者が「投手陣」であったことも、間違いないところでしょう。
 不後・元・赤塚・元と繋いで、強打の作新打戦を3点に抑え込んだのです。

 3回戦で18点を叩き出している作新打戦は、勢いに乗せれば「何点でも取る」タイプですから、初回に4番の石井選手に3ランホームランが飛び出した時には、「攻め捲る野球」が再び観られるかと感じましたが、不後投手はその後の作新の攻撃を丁寧に捌きました。
 そして6回を終っても追加点が取れない作新学院チームに、やや「焦り」が生じたとしても不思議ではありません。
 一方で、今大会を投げ抜いてきていた林投手の球威が落ちて来ていた=疲労が蓄積されていたのです。

 この状況で、「終盤の中京」が牙を剥いたことになるのでしょう。

 中京学院大中京は、今大会最大の躍進チームとなりました。
 準決勝でも、良いゲームを魅せていただけることでしょう。

[8月17日・第2試合]
星稜4-1智弁和歌山(延長14回タイブレーク)

 好ゲームでした。

 両チームの投手が頑張り、試合は1-1のまま延長に入りました。
 同点のまま延長12回を終って、今大会初めてのタイブレークに突入したのです。

 タイブレークの13回表裏、14回表裏の両チームの攻撃では、無死1・2塁からランナーを進めることが出来ませんでした。
 当然ながら「送りバント」戦法が使われるわけですが、4度のトライで4度共、セカンドランナーがサードで刺されました。
 やはり、まだタイブレークにおける「攻撃側のノウハウ」が出来上がっていないという印象。一方、守備側は、特に智弁和歌山高チームに顕著に観られた、1塁手と3塁手の猛ダッシュが効果的でした。この守備に対する攻撃側の戦法のバリエーションが少ないのです。

 試合は、延長14回裏、1死1・2塁から福本選手が左中間スタンドに3ランホームランを叩き込み、サヨナラ勝ちを収めました。打った瞬間、外野手の頭上を超えることが分かる素晴らしい打球でしたから、星稜高チームの勝利は観えましたが、その打球がフェンスをも超えたのです。
 劇的な結末でした。

 戦前の予想通り、星稜・奥川投手VS智弁和歌山打線という展開となりましたが、奥川投手は好調なピッチングを続けました。6連続を含めて、次々と三振を奪い、智弁打線に付け入る隙を与えませんでした。

 しかし、こういう超高校級の投手を擁するチームに有りがちな「得点力不足」が、星稜チームにもあるのです。
 今大会の緒戦も1-0・奥川投手完投という、何が起こるか分からない甲子園大会においては「薄氷を踏むような勝利」でした。

 このゲームでも、奥川投手に2点を取ってあげることが出来れば、ある意味では「楽勝」出来る程に、奥川投手は好調だったのですが、星稜打線は4回裏に1点を取ることしか出来ませんでした。

 甲子園大会においては、1点では勝利は覚束ないのです。
 
 6回表、智弁和歌山打線がワンチャンスをものにして同点としました。
 奥川投手のストレートをライトに運んだ西川選手の打撃は見事でしたし、智弁和歌山チームの「意地」が感じられるタイムリーでした。

 星稜チームは、その後もチャンスを創りますが得点することが出来ず、奥川投手は強打の智弁和歌山チームを、僅か3安打に抑え込みました。

 7回の攻防の頃から奥川投手から笑顔が消えました。

 おそらく、この頃から右足ふくらはぎの状態が良くなかったのであろうと思います。
 9回頃の奥川投手には「疲労」の色が観えましたので、試合の帰趨は全く分からない状況になったと感じました。

 智弁和歌山チームの小林・矢田・池田の3投手も懸命の投球を続け、9安打を浴びながらも星稜打線を1点に押さえ込みました。
 素晴らしい守備であったと思います。

 11回、奥川投手の脚の変調は誰の眼にも明らかでした。
 水を大量に飲み、アミノバイタルでしょうか、粉状のものも補給しました。
 そして12回のマウントに向かいました。
 そして「回復していた」ように観えました。奥川投手にひとつのノウハウが積み上がった瞬間であったかもしれません。

 タイブレークに入ってからは、試合はどちらのチームに傾いても不思議は有りませんでしたが、14回裏に星稜チームの10安打目・福本選手のホームランが飛びだしたのです。

 果てしなく続くかに観えたタイブレークが幕を閉じました。

[8月13日・第4試合]
敦賀気比19-3国学院久我山

 敦賀気比高チームの猛打が爆発し、22安打を放って19点を挙げ圧勝しました。

 驚くような「ビッグイニング」が有った訳では無く、初回3点、2回3点、3回2点、5回2点、7回4点、9回5点と、毎回のように得点を重ねた打線は、まさに「どこからでも点が取れる」チームであることを証明してみせた形でしょう。

 チームが「攻め続けた」ゲームにおいて、3番、一塁手の杉田翔太郎選手が大記録を達成しました。
 1回にライト前ヒットを打っていた杉田選手は、2回ライトに2塁打、3回センターにヒット、5回にライトに三塁打、そして9回表の打席を迎えたのです。既に4安打を重ねていた杉田選手は、ここでライトに2ランホームランを放ったのです。
 単打→二塁打→(単打)→三塁打→本塁打の5安打という、見事なサイクルヒットでした。
 101回の大会史上6人目の快挙です。

 杉田選手は、9回の打席で「ホームランを狙って」打ったのでしょうか。

 チームが大量リードしていましたから、狙って行きやすい環境ではありましたが、ホームランというのは、どんな状況であっても、狙って打てるものでは無いでしょうから、あの瞬間、杉田選手に「野球の神様が舞い降りていた」のかもしれません。

 さて、3回戦・8月17日の仙台育英戦の初回、後頭部に死球を受けた杉田選手は、病院に運ばれました。
 検査の結果、幸い異常は無く、試合の途中でベンチに戻りましたが、ゲームには戻れませんでした。

 敦賀気比チームは接戦の末、敗れました。

 杉田選手の退場が、ゲーム展開にどのような影響を与えたのかは分かりませんが、絶好調だった杉田選手にとっては、こうした形で甲子園の大舞台を去るのは、本当に残念なことだったのでしょう。

 台風10号の影響で、3回戦の初日が予定されていた8月15日の試合が翌日に順延となりました。
 ベスト16の対戦となる3回戦が行われる前に「1日の休み」が入るというのは、なかなか無いことですので、改めてカードを見て行く時間が出来ました。

[8月16日]
第一試合 岡山学芸館VS作新学院
第二試合 東海大相模VS中京学院大中京
第三試合 明石商VS宇部鴻城
第四試合 海星VS八戸学院光星

[8月17日]
第一試合 高岡商VS履正社
第二試合 星稜VS智弁和歌山
第三試合 敦賀気比VS仙台育英
第四試合 鶴岡東VS関東一

 素晴らしいカードが並んでいます。

 まず目に付くのは、星稜VS智弁和歌山でしょう。
 奥川投手を中心として、攻守のバランスが良い星稜チームと、伝統的な打線の爆発力で勝ち進む智弁和歌山の、優勝候補同士の一戦です。
 俗な言い方で恐縮ですが、奥川投手と智弁打線の激突が、とても楽しみです。

 続いては、敦賀気比VS仙台育英でしょうか。
 共に「集中打」が特徴の両チームの一戦は、先制点が大きくものを言いそうです。
 「2点以上の先制点」を挙げたチームが、ゲームをコントロールすることになりそうです。

 明石商VS宇部鴻城も注目されます。
 中森投手を中心とした、明石商チームの堅実な守備力は、相当にレベルが高いと感じます。あの花咲徳栄チームの強力打線を、3点に抑え込んだ緒戦の戦い振りは見事でした。
 春の甲子園でも大活躍しましたが、このゲームも勝つようなら、優勝候補に名乗りを上げることになるでしょう。

 高岡商と鶴岡東の戦いも注目されます。
 履正社と関東一という大阪と東京のチームを相手にすることとなりましたが、「雪国チーム」の力を示していただきたいと思います。
 両チームとも伸び伸びと持ち味を発揮していますので、期待十分です。

 夏の甲子園大会は、3回戦から一気に決勝に進む印象が有ります。
 まさに「佳境」なのです。

 好ゲームが多い第101回大会ですから、眼の離せない試合が続くことでしょう。

 第101回大会は折り返しを過ぎ、3回戦の試合を前にしていますが、今大会では守備の際に「足がつる」、それも「ふくらはぎの痙攣」という症状が、数多く発生しているように観えます。

 守備プレーの後に、選手が動けなくなってしまったり、最初は「大丈夫」という様子なのですが、やはり無理で、他者の補助を受けながらベンチに下がったりします。
 片脚では無く、両脚が痙攣しているケースも有るようです。

 とても暑い環境下でのプレーですから、こうした症状が発生するのも無理は無い訳ですが、それにしても今大会は多いと感じます。

 また、不思議なことに1塁手、2塁手に多いようにも見えます。
 外野手や、遊撃手、3塁手、バッテリーにおいては、こうした症状はあまり見られないのです。

 内野の右半分で数多く発生するというのは、何か理由が有るのでしょうか。

 例えば、日差しの角度の関係で、特定の時間帯に甲子園球場の1・2塁手の辺りが他のポジションより暑くなるとか・・・。
 そこのところは、分かりません。

 加えて、ひょっとすると「プレーのパフォーマンスを上げる為に、極力水分は摂取しない」という考え方が、一部のプレーヤーにはあるのかもしれません。
 酷暑の中のプレーにおいては、この考え方は採用できないのでしょう。

 いずれにしても、中心選手が「脚の痙攣(なかなか治らない)」で交替するとなれば、チームにとって大きな戦力ダウンに繋がりますし、プレーヤー個人としても、せっかくの大舞台をそうした形で去るというのは、残念至極でしょう。

 こうした「痙攣」は、水分の摂取量が不足している場合に発生するとも言われますから、ゲーム中、選手は十分に水分を補給する必要があるのかもしれません。

 多くのチームでは、ゲームに適した水分補給の判断は個々の選手に委ねられていると思いますが、これだけ多くの事例が発生すると、チームスタッフとしても注意する必要がありそうです。

 やはり、甲子園大会で勝ち上がって行くのは、大変なことなのです。

[8月11日・第2試合]
東海大相模6-1近江

 東西の横綱対決として、緒戦屈指の好カードと言われたゲームは、ソツの無いプレーを展開した東海大相模高チームが快勝しました。
 
 4回表、四球とエラーで先制、5回表追加点、6回表に3点を加えて5-0とリードしました。
 近江高チームにとっては、自慢の堅守が綻び、エラーを重ねたことが痛かったのですけれども、そのエラーを最大限に活かした東海大相模チームのプレー、特に「走塁」が見事でした。

 6回表には、「見たことが無い」プレーが現出しました。
 東海大相模2番・井上選手が2塁ゴロエラーで出塁、3番・西川選手が送りバント、これが後方への小フライとなり、近江の有馬捕手がダイビングキャッチ。
 典型的な「送りバントの失敗プレー」でした。
 送りバントにトライする時に、最もやってはいけないプレーのひとつですし、有馬捕手の闘志溢れるプレーも素晴らしいものでした。

 ところが、1塁ランナーの井上選手がタッチアップから2塁ベースに走ったのです。
 フライ捕球後の有馬捕手も立ち上がり、これに気が付いて、2塁に矢のような送球。
 しかし井上選手は巧みなスライディングで2塁を陥れました。

 一瞬何が起こったのか、分かりませんでした。
 東海大相模としては、完全な失敗プレーだった筈ですが、結果として「ランナーは2塁に居る」のですから、ランナーを2塁に進めることについては成功しています。
 「送りバントが成功した」のと同じ結果なのです。

 反芻してみると、ルール通りのプレーです。

 東海大相模の井上選手の極めて冷静なプレー、有馬捕手のプレーを良く観て、「立ち上がって送球」するのに要する時間と、自分が2塁に到達するまでにかかる時間を瞬時に判断し、果敢に走ったのです。
 何という素晴らしいプレーでしょう。
 ゲームに集中し、小フライが上り、捕手が飛び込み、捕球した瞬間にスタートを切ったのです。

 長く野球を観てきましたが、「キャッチャーフライでタッチアップから次の塁を取ったプレー」は、初めて観ました。
 例えば、高校野球の地方大会のゲームに数多く足を運んでいる方なら、見たことが有るプレーなのかもしれませんが、甲子園大会の、それも東西の横綱対決と言われるようなハイレベルなゲームで、こうしたプレーが現出するのですから、野球というのは奥が深いスポーツだと改めて感じます。

 このプレーの後、近江チームにエラーが生れて、井上選手は生還しました。
 あの素晴らしいタッチアップが生きたのです。

 このプレーに代表されるように、今大会の東海大相模は、強打と共に好走塁をも具備しているチームです。
 その攻撃力は、大会屈指のものでしょう。

 やはり、優勝候補なのです。

[8月11日・第1試合]
作新学院5-3筑陽学園(延長10回)

 作新・林投手、筑陽・西舘投手の投げ合いとなった試合でしたが、終始試合をリードした作新学院高チームが押し切りました。

 筑陽学園高チームが9回裏に粘りを魅せて追いつき、ゲームは延長戦に入りました。

 10回表、作新・先頭の福田選手がヒットで出塁、いきなり走りました。
 筑陽の捕手、強肩の進藤(しんとう)選手も良い送球をしましたが、間一髪セーフ。
 ノーアウトランナー2塁となって、さすがにここは送りバントかと思いましたが、作新・小針監督のサインはヒットエンドラン。
 ここで2番・松尾選手は空振りの三振。
 しかし、福田選手は猛然と3塁ベースに走り、進藤捕手も素早く送球しましたが、こちらも「間一髪」セーフでした。

 この後、作新は、3番・中島選手、5番・横山選手がタイムリーヒットを放ち、2点を勝ち越して、勝ち切りました。

 結果として、「10回表の福田選手による2盗・3盗」が勝利のポイントとなった形ですが、さすがに「超強気」の作新野球でしょう。
 本当に驚かされました。

 長い甲子園大会の歴史において、延長戦で2盗・3盗が決まったシーンがあったのでしょうか。

 この「超強気」な作新野球の3回戦が、本当に楽しみです。

[8月10日・第3試合]
岡山学芸館6-5広島商

 夏の甲子園大会で広島商業高チームのバントが上手い、と書くと、「何を当たり前のことを」とお叱りを受けそうですが、15年振りの舞台でもやはり「伝統のバント」は見事でした。

 2回表の犠打とセーフティスクイズは、1度のトライでしっかりと決めて、ライン沿いにキッチリと転がしました。

 20世紀の夏の甲子園大会においては「広商野球・戦法」という固有名詞が付くほどのプレーの一翼を担っていたのが「バントプレー」でした(広島商は6度の全国制覇)から、「広島商チームのバントが上手い」というのは、大袈裟に言えば「公理」のようなものなのかもしれません。

 池田高校やPL学園といったチームが登場し、1.点を積み上げて行く野球では無く、豪快に大量得点を挙げて行くという野球に、甲子園の野球が変化してきた中で、やはり「巧いバント」をベースとした野球を披露している広島商チームは、素晴らしいと思います。

 この試合で魅せたバントの「美しさ」には、「伝統」も感じられました。
 受け継がれている独特の、そして秘中のノウハウがあるのかもしれません。(いつも書くことですが、本当に大切な情報は、何時の時代も公開されていないのです)

 野球というスポーツが「本塁を陥れる回数」を競うものである以上、チャンスをものにする確率を上げて行くことが大切なことは、戦法が変化しようと不変ですから、バントプレーの重要性は、20世紀も21世紀も全く同じでしょう。

 この試合は、3-5とリードを許していた岡山学芸館高校チームが、8回裏に広島商の守備の乱れをついて一気に逆転しました。6番岩淵選手のレフトオーバーの2塁打は見事でした。

 まさに「熱戦」、好ゲームを魅せていただきました。

[8月9日・第3試合]
習志野5-4沖縄尚学(延長10回)

 習志野高校がとても難しい試合、勝つことが困難な試合を勝ち切りました。
 習志野チームの「伝統の粘り」を魅せていただいたと感じます。

 2回表と4回表に犠打を交えた攻撃で2点をリードした習志野ですが、4回裏沖縄尚学高校は5番崔選手の三塁打などで3点を挙げて逆転しました。
 5回表習志野は、再び犠打を交えて得点し3-3の同点したのです。
 何か「1点1点をコツコツと積み上げる」習志野に対して、「豪快」な沖縄尚学という感じでした。

 そして6回裏、沖縄尚学は1死満塁から、スクイズを決めて4-3とリードしました。

 その後、7回・8回と習志野の攻撃は沖縄尚学・永山投手に抑え込まれ、9回表を迎えました。試合の流れは沖縄尚学にあったのです。
 
 9回表習志野の攻撃は、1死ランナー無しから8番の山内選手がライト前ヒットで出塁。
 続く9番飯塚選手のショートゴロで「万事休し」たかに観えましたが、これがエラーを呼び、1死1・3塁のチャンスとなりました。このエラーは大きなエラーでしたが、「接戦」が生んだエラーだったのでしょう。
 ここで1番の角田選手がレフト前タイムリーヒットで、4-4の同点となりました。
 「習志野らしい」と感じました。
 容易には負けない野球が持ち味なのです。

 9回裏、6回からリリーフした飯塚投手が沖縄尚学の攻撃を「3者連続三振」に切って取りました。
 この好投で、試合の流れが習志野に傾いたのでしょう。
 10回表、1死2塁から6番の和田選手がセンターオーバーの2塁打を放ち、習志野チームが5-4と逆転しました。

 10回裏も飯塚投手の好投が続き、習志野が押し切りました。

 こうした形の勝利は、なかなか出来るものでは無いと思います。
 「1点ずつを積み上げての5得点」というのも、21世紀の甲子園大会では滅多に観られないものですし、9回表の同点劇というのも、とても難しいものでしょう。

 春の甲子園2019の準優勝から、さらに力を付けているように観える習志野高校チームの、今後のプレーが本当に楽しみです。

[8月8日・第3試合]
国学院久我山7-5前橋育英

 国学院久我山高校チームが、7回表2死からの集中打で3点を挙げて試合を逆転し、そのまま押し切りました。
 春夏合わせて6度目の甲子園で、初勝利を挙げたのです。

 この試合は、前橋育英高校チームが先行し、国学院久我山が追いかける展開となりました。
 6回を終えて前橋育英が5-3とリードしました。
 甲子園大会では「試合巧者」の感が有る前橋育英が、優位に試合を進めていたのです。

 7回表も2アウトランナー無し。
 前橋育英の先発・梶塚投手の投球が冴えていました。
 しかし、ここから国学院久我山の反撃が始まったのです。

 2番・岡田選手がライト前ヒットで出塁。
 続く3番・神山選手がセンター前に2塁打を放って岡田選手が生還し、4-5の1点差。
 4番・宮崎選手がセンター前ヒットで神山選手が生還し、5-5の同点。
 5番・高下選手がセンター前ヒットで宮崎選手が生還して、ついに6-5と逆転したのです。
 センター方向に打球を揃えた、見事な攻撃でした。

 1981年の夏の甲子園に初出場した国学院久我山チームは、1985年の春の甲子園、1991年の夏の甲子園、2011年の春の甲子園と、甲子園出場を重ねましたが、残念ながら緒戦を突破することができませんでした。
 「不思議なほどに」勝てなかったのです。

 しかし、2019年の夏に、その壁をついに破りました。

 進学校ということもあってか、国学院久我山高校では野球部の練習も「1日3時間くらい」と報じられています。
 専用のグラウンドも持っていない中で、29歳の尾崎直輝監督の指導にも注目が集まっているのです。
 国学院久我山チームは、「高校野球新時代」を象徴するチームのひとつなのかもしれません。

 今大会の今後の戦い振りが、本当に楽しみです。

[8月7日・第3試合]
星稜1-0旭川大高

[8月7日・第4試合]
立命館宇治1-0秋田中央

 地方大会を勝ち抜いたチーム同士が戦う「夏の甲子園」においては、そもそも「1-0」のゲームが珍しいものです。
 地方大会の接戦をものにするためには、投手力と打力の両方が備わっている必要が有り、チームの調子も上がっているからこそ、甲子園球場に登場できるからです。

 ところが、今大会は2日目に「1-0」の試合が連続しました。
 
 「滅多に無いこと」だと感じ、調べてみました。
 前回の「2試合連続『1-0』ゲーム」は何時のことだろうかと。

[2018年・第100回大会]
① 「1-0」の試合は1試合もありませんでした。

[2017年・第99回大会]
① 「1-0」の試合は、8月17日の2回戦・仙台育英1-0日本文理の1ゲームだけでした。

[2016年・第98回大会]
① 「1-0」の試合は、8月11日の1回戦・富山第一1-0中越の1ゲームだけでした。

[2015年・第97回大会]
① 「1-0」の試合は、8月15日の3回戦・花咲徳栄1-0鶴岡東と8月16日の3回戦・関東一1-0中京大中京の2試合でしたが、連続はしていませんでした。

[2014年・第96回大会]
① 「1-0」の試合は1試合もありませんでした。

[2013年・第95回大会]
① 「1-0」の試合は、8月12日の1回戦・前橋育英1-0岩国商と樟南1-0佐世保実、8月16日の2回戦・前橋育英1-0樟南の3試合でした。
② この8月12日の2試合が、「連続した『1-0』のゲーム」でした。

 2013年の第95回大会まで遡って、ようやく見つけました。
 
 つまり、2013年から2018年までの5大会で1度しか示現していなかったのです。
 やはり「2試合連続『1-0』ゲーム」というのは、滅多に観られないものであることが、分かります。

 そして予想通り?、夏の甲子園大会においては「1-0」の試合自体が、とても少ないことも分りました。
 2014年と2018年の大会では、1試合もありませんでしたし、調査した5大会で最も多かった2013年でも3試合しかありませんでした。
 「1-0」という、ある意味では「野球という競技において最も基本的なスコア」が、実際にはなかなか見られないということなのでしょう。

 それにしても、2013年の「1-0」の3試合は、とても興味深いものです。
 1回戦の前橋育英VS岩国商と樟南VS佐世保実が連続して「1-0」で決着し、続く2回戦の前橋育英VS樟南も「1-0」だったのです。
 この時の前橋育英と樟南には、少なくとも「とても素晴らしい投手陣」が備わっていたことになります。
 そして、エース・高橋光成投手を擁した前橋育英チームは、この大会で優勝・全国制覇しています。
 2試合連続の「1-0」ゲームでの勝利が、前橋育英チームに良い影響を与えた可能性があるでしょう。

 また、2016年・第98回大会と2017年・第99回大会では、日本文理チームと中越チームが0-1で敗れ、甲子園を去っていますが、両チームともに新潟代表です。
 「さすがに雪国のチームは粘り強い。1-0というギリギリのゲームを戦い抜く力が有る。」と、ひとりで感心してしまいました。
 穿ちすぎた見方かもしれませんが・・・。

 第101回大会には、とても珍しい「1-0」ゲームを2試合連続で観させていただきました。

 勝利した星稜チームと立命館宇治チームの、今後の戦い振りが注目されるところでしょう。

[8月6日・第1試合]
八戸学院光星9-0誉

 誉高校チームは、全国一の激戦区、188チームから1チームしか夏の甲子園大会に出場できない、愛知大会の代表です。
 「8連勝しなければならない」地方大会で、それを示現し、あの中京大中京チーム、夏の甲子園最多優勝を誇る強豪にも勝って、初出場を果たしたのです。

 当然のことながら、本大会でも勝ち抜いていく力は十分に備えている筈でしょう。

 その誉チームが、甲子園の常連にして、青森の強豪、八戸学院光星高校チームに0-9で完敗を喫するのですから、甲子園大会という舞台で、自らの実力を発揮することの難しさを改めて感じます。

 開会式の興奮も冷めやらぬ開幕戦。
 誉高校チーム・キャプテンが選手宣誓も行いました。

 夏の甲子園大会に出場できた実感、喜びを、誉ナインは全身で感じていたことでしょう。
 少し「浮足立っていた」としても、無理のないところです。

 その、ほんの少しの「いつもとは違う感じ」を決定的な違いに広げたのが、1回表光星チームの攻撃における、6番下山選手の満塁ホームランです。
 誉の先発・杉本投手が、2つの死球と1つの四球で自ら招いた満塁のピンチ。
 この場面で、下山選手は、チームとしての(第101回大会としての。令和における甲子園大会の)初安打→満塁ホームランを放ったのです。これも凄いことですが、6番に強打者を配置するという光星チームの戦略、選手層の厚さ、が実を結んだ瞬間でもありました。

 愛知大会で接戦を制してきた誉チームにとっては「よもや」の被満塁弾でしょう。
 
 地に足が着く前に、大きく揺さぶられてしまったのです。

 その後、打線は4安打散発に抑え込まれ、投手陣は5失点を奪われています。
 残念ながら、最後まで「誉の野球」は出来なかったのでしょう。
 勝ち負けでは無く、自分達のプレーが出来なかったことが残念なのです。

 甲子園大会で実力を発揮することは、本当に難しいことです。
 第一に「経験十分な選手」がとても少ないのですから。

 甲子園大会に挑めるのは、大半の選手にとって「5度」です。
 高校1年生の夏と春、2年生の夏と春、3年生の夏の5度しかないのです。
 この5度のチャンスで2度以上出場するというのが「至難の技」であることは、誰が考えても分かることでしょう。
 高校球児の「憧れの的」である甲子園大会に出場するために、本当に多くの選手・チームが切磋琢磨しているのです。同一チームにおける厳しいレギュラー争いをも含めて、「複数回数、甲子園の土を踏む」選手というのは、ごく少数でしょう。

 どの甲子園大会でも、大半の選手たちは「甲子園初出場」なのです。

 一方で、チームに毎に「甲子園でチームとしての実力を発揮するためのノウハウ」が準備されている、蓄積されている可能性はあります。
 先輩諸氏や監督・コーチの甲子園出場実績の積み上げにより、「ノウハウ」が出来あがっているのです。

 それが甲子園練習に関するものなのか、宿舎における食事に関するものなのか、試合開始前・試合中の監督からの話なのか、選手ひとりひとりに授けられた気持ちを落ち着かせる方法なのか、それは分かりません。
 チーム毎に、千差万別のノウハウがあるようにも見えます。

 ピンチになるとマウンドに選手が集まり「皆で小さくジャンプする」チームがあります。
 打席に立つと、個々の選手がユニフォームの胸のところをギュッと握りしめるチームがあります。
 守備を終えてベンチ前に帰って来ると、皆でしゃがんでサークルを作るチームがあります。
 各チームの様々な工夫が観られるのです。

 確かに、寒い地方から出てきたチームと、暑い地方から出てきたチーム、甲子園球場に近い地区から出てきたチームと遠い地区から出てきたチーム、部員が多いチームと少ないチーム、打撃のチーム・守備のチーム、等々、個々のチーム毎に、甲子園大会で「地に足を着ける方法」も異なると考えるのが良さそうです。
 従って、同一チームでも「年次によって」やり方が異なる可能性もあるでしょう。

 大会初戦を観て、八戸学院光星チームには、この伝統の「ノウハウ」が構築されていたのではないか、そしてこのゲームではそのノウハウが上手く機能したのではないか、と感じています。

 この「ノウハウ」を上手く積み上げ、高い確率で上手く使用している監督・チームが、「甲子園大会で強い」監督でありチームなのかもしれません。

 8月3日、組合せ抽選会が開催されました。

 第101回全国高等学校野球選手権大会=夏の甲子園2019は、出場各チームの実力伯仲の大会という印象です。
 
 地方大会で、「出て来れば強い」という、甲子園球場で勝ち慣れたチームが次々と姿を消したことも、こうした混戦模様の大きな要因となっているのでしょう。
 大阪大会で大阪桐蔭チーム、愛知大会で中京大中京チーム、京都大会で龍谷大平安チームが敗れたのです。
 いずれも「常連チーム」であり、本大会となれば「名前だけで相手チームに圧力を与える」チームでしょう。今大会も、どのチームも地方大会を十分に勝ち抜く力を具備していたと感じますが、よもやの敗退を演じたのです。やはり、地方大会のベスト16から準決勝にかけての試合は、「何が起こるか分からない」ということなのでしょう。

 さて抽選会の結果ですが、全体としては「有力と目されるチームがばらけた」印象です。
 強豪同士の緒戦も、もちろん例年通り有るのですが、その数は例年よりは少ないのではないでしょうか。

 さて、活躍が期待される10チームです。

① 東海大相模
② 星稜
③ 花咲徳栄
④ 履正社
⑤ 前橋育英
⑥ 習志野
⑦ 聖光学院
⑧ 作新学院
⑨ 花巻東
⑩ 佐賀北

の10チームにしました。

 第一順位とした東海大相模チームは、神奈川大会決勝の「猛打」が強烈でした。調子を上げているのでしょう。
 大混戦の中で、まずは挙げておきたいチームです。

 星稜は、奥川投手を中心とした「安定感」が抜群です。チームとしての完成度が上がっていると見ています。

 花咲徳栄は、埼玉大会における、こちらも「安定感」が見事でした。甲子園の強豪校に成長しつつあります。

 履正社は、激戦の大阪大会を制しました。その地力は折り紙つきでしょう。

 前橋育英は、「甲子園に出て来れば強い」チームのひとつです。大混戦の大会では見逃せないチームです。

 習志野の千葉大会における勝ち上がりは、近年では最も安定していたように感じます。伝統の「粘り強さ」を発揮していただきたいものです。

 聖光学院は、「連続出場記録」を塗り替え続けています。福島では無敵なのです。そうした中、今年のチームはあまり騒がれていません。実はこうしたチームが、「積み上げた実績」を背景に「悲願を達成する」可能性が有ると見ます。

 作新学院も「出て来れば強いチーム」のひとつです。

 花巻東は、あの佐々木投手を擁する大船渡を破って登場します。史上初めて東北に真紅の大優勝旗を持ち帰るとすれば、このチームではないでしょうか。

 佐賀北は、ご存じのように「出て来れば強い」、それも不思議な強さを発揮するチームでしょう。今大会も「旋風」を巻き起こしてくれるかもしれません。

 結果として、関東地区にやや偏った選定となりました。
 「大混戦」が予想される中で、熟慮を重ねた結果ですので、ご容赦ください。

 個人的には、飯山、誉の初出場2チームと、日本文理、そして古豪・広島商の4チームの戦いをとても楽しみにしています。
 思い切ったプレーを魅せていただけることでしょう。

 第101回大会は8月6日に開幕します。

 反則ギリギリ、あるいは完全な反則、あるいはスポーツマンシップに照らして「いかがなものか」といったプレーは、これまでの甲子園大会でも観られましたが、2019年春の大会では、一層目立ったようです。

 いくつかのゲームでは、こうしたプレーが数多く観られました。

① 打者がキャッチャーの位置を盗み見る。

 この行為は、かつては「ちら見」が多かったのですが、打者が「ちら見」した後、キャッチャーが位置を変えることもある(当たり前のことですが)ので、それに対抗する?ためか、打者の中には、「ずーっと見ている・眼の中の『黒目』が捕手側にしばらく張り付いて離れない、あるいは何度も見る選手」が居ました。
 眼の動きがテレビ画面にはっきりと映っています。
 打者は、「次の投球に関する情報を収集するために、集中して投手の動き・様子を観て」プレーすることが必要でしょう。
 それ程に捕手の方を観たいのであれば、堂々と顔を向けてみれば良いとも思います。

② セカンドランナーが打者に、投球のコースを教えるプレー

 これは完全な反則です。
 セカンドランナーが、審判から注意を受けるゲームさえありました。
 「みっともない」プレーです。

③ ファウルを三振とアピール

 打者がファウルを打った際に、ファウルチップを直接捕球したかのように装い、捕手が手を挙げてアピールしたプレーもありました
 ワンバウンドしたボールが、当該捕手の太腿とグローブの間に挟まって止まっていたので、こうしたアピールをしたのかもしれませんが、球審はもちろんファウルのコール。
 このプレーも、テレビ画面にはっきりと映っていました。

 「球審を欺こう」としたプレーなのかもしれませんが、甲子園大会の審判のレベルは、とても高いのです。

 「アウトが取れれば儲けもの」といったアピールに見えるところが、残念なところでしょう。
 そもそも、審判や相手チームを「欺いて」でも自分に有利な結果を求める姿勢は、「いかがなものか」という誹りを免れないでしょう。

 こうしたプレーを観ると、甲子園大会の野球が「変質」しているのでなければ良いが、と感じてしまいます。

 また、ある試合では、試合終了後、監督から「サイン盗み」があったと相手チームの控室まで行っての抗議(一般的には「怒鳴り込んだ」ということになります)が有り、その抗議に対して、相手チームの監督から「そちらもやっているでしょ」との反論が有った、と報じられています。

 事実であれば、本当に「情けない」応酬です。

 反則を指摘されて、そちらも反則しているだろう、と返すのでは、相手が悪いことをしているのなら、こちらも悪いことをしても良い、という考え方となります。
 「そちらが泥棒をしているから、こちらも泥棒する」とは酷い。

 「勝つためなら何でもやる」「とにかく勝てば良い」といった風潮は、スポーツで「上達する」「強くなる」という目的からは、かけ離れたもののように思われます。

 例えば、いつも「キャッチャーをちら見してキャッチャーの位置から投球コースを予測している打者」「セカンドランナー他から投球コースを教えてもらっている打者」は、相手投手・バッテリーが次に投げる球のコース等を「予測する力」や、「予測が外れた時の対応力・幅広い球種やコースへの対応力」は身に付き難いでしょう。
 対戦型の競技においては、相手の次の動きを予測することが、プレーにおいて最も大事なスキルのひとつであることは明白です。
 こうしたプレーをする選手は、そのスキルアップの道を自ら閉ざしていることになります。

 「(事前に)コースが分からなければ打てない」と生徒が言うので、「サイン盗み」をやったと言っている監督も居る、と報じられています。

 本当なのでしょうか?

 もし本当なのであれば、本末転倒の極みでしょう。投球が来る前からコースが分からないと打てない選手を、打てるように鍛えて行くのがスポーツでしょう。(余りに当たり前のことで、書いていて妙な気分になります)
 「自らの実力不足を不正で埋めよう」という選手は、スポーツマンとしての基本的な資質に欠けている人物ということになります。

 とにかく試合に勝って、大会で少しでも良い成績を残さないと、選手にはプロ野球や大学野球、社会人野球などから声がかからない、監督は「現在の監督契約を継続」できないし、より良い条件の監督職のオファーが来ないと考えることが、こうした「見苦しいプレー」が生まれる理由なのかもしれません。
 また、「他のチームもやっているのだから、ウチもやらないと『損だ』」と考えている可能性もあります。

 いずれも、選手や監督が「明日の自分の進路の為に」やっているのかもしれませんが、多くのプレーヤーの「明日への成長を阻害している」とも感じられます。
 これまで、日本プロ野球やMLBで活躍してきたプレーヤーの皆さんは、高校生時代に、こうしたプレーはやっていなかったと信じたいところです。

 プロ野球や大学野球、社会人野球のスカウティングを担当する人達は、高校時代にその選手が所属したチームの、甲子園大会を始めとする各大会の成績のみで「選定」を行っているのではなく、その選手の現在の能力、潜在的な能力、成長力、等々の多方面から評価しているのであろうと思いますし、自らのチームの「次の監督」を探しているチームの関係者も、各大会の成績のみで「次監督を選定」しているのではないでしょう。

 例えば、高校野球の監督であれば、「教育の一環としての指導」を行い、選手を育てるとともに、「はつらつとしたプレー」で全国にその名を示すことの方が、より学校のPRに結びつくようにも思われます。
 逆に、「あの学校のチームは『いつも汚いプレー』をする」という評判になることは、プラスにはなりそうもありません。

 もちろん、ファンの立場からすると「潔くないプレー」は見たくないものです。
 応援しているチーム・選手が「汚いプレー」を得意とするのでは・・・。

 もの凄く多くの人間が関与している高校野球界ですから、全てクリーンで、美しいプレーで彩られているとは思いませんけれども、少なくとも「反則でも何でもよいから『勝てば良い』」という考え方が横行するようになってしまっては、高校野球の「自殺行為」のように観えます。

[3月31日・大会第9日・準々決勝]

[第一試合]
市立和歌山3-4習志野

[第二試合]
明豊1-0龍谷大平安(延長11回)

[第四試合]
明石商4-3智弁和歌山

 第91回センバツ大会は、熱戦に次ぐ熱戦、優勝候補と言われていたチームが次々と姿を消す一方で、素晴らしいプレーを披露するチームが続々と誕生しています。

 2回戦を終えたところで、とても印象的なチームが、明豊、明石商、市和歌山の3チームでした。
 十分な実力を保持している上に、溌剌とした全力プレーが素晴らしい。

 その3チームの、準々決勝の結果は上記の通りです。

 まずは第二試合、甲子園春・夏合わせて「103勝」という、史上最多・空前の勝利数を誇る名門・龍谷大平安高校チームに、明豊高校チームが挑んだゲームでした。

 両チームの投手陣が見事な投げ合いを演じて、ゲームは延長戦に入りました。

 「春の大会初のタイブレーク突入」かと思われた延長11回裏、明豊チームが2死満塁から後藤選手のタイムリーで劇的なサヨナラ勝ちを魅せました。
 
 こうした競り合いは平安高校チームの得意とするところであり、8回を終わって0-0だった時には、「平安がワンチャンスを活かして勝ち切るか」とも思われましたが、明豊の投手陣、特に3人目の大畑投手は、強敵・平安の「圧力」に全く怯むところが無く、堂々たるピッチングを披露してくれました。

 1回戦で横浜高校チームを13-5で撃破した打力と、2回戦で札幌大谷高校チームを2-1、準々決勝で龍谷大平安高校チームを1-0で破った投手力を、兼ね備えた明豊高校チームは、これは相当に強いと観るのが自然でしょう。

 続いては第四試合、明石商業高校チーム。
 明石商は、1回戦の国士舘戦で7得点、2回戦の大分戦で13得点と、素晴らしい打力で勝ち上がりました。
 そして準々決勝戦でも、強打の智弁和歌山高校チームに競り勝ったのです。

 この試合、エースの中森投手が1回表に3与四球で満塁となった時には「大量失点」の雰囲気が漂いました。伝統的に「常に強打」の智弁和歌山チームの攻撃圧力に、やや押されている感があったからです。
 しかし、このピンチをなんとか1失点で凌ぎ、1回裏2点を取って逆転し、2回にも追加点を挙げて3-1とリードしました。1回表の雰囲気とは異なり、ゲームは明石商ペースで進んだのです。

 再びしかし、序盤の球数の多さ、それも「全力投球」の多さから、ゲーム中盤には中森投手に疲労が見え、球威が明らかに落ちたところで智弁和歌山高校チームの反撃に会いました。
 5回表2失点で、試合は3-3の振出しに戻ってしまったのです。
 試合の流れからして、智弁和歌山が相当に有利になったと感じました。

 再び再びしかし、6回から中森投手の球威が戻りました。
 不思議なほどの回復。
 ゲームは膠着状態となりました。

 そして9回裏、智弁和歌山のマウンドにはリリーフしたエース・小林樹斗投手が好投を続けていました。
 打席には1番来田(きた)選手、1回裏には先頭打者ホームランを放っている、チーム1の強打者です。その来田選手がバットを一閃、打球は深い深い左中間スタンド中段に突き刺さりました。
 大きな大きなサヨナラホームランでした。

 中森投手と来田選手、明石商チームの投打の両輪は、とても強力です。
 今大会屈指のプレーヤーでしょう。

 最後は第一試合の市立和歌山高校チーム。
 緒戦は呉高校チームを3-2と接戦で下し、2回戦は高松商業高校チームに6-2で快勝しました。このところ手堅いプレー振りで、全国大会において安定した成績を残している高松商チームに快勝したことは、市和歌山チームの実力を示すものでしょう。

 1回表に1点を習志野高校チームに先制されましたが、1回裏に一挙3点で逆転し、試合のペースは完全に市和歌山のものとなりました。

 ここで習志野は、2回からエース・飯塚投手を投入しました。
 この飯塚投手が好投を魅せて、市和歌山打線に追加点を許しません。

 試合の流れは次第に「互角」になり、習志野の「1点ずつの反撃」が5回表から始まり、7回表にはついに4-3と逆転しました。
 習志野高チームの必死の攻撃と、迎え撃つ市和歌山高チーム、柏山投手-米田捕手のバッテリーを中心とした気迫あふれる守備は、見応え十分でした。

 このゲームは、好チーム市立和歌山を習志野の飯塚投手が抑えきった形でしょう。
 左膝横に打球を受けて、歩くのもやっとという状態から治療を受けて、マウンドに再び登り、相変わらずの球威を魅せた飯塚投手の気迫が僅かに勝ったのです。

 とはいえ、市和歌山チームの試合ぶりは見事でした。
 正々堂々と戦い、素晴らしいプレーを連発してくれました。

 「勝敗は時の運」と言いますが、市和歌山チームには準決勝に勝ち進む資格が十分に有ったと思います。

 今大会、ここまででとても印象に残った3チームの準々決勝の戦いは、2勝1敗でした。
 どれも「1点差」の見応え十分な好ゲームであったと思います。

 この3チームの素晴らしいプレー振りに、大きなエールを送ります。
 3月23日に幕を開ける、第91回選抜高等学校野球大会の注目チーム検討です。

 今大会の第一印象は「粒ぞろい」でしょうか。
 スバ抜けたチームはありませんが、力量十分なチームが複数存在するという感じがします。
 熱戦の連続になりそうです。

 さて、注目の10チームです。

① 龍谷大平安
② 広陵
③ 星稜
④ 桐蔭学園
⑤ 札幌大谷
⑥ 春日部共栄
⑦ 横浜
⑧ 東邦
⑨ 習志野
⑩ 筑陽学園

 力量が同じくらいであろうチームがズラリと並んでいます。
 1回戦の組合せ等から何とか順番を付けた形ですが、「順不同」といってもよさそうです。(申し訳ありません)

 星稜VS履正社、広陵VS八戸学院光星と強豪同士が激突する1回戦が有ります。
 履正社と光星が勝ち上がっても不思議はありません。ここは「好み」の問題かもしれません。

 「春の甲子園大会に強いチーム」は重要視したいと考えます。
 長い歴史に洗われている以上、チームが存在する地域の気候、固有の練習方法、得意なプレー、伝統的な作戦、等々、何か「春の大会で力を発揮できる」理由が有る筈だからです。
 広陵、東邦、平安といったチームは、「春に強いチーム」の代表格でしょう。

 報道を観ると、前評判が最も高いのは星稜高校チーム、続いて高いのは札幌大谷高校チームでしょうか。
 どちらも、もちろん優勝候補です。

 昨秋の関東大会覇者である桐蔭学園高校チームは、当該大会において「くじ運に恵まれた」との見方もありますが、それでも「優勝する」というのは地力が無ければ無理であることは言うまでもありませんし、逆転満塁サヨナラ本塁打で勝つというのは「尋常ならざる勢い」「今年のチームの特性」も感じます。

 このところ安定した成績を残している高松商業高校チームや、新監督の下で「新生チーム」を示したいであろう智弁和歌山高校チームも期待されます。

 おそらくは、「どこが優勝してもおかしくない」というのが、91回センバツなのです。

 神宮の秋を彩る明治神宮野球大会2018高校の部の決勝が11月13日に行われ、北海道地区代表の札幌大谷高校が、北信越地区代表の星稜高校を2-1で下して、初優勝を飾りました。

 今大会の札幌大谷高校チームの勝ち上がりは以下の通り。
・11月9日・1回戦 札幌大谷6-5龍谷大平安(近畿地区代表)
・11月11日・2回戦 札幌大谷7-3国士舘(東京地区代表)
・11月12日・準決勝 札幌大谷5-2筑陽学園(九州地区代表)
・11月13日・決勝 札幌大谷2-1星稜

 この大会の宿命ですが「5日間で4試合」というハードスケジュールを乗り越えて、札幌大谷高チームは栄冠を手にしました。
 勝ち上がりを観ると、やはり緒戦の龍谷大平安戦の勝利が大きいと感じます。
 強豪犇めく近畿地区から出場した龍谷大平安高チームは、優勝候補の一角でした。
 この試合を6-5という競り合いで制して、札幌大谷高チームは一気に勢いに乗ったのでしょう。

 2回戦以降も強豪チームを連破し、決勝では「優勝候補筆頭」の呼び声も高い星稜高チームを逆転で破ったのです。

 もちろん、この勝ち上がりを観る限り、札幌大谷高チームのチーム力が非常に高いことが伺われます。
 まずは打力。準決勝までの3試合で5得点以上を挙げていますから、打線が強力な上に、決勝の7回2死からの北本選手のタイムリーに代表される「勝負強さ」も評価されなくてはなりません。

 続いては投手力。決勝の2年生・西原投手の好投、強打で鳴る星稜打線を1点に抑え込んだ投球は、まさに秀逸。
 ハードスケジュールの中では投手陣の頑張りが不可欠ですが、札幌大谷チームは投手の層も厚いのです。

 甲子園大会に出場経験の無い札幌大谷高チームが、明治神宮大会という全国大会を制覇したのは、見事の一語です。

 一方で、このところ言われている「甲子園常連校の変化」、かつての「殴る蹴るの指導方」(そのタイプの指導方がどれくらい広まっていたのかは分かりませんけれども)が使えなくなったために、「甲子園常連校チームが普通のチームになってしまった」という、やや乱暴な意見が、再び叫ばれる可能性もありそうです。(全ての常連校チームが「殴る蹴るの指導方」を取っていたとは思いませんが)

 「とても厳しい指導を経てきた伝統校チームの選手には『一種の凄み』があるので、相手チームの選手は、試合前の挨拶の時から『あいつら命賭けてるし、勝ってはいけないのかな』と感じてしまう」、それが伝統校チームの強さの一部だったという、ある意味では不思議な理屈が展開されることがあるのです。

 もし、こうした理屈が存在するのであれば、スポーツの指導局面で暴力を使うことがとても難しい時代となった現在、「一種の凄み」を身に纏ったチームはどんどん減り、消滅して行くのでしょう。

 日本の高校野球に「新しい伝統」が構築される時代が、来ているのかもしれません。

 8月18日に行われた「金足農VS近江」の試合の、秋田地区の視聴率(NHK総合放送)が平均で53.8%、瞬間最高が66.0%に達したと報じられましたから、準決勝や決勝の視聴率がどれくらいになったのだろうとニュースを待っていましたが、なかなか報じられませんでした。

 不思議に感じていたのですが、何と「計測していない」というのです。

 そんなことがあるのか、と驚きました。

 秋田地区の視聴率調査は「当該月の第1月曜日から2週間」の間行われるというルールになっていて、2018年8月なら6日から19日の間だけ調査されていたのだそうです。
 従って、20日の日大三戦、21日の大阪桐蔭戦は、そもそも調査されていなかったのです。

 ちょっとガッカリしました。

 そういうルールがあるにしても、秋田代表チームが決勝に進出するという「100年に一度の事象」(今後はもっと頻度が上がるかもしれませんが)に対しては、特例で調べておいてほしかったと感じます。

 それでも、決勝戦の関東地方のNHK平均視聴率は20.3%に達し、2017年の決勝の17.1%を上回ったとのこと。
 やはり、金足農チームの活躍が、夏の甲子園2018の全国的な盛り上がりに一役買ったことは間違いないのでしょう。

 先日のサッカーワールドカップ2018ロシア大会、6月16日のアイスランドVSアルゼンチンのゲームにおける「アイスランド国の視聴率が99.6%に達した」ことは、大きく報道され、地元の盛り上がりの凄さを示すというか、「異常な高率」が大いに話題となりました。
 「残りの0.4%は試合が行われたスタジアムに居た」という、洒落たコメントも報じられていました。
 「視聴率99.6%」、こういった数字は、連綿と語り継がれるものでしょう。
 それだけに、2018年夏の甲子園大会決勝の秋田地区の視聴率を計測しておいてほしかったのです。

 スポーツにおける「地元ファンの盛り上がり」というのは、時に、想像を遥かに超えるものとなるのですが、「我らの代表」という要素に、どのような別の要素が加わると、「大ブレイク」となるのかは、なかなか把握が難しいところです。

 ケースバイケースということなのでしょうが・・・。
 かつては、代表的な「甲子園戦法」のひとつであった「スクイズバント」を観る機会は、めっきり減りました。

 20世紀においては、好投手の投げ合いで「0の行進」が続くゲームも多く、ゲームの後半になると「1死3塁」からのスクイズバントの攻防が、1試合に1度や2度は観られたものでした。

 当時は、初球から仕掛けることは少なく、並行カウントやボールが先行したシーンで、「この1球」という渾身のプレーとしてトライされ、バッテリーも相手チームのサイン、タイミングを見抜いて「(バットが届かない位置に)投球を大きく外したり」しましたから、1球毎に「ハラハラ、ドキドキ」のプレーが続いたのです。
 「スクイズバント」を巡って、どれほどのドラマが生まれていたのか、想像を遥かに超える数でしょう。

 21世紀になってからは、当然ながら、戦法のバリエーションが拡大しました。
 
 バントの失敗(例えば、フライ)に備えて、3塁ランナーが「バントが地面に転がったことを確認してからスタートするプレーが多用されるようになると、守備側も、1塁手や3塁手がダッシュ・前進して「本塁封殺」を狙うようになりました。
 「(ランナーが)確認してからのスタート」では本塁到達までに時間が余計にかかりますから、バントが成功しても、ランナーが本塁でアウトになるシーンも数多く観られました。

 そして、「スクイズバント自体が行われなくなる時代」がやってきたのです。

 そもそもスクイズバント戦法というのは、「得点を取ることが非常に難しい時代」「1点がとても重い時代」の戦法です。
 「3塁ランナーをホームに返すために最も確率の高い戦法」として、かつての甲子園大会で多用されてきたのです。

 ところが、21世紀になってからは出場チームの得点力が格段に向上しました。

 今大会でも、決勝における大阪桐蔭チームの13得点や、大会二日目の山梨学院チームと高知商チームの対戦の様に12-14という、10点以上を取っても勝つことが出来ないゲームが現出するなど、「スクイズバントで1点ずつ積み上げている場合では無い」と言わんばかりのゲームが数多く観られました。
 今大会、勝利したチームが「4得点以下」の試合は20試合、「5得点以上」の試合は35試合となっています。
 「甲子園の野球が変わってきた」ことは、間違いないのでしょう。

 こうした流れの中で、「スクイズバント」は次第に絶滅危惧種となってしまいました。
 「滅多に観られない戦法」になりつつあると思います。

 そして、この絶滅危惧種を大切に護り、戦法として脈々と使い続けているのが金足農業チームということになります。

 金足農チームは、吉田投手を中心とした堅い守りで失点を抑え、スクイズバント戦法で得点を挙げて、少ない得点で勝利するという野球を、厳然と継続したのです。

 準々決勝の近江戦などは、全3得点をスクイズで挙げています。
 「全得点をスクイズで挙げて、甲子園で勝利した試合」というのは、何時以来のことであろうかと感じます。21世紀においては、まず観られない試合でしょう。

 甲子園戦法としてのスクイズバントの伝統を受け継ぐ者として、金足農業高校チームには、これからも甲子園大会に数多く出場していただきたいと、(勝手に)考えているところです。

 8月22日「BASEBAII GEEKS」配信の「金足農・吉田投手の球質を公開!プロ投手を上回るホップ成分とは!」という記事は、とても面白いものでした。

 「秋田県・高校野球強化プロジェクト」のデータとして紹介されていたものですが、「ボール変化量」という項目が採り上げられていました。
 投球が、キャッチャーに到達するまでの変化量を数値にしたものだと思います。
 
① 高校生平均 横変化18cm、縦変化32cm
② 吉田投手 横変化10cm、縦変化53cm
③ プロ投手平均 横変化26cm、縦変化44cm

 吉田投手の投球は、高校生平均より、縦方向に21cm(53cm-32cm)上に到達するという結果なのです。
 21cmはボール2~3個分に相当しますから、夏の甲子園2018で各チームの打者の多くが、吉田投手の投球軌道の下を振って空振りしていた理由が、良く分かります。
 それにしても「21cm」というのは、凄い数値でしょう。

 高めの、キャッチャー到達時には明らかなボール球を「ストライクだと思って振った」という、相手打者のコメントも、なるほどという感じ。低めの投球に対して「ボールだと思って見送った」ケースも多発していましたが、この記事では「吉田投手のストレートは、いわゆる『真上に伸びるような』球質」であるとしています。
 昔風の言い方をすれば「ホップする」投球ということになるのでしょう。

 そのホップする度合いが、プロ投手平均を9cmも上回っているというのですから、吉田投手の将来性を感じてしまうのは、私だけではないでしょう。
 加えて、「ボールの変化量」は、必ずしも回転数だけに影響されるものでは無いと指摘しています。

 甲子園大会の試合において、吉田投手がロジンバックを使った後、投げた時の細かい粉末の飛び方は凄いものでした。吉田投手の手からボールが離れた瞬間、大袈裟に言えば、ボールの周囲70cm位の球形に「白い粉」が飛び散りました。これは、どの試合でも共通していましたから、「吉田投手の投球は、物凄いスピードで回転している」ことが直ぐに分かりました。
 今後は、その回転数の情報も、今後詳細に開示されてくるのであろうと期待します。

 この記事では、その回転数に「回転軸」の要素が加味されて、「ボールの変化量」が決まってくるとしています。
 とても興味深い内容です。

 この記事の、さらに素晴らしいところは、最後に「こうしたスキルをどのように身に付けたか」に言及しているところです。
 「・・・しかしながら、本当の吉田投手の凄さとは、測定したこれらのデータを自分の上達につなげる頭の良さかもしれない。先述の神事氏は、吉田投手の投球よりも貪欲に吸収しようとメモを取り質問する姿に強い印象を受けたという。『高校生離れ』しているのは球質だけではなく、偉業の裏側には『どうやったら上手になるのか』を自分自身で答えを見つけようとするトップアスリートの姿勢があったのかもしれない。・・・」と書いています。
 とても深い記述だと感じます。

 自らのプレーを自ら考えて、より良いプレーに昇華させようとする姿勢と能力こそが、吉田輝星投手の最強のスキルなのかもしれません。
 もちろん、このスキルが「アスリートにとっての大切な才能のひとつ」であることは、言うまでもないでしょう。

 そして、このスキルが在る限り、吉田投手の進化は続くのであろうと感じます。
 8月11日の1回戦で、鳥取城北高校チームにサヨナラ勝ちを収めた龍谷大平安高校チームが、春夏の甲子園大会通算100勝を達成しました。

 気の遠くなるような数字ですが、中京大中京高校チームに続いて、史上2校目の「100勝」です。

 春夏の甲子園大会を通じての、チーム毎の勝ち星トップ10は以下の通り。
 (2018年8月15日時点=夏の甲子園2018の2回戦終了時点)

① 中京大中京 133勝(夏78勝、春55勝)
② 龍谷大平安 101勝(夏61勝、春40勝)
③ PL学園 96勝(夏48勝、春48勝)
④ 県岐阜商 87勝(夏39勝、春48勝)
⑤ 松山商 80勝(夏60勝、春20勝)
⑥ 天理 75勝(夏48勝、春27勝)
⑦ 広陵 71勝(夏34勝、春37勝)
⑧ 東邦 70勝(夏19勝、春51勝)
⑨ 早実 66勝(夏43勝、春23勝)
⑩ 広島商 62勝(夏43勝、春19勝)

 錚々たるチームが並びました。
 甲子園大会の歴史を彩る強豪チームばかりです。

 夏の大会の方が、出場チーム数が多く試合数も多いので、一般的には夏の勝ち数の方が多くなるのが道理ですが、そうでは無いチームもあって、各チームの特徴が良く出ています。

 例えば、東邦高校チーム(愛知)は、夏19勝・春51勝と、圧倒的に「春に強い」のです。「春の東邦」と呼ぶに相応しい実績です。

 一方で、松山商業高校チーム(愛媛)は、夏60勝・春20勝と、圧倒的に「夏に強い」のです。確かに、夏の大会で「松山商は出てくれば強い」という印象が有ります。

 中京大中京と龍谷大平安は、春も夏も強いというところでしょうか。春・夏の勝ち星のバランス?(そんなものがあるのかどうかは分かりませんが)が良く観えます。
 このトップ2のチームは、「何時の時代でも、春でも夏でも、常に安定した力を披露してきた」ことが、如実に示されているのでしょう。

 今大会の龍谷大平安チームは2回戦も勝って、通算101勝としましたが、この勝利が、「京都代表チームの通算130勝」でもあったと報じられました。
 この数字を観るにつけ、京都代表における龍谷大平安チームの存在の大きさが分かります。何しろ、京都代表の甲子園大会における勝ち星130の内の101、「77.7%」が、龍谷大平安チームによって齎されているのですから。

 甲子園大会において「京都と言えば平安高校」というのは、20世紀の頃からの定番ですが、それでも、大会開催数と比較すれば1/3位の頻度でしか?(本来は「も」と表現すべきところですが、ここでは「しか」)、例えば夏の大会なら「第100回で34回目の出場となっています。

 その「約1/3」の出場回数で、京都代表全体の勝ち星の「77.7%」を、龍谷大平安チームが挙げているのです。

 間違いなく、「龍谷大平安チームは甲子園大会でとても強い」のです。

 第100回全国高等学校野球選手権大会は大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じましたが、大会通算の入場者数が100万人を超え101万5千人となって、史上最多を記録したと報じられました。
 これまでの最多は、1990年・第70回大会の92万9千人だったとのこと。

① 史上最多の56チームが出場

 今大会は「記念大会」、それも「第100回大会」という1世紀を刻む記念大会でしたから、地方大会での「2チーム出場地区」も最多となって、56チームという史上最多出場の大会となりました。

 従って、試合数も多くなり、入場者数が増加したのは、その意味では自然なことでした。

 これまでの最多記録であった1990年の大会も「第70回記念大会」でした。

② 外野席が有料化された大会

 今大会は、これまで無料だった外野席で500円(子供100円)という入場料を、初めて取ることとした大会でした。
 大会前には「有料化の影響」によって、入場者数が減るのではないかとも指摘されていましたが、全く影響が無かったどころか、新記録を樹立?したのですから、「甲子園大会の人気」の凄さが感じられます。

③ 観客・応援者の熱中症対策

 夏の甲子園2018は、私の周辺でも「甲子園に応援に行く」という人がいつになく多い大会でした。
 そして、現地で応援した人達からは一様に「とにかく暑かった」との言葉が・・・。

 特に、次の試合の応援席に入るために、球場外で待っている際の暑さは「尋常なものでは無かった」とのことでした。
 グループで行った友人は「(球場外で待っていた時)一緒に行った知り合いの男の子の具合が悪くなってしまって、係員に通報した」との話があり、応援したチームは初戦を突破したのですけれども、当該グループの人達は全員「第2戦の応援は回避」したそうです。
 スポーツが大好きで、スポーツを観るためになら大抵の試練?には耐える友人も、今回ばかりは、「第2戦はクーラーの効いたリビングルーム」で観戦したそうです。

 前の試合が大熱戦となり、目指していたゲームの開始時刻が、予定より1時間以上後ろ倒しになってしまったという特殊要因もあったのですけれども、甲子園球場外の直射日光が注ぐエリアでの入場待ちは、相当に厳しいものであったことが分かります。

 決勝戦も、午後2時開始に向けて、通常なら午前11時に開門する所を、今回は午前6時30分に開門したと報じられています。(史上最も早い開門とのこと)
 人気の凄まじさを物語る事実ですが、そうすると、午前6時30分に入場した観客は、試合開始まで「7時間30分」を待ったことになります。
 ずーっと観客席に居たわけでは無いのでしょうが、それにしても2時間半位のゲームを観るために7時間以上待つというのは、今年の様な酷暑の夏はもちろんとして、普通の夏(変な書き方で恐縮です)でも、大変なことでしょう。

 選手の体調管理に向けては、様々な意見・対策が論じられているようですが、「入場者数100万人突破」を契機として、観客・応援者の健康管理・ウェイティング方法にも、何らかの対応が必要であろうと感じます。
[8月21日・決勝]
大阪桐蔭13-2金足農

 2018年の大阪桐蔭高校チームの打線が、一度火が付いたら止められないものであることは、北大阪大会決勝の23得点を観れば分かっていたことでした。

 第100回記念大会の決勝でも、その威力が如何なく発揮されたのです。

 勝負のポイントは1回裏の攻防に在ったと思います。

 ノーアウト1・3塁から、金足農業高校チームの吉田投手は、3番中川選手・4番藤原選手を連続三振に切って取りました。素晴らしい投球でした。
 しかし5番根尾選手の時に暴投で1点を献上します。コントロールの良い吉田投手としては、珍しく「力み」の観られる投球でしたが、大阪桐蔭のクリーンアップを迎えての「フルスロットルの投球」でしたから、この1点は止むを得ないものとも感じました。

 そして6番の石川選手を迎えました。
 この石川選手が、吉田投手渾身のストレートを右中間に弾き返したのです。

 3-0、試合は大阪桐蔭のリードで始まりました。

 この1回裏を1失点で抑え切れば、金足農にも勝利の可能性が残ったと思いますが、3失点は大き過ぎました。
 また、吉田投手にとっても、全力投球が通じなかったというショックが残り、連戦の蓄積された疲労が一気に出てしまったのであろうと思います。

 東北のチームの初制覇か、史上初の2度目の春夏連覇か、に注目が集まった一戦は、大阪桐蔭チームの圧勝で幕を閉じました。

 惜しくも準優勝に終わりましたが、第100回記念大会を最も盛り上げてくれたのが、金足農チームであったことは間違いないでしょう。
[8月20日・準決勝]
大阪桐蔭5-2済美

 「大本命」と目されたチームが、順調に決勝まで歩を進めるというのは、夏の甲子園大会においては「至難」の技でしょう。
 大阪桐蔭チームは、これをやってのけました。

 緒戦から準決勝戦までの道のりは、当事者の眼から見れば「茨の道」だったのでしょうが、各々の試合を観ている限り「勝つべくして勝ってきた」ゲームを披露し続けたと感じます。

 このチームは、とても「強い」のです。

 この試合は、柿木投手を立てました。
 今大会最速の151kmの速球を具備している柿木投手を準決勝に先発させることが出来るというのが、大阪桐蔭チームの選手層の厚さでしょう。

 決勝では、休養十分の根尾投手を先発に立てるのでしょうか。

 狙い通りに「春夏連覇」を達成するとすれば、底知れぬ強さを保持したチームとして、夏の甲子園大会の歴史を飾ることになります。

 金足農VS大阪桐蔭。
 1915年・第1回大会の決勝、京都二中VS秋田中以来の秋田代表の登場です。
 
 いかにも、2018年第100回大会の決勝戦というところでしょうか。

 大阪桐蔭が地力を発揮して勝ち切るのか、金足農が「黄金の9人」によるミラクルな戦いを魅せるのか。

 素晴らしい決勝戦が期待されます。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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