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 イタリアオリンピック委員会(CONI)のジョバンニ・マラゴー会長が掲題のコメントをしたと、4月22日報道されました。
 マラゴー会長の発言要旨は、以下の通り。

 「今季は素晴らしいリーグ戦ではなかった。ユベントスは怪物級で、ローマはファンタスティックだったが、これらの順位は何か月も前から動いていない。リーグ戦のレベルは下がっているんだ。それはヨーロッパのカップ戦の結果が示している。」

 「今季は(セリエAに)残留するのに勝ち点40も必要ないだろう。もっと少なくていいはずだ。美しくない試合がたくさんあった。もちろん、ユーベは讃えるべきで、彼らのヨーロッパリーグ優勝を願っている。ローマも素晴らしかったが、この勝ち点なら優勝すべきだろう。何かする必要があるんだ。」

 「数年前まで世界トップのリーグだったセリエAが落ちてしまったのは何故か、考えなくてはならない。我々には、海外のビッグクラブを買ったアラブの王族が居ないんだ。それなら代案が必要になる。賢い政策を取らなければならない。」

 「(セリエAが)好調だったときに、さほどでもない選手たちのサラリーにお金を使ったりするのではなく、いくらかの資金をローンに回し、スタジアムを作り直すべきだった。」

 いくつかの重要な指摘があると思います。

① UEFAチャンピオンズリーグ他のヨーロッパの国際カップ戦での成績の悪さから、セリエA全体のレベル低下を指摘。

② セリエA所属の各チームのチーム力比較では、上位と下位の力の差が大きくなっていることを指摘。勝ち点40未満でも残留できそうだと。
 ユベントスとASローマは共に、今季4月20日時点で34ゲームを終えて2敗しかしていない。3位以下のチームと大差の成績になっていることも問題視。

③ 資金不足のため世界中の良いプレーヤーを雇えないことを認識しつつ、何か方策を考え出す必要性を示唆。

④ 全体としてスタジアムの老朽化が目立つことを指摘。

 いずれも、もっともな指摘です。
 時折流されるセリエAのゲームにおける「観客の少なさ」については、以前から本ブログでも指摘していますが、その要因のひとつとして、マラゴー会長は「スタジアムの老朽化」を指摘しているのです。観客数回復に向けて、重要な要素でしょう。

 こうした明快な指摘が、その国のスポーツ界の重鎮から発せられること自体が、「イタリアスポーツ界の素晴らしい特質」であるとも言えそうですが、一方で、FIFAワールドカップ優勝4回を誇る、世界屈指のサッカー大国イタリアの国内リーグの復活は、欧州サッカー、ひいては世界サッカーの発展のために不可欠なこととも言えるのでしょう。
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 4月21日から27日にかけてスペイン・バルセロナで開催された男子テニスツアーの大会、バルセロナ・オープン・バンコ・サバデルで、日本の錦織圭選手が決勝戦でコロンビアのサンチアゴ・ジラルド選手をセットカウント2-0で破り、初優勝しました。

 これで錦織選手は、7度目の決勝進出で5度目の優勝、クレーコートでは初めての優勝となりました。

 バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル大会は、1953年から開催されている60年以上歴史を誇る大会です。
 また過去9年間で、ラファエル・ナダル選手が8度優勝しているという、「クレーコートに滅法強いナダル選手の為に存在する大会」と言われてきましたが、そのナダル選手が大会5日目の準々決勝で同じスペインのニコラス・アルマグロ選手に不覚を取り、そのアルマグロ選手を準決勝で破ったジラルド選手が、決勝に進出してきたのです。

 錦織選手が世界ランク17位、ジラルド選手が65位とはいえ、乗りに乗っているジラルド選手ですから接戦が予想されましたが、決勝戦は試合時間1時間13分、スコアは6-2、6-2と一方的なゲームとなりました。
 特に、ブレイクポイントでの錦織選手の勝負強さが際立っていたと思います。

 また、準々決勝のチリッチ選手、準決勝のグルビス選手は共に実力者であり、難敵と思われましたが、セットカウント2-0で退けました。連日の強敵との対戦を危なげなく乗り切った様子は、錦織選手の地力が一段上がったことを示していると思います。

 この大会も含めて、2014年に入ってからの錦織選手の成績は見事です。

 1月の全豪オープンで3年連続となるベスト16入り、4回戦では第一シードのナダル選手と接戦を演じましたが、惜しくも敗退。
 2月のデビスカップではカナダチームを相手に、シングルス2勝・ダブルス1勝の計3勝で、日本チーム初の準々決勝進出の原動力となりました。
 3月のマイアミ・マスターズ大会では、世界ランク上位者を連覇して準々決勝に進出し、ここでもロジャー・フェデラー選手を破りました。股関節の故障を発症し惜しくも準決勝のジョコビッチ戦を棄権しましたが、錦織選手の実力向上を如実に示す大会でした。
 そして4月のバルセロナ・オープン大会に優勝したのです。

 冷静に見て、錦織圭選手は「世界のトップに肉迫」しています。
 今大会終了後の世界ランクも12位に上がりました。

 なんという素晴らしい活躍でしょうか。世界4大大会においても、自身のコンディションと組合せによっては、ベスト4あるいは決勝戦進出も夢ではない感じがします。

 ここまで、自身の実力を向上させてきた錦織選手に大きな拍手を送るとともに、フラッシング・メドウやウィンブルドンのセンターコートに立ち、ファイナルを戦う錦織圭選手の姿を、是非観てみたいと思います。
 4月28日から5月5日まで、卓球の世界選手権団体戦が東京・国立代々木競技場他で開催されます。最近は女子13歳コンビの活躍などで、日本卓球が世界のトップクラスに躍り出てきている印象がありますが、もともと「卓球は日本のお家芸」だったのです。
 今回のテーマは、日本卓球の全盛時を支えた2人のプレーヤーです。

 「卓球日本」という言葉がありました。

 1954年から1960年代にかけて、中でも1954年から1957年の間、日本の男子卓球チームは、世界トップに君臨したのです。世界選手権大会他の国際大会で、圧倒的な強さを誇った日本男子チームが「卓球NIPPON」と呼ばれたのです。

 この世界最強チームの主軸となった選手が、荻村伊知朗選手と田中利明選手でした。

 2人の成績は、シングルにおいて拮抗しています。

 荻村選手は、世界選手権卓球・男子シングルの1954年のロンドン大会と1956年の東京大会で優勝しています。田中選手は、同1955年のユトレヒト大会(オランダ)と1957年のストックホルム大会(スウェーデン)で優勝しています。
 そして、1956年大会の決勝では荻村が田中を破り、1957年大会の決勝では田中が荻村を破って優勝していますから、この2人が世界のトップを争い続けたことが分かります。

 加えて、この1954年から1957年にかけての4つの世界選手権で、団体男子日本チームは4連覇を成し遂げました。団体4連覇・個人も2人で4連覇というのですから、「卓球日本」と呼ぶに相応しい活躍です。

 荻村伊知朗は1932年6月、静岡県で生まれています。田中利明は1935年2月、北海道生まれですから、荻村のほうが少し先輩です。
 2人はともに、日本大学に進学しました。
 卓球日本の快進撃が始まった1954年・昭和29年には、荻村が22歳、田中が19歳だったことになります。

 「卓球日本」には、卓球競技に対する「日本発の新しい技術」の意味もこめられていると思います。
① ペンホルダーグリップ
② 前陣での速い攻撃
③ 新しいラバー
 などが該当すると思います。

 ペンホルダーグリップは、我が国では当たり前のグリップですが、それまで世界で主流であった「シェークハンドグリップ」とは異なり、革命的な威力を発揮しました。
 二番目の「前陣での速い攻撃」は、ペンホルダーグリップにより可能になったといえます。

 それまでの卓球といえば、「カットプレー」による繋ぎ合いで相手のミスを待つ競技でしたので、試合時間も大変長かったようです。
 日本チームは、ペンホルダーグリップと卓球台に近いところに立って、球の上がり際を叩いていくというプレーで、カットプレーを封じて、世界一になったのです。

 三番目のラバーというのは、卓球ラケットに張ってあるゴムのようなものです。従来は、薄い「表ソフトラバー」が主流だったのですが、日本チームは「厚い裏ソフトラバー」を使用しました。厚い裏ソフトラバーの方が、ボールに回転を掛け易いのです。(もちろん、打っていくためには高い技術が必要ですが)

 このラバーの開発については、特に荻村選手が有名でした。「荻村のスポンジラバー」は一世を風靡し、時には1cm前後の厚さのラバーを使用していたと伝えられています。当時は、ラバーの厚さに制限が無かったのです。

 前述の通り、世界選手権大会の男子シングルにおいては、荻村と田中は2回ずつ優勝していますが、同時期の日本選手権大会では、田中が1954年から1956年まで3連覇していますので、シングルにおいては田中の方が少し上だったかもしれません。

 一方、ダブルスとなると、これは荻村が圧倒的に上回ります。荻村は、世界選手権大会・男子ダブルスで2回、混合ダブルスで3回優勝していますが、田中には2位・3位はあっても優勝はありません。

 この荻村選手と田中選手が、世界選手権で1度だけペアを組んだことがあります。1957年のストックホルム大会でした。
 最強の2人のペアだから、悠々と優勝しそうなものですが、これが中々そうは行かず、決勝に進出しますが、チェコスロバキアのペアに敗れて2位でした。シングルとダブルスの難しい関係を改めて感じる事実です。

 田中選手が、国際舞台から姿を消した後も、荻村選手は選手生活を継続し、1959年のドルトムント世界選手権大会(西ドイツ)で団体優勝、1961年の北京大会では団体2位、1963年のプラハ大会(チェコスロバキア)で2位、1965年のリュブリアナ大会(ユーゴスラビア)で2位と、卓球日本の面目を保つ成績を残し続けました。
 この長い選手生命は、荻村選手の最大の特徴であり、並ぶ者無き実績であろうと思います。

 そして、1987年には国際卓球連盟の会長に就任しました。私の記憶では、あらゆる主要な競技を通じて、その国際機構の会長に就任した唯一の日本人ではないかと思います。これも凄いことです。

 荻村伊知朗氏と田中利明氏は、ともに62歳で逝去しました。不思議な一致です。

 そして2人は、没後の1997年に一緒に世界卓球殿堂に入りました。
 今も天上で、世界一と称され、多くのプレーヤーに大きな技術的影響を与えた「荻村・田中のラリー」を打ち続けているような気がします。

 4月23日に行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチで、チャンピオンの山中慎介選手が、挑戦者のシュテファーノ・ジャモエ選手(ベルギー)を9RTKOで下し、6度目のタイトル防衛に成功しました。

 「神の左」と呼ばれる強烈なパンチが持ち味の山中選手ですが、この試合でもその威力を如何無く発揮しました。
 初回から左ストレートがジャモエ選手のボディに決まりました。相当効いている様子でしたので、試合のペースは山中選手のものになった感じでした。

 その後、2回と8回にも左ストレートがボディに決まりダウンを奪って9回、やはりボディへのパンチを打ち込み勝負を決めました。

 山中選手の左ストレートは、「太さ5cm位の丸い棒を真っ直ぐに突く」ようなイメージです。左肩や上半身も極めて安定していますから、真っ直ぐに突かれた棒は、強烈なダメージを相手選手に与えるのです。

 「腕力が強いというより、パンチ力が強い選手」なのではないでしょうか。

 1982年10月生まれ31歳の山中選手は、これで23戦21勝0敗2引分。21勝の内16勝がKOとなりました。見事な成績です。

 山中選手のキャリアを見ると、あることに気が付きます。
 2006年1月のデビュー戦から2008年10月の8戦でKO勝ちは2戦のみ。残りの6戦は判定で4勝2引分なのです。
 一方、2009年1月から2014年4月の15戦では14KO勝ち、判定勝ち1度と、KO率が格段に上がっているのです。

 2008年10月のサラゴサ上間選手との試合と、2009年1月の船井龍一選手との試合の間に「何があった」のでしょう。山中選手の試合振りに大きな変化・進化をもたらす何かが、26歳の山中選手に起こったのです。
 私は、その頃の山中選手の試合を観ていませんので、理由を推定することも出来ないことがとても残念です。

 「世界に羽ばたくことが出来る進化」が起こったのが、26歳の時でしたから、山中選手が日本タイトルホルダーになったのは、27歳・2010年の6月とやや遅めです。
 そして、世界タイトルを獲得したのは17戦目2011年11月・29歳の時です。しっかりと実力を付けて、世界チャンピオンに就いた形でしょう。

 山中選手の左ストレートは、そのフォーム・スピード・タイミング共完璧なものとなりました。まさに「神の左」です。
 ゴツン・ゴツンと、一発撃つたびに相手の顔をのけ反らせるストレートは、階級は違いますが、「ヒットマン」と尊称された世界ボクシング史上屈指のアウトボクサー、トーマス・ハーンズ選手を彷彿とさせます。
 凄まじい強さを保持する、完成されたアウトボクサーが日本にも誕生したのです。

 今後も山中慎介選手の試合から、目が離せません。

 ニューヨーク・ヤンキースNYYの田中将大投手の4度目の先発となった、4月22日のボストン・レッドソックスBOS戦は、7・1/3イニング105球を投げて被安打7、奪三振7、失点2という堂々たるピッチングを魅せました。

 田中投手はこれで、今季無傷の3勝目、NPB(日本プロ野球)から通算しての「田中が投げたら試合には負けない」記録を31に伸ばしました。

 この試合の4回裏に、BOSのデビッド・オルティーズ、マイク・ナポリの両選手に連続本塁打を許しましたが、中4日でローテーションを守り続けなければならない先発投手としては、「いつもいつも全力投球をする」訳には行きませんから、4-0とリードした状況での投球をしたということでしょうし、打たれた相手もBOSの中心打者であり、MLBを代表するプレーヤーでもありますから、「何の問題もないこと」だと考えます。

 この日は、やや腕が下がり気味で横投げ気味のフォームから、右打者のアウトコースに逃げていくスライダーとインコースに落とす遅いカーブ主体の組み立てで、他の変化球の曲りは良くなかったため、田中投手の調子としては、いまひとつであったと感じましたが、それでもBOSを2点に抑え切ったのです。
 この落ち着き払った投球内容は、「まるでMLB経験10年のプレーヤー」のようにさえ見えました。驚くべき適応力でしょう。

 試合後ジラルディ監督は「2発撃たれた後に、すぐに立ち直った。若い投手にしてはすごく適応力が高い。25歳ということを忘れてしまう」とコメントしましたし、捕手のマッキャン選手は「(4回に連続本塁打を浴びた後について)彼はそこで何をすればいいかをよく分かっていた」と満足そうにコメントしたと伝えられています。
 また、ジータ選手は「(相手打者の)バランスを崩させ続けている。カウントを稼がれると相手は大変だろうと思う。後ろで守っていて楽しいよ」と最大級の賛辞を送っています。

 実際のところ、NPBからMLBに挑戦する投手が、克服しなければならないことは多岐に及ぶと思います。田中投手を例にとって、ごく一部を上げてみましましょう。

① 引っ越し
 当然ながら、日本からアメリカに移住しなくてはなりません。生活環境の基本が大変動するのです。マー君は2000万円~5000万円(報道により金額が異なります)の費用(当然自前)をかけて数トンの荷物をジェット機で運びました。体調管理の面を始めとする様々な観点から「自らの生活環境維持・構築のために費用を惜しまない姿勢」はプロフェッショナルそのもので、素晴らしいと思います。お金のかけどころ=投資の場所を知っているという感じです。

② 食事
 日本とは異なります。アメリカは先進国ですから、日本食材も手に入るとは思いますが、着任早々に、日本に居た時と同じような食材を入手するルートを把握できるとは思われません。この点は奥様の力が大きいのでしょう。
 当然ながら、今後は「アメリカ飯」にも慣れていく必要があります。

③ 所属チームの違い
 東北楽天ゴールデンイーグルスからニューヨーク・ヤンキースに移籍したのですが、東北楽天ファンに比べて、ヤンキースファンはより辛口でしょうし、ヤンキース関連マスコミもうるさ型ということで有名です。少し不調になれば、色々と批判を浴びるのです。これにも、慣れていかなくてはなりません。
 先にも書きましたが、マー君には「必殺の笑顔」がありますので、ファンやマスコミの心を掴むことは十分可能だと思います。

④ ボールの質
 MLBのボールは、NPBのボールと比べて、諸点異なりますが、特に投手にとっては「表面がつるつるして滑りやすい」と言われます。この滑りやすさのために、NPB時代と同じような投球が出来ずに、MLBを去って行った投手も居ますし、少なくとも「このボールに慣れる」までには、多くの投手が長い時間を必要としていました。
 しかし、田中投手はスプリングトレーニングとプレシーズンゲームの投球だけで、慣れてしまったように見えます。これまでNPBからMLBに挑戦した投手の中で、最短期間で慣れたのではないでしょうか。
 というか、そもそも田中投手から「ボールが滑る」というコメントは、聞かれなかったように思います。

⑤ マウンドの高さ・角度・土質
 MLBはNPBに比べて、一般的に高く・急角度だと言われます。また、当然ながら「球場毎に異なる」のですから、「投げる度に初めての球場」という田中投手は、毎試合「マウンドに適応して行く」必要があります。
 この点への適応力も素晴らしいと思います。田中投手から「ここのマウンドは投げづらかった」といったコメントを、まだ聞いたことがありません。

⑥ 移動距離
 日本より大きな国・アメリカ合衆国ですから、球場から球場への移動も大変です。この点でも既に、投球する当日の朝、現地に到着したゲームでも田中投手はしっかりと投げていましたから、適応できています。

⑦ 連戦
 いつも書くことですが、MLBでは20連戦・30連戦が珍しくありません。そして「中4日で投げ続ける」ことも珍しくありません。この点については、田中投手はたまたまチームの試合日程の関係から、直近の2ゲームは「中5日」以上での登板が続いています。今後は中4日が続くでしょうから、適応して行かなくてはなりません。
 加えて、MLBでは登板予定ではないゲームもチームに帯同し、ベンチ入りします。ホテル他で休んでいるわけにはいかないのです。この点もNPBとは異なるところです。

⑧ チームメイトとのコミュニケーション
 田中投手の英語力については情報がありませんが、これまでのキャリアを見る限り、早々に必要な水準の英語力は身に着けることでしょう。
 当然ながら肝心なのは、相応に英語が出来るようになってからのコミュニケーションです。「英語が堪能だから、コミュニケーションできる」などということは、全くありません。(世の中、そんなに簡単なら苦労はしません)ツールとしての英語を身に着けた上で、自身の人間力により周りの人達と交流していくことになるのでしょうが、兵庫県出身で駒大苫小牧高校のエースであったマー君には、十分なスキルがあるように感じます。

 まだまだ数えきれない位に「適応しなければならないポイント」が存在するのでしょうが、ごく一部を上げてみました。

 ベースボールを行うという意味では、④と⑤が大事な点でしょう。④については、NPBからMLBに挑戦した投手の多くが苦戦していた・している、ように見えますが、田中投手は瞬く間に適応したように観えます。先達のノウハウも、もちろん活かしたのでしょうけれども、それにしても「違うボールで、七色の変化球を自在に投げ分ける」のに、あまり時間を要しなかったというのは、世界最高水準のリーグで戦っていることを勘案すれば、驚異的なことと言えます。

 また、⑤については今季レギュラーシーズンを通して慣れていくことなのでしょうが、少なくとも現時点までの様子からは「あまり気にしないタイプ」に見えます。今後も続く、「投げたことのない球場での初登板」でも、十分な内容の投球を見せてくれそうです。

 もちろん、④についても⑤についても、現時点で100%対応できているわけではないのでしょうが、この時期としての対応水準としては素晴らしいものでしょう。

 田中将大投手は、シーズン開幕時点でNYY先発4・5番手の位置に居ながら、4月22日という序盤で「NYYの勝ち頭」に躍り出ました。
 今後の大活躍が、とても楽しみです。
 4月も終わりに差し掛かると、欧州各国のプロサッカーリーグのシーズンも大詰めを迎えます。

 ドイツ・ブンデスリーガはバイエルンミュンヘンが早々と優勝を決めましたが、その他の主要リーグは佳境に入り、息詰まる優勝争いが展開されています。
 本稿では、イングランド・プレミアリーグを観てみましょう。

 4月20日現在、各チームとも3試合を残しての順位は、
1位:リバプール 勝ち点80
2位:チェルシー 75
3位:マンチェスター・シティ 71
4位:アーセナル 70
5位:エバートン 69

 6位のトッテナム・ホットスパーの勝ち点が63ですから、5位のエバートンとは水が開いていますので、優勝争いというか、次回のUEFAチャンピオンズリーグ出場権=リーグ4位以内を争うのは、この5チームとなりそうです。

 優勝争いという点では、4位のアーセナルまで可能性が残されていると思いますが、やはりリバプールとチェルシーの争いと観るのが妥当でしょう。

 リバプールとチェルシーは、戦力的に現在のプレミアリーグにおける双璧です。そのメンバーを観てみましょう。

[リバプールのイレブン(4月13日マンチェスター・シティ戦先発)]
・FW ルイス・スアレス、ダニエル・スターリッジ、ラヒム・スターリング
・MF スティーブン・ジェラード、フィリッペ・コウチーニョ、ジョーダン・ヘンダーソン
・DF グレン・ジョンソン、ママドゥ・サコ、マルティン・シュクルテル、ジョン・フラナガン
・GK シモン・ミグノレ

 素晴らしいメンバーです。特に、FWのスアレスとスターリッジは、今季得点王争いの1位(30得点)と2位(20得点)ですし、MFのジェラードも13得点を挙げて10位タイに居ます。9得点のFWスターリングや7得点のDFシュクルテルを含めて、圧倒的な攻撃力を擁していることが分かります。

 このシティ戦も3-2で勝ち切りました。今後も「失点以上に得点する」形で、ラスト3戦に挑むことになります。

[チェルシーのイレブン(4月8日のUEFA-CLパリ・サンジェルマン戦先発)]
・FW サミュエル・エトー
・MF ダビド・ルイス、フランク・ランパード、オスカル、エデン・アザール、ウィリアン
・DF イヴァノヴィッチ、ガリー・ケーヒル、ジョン・テリー、アスピリクエタ
・GK ぺトル・チェフ

 こちらも素晴らしいメンバーです。MFからDF・GKにかけてのバランスではリバプールを凌ぐでしょう。
 得点ランキングでは、MFのアザールが14得点、FWのエトーが9得点、MFのオスカルが8得点と、リバプールと比べると見劣りしますが「どこからでも得点できる」という点では、チェルシーが上回っています。
 この変幻自在なチームの形が、UEFA-CLのベスト4進出にも結び付いているのでしょう。世界中のスタープレーヤーをずらりと並べたイレブンは「壮観」でさえあります。

 このリバプールとチェルシーの覇権争いのキーになるのが、4月27日・第36節の直接対決でしょう。
 チェルシーは、この直接対決を挟んで4月22日と30日にUEFA-CLの準決勝、アトレティコ・マドリードとのホームアンドアウェイ戦がありますから、コンディション作りの面ではリバプールが有利です。

 これだけのメンバーをそろえた両チームは、戦力的には互角でしょうから、このコンディション面とリバプールのホーム・アンフィールドロードでのゲームであることを考慮すれば、プレミアの覇権に向けてはリバプールが少し有利ということになるのでしょう。

 それにしても、いつも思うことですが、こういうメンバーによるゲームを観られることは、素晴らしいことです。
欧州トップリーグのファンは、とても幸せなのです。
 4月20日、横浜文化体育館で開催された皇后杯全日本女子柔道選手権大会2014は、山部佳苗選手が2年振り2度目の優勝に輝きました。

 決勝は優勝候補同士の対戦。田知本愛選手にとっては初優勝を、山部佳苗選手にとっては2度目の優勝を目指す戦いでしたが、序盤山部選手は2度の指導を受けましたから、やや劣勢でした。しかし、田知本選手としても決め手に欠ける展開。

 3分50秒を過ぎたところで、田知本選手が内股に行きました。これを山部選手はすかして、右足一本で立っている田知本選手の、その右足を強烈に払いました。払い腰一本!
 見事な一本勝ちでした。

 2002年から2010年まで続いた、塚田真希選手の9連覇を継承するプレーヤーを選出する対戦ともいえる決勝戦であったと思いますが、山部選手が勝ち切ったというところでしょうか。

 不思議なことですが、山部選手は国際試合には縁が薄かったのです。2年前2012年もこの大会を制していながら、ロンドン・オリンピック代表には選出されませんでした。「試合による出来不出来が大きい」というのが、不選出の理由であったと思います。

 その山部選手が見事にスキルを磨いたのでしょう。
 2014年に入ってからは、快進撃が続いています。2月のグランドスラム・パリ、続くヨーロッパオープン・ローマと優勝。4月の選抜体重別大会では、田知本選手を破り優勝と、勝負強さを身に着けてきました。

 この大会でも「内股すかし」が目立ちました。「相手選手のバランスを崩して技をかける」ことが、柔道の基本です。日本一、世界一を争う大会では、普通に技をかけて行ってもなかなか決まらないのは当然のこと。相手選手が技をかけてきた瞬間は、相手選手のバランス・防備が手薄になっている瞬間でもありますから、こちらが技をかけるチャンスでもあります。

 もちろん「すかし」は難しい技です。この大会を見る限り、山部選手の「内股すかし」は相当高いレベルに達しているようです。「わかっていても決められてしまう」技になってきているのでしょう。

 山部選手は、今年の世界選手権代表に初めて選出されました。ついに世界一を決める大会デビューの時が来たのです。78kg超級の日本代表として、堂々とした戦いを展開していただきたいと思います。

 また、今回は敗れたとはいえ、田知本選手の安定感は抜群でした。決勝では積極策が裏目に出た形ですが、この積極性はとても大切だと思います。
 今後も、山部選手と共に日本女子柔道、ひいては世界女子柔道を牽引する存在としての活躍が期待されます。
 現在の日本女子柔道は、強力なツインタワーが引っ張っているのです。

 また、3位の市橋寿々華選手・岡本智美選手をも含めて、日本女子チームの「選手層の厚さ」をも感じさせる大会でした。
 
 2013年の大騒動を経て、日本柔道は間違いなく強くなっています。素晴らしいことです。
 インターグロリア号のお父さんネヴァービート号は、1970年~80年台の日本競馬に大きな足跡を残しました。

 1970年・1972年・1975年・1977年と4度リーディングサイアーに輝きましたし、1984年・1986年・1988年にはリーディング・ブルードメアサイア(母の父としての活躍)に輝きました。
 当時の日本競馬における最高の種牡馬だったのです。

 本ブログの2013年10月31日「競馬コラム79:ネアルコ号からタマモクロス号へ」にも書きましたが、当時の世界の競馬をリードしていたのは、14戦14勝の無敗馬ネアルコ号から、その仔ナスルーラ号に連なる血統でしたから、この血統は世界中で引っ張り凧でした。

 日本競馬でも「ネアルコ→ナスルーラ→」の血脈を導入したいという意向が強く、ナスルーラの仔ネヴァーセイダイ号の仔が連続して輸入されたのです。
 そのネヴァーセイダイの仔の種牡馬中、我が国で最も成功したのがネヴァービートでした。

 ネヴァービート自身は、イギリスにおける現役時代10戦1勝で重賞勝ちも無しという平凡な成績の馬でしたが、何しろ当時世界に冠たる血統でしたから、種牡馬として日本に輸入されたのです。逆に言えば、ネヴァーセイダイの仔で競走成績も優秀であれば、なかなか当時の日本では輸入できなかったことでしょう。

 ネヴァーセイダイの仔として輸入された、他の種牡馬にはシプリアニ号(代表的な産駒:トウメイ、ヒカルイマイ)やコントライト号(同:テンポイント)が居ます。

 それにしても、Never Say Die(ネヴァーセイダイ:意味「弱音を吐くな」)の仔Never Beat(ネヴァービート:同「ぶたないで」)とは、随分と洒落た馬名だと思いませんか。

 今週は読売マイラーズカップか、と考えていると、牝馬のインターグロリアを思い出しました。1978年の勝ち馬であり、翌1979年の2着馬でもありました。

 当時は、「牡馬の方が牝馬より絶対的に強い」と言われていた時代ですが、そうした中でインターグロリアは牡馬と互角の戦いを演じていたと思います。

 インターグロリア号、父ネヴァービート、母ヒダカチェリー、母の父コダマ、通算成績21戦9勝。1977年の桜花賞とエリザベス女王杯を制していますから、牝馬2冠といってよく、この年の最優秀3歳牝馬でした。

 こうした活躍を3歳時に見せると、4歳以降古馬になってから活躍できない牝馬も多いのですが、インターグロリアは古馬になってからも元気一杯、1978年・4歳の春読売マイラーズカップに優勝して、この年の有馬記念で2着となりました。
 
 「牝馬による有馬記念2着」というのは、歴代でも屈指の好成績です。インターグロリアの後35年間で、有馬記念に連対(2着以内)しているのはヒシアマゾン・ダイワスカーレット・ブエナビスタの3頭しかいません。素晴らしい記録だと思います。

 この1978年の有馬記念も、例年以上にメンバーが揃ったレースでした。
 1着カネミノブ(勝鞍、有馬記念、目黒記念他)、3着メジロイーグル(京都新聞杯)、5着サクラショウリ(日本ダービー、宝塚記念他)、6着グリーングラス(菊花賞、天皇賞(春)、有馬記念他)、7着エリモジョージ(天皇賞(春)、京都記念他)、9着カシュウチカラ(天皇賞(春)、目黒記念他)、12着プレストウコウ(菊花賞、毎日王冠他)、14着ホクトボーイ(天皇賞(秋)、京都記念他)等々、まさに当時を代表する強豪牡馬達を相手に、カネミノブのレコード勝ちレースで2着を死守したのです。470kgの栗毛の馬体が躍動しました。

 また、阪神牝馬特別1勝、京都牝馬特別2勝と、当時の牝馬にとって貴重な重賞レースでも3勝を挙げています。牝馬相手なら敵無しという感じでした。

 古馬となった牝馬の活躍の場が少ない時代に、牡馬と互角に戦ったインターグロリアの古馬になって最初の重賞勝ちが、読売マイラーズカップだったのです。
(その2に続く・・・)
 北海道日本ハム・ファイターズの大谷翔平「投手」が、4月20日の東北楽天戦に先発、6・1/3イニング116球を投げて、被安打8、奪三振5、失点2で勝ち投手となりました。
 大谷投手は、これで今季2勝0敗、2013年シーズンが3勝0敗でしたから、「デビュー以来5連勝」となりました。

 この試合でも、8本のヒットを浴び、特に7回はヒット2本と四球で満塁のピンチを招くなど、不安定な面を覗かせましたが、それにも増して「全力投球時の素晴らしさ」は際立っていました。
 2回のユーキリス、6回のジョーンズから奪った三振は、ストレート勝負による空振りの三振で、いずれもバットがボールの下を通るという、迫力十分の投球でした。
 球速表示も154kmと速いのですが、テレビ画面から感じるスピードは160kmに近い感じがしましたから、とてもキレの良い投球だったのでしょう。真ん中高めへの投球で、メジャー屈指の強打者2人から空振り三振が取れるというのは、大谷投手の投球のレベルの高さを示しています。

 今季も「二刀流」を継続しているプレーヤー大谷翔平です。

 打者としても、2013年シーズンには、77試合に出場、189打数45安打・打率.238、本塁打3・三塁打1・二塁打15と、ヒット全体に占める長打は42%強と長距離ヒッター振りを発揮しました。
 今季も、4月20日までで13試合に出場し、39打数15安打・打率.385と好調です。

 引き続き、現在のNPB唯一の「二刀流プレーヤー」を続けてほしいという気持ちもあるのですが、4月20日の投球を観ると、そろそろ「投手に専念」しても良いとも感じます。理由としては、

① 出場機会を増やす、あるいは確定させたいこと。
 大谷選手は昨シーズン、野手として77試合に出場していますが、140試合を超えるペナントレース全体の約半分というところです。
 投手としての登板も考慮しての起用であろうと思いますが、「球団・球界の宝」を見に来たお客様にとって「今日は出ていないのか」と感じさせるのは、残念な気がします。
 
 野手としてなら原則全てのゲーム、投手としてならローテーションピッチャーとして、起用していくことが、必要なプレーヤーだと考えます。「大谷翔平を見たいファンの気持ち」を裏切らないようにしたいのです。

② 投手としての非凡さが際立ってきたこと。
 大谷選手は打者としても抜群のセンスを感じさせます。特にライナー性の当たりは見事なもので、プロとして十分に働いていけるレベルでしょう。しかし、シーズン10~15本塁打のプレーヤーは、そう珍しくはありません。

 一方で投手としては、球界屈指のピッチャーに成長する可能性を感じさせます。150km台半ばのストレートを普通に投げることができる先発投手は、NPBにはほとんど存在しませんし、MLBでもそう多くはないでしょう。
 ダルビッシュ有投手や田中将大投手に匹敵するように感じられる「大谷投手の才能を磨き上げてみたい」と考えるのは、ごく自然なことだと思います。

 2014年4月20日の投球は、投手・大谷翔平の大きな可能性を十分に感じさせるものでした。
 4月20日に最終日を迎えた日本女子プロゴルフツアー・KKT杯バンテリンレディースオープン大会で、アマチュア・高校1年生15歳の勝みなみ(かつ みなみ)選手が優勝しました。

 本ブログでも、卓球やサッカーといった競技で日本女子若手アスリートの活躍が目立つと書きましたが、今度はゴルフです。

 勝選手は15歳と293日で女子ツアーを制し、女子ツアーの最年少優勝記録を大幅に更新しました。少し前まで中学生だったプレーヤーが、プロのツアーに優勝するのですから、驚かされます。

 パッティングが好調でした。最終日6番ホールの10m近いパットも強気に打ち、捻じ込みました。ほとんどショートするパッティングは無かったように観えました。
 アプローチショットはピンの手前にグリーンヒットさせて、強気のパッティングでバーディを奪うというゲームプランは、最後まで変わりませんでした。

 勝選手が「突然登場したプレーヤーでは無いこと」は明白で、6歳からゴルフを始め、
① 2010年全国小学生ゴルフトーナメント決勝大会 優勝
② 2011年日本ジュニアゴルフ選手権(12~14歳の部) 3位
③ 2012年全国中学校ゴルフ選手権春季大会 優勝
④ 2012年日本ゴルフ協会ナショナルチームメンバー入り
⑤ 2013年全国中学校ゴルフ選手権春季大会 優勝
⑥ 2013年日本ジュニアゴルフ選手権(12~14歳の部) 5位
⑦ 2013年日本女子アマチュアゴルフ選手権 ベスト16
⑧ 2014年ニュージーランド・アマチュアゴルフ選手権 優勝

 と、ほんの一部を挙げても、既に実績十分のプレーヤーであり、優勝経験も豊富で、今シーズンは海外のトーナメントにも勝っている実力者なのです。

 若いながらもこれだけのトーナメント出場経験が有れば、日本女子ツアーの試合といっても、それ程緊張はしなかったのかもしれません。最終日18番ホールの1m位のパーセービングパットも難なく沈めていました。
 もちろん「怖いもの知らずの勢い」という面はあるのでしょうが。

 勝選手の優勝がもたらす影響は、とても大きなものだと思います。
 前述の戦績を見ても、この年代で勝選手が圧倒的な実力を保持しているというよりは、相当数の選手が同等の実力を保持していることが分かりますので、勝選手に続く選手の登場が十分に期待されるのです。

 我が国の女子ゴルフの強化も、次第に実を結んできたということでしょう。アメリカや他のアジア諸国のライバル達と、互角に戦える体制が出来てきたのかもしれません。

 それにしても、勝選手の15歳293日の女子ツアー優勝は凄いのですが、そうすると石川遼選手の15歳245日での男子ツアー優勝も、もの凄いものであることが良く分かります。
 その石川選手のPGAツアーでの活躍も、改めて期待されるのです。
 
 ボストン・レッドソックスBOSのファレル監督が、4月19日のボルチモア・オリオールズ戦で勝利した後のインタビューで述べた言葉です。

 最大級の賛辞でしょう。

 このゲームでも、田沢純一投手と上原浩治投手は1・1/3イニングと1イニングを零封し、チームの4-2の勝利に貢献しました。

 それどころか、MLB2014レギュラーシーズンでBOSが戦ってきた4月20日までの19試合で、田沢投手は10試合に登板して失点ゼロ・防御率0.00、1勝0敗2ホールドです。
 上原投手も7試合に登板して失点ゼロ・防御率0.00、0勝0敗4セーブです。

 つまり、田沢・上原の両投手は防御率0.00コンビなのです。凄いことです。

 4月20日時点で、MLB30チーム中、得点力25位、チーム打率24位と攻撃力不足に悩むBOSにとっては、現状最少得点を守りきるしか勝利するのは難しい状態ですから、防御率0.00のブルペンピッチャーの役割は極めて大きいことになります。
 「我々は重度に田沢・上原に依存している」というファレル監督のコメントも、決して大袈裟なものではないのです。

 田沢投手はヒットこそ打たれますが、ここぞという場面での強気のピッチングが功を奏しています。メジャーのセットアッパーとしての円熟味さえ感じさせます。

 上原投手は、開幕直後はフォームに力みが目立ち、テキサス・レンジャーズ時代のような「手投げ」になっていましたから心配していましたが、右肩の張りを訴えて少し休み、復活しました。体全体を使って投げる「2013年スタイル」には完全には戻っていませんが、フォームを修正し、少しずつ良くなっているように見えます。
 こんな状態でも防御率0.00の4セーブというのが凄いところですが、本人もコメントしているように「まだまだ」の投球ですので、早く昨シーズンのフォームを思い出していただきたいものです。故障は、ライバルチーム以上の大敵なのですから。

 いずれにしても、上原・田沢両投手はBOSにとって無くてはならない存在となりました。そのことが、何より素晴らしいことだと感じます。
 4月10日に発覚した、今シーズンの統一球の反発係数が基準を上回っていた問題ですが、メーカーであるミズノ社の社長以下がNPB(日本野球機構)を訪れて、原因等についての説明を行ったことが報道されました。

 昨シーズン「こっそりと飛ぶボールに換えていた」という愚挙があり、一応の決着を見ていた中で、プロ野球80周年で盛り上げていかなければならない状況下、再び起こった「統一球問題」。
 疑問点他を考えてみましょう。

1. 何故「必ず飛ぶ方に間違える」のか。

 昨年は、故意に飛ぶようにしたボールを、黙って使っていたという、詐欺師顔負けの行動が取られたわけですが、「何としても、飛ぶボールを使いたい」という強い要望が、球界内の一部に存在していることが、よく分かりました。

 そして今季は、基準レンジを超えるボールが使われていたことが、NPBによる3月29日の検査で判明したのです。

 ミズノ社の説明では、「ゴム芯を巻くウールの含水率が低下していた可能性」が指摘されていました。保存状態の違いから、検査した6球場の内5球場で基準を超える反発力が検出されたというわけです。

 この説明のような事象が発生するものかどうか、あるいは検査方法の問題については、専門家ではないので解りませんが、何故常に「より飛ぶ方向に間違えるのか」という疑問は残ります。

 「知らないうちに、飛ばないボールになっていた」という事象は発生しないのです。何らかの意思が働いていたのではないかという疑念は払拭できないでしょう。

2. 「世界のミズノ」の製造能力について

 ミズノ社は、世界屈指のスポーツ用品メーカーです。「ものづくり」大国・日本のスポーツ製品を担う我が国最大・最強の企業です。多くの競技において、用具や器具の製造能力の高さには定評があるところです。

 そのミズノ社が、反発係数基準0.4034~0.4234の内のボールを作ることができないというのは考えられないことです。また、「しばらく置いておくと、飛ぶようになる」という製品・ボールを作り納品するというのも考えられないことです。
 「多少の環境変化くらいでは性能に大きな影響が出ないこと」は、ボールに限らず、スポーツ製品に限らず、あらゆる分野の製品に求められる基本的な性能でしょう。

 少し寒くなったらスピードが落ちる自動車とか、少し暑くなったら画質が悪くなるカメラとか、少し湿度が上がったら捲れ上がってしまう床材とか、少し乾燥したら破れやすくなる洋服とか、こうしたものは製品とは言えないでしょう。

 「世界のミズノ」が、多少の環境変化に適応する製品を作ることができないとは思えませんので、故意に「乾燥すると飛ぶようになるボール」を作り納品したのではないかと、疑いたくなるのです。
 
 「ものづくり」については、世界一を自認し、徹底的にこだわる国柄といわれる我が国において、2年連続で「統一球」問題が発生したのは、決して偶然ではないでしょう。

 「ホームランが多い方がファンは喜ぶ」「打ち合いの方が面白いので、お客がたくさん入るし、視聴率も稼げる」「飛ぶボールについて一時期批判が集まっても、すぐに忘れられるから心配ない」といった考え方の人物が存在し、NPBに対して大きな影響力を保持し、統一球の反発係数を自由に操っている、などということは有ってはならないことですし、おそらく、無いのでしょう。

 しかし、無いとすると上記の2つの疑問は残ってしまいます。

 一方で4月8日、NPBが「2016年シーズンからの統一球の供給メーカーを決めるオープンコンペティション」を2015年初めに行う旨の報道がありました。
 そして、そのコンペに大リーグの公認球を製造しているローリングス社も初参加するというのです。

 現在のミズノ社との契約が2015年シーズン期限であることから、翌年からの使用球供給メーカーを決めるコンペティションが行われるということですが、「アンフェア」なことに対して極めて厳しいといわれているアメリカで鍛え上げられたローリングス社は、ミズノ社にとっても強敵となることでしょう。

 こうしたコンペが1年弱後に控えている状況下で、ミズノ社が「倉庫に保管しておくと、ウールの含水率が下がってしまい、飛ぶようになるボール」を作り納品していたことを、自ら発表したというのは、何か情けないし信じられない感じがします。

 また、頭書の「飛ぶボールの問題」が発表されたのが4月10日で、オープンコンペティションの開催が報道されたのが4月8日と、2日前であったというのも、偶然とは考えにくいところです。

 いろいろな意味で、想像より遥かに根が深い問題なのでしょう。
 2014年4月20日、中山競馬場芝2000mコースで行われる皐月賞の注目馬です。

 事前に抜けた実績を上げている馬が居ませんから、混戦です。

 トライアル他、皐月賞と関連が深い重賞レース他に勝った牡馬だけでも、5頭に上ります。

・G1朝日杯FS アジアエクスプレス
・G3きさらぎ賞 トーセンスターダム
・G3共同通信杯 イスラボニータ
・G2弥生賞 トゥザワールド
・G2スプリングステークス ロサギガンティア

 これに23年振りの牝馬出走となる
・G3フラワーカップ バウンスシャッセ

 を加えると、重賞ウイナーが6頭も出走するレースとなったのです。最も「底無し感」が強かったバンドワゴンの回避は残念ですが、クラシック前哨戦を賑わしてきた馬達の大半が出走してきている点は、混戦と共に「相応に高いレベルの競馬」になると思いますので、重賞未勝利馬が勝つのは難しいと考えます。

 さて、前述の6頭の比較です。

 無敗馬はトーセンスターダムのみ。前走のきさらぎ賞では、逃げ込みを図るバンドワゴンをゴール寸前頭差差し切りました。

 イスラボニータは、新潟2歳Sでハープスターに負けた1敗のみ。ハープスターは桜花賞に勝っています。

 G1勝ち馬のアジアエクスプレスは、格から見れば最上位。前走の2着を久々の影響とみるかどうか。

 ロサギガンティアとトゥザワールドは、中山コースに慣れている点が強みでしょう。

 以上から、まとめます。

 第一の注目馬は、7枠14番のバウンスシャッセ。前走フラワーCで2着のマイネグレヴィルに2馬身差の快勝。有力牡馬が、今年の重賞レースでいずれも2馬身未満の差で勝っているのを見ると「展開の綾」という感じもしますので、この2馬身差が目立ちます。
 牝馬の方が強いという声もある今年の3歳世代。510㎏を超える堂々たる体躯も牡馬に全く引けを取らないものです。ジェンティルドンナを始めとする牝馬の台頭を見るにつけ、66年振りの牝馬による皐月賞制覇も夢ではないかもしれません。
 どんな展開でも2着は確保してくれると信じて、軸馬にします。

 第二の注目馬は、8枠16番アジアエクスプレス。前走のスプリングSは、久々で反応が悪かったと見ます。ひと叩きしてパンとすれば、もともと世代牡馬NO.1の馬。力を見せてくれるでしょう。

 第三の注目馬は、6枠11番のロサギガンティア。こうした混戦の時には、直近のトライアルレースの結果を重視したいところです。

 皐月賞2014は、以上の3頭に注目します。

 スプリングSの1・2着馬、ロサギガンティア・アジアエクスプレス対紅一点バウンスシャッセの1・2・3着争い。

 4角横一線から抜け出してくるのは、どの馬でしょうか。
 日本経済新聞スポーツ欄の名物コラム、三浦知良選手の「サッカー人として」は、いつも楽しみに読ませていただいていますが、2014年4月11日の稿も考えさせられるものでした。

 この時期ですから、三浦知選手としては新入社員向けに書いたものなのでしょうが、普遍的な内容になっています。

 「・・・負けるときはある。でも乗り越えられないことに慣れるのはよくない。・・・」とカズは言います。納得させられる言葉です。慣れるのと成長するのは、全く違うものなのです。

 「・・・サッカーの練習は毎週毎週、それほど代わり映えするものでもない。端から見れば似たようなことの繰り返し。『飽きないの?』とよく聞かれるけど、飽きないね。こんなやり方もあるのかと、毎回喜びがある。なんでうまくできないのかと、毎日悔しさがある。・・・」と。
 カズは本当にサッカーが好きなんだなあと感じます。いつまで経っても嫌いになったり飽きたりしないのが、最高の才能なのかもしれません。

「・・・好きとはいえ、依存症ですね。でも悪い症状でもないでしょう。」と締め括りました。

 説教染みてもいないし、力みもない。「本物」だけが発することができる言葉です。
 こんな依存症なら、なってみてもよいと思います。
 とても嬉しいニュースです。

 IFHA(International Federation of Horseracing Authorities:国際競馬統括機関連盟)が、4月10日に発表した、2014年1月1日から4月10日の間に開催された世界の主要レースを対象としたランキングで、日本馬ジャスタウェイ号がトップとなりました。

 先日のドバイ・デューティーフリー競走で、2着馬に6馬身以上の差を付けて圧勝したことが高く評価されたものでしょう。

① 日本馬が単独でトップになったことは史上初

 2006年7月の発表で、ディープインパクトが125ポンドというレーティングで1位タイになったことはあります。

② 130ポンドというレーティングは、絶対水準として高く、この時期のものとしては非常に高いもの

 シーズン最初の発表で130ポンドというのは、2008年のドバイ・ワールドカップを勝ったカーリン以来の高いレーティングでした。(世界中でレースが増える5月以降は、毎月の様にランキングが発表されます)
 また、2位のゲームオンデュード(アメリカ馬、125ポンド)に5ポンドもの差を付けてのトップでした。

③ 他の日本馬も高く評価されていること

 今回は世界中の41頭が発表されていますが、キズナ号が121ポンドで8位タイ、ゴールドシップ号が120ポンドで11位、ジェンティルドンナ号が118ポンドで14位タイ、コパノリチャード号が117ポンドで27位タイ、と5頭がランクインしています。

 アメリカ、アイルランド、イギリス、オーストラリアといった国々のサラブレッドを相手にして、ジャスタウェイがトップに立ったのは見事ですし、キズナもベスト10入りするなど他にも4頭がランクインしたことは、日本馬の実力向上を如実に示したものでしょう。

 私達が普段、日本の競馬場で観ている馬達が「世界屈指のサラブレッド」であるというのは、本当に素晴らしいことだと感じます。
 
 また、この報に接すると、ハープスターには今年の凱旋門賞に挑戦していただきたいと思うのです。(勝手な意見で恐縮です)

 今年の日本選手権水泳競技大会が、東京辰巳国際水泳場を会場に4月9日~13日の日程で開催されました。(4月9日は公式練習日)

 オリンピック中間年という、トップスイマーにとっては難しい時期の日本選手権でしたが、今年も見所満載の大会となりました。

1. 萩野公介選手4冠

 今大会も、多くの選手が活躍しましたが、やはり中心にいたのは萩野公介選手でしょう。
 2013年の日本選手権で5冠を制していた萩野選手は、2014年大会でも4冠を制しました。

 男子200m自由形、400m自由形、200m個人メドレー、400m個人メドレーの4冠、そして100m背泳ぎと200m背泳ぎが2位という、堂々たる成績でした。
 2013年には、この4冠に100m背泳ぎを加えた5冠だった訳ですが、2013年は第一人者の入江陵介選手が本調子ではなかった中での5冠でしたから、入江選手がカムバックした今大会で、入江選手と好勝負を展開した上での4冠は、2013の5冠より価値があるように感じます。
 ロンドン・オリンピックの銀メダリストと、その専門種目で互角の勝負を展開していること自体が凄いことですし、こうしたスイマーが日本にも出てきたことは頼もしい限りです。

 また、200m個人メドレーと400m自由形における日本新記録樹立は素晴らしいものでした。どちらも、現在の世界トップクラスの成績ですし、個人メドレーならライバルの瀬戸大也選手、自由形でも松田丈志選手らを寄せ付けない強さを示し、この1年間の成長振りを内外にアピールしました。
 4日間の競技で、12の競泳を行い、6種目中5種目で自己最高記録を更新するというのは、「疲れている状況でも記録を出していくノウハウが身についてきている」ことを示しています。
 昨年本ブログで「萩野公介はマイケル・フェルプスになれるか」という稿を書きましたが、現状を見る限り、着実にマイケル・フェルプス選手に近付いているのでしょう。凄い19歳です。

2. 入江陵介選手のカムバック

 昨シーズンは不調で「引退も考えた」と伝えられた入江選手ですが、見事にカムバックしてきました。
 100m・200mの背泳ぎは、ともに日本記録に迫る泳ぎでした。入江選手独特の「泡をかかず、水をかく」無駄の無い泳法が発揮され、泳ぐスピードは群を抜いていました。
200m背泳ぎのラスト50mでは少しバテた感じでしたが、課題は明白ですから、今後のトレーニングで修正していけば、オリンピック金メダルも手の届くところに在ると思います。

 萩野公介選手の登場も、入江選手の心に火をつけているのでしょう。2人の世界トップクラスのスイマーが、当面の日本水泳界を引っ張っていくメインエンジンということになります。

3. 渡部香生子選手の三冠

 高校3年生・17歳の渡部香生子選手は、200m個人メドレーと100m平泳ぎ、200m平泳ぎの3種目を制しました。200m個人メドレーは昨2013年に続いての連覇です。

 渡部選手も萩野選手と同様に、競泳4種目全てに非凡なものを持ちながら、得意種目も擁している選手です。ついに本格化したというところでしょうから、今後1年間でどこまで記録を伸ばしていくのか、とても楽しみです。
 オリンピックのメダルを狙える選手になるために、とても大切なシーズンでしょう。

4. 世界記録保持者・山口観弘選手の復活状況

 2012年9月に国民体育大会200m平泳ぎで世界新記録を叩き出し、現在でも世界記録保持者である山口観弘選手が、今大会の200m平泳ぎで4着に入賞しました。
 2位の押切雄大選手との差は0.1秒、テレビで観ていたときには「2位もある」と思いましたが、僅かにタッチが流れたのか、3位の高橋幸大選手にも0.09秒遅れてしまいました。

 山口選手の記録2分10秒33は、自身の持つ世界記録2分07秒01より3秒以上遅いタイムですから、完全復活というわけには行きませんが、相当戻ってきたとは言えそうです。自身・コーチ他の関係者が、様々な観点から1年半前の世界記録の時の泳ぎを復活しようと試みているにも拘らず、なかなか戻れないのですから「世界一の泳ぎ」というのは、容易に具現化できないものなのでしょう。

 とはいえ、18歳の時に一度世界新記録を叩き出している山口選手が19歳となった現在、絶対筋力や持久力では当時を凌ぐ水準に上がってきているのでしょうから、当時のフォームを思い出すことで、再び世界記録を出すことが出来ることは自明の理でしょう。

 北島康介選手が築き上げた「男子平泳ぎの伝統」を継ぐ者として、今大会の200m優勝者・小日向一輝選手らとともに、切磋琢磨して欲しいものです。

5. 女子中学生スイマーの活躍

 近時は例年のこととは言え、今大会も女子中学生選手の活躍が目立ちました。中学1年生のスイマーから順に、決勝進出者を見てみましょう。

・酒井夏海選手 中1、50m背泳ぎ8位
・池江璃花子選手 中2、50m自由形4位、100m自由形8位、50mバタフライ7位
・今井月選手 中2、200m平泳ぎ5位
・高橋美空選手 中2、800m自由形7位
・伊藤悠乃選手 中3、200mバタフライ2位
・長谷川涼香選手 中3、100mバタフライ4位
・持田早智選手 中3、200m自由形5位
・牧野紘子 中3、200m個人メドレー5位
・徳永彩花 中3、50m平泳ぎ7位

 9名もの中学生スイマーが「日本選手権のファイナリスト」に名を連ねたのです。凄いことだと思います。
 加えて、14歳のオリンピック金メダリスト岩崎恭子選手に代表される「持久力」が重要な200m平泳ぎといった種目のみならず、相当の絶対筋力が必要な自由形やバタフライといった種目でも、複数のスイマーが決勝に進出しているのです。
水泳日本の将来がとても楽しみになりますし、水泳競技の強化体制の確立を改めて感じます。特に、女子は現在が「世代交代の時期」なのでしょう。

 一方男子は、数人の高校生がファイナリストに進出していますが、中学生の決勝進出者は皆無でした。男子は大学生と社会人が主体なのです。
 「男子と女子の水泳競技の違い」をも感じさせる事象です。

 さて、オリンピック中間年のトップスイマーの「動機付け」の難しさは頭書した通りですが、そうした中でも、8月21日からオーストラリアで開催される第12回パンパシフィック大会と9月18日から韓国で行われる第17回アジア大会が、今季を代表する国際大会となります。

 この2つの大会に向けて、今日本選手権大会も代表選考会を兼ねていたのですが、もうひとつ6月18日~22日にかけて開催される「ジャパン・オープン大会」も選考会を兼ねます。(ジャパン・オーブンは第6回ジュニア・パンパシの選考会も兼ねます)

 我が国の水泳競技には、日本選手権とジャパン・オープンという、日本一を争う2つの大会が2ヶ月の間隔を持って用意されていて、国際大会がその後始まるようにスケジューリングされているのです。
 日本水泳連盟というか日本水泳界の巧みな日程管理が分かります。選手達は、この道標に沿ってトレーニングを続けて行くのでしょう。

 「水泳日本」は、益々その実力を上げてきている様に観えます。国際大会での活躍に、大いに期待しましょう。

 マスターズ・トーナメント2014は、アメリカのババ・ワトソン選手が4日間通算280打・8アンダーパーのスコアで優勝しました。Bワトソン選手は2012年に続いて2度目のグリーンジャケットでした。

 Bワトソン選手が、現在のPGAツアーNO.1の飛ばし屋であることは有名ですが、今大会でも320~330ヤード位のドライバショットを随所に披露しました。そのショットがフェアウェイをヒットするのですから、相当のアドバンテージを持って戦い続ける事が出来たということになります。

 一方、タイガー・ウッズ選手の最年少優勝記録を更新するか注目された、アメリカのジョーダン・スピース選手も良く戦いましたが、惜しまれるのは最終ラウンドの8番と9番のプレー。
 最終日7番ホールまでは、スピース選手が先行しました。伸び悩むワトソン選手を尻目に、チップインバーディーなどでスコアを伸ばし、2打リードを持って8番パー5を迎えたのですが、伸ばすべきパー5でよもやのボギー、続く9番もボギーとして、連続バーディーを奪ったワトソン選手に一気に逆転を許し、逆に2打差を付けられてしまったのです。

 サンデーバックナインと呼ばれるマスターズ・トーナメント最終日の後半のハーフは、アーメンコーナーをクリアすれば、13番と15番のパー5と「飛ばし屋」がフェアウェィヒットすれば、スコアを伸ばせるホールがいくつも存在するのです。イーグルも見られる構成です。
 スピース選手としては、サンデーバックナインに入る前に「超飛ばし屋」ワトソン選手をリードしておきたかった所でしょう。

 さて本ブログでは、大会前の4月9日、「タイガー不在の大会における10名の注目プレーヤー」という稿を掲示しました。
 その10名の成績を振り返ってみましょう。

① ロリー・マキロイ イーブンパーで8位タイ
② ダスティン・ジョンソン 決勝ラウンドに進めず
③ ジェイソン・デイ 2オーバーで21位タイ
④ ザック・ジョンソン 決勝ラウンドに進めず
⑤ ジミー・ウォーカー イーブンパーで8位タイ
⑥ ババ・ワトソン 優勝
⑦ フィル・ミケルソン 決勝ラウンドに進めず
⑧ ジャスティン・ローズ 1オーバーで14位タイ
⑨ アダム・スコット 1オーバーで14位タイ
⑩ 松山英樹 決勝ラウンドに進めず

 予選ラウンドを通過したのは6選手でした。
 特に意外だったのは、フィル・ミケルソン選手とダスティン・ジョンソン選手、ザック・ジョンソン選手の予選落ちでしょうか。
 ミケルソン選手は1打及ばす5オーバーでしたが、過去10年間に3度も優勝している大会での、よもやの予選落ちでした。
 Dジョンソン選手も、PGAツアーで売り出し中の選手ですし、勢い十分で大会に臨んだのですから、初日からスコアを伸ばすことが出来ず早々に予選落ちが決まってしまったのは、残念至極です。
 Zジョンソン選手については、マスターズ優勝経験者で「粘りが身上」のプレーヤーとして、早々にスコアを崩し復活できなかったのは不思議な感じがしました。何か、故障といった特別な要因があったので無ければ良いと感じます。

 日本から唯一出場した松山選手については、「準備不足」というところ。故障が直っていないというのが最大の要因でしょうが、初日の4パットなどは「らしくない」プレーでしょう。心身の状態が、メジャーを戦える水準に無かったと思われますので、まずは故障を直していただき、本来の力を発揮できる状態に戻して欲しいものです。

 決勝ラウンドに進んだ6名のプレーヤーを見てみましょう。

 まずロリー・マキロイ選手ですが、最終日に69打・3アンダーをマークし8位タイまで順位を上げて形は作りましたが、2日目の77打やギリギリの予選通過など、優勝争いに関する見せ場を創ることは全く出来ませんでした。ショットの飛距離の不安定さが目立つ大会でしたが、世界のゴルフ界を牽引していく役割を期待されているプレーヤーとして、今後の修正が期待されます。

 「遅れてきた新人?」ジミー・ウォーカー選手は、今季PGAツアー3勝の力を随所に見せました。特に予選ラウンド2日間を終えた段階での2アンダーは、正に好位置と言えるものでしたので、3・4日目に期待がかかりました。
 3日目の前半もスコアを伸ばしましたが、2日目の後半から感じられた「精神面のギリギリの粘り」が限界に来ていたのでしょうか、3日目の後半の厳しい局面を凌ぐことが出来ず、ズルズルと後退してしまいました。
 スイングの良さと素晴らしい飛距離には、さすがというところが数多くありました。今大会は「メジャートーナメント4日間を戦い抜く心持・精神力」のトレーニングになったでしょうから、次のメジャートーナメントでは十分に期待できます。

 ジャスティン・ローズ選手、アダム・スコット選手、ジェイソン・デイ選手も、最後はスコアを纏めて来ましたが、優勝争いという意味では早々に圏外に去ってしまいました。どの選手も、十分にメジャー大会で優勝を争える実力を擁していますから、巻き返しが期待されます。

 ゴルフトーナメントで注目選手を選定することは、いつの大会も難しいことです。今大会も予選落ちが4選手居たこと、優勝のBワトソン選手は挙げていましたが、優勝争いを展開したスピース選手とブリクスト選手を挙げることが出来なかったことを勘案すると、何とか合格点というところでしょうか。

 さて、見所十分のマスターズ2014でしたが、何と言っても「ババ・ワトソン選手の飛距離」には、驚かされました。特に最終日の13番パー5のティーショットは凄まじいものでした。アーメンコーナーの最後のホールであり、左ドッグレッグの名物パー5ですが、左側の林の上を越えて、クリーク横のフェアウェイをヒットするという「考えられない狙い方のショット」でした。

 失敗すれば、林の中やクリークに入るリスクが十分にあるホールで、トップに立つプレーヤーが、勝負をかけて狙っていったのです。510ヤードのパー4で残りは150~160ヤード位でしたから、ショートカットとはいえ350ヤード位のティーショットということになります。
 これまで40年間位マスターズ・トーナメントをテレビ観戦してきましたが、「ババ・ワトソン選手の2打目地点からの絵」は観たことが無いものでした。従来の常識を大きく超えたスーパーショットだったのです。

 まさに「勝負を決めたショット」であり、「マスターズ2014を象徴するショット」でもありました。
 世界最高峰の高みを存分に示したショット、こんなに素晴らしいものを魅せていただける大会こそが「メジャートーナメント」なのでしょう。

 4月3日の日本経済新聞スポーツ欄のコラム・権藤博氏の悠々球論に、「ドント・オーバー・ティーチ」という言葉が登場しました。

 権藤氏が30歳で現役を引退し、アメリカのマイナーリーグを視察した時に、若い選手の打撃が余りに酷かったので指導すると、「現地のコーチに『教えられたことは忘れる。自分でつかんだことは忘れない。だから私は彼が自分で覚えるまでは黙ってみている』とたしなめられた。教えるだけがコーチではない、教えないのもコーチの仕事と気付いたおかげで、私は野球で身を立ててこられた。」と続きます。

 良い話です。

 身に付いていないもの、意識してやっていることは、イザという時役に立たないことが多いものです。体で覚えておくことが大切というのは、スポーツはもちろんとして、一般の仕事や日常生活においても、共通のことでしょう。

 「教えすぎないこと」も、とても大切です。教えられて、分かったようなつもりになっていても、実は身に付いていないということは多々あります。

 4月、新入社員も入ってきました。とかく「指示待ち」の新入社員が多いといわれる昨今、本コラムは普遍的な何かを示しているように思います。プレーヤーにとっても、肝に銘じておくべきことが内包されています。

 2013年からスタートした「悠々球論」ですが、今後は隔週木曜日に定期掲載されるそうです。豊田泰光氏の「チェンジアップ」が終わってしまい、少し寂しい感じがしていましたが、これからは権藤博氏の「悠々球論」という楽しみが出来ました。

 「本物のプロフェッショナル」の視点からの指摘は素晴らしいものです。権藤氏の「ハッとコレクション」に、ハッとする日々が続くことでしょう。

 今季の欧州NO.1クラブを決める、UEFAチャンピオンズ・リーグCLの準々決勝は、4月8日と9日に渡って第2試合が行われ、ベスト4が決まりました。

 今季のベスト8の戦い・準々決勝は、予想以上の激戦・接戦でした。どのカードも、両チームとも実力を発揮し、ギリギリの戦いを展開したと思います。

 まず採り上げたいのは、「FCバルセロナ対アトレティコ・マドリード」のスペイン対決。今季のリーガエスパニョーラ(スペインリーグ)で首位を走るAマドリードと、過去8年に渡って世界のサッカーをリードしてきたFCバルセロナの戦いです。

 第1試合は、バルセロナのホームで1-1の引分け。Aマドリードにとっては、大変大きな引分けでした。これで、両チームの対戦は、リーグ戦・カップ戦を通じて4試合連続の引分けとなりました。直近の両チームの力量拮抗を示す事実です。

 アウェイに乗り込むバルセロナでしたが、何しろ大きな試合での実績十分のプレーヤーがズラリと並ぶチームですから、こうしたゲームでは格の違いを見せるのではないかと思われましたが、結果は1-0でAマドリードが押し切り、2試合計2-1で勝ち上がりました。
 開始5分に、バイエルンゴール前で右に左にボールを動かしながら、最後はフリーのMFコケが挙げた先取点を守り切った形です。やはり、先制パンチは効きます。

 FCバルセロナとしては、FWにメッシ、ネイマール、セスク・ファブレガス、MFにシャビ、イニエスタ、ブスケツの布陣を敷きながら、1点も取れなかったというのはショックなことでしょう。

 この数年間、FCバルセロナとレアル・マドリードの後塵を拝し続けたアトレティコ・マドリードの意地を見た感じがします。

 続いては「チェルシーFC対パリ・サンジェルマン」。
 実力伯仲の両チームですから、戦前から接戦が予想されましたが、期待に違わぬ戦いとなりました。

 第1試合は、サンジェルマンのホームゲームでした。サンジェルマンは、これを3-1で勝ちました。チェルシーは敗れましたが「敵地での1得点」が最後に物を言いました。

 第2試合はチェルシーのホーム・スタンフォードブリッジでのゲーム。
 第1試合の殊勲者アザールに代わり、前半18分に投入されたシュールレがいきなり先取点を挙げます。
 その後ゲームは膠着状態に陥り、後半も40分を過ぎました。このまま1-0でチェルシーが勝っても、2試合通算では3-2でサンジェルマンが勝ち抜くところでしたが、その後半42分、ランパードに代わって投入されていたデンバ・バが2点目のゴールを決めました。
 これで2試合計3-3の同点ですが、アウェイゴールが多いチェルシーの進出となりました。パリ・サンジェルマンとしては、カバーニが決定的なチャンスを逃したことが響き、あと数分でベスト4進出というところまで来ていましたが、惜しくも大魚を逃しました。

 チェルシーのモウリーニョ監督は、前半18分にアザール、後半21分にランパード、後半26分にオスカルと、チームの看板である3人のMFを次々と交代させ、その交代選手が大活躍するという見事な采配を魅せました。

 一昨年2012年のUEFA-CL決勝で、ホーム・アリアンツアレーナで迎え撃つバイエルン・ミュンヘン(当然ながら、バイエルンが圧倒的に有利との前評判でした)を破り、優勝したことを見ても分かるように、チェルシーFCはUEFA-CLと相性が良い感じです。
 イングランド・プレミアリーグの最後の砦としての戦いが続きます。

 続いては「ボルシア・ドルトムント対レアル・マドリード」。
 レアルがやや有利かと見ていましたが、予想以上の接戦でした。

 レアルがホームの第1試合は3-0でレアルの順当勝ち。しかし第2試合、ドルトムントはホームのシグナル・イドゥナパルクで怒涛の攻撃を展開しました。シグナル・イドゥナパルクでのドルトムントサポーターの応援振りは、アウェイチームに恐怖をもたらす程に激しいものです。

 現在、欧州4大サッカーリーグ(セリエA、リーガエスパニョーラ、ブンデスリーガ、プレミアリーグ)の中で最も1試合あたりの平均観客動員数が多いのは、ブンデスリーガです。そのブンデスリーガの中で最も観客動員数が多いのがボルシア・ドルトムントなのです。
 シグナル・イドゥナパルクの収容人員は81700人と大変大きなスタジアムですが、常に76000人以上の入場者で溢れています。観客席の傾斜が急ですし、立見席も多いので、盛り上がると観客が崩れ落ちてくるような錯覚を覚えます。

 この試合では優に80000人を超える大観衆の応援を背に、ドルトムントはレアルゴールに迫りました。前半にマルコ・ロイスの2得点で2-0とリードした時には、3点目も時間の問題であり4点目も入るのではないかという雰囲気でしたし再三のチャンスが続きましたが、さすがにレアルも良く守り、結局ドルトムントが2-0で勝利したものの、2試合通算では3-2でレアル・マドリードが勝ち上がるという結果になりました。

 UEFA-CLでは、5連覇を含む史上最多9度の優勝を誇り、最近もベスト4の常連であるレアル・マドリードの進出は順当なところかもしれませんが、PKを決められなかったことも含めて、このドルトムントの戦い振りには肝を冷やしたことでしょう。

 ベスト8の戦い、最後は「バイエルン・ミュンヘン対マンチェスター・ユナイテッド」。
 第1試合1-1の引分け、第2試合3-1でバイエルンが勝ち、2試合計4-2でバイエルンが勝ち上がりました。
 両チームの戦力比較や近時の国際試合での成績を考慮すれば、順当な結果とも言えますが、マンUの健闘が光ったと感じます。

 特に、4月1日の第1試合でマンUは「しっかり守ってカウンター」という戦術を徹底し、ホームでバイエルン・ミュンヘンの攻撃を1点で抑え切って1-1で引き分けました。
 おそらく、バイエルンのベンチにプレッシャーを与える結果であったと思います。

 バイエルンは、4月9日の第2試合で必勝を期するために、4月5日のブンデスリーガ・アウグスブルグ戦は主力を休ませました。結果として、バイエルンのブンデスリーガ不敗記録が途切れたのですから、「記録を止めたのはマンU」とも言えそうです。

 そして第2試合を迎えたわけですが、バイエルンのホームで、休養十分の主力プレーヤーを相手にして、マンUは前半を0-0で折り返し、後半13分にエヴラのゴールで先制しました。ここまでは、バイエルンをリードしたのです。

 そこで少しホッとしてしまったのか、先制点から1分も経たない内にマンジュキッチに同点ゴールを許したことが、マンUとしては惜しまれるところです。こうなるとホームの利が一気に発揮され、バイエルンが立て続けに2点を加えて試合を決めました。

 アウェイの不利を物ともしないマンチェスター・ユナイテッドの戦い振りは賞賛に値するものですし、UEFAチャンピオンズ・リーグのベスト4に進むことの難しさを、改めて感じさせるものでした。
 
 連覇を狙うバイエルン・ミュンヘンは、主力プレーヤーに休養を与えていた割にはチーム全体の動きはいまひとつでしたが、苦戦しながらも勝ち上がったのです。

 準決勝の組合せは以下の通りとなりました。

・アトレティコ・マドリード対チェルシーFC
 4月23日Aマドリードホーム、5月1日チェルシーホーム

・レアル・マドリード対バイエルン・ミュンヘン
 4月24日レアルホーム、4月30日バイエルンホーム

 共に大接戦となりそうです。

 Aマドリードとしては久しぶりの国際カップ戦のビッグタイトルが見えてきましたから、意欲十分なゲームを展開することでしょう。チェルシーは一昨年に続いてのタイトルを狙う戦いとなりますが、UEFA-CLとの相性の良さを発揮してくるのでしょう。

 レアルとバイエルンの対決は、現在の世界サッカークラブの覇者を決める戦いにも見えます。この数年、世界のトップを走り続けている両チームの、世界最高レベルのゲームから眼が離せません。
 レアルは、クリスティアーノ・ロナウドの出来が、バイエルンはチーム全体の運動量が、カギになると思います。

 5月24日、ポルトガル・リスボンのエスタジオ・ド・SLベンフィカで行われるUEFA-CL2014決勝戦(ワンゲームマッチ)に進出するのは、どのクラブなのでしょうか。
 昨年12月の有馬記念2013以来の「注目馬」稿です。今後も採り上げてまいります。

 桜花賞は2007年以降、阪神競馬場芝「外回り」コースで実施されるようになりましたから、それ以前に比べて不安定要素が減少し、「実力上位の馬が勝つレース」になりました。
 2006年以前、特に20世紀の桜花賞は、阪神競馬場芝1600mコースの特殊な形状のため、スタートから最初のコーナーに向かって、好位置をキープしようと各馬が殺到する「魔の桜花賞ペース」に陥り易く、本命馬がそこまでに脚を使い過ぎてゴール前で失速するケースがまま有ったものです。

 芝外回りコースが出来て以降、2007年ダイワスカーレット、2009年ブエナビスタ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナと、その年の牝馬クラシックレースの主役であり、牡馬とも互角の戦いを演じることが出来る強い牝馬が、優勝馬に名を連ねるようになっています。

 また、2006年以前は「外枠が不利」だったのですが、2007年以降は「内枠が不利」なレース結果となっています。
 過去10年を見ると、1・2・3枠からは1着はおろか2着馬さえ出ていません。10年間に渡って有力馬が1~3枠に少なかったことになります。とても不思議なことです。

 さて、桜花賞2014の検討です。

 4月13日の阪神競馬場の天候は「曇・雨」と予想されていますが、降雨量は多くないようです。また、レース前1週間以上に渡って雨は少なかったので「パンパンの馬場に適度なお湿り」といった馬場と予想しました。走り易い馬場状態ということです。
 
 注目馬の一番手は、5枠9番のフォーエバーモア。ここまで4戦3勝、唯一の敗戦はG1阪神JFの3着です。自在の脚質が安定した成績を生んでいるのでしょう。多頭数の本番でも、前に行ける分だけ有利です。軸馬としたいと思います。
 勝てないとしても2着の可能性は高いでしょう。

 注目馬の二番手は、8枠18番のハープスター。昨年のG3新潟2歳ステークスと前走のG3チューリップ賞の末脚は素晴らしいものでした。
 追い込み馬といっても、「残り200mになってから一段と伸びる脚質」は珍しいものだと思いますが、「必ず伸びてくる」という点は高く評価できます。多頭数レースの不利が無ければ、ゴール前でまとめて差し切る可能性は十分でしょう。

 注目馬の三番手は、8枠17番のベルカント。昨冬のG1朝日杯FSでは10着に敗れたとはいえ牡馬一線級とのレースも経験し、前走G2フィリーズレビューは快勝でした。着々と力を付けていると見ます。

 桜花賞2014は、以上の3頭に注目します。

 同世代の牡馬より強いといわれている牝馬のクラシック第一弾。世代最強の称号目指して、ゴール前50mからの勝負になるのではないかと観ています。
 4月5日の本ブログで、バイエルン・ミュンヘンの試合振りに少し変調が感じられるので、ひょっとすると近々敗戦を喫するかもしれないと書きましたが、その心配が現実のものとなってしまいました。

 4月5日(日本時間4月6日)に行なわれた、ブンデスリーガ第29節の対FCアウグスブルグ戦で、バイエルンは0-1で敗れ、リーグでの無敗クルーズは53ゲーム(46勝7引分)で途切れました。

 一方、4月9日に行われたUEFAチャンピオンズリーグCL準々決勝の第2試合・対マンチェスターユ・ナイテッド戦は3-1で勝利し、2試合合計4-2としてベスト4に駒を進めました。

 直近の2試合連続引分けという「バイエルン・ミュンヘンにとっては変調」という状況からの2ゲームは、1勝1敗という結果になりましたが、これはグアルディオラ監督も言っているように「過密な日程の中で、既に優勝を決めているブンデスリーガのゲームでは主力を温存し、UEFA-CLに備えた結果」ということです。

 アウグスブルグ戦の先発メンバーを見てみましょう。
・ FW マンジュキッチ、ピサロ
・ MF ハビ・マルティネス、シャキリ、シュバイン・シュタイガー、ホイビエルグ、クロース
・ DF ファン・バイテン、ワイザー、サラヒ
・ GK ノイアー

 これも、なかなかのメンバーであり、このチームでなければ十分に一軍でしょうが、バイエルンの一軍とは大きく異なります。

続いて、マンチェスター・ユナイテッド戦のメンバーです。
・ FW リベリ、マンジュキッチ、ロッベン
・ MF ゲッツェ、トマス・ミュラー、クロース
・ DF ダンテ、ボアテング、ラーム、アラバ
・ GK ノイアー

 まさしく、バイエルン・ミュンヘンのスターターです。

 凄いなと感じるのは、この2つのチームで共通しているプレーヤーが、FWのマンジュキッチとMFのクロース、GKのノイアーの3人しか居ないことです。
 バイエルンの選手層の厚さを、改めて感じます。

 おそらく、グラウディオラ監督は、最初のメンバーでもアウグスブルグに勝てる、あるいは十分に引き分けることが出来ると考えていたのではないかと思いますが、完全にセカンドチームをぶつけられたアウグスブルグが、意地を見せたというところです。

 「一軍」がマンU戦で挙げた3得点は、マンジュキッチ、トマス・ミュラー、ロッベンの順でした。どこからでも点が取れるバイエルンらしい得点経過です。1ヶ月に7試合前後を戦わなくてはならないビッグクラブですから、シーズンの終盤にはプレーヤー達は相当疲れています。
 今回の約1週間の休息は、リベリ、ロッベン、ゲッツェ、トマス・ミュラー、ラーム、ボアテング、ダンテ、アラバといった主力プレーヤーにとって久しぶりのまとまった休みであったことでしょう。

 さて、バイエルン・ミュンヘンは3期連続のUEFA-CL準決勝進出となりました。
 エネルギーを充填したスーパースター軍団のUEFA-CL連覇への進撃が続きます。
 
 寝違えによる首の故障で今季初登板が遅れていた、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手が、4月6日のタンパベイ・レイズ戦に登場、7イニング・89球を投げて、被安打7、奪三振6、1四死球、無失点と、ほぼ完璧な投球を魅せて今季初勝利、メジャー通算30勝目を挙げました。

 この試合ダルビッシュは、1回裏にレイズの2番打者マイヤーズ選手から三振を奪い、デビュー以来401と2/3イニングで500奪三振という、MLB新記録を打ち立てました。

 400イニングと少しで500奪三振というのですから、1イニング1つ以上となります。1試合9イニングに換算すると11.2個という、もの凄いペースです。
 アメリカ・メディアも絶賛の嵐と伝えられています。ネットのESPN-MLBも試合終了後から6時間余りに渡ってダルビッシュの笑顔の写真を掲示し、トップ記事としていました。滅多に無い扱いです。

 このゲームで最も素晴らしいと感じるのは

① 89球で7イニングを零封していること。

 昨シーズンまでのダルビッシュの投球には「球数が多い」という指摘があり、実際に1イニング当たり16球以上を要していました。これでは、完投は難しく、ダルビッシュはこれまでMLBで完投したことがありません。

 「省エネ投法」というと聞こえは良くないのですが、長いシーズンを戦っていくためには必要なことでもあります。ダルビッシュ投手は、2014年シーズン最初の登板で、ニューダルビッシュを魅せてくれたのです。

② 6個しか?三振を取っていないこと。

 前項①とも関係が深いのですが、「三振を取りに行くと球数が増える」のです。この試合のダルビッシュ投手は、打たせて取る投球が出来ていましたから、三振の数は少なくなります。

 「それでは寂しい」というご意見もありそうですが、ご心配無く。ダルビッシュ投手が絶好調であれば、カウント3-2からの三振ではなく、このゲームでも一部に見られたような0-2からの三球三振が取れますから、今後も相応の奪三振ペースを維持できると思います。
 そして、そうした投球が展開できる日に、「完封」や「ノーヒットノーラン」が生まれることでしょう。楽しみに待ちたいと思います。

 日本プロ野球においても、年を重ねるごとに成長していったダルビッシュ有投手のMLB3年目が始まりました。
 今シーズンも、2012年2013年を凌ぐ素晴らしい投球を展開してくれることでしょう。

 ACミランの本田圭佑選手が、4月7日のジェノア戦で得点を挙げました。ACミラン移籍後、カップ戦では早々に得点しましたが、リーグ戦の方は12ゲーム目の初ゴールでした。

 移籍直後は、ボールがなかなか回って来ず、右サイドで孤立していることが多かった印象でしたが、この2~3ゲームはチームメイトからのボールを受けての動きが目立つようになりました。
 本人がブログで「そろそろ」と書いていたように、手応えを感じていたのでしょう。必然的に生まれたゴールとも言えます。

 移籍直後にボールが回ってこなかったのは、「ボールをもらえる動きをしていなかった」為であろうと思います。そういう意味では、セリエAのプレーに慣れてきたのでしょうか。

 これで、イタリアプロサッカー最高峰リーグ・セリエAで得点を挙げた日本人プレーヤーは八人目になりました。「八人のサムライ」です。
 八人の初ゴールを見てみましょう。

① 三浦知良 1994年12月4日
 日本サッカー国際化のパイオニアは、南米も欧州もキング・カズです。欧州では、カズ以前にもプレーしていた日本人プレーヤーが存在しましたが、日本人プレーヤーが欧州サッカーに連続して挑戦していく端緒となったのは、三浦知良選手でしょう。

 ジェノアに所属したカズは、サンプドリア戦で先制点を挙げました。記念すべき「日本人プレーヤーによるセリエA初ゴール」でした。

② 中田英寿 1998年9月13日
 カズが開いたセリエAの門を、確固たる物にしたのが中田英選手です。ペルージャに所属したヒデは、強豪ユベントス戦で0-3の劣勢から一気に2得点を挙げました。
 ペルージャ以外にも、ASローマやパルマに所属した中田選手は、セリエAで24得点を挙げました。

③ 名波浩 2000年1月23日
 ヴェネツィアに所属していた名波選手は、ウィデネーゼ戦1-3の劣勢から得点しました。

④ 中村俊輔 2002年9月22日
 レッジーナに所属していた中村選手は、強豪インテルとのゲームの延長でPKを決めました。

⑤ 小笠原満男 2006年10月21日
 メッシーナに所属した小笠原選手は、エンポリ戦で1-1から勝ち越しのゴールを挙げました。

⑥ 森本貴幸 2007年1月28日
 カターニアに所属していた森本選手は、アタランタ戦で初ゴールを挙げ、チームの1-1の引分けに貢献しました。

⑦ 長友佑都 2011年3月6日
 まずチェゼーナでセリエAのキャリアをスタートした長友選手は、直ぐにインテルに移籍し、ジェノア戦でセリエA初ゴールを挙げました。チェゼーナ時代は短かったこともあり、得点を挙げていなかったのです。

 インテル(インテルナツィオナーレ・ミラノ)は、ユベントス、ACミランと並び称されるセリエAの名門チームですが、長友選手はリーグ戦・カップ戦合わせて10ゴール以上を挙げています。

⑧ 本田圭佑 2014年4月7日
 前述の通りです。

 八人のサムライの初ゴールでした。

 キング・カズに始まった歴史ですが、最近の長友選手のインテルや本田選手のACミランといったビッグクラブへの移籍は、こうした先達の努力・活躍の積み上げの結果とも言えるでしょう。
 三浦カズ選手の挑戦から本田選手のACミラン入りまで、20年という月日を要したのです。

 中盤より前でプレーする選手は、「アシストやボール回しでどんなに活躍しても、ゴールを挙げなければ評価されない」と言われるイタリアのサッカーメディアです。
 本田選手には、もっともっとゴールを見せていただきたいと思います。
 4月8日の読売ジャイアンツと広島カープのゲームを、東京ドームに観に行ってきました。

 ペナントレースが始まったばかりとはいえ「首位攻防」3連戦の緒戦です。

 試合は4-1で広島が快勝しましたが、広島投手陣の充実振りを感じました。

先発の野村投手は、丁寧にコーナーをつき読売打線に的を絞らせませんでした。6イニング83球、被安打6、奪三振5、四死球1、失点1という堂々たる内容の投球でした。観ていて、大崩れする雰囲気は全くありませんでした。

 二番手の一岡投手も素晴らしい投球でした。ボールにキレがあり、特に外角高めのストレートが見事。1イニング19球を投げ、奪三振2、三者凡退に打ち取りました。目立ったのは、読売3人の打者が全くタイミングが合わなかったことです。
 この試合の広島投手陣は、いずれも良い投球内容でしたが、NO.1は一岡投手であったと思います。読売から広島に移籍した一岡投手ですから「恩返し」ができたというところでしょうか。
 今後も中継ぎ投手として大活躍するでしょう。

 8回を担当した永川投手も、長野選手にセンター前ヒットこそ打たれましたが、低めに球を集めて危なげ無い投球でしたし、クローザーのミコライオ投手もたったの9球で切って取りました。ミコライオ投手はメジャーサイズのクローザーですが、迫力十分の投球でした。

 広島カープが首位争いできる理由が良く分かる試合でした。

 エース前田健太投手の良い影響でしょうか、どの投手もコントロールが良いという印象で、加えてボールにキレがあります。読売の強力打線は、この試合で何本バットを折られたことでしょう。タイミングが合っていないのです。
 この投手陣から大量点を奪うのは容易なことではないでしょう。

 一方の読売ジャイアンツには、何か焦りが感じられました。1-2から同点・逆転を狙う8回裏、先頭の代打松本選手は死球を受けて1塁へ。松本選手は痛かったでしょうが、もっと痛かったのは広島でしょう。
 これは大きなチャンスになると思いましたが、その松本選手が牽制球で誘い出されアウトになりました。2塁を狙ってのプレーでしょうが、慌てる必要の無い場面です。

 案の定、続く長野選手がセンター前ヒット。よくあることです。
 ところが、この長野選手が盗塁を狙って2塁ベース上でアウト。上位打線に繋がっていくところですから、無理をする場面ではなかったように感じます。

 これで、ジャイアンツは8回に出した2人のランナーを、2人とも走塁で失い、三者凡退となりました。「巨人がこの試合を勝つのは、とても難しくなった」と感じさせる攻防でした。
 この流れの延長線上に9回表の広島・堂林選手の2ランホームランがあったのでしょう。

 読売は、開幕から調子が上がっていないマシソン投手を9回2死から投入しましたが、ボールには切れが無く、初速とベース上の速度に大きな差が有る印象でした。マシソン投手が「勝利の方程式」の一角として昨年の状態に回復するには、もう少し時間がかかりそうです。

 広島東洋カープの真紅のユニフォームが、とても輝いて見えた試合でした。

 2014年のゴルフ4大トーナメント緒戦、マスターズ・トーナメントは4月10日~13日にかけて、アメリカ・ジョージア州アトランタ郊外のオーガスタ・ナショナルゴルフクラブで開催されます。

 今大会最大の話題は「タイガー・ウッズ選手の不在」です。アマチュア時代から通算して19年連続で出場し4度の優勝に輝いているウッズが、今年は腰痛とそれに対応する手術のため欠場するのです。
 現在の世界ランク1位であり、現在世界で最も、そして圧倒的な人気を誇るプレーヤーが欠場するとあって、「入場券価格が例年の半値以下と、ダフ屋が嘆いている」といった報道が連日続いています。

 確かに、タイガー・ウッズ選手の欠場は、4大トーナメントの中でも最も華やかな大会といわれる「マスターズ」に陰を落としてはいますが、例年の「タイガー対他のプレーヤー」という構図では無く、今季混戦が続く世界のプロゴルフトーナメントを反映した大混戦が予想されるトーナメントも、それはそれで楽しみなです。

 活躍が期待されるプレーヤーを見ていきましょう。

 まず、タイガーが自らの後継者と公言しているロリー・マキロイ選手(北アイルランド)。すでに2011年の全米オープンと2012年の全米プロで優勝し、メジャー2勝の実績を持っています。その2勝が共に「2位に8打差をつけての圧勝」というところが、タイガーに似ていると言われる所以で、強い時のマキロイは手が付けられません。

 しかし、最近のトーナメントではやや精彩を欠いています。特に残念だったのが、今年2月27日~3月2日に行われたPGAツアーのザ・ホンダクラシック。3日目まで△12とスコアを伸ばし、2位に2打差をつけていましたから、悠然たる逃げ切り勝ちが予想されましたが、最終の4日目にスコアが伸びず4人のプレーオフに突入。ここでも「なんだかんだ言っても、結局はマキロイの勝ち」となるかと観ていましたが、ラッセル・ヘンリー選手に競り負けて2位タイに終わりました。

 3日目までの完璧なプレー振り、4日目も随所にスーパーショットを見せていただけに、マキロイが勝つべき大会であったと思いますが、こうした流れで勝利を掴めないというのは不安が残ります。

 続いては、昨年のマスターズチャンピオンでもあるアダム・スコット選手(オーストラリア)。昨年のマスターズで念願のメジャー初優勝を果たしてからは、安定した成績を残してきました。特に「ショットの良さ」は群を抜いています。

 そのスコット選手も、今季PGAツアーでは精彩を欠いています。特に惜しかったのが、3月20日~23日に行なわれたアーノルド・パーマー・インビテーショナル。3日目まで△15として、2位に3打差をつけてトーナメントを走りましたが、最終の4日目に76打と崩れて、マット・エブリー選手にPGAツアー初優勝を献上しました。

 3日目までのプレー内容が素晴らしいものだっただけに、4日目の乱調はとても意外でした。

 本来、タイガー不在のメジャートーナメントで本命と成るべき、ロリー・マキロイとアダム・スコットが、いまひとつの状態ということになれば、大会が混戦となるのは必定です。

 では、2014年のPGAツアーのここまでの優勝者を見てみましょう。

 複数回優勝しているのは、ジミー・ウォーカー選手ひとり。1月のソニー・オープンと2月のAT&Tぺブルビーチ・ナショナルプロアマに優勝しています。ウォーカー選手は、2013年10月の今季PGAツアー初戦・フライズドットコムオープンにも優勝していますから、今季3勝、現在PGAツアー2014の賞金トップを走り、フェデックスポイントもトップのプレーヤーです。

 そもそも、PGAツアーで年間3勝すること自体が容易なことではなく、既に3勝しているということは、成績から見ると「今季PGAツアーで最も強いプレーヤー」ということになります。
 1979年生まれの35歳、身長188cmの長身。今季大きく花開いたプレーヤーですが、とはいえメジャートーナメントにおいては未知数と言わざるを得ず、本命に据えるのは勇気が必要でしょう。

 その他の今季ツアー優勝者を見ると、ザック・ジョンソン選手とババ・ワトソン選手が、過去のマスターズチャンピオンとして目に付きます。2人ともオーガスタ・ナショナルに強いことは証明済みですし、2014年のツアーで1勝しています。
 特に、ザック・ジョンソンは優勝した1月のトーナメントオブチャンピオンズ以外の大会でも比較的安定した成績を残していますから、2007年以来のマスターズ優勝が期待できそうです。

 その他では、2013年のワールドカップ優勝に大貢献し、今季もWGCアクセンチュア・マッチプレーに優勝しているジェイソン・デイ選手と、昨年11月のHSBCチャンピオンズに優勝し、最近の大会でも上位の成績を残し続けているダスティン・ジョンソン選手に、勢いを感じます。

 まとめます。マスターズ2014は

① ロリー・マキロイ(北アイルランド)
② ダスティン・ジョンソン(アメリカ)
③ ジェイソン・デイ(オーストラリア)
④ ザック・ジョンソン(アメリカ)
⑤ ジミー・ウォーカー(アメリカ)
⑥ ババ・ワトソン(アメリカ)
⑦ フィル・ミケルソン(アメリカ)
⑧ ジャスティン・ローズ(イングランド)
⑨ アダム・スコット(オーストラリア)
⑩ 松山英樹(日本)

 の10プレーヤーに注目したいと思います。

 ⑦のミケルソン選手は、言わずと知れた現役最強プレーヤーのひとり。マスターズの勝ち方も十分に知っていることから、このところ不調なショットが戻ってくれば、あっという間に優勝候補筆頭となります。

 ⑧のジャスティン・ローズ選手は、2013年全米オープン優勝者。特に、ロングアイアンの切れ味はタイガー・ウッズと双璧。このところ調子が上がっていませんが、マスターズに合わせて調整してくるようなら、一気に優勝争いに割り込んでくるでしょう。

 ⑩の松山英樹選手は、日本の期待です。左手の故障も完治したとなれば、2011年の大会で日本人プレーヤーとして初のローアマを獲得した縁起の良い大会ですから、一気に日本人プレーヤー初のマスターズ制覇・メジャートーナメント制覇も、夢ではないと思います。

 久しぶりのタイガー・ウッズ選手不在のマスターズ・トーナメントですが、見所は一杯です。
 例年のことながら「寝不足ウィーク」が始まります。
 開幕後6ゲームを終えて、ヤンキースは3勝3敗とまずまずのスタートを切りました。

 そのヤンキースの攻撃で目立っているのが「盗塁」です。

 4月2日の対ヒューストン・アストロズ戦で、エルズベリー選手が1盗塁を決めたのを皮切りに、4月4日の対トロント・ブルージェイズ戦では、エルズベリー選手が2度、ロバーツ選手とガードナー選手が1度ずつ、計4盗塁を決め、4月5日のトロント戦でも、ロバーツ選手・ガードナー選手・イチロー選手が各1度、計3盗塁を決めました。
 6ゲームを終えて8盗塁ですから、単純に1シーズン162ゲームに置きかえれば210盗塁以上となります。

 前述の3ゲーム以外の3ゲームでは、ヤンキースに盗塁はありませんでしたが、「盗塁があったゲームと勝利ゲームが一致」しているというのは、興味深いところです。

 ヤンキースは、このところ盗塁が少ないチームでした。ランナーをホームランで帰し得点するチームであったとも言えます。過去5年間を見てみましょう。

・ 2013年 115盗塁 144ホームラン
・ 2012年 93盗塁 245ホームラン
・ 2011年 147盗塁 222ホームラン
・ 2010年 103盗塁 201ホームラン
・ 2009年 111盗塁 244ホームラン

 ヤンキースが最後にワールドシリーズで優勝したのは2009年シーズンでしたが、この年は、タシャエラ39本、Aロッド30本、スウィッシャー29本、松井秀喜28本、カノ25本の計244本という「どこからでもホームランが打てる打線」で勝ち抜きました。

 2012年にはリーグチャンピオンシップに進出しましたが、このシーズンも、グランダーソン43本、カノ33本、タシァエラ24本、スウィッシャー24本という本塁打量産打線で地区シリーズを勝ち上がったのです。

 しかし昨2013年シーズンは、カノの27本塁打が最高で、ソリアーノ17本、オーバーベイ14本と続く打線でしたから、ハッキリと得点力が減少して地区優勝をも逃し、プレーオフにも進出できないという、寂しいシーズンとなりました。
 2012年のオフに、2011年2012年とチームのホームラン王であったカーティス・グランダーソン選手(41本塁打・43本塁打)を放出してしまったことと、アレックス・ロドリゲス選手がゲームに出場できなかったことが拍車をかけた形ですが、とにかく得点力が不足していて、投手陣がクオリティスタートで踏ん張っても、中々勝てないチームとなってしまったのです。
 黒田博樹投手2013年シーズン終盤の6連敗などは、味方の援護に恵まれないものでした。

 さて、2014年シーズンに向けて、ヤンキースは野手・打線の強化に取組みました。3番打者候補としてカルロス・ベルトラン選手、4番打者候補としてブライアン・マッキャン選手を獲得し、マーク・タシャエラ選手と共に3~5番を組む形としました。

 確かに2013年よりは破壊力を増した打線ですが、過去5~6年に渡って打線の中心であったロビンソン・カノ選手をシアトルに放出してしまったために、例えば前述の2009年と比較すると小粒な感じは否めません。他の有力チームとの比較でも、攻撃力で劣勢であることは明らかです。
 田中将大投手は獲得したけれども「今年もヤンキースは得点力不足に悩む」と思います。

 そうした中で、ジラルデリ監督とベンチスタッフが目指しているのは、どうやら「走るヤンキース」のようです。
 ボストンからジャコビー・エルズベリー選手を1・2番候補として獲得しましたが、このエルズベリー選手は2009年に70盗塁、2013年52盗塁と走れる上に、2011年には32本塁打を放つなどパンチ力も兼ね備えています。
 開幕6試合で3盗塁を決めると共に、トロント戦では3番を打つなど、さっそくユーティリティプレーヤーとしての特徴を発揮しているのです。

 「走るヤンキース」は、近年ではニュースタイルです。走塁により1点でも多くの得点を取っていくというスモールベースボールタイプのチームを、あの辛口のヤンキースファンが認めてくれるかどうかは、今後の成績にかかっているのでしょう。

 春爛漫!桜花賞の季節がやってきました。クラシックレースの季節がやってきました。本当に良い季節です。

 桜花賞は、太平洋戦争前の1939年(昭和14年)、「中山四歳牝馬特別」競走として創設されました。中山競馬場1800mのレースでした。
 戦中の競馬中止の時期を経て、1947年(昭和22年)に再開されました。会場は京都競馬場1800mコースとなりました。
 そして、1952年(昭和27年)に阪神競馬場1600mコースでの開催に変更され、現在に到っています。

 記念すべき第一回の勝ち馬はソールレディ号です。

 ソールレディ、父トウルヌソル、母星濱、千葉県の下総御料牧場の産です。通算成績は48戦6勝。未勝利のまま出走し、クラシックレースを勝った、日本競馬史上唯一の馬です。

 お父さんのトウルヌソルは、イギリスからの輸入馬で日本競馬創世期の大種牡馬。第一回~第六回までの東京優駿競走(日本ダービー)で3頭の勝ち馬を出し、同じく3頭の優勝馬の父であった岩手小岩井農場の大種牡馬シアンモアとともに、日本競馬界を席巻しました。第一回~第六回までの日本ダービー6レースは、トウルヌソルとシアンモアの産駒が3勝ずつと互角の勝負を展開したのです。
 トウルヌソルは計6頭の日本ダービー優勝馬を出していますが、これは現在でもサンデーサイレンスと並んで、史上最多記録だと思います。

 さて、本稿で特に注目したいのはお母さんの「星濱」です。

 星濱は、あの『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』の一頭です。

 官営の下総御料牧場は、アメリカから1931年と1932年に3頭ずつ計6頭の牝馬を輸入しました。当時、世界の競馬から相当に遅れていた日本競馬でしたから、欧米からの優秀な血統の導入は急務だったのです。

 『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』で特筆すべきは、アメリカ馬であったことでしょう。当時、競走馬生産で先行していた民営の小岩井農場などが、イギリスからの輸入馬を主体に活動していたのに対して、後発の下総御料牧場はアメリカからの輸入牝馬に賭けたのであろうと思います。もちろん、研究に研究を重ねての輸入であったことでしょう。その思いが、6頭の名前→星旗・星若・星濱・星谷・星富・星友に表れています。「星条旗」から「星」を付けた名前としたのです。
 漢字の馬名とは、いかにも戦前という雰囲気ですが、「星」を付けているのはとてもお洒落です。当時のホースマンの気概とセンスの良さを感じます。

 この6頭は全て「受胎した状態」で輸入されました。各々の馬の種付相手は、マンノウオー(アメリカ競馬史上最高のサラブレッドとされています)やサーギャラハッドといった、当時のアメリカの一流種牡馬達でした。つまり、下総御料牧場は、6頭の世界一流繁殖牝馬を輸入するとともに、その腹中の仔の血脈にも大いに期待していたのでしょう。

 狙いは、見事に的中しました。6頭が輸入後生んだ6頭の内5頭は競走馬となり、計59勝・特殊競走(現在ならG1レースというイメージでしょうか)で11勝という、目覚しい成績を残したのです。唯一競走馬にならなかった牡馬・月友(星友の仔)は、大種牡馬として長く活躍しました。
 この6頭の仔6頭の活躍を見ても、当時の世界競馬と日本競馬の実力差の大きさが分かります。

 『下総御料牧場の基礎輸入牝馬』は、『小岩井農場の基礎輸入牝馬』とともに、日本の競馬を支えてきました。

 この6頭の子孫の活躍を書こうとすれば何ページあっても足りませんから、ごく一部を述べれば「星旗」の子孫にゴールドシップが居ます。この6頭の血脈は、現在でも日本競馬を支えているのです。

 「星の付く肌馬」が輸入されてから80年の月日が経過しました。当時のホースマンの慧眼と行動力に深甚なる敬意を表します。

 ウインタースポーツ2014も、そろそろエンディングを迎えます。今季の締めに当たって、お願い事をひとつ。

 アイスホッケーを生で観に行くのは、とても楽しいことです。どのスポーツでも、現場で目の当たりにすることは、何物にも代え難いものなのですが、アイスホッケーは特にテレビ観戦とリアル観戦の差を感じる競技です。

 フォワード3人が並んで敵陣に突進していく時のスピード感・迫力、プレーヤーが前傾し膝を深く曲げ、両手を大きく動かして始動する時には、一瞬空気が圧縮されたような感覚です。

 プレーヤー同士の激突、ボードへの衝突、スティックの絡み合い等々の際の「音」は、何とも言えない緊迫感と重量感に溢れています。
 
 こうした種々のインパクトは、テレビではなかなか伝わらないものです。

 私もアイスホッケーの持つ独特の雰囲気が大好きですから、以前は代々木第一体育館や東伏見、品川のリンクへ観戦に行きました。
 しかし、最近は足が遠のいています。理由は「寒いから」です。妻を誘っても「寒いから遠慮するわ」と断られてしまいます。

 「何を軟弱なことを。アイスホッケーを観戦しようという者が、寒いなどと言ってはいけない」「好きならば、寒さなど気にならないものだ」と注意されそうです。おっしゃる通りだとも思いますが、観客席に座っていると足元から深々と寒気が上がってきます。真冬のサッカー・ラグビー観戦とは、寒さの種類が違うのです。相応の年齢になってくると、長時間の観戦は結構しんどいものです。

 もちろん、アイスホッケーチームのファンの人は、そんな寒さは気にならないのでしょうし、大声で応援していれば暑いくらいのものだとおっしゃるのでしょう。それも、その通りだと思います。

 しかし、「当該スポーツがメジャーになるため」には、熱狂的なファンだけが観客席に来る状態では難しいのです。
 スター選手の姿を観たい一心で、初めてリンクに足を運んだ人達にとっては、観客席の寒さは応えると思います。将来のアイスホッケーファン候補だった人達が、たった一度のリンク観戦で懲りてしまって、二度と観戦に来ない=好きになる前に退散してしまう、というのは残念なことでしょう。

 アメリカ・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでプロアイスホッケーNHLのゲームが行われる時には、観客席が床暖房になると聞いたことがあります。こうした対応を、我が国でも取り入れることが出来ないものでしょうか。

 もちろん、札幌・帯広・苫小牧・八戸・釧路・日光・横浜・西東京といった全てのリンクに「常設設備として床暖房を配すること」は、費用面から難しいと思いますので、「移動式の床暖房設備」を用意し、各会場で設置するといった対応ができないものかと考えます。

 なかなか難しいことなのでしょうが、あのアイスホッケーの持つ独特の素晴らしい特質を、ひとりでも多くの人達に観て頂くために、何か方法は無いものかと思うのです。
2014
04.06

 田中将大投手がメジャー初先発・初勝利を挙げたゲームで、「MLBの良き習慣」が見られました。

 6回表ヤンキースの攻撃の時、突然歓声が上がりました。ゲームも中断されています。何事が起こったのかなと思いましたが、テレビ画面にはデレク・ジータ選手とC.C.サバシア投手がベンチ内で寛いで会話しているシーンが流されています。

 アナウンサーから「ライトスタンドの観客がフィールドに降りた」との説明がありました。しかし、テレビは全くそのシーンを映し出しません。相変わらずジータとサバシアです。

 しばらくして、バックネット裏上部からの俯瞰画像が流され、2塁後方に係員が集まって何かしていることは分かりましたが、何をしているのかは分からない絵です。不法侵入者というか「お騒がせ男」の姿も全く見えません。見えない状態だから、流しているのでしょう。

 再び、このゲームがお休みの2人、ジータとサバシアの会話シーンに戻りました。

 メジャーリーグでは、こうした「お騒がせ男」(性別も不明ですが)がフィールドに乱入しても、テレビ放送は「相手にしない」「無視する」という習慣というか分化があります。

 これは「真似をする人物が現れることを防止する」という観点と「お騒がせ男をヒーローにしない」という目的実現のための措置でしょう。随分以前から徹底されています。

 こうした「お騒がせ男」は、ゲームの雰囲気をぶち壊します。この日は48000人を超える大観衆で超満員でしたが、その全ての観客にとって極めて迷惑な話ですし、両チームのプレーヤーにとっても集中したプレーを妨げられるという意味で、とんでもない行動なのです。
 この行為の後、得点が入るようなことがあり、勝敗への影響があるとしたら、負けたチームのファンにとっては大変な疫病神ということになります。

 また、例えばこの場面を抑えればメジャーに定着できるという中継ぎ投手が投げていたとして、この中断の後打たれてしまい、マイナーに落とされたりすれば、その投手の選手生命にかかわることになります。

 従って、MLBはこうしたプレーを絶対に許しませんし、ファンもプレーヤーも、そうした姿勢を断固支持しています。

 結局この「お騒がせ男」は、全くテレビ画面に映されることなく球場から連れ出され、その後は球場に入ることはできません。どのように本人確認するのかは分かりませんが、MLB全球場で今後出入り禁止となるのです。
 素晴らしい習慣だと思います。「健全なるスポーツ」としてのMLBのイメージは、こうして維持されていくのです。

 ジータとサバシアは、このゲームには出場しませんでしたが、重要な役割を果たしました。2人は「お騒がせの現場方向を一顧だにすることなく」楽しそうな会話を続けていたのです。
 数十秒間に及んでテレビ画面を独占していても、何ら問題が無い、十分な存在感を持ったプレーヤー達ということです。
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Author:カエサルjr
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