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 11月場所は、横綱・日馬富士が13勝2敗で優勝しました。

 初日から12連勝と白星を重ねた横綱・白鵬の13日目からの3連敗や、平幕松鳳山・勢の健闘、小結・嘉風の三役での初の勝ち越しなど、話題・見所が満載の場所でした。

 一方で、「横綱の相撲」のあり方について日々考えさせられた場所でもありました。

① 注文相撲

 今場所は、横綱の注文相撲が数多く観られました。
 立合いで横綱が変化を見せるのです。

 「取り口」として存在していて、ルール違反ではないのだから、問題無いとの意見もあるのでしょうが、「大相撲の姿」としては褒められたものでは無いと感じます。

② 張り手

 今場所は、横綱による張り手も数多く観られました。
 立合いでの実行が多かったのですが、取組中に連続して張り手を繰り出す相撲も観られました。

 相撲の技なのだから、横綱がやっても良い、という意見もあるのでしょうが、これも見ていて気持ちが良いものではありません。

 番付が下の力士が、横綱に対して繰り出すのはOKであるなら、横綱がやっても良いだろうとの見方もあると思いますが、時には「けんか」の様な印象を与える行為を、大相撲を代表する力士が再三行うというのは、「相撲の品格に欠ける」という意見もあるでしょう。

③ 猫だまし

 横綱・白鵬が10日目の栃煌山戦で2回行いました。
 観客席からは、罵声も飛びました。

 余裕からのプレーとも言われましたが、やはり白星を欲しがるあまり、栃煌山の前に出る力を怖れてのプレーであったと見る方が良さそうです。

 所謂「横綱相撲」の対極にある相撲であったと思います。

④ 北の湖理事長の死去

 13日目の取組終了後、北の湖理事長が死去しました。

 テレビなどの媒体では、力士・北の湖の相撲が沢山流されました。
 当時の圧倒的な強さを示す映像も多かったのですが、負けた相撲もありました。

 「北の湖が負けたことがニュースになる時代」だったのです。それ程に北の湖は強い力士でした。
 そして、北の湖は「常に堂々たる相撲を魅せる」力士でした。

 北の湖理事長がいつも言っていた「土俵の充実」の中に、横綱の相撲のあるべき姿も含まれていたのでしょう。

⑤ 「敗れて尚強し」

 横綱の「堂々たる相撲」は、たとえ敗れたとしても、「さすが」「敗れて尚強し」という評価を生むのではないでしょうか。

 まさに北の湖の相撲は、そうしたものでした。
 当時の力士達は、どうやったら北の湖に勝つことが出来るかを研究し、構築した戦術を土俵上で展開し続けたのでしょう。
 そして、北の湖はそれに正面から応じました。

 横綱に求められる使命は数多いのでしょうが、その第一に挙げられるのは「堂々たる相撲」なのかもしれません。「勝つこと」にも優先しそうです。
 どんなことをしても白星を得ようとするのではなく、下位の力士の色々な挑戦を正面から受け止め、土俵上で自らの相撲を披露する。それで勝利すれば、「さすがは横綱」と評され、たとえ負けても「さすがに横綱、堂々たる相撲」であったと言われるように思います。

 「横綱相撲」とは、そういう相撲なのかもしれません。

 「常に優勝争いに加わることが求められている」横綱にとって、白星を重ねることは重要なことだと思います。

 いつも強い、殆ど負けない、というのも横綱に求められる要素なのでしょう。

 とはいえ、「いつも強い」という言葉には、「堂々たる相撲」をベースにした強さが含まれているように感じます。

 横綱も人間なのだから、時には怯むこと・弱気になることもあり、注文相撲・張り手を見せることがあっても良いのかもしれませんが、あまりに多いと興醒めです。
 横綱には、とても高いレベルのスキルが求められているとも思います。やはり、横綱というのは、とても重い重い番付なのでしょう。

 「横綱の相撲」について考えさせられることが多かった、2015年11月場所でした。
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