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 6月15日に最終日を迎えた第114回全米オープン・ゴルフ選手権大会は、ドイツのマルティン・カイマー選手が4日間通算271ストローク・9アンダーパーのスコアで優勝しました。
 2位のプレーヤーに8打差を付け、初日から首位を堅持した、ひとり旅・独走の優勝でした。

 今年の会場は、アメリカ・ノースカロライナ州のパインハースト・ゴルフリゾート・NO.2コースでした。グリーン及びグリーン廻りの難しさで有名なコースであり、おそらく今大会も全米オープンの伝統に則り「優勝スコアはイーブンパー」を目指して、準備されていたのだろうと思います。
 実際に、2位の2名のスコアは1アンダーパーでしたし、アンダーパープレーヤーが3人しか居なかったことを勘案すれば、例年通りの難しいセッティングだったのでしょう。

 カイマー選手だけが「スバ抜けたパフォーマンス」を魅せた大会ということになります。

 カイマー選手は、第5のメジャーと言われるザ・プレイヤーズ選手権と全米オープンを同じ年に制覇するという史上初の快挙も達成しました。難しいゴルフ場における大試合に、極めて強いプレーヤーということになります。

 2010年の全米プロ選手権に続く、2つ目のメジャー大会制覇となった29歳のカイマー選手の、更なる大活躍が期待されます。

 この素晴らしいパフォーマンスについて、テレビ朝日の放送の解説者・丸山茂樹氏が興味深いコメントをしていました。
 ティーイング・グランドで前の組のプレーが進むのを待っているカイマー選手がキャディと会話している様子が映し出されているのを見て

 「メンタル的にも調子が良いんでしょうね。」「あるんですよね。何も無いかのようにプレーできる日が・・・。」

 体調が良い、ショットの調子が良い、という視点は数多く耳にしますが、「メンタル的な調子が良い」というのは、新しいと感じます。もちろん、落ち着いているといった概念とは異なるものなのでしょう。トッププロにしか分からない感覚なのであろうとも感じます。

 初日と2日目に5アンダーをマークして10アンダーとし、3日目と最終日はそのスコアを維持しながら悠々とメジャートーナメントを制するプレーヤーの秘密のひとつなのかもしれません。

 今年の全米オープンでも、アメリカ人プレーヤーは勝てませんでした。これで2010年以降の5大会中4大会を外国人プレーヤー、より限定すれば欧州のプレーヤーが優勝したのです。
 ナショナル・オープン大会としての全米オープンにおける、来年以降のアメリカ人ゴルファーの反撃が期待されます。
 ザックジャパンは、勝つ可能性が有ったゲームを落としました。

 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会、グループリーグ戦C組、日本対コートジボワールのゲームは、現地6月14日に行われ、コートジボワールが2-1で日本を下しました。

 ザックジャパンは先発ワントップに大迫選手、ボランチに山口蛍選手を起用する布陣で初戦に臨みました。やや守備的な布陣でしたから、前半を0-0で折り返し後半勝負という狙いを感じました。

 ゲーム開始直後は、両チームとも運動量に乏しく様子見の形でした。日本チームは意図的にゆっくりとボールを回しているように見えましたが、最初から飛ばしてくると思われたコートジボワールまでが静かに立ち上がりましたから、ゲームには極めて重苦しい雰囲気が漂いました。

 それでも、コートジボワールは時折ドリブル突破からシュートに結び付けていましたから、やや押し気味というところ。相手プレーヤーがドリブルを始めると、ボールを止めに行かず、ずるずると後退する日本の守備には危険な感じがしました。
 前半10分を過ぎても、日本チームのシュートは0でしたから、いよいよ「前半は0-0で後半勝負」かと思いました。

 そうした流れの前半16分、左サイドからのスローインから、長友選手がゴール前の本田選手にパス。フリーだった本田選手が左脚を振り抜きゴール!日本が1-0とリードしました。

 このゴールが日本チームの初シュート。コートジボワール守備陣の一瞬のズレを付いた素晴らしいゴールでした。日本中が大歓声に包まれました。
 こうしたチャンスで枠を外すことなく強烈なシュートを、ゴール左上に叩き込んだ本田選手もさすがでした。

 前半の終盤は両チームとも動きが悪くなりました。高温多湿な気象条件のもと、プレーヤーが疲弊しているのが分かりましたが、特に日本チームの動きは悪く、相当押し込まれた状態で何とか凌ぎ切ったという感じでした。

 後半になっても、両チームのプレーは精彩を欠きましたが、後半17分にドログバ選手が投入されてから、コートジボワールのプレーにスピードが加わりました。
 後半19分、ヤヤ・トゥーレ→オーリエ→ボニーと繋いでヘディングシュートが決まり、1-1の同点となりました。オーリエ選手が右サイドでフリーとなり、低く速く正確なパスを日本ゴール前に送り、森重選手に競り勝ったボニー選手が決めたものでした。オーリエ選手を完全フリーにしたことが失点の最大要因でしょう。

 その僅か2分後、やはり右サイドでオーリエ選手がフリーでボールを運び、やはり低く速く正確なパスをゴール前のジョルビーニョ選手に送って、これもヘディングシュート。ゴールキーパー川島選手は腕に当てましたが、ボールはゴールに飛び込みました。
 2-1とコートジボワールがリードしました。

 ザックジャパンにとっては、後半19分から21分の「悪夢の3分間」でした。

 2失点はいずれも、フリーのオーリエからの低くて速く正確なパスから生まれています。オーリエ選手をフリーにしてしまった要因は明確には分かりませんが、やはりヤヤ・トゥーレとドログバという2枚看板に、ディフェンダーが引っ張られたことも影響したのでしょう。

 最も疲労が出る時間帯ですから苦しいところですが、ここでマンツーマンの守備が機能していれば失点を防ぐことが出来ていたかもしれません。
 1-0で勝ち切る可能性は有ったと思います。

 逆転されリードされた日本は、後半22分に大久保選手、41分に柿谷選手を投入し、状況打開を目指しましたが、ほとんど見せ場を作ることも無くゲームは終わりました。

 ゲームを通して日本チームの動きの悪さが目立ちました。
 ゴール周辺での素早いパスの連続から得点チャンスを見出して行こうとする日本サッカーが、ほとんど見られなかった点はとても残念でした。

 深夜10時開始のゲームに向けてのコンディショニングが上手く行かなかったのか、コートジボワールチームの出来が良かったのか、原因は分かりませんが、フィジカルに勝るチーム相手に運動量でも優位に立つことが出来ず、あれだけパスが繋がらなければ苦戦は免れません。

 何しろワールドカップですから、常に厳しい戦いが待っているのですが、これで日本チームは残る2戦を勝ちに行かなくてはならなくなりました。引き分け狙いという戦術を取ることは出来なくなったのです。

 19日のギリシャ戦、24日のコロンビア戦での、ザックジャパンの健闘に期待するばかりですが、何よりも「自分たちがピッチ上で見せたいと考えトレーニングしてきたプレー」を展開していただきたいと思います。

 6月11日のマリナーズ戦で、今季2度目の完投勝ちを収めた田中将大投手の活躍に対して、ヤンキースのジラルディ監督が絶賛した・褒めちぎったという報道が続きました。

 スポーツ関連各紙やネット上のニュースで、次々と報じられています。

 「・・・ずっと長い回を投げてくれている。本当に彼の存在は大きいよ。」と。

 いかにもメジャーリーグの監督らしいコメントです。勝ち負けも大切ですが、MLBの先発投手に、まず求められるのは「長いイニング(6イニング以上)を投げてゲームを造ってくれること」であり、田中将大投手はこの点をずっとクリアしてくれているということを、監督は絶賛しているのです。

 しかも、開幕から13ゲーム連続してクオリティスタート(6イニングを3失点以内で投げ切ること)を継続していますから、長いイニングを最少失点で乗り切っているということです。
 この13試合連続クオリティスタートという記録は、今季メジャーリーグでは田中投手しか記録していないものであり、デビュー以来13連続は1973年のスティーブ・ロジャーズ投手に次いで、MLB史上第二位の記録であると報じられています。
 記録ずくめの活躍ということになります。

 再び、ジラルディ監督のコメントに戻ります。

 「・・・過去に同じくらいの活躍をした選手?思い浮かばない・・・」と。

 1996年~1999年の間ヤンキースの正捕手を務め、アンディ・ペティット投手や伊良部英輝投手らとバッテリーを組んで、ワールドシリーズを3度制覇しています。また、ヤンキース以外にもシカゴ・カブスやセントルイス・カーディナルスなどでメジャーリーガーとして活躍を続け、2008年からはヤンキースの監督となり7年目を迎えているという、「プロの中のプロ」ジラルディ監督に、これ程絶賛されているのです。
 
 田中投手の今後の活躍にも大きな期待が広がりますが、まずは怪我や故障に気を付けていただきたいと考えてしまうのは、いかにも日本的な心配し過ぎということなのでしょうか。
 グループB注目のゲーム、2010年の南アフリカ大会の再現となったスペイン対オランダの対戦は、オランダチームが5-1で圧勝しました。このゲームの意味を考えてみましょう。

① スペインの堅い守りが破綻したこと

 もともと、スペインのパスサッカーの本質は「相手チームにボールを渡さないことで失点しない」という、高い守備力でした。2010年の南アフリカ大会でも、準々決勝・準決勝・決勝の3試合を全て1-0という最少得点で勝ち抜き、初優勝を飾ったのです。そして、グループリーグから決勝までの全7試合でわずかに2失点でした。あの大会のスペインは「得点は少ないが失点しない」ことで実現されたのです。

 「ボール保持者から10m内外の距離に複数のプレーヤーが点在することで、常に複数のパスルートを確保し、素早いパス回しで相手チームにボールを奪われることなくゲームを進める」という、2008年からのスペインサッカーの形を見事に示したのです。

 ところが、このゲームでは5失点。すでに、前回大会7ゲームの総失点の倍以上の失点を1ゲームで奪われました。
 シャビ選手やイニエスタ選手の動きに精彩が見られませんでしたから、チームの調子が上がっていなかったことが大きな原因のひとつだとは思いますが、得失点差ルールから見ても痛手となったことは間違いありません。

② スペインからも得点できるという機運が生じたこと

 前述①の戦術と、ゴールキーパー・カシージャス選手の高いパフォーマンスから、2008年以降「スペインからは容易に得点できない」という雰囲気がありました。実際このゲームでも、前半27分にPKでスペインが1-0とリードした時には、このゲームもこのまま行くのではないか、オランダは同点にして引き分けるのが精一杯ではないかというムードが漂いました。
 しかし、そうはなりませんでした。

 このゲームは、対戦する全てのチームに「スペインからも複数の得点が取れる」という機運を生んだと思います。
 もちろん、スペインチームも立て直して、グループリーグ残りの2ゲームに臨むことになると思いますが、これまでのような空気の中でのゲームは行えなくなったということでしょう。スペインにとっては厳しい戦いが続くと思います。

③ 決勝トーナメント1回戦でのブラジルとの対戦が現実味を帯びてきたこと

 もともとの組分けから、決勝で実現する可能性があると見られていた「ブラジル対スペイン」が、ベスト16・決勝トーナメント1回戦となる可能性が出てきました。(ブラジルがグループAの1位、スペインがグループBの2位となれば実現します)

 当たり前のことですが、これは決勝トーナメント1回戦で、ブラジルかスペインのどちらかのチームが敗退することを意味します。ワールドカップ2014ブラジル大会の様相を大きく変えるマッチングとなります。

 こうした、種々の大影響を生んだ「オランダの大勝」を齎した最大の要因は、前半44分「ファンペルシ選手のダイビングヘッド」であったと感じます。

 後方から放たれたプリント選手からの長い縦パスを、ヘディングで見事に叩き込んだゴールでした。スペイン守備陣の裏を取るスピード、真後ろからのパスに飛び込むタイミング、そしてシュートの精度、全てが抜群のプレーでした。

 もちろんファンペルシは、現代サッカーを代表するストライカーのひとりですが、そのファンペルシの数々のゴールの中でも最高のゴールでしょう。舞台がワールドカップのスペイン戦ということですから「生涯最高のゴール」「ファンペルシを代表するゴール」となる可能性も大きいと感じます。
 まさにフライングダッチマン(空飛ぶオランダ人)でした。

 このダイビングヘッドの成功に促されて、もうひとりの点取り屋ロッベン選手も躍動しました。オランダチームはエース二人が2得点ずつを上げるという最高のスタートを切ったのです。

 ワールドカップの歴史に深く刻まれるゲームであったと思います。
 4年に一度のサッカーの祭典、第20回FIFAワールドカップ・ブラジル大会が開幕しました。

 開幕戦は開催国ブラジルとクロアチアの対戦。グループAの戦いです。

 長い間、ワールドカップの開幕戦に開催国は登場しませんでした。登場するようになったのは、つい最近のことだと思いテレビ放送を聞いていましたら、2006年ドイツ大会から始まったとのこと。大会の有り様も、回を追う毎に変わっていくということでしょうか

 さて、サンパウロ・アレーナの7万人近い大観衆の前で、ゲームが始まりました。

 ゲーム序盤はブラジルチームがボールをキープしましたが、ゲーム内容はクロアチアのペース。両サイドからの攻撃、特に左サイドのオリッチ選手から、ゴール前に低く速いパスが供給されます。
 絶妙のコントロールですから、クロアチアにとってのチャンスが何回か訪れました。「クロアチアのゲーム」だと思ってみていると、前半11分オリッチ選手からゴール前に送られたパスをブラジルのマルセロ選手がオウンゴール!

 クロアチアが先制しました。

 「両サイドから低く速いパスを供給する」というクロアチアの戦術は徹底していて、この後もゲームを通して実行され続けていましたし、何回かチャンスにも結び付いていましたから、ゲーム戦術としては有効に機能していたということですし、その結果のギリギリのプレーの中から生まれたオウンゴールということですから、「クロアチアの立派な得点」ということでしょう。
 余裕のあるプレーで、マルセロ選手がオウンゴールすることは考えられないことですから。

 紙一重のプレーを見せるクロアチアに比べて、ブラジルチームはチャンスを作り出すことが出来ず、時間が経過します。
 ブラジルサッカーの攻撃の基本である「ドリブル」を抑え込むクロアチアの守備の戦術も有効に機能し続けました。ゲーム前の戦術立案・ゲームでの実行という点では、クロアチアチームが上回った形です。

 「自分達がやりたいプレーが出来ないとフラストレーションが溜まり乱暴なプレーが出てくる」のは、いつの時代のブラジルチームにも共通していますが、前半20分を過ぎて、ブラジルチームは相当イライラした様子になりました。
 27分にはネイマール選手が左手でクロアチアの選手の首を押して反則。西村主審が毅然たる態度でイエローカードを提示しました。この大会のイエローカード第一号はネイマールでした。

 しかし、このイエローカードでブラジルチームは我に還った感じがします。クロアチアゴールに迫るプレーが増えたのですから皮肉なものです。

 前半29分、中盤で奪ったボールをネイマールがドリブルでペナルティエリア付近まで突進、左足でシュート、これが右のゴールポスト最下部に当たってゴール!狙っていたのでしょうが、驚くべきコントロールのシュートでした。
 これで1-1の同点。

 後半22分、ゴール前のフレッジ選手が倒されてPK。蹴るのはネイマール。クロアチアの名手プレティコサ選手も右に飛んでネイマールのシュートに触りましたが、ボールはそのままゴールイン。あの緊張の中で、見事なペナルティーキックでした。
 これで2-1とブラジルリード。

 後半の中盤を過ぎてもゲームは一進一退の様相で、決定的なチャンスの数ならクロアチアの方が上回っていたように見えましたが、2-1のままロスタイム(4分)に入りました。

 そのロスタイム1分、後方からのパスを受けたオスカル選手が突進、ペナルティエリア付近で右足のトウでシュート。これがゴール左隅に突き刺さり、ブラジル3点目で3-1。これでゲームは決着しました。

 とても面白いゲームでした。

 ブラジルチームとしては、相手ディフェンスを崩し切っての得点というよりは、ネイマールとオスカルの高いレベルの個人技による得点という感じでしたが、これもブラジルサッカーということでしょう。

 クロアチアも厳しい欧州予選を勝ち上がってきた実力を随所に見せました。特に、左サイドからの低く速いパスによる攻撃は見事なもので、再三紙一重のチャンスを創造しました。

 待ちに待ったワールドカップが始まりました。

 7月13日にリオデジャネイロのマラカナン・スタジアムで行われる決勝戦まで、1か月間の長くて短い大会の火蓋が切って落とされたのです。

 ダルビッシュ投手がメジャー初完投シャットアウトを達成した6月11日、田中将大投手もシアトル・マリナーズ戦で完投勝ち(4-2のスコアでヤンキースの勝利)を収めました。

 9回裏1アウトまで無失点だった田中投手ですが、ここでロビンソン・カノー選手に左中間スタンドに運ばれる2ランホームランを浴びて、完封はなりませんでした。

 とはいえ、9イニング110球を投げて、6被安打、1四球、11奪三振、2失点というのですから、見事なピッチングです。これで田中投手はシーズン通算10勝1敗として、アメリカンリーグの最多勝に並びました。メジャーデビューのシーズンとしては、驚異的な成績と言えるでしょう。

 ホームランを打たれた相手が、現在のMLBを代表する打者であるカノー選手である点も、逆に田中投手の評価を上げる材料になりそうです。「超一流打者以外には打たれない」といった形で。

 また「先発13試合連続クオリティスタート」という、驚くべき記録も継続されました。アメリカそしてニューヨーク・メディアの田中評は、上がる一方のように感じられます。

 田中将大投手の大活躍に、大拍手を送ります。

 6月11日のテキサス・レンジャーズ対マイアミ・マーリンズ戦に先発したダルビッシュ投手は、9イニング117球を投げ、被安打6、与四球3、奪三振10、失点0の素晴らしい内容のピッチングを魅せ、2012年にメジャーデビュー以来3年目にして初の完投シャットアウト勝ちでした。

 2012年は29試合に先発して16勝9敗、2013年は32試合に先発して13勝9敗という、堂々たる成績を残してきましたが、完投勝ちが無かったのは不思議なことでした。
 2013年の「あと一人で完全試合」や今季の「あと一人でノーヒットノーラン」(後に記録訂正あり)といった投球を披露していましたから、完投能力について疑問を差し挟む要素は無かったのですが、9イニングを投げ切ったことが無かったことも事実でしたから、どのような形で「初の完投勝ち」が観られるのか、とても楽しみにしていました。

 そして、このゲームで達成した訳ですが、投球内容にはダルビッシュ投手の成長が観られると思います。

 まず、8回を除いて毎回ランナーを許しながら得点を許さず、116球で投げ切ったことから「早いカウントで打たせる」ピッチングが出来ていたことが分かります。「打たせる」ことを第一目標とするピッチングが出来ていたのです。
 これまて「打たせないこと」を念頭に組み立てられていた投球(従って、完全試合やノーヒッターに近い投球が出来ていた)から、「打たせる」投球への投球スタイルの変更が実ってきたのでしょう。

 そうした中でも、10奪三振というところがダルビッシュ投手らしいところです。詳しくカウントを確認していませんが、3-2や2-2からの三振は少なかったのではないかと思います。つまり、「打たせる」投球ですからストライクを投げているので、0-2や1-2のカウントとなり、決め球のスライダーなどの切れ味が素晴らしいので三振も取れるということでしょう。

 加えて、2012年、2013年と打線の援護に恵まれず、特に2013年は13勝しか上げていなかったにもかかわらず「サイ・ヤング賞候補の2位」に評価されるほどに打線の援護に恵まれなかったダルビッシュ投手ですが、実は2014年シーズンも当初は「ダルビッシュが投げると不思議と味方打線が沈黙する」状態が続いていました。

 ところが、5月に入ってからは時折打線の援護が得られるようになり、直近の2試合は6点ずつ取ってくれました。先発ダルビッシュ+6点の援護となれば、テキサスが負ける可能性は極めて低いでしょう。

 今季、それも5月以降援護が得られるようになったことからも、ダルビッシュの投球内容の変更が感じられるのです。「打たせる」投球は、守備のリズムの良さに繋がり、ひいては打線の活発化にも資するものなのでしょう。

 2014年6月11日のゲームは、ダルビッシュ有投手の「MLB仕様」が完成した記念すべき試合だと思います。

 そしてダルビッシュは「打たせるピッチング」でノーヒッターやパーフェクトゲームを達成して行くことでしょう。そう遠くない将来のことだと思いますが、とても楽しみです。

 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会の開幕戦、6月12日のブラジル対クロアチアのゲームの審判団の主審に西村雄一氏、副審に相良亨・名木利幸の3人の日本人審判が選ばれたと報じられました。

 大変名誉なことであり、西村氏を始めとする日本人審判のレフェリングが「ワールドカップ開幕戦に相応しいレベル」にあると世界が認めたことに他なりません。素晴らしいことだと思いますし、日本サッカーの前進・進化を深く感じさせる事実です。

 西村雄一主審は東京都出身の42歳。
 ワールドカップ2010南アフリカ大会においても、4試合で主審を務めていることを始めとして、数々の国際試合でも笛を吹いてきていますから、現在の日本で最も国際的に認められている審判(FIFA公認の国際主審、プロフェッショナル・レフェリー=PR)ということになります。

 相良亨副審は栃木県出身の38歳。
 2009年に名木利幸審判と共に副審として初めてFIFA公認の国際副審・プロフェッショナル・レフェリー(PR)となりました。南アフリカ大会に西村審判と共に登場し副審を務めました。今回が2度目のワールドカップということになります。

 名木利幸副審は高知県出身の42歳。
 相良審判と共に2009年、副審として初めてFIFA公認の国際副審・PRとなりました。これまで2010年のFIFAクラブワールドカップ決勝戦を担当するなどの経験を積み上げ、今回のブラジル大会の副審に選出されました。ワールドカップを担当するのは初めてだと思います。

 日本代表チームがワールドカップに出場することも大変嬉しいことですが、同じくらいに日本人審判員がワールドカップの審判として活躍し、今回は「開幕戦の笛を吹く」ということも、大変嬉しいことです。何より、世界のサッカー関係者が日本人審判のレフェリングを高く評価してくれたことが、本当に素晴らしいことだと感じるのです。

 冷静な対応により反則などを見逃すことなく、どちらのチームにも分け隔てないフェアなレフェリングを行うことは当然として、タイミングの良い笛や、強く言う時は強く言い、笑顔で流すときは笑顔で流すという、極めて難しい所作を十分に展開でき、ゲームを創ることができると評価されているのでしょう。

 「世界最高のプレーには世界最高のレフェリングが必要」なことは言うまでもありませんが、どちらかというと「世界最高の笛が世界最高のプレーを引き出す」のかもしれません。

 世界中のサッカーファン注目の開幕戦・ブラジルとクロアチアのゲームにおける、西村・相良・名木の日本人3審判の大活躍に期待しましょう。

 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会開幕を目前に控えて、各国代表チームの主力プレーヤーが故障しているという報道が相次いでいます。

① ラダメル・フォルカオ選手(コロンビア)
 真っ先にワールドカップ欠場が伝えられたのが、コロンビアのエースストライカー・フォルカオ選手でした。左膝の故障で、最終のワールドカップメンバー23人にも入りませんでした。
 南米予選におけるコロンビアチーム大躍進の中心選手でしたから、とても残念な離脱です。世界的なストライカーですから、回復を祈っています。

 このフォルカオ選手の離脱は、コロンビアの戦力面でも影響があるとは思いますが、そこはサッカーどころ、他にも有力なストライカーが複数居ますので、大きな戦力ダウンには繋がらないでしょう。何しろ現在の代表チームは「コロンビアサッカー史上最強」の呼び声が高いのです。

② フランク・リベリ選手(フランス)
 フランス代表チームのゲームメーカー・大黒柱のリベリ選手ですが、腰痛の悪化により、こちらも欠場が決まってしまいました。運動量十分な動きから供給される華麗なパスは、長いパス一本で状況を打開するタイプのMFとは異なる、リベリ選手独特のプレースタイルでしたから、それが観られないのは残念至極です。

 この離脱は、フランスチームに少なからぬ影響を与えるでしょう。ゲームのリズムを変えるという面で、リベリ選手ほどの役割を果たせるプレーヤーは世界的にも少ないからです。

③ ヤヤ・トゥーレ選手(コートジボワール)
 コートジボワール中盤の中心選手であり、ゲームメーカーとストライカーの両面に驚異的な能力を発揮するヤヤ・トゥーレ選手が左太腿の故障で、出場が危ぶまれているという報道があります。

 プレミアリーグ2013~2014の得点王争い最上位に位置したプレーヤーですし、190cmの体躯を活かした大胆かつ軽妙なプレーを欠くこととなれば、コートジボワールチームにとっては痛手でしょう。

 ただし、「何もなかったかのように練習に参加している」という別の報道もありますので、事前の神経戦のひとつかもしれません。
 いずれにしても、ワールドカップの対日本戦のピッチでヤヤ・トゥーレ選手のプレーを、是非観てみたいと思います。

④ クリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル)
 左太腿裏他の故障で、コンディション不十分と報道されています。
 ついこの間、UEFAチャンピオンズリーグで大活躍し、レアル・マドリードの優勝に大きく貢献したCロナウドですが、その疲労が顕在化したのでしょうか。

 Cロナウドが欠場ということになれば、ポルトガルチームには大きな影響が出るでしょう。今ワールドカップの目玉プレーヤーの一人でもあります。是非、間に合わせていただきたいと思います。

⑤ ルイス・スアレス選手(ウルグアイ)
 最も直近に、膝を故障し別メニューで調整中と伝えられました。本当なら、これは大事件でしょう。

 万一欠場するようなことがあれば、ウルグアイチームにとっては大変痛いことになります。現在「世界最高の点取り屋」と言われるスアレス選手は、ウルグアイの攻撃にとって欠くべからざる存在であり、代替プレーヤーは居ません。

 とはいえ「勝負に激辛」のウルグアイチームですから、戦前の情報戦のひとつかもしれません。また、スアレス選手にとっては、良い休養になっているような気もします。
 いずれにしても、是非グループリーグ初戦のピッチに立っていただきたいし、あの驚異的なプレーを魅せていただきたいと思います。

 世界各国のサッカーリーグの休み期間(6月)に開催されるワールドカップですから、長い期間にわたって争われる各リーグ戦の疲労から、いつの大会でも有力選手の一部が欠場に追い込まれます。
 本当に残念なことです。

 さて、ヤヤ・トゥーレ、クリロナ、スアレスの3プレーヤーについては、是が非でも故障を癒して出場してほしいと思います。
 どのプレーヤーも「ワールドカップ2014ブラジル大会に、無くてはならないプレーヤー」なのですから。

 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会の開幕が目前となりました。

 まずは、この世界最大のスポーツイベントに我らが日本代表チームが出場できることを、改めて喜びたいと思います。今更という声もあろうかと思いますが、例えばスウェーデンやウクライナ、デンマークの代表チームが出場できない、あのイブラヒモビッチ選手の姿を見ることも出来ないハイレベルな大会に、日本代表チームが出場できることの喜びは、大きなものです。
 サッカーワールドカップは、世界最大のお祭りでもあるのでしょう。

 一方で、出場する以上は良い成績を残してほしいと思います。何が何でもグループリーグを突破していただき、決勝トーナメントに駒を進めてほしいのです。

 日本代表・ザックジャパンが所属するグループCもコロンビア、ギリシャ、コートジボワールと強豪揃いですが、是が非でも勝ち抜いていただきたいものです。グループCは、「ワールドカップWCにおいて好成績を残したことが無い強豪国」が揃いました。
 
 コロンビアは過去4回WC本戦に出場していますが、最高成績は1990年のベスト16です。それ以外の3回はグループリーグで敗退しています。2001年にコパ・アメリカ(南米選手権)に優勝している強豪としては、不満足な結果でしょう。

 ギリシャは過去2回WC本戦に出場していますが、2度ともグループリーグで敗退しました。2004年にはユーロ(欧州選手権)で優勝しているほどの強豪国としては、ワールドカップには縁が薄いということになります。

 コートジボワールは過去2回WC本戦に出場していますが、2度ともグループリーグで敗退しました。1992年にアフリカネイションズカップ(アフリカ選手権)で優勝し、レ・エレファンツ(象)という愛称で呼ばれるアフリカ屈指の強豪国としては、意外です。

 これに対して、日本は過去4回ワールドカップ本戦に出場し、2度決勝トーナメントに進出しています。世界ランキングでは4チームの中で最下位ですが、これまでのワールドカップでの成績となれば、日本代表チームが4チームの中で最も良いのです。
 それも前回2010年の南アフリカWCで決勝トーナメントに進出した時のメンバーが数多く残っています。「WCでの経験」という基準ならば、ザックジャパンは十分に戦える筈なのです。

 いずれにしても、ザックジャパンにとっては日本時間6月15日午前10時からの初戦・コートジボワール戦が、カギを握るゲームとなることは間違いありません。日曜日の朝10時という「日本からの応援」にとっては、これ以上無い好条件のゲームです。1億3000万人の日本国民の思いが、地球の裏側・ブラジルはレシフェのアレーナ・ベルナンブーコに寄せられることでしょう。

 この大切なコートジボワール戦の先発メンバーは、日本サッカーを背負って立つ最強のメンバーでしょう。勝手に予想してみます。

 [予想される先発イレブン]
・GK 川島 永嗣
・DF 内田 篤人
   今野 泰幸
   吉田 麻也
   長友 佑都
・MF 遠藤 保仁
   長谷部 誠
・FW 清武 弘嗣
   本田 圭佑
   香川 真司
・ワントップ 岡崎 慎司

 まさに、ワールドカップ予選を勝ち抜いたメンバーです。

 こうしたメンバーを選択したい理由は

① ワールドカップレベルのゲームに慣れていること
 どんなゲームでも共通していますが、「先取点は極めて重要」です。特にワールドカップにおいては「1点は極めて重いもの」であり、特に前半15分までのプレーで得点あるいは失点することが、ゲーム全体に大きな影響を与えます。

 「ゲームの雰囲気に慣れている暇は無い」のです。開始直後から100%の能力を発揮しなければならない訳ですから、世界最高レベルの技術や世界最高レベルの大会の雰囲気に呑まれない精神力・対応力を備えたプレーヤーを先発させなければなりません。
 その点から、このイレブンが最も相応しいでしょう。プレミアリーグ、ブンデスリーガ、セリエAという欧州4大サッカーリーグでプレーしていたり、WCに複数回参加していたりするプレーヤーが大半ですから、「肝は据わっている」でしょう。

② 日本代表チームとして最も連携が良いメンバーであること
 このイレブンは、ザックジャパンになってから最も多くのゲームで先発していると思います。極度の緊張状態の下では「付け焼刃」が往々にして役に立たないことは、あらゆるスポーツ競技において再三観られることです。

 このメンバーなら極限状況の下でも、チームとして連動して動けると感じます。

③ 個々のプレーヤーの力量が最大限発揮できると思われること
 例えば、このレベルのゲームにおいて、日本代表チームの中で最も得点が取れるプレーヤーは、間違いなく岡崎選手でしょう。ブンデスリーガにおける日本人プレーヤーの得点記録をどんどん塗り替えています。得点能力が最も優れたプレーヤーをセンターFWに据えるのは当然のことです。

 例えば、このレベルのゲームにおいて、最も攻撃参加の威力が大きいサイドバックは長友選手でしょう。続いて内田選手でしょう。「得点しなければ勝てないスポーツ」なのですから、得点力創造力が高いプレーヤーに活躍いただかなくてはなりません。

 それぞれのポジションにおいて、このレベルのゲームで最も高い能力を保持するプレーヤーを配する=適材適所で選べば、このイレブンになると思います。その能力の中には「他のプレーヤーとの連動性」という要素が含まれることは、言うまでもありません。

 現在の日本サッカーにおける最強のイレブンが、レシフェのピッチに立ちます。

 初戦のポイントは「前半のプレー」です。「前半」で得点するのか、失点するのか。それは「一瞬の」「数㎝の」違いから生まれます。
 コードジボワール戦の「前半」をリードして折り返すことが、グループリーグ突破への条件だと感じます。

 全米オープンゴルフ大会(男子)は、世界4大メジャー大会のひとつであり、例年6月の中旬に開催されます。1895年に第一回が開催された、世界屈指の歴史と伝統を誇る大会でもあります。

 かつてこの大会は「アメリカ以外の国の選手が勝てない大会」としても有名でした。

 第二次世界大戦中の中断時期を経て、1946年・昭和21年に再開された大会は、以降1964年までの19回連続してアメリカ人プレーヤーが優勝しました。

 全米「オープン」というのですから、プロプレーヤーのみならずアマチュアプレーヤーにも広く門戸が開放されていますし、予選会には世界中のプレーヤーが参加できるルールになっています。
 こうした条件下で、19回連続アメリカ人プレーヤーが優勝し続けたのですから「全米オープンはアメリカ人以外勝てない」と言われたのも、肯けるところです。もちろん、この時代のアメリカのゴルフが世界一のレベルにあり、世界のゴルフ界を牽引していたことは言うまでもありません。

 1946年~1964年の間の全米オープンにおける、アメリカを代表するプレーヤーは、何と言ってもベン・ホーガン選手でしょう。1948年・50年・51年・53年と4度の優勝に輝いています。現在でも読み継がれている名著「モダン・ゴルフ」が、近代ゴルフに与えた影響の大きさと共に、アメリカを、そして世界を代表するプレーヤーでした。
 この時期の終盤には、アーノルド・パーマー選手やジャック・ニクラウス選手といった、次代を担う若手プレーヤーも、優勝者に名を連ねています。

 この「アメリカ不敗神話」を初めて破ったのが、ゲーリー・プレーヤー選手(南アフリカ)でした。
 プレーヤー選手は1965年にベルリーブ・カントリークラブで開催された全米オープンで優勝しました。戦後初のアメリカ人以外のプレーヤーによる優勝。この快挙は、とても大きく報じられました。

 ゲーリー・プレーヤーの快挙の後、1966年から1969年までの4回の大会はアメリカのプレーヤーが優勝し、1970年にイングランドのトニー・ジャクリン選手が、戦後2人目のアメリカ以外のプレーヤーの優勝を成し遂げました。

 以降1971年~1980年の10回の大会はアメリカ選手が制し、1981年にデビット・グラハム選手(オーストラリア)が優勝、1982年~1993年の12回の大会はアメリカ選手が制するといった具合で、他国のプレーヤーが時々優勝するとはいえ、10年に一度位のペースであり、「全米オープンはアメリカ人プレーヤーのもの」という原則は、依然として維持されてきたのです。

 1966年~1993年の28年間の全米オープンにおける、アメリカを代表するプレーヤーはジャック・ニクラウス選手。この間に3度の制覇を魅せるとともに、他のメジャー大会でも大活躍し、「帝王」の名を欲しい儘にしました。
 そして、リー・トレビノ選手やヘール・アーウィン選手、カーティス・ストレンジ選手、アンディ・ノース選手らが複数回の優勝を成し遂げています。中でもヘール・アーウィンは、1974年・79年・90年と3度の制覇に輝きました。アーウィンは「全米オープンに特別に強い」プレーヤーで、難しいセッティングになればなるほど、力を発揮したように感じます。
 この他にも、ジョニー・ミラー選手やヒューバート・グリーン選手、トム・ワトソン選手、レイモンド・フロイド選手やペイン・スチュワート選手などなど、綺羅星の如くアメリカ選手の優勝者が並びます。
 ゴルフというスポーツが世界中に普及して行ったこの時期のアメリカ・男子プロゴルフ界は黄金期を迎え、極めて多彩で強力な陣容を誇っていたのです。

 しかし、この神話にもついにターニング・ポイントが訪れました。

 1994年オークモント・カントリークラブで開催された大会で、南アフリカのアーニー・エルス選手が優勝したのです。優勝スコアを常にイーブンパー前後にセッティングする全米オープン開催コースの中でも屈指の難コースであり、「最も全米オープンらしいコース」と呼ばれるオークモント(この時、同コースで7度目の開催)で、エルスは他国プレーヤーとして初めて勝利を収めたのですが、この優勝から「アメリカにとっての外国人プレーヤー」による優勝が急増したように感じます。

 アーニー・エルスは3年後の1997年にも2度目の優勝、2001年には同じ南アのレティーフ・グーセン選手が優勝しています。戦後初めてアメリカ人以外のプレーヤーとして優勝したゲーリー・プレーヤーといい、ここまで3人の南アフリカのプレーヤーが優勝しているのです。
 1946年~2001年の56年間に、全米オープンに勝った他国プレーヤーは5人しか居ませんが、その内3人が南アフリカ出身なのですから、「南アのプレーヤーは全米オープンに強い」ということになります。

 この間、アメリカではタイガー・ウッズ選手が登場、2000年と02年に優勝し気を吐きましたが、他国勢の攻勢を押し返すには至りませんでした。

 そして直近の10年、2004年~2013年の10回の大会では、アメリカのプレーヤーが3勝、他国プレーヤーが7勝と、一気にアメリカ人プレーヤーが勝ち難いトーナメントに様変わりしたのです。急激な変化と言えます。

 過去10年の優勝者を並べてみます。

・2004年 レティーフ・グーセン(南ア) 2勝目
・2005年 マイケル・キャンベル(ニュージーランド)
・2006年 ジェフ・オグルビー(オーストラリア)
・2007年 アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)
・2008年 タイガー・ウッズ(アメリカ) 3勝目
・2009年 ルーカス・グローバー(アメリカ)
・2010年 グレアム・マクダウェル(北アイルランド)
・2011年 ローリー・マキロイ(北アイルランド)
・2012年 ウェブ・シンプソン(アメリカ)
・2013年 ジャスティン・ローズ(イングランド)

 となっています。
 世界中のプレーヤーが入り乱れる結果となっていますが、面白いのは2007年にカブレラ選手が優勝するまでは、南ア・豪州・アルゼンチンといった「南半球」出身のプレーヤーが優勝していたのですが、2010年にマクダウェル選手が勝ってからは、北半球というか、イングランド・アイルランドのプレーヤーが強いという点でしょうか。2010年以降については、まだ傾向という程度の期間しか経っていませんけれども。

 いずれにしても、アメリカ合衆国のナショナル・オープンたる全米オープンで、アメリカ選手が勝てなくなってきているのは間違いがないところです。
 
 もちろん、他国・他競技のナショナルオープン大会でも開催国のプレーヤーが中々勝てなくなっている例はいくらでもありますが、事は「スポーツ大国」「ゴルフ大国」アメリカの話ですから、少し様相が異なります。

 20世紀の終盤まで、絶対的な優位にあったアメリカのゴルフが、他国のゴルフに追い付かれているのでしょうか。
 他の大会の結果を見る限り、一概には言えないように思いますが、アメリカのゴルフと他国のゴルフとのレベルの差が小さくなって来ているのは事実なのでしょう。

 全米オープン2014は、6月12日~15日、ノースカロライナ州パインハースト・ゴルフリゾートNO.2コースで開催されます。(同コースで3度目)
 勇躍乗り込む外国人プレーヤーが強いのか、迎え撃つアメリカ人プレーヤーが強いのか、興味は尽きないところです。
 6月3日の日本経済新聞電子版に、田口壮氏のコラムが掲載されました。

 田口壮氏は、日本プロ野球のオリックス・ブルーウェーブで活躍の後、MLBのセントルイス・カージナルスに移籍、チームのワールドシリーズ制覇にも大きく貢献した名プレーヤーです。
 現在は野球解説者などで活動中ですが、その田口氏が時々日経新聞にコラムを載せます。このコラムが、とても面白いのです。

 掲題のコラムは、MLBの球場について書かれたものですが、MLB各球場のことが詳細かつ軽妙に描かれていて、とても楽しく読ませていただきました。

 まず、5月11日のイチロー選手の故障について触れています。敵地ミラーパークでの守備の際にイチロー選手の膝が芝生に挟まり、腰他の故障につながった事例ですが、「・・・ミルウォーキーは寒冷な土地で・・・太陽の光をあまり浴びないからかどうか、ここの芝生とその下の地面は軟弱です。」とコメントします。
 「ミラーパークの場合はメジャーの球場で一番というほど柔らかいのです。しかも、飛球のワンバウンド目が、他の球場とは全く違う跳ね方をします。・・・」と加えます。

 「・・・アメリカンリーグのチームに所属してきたイチロー選手がミラーパークでプレーしたのは2002年のオールスターゲームくらいでしょう。何試合か経験していないと、あのフィールドに慣れるのは無理かもしれません。」と、この項を結んでいます。

 守備の絶対的名手であるイチロー選手が、おかしな倒れ方をしたプレーだなと思っていましたが、こうした事情もあったのです。

 さらに話題は他の球場に移ります。
 「守りやすいのは西海岸の球場です。短めに刈り込んであるので足もとられませんし、変なバウンドもあまりありません。・・・私にとっては西海岸のドジャー・スタジアムやジャイアンツのAT&Tパークは守りやすい球場でした。」と。

 「中西部や東海岸は日差しが強すぎたり、弱すぎたりであまり刈り込むと芝が死んでしまうからでしょうか。比較的長く芝を伸ばしていました。こういうフィールドで怖いのは”スネーク”です。といっても蛇が出るわけではありません。
 バウンドしたボールが右左、右左とジグザグに、それこそ蛇がはうような軌道でバウンドしてくるのです。・・・どんな名手でも付き合いきれない『きまぐれな蛇』がたまにいるんですね。」と続きます。

 なるほどと思います。実際に、MLBの色々な球場でプレーした田口氏ならではの記述です。

 「天然芝はあんなに気持ちよさそうにみえて、実はなかなかくせ者です。」
 「こうした”芝目”を読みながらプレーするのも野手の技術のうちです。」といったまとめのコメントもベースボールの奥深さを感じさせてくれます。

 こうしたコラムは、田口氏の経験・知識のごく一部を表したものでしょうが、実際にプレーしたプレーヤーでなければ知り得ない知見に満ちています。しかも、私のような素人にも分かりやすく記述していただけるのです。有り難いことです。

 今後も、楽しく興味深いコラムを、よろしくお願いいたします。

 再び仮に、6月7日の本ブログ「ベスト8・準々決勝の展望」通りの結果となったとすれば、準決勝の組合せは下記の通りとなります。(大会ルール通り)

[想定される準決勝の組合せ]
① ブラジル対ドイツ
② スペイン対アルゼンチン

 何か、最初から決めてあったかのような組合せとなりました。グループリーグの組合せが抽選ですから、最初から決めてあったなどということは有り得ないのですが、抽選で決まったグループの組分けから、勝ち進むチームを想定し、大会ルール通りに組み合わせていくと、こういう組合せになるのですから、とても不思議な感じがします。

 何しろ、南米から2チーム、ヨーロッパから2チームが準決勝に進出し、同地区のチームが対戦することが無いという組合せなのです。
 加えて、この4チーム=ブラジル、ドイツ、スペイン、アルゼンチンは、おそらく「世界中のサッカーファンが予想する4強のセット」の中で最も多いものでしょう。まさに、FIFAワールドカップWC2014ブラジル大会のベスト4に相応しいチームが勝ち進んできて、望ましい組合せで準決勝を戦うという感じがします。

 さて、試合の展望です。

① ブラジル対ドイツ

 一語で言えば「どちらが勝ってもおかしくない」対戦です。

 ドイツチームは、近年のWCで「準決勝までは圧倒的な強さで勝ち進むが、準決勝では完敗する」傾向が有ります。2006年の自国(ドイツ)開催のWCでも準決勝であっさり?と敗退しました。大応援を背にしての戦いでしたが、準々決勝まで見せてきた攻撃が影を潜めたのです。
 そして2010年の南アフリカWCでも、準決勝でスペインチームに完敗しました。スペインのパスサッカーの前に「ほとんどボールに触ることも出来ず」敗れた感じです。

 ドイツ代表チームのWCにおける戦い方・チーム編成は徹底した「トーナメント対応チーム」です。「良く守って、ショートカウンターから少ない人数で得点する」形に徹底しています。

 センターライン上で相手ボールを奪うと、一気に速いパスとドリブルでペナルティエリア付近まで持ち込み、「ゴール前に敵味方の選手が少ない状況」で、ゴール前のミロスラフ・クローゼ選手にボールを集めます。世界サッカー史上屈指の点取り屋(WC史上2位の14得点の記録を継続中)のクローゼ選手は足や頭での「面の創り方が絶妙」です。大天才と言って良いでしょう。
 クローゼ選手は既に35歳のベテランですが、今大会も代表に選出され、4度目のWC出場となります。

 そして、ワントップのクローゼ選手を支える中盤ミッドフィールダーが多彩で強力です。メスト・エジルとルーカス・ポドルスキーのアーセナルのコンビ、シュバインシュタイガーとトマス・ミュラー、トニ・クロース、マリオ・ゲッツェのバイエルン・ミュンヘンのカルテット、サミ・ケディラ(レアル・マドリード)、アンドレ・シュールレ(チェルシー)等々の代表常連組、マティアス・ギンター(フライブルグ)、ユリアン・ドレクスラーといった若手まで、豪華絢爛・多士済々。いったいどのように組み合わせていくのでしょうか。

 こうしたドイツチームのプレーは、平均して高い得点力を生み出しますが、それが不思議とWC準決勝になると機能しない理由は、「先発組にベテランが多いチームなので疲労が蓄積し運動量が低下すること」や「チームの調子のピークをグループリーグに合わせて、大会に臨む」ことなどが考えられます。(イタリアチームは、チームの調子のピークを決勝トーナメントベスト4あたりに合わせている感があります。従って、イタリアは準決勝まで進んで来れば決勝に進出する確率が高いのでしょう)

 特に、後者については、過去2大会の結果を踏まえて対応策が練られていることと思いますので、今大会のドイツチームは準決勝でも力を発揮することでしょう。

 一方のブラジルチームは、これはもう開催国として「絶対に負けられない試合」ということになります。

 私は、戦力的にはドイツの方が僅かに上かなと思いますが、「南米で開催されるワールドカップでヨーロッパのチームは優勝できない」という公理?を適用?して、ブラジルの勝利とします。

② スペイン対アルゼンチン

 代表チームの近時の成績を勘案すれば、スペインの方がチーム力は上でしょう。スペインチーは2008年から世界の頂点に君臨し、南アWCと2度のユーロを制しました。2008年~2012年の5年間、スペインチームは「圧倒的に世界一のチーム」だったのです。

 従って、両チームともコンディションが良い状態で戦えば、スペインが有利だと思いますが、ワールドカップは連戦が続きます。スペインの黄金期を支えてきたメンバーもさすがに歳を取りましたから、準決勝まで来ると相当疲労が蓄積されていると思います。

 一方のアルゼンチンは、この数年チームとしてのまとまりが不十分な感じです。ブラジルに次ぐ南米のサッカー大国なのですから、常時素晴らしいプレーヤーには恵まれているのですが、その力が代表チームとなると発揮されない状態が続いていました。
 しかし、準決勝まで駒を進めたとなれば、多彩なタレントが輝くゲームを続けてきているということになります。このアルゼンチンは強いでしょう。

 特に、攻撃陣は素晴らしい。現時点でフォワードFWに、リオネル・メッシ(FCバルセロナ)、セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ)、ゴンサロ・イグアイン(ナポリ)、ロドリゴ・パラッシオ(インテル)、エセキエル・ラベッシ(パリ・サンジェルマン)の5人が登録されていますが、いったい「誰を外したら良いのか」困ってしまう豪華メンバー。

 ミッドフィールダーMFも、ディ・マリア(レアル・マドリード)、ハビエル・マスチェラーノ(FCバルセロナ)、エンソ・ペレス(ベンフィカ)、リッキー・アルバレス(インテル)、マキシ・ロドリゲス等々、これも選ぶのに困りそうです。

 もちろんディフェンダーDFにも、マルティン・デミチェリスとパブロ・サバレタのマンチェスター・シティのコンビなどが居ますから、決して悪くはないのですが、攻撃陣が凄すぎるのです。

 こうした溢れんばかりのタレントが有機的に結合するプレーを展開できれば、アルゼンチンが決勝に進出する可能性は十分に有るでしょう。

 さて、困りました。この大会の準決勝で対戦するとすれば、スペインとアルゼンチンは互角なのです。

 2013年のコンフェデレーションズカップ決勝でブラジルに完敗したスペインチームは、やはりピークアウトしたと見るのか、スペインチームのワールドクラスの大会における圧倒的な経験を重視するのか。

 ここは、スペインチームの意地に重きを置くことにしました。「大試合に勝つ秘訣を知っている」スペインが、僅差でアルゼンチンを退けると見ます。

 難しいが、とても楽しい検討が終了しました。

 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会の「決勝はブラジルとスペイン」の対戦になるとの結論に達しました。

 ここまで4稿に渡って、準決勝までの展望を見てきました。
 決勝戦の展望は、楽しみとして取って置くことにします。

 6月7日に行われた男子200m決勝レースは、見応え十分でした。

 飯塚翔太、高瀬慧、藤光謙司、原翔太の4選手が0.1秒以内・50cm以内の差の中で、熾烈な競走を展開したのです。

 ゴール前5mでは高瀬選手が競り勝ったように見えましたが、ゴール寸前で原選手がグイッと抜け出し、フィニッシュの動作も決まって胸一枚の差でトップに立ちました。本当に素晴らしいレースでした。

 タイムは、原選手が20.62秒、高瀬選手が20.63、飯塚選手が20.66、藤光選手が20.68と、0.1秒どころか0.06の間に4選手が入りました。タイムの水準時代も、気温が20℃を切り、降りしきる雨の中という環境を考慮すれば、立派なものだったと思います。

 男子200m種目は、飯塚翔太選手が昨年20.21秒の好記録をマークして、この種目の第一人者となりました。この記録は世界的にも高いレベルのものです。こうしたエースが登場すると、これまでの日本陸上界であれば、国内の大会は飯塚選手が勝ち捲って、世界への挑戦が話題になることが多かったのです。

 しかし、現在の日本陸上界はそれを許さない程に「選手層が厚く」なりました。そのことが、本当に素晴らしいことだと感じます。

 優勝した原選手は上武大学3年生。また「世界に挑戦する若手」が、日本のスポーツ界に誕生したのです。
 レース後のインタビューでも「自分の走りがこの大会でも通用することが分かった」と笑顔で応えていました。「日本選手権での優勝が信じられない」という面持です。まさに伸び盛りのアスリートと言うことでしょう。頼もしい限りです。

 飯塚翔太と原翔太、男子200mは「二人の翔太」が引っ張って行くことになりましたが、まだまだ他にも高いレベルの若手ランナーが登場して来そうな気配です。

 苦手と言われたスプリント種目で、世界を狙えるランナーが複数登場してきた日本陸上界。見事なレベルアップだと感じます。
 第98回日本選手権陸上競技大会2日目、男子ハンマー投げで、室伏広治選手が優勝し、大会20連覇を達成しました。

 我が国の最高峰の大会、我が国の陸上競技選手の誰もが一度は優勝してみたいと考える大会での「20連覇」というのですから、想像を絶する空前絶後の記録であろうと感じます。もちろん、大会の全ての種目を通じての最高記録です。

 雨が降りしきる上に、気温も20℃を切るという難しいコンディションの中、優勝記録は73.93mと、84mを越える自己記録を保持する室伏選手としては低いものでしたが、ご本人もコメントしていたように「日本選手権は勝つことが大事」という点からは、2位の選手に5m以上の差を付ける、安定感抜群の試技でした。

 プレー振りも極めて完成度が高い感じがしました。どの試技も、サークルの中に入ってから投げ終わるまで毎回一定の動きを見せ、試技毎の巧拙がほとんど感じられないものでした。

 さすがに39歳ともなると、記録をどんどん伸ばしていくという時期は過ぎたのでしょうが、日本一というレベルは十分に維持していますから、来年以降の日本選手権大会における活躍も、とても楽しみです。

 そして何より素晴らしいと感じるのは「紳士的な態度」です。20回も日本一に輝けば、尊大な雰囲気が感じられても何の不思議も無いと思うのですが、室伏選手にはそれがありません。「真に完成されたアスリートの心持ち」が備わっているのでしょう。

 逆に言えば、「この心持ち」を保持しているからこそ、20年間に渡って大きな故障も無く日本選手権に出場し続けるという、それだけでも驚異的なことを実現できるのでしょう。

 オリンピックの金メダルや世界選手権の優勝といった、数々の栄光を手成してきた室伏選手にとっては、ここまで来ると「ライバルは自分自身」しか居ません。

 鉄人・室伏広治。日本が世界に誇るアスリートの戦いは、これからも続くのです。
 
 再度仮に、6月6日の本ブログの記載通りにベスト8進出チームが決まったとすると、ベスト8の組合せは下記の通りになります。(大会ルール通りの運用)

[想定される準々決勝組合せ]
① スイス対ドイツ
② ブラジル対イタリア
③ アルゼンチン対ポルトガル
④ スペイン対ウルグアイ

 さすがに、ワールドカップのベスト8というカードが並びました。我らがザックジャパンがここまで進出するとすれば、ウルグアイの場所に入りますからスペインとの対戦となります。観てみたいカードです。

① スイス対ドイツ
 欧州各国代表チームの5月8日時点の世界ランクを上位から見ると、1位スペイン、2位ドイツ、8位スイスとなっていて、スイスは欧州で3番手ですから、実力では拮抗しています。とはいえ、ワールドカップの上位常連のドイツには様々なノウハウが蓄積されているでしょうから、最終的にはドイツがベスト4に駒を進めるでしょう。

② ブラジル対イタリア
 ワールドカップ決勝にも相応しいカードです。前評判が低かったイタリアチームが「意外なほどの得点力」を魅せて、ここまで勝ち上がってきていると推測されますが、さすがに地元ブラジルチーム相手では苦しいところでしょう。ブラジルが勝ち上がると見ます。

③ アルゼンチン対ポルトガル
 実は、ポルトガルが敗れるとすればベスト16のゲームではないかと感じていました。逆に言えばベスト8まで勝ち上がったポルトガルチームは、Cロナウド選手を始めとする強力な攻撃陣が機能しているということですから、容易には負けないチームでしょう。(現時点で報道されているCロナウドの故障が開幕までに回復していることを祈ります)

 一方のアルゼンチンも、南米の大会ですから、ここで負けるわけには行きません。こちらもリオネル・メッシ選手がチームに溶け込み、その実力を発揮しているようなら、素晴らしい得点力を披露していることでしょう。

 クリスティアーノ・ロナウドの「前に走るスピード」を活かすことが出来るか、リオネル・メッシにゴール周辺でボールを供給し続けることが出来るか、チームの総合力の争いになりそうです。

 難しいところですが、最後はメッシが決勝点に絡み、アルゼンチンが勝ち上がりそうです。

④ スペイン対ウルグアイ
 当然ながら、好カードです。世界のサッカーを進化させたスペインのパスサッカーと、奔放自在なウルグアイのサッカーの激突は、今大会屈指の好カードでしょう。

 スペインが、2010年の南アWC・2008年の欧州選手権優勝で魅せたような「相手チームにボールを渡さない」サッカーを、再び展開できれば相当に有利ですが、スペインチームのメンバーも少し歳を取りました。あの頃ほどの運動量は期待できないでしょう。

 全く互角の勝負と観ます。一瞬のスキが勝負を分けるでしょう。ルイス・スアレス選手の世界一の決定力が活きるような気もしますが・・・。ここは、同点のままPK戦でスペインのゴールキーパー・カシージャス選手の活躍で、スペインが辛くも勝ち上がるという結論とします。

 ベスト8の激突となると、当然ながらどちらが勝っても不思議では無いカードが増えてきます。難しい検討でしたが、仮のベスト4はドイツ、ブラジル、アルゼンチン、スペインとなりました。

 ここでも、大会前のルールに従って準決勝の組合せが決まります。
 次回は、ベスト4と決勝の展望です。

 6月8日に東京競馬場芝1600mコースで行われる第64回安田記念競走G1の注目馬です。

 3月のドバイ・デューティーフリー競走に圧勝し、世界ランク1位となったジャスタウェイの凱旋レースという位置付けになりました。世界一の走りを楽しもうかと思っていましたが、振り続ける雨が不確定要素となるかもしれません。

 17頭が出走して来ましたが、この中にG1馬が8頭居ます。安田記念と言えば、上半期のマイル王決定戦ですが、中央競馬の現役マイラーが勢揃いした様なレースとなったのです。豪華なメンバーだと思います。

 まず、8頭のG1ホースから見て行きましょう。

 G1勝利数から見ると、5枠10番のジャスタウェイと6枠12番のグランプリボスが2勝と最多です。4歳の秋から本格化したジャスタウェイは、2013年の天皇賞(秋)と前述のドバイDF。一方のグランプレボスは2010年の朝日杯FSと2011年のNHKマイルCですから3年以上前のG1勝ちなのですが、その後もG2レースを2勝していますから、格から見ると最も高いと言えるのかもしれません。ただし近時の走りには、往年のキレが見られません。

 その他6頭のG1馬も多士済々です。

・2枠3番のカレンブラックヒルは2012年のNHKマイルCの勝ち馬です。デビュー以来の5連勝でG1を含む3重賞を制したのですが、その後6レースで活躍できず、前走G3ダービー卿Tで久々に復活しました。

・2枠4番のリアルインパクトは2011年の安田記念を勝ちました。ここまで22戦して3勝なのですが内2つが重賞がちということですから「一発屋」という感じです。もちろん実力十分の一発屋です。

・4枠7番のホエールキャプチャは2012年のヴィクトリアマイルを制しました。他にG2を2つ勝っています。

・4枠8番のミッキーアイルは先日5月11日のNHKマイルCを逃げ切りました。あの激しいレースの後中3週というのは、少し厳しいスケジュールかもしれませんが、ここまで6戦5勝、最も勢いがあると言うこともできます。

・8枠15番のサダムパテックは2012年のマイルチャンピオンシップの勝ち馬。他にG2を2勝していますから、地力は十分でしょう。ただし直近の8戦では3着が1回あるだけです。

・8枠16番のトーセンラーは2013年のマイルチャンピオンシップ勝ち馬。この馬も21戦4勝の内3勝が重賞ですから、リアルインパクトと並んで「実力十分の一発屋」という感じです。

 これに対して、上り馬というかG2レースを制していて、現在好調と見られる馬が出走してきています。
・1枠1番のグランデッツアは2012年のG2スプリングSを制しています。3歳春は同期トップクラスのクラシック候補だったのです。スプリングSが重馬場だったことも考慮する必要があるでしょう。

・1枠2番のレッドスパーダは、前走G2京王杯SCを制しました。ただし、タイキシャトル産駒で、少し1600mは長いかもしれません。

・8枠17番のワールドエースは、前走G2マイラーズカップの勝ち馬。休養明け2戦目の快走でした。本格化しているのかもしれません。

 さて、注目馬の選定です。

① 5枠10番ジャスタウェイ
② 4枠8番ミッキーアイル
③ 8枠17番ワールドエース

重馬場に近い不良馬場まで、馬場が回復することを前提に検討しました。

 やはり軸馬はジャスタウェイ。現在の地力は抜けています。世界の脚を披露していただきたいと思います。
 
 ミッキーアイルは重い馬場に初めて挑むことになりそうですが、底を見せていない強さに期待したいと思います。

 ワールドエースは休養明けで本格化したと見ます。もともと皐月賞2着、日本ダービー4着と、粘り強い脚を持ったマイラーですから、重い馬場での大駆けに期待します。

 良馬場なら、トーセンラーとリアルインパクトの両一発屋が面白いと思っていましたが、ここまで馬場が渋ると苦しい感じです。

 もし、天候回復が遅れドロドロの不良馬場になってしまうと、何が来てもおかしくないレースになってしまいます。ジャスタウェイにとっては残念な凱旋レースとなるかもしれません。

 仮に、6月5日の本ブログ「グループリーグの展望」で書いた通りに、グループリーグ突破チームが決まったとすると、決勝トーナメント1回戦(ベスト16)の8試合は、下記の通りの組合せとなります。(今大会のルールでは、グループAとB、CとD、EとF、GとHがセットとなっていて、例えば、グループAの1位とBの2位、グループBの1位とAの2位がベスト16で戦います)

[想定される決勝トーナメント1回戦]
① ブラジル対オランダ
② メキシコ対スペイン
③ コロンビア対イタリア
④ コートジボワール対ウルグアイ
⑤ スイス対ナイジェリア
⑥ フランス対アルゼンチン
⑦ ドイツ対ロシア
⑧ ポルトガル対ベルギー

 の8試合です。

 さすがに決勝トーナメントともなると、一層素晴らしいカードが目白押しです。

① ブラジル対オランダ
 どちらも世界を代表するサッカー大国です。ここで当たってしまうのが惜しいようなカードですが、現時点の戦力を比較するとブラジルが優位です。開催国ブラジルが勝ち上がるでしょう。

② メキシコ対スペイン
 これも好カード。欧州とは異なる高温多湿の気候の中で接戦が予想されますが、ディフェンディングチャンピオンのスペインが僅差で勝ち上がると見ます。

 グループリーグ→決勝トーナメント1回戦の怖いところは、もしグループBでオランダが1位、スペインが2位通過となると、決勝トーナメント1回戦で「ブラジル対スペイン」というカードが組まれることです。可能性は十分にあります。

③ コロンビア対イタリア
 南米地区予選で驚異的なパフォーマンスを見せたコロンビアですが、イタリアを相手にするとなるとエース・フォルカオ選手の不在は大きな影響を与えそうです。「前評判が低い時のイタリアは強い」という原則?に従って、イタリアが勝ち上がるでしょう。

④ コートジボワール対ウルグアイ
 圧倒的なフィジカルでグループリーグを勝ち抜いたコートジボワールですが、ここでウルグアイが待っていました。スアレスとフォルランを中心とするウルグアイチームは「勝ちに辛い・激辛」ですから、さすがのコートジボワールも勝ち抜くのは至難の業でしょう。

 もし日本チームが、グループCを2位で勝ち上がった場合には、ウルグアイの厚い壁を撃破していく必要があります。

⑤ スイス対ナイジェリア
 拮抗した対戦です。このところ欧州で安定した成績を残してきているスイスが、世界ランク8位の地力を最後に見せるような気がします。

⑥ フランス対アルゼンチン
 どれもこれも好カードですが、このカードももう少し後で観たい感じがします。
実力は互角だと思いますが、南米開催のワールドカップであることを勘案して、アルゼンチンが勝ち上がるでしょう。

⑦ ドイツ対ロシア
 ロシアにとっては不運な組み合わせとなりました。ワールドカップでベスト8に進むまでのドイツチームの強さは、他を圧しています(60年以上継続して進出しています)から、ここはドイツが勝ち上がるでしょう。

⑧ ポルトガル対ベルギー
 大接戦ですが、絶対的エース・クリロナの存在分だけポルトガルが有利でしょうか。一方、クリスティアーノ・ロナウドが不発(ここまでのワールドカップでは実力を発揮していません)であれば、教科書通りのベルギーサッカーが勝ち上がる可能性は十分有ります。

 決勝トーナメント1回戦は、以上のような展望となりました。

 ベスト8に進むと予想されるのは、ブラジル、スペイン、イタリア、ウルグアイ、スイス、アルゼンチン、ドイツ、ポルトガルの8チーム。

 仮に、この8チームが勝ち上がった場合の準々決勝4試合の組合せも決まって来ます。

 次稿では、ベスト8・準々決勝の激突を展望しましょう。
 FIFAワールドカップWCブラジル大会の開幕が迫りました。

 グループリーグの各国のゲームをどのように観戦していくか、スケジューリングが難しいところです。何と楽しい悩みなのでしょうか。

 さて、グループリーグの展望に入りたいと思います。

 ご承知のように、出場32か国代表チームは4チームずつA~Hの8グループに分けられています。
 そして各グループの上位2チームが、決勝トーナメントに進出するのです。

[グループA] ブラジル、クロアチア、メキシコ、カメルーン

 開催国ブラジルは1位で勝ち上がると思います。難しいのは2位のチーム。クロアチア、メキシコ、カメルーンのいずれにも可能性があると思いますが、南米開催のWCであることを勘案して、メキシコが有利と観ます。

[グループB] スペイン、オランダ、チリ、オーストラリア

 前回覇者スペインが1位で勝ち上がる可能性は高いと思います。2位はチリとオランダの争いとなるでしょう。チリは5月8日現在の世界ランク(以下、同じ)で13位と、15位のオランダを上回っていますが、こうした国際大会の予選リーグにおけるオランダの強さも考慮する必要があります。
 近時のWCの中では、最も代表チームらしい代表チームを編成しているオランダが、少し優位かと思います。

[グループC] コロンビア、ギリシャ、コートジボワール、日本

 世界ランク上位の国が揃いました。世界5位のコロンビア、10位のギリシャ、21位のコートジボワール。日本の47位は相当に見劣りします。
 WCにおける実績が無いとはいえ、南米開催の大会ですから実力上位のコロンビアが1位で勝ち抜く可能性が高いと思います。

 2位争いが難しいところですが、1年ほど前までの破壊力に少し陰りが見えるギリシャに比べて、コートジボワールはヤヤ・トゥレ、ドログバといった中心選手が元気いっぱいです。コートジボワールが2位で勝ち抜けるのではないかと思います。

 我らがザックジャパンには、是が非でも勝ち上がってほしいところですし、可能性も十分にあるとは思いますが、「他の3チームが平均して強い」という難しいグループに入りました。相当厳しい戦いが続くと思います。3試合目のコロンビア戦に勝負をかけるためにも、初戦のコートジボワール戦で、勝利・勝ち点3を確保したいところです。
 全ての戦略は、そこから始まります。

[グループD] ウルグアイ、コスタリカ、イングランド、イタリア

 いわゆる「死のグループ」です。
 世界ランク6位であり、WC優勝2回を誇るウルグアイの突破は間違いないところでしょうが、ウルグアイというチームは「1位突破」には拘りませんので、決勝トーナメントの組合せを考慮して、どのような戦略を取ってくるか見物です。いずれにしても、ウルグアイというチームのしぶとさは尋常なものではありません。

 そうするともう1枠に残りの3チームが殺到することになります。やはり、イングランドとイタリアの争いになりそうです。戦力、世界ランク(11位と9位)とも互角の両チームですが、「前評判が低い時のイタリアは要注意」という原則?から、イタリアが勝ち上がると観ます。

[グループE] スイス、エクアドル、フランス、ホンジュラス

 力量が接近した4チームが入り、難しいグループとなりましたが、ここは世界ランク上位の8位スイスと16位フランスが、大混戦を抜け出すのではないでしょうか。エクアドルの一発は気になりますが。

[グループF] アルゼンチン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イラン、ナイジェリア

 アルゼンチンの1位通過の可能性は高いと思います。2位は大混戦。同程度の力量を持つ3チームですが、ここはWCの経験値を買ってナイジェリアの2位通過と観ます。

[グループG] ドイツ、ポルトガル、ガーナ、アメリカ

 ドイツとポルトガルが勝ち上がる可能性が高いと思います。順位ですが、WCのグループリーグにおけるドイツの強さは格別ですので、1位ドイツ、2位ポルトガルでしょう。

[グループH] ベルギー、アルジェリア、ロシア、韓国

 タレントの宝庫ベルギーの1位通過の可能性が高いと思います。2位争いは混戦ですが、南米チーム不在の中では、力強い攻撃が特徴のロシアが、少し有利かと思います。

 以上をまとめます。

[グループリーグ突破が見込まれるチーム]
・グループA 1位ブラジル・2位メキシコ
・グループB 1位スペイン・2位オランダ
・グループC 1位コロンビア・2位コートジボワール
・クループD 1位ウルグアイ・2位イタリア
・グループE 1位スイス・2位フランス
・グループF 1位アルゼンチン・2位ナイジェリア
・グループG 1位ドイツ・2位ポルトガル
・グループH 1位ベルギー・2位ロシア

 とても難しい検討でしたが、このような結論となりました。

 ワールドカップは、決勝トーナメントの組まれ方もあらかじめ決まっています(大会途中で抽選はありません)ので、この「仮の通過チーム」による、決勝トーナメント1回戦の組合せは自動的に決まります。例えば、グループAの1位対グループBの2位といった具合。

 ワールドカップに関する次号は、決勝トーナメント1回戦(ベスト16の8試合)の展望を行いたいと思います。

 6月1日のテキサス・レンジャーズ対ワシントン・ナショナルズ戦に先発したダルビッシュ有投手は、102球・8イニングを投げて被安打5・奪三振12の好投を見せて無失点、チームの2-0の勝利に貢献し、今季5勝目(2敗)を挙げました。

 この好投により、ダルビッシュの今季防御率ERAは2.08に改善、ヤンキースの田中将大投手の2.06と僅差の2位に付けたのです。

 今季11試合に先発し78と2/3イニングを投げてERA2.06の田中投手と10試合に先発し69と1/3イニングを投げてERA2.08のダルビッシュと、2人の日本人投手はMLBアメリカンリーグALをリードする投球を展開しています。
 素晴らしいことです。

 また、両投手の奪三振記録が凄まじい。田中が88、ダルビッシュが83とジョー・レスター投手(ボストン・レッドソックス)の95、マックス・シャーザー投手(デトロイト・タイガース)の89に次ぐ数値を叩き出しています。

 「多くのイニングを投げて、防御率が良く三振も取れる」という、MLBの先発投手に求められる役割期待に見事に応えている姿は、MLBにとって田中・ダルビッシュ両投手が、欠くべからざる存在になったことを明確に示しています。

 今後とも両投手には、けがや故障をせず、体調の維持管理に努めていただき、一層の活躍をお願いしたいと思います。
 それにしても、ダルビッシュ投手の「寝違え」は気になります。原因を解明してほしいものです。

 16番ホール・パー3のティーショットが池に吸い込まれた時「優勝は難しい」と感じました。優勝争いのプレーシャーの下、17番・18番ホールの難度の高さを考慮すると、松山選手が13アンダー以上の成績でホールアウトする可能性は低いと思ったのです。

 続く17番をボギーとして12アンダーに後退しました。

 そして18番。松山選手にとって相性が良いとはいえ、それは3日目までのこと、世界の超一流選手がボギー・ダブルボギーを再三打ってしまう、ミュアフィールド・ゴルフビレッジコースで最も難易度が高いホールです。

 松山選手のティーショットは右のラフに向かって飛びましたが、不思議なことにフェアウェイに出てきました。「勝利の女神は松山選手を見放していない」と思いました。
 続く第2打は、まさにスーパーショット!7番アイアンのショットは、グリーンのピン手前1.5メーターをヒットしました。相性の良さというか得意なホールという感覚が、存分に発揮されたバーディー奪取でした。

 ともに275ストローク・13アンダーパーで並んだケビン・ナ選手(アメリカ)とのプレーオフは、あまり心配しないで観ることが出来ました。基本的に追い付いた方が有利な上に、「18番は松山選手の得意ホール」なのですから。

 22歳の松山英樹選手は、PGAツアー26戦目にして初優勝を飾りました。見事な優勝です。日本人若手プレーヤーの世界レベルの大会における勝負強さを、ゴルフ界でも見ることが出来ました。
 少しはにかむように、表彰式で帝王ジャック・ニクラウス氏と並んで沢山のカメラマンに笑顔を向けている姿は、とても輝いていました。

 この優勝には3つの意義があると思います。

① PGAツアーでの優勝であること

 当たり前のことを書き恐縮ですが、世界最高のツアーでの優勝なのです。1983年の青木功選手、2001年の丸山茂樹選手、2008年の今田竜二選手に続く、史上4人目の日本人プレーヤーによる優勝です。このこと自体がまさに快挙であることを、まず認識したいと思います。

② 「フィールドが強い」トーナメントでの優勝であること

 ザ・メモリアルトーナメントは、帝王ジャック・ニクラウス選手が創設したトーナメントです。会場は、自ら設計したオハイオ州ダブリンのミュアフィールドビレッジ・ゴルフクラブ。

 ゴルフ界の伝説的プレーヤーが、自ら設計したコースを会場とするトーナメントを創設し、毎年運営しているというのは、ちょうどマスターズ・トーナメントと同じです。マスターズは、球聖ボビー・ジョーンズが、自ら設計したオーガスタナショナルGCで開催し、その後継続されてきたメジャートーナメントです。

 つまり、ザ・メモリアルトーナメントは「第5のメジャートーナメント化を志す」大会なのです。

 現在のPGAツアーで見れば、マスターズ、全米、全英、全米プロの4大メジャー大会、そしてザ・プレイヤーズチャンピオンシップに次ぐ、6番目の格式を誇る大会と言えるでしょう。結果として、有力選手が軒並み出場してきますから「極めてフィールドが強い大会」なのです。

 実際、松山選手が最終日に優勝を競った相手は、現在世界ランキング1位のアダム・スコット選手と今年のマスターズ優勝者ババ・ワトソン選手でした。
 こうした強豪を相手に、強いフィールドの大会を制したことは、極めて意義深いことだと思います。
 
③ プレーオフで勝ったこと

 PGAツアーにも、プレーオフに強い選手と弱い選手が存在します。
 精神面の問題もあるのでしょうが、当該プレーヤーにとって最初のプレーオフでの成績が大きく影響しているようにも思います。
 PGAツアー参戦後最初のプレーオフで勝つか負けるかが、とても重要なのでしょう。
 
 松山選手は勝ち切りました。
 プレーオフ1ホール目のティーショットを右側のバンカーに打ち込みましたが、相手のケビン・ナ選手の方は左側のクリークに打ち込み、松山選手の第二打は大きくグリーンを外しましたが、ギャラリーに当たって最小限のミスショットとなりました。
 「ツキも含めて」初経験のPGAツアーのプレーオフに勝ったのです。プレーヤーのレベルが高く接近しているPGAツアーでは、プレーオフになる大会も多いのです。
 この勝利の価値は、とても大きいと感じます。

 さて、PGAツアー初優勝を、ザ・メモリアルというビッグトーナメントで果たした松山選手には、2勝目・3勝目への期待が膨らむとともに、メジャートーナメントでの優勝争いにも十分加わっていける実力が備わっていることは明白です。

 以前から、松山選手の体力面・技術面・精神面の向上を勘案すれば、「手の故障さえ快方に向かえば十分に勝負になる」と観ていたことが、現実のものとなったのです。前週のクラウンプラザ・インビテーショナル大会・最終日最終組のラウンド実現にも、初優勝の気配が漂っていました。そして堂々の優勝。本当に素晴らしいことです。

 そんな松山選手にお願い事がひとつ。
 今後の大会で、最終日トップに立っての終盤のホールでは「池には落とさないで」いただきたい。観戦しているファンにとって「本当に心臓に悪いショット」なのです。よろしくお願いします。

 スポーツに限らず、全ての分野に多くの諺(ことわざ)が存在します。

 それらの諺の中には、意味が分かり難いものも沢山あります。そして、意味は分かるが狙いが分からないものも多いと思います。

 本稿で採り上げる「シュートは枠に行かないと入らない」という、サッカー競技の諺もそのひとつでしょう。

 「シュートは枠に行かないと入らない」という諺というか言葉は、最近では聞かれなくなりましたが、20年ほど前には、テレビ放送の解説などで良く聞かれました。
 「あーっと惜しい。シュートがバーを越えてしまいました。」とアナウンサーが言うと「シュートは枠に行かないと入りませんからね。」と解説者が応ずるといった形です。

 この言葉の意味は、極めて分かりやすいものです。ゴールの枠の中に蹴らなければ、あるいはヘディングしなければ、シュートは決まらないということ。そんな「当たり前のこと」をわざわざ解説者等が述べる以上、表面的な意味を超える、深い意味が込められていると感じるのが、普通でしょう。

 確かに20年前の日本サッカーにおいては、シュートがなかなか決まりませんでした。絶好のチャンスと思われたシーンでも、最後のシュートが枠に行かないことが多かったのです。
 シュートが枠に行かないという現象は、もちろん現在でもよく観られます。「サッカー競技における永遠の課題」のひとつなのでしょう。

 そうすると「シュートは枠に行かないと入らない」というのは、当時の日本サッカーに警鐘を鳴らした言葉ということになります。

 しかし、良く考えてみると警鐘にもなっていない感じです。

 シュートが決まらない事象に対しては、「どうしたら枠内にシュートを打つことができるか」が重要なのであって、「シュートは枠に行かないと入らない」と言っても進歩しないでしょう。シュートする全てのプレーヤーは当然に「枠の中を狙って打っている」のですから。そんなことは分かっている、ということになりそうです。

 角度、距離、キーパーとの関係、ディフェンダーとの関係、味方プレーヤーとの関係といった様々な要素を勘案し、どういった状況でも、高い確率で枠を捉えるシュートを放っていくための努力は、並大抵のことではないでしょう。

 走力、シュートを蹴るための筋力、全身のバランス向上といった身体面の弛まぬ強化を前提として、相手ディフェンス陣を崩していく戦術・戦略の構築、それを高い精度で実行していくための日々のトレーニング等々、「枠に行くシュートを放つため」には、数多い要素・ポイントをクリアして行かなければなりません。

 サッカー競技で上達するために必要な心構えを説くのであれば、「シュートは枠に行かないと入らない」という言葉は、不十分なものなのでしょう。中身の無い言葉のように感じますし、広い意味では嘘なのかもしれません。
 場合によると、前述のような努力の妨げにもなりそうです。シュートを枠の外に外してしまったプレーヤーが、「シュートは枠に行かないと入らない」と考えて納得してしまうようでは、無意味というより有害です。

 さすがに、この妙な言葉は最近使われなくなりました。その本質が広く理解されてきたのでしょう。

 新国立競技場の建設に向け、国立競技場が解体されます。

 1964年東京オリンピックのメイン会場であり、幾多のスポーツイベントが開催されてきた「国立」。何度も足を運び、喜び悔しがった日々が思い出されます。

 本稿で言う国立競技場は、正式には「国立霞ヶ丘陸上競技場」のことです。「国立競技場」というのは、この国立霞ヶ丘陸上競技場に、国立代々木競技場や国立西が丘競技場(味の素フィールド)なども含んだ総称ということですが、私にとっては、そして多くのスポーツファンにとっては、国立霞ヶ丘陸上競技場=国立競技場なのでしょう。

 その国立競技場では、陸上競技やサッカー、ラグビーなど様々な競技が行われてきました。そして、我が国最高峰の競技場ですから、日本一、世界一を争う大会・試合が実施されてきたのです。

1. 定期的に開催された大会・試合

① サッカー天皇杯決勝
 定期的に開催される試合・大会も沢山ありますが、何といっても一番有名なのは元日に行われるサッカー天皇杯決勝戦でしょう。幾多の好勝負が展開されましたし、日本のサッカープレーヤーにとって「元日に国立のピッチに立つこと」は、大変大きな栄誉だったのでしょう。

 その第一回は1969年(昭和44年)の元旦のゲームでした。以来45年間、同じ会場で毎年定期的に開催される「日本一を決めるスポーツイベント」としても屈指の歴史を誇ります。有名であることも当然でしょう。

② ラグビー大学選手権大会・準決勝の2試合
 元旦の天皇杯サッカーが終わると、1月2日には「全国大学ラグビー選手権大会の準決勝2試合」が行われました。これも恒例となっていて、同じ2日に開催される箱根駅伝・往路と合わせて視聴するために、テレビ操作には毎年頭を悩ませたものです。

 1月2日というと、初詣や初売りといったイベントも目白押しなのですが、箱根駅伝+大学ラグビーということで、私は原則として昼間外出しません。

 国立競技場にとっても、1月1日にサッカー、2日にラグビーということで、1年間で最も忙しい時期のひとつであったと思います。芝の管理などは、大変だったのではないでしょうか。

③ 早明戦(ラグビー)
 毎年12月の第一日曜日に、関東大学ラグビー対抗戦グループ伝統の早明戦が、国立競技場で行われました。公式には、関東地区の大学の対抗戦グループに所属するチーム同士の定期戦ということになるのですが、これがラグビー界最大のイベントのひとつなのです。

 20世紀には毎年超満員、素晴らしいゲームが展開されました。何回観に行ったか分からないほどですが、両校の気迫溢れるプレーは絶えることなく続いて来ました。

 国立競技場でのラグビーの試合では、インゴールのエリアが少し小さいのでビニールシートが敷いてありました。日本一を決める試合でビニールシートはいかがなものかという意見もありましたが、選手達にとっては「国立でプレーすること」の重要性が、遥かに勝っていたことでしょう。

 この他にも、1958年開始の日本陸上競技選手権大会や1976年に開始された全国高等学校サッカー選手権大会、1980年~2001年にはサッカーのクラブチーム世界一を決める「トヨタカップ」の会場となるなど、国立競技場を舞台として毎年定期的に日本一・世界一を決めるイベントが開催され続けていたのです。

 これ程多種・多様な、日本一・世界一の大会が開催され続けた競技場というのは、「世界的に見ても少ない、というか滅多に無い」のではないかと感じます。

 スポーツ大国アメリカなら、競技毎に立派な競技場が用意されているでしょうし、合衆国というくらいですから、州毎に相応の競技場が存在するでしょうから、「特定の競技場に各種のスポーツイベント、それも国家や世界のチャンピオンを決めるイベントが集中する」ということは、有り得ない感じがします。

 一方ヨーロッパなら、サッカーとラグビーは別の会場で行われるでしょうし、陸上競技場のピッチで、サッカーやラグビーの大きな大会・試合が行われることは少ないでしょう。

 こうして見ていくと、「国立競技場」は世界一多種多様なハイレベルのスポーツイベントが開催されてきたスタジアムと言って良いのではないでしょうか。
 ギネスものでしょう。

2. 最も印象に残っている大会・試合

 幾多の競技・大会・試合を「国立」で観てきました。「最も」というものを選定するのはとても難しいのですが、1979年のFIFAワールドユース大会を挙げることにします。

 1979年(昭和54年)の8月25日から9月1日にかけて開催されたFIFAワールドユース大会は、1964年東京オリンピックを除けば、我が国で開催された最初のサッカーの本格的国際大会であったと認識しています。
 世界中の予選を勝ち上がった代表16チームが、4チームずつに分かれてグループリーグを戦い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進むという、FIFAワールドカップと同様の形式で行われました。

 グループリーグは、グループAが国立競技場、グループBが大宮公園サッカー場で、グループCが神戸市立中央球戯場で、グループDが横浜三ツ沢公園球技場で開催され、決勝トーナメントの準々決勝は4会場で、準決勝は国立と神戸で、決勝は国立で行われました。

 私は、この大会の国立競技場で開催されたゲームの大半を観戦しました。毎試合、仕事が終わると大急ぎで「国立」に駆け付けたのです。

 Jリーグが始まる10年以上前の大会ですから、観客動員を心配しましたが杞憂でした。準決勝のアルゼンチン-ウルグアイは20000人、そして決勝のアルゼンチン-ソ連は52000人の大観衆で埋め尽くされました。
 「ワールドカップも開催できる」と確信したことを憶えています。

 ピッチ上で展開されたゲーム内容も、素晴らしいものでした。この大会は「アルゼンチンチームのための大会」でした。

 アルゼンチンユースチームには、才能溢れるユースプレーヤー(20歳以下)が集まっていました。極めて高い得点力を誇るラモン・ディアス選手や天才的なボール捌きを魅せたディエゴ・マラドーナ選手が中心のチームでしたが、その圧倒的な攻撃力と堅実な守備陣の力が相俟って、危なげ無く勝ち上がり、決勝戦も3-1の快勝でした。

 ディアス選手の素晴らしいドリブルからのシュートや、マラドーナ選手のバナナシュートは眼に焼き付いています。
 「アルゼンチンは強くなる」と確信しました。この時のメンバーを主体に1986年メキシコ・ワールドカップでアルゼンチンは優勝しました。アルゼンチンが自国開催以外の大会で初めて優勝した大会であり、「マラドーナの大会」と呼ばれるワールドカップでした。

 まだ磨かれていない宝石が散りばめられたようなユースのアルゼンチンチームを、何度も目にすることが出来たことは、本当に幸せなことでしたし、舞台としての国立競技場も素晴らしい佇まいでした。

 大歓声の中、空を見上げると、夕闇迫る神宮の森の大きな空が広がっていました。とても大きな空でした。

 「空が広いスタジアム」というのが、国立競技場の印象です。世界有数の大都市東京の都心に在るとは、とても思えない景色です。
 新国立競技場の建設に際して、様々な報道がなされていますが、「景観に配慮し、高さを抑えて造った」ということなのです。
 かつて国立競技場に行く度に、「どうしてメインスタンドが、もう少し大きくないのだろう」「メインスタンドが、もう少し大きければ、より良い角度からゲームを観られる人が増えるのに」と感じていましたが、そもそもスタンドの高さを抑えることを目標に建設されていたのですから、止むを得ないことだったのです。

 そうした肝心なことを、取り壊しが決まり、新競技場建設開始の段になって知るのですから、何とも間抜けな話ですが、あの国立競技場の美しいフォルムの理由が少し分かったように思います。

 国立競技場は、本当に美しいスタジアムだと思います。あの楕円形のフォルム、バックスタンド側が大きく膨らんでいますが、すり鉢型ではなくスタンドの角度がとてもゆったりとしているので、スタンドのどこからでも、広い空を感じることが出来ます。
 真っ青な空のもと、プレーヤーは存分に駆け回るのです。

 21世紀に入ると、8コースしかない陸上競技トラックは、国際陸上競技連盟の世界大会開催基準を満たさなくなり、全体として設備が古くなってしまいました。サッカー場としても、日本でのワールドカップ開催を契機に、埼玉・横浜を始めとして日本中に立派なスタジアムが建設されましたから、「国立」が使用される頻度は下がりました。スポーツイベントが減少して行ったのです。

 そして、音楽イベント・コンサートが開催されるようになったのでしょう。
 2005年にSMAPが初の単独ライブを行い、2007年にDREAMS COME TRUEが続き、2008年には嵐が講演を行いました。
 2012年のL’Arc~en~Cielのコンサートには80000人が入場し、これが国立競技場の最多入場者数の記録となっています。
 その後も、ももいろクローバーZ、AKB48などのコンサートが次々と行われました。5万人以上の観客席を持つ「国立」は、大掛かりなコンサート会場にはピッタリなのですが、そのキャパシティ以上に、あの独特の形状と雰囲気が、音楽イベントに向いていたのだろうと感じます。

 スポーツに音楽に。大袈裟に言えば、この時代に生きた人々の人生の一シーンであった国立競技場。お疲れ様でした。ありがとうございました。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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