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HOME   »  2014年06月02日
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 スポーツに限らず、全ての分野に多くの諺(ことわざ)が存在します。

 それらの諺の中には、意味が分かり難いものも沢山あります。そして、意味は分かるが狙いが分からないものも多いと思います。

 本稿で採り上げる「シュートは枠に行かないと入らない」という、サッカー競技の諺もそのひとつでしょう。

 「シュートは枠に行かないと入らない」という諺というか言葉は、最近では聞かれなくなりましたが、20年ほど前には、テレビ放送の解説などで良く聞かれました。
 「あーっと惜しい。シュートがバーを越えてしまいました。」とアナウンサーが言うと「シュートは枠に行かないと入りませんからね。」と解説者が応ずるといった形です。

 この言葉の意味は、極めて分かりやすいものです。ゴールの枠の中に蹴らなければ、あるいはヘディングしなければ、シュートは決まらないということ。そんな「当たり前のこと」をわざわざ解説者等が述べる以上、表面的な意味を超える、深い意味が込められていると感じるのが、普通でしょう。

 確かに20年前の日本サッカーにおいては、シュートがなかなか決まりませんでした。絶好のチャンスと思われたシーンでも、最後のシュートが枠に行かないことが多かったのです。
 シュートが枠に行かないという現象は、もちろん現在でもよく観られます。「サッカー競技における永遠の課題」のひとつなのでしょう。

 そうすると「シュートは枠に行かないと入らない」というのは、当時の日本サッカーに警鐘を鳴らした言葉ということになります。

 しかし、良く考えてみると警鐘にもなっていない感じです。

 シュートが決まらない事象に対しては、「どうしたら枠内にシュートを打つことができるか」が重要なのであって、「シュートは枠に行かないと入らない」と言っても進歩しないでしょう。シュートする全てのプレーヤーは当然に「枠の中を狙って打っている」のですから。そんなことは分かっている、ということになりそうです。

 角度、距離、キーパーとの関係、ディフェンダーとの関係、味方プレーヤーとの関係といった様々な要素を勘案し、どういった状況でも、高い確率で枠を捉えるシュートを放っていくための努力は、並大抵のことではないでしょう。

 走力、シュートを蹴るための筋力、全身のバランス向上といった身体面の弛まぬ強化を前提として、相手ディフェンス陣を崩していく戦術・戦略の構築、それを高い精度で実行していくための日々のトレーニング等々、「枠に行くシュートを放つため」には、数多い要素・ポイントをクリアして行かなければなりません。

 サッカー競技で上達するために必要な心構えを説くのであれば、「シュートは枠に行かないと入らない」という言葉は、不十分なものなのでしょう。中身の無い言葉のように感じますし、広い意味では嘘なのかもしれません。
 場合によると、前述のような努力の妨げにもなりそうです。シュートを枠の外に外してしまったプレーヤーが、「シュートは枠に行かないと入らない」と考えて納得してしまうようでは、無意味というより有害です。

 さすがに、この妙な言葉は最近使われなくなりました。その本質が広く理解されてきたのでしょう。

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