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HOME   »  2013年02月11日
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 アルペンスキーの各種目では、ルールに則って旗門を通過していくことが必要です。その際に、最短距離を滑ることが、最も速く滑れる気がしますが、必ずしもそうではありません。

 例えばA旗門からB旗門に進む際に、最短距離が20mで、秒速10mで滑れば、2秒で到達できることになります。一方、少し膨らんで24mを滑ることになったとして、秒速13mで滑れば、2秒未満のタイムで到達できます。当たり前のことを書き、恐縮です。

 大切なことは、最短距離を滑ることではなく、より速く滑ることなのです。例えば、最短距離のコース上にコブが沢山あり、回り道のコースは平らだったとしたら、回り道の方が高速で滑ることができるでしょう。スキー板が雪面を捉え続けることができますから。

 「あーっと、膨らみました。タイムをロスしました」といったアナウンスが、テレビ放送では良く聞かれますが、間違った放送をしているケースが多いのです。その後「意外に、タイムが縮まっています」などという放送が続きます。
 選手は、コースが良く分かっていますし、前に滑った同僚からの情報も、刻一刻と入ってきますから、膨らんだ方が速いことをよく知っているのです。最短距離を滑ることが、必ずしもタイムの短縮にはつながらないことは、十分に認識しておく必要があります。

 次に「フォーム」ですが、スピードが出ている時ほど、綺麗なフォームを作ることは難しくなります。従って「フォームが乱れている時の方がタイムが速い」ことは、良くあることなのです。他の選手が出来ていないところで、クラウチングスタイルで滑っている選手は、大抵の場合遅い選手、スピードが出ていない選手です。第2シード組の選手によく観られます。
クラウチングスタイルが取れない程の速さで滑ることが、良い記録を出す条件なのです。

 「しっかりとしたクラウチングスタイルで滑っています。好タイムが出るでしょう。・・(しばらくして)・・意外にタイムが伸びません」といったアナウンスも、良く耳にします。もう少し、アルペンスキーを理解して、放送してもらいたいものです。

 特に急斜面では、スピードが上がるにつれて、選手はどうしても後ろに体を持って行かれますから、後傾姿勢になりやすいのです。もちろん、バランスを大きく崩しての後傾姿勢ではタイムは伸びませんが、急斜面なら「後傾になるほどの高速」ということもあるのです。そのまま滑り切れれば、好記録が期待できます。

 2013アルペン世界選手権の男子スーパー大回転でも、優勝した選手の滑りを「あーっと後傾姿勢になりました。全体に、体のバランスが良くありません。タイムをロスしています。・・・・・・・ゴール、トップに立ちました」と。こんな放送をして、よくも恥ずかしくないものです。観ている方は、興醒めの連続です。

 ちなみに、アルペン競技では、コース上のいくつかの箇所に「途中計時」ポイントがあります。そこの通過タイムで、選手ごとのタイムの比較をするのですが、これはあくまで目安です。大事なことは、その選手が、そのポイントを通過するときの速度なのです。
 例えば、ある選手が、あるポイントを好タイムで通過したとしても、通過時点で速度が落ちていれば、次のポイントでは大きく遅れることになります。

 各選手は、コース攻略についてそれぞれの戦略を立てて臨みます。コーチともよく相談し、自らの強み(ターンが上手いのか、スピードに強いのか、等々)を良く加味し、コースの形状、雪面の状態等々を考慮して、戦略を立てるのです。
 結果として、ある選手は10番旗門から20番旗門で勝負をかける、別の選手は25番旗門から35番旗門で勝負をかける、といった違いが出てきます。従って、スピードのピークを、どのあたりに持っていくかは、選手の作戦により異なるのです。

 途中計時は、目安にはなりますが、途中計時ばかりを気にしていては、せっかくの「素晴らしい滑り」を見落とすことになりかねません。常に「スピードが出ているか。スピードを出すために、この選手はどのような努力をしているか」に注目する方が、よりアルペンスキーを楽しむことができると思うのです。

 アルペンスキーを観るポイントは、フォームやコース取りでは無く、スキーが滑っているかどうか、スピードが出ているかどうか、という一点なのです。
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 当たり前の題名で、恐縮です。

 2013年のアルペンスキーの世界選手権が、オーストリアのシュラートミングで開催されています。このFISの世界選手権やワールドカップが我が国でテレビ放送されるようになったのは、今から40年位前、1970年頃からだと思いますが、あの頃から現在に至るまで、ルールや競技内容の追加・変更はあったものの、その素晴らしいスキーイングは不変です。いつの時代も、圧倒的なスピードとテクニックは、私達を楽しませてくれています。

 さて、その「スキー」ですが、スキーは何故、雪の上を滑るのでしょうか?改めて考えてみると、不思議なことです。

 スキー板の雪と接する面を、雪面に押し付けると、その圧力により雪が解け、雪面とスキー板の間に「薄い水の層」ができるので、スキー板は滑ると言われています。スキー板が前に進む度に、薄い水の膜が出来続けて行くことになります。水の層の面積が大きいほど、スキー板は速く滑ることになります。何しろ、水の膜ですから。

 余談ですが、スケートも同じで、スケート靴のブレードと氷の間に薄い水の層が出来て、スケートを滑らせるのだそうです。

 このことを良く考えると「スキー板を速く滑らせる=スキーヤーが速く滑る」方法が解ります。つまり、出来るだけスキー板の下面を大きな面積で雪面に、より強い力で押し続けることが、速くスキーを滑らせる条件ということになります。

 つまり、スキーを出来るだけ雪面から離さないことが重要です。出来ることなら、全く雪面からスキーを離すことなく滑ることが出来れば、とても速く滑れることになるのですが、実際には、スキー競技のコースは凸凹してますし、斜面の角度も刻一刻と変わりますから、スキー版が斜面に弾かれたり、あるいはジャンプせざるを得ない状況になったりします。

 当然のことですが、スキーが出来るだけバタバタせず、ジャンプも出来るだけ短い方が、速いのです。

 これは、陸上競技の競走でも同様ですが、空を飛んでいる時間を出来るだけ短くすることが、速く走る秘訣です。アルペンスキーも同様で、滑降競技などで20m位のジャンプは珍しいことではありませんが、飛ばないで済むのなら一番良いし、飛ばなければならない場合でも、20mよりは10m、10mよりは5mと、飛距離が短いほど速く滑ることができるのです。飛んでいる間は「何の推進力も働きません」から、スピードは落ちる一方なのです。

 30~40年前に、アルペンスキー界を席巻した名選手、インゲマル・ステンマルクのスキーイングは、明らかに他の選手とは異なりました。ターンの動きが小さく、雪面から雪が飛ぶ量が、とても少ないのです。ステンマルクが圧倒的な成績を収めたことは、言うまでもありません。現在でも、伝説的なスキーヤーとして、史上でも世界最高のスキーヤーとして評価されています。

 ですから、私達がスキーアルペン競技を観る際には、スキーがバタバタしていないことや、あまりエッジを立てて滑っていないこと(エッジを立てる程、雪面とスキー板の接する面積が小さくなりますので)などに注目する必要があります。斜面にコブがある時には、そのコブにピタリとスキー板が接したまま滑ることが出来れば、最も速く滑れるのです。
 
 最も大切なのは、この点です。フォームやコース取りは、次の段階の技術といえます。スピードが出ていない状態なら、どんな選手もバランス良く、キレイに滑ることができますが、タイムを争う競技ではあまり意味のないことなのです。

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Author:カエサルjr
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