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 ヨーロッパNO.1クラブチームを決める大会、2020~21年UEFAチャンピオンズリーグCLが、10月20日に開幕しました。
 新型コロナウイルス禍の中での開幕です。

 第2次世界大戦終了後の1948年、第1回南米クラブ選手権が開催され大成功を収めたことを受けて、「欧州にもNO.1クラブ決定戦を」という機運が高まり、1955年(昭和30年)に「ヨーロピアン・チャンピオン・クラブズ・カップ」として開始されたのが、UEFA-CLの第1.回大会とされています。(UEFAは欧州サッカー連盟の略号)
 そして、1992~93年シーズンから大会名が「ヨーロッパ・チャンピオンズリーグ」に変更され、1996~97年シーズンからは大会名が「UEFAチャンピオンズリーグ」となり、現在に至っています。

 ナショナルチームによる大会(ワールドカップやユーロなど)と比較して、「華やかな大会」というイメージがCLにはあります。
 各大陸に同趣旨の大会がありますが、世界中からスタープレーヤーが集まっているヨーロッパのクラブ対抗大会ですので、世界最高レベルのプレーに溢れているゲームが続くのは、自然な話でしょう。

 さて、10月20日・21日に行われた、グループリーグGL第1節の結果を観て行きましょう。

[A組]
[10月21日・レッドブルアリーナ]
RBライプツィヒ2-2ロコモティヴ・モスクワ

[10月21日・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン4-0アトレティコ・マドリード

 バイエルンのホームで行われた、優勝候補同士の一戦は、バイエルンが圧勝しました。
 キングスレイ・コマン選手の2得点と、レオン・ゴレツカ選手、コレンティン・トレッソ選手のゴールによる4得点ですが、相変わらずの得点力です。「どこからでも得点できる」攻撃は、今期もバイエルン・ミュンヘンの強力な武器なのです。4点も取っていながら、エースのレバンドフスキ選手のゴールが無いというところに、凄みを感じます。
 アトレティコとしては、新加入のルイス・スアレス選手から得点が生まれなかったところが残念ですが、世界屈指の点取り屋にゴールを許さなかったというのは、バイエルンの守備陣の強さを示しているのかもしれません。

[B組]
[10月21日・ベルナベウ]
シャフタル・ドネツク3-2レアル・マドリード

[10月21日・スタディオジュゼッペメアッツァ]
インテル2-2ボルシア・メンヘングラードバッハ

 ホームのレアルが、よもやの敗戦でした。
 前半ドネツクに3ゴールを許し、後半良く追い上げましたが及ばなかったという試合展開。前半33分のオウンゴールが痛かった形でしょう。マドリードのファンの嘆きは大きいことでしょう。
 インテルとメンヘングラードバッハは引分けました。インテルがロメル・ルカク選手の2ゴール、メンヘングラードバッハはラミ・ベンセバイニ選手とヨーナス・ホフマン選手のゴールでした。
「ボルシア・メンヘングラードバッハ」の名前をCLで観ることが出来るのは、ファンである私にとって幸せなことです。

[C組]
[10月21日・エティハドスタジアム]
マンチェスター・シティ3-1FCポルト

[10月21日・スタディオカライスカキ]
オリンピアコスFC1-0オリンピック・マルセイユ

 ルイス・ディアス選手に先制ゴールを許した、ホームのシティは、セルヒオ・アグエロ選手のゴールで同点とし、後半、イルカイ・ギュンドアン選手とフェラン・トーレス選手のゴールでポルトを振り切りました。
 シティとしては、イエローカードを5枚ももらうという、決して褒められた試合ぶりではありませんでしたが、何とか緒戦をものにした形です。
 ギリシャVSフランスのゲームは、オリンピアコスが試合終了寸前のアーメド・ハッサン選手のゴールで勝利しました。とても大きな勝点3でしょう。

[D組]
[10月21日・ヨハンクライフアレーナ]
リバプール1-0アヤックス

[10月21日・MCHアレーナ]
アタランタ4-0FCミジュランド

 D組の首位を争うと観られているリバプールとアヤックスの一戦は、リバプールが勝ちました。前半35分のオウンゴールが決勝点でした。
 アヤックスとしてはホームで残念な敗戦でしたが、リバプールの強力な攻撃陣、モハメド・サラー選手、サディオ・マネ選手、ロベルト・フィルミーノ選手をフォワードFWに揃えた攻撃を、良く抑え込んだことは評価できます。今期の活躍が楽しみです。
 デンマークのミジュランドは、ホームでアタランタに完敗を喫しました。前半に3ゴールを重ねたアタランタの先制パンチが効きました。

[E組]
[10月20日・スタンフォードブリッジ]
チェルシー0-0セビージャFC

[10月20日・ロアゾンパーク]
レンヌ1-1FCクラスノダール

 セビージャがアウェイで貴重な勝点を得ました。チェルシーとしては勝っておきたかったゲームでしょう。
 フランスVSロシアの対戦は、1-1で引き分けました。ロシア1部リーグ2019~20年シーズン3位のクラスノダールは、緒戦を引分けました、今後の活躍に向けては十分な戦い振りだと思います。

[F組]
[10月20日・サンクトペテルブルクスタジアム]
クラブ・ブルージュ2-1ゼニト・サンクトペテルブルク

[10月20日・スタディオオリンピコ]
ラツィオ3-1ボルシア・ドルトムント

 ゼニトはホームで惜敗しました。ブルージュとしては、後半48分・試合終了寸前のシャルル・ド・ケテラエール選手の決勝ゴールが大きかったのです。
 ラツィオはホームでドルトムントに快勝しました。前半6分のチロ・インモービレ選手の先制ゴール、後半、オウンゴールで2点目、アーリング・ブラウト・ハーランド選手のゴールで1点を返されましたが、ジャン・ダニエル・アクパ・アクプロ選手のゴールで突き放しました。
 チーム全体が好調な感じですので、ラツィオの活躍がとても楽しみです。

[G組]
[10月20日・オリンピスキスタジアム]
ユベントス2-0ディナモ・キエフ

[10月20日・カンプノウ]
FCバルセロナ5-1フェレツヴァロスTC

 ユーベはアウェイで、アルバロ・モラタ選手の2ゴールを、自慢の守備陣が守りきり快勝でした。ジョルジュ・キエッリーニ選手やレオナルド・ボヌッチ選手といった「カテナチオ」の化身のようなベテランプレーヤーの活躍が続いています。
 フェレンツヴァロスTCはハンガリーNO.1クラブ。予選を勝ち上がりバルセロナに挑みましたが、さすがにカンプノウでは大敗でした。
 バルサは、リオネル・メッシ選手の先制点、アンス・ファティ選手の追加点で前半2得点、後半はフェリペ・コウチーニョ選手、ペドリ選手、ウスマン・デンベレ選手のコールで3点と、終始ゲームを支配しています。
 後半23分に、ジェラール・ピケ選手が一発退場したのはいただけませんが、チーム状態は良いようです。

[H組]
[10月20日・パルクドフランス]
マンチェスター・ユナイテッド2-1パリ・サンジェルマン

[10月20日・レッドブルアリーナ]
RBライプツィヒ2-0イスタンブール・バシャクシェヒル

 マンUはアウェイで、サンジェルマンに快勝しました。
 ブルーノ・フェルナンデス選手とマーカス・ラシュフォード選手のゴールで挙げた2点で押し切った形。サンジェルマンとしては、オウンゴールの1得点では、地元ファンは納得しないでしょう。キリアン・エムバペ選手、ネイマール選手、アンヘル・ディマリア選手を並べたフォワードFW陣の奮起が望まれます。

 トルコ1部リーグを、2019~20年シーズンに初めて制したバシャクシェヒルでしたが、さすがにアウェイでのライプツィヒ戦は荷が重かったようです。ライプツィヒは、スペイン出身のディフェンダーDFアンへリーノ選手の2ゴールで押し切りました。

 以上、A~Hの8グループの緒戦を観てきました。

 どの組も、とても面白いゲームが展開されていますし、相変わらずスタープレーヤーというか、世界トップクラスのプレーヤーが目白押しの大会となっています。

 また、得点シーンの「多彩さ・面白さ・奥深さ」もCLの特徴でしょう。
 世界トップクラスのテクニック、スピード、瞬発力を保持する選手たちが、「いつも一緒にプレー」していると、「こんなゴールが生まれる」という驚きに満ちているのです。

 「現代サッカーの粋」を観ることが出来る大会、UEFAチャンピオンズリーグが、今年も開幕したのです。

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 「キング・カズ」こと三浦知良選手が、J1のピッチに立ちました。
 53歳6か月での先発です。
 J1リーグの最年長出場記録であることは、言うまでもありません。

[9月23日・第18節・等々力陸上競技場]
川崎フロンターレ3-2横浜FC

 フォワードFWで先発した三浦選手は、後半11分までプレーしました。

 2020年シーズン、圧倒的な強さを示す川崎フロンターレを相手に、横浜FCは後半、小林友希選手と佐藤謙介選手がゴールを挙げて、良いゲームを展開しました。
 一方のフロンターレは、前半、田中碧選手の先制ゴール、後半は旗手怜央選手の2ゴールで横浜を振り切りました。

 現在のフロンターレの得点力を勘案すると、横浜が良く守ったゲームであろうと感じます。

 その横浜FCのプレーに、キング・カズが勢いを与えたゲームだったのでしょう。

 三浦知良選手が、Jリーグの、日本サッカーの「至宝」であることは、間違いありません。
 つい先日、2019~20年シーズンでユベントスが空前の「9連覇」を達成したばかりという印象のイタリア・セリエAの2020~21年シーズンが、9月19日に開幕しました。

[9月20日・アリアンツスタジアム]
ユベントス3-0サンプドリア

[9月21日・サンシーロ]
ACミラン2-0ボローニャ

 開幕したとはいえ、第1節はまだ3ゲームが残っていて、9月30日に実施される予定です。
 仕方のないことですが、まだまだ「例年のような運営」は出来ないのでしょう。

 さて、ユベントスは緒戦を快勝しました。
 前半13分にクルセルスキー選手(スウェーデン)が先制ゴール、後半33分にはボヌッチ選手が追加点を挙げ、後半43分にはクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル)が3点目を決めました。
 ユーベにとっては「普通に戦って勝った」というゲームでしょうか。

 ACミランは、イブラヒモビッチ選手(スウェーデン)の2コールで、緒戦を物にしました。
 もうすぐ39歳を迎えるイブラヒモビッチ選手の「衰え知らず」の活躍です。

 9月末からは「1,000名程度」の観客を入れてのゲームが計画されているとも伝えられています。
 セリエAにおいても、新型コロナウイルス禍の中の運営について、試行・模索が続きます。
 つい先日、2019~20シーズンにおいてバイエルン・ミュンヘンが8連覇を達成したばかりの印象がある、ドイツ・ブンデスリーガですが、9月18日に2020~21年シーズンが開幕しました。

[9月18日・開幕戦・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン8-0シャルケ04

 バイエルンVSシャルケの開幕戦の後、19~20日に第1節が行われました。

 それにしても、バイエルンの緒戦の得点力は相変わらずです。
 前期の強さが、そのまま維持されているのでしょう。

 前半は、ミッドフィールダーMFのグナブリー選手、ゴレツカ選手のゴールの後、フォワードFWレバンドフスキ選手(ポーランド)が得点して3-0で折返し、後半2分と14分にグナブリー選手が追加点を挙げて、このゲームハットトリックを達成して5-0、トーマス・ミュラー選手、サネ選手、ムシアラ選手(イングランド)が続いての、大量8点でした。

 「どこからでも得点できる」バイエルンの強さが、改めて示されたのです。

 第1節では、ボルシア・ドルトムントがボルシア・メンヘングラートバッハに3-0で快勝して「ボルシア対決」を制し、RBライプツィヒがFSVマインツ05に3-1で勝利しています。

 シーズン開始早々で恐縮ですが、バイエルンの「9連覇」を阻止するのは、容易なことでは無さそうです。
 つい先日、2019~20年シーズンが、レアル・マドリードの3年振りの優勝で幕を閉じた印象があるスペイン・リーガエスバニョーラですが、9月19日に2020~21年シーズンが開幕しました。
 イングランド・プレミアリーグと共に、欧州4大リーグの先頭を切っての開幕です。

 そして9月19日からは第2節が実施されましたけれども、第1節・2節のゲームの中にも2021年1月以降に行われるゲームが含まれていますから、新型コロナウイルス禍の中で、懸命のスケジューリングが続いているということなのでしょう。

 レアル・マドリードは9月20日・第2節に今期緒戦を迎え、レアル・ソシエダと0-0で引分けました。
 FCバルセロナは、第3節からの登場が予定されています。

 他国の主要リーグと同様に、観客を入れての開催について様々なアイディアが出されいるようです。今後の取組に注目したいと思います。

 リーガエスバニョーラは、各チームのメンバーも含めて、どのチームが早く体制を整えるのかが、ポイントとなりそうです。
 
 つい先日、2019~20年シーズンをリバプールが制覇した印象のある、イングランドプレミアリーグ2020~21シーズンが、9月12日に開幕しました。
 欧州4大リーグの先頭を切っての開幕です。

 9月19日からは第2節を行いました。

[9月21日・第2節終了時点の順位]
1位 レスター・シティ 2勝0敗 勝点6 得失点差5
2位 エヴァートン 2勝0敗 勝点6 得失点差4 総得点6
3位 アーセナル 2勝0敗 得失点差4 総得点5
4位 リバプール 2勝0敗 得失点差3 総得点6
5位 クリスタルパレス 2勝0敗 得失点差3 総得点4

 第2節を終えて、2勝0敗は、以上5チームです。

 2021年5月23日まで、全38節が予定されているシーズンですから、まだ2節というところなのでしょうが、有力チームはしっかりと成績を残しているという印象です。

 ちなみに、マンチェスターシティは第1節ゲームが無く、まだ1ゲームの消化ですが、ウルヴァーハンプトンを相手に3-1で快勝しました。

 スパーズは、緒戦でエヴァートンに0-1で敗れています。

 リバプールは相変わらずの得点力を示していますが、緒戦のリーズ戦で3失点してしまいました。

 10月からは観客を入れてのゲームも行われる可能性が有ります。
 どのような形での開催となるのかも含めて、新型コロナウイルスとの共存が模索されているのです。

 いずれにしても、プレミアリーグを楽しみましょう。
[8月23日・決勝・エスタディオダルス]
バイエルン・ミュンヘン1-0パリ・サンジェルマン

 ドイツとフランスのNO.1クラブの対決となったUEFAチャンピオンズリーグCL2019~20シーズンの決勝は、バイエルンが最少得点で押し切りました。

 このところのバイエルンとサンジェルマン両チームの圧倒的な得点力から、「打ち合い」になるのではないかと予想されましたが、両チームの守備陣が良く頑張り、前半は0-0で折り返し、後半も「1点を巡る激しい攻防」が続きました。
 両チーム合わせて「8枚のイエローカード」が乱れ飛び、イエローを受けたプレーヤーの中に、サンジェルマンのネイマール選手(ブラジル)やバイエルンのトーマス・ミュラー選手といった、両チームの攻撃の核となる選手が含まれていることにも、「激闘」がよく現れています。

 全体として「極めてスピーディ」な試合展開であり、両チームが持ち味を発揮した、好ゲームでした。
 現時点での「世界最高レベルのゲーム」であったことは、間違いないと感じます。

 決勝点は後半14分、バイエルンのミッドフィールダーMFヨシュア・キミヒ選手からのクロスを、フォワードFWキングスレイ・コマン選手(フランス)がヘディングで決めたもの。
 クロスの高精度と抜群のタイミングは、今大会のキミヒ選手の充実ぶりを如実に示すプレーですし、バイエルンのFW陣、ロベルト・レバンドフスキ選手(ポーランド)やトーマス・ミュラー選手への守備にどうしても人を割かなくてはならないサンジェルマンとしては、本当に残念な失点でしょう。

 スコアこそ「1-0」でしたが、ゲーム内容は「見所満載」でした。

 サンジェルマンのFW陣、ネイマール選手、アンヘル・ディ・マリア選手(アルゼンチン)、キリアン・エムバペ選手は、持ち味が全く異なる世界最高レベルのプレーヤー達であり、その多彩な持ち味が存分に発揮されていましたが、ゴールキーパーGKマヌエル・ノイアー選手を中心とするバイエルンの守備陣は、本当に良く守りました。

 一方のバイエルンのFW陣、レバンドフスキ選手、ミュラー選手、コマン選手、アルフォンソ・デイビス選手(カナダ)の攻撃は、「得点マシーン」と呼んでも良いメカニカルな布陣、相手陣の弱点を見つけ出し無駄なく突く布陣でしたが、サンジェルマンの守備陣も、スペースを潰し、ゴール前のスピードで互角に渡り合って、これをよく抑え込んだのです。

 僅かにバイエルンが上回っていたのが「中盤の厚さ」でしょうか。
 ティアゴ・アルカンタラ選手(スペイン)、レオン・ゴレツカ選手、セルジュ・グナブリー選手、そしてキミヒ選手は、「自らの考え方をベースに、自ら選択したプレー」を展開しました。結果として、バイエルンの攻撃は、とても多彩なものとなったのでしょう。

 その運動量と共に、現在のバイエルン・ミュンヘンは、得点力の高さならば「歴代屈指」の水準なのではないかと思います。
 今大会1次リーグから「11戦全勝」という史上初の記録が、その強さを明示しています。

 新型コロナウイルス禍の中でのUEFA-CL決勝は、素晴らしいゲームでした。

 戦法の多彩さやスピード十分なプレーを観ると、「サッカーの将来像」を魅せてくれたゲームと呼んでは、少し大袈裟でしょうか。

 UEFAチャンピオンズリーグCL2019~20の準決勝が終了しました。
 パリ・サンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンによる決勝が迫っています。
 本当に異例なシーズンが最終戦を迎えようとしているのです。

 さて、2019~20年シーズンの決勝トーナメントTは、準々決勝から、ポルトガルのエスタディオ・ダ・ルスとエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラデを使用して行われています。

 エスタディオ・ダ・ルスは、ポルトガルの首都リスボンにあるSLベンフィカのホームスタジアムです。
 エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラデも、リスボンにあるスポルディングCPのホームスタジアムです。
 どちらも立派なスタジアムであり、ポルトガルのプロサッカーリーグを代表するチームのホームとなっています。
 諸要因を勘案して、もともと決勝の舞台として予定されていたエスタディオ・ダ・ルスを中心として、UEFA(欧州サッカー連盟)が会場として選定したのでしょう。

 ところで、UEFAには有名な「サッカースタジアム分類」が存在します。
 かつては「一つ星から五つ星」で分類されていましたが、2006年から「カテゴリー1~4」の分類となりました。
 開催されるゲームの「格」によって、使用されるスタジアムが決まってくるのです。
 カテゴリー4が「最上位格」のゲーム用ということなのでしょう。

 私達が良く知っている、イングランドのウェンブリー・スタジアムやオールド・トラフォード、エミレーツ・スタジアム、スペインのカンプ・ノウやベルナベウ、ドイツのアリアンツ・アレーナやベルリン・オリンピアシュタディオン、イタリアのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ、フランスのスタッド・ド・フランス、ウェールズのミレニアム・スタジアム、オランダのヨハン・クライフ・アレーナ、ロシアのルジニキ・スタジアム等々は、いずれもカテゴリー4です。

 そして、エスタディオ・ダ・ルスとエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラデも、カテゴリー4のスタジアムなのです。

 こうした異例な状況下、UEFAとしては大切なCLの準々決勝、準決勝を開催するスタジアムとして、この2つを選んだことになります。

 カテゴリー1~4の区分を決める要素としては、
① VIP向けの設備の有無・規模
② 報道陣向けの設備の有無・規模

 がポイントになっているように観えます。

 例えば、カテゴリー3のVIP向け駐車スペースは100台ですが、カテゴリー4は150台ですし、最少VIP向けシート数ならばカテゴリー3は250、カテゴリー4は500となっています。
 VIPのための歓待エリアスペースは、カテゴリー3には規定がありませんが、カテゴリー4は400㎡となっています。

 また、最小メディア向けエリアは、「3」は100㎡(50名)、「4」は200㎡(75名)となっており、最少カメラマン数は、「3」は15名、「4」は25名、実況放送席の最少数は、「3」は5、「4」は25、放送用トラック用の屋外最小エリアは、「3」は200㎡、「4」は1000㎡、といった形で、非常に細かく規定されているのです。

 UEFA-CL2019~20の準々決勝、準決勝は、ポルトガルに存する、UEFAのカテゴリー4の2スタジアムを舞台としました。
 決勝も、エスタディオ・ダ・ルスにおいて開催される予定です。

 新型コロナウイルス禍が収まったら、一度は訪れてみたいスタジアムです。
 2019~20年UEFAチャンピオンズリーグCLの準決勝が終了し、8月23日の決勝に進出する2チームが決まりました。

[8月18日・準決勝第1試合・エスタディオダルス]
パリ・サンジェルマン3-0RBライプツィヒ

[8月19日・準決勝第2試合・エスタディオジョゼアルヴァラデ]
バイエルン・ミュンヘン3-0オリンピック・リヨン

 準決勝2試合は、いずれも「3-0」というスコアでした。
 サンジェルマンとバイエルンが快勝したのです。

 ここまで快進撃を続けてきた、RBライプツィヒとオリンピック・リヨンは、さすがに力尽きた、というところでしょうか。

 サンジェルマンは、前半13分にディフェンダーDFマルキーニョス選手(ブラジル)が先制ゴールを挙げ、続いて同42分、フォワードFWのアンヘル・ディ・マリア選手(アルゼンチン)が追加点を挙げました。
 南米を代表する2プレーヤーの見事な仕事ですが、この2点で概ね勝負はついた形でしょう。
 後半11分にDFファン・ベルナト選手(スペイン)が3点目を挙げ、ダメを押しました。

 FW陣に、ネイマール選手(ブラジル)とキリアン・エムバペ選手という、現在の世界サッカーを代表する強力な点取り屋を揃えているチームですが、色々なプレーヤーからゴールが生まれる体勢が稼働しているのは心強い限りでしょう。
 決勝に向けて、コンディションは上々の様子です。

 バイエルンは、前半18分と33分に、ミッドフィールダーMFセルジュ・グナブリー選手がゴールを決めてリードしました。
 リヨンも、バイエルンの多彩な攻撃を良く凌ぎましたが、この2失点のダメージは大きく、試合終了間際には、ついにロベルト・レバンドフスキ選手(ポーランド)にゴールを許して万事休す。
 それにしても、どのゲームでも、必ずと言って良いほど得点を挙げるレバンドフスキ選手のプレー振りには、今更ながら感心させられます。

 準々決勝でFCバルセロナを相手に8点を挙げ、「取り過ぎ」を心配されていたバイエルンですが、その攻撃力は不変という感じがします。
 決勝でも、素晴らしいプレーを披露してくれることでしょう。

 2012~13年シーズン以来「6度目」の優勝を目指すバイエルンと、「初優勝」を目指すサンジェルマンの決勝は、見所満載の好ゲームが予想されます。
 第11節を終えた、J1の2020年シーズンですが、川崎フロンターレが快走しています。
 10戦負け無しというのではなく、10連勝というのが凄いところです。

[8月19日・第11節を終えての順位]
1位 川崎フロンターレ 勝点31 10勝1引分
2位 セレッソ大阪 勝点21 6勝2敗3引分
3位 名古屋グランパス 勝点20 6勝2敗2引分 得失点差10
4位 浦和レッズ 勝点20 6勝3敗2引分 得失点差△2
5位 柏レイソル 勝点19 6勝4敗1引分
6位 FC東京 勝点19 5勝2敗4引分
6位タイ ガンバ大阪 勝点19 6勝3敗1引分

 フロンターレは、得点34・失点9、得失点差25という、11ゲームを終えての数字としては圧倒的です。
 1試合平均3点以上の得点を挙げ、失点は1未満というのですから、強い訳です。
 特に、得点2位のセレッソ14得点と比較しても、頭抜けた得点力が今期の特徴となっているのでしょう。

 追いかけるのは、セレッソ、グランパス、レッズ、レイソル、東京、ガンバ、の6チーム。

 現時点でのフロンターレの得点首位は、小林悠選手の7点ですが、リーグ得点首位のオルンガ選手の12点と比べれば少ない数字となっていることを観ても、特定のプレーヤーにゴールが集まっているのではない、別の言い方をすれば、「どこからでも得点できる」チームとなっていることになります。

 この「多彩で分厚い攻撃」が続く限り、川崎フロンターレの快走が続くのでしょう。

 例年のホーム&アウェイ方式とは異なり、ワンゲームマッチで行われた準々決勝の戦いが8月15日までに終了し、UEFAチャンピオンズリーグCL2019~20シーズンの4強が出揃いました。

[8月12日・エスタディオダルス]
パリ・サンジェルマン2-1アタランタ

[8月13日・エスタディオジョゼアルヴァラデ]
RBライプツィヒ2-1アトレティコ・マドリード

[8月14日・エスタディオダルス]
バイエルン・ミュンヘン8-2FCバルセロナ

[8月15日・エスタディオジョゼアルヴァラデ]
オリンピック・リヨン3-1マンチェスター・シティ

 新型コロナウイルス感染症のために「異例づくめ」のシーズンとなっているCLですが、準々決勝の内容・結果も、戦前の予想とは大きく異なるものとなりました。

 第1戦は、パリ・サンジェルマンが逆転勝ちを収めました。
 ゲームは、アタランタが前半27分、ミッドフィールダーMFマリオ・パサリッチ選手(クロアチア)のゴールで先制し後半に入りました。
 その後半も残り僅かとなり、このままアタランタが押し切るかに観えた後半45分、サンジェルマンはディフェンダーDFマルキーニョス選手(ブラジル)が起死回生の同点ゴール。続いて、インジュリータイムの後半48分、フォワードFWマキシム・シュポ・モティング選手(カメルーン)が追加点を挙げて、辛くも逆転勝ちを収めたのです。
 両チーム合わせて、イエローカード9枚が乱れ飛ぶ、荒れたゲームでした。

 第2戦は、RBライプツィヒがアトレティコを振り切りました。
 前半0-0で迎えた後半5分、ライプツィヒはFWダニ・オルモ選手(スペイン)が先制ゴールを挙げ、同26分、アトレティコのMFジョアン・フェリックス選手(ポルトガル)に同点弾を許すも、同43分、MFタイラー・アダムス選手(アメリカ)が決勝点を挙げて勝ちました。

 アトレティコ・マドリードのCLにおける勝負強さを考えると、番狂わせと言って良いでしょう。

 第3戦は、決勝の顔合わせと言っても良い強豪対決でしたが、バイエルンが圧勝しました。
 前半4-1、後半4-1の計8-2での勝利でした。

 FCバルセロナが8失点で敗退するというのは、無いことではないと言っても、21世紀に入ってからのバルサの戦い振りを勘案すると「異例中の異例」でしょう。
 前半4分のFWトーマス・ミュラー選手の先制ゴールに始まり、同21分にはFWイヴァン・ペリシッチ選手(クロアチア)、同27分MFセルジュ・グナブリー選手、同31分にはミュラー選手の2点目と、立て続けにゴールを挙げられてしまいました。

 バイエルンのプレーヤーの動きにバルセロナのプレーヤーが付いていけなかった印象でした。

 後半に入っても流れは変わらず、というか、バイエルンの「正規攻撃陣」と言っても良いプレーヤーが躍動し、後半18分にはヨシュア・キミヒ選手、同37分にはロベルト・レバンドフスキ選手(ポーランド)、同40分と44分にはフィリペ・コウチーニョ選手(ブラジル)の2ゴールで計4点を挙げ、バルセロナの反撃を同12分のルイス・スアレス選手のゴールのみに抑え込みました。

 今シーズンの攻撃力から観て、バイエルン・ミュンヘンがやや有利かと観ていましたが、これ程の大差となったのは、意外という他はありません。

 「リオネル・メッシ選手を中心としたFCバルセロナの時代」の終焉を象徴するゲームでなければ良いがと、感じてしまいます。

 第4戦は、オリンピック・リヨンがマンチェスター・シティに完勝しました。
 決勝トーナメント1回戦でユベントスを破って勝ち上がったリヨンが、準々決勝ではシティに快勝したのです。「台風の目」と呼んで良い存在でしょう。

 リヨンは前半24分、FWマックスウェル・コルネ選手(コートジボワール)が先制し、後半24分、シティのMFケヴィン・デ・ブライネ選手(ベルギー)に同点弾を許すも、後半34分と同42分にFWムサ・デンベレ選手の2ゴールで突き放しました。リヨンの躍動感あふれる試合運びでした。

 さて、準決勝の組合せは以下の通りです。
① 8月18日 RBライプツィヒVSパリ・サンジェルマン
② 8月19日 オリンピック・リヨンVSバイエルン・ミュンヘン

 UEFA-CLの準決勝が2試合とも「ドイツVSフランス」になった図を、私は初めて観た気がします
 つまり、スペイン・リーガエスパニョーラとイングランド・プレミアリーグのチームが、1チームも準決勝に進めなかったのです。これも、極めて珍しいことでしょう。(24年振り=21世紀初と報じられていました)

 決勝カードは、これまでの国際舞台での実績を踏まえれば「バイエルンVSサンジェルマン」と観るのが常道でしょうが、2019~20年シーズンについて言えば、「ライプツィヒVSリヨン」になっても、何の不思議も無い気がします。

 新型コロナウイルス禍のために、まだまだ多くのスポーツイベントが延期・中止となっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのも良いようです。
 今回はワールドカップ2002日本・韓国共催大会の決勝です。

[2002年6月30日・横浜国際総合競技場(日本)]
ブラジル2-0ドイツ

 大会前、ブラジル代表チームの強さは報じられていましたが、20世紀の終盤から続くドイツ代表チームの低迷が指摘されていましたから、ドイツチームが決勝に進むと予想した人は、多くはなかったと思います。

 とはいえ、大会前にサッカーファンの友人達が集まって、日本で開催されるワールドカップについて大議論(お酒を飲みながら)を行った時に、S君が「出て来ればドイツは強いよ」と言っていたことを、彼の表情と共に良く憶えています。
 S君は、「ドイツナショナルチームの本質」を良く知っていたのです。

[ブラジルチームの先発メンバー]
1. GKマルコス選手
2. DFルシオ選手
3. エジミウソン選手
4. ロケ・ジュニオール選手
5. カフー選手
6. ロベルトカルロス選手
7. MFジウベウト・シウバ選手
8. クレイベルソン選手
9. ロナウジーニョ選手
10. FWリバウド選手
11. ロナウド選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKオリバー・カーン選手
2. DFトーマス・リンケ選手
3. カルステン・ラメロウ選手
4. クリストフ・メッツェルダー選手
5. MFディートナー・ハマン選手
6. イェンス・エレミース選手
7. マルコ・ボーデ選手
8. トルステン・フリンクス選手
9. ベルント・シュナイダー選手
10. FWオリバー・ヌビル選手
11. ミロスラフ・クローゼ選手

 ブラジルチームは、ブラジルチームが強い時の特徴、「スタープレーヤーが沢山居る*」という特徴を十分に備えていました。

 フォワードFWはロナウド選手とリバウド選手の2トップ。共に世界的なプレーヤーでした。ロナウド選手は、FIFA世界最優秀選手3回、バロンドール2回の受賞を誇る、当時世界最高のストライカーでしたし、リバウド選手も1999年のFIFA世界最優秀選手とバロンドールに選ばれています。世界一を争う存在であった2選手が組む2トップでした。

 ミッドフィールダーMFにはロナウジーニョ選手。FIFA世界最優秀選手を2回、バロンドールを1回受賞しています。ロナウド・リバウド・ロナウジーニョは「3R」とも称された、世界サッカー史上でも屈指のトリオでしょう。

 両翼にはロベルトカルロス選手とカフー選手と、これまた世界を代表するプレーヤー。
 ロベカル選手は、当時の世界最高の左サイドバックと呼ばれていましたし、カフー選手はワールドカップ優勝2回・準優勝1回を誇り、「右サイドの支配者」とも称されました。

 ディフェンダーDFにはルシオ選手とエジミウソン選手、ロケ・ジュニオール選手と、これまた世界的なプレーヤーが並びます。
 世界一を狙うに十分な戦力だったのです。
 (*ワールドカップ2014ブラジル大会の前に、テレビで採り上げられたリオデジャネイロのタクシー運転手さんのコメント「今度の大会では優勝できないよ。ブラジルは世界的に有名な選手が揃っていなければダメなんだ。今回のチームはネイマールひとりしか居ないから無理だね」、が思い出されます。サッカー大国ブラジルのサポーターは、自分達の代表チームのことを良く知っているのです)

 一方のドイツチームは、ブラジルチームと比較すればやはり「地味」です。さらに、中心選手のミヒャエル・バラック選手が反則累積で出場できない状態でしたから、戦力的にもベストではありませんでした。
 実際のゲームは接戦となりましたから、返す返すもバラック選手の欠場が惜しまれるところでしょう。

 ゲームは全体として、とても「スピーディーな展開」でした。両チームの攻撃は持ち味を存分に発揮したものであり、素晴らしいプレーが随所に観られると共に、攻守の交替も早く、見応え十分なゲームになったのです。
 大きな反則が少なく、イエローカードが両チーム合わせて2枚(ゲーム開始早々に出された2枚)しかなかった、極めてフェアな内容であったことが、このハイレベルでクリーンなゲームを生んだ最大の要因でしょう。
 レフェリーの判定についての揉め事によりゲームが止まることも無かったのです。

 ブラジル、ドイツ、の両チームは、相手プレーヤーを痛めつけることには注力すること無く、「良く攻め、良く守る」ことに専念したのです。

 まさに、「世界のサッカーの範となるべき」ワールドカップ決勝に相応しい好ゲームでした。

 ゲームは静かな立ち上がりでした。
 「ブラジルが攻め、ドイツが守る」という展開が予想されていました(この大会ここまで16得点という圧倒的な攻撃力を誇るブラジルと、1失点という超堅守のドイツですから、こうした予想も自然なことでした)が、実際には攻守が入り乱れる展開となりました。
 守備的になると見られていたドイツチームも、ヌビル選手を中心に良く攻めました。
 このゲームのヌビル選手は、本当に良く働いていたと感じます。

 前半18分、ドイツゴール前でロナウジーニョ選手からロナウド選手にパス。ロナウド選手がシュート。これは、ドイツゴール左に外れました。

 前半46分、今度はロベルトカルロス選手のシュート性のボールがゴール前に居たロナウド選手に渡り、振り向きざまに強烈なシュート、これをGKカーン選手が脚に当ててクリアしました。
 これは決定的なチャンスでしたし、良いシュートでしたが、カーン選手の「神業」のようなセーブでした。

 ドイツチームも再三のセットプレーからチャンスを創りますが、ブラジルゴールを抉じ開けるには至りませんでした。

 前半は0-0で折り返しました。
 攻守拮抗の前半でしたが、僅かにブラジルチームが押していたと感じます。

 後半スタート直後はドイツチームが攻めましたが得点には至らず、ブラジルチームが攻勢に入りました。
 迫力十分の攻めが続きますが、GKカーン選手が良く守ります。
 ドイツ「伝統」の守備、そして伝統の好GKがここにも存在していたのです。

 そして後半21分。
 ロナウド選手が、ドイツ陣ペナルティーエリアの直ぐ外でハマン選手からボールを奪います。ドイツ守備陣としては「あってはならないプレー」でした。攻撃に向けてプレーヤーが上がってしまっていたので、自陣ゴール前が手薄だったのです。
 ロナウド選手は近くに居たリバウド選手にパス。
 リバウド選手は左足で狙い澄ましてのミドルシュート。低くて強いシュート。
 これをGKカーン選手が胸に当てて弾き、弾かれたボールを走り込んだロナウド選手が、ドイツゴール右側に押し込みました。

 ドイツ守備陣としては、自陣深いところで失球し、GKがシュートを捕球できずに弾くという、2つのミスを犯してしまい、ロナウド選手とリバウド選手は、そのミスを見逃すことなく得点に結び付けたシーンでした。

 このシーンでは、リバウド選手の良いシュート、カーン選手の手前でワンバウンドする低いシュートが印象的でした。

 ブラジルベンチは歓喜の嵐・・・。
 ついに先制したのです。

 ドイツチームが反撃に移ります。シュナイダー選手、メッツェルダー選手、クローゼ選手、ヌビル選手らがブラジルゴールに迫りますが、ブラジルチームが良く守りました。
 前半28分、ドイツのフェラー監督はクローゼ選手に替えてオリバー・ビアホフ選手を投入しました。
 FW同士の交替でしたが、よりパワフルなビアホフ選手に賭けたのでしょう。(このチーム3人目の「オリバー」名です)

 しばらくドイツチームが攻勢を続けた後の後半33分、ブラジルのジョゼ・クレイベルソン選手が右サイドをドリブルで突進、その左をカフー選手が走ってDFを引き付けます。
 クレイベルソン選手はゴール前のリバウド選手にミドルパス、リバウド選手がこれを「スルー」して、ボールはロナウド選手に渡りました。ロナウド選手は右に動きながらシュート。
 低く強いシュートがドイツゴール右隅に突き刺さりました。
 ファインゴール。
 GKカーン選手も懸命に左に飛びましたが、シュートはその指先を通過したのです。

 この大会のブラジルチームを象徴するような、縦へのスピードと世界屈指の2トップの持ち味・テクニックが存分に発揮されたゴールシーンでした。

 ブラジルチームが2-0とリードして、ワールドカップをグイッと引き寄せました。

 ドイツチームの反撃が強まったのは自然なことですし、本当に良く攻め続けました。
 「絶対に諦めない」というドイツ代表の伝統が、ここでも発揮されたのです。
 ビアホフ選手のシュートを始めとして、ボールはブラジルゴールの右に左に上にと再三飛びましたけれども、しかし残念ながらゴールには結び付きませんでした。

 ゲームはこのまま、後半48分で終了しました。

 ブラジルチームに歓喜の瞬間が訪れました。
 スコラリ監督を中心に、選手達が雄叫びを上げます。
 横浜国際総合競技場に沢山のカナリアが舞いました。

 キャプテンのカフー選手がワールドカップを高々と差し上げました。

 セレソンは5度目の栄光に輝いたのです。(もちろん史上最多です)

 ブラジルが2-0とリードした後も、無茶なタックルなどの反則が全くと言って良いほど見られませんでしたし、時間潰しのようなプレーもありませんでした。
 激しいが極めてフェアなプレーが、プラシル代表とドイツ代表という、ワールドカッブの主役であるナショナルチーム同士のゲームを終始構成したのです。

 とても「美しい」ワールドカップ決勝戦でした。
 3月11日のゲームを最後として中断していた、UEFAチャンピオンズリーグの2019~20年シーズンですが、8月7日に再開し、決勝トーナメント1回戦の残り4ゲームが行われ、準々決勝に進出する8チームが決まりました。

[8月7日・エティハドスタジアム]
マンチェスター・シティ2-1レアル・マドリード
(2試合通算4-2でシティが勝ち抜け)

[8月7日・アリアンツスタジアム]
ユベントス2-1オリンピック・リヨン
(2試合通算2-2となり、アウェイゴールの差でリヨンが勝ち抜け)

[8月8日・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン4-1チェルシー
(2試合通算7-1でバイエルンが勝ち抜け)

[8月8日・カンプノウ]
FCバルセロナ3-1ナポリ
(2試合通算4-2でバルセロナが勝ち抜け)

 5ヵ月振りの再開となった各ゲームですが、シティはホームでレアルに快勝しました。
 ラヒム・スターリング選手とガブリエル・ジェズス選手(ブラジル)の2ゴールで、カリム・ベンゼマ選手(フランス)の1ゴールであったレアルを振り切った形です。
 チャンピオンズリーグに愛されているレアルですが、今期は決勝T1回戦で姿を消すこととなりました。
 シティは、ミッドフィールダーMFのケヴィン・デ・ブライネ選手(ベルギー)とフェルナンジーニョ選手から素晴らしいボールが供給され、強力なフォワード陣が得点を挙げるというパターンが定着しています。優勝候補の一角でしょう。

 ユーベとリヨンの対決は、意外?な結末でした。
 意外と言っては、オリンピック・リヨンのサポーターに叱られてしまいますが、やはりセリエA9連覇のユベントスが有利と見るのが常道でしょう。
 このゲームでも、エースFWクリスティアーノ・ロナウド選手が2ゴールを挙げる活躍を魅せましたが、リヨンは前半12、メンフィス・デバイ選手(オランダ)が挙げた先制点が効きました。敵地での先制ゴールは、本当に大きな価値があるのです。

 バイエルンはチェルシーを圧倒しました。
 新型コロナウイルス禍からの再開が続いているサッカー界ですが、バイエルンの再開後の強さは頭抜けています。
 「驚異的な得点力」を魅せているのです。
 このゲームでも、エースのレバンドフスキ選手の2ゴールに、イヴァン・ペリシッチ選手(クロアチア)、コレンティン・トリッソ選手(フランス)が畳み掛けて大勝しました。
 バイエルンの勢いは本物でしょう。優勝候補の筆頭と言って良いかもしれません。

 バルサはナポリに順当勝ちを収めたと思います。
 ホーム・カンプノウで、メッシ選手、スアレス選手、そしてクレマン・ラングレ選手(フランス)が得点を重ねての勝利でした。
 前半、強烈な3発を受けたナポリは、ロレンツォ・インシーニェ選手が1ゴールを返すにとどまりました。

 さて、準々決勝の組合せは、以下の通りとなりました。

・アタランタVSパリ・サンジェルマン
・RBランプツィヒVSアトレティコ・マドリード
・FCバルセロナVSバイエルン・ミュンヘン
・マンチェスター・シティVSオリンピック・リヨン

 チャンピオンズリーグの常とはいえ、決勝T1回戦に続いて、「決勝でも何の不思議も無いカード」が生まれています。
 バルセロナとバイエルンは、UEFA-CL決勝トーナメントの常連とはいえ、バイエルンは2012~13年シーズン以来、バルセロナは2014~15年シーズン以来、優勝から遠ざかっていますから、どちらも「今期こそ」という意気込みでしょう。
 絶好調のバイエルンにメッシ率いるバルサがどのように挑むのか。素晴らしい戦いが観られると思います。

 既に準々決勝は幕を開けています。
 選手や関係者に、新型コロナウイルス感染者が出れば、直ぐに試合日程が変更になってしまう今シーズン、決勝までの道のりは決して平坦なものではありません。
 再開されたYBCルヴァンカップ2020のグループリーグ第2節が、8月5日一斉に行われました。

[8月5日・駅前不動産スタジアム]
横浜FC 1-0サガン鳥栖

 このゲームに、「キング・カズ」三浦知良選手が先発出場したのです。

 2020年のJリーグ公式戦に、三浦知良選手が登場するのは初めて。
 53歳5ヵ月10日での出場でした。
 そして、後半18分までプレーしました。

 これまでの大会最年長出場記録を10年7ヵ月も更新したと報じられています。
 まさに異次元の新記録ですが、これも横浜FCが今季からJ1に昇格したことがベースとなっているものですから、やはり前期のチームの活躍が大きかったのです。

 「キング・カズ」のプレーは、これはもう、いつものように超一流です。
 運動量やスピードは、全盛期と比べれば落ちたことは止むを得ないことですが、ゲームに臨んでの「感覚」は、日本サッカー史上屈指のプレーヤーならではのものだと感じます。

 前半30分、三浦選手はゴール前に居て、右からのクロスボールに、低い位置でのヘディングシュートを魅せました。
 これは惜しくも、相手ゴールキーパーの正面をつきゴールとはなりませんでしたけれども、このシュートは、前半両チームが放った唯一の「枠を捉えた」シュートだったのです。

 三浦選手の体は、ほとんどピッチと平行に飛んでいて、そのヘッドで捉えた正確なシュートでした。
 こうした「一瞬のプレー」は、全盛時に引けを取らないものだと感じます。

 さて、次はJ1リーグにて「キング・カズ」の躍動を観たいものです。
 もちろん、「カズダンス」も披露していただきたいと思います。
 
 新型コロナウイルス禍の中で再開した欧州4大リーグですが、各リーグの優勝チームが決まりました。

1. ブンデスリーガ(ドイツ)優勝チーム→バイエルン・ミュンヘン

[6月16日・第32節・ヴェーゼルシュタディオン]
バイエルン・ミュンヘン1-0ヴェルダー・ブレーメン

 アウェイでの接戦を、前半43分のレバンドフスキ選手のゴールで挙げた1点を守り切ってバイエルンが勝ちました。
 この勝利で、リーグ戦11連勝としたバイエルンが、ブンデスリーガ空前の「8連覇」を達成しました。

 再開後のバイエルン・ミュンヘンの強さが際立ったシーズンでした。

2. プレミアリーグ(イングランド)優勝チーム→リバプール

[6月24日・第31節・アンフィールド]
リバプール4-0クリスタル・バレス

[6月25日・第31節・スタンフォードブリッジ]
チェルシー2-1マンチェスター・シティ

 第31節、リバプールがクリスタル・パレスに快勝した後、2位のシティがチェルシーに惜敗し、リバプールのプレミアリーグ初優勝が決まりました。
 イングランド1部リーグの名門・リバプールにとっては、プレミアリーグ発足後初めての優勝でした。

 クリスタル・パレス戦でも得点を挙げた、モハメド・サラー選手、ファビーニョ選手、サディオ・マネ選手を始めとする、華麗で多彩な攻撃陣が、縦横無尽な攻撃を展開しました。
 2018~19年シーズンで残念ながら2位に止まったリバプールにとっては、「溜飲を下げる」圧倒的な制覇だったのです。
 
3. リーガ・エスパニョーラ(スペイン)優勝チーム→レアル・マドリード

[7月16日・第37節・エスタディオアルフレッドディステファノ]
レアル・マドリード2-1ビジャレアル

 レアルが、カリム・ベンゼマ選手の2ゴールでビジャレアルを下し、リーグ戦10連勝として、リーガ・エスパニョーラ34回目の優勝を決めました。
 「常勝軍団」レアルとしても、3シーズンぶりの美酒です。

 宿命のライバル・FCバルセロナとの競り合いが続きましたが、エデン・アザール選手、カリム・ベンゼマ選手、ルカ・モドリッチ選手、トニ・クロース選手らの豪華で強力な攻撃陣と、セルヒオ・ラモス選手、ディボー・クルトワ選手らの世界的な守備陣が相俟って、再開後は負け知らず、圧倒的な強さで勝ち切りました。

4. セリエA(イタリア)優勝チーム→ユベントス

[7月26日・第36節・アリアンツスタジアム]
ユベントス2-0サンプドリア

 「常勝軍団」ユベントスと、インテル、アタランタの競り合いが続いていたセリエAですが、第36節のゲームでサンプドリアを下したユベントスが、空前の「9連覇」を成し遂げました。

 前シーズンまでとは少し異なり、今シーズンは敗戦も目立ったユーベですが、エースストライカー・クリスティアーノ・ロナウド選手らの得点力を生かして、最後は勝ち切った形でしょう。

 かつては、イタリア人スタープレーヤーを並べて、「イタリア代表チームの守備陣はユベントスそのもの」とさえ言われていたものですが、現在のチームは世界中からタレントを集めて構成されています。
 その点からは、新しいユーベの有り様を示したシーズンだったとも言えるのかもしれません。

 さて、新型コロナウイルス禍に翻弄された、欧州各国リーグの2019~20年シーズンでした。
 ある意味では、「歴史的なシーズン」となった訳ですが、各リーグの優勝チームを観ると、リーグを代表するチームが優勝を果たした、とても「順当」な結果に観えます。

 ユベントスの9連覇、バイエルン・ミュンヘンの8連覇と、各リーグ史上初の「長期制覇」が並びます。セリエAとブンデスリーガの2020~21シーズンにおいては、他チームの一層の奮起が期待されるのでしょう。

 リバプールは、UEFAチャンピオンズリーグ2018~19の優勝からプレミアリーグ初優勝へと繋ぎました。現在、世界最強のクラブと言っても良さそうです。この「リバプール王朝」がプレミアにおいていつまで続くのか、興味深いところです。

 ラ・リーガは、レアルがバルサを振り切りました。
 再開後のレアルの強さの源は何なのか、もう一度、2019~20シーズンを見直してみる価値がありそうです。

 異形のシーズンを戦い抜いた選手の皆さんに、大きな拍手を献上します。
 再開したイタリア・セリエAは、第34節を終え35節に入りました。
 7月21日時点で、ユベントスが勝点80として定位置?の首位に立ち、アタランタが勝点74で2番手、インテルが勝点72で3番手に付けています。
 全38節、残り3.5節と言ったところですので、やはりユベントスがリーグ制覇に向けての1番手ということになります。

 そのユベントスのエースストライカー、クリスティアーノ・ロナウド選手が、34節のラツィオ戦で2ゴールを挙げました。

[7月20日・第34節・アリアンツスタジアム]
ユベントス2-1ラツィオ

 チームの全得点を叩き出したクリロナ選手の得点力に、改めて驚かされるばかりですが、この2得点で、今シーズンのゴール数を30点台に乗せました。
 さらに、「セリエAにおける通算得点を50点台」としたのです。

 これが「新たな伝説」を生みました。

 イングランド・プレミアリーグ、スペイン・リーガエスパニョーラ、イタリア・セリエAという、欧州4大リーグの内「3つのリーグで50ゴール以上」という、史上初の快挙を示現したのです。
 凄いとしか言いようのない記録でしょう。

 プレミアリーグでは、マンチェスター・ユナイテッドにおいて2003年から2009年までプレーし80点以上を挙げ、リーガエスパニョーラではレアル・マドリードにおいて2009年から2018年までプレーし310点以上を叩き出し、2018年からはセリエA・ユベントスでプレーして50点以上を挙げているのです。
 「リーグを選ばない活躍」は、欧州サッカー史に深く刻まれるものでしょう。

 更に、ポルトガル代表としても99点を挙げていて、トータル700得点もとっくに達成しているのです。

 クリスティアーノ・ロナウド選手は、この記録を、どこまで伸ばしていくのでしょうか。
 無観客、あるいは観客数限定という形で、いくつかのスポーツイベントが再開されつつあるとはいえ、新型コロナウイルス禍のために、多くのイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのも良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の準決勝です。

[2010年7月7日・モーゼスマヒダスタジアム(ダーバン・南アフリカ)]
スペイン1-0ドイツ

 ユーロ2008を制し、「パスサッカー」を引っ提げてワールドカップ初優勝を目指すスペイン代表チームと、決勝トーナメント1回戦でイングランド代表チームを4-1、準々決勝でアルゼンチン代表チームを4-0と圧倒し、絶好調のドイツ代表チームが、激突したゲームでした。

 大袈裟に言えば、今後の「世界の覇権」を決めるゲームだったのです。

 スペインのパスサッカーの威力は、広く世界に認識されるようになっていましたが、一方で、ドイツの大きな大会における勝負強さは、より長い間世界サッカー界を席巻してきていましたから、この大舞台であればドイツの方が強いという見方も多かった、と記憶しています。

[スペインチームの先発メンバー]
1. GKカシージャス選手
2. DFセルヒオ・ラモス選手
3. ジェラール・ピケ選手
4. プジョル選手
5. カプテビラ選手
6. MFイニエスタ選手
7. セルヒオ・ブスケツ選手
8. シャビ・アロンソ選手
9. ペドロ選手
10. シャビ選手
11. FWビジャ選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. ラーム選手
3. フリードリッヒ選手
4. メルテザッカー選手
5. ボアテング選手
6. トロホウスキ選手
7. サミ・ケディラ選手
8. シュヴァインシュタイガー選手
9. ポドルスキー選手
10. メスト・エジル選手
11. クローゼ選手

 ゲームは最初から、スペインチームのペースとなりました。
 「パスサッカー」が威力を発揮し、ドイツチームはボールを確保することさえ困難でした。

 スペインチームのダイレクトパスがビシビシと決まり、ドイツチームのプレーヤーは、ボールの行方を追いかけ続けてしまうことから、「心身の疲労」が蓄積されるという展開に観えました。

 一方で、局面に応じて柔軟に対応するという意味での決定力、を具備したフォワードFWプレーヤーが居ないスペインチームも、ペナルティエリア周辺まではボールを運びますが、「フィニッシュ」を決めることはなかなか出来ませんでした。
 この大会のスペインチームには、明らかに得点力が不足していたのです。
 もちろん、ドイツチーム「伝統」の堅守も、忘れてはなりませんけれども・・・。

 試合は0-0で後半に入りました。

 後半に入っても、スペインチームが概ねボールを保持し、ドイツチームはなかなかボールを奪えないという展開が続きました。
 「スペインパスサッカーの守備力」は、世界サッカー史上でも屈指の威力であろうと感じさせる展開が続きました。

 そして、ドイツチームに疲労の色が濃くなってきた後半28分過、ついにゲームが動きました。
 アンドレス・イニエスタ選手が左サイドを抉ってコーナーキックCKを得ます。
 このCKを蹴るのはシャビ選手。
 ドイツゴール正面向かってやや左側に大きなボールが放たれました。
 走り込んできたプジョル選手がヘディングシュート。
 これが見事にドイツゴールに突き刺さりました。

 このゴールが、このゲーム唯一の得点でした。

 このゲームは、終始スペインチームが支配しました。
 スペインチームの「パスサッカー」が完成したゲームであったと考えています。
 大会最強の攻撃力を具備していたドイツチームをも、完璧に抑え込んだのですから。

 その素晴らしい守備力は、ラウンド16、準々決勝、準決勝、そして決勝も「1-0」という、決勝トーナメント4試合連続の零封に、よく現れています。
 こうした形でのワールドカップ制覇は、空前絶後でしょう。
 
 シャビ選手、イニエスタ選手、シャビ・アロンソ選手、ブスケツ選手といったミッドフィールダーMFのみならず、ピケ選手、プジョル選手、セルヒオ・ラモス選手、カプテビラ選手といったディフェンダーDFも含めた、チーム全体としての素早く正確なパス回しは、ナショナルチームとしてなら、このスペインチームにしかできない、極めて高度なサッカーでしょう。

 間違いなく、世界サッカー史に「一時代を築いた」サッカーなのです。
 6月11日に再開した、リーガエスパニョーラ2019~20シーズンも第35節を迎え、優勝争いと共に降格・残留争いも熾烈になって来ました。

[7月9日・エスタディデソンモイクス]
RCDマジョルカ2-0レバンテUD

 マジョルカのフォワードFWとして先発出場した久保選手は、素晴らしいドリブルと精度の高いクロスで、チームの攻撃に寄与し続けました。
 そして、後半39分、ゴール前の波状攻撃の中で、キッチリとゴールを挙げました。
 ゲームを決める、今シーズン4点目のゴールでした。

 2019年9月1日・第3節のバレンシアCF戦の後半34分に初出場した久保選手は、9月22日・第5節のヘタフェ戦まで途中出場を続け、9月25日のアトレティコ・マドリード戦からフル出場するようになりました。

 その後は、チームのレギュラーとしての地位を確立したように感じます。

 特に、その「ドリブル」は、ラリーガ最高レベルとの評価を固めつつあります。
 凄いことです。

 そして「ゴール」も生まれ始めました。

 久保建英選手のテクニックが最高レベルであることは、デビュー当時から指摘されていたのですが、いかんせん「FWにしては得点が少ない」ことも指摘され続けていたと感じます。
 やや遠目からのシュートが多く、相手キーパーに防がれてしまうことが多かったのです。
 実際、このゲームでも、そうしたシーンが観られました。
 高いテクニックをベースにしてぎりぎりの「難しいシュート」を狙うことが多かったのかもしれません。

 一方で、このゲームのゴールは、「決めるべくして決めた」形です。

 久保建英選手は、世界最高レベルのゲームにおける「ゴールの決め方」を習得中なのかもしれません。

 7月4日、Jリーグ1部が再開しました。
 待ちに待った再開です。

 ブンデスリーガ、リーガ・エスパニョーラ、プレミアリーグ、セリエAの所謂欧州4大リーグに続いて、我らがJリーグも「無観客」(リモートマッチと称されています)で再開したのです。

 第2節からの再開であり、7月4日に全9ゲームが実施されましたが、意外な結果となりました。
 アウェイチームの6勝2敗1引分となったのです。

 ホームで勝利を収めたのは、大分トリニータ(2-0サガン鳥栖)と川崎フロンターレ(2-1鹿島アントラーズ)の2チームだけでした。

 とても不思議な現象だと感じます。

 新型コロナウイルス禍の中で、最初に再開したドイツ・ブンデスリーガにおいても、再開後最初の節では、アウェイチームが優勢でした。その際には、「たまたま、実力上位のチームがアウェイで戦ったカードが多かった」と観ましたが、今回のJ1については、必ずしもそういう組合せが多いようには観えません。

 「無観客」という特殊な形態においては、開始直後はアウェイの方が強いという「傾向」があるのか、それとも、「ホームチームが強い」という、サッカー競技における「定理」、長い間言われ続けて来た「定理」が、近時変化しつつあるのか、とても興味深いところです。

 ひょっとすると、現代では既に「ホームとアウェイに有意な差が無い」のかもしれませんし、実は「アウェイの方が有利」になっているのかもしれないとさえ考えてしまいます。
 そうした視点で、各国のリーグ戦を観て行きたいと思っています。

 いずれにしてもJ1が始まりました。
 
 我が国のプロスポーツ界を代表する、プロ野球とJリーグがついに揃ったのです。

 少しずつですが、「観客」を受け入れる開催も計画されていると報じられています。

 こうした様々な取組、史上初めての取組の過程で、今後10年いや100年に渡ってスポーツ界を支えて行くノウハウ、トレーニングやゲーム開催等々の全ての局面に対するノウハウが、発見・蓄積されて行くことが、切望されるところなのでしょう。
 新型コロナウイルス禍の影響で中断していた、イタリア・セリエAが6月20日に再開しました。
 まず、第25節の残りの4ゲームを20日~21日に行い、続いて第27節の全ゲームが22日~24日に行われました。

[6月21日・第25節・グヴィッススタジアム]
アタランタ4-1サッスオロ

[6月21日・第25節・スタディオジュゼッペメアッツァ]
インテル2-1サンプドリア

[6月22日・第27節・スタディオレナトダッラーラ]
ユベントス2-0ボローニャ

[6月24日・第27節・グヴィッススタジアム]
アタランタ3-2ラツィオ

[6月24日・第27節・スタディオオリンピコ]
ASローマ2-1サンプドリア

 リーグ戦上位チームのゲームを並べてみました。

 ユーベはアウェイでラツィオに快勝しました。クリスティアーノ・ロナウド選手の先制、パウロ・ディバラ選手(アルゼンチン)の追加点ゴールと、地に足の着いたゲームであったと感じます。

 2位のラツィオは、アタランタに惜敗しました。2-0とリードしてからの逆転負けでした。

 3位のインテルは、25節ではサンプドリアに競り勝ち、27節ではサッスオロと3-3の引分でした。
 なかなか勢いに乗れないというところでしょうか。

 8連覇中のユベントスが、空前の「9連覇」を目指しているセリエAですが、今シーズンはラツィオが良く食い下がっています。
 現在得点王の、チロ・インモービレ選手の益々の活躍が、大いに期待されるところでしょう。
 新型コロナウイルス禍の影響により中断されていた、2019~20年のイングランド・プレミアリーグが、6月19日に再開しました。
 第30節からの再開です。

 ドイツ・ブンデスリーガ、スペイン・リーガエスパニョーラに続いての再開です。
 前2リーグと同様に「無観客」での実施となっています。

[6月19日・第30節・トッテナムホットスパースタジアム]
トッテナム・ホットスパー1-1マンチェスター・ユナイテッド

[6月20日・第30節・ヴィカレージロードスタジアム]
ワトフォード1-1レスター・シティ

[6月21日・第30節・ヴィラパーク]
チェルシー2-1アストン・ヴィラ

[6月21日・第30節・グッディソンパーク]
エヴァートン0-0リバプール

[6月22日・第30節・エティハドスタジアム]
マンチェスター・シティ5-0バーンリーFC

 3月7日~3月9日に行われた第29節時点の上位チームのゲームを順に追いました。
 
 スパーズとマンUは引分けました。
 スティーブン・ベルフワイン選手(オランダ)のゴールで先制を許したマンUは、後半36分、ブルーノ・フェルナンデス選手(ポルトガル)のゴールで、良く追い付いた形です。

 逆にレスターは、後半45分に先制したものの、インジュリータイム・後半48分に追い付かれ、ドローとなりました。

 チェルシーは、アストン・ヴィラに先制されましたが、後半2ゴールを挙げて逆転勝ちしました。
 チェルシーの1点目は、FWクリスティアン・プリシッチ選手ですが、アメリカ出身です。
 珍しいと言っては、アメリカのサッカーファンに怒られてしまいそうです。

 独走中のリバプールはエヴァートンと0-0で引き分けました。
 南野拓実選手としては、出場ゲームを勝利で飾ることが出来ませんでした。

 シティは完勝でした。
 前半、フィル・フォーデン選手とリヤド・マフレズ選手(アルジェリア)の3得点で優位に立ち、後半もダビド・シルバ選手(スペイン)とフォーデン選手のこの試合2点目で突き離しました。
 「勢い」を感じさせるゲームでしょう。

 再開後最初の第30節を終えて、リバプールが勝点83でトップ、追いかけるシティは勝点63ですから、その差は「20点」もあります。
 ここまで来てしまうと、「リバプールのプレミア初優勝」が何時になるのか、というのが注目されるのでしょう。
 新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた、リーガ・エスパニョーラ2019~20年シーズンが、6月11日に再開されました。
 待ちに待った「再開」です。

[6月13日・第28節・エスタディデソンモイクス]
FCバルセロナ4-0 RCDマヨルカ

[6月14日・第28節・エスタディオカンポサンマメス]
アスレティック・ビルバオ1-1アトレティコ・マドリード

[6月14日・第28節・エスタディオアルフレッドディステファノ]
レアル・マドリード3-1エイバル

 所謂「ラリーガ3強」の試合結果です。

 バルサは、開始2分のアルトゥロ・ビダル選手の先制で勢いに乗り、得点を重ねて、終了直前にはリオネル・メッシ選手のゴールで大勝しました。
 先に再開した、ドイツ・ブンデスリーガのゲームにも観られる、「簡単に観える得点」が、このゲームでも観られたと感じます。

 アトレティコは、前半37分にビルバオのイケル・ムニアイン選手の先制ゴールを許しましたが、その2分後、ジエゴ・コスタ選手が同点ゴールを挙げました。
 ゲームは、その後両チームともに得点を上げることが出来ず、引分けました。

 レアルは前半、トニ・クロース選手、セルヒオ・ラモス選手、マルセロ選手という中心選手達が次々と得点を重ね、後半のエイバルの反撃を1点に抑えて快勝しました。

 第28節の結果、首位のバルセロナの勝点は61、2位のレアルは59点となり、2点差のままでした。
 3位のセビージャが50点ですから、今季のラリーガの優勝は、バルサとレアルの争いに絞られたと言って良いでしょう。
 最後まで、眼が離せない戦いが続くと思います。

 さてこれで、ドイツ・ブンデスリーガとスペイン・リーガエスパニョーラが再開しました。
 6月17日には、イングランド・プレミアリーグが、6月20日には、イタリア・セリエAの再開が予定されています。
 「欧州4大リーグ」が揃って再開するのも、もう直ぐです。

 新型コロナウイルス禍の中でのリーグ戦、「無観客」リーグ戦の実施という、おそらくは「世界サッカー史上に永遠に刻まれる『異形』のシーズン」が、本格的に動き始めたのです。
 
[5月30日・第29節・アリエンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン5-0フォルトナ・デュッセルドルフ

[6月6日・第30節・ベイアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン4-2バイヤー・レバークーゼン

 第28節、ボルシア・ドルトムントとの1位・2位直接対決を1-0で制したバイエルン・ミュンヘンが、第29節・30節のゲームを圧勝しました。2試合で9点という圧倒的な得点力を示したのです。

 もちろん、ロベルト・レバンドフスキ選手を始めとする豪華なメンバーで構成されていることも有るのですが、中盤から前線にかけての縦横無尽な球出しや、バックスから長い1本のパスなども交えての多彩な攻撃が、相手チームを翻弄している感が有ります。

 特に、ベテランのトーマス・ミュラー選手の活躍が目立っています。

 もともとポジショニングには定評のある選手で、どこからでも登場する印象なのですが、このところは運動量も十分で、効果的なラストパスの配給が続いています。

 これに、中盤のレオン・ゴレツカ選手やヨシュア・キミヒ選手、セルジュ・グナブリー選手、そしてディフェンスのベンジャミン・パヴァール選手達が絡んでいくのですから、相手チームにとっては「守り難いことこの上ない」プレーが連続することとなっているのです。

 第30節を終えて勝点70と首位を走るバイエルン。
 勝点63でドルトムントが追い縋りますが、残り4節となって、バイエルン・ミュンヘンの「空前の8連覇」が見えてきました。

 6月6日に行われた、ブンデスリーガ2019~20年シーズン第30節のゲーム、フランクフルトVSマインツ戦に先発出場した長谷部誠選手は、ドイツ・ブンデスリーガ1部のゲームに309試合目の出場となり、これまでのアジア人プレーヤーの記録であった車範根(チャブンクン、韓国)選手の308試合出場を抜いて、最多記録を達成しました。

[6月6日・第30節・コメルツバンクアレーナ]
FSVマインツ05 2-0 アイントラハト・フランクフルト

 長谷部選手にとって記念すべき試合でしたが、残念ながら、フランクフルトはマインツに敗れてしまいました。

 この試合には、もうひとりの日本人プレーヤー鎌田大地選手も先発出場していました。

 長谷部選手が、浦和レッズからブンデスリーガのVfLヴォルフスブルクに移籍したのは2008年1月1日でした。
 以降2012~13年シーズンまでヴォルフスブルクでプレーし、2013年9月2日1FCニュルンベルクに移籍しました。同じブンデスリーガのチームです。
 そして、2014年6月2日、アイントラハト・フランクフルトと契約を結び、移籍しました。再び、ブンデスリーガのチームでした。

 それから今日に至るまで、長谷部選手はフランクフルトでプレーしてきたのです。

 この間2018年まで日本代表としてもプレーし、2010年5月以降は長くキャプテンの重責を果たしたことは、ご承知の通りです。

 ポジションに対する長谷部選手の拘りが「ボランチ」にあることも、広く知られています。
 ニュルンベルクへの移籍は、まさにボランチをやりたいからこそでした。

 一方で、チームの要請に従って、右サイドバックやセンターバックといった別のポジションにも、十分に対応できるところが、長谷部選手の強みなのでしょう。

 そして何より、冷静かつ骨身を惜しまぬプレー振りが、ブンデスリーガで高く評価されているのです。

 世界屈指のリーグの中で、チームが変わり、同じチームにおいても監督が交替して行く過程で、「出場を続けること」の難しさは、言うまでもないことでしょう。
 世界的なスーパースターが、そうした要因により出場できなくなる例を、私達は数多く観てきています。

 1984年生まれの長谷部選手も36歳になりました。さすがにプライムタイムは過ぎたのです。
 しかし、再開後のゲームにおいても、凄いオーバーラップを魅せてくれています。
 まだまだ走れる、十分な運動量を具備しているのです。

 長谷部選手には天性のリーダーシップが備わっています。
 そのリーダーシップは、「俺が、俺が」と出しゃばってPRするものとは全く異なり、「自然にリーダーになっている」という感じのリーダーシップに観えます。
 かつて、日本代表チームのアルベルト・ザッケローニ監督が「彼以外には居ない」と、最初から長谷部選手をキャプテンに指名したのは、有名な話です。

 長谷部選手は、自然体で自らの思想をプレーに活かしてきていて、ブンデスリーガの同僚プレーヤー達から常に高い評価を受けてきました。
 「生まれながらのリーダー」と呼ぶに相応しい、素晴らしい資質を備えた長谷部誠選手は、どこまで記録を伸ばして行ってくれるのでしょうか。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はユーロ(欧州選手権)2000ベルギー・オランダ共催大会の準決勝です。

[2000年6月28日・ロワボードワンスタジアム(ブラッセル・ベルギー)]
フランス2-1ポルトガル(延長)

 ワールドカップやユーロという大きな大会で、特定の代表チーム同士のカードが数多く組まれる可能性は、当然ながら高くは無いのですが、「組まれてしまえば必ず好勝負」というのが、ポルトガルVSフランスなのでしょう。(本ブログ2020年4月17日付の記事「[UEFA-EURO1984準決勝] フランスチーム ポルトガルチームとの「死闘」を制す」をご参照ください)

 このゲームも大接戦、滅多に観られない好ゲームとなりました。
 小説を書くとしても、このストーリーは難しいかもしれないとさえ感じます。

[フランスチームの先発メンバー]
1. GKバルテズ選手
2. リザラス選手
3. ヴィエラ選手
4. ブラン選手
5. デシャン選手
6. ドゥサイー選手
7. アネルカ選手(21歳)
8. ジダン選手
9. アンリ選手(22歳)
10. テュラム選手
11. プティ選手

[ポルトガルチームの先発メンバー]
1. GKバイーア選手
2. ジョルジュ・コスタ選手
3. ヴィディカル選手
4. フェルナンド・コウト選手
5. フィーゴ選手
6. ルイ・コスタ選手
7. セルジオ・コンセイソン選手
8. ディマス選手
9. シャビエル選手
10. コスティーニヤ選手
11. ヌーノ・ゴメス選手

 フランスチームは、1998年ワールドカップ優勝チームの強力な守備陣に、若いアンリ選手やアネルカ選手が加わって、一層チームのバランスが良くなっています。
 そういう意味では、20世紀から21世紀にかけて、「最強のチーム」に成りつつあったとも言えるでしょう。

 一方のポルトガルチームも、ルイス・フィーゴ選手、ルイ・コスタ選手、フェルナンド・コウト選手らを始めとする所謂「ゴールデンエイジ」が全盛期を迎えていましたから、とても強いチームに仕上がっていたのです。

 ゲームは、個人技で攻めるポルトガルと、組織的に攻撃するフランスの、一進一退の攻防が続きました。とてもハイレベルな攻防です。

 フランスは、22歳のティエリ・アンリ選手と21歳のニコラ・アネルカ選手という「売出し中」の若手フォワードFWとジネディーヌ・ジダン選手がポルトガルゴールを目指して、再三攻撃を仕掛けます。
 ポルトガルは、右サイドからセルジオ・コンセイソン選手、左サイドからルイス・フィーゴ選手が、ドリブルで攻め上がり、センターFWヌーノ・ゴメス選手にボールを供給します。

 これに対して、フランスチームの「鉄壁の守備陣」、マルセル・ドゥサイー選手、ディディエ・デシャン選手、ビセンテ・リザラス選手、ローラン・ブラン選手らが良く守ります。
 この時のフランスのバックスBK陣は、おそらくは世界サッカー史上でも屈指の守備力を誇っていたでしょう。
 この4バックで戦ったゲームは「無敗」であったとも言われています。(1998年ワールドカップと2000年ユーロの連続優勝を成し遂げた原動力です)

 そのフランスチームの堅陣を破ったのは、前半19分の攻撃でした。
 ポルトガルチームが右サイドから攻め上がり、ボールがヌーノ・ゴメス選手に入り、ゴメス選手は左に動きながらシュート。これが、フランスゴール左隅上部に突き刺さりました。
 素晴らしいシュートでした。

 このチームのフランスのゴールキーパーGKファビアン・バルテズ選手も、とても良いGKでしたが、このシュートを止めることは出来ませんでした。
 ゴメス選手のシュートが勝ったのです。

 同点を目指してフランスが攻めかかりますが、ポルトガルはペナルティーエリア付近での強いディフェンスにより、決定的な形を創らせません。
 良く守っていました。

 ゲームはポルトガルが1-0とリードして後半に入りました。

 後半に入ってもフランスの攻撃が続きます。
 
 そして、後半6分、ポルトガルゴール前右側からアネルカ選手が、ゴール前に居たアンリ選手にパス、アンリ選手は反転してシュート、これがポルトガルゴール左隅に突き刺さりました。
 アネルカ選手の正確なパスと、アンリ選手の素早く強いシュート。
 フランスチームの新しい2トップが、その威力を存分に発揮したのです。

 ポルトガルのGKビトール・バイーア選手も、このゲームにおいて好セーブを連発していましたが、このシュートは止められませんでした。
 このゲームが好ゲームとなった大きな要因のひとつは、両GKの好セーブであることも間違いありません。

 さて、ゲームは1-1の同点となって、ゲームは90分を終え、延長に入りました。
 延長に入っても、一進一退の状況は不変でした。
 
 延長も後半となり、「死闘」は続きます。

 そして延長後半10分過ぎ、フランスが攻めます。
 前掛かりとなっていたポルトガル陣へのカウンター。
 シルヴァン・ヴィルトール選手がドリブル突破、ダビッド・トレゼゲ選手にパス、トレゼゲ選手がシュート体勢に入ったところで、トレゼゲ選手の足許に飛び込んだGKバイーア選手が弾き再びボールはピッチに、これをヴィルトール選手が右サイドからシュート、このシュートがポルトガルDFアベル・シャビエル選手の左手に当たりペナルティーキックPKが宣せられました。

 この判定に対して、ポルトガルチームが猛抗議。
 シャビエル選手の「手に当たった」のであって、「手を使ったのではない」という抗議だったのでしょう。

 両チームの選手達がポルトガルゴール前に集まって入り乱れます。
 フランスGKバルテズ選手まで登場しています。

 ヴィルトール選手とシャビエル選手の距離は3~4mで、強烈なシュートでしたから、「手に当たった」と観ることもできますが、シャビエル選手の左手がわずかに上げられているのを観ると「手を上げて止めた」ようにも観えます。
 何度観ても、どちらとも取れるプレーです。

 そして、このシュートはシャビエル選手に当たっていなければ、ゴールインしていたとも思います。角度の無いところからのシュートでしたが、間違いなく「枠」に行っていました。

 もちろん、当たったのであろうが当てたのであろうが、手を使ったことがゲームに影響を与えたのであれば反則である、という見方もあるのでしょう。

 ポルトガルチームの抗議は延々と続きましたが、判定が覆ることはありませんでした。
 
 このPKを蹴るのはジダン選手。
 ロワボードワンスタジアムは、抗議の指笛が響き続けました。
 ベルギーとオランダの共同開催であった大会の、準決勝の舞台には、ポルトガルチームを応援するファンの方が多かったのでしょう。
 世界チャンピオン・フランスチームに対しての「判官贔屓」であったのかもしれません。

 ジダン選手は、長い助走を取り、ゴール左上に突き刺しました。
 どのようにしても、どんなGKでも、止められないであろう強烈なPKでした。
 ジダン選手の強じんな精神力を感じさせるキックでした。

 この大会はゴールデンゴール方式でしたので、これで試合は終了しました。

 2-1、フランスチームが勝ち上がりました。
 ポルトガルチームのユーロ制覇への挑戦、ゴールデンエイジを主体とした強力な代表チームの挑戦は、終わりを告げたのです。

 このゲームは、成長を続ける世界チャンピオン・フランスチームと、完成されたポルトガルチームの激突であったと感じます。
 輪郭のしっかりした数多くのプレーヤーが、ピッチを縦横無尽に動き回った好ゲームでした。

 そして、私にとっては大好きなセルジオ・コンセイソン選手の、最盛期の雄姿を楽しむことが出来る大切な録画なのです。

[5月26日・第28節・コメルツバンクアレーナ]
アイントラハト・フランクフルト3-3SCフライブルク

[5月30日・第29節・フォルクスワーゲンアレーナ]
アイントラハト・フランクフルト2-1VfLヴォルフスブルク

 フランクフルトの鎌田大地選手が2試合連続ゴールを挙げたと報じられました。

 再開後のブンデスリーガで見事な活躍です。

 鎌田選手といえば、2020年2月20日のUEFAヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦・RBザルツブルグ戦でハットトリックを達成してチームの勝利に貢献し、同3月4日のドイツ杯準々決勝・ヴェルダー・ブレーメン戦でもゴールを挙げたことで、注目されていました。
 「得点力が注目される」日本人選手というのは多くは無いのです。

 そして、新型コロナウイルス禍から再開後の2試合連続ゴールです。
 
 フライブルク戦のゴールは、ゴール前での相手ディフェンダーの僅かなミスを捉えて、ゴールに向かって左サイドから打ち込んだシュートでした。
 ヴォルフスブルク戦でのゴールは、センターラインを越えた辺りから右サイドにロングパスを出し、その折り返しに対して高速で走り込み、やはりゴール左サイドから叩き込みました。
 ポジショニング、スピード、間合い、のいずれもハイレベルなプレーだと感じます。

 愛媛県の出身、1996年生まれ23歳の鎌田選手は、決して順調なキャリアを積んできたわけではありません。
 ガンバ大阪ジュニアユースから東山高校に進み、2015年にサガン鳥栖に入団、2017年にフランクフルトに完全移籍、2018年にはベルギー1部のシント・トロイデンVVにレンタル移籍、2019年にフランクフルトに復帰しています。
 日本マスコミの注目度は決して高くは無かったと思いますが、この目まぐるしい移籍の流れの中で、鎌田大地選手は着々と実力を蓄えて行ったのでしょう。
 現在では、ブンデスリーガのレギュラープレーヤーとしての地位を築きつつあります。

 日本代表チームは何時の時代も「ストライカー」を求めています。
 鎌田大地選手の一層の成長が、本当に楽しみです。

 新型コロナウイルス禍の中で、世界の主要リーグにおいて最初にリーグ戦を再開した、ドイツ・ブンデスリーガの、再開後第2週の一戦です。
 ホームに、アイントラハト・フランクフルトを迎えたバイエルン・ミュンヘンが、5ゴールを挙げて圧勝しました。

[5月23日・第27節・アリアンツアレーナ]
バイエルン・ミュンヘン5-2アイントラハト・フランクフルト

 再開時点で首位に立っていたバイエルンは、第26節=再開後緒戦でウニオン・ベルリンを2-0で下し、順調なスタートを切りました。
 そして、再開後のホーム緒戦を迎えたのです。

 一方のフランクフルトは、再開後緒戦のボルシア・メンヘングラートバッハ戦を1-3で落とし、このゲームを迎えています。

 ゲームは開始直後からバイエルンの攻勢が上回りました。
 「赤いユニフォーム」が「白いユニフォーム」を押し込むシーンが多かったのですが、バイエルンのシュートがクロスバーを叩いたり、ゴールキーパーGKの正面を突いたりで、なかなか先取点には結びつきませんでした。

 そして前半17分、バイエルンのセンターバックDFダヴィド・アラバ選手が、左サイドに走り込んだFWトーマス・ミュラー選手にパス、ミュラー選手が左サイドを抉りセンタリング、走り込んできたMFレオン・ゴレツカ選手にドンピシャ。ゴレツカ選手はこれを左足でダイレクトシュート。フランクフルトゴール右側に突き刺さりました。
 攻めていたバイエルンが、ついに先制点を挙げたのです。

 フランクフルトは反撃に出ますが、やはりバイエルンのディフェンスDFラインが厚いことと、中盤のボールキープ力でバイエルンが勝っている分、単発の攻撃となりました。

 そして後半41分、バイエルンのフォワードFWアルフォンソ・デイビス選手が中盤でボールを奪い、ゴール前にクロス。走り込んできたトーマス・ミュラー選手がGKケヴィン・トラップ選手と競り合いながらシュートを決めました。
 バイエルンの2点目。
 これでゲームの流れは完全にバイエルン・ミュンヘンのものとなりました。

 バイエルンは、後半開始早々の1分、エースのロベルト・レバンドフスキ選手が3点目を挙げてゲームを決めました。

 フランクフルトもその後、後半7分と10分にDFマルティン・ヒンテレッガー選手が連続ゴールを挙げて反撃に出ましたが、時すでに遅し。
 バイエルンは攻勢を継続し、後半16分にFWデイビス選手が4点目のゴール、後半29分にはオウンゴールも生まれて、大量5得点としたのです。

 「無観客」のゲームを観ていると、技術やパワーの「力通り」というプレーが多いと感じます。
 力量上位のチーム・プレーヤーが、イメージ通りのプレーを展開しゴールする、何か「あっさり」と決まるゴールが多いように感じます。プレー全体に粘りが無い、意外性に欠けるプレーやゲームが多いと思います。
 これが「無観客」の影響によるものなのか、トレーニング不足が響いているのか、は現時点では分かりません。
 これから、この感じがどのように変化して行くのかも楽しみです。

 再開後、「ホームチームの勝率が低い」という指摘もありましたが、バイエルン・ミュンヘンは、ホーム緒戦で大勝しました。
 ホームチームが弱いというよりは、実力上位のチームがアウェイで戦った組合せが多かったのであろうと、考えています。

 新型コロナウイルス禍のために、多くのスポーツイベントが延期・中止なっている時期は、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いようです。
 今回はワールドカップ2010南アフリカ大会の準々決勝です。

[2010年7月3日・グリーンポイントスタジアム(ケープタウン・南アフリカ)]
ドイツ4-0アルゼンチン

 決勝トーナメント1回戦、3-1でメキシコチームを破り勝ち上がったアルゼンチンチームと、4-1でイングランドチームを破ったドイツチームが激突したゲームです。

 グループリーグB組を3戦全勝で勝ち上がったアルゼンチンは好調を伝えられていました。何より、リオネル・メッシ選手を始めとしてメンバーが揃って居ました。
 一方のドイツチームも、抜群の得点力が注目されていましたから、好ゲームが期待されたのは当然のことなのでしょう。

[アルゼンチンチームの先発メンバー]
1. GKロメロ選手
2. DFデミチェリス選手
3. ブルディッソ選手
4. エインセ選手
5. オタメンディ選手
6. MFディマリア選手
7. マスケラーノ選手
8. マキシ・ロドリゲス選手
9. FWイグアイン選手
10. メッシ選手
11. テベス選手

[ドイツチームの先発メンバー]
1. GKノイアー選手
2. DFメルテザッカー選手
3. フリードリッヒ選手
4. ラーム選手
5. ジェローム・ボアテング選手
6. MFサミ・ケディラ選手
7. シュバインシュタイガー選手
8. トーマス・ミュラー選手
9. エジル選手
10. ポドルスキー選手
11. FWクローゼ選手

 いつ観ても、この時のアルゼンチン代表は豪華。
 特に、ミッドフィールダーMFにアンヘル・ディマリア選手、ハビエル・マスケラーノ選手、マキシ・ロドリゲス選手を揃え、フォワードFWにゴンサロ・イグアイン選手、カルロス・テベス選手、そしてリオネル・メッシ選手を並べた攻撃陣は、見事なラインナップでしょう。
 アルゼンチンの「伝説」ディエゴ・マラドーナ監督、渾身のチームであったと感じます。

 一方のドイツ代表は、ラウンド16でイングランド代表を4-1で退けたチームです。
 特に、スピード十分なカウンター攻撃は、この大会屈指のものでしょう。
 ヨハヒム・レーヴ監督の戦術理論は、ドイツサッカー、そして世界のサッカーを変える可能性を秘めていました。

 キックオフから僅かに2分、ゲームがいきなり動きました。
 アルゼンチンゴールに向かって左側で、ドイツがフリーキックを得たのです。
 ポドルスキー選手をオタメンディ選手が倒した結果でした。

 蹴るのはバスティアン・シュバインシュタイガー選手。
 右足でゴールに向かって行くボールでした。
 このボールを、走り込んだトーマス・ミュラー選手が頭で合わせてシュート。
 GKセルヒオ・ロメロ選手の右脚に当たってゴールに吸い込まれました。
 イングランド戦の3点目、4点目に続く、チームにおける3連続ゴールというのは、トーマス・ミュラー選手の「得点感覚」の鋭さを明示しています。

 ドイツチームの試合開始早々の先制点でした。

 アルゼンチンチームにとっては、「まだゲームが始まっていない」という時間帯でのゴールであったと感じます。
 逆にドイツチームにとっては、この後のゲームを進めて行く上での「余裕」を生むゴールでした。「若き」ドイツチームは、この後、伸び伸びとプレーを展開することが出来たのです。

 アルゼンチンチームは、メッシ選手を始めとする「世界的なプレーヤー達」が攻撃にかかりますが、ドイツチームの守備が効いていました。メッシ選手には3人がかりでしたし、テベス選手やディマリア選手らへの「寄せ」も極めて素早いものでした。
 結果として、アルゼンチンチームの攻撃プレーヤーは、孤立していることが多かったと感じます。

 ゲームは、ドイツペースで進んだのです。
 ドイツチームは再三アルゼンチンゴールに迫ることが出来ましたが、アルゼンチンチームはなかなかドイツペナルティーエリアに入ることが出来ませんでした。

 前半のアルゼンチンチームのチャンスは、メッシ選手のFKでした。複数回ありました。
 メッシ選手はこれを丁寧に狙いましたが、ゴールを挙げることは出来ませんでした。

 前半は1-0、ドイツのリードで折り返しました。

 後半に入ってもアルゼンチンチームの攻勢が続きますが、ややスピードでドイツチームが勝り、ゴールには結び付きません。

 そして後半23分、ドイツチームの左側からの攻撃。
 ポドルスキー選手が左サイドを抉り、ゴール前のクローゼ選手にセンタリング。
 これがGKとDFの間を抜ける絶妙のパスで、ゴール正面1~2mのところでパスを受けたクローゼ選手が、「ちょこん」とアルゼンチンゴールに押し込みました。
 とてもクローゼ選手らしい、全く無駄の無い、派手さも無い、必要最小限のプレーでした。

 ドイツチームが2-0とリードを広げました。

 このゲーム展開においては、「決定的な2点目」でした。

 後半28分、ドイツチームは左からのコーナーキックCK。ショートコーナーとして、シュバインシュタイガー選手がドリブル。アルゼンチン陣を深く抉って、アルゼンチンゴール左ポストに接近、小さく折り返して、走り込んできたマヌエル・フリードリッヒ選手にパス。フリードリッヒ選手は倒れ込みながら押し込みました。
 DFフリードリッヒ選手も攻撃に参加していたのです。
 「全軍躍動」のドイツチームでした。

 3-0となって、ゲームは決まりました。

 しかし、ドイツチームは攻撃の手を緩めませんでした。

 後半43分、ドイツゴール前のアルゼンチンチームの攻撃から、ボールを奪ったドイツチームのお家芸「カウンター」が炸裂します。
 エジル選手から左サイドのポドルスキー選手にパス。ドリブルで駆け上がるポドルスキー選手の外側をエジル選手が駆け上がり、再びパスを受けます。アルゼンチンのペナルティーエリアに迫り、ゴール真正面に居たクローゼ選手にセンタリング。
 このセンタリングをクローゼ選手はダイレクトシュート。ノートラップでゴール左サイドに叩き込む、何とも「簡単」に観えるハイレベルなプレーでした。
 決定的なチャンスを必ず決める、というのは全てのストライカーにとっての理想でしょう。

 このゲームは、ドイツチームの完勝でした。
 この「豪華」なアルゼンチンチームを零封した守備力が素晴らしく、加えて多彩な攻撃が見事でした。
 そして、前半2分の先制点がゲームの流れを決めたと考えています。

 それにしても、これ程一方的なゲームになると、誰が予想したことでしょうか。

 新型コロナウイルス禍のために、数多くのスポーツイベントが延期・中止となっている状況では、撮り貯めた録画を自宅で楽しむのが良いのでしょう。
 今回は、ワールドカップ1986メキシコ大会の決勝です。

[1986年6月29日・アステカスタジアム(メキシコ)]
アルゼンチン3-2西ドイツ

 もともとコロンビアで開催予定であった大会ですが、同国内の経済状況が悪化し1983年に開催権を返上、代わりにメキシコで開催された大会です。
 メキシコ開催は1970年以来のこととなり、決勝も1970年大会と同じエスタディオ・アステカ=アステカスタジアムとなりました。

 アステカスタジアムは、いつの時代も世界屈指の収容能力を誇る巨大なスタジアムですが、この頃は13万人以上を収容できる世界最大級のサッカー場であったと言われています。
 ちなみに、このゲームの観客数は114,580人と公表されました。(この大会では、他にも114,580人という試合がありますから、「満員ならばこの人数表示」ということなのかもしれません)

 1986年大会は、現在に至るまで「マラドーナの大会」と呼ばれています。
 アルゼンチン代表チームの準々決勝イングランド戦、準決勝ベルギー戦で共に2得点を挙げ、特にイングランド戦の「5人抜き」得点シーンは、ワールドカップ1986を象徴する映像として、現在でも時折眼にすることがあります。

 一方で、この決勝戦ではマラドーナ選手は得点を挙げていません。
 これは、少し不思議な感じです。
 
 両チームが死力を尽くした好ゲームを観て行きましょう。

[アルゼンチンチームの先発メンバー]
1. GKプンピード選手
2. DFクラウセン選手
3. ルジェリ選手
4. ブラウン選手
5. オラルティコエチェア選手
6. MFバティスタ選手
7. ジュステイ選手
8. エンリケ選手
9. ブルチャガ選手
10. FWマラドーナ選手
11. バルダーノ選手

[西ドイツチームの先発メンバー]
1. GKシューマッハ選手
2. DFブレーメ選手
3. フェルスター選手
4. ヤコブス選手
5. エデル選手
6. MFベルトルト選手
7. ブリーゲル選手
8. マテウス選手
9. マガト選手
10. FWルンメニゲ選手
11. アロフス選手

 先発メンバーを観ると、「大砲」ディエゴ・マラドーナ選手を中心に、ホルヘ・ブルチャガ選手、ホルヘ・バルダーノ選手という2名の「ホルヘ」に、エクトル・エンリケ選手やリカルド・ジュスティ選手を加えた、アルゼンチンチームの攻撃力が目立ちます。
 得点力ならば、アルゼンチンが一枚上と観るのが妥当でしょう。

 一方の西ドイツチームは、フランツ・ベッケンバウアー監督の指揮下で、この大会では「堅守」をベースに最少得点で勝ち上がってきました。グループリーグGLは3試合で3得点、決勝トーナメントも3試合で3得点、ここまで6試合で6得点しか挙げていないのです。
 ゲーム毎に細かい戦術の変更を加えて、相手チームの得点を抑えてきた形でしょう。
 決勝でも「ベッケンバウアーの采配」が注目されたことは言うまでもありません。

 開始直後は西ドイツチームが攻め、チャンスも有ったのですが得点を挙げることが出来ず、ゲームは次第にアルゼンチンが攻め西ドイツが守るという、戦前の予想通りの展開となりました。
 そして、西ドイツチームは「マラドーナ選手への徹底的なマーク」を実施したのです。
 ローター・マテウス選手を中心としたマークですが、エリアによっては他の選手もアプローチしています。
 マラドーナ選手にボールが渡ったならば、とても近い位置からアタックを掛けます。
 反則すれすれのプレーも観られました。

 さすがのマラドーナ選手も、これだけ「しつこく徹底したマーク」を受けては、なかなか思ったようなプレーはできませんから、アルゼンチンチームとしては、マラドーナ以外の選手による得点が望まれることとなります。

 前半22分、早くもそのシーンがやってきました。
 アルゼンチンチームは西ドイツゴールに向かって右サイド、ペナルティエリアの外の位置でフリーキックFKを得ました。
 蹴るのはブルチャガ選手。
 ブルチャガ選手は西ドイツゴールの反対側に蹴りました。GKシューマッハ選手がこれを弾こうと飛び出しましたが、ボールはシューマッハ選手を越えて飛び、アルゼンチンのDFブラウン選手がヘディングシュート。
 これが見事に決まりました。

 名手シューマッハ選手としては、珍しい「空振り」でしたが、ブルチャガ選手のキック、ブラウン選手のヘッド共に高い精度でした。

 前半はアルゼンチンが1-0とリードして、折り返しました。

 西ドイツチームは、FWのアロフス選手を下げてフェラー選手を入れました。
 「カールハインツ・ルンメニゲ選手+ルディ・フェラー選手」という、この頃の西ドイツチームの看板コンビとなったのです。
 この大会では、特にルンメニゲ選手の不調が伝えられてはいましたけれども、いざとなれば、やはりこのコンビ、精神的な強さが際立つコンビが必要だったのでしょう。

 0-1とリードされている西ドイツは、前半に比して攻勢を強めました。
 当然のことです。
 しかし、アルゼンチンも良く守り、なかなか決定的なチャンスは生まれません。

 そして後半11分、前掛かりになった西ドイツチームからボールを奪ったアルゼンチンチームは、マラドーナ選手からエンリケ選手、バルダーノ選手と繋いで、バルダーノ選手が西ドイツゴール向かって左サイドからシュート。前に出てきたGKシューマッハ選手の右側を突いた、落ち着いたシュートでした。

 これで2-0とアルゼンチンがリード。
 ゲームの帰趨は大きくアルゼンチンチームに傾きました。

 メキシコシティ・アステカスタジアムはアルゼンチンのサポーターが多く、大歓声が響き渡り、「勝った」という雰囲気が漂いました。
 流れに乗ったアルゼンチンチームは、この後も積極的に攻め続けましたが、さすがに西ドイツチームはこれをよく防ぎ、反撃の機を待ちました。

 こうした逆境に、世界で最も強いナショナルチームは、ドイツチーム(この頃は西ドイツ)でしょう。
 大きな大会で、絶体絶命の形から何度も反攻を成功させているのですが、このゲームも「絶対に諦めない」精神力(当時はよくゲルマン魂と呼ばれました)が発揮されたのです。

 後半20分を過ぎて、西ドイツチームが攻勢に出ました。
 アルゼンチンチームとしては「このまま2-0の勝利」で十分と考えていたこともあるでしょうし、前掛かりの西ドイツチームの隙を付いてのカウンターで、これからも得点チャンスが生まれるとも考えていたことでしょう。
 実際のところ、両チームにチャンスが来る展開でした。

 そして後半29分、アルゼンチンゴール向かって左から、西ドイツチームのコーナーキックCK。これをニアサイドに居たフェラー選手がヘディングでゴール前向かって右サイドに落とし、これを飛びこんだルンメニゲ選手が押し込みました。
 スライディングしながらのシュートは、いかにも「ルンメニゲのゴール」でした。

 2-1となって、ゲームの緊張感が一気に高まりました。

 アステカスタジアムには「アルゼンチン頑張れ」の大合唱が響きます。

 マラドーナ選手が左サイドを突進し、フェルスター選手がタックルで止めたシーンなどは、迫力満点、スピード・パワー共、世界最高水準のプレーでした。
 こうした素晴らしい数々のプレーの中から、再び西ドイツチームの得点が生まれるのです。

 ゲームは後半35分を過ぎました。
 アルゼンチンチームにとっては「ワールドカップ獲得まであと10分」となったのです。

 このゲームの見事なところは、この時間帯になっても両チームの運動量があまり落ちなかったことでしょう。
 標高2,000mを越えると言われるアステカスタジアム、空気が薄い中での激闘ですので、そのフィジカルの強さは驚異的です。

 後半36分、西ドイツチームは再びアルゼンチンゴールに向かって左サイドからのCK。
 今度はファーサイドに蹴られたボールを、ゴール前にヘッドで落とし、そこに居たフェラー選手がヘディングシュート。
 これが綺麗に決まりました。

 2-2の同点。
 ゲームは振出しに戻ったのです。

 西ドイツの2ゴールは、共に左CKから、ヘディングでゴール前に運び、これをルンメニゲ選手は足で、フェラー選手は頭で、決めました。
 あらかじめ用意されていたプレーでしょうが、後半の後半になって2度決めるというのは、これがワールドカップの決勝であることを考え合わせると、信じられないような決定力であり、粘りでしょう。

 西ドイツチームは「誰ひとり負けるなどということは考えても居なかった」ことは明白であり、これが「ドイツの伝統」なのです。

 アルゼンチンチームとしては、2-0で後半残り20分を切ったのですから、ほぼ掌中にしていたワールドカップが、するりと掌から滑り落ちた感じでしょうか。これは、1978年の初優勝の時のゲーム展開にも似ています。あの時の相手はオランダチームでしたが・・・。

 これで、俄然ゲームの流れは西ドイツに傾いたかに観えました。
 延長も視野に入ってきたのです。
 
 この流れを一気に変えたのは、ブルチャガ選手のプレーでした。

 後半39分、アルゼンチンゴール前からセンターライン付近でのボールの奪い合い、そこから前線のブルチャガ選手にパスが出ました。
 前掛かりだった西ドイツチームはディフェンダーが居ませんでした。

 ブルチャガ選手はドリブルで突進し、GKシューマッハ選手と1対1。
 スライディングしてくるシューマッハ選手の左側に浮かせたシュートが決まりました。
 とても冷静なシュートでした。

 ブルチャガ選手の持ち味が存分に発揮されたシュートでしたし、キャリア最高のゴールであったことも間違いありません。

 試合時間は残り4分となりました。

 当然ながら西ドイツチームは攻めますが、アルゼンチンチームも攻撃を止めません。

 残り3分、バルダーノ選手が左サイドを駆け上がり、中央に居るマラドーナ選手にパス、マラドーナ選手は西ドイツディフェンダーの間を割って突進、転がるボールに対して、マラドーナが先か、シューマッハが先か、シューマッハ選手の方が僅かに早く、ボールを弾き、そのシューマッハ選手とぶつかったマラドーナ選手がダイブ。
 反則にはなりませんでしたが、この「ダイビング」も、この大会の名シーンのひとつでしょう。

 ゲームは、このまま終了しました。

 アルゼンチン代表は、2度目のワールドカップ優勝を果たしたのです。

 「マラドーナの大会」の決勝戦、アルゼンチンチームはマラドーナ選手以外のプレーヤーの活躍で3点を挙げて、西ドイツチームを振り切りました。
 西ドイツチームは、0-2の劣勢から後半の後半に追い付き、あと一歩というところまで、アルゼンチンチームを追い詰めました。
 好天のアステカスタジアムで繰り広げられた、素晴らしいゲームでした。

 表彰式、重量5㎏のワールドカップは、まずキャプテンのマラドーナ選手に渡されました。
 受け取ったマラドーナ選手は喜びを爆発させました。

 ディエゴ・マラドーナは、ワールドカップの歴史となったのです。
 世界中の所謂メジャーなサッカーリーグの中で、ドイツ・ブンデスリーガが再開します。

 新型コロナウイルス禍の中で、先頭を切って再開されるのです。

 ドイツという国家の、感染症拡大への対応力の高さを示していると言って良いと思います。
 特に、医療体制の充実ぶりは他国を圧倒しています。

 5月16日~18日にかけて、第26節の各ゲームが無観客で開催されるのですが、地域的な制限も特に報じられていませんから、3月7日~8日に行われた第25節から連続した、文字通りの「再開」となります。
 ドイツ国家とブンデスリーガの素晴らしい対応力でしょう。

 第25節までの順位をおさらいしておきましょう。
1位 バイエルン・ミュンヘン 17勝4敗4引分 勝点55
2位 ボルシア・ドルトムント 15勝4敗6引分 勝点51
3位 RBライプツィヒ 14勝3敗8引分 勝点50
4位 ボルシア・メンヘングラートバッハ 15勝6敗4引分 勝点49
5位 バイヤー・レバークーゼン 14勝6敗5引分 勝点47
6位 シャルケ04 9勝6敗10引分 勝点37
7位 VfLヴォルフスブルク 9勝7敗9引分 勝点36 得失点差4
8位 SCフライブルク 10勝9敗6引分 勝点36 得失点差-1
9位 ホッフェンハイム 10勝10敗5引分 勝点35
10位 1FCケルン 10勝13敗2引分 勝点32
11位 ウニオン・ベルリン 9勝13敗3引分 勝点30
12位 アイントラハト・フランクフルト 8勝12敗4引分 勝点28
(全18チーム)

 ブンデスリーガは、1位から4位までがUEFAチャンピオンズリーグの出場権を得、5位と6位がUEFAヨーロッパリーグの出場権を得ます。
 4位と5位、メンヘングラートバッハとレバークーゼンの競り合いは、これからも続くことでしょう。

 5位と6位の間には断層がありますので、シャルケからケルンまでの5チームの6位争いも熾烈を極めそうです。

 優勝争いは、バイエルン・ドルトムント・ライプツィヒの三つ巴となりそうです。
 ある意味では「歴史的な」2019~20年シーズンのマイスターシャーレを巡って、激しい戦いが繰り広げられることになります。

 約2ヵ月間の空白の後ですから、第26節のゲームの出来不出来が、今後のリーグ戦に大きな影響を与えそうです。

 さて、「ブンデス」を楽しみましょう。

プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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