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 ワールドカップ優勝4回を誇るサッカー大国イタリアにおいても、1934年(第2回大会)と1938年大会(第3回大会)を連覇した時期は、黄金時代でしょう。
 世界のサッカーが「イタリアを中心に回った」時代なのです。

 この頃の、イタリア代表チームのエースストライカーが、ジュゼッペ・メアッツァ選手です。

 1910年にミラノで生まれたジュゼッペ・メアッツァは、17歳でインテルにおいてセリエAにデビューしました。
 インテルでは2度のリーグ優勝、自身は3度のリーグ得点王に輝いています。
 デビュー早々からチームの中心選手だったのです。

 このようなスーパースターは代表デビューも速いものですが、メアッツァ選手も19歳で、アズーリの一員となりました。代表デビュー戦でいきなりゴールを挙げたと伝えられています。

 そして、1934年大会・1938年大会のイタリア連覇の時には、チームのエースストライカーとして活躍しました。
 代表通算53試合で33ゴールという、素晴らしいゴールゲッターだったのです。
 
 1934年、地元開催のワールドカップの準々決勝で、イタリアチームはスペインチームと対戦して、第一戦は延長の末1-1の引分け、この頃はトーナメントの試合での引分けは再試合が行われました。(PK戦という制度が無かった時代)
 この第二戦でメアッツァ選手は前半11分に先制点を挙げて、1-0の勝利に貢献しています。
 この大会でアズーリが最も苦戦した試合でした。

 フランス開催だった1938年大会の準決勝で、イタリア代表はこの頃メキメキと実力を付けて来ていたブラジル代表と激突しました。そして2-1でブラジルを破り、決勝に進出したのです。
 この準決勝で1-1の同点から決勝点を挙げたのがメアッツァ選手でした。PKによる得点でしたが、この局面でPKを任せられるところにメアッツァ選手へのチームの絶対の信頼が感じられます。

 ジュゼッペ・メアッツァ選手は、1924年から1940年までインテルで長く活躍した後、ACミランに移籍し、1942年にはユベントスに移りました。
 第二次世界大戦真っ只中のイタリア・セリエAで、「イタリア3大クラブ」を渡り歩いたのです。

 そもそも、極めてライバル意識が強いチーム同士である、インテル・ACミラン・ユヴェントスの全てでプレーする選手というのも滅多に観られないのですが、それがイタリアサッカー史上最高のプレーヤーのひとりと称されるメアッツァ選手が実現しているのですから、驚きです。

 1979年、メアッツァ氏は68歳で死去しました。

 メアッツァ選手が活躍した時代は、80年程前の遥かなる昔です。
しかし、21世紀となった現在においても、イタリアサッカー界におけるジュゼッペ・メアッツァ選手への敬意はいささかも衰えていない様に感じられます。
 何しろ、現在のインテルとACミランが本拠としている(2チームが共にホームとしています)スタジアムは、「スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ」なのですから。
 
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 サッカー競技においては、数々の伝説的なプレーヤーが存在します。

 「伝説のプレーヤー」は、いわゆるサッカー強豪国において、ファンの間で、現在も語り継がれている名プレーヤーを採り上げるシリーズです。

 第1回は、ウルグアイの「元帥」、ホセ・ナサシ選手です。

 ワールドカップ優勝2回を誇るサッカー大国・ウルグアイにおいても、史上最高のプレーヤーではないかと思います。

 ホセ・ナサシは1901年に生まれて1968年に67歳で死去しています。

 ポジションはフルバック。20世紀の後半まで、ゴール前の最後の守備の砦となるプレーヤーは「フルバック」と呼ばれていました。
 近時は「センターバック」と呼ばれることが一般的です。フルバックがセンターバックになったのは何時ごろなのか、これも興味深いテーマですが、今回はナサシ選手の記事ですから、話を戻しましょう。

 ホセ・ナサシ選手は、ウルグアイ代表チームのキャプテンとして大活躍しました。
 これはもう「大活躍」と呼ぶしかない程の活躍で、ホセ・ナサシ選手以上に世界的な大会で活躍したプレーヤーを挙げるのは、とても困難でしょう。

① オリンピックで2回優勝

 1924年のパリ・オリンピックと1928年のアムステルダム・オリンピックで、ウルグアイに金メダルを齎しています。
 ウルグアイ代表チームは、間違いなく、この時代の世界最強のナショナルチームだったのです。

② 第1回ワールドカップ優勝

 長いワールドカップの歴史は、1930年に始まります。
 この第1回大会に優勝したのはウルグアイチームでした。
 この大会は自国開催でした。
 自国開催のワールドカップの決勝で、アルゼンチン代表チームを4-2で破り優勝を決めたのです。

 この優勝はもちろん素晴らしいことですけれども、何より「第1回ワールドカップがウルグアイで開催されたこと」が凄いことだと思います。

 文字通り、この頃「ウルグアイは世界サッカーの中心地」だったのです。

③ 南米選手権に4回優勝

 ホセ・ナサシ選手は、1923年、1924年、1926年、1935年と4回の南米選手権大会に優勝しています。
 プレーヤーとして1回優勝することさえ難しい南米選手権に4回も優勝しているのです。

 「元帥」ホセ・ナサシは、ワールドカップ、オリンピック、南米選手権で計7回優勝しています。

 サッカー競技が、現在ほどには世界中に普及していなかった時代とはいえ、これは驚異的なことであり、ワールドカップ、オリンピック、欧州選手権、南米選手権という、世界トップクラスの4つの大会で7回優勝という記録を超えるプレーヤーは、私には思い当りません。

 ホセ・ナサシ選手の身長は182cmと伝えられています。
 当時としては、相当大きなプレーヤーだったことでしょう。

 ウルグアイゴール前に「仁王立ち」するナサシ選手の姿が、眼に浮かびます。
 2016年12月のFIFAクラブワールドカップ決勝で、鹿島アントラーズの一員としてレアル・マドリードを相手に2得点と大活躍を魅せて、その後半年間の契約でリーガエスパニョーラ2部のCDテネリフェに移籍していた柴崎岳選手が、来季からリーガ1部に昇格するヘタフェCFに移籍することが決まったと、7月18日に報じられました。

 もともとテネリフェが1部に昇格した場合には、自動的に契約が更新されることになっていたそうですが、テネリフェは惜しくも1部昇格プレーオフ決勝で敗れてしまいましたので、テネリフェとの契約が切れた柴崎選手としては、リーガ1部のチームへの加入を希望していたのです。

 そして、そのプレーオフ決勝においてテネリフェを3-2で破った相手チーム・ヘタフェに入団することとなったのです。

 ヘタフェの公式HPによれば「4年契約」とのことですので、柴崎選手としては腰を据えて、リーガエスパニョーラでプレーすることとなりました。

 テネリフェに移籍した当初は、スペイン本土から遠く離れたカナリア諸島テネリフェ島での生活や練習に慣れるのに時間がかかったのか、「引きこもり状態」と報じられた時期もありました。
 しかし、その後は実力を発揮して、チームの中心選手として活躍、チームの1部昇格プレーオフ進出に大きく貢献したのです。
 「水の味」ひとつでも、日本とは大きく違うと言われる地域への適応は、想像以上に大変だったことでしょう。

 ヘタフェCFは1923年創設、マドリード州ヘタフェに本拠を置くチームです。
 21世紀になってから1部に定着し、2016~17年シーズンは2部に下がりましたが、1シーズンで1部に返り咲いた形です。

 もともと「海外でプレーするならリーガエスパニョーラ1部」と公言していた柴崎岳選手は、ついに「憧れのステージ」に立つこととなりました。
 レアル・マドリード。FCバルセロナ、アトレティコ・マドリードなどの強豪チームが犇めく、世界屈指のリーグで、柴崎岳のサッカーを存分に披露していただきたいと思います。
[6月19日・クループリーグB組]
ドイツ3-2オーストラリア

 ドイツ代表チームが勝利したゲームでしたが、アジアチャンピオンとして出場したオーストラリア代表チームの強さも感じられました。

 前半開始早々および後半開始早々に得点した、ドイツの試合運びは「いつもの通り」という面持で、相手チームの体制が整わないうちに、ゴールを挙げるというパターンが、この試合でも観られました。これにPKで1点を加えた3得点は、ドイツチームにとっては「予定通り」といったところでしょう。

 一方で「2失点」は、予定外の事だったに違いありません。

 この大会でドイツチームが2点以上失点したのは、このゲームだけなのです。
 伝統の強力な守備陣と、こちらも伝統の世界屈指のゴールキーパーGKという、堅いディフェンスは、常に相手チームの得点を防いできているのです。

 このドイツチーム相手に2得点した、オーストラリアチームの攻撃力は、まさにこのチームの真骨頂でしょう。

 前半41分のロギッチ選手の1点目も、後半13分のユリッチ選手の2点目も、最初のシュートが跳ね返された後の、2度目のシュートでした。
 今大会ブレイクした感のある、ドイツのGKテア・シュテーゲン選手にとっては、とても悔しい2失点でしょう。

 オーストラリアチームは、チリとカメルーンとは引き分け、1敗2引分でB組3位となり、決勝トーナメントには進めませんでしたが、その強さを世界に示したと思います。

 何よりフィジカルが強い。
 ドイツ戦でも「互角」の印象でした。
 ドイツチームを相手に、フィジカルで互角と言うのは凄いことです。
 
 加えて、「得点を取るパターン」が確立されています。
 ユリッチ選手、ロギッチ選手、ムーイ選手のフォワードFW陣に、ミリガン選手、ルオンゴ選手、ベイッチ選手、レッキー選手が絡んで、相手陣を抉る攻撃を展開するのです。
 この攻撃を抑え込むのは、容易なことでは無いでしょう。

 2018年ワールドカップ出場権を賭けた最終予選を戦う日本代表チームにとっても、「大敵」であることは間違いありません。
[7月2日・決勝]
ドイツ1-0チリ

 チリ代表チームが「攻めに攻め」、ドイツ代表チームが「守りに守って」、前半20分に挙げた先取点のリードを守り切りました。
 両チームが死力を尽くしたゲームであったと感じます。

 チリは終始ボールを支配し、ドイツゴールに迫りましたが、ドイツ守備陣は慌てることなく対応し続けました。

 チリチームに「スーパーシュート」が1本でも生まれていれば、試合はどうなっていたか分かりませんでしたが、ついに「スーパーシュート」は生まれませんでした。
 チリの各選手にとっては、本当に悔やまれるゲームとなったことでしょう。

 試合を通じてのボールポゼッションは、チリ:ドイツ=66:34でした。シュート数は、同22本:8本、枠内シュートも同8本:3本でしたから、「チリが攻めて、ドイツが守る」という構図の試合であったことが、スタッツにも明確に表れています。

 しかし、「サッカーには優勢勝ちは無く、ゴール数を競う競技」ですので、ほとんど試合開始後初めてといってよい前半20分のチャンスを、ラース・シュティンドル選手のシュート(チリゴール前で相手ボールを奪い、チリプレーヤーが不在の位置で決めたシュート)でものにした、ドイツの決定力の高さというか、得点を取る形創りの上手さが際立ちました。

 ドイツの先制点の以前も以後も、チリチームは様々な形で攻め続けました。

 しかし、どのシーンでも「シュートを打つチリのプレーヤー」よりも、「守るドイツのプレーヤー」の方に、僅かながら「余裕」が感じられました。
 必死のプレーにおいて、チリチームのシュートは、ドイツのゴールキーパーGKテア・シュテーゲン選手の対応範囲内か、枠の外に飛んだのです。スーパーシュートが望まれた所以です。

 試合の終盤、チリのピッツィ監督は苛立ちを隠しませんでした。
 全ての準備をし、素晴らしいプレーヤーを揃えながら、勝利を手にすることが出来そうもないことに対してのものなのでしょう。

 ブラジルでもアルゼンチンでもウルグアイでもない南米のナショナルチームにとって、FIFA公式世界大会を制覇する、千載一遇のチャンスだったのです。ピッツィ監督の無念さは、心に響きます。

 一方のドイツは、初優勝を成し遂げました。
 「若手主体」というか、ドイツ代表AチームとBチームがあるとすれば、完全なBチーム(Aチームとひとりのプレーヤーもダブらない)で優勝を捥ぎ取ったのです。
 ドイツサッカーの底力を存分に示した優勝でした。

 「コンフェデレーションズカップで優勝したチームは本大会では優勝できない」というジンクスがあります。このジンクスは、2014年ワールドカップ・ブラジル大会まで厳然と存在してきました。

 ドイツチームがこれまでコンフェデレーションズカップで優勝しなかったのは、このジンクスがあるためではないかと訝っていましたが、ついに優勝したのです。

 レーヴ監督率いるドイツ代表チームは、このジンクスさえ破ってしまうかもしれないと感じます。
[6月28日・準決勝]
ドイツ4-1メキシコ

 国際大会で「勝ち慣れている」ドイツ代表チームが、終始安定したプレーを展開して快勝しました。

 チャンスの数では、メキシコ代表チームも互角の戦いを魅せましたが、「ゴールを決めるノウハウ」という点で、ドイツチームが1枚上手だったというところでしょう。

 試合開始早々の前半6分と8分にドイツが連続ゴールを挙げました。共にゴレツカ選手のゴールでした。
 メキシコチームのゴールキーパーGKは、2014年ワールドカップにおいても「堅守」で鳴らしたオチョア選手でしたから、いかに今大会得点力抜群のドイツとは言えども、得点するのは容易では無いとの戦前の予想を裏切り、あっという間に試合を支配したのです。

 両得点とも、GKにはとても守り難いシュートでしたが、特に2点目、相手ディフェンダーの裏に走り込んだゴレツカ選手に完璧なラストパスが渡り、ゴール右側から走り込みながら、GKと1対1の体制を創り上げた瞬間に、ゴール左隅にシュートを放つという「形」は、現在のサッカー競技において最も得点の入りやすい形であり、これをチームとしてキッチリと実行できるところに、ドイツチームの強さが現れています。
 このタイミングでこの角度では、いかにオチョア選手といえども「体勢を作る暇」がありません。「レベルの高いチーム」を相手にして、どのようにゴールを挙げるかを、ドイツチームは熟知していて、実行するスキルが備わっているのです。

 一方、メキシコチームもエルナンデス選手やドスサントス選手を中心にドイツゴールに迫り、再三シュートを放ちますが、試合終盤まで、どの局面においても、ディフェンダーとGKテア・シュテーゲン選手の体制を崩すには至りませんでした。
 メキシコチームは良い攻めを展開し、良いシュートを浴びせるのですが、テア・シュテーゲン選手はいつも「準備万端」で待っていたのです。

 唯一、テア・シュテーゲン選手が意表を突かれたのが、後半44分のマルコ・ファビアン選手のシュートでした。これはミドルシュートというよりロングシュートと呼んだ方がふさわしい、遠方からのシュートであり、ボールが右に大きく変化していました。
 さすがのテア・シュテーゲン選手でも届かない、素晴らしいシュートでした。
 このファビアン選手のシュートは「世界最高水準」のものでしょう。

 ドイツ守備陣の「厚い壁」を破るには、「予想を裏切るタイミング」と高いスキルが必須なのです。

 今回の代表チームに同行している、ミロスラフ・クローゼ氏が代表プレーヤーだった時に再三口にしていた「ドイツはトーナメントチームだよ」というコメントが思い出されます。

 いつの時代もドイツ代表は「トーナメントで勝つためのチーム」だということ。国際大会のトーナメント=一発勝負、で勝利するためには「先制→追加点」が最も有効であることを知り尽くしているのでしょう。

 「最も得点が取れる形をメカニカルに創り上げ続ける」のが、ドイツ代表チームのサッカーなのです。

 現在のというか、21世紀に入ってからのドイツチームの弱点を挙げるとすれば、「どのプレーヤーからも得点が生れる」均一性、これは素晴らしい長所でもあるのですが、結果として「チームの軸となるプレーヤーが不明確」となり、苦しいゲーム、0-0が続くゲームや0-1といった劣勢のゲームにおける、局面打開力・反発力にやや欠ける可能性が有るという点でしょうか。
 早々に先取点を挙げ、優位に試合を進めることが出来なかった時に、意外な脆さを示すことが有るのです。

 「軸となる選手の不在」というポイントは、今大会の様な若いチーム、発展途上のチームには、より明確な傾向となって表れる可能性が有ります。

 こうした「得点力抜群」のドイツ代表チームに、近年強かったのが2010年前後のスペイン代表チーム、最強と呼ばれていた頃のスペインチームでした。
 シャビ選手、イニエスタ選手を中心としたスペインチームは、「ドイツにボールを渡さない」「何もさせない」というプレー(素早いパスプレーの連続)で、ユーロやワールドカップの決勝トーナメントでドイツチームを完封し続けたのです。
 2010年のワールドカップ準決勝で敗れた時、クローゼ選手は「ボールを追いかけ続けて、最後は疲れてしまった。何もできなかった」とコメントしています。

 今大会のドイツチームに勝つためにも、この時期のスペインチームのような「考え方」を、何らかの形でプレーに反映させ、やはり「完封」することが必要なのだろうと思います。
[6月28日・準決勝]
チリ0-0ポルトガル(PK戦3-0でチリの勝利)

 延長後半13分から、試合はチリ代表チームの流れとなりました。

 延長後半13分、ポルトガルゴール前に殺到したチリチームは、ビダル選手がシュート、これがポルトガルゴール右ポストに当たり、跳ね返ってきたボールをロドリゲス選手が再びシュート、これがクロスバーに当たって、惜しくもゴールとはなりませんでしたが、この試合における両チームを通じて最大のチャンス、ポルトガル代表チームにとっては最大のピンチとなったシーンでした。

 この攻防で、ポルトガルチームは「肝を冷やした」ことでしょうが、この「肝を冷やした」心持ちが、PK戦にも反映されたように感じます。

 コイントスの結果、先行としたチリチームの1人目、ビダル選手のPKはゴール左側に「突き刺さり」ました。相当強いキックだったのです。チリチームの「勢い」を感じさせるキック・ゴールでした。

 対して、ポルトガルチームの1人目カレスマ選手のキックは、慎重にコースを狙った印象で、これをチリのゴールキーパーGKブラボ選手がキッチリと止めました。

 この1人目の成否が2人目以降のキッカーにも大きな影響を与えました。
 チリは、2人目のアランギス選手、3人目のサンチェス選手がキッチリと決め、ポルトガルは2人目モウチーニョ選手、3人目のナニ選手が止められて、試合は決まりました。

 このレベル、FIFA公式戦の準決勝という舞台のPK戦で、「ひとりも決められずに敗れる」というのは、滅多に見られないというか、私は初めて観ました。そのことだけでも、「ブラボ選手による歴史的なセーブ」と言って良いのでしょう。

 特に、ポルトガル3人目のナニ選手のゴール右サイドへの狙い澄ましたキックを、完全に予測していたかのように「完璧に止めた」プレーは印象的でした。
 両チームの勢いの差、事前準備の差が、ナニ選手ほどの好プレーヤーにしてベテラン選手をも飲み込んだ形です。
 試合の流れというものは、怖いものだと改めて感じさせるシーンでした。

 このチリに傾いていた流れを押し戻すとすれば、ポルトガルの1人目はクリスティアーノ・ロナウド選手しか無かったのでしょう。ロナウド選手が、ゴールネットを突き破るようなPKを決めていれば、試合の流れは互角だったのかもしれないと思います。

 しかし、ゲームはロナウド選手が登場する前に(5人目に予定されていたのではないかと推定します)、終了してしまいました。

 前後半90分と延長30分の戦いは、とてもハイレベルな素晴らしいものでした。
 さすがに、欧州チャンピオンと南米チャンピオンの戦いだったのです。

 両チームとも「高い位置からのディフェンス」から、相手チームのゴールを脅かしました。
 各々のイーブンボールへの働きかけ・プレーにおいて、これほど「互角」のゲームは珍しいでしょう。
 両チームのプレーヤーは、相手チームの力量の高さを十分に感じながらプレーしていたものと感じます。

 勝敗を分けたものは「勝利への執念」、具体的には試合前の準備量の差という感じがします。(当然ながら、ただ「勝ちたい」と念じているだけでは、勝利は遠いものです。「執念」を具体的な形・施策・プレーに結びつけなければならないのです)

 チリチームはピッツィ監督のもと「絶対に優勝する」との気迫を持って、あらゆるシーンを想定して対応策を準備し、ゲームに臨んでいたように感じます。
 延長後半、試合時間残り3分からの攻撃や、PK戦でのプレーぶりに、その「準備レベルの高さ・対応策の正確さ」が現れていました。

 チリとポルトガルという、コンフェデーレーションズカップ初出場ながら、とても強いチーム同士の戦いとなった準決勝・第1試合は、チリチームの勝利となりました。

 チリ代表チームは、「狙っている優勝」まで、あと1勝に迫ったのです。
[6月22日・グループB]
チリ1-1ドイツ

 グループリーグB組の有力チーム同士の対戦は、1-1の引分けでした。
 緒戦を勝利していたチリ代表チームとしても、「負けられないゲーム」をキッチリと引き分けたというところでしょう。

 2015年の南米選手権(コパ・アメリカ)優勝国として、今大会に出場しているチリチームは、この大会初出場ですが、明らかに優勝を狙っているチームであり、チーム力もとても充実しています。
 チリサッカー史上最強のチームなのではないでしょうか。

 攻撃陣は、エースのサンチェス選手に、ビダル選手とバルガス選手を並べています。得点力抜群の布陣。チリチームのチャンスの多くはサンチェス選手から生まれていますし、ビダル選手とバルガス選手も、得点シーンに顔を出す頻度の高さには驚かされます。

 このゲームでも、前半6分、高い位置のディフェンスからドイツボールを奪い、ビダル選手からサンチェス選手にパスが渡って、サンチェス選手が「爪先」でドイツゴール左のポストに当ててゴールに押し込みました。
 相手は名にし負う堅守のドイツ代表チーム、ゴールキーパーはあのノイアー選手に代わってゴールを守るテア・シュテーゲン選手、その狭い左側の隙間にしっかりと決めて行ったのですから、サンチェス選手の決定力、得点への嗅覚は素晴らしいと思います。

 今回のチリチームは、とても「完成度の高いチーム」です。

 センターバックのハラ選手とメデル選手は、代表キャップ100以上を誇る大ベテランですし、チリのゴールを守る「鉄壁」です。
 サンチェス選手もキャップ70以上を誇る存在だと思いますが、キャップ30以上のプレーヤーが9人も居るという、「長くこのチームで戦ってきた」という、コミュニケーション力が極めて高いチームなのです。

 個々の能力が極めて高く、チームとしてのコミュニケーション力が高い、「今、何をしなければならないか」を常にイレブンが共有できるチームが、とても強いのは自然なことでしょう。

 これ程のチームでなければ、2015年のコパ・アメリカ、2016年のコパ・アメリカ・センテナリオを連覇することが出来る筈はありません。少なくとも、2015~16年にかけては、南米最強のナショナルチームであったこと、ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイよりも強いチームであったことは、事実が証明しているのです。

 そのチームが、本気で優勝を狙っているのですから、今大会の優勝候補NO.1であることも、当然のことなのでしょう。

 ピッツィ監督は、チリにコンフェデレーションズカップを持ち帰ろうとしています。
 優勝に向けて、全ての手を打ってきているのです。
[6月22日・グループB]
チリ1-1ドイツ

 グループリーグGL・B組のドイツチームとチリチームのゲームは、1-1の引分けでした。
 B組の有力チーム同士の対戦でしたが、緒戦を勝利している両チームにとっては、決勝トーナメント・準決勝進出に向けて「負けないこと=勝点1を取ること」が最優先の試合だったのでしょう。

 試合内容も素晴らしいものでしたが、何より、ドイツ代表チームのメンバーに驚かされました。

 ドイツチームは、2014年ワールドカップ優勝チームの資格で、この大会に出場しているのですが、「その時のメンバーがひとりもいない」感じなのです。まさに「全とっかえ」というところ。

 ゴールキーパーGKはテア・シュテーゲン選手。
 ディフェンダーDF3バックは、左からズーレ選手、ムスタフィ選手、ギンター選手。
 ミッドフィールダーMFの両サイドはヘクトール選手とキミッヒ選手、中央にはルディ選手とエムレ・ジャン選手。
 フォワードFWは左からドラクスラー選手、スティンドル選手、ゴレツカ選手。

 現在のワールドカップチャンピオンであり、世界中のサッカー関係者から「ドイツサッカー」が注目を浴びている状況下、そのサッカーを創り上げ演じたメンバーがひとりもいないチームで、今大会に臨んでいるのです。(ひょっとするとこのチームのキャプテンのドラクスラー選手が、当時のメンバーに入っていたかもしれませんが、記憶に在りません)

 世界最高のGKと称されるノイアー選手やエジル選手、トーマス・ミュラー選手、トニ・クロース選手、サミ・ケディラ選手、ゲッツェ選手、フンメルス選手、ボアテング選手、フィリップ・ラーム選手、等々の錚々たるメンバーをひとりも連れてきていないチームというのも、凄いものです。

 もちろん、2018年のワールドカップ欧州予選では、前述の若いメンバーで戦っている(現時点で6戦全勝)のでしょうが、あまり見る機会が無かったものですから、私にはコンフェデレーションカップ2017のメンバーが、とても新鮮な「新・ドイツ代表チーム」に観えます。

 これほど大胆な「世代交代」を実施できるのは、ヨアヒム・レーヴ監督の力が大きいのでしょう。2014年にドイツにワールドカップを齎し、2018年大会まで代表チームの舵取りを請け負うことになったレーヴ監督ならではの「全とっかえ」だと感じます。

 もちろん、ドイツサッカーの選手層の厚さ、裾野の広さも見逃せません。

 GKテア・シュテーゲン選手は、FCバルセロナの正キーパーです。
 センターフォワードであり、この試合でも0-1からの同点ゴールを挙げたスティンドル選手は、ボルシア・メンヘングラートバッハのエースであり、前シーズンで11得点を挙げたプレーヤーなのです。
 ブンデスリーガはもちろんとして、世界中のクラブで活躍しているプレーヤーが、数多いるのです。
 思い切った「世代交代」をしても、十分に世界のトップで戦って行けるチームが造れるのでしょう。素晴らしいというか、羨ましい限りです。

 レーヴ監督は「今後10年間戦って行ける代表チーム」の創造を、目指しているのかもしれません。

 常に、目の前の大会・戦いの勝利のみを必死に求めるのではなく、将来を見据えて代表チームを造っていける国、それがワールドカップを4度優勝できる国なのです。
 2018年のワールドカップ・ロシア大会の前哨戦としてのコンフェデレーションズカップ2017が6月17日に幕を開けました。

 出場チーム8か国のラインナップを見ると、とても「新鮮」な印象があります。

[グループリーグ・A組]
・メキシコ
・ポルトガル
・ロシア
・ニュージーランド

[B組]
・チリ
・ドイツ
・オーストラリア
・カメルーン

 直近の世界各地域のチャンピオンチームと、2018年大会の開催国ロシア、2014年大会の優勝国ドイツ、という構成となっています。

 「新鮮」な印象を受ける最大の要因は、ワールドカップ優勝経験国が1か国・ドイツしか出場していないという点でしょう。

 いわゆる「強豪国」、ブラジル、イタリア、ウルグアイ、アルゼンチン、スペイン、イングランド、フランスといった、ワールドカップチャンピオンの姿が無いのです。

 何故「無い」かといえば、当然ながら、各地域の大会で好成績を残していないためです。
 つまり、世界各地域における「勢力地図」に変化が見られるということになるのでしょう。

 チリ代表チームは、2015年のコパ・アメリカ大会優勝チームとして出場しています。チリは、ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイを抑えて南米チャンピオンに輝いたのです。

 ポルトガル代表チームは、2016年の欧州選手権大会(ユーロ)の優勝国として出場しています。ポルトガルがユーロで優勝したのは、史上初のことですから、コンフェデ杯にも初出場ですので、「新鮮」な印象なのも頷けるところです。

 オーストラリア代表チームは、アジアカップ2015の優勝チームとして出場しています。
 こちらは4回目の出場ですから「常連」に近いのですけれども、中近東の国々や韓国、日本といったチームが居ないものですから、アジア代表が出場していないように感じる人も居るのでしょう。

 ニュージーランドはOFCネイションズカップ2016の優勝国として、オセアニア地域の代表としての出場となります。こちらも4回目の出場です。
 お隣同士のオーストラリアとニュージーランドが出場していますから、「新鮮」な感じが強くなっているのかもしれません。

 メキシコはCONCACAゴールドカップ2015の優勝チームとして、北中米・カリブ海の代表として出場しています。7回目の出場ですから、まさに「常連」。CONCACAを代表するチームの登場となります。

 そしてカメルーンは、アフリカ・ネーションズカップ2017を制して出場権を獲得しました。最近の大会であり、カメルーンの出場が決まって、コンフェデレーションズカップ2017のメンバーが揃ったのです。本大会には、3回目の出場となります。

 さて、「新鮮」な印象の今大会ですが、既に戦いの火蓋が切られています。

 A組を見れば、やはりメキシコとポルトガルが決勝トーナメントに進出する可能性が高いと思いますし、B組ではチリとドイツが有力でしょう。

 そして、優勝争いはチリ、ポルトガル、ドイツの3チームの争いになりそうです。

 準決勝で、ポルトガルチームがどちらのチームと対戦することになるかがポイントとなります。

 優勝候補は、「堅守速攻」のチリチームであろうと考えています。
 21世紀に入って、サッカー競技におけるディフェンス・守備は「ゾーン・ディフェンス」が主流となりました。

 「スペース管理」という概念が、サッカー戦術において重要性を増したことが理由であろうと思います。
 相手チームの自由な動きを抑制する、相手チームにスペースを与えないという考え方、特にゴール前では、どのエリアにもディフェンダーを一定数配することで、思いもよらぬ「空白エリアの出現」を防止するという狙いもあるのでしょう。

 加えて、ディフェンスからの攻撃参加を行う面からも、局面局面でディフェンダーの位置が概ね定まっている方が、チーム全体の動きとしても合理的であり、戦法の組立も容易である、という側面もありそうです。

 一方で、攻撃側から見れば、狭いエリアであれば比較的自由に動けるメリットがあり、ディフェンス側が決めているエリアに近づくまでは、足許への強烈なアタックも少ないという面がありそうです。
 
 ゾーン・ディフェンスとマンツーマン・ディフェンスについては、別の機会にもう少し詳細に見ていこうと思いますが、今回のテーマは「マンツーマン・ディフェンスのひとつの究極形」としてのマンマーク、それも「歴史に残るマンマークプレー」を見ていきます。

[1974年ワールドカップ決勝・ミュンヘンオリンピアシュタディオン]
西ドイツ2-1オランダ
における、ベルティ・フォクツ選手のヨハン・クライフ選手へのマンマーク。

 とても有名なゲームです。
 「世界サッカー史におけるベストゲーム10選」に常にランクインするゲームでしょう。

 「空飛ぶオランダ人」ヨハン・クライフ選手を擁するオランダチームが、「皇帝」ベッケンバウアー率いる西ドイツチームと激突した戦いでした。

 この大会は西ドイツ開催でしたから、地元としての西ドイツチームとしては負けられない一戦でしたが、一方で、「トータルフットボール」というサッカー競技における「革命的新概念・新戦術」を世に問うたオランダチームの強さは、一頭抜けている印象がありました。

 2次リーグ(この大会は1次リーグ、2次リーグ制)最終戦のオランダVSブラジルのゲームは、決勝進出を賭けた大一番でしたが、オランダチームが2-0で完勝しました。1970年大会の優勝チームであり、その時の主力メンバー(リベリーノ選手やジャイルジーニョ選手)が残っていたブラジルチームは、当然ながら優勝候補の一角を占めていましたが、そのブラジルチームが「手も足も出ない」感じで敗れたのです。

 地元開催での優勝を目指す西ドイツチームとしても、オランダは「容易ならざる敵」でした。
 そのオランダチームのエースというか「核」がクライフ選手であることは、誰の目にも明らかでしたから、西ドイツチームとしては、「クライフに自由に動かれては勝利は覚束ない」と考えたことでしょう。

 そこで西ドイツチームが編み出したというか、決めた戦法が「フォクツによるクライフのマンマーク」でした。
 「ゲームを通してフォクツ選手はクライフ選手に貼りついて離れない、一瞬たりとも離れない」という、フォクツ選手にとっては体力的にとてもしんどい戦法だったのです。

 何しろ、攻撃する側のクライフ選手は、自分が考えた通り、感じた通りに動きます。
 対してフォクツ選手は、クライフ選手の動きに合わせて動かなければなりません。
 
 普通のプレーヤーに対してマンマークを行うことも、相手プレーヤーの動きを「後追い」するのですから、とても難しいことなのですが、相手が世界最高のプレーヤー、予想も出来ない動きをするプレーヤーとなれば、その困難さは筆舌に尽くしがたいものでしょう。
 1試合を通して「張り付く」などというのは、到底不可能なことに見えます。

 しかし、フォクツ選手はこれを実行しました。
 凄まじい忍耐力と驚くべき体力・持久力を発揮したのです。

 この試合の途中から、明らかにクライフ選手がフォクツ選手を嫌がっている様子が観られました。
 気分屋とも言われていたクライフ選手の戦闘意欲が削がれていったことは、間違いないのでしょう。

 西ドイツチームに優勝を齎したマンマークであったと思います。

[1966年ワールドカップ準決勝・ウェンブリースタジアム]
イングランド2-1ポルトガル
における、ノビー・スタイルズ選手のエウゼビオ選手に対するマンマーク

 1966年のワールドカップはイングランド大会でした。
 サッカー競技発祥の地であるイングランドとしては、ワールドカップのタイトルは何としても物にしたいと考えていたでしょうし、この時期のイングランドには好プレーヤーが揃ったのです。

 ボビー・チャールトン選手、ジャッキー・チャールトン選手の兄弟や、世界最高のゴールキーパーGKと呼ばれたゴードン・バンクス選手やディフェンダーでキャプテンのボビー・ムーア選手、等々、イングランド史上最強とも言われるメンバーでしたので、イングランドチームとしては、是が非でも優勝したかったのです。

 ところが、準決勝の相手・ポルトガルチームには、あの「黒豹」エウゼビオ選手が居ました。

 現在、21世紀・2017年時点で、ポルトガルサッカー史上最高のプレーヤーはと聞かれれば、多くのサッカーファンがクリスティアーノ・ロナウド選手と答えるでしょう。
 「21世紀における」という前置詞を付ければ、この答えが妥当だと感じます。

 しかし「20世紀における」という前置詞を付ければ、エウゼビオ選手なのです。
 1960年代から70年代にかけて、エウゼビオ選手はポルトガル、そして世界を代表するフォワードFWでした。

 この時代には、ペレ選手という、サッカー史上最高のプレーヤーが活躍していましたが、場合によっては「ペレと並び称される」存在だったのです。

 個人的には、ペレに匹敵するサッカー選手は存在しませんが、ペレ選手の全盛期に「ペレに次ぐFW」ということであれば、エウゼビオ選手を挙げるかもしれません。それ程、存在感満点のプレーヤーでした。

 少し話がそれますが、エウゼビオ選手は1970年にクラブチーム、ベンフィカ・リスボン*の一員として来日し、全3試合に出場しています。
 全日本チーム等を相手しての3試合であったと記憶していますが、ゲームは3試合ともベンフィカ・リスボンの圧勝で、特に国立競技場で行われた第2戦は4-1でベンフィカが勝ちましたが、4点ともエウゼビオ選手のゴールであったと思います。
(*現在では、日本語でベンフィカあるいはSLベンフィカと書かれるクラブチーム名ですが、当時はベンフィカ・リスボンと表記されていました。海外の一流チームが来日する機会がとても少なかった時代ですので、この時のベンフィカの強さ、UEFAチャンピオンズカップ=現在のチャンピオンズリーグ、を2度制している超一流チームのプレーぶりは、とても強烈な印象を日本のサッカーファンに残しました)

 特に、エウゼビオ選手がドリブルに入ったときのスピードとパワー、その「突進」は迫力満点で、「とても止められない」と感じさせるものでした。身長175cmと決して大柄なプレーヤーではありませんでしたが、走り出した時にはものすごく大きく見えたものです。

 ちなみに、クリスティアーノ・ロナウド選手とエウゼビオ選手の比較を行うとすれば、どういう結果になるでしょうか。この比較だけで、相当の字数を要するので、ここでは詳細を省略しますが、「甲乙つけ難い」というのが、私の感想です。

 2人は、ポルトガルサッカー史に燦然と輝く両雄なのでしょう。

 さて、話を戻します。

 1965年のバロンドール受賞者であり、めきめき力を付けてきていた24歳のエウゼビオ選手は、準々決勝の北朝鮮戦(ベスト16のゲームでイタリアを破り、「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」と呼ばれた大会です。ちなみに、このゲームが「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」との評価は、現在でも不変でしょう)において、北朝鮮チームに0-3とリードを許しながら、ひとりで4点を挙げて逆転勝ちし、ベスト4に進んできていました。

 このエウゼビオを止めずして、イングランドに勝利→決勝進出は無い、と考えるのは、とても自然なことでしょう。

 イングランドチームは、ノビー・スタイルズ選手をエウゼビオ選手のマークに付けることとしたのです。スタイルズ選手は試合を通じてエウゼビオ選手に「張り付く」ことを命じられました。
 前述のフォクツ選手同様に、とても難しい使命を負ったのです。

 エウゼビオ選手のスピードとパワー、そして切れ味鋭いテクニックに溢れたプレーに対して、1試合を通して「張り付く」などということが出来るのだろうかと感じてしまいますが、スタイルズ選手はこれをやり切りました。

 この試合で、エウゼビオ選手は殆ど自分のプレーをすることが出来なかったのです。

 このゲームの、イングランドの2得点は、いずれもボビー・チャールトン選手のゴールです。さすがに「イングランドサッカー史上最高のプレーヤー」と称されるだけのことはあります。
 一方、ポルトガルの1得点は、エウゼビオ選手のPKでした。本来のプレーが出来なかったとはいっても、意地は魅せたのです。

 それにしても、ノビー・スタイルズ選手のこのゲームでの献身的な働きは、ひょっとするとイングランド優勝の最大の功労者なのではないかと感じてしまいます。

 今回は、ドイツのベルディ・フォクツ選手とイングランドのノビー・スタイルズ選手の「サッカー史に刻まれたマンマーク」を観てきました。

 こうした記憶を思い起こすと、「マンマークの効果・重要性」に辿り着きます。
 現代サッカーにおいても、「徹底したマンマーク」は、相手チームのエースを抑え込む、特に圧倒的な力を誇るエースを抑え込むには、有効な戦法なのではないでしょうか。(もちろん、プレー全般の運動量増加等、サッカーの質の変化は考慮しなければなりませんが)

 この2人のプレーヤーは、共に身長168cmと報じられています。
 当時としても、決して大きくは無いプレーヤーです。

 ベルディ・フォクツとノビー・スタイルズ、「小さな縁の下の力持ち」の2人は、母国に「サッカー界最大の勲章」、ワールドカップを齎す原動力となったのです。
 サッカー・オランダ1部リーグ=エールディヴィジの2016年~17年シーズンは、5月14日に最終の第34節の試合が行われ、フェイエノールトが勝点を82として、同81で追いすがるアヤックスを抑えて優勝しました。

[5月14日・第34節]
フェイエノールト3-1ヘラクレス・アルメロ

[5月14日・第34節]
アヤックス3-1ヴィレムⅡ

 首位を争う両チームは、共に最終戦を3-1で勝ちました。
 アウェイでヴィレムⅡを下したアヤックスもさすがですが、久々の優勝への地元ファンの熱い声援を背に、ディルク・カイト選手のハットトリックで、ホームゲームを勝ち切ったフェイエノールトも、今シーズンの実力を発揮した形です。

 最終的に、フェイエノールトは26勝4敗4引分、アヤックスは25勝3敗6引分と、負け数ではアヤックスがひとつ少なかったのですが、勝ち星でフェイエノールトがひとつ勝り、僅か1点差という接戦となったのです。

 直接対決で1勝1引分と優位だったアヤックスにとっては、シーズン開始直後の2016年8月20日のヴィレムⅡとのゲームと12月11日のFCトゥエンテとのゲームを、共に1点差で落としたことが、大きく響きました。
 もちろん、アヤックスの成績も、十分に優勝に値する水準でしたから、今季はフェイエノールトが「良く勝ち星を積み重ねたシーズン」を送ったということなのでしょう。

 クラブの財政的な理由から、21世紀に入ってフェイエノールトの成績は低迷を続けました。
 エールディヴィジの3強と言われる、アヤックス、PSVアイントホーフェン、フェイエノールトですが、2001年以降フェイエノールトはアヤックスとPSVに大きく水を開けられました。

 2001年から2016年まで、アヤックスは6度の優勝、PSVは8度の優勝を重ね、名門チームとしての実績を積み重ねましたが、フェイエノールトは1度も優勝できませんでした。
 この間に、フェイエノールトは優勝回数で大差を付けられてしまいました。

 そうした「長い低迷」を乗り越えての、今季の優勝は、ようやくフェイエノールトの強化策が実り、財政面も含めたチーム力が復活してきたということでしょう。
 チームの得点王は、21点でニコライ・ユルゲンセン選手(デンマーク)、2位はイェンス・トールンストラ選手、3位はカイト選手と、中盤のプレーヤーが並びます。FWとMFが一体となって攻める「オランダ伝統のサッカー」が、今季の持ち味だったのかもしれません。

 エールディヴィジの歴史を見ると、世界的なプレーヤーの足跡を見ることが出来ます。
 シーズン得点王を少し振り返れば、1966~67年と1971~72年のシーズンには、ヨハン・クライフ選手(アヤックス)が得点王に輝きました。
 1983~87年は4季連続でマルコ・ファンバステン選手(アヤックス)が、1988~91年は3季連続でロマーリオ選手(ブラジル、PSV)が、1994~95年にはロナウド選手(ブラジル、PSV)が得点王となっています。
 所謂、欧州4大リーグではないのですが、エールディヴィジには世界的プレーヤーが活躍してきた、そして活躍している歴史があるのです。

 UEFAチャンピオンズリーグでも、アヤックスが4回、PSVとフェイエノールトが1回ずつ優勝しています。エールディヴィジは、欧州NO.1クラブチームを生み出す力が十分に有るリーグなのです。

 フェイエノールトは、長い低迷から抜け出しました。
 エールディヴィジ2016~17は「名門復活」のシーズンだったのです。
 サッカーのポルトガル1部リーグ→プリメイラリーガは、5月20日・21日に最終の第34節のゲームを行い、今シーズンの戦いを終えました。

 欧州のサッカーリーグというと、スペインのリーガエスパニョーラ、ドイツのブンデスリーガ、イタリアのセリエA、イギリスのプレミアリーグが4大リーグであり、それに続くのがフランスのリーグアンというイメージがありますが、UEFA(欧州サッカー連盟)の国別ランキングでは、2012年からポルトガルのプリメイラリーガが5番手に上がっているのです。

 UEFAランキングの上昇は、ポルトガルサッカーのステータスが上がっていることを示していて、その評価の正しさを示したのが、2016年ユーロでのポルトガルの初優勝でしょう。
 ポルトガル代表チームは、突然強くなったわけではなく、ポルトガルサッカーの地力が上がってきていたのです。急に強くなったチームが優勝できるほど、ユーロが甘い大会ではないことは、言うまでもないことでしょう。

 また、UEFAランキング、FIFAランキングというのは、各国・各チームの国際試合での成績を基に算出されていますから、相当客観的かつ精度の高いものなのです。

 我が国ではあまり馴染みが無いプリメイラリーガですが、大きな特徴があります。

 多くの国の1部リーグと同様に18チームで構成されていて、成績下位チームが下部リーグ上位のチームと入替が行われるところも一緒です。

 ところが、ベンフィカ、FCポルト、スポルディングCPの3チーム以外のチームが優勝することは、滅多に無いのです。この3チームは文字通りの「3強」です。
 1934年のリーグ創設以来、3強以外のチームが優勝したのは、1945~46年シーズンのベレネンセスと2000~01年のボアヴィスタの2チーム・2度しかないのです。
 
 この「3強」の「圧倒的な強さ」、残るチームとの大きな力の差・実績の差は、主要リーグがあるサッカー強豪国の中でも際立っています。
 例えば、リーガエスパニョーラではレアル・マドリード、FCバルセロナ、アトレティコ・マドリードが「3強」ですが、21世紀になってからでもバレンシアが2度優勝していますし、1980~84年の4シーズンはレアル・ソシエダとアスレティック・ビルバオが2度ずつ優勝しているなど、3強以外のチームの優勝も時々見られるのです。

 しかし、プリメイラリーガでは3強が圧倒的に強いのです。
 2016~17年シーズンについても、優勝ベンフィカ、2位FCポルトに続く3位はスポルディングとなっています。3強以外のチームは「3位に入るのも難しい」というのが、プリメイラリーガの現実なのです。(ベンフィカの今季勝点は82、ポルトは76、スポルディングは70、に対して、4位のヴィトリア・ギマランエスは62点と少し差があります)

 「3強の覇権」にも時期による偏りが有り、1940年代から50年代はスポルディングが強く、3連覇・4連覇を魅せていますが、1990年代から2000年代にはポルトが強く、4連覇・5連覇が有ります。ベンフィカは何時の時代も安定した強さを示している印象で、直近は4連覇中ということになります。

 クリスティアーノ・ロナウドという、現代最高のサッカープレーヤーを生んだポルトガルですから、ポルトガルサッカーの裾野は広く、素晴らしいプレーヤーがどんどん出てきていることは間違いないのでしょうが、そうした優秀なプレーヤーは、「3強に入るか、他国のチームに入るか」といった選択をすることが、歴史的には多かったのかもしれません。
 そして近年は、プリメイラリーガでプレーする選手が増えてきている可能性があります。国内リーグが強くなると、代表チームが強くなるものですから。 

 プリメイラリーガからは、1~3位がUEFAチャンピオンズリーグに出場し、4・5位がUEFAヨーロッパリーグに出場できます。
 この出場チーム数は、いわゆる4大リーグに引けを取らないものです。

 様々な国際舞台・年代での、ポルトガル代表チーム、およびポルトガルのクラブチームの今後の活躍から眼が離せません。
[6月3日・決勝・ウェールズカーディフ]
レアル・マドリード4-1ユベントス

 接戦が予想されたゲームでしたが、レアルが圧勝しました。
 ユベントスは、再び決勝で敗れたのです。

 開始早々はユベントスの「フルスロットルの攻撃」が展開されました。こうした大きなゲームでは珍しい程の猛攻でしたが、レアルはゴールキーパーGKナバス選手を中心として、良く守り切りました。ユーベの猛攻は、前半10分前に終了しました。

 その後は、両チームの攻め合いの様相となりました。

① クリスティアーノ・ロナウド選手の先制点

 前半20分、右サイドからのセンタリングをロナウド選手がゴール左隅に蹴り込みました。
 見事なシュートでした。

 「最強」を誇るユベントスの守備陣、その中核を成すボヌッチ選手が懸命に右脚を出しましたが、ロナウド選手のシュートは、その右脚の僅かに先を通過して、GKブフォン選手の手の先に突き刺さりました。

 このゴールでレアルが勝ったと感じました。

 今大会ここまで、僅かに3失点、ベスト16・ベスト8・準決勝の3対戦・6試合で僅かに1失点のユベントス守備陣が、開始僅か20分で失点したのです。

 レアルの攻撃力がユーベの守備力を上回っていることが、明らかになったのですから。

② イスコ選手とモドリッチ選手

 変幻自在のレアルの攻撃でしたが、特に目立ったのはイスコ選手とモドリッチ選手の運動量とスピードです。

 両選手のドリブル、ボールキープは素晴らしいものでした。

 もちろん、マルセロ選手やカゼミーロ選手も見事な働きを魅せてくれていましたので、レアル・マドリードがチーム全体として良く機能していたということなのですが、イスコ選手とモドリッチ選手の緩急十分な動きは、「ゲームのアクセント」となっていて、守備対応がとても難しいものでした。

 「良いチーム」が創り出されていたのです。

③ イグアイン選手への対応

 現在のユベントスの得点エンジンであるゴンサロ・イグアイン選手が、全く目立たないゲームとなりました。

 レアルは、イグアイン選手へのマークを徹底すると共に、イグアイン選手周辺のスペースも消し続けました。
 結果として、ユベントスはマンジュキッチ選手にボールを集める形となり、前半27分にはスーパーゴールが生まれました。

 レアルディフェンダーに完全にマークされていたマンジュキッチ選手が、オーバーヘッドシュートを決めたのです。「ここしか無い」という位置へのミラクルなシュートでした。

 まさに「スーパーゴール」でしたが、これ程「滅多に決まらないシュート」でなければ得点できないとすれば、ユベントスの追加点は相当難しいだろうとも感じました。

④ 後半はレアルのゲーム

 1-1の同点で折り返したゲームでしたが、後半は開始早々からレアルの動きが勝りました。

 イスコ選手、モドリッチ選手、マルセロ選手、カゼミーロ選手らが自在にピッチを走り回り、効果的なボールをユーベゴール前に供給し続けたのです。

 そこに「世界一の決定力を保持するプレーヤー」が待っているのですから、守り切るのはとても難しいことです。

 後半16分、ゴール前の混戦からこぼれ出たボールをカゼミーロ選手がミドルシュート。これがゴール左隅に突き刺さりました。
 レアルの波状攻撃から生まれたゴールでした。

 後半19分のクリスティアーノ・ロナウド選手のゴールは、まさに世界最高水準のものでした。
 モドリッチ→カゼミーロ→モドリッチと繋いで、モドリッチ選手が抉り、ゴール右サイドへラストパス。そこに走り込んだロナウド選手がワンタッチで流し込んだのです。
 角度の無いところからの難しい筈のシュートですが、いとも簡単に決めたように観えました。
 ゴール前に走り込むロナウド選手の動きは、ディフェンダーからは見えていなかったの様でした。「無人の野を行く」ような趣だったのです。この「走り込み」こそが世界最高レベルだったのです。

 世界トップクラスのディフェンダー、GKを相手にしてのクリスティアーノ・ロナウド選手の「別次元」のプレーであったと思います。

 後半38分には、ユーベのクアトラード選手が2枚目のイエローカード→レッドカードを受けて退場しました。「ボールを保持できない」ことへの苛立ちが形となって表れたのです。

 マルセロ選手のドリブル、抉りから、マルコ・アセンシオ選手の4点目が生まれたのは、ゲームの流れでしょう。既に、レアルの勝利は決まっていたのです。

 「今回こそ」はと意気込んで決勝に臨んだユーベ、戦力的にも向上し十分にヨーロッパチャンピオンを狙えるチームに成っていた筈のユーベでしたが、残念ながら完敗でした。
 ユベントス以上に、レアル・マドリードは強く、充実していたのです。

 UEFAチャンピオンズリーグ2016~17大会の決勝は、「クリスティアーノ・ロナウドのレアル・マドリード」が魅せてくれた最強のゲームのひとつでしょう。

 クリスティアーノ・ロナウド選手の先制点が入った時、スタンドの少年が喜ぶ様子がテレビ画面に大きく映し出されました。

 小さな体を、レアルのアウェイユニフォーム・パープルのユニフォームで包み、喜びを爆発させていました。
 このゲームで、レアルイレブンが身に付けるであろうユニフォームを準備しての応援ですから、相当熱心なファンなのです。
 この子は、一生レアルと共に人生を歩んでいくのでしょう。

 人生の節目節目が、レアルの活躍とオーバーラップして行くのです。
 いわゆるビッグクラブには、多くの人々の人生の糧となって行く、「いつの時代も相応の活躍を継続して行く」責任が有るのです。

 サッカーというスポーツの素晴らしさと責任を、改めて感じさせてくれた、素晴らしいゲームでした。
[5月27日・グループステージD組]
日本2-2イタリア

 本当にハラハラさせられるチームですが、グループステージ最終の第3戦でイタリアと2-2、「2点以上を取っての引き分け以上」という難しい条件をクリアした日本代表チームが、グループ3位ながらも決勝トーナメント進出を決めました。

 まさに「薄氷を踏むような決勝トーナメント進出」なのですが、不思議なもので、このチームの戦い振りからは「伸びしろ」というか、「何とも言えない余裕」が感じられるのです。

 このゲームでは、開始早々の前半3分と7分にイタリアチームに得点を許しました。
 ディフェンスの裏を取られる形での連続失点でした。全くディフェンスシステムが機能していない感じ。まるでイタリアチームの攻撃練習を見ているようでした。

 緒戦こそ勝利したものの、第2戦のウルグアイとの戦いでは0-2と完敗。
 そして第3戦の開始10分も経たないうちに0-2とリードを許すに至っては、「決勝トーナメント進出は絶望的」と感じられました。
 何しろ、まだ80分以上も残っているのですから、「何点取られるのだろう」と感じるのが当然で、追い付き追い越すなどというシーンは全く想像も出来なかったのです。
 やはり、国際部隊の経験が浅い世代だけに、肝心なところで精神面の弱さを露呈したかに見えました。

 ところが、まず日本チームのディフェンスが機能し始めたのです。日本選手達の体が動き始めたと言っても良いかもしれません。
 これで、「この後何点取られるか分からない」という懸念は消えました。

 そうすると、後は攻撃です。
 イタリアにもう1点取られることを勘案(勝手に)すれば、日本は3点以上を取って行かなければならないと思いました。

 中盤でボールを取れるようになった日本チームは、前半22分、遠藤選手からのクロスを堂安選手がダイレクトに爪先で押し込み1点を返しました。相手ゴール前での「爪先のシュート」というのは、常にとても効果的です。
 この1点は、チームに大いなる勇気を与えました。

 後半5分には、堂安選手がドリブルで相手陣を突破、4人位を抜いて行ったでしょうか。そのままボールをゴールに流し込みました。
 素晴らしい得点!サッカー競技における「最も理想的なゴール」の1種ではないかと、私は考えます。

 オフサイドのリスクも無く、パスミスのリスクも無く、シュートを吹かしてしまうリスクも無い、「ドリブルをしながら相手ゴールに走り込む」という理想のゴールに近い得点でしょう。
 堂安選手の持ち味、スピードとテクニックに溢れたドリブルプレーが生きたのです。

 日本チームは、その後も攻め続けましたが、決勝トーナメント進出に向けて敗戦は避けたいイタリアチームの懸命の守備が続き、ゲームは2-2のドローで終了しました。
 この懸命の守備に、イタリア伝統の力を感じました。

 こうした形で決勝トーナメント進出を捥ぎ取ったことを見ると、ゲーム開始早々に2失点したことで「2得点以上の引き分け以上」という条件が、日本チームの前に明示されたことが、「幸いした」かのように見えます。
 もし、試合開始早々に日本チームが1点を先制し、これを守りに行ったとしたら、こうした結果、決勝トーナメント進出という結果が得られていたのかどうか・・・。

 今回のU-20ワールドカップ・日本代表チームには、不思議な力が有ると思います。

 5月30日の決勝トーナメント1回戦、ベネズエラとの戦いにおいても、この不思議な力に期待しています。
[5月20日・第38節・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン4-1 SCフライブルグ

 早々とリーグ優勝を決めていたバイエルン・ミュンヘンが、2016~17年シーズン最終戦・第38節のゲームも快勝して、シーズンを締めくくりました。
 ブンデスリーガの覇者バイエルン・ミュンヘンとしての「27度目の優勝」であり、5連覇(リーグ新記録)をも成し遂げたのです。

 このゲームでは、開始早々のアリエン・ロッベン選手のゴールで先制し、アルトゥーロ・ビダル選手、フランク・リベリ選手、ジョシュア・キミッヒ選手が追加点を挙げて、悠々と勝利したのです。

 この勝利にも観られるように、今季のバイエルンは「得点力」でリーグを支配しました。
 得点89は断トツのトップ(2番手はドルトムントの72)、いつものことながら失点22もリーグ最少、得失点差67は、2番手のドルトムントの32の倍以上という「別次元」の戦い振りだったのです。

 今季2位のRBライプツィヒの健闘こそ光りましたが、少しバイエルンが強すぎたシーズンといった見方もあることでしょう。

 このところのUEFA-CLなどの国際大会を見ると、ややドイツ勢の成績が振るいませんから、ブンデスリーガには、他のチームが戦力を整えて、「バイエルン1強状態」を解消することが期待される時期が来ているのかもしれません。
[5月17日・決勝・スタディオ・オリンピコ]
ユベントス2-0ラツィオ

 2016年7月に開始された、コッパ・イタリア(イタリア杯)大会2016~17の決勝戦が5月17日に行われ、ユベントスがラツィオを2-0で下して優勝、ユベントスは2014~15年シーズンからの3連覇を成し遂げました。

 1922年から始まり、そろそろ1世紀の歴史を誇る大会ですが、3連覇は史上初の快挙でした。
 これまで、ユベントスを始めとして、インテル、ACミラン、ASローマ、サンプドリアといったチームが2連覇を達成していたのですが、不思議なことに3連覇は無かったのです。
 世界屈指のビッグクラブを擁するセリエAですから、1チーム位は成し遂げていそうなものですが、それだけセリエAの各チームの実力が拮抗していて、またコッパ・イタリアを勝ち抜くことの難しさを感じます。

 21世紀に入って3度、コッパ・イタリアを制していたラツィオ、準決勝で接戦の末ASローマを下して決勝に進出したラツィオでしたが、残念ながら今大会は、2012~13年大会以来の優勝はなりませんでした。

 ゲームは、前半12分にダニエウ・アウヴェス選手のゴールで先制したユベントスが、前半24分にレオナルド・ボヌッチ選手のゴールで追加点を挙げ2-0とリードしました。共にアレックス・サンドロ選手からのラストパスを見事に決めたゴールでした。
 ホームのラツィオとしては、当然ながら猛反撃に出ましたが、再三のシュートがユベントスのゴールキーパーGKネト選手の正面を付くなどして、結局ユベントスゴールをこじ開けるに至らず、ゲームはそのまま2-0でユベントスの勝利となりました。

 さて、リーグ戦でも首位を走るユベントスが、まずは国内NO.1カップ戦を制しました。
 ユーベは、UEFA-CLでも決勝に進出しています。

 ユベントスの「三冠」、セリエA、コッパ・イタリア、UEFAチャンピオンズリーグ、の優勝は成るのでしょうか。

 セリエAで「6連覇」を目指す常勝軍団・ユベントスにとっても、滅多に無いチャンスがやって来たのです。
[5月17日・第31節]
ASモナコ2-0サンテチエンヌ

 フランスサッカーの最高峰リーグ・アンは、5月14日に第37節を終えてトップに立っていたASモナコが、未消化だった第31節のゲーム・対サンテチエンヌ戦を5月17日に行い、これに勝利して、5月20日の第38節のゲームを残して、優勝を決めました。

 ASモナコにとって、1999~2000年シーズン以来17シーズンぶりのリーグ制覇ですから、21世紀に入って初めての優勝ということになります。

 近時の常勝軍団であるパリ・サンジェルマンとの競り合いが続いていましたが、このゲームの勝利で勝点を92と伸ばし、サンジェルマンに6点差としたのです。
 37試合を終えてのモナコの戦績は、29勝3敗5引分と素晴らしい勝率です。これほどの勝率で戦いながらも、第37節まで優勝が持ち越されてきたのですから、サンジェルマンも高いレベルのシーズンを戦ってきた(27勝5敗5引分)ことが分かります。

 ASモナコの今季の戦い振りを見ると、2016年8月28日・第3節のサンジェルマン戦を3-1で勝ったゲームが大きかったと感じます。
 このゲームは、モナコのモウチーニョ選手が先制し、ファビーニョ選手が追加点を挙げて、前半を2-0とリードし、後半のサンジェルマンの反撃をカバーニ選手の1ゴールに抑えて押し切ったものでした。
 今シーズンのモナコの得点力を感じさせるゲームですが、この勝利で勢いに乗ったのでしょう。

 その後、9月21日・第6節のOGCニース戦で、マリオ・バロテッリ選手の2コールなどで0-4と初黒星を喫しましたが、ファルカオ選手やムバッペ選手の得点力をベースとして、安定した戦いを続けたのです。

 そして、2017年1月29日・第22節、パリ・サンジェルマンとの第2戦を1-1で引分けました。このゲームは、0-0の展開から後半36分にカバーニ選手のゴールが生まれて、サンジェルマンがリードしましたが、後半インジュリータイムにモナコのシウヴァ選手が値千金の同点ゴールを挙げてドローとしました。

 サンジェルマンにとっては痛恨の引分となったのですが、モナコにとってとても重い引分でした。

 2月以降は、UEFAチャンピオンズリーグのゲームとの兼ね合いから、厳しいスケジュールが続きましたが、「ゆるぎない安定感」は不変でした。

 今季のチーム得点ランキングは、ラダメル・ファルカオ選手(コロンビア)が21でトップ、キリアン・ムバッペ選手が14で続きます。相当強力な2トップでしょう。
 中盤には、ベルナルド・シウヴァ選手(ポルトガル)、トーマス・レマー選手、ティエムエ・バカヨコ選手らを揃え、DFには、ファビーニョ選手・ジエメルソン選手のブラジル勢に、カミル・グリク選手(ポーランド)とナビル・ディラル選手(モロッコ)の長身選手を配しています。
 当然のことながら、攻守のバランスと攻撃のバリエーションの豊富さが、強さの根源となっているのでしょう。

 今季のASモナコは、UEFA-CLでも準決勝まで進出しました。
 こちらは、惜しくもユベントスの前に敗退しましたが、リーグ・アン優勝、CL準決勝進出となれば、その充実ぶりがよく分かります。

 ポルトガル出身のレオナルド・ジャルディム監督を中心として、2014年から続けてきた強化策が見事に実ったのです。
 ジャルディム監督の契約は2019年までと報じられています。

 しばらくは、ASモナコの戦い振りから眼が離せません。
[5月10日・準決勝第2試合・エスタディオ・ビセンテ・カルデロン]
レアル・マドリード1-2アトレティコ・マドリード(2試合通算4-2)

 ホームの第1試合を3-0で快勝していたレアルが、アウェイゲームを1-2で落としたものの、2ゲーム通算4-2で勝利して、決勝進出を決めました。

 第1試合のリードからか、この試合のレアルの立ち上がりは、慎重というか動きの悪いものでした。守備的に入ったというところなのでしょう。

 一方のアトレティコは、大量点を挙げない限り道が開きませんので、積極的な攻撃をつづけました。
 そして、前半12分にニゲス選手、同16分にグリーズマン選手が立て続けに得点して2-0とリードします。試合時間を残しての2得点に、エスタディオ・ビセンテ・カルデロンの観客も大興奮、大声援を送り続けました。

 決勝進出への戦いの中で、この試合の「3点目」が帰趨を分けることは明らかでしたから、アトレティコは必死に攻め、レアルは必死に守るとともに、アトレティコのやや乱暴にさえ見える守備を打ち破っての得点を狙うゲームとなったのです。
 見応え十分の応酬でした。

 そして前半42分、左サイドからベンゼマ選手が持ち込みます。これに対してアトレティコのディフェンダーDFは3人がかりでガード。いかに突破力十分のベンゼマ選手と言えども、このレベルのDF3人を相手にしては苦しいところでしょうから、パスを出すかと思われた瞬間、ゴールラインぎりぎりにボールを蹴り、一気に3人のDFを抜き去って、マイナス角度のパス。

 このパスから狙い澄ましたシュートが放たれましたが、アトレティコのゴールキーパーGKオブラク選手も良く反応して弾きました。しかし、詰めていたイスコ選手がこれを押し込んだのです。
 レアルの厚みのある攻撃、波状攻撃が実りました。

 この1点で、レアルの決勝進出が決まったと感じました。

 レアル・マドリードは、近時のチャンピオンズリーグにおける強さを今季も示して、決勝進出を果たしました。

① 対戦相手はユベントス

 UEFA-CLの長い歴史の中で、レアルとユーベの対戦成績は8勝8敗2引分と全くの互角と報じられました。
 リーガエスパニョーラとセリエAという、常に世界のサッカー界を牽引してきた両リーグを代表する両チームは、CLの舞台でも好勝負を演じてきたのです。

 決勝での対戦は1997~98年大会以来です。
 1998年5月20日に、アムステルダムアレーナで行われた決勝でした。

 この時のユベントスには、GKアンジェロ・ベルッツイ選手、DFにパオロ・モンテーロ選手(ウルグアイ)、マルク・ユリアーノ選手、MFにアンジェロ・ディ・リービオ選手、ディディエ・デシャン選手(フランス)、エドガー・ダーヴィッツ選手(オランダ)を擁し、攻撃陣には、ジネディーヌ・ジダン選手(フランス)、フィリッポ・インザーギ選手、アレッサンドロ・デル・ピエロ選手といったプレーヤーが顔を揃えていたのです。
 
 誰が見ても「これは強い」と納得できるメンバーでしょう。
 この頃のユベントスは、1996~97年大会と1997~98年大会の2大会連続で決勝に進出していたのですから、「いつも強いユーベ」としても、ひとつの全盛期であったことは間違いないでしょう。(残念ながら、2年連続で準優勝でしたが)

 この「強いユベントス」を1998年5月20日に破ったレアル・マドリードのメンバーはというと・・・。
 GKはボド・イルクナー選手(ドイツ)、DFにマヌエル・サンチェス選手、フェルナンド・イエロ選手、ロベルト・カルロス選手(ブラジル)、MFにクラレンス・セードルフ選手(オランダ)、クリスティアン・カランブー選手(フランス)、攻撃陣は、フェルナンド・モリエンテス選手とブレトラグ・ミヤトビッチ選手(ユーゴスラビア)という布陣。
 こちらも素晴らしいメンバーが揃っていました。

 この1998年決勝のメンバーを見ると、「華やかさ」という点ではユベントスの方が上回っている印象です。
 「銀河系軍団」に成る前のレアル・マドリードは、勝負強い「重厚なチーム」といったところでしょうか。

 このゲームは、0-0の競り合いから、後半21分のミヤトビッチ選手のゴールでリードしたレアルが1-0で勝利、CL7度目の優勝を飾ったのです。

 いつの時代も、世界のトッププレーヤーが揃っている両チームの対決ですから、19年前も、今回も「豪華絢爛なメンバー」がピッチを飾るのです。
 ちなみに19年前の大会の得点王は、デル・ピエロ選手(10得点)でした。華麗かつ創造力豊かなプレー、文字通りの「ファンタジスタ」として、圧倒的な人気を誇ったデル・ピエロ選手の全盛期であったと思います。

 この「黄金カード」は、今回はどんなドラマを魅せてくれるのでしょうか。

② 4シーズンで3回目の優勝

 レアルは、2013~14年大会、2015~16年大会に優勝していますから、今大会を勝つと「直近の4シーズンで3回目」の優勝となります。

 もちろん、過去にはレアル自身の5連覇(1956年~60年)やアヤックスの3連覇(1971年~73年)、バイエルン・ミュンヘンの3連覇(1974年~76年)といった記録が在りますけれども、21世紀に入ってからは、ひとつのチームに覇権が集中する傾向は小さくなっていました。
 「偉大な記録」がかかっていると感じます。

③ バイエルン・ミュンヘンに勝った時のレアルは「強い」

 CLのクラシコと呼ばれる「レアル・マドリード対バイエルン・ミュンヘン」の対戦、そして、その大会でバイエルンに勝った時のレアルは一層強いという伝説、この伝説が再び試される試合ともなりました。

 ユベントスには「19年前の借りを返し、CLでレアルに勝ち越す」という大目標があり、レアル・マドリードには「バイエルンに勝った大会では負けられない」という自負と自信があるのです。

 6月3日、ラグビーの聖地、ウェールス・カーディフのミレニアム・スタジアムが今年の決勝の舞台となります。

 素晴らしいゲームとなることでしょう。
[準決勝第2戦・5月9日・ユベントススタジアム]
ユベントス2-1ASモナコ(2戦通算・4-1)

 ユベントスが完勝して、2014~15年大会以来2シーズンぶりの決勝進出を果たしました。
 1995~96年大会以来の3度目の優勝、21世紀に入って初の優勝を目指して、駒を進めたのです。

 第1戦をアウェイで2-0と快勝していたユーベは、ホームの第2戦も前半でマンジュキッチ選手とアウヴェス選手の得点で2-0とリードして、悠々と逃げ切った印象です。
 今大会のユベントスは、相当強いのです。

 伝統の守備力に加え、高いレベルの攻撃力をも具備しているのですから、当然と言えば当然なのですが、チーム全体のバランスの良さが際立っています。

 このゲームの先発メンバーを見てみましょう。
・GK ブッフォン選手
・DF キエッリーニ選手、ボヌッチ選手、バルザーリ選手、ピャニッチ選手、サンドロ選手
・MF マンジュキッチ選手、アウヴェス選手、ケディラ選手、ディバラ選手
・FW イグアイン選手

 となっています。
 ひと目見て「良いチーム」であると感じます。

 DFとMFの連動性が高く、FWイグアイン選手の運動量と相まって、相手チームに隙が出来やすいプレーが出来ているのです。
 「個の力」の高さ、粒揃いの感じも、近年随一だと思います。

 この対戦においても、第1戦の前後半でイグアイン選手が1点ずつ計2点を挙げて勝利しましたから、第2戦ではASモナコのDFはイグアイン選手マークを強化しました。
 そうすると、今度は「分厚いMF」の攻撃が展開されるのですから、この攻撃を抑え込むのは容易なことでは無いでしょう。

 セリエAの代表として、2009~10年大会のインテル以来の優勝を狙える体制が整ったのです。
 決勝戦でも、「練りに練った戦術」を駆使しての「ユーベの戦い」が披露されることでしょう。
 日本代表チームが5大会ぶりに出場する、サッカーU-20ワールドカップの組合せ抽選会が3月15日に開催国の韓国で行われ、日本チームは、ウルグアイチーム、イタリアチーム、南アフリカチームと同じD組に入りました。

 各組の組合せは以下の通りです。

[A組]
・韓国
・ギニア
・アルゼンチン
・イングランド

[B組]
・ベネズエラ
・ドイツ
・バヌアツ
・メキシコ

[C組]
・ザンビア
・ポルトガル
・イラン
・コスタリカ

[D組]
・南アフリカ
・日本
・イタリア
・ウルグアイ

[E組]
・フランス
・ホンジュラス
・ベトナム
・ニュージーランド

[F組]
・エクアドル
・アメリカ
・サウジアラビア
・セネガル

 ワールドカップですから、「楽な組」というのは存在しませんが、D組は決して戦い易い組ではなく、難しい組に入ったという印象です。

 各地域の予選結果から見れば、ウルグアイチームが南米の1位、イタリアチームが欧州の2位、南アフリカチームがアフリカの4位となっています。
 アジアの1位で出場権を得た日本が、南米の1位、そして欧州の2位と同組というのですから、「厳しい組」でしょう。

 各組の2位までと、3位のチームの中から上位4チームの、計16チームが決勝トーナメントに進出するという、かつてのフル代表のワールドカップと同様のレギュレーションですから、「引分がとても重要」ですし、得失点差も大きく影響してきますので、一瞬たりとも気の抜けないゲームが続くこととなります。

 日本代表のゲームスケジュールは以下の通りです。
① 5月21日 南アフリカ戦
② 5月24日 ウルグアイ戦
③ 5月27日 イタリア戦

 南アフリカに勝利して勢いに乗り、ウルグアイとイタリアのゲームは「負けない」試合をするといった戦略も考えられますが、そうそう上手く行くものでもあれません。
 やはり、1ゲーム1ゲームを丁寧に戦っていくということになるのでしょう。

 今大会に臨むU-20日本代表チームには、「戦っていくほどに強さを増す」といった特質があるように感じます。

 本大会でも、この「成長力」に大いに期待したいと思っているのです。
[4月19日・準々決勝第2戦・カンプノウ]
ユベントス0-0FCバルセロナ

 ユベントスがアウェイの第2戦を0-0で引分け、第1戦との通算3-0で勝ち上がりました。
 超強力なバルセロナの攻撃を「2試合連続完封」した形ですが、イタリア・セリエAの力というか、イタリアサッカー伝統の「堅い守備」を如何なく発揮したのです。

 2試合を通じて、バルセロナのプレーヤーは「なかなかペナルティエリアに入れなかった」イメージです。
 メッシ選手、スアレス選手、ネイマール選手という「黄金の3トップ」を相手にして、ゴール近くからのシュートを許さなかったユーベのディフェンスは、オフサイドラインの微妙かつ頻繁な操作も含めて、相当高度なものだったのでしょう。
 さすがのFCバルセロナでも、決勝トーナメント1回戦で、バリ・サンジェルマンを相手に、0-4の劣勢から大逆転勝ちを収めたバルセロナでも、その堅塁を抜くことは出来なかったのです。
 ユーベの面目躍如たるものがあります。

 加えて、攻撃面ではパウロ・ディバラ選手(アルゼンチン)を活かしたフォーメーションと戦術が、見事に決まりました。
ケディラ選手の力強いプレー、マンジュキッチ選手やイグアイン選手の変幻自在な動きも、印象的でした。
 伝統の守備力に、効果的な攻撃力が加われば、ユベントスは強いのです。

 このところ「スペイン勢に席巻されているチャンピオンズリーグ」ですが、イタリア・セリエAの代表としてのユベントスの戦い振りは、この数年では最も充実している感があります。
 レアル、アトレティコのマドリードの2チームにとっても、油断ならない相手となるでしょう。
[4月18日・準々決勝第2戦・ベルナベウ]
レアル・マドリード4-2バイエルン・ミュンヘン

 レアルが、クリスティアーノ・ロナウド選手のハットトリックで延長戦を制して、2戦通算6-3で勝ち上がりました。

 チャンピオンズリーグCLにおける「クラシコ」とも呼ばれる「伝統のカード」を、今季も制したのです。このカードを制した時のレアルは、CLにおいて好成績を残していますので、今大会も「優勝候補筆頭」ということになるのでしょう。

 ロナウド選手のプレーは、見事の一語。バイエルンのゴール前でパスを受けてから、シュートに至るまでの動きに「全く無駄が無い」上に、「正確無比」でした。
 クリロナ選手の、あれだけ狙い澄ましたシュートでは、世界最高のゴールキーパーGKとも称されるマヌエル・ノイアー選手でも止めることは出来ませんでした。
 今季のCLでは、前半得点が少なく、ファンもヤキモキしていたところでしょうが、決勝トーナメントに入ってからは、クリスティアーノ・ロナウド「らしい」活躍を魅せています。

 レヴァンドフスキ選手が復帰したバイエルンも好プレーを展開しましたが、ホームのレアルは全く動揺を見せることなく、ゲームを支配し続けました。
 そして、ビダル選手の退場後は、レアルの攻勢が続いたのです。

 チャンピオンズリーグ最多の優勝回数を誇り、チャンピオンズリーグに愛されているとも言われるレアル・マドリードの、進撃が続きます。
 4月6日に発表されたFIFAランキングで、オランダが32位と過去最低となりました。

 現在のランキング制度が始まったのは1993年ですが、21世紀に入ってからは常に世界最高レベルのサッカーを展開し、ワールドカップの優勝候補にも何度も挙げられていたチームですので、この凋落はとても意外です。

 2016年のユーロ(欧州選手権)の本戦に、オランダ代表チームが出場できなかった=予選敗退した時には、「余程調子が悪かったのか」と感じていましたが、ワールドカップ2018ロシア大会に向けての欧州予選A組でも、現在2勝2敗1引分で、フランス、スウェーデン、ブルガリアについで4位と、敗退の危機に晒されているのを見ると、オランダ代表の変調が深刻であることが分かります。

 3月26日に行われたブルガリア戦も0-2で完敗して、浮上へのきっかけを作れずにいるのです。

 サッカー環境と言う点からは、サッカーが盛んな地域である欧州の中でも抜群と評され、ドイツにおける芝のサッカー場が5000面であるのと比較して、オランダには10000面以上あるとも報じられています。ドイツの方が国土の面積と言う面では圧倒的に広いことを考え合わせれば、オランダにおける芝サッカー場の数がいかに多いか分かります。
 加えて、体躯・パワーに恵まれたアスリートが多いのですから、オランダサッカーが強いのは、ある意味では当然とも見られていたのです。

 ヨハン・クライフ選手、ファンバステン選手、ルート・フリット選手、ライカールト選手、クラレンス・セードルフ選手、デニス・ベルカンプ選手、パトリック・クライファート選手、ファン・デル・サール選手、ルート・クロル選手、スナイデル選手、ファン・ペルシ選手、そしてアリエン・ロッベン選手と、オランダ出身の世界的プレーヤーは枚挙にいとまがありません。

 世代交代がどんどん進み、いつの時代にも「強いナショナルチーム」を構成できる国、というのがオランダだった筈です。
 それが、1年以上にわたって不振が続いているというのは・・・。

 オランダサッカーに何が起こっているのでしょうか。

 とはいえ、「底力」十分なオレンジ軍団ですから、ここからの巻き返しが見ものであろうとも感じるのです。
 「チームは監督によって変貌する、とてつもなく変貌する」ということを如実に示してくれました。

 今回の最終予選、当初の6試合でブラジル代表チームは6位に沈み、ワールドカップ史上初めて「ブラジルの居ない大会」となるかもしれないと言われました。
 本ブログでも「危機的な状況」という記事を掲載しました。

 2014年のワールドカップ・ブラジル大会における、ドイツ代表を相手にしての1-7の大敗から、セレソンは元気が無いと言われ、2016年のコパアメリカ・センテナリオ大会でも早々に敗退した時には、「どうしたカナリア軍団」と、ブラジル代表チームの歴史の中でも最も弱い時期ではないかと指摘されていました。

 そして、2016年6月に監督が交代したのです。
 チッチ監督(アデノール・レオナルド・バッチ監督)の登場でした。

 1961年5月生まれ、55歳のチッチ監督は、1990年から主にブラジルのクラブチームの監督を務め、2010年にブラジル屈指の大クラブ、コリンチャンスの監督になって一気に世界的な監督となりました。
 チッチ監督率いるコリンチャンスは、2012年のコパ・リベルタドーレス(南米選手権に)優勝し、FIFAクラブワールドカップをも制覇したのです。

 チッチ氏は、自国開催のワールドカップで傷ついた代表チームの監督就任が期待されていましたが、意外にもドゥンガ氏が就任することとなり、そのドゥンガ監督が国民が願うような成績を残せなかったというか、惨憺たる成績しか残せなかったので、ようやく代表監督に就任することが出来たのです。

 そして、セレソンの巻き返しが始まりました。

 チッチ監督就任以降、ブラジル代表チームは南米最終予選で8連勝を飾り、一気に首位に立つどころか、「世界最速での本大会出場権獲得」という離れ業を成し遂げました。
 当初の6試合で、10チーム中6位に喘いでいたチームとは思えない、驚異的な強さを披露したのです。

 セレソンのメンバーは、ドゥンガ監督の時とチッチ監督になってからで大きな違いはありません。ネイマール選手やレナトアウグスト選手、マルキーニョス選手やコウチーニョ選手、マルセロ選手、パウリーニョ選手等々、当然のことながらブラジルサッカー界の懐は深く、素晴らしいプレーヤーが目白押しであり、ドゥンガ監督もこうしたトッププレーヤーを選抜してチームを創っていたのです。

 しかし、南米予選の当初6試合で、11得点8失点と「低い得点力・高い失点率」という最悪の結果しか残せませんでした。

 一方で、チッチ監督が就任して以降の8試合では、24得点2失点と「攻守とも別のチーム」と言って良いほどの変貌ぶりでした。
 この変貌が、若い世代のチームではなく、ナショナルチーム、それも世界屈指のナショナルチームで起こっているというところが、凄いところでしょう。世界最高水準のプレーヤー、サッカーを相当知っているであろうプレーヤーが集まっているチームにおいても、これだけの変革が実現するのです。

 これは、まさに「マジック」と呼ぶにふさわしいでしょう。

① 戦術の変化

 チッチ監督が導入した、いくつかの新戦術が功を奏していることは間違いないところです。
 ブラジルサッカーの特徴のひとつである「ペナルティーエリア近辺でのスピードアップ」が、随所で見られるようになりました。

 チームリーダーであるネイマール選手も「ブラジルらしいゲームができている」とコメントしています。

② 「やる気を出させる」指導法

 こうなると不思議なもので、「選手たちが生き生きとプレーしているように」観えます。

 個々のプレーヤーの能力が高いことは明らかなセレソンが、気持ちよく、思い切りプレーできれば、ブラジル代表チームが強いチームであることは、今更言うまでもないことなのです。

 チッチ・マジックの最たる部分ですが、どのようなノウハウ・手法が取られているのかは、分からないところです。ここでも「肝心な情報」は分からないのです。

 いつの時代でも、どうでも良い?情報は巷に溢れ、肝心な本質的な情報は秘匿されることが良く分かります。情報を取り扱う仕組み・ツールがどんなに発達し、情報収集のスピードや情報量が飛躍的に向上しても、肝心な情報を入手することの難しさは、全く変わらないのでしょう。

 それにしても、今回のブラジル代表チームの変貌は、凄いものでした。

 「監督が代わればチームは変貌する、とてつもなく変貌する」ということは、もちろん、サッカーに限ったことではありません。
 全てのスポーツ、そして全ての組織に共通したことなのでしょう。
 チャンピオンズリーグにおいては、いつも「組合せ抽選」が優勝争いに大きな影響を与えます。

 2016~17年シーズンのベスト8・準々決勝の組合せ抽選会は3月17日に行われましたが、やはり今季も悲喜こもごもの結果となりました。
 組合せは以下の通り。

① ボルシア・ドルトムント-ASモナコ
② ユベントス-FCバルセロナ
③ アトレティコ・マドリード-レスター・シティ
④ バイエルン・ミュンヘン-レアル・マドリード

 真っ先に目につくのは、④のバイエルンVSレアルです。

 現代のクラブ3強が準々決勝で顔を合わせることとなったのです。
 「優勝するためには、いずれは戦わなくてはならない相手」とはいえ、こんなに早く当たらなくてもよい、というところでしょうか。

 ドイツ・ブンデスリーガを代表するバイエルンと、スペイン・リーガエスパニョーラの強豪レアルの激突は、本大会の注目の一戦です。

 戦力的には互角の両チームですが、チャンピオンズリーグの優勝回数という面からは、レアルが11度(最多)、バイエルンが5度(史上3位)と、レアル・マドリードは「チャンピオンズリーグの神様に愛されている」とも言われますから、やや分があるというところかもしれません。

 続いては②、ユベントスVSバルセロナでしょうか。
 イタリア・セリエAにおいて近年無敵のユーベと、レアル、バイエルンと共に現代の3強の一角バルサの組合せとなりました。
 「最強の守備と最強の攻撃の戦い」といった趣です。

 ユベントスがセリエAの意地を見せてくれるかが注目されます。

 続いては③、アトレティコVSレスター。
 いつの時代も、レアル、バルセロナに続いてのアトレティコ・マドリードは、リーガエスパニョーラの3強の一角を占めています。
 チャンピオンズリーグでも、2013~14年シーズン、2015~16年シーズンに準優勝するなど、準優勝3度の実績があります。(ちなみに近時の2度の優勝チームは、いずれもレアルでした)

 これに対して、プレミアリーグを代表してレスターが挑む形でしょう。
 戦力的には、ややアトレティコが優位にあると思います。

 最後は①、ドルトムントVSモナコ。
 ドルトムントにとっては2012~13年シーズンの準優勝を始めとして、優勝1度・準優勝1度と「相性の良い大会」といって良いでしょう。
 一方のモナコも2003~2004年シーズンに準優勝していますから、チャンピンズリーグに強いチームだと思います。
 このカードは互角と見ます。フランス・リーグアンの意地を観てみたいものです。

 今大会も、決勝戦のカードとして全くおかしくない組合せが、準々決勝で生まれました。
 
 これが、UEFAチャンピオンズリーグなのです。
[3月28日・埼玉スタジアム]
日本4-0タイ

 久保裕也選手の大活躍が続いています。

 このゲームでも、1得点・2アシスト。3月24日のUAE戦も含めて、ハリルジャパンが挙げた6得点の内、5得点に絡む活躍なのです。
 
 まさに、日本代表チームの「次代のエース」でしょう。
 日本代表チームは、ようやく本田選手に代わるプレーヤーを得たと感じます。

① シュートの正確性

 この点が、最も素晴らしいと思います。
 サッカーの試合を観ていると、「あそこにシュートすれば良いのに」と思うことが多いのですが、「あそこに」蹴ることが容易なことでは無いのは、長くサッカーに親しんでいると、痛感させられます。大試合となると尚更で、狙ったコースにシュートを打てるというのは、「ひとつの才能」のように感じられるのです。

 その「ひとつの才能」を、久保選手は具備しているようです。
 久保選手は、決して多くのシュートを放つタイプではありませんし、このゲームでも2アシストしていることを観ても、臨機応変なプレーを得意としていることは間違いありませんが、ひとたびシュートを放つとなれば、そのシュートコースは極めて正確です。

 この試合のゴールも、スローインからのボールをドリブルで持ち込んで、相手ゴール右上隅に叩き込みました。まるで、オランダのロッベン選手のようなプレーでした。
 とても「簡単にゴール」しているように観えるところは、歴代の世界のトッププレーヤーと同様です。

② ドリブルもパスもハイレベル

 前述①でも書きましたが、ドリブルのスピードと上手さ、パスの精度の高さは、再三のアシストプレーが証明しています。

 そして、「プレーイメージ力の高さ」も挙げなければならないのでしょう。

 この局面で、どのようにボールを動かすことが最も効果的なのか、を瞬時に判断する能力が高いのです。
 その点では、まさに本田選手に近い存在と言えるでしょう。

 フィジカルの強さに、このイメージ力の高さを加えることが出来るプレーヤーこそが、「エース」なのであろうと思います。

 日本代表チームの右のフォワードFWといえば「本田圭佑」という時代が10年以上も続いてきたのです。
 本田選手は、その決定力と存在感において、代表チームに欠くべからざる存在でした。
 「記録と記憶の両方に残る」プレーヤーなのです。
 そして、その存在感の大きさは現在でも変わらないと思います。

 久保選手は、その本田選手に匹敵する存在感を身に付けようとしています。

 日本代表チームは、ついに本田選手の後継者を得たのでしょう。
[3月28日・埼玉スタジアム]
日本4-0タイ

 日本代表チームは、大事な試合をきっちりと勝ち切りました。
 得失点差も大きく改善する、狙い通りの勝利でした。

 ドリブルを主体としたタイ代表チームの攻撃に、再三ゴールを脅かされましたが、ゴールキーパーGK川島選手やディフェンダーDF森重選手を始めとする「全員守備」が機能して、タイチームを零封したのが、最大の成果かもしれません。

 こうしたゲームにおいて、その存在感を再び明確にしたのが、フォワードFWの岡崎選手でしょう。

 前半8分の香川選手の素晴らしい先制点の後、少し停滞気味であったハリルジャパンに「喝」を入れるような一撃でした。

 久保選手のセンタリングを、相手ゴール右サイドで合わせたヘディングシュートは、その威力・コース共にワールドクラスでした。
 何より、相手チームのDFと競り合い、ほとんど体を合わせてボールに向かっていく状況で、20cm程先にボールにコンタクトし、強烈なシュートを、ここしかないという位置に叩き込むプレーは、まさに岡崎慎司の真骨頂でしょう。

 FW大迫選手の怪我により、先発起用されたとも見られていますが、持ち味の違う2人のプレーヤーが居るというのは、頼もしい限りです。

 岡崎選手は、その後も精力的に動き回り、守備面でも再三タイチームの攻撃の芽を摘むプレーを魅せてくれました。

 いつも書くことで恐縮ですが、現在の日本代表チームにおいて、ワールドカップで得点したことがあるのは、本田選手と岡崎選手の2人だけです。
 この2人のプレーヤーが、現在の代表チームで「最も大試合に強いプレーヤー」であることは、間違いが無いところでしょうし、相当に年齢を重ねた現在においても、大事な代表戦でゴールを挙げるのですから、「ハリルジャパン最多得点」の本田選手と共に、代表チームに欠かせない選手であることを、改めて示してくれた大活躍でした。

 日本代表チームを、過去10年間余に渡って支えてくれた本田選手と岡崎選手にとっても、2018年のロシア大会が、最後のワールドカップとなる可能性が高いと思います。

 ハリルジャパンには、是か非でも出場権を確保していただきたいものですし、「確保」に向けて、このタイ戦の勝利は、とても大きなものであったと感じます。
[3月15日・第2戦・スタッドルイⅡ]
ASモナコ3-1マンチェスター・シティ

 ホームゲームを3-1で制したASモナコが、2戦通算6-6、アウェイゴール3-1の差を持って勝ち抜きました。
 モナコのファンには申し訳ありませんが、番狂わせという感じがします。

 前半、ムバッペ選手のゴールで1-0とリードしたモナコでしたが、後半26分シティのサネ選手に同点ゴールを許しました。
 こうなると、第1戦・5-3でシティ勝利が効いてきて、対戦は相当にシティ有利になったように感じられました。

 ところが、同点ゴールから僅か3分後の後半29分、モナコのファビーニョ選手が勝ち越しゴール、またその3分後の32分にバカヨコ選手がゴールと、ASモナコは僅か6分間で2ゴールを挙げてマンチェスター・シティをつき離し、残り時間を凌ぎ切ったのです。

 アグエロ選手、フェルナンジーニョ選手、ダビド・シルバ選手、スターリング選手と言った有名選手を、フォワードFW、ミッドフィールダーMFに揃えたシティでしたが、ついに「あと1点」を奪うことはできなかったのです。
 グアルディオラ監督にとっても、ショックな結果でしょう。

 ASモナコは、フランス1部リーグ・リーグアンの代表として、準々決勝のステージに進むこととなりました。
 この試合には出場できませんでしたが、大砲のファルカオ選手を擁した攻撃力は侮れません。
 今大会の「台風の目」と言って良い存在でしょう。

 それにしても、「両チーム合わせて12得点」というのは、UEFA-CL史上2番の大量得点・壮絶な打ち合いでした。(ちなみに1位は2008~09年シーズンの決勝トーナメント1回戦におけるバイエルン・ミュンヘンとスポルディング・リスボンの13得点)

 大会史上に残る打ち合いを制して、ASモナコに凱歌が上がったのです。

[3月14日・第2試合・キングパワースタジアム]
レスター・シティ2-0セビージャFC

 2月22日の第1戦を1-2で落としていたレスターが、ホームでの第2戦で2-0のスコアで勝利して、2ゲーム通算3-2で勝ち抜きました。

 レスター・シティはチーム史上初のチャンピオンズリーグ8強を達成したのです。

 今シーズンのプレミアリーグでは、苦戦を強いられているレスターですが、昨季の「プレミアリーグ優勝チーム」として、役割期待に応えていると言えるでしょう。

 レスターの地元のメディアでは、岡崎慎司選手の貢献が高く評価されていると報じられました。
 このゲームに先発し、後半19分までプレーした岡崎選手は、自身のゴールこそならなかったものの、後半9分には、岡崎選手のシュートからのこぼれ球をオルブラトン選手が叩き込んで、2点目が入ったのです。

 岡崎選手のこの活躍が「絶え間ない真実の努力と献身」「監督の信頼を正当化した」と地元メディアから称賛されているのです。

 ボール支配率が32%と低いチームにとっては、ボールを回しながらチャンスを伺うといった戦術は取るべくも無く、高い位置からのプレスで相手ボールを奪い、数少ないチャンスを形にして行くしかなかったのですが、この難しい試合運びを可能にしたのは、岡崎選手の献身的なプレーだったということでしょう。

 イングランドサッカー史上に燦然と輝く「大番狂わせ」をやってのけたレスター・シティにとって、岡崎選手は不可欠な存在であることを改めて示したのです。

 決勝トーナメント1回戦で、アーセナルが敗れ、レスターが勝ち抜く。
 もちろん組合せの問題もあるのでしょうが、「レスターの快進撃」はステージを代えて、まだまだ続いているのかもしれません。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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