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 11月29日に秩父宮ラグビー場で行われた、リオデジャネイロ・オリンピック・アジア予選日本大会決勝戦、日本代表対カザフスタン代表の試合は、日本代表チームが14-7で勝ちました。
 そして、香港大会の優勝と合わせて、リオデジャネイロ・オリンピックの出場権を獲得しました。

 前半を7-0とリードして折り返したゲームでしたが、後半キック攻撃からカザフスタンチームに大きく前進されて同点トライを許し、ゲームは7-7と同点になりました。

 しかし、ここからの運動量が日本チーム・さくらセブンズの本領でした。
 粘り強くボールを繋ぎ、最後は小出選手がゴールポスト下にトライを挙げて勝ち切りました。

 見事なゲームであったと思います。

 「女子7人制ラグビー」はオリンピックの新種目です。この種目について言えば、「第一回大会」なのです。その大会に日本代表チームが出場することは、本当に素晴らしいことです。
 女子7人制ラグビーの歴史に輝かしい一歩を刻んだのです。

 さくらセブンズは、オリンピックのメダル獲得も視野に入れているとも報じられています。
 このところの戦い振りを観ると、大きな可能性を感じます。

 おめでとうございました。そして、頑張れさくらセブンズ!
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 ファンタスティックな演技でした。

 ショートプログラムSPで世界最高スコア106.33点を記録していた羽生選手が、11月28日のフリースケーティングでも「完璧な演技」を披露して216.07点を叩き出し、合計322.40点という、形容しようの無いハイスコアを具現したのです。

 フリーは4回転ジャンプ3回を含む難しいプログラム構成でしたが、これを次々と成功させて、ステップ・スピンもノーミスという、滅多に観ることが出来ない「完璧な演技」でした。

 そして、最も驚かされたのは、演技後の羽生選手の「興奮した様子」でした。

 観客席に向かって「ありがとう」を連呼し、いつになく大きな声でインタビューに応じました。
 羽生選手の「内からの声」「喜び」が溢れ出ていました。
 オリンピックで優勝した時でさえ、これ程興奮はしていなかったと思います。

 求めるものが極めて高いと言われている羽生選手にとっても「納得できる演技」だったのでしょう。
 ひょっとすると、羽生結弦というアスリートがそのキャリアにおいて「最も満足」できる演技であったのかもしれません。

 本当に素晴らしいパフォーマンスを魅せていただきました。

 フィギュアスケート・男子シングルにおける「究極の演技」であったと感じます。
 11月29日に東京競馬場芝2400mコースで行われる、第35回ジャパンカップ競走G1の注目馬検討です。

 賞金額から見れば、我が国で開催されるレースの中で最高額ですし、世界の競馬界における評価も、日本で最も高いレースです。
 「日本競馬の国際化」を目指してJRAが設立し、育て上げてきたレースですが、その狙いは着実に実を結んでいるように観えます。

 一方で、2005年のアルカセットの優勝以降、海外からの遠征場の優勝はありません。我が国最大の「国際レース」でありながら、近年は日本馬同士の争いになって来ているのです。
 日本馬が強くなったことを証明している面もありますが、少し寂しい感じもします。
 やはり、日本馬と海外馬が競い合ってこそのジャパンカップでしょう。

 日本馬優勢の原因のひとつに、「馬場の固さ」が挙げられます。日本の競馬場の馬場、東京競馬場の良馬場は、世界の主な競馬場の中で最も固いのではないか、そして「超高速競馬」が展開されているのではないか、とも言われます。
 雨が降って重馬場や不良馬場にならない限り、この固い馬場・高速競馬への適応力が、検討の重要なポイントとなるのでしょう。

 さて、今年も18頭のフルゲートとなりました。出走すること自体が名誉なレースということもあるのでしょうが、どの馬・どの陣営も「優勝」を狙ってきているとも言えそうです。

 日本馬の中で有力視されているサラブレッドを見てみましょう。

 まずゴールドシップ。皐月賞・菊花賞・有馬記念・宝塚記念・天皇賞(秋)とG1レースを6勝していますから、格では最上位・日本勢の総大将的存在です。
 一方で、ゲート入りの悪さやレース毎の出来不出来の大きさは、常に指摘されることですし、前走6月の宝塚記念の大敗(15着)も気になる所です。

 続いてはラブリーデイ。
 4歳までは、重賞勝ち無しの3勝馬でしたが、5歳になって一気に本格化、重賞を8戦して6勝、現在重賞4連勝中でG1も2勝です。驚異的な成長と言えるでしょう。
 もし、ここを勝つようなら、日本競馬の歴史に残る「遅咲きの馬」と評価されると思います。

 続いてはミッキークイーン。
 オークス・秋華賞の牝馬二冠、今年の3歳最強牝馬です。エリザベス女王杯を回避して、ここに的を絞ってきました。
 7戦して1着4回・2着3回という安定感も魅力です。
 3歳牝馬の斤量53.0㎏も、相当有利に働くのでしょう。

 海外勢を見てみましょう。
 今年は4頭が出走して来ました。大豪馬は居ませんが、粒揃いであると思います。

 ドイツ馬のイトウは、前走11月1日に行われたG1バイエルン大賞を勝って出てきました。調子は良さそうですが、日本ヘの輸送の負担を考えると少し間の期間が足りないかもしれません。

 フランス馬のイラプトは、ここまで6戦4勝、前走10月4日の凱旋門賞はゴールデンホーンの5着と敗れましたが、いつもしっかりと走る印象です。斤量55.0㎏もこのところのレースより軽いので、好材料でしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠11番のミッキークイーン。
 府中2400mコースへの適性はオークスで証明済み。ローテーションも良いと思います。絶対的な強さの牡馬が居ないレースですので、斤量53.0kgなら十分に勝負になるでしょう。
 ゴール前の競り合いから、ラスト50mでグイッと抜け出すのではないでしょうか。
 
 第二の注目馬は、1枠1番のラブリーデイ。
 近時の勢いの良さを買いました。終いの脚がしっかりしているのが最も良いところでしょう。ここを勝つようなら、年度代表馬でしょう。

 第三の注目馬は、4枠8番のイラプト。
 久し振りの海外馬優勝なら、この馬でしょう。固いと言われているロンシャン競馬場の良馬場の凱旋門賞で良い走りを魅せています。伸び盛りの3歳秋、大駆けが期待できます。

 今回は、この3頭に注目します。

 久し振りの海外馬優勝が見られるかもしれないと感じます。
[レギュラーシーズン・week11]
アリゾナ・カージナルス34-31シンシナティ・ベンガルズ

 アメリカン・フットボール・カンファレンスAFC北地区の首位を走るベンガルズとナショナル・フットボール・カンファレンスNFC西地区首位のカージナルスが激突したweek11のゲームは、戦前の予想通りの接戦となり、ホームのカージナルスが勝ち切りました。

 31-31の同点から、カージナルスのカタンザーロ選手が勝ち越しのフィールドゴールFGを決めたのは、試合時間残り2秒でした。
 ほぼ互角の試合内容。両チームが死力を尽くしたゲームであったと思います。

 このゲームの残り試合時間1分3秒、ベンガルズが31-31に追い付いてのカージナルスの攻撃、FGでも良いので得点して勝ち切るためのドライブで、キーとなるプレーを魅せたのは、やはりフイッツジェラルド選手でした。
 クオーターバックQBカーソン・パーマー選手からのパスを2度キャッチし、チームを大きく前進させました。

 「ここぞという時はフイッツジェラルド」という、カージナルスの攻撃でした。

 ワイドレシーバーWRのフイッツジェラルド選手は、アリゾナ・カージナルスの中心選手であると共に、現在のNFLを代表するWRでもあります。
 2004年にデビューして以来、アリゾナ一筋のプレーヤーです。チームのメンバーが次々と変わっていく中で、フイッツジェラルドは不動のWRとして活躍を続けています。

 まさに「アリゾナの顔」なのです。

 このゲームでも、フイッツジェラルド選手は2つの偉大な記録を達成しました。

① 173ゲーム連続パスキャッチ

 この記録は素晴らしいというか、凄まじいものです。
 1レギュラーシーズンが16ゲームのNFLにおいて、173ゲーム連続でパスをキャッチしているというのは、想像を絶する記録でしょう。

 10年以上に渡ってゲームに出場し続け、どのゲームでも必ずパスキャッチを成功させているというのですから、驚異的。
 故障が少ないこと、ゲーム毎のプレーレベルのブレが小さいことを如実に示している記録でしょう。

 もちろん、史上NO.1の記録です。

② 通算パスキャッチ13000ヤード越え

 32歳と82日で迎えたこのゲームで、フイッツジェラルド選手は通算パスキャッチ13000ヤードを達成しました。

 史上3位のスピード記録です。

 まだまだ元気というか、全く衰えが感じられませんので、今後も記録を伸ばし続けて行ってくれることでしょう。

 身長190cm・体重100kgと報じられているフイッツジェラルド選手は、確かにサイズのあるプレーヤーですが、現在のNFLのWRとしては決して大きなプレーヤーではありません。
 高身長を活かしてのパスキャッチを得意としているわけでは無く、そのポジショニングの良さと動きのスピード、そしてキャッチングの比類無き上手さ、によってスーパーキャッチを積み上げているタイプだと思います。

 加えて、そのブロックの上手さにも定評があります。味方プレーヤーのランプレー時などにおける、献身的かつ正確なブロックプレーが、チームの勝利に大きく貢献しているのです。

 「献身的かつ正確なブロックプレー」の連続ともなれば、故障発症のリスクが高そうなのですが、前述の通り、フイッツジェラルド選手は殆ど故障しません。ゲームに出続けているのです。
 おそらく、この点がラリー・フイッツジェラルドというスーパープレーヤーの、最も素晴らしいところでしょう。

 カレッジフットボール時代から、フイッツジェラルド選手は数え切れないほどの個人記録を積み上げてきました。
 残されているのは、チームのスーパーボウル制覇なのでしょう。

 アリゾナ・カージナルスは1898年に創設された、NFL最古の歴史を誇る名門チームですが、いまだにスーパーボウルを制したことはありません。

 チーム初のスーパーボウル制覇に向けて、「アリゾナの顔」としてのフイッツジェラルド選手の大活躍が期待されるところです。
 11月22日、ロンドンで開催されていた2015年のATPツアーファイナル・男子シングルス決勝は、ノバク・ジョコビッチ選手とロジャー・フェデラー選手の対戦となり、ジョコビッチ選手がセットカウント2-0で勝利、優勝を決めました。

 ジョコビッチ選手は、史上初の同大会4年連続優勝と成りました。

 近時の男子シングルス種目は、ジョコビッチ選手にフェデラー選手、ナダル選手、マリー選手を加えた「四強の時代」と言われてきましたが、2015年のテニス界を見る限り、「一強」「ジョコビッチの時代」というべき様相でした。
 ジョコビッチ選手が圧倒的な強さを魅せたのです。

① 四大大会の三大会で優勝

 ジョコビッチ選手は、2015年の四大大会の中で、全豪、全英、全米に優勝し、残る全仏でも準優勝でした。

 ここまで圧倒的な強さであったのなら、全仏も制して欲しかったとさえ感じます。

② ATPツアーマスターズ大会

 ツアーの中で、四大大会に次ぐ格の大会であるマスターズ大会(全9大会)で、8大会に出場して6度優勝、準優勝が2度でした。

 出場した全ての大会で決勝に進出する安定感も凄いのですが、その内6度優勝という強さも驚異的です。もちろん、史上初のことでした。

 前述①の四大大会と合わせて、現在のテニス界最高レベルの12大会に出場して、全ての大会で決勝に進出し9度優勝というのですから、2015年の男子シングルスは「ジョコビッチ選手を中心に回った」というか「ジョコビッチ選手と決勝で戦うプレーヤーは誰か」といった様相だったことも間違いありません。

 ジョコビッチ選手のプレーの特徴は、ストロークの強さと多彩さであろうと思いますが、2015年の各大会においては、そのレベルの高さが際立っていました。

 「これで入るのか」と観える角度・強さのショットが、相手コートに突き刺さります。
 テニス界の世界トップクラスの試合における常識(言葉に矛盾があるかもしれませんが)を遥かに超える変化量をボールに与えることができるのです。

 「こんなショットを決められては勝てない」と相手プレーヤーに感じさせる効果も絶大であろうミラクルショットが、試合中時々出現するのです。

 プレーヤー個人の肉体・精神に対するハードさ・過酷さという点から、あらゆるスポーツにおける世界トップクラスの試合・大会・ツアーのスケジュールの中で、私はATPツアーのシングルスが最も厳しいものではないかと感じています。

 そもそも、テニスというスポーツは1試合を勝ち抜くことだけでも、相当のリソース・エネルギーを消費しますが、その大会で優勝するためには連日の試合出場が必要となります。
 そして、毎週のように大会が開催されます。

 テニス界の看板プレーヤーであり、余程のことが無いと大会出場を回避することが許されないトッププレーヤーの皆さんとっては、年間11か月の間ほとんど休みが無いスケジュールとなっているのです。
 結果として、トッププレーヤー達は常に「故障との戦い」が続きます。我らが錦織圭選手も、いつも体のあちこちの故障に悩まされています。

 このハードスケジュールはジョコビッチ選手にとっても厳しいものであり、ジョコビッチ選手も各々の大会において、調子が良い大会と悪い大会がある筈なのですが、前述のような「極めて安定したプレー」を魅せ続けることが出来るのですから、他のプレーヤーとの「力の差が大きい」ことは明らかでしょう。

 全盛期を迎えた感のあるジョコビッチ選手のトップコンディションの状態を100とすれば、現在は80位でも優勝を狙える程の差があるのではないでしょうか。
 2015年においては、ジョコビッチ選手のコンディションが相当悪い時でなければ、他の選手が付け入ることが出来なかったのではないかと思います。

 さて、12月は世界トップクラスのツアープレーヤーにとって、年間唯一の1ヵ月間の休養期間です。
 
 この休みを経て開始される2016年シーズン、「ジョコビッチの時代」が続くのか、他の選手の追い上げ・反攻が観られるのか、注目されるところです。
 過去のサラブレッド達を分類する際に、「The 古馬(ふるうま)」というジャンルを私が設定していることは、これまでの記事にも書いてきました。

 今回採り上げるゼンノロブロイも、「The 古馬」の一頭です。

 3歳時は、日本ダービー2着・菊花賞4着・有馬記念3着と勝ち切れなかったゼンノロブロイでしたが、2004年・4歳の秋に本格化し、素晴らしい強さを魅せてくれました。

 まず10月の天皇賞(秋)ゼンノロブロイは、テレグノシス・ツルマルボーイ・ダンスインザムード・アドマイアグルーブ・ダイワメジャーといったライバル達を相手に、快勝しました。
 2着のダンスインザムードに1・1/4馬身差を付けての勝利でした。

 続く11月のジャパンカップでは、ゼンノロブロイの強さが際立ちました。
 2着のコスモバルクに3馬身差を付けての圧勝でした。
 ゴール前の厳しい競り合いが多いジャパンカップにおいては、珍しいレースであったと思います。

 コスモバルクやデルタブルース、ポリシーメイカー、ナリタセンチュリー、ヒシミラクル、ハーツクライといった馬達を従えて、ゼンノロブロイは府中の長い直線を悠々と走りました。

 そして、12月の有馬記念に駒を進めました。
 このレースでも、ゼンノロブロイは悠然たるレースを展開したと思います。
 着差こそ1/2馬身と、タップダンスシチーと競り合ったように見えますが、中山の直線におけるゼンノロブロイの走りっぷりは、まさに「The 古馬」と呼ぶに相応しい力強さが溢れていました。

 4歳の秋、ゼンノロブロイは天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念のG1レースを3連勝しました。
 対戦相手や展開・馬場状態といった不確定要素の変動に左右されない、安定感抜群の走りを魅せたのです。鞍上のオリビエ・ペリエ騎手にとっても、とても頼もしい相棒だったのではないでしょうか。

 ゼンノロブロイは、この年のJRA年度代表馬に選出されました。サンデーサイレンス産駒として、初の年度代表馬でした。

 5歳になってからのゼンノロブロイは、イギリスのインターナショナルステークス(クビ差の2着)も含めてG1を5戦し、どのレースでも好走しましたが、勝ち星には恵まれませんでした。
 とはいえ、ラストランとなった有馬記念2005を除けば、十分な存在感を示していたと思います。

 競走馬を引退したゼンノロブロイは、種牡馬としても「らしい」活躍を展開しているように感じます。
 初年度から、産駒は相当の活躍を魅せましたが、次年度以降も活躍が続き、産駒の成績も次第に安定してきているように見えます。

 種牡馬としてのゼンノロブロイの活躍は、これから本格化するのではないでしょうか。
 オークス馬サンテミリオンを超える産駒の登場が待たれます。

 ゼンノロブロイ号、父サンデーサイレンス、母ローミンレイチェル、母の父マイニング、母の父の父ミスタープロスペクター。
 通算成績20戦7勝、2着6回、3着4回、4着2回。
 ヘイルトゥーリーズン系のサンデーサイレンスに、ミスタープロスペクター系を掛け合わせた、あまり多くは無い血統でしょう。「故障が少ない」という、ゼンノロブロイの特性は、アウトブリードの血統から生まれているものかもしれません。
 
 500kg前後の黒鹿毛の雄大な体躯を誇ったゼンノロブロイのシルエットは「直線的かつ四角い」もので、とても力強い感じがしました。
 見方によっては「ごつい」印象を与えたのではないでしょうか。

 威圧感満点のゼンノロブロイは、やはり「The 古馬」の一頭なのです。
 13日目に日馬富士が白鵬を破り12勝1敗で並びました。

 そして14日目、照ノ富士が白鵬と対戦することとなったのです。

 照ノ富士は13日目まで7勝6敗でした。星が上がらず、大関としては不甲斐ない成績でした。やはり膝の回復が思わしくない、将来を考えれば休場した方が良いのではないか、とも言われていました。
 2.番を残しての7勝6敗では「勝ち越しも危うい」との見方もありました。

 大関になって初の全休でも、15日間取り切っての負け越しでも、来場所がカド番になることは同じですから、であれば、じっくりと怪我を直してから本場所に向かう方が良いのではないかと思われましたし、何より回復が不十分な状態で土俵に上がり続けることで「再発」あるいは「悪化」するリスクが心配されたのです。

 私も、「何故、照ノ富士は今場所出場し続けているのだろうか」と思いました。

 14日目、白鵬VS照ノ富士の取組は白鵬が圧倒的に優位と見られていました。前日日馬富士に敗れたとはいえ12勝1敗で優勝争いのトップを走る横綱と、膝の回復が思わしくなく3連敗もあった大関とでは、勝敗は見えているという意見でした。
 無理も無い見方であろうと思います。

 ところが、立合いからがっぷり四つ(右四つ)になった取組は、両力士ともあまり大きな動きを見せることなく2分を過ぎても動きませんでした。
 冷静に観れば、照ノ富士が強烈な引き付けから白鵬の動きを封じていたのでしょう。

 そして、照ノ富士が寄って出ます。白鵬はなす術も無く土俵を割りました。
 照ノ富士の完勝でした。膝の怪我など、全く感じさせない相撲でした。

 この相撲を目の当たりにして、「この一番のために照ノ富士は今場所出場してきた」のではないかと思いました。

 2015年5月場所、東の関脇だった照ノ富士は横綱・白鵬を破り12勝3敗で場所を終えました。
 そして、千秋楽結びの一番、白鵬と日馬富士の対戦。この取組で白鵬が勝てば同じ12勝となって、照ノ富士と白鵬の優勝決定戦となります。
 「同じ力士に連敗はしない」大横綱・白鵬との優勝決定戦となれば、本割で勝っている照ノ富士には分が悪いと見られていました。

 ところが、この場所調子が上がっていなかった日馬富士が白鵬を破ったのです。日馬富士の乾坤一擲の相撲であったと思います。
 同部屋(伊勢ヶ濱部屋)の横綱が、照ノ富士の援護射撃をしたのです。
 日馬富士の「この一番に賭ける集中力の高さ」を存分に感じさせる一番でした。

 穿った見方かもしれませんが、この時の「先輩横綱への恩」を返すために、照ノ富士は怪我を押して11月場所に出場して来たのではないかと感じました。
 休場明けの部屋頭、先輩横綱が優勝争いに加わった際に、必ず援護射撃を実行しようと照ノ富士は心に決めて土俵に立っていたのではないでしょうか。

 この目的を達成するために、その取組以前の取組では、回復途上の膝に過大な負荷がかかりそうな場面では無理をせず、敗戦も受け入れ続けたのではないでしょうか。それが6敗に繋がったのでしょう。

 そして、今場所最大の目標であった取組・14日目の白鵬戦がやってきたのです。
 温存してきたパワーを全てぶつけて、照ノ富士は目標を達成しました。見事な取り口でした。

 横綱・白鵬、横綱・日馬富士、大関・照ノ富士の三人の力士は、2015年11月場所の終盤で素晴らしい取組を披露してくれました。

 大相撲の長い歴史に、新たな1ページを刻む終盤戦であったと思います。
 11月場所は、横綱・日馬富士が13勝2敗で優勝しました。

 初日から12連勝と白星を重ねた横綱・白鵬の13日目からの3連敗や、平幕松鳳山・勢の健闘、小結・嘉風の三役での初の勝ち越しなど、話題・見所が満載の場所でした。

 一方で、「横綱の相撲」のあり方について日々考えさせられた場所でもありました。

① 注文相撲

 今場所は、横綱の注文相撲が数多く観られました。
 立合いで横綱が変化を見せるのです。

 「取り口」として存在していて、ルール違反ではないのだから、問題無いとの意見もあるのでしょうが、「大相撲の姿」としては褒められたものでは無いと感じます。

② 張り手

 今場所は、横綱による張り手も数多く観られました。
 立合いでの実行が多かったのですが、取組中に連続して張り手を繰り出す相撲も観られました。

 相撲の技なのだから、横綱がやっても良い、という意見もあるのでしょうが、これも見ていて気持ちが良いものではありません。

 番付が下の力士が、横綱に対して繰り出すのはOKであるなら、横綱がやっても良いだろうとの見方もあると思いますが、時には「けんか」の様な印象を与える行為を、大相撲を代表する力士が再三行うというのは、「相撲の品格に欠ける」という意見もあるでしょう。

③ 猫だまし

 横綱・白鵬が10日目の栃煌山戦で2回行いました。
 観客席からは、罵声も飛びました。

 余裕からのプレーとも言われましたが、やはり白星を欲しがるあまり、栃煌山の前に出る力を怖れてのプレーであったと見る方が良さそうです。

 所謂「横綱相撲」の対極にある相撲であったと思います。

④ 北の湖理事長の死去

 13日目の取組終了後、北の湖理事長が死去しました。

 テレビなどの媒体では、力士・北の湖の相撲が沢山流されました。
 当時の圧倒的な強さを示す映像も多かったのですが、負けた相撲もありました。

 「北の湖が負けたことがニュースになる時代」だったのです。それ程に北の湖は強い力士でした。
 そして、北の湖は「常に堂々たる相撲を魅せる」力士でした。

 北の湖理事長がいつも言っていた「土俵の充実」の中に、横綱の相撲のあるべき姿も含まれていたのでしょう。

⑤ 「敗れて尚強し」

 横綱の「堂々たる相撲」は、たとえ敗れたとしても、「さすが」「敗れて尚強し」という評価を生むのではないでしょうか。

 まさに北の湖の相撲は、そうしたものでした。
 当時の力士達は、どうやったら北の湖に勝つことが出来るかを研究し、構築した戦術を土俵上で展開し続けたのでしょう。
 そして、北の湖はそれに正面から応じました。

 横綱に求められる使命は数多いのでしょうが、その第一に挙げられるのは「堂々たる相撲」なのかもしれません。「勝つこと」にも優先しそうです。
 どんなことをしても白星を得ようとするのではなく、下位の力士の色々な挑戦を正面から受け止め、土俵上で自らの相撲を披露する。それで勝利すれば、「さすがは横綱」と評され、たとえ負けても「さすがに横綱、堂々たる相撲」であったと言われるように思います。

 「横綱相撲」とは、そういう相撲なのかもしれません。

 「常に優勝争いに加わることが求められている」横綱にとって、白星を重ねることは重要なことだと思います。

 いつも強い、殆ど負けない、というのも横綱に求められる要素なのでしょう。

 とはいえ、「いつも強い」という言葉には、「堂々たる相撲」をベースにした強さが含まれているように感じます。

 横綱も人間なのだから、時には怯むこと・弱気になることもあり、注文相撲・張り手を見せることがあっても良いのかもしれませんが、あまりに多いと興醒めです。
 横綱には、とても高いレベルのスキルが求められているとも思います。やはり、横綱というのは、とても重い重い番付なのでしょう。

 「横綱の相撲」について考えさせられることが多かった、2015年11月場所でした。
 ペイトリオッツのキッカー・ゴストウスキー選手が54ヤードのフィールドゴールFGを決めて逆転したのは、試合時間残り1秒でした。

[レギュラーシーズンweek10]
ニューイングランド・ペイトリオッツ27-26ニューヨーク・ジャイアンツ

 「因縁の対決」と呼ばれるカードに相応しい、1点差の決着でした。

 ベリチック・ヘッドコーチHCとクオーターバックQBのコンビで、このところ常にプレーオフに進出、スーパーボウルSBを何度も制覇し、「王朝」と称されるのがペイトリオッツです。
 今季もweek9を終って8戦全勝と圧倒的な強さを魅せていました。
 本当に強いチームなのです。

 一方のジャイアンツは、地区首位を走っているとはいえ5勝4敗と勝ったり負けたりの成績。
 
 ゲーム前の予想では、ペイトリオッツの圧勝でした。

 しかし、この両チームは「戦前予想でペイトリオッツ断然有利」という状況で、いつも大接戦を演じるのです。そして、ゲームの勝敗のみを見れば「ジャイアンツ優勢」なのです。

 2016年のスーパーボウルが「第50回」となることを記念して、このゲームも、今季組まれている「過去のスーパーボウルのカード」のひとつでした。

 第42回と第46回の2度のSBで両チームは激突しています。
 そして2度ともジャイアンツが勝っているのです。

 ペイトリオッツのQBトム・ブレイディ選手は、6度SBに出場し4度勝っていますが、負けた2度はいずれもジャイアンツが相手でした。
 ブレイディはジャイアンツと相性が悪いのです。

 一方のジャイアンツのQBイーライ・マニング選手は、SBに2度出場し2度優勝しています。イーライのSBでの勝負強さが際立ちますが、その2度の相手はともにペイトリオッツだったのです。

 レギュラーシーズンも含めて、イーライとブレイディの対戦成績はイーライの3勝1敗というのですから、「ジャイアンツはペイトリオッツの天敵」なのかもしれません。

 この対戦も、「ペイトリオッツ断然有利」との下馬評でしたから、またジャイアンツが勝つのではないかと言う人も多かったのです。

 第1クオーターQは、「らしい」展開でした。
 ブレイディ選手がチャンドラー選手に短いタッチダウンTDパスをキッチリと決めて、ペイトリオッツが先制しましたが、その直後イーライ・マニング選手がベッカム選手に80ヤードを超えるTDパスを決めて、「あっという間に」同点としました。

 確率が高い着実な攻撃で得点するペイトリオッツと「ミラクルなプレー」で得点するジャイアンツという、双方の持ち味が出たプレーの応酬でした。

 第2Qに入り、ペイトリオッツがFGでリードすると、ジャイアンツもFGを返して10-10の同点となりました。
 このまま前半を終えるかと見えた終了間近、再びイーライのミラクルプレーが飛び出して、ジャイアンツがTD!
 17-10とリードして、後半に入りました。

 第3Qに入ってもジャイアンツがゲームを押し気味に進め、2FGで加点します。
 負けじとペイトリオッツもTDを返して、23-17、ジャイアンツ6点リードで最終の第4Qを迎えました。

 戦前、圧倒的に有利と観られていたペイトリオッツがリードを許したまま第4Qに入ったのです。
 やはり、因縁のカードはジャイアンツのものかと思われました。

 そして、第4Qに入っても、勝利は何度もジャイアンツに傾いたのです。

① 残り2分6秒のプレー

 第4Qに入り、ペイトリオッツはブレイディ選手からタイトエンドTEグロンコウスキー選手へのTDパスが決まり、24-23と逆転しました。
 ブレイディ→グロンコウスキーという、現在のペイトリオッツのホットラインによるTDでした。

 しかし、ジャイアンツも全く諦める様子も無く攻撃を続けます。
 残り2分6秒、イーライ選手のTDパスが決まりました、というか「完全に決まった」ように観えました。ジャイアンツの逆転と誰もが思った瞬間でしたが、オフィシャルレビューの結果、パス・インコンプリート失敗の判定でした。

 これは、レシーバーがキャッチ後タックルを受けてボールを落としてしまったプレーでしたが、「微妙なプレー」というより、明らかにTDが成立した後ボールを離したように観えました。

 いずれにしても、ペイトリオッツは救われた形でした。

 この後、ジャイアンツはFGを決めて26-24と再逆転しましたが、TDとFGでは大違い。1FG・3点で再々逆転できる点差に留まったのです。

② 残り1分40秒のプレー

 「1分40秒もの時間」を与えられれば、QBブレイディにとってFGポジションまで前進することは、それ程難しいことでは無いと思われましたから、勝利の女神はペイトリオッツ・ブレイディに微笑んだかに観えました。

 その最初のプレーで、ブレイディ選手の投げたパスをジャイアンツのディフェンダーが完全にキャッチしたかに観えました。ここでインターセプト・ターンオーバーとなれば、ジャイアンツの勝利が決まります。

 ところが、インターセプトを魅せた選手が、フィールドに落ちる際に「脳震盪」を起こしたのでしょうか。ボールを確保できなかったのです。素晴らしいジャンプ力と落下の衝撃が同時に観られたプレーでした。

 QBブレイディ選手とペイトリオッツにとっては、「2度目の命拾い」というプレーであったと思います。

 いかに「ミラクル」ジャイアンツとしても、さすがに「3度目のスーパープレー」は生まれませんでした。

 自らのランも含めて、着実に前進したブレイディ選手が下がり、ペイトリオッツのキッキングチームが登場したのは、残り時間6秒でした。
 とはいえ54ヤードのキックですから、いかにNFLのキッカーとはいっても、相当難しいトライでした。
 これをゴスコウスキー選手が決めました。向かって右側のポールギリギリのキックでした。
 このプレーが完了して、残り時間は1秒でした。

 ペイトリオッツが今季の連勝を9に伸ばしたゲームでしたが、最後の最後まで勝利の行方が見えない、ハイレベルな接戦でした。

 いつも「計算し尽くされたゲーム運び」から勝利を挙げて行くペイトリオッツにとっては、珍しいヒヤヒヤの勝利でもあったと感じます。
 やはりペイトリオッツ、ベリチックHCとQBブレイディにとっては、「ジャイアンツ戦は鬼門」なのでしょう。

 一方、ジャイアンツ、コフリンHCとQBイーライ・マニングはペイトリオッツに対する強さを如何なく発揮しました。
 変な書き方で恐縮ですが、「ペイトリオッツ戦での強さを他のゲームでも発揮できれば」もっと勝率が上がるのではないかとも思います。

 「因縁の対決」に相応しい、素晴らしいゲームでした。

 これだから、NFL観戦は止められないのです。
 その人生は、大相撲のために在ったのではないでしょうか。

 2015年11月場所の13日目が終了した後の午後6時55分、相撲協会の北の湖敏光理事長が亡くなりました。
 前日まで、理事長としての仕事を行っていたと伝えられました。

① 両国中学校に転校

 北海道において、巨漢ながらスポーツ万能の「怪童」と呼ばれていた少年は、相撲界からの熱心な勧誘に応えて上京し、両国中学校に転校しました。

 この頃の北の湖少年を知る人に話を伺ったことがあります。
 既に三保ヶ関部屋の世話になっていた北の湖は、稽古に励んでいました。そして、中学校の授業中は、ほとんど寝ていたといいます。
 授業中に寝るとはけしからん、というご意見もあるのでしょうが、後に大相撲界の大黒柱となる人材であったことを思うと、何の問題も無いというか、北の湖の「相撲大好き」を示す事象であろうと感じます。

 北の湖は中学校時代から「相撲の申し子」だったのです。

② 強い関脇

 北の湖の現役時代は「記録ずくめ」でしたが、特に印象的だったのは、「関脇時代の強さ」だと思います。

 1974年・昭和49年の1月場所、東の関脇だった北の湖は14勝1敗で優勝しました。前年の11月場所に関脇に昇進した初めての場所でも10勝5敗の好成績でした。
 そして次の場所1974年3月場所には大関に昇進しています。

 北の湖が関脇を務めたのは「僅か2場所」でしたが、その時の強さは驚異的でした。

 既に「関脇時代に横綱の強さを身に付けていた」のでしょう。
 これ程強い関脇を、他に見たことはありません。

 北の湖は、大関を3場所で通過?し、1974年9月場所には横綱に昇進しました。21歳2か月という史上最年少での横綱昇進でした。

 初三役・小結に1973年9月場所に昇進してから1年・6場所での横綱昇進、このスピードは驚異的ですし、大横綱北の湖のキャリアの中でも「最も印象的な1年間」ではなかったかと思います。

③ 様々な問題に対する取組

 大相撲界を襲った様々な問題・不祥事に対して、北の湖は正面から取り組みました。

 力士暴行死事件・大麻問題・八百長問題などなど、北の湖の存在無くして乗り切れたかどうか。
 次から次に発生する問題に対する北の湖の対応は、堂々たるものであったと感じます。
 逃げも隠れもせずに、大相撲界を代表して批判に耐え続けたのです。

 中学校在学中から始まった「北の湖の相撲人生」は、2015年11月場所中に幕を閉じました。享年62。

 「土俵の充実無くして大相撲の繁栄無し」と言い続け、行動し続けた人生でした。

 2014年秋から大相撲人気が回復しました。
 「相撲の申し子」北の湖も、ようやく肩の荷を下ろしたのかもしれません。

 ご冥福をお祈り申し上げます。
 11月22日、京都競馬場芝外回り1600mコースで開催される、第32回マイルチャンピオンシップ競走G1の注目馬検討です。

 2015年秋のマイルの王者を決めるレースです。18頭立てのフルゲートとなりました。天皇賞(秋)から中2週で挑戦してきた有力馬も居ますから、チャンスのある馬が多い「相当の混戦」と見るのが常道でしょう。

 春の安田記念を制したモーリスが、満を持して出走して来ました。
 とはいえ、秋になってひと叩き出来ていないのは気になります。

 桜花賞馬レッツゴードンキは秋華賞で大敗しましたが、陣営は1600mが適性と見ているのでしょうし、斤量3㎏差を合わせれば、十分に勝負になると踏んでいるのでしょう。

 2頭の皐月賞馬、ロゴタイプとイスラボニータは、このところ残念なレースが続いています。G1レース2勝(朝日杯FS・皐月賞)のロゴタイプは、格から見れば最上位なのでしょうが、近時はゴール前の切れ味が不足しています。
 イスラボニータも前走・天皇賞(秋)、前々走・毎日王冠G2共に3着と見せ場は作るものの勝ち切れないレースが続いています。持ち味の器用な脚により直線前半で前に出るのですが、ゴール前で失速するレースが続いているのです。

 今年の春、オーストラリアの重賞で好走を魅せたリアルインパクトですが、秋は調子が出ていません。とはいえ、気分が乗った時の「一発」の破壊力は脅威です。

 上り馬ならアルビアーノでしょうか。前走・毎日スワンSの快勝をバネに中2週で挑みます。

 昨年のこのレースでハナ差の勝負を演じたダノンシャークとフィエロも出走して来ました。共にその後は勝ち切れていませんが、マイルCSへの適性が高いことは証明済みです。特に、フィエロの1600m戦での安定感は気になる所です。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠7番のアルビアーノ。
 前走直線の走りは堂々たるものでした。好調を維持していると見ます。

 第二の注目馬は、8枠16番のモーリス。
 久々が気になりますが、4連勝中・重賞2連勝中(含むG1)の安定感はメンバー随一でしょう。もともとレース間隔を空けて調整するタイプの様ですから、軸馬にしたいと思います。

 第三の注目馬は、3枠5番のイスラボニータ。
 直線半ばまで我慢できれば、ゴール前の勝ち負けに持ち込めそうです。このところ乗れている蛯名騎手に期待します。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 今後のマイルG1路線の主役に躍り出るのは、どの馬でしょうか。
 2018年のワールドカップ・ロシア大会のアジア2次予選の戦いが続いています。

 11月17日に行われたカンボジア戦では、日本代表チームが2-0で勝利し、E組の首位を堅持しました。
 勝ち抜いて行かなければならないゲームで勝ち点3を獲得したことには、大きな意味があると思いますが、試合内容はとても満足できるものでは有りませんでした。

 このところの代表チームのゲームに見られる問題点が、このゲームでも現出していたと感じます。

① 競り合いをしない?

 地力では大きな差があると感じられるチームを相手に、攻め続けながらも2・3点しか取れないのは、「競り合いが不足している」ことが原因ではないでしょうか。

 このところ相手チームがゴール前に多くの選手を配しているために、なかなか得点できないゲームが続いています。
 今では、「日本代表を相手にする時はゴール前に選手を集めておけば点は取られない」と対戦相手に見透かされているようにも感じられます。

 守備側のプレーヤーが沢山居てスペースが無いのであれば、目の前の選手をドリブルで抜いて行けば良いのです。
 世界の強豪チームは、そうしているでしょう。
 
 メッシ選手やネイマール選手、クリスティアーノ・ロナウド選手やロッベン選手が、「ディフンダーが多くて得点できない」と言うでしょうか。
 ひとり対ひとりはもちろんとして、1対2、1対3、時には1対4の状況でも、こうした選手達は自らのスピードとテクニック・パワーで状況を打開し、得点を挙げるのです。
 「コンタクトプレーに強い」ことが、世界一流プレーヤーの条件なのでしょう。

 「綺麗なパスワークからのフリーのシュート」は、相手チームが強ければ強い程、なかなか打つことが出来ないのは明白なことです。

 2次予選の段階では、相手チームの力がやや落ちるのですから、こうしたチームを相手にした時には、ゴール前に何人居ようとも、競り勝ちシュートするというプレーを見せて欲しいと感じます。
 相手選手との厳しいコンタクトプレーが必要不可欠なのです。

 実際に、このカンボジア戦でも得点は、岡崎選手と本田選手の「競り合い」から生まれています。フリーの綺麗なシュートからは得点は生まれていないのです。

 ひょっとすると、日本代表チームの若手プレーヤーには「競り合いの技術や気迫・闘争心が極めて不足しているのではないか」とさえ感じられてしまいます。
 そんなことは無い筈ですから、ガンガン勝負していただきたいと思います。

 そうしたプレーを積み上げてノウハウを蓄積することが、世界に繋がって行くものなのではないでしょうか。

② スピード不足

 2次予選段階では、相手チームのプレースピードは、世界水準からは劣っています。

 今後、最終予選や本大会においては、当然ながらゲームのスピードは一段も二段も速くなるのです。

 ところが、2次予選の各ゲームで、日本代表チームは相手チームと同じスピードでプレーしているように観えます。

 「相手に合わせてしまっている」との見方もあるでしょう。「相手に合わせてしまう」こと自体も問題の有ることなのですが、これだけスローなゲームを続けて見せられてしまうと、「日本代表チームのスピードはアジア地区2次予選レベル」なのではないかと感じてしまいます。

 そんなことはない、我らが代表チームのスピードはもっと速い、世界レベルなのだ、と信じたいところなのですが、目の前で展開される事実が不安を呼ぶのです。

 もし、日本代表チームに「世界トップクラスのスピード」が具備されているのであれば、2次予選のゲームでは、相手チームを圧倒して得点を量産していただきたいものです。
 近時のゲームであれば、8得点・10得点であっても何の不思議も無いと思いますし、それ位のパフォーマンスを展開できないようであれば、ワールドカップのベスト16進出など夢のまた夢なのではないでしょうか。

 以上、厳しい書き方になってしまいましたが、ハリル・ジャパンの活躍を祈ってのことです。

 こうしたゲームは、観ていても全然面白くないものです。
 サッカーという素晴らしいスポーツの本質である、「創造性」や「驚くべきパワー・スピード」からかけ離れたゲームであるからです。

 代表チームがこうしたゲームを続けていると、我が国におけるサッカー人気にも影響が出るのではないかと、よけいな心配までしてしまいます。
 11月17日に行われた第46回明治神宮野球大会・高校の部の決勝戦は、四国代表の高松商業高校が、北信越代表の敦賀気比高校を8-3で破り優勝しました。
 高松商業は37年振り2回目の出場で初優勝でした。

 甲子園大会では、春2回・夏2回の優勝を誇る高松商業ですが、近時は全国大会への出場機会も減っていて、「古豪」と呼ばれる存在でした。
 日本一を決める大会において、昭和35年以来56年振りの優勝となった今大会ですが、まさに「古豪復活」となりました。

 今大会、高松商業が準決勝に進出し大阪桐蔭高校とのカードとなった時、大半の高校野球ファンは、大阪桐蔭の勝利を予想したことでしょう。
 21世紀最強のチームのひとつである大阪桐蔭の前に大敗するのではないかと感じていた方も多かったかもしれません。

 ところが、試合は意外な?展開を見せました。
 高松商業が5回までに5-1とリードし、優位に試合を進めます。そして7回表に2点を追加し7-1とリードを広げ、勝利を引き寄せたのです。
 大阪桐蔭は、7・8回裏に計5点を挙げて追い上げましたが、届きませんでした。

 この試合では、高松商業・多田投手の投球が印象的でした。サイドスローからの軟投タイプですが、絶妙のコントロールと、相手打者のタイミングを外すクレバーな投球を続け、的を絞らせませんでした。

 (失礼ながら)意外な勝利で決勝に進出した高松商業を待っていたのは、こちらも21世紀屈指の強豪校・敦賀気比でした。
 勢いに乗る高松商業ですが、今度は苦しいだろうと見られました。

 試合は、再び多田投手が絶妙の投球を魅せて、強打の敦賀気比打線を4回まで0点に抑えました。エース・浦投手が本調子では無かった今大会、多田投手の貢献は計り知れないほどのものでしょう。

 しかし、さすがに敦賀気比打線は5回に多田投手を捕えて2点を先取し、7回にも1点を加えて3-0とリードを広げました。強豪校の力を示したのです。

 ところが8回の表、高松商業打線は5安打を集中して5点を取り逆転、9回表にも3点を追加して8-3とリードを広げて、勝負を決めました。
 見事な集中打でした。

 ここに到って「高松商業では、大阪桐蔭や敦賀気比には勝てないだろう」と見ていたことが誤りであったことが分かりました。先入観が強過ぎたのです。
 投手力が高く、打線も集中打を披露する、というのですから、高松商業チームの地からは本物です。何しろ相手は、大阪桐蔭と敦賀気比なのですから。

 2016年の春・夏の甲子園大会における、高松商業の戦い振りが注目されます。
 「古豪」の看板を外してくれるような大活躍を魅せてくれることでしょう。
 日本競馬史上、マイル(1600m)レースの強豪馬は数多く居ますが、最強馬を選ぶとすればタイキシャトルを挙げる方が多いのではないでしょうか。

 通算成績でも12戦10勝という、極めて高い勝率を誇った同馬ですが、マイル戦は7戦7勝と全勝・不敗でした。
 7勝の中には、1997年と1998年のマイルチャンピオンシップ連覇、1998年の安田記念とジャック・ル・マロワ賞の4つのG1レース優勝が含まれています。

 日本とフランスのマイルG1競走に優勝しているというのも、タイキシャトルを「最強のマイル馬」とする根拠でしょう。
 今後こうした日本馬が登場するかどうか、と感じられるほどの快挙です。

 1994年3月にアメリカのタイキファームで生まれたタイキシャトルは、1996年に日本・北海道の大樹ファームに移され、日本で走ることとなりました。

 3歳の4月とデビューが遅かったタイキシャトルですが、この年にマイルチャンピオンシップとスプリンターズステークスのG1レース2勝を含む、1600m以下の重賞に4勝し、JRA最優秀短距離馬に選出されました。

 この頃は、外国産馬がクラシックレースに出走することが出来ませんでしたから、その点からは最高の成績を残したと言えるでしょう。

 4歳になったタイキシャトルは、「マイルの鬼」に相応しい活躍を魅せました。
 初戦となったG2京王杯SCを快勝すると、6月の安田記念、8月のジャック・ル・マロワ賞、11月のマイルチャンピオンシップとマイルG1を3連勝しました。

 特に、マイルチャンピオンシップ1998では2着のビッグサンデーに5馬身差を付けての圧勝でした。接戦が多いマイルG1レースで、これ程の大差を付ける走りは、「マイルの鬼」の面目躍如たるものでした。

 勢いをかって挑んだ12月のスプリンターズステークスG1で連覇に臨んだタイキシャトルでしたが、マイネルラブの3着と敗れました。
 敗れたとはいっても、1着マイネルラブ、2着シーキングザパールとの差はアタマ・クビの僅差。タイキシャトルにとっては1200mが少し短かったということでしょうか。

 1998年のタイキシャトルは、JRAの年度代表馬・最優秀5歳以上牡馬・最優秀短距離馬のタイトルを独占すると共に、フランスの最優秀古馬の栄誉も獲得しました。
 まさに「世界を駆け抜ける」活躍を魅せたのです。

 3歳時のG3ユニコーンSから4歳時のマイルチャンピオンシップまでの「重賞8連勝」は、テイエムオペラオーと並ぶJRA最高記録でもあります。
 タイキシャトルの競走成績は、記録ずくめのものだったのです。

 1998年のスプリンターズSをラストランとして、競走馬を引退し種牡馬となったタイキシャトルは、種牡馬としても「マイルの鬼」の本領を発揮しています。
 代表産駒は、NHKマイルカップ2003を制したウィンクリューガーとフェブラリーステークス2005を制したメイショウボーラーですが、両馬ともにマイルG1の優勝馬なのです。
 今年21歳のタイキシャトルですが、産駒がマイル戦に登場した時には注意が必要と言うことでしょう。

 タイキシャトル号、父デヴィルズバッグ、母ウェルシュマフィン、母の父カーリアン、母の父の父ニジンスキー。通算成績12戦10勝・2着1回・3着1回、G1レース5勝、重賞8連勝。JRA顕彰馬。
 父デヴィルズバッグはアメリカの競走馬・種牡馬。競走馬として9戦8勝、2歳時5戦5勝・G1レースを2勝し「セクレタリアトの再来」とも呼ばれましたが、3歳になって脚部故障を発症して引退した強豪馬でした。

 マイル戦では、タイキシャトルの500㎏を超える雄大な栗毛の馬体が、いつも躍動しました。そして、いつも他を寄せ付けない強さを魅せてくれました。

 「マイルの鬼」と呼ぶに相応しいサラブレッドであったと思います。
 サッカー競技には、禅問答のような難解な言葉が時々現れます。

 「ボールはいくら動かしても疲れない」という言葉も、そのひとつでしょう。

 しばらく耳にしなかったのですが、女子ワールドカップ2015・カナダ大会のテレビ放送中に、久し振りに耳にしました。

 この言葉の意味は非常に難しい。

 ボールをピッチ上に置いても、自ら動くことはありません。
 もちろん、強い風が吹けば転がることはあるかもしれませんが、この言葉における「動かしても」という意味とは異なるものでしょう。

 ボールは人が蹴らなければ動かないのです。パスやシュートやドリブルといったプレーを行う上で、選手が蹴ることによってボールは動きます。

 従って、「蹴る回数が多ければボールはよく動き」、「蹴る回数が少なければボールの動きは少ない」ということになります。ボールの移動距離ということになれば、パスの平均の長さも関係して来ますが、原則としてはそういうことでしょう。

 そうすると、「ボールがよく動く」時には、選手も多くの回数ボールを蹴っていることになります。つまり、「選手の運動量も多くなる」ことになりますから、原則としては、ボールがよく動いている時には、選手の疲労度も高くなる=疲れる、ことになりそうです。

 翻って、掲題の言葉に戻ると、「ボールはいくら動かしても疲れない」というよりは、「ボールがよく動いている時ほど選手の疲労度は上がる」という方が、道理に合っている感じがします。

 まさか、この言葉は「ボール自体が疲れない」という意味ではないでしょう。ボールには「疲れるという感覚・概念自体が存在しない」のですから、無意味な言葉ということになってしまいます。

 本当に難解な言葉です。
 11月場所7日目の白鵬と隠岐の海の取組で「差し違え」てしまった、立行司・式守伊之助が、8日目以降の3日間の出場停止処分を受けたと報じられました。

 式守伊之助は、3日目の日馬富士・碧山戦でも刺し違えており,今場所2度目の差し違えとなり、先9月場所・10日目の鶴竜・妙義龍戦も含めて、2場所で3度目の差し違えとなった形です。

 立行司は常に懐剣しています。「差し違えれば切腹」という意味だとも言われています。
 立行司の責任の重さを感じさせるものです。

① 年功序列

 大相撲の一翼を担う「行司職」の昇進は、原則として「年功序列」だと言われています。
 「伝統ある行司名」で表される、それぞれの地位に昇進して行くためには、それぞれ一定の経験を積み上げて行かなければならないのです。

 先場所も含めて、行司の最高位・木村庄之助は現在空位となっています。

 おそらく、第40代・式守伊之助は、年功序列ルールの中でまだ木村庄之助に昇進する条件をクリアしていないのでしょう。それが、年齢なのか式守伊之助としての経験年数なのかは、分かりませんけれども。

 連綿として続く歴史の中で、当然ながら「本来なら現在木村庄之助となっているべき行司」が存在していたはずなのですが、体調やスキルといった面から、この世代が脱落したということなのかもしれません。

② レフェリーとしてのスキル

 行司には、多くのスキルが求められます。

 第一には、大相撲に関する「様々な有職故実」に関する知識と実践力でしょう。何場所に一度しか現れないような事象に対する対応力も含めて、相当多岐に渡ると思われます。

 第二には、「主審」としての審判員・レフェリーとしてのスキルでしょう。
 激しく凄き回る両力士の動きに合わせて、自らのポジションを変えていく、動きのスピードと予知能力、力士の超速の動きを見極め判定を下すための「動体視力」、素早い判断力等々、行司は身体能力を維持し、磨き上げて行かなければならないのでしょう。

 この「身体能力維持・向上」を、①の「年功序列制度」の元で実現して行かなければならないところが、難しいのでしょう。
 加齢による能力低下、視力低下といった現象をカバーして行かなければならないのです。大変なことだと感じます。

③ 行司と審判員の関係

 前項で、行司を「主審」と表記しましたが、実際の取組においては違うことは、皆さんご承知の通りです。

 土俵の周りには、5人の親方で組織された「審判団」が存在しています。
 この審判団が、行司の判定に同意すればそのまま勝敗が決し、違うと判断したり疑義を感じた時には、手を挙げて「物言い」となります。

 ひとり、あるいは複数の審判員(あるいは土俵際に待機している力士)から「物言い」が表明されると、審判団は土俵に上がり、「行事と共に」協議を行います。現在では、ビデオ判定も加味されています。

 協議後、審判長から協議内容・勝敗の説明が行われる形です。

 従って、行司には「勝敗の最終結果を決定する権利」はありません。
 その点からは、主審では無いということになります。とても難しい立場なのです。

 こうした諸点を考えて行くと、気になることがいくつかあります。

 第一には、審判としてのスキルのピークと、職位のピークが重なり難いという点です。
 様々な有職故実の知識具備と、審判員としての運動能力・動体視力等の能力のバランスを考慮すれば、最も行事としての総合スキルが高くなるのは「40歳代の後半」ではないかと思います。

 一方で、立行司といった「横綱・大関」の取組を裁く職位には、50歳代の後半あるいは60歳台にならないと就けないという点が、大袈裟に言えば矛盾しています。

 体も眼も判断のスピードも衰えて来る年齢にならないと、終盤の取組の行司は行えないのです。
 結果として、取組の後半になると、行司が力士とぶつかり行司が転倒し、時には行司が脳震盪を発症するという事態が起こってしまうのです。力士のスピードに、行司が付いて行けないということになるのです。

 第二には、権限と責任のバランスです。
 前述のように、行司には「勝敗決定の最終権限」はありません。
 一方で、差し違えに対しては、重い責任を問われます。今回も、3日間の出場停止になりました。
 
 「年功序列制度」の為なのか、木村庄之助が空位であり立行司がひとりしか居ない今場所、式守伊之助が出場停止となったことから、「紫色を配した行司」が3日間見られないという事態となったのです。

 形式を重んずる大相撲としては、異例の事態と言って良いでしょう。
 大相撲を神事と見る人達からは、あってはならない状態との意見も出そうです。

 立行司には「差し違えれば切腹」という責任が負わされているにもかかわらず、「勝負判定の最終権限は無い」というのは、今後良く検討して行かなければなないアンバランスであるように感じます。

 加えて、過去の「四つ相撲主体の相撲」ではなく、現代の「スピード相撲主体の取り口」が多い状況下では、相当の運動能力・動体視力が行司に求められます。

 「年功序列制度」についても、再検討が必要という意見も出てきそうです。

 この点については、行司制度のリスク管理の観点からも見直しが必要なのかもしれません。
 差し違えに伴う出場停止のみならず、立行司が土俵に上がることが出来なくなる事態はいくつか存在するでしょう。ご本人の病気・体調不良・事故遭遇等々です。
 リスク管理の点からは、「立行司は常時2名体制」が良いのかもしれません。

 横綱の土俵入りのシーンで、土俵入りを行う横綱の後ろで、軍配の「紫色の房」をくるくると回すシーンは、大相撲の大切な絵のひとつでしょう。
 11月場所の3日間は、紫色では無く朱色の房のみが回ることとなりました。横綱土俵入りの太刀持ちに使用する布は紫色で、合っていません。

 そんな細かいことは気にしないというのでは、大相撲全体の儀礼・儀式を否定することになってしまい、本末転倒になってしまいそうです。
 ラグビーワールドカップやMLBワールドシリーズ、NPB日本シリーズなど、2015年のビッグイベントを観るにつけ、共通して感じることが有ります。

① レギュラーシーズンで活躍していなかったプレーヤーは、ビッグイベントでも活躍できない。

 どの競技においても、それぞれの競技におけるレギュラーシーズンで活躍していなければ、こうしたポストシーズン、世界一を決めるゲーム等では力を発揮できないということ。

 例えば、ラグビーなら各国の最上位リーグ、スーパーリーグ(南半球)、プレミアシップ(イングランド)、トップ14(フランス)、プロ12(スコットランド、ウェールズ、アイルランド、イタリア)といったリーグ戦で活躍するプレーヤーが、ワールドカップ出場チームの代表に選出されているのですから、当然と言えば当然のことなのですけれども、いずれにしても、世界最高レベルのリーグ戦で「普段から活躍しているプレーヤー」でなければ、ポストシーズンや特別なゲームでも力を発揮できないのです。

 MLBやNPBのポストシーズン、プレーオフにおいてもレギュラーシーズン、ペナントレースで活躍していた選手でなければ力を発揮できないということでしょう。
 
② レギュラーシーズンで活躍しているからといって、必ずしもビッグイベントで活躍できるわけでは無い。

 前述①とは矛盾するように聞こえますが、そうでは無く、レギュラーシーズンでの活躍=ビッグイベントでの活躍、では無いという意味です。

 「レギュラーシーズンでの活躍」は「ビッグイベントでの活躍」の必要条件であって、十分条件では無いと言っても良いのかもしれません。

 レギュラーシーズンで素晴らしい活躍を魅せながら、ビッグイベントではあまり活躍できないというプレーヤー・チームが、どの競技にも存在するように思います。

 例えば、MLBのチーム、アトランタ・ブレーブスは1990年代に黄金時代を迎えました。この頃のブレーブスは「ブレーブス王朝」と呼ばれ、1991年から2000年までの「20世紀最後の」10シーズンで、地区優勝9度、リーグ優勝5度いう、圧倒的な強さを魅せたのです。
 この頃のナショナルリーグNLが「ブレーブスの時代」であったことは、間違いないでしょう。

 この頃のブレーブスには、トム・グラビン、ジョン・スモルツの両投手に1993年からグレッグ・マダックス投手を加えた「先発三本柱」が存在しました。
 MLB史上最高の三本柱とも呼ばれる超強力な先発投手陣を誇ったのです。

 MLBに詳しい方ならご存知の通り、実はスティーブ・エイブリー投手も素晴らしい成績を残しましたから、この頃のアトランタは「先発4本柱」を擁したのです。
 ポストシーズンゲームに対しても「万全の体制」といって良いでしょう。

 もちろん、この頃のブレーブスの打線も強力でした。デビット・ジャスティス選手、ロン・ガント選手、フレッド・マグリフ選手、チッパー・ジョーンズ選手といった、レギュラーシーズンでホームラン30本・100打点以上を記録するプレーヤーを並べる、大型打線を擁したのです。
 そうでなければ、10シーズンで9度の地区優勝は実現できないことでしょう。

 これほどの強力投手陣と打撃陣を擁しながら、しかし、この10年間でブレーブスがワールドシリーズを制したのは1995年の1度だけでした。5度もワールドシリーズに駒を進めながら、1度しか勝てなかったのです。
 ワールドシリーズになると、強力な先発投手陣が不思議と打ち込まれました。

 現在ニューヨーク・ヤンキースでプレーしている、MLB史上屈指の強打者アレックス・ロドリゲス選手が、ポストシーズンとなると不思議と打てないことは、よく指摘されることです。
 また、クレイトン・カーショーとザック・グレインキーという超強力な先発投手陣を擁するロサンゼルス・ドジャースが、なかなか地区シリーズやリーグチャンピオンシップゲームを勝ち抜くことが出来ず、ワールドシリーズに進出できないことも、よく採り上げられる話題です。

 様々な理由が有るのでしょうが、レギュラーシーズンで圧倒的な力の差を示しているからといって、必ずしもビッグイベントで活躍できるとは限らないように見えます。

③ ビッグイベントにおける、体と心の「+α」

 一方で、レギュラーシーズンでも活躍するが、ビッグイベントとなると「一層の活躍」を魅せるプレーヤー・チームも存在します。

 NPBの長嶋茂雄選手は、その典型でしょう。日本シリーズやオールスター戦における大活躍や、「天覧野球」におけるサヨナラ本塁打など、伝説に事欠かない選手です。

 MLBにおいても、例えばヤンキースのクローザー、マリアーノ・リベラ投手はレギュラーシーズンでの活躍も素晴らしいものでしたが、ポストシーズンとなるとまさに「絶対的守護神」として、数々の大ピンチをキッチリと抑え込みました。ゲームの流れが完全に相手チームに在る時でも、役割期待に応え続けました。

 また、同じヤンキースのアンディ・ペティット投手は、ポストシーズンにおいて圧倒的な勝率を誇りました。こちらは、レギュラーシーズン以上の活躍をポストシーズンで魅せたと思います。

 加えて、2010年代に入って「3度のワールドシリーズ制覇」に輝いているサンフランシスコ・ジャイアンツは、「ポストシーズンに滅法強い」チームであることを証明し続けていると感じます。

 こうしたプレーヤー・チームに共通しているのは、ビッグイベントにおいて「通常の力+α」のプレーを披露して行く能力なのではないでしょうか。

 逆に言えば、「+α」の力を示すこと無しにはビッグイベントでの活躍は望めないのかもしれません。

 ラグビーワールドカップ2015において、日本代表チームは「+α」の力を存分に発揮したと思います。
 あの史上最強と言われ優勝したニュージーランド代表チームと、準決勝において「18-20、2点差の大接戦」を演じた南アフリカ代表チームを、グループリーグで「34-32の2点差」で破ったゲームは、日本代表チームが「普段の120%の力」を発揮したと見る以外に説明が付かないでしょう。

 対サモア戦やアメリカ戦も含め、この大会の日本代表チームは、「+α」を保持し発揮できるチームだったのです。

 普段のゲームから活躍していなければビッグイベントに出場することは出来ないが、ビッグイベントに出場できたとしても「+αを出す能力」が無ければ活躍は期待できないということ。

 スポーツの最高レベルのゲーム・試合で好成績を残すというのは、本当に難しいことだと感じます。
 11月15日、京都競馬場芝外回り2200mコースで開催される、第40回エリザベス女王杯競走G1の注目馬検討です。

 秋の牝馬NO.1を決めるレースです。

 淀の外回りコースですから長い直線の勝負となります。スピードだけでは押し切れないレースです。2200m以上のレースの成績に注目したいと思います。

 実績馬と上り馬の比較では、今年は実績馬の方が優位にあると感じます。

 第一の注目馬は、8枠18番のヌーヴォレコルト。
 昨2014年のオークス馬にして、昨年のこのレースの2着馬です。前走のオールカマーG2は2着に敗れましたが、久し振りのレースとしては良い内容でした。
 G1レースでの経験・実績共に十分。大外枠も克服してくれるでしょう。

 第二の注目馬は、1枠2番のクイーンズリング。
 前走の秋華賞G1ではミッキークイーンとの叩き合いでクビ差の2着。惜しいレースでしたが地力の高さを示しました。
 秋になって本格化したと見ます。

 第三の注目馬は、7枠15番のルージュバック。
 今年のオークスは1番人気で2着でした。同期の中でトップクラスであることは間違いありません。
 秋緒戦というところが気になりますが、地力の高さでカバーしてくれるでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 マンハッタンカフェの子クイーンズリングとルージュバックを、ハーツクライの子ヌーヴォレコルトが迎え撃つ形です。

 直線の粘り強い末脚の勝負となることでしょう。
 
 2015年の大相撲11月場所も5日目を終えました。
 
 久し振りに三横綱が揃った11月場所ですが、熱戦続きの内容となっています。

① 全勝の力士

 5日目を終えて5勝0敗の力士は、横綱・白鵬、大関・琴奨菊、平幕の勢、千代鳳の4人となりました。場所序盤から星のつぶし合いが進んでいる印象です。

 千代鳳は故障からの回復が進んでいるのでしょう。力強い取り口が目立ちます。幕ノ内の番付を死守する戦いが続きますが、早々に勝ち越しを決めるようなら、今場所の台風の目となる可能性もあります。

 勢は、先場所の勢いを維持しながら星を伸ばしています。土俵を動き回りながら勝機を見出していく相撲ですが、前に出る圧力が増している分相手力士にとっての圧力となっています。

 琴奨菊も先場所からの好調を維持しています。
 迷いの無い立ち合いから、持ち前の押し相撲が威力を発揮しています。ご当所でもありますから、どこまで勝ち星を伸ばせるかに注目です。

 休場明けの白鵬は、さすがの相撲でしょう。慎重な取り口ですが、勝機を見逃さないところが素晴らしいと感じます。

② 4勝1敗の力士

 休場明けの高安は、日を追う毎に調子を上げている感じがします。場所前の稽古不足を本場所で補っているのでしょうか。実力者ですから、今後の活躍が期待されます。

 蒼国来の落ち着いた相撲が際立っています。相手力士の動きが良く観えている様子で、力を付けて来たのでしょう。

 大関・稀勢の里は2日目に嘉風に敗れましたが、全体としては「どっしり」とした相撲を魅せていると思います。

 横綱・日馬富士は、ひやりとする相撲の連続ですが、何とか1敗で止めていると言ったところでしょうか。

③ 調子の上がらない力士

 1勝4敗の遠藤は苦戦が続いています。「前に出る圧力」が不足している為、相手力士の左右の動きに翻弄されている印象です。もともと、相手力士に密着しながら相手力士の力を封じて行くという取り口の力士ですが、前に出る力・スピードが足りなくなると「密着」が出来なくなってしまうのです。
 今場所、ここまではそうした相撲となっていると思います。

 安美錦は2勝を挙げてはいますが、やはり「前に出る圧力」が不足しています。
 技士で知られる力士ですが、その強さの源は、安美錦の技を警戒して腰を引いている力士を、そのまま押し出してしまう相撲です。押しの強さと巧みな技が相まって、安美錦の相撲が出来上がっているのですが、今場所は前者が不足しているのでしょう。
超ベテラン力士ですから、直ぐに修正して、土俵を湧かせてくれるとは思いますが・・・。

 逸ノ城が冴えません。上位力士との対戦が続いていることもありますが、0勝5敗はご不満でしょう。大きな体と重い腰が全く活かされていないという印象です。変な書き方ですが、取組の中で「腰を上下左右に動かしてみる」と勝機が見いだせるのではないかと思います。何しろ大きくて厚い体ですから、それが動き続けることで相手力士のバランスも崩せるのではないでしょうか。

 以上、気になった力士に付いて挙げてみました。

 場所前の予想通り、11月場所は「大混戦」の様相を呈しています。横綱陣にも、まだまだ安定感が不足していますから、幕内最高優勝の行方は全く分からない感じがします。

 この混戦は、千秋楽まで続きそうです。
 10月22日に行われた2015年の日本プロ野球NPBドラフト会議、今年も重複指名からの抽選などで色々なドラマが有りましたが、埼玉西武ライオンズの指名においても少し驚かされました。

 6位指名が「本田圭佑」選手だったのです。

 あれ!サッカーの本田選手かと思いました。

 アメリカにおいては、NFLのスタープレーヤーであるラッセル・ウィルソン選手をMLBのチームがドラフトで指名していることもありますので、「ついに日本でも」と早とちりしてしまいました。

 同姓同名の別選手だったのです。

 西武ライオンズの指名を受けたのは、東北学院大学の投手・本田圭佑選手でした。
 右投げ右打ち、身長179cm・体重82kg、ストレートの球速Max147kmと報じられてる本田「投手」ですが、「名前を覚えてもらう」という点では一歩リードしていることは間違いないでしょう。
 プレーにおける大活躍も期待されます。

 ところで、こうした話題に接すると、いつも思い出すことがあります。

 同姓同名では無いのですが、「同音名」と言えそうなものです。

 それは、大相撲の横綱・白鵬と競馬のサラブレッドなのです。

 白鵬関の名前は、白鵬翔(しょう)です。
 そしてサラブレッドの方は、ハクホオショウ号です。

 競馬のオールドファンなら憶えておられる方も居ると思いますが、ハクホオショウは1969年生まれの競走馬で、1972年のクラシック戦線の一角を占めた強豪馬でした。

 日本ダービーでも4着と健闘、通算23戦8勝、重賞4勝(安田記念・オールカマー・カブトヤマ記念・札幌記念)の好成績を残しました。
 その佇まい・雰囲気からでしょうか、とても人気のある馬であったと記憶しています。

 そして何より、「大種牡馬ヒンドスタン最後の傑作」と呼ばれた馬でした。
 ヒンドスタンは、昭和30年代を中心に7度のリーディングサイアーに輝いた名種牡馬です。
 あの五冠馬シンザンやハクショウ、リュウフォーレル、ヒカルポーラ、ヤマトキョウダイ、ダイコーター、アサカオーを始めとする多くの八大競走優勝馬を輩出しました。
 日本の近代競馬を拓いた大種牡馬と言っても良いと思います。

 そのヒンドスタン最後の傑作と大横綱の「名前の音が似ている」というのは、単なるダジャレのひとつなのかもしれませんし、馬名と比較するのは横綱に対して失礼とのご指摘もありそうです。

 その点については、大変恐縮なことでお詫び申し上げる次第ですが、大相撲千秋楽の取組後、表彰式で「幕の内最高優勝、白鵬翔」との声を聞く度に、ハクホオショウのことを思い出してしまうのです。
 week8のマンデイナイトゲーム、キャロライナ・パンサーズとインディアナポリス・コルツのゲームは、OT(延長戦)に縺れ込む激戦となり、パンサーズが29-26で競り勝ちました。
 パンサーズは、開幕以来の連勝を7に伸ばしました。

 パンサーズのクオーターバックQBキャム・ニュートン選手と、コルツのQBアンドリュー・ラック選手は、現在のNFLの若手QBを代表するプレーヤーです。
 このゲームは、両チームの攻撃の中心であるニュートン選手とコルツ選手が激突したゲームでもありました。

 キャム・ニュートン選手は2011年ドラフトの全体1位、アンドリュー・ラック選手は2012年ドラフトの全体1位という、共にこれ以上は無い輝かしい評価を受けてのNFL入りでした。

 ニュートン選手は、2011年のデビュー戦で422ヤードのパス記録を打ち立てました。
 これは、新人QBとしてのNFL新記録でした。そして、このシーズン通算ではパス4051ヤード成功という、新人QBの新記録を樹立しました。あのペイトン・マニング選手の記録を抜いたのです。
 また、いわゆるモバイルQBの代表格としても活躍をつづけ、デビュー以来の5シーズン目の途中で、自身のランニングによるタッチダウンTDを37として、NFL歴代2位としています。
 素晴らしい機動力です。

 一方のラック選手は、2012年11月のゲームで433ヤードを投げて、ニュートン選手が前年に記録した新人QBによる1試合パス記録を更新、新人シーズン通算のパス記録も4374ヤードとして、やはりニュートン選手の記録を更新しました。
 その後もラック選手の快進撃は続き、デビュー以来2シーズンのパス成功記録8196ヤード、同3シーズンの12957ヤードは、いずれもNFL新記録となっています。
 自身の走力・機動力という点からは、ニュートン選手に一歩譲りますが、そのパスの能力という点からは、ラック選手が一歩勝っているという感じです。

 頭書のゲームでは、ゲーム後半までニュートン選手が好調なプレーを続けて、第3クオーターQ終了時点ではパンサーズが17-6とリード、第4QにもパンサーズがTDを挙げて23-6とリードを広げた時には、パンサーズの快勝という流れでした。

 第4Q残り8分まで、全く精彩を欠いたプレーを続けていたラック選手でしたが、ここで突然蘇りました。
 それは信じられないような復活でした。

 長身のタイトエンドTEコービー・フリーナー選手へのパスを軸にした攻撃が機能し始め、残り7分から2TDと1FGを決めて、一気に17点を挙げて23-23の同点としたのです。
 見事な追い上げであり、ラック選手持ち前の「第4Qにおける強さ」を示しました。

 コルツにとって惜しまれるのは、FGフィールドゴールに終わった第4Q最後の攻撃において、TDを奪い一気に逆転できなかったことでしょう。

 このゲームにおいては、ニュートン選手のパスのクオリティの向上が印象的でした。
 持ち前の機動力に、パスの正確性が加われば、鬼に金棒と言うところでしょう。

 パンサーズはweek9でも、グリーンベイ・パッカーズを相手に37-29で勝利して連勝を8としました。
 パンサーズの快進撃は、どこまで続くのでしょうか。

 一方のラック選手は、ゲームの7/8まで全くの不振でした。本来の能力からすれば考えられないようなパスミスを連発していましたから、どこか故障したのではないかと心配されるほどでした。
 ところが、前述のように一気に蘇ったのです。不思議な程の変貌でした。

 勝ったり負けたりを繰り返している今季のコルツですが、week9ではここまで全勝だったデンバー・ブロンコスを破りました。ペイトン・マニング選手率いるブロンコスを27-24で撃破したのです。
 コルツは、今季後半戦の台風の目となりそうです。

 キャム・ニュートン選手とアンドリュー・ラック選手は、「NFLの次世代を代表するQB」でしょう。
 身長196cm・体重113kgのニュートン選手と、同193cm・106kgのラック選手は、サイズも十分、年齢も同じ26歳です。

 現在のNFLを代表するQBである、ペイトン・マニング選手(デンバー・ブロンコス)、トム・ブレイディ選手(ニューイングランド・ペイトリオッツ)、アーロン・ロジャース選手(グリーンベイ・パッカーズ)らに続く、看板QBに成長することは間違いないところでしょう。

 この2人の若き司令塔が、どんな記録を積み上げて行ってくれるのか、どんなプレーを魅せ続けて行ってくれるのか、とても楽しみです。
 フィギュアスケートのグランプリシリーズ中国大会の女子シングルフリーの演技は、11月7日に行われ、浅田真央選手がショートプログラムとの合計で優勝を飾りました。

 約1年間競技から離れていた浅田選手にとっては、グランプリシリーズ復帰初戦でしたが、そのプレー内容は休養前より向上していたように感じられました。

① トリプルアクセルの安定感

 この大会では、ショートプログラム・フリー共にトリプルアクセル・ジャンプを成功させました。

 特にフリー演技の時のジャンプは、これまで浅田選手が披露したトリプルアクセルの中で、最高の出来のように観えました。本当に「美しいジャンプ」でした。

 女子では最難関のジャンプと言われるトリプルアクセルですから、1昨年までの浅田選手でも大会においては容易には成功できないものでした。

 ところが、休養明けの今シーズンはここまで悉く成功させているように見えます。
 競技生活を継続していた頃より、休養明けの方がジャンプの完成度・安定感共に向上しているというのは、驚異的なことの様に感じられます。

 筋力や技術力、そして試合勘という点からも、長く競技から離れていた場合には、少し衰えが有りそうなものですし、「真剣勝負」の場に戻って、少しずつ取り戻していくのが普通のようにも思います。

 にもかかわらず、浅田選手はシーズンイン早々に、従前以上のパフォーマンスを示しているのです。

② ステップやスパイラル、スピンの向上

 フリー演技において、浅田選手は「トリプル+トリプル」で転倒し、トリプルルッツで失敗し、「トリプル+ダブル+ダブル」の3連続ジャンプは全く行えませんでした。
 にもかかわらず、ほぼ完璧な演技を魅せた本郷理華選手や、素晴らしいジャンプを連発したラジオノア選手と僅差の得点の演技となりました。
 ショートプログラムでの差で十分にカバーできた形です。

 ということは、ジャンプ以外の演技=ステップやスパイラル、スピン等において、浅田選手は相当の得点差を他の選手に対して付けていたということになります。

 確かに、ステップシークエンスやスパイラルシークエンスの美しさ・正確性には素晴らしいものが有ったと感じますが、ジャンプにおける3つの大ミスをカバーし得るほどの差であったというのは、驚きでした。

③ 佇まい・オーラ

 リンクに立つ浅田真央選手には、何とも言えないオーラが漂っているように観えます。
 
 ひいき目のせいもあるのかもしれませんが、演技が開始された瞬間から「他の選手とは異なる雰囲気」がリンク全体に漂っているように感じられます。

 大袈裟に言えば、「次元が違う」感じなのです。

 これ程のオーラは、あのカタリーナ・ビット選手以来のものでは無いでしょうか。

 こうした佇まいやオーラが、得点に反映されるものなのかどうかは分かりませんが、その「オーラを生む素地」が当該プレーヤーに備わっていると観ることもできるのかもしれません。

 復帰後、浅田選手のオーラの強さが増した感じがするのです。

 約1年間の休養後、競技に復帰した浅田真央選手は、以前よりさらに進化したように観えます。
 そのこと自体が凄いことだと思います。

 フリー演技の後半に入っても、「疲労に伴うパフォーマンス低下」が最小に抑えられているようにも観えます。
 パワーやスピードは、日々のトレーニングで維持・向上できる可能性がありそうですが、世界最高レベルの大会の競技における「持久力」、極度の緊張の下での持久力は、世界最高水準の大会に出場し続けること以外には身に付かないことの様に思われます。
 その持久力も維持、ひょっとするとレベルアップさせているように観えるのは、不思議なことだとさえ思います。

 今の浅田選手にとっては、フリー演技における3連続ジャンプやトリプル+トリプルの成功・完成も、そう遠いことでは無さそうです。

 明らかに「進化した」浅田真央選手の今後の演技が、本当に楽しみです。
 2019年のラグビーワールドカップ・日本大会のロゴマークが、10月27日に発表されました。

 マークの外郭を形作るのはラグビーボールのシルエット。
 内側には、「遠景の富士山」と日の丸が配されています。

 日の丸と富士山が重なる部分が、「富士山の雪を被った部分」となっています。
 洒落たレイアウトです。

 そして、その「雪を被った部分」が「扇の骨」状に4等分されています。骨が3本という形です。
 ボール、富士山、日の丸という構成要素が、いずれも曲線で描かれるものですから、少し直線を加えることで、マーク全体を締める効果を期待したというところでしょうか。

 富士山・日の丸・扇と、開催地である「日本国」を示す物を「てんこ盛り」にした印象があるロゴマークとなっています。アイデンティティ溢れるマークでしょう。
 一方で、「洗練」されているかといった点から見れば、あまり「垢抜けていない」という見方も有りそうです。

 「世界のどこにも無いマーク」とコメントされていました。
 確かに、これだけ「てんこ盛り」のマークは他には無さそうです。
 
 東京オリンピック2020のロゴマークを始めとして、近時の世界的イベントでは、そのロゴマークが「○○のマークに似ている」という指摘が直ぐに行われてしまいます。
 抽象的かつ洗練されたマークを選定すると、どうしても似たものが存在するのでしょう。方形・円形の組合せでは、バリエーションに限界があるのかもしれません。

 その点からは、ラグビーワールドカップ2019のロゴマークは、洗練さを少し犠牲にして、独自性を確保したということになるのでしょうか。

 開催国・日本の特徴を明確に示し、明るく楽しい感じをも醸し出しているロゴマークです。
 とても良いと思います。
 ラグビーワールドカップ2015・イングランド大会は、ニュージーランドチームの2大会連続3度目の優勝で幕を閉じました。

 決勝戦で宿敵オーストラリアチームを破り、世界一に輝き、ゲーム後の表彰式で金色に輝くワールドカップ=ウェブ・エリスカップを授与されたのは、ニュージーランドチームのキャプテン、リッチー・マコウ選手でした。

 笑顔でカップを受け取ったマコウ選手は、高々と頭上に掲げました。

 前回大会でもニュージーランドチームの主将として出場し、優勝し、カップを掲げたマコウ選手ですから、2大会連続の栄誉であったことになります。
 ラガーマンとして、これ以上は無い「栄光の瞬間」であったことでしょう。

 マコウ選手は、常に「世界最強のチーム」と呼ばれるオールブラックスのキャプテンを2006年から務めています。10年間に渡って、チームを率いてきたのです。
 現在34歳ですから、20歳代の半ばには、既にキャプテンであったことになります。他でもないオールブラックスの正キャプテンに20歳代半ばで指名されるというのは、驚くべき若さといって良いのでしょう。

 加えて、「オールブラックスのキャプテンを10年間」も勤め続けていること自体が、想像を絶することの様に感じられます。
 そのプレー能力は勿論として、キャプテンシーの高さも素晴らしいものなのでしょう。

① 「ハカ」の先頭

 オールブラックスのゲーム前の習慣?として、ウォークライあるいはハカと呼ばれるものがあります。
 ゲーム前に、チーム全体に気合を入れることと、相手チームへの威嚇を狙ったものであろうと思いますが、チーム全員が整列し、大声を上げながら体を動かす・踊ると言っても良いのかもしれません。
 その動きの内容・種類や全体に要する時間は、毎回異なっているように見えます。

 今大会のハカにおいては、「舌を出したり、眼を剥いたり、異様な表情を浮かべる」といった動きはとても少なかったように観えました。

 大きく口を開けて、長い舌をべろりと出すといった動作は、相手チームに対して失礼といった配慮が働いたのかもしれません。
 結果として、今大会のオールブラックスのハカの大部分は、力強く腕や脚を動かす形となりましたから、一層オールブラックスの力強さ・破壊力が感じられるものとなりました。

 その伝統のハカの先頭には、常にリッチー・マコウ主将が居ました。
 黒ずくめの軍団の先頭で、ハカをリードします。

 そのマコウ選手の動きや表情・雰囲気は、ゲーム毎に微妙に異なるものであったと感じました。準決勝の南アフリカ戦や決勝のオーストラリア戦のハカにおいては、緊迫感溢れるものであったと思います。

 「そのゲームの重さ」を主将がチームメイトに示していたように観えました。

 チーム全体を「戦う集団」にしていくために、キャプテンが必要なシグナルをチームメイトに送っていたのでしょうか。

 気合を入れ、気持ちを高揚させ、「絶対に負けない」という空気を創り上げ、オールブラックスの強さをスタジアム全体に誇示する一方で、必要以上の緊張感や固さを生まない様に、細心の注意を払ってハカをリードしていたように観えたのです。

 世界一を争うレベルのチームのキャプテンに求められるスキルは、想像以上に高く・繊細なものであることは間違ありません。私などには到底分からない、とても多くのことを成すことが期待されているのでしょう。

 マコウ主将が、ハカにおいても「キャプテンとしての10年間のキャリア」を存分に示していたと観るのは、穿ち過ぎでしょうか。
 
② 密集戦での強さ

 今大会のマコウ選手は、背番号7番・オープンサイドのフランカーでした。
 以前はNO.8でプレーすることもあったのですが、近年はフランカーとしてのプレーが多くなっています。

 いずれにしても、ゲームにおける「ボールの取り合い」の主役となる「フォワードFW第3列」です。
 今大会でも、マコウ選手はその能力を如何なく発揮していました。

 相手ボールを奪うプレー、フィッシングと呼ばれたりジャッカルと呼ばれたりしますが、これは「ラグビー競技の最も本質的なプレー」のひとつです。
 攻撃と守備を交互に行うルールの競技とは異なり、ラグビーにおいては相手チームがボールを保持している間は、何時まで経っても自軍の攻撃にはなりません。

 相手チームが、トライやペナルティーゴールを奪い、得点を挙げた時後には、攻撃機会を得やすい形でボールが自陣に蹴り込まれますけれども、これとてしっかりとキャッチ・確保しなければ、走り込んでくる相手チームのプレーヤーにボールを奪われる可能性があるのです。

 攻撃と守備が明確に交互に行われるベースボールといった競技とは異なるものですし、サッカー競技とは同様の形式です。

 つまり、ラグビーは常に「ボールを取り合うスポーツ」なのです。(当たり前のことを書き恐縮です)

 ボールが自軍のものになる形も様々です。

 相手チームがフィールド内にボールを蹴ってくれて、自軍プレーヤーがキャッチした時や、相手チームが外にボールを蹴り出してくれた時(ペナルティーキックの時以外)には、自軍のラインアウトプレーになりますし、相手チームがノックオン等の反則を犯した時にも自軍のボールになります。

 しかし、そういった機会を待っているだけでは「自軍のボール保持率」は上がらず、攻撃機会が増えず、得点機会もなかなか生まれませんから、プレーヤーは「常に相手ボールを奪うチャンスを狙い続ける」ことが必要となるのです。

 リッチー・マコウ選手は、「相手からボールを奪う」という能力において秀でています。世界最高のプレーヤーのひとりでしょう。

 その「奪い方」にも特徴が有ります。

 フィッシングプレーにおいて最も多く観られるのは、「ラックプレーにおいて立ったまま相手ボールを奪う」プレーだと思います。
 ラックになり相手プレーヤーがボールをリリースした時に、素早く当該地点に駆け付けてボールを奪う形です。
 ボールが存在する地点に「いかに早く駆け付けるか」そして、正しい方向からラックに入り、立ったままで前屈みになってボールを奪うのです。

 このプレーが上手い選手も居ますし、マコウ選手も当然ながらこのプレーを行い続けますが、マコウ選手がこうした形でボールを奪っている姿を観ることは、そう多くは有りません。

 マコウ選手は、「ボールを保持している相手プレーヤーに密着しボールを奪うプレー」が、とても上手いのです。
 「密集が生まれ」両チームのFWが殺到します。テレビ画面からは見え難い密集の中で、壮絶なボールの奪い合いが展開されます。

 基本的には「腕力が強い」方がボールを奪い易いのでしょう。
 何しろ、相手プレーヤーが抱えているボールを「捥ぎ取る」のですから、相当強い腕力無くしては成功できそうもありません。

 しかし、マコウ選手のプレー振りを拝見すると、どうも腕力だけでは無さそうです。

 マコウ選手も、身長188cm・体重106kgと伝えられている大男ですし、筋骨隆々のプレーヤーですから、相当の腕力を有しているとは思われますが、このマコウ選手の体格は、大男揃いのFW、ましてやワールドカップの舞台では決して大きな方では無く、どちらかといえば「小柄な部類」に入るようにさえ観えます。

 そうなると、マコウ選手の「ボール奪取テクニック」(私には「マジック」のように感じられます)は、腕力だけではないということになります。
 密集戦における体の各部分の使い方・スピード、力を入れるタイミング(相手プレーヤーの力を削ぎ、自らの力を増大させる、梃の様な体の使い方?)などに「絶妙のものが有る」に違いありません。そして、そのテクニックは、容易に真似することが出来るものでは無いのでしょう。

 そうでなければ、世界最高レベルの舞台で、際立った「ボール奪取の連続」を実現できる筈は無いのですから。

 いつも書くことで恐縮ですが、「本当に大事な情報はいつも不足している」のです。

③ ボール有る所マコウ在り

 マコウ選手に②のような高度なテクニックが存在するとしても、ボールへの接触機会が多くなければ、ボール奪取の増加に結び付かないことは明白です。

 「ボール争奪戦参加回数を増やすこと」が大切なのです。

 この点についても、マコウ選手の能力は驚異的だと思います。「ボール有る所マコウ在り」という感じがします。
 「極めて高いレベルの予測力」を保持していなければ、ボール所在地の未来予測はできない筈ですから、マコウ選手にはその能力が備わっていることになります。

 「さっきあそこでプレーしていたのに、もうここに居る」、マコウ選手のプレーを観ていると、ゲーム中何度もこうした驚きを感じます。
 大袈裟に言えば「マコウ選手が2人居るのではないか」という感覚です。

 この神出鬼没・八面六臂の働きこそが、マコウ選手をして世界最高のプレーヤーのひとりと呼ばせしめ、オールブラックスのキャプテンを10年間に渡って務めさせている、原動力なのでしょう。

 この能力はひょっとするとトレーニングではなかなか向上させることが出来ない、天賦の才なのかもしれません。
 
 リッチー・マコウ選手は、ワールドカップ史上初の連覇を果たしたチームの2大会連続のキャプテンでした。

 こうしたプレーヤーは、これまで存在しませんでした。
 今後再び現れるかどうかも、定かではありません。難しいという気もします。

 こうしたプレーヤーをリアルタイムに観ることが出来た幸せを感じます。

 そして、さすがに次回2019年日本大会においては、38歳となるマコウ選手のプレーを観ることは難しいのではないかとも感じます。

 「オールブラックスのリッチー・マコウ」、ラグビー史上に燦然と輝く巨星です。
 ラグビーワールドカップの各ゲームの開始前には、両チームの国歌演奏が行われます。

 他のスポーツの世界大会と同様です。

 少し異なるのは、その国歌演奏に合わせて、選手達が堂々と国歌を歌っていることでしょう。
 どのチームの選手も殆ど全員でしっかりと国家を歌っているように観えました。

 他のスポーツでは、これ程しっかりと揃って歌っていない場合も多いと思います。
 チームによっては、各プレーヤーが殆ど歌っていないこともありますし、歌っていたとしても口の開け方が小さく小声で歌っているように見えることもあります。

 ラグビーという競技のプレーヤーは、大きく口を開けて堂々と国家を歌うということなのでしょうか。
 国家に対する、チームに対する誇りが大きいということなのかもしれません。

 いずれにしても、スポーツに関しては相当のナショナリストである私にとっては、この「ラガー達の歌う姿」は、とても気持ちの良いものです。

 少し不思議なのは、ナショナルチームの組成に際して、国籍主義では無く、協会主義であるラグビーにおいては、代表チームに他国出身のプレーヤーが多いにも拘わらず、揃って国歌を歌っていることです。
 日本チームでも、リーチ・マイケル選手やトンプソン・ルーク選手らの力強い歌唱姿が胸に迫ります。

 尚、他国籍のプレーヤーが相当数居るのは、日本チームに限ったことではありません。
 多くの世界の有力チームにも、他国籍のプレーヤーが入っています。ラグビーのナショナルチームにおいては普通のことなのです。

 にもかかわらず、他国籍の選手も所属するチームの国歌をしっかりと歌うのです。
 その姿には、所属しているナショナルチームへの敬意と誇りが溢れています。

 国籍がどこであれ、プレーヤーが「所属するナショナルチームへの敬意と誇り」を大切にすること、プレーヤーをそうした心持にしてしまうのが、ラグビーという競技の魅力なのかもしれません。
 
 今大会のグループリーグで3勝1敗という好成績、過去のトレンドから観れば「奇跡的な成績」を、日本代表チームは残しました。

 緒戦の南アフリカ戦での勝利などは、「ワールドカップ史上最大の衝撃」と称されるものでした。

 ブロッサムズは、2011年からの4年間で一気にジャンプアップしたのです。
 「不連続」と言って良い程の成長であったと思います。

 このジャンプアップの要因となったと言われているのが、その厳しい練習、「ハードワーク」でした。
 エディ・ジョーンズヘッドコーチHCは、世界中のどのチームにも勝る厳しい練習を日本代表選手達に課したのです。

 そのメニューも凄まじいものでしたが、練習中のエディ・ジョーンズHCの言葉・叱責も極めて厳しいものであったと報じられています。

 見たことも聞いたことも無いようなハードワークを課され、その取組振りが不十分であれば、躊躇なく叱責される、というのは極限レベルの厳しい練習ということになります。
 少しでも運営方法を間違えれば「しごき」と受け取られかねない練習とも言えるでしょう。

 日本ラグビー界を代表するようなプレーヤーが揃っているのが代表チームでしょう。そうしたプレーヤーは、本質的に「誇り高き者」である筈です。「ラグビーを知り尽くしている」との自負も持っているプレーヤーが多いのでしょう。

 そうした「誇り高き者たち」が、このような「しごき」に近い?ハードワークに耐えられた理由があると思います。

 ジャパンフィフティーンひとりひとりに聞いてみたいポイントなのですが、そうも行きませんので、時々報じられるインタビューなどを参考にします。

 何故「ハードワークに耐えることが出来たのか」という質問に対して、五郎丸選手が応えていました。

 「誰よりも世界を知っている指導者だと思ったから」とコメントしていました。

 チームジャパンの中で「誰よりも世界を知っている」、「世界の強豪チームの戦い方・レベルを知っている」、とすれば、その「世界の強豪チームに勝つ方法」をも知っている、ことになります。

 その指導者から課された練習は、どんなに厳しくとも耐えてやっていく、という思考になるのでしょうか。

 この五郎丸選手のコメント以外にも、エディ・ジョーンズHCの厳しい練習に耐えることが出来た理由がいくつも有るのでしょうが、この五郎丸選手のコメントにも「日本代表チームのヘッドコーチに必須の要素」が含まれています。

 つまり「世界を知っていること」です。それも、「世界トップクラスの高い水準」で世界のラグビーを知っている必要があるのでしょう。

 そうした指導者の指示であるからこそ、誇り高き者たちが「必死にハードワークに耐えて行く」のです。

 日本代表候補選手達に、「この人に付いて行くしかない」と感じさせる・納得させる要素を具備している人以外には、代表チームのヘッドコーチは務まらないのでしょう。
 今大会使用されていたスタジアムは、どれも素晴らしいものだと感じます。

 「ラグビーの聖地」たるトゥイッケナム・スタジアムや、ウェールズ・カーディフのミレニアム・スタジアムといった、世界屈指のラグビー場はもちろんとして、日本チームがゲームを行ったスタジアムも、いずれも素晴らしいものでした。

① 南アフリカ戦 ブライトン・コミュニティ・スタジアム
② スコットランド戦 キングスホルム・スタジアム
③ サモア戦 mkスタジアム
④ アメリカ戦 キングスホルム・スタジアム

 特に、第二戦と第四戦を戦った「キングスホルム・スタジアム」の「芝付」は見事でした。

 ラグビーのフィールドは、サッカーと比べて「厚い芝生」が求められます。そして望めるものなら「剥がれ難い芝生」が求められます。

 キングスホルムの芝は、この要件をしっかりと満たしていたように思います。
 「青々とした深い芝」は、ラックなどのプレーでも大きく剥がれることは少なかったように観えました。
 その芝付の良さというポイントだけを見れば、ミレニアム・スタジアムより相当上でしょう。

 また、キングスホルムのスタンド・観客席は巨大ではありませんでしたが、グラウンドに近く低い佇まいといい、小さな屋根といい、いかにも歴史と伝統を感じさせるもので、「19世紀のラグビー観戦」の雰囲気満点でした。
 一度は行ってみたいものです。

 ラグビー競技発祥の地であるイングランドおよびウェールズやスコットランドには、こうした素晴らしいスタジアムが数多く存在するのでしょう。

 各々のスタジアムでは、100年以上に渡るラグビーの歴史の中で、数々のビッグゲームが行われてきたのでしょうし、スタジアムが存在する地域の人々にとっては「誇り」となっている存在なのであろうと思います。

 「素晴らしいスタジアム」を維持して行くラグビーファン・関係者の皆さんの努力の歴史も、ラグビーの歴史そのものなのだと改めて感じます。
 2015年のワールドシリーズ最終戦・第5戦、田口壮氏もNHK-BS放送の解説者でした。

 ゲームは2-2のまま延長戦に入り、12回の表にカンザスシティ・ロイヤルズが決定的な5点を挙げて、12回裏に入りました。

 このゲームを観ていた多くの人が、勝負は決まったと感じていたことでしょう。

 12回裏のニューヨーク・メッツの攻撃も2アウトとなりました。

 アナウンサーが田口氏にコメントを求めます。
 田口氏は「まだ負けたわけではないし、何が起こるか分からないです。メッツの選手達は『自分がゲームの流れ、シリーズの流れを変えてやる』と考えていると思います。」と応えました。

 ロイヤルズのクローザー・ディビス投手が、メッツの打者フローレス選手をノーボール・2ストライクと追い込みました。
 
 2対7の5点差、2アウトとなって、カウントも0-2。メッツは追い込まれました。

 しかし、ここに至っても田口氏は「何が起こるか分からない」とコメントしていました。「私が現役の時も、自分がシリーズの流れを変えられるかもしれないと、いつも考えていました。」と続けます。

 この「諦めの悪さ?」「勝利への執念」「闘争心の旺盛さ」「負けん気の強さ」こそが、ベースボールプレーヤーとしての田口壮そのものなのだと感じました。
 本当に凄いレベルです。

 決して恵まれた体躯とは言えなかった田口壮選手が、NPBオリックス・ブルーウェーブで12シーズン、MLBのセントルイス・カージナルスで6シーズン、フィラデルフィア・フィリーズとシカゴ・カブスで1シーズンずつ、計20シーズンのプロプレーヤーキャリアを全うすることが出来た源泉となる能力・スキルがここにある、と感じます。

 そして、カージナルスとフィリーズの時に、「2度のワールドチャンピオン」を経験しています。
 チャンピオン・リングを2個保有しているのです。
 日本出身のメジャーリーガーで、2度のワールドチャンピオンに輝いているのは、田口壮選手だけではないでしょうか。
 もちろん、巡り会わせも有るのでしょうが、運だけではとても実現できない記録でしょう。

 加えて、トニー・ラルーサ元監督(カージナルス)のコメントに表れているように、当時のチームメイトや監督を始めとするベンチスタッフからの厚い信頼は、現在でも不変です。田口壮選手のチームにおける存在の大きさが良く分かる事実でしょう。

 打力・守備力・走力・判断力等々、一流の野手に求められるスキルは多様ですが、そこに「飽くなき勝利への執念」という要素も加えなければならないことを痛感させてくれる、素晴らしいプレーヤーだと思います。
 今大会も、多くの素晴らしいレフェリーが登場しました。

 特に、プレーヤーと共にグラウンドを縦横無尽に走り続ける主審の皆さんのレフェリングには、感心させられることしきりでした。

① プレーをスピーディに継続させる努力

 「プレイオン」や「ユーズ イット」「リリース」の声が響き渡ります。
 可能な限り「プレーを切ることなく継続させる」ために、主審の皆さんがレフェリングを展開しているのです。

 「プレイオン」とコールしながら、両手を前に出すポーズと、そのコールのタイミングの良さを観るだけで、この大会がワールドカップであることが分かる程です。

 ラック状態になっても直ぐに「ユーズ イット」と、「ボールを動かすこと」を指示します。このタイミングもとてもスピーディ。
 ボールの停滞を極力排除しようとする、努力に溢れています。

② 見えにくい反則への対応

 線審との協働は勿論のことですが、今大会はTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)という制度も導入されましたから、一層効果が上がっているように感じます。

 もともと「ルールが複雑で分かり難い」という点が、ラグビー人気向上の足枷になっているとも言われてきましたから、こうした「明快な判定」は良いことに違いありません。(私はラグビーのルールが難解だとは全く思いません。ルールの基になっている理由は単純明快なものですから、それを繰り返し説明して行けば良いと思います)

③ 終始冷静かつ毅然とした態度

 個々の判定に対しては、プレーヤーから不満の声が漏れたりするものであり、中には露骨に態度に出すプレーヤーも居るのですが、今大会の審判は、どのゲームの審判も「極めて冷静かつ毅然たる態度」でコール・説明を行っていました。

 非常にレベルの高い審判が、揃っていたということでしょう。さすがはワールドカップです。

 ラグビー競技においては、審判の判断・コールは絶対のものです。ゲーム中、審判はプレーヤー達のプレーを判定すると共に、指導も行いますから、「最新のプレーを教える先生」であるとも言われています。

 「プレイオン」という声が響くトゥイッケナム・スタジアム・・・。それだけでラグビーを観る幸せを感じてしまいます。
 11月8日に開幕する、大相撲2015年11月場所の注目力士検討です。

 横綱・大関の有力力士に故障者が出ていて、予想が難しい場所になりました。
 「大波乱・大混戦の場所」になる可能性も有ります。

1. 横綱

 膝の故障で9月場所を途中休場した、横綱・白鵬のコンディション次第でしょう。
 白鵬が万全とは言わないまでも8割方回復しているようなら、やはり地力の高さから見て押したいところです。

 先場所横綱になって初めての優勝を果たした鶴竜については、相変わらず大事な取組で「白星を欲しがる」ところが観られ、立合いの変化を見せますから、安定した成績を残すことは容易ではありません。

 また、久し振りの日馬富士についても、白鵬以上にコンディションが読み難いところです。調子が戻っていれば、「強い時の強さ」には定評の有る横綱なのですが・・・。

 難しい判断ですが、やはり一番手には白鵬を選びたいと思います。
 先場所の休場を「良い休み」として、リフレッシュした相撲を魅せてくれるのではないでしょうか。

2. 大関

 こちらも、現在地力が最も高いと見られる照ノ富士が先場所膝を故障しました。
 膝の靭帯故障は、中々完治が難しいものであり、多くの力士が泣かされてきたものでもありますから、心配なところです。

 一方で、日本出身の3大関の相撲には、このところ精彩がありません。
 力が落ちてきているとの指摘さえあります。残念なことです。

 こちらも難しい判断ですが、稀勢の里を挙げたいと思います。
 混戦が予想される場所で、持ち前のパワー相撲を展開していただきたいものです。

3. その他の力士

③栃煌山

 大関昇進に向けで大事と言われていた9月場所は期待を裏切りました。手堅く行こうとして固くなり、相手力士の素早い動きに付いて行けなかった取組が目立ちました。
 とはいえ勝ち越しましたから、地力の高さを示したとも言えるでしょう。

 11月場所では、本来の攻める相撲を展開していただければ、横綱・大関陣が万全とは言えない状態ですので、好成績が期待されます。

④妙義龍

 そろそろ「関脇の相撲」を思い出して来たころではないかと思います。
 9月場所では、持ち前のスピード相撲の過程で自ら墓穴を掘るといった感じで敗れる相撲が観られました。調子は悪くないのに星が上がらなかった感じです。
 もともと、前に出る力が強い力士ですから、先場所の反省を踏まえて、11月場所では安定した取り口を見せてくれると思います。

⑤御嶽海

 新入幕です。当たりの強さと前に出るスピードに期待します。
 元気の良い相撲、前に出る相撲を取り続けることができれば、大活躍できるでしょう。

⑥逸ノ城

 一歩ずつ相撲を憶えてきて、地力を付けている印象です。
 慎重になり過ぎて相手十分の相撲になってしまうことも有りますが、自分の相撲を取り切るという強い気持ちを持って土俵に上れば、白星は自然についてくるのではないでしょうか。
 重くて丈夫な足腰は天賦の才でしょう。

⑦嘉風

 先場所まで3場所連続二桁勝利という素晴らしい相撲を続けてくれました。そして、小結まで番付を上げました。
 さすがに家賃が高いかとも思いますが、ご当所の九州場所でもありますから、素晴らしい年であった2015年を締めくくる活躍を魅せていただきたいものです。

⑧高安

 三役経験もある期待の力士が前頭12枚目まで下がりました。本来なら大勝のチャンスの筈です。
 低い立ち合いさえ実現できれば、自分の形に持ち込める相撲が増えると思います。リベンジの場所にしていただきたいと思います。

⑨宝富士

 こちらも、不甲斐ない場所が続いています。残念なことです。
 慎重になり過ぎているのではないかと感じます。もりもりと前に出て行く力は十分なのですが、強かったころと比べて「前に出るスピード」が不足している感じです。
 相手の動きをあまり気にすることなく、自分の相撲を展開すれば大勝も期待できます。

⑩大砂嵐

 「少し乱暴なスピード相撲」で番付を前頭筆頭まで上げてきました。
 古来の相撲とは異なる取り口ですが、交わしたりいなしたりする時の瞬間スピードが、とにかく速いのです。上位力士にとっては脅威でしょう。
 すり足では無くバタバタした足の動きをベースにしている相撲は、常に故障発症のリスクを内包していると思いますが、15日間を取り切ることが出来れば、相応の成績が望めます。

 2015年11月場所は、以上の10力士に注目します。

 他にも、前頭12枚目に下がりスピード相撲の復活が待たれる豪風や、上位陣との対戦が増える遠藤、技の切れを見せて欲しい前頭3枚目の豊ノ島・安美錦の両ベテラン、等々期待される力士が目白押しです。

 待望久しい日本出身力士の優勝可能性も十分に有る場所だと感じます。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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