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 2月10日~12日にかけて行われた第27節の試合を終えて、今季のプレミアリーグはマンチェスター・シティが悠々と首位を走る展開となっています。

 全38節の内27節を終えていますから、概ね2/3強を消化して、シティは23勝1敗3引分で勝ち点72、2番手のマンチェスター・ユナイテッドが17勝5敗5引分・勝ち点56、3番手のリバプールが15勝3敗9引分の勝ち点54、4番手チェルシーが16勝6敗5引分で勝ち点53となっていますから、シティは断トツのトップなのです。

 今季のシティの成績は「負けも引分も少ない」形ですから、要は「勝ちに行って強い」ということになります。守備ももちろん安定しているのですが、「守り勝っている」訳では無く、79得点という圧倒的な得点力を武器に、相手より多く点を取るサッカーなのです。

 チームの得点王はセルヒオ・アグエロ選手(アルゼンチン)の21点、2番目はラヒム・スターリング選手の15点ですが、3番目以降が凄いのです。
 ガブリエル・ジェスス選手(ブラジル)が8点、レロイ・サネ選手(ドイツ)とケビン・デ・ブライネ選手(ベルギー)が7点、と続いているのです。

 まさに「どこからでも得点できる体制」が出来ている感があります。
 今季のマンチェスター・シティは、チーム全体が躍動しながらゴールを目指すプレーが出来あがっているのでしょう。

 1月31日の25節のゲームでも、ミッドフィールダーMFのフェルナンジーニョ選手(ブラジル)とデ・ブライネ選手が、先制点と2点目を挙げ、アグエロ選手が追加点という形で、3-0でウェスト・ブロムウィツチ・アルビオンを下しました。
 これだけMFにゴールを決められては、相手チームはたまったものでは無いでしょう。

 今季のシティは強い、これはプレミアリーグの中だけのことでは無く、様々な国際試合でも言えることでしょう。

 マンチェスター・シティは、今、世界最強のクラブチームなのかもしれません。
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 2018年最大のスポーツイベント、FIFAワールドカップ・ロシア大会を控えて、出場各チームは強化に余念が無い時期ですが、我らがハリルジャパンにも強力なメンバーが加わりそうです。

 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセの中島翔哉選手です。

 中島選手と言えば、直ぐに思い出すのは、2016年1月のAFC・U-23選手権大会、手倉森ジャパンにおける大活躍でしょう。ペナルティエリア近辺でのスピード溢れるドリブルからのゴールやアシストは、目の覚めるようなプレーの連続でした。

 リオデジャネイロ五輪後の動向については、やや情報不足でしたが、2017年8月末にJ1・FC東京からポルティモネンセに移籍(2018年6月までの期限付き移籍)した中島選手は、たちまち頭角を表し、チームの中心選手となりました。

 今冬の移籍市場でもオファーが殺到していると報じられています。
 「期限付き移籍」から、保有権を買い取ったポルティモネンセは、ウクライナの強豪シャフタル・ドネツクからの移籍金1000万ユーロ(約13億5000万円)のオファーを蹴り、現在では移籍金を2000万ユーロ(約27億円)に設定しているとも伝えられているのです。

 この移籍金水準は、香川真司選手が2012年にマンチェスター・ユナイテッドに移籍した時の約20億円をも凌ぐ、日本人プレーヤーの最高水準となっているのです。

 身長164cm・体重64㎏と小柄な中島選手ですが、その俊敏性と創造性十分なプレーが、欧州において高く評価されていることは明らかです。
 フォワード、ミッドフィールダーのどちらでも力を発揮する中島選手は、現在の日本代表チームでも「是非とも欲しいプレーヤー」です。

 ハリルホジッチ監督が、どのようなチームでワールドカップに臨むかにもよりますが、これだけの才能を眠らせておくのは、もったいないことなのでしょう。
 1月26日~29日に行われた第21節の戦いを終えて、今季のリーガエスパニョーラはFCバルセロナが独走状態です。
 全38節の半ばを過ぎた時期ですが、このまま突っ走りそうな様相なのです。

 もとより、FCバルセロナはリーガエスパニョーラの強豪であり、リーグ戦の首位に立っていること自体は何の不思議もない風景なのですが、今季はライバルであるレアル・マドリードが低迷していて、「レアルVSバルセロナ」といういつもの構図が観られないところが、特徴と言って良いでしょう。

 第21節を終えて、バルセロナは18勝0敗3引分という「完璧な成績」です。
 得点59、失点10、得失点差49というのですから、圧倒的な得点力と堅い守備を両立させているのです。

 そして、勝ち点57でトップ、2番手のアトレティコ・マドリードが13勝1敗7引分の勝ち点46、3番手のバレンシアCFが12勝5敗4引分で勝ち点40というのですから、既に大差の首位であり、アトレティコが何とか「追い縋っている」構図でしょう。
 永遠のライバル、レアルは11勝4敗5引分で勝ち点38の4位に沈んでいるのです。

 バルセロナの得点59は、もちろんリーグトップですが、2番目のレアルが43ですから、こちらも圧倒的です。
 この時点の、個人別句点ランキングのトップがリオネル・メッシ選手の20点、2番手がルイス・スアレス選手の16点と、バルセロナの2トップがゴールを挙げまくっているという印象です。
 メッシ選手が21試合で20得点、スアレス選手が18試合で16得点と、世界のサッカーを代表する2人のストライカーとはいえ、「絶好調」と言って良いでしょう。
 これでは、他のチームはたまったものではありません。

 得点王争いでも、常にメッシ選手と凌ぎを削る存在であり、レアル・マドリードのエースストライカーであるクリスティアーノ・ロナウド選手は8得点に留まっているのです。

 今シーズンのエル・クラシコ第1戦は2017年12月23日に行われ、レアルのホーム・ベルナベウで、バルセロナが3-0と圧勝しました。

 前半0-0から後半9分スアレス選手が先制ゴール、後半19分にメッシ選手が追加点、アディショナルタイムに入って、アレイクス・ビダル選手が3点目を挙げての勝利でした。
 イバン・ラキティッチ選手、セルヒオ・ブスケツ選手、アンドレス・イニエスタ選手らの中盤が良く働いての快勝であったと思います。
 今季のバルセロナは、無駄な動きが少なくなっているように感じます。

 さて、レアルはこのままバルセロナの独走を許すのでしょうか。

 第21節、レアル・マドリードはアウェイでバレンシアCFに4-1で快勝しました。
 クリロナ選手が前半に2ゴール、後半はマルセロ選手とトニ・クロース選手が追加点と、まさに「強いレアル」のゲームでした。

 FWにカリム・ベンゼマ選手やガレス・ベイル選手、中盤にルカ・モドリッチ選手やカゼミーロ選手をも擁しているチームが、このままバルセロナの独走を指を咥えて観ているとも思えませんので、2月以降の反攻がとても楽しみです。

 近時のレアルは「スロースターター」だという友人の意見にも、期待したいところです。
 今シーズンのイタリア・セリエAも、全38節の内22節を終えました。リーグ戦の半ばを過ぎたといったところでしょう。

 第22節、1月27日と28日のゲームを終えて、首位に立っているのは、昨季まで6連覇中のユベントスではなくナポリなのです。

 このところ「セリエAの首位はユベントス」というシーズンが続いていましたから、とても新鮮な状況にあると言って良いのでしょう。

 ナポリは第22節のゲームもボローニャを3-1で下し、18勝1敗3引分・勝ち点57でトップに立っているのです。
 このナポリを追うのは、やはりユーベ。18勝2敗2引分の勝ち点56と僅かにその差は、勝ち点1ですが、とにかく「常勝」でいつもセリエAのトップに居る印象があるユベントスを抑えて、「22試合で僅かに1敗」という素晴らしい成績を残して、ナポリが首位に立っているというのは、セリエAの新時代を感じさせるといったら少し大袈裟でしょうか。

 ナポリは、2017年12月1日の第15節のゲームで、ユベントスに0-1で敗れた以外は、今季リーグ戦では無敗なのです。
 コッパイタリアやチャンピオンズリーグのグループリーグでは負けているのですが、リーグ戦での強さは「出色」でしょう。

 チームの得点王は、ドリース・メルテンス選手、ベルギーのストライカーです。21試合に出場して13ゴールを挙げています。得点2位は、ホセ・カジェホン選手(スペイン)の6得点、3位はイタリアのロレンツォ・インシーニェ選手の5得点となっています。

 どのプレーヤーも素晴らしいフォワードFWですが、いわゆる知名度という面では、ユベントスのパウロ・ディバラ選手(14得点、アルゼンチン)、ゴンサロ・イグアイン選手(10得点、アルゼンチン)、サミ・ケディラ選手(4得点、ドイツ)には及びませんけれども、見事な活躍を魅せてくれているのです。

 もし、ナポリがこのまま優勝すれば、1989~90年シーズン以来3度目のリーグ制覇ということになります。

 2015~16年シーズンが2位、2016~17年シーズンが3位と、ユベントスを相手に健闘を続けてきたナポリの、リーグ制覇に向けての戦いから、眼が離せません。
[1月6日・準決勝・埼玉スタジアム]
流経大柏(千葉)1-0矢板中央(栃木)

[1月6日・準決勝・埼玉スタジアム]
前橋育英(群馬)6-1上田西(長野)

 第96回全国高等学校サッカー選手権大会の準決勝2試合が行われ、流経大柏高チームと前橋育英高チームが勝って、決勝進出を決めました。

 流経大柏は、今大会のプレーの特徴である「丁寧な試合運び」が発揮され、「負けないサッカー」を示現し、矢板中央を破りました。
 前橋育英は持ち前の攻撃サッカーを展開して上田西を圧倒、ボール支配率や試合の流れから判断して「9割方試合を支配した」ように観えました。長野県勢として初の決勝進出を目指した上田西としては、準々決勝の疲労が残っていたとしか思えない、残念な試合内であったと思います。

 流経大柏VS前橋育英というカードとなった決勝戦ですが、夏に続いての全国制覇を目指す流経大柏と、前年準優勝からの2年連続の決勝進出の前橋育英という、強豪チーム同士の戦いとなりました。
 共に「攻撃サッカー」を標榜するチームですので、「ゴール前の攻防の成否」が見所となりそうです。

 それにしても、準決勝進出4チームが全て東日本勢であり、準々決勝進出8チームの内、米子西高チームと長崎総合科学大付属高チームの2チーム以外の6チームが東日本勢という「東高西低」の大会となりました。

 本大会は1917年開始の「100年の歴史」を誇りますが、

① 1948年~1965年(全国高等学校蹴球選手権大会の時代)

 戦後の我が国高校サッカー創世記のサッカーどころとして知られる「埼玉県」と「静岡県」のチームの強さが確立された時期でしょう。
 浦和、浦和西、浦和市立といったチームや、藤枝東チームが強さを魅せていました。

 とはいえ、この時代は「広島県」(修道高、例示、以下同じ)や「大阪府」(池田高)のチームも度々優勝していましたから、必ずしも東日本勢ばかりが強かったとは言えないと思います。

② 1966年~1986年(選手権大会)

 相変わらず、埼玉・静岡のチームの優勝も多いのですが、「東京都」(帝京高)や「茨試県」(古賀一)のチームの優勝が加わり、やや東日本勢が優勢な時期でしょう。

③ 1987年~2004年

 「長崎県」(国見高)や「鹿児島県」(鹿実高)、「福岡県」(東福岡高)を始めとする九州勢の優勝が増えます。また、「千葉県」(市船橋高)のチームの優勝も目立つようになりました。

④ 2005年~2018年

 東北地方(青森山田高)や日本海側(富山第一高他)のチームの優勝が加わりました。優勝チームが全国に拡大している時期なのでしょう

 こうして見て来ると、現在は「全国どの地域のチームでも優勝できる時代」と言えそうです。

 そうした中で、2018年大会は東日本勢が強い大会となっている、ということなのだろうと思います。
 決勝戦では、どんなプレーが生れるのでしょうか。
 UEFA-CL2017~18は、グループリーグGLを終了し、2017年12月11日に決勝トーナメント1回戦(ベスト16)の組合せ抽選会が行われました。

 今回の組合せ抽選会には、イングランド・プレミアリーグから5チームが進出していましたので、「同じリーグのチームは対戦しない」とのレギュレーションから、例年にも増して「有力チーム同士の対戦」が生まれ易いと観ていましたが、やはり豪華なカードが出来あがりました。

 以下、第一戦の対戦日順の組合せです。

① ユベントスVSトッテナム・ホットスパー(第一戦2月13日、第二戦3月7日)
② バーゼルVSマンチェスター・シティ(同2月13日、3月7日)
③ ポルトVSリバプール(同2月14日、3月6日)
④ レアル・マドリードVSパリ・サンジェルマン(同2月14日、3月6日)
⑤ チェルシーVSバルセロナ(同2月20日、3月14日)
⑥ バイエルン・ミュンヘンVSベジクタシュ(同2月20日、3月14日)
⑦ セビージャVSマンチェスター・ユナイテッド(同2月21日、3月13日)
⑧ シャフタル・ドネツクVS ASローマ(同2月21日、3月13日)

 いずれ劣らぬ好カードですが、やはり一番に目立つのは④レアルVSサンジェルマンでしょう。
 「CLに愛されている」と言われ、12回という歴代最多優勝を誇るレアル・マドリードに、今季好調、ネイマール選手を中心とした高い得点力を誇示する「昇り竜」パリ・サンジェルマンの戦いです。今季の決勝カードとしても十分な顔合わせでしょう。

 選手層の厚さではレアルが勝りますが、「打倒レアル」を掲げての戦いを披露しているサンジェルマンの気迫は侮れません。ホーム&アウェイの得失点差も含めて、ギリギリの争いとなりそうです。

 続いては⑤のチェルシーVSバルセロナ。
 プレミアリーグ前季の優勝チームであるチェルシーFCと、所謂「3強」の一角であるFCバルセロナの戦いです。
 チェルシーがどこまでバルセロナを追い込むことが出来るかが、ポイントでしょう。

 さらには①のユベントスとトッテナムの戦い。
 セリエAの代表格ユーベと、このところ好調なスパーズの戦いは、面白さという点ではベスト16で一番かもしれません。もともとダイナミックな攻撃、というかやや乱暴な?攻撃を持ち味とするスパーズが、ユーベの堅塁を崩せるかどうか・・・。

 また、GLを首位で通過したトルコのベジクタシュが、「3強」の一角バイエルン・ミュンヘンに挑む⑥も興味深いカードです。ベジクタシュがホームでバイエルンに一泡吹かせることができれば、何かが起こるかもしれません。

 さて、5月26日ウクライナ・キエフのオリンピスキ・スタジアムで行われる決勝戦に向けて、決勝トーナメントが開始されます。

 決勝トーナメント1回戦の試合、2月・3月にかけて行われるゲームが、待ち遠しいところです。
 バンク・オブ・グレートブリテン=イングランド銀行は、世界最古の銀行です。
 そして、イングランドの人々にとっては、「最も安全なもの」の象徴でもあります。

 サッカー選手、そのゴールキーパーGKにおいて、イングランドの人々から「イングランド銀行」と呼ばれたのが、ゴードン・バンクス選手です。
 その名前「バンクス」との関係からも名付けられたものだとは思いますが、バンクス選手の齎す絶対的な安心感が、尊称の礎であることは間違いありません。

 バンクス選手は、1960年代から70年代にかけて、世界で最も有名なGKではなかったかと思います。
 1966年のワールドカップ・イングランド大会や1970年のメキシコ大会において、バンクス選手は「目の覚めるようなプレー」「一度見たら一生忘れられないようなプレー」を披露してくれたのです。
 イングランド国内でのプレーも見事なものでしたが、ワールドカップにおける「ビッグマッチ」で、いつもにも増して輝くプレーを魅せるタイプであったと思います。

 私が世界のサッカーを見始めた頃、世界で最も活躍するGKでしたから、私にとっては「GKの重要性」を最初に深く認識させてくれたプレーヤーでもありました。

 GKには「ポジション型」と「反応型」があると考えています。
 バックス陣との連携も含めて、相手プレーヤーのシュートの方向・ゾーンを限定しながら、効果的なポジショニングでゴールを守るタイプが「ポジション型」。自らの優れた反射神経でボールをキャッチしたり、弾きだしたりするのが「反応型」。

 もちろん、世界レベルのGKはポジション型と反応型の両方の要素を身に付けていることは言うまでもありませんが、概ねどちらかの能力の方が勝っていることが多いと感じます。

 「反応型」のGKには「当たっている日」が生まれます。特定のゲームでファインセーブを連発したりするのです。

 一方で「ポジション型」のGKは安定したプレーを披露します。ポジション型のGKを相手にしたプレーヤーは「このキーパーの時は、いつもシュートを打つエリアが小さい」と感じることでしょう。
 ポジショニングの能力は、「予測能力」とも深い関係があります。それは10cm単位で変化するものだと考えます。10cm右か左かで、ゴール確率が大きく変化するのです。(10cmの違いでゴールインしなかったシュートは数知れません)

 さて、ゴードン・バンクス選手はというと、「両方の能力を最大限に具備するプレーヤー」でした。
 ポジショニングも上手く、反応も抜群だったのです。

 1970年のワールドカップ・メキシコ大会のグループリーグGL第3組、イングランドチームとブラジルチームは同じ組に入りました。
 1966年大会の優勝チーム・イングランドと、史上最強とも呼ばれたブラジルチームがGLでまみえたのです。
 各々のチームにとっての2試合目でした。

 この試合でとても有名なシーンが生まれたのです。
 ジャイルジーニョ選手からのパスをペレ選手がヘディングシュート、ヘディングシュートの教科書に載るような見事なシュート、イングランドゴールラインに叩き付けるような鋭いシュートを打ちました。
 誰もが「決まった」と思った刹那、バンクス選手が弾き出していたのです。

 バンクス選手は、決してシュートの側に居たわけではありませんでしたから、どうやって止めたのか、全く想像もつかない、凄まじいプレーでした。
 VTRで改めて観ると、バンクス選手が物凄いスピードで体を下げて止めています。

 「あの鋭い、スピード・威力十分なシュート」、サッカーの神様ペレ選手の会心のシュートが止められたのです。
 世界サッカー史上指折りのセーブでしょう。

 ペレ選手は後に「私が見た中で最高のセーブ」と称賛していたと伝えられました。

 あのセービングは、予測していなければ不可能だと思いますが、シュートの打ち手がペレ選手となると予測は極めて困難です。
 そうするとペレ選手が打った瞬間からバンクス選手が反応した・動き出したことになるのですが、その俊敏性・体が動くスピードは尋常ではありません。
 ペレ選手のシュートがスローモーションで、バンクス選手のセービングが普通の速度、という位の差が無いと、とても追い付けない感じなのです。

 いま思い出しても「不思議な」感じがします。

 ゴードン・バンクス選手は1963年から72年にかけてイングランド代表を務めました。
 世界の一流GKとしては「9年間の代表歴」は決して長い方では無く、むしろ短いものでしょう。
 1972年10月、バンクス選手は交通事故で右目を失明してしまったのです。
 悲劇でした。
 この事故が無かりせば、当時34歳だったバンクス選手は、あと5年から10年は代表としてプレーできたと思います。世界のサッカー地図を変えた可能性も十分有ります。本当に惜しいことです。

 ゴールキーパーを「サッカーゲームの主役」に成り得る存在に引き上げたプレーヤーが、ゴードン・バンクスだったのです。
 12月6日、今季のグループリーグGLが終了しました。

 決勝トーナメントTに向けて、予想通りの結果となったグループもありましたが、意外な結果も数多く見られました。

[A組]
 A組は、GL開始直後から好調なゲームを続けたマンチェスター・ユナイテッドが5勝1敗・勝ち点15でトップ通過を果たしました。4連勝の後の第5戦でスイスのFCバーゼルに1-2で敗れましたが、最終の第6戦でロシアのCSKAモスクワを2-1で下しました。
 順当な勝ち抜けでしょう。

 2位には、マンUに土を付けたFCバーゼルが入りました。4勝2敗・勝ち点12の好成績でした。FCバーゼルにとってはホームでCSKAモスクワに1-2で敗れたのが残念でしたが、チームの調子は上がっているように見えますので、決勝Tでの活躍が楽しみです。

[B組]
 パリ・サンジェルマンが5勝1敗・勝ち点15でトップ通過、最終の第6戦でパリ・サンジェルマンをホームで3-1で破ったバイエルン・ミュンヘンも5勝1敗と勝ち点では並びましたが、得失点差(パリ21、ミュンヘン7)で2位通過となりました。

 圧倒的な得点力で快走を続け、ホーム&アゥエイの初戦では3-0でパリ・サンジェルマンに完敗を喫したバイエルンでしたが、さすがに最終戦では意地を魅せました。
 エースのレバンドフスキ選手の前半8分の先制ゴール、そして前半37分のトリッソ選手の2点目で、前半を2-0とリードしたところがポイントでした。ミッドフィールダーMFのトリッソ選手が後半にも追加点を挙げる辺りは、いかにもバイエルンという感じがします。

[C組]
 C組は「大接戦」となりました。
 まず、アトレティコ・マドリードが3位となって敗退しました。リーガ・エスパニョーラの3強の一角として、レアル・マドリード、FCバルセロナと共にスペインサッカーをリードする存在であり、チャンピオンズリーグCLでも2015~16年シーズンにおいて決勝に進出するなど、最近でも活躍が目立っていたのですが、今季は残念ながらGL敗退となったのです。
 ある意味では「番狂わせ」かもしれません。

 続いて、トップ通過争いが熾烈でした。
 ASローマとチェルシーが3勝2敗1引分・勝ち点11で並びましたが、直接対決を1勝1引分とリードしたASローマがトップ通過を果たしました。得失点差では、ローマ3、チェルシー8とチェルシーが上回っていただけに、まさに僅差の決着でしょう。
 チェルシーにとっては、ホームの最終戦でアトレティコと1-1で引分けたのが残念、ということになりそうです。

 いずれにしても、ASローマ、チェルシー、アトレティコ・マドリードの3チームによるGLは見所満載でした。

[D組]
 4勝2引分・勝ち点14で、FCバルセロナがトップ通過、3勝1敗2引分・勝ち点11でユベントスが続きました。順当な結果とみてよいのでしょう。

 ポルトガルのスポルディングCPも、勝ち点7と食い下がりましたが、やはりバルセロナ、ユーベとの直接対決で健闘しながらも勝つことが出来なかったのが惜しまれます。

[E組]
 リバプールが3勝3引分・勝ち点12でトップ、スペインのセビージャFCが2勝1敗3引分の勝ち点9で続きました。

 スパルタク・モスクワはホームでセビージャを5-1で下すなど、意地を魅せましたが、勝ち点6の3位に止まりました。

 リバプールは、NKマリボルやスパルタク・モスクワを相手に7-0と大勝するなど、得失点差17を記録しています。「点を挙げ始めると止まらない」といった感じでしょうか。

[F組]
 5勝1敗のマンチェスター・シティが勝ち点15でトップ、ウクライナのシャフタル・ドネツクが4勝2敗・勝ち点12で2位となりました。

 5連勝で早々に勝ち抜けを決めていたシティ相手とはいえ、最終戦でこれを2-1で破ったシャフタル・ドネツクの健闘が光ります。

 フェイエノールトは最終戦でナポリを2-1で破り、今季GL初勝利を挙げましたが、GLを通じて精彩を欠きました。

[G組]
 4勝2引分・勝ち点14で、トルコのベジクタシュがトップ通過を果たしました。
 GL前半から好調な戦いを繰り広げていましたが、FCポルトやRBライプツィヒを相手にしてのトップ通過は見事です。

 ポルトとライプツィヒの2位争いは、最終戦で決着しました。
 RBライプツィヒが1-2とベジクタシュにホームで敗れたのに対して、FCポルトはホームでASモナコに5-2と大勝したのです。
 ライプツィヒに取っては、最後まで調子が上がらなかった今季GLでした。

[H組]
 トッテナム・ホットスパーが5勝1引分・勝ち点16でトップでした。
 スパーズは強いチームですから、GLを突破するのに何の不思議もないのですが、これがレアル・マドリードを相手にしてのトップ通過となると話は別でしょう。
 レアルは4勝1敗1引分・勝ち点13での2位でした。

 スパーズはアウェイのレアル戦を1-1で引分けると、ホームゲームを3-1で快勝しました。見事な戦い振りです。
 スパーズの「勝ち点16」は全てのグループで最多でした。
 今季のスパーズは一味違うということでしょう。

 以上、A~Hの各組をざっと見てきました。眼につくのは、

① イングランド・プレミアリーグ勢の活躍

 マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リバプール、トッテナム・ホットスパーの4チームがトップ通過、チェルシーが2位通過と、計5チームが勝ち上がりました。

 ひとつのリーグから5/16ということ自体が滅多に無いこと。
 マンUがヨーロッパリーグ優勝の資格で出場してきたために、1か国の出場チーム数上限である5チームの登場となった訳ですが、その5チームが全てGLを突破したというのが素晴らしいことなのです。
「今季のプレミア勢は違うぞ」という感じです。

 各チームのGLにおける戦い振りも、とても良いと思います。
 プレミア勢同士の準決勝、決勝の可能性も十分でしょう。

② クラブ「3強」も順当に通過

 レアル・マドリード、FCバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンの所謂「3強」も勝ち上がりました。

 とはいえ、首位通過はバルセロナのみで、レアルとバイエルンは2位通過でした。
 「UEFA-CLの風景が変わりつつある」のかもしれません。

③ トッテナム・ホットスパーとパリ・サンジェルマン

 「3強」と同組みに入りながら、互角以上の戦いを繰り広げ、A組とH組を首位で通過したのは、パリ・サンジェルマンとトッテナム・ホットスパーでした。

 この2チームは得点力も十分です。今季CLにおける活躍は大注目でしょう。

 さて、UEFA-CL2017~18も決勝トーナメントを迎えます。

 決勝トーナメント初戦の組合せ抽選会は12月11日。
 びっくりするようなカードも生まれる、注目の抽選会です。
[12月2日・最終節・等々力陸上競技場]
川崎フロンターレ5-0大宮アルディージャ

 最終節を迎えたJリーグは、川崎フロンターレがホームで大宮アルディージャを5-0で撃破し、前節まで首位だった鹿島アントラーズがアウェイでジュビロ磐田と0-0で引分けたために、勝ち点は72で並びましたが、得失点差(川崎39、鹿島22)で川崎が上回り、今季J1の優勝を決めました。

 川崎フロンターレにとっては、まさに「悲願の優勝」と言うに相応しい、国内最高峰のリーグ戦、カップ戦における「9度の2位」を越えての「初優勝」となりました。

 2000年にJ1昇格を果たしながら、翌年にはJ2に降格し、2005年に再び昇格し、その間、2000年のナビスコカップ決勝で鹿島に敗れて以来、2位に次ぐ2位という、おそらくは世界のサッカー史上でも滅多に観られない「14年間のトップリーグ所属期間中に9度の2位」を記録してきたのです。

 フロンターレが凄いのは、これだけ優勝から見放されても、一向にめげることなく、2016年からは我が国サッカークラブの最上位に定着して「虎視眈々」と優勝に狙いを定めていたことでしょう。

 一方で、着々とチーム力を強化してきたことも、もちろん見逃せないところです。

 川崎フロンターレは、「これまでも何度も優勝するチャンスがありながら優勝を逃してきた」というよりは、「ついに優勝する力を身に付けた」と言う方が、相応しいように感じます。
 「実力向上への努力と成果が実を結んだ」と書くのは、ファンの皆様に対しては失礼なのかもしれませんが、ご承知のように、多くのスポーツにおいて、1位と2位の差は「小さく見えても大きなもの」でしょうから、川崎フロンターレのチーム力向上が、その壁を破ったということだと思います。

 それにしても、見事な最終節でした。
 
 試合開始早々に阿部選手のゴールで先制し、前半終了間際に小林選手のヘディングで2点目。この2点目がとても大きかったのでしょう。

 後半15分の小林選手の2点目(トータル3点目)のシュートは、難しいダイレクトシュートでした。おそらくは、小林選手が予測したよりラストパスが高い位置に来ましたが、小林選手は巧みな足首の動きでこれを抑え込み、大宮ゴール最上部に突き刺して魅せました。
 素晴らしいプレーでした。

 ここぞという大事なゲームで、小林悠選手を始めとするメンバーが示した高いパフォーマンスこそが、川崎フロンターレ成長の証なのでしょう。

 川崎フロンターレの皆さん、優勝、本当におめでとうございます。
 12月1日にロシア・モスクワで開催されたグループリーグGL組合せ抽選会で、出場チームの組分けとGLの日程が決まりました。

 全てのスポーツ大会に共通していることですが、抽選の意味はとても大きく、大会の風景を決める面で最大の影響を与えると言っても良いのでしょう。

 今回の抽選会でも、様々なドラマが生まれました。

1. ワールドカップWC優勝経験国は同組に入らず。

 「ありそうで無いこと」であろうと思います。

 ロシア大会の特徴でもあるのでしょう。

 今回の抽選では、第2ポットに入ったスペインチームの行方が大注目でしたが、B組に入りました。
 B組のポット1のチームはポルトガルでしたから、やはり「死の組」にはなったのですけれども、例えばドイツやブラジルとは同じ組にはなりませんでしたから、「死の組の度合いが小さい」(変な書き方で恐縮ですが)感じがします。
 もちろんポルトガルも強豪チームですけれども、ワールドカップという大舞台における存在感では、優勝経験国チームとは一線を画すものです。

 結果として、「有名チームが均等に散らばった」組分けとなりました。

 準決勝、決勝でもおかしくないというカードは、今大会のGLでは存在しないと言っても良いのかもしれません。
 一方では、イタリアチーム予選敗退の影響が、こうしたところにも出ているとも言えるのでしょう。

2. 各組の様子

[A組]
 ウルグアイチームが入りましたから、トップ通過の第1候補です。
 2位通過は、残る3チーム、ロシア、サウジアラビア、エジプトの大混戦となるでしょう。この3チームにとっては、お互いの対戦の緒戦が大事なゲームとなります。

[B組]
 前述のように、スペインとポルトガルが同組となりましたし、この両チームは初戦で対戦することになりました。シャビ選手を中心とした「史上最強のスペイン代表チーム」からの世代交代の最中であるスペインチームにとっては大切なWCの初戦で、クリスティアーノ・ロナウド選手を擁する「史上最強のポルトガル代表チーム」と激突するのです。
 今大会のGLのゲームで屈指の注目カードとなります。

 残りの2チーム、モロッコとイランにとっては相当しんどい構成となってしまいました。

[C組]
 フランスチームにとっては、戦い易いグループになったのではないでしょうか。
 決勝トーナメントでの戦いを念頭に置いた戦いを展開できるかもしれません。

 2位通過候補の筆頭はデンマークチームでしょう。
 ペルーとオーストラリアチームは、初戦で勝利あるいは引き分けをゲットすることが、決勝トーナメント進出の第一条件となります。

[D組]
 アルゼンチンチームがトップ通過の第1候補であることは、異論の無いところでしょう。
 1986年以来30年以上に渡ってWC制覇から遠ざかっているアルゼンチンチームにとっては、久し振りの世界一を目指す意味からも「上手くGLを通過して行く」必要があります。
 チームのピークを準決勝に設定して、「静かにスタート」を切るために、メンバーを温存し、戦法・戦術を秘匿しながら、1勝2引分・2勝1引分位の成績でGLを突破することが出来るのかが注目されるところです。
 サッカー史に残る名プレーヤー・メッシ選手を擁し、毎回のように「優勝候補」に挙げられながら、実績を残すことが出来ていないアルゼンチンチームにとっては、大事な大会になるのです。

 もう1チームのGL突破は、残る3チーム、アイスランド、クロアチア、ナイジェリアの大混戦でしょう。
 献身的な試合運びのアイスランドチームが勝ち上がる可能性が、一番高いと感じますが、破壊力満点のナイジェリアチームが勢いに乗るようだと一気に浮上します。クロアチアチームは、チーム全体の地力を存分に発揮できる戦略の構築・実行が鍵となるでしょう。

[E組]
 ブラジルチームが、GL突破候補の1番手です。
 セレソンも「静かにスタート」して、少しずつ調子を上げて行くことが肝心でしょう。

 もう1チームのGL突破候補はスイスでしょうか。
 コスタリカチームやセルビアチームより、少し地力が上だと思います。両チームにとっては初戦の出来がポイントになります。

[F組]
 ドイツチームがトップ通過の第1候補でしょう。その強さは抜群です。

 2位通過は、残る3チーム、メキシコ、スウェーデン、韓国による混戦でしょうが、メキシコが有力であろうと感じます。スウェーデンにとっては、ドイツ戦で引分を取れるかどうかがポイントになりそうです。

 このE組とF組では、GL通過順位が重要です。
 E組の1位通過とF組の2位通過、およびその逆がベスト16緒戦の組合せとなるからです。万一、ブラジルかドイツのどちらかのチームが2位通過をすると(両チームともに2位通過というのは可能性がとても低いと思います)、ベスト16でドイツVSブラジルのカードになる可能性が有るのです。

 80%位の「本気度」で静かにGLを戦いたい両チームでしょうが、1位通過を逃すと大変なことになる怖れ?がありますので、その意味では、ドイツ・ブラジルの両チームにとっては、あまり良くない組合せとなったのかもしれません。

[G組]
 ベルギーとイングランドの欧州の2チームがGL突破候補でしょう。
 世界ランキング5位のベルギーチームにとっては、その真価が問われる大会です。
一方で、このところ若手の成長が著しいイングランドチームにとっても、新生イングランドの力を示す大会です。
 イングランドチームが勢いに乗れば、相当上位を狙える可能性が有ると思います。

 チュニジアと初出場のパナマの両チームにとっては、難しい組に入りました。B組に続く「死の組」と呼んでも良いのかもしれません。

[H組]
 この組は、まさに「大混戦」でしょう。
 力量的に少し劣る日本チームを除く3チーム、ポーランド、セネガル、コロンビアは、どこがGLを突破しても不思議はありません。

 安定感から見れば、コロンビアとポーランドが有力だと思いますが、久し振りの「アフリカ旋風」を巻き起こす可能性が、セルビアチームには十分にあります。

 日本チームが旋風を巻き起こすためには、初戦のコロンビアチームと少なくとも引分ける必要があります。
 もちろん勝利出来れば最も良いのですが、あまり希望的な目標設定は、コロンビア戦に向けての戦略構築、戦術検討の際にマイナスだと思いますので、「引分」(とても高い目標です)を目指して、メンバー選定等を行うのが良さそうです。
 コロンビアとの1-1の引分けで勢いに乗り、第2戦のセルビア戦を堅守で1-0勝ち切り、ポーランド戦を0-0で引分け、勝点5でGLを突破する、というのが「ベストシナリオ」ではないでしょうか。

3. 優勝に向けて

 ワールドカップのスケジュールでは、GLにおいて前の方のチーム、A~少なくともD組までに入ることが重要だと言われています。

 GLのスケジュールも少し余裕が有り、GLを終えて決勝トーナメントまでの間に一定の期間を得ることが出来、疲労回復や小さな故障・怪我への対応が出来るからです。
 E~H組では、なかなかこうした期間を持つことが難しいのです。

 この点からは、D組のアルゼンチン、B組のポルトガル、スペイン、C組のフランスは恵まれたことになります。
 E組のブラジル、F組のドイツという「優勝候補の筆頭」に挙げられる両チームにとっては、厳しい組分けとなったわけですが、この両チームのことですから、キチンとプレーヤーの体力を温存しつつ、GLを戦って行くことができると思われますから、今大会の優勝争いは「混沌」としていることになります。

 何時のWCでも同じことなのかもしれませんが、今大会も「監督・コーチ・スタッフの能力」が、優勝に向けての最大のポイントとなるのでしょう。
 「世界一を決める短期決戦」では、常に「戦略・戦術の構築」が極めて重要なのです。

 「優勝」「GL突破」等々、各チームの目標は様々なのでしょうが、その目標に向かって、監督・コーチ・スタッフが、いかに正確な情報を蓄積し、いかに的確な戦略を構築し、いかに上手にチームのコンディションを創り上げて行くか、まさに腕の見せ所となります。

 12月1日の抽選会は、ワールドカップ2018ロシア大会の輪郭を示してくれるものでした。
 
 2018年のワールドカップWCロシア大会のグループリーグGL組合せ抽選会が、12月1日ロシア・モスクワのクレムリンで開催され、日本代表チームはH組に入りました。
 GLで戦う相手が決まったのです。

[H組]
・ポーランド(世界ランキング7位)
・セネガル(同23位)
・コロンビア(同13位)
・日本(同55位)

① 最後・32番目の抽選でH組の4番目

 第1ポッドから第4ポッドに順に引いて行く抽選方式ですから、第4ポットの8チームに入っていた日本チームの抽選が遅くなるのは道理なのですけれども、その最後の8チームの中でも8番目、全32チームの中でアンカー?を務めた抽選会となりました。

 当たり前のことを書いて恐縮ですが、日本チームのみが「抽選をする前からどの組に入り、初戦がどのチームか」が分かっていたのです。

 加えて、A~Hの8つの組の8番目のH組の4番目という「最後の最後」でした。当然のことながら、32番目の抽選だからといって「8番目の組の4番目」になる必要はない(変な言い方で恐縮です)わけで、A組の2番目になる可能性も有ったのでしょう。

 しかし日本チームは「32番目に抽選されて、8組目の4番目」に入りました。これはもちろん「偶然」なのですけれども、こうしたことが発生する可能性は極めて低いように感じます。
 この大会における「日本チームの行く末」をどのように暗示しているものか、少し興味が有ります。

② 世界ランキング上位のチームと同組

 日本チームが第4ポットに居た理由は、2017年10月16日時点の世界ランキングが低かったためですから、A~Hのどの組に入っても、ランキング上位のチームとの対戦になることは自然なことなのですけれども、それにしても「相当上位のチーム」ばかりの組に入りました。

 ポーランドチームは世界7位、コロンビアチームは世界13位、セネガルチームは世界23位ですから、55位の日本にとっては「相当格上」のチームばかりです。

 FIFAが世界中のナショナルチーム同士の試合結果・内容を点検しながら、定期的に見直しを行っている「世界ランキング」ですから、相当に精度が高いというか、納得性の有るランキングとなっています。(そうでなければ、WC出場チームのGL組合せ抽選会のルールに使用されるはずがありません)

 このランキングにおいて、大差のチームばかりのH組に入ったのですから、日本代表にとって「大変苦しい組に入った」ことは、間違いのないところです。

③ H組=厳しいスケジュール

 開催国チーム=今大会ならロシアチーム=A組、にとって有利なスケジュールが組まれるのは、何時の大会でも同じです。

 GLの試合はA組・B組から始まり、G組・H組で終了するのです。そして、各組の上位2チーム・計16チームが決勝トーナメントに進出し、ワールドカップ獲得に向けての戦いが本格化します。
 32チームの戦いより、16チームの戦いの方が消化が速いのは自然なことですから、G・Hといった後半の組では、GLから決勝トーナメントまでの期間が短くなってしまう、A・Bといった組のチームに比べて「休息・調整の期間」がとても短いというのは、止むを得ないことになります。

 従って、WC優勝を狙っている強豪チームは、この抽選会において「A~D組に入りたい」と考えているのです。第1ポットに入っているようなチームの首脳陣にとっては、対戦相手がどのチームになるかよりも、前半の組に入れるかどうか、の方が余程気になることなのかもしれません。

 日本の報道なら、「ポーランド、セネガル、コロンビアと同組」というのが主たる報道になるのでしょうが、これが例えば世界ランキング1位のドイツにおける報道なら「○日が初戦、GL最終戦は○日」が大きく採り上げられているのかもしれません。
 ドイツチームにとっては「どのチームと同じ組になろうが、勝って決勝トーナメントに進出する」ことは想定の範囲内なのでしょうから、問題はスケジュールということになるのでしょう。「自分達が万全の体勢であれば少なくともベスト4には進出できる」と考えているのでしょうから。
 そういう意味では、F組に入ったドイツチームにとっては、今回の抽選会は「上手く行かなかった」ということになるのかもしれません。

 さて、日本チームの初戦・コロンビア戦は6月20日、第2戦セネガル戦は6月25日、第3戦ポーランド戦は6月28日と、止むを得ないことですが「とても厳しいスケジュール」となりました。

 特に、第2戦から第3戦は、僅か3日間「中2日」という、全力を出し切らなければ勝つことは難しいレベルの試合が続く中では、第2戦に出場したプレーヤーの体力が回復するのには全く不十分な日程となってしまいました。
 これは、GL突破・決勝トーナメント進出を目論むハリルジャパンにとっては、とても残念なことでしょう。

 こうなるとハリルジャパンは、第1戦にピークを持ってくることは当然のことなのでしょうが、第1戦で好成績を収めた場合に、第2戦と第3戦のどちらのゲームで勝負を賭けるのか、という難しい選択に迫られることになりそうです。

 これが、第2戦がポーランド、第3戦がセネガルということでしたら、また異なる選択になるのでしょうが、今大会は第3戦=GL最終戦に、グループで最も強いと目されるポーランドと戦うことになりました。

 ポーランドが初戦・第2戦と勝って、早々に決勝トーナメント進出を決めている場合なら、直ぐにやってくる決勝トーナメント1回戦に向けて「メンバーを落としてくる可能性」がありますから、ハリルジャパンとしては第1戦から中7日という十分な時間のある第3戦にフルメンバーで戦うという、選択もありそうです。

 しかし、もしポーランドが前2試合で、予想外の不成績(コロンビアやセネガルも相当爆発力のあるチームですからポーランドにとっても油断ならない相手です)であった場合には、第3戦の勝利・大量得点を目指して、フルメンバーで臨むことになるのでしょうから、日本チームとしては第2戦に注力するという考え方もあるのでしょう。

 H組という、スケジュールが厳しい組にはいってしまったために、一層検討しなければならない要素が増えていますから、監督・コーチを始めとするスタッフの悩みは尽きないことでしょう。

 当然のことながら、H組に入ったことにより「日本代表チームのメンバー選定」にも、大きな影響が有りそうです。
 単純にテクニックと体力という要素で考えても、「体力の回復に時間がかからず、短期間の複数ゲームでいつも70点くらいのプレーが出来る選手」と「100点のゲームも有れば30点のゲームも有る選手」のどちらを選出するか、はとても難しいこととなります。
 特に「サブのメンバー選定」には、「H組」が大きな影響を与えそうです。ハリルジャパンの2~3名のメンバーが、「H組」の影響により変わって来るのではないでしょうか。

 ことは「ワールドカップ出場」という、サッカー選手にとっては「大勲章」、そのキャリアにおける最大のポイントのひとつですから、「H組」になってしまったことで、その権利を失ってしまうことは、大きな痛手となるのです。
 もちろん、ハリルジャパン・メンバーの選定過程の主要部分は、公表されることは無いのでしょうけれども。
 
 ワールドカップ2018ロシア大会のGL組分けは終了しました。

 私達ファンにとっては、ハメス・ロドリゲス選手やファルカオ選手が居る大変「強い」チーム・勝負に辛いチームであるコロンビアとの対戦や、マネ選手を始めとする「驚異的な身体能力を誇る」プレーヤーが沢山(これはもう本当に沢山、身長2m近いプレーヤー達も居ます)居る、日本のサッカーファンが見たことも無いようなパフォーマンスを秘めているセネガルチームとの対戦や、現在のドイツ・ブンデスリーガにおいて最強のストライカーであり、WC予選でも10試合で16得点を挙げている「現代最高の点取り屋のひとり」レバンドフスキ選手を擁するポーランドチームとの対戦という、ワクワクするようなゲームが観られることは、大きな喜びです。

 ハリルジャパンの皆さんは、その準備が本当に大変であろうと思いますが、「相手チームによって巧みに自チームのメンバー・戦術を変えて行くことにより、最大のパフォーマンスを現出すること」が得意なハリルホジッチ監督の采配と、日本チームが他3チームに勝っている「近時のワールドカップ出場経験・21世紀における連続出場の経験」を活かしていただき、素晴らしいグループリーグの戦い、歴史に残るゲームを魅せていただければと期待しています。
[11月25日・決勝第2戦・埼玉スタジアム]
浦和レッドダイヤモンズ1-0アルヒラル(2戦合計2-1で浦和の勝ち)

 2017年のアジア・チャンピオンズリーグACL決勝第2戦が行われ、浦和レッズがサウジアラビアのアルヒラルを1-0で破り、2戦合計2-1として優勝、アジアのクラブチームチャンピオンとなりました。

 11月19日に行われた第1戦、アウェイのゲームを1-1で引分けていた浦和にとって、第2戦は「0-0の引分け」を成し遂げることが出来ればチャンピオンの座に就けるというゲームでもありました。

 アルヒラルが、殆どサウジアラビア代表(ワールドカップ2018ロシア大会出場権獲得済み)といったメンバーを揃えたチームで、フィジカル面でも技術面でも浦和レッズを上回るチームと目され、大変強力な攻撃力を誇るチームであることもあって、第2戦の浦和は相当守備的なゲームを展開するのではないかと予想されました。

 ところが、浦和レッズは攻守を織り交ぜるゲームを披露したのです。
 相当押し込まれるシーンが多かった第1戦に比べて、前線からのプレスを多用してアルヒラルゴールに迫りました。
 5万8千人近い大観衆の大声援を背に受けて、アルヒラルゴールを襲いました。

 そして、決定的なチャンスの数なら浦和の方が多いというゲームを実現し、後半43分のラファエル・シルバ選手の決勝点を生み出したのです。
 武藤選手のパスからのカウンター攻撃、シルバ選手の強烈なシュートがアルヒラルゴール右上に突き刺さりました。

 第1戦で「一方的に押し込む展開」に慣れて?しまっていたのか、アルヒラルのプレーヤーは中盤での激しい鬩ぎあいに戸惑いを見せ、持ち味の攻撃が展開できませんでした。
 浦和ゴール前にボールを運ぶこともままならなかったのです。

 第2戦は、浦和レッズの戦略がズバリ的中したゲームであったと感じます。

 浦和レッズは、10年振り2度目のアジア制覇となりました。
 Jリーグのクラブとしても、2008年のガンバ大阪以来9年振りの優勝でした。

 このところ、クラブの資金力の差もあってか、世界トップクラスのプレーヤーをメンバーに加えることが難しくなっているJリーグの各クラブですから、ACLにおいては苦しい戦いが続いていたのですけれども、浦和レッズの優勝は「ビッグマネーでサッカー強豪国の代表クラスのプレーヤーを獲得できなくともACLで優勝出来る」ことを示すものとなりました。

 その意味では、Jリーグのレベルアップ、特に「戦略・戦術面でのレベルアップ」を示してくれたのでしょう。
 2016年のクラブワールドカップにおける鹿島アントラーズの決勝進出とともに、我が国のクラブチームの強さを世界に示したのです。

 12月6日からUAE(アラブ首長国連合)で開催される、クラブワールドカップ2017における大活躍が期待されます。
 11月15日、南米-オセアニア・大陸間プレーオフの第2戦で、ペルーチームがニュージーランドチームを破って、南米地区5番目のチームとして本大会への出場が決まり、ワールドカップ2018ロシア大会への出場全32チームが確定しました。

 イタリアの敗退など、今回の予選も「思いもよらぬ展開」の連続でしたが、アイスランドとパナマの2チームが初出場を決めるなど、見どころの多い戦いでもありました。

 次の焦点は、12月1日に行われる「組合せ抽選会」に移ります。
 組合せ抽選会はとても華やかなイベントですけれども、出場各チームにとっては極めて重要なものとなります。グループリーグGLの対戦相手が決まるのですから・・・。

 当たり前のことを書き恐縮ですが、32チームの内16チームにとっては、GLにおける3試合が「ワールドカップにおけるゲーム」となります。ワールドカップとはいっても、世界中を相手にするのではなく、同組の3チームを相手にするのです。そして、成績が振るわなければ決勝トーナメントには進めません。
 
 ロシア大会で世界にデビューしようと狙っている、世界中のプレーヤーや監督、コーチにとっては、「人生を賭けた戦い」となるわけですから、その対戦相手がどのチームになるのかは、とても重要なことですし、出来ることなら決勝トーナメントに進出して、ひとつでも多くのゲームでプレーすることが「自己PR」にとって大切なことでしょうから、「より勝てそうなチームが居る組」に入りたいと考えるのが、人情でしょう。

 大袈裟に言えば、世界にデビューしようとするプレーヤーや監督・コーチにとっては、「人生を決める抽選会」なのかもしれません。

① 2017年10月16日時点のFIFA世界ランキング

 KAZブログでは以前から「世界ランキングの重要性」を書き続けていますが、ロシア大会の抽選会におけるポット分けは、2017年10月16日時点の世界ランキング順ということになります。

 その時点のランキングが上のチームから、8チームが第1ポット、次の順位の8チームが第2ポット、次の順位の8チームが第3ポット、最も順位の低い8チームが第4ポットに振り分けられるのです。

 そして、1~4の各ポットから1チームずつが、AからHの8グループ・組に抽選で入っていくという形を取ります。
 世界ランク上位のチームが同じ組に入らないようにすることと、各組のレベルを平均化するための方法です。

 世界中で行われてきた公式戦や親善試合の結果・内容を観ながらFIFAが定期的に決めている世界ランキングですが、ワールドカップの組分けにとても大きな影響を及ぼすものなのです。
 普段行われているナショナルチーム同士の「国際親善試合」とはいっても、疎かにはできないことは明らかでしょう。

② 開催国ロシアが32チーム中で世界ランキング最下位(史上初)

 前述のポット決めルールの例外として「開催国は第1ポットに入る」があります。
 「開催国がランキング最上位のチームと同じ組にならないように」という、開催国チームへの配慮が現れている例外ルールです。これまでの大会でも実施されてきました。

 今回の開催国はロシアですが、このロシアチームの世界ランキングが65位となっていて、参加32チーム中最下位なのです。「開催国チームが参加チームの中でランキング最下位」というのは、ワールドカップ史上初のことであると報じられています。

 他の参加チームにとっては、世界ランキング最上位の7チームの居る組より、ロシアチームの居る組の方が、戦い易いと考えるのは自然なことでしょう。

③ スペインチーム(世界ランキング8位)の帰趨

 今回の抽選会最大の焦点は「スペインチームがどの組に入るか」ということになりました。

 世界ランキング8位のスペインチームは、前述の例外ルールにより第2ポットですから、世界ランキング1~7位の第1ポットが配されたどの組に入っても、当該組が「死の組」になるのです。
 例えば、世界ランク1位のドイツの組に入れば、ドイツとスペインが同じグループとなりますし、世界ランク2位のブラジルの組に入れば、ブラジルとスペインが同じグループとなるわけです。(当たり前のことを書き恐縮です)
 その組に、第3ポット、第4ポットから抽選で選ばれたチームにとっては、GL突破が極めて難しい状況になることは明らかです。

 一方抽選の妙で、スペインがロシアと同じ組に入れば、これは「最も平和?」な形となるわけですが、その確率は1/8と低いのです。
 何時の大会でも同じことですが、今回も「死の組」が出現する可能性が高いのです。

 他にも、第2ポットの世界ランク12位のイングランドや、同17位のウルグアイが入る組も、ワールドカップにおける存在感の大きなチームですから、厳しい組となるのは必定です。

④ 「死の組」には日本チームが不可欠?

 11月16日の「スポーツ報知」の配信で、世界中のツィッターなどで、「死の組」に入るチームが予想されている中で、日本チームが入っている組合せが多いと報じられました。

 その記事によれば、「死の組」予想で目立つのは、以下の2パターン。
 「ドイツ、スペイン、チュニジア、日本」
 「ブラジル、スペイン、デンマーク、日本」とのこと。

 前述の通り、ドイツチームとブラジルチームの組にスペインチームが入っているのは、予想されることですが、第3ポットからチュニジアチームとデンマークチームが選ばれ、第4ポットから日本チームが選ばれているところが、興味深い。

 その記事では、「第4ポット最強と評価された栄誉」といった書き振りでした。もちろん、「死の組」と言う以上は、「強い4チーム」が集まる必要がありますから、そうした見方もできるのでしょうが、私は単純に「世界中のサッカーファンが第4ポットの各チームを見た時に目についたチーム」だったということかな、と感じています。
 日本チームは、世界中のサッカーファンから「様々な面」で「強いチーム」というよりは「良いチーム」と認識されているのではないでしょうか。

 いずれにしても、ハリルジャパンにとっては④の「死の組」に入ることは、出来るだけ回避したいところです。ドイツ、ブラジル、スペインといったチームからワールドカップの大舞台で勝利するというのは、日本のみならず、他のどのチームにとっても至難の技でしょうから。

 とはいえ、当然のことながら、ワールドカップ出場チームは「どのチームも強い」ことは明らかですから、12月1日の抽選会の結果で一喜一憂することなく、同組の他の3チームの調査・研究に注力し、ハリルジャパンのワールドカップメンバーを選定し(他の3チームの戦力・サッカーの質、他の3チームの対戦結果予想、等々によって、日本チームのメンバーが異なってくるのは自然なことです)、チーム一丸となってGL突破を目指さなければならないことは、間違いないのでしょう。
 UEFAチャンピオンズリーグCL2017~18年シーズンのグループリーグGLも各チームが4試合を終了しました。

 今回は4戦4勝の3チームを見ていこうと思います。

① マンチェスター・ユナイテッド(A組)
② パリ・サンジェルマン(B組)
③ マンチェスター・シティ(F組)

 前期ヨーロッパリーグ優勝チームとして出場しているマンUは、FCバーゼル(スイス)、CSKAモスクワ(ロシア)、ベンフィカ(ポルトガル)を相手に、快調に飛ばしています。

 9月12日の初戦でFCバーゼルを3-0で下し、9月27日にはCAKAモスクワを4-1、10月18日にベンフィカを1-0、10月31日にはホームで再びベンフィカを2-0で下しての4連勝です。
 目立つのは「得点力」でしょう。3得点のFWロメル・ルカク選手はもちろんとして、MF、DFも得点しています。攻撃が多彩なのです。
 この得点力が継続できるようなら、今季のマンUは要注意でしょう。

 パリ・サンジェルマンは、予想通りの活躍です。
 FCバルセロナから移籍したネイマール選手を中心とした攻撃陣の活躍が際立っています。
 17得点で4連勝、つまり1試合平均4得点以上を挙げているのです。
 加えて、4試合で0失点ですから、付け入る隙が無い状態でしょう。

 同じB組のバイエルン・ミュンヘンと共に、「優勝候補」の一角としての戦いが続きます。

 F組のシティは、セルヒオ・アグエロ選手(アルゼンチン)やガブリエル・ジェスス選手(ブラジル)、ダビド・シルバ選手(スペイン)、フェルナンジージョ選手(ブラジル)、ニコラス・オタメンディ選手(アルゼンチン)といった、各国の代表クラスのプレーヤーと、地元イングランドのプレーヤーのバランスが良いという印象です。

 初戦のフェイエノールト戦を4-0で快勝して、着々と勝ち星を積み上げています。
 この好調さを観ると、こちらも優勝候補に名乗りを上げるのでしょう。

 4戦4勝の3チームを観てきました。
 いずれのチームも、その持ち味を十分に発揮していますから、ベンチワークもとても上手く行っているのでしょう。
 特にプレミアリーグの2チーム、マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティの頑張りが目立ちます。
 このところUEFA-CLでなかなか勝ち進めなかったプレミア勢にとっては、何としても準決勝・決勝に駒を進めたいところでしょう。
 シティとユナイテッドのマンチェスターダービーを決勝で見てみたい、というファンの声も聞かれます。

 一方で、「4戦4敗」のチームもあります。
 これが、意外なチームなのです。

① ベンフィカ(A組)
② アンデルレヒト(B組)
③ フェイエノールト(F組)

 ポルトガルの名門ベンフィカの4連敗は、本当に意外です。
 初戦でCSKAモスクワに1-2で敗れて勢いを削がれ、第2戦はFCバーゼルに0-5と大敗しました。第3戦のマンU戦は0-1と健闘しましたが、まだ序盤のショックから立ち直れていない感じがします。

 オランダの名門フェイエノールトの4連敗も、本当に意外です。
 こちらも初戦でシティに0-4、第2戦でナポリに1-3で連敗したショックが大きいのでしょう。

 そしてベルギーNO.1クラブ、前期の1部リーグ・ジュピラープロリーグの優勝チームでもあるアンデルレヒトの不振も、本当に意外です。
 初戦でバイエルンに0-3で敗れ、調子を上げなければならなかった第2戦セルティックとのゲームを0-3で連敗したのが効きました。すっかり勢いをなくしてしまったのです。
 ベルギーナショナルチームは世界ランキング5位と強さを魅せてている中での、NO.1クラブの不振は、不思議な感じもします。

 4連勝の3チームと4連敗の3チームを観てきましたが、この3チームずつは全て同じ組に入っています。

 A組にマンUとベンフィカ、B組にサンジェルマンとアンデルレヒト、F組にシティとフェイエノールト。

 「4連勝するような好調なチームが在ると4連敗のチームが生まれる」のか、「4連敗するような不調なチームが在ると4連勝チームがうまれるのか」は分かりませんけれども、こうした「偏った成績」が同じ組で生まれ易いことは、間違いなさそうです。
 UEFAチャンピオンズリーグCLのグループリーグGLも、各チームが4試合を終えて残り2試合、佳境を迎えています。

 決勝トーナメント進出に向けて、各グループの2位以内を巡る激しい戦いが繰り広げられていますが、G組のベジクタシュ(トルコ)の活躍が目立ちます。

 トルコ1部リーグ=スュペル・リグの2016~17年シーズン優勝チームとして出場しているベジクタシュは、同組のRBライプツィヒ(ドイツ)、ASモナコ(フランス)、FCポルト(ポルトガル)の3チームを相手に、3勝1引分の勝ち点10でトップに立っているのです。

 ベジクタシュはGL初戦、9月13日のFCポルト戦に3-1で快勝して勢いに乗りました。
 続く9月26日にはRBライプツィヒを2-0で撃破、10月17日のASモナコ戦も2-1で勝って、開幕3連勝、11月1日のASモナコとの第2戦は1-1で引分けて、現在勝ち点10という形です。

 もちろん、トルコNO.1チームとしてのCL出場であり、メンバーにもポルトガル代表のFWリカルド・クアレスマ選手やDFペペ選手、元オランダ代表のFWライアン・バベル選手、ブラジルU-23代表のFWタリスカ選手等々の有力プレーヤーを擁していますから、チーム力が高いことは言うまでもないことですが、一方で、ドイツ・ブンデスリーガで伸長著しいRBライプツィヒや、フランス・リーグアン2016~17年シーズンでパリ・サンジェルマンの5連覇を阻止して優勝したASモナコ、ポルトガル・プリメイラリーガの名門、UEFA-CL優勝2回を誇るFCポルトを相手にしての開幕3連勝となると、その健闘が際立つのです。

 ASモナコは2016~17年シーズン終了後、主力メンバーがごっそり入れ替わったと報じられていますので、チーム力がやや落ちているようですから、G組は、ベジクタシュ、FCポルト(現在勝ち点7で2番手)、RBライプツィヒ(同4で3番手)による上位争いが予想されます。

 既に勝ち点10を積み上げているベジクタシュの優位は動かないところだと思いますが、この勢いで決勝トーナメントでも、サッカー大国の代表クラブを相手にしての「旋風」を巻き起こしてほしいものです。
[11月13日・プレーオフ第2戦・スタディオジュゼッペメアッツァ]
スウェーデン0-0イタリア(2戦合計、スウェーデン1-0イタリア)

 ミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ競技場)で行われた、ワールドカップ2018ロシア大会ヨーロッパ予選のプレーオフ第2戦は、0-0の引分に終わり、第1戦を1-0で制しているスウェーデン代表チームが、本戦への出場を決めました。

 イタリア代表チーム=アズーリがワールドカップ出場を逃したのは、1958年スウェーデン大会以来60年振り(14大会連続出場中でした)のことです。

 ワールドカップ優勝4回を誇る強豪チームの姿を、2018年大会で見ることが出来ないというのは、「世界のサッカーにとっても驚愕の事実」でしょう。

 もちろん、欧州予選がとても厳しいもので、世界ランキング上位の代表チームが本戦出場を逃すというシーンは、毎大会観られることなのですけれども、事が「イタリア」チームとなると、話は一段違うという感じがします。

 どのワールドカップでも「アズーリはワールドカップの風景」なのです。

 今回の予選にしても、グループリーグG組でスペインチームと同組になってしまい、1位通過を目指した戦いに敗れてプレーオフに回り、プレーオフの対戦相手が強豪スウェーデンチームになってしまった時でも、イタリアチームの本戦出場を疑う人は殆どいなかったでしょう。
 どちらかといえば「スウェーデンは不運」と考えた人が多かったのではないでしょうか。

 プレーオフ第1戦で、スウェーデンチームが地元で勝利した後でも、イタリアチームは地元で逆転勝ちすると見られていました。
 ある意味では根拠の無い余裕と言うか、「ワールドカップの歴史がイタリアを本戦に運んでくれる」といった雰囲気が漂っていました。

 そしてサンシーロでのゲーム、イタリアチームがスウェーデンゴールを脅かし続けながらも0-0で前半を終えた時、初めて「イタリア予選敗退」が眼前のものとなったのです。
 あと45分で得点できなければ、ワールドカップに出場できないという「恐ろしい事実」が、アズーリを覆ったのでしょう。

 イタリアチームは後半も攻め続けました。
 スウェーデンのゴール枠内へのシュートも何本かありました。
 しかし、「決定的なチャンス」は本当に少なかったと感じます。「得点の匂いがしなかった」のです。

 イタリア代表チームが、世界屈指のナショナルチームであることを疑う人は居ないでしょう。
 イタリア国内リーグ1部のセリエAが、ヨーロッパ屈指=世界屈指、のサッカーリーグであることを疑う人も居ないでしょう。
 イタリアは、何時の時代も世界トップクラスのサッカー大国なのです。

 そのイタリア代表チームが、今回の予選で敗退してしまった理由は、何なのでしょうか。

① ワールドカップ2006年大会の優勝メンバーに頼り過ぎたか?

 イタリアチームは、ワールドカップ2006ドイツ大会で優勝しました。
 決勝ではフランスチームと死闘を演じ、PK戦の末優勝を捥ぎ取ったのです。

 ワールドカップの常連、4度の優勝を誇るイタリアにとっても、21世紀初の優勝と成った2006年大会のチーム・メンバーが極めて高く評価され、「英雄視」されたのは無理もないことです。

 また、2006年大会のイタリアチームは、黄金のワールドカップを抱くに相応しい、素晴らしい、本当に素晴らしいチームでした。

 アズーリの伝統は「カテナチオ」と称される堅守であり、2006年のチームも「堅守」が高く評価されました。
 
 当時32歳だったバックス、ファビオ・カンナバーロ選手を中心として、マルコ・マテラッツィ選手やジャンルカ・ザンブロッタ選手、ファビオ・グロッソ選手、ジェンナーロ・ガットゥーゾ選手、ゴールキーパーGKのジャンルイジ・ブッフォン選手らにより構成されたディフェンスDF陣は、まさに「21世紀のカテナチオ」でした。
 特に、カンナバーロ選手の「予測力」、次の展開を読む力は、当時の世界最高レベルであったと感じます。
 当たり前のことですが、「予測力」がアスリートの能力に占める割合は、とても高いのです。

 一方で、実は2006年のイタリアチームの攻撃力も、極めて高いものだったのです。
 これも当たり前のことを書き恐縮ですが、得点力が優れたチームでなければワールドカップ優勝など、出来るはずがありません。

 当時27歳だったアンドレア・ピルロ選手を中心とした攻撃陣は、それはそれは華麗なものでした。
 ピルロ選手はミッドフィールダーMFですが、イタリアでは「レジスト」と呼ばれるポジションです。「レジスト」は司令塔とでも訳すのが良さそうですが、ゲーム全体のチームの攻撃をコントロールする仕事です。
 所謂「ファンタジスタ」とも少し異なる役割を任されているのですが、私はピルロ選手が、「レジスト」として歴代NO.1のプレーヤーではないかと思います。

 あの英雄ロベルト・バッジオ選手から「後継者」に指名されたピルロ選手は、2006年大会で素晴らしいプレーを次々と披露しました。

 ピルロ選手の指令の下に、アレッサンドロ・デルピエロ選手(まさに「ファンタジスタ」と称されていました)やフランチェスコ・トッティ選手が配され、フォワードFWにはフィリッポ・インザーギ選手やアルベルト・ジラルディーノ選手、ルカ・トーニ選手が居るという攻撃陣ですから、創造性に溢れ、華麗で力強いプレーが展開されるのは、当然のことでしょう。
 この時のイタリアチーム以上に「お洒落なプレー」が出来るチームは、世界サッカー史上にもなかなか無いのでは、と感じます。

 2006年ワールドカップのイタリアチームは守備陣も攻撃陣も素晴らしいチームでした。
 従って、その後イタリア代表チームがしばらくの間、このチームをベースに構成されたのも、むべなるかなと思われるのです。

 トッティ選手が2007年に、デルピエロ選手とマテラッツィ選手が2008年に、カンナバーロ選手とザンブロッタ選手が2010年に、ピルロ選手が2015年に、代表引退を表明し、2006年の「黄金の11名」は次第に代表戦のピッチを後にしましたが、2017年のワールドカップ予選においても、まだ「アズーリの骨格」は2006年メンバーが占めていたのです。
 
 そして、今回の「悲劇」が起こりました。

 スウェーデンとの第2試合終了後、GKのブッフォン選手(39歳)は涙にくれながら「代表引退」を表明しました。
 そして、MFダニエル・デ・ロッシ選手(34歳)とDFアンドレア・バルザーリ選手(36歳)も続いて「代表引退」を表明したのです。
 2006年当時は「20歳台」の若手プレーヤーとしてチームに加わっていた「3名の偉大なプレーヤー」も30歳代の半ば、あるいは40歳近くになっていたのです。

 10年以上に渡って、アズーリの屋台骨を支えてきた「2006年メンバー」の時代は、ついに終わりを告げました。

 この「黄金の11名」が長く働き過ぎたとは思いません。その時その時の最強アズーリを構成すると、どうしても外せないプレーヤー達であったことも間違いないでしょう。
 
 しかし、所謂「世代交代」の障害となっていた可能性はあると思います。
 何時の時代も、代表チームには若手とベテランが混在するとはいえ、選抜の過程で「若手の起用が1~2名少なくなる」といった影響を及ぼしていた可能性はあるでしょう。

 10年以上に渡る数多い代表戦の都度、若手の登録・出場が1~2名少なかったとしたら、結果として世代交代の阻害要因となっていた怖れがあるでしょう。

② セリエAの地盤沈下

 本ブログの記事でも、イタリアサッカー界において「セリエAの地盤沈下」が指摘されていることを書きました。

 イタリア経済の弱体化をベースにして、プレミアリーグやリーガエスパニョーラといった他国の有名リーグに比して「プレーヤーの年俸金額」が小さくなってしまい、良い選手がセリエAに集まりにくくなっていることを背景に、セリエAの相対的レベルが下がっているという指摘です。

 2000年代に比べて、2010年代のセリエAのプレーのレベルが下がっているとすれば、そこでプレーするイタリア人プレーヤーのスキル向上にも影響が出ている可能性があります。
 自国リーグのレベル向上は、自国代表チームの力量アップに不可欠の要素なのです。

③ ラストパスの精度

 頭書のスウェーデンチームとのゲームは、「イタリアチームが攻めまくった試合」でした。

・シュート数 イタリア14:1スウェーデン
・枠内シュート数 イタリア6:1スウェーデン
・パスの本数 イタリア712:194スウェーデン
・コーナーキック数 イタリア8-0スウェーデン
・ボール支配率 イタリア75%:25%スウェーデン

 これだけ一方的な試合内容ながら、0-0のドローに持ち込んだというのは、スウェーデンチームが良く守ったということにもなるのでしょう。

 一方で、イタリアチームのラストパスの精度が低かったという印象があります。
 上手くスウェーデンゴール前までボールを運びラストパスというシーンが、イタリアチームには再三ありましたが、ラストパス→シュートというシーンはあまり観られませんでした。ラストパスが通らない、あるいは受け手とのタイミングが合わない、受け手との意思疎通が上手く行かない、といったシーンが多かったのです。

 「ラストパスのコントロールが良くなかった」「ラストパスの受け手の技術が低かった」「スウェーデンのDFがパスを予測していた」「イタリアチームのフォーメーションがプレーヤーの特質と合っていなかった」「ベンチの戦術的なミス」等々、理由はいろいろと考えられるのですが、ラストパンに行くまでのボールコントロールが上手い中で、何故ラストパスだけが上手く行かなかったのかというのは、不思議な感じがします。

 結果として、「決定的なシーン」はあまり出現しませんでした。

 かつてのピルロ選手からのラストパスを思う時、この大事なゲームにおいて、アズーリのラストパスの精度が低かったことは、とても残念なことです。

 サッカー通の友人が言います。
 「イタリアが出られないのに、日本がワールドカップに出て良いのだろうか」と。

 私は、日本代表チームにはワールドカップに出場する資格が有ると考えていますが、一方で「60年振りにイタリアチームが出場権を逃した」という事実から、何時の時代もワールドカップに出場するのは容易なことでは無いということは、肝に銘じておかなければならないと、再び思うのです。
 サッカーの王国・ブラジルが、FIFAワールドカップで初優勝したのは1958年スウェーデン大会、2度目の優勝は1962年のチリ大会でした。連覇だったのですが、この連覇に大きく貢献したのが、ガリンシャ選手でした。

 子供の頃の小児麻痺の後遺症で右脚の方が左脚より6cm長かったという、身体的なハンディキャップもあって、ガリンシャ選手は常に右フォワード、当時の呼び方なら「右ウイング」でプレーしました。

 チャンスメイクしてセンタリングを上げるというプレー、ラストパスを供給するというプレーにおいて、ガリンシャ選手ほどの「威力」を誇るプレーヤーは、当時存在しませんでしたし、現時点まで含めても「右ウイング」としては、世界最高のプレーヤーであろうと思います。

 1958年のワールドカップ、グループリーグの第3戦・ソビエト戦で初めてワールドカップの舞台に登場したガリンシャ選手は、いきなり決勝点をアシストしました。
 そして決勝トーナメントでも大活躍、ガリンシャ選手の相手ゴール前へのボールの供給から、多くの得点が生まれたのです。

 独特のリズムと高度なボールタッチ、圧倒的な俊敏性で右サイドを駆け上がるガリンシャ選手を誰も止めることが出来なかったため、タイム誌は「誰も止めることは出来ない。ただそれだけのことだ」と、半ば呆れたように報じたと伝えられています。

 1962年のワールドカップでは、大エースに成長したペレ選手がグループリーグで早々に負傷し欠場したために、「もうひとりのエース」としてのガリンシャ選手へのブラジルファンからの期待は、いやが上にも高まりました。
 そして、ガリンシャ選手はその期待に見事に応えたのです。

 決勝トーナメント1回戦・ベスト8のイングランド戦で2得点を挙げ、チームの3-1の勝利に貢献、準決勝のチリ戦でも2得点を挙げ、チームの4-2の勝利に貢献しました。
 もちろん、ウイングとしてのセンタリングやクロスボールの供給でも大活躍しました。
 まさに、「獅子奮迅」の活躍でしょう。

 この大会で4得点を挙げたガリンシャ選手は、同僚のババ選手らと共に、この大会の得点王に輝きました。この4得点は「ペレ選手の代わりに挙げた」ものかもしれません。
 ババ選手へのラストパスの供給もガリンシャ選手の仕事でしたので、この時のサッカーマスコミからは、「たったひとりの力でワールドカップを制した」とも評されたのです。

 サッカーの王様・ペレ選手は、「ガリンシャが居なければ、私はワールドカップで3度優勝することはできなかっただろう。」とコメントしています。

 ペレ選手とガリンシャ選手は、ブラジル黄金時代の両輪でした。

 1983年に49歳で早逝したガリンシャですが、いまだにブラジル国内ではとても人気が高いそうです。そのテクニックと創造性溢れるプレーぶりが、まさに「ブラジルサッカーそのもの」であったからでしょう。

 何より凄いのは、ガリンシャとペレが揃ってプレーした試合では「ブラジルチームは不敗」だったということです。

 ガリンシャ選手は「不敗伝説」の主役なのです。
 サッカー競技のナショナルチーム同士の試合において「4年間無敗」というのは、考えられない成績ですが、1950年から54年までの4年間、ハンガリー代表チームは1度も負けませんでした。

 「各時代における相対的な強さ」という意味では、世界サッカー史上「最強のナショナルチーム」であったと言っても良いのでしょう。

 このチームは「マジックマジャール」と尊称されました。

 そして、「マジックマジャール」のキャプテンであり、大黒柱であり、最強のゴールゲッターであったのが、フェレンツ・プスカシュ選手でした。

 プスカシュ選手のネームバリューは、20世紀のプレーヤーとしては、ペレ選手やボビー・チャールトン選手、フランツ・ベッケンバウアー選手、クライフ選手らと並ぶ、世界サッカー史上に燦然と輝くものだと思います。

 1927年にハンガリー・ブダペストに生まれ、2006年に79歳で死去しました。

 ハンガリーのクラブチームで活躍していたプスカシュ選手が、スペインのレアル・マドリードに移籍したのは1958年でした。ハンガリー動乱の中でスペインに亡命したのです。
 この時既に31歳であったプスカシュ選手としては、混乱が続く母国において、止むに止まれぬ選択だったのでしょうが、このレアル・マドリードでの活躍が、プスカシュ選手の「世界的な能力」を明示することとなりました。

 1967年までのリーガ・エスパニョーラでのプレーにおいて、プスカシュ選手は5度のリーグ制覇と3度のUEFAチャンピオンズカップ(現、チャンピオンズリーグ)の優勝メンバーとなりました。
 素晴らしい活躍を魅せてくれたのです。
 レアルにおいて180試合に出場し、156ゴールを挙げています。

 頭書のハンガリー代表チームにおいては、85試合に出場して84ゴールを挙げています。
 ほぼ1試合1ゴールという、見事な活躍です。

 1950年に始まった「マジックマジャール」の快進撃は、1954年のワールドカップ・スイス大会の準決勝まで続きました。
 プスカシュ選手のほかにも、シャーンドル・コチシュ選手、ゾルターン・チボル選手、ラースロー・ブダイ選手、ナーンドル・ビデグチ選手、ゴールキーパーGKのジュラ・グロシチ選手といった好選手を揃え、名監督ジェベシュ・グスターブの指揮のもと、ポジションチェンジを多用する戦法により、圧倒的な得点力を誇るチームであったと伝えられています。

 この無敵を誇ったハンガリーチームも、しかし、決勝の西ドイツ戦で、ついに2-3で敗れたのです。

 この頃は、「マジックマジャール」が敗れるなどと考えている人は皆無であったと思いますが、実はこの決勝戦にプスカシュ選手は出場していなかったのです。

 グループリーグGLの西ドイツ戦(8-3でハンガリーの勝ち)で右足を故障し、その後の試合を欠場したのです。
 大黒柱のプスカシュ選手抜きでも、ハンガリーチームは勝ち続けましたが、ついに決勝・西ドイツ戦で4年ぶりに敗れたのです。(31連勝でのストップでした)
 プスカシュ選手が出場できていれば・・・と思います。「危険なプレーによるエースプレーヤーの故障」というのは、何時の時代もサッカーの歴史に大きな影響を与えるものです。絶対にあってはならないことだと思います。

 スペインに亡命したプスカシュ選手は、1961年にスペイン国籍を得て、スペイン代表チームでも4試合でプレーしています。

 ハンガリーのクラブチームで350得点余り、レアル・マドリードで150得点余り、代表チームで80点余りと、フェレンツ・プスカシュ選手は、そのキャリアで600得点余りを挙げています。
 素晴らしい足跡を残しました。

 身長172cmと伝えられていますから、決して大きなプレーヤーではありませんでしたが、その左足から繰り出されるシュートは、強烈かつ正確無比なものでした。

 フェレンツ・プスカシュ選手が、1950年代の世界サッカーを代表するフォワードFWであったことは、間違いありません。
 今季のチャンピオンズリーグも、グループリーグの中盤を迎えています。
 そして、グループBでは、パリ・サンジェルマンが好調な試合を続けています。

① 9月12日 パリ・サンジェルマン5-0セルティック
② 9月27日 パリ・サンジェルマン3-0バイエルン・ミュンヘン
③ 10月18日 パリ・サンジェルマン4-0アンデルレヒト

 サンジェルマンにとっての今季グループBでの緒戦・セルティック戦の先制点は、前半19分にネイマール選手が挙げました。
 サンジェルマンの今季UEFA-CLを象徴する先制点でしょう。

 FCバルセロナから移籍してきた「ブラジルの至宝」の活躍が、今季の鍵だったからです。

 「ブラジルの至宝」は見事に機能しました。
 そしてチームに、良い意味での「化学反応」を起こしているように見えます。
 パリ・サンジェルマンの得点力が、格段に上がった印象です。

 特に凄かったのが、2戦目のバイエルン・ミュンヘン戦であったことは、異論のないところでしょう。

 前半2分にダニエウ・アウベス選手、前半31分にカバーニ選手、そして後半18分にネイマール選手がゴールを挙げ、バイエルン攻撃陣を零封して、完勝しました。
 現在のクラブ3強の一角に対する完勝は、いかにホームゲームとはいえ、現在のパリ・サンジェルマンの充実ぶりを如何なく示しました。

 第3戦も、ムバッペ選手、カバーニ選手、ネイマール選手、ディマリア選手とゴールを並べて圧勝、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、フランスの主力プレーヤーが揃った豪華絢爛な攻撃陣はもちろんとして、「3ゲームで失点0」という守備力も高く評価しなければならないでしょう。

 パリ・サンジェルマンは、UEFA-CL2017~18の最大の注目チームなのです。
 2015年3月22日に始まった、FIFAワールドカップ2018ロシア大会の、北中米カリブ海予選は、10月10日に最終予選(第5次予選)の最終戦を終えました。

 これにより、北中米カリブ海から本大会に出場する3チームと大陸間プレーオフに進出する1チームが決まりました。

[最終予選順位]
1位 メキシコ 勝ち点21
2位 コスタリカ 同16
3位 パナマ 同13
4位 ホンジュラス 同13
5位 アメリカ 同12
6位 トリニダードトバゴ 同6

 メキシコ、コスタリカ、パナマの3チームが本大会に駒を進めました。
 メキシコチームは安定した戦いを続け、9月1日に、7大会連続16回目のワールドカップ出場を決めました。この地域のサッカーをリードしてきた存在として、さすがの戦い振りでした。

 近時、めきめき力を付けているコスタリカも、大事な試合での勝負強さが光り、2大会連続5回目の出場権を10月7日時点で確保しています。

 混戦となったのは、3位~5位の争いでした。
 3位なら勝ち抜け、4位ならプレーオフ、5位なら予選敗退という、極めて厳しい状況で10月10日の最終戦を迎えたのです。

 この最終戦で、ホンジュラスがメキシコを破りました。
 試合は前半メキシコチームが2-1とリードしました。ところが後半の9分、オチョア選手のオウンゴールでホンジュラスチームが2-2の同点に追いついたのです。
 そして、キオト選手のゴールで3-2とリードし、そのまま押し切りました。
 ホンジュラスチームにとっては「乾坤一擲」の勝利であり、勝ち点を13まで伸ばしたのです。

 パナマチームは前半、コスタリカチームに先制を許しましたが、後半の2ゴールで逆転勝ちを収めました。決勝点は後半43分でした。
 地元の大声援を受けて、パナマイレブンが輝いた瞬間でした。

 そして、「よもや」のこと、当事者から見れば「事件」と呼んでもよい様なことが起きたのです。
 アメリカチームがトリニダードトバゴチームに1-2で敗れたのです。

 今最終予選で、なかなか調子が上がらず、苦しい戦いを続けていたアメリカチームでしたが、さすがに勝ち点を積み上げ、最終戦を勝利すれば本大会に出場できるところまで来ていました。
 最終戦の相手は、最下位のトリニダードトバゴチームでしたから、順当にアメリカが勝つであろうと見ていた方が多かったと思いまする(もちろん、私もそう思っていました)

 いかにアウェイとはいっても、21世紀に入ってのアメリカサッカーの強さは本物と、誰もが感じていたからです。

 前半17分、アメリカのゴンザレス選手がオウンゴールを献上しました。
 結果としては、これが痛恨の失点となり、前半を0-2で折り返すと、後半の反撃も1点止まりで、敗れ去ったのです。

 そして、ホンジュラスがメキシコに勝利し、勝ち点を13に伸ばしていましたので、アメリカはプレーオフへの進出もかなわず、予選敗退となりました。
 ホンジュラスの勝利とアメリカの敗戦に大きな影響を与えたのは、「オウンゴール」でした。

 「自殺点」がこれほどに明暗を分ける要因になった最終予選も、珍しいのではないでしょうか。

 10日の最終戦を前にして、アメリカチームにとっては「まず、有り得ないケース」として認識していたであろう事態が起こりました。
 
 当たり前のことを書いて恐縮ですが、勝負事は何が起こるか分からないのです。

 一方、パナマチームはワールドカップ初出場を決めました。
 世界各地の今回の予選では、アイスランドに続いての「初出場」チームとなります。
 パナマサッカー史に燦然と輝く快挙です。

 ホンジュラスはアジア5位のチーム=オーストラリアとの大陸間プレーオフを戦うこととなりました。
 ケーヒル選手の執念の2ゴールで、辛くもアジア5位の座を確保したオーストラリアチームも死に物狂いの戦いを繰り広げることになるでしょうから、11月6日と14日のホーム&アウェイのプレーオフゲームは「死闘」になりそうです。

 1930年の第1回ワールドカップ・ウルグアイ大会(13チームが参加)で3位であったアメリカチーム、FIFAワールドカップにおいて最も歴史と伝統を誇るチームのひとつであるアメリカ合衆国が、2018年大会の出場を逃しました。

 世界各国のサッカーのレベルが着実に向上していることの、ひとつの証左なのかもしれません。
 2015年10月に幕を開け、2年あまりに渡って戦いが続いていた、2018年ワールドカップ・ロシア大会の南米予選が、10月10日に最終戦を迎えました。

 今回の南米予選では、1位のブラジル以外の各チームの激しい競り合いが続きました。
 特に注目されたのは、アルゼンチンの戦い振りで、前節・10月5日の第17節を終えて6位と、大陸間プレーオフへの進出さえできないという順位に居たものですから、「アルゼンチンが予選敗退か」と騒がれていたのです。
 当代最高のフォワードのひとりとされるメッシ選手を始めとして、スタープレーヤーが目白押しのアルゼンチンチームが、本大会で見られないかもしれないというのは、世界中のサッカーファンの関心事となったのは、当然のことでしょう。

 加えて、最終戦のエクアドルとの一戦はアウェイであり、高地にあるエクアドル・キトのスタジアムでは、アルゼンチンは勝ったことが無いとの報道が流れて、一層注目が高まりました。

 しかし、さすがはメッシ選手、さすがはアルゼンチンチームです。この「痺れるゲーム」を3-1で勝ち切ったのです。メッシ選手のハットトリックでした。

 この結果、南米予選の上位は、
1位 ブラジル 勝ち点41
2位 ウルグアイ 同31
3位 アルゼンチン 同28
4位 コロンビア 同27
5位 △ペルー 同26
6位 チリ 同26

 となりました。

 1位から4位までが本大会出場を決め、5位のペルーチームが大陸間プレーオフに進出することとなったのです。

 南米選手権を連覇しているチリチームにとっては、「信じられないような結末」であったと思います。最終節でブラジルチームに3-0と完敗して、力尽きた形です。
 非常に完成度の高いチームとして、南米選手権大会を連覇し、コンフェデレーションズカップでもドイツチームと決勝を戦い、準優勝に輝いたチリチームですが、長く戦ってきたペルー史上最強のイレブンからの世代交代が、少し遅れてしまったのかもしれません。

 開始直後のブラジルチームの不調、中盤からのアルゼンチンチームの苦戦と、色々あった今回の南米予選でしたが、結局はブラジル・ウルグアイ・アルゼンチンの南米3強、ワールドカップ優勝経験のある3チームが1~3位を占めて、結果だけを見れば「いたって順当」なものとなりました。

 2018年のロシア大会では、現在の南米サッカーの神髄を、存分に楽しむことが出来そうです。
 2018年のワールドカップ・ロシア大会ヨーロッパ最終予選のグループリーグが、10月10日に最終戦(各チームの第10戦)を終えました。
 これで、A~Iの9グループの1位と2位が確定し、1位の9チームは本大会に進出、2位の9チームの勝ち点上位8チームがプレーオフに進出し、ホーム&アウェイ方式で戦って勝利した4チームが、本大会に出場することとなります。

 さて、各組の上位を見てみましょう。

[A組]
1位 フランス 勝ち点23
2位 スウェーデン 同19
3位 オランダ 同19

[B組]
1位 ポルトガル 同27
2位 スイス 同27

[C組]
1位 ドイツ 同30
2位 北アイルランド 同19

[D組]
1位 セルビア 同21
2位 アイルランド 同19
3位 ウェールズ 同17

[E組]
1位 ポーランド 同25
2位 デンマーク 同20

[F組]
1位 イングランド 同26
2位 ▲スロバキア 同18

[G組]
1位 スペイン 同28
2位 イタリア 同23

[H組]
1位 ベルギー 同28
2位 ギリシャ 同19

[I組]
1位 アイスランド 同22
2位 クロアチア 同20

 各組2位のチームの中で、プレーオフ進出を逃したのは、F組のスロバキア・勝ち点18ですが、勝ち点19で2位のチームが4つ(スウェーデン、北アイルランド、アイルランド、ギリシャ)もあることを考え合わせると、本当に惜しい、という感じがします。
 WC欧州最終予選というのは、何時の時代もまさに大接戦なのです。

 また、GLの前半から勝ち抜きに「黄色信号」といわれていたオランダチームは、A組3位に止まり、残念ながら本大会出場を逃しました。
 最終の第10戦ではスウェーデンチームを2-0で破り地力を示したのですが、如何せん、「本気を出すのが遅かった」といったところでしょうか。

 アイスランドチームはI組の1位となり、見事に「ワールドカップ初出場」を勝ち取りました。組分けに恵まれたという見方もあるのでしょうが、クロアチアやウクライナといった強豪を相手にしての1位通過は、見事という他はありません。

 B組では、ポルトガルとスイスの2チームが熾烈な1位争いを繰り広げました。やはり1位で早々に本大会出場を決めたいというのは、どのチームにとっても最大の目標なのです。勝ち点27で並びましたが、得失点差でポルトガルが1位となりました。

 C組ドイツチームの10戦10勝・勝ち点30というのは、素晴らしい成績でしょう。得点43・失点4というのは、毎試合4点以上を挙げ、2試合で1失点しかしないということになります。現在のドイツチームは「得点の取り方を知り」「失点しない方法も知っている」チームということになります。
 本大会でも、優勝候補の筆頭となりそうです。

 D組はセルビアチームが1位通過を果たしました。ユーロ2016で旋風を巻き起こした、ガレス・ベイル選手率いるウェールズは3位となって、予選敗退が決まったのです。

 さて、プレーオフの抽選は10月17日に行われます。

 これがまた、欧州最終予選のとても怖いところなのです。
 イタリア、スイス、スウェーデン、デンマーク、ギリシャといったワールドカップの常連チームにとっても、どのチームが相手になるのかは分かりません。
 B組で同勝ち点ながら2位となったスイスチームなどは、強豪チームと当たらないことを祈っているのではないでしょうか。
 常連中の常連、ワールドカップ優勝4度を誇るイタリアチームも、必勝の気概でプレーオフに臨むことになりますが、相手次第では「極めて厳しい2ゲーム」になる可能性があるのです。

 プレーオフの組合せを決める上で重要なシードチームの選定は、10月16日に発表されるFIFAランキングにより決まります。
 今回のGLの組分けにも、FIFAランキングは大きな影響を及ぼし、同じ組にフランス、スウェーデン、オランダが入るという「死の組」を創出しました。

 FIFAランキングはとても重要なのです。特に、この時期は。

 我らが日本代表チームも、親善試合とはいえランキングが近く、下位に居るハイチに負けたりしていては、本大会の組合せにも影響が出る可能性があるのです。

 この時期の代表チームにとっては「親善試合も負けられない戦い」であることは、間違いありません。
[10月5日・C組・ベルファスト]
ドイツ3-1北アイルランド

 FIFAワールドカップ2018ロシア大会に向けての、ヨーロッパ地区最終予選も佳境に入りました。
 C組では、ドイツチームがアウェイで北アイルランドチームを破り、最終予選を9戦9勝・勝ち点27として、最終戦を待たずに本大会進出を決めました。17大会連続、19度目の出場という、まさに「常連」としての戦い振りでした。

 9試合で、得点38・失点3という圧倒的な強さを魅せるドイツチームですが、このゲームでも開始早々の前半2分にルディ選手が先制すると、同22分にはバーグナー選手が2点目、後半41分にはキミッヒ選手が3点目を挙げ、ゆうゆうと勝利を収めました。

 インジュリータイムに入っての後半48分に北アイルランドがマゲニス選手のゴールで1点を挙げましたが、これはホームの意地を見せたというところで、C組の2位を決めた北アイルランドチームの「強さ」と充実ぶりを示したものだと思います。
 6勝1敗2引分の勝ち点19で、最終戦を待たずにグループ2位を決めたのですから、今大会の北アイルランドは強いと感じます。プレーオフを制して本大会に出てくるようであれば「台風の目」になるかもしれません。

[10月5日・F組・ロンドン]
イングランド1-0スロベニア

 イングランドチームが後半49分、インジュリータイムのケイン選手のゴールにより1-0で勝利を収め、9試合を終えて7勝2引分・勝ち点23として、最終戦を待たずに本大会進出を決めました。6大会連続、15度目の出場となります。
 0-0で引分けかと思われたゲームを勝ち切ったのは、極めて大きいと思います。

 F組は、イングランド、スコットランド、スロバキア、スロベニアが激しい鍔迫り合いを演じていましたが、10月5日のゲームで、イングランドがスロベニアに勝ち、スコットランドがスロバキアに1-0で勝利を収めましたので、最終戦を待たずに1位イングランド、2位スコットランドが固まりました。
 混戦が予想より早く収束した形でしょう。

 ヨーロッパ地区は、開催国ロシアを除くと、13チーム(最終予選各組1位の9チームと、各組2位チームにより争われるプレーオフに勝利した4チームの、計13チーム)が最終予選を突破して本大会に出場します。

 その13チームの内、9月3日にベルギーが早々にH組の首位を決め、10月5日にドイツとイングランドが各組の首位を決めましたので、3チームが本大会進出を決めた形です。残る枠は「10」ということです。

 各組とも厳しい戦いが続いていますが、やはりA組の動向が気になるところです。
 8試合を終えた段階で、フランスが勝ち点17でトップ、スウェーデンが同16で2番手、オランダが同13で3番手、ブルガリアが同12で4番手となっています。
 
 オランダは9月3日のブルガリア戦を3-1で勝ち、本大会出場に望みをつなぎましたが、当然ながら予断を許さない状況が続いています。

 また、I組は、やはり8試合を終えた段階で、クロアチアとアイスランドが勝ち点16でトップと2番手、トルコとウクライナが勝ち点14で3番手と4番手となっていて、文字通りの大混戦です。残り2試合は死闘となることでしょう。

 それにしても、他の組と比較してA組の組分けを見ると、予選のシードチーム選定に使用される「FIFAランキング」の重要性と抽選のアヤを強く感じるのです。
 1930年代前半、欧州最強のナショナルチームと呼ばれたのがオーストリア代表でした。
 「ヴンダーチーム」(ドイツ語で「奇跡のチーム」という意味)という異名でも呼ばれるほどのチームでした。

 そのヴンダーチームの中心選手が、マティアス・シンデラー選手でした。
 シンデラー選手は、身長179cm・体重63㎏というスリムな体型を活かして、相手ディフェンダーの間を「すり抜けて」ゴールを決めるというプレースタイルから、「紙の男」と呼ばれました。

 「紙の男」という言葉からは、あまり尊敬の念は感じられませんが、驚きの念は強く感じます。当時の関係者の皆さんが、マティアス・シンデラー選手のプレーに対して「信じられない」という印象を強く抱かれたのでしょう。

 1903年生まれのシンデラー選手は、1926年に代表チーム入りして、1931年から34年までの最強のオーストリアチーム=ヴンダーチームのエースとして活躍しました。
 1934年のFIFAワールドカップ・イタリア大会でも優勝候補として準決勝に進出し、地元イタリアとのゲームに臨みました。地元絶対有利の時代でしたから、オーストリアチームは0-1で敗れました。シンデラー選手も危険なタックルに遇って怪我をしたのです。

 シンデラー選手らが出場できなかった3位決定戦でドイツに2-3で敗れてしまいましたが、おそらくはこのチームが、オーストリアサッカー史上最強であったのでしょう。

 オーストリア代表チームは、1938年のワールドカップ・フランス大会も予選を突破し本戦出場を決めていましたが、世界情勢が風雲を告げる中で、オーストリア国自体がナチスドイツに併合されてしまい、国家として消滅してしまいましたから、代表チームも出場できませんでした。(というか、チームも消滅してしまったというのが正しいのかもしれません)

 1939年1月、マティアス・シンデラー選手は自室で死亡しているところを発見されました。
 自殺説、謀略説などが言われてきましたが、いまだに真相は不明です。

 第二次世界大戦直前のヨーロッパにおける最高のサッカープレーヤー・「紙の男」は、35歳で他界したのです。
 ヨーロッパNO.1クラブを決める、UEFAチャンピオンズリーグの2017~18年シーズンのグループリーグが開始されました。
 9月12日にA~Dグループ、13日にE~Hグループの最初の試合が一斉に行われました。

 毎年のこととはいえ、世界最高水準のプレーが満載の、とても「華やかな」大会の幕が切って落とされたのです。

[Aグループ]
・マンチェスター・ユナイテッド3-0FCバーゼル
・CSKAモスクワ2-1ベンフィカ

 マンUが、フェライニ選手、ルカク選手、ラッシュフォード選手の得点で快勝しました。フェライニ選手とラッシュフォード選手は途中交代で入ったプレーヤーですから、今季の選手層の厚さを感じさせるゲームとなりました。この2人と交替したのが、バウル・ボグバ選手とファン・マタ選手なのですから、相当に豪華な布陣です。
 久しぶりに、CLでのマンUの活躍が期待できそうです。

 もうひとつのゲームは、後半5分にベンフィカが先制したものの、同18分と26分の得点でCSKAが逆転勝利を収めました。
 実力が拮抗しているチーム同士の対戦でしたが、CSKAの気迫が勝ったというところでしょうか。

[Bグループ]
・バイエルン・ミュンヘン3-0アンデルレヒト
・パリ・サンジェルマン5-0セルティックス

 CL常連の強豪2チーム、バイエルンとサンジェルマンが順当に勝ちました。

 バイエルンは、レバンドフスキ選手が先制し、アルカンタラ選手が追加点を挙げ、キミヒ選手がダメ押しと、絵に描いたようなゲームを展開しました。得点が、フォワードFW→ミッドフィールダーMF→ディフェンダーDFと順に生まれているところも、いかにもドイツサッカーの中核という感じがします。

 サンジェルマンは、新加入のネイマール選手が先制し、カバーニ選手が2得点を挙げ、オウンゴールも得るなど、アウェイゲームとは思えない一方的な試合を披露しました。
 「自在の攻め」という感じで、セルティックにとっては「手の付けられない状況」だったのかもしれません。
 なかなか「3強の壁」を破ることができなかったサンジェルマンですが、今季は決勝進出を十分に狙えるチームになりました。

[Cグループ]
・チェルシー6-0グラバグ・アグダム
・ASローマ0-0アトレティコ・マドリード

 プレミアリーグの王者チェルシーが、予選ラウンドを勝ち上がり本戦に登場したグラバク・アグダムに圧勝しました。異なる5人のプレーヤーとオウンゴールでの6得点は、なかなか見られないゴールラッシュでしょう。

 ASローマとアトレティコは、双方持ち味を出したゲームでしょう。Cグループ突破に向けて、両チームには負けられないゲームが続きます。

[Dグループ]
・FCバルセロナ3-0ユベントス
・スポルディングCP3-2オリンピアコス・ピラエウス

 緒戦屈指の好カードは、バルセロナが快勝しました。メッシ選手の2得点は、今大会へのバルセロナの気合いを示すに十分でしょう。
 ユーベとしても敵地での引分を狙ったゲームであったと思いますが、前半終了間際のメッシ選手のゴールから試合のペースを失った形です。

 スポルディングは前半の3得点で、アウェイゲームを確実に物にしました。

[Eグループ]
・NKマリボル1-1スパルタク・モスクワ
・リバプール2-2セビージャFC

 Eグループは2ゲーム共に引分でした。
 リバプールとセビージャは、勝ち抜けに向けて慎重な戦いを演じたというところでしょうか。

[Fグループ]
・マンチェスター・シティ4-0フェイエノールト
・シャフタル・ドネツク2-1ナポリ

 シティは、オランダ王者を相手に圧勝しました。前半の3ゴールが強烈なパンチとなったのでしょう。フェイエノールトとしては、グループリーグ突破に向けて大事なゲームでしたが、点を取られ過ぎました。
 グラウディオラ監督としても、今季CLには期するものがあると思いますので、シティの戦い振りは注目です。

 いかに敵地とはいえ、敗戦はナポリにとって痛いところです。ドネツクにとっては、CL本戦での勝ち点獲得に向けて好発進でしょう。

[Gグループ]
・RBライプツィヒ1-1ASモナコ
・ベジタクシュ3-1FCポルト

 このところCLで好成績を残しているASモナコが、アウェイでライプツィヒ相手に引分を捥ぎ取りました。モナコのCLでの好調が続いている感じです。

 ポルトにとってはアウェイとはいえ大敗は痛いところ。ベジタクシュは「台風の目」になる準備万端といったところでしょう。

[Hグループ]
・レアル・マドリード3-0アポエル・ニコシア
・トッテナム・ホットスパー3-1ボルシア・ドルトムント

 「3強」の一角レアルが順当勝ち。クリスティアーノ・ロナウド選手の2発に、セルヒオ・ラモス選手のゴールというのですから、静かに始動しながら迫力十分といったところでしょうか。

 グループリーグ突破を争うトッテナムとドルトムントの対戦は、スパーズがハリー・ケイン選手の2得点などで快勝しました。ライバル相手に、ホームでの2点差を付けての勝利は大きいと思います。

 さて、2017~18年のUEFAチャンピオンズリーグの緒戦をざっと見てきました。

 このところ毎年のように言われる「3強」、レアル・マドリード、FCバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンはきっちりと緒戦を物にしています。
 「3強」はCLの戦い方を知っている、のでしょう。

 リーガエスパニョーラの2人のエース、クリスティアーノ・ロナウド選手とリオネル・メッシ選手は共に2ゴールと、上々のスタートを切りました。この2選手の得点王争いも、近年のCLの風物詩?として、注目です。

 このところやや元気のないプレミア勢、チェルシー、マンチェスター・シティ、リバプール、マンチェスター・ユナイテッドの活躍が観られるのか。

 そして何より、大変な移籍金額で話題となった、ネイマール選手が加わったパリ・サンジェルマンの戦い振りは、今大会最大の注目ポイントです。

 「3強」がこのところの慣例?通りに覇権争いを演じるのか、これが「4強」になっていくのか、今年もチャンピオンズリーグから眼が離せません。
 欧州各国の主要なリーグ戦は、8月中旬に開始されました。

 今回は、各リーグの「開幕戦」を見ていきたいと思います。
 ここで言う「開幕戦」とは、開幕日に最初に行われ、前シーズンの優勝チームが登場したゲームを指します。
 今季は、セリエAとブンデスリーガにて、この「開幕戦」が行われました。

[8月18日・ブンデスリーガ]
バイエルン・ミュンヘン3-1バイヤー・レバークーゼン

 ドイツサッカーの常勝軍団・バイエルンが、2017~18年シーズンも順調なスタートを切ったゲームでしょう。
 前半9分にディフェンスDFのズーレ選手のゴールで先制し、同19分にミッドフィールダーMFのトリッソ選手のゴールで追加点、後半8分にフォワードFWレバンドフスキ選手のゴールで3-0とリードして、ゲームを支配しました。

 後半20分にレバークーゼンのFWメーメディ選手のゴールで1点を返されましたけれども、3-1で勝ち切ったのです。

 ブンデスリーガは、今季もバイエルン・ミュンヘンを中心に動いていくのでしょう。

[8月19日・セリエA]
ユベントス3-0カリアリ

 こちらはイタリアサッカーの常勝軍団・ユベントスが、カリアリを圧倒したゲームでした。
 前半12分にFWマンジュキッチ選手が先制ゴールを挙げ、同46分にFWディバラ選手が追加点、後半21分のFWイグアイン選手のゴールで3-0として、ゆうゆうと押し切りました。
 3人のFWがそれぞれ1点ずつを挙げるという、今季を占う開幕戦に相応しいゲーム展開であったと感じます。

 バイエルン・ミュンヘンは5連覇中、ユベントスは6連覇中と、両チームともブンデスリーガ、セリエAにおける「絶対王者」です。

 一方で、「5連覇」「6連覇」というのは、各々のリーグでの最長記録でもありますから、そろそろ「王座を明け渡すタイミング」であることも確かなのでしょう。
 今季のブンデスリーガ、セリエAから眼が離せないのです。
 1921年に生まれ、1995年73歳で死去したグンナー・ノルダールは、イタリア・セリエAにおいて、1950年から1955年まで6シーズンで5度の得点王に輝きました。

 ACミランで大活躍したのです。

 もちろん、スウェーデンのサッカーリーグ1部・アルスヴェンスカンにおいても1945年から48年の間に4度の得点王に輝いています。

 1949年にACミランに移籍する前、ノルダール選手はスウェーデンのクラブチームにおいて、210試合に出場して219ゴールを挙げています。1試合1ゴールを示現していたのです。

 ACミランにおいては、257試合に出場し210ゴールを挙げました。
 これも凄いというか、凄まじい記録でしょう。
 1956年にASローマに移籍して15得点を加え、セリエAでの総得点は225となっています。
 
 これは、シルヴィオ・ピオラ選手(274得点)、フランシスコ・トッティ選手(250得点・現役)に次ぐ記録ですが、ピオラ選手が約30年、トッティ選手が24年をかけての記録であるのに対して、ノルダール選手は9年間での記録ですので、ノルダール選手の各シーズンの得点の多さがよく分かります。

 当時のスウェーデン代表チームは、プロ選手を招集しないというルールであったため、ノルダール選手は代表プレーヤーとしての実績は少ないのですが、それでも1948年のロンドンオリンピックに出場、大会得点王となって、スウェーデンの金メダルに大貢献しています。

 代表プレーヤーとしては30試合で43ゴールを挙げています。1試合1ゴールを大きく超えているのです。

 グンナー・ノルダール選手が、世界の舞台で輝いたのはACミラン時代ですが、この時ACミランには、他にグンナー・グレン選手、ニルス・リードホルム選手の2人のスウェーデン出身プレーヤーが居て、ノルダール選手と共に「グレ・ノ・リ」トリオと称され、チームの屋台骨を支える存在でした。(プロ野球・広島カープの「タナ・キク・マル」のような呼び名です)
 
 後に「オランダトリオ」が中心となって、1990年前後に全盛期を迎えるACミランですから、ACミランというチームは、「海外の有力トリオ」が活躍するクラブなのかもしれません。

 そのキャリアにおいて、クラブと代表チームで、500近いゴールを挙げたグンナー・ノルダール選手は、スウェーデンサッカー史上最高のゴールゲッターだったのです。
 1950年代のフランスサッカーを代表するプレーヤーが、レイモン・コパ選手(レイモン・コパゼフスキー)です。

 フランスのリーグアンでは、主にスタッド・ランスに所属して、550試合以上に出場し114ゴールを挙げて、4度のリーグアン制覇に貢献しました。

 そして1956年にはレアル・マドリードに移籍、当時レアルの「心臓」であったディ・ステファノ選手と共に全盛期を創出しました。
 コパ選手は3シーズンに渡りレアルに所属しましたが、その全てのシーズンでUEFAチャンピオンズカップ(現在のチャンピオンズリーグ)を制しています。所属した全てのシーズンというところが素晴らしい。
 この間、リーガ・エスパニョーラも2度制覇しました。
 レアルでは101試合に出場して30ゴールを挙げています。

 レイモン・コパ選手のキャリアを見ると、こうしたクラブチームでの大活躍が際立ちますが、FIFAワールドカップでも見事なプレーを魅せているのです。

 1958年のワールドカップ・スウェーデン大会、フランスチームは準決勝で優勝したブラジルチーム(ブラジルのペレ選手がワールドカップにデビューした大会です)に敗れたものの、3位決定戦では西ドイツチームを相手に6-3と快勝して、3位となりました。

 このフランス代表チームの骨格を成していたのが、レイモン・コパ選手とジュスト・フォンテーヌ選手でした。
 コパ→フォンテーヌのホットラインから、次々と得点が生まれました。
 スウェーデン大会の得点王は、13得点のフォンテーヌ選手でしたが、この「1大会13得点」というのは、いまだに破られていない、ワールドカップの最多記録です。
 もちろんコパ選手はアシスト王でした。(自身も3ゴールを挙げています)

 この1958年、ワールドカップでの大活躍が評価されたのでしょう、レイモン・コパ選手はバロンドールを受賞しました。
 2010年には、ディ・ステファノ、ボビー・チャールトン、エウゼビオに続いて4人目となるUEFA会長賞も受けています。レイモン・コパの欧州サッカーにおける位置づけの高さを如実に示す事実でしょう。

 「ナポレオン」レイモン・コパを擁して黄金時代を迎えたフランス代表チームが、再び世界の舞台で脚光を浴びるのは、「将軍」ミッシェル・プラティニの登場を待たなければならなかったのです。
 2017年8月31日に埼玉スタジアムで行われた、ワールドカップ2018アジア最終予選の日本VSオーストラリアの一戦は、まさに「決戦」でした。

 日本代表にとっては、最終節にアウェイのサウジアラビア戦を控えて、「勝たなければならない」ゲームでしたし(何しろ、中東での強豪国との試合で日本代表はなかなか良い結果を出していないのです)、オーストラリア代表にとっては、このゲームを落とすと「自力のワールドカップ出場権獲得」が消滅する、というゲームだったのですから。

 日本代表にとっては「ホームゲーム」というのが唯一の拠り所といっても良い位、追い込まれた状況でした。サッカーを良く知る友人は「絶体絶命」と評しました。
 何しろ、「最終予選のゲームで日本はオーストラリアに過去1度も勝っていなかった」のですから。「上手く行っても引分」と見るのが、冷静な判断だったのでしょう。

 オーストラリア代表にとっては、「日本との相性の良さ」、「日本チームには負けない」という自信が、アウェイゲームでの拠り所だったことでしょう。

 この「決戦」のキックオフのピッチに、「過去10年間に渡って代表チームを支えてきた2人プレーヤー」の姿がありませんでした。
 共に「背番号4」を背負う、本田圭佑選手とティム・ケーヒル選手です。

 どちらかだけならまだしも、2人とも控えに回るという「事態」は想像できませんでした。

 それ程に、この2人のプレーヤーの存在は大きなものだったのです。

 両チームの監督・ベンチは思い切ったことをやる、と感じました。
 そして、「新しい日本代表」「新しい豪州代表」のチームにとっては、前半が上手く行かず、相手にリードを許すなどした場合に、後半の「反撃の切り札」として、この2人のプレーヤーが出てくるのだろうと思いました。

 ゲームは、開始早々から日本代表チームのペースとなりました。
 海外のスポーツメディア風の言い方をすれば、「日本チームがゲームを支配した」のです。
 そして浅野選手のゴールで、日本が先制しました。

 こうした大試合においては、先制点の価値がとても大きいのです。
 試合内容のみならず、得失点という形で日本チームの優勢が明示されましたから、オーストラリアチームは後半25分、ついにケーヒル選手を投入しました。
 オーストラリアの「パワーサッカーの象徴」がピッチに立ったのです。

 交代早々に、日本ゴール前でのプレーが続きました。
 日本チーム守備陣は、何度もプレーを切ろうとしますが、不思議なことに「ボールはケーヒル選手の周辺」から離れません。これはもう、本当に不思議なことで、ケーヒル選手がボールに(見えない)紐を付けて引っ張っているようにさえ見えました。

 これがオーストラリア代表を牽引してきたオーラか、と思いました。

 あと数10cm、ボールがケーヒル選手に近づけば、強烈なシュートが飛んでくるというシーンが何回かありましたが、日本守備陣はこれを懸命に防ぎました。
 このディフェンスも見事なものでした。

 5~10分ほども続いたでしょうか、「ケーヒル選手を核としたオーストラリアの波状攻撃」がついに幕を閉じました。
 そして、これまた不思議なことに、これ以降、「ケーヒルの脅威」は影を潜めたのです。

 まず、ケーヒル選手にボールが集まりませんでした。
 攻撃1人対守備3人、あるいは4人であっても、ケーヒル選手にさえボールを集めれば、「何とかしてくれる」「何かが起こる」存在ですから、オーストラリアチームは縦一本の大きなパスをケーヒル選手に集める戦術を取るものと思いましたが、それは無く、パスサッカーが継続されたのです。
 これはおそらく、この試合の日本代表チームにとっては、少なくとも失点リスクという面では、相当に助かったのではないかと思います。

 一方の本田選手はというと、「ゲームを支配し続ける」日本チームにあっては、出番が有りませんでした。
 交代に向けてのウォーミングアップを行う姿も、全くありませんでした。
 戦前に、日本チームが構築した戦略・戦術が見事に当たっていましたから、無理もないところでしょう。

 本田選手は90以上のキャップ、ケーヒル選手は100以上のキャップを誇ります。

 共に、ナショナルチームの「顔」として、世界中に知られた存在、代表チームの大看板プレーヤーなのです。

 2人共、ピッチ上で「どこに居るか、すぐに分かり」ます。オーラが凄いのです。
 ケーヒル選手の身長が180cmで、182cmの本田選手よりも低く、オーストラリアのプレーヤーの中でも、決して大きな方では無い、と書くと「意外」な感じを持たれる方も多いでしょう。
 ケーヒル選手は、ピッチ上でとても大きく見えるのです。

 身長170cmそこそこであった、ペレ選手やクライフ選手も、とても大きく見えたものです。「良いプレーヤーは大きく見える」のです。「存在感が半端ない」という言い方も出来るのでしょう。

 さて、10年以上に渡って、それぞれの代表チームを支えてきた2人のプレーヤーは、そろそろ「代表引退」の時期を迎えているのでしょうか。

 私は、そのようには全く感じません。
 
 2人の存在感は、まだまだとても大きなものだと感じるからです。

 日本と豪州、この2つの国のサッカーが多様性を増し、色々なプレーヤーが登場して、その在り様の幅が広がってきているのであろうと、思うのです。
 相手チームの特性や試合展開、大会スケジュール等の要素により、ある種のチーム・プレーが必要になった時、本田選手とケーヒル選手はそのチームの主軸としてピッチに立つことでしょう。

 本田圭佑とティム・ケーヒル、2人は今後も、日本とオーストラリアのナショナルチームを代表するプレーヤーなのです。
[8月31日・WC2018アジア最終予選・埼玉スタジアム2002]
日本代表2-0オーストラリア代表

 色々な意味で、とても面白い試合でした。

 ワールドカップ出場権を賭けた「大一番」でしたから、大舞台で実績のあるベテランを先発起用するのではないかと考えていましたので、メンバーを見た時には少なからず驚きました。

 しかし、試合が始まってみると、日本代表チームのこの試合への準備、この試合に向けての戦略・戦術の立案と実行が、ピッチ全体に展開されました。とても楽しい試合でした。

① 前線からのプレス

 試合開始直後からオーストラリア陣内でのプレスが展開されました。

 フォワードFW乾選手が、何度もオーストラリアチームのゴールキーパーGKライアン選手に襲い掛かります。徹底された動きでした。

 日本チームのFW・ミッドフィールダーMFがオーストラリアチームのディフェンスDFに、オーストラリア陣の深いところでアタックを仕掛けます。ボールを取りに行っているのです。

 確かに、敵陣深くでマイボールに出来れば、一気に大チャンスになりますし、GKからDF→MFと丁寧に?パスを繋ぐスタイルに変わったオーストラリアチームの攻撃構築に対しては、早めに「芽を摘む」ことが出来ますので、守備面からも有効な戦術です。

 一方で、このやり方は相当の運動量・体力を必要としますので、90分持つのか心配でしたが、これは杞憂に終わりました。
 ハリルジャパンのメンバーは、90分間、この大変な戦術を完遂したのです。
 素晴らしいプレーでした。

 この戦術の実行は、特に守備面で威力を発揮しました。
 オーストラリア代表チームの得点チャンス数を最小限に抑え込み、見事に零封してみせたのです。

② 走り続けた90分

 前述の①とも関連しますが、日本代表イレブンの動きは90分間維持されました。
 オーストラリアチームも驚いたのではないでしょうか。日本のプレーヤーがこれ程フィジカル面での強さを魅せたのです。

 後半、特に残り15分からの運動量で、劣勢に立つことが多かった日本代表チームの試合ぶりの、大いなる進歩を感じます。

 もちろん、22℃という涼しい気候がプラスに働いたことはあるのでしょうが、これはお互いさまで、30℃を超えるような暑い気候であれば、現在冬の地域から来たオーストラリアチームの方が先にばてるので、日本チームに有利という見方があったことも、忘れてはならないでしょう。

 「90分間走り続けた日本代表」は、高く評価されなければなりません。

③ 決定力

 前半41分の浅野選手の先制点、後半37分の井手口選手の追加点、共に素晴らしいゴールでした。

 長友選手からのパスを受けて、「無人の野に立つ」形を示現した浅野選手は、GKとの1対1から、「冷静に」ゴール右隅に押し込みました。とても高いレベルのプレーであったと思います。
 オーストラリアDFの中から飛び出すタイミングも「抜群」でした。

 もともと「ボールの動きに合わせてプレーする」ことに秀でていた浅野選手ですが、格段に上手くなっていると感じます。
 「大試合」での先制点の価値は、想像以上に大きいのです。

 井手口選手のゴールも見事でした。
 ドリブルで敵陣ペナルティーエリア近くまで進出し、オーストラリアDFが並んでいるところを右に動きながら、DF間の隙間を見つけて、右足を思い切り振り抜きました。
 キッチリと枠の中に飛んだシュートは、相手GKの手を掠めてゴールに突き刺さったのです。
 日本代表のゲームで、日本チームが挙げた、最も美しいゴールのひとつでしょう。

 このプレーの直前に、井手口選手はゴール向かって右サイドから、狙い澄ましたシュートを放ちましたが、相手GKとDFに阻まれ、絶好のチャンスを逸していましたから、この時は「思い切り振りぬいた」のではないかと感じます。
 「予行演習」があったのでしょう。

 2ゴールとも「ワールドクラス」でした。
 「チャンスをゴールに結びつける」という、とても難しい工程を、浅野選手(22歳)と井手口選手(21歳)はキッチリと成し遂げたのですから、凄いものです。
 
 20歳そこそこの若きプレーヤーが、ハリルジャパンの「決定力の高さ」を世界に示したのです。

 後半30分を過ぎてから、乾選手に代わって原口選手が入り、大迫選手に代わって岡崎選手が入り、浅野選手に代わって久保選手が入りましたが、結局、本田選手と香川選手の出番はありませんでした。
 こうした「大試合」の代表チームに、本田・香川の両選手を見なかったというのも、久しぶりだと思います。

 この試合が、日本代表チームの「世代交代」の試合であったかどうかは、評価・意見の分かれるところでしょうけれども、少なくとも、日本代表もAチームとBチームの「実力が拮抗した2つのチーム」を組成出来る程に「選手層が厚くなった」ことは、間違いないのでしょう。

 若手の中においてさえ、柴崎選手や小林選手、酒井高徳選手や三浦選手がベンチの中に居たのです。

 古い言葉で恐縮ですが、「海外での武者修行」(現在では海外クラブでの活躍と言った方が良いのでしょうが)によって、日本サッカー代表チームの選手層は確実に厚くなっていること、そして、チーム力も着実に上がっていることを、実感させてくれるゲームでした。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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