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HOME   »  2013年12月29日
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 「その2」では、まさに12月26日の最終回について見てみます。

 「チェンジアップ」が2013年を持って終稿となることは、事前に報じられていましたから、どんな内容になるのか楽しみにしていましたが、「豊田氏へのインタビュー形式」でした。

 興味深いコメントが続きましたが、私には「メジャーへの選手流出も心配だ。選手はより高いレベルでやりたいのと同時に、あの球場の雰囲気に吸い寄せられている。騒がず、選手の一投一打に集中するスタンド、土のにおいがする天然芝のグランド・・。・・・海を渡ったイチローが、子供のように跳ね回っているのもわかる気がする。一番の老舗である巨人がそうした本式の球場を持っていないところに、日本球界の貧しさがある。」という下りが、とても印象的でした。

 確かに、日本プロ野球NPBの球場とMLBのボールパークには、おおきな違いがあります。まず、NPBの球場の多くは「人工芝」ですが、MLBのボールパークの大半が「天然芝」です。「天然芝より人工芝のほうがメンテナンスコストが少なくて済む」ことが大きな理由でしょうが、加えて「野球が無い日に、他のイベントに貸し出す際にも、人工芝のほうが都合が良い」というのも大きな理由でしょう。例えば、コンサートに来場した多くのファンが踏みしめれば、天然芝は痛んでしまいます。人工芝なら何でも開催できます。

 NPBの球場を保有・運営している企業にとっては「稼働率の向上」が課題ですから、野球以外には使いにくく、使用した後のメンテナンスが大変な天然芝グランドを選択するのは、難しいということになります。

 日本の球場も、昭和の時代と比較すれば、相当に良くなりました。旧後楽園球場が巨人軍のホームスタジアムであったころ、NPBとMLBの球場の差は、とても大きかったと感じます。正直に言って「比較にならない差」がありました。
 その後、東京ドームや福岡ドーム、札幌ドーム、名古屋ドームなどが出来上がりました。「人工芝ですが立派な球場」が次々とオープンしたのです。

 一時期人工芝球場が増えたMLBが、「ベースボールは土と天然芝とお天道様の下でやるもの」との考え方から、次々と「天然芝の屋根無し球場」に立て替えられて行った時代に、NPBでは「人工芝の屋根付き球場」が次々とオープンしたのです。

 「雨が多い気候の日本と晴れが多いアメリカ」「寒い・暑いといった、どんな気象状況でもボールパークに足を運び、雨で試合が中断されても何時間でも再開を待つMLBファン」「延長戦が何回に及ぼうとも、深夜になろうともスタンドで応援し続けるMLBファン」といったファン気質というか、「文化の違い」もありますから、人工芝・天然芝のどちらが良いかについては、一概には言えないと思います。

 ただし、これだけは言えます。「プレーヤーは天然芝でプレーしたい」ということです。これは、MLBに挑戦した日本人プレーヤーのコメントからも良く分かります。セントルイス・カージナルスに所属していた田口壮選手が、何面もの天然芝グランドを保有するカージナルスの練習場から出てきて「この環境でプレーしたら、もう他には行けない」と言っていたことを思い出します。

 ゲームを行うボールパークの素晴らしさはもちろんとして、練習場のクオリティの高さ・景色の良さにも、深く感動していたのです。野球・ベースボールのプレーヤーなら、一度はMLBの球場・ボールパークでプレーしてみたいと考えるのは、至極当然のことだと豊田氏は指摘しています。

 札幌ドームのオープニングセレモニーに出席した長嶋茂雄氏が「日本にも、これだけ立派なボールパークが出来た」とコメントしていたのを思い出します。天然芝のサッカー場にも早変わりする札幌ドームは、日本の球場のひとつの究極形だと思います。とても立派なボールパークです。

 しかし、天然芝に対するプレーヤーの憧れは普遍的なものでしょうし、野球はお天道様の下でやるものだという概念も不変のものでしょう。何しろ、「野」球なのですから。
 日本の気候・文化・社会環境と、天然芝・屋外という野球の本質をどのように融合していくのかが、今後の課題ということでしょうか。

 私は、雨が多い、特に梅雨という季節が有る我が国においては、球場に屋根が有ることが望ましいと考えています。一生に一度、NPBを生で見に来たお客様に「雨天中止」を告げるのは、とても残念なことだからです。また、駐車場が狭く、自動車ではなく電車で球場に来ている観客のことを考慮すれば、「雨が降っていても、球場が使えるようになるまで何時間でも待たせる」というのは、無理があります。交通手段がアメリカとは違うのです。加えて、「アメリカのファンは、どんなに寒くとも屋外で応援し続ける体力・気力が有る」ことを時々眼にしますが、日本ではそうも行かないでしょう。

 これらの違いは、日本とアメリカの違いそのものです。ですから、単純にアメリカのように「天然芝・屋外球場」にすれば良いというものでもないと考えるのです。

 最も望ましい日本の球場の条件を並べます。
① 天然芝であること。野球以外の用途に使用するために、天然芝の上に板を張り詰めることが出来る構造(二重床のような)が必要でしょう。
② 屋根付きであること。ただし、好天の日は降り注ぐ太陽光を楽しめるように、開閉式が良いと思います。

 建設には相当高いコストがかかりそうですので、実現可能性には疑問も残りますが、豊田氏の言う「(選手が)あの球場の雰囲気に吸い寄せられている」のであれば、我が国にも世界トップレベルの野球・ベースボール選手に「プレーしてみたい」と感じさせるような、「この球場でプレーしたら、他には行けない」と思わせるような球場が必要なのでしょう。

 長い間に渡って、色々なことを考えさせてくれた「豊田泰光のチェンジアップ」が最終回を迎えたことは、とても残念です。「週一回のお楽しみ」でした。本当にありがとうございました。
 そして、日本球界は豊田氏が指摘してきた多くの問題点に対して、真摯に取組んでゆく必要が在ると思います。
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