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 嘉風関は9月場所を11勝4敗の好成績で終えました。

 5月場所で10勝、7月場所で12勝、そして9月場所が11勝ですから、3場所で33勝という素晴らしい成績を継続したのです。
 「3場所・33勝」というのは、「大関昇進基準をクリア」しています。

 もちろん、三役番付における成績では無いので、大関昇進というわけには行かないのですけれども、平幕力士の3場所連続二桁勝利というのも、滅多に観られない快挙でしょう。

 そして、殊勲賞と技能賞を受賞しました。
 2横綱・2大関・2関脇を破っての11勝。嘉風にとって、キャリア最高の場所であったのでしょう。

 何より、その相撲内容が素晴らしいものでした。
 素早い立ち合いから、相手力士を押し込みながら、おっつけやいなしという左右の動きを見せて、さらに前進、押し出すという取り口は、「前に出る強い力」と「高度な技術」を併せ持った相撲と言えるでしょう。

 以前も書きましたが、33歳になってからも進化を続けているところが見事です。

 三賞受賞インタビューで「とにかく毎日の取組を楽しむことが出来るようになった」とコメントしていました。
 「嘉風の相撲」を極めたかのようなコメントでした。

 来11月場所では小結返り咲きが濃厚です。

 一番一番の勝ち負けはともかくとして、何度でも「嘉風の相撲」を観てみたいと感じさせる力士となったことが最も素晴らしいと思いますし、プロスポーツのプレーヤーとして、大相撲の力士として理想的なことなのでしょう。
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 驚くべきパッティングの連続でした。ジョーダン・スピース選手は、自らの得意技であるパッティングの妙技を連発しました。

 PGAツアー2014~15年シーズンの最終戦「ツアー選手権大会」は、9月24日から27日にかけて、ジョージア州・アトランタ郊外のイーストレイク・ゴルフクラブで開催され、アメリカのジョーダン・スピース選手が4日間通算271打・9アンダーパーのスコアで優勝しました。

 この勝利により、スピース選手は今季フェデックスカップの年間王者となりました。
 加えて今季の賞金王も獲得、マスターズ大会と全米オープン大会のメジャー2勝と共に、2014~15年シーズンが「スピースのシーズン」であったことを確定しました。

 それにしても、驚異的なパッティングの上手さでした。

 3日目から、スウェーデンのヘンリック・ステンソン選手とのマッチプレーの様相を呈した大会でしたが、スピース選手は「ここぞというパット」に加えて「まさかというパット」まで決め続けました。

 ショットメーカーであるステンソン選手が、素晴らしいショットを魅せ、毎ホールの様にスピース選手の内側にグリーンヒットするのですが、スピース選手は外側から長いパットを次々と決めて、ステンソン選手にダメージを与え続けました。

 先行するステンソン選手を追い上げた3日目、16番ホールでスピース選手は5~6mのパーセービングパットを残しました。大ピンチです。
 しかし、このパットを決めました。優しいストロークから送り出されたボールは、静かにグリーン上を転がり、キッチリとカップに吸い込まれました。

 こうしたスピース選手の「神がかった」パッティングが続く中で、しかしステンソン選手も一歩も引かず、グッドショットを打ち続けました。
 意地の張り合いというか、粘り強さなら引けを取らないステンソン選手の真骨頂でもありました。

 逆に、スピース選手を追い上げることとなった4日目の前半から中盤にかけても、ステンソン選手のアイアンのキレは抜群でした。次々とピンに絡むショットを放ち続けます。スピース選手がどこかでミスをすれば、一気に差を詰めるという気迫に溢れたプレー振りでした。

 しかし、スピース選手はパターで対抗します。10mを大きく超える超ロングパットを決めてバーディを取り、入れ頃外し頃の2~3mのパットを悉く捻じ込みました。

 4日目の15番ホールを終えて3打差が縮まりませんでした。

 ここでついに、ステンソン選手が「根負けした」のです。
 集中力が切れてしまい、16番・17番ホールでは別人のようなプレーとなりました。

 特に、スピース選手の2~3mのパッティングは「神業」のレベルでした。
 とにかく入るのです。

 当然ながら、世界最高レベルのアメリカPGAツアーのプレーオフシリーズ最終戦ともなれば、グリーンの難度は極めて高いのです。
 あちらこちらで1m以内のパッティングを外すシーンが観られました。
 プレーをしているのは、今季のポイント上位28名、選び抜かれた今季の世界トップ28のプレーヤーなのです。そうしたプレーヤーが1m以内のパットに苦労している中で、スピース選手は2~3mのパッティングを悉く決めるのです。

 ライン・アンジュレーション・スピード共に最高難度のグリーンでこのパフォーマンス。不思議な程の決定力でした。

 これ程のパッティングが出来るプレーヤーは、ショットの狙いどころも他のプレーヤーとは異なるでしょう。
 他のプレーヤーが「ピンデッド」あるいは「ワンピン以内」を狙って行くホールで、ピン横5m辺りといった狙い方を選択できるのですから。
 ミスショットも減る筈です。

 サンデーバックナインに入ってから、スピース選手がここぞというパットを決めると、ステンソン選手とキャディが会話しながら次のホールに向かいます。「やっぱり決めただろう」と話しているように観えました。
 そう感じられるほどのパフォーマンスだったのです。

 最終18番ホールは、230ヤードを超えるパー3ですが、ティーインググラウンドから観てグリーン右端に立っているピンに対して、スピース選手のショットは左端にヒットしました。
 2位との差から見て、ほぼ優勝を決めているプレーヤーとしては妥当なショットであったと思います。
 この20m近いパッティングを、スピース選手は2.5m程オーバーしました。

 この2.5mのパットを外して3パット・ボギーとしても優勝なのですが、この日のプレーを観ていた観客の中に、このパットが外れると思った人はひとりも居なかったのではないでしょうか。

 スピース選手は、静かにこのパットも沈めました。

 これで「80ホール以上連続して3パットが無いという記録」も継続したのです。

 ツアー選手権優勝やフェデックスカップ年間王者といった様々な偉業から見れば、「3パット無し記録」は些細なものかもしれませんが、実際には「3パット無し記録」が続いていたからこそ、この大会の優勝も年間王者も手に入れることが出来たのでしょう。

 シーズン5勝、内2勝がメジャー大会、フェデックスカップ年間王者と、ジョーダン・スピース選手にとってはキャリア最高のシーズンが幕を閉じました。

 しかし、まだ22歳の若者なのです。
 この2014~15年シーズンが、スピース選手のプライムタイムであったかどうかは、分かりません。このプレーヤーなら、年間グランドスラムも夢ではない様に思えます。

 PGAツアー2014~15シーズンは、20歳代のプレーヤーが席巻しました。プロゴルフ界の将来を考えれば、頼もしい限りです。

 隆盛に向かうであろうゴルフ界を一層面白いものとするために、39歳になったタイガー・ウッズ選手の復活に期待するのは、私だけでしょうか。
 2015年の凱旋門賞が10月4日に迫ってきました。

 今年は日本馬の出走が無いために、日本国内のこのレースに対する盛り上がりに欠けるのは、止むを得ないところですが、大きな記録がかかるレースとなっています。

 フランスの5歳牝馬・トレヴの三連覇がかかっているのです。

 凱旋門賞が「本格的な国際レース」となったのは1955年・1956年のリボー(イタリア馬)による連覇からではないかと思います。

 16戦16勝で引退したリボー以降、凱旋門賞を連覇したのは、1977年・1978年のアレッジド(リボーのひ孫)と2013年・2014年のトレヴの2頭しか居ません。もちろん、三連覇を達成した馬は、今年で93回目を迎える凱旋門賞史上1頭も居ません。

このことだけでも、トレヴの強さは世界競馬史に残るものでしょう。

 そのトレヴが、敢然と三連覇に挑んできたのです。
 そして、圧倒的な一番人気に支持されています。

① 強力な3歳牝馬が居ないこと

 周知の通り、凱旋門賞はそのハンディキャップ体系から、3歳牝馬に有利です。3歳牝馬の斤量は54.5kg、3歳牡馬が56kg、4歳以上は牝馬58kg、牡馬59.5㎏となっているのです。
 3歳牝馬と4歳以上の牡馬とは5㎏の斤量差が有ります。

 この差は大きいのです。
 2013年にトレヴが1回目の優勝を果たした時も、3歳牝馬の斤量に恵まれたとの見方が有りました。

 従って、強力な3歳牝馬が出走してくれば、トレヴのライバルになる筈なのですが、今年はやや小粒なようです。

 強いて言えば、アイルランド馬・ファウンドでしょうが、8戦3勝という戦績は堅実ではあるが、大豪トレヴを負かすには力不足という感じがします。

② トライアルレースの勝ちっぷり

 トレヴは、凱旋門賞のトライアルレースのひとつであるG1ヴェルメイユ賞(9月13日)に出走し、4馬身以上の差を付けて圧勝しました。「物凄く強い」という印象のレースでした。

 一方で、最大のライバルと目されている、今年のフランスダービー馬・ニューベイは、もうひとつのトライアルレースG2ニエル賞を快勝しました。直線でグイッと抜け出す、堂々たるレース振りでした。

 今年の英ダービー馬のゴールデンホーンは、8月のG1インターナショナル・ステークスでよもやの2着に敗れてしまい、一気に評価を落としました。陣営は道悪が原因と見ているようで、凱旋門賞も重い馬場なら回避すると見られています。

 前述の3歳牡馬2頭がトレヴのライバルとなりそうなのですが、何しろヴェルメイユ賞の勝ち方が凄過ぎたのです。トレヴは、ニューベイやゴールデンホーンを引き離した一番人気、ひょっとすると当日には1.5倍くらいの圧倒的な一番人気になりそうな勢いです。

 確かに、ヴェルメイユ賞2015のトレヴのレース内容には凄味が感じられました。「走りたくて走りたくて仕様が無い」という風情で、追い出しへの反応も異常な程に速いものでした。
 逆に言えば、「ピーク」であったようにも観えました。

 このトライアルレースの状態で本番に臨めば、三連覇は固いと思いますが、3週間に渡ってコンディションを維持できるのか、という心配もあります。

 「強過ぎて不安になる」という素人の心配という感じですが、とはいえここまで12戦9勝・2着1回・3着1回という安定した強さを誇り、ロンシャン競馬場の2400mコースに「滅法強い」という牝馬が、絶好調で出走してくるとなれば、勝たれても何の不思議もありません。

 トレヴを負かす馬を見つけるのは大変ですが、昨年の凱旋門賞2着、フランス5歳牡馬のフリントシャーの大駆けに期待したいと思っています。
 [グループリーグA組・9月26日]
 ウェールズ28-25イングランド

 ラグビーにおけるイングランドとウェールズの対戦は、「ザ・ライバル」と形容するに相応しいものです。

 ワールドカップにおいて、決勝トーナメントに進出できるかどうかとか、順位争いといった成績も大切なことなのでしょうが、この両チームにとっては「とにかくこの相手にだけは負けられない」という関係なのです。

 その両チームが、今大会のグループリーグにおいて同組・A組に入ってしまったのですから、話は複雑になりました。
 A組には、もう1チーム、優勝候補のオーストラリアが居ます。ひとつの組から2チームしか決勝トーナメントに進出できないのですから、地元イングランドにウェールズ、オーストラリアの3チームの内、1チームはグループリーグ敗退となってしまうのです。

 こうした諸条件が存在しなくとも、「宿命のライバル」として常に激しいゲームを展開している両チームにとって、一層負けられないゲームとなりました。

 会場は、イングランドラグビーの聖地・トゥイッケナムスタジアム。この大会はイングランド開催ですから、イングランド代表チームのホームグラウンドとなったのです。
 いかにウェールズとイングランドが隣接するとはいえ、ゲームはイングランドのホームゲーム→イングランドへの応援が圧倒的に優勢な舞台となったのです。
 ゲーム開始時の気温は16℃、天候は曇り、8万人の大観衆。舞台は整いました。
 
 ゲーム開始直後から、両チームの「蹴り合い」となりました。
 まさに、ラグビー「フットボール」となったのです。

 前半17分過ぎまでに、ウェールズはペナルティーゴールPGを2本、イングランドはPG1本とドロップゴールDG1本を決めて、6-6の同点。
 特に、オーエン・ファレル選手のDGは、イングランドラグビーの伝統を感じさせる好プレーでした。

 そのファレル選手が23分にもPGを決めて、イングランドが9-6とリードしました。

 そして26分、イングランドが左サイドで見事な攻撃を展開してトライを取りました。フルバックFBのマイク・ブラウン選手の突進からのトライでした。ブラウン選手は、このゲームにおけるイングランドの攻撃において、常にキーマンとしての活躍を魅せました。
 そのスピードとパワー、素晴らしいプレーヤーだと思います。

 両チームを通じて初めてのトライ、ゴールも成功して、16-6とイングランドが10点差を付けました。
 このレベルのゲームにおけるトライ・ゴールの意味は大きく、この後ゲームはイングランドペースで進行することとなります。

 前半終了間際の39分過ぎ、ウェールズはPGで3点を返して16-9。
 10点差と7点差(1トライ・1ゴール差)では大きな違いが有りますから、ウェールズチームにとっては意味のあるPGであったと思います。

 前半の戦い振りを観ると、両チームの地力は互角という感じですが、ラインアウトプレーでイングランドが優位でした。
 ウェールズのラインアウトは不安定なもので、この差が得失点差に結び付いていたのでしょう。

 後半開始直後も「蹴り合い」が展開されました。
 後半13分まで、両チームは共にPGを2本ずつ決めて、スコアは22-15と7点差のまま。やはり、イングランドの前半のトライ・ゴールが物を言っていました。

 イングランドチームとしては、この7点差を維持したまま「時間を消化して行けば良い」ゲームとなったのです。

 ところが後半18分、ウェールズのダン・ビガー選手がPGを決めました。
 22-18、ついに両チームの差が4点に縮まりました。

 このゲームの「勝負どころ」がやってきたのです。

 両チームは、次々と選手交代を行いました。フレッシュなプレーヤーを投入することで、「勝負どころ」に備えたのでしょう。
 同じ選手交代でも、ウェールズの方は「主力選手の故障」による交代が3名も発生しましたので、イングランドがやや有利かとも思われました。

 特に、ウェールズにとっては後半20分のスコット・ウィリアムズ選手の故障は大きなマイナス要因であろうと見られました。S.ウィリアムズ選手は、ウェールズオフェンスのキーマンなのです。

 それにしても、「ウェールズのウィリアムズ選手」と聞くと、ウェールズラグビー全盛期のJ.P.R.ウィリアムズ選手やJ.J.ウィリアムズ選手が思い出されます。いつの時代も、ウェールズラグビーにはウィリアムズ選手が居るんだと感慨深く思いましたが、後半27分にアモス選手に代わってL.ウィリアムズ選手が入ってきましたから、「ウィリアムズ」という名前は、ウェールズに多いのかもしれません。

 さて、ゲームに戻ります。

 後半18分にウェールズがPGを決めて22-18と追い上げてから、次の得点をどちらのチームが挙げるのかという、「勝負どころ」の時間帯が続きました。
 一進一退のゲームが続いたのです。

 そして後半28分、イングランドのファレル選手がPGを決め、25-18。再び7点差として、残り時間は10分あまり。イングランドが逃げ切り体勢に入ったかと見えた後半30分、ウェールズがイングランドゴール前に迫ります。

 このゲームで、イングランド陣22メーターラインの内側でなかなか前進できなかったウェールズチームは、パント攻撃。
 このパントをディヴィス選手が見事に掴んでゴールポスト下に飛び込みました。

 ウェールズのトライ。
 ゴールも成功して25-25の同点。

 何と、後半31分でゲームは振り出しに戻ったのです。

 それまで、ゴール前で堅いディフェンスを展開していたイングランドとしては、痛恨のプレーでした。
 一方のウェールズにとっては、起死回生のプレーでした。

 「イングランドの勝利を信じて疑わなかった」そして「優勢にゲームを進めていた」イングランドチームのファンから、大きな悲鳴が上り、トゥイッケナムスタジアムは騒然とした雰囲気となりました。
 まさか、開催国のチームが、ホームで、こともあろうに「宿命のライバル」に、ワールドカップのグループリーグで負けるのか、という不安が8万人の大観衆の間に広がったのです。

 後半34分、ウェールズはペナルティーを得ました。センターライン付近でした。
 ウェールズチームは「ショット」を選択しました。
 このゲームのキッカー、ビガー選手は絶好調、ここまで7本蹴って7本決めていましたから、ビガー選手の右脚に賭けたのでしょう。

 ほぼ中央の位置とはいえ、ほぼ50mのキック。
 ゲームの帰趨を決するキックですから、「極めて難度の高い」ものとなります。
 ダン・ビガー選手は、独特の(神経質そうな慌ただしい)ルーティンから、一転して落ち着いた様子に変わりキック体勢に移ります。

 キックは、ゴールの真ん中に吸い込まれました。見事なショット。
 28-25.ウェールズはついにリードしたのです。

 この極めて厳しい状況で、50mのPGを決めたビガー選手の精神力には感服させられます。このゲームで8本蹴って8本決めて23得点。ビガー選手にとっても、キャリア最高のゲームとなったことでしょう。
 また、ウェールズラグビーにおける「キックプレーの伝統的技術」、あのベネット選手から営々と受け継がれているプレーを魅せていただきました。

 3点を追うイングランドチームは、しかし、全く諦める様子も無く攻め続けます。
 
 後半37分、ウェールズ陣内でペナルティーを獲得しました。
 同点のPGを狙うかと思われましたが、トライを取りに行きました。
 ウェールズゴール前のラインアウト。
 イングランドチームは、キッチリとキャッチして「ドライビングモール」という作戦でした。

 投げ入れられたボールをキャッチし、イングランドがドライビングモールの体勢を構築しようとする寸前に、ウェールズチームのプレーヤーが「組織的に殺到(言葉に矛盾が有りますが)」しました。
 モールを一気に押し返したのです。

 ボールは、そのままサイドラインを割りました。

 「勝利に向けての」ウェールズチームの見事なディフェンスでした。
 
 ドライビングモールは、きちんと組まれてしまえば容易なことでは崩せない、組まれる前に破壊すべし、という「鉄則通りの守備」だったのでしょう。

 その後もイングランドの猛攻は続きましたが、後半39分に痛恨のノックオンが出て、ゲームは決しました。
 28-25、ウェールズが勝ったのです。
 
 本当に素晴らしいゲームでした。
 「ザ・ライバル」の両チームに相応しい激闘であったと思います。

 ウェールズチームとしては、アウェイで、複数の故障者を出しながらの勝利でした。

 これで、全てのスポーツを通じても屈指の「ザ・ライバル」の対戦成績は、127戦して、イングランド58勝、ウェールズ57勝、12引分けとなりました。これだけ戦ってきて、ほぼ互角というのも凄いことでしょう。

 100年以上に渡って、戦い続けているイングランドVSウェールズの、歴史と伝統が如何なく発揮された好ゲームでした。
 第8回ラグビーワールドカップ・イングランド大会が開催中です。
 日本チームが南アフリカチームを破るなど、素晴らしいゲームが続いています。

 今大会も「シンビン」によるプレーヤーの退場が見受けられます。
 審判がイエローカードを提示すると、10分間の退場となるのです。

 シンビンは、反則の中でも最も重い部類の反則であり、「相手チームに比べてプレーヤー数が一人少なくなるという罰則」が設けられているのです。
 サッカーにも「レッドカード」による退場という罰則が設けられています。

 プレーヤー数が、ラグビーなら15人が14人に、サッカーなら11人が10人になるのですから、チームが戦力ダウンすることは明らかです。

 しかし、試合においては、特に攻撃力を観る限りは、あまり大きな影響は無いように観えます。
 実際に、人数が少ない方のチームが得点を挙げることも珍しくありません。

 考えてみれば、プレーヤー全員がひとつの攻撃に参加することは殆どありえないことなのです。
 つまり、「一人減っても攻撃にはあまり大きな影響が無い」と言えるのかもしれません。

 ラグビーワールドカップ2015の各ゲームにおいて、最も多くの選手が投入される攻撃は、日本チームのドライビングモールでしょう。フォワードが主体のプレーにバックスも加わり、時には13名のプレーヤーが一体となったプレーとなります。

 ドライビングモール攻撃は、プレーの最中に相手チームにボールを奪われる可能性が相当低い攻撃法ですから、こうした人員集中投入が可能なのだと思います。

 逆に言えば、ラグビーにおいてどんな攻撃フォーメーションを選択する場合でも、最大13名のプレーヤーが居れば良いということになりますから、一名少なくとも攻撃は出来ることになります。

 サッカーでは、この傾向は一層顕著でしょう。

 サッカーにおける個々の攻撃戦法は、大抵は3~4名、多くとも5名のプレーヤーで構成されていると思います。
 従って、一人少なくとも、十分に攻撃が出来るのです。

 シンビンやレッドカードで一人が退場になると、あたかも一人少なくなったチームが圧倒的に不利になったかのようなアナウンスや解説をするのは、ピントが外れているように思います。

 では、チームの人数がより少ない競技ではどうでしょうか。
 例えば、アイスホッケーは1チーム6人で戦う競技です。ゴールキーパーが1名居ますから、実際にリンク上を縦横に動き回るプレーヤーは5人です。多くのチームは攻撃陣3名、守備陣2名の構成です。

 このアイスホッケーにおいても、反則による退場制度が存在します。
 マイナーペナルティーなら2分間の退場、メジャーペナルティー(滅多に観られませんが)なら5分間の退場となります。

 フィールドプレーヤー?が5人しか居ない競技において1人が退場するのですから、その影響はラグビーやサッカーより大きくなるのは道理です。
 反則を取られたチームにとっては正しくピンチであり、相手チームには絶好のチャンスとなるのです。
 「この2分間をどう凌ぐか」、「この2分間でいかにして得点するか」は、アイスホッケーのゲームにおいて、相当に大きな比重を占めます。
 
 ところが、アイスホッケーにおいてさえ「ショートハンド(人数が少ない)のチームが得点する」ことがあるのです。時折観られます。

 つまり、「得点が取れるかどうかはチームの人数よりも個々のプレーの優劣」に大きく依存しているということになりそうです。
 チーム全体の人数の多少よりも、1対1、局地戦でのプレーの優劣の方が、得失点に大きな影響を与える、ということになのでしょう。

 ましてや、「相手チームが一人少ないから、こちらが有利だろう」などと思っているようなチームであれば、同人数の時より失点する可能性が高くなるかもしれません。

 世界一を争うようなレベルの高い試合においては、個々のプレーヤーのスキルが非常に高いので、相手チームが一人少ないからと言って油断することは許されないことなのでしょう。
 こうしたレベルのチームの一員となっているプレーヤーは、「ひとりでも得点する」という気迫とスキルに満ちていると思います。

 チームの人数が減るというのは、チームスポーツにおいては戦力に大きな影響を与えるものであり、だからこそ「最も重い反則に対する罰則」となっているのですが、一人人数が多いチームの方が絶対的に優勢になるわけでは無い、というのですから、スポーツというのは難しいものです。

 人数が少なくなったチームの選手達は、ガッカリする必要は全く無く、整斉とプレーを続けて行けば十分に戦えますし、人数で優位に立ったチームの選手達は安心することなく、一層気を引き締めて戦って行かなければならないのでしょう。

 また、各競技における「退場ルール」は、長い歴史を踏まえて、「ゲームを壊してしまうことが無いギリギリの水準」に設定されているとも言えそうです。
 9月24日に行われた、シアトル・マリナーズ対カンザスシティ・ロイヤルズのゲームは、カンザスシティが10-4で逆転勝ちを収め、アメリカンリーグAL中地区での優勝を決めました。

 カンザスシティは7度目の地区優勝ですが、前回優勝から30年振りの優勝であり、AL中地区では初めての優勝ということになります。

 優勝決定時点の成績は、89勝63敗、勝率.586、2位のミネソタ・ツインズに11ゲームの大差を付けての独走でした。
 レギュラーシーズンで10試合を残しての優勝であり、日本流にいうところの「貯金」26という成績ですから、圧倒的な力を示したレギュラーシーズンと言えるでしょう。

 一方で、近年のAL中地区といえば、常に優勝候補に上げられていたデトロイト・タイガースの不振が目立ちました。
 この時点では、71勝81敗、「借金」10の地区最下位です。
 ミゲル・カブレラ選手やジャスティン・バーランダー投手といったスタープレーヤーを擁して、優位な戦いを続けてきたチームですが、改めてチーム作りが求められる時期が来たということになります。

 さて、昨シーズンのポストシーズンではワイルドカードからワールドシリーズに進出し、サンフランシスコ・ジャイアンツと死闘を展開、惜しくも敗れたロイヤルズとしては、今季ポストシーズンこそ「世界チャンピオン」を目指す戦いということになります。

 「本塁打30本・100打点トリオ」を中心とした打線は、MLB屈指の破壊力を誇りますから、ポストシーズンゲームを勝ち進むためのポイントは、投手陣ということになるのでしょう。
 ボルケス投手、ベンチュラ投手、ヤング投手を始めとして、投手陣にも厚みが有るのですけれども「ポストシーズンの軸」となる投手となると、少し心許無い感じです。

 レギュラーシーズン同様に、「ブルペンが頑張っている間に打線が何とかする」ゲーム展開を指向して行くのか、「この投手が先発したゲームは必ずものにする」形を取るのか、ロイヤルズベンチの戦略が見物だと思います。
 PGAツアー2014~15年シーズンの最終戦「ツアー選手権大会」が、9月24日に幕を開けました。

 フェデックスカップのプレーオフ最終戦でもあるツアー選手権大会は、今シーズンの年間チャンピオンを決める大会でもあります。年間チャンピオンには、大きな栄誉と共に1000万ドル(約12億円)のボーナスが送られます。
 PGAツアーの賞金額の大きさには、毎年のことながら驚かされます。

 そして、この大会が終了すると「プレーヤーオブザイヤー(年間最優秀選手)」が選定されるのです。
 PGAツアーの2014~15年シーズンの最優秀選手(¬=実質的な世界最優秀選手)が決まるわけですが、今季はジョーダン・スピース選手とジェイソン・デイ選手という2プレーヤーが、スバ抜けた成績を残して、このタイトルを争っています。

 ツアー選手権開始直前時点の両選手の成績です。

[ジョーダン・スピース選手(アメリカ)]
① 今季4勝
② マスターズと全米オープンを制してメジャー2勝。残る全英オープン4位、全米プロ2位と、今季の4大大会の全てにおいて優勝争い。
③ 賞金ランキング1位(10,545千ドル=約12億5千万円)
④ 世界ランキング3位

[ジェイソン・デイ選手(オーストラリア)]
① 今季5勝
② 全米プロのメジャー1勝
③ 全米プロ優勝以降のシーズン終盤での強さは驚異的。プレーオフ3戦の内、ザ・バークレイズ及びBMW選手権を2勝
④ 賞金ランキング2位(9,174千ドル=約11億円)
⑤ 世界ランキング1位

 甲乙つけがたい両選手の成績ですが、ツアー選手権の結果が決まる前時点であれば、やはり「メジャートーナメント2勝の重み」から、スピース選手が有利でしょう。

 一方で、もしデイ選手がツアー選手権2015を制して、「年間6勝」と「フェデックスカップ年間チャンピオン獲得」、加えて「世界ランキング1位の継続」を成し遂げると、この選定は極めて難しいものになると感じます。

 それにしても、両選手とも「今シーズンでなければ」悠々と「プレーヤーオブザイヤー」を獲得できていたと思われますから、難しい年に当たったというところでしょう。

 世界ランキング2位のロリー・マキロイ選手(北アイルランド)や同4位のババ・ワトソン選手(アメリカ)らも含め、世界のゴルフ界には次々と素晴らしいプレーヤーが登場しています。

 ジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤーらが活躍した、ゴルフ界の黄金時代再来の予感がします。
 大相撲9月場所の11日目に、サッカー日本代表チーム監督ハリルホジッチ氏が国技館で大相撲を観戦していました。

 向正面(むこうしょうめん)やや東寄りの桟敷席最前列の前の席で観戦している姿が、NHKテレビ放送画面に映し出されていました。
 中入り後しばらくしてから、アナウンサーがハリルホジッチ監督の観戦を紹介しました。視聴者からの指摘が有ったのでしょう。

 一方で、今年3月場所のデレク・ジータ氏の観戦の時とは異なり、相撲協会の人がフォローしている様子は有りませんでしたから、「完全なプライベート観戦」だったと思われます。

 ハリルホジッチ氏の動きで目立っていたのは、取組への集中は勿論として、周囲の様々な動きを観察している様子でした。おそらく、初めての大相撲観戦であったのでしょう。廻りで行われていること全てが珍しかったのでしょうか、視線が様々な物を追いかけていました。
 取組において負けた力士の土俵を下りる姿にも目を向けていました。

 また、隣席の奥様と思われる女性の言葉にも耳を傾け、時には言葉を交わしていました。

 そして、座る形を頻繁に変えていました。脚や腰が痛くなったのでしょうか。
 確かに、胡坐や座ることに慣れていない人にとっては、座布団の上に同じ姿勢で座り続けるのはなかなか大変なことなのでしょう。

 結びの一番までご覧になっていましたが、ハリルホジッチ監督の眼から見た「日本の国技」に関する感想を聞いてみたいものです。

 それにしても、デジタル放送はある意味では怖いものです。

 プレーヤーやプレーが明瞭に映し出されることはとても良いことなのですが、観客もひとりひとりがはっきりと認識できます。
 プライベート情報の秘匿が求められる時代にあって、個々人の行動が公示されてしまうのです。

 砂被り(すなかぶり)席や升席最前列での観戦をテレビに映し出されないためには、向正面の席では無く、正面席(取組を映すテレビカメラが設置されている側)を利用するのが良さそうです。(容易には取れない席ですが)
 逆に、テレビになるべく映りたい人(が居るとすれば)は、向正面席か東・西の向正面寄りの席であれば、相当の確率で目的を達成?できるでしょう。

 ハリルホジッチ監督には大相撲を満喫いただけたのでしょうか。
 そして、サッカー日本代表チームのプレーに活かせる何かを見出したのでしょうか。
 興味深いところです。
 9月23日にイングランド・グラスゴーで行われた、日本対スコットランドのゲームは、スコットランドが45-10で大勝しました。

 前半を7-12の1トライ差で折り返した時には、手応えを感じていたであろう日本チームでしたが、後半に入るとスコットランドチームのスピードに付いて行くことが出来ませんでした。
 基本的な能力の差というよりは、「南アフリカ戦の疲労残り」が主因であったと感じます。

 この中3日のスケジュールから来る「肉体・精神両面の疲労」は、前半から日本チームのプレーに影を落としていました。

 最も表れていたのは、タックルプレーでしょう。
 全体にタックルが高く、各プレーにおいて止めたと思った地点から数メートルの前進を許していました。
 ボールに対する反応が僅かに遅くなっていた、判断スピードも動きのスピードも遅れていたのだと思います。

 後半残り20分からはこの差が一層広がり、予想以上の大差となったのでしょう。

 スコットランド代表チームは、「大会初戦」という条件を良い方向に活かしました。
 緊張感からくるプレーの誤差を上手にカバーし、フレッシュなコンディションをプレースピードに反映させたのです。
 さすがに、ラグビーの伝統国・強豪国を感じさせるゲームでした。

 一方で、フィジカル面・戦術面で「到底勝てない」という差は感じませんでした。
 エディジャパンの地力は、スコットランドに迫るものであろうと思います。

 グループリーグの2ゲームを終えて1勝1敗という結果は、エディジョーンズ監督の想定内というか、「予定通り」なのではないでしょうか。何しろ相手は、南アフリカとスコットランドという強豪国であり、大会前予想におけるB組の決勝トーナメント進出最有力候補の2チームなのです。
 この2チームとのゲームを終えて1勝1敗であれば、十分というところでしょう。

 とはいえ、10月3日のサモア戦、10月11日のアメリカ戦も、当然ながら(ワールドカップなのですから)決して楽観できるものでは無く、互角の勝負が予想されます。

 日本チームには、自分達が組み上げてきたゲームプランをキッチリと実行していただきたいと思います。

 頑張れ、ブロッサムズ!
 日本代表チームの第2戦の相手はスコットランド代表チームです。

 スコットランドチームといえば、ギャビイ・ヘイスティングス選手に代表される「本格派」のチームです。
 1871年にイングランドと世界初のラグビーテストマッチを行ったことでも分かるように、歴史と伝統を誇るチームでもあります。

 ワールドカップの決勝トーナメント常連チームでもあるスコットランドは、当然ながら日本チームより相当に格上のチームです。

 とはいえ、初戦で「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」を演じた我らが日本チームにも、勝機は有ると感じます。

① 心持ち

 南アフリカ戦に臨んだ際の日本チームの「心持ち」は素晴らしいものであったと思います。

 ハンドリングミスの少なさに現れています。

 こうしたビッグゲームでは、ひとつのミス、それも小さなミスが勝敗を分けることが多いのですが、あのゲームのジャパンはノックオンとかラインオフサイドといったミスが本当に少なかった。

 気迫十分な状態で、極めて冷静というか平静なプレーを展開したのです。
 初戦でこうしたプレーを見せることは、どんな強豪チームでも難しいものです。

 あのオールブラックスでさえ、今大会の初戦アルゼンチン戦ではゴール寸前のラストパスで2度ノックオンを犯しました。

 このパスが通れば目の前がゴールという位置で、あのニュージーランド代表プレーヤーがノックオンを犯すのです。パスの出し手側の僅かなタイミングのずれ、受け手の予測力不足、等々いくつかの要因は有るのでしょうが、「相当に難しい球でも易々と処理する」のがオールブラックスであることを考慮すれば、さすがのニュージーランド代表チームも、いつもの様にはプレーできなかったと観るのが妥当でしょう。

 スコットランドチームは、この日本戦が今大会の初戦です。
 相当の緊張感を持ってゲームに入ってくることでしょう。

 こうした中で、南アフリカ戦と同様の「心持ち」でこのゲームに臨むことが出来れば、ジャパンにも勝機が生まれるでしょう。

 それにしても、南アフリカ戦の五郎丸選手のトライと、80分を過ぎてのヘスケス選手のトライにおいて、日本チームにはハンドリングミスが有りませんでした。
 本当に素晴らしいプレーでした。

② 横への展開

 現代のラグビーでは、特にワールドカップや6か国対抗、南半球4か国対抗といった世界最高レベルのゲームでは、横一杯に広がるプレーは殆ど見られなくなりました。

 広く取られたディフェンスラインを前に、パスをウイングプレーヤーまで繋いでも、中々トライには結び付かなくなってきていることが要因かと思います。

 横にパスを繋いでいく途中で、一度真っ直ぐに突っ込みポイントを造ってからラックサイドを突くといったプレー、ゴールまで「なるべく最短距離を縦に突く」プレーの方が、トライに結び付き易いという考え方が在るのかもしれません。

 こうした世界の潮流の中で、しかし、日本チームは前述の2つのトライにおいて「横一杯に展開するラグビー」を魅せました。そして成功しました。

 広く展開されたディフェンスラインの最も端に向かってボールを配したのです。

 最近とんと見られなくなった「横展開ラグビー」が、日本の地で生き延びてきていて、それが現代でも有効な戦法であることを示したように感じます。

 今回の日本チームの快挙が、ラグビー先進各国で極めて高く評価されている理由のひとつに、この戦法の実行・成功、それも「南アフリカチームを相手にしての成功」があるように思います。

 「横展開のラグビー」は、観ていて実に鮮やかで、スピード感に溢れています。
 誰が観ても、楽しいプレーなのです。

 ラグビー人気が高かった20世紀後半においては、このプレーが数多く見られました。「ああいうプレーをしたい」と感じて、ラグビー競技を目指す若者が多かったことでしょう。
 「横展開からの独走トライ」は、ラグビーの醍醐味のひとつだったのです。

 そのプレーが観られなくなってから、ラグビーの人気、少なくとも我が国におけるラグビー人気は下がったのではないでしょうか。

 そうなると、今大会のエディ・ジャパンが「横展開ラグビー」を今後も実行し、今後も成功することがあれば、世界のラグビーに一石を投ずることとなるのでしょう。

 スコットランド戦でも、おそらく「スコットランドチームが暫く見ていなかったラグビー」を展開していただきたいと思います。
 そして、そのプレーでトライが取れれば、日本チームに勝機が生まれるでしょう。

 あと6時間と少しで、日本VSスコットランドが開始されます。

 日本フィフティーンの健闘を祈ります。
 MLB2015のレギュラーシーズンも終盤を迎えました。

 アメリカンリーグAL東地区では、首位を走るトロント・ブルージェイズをニューヨーク・ヤンキースが必死に追っていますが、なかなかその差を縮めることができません。

 ここぞというゲームでの得点力が不足している印象です。

 こうしたヤンキースの得点力不足を観るにつけ、グランダーソン選手とカノー選手が居れば、と考えてしまいます。

 カーティス・グランダーソン選手は、2010年~13年までヤンキースに在籍しました。2011年には本塁打41・打点119、2012年には本塁打43・打点106というチーム屈指の打力を示しました。1・2番打者であったことが多かったので、快足・強打のプレーヤーだったのです。2011年は「ALの打点王」でもありました。
 2014年からは、ニューヨーク・メッツの中心プレーヤーとして活躍を続けています。

 ロビンソン・カノー選手は、2005年~13年までヤンキースに在籍しました。MLBデビューがヤンキースという「生え抜き」のプレーヤーでした。
 ヤンキース時代には、チームの中心選手として「ヒット製造機」と呼ばれる活躍を続けました。2009年・10年シーズンでは200安打越えを果たしていますし、2塁を守っていましたから、遊撃手であったデレク・ジータ選手との二遊間は「ヤンキースを代表する布陣」だったのです。

 ジータ選手の引退が囁かれるようになった頃、「次代のヤンキースの中心選手」となるであろうと言われていました。
 ところが2013年12月にシアトル・マリナーズへの移籍が報じられたのです。驚きました。
 MLBで最も人気が高いチームとしてのヤンキースの屋台骨を支えるプレーヤーが居なくなってしまう、とも感じました。

 メジャーリーグにおいても最もメジャーな球団であるヤンキースの中心選手に注がれる眼の厳しさは、他の類を観ないものです。他チームで活躍しヤンキースに移籍しても、なかなか期待通りの活躍が出来ないのです。
 それは、ヤンキースの中心プレーヤーに注がれる、ファンやマスコミの目の厳しさが大きな要因であろうと感じます。

 そのヤンキースで毎シーズン160試合前後の出場を続け、長きに渡って中心選手を務めてきたカノー選手は、かけがえのない、代用の効かない存在であったと思いました。
 2013年の契約更改の時に、何が有ったのでしょうか。

 さて、2015年シーズンにおいて競り合いになった時の得点力不足に悩むヤンキースに、この2人のプレーヤーが残っていればと感じるのは、私だけでしょうか。

 チーム造りというのは、本当に難しいものです。
 2014~15年シーズンのPGAツアーも、最終大会であるツアー選手権を残すのみとなりました。
 
 フェデックスカップ・プレーオフシリーズの最終戦も兼ねている「ツアー選手権大会」は、今シーズン1年間の獲得ポイント上位30名のプレーヤーによって争われます。
 この30名のプレーヤーが、今シーズンの世界のゴルファーのトップ30です。

 ツアー選手権大会でプレーする30名に入ることは、当然ながら世界中のゴルファーの夢なのです。

 日本の松山英樹選手も、ツアー選手権大会に駒を進めました。
 昨シーズンに続いて、2シーズン連続の出場となります。

 これは素晴らしいことです。
 今シーズンはPGAツアーで、ここまで1勝もできませんでしたけれども、「9度のトップ10入り」という抜群の安定感を示し、ポイントランク15位での出場となりました。
 ゴルフという競技における世界ランク15位というのは、見事なポジションだと感じます。

 PGAツアーの各大会で10位以内に入ること=トップ10入りは、ツアーで戦っている全てのゴルファーの大きな目標です。
 世界最高のゴルフツアーですから、ひとつの大会でトップ10入りすることも容易なことでは無く、価値ある記録となるのです。

 どのゴルファーを紹介する際にも「PGAツアーのトップ10入り回数」が示されます。

 今シーズンの特に前半戦で、まだツアー通算1勝ながら、松山選手が各大会やメジャートーナメントで「優勝候補上位に名を連ねた」理由も、トップ10入りの回数の多さに有ったことは間違いありません。

 後半になって、やや調子を落としましたが、プレーオフ第3戦のBMW選手権大会・最終日に好スコアを叩き出し7位タイとなって、3ヶ月ぶりのトップ10入りを果たしました。
 第4戦・最終戦であるツアー選手権大会に向けて、調子を上げてきているのです。

 ツアー選手権は、例年通りアメリカ・ジョージア州アトランタ郊外のイーストレイク・ゴルフクラブで開催されます。

 巧みに池を配した美しいコースを舞台に、松山英樹選手のツアー2勝目、そしてあわよくばフェデックスカップ年間王者獲得に向けての大活躍が期待されます。
 大相撲は、ある意味では階級社会です。
 例えば、力士の待遇には番付により明確な区別が設けられています。

 力士は十両に昇進して初めて「関取」となり給与が貰えるようになりますし、まわしも絹になり、下がりも堅いものになります。姿形も変わっていくのです。
 従って、十両(十枚目)に昇進することは、大相撲界に入った全ての力士にとって最大の目標であろうと思います。

 こうした区別は、行司にも設けられています。

 大相撲をご覧になる方は百も承知のことでしょうが、幕下以下の取組を仕切る行司は「裸足」です。
 下半身に付ける装束は、膝迄しかありません。ニッカポッカ風?なのです。

 これが「十両格の行司」になると、足袋を履くことが出来るようになります。白足袋です。そして、下半身には袴を付けるようになります。

 加えて、軍配の房が緑色と白色の混色になります。(相撲界では緑=青ですが、現在の色の呼び名で言えば明らかに緑です)
 行司も、ひと目で幕下格以下か十両格かが分かるのです。

 実際には、「十両格の行司」は幕下20枚目前後の力士の取組から登場します。

 「十両格」になって初めて、行司は白足袋を履くことが出来るようになるのですが、足袋を履いたままの装束で土俵の上を動き回ります。当然ながら、足袋は毎日、土で汚れてしまいます。

 白足袋を汚さない為に、草履を履くことが出来るのは、まだまだずっと先のことなのです。

 取組が十両に進み、残りの番数が少なくなってくると、軍配の房が赤色と白色の混合(紅白)の行司が登場します。

 これが「幕内格の行司」なのです。紅白の房は、幕内格行司にのみ許されているのです。

 しかし、まだ白足袋のまま土俵に上がります。

 幕内の取組も進み、三役の取組が始まると、初めて「草履」を履いた行司が登場します。
 これが「三役格の行司」なのです。

 三役格行司となると、軍配の房は「赤一色」になります。朱一色とも言われます。

 若くして大相撲界に入り、行司の道を志した人にとって、憧れの「白足袋・草履・朱色房」であろうと感じます。

 「三役格行司」の上には「立行司」しか存在しません。

 立行司は木村庄之助と式守伊之助の2名のみです。
 そして、式守伊之助と木村庄之助の装束にも違いが有るのです。

 式守伊之助の軍配の房は「紫色と白色の混色」ですが、木村庄之助は「紫一色」です。
 木村庄之助の方が、式守伊之助より格が上なのです。

 大相撲における行司の世界では「紫が最も高格の色」ということになります。

 幕内の行司の装束は、本当に美しいものです。
 テレビ画面で観ても美しいものですが、国技館で見ると一層輝いて見えます。
 幕内格以上の行司はいくつもの装束をお持ちなのでしょう。毎日のように着替えて土俵に上がっています。

 行司の姿形は、大相撲観戦の最大の楽しみのひとつだと思います。
 そして、数十年に渡る長い修行・経験を積み重ねてきた行司各位の、正に「晴れ姿」なのでしょう。
 信じられない光景でした。

 日本チームが南アフリカチームを34-32とリードしたところで、ノーサイドの笛が吹かれたのです。

 2015年9月19日、イングランドで開催されているワールドカップのグループリーグB組、ブライトンで行われた南アフリカ対日本のゲームで、日本チームが勝利したのです。
 戦前の予想を大きく覆す結果でした。

 ベストメンバーを揃えた南アフリカチームに対する、ラグビー界最大の大会、公式戦の中の公式戦であるワールドカップにおける勝利は、「日本ラグビー史上空前の勝利」であったと思います。
以下、順不同の感想です。

① 開始早々のターンオーバー連発

 試合開始4分過ぎまでに、日本チームは南アフリカチームのボールを3回獲得しました。ターンオーバーを3回実行して見せたのです。

 接近戦における個々のプレーヤーのパワー・技術で互角のプレーを魅せたということになります。日本のフィフティーンは「これで試合になる」と感じたでしょう。南アフリカチームは「なかなかやるな」という感じだったと思います。

 そして、五郎丸歩選手のPGが決まって、日本が先取点を挙げ3-0とリードしました。

② 日本チームのダブルタックル炸裂

 個の力と体格で勝る南アフリカチームは、特に前半は、トライを取りに来ました。
 ペナルティーを取ってもゴールを狙うことなくエリアを取って、執拗にトライに拘ったのです。その突進も、凄まじい破壊力でした。

 それを止めたのは、日本チームのダブルタックルでした。2人のプレーヤーでひとりを止めるのです。ラグビーの守備においては一般的な戦法ですが、これをしっかりと継続して実施して行くのは容易なことではありません。

 日本チームは、このゲームを通じて、相当の精度でダブルタックルを成功させていたと思います。

 良く守ったブロッサムズでしたが、前半17分、南アのドライビングモールの前にトライ・ゴールを許してしまいました。
 キッチリと組まれたドライビングモールを止めるのは、どんなチームでも難しいことです。

 スプリングボックスが7-3と逆転しました。

 ようやく稼働したかに見えた南アチームは、このトライをきっかけとして猛攻を掛けました。パワフルなランを主体として、日本ゴールラインに迫ります。
 しかし、ここでノックオン。日本チームの忠実な守備が勝ったシーンであったと感じます。

③ 日本チームの初トライ

 ピンチを凌いだ日本チームは、前半28分・相手ゴール前で猛攻を魅せました。
 何と、南ア相手にドライビングモールを仕掛けたのです。

 そのままインゴール・トライかに見えましたが、審判からは確認できず、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)となりました。判定が難しいプレーにおいて、審判が事後にテレビでプレー内容を確認するという制度ですが、今大会においてはこのTMOが大きな影響をゲームに及ぼすと思います。

 日本チームのプレーはTMOによって「トライならず」と判定されました。

 しかしこの後、日本チームは再びドライビングモール攻撃を展開し、今度はトライに結び付けました。リーチ・マイケル選手のトライでした。

 日本チームが、南アフリカチームを相手に、ワールドカップのゲームで、ドライビングモールでトライを奪う、というのは正直に言って「信じられない」ことでした。
 テレビの前で大歓声を上げると共に、日本チームは強くなった、とこの時改めて実感しました。

 ゴールも成功して、10-7と日本がリードしました。

 この後、前半32分に南アのプレシス選手にトライを奪われ、前半は12-10でスプリングボックスがリードして終わりました。

 前半終了の段階で、2点のリードを許したとはいえ、ゲーム内容は日本チームの大健闘というか、信じられないような接戦という形でした。NHK放送の解説者であった砂村氏は「ほぼ奇跡」と評しましたが、その通りでしょう。

④ 後半早々の五郎丸選手のPG成功

 後半が始まり、早々に得たペナルティーを五郎丸選手がキッチリと決めました。13-12と日本チームが逆転したのです。

 角度的にはそれほど難しいショットでは無かったと思いますが、何しろワールドカップの初戦です。相当の緊張の中で、ペナルティーゴールPGを確実に決めて行くというのは、易しいことでは無いでしょう。
 前半開始早々のPG成功といい、五郎丸選手の「ここぞという時のキック成功」は、日本チームに大いなる勇気を与えたと感じます。

⑤ 日本のベンチワーク

 五郎丸選手のPGで13-12とリードした1分後に、南アフリカチームはトライ・ゴールを挙げて、一気に19-13と逆転しました。

 日本ゴール前で、デ・イェーガー選手に対するタックルミスが生まれ、独走トライを許したのです。
 逆転されて1分程度で再逆転したということ、および、これまで手古摺っていた「日本チームの最終ライン」を突破してのトライは、南アチームに大いなる勇気と自信を与えたプレーであったと思います。

 得失点差も、このゲーム最大の6点差に開きました。

 「このまま一気に離されてしまうのではないか」という心配が過ぎりました。ゲームの流れが傾く怖れがあった、日本チームにとって「このゲーム最大のピンチの局面」であったと思います。

 ここで日本ベンチは、ツィー・ヘンドリック選手を下げてレレン・マフィー選手を投入しました。
 ゲームの流れが南アフリカに傾くのを防いだ、見事な選手交代であったと思います。

 このゲームを通じて、日本チームのベンチワークは「的を得ていた」と感じます。
 ベンチとプレーヤーが一体となったゲームを展開しなければ、このようなジャイアント・キリングは生まれないものなのでしょう。

 後半8分、13分と五郎丸選手がPGを決めて、日本チームは再び19-19の同点としました。ショットを決めた五郎丸選手も素晴らしいが、ゲームを優位に進め、良いポジションでペナルティーを獲得したブロッサムズのプレーも、見事でした。

 後半16分、南アのパット・ランビー選手がPGを決めて、再び22-19とリードしましたが、このPGにはスプリングボックスの焦りが感じられました。
 ここまで、ペナルティーを獲得したら必ずトライを狙いに行っていたチームが、ついに「手堅く」PGを狙うようになったのです。

 スプリングボックスが「簡単なゲームでは無い」と感じ始めていた証左でしょう。

 しかし、後半19分五郎丸選手がPGを決めて、ゲームは再び22-22の同点となりました。
 「これ程、同点・逆転が相次ぐ試合は滅多に無い」と感じました。

 スプリングボックスの猛攻が始まりました。
 グループリーグ初戦を落とすわけには行かないという、世界屈指のラグビー強国の意地を感じさせる猛攻。
 後半22分、ついにシュトラウス選手がトライを挙げ、ゴールも決まって29-22とリードしました。

⑥ 「日本ラグビー史上に残る」美しいトライ

 このゲームの最大得失点差7を付けられた日本チームでしたが、慌てた様子は全く有りませんでした。「凄い」と感じました。

 ボールを生かして繋いでいく、「日本のラグビー」が展開されました。
 
 そして後半28分、見事な、本当に見事なトライが生まれました。
 相手ゴール右サイドに向かって、素晴らしいスピードのパスワークが決まり、五郎丸選手が飛び込みました。

 「日本ラグビーここにあり」と言いたくなるようなトライでした。
 日本ラグビー史において、長く語り継がれるトライであったと思います。

 そのスピード、タイミングともに完璧、とてもとても美しいトライでした。日本チームには笑顔が溢れていました。

 難しい角度からでしたが、当然の様に?ゴールキックも決まって29-29。試合は再び、振り出しに戻りました。何と言うゲームでしょうか。

 再び猛攻を仕掛けた南アフリカチームが後半31分にPGを決めて32-29とリードしましたが、この猛攻をPGの3失点に抑えた一連のプレーは、ジャパンのフィフティーンを賞賛すべきであろうと思います。
 気迫溢れる、見事なディフェンスでした。

⑦ 同点を狙わず逆転を目指す戦略

 3点を追う日本チームの猛攻に耐えかねた南アフリカチームのウーストハイゼン選手に、後半38分シンビンが宣告されました。残り時間1分30秒時点での10分間退場ですから、ノーサイドまで南アフリカチームは「ひとり少ない状況」で戦うこととなりました。

 とはいえ、残り時間は僅かですから、スプリングボックスが逃げ切るかに観えました。

 しかしブロッサムズは「大健闘には飽き足りません」でした。
 執拗に、しかし冷静に、勝利を目指したのです。

 後半39分、「13人のドライビングモール」でゴールラインを割ったかに見えましたがノーゴール。

 試合時間が通算80分を越えてから獲得したペナルティーも、ショットを狙わずスクラムを選択しました。PGによる同点を狙うことなく、あくまでトライによる逆転に拘ったのです。

 審判のホイッスルが鳴れば即、試合が終わってしまう状況下でのこの選択は、日本フィフティーンの気迫と意思統一の強さが表れたものであったと思います。
 左サイドのスクラムから右に展開された攻撃が、左に戻ってきて、ヘスケス選手にパスが渡った時には、「行けー」と大声を上げました。

 トライが決まった時には、バンザイと叫び、思わず涙が出てきました。試合時間は84分を越えていました。

⑧ 文句無しに史上最大の衝撃

 日本代表チームが南アフリカ代表チームに勝利したことは、地元イングランドのマスコミでも、大きく採り上げられたと伝えられました。

 ラグビー・ワールドカップ史上最大の番狂わせという論調で、「文句無しに史上最大の衝撃」と評されました。

 まさに、その通りでしょう。

 私も、戦前の予想で、B組の南アフリカ以外の3チームには勝つ可能性があるとしましたが、南アフリカに勝つというのは考えもしませんでした。それは「有り得ない」ことだと思われ、もともと考慮の外に在ったのです。

 ラグビーはチームスポーツの中で「最も番狂わせが少ない競技」だと思います。
 そうした競技において、過去ワールドカップで1勝しかしていないチーム、ほとんどの大会で「4戦全敗」であったチームが、過去ワールドカップ最多2回優勝・世界最強チームのひとつである南アフリカ代表を破るというのは、到底考えられないことだったのです。

 2015年ワールドカップにおける日本代表チームは、永遠に語り継がれるであろう勝利を手にしました。

 まさに「奇跡としか言いようがない勝利」でした。
 素晴らしいゲームをありがとうございました。
 9月17日、クラマー氏の死去が報じられました。享年90歳でした。

 1964年の東京オリンピックを控えた1960年にドイツから来日し、代表監督代行として日本チームの指導を開始しました。
 
 そして、東京オリンピック1964でベスト8進出という、信じられないような好成績を残しました。正直に言って、1960年時点の代表チームがオリンピックベスト8に入るなどとは、到底考えられないことであったと思います。

 クラマー氏の指導が素晴らしいものだったのです。

 そのクラマー氏の指導法には、明確な特徴が有りました。
 「基本プレー」の練習を繰り返し繰り返し行ったのです。

 サッカー後進国であった、当時の日本サッカー界においても「あまりに基本的なプレー・練習ばかり」ではないか、との批判が出ましたが、クラマー氏は方針を変えませんでした。
 そして、容赦ない極めて厳しい指導を続けたと言われています。

 口にこそ出しませんでしたが、クラマー氏から観れば「日本サッカーは基本が出来ていない」ということだったのでしょう。

 1968年のメキシコシティ・オリンピックで、日本チームは銅メダルを獲得しました。3位決定戦の相手は地元メキシコでした。
 後にクラマー氏は、この銅メダル獲得を「生涯最高の喜び」であったとコメントしています。

 デトマール・クラマー氏は、当時の世界最高のサッカー指導者の一人でした。FIFA公認トレーナーであり、ワールドカップの公式技術評価を担っていたことでも明らかです。

 そうした、世界最高レベルの指導者が日本チームを指導してくれたことは、日本サッカー界にとっての僥倖というか天恵であったと、心から感じます。サッカーの神様が日本に齎してくれた、素晴らしいプレゼントだったのです。

 もちろん、当時の日本サッカー協会の野津謙会長を始めとするメンバーの皆様の慧眼とご努力の賜物であったことも間違いないことでしょう。こうしたポジションにいる人達が行うべきことを行ったのです。

 デトマール・クラマー氏無くして、現在の日本サッカーは無かったと思います。

 「クリアは月まで」、クラマー氏の残した言葉のひとつです。

 「守備陣からの生きたボールの供給」が求められる現代サッカーにおいては、古い言葉だということになるのかもしれませんが、自陣深くのポジションから中途半端なパスを出し、カットされて失点するシーンを観ると、クラマー氏の言葉を思い出します。

 やはり、守備の基本は「クリアは月まで」なのでしょう。
 
 「基本を大切にする」というか、高度なレベルに達すれば達するほど「基本に帰る」ことは、全てのスポーツ、あるいは学術・芸術・仕事においても、とても重要なことなのだと感じます。
 「基本に忠実なプレーを遂行する」というのは、それ程に奥が深く、難しいことなのでしょう。

 デトマール・クラマー氏は、2005年に創設された日本サッカー殿堂の第一回受賞者となりました。
 当然のことでしょう。クラマー氏に対する感謝の気持ちを表するには、まだまだ到底足りないと感じます。

 日本サッカーは父を喪いました。

 独り立ちしなければならない時が来たのです。
 藤田伸二騎手が、9月6日に騎手を辞める旨の届をJRAに提出しましたと報じられました。

 まだ43歳ですから、騎手の引退としては早過ぎる感じで、とても意外でした。

 そういわれてみれば、最近は活躍を眼にすることが少なかったとは思いました。

 引退の理由として、「2006年のエージェント制導入以降の騎乗機会の減少」が報じられていました。
 
 エージェント制導入以降は、騎手がどの馬に乗るかの関係者との交渉は、代理人が行うルールになりました。
 代理人ひとりが担当できる騎手は3名までですので、腕利きの代理人を得た騎手の騎乗機会、特に強い馬への騎乗機会が増えることになります。

 代理人側から見れば、より勝率の高い騎手を担当することで自身の収入も増えますから、双方のニーズがマッチして、強い馬への騎乗が少数の騎手に集中する傾向が有るのでしょう。(以前からこうした傾向は在りましたけれども、一層強くなったのでしょうか)

 1991年にデビューした藤田伸二騎手は、その騎乗技術という点からは高く評価されていましたし、特に「クリーンな騎乗」という面で言えば、JRA所属の全騎手の中でも屈指の存在でした。

 特別模範騎手賞*を2004年と2010年の2回受賞していますし、フェアプレー賞19回の受賞というのは史上最多ではないかと思います。
 何より、1996年から2008年までの12年間、レースにおける騎乗停止処分を受けなかったという事実は、多頭数のレースが多く、意図していなくとも結果的に妨害行為になってしまうリスクを勘案すれば、驚異的なことと言えるでしょう。
(*勝利数・獲得賞金額・勝率といった部門で、東西のどちらかで5位以内に入り罰則制裁点が0点という、相当多くの騎乗を熟し良い成績を残しながら制裁制度の対象とならない騎手にしか与えられない賞。賞が創設された1980年以降3人の騎手に4度しか与えられておらず、2度の受賞は藤田騎手のみ。藤田騎手は2004年には121勝、2010年には92勝を挙げた上での受賞)

 騎乗成績も極めて優秀です。
 通算1918勝、重賞優勝93勝、内G1レース17勝。
 優秀騎手賞受賞10回。

 1996年日本ダービー・フサイチコンコルド、2011年天皇賞(春)・ヒルノダムール、1997年有馬記念・シルクジャスティス、2000年オークス・シルクプリマドンナ、2005年安田記念・アサクサデンエン、2002年宝塚記念・ダンツフレーム、2001年朝日杯FS・アドマイアドン、といった優勝馬達の鞍上で魅せていただいた素晴らしい騎乗振りは記憶に新しいところです。

 その藤田騎手の活躍をあまり耳にしなくなったのは2012年以降でしょうか。

 今般の引退表明を受けて、関係者から様々なコメントが寄せられていましたが、「他の騎手なら指摘しないことを藤田は言う」といった趣旨のものがありました。
 直線での蛇行などに対して、レース後の指摘があるといった内容でした。

 おそらく、騎乗技術に優れ、フェアなプレーに徹している藤田騎手としては看過できない騎乗に対して、指摘が多かったのでしょう。
 言われている側の騎手や調教師から見れば、煙たい存在であったのかもしれません。
 そして、エージェント制度における代理人にとっても、「扱いにくい存在」であった可能性があります。

 しかし、特別模範騎手賞やフェアプレー賞の受賞に見られるように、藤田騎手は「自らにもとても厳しい騎手」であった訳で、他の騎手に対してもその厳しさが表れたということかもしれません。
 少し大げさな書き方をすれば「勝つためなら何でもやる」という騎乗や、技術の未熟さからくる危険な騎乗に対して、キッチリと指摘していたのでしょう。

 周囲から嫌われないことを優先すれば、「言わなくても良い」ことを指摘し続けたことになります。

 もちろん、私は競馬界の内幕に精通しているわけではありませんから、他の要因が存在するのかもしれませんが、現在報じられている範囲の情報を総合すれば、JRAにとって、こうした騎手を失うことは大きな損失のように感じられます。

 「賭け事」に係る業種においては、常に「関係者のなれあいの発生を抑止」し「フェアな運営が強く求められるもの」であろうと思うのです。

 北海道・新冠町のメイタイ牧場で1972年2月に生を受けた藤田伸二騎手は、おそらく生まれた直後からサラブレッドに接して育ったのでしょう。
 「ネイティブな騎手」と言って良いのかもしれません。

 こうした「馬を知っている」という点で強い自負を持った職人肌の騎手が居なくなったことも、少し寂しい気がします。

 藤田伸二騎手、素晴らしい騎乗の数々、本当にありがとうございました。
 4年に一度のラグビーワールドカップの開催が、9月18日(日本時間19日)に迫りました。

 今回はイングランドでの開催です。

 2015年に行われるスポーツイベントの中で最大規模の大会となります。

 1987年に始まったラグビーワールドカップも第8回を迎えました。
 これまでの7大会の優勝国を見ると、ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカが各2回ずつ優勝し、イングランドが1回優勝しています。
 ラグビー競技においては、南半球の各国が優位にあるということになります。

 今大会の展望です。

 優勝候補の筆頭はニュージーランドでしょう。
 現時点の世界ランキング1位のチームです。

 ラグビーを国技とするニュージーランドは、第一回ワールドカップWCの開催国であり優勝国でもあります。そして以降、常に世界のラグビー界を牽引する国・チームでもあります。

 ニュージーランドチーム(オールブラックス)は、第2回以降のWCにおいても、「常に優勝候補」に上げられ続けているチームです。
 そのことは、オールブラックスのチーム力の安定度の高さを示していると感じます。

 例えば、オールブラックスの戦力を90点と数値化すれば、このチームはどんなゲームにおいても90点前後の力を発揮することが出来ると思います。ゲーム毎の出来不出来の差が小さいのです。
 結果として、国別対抗戦や南半球4か国対抗といった大会で常に安定した成績を残すことが出来るのです。

 一方で、これだけ強いニュージーランドチームが、ワールドカップとなれば優勝回数2回と、オーストラリアや南アフリカと同回数しか?優勝していないのは、ある意味では不思議なことです。

 それも、前回の第7回大会ニュージーランド大会で優勝し、追い付いた形ですし、第1回・第7回の2度の優勝がいずれも自国開催(第一回はオーストラリアとの共同開催)というのも、「最強オールブラックス」としては気になる所です。

 ニュージーランド代表チームは、ベスト4までの決勝トーナメントにおいて敗れることが多いのです。
 どの大会においても、圧倒的な力でグループリーグを勝ち抜き、悠々と決勝トーナメントに駒を進めるのですが、準決勝辺りで負けてしまうことが多い。

 これは、「常に90点のゲーム」を実行する力は有るが、相手チームが95点のゲームを展開した時に、それを逆転するような「伸びしろには欠ける」ことを示しているのかもしれません。
 WCのベスト4に進出してくるチーム同士の実力は「僅差」ですので、その大会一の出来を魅せた相手チームに敗れてしまう形でしょう。

 WC2015においても、ニュージーランドチームは優勝候補です。事前予想であれば、相当差を付けた「優勝候補筆頭」であると思います。
 そうした中で、相手チームが95点のゲームをした時に、100点のゲームを行う爆発力が問われている大会であると考えますし、他国開催の大会で勝ち切ることが出来るかが注目されるところでしょう。

 優勝候補の2番手は、ニュージーランドチームの永遠のライバル・オーストラリアチームでしょう。
 オーストラリアチーム(ワラビーズ)は、その伝統的なランニングラグビーをベースとした得点力を誇ります。

 この数年、ややオールブラックスに押され気味でしたが、今年の南半球4か国対抗ではこれを破って優勝しました。WCイヤーに調子を整えてきた形です。
 観ていてとても楽しいワラビーズのラグビーが、イングランドの地で輝くかもしれません。

 優勝候補の3番手は、開催国でありラグビー発祥国であるイングランドチームでしょう。
 常に、フォワードFW陣のパワー溢れるプレーとハーフ団の正確なキック力でゲームを創るチームです。 
 2003年WCオーストラリア大会における、スタンドオフSOウィルキンソン選手のキック力は、既に伝説となっています。

 1991年の地元開催大会で準優勝に終わった悔しさを晴らす大会となるかもしれません。

 優勝候補の4番手は、南アフリカチームです。
 スプリングボックスと称される南アフリカチームは、ニュージーランドチームとは対照的に「強い時にはとても強い」という特質が有ります。
 いつもは80点くらいのチームなのですが、勢いに乗れば95点の力を発揮するのです。

 堅いディフェンスDFとFW陣の縦へのスピードに特徴が有ると思います。
 このところ、やや力が落ちているとの見方もありますが、準決勝まで進出するようであれば、「伝統の爆発力」が発揮されるかもしれません。

 結果として、過去に優勝経験を持つ4チームを挙げることとなってしまいました。
 現状を観れば、この4チームの力が他のチームを上回っていると感じます。

 さて、ベスト8進出=決勝トーナメント進出、を目指す我らが日本チームですが、グループリーグはB組に入りました。
 A~Dの4つのグループは各5チームで構成されています。全20チームの大会なのです。

 B組は、A組の様に「世界ランク9位以内のチームが4チームも集中する→オーストラリア・イングランド・ウェールズ(世界ランク5位)が同組」という「死の組」ではありませんから、くじ運は悪くは無かったと思いますが、一方で、現在世界ランク13位の日本チームの下位ランクチームはアメリカ(15位)だけという、「実力が拮抗しているチームが集まった組」ということになります。

 組の頭のチームは南アフリカですが、以下スコットランド(世界ランク10位)、サモア(同12位)と同組です。
 つまり、南アフリカチーム以外のスコットランド・サモア・アメリカの3チームには「勝つ可能性も有るが負ける可能性も有る」組に入っているのです。
 従って、グループリーグにおける日本チームの成績としては、3勝1敗~0勝4敗まで、どの成績も可能性があると言えるでしょう。

 前回2011年大会から強化を進めてきた日本チームの実力は、間違いなく向上しています。テストマッチでの成績も着実に上がってきていると思います。
 但し、「連戦における実力のキープ」という面では、まだまだ上位チームとの間に差があるとも感じます。

 一発勝負では、相当の力を発揮できるチームに成長しましたが、短期間に複数のゲームを戦って行くと、2戦目・3戦目と力が下がって行くのです。持久力・体力の問題、余裕を持ってグループリーグを戦って行くことが出来ない、という面からの現象でしょう。
 現在の実力からすれば、止むを得ないことだとも思います。

 従って、日本チームとしては「勝ちに行くゲーム」と「負けるゲーム」を明確に区分し、戦力の配分を行うマネジメントが重要だということになります。
 何勝何敗であれば準々決勝に進出できるのかを、大会が始まってからの各チームの成績を睨みながら判断し、次戦の布陣・戦い方を決めて行くという、難しい戦略策定が不可欠なのです。

 「絶妙のリソース配分」と「勝ちに行ったゲームを確実にものにするプレーヤーの頑張り」が両立して、初めて「悲願のベスト8進出」は実現できるものと思います。
 日本代表ラグビーチームの総合力が問われる大会なのでしょう。

 サッカーワールドカップとオリンピックに次ぐ規模を誇る、ラグビーワールドカップ2015・イングランド大会が始まります。

 今大会も、数々の素晴らしいプレーで彩られることでしょう。
 今回の世界柔道においても、100kg超級はテディ・リネール選手(フランス)が優勝しました。

 これで世界選手権の100kg超級は6連覇、2008年の大会では無差別級で優勝していますので、世界選手権での優勝だけを観れば8大会連続の金メダルという、全ての階級において大会史上初である空前の記録を継続中です。

 100kg超級は、階級別で最も重いクラスであり、その王者は「柔道という競技で最強」と観て良いと思いますので、そのクラスで連勝を続けているリネール選手は、柔道界に君臨する「絶対王者」ということになります。

 リネール選手が世界にその名を轟かせたのは、2007年リオデジャネイロの世界選手権大会決勝において、18歳5か月という史上最年少優勝を飾った時でしょう。
 この時、井上康生選手を破りました。

 この後、2010年の世界選手権無差別級で上川大樹選手に敗れる(この大会では100kg超級で優勝)以外には、日本の柔道選手には負けていません。

 「世界最強の柔道家」の名を欲しい儘にしていると言って良いと思います。

 フランスは、我が国より柔道人口が多いとも言われる柔道大国です。
 そのフランスから「世界最強の柔道家」が生まれるのは、自然なことという見方もあるでしょう。

 とはいえ、柔道の母国である日本としても、「世界最強の柔道家」の称号奪回を目指していることも間違いありません。

 世界柔道2015の決勝では、七戸龍選手がリネール選手に挑み、惜しくも敗れました。

 リオデジャネイロ・オリンピックの100kg超級に注目したいと思います。
 西前頭筆頭・嘉風の活躍が続いています。

 2日目に横綱・白鵬を、3日目に横綱・鶴竜を連破したのです。

 白鵬との取組では離れて取りながらの突き落とし、鶴竜との取組では相手の動きを観ながらの押し出しと、いかにも嘉風らしい自在な取り口です。
 立合いから相手力士の動きを観ながら勝機を見出しているのです。

 対戦相手から見れば、いつ変化されるか分からない上に、腰を引いて構えていればそのまま押し出される、のですから大変です。
 「前に出る力が強い」技士(わざし 多様な技を繰り出す力士のことを今後は「技士」と呼ぶことにします。「業師」より大相撲向きだと感じますので)は、力士のひとつの形です。現在の幕ノ内であれば、安美錦や妙義龍・嘉風・豪風が相当すると思います。

 それにしても、33歳になっても自らの相撲を進化させ続ける嘉風は凄いと感じます。

 白鵬が休場し大混戦となった感のある9月場所ですが、今後どの力士がどんな活躍を魅せるのかは、全く予測がつかなくなりました。
 3日目までの相撲内容を観る限り、照ノ富士、稀勢の里、栃煌山、妙義龍の4力士の調子が良さそうですけれども、何が起こるか分からない「不確実性満点」の場所であることは間違いないでしょう。

 さて、2横綱を破った後のインタビューにおける嘉風のコメントが印象的でした。

 白鵬戦の後は「信じられないとはこういう事だと思った。あまり覚えていない。ビデオを50回見直す」とし、鶴竜戦の後は「昨日から夢を見ているみたい。今日も夢の続きという感じ。良い場所です。こういう場所があってもいい」と、喜びを表しました。

 連日の見事な相撲でした。
 横綱白鵬が3日目から休場することが報じられました。

 2007年の横綱昇進以来、休むことなく土俵を務めあげてきた「大横綱」も、ついに休場することとなったのです。本当に残念なことではありますが、2007年から2015年にかけての、大相撲が危機的な状況に追い込まれた時期に「綱を張り続けた」ことは、賞賛の一語に値するものでしょう。

 大相撲ファンや関係者は「横綱白鵬が居ない場所」の空気に初めて接することになります。
 この休場で、白鵬関の評価は上がることはあっても下がることはあるまい、と感じます。

 さて、今場所の国技館の土俵は、いつもの国技館開催の場所の土俵に比べて、少し黒っぽい感じがします。
 本場所の土俵は、開催場所により異なる土で造られています。名古屋・大阪・福岡での開催場所ではそれぞれの地域の土を使っているのです。

 東京・両国の国技館の土は、他の地域の土に比べて白っぽいというか明るい色の土が使用されてきました。

 2015年9月場所も同じ土を使っているのです。ところが「黒っぽい」土俵に見えます。

 それは、今回の土の水分含有量が多いためと伝えられています。
 丁度、今場所用の土俵を造る時期に「雨が多かった」ためなのでしょう。国技館の土俵の色ひとつからも、2015年8月中旬以降の天候不順が分かるのです。

 本場所の土俵は、「呼出し」さん達が総力を挙げて造り上げています。これは、毎場所のことです。軟らか過ぎず硬過ぎない土俵を造ることが、呼出しさん達のノウハウでもあります。

 いかんせん、今場所の土の水分は多過ぎたのでしょう。
 いつもより「相当柔らかい土俵」となってしまったようです。

 今場所前にも、いつもの場所同様に横綱審議委員会の稽古総見が行われました。
 横綱、大関を始めとする多くの力士が参加する横審総見ですが、今回白鵬は関取勢との稽古を披露しませんでした。
 総見後のインタビューで「土俵が軟らかかったから」とコメントしています。

 いつもより柔らかい土俵なので、怪我や故障発症のリスクが有るとして、白鵬は稽古を控えたのでしょうか。

 今思えば、総見時既に白鵬の左膝の調子は良くなかったのかもしれません。

 そして本場所、白鵬は初日・2日目と2連敗を喫しました。
 横綱昇進以降初めての初日・2日目連敗であり、5日目までに2敗したことも初めてのことでした。

 この連敗の要因については、一概には言えないことでしょう。
 隠岐の海や嘉風の相撲内容が素晴らしいものであったことは間違いありませんし、白鵬のコンディションが悪かったこともあるのでしょう。
 また、歴戦の疲労により白鵬の力が全盛時に比べれば落ちてきている可能性も有ります。こうした要因が複雑に重なっての連敗であったのでしょう。

 横綱が休場することは、過去も現在でも珍しいことではありません。
 大相撲の大看板を背負って立つ最高位の力士なのですから、土俵に上がる以上は「横綱に相応しい相撲」が求められます。中途半端なコンディションでは相撲を取ることは出来ないものなのでしょう。「地位の重さ」が休場を強いる面もあると思います。

 そうした中で、横綱として史上最長の連続出場記録8年間49場所772番を成し遂げてきた白鵬の偉大さは、比類無きものです。

 白鵬は、今場所途中からの再出場は無いともコメントしています。じっくりと心を休め体を治して、11月場所あるいは初場所から再起動していただきたいものです。
 不休で土俵に上がり続けた大横綱には、少し休んでいただきたいとも思うのです。

 2015年9月場所の「黒っぽい土俵」は、「相撲の神様」が白鵬に休みを与えるためのものであったのかもしれません。
 アメリカンリーグAL東地区の首位攻防戦、ニューヨーク・ヤンキースとトロント・ブルージェイズの4連戦の第4戦、9月13日のゲームに先発した田中将大投手は、7イニング・108球を投げて、被安打4、奪三振7、与四死球0、失点0の好投を魅せました。

 ヤンキースは5-0で快勝、4連戦・3連敗の後一矢を報いた形です。
 田中投手は今季12勝目(6敗)となりました。

 今シーズンの天王山とも言える4連戦の最終戦に、中4日で登板した田中投手は、立ち上がりから「低目に球を集め」、トロント打線に的を絞らせませんでした。

 現在のトロント打線は「超強力」といえる状態でした。
 4連戦の初戦は16安打・11得点、第2戦は10安打・9得点、第3戦は14安打・10得点、3ゲームで30得点と、ヤンキース投手陣を火達磨にしてきたのです。

 2番のドナルドソン選手が38本塁打・119打点、3番のボティースタ選手が35本塁打・101打点、4番のエンカルナシオン選手が32本塁打・99打点、5番のトロウィツキー選手が17本塁打・70打点(記録は9月12日時点)というラインナップですから、抑えて行くのは容易では無い打線です。

 このゲームでは、前日迄のゲームで故障したエンカルナシオン選手とトロウィツキー選手が欠場しましたので破壊力は少し下がっていましたが、代わりに出場したコラべロ選手にしても14本塁打・53打点、スモーク選手が15本塁打・48打点というのですから、層の厚さを感じさせます。

 この強力にして調子が上がっている打線を、田中投手は見事に料理しました。
 両チームの勢いの差を考慮すれば、その価値はとても大きなものだと思います。

 「天王山の4連戦」を終えて、首位のブルージェイズと2位のヤンキースの差は3.5ゲームとなりました。
 1.5ゲーム差で迎えた直接対決で3.5ゲーム差に差を広げられてしまったのですから、地区優勝に向けてはトロントが相当有利になったことは間違いありません。

 しかし、第4戦に勝ったことで、ヤンキースも「首の皮一枚残った」とも言えるのでしょう。

 レギュラーシーズンの残りゲーム数は20前後。
 逆転による地区優勝に向けてのヤンキースの戦いは、まだまだ続きます。

 そして、エースとしての田中将大投手の活躍に大きな期待がかかっているのです。
 2020年東京オリンピックのメイン会場となる新・国立競技場については、計画が一転二転していますが、初代のように「半世紀の使用に耐えるスタジアム」として設計・施工をお願いしたいと思います。

 堅牢であることはもちろんとして、デザインも流行に左右されないものであることが望ましいでしょうし、メンテナンスコストの水準も重要でしょう。
 あまりにメンテナンスコストが高いと、維持できなくなるリスクが増します。

 日本国のこれまでの歴史を観ると、相応のコスト負担能力は継続できるとは思いますが、人口減少時代に入ったことを考慮すれば、いつまでも世界トップクラスの経済大国の立場を維持できるとは限らないことも考えておく必要があります。

 世界各地に在る、かつてのオリンピックススタジアムやワールドカップ決勝戦開催スタジアムの中には、きちんと維持・管理されているものもあれば、当時の威容・美しさが見る影もないものもあるように思います。

 東京オリンピック2020のメインスタジアムは前者であって欲しいと思います。

 さて、本記事はその一環の話です。新スタジアムの「椅子」がテーマです。

 オリンピック会場の椅子となれば、世界中の人達が観戦する際に使用するものですから、「相応の大きさ」が必要です。
 
 戦後日本人の体格は大きくなったと言われますが、例えば欧米の人達と比較すればまだ小さいというかスリムでしょう。身長はともかくとして、特に横幅という点からは大きな差が有ります。
 成人男性を例に取れば、身長180cm・体重90kg・胴囲100cm位を平均サイズとして、施設建設に臨むべきかと感じます。
 隣席の人と、肘や体がぶつかりながらの観戦は、やはり快適とは言えないでしょう。

 MLBのボールパークの椅子が参考になりそうです。
 例えば、新しいヤンキースタジアムのネット裏の椅子は、とてもゆったりとしていて、クッションまで付いています。
 そして各列は、椅子の横半分ずつずれて配置されています。前席の人の頭で見え難くなることを回避しているのでしょう。

 では、半席ずつずらして配置した場合の、当該列の両端はどうなっているのでしょう。凸凹では、通路を歩く際に邪魔になり、衝突・転倒等のリスクが高くなります。
 ところがヤンキースタジアム・ネット裏席の列の端は、揃っているように見えます。
 おそらく、観客席全体が「扇形」に広がっていることから可能になる配置なのかと推定しています。

 前述の例で気が付くことがあります。

 第一に「クッションの存在」です。

 座席の座面と背面等にスポンジのようなものでクッションを入れているのです。もちろん、ヤンキースタジアムといっても全ての座席にクッションが装着されているわけでは無く、ネット裏から1塁側・3塁側ベンチ上辺りまでの前の方の席に限定されているように見えます。
 チケット代が高価な席、と見ることもできるでしょう。これらの席は数百ドルの価格なのです。

 こうした席について見れば、MLBのボールパークでは、歴史を誇るボールパーク以外は概ねクッション装着席になっています。こうした席は、もちろん「相当大きな席」ですから、(日本人から見て)大柄な人達もゆったりと快適に観戦できる状態になっているということでしょう。

 ここで考えなければならないことは「クッション装着席」の耐久性です。

 スポンジ状のものをビニール状の素材でカバーして出来ていると見られる席は、ビニールが切れてスポンジが飛び出したり、経年劣化により色褪せしたり、ビニールにひび割れが入ったりする可能性が高いと思われます。屋外スタジアムが多いMLBですから、雨も当たる筈です。

 ところが、ヤンキースタジアムを始めとする多くのボールパークのクッション装着シートは、いつも綺麗な状態に観えます。少なくとも、ビニールが切れていたり、汚れていたりしているのを、これまで観たことがありません。

 そうすると、「とても丈夫な素材」で作られているのか、あるいは「頻繁に修理・更新」しているのか、どちらかということになります。
 もし、後者の対応策を取っているとすると、頭書の「メンテナンスコスト」の増大に繋がってしまいます。

 開会式のチケットは、1枚10~30万円位になるのではないかと言われている東京オリンピック2020ですので、最上級席には「MLBであれば常識」であるクッションを装着するべきとも思いますが、オリンピック終了後のことを考えれば、クッション装着は不適当とも言えるのです。
 座席の大半のビニールが切れたりひび割れたりしている姿は、とても残念なものでしょう。

 もうひとつは、「大きめの座席を並べた時のスタジアム全体の大きさ」です。
 MLBのボールパークは、いずれも大変大きなものです。(MLB最古の歴史を誇る、ボストンのフェンウェイパークは例外的に狭いのですが)

 例えば、ロサンゼルス・トジャースのホーム、ドジャースタジアムなどは、日本の球場と比較すれば7~8万人位収容できそうな巨大なものですが、実際には5万人収容です。ひとつひとつの席が大きいので、全体としてとても大きなスタジアムになっているのだと思います。

 オリンピック・メインスタジアムとなれば8万人程度の収容能力が必要となるのでしょうが、ひとつひとつの椅子を少し大きくするだけで、スタジアム全体がとても大きなものになるのは道理でしょう。

 旧国立競技場も、1964年時点では8万人収容でしたが、後に5~6万人収容になりました。躯体のサイズは同じですが、個々の座席が大きくなったというか、「長椅子型席」が個別席に手直しされたこと等の要因により、収容人員が小さくなったのです。

 もともとの競技場が5~6万人収容であった千駄ヶ谷のスペースに、8万人収容のスタジアムを造ることだけでも、相応の工夫が必要なところに、もともとの椅子より大きな椅子を並べようとすれば、様々な工夫を凝らす必要があることは間違いなさそうです。

 2階席・3階席あるいは4階席の設置は当然として、どの角度からも「競技が良く観える」座席配置実現は、我が国の設計・施工技術を世界に示す良い機会なのかもしれません。

 旧国立競技場は、様々な点から見て「世界屈指のスタジアム」であったと思います。特に、その耐久力の高さは、日本の建築技術の高さを示すものでしょう。
 新国立競技場も、長きに渡って同様の評価を得られるものであって欲しいと思います。

 そして、旧国立競技場はどの席に座っても「晴れていれば青空を存分に眺めることが出来る」スタジアムでした。
 あの「大きな空」は、旧国立競技場にのみ備わっていた、最大の特徴であったと感じます。

 「新国立競技場の椅子」からは、どんな景色が観えるのでしょうか。
 我が家の食卓にも葡萄が並ぶ季節となりました。

 大粒で甘い巨峰も、最も美味しい葡萄のひとつでしょう。
 そして、巨峰と言えば「東御の巨峰(とうみのきょほう)」が有名です。

 長野県東御市(とうみし)で産する巨峰は、その糖度の高さにおいて日本一の巨峰というか、全ての果物の中で最も糖度が高いというか、私の拙い海外経験を鑑みてみると「世界一の糖度の果物」のように感じられます。
 信じられない程に甘く美味しいのです。

 東御市というか2004年までの東部町は、軽井沢町の西側に在り、「一面の南斜面」に位置しています。
 従って、葡萄の木々は太陽光をたっぷりと浴びながら育ち、加えて高地に存在しますから、日中と夜間の温度差が大きい環境で育ちます。
 結果として、糖度十二分の素晴らしい巨峰となるのでしょう。

 その東御市に、伝説の力士・雷電為右エ門(らいでん ためえもん)の生家があるのです。

 雷電は、江戸時代後期に活躍した大関で、現役21年間で僅かに10敗、通算勝率.962という、大相撲史上空前絶後の最強力士と言われています。

 一方で雷電は、横綱になっていません。当時の力士は大名のお抱えであったが、雷電を抱えていた大名の力不足、あるいは他の大名の妨害、等々の理由が挙げられていますが、決め手は在りません。
 既に横綱制度が存在した時代のことですから、とても不思議なことです。

 しかし、雷電の強さは誰もが認めるところでした。

 東京都江東区・富岡八幡宮に存する「横綱力士碑」には、歴代の全ての横綱名が彫り込まれていますが、その中に唯一横綱では無かった力士として雷電の名前が在るのです。「無類力士」として表記されています。

 また、四股名というのは代々受け継がれるもので、例えば「若乃花」と言えば、初代・二代目・三代目と繋がります。
 特に強い力士の四股名は、後に続く力士が尊敬の念も込めて受け継ぐことが多いのでしょう。

 ところが、「雷電」の名は明治時代に兜山が名乗って以来、誰も使っていません。事実上の「止め名」とも言われています。プロ野球における永久欠番のようなものでしょうか。
 もちろん、「雷電」という史上最強力士の四股名を受け継ぐのは、どんな力士にとっても勇気の要ることなのでしょうが。

 雷電為右エ門は、身長197cm・体重172kgの体格であったと伝えられています。
 把瑠都が大関に昇進した時に、雷電と同じ体格であると一時期話題になりましたが、この堂々たる体格は江戸時代の日本人としては、驚異的なものだったのではないでしょうか。

 また、雷電は「諸国相撲控帳」(雷電日記)と「萬相撲控帳」の2つの優れた著作を残しています。教養も十分な力士であったのでしょう。

 東御市に存する「雷電為右エ門の生家」を訪ねた時も、燦々たる陽光が溢れていました。江戸時代に将来「無類力士」となる少年も、この陽光を浴びながらすくすくと育ったのであろうと感じました。

 この季節に美味しい葡萄を食べながら大相撲を観ていると、雷電のことを思います。

 但し「東御の巨峰」はとても高価なものですので、なかなか口に出来ないのは残念なことですが・・・。
 2015年のPGAツアー・フェデックスカップのプレーオフ第2戦、ドイツバンク選手権大会は9月4日から7日にかけて、アメリカ・マサチューセッツ州のTPCボストンコースで行われ、アメリカのリッキー・ファウラー選手が優勝しました。
 4日間通算269打・15アンダーパーでした。

 最終日となった4日目のプレーは、スウェーデンのヘンリック・ステンソン選手が先行し、ファウラー選手が追いかける展開となりました。

 PGAツアーの大会としては珍しく、3位以下のプレーヤーのスコアが伸びませんでしたから、トーナメントは上位2選手のマッチプレーの様相を呈し、15番ホールを終えてステンソン選手が16アンダーでトップ、ファウラー選手が15アンダーの1打差で追う形でした。

 16番ホールは188ヤードのパー3。
 池越えのホールでした。

 私のようなアマチュアゴルファーにとっては、190ヤード近いショートホールとなれば、なかなか1オンすることが難しいのですけれども、世界トップクラスの両選手にとっては、グリーンヒットは当然のこととして、いかにピンに近いところにヒットさせるか、いかに良いパッティングラインにボールを置くかということがポイントとなります。

 まずファウラー選手が6番アイアンでショットしました。
 ピン向かって右手前4m程にボールが止まりました。1打差で優勝争いをしている状況を勘案すれば、素晴らしいショットと言えるでしょう。

 続くステンソン選手は7番アイアンを選択しました。
 ステンソン選手とファウラー選手のアイアンクラブの飛距離はほぼ互角と言われていましたし、先に打ったファウラー選手のショットは池を超えてグリーンをギリギリにヒットしていましたから、ステンソン選手が1番手落としたクラブを選択したことは、やや意外でした。フルショットでピンをデッドに狙って行くのであろうと感じました。

 そしてステンソン選手が打ちました。軽いドローボールのショットはピンに向かって飛んで行きましたが、僅かにグリーンには届かず、手前の土手に跳ね返って2~3バウンドの後池に落ちました。

 よもやの池ポチャでした。

 堅実なプレーに定評があり、もともと地力も十分なのですが、このフェデックスカップ・プレーオフに滅法強いステンソン選手にとっては、滅多に観られないミスショットでした。

 ステンソン選手は、このホールのドロップエリア(ピンまで105ヤード地点)から第3打を打ち、ピン右上4m程にグリーンヒットしました。ドロップエリアから見れば左側の池を避けたショットとしては、見事なショットであったと思います。
 ステンソン選手としては、このボギーパットを捻じ込んで、スコアダウンを1打に抑え、15アンダーを確保することが狙いでした。

 しかし、ステンソン選手のファーストパットはカップの右側を通過し、このホールは5打・ダブルボギーとなりました。通算16アンダーから14アンダーにスコアを落としたのです。
 パーでホールアウトし、通算15アンダーをキープしたファウラー選手を1打差で追う展開となりました。

 続く17番ホール・403ヤード・パー4、18番ホール・531ヤード・パー5において、両選手は渾身のプレーを見せ、チャンスとピンチが交互に訪れる展開でしたが、結局両ホールとも両選手はパーでした。

 リッキー・ファウラー選手の優勝が決まりました。

 前述の通り、ステンソン選手は常に冷静なプレーを魅せ、感情の起伏を表に出さないタイプのプレーヤーです。
 そのステンソン選手に、「いつも以上の勝負ショット=リスクが高いショット」を強いたのは、ファウラー選手の極めて粘り強いプレーだったのではないでしょうか。

 ファウラー選手はステンソン選手とは対照的な、超アグレッシブ・攻め捲るプレーを身上とするゴルファーです。
 「ここから狙うのは無理」というショットにチャレンジし続けるゴルフは、「次世代のゴルフ」とも評されています。
 時には「やや無謀」なのではないかというショットにもトライしますから、スコアの上下が激しい、今風に言えば「ボラティリティーが高いゴルフ」でしょう。

 そのファウラー選手が追い上げてはいたものの、やはりボギーも時々打ってしまいます。
 昨季までのファウラー選手であれば、そのまま崩れてしまい、惜しくも優勝には届かないという大会が多かったのですが、今季「第5のメジャー」と呼ばれるビッグトーナメント、ザ・プレーヤーズ選手権大会に優勝して、一皮むけたのでしょう。
 このラウンドでは、ボギーの後直ぐにバーディを取り返し、ステンソン選手との僅差を維持し続けたのです。

 このラウンドで「粘り強さでは負けない」筈のステンソン選手のマネジメントを乱したのは、ファウラー選手の「しつこさ」であったと感じます。
 16番ホールでダブルボギーを打った後、ステンソン選手がカップから拾い上げたボールを池に投げ込んだシーンが印象的でした。池に向かって投げたのではなく、池から反対方向の次のホールに向かって歩き出した瞬間、自分の背後の池に放った姿に「大きな悔しさ」が滲んでいました。

 この優勝で、リッキー・ファウラー選手はフェデックスカップ・ポイントランキングを一気に3位に上げました。
 
 4戦あるプレーオフの内2戦を終えて、トップはジェイソン・デイ選手、2位はジョーダン・スピース選手、そして3位にファウラー選手が続きます。
 4位には、プレーオフ初戦・第2戦連続2位のステンソン選手、5位にはババ・ワトソン選手が続くという展開となりました。松山英樹選手も16位に付けています。

 1週間の休みを経て、9月17日~21日にアメリカ・イリノイ州のコンウェイファームコースで開催される、プレーオフ第3戦・BMW選手権大会、そして9月24日~27日に行われる第4戦・今シーズンの最終戦・ツアー選手権大会。

 今シーズンのPGAツアーも、2大会を残すのみとなりました。
 2015年のMLBレギュラーシーズンも9月上旬に差し掛かり、ポストシーズン進出に向けての各地区の競り合いも佳境を迎えました。(以下、9月9日時点の成績)

 アメリカンリーグAL東地区は、トロント・ブルージェイズがニューヨーク・ヤンキースに1.5ゲーム差で首位を走っています。この2チームの競り合いは最後まで続くと思われます。

 AL中地区はカンザスシティ・ロイヤルズがミネソタ・ツインズに11ゲーム差を付けて独走しています。今季、終始好調な戦い振りを披露してきたカンザスシティとしては、ポストシーズンに向けたチーム作りに注力しなければならない時期でしょう。

 AL西地区はヒューストン・アストロズがテキサス・レンジャーズに1.5ゲーム差でトップですが、一時期9ゲーム以上離して独走していたことを考えると、テキサスの追い上げ急というところでしょう。もしテキサスが逆転で地区優勝ということに成れば、滅多に観られない大逆転ということになります。

 一方のナショナルリーグNL東地区は、ニューヨーク・メッツがワシントン・ナショナルズに7ゲーム差の首位です。今季競り合いを続けてきた両チームですが、直近の直接対決でメッツがナショナルズを突き放した形です。メッツの優位が固まりつつあります。

 NL中地区はセントルイス・カージナルスがピッツバーグ・パイレーツに4.5ゲーム差を付けてトップ、3番手にはセントルイスから7.5ゲーム差でシカゴ・カブスが続きます。
 この地区はシーズン当初からセントルイスが走り、悠然たるシーズンを続けてきたように観えますが、ここにきてパイレーツとカブスが「ヒタヒタと迫ってきた」というところでしょうか。
 インターリーグや他地区との対戦成績の関係も有って、この3チームは高い勝率下での争いになっています。

 NL西地区はロサンゼルス・ドジャースがサンフランシスコ・ジャイアンツに8.5ゲーム差を付けて首位です。NL西地区の強豪同士の両チームであり、凄まじいライバル関係にある両チームでもありますが、今季はドジャースのものとなりそうです。
 また、ワイルドカードからワールドシリーズ制覇というパターンを魅せるジャイアンツですが、今季このままではワイルドカードに残るのも難しい情勢です。

 また、このところポストシーズンとなると不思議な程に実力を発揮できないドジャースとしては、1988年以来28年振りのワールドシリーズ進出に向けた戦略・戦術の構築が期待されます。
 ワールドシリーズ優勝6度を誇る名門チームにしてのこの長い不振に、そろそろ終止符を打たなければならないでしょう。ドジャースファンの堪忍袋も、限界に近づいている感じがします。

 さて、こうした各地区の状況を踏まえて特筆すべきは、NL中地区のパイレーツとカブスでしょう。

 2番手のパイレーツは83勝55敗で勝率.601、3番手のカブスは80勝58敗で勝率.580という好成績なのです。

 パイレーツの勝率.601は、他の5地区の全ての首位チームの勝率を上回ります。独走中のAL中地区ロイヤルズの勝率.597をも凌ぐのです。
 
 カブスの勝率.580も、他の5地区の首位チームと比較すれば、前述のロイヤルズ以外の4チームの勝率より上です。

 .633という極めて高い勝率で走るカージナルスが居るがために、2番手・3番手に甘んじているとはいえ、パイレーツとカブスはとても良いシーズンを展開していると言って良いでしょう。

 注目されるのは、NLワイルドカードの2チームに、パイレーツとカブスが進出する可能性が高いという点です。同地区の2位と3位のチームがワイルとカードに進出する可能性があるのです。
 「地区3位のチームでもワールドチャンピオンに成り得る」というのは、何かアメリカンドリームのひとつのように感じます。

 もちろん、まだ20ゲーム以上を残しているレギュラーシーズンですから、強豪カージナルスといえども、地区優勝が固まったというわけでもありません。

 パイレーツ・カブスを交えた3チームによる今後の競り合いが、とても楽しみです。
 男子100m競走種目を例にとります。

 自己ベスト記録が10秒00の選手が世界大会で戦って行くとします。

 選手キャリアの当初は世界大会出場経験が乏しいので、こうした大会で10秒00のタイムで走れるのは10回のレースで1回だったのですが、出場を重ねるうちに大会の雰囲気、様々な気象状況への対応力、等々の知識・ノウハウが身に付いて、10回走れば5回は10秒00で走れるようになりました。
 世界大会に「慣れた」のです。

 しかし、オリンピックや世界選手権大会では、なかなか決勝に残れません。このレベルの大会では、9秒90位のベストタイムが無ければファイナリストには成れないのです。
 もちろん、こうした大会でのメダルは程遠いものです。9秒80を切る位の能力が無ければ、3位は狙えないのです。

 この選手は、世界大会出場経験を積み、高い確率で自己ベスト記録を出せるようになりましたが、好成績には結び付きませんでした。

 世界大会の出場経験を積むだけでは、メダルには手が届かないのです。

 当たり前のことを書き恐縮ですが、世界で好成績を残すためには「競走能力を上げて」いかなければなりません。
 10秒00だった自己ベストを、9秒90、9秒80と上げ、金メダルを取るためには9秒60を切る(ウサイン・ボルト選手の世界記録は9秒58)レベルまで、競走能力を高める必要があるのです。

 逆に言えば、世界大会への出場経験が少ない選手でも、9秒70の自己ベストタイムを保持していれば、メダル獲得の可能性があるということです。
 世界デビュー早々のボルト選手やアリソン・フェリックス選手が世界大会でメダルを獲得していたことを観ても明らかなことでしょう。

 ボルト選手のような「能力の絶対値が高いアスリート」が経験を積むと「勝率が上がる」のでしょう。
 しかし、絶対値の低い選手がどんなに経験を積んでも、好成績を得る可能性はとても低いのです。実力上位の選手の大失敗を待たなければならないのですから。

 「慣れること」と「上達すること」は異なるのでしょう。

 怖いのは、「慣れたこと」を「上達した」と勘違いすることかもしれません。

 どんなスポーツでも、基本的には同じなのだと思います。

 陸上競技や競泳なら「タイム・記録を伸ばす」、サッカーやラグビーなら「スピード・パワー・持久力をアップし技術を高める」、大きな大会の出場機会を増やす、経験を積み上げて行く過程で、こうしたことを実現できなければ、オリンピックのメダリストになることやワールドカップのベスト8・ベスト4・決勝進出といった目標を達成することは出来そうもありません。

 世界一、あるいは日本一を目指していく過程で、大事なことは「能力の絶対値を上げて行くこと」だと思いますし、それが唯一の方法なのでしょう。

 「力を付けなければならない」のです。
 
 8月22日から8月30日にかけて開催された、陸上競技の世界選手権大会においては、メインスタジアムで行われたトラック種目の決勝が、日本時間の午後10時~10時30分(北京時間なら9時から9時30分)に行われました。

 フィールド種目も午後8時位から決勝を行っていました。

 空が真っ暗な時間帯に、世界チャンピオンを決める戦いが展開されたのです。

 いつの頃からか、オリンピックや世界選手権の100m競走決勝は夜行われるようになったのです。
 ボルト選手の勝利のポーズも、カクテル光線の中に浮かび上がります。

 動物としての人間の体調を考えると、本来昼間に運動した方が高いパフォーマンスが得られるような気がするのですが、現代では多くのスポーツが夜行われています。

 プロの野球・ベースボールは、デイゲームも有りますがナイトゲームの方が多いですし、サッカーも夜のゲームが増えている印象です。(但し、ワールドカップのゲームは昼間行われています)ラグビーのワールドカップが迫っていますが、こちらも準決勝以降は夜のゲームが主体でしょう。
 テニスや水泳でも、夜間のゲーム・レースが増えていると感じます。

 これはもちろん、テレビ放送の放映権料との関係でしょう。放送局としては「視聴率と放映権料水準」はリンクしているのでしょうから、高い視聴率を稼げるゴールデンタイムに「最大注目のレース・ゲーム」をライブで行ってもらう必要があります。

 そして、この放映権料が大会運営の最大の原資となっているのですから、「夜走る・夜プレーする」のも、止むを得ないことになります。

 とはいえ、本来陽光の下で運動するのが、生理学的に人間にとって望ましいのであれば、プレーヤーのことを考慮すれば、昼間プレーするのが良いのではないかと思います。
 「本来、哺乳類は夜行性」だから、夜運動しても十分なパフォーマンスが得られる、という見解も有るのかもしれません。

 スポーツもコマーシャリズムと無縁ではいられない現代社会においては、仕方が無いことかとも思います。

 それぞれのスポーツのプレーヤーは皆、「夜間に体が良く動くようにコンディショニングを行う」時代なのでしょう。

 青空の下で、オリンピックチャンピオンのビクトリーランを観るというのも、とても良いものなのですが・・・。
 9月13日に幕を開ける、9月場所の注目力士検討です。

 7月場所で35回目の優勝を果たした横綱・白鵬、大関として2場所目の土俵に臨む照ノ富士、先場所大きく負け越した逸ノ城といったモンゴル出身力士のコンディションが注目される一方で、栃煌山、隠岐の海、嘉風といった先場所好調であった日本出身力士も気になる所です。

 前頭上位陣の充実振りは相変わらずですが、返り入幕の力士達にも千代鳳や朝赤龍、蒼国来といった楽しみな力士が並びました。

1. 横綱

 横綱陣の中から選ぶとすれば、やはり白鵬でしょう。7月場所も序盤こそ不安定な取り口でしたが、場所が進むにつれて調子を上げて行くところは「さすが」でした。終盤の相撲は、全盛時を思わせるものでした。

 鶴竜の先場所前半の相撲は見事なものでしたが、ここぞという相撲で「白星を欲しがる」内容になる所が残念でした。地力は十分なのですから、自らの相撲を取り切ることで好成績が付いてくるのではないでしょうか。

 日馬富士については、故障をしっかりと治したうえで土俵に上がっていただきたいと感じます。

2. 大関

 大関陣からは照ノ富士でしょう。大関昇進関連行事の疲労・稽古不足からでしょうか、いまひとつ調子が上がらなかった7月場所でも、まずまずの成績を残しましたから、地力が相当高いことは明らかです。

 9月場所では、横綱陣との対戦で良い相撲を魅せていただきたいと思います。

 日本出身の3大関にも大きな期待がかかります。
 特に、場所前の稽古で絶好調が伝えられる豪栄道には、その力を本場所で存分に発揮いただきたいと思います。

3. 関脇以下の力士

③栃煌山

 7月場所では2横綱を連破し、終盤まで場所を盛り上げました。一方、14日目・15日目の相撲内容は、「以前の栃煌山に戻ってしまった」印象でした。
 自力は十分ですので、「慎重に勝ちに行くために前に出る力が不足する」という悪い癖を出すこと無く、ご自身の相撲を思い切りとるという土俵を展開いただければ、優勝争いの可能性も十分に有ると思います。

 大関昇進への足掛かりとして、大事な場所になります。

④勢

 東前頭12枚目まで番付が下がりました。故障が回復していれば、大勝が期待される番付です。
 回復度合いについての報道は少ないのですけれども、そろそろ体調が整ってくる頃でしょう。

⑤遠藤

 膝の故障からの回復が進んでいると観ての5番手です。休場せず土俵に上がりながら治していくという手法は、相撲の幅を広げているとも感じます。
 東前頭7枚目という番付ですから、星が上がれば中盤以降に上位との対戦も組まれることでしょう。とても楽しみです。

⑥千代鳳

 こちらも故障からの回復途上です。地力は幕の内上位ですから、西前頭12枚目での大活躍が期待されます。重い腰をベースとした取り口は、千代鳳独特のものです。

⑦逸ノ城

 7月場所の相撲内容については、知人から「どこか悪いのではないか」という話が出る程、精彩を欠くものでした。
 私は故障というより、相撲の取り方を忘れてしまったのではないかと感じています。まずは「低く強い立合い」を取り戻していただければ、勝率が格段に上がると観ています。

⑧妙義龍

 ようやく「三役の相撲」を思い出して来た印象です。もともと大関並みの地力があることは間違いありませんから、「前に出る業師」としての相撲を展開していただければ、二桁勝利の可能性も十分でしょう。

⑨宝富士

 7月場所は、初三役の緊張感と相手力士が宝富士の相撲を十分に研究していた、という二つの理由から、星が上がりませんでした。相手力士の出方を見ていた為に、肝心の「前に出る力が不足」していたように思います。

 もともと前頭上位の常連ですから、思い切った相撲を魅せていただければ好成績が期待されます。

⑩豪風

 7月場所では、横綱・大関他上位陣との相撲に「少し疲れた」感じではないでしょうか。東前頭8枚目は、最も力を発揮できる位置でしょう。
 素早い動きからの自在の取り口を、また魅せていただきたいものです。

 9月場所では、以上の10力士に注目します。

 他にも、東前頭2枚目に上がった大砂嵐の「やや乱暴なスピード相撲」がどこまで上位陣に通用するか、西前頭2枚目まで上がってきた佐田の富士が大きな体を活かした相撲でどこまで上位陣を苦しめるか、西前頭7枚目の阿夢露の渋い取り口、東前頭14枚目の北太樹の大らかな相撲、そして久しぶりの幕ノ内である朝赤龍の技、などなど見所は満載です。

 休場力士の少ない、充実した場所が期待されます。
 「大越健介 メジャーリーグを行く」という番組が、8月23日にNHK-BSで放送されました。1時間50分に及ぶ番組でした。

 元東京大学野球部のエースピッチャーであり、現在NHKに勤務する大越氏が、1か月間に渡ってアメリカ各地を訪問し、アメリカ合衆国・アメリカの人々とベースボールの関係を観て行くという趣旨であったと思いますが、興味深いテーマも多く、とても楽しく拝見しました。

 その中で、特に興味深かったことを採り上げます。

 番組の前半で、大越氏があまり豊かでは無い人達が住むというエリアを歩きました。
 少年達はバスケットボールに興じていました。野球場もいくつかある(凄いと思います)のですが、殆ど使われていませんでした。

 MLBのプレーヤーに占める「アフリカ系アメリカ人プレーヤーの比率が8%まで下がっている」というリポートでした。
 理由として、「ベースボールはお金がかかるスポーツなので、貧しい人達はやることが出来ない」というもの。

 確かに、野球はお金がかかります。
 私の少年時代は、今から40年以上前ですが、その頃私が通っていた高校にも野球部が有り、甲子園を目指して毎日厳しい練習に取り組んでいました。

 練習が終わると、下級生はボールの手入れをしています。硬球は高価な物なのです。相当痛んで来ていても、なるべく長く使う必要がありました。

 そして、当時は木製であったバットがよく折れるのです。1本3000円位であったと記憶していますが、これが頻繁に折れる。あまり上手では無い選手の打撃練習の時ほど、よく折れると思いました。
 この費用はばかになりませんから、後に金属バットが導入される一因となりました。

 当時の学校全体のスポーツ関連クラブの予算の半分位が、野球部に配分されていたと思います。

 そうした記憶を背景に、この番組のリポートを観て、さもありなんと感じました。

 ところが、番組の後半で、中南米のプレーヤーが採り上げられました。
 ドミニカやプエルトリコといった中南米諸国のプレーヤーのMLBプレーヤーに占める比率は1/4にまで上がっているというのです。
 前述のアフリカ系アメリカ人プレーヤーの減少とは、対照的な話。

 大越氏は、プエルトリコで行われた少年野球大会を取材したのですが、ゲーム後ドミニカの選手達が、海岸沿いの砂浜で草野球に興じている姿が映し出されました。少年達は本当に楽しそうでした。

 「この違いか」と感じました。

 中南米の少年達の家庭が、アフリカ系アメリカ人の家庭と比べて、とても豊かということは無いように思います。
 それでも、少年達は空き地でベースボールに親しんでいるのです。

 同じことが、アフリカ系アメリカ人が住むエリアでは行われていない。

 アメリカでは「ベースボールがお金のかかるスポーツになってしまった」のかもしれないと感じました。
 短期間の少年向けベースボールスクールも登場しましたが、この費用が600ドル・約72,000円でした。600ドルを支払うことが出来る家庭の子でなければ、このスクールには参加できません。
 そうなると、アフリカ系アメリカ人プレーヤーは減って行ってしまうのでしょう。

 今から40~50年前には、空き地で野球をする子供たちの姿が、日本でも多数見られました。私も学校が終わると、仲間と野球をしていました。街角や事務所の庭など、場所は様々であり、ルールも場所により異なるものでしたが、毎日毎日野球をしていました。
 打球が家のガラスを割ってしまったり、通行人の近くを通過することもありました。叱られたりもしましたが、「野球を止めろ」という大人は少なかったと思います。

 中南米の野球小僧たちは、やはり空き地でベースボールに興じているのでしょう。そして、草ベースボール?の中から多くのMLBプレーヤーが育っているのでしょう。

 「豊かな社会」であるアメリカ合衆国では、草ベースボールも管理されたものになり、相応の費用が掛かるものになってしまっているのかもしれません。
 少年達がベースボールをやるには、どこかのチームに所属しなければならなくなっていて、所属するには相応のお金が必要な社会になって来ているのかもしれません。

 昔から、野球はお金がかかるスポーツでした。ボールやバット、グローブやスパイクは安価なものでは無かったのです。
 しかし、現代ではそうした用具の費用に加えて、さらに別の費用が掛かるスポーツになって来ているのかもしれません。

 翻って、日本の状況はどうなのでしょうか。
 現代の日本の都市、特に大都市では、かつてのような草野球をする場所は激減していると感じます。
 空き地が無い訳ではないが、「勝手に野球をやって良い」という雰囲気が無いのでしょう。

 40年以上前の草野球において、「その空地の所有者」など考えたことも有りませんでした。プレーで怪我をしたとしても、「責任の所在」が問題になることも少なかったと思います。
 私もヘッドスライディングの際に、ススキの切り株(野球場では無いので雑草も生え放題でした)が掌に刺さってしまい、大量に出血する怪我を負ったことが有りましたが、怪我が治ったらまた野球をしていました。

 レジャースポーツに怪我は付き物なのです。
 怪我は誰の責任でも無く、強いて言えば「自己責任」ということなのでしょうが、当時はそんな概念も無かった。野球をすれば、時々は怪我もすることが肌で分かっていたという感じでしょうか。
 怪我は、痛いし怖いのですが、それ以上に野球は面白かったということになります。

 また、ボールでガラスが割れたとして、その修復費用がどのように購われていたのかは、子供であった私達には判りませんでしたけれども、その空地で野球を止めろという話になったことは、無かったと記憶しています。
 現代なら、責任の所在を明確にして、当該草野球は止めさせられてしまうのでしょう。

 野球をやりたいのなら、どこかの少年野球チームに入り、ちゃんとした野球場で練習・試合をするように言われるのでしょう。

 日本も「格差社会」になりつつあると言われて久しいのですが、結果として「野球をやったことが無い少年達」が相当の比率に上っている可能性があります。
 
 「仕方が無いこと」だという見解も有るのでしょうし、成熟した社会では止むを得ないという見方もありそうです。
 もちろん、野球以外にも少年達には多様なアミューズメントが用意されていることも、野球離れの一因であることもは間違いなさそうです。

 そうなると「野球の裾野は小さくなって来ている」ことになります。
 前述のように、アメリカ合衆国における「ベースボールの裾野も小さくなって来ている」ようです。

 良し悪しでは無く、「事実として受け入れる」必要があるのでしょうが、少し残念な気がします。
 中国・武漢で行われていた、女子バスケットボールのアジア選手権大会、9月5日の決勝戦で日本チームが85-50で中国チームに快勝し、この大会の優勝を決めると共に、来年のリオデジャネイロ・オリンピック出場権を獲得しました。

 見事な活躍でした。

 今大会で優勝すればリオへ、ということは大会前から報じられていましたが、「優勝チームのみ」に与えられる権利であり、中国という強いチームが存在し、さらに中国チームの地元で開催される大会ということでしたから、優勝は相当難しいと感じていました。

 ところが、決勝では85-50という圧勝でした。

① リバウンド勝負

 何時の時期も国際大会となると「身長で劣る」日本チームは、中国チームを相手にした時にも、ゴール下のリバウンドボールからの失点が多かったのです。

 このゲームでは、複数のプレーヤーをゴール下に配して、リバウンドプレーで互角以上の戦いを魅せました。味方プレーヤーのポジショニング、相手プレーヤーへの体の寄せ方等、様々な工夫が凝らされた戦術を展開していたと思います。

② 速攻と3ポイントシュート

 前半の日本チームは、前述のリバウンドプレーで獲得したボールを速攻に結び付けました。スピード溢れるドリブルプレーは、日本女子バスケチームの最大の武器です。
 速攻はその得点価値も大きいのですが、プレーの鮮やかさから、相手チームに与える精神的ダメージも大きいのです。NBAでも、そうした効果が指摘されています。

 そして、中国チームが速攻対策を実行し、ゴール下を固めるようになってからは、日本チームの3ポイントシュートが良く決まりました。

 このゲームにおける速攻と3ポイントシュートのコンビネーションが、優勝を齎したものと感じます。

③ 自在のプレー

 15点以上の差が付いてからは、日本チームの自在なプレーが光りました。
 あまり良くない表現をすれば、「やりたい放題」という感じでしょうか。
 カットインからのシュートやパスが面白いように決まったのです。こうしたプレーは、このレベルの大会・ゲームでは、なかなか決まらないものなのですが、精神面の優位がプレーに反映された形でしょう。
 結果として、思わぬ大差のゲームとなりました。

 日本女子バスケットボールチームは、リオデジャネイロ・オリンピックの出場権を獲得しました。2004年のアテネ大会以来3大会ぶりの出場です。

 女子バスケットボールがオリンピック種目に採用されるかどうか議論されていた1970年前後、日本チームは世界トップクラスでした。小柄ながら素早い動きと正確なシュート力で、世界の強豪チームと互角以上の戦いを演じていたのです。
 私は当時の女子チーム競技の中で、バレーボールやソフトボールと並んで最も世界のトップを狙える競技だと感じていました。

 ところが、各国の強化が進み、バスケットボールでは絶対的に優位と言われる「高身長を活かしたプレー」が、女子バスケ界にも広がってくると、日本チームは次第に劣勢となりました。

 加えて、男子バスケ界の国内トップリーグ併存問題に影響されて、対外試合が出来ない時期が続きました。今年8月にゲームが行えるようになって僅か1ヶ月後の今大会では、さすがに力を発揮できないのではないかと観られていたと思います。

 この大会における見事なプレーの連続には驚かされました人が多いのではないでしょうか。

 「雌伏」と言う言葉が有ります。

 「高身長」のチームに押され、かつ国際試合が出来なかった時期も経験しましたが、日本女子バスケ代表チームは自らの力と技を磨き続けていたのです。素晴らしい戦法・戦術も開発し身に付けました。

 「ハヤブサ・ジャパン」の皆様の、不断の努力が結実した優勝であったと思います。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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