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HOME   »  2014年11月16日
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 日本プロ野球の2014年ドラフト会議が10月23日に行われました。

 最近のドラフト会議とその後の交渉権獲得球団決定において感じることは、意中の球団であったのか無かったのかはともかくとして、記者会見で「選ばれた球団を嫌がる」「困惑している」様子の選手が、めっきり少なくなったことでしょう。

 ほんの10年ほど前までは、ドラフト会議で自身の交渉権を得た球団が、意中の希望する球団では無かった時に、「全く笑顔が無く」「呆然とした様子で」「泣き出す選手も居る」ことが多かったと思います。
 また、意中の球団に入るために浪人したり、「空白の1日」を始めとする様々な手法を用いたりする事例も、数多くありました。

 ところが最近の数年は、指名を受けた選手は一様に笑顔で喜びを表します。特に、1位指名の選手は、とても嬉しそうです。
 指名を受けた選手全員が、意中の球団であったとは思えないのですが、こうした変化はどこから来ているのでしょうか。

① 球団では無く「日本プロ野球NPBに就職する」という意識が高まっているのではないか。

 セ・リーグ、パ・リーグのどちらのリーグでも良いし、どの球団でも良い、とにかく「日本プロ野球」で働く機会を得たいと考える選手が増えているのかもしれません。
 まずは、プロ野球に挑戦する権利を確保し、プロ野球で活躍してFA権を取得するなどして、他の球団に移籍するといった「野球人生」を歩むことを考えているのでしょうか。

 自らの成績、スキル向上度合いによっては、アメリカ・メジャーリーグMLBへの道も開けるのです。

 実は、MLBにおいては「株式会社MLBへの就職」という形容が、時々見られます。MLBプレーヤーの水準を超えた能力を備えたプレーヤーは、次から次に球団を移りながら、メジャーリーガーとして働き続けます。
 特定の1つの球団でメジャーリーガーとしてのキャリアを終えるプレーヤーは、ごく少数なのです。

 例えば、松井秀喜選手はニューヨーク・ヤンキース→ロサンゼルス・エンゼルス→オークランド・アスレチックス→タンパベイ・レイズと移りました。
 アレックス・ロドリゲス選手はシアトル・マリナーズ→テキサス・レンジャーズ→ニューヨーク・ヤンキースと渡り歩いています。

 野茂英雄投手はロサンゼルス・ドジャーズ→ニューヨーク・メッツ→ミルウォーキー・ブルワーズ→デトロイト・タイガース→ボストン・レッドソックス→以降3チームと、計8チームで活躍しました。
 「ビッグ・ユニット」ランディ・ジョンソン投手はモントリオール・エクスポス→シアトル・マリナーズ→ヒューストン・アストロズ→アリゾナ・ダイヤモンドバックス→ニューヨーク・ヤンキース→ダイヤモンドバックス→サンフランシスコ・ジャイアンツと、延べ7チームで投げています。

 特定の1つのチームで選手キャリアを完結したプレーヤーとして直ぐに思いつくのはニューヨーク・ヤンキース一筋20年のデレク・ジータ選手位のもので、あのバリー・ボンズ選手でさえピッバーグ・パイレーツ→サンフランシスコ・ジャイアンツの2チームでプレーしているのです。

 MLBにおいては、自分のスキルを頼りに球団を渡り歩く「ジャーニーマン」が普通のことで、逆の言い方をすれば、色々な球団から声がかかるプレーヤー=メジャーリーグレベルのプレーヤーであることの証明とも言えます。

 一方、日本プロ野球NPBでは、従来「球団に就職するという意識」が高かったと思います。球団への忠誠心の高さが重要視され、「○○一筋」という形でファンも「生え抜きの選手」を良しとしてきたのではないでしょうか。
 こうした意識が球界全体に存在していたために、ドラフトで意中の球団以外から指名を受けると、泣きながら嫌がる選手が出てくるといった現象も見られたのでしょう。

 しかし、どうやら時代は変わったのです。どこの球団でも良い、自分の活躍する場を確保することが第一、特に1位指名なら注目度も高いので、活躍の可能性がより広がる、といった考え方が一般的になりつつあるように見えます。
 こうした考え方のベースには、NPB→MLBというルートの一般化も大きく作用していることでしょう。多くの選手にとっての憧れ・世界最高のベースボールリーグへの道も続いているのです。NPBの球団名に拘っている場合では無いという考え方の選手も増えたのでしょう。

 こうした変化の良し悪しは、一概には言えないと思いますが、NPBもMLB並みになってきたということは言えそうです。

② NPBにおける各球団に対する様々な取扱いの差が小さくなったこと

 以前は「球界の盟主」などという言葉が、頻繁に使われました。もちろん、「巨人軍が球界の盟主である」という形で使われることが最も多かったのです。
 その後、西武が優勝回数を伸ばし「球界の盟主の座を巨人から奪った」などとも言われました。
 しかし、現在では「球界の盟主」という言葉は、あまり使われなくなりました。当該球団の内紛・トラブルの発生時などに、化石のように登場するだけです。

 そして相当以前には、テレビ放送が巨人軍を中心に組まれていた時代がありました。それも相当長い間、そうした状況が続きました。例外的に関西地域においては阪神タイガース中心のテレビ放送が存在しました。
 この時代、パ・リーグの試合のテレビ放送は極端に少なかったのです。

 この時代のオールスターゲームにおいては、パ・リーグの選手の活躍が目立ちました。普段テレビに映ることが少ないパの選手が、オールスター戦でハッスル(古い言葉で恐縮です)し、大活躍を見せるのです。結果として、試合結果もパ・リーグの方が強かったのです。「実力のパ、人気のセ」という言葉も存在しました。
 パ・リーグを代表する鈴木啓示投手や福本豊選手から「パ・リーグはテレビ放送が少ない」といった趣旨のコメントが再三発せられていました。

 こうした現象の要因の大半が「巨人軍への人気集中」にあったことは、間違いないことでしょう。昭和40年~48年の「栄光の9連覇・V9」によって巨人軍の人気は不動のものとなり、テレビ放送でも別格の高い視聴率を稼ぐことが出来ましたから、特に全国ネットの放送では、巨人対○○というカードばかりが流されるようになっていたのも、無理も無いところです。

 ところが20世紀の終盤から、この傾向が弱くなり、21世紀に入ってからは、NPB各球団に対するテレビや新聞を始めとするマスコミの取り扱いの格差が、小さくなりました。

 この変化には「日本プロ野球全体の人気低下」が大きく影響していますし、各球団の地域特化、北海道日本ハムとか横浜ベイスターズとか東北楽天とかいった形の、地域密着型のチーム造り・施策展開の結果とも言えるのでしょう。

 「巨人軍に所属していなくても多くのファンに観てもらえる」「ジャイアンツでなくてもテレビ放送してもらえる」という事実、加えて「カープ女子」に代表されるような各球団に個別に存在する熱狂的なファンの存在が、ドラフトにかかる一流プレーヤーの球団選びに大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

③ 自分のやり方で思う存分トライしたいというプレーヤーの増加

 現在MLBで活躍している、ヤンキースの田中投手、レンジャーズのダルビッシュ投手、マリナーズの岩隈投手の3人は、いずれもNPBパ・リーグの出身です。

 これは偶然なのでしょうか。私は、やはり理由があると思います。

 この3人はいずれも、高校卒業と同時にNPBの東北楽天、北海道日本ハム、大阪近鉄に入団し、自らの投球を磨いて、各々の所属チームのエースとなってからMLBに挑戦しました。
 各々の所属球団での活躍を観ると圧倒的な内容で、その時代の「NPB最高の投手」と呼ばれるまでになり、堂々とMLBに挑戦したのです。

 一方で、人気球団である巨人や阪神から、「NPBを代表する投手」がなかなか出現せず、結果としてMLBに挑戦し成功する投手が出て来ないという事実があります。

 特にダルビッシュ投手と田中投手について見れば、高校進学さえも各々の出身地である大阪や神戸に拘ることなく、東北・北海道の高校を選んでいるのです。
 甲子園大会に出易いと考えた部分もあるのでしょうが、何より「自分が思う存分野球をやることが出来る環境」を確保したのではないでしょうか。

 そして、取り巻きやファンの中にうるさ型が多い?と見られる巨人や阪神といった人気球団を避けていたかのようにさえ感じられます。
 自らの才能に自信を持っているプレーヤーは、「球界の盟主」とか「関西のNO.1人気球団」とかいったレッテルを全く気にする事無く、自らの野球を極めて行った、極めて行くには北海道日本ハムや東北楽天の方が都合が良かったのかもしれないのです。

 こうした先達の活躍を見るにつけ、最近のドラフト候補生達も球団には拘りを持たない、もっと言えば、セ・リーグよりパ・リーグの方が自分磨きには向いているとさえ考えているかもしれません。

 また、これは不思議なことですが、この10年間ほどは、ドラフト全体1位候補=NPBであれば複数の球団が指名する選手は、ほとんどの場合パ・リーグ球団がくじ引きに勝ち、交渉権を獲得してきているように見えます。

 今2014年の注目選手であった早稲田大学の有原投手は、阪神・広島・DeNAと争った日本ハムがくじを引き当てましたし、もうひとりの目玉・済美高校の安楽投手はヤクルトと争った楽天が交渉権をゲットしました。
 有原投手に到っては、セ3チーム、パ1チームという劣勢?の下でパ・リーグ球団が引き当てたのです。くじ運のこととはいえ、どうもこのところセ・リーグ球団は分が悪いようです。

 20年以上前、テレビ放送が少ないと言って嘆いていたパシフィック・リーグは、今では「日本球界を代表するプレーヤーの宝庫」となって、多くのファンが球場に詰めかけ、テレビ放送もふんだんに行われるようになりました。

 プロの世界で野球・ベースボールを志す選手にとっては、ドラフト会議でどの球団が交渉権を獲得しようが、あまり関係が無い時代がやってきているように見えます。
 一方で、そうした選手に対して「自分磨きに適した環境を提供できる球団」から、世界に通用する超一流プレーヤーが育っているようにも感じるのです。
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