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 マー君こと田中将大投手が、今季開幕からから秘密裏に飛ぶボールに変更された日本プロ野球NPBにおいて、ここまで防御率1.47、10連勝と好調な投球を続けています。投球内容も素晴らしいものです。

 田中投手は、2006年に甲子園優勝投手の大看板を背にプロ入りし、以降東北楽天ゴールデンイーグルスのエースとして、毎シーズン安定した活躍を続けてきました。
 188㎝、93㎏の堂々たる体躯、ストレート主体の本格派として、2011年シーズンには220イニング以上を投げて19勝5敗の好成績を残し、当時日本ハムファイターズに所属していたダルビッシュ有投手との熾烈な争いを制して、NPBの投手に贈られる最高の栄誉「沢村賞」に輝いていますから、昨シーズンまでの成績・投球内容をでも、既に日本球界を代表する投手だったのです。

 その田中投手が、今シーズン一段の高みに上ったとされていますし、明らかにレベルアップしたというのですから、驚きと言わざるを得ません。

 確かに、昨シーズンまでの田中投手は、凄い投球はするものの勝負所で痛打を浴びるところがありました。
 ここぞというところでは高めのストレート勝負が多く、これが外角高めギリギリに決まる時は良いのですが、少しでも甘く入ると打たれてしまいます。このためもあってか、前回のワールドベースボールクラシック大会WTCでも、メンバーに選ばれながら肝心のゲームでは使われませんでした。
 凄い投手だが安定感に欠けるというのが、昨季までのマー君だったのでしょう。

 今季は、ここぞという時に「低めの変化球」で勝負できるようになりました。微妙なコントロールも見事です。おそらく、課題とされていた「ボールの回転」も相当良くなっているのでしょう。
 この技を身に付けた田中将大投手の投球なら、NPBはもちろんとしてMLBでも十分に通用するでしょう。つまり、世界トップクラスの投手に成長したということです。

 元々、体力・持久力には定評があります。サッカー風に言えば「フィジカルが強い」投手なのです。
 ダルビッシュや岩隈といった元NPBの看板投手達が、活躍の場をMLBに移してしまっている今シーズン、世界トップレベルの投球をNPBファンの眼前で展開し続けて行って欲しいものです。
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 コンフェデレーションズカップ2013の準決勝第二試合は、6月27日A組2位のイタリアとB組1位のスペインとの間で行われ、延長戦まで戦って0対0。ペナルティーキックPK戦を行い7対6でスペインが勝ち、準決勝第一試合を制したブラジルと決勝を戦うこととなりました。
 
 このゲーム、前半はイタリアのペースでした。前線からの積極的なプレスと豊富な運動量により、スペインのボール支配を許さず、逆にスペインのペナルティーエリアに再三攻め込んでチャンスを創りました。
 そして、少なくとも2回の決定的なチャンスがありました。いずれもヘディングシュートでしたが、これがスペインのゴールキーパーGKカシージャスの正面をついてしまいました。
 イタリアにとっては、この逸機が大変惜しまれます。ここで1点でも取っていれば、全く別の試合になったことでしょう。その点からは、バロテッリの欠場が響きました。

 後半はスペインのゲームでした。相変わらずの精力的な動きを見せるイニエスタを中心としてイタリアゴールに殺到します。しかし、こちらはシュートが枠に行かない。残り15分位からは、両チームとも疲労が目立ち運動量がめっきり落ちました。
 イタリアは前半の飛ばし過ぎが、スペインはいつもとは異なるゲーム内容で守備に回る時間帯が長かったことが、疲労の原因と思われました。

 延長前半、イタリアのシュートがゴールポストに阻まれました。延長も前半はイタリアペースだったと思います。
 延長も後半はスペインのペース。どんなに疲れていても、通常時の80%の能力を発揮できる特性?、彼だけの特性をこの試合でも発揮するイニエスタが、イタリア陣を縦横に走り捲ります。再三のチャンスがありましたが、イタリアチームは最後の力を振り絞って、これを防ぎ続けました。久しぶりに「カテナチオ」を観た感じです。

 さてPK戦。ここは、イタリア・ブフォン、スペイン・カシージャスの、現在世界を代表する2人のGKの技の見せ所だと思いましたが、両チームのキッカーは冷静に決め続けました。5人を終えて5対5。ひとりも外さないのです。これも、このレベルの大試合では珍しいことだと思いました。両チームのプレーヤーの精神的な充実が、数字に表れています。

 そして、イタリアの7人目ボヌッチが吹かしてしまい、シュートがゴールを大きく外れ、決着しました。結局、カシージャスもブフォンも、PKを1本も止めることは出来ませんでした。

 素晴らしいゲームでした。

① イタリアチームの見せた前半のプレーは、対スペインの戦術として極めて有効でした。スペインチームの短いパス=プレーヤー同士が10mの近距離に位置し、パスを繋ぎながらチャンスを伺うサッカーを、させなかったのです。

② いつもの試合ならば、この10m位のパス回しに相手チームは翻弄されて、守備側のプレーヤーは右に左に常に動かされるために疲労が早く、ゲームの後半・終盤は常にスペインペースとなるのですが、このゲームはスペインチームも相当疲労していました。

③ イタリアはUEFA欧州選手権決勝の0対4の大敗から、スペインと互角に戦えるまでにチームを立て直してきたのです。負けたとはいえ、手応えを感じたことでしょう。

④ 一方のスペインも、苦戦したとはいえ結局勝ち上がりました。スペインチームの最大の強みである守備の強さ、相手チームを零封するゲームが出来ています。
 この激戦も彼らにとっては想定内のものであったと感じます。「苦しい戦いだが負けることは無い」と深層心理の中で感じながら、選手たちがプレーしたように思います。この「一種の精神的なゆとり」が、世界一を長く維持しているスペインチームの強さの根源なのでしょう。

 さて決勝です。

 驚異的なプレーを続けるネイマールを中心としたブラジルと常勝軍団スペインの決勝は、大会前から多くの方が予想していたカードです。多くの方が予想していたカードとなること自体が、この2チームの充実ぶりを示しています。

 全くタイプが異なるチーム同士の対決ですから、どちらが先にペースを掴むかがポイントとなります。特に、ブラジルにとっては前半10分までに先取点を上げることが勝利のための必要条件となるでしょう。
 スペインは、いつものようにパスを回しながらブラジルの疲れを待って、後半30分過ぎからの攻撃で、決勝点を挙げる戦いを展開すると思います。

 総合的な力量ではスペインが勝ると思いますが、ホームのブラジルが大声援を力に変えることが出来るか、そして、この大会を「ネイマールの大会」にすることが出来るかどうか、が見所でしょう。

 この大会をワールドカップの前哨戦と位置づけるとすれば、ブラジル代表チームの最大のトレーニングは、国民の期待をプレッシャーとするのではなく、自らの力に変えて行くノウハウの発見・蓄積が出来るかどうかがポイントということになります。

 『部下が上司に「しっかりしろ」と言える部署、成績が上がると思うよ。・・・ゴミが上司のそばにあり、上司が部下に拾わせる。でも自分のそばのゴミなら、上司だろうが部下だろうが、拾える人間が拾えばいい。年や属性が身を守ってくれない世界で生き残るには、口だけじゃだめ。自分の力を見せるしかない。・・・僕もその一心でブラジルを生きていた。厳しくとも、人々は混じり、近くに感じられたあの世界が好きだった。』

 2013年6月21日の日本経済新聞スポーツ面のコラム「サッカー人として」において、三浦知良選手が書いている言葉です。コンフェデレーションズカップ2013でブラジルが日本に3対0で勝利した理由を、文化の面から述べたものです。

 とても厳しいことが書かれていますが、私が凄いなと思うのは、大上段に振りかぶって、力みながら書いては居ないこと。普通の口調で、静かに冷静に書かれていることです。

 こうした環境で、こうやって生きてきたカズは、ゲームにおいて良い結果が得られないことの責任を、他の選手や他人のせいにすることなど有り得ないでしょう。自分がやれば良いのです。

 もちろん、ゲームに勝つという共通の目的のために、他の選手と協働することは当然のことですが、自らが活躍できない理由を、パスが来ないとか、あいつがミスをしたとか、他人のせいにする、そういう考え方からは対極にあるものです。

 「協働するが依存しないチーム」は、強いと思います。

 ザックジャパンの本田選手が、来年のワールドカップに向けて「個を強く」とコメントしていたことにも通じるように思います。
 個の強さとは、技術・体力のみならず精神力についても必要なものなのでしょう。
 今年の第113回全米オープンゴルフ選手権大会は、イングランドのジャスティン・ローズ選手が4日間通算281打・1オーバーパーで優勝しました。初日から、特にロングアイアンショットに抜群のキレを見せていたローズ選手、おめでとうございます。

 この大会には、もうひとりの勝者が居ると思います。それは、会場となったメリオンゴルフクラブです。
 18ホール・パー70打で7000ヤードに届かないという、メジャートーナメント開催コースとしては、現在では、とても短い部類に入るコースです。ウッドやアイアンといった道具類やボールが進歩し、300ヤードを大きく超えるドライバーショットや、250ヤードをアイアンで打てる時代となった現在、この短いコースでは、全米オープンに必要なスペックである「難しいセッティング」を構築するのは困難ではないかと、思っていました。

 ゴルフコースとプレーヤーの戦いは、コースの「オールドマン・パー(パーおじさん)」とプレーヤーの戦いに例えられます。私は、優勝スコアがアンダーパーならプレーヤーの勝ち、イーブンパーなら引き分け、オーバーパーなら「パーおじさん」の勝ちだと思います。

 正直に言って、大会前には1ラウンド2アンダー平均、4ラウンドで8アンダーパー前後が優勝スコアだろうと考えていました。
 初日に、フィル・ミケルソン選手が3アンダー、ルーク・ドナルド選手が2アンダーをマークした時には、やはりプレーヤー達の勝ちかと思いました。

 ところが、2日目から「パーおじさん」は踏ん張り、トッププレーヤー達のスコアは伸びません。3日目を終わって首位のミケルソンが1アンダーだったので、最終日はギリギリの戦いになると思われました。

 そして、最終の優勝スコアは「1オーバーパー」だったのです。「パーおじさん」の勝利です。メリオンGCは、世界のトッププレーヤー達を押さえ込んだのです。

 パー3に、98ヤードのホールがあれば250ヤードを超えるホールもある。パー4に280ヤードのホールもあれば530ヤードを超えるホールもある。

 トッププレーヤー達が98ヤードのパー3を攻める時、10回打って10回、ワンピン以内にグリーンヒットします。しかし、メリオンGCのグリーンは平らでは無い。ワンピン以内に落ちたボールは、落下地点やスピンの具合によって大きく転がり、5m、10mとピンから離れて行ってしまいます。風を読み損ねて少しでもオーバーしたりショートしたりすれば、とても深いラフや難しいバンカーが待っています。

 280ヤードのパー4も同様です。ドライバーでは飛びすぎますので、3番や5番のウッド、あるいはアイアンを持ってティーショットに臨みますが、ワンオンはおろか、狭いフェアウェイをヒットするのも容易なことではありませんでした。

 特に難しかったのはグリーンでした。高速なのはもちろんですが、中々ラインが出せない。ラウンドリポーターの青木功氏によれば「芽の強い芝」が混ざっているとのこと。その芽がボールを弾きます。読んだラインの逆側に弾かれるパッティングが多く観られました。

 タイガー・ウッズ選手やフィル・ミケルソン選手を始めとする名手たちが、1m未満のパットを外します。2~3mの入れ頃パットが全く入りません。タイガーは、初日の複数の3パットが調子を狂わせたと言われました。

 大会が終わって、メリオンゴルフクラブのパーおじさんは、ホッとしていると思います。1981年以来32年振りの戦いでしたから、「メリオンのパーおじさんは弱くなった」と言われるのではないかと、とても心配していたのです。
 今はゆっくりと休んでください。この活躍を見た全米オープンの主催者が、再びメリオンを指名するのは、今度はそう遠くない将来のような気がしますから。
 
 6月24日、全柔連の会長が辞意を表明したと報道されました。4~5ヵ月後、改革が完了したら、とのことです。この報道を聞いた柔道ファンや柔道関係者の大半が「遅い」と感じたことでしょう。

 おかしな話です。全柔連の数々の問題の原因を作った人物が、改革を行うために、まだ居座るというのですから。明らかに矛盾した話ですし、説得力が無いのも当然です。

 一連の問題の全責任が現会長にあるなどと、言っているのではありません。暴力行為(パワハラ)、お金の不正受給(詐欺・泥棒)、破廉恥行為(セクハラ)といった数々の悪行が続いた組織の長だったのですから、組織構築・運営能力が全く無いことは明白です。つまり「責任能力が無い」のです。

 責任能力が無い人に「全責任が有る」というのも矛盾した話ですから、こういう指摘は無意味です。
 単に、責任能力が無い人に組織の長は務まりませんので、早々に居なくなってもらう必要があるということでしょう。これだけの悪行を生む組織を作り運営した人物ですから、一刻も早く居なくなることが、改革の第一歩だと思います。

 これまでの悪行を観ていると、全柔連の理事や要職にある人達は、いずれも現会長の息がかかったというか、お気に入りというか、現会長にゴマを刷ってそのポストに就いた人ばかりに見えますので、当然ながら会長が居なくなるのと同時に、居なくなってもらう必要があります。

 全柔連自体を解散して、新しい組織を造る形でも良いと思いますが、手続きに時間が掛かるのであれば、人心を一新する形が良いのでしょう。

 アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが、1946年のその著書「菊と刀」において、日本文化は「恥の文化」であるとしたのは、大変有名な話です。「日本人は名誉を重んじ、恥をかくことを極端に嫌う」ことを世界に現したのです。
 現在でも「お金や地位のためには手段を選ばない」といった考え方とは対極にいるのが、大半の日本人だと思います。

 ところが、全日本柔道連盟や日本プロ野球機構には「恥を知らぬ」人物が、数多く居るように見えるのは残念なことです。
 2013年6月7日から6月9日にかけて、東京・調布市の味の素スタジアムで開催された、第97回日本陸上競技選手権大会は盛況のうちに幕を閉じました。

 いわゆる日本選手権大会の陸上競技版ですから、我が国の陸上競技大会の最高峰であり、歴史と伝統を誇る大会であることは、言うまでもありません。

 この大会は、1913年の11月1日と2日に、陸軍戸山学校新運動場で、第一回大会が開催されました。その後、太平洋戦争の激化に伴い1943年から1945年の3年間は開催されませんでしたが、その前後は欠かすことなく実施されてきた、我が国の全てのスポーツを通じても最古の歴史を持つ日本選手権大会のひとつです。
 第一次世界大戦から日中戦争に至る時期や、太平洋戦争直後の1946年にも、この日本選手権大会を開催してきた先輩諸兄の意欲、使命感、実行力には敬意を表するばかりです。

 日本陸上競技選手権大会は、今年で100周年を迎えたのです。

 にもかかわらず、日本陸上競技連盟は「100周年」をPRに使いませんでした。

 何でもかんでもコマーシャルのネタにしようという風潮がある現代において、この謙虚かつ質実剛健な取組姿勢は、いかにも日本陸連という感じです。ここで「大会100周年」をやり、3年後に「100回記念大会」をやるのでは、やり過ぎだろうと考えたのかもしれませんが、あまりに控えめという感じも拭いきれません。

① ナショナルオープン大会としての100周年をPRすることは、陸上競技のみならず、我が国のスポーツ界全体の歴史を、日本国民ならびに世界中の人達に再認識してもらう、良い機会であったこと(オリンピック東京誘致にも符合します)

② 我が国で陸上競技を志す全てのプレーヤーにとって、大きな励み・目標となること

③ 3年後に「100回記念」を控えているとはいえ、例えば10周年と10回大会を併用するのとは異なり、圧倒的な歴史と伝統を背景としているので、2つのメモリアルが連続したところで、賞賛されることはあっても、誹りを受ける性質のものではないこと

 といった観点から、日本陸連はPRすべきであったと考えるのです。

 特に今大会は、高校生プレーヤーの活躍が目立ち、積年の日本陸上競技会の強化策がようやく花開いた感のある大会でしたから、「100周年」に一層の彩りを添えたように思います。陸上競技ファンとしては、少し残念だった気がします。

 2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの年が、第100回日本陸上競技選手権大会の年でもあります。日本と世界を代表する2つの大会で好成績を挙げ、「日本陸上ここにあり」を世界に示したいものです。

 コンフェデレーションズカップ2013の予選リーグも佳境を迎えています。さすがのプレーの連続で、サッカーの素晴らしさを改めて感じます。
 特に、ここぞというシュートをキッチリと決める超一流プレーヤーの技に感服します。

 日本対ブラジル戦のネイマール選手のゴールは、「ゲームは始まったばかりだから、まだこのシュートは決まらないだろう」と潜在意識の中で考えている私達の度肝を抜きました。何という精度、何という威力、このゴールでこのゲームは決まりました。
 「まず一本シュートを打っておくと落ち着きます」というようなレベルとは、全く別次元のプレーだと思います。

 ネイマール選手についていえば、もう一本。対イタリア戦後半のフリーキックFK。ペナルティーエリアすぐ外の「近過ぎる位置」から、相当難しいFKと思いましたが、見事にゴール右サイドネットに打ち込みました。あそこに蹴ろうとするイマジネーションと、それを実行できる技術の高さは驚異的。溜息が出るゴールでした。

 続いては、イタリア対メキシコ戦のピルロ選手のFK。このゲームで自身最初のFKを正確に決めて行く技術の高さ。このゴールで、イタリアは優位に試合を進めました。

 ウルグアイ対ナイジェリア戦のフォルラン選手のゴールも見事でした。フォルラン選手は何でもできるスーパープレーヤーですが、通常はゲームメイクが主体です。そして、ここぞという時にゴールも決めるのです。51分、ゴールに向かって右サイドでパスを受けたフォルランは、高速ドリブルからシュート、これがゴール左上に突き刺さりました。フォルランにとって、このゲーム最初のシュートのような印象ですが、これを文句なしの質のシュートで決めてしまうのです。
 このゲームも、このゴールで決まりました。
 
 ウルグアイには、イタリア・セリエAの得点王カバーニ選手とイングランド・プレミアリーグ得点2位のスアレス選手という、世界屈指のストライカーが2人居るのです。そして、この2人もフォルランからのパスを受けて、敵ゴールに襲い掛かります。しかし、観る限り、この2人よりも「大試合で、ここぞという時のシュートを決める能力」は、フォルランの方が上のように感じます。

 いったい、この能力はどうやったら身に付くのでしょうか。ネイマールやピルロ、フォルランが保持しているこの能力。ザックジャパンにも、最も欲しい能力です。

① 色々なことが出来る能力というよりは、同じことを10回やって8回出来る能力という気がします。普段の練習方法が少し違うのかもしれません。
② 集中力の高さ。こうしたプレーヤーのこうしたプレーには、共通して「バタバタした感じ」がありません。もの凄いスピードや混戦の中でも、物静かな雰囲気を湛えています。無駄な動きも無いのでしょう。

 こうした能力は、容易なことでは身に付かず、こうした能力が備わっているプレーヤーのことをスーパープレーヤーと呼ぶのだという意見もあると思います。ニワトリと卵のような話です。

 しかし、こうした能力が「天性のもの」「天才にしかできないこと」としてしまうのでは、夢が無い。トレーニングで身に付く部分もあると信じたいところです。

 コンフェデレーションズカップ2013の予選リーグA組、ザックジャパンはメキシコにも1対2のスコアで敗れ、3戦全敗でこの大会を終えました。残念な結果ですが、来年のワールドカップ・ブラジル大会への出場を決めている日本代表チームですから、この経験を次に活かしていかなければなりません。

 反省すべき点は沢山あったのですが、特にコンディション作りの重要性が感じられました。このレベルでは、良いコンディションでなければ戦えないということです。

 緒戦のブラジル戦、確かにブラジルに圧倒されたのですが、ザックジャパンの動きも本来のものでは無かったと思います。ドーハでのワールドカップ最終予選・最終戦イラク戦を終えて、反転直下ブラジルに移動したのですから、選手には相当の疲労と時差ボケがあったのでしょう。

 二戦目のイタリア戦は少しコンディションが回復し、前半30分までは良い動きでした。この動きを担保できるコンディション作りの必要性を強く感じました。このゲームも後半になるとスピードが大きく落ちました。

 三戦目のメキシコ戦は、前半15分までしか動けませんでした。相当疲れていたと思います。

 もちろん、大会のハードスケジュールは参加チームに共通しているものですから、コンディションが悪かったことを敗戦の言い訳にできないことは、当然です。来年の本大会に向けて、この経験を活かさなければならないということです。

 コンディションの悪さ=動きの悪さは、攻撃陣だけでは無く、守備陣にも色濃く出ていました。イーブンボールを悉くキープされる、反転から抜かれることが多い、といった諸点は、今後の大きな課題です。攻撃においても守備においても、スピードで負けてしまっては、日本代表チームに勝機は無いということでしょう。

 予選リーグ3戦目の2つの試合は、いつものように同時に行われました。時々チャンネルを替えながら観ましたが、後半20分を過ぎてからの2つの試合の動きの違いは歴然としていました。
 ブラジルとイタリアの両チームは、ゴールに向かう意欲に溢れ、良く動けていました。

 戦術を語る前に、厳しいスケジュール下で90分間一定レベルの動きを確保するための方策、個々の選手の持久力向上と、チームとしての肉体面・精神面の両面からのコンディション維持・向上ノウハウの蓄積が必要であると、強く感じました。
 2013年3月以降のザックジャパンは、調子が上がりませんでした。ワールドカップWC最終予選のヨルダン戦でよもやの敗戦、ブルガリアとの親善試合で零敗、オーストラリアとのWC最終予選はホームで後半ロスタイムの本田選手のペナルティーキックPKでなんとか引き分け、そしてコンフェデレーションズカップ緒戦のブラジル戦は0対3の完敗と、特に得点力が著しく不足していて、5ゲームで2点しか取れないというのでは、勝利は難しい状況でした。

 WCブラジル大会本選への出場を決めたものの、チームとしては明日への希望が見出せない状況だったと思います。

 そして6月19日、コンフェデ杯予選リーグ2戦目、対イタリア戦を迎えたのです。このゲームで零敗するようなことがあれば、日本代表チームは根本的な再構築を迫られると感じていました。

 ゲームは、前半日本が本田選手のPKと香川選手のゴールで2対0とリードしました。久しぶりにパスが良くつながり、相手より一歩先を行く動きができていました。
 前半終了間際に1点を返され、後半8分までに2点を献上して2対3s逆転を許しましたが、遠藤選手のフリーキックに岡崎選手が合わせて同点とし、その後も攻め続けました。何度か決定的なチャンスを掴みましたが、ゴールポスト等に阻まれ?て4点目を上げることができません。
 そうこうしている内に、守備一方だったイタリアチームにショートカウンターからの得点を許し、結局3対4で敗れました。

 この試合の反省点は
① チャンスにおける決定力向上。相手ゴール前でのプレーの精度を上げること
② ゲーム開始直後、ゲーム終了間際のフリーキック、コーナーキックといったセットプレーからの失点を防げなかったこと

 などが上げられると思いますし、十分に勝てたゲームであったとも思いますが、私は何より「ここが悪かった」といえるレベルのゲームを展開したことを評価したいと思います。
 前のブラジル戦は、全ての面でブラジルが上という状態で「反省さえできないゲーム」でしたから。

 例えば、このゲームが0対0の引き分けで、僅かながらメキシコ戦に予選リーグ突破の可能性を残した場合よりも、3対4で敗れた方が良かったと感じるのです。前者では、明日への希望が見えないからです。

 ザックジャパンのコンフェデレーションズカップ2013は終わってしまいましたが、選手もベンチも、そして私達ファンも、来年のWCに向かって希望を持つことができました。
 我等が代表チームは「世界を青く」と発信し続けても、恥ずかしくないチームであると感ずることができたのです。

 今後1年間のザックジャパンの準備とワールドカップ本大会での活躍に、大いに期待したいと思います。

 宝塚記念競走は、上半期中央競馬の総決算のレースです。今年は、6月23日阪神競馬場2200m芝内回り、直線350mのコースで実施されます。
 微妙な設定ですから、長距離馬、中距離馬がともに挑戦できるという位置づけのレースだと思います。

 今年のレースには、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノという現役4強の内の3頭が挑戦してきました。さすがに3強を相手にするのはしんどいということか、近年のG1レースとしては久しぶりにフルゲートにならず、11頭立てのレースとなりました。

 注目馬の第一は、8枠10番のゴールドシップ。重馬場が予想されますので、力の強い牡馬が中心になると思います。また、直線が350mしかありませんから、有力馬が早めに前に進出しますので、緩みの無いペースになりそうです。
 昨年のG1皐月賞を思わせるゴールドシップの「まくり」が見られそうです。

 注目馬の第二は、3枠8番のフェノーメノ。G2日経賞、G1天皇賞(春)と連勝しました。ようやく本格化という感じです。少し線が細いのが気になりますが、器用な走りをしますので、勝ち負けの勝負はしてくれるものと思います。ステイゴールドの1・2着もあるかもしれません。

 注目馬の第三は、6枠6番のトーセンラー。ジリ脚ですが、逆に言えば展開に左右されない走りが魅力の馬です。前走G1天皇賞(春)はフェノーメノの2着でしたが、3着馬には2馬身の差をつけました。本格化してきていると観ます。展開次第ではG1初制覇の可能性もあると思います。

 8枠11番のジェンティルドンナは、その地力は折り紙付ですが、海外レース後の国内緒戦であることと、今週調教後の馬体重が460kgと少し足りない感じ=疲労残りが心配されますので、このレースは様子を見るレースとしたいと思います。
 
 1950年・昭和25年7月16日、ブラジル・リオデジャネイロの世界最大のサッカー場であるマラカナンスタジアムは、20万人!の大観衆で埋め尽くされていました。
 第4回FIFAワールドカップ・ブラジル大会の決勝(この大会は決勝リーグ戦方式でしたから、リーグ戦の最終戦)、ブラジル対ウルグアイのゲームが行われたのです。

 地元のブラジルチームは、ここまで抜群の得点力を背景に圧勝を続けてきました。決勝リーグのスウェーデン戦は7対1、スペイン戦は6対1で勝利し、このウルグアイ戦で勝つか引き分ければ優勝というところまで来ていたのです。
 一方のウルグアイチームは、スウェーデンには勝ちましたがスペインとは引き分けという苦しい戦いを続けていました。しかし、さすがに第一回ワールドカップの優勝国であり、南米サッカーの先進国として「勝てば優勝」という形を創り上げたのです。

 この頃ブラジルは、サッカーの新興国でした。世界のサッカー界は、起源国のイングランドを始めとし、ここまでワールドカップ優勝2回を誇るイタリアなどの欧州勢と、南米のウルグアイを中心に回っていたのです。

 そこに新興国のブラジルが急速に力を付け、実力的には世界のトップクラスと言われるようになりました。そのブラジルが、地元開催のワールドカップで優勝を目指すのは当然のことでした。

 ご承知のように、サッカーという競技はホームチームが強いスポーツです。ワールドカップにおいても同様で、ウルグアイ、イタリア、イングランド、アルゼンチン、フランスは「ワールドカップ初優勝が自国開催の大会」なのです。イングランドとフランスは、自国開催の大会以外では優勝していません。
 また、ワールドカップを複数回優勝している国で、自国で優勝していないのはブラジルだけです。

 こうした条件下で、この大会でブラジルチームが優勝するのは「当然のこと」と見られていました。このことが、当時のブラジル代表チームにとって大変なプレッシャーになったのだと思います。
 ここまで、7点6点と大量点で勝ってきたブラジルチームですが、この試合では中々得点できません。後半2分にようやくブラジルが先制、優勝への期待が高まりました。
 しかし、ウルグアイは後半21分に同点とし、後半34分に逆転ゴールを決めて2対1とリード。試合はこのまま終わり、ウルグアイが2度目のワールドカップ制覇を成し遂げたのです。

 試合の終盤には悲鳴が響き渡っていたマラカナンスタジアムは、試合終了と同時に水を打ったように静まり返りました。場内では、観客2人がショック死、2人が自殺し、20人以上が失神したと伝えられています。
 ラジオ放送されていたようですから、ブラジル全土ではもっと多くの死者が出ていたと思います。

 このあたりのファンというかブラジル国民の感覚は、おそらく我が国のサッカーファン・あらゆるスポーツのファンでは、想像もつかないものでしょう。ブラジルの人達にとって、サッカーは人生そのものなのかもしれません。

 この試合で、ブラジル代表チームは白いユニフォームを着ていました。この悲劇を二度と思い出したくもないということでしょう、ユニフォームの色が変更されたのです。現在の黄色いユニフォーム・カナリア軍団の始まりです。

 この時9歳だったペレ少年が、嘆き悲しむ父親に「悲しまないで。いつか僕がブラジルをワールドカップで優勝させるから」と励ましたという「伝説」が残されています。
 その言葉通り、8年後のワールドカップ・スウェーデン大会で、17歳のペレを擁するブラジルチームは、ワールドカップ初優勝を飾りました。そして、ペレはその後もブラジルに2回のワールドカップ優勝を齎しました。

 これで、ワールドカップ優勝通算3回となったブラジルは、初代のワールドカップ・トロフィーである「ジュールリメ杯」を永久保持する栄誉を得ました。
 さらに、ロマーリオやベベトを中心としたチームで1994年のアメリカ大会を、ロナウドやリバウド、カフーを中心としたチームで2002年の日韓大会を制し、計5回のワールドカップ優勝最多記録に輝いているのです。

 しかし、私にはこの5回の優勝をもってしても「マラカナンの悲劇」は購われていないように感じられます。それ程に、この悲劇は重いのです。

 1950年の「マラカナンの悲劇」を過去のものにするための大会が、2014年のブラジル大会でしょう。64年の歳月をかけて、ついにこの時がやってきたのです。
 たとえ、FIFAランキングがブラジル史上最低の22位に沈んでいる現在でも、ブラジル代表チームは「絶対に優勝する」覚悟で、ワールドカップ・ブラジル大会に臨むものと思います。
 そして決勝の会場は、同じマラカナンスタジアムなのです。

 メジャートーナメントの1ラウンドで、タイガー・ウッズ選手に7打差を付ける好スコアを出した日本人プレーヤーは、これまで居なかったのではないでしょうか。

 松山英樹選手が、2013年6月16日の第113回全米オープンゴルフ選手権大会最終日に、それを実現しました。タイガー・ウッズ選手が本調子でなかったとはいえ、素晴らしいことだと思います。

 そして、この日の松山選手のスコア、67打・3アンダーパーはこの日のベストスコアタイ記録であり、この大会4日間を通じてのベストスコアタイ記録でもありました。優勝争い佳境の最終日にベストスコアを叩き出すというのも、凄いことだと思います。

 そして、松山選手の4日間通算287打・7オーバーは、優勝したジャスティン・ローズ選手の1オーバーから6打差の10位タイと、全米オープン初出場のプレーヤーとしては大変良いもので、来年の同大会の出場権も確保したのです。大健闘でしょう。

 この大会、松山選手は初日71打・1オーバーと好位置に付けました。2ラウンド目の半ばまではベスト10を争うラウンドを展開したのですが、後半一気に崩れ、このラウンドは75打を打ってしまいます。2ラウンド目まで通算6オーバー、予選通過ライン上の69位タイでホールアウトしました。
 この後、まだプレー中だった他の選手達もスコアを崩しましたので、松山選手は順位を大幅に上げ37位タイで予選を通過したのです。

 さて反撃、と見られていた3ラウンド目も苦しいラウンドが続き74打、通算10オーバーの39位タイで最終日を迎えることになりました。この大会のメリオンゴルフクラブは、世界トップクラスのゴルファー達にも容易に門戸を開かず、あのタイガー・ウッズ(9オーバー)やローリー・マキロイ(10オーバー)といった、アメリカ・ヨーロッパを代表するプレーヤーもスコアを崩していました。

 この第3ラウンドまででも、私は初出場の松山選手は健闘していると思いました。テレビ画面には、ラウンド終了後に練習グリーンと思しきところで、長時間パッティングなどの練習をする松山選手が映し出されていました。(相当遅くまで練習していたと、4日目の放送で紹介されていました)

 さて、最終ラウンドです。松山は前半から飛ばしました。バーディとボギーが交互に出る出入りの激しいラウンドでしたが、そもそもバーディを取ることがとても難しいセッティングですから、沢山のバーディが取れること自体が凄いことでした。
 結局最終日は、6バーディ3ボギーの3アンダーパー・67打でホールアウト。大変難しい18番ホールも、バーディ逃がしのパーでした。

 この67打というのは素晴らしいスコアです。この日、あのタイガー・ウッズは74打・4オーバー、逆転優勝したジャスティン・ローズでさえ70打・イーブン、3日目まで首位のフィル・ミケルソンが74打・4オーバー、3日目まで優勝争いを演じてきたハンター・メイハンとルーク・ドナルドが75打、カール・シュワルツェルが78打でした。

 つまり、タイガー・ウッズ選手の74打も決して悪いスコアでは無かったのです。これより7打良かった67打というラウンドは、松山英樹選手が世界のトップクラスのプレーヤーと、十分に戦っていけることを示したものだと思います。

 メジャートーナメントでは、3日目まで何とか付いて行っても、最終日に大崩れすることが多かった日本人選手ですが、松山選手は初出場の全米オープンで正反対のことをやってのけました。
 頼もしいと感じるのは、私だけではないでしょう。
 2013年6月9日、第97回日本陸上競技選手権大会の最終日、男子ハンマー投げで室伏広治選手(38歳)が優勝し、19連覇を達成しました。

 室伏選手にとっては、今シーズンの緒戦となった今大会ですが、一投目から75mを超える投てきを披露し、5投目にはこの日最長の76m42㎝を投げて圧勝(2位は70m台)しました。
 日本選手権19連覇という、前人未到というか、空前絶後というか、想像を絶する偉業です。

 我が国の陸上競技界において、日本選手権の格は非常に高く、選手権者の称号は、我が国で陸上競技を行う全てのプレーヤーにとって絶対的な価値を持ちます。憧れの的でもあります。
 「我が国の陸上競技トップアスリートの誰もが一度でいいから優勝したいと考える大会で19連覇」というのですから、もはや意味が解らない?といったところでしょうか。

 そもそも、19大会連続で日本選手権に出場すること自体が大変なことです。19年間、故障や病気による欠場が一度もないというのは、日本最高レベルを争うアスリートにとって驚くべきことでしょう。

 室伏選手は、1974年静岡県生まれの38歳。日本選手権大会での初優勝は1995年、阪神大震災の年でした。
 それから、日本選手権を勝ち続け、2001年のエドモントンの世界選手権大会で銀メダル、2003年のパリ世界選手権で銅メダル、2004年のオリンピック・アテネ大会で金メダル、2011年のテグ世界選手権で金メダル、2012年のオリンピック・ロンドン大会で銅メダル、と常に世界のトッププレーヤーとしても活躍し続けています。
 この選手寿命の長さには、ただただ敬服するばかりです。

 父・室伏重信氏も、同種目でアジア大会5連覇・日本選手権10連覇を成し遂げ「アジアの鉄人」と称された名選手でした。普通、こうした偉大な父を持つと、その子は大成しないことも多いのですが、室伏広治の場合には父を超えて行ったのです。その大成には、父・重信氏の指導も大いに力となっていることは、言うまでもありません。

 室伏広治選手は、身長187㎝・体重100㎏と、ハンマー投げの選手としては大きくは無い体格です。特に体重が軽い。この「小さなボディ」を駆使して、世界最高の技術を展開します。

 この大会でも、一投ごとにスローモーションの映像が流されました。サークルの中で両足をセットし、ハンマーを一度左右にゆっくりと動かして、回転に入ります。この一連の初動作は、どの投てきでも同じです。このブランとハンマーを動かす動作は、おそらく毎回、1㎝の違いもなく行われていると思います。このレベルのアスリートにとっては当然のことで、指摘するのも恥ずかしい感じですが。

 そして、自身を中心にハンマーが回転しますが、綺麗で静かな回転です。ハンマーに余計な動きが全くなく、リズムも一定です。この映像を観ていると「ハンマー投げが簡単な競技」に観えてしまうのですから、怖ろしいことです。
 ここからリリースに入るわけですが、最終回転に入るあたりから、各々の投てき毎に少し違う動きが観られます。タイミングと力の入れ具合を測っているのでしょうか。

 昨年のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得していますから、今年のモスクワ世界選手権の出場資格は既に保持している室伏選手にとっては、今大会も調整過程の大会なのです。リリース前後のタイミングについて、6投すべてを使って調整していたように観えました。

 今大会の6投で、リリース前に全力を使っている投てきは無かったように観えました。私の感じでは、室伏選手はやや右側にハンマーが出て行くときの方が満足できる投てきの様に思います。
 今大会の6投は、いずれもやや左側にハンマーが出て行きました。引っ張る強さとリリースのタイミング。ハンマーの初速を上げるために、どのような試行錯誤が行われていたのかは、私などには想像もできない高みの話です。

 室伏広治選手は、達人の境地にあるアスリートです。そして、20年以上に渡って、記録を維持し、伸ばし続けている選手です。モスクワ世界選手権での活躍に期待というよりは「ご本人が納得できる投てき」を見せていただきたいと思います。
 コンフェデレーションズカップ2013予選リーグA組のゲーム、イタリア対メキシコ戦は、6月16日にリオデジャネイロのマラカナンスタジアムで行われました。

 全体としてレベルの高い試合でした。

 前半、両チームは運動量十分で攻め合いましたが、イタリアが手数で勝り少し押し気味でした。27分イタリアは、相手ゴールに向かって正面左サイドでフリーキックFKを得ます。
 これをピルロ選手が、ゴール左上隅に決めて1対0とリードしました。スピード、コースとも申し分ないFK。こうした大事なゲームの自身最初のFKをキッチリと決める技術精度・集中力の高さを感じさせる、さすがのゴールでした。

 ゲームは、両チームともスピード十分で、マクロの展開も自在、局面局面での個々のミクロの戦いも見応え十分。ハイレベルな戦いです。

 先制を許したメキシコですが、直ぐに反撃。34分、相手ゴール左サイドのペナルティーエリア内にドスサントス選手がボールを持ちこみ、倒されてペナルティーキックPKを得ます。これをエルナンデス選手が慎重に決めて1対1の同点です。

 ドスサントスのプレーは反則を誘うものに観えましたが、もしここで相手ディフェンダーDFが仕掛けて来なければ、自分で勝負できる技術も持っています。要は、どちらでもよいという、とても上手いプレーだったのです。
 エルナンデスのPKも、相手キーパーGKがブフォン選手であることを考慮すれば容易なものでは無く、ブフォンが右に飛ぶのを見て、反対側に打ち込んだ感じでした。もちろん、見え見えでこれをやれば反則ですから、ぎりぎりのタイミングだったのでしょう。これも、高度なプレーです。

 メキシコは、メキシコらしい上手な試合運びから、ドスサントスとエルナンデスの両エースで同点に追いついたのです。押され気味のゲームでも「ゲームにする」ところが、さすがでした。

 後半は、前半以上にイタリアがゲームを支配しました。ピルロを中心にメキシコゴールに攻め込みますが、中々得点できません。
 一方メキシコは、守備の時間が長かったためか、30分を過ぎて運動量が落ちました。

 後半33分、イタリアは相手ゴール前でジャッケリーニ選手がダイレクトパス。ふわりと浮かせて、バロテッリ選手の前に落とします。私は、このパスが非常に上手く、メキシコDFの予想外のものだったと思います。

 バロテッリは、両側をメキシコDFに挟まれていたのですが、このパスに反応しグイッと一歩前に出ます。極めて狭いエリアで、右手も使って出たのです。バロテッリを挟んでいたDFもゴール方向に動きますが、ここでバロテッリは後ろに倒れながら右足を振り抜きました。強いボールがゴールネットに突き刺さりました。
 イタリアが2対1とリードしました。

 バロテッリの決定力、フィジカルの強さが如何なく発揮されたゴールでした。フィジカルの強さという点では、現在世界屈指のフォワードFWだと思います。

 ゲームはこのままイタリアが勝ちました。最後の10分間は、メキシコチームに疲れが目立ちました。やはり、ゲームの主導権はイタリアチームが握っていたのでしょう。

 メキシコチームも試合巧者振りを存分に発揮していましたが、最後は、ピルロとバロテッリの輪郭の強さ、格の高さに押し切られたという形でしょうか。「いざ鎌倉」という時の両選手のプレーの精度の高さは素晴らしいものでした。いざという時に役に立ってこそ、実力なのです。

 イタリア、メキシコの両チームは、各地域代表の力を十分に示したと思います。これからこの2チームと戦うザックジャパンにとっては難敵です。
 少なくとも、チーム全体のスピードと運動量で互角以上に渡り合わなければ、勝利は見えて来ないでしょう。

 お粗末な話です。大人が集まって、こんな低レベルな話を展開していることが、情けなく、哀れでもあります。
 実写映像だと思って見ていたら、コンピュータグラフィック映像であったという話と、本質的には同レベルの話、つまり詐欺です。

1. ボールの変更は三人しか知らなかった。

 本当に三人しか知らなかったのなら、日本プロ野球機構という組織は、内部統制とかガバナンスという概念が存在しない仲良しクラブということになりますから、その構成員は一人残らず非適格者ということになります。

 「もっと多くの人が知っていたのだが、三人しか知らなかったことにしよう」ということであれば、嘘つきということです。平気で嘘をつく人間は、こうした公的な機関では非適格者ということになります。

 怖いのは「プロ野球を面白くするために、秘密裏に飛ぶボールにしよう」などと考えた人間が存在した可能性があることです。プロ野球のことも、エンターテイメントのことも、ファンのことも、人間社会のことも、何ひとつ分かっていない人達が、この仕組みの真ん中にいる様子というのは、怖ろしいものです。

 いずれにしても、機構の周囲に徘徊する輩も含めて、非適格者の集団ということです。全員の解任が必要です。可及的早期に現在の組織を消滅させるべきでしょう。こうした組織が必要かどうかも含めて協議し、必要であれば別の組織を造ればよいことです。それ程難しいことではないでしょう。

2. 選手は判っていた筈

 プロ野球選手は、我が国で最も高度な技術を身に付けたアスリートです。打者であれば、バットの重さが数グラム違えば、あるいは握りの太さが1mmでも違えば、直ぐに判るのです。であれば「飛ぶボールに変わったこと」など、1球打てば判る筈です。
 
 投手も、打者に打たれる前に、1球投げただけで異変に気が付くでしょう。判っていながら、選手会による指摘が行われた6月半ばまで、選手は誰も公に口にしなかったことが、とても残念です。

 最も懸念されることは、直ぐに判ったはずの選手達に「余計なことを言うと、排除されてしまう」といったプレッシャーを与えるような組織に、日本プロ野球が成り下がっていないかという点です。
 そんな、封建的、閉鎖的、隠ぺい体質のプロスポーツには、ファンに夢を感じていただく(「夢を与える」などという不遜な言い回しは間違っています。ファン有ってのプロ野球なのですから、常に「ファンに・・・していただく」のです)のは、到底無理でしょう。

3. 「不祥事ではなかった」との発言

 本件は、不祥事であったか無かったか、などというレベルの話ではありません。「選手とファン」という、プロスポーツの2大構成要素に対して秘密裏に行われた行為という、言い訳不可能な事象に対して、「責任逃れ」発言をするというのは、何なのでしょう。本当に哀れな人達です。

 「三人しか知らなかった」「不祥事ではない」という発言があった2013年6月12日に、ヤクルトのバレンティン選手が4打席連続ホームランを打ちました。
 この快挙は、飛ばないボールであっても達成したかもしれないのに、「飛ぶボールだからな」と考えてしまいます。「逆転満塁ホームラン」「サヨナラホームラン」といった感動的なプレーに対して、常に色眼鏡で見てしまい、喜びも半減するという状態。

 愚行の影響は極めて大きいと思います。

 第113回全米オープンゴルフ選手権大会は3日目を終えました。
 ここまでの大会は、会場であるメリオンゴルフクラブが牙を剥いている状況です。アンダーパーは、1アンダーのフィルミケルソン選手(アメリカ)唯一人、イーブンパーもハンター・メイハン(アメリカ)、カール・シュワルツェル(南アフリカ)、スティーブ・ストリッカー(アメリカ)の3人だけです。

 かつての全米オープンを思わせるスコアです。主催者の狙い通りの大会になっているのでしょう。全体で7000ヤードを切っている、現在では非常に短い部類のコースですが、ラフ、グリーンなどに様々なトラップが用意されています。そういうトラップを配することが出来るメリオンゴルフクラブの骨格の確かさを感じます。

 さて、今大会のテレビ朝日放送の中継では、丸山茂樹選手が解説を担当しています。これがとても面白い。PGAツアーの一流プレーヤーであった丸山氏が、超一流プレーヤーのプレーに対して行うコメントの深さ・楽しさ・正しさに感心します。
 そして、丸山氏のコメントにはプレーヤーに対する敬意が溢れています。スポーツ報道に関わる人達にとって最も大切な精神だと考えます。

 この3日目にも、興味深いコメントがありました。16番ホールで、ルーク・ドナルド選手らのショットが、ピンから外れた方向に打たれていたのを踏まえたコメントです。
 「逆光だと、右利きの人は右に、左利きの人は左に、ショットが飛んでいくことが多いと思います。何故だかは判らないんですけど。ゴルフの7不思議のひとつですね」と。

 このコメントに、コースコメンテイターの青木功氏が絡んで、
 「(右利きなら)左目でボールを負う時に眩しいから良く観えなくて、いつもより開きが早くなるんじゃないの」と。

 私のような素人には本質は解りませんが、このレベルのプロフェッショナル同士の会話は、とても面白い。ゴルフの奥深さが感じられます。さすがの二人だと思います。

 丸山氏のコメントは続きます。
 「(全選手の平均スコアが75を超えたと聞いて)いやあ、絶対回りたくないですね」と。難しいコースに悪戦苦闘する選手たちを思いやる優しさに満ちたコメントです。

 さらに「18番ホールは530ヤードを超えるパー4ですか・・・。なんか、パー4は475ヤード以内というルールがあったと思うんですけど、どこ行っちゃったんですかねえ」と、あまりに難しいセッティングに対して抗議の?コメントをしました。
 全米オープンの難しさを、自然なコメントの中で表現していると思います。

 タイガー・ウッズ選手が、18番ホールをボギーとしてホールアウトし、帽子を取ってファンに挨拶する姿を見て、「タイガーは偉いですね。最後に帽子を取って挨拶している。どんな状況でも、真剣にトーナメントに向き合っている」と。
 このホールでボギーを打ち、トータルでも9オーバーという悪いスコアとなって、今大会の優勝が絶望となった状況でも、ファンへの心配りを忘れないタイガー・ウッズへの、敬意が溢れているコメントです。
 こうしたタイガーの行動、高度なプレーを披露することはもちろんとして、常にファンへの感謝の気持ちを忘れないという行動が、プロスポーツ選手として最も大切なことだと再認識させられるコメントでした。こうしたコメントが出来る丸山氏も、常に同様の心持でプロゴルフという競技に臨んでいることが判ります。素晴らしいことだと思います。

 丸山茂樹氏の根本的な物の考え方は、とても真っ当なものだと思います。些末な技術論よりずっと深いところに存在し、遥かに重要な「根本概念」を保持する丸山氏に、敬意を表するとともに、今後のプレーヤーとしての活躍、解説者としての活動、日本ゴルフ界への貢献に、大いに期待しています。
 コンフェデレーションズカップ2013が開幕しました。
 開幕戦は6月15日、ブラジルの首都ブラジリアのナシオナル・スタジアムで、ブラジル代表と日本代表との間で行われました。

 ゲームは3対0でブラジルが勝ちました。ザックジャパンは完敗でした。

① 試合を通じて、ブラジルチームがピッチ全面を支配しました。
② テクニック、局面局面での運動量、共にブラジルが圧倒しました。
③ 日本チームに得点チャンスはありませんでした。
④ 守らされる時間帯が長かったせいもあり、後半25分過ぎからは日本チームの脚が止まりました。戦意を喪失した感じでした。

 ブラジルの3得点は以下の通りです。

 前半3分、大会開幕の興奮冷めやらぬ時間帯に、ブラジルが左サイドから攻めました。ディフェンダーDFのマルセロからワントップ・フォワードFWのフレッジに鋭いパス、フレッジが胸で落とします。ネイマールがシュート。ゴール右サイドネットに突き刺さる素晴らしいシュートでした。
 大会初ゴールは、地元ブラジルのエース・ネイマール選手のスーパーゴールでした。本当に高いレベルのゴールだと思います。

 後半3分、日本チームが押し込まれた状態で、ペナルティエリアライン上にブラジルのプレーヤーが並びます。その内のひとり、ミッドフィールダーMFバウリーニョにパスが来て、振り向きざまのシュート。低く力のあるシュートでしたから、川島も止められませんでした。これもワールドクラスのシュートだと感じました。
 数少なかった日本チームのシュートも、大体この位置からのものでしたが、威力という点で大差があり、日本チームのシュートが決まる感じはありませんでした。

 後半48分、インジュリータイムも残りわずかになった時、両チームのプレーヤーの足が止まった時間帯に、ネイマールと並ぶブラジルの若きエース・オスカルが左サイドをドリブル突破、ゴール前に走り込んだジョーにパス。途中交代で出ていたジョーがこれをキッチリ決めました。

 ブラジルに余裕を持ったプレーをさせてはいけないのですが、試合開始早々のネイマールのゴールが効きました。
 結果として、ブラジルチームは余裕十分のプレーを展開しました。おそらく、本気の80%しか出していなかったでしょう。そして、この状態のブラジルチームが最も強いとも思います。
 
 来年のワールドカップに向けて世界との力の差を測り、できれば大暴れして優勝も狙いたい、と考えていたザックジャパンでしたが、このゲームは世界との力の差を痛感させるものでした。
 日本代表メンバーは、相当に打ちひしがれて、失意に沈んでいることでしょう。この大会での、この状態からの復活は体力面・精神面共に、とても難しいことだと思います。
 ザッケローニ監督の手腕が問われる状況です。

 ゲーム前のセレモニー、68,000人の大歓声が渦巻く場内で、ブラジルのスコラリ監督の極めて厳しい表情が印象的でした。
 この大会、そして来年のワールドカップの優勝を義務付けられている指揮官の決意を、感じさせるものでした。
 第113回全米オープンゴルフ選手権大会が、アメリカ・ペンシルベニア州アードモアのメリオンゴルフクラブ・イーストコースで開催されています。

 メリオンGCは、全米オープン開催コースのひとつなのですが、久しぶりだなと思い調べてみましたら、1981年以来32年振り5回目の開催でした。

 全米オープンといえば、マスターズ・全米・全英・全米プロの四大メジャー大会の中で、最も難しいセッティングの大会として知られています。
 10㎝を超える高さの密生したラフや、とても狭いフェアウェイFW、高速グリーンが「全米オープンの標準」としてセットされています。

 最近でこそ、10アンダーパー前後のスコアでの優勝が多くなっていますが、30~40年程前ならイーブンパーや1~3アンダーでの優勝が多い大会でした。テレビ放送で「アンターパーの選手が居なくなりました」などとコメントされるのが、全米オープンだったのです。

 私は、全米オープンは公平な大会だと思っています。グッドラック(幸運)やハードラック(不運)が少ない大会だと思うのです。
 例えば、全英オープンならFWのど真ん中に打って行っても芝が殆ど無いライであることがあります。マスターズなら、完璧なショットの筈が、グリーン周辺が刈り込んであるためにハザードに落ちてしまったりします。

 しかし、全米オープンは「ミスショットには1打の罰」が課され、「グッドショットには次の一打に完全なアドバンテージ」与えられます。とても狭いのですが、FWの整備状態は抜群なのです。
 FWをヒットできれば、次のショットは断然有利ですが、たとえ5㎝でもラフに入ってしまえば、脱出するためだけのショットが強要されます。
 自らのショットの出来・不出来によって、キチンとご褒美と罰が用意されている、とても公平な大会なのです。

 1895年に創設された全米オープンですが、最初の30年間位を経て、開催されるコースが概ね決まってきました。伝統的な開催コースとしては、

・オークモントゴルフクラブ(8回開催)
・バルタスロールゴルフクラブ(7回開催)
・オークランドヒルズカントリークラブ(6回開催)
・オリンピッククラブ(5回開催)
・ペブルビーチゴルフリンクス(5回開催)
・ウイングドフットゴルフクラブ(5回開催)
・シネコックヒルズゴルフクラブ(4回開催)

 などのコースが上げられると思います。どのコースも、アメリカをそして世界を代表するゴルフコースです。

 そして、全米オープンが凄いと思うのは、これだけの名コースをラインナップしているにもかかわらず、現在でも「全米オープンに相応しいコースを探し続け、新たに使用開始している」ことだと思います。

 1999年に初めて開催され2005年に2回目が開催されたパインハーストリゾートコースNO.2や、2002年に初開催され2009年に2回目が開催されたベスページステートパーク・ブラックコース、2008年に初めて開催されたトーリーパインズゴルフコースが、それにあたります。

 これらの新規導入コースの特徴は「長いこと」だと思います。難しいセッティングをアイデンティティとする全米オープンですが、最近のクラブなどの道具やボールの進歩やプレーヤーの技術向上もあって、深いラフと高速グリーンだけではスコアの上昇を抑えきれなくなってきています。
 やはり何時の時代も、パーセーブが最も難しいのは「長いホール」なのでしょう。

 久しぶりの開催となったメリオンGCでの全米オープンには、日本の若きエース松山英樹選手も挑戦しています。
 そして、久しぶりのメジャー大会制覇を目指すタイガー・ウッズや欧州代表ローリー・マキロイら、いつものように世界のトッププレーヤーが集結しています。

 全体として距離は短いのですが、様々なトラップが散りばめられている、伝統的な全米オープン用コースとしてのメリオンゴルフクラブ。素晴らしいゲームが展開されることでしょう。
 
 2013年6月10日、対ヒューストン・アストロズ戦で岩隈投手は、7イニング105球を投げて4被安打1失点の好投を見せ、今シーズン7勝目を上げました。

 これで、今シーズンの通算成績は、14試合に登板、95と1/3イニングを投げ7勝1敗、防御率は1.79、WHIP(1イニングに何人のランナーを許したか)は0.82、87奪三振、14与四球となりました。
 なんと素晴らしい成績でしょうか。

 前述の通算成績の各項目が、MLBアメリカンリーグALの先発投手の中でトップクラスです。6月10日時点で、ALで7勝以上を上げている投手は11人います。その中で

① WHIPは岩隈投手がトップ。2位は8勝0敗のシャーザー投手(デトロイト・タイガース)です。
② 登板イニング数は、僚友のフェリックス・ヘルナンデス投手の97と2/3イニングに次いで2位です。昨シーズン懸念された体力・持久力面が完全に改善されています。そして、岩隈とヘルナンデスが、シアトル・マリナーズを支える両輪であることが良く判ります。
③ 防御率は、ボストン・レッドソックスのブッチホールズ投手の1.71に次いで2位です。ちなみにブッチホールズは9勝0敗です。
④ 与四球は、オークランド・アスレティックスのバートロ・コロン投手の6個に次いで少ない数です。岩隈投手のコントロールの良さを示しています。

 世界最高のベースボールリーグであるMLBのトップクラスの投手達の中でも、岩隈投手の投球内容は、間違いなくトップクラスです。私は、現時点ではALで最高の投手ではないかと思います。
 チーム力が劣るシアトルに居ても7勝を上げて、ヘルナンデス投手と共にチームの勝ち頭なのです。

 昨シーズン、中継ぎ投手として恐る恐る使われていた岩隈投手は、2年目の今季、見事に花開きました。日本プロ野球時代の晩年よりも遥かに素晴らしい投球を展開していると思います。

 私は、昨シーズンの後半には、岩隈投手はMLBでの投球を確立したと、本ブログに書きました。投球術としては、その通りだったのですが、持久力が付いて行かないところがあり、毎回の登板での投球イニングが少なく、シーズン終盤にはやや疲れも見えました。

 その点を、このシーズンオフで見事に克服したように観えます。素晴らしい努力だったのでしょう。

 「三振を取りに行く」のがダルビッシュ投手、「打たせて取る」のが黒田投手とすれば、岩隈投手は「打たせて取ることもできるし、三振を取ることもできる」投手です。

 好調を維持している日本人先発三人衆の中でも、現在最も充実しているのが岩隈久志だと思います。
 ボブ・メルビンは、現在オークランド・アスレティックスの監督であり、昨シーズンのアメリカンリーグAL最優秀監督です。
 昨シーズンは、オークランドを6年振りの地区優勝に導いています。

 メルビン監督(51歳)は、2003年と2004年の2シーズンに渡ってシアトル・マリナーズの監督を務めました。イチローと同じ時期にシアトルに在籍していたのです。
 この頃、イチローは全盛時を迎えていて、2004年には262安打のMLBシーズン安打記録を樹立しましたが、チームはどん底の時期で、地区最下位が定位置でした。

 この頃のメルビン監督は、采配が上手く行かなかったり、ゲームでチームの敗色が濃くなると、試合を観ることもなく、よく下を向いて爪を噛んでいました。この頃のシアトルは負け試合が続きましたから、毎試合の様に下を向き爪を噛んでいたのです。
 MLBの監督ともあろうものが、こんなに精神的に弱そうな仕草を見せて良いのか、少なくともチームメイトや相手チームから動揺を見透かされるような態度を取って良いのか、と思ったものです。

 しかし、これだけ成績が上がらなかったにも拘わらず、シアトルを解任になった翌2005年には、ナショナルリーグNLのアリゾナ・ダイヤモンドバックスの監督に就任していますから、その監督としての能力が買われていた、少なくともMLBの監督として十分な能力が備わっていると、MLB関係者から判断されていたことになります。

 メルビン監督は、アリゾナでの3年目・2007年に地区優勝を果たし、NLリーグチャンピオンシップまで進出したことが評価されて、このシーズンのNL最優秀監督に選出されました。

 残念ながら、アリゾナの頃のメルビン監督をテレビなどで観る機会が少なかったので、良く判りませんが、2011年からはALのオークランドの監督に就任しましたので、再び見かけるようになりました。
 そして、下を向いて爪を噛む癖が、完全に見られなくなっていたのです。

 プレーヤーに新人の時があるように、監督にも新人の時があります。ボブ・メルビン監督も、シアトル→アリゾナ→オークランドと経験を積む過程で、MLBの監督としてのスキルを積んできたのでしょう。

 その間に、NLとALの両リーグで最優秀監督に選出されているのですから、現在ではMLBを代表する監督のひとりといえます。

 あの癖を目の当たりにしながら、監督として使い続けたMLB関係者の方々は、ボブ・メルビンの良さ・潜在能力を見抜いていたのです。これが、最も素晴らしいことだと感じています。

 プロ野球で、ランナー無しの状況において、ピッチャーゴロを打ってしまった時、打者はどのように一塁ベースに向かって走るべきかというのが、今回のテーマです。

① 何が起こるか分からない。
ピッチャーがボールを捕り損ねるかもしれない、一塁に悪送球するかもしれない、ということ。
② 全力疾走で一塁に向かうことで、相手チームのエラーを誘発する。
相手チームを慌てさせて、悪送球などのエラーを誘うということ。

 の2つの理由から「ビーゴロでも打者は一塁に全力で走るべき」という考え方が、一般的なのでしょう。これを「一般方式」と呼びます。

 高校野球は、この考え方です。そもそも高校野球では、どんな打球の時でも打者は全力疾走という精神が大切にされているように思います。守備位置からベンチに戻る時も含めて、常に全力疾走ということをアイデンティティにしている有名校もあるくらいです。

 プロ野球はというと、高校野球程ではないにしても、最近は怠慢プレーに対する厳しい見方が一般的になってきていて、無気力と看過されるプレーをすると、直ぐに交替させられることが多くなったような気がします。
 個人の怠慢プレーが、チーム全体に悪影響を与えるのではないか、ということを懸念しての事かと思います。

 観客の方も、こうした見方・考え方に慣れてきたのでしょう。

 ところが、2013年5月30日の日本経済新聞のコラム・豊田康光氏の「チェンジアップ」には、これとは異なる考え方が示されていました。

 『全力疾走で思い出すのはプロ入り早々、三原修監督に言われた一言だ。投ゴロで全力疾走すると監督に呼ばれた。「頭から滑らんか」と怒られるのかと思ったら「プロには一塁に悪送球する投手はいない。走るだけ無駄だよ」・・・・監督は凡打の言い訳や謝罪としての全力疾走を嫌っていた。これがプロというものか、と私は監督にいっぺんに心酔した。』
というコメントです。

 なるほどと思いました。三原監督は、形ばかりの全力プレーを戒めたのでしょう。プロなら「全力疾走すべき時に全力疾走する」ということなのでしょう。名将と言われた三原監督の采配の妙を感じさせる逸話です。

 色々と考えてみましたが、私は「三原方式」の方が良いのではないかと思います。プロ野球は、最高のプレー・常人では及ぶべくもない高いレベルのプレーを提供するのが仕事なのだから、ピーゴロで全力疾走することはないと思うのです。

 頭書の①②の考え方は、形ばかりの精神論に近いものだと思うのです。そして、打ち損ねてしまった自らにも言い訳しているようなプレーなのかもしれません。

 プロ野球に望まれるものは、そういう底の浅いセンチメンタルな考え方では無いと思うのです。

 豊田氏のチェンジアップは、今回も切れ味鋭いものでした。

 2013年5月下旬から6月上旬にかけて、ブラジルのサントスFCに所属していたネイマール選手のスペイン・FCバルセロナへの移籍が発表され、契約が行われたと報じられました。契約期間は5年、移籍金は日本円にして約74億円とのことです。

 ネイマール選手は、1992年2月生まれの21歳。身長174㎝・体重65㎏と決して大きくは無いプレーヤーですが、そのサッカーセンスは早くから注目の的でした。
 2005年の1月、当時12歳!だったネイマールとスペイン・レアル・マドリードが契約を結ぶと報じられましたが、諸般の事情により実現しませんでした。世界屈指のサッカークラブであるレアルが、12歳のブラジル人少年と契約を結ぶことも珍しいことだとは思いますが、そのニュースが世界を駆け巡ったことが一番の衝撃でした。ネイマールは、それほどの逸材なのです。

 そしてネイマールは2009年からサントスFCのレギュラープレーヤーとして活躍し、2010年・18歳の時からブラジルA代表チームのエースプレーヤーとしても大活躍しています。
 そのプレー振りは、中盤から前線までオールマイティ。ボールタッチ技術が抜群で、とても自然なプレーをします。(テクニックがあるぞあるぞといったプレーではありません)本当に高い技術を保持した選手ならではの球裁きで、無駄な動きが無いのです。
 また、ドリブルも上手く、突破力も十分です。ゴール前でワンタッチ勝負をするタイプのゴールゲッターでは無く、自らボールをキープしながら、パスも出し、パスを受けてのシュートも上手い選手、「ボールに長く触っている」タイプのプレーヤーだと思います。

 幼い頃から注目され、サントスFCでプレーをしているところは「神様ペレ」を彷彿とさせます。共に「ブラジルの至宝」なのです。

 そのペレは、当然ながら欧州のビッグクラブから獲得のオファーが沢山ありましたが、ブラジル政府が国外流出を否定し、現役時代の大半をサントスFCで過ごしました。
 一方のネイマールは、今般世界屈指のビッグクラブ・FCバルセロナへの移籍が決まったのです。今回は、ブラジル政府の壁はありませんでした。

 この違いは何なのでしょう。

 サントスFCは、ペレには他の選手とは別次元の報酬を支払っていたと言われます。経済力の点から、プレーヤーへの報酬は、欧州のクラブの方がブラジルのクラブより、遥かに高いと言われています。結果として、ブラジル出身のスーパープレーヤーの多くは、欧州のビッグクラブでプレーして来ましたし、現在もプレーしているのです。最近でも、リバウド、ロナウド、ロナウジーニョ、カカ、ロビーニョ、チアゴ・シウバなどいずれもそうです。

 しかし、ペレだけは別でした。そして、ネイマールもペレと同じ扱いなのかなと思っていました。まして、ペレの時代に比べて現在は、ブラジルが経済成長を実現しているのですから、サントスFCがネイマールに、欧州クラブに所属している時並みの高額報酬を用意することは、より容易になっていると考えていたのです。

 今回の移籍は、穿った見方をすれば「2014年のワールドカップ・ブラジル大会で、ブラジルが優勝するための移籍」なのではないかと思います。
 つまり、ネイマールに海外の一流プレーヤーとのゲーム経験を、可及的早期に身に付けてもらうための移籍ということです。そのためには、ビッグクラブでなくてはならなかったのです。

 サッカーファンとしては、同じFCバルセロナに所属する、アルゼンチンの至宝・メッシとネイマールのプレーがとても楽しみですが、ブラジルサッカー界としては、何が何でも次のワールドカップは優勝しなくてはなりませんから、メッシのプレーを知るためにFCバルセロナを選んだのかもしれません。
 南米で開催されるワールドカップでは、南米チームが圧倒的に強い(これまで南米以外のチームが優勝したことは、一度もありません)のです。
 そうすると、最大のライバルはアルゼンチンということになりますから。ネイマールの移籍先が、従前から言われていたレアル・マドリードではなく、FCバルセロナであった理由がここにあるのではないか、と考えるのです。

 ブラジルは、ワールドカップ優勝5回という史上最高記録を持つサッカー王国ですが、まだ地元で勝っていないのです。
 絶対的な優勝候補と言われた1950年のワールドカップ・ブラジル大会決勝で、ウルグアイによもやの敗戦を喫し「マラカナンの悲劇」を体験していますから、2014年大会は負けられないのです。
 加えて、1950年の大会より、現在の方が世界サッカー界におけるブラジルサッカーの優位は小さいのです。現在、ブラジルが実力世界一という人は、少数派でしょう。

 地元ワールドカップでの優勝のために、ブラジルサッカー界最大の対応策が、今回の移籍だったのではないか。 いつも書くことで恐縮ですが「ワールドカップの優勝とは、かように重いもの」なのです。
 
 6月5日のシカゴ・ホワイトソックスCWSとシアトル・マリナーズSEAのゲームは、とても珍しい内容でした。延長16回の末、7対5のスコアでCWSが勝ったゲームです。

 SEAの先発は岩隈でした。今シーズン好調で、ここまで6勝1敗と、マリナーズの先発陣の中心選手として安定したピッチングを続けています。

 このゲームでも、岩隈投手はその力を如何なく発揮し、8イニング・99球を投げて無失点、被安打3、5奪三振とほぼ完璧な投球でした。

 しかし、シアトルの打線は、岩隈の好投に応えることができず、得点をあげることができません。CWSの先発アクセロッドはそれほど調子が良かったわけではなく、5イニングと1/3・93球を投げて、被安打6、四球5と乱調だったのですが、ここで得点できないところが、現在のSEAのチーム力を示しています。

 まずは、この岩隈投手の好投が報われなかった点が、このゲームのひとつ目のポイントです。残念なことでした。

 しかし、このゲームはここから縺れるのです。

 両チームのブルペンが踏ん張り、延長13回まで0対0のゲームが続きました。ご承知のように「MLBには引き分けはありません」から、勝敗が決するまでゲームは続きます。

 そして、延長14回の表ホワイトソックスの攻撃。四球2つに5安打と相手の1失策を絡めて一挙に5点を挙げました。ここまでのゲームの流れから見て、勝負あったというところです。特に、マリナーズのエラー(フィルダースチョイス)が痛く、エラーがらみで余計な失点を計上している以上、マリナーズに勝ち目はないという感じでした。

 延長14回の裏、マリナーズの攻撃も1死。さすがに終わりかなと思ったところから、3連打で満塁のチャンス。ここでさらにヒットが出て、スコアは1対5。しかし続くバッターがアウトになり2死満塁。
 次の打者はシーガーでしたが、このシーガーがよもやのホームラン。グランドスラム・満塁ホームランを放ち一気に5対5の同点。ゲームは、振り出しに戻りました。

 そして、延長17回の表ホワイトソックスの攻撃。やはりヒットとマリナーズのエラーで2点を挙げて7対5とリード。その裏のマリナーズの攻撃をリード投手が三者三振(全てスイングアウト)に切って取り、CWSが勝ったのです。

 延長14回、5対0から5対1となり、2死満塁から同点ホームランというストーリーは、とても有りそうもないので、小説にはできないと思いますが、そうしたことが現実に起こってしまうところが、スポーツというかベースボールの面白いところでしょう。事実は小説よりも奇なり、というところです。また、こんなゲームが時々観られるところが、MLBの魅力でもあります。

 それにしても、岩隈投手の8イニング完封の好投が報われないのは残念なことです。マリナーズ打線の奮起に期待します。

 6月8日、第97回日本陸上競技選手権大会2日目には、注目の男子100m競走が行われました。

 注目の2人、山縣亮太選手は4コース、桐生祥秀選手は5コースでした。
 スタートは、いつものように山縣選手の方が良く、10mまでに50㎝のリード。「100m競走では50㎝は大差」です。ここから、30mまでの加速で、その差は1mに開きました。

 40mからの加速を身上とする桐生選手ですが、この1m差で少し焦ったのでしょう、肝心な40m~60mの走りがギクシャクしてしまい、いつもの加速が観られません。山縣選手は、上半身・下半身ともに全くブレが無く、練習通りの走りが出来ているように観えます。

 70mを過ぎて、桐生選手は走りがバラバラになってしまい、90mでは既に一杯一杯となって失速しました。ゴールでは2m以上の差がついていました。山縣選手会心のレースだったと思います。

 桐生選手は力を発揮できませんでした。この大会の予選や、インターハイ地区予選の走りもやや精彩を欠いていました(10秒30位の走り)から、少し調子が落ちていたのかもしれません。走り全体から受けた印象は、肝心の40mからの加速が、10秒01の走りに比べて不足しているようです。ひょっとすると、スタートに注意するあまり、自らの強みを損じているのかもしれません。

 それでも桐生選手が凄いのは、この不調時でも10秒25で2位を確保していることです。高校生で日本選手権の2位は素晴らしい成績ですし、10秒25は決して悪くないタイムです。10年程前なら、堂々たる優勝タイムだったでしょう。それだけ、全体のレベルが上がっているのです。

 山縣選手の10秒11の優勝タイムは、高いレベルの記録だと思います。条件が揃えば、10秒を切る可能性が十分に有ることを示しました。
 この2人のスプリンターの走りから、全く目が離せません。嬉しい限りです。

 今大会のスタートは、セット(用意)からドンまでが少し短いなと感じましたが、今年からこのタイミングになっているそうです。大きな変更です。日本選手権大会を控えて、スターター他の大会関係者も相当のトレーニングを積んできたのでしょう。
 僅かに速くなったタイミングが、きれいに揃っていました。

 競技環境に関わるこうした努力が、競技レベルの向上を支えるベースになるものだと思います。
 第97回日本陸上競技選手権大会の第2日は、6月8日東京調布市の味の素スタジアムで開催されました。

 この日決勝が行われた女子400m競走は、とても興味深いものでした。

 まず決勝進出者8名の内3名が高校生だったのです。日本陸上競技選手権の短距離競走種目に3名の高校生が進出すること自体が、とても珍しいことだと思います。
 4コースに新島学園高校の大木彩夏選手、5コースに浜松市立高校の杉浦はる香選手、7コースに同じく浜松市立の松本奈菜子選手の3名です。

 そして、レースも高校生ランナーが主役でした。5コースの杉浦選手が先行し、4コースの大木選手が追い上げて残り100m。大木選手は、杉浦選手に1m差まで詰め寄りましたが、ここから杉浦選手が突き離して、ゴールでは4m位の差を付けて快勝しました。

 タイムは52秒52という素晴らしいものでした。日本高校新記録であり、日本ジュニア新記録でもありました。そして、何よりも日本陸上競技選手権で、高校生が1位2位を占めたのです。

 杉浦選手の走りは、相当のスピードで長い距離を押して行けるところです。このレースでは、ラスト50mの走りがとても良かったと思います。400m競走のラスト50mとなると、苦しいものですから、どうしても顎を上げ首を振って、上半身の動きがバラバラになってしまうことが多いのです。
 これは、男女を問わず、そしてオリンピックのレースでも同様です。400m競走というのは、それほどに苦しい種目だと思います。
 当然、杉浦選手もとても苦しかったのだろうとは思いますが、走りは乱れませんでした。

 ランニングフォームの特徴としては、膝から下が前に出ないことと、踵を良く使った走りだという点かと観ます。
 短距離走では、ストライドを伸ばしたいという気持ちから、膝下を前に伸ばすフォームを取るスプリンターが多いのですが、杉浦選手は重心の前方への移動と、膝の動きのバランスが良く、腰の上下動が少ないと思います。加えて、踵から爪先まで時間をかけて接地していますから、バランスが崩れないのです。
 高いトップスピードを出すには不向きなフォームだと思いますが、相応のスピードで長い距離を走るには、向いているのでしょう。400mや800mには、合っていると思いました。

 また、このレースにも出場していた7コースの松本選手の存在が、杉浦選手にとってとても大きなものだと思います。高いレベルのライバルが、同じ学校に居るのです。私には、松本選手もとても良い走りをしていたように観えましたので、2人で切磋琢磨していけば、記録はどんどん伸びて行くように思います。

 400m、800m、1500mの競走は、日本と世界の差が最も大きな種目だと思います。「持久力のあるスプリント」というのが、日本人ランナーにはとても難しいことなのです。そうした種目に、高校生ランナーが登場し、好記録を叩き出すというのは素晴らしいことだと思います。
 男子100m競走の桐生選手といい、日本陸上界には若い力が伸びてきています。なんと頼もしいことでしょう。

 それにしても、この大会に入る前は54秒を切れなかった杉浦選手が、準決勝・決勝と大幅に記録を伸ばし、この大会だけで1秒半も短縮しています。伸び盛りというのは、凄いものです。
 男子サッカー日本代表チーム(ザックジャパン)は、FIFAワールドカップWC・ブラジル大会アジア地区最終予選を勝ち抜き、本大会への出場を決めました。
 開催国であるブラジルを除くと、世界で一番早い「決定」です。ザッケローニ監督や選手の皆さんの頑張りに、大きな拍手を送りたいと思います。

 一方で、このところのザックジャパンの試合振りに、一抹の不安を憶えるファンも多いと思います。親善試合も含めた直近の3試合で、ヨルダンに惜敗、ブルガリアに完敗、オーストラリアと引き分け、ですから今WCアジア最終予選が始まったころの快進撃に比べて、不満が残る試合内容であることは、選手も十分に認識していることと思います。

 そこで、現在のザックジャパンへの要望を書きます。

1. 予想を裏切るプレーを展開してほしい。
 このところのゲームでは「得点力が低下」しています。ブルガリア戦とオーストラリア戦の2ゲームで僅かに1得点です。これでは勝利は困難です。何か、WC南アフリカ大会以前の「得点力不足の日本代表チーム」に昔戻りしたような状態に観えます。

 得点力不足の一因として「見え見えの攻撃パターン」があるように思うのです。バックスDFからボールの供給を受け、中盤MFのプレーヤーがボールを回し、フォワードFWプレーヤーへのラストパスやFW間のボールの受け渡しによりシュートに結びつるのですが、このところのゲームではザックジャパンのボール回し、パスのコース、戦術が、相手チームに読まれているように思います。

 相手チームどころか、サッカー素人の私でさえ概ね読めるのです。これでは、高いレベルのチームを相手にして、ゴールを取ることは極めて難しいと思います。

 ラストパスを受けてのシュートも「打つぞ、打つぞ」という様子ですから、相手DFに簡単に防がれてしまいます。
 相手プレーヤーが予測できないような=味方プレーヤーも予測できないようなプレー、が必要だと思います。

 オーストラリア戦のペナルティーキックを取ったプレーは、ショートコーナーから本田選手が低いパスを中央に送ろうとしました。これは意外なコースでしたから、オーストラリアのDFも思わず左手を出してしまったのでしょう。ショートコーナーから「真ん中にいる選手に向かって高いパスを出し、ヘディングで攻める」というのは、常識的なプレーで、特に身長が高いプレーヤーが多いオーストラリアチームのDFはそのように予想したのでしょう。
 そこに、本田の低くて速いパスがきたのです。相手DFにとって予想外のプレーだったのではないでしょうか。

 このゲームの日本の失点も同様です。オーストラリアは左サイドを駆け上がり、真ん中にパスを出しました。ゴール前ニヤポストのプレーヤーをケアしていた、日本のゴールキーパーGK川島選手は、パスが大きめでしかもゴールに向かっていることに気がつき、懸命に後退、腕を伸ばし、右手の指先はボールに触っていましたが、コースを変えるには至らず、そのままゴールしました。
 このパスは、日本チームのDF・GKの予想を超えたものだったのです。不運と評する解説者も居ましたが、そうではないでしょう。

 こうして見ると、あの日本対オーストラリアのゲームでは、パスからシュートという狙い澄ましたゴールは皆無でした。その前のブルガリア戦でも皆無でした。というより、大きな国際大会では「狙い澄ましたシュート」は中々入らないのです。

 残念ながら、現在の(過去も)日本代表チームには、例えば、かつてのフランス代表のジダン→アンリや、西ドイツのベッケンバウアー→ミュラー、FCバルセロナのシャビ→メッシといった「相手チームが十分に分かっていても、得点されてしまうユニット」、つまり「超絶パサーとスーパーゴールゲッターのペア」は存在しませんから、スピードと運動量で勝負していくことになります。

 相手より早く多く動く中で、スペースを見つけ、フリーになる必要があるのです。このところのゲームでは、ザックジャパンのプレーヤーが局地的であってもフリーでシュートしている姿は観ることがありません。狙い澄ましたシュートではないシュートが望まれます。

2. 足許へのパスばかりではチャンスは生まれず。
 前述の項目1に関連することなのですが、最近のザックジャパンのプレーには足許へのパスが多すぎると思います。走り込んで来るプレーヤーの1~2m前に出されるパスがとても少ないのです。
 これでは、チャンスが生まれにくいと思います。足許へのパスでは、相手プレーヤーを抜くには、個人のテクニックが必要です。日本のプレーヤーも上手く・強くなりましたが、世界レベルのプレーヤー相手に、1対1でいつも抜けるほどの力の差は、フィジカル面でも技術面でも無いと思います。

 オシムジャパンの時に「走りまくるサッカー」を標榜し、ボールを持っているプレーヤーを複数のプレーヤーが追い抜いていくサッカーを展開しました。この戦術で、日本代表チームは蘇ったのです。ランニングスピードと相手プレーヤーの裏側へのパスで抜いていくサッカー。このことを再び実行してほしいと思います。

3. ヒールパスは止めてほしい。
 このところのゲームで、時々日本チームのヒールパスを観ますが、一度も成功していません。それどころか、大半がピンチに繋がっています。このような低確率のプレーは止めるべきだと思います。ヒールパスが失敗すると、何だか未熟なプレーヤーが、最近仕入れたので使ってみたら失敗したという雰囲気が漂い、ファンとしても恥ずかしい感じがします。
 正面を向いて、堂々たるパスをお願いします。

 以上、現在のザックジャパンへの要望事項です。勝手なことばかり書いて恐縮です。

 もちろん、選手の皆さんも十分に認識している事柄ばかりだと思います。
こうした諸点に、十分に対応して、コンフェデ杯で素晴らしいプレーを展開していただきたいと思います。
 コンフェデレーションズカップの決勝のピッチに立つザックジャパンの姿を観てみたいと、心底思います。
 5月の日本経済新聞に連載されたゴルファーの岡本綾子氏の「私の履歴書」については、その内容の素晴らしさ・面白さについて、本ブログでも採り上げさせていただきましたが、採り上げ後の5月29日の回の記述も興味深いものでしたので、追報させていただきます。

 この回は、若手を指導する際の氏の考え方・やり方が表記されていました。

 「褒めながら教える」ことを心がけているという記述の後、『今の子はすぐ「悩んでいるんですけど」と泣きついてくるが、「悩むのではなく考えなさい。アスリートは考えることを優先しないと進歩しない」と説教する。』と。

 まさに、アスリート上達の秘訣であると思います。本ブログの趣旨にも合致します。岡本綾子氏のような、本物のアスリート・世界的プレーヤーの言ですから、説得力も十分です。

 「とにかく自分で考え、創意工夫するのが好きだった。」岡本氏の今後の活躍が、とても楽しみです。

 2013年5月28日の日本プロ野球NPBの交流戦、ソフトバンク対巨人の試合は5対0のスコアでソフトバンクが快勝しました。
 
 テレビ他での報道は「4月の最優秀選手・巨人の杉内投手が打ち込まれ3連敗」というものでした。

 私は「完封負けの責任は打線にある」と思います。
 野球・ベースボールは、得点0では絶対に勝てないからです。

 敗戦責任に比率概念があるとすれば、完封負けの責任は100%打線に存すると考えます。いや、もし投手が0点に抑えていれば、打線が打てたかもしれないという意見があるかもしれませんが、私は逆に、打線が1点でも先制していれば、あるいは相手に先制された後1点でも返していれば、投手はその後の相手の攻撃を抑え込んだかもしれないと考えます。

 これが、例えば2対1のスコアでの敗戦であれば、その試合内容・展開により敗戦責任は一概には言えませんし、その責任比率も試合毎に異なるでしょう。しかし、完封負けについては100%打線に責任があると思うのです。

 「ベースボールのはじまり」の稿にも書きましたが、ベースボールは「打者が打つことから始まる」のです。打てないコースにボールを投げ続ける投手には「フォアボール」というペナルティが課せられますし、打てるコースに来たボールを打たない打者には「ストライク(打て)」という命令が、審判から行われます。そして、ストライク3つでアウトになるのです。
 基本が「打つこと」であるスポーツで、打てないのでは勝負になりません。

 完封試合の敗戦責任が常に打線にあることは、プレーヤーやベンチスタッフは十分認識されていることだと思いますが、マスコミを始めとする報道側もよく理解しておく必要があると思います。
 彼女の走りがおかしいなと感じたのは、3歳緒戦、2012年3月のチューリップ賞でした。前年の2歳牝馬最大のレースG1阪神ジュベナイルフィリーズを圧勝し、牝馬クラシック路線の主役として迎えたレースです。

 4角で好位置につけ、あとは直線で少し伸びれば楽勝という展開でしたが、意外にも伸びずに3着。相手馬との力関係から観ても考えられないようなレース振りでしたから、久々が影響したかと言われました。

 続く、G1桜花賞でもジョワドヴィーヴルは1番人気でしたが、伸びきれず6着。JRA史上最短の2戦目でG1レース制覇を成し遂げた時には、オークスまではこの馬で仕方がないと、多くの競馬関係者が観ていました。2着のアイムユアーズに2と1/2馬身差を付けた阪神JFの勝ちっぷりは圧巻だったのです。
 その後も、彼女はレースに出続けましたが、輝きが戻ることはありませんでした。

 そして、2013年5月29日の朝調教中に、左後肢粉砕骨折を発症し安楽死処分となりました。週末のG1安田記念出走に向けての調教では無く、G3鳴尾記念に向けての調教であったことが、彼女の現状を如実に示していました。

 今振り返ると、彼女は阪神JFの後、成長が止まったのではないかと思います。原因は判りませんが、何らかの病ではなかったかと思うのです。勝手な想像で恐縮ですが、骨・筋肉の発達も停止してしまい、激しいトレーニングの過程で骨折してしまったのではないでしょうか。

 ブエナビスタの半妹という良血でしたから、もっと早く引退して繁殖馬となり、良い仔を生む道が無かったものかとも思いますが、良血ゆえに再度の活躍が期待されたのかもしれません。

 今後も破られそうもない「2戦目のG1制覇」とともに、彼女はその素敵な名前からも語り継がれる優駿となることでしょう。
 ジョワドヴィーヴル(Joie de Vivre)、フランス語で「生きる喜び」です。最近多いフランス語のカタカナへの変換馬名ですが、その中でも傑作だと思います。
 オルフェーヴルやヴィルシーナと同じく「ヴ」を使い、また濁点の多い馬名の代表格でしょう。
 
 ジョワドヴィーヴルの4歳での死は大変悲しいことですが、彼女は短い生涯を楽しんでくれたものと信じたいものです。冥福をお祈りいたします。
 6月4日のワールドカップWCブラジル大会・アジア地区最終予選、日本対オーストラリアのゲームは、1対1の引き分けとなり、日本が本大会出場を確定しました。

 本田圭佑選手のペナルティーキックで、インジュリータイムに同点とした劇的な引き分けでしたが、この引き分けはザックジャパンにとって極めて大きな意味があります。

① もちろんWCブラジル大会への出場を決めたこと
② 6月16日からブラジルで開催される、WC前哨戦コンフェデレーションカップへの準備ができること。十分な準備の上で、ブラジル、イタリア、メキシコと戦えることは、日本代表にとって世界と戦っていく上で、大きな財産・自信となること
③ 本田選手の故障治療が飛躍的に進むこと

 もし、このオーストラリア戦であのまま負けていたら、日本代表チームは早々にイラクに飛び、6月11日にアゥエイでイラク戦を戦わなくてはなりませんでした。このゲームは負ければ、グループ3位になる可能性があったゲームですから、ベストの布陣で戦わなくてはならないものでした。

 故障から回復途上の本田選手にも、再び無理をしてもらうしかなく、下手をすれば故障悪化も懸念されていました。なにしろ、中近東のチームとのアゥエイゲームは、日本代表チームは相性が悪いのです。(3月のヨルダン戦も負けました)

加えて、イラク戦の勝敗にかかわらず、6月16日にはコンフェデ杯ブラジル戦をブラジルで戦わなくてはならない訳で、移動距離が大変長く、極めてハードなスケジュールです。もし、WC出場を決められない状況でコンフェデ杯に臨むとしたら、精神面も含めて疲労困憊でしょうから、好成績など望むべくもなく、せっかくの好カードから多くを学ぶこともできなかったでしょう。

 このオーストラリア戦で「引き分け」たお蔭?で、イラン戦は若手主体のメンバーで対応することが出来ますし、主力選手たちは体力を回復することが出来ます。
 対ブラジル、対イタリア、対メキシコの作戦を立案し、主力選手との間で共有・徹底する時間的余裕も生まれたのです。
 なんと素晴らしい「引き分け」だったことでしょう。

 そして、何より素晴らしいことは、本田選手に故障回復の時間が与えられたことです。オーストラリア戦後のセレモニーで、プレーヤーやベンチスタッフがピッチで喜びを爆発させ、スタンドでファンが大歓声を上げている、笑顔笑顔のシーンでも、本田選手は大きな冷却袋を右太もも前部に当てている姿が、テレビ画面に映し出されました。まだまだ、完治には程遠い状況なのです。
 オーストラリア戦の後半には、本田選手らしくもなく、度々ピッチに倒れるシーンが観られました。

 しかし、この引き分けのお蔭で、6月4日のオーストラリア戦から6月16日のブラジル戦まで、中11日の時間があるのです。このレベルのプレーヤーにとって、これ程の休養時間が与えられることは、滅多にないことだと思います。それも、ワールドカップ出場権獲得の重圧から解放されての11日間です。
 回復の度合いも、全く違うでしょう。岡崎選手や長友選手のコンディションも格段に良くなると思います。

 オーストラリア戦後のインタビューで本田選手は「コンフェデ杯は優勝するつもりで臨む」とコメントして居ましたが、この11日間を充分に意識しての発言だと思います。
 この引き分けを生んだペナルティーキックの反則を取り、それを決めた本田選手へのご褒美のような11日間だと感じます。
 回復し、動きが良くなり倒れなくなった本田選手は、ザックジャパンを別次元のチームにレベルアップしてくれると思います。コンフェデ杯がとても楽しみです。

 私の予想(希望)を申し上げると、ブラジルと1対1の引き分け、イタリアには2対1で勝利、メキシコにも2対1で勝利して、決勝トーナメント進出です。

 随分と楽観的な予想だと、お叱りを受けそうですが、私は十分に可能性があると考えています。それ程、この11日間は大きいのです。
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Author:カエサルjr
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