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 再開されたYBCルヴァンカップ2020のグループリーグ第2節が、8月5日一斉に行われました。

[8月5日・駅前不動産スタジアム]
横浜FC 1-0サガン鳥栖

 このゲームに、「キング・カズ」三浦知良選手が先発出場したのです。

 2020年のJリーグ公式戦に、三浦知良選手が登場するのは初めて。
 53歳5ヵ月10日での出場でした。
 そして、後半18分までプレーしました。

 これまでの大会最年長出場記録を10年7ヵ月も更新したと報じられています。
 まさに異次元の新記録ですが、これも横浜FCが今季からJ1に昇格したことがベースとなっているものですから、やはり前期のチームの活躍が大きかったのです。

 「キング・カズ」のプレーは、これはもう、いつものように超一流です。
 運動量やスピードは、全盛期と比べれば落ちたことは止むを得ないことですが、ゲームに臨んでの「感覚」は、日本サッカー史上屈指のプレーヤーならではのものだと感じます。

 前半30分、三浦選手はゴール前に居て、右からのクロスボールに、低い位置でのヘディングシュートを魅せました。
 これは惜しくも、相手ゴールキーパーの正面をつきゴールとはなりませんでしたけれども、このシュートは、前半両チームが放った唯一の「枠を捉えた」シュートだったのです。

 三浦選手の体は、ほとんどピッチと平行に飛んでいて、そのヘッドで捉えた正確なシュートでした。
 こうした「一瞬のプレー」は、全盛時に引けを取らないものだと感じます。

 さて、次はJ1リーグにて「キング・カズ」の躍動を観たいものです。
 もちろん、「カズダンス」も披露していただきたいと思います。
 
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 新型コロナウイルス禍の中で再開した欧州4大リーグですが、各リーグの優勝チームが決まりました。

1. ブンデスリーガ(ドイツ)優勝チーム→バイエルン・ミュンヘン

[6月16日・第32節・ヴェーゼルシュタディオン]
バイエルン・ミュンヘン1-0ヴェルダー・ブレーメン

 アウェイでの接戦を、前半43分のレバンドフスキ選手のゴールで挙げた1点を守り切ってバイエルンが勝ちました。
 この勝利で、リーグ戦11連勝としたバイエルンが、ブンデスリーガ空前の「8連覇」を達成しました。

 再開後のバイエルン・ミュンヘンの強さが際立ったシーズンでした。

2. プレミアリーグ(イングランド)優勝チーム→リバプール

[6月24日・第31節・アンフィールド]
リバプール4-0クリスタル・バレス

[6月25日・第31節・スタンフォードブリッジ]
チェルシー2-1マンチェスター・シティ

 第31節、リバプールがクリスタル・パレスに快勝した後、2位のシティがチェルシーに惜敗し、リバプールのプレミアリーグ初優勝が決まりました。
 イングランド1部リーグの名門・リバプールにとっては、プレミアリーグ発足後初めての優勝でした。

 クリスタル・パレス戦でも得点を挙げた、モハメド・サラー選手、ファビーニョ選手、サディオ・マネ選手を始めとする、華麗で多彩な攻撃陣が、縦横無尽な攻撃を展開しました。
 2018~19年シーズンで残念ながら2位に止まったリバプールにとっては、「溜飲を下げる」圧倒的な制覇だったのです。
 
3. リーガ・エスパニョーラ(スペイン)優勝チーム→レアル・マドリード

[7月16日・第37節・エスタディオアルフレッドディステファノ]
レアル・マドリード2-1ビジャレアル

 レアルが、カリム・ベンゼマ選手の2ゴールでビジャレアルを下し、リーグ戦10連勝として、リーガ・エスパニョーラ34回目の優勝を決めました。
 「常勝軍団」レアルとしても、3シーズンぶりの美酒です。

 宿命のライバル・FCバルセロナとの競り合いが続きましたが、エデン・アザール選手、カリム・ベンゼマ選手、ルカ・モドリッチ選手、トニ・クロース選手らの豪華で強力な攻撃陣と、セルヒオ・ラモス選手、ディボー・クルトワ選手らの世界的な守備陣が相俟って、再開後は負け知らず、圧倒的な強さで勝ち切りました。

4. セリエA(イタリア)優勝チーム→ユベントス

[7月26日・第36節・アリアンツスタジアム]
ユベントス2-0サンプドリア

 「常勝軍団」ユベントスと、インテル、アタランタの競り合いが続いていたセリエAですが、第36節のゲームでサンプドリアを下したユベントスが、空前の「9連覇」を成し遂げました。

 前シーズンまでとは少し異なり、今シーズンは敗戦も目立ったユーベですが、エースストライカー・クリスティアーノ・ロナウド選手らの得点力を生かして、最後は勝ち切った形でしょう。

 かつては、イタリア人スタープレーヤーを並べて、「イタリア代表チームの守備陣はユベントスそのもの」とさえ言われていたものですが、現在のチームは世界中からタレントを集めて構成されています。
 その点からは、新しいユーベの有り様を示したシーズンだったとも言えるのかもしれません。

 さて、新型コロナウイルス禍に翻弄された、欧州各国リーグの2019~20年シーズンでした。
 ある意味では、「歴史的なシーズン」となった訳ですが、各リーグの優勝チームを観ると、リーグを代表するチームが優勝を果たした、とても「順当」な結果に観えます。

 ユベントスの9連覇、バイエルン・ミュンヘンの8連覇と、各リーグ史上初の「長期制覇」が並びます。セリエAとブンデスリーガの2020~21シーズンにおいては、他チームの一層の奮起が期待されるのでしょう。

 リバプールは、UEFAチャンピオンズリーグ2018~19の優勝からプレミアリーグ初優勝へと繋ぎました。現在、世界最強のクラブと言っても良さそうです。この「リバプール王朝」がプレミアにおいていつまで続くのか、興味深いところです。

 ラ・リーガは、レアルがバルサを振り切りました。
 再開後のレアルの強さの源は何なのか、もう一度、2019~20シーズンを見直してみる価値がありそうです。

 異形のシーズンを戦い抜いた選手の皆さんに、大きな拍手を献上します。
 再開したイタリア・セリエAは、第34節を終え35節に入りました。
 7月21日時点で、ユベントスが勝点80として定位置?の首位に立ち、アタランタが勝点74で2番手、インテルが勝点72で3番手に付けています。
 全38節、残り3.5節と言ったところですので、やはりユベントスがリーグ制覇に向けての1番手ということになります。

 そのユベントスのエースストライカー、クリスティアーノ・ロナウド選手が、34節のラツィオ戦で2ゴールを挙げました。

[7月20日・第34節・アリアンツスタジアム]
ユベントス2-1ラツィオ

 チームの全得点を叩き出したクリロナ選手の得点力に、改めて驚かされるばかりですが、この2得点で、今シーズンのゴール数を30点台に乗せました。
 さらに、「セリエAにおける通算得点を50点台」としたのです。

 これが「新たな伝説」を生みました。

 イングランド・プレミアリーグ、スペイン・リーガエスパニョーラ、イタリア・セリエAという、欧州4大リーグの内「3つのリーグで50ゴール以上」という、史上初の快挙を示現したのです。
 凄いとしか言いようのない記録でしょう。

 プレミアリーグでは、マンチェスター・ユナイテッドにおいて2003年から2009年までプレーし80点以上を挙げ、リーガエスパニョーラではレアル・マドリードにおいて2009年から2018年までプレーし310点以上を叩き出し、2018年からはセリエA・ユベントスでプレーして50点以上を挙げているのです。
 「リーグを選ばない活躍」は、欧州サッカー史に深く刻まれるものでしょう。

 更に、ポルトガル代表としても99点を挙げていて、トータル700得点もとっくに達成しているのです。

 クリスティアーノ・ロナウド選手は、この記録を、どこまで伸ばしていくのでしょうか。
 無観客、あるいは観客数限定という形で、いくつかのスポーツイベントが再開されつつあるとはいえ、新型コロナウイルス禍のために、多くのイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのも良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の準決勝です。

[2010年7月7日・モーゼスマヒダスタジアム(ダーバン・南アフリカ)]
スペイン1-0ドイツ

 ユーロ2008を制し、「パスサッカー」を引っ提げてワールドカップ初優勝を目指すスペイン代表チームと、決勝トーナメント1回戦でイングランド代表チームを4-1、準々決勝でアルゼンチン代表チームを4-0と圧倒し、絶好調のドイツ代表チームが、激突したゲームでした。

 大袈裟に言えば、今後の「世界の覇権」を決めるゲームだったのです。

 スペインのパスサッカーの威力は、広く世界に認識されるようになっていましたが、一方で、ドイツの大きな大会における勝負強さは、より長い間世界サッカー界を席巻してきていましたから、この大舞台であればドイツの方が強いという見方も多かった、と記憶しています。

[スペインチームの先発メンバー]
1. GKカシージャス選手
2. DFセルヒオ・ラモス選手
3. ジェラール・ピケ選手
4. プジョル選手
5. カプテビラ選手
6. MFイニエスタ選手
7. セルヒオ・ブスケツ選手
8. シャビ・アロンソ選手
9. ペドロ選手
10. シャビ選手
11. FWビジャ選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. ラーム選手
3. フリードリッヒ選手
4. メルテザッカー選手
5. ボアテング選手
6. トロホウスキ選手
7. サミ・ケディラ選手
8. シュヴァインシュタイガー選手
9. ポドルスキー選手
10. メスト・エジル選手
11. クローゼ選手

 ゲームは最初から、スペインチームのペースとなりました。
 「パスサッカー」が威力を発揮し、ドイツチームはボールを確保することさえ困難でした。

 スペインチームのダイレクトパスがビシビシと決まり、ドイツチームのプレーヤーは、ボールの行方を追いかけ続けてしまうことから、「心身の疲労」が蓄積されるという展開に観えました。

 一方で、局面に応じて柔軟に対応するという意味での決定力、を具備したフォワードFWプレーヤーが居ないスペインチームも、ペナルティエリア周辺まではボールを運びますが、「フィニッシュ」を決めることはなかなか出来ませんでした。
 この大会のスペインチームには、明らかに得点力が不足していたのです。
 もちろん、ドイツチーム「伝統」の堅守も、忘れてはなりませんけれども・・・。

 試合は0-0で後半に入りました。

 後半に入っても、スペインチームが概ねボールを保持し、ドイツチームはなかなかボールを奪えないという展開が続きました。
 「スペインパスサッカーの守備力」は、世界サッカー史上でも屈指の威力であろうと感じさせる展開が続きました。

 そして、ドイツチームに疲労の色が濃くなってきた後半28分過、ついにゲームが動きました。
 アンドレス・イニエスタ選手が左サイドを抉ってコーナーキックCKを得ます。
 このCKを蹴るのはシャビ選手。
 ドイツゴール正面向かってやや左側に大きなボールが放たれました。
 走り込んできたプジョル選手がヘディングシュート。
 これが見事にドイツゴールに突き刺さりました。

 このゴールが、このゲーム唯一の得点でした。

 このゲームは、終始スペインチームが支配しました。
 スペインチームの「パスサッカー」が完成したゲームであったと考えています。
 大会最強の攻撃力を具備していたドイツチームをも、完璧に抑え込んだのですから。

 その素晴らしい守備力は、ラウンド16、準々決勝、準決勝、そして決勝も「1-0」という、決勝トーナメント4試合連続の零封に、よく現れています。
 こうした形でのワールドカップ制覇は、空前絶後でしょう。
 
 シャビ選手、イニエスタ選手、シャビ・アロンソ選手、ブスケツ選手といったミッドフィールダーMFのみならず、ピケ選手、プジョル選手、セルヒオ・ラモス選手、カプテビラ選手といったディフェンダーDFも含めた、チーム全体としての素早く正確なパス回しは、ナショナルチームとしてなら、このスペインチームにしかできない、極めて高度なサッカーでしょう。

 間違いなく、世界サッカー史に「一時代を築いた」サッカーなのです。
 6月11日に再開した、リーガエスパニョーラ2019~20シーズンも第35節を迎え、優勝争いと共に降格・残留争いも熾烈になって来ました。

[7月9日・エスタディデソンモイクス]
RCDマジョルカ2-0レバンテUD

 マジョルカのフォワードFWとして先発出場した久保選手は、素晴らしいドリブルと精度の高いクロスで、チームの攻撃に寄与し続けました。
 そして、後半39分、ゴール前の波状攻撃の中で、キッチリとゴールを挙げました。
 ゲームを決める、今シーズン4点目のゴールでした。

 2019年9月1日・第3節のバレンシアCF戦の後半34分に初出場した久保選手は、9月22日・第5節のヘタフェ戦まで途中出場を続け、9月25日のアトレティコ・マドリード戦からフル出場するようになりました。

 その後は、チームのレギュラーとしての地位を確立したように感じます。

 特に、その「ドリブル」は、ラリーガ最高レベルとの評価を固めつつあります。
 凄いことです。

 そして「ゴール」も生まれ始めました。

 久保建英選手のテクニックが最高レベルであることは、デビュー当時から指摘されていたのですが、いかんせん「FWにしては得点が少ない」ことも指摘され続けていたと感じます。
 やや遠目からのシュートが多く、相手キーパーに防がれてしまうことが多かったのです。
 実際、このゲームでも、そうしたシーンが観られました。
 高いテクニックをベースにしてぎりぎりの「難しいシュート」を狙うことが多かったのかもしれません。

 一方で、このゲームのゴールは、「決めるべくして決めた」形です。

 久保建英選手は、世界最高レベルのゲームにおける「ゴールの決め方」を習得中なのかもしれません。

 7月4日、Jリーグ1部が再開しました。
 待ちに待った再開です。

 ブンデスリーガ、リーガ・エスパニョーラ、プレミアリーグ、セリエAの所謂欧州4大リーグに続いて、我らがJリーグも「無観客」(リモートマッチと称されています)で再開したのです。

 第2節からの再開であり、7月4日に全9ゲームが実施されましたが、意外な結果となりました。
 アウェイチームの6勝2敗1引分となったのです。

 ホームで勝利を収めたのは、大分トリニータ(2-0サガン鳥栖)と川崎フロンターレ(2-1鹿島アントラーズ)の2チームだけでした。

 とても不思議な現象だと感じます。

 新型コロナウイルス禍の中で、最初に再開したドイツ・ブンデスリーガにおいても、再開後最初の節では、アウェイチームが優勢でした。その際には、「たまたま、実力上位のチームがアウェイで戦ったカードが多かった」と観ましたが、今回のJ1については、必ずしもそういう組合せが多いようには観えません。

 「無観客」という特殊な形態においては、開始直後はアウェイの方が強いという「傾向」があるのか、それとも、「ホームチームが強い」という、サッカー競技における「定理」、長い間言われ続けて来た「定理」が、近時変化しつつあるのか、とても興味深いところです。

 ひょっとすると、現代では既に「ホームとアウェイに有意な差が無い」のかもしれませんし、実は「アウェイの方が有利」になっているのかもしれないとさえ考えてしまいます。
 そうした視点で、各国のリーグ戦を観て行きたいと思っています。

 いずれにしてもJ1が始まりました。
 
 我が国のプロスポーツ界を代表する、プロ野球とJリーグがついに揃ったのです。

 少しずつですが、「観客」を受け入れる開催も計画されていると報じられています。

 こうした様々な取組、史上初めての取組の過程で、今後10年いや100年に渡ってスポーツ界を支えて行くノウハウ、トレーニングやゲーム開催等々の全ての局面に対するノウハウが、発見・蓄積されて行くことが、切望されるところなのでしょう。
 新型コロナウイルス禍の影響で中断していた、イタリア・セリエAが6月20日に再開しました。
 まず、第25節の残りの4ゲームを20日~21日に行い、続いて第27節の全ゲームが22日~24日に行われました。

[6月21日・第25節・グヴィッススタジアム]
アタランタ4-1サッスオロ

[6月21日・第25節・スタディオジュゼッペメアッツァ]
インテル2-1サンプドリア

[6月22日・第27節・スタディオレナトダッラーラ]
ユベントス2-0ボローニャ

[6月24日・第27節・グヴィッススタジアム]
アタランタ3-2ラツィオ

[6月24日・第27節・スタディオオリンピコ]
ASローマ2-1サンプドリア

 リーグ戦上位チームのゲームを並べてみました。

 ユーベはアウェイでラツィオに快勝しました。クリスティアーノ・ロナウド選手の先制、パウロ・ディバラ選手(アルゼンチン)の追加点ゴールと、地に足の着いたゲームであったと感じます。

 2位のラツィオは、アタランタに惜敗しました。2-0とリードしてからの逆転負けでした。

 3位のインテルは、25節ではサンプドリアに競り勝ち、27節ではサッスオロと3-3の引分でした。
 なかなか勢いに乗れないというところでしょうか。

 8連覇中のユベントスが、空前の「9連覇」を目指しているセリエAですが、今シーズンはラツィオが良く食い下がっています。
 現在得点王の、チロ・インモービレ選手の益々の活躍が、大いに期待されるところでしょう。
 新型コロナウイルス禍の影響により中断されていた、2019~20年のイングランド・プレミアリーグが、6月19日に再開しました。
 第30節からの再開です。

 ドイツ・ブンデスリーガ、スペイン・リーガエスパニョーラに続いての再開です。
 前2リーグと同様に「無観客」での実施となっています。

[6月19日・第30節・トッテナムホットスパースタジアム]
トッテナム・ホットスパー1-1マンチェスター・ユナイテッド

[6月20日・第30節・ヴィカレージロードスタジアム]
ワトフォード1-1レスター・シティ

[6月21日・第30節・ヴィラパーク]
チェルシー2-1アストン・ヴィラ

[6月21日・第30節・グッディソンパーク]
エヴァートン0-0リバプール

[6月22日・第30節・エティハドスタジアム]
マンチェスター・シティ5-0バーンリーFC

 3月7日~3月9日に行われた第29節時点の上位チームのゲームを順に追いました。
 
 スパーズとマンUは引分けました。
 スティーブン・ベルフワイン選手(オランダ)のゴールで先制を許したマンUは、後半36分、ブルーノ・フェルナンデス選手(ポルトガル)のゴールで、良く追い付いた形です。

 逆にレスターは、後半45分に先制したものの、インジュリータイム・後半48分に追い付かれ、ドローとなりました。

 チェルシーは、アストン・ヴィラに先制されましたが、後半2ゴールを挙げて逆転勝ちしました。
 チェルシーの1点目は、FWクリスティアン・プリシッチ選手ですが、アメリカ出身です。
 珍しいと言っては、アメリカのサッカーファンに怒られてしまいそうです。

 独走中のリバプールはエヴァートンと0-0で引き分けました。
 南野拓実選手としては、出場ゲームを勝利で飾ることが出来ませんでした。

 シティは完勝でした。
 前半、フィル・フォーデン選手とリヤド・マフレズ選手(アルジェリア)の3得点で優位に立ち、後半もダビド・シルバ選手(スペイン)とフォーデン選手のこの試合2点目で突き離しました。
 「勢い」を感じさせるゲームでしょう。

 再開後最初の第30節を終えて、リバプールが勝点83でトップ、追いかけるシティは勝点63ですから、その差は「20点」もあります。
 ここまで来てしまうと、「リバプールのプレミア初優勝」が何時になるのか、というのが注目されるのでしょう。
 新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた、リーガ・エスパニョーラ2019~20年シーズンが、6月11日に再開されました。
 待ちに待った「再開」です。

[6月13日・第28節・エスタディデソンモイクス]
FCバルセロナ4-0 RCDマヨルカ

[6月14日・第28節・エスタディオカンポサンマメス]
アスレティック・ビルバオ1-1アトレティコ・マドリード

[6月14日・第28節・エスタディオアルフレッドディステファノ]
レアル・マドリード3-1エイバル

 所謂「ラリーガ3強」の試合結果です。

 バルサは、開始2分のアルトゥロ・ビダル選手の先制で勢いに乗り、得点を重ねて、終了直前にはリオネル・メッシ選手のゴールで大勝しました。
 先に再開した、ドイツ・ブンデスリーガのゲームにも観られる、「簡単に観える得点」が、このゲームでも観られたと感じます。

 アトレティコは、前半37分にビルバオのイケル・ムニアイン選手の先制ゴールを許しましたが、その2分後、ジエゴ・コスタ選手が同点ゴールを挙げました。
 ゲームは、その後両チームともに得点を上げることが出来ず、引分けました。

 レアルは前半、トニ・クロース選手、セルヒオ・ラモス選手、マルセロ選手という中心選手達が次々と得点を重ね、後半のエイバルの反撃を1点に抑えて快勝しました。

 第28節の結果、首位のバルセロナの勝点は61、2位のレアルは59点となり、2点差のままでした。
 3位のセビージャが50点ですから、今季のラリーガの優勝は、バルサとレアルの争いに絞られたと言って良いでしょう。
 最後まで、眼が離せない戦いが続くと思います。

 さてこれで、ドイツ・ブンデスリーガとスペイン・リーガエスパニョーラが再開しました。
 6月17日には、イングランド・プレミアリーグが、6月20日には、イタリア・セリエAの再開が予定されています。
 「欧州4大リーグ」が揃って再開するのも、もう直ぐです。

 新型コロナウイルス禍の中でのリーグ戦、「無観客」リーグ戦の実施という、おそらくは「世界サッカー史上に永遠に刻まれる『異形』のシーズン」が、本格的に動き始めたのです。
 
[5月30日・第29節・アリエンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン5-0フォルトナ・デュッセルドルフ

[6月6日・第30節・ベイアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン4-2バイヤー・レバークーゼン

 第28節、ボルシア・ドルトムントとの1位・2位直接対決を1-0で制したバイエルン・ミュンヘンが、第29節・30節のゲームを圧勝しました。2試合で9点という圧倒的な得点力を示したのです。

 もちろん、ロベルト・レバンドフスキ選手を始めとする豪華なメンバーで構成されていることも有るのですが、中盤から前線にかけての縦横無尽な球出しや、バックスから長い1本のパスなども交えての多彩な攻撃が、相手チームを翻弄している感が有ります。

 特に、ベテランのトーマス・ミュラー選手の活躍が目立っています。

 もともとポジショニングには定評のある選手で、どこからでも登場する印象なのですが、このところは運動量も十分で、効果的なラストパスの配給が続いています。

 これに、中盤のレオン・ゴレツカ選手やヨシュア・キミヒ選手、セルジュ・グナブリー選手、そしてディフェンスのベンジャミン・パヴァール選手達が絡んでいくのですから、相手チームにとっては「守り難いことこの上ない」プレーが連続することとなっているのです。

 第30節を終えて勝点70と首位を走るバイエルン。
 勝点63でドルトムントが追い縋りますが、残り4節となって、バイエルン・ミュンヘンの「空前の8連覇」が見えてきました。

 6月6日に行われた、ブンデスリーガ2019~20年シーズン第30節のゲーム、フランクフルトVSマインツ戦に先発出場した長谷部誠選手は、ドイツ・ブンデスリーガ1部のゲームに309試合目の出場となり、これまでのアジア人プレーヤーの記録であった車範根(チャブンクン、韓国)選手の308試合出場を抜いて、最多記録を達成しました。

[6月6日・第30節・コメルツバンクアレーナ]
FSVマインツ05 2-0 アイントラハト・フランクフルト

 長谷部選手にとって記念すべき試合でしたが、残念ながら、フランクフルトはマインツに敗れてしまいました。

 この試合には、もうひとりの日本人プレーヤー鎌田大地選手も先発出場していました。

 長谷部選手が、浦和レッズからブンデスリーガのVfLヴォルフスブルクに移籍したのは2008年1月1日でした。
 以降2012~13年シーズンまでヴォルフスブルクでプレーし、2013年9月2日1FCニュルンベルクに移籍しました。同じブンデスリーガのチームです。
 そして、2014年6月2日、アイントラハト・フランクフルトと契約を結び、移籍しました。再び、ブンデスリーガのチームでした。

 それから今日に至るまで、長谷部選手はフランクフルトでプレーしてきたのです。

 この間2018年まで日本代表としてもプレーし、2010年5月以降は長くキャプテンの重責を果たしたことは、ご承知の通りです。

 ポジションに対する長谷部選手の拘りが「ボランチ」にあることも、広く知られています。
 ニュルンベルクへの移籍は、まさにボランチをやりたいからこそでした。

 一方で、チームの要請に従って、右サイドバックやセンターバックといった別のポジションにも、十分に対応できるところが、長谷部選手の強みなのでしょう。

 そして何より、冷静かつ骨身を惜しまぬプレー振りが、ブンデスリーガで高く評価されているのです。

 世界屈指のリーグの中で、チームが変わり、同じチームにおいても監督が交替して行く過程で、「出場を続けること」の難しさは、言うまでもないことでしょう。
 世界的なスーパースターが、そうした要因により出場できなくなる例を、私達は数多く観てきています。

 1984年生まれの長谷部選手も36歳になりました。さすがにプライムタイムは過ぎたのです。
 しかし、再開後のゲームにおいても、凄いオーバーラップを魅せてくれています。
 まだまだ走れる、十分な運動量を具備しているのです。

 長谷部選手には天性のリーダーシップが備わっています。
 そのリーダーシップは、「俺が、俺が」と出しゃばってPRするものとは全く異なり、「自然にリーダーになっている」という感じのリーダーシップに観えます。
 かつて、日本代表チームのアルベルト・ザッケローニ監督が「彼以外には居ない」と、最初から長谷部選手をキャプテンに指名したのは、有名な話です。

 長谷部選手は、自然体で自らの思想をプレーに活かしてきていて、ブンデスリーガの同僚プレーヤー達から常に高い評価を受けてきました。
 「生まれながらのリーダー」と呼ぶに相応しい、素晴らしい資質を備えた長谷部誠選手は、どこまで記録を伸ばして行ってくれるのでしょうか。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はユーロ(欧州選手権)2000ベルギー・オランダ共催大会の準決勝です。

[2000年6月28日・ロワボードワンスタジアム(ブラッセル・ベルギー)]
フランス2-1ポルトガル(延長)

 ワールドカップやユーロという大きな大会で、特定の代表チーム同士のカードが数多く組まれる可能性は、当然ながら高くは無いのですが、「組まれてしまえば必ず好勝負」というのが、ポルトガルVSフランスなのでしょう。(本ブログ2020年4月17日付の記事「[UEFA-EURO1984準決勝] フランスチーム ポルトガルチームとの「死闘」を制す」をご参照ください)

 このゲームも大接戦、滅多に観られない好ゲームとなりました。
 小説を書くとしても、このストーリーは難しいかもしれないとさえ感じます。

[フランスチームの先発メンバー]
1. GKバルテズ選手
2. リザラス選手
3. ヴィエラ選手
4. ブラン選手
5. デシャン選手
6. ドゥサイー選手
7. アネルカ選手(21歳)
8. ジダン選手
9. アンリ選手(22歳)
10. テュラム選手
11. プティ選手

[ポルトガルチームの先発メンバー]
1. GKバイーア選手
2. ジョルジュ・コスタ選手
3. ヴィディカル選手
4. フェルナンド・コウト選手
5. フィーゴ選手
6. ルイ・コスタ選手
7. セルジオ・コンセイソン選手
8. ディマス選手
9. シャビエル選手
10. コスティーニヤ選手
11. ヌーノ・ゴメス選手

 フランスチームは、1998年ワールドカップ優勝チームの強力な守備陣に、若いアンリ選手やアネルカ選手が加わって、一層チームのバランスが良くなっています。
 そういう意味では、20世紀から21世紀にかけて、「最強のチーム」に成りつつあったとも言えるでしょう。

 一方のポルトガルチームも、ルイス・フィーゴ選手、ルイ・コスタ選手、フェルナンド・コウト選手らを始めとする所謂「ゴールデンエイジ」が全盛期を迎えていましたから、とても強いチームに仕上がっていたのです。

 ゲームは、個人技で攻めるポルトガルと、組織的に攻撃するフランスの、一進一退の攻防が続きました。とてもハイレベルな攻防です。

 フランスは、22歳のティエリ・アンリ選手と21歳のニコラ・アネルカ選手という「売出し中」の若手フォワードFWとジネディーヌ・ジダン選手がポルトガルゴールを目指して、再三攻撃を仕掛けます。
 ポルトガルは、右サイドからセルジオ・コンセイソン選手、左サイドからルイス・フィーゴ選手が、ドリブルで攻め上がり、センターFWヌーノ・ゴメス選手にボールを供給します。

 これに対して、フランスチームの「鉄壁の守備陣」、マルセル・ドゥサイー選手、ディディエ・デシャン選手、ビセンテ・リザラス選手、ローラン・ブラン選手らが良く守ります。
 この時のフランスのバックスBK陣は、おそらくは世界サッカー史上でも屈指の守備力を誇っていたでしょう。
 この4バックで戦ったゲームは「無敗」であったとも言われています。(1998年ワールドカップと2000年ユーロの連続優勝を成し遂げた原動力です)

 そのフランスチームの堅陣を破ったのは、前半19分の攻撃でした。
 ポルトガルチームが右サイドから攻め上がり、ボールがヌーノ・ゴメス選手に入り、ゴメス選手は左に動きながらシュート。これが、フランスゴール左隅上部に突き刺さりました。
 素晴らしいシュートでした。

 このチームのフランスのゴールキーパーGKファビアン・バルテズ選手も、とても良いGKでしたが、このシュートを止めることは出来ませんでした。
 ゴメス選手のシュートが勝ったのです。

 同点を目指してフランスが攻めかかりますが、ポルトガルはペナルティーエリア付近での強いディフェンスにより、決定的な形を創らせません。
 良く守っていました。

 ゲームはポルトガルが1-0とリードして後半に入りました。

 後半に入ってもフランスの攻撃が続きます。
 
 そして、後半6分、ポルトガルゴール前右側からアネルカ選手が、ゴール前に居たアンリ選手にパス、アンリ選手は反転してシュート、これがポルトガルゴール左隅に突き刺さりました。
 アネルカ選手の正確なパスと、アンリ選手の素早く強いシュート。
 フランスチームの新しい2トップが、その威力を存分に発揮したのです。

 ポルトガルのGKビトール・バイーア選手も、このゲームにおいて好セーブを連発していましたが、このシュートは止められませんでした。
 このゲームが好ゲームとなった大きな要因のひとつは、両GKの好セーブであることも間違いありません。

 さて、ゲームは1-1の同点となって、ゲームは90分を終え、延長に入りました。
 延長に入っても、一進一退の状況は不変でした。
 
 延長も後半となり、「死闘」は続きます。

 そして延長後半10分過ぎ、フランスが攻めます。
 前掛かりとなっていたポルトガル陣へのカウンター。
 シルヴァン・ヴィルトール選手がドリブル突破、ダビッド・トレゼゲ選手にパス、トレゼゲ選手がシュート体勢に入ったところで、トレゼゲ選手の足許に飛び込んだGKバイーア選手が弾き再びボールはピッチに、これをヴィルトール選手が右サイドからシュート、このシュートがポルトガルDFアベル・シャビエル選手の左手に当たりペナルティーキックPKが宣せられました。

 この判定に対して、ポルトガルチームが猛抗議。
 シャビエル選手の「手に当たった」のであって、「手を使ったのではない」という抗議だったのでしょう。

 両チームの選手達がポルトガルゴール前に集まって入り乱れます。
 フランスGKバルテズ選手まで登場しています。

 ヴィルトール選手とシャビエル選手の距離は3~4mで、強烈なシュートでしたから、「手に当たった」と観ることもできますが、シャビエル選手の左手がわずかに上げられているのを観ると「手を上げて止めた」ようにも観えます。
 何度観ても、どちらとも取れるプレーです。

 そして、このシュートはシャビエル選手に当たっていなければ、ゴールインしていたとも思います。角度の無いところからのシュートでしたが、間違いなく「枠」に行っていました。

 もちろん、当たったのであろうが当てたのであろうが、手を使ったことがゲームに影響を与えたのであれば反則である、という見方もあるのでしょう。

 ポルトガルチームの抗議は延々と続きましたが、判定が覆ることはありませんでした。
 
 このPKを蹴るのはジダン選手。
 ロワボードワンスタジアムは、抗議の指笛が響き続けました。
 ベルギーとオランダの共同開催であった大会の、準決勝の舞台には、ポルトガルチームを応援するファンの方が多かったのでしょう。
 世界チャンピオン・フランスチームに対しての「判官贔屓」であったのかもしれません。

 ジダン選手は、長い助走を取り、ゴール左上に突き刺しました。
 どのようにしても、どんなGKでも、止められないであろう強烈なPKでした。
 ジダン選手の強じんな精神力を感じさせるキックでした。

 この大会はゴールデンゴール方式でしたので、これで試合は終了しました。

 2-1、フランスチームが勝ち上がりました。
 ポルトガルチームのユーロ制覇への挑戦、ゴールデンエイジを主体とした強力な代表チームの挑戦は、終わりを告げたのです。

 このゲームは、成長を続ける世界チャンピオン・フランスチームと、完成されたポルトガルチームの激突であったと感じます。
 輪郭のしっかりした数多くのプレーヤーが、ピッチを縦横無尽に動き回った好ゲームでした。

 そして、私にとっては大好きなセルジオ・コンセイソン選手の、最盛期の雄姿を楽しむことが出来る大切な録画なのです。

[5月26日・第28節・コメルツバンクアレーナ]
アイントラハト・フランクフルト3-3SCフライブルク

[5月30日・第29節・フォルクスワーゲンアレーナ]
アイントラハト・フランクフルト2-1VfLヴォルフスブルク

 フランクフルトの鎌田大地選手が2試合連続ゴールを挙げたと報じられました。

 再開後のブンデスリーガで見事な活躍です。

 鎌田選手といえば、2020年2月20日のUEFAヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦・RBザルツブルグ戦でハットトリックを達成してチームの勝利に貢献し、同3月4日のドイツ杯準々決勝・ヴェルダー・ブレーメン戦でもゴールを挙げたことで、注目されていました。
 「得点力が注目される」日本人選手というのは多くは無いのです。

 そして、新型コロナウイルス禍から再開後の2試合連続ゴールです。
 
 フライブルク戦のゴールは、ゴール前での相手ディフェンダーの僅かなミスを捉えて、ゴールに向かって左サイドから打ち込んだシュートでした。
 ヴォルフスブルク戦でのゴールは、センターラインを越えた辺りから右サイドにロングパスを出し、その折り返しに対して高速で走り込み、やはりゴール左サイドから叩き込みました。
 ポジショニング、スピード、間合い、のいずれもハイレベルなプレーだと感じます。

 愛媛県の出身、1996年生まれ23歳の鎌田選手は、決して順調なキャリアを積んできたわけではありません。
 ガンバ大阪ジュニアユースから東山高校に進み、2015年にサガン鳥栖に入団、2017年にフランクフルトに完全移籍、2018年にはベルギー1部のシント・トロイデンVVにレンタル移籍、2019年にフランクフルトに復帰しています。
 日本マスコミの注目度は決して高くは無かったと思いますが、この目まぐるしい移籍の流れの中で、鎌田大地選手は着々と実力を蓄えて行ったのでしょう。
 現在では、ブンデスリーガのレギュラープレーヤーとしての地位を築きつつあります。

 日本代表チームは何時の時代も「ストライカー」を求めています。
 鎌田大地選手の一層の成長が、本当に楽しみです。

 新型コロナウイルス禍の中で、世界の主要リーグにおいて最初にリーグ戦を再開した、ドイツ・ブンデスリーガの、再開後第2週の一戦です。
 ホームに、アイントラハト・フランクフルトを迎えたバイエルン・ミュンヘンが、5ゴールを挙げて圧勝しました。

[5月23日・第27節・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン5-2アイントラハト・フランクフルト

 再開時点で首位に立っていたバイエルンは、第26節=再開後緒戦でウニオン・ベルリンを2-0で下し、順調なスタートを切りました。
 そして、再開後のホーム緒戦を迎えたのです。

 一方のフランクフルトは、再開後緒戦のボルシア・メンヘングラートバッハ戦を1-3で落とし、このゲームを迎えています。

 ゲームは開始直後からバイエルンの攻勢が上回りました。
 「赤いユニフォーム」が「白いユニフォーム」を押し込むシーンが多かったのですが、バイエルンのシュートがクロスバーを叩いたり、ゴールキーパーGKの正面を突いたりで、なかなか先取点には結びつきませんでした。

 そして前半17分、バイエルンのセンターバックDFダヴィド・アラバ選手が、左サイドに走り込んだFWトーマス・ミュラー選手にパス、ミュラー選手が左サイドを抉りセンタリング、走り込んできたMFレオン・ゴレツカ選手にドンピシャ。ゴレツカ選手はこれを左足でダイレクトシュート。フランクフルトゴール右側に突き刺さりました。
 攻めていたバイエルンが、ついに先制点を挙げたのです。

 フランクフルトは反撃に出ますが、やはりバイエルンのディフェンスDFラインが厚いことと、中盤のボールキープ力でバイエルンが勝っている分、単発の攻撃となりました。

 そして後半41分、バイエルンのフォワードFWアルフォンソ・デイビス選手が中盤でボールを奪い、ゴール前にクロス。走り込んできたトーマス・ミュラー選手がGKケヴィン・トラップ選手と競り合いながらシュートを決めました。
 バイエルンの2点目。
 これでゲームの流れは完全にバイエルン・ミュンヘンのものとなりました。

 バイエルンは、後半開始早々の1分、エースのロベルト・レバンドフスキ選手が3点目を挙げてゲームを決めました。

 フランクフルトもその後、後半7分と10分にDFマルティン・ヒンテレッガー選手が連続ゴールを挙げて反撃に出ましたが、時すでに遅し。
 バイエルンは攻勢を継続し、後半16分にFWデイビス選手が4点目のゴール、後半29分にはオウンゴールも生まれて、大量5得点としたのです。

 「無観客」のゲームを観ていると、技術やパワーの「力通り」というプレーが多いと感じます。
 力量上位のチーム・プレーヤーが、イメージ通りのプレーを展開しゴールする、何か「あっさり」と決まるゴールが多いように感じます。プレー全体に粘りが無い、意外性に欠けるプレーやゲームが多いと思います。
 これが「無観客」の影響によるものなのか、トレーニング不足が響いているのか、は現時点では分かりません。
 これから、この感じがどのように変化して行くのかも楽しみです。

 再開後、「ホームチームの勝率が低い」という指摘もありましたが、バイエルン・ミュンヘンは、ホーム緒戦で大勝しました。
 ホームチームが弱いというよりは、実力上位のチームがアウェイで戦った組合せが多かったのであろうと、考えています。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の準々決勝です。

[2010年7月3日・グリーンポイントスタジアム(ケープタウン・南アフリカ)]
ドイツ4-0アルゼンチン

 決勝トーナメント1回戦、3-1でメキシコチームを破り勝ち上がったアルゼンチンチームと、4-1でイングランドチームを破ったドイツチームが激突したゲームです。

 グループリーグB組を3戦全勝で勝ち上がったアルゼンチンは好調を伝えられていました。何より、リオネル・メッシ選手を始めとしてメンバーが揃って居ました。
 一方のドイツチームも、抜群の得点力が注目されていましたから、好ゲームが期待されたのは当然のことなのでしょう。

[アルゼンチンチームの先発メンバー]
1. GKロメロ選手
2. DFデミチェリス選手
3. ブルディッソ選手
4. エインセ選手
5. オタメンディ選手
6. MFディマリア選手
7. マスケラーノ選手
8. マキシ・ロドリゲス選手
9. FWイグアイン選手
10. メッシ選手
11. テベス選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. DFメルテザッカー選手
3. フリードリッヒ選手
4. ラーム選手
5. ジェローム・ボアテング選手
6. MFサミ・ケディラ選手
7. シュバインシュタイガー選手
8. トーマス・ミュラー選手
9. エジル選手
10. ポドルスキー選手
11. FWクローゼ選手

 いつ観ても、この時のアルゼンチン代表は豪華。
 特に、ミッドフィールダーMFにアンヘル・ディマリア選手、ハビエル・マスケラーノ選手、マキシ・ロドリゲス選手を揃え、フォワードFWにゴンサロ・イグアイン選手、カルロス・テベス選手、そしてリオネル・メッシ選手を並べた攻撃陣は、見事なラインナップでしょう。
 アルゼンチンの「伝説」ディエゴ・マラドーナ監督、渾身のチームであったと感じます。

 一方のドイツ代表は、ラウンド16でイングランド代表を4-1で退けたチームです。
 特に、スピード十分なカウンター攻撃は、この大会屈指のものでしょう。
 ヨハヒム・レーヴ監督の戦術理論は、ドイツサッカー、そして世界のサッカーを変える可能性を秘めていました。

 キックオフから僅かに2分、ゲームがいきなり動きました。
 アルゼンチンゴールに向かって左側で、ドイツがフリーキックを得たのです。
 ポドルスキー選手をオタメンディ選手が倒した結果でした。

 蹴るのはバスティアン・シュバインシュタイガー選手。
 右足でゴールに向かって行くボールでした。
 このボールを、走り込んだトーマス・ミュラー選手が頭で合わせてシュート。
 GKセルヒオ・ロメロ選手の右脚に当たってゴールに吸い込まれました。
 イングランド戦の3点目、4点目に続く、チームにおける3連続ゴールというのは、トーマス・ミュラー選手の「得点感覚」の鋭さを明示しています。

 ドイツチームの試合開始早々の先制点でした。

 アルゼンチンチームにとっては、「まだゲームが始まっていない」という時間帯でのゴールであったと感じます。
 逆にドイツチームにとっては、この後のゲームを進めて行く上での「余裕」を生むゴールでした。「若き」ドイツチームは、この後、伸び伸びとプレーを展開することが出来たのです。

 アルゼンチンチームは、メッシ選手を始めとする「世界的なプレーヤー達」が攻撃にかかりますが、ドイツチームの守備が効いていました。メッシ選手には3人がかりでしたし、テベス選手やディマリア選手らへの「寄せ」も極めて素早いものでした。
 結果として、アルゼンチンチームの攻撃プレーヤーは、孤立していることが多かったと感じます。

 ゲームは、ドイツペースで進んだのです。
 ドイツチームは再三アルゼンチンゴールに迫ることが出来ましたが、アルゼンチンチームはなかなかドイツペナルティーエリアに入ることが出来ませんでした。

 前半のアルゼンチンチームのチャンスは、メッシ選手のFKでした。複数回ありました。
 メッシ選手はこれを丁寧に狙いましたが、ゴールを挙げることは出来ませんでした。

 前半は1-0、ドイツのリードで折り返しました。

 後半に入ってもアルゼンチンチームの攻勢が続きますが、ややスピードでドイツチームが勝り、ゴールには結び付きません。

 そして後半23分、ドイツチームの左側からの攻撃。
 ポドルスキー選手が左サイドを抉り、ゴール前のクローゼ選手にセンタリング。
 これがGKとDFの間を抜ける絶妙のパスで、ゴール正面1~2mのところでパスを受けたクローゼ選手が、「ちょこん」とアルゼンチンゴールに押し込みました。
 とてもクローゼ選手らしい、全く無駄の無い、派手さも無い、必要最小限のプレーでした。

 ドイツチームが2-0とリードを広げました。

 このゲーム展開においては、「決定的な2点目」でした。

 後半28分、ドイツチームは左からのコーナーキックCK。ショートコーナーとして、シュバインシュタイガー選手がドリブル。アルゼンチン陣を深く抉って、アルゼンチンゴール左ポストに接近、小さく折り返して、走り込んできたマヌエル・フリードリッヒ選手にパス。フリードリッヒ選手は倒れ込みながら押し込みました。
 DFフリードリッヒ選手も攻撃に参加していたのです。
 「全軍躍動」のドイツチームでした。

 3-0となって、ゲームは決まりました。

 しかし、ドイツチームは攻撃の手を緩めませんでした。

 後半43分、ドイツゴール前のアルゼンチンチームの攻撃から、ボールを奪ったドイツチームのお家芸「カウンター」が炸裂します。
 エジル選手から左サイドのポドルスキー選手にパス。ドリブルで駆け上がるポドルスキー選手の外側をエジル選手が駆け上がり、再びパスを受けます。アルゼンチンのペナルティーエリアに迫り、ゴール真正面に居たクローゼ選手にセンタリング。
 このセンタリングをクローゼ選手はダイレクトシュート。ノートラップでゴール左サイドに叩き込む、何とも「簡単」に観えるハイレベルなプレーでした。
 決定的なチャンスを必ず決める、というのは全てのストライカーにとっての理想でしょう。

 このゲームは、ドイツチームの完勝でした。
 この「豪華」なアルゼンチンチームを零封した守備力が素晴らしく、加えて多彩な攻撃が見事でした。
 そして、前半2分の先制点がゲームの流れを決めたと考えています。

 それにしても、これ程一方的なゲームになると、誰が予想したことでしょうか。

 新型コロナウイルス禍のために、数多くのスポーツイベントが延期・中止となっている状況では、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いのでしょう。
 今回は、ワールドカップ1986メキシコ大会の決勝です。

[1986年6月29日・アステカスタジアム(メキシコ)]
アルゼンチン3-2西ドイツ

 もともとコロンビアで開催予定であった大会ですが、同国内の経済状況が悪化し1983年に開催権を返上、代わりにメキシコで開催された大会です。
 メキシコ開催は1970年以来のこととなり、決勝も1970年大会と同じエスタディオ・アステカ=アステカスタジアムとなりました。

 アステカスタジアムは、いつの時代も世界屈指の収容能力を誇る巨大なスタジアムですが、この頃は13万人以上を収容できる世界最大級のサッカー場であったと言われています。
 ちなみに、このゲームの観客数は114,580人と公表されました。(この大会では、他にも114,580人という試合がありますから、「満員ならばこの人数表示」ということなのかもしれません)

 1986年大会は、現在に至るまで「マラドーナの大会」と呼ばれています。
 アルゼンチン代表チームの準々決勝イングランド戦、準決勝ベルギー戦で共に2得点を挙げ、特にイングランド戦の「5人抜き」得点シーンは、ワールドカップ1986を象徴する映像として、現在でも時折眼にすることがあります。

 一方で、この決勝戦ではマラドーナ選手は得点を挙げていません。
 これは、少し不思議な感じです。
 
 両チームが死力を尽くした好ゲームを観て行きましょう。

[アルゼンチンチームの先発メンバー]
1. GKプンピード選手
2. DFクラウセン選手
3. ルジェリ選手
4. ブラウン選手
5. オラルティコエチェア選手
6. MFバティスタ選手
7. ジュステイ選手
8. エンリケ選手
9. ブルチャガ選手
10. FWマラドーナ選手
11. バルダーノ選手

[西ドイツチームの先発メンバー]
1. GKシューマッハ選手
2. DFブレーメ選手
3. フェルスター選手
4. ヤコブス選手
5. エデル選手
6. MFベルトルト選手
7. ブリーゲル選手
8. マテウス選手
9. マガト選手
10. FWルンメニゲ選手
11. アロフス選手

 先発メンバーを観ると、「大砲」ディエゴ・マラドーナ選手を中心に、ホルヘ・ブルチャガ選手、ホルヘ・バルダーノ選手という2名の「ホルヘ」に、エクトル・エンリケ選手やリカルド・ジュスティ選手を加えた、アルゼンチンチームの攻撃力が目立ちます。
 得点力ならば、アルゼンチンが一枚上と観るのが妥当でしょう。

 一方の西ドイツチームは、フランツ・ベッケンバウアー監督の指揮下で、この大会では「堅守」をベースに最少得点で勝ち上がってきました。グループリーグGLは3試合で3得点、決勝トーナメントも3試合で3得点、ここまで6試合で6得点しか挙げていないのです。
 ゲーム毎に細かい戦術の変更を加えて、相手チームの得点を抑えてきた形でしょう。
 決勝でも「ベッケンバウアーの采配」が注目されたことは言うまでもありません。

 開始直後は西ドイツチームが攻め、チャンスも有ったのですが得点を挙げることが出来ず、ゲームは次第にアルゼンチンが攻め西ドイツが守るという、戦前の予想通りの展開となりました。
 そして、西ドイツチームは「マラドーナ選手への徹底的なマーク」を実施したのです。
 ローター・マテウス選手を中心としたマークですが、エリアによっては他の選手もアプローチしています。
 マラドーナ選手にボールが渡ったならば、とても近い位置からアタックを掛けます。
 反則すれすれのプレーも観られました。

 さすがのマラドーナ選手も、これだけ「しつこく徹底したマーク」を受けては、なかなか思ったようなプレーはできませんから、アルゼンチンチームとしては、マラドーナ以外の選手による得点が望まれることとなります。

 前半22分、早くもそのシーンがやってきました。
 アルゼンチンチームは西ドイツゴールに向かって右サイド、ペナルティエリアの外の位置でフリーキックFKを得ました。
 蹴るのはブルチャガ選手。
 ブルチャガ選手は西ドイツゴールの反対側に蹴りました。GKシューマッハ選手がこれを弾こうと飛び出しましたが、ボールはシューマッハ選手を越えて飛び、アルゼンチンのDFブラウン選手がヘディングシュート。
 これが見事に決まりました。

 名手シューマッハ選手としては、珍しい「空振り」でしたが、ブルチャガ選手のキック、ブラウン選手のヘッド共に高い精度でした。

 前半はアルゼンチンが1-0とリードして、折り返しました。

 西ドイツチームは、FWのアロフス選手を下げてフェラー選手を入れました。
 「カールハインツ・ルンメニゲ選手+ルディ・フェラー選手」という、この頃の西ドイツチームの看板コンビとなったのです。
 この大会では、特にルンメニゲ選手の不調が伝えられてはいましたけれども、いざとなれば、やはりこのコンビ、精神的な強さが際立つコンビが必要だったのでしょう。

 0-1とリードされている西ドイツは、前半に比して攻勢を強めました。
 当然のことです。
 しかし、アルゼンチンも良く守り、なかなか決定的なチャンスは生まれません。

 そして後半11分、前掛かりになった西ドイツチームからボールを奪ったアルゼンチンチームは、マラドーナ選手からエンリケ選手、バルダーノ選手と繋いで、バルダーノ選手が西ドイツゴール向かって左サイドからシュート。前に出てきたGKシューマッハ選手の右側を突いた、落ち着いたシュートでした。

 これで2-0とアルゼンチンがリード。
 ゲームの帰趨は大きくアルゼンチンチームに傾きました。

 メキシコシティ・アステカスタジアムはアルゼンチンのサポーターが多く、大歓声が響き渡り、「勝った」という雰囲気が漂いました。
 流れに乗ったアルゼンチンチームは、この後も積極的に攻め続けましたが、さすがに西ドイツチームはこれをよく防ぎ、反撃の機を待ちました。

 こうした逆境に、世界で最も強いナショナルチームは、ドイツチーム(この頃は西ドイツ)でしょう。
 大きな大会で、絶体絶命の形から何度も反攻を成功させているのですが、このゲームも「絶対に諦めない」精神力(当時はよくゲルマン魂と呼ばれました)が発揮されたのです。

 後半20分を過ぎて、西ドイツチームが攻勢に出ました。
 アルゼンチンチームとしては「このまま2-0の勝利」で十分と考えていたこともあるでしょうし、前掛かりの西ドイツチームの隙を付いてのカウンターで、これからも得点チャンスが生まれるとも考えていたことでしょう。
 実際のところ、両チームにチャンスが来る展開でした。

 そして後半29分、アルゼンチンゴール向かって左から、西ドイツチームのコーナーキックCK。これをニアサイドに居たフェラー選手がヘディングでゴール前向かって右サイドに落とし、これを飛びこんだルンメニゲ選手が押し込みました。
 スライディングしながらのシュートは、いかにも「ルンメニゲのゴール」でした。

 2-1となって、ゲームの緊張感が一気に高まりました。

 アステカスタジアムには「アルゼンチン頑張れ」の大合唱が響きます。

 マラドーナ選手が左サイドを突進し、フェルスター選手がタックルで止めたシーンなどは、迫力満点、スピード・パワー共、世界最高水準のプレーでした。
 こうした素晴らしい数々のプレーの中から、再び西ドイツチームの得点が生まれるのです。

 ゲームは後半35分を過ぎました。
 アルゼンチンチームにとっては「ワールドカップ獲得まであと10分」となったのです。

 このゲームの見事なところは、この時間帯になっても両チームの運動量があまり落ちなかったことでしょう。
 標高2,000mを越えると言われるアステカスタジアム、空気が薄い中での激闘ですので、そのフィジカルの強さは驚異的です。

 後半36分、西ドイツチームは再びアルゼンチンゴールに向かって左サイドからのCK。
 今度はファーサイドに蹴られたボールを、ゴール前にヘッドで落とし、そこに居たフェラー選手がヘディングシュート。
 これが綺麗に決まりました。

 2-2の同点。
 ゲームは振出しに戻ったのです。

 西ドイツの2ゴールは、共に左CKから、ヘディングでゴール前に運び、これをルンメニゲ選手は足で、フェラー選手は頭で、決めました。
 あらかじめ用意されていたプレーでしょうが、後半の後半になって2度決めるというのは、これがワールドカップの決勝であることを考え合わせると、信じられないような決定力であり、粘りでしょう。

 西ドイツチームは「誰ひとり負けるなどということは考えても居なかった」ことは明白であり、これが「ドイツの伝統」なのです。

 アルゼンチンチームとしては、2-0で後半残り20分を切ったのですから、ほぼ掌中にしていたワールドカップが、するりと掌から滑り落ちた感じでしょうか。これは、1978年の初優勝の時のゲーム展開にも似ています。あの時の相手はオランダチームでしたが・・・。

 これで、俄然ゲームの流れは西ドイツに傾いたかに観えました。
 延長も視野に入ってきたのです。
 
 この流れを一気に変えたのは、ブルチャガ選手のプレーでした。

 後半39分、アルゼンチンゴール前からセンターライン付近でのボールの奪い合い、そこから前線のブルチャガ選手にパスが出ました。
 前掛かりだった西ドイツチームはディフェンダーが居ませんでした。

 ブルチャガ選手はドリブルで突進し、GKシューマッハ選手と1対1。
 スライディングしてくるシューマッハ選手の左側に浮かせたシュートが決まりました。
 とても冷静なシュートでした。

 ブルチャガ選手の持ち味が存分に発揮されたシュートでしたし、キャリア最高のゴールであったことも間違いありません。

 試合時間は残り4分となりました。

 当然ながら西ドイツチームは攻めますが、アルゼンチンチームも攻撃を止めません。

 残り3分、バルダーノ選手が左サイドを駆け上がり、中央に居るマラドーナ選手にパス、マラドーナ選手は西ドイツディフェンダーの間を割って突進、転がるボールに対して、マラドーナが先か、シューマッハが先か、シューマッハ選手の方が僅かに早く、ボールを弾き、そのシューマッハ選手とぶつかったマラドーナ選手がダイブ。
 反則にはなりませんでしたが、この「ダイビング」も、この大会の名シーンのひとつでしょう。

 ゲームは、このまま終了しました。

 アルゼンチン代表は、2度目のワールドカップ優勝を果たしたのです。

 「マラドーナの大会」の決勝戦、アルゼンチンチームはマラドーナ選手以外のプレーヤーの活躍で3点を挙げて、西ドイツチームを振り切りました。
 西ドイツチームは、0-2の劣勢から後半の後半に追い付き、あと一歩というところまで、アルゼンチンチームを追い詰めました。
 好天のアステカスタジアムで繰り広げられた、素晴らしいゲームでした。

 表彰式、重量5㎏のワールドカップは、まずキャプテンのマラドーナ選手に渡されました。
 受け取ったマラドーナ選手は喜びを爆発させました。

 ディエゴ・マラドーナは、ワールドカップの歴史となったのです。
 世界中の所謂メジャーなサッカーリーグの中で、ドイツ・ブンデスリーガが再開します。

 新型コロナウイルス禍の中で、先頭を切って再開されるのです。

 ドイツという国家の、感染症拡大への対応力の高さを示していると言って良いと思います。
 特に、医療体制の充実ぶりは他国を圧倒しています。

 5月16日~18日にかけて、第26節の各ゲームが無観客で開催されるのですが、地域的な制限も特に報じられていませんから、3月7日~8日に行われた第25節から連続した、文字通りの「再開」となります。
 ドイツ国家とブンデスリーガの素晴らしい対応力でしょう。

 第25節までの順位をおさらいしておきましょう。
1位 バイエルン・ミュンヘン 17勝4敗4引分 勝点55
2位 ボルシア・ドルトムント 15勝4敗6引分 勝点51
3位 RBライプツィヒ 14勝3敗8引分 勝点50
4位 ボルシア・メンヘングラートバッハ 15勝6敗4引分 勝点49
5位 バイヤー・レバークーゼン 14勝6敗5引分 勝点47
6位 シャルケ04 9勝6敗10引分 勝点37
7位 VfLヴォルフスブルク 9勝7敗9引分 勝点36 得失点差4
8位 SCフライブルク 10勝9敗6引分 勝点36 得失点差-1
9位 ホッフェンハイム 10勝10敗5引分 勝点35
10位 1FCケルン 10勝13敗2引分 勝点32
11位 ウニオン・ベルリン 9勝13敗3引分 勝点30
12位 アイントラハト・フランクフルト 8勝12敗4引分 勝点28
(全18チーム)

 ブンデスリーガは、1位から4位までがUEFAチャンピオンズリーグの出場権を得、5位と6位がUEFAヨーロッパリーグの出場権を得ます。
 4位と5位、メンヘングラートバッハとレバークーゼンの競り合いは、これからも続くことでしょう。

 5位と6位の間には断層がありますので、シャルケからケルンまでの5チームの6位争いも熾烈を極めそうです。

 優勝争いは、バイエルン・ドルトムント・ライプツィヒの三つ巴となりそうです。
 ある意味では「歴史的な」2019~20年シーズンのマイスターシャーレを巡って、激しい戦いが繰り広げられることになります。

 約2ヵ月間の空白の後ですから、第26節のゲームの出来不出来が、今後のリーグ戦に大きな影響を与えそうです。

 さて、「ブンデス」を楽しみましょう。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦です。

[2010年6月28日・エリスパークスタジアム(ヨハネスブルグ・南アフリカ)]
ブラジル3-0チリ

 グループリーグG組を1位で突破したブラジル代表チームと、H組を2位で通過したチリ代表チームが、決勝トーナメント1回戦で戦ったゲームです。

 ワールドカップ2002以来6度目の優勝を目指すブラジルに対して、初のベスト8・準々決勝進出を目指すチリという形ですが、南米対決となったゲームを観て行きましょう。

[ブラジルチームの先発メンバー]
1. GKジュリオ・セザール選手
2. DFルシオ選手
3. ファン選手
4. マイコン選手
5. ミシェルバストス選手
6. ダニエウ・アウベス選手
7. MFジウベウト・シウバ選手
8. カカ選手
9. ラミレス選手
10. FWルイス・ファビアーノ選手
11. ロビーニョ選手

[チリチームの先発メンバー]
1. GKブラボ選手
2. DFフェンテス選手
3. イスラ選手
4. コントラレス選手
5. ハラ選手
6. MFカルモナ選手
7. ビダル選手
8. FWサンチェス選手
9. スアソ選手
10. ゴンザレス選手
11. ボセジュール選手

 いつも世界的なプレーヤーが揃うブラジルチームですが、この大会でも、2007年のバロンドールとFIFA最優秀選手賞を受賞したカカ選手を始めとして、ロビーニョ選手、ダニエウ・アウベス選手、ジウベウト・シウバ選手、マイコン選手、ルシオ選手と、好プレーヤーが並んでいます。
 ピッチ上のイレブンを一見して、「長身のプレーヤーが多い」と感じました。
 
 セレソンというと、1994年大会のロマーリオ選手やベベト選手の時のチームは、比較的小柄な選手が多いという印象でしたが、2002年大会では相当身長が高い選手が増え、2010年大会は一層その傾向が強いと感じました。
 ドゥンガ監督のチーム創りの結果なのでしょうが、「セレソンの大型化」が進んでいたのかもしれません。

 一方のチリチームは、ブラジルチームと比較すれば小柄なプレーヤーが多いという感じですが、この大会後、FCバルセロナやアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドで活躍することとなるアレクシス・サンチェス選手を始めとして、アルトゥーロ・ビダル選手、ジャン・ボーセジュール選手、マルク・ゴンザレス選手といった好プレーヤーを揃えていました。
 短いパスを繋ぎながらチャンスを創造していくという面では、当時のスペインチームにも通じるものがあり、グループリーグGLのH組では、緒戦でスペインチームを破ったスイスチームと、ホンジュラスチームを共に1-0で破り、スペインチームには1-2で敗れましたけれども2位通過。
 チリサッカー史上でも屈指のチームに仕上がっていたと思います。

 ゲームは静かな立ち上がりとなりました。

 ブラジルチームは、長めのパスでサイドをつき、ドリブルで前進する形、チリは細かいパス回しによって前進を図ります。
 目立っていたのは、ブラジルチームのコーナーキックCKが多かったことでしょう。
 ブラジルチームが押し気味にゲームは進みました。

 両チームともに決定的なチャンスが創れずにいた前半34分、ブラジルチームは6本目のCKを得ました。右からのキックでした。
 蹴るのはマイコン選手。

 ボールは左に曲がりながらファーサイドに飛びました、落下点にはブラジルの高身長のプレーヤーが密集していました。その内のひとり、フアン選手がヘディングシュート。当りの良いシュートが、チリゴール左上に飛び込みました。

 このゲームのチリチームには、身長180cmを越えるプレーヤーは一人しか居ませんでしたから、高さではブラジルチームが優位なのです。

 ブラジルが先制しました。
 こうなるとゲームのペースはブラジルチームに傾きます。
 セレソンは伝統的に、先制して余裕が出来ると、とても素晴らしい試合運びを魅せるのです。

 先制点から3分も経たないうちに、再びブラジルチームの攻撃が実りました。
 チリチームの攻撃からのカウンター、ロビーニョ選手が左サイドをドリブルで駆け上がり、中央のカカ選手にパス、カカ選手はこれをダイレクトで前に居るルイス・ファビアーノ選手に流し込みました。
 このタイミングでのパスでなければオフサイドになっていたプレーですが、それはつまり、ルイス・ファビアーノ選手が守備ラインを完全に突破して、GKクラウディオ・ブラボ選手と1対1になったことを示していて、前に出て止めようとするブラボ選手を交わしたルイス・ファビアーノ選手が無人のゴールにボールを流し込みました。

 あっという間の2点目でした。

 後半になっても、試合はブラジルペースでした。

 チリチームはパスを繋いでブラジルゴールを目指しますが、ブラジルチームはペナルティエリア付近で厳しい守備を披露して、そこからの前進を許しません。
 このゲームでは、ブラジルチームの守備テクニックが光りました。

 そして後半13分。
 センターライン付近でボールを得たラミレス選手がドリブルで突進。
 ピッチの中央を40メートル位ドリブルしたでしょうか。
 チリのディフェンダーDFは、これを止めることが出来ません。
 
 ラミレス選手は、ペナルティエリア手前でロビーニョ選手にパス、ロビーニョ選手はこれをダイレクトでシュート。右足から放たれたシュートはチリゴール右端に飛び込みました。
 
 GKブラボ選手が僅かに届かない位置への、巻き込むようなシュートですから、決して易しくないというか、とても高難度なシュートでしょうが、ロビーニョ選手は「簡単にやってのけた」ように観えました。

 3-0となって、ゲームは決しました。

 結果として、ブラジルチームの一方的なゲームとなりました。
 先制して、気持よく戦った時のセレソンの強さを、まざまざと見せつけたゲームなのでしょう。

 南米を代表するナショナルチームによる「貫録の勝利」でした。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦です。

[2010年6月29日・ロスタスヴァ―スフェルトスタジアム(プレトリア・南アフリカ)]
パラグアイ0-0日本
(PK戦5-3でパラグアイが準々決勝進出)

 グループリーグGL・F組を1勝2引分の勝点5で1位通過したパラグアイ代表と、D組を2勝1敗の勝点6で2位通過した日本代表が、ベスト8進出をかけて対戦した、決勝トーナメント1回戦です。

 F組において、パラグアイチームは、緒戦のイタリア戦を1-1で引分けに持ち込み、続くスロバキア戦を2-0で勝って、最終のニュージーランド戦を0-0で引分けるという、「計算通り」の突破であったと思います。ちなみに、この大会のイタリアチームは1敗2引分、4位で敗退しています。

 日本チームも、E組緒戦で、圧倒的不利と言われたカメルーン戦を1-0で制して勢いに乗り、第2戦こそオランダチームに0-1で惜敗しましたが、最終のデンマーク戦を3-1で快勝して、決勝トーナメントTに進出しました。
 日本チームにとっては、地元開催であった2002年大会以来2度目の決勝T進出でした。

[パラグアイチームの先発メンバー]
1. GKフスト・ビジャール選手
2. DFパウロ・ダ・シルバ選手
3. アントリン・アルカラス選手
4. カルロス・ボネット選手
5. クラウディオ・モレル選手
6. MFネストル・オルティゴサ選手
7. クリスティアン・リベーロス選手
8. エンリケ・ベラ選手
9. エドガル・ベニテス選手
10. ロケ・サンタ・クルス選手
11. FWルーカス・バリオス選手

[日本チームの先発メンバー]
1. GK川島永嗣選手
2. DF中澤佑二選手
3. 田中マルクス闘莉王選手
4. 駒野友一選手
5. 長友佑都選手
6. MF阿部勇樹選手
7. 長谷部誠選手
8. 遠藤保仁選手
9. 松井大輔選手
10. 大久保嘉人選手
11. FW本田圭佑選手

 ゲームは開始直後から「一進一退」の攻防が続きました。
 共に、豊富な運動量をベースにしたパス主体の攻撃と、高い位置からの守備が持ち味のチームであり、90分間、120分間、その精力的なプレーを継続するフィジカルも持ち合わせるチームだったのです。

 日本チームは、中盤で長谷部選手や遠藤選手がボールを奪うと前線の本田選手にボールを渡し、本田選手がボールを保持している間(時間を稼いでいる間)に、大久保選手や松井選手、長友選手が走り込み、再び本田選手にラストパスを返すという形、この時の日本チームの「決め事」をしっかりと実行・継続していましたが、パラグアイチームの守備が良く、特にペナルティーエリア付近でのボールへのアタックが正確で、決定的なチャンスはなかなか生まれませんでした。

 逆に日本チームも良く守りましたから、ゲームは0-0のまま時を刻みました。

 そして120分を戦い終えて、ペナルティーキックPK戦に突入したのです。

 これは、日本代表チームにとって、ワールドカップの舞台における初めてのPK戦でした。(今に至るまで、唯一のPK戦となっています)

 パラグアイチームが先行のPK戦。
 日本のひとり目は遠藤選手でした。
 遠藤選手はこれを、ゴール右上に突き刺しました。

 日本のふたり目は長谷部選手でした。
 長谷部選手はこれを、ゴール左上に突き刺しました。

 ゴロというか、地を這うようなキックが続くパラグアイチームに対して、日本チームのキックは高い位置に打ち込んでいました。
 パラグアイの3-2となって、日本の三人目は駒野選手でした。

 駒野選手のキックは、真ん中左上に飛び、クロスバーに当たって上に撥ねました。
 とても残念な失敗でした。

 パラグアイの4-2となって、日本の四人目は本田選手でした。
 本田選手は、GKビジャール選手が左に飛んだ後の真ん中に、低いボールを流し込みました。

 そしてパラグアイチームの5人目、カルドソ選手が日本ゴール左隅に蹴り込んだ時、大接戦に終止符が打たれたのです。

 日本チームとしては、120分間で1点を奪うことが出来ず、PK戦においては、パラグアイチームの5人全員が決めたのですから、駒野選手を責めることができないのは、自然な話でしょう。
 このゲームは、僅かながらパラグアイチームが勝っていたのです。

 日本チームにとっては、「悲願のベスト8進出」を逃したゲームとなってしまいましたが、この大会の日本チームが、日本サッカー史上屈指の良いチームであったことは間違いないと考えています。


 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦です。

[2010年6月27日・フリーステートスタジアム(ブルームフォンテーヌ・南アフリカ )]
ドイツ4-1イングランド

 グループリーグGLのD組を首位で通過したドイツ代表チームと、C組を2位で突破したイングランド代表チームが対戦しました。

 「ドイツVSイングランド」は、世界のサッカーナショナルチーム同士の対戦における看板カードのひとつです。

 ワールドカップやユーロにおける豊富な優勝経験を誇るドイツチームと、ワールドカップ優勝が1回、ユーロは優勝経験が無いというイングランドチームでは、その実績面では差が有りますけれども、やはり「サッカーの母国」という意味で、イングランドチームには独特かつ唯一のバリューが有って、その対戦が注目されるのは、自然なことなのでしょう。

 更に、この両チームの対戦は、このゲームの前までは常に「大接戦」となってきたのです。
 ワールドカップの舞台で、この両チームが最初にまみえたのは、1966年のイングランド大会決勝戦でした。このゲームは4-2(延長戦2-0)でイングランドが勝利し、初のワールドカップを獲得しています。
 2度目の対戦は、ワールドカップ1970の準々決勝で、これは3-2(延長戦1-0)で西ドイツが勝ちました。
 3度目の対戦は、ワールドカップ1982の2次リーグ・グループBでの対戦で、0-0の引分けでした。
 4度目の対戦は、ワールドカップ1990の準決勝で、1-1の同点からPK戦に入り、西ドイツが4-3でイングランドを破っています。

 ワールドカップの舞台においては、4度戦い西ドイツチームの2勝1敗1引分という対戦成績ですが、「90分間で決着したゲームが皆無」ということですから、常に拮抗した戦いを繰り広げていたことは明白でしょう。

 東西ドイツが統一されて、ドイツ代表となって初めてのイングランド代表とのワールドカップにおける歴史的なゲームが行われたのです。

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. DFアルネ・フリードリッヒ選手
3. ジェローム・ボアテング選手
4. ラーム選手
5. メルテザッカー選手
6. MFサミ・ケディラ選手
7. シュバインシュタイガー選手
8. エジル選手
9. トーマス・ミュラー選手
10. ポドルスキー選手
11. FWクローゼ選手

[イングランドチームの先発メンバー]
1. GKジェームス選手
2. DFアシュリー・コール選手
3. テリー選手
4. ジョンソン選手
5. アップソン選手
6. MFランパード選手
7. ジェラード選手
8. バリー選手
9. ミルナー選手
10. FWルーニー選手
11. デフォー選手

 このゲームは、観ていてとても「華やか」です。
 その理由は、スタープレーヤーが目白押しだからでしょう。

 イングランドチームは、フォワードFWにウェイン・ルーニー選手、ミッドフィールダーMFにフランク・ランパード選手とスティーブン・ジェラード選手、ディフェンスDFにアシュリー・コール選手とジョン・テリー選手と、この時代のイングランドを代表するプレーヤーをずらりと並べ、ジェイムズ・ミルナー選手やギャレス・バリー選手で廻りを固めています。イングランドのオールスターチームと言って良いでしょう。
 ファビオ・カペッロ監督が、組上げた重厚なチームです。

 このチームで唯一気になったのは、ゴールキーパーGKのディビット・ジェームズ選手でしょうか。身長194cmを誇る長身GKであり、高いボールへの強さには定評がありましたが、40歳という年齢も有って、ボールへの反応スピードにはやや心配が有りました。
 常に世界的なGKを輩出するイングランドチームにとっては、珍しい「GK空白の時期」だったのかもしれません。

 一方のドイツチームは、2004年から指揮を執るヨハヒム・レーヴ監督のチーム創りが伸長し、ワールドカップ2014制覇に向けて若く力強いチームが出来上がりつつありました。
 MFにバスティアン・シュバインシュタイガー選手、ルーカス・ポドルスキー選手、メスト・エジル選手、サミ・ケディラ選手、ミュラー選手といった「若手」を並べ、DFにはフィリップ・ラーム選手、ボアテング選手、ペア・メルテザッカー選手を揃え、GKにはマヌエル・ノイアー選手を配し、フォワードFWワントップにはベテランのミロスラフ・クローゼ選手を置くという、運動量十分の、バランスの良い布陣となっています。

 GLの成績を観る限りは、ドイツチームが有利と言う見方が多かったのです。

 さて、ゲームが始まりました。

 中盤でのパス回しから、エジル選手やケディラ選手が自在に走り回ってチャンスを創るドイツチームと、ジェラート選手やランパード選手からのパス出しでチャンスを創るイングランドチームという、対照的なゲーム運びの中で、0-0の展開が続きました。

 そして前半20分。
 ドイツゴール前から、ノイアー選手が大きく前に蹴ります。
 GKのゲーム再開のキックとしては、やや低く飛び出したボールは、一気にイングランドゴール前のクローゼ選手の元へ。
 クローゼ選手は、このボールの転がりに沿って走り、DFマシュー・アップソン選手と競り合い、これを右腕で振り払いながら、GKジェームス選手と1対1。倒れ込みながら右足で、ジェームス選手の右側にシュート。これが綺麗に決まりました。

 GKからの1本の「ラストパス」を、一度もドリブルすることも無く、直接ゴールしたのです。
 滅多に観られないというか、私はワールドカップの舞台において、こうしたゴールを観たのは初めてですし、その後も一度も眼にしていません。

 「決定力ならばクローゼ」と称される、ワールドカップ史上屈指(ワールドカップ通算得点数NO.1)のストライカーですが、そのクローゼ選手の数多いゴールの中でも、屈指のスーパーゴールでしょう。
 何より、「ゴールに向かう集中力」と「体幹の強さ」が際立ちました。

 このドイツの先制点により、ゲームは一気に動きました。

 前半32分、ドイツチームが右サイドから攻めます。
 クローゼ選手からミュラー選手にパス、ミュラー選手がドリブルで駆け上り、左から走り込んできたポドルスキー選手にパス、ポドルスキー選手はイングランド陣深くまでドリブルで走り込み、角度の無いところからシュート。これがGKジェームス選手向かって左側、ポスト寄りを突破して入りました。
 インクランド守備陣をスピードで圧倒したゴールでした。

 0-2とリードを許したイングランドが反撃に移ります。
 ランパード選手を中心とした攻撃は迫力十分。
 後半37分、右からのコーナーキックCK。これをショートコーナーとして、ジェラート選手がゴール前にクロスを上げ、アップソン選手がヘディングシュート。
 GKノイアー選手が僅かに触りましたが、ゴールイン。
 アップソン選手の滞空時間の長い、素晴らしいヘディングでした。

 1-2、イングランドは1点差に追い上げ、攻め続けます。

 そして、あのシーンが訪れるのです。
 
 前半38分、ドイツゴール前のデフォー選手からランパード選手に短いパス。
 これをランパード選手がシュート。これがバーに当たって下に落ちゴールイン。
 ランパード選手は両手を挙げて、喜びを表現しました。

 ところがゲームが止まることは、ありませんでした。

 「ノーゴール」という判定だったのです。

 何度VTRを観ても、ボール3~4個分は入っています。
 「見間違えようがない得点」でした。
 しかし、審判団からは観えなかったのです。

 イングランドチームとランパード選手にとっては、ゴールインしたボールが、直ぐにゴール外に跳ね出たことが、やや不運だったのでしょうか。
 そして、跳ね出たボールを取ったGKノイアー選手は、何事も無かったかのように、ボールを前方のプレーヤーに配したのです。
 
 このゲームは、結果としては4-1という大差でドイツが勝利しましたが、もしこの段階で「2-2の同点」となっていたら、ゲームの帰趨は全く分からなかったと思います。
 やはり、さすがに「伝統の一戦」だったのです。

 そして、ランパード選手の能力の髙さにも驚かされるばかりです。
 中盤からゴール前まで自在に動き、何より「人に強く」パワフル、そして決定力があるのです。
 ゲームメーカーとして、そしてストライカーとして、イングランドサッカー史上屈指のプレーヤーであったことは、間違いないでしょう。

 前半は2-1、ドイツチームがリードして終わりました。

 後半を迎え、イングランドチームの精神面が心配されました。
 完全なゴールが無得点となったショックは、ハーフタイムのベンチの中での打合せの際に、一層強く選手達の心に刻まれた可能性が有ったからです。

 しかし、後半開始直後から、イングランドの選手達は果敢に攻め続けました。
 素晴らしい闘志であったと感じます。

 両チーム一進一退からの後半21分、イングランドがドイツゴール前でフリーキックFKを得ました。蹴るのはランパード選手。キックの破壊力・精度共にチームNO.1のランパード選手のシュートに期待がかかりました。
 しかし、このFKシュートはドイツチームの壁に当たって跳ね返りました。

 そして、ここからドイツチームのカウンター攻撃が始まったのです。
 ドイツゴール前右サイドに居たミュラー選手から、左サイドで走り出していたシュバインシュタイガー選手にパス、シュバインシュタイガー選手はドリブルで駆け上がります。もの凄いスピード。
 イングランドのペナルティエリア前まで走り込んだシュバインシュタイガー選手から、右サイドを走り上がってきたミュラー選手にパス。ミュラー選手は落ち着いて、GKジェームス選手の右側を打ち抜きました。
 ほぼ正面のシュートでしたが、左側に倒れ込みながらの守備であったジェームス選手は、このシュートに反応することが出来ず、僅かに触るのが精一杯でした。
 2点目のポドルスキー選手のシュートと共に、3点目のミュラー選手のシュートも「狭いサイド」に打って行ったものだったのです。とても正確で強いシュートでした。

 3-1とドイツチームが2点をリードしました。
 それも、イングランドチームのドイツゴール前でのチャンスから一転、2人のプレーヤーによるカウンター攻撃によってゴールを許してしてしまったイングランドチームにとっては、本当に痛い失点となりました。

 これで試合の帰趨は、大きくドイツチームに傾いたのです。

 その僅か3分後、再びドイツゴール前でのイングランドチームの攻めから、こぼれたボールが左サイドのエジル選手にパスされました。
 エジル選手が突進します。素晴らしいスピードのドリブル。

 そしてイングランドペナルティーエリア手前で、右サイドから走り込んできたミュラー選手にパス。
 ミュラー選手は右足でシュート。イングランドゴール右サイドに突き刺さりました。

 再びのカウンター攻撃、21歳のエジル選手、20歳のミュラー選手による、見事な得点でした。
 トーマス・ミュラー選手は、変幻自在の位置取りから高い得点力を誇るMFです。
 この大会でも5得点を挙げて、得点王に輝いています。
 得点感覚に極めて秀でたプレーヤーなのです。

 4-1となって、ゲームは決しました。

 「90分間では勝負はつかない」と言われた両チームにとっては、とても意外な結果でした。

 しかし、私はやはり、あのランパード選手のゴールが「認められていれば」、このゲームは大接戦になっていたと考えています。

 1966年のワールドカップ決勝における、ハースト選手の「疑惑のゴール」とは異なり、こちらは明らかなゴールでした。それが、審判から観えなかったという理由、もちろんそれが絶対的な理由、つまり「ゴールとは審判がゴールインを宣した時に成立する」というルールに則った結果であったのです。

 この「事件」が、後のVAR導入に向けての大きな要因になったのではないかと考えています。

 それにしても、いつ観てもとても楽しめる録画です。
 ランパード選手、ジェラート選手、ルーニー選手が動き回り、その間をエジル選手やシュバインシュタイガー選手、ミュラー選手、ケディラ選手らが走り回る「絵」。

 サッカー競技の本質を感じさせる、力強く華やかで、美しいシーンの連続なのです。
 5月5日の子供の日、J1ヴィッセル神戸のイニエスタ選手がオンライントークショーを開催したと報じられました。
 新型コロナウイルス禍の中での取組なのでしょう。

 抽選で当選した子供たちから質問を受け、イニエスタ選手が答える形でした。

 「イニエスタ選手はどうしてパスが上手なのですか?」

 「パスの練習を沢山やったから。それから、簡単なパスでもしっかりやることを心掛けている」

 「試合の間何を考えていますか?」

 「数秒の間にいろいろ考えていかなければならない。集中を保つことを心掛けている」

 「もし生まれ変わったら?」

 「自分はサッカーが好きで仕方がないので、またサッカー選手になりたい。次は、センターバックをやってみたい」

 といったやり取りがありました。

 イニエスタ選手は、子供たちの問いに答えているのですけれども、その言葉はとても深い。
 誰にでも分かることですが、その回答は、高校・大学のプレーヤー、Jリーグのプレーヤー、いや全てのサッカープレーヤーにも通じるものでしょう。

 どんなパスでもしっかり行うことを心掛ける、という言葉は、全てのスポーツに共通する大切な考え方だと感じます。

 素晴らしいイベントをありがとうございました。
 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが中止・延期に追い込まれている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、ユーロ2012ポーランド・ウクライナ共催大会のグループリーグD組の一戦です。

[2012年6月11日・ドンバスアレナ(ドネツク・ウクライナ)]
イングランド1-1フランス

 共に、ワールドカップ2010で思うような成績を残せなかったイングランド代表チームとフランス代表チームが、ユーロ2012における復活を目指して、グループリーグGLの緒戦で激突したゲームです。

[フランスチームの先発メンバー]
1. GKロリス選手
2. DFメクセス選手
3. ラミ選手
4. エブラ選手
5. ドゥビッシ選手
6. MFディアッラ選手
7. マルダ選手
8. キャバイエ選手
9. リベリ選手
10. ナスリ選手
11. FWベンゼマ選手

[イングランドチームの先発メンバー]
1. GKハート選手
2. DFテリー選手
3. レスコット選手
4. アシュリー・コール選手
5. ジョンソン選手
6. MFジェラード選手
7. パーカー選手
8. チェンバレン選手
9. ミルナー選手
10. FWヤング選手
11. ウェルベック選手

 フランス代表チームを立て直したと言われたローラン・ブラン監督としては、センターバックにアディル・ラミ選手とフィリップ・メクセス選手、中盤にはフランク・リベリ選手、サミル・ナスリ選手、フロラン・マルダ選手らを揃えましたから、満足出来る布陣だったことでしょう。

 一方のイングランド代表チームは、攻撃の核ウェイン・ルーニー選手を出場停止で欠き、22歳のダニー・ウェルベック選手をワントップに据え、中盤左には19歳のアレックス・オクスロイド・チェンバレン選手を配するなど、若手を積極的に起用した、ロイ・ホジソン監督苦心の采配でした。

 結果として、戦前の予想ではフランスチームが有利という見方が多かったと思います。

 0-0で迎えた前半29分、イングランドは右サイドからのフリーキックFKを得ました。
 蹴るのはもちろん、スティーブン・ジェラード選手。

 ゴール前に綺麗な飛行線を描いたボールが飛び、走り込んだレスコット選手がヘディングシュート。これがゴール左側に決まりました。
 イングランドチームの先制ゴール。

 ゴール前での競り合いに勝ったレスコット選手の素晴らしいシュートでした。
 得点力不足と言われていたイングランドにとっては貴重な先制点であったと思います。

 この直後に、今度はフランスチームが左サイドからのFKを得ました。
 蹴るのはナスリ選手。
 こちらはやや低く速いボールとなってゴール正面に居たディアッラ選手がヘディングシュート。強烈なシュートでしたがGKハート選手が弾き、左に飛んだボールをリベリ選手が頭で折り返して、再びディアッラ選手がヘディングシュート。
 このシュートはゴール左外に外れました。

 最初のシュートがGKハート選手の正面に、あまりに正面に飛んでしまったために、ハート選手に反応されたのですが、それにしても強烈なシュートでしたので、ハート選手が良く止めたというところでしょう。

 この後、先制を許したフランスチームの攻勢が続きました。

 そして前半39分、イングランドペナルティエリアを包囲したフランス攻撃陣のパス回しが実りました。
 マルダ選手が左サイドを抉りエブラ選手にパス、エブラ選手からペナルティエリア内のリベリ選手にパス、リベリ選手はペナルティエリア外に居たナスリ選手にパス、ナスリ選手がミドルシュートを放ちました。
 低く強烈なシュートがイングランドゴール左隅を襲い、GKハート選手が横っ飛びを見せましたが届かず、ゴールインしました。
 ナスリ選手の素晴らしいシュートでした。

 フランスチームが1-1の同点に持ち込んだのです。
 イングランドチームの先制点から10分後の同点ショーでした。

 前半は1-1で折り返しました。
 フランスはパス回しから、イングランドはセットプレーから、という共に持ち味を活かした「らしい」ゴールでした。
 
 後半になっても、フランスチームの攻勢が続き、イングランドチームは良く守って、数少ないチャンスに賭ける、という展開が続きましたが、両チームに得点が生れることはありませんでした。

 ゲームは1-1のまま終了。

 試合を支配していた印象のフランスにとっては、勝ち切れなかったゲームでしょうし、イングランドにとっては大切な勝ち点1を確保したゲームとなりました。
 
 共に、大会諸戦としてはまずまずの結果ということになるのでしょう。

 強豪国同士のユーロGL緒戦「らしい」、重厚で丁寧なゲームでした。
 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが中止・延期に追い込まれている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、ユーロ2012ポーランド・ウクライナ共催大会のグループリーグB組の一戦です。

[2012年6月13日・ニューリビフスタジアム(ウクライナ)]
ポルトガル3-2デンマーク

 どの大会でも、グループリーグGLにおいて「死の組」と呼ばれるグループが登場するのですが、ユーロ2012においてはB組がそれでした。
 ドイツ、オランダ、ポルトガル、デンマークが同組になってしまったのです。
 もちろん、決勝トーナメントTに進出できるのは2チームだけですから、どのチームにとっても全く気の抜けないゲームが続きました。

 こうした組分けになってしまうと、大会前には、まずデンマークが脱落し、残る3チーム、ドイツ、オランダ、ポルトガルの争いという見方も多かったのですが、当然ながら、ユーロ1992優勝のデンマークチームもとても強く、グループBの混戦に拍車をかけたのです。

[デンマークチームの先発メンバー]
1. GKアンデルセン選手
2. DFアッガー選手
3. ケアー選手
4. シモン・ポウルセン選手
5. ヤコブセン選手
6. MFジムリング選手
7. クビスト選手
8. クローン・デリ選手
9. エリクセン選手
10. ロンメダル選手
11. FWベントナー選手

[ポルトガルチームの先発メンバー]
1. GKパトリシオ選手
2. DFペペ選手
3. ブルノ・アウベス選手
4. コエントラン選手
5. ペレイラ選手
6. MFミゲウ・ベローゾ選手
7. モウチーニョ選手
8. ラウル・メイレレス選手
9. FWクリスティアーノ・ロナウド選手
10. ナニ選手
11. ポスチガ選手

 攻撃力ならば、「大砲」クリスティアーノ・ロナウド選手を擁するポルトガルチームが1枚上と見がちですが、どうしてどうして、デンマークチームのワントップ、ニクラス・ベントナー選手の破壊力は凄まじいものです。

 身長193cmという大型フォワードFWでありながら、技術面、特に球際の競り合いには絶対の強さを持っていますから、ゴール前での得点力は抜群。
 デンマークチームとしては、ポルトガルチームの攻撃を凌ぎながら、「ベントナー選手にボールを集める」というシンプルなプレーで、十分に世界中の強豪チームと戦える力を備えていたことになります。

 ポルトガルの優勢が伝えられていたゲームでしたが、入りは互角であったと思います。
 両チーム共、持ち味を活かしたプレーを披露したのです。

 そして、前半20分を過ぎた頃からポルトガルの攻撃が目立ち始めました。
 フリーキックFKからコーナーキックCKと、セットプレーが続きます。

 前半24分、ポルトガルチーム左サイドからのCK。蹴るのはモウチーニョ選手。
 ニアサイドに速く低いボールが飛び、走り込んできたペペ選手がヘディングシュート。
 角度の無いところからのシュートでしたが、これが見事にゴールに吸い込まれました。

 ペペ選手にとっては快心のシュートだったのでしょう。
 空中で振り返り、ボールの行方を観続け、ゴールインを目に焼き付けていました。

 ポルトガルチームが1-0とリードしたのです。

 ポルトガルチームに一層の勢いが生れたのは、自然なことでしょう。
 攻勢が続きます。

 前半35分、ペナルティエリア直ぐ外のナニ選手から、ゴール前のポスチガ選手にセンタリング。低く正確なセンタリングでした。
 これをポスチガ選手が、ダイレクトシュート。ゴール右上に突き刺さりました。
 ファインゴール。

 このゲームのポスチガ選手は、度々チャンスシーンを創出していましたが、ついに得点を挙げたのです。

 ポルトガルチームが2-0とリードしたのです。

 クリスティアーノ・ロナウド選手に、デンマークディフェンスDFが集まる状況下、ナニ選手やポスチガ選手が縦横無尽に走るプレーが、得点を生んでいるのですから、良い攻撃になるわけです。
 ポルトガルの一方的なゲームになるように観えました。

 ところが、欧州選手権大会のゲームはそう簡単には行かないのです。

 後半40分、デンマークチームのヤコブセン選手が中央に持ち込み、ゴール左側に居たクローン・デリ選手にクロスを挙げます。これをデリ選手がヘディングでゴール前に折返し、走り込んだベントナー選手がヘッドで押し込みました。
 ポルトガルチームのディフェンスを完全に崩してのファインゴール。

 長身のベントナー選手が、頭に当てただけの「簡単に見える」ゴールでした。

 ゲームは俄然「接戦」となったのです。

 前半は、ポルトガルが2-1とリードして折り返しました。

 ポルトガルチームの、コエントラン選手やペペ選手からの配球と、ナニ選手、ポスチガ選手、クリロナ選手の破壊力十分な攻撃と、デンマークチームのベントナー選手を活かすためにしっかり準備された戦法が、印象的な前半でした。

 後半も、ポルトガルチームが攻めデンマークチームが守るシーンが多かったのですが、デンマークはクリスティアーノ・ロナウド選手への徹底マークと、ゴール前の身を挺した守備で、得点を許さず、30分を過ぎました。

 そして後半35分、デンマークチームは右サイドからヤコブセン選手がドリブルで上がり、ゴール前のベントナー選手にクロス。
 ゴール前左サイドに居たベントナー選手は、これをヘディングシュートで決めました。
 「ベントナー選手にボールを集める」戦法は、ポルトガルチームにも解っている筈なのですが、それでもゴールを決めてしまうベントナー選手の得点能力の髙さには、驚かされるばかりです。

 2-2の同点となりました。

 この後もポルトガルチームが攻めに攻めますが、デンマークゴール前でのクリスティアーノ・ロナウド選手へのマークは徹底していて、得点には結びつきません。

 後半も40分を過ぎ、このまま引分けかに見えた42分。
 コエントラン選手が左サイドを駆け上がりセンタリング。これは真ん中にいたクリスティアーノ・ロナウド選手に向けたものであろうと思いますが、ボールは隣にいたバレラ選手に渡りました。一度はタイミングが合わず空振りしたバレラ選手でしたが、振り向きざまに右足でシュート。ゴール右端に叩き込みました。
 デンマークディフェンスの厚い壁を、ついに打ち抜いたのです。

 ゲームはこのまま、3-2でポルトガルチームが制しました。

 「死の組」を戦って行かなければならないポルトガル代表は、貴重な勝点3を得たのです。

 もちろん、デンマーク代表の地力が示されたゲームでもあったと感じます。
 ユーロ優勝経験チームは、やはり強いのです。
 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが中止・延期に追い込まれている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、ユーロ2012ポーランド・ウクライナ共催大会のグループリーグA組の一戦、この大会の開幕戦です。

[2012年6月8日・ワルシャワ国立競技場(ポーランド)]
ポーランド1-1ギリシャ

 ユーロ2004大会で優勝を果たしたギリシャチームを、開催国ポーランドチームがワルシャワ国立競技場に迎えての開幕戦でした。

 ポーランド代表と言えば、FIFAワールドカップの1974年大会と1982年大会での2度の3位という、輝かしい戦歴を誇りますが、ことユーロ(欧州選手権)となると、種々の事情もあってか、これが2度目の出場であり、まだ決勝トーナメントTに進出したことが無いという、意外な成績なのです。

 そうした面から、ポーランド国民の地元大会の代表チームに対する期待は、とても大きかったことでしょう。

[ポーランドチームの先発メンバー]
1. GKシュチェスニー選手
2. DFペルキス選手
3. バシレフスキー選手
4. ボエニシュ選手
5. ピシュチェク選手
6. MFポランスキ選手
7. ムラフスキ選手
8. リブス選手
9. オブラニアク選手
10. ブラシュチコフスキ選手
11. FWレバンドフスキ選手

[ギリシャチームの先発メンバー]
1. GKハルキアス選手
2. DFアルバアム・パパドプロス選手
3. パパスタトプロス選手
4. ホレバス選手
5. トロシディス選手
6. カツラニス選手
7. カラグニス選手
8. マニアティス選手
9. FWサマラス選手
10. ゲカス選手
11. ニニス選手

 ギリシャチームの中盤、カラグニス選手とカツラニス選手は2004年大会にも出場していたという超ベテラン。「勝ち方」「勝つ味」を知っているという意味では、大きな存在でしょう。
 2010年に監督に就任したフェルナンド・サントス監督の采配も注目でした。

 一方のポーランドチームは、何と言ってもロベルト・レバンドフスキ選手の得点力に注目が集まっていました。
 このレバンドフスキ選手に、ヤクブ・ブラシュチコフスキ選手、ウカシュ・ピシュチェク選手と並ぶ右サイドのライン、ドイツ・ブンデスリーガを連破したボルシア・ドルトムントのライン(ドルトムント三銃士とも呼ばれました)が、とても強力な攻撃陣だったのです。

 ゲームはポーランドチームの攻勢で始まりました。
 やはり右サイドからの攻撃、ブラシュチコフスキ選手、ピシュチェク選手から良質なボールがゴール前に配され、レハンドフスキ選手らが殺到します。
 しかしギリシャチームもGKハルキアス選手を中心に良く守ります。

 実は、このパターンは、ギリシャチームの形でしょう。
 守備に回る時間が長いギリシャですが、時折セットプレーからチャンスを創っています。まさに、2004年大会で欧州を驚かせた優勝の際のパターンなのです。

 こうした中、前半17分、ポーランドチームがチャンスを創りました。
 オブラニアク選手が右サイドを抉りセンタリング。ギリシャゴール向かって左側に居たレバンドフスキ選手にピッタリのボールで、これをレバンドフスキ選手がヘディングシュート。大きくワンバウンドしたシュートはゴール左側に飛び込みました。

 先制ゴール。国立競技場は大歓声に包まれました。

 ユーロ2012最初のゴールは、ポーランド・レバンドフスキ選手から生まれたのです。

 この得点でポーランドチームが勢いに乗ったのは自然なことです。
 次々とチャンスが生まれました。
 サポーターも追加点を「今か今か」と待っている雰囲気でした。

 しかし、ギリシャチームも容易に追加点を許しません。

 前半は1-0のまま40分を過ぎました。
 その前半43分、ポーランドチームが左サイドから攻めました。
ここでギリシャのディフェンダーDFパパスタトプロス選手が相手選手を倒しました。ギリシャの選手がバランスを崩したようにも観えましたが、これがイエローカード。
 そして、パパスタトプロス選手はこのゲーム2枚目のイエロー、レッドカードとなって退場となったのです。

 アウェイで、0-1と劣勢のギリシャチームが、ひとり少ない形となりました。
 後半に向けて、ポーランドチームの優位は不動のものとなったのです。

 しかし、ギリシャチームの本領は、ここからでした。

 後半開始直後もポーランドチームが攻め、レバンドフスキ選手がシュートを放ちましたが、これは枠に行きませんでした。

 そして後半5分、右サイドからゴール前のセンターフォワードFWゲカス選手にセンタリング、ゲカス選手がGKシュチェスニー選手と競ってボールがルーズになり、そこに交替で起用されたサルピンギティス選手が走り込んでシュート。
 これが見事に決まりました。

 前半、2本しかシュートが無かったギリシャにとって、このゲーム3本目のシュートを物にしたのです。
 「ひとり少ない」ギリシャチームの素晴らしい攻撃でした。

 前半一方的に攻め、エースが得点し、2点目を待っていた国立競技場のサポーターは騒然となりました。

 ポーランドチームの攻勢が強まりました。
 「勝たなくてはならないゲーム」なのです。

 一方のギリシャチームも「守備一辺倒」ではなく、カラグニス選手やカツラニス選手を中心として、攻撃を見せます。
 さすがに、ユーロ制覇メンバーなのです。ツボを押さえたプレー。
 ギリシャチームにとっては、得点を挙げるためには3名のプレーヤーがいれば良く、ひとり少ないことは、さして影響が無い感じでした。(これは、どのチームにも共通のことかもしれませんが)
 ここに「伝統の堅守」が加わって、後半のギリシャチームはひとり少ないことを感じさせませんでした。
 もちろん、個々のプレーヤーの十分な運動量があっての戦いであったことは、言うまでも有りません。

 後半20分を過ぎて、ポーランドチームの方に先に疲れが見えたと感じます。
 攻撃が単調になり、枠を捉えるシュートが減ったのです。

 後半22分、ギリシャが左サイドから攻め、ゴール前に走り込んだサルピンギティス選手にボールが渡りました。GKと1対1。
 GKシュチェスニー選手が、サルピンギティス選手の足を払いレッドカード。
 ペナルティーキックPKがギリシャに与えられました。

 ひとり少なかったギリシャチームに勝ち越しの大チャンスが訪れたのです。

 ポーランドチームのGKはティトン選手に代わりました。

 ギリシャのキッカーは「10番」カラグニス選手。ギリシャチームの大黒柱です。
 カラグニス選手は右側に蹴り、ティトン選手がこれをセーブしました。

 この状況下で、カラグニス選手がPKを失敗したのです。
 ギリシャにとっては痛恨、ポーランドにとっては本当に九死に一生を得たシーンでした。

 さて、10人対10人となりましたが、相変わらず、ポーランドチームの動きの悪さが目立ちました。
 一方のギリシャチームにも、さすがに疲れが見えます。

 ゲームはこのまま1-1で終了しました。

 前半はポーランドチームのゲーム、後半はギリシャチームのゲームだったのです。

 大歓声を背に前半一方的に攻めた、地元ポーランドチームにとっては、ユーロで戦って行くことの難しさを、改めて感じたゲームだったことでしょう。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが中止・延期に追い込まれている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、ユーロ2012ポーランド・ウクライナ共催大会のグループリーグD組の一戦です。

[2012年6月15日・ドンバスアレナ(ウクライナ)]
フランス2-0ウクライナ

 グループリーグGL緒戦でスウェーデンを2-1で破り、幸先の良いスタートを切った、「地元」ウクライナチームと、イングランドチームと1-1で引分け、負けられない立場となったフランスチームの、GL第2戦です。

 ゲーム開始時には「雷と豪雨」がドンバスアレナを襲いました。
 しかし、スタジアムを埋め尽くした地元ウクライナサポーターの国歌の声は、いささかも衰えることなく、スタジアム中に響きました。
 地元であれば、声援が大きいのは当然のことなのでしょうが、これ程の大音量、魂を揺さぶるような国歌斉唱というのは、滅多に聴けるものではありません。

[ウクライナチームの先発メンバー]
1. GKピャトフ選手
2. DFハシェリディ選手
3. ミハリク選手
4. セリン選手
5. グセフ選手
6. MFボロニン選手
7. ティモシェク選手
8. コノプリャンカ選手
9. ナザレンコ選手
10. ヤルモレンコ選手
11. FWシェフチェンコ選手

[フランスチームの先発メンバー]
1. GKロリス選手
2. DFメクセス選手
3. ラミ選手
4. クリシー選手
5. ドゥビッシー選手
6. MFディアッラ選手
7. キャバイエ選手
8. ナスリ選手
9. リベリ選手
10. メネス選手
11. FWベンゼマ選手

 ウクライナの英雄アンドリー・シェフチェンコ選手が35歳を迎えて、最後のユーロとなることは、大会前に表明されていました。
 1999年から2006年までACミランで296試合に出場し175得点を記録、2003年~04年シーズンにはバロンドールを獲得、ワールドカップ2006においては、初出場のウクライナ代表をベスト8に導く活躍を魅せたのですから、21世紀におけるウクライナ最高のフォワードFWであることは間違いありません。

 そのシェフチェンコ選手が、緒戦スウェーデン戦で2ゴールを挙げ、好調が伝えられていました。
 ウクライナチームとしては、2連勝で一気に決勝トーナメントT進出に向けて有利な形を創りたかったことでしょう。

 一方のフランスチームは、対ウクライナであればここまで3勝3引分と負けていませんから、必勝を期しての臨戦であったと思います。

 ゲームは、大歓声を受けてウクライナチームが攻める展開でしたが、前半4分過ぎ、もの凄い雷と豪雨の為、ゲームが一時止められました。滅多に観られない展開。

 雷・雨が弱まるのを待って、「前半4分20秒」から再開されました。
 中断は55分間でした。

 そして、この再開後、フランスチームがペースを掴んだのです。

 中盤での競り合いで優位に立ち、良いボールが前線に供給されるようになりました。
 フランク・リベリ選手やサミル・ナスリ選手が、自在にピッチを走ります。

 一方のウクライナチームは、なかなかフランスゴール前に入ることが出来ませんでした。
 初シュートは前半24分過ぎだったのです。

 フランスサッカーの伝統が「堅守」であることは、これまでも何度か書きましたが、このゲームでもその「堅守」が如何無く発揮されています。
 アディル・ラミ選手とフィリップ・メクセス選手のセンターバック陣は、とても強靭でパワフル、両選手共に身長190cm前後ありますから、高さも十分。
 両翼のガエル・クリシー選手とマテュー・ドゥビッシー選手は運動量豊富で、攻撃にも参加します。
 いつの時代も、フランスチームの4バックは、見ていてとても楽しいメンバーが揃っているのです。

 さて、フランスチームは何度かチャンスを創りますが、なかなか得点には結びつきませんでした。ウクライナのGKビャトフ選手の好守もありました。

 前半30分以降は、フランスがウクライナゴールに迫るシーンが続きました。
 逆に、ウクライナチームは、フランス陣ペナルティエリアになかなか入れないようにも観えました。

 前半は0-0でした。
 攻めに攻めたフランスチームとしては、先制点を奪っておきたかったことでしょう。

 後半になっても、フランスが攻めウクライナが守る構図は不変でした。
 ウクライナチームは、やはり中盤の競り合いで勝てず、シェフチェンコ選手による単発の攻撃が多かったと感じます。

 そして後半5分40秒過ぎ、シェフチェンコ選手がフランスゴール向かって左側からドリブルで突進します。素晴らしいスピード。
 シェフチェンコ選手がペナルティエリアに入った直後に、ラミ選手が競りかけ、ボールを奪いました。この時、シェフチェンコ選手を弾き飛ばして奪ったのです。
 圧倒的な守備力でした。
 このシーンを観た時「ウクライナには攻め手が無い」と感じました。

 そして後半7分、左サイドをリベリ選手が突進、中央に居るカリム・ベンゼマ選手にパス、ベンゼマ選手は右サイドから走ってきたジェレミー・メネス選手にパス、メネス選手はドリブルでゴール正面近くに動きシュート、これがウクライナゴール右隅に突き刺さりました。

 攻めに攻めたフランスチームが、ついにウクライナのゴールを抉じ開けたのです。

 なんとか守り抜いていたウクライナチームにとっては、本当に痛い失点でした。
 フランスチームの動きが一層良くなり、ウクライナチームには気落ちが感じられました。

 そして3分後、後半10分。
 ベンゼマ選手が中央をドリブル突破し、ゴール前のヨアン・キャバイエ選手にパス、キャバイエ選手は左に動きながらシュート。これがウクライナゴール右隅に飛び込みました。
 あっという間の、フランスチームの2点目でした。

 その後もフランスは、リベリ選手、ナスリ選手、ベンゼマ選手らが縦横無尽の攻撃を仕掛けました。
 どうしても引き気味のウクライナチームは、自陣でボールを奪っても、センターラインを越えるのがやっとという状況でした。

 このゲームは、完全にフランスチームが支配したのです。

 後半18分過ぎには、ボールをキープし、ウクライナゴールをぐるりと包囲したフランスチームが「好きなように」ボールを回し、ゴールに迫ります。
 ここでドンバスアレナの観客、ウクライナのサポーターから、沢山の大きな指笛が響きました。

 時間を潰しているようにさえ観える、フランスチームのボール回しへの抗議とも取れますが、私には「ふがいないウクライナチームへの叱咤」にも感じられました。

 このゲームが、これ程に「一方的」なものになるとは、全く予想できませんでした。

 ゲームは、このまま2-0でフランス代表が勝利しました。

 この後、GL第3戦では、ウクライナチームはイングランドチームに0-1で敗れ、決勝トーナメントT進出を逃しました。
 残念ながら、自国開催のユーロでGLを突破できなかったのです。

 緒戦のスウェーデン戦快勝から盛り上がったウクライナチームの「勢い」を、完全に抑え込んだのは、「フランスチームの堅守」であったと考えています。
 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが中止・延期に追い込まれている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、ユーロ2012ポーランド・ウクライナ共催大会のグループリーグC組の一戦です。

[2012年6月14日・ミューニシパルスタジアム・ポズナニ(ポーランド)]
イタリア1-1クロアチア

 GL緒戦でスペインチームと引分けた(1-1)イタリアチームと、アイルランドチームに快勝(3-1)したクロアチアチームの、GL第2戦です。
 クロアチアは、このゲームを勝てば決勝トーナメントT進出が決まります。
 一方のイタリアは、このゲームを落とすようなら、決勝T進出に黄信号が灯るという戦い。

 両ナショナルチームの対戦は、この時点までクロアチアが無敗、クロアチアはイタリアをお得意様としているのですから、イタリアチームにとっては厳しい戦いが予想されました。

[イタリアチームの先発メンバー]
1. GKブフォン選手
2. DFデ・ロッシ選手
3. キェッリーニ選手
4. ボヌッチ選手
5. MFピルロ選手
6. モッタ選手
7. マルキージォ選手
8. ジャッケリーニ選手
9. マッジョ選手
10. FWカッサーノ選手
11. バロテッリ選手

[クロアチアチームの先発メンバー]
1. GKプレティコサ選手
2. DFシルデンフェルド選手
3. チョルルカ選手
4. ストゥリニッチ選手
5. スルナ選手
6. MFモドリッチ選手
7. ブコエビッチ選手
8. ペリシッチ選手
9. ラキティッチ選手
10. FWマンジュキッチ選手
11. イェラビッチ選手

 イタリア代表チームは、ワールドカップ2006優勝チームのメンバーが、その後も長く骨格を占めていたのです。とはいえ、さすがに世代交代も進み、この大会は、残っていたアンドレア・ピルロ選手とジャンルイジ・ブフォン選手が率いるチームと言って良いでしょう。

 一方のクロアチアチームは、若手が育ち、とても良いチームに成長しつつある時期でしょう。
 MFモドリッチ選手やFWマンジュキッチ選手といった、ワールドカップ2018準優勝の中核となる選手達が、着々と経験を積んでいたのです。

 ゲームは、イタリアの攻勢で幕を明けました。
 「カテナチオ」と称された堅守をベースに、カウンターを仕掛けるという20世紀のイタリアチームとは相当に異なり、組織的な攻撃を継続するのです。生まれ変わりつつあるイタリアという感じがしました。

 新生イタリアチームは、カッサーノ選手やマルキージオ選手、ジャッケリーニ選手らが自在に動き、フィニッシャーとしてのバロテッリ選手も再三シュートを放ちますが、しかし、なかなか得点には結びつきませんでした。

 前半は0-0の接戦が続きましたけれども、この均衡を破ったのは、やはりピルロ選手でした。
 
 前半39分、イタリアチームはクロアチアゴールに向かって左側でフリーキックFKを得ます。
 蹴るのはピルロ選手。
 クロアチア守備陣の壁の一番左の選手と2人目の選手の「頭の間」を通過しました。
 壁の裏側に飛んできたボールにGKプレティコサ選手も良く反応し、右手で触りましたが、そのままゴールイン。
 クロアチアゴール向かって左隅に飛び込みました。
 「レジスタ」ピルロ選手の、さすがの、さすがのFKでした。

 絶対に負けられないイタリアチームが先制したのです。

 前半は1-0、イタリアがリードして折り返しました。

 後半、クロアチアが攻勢を強めたのは、自然なことでしょう。
 とはいえ、イタリアも守備的になることは無く、追加点を狙って行ったと思います。

 クロアチアチームは、「良質なボールを2トップに供給する」プレーを継続しました。前半にも、マンジュキッチ選手やイェラビッチ選手によるチャンスも有りましたので、そのプレーを続けたのです。
 後半になり、モドリッチ選手の位置が前目になりました。自らシュートを放つシーンも増えたのです。

 両チーム一歩も引かない攻防が続いた後半27分。
 左サイドのストゥリニッチ選手から、ゴール前のマンジュキッチ選手にクロス。
 イタリアDFも綺麗なラインを作っていたのですが、その間に居たマンジュキッチ選手は、これをトラップして右足でシュート。これがイタリアゴール右ポストに当たり、そのままゴールに吸い込まれました。ピンボールの様な動きで、ポールはイタリアゴール内を駆け巡りました。

 1-1の同点。
 クロアチアが勝てば決勝T進出。
 イタリアが負ければGL敗退の怖れ、という状況下で、ゲームは一気に緊張感が高まったのです。

 同点に追い付いたクロアチアは、一気に攻勢に出ました。一層元気になったのです。
 イタリアは良く守ったのです。特に、最終ラインの守備は秀逸でした。

 後半40分を過ぎてからは、クロアチアが攻め込み、イタリアが守るという展開が続きました。

 緊張感あふれるゲームは、このまま1-1で終了しました。

 イタリアチームは、何とか「引分け」を確保したのです。
 クロアチアチームとしては、このゲームを勝って、決勝トーナメント進出を決めたかったことでしょう。

 GL・C組の第3戦では、イタリアがアイルランドを2-0で破り、クロアチアはスペインに0-1で敗れ、決勝Tには、C組1位のスペインと2位のイタリアが進出しました。
 クロアチアチームにとっては、このイタリア戦での引分けが痛かったのです。

 ワールドカップやユーロの経験豊かというか、戦い方を知っているイタリア代表チームがきっちりと進出し、この大会の決勝進出に結び付けたことは、皆様ご承知の通りです。

 アズーリにとっては、「明日に向かっての大切な引分け」を確保したクロアチア戦だったのです。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はユーロ(欧州選手権)2012ポーランド・ウクライナ共催大会の準々決勝です。

[2012年6月21日・ワルシャワ国立競技場(ポーランド)]
ポルトガル1-0チェコ

 グループAを1位で通過したチェコと、グループBを2位で通過したポルトガルの、準々決勝での対戦です。
 ポルトガルの攻撃力とチェコの守備力の戦いと言っても良いゲーム。

 圧倒的な破壊力を有する世界屈指のストライカー、クリスティアーノ・ロナウド選手と、当時世界最高と称されたゴールキーパーGKチェフ選手の対決が、最大の見所となりました。

[ポルトガルチームの先発メンバー]
1. GKパトリシオ選手
2. DFブルノ・アウベス選手
3. ペペ選手
4. コエントラン選手
5. ペレイラ選手
6. MFミゲウ・ベレーゾ選手
7. モウチーニョ選手
8. ラウル・メイレレス選手
9. FWクリスティアーノ・ロナウド選手
10. ナニ選手
11. ポスチガ選手

[チェコチームの先発メンバー]
1. GKチェフ選手
2. DFカドレツ選手
3. シボク選手
4. リンベルスキー選手
5. ゲブレ・セラシエ選手
6. MFプラシル選手
7. ヒュブシュマン選手
8. ピラジ選手
9. ダリダ選手
10. イラチェク選手
11. FWバロシュ選手

 チェコ代表チームとしては、絶対的な司令塔・ロシツキー選手を怪我で欠いていたことが惜しまれますが、それだけに一層、堅守からのカウンター攻撃に賭けるゲームとなりました。

 ゲームは、チェコチームの大攻勢で幕を開けました。
 前半10.分までに1点を取り、後は守り切るという戦略であったように観えました。

 しかし、ポルトガル代表チームは良く守って、前半15分過ぎからは、ポルトガルが攻めチェコが守るという、戦前の予想通りの展開となりました。

 ポルトガルチームは、ペペ選手やコエントラン選手、モウチーニョ選手らから配されるボールを、ナニ選手やポスチガ選手がフィニッシュに持って行く形なのですが、何と言っても「大砲」クリロナ選手の存在感は抜群で、クリロナ選手がスピードアップした時の攻撃は、迫力満点でした。

 前半25分、コエントラン選手が持ち上がり、クリスティアーノ・ロナウド選手にパス、ドリブルで突進したロナウド選手からモウチームニョ選手にパス、ロナウド選手はそのまま、チェコゴール向かって右サイドに走り込み、そこにモウチーニョ選手からのパスが通りシュート。
 強烈なシュートでしたが、GKチェフ選手が右に飛びながらこれを弾きました。
 チェフ選手ならではのセーブでしょう。

 続く、前半27分、センターライン付近でボールを取ったモウチーニョ選手がロナウド選手にパス。ロナウド選手はドリブルで突進、コールに向かって正面やや右側への突進でした。
 もの凄い迫力です。
 チェコ守備陣が集まります。そして、ペナルティーエリアに入る寸前に止めました。
 これは、文字通り「止めた」のです。C.ロナウド選手は「壁に当たった」ように倒れています。
 チェコの守備は、4名あるいは5名が集まり、クリスティアーノ・ロナウド選手に立ちはだかった形でした。チェコのこのエリアに居た全選手を持ってしか、この突進は止められないことを、チェコの選手達が最も良く知っていたのでしょう。

 前半33分には、ロナウド選手のオーバーヘッドシュートが観られましたが、これは枠を捕えきれません。

 前半35分には、クリロナ選手のフリーキックFK、約30mのキックでしたが、これはゴール左外に外れました。

 前半インジュリータイムにも、ラウル・メイレレス選手から、ゴールに向かって右側で待ち受けるC.ロナウド選手にパス、ロナウド選手は反転してシュート、これはゴール右ポストに当たって入りませんでした。
 惜しいと言えば惜しいのですが、チェフ選手は「あと10cm内側ならば」届くところに飛んできていました。

 C.ロナウド選手としても、通常レベルのシュート(それでもロナウド選手のシュートですから相当の威力ですが)ではGKチェフ選手に止められてしまうと感じ、より際どいコース、強いシュートを打とうとしていたことは間違いないでしょうし、チェフ選手としては、「世界最強のシュート」を受ける覚悟で、臨んで居たことでしょう。

 前半は0-0でした。
 ポルトガルチームは攻め捲りましたが無得点。
 一方のチェコチームのシュートは1本でした。

 後半に入ってもポルトガルチームは攻め続けました。
 C.ロナウド選手はもとより、ナニ選手やモウリーニョ選手がシュートを打ち続けますが、GKチェフ選手の壁は、とても厚く、なかなか得点できません。

 こうした膠着状態、別の言い方をすれば「チェコペースのゲーム」を打開するのは、やはりスーパースターなのです。

 後半34分、ナニ選手からモウチーニョ選手にパス、モウチーニョ選手が抉ってセンタリーグ、走り込んできたクリスティアーノ・ロナウド選手がダイビングヘッド。
 ピッチに叩きつけられたヘディングシュートは、大きくバウンドしてチェコゴールに飛び込みました。
 さすがのチェフ選手も、ワンバウンドする強烈なシュートは止められませんでした。

 ポルトガルチームはついに1点を挙げ、ゲームはこのまま終了しました。

 このゲームを通じて、チェコチームのシュートは僅かに2本でしたから、大袈裟に言えば、チェコとしては0-0でペナルティーキックPK戦に持ち込むしか、勝つ術はなかったように観えるのですけれども、チェコチームの凄いところは、これ程の攻撃力を誇るポルトガルチームを120分間零封する可能性が有ったことでしょう。
 そして、PK戦となれば、チェコにはチェフ選手が居るのですから。

 これはポルトガルチームとしては、とても怖ろしい戦略ですが、これを打ち破ったのは、エース、クリスティアーノ・ロナウド選手でした。
 既に、リオネル・メッシ選手と並んで、世界最高のFWと呼ばれていたC.ロナウド選手の決定力はさすがでした。

 勝ち上がったポルトガル代表チームは、準決勝でスペイン代表チームに敗れてしまいましたが、この時のチームが「2016年ユーロ優勝チームの骨格」でしょう。
 ポルトガル全盛期に向かってのチーム創りが、着々と進んでいたのです。

 このゲームの観客席には、ポルトガルの英雄、エウゼビオ選手とフィーゴ選手が並んで観戦していました。映像として残されているのです。
 そして、クリスティアーノ・ロナウド選手の決勝ゴールが決まった瞬間には、フィーゴ選手が立ちあがり、両手を挙げて喜びを表現しました。
 エウゼビオ選手は、少し微笑んでいました。

 エウゼビオ選手の元気な様子が印象的でした。
 新型コロナウイルス禍の影響で、様々なスポーツイベントが延期・中止に追い込まれている中では、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回は、スーペルコパ2020の準決勝です。

 2020年の年頭に行われたゲームですが、バタバタしていて、まだ観ていなかったのです。
 とても楽しみにしていたのですが、こんな形で観ることになろうとは、思いもよりませんでした。

 スーペルコパは、1982年から正式に開始された、前期の「リーガ・エスパニョーラ王者とスペイン国王杯王者の対戦」ですが、2018~19年シーズンまでは、シーズン開幕前のイベントでした。

 それが、2019~20年シーズンからは、
① 1月の開催
② サウジアラビアでの開催
③ 国王杯の優勝・準優勝チームと、それらのチームを除いてリーガ・エスパニョーラの順位上位2チームの計4チームがトーナメント方式対戦

 とレギュレーションが変更になったのです。
 かなり大きな変更ですが、スーペルコパの位置付けが一層高くなったことは、間違いないのでしょう。

 前期の国王杯優勝チームはバレンシアFC、準優勝チームはFCバルセロナ。
 前期のラ・リーガ優勝チームはFCバルセロナ、準優勝チームはアトレティコ・マドリードですので、バルセロナが両方で好成績を収めていますから、今大会にはラ・リーガ3位のレアル・マドリードも出場します。

 準決勝の組合せは、バレンシアVSレアル・マドリード、バルセロナVSアトレティコ・マドリードとなりました。
 本稿では、バルセロナ対アトレティコの準決勝を採り上げます。

[2020年1月9日・キングアブドゥラ―スポーツシティスタジアム(サウジアラビア)]
アトレティコ・マドリード3-2FCバルセロナ

 ラ・リーガ2018~19の優勝チームであり、国王杯でも決勝に進出したバルサとしては、ここはぜひ優勝しておきたいところでしたが、「よもや」の逆転負けを喫してしまいました。

[バルセロナの先発メンバー]
1. GKネト選手
2. DFジョルディ・アルバ選手
3. ウムティティ選手
4. ピケ選手
5. セルジ・ロベルト選手
6. MF デ・ヨング選手
7. セルヒオ・ブスケツ選手
8. ビダル選手
9. FWグリーズマン選手
10. メッシ選手
11. ルイス・スアレス選手

[アトレティコの先発メンバー]
1. GKオブラク選手
2. DFレナン・ロージ選手
3. サヴィッチ選手
4. フェリピ選手
5. トリッピアー選手
6. MFサウール選手
7. トーマス選手
8. エクトル・エレーラ選手
9. アンヘル・コレア選手
10. FWモラタ選手
11. ジョアン・フェリックス選手

 ゲームは、バルサがボールを支配する形で始まりました。
 バルサの前線・中盤のメンバーを観ると、スペイン3強の一角・アトレティコとしても「引き気味」にゲームを進めるのも、やむを得ないとは思いますが、それにしてもバルセロナがボールを支配し、様々な戦術でアトレティコゴールに迫り、アトレティコが守るという時間帯が続きました。(前半のバルサのボール支配率は66%でした)

 バルセロナは、ブスケツ選手からの球出しで動き始め、メッシ選手やグリーズマン選手、スアレス選手がゴール前で動くという、豪華絢爛、迫力満点の攻撃を再三仕掛けましたけれども、アトレティコが良く守り、前半は0-0で折り返しました。

 この守備的なアトレティコが、後半開始早々に攻めました。
 後半から交替で入ったコケ選手が、開始19秒、いきなり得点を挙げたのです。
 あっという間のゴールでした。

 人数をかけてバルサゴール前に殺到したアトレティコは、アンヘル・コレア選手からコケ選手にパス。コケ選手は、ゴールに向かって左側から突進してシュート。バルサゴール左隅に突き刺しました。
 バルセロナとしては「まだ後半は始まっていない」といった風情でした。

 アトレティコの「電撃戦」によって0-1とリードを許したバルセロナですが、前半と同様の攻撃を継続します。
 そして後半5分過ぎ、ゴール前でボールを受けたスアレス選手が走り込んできたメッシ選手にパスというか、ボールを渡し、メッシ選手はアトレティコのディフェンダーの間を割って突進しシュート。
 これがゴール左隅に突き刺さりました。

 あっという間の同点。
 スアレス→メッシという「さすが」のゴールシーンでした。

 1-1となって、ゲームは再び、バルサが攻めアトレティコが守る展開となりました。

 後半14分、アトレティコゴール前の混戦から、ボールがメッシ選手の足下に収まり、これをシュート。ゴール左隅に入りました。メッシ選手の素晴らしいプレーでした。

 しかし、ここでVARが稼働しました。
 メッシ選手の最初のトラップ、足下にボールを収める際のプレーで、ボールが腕に触れていて、これが「ハンド」と判定されたのです。

 惜しいプレーでしたが、バルサは「何事も無かったかのように」攻撃を続けます。

 そして、僅か3分後、自陣からジョルディ・アルバ選手がドリブルで駆け上がり、ゴール前のスアレス選手にクロス、これをスアレス選手が強烈なヘディングシュート。
 GKオブラク選手はこれを良く弾きましたが、ボールはゴール正面に飛び、これをグリーズマン選手が落ち着いて、ヘッドで押し込みました。
 今度は、スアレス→グリーズマンのゴールシーンでした。

 素晴らしい3トップの活躍で、バルセロナが2-1とリードしました。

 さらに後半28分、アトレティコゴール前のフリーキックFKをメッシ選手が蹴ります。
 これをビダル選手が折り返して、ピケ選手がシュートを決めたのです。

 ところが、ここで再びVAR。
 ビダル選手のオフサイドの検証です。
 ギリギリのオフサイドという判定になって、バルセロナの得点は、再び取り消しとなったのです。

 さすがに「2度の取り消し」は・・・。
 
 この後も、バルサの攻撃・アトレティコの守備が続きましたが、後半36分、アトレティコはワンチャンスを活かして、ペナルティーキックPKを得ました。
 乾坤一擲のカウンター攻撃で、バルサのGKネト選手がイエローカードを受けたのです。
 このPKはモラタ選手が落ち着いて決めました。

 2-2の同点。ゲームは振出しに戻ったのです。

 こうなるとゲームの流れがアトレティコに傾くのは、自然なことでしょう。

 後半37分、アトレティコが攻め込みます。
 右サイドをモラタ選手が駆け上がりセンタリング。
 このセンタリングが、ディフェンスDFピケ選手の右手に当たったというか、掠りました。
 ピケ選手はペナルティエリア内に居ましたので、「すわっ、PK」ということになり、ピッチ上では一悶着ありました。
 とことんVARに影響されるゲームだったのです。
 この事象の判定は、結局PKにはなりませんでしたが、アトレティコにとっては不満が残る(シメオネ監督は最後まで抗議していました)結論でしたし、バルサは救われたという感じでしょう。

 その直後、後半40分に、バルセロナはブスケツ選手に替ってラキティッチ選手を投入しました。
 その交替の直後、アトレティコが攻撃に出ました。
 バルセロナの守備陣はこのスピードについて行けませんでした。
 バルセロナゴールに向かって「一直線」に走ったアンヘル・コレア選手が、GKネト選手と1対1となりシュート。ネト選手はボールに触りましたが、ボールの勢いが勝り、そのままゴールインしました。

 3-2。
 アトレティコ・マドリードが、ついに再逆転に成功したのです。

 こうなると、バルセロナに反撃の力は残っていませんでした。

 中盤まで、圧倒的にゲームを支配していたバルセロナにとっては「悪夢」のような敗戦でしょう。
 アトレティコ・マドリードにとっては、「苦手」のバルセロナ相手に、これ以上は無い、鮮やかな勝利を得たのです。

 やはり、2-1とリードしてからの、2つの得点取り消しが、バルサには堪えました。
 これらが認められていれば、ゲームはバルセロナの一方的なものになっていたことでしょう。

 今更ながら、サッカーというのは怖いものです。
 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はユーロ(欧州選手権)2012ポーランド・ウクライナ共催大会の準決勝です。

[2012年6月28日・ワルシャワ国立競技場(ポーランド)]
イタリア2-1ドイツ

 ナショナルチーム同士の、ワールドカップやユーロといった大きな大会で、ドイツ代表とイタリア代表が会い見える機会は、当然ながら、それほど多くはありません。
 グループリーグGLの組分けや、それをベースとした決勝トーナメントの組合せ、そして決勝トーナメントの勝ち上がり、といった諸要素によって、他の強豪国とのバランス等の要因も重なるのですから、何年かに1度、あるいは10年以上ぶりの対戦というのも、このカードに限らず、珍しくは無いのです。

 しかし、ブラジル代表に次いで、共にワールドカップ4度制覇という、ヨーロッパを代表するナショナルチーム同士ですから、決勝トーナメントともなれば、時折は対戦が観られます。

 そしてこの対戦は、断じて「イタリアが強い」のです。

 このゲームが行われる前、ドイツチームは前述のような大舞台ではイタリアチームに一度も勝っていなかったと記憶していますし、このゲームも、やはりイタリアの勝利に終わっています。

 国際大会で安定した強さを誇り、自国開催以外であれば「どこに行ってもアウェイ」という、「強過ぎて憎まれっ子」のドイツチームも、イタリアチームを前にすると、力を発揮できない、逆に言えば、イタリアチームは「ドイツチームとの戦い方を知っている」ということになるのでしょうか。
 ある意味では、不思議な話です。

 ちなみに、ユーロ2012における大会前の予想では、ドイツチームは優勝候補の一角であり、決勝はドイツVSスペインになるであろうと予想されていましたし、実際、ドイツはGLを全チーム中唯一の3戦全勝で勝ち上がり、準々決勝もギリシャチームを4-2で下して、好調が伝えられていました。

 それでも、ドイツチームはイタリアチームに勝てなかったのです。

[イタリアチームの先発メンバー]
1. GKブッフォン選手
2. DFキエッリーニ選手
3. ボヌッチ選手
4. バルザーリ選手
5. バルザレッティ選手
6. MFピルロ選手
7. デ・ロッシ選手
8. モントリーボ選手
9. マルキージオ選手
10. FWカッサーノ選手
11. バロテッリ選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. DFラーム選手
3. バドシュトゥバー選手
4. フンメルス選手
5. ボアテング選手
6. MFケディラ選手
7. ジュバインシュタイガー選手
8. ポドルスキー選手
9. エジル選手
10. クロース選手
11. FWゴメス選手

 このゲームは、イタリアのフォワードFWマリオ・バロテッリ選手のゲームとなりました。
 21歳という若さでアズーリのFWを務めたバロテッリ選手ですが、このゲームは、バロテッリ選手の代表キャリアにおいても「ベストゲーム」でしょう。

 悪童と呼ばれましたが、私の妻は「怪獣」と呼びます。
 私は「怪物」と呼んでいます。
 そのプレーの圧倒的な破壊力・爆発力は、なかなか他に類を見ないものでしょう。

 その破壊力がまず示されたのは、前半20分でした。
 アンドレア・ピルロ選手から左サイドのジョルジュ・キエッリーニ選手にパス。キエッリーニ選手が駆け上がり、アントニオ・カッサーノ選手にパス、カッサーノ選手がドリブルで抉ってセンタリング、これをバロテッリ選手がヘディングシュート。身長190cmのバロテッリ選手による強烈なシュートでした。
 ドイツのGKマヌエル・ノイアー選手が全く反応できない程の威力。

 ドイツチームが、この大会で初めて許したリードでした。
 このゲームでも、メスト・エジル選手やサミ・ケディラ選手らが多彩な攻めを展開しました。ポゼッションならば圧倒的にドイツが勝っていたでしょう。
 しかし、なかなか決定的な形を創れずにいました。そうした中での失点は、ドイツチームに衝撃を与えたことでしょう。

 当然ながらドイツチームは反撃に出ますけれども、やはり、イタリアチームの堅陣を崩せずにいました。
 GKジャンルイジ・ブッフォン選手の好守も目立ちます。

 そして前半36分、歴史的なゴールが生まれました。

 イタリアゴール前から、ドリブルで駆け上がったリッカルド・モントリーボ選手から、前線に残っていたバロテッリ選手へのロングパスが綺麗に通って、バロテッリ選手がドリブルで突進。
 ペナルティエリアに入ると同時に右足を振り抜きました。
 ボールは、ドイツゴール右上隅に、文字通り突き刺さりました。
 これも、あのGKノイアー選手が一歩も動けないシュートでした。

 このシュートは、FWバロテッリを代表するゴールであると思いますし、世界サッカー史上においても、その威力という意味ならば、屈指のものでしょう。
 これ程に強烈なシュートは、滅多にというか、まず観られません。

 イタリアチームは、前半で2-0とリードしました。
 バロテッリ選手の2ゴールでした。

 バロテッリ選手は2点目を挙げた直後にユニフォームを脱ぎ、自らの上半身を誇示しました。世界中のサッカーファンに自らの肉体を披露したのです。
 そしてイエローカードを受けています。
 この精神面の不安定さは、この頃は「若さゆえ」と言われていましたが、バロテッリ選手の性格そのものだったのです。
 プレーヤーとしての、この後の成長に悪影響を与えたとも言われています。

 前半は、イタリアが2-0とリードして終了しました。
 ドイツにとっては「まさか」という展開でしょう。

 後半、ドイツチームはFWミロスラフ・クローゼ選手を投入しました。
 「決定力」ならば、と称されるプレーヤーを投入したのです。
 
 そして、再び当然ながら、ドイツは攻めに攻めます。

 しかし、イタリアチームも「伝統の堅守」を魅せました。
 かつての「カテナチオ」とはやや異なり、ペナルティエリア内での堅守と言ったらよいのでしょうか。
 レオナルド・ボヌッチ選手、キエッリーニ選手、アンドレア・バルザーリ選手、ダニエレ・デ・ロッシ選手、そしてピルロ選手らが、ギリギリの素晴らしいディフェンスを展開し、最後はGKブッフォン選手が登場するのです。

 ドイツチームはインジュリータイムに入っての後半47分、エジル選手がペナルティーキックPKを決めて1点を返しましたけれども、反撃もここまでというか、結局、ドイツチームが考えていたようなゲームは、ついに出来なかったという印象です。

 このゲームは、バロテッリ選手のベストゲームであり、「イタリア代表チームのドイツ代表チームに対する強さ」をまざまざと見せつけたゲームでした。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はユーロ(欧州選手権)2008スイス・オーストリア大会の決勝です。

[2008年6月29日・エルンストハッペルシュタディオン(ウィーン・オーストリア)]
スペイン1-0ドイツ

 前回大会ユーロ2004において、共にグループリーグ敗退という残念な結果に終わった両チームが、4年後の決勝で相まみえたゲームです。

[スペインチームの先発メンバー]
1. GKカシージャス選手
2. DFセルヒオ・ラモス選手
3. マルチェナ選手
4. プジョル選手
5. カプテビラ選手
6. MFマルコス・セナ選手
7. イニエスタ選手
8. シャビ選手
9. セスク・ファブレガス選手
10. ダビド・シルバ選手
11. FWフェルナンド・トーレス選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKレーマン選手
2. DFフリードリヒ選手
3. メルテザッカー選手
4. メツェルダー選手
5. フィリップ・ラーム選手
6. MFフリンクス選手
7. ヒツルスベルガー選手
8. シュヴァインシュタイガー選手
9. バラック選手
10. ポドルスキー選手
11. FWクローゼ選手

 ドイツチームは、自国開催であったワールドカップ2006の準決勝で「天敵」イタリアチームに惜敗しましたけれども、若手の台頭もあって、チーム力は上がってきていると評されていました。

 一方のスペインチームは、ワールドカップ2006では決勝トーナメント1回戦・ラウンド16で、フランスチームに完敗していました。
 若いチームが、徐々に力を付けていた時期ということになりますが、この大会に入ると一気に「開花」したのです。
 ルイス・アラゴネス監督の下、20世紀の「堅守・速攻」という地味なチームカラーから、後に世界を席巻する「パスサッカー」への転生を成し遂げつつある時期であり、この大会の間にひとつの形が出来あがった、という印象すらあります。

 このゲームの両チームは、共に1トップでした。
 スペイン代表はフェルナンド・トーレス選手、ドイツ代表はミロスラフ・クローゼ選手でした。
 当然ながら、中盤が厚く、「どこからでも得点できる」という意味では、似たチーム同士だったのでしょう。

 スペインチームのパスサッカーは、後に「ティキタカ」と呼ばれるようになる戦術とはやや異なり、プレーヤー間の距離も長く、パスも長めですし、ダイレクトパスの連続という姿でも無いのですが、それでも、「極めて正確」なパスワークが披露されています。
 とてもバランスの良いプレーでしょう。

 ドイツチームも、後のワールドカップ2014優勝に繋がる、理詰めのシステマティックなサッカーの萌芽が感じられるサッカーとなっています。
 この後、長くドイツチームの指揮を採るヨハヒム・レーヴ監督が、チームを構築していく過程であったのでしょう。

 両チームがピッチ全体を使う「組織的なプレー」を展開し、そこに個々のプレーヤーのキャラクターが輝くというゲームでした。

 前半33分、中盤での球回しからシャビ選手が前方のトーレス選手にスルーパス。
 これは、シャビ選手の得意とするパスであり、この後スペインチームのプレーとして再三目にするものなのですが、このパスはやや短かったのかもしれません。
 ドイツチームのDFラーム選手が抑えたかに観えました。

 ところがトーレス選手は、一度開いてからボールにアクセスして、右サイドからシュートを放ち、これがドイツゴール左隅に決まりました。
 「転がるボールの動きに合わせる」ことがとても上手いフェルナンド・トーレス選手の素晴らしい個人技、面目躍如たるプレーでした。
 ラーム選手にとっては、悪夢のような瞬間だったことでしょう。

 この後も両チームは、攻め続けました。
 ドイツのミヒャエル・バラック選手も再三スペインゴールに迫ります。迫力満点の攻撃。
 スペインのアンドレス・イニエスタ選手も縦横無尽に走り回りました。

 しかし、この後得点が生まれることは無く、ゲームは1-0でスペインチームが勝ちました。

 この録画を観終わった後、冷静になって考えてみると、ドイツチームには決定的なチャンスが殆ど無かったのです。
 一方のスペインチームも、後半、シャビ選手のフリーキックFKからセルヒオ・ラモス選手が飛び込んだヘディングは決定的でしたけれども、やはり、チャンスが多かったとは言えないでしょう。

 両チームともに「シュートが少ないゲーム」だったのです。

 データを観ても、ドイツのシュート総数は4本、スペインは13本、ドイツの枠内シュートは1本(僅かに!)、スペインは7本、でした。
 スペインチームのパスサッカーの「守備力の高さ」が、このゲームにもしっかりと現れていたことになります。

 このゲームは、スペイン代表チームによる1964年大会以来44年振りのユーロ制覇であり、「ユーロ→ワールドカップ→ユーロ」3連覇、つまり「スペイン黄金期」のスタートとなったゲームでした。

 私は、「スペイン黄金期」の中でも、最もバランスが良く、余裕さえ感じさせる美しいプレーが披露されたゲームではなかったかと、今でも感じています。

プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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