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 MLBのトレード期限である7月31日(日本時間8月1日)を前にして、今シーズンも様々な動きが有ります。
 
 ニューヨーク・ヤンキースのチャップマン投手がカブスに移籍したことも話題になりました。

 そんな中で、イチロー選手にオファーが殺到していると報じられています。

 2016年シーズンの所属がなかなか決まらなかったことや、43歳を目前にしているということを考え合わせれば「意外」な話です。

 中でも熱心なのは、ボルチモア・オリオールズとロサンゼルス・ドジャーズの2チーム。オリオールズは機動力を備えた1番打者が不在、ドジャーズも1番打者及び守備範囲の広い外野手が不足しているからとのこと。
 共に、プレーオフを狙える位置に居ることから、何としても強化したいとの狙いなのでしょう。

① イチロー選手の好調さ

 こうした話が出て来る背景には、イチロー選手が今シーズン好調であることが上げられるのでしょう。

 打率は3割を優に越え、盗塁も二桁に迫る勢い。

 何より、打球に力強さが戻り、右に力強く引っ張る打球も増えてきている印象です。
 加えて「守備力」は健在。「予告先発」した7月29日のカージナルス戦でも見事な捕殺を魅せました。レフトの守備位置から、ほぼ地肩の強さだけでノーバウンドのボールをキャッチャーに送り、3塁からのタッチアップのランナーを完全に封じました。

 フライをランニングしながら捕球したのではなく、「走りの加速力」を使えなかったことを考慮すれば、「レーザービーム」と尊称された全盛期に匹敵する守備であったと思います。

② 先発ゲームが少ないこと

 マーリンズには、スタントン選手、イエリッチ選手、オスーナ選手という「盤石の外野陣」が完備しているために、イチロー選手の出番はとても少ない。

 ほとんどが代打、「盤石の外野陣」に休養を取らせる時、あるいは誰かがDL入りした時だけ、先発出場の機会がある、というのが現状です。

 こうしたチーム事情のマーリンズに「魅力的なトレード話」を持ち込めば、球団としても考慮するであろうというのが、イチロー選手を欲しがる各チームの思惑でしょう。

③ 「お買い得」感

 イチロー選手の今季年俸は約2億円と報じられています。
 全盛時の約17億円から見れば1/9程度ですが、「2億円で17億円のプレーを買える」とすれば、お買い得感があるのでしょう。

 それというのも、2015年シーズンより「グレードアップ」した感のあるイチロー選手のプレー内容が生んでいるものです。
 イチロー選手に「復活の兆し」があると見込んでいたチームが多かったのであれば、2016年シーズンを前にして、オファーしたチームがマイアミだけだった筈は無いのですから。

 イチロー選手の2016年シーズンの活躍は、メジャーのスカウトマン達やゼネラル・マネージャー達の予想を「遥かに超える」レベルなのでしょう。

 イチロー選手の「規格外」の能力・存在感を示す話です。
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 静岡大会の決勝は7月27日に草薙球場で行われ、常葉菊川高校が12-0で袋井高校を破り、甲子園大会出場を決めました。
 1回裏に4点を先制した常葉菊川は、3回・4回に2点ずつを追加し、7回・8回に4点を挙げて圧勝。まさに「中押し」「ダメ押し」の試合展開だったのです。

 凄まじかったのは、この大会の常葉菊川高校の「得点力」でしょう。勝ち上がりを観てみましょう。

・1回戦 10-0
・2回戦 8-4
・3回戦 12-2
・4回戦 14-0
・準々決勝 5-2
・準決勝 12-0
・決勝 12-0

 準々決勝の東海大静岡翔洋高校戦こそ5得点でしたが、7試合合計73得点、1試合平均10得点以上なのです。レベルが高いと言われる静岡大会での結果ですから、素晴らしいものです。

 さすがは、伝統の「フルスイング打線」です。

 2007年春の甲子園で、バントはしない、常にフルスイングで打ち捲るプレーで全国を制覇した、森下知幸監督の野球が健在なのです。
 準決勝・決勝を共に12-0というワンサイドゲームで制した、2016年のチームは「一層パワーアップ」していると観るのが妥当でしょう。

 また、打線の陰に隠れがちですが、この2試合を完封した落合投手のピッチングも見逃せません。
 準決勝の相手、常葉橘高校はこの大会の優勝候補筆頭でしたが、落合投手は被安打7、奪三振2、与四死球1で完封しました。「打たせて取る」持ち味が発揮されたのです。

 静岡大会決勝後、森下監督から「8月1日付で他の高校に移る。甲子園では常葉菊川を指揮しない」とのコメントが発せられたと報じられた時には驚きましたが、周囲の慰留も有ってか、引き続き指揮を執ることとなったようです。

 そうなれば、常葉菊川は夏の甲子園2016の優勝候補の一角であることは、間違いないでしょう。

 また甲子園球場で、あの「フルスイング打線」を観ることが出来るのかと思うと、今からとても楽しみです。
 6月30日、ドゥラメンテの現役引退が報じられました。

 宝塚記念2016のレース中に故障を発症していましたから、今年の凱旋門賞は回避するであろうと思っていましたが、まさか引退とは・・・。

 衝撃的なニュースでした。

 2015年の皐月賞・日本ダービーを圧勝した時には、三冠達成の可能性が高く、ひょっとすると日本競馬史上最強馬が誕生するのではないかと感じました。

 ところが日本ダービー後骨折が判明して菊花賞を回避しました。今回の故障も含めて、その競走馬としてのキャリアには「故障の陰」が付きまとっていたのです。

 ドゥラメンテの競走成績は9戦5勝・2着4回でした。連を外したことが無かったのです。

 日本競馬史上「最も多くのレースを走り、連を外さなかった馬」は、あのシンザンです。
 シンザンは19戦15勝・2着4回でした。
 「日本競馬史上最強馬」の評価は、今も変わらないのでしょう。

 この他には、ダイワスカーレットの12戦8勝・2着4回が目立ちます。
 ダイワスカーレットも、日本競馬史上最強の牝馬の1頭であることは間違いありません。

 ドゥラメンテは、シンザンやダイワスカーレットに匹敵する記録を残すことが出来る能力を保持したサラブレッドであったと思います。

 2015年5月31日、日本ダービーのパドックを観た時の感動を忘れることが出来ません。
 ドゥラメンテの馬体が見事だったのです。

 私が観た3歳馬の馬体の中で、最高のものであったと思います。

 その素晴らしい馬体は、また、「骨格が勝り、筋肉が少し足りない」感じがしました。
 つまり「大きな伸びしろ」を感じさせるものだったのです。
 3歳秋、4歳と、「ドゥラメンテの馬体はどこまで成長するのだろう。そして、いつ完成するのだろう」と思いました。
 馬体が完成した時には、「世界一のサラブレッド」になるのではないか、そして「世界競馬史に残るサラブレッドになるのではないか」とも思いました。

 しかし、残念ながら、「完成したドゥラメンテの馬体」を観ることは出来ませんでした。
 
 この点が、心残りです。
 7月23日の朝、日本テレビのズームインサタデー「プロ野球熱血情報」の中で、読売ジャイアンツのエース・菅野智之投手が語った言葉です。

 キャスターの宮本和知氏が「何で?」と聞くと、「授業も無いし、朝から1日中練習なんですよ」と答えました。母校の東海大相模高校時代のことです。
 「夏休みは1日の休みも無かったです」と続けます。

 「冬休みもそうなんです。さすがにお正月は3日間くらい休みが有ったと思いますが、それ以外は休み無し」

 「朝5時起きなんですよ。5時30分にはグラウンドのホームベース集合なんです。結構寒い。そして、ウォーミングアップもしていないのに、いきなりグラウンド10周のランニング。それが終ると5周のランニング。続いてリレーで半周。次に階段登り10回。うちの学校6階建てですが、上までです」
 「7時には朝食ですが、食べ終わると、またランニング。どんだけ走らされるのかと・・・」

 「練習は夕方7時頃まで続きます。そして、夜が憂鬱なんですよ。眼をつむって眠ると、直ぐ目覚まし時計が鳴るんです」
 「眠ると直ぐ朝なんです」

 高校野球強豪校の練習の厳しさが良く分かるコメントの連続でした。

 朝5時30分から夕方7時までの練習というのも、凄いものです。

 また、「寝たらすぐ朝が来る」というのは、その熟睡度合を良く示した言葉でしょう。体はクタクタだから眠りたいのだけれども、寝てしまうと直ぐ朝が来て、またあの厳しい練習が待っているのが怖い、というのも、いかにも「健康な高校生」の気持ちを表現していて、とても微笑ましいと思います。

 こうした、本当に厳しい練習を積んできた球児たちの、夏の甲子園の都道府県大会が続いています。
 7月21日、北北海道大会の決勝戦が行われ、クラーク記念高校が3-0で滝川西高校を破り、夏の甲子園大会初出場を決めました。

 2回裏に3点を先制したクラーク記念は、先発の平沢津投手が好投を披露し強打の滝川西打線を5安打完封に抑え込みました。

 クラーク記念高校は、通信制高校として史上初の夏の甲子園大会出場を成し遂げました。(春の甲子園大会では、2012年に長野県の地球環境高校が出場しています)

 クラーク記念高校野球部は、創部3年目の快挙でした。

 わずか3年で甲子園大会出場を成し遂げたチームの監督は、あの駒大岩見沢高校で春夏通算12度の甲子園出場を誇る佐々木啓司監督です。
 決勝戦後佐々木監督は「3年で甲子園に行くと公約していた」とコメントしました。
 
 やはり、高校野球の勝ち負けには「監督の力量」の影響が大きいのでしょう。(本ブログ・2012年8月26日付記事「甲子園大会 監督考」ご参照)
 日々の心身のトレーニング、試合での采配、には監督の力量がはっきりと反映されるのです。
 
 クラーク記念高校野球部は、佐々木監督の的確な指導のもと、平沢津選手-岸選手のバッテリーや、4番安田選手を始めとする野手陣が、持てる力を存分に発揮して、甲子園初出場を達成したのでしょう。
 「3秒98」とは、2015年シーズンにおけるイチロー選手が打ち、打席から1塁ベースに到達するまでの時間です。

 この記録は、MLB2015シーズンの第5位タイとなっています。(2016年2月の大リーグ公式ページに記載)

 1位から5位までのプレーヤーを並べてみます。(年齢は2016年2月時点)

第1位 3秒85 ビリー・バーンズ(オークランド・アスレティックス、26歳)
第2位 3秒91 ディー・ゴードン(マイアミ・マーリンズ、27歳)
第3位 3秒95 ビリー・ハミルトン(シンシナティ・レッズ、25歳)
第4位 3秒96 デライン・デシールズ(テキサス・レンジャーズ、23歳)
第5位 3秒98 イチロー(マイアミ・マーリンズ、42歳)
         ホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ、25歳)

 いずれ劣らぬ「現在のMLBを代表する20代のスピードスター達」の間に、40代のイチローが居るのは、とても不思議な感じがしますし、素晴らしいことだとも思います。

① 素早さ

 イチロー選手は、「盗塁」を狙う際に留意していることは「素早い動き」であるとコメントしていました。
 起動を素早くすることで、成功確率を上げているということになります。

 1塁までの走塁においても同様なのでしょう。
 スイングを終えてからの走り出しが早いのです。

 決して「脚の速さ」がポイントなのでは無く、「動きの素早さ」が大切であるところが、奥深いところです。

② 衰え知らず

 「もの凄いところ」だらけのイチロー選手ですが、その中でも「衰え知らず」という点は、最も凄いポイントのひとつでしょう。

 この記録においても、「20代のスピードスター」が居並ぶ中に42歳のイチローが居るのです。フィジカルの維持という面で、イチロー選手がスバ抜けた存在であることを示した事実でしょう。

 それどころか、2~3年前に比べてスピードが増しているようにさえ観えます。

 まさに「ミラクル」なプレーヤー。

 イチロー選手は、この「素早さ」を武器に「MLB通算3000安打」を達成しようとしているのです。
 千秋楽で白鵬を破った日馬富士が、13勝2敗で優勝しました。

 大混戦となった7月場所でしたが、終盤に調子を上げ、13日目の稀勢の里との大一番を圧勝した日馬富士が優勝したのは、自然な流れであったと感じます。
 体中に故障を抱えながらも、持ち味の「スピード相撲」を取り切った日馬富士の見事な優勝でした。

 調子が良くない中で12勝を挙げた稀勢の里も、よく健闘したと思います。
 初優勝、そして綱取りの夢は、9月場所に引き継がれたのです。

 高安、嘉風、宝富士、貴ノ岩、正代も、連日良い相撲を魅せてくれました。
 平幕から三役まで、「優勝の可能性の有る力士」が15日間に渡って存在し続けたのです。

 7月場所は、とても楽しい場所でした。
 7月21日、大阪大会3回戦で大阪桐蔭高校が姿を消しました。
 関大北陽高校が2-1で地区大会優勝候補筆頭の大阪桐蔭高校を破ったのです。

 3回表に中山選手の本塁打で先制した大阪桐蔭でしたが、4回裏に逆転を許し、以降は関大北陽の清水投手の粘り強い投球を打ち崩せませんでした。

 この試合では、関大北陽の「対大阪桐蔭作戦」が功を奏しました。
 春の地区大会準決勝で大阪桐蔭に敗れた関大北陽の、「乾坤一擲」の作戦であったと感じます。

① 守備位置

 外野手は「定位置より10m後ろ」で守りました。フェンスが直ぐ後ろという感じの位置です。
 長打力十分な大阪桐蔭打線への対応策として、外野手の頭上を抜かれる長打、左中間・右中間を抜かれる長打を防ぐための布陣でした。

 この布陣では、テキサスリーガーズヒットは止むを得ない物として扱っています。単打はOKという考え方なのでしょう。

 内野は、1塁手と3塁手はベースの後方に位置し、2塁手と遊撃手は深い位置、時には芝生に入る位置まで下がりました。
 この布陣では、ボテボテの当たりによる内野安打はOKということなのでしょう。

② 丁寧に低めを付く投球

 この「守備布陣」を背景にして、清水投手は低目を丁寧に突く投球を続けたのです。

③ 大阪桐蔭の27アウトの内14がフライアウト

 前述の作戦実行の効果でしょうか、大阪桐蔭のこの試合の27アウトの内過半の14がフライアウトでした。大阪桐蔭は、持ち前の長打力を発揮し、大飛球を外野に飛ばすのですが、関大北陽の守備網にかかり、結局4安打に抑え込まれたのです。

 加えて、投球が低めに集まっていますから、さすがの大阪桐蔭打線の打球も、なかなか外野フェンスを超えるところまでは飛ばなかったのでしょう。

 関大北陽高校の辻本監督を中心として編み出された作戦が、この試合では見事に成功しました。
 もちろん、「作戦」を立てたからと言って必ず成功する、効果があるということでは無いのですが、「無策」であれば、「勝利を収める確率が低下する」ことは間違いないでしょう。

 実力上位のチームに対する、素晴らしい戦い方でした。

 熟慮の末の作戦立案、そして見事な実行。
 関大北陽高校の会心のゲームであったと感じます。
 リオデジャネイロ・オリンピックを目前に控えて、世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency、WADA)の活動に関する話題が続いています。

 どの国、どのチームがオリンピックに参加する・しないというのは、今回のテーマではありません。
 今回は、WADAそのものについて見て行きたいと思います。

 「禁止薬物」を使って競技に臨むこと(=ドーピング行為)は、絶対に許されることではありません。
 そもそも、そういう行為を行う人物・組織には、スポーツをする資格が無いのです。

 オリンピックにおける「反ドーピングの取組」は、1968年のメキシコシティ・オリンピック(夏季)、グルノーブル・オリンピック(冬季)から始まっていますから、そろそろ半世紀に渡る取組ということになります。
 当時はIOC(国際オリンピック委員会)主導の取組でした。

 従って、「反ドーピングの取組」は、オリンピック大会に対して、本格的に開始されたということになります。オリンピックに参加しようとするもの、参加するものに義務付けられてきた取組なのです。

 一方で、世界中にはIOCが関与しないスポーツが沢山有ります。関与していないスポーツの方が遥かに多いと言った方が良いのでしょう。
 興味深いのは、このIOC主導の取組が、IOCが関与していないスポーツにも広がりを見せたということでしょう。

 1998年、自転車競技の世界最大のイベントのひとつ「ツール・ド・フランス」において、大規模なドーピング行為が発覚しました。
 チーム・フェスティナの車の中から禁止薬物が発見されたことを端緒に、逮捕者8人という大スキャンダルに発展したのです。

 ツール・ド・フランス大会においては、昔からドーピングの疑惑が有り(他の大会・競技と同様なのかもしれませんが)、1924年から一定期間ごとに「ドーピング行為」が見つかり、都度都度対処されてきたのですが、なかなか撲滅には至らず、1998年に大きく明確な形で発覚したということになります。

 そして、翌1999年にIOC主催で「スポーツにおけるドーピングに関する国際会議」が開催されました。オリンピックに限らず、スポーツ界に広く「反ドーピング」の本格的な動きが拡大したのです。
 この会議で「ローザンヌ宣言」が採択され、1999年11月に「反ドーピングの取組」の中核組織としてのWADAが設立されました。

 運営組織であるIOCが取組むよりも、より中立的立場に立って、より厳密・公正に「反ドーピング」の取組を行って行く上では、WADAという新組織を立ち上げたことは、有効であったと感じます。

 競技者から採取された「検体」の分析は、WADAが公認する機関(世界でわずか33機関しかありません)に委託されています。我が国では「LSIメディエンス」という民間企業1社が、唯一の公認機関となっています。

 当然のことながら、こうした機関が不正を行うことは絶対に避けなければならないことですから、WADAとしてもこうした世界中の公認機関の活動内容について、厳しく監視していることは言うまでも有りません。

 これまでも、外部からの圧力によってでしょうか、「検体の不正な分析」を行った機関が資格を取り消されてきています。
 反ドーピングの為の機関が、ドーピングに加担しているというのでは、話にならないからです。

 反ドーピングの取組は、「ドーピング技術の進歩」(ドーピング自体がスポーツの「退歩」であることを考えると、妙な言葉ですが)に対する「検査技術の進歩」という側面が在りますから、この取組は「永続的に」「休むことなく」続けられなければならないものです。

 WADAの中立性・独立性を保つ取組も、永続的に行われていかなければなりません。

 「個人・組織・国の名誉」はもちろんとして、今やスポーツはビッグビジネスとなり、「お金になるもの」となっていますから、「勝つためには手段を選ばぬ」という思考の人物や組織が存在し続けることは間違いないのでしょう。

 こうした動きに対する、WADAの役割・重要性は、益々増しているのです。
 このところのワールドカップやユーロの決勝は、90分では決着が付かず、「延長・後半」に決勝ゴールが生まれるゲームが多くなっています。

① 2010年ワールドカップ スペイン1-0オランダ 延長後半11分イニエスタ選手の決勝ゴール
② 2014年ワールドカップ ドイツ1-0アルゼンチン 延長後半8分ゲッツェ選手の決勝ゴール
③ 2016年ユーロ ポルトガル1-0フランス 延長後半4分エデル選手の決勝ゴール

 出場してくる各チームの実力差が極めて小さくなっていることや、戦術としての「守備力の向上」などの理由が考えられますけれども、一方で「120分戦い切ってのPK戦」ではなく、「延長・後半」で決着するゲームが多いことが、とても興味深いと思います。

 延長後半ともなれば、先発プレーヤーの疲労は極限の状態です。
 前述②③のゲッツェ選手とエデル選手が、共に途中出場であることも、頷けるところです。
 また、①のイニエスタ選手には「無尽蔵の持久力」が備わっていたに違いありません。

 延長後半には、守備プレーヤーにも疲労が相当蓄積しているでしょうから、105分続けて来た「鉄壁の守備にも綻び」が生じ、そこにスピード十分なプレーヤーが走り込む形なのかもしれません。
 さらに、このステージまで勝ち上がってくるチームは、相手チームに少しでも隙が有れば得点できる能力が備わっているということでもあるのでしょう。

 こうなると、「世界最高水準のナショナルチーム同士の決勝ゲーム」においては、監督・コーチ陣は「延長・後半」を意識した采配が求められるということになりそうですし、観戦する側としても「これはもうPK戦だろう」などと思い込むことなく、「延長・後半」を応援・注視し続ける気力・体力を残しておく必要がありそうです。
 2016年は、「コパ・アメリカ・センテナリオ」、「ユーロ」と、ナショナルチーム同士の大陸NO.1チームを決める大会が続きました。

 世界最大級かつ最高レベルの大会・ゲームが連続したのですから、サッカーファンにとっては、とても楽しい時期だったのです。

 この2つの大会では、前評判はそれほど高くなかったチームが勝ち進み、いわゆる強豪国チームと当たって「大敗」するというゲームが、いくつか観られました。

① コパ・アメリカ準決勝 アルゼンチン4-0アメリカ合衆国

 アメリカチームは、グループリーグGL・A組を首位で通過しました。
 コロンビアやパラグアイといった強いチームと同組でしたから、アメリカがこの組を勝ち抜くのは容易ではないと言われていましたが、第2戦でコスタリカを4-0と破り、第3戦でパラグアイを1-0で下して、得失点差で首位に立ったのです。

 そして決勝トーナメントT初戦・準々決勝でも、エクアドルを2-1で撃破して準決勝に駒を進めたのです。

 開催国として、どこまで頑張れるかと見られていたアメリカチームでしたが、南米の強いチームを次々と破り、堂々と準決勝に進出してきたのです。

 「勢いに乗る開催国」を相手に、サッカー大国アルゼンチンがどのような試合を見せてくれるかが注目されましたが、一方的な物となってしまいました。

 前半3分にラベッシ選手が先制し、同32分にメッシ選手が2点目を挙げたところで、ゲームは決しました。その後はイグアイン選手が2点を加えました。

 「堅守速攻」で大躍進を見せていたアメリカチームにとっては、開始早々のラベッシ選手のゴールが堪えたと感じます。0-0のままゲーム終盤まで持ち込み、ワンチャンスで1点を捥ぎ取って、1-0で勝つという戦略を立てていたであろうアメリカチームの出鼻が挫かれたのです。

 加えて、メッシ選手の「世界最高レベルのプレー」が衝撃を与えたことでしょう。世界最高レベルの守備をも打ち抜くプレーを目の当たりにして、アメリカチームは気勢を削がれてしまったのです。

② ユーロ・ラウンド16 ベルギー4-0ハンガリー

 GL・F組をハンガリーチームは首位で通過しました。
 ポルトガルやオーストリアといった強豪国が居た組でしたから、ハンガリーやアイスランドは苦しいであろうと見られていたのですが、F組の首位はハンガリー、2位はアイスランドでした。

 ハンガリーチームは、第1戦でオーストリアを2-0で下し、第2戦はアイスランドと1-1で引分け、第3戦のポルトガル戦を3-3で引分けたのです。この3ゲームでのハンガリーの6得点は5人のプレーヤーから生まれています。「堅守速攻」から、どこからでも点が取れるチームだったのです。

 「古豪復活」を強く印象付けたハンガリーの決勝T初戦・ラウンド16の相手はベルギーでした。ポルトガル戦でも観られたように、得点力十分のハンガリーチームを相手に、世界ランキング2位のベルギーチームがどのような試合を見せてくれるかに注目が集まりました。

 しかし意外なことに、ゲームは一方的な物となりました。
 前半開始10分、ベルギーのアルデルヴァイデルト選手が先制ゴールを挙げました。
 その後しばらくは、互角の展開が続きましたが、後半33分にバチュアイ選手が2点目を挙げたところでゲームは決しました。
 
 ハンガリーとしては、0-0で試合終盤まで行き、終了間際のワンチャンスで得点して勝つ、あるいは、先制点を挙げ、それを守りきる、といった戦略で戦っていたように思いますが、やはり前半早々の失点が響きました。

 2失点を喫して以降は、アザール選手を中心とする「華麗な攻撃」の前に、成す術が有りませんでした。

③ ユーロ準々決勝 フランス5-2アイスランド

 前述のGL・F組で、アイスランドが2位で勝ち上がった時には、ウェールズ共々「今大会の台風の目」と評されました。

 GL第1戦でポルトガルと1-1で引分けて勢いに乗ったアイスランドは、第2戦もハンガリーと1-1で引分け、第3戦に全てを賭ける体制を整えました。
 そして、その第3戦でオーストリアを2-1で撃破したのです。

 勢いに乗ったアイスランドでしたが、ラウンド16の相手はサッカーの母国イングランドでしたから、さすがに苦しいと見られていました。
 前半4分にルーニー選手が先制した時には、「ゲームはイングランドペース」と感じられました。ところが、そのゴールから僅か2~3分後の前半6分、シグルズソン選手が同点ゴールを挙げたのです。

 そして前半18分、シグソールソン選手が2点目を挙げて、アイスランドが2-1とリードしました。

 以降は、イングランドが懸命の攻撃を続けましたが、ついに同点ゴールを挙げることが出来ませんでした。こうした大会での、イングランドチームの「得点力不足」が再び現れたゲームとなったのです。

 「勢いに乗る」アイスランドを迎えて、開催国フランスがどのようなゲームを見せるか、準々決勝が注目されました。

 しかし、前半12分にジルー選手が先制点を挙げると、同20分にはポグバ選手が2点目、同43分にはバイェ選手が3点目、同45分にはグリーズマン選手が4点目を決めて、フランスチームが前半を4-0とリードしました。
一方的なゲームとなってしまったのです。

 アイスランドチームは後半2点を挙げ意地を見せました。こうした一方的なゲームで、2点を返すというのは見事な粘り腰です。この「諦めない粘り強さ」がアイスランドサッカーのDNAであるとすれば、今後の国際大会でも注目の存在となることでしょう。

 以上、コパ・アメリカ・センテナリオ2016とユーロ2016において、大健闘を見せて勝ち上がってきたチームが、強豪国チームに大敗したゲームを挙げてみました。

 どのゲームも、「堅守速攻」を武器に、力量上位と予想されたチームを破ってきたチームが、サッカー強豪国との対戦で、「早々に先制され」てしまい、自分達のゲームプランに狂いが生じ、同点を目指すものの、追加点を許して、大敗してしまったというパターンでした。
 「2失点目を喫しての精神的なダメージ」も大きかったと思います。やはり、こうしたチームが強豪チームを相手に、2点・3点を挙げるというのは至難の業なのでしょう。

 さすがに、強豪と呼ばれるチームは、「堅守」を前にしても多彩な攻めを展開し、相手チームが同点を狙って「前掛かり」になったと見れば、その隙を付いて、次々と得点を挙げる術・ノウハウを保持しているのです。
 逆に言えば、「だから強豪チーム」なのです。

 また、アメリカやハンガリー、アイスランドにとっては、調子をピークにして大会に入り、そろそろコンディションが下がる頃に、強豪チームと当たってしまったことも、大敗の理由のひとつなのでしょう。

 「近時の流行り」とも言える、新興チーム(あるいは古豪復活チーム)の「堅守速攻」戦術に対しては、「早々の先制点」が最も有効であることを示している事実、なのであろうとも思います。
 ユーロ2016で優勝したポルトガルチームは、グループリーグGLを3戦3引分で通過しました。

 アイスランドに1-1、オーストリアに0-0、そしてハンガリーと3-3での3引分ですが、どのゲームでも相手に「あと1点」を許せば、GL敗退という「崖っぷち」のゲームを続けたのです。
 特にハンガリーとのゲームは、「3度リードを許し3度追い付く」という、「薄氷を踏む」ような引分でした。
 この3試合で、何かが起こっていれば、ポルトガルチームは決勝トーナメントに進出することが出来ず、もちろん「初優勝」も無かったのです。
 
 とはいえ、こうしたGL・予選リーグでの大苦戦から、決勝に進出するというのは、過去にも時々眼にしてきたものであり、ワールドカップのような大きな大会での「ひとつの戦い方」と言って良いのでしょう。
 「チーム状態が良くない状態で大会に入り、徐々に調子を上げて、決勝まで駒を進める」というやり方です。

 思いついた事例を挙げてみます。

① ワールドカップ1982 イタリアの優勝

 この大会のイタリアチームは、1次リーグを3戦3引分でかろうじて通過しましたが、その後の2次リーグ(この大会は1次リーグ・2次リーグと重ねて、決勝トーナメントT進出4チームを決める形でした)

 2次リーグ(4組・各組3チーム・各組1位が決勝T進出)で、ブラジル・アルゼンチンと同組となったイタリアは、2次リーグ敗退の可能性が高いと見られていましたが、実はチームは好調な状態に仕上がって来ていたのです。

 アルゼンチンを2-1で破り、ブラジルを3-2で下しました。この時のブラジルは「黄金のカルテット」と呼ばれる4名の中盤プレーヤー(ソクラテス、ファルカン、ジーコ、トニーニョ・セレゾ)を擁し、優勝候補NO.1の呼び声が高いチーム(サッカー史上最強チームとの評も有ります)でしたが、イタリアはパウロ・ロッシ選手のハットトリックで、勝ち切ったのです。

 そして、勇躍決勝T・準決勝に駒を進めたイタリアは、ポーランドを2-0で撃破し、決勝に進出しました。
 ちなみにポーランドとは1次リーグで同組に居て、0-0で引分けていた相手でした。

 また話が横道に逸れてしまいますが、この大会のポーランドチームは、ラトー選手やボニエク選手を擁して3位となりました。ポーランド史上最強チームとも呼ばれています。

 そのポーランドを2-0で一蹴したのですから、イタリアのチーム状態がとても良くなっていたのは間違いないでしょう。

 決勝の相手は西ドイツでした。

 この大会の西ドイツも、ルンメニゲ選手やフィシャー選手、ブライトナー選手やリトバルスキー選手を擁して優勝候補の一角を占める、強力なメンバーが揃っていましたが、イタリアは決勝を3-1で制しました。快勝でした。

 1982年のワールドカップは、ブラジルや西ドイツ、そしてフランス(プラティニ選手、ジレス選手、ロシュトー選手、トレゾール選手らを擁した強力なチーム。準決勝で西ドイツに3-3からのPK戦で敗退)といった、とても強力なチームが揃っていた大会でしたが、優勝したのはイタリアでした。

 意外な結果であったとの意見が多かった大会でしたが、イタリアは1次リーグ3引分からワールドカップを捥ぎ取ったのです。

② ワールドカップ1990 アルゼンチン準優勝

 この大会のアルゼンチンチームはGLで1勝1敗1引分と苦戦し、各組3位チームの中の上位チームとして決勝Tに進みました。出場24チーム・決勝T進出16チームというレギュレーションの中での決勝T進出でした。

 マラドーナ選手やブルチャガ選手、カニーヒャ選手といった強力なメンバーを擁しながら、なかなか調子が上がらなかったのです。

 ところがラウンド16でブラジルを1-0で破りました。そして、準々決勝でユーゴスラビアを、準決勝ではイタリアを、共にPK戦の末破り、決勝に進出したのです。

 決勝では西ドイツに0-1で敗れてしまいましたが、自身2度目の優勝を目指すマラドーナ選手の活躍が色々な意味で印象的な大会でした。

③ ワールドカップ1994 イタリア準優勝

 この大会のイタリアはGLで1勝1敗1引分と苦戦し、各組3位チームの中の4番目という、最も低い順位で決勝Tに進みました。
 ロベルト・バッジオ選手やディノ・バッジオ選手、マッサーロ選手らの強力なメンバーを擁しながら、苦戦を続けたのです。

 ところがラウンド16ではナイジェリアを延長の末2-1で破り、準々決勝はスペインを2-1で下し、準決勝でもストイチコフ選手を擁し同国史上最強チームと呼ばれたブルガリアを2-1で撃破して、決勝に駒を進めました。

 決勝では、ロマーリオ選手やベベト選手、ドゥンガ選手らを擁するブラジルにPK戦の末敗れましたが、「幕尻?」で決勝Tに進んだイタリアチームの見事な戦い振りが印象的でした。

 思いついたものだけを挙げましたので、よく調べれば他にもこうした例があるかもしれません。

 ワールドカップにおいては、GL・予選リーグで不調だったチームが、決勝に進出するのは、それ程珍しいことでは無いのです。
 従って、ユーロ2016のポルトガルチームも、これまでの歴史の中で培われてきたやり方で決勝に進み、そして優勝したということなのでしょう。

 また、「このやり方」は、イタリアチームの得意技?の様な気もします。

 ユーロ2016のポルトガルは、イタリアの伝統技に学んだのかも知れません。

 ユーロ2016では、調子がピークの状態で大会に入ったと思われる、スペインやハンガリー、ウェールズといったチームが、決勝Tに入りピークアウトして行って敗れたという感が有ります。

 昔から言われていることですが、大きな大会で「優勝を狙うチームは『準決勝』に調子のピークを持って行く」ものなのでしょう。
 
 そして決勝は、残った力の全てをぶつけて戦っているように観えます。
 7月16日に行われた、シアトル・マリナーズとヒューストン・アストロズのゲームに先発登板した岩隈久志投手は、7イニング・90球を投げて、被安打2、奪三振8、与四球1、失点0という素晴らしい投球を魅せました。

 チームは1-0でアストロズを破り、岩隈久志投手は10勝目を挙げたのです。
 今季19度目の登板での10勝(6敗)は、シーズン序盤なかなか打線の援護に恵まれなかったことを思えば、見事な成績です。

 2015年シーズン(9勝5敗)の勝ち星を既に上回りました。
 2014年の15勝9敗、2013年の14勝6敗をも上回るペースですので、今季は自己ベストの成績を残すチャンスとなっています。

 特にこの日はコントロールが良く、90球の投球の内66球がストライクと、早めに打者を追い込み打ち取るという、岩隈投手本来のスタイルが展開されていました。シーズン中盤に来て、調子を上げてきた印象です。

 こうなると、「日本出身投手の中で最もMLBの先発投手スタイルに馴染んでいる」岩隈投手のことですから、ここから勝ち星を積み上げて行っていただけるものと思います。

 「ストライクからストライク」というコースの投球で勝負する岩隈久志投手の、今後の大活躍が期待されます。
 7月場所も中日を終えました。

① 7勝1敗で4力士が並ぶ混戦

 横綱・白鵬、横綱・日馬富士、大関・稀勢の里、小結・高安の4力士が1敗で並びました。

 今場所の主役である稀勢の里と白鵬が先頭に居るのは、場所を盛り上げるという面でとても良いことですが、ここに日馬富士と高安が加わり、優勝争いは混戦になっています。

 稀勢の里と白鵬は概ね安定した取り口を展開していますが、どちらも「盤石」というには程遠い内容です。

 稀勢の里は、左を差せないと慌ててしまいます。(まさに鳴門部屋の相撲です)慌てると、前に出る力が弱くなるタイプですので押し込まれてしまいます。今後も1番1番、気の抜けない取組が続くことでしょう。

 白鵬は、引き続き「変幻自在型」の相撲を繰り広げていますが、往時の四つからの寄りに比べるとリスクの高い取り口ですので、ちょっとした拍子に窮地に追い込まれてしまいます。今後も目先を変え、相手力士の集中力を削ぐための、かち上げや張り手を多用する相撲が続くことでしょう。

 好調なのは高安。
 2度目の三役で、自分の相撲を取り切っています。少し自信も出てきている感じ。今場所は「前に押す力」も強いので、どこまで付いて行けるか注目です。

 日馬富士の動きの良さも目立ちます。「勝ち続ける力」が特徴の横綱ですから、終盤まで取りこぼしをしなければ、優勝争いに絡んで来ることでしょう。

 その他の力士では、宝富士が良い相撲を取っていると思います。
 5月場所で、少し変化する相撲を憶えました。それまでは正面から押し合うばかりの取り口でしたから、少し重心を左右に動かすことで、取り口の幅が格段に広がったのでしょう。
 中日の碧山戦ではまわしに拘るあまり、ずるずると後退して2敗目を喫しましたが、左右に動きながら、我慢して押し合いを続ければ、別の結果になっていたと思います。

② 遠藤と琴勇気が全敗

 遠藤は、膝の状態が相当悪いのではないでしょうか。
 大相撲の「宝」と呼んでよい人気力士ですから、しっかり休んで、十両や幕下からの巻き返しを狙った方が、長い目で見れば良いのではないかと思います。

 琴勇気の方は、取り口を憶えられてしまった感が有ります。
 体調は悪くなさそうですので、勝ち始めれば連勝していただけるものと思います。

③ 千代の国と佐田の海の健闘

 再入幕の千代の国が元気です。
 素早く力強い動きの中から勝機を見出しています。中日の逸ノ城戦は、真骨頂でしょう。逸ノ城は「押される筈が無い」と考えて取っていたと思いますが、少しバランスを崩したところを付け込まれました。

 佐田の海も、久し振りに「自分の相撲」を取り切っています。前に出る力が復活すれば、もともと相撲が上手い力士ですから、白星が増えるのは道理です。

 既に5力士が休場し、体調が良くない力士が数人見られますので、まだまだ休場力士が増える可能性が有ることが気掛かりですが、土俵上では見応え十分な取組が続いています。

 大混戦の7月場所から、眼が離せません。
 2016年の日本プロ野球NPBオールスターゲームが、7月15・16日に行われました。

 そして、大谷翔平選手が大活躍を魅せました。

 まずは7月15日、福岡ヤフオクドームのホームランダービーに登場しました。
 トーナメント第一戦は山田哲人選手との対戦。
 大谷選手は6本を放ち、5本の山田選手を抑えて、決勝に進みました。

 決勝では、筒香嘉智選手を下した柳田悠岐との対戦となり、3本対2本の成績で優勝しました。

 「投手」としてオールスターゲームに選出されていた大谷選手が、ホームランダービーで優勝したのです。

 続いて16日、横浜スタジアムでもホームランダービーに挑みました。
 そもそも「投手」が2戦連続でホームランダービーに登場するだけでも、空前の事でしょう。

 緒戦で再び山田哲人選手を下しましたが、さすがに決勝ではメヒア選手に、0本対1本の成績で敗れました。
 大谷選手が「7アウト」の内に、1本のホームランも打てなかったのは意外でしたが、セ・パ両リーグを代表するスラッガーを相手に、2戦連続優勝することに、少し気が引けた?のかもしれません。

 ホームランダービー後に行われたオールスター2016の第二戦、大谷選手は「全パ」の5番DHで先発出場しました。
 そして5回には左中間にホームラン。大谷選手の球宴第1号でした。
 7回には先頭打者としてレフト前ヒットで出塁、ホームを踏みました。
 8回にはライト前にタイムリーヒットを放ちました。

 ゲームは5-5の引分けでしたが、3安打2打点の大谷選手はMVPに輝きました。
 自身初の球宴MVP受賞でした。

 結局、オールスターゲーム2016で大谷「投手」の登板は有りませんでしたが、大谷「選手」は打者として大活躍を魅せてくれたのです。

 大谷翔平選手は、本当にスケールの大きなプレーヤーに成長しました。そして、まだまだ成長過程に在るのでしょう。

 「日本球界最速163kmの速球」を誇る投手が、ホームランダービーでも優勝するというのですから、大谷選手は正に「夢の球宴」を体現してくれたのでしょう。
 7月16日、大関・琴奨菊の休場が報じられました。膝の故障が原因です。
 今場所、持ち味である押しの強さが影を潜めていましたから、止むを得ないところなのでしょう。回復に努めていただき、また琴奨菊の相撲を見せていただきたいものです。

 ところで、この休場で今場所の幕ノ内力士の休場は5人目となりました。

 安美錦、豊ノ島、大砂嵐、鶴竜、琴奨菊の5人です。

 いずれも故障による休場ですから止むを得ない物ばかりですけれども、幕ノ内全体として見れば「多い」ことは間違いなく、取組の構成にも相当の影響を与える事態となっているのでしょう。
 幕ノ内力士の人数という面から言えば、7月場所は「前頭13枚目」までしか居ないという形に成ったのです。

 また、横綱・鶴竜や大関・琴奨菊は、現在の大相撲の「看板力士」、安美錦や豊ノ島は「人気力士」、そして大砂嵐は「若手の期待力士」の休場ですから、その取組を楽しみにしていた多くのファンにとっても、残念な状態であることは間違いありません。

 長い歴史を誇る大相撲においては、力士の怪我・故障を防止するために、多くの伝統的な手法が取り入れられている筈です。
 相撲に入る前の入念なストレッチングや、「ダメ押し」の禁止等々、私達の知らないノウハウも沢山有ることでしょう。
 怪我や故障でプレーヤーが次々と出場不能になってしまっては、プロスポーツとして成り立たなくなってしまうからです。

 一方で、現在の「スピード主体の相撲」が、こうしたノウハウを超えて、力士の怪我・故障増加の要因になっているとすれば、これは看過できません。

 21世紀になってからは、「四つ相撲」が減少し「押し相撲」が増え、その押し相撲の取り口も「相手を正面において押して行く」形より、左右に動きながら相手との間合いを測り、相手力士の隙を見つけて技をかけて行くといったやり方が増えて来ると、自身のバランスを崩すことや、土俵際でのギリギリの攻防が増えますから、怪我や故障のリスクも高くなっているのかもしれません。

 「5人の力士の休場」が「今場所だけの事象」であれば良いのですが、大相撲全体としての「休場力士の趨勢的な増加」が背景にあるとすれば、大相撲界としては「抜本的な対処」が必要になってくるのでしょう。
 7月14日に開幕した全英オープン2016の第1日、ロイヤルトルーン・ゴルフクラブGCの14番ホール・パー3で、南アフリカのルイ・ウーストハイゼン選手がホールインワンを達成しました。

 このこと自体も素晴らしいことなのですけれども、ウーストハイゼン選手は4月に行われたマスターズトーナメント2016でもホールインワンを達成していて、「2016年のメジャートーナメントにおいて2度目のエース」ということになります。

 これは、凄いことでしょう。

 ゴルフ界の世界のトップクラスが集結する四大メジャートーナメントですから、どの大会においてもホールインワンが出ること自体は珍しいことではありませんが、「同じ選手が同じ年に2度」となると、滅多に観られるものではありません。(私は初めて聞きました)

 当然ながら、このレベルのプレーヤーが、このレベルのコースで、メジャータイトルを争ってプレーする際には、パー3のホールでピンをデッドに狙っていくことは少ないと思います。
 その日のピンの位置、グリーンの形状・スピード、風向き・強さなどを考慮して、例えば「ピンの左5mを狙う」といった戦略を立てて、打っていくものなのでしょう。
 「ボギーのリスクを少なくして、バーディを狙う」となれば、そうした戦略の立案・実行が不可欠だと言われています。
 結果として、ピンをデッドに狙うことは滅多に無い筈です。

 ということは、そのプレーヤーが完璧なショットを打ったとすれば、ホールインワンが発生する確率は極めて低い筈なのです。

 にもかかわらず、ウーストハイゼン選手が「今季メジャーで2度目のエース」を達成しているとなれば、ウーストハイゼン選手のプレーが、他の世界一流プレーヤーとは異なっていると考える方が、自然な気がします。

 ウーストハイゼン選手は、他のプレーヤーと比べて「ピンをデッドに狙っていく比率が高い」のでしょうか。

 あるいは、ウーストハイゼン選手は「面を狙うというより点を狙う」タイプ、つまり「良いショットを打った時には極めて正確に狙ったところに飛んでいく」タイプのショットによりコースを攻めているプレーヤーなのでしょうか。

 本当のところは分かりませんけれども、ウーストハイゼン選手が、どのような考え方でメジャートーナメントに臨んでいるのかも含めて、とても興味深いところです。

 何はともあれ、「同じプレーヤーが同じ年のメジャートーナメントで2度のホールインワンを達成した」という事実が、「偶然から生まれた」と考えるのは、無理があると思いうのです。
 サッカー競技においては、ホームチームが断然有利とされています。

 従って、多くの大会では「ホーム&アウェイ方式」が採られています。
 対戦チームが、お互いのホームグラウンドで1試合ずつ、計2試合を戦い決着を付けるのです。
 ホームグラウンドで、サポーターの大声援を受けて戦うことが、ホームチームに大いなる勇気と力を与えてくれるのです。

 ワールドカップの歴史を見ても、1930年ウルグアイ大会(第一回ワールドカップ)、1934年イタリア大会、1966年イングランド大会、1974年西ドイツ大会、1978年アルゼンチン大会、1998年フランス大会と、開催国のチームが優勝しています。
 いわゆる「サッカー大国」が開催国になった時には、優勝することが多かったわけですし、イングランドやアルゼンチン、フランスは「自国開催大会で初優勝」しています。
 また、イングランドやフランスは、自国開催大会での優勝が唯一の優勝となっています。

 ユーロでも、1964年スペイン大会(第二回欧州選手権)、1968年イタリア大会、1984年フランス大会で開催国が優勝しています。

 やはり、「サッカー競技ではホームチームが強い」のです。

 ところが、21世紀に入ってから、ワールドカップやユーロといった、ナショナルチーム同士が戦う大きな大会では、開催国が優勝できなくなってきているのです。
 とても不思議な感じがします。

 ワールドカップ2006年ドイツ大会では、ドイツチームは準決勝で敗れ3位、2014年ブラジル大会でも、ブラジルチームは準決勝で敗れ4位に留まりました。

 ユーロでも同様で、2004年ポルトガル大会ではポルトガルチームは決勝で敗れ準優勝、2016年フランス大会でもフランスチームが準優勝に終わっています。

 20世紀には、「開催国優勝」が数多く見られたワールドカップやユーロにおいて、21世紀になると「全く見られなくなった」のは、偶然・たまたまなのでしょうか。

 やはり、参加各国チームの力の差が小さくなり、「ホームの大声援」を受けるくらいでは、圧倒的優位に試合を進めることができなくなったのであろうと思います。

 逆に、「開催国チームとしてのプレッシャー」という話もありますが、これは20世紀も21世紀も同じことですので、21世紀になって開催国優勝が無くなったことについての説明としては不適当でしょう。

 やはり、世界のサッカーのレベル差が小さくなり続けていることを主因とするべきだと感じます。

 ユーロは、2020年大会から「複数国開催」となります。単独国開催は2016年フランス大会が最後となったのです。
 
 ワールドカップも、日本・韓国や南アフリカでの開催など、いわゆる「サッカー先進地域」である欧州や南米での開催大会が減少しています。

 「開催国優勝」を観るのは、どんどん難しくなっているのかもしれません。
 6月30日の朝日新聞・朝刊に、日本高校野球連盟の調査結果が掲載されていました。

 5月末時点の高野連加盟校数と部員数調査です。

 それによると、硬式野球部員数は16万7635人で、昨年比1263人減少、2年連続の減少とのこと。
 加盟校数も4014校で、昨年比7校減とのことでした。

 都道府県別の部員数および増減も掲載されていました。
 多くの都道府県で部員数が減少していましたが、宮城県・埼玉県・東京都・岐阜県・富山県・福井県・和歌山県・岡山県・鳥取県・島根県・徳島県・愛媛県・福岡県・沖縄県では、部員数が増加していました。

 最も増加数が多かったのは福岡県で+210人、沖縄県の+92人、岡山県の+74人と続きます。
最も減少数が多かったのは大阪府で△253人、北海道の△219人、熊本県の△171人と続きます。
 もともとの母数と比較して極端な増加・減少は見られませんから、学校の新設・廃止等の影響が主因であろうと思います。

 2年連続で全国の部員数が減ったからといって、高校の部活全体の中で硬式野球の人気が下がっているとは、一概には言えません。
 少なくとも、こうした情報を公開する際には、過去2年間の「高校生徒数推移」は、資料として必要だと思います。
 全体の生徒数が減少していれば、硬式野球部員数が減少するのは不思議なことでは無いでしょう。

 一方で、「新入生が進級して3年生になったときに部に残っている割合を示す継続率」は、13年連続で増加し、90.1%となり、統計を取り始めた1984年以来、初めて90%台に乗ったとのこと。

 少なくとも、生徒・部員の硬式野球に対する熱意は不変であり、部員の気持ちや体にダメージを与えるような「乱暴な指導」が減ってきていることは、間違いないようです。

 硬式高校野球の裾野というか、日本の硬式野球競技の裾野は相当程度確保されているのでしょう。
 前回は、MLB2016レギュラーシーズンのチーム成績を採り上げましたが、今回は「個人成績」です。

 やはり、7月9日時点の成績です。

[アメリカンリーグAL]

[打率]
 アストロズのアルトゥーベ選手が.343でトップ、レッドソックスのオルティーズ選手が.332、同じレッドソックスのボガーツ選手が.331で続いています。

 2014年シーズン以降、MLBを代表する「安打製造機」となった感のあるアルトゥーベ選手が、相変わらずの活躍を魅せています。既に119安打を放っていますから、2014年・225安打、2015年・200安打に続いての「3年連続200安打越え」も視野に入ってきました。

 オルティーズ選手は「キャリア最終年」としては、驚異的な成績で打ち捲っています。
 2014年.263、2015年.273であった打率が、.330を超える水準で推移しているのです。本塁打も21本で6位タイ、打点も70で2位と、「三冠王を狙える」との声も挙がっています。

[ホームラン数]
 オリオールズのマーク・トランボ選手が28本でトップを快走中。ホワイトソックスのトッド・フレイジャー選手が25本で続きます。

 トランボ選手は、2014年・14本、2015年・22本であった成績を大幅に塗り替えている状況であり、2013年の34本という自己記録をも超える勢いです。

[打点]
 トロント・ブルージェイズのエドウィン・エンカルナシオン選手が80打点でトップです。この時点での80打点は高いレベルの記録だと思います。
 2位には、前述の通りオルティーズ選手が続き、トランボ選手が3番手に付けています。

 エンカルナシオン選手がどこまで記録を伸ばしてくれるか、とても楽しみです。

[投手・勝ち星]
 シカゴ・ホワイトソックスのクリス・セール投手が14勝でトップ、トロントのJAハップ投手が12勝で続き、ボストンのリック・ポーセロ投手とボルチモアのクリス・ティルマン投手が11勝で3番手となっています。

 クリス・セール投手は、2015年・13勝、2014年・12勝の記録を既に超えました。ここまで125イニングを投げていますから、エースとしての十分な活躍でしょう。

[防御率]
 ボストンのナックルボーラー、スティーブン・ライト投手が2.68でトップ、クリーブランドのダニー・サラザール投手が2.75で続き、トロントのマルコ・エストラーダ投手が2.93で3番手です。

 田中将大投手が3.12で5番手に付けています。

[セーブ]
 ボルチモアのザック・ブリトン投手が26セーブでトップ、デトロイトのフランシスコ・ロドリゲス投手が24、ホワイトソックスのデビッド・ロバートソン投手が23で続いています。

 ブリトン投手は、37度の登板で奪三振42、防御率0.74と抜群の安定感です。

[WAR]
 WAR=Wins Above Replacementは、ベースボールにおいて、統計学的な手法で成績を分析するセイバーメトリクスにおける指標のひとつです。
 「そのプレーヤーの代替可能性の難度」を示し、勝利への貢献度合いを総合的に表す指標とされています。

 「そのプレーヤーのチーム勝利への貢献度合い」を示す指標として、近時注目度が上がっています。

 ALでは、ロサンゼルス・エンジェルスのマイク・トラウト選手が5.7という高い数値でトップです。トロントのジョシュ・ドナルドソン選手が5.3で続き、打率トップのアルトゥーベ選手が4.7で続いています。

 この指標では、トラウト選手がデビュー以来常に上位に位置しています。打って・走って・守れる、という3拍子揃ったプレーヤーであり、現在のMLBで最も「代替がきかないプレーヤー」であることが如実に分かります。
 2位のドナルドソン選手の5.3という数値も相当高いものですが、さらに上にトラウト選手が居るのです。

[ナショナルリーグNL]

[打率]
 ワシントン・ナショナルズのダニエル・マーフィー選手が.349でトップ、コロラド・ロッキーズのDJルマイユ選手が.333で続き、ワシントンのウィルソン・ラモス選手が.331で続きます。

 マーフィー選手は、メッツ時代の2015年・.281、2014年・.289に比べ、大幅に数値を上げています。ホームランも既に15本と、キャリア最高の数字となっていますから、今季絶好調というところでしょう。

[ホームラン数]
 シカゴ・カブスのクリス・ブライアント選手が25本でトップ、コロラドのノーラン・アレナド選手とシンシナティ・レッズのアダム・デュバル選手が23本で続きます。

 MLB2年目のブライアント選手は、素晴らしいペースで量産しています。「躍進」カブスの象徴的なプレーヤーであり、今後のMLBを代表するスラッガーであることは間違いないでしょう。

[打点]
 コロラドのアレナド選手が70打点でトップ、打率トップのマーフィー選手とホームラントップのブライアント選手が64で続いています。

 NLの打撃三冠については、この3人のプレーヤーによる争いが続く様相です。
 展開次第では、二冠王・三冠王が生まれるかもしれません。

[投手・勝ち数]
 サンフランシスコ・ジャイアンツのジョニー・クエト投手が13勝でトップ、1敗しかしていませんからすばらしい成績です。
 カブスのジェイク・アリエタ投手とワシントンのステファン・ストラスバーグ投手が12勝で続いています。
 
 本ブログでも採り上げましたが、ストラスバーグ投手は12勝0敗と、開幕以来の連勝を続けています。どこまで無敗記録を伸ばしてくれるか、再度注目したいと思います。

 また、ロサンゼルス・ドジャーズのクレイトン・カーショー投手が11勝で4番手に付けています。

 NLの最多勝争いは、今後も激戦が続くことでしょう。

[防御率]
 ドジャーズのカーショー投手が1.79で、両リーグを通じて唯一の1点台を記録しています。16試合に登板し121イニングを投げてのERA1.79というのは見事な記録です。

 ジャイアンツのマディソン・バムガーナ―投手が2.09で続き、3番手には勝ち星トップのクエト投手が付けています。

[セーブ]
 メッツのヘウリス・ファミリア投手が31Sでトップ、マイアミ・マーリンズのAJラモス投手とピッツバーグ・パイレーツのマーク・メランコン投手が27で続いています。

 2015年にクローザーに定着したファミリア投手は、いまやMLBを代表するクローザーに成長したのです。

[WAR]
 NLのWARは、カブスのブライアント選手が4.3でトップ、コロラドのアレナド選手が3.7で続き、ジャイアンツのブランドン・クロフォード選手が3.6で3番手に付けています。
 4番手のセントルイス・カーディナルスのマット・カーペンター選手も3.5と僅差で続いていますから、今後の展開が楽しみです。

 以上、MLB2016の前半を終えての「個人成績」を簡単に観てきました。

 今季も各項目で高いレベルの争いが続いていますが、後半戦に向けての注目点を挙げてみましょう。

① NLの最多勝争い

 クエト投手、アリエタ投手、ストラスバーグ投手、カーショー投手にシアトル・マリナーズのフェリックス・ヘルナンデス投手らを加えた最多勝争いは、大混戦が続くことでしょう。

② ALのホームラン

 トランボ選手、フレージャー選手、エンカルナシオン選手に、シアトルのネルソン・クルーズ選手やトロントのドナルドソン選手、更にはボストンのオルティーズ選手やボルチモアのクリス・テービス選手が加わったホームラン王争いから、目が離せません。

③ トラウト選手のWAR

 高いレベルの活躍が続いています。10ポイントを超えて、どこまで数値を伸ばしてくれるのか、期待大です。

④ カーショー投手の活躍

 ERA1点台を続けながら、どこまで勝ち星を伸ばせるのか。注目です。

⑤ ストラスバーグ投手の連勝

 12まで続いた記録を、どこまで伸ばせるのか。まずは、ロジャー・クレメンス投手の15連勝に挑んでほしいものです。

 MLB2016、見所満載の後半戦が始まります。
[7月10日・決勝]
ポルトガル1-0(延長)フランス

 ポルトガルが延長戦の末フランスを破り、優勝しました。
 UEFA欧州選手権「初優勝」でした。

 「守り合い」を制したという印象です。

① フランスが攻め続けるも・・・

 スタッド・ド・フランスの76000人の大観衆の声援を受け、地元フランスが試合開始直後から攻め立てました。

 中盤からのプレスで、ポルトガルボールを悉くものにして、ゴールに迫ったのです。

 今大会のポルトガルチームは、「中盤からの固い守備」が特徴でしたが、さすがにこのフランスチームの圧力の前には後退を余儀なくされ、このゲームではペナルティーエリア付近での守備が多くなりましたが、それでも良く守りました。
 フランスは、なかなかシュートまで結び付けることが出来なかったのです。

 ポルトガルも「マイボール」自体が少ないのですから、得点機もとても少なくなりました。
 ゲームは、スピード感満点の「守り合い」の様相を呈したのです。

② クリスティアーノ・ロナウド選手の交替

 前半8分に、左膝の故障を発症したロナウド選手は、その後も懸命のプレーを続けましたが、同23分ついに交替しました。

 ポルトガルチームは、チームのエースストライカーにしてキャプテンという中心プレーヤーを早々に失うこととなったのです。

 しかし、この交替により、ポルトガルチーム全体の動きが良くなったのですから、この大会のポルトガルの地力の高さが分かります。

③ 延長戦慣れ?

 両チーム、特にフランスは、90分の間に何度か決定的なチャンスを迎えましたが得点を挙げることが出来ず、0-0のまま延長に入りました。

 フランスチームにとっては、今大会初の延長戦でした。一方のポルトガルは、3試合目の延長。

 ポルトガルの方が「延長戦への準備」という点で、一枚上であったと感じます。
 通算70分を過ぎた頃から、ゴール前の守備を一層固め、無理な攻撃を控え、体力を温存したのでしょう。

 延長に入っての両チームの動きは、ポルトガルが勝っていました。
 そして延長後半の4分、エデル選手の強烈なシュートがフランスゴール左隅に突き刺さりました。

④ GKパトリシオ選手の好守

 このゲームの、ポルトガルのゴールキーパーGKパトリシオ選手は「当たって」いました。

 前半早々のグリーズマン選手のヘディングシュートを始めとして、フランスチームの強烈なシュートを止め続けたのです。

 決勝戦のキープレーヤーであったと思います。

 さて、ポルトガル代表チームは、ついにユーロを制しました。

 自国開催であった2004年大会決勝のリベンジを果たしたのです。
 2004年大会のポルトガルは、フィーゴ選手を始めとするスタープレーヤーが揃い、いわゆる「黄金世代」のチームでした。ワールドカップでも4強入りするなど、「ポルトガル史上最強」と呼ばれるチームだったのです。

 2016年のチームは。このチームを超えたのです。素晴らしいチームであったということになります。

 クリスティアーノ・ロナウド選手を始めとして、攻撃陣にはナニ選手やマリオ選手、18歳という「ユーロの最年少記録を悉く塗り替えた」サンチェス選手、そしてペペ選手を中心とした強力な守備陣とGKパトリシオ選手と並ぶチームは、ポルトガルサッカー史上に輝くチームとなるのでしょう。

 ワールドカップとユーロという、大きな国際大会で、ポルトガルは初めて優勝しました。

 クリスティアーノ・ロナウド選手という、サッカー史に残るスーパースターを擁したチームが、ついに頂点に立ったのです。
 MLB2016のオールスターゲームは7月12日に、サンディエゴのペトコパークで開催されます。第87回のベースボールの祭典です。

 オールスターゲームが近づくと、その年のレギュラーシーズンは略半分を終えたということになります。

 7月9日時点の2016年シーズンを、各地区毎に見てみましょう。

[ナショナルリーグNL]

[東地区]
 ワシントン・ナショナルズがニューヨーク・メッツに4ゲーム差を付けて首位を走っています。
 イチロー選手が居るマイアミ・マーリンズが5.5ゲーム差で続いています。

 ナショナルズは、本塁打数がリーグ1位、打点が4位、と得点力十分の攻撃力と、防御率で2位と、投打のバランスの良いプレーを展開しています。

[中地区]
 シーズン開始直後からシカゴ・カブスが快調に走っています。2位のピッツバーグ・パイレーツとセントルイス・カーディナルスに7.5ゲーム差を付けてトップに居るのです。

 この地区は、伝統的にカーディナルスが強いのですが、近時はカブスの強さが目立ちます。
 組織票も有ってか、カブスからは多くのプレーヤーがオールスターゲームに選出されています。

[西地区]
 サンフランシスコ・ジャイアンツが、「宿命のライバル」ロサンゼルス・ドジャーズに7ゲーム差を付けて首位を走っています。
 今年は「ジャイアンツの年」なのでしょうか。

 3位のコロラド・ロッキーズ以下のチームとは大きな差が付いていますから、ここからドジャーズがどこまで追い上げるかというところでしょう。

[アメリカンリーグAL]

[東地区]
 ボルチモア・オリオールズが2ゲーム差でボストン・レッドソックスを抑えて、首位をキープしています。

 このところAL東地区は接戦となるシーズンが多いのですが、今季も他の地区と比較しても大接戦となっています。

 ボルチモアは、打率がリーグ2位、本塁打数が1位と、攻撃力で勝を重ねているシーズンとなっています。一方のレッドソックスも打率と打点が1位と、打線がチームを引っ張っているのです。
 7連勝で一気にトップ争いに加わってきたトロント・ブルージェイズは防御率で2位と、投手力主体のチームとなっていますから、東地区の優勝争いはまだまだ続くことでしょう。

 ニューヨーク・ヤンキースも健闘していますが、貯金を作るには少し力不足という感じです。

[中地区]
 クリーブランド・インディアンズが、2位のデトロイト・タイガースに6.5ゲーム差を付けて首位を走っています。
 インディアンズは防御率がリーグトップですから、投手陣の頑張りということでしょう。

 シーズン前には、やや戦力的に見劣りすると言われていたインディアンズの健闘が目立つ地区となっていますが、NBAのキャバリアーズのファイナル制覇が、クリーブランドの街に勢いを与えているのかもしれません。

 このところ強いカンザスシティ・ロイヤルズの調子がなかなか上がってきませんが、投打のバランスが良いチームですから、連勝を重ね追い上げを見せる可能性があると思います。

[西地区]
 テキサス・レンジャーズがヒューストン・アストロズに7ゲーム差を付けて、首位を走ります。
 投打共に、突出した項目は無いのですが、「勝負強さ」で接戦を制している印象です。

 レンジャーズにとっては、ダルビッシュ投手の本格的復帰が待たれるところでしょう。

 岩隈久志投手の居るシアトル・マリナーズも好スタートを切りましたが、大エース・ヘルナンデス投手の戦線離脱の影響もあってか失速、このところ勝ったり負けたりというゲームが続いています。

 以上、レギュラーシーズンの略半分を終えた、各地区の様相の概要でした。

 今季は「トップのチームが2位以下のチームに大きな差を付けて」いる地区が多いと感じます。
 「大きな戦力差は無いのだけれども、大きな差を付けている」というところでしょうか。

 後半戦に向けては、カブスの快走がとこまで続くのかという点と、AL東地区の接戦の行方、に特に注目したいと思っています。
 リオデジャネイロ・オリンピックのゴルフ競技に、オーストラリアのジェイソン・デイ選手、北アイルランドのローリー・マキロイ選手、日本の松山英樹選手が出場しないと報じられています。

 本当に久し振りの「オリンピックでのゴルフ競技」ですが、世界のトッププレーヤーの出場辞退が相次ぐ状況になっているのです。

 松山選手の辞退理由は、ジカ熱などの流行、虫刺され回避と伝えられました。特に、松山選手にとっては「虫刺され」が恐怖のようです。数年前に虫に刺された松山選手は、今虫に刺されると、重い症状になってしまうとのこと。アナフィラキーショックのような症状なのかもしれません。

 いずれにしても、リオデジャネイロの環境、衛生状態や多くの虫の存在が、ゴルフ界のトッププレーヤーから敬遠されているのは間違いありません。

 一方で、セーリング会場では「油が浮いていて」船がとても汚れてしまうといった指摘もなされています。
 1年くらい前には、生活排水・汚物が浮いていて、汚い上に、とても臭いといった話も出ていました。
 本当だとすれば、「世界一」を争う舞台としては、あってはならない状態と言えるでしょう。

 また、治安の悪さも指摘されています。
 暴行や殺人、窃盗の頻発などです。選手や旅行者も被害にあっているようです。
 こうした犯罪をなす人達(若者が多いようですが)にとっては、生きていくためにやっていることで、仕方が無い面もあるのでしょうが、その場所がオリンピック開催地となると、話はやっかいです。

 こうした情報に接したスポーツファンの相当数は、リオへの応援・観戦旅行を回避することになるかもしれません。

 もちろん、こうした悲惨な現象が「ごく一部のもの」であることを信じたいところです。

 ゴルフ競技においては、まだアメリカ選手団の最終的な動向が伝えられていないと思いますが、これでジョーダン・スピース選手やダスティン・ジョンソン選手らが出場しないこととなれば、「世界最高レベルの競技を提供すること」を標榜しているオリンピック大会としては、とても残念なことになってしまいます。

 やはり、「世界最高レベルの競技の提供」を標榜するのであれば、「世界最高レベルの舞台の用意」が必要なのは、自然なことでしょう。

 4年に一度のオリンピック出場を目指して、努力を続けてきた選手達にとっても、応援するファンの皆様にとっても、各競技・種目のレギュレーションをクリアする会場が必要なのです。
[7月7日・準決勝]
フランス2-0ドイツ

 マルセイユのスタッド・ヴェロドロームに6万4千人以上の大観衆を集めて行われた準決勝は、地元ファンの大歓声を背にしたフランスチームが、優勝候補筆頭のドイツチームを2-0で破りました。

① イタリア戦のダメージ

 ドイツは、準々決勝のイタリアとの「死闘」で大きなダメージを負いました。
 ゴメス選手とケディラ選手を失ったのです。

 多彩な攻撃フォーメーションを駆使するドイツチームにとっては、大変痛い損失だったことでしょう。
 もちろん、サッカー大国ですから代わりのプレーヤーも素晴らしい能力を有しているのですけれども、ゴール前で「どこからともなく現れる」プレーは、ケディラ選手とトーマス・ミュラー選手の「十八番」です。

 ケディラ選手が欠けたことで、ドイツにとってはミュラー選手1枚となってしまいました。そして、今大会いまひとつのミュラー選手は、このゲームでも得点することは出来ませんでした。

② ノイアーの壁

 世界チャンピオン・ドイツの守護神・ノイアー選手の存在の大きさは、今更言うまでもないことなのでしょうが、とにかく現在のドイツチームを破るためには、「ノイアーの壁」を抜かなければなりません。

 最も効果的?な戦法はペナルティーキックPKです。
 さすがのノイアー選手も、PKを常時止めることは出来ません。今大会でも、ここまでの決勝トーナメントでドイツの失点はPKによるものだけでした。

 前半のインジュリータイムに、このPKのチャンスがフランスに訪れたのです。
 シュバインシュタイガー選手によるハンドの判定でした。
 このPKをグリーズマン選手がキッチリと決めました。

 そして後半27分、ドイツゴール前の混戦から、ノイアー選手が弾いたボールを再びグリーズマン選手が叩き込みました。このパターン=ノイアー選手の体勢が崩れている時にシュートするというパターンも、「ノイアーの壁」を破るには有効なのです。(どんなゴールキーパーに対しても有効だとは思いますが)

こうしてフランスチームは、PK以外の形でドイツチームからゴールを奪い、快勝したのです。

③ グリーズマン選手・大会6得点目

 ユーロの1大会で6得点というのは、素晴らしい記録です。長い歴史の中で、1984年大会のプラティニ選手の1大会9得点に次ぐ記録となっています。あの大会でのプラティニ選手の活躍は「神憑り」であり、伝説となっています。
 グリーズマン選手は、フランスの大先輩に続く活躍を魅せてくれているのです。

 大会得点王は間違いないところでしょうから、決勝でもゴールを見せていただきたいものです。

 さて、ユーロ2016の準決勝2試合は、共に2-0というスコア、ポルトガルとフランスが「快勝」したゲームとなりました。

 決勝は、大観衆を背にする地元フランスがやや有利と観られますが、ポルトガルにとっても、開催国であった2004年大会の決勝でギリシャに敗れたリベンジという「強い思い」があります。
 そして何より、常識を超えたストライカー、クリスティアーノ・ロナウド選手が調子を上げています。

 7月10日の決勝戦は「先制点」が大きくものをいうでしょう。
 フランスが先制すればそのまま押し切る、ポルトガルが先制すれば互角の勝負、になると思います。
 今大会、ポルトガルが初めて「快勝」し、決勝戦に駒を進めました。

 クリスティアーノ・ロナウド選手が、ついにその力を魅せたのです。

[準決勝・7月6日]
ポルトガル2-0ウェールズ

① 堅守

 このゲームでも、ポルトガルの「堅守」が際立ちました。
 特に、中盤での素早いディフェンスにより、ウェールズチームのチャンスメイクの芽を摘んで行きました。

 ユーロ2016のポルトガルチームの最大の特徴なのでしょう。

② 動きが悪かったウェールズ

 準々決勝まで、相手チームを上回るスピードから数多くの得点機を創出してきたウェールズチームでしたが、このゲームでは全体として動きが悪かったと感じます。

 初出場で準決勝進出という「快挙」を達成したことによる、精神的な「達成感」と、連戦の疲労が原因ではないかと思います。
 ピークの状態で大会に入り、戦い続けてきて、ついにピークアウトしたということでしょうか。

 ベイル選手は相変わらずの突進を見せてくれましたが、他の選手は連動できませんでした。結果として、ウェールズのシュートは、ベイル選手の「ペナルティーエリアの外からのミドルシュート」ばかりとなってしまいました。

③ クリスティアーノ・ロナウド選手の活躍

 押し気味にゲームを続けたポルトガルでしたが、前半は0-0。
 ウェールズの懸命の守備が続きました。

 しかし、後半開始早々の5分、コーナーキックのボールに走り込んだクリロナ選手がヘディングシュート。スピード・威力・コース共に満点。
 当代屈指のストライカーの真骨頂でした。

 ポルトガルが先制したのです。

 その僅か2~3分後、今度は右サイドでボールをキープしたクリロナ選手がゴール前に低く強いボールを入れました。(シュートかパスかは見方が分かれるところですが、私はパスだと思います)
 このボールにゴール前に居たナニ選手が反応しワンタッチ。ボールはウェールズゴールに突き刺さりました。

 このゴールが決まった瞬間、ゲームは決しました。

 ポルトガルは、2004年自国大会以来の決勝進出となりました。
 3引分と苦しんだグループリーグの戦いから、徐々に調子を上げてきたのです。

 「クリスティアーノ・ロナウド選手を擁するポルトガル代表チーム」にとって、大きな大会で優勝する初めてのチャンスが訪れました。
 6月22日のシアトル・マリナーズ対デトロイト・タイガースのゲーム。
 シアトルの先発として登板した岩隈久志投手から2本のホームランを放った選手が居ました。
 デトロイトのスティーブン・モヤ選手です。

 モヤ選手は、プエルトリコ出身の25歳、メジャー3年目の外野手ですが、身長2mと報じられました。

 MLBにおいては、投手であれば2mを超える選手は、多いとは言えないものの珍しくは無い存在です。
 「ビッグ・ユニット」と称されたランディ・ジョンソン投手(2m8cm)やヤンキースのCCサバシア投手(2m1cm)を始めとして、マウンド上で時折見かける「サイズ」なのですが、これが野手となると、滅多にお目にかかりません。

 もちろん、MLBの野手は日本プロ野球NPBと比較すれば相当大型のプレーヤーが多いことは事実です。

 モヤ選手の同僚で2012年シーズンの三冠王、ミゲール・カブレラ選手は193cm、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス選手が191cm、ボストン・レットソックスのデービット・オルティーズ選手が193cm、ロサンゼルス・エンジェルスのアルバート・プホールズ選手が191cm、ワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパー選手が191cm、ボルチモア・オリオールズのクリス・テービス選手が191cm、同じくオリオールズのマーク・トランボ選手が193cm、シカゴ・ホワイトソックスのトッド・フレーザー選手が191cm、ミルウォーキー・ブリュワーズのクリス・カーター選手が193cm、マイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントン選手が198cm、といった具合に190cmを超える野手は相当数存在するのです。

 とはいえ、これが2mとなると激減します。
 私は、MLBのレギュラープレーヤーとしては初めて見ました。

 右投げ左打ちのモヤ選手が打席に入ると、その大きさは圧倒的。
 タイガースのホームのユニフォームは白色が際立つタイプですから、モヤ選手のシルエットが画面に広がるのです。バッターボックスがとても小さく見えます。

 前述の大型プレーヤーの多くは、チームの中軸打者でありホームランバッターですが、モヤ選手は、2014年・2015年とホームランは0本で、2016年もここまで3本ということですから、まだ「ホームランバッター」と呼ばれることは有りません。

 一方で、この日のゲームで岩隈選手から放った2本塁打は、逆方向・レフトスタンドへのものもありましたから、「遠くへ飛ばす」潜在能力は十分に秘めていると感じました。

 その存在感自体が「非日常」そのものである、スティーブン・モヤ選手の、今後の活躍が期待されます。
 7月10日から、愛知県体育館で開催される、大相撲2016年7月場所の注目力士検討です。

 5月場所は、横綱・白鵬の37回目の優勝で幕を閉じました。
 「ニュー白鵬」の相撲は、相当にリスクを取るスピード相撲ですが、場所の終盤で調子を上げるという「ペース配分」の上手さも相俟って、強さを魅せてくれました。

 こちらも「ニュー」である、大関・稀勢の里も重厚な相撲を展開しました。
 2015年の後半からは、左右の動きに付いて行けない取り口も見られ、ピークは過ぎてしまったか、とも言われましたが、2016年に入ってからは、「心持ち」の変化とリスクを小さくしていく取り口が功を奏して、「安定した成績」を残しています。特に、序盤の取りこぼしが無くなったのは、稀勢の里の成長を示しているのでしょう。

 一方で、3~4年に渡って「岩の様に」存在した幕内上位陣にも、ようやく変化が訪れました。
 御嶽海や正代といった「若手」が番付を上げて来ると共に、琴勇気や魁聖が三役の座を占めるようになりました。
 「新しい力」が横綱・大関陣に挑戦することとなったのです。

 横綱陣と大関以下の力士の力量差は、場所を追う毎に小さくなっていると思います。

1. 横綱陣

 3横綱の中で、安定感という面から観れば、やはり白鵬が上位なのでしょう。
 ニュー白鵬の取り口には心配もありますが、日馬富士や鶴竜の相撲と比較すれば、第一人者の座は不動です。

2. 大関陣

 こちらも、やはり稀勢の里に注目です。
 横綱云々という前に、まずは「優勝」が必要なことは、誰もが考えることでしょう。
 星数も関係なく、まずは優勝していただきたいものです。

 心配なのは照ノ富士。
 両膝他の故障が、見た目以上に悪いのかもしれません。相撲界にとっては大切な逸材ですから、無理をせずに完治を待ち、再度大関を狙う位の決断が必要なのかもしれません。

3. 関脇以下の力士

③遠藤

 5月場所では、「らしい相撲」が増えました。もともと「上手さ」には定評がある力士ですので、故障からの回復が進んでいるのでしょう。
 前に出るスピードと力が加われば、大活躍が期待できます。

④魁聖

 腰の症状が安定してからは、地力を活かした相撲が取れるようになりました。取り口も相撲の基本に則っていると感じますので、東関脇という高い番付けでも、しっかりとした相撲を見せていただけるものと思います。

⑤逸ノ城

 いつかは地力を発揮していただけるものと信じています。大きな体と器用な相撲は、もっと上位を狙えるベースとなるものでしょう。土俵際の粘り発揮も含めて、そろそろ「逸ノ城の相撲」を魅せて欲しいものです。
 
⑥栃ノ心

 先場所は技能賞に輝きました。「つり出し」が評価されたものと思います。
 十両で全勝優勝した力士は大関以上に昇進するというジンクスもありますので、そろそろ大関を狙う足掛かりの場所にしていただきたいものです。

⑦千代の国

 大きな怪我で、幕内から三段目まで下がり、少しずつ番付を上げて、ついに幕内に返り咲きました。そのご努力に敬意を表します。
 昔ながらの元気一杯の相撲に期待します。

⑧宝富士

 一度三役に上がり、厚い壁に跳ね返されて、再び三役を狙える番付に上がってきました。成長の証を見せる場所でしょう。

⑨豪風

 5月場所では、「らしい相撲」が戻ってきました。まだまだ老け込むには早いと思います。コンディションを上げて、存分に動き回っていただきたいと思います。

⑩北播磨

 新入幕です。じっくりと十両で鍛え上げたスピード相撲を、思い切り取り切っていただきたいと思います。

 7月場所は、以上の10力士に注目します。

 もちろん、幕内下位に下がった玉鷲、伸び盛りの御嶽海、大砂嵐、正代、久々の三役の高安、他、楽しみな力士が目白押しです。

 様々な点で「節目の場所」になって欲しいとも思います。
[準々決勝・7月2日]
ドイツ1-1(PK戦6-5)イタリア

 ワールドカップとユーロ、世界屈指の規模を誇る大会において、イタリア代表チームに関しては「2つの原則?」が在ります。

① 大会前の評判が低かった時のイタリアは強い。
② イタリアはドイツに強い。

 この「2原則」は、長く高密度なサッカーの歴史の中に、脈々と生き続けています。

 ユーロ2016準々決勝4試合の中で、最も注目されたこのゲームにおいても、「2原則」が生きていたと感じます。

 今大会のイタリアは、新しいチームでした。積極的に若手を起用し、一方で「イタリアの顔」的プレーヤーを使いませんでした。
 2012年ユーロ準優勝の原動力であったピルロ選手やバロテッリ選手が居ないのです。
 予選の戦い振りも含めて、新生イタリアチームの大会前の評価が低かったことは、止むを得ないところでしょう。

 しかし、「第一の原則」に則って、イタリアチームは活躍を魅せてくれました。
 グループリーグGLを首位で突破し、ラウンド16ではスペインを破りました。

 「ビッグネーム」プレーヤーが少ないイタリアは、実は優勝候補なのではないか、との声が上がったのです。

 そしてドイツ戦を迎えました。
 「もうひとつの原則」が披露されるのではないか、との見方も広がりました。

 何しろ、ドイツチームはこれまで、ワールドカップとユーロのトーナメントで、イタリアチームに勝ったことが無いのです。
 共に、ワールドカップ優勝4度を誇るサッカー大国ですが、個別の対戦成績では「大差」が付いていたのです。

 試合の前半は、一進一退の展開でした。
 一進一退の展開ということは、イタリアペースであったということになります。
 もともと、「カテナチオ」と呼ばれる堅守からのカウンター攻撃というのが、イタリアサッカーです。
 このゲームでも、ドイツチームにボールを回させながら、カウンターのチャンスを狙う試合展開が続きました。

 前半は0-0。

 後半に入って、ドイツが中盤からのボール回しのスピードを上げたことと、さすがにイタリアのプレーヤーの動きが悪くなったことも相俟って、流れがドイツに傾きました。
 後半10分過ぎから、イタリア選手にイエローカードが3枚連続したことに、その状況が表れています。

 そして、ドイツに先制ゴールが生まれました。
 左サイドでゴメス選手がボールをキープし、走り込んできたへクター選手にパス、へクター選手がドリブルでイタリア陣を抉ってゴール前にパス、イタリアディフェンダーDFの脚に当たってコースが少し変わったボールは、ゴール前に詰めていたエジル選手の足許に飛び、エジル選手はこれをしっかりとゴールに押し込みました。
 ゴール前2m辺りからのシュートでしたから、さすがのゴールキーパーGKブフォン選手も反応できませんでした。

 攻めに攻めていたドイツチームの見事な先制点でした。

 さて、ドイツチームが1-0とリードしましたので、残り30分をドイツが守り切れば、「史上初のドイツ勝利」が示現されるように見えました。
 もともと、ドイツチームも「堅守」が持ち味ですし、現在のドイツには最強GKノイアー選手が居るのです。
 これで、イタリアチームは相当追い込まれたと感じました。

 しかしここで「第二の原則」が顔を見せたのです。

 後半30分を過ぎて、イタリアチームが攻めます。
 右サイドからのセンタリング。このボールが、ドイツDFボアテング選手の手に当たりました。ペナルティーキックPKです。
 これをキッチリと決めたイタリアが1-1に追い付いたのです。

 飛び上がりながら両手を上に挙げて広げていたボアテング選手の腕にボールが当たった時には、「第二の原則」の強さを感ぜざるを得ませんでした。「サッカーの歴史」が現出したのです。

 1-1の同点となってから、両チーム、特にドイツチームは2点目を目指して良く攻め続けましたが、延長戦も含めて、得点の匂いはしませんでした。
 ドイツチームは、ゴール前でパスを多用しますが、「カテナチオ」は特にゴール前の守備が堅いのです。ゴール前での「狭いゾーンDF」がカテナチオの特質のひとつでしょう。
 従って、ドイツチームとしては、ゴール前で「ドリブル」をもっと使うようにした方が、イタリアチームを相手にした時には、得点チャンスが増えるのではないでしょうか。

 さて、前後半90分、延長前後半30分の計120分を戦い抜いて、ゲームは1-1のタイ。PK戦に突入しました。

 ドイツのGKノイアー選手、イタリアのGKブフォン選手は、「当代屈指の名GK」。
 この2人の対決となったのですから、PK戦も一筋縄では行かないと感じました。

 そしてイタリアが先攻となったPK戦は、案の定、勝利の女神が毎回微笑む方向を変える展開となったのです。

 ドイツチームは、トーマス・ミュラー選手、エジル選手、そしてシュバインシュタイガー選手が失敗しました。
 ワールドカップでの2桁ゴールに見られるように、現在「決定力」という面からは「世界屈指のプレーヤー」であるミュラー選手やドイツチームの司令塔エジル選手が、失敗したのには驚かされました。
 2人共ブフォン選手が止めたのです。2人のシュートは強いものでは無く、コースを狙ったものでしたが、ブフォン選手はこれをキッチリと予測して、左右に飛び、しっかりと止めていました。
 ブフォン選手の「予測力の高さ」が如実に示されていましたし、ドイツチームは「左右のコースを狙うPK」が多かったのです。

 一方で、世界最強とも呼ばれるノイアー選手を相手にしたイタリアプレーヤーは、真ん中に強く蹴って行くPKが多かったと思います。
 ノイアー選手の予測を超える「真ん中高めのシュート」でした。

 しかし、さすがにノイアー選手。そうした中でも、イタリアチームの5人目をしっかりと止めて、ドイツの5人目が決めれば勝利という状況を創出しました。

 ドイツの5人目はシュバインシュタイガー選手。この緊張感満点のシーンでは、最も相応しいプレーヤーが回ってきたと思いました。
 シュバインシュタイガー選手は、歴戦の勇士にして、ドイツチームの「心臓」と呼んでも良いリーダーです。ワールドカップやユーロの数々のゲームで「ドイツ魂の象徴」としてチームを牽引してきた大ベテランが、この激闘に終止符を打ってくれると思ったのです。

 ところが、このキックは左上に大きく吹けてしまいました。
 信じられない光景でした。シュバインシュタイガー選手は崩れ落ちました。
 サッカーの神様が「ドイツがイタリアに勝つのは、まだ早い」と言っているかのようでした。

 これで、勝敗の帰趨はイタリアに大きく傾いたと感じましたが、その流れに立ちはだかったのがノイアー選手でした。
 この世界最高のGKは、シュバインシュタイガー選手が外した後も、「何事も無かったかのように」ゴール前に仁王立ち。この「不動の精神力」こそが、「世界最高」と呼ばれる所以なのでしょう。

 ノイアー選手がイタリアの9人目のシュートを、左側に飛んでキッチリと止めた後、ドイツの9人目はヘクター選手でした。

 ヘクター選手のキックは向かって右側への低いシュートでした。そして、ブフォン選手はこれを予想していました。素早く左に飛んだのです。
 「また止めたか」と見えた瞬間、ボールはワンバウンドしてブフォン選手の「左脇の下」を通過し、ゴールネットを揺らしました。

 ドイツチームの勝利が決まった瞬間でした。

 ヘクター選手は、ドイツの先制点のアシストを決め、PK戦をも締めくくりました。
 この日のドイツチームにとっての「ラッキーボーイ」であり、今後代表チームの中心選手に成長してくれることでしょう。

 一方、このPK戦を通じてイタリアGKブフォン選手の「予測」は見事なものでした。
 ほとんどのPKトライにおいて、ドイツ選手の蹴る方向に動いていました。ブフォン選手は、世界屈指の能力を如何なく発揮してくれたのです。
 ノイアー選手以外のGKが相手であれば、ブフォン選手が、イタリアチームが勝ったことでしょう。

 ヘクター選手のPKが、ブフォン選手の「脇の下」を抜けた瞬間、ユーロの歴史に新しいページが開きました。「トーナメントでドイツがイタリアに勝つ」というページです。

 とはいえ、この日のゲーム内容を観ると、「第二の原則」はまだまだ生きていると感じます。
 世界チャンピオンとして、優勝候補筆頭として大会に臨み、戦力的にも優位にあると目されていたドイツチームが、大苦戦し、負ける寸前にまで追い込まれたのです。
 「カテナチオ」はこれからもドイツチームの前に立ち塞がり続けるような気がします。

 ドイツチームは「予想通り」、準決勝に駒を進めました。

 このイタリアとの「死闘」は、ドイツを一段と強くしてくれたことでしょう。
[準々決勝・7月1日]
ウェールズ3-1ベルギー

 ゲームの流れが二転三転し、帰趨は全く判りませんでしたが、結果としてはウェールズチームの快勝となりました。

 ユーロ初出場のチームとして、準々決勝で3点を挙げて勝つというのは素晴らしいことです。まさに今大会の「台風の目」でしょう。

 ベルギーのナインゴラン選手が前半13分に先制したときには、ゲームの流れはベルギーのものでした。
 「ベルギーの宝石」アザール選手のボールキープから、ゴール前の得点機を創造し続けました。

 ところが、前半31分にアシュリー・ウィリアムズ選手に同点ゴールを奪われてから、ゲームの流れはウェールズに傾きました。
 ウェールズがボールを支配し、次々とゴール前にボールを供給し続けます。
 ベルギーチームの動きが一気に悪くなりました。余程コンディションが悪いのか、それとこ「後半に向けて体力を温存しているのか」といった様子でした。

 後半の立ち上がりから、ベルギーチームが攻勢に出ました。
 「軽やかで多彩な攻め」が続き、何度も決定的なチャンスを創りましたが、シュートが決まりませんでした。噛み合えば、面白いように点が取れるチーム(だから世界ランキング2位に居るのです)なのですが、決まらなくなると決まらないという、ベルギーチームの特質が良く表れた時間帯でした。

 懸命に耐えていた、というか、ベルギーチームの「シュートミス」に助けられていたウェールズチームは、後半20分にロブソン・カヌ選手のゴールで勝ち越しました。まさにワンチャンスを活かしたゴールでした。
 そして後半31分、ヴォークス選手が決定的な3点目を叩き込んだのです。

 カヌ選手のゴール前でのテクニックが輝いた2点目、ヴォークス選手のサイドネットに刺さったヘディングと、ウェールズチームの「決定力」が際立ちました。

 いつも言われることですが、この試合の勝敗を分けたのは「シュートの精度」だったのでしょう。

 ペレ選手、ゲルト・ミュラー選手、プラティニ選手、ファンバステン選手、ロマーリオ選手、ロナウド選手、クローゼ選手、スアレス選手、メッシ選手、といったサッカー史を彩る「特別な才能を具備する」ゴールゲッターが居ないチーム(大半のチームには存在しません)同士の対戦において、両チームの「決定力」を分ける要因とは、何なのでしょうか。

 いつものことながら、不思議なものです。

 ウェールズはベスト4に進出しました。
 ラグビー大国ですが、サッカーでは少し力が落ちる、と見られていたウェールズが、サッカーでも「欧州のベスト4」の位置に立ったのです。

 それにしても、ウェールズには「ウィリアムズ」という名のプレーヤーが多いと感じます。

 あの1970年代に全盛を誇った、ラグビー・ウェールズ代表チームにも、J.J.ウィリアムズ選手とJ.P.R.ウィリアムズ選手という、「2人のウィリアムズ」が居ました。
 100m・10秒そこそこという「快足」を誇ったウイング・J.J.と、大きな体を活かしたディフェンス力と突進力でチームに貢献し続けたフルバック・J.P.R.。
 共に、世界屈指のプレーヤーでした。

 そして、今大会のウェールズには、アシュリー・ウィリアムズ選手とジョナサン・ウィリアムズ選手の「2人のウィリアムズ」が大活躍を魅せています。
 主将として出場しているアシュリー選手などは、ラウンド16のゲームで肩を故障し、ほとんど「肩が動かせない状態」になってしまいました。しかし、ベンチからの交替指示を拒絶!し、ビッチに立ち続けました。
 この準々決勝でも、「肩を固めて」強行出場し、同点ゴールを挙げています。

 まるで、「ウェールズサッカー史に、永遠に残るであろうゲーム」に出場しないなんて、考えられないと言わんばかりの気迫です。

 「ベイル選手とその仲間達」という観の有ったウェールズチームは、ゲーム毎に強さ・輝きを増しています。特に、グループリーグGL3試合で6点、ラウンド16・準々決勝2試合で4点という「得点力」は、今大会随一といっても過言ではありません。
 
 「クリロナ選手を擁する」ポルトガルチームとの準決勝は、手に汗握る展開となることでしょう。
[準々決勝・6月30日]
ポルトガル1-1(PK5-3)ポーランド

 前半2分、エース・レヴァンドフスキ選手の今大会初ゴールでポーランドチームが先制しましたが、ポルトガルチームは前半33分にレナト・サンチェス選手のゴールで追い付きました。
 
 ポーランドの得点は、大きなサイドチェンジからのセンタリングをレヴァンドフスキ選手がキッチリと活かしたもの、一方のポルトガルはゴール前のワン・ツーからサンチェス選手が叩き込んだもの、と両チームの持ち味が出たゴールの応酬でした。

 その後は、両チームにチャンスが訪れましたが、決め切ることが出来ませんでした。
 特に、クリスティアーノ・ロナウド選手は、ゴール前での「空振り」など、らしくないプレーが続きました。

 相変わらずの「得点力不足」に悩むポルトガルチームですが、気が付けばベスト4に進出しています。

 グループリーグGLを「3引分」という巧み?なマネジメントで勝ち抜き、決勝トーナメントでは所謂強豪国が居ない山に入って、ラウンド16・準々決勝の2試合を各得点1・計2点で勝ち抜くという「離れ業」を成し遂げたポルトガルチームは、ひょっとすると「守備のチーム」なのかもしれません。

 5試合の内4試合を引分で勝ち抜いて行くというのは、これはこれで難しいことでしょう。
ペペ選手やフォンテ選手を始めとして、ジョアン・マリオ選手やカルバーリョ選手のポイントポイントでの守備が効いているのでしょう。

 振り返れば、2000年大会のベスト4、2004年の決勝進出、2012年のベスト4と、ポルトガルチームは、ワールドカップと比較すれば「ユーロに強い」という印象です。
 これで、「直近5大会で4度目のベスト4進出」となるのです。

 準決勝こそは、クリロナ選手の豪快なシュートが観られますように・・・。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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