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HOME   »  2014年11月20日
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 2006年以来8年振りの日米野球が行われました。

 「本戦」の5試合は11月18日に終了して、日本チームが3勝2敗と勝ち越しました。日本チームが勝ち越したのは24年振りとのことです。

 アメリカMLBの選抜チームと、日本NPBの選抜チーム(今回からは「サムライジャパン」)が対戦する、いわゆる「日米野球」には独特の雰囲気・味があります。毎回とても楽しめるのですが、今回も味わい深いシリーズでした。

 日米野球2014に対する雑感を書いてみたいと思います。

① シーズンオフの試合であること

 当たり前のことで恐縮ですが、MLBならレギュラーシーズン・ポストシーズン、そして仕上げのワールドシリーズを終えてからのゲームとなります。NPBならペナントレース・プレーオフ、そして日本シリーズを終えての試合なのです。

 従って、出場する選手はピークの状態ではありません、というか、特に「心の火」を落としていますから、ピークからは程遠い状態で試合に臨むことになります。止むを得ないことです。

 怪我をするかもしれないギリギリのプレーを、選手がシーズンオフのゲームで行う筈がないのですから、観る方も「別種の試合・ゲーム」として楽しむ必要があります。

 「家族同伴のMLBチームは物見遊山・観光気分だ。真剣勝負になっていない。」といった指摘が、今回も出されていますが、いかがなものでしょうか。問題視しても意味が無いと思います。
 これまでの日米野球と同じなのです。

 時には「物見遊山のMLBチームに勝ち越したからといって大したことでは無い。」といった意見も見られますが、1908年の第一回以来100年以上に渡って行われてきた日米野球において、MLBチームはいつもこうした状態で戦ってきたのであり、そうしたチームに中々勝ち越せなかった日本チームが、今回は勝ち越したのですから、素直にその勝利を評価すべきでしょう。

② 第1~3戦は日本が3連勝、第4・5戦はMLBが連勝

 11月12日の第1戦は2-0、14日の第2戦は8-4、15日の第3戦は4-0でサムライジャパンが3連勝して、早々に勝ち越しを決めました。続く16日の第4戦は6-1、18日の第5戦は3-1でMLBが連勝したのです。

 早々に勝ち越しを決めたサムライジャパンが第4戦に臨むに当たり、いくら小久保監督が選手の尻を叩いても、やはり少し気合が入らなくなるのは当然でしょうし、MLBチームも全敗という訳には行きませんから、一層気合いを乗せて戦うでしょうから、第4・5戦の連勝も納得です。

 こうした試合経過も、いかにもシーズンオフのゲームという感じで、とても面白いと思います。

③ 第3戦の日本チームによるノーヒットノーラン達成

 則本→西→牧田→西野と4人の投手を繋いだサムライジャパンが、ノーヒットノーランを成し遂げました。素晴らしいことです。

 1908年の日米野球開始直後から、「メジャーリーグが日本チームを圧倒するという絵」が長く続いたのですが、ようやく日本選手のプレーが注目されるようになったのが、1934年(昭和9年)の沢村栄治投手の好投でした。
 ベーブルース選手やルー・ゲームリック選手、ジミー・フォックス選手といったホームランバッターが並ぶMLB打線を手玉に取った投球は、メジャーリーガ達から驚嘆の眼で評価されたと伝えられています。

 この1934年の日米野球も、結果を観れば16試合でアメリカチームが16勝という、圧倒的な力の差が見られたシリーズだったのですが、そういった圧倒的劣勢の下で沢村投手の好投が光ったということになります。
 つまり、日本プロ野球黎明期(1934年のこの日米野球開催を契機として、同年日本初のプロチーム・大日本東京野球倶楽部→読売ジャイアンツの前身が設立されたのです)においても、投手のレベルは相当に高かったことが判ります。

 現在でも、NPB出身プレーヤーのMLBにおける活躍は、野手においてより投手において目立っている訳で、4投手によるノーヒッターリレーもNPBの特質をよく表しているものだと感じます。第一戦の前田投手、第五戦の大谷投手の好投も見事なものでした。

④ ホームランも飛び出したサムライジャパン

 日米野球というと、アメリカチームからホームランがポンポン飛び出し、日本チームは単打と走塁で得点するというイメージです。過去には、日本チームに1本のホームランも無く終わったシリーズも、有ったのではないでしょうか。

 この傾向は、基本的には今シリーズでも同様でしたが、今シリーズにおいてはサムライジャパンからもホームランが、それも「試合を決めるホームラン」が飛び出しました。今後の日本代表チームの戦いを考える時、とても頼もしいと感じます。

 特に、前述の第3戦、投手陣がノーヒッターを達成したゲームは、2回に坂本選手の2ランで先制し、3回に中田選手の2ランが飛び出しての4得点でした。試合の流れを決定付ける大事な局面での2本の2ランホームラン。これまでの日本チームには、なかなか見られなかった試合内容だと思います。
 
 以上、日米野球2014についての雑感でした。

 繰り返しになりますが、とても面白いシリーズであったと思います。「日本の野球」と「アメリカのベースボール」が、シーズンオフという状況でぶつかるという日米野球には、その時代時代に沿った大きな意味・意義があると思います。これは、想像を遥かに超えるバリューでしょう。

 例えば、前述1934年の日米野球、球聖ベーブルースを始めとするオールスターメンバーが来日した日米野球の賑わい・観客動員力を観て、当時全盛であった東京六大学を中心とする学生野球だけでは無く、「職業野球」でも事業として成功すると考えた人達が現れ、大日本東京野球倶楽部が設立された可能性があります。少し大袈裟に言えば「日米野球が日本プロ野球の生みの親」ということになるのかもしれません。

 現在でも、NPBの選手達はメジャーリーグの空気を肌で感じるのでしょうし、MLBのプレーヤーは日本という国で独自の進化を続けるベースボールの良さを見出すのです。
 
 次回の日米野球も楽しみです。
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