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 ユーロ2016の決勝トーナメント1回戦は6月27日に終了し、ベスト8が出揃いました。
 激戦が続きましたが、決勝Tという「一発勝負」の舞台で、各チームの実力が試されたという印象です。

[イタリア2-0スペイン]
 1回戦最大の好カード、スタッド・ド・フランスに76000人を超える大観衆を集めて行われたゲームは、まるで決勝の様でした。

 ゲームは全体としてイタリアペースでした。
 持ち味のパスワークで、「相手にボールを渡さない」というスペインのプレーが展開できなかったのです。イタリアチームのプレスが大きな威力を発揮しました。

 結果としてゲームは、シュートの打ち合いという様相を呈しました。
 これはそもそも「スペインチームのゲーム」ではありません。
 両チームのゴールキーパーGKが見事なプレーを連発しましたが、こういう「やや荒れた試合」となれば、イタリアに一日の長があるのでしょう。
 
 前半33分、エデル選手が放ったシュートを、スペインGKデ・ヘア選手が良く弾きましたが、こぼれ球をジャッケリーニ選手、キェッリーニ選手が詰めて押し込みました。セットプレーからのイタリアチームの分厚い攻撃が実った形です。

 後半は両チームにチャンスが訪れましたが決め切ることが出来ず、インジュリータイムに入って、イタリアチームがカウンター、ダルミアン選手のセンタリングがスペインDFセルヒオ・ラモス選手に当たり、ゴール前のペッレ選手の前に飛び、ペッレ選手は「フリーで」ボレーシュートを叩き込みました。
 前掛かりだったスペインチームは、ゴール前の人数が足りませんでした。

 今大会のスペインチームは、グループリーグGLで良い入りを見せました。
 緒戦・第2戦と、全盛時を思わせるようなパスサッカーを展開し、チェコチームやトルコチームにサッカーをさせませんでした。
 相手チームを「袋の鼠」に追い込むようなプレー振り、パスを回しながら、決してボールを奪われることなく、包囲網を次第に縮め、最後はゴール前にボールを供給するという「やり方」は、自分達だけがプレーするという意味では全盛時以上の威力を発揮していたように観えました。

 但し、ラストパスが左右から供給されることが多かったところは、全盛時とは異なる印象でした。シャビ選手のパスは、縦に真ん中付近に送られることが多かったのです。

 GL第3戦では、クロアチアに不覚を取りました。スペインチームの動きが悪く、クロアチアチームに再三ボールを奪われてピンチを招いたのです。

 今大会のスペインチームは、「ベストコンディションで大会に入り、次第に調子を落とした」ように感じられます。
 一般的に、優勝を狙うチームは大会の準決勝辺りに調子のピークを持って行く、とはよく言われることです。結果として、決勝に進出するチームはGLでは苦戦することが多いのです。

 今大会のスペインチームには、その余裕が無かったのではないでしょうか。
 調子が上がらない状態では、GLを勝ち抜くのは難しい戦力ということを、デルボスケ監督は良く分かっていたのだろうと感じます。

 イタリアチームでは、GKブフォン選手の活躍が際立ちました。スペインチームのシュートを止め捲りました。
 それも、超絶的な反射神経で、思いもよらぬシュートを止めたという形では無く、「瞬時に次のシュートコースを予測し」確信を持って止めていた印象です。従って、そのプレー振りは安定感抜群でした。
 数々の大会で大活躍を魅せているブフォン選手ですが、彼にとっての「ベストゲームのひとつ」ではなかったかと感じます。

[ベルギー4-0ハンガリー]
 1950年代にフェレンツ・プスカシュ選手らを擁して、世界最強の名を欲しいままにした「マジック・マジャール」時代以来の「古豪」復活を思わせた、GLのハンガリーチームでしたが、ベルギーチームの前に大敗を喫しました。

 前半10分のアルデルヴァイデルト選手の先制点が効きました。
 「堅守・速攻」で戦ってきたハンガリーチームにとっては、早過ぎる失点だったのです。

 後半に入り、追い付かなければならないハンガリーが前掛かりになったところに、ベルギーチームのカウンター攻撃が炸裂しました。
 33分バチュアイ選手のゴールで、ベルギーが2点目を挙げたところで、ゲームは決まりました。

 やはり、アザール選手を中心とした「華麗な攻撃」がハンガリーの守備を打ち破ったのです。
 今大会では、「ボールに行かずにスペースを消しにかかる」ゾーンディフェンスで失点を防ぐチームの健闘が目立ちますが、やはりゴール前ではボールに行かなくてはならないのでしょう。このゾーンDFでは、思いもよらぬ「フリーな選手」が生れてしまうリスクが有るのです。

[アイスランド2-1イングランド]
 ラウンド16最大の番狂わせでした。

 前半4分にスターリング選手の突進から得たペナルティーキックPKをルーニー選手が決め、イングランドチームが先制した時には、このままイングランドが優勢に試合を進めるであろうと思われました。

 ところが前半6分、アイスランドのシグルズソン選手が同点ゴールを挙げると、ゲームは膠着状態に陥りました。
 スローインからのボールをヘディングでゴール前に落とし、これを決めたものでしたが、この「戦法」はこの後も、このゲームの中で登場していましたので、アイスランドチームの得意なプレーなのでしょう。
 早々に先制点を挙げて、やや安心したイングランドチームの隙を付いた、見事なゴールでした。

 そして前半18分、アイスランドのシグソールソン選手が勝ち越し点を挙げました。
 ゴール前で短いパスを繋いで、ディフェンダーの間の狭いスペースに打ち込まれたシュートでした。アイスランドチームには、身体能力の高いプレーヤーが揃っているという印象です。

 その後は両チームの攻め合いが続きました。
 イングランドにも再三チャンスが訪れましたが、シュートが決まらない。アイスランドも決定的な形を作りましたが、イングランドGKハート選手の好プレーが続きました。

 イングランドにとっては、本当に残念なゲームでした。
 「ユーロ初優勝」の夢は、再び持ち越しとなったのです。

 準々決勝の戦いは、6月30日から始まります。

 ポーランドVSポルトガル、ウェールズVSベルギー、ドイツVSイタリア、フランスVSアイスランド、いずれも見逃せないカードばかりです。

 ドイツVSイタリアは「大きな大会での勝ち方を知っているチーム」同士の対戦となります。
 GLでは調子が出ていなかったドイツチームは、決勝T1回戦で快勝し調子を上げてきました。一方のイタリアも、新生チームとして次第に勢いに乗ってきています。
 とはいえ、どちらにもまだ「絶対的な強さ」は感じられませんから、先制点が大きく物を言うゲームとなりそうです。
 近時、ドイツチームの「十八番」になりつつある「序盤のセットプレーからの得点」が観られるかどうかが注目でしょう。

 ウェールズVSベルギーは、今大会の台風の目ウェールズチームをベルギーチームがどのように抑え込んでいくかが見所でしょう。
 「ベイル選手とその仲間たち」の勢いは、容易なことでは止められませんから、激戦必至です。
 
 ポーランドVSポルトガルは、やはりクリスティアーノ・ロナウド選手の活躍が見所でしょう。ラウンド16でクロアチアチームを振り切ったポルトガルチームが、勢いに乗って行くことが出来るかどうかは、やはり「クリロナの存在感」にかかっていると思います。
 1-0での決着の可能性が高いと思われますが、前半の早いうちにクリロナ選手のゴールが観られるようなら、ポルトガルの大勝も有り得ます。

 フランスVSアイスランドは、開催国フランスとしては負けられないゲームです。
 とはいえ、アイスランドチームは「堅守・速攻」主体のチームでは無く、ゴール前で多彩な攻撃を魅せますから、容易な相手ではありません。
 スタッド・ド・フランスは、ユーロとしては珍しく、フランスサポーターに埋め尽くされるゲームとなりそうですが、大接戦のゲームになると思います。

 ユーロ2016も佳境に入りました。
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[決勝・6月26日]
チリ0-0(PK戦4-2)アルゼンチン

 チリチームが、PK戦の末アルゼンチンチームを破り優勝しました。
 
 チリは2015年の通常大会に続く連続優勝でした。2015年~16年にかけては「南米のナショナルチームNO.1」であることを、しっかりと示した優勝であったと思います。

 一方、2015年大会、2016年大会とも、決勝はチリVSアルゼンチンのカードでしたし、2試合ともPK戦決着であったことを勘案すれば、この時期の南米のナショナルチームでは、この2国の実力が抜けていたことも事実なのでしょう。

 今大会、多彩な攻撃で得点を重ねていたアルゼンチンチームは、決勝でも再三攻め込みました。
 メッシ選手も決定的なチャンスでシュートを放ちましたが、ゴールネットを揺らすことは出来ませんでした。

 「チリの守備力がアルゼンチンの攻撃力を上回ったゲーム」と言って良いのでしょう。
 多くのタレントを擁し、チリに対する対策も立案・実行してきたであろうアルゼンチンを、2大会連続で抑え込んだチリチームの守備力は、見た目以上に高度なものであったことも、間違いありません。

 チリ代表チームとそのサッカーは、「全盛期」を迎えているのです。

 また、ゲーム後、メッシ選手が代表チームからの引退を表明しました。
 まだ29歳のメッシ選手から「代表引退」の言葉が出たことは、驚きでした。

 「ワールドカップで1度(2014年)、コパ・アメリカで3度(2007年、2015年、2016年)、決勝に進出したが、チームを優勝に導けなかったことは残念」とコメントしました。
 クラブチーム・FCバルセロナにおける圧倒的な実績に比べて、やや見劣りするということなのでしょう。 
確かに、「メッシのアルゼンチン」が世界的な大会で優勝するシーンを観てみたかったと感じます。そのシーンでの「メッシ選手の笑顔」が観たかったのです。

 とはいえ、メッシ選手が「世界サッカー史上に燦然と輝く巨星」であるという事実は、いささかも減ずるものではありません。

 もう一度、ワールドカップの舞台でメッシ選手を観たかったと感じているのは、私だけではないでしょう。
 陸上競技の「第100回」日本選手権大会の第3日・最終日は、6月26日に行われました。第1日・2日と雨模様でしたが、最終日は好天に恵まれ、好記録が続出しました。
 やはり、陸上競技は青空の下で行うのが良さそうです。

 まずは、女子200m。

 福島千里選手が22秒88の「日本新記録」で圧勝しました。元来コーナリングの上手な選手ですが、この日は直線に入ってもスピードが落ちませんでした。

 前日の100mでは、雨のせいもあってか平凡な(彼女にとっては)タイムでしたが、この日は「溜飲を下げた」走りでした。
 福島選手の持ち味である、少し前傾しながら、「脚を地面に突き刺していくような」走り、重心の真下でキックする走りに磨きがかかり、腰の上下動が極めて少ない、腰が浮くことも無ければ沈むことも無い走りが出来ていました。腰から太腿にかけての筋力アップが要因でしょうか。

 世界で戦って行くためには、もう少し記録を伸ばしたいところですけれども、安定してこの日の走りを展開することが出来れば、リオでも良い戦いを見せていただけそうです。

 続いては、男子200m。
 相当ハイレベルな戦いになると予想されていましたが、期待通りの内容でした。

 優勝した飯島翔太選手は、日本人ランナーとしては珍しい「重戦車タイプ」の走りを披露しました。上半身のブレが少なく、ゴール前もしっかりしたフォームを維持できたのです。
 20秒11という「日本歴代2位」のタイムも立派。100mから150mのスピードをもう少し上げることが出来れば、19秒台も見えてきます。

 加えて、20秒31で2着に入った高瀬選手、20秒33で3着の原選手の走りも見事なものでした。「日本歴代2位」の飯島選手から2m位の差の中に2人のランナーが居るというのは、男子200m陣の充実振りを示しています。

 第2日の100mも含めて、日本男子スプリント陣のレベルは、本当に高くなったと感じます。

 続いては、男子5000m。

 大迫傑選手のラストスパートは見事でした。第1日の10000mも素晴らしい走りでしたから、「本格化」してきたことは明らかでしょう。
 
 もともと、2000m前後の「ロングスパート」には定評が有った大迫選手ですが、今大会では300~400mのスパートに磨きがかかりました。残り100mに入っても、スピードが落ちないのです。大迫選手が積み上げてきたトレーニングの質・量の凄さを感じます。
 このラストスパートのスピードを600~800m継続できれば、世界とも戦って行けるのではないでしょうか。

 続いては、女子5000m。
 尾西美咲選手のラストスパートも素晴らしいものでした。残り300mからのスピードは、選手権のこの種目の歴代ランナーの中でも、屈指のものでしょう。
 こちらも、このスピードを600m以上に伸ばして行ければ、世界大会でも「勝負できる」と感じます。

 さらには、男子走り高跳び。
 衛藤昂選手が2m29の好記録で優勝しました。日本選手権といった大きな大会で、自己ベストに近い記録を出すことが容易なことでは無い種目で、見事にオリンピック出場レベルの記録を叩き出したことは、今後の大きな自信に繋がることでしょう。

 残念だったのは、男子三段跳びの山下航平選手の試技でした。
 3回目のジャンプは、予選通過には十分な記録でしたが、砂場を出る時に「マイナス」に歩くという、信じられないようなミスで、記録無しに終わりました。

 1本目・2本目と上手く行かない跳躍が続いていた状況下、「心持ちが不安定になっていた」ことが要因でしょうか。
 厳しい言い方をすれば、「心身がまだオリンピックに出場するレベルに達していない」といったところでしょう。素晴らしいフィジカルを具備しているプレーヤーだけに、残念至極です。

 「第100回」日本選手権は、日本陸上界の着実なレベルアップを感じさせる大会となりました。
 本当に、数多くの種目で、オリンピックのセミファイナルレベルのプレーを魅せていただいたのです。
 個々の選手やコーチはもちろんとして、連盟を始めとする関係者の皆さんのご努力が、実を結んできているという印象です。

 「第100回」に相応しい大会でした。

 日本陸上は、「世界に挑戦できるステージ」に立ったのです。
 第100回日本選手権陸上競技大会の2日目、小雨そぼ降る残念なコンディションの下、オリンピック出場権を賭けた厳しい戦いが続きました。 

 まずは、男子100m。

 好スタートから山縣選手が先行し、30m付近から桐生選手が加速しましたが、桐生選手は70m付近で失速してしまいました。体が浮いてしまった形。

 その合間を縫って、ケンブリッジ飛鳥選手がじりじり追い上げ、山縣選手に並びかけたところがゴールでした。
 胸ひとつというか、胸板一枚位・5cm位飛鳥選手が前に出たように観えました。

 10秒16は、小雨のコンディションの中では良いタイムですし、左隣の山縣選手のコースに寄って走っている=真っ直ぐ走っていないこと、等を勘案しても、飛鳥選手にはまだまだ伸びしろが十分に有る印象です。
 加えて、スピードのピークが「80m付近」で出ていることも驚きです。後半の減速が極めて少ないという、日本のスプリンターとしては珍しいタイプです。

 この走りで、50m付近でのトップスピードを11.5m/秒辺りまで上げることが出来れば、9秒台は確実に出せると思いますし、望ましいとされる11.7m/秒まで上げて行くことが出来れば、9秒9台の前半も夢ではありません。
 「伸び盛り」の飛鳥選手の短期間での成長が期待されます。

 また、10秒17で2着の山縣選手、10秒31で3着の桐生選手と共に、日本の男子100m陣の充実振りには、目を見張るものがあります。
 
 この布陣に、200m陣のランナーを加えて構成されるであろう400mリレーも、日本陸上「史上最強」のチームになりそうです。

 続いては、男子400m。

 ウォルシュ・ジュリアン選手の走りは見事の一語。スタート後100mから250m付近までの走りには、世界トップクラスの迫力を感じました。

 このコンディション下での45秒35というタイムも立派なものだと思います。
 普通のコンディションであれば、既に44秒台を出す力は十分に有ると思います。こちらも「伸び盛り」ですから、リオでの走りが楽しみです。

 また、45秒71で2着の加藤選手のゴール前のしっかりとした走りも印象的でした。45秒93で3着の北川選手と共に、1600mリレーでの活躍も十分に期待されます。
 このコンディションで1~3着が45秒台というのも、男子400m陣の充実振りを示しています。

 続いては、男子やり投げ。

 新井涼平選手が、84m54の大会新記録で優勝しました。「第100回」という歴史と伝統を誇る日本選手権、世界大会メダリストも名を連ねる大会において、小雨のコンディションの下で「大会新記録」を示現するというのは素晴らしいことです。

 元来、雨を気にしないタイプとはいえ、グリップや助走路が滑りやすく、槍自体にも雨が当たり失速要因ともなるのですから、新記録を出すのは至難の業の筈でした。新井選手の充実振りは本物なのでしょう。

 新井選手の大投擲は5回目の試技でした。今大会の投擲種目は、男女を問わず5回目・6回目にベスト記録を叩き出すことが多いようです。
 これまでの日本の大会では「1投目」の重要性が強調されてきましたが、相当疲労が蓄積されるであろう、競技の終盤で、その日のベスト記録を出せるようになってきたというのは、全体として力が付いてきたことの証左の様に感じられます。

 続いては、男子400mハードル。

 野沢啓佑選手が49秒14で勝ち切りました。決勝レースを観る限り、スタートからやや気負いが見られ、「脚より心が前に出てしまう」感じの走りでしたから、9台目からはバテてしまいましたけれども、それでも49秒台序盤のタイムを叩き出したのは、野沢選手の高い実力を示すものでしょう。

 48秒台で走るようになってから、それ程間が無いランナーだと思いますので、レースを走る度にタイムが伸びる時期だと感じます。リオのファイナリストを目指していただきたいものです。
 
 「第100回」大会・2日目は、小雨という残念なコンディションでしたが、各種目で素晴らしいパフォーマンスを魅せていただきました。

 日本選手権における複数の種目で「オリンピックのセミファイナル」レベルのプレーが観られるというのは、日本陸上界の充実振りを示しています。
 成長途上の選手が多いのですから、「ファイナリスト」は遠い夢では無いと思います。
 決勝トーナメントに入ったユーロ2016ですが、今大会も「観客席の在り様が素晴らしい」と感じます。

① 超満員

 今大会も、グループリーグGLのゲームから、スタジアムは満員です。

 欧州各国のナショナルチームNO.1を決める大会ですから、出場各国からのサポーターが会場に集まるわけですが、この出場各国が「近い」のです。

 大半の国は陸続きですし、イギリス各チームのサポーターも狭い海峡を渡れば、直ぐに会場に到達できるのです。
 従って、どの会場もサポーターで一杯になります。

 これが、例えばワールドカップとなると、そうはいかない。

 南米開催の大会であれば、南米各国が登場するゲームは満席になりますが、欧州やアジア・オセアニアといった地域のチーム同士のゲームとなれば、空席が目立つこととなります。

 欧州開催の大会であれば、その逆ですし、日本や南アフリカが会場となれば、観客動員はより難しいものになります。

 一方で「ユーロはいつも満員」なのです。

② 両チームへの熱心な応援

 「ユーロ」のゲームの観客席には、対戦する両チームのサポーターが、相応の数・比率で陣取り、熱心な応援が続きます。

 双方のカラーで観客席が彩られますし、双方が得意とする応援方法が取られますので、各国・各チーム独自の応援合戦が繰り広げられるのです。
 場内に響き渡る応援歌も、両チームのものが交錯し、素晴らしい雰囲気が漂います。

 観客数が、完全に5分5分というゲームは少ないのですが、6対4、あるいは少なくとも7対3という比率では入りますので、「一方的な応援」=ホーム&アウェイという形には、なり難いのです。
 これも、有りそうで実はなかなか無いことなのでしょう。

 例えば、ワールドカップ・ブラジル大会であれば、ブラジルやアルゼンチンが登場するゲームであれば、彼我の観客数は9対1、あるいは95対5といった形に成ります。対戦相手にとっては、完全なアウェイゲームとなるのです。

 一方で、「ユーロ」には完全なアウェイゲームは無いと思います。
 たとえ、今大会開催国フランスを相手にしても、対戦国のサポーターが相当数入るのです。そして、いつにも増して「凄まじい応援」を展開してくれます。

 こうした「素晴らしい観客席」をバックに、両チームは持てる力を存分に発揮することとなるのです。
 このことが「素晴らしいゲーム」に結び付くことは、言うまでもありません。

 イギリスがEUから離脱すると、イングランドやスコットランド、ウェールズ、北アイルランドのサポーターは、ユーロの応援に行き難くなるのではないか、と心配する向きもあろうかとは思いますが、これは心配ご無用。

 イングランド他のサポーターは、たとえ「どんな障害?」があろうとも、大挙して会場に詰め掛けることでしょう。
 「我らが代表」に対する思いの強さは、私達日本人が想像するものより、遥かに大きなものなのです。時には「フーリガン」と呼ばれるような、元気が良過ぎる?応援団となることもある位です。

 今大会開催地のフランス各地のスタジアムは、いずれも素晴らしいものばかりです。

 その素晴らしいスタジアムに、素晴らしいサポーターが押し寄せ、素晴らしい応援を展開しています。

 素晴らしいゲームが続くわけです。
 6月23日に行われた、イギリスの国民投票、EUからの離脱を問う投票でしたが、「離脱派」が多数を占める結果となりました。
 イギリスは、今後2~4年をかけて、EUから離脱することになるようです。

 投票前から大接戦が予想された国民投票でしたが、結果は「離脱51.9%」・「残留48.1%」と意外な大差となりました。
 イギリス国民の「離脱」への強い意思が示された形です。

 EU域内からの「移民の大量流入」により、イギリス国民の雇用が奪われていることへの「怒りの大きさ」は、他の国から見て感じているものより遥かに大きかったのです。

 その「怒り」の原因のひとつに、「プレミアリーグの試合をスタジアムで観戦することが出来ないこと」が在ると考えるのは、穿ちすぎでしょうか。

 「祖父・父・自分・息子の4代に渡ってのマンチェスター・ユナイテッドの大ファンなのだが、最近はオールド・トラフォードに行って応援することが出来なくなった」といった報道が、数年前から度々見られました。
 職を失ったことと、チケット代の高騰が原因だというのです。

 イギリスの市井の人々にとっては、サッカー観戦は「大きな楽しみ」のひとつであることは間違いないのでしょう。
 贔屓のチームを応援しながら、仲間とのコミュニケーションを深め、日常の憂さを晴らす、というのは、どの国のスポーツファンにも共通している、日々の、そして人生の過ごし方なのです。

 その「楽しみ」を奪われて、10年以上の日々が過ぎてしまい、人々の「ストレス」が次第に蓄積され、限界を超えたという状況なのではないかとも感じます。

 「人生の糧」を奪われたことに対する「怒り」は、極めて極めて大きいのです。
 日米通算4257安打の記録を樹立したイチロー選手に関して、メディアにはとても多くの記事が掲載されています。

 6月17日朝日新聞の夕刊に載った記事も印象的でした。

 イチロー選手の専属通訳であるアラン・ターナー氏(39歳)に関する記事でした。

 ターナー氏は「イチローさんのすごさは、何も変わらないことだ」と述べています。
 
 「イチロー選手は年間162試合、オフの日でも欠かすことなく練習し、試合の日は誰よりも早く球場入りして入念にストレッチする。前日にホームランを打とうが、三振に終わろうが関係ない。」

 ヤンキース時代の同僚選手から「いつか息子に『イチローというプロ意識の高い素晴らしい選手と同じチームでプレーしていた』と話すんだ」と、ターナー氏は言われたそうです。
 同じメジャーリーガーからの、これ以上の賞賛の言葉は存在するのでしょうか。
 
 現在のマイアミ・マーリンズの若手にして主力であるイエリッチ選手が、「4257安打への感想」を聞かれて、「毎日見ているが、本当に凄い。MLB史上屈指のプレーヤーなのではないか。彼のMLB3000本安打をチーム全員が心待ちにしている」とコメントしたと伝えられました。

 「メジャーリーガーからの賞賛と尊敬」がイチロー選手に寄せられているのです。

 スタープレーヤーでありながら、毎日「何も変わらない」。

 これが、真のスターの在り様なのでしょう。
 6月26日、阪神競馬場芝2200mコースで開催される、第57回宝塚記念競走G1の注目馬検討です。

 良いメンバーが揃いました。ドリームレースと呼ぶにふさわしい顔触れです。

 また、海外の大レースから帰ってきた馬が多いのも特徴でしょう。
 ドゥラメンテとラストインパクトとワンアンドオンリーがドバイシーマクラシックG1から、ラブリーデイとサトノクラウンがクイーンエリザベス2世カップG1から、の帰国です。

 17頭の出走馬の内、5頭が海外G1レース帰りというのですから、日本競馬の国際化を感じます。

 一方で、天皇賞(春)の1・2着馬や、目黒記念の上位入着馬も挑戦して来ました。現在では長距離と呼ばれるレースからのチャレンジです。
 宝塚記念の2200mという「微妙な」距離が、こうした出走馬構成を作り上げているのでしょう。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、5枠9番のドゥラメンテ。
 8戦5勝・2着3回と、これまで連を外したことがありません。19戦15勝・2着4回というシンザンの記録に挑戦できる成績です。この安定感は高く評価できます。
 前走ドバイシーマCは落鉄の影響もあってかゴール前での伸びを欠きましたが、勝ったポストポンドは世界ランキングトップの馬でしたから、ドゥラメンテも十分に戦ったと言えます。
 「軸馬」としての存在感は抜群です。

 第二の注目馬は、1枠2番のアンビシャス。
 前走G2産経大阪杯では、キタサンブラックとの競り合いを制し、ラブリーデイにも先着しました。強いメンバーが揃ったレースですが、2200mなら勝負になると思います。
 本格化した姿を見せていただきたいものです。

 第三の注目馬は、2枠3番のキタサンブラック。
 菊花賞2015や天皇賞(春)2016といった長距離レースで実績を上げている馬ですので、少し短いかなとは思いますが、「前に行ける脚質」がレースへの対応力を上げています。
 残り300mで競り合いに持ち込めれば、勝ち負けの勝負となるでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 最後の直線で抜け出しを図るドゥラメンテに、どの馬が食い下がるのでしょうか。
 4年に一度の欧州選手権大会はグループリーグの戦いを終えて、決勝トーナメントに進出する16チームが決まりました。
 そして、決勝トーナメント1回戦・8試合の組合せも決まりました。

 グループリーグの第3戦では、いくつかのグループにおいて予想を覆す結果となり、決勝トーナメント1回戦の組合せにも大きな影響を与えました。

 決勝トーナメント1回戦の組合せを「4つの山」に分けてみましょう。
 準決勝進出の4チームを目指す「4つの山」です。

[第一の山]
・スイスVSポーランド
・クロアチアVSポルトガル

[第二の山]
・ウェールズVS北アイルランド
・ハンガリーVSベルギー

[第三の山]
・ドイツVSスロバキア
・イタリアVSスペイン

[第四の山]
・フランスVSアイルランド
・イングランドVSアイスランド

 「第一の山」と「第二の山」を勝ち上がったチームがベスト4・準決勝で戦い、「第三の山」と「第四の山」を勝ち上がったチームが準決勝で戦うこととなります。
 そして、準決勝で勝ち上がったチーム同士が決勝で激突するのです。

 この決勝トーナメント1回戦の組合せを観ると、直ぐに、「第三の山」と「第四の山」に所謂サッカー強豪国が集まっていることに気が付きます。
 イタリアとスペインが1回戦で当たりますし、もしドイツが1回戦を勝ち上がれば、ベスト8・準々決勝で、ドイツVSイタリアorスペインのカードとなります。いずれも、決勝戦でも不思議の無いカードです。

 地元フランスが1回戦を勝ち上がり、イングランドがアイスランドに勝つと、こちらではフランスVSイングランドの準々決勝となるのです。フランスはこの準々決勝を方上がると、ドイツ・イタリア・スペインのいずれかのチームと準決勝を戦う可能性が高いのです。

 開催国フランスにとっては、なるべく上に行くまで強豪国とは当たらない組合せを考えていたに違いないのですが、実際には連続して強豪国と戦う形となってしまいました。こうした「偏り?」は、グループリーグGL第3戦の結果により、齎されたことになります。

 例えばグループDでは、スペインがクロアチアに1-2で敗れ、グループ2位での通過となってしまいました。

 また、グループBではイングランドがスロバキアと0-0で引分け、ウェールズがロシアに3-0で快勝したために、グループ1位はウェールズとなりました。

 狙いとしては、「第一の山」や「第二の山」で戦いたかったであろうスペインとイングランドが、「険しい山」を登ることとなってしまったのです。
 初優勝を狙うイングランドにとっては、本当に茨の道に立ち向かう印象です。

 一方で、グループFでハンガリーと3-3で引分けてしまったポルトガルは、GLで3戦3引分と勝利を挙げることが出来ませんでしたが、「3引分・勝点3でのGL突破」という、いかにも「出場24チーム・16チームによる決勝トーナメントの大会」におけるGLらしい勝ち上がりを見せました。引分けたとはいえ、「第3戦の3得点」が大きな意味を持ったのです。
 そして、所謂サッカー強豪国が居ない「第一の山」に配されることとなりました。

 ハンガリーとのGL第3戦で2得点を挙げて気を吐いたクリスティアーノ・ロナウド選手を擁するポルトガルとしては、決勝進出に向けて、大きなチャンスが訪れたとも言えそうです。

 もちろん、所謂サッカー強豪国が少ないとはいえ、「第一の山」「第二の山」にも、今大会好調なチームが顔を揃えましたので、勝ち上がりが容易なことでは無いのは、言うまでも有りません。

 ポルトガルの決勝トーナメント初戦の相手となるクロアチアは、そのスピード溢れる動きと献身的なプレー振りから、今大会最も溌剌としたチームであると感じます。GL第3戦ではスペインを2-1で破り、グループ1位となりました。
今後も快進撃が続く可能性もが有りそうです。

 スイスVSポーランドは、今大会負けていないチーム同士の対戦ですし、B組を1位で抜けたウェールズと北アイルランドの対戦は「今大会の台風の目」を決めるカードとも言えそうです。

 また、F組を1位で抜けたハンガリーが、世界ランキング上位のベルギーを相手に、どのような戦いを見せるのかも注目されます。

 もちろん、3位グループから進出してきたスロバキアやアイルランドが、ドイツ・フランスを相手に大暴れしてくれるのも、間違いないところでしょう。

 ユーロ2016のGLでは「3戦3勝」のチームが有りませんでした。

 逆に「3戦3敗」もウクライナ1チームでした。グループCで、ドイツと共に有力視されていたウクライナが全敗だったのです。

 もちろん、GL独特の「負けない試合運び」の影響が有るのでしょうが、ヨーロッパ各国の代表チームの力の差が小さくなっていることも事実なのでしょう。

 思いもよらないチームが、ベスト4や決勝に勝ち上がる可能性も十分に有ります。

 GLと決勝トーナメントは全くプレー振りが変わることが多い大会です。

 ユーロ2016は本番を迎えました。
 6月16日から19日にかけて開催された全米オープン2016は、アメリカのダスティン・ジョンソン選手の優勝で幕を閉じました。2015年の大会において、とても悔しい負け方をしていたジョンソン選手が、見事なリベンジを果たした大会となりました。

 ところで、全米オープン選手権大会がオークモントC.C.で開催されたのは、今年で9回目でした。
 オークモントC.C.は、全米オープンを代表するコースのひとつなのです。

 個人的にも、全米オープン開催コースの中で最も好きなコースのひとつです。
 ペンシルベニア州ピッツバーグ市郊外に在るオークモントC.C.は、「鉄の街」として知られるピッツバーグの有力者たちが「世界一難しいコース」を作ろうと、1904年に開場したコースであると伝えられています。

 そして、オークモントC.C.は、その狙いである「世界一難しい」というコンセプトを良く示現し、今日に至っているのです。

 今回の大会もそうでしたが、その「深いラフ」は、ラフに打ち込んだゴルファーに「1打の罰」を課します。「深い」のみならず、とても密生したラフであるために、世界のトッププレーヤーをもってしても、「出すだけ」になってしまうのです。

 オークモントが最初に全米オープンのコースとして使われたのは、1927年のことでした。以降「約10年に一度」のペースで、会場となっています。

 これまで全米オープン選手権大会は、他のメジャー大会と同様に「決められたいくつかのコース」の持ち回りで開催されてきました。

 ところが21世紀に入る頃から、新しいコースが加えられるようになってきたのです。

 全米オープンの主催者であるUSGA(全米ゴルフ協会)の大会コンセプトが、「4大メジャー大会の中で最も難度の高い大会」となっているようですから、その開催コースは「究極の難しさを追求する」ものとなっているのですが、近時ゴルフクラブやボール、プレーヤーの筋力の向上といった要因から、フェアウェイの幅やラフの深さ、バンカーの配置等々、「フェアと見られる範囲内」で難度を上げて行くことに限界を見出し、「距離を伸ばす」ことで難しさを追求するようになってきたことが、主因であろうと感じます。

 2002年大会で、ニューヨーク郊外のパブリックコース、ベスページステートパーク・ブラックコースが会場となった時、その距離の長さには驚かされました。
 300ヤードを超えるパー3が、メジャー大会で初めて登場したのです。「掟破り」ではないかと思いました。

 以降、2008年のトーリーパインズゴルフコース・サウスコースが新たに加わり、来年2017年にはウィスコンシン州のエリンヒルズ・ゴルフコースが、初めて全米オープン開催コースとなります。

 ちなみに、21世紀に入って全米オープン開催コースに加わった、ベスページステート(2002年)とトーリーパインズ(2008年)における大会は、いずれもタイガー・ウッズ選手が優勝しています。タイガー・ウッズ選手の、この頃の存在感と新しい距離の長いコースにおける別格の強さを感じさせる事実です。

 話を戻します。

 エリンヒルズG.C.もパブリックコースです。
ネットで様子を見ると、「広大な原野」を切り開いたコースという印象ですから、敷地やホールレイアウトに余裕がありますので、「各ホールの距離延長や難度を上げる工夫」の余地が大いにあるコースのようです。
 USGAは、存分に手を加えて、「驚くほど難しいコース」をプレーヤーや私達に呈示してくれることでしょう。

 USGAの「全米オープンに対するコンセプトの維持・強化」については、全く異議は有りませんし、全米オープン選手権大会のアイデンティティそのものなのでしょう。

 とはいえ、そのことで伝統的な開催コースが、全米オープンにおいて今後見られなくなるとしたら、少し残念な気もします。

 伝統的コースとしては、オークモントC.C.を始めとして、バルタスロールG.C.ロウアーコース(7回開催)、オークランドヒルズC.C.サウスコース(同6回)、ウィングドフットG.C.ウエストコース(同5回)、オリンピッククラブ・レイクコース(同5回)、ペブルビーチ・ゴルフリンクス(同5回)、メリオンG.C.イーストコース(同5回)、などが挙げられると思います。
 こうしたコースでは、数々の「歴史に残る死闘」が繰り広げられてきたのです。

 1980年大会最終日には、「帝王」ジャック・ニクラウス選手と青木功選手の凌ぎを削るような競り合いが、バルタスロールで展開されました。
 私達日本のゴルフファンにとっては、忘れることが出来ない大会です。

 テレビ画面に映し出される青木選手とニクラウス選手の凄まじいプレー振りと共に、「バルタスロールの美しさ」が強く印象に残っています。「箱庭のような美しさと世界屈指の難度」を両立させているコースがアメリカには在る、と感じたものです。

 こうしたコースが、今後全米オープンの舞台に選ばれなくなるかもしれないというのは、やはり回避したいところです。
 距離は短くとも「極めて高度なテクニックを要するコース」が、今後残って行く可能性はあるのでしょうか。

 全米オープン2016をテレビ観戦しながら、「300ヤード前後のパー3」や「700ヤード近いパー5」がオークモントC.C.にも登場しているのを観ると、これからは「距離を伸ばす余地のあるコースでなければ全米オープンの会場には成り得ない」のかもしれないと、感じさせられました。
 NBAファイナル2016は、クリーブランド・キャバリアーズがゴールデンステイト・ウォリアーズを4勝3敗で下し、優勝しました。
 1勝3敗からの3連勝での優勝という「NBAファイナル史上初の快挙」でした。

 本ブログでも、今ファイナルのキャバリアーズの戦い振りには「二度の驚き」が存在しているという記事(2016年6月15日付)を掲載していましたが、まさに「三度目の驚き」が示現しました。
 キャバリアーズにとっては「奇跡」とも言えるシリーズだったのです。

① 第七戦のスコアは「93-89」

 最終の第七戦はウォリアーズのホーム・オラクルアリーナで行われましたが、本シリーズで初めて「勝ちチームのスコアが100点未満」でした。ロースコアゲームだったと言って良いと思います。

 キャバリアーズとウォリアーズの対戦でロースコアゲームとなれば、キャバリアーズが勝利するのは自然なことでしょう。

 一方で、第七戦は「4点差」という、今シリーズ最高の接戦でしたが、結局キャブスが押し切りました。
 このゲームは「キャブスがキャブスのペースで戦った」のでしょう。

② 3ポイントシュートは決まらない時には決まらない。

 第七戦でも、ウォリアーズの3ポイントシュートはなかなか決まりませんでした。
 「スプラッシュブラザーズ」と称される、ウォリアーズ最強の武器が、これだけ決まらないと、苦しい戦いになるのは必定です。

 第一戦・第二戦では、「面白いように決まった」ウォリアーズのシュートが、それ以降、特に「第五戦の第4クォーターQ以降」決まらなくなったのは、とても不思議なことです。

 もちろんキャバリアーズの守備が機能していたことも有るのでしょうが、カリー選手やトンプソン選手といった、「NBA屈指のシューター」の決定率、世界最高レベルのスキル・テクニックを具備し、大試合でも存分に力を発揮する能力・経験を有している筈のプレーヤー達の決定率が揃って下がるというのは、やはり不思議なことだと言わざるを得ません。

 「ウォリアーズに何が起こったのか」という感じです。

③ ベンチプレーヤーの役割

 第一戦・第二戦をウォリアーズが圧勝した時、ウォリアーズのベンチプレーヤー・セカンドユニットの得点力が、高く評価されました。

 セカンドユニットが1ゲームで40点以上を叩き出していたのです。
 キャバリアーズとの差は、このセカンドユニットの得点力であると分析されていました。

 ところが、戦いを進めるうちに、「ウォリアーズのセカンドユニットの得点力が下がり」ました。

 ゲーム毎に得点力の上下が有るのは無理も無いところでしょうが、「得点力が趨勢的に下がる」というのは、やはり不思議なことでしょう。
 各々のゲーム後に、様々な対応策が立案され、実行されている筈なのですから。

 この点でも「ウォリアーズに何が有ったのか」という感じがします。

④ レブロン・ジェームズ選手の驚異的な活躍

 第五戦・第六戦と41点を挙げたレブロン選手は、第七戦でも27点を挙げ、11アシスト、11リバウンドと合わせて「トリプルダブル」という大活躍でした。

 レブロン・ジェームズ選手は、シーズンの最後の最後まで「動き続けた」のです。

 そのフィジカルの強靭さはもちろんとして、メンタルの強さには驚かされるばかりです。
 「オハイオ州に優勝を」という強い思いが原動力だと言われていますが、それにしても、2015年NBAファイナルで同じウォリアーズ相手に完敗し、2016年の第一戦・第二戦でも歯が立たなかった状況下での大逆転優勝というのですから、凄いことです。

 レブロン・ジェームズ選手に、またひとつ「大きな勲章」が付け加えられたのです。

 MLBのクリーブランド・インディアンズは1948年のワールドシリーズ制覇以来、優勝していません。MLBアメリカンリーグ創設メンバーのひとつという歴史を誇るインディアンズですが、このところ優勝できていなかったのです。

 NFLのクリーブランド・ブラウンズは、「4度のNFLチャンピオン」に輝いています。最新は1964年ですから、第一回東京オリンピックの年です。(この頃はまだスーパーボウルは存在しませんでした)

 クリーブランドの「アメリカ4大スポーツ」のチームが優勝したのは、この1964年のブラウンズが最後でした。
 オハイオ州の州都クリーブランドのメジャースポーツのファンは、半世紀以上に渡って、優勝を味わっていなかったのです。

 そして、ついにキャバリアーズがNBAチャンピオンとなりました。

 クリーブランドに「歓喜の嵐」がやってきたのです。

 「キャバリアーズの奇跡」が、インディアンズやブラウンズの奮起に繋がるような気がします。
 6月17日のゲームにおいては、日本人大リーガーが活躍しました。

 全体としては、2016年シーズンで最も活躍が目立った日であったと思います。

 そして、2人の日本人先発投手は、味方の援護に恵まれたのです。

① 岩隈久志投手

 ボストン・レッドソックス戦に先発登板した、マリナーズの岩隈投手は、7イニング・92球を投げて、被安打9、奪三振4、与四球1、失点4の好投を魅せて、チームの8-4の勝利に貢献し、今季6勝目を挙げました。

 失点4というのは、岩隈投手にとっては不満かもしれませんが、何しろこのゲームでは、味方打線が4回までに7点を取ってくれましたので、悠々たる投球が出来たのです。

 シーズン当初、好投しても、なかなか援護に恵まれず、勝ち星が上がらなかったことを思えば、こういう試合が有っても良いでしょう。

② 田中将大投手

 ミネソタ・ツインズ戦に先発登板した田中投手は、8イニング・110球を投げて、被安打7、奪三振5、失点1の好投を魅せ、チームの8-2の勝利に貢献、今季4勝目を挙げました。

 岩隈投手と同様に、このゲームでヤンキース打線は4回までに8点を取ってくれました。こうなれば「2016年スタイル=打たせて取る」田中投手の投球が冴えます。
 こちらも悠々と8イニングを投げ切りました。

 ここまで14試合に先発し、防御率2.91という「リーグ屈指」の成績を残しながら、まだ4勝目というのですから、これまでいかに打線の援護に恵まれなかったかが分かります。
 やはり、こういう比較的楽な展開のゲームがあっても良いでしょう。

③ イチロー選手

 コロラド・ロッキーズとの試合、7回に代打で登場し、センター前にクリーンヒット、続く味方の長打で一気に本塁を陥れました。素晴らしい快足でした。
 この回に3点を追加したマーリンズは5-1で勝ちました。

 4257安打を達成したイチロー選手にとっては、先発起用されなかったことについては不満かもしれませんが、1度のチャンスにヒットを放ち、快足をも披露したのですから、見事という他は有りません。

④ 青木宣親選手

 岩隈投手が先発登板したゲームに、9番レフトで先発出場した青木選手は、4打数2安打1得点の活躍でした。

 特に、2本目のヒットはライト前に運びました。久し振りの「引っ張った安打」でした。今季の青木選手は、球を引き付ける打ち方に徹しています。投球を前で捕えるのではなく、引き付けるだけ引き付けてスイングスピードで打って行く形を取っているのです。

 この方法の方が、手許で変化する投球が多いMLB向きであろうと考えているのではないかと思いますが、引き付けますのでどうしてもレフト方向への打球が多くなってしまうのです。
 これまでは「差し込まれている形」が多かったのです。

 しかし、このゲームではついに「引っ張ること」に成功しました。
 今季、青木選手が志向している打撃が出来つつある印象です。これからは、どんどん打率を上げていって欲しいものです。

 6月17日には、4名の日本人プレーヤーが登場し、いずれも見事な活躍を魅せてくれました。

 惜しむらくは、岩隈投手と青木選手のマリナーズの相手がレッドソックスでしたから、田沢投手・上原投手の「勝ちパターンの継投」が観られませんでしたが、これは致し方ありません。

 2016年シーズン中に、前述の4名+田沢・上原両投手の活躍が観られる”Good Day”が来て欲しいものです。
 欧州選手権(ユーロ)2016大会も、グループリーグの2戦目を終えました。
 A~Fの各グループでは、順当な、あるいは予想外の結果が出ています。

 6月19日から始まる「グループリーグの3戦目」は、グループリーグにおける戦いの最大のポイントとなります。

 それというのも、参加24チームを4チームずつ6グループに分けて行うために、各グループの上位2チーム(計12チーム)に、各グループの3位チーム6つの中から4チームの合計16チームが、決勝トーナメントに進出するルールとなっているからです。

 このルールは、ワールドカップにおいても使われたルールですが、結果として「グループリーグの戦いを手堅いものにする」傾向が有り、それがグループリーグGLを一層面白いものにしてくれます。
 例えば、GL3戦3引分で勝点3のチームが決勝トーナメントTに進出する可能性は十分に有るのですから、各チームはGLにおいて「負けない試合」を展開する、「勝つためにリスクを冒すより負けないプレーを展開する」ことになり易いのです。

 GL第3戦は、同グループの各チームとのバランスはもちろんとして、他のグループの3位チームとの成績も考慮しながらの試合となります。勝ち負けはもちろんとして、「何点取って勝つ」「(ゲームの途中経過によっては)何点取って引分ける」といった、得失点差や得点数が、とても重要なポイントとなることは言うまでも有りません。

 A組は、フランスが2勝で早々に決勝T進出を決めました。スイスが勝点4で続いています。
 とはいえ、現在勝点1のルーマニアが第3戦でアルバニアに大量点を取って勝つことがあれば、フランスと対戦するスイスを抜いて、グループ2位となる可能性も有りますし、3位グループの上位で決勝Tに進出する可能性は高くなります。
 アルバニアにとっても、ルーマニアに大量点を挙げて勝てば、3位グループからの勝ち抜けの可能性が残っています。

 B組は混戦となりました。
 イングランドが勝点4でトップに立っており、スロバキアとウェールズが勝点3で続いています。前評判の高かったロシアは勝点1で最下位に居ます。
 とはいえ、第3戦でロシアがウェールズに大勝し、スロバキアがイングランドに勝つようなことがあれば、ロシアが2位に上がる可能性が十分に有ります。

 ワールドカップ2018の開催を控えたロシアが、どのような戦いでグループリーグを締めくくるのか、興味深いところです。

 既に勝点4を挙げているイングランドは、たとえ第3戦を落としても、少なくとも3位グループの中から決勝トーナメントに進出できる可能性は高いと思われますが、GLでの順位は決勝トーナメントの組合せに影響しますから、イングランドとしても負けられないところです。

 B組は、第3戦で大きく順位が変動する可能性があるのです。

 C組は、ドイツが第2戦でポーランドと引き分けたために、混戦となりました。
 北アイルランドが第2戦でウクライナに2-0で快勝したことも特筆されるべきでしょう。ドイツ、ポーランド、北アイルランドのどのチームにも「グループ1位での決勝T進出」の可能性が有るのです。
 
 第3戦、ウクライナVSポーランドではウクライナの意地が観られるかもしれません。北アイルランドVSドイツで北アイルランドが勝利するようなことがあれば、今大会の台風の目となります。

 ドイツとしても、3位グループからの決勝T進出は、現世界チャンピオンとしては回避したいところでしょう。

 D組は、スペインが勝点6として勝ち抜けを決めました。クロアチアが勝点4で続いています。大会前の予想に近い経緯と言えるでしょう。
 スペインは、良いコンディションで大会に入った印象です。

 とはいえ、第3戦のスペインVSクロアチアでクロアチアが勝てば、グループ1位の座が入れ替わります。逆にスペインが勝ち、チェコVSトルコでチェコが大勝するようなことがあれば、グループ2位の座は分からなくなります。

 チェコにとっては、3位グループからの勝ち上がりの為にも負けられないゲームとなりました。

 E組は、イタリアが勝点6として決勝T進出を決めました。
 ベルギーが勝点3で続いています。
 イタリアの好調さが目立つ一方で、スウェーデンの調子が上がらない印象です。第3戦のスウェーデンVSベルギーが注目ですが、現在のプレー振りを観ると、スウェーデンはやや苦しいというところでしょうか。
 スウェーデン攻撃陣の奮起が期待されます。

 F組は、有力視されていたポルトガルとオーストリアが不振です。
 ハンガリーは、その持ち味を存分に活かして勝点4でトップに立っていますし、アイスランドも2戦2引分と「GLの戦い」を展開しています。

 第3戦でアイスランドがオーストリアに勝ち、ハンガリーがポルトガルに勝つ、あるいは引き分けるようなことがあれば、大番狂わせのグループとなるでしょう。現在のプレー振りを観ると、その可能性は十分にあります。

 それにしても、第2戦のオーストリア戦でペナルティーキックを外すなど、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド選手の不振は、目を覆うばかりです。
 このままでは「ナショナルチーム同士の大きな大会では全く活躍できなかったプレーヤー」と評されかねません。
 第3戦での大爆発に期待したいと思います。

 ユーロ2016も、グループリーグの第3戦を迎えました。悲喜こもごもの戦いの開始です。
 この大会では「インジュリータイムに入ってからのゴール」も目立ちますから、最後の最後まで目が離せないゲームが連続することでしょう。

 90分まで決勝T進出を確保していたチームが、インジュリータイムの失点で脱落し、3位グループのメンバー・順位が一気に入れ替わる・・・。

 参加国数が24だった頃のワールドカップにおいても時々見られた「えっ、あのチームが決勝トーナメントに・・・」という事態も、十分に考えられるのです。

 「大会で最も面白い時期」と言えるのかもしれません。
 6月16日に、クリーブランド・キャバリアーズCLEのホーム・クイッケンローンズアリーナで行われた、NBAファイナル2016・第6戦は、キャバリアーズがゴールデンステイト・ウォリアーズGSWを115-101で破り、対戦成績を3勝3敗のタイとしました。
 1勝3敗と追い込まれてからの2連勝です。
 
 最終戦となる第7戦は、6月19日にウォリアーズのホーム・オラクルアリーナで行われます。

① 第1クオーターQでの「20点差」

 第6戦の第1Qは、本当に意外な展開となりました。

 開始後しばらくの間、ウォリアーズに得点が入らなかったのです。いつものように素早いパス回しから、外に出して3ポイントシュートを狙いますが、悉く入らない。
 あっという間にキャバリアーズが13-2とリードしました。「11点差」を付けたのです。

 その後も得点差は開く一方。31-9からウォリアーズがシュートを決めて、31-11の「20点差」となったところで、第1Qが終りました。

 ウォリアーズの1Q・11得点は、今シーズンの全てのゲームで「最少」でした。
 圧倒的な得点力を誇るウォリアーズとしては「考えられないような拙攻」となったのです。
 ウォリアーズのシューターの調子が上がらなかったことも有りますが、キャバリアーズの守備が、第5戦・第4Qに引き続いて、良く機能していたのでしょう。

 結局、この「20点差」がゲーム終了まで効いたことは、言うまでも有りません。

② 第2Qでウォリアーズが反撃するも・・・。

 第2Qに入りウォリアーズの反撃が始まりました。

 ようやく決まり始めたシュートで一時は「8点差」まで追い上げたのです。10点差以内となれば、「いつでも逆転できる」イメージのあるウォリアーズですから、大接戦となる予感がしました。

 ところが、ここで再びキャバリアーズの攻撃と守備が機能して、得点差を広げました。

 そして、59-43と「16点差」としたところで第2Qが終りました。

③ ウォリアーズが追い上げた第3Q

 第3Q開始直後は、キャブスの時間帯でした。
 じりじりと差を広げ、一時は65-43と22点差まで差が開きました。
 ウォリアーズはステフィン・カリー選手の3ポイントシュートが決まらず、苦しい時間帯が続きました。

 ところが、第3Qの後半に入り、スプラッシュブラザーズの一角クレイ・トンプソン選手の調子が戻り、3ポイントを始めとするシュートを次々と決めました。
 ついにウォリアーズの反攻が始まったのです。

 80-71と一桁台・9点差まで追い上げて第3Qを終えました。

 「第4Qは互角の戦い」という印象でした。

④ 第4Q・カリー選手のファウルアウト

 第4Q早々に、カリー選手が反則を犯しました。この試合「5つ目の反則」です。
 カリー選手は元来反則の多いプレーヤーではないのですが、この激しいゲームの中で、いつにない反則のペースとなってしまったのでしょう。

 カリー選手は、これ以上反則できない形に成りました。レブロン・ジェームズ選手へのマークから離れることとなったのです。

 ウォリアーズはしかし、トンプソン選手の3ポイントシュートなどで食い下がり、一時は84-76と「8点差」まで詰め寄りました。

 ここから一進一退の攻防が続きました、このゲーム最大の山場でした。

 残り試合時間7分の段階で90-79とキャバリアーズのリードは11点。「10点差」を巡る攻防が続いたのです。

 ウォリアーズは相変わらずシュート決定率は良くないものの、良く守り、懸命に10点差前後を維持しました。

 ここでキャバリアーズのトリスタン・トンプソン選手が素晴らしいプレーを魅せました。レブロン選手とのマッチングで、次々と得点を重ねたのです。

 残り4分32秒で99-86と「13点差」まで突き放しました。

 そして残り4分22秒、カリー選手が反則を犯してしまいました。
 「ファウルアウト」です。

 チームのエースプレーヤーがファウルアウトした、この瞬間、第6戦の勝敗は決したのです。

 ちなみに、カリー選手のファウルアウトは2013年以来でした。

 この後は、両チームともセカンドユニット主体の構成となりました。
 黙々とプレーが続けられ、115-101・14点差となったところで試合が終了しました。

 結局は、キャバリアーズが第1Qで付けた20点差を活かして押し切った試合でした。

 この試合における、ウォリアーズの第1Qのプレーは全く「らしくない」ものでした。
 第7戦でも、このような「入り」をするとすれば、いかにホームとはいえ、苦戦は免れないでしょう。

 一方のキャバリアーズは、第5戦終盤からのディフェンスが良く機能し、レブロン・ジェームズ選手の獅子奮迅の活躍も際立っていますから、この調子で最終戦も戦いたいところです。

 第5戦で41点をマークしたレブロン選手は、第6戦でも41点を挙げました。「ファイナルで2試合連続40点以上」を挙げた、史上5人目のプレーヤーとなったのです。
 ちなみに、レブロン選手の前にこの成績を残したプレーヤーは、「あの」シャキール・オニール選手であり、その前に成し遂げた選手は、「あの」マイケル・ジョーダン選手でした。

 既に、NBA史上屈指の名プレーヤーとしての地位を不動のものにしているレブロン・ジェームズ選手に、またひとつ「大きな勲章」が加わったのです。

 NBAファイナル史上初の「1勝3敗からの逆転優勝」が成るのか。

 6月19日の第7戦は大注目です。
 6月15日の対サンディエゴ・パドレス戦に、1番ライトで先発出場したイチロー選手は、2安打を放ち、日米通算の安打数を4257本としました。
 MLB最多安打記録である、ピート・ローズ氏の4256安打を数の上で超えたのです。

① 4256安打

 このゲームの最初の打席でした。
 当たり損ねの打球が一塁線に沿って転がります。パドレスのキャッチャー・ノリス選手が懸命のプレーで一塁に送球しましたが、イチロー選手の脚が速く、内野安打となりました。

 いかにもイチロー選手らしいプレーでした。
 「常に全力疾走」しているからこそ、内野安打になるのです。

 「カッコ良さ」などという概念は、イチロー選手のプレーには存在しない、「いつも同じ全力プレー」が繰り広げられるのです。
 これは日本プロ野球NPBでもMLBでも共通なのでしょう。

 NPB9年・MLB16年、その25年間の積み上げが4256安打に結び付いたことを、如実に示す、見事なプレーでした。

② 4257安打

 流石のイチロー選手も、「4256」という数字を前にして、この日のゲームは普段通りには体が動いていない様に見えました。

 4度打席に立って、3度がボテボテのゴロ、1度が空振りの三振と、「らしくない」打撃が続いたのです。3度のボテボテのゴロの内の1本をヒットにしたところは流石でしたが、このゲームでは「次の1本」は出そうもないと感じました。

 ところが、このゲーム5度目の打席が9回表に回ってきたのです。

 マウンドにはパドレスのクローザー・ロドニー投手が仁王立ち。

 カウント2ボール・1ストライクからの4球目でした。
 目の覚めるようなライナーが、1塁線に沿って飛んで行きました。

 4257本目のヒットは二塁打・スタンドアップダブルでした。
 「美しい二塁打」でした。

 イチロー選手のバットコントロールの良さ、ミートの上手さ、振り抜きの早さ、が結実した、素晴らしい打球であったと思います。

 4256安打目と4257安打目は、イチロー選手に「最も相応しい2本」であったと感じます。

 「いつも同じハイクオリティな全力プレー」を示した4256安打目と、「極めて高度な打撃技術」を示した4257安打目だったのでしょう。

③ 「4257」

 MLB通算4256安打というピート・ローズ選手の記録と日米通算4257安打というイチロー選手の記録、この2つの記録を比較すること自体は、あまり意味が無いことなのかもしれません。

 「4256」という数字は、イチロー選手のキャリアにおいて、「具体的な安打数」として存在する「道標」のようなものだったのではないでしょうか。

 そして、この「道標」を超えました。ピート・ローズ選手の記録を超えたのではなく、「4256本という道標」を超えたのでしょう。

 絶対数値としての「4257」は、素晴らしいものでしょう。

 プロフェッショナルスポーツとして世界屈指のレベルを有するNPB・MLBにおいて、4257本のヒットを放ったプレーヤーは、イチロー選手しか居ないのです。
 空前絶後の数値かもしれません。

 その大いなる足跡に、心よりの拍手を送ります。
 6月3日に開幕した、コパ・アメリカ・センテナリオ・アメリカ大会は、6月14日までにグループリーグの戦いを終えて、決勝トーナメントに進出する8チームが決まりました。

 今大会も、いかにも南米選手権らしい、「勝負に辛い」ゲームが数多く展開されました。

[各グループの成績]

[Aグループ](○印は決勝トーナメント進出チーム)
○アメリカ 2勝1敗・勝点6
○コロンビア 2勝1敗・勝点6(得失点差でアメリカが1位)
・コスタリカ 1勝1敗1引分・勝点4
・パラグアイ 2敗1引分・勝点1

[Bグループ]
○ペルー 2勝1引分・勝点7
○エクアドル 1勝2引分・勝点5
・ブラジル 1勝1敗1引分・勝点4
・ハイチ 3敗・勝点0

[Cグループ]
○メキシコ 2勝1引分・勝点7
○ベネズエラ 2勝1引分・勝点7(得失点差でメキシコが1位)
・ウルグアイ 1勝2敗・勝点3
・ジャマイカ 3敗・勝点0

[Dグループ]
○アルゼンチン 3勝・勝点9
○チリ 2勝1敗・勝点6
・パナマ 1勝2敗・勝点3
・ボリビア 3敗・勝点0

① アメリカチームの健闘

 南米各国の代表チームに、北中米各国の代表チームを加えた「記念大会」であるセンテナリオにおいて、開催国アメリカ代表チームの活躍が目立ちます。

 グループリーグ初戦こそ、コロンビア相手に0-2で敗れましたが、第二戦でコスタリカを4-0で撃破、第三戦もパラグアイに1-0で競り勝ち、コスタリカ戦の4得点が効いて、グループ1位で勝ち抜けました。

 正直なところ、アメリカチームが決勝トーナメントに進出するのは難しいのではないかと見ていましたが、素晴らしいプレーを魅せました。

 開催国の活躍は、大会の成功に直結します。

 完全に台風の目となったアメリカチームの決勝トーナメント初戦エクアドルチームとのゲームは大注目です。

② ブラジルチームとウルグアイチームの敗退

 強豪チームであるブラジルとウルグアイが、グループリーグで姿を消しました。

 ブラジルチームは、緒戦エクアドルチームと0-0の引分け、第二戦ではハイチチームに7-1と大勝し、第三戦のペルーチームに勝つか引分ければ決勝トーナメント進出という形を作り上げました。
 ところが0-1で敗れてしまったのです。

 ブラジルVSペルーの一戦は、ポゼッションでブラジルが65対35と圧倒的にボールを支配し、優勢にゲームを進めましたが、なかなかゴールを奪うことが出来ず、後半30分ペルーのルイディアス選手が決勝ゴールを挙げて逃げ切りました。まさに「コパ・アメリカのゲーム」をペルーが創り上げたのです。

 今大会のブラジルチームには、ネイマール選手が居ませんでした。
 それでも「王国」は、コウチーニョ選手やアウグスト選手、そして「ネイマール二世」と称されるガブリエル選手らの攻撃陣を擁して戦ったのです。
 その強力な攻撃力は、ハイチ戦では如何なく発揮されました。

 「スピードで優位に立てる」チームを相手にすると、いくらでも点が取れるチームなのです。
 しかし、ボディコンタクトを中心として、ガンガンくるチームを相手にし、自由な動きを封じられると、途端に「決定力」が下がってしまいました。
 今大会のブラジル代表チームも良いチームではありましたが、最高レベルの国際大会を勝ち抜くには、力不足であったということになります。

 一方のウルグアイチームです。
 今大会のウルグアイには、スアレス選手が居ませんでした。スアレス選手が居ると居ないとでは「別のチーム」になってしまうというのは、いつも言われることですが、今大会のウルグアイチームは、その攻撃力が半減すると共に、プレー内容も「らしくない」ものとなりました。

 例えば、緒戦のメキシコ戦、ウルグアイは1-3で完敗しました。
 ポゼッションでは61対39と圧倒したのですが、結果は完敗でした。もちろん、ポゼッション(ボール支配率)がゲームの勝敗と直接関係が無いというのは当然のこととして、いつもは「相手にボールを持たせて」徹底的に守り、縦パス1本でチャンスを創ってゴールをゲットするという「ウルグアイ本来のサッカー」が影を潜めてしまったことが問題なのでしょう。

 ウルグアイは第二戦のベネズエラ戦でも、ポゼッションで61対39という優位にありながら0-1で敗れています。
 本来、自分達がやらなければならない「堅守・速攻」というプレーを相手チームにやられてしまい、敗戦を重ねてしまったのです。

 フォルラン選手、スアレス選手が不在の時に、どのような代表チームを作っていくのかが、今後のウルグアイの大きな課題なのかもしれません。

③ アルゼンチンチーム強し

 今大会のアルゼンチンの強さには目を見張ります。
 緒戦のチリ戦を2-1、第二戦のパナマ戦を5-0、第三戦のボリビア戦を3-0と、グループリーグの戦いで「唯一の3戦全勝」チームとなりました。

 コパ・アメリカのグループリーグでは、比較的エンジンのかかりが遅いことが多いアルゼンチン代表チームとしては、素晴らしい入りを魅せたというところでしょう。

 その内容も見事なものでした。
 緒戦は、ディマリア選手とバネガ選手の先制パンチで勝ち、第二戦は途中出場したメッシ選手のハットトリックにオタメンディ選手とアグエロ選手の得点で大勝、第三戦はラメラ選手、ラベッシ選手、クエスタ選手の3得点と、チームの得点が数多くのプレーヤーから生まれています。
 加えて、3試合で僅か1失点と、守備面も機能しているのです。

 ウルグアイ、ブラジルが敗退した今、久し振りの優勝に向けて万全というところでしょうか。

 6月16日から始まる決勝トーナメントでは、アルゼンチン(緒戦ベネズエラ)が居る山にアメリカ(同エクアドル)が入りました。準決勝で、アメリカVSアルゼンチンというカードが実現するかもしれません。

 もう一方の山は、厳しい戦いが続きます。ペルーVSコロンビア、メキシコVSチリは、いずれも目の離せない好カードです。

 コパ・アメリカ・センテナリオ2016も佳境に入りました。

 「メッシ選手の居るアルゼンチン代表チーム」が、大きな国際大会で初めて優勝できるかどうか、が最大の見所でしょう。
 ザ・メモリアル・トーナメント2016の開催にあたって、このトーナメントの主催者というか象徴である「帝王」ジャック・ニクラウス氏へのインタビューの様子が放送されていました。

 今回は「新ビッグスリー」に関する質問が多かったように思います。
 ジェイソン・デイ選手、ジョーダン・スピース選手、ロリー・マキロイ選手が近時「新ビッグスリー」と呼ばれていることに関連した質問です。(本ブログでは「新3強」と呼んでいます)

 ニクラウス選手は「元祖ビッグスリー」の一員だった訳ですが、アーノルド・パーマー選手、ゲーリー・プレーヤー選手と共に「ビッグスリー」と称されたことについて、「キャスパー、トレビノ、トム・ワトソンといった選手達が続いていた中で、自分達3人に関する報道量が多かったことは、申し訳なかったように感じる」と述べました。

 そして、「新ビッグスリーはとても上手いが、ファウラーやババ・ワトソン、松山といった選手も強い」とコメントしました。
 
 新3強に続くプレーヤーとして、ニクラウス氏が松山選手を挙げたのです。

 そして、その新3強へのインタビューも放送されました。

 この中で、ロリー・マキロイ選手が「新ビッグスリーと呼ばれることは嬉しいが、他にも強い選手が居る。『トップスリー』と呼んだ方が良いのではないか」とコメントし、数名挙げられた「他の強い選手」の中に、松山選手が入っていたのです。

 「帝王」ジャック・ニクラウス氏と新3強の一角ロリー・マキロイ選手が、ともに「強い選手」と評価した松山英樹選手。既に、世界ゴルフ界のトッププレーヤーであることは、間違いないのでしょう。
 同じ日本人として、とても嬉しいことです。

 PGAツアーにおける松山選手への評価は、我々が感じているものより、遥かに高いのかもしれません。
 ゴールデンステート・ウォリアーズGSW3勝1敗を受けての、NBAファイナル2016第5戦は、6月13日にウォリアーズのホーム・オラクルアリーナで行われ、クリーブランド・キャバリアーズCLEが112-97で競り勝ち、対戦成績を2勝3敗としました。

 ホームでの圧倒的な強さから見て、ウォリアーズが第5戦も勝利し、本シリーズを4勝1敗で勝ち切る可能性が高いと思っていました。
 土壇場で魅せたキャブスの強さでした。

① ウォリアーズの圧倒的な強さ

・第一戦 GSW104-89CLE
・第二戦 GSW110-77CLE
・第三戦 CLE120-90GSW
・第四戦 GSW108-97CLE
・第五戦 CLE112-97GSW

 今シリーズでは、第一戦・第二戦でのウォリアーズの強さが目立ちました。
 第二戦などは「33点差」という一方的なゲームとなったのです。

 2015年と同じカードとなった今シリーズは、2015年には「ビッグ3」の内2人を欠きながらも、レブロン・ジェームズ選手の孤軍奮闘の活躍で、第一戦・第二戦と「延長」に縺れ込んだことを勘案しても、キャブスにも十分にチャンスが有ると感じていました。

 ところが、第一戦・第二戦とキャブスはウォリアーズに全く歯が立ちませんでした。

 それ位、ウォリアーズの強さが際立っていたのです。

 このまま「スイープ(4連勝)」でウォリアーズが優勝するのではないかと思われましたが、ホームに戻ったキャバリアーズが第三戦を制しました。それも「30点差」の圧勝でした。

 これが「一度目の驚き」でした。
 キャバリアーズファンの皆さんには失礼な書き方で恐縮ですが、正直な気持ちです。

② 「二度目の驚き」

 しかし、「ポストシーズンゲームにおいてクイッケンローンズ・アリーナ」で絶対的な強さを魅せるキャブスを、第四戦で圧倒したウォリアーズの強さは、やはり本物であろうと感じさせるものでした。

 接戦で第4クオーターQになだれ込んだゲームでしたが、第4Qの開始早々にスプラッシュ・ブラザーズの3ポイントシュートが炸裂し、「あっという間に9点差」を付けたところで勝負あり。
 キャブスはホームであっても「接戦に持ち込むのがやっと」という有様に見えました。

 3勝1敗と王手を掛けてオラクルアリーナに帰ってきたウォリアーズは、第五戦で優勝を決めることが出来ると「確信」していたことでしょう。
 キャバリアーズには、既に戦意が残っていないという人も居ました。

 ところが、第五戦は意外な展開を見せました。
 第2Qまで接戦の展開が続きました。
 第1Qの開始直後、ウォリアーズが8点差を付けた時には、このままウォリアーズが差を広げて圧勝する雰囲気でしたが、キャブスはレブロン選手らの3ポイントシュートで反撃し、一進一退の展開に持ち込みました。

 そして第3Qで32-23と9点差をつけたキャバリアーズがリードして、第4Qに入ったのです。
 
 ホームの大歓声をバックに、ここからスプラッシュ・ブラザーズのショーが始まると、多くの観客は期待していたことと思われますが、ステフィン・カリー選手やクレイ・トンプソン選手のシュートは悉く外れました。

 一方キャブスのカイリー・アービング選手が大爆発!
 「打てば入る」という「神憑りのプレー」を続けました。本当に素晴らしいプレーの連続でした。

 そして、キャバリアーズがウォリアーズを押し切ったのです。

 終わってみれば、レブロン・ジェームズ選手とカイリー・アービング選手が共に「41得点」という、同じゲーム・同じチームに2人の「40点越えプレーヤー」が誕生するという、NBAファイナル新記録を樹立したのです。

 今シリーズ「二度目の驚き」でした。
 追い詰められたキャバリアーズの「底力」が示されたのです。

③ 「1勝3敗」からの逆転優勝成るか。

 長い歴史を誇るNBAファイナルにおいて、「1勝3敗」から逆転優勝したチームは存在しません。NBA最高峰のシリーズにおいては、どんな強豪チームをもってしても1勝3敗からの逆転は不可能だったのです。

 2016年はどうでしょうか。
 第5戦を、ビッグ3の一角アービング選手の八面六臂の大活躍で勝利したキャバリアーズに、大きな期待がかかります。第6戦を、ケビン・ラブ選手の活躍で制することがあれば、最終戦ではビッグ3の総力を挙げた戦いで「クリーブランド市民悲願の優勝」を捥ぎ取る可能性があるでしょう。

 また、第五戦の第「3Q、第4Qで見せたディフェンス」の継続も重要でしょう。
 ウォリアーズの3ポイントシュートを抑え込めれば、ゲームをキャバリアーズのペースに持ち込むことが出来るのです。

 一方のウォリアーズは第五戦を落としました。「よもやの敗戦」であったと思います。
 想像以上に、「ドレイモンド・グリーン選手の出場停止」と「アンドリュー・ボーガット選手の故障退場」の影響が大きかったと言えるのかもしれません。
 第六戦からは、体制を整えて戦って行けるかどうかがポイントになりそうです。

 ウォリアーズにしてみれば、「レギュラーシーズン73勝」というNBA新記録を樹立したシーズンを、NBAファイナル優勝で完結したいと考えていることでしょうし、こうしたミラクルなシーズンに「NBAファイナルの勲章」が無いというのは「臥龍点晴を欠く」という感じでしょう。

 第五戦をキャバリアーズが制したことで、NBAファイナル2016は俄然接戦の様相を呈しました。

 「三度目の驚き」は有るのでしょうか。
 6月10日の対フィラデルフィア・フィリーズ戦に先発登板した、ワシントン・ナショナルズのストラスバーグ投手は、2回・3回に4失点と苦しい投球となりましたが、味方打線が奮起し逆転、そのまま7イニングを4失点で凌ぎ、今シーズン10勝目を挙げました。
 開幕から10連勝としたのです。

 素晴らしい成績です。

 身長194cm・体重104kgの堂々たる体躯、27歳という投げ盛り?のストラスバーグ投手の最大の特徴は「球威とコントロールのバランスの良さ」でしょう。
 今シーズンも、ここまで13試合に登板し86イニングを投げて、奪三振110・与四球23となっています。
 150km台中盤のストレートと、カーブ・チェンジアップを交えた投球は、容易に連打を許さない威力があり、一方でコントロールも良いのですから、好投できるわけです。

 とはいえ、防御率はここまで3.03ですから、驚くほど低い訳でもありませんので、開幕10連勝に際しては「味方打線との相性が良い」ことも間違いありません。
 中4日・中5日で整斉と投げ続けなければならないMLBの先発投手にとっては、この味方打線との兼ね合いは、勝ち星を積み重ねる上では、とても大切なことです。
 「ストラスバーグが投げれば打線が打つ」という状況が、ここまで続いているのです。

 MLBの投手のシーズン連勝記録はルーブ・マーカード投手の19連勝ですが、これは1912年の記録。
 所謂近代ベースボールという視点から見れば、2001年のロジャー・クレメンス投手の16連勝でしょう。(クレメンス投手は1998年に15連勝、1986年に14連勝を記録していますから、連勝記録では他を圧しています)

 ストラスバーグ投手が、この16連勝にどこまで迫れるか。

 MLB2016の見所のひとつでしょう。
 6月10日のボストン・レットソックスとミネソタ・ツインズのゲーム、レッドソックスの先発はスティーブン・ライト投手でした。

 S.ライト投手といえば「ナックルボーラー」として知られています。

 ベースボールの最高峰MLBといっても、ナックルボーラーには滅多にお目にかかれませんので、大変楽しませていただきました。

① 審判が危ない?

 このゲームのレッドソックスのキャッチャーはクリスチャン・バスケス選手でした。ナックルボーラーの相方は決まっていることが多く、ライト投手とバスケス捕手はペアなのであろうと思います。
 普通のというか慣れた捕手でないと、捕球することも出来ないのです。

 バスケス捕手はライト投手の投球を良く捕球していましたが、やはり「投げている本人もその変化が予想できない」と言われるナックルボールですから、時々取り損ねます。
 ボールを逸らしてしまうのです。

 そのボールが本塁審判を直撃したりします。
 このゲームでも、何回か主審に当たっていました。
 都度、主審は痛そうな様子ですが、誰に文句を言うことも出来ません。

② 投げるのはとても難しい。

 ナックルボールは、球に人差し指と中指を立てて、親指で支え、前に押し出すように投げます。
 「球に回転を与えない」ようにするために、こうした投げ方をするのですが、普通のピッチャーであれば、直ぐに爪に傷が付いたり、爪が剥がれたりしてしまいますので、投げることが出来ないと言われます。

 この「無回転の投球」の変化は極めて大きく、右に曲がったり、左に曲がったり、落ちたりします。
 「打者のバットスイングの風圧でも動いてしまう」とさえ評されます。さすがにそんなことは無いのでしょうが、とにかく「当てることも難しい球種」なのです。

 この日のライト投手のナックルは、球速が125km前後、投手の手を離れてから捕手のグラブに収まるまでに「1.5~2回転」という感じでした。見事なナックルだったのです。
 ライト投手は、108球・7と1/3イニングを投げて、被安打7、奪三振6、与四球2、失点1という好投を披露して、チームの8-1の勝利に貢献しました。

③ ナックルボールいろいろ

 ナックルを捕るキャッチャーのグローブは「普通のものより大きい」と言われますが、このゲームのバスケス捕手のグローブも、とても大きなものでした。どこに来るか予想できない投球を、この大きなグローブでキャッチしているのでしょう。

 また、ナックルボールは「打っても飛びにくい」とも言われます。
 通常のスピンの効いた投球、投本間で50回転位する投球は、スピードも有り、回転も多いので、キッチリと打ち返せば打球の飛距離が出ます。球に多くのバックスピンをかけて、軽々とスタンドまで運ぶホームランバッターも沢山居るのです。

 一方で、ナックルボールは殆ど無回転ですから、打者は自分の力だけで球を運ばなくてはなりません。遠くへ飛ばすのは、とても大変なのです。

 「ナックルボーラー」には、こうした様々なメリットがあるのですが、MLBにおいても滅多にお目にかかれません。
 それだけ、ナックルを投げること自体が「大変難しいこと」なのでしょう。

 少し前までは、ティム・ウェイクフィールド投手が代表格でした。
 2011年シーズンを最後に引退したウェイクフィールド投手は、キャリア通算200勝を誇る名投手でした。
 そういえば、ウェイクフィールド投手もボストン・レッドソックス所属でした。

 ひょっとすると、ボストンは「ナックルボーラー」が棲息?し易い地域なのかもしれません。
 6月10日、サッカーの欧州選手権大会が幕を開けました。

 第15回となる今大会は、フランスが舞台です。

 パリ北東部のサン・ドニに在るスタッド・ド・フランスにおける、フランス代表対ルーマニア代表のゲームが開幕戦となりました。華やかな開会式と共に、手に汗握るゲームとなりましたが、フランスチームがパイエ選手のゴールで勝利を掴みました。

 出場チームが全て世界ランキング40位以内ということから、「ワールドカップよりレベルが高い」とも評される大会ですので、どのチームもとても強いことから、番狂わせも不思議ではないのですが、大会の成功を考えれば「開催国の活躍」が不可欠ですので、フランスの勝利に、欧州サッカー連盟・UEFAも胸をなでおろしたかもしれません。

 本当に厳しい予選を勝ち抜いた24チームが出場しています。
 「予選の厳しさ」は、あのオランダチームが本戦に出場できなかったことを見ても、良く分かります。「サッカー強豪国」という名前だけでは、到底出場できない大会なのです。

 今大会の予選リーグを、少し見て行きたいと思います。

[A組] フランス、ルーマニア、アルバニア、スイス

 この組ではフランスとスイスが実力上位とされています。
 スイスは予選でイングランドに続いてのグループE2位で本戦出場を決めましたが、この組はイングランドとスイスの力が抜けていた感が有りますから、スイスにとっては「恵まれた組分け」と見ることもできます。
 一方でルーマニアとアルバニアも予選のグループ2位で本戦に進んでいますので、スイスとの力の差は小さいのではないでしょうか。

 フランスは勝ち抜けると思いますが、残り3チームの争いは熾烈でしょう。3チームの中から2チームが決勝トーナメントに進むかもしれません。

[B組] イングランド、ロシア、ウェールズ、スロバキア

 イングランドは、今大会の予選で「唯一の10戦全勝チーム」でした。ユーロの予選は、無敗で勝ち抜くのも難しいのですが、引分も無く「全勝」というのは素晴らしい成績です。
 このところ大きな大会で成績を残せていないイングランドチームとしては、今大会は「初優勝を狙う」大会となるのでしょう。

 ロシア、スロバキア、ウェールズの中では、ややロシアの力が上位でしょうか。

 B組はイングランドとロシアが勝ち抜く可能性が高いと思いますが、大きな大会では不思議と力を出し切れないイングランドチームにとっては緒戦のロシア戦が鍵になりそうです。ここで嫌な負け方をするようであれば、俄然混戦となる可能性も有ります。

[C組] ドイツ、ウクライナ、ポーランド、北アイルランド

 今大会の本命であるドイツチームはC組に入りました。
 予選序盤では調子が出ず、負けが先行しましたが、さすがに後半には体制を整えて、グループDを首位で通過しました。世界チャンピオンとして、C組をトップで通過する可能性が高いと思います。

 残る3チームは大混戦でしょう。
 予選グループFを首位通過した北アイルランドには勢いを感じます。いかに「強豪国が居なかったグループ」とはいえ、6勝1敗3引分でトップというのは素晴らしい成績です。
 「ユーロ本戦初出場」の勢いのまま、大会の台風の目になる可能性も有ります。

 近時のランキング、過去の実績から観れば、ウクライナとポーランドの2位争いということになるのでしょうが、この組の動向から目が離せません。

[D組] スペイン、チェコ、トルコ、クロアチア

 ワールドカップ2014ブラジル大会の予選リークで敗退し、チーム建て直しを迫られたスペインでしたが、予選グループCを9勝1敗でクリアしました。好成績です。
 とはいえ、チェコとクロアチアが強いので、D組突破は容易なことでは無いと感じます。

 チェコチームは予選グループA・7勝2敗1引分で首位通過、クロアチアチームは予選グループHでイタリアに次いで6勝1敗3引分の2位で通過しています。共に抜群の攻撃力を誇りますから、スペインチームとの戦いは熾烈を極めるでしょう。
 シャビ選手が代表を引退したスペイン代表チームの戦い振りが、注目されるところです。

[E組] ベルギー、イタリア、アイルランド、スウェーデン

 この組は「大混戦」でしょう。大会に上手く入ったチームが勝ち抜く形だと思います。

 近時の成績を見ると、ベルギーとイタリアが上位に見えますが、イブラヒモビッチ選手を擁して「爆発力抜群」のスウェーデンと、予選プレーオフ第2戦でボスニア・ヘルツェゴビナチームを2-0で破ったアイルランドチームの勢いは侮れません。

 予選グループを首位通過したベルギー・イタリアも、慎重なマネジメントが必要だと感じます。初戦でベルギーとイタリアが対戦しますが、両チームとも「負けない試合」を展開するのではないでしょうか。

[F組] ポルトガル、アイスランド、オーストリア、ハンガリー

 ポルトガルとオーストリアが優位にあります。
 特にオーストリアは、予選グループGを9勝1引分という好成績で勝ち抜きました。同組にロシアとスウェーデンが居たことを考え合わせれば、無敗というのは驚異的でしょう。
 ダビド・アラバ選手を中心とした華麗なパスワークを誇るオーストリアチームの、今大会でのプレーから眼が離せません。

 ポルトガルチームも予選グループIをトップで通過して来ました。
 代表チームとなると、なかなかゴールを挙げることが出来ないクリスティアーノ・ロナウド選手も、この予選グループでは存分に活躍しました。
 本戦でもC.ロナウド選手の大活躍が楽しみです。

 「本戦初出場」のアイスランドと「古豪」ハンガリーも交えて、F組は興味深いグループになりました。

 以上、各組をざっと観てきました。

 「死の組」を探すとすればE組でしょうか。1ゲーム・1ゲーム、得失点も含めて、一喜一憂する展開が予想されます。

 欧州選手権は、「世界で最も華やかな代表チーム同士の大会」であろうと思います。

 今大会も、素晴らしいシーンの連続でしょう。
 5月21日の巨人戦で、「開幕27登板連続無失点」のNPB新記録を樹立した、中日ドラゴンズの田島慎二投手が、6月7日のオリックス戦で1失点し、残念ながら連続無失点記録は「31」でストップしました。

 とはいえ、開幕31登板連続無失点は、素晴らしい記録です。

 150km前後のストレートと高速フォーク、シュートを主体とした投球で、球質の重さで抑え込むパワータイプ。
 31試合の登板で29と2/3イニングを投げています。
ほとんどの登板機会で、1イニングをキッチリと抑え込んでいるところが、一層評価されるところでしょう。

 また、こうした記録が樹立されると、一層評価が上がるのが、「開幕」を外した「連続無失点登板記録」です。現記録は、阪神・藤川球児投手の「38」です。
 凄い記録が有るものです。

 記録は途切れてしまいましたけれども、田島慎二投手の今後の活躍もとても楽しみです。
 
 5月24日、フランスのシャンティ競馬場で行われたG1イスパーン賞2016で、日本のエイシンヒカリが優勝しました。

 距離1800m、相当の不良馬場でのレースでしたが、残り300mで先頭に立った武豊騎手鞍上のエイシンヒカリは後続を引き離し、「10馬身差を付けての圧勝」でした。
 戦前、不良馬場は苦手ではないかと心配されていただけに、関係者の不安をも吹き飛ばす快走でした。

 これでエイシンヒカリは、2015年12月のG1香港カップに続く、海外G1レース2連勝となり、「日本馬の強さ」を世界に示す形となりました。
 次走は6月15日にイギリスのロイヤル・アスコット競馬場で行われるプリンス・オブ・ウェールズ・ステークス(G1・芝2000m)に挑戦すると報じられていますし、イスパーン賞での圧勝劇は、シャンティ競馬場への適性の高さを示したものであり、秋の凱旋門賞出走への可能性も出て来たと思われます。

 体が弱かったことから、デビューが遅れ、日本のクラシックレースには縁が無かったエイシンヒカリが、海外の有名競馬場で開催される「中距離G1レース」に挑戦し好走を続ける、「世界を股にかけて活躍する」様子は、「新しい日本馬の姿」と言って良いと思います。

 それにしても、近時のディープインパクト産駒の強さには、目を見張るものが有ります。

 我が国のオークスでシンハライトが勝ち、日本ダービーでもマカヒキが優勝、そしてエイシンヒカリがイスパーン賞を圧勝したのです。

 「日本競馬はサンデーサイレンス産駒の時代」と言われて久しいのですが、今や「ディープインパクト産駒の時代」と呼び換えても良さそうです。

 ディープインパクトの血は、世界に羽ばたいているのです。
 ザ・プレーヤーズ選手権2016において、会場となったTPCソーグラスの名物ホール17番パー3で、アメリカのウィル・ウィルコックス選手がホールインワンを成し遂げました。

 PGAツアーのトッププレーヤー達が、不思議な程に池ポチャを見せるホールですが、ウィルコックス選手は「エース」を魅せたのです。
 ピン手前1.5m位の位置をヒットしたボールは、そのまま転がり、ホールインしました。見事なショットでした。

 その際に、テレビ放送で「カラーボールを使ってのホールインワンは、PGA史上初めて」であると報じられていました。
 ウィルコックス選手は「黄色」のボールを使っていたのです。

 そこで、ふと思いました。

 PGAツアーで「カラーボールを使っている選手」は、殆ど居ないということ。

 毎週テレビ画面に映し出される映像は、常に「白色」ボールを映し出しています。

 そもそも、殆どのプレーヤーが白いボールを使っているのですから、カラーボールのホールインワン発生確率が低いのも、無理のないところです。

 ゴルフ競技においてカラーボールが登場したのは、何時頃でしょう。
 この数年ということは無く、10年以上前、ひょっとすると21世紀に入ってすぐだったかもしれません。

 何となく視認性が高いような気がしますし、「緑色」のフェアウェイやグリーンに映える感じですので、私も「黄色」ボールを使っています。同伴プレーヤーの中には「濃い桃色」や「オレンジ色」のボールを使っている人も居ます。

 しかし、PGAツアーのプレーヤー、世界のトップゴルファーは「白色」ボールしか使わないと言って良い状況なのです。
 ウィルコックス選手が、ビッグトーナメントにおいて黄色ボールでホールインワンしているのですから、「規則で禁止されている」のではないことは明らかです。

 一方で、ウィルコックス選手は同トーナメントで72位という、決勝ラウンドに進出したプレーヤーの中では下から数えた方が速い順位でした。世界ランキングも152位ということですから、現時点では世界のトッププレーヤーとは言えない選手です。

 新3強、ジェイソン・デイ選手、ジョーダン・スピース選手、ロリー・マキロイ選手も白いボールを使っていますし、日本の松山英樹選手も白です。
 およそ、PGAツアーの大会で優勝争いをするプレーヤーで、カラーボールを使っている人は「皆無」と言って良い状況なのです。

 そういえば、日本プロゴルフツアーでもカラーボールを使ってのプレーを眼にすることは殆どありません。

 こうなると、白いボールの方が「良いプレー」「良いスコア」に結び付くと考えるのが、自然でしょう。
 別の言い方をすれば「上手い人は白いボールを使う」ということなのかもしれません。

 同じメーカーの同じボールで、白いボールとカラーボールにおいて、「性能の違い」があるのでしょうか。着色により、スピン量や表面強度等に差が出る可能性があるのでしょうか。
 それとも、練習ボールは白いから、本番でも白を使う方が「慣れ」という面で良いのでしょうか。
 それとも、白いボールの方が視認性において勝っているのでしょうか。

 その理由は分かりませんけれども、とにかく「世界のトッププレーヤーは白いボールを使っている」ことは間違いないのです。

 私はもちろん、下手糞なアベレージゴルファーなのですが、黄色いボールの大量在庫を抱え、また以前の様に白いボールに戻そうか、悩んでいるところです。
[6月7日・決勝]
ボスニア・ヘルツェゴビナ2-1日本

 格上のボスニア・ヘルツェゴビナチームを相手に、日本チームは良く戦いました。
 勝つチャンスも有りましたが、最後は押し切られた形です。

① ボスニア・ヘルツェゴビナチームのしたたかさ

 攻撃面では相手守備陣の裏を取ってのジュリッチ選手の決定力、守備面ではキッチリとブロック作り。ボスニア・ヘルツェゴビナのしたたかさが際立ちました。

 華麗なパス回しや目を見張るようなテクニックは感じられないプレー振りでしたが、「自分達のサッカーはこれしかない」という意思統一が見事でした。

 特に攻撃面では、2得点はいずれも「日本チームの守備プレーヤーがとても少ない形」を創り出していました。
 日本チームのディフェンダーが、ゴールキーパー+1名といった形です。

 当たり前のことですが、ゴールは相手ディフェンダーが少ないシーンで生まれやすいのです。

② どんどんパスが短くなっていった日本チーム

 後半21分ジュリッチ選手に勝ち越しゴールを許して後、日本チームは交替プレーヤーを次々と投入して果敢に攻めましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナの守備陣を抜くことは出来ませんでした。

 2-1とリードしてからのボスニア・ヘルツェゴビナチームは、しっかりとしたブロックを作って守りましたから、日本チームは相手ディフェンダーが多数待ち受けている状態で攻めなければなりませんでした。

 日本チームのパスがどんどん短くなり、ラストパスやラストパス1本前のパスが悉く相手ディフェンダーに防がれてしまいました。

 ブルガリア戦では、柏木選手や長友選手からの「長いピンポイント」のパスによりゴールを量産した日本チームでしたが、このゲームではそれを忘れてしまったかのようなプレーが連続したのです。

 当然ながら、ボスニア・ヘルツェゴビナチームの守備の良さの為も有るのですが、相手ボールになってしまうリスクを怖れず、「長いパス」を出していく「勇気」が求められたところでしょう。

 「長いパス」の方が「意外性が高く」、相手守備陣の意表を突くことが出来るのです。
 「短いパス」はディフェンダーの目の前で繰り広げられますから、余程「速く正確」でなければ、相手の予測の範囲内のプレーになってしまいます。
 もちろん、長いパスには「高い精度」が要求されますが、「堅い守備陣」を相手にする場合には、どうしても必要なプレーであろうと思います。

③ 宇佐美選手の素晴らしいドリブル

 前半28分の日本チームの得点は見事でした。

 左サイドからドリブルを開始した宇佐美選手は、「いつパスを出すのか」と待ち受けている守備陣を尻目に、一気に前進し、清武選手にラストパスを出しました。
 素晴らしいスピードとテクニックであったと思います。
 良いドリブルプレーはいつも、結果として「無人の野を行くが如き」様相を呈すのでしょう。

 この大会では、その守備プレーも含めて、宇佐美選手の大きな成長が印象的でした。

 本田・香川両選手を欠き、後半途中からは岡崎選手も交替したハリル・ジャパンは、「新生日本代表」といっても良い布陣でした。
 そして、良く頑張りました。

 試合終了間際の清武選手のシュートが決まっていれば、同点からのPK戦となり、勝つチャンスも有ったのです。
 しかし、「たら」は無いのがスポーツですから、このゲームはボスニア・ヘルツェゴビナの強さを感じなければならないのでしょう。

 「勇気を持って、自分達のサッカーに徹した」ボスニア・ヘルツェゴビナチームに、勝利の女神が微笑みました。
 NHK-BS放送のPGAツアー中継を観ていると、PGAツアー自身からのコマーシャルと思われるものが時折挿入されます。1クール30秒くらいだと思います。
 プレーヤーの様々な映像が連続して流され、最後にコメントが示されるのですが、なかなか洒落ていて、その時々にPGAツアーが表明したいことが上手く表されています。

 現在の「コメント」は” Thank you to our fans”です。
 「ファンの皆さんに感謝」といった意味でしょうか。

 このCMの中で、現在PGAツアーで活躍しているプレーヤー達がファンとハイタッチしている映像などが流れ、「ファンのみんなが観に来てくれるので、自分達はゴルフができる」「最高のファンに囲まれて、自分達は幸せだ」といったコメントを述べています。

 ファンへの大きな感謝を示すと共に、トーナメントが開催されているゴルフ場に足を運んでほしいといった意思表示なのでしょう。

 プロフェッショナルスポーツを主催する団体が、明確に「ファンへの感謝」を表明するというのは、とても良いことの様に感じます。

 好印象のCMなのではないでしょうか。

 「ファンのお蔭でトーナメントを開催することが出来る」「ファンが居てくれるからゴルフが出来る」という、「ファン第一」の姿勢を示すことは、プロスポーツにとってとても大事なことでしょう。
 当然の事に見えて、実はそれほど易しいことでは無いようにも思います。

 このCMは3か月に1回位のサイクルで、新しいものが流されます。

 2015年のCMには”These Guys are Good!”というのがありました。
 「こいつらは良いやつらだ」といった意味かと思います。

 ツアーを代表するプレーヤー達のスーパープレーを連続して流しながら、”These Guys are Good!”で締めるのです。
 これも印象的なCMでした。

 何か、PGAツアーに関係する人達が「皆、良い人達」であるかのような空気を醸し出しています。

 穿った見方をすれば、好感度アップに向けて「上手くやっているな」というところでしょうか。
 初めてカシアス・クレイ選手のファイトをテレビで観た時の衝撃を、忘れることは無いでしょう。

 1964年・昭和30年、第一回東京オリンピックの年でした。今から50年以上前のことです。
 
 テレビ放送創世の頃ですから、当然ながら、海外で行われるボクシング世界戦のライブ放送は無く、30秒~1分位のダイジェスト版がスポーツニュースで流されたのだと思います。

 当時の世界ヘビー級チャンピオン、ソニー・リストン選手に、新進気鋭のカシアス・クレイ選手が挑戦しました。
 戦前の予想ではリストン選手が圧倒的に優勢で、リストン選手の強烈なパンチの前に、クレイ選手は早々にノックアウトKOされるであろうと評されていました。

 しかし、軽快なフットワークでリストン選手のパンチを交わし、高速ジャブを次々と決めるクレイ選手のボクシングの前に、リストン選手は成す術が無く、第6ラウンド終了後に試合を放棄しました。コーナーから立ち上がることが出来なかったのです。

 カシアス・クレイの圧勝でした。

① 軽快なフットワーク

 ヘビー級のボクサー、それも身長190cmのクレイ選手が、リストン選手の周りを軽快なフットワークで動き回るのです。

 素晴らしいアウトボクシングでした。「美しい」と感じました。

 それまで(そしてカシアス・クレイ以降も)、足を止めて重いパンチを打ち合うという「ヘビー級のボクシング」に革命をもたらしたフットワークであったと思います。

② 高速ジャブ

 相手選手の周りを軽快に動きながら、クレイ選手は高速ジャブを繰り出します。
 これが、悉く顔面に当たるのです。

 1発1発の威力は、ストレートやフックといったパンチに比べれば劣るものなのでしょうけれども、スピード十分のジャブが的確に相手選手の顔面を捉えるのですから、ダメージがとんどん積み上げられていきます。

 第6ラウンドのリストン選手の顔は張れ上がり、戦意はすっかり失われていました。

③ 長い手

 長身のカシアス・クレイ選手ですが、そのリーチは203cmと、身長より13cmも長いのです。

 この長いリーチから高速ジャブが連続して繰り出されるのですから、相手選手のパンチがクレイ選手に当たらないのも、道理です。

 とても合理的なボクシングなのでしょう。

 24歳で世界ヘビー級チャンピオンとなったカシアス・クレイ選手が、「モハメッド・アリ」に改名し、その後様々な活躍・活動を見せたことは、大変有名です。
 エピソードを挙げればキリがありません。
 
 間違いなく、世界ボクシング史上「最も有名なボクサー」でしょう。

 そうした栄光のキャリアの中で、私が最も素晴らしいと思うのは、カシアス・クレイ時代のボクシングです。
 まさに「衝撃」でした。

 文字通り「蝶のように舞い、蜂の様に刺す」ファイトだったのです。

 2016年6月3日に逝去されたモハメッド・アリ選手。

 20世紀を代表するボクサーであったと思います。
 6月3日の対シアトル・マリナーズ戦に先発登板した、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手は、5と2/3イニング・88球を投げ、被安打6、奪三振5、与四球1、失点3の好投を魅せ、チームの勝利に貢献、勝利投手となりました。
 復活後2度目の登板で2勝目を挙げたのです。

 トミー・ジョン手術からの回復途上にあることから、慎重な登板が続いていて、このゲームも「95球を上限」とした投球と報じられていました。
 そうした中で、ダルビッシュ投手も様々な球種を試行しながらのピッチングでした。

 この日は、イニングの先頭打者に投げた甘い球を打たれ、ノーアウト・ワンアウトで得点圏に走者を背負う形が多く、好調なマリナーズ打線に3点を取られました。
 さすがのダルビッシュ投手も、カウントを取りに行った甘い球は打たれるということで、MLBのレベルの高さを感じさせるゲームでもありました。

 一方で、前日のゲームで、5回までに2-12の10点差を付けられた敗色濃厚なゲームを、6回に5得点、7回に9得点という集中打で大逆転した、絶好調のマリナーズ打線を3点に抑えたというのは、ダルビッシュ投手の力を示すものとも言えそうです。

 それにしても、復帰初戦でも1回裏に2ランホームランを放った、テキサスの3番エイドリアン・ベルトレイ選手は、この日も1回裏に3ランホームラン、そして3回裏にも2点タイムリーヒットを放ちました。
 ベルトレイ選手は、この試合5打点の活躍だったのです。

 ダルビッシュ投手とベルトレイ選手は余程相性が良いのでしょう。
 「ダルビッシュが投げればベルトレイが打つ」という構図になっています。

 この日のダルビッシュ投手は「打たせて取る」投球を試していたように観えました。
 限られた球数の中で、少しでも多くのイニングを熟そうと考えてのことなのでしょう。

 「完全復活」に向けての、ダルビッシュ有投手のトライが続きます。
[6月3日・キリンカップ準決勝]
日本代表7-2ブルガリア代表

 まさに「大量点」の試合でした。

 日本代表チームが、欧州のナショナルチーム相手に「7点」を取ったことが、かつて有ったのでしょうか。

 日本代表チームは、素晴らしい試合の入りをしました。
 「オールコートプレス」と呼びたくなるような、ピッチ全面を使っての圧力が活きていました。
 ブルガリアチームは、思ったような球回しが殆どできませんでした。

 そうした中で前半4分、柏木選手のセンタリングに岡崎選手がキッチリとヘッドで合わせて、日本チームが先制しました。
 相手ゴールキーパーGKと完全に1対1の形が出来ました。

 ブルガリア守備陣が全く反応できず、岡崎選手が「無人の野」に居るような光景でしたから、「オフサイド」かと思いましたが、線審の旗は上がりませんでした。
 VTRを観ると、ギリギリのタイミングでした。
 岡崎選手の絶妙のポジショニングと、柏木選手の正確なパスが相まった、ビューティフル・ゴールでした。

 ハリル・ジャパンは引き続きピッチを支配し続けました。

 前半27分、2点目が生まれました。
 大きなサイドチェンジから、長友選手が駆け上がり、ゴール前に鋭いパス。これを走り込んだ香川選手が狙い澄ましたヘディングシュート。ゴール左隅に叩き込みました。
 「ピッチを広く使った」素晴らしいゴールであったと思います。
 香川選手としても、珍しい?ヘディングシュートでしょう。

 続く35分、再び香川選手が得点を挙げました。
 センタリングを清武選手がスルー、ゴール真正面に居た香川選手が相手DFとの競り合いを制して、反転してのシュート。
 大変高いレベルのシュートであったと感じます。さすがはドルトムントの主力です。

 香川選手のシュートの興奮冷めやらぬ前半38分、今度は吉田選手が決めてくれました。ゴール前でボールを左右に動かす攻撃に、ブルガリアは「為す術が無い」という印象でした。

 国際Aマッチ・欧州の一流チームを相手にしてのゲームで、前半だけで4得点というのは、長く日本代表チームの試合を観てきましたが、記憶に在りません。
 
 後半、日本チームはどんどんメンバーを入れ替えました。

 このゲームでは、本田選手が故障の影響で出場せず、香川選手も2点目を挙げた後故障を発症して交替、後半には岡崎選手も交替しました。
 近時の日本代表チームの骨格を成していた、本田・岡崎・香川が居なくなったのですから、「セカンドユニット」と言って良いチームとなりましたが、日本チームの動きの良さは変わりませんでした。

 後半8分に、吉田選手が2点目のゴール。センターバックが相手ゴール前正面の位置に陣取り、そして2点を取る、というのも凄い作戦です。

 続いて後半12分、宇佐美選手が左サイドから絶妙のシュート。サイドネット、ポストまで20~30cmに突き刺さるゴールでした。宇佐美選手の持ち味が存分に発揮されたゴールでしょう。

 この後、日本チームメンバーの気持ちが少し緩んだのでしょうか、粗末な守備から2失点を喫しました。
 この辺は反省点となるのでしょうが、大量点を挙げているゲームでは、こうした緩みが起きやすいものだとも思います。
 ゲーム全体として「注意力」が散漫になり易いのではないでしょうか。
 2014年のワールドカップ・ブラジル大会の準決勝でも、ドイツチームが大量点を挙げながら、ブラジルチームに1失点しています。「1点くらいは仕方が無い」という感じがしますから、2失点目を反省するといったところでしょうか。

 リオデジャネイロ・オリンピック代表チームのフォワードFW浅野選手が、自らペナルティーエリア内にボールを持ち込み、相手DFの反則を誘ってペナルティーキックPKを獲得。これを自ら決めて7点目。

 その後、相手チームのPKを川島選手が止めるといったドラマも生まれて、ゲームは7-2で完結しました。

 ハリル・ジャパンの「ボールを相手ゴール前で左右に素早く動かす攻撃」が、見事に実を結んだゲームでした。
 ブルガリアチームは、日本チームの動きに付いて来ることができませんでした。

① 海外一流リーグでの経験

 当たり前のことなのかもしれませんが、やはり海外の一流リーグでの各プレーヤーの経験が、ゲームに活きていました。

 若手も含めて、ハリル・ジャパンの落ち着いたプレーが際立っていたと感じます。

② 「セカンドユニット」のレベルアップ

 国際親善試合ですから1試合6名の選手交替が可能でした。
 前半で4得点を挙げたこともあって、ハリル・ジャパンには、多くの選手をピッチに立たせる余裕が有ったのです。

 そして、交替で入った選手達もその役割期待にしっかりと応えました。

 ワールドカップ最終予選はもちろんとして、本大会に向けても、とても頼もしいチームに成長してきているのでしょう。
 今後の先発争いは、ますます厳しいものとなりそうです。

③ 香川選手の2点目

 香川選手の2点目のゴールには、感じ入りました。

 相手プレーヤーを交わすテクニック、体を反転させるスピード、相手GKの位置を十分に把握した上での強烈なシュート。全てにおいて世界最高レベルのプレーでしょう。

 こういうハイレベルなプレーヤーがチームに居るというのは、何にも替え難い「宝」なのです。

 チーム強化に向けては、「フォーメーション研究」や「チームとしての作戦」も大切なのでしょうが、それ以上に「優秀なプレーヤーが数多く居る」ことが有効であることは、言うまでも有りません。「戦術よりも選手」なのです。
 素晴らしい選手の「育成」が、何にも増して重要なのでしょう。

 少し話は逸れますが、人口350万人のウルグアイ国に、スアレス選手・フォルラン選手・カバーニ選手といった、世界最高レベルのプレーヤーが次々と生まれ、21世紀のワールドカップ優勝も狙えるようなチームを創り上げることが出来ている事実を、しっかりと認識する必要があります。
 
 さて、ハリル・ジャパンは6月7日の決勝に駒を進めました。
 対戦相手は、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表チームです。

 世界ランキング20位という、50位台の日本より「相当に格上」のチームですので、厳しい戦いになることは明らかです。
 普通に戦っては、勝てない相手でしょう。

 ボスニア・ヘルツェゴビナは、日本代表元監督のオシム氏、そして現監督のハリルホジッチ氏の母国でもあります。
 代表チームは常に強力なのです。

 ブルガリア戦以上に、「重厚なゲーム」が予想されます。

 ハリル・ジャパンの健闘に期待します。
 6月5日、東京競馬場芝1600mコースで行われる、第66回安田記念競走G1の注目馬検討です。

 今回は「大本命」の居るレースとなりました。

 モーリスは、現在7連勝中、2015年は6戦6勝・G1レース3勝、安田記念・マイルチャンピオンシップ・香港マイルを連勝した強さは「マイル王」と呼ぶに相応しいものです。
 そして、2015年の年度代表馬に輝きました。

 その馬が、2016年緒戦・香港チャンピオンズマイルG1を圧勝したとあっては、良馬場であれば「負ける要素が見当たらない」といったところでしょう。

 そうなると、モーリスの相手馬探しということになります。
 近時の成績と実績から観れば、まずはリアルスティールが挙げられるのでしょう。
 前走のG1ドバイターフに優勝しています。また、9戦して4着以下が一度しかないという安定感も買えます。

 続いてはサトノアラジン。
 前走のG2京王杯SCで初重賞勝ちを成し遂げました。とはいえ、エイシンヒカリが勝ったG1香港カップで11着に終わるなど、G1レースでの力という点では分からないところも有ります。

 続いてはコンテントメント。
 前述のモーリスが勝った香港Cマイルで2着でした。大負けしないセン馬ですが、外国馬であり、走っているレースを余り見たことが無いので、押しにくいところです。

 続いてはロサギガンティア。
 前走G2京王杯SC3着、前々走G2阪神カップ優勝と、近時のG2レースで好走しています。3歳時にはG2スプリングSにも勝っており、同期屈指の素材です。

 さらには、ロゴタイプとイスラボニータの2頭の皐月賞馬。両馬とも、このところ勝てては居ませんが、クラシックホースの底力は侮れません。

 さらにさらにダノンシャーク。
 マイルチャンピオンシップ2014の優勝馬です。前走G2マイラーズカップでも2着に食い込んでいますから、復調気配かもしれません。

 さすがに安田記念です。モーリスの相手馬探しとなれば、多士済々というところでしょう。

 さて注目馬です。

 第一の注目馬は、6枠8番のモーリス。
 大事に使われている印象ですから疲労残りも考えにくいので、この馬が勝つ可能性が高いと思います。

 第二の注目馬は、8枠11番のリアルスティール。
 力の要る馬場で、能力を発揮してほしいと思います。枠番には恵まれませんでしたが、福永騎手の手綱さばきに期待しましょう。

 第三の注目馬は、3枠3番のロサギガンティア。
 このところ1400mのレースが多いのが気になりますが、3歳時のスプリングS1800m、NHKマイルCの好走を勘案すればギリギリ粘ってくれそうです。青毛の馬体が躍動する姿を観たいものです。

 今回は、以上の3頭に期待したいと思います。

 前述のように、2着馬・3着馬候補は数多く居ると思います。
 モーリスが1~2馬身抜けて、後続は大混戦というゴール前になるのではないでしょうか。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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