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HOME   »  2013年09月22日
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 どれほど強いのか、よく分からないくらい強い2人です。

 ハンガリーの首都ブダペストで行われているレスリング世界選手権大会2013で、吉田沙保里選手と伊調馨選手が優勝しました。
 これで世界選手権では、吉田選手が11連覇、伊調選手が8度目の優勝です。2人とも、オリンピックを3連覇していますから、この10年間女子55kg級は吉田選手の、女子63kg級は伊調選手の時代が続いていることになります。

 長い歴史を誇るレスリングという競技で、東欧やロシア、アメリカ等々の国々に強豪が犇き、吉田選手や伊調選手は各国トッププレーヤーの目標にされ研究し尽くされているにもかかわらず、「いつものように勝つ」というのは、尋常なことではありません。
 他の競技を含めても、これほどに強いプレーヤーが、同時期に2人、同じ国に登場したというのは例を見ないことでしょう。
 どのように驚いても、驚き過ぎることは無い事実だと思います。

 「攻めの吉田」「守りの伊調」という感じがします。

 吉田選手は、2002年前後の世界デビューの頃から、そのタックルで有名でした。タックルのスピードが抜群なのです。
 相手選手は吉田選手のタックルが来ることは分かっていますから、十分に準備しているのですが、それでも食らってしまう。とにかく、肌感覚としての予想を遥かに超えるスピードのタックルなのだろうと思いました。
 スピードにおいて絶対に引けを取らないと自負している世界中のトッププレーヤーの肌感覚を、遥かに超えるスピードというのですから、神の領域に近いものなのでしょう。

 2002年から2007年位までは、吉田選手は相手の体制や隙を見つけてタックルするというよりは、自らのタイミングでタックルを仕掛け、それで勝てていたように思います。
 そのような、ある意味では「自分勝手なレスリング」で6年間も世界で勝ち続けたこと自体、もの凄いことだと思いますが、2008年1月にアメリカのバンデュセン選手に破れ、公式戦の連勝が119で止まった頃から、相手のプレーを良く観るようになりました。

 そして、2012年5月にロシアのジョボロワ選手に敗れたことで、「新しい吉田沙保里の型」を完成させたように思います。
 この2つの敗戦は、自らのタックルを利用されての敗戦でした。誰にも防ぐことが出来ないはずのタックルの動きを利用されたのです。吉田選手は、よく考えて対策を立案・実行しました。昨年のロンドンオリンピックのジョボロワ選手との試合は、その対応策が完璧に実行された、素晴らしい試合であったと思います。タックルを仕掛け、ジョボロワ選手が返し技を掛けようとしたときに、円を描くように両爪先で左右に動く様は、芸術的でさえありました。

 ジョボロワ選手の吉田選手対策は、1度の試合でしか通用しなかったのです。この研究心とトレーニングの積み重ねがある限り、吉田選手の王座は揺るぎないものだと感じます。

 一方の伊調選手ですが、負けないという意味では吉田選手以上です。試合をやって負けた伊調選手を思い出すことができません。故障による棄権での不戦敗があるために、連勝記録としては吉田選手の方が注目されるのですが、「試合で負けていない」という点では、伊調選手の方が長いと思います。
 おそらく2003年5月のマカン選手(アメリカ)に負けて以来、リング上では負けていないので「10年間以上不敗」という記録を継続しているのでしょう。あらゆる格闘技を通じても、空前絶後の記録だと思います。

 「守りの伊調」ですから、相手のプレーに対しての対応力が素晴らしい。組み合ってから、相手に力を出させないという点で、天才的なバランス感覚と、上半身の柔軟性を持っているように思います。

 また、守りが強いと言うと、攻撃が弱いような印象を与えますが、これが大間違いで、試合序盤で相手の動きを掴んでからは、無駄の無い強烈な攻めを見せます。大技も、良く決めます。
 今回の世界選手権でも、4試合全てテクニカルフォール勝ちでした。無類の強さを誇る守りから、圧倒的な攻めに転ずるという、勝ち所を知っているプレーヤーなのでしょう。

 伊調選手も、研究と鍛錬を怠りません。今回の優勝後のインタビューで「準決勝で3点取られたのが一番の収穫。(相手選手の体は)感じたことの無いバネだった。対戦したことの無い選手だとテンションが上がる。練習することが増えた」とコメントしています。

 テクニカルフォール勝ちした相手選手に「3点取られたことが一番の収穫」という感覚は、凄い。伊調選手にとっては、世界選手権もトレーニングのひとつということになります。そして「練習することが増えた」というのですから、まだまだ強くなるということです。
 過去10年間、リング上で不敗の選手が、研究と練習を重ね続けているということが、最も素晴らしいことなのでしょう。

 吉田選手は三重県津市の出身ですが、吉田選手にレスリングを教えた吉田選手のお父さん・吉田栄勝氏(元レスリング全日本選手権者)は、青森県八戸の出身です。
 そして、伊調選手は青森県八戸の出身です。2人のスーパープレーヤーのルーツは同じなのです。

 そういえば、ロンドンオリンピック女子レスリング48kg級の金メダリスト・小原日登美選手も八戸の出身です。
 当該スポーツが盛んな地域であれば、オリンピックチャンピオンが複数生まれるということではないでしょう。そんな単純・簡単なことではない筈です。

 青森県八戸には、女子レスリングの神様が居るのかもしれません。
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