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 ツアー・チャンピオンシップ2016は、稀にみる大接戦となり、通算12アンダーパーで並んだ、ロリー・マキロイ選手、ケビン・チャペル選手、ライアン・ムーア選手の3選手によるプレーオフの結果、マキロイ選手が優勝するとともに、フェデックス・カップ・ポイントでもトップに立って、年間王者に輝きました。

 本大会は、最終ラウンド・4日目(9月25日)に好スコアを出したプレーヤー同士によるプレーオフへと縺れ込みました。
 マキロイ選手とムーア選手は、最終ラウンドを64打、チャペル選手も66打とスコアを伸ばしたのです。
 こうした大きな大会(言葉が重なっていますが)における、最終日のプレーの重要性を改めて示した形です。

 松山英樹選手も大会を通じて上位に位置し、優勝争いに絡み続けましたが、最終日69打とあと一歩届かず、通算6アンダー・単独5位に留まりました。ツアー・チャンピオンシップ大会での5位は決して悪い成績ではありません(日本選手初のトップ10入り)が、初日首位で飛び出しただけに、惜しまれる結果となりました。

 現在の「ビッグ3」の一角を占めるマキロイ選手ですが、今シーズンは中々調子が上がりませんでした。
 しかし、プレーオフに入って本来のプレーが出始め、プレーオフ第2戦のドイツバンク・チャンピオンシップで大逆転優勝を遂げ、年間王者を狙える位置・ポイント6位まで上がってきていました。
 そして最終戦でも、最終日の猛チャージでプレーオフに進出し、4ホール目に約5mのバーディパットを捻じ込んでムーア選手を振り切りました。
 まさに「ロリー・マキロイの爆発力」を示したのです。

 本大会は、2日目までダスティン・ジョンソン選手が快調なプレーを展開しました。最終戦を前にしてポイントトップに立っていたジョンソン選手が好調となれば、「もう、年間王者は決まり」というムードでしたが、そのジョンソン選手が3日目から失速、最終ラウンドも3オーバーと崩れ、通算5アンダー・単独6位に終わりました。年間王者争いでマキロイ選手の逆転を許したのは、自身の成績の為でもありました。

 2日目の530ヤードを超えるパー4ホールで、2ndショットを8番アイアンで打ち、キッチリとグリーンヒットしている、Dジョンソン選手のプレーを見たときには、こんなプレーヤーに太刀打ちできる選手は居ないだろうと感じられました。
 何しろ、とても長いパー4のセカンドが170ヤードというのですから、ティーショットは360ヤード以上飛んでいたことになります。さすがに、今季PGAツアーの年間ドライバーショット飛距離NO.1プレーヤーのショットを魅せていたのです。

 ところが3日目に調子を崩し、最終日は73打を打つのですから、ゴルフというのは本当に難しいものです。

 プレーオフ4戦の内2戦を制して「年間王者」となったマキロイ選手が、ボーナス1,000万ドル=約10億円を手にして、PGAツアー2015~16シーズンは幕を閉じました。

 PGAツアーのプレーヤー諸氏は、ほんの少しの休みを取って、2016~17年シーズンの初戦・10月13日から始まるセーフウェイオープン大会に臨みます。
 ライダーカップに出場するトッププレーヤー達には、9月30日~10月2日も厳しい戦いが待っているので、休み期間はありません。

 何か、とてもハードなスケジュールですけれども、PGAツアーのトーナメントに出場できること自体が、世界中のゴルファーの憧れであり、出場権を得るためにとても多くのプレーヤー達が世界中で日々戦い努力していることを考え合わせれば、「しんどい」とも言っていられないのかもしれません。

 ゴルファーにとっての世界最高の舞台「PGAツアー2016~17シーズン」が幕を開けます。
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 大谷翔平投手の素晴らしいピッチングでした。
 
 マジック1としていた日本ハムが、9月28日の西武ライオンズ戦を1-0で制し、2016年パシフィックリーグ・ペナントレースの優勝を決めました。

 レアード選手のホームランで得た「虎の子」の1点を、大谷投手が完投・シャットアウトの投球で守り切ったのです。15奪三振という、圧巻の投球でした。

 ソフトバンクホークスとの差は、6月に最大11.5ゲームもありました。そして追い上げに入ってからの15連勝もありました。
様々な記録に彩られた「球史に残る大逆転優勝」であったことは、間違いありません。

 それにしても、この大事なゲームに先発した大谷投手の姿は、しなやかで、堂々としていて、とても美しいものでした。
 プロ野球を代表する投手に成長した姿が、そこには在りました。

 アウェイの西武プリンスドームでの試合でしたが、日本ハムファンが球場を埋め尽くしていました。

 そのグラウンドで、大歓声に包まれて、栗山監督が8度宙に舞いました。
 やや禅問答のような言葉ですが、クライフ氏は「多くの人は、この言葉を本当に理解しているのか」といったトーンで述べていると感じます。

 「君たちがボールを保持していれば、相手チームはボールを持つことが出来ない。」ともコメントしています。

 当たり前のことを言っているのですが、この概念がベースとなって、ポゼッションサッカーが生れているということもできます。「当たり前のこと」だが、「絶対の真理」をしっかりと考えなければならないということなのかもしれません。

 サッカーというスポーツは、「ボールはひとつしかない」ということを、充分に考え抜いて、その戦略・戦術を構築し、ひとりひとりのプレーヤーが自身にとって最適なプレーをしなければならない、というクライフ氏の言葉は、「トータルフットボール」と呼ばれる、現代サッカーの礎を創り上げた人物の言葉だけに、とても意味深長です。
 7場所連続の負け越しという、ご本人にとってとても不本意な成績を続けていた佐田の海が、9月場所で久しぶりに勝ち越しました。

 一方で、佐田の海は「7場所連続で負け越しながら、幕ノ内の地位を維持」していました。これは1958年・1年6場所制になって以降の最高記録でもあります。

 「幕ノ内力士」は、大相撲最高峰の力士であり、序の口・序二段・三段目・幕下・十両と並ぶクラス全ての力士の憧れの的です。幕ノ内に上がることは、大相撲を志すアスリートの「大目標」なのです。

 そして、「幕ノ内の地位」を維持して行くことは、当然ながら極めて難しいことです。
 念願の入幕を果たしても、短期間で再び十両や幕下に落ちてしまう力士はとても多いのです。

 そうした状況下で、7場所連続で負け越しながら、幕ノ内に留まってきたというのは、それはそれで奇跡的なことの様に感じられます。「マジック」の様だとの感想も有るでしょう。

 佐田の海のこの「マジック」の秘訣は、「負け越しても、大きくは負け越さない」ところにあります。

 よく知られていることですが、大相撲においては「負け越しの数=番付が下がる枚数」という原則?があります。
 もちろん、他の力士の成績とのバランスで、この原則通りの運用とはならないことも多いのですが、例えば7勝8敗なら「番付は1枚下がる」のが原則なのでしょう。(東から西に動くケースも多々あります)

 佐田の海の今回の負け越しは、2015年の7月場所から始まっています。この時の番付は西前頭筆頭でした。前頭は、通常16枚目あるいは15枚目まで有りますから、佐田の海にとっては「下に15枚は有る」という状況だったのです。

 ここから、佐田の海の粘り強い負け越し?がスタートしました。
 2016年に入ってからは、1・3・5・7月場所の全てが7勝8敗でした。番付は「じりじりと」下がりましたが、大きく落ちることはありませんでした。

 「7場所連続負け越しながらも幕ノ内を維持」という新記録を樹立?する過程で、佐田の海は西前頭筆頭から西前頭10枚目まで下がったのです。

 そして2016年9月場所で8勝7敗と、久しぶりに勝ち越したのです。

 大相撲の本場所に臨むに際して、全ての力士の最大の目標は「勝ち越し」です。これは横綱・大関であろうと同じでしょう。
 まずは勝ち越しを決めてから、次の目標を目指すのです。

 負け越してしまうと、次の場所で番付が下がることとなります。全ての力士にとって大きなショックなのです。

 さてここで「手本とすべきは佐田の海の頑張り」なのでしょう。

 例えば、場所の途中で5勝8敗と負け越してしまった時、残りの2取組をどう戦うかが、とても重要なのです。
 残り2番を連勝できれば7勝8敗とすることができ、番付の下落を最小限に抑えることが出来ます。
 逆に2連敗して5勝10敗となれば、5枚もの番付下落のリスクを負うこととなり、時には幕ノ内から十両へ、十両から幕下への陥落のケースも発生するでしょう。

 負け越してからの取組が、とても重要なのです。

 そうした意味から、「7場所連続で負け越しながら、幕ノ内を維持した」という記録は、大記録であり、大相撲で戦って行く全ての力士にとって、とても大切な教訓なのであろうと感じます。

 また、久しぶりに勝ち越した佐田の海には、大相撲の次代を支える「技士」として存分に実力を発揮していただき、11月場所での二桁勝利を期待しています。
 「少なく走ることは、頭が良いことだ。フィジカルよりも優れている。」とヨハン・クライフ氏は言います。

 「フィジカルも大切だが、インテリジェンスが重要」とも言っています。

 90分あるいは120分間の試合を通して、自らの体力を維持し、存分に動き回るためには、無駄な動きを避けなければならないという意味なのでしょうか。
 無駄な動きを少なくするためには、インテリジェンス、頭を使わなければならない、フィジカルの強化よりもインテリジェンスの強化の方が有効だとも聞こえます。

 「走る」ということについては、別の言い方もしています。

 「フットボールでは、100mよりも30m・40mを速く走ることが重要だ。そして、もっと重要なのは『いつ』走るかだ。」と。

 『いつ』走るのか、走らなければならない『時』を見極めるために、『頭』を使わなければならない、とクライフ氏は言っているのでしょう。

 フィジカル面の劣勢が指摘されることが多い日本人プレーヤーにとって、とても大切な言葉のようにも感じられます。

 この『インテリジェンス』『頭』という言葉・概念は、クライフ氏のフットボール哲学の根幹を成すもののようで、そのコメントの随所に登場しているのです。
 WOWOWスポーツに、「ヨハン・クライフ 現代フットボールの創始者」というサッカー番組が有ります。

 今2016年3月24日に死去したヨハン・クライフ氏の特集番組で、約30分間です。

 ヨハン・クライフ氏は、現役時代には、アヤックスやFCバルセロナ、そしてオランダ代表チームのプレーヤーとして、様々な試合・大会で素晴らしい活躍を続け、「空飛ぶオランダ人」と呼ばれ、指導者となってからは、主にFCバルセロナの監督として、バルセロナを世界屈指のクラブに育て上げました。

 世界サッカー史に刻んだ功績は、形容する言葉が無い程であったと感じます。

 そのクライフ氏のもと(おそらくご自宅)を、岡田武史氏(元日本代表チーム監督)と北澤豪氏(元日本代表選手)が訪問し、インタビューした映像を中心に、クライフ氏の死後、構成された番組になっているのですが、その内容が素晴らしい。

 クライフ氏の言葉ひとつひとつが「珠玉」であり、「現代フットボールの本質」そのもののように感じられます。

 本ブログでは、この番組内のコメントを「クライフの遺言」として、何回かに分けて採り上げて行きたいと思います。

 第1回となる今回は、「良い選手と普通の選手の違いは、ボールコントロールのスピード」という言葉です。

 ゴール前においても、ディフェンスにおいても、相手プレーヤーよりスピードがあれば、優位に立てるということです。
 ここで言う「スピード」とは、おそらく「素早さ」に近い意味であろうとも思います。

 例えば、メッシ選手がゴール前で、相手ディフェンダーが何人居ようとも、チャンスを広げ、シュートを放ち、ゴールを挙げることが出来るのは、メッシ選手の素早さが相手プレーヤーに勝っているからでしょう。

 それは「ほんの少しの差」、1m前の位置に動くのに、相手プレーヤーより「10cm先行する」といった差であろうと思いますが、「その10cmの差」が「決定的な仕事に繋がる」のでしょうし、「その10cmの差」が「良い選手と普通の選手の違い」なのでしょう。

 ギリギリの局面での「僅かなるも重大な差」、「追い付くことが極めて困難な差」が「世界一流」のプレーヤーの条件ということになります。

 ゴール前や、ピッチ上のあらゆる局面で、相手プレーヤーと「同じスピード」「同じ素早さ」であれば、チャンスを創ったり、チャンスの芽を摘むことは、とても難しいことになります。相手の予想を完全に裏切るような創造性溢れるプレーが必要となるのです。

 高いレベルの試合において「相手の予想を完全に裏切るプレー」を展開することは、当然のことながら、至難の業です。能力と経験に満ちたチーム・プレーヤーを相手にした時には、殆どのプレーが「相手の予測の範囲内」なのでしょうから、「見え見え」のプレーになってしまい、攻撃の場合であれば、ゴールを挙げることは至難と言うことになってしまいます。

 その時に「相手より素早いプレー」を繰り出すことが出来れば、局面を大きく打開できるのでしょう。

 試合において、より多くの良いプレーを披露出来る選手になるためには、相手プレーヤーに勝る「素早さ」を身に付ける必要があるということであり、この「素早さ」を体得するためのトレーニングを、整斉と行っていかなければならないということになります。

 メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手、スアレス選手といった、世界超一流のプレーヤーには、「素早いプレー」を展開できる能力が身に付いています。

 「素早いプレー」を展開できるプレーヤーの数が、そのチームの強さを測る尺度と言っても良いのかもしれません。
 14日目、大関・豪栄道が玉鷲を破り、優勝を決めました。

 見事な14日間でした。

① 14戦全勝

 何より、これが素晴らしい。2横綱にも勝ちましたから、文句のつけようの無い優勝です。

② スピードと間合い

 もともと「秀でたスピード」が豪栄道相撲の持ち味でしたが、今場所はそこに「絶妙の間合い」が加わっていたと感じます。

 今場所、上位の力士との対戦では、四つになることを避け、離れて取りました。この離れている時の攻守の間合いが絶妙であったと思います。

 特に「押しに出る時のタイミングの良さ」は、これまでの豪栄道の相撲を大きく超えていたのでしょう。

③ 連続優勝と綱取りに向けて

 「稽古場横綱」と称されて来ている豪栄道ですから、実力が有ることは以前から指摘されていたことです。

 この力を9月場所の土俵で出し切った結果が「優勝」だったのでしょう。

 地力の高い大関が壁を破ったのですから、次は「綱取り」ということになります。

 11月場所の連続優勝が大いに期待されるところです。
 9月21日の対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦に先発登板した、ロサンゼルス・ドジャーズの前田健太投手は、5イニング・88球を投げて、被安打3、奪三振6、与四球2、失点2の好投を魅せてチームの勝利に貢献し、自身今季16勝目(9敗)を挙げました。

 シーズン終盤の優勝争い真っ只中、最強のライバル・ジャイアンツを相手にしての好投は、極めて大きな価値が有ると感じます。

 また、ルーキーイヤーの16勝は、ダルビッシュ有投手に並ぶ、MLBにおける日本人投手の最多勝記録です。本当に見事な活躍です。

 これで前田投手は、30度目の先発を果たし、169イニングを投げて、防御率も3.20です。MLB1年目にして、名門ドジャーズの先発投手陣の中核を占めるピッチャーとなったのです。
 大黒柱のクレイトン・カーショー投手が、故障で戦列を離れていた時期が有ったことを考慮すれば、ローテーションを守り続けた前田投手の頑張りが、現在のナショナルリーグNL西地区のドジャーズの「首位」に大きく貢献していることは、間違いないでしょう。

 一方で、前田健太投手の今季年俸が9億円を大きく超えたとも報じられました。

 シーズン前、「基本年俸300万ドル=約3億5百万円」という、日本プロ野球NPBにおける実績から観れば少ない金額での契約となり、一部のMLBプレーヤーからは「奴隷のような契約」だと指摘されていましたが、前田投手は実績で「出来高払い」項目を次々とクリアして来ました。

 そして今や、基本年俸の倍以上の出来高年俸を実現し、合計で9億円以上の年俸を手にすることとなったのです。

 まるで小説に出てきそうな「ミラクル」な活躍であり、プロスポーツ選手として、とても誇らしいシーズンを過ごしていると感じます。
 9月19日の対ワシントン・ナショナルズ戦に代打で出場したイチロー選手は1打点を挙げて、MLB通算打点を760とし、日本人メジャーリーガートップの松井秀喜選手の記録に並びました。

 メジャー16年目、MLB最年長野手でもあるイチロー選手が、ゲームに出場し活躍する度に、新しい記録が生まれ続けるのですが、この打点の記録も素晴らしいものだと感じます。

 また、イチロー選手が記録を樹立・更新する度に、「過去のメジャープレーヤーの記録」も再認識されるところが、とても興味深いところでしょう。

 今回の「760打点」についても、日本人メジャーリーガーの「打点トップ10」が報じられていました。(Full-Count 9月20日配信)

 では、見て行きましょう。(9月19日のゲーム終了時点。カッコ内はMLB通算出場年数。)

・第1位 松井秀喜選手(10年)、イチロー選手(現役16年目) 760打点
・第3位 松井稼頭央選手(7年) 211打点
・第4位 井口資仁選手(4年) 205打点
・第5位 城島健司選手(4年) 198打点
・第6位 福留孝介選手(5年) 195打点
・第7位 青木宣親選手(現役5年目) 179打点
・第8位 田口壮選手(8年) 163打点
・第9位 岩村明憲選手(4年) 117打点
・第10位 新庄剛選手(3年) 100打点

 懐かしい名前が並んでいます。

① ホームランバッターそして「クラッチヒッター」としても鳴らした松井秀喜選手は、デビュー年から3年連続の100打点越え、通算4度の100打点越えを達成しています。

② こうして日本人野手を観ると、「MLBでのプレー期間が4年前後」のプレーヤーが多いことが分かります。MLBで長くプレーすることの難しさを示している事実だと思いますが、それだけにイチロー選手や松井選手の10年を超える活躍が目立ちます。

③ 「日本人野手の減少」が顕著です。一時期は多くのチームで日本人野手の活躍が観られたのですが、近時はイチロー選手と青木選手、そして時々?川崎宗則選手と、3人だけになってしまいました。特に「内野手」は絶滅状態です。MLBにおける日本人プレーヤーの「苦手分野は内野手」と言うことになるのでしょう。

 日本プロ野球のグラウンドの多くが人工芝であり、MLBは自然芝が多いということもあるのでしょうが、その本来の守備力や打力からすれば十分に通用するようにも思います。

 日本人内野手のMLBへの積極的な挑戦が待たれるところです。
 大関・豪栄道の快進撃が続いています。

 11日目、大注目の稀勢の里戦も持ち前のスピードで勝ち切りました。
 初優勝に向けて、第一関門を突破したというところでしょう。

 11日目には、日馬富士と遠藤が敗れ、1敗力士も居なくなりましたから、豪栄道が相当有利な状況に立ったことは間違いありません。

 もともと稽古場では圧倒的な強さを示し、「稽古場横綱」と呼ばれてきた豪栄道が、本場所の土俵でも、持てる力を発揮できるようになってきたという感じがします。そのずば抜けたスピードが威力を魅せているのです。

 この強さで2横綱を破り優勝するようなら、来場所は「綱取り」の場所となります。

 初優勝のゲットはもちろんとして、豪栄道関には、この9月場所で「本場所の土俵での力の出し方」を、しっかりと体得していただきたいと思います。

 そうすれば、結果は自然に付いて来るのでしょう。
 9月18日に中山競馬場で開催されたセントライト記念は、皐月賞馬ディーマジェスティが、直線で他馬との競り合いを制して優勝しました。
 菊花賞2016に向けて、順調な調整ぶりを示したのです。

 圧倒的一番人気でのレースとなったディーマジェスティと蛯名正義騎手のコンビでしたが、とても落ち着いたレースを展開しました。

 スタートから後方待機、向う正面では一度前に進出しかけましたが、他馬のスピードアップに伴って再び後退、3~4コーナーの半ばになって一気に先行馬を捕まえにかかりました。
 スローペースを感じていた蛯名騎手の判断だと思いますが、これがレース一番の好判断であったと感じます。
 ほとんど先頭の位置で直線に出たディーマジェスティは、外から追い上げてきたブロディガルサンを振り切り、内で粘るゼービントを競り落としたところがゴールでした。

 一完歩毎に、走る方向やスピードを微妙に変えているようにさえ観える、ディーマジェスティの「器用さ」が際立つレースでした。

 皐月賞優勝馬が秋緒戦のG2を勝ち切ったところに、この勝利の勝ちが有ると思いますが、一方で、圧倒的な強さを示したわけでは無いところは気になります。

 9月25日の神戸新聞杯には、サトノダイヤモンドとエアスピネルの出走が予定されています。

 ダービー馬マカヒキは凱旋門賞2016に挑戦しますから、菊花賞2016への出走は難しいと思いますけれども、「春の3歳牡馬4強」の内、ディーマジェスティとサトノダイヤモンド、エアスピネルの3頭がクラシック最後の一冠を狙って、「無事に夏を過ごした」感が有るのは、素晴らしいことでしょう。

 関係者の皆さんのご努力に敬意を表します。

 そして、菊花賞2016への興味は増すばかりです。
 9月18日、阪神競馬場で開催されたローズステークスは、オークス馬シンハライトが、「届くのかな」という位置からの強烈な末脚を魅せて優勝しました。

 秋華賞を始めとする秋のG1レースに向けて、春のクラシックレースを飾った3歳牝馬が揃って顔を見せたレースとなりました。

 スタートから桜花賞馬ジュエラーが先行しました。
 いつになく前に行っている、という印象でしたが、鞍上ミルコ・デムーロ騎手の感覚なのであろうと思いました。

 ジュエラーは4角を回ったところで先頭への進出を目指しましたが脚色が悪くズルズルと後退。
 内を回ったクロコスミアが逃げ込みを図りました。岩田康成騎手の好騎乗かと思った瞬間、外からシンハライトが飛んできました。

 父ディープインパクトを思わせる素晴らしい脚でした。

 2016年の桜花賞馬とオークス馬が激突したレースでしたが、シンハライトは1着、ジュエラーは11着と明暗を分けました。

 これでシンハライトは6戦5勝・2着1回(桜花賞)と、名牝への道をまっしぐらと言う感じですが、一方で、直線が長い阪神外回りコースで、一杯一杯届いた感のあるレースですので、内回りコースにおける不安が残りました。

 ハナ差2着のクロコスミアはもちろんとして、3着のカイザーバル、4着のデンコウアンジュにも、今後のチャンスが広がった感もあります。

 春のG1上位常連組と、秋の上り馬。
 2016年秋の牝馬G1戦線が注目です。
 2015年10月15日~18日に行われたフライズ・ドットコムオープン大会からスタートした、PGAツアー2015年~16年シーズンも、ついに最終戦である、ザ・ツアーチャンピオンシップ大会を迎えました。

 今シーズンも、アメリカ合衆国ジョージア州のイーストレイク・ゴルフクラブが会場となります。
 
 最終戦の参加資格は、フェデックスカップ・ポイントの上位30プレーヤーに限定されます。
 ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ大会に出場することが、PGAツアーの、世界のプロゴルファーの「トップ30」を意味することであることは、間違いありません。

 最終戦のひとつ前の大会である、BMWチャンピオンシップ大会(2016年9月8日~11日)を終えての上位30プレーヤーを挙げます。(カッコ内はアメリカ以外の国・地域の出身プレーヤー)

1. ダスティン・ジョンソン選手
2. パトリック・リード選手
3. アダム・スコット選手(オーストラリア)
4. ジェイソン・デイ選手(オーストラリア)
5. ポール・ケーシー選手(イングランド)
6. ロリー・マキロイ選手(北アイルランド)
7. ジョーダン・スピース選手
8. ラッセル・ノックス選手(スコットランド)
9. エミリアーノ・グリージョ選手(アルゼンチン)
10. ジミー・ウォーカー選手
11. ブランド・スネデカー選手
12. ジャスティン・トーマス選手
13. フィル・ミケルソン選手
14. ライアン・ムーア選手
15. ケビン・チャペル選手
16. マット・クーチャー選手
17. 松山英樹選手(日本)
18. キム・シウー選手(韓国)
19. ケビン・キスナー選手
20. ゲーリー・ウッドランド選手
21. ロベルト・カストロ選手
22. ケビン・ナ選手
23. ウィリアム・マクガート選手
24. ババ・ワトソン選手
25. ショーン・オヘア選手
26. ダニエル・バーガー選手
27. ジェイソン・ダフナー選手
28. J.B.ホームズ選手
29. ジョナサン・ベガス選手(ベネズエラ)
30. カール・シュワルツェル選手(南アフリカ)

 これが、2015~16年シーズンのトップ30であり、ザ・ツアー選手権大会の出場選手でもあります。最終戦には「予選落ち」がありません。30名のプレーヤーは4日間戦うのです。

 近年、PGAツアーには、海外プレーヤーが数多く進出していると言われ、アメリカ勢の劣勢とも言われますが、30名の内アメリカ勢が20人ですから、やはり、世界のゴルフ界を牽引しているのは、依然として、アメリカ合衆国と言うことになります。

 現在の「ビッグ3」と呼ばれる、デイ選手・マキロイ選手・スピース選手がいずれもトップ10プレーヤーとして最終戦を迎えているのは、さすがです。

 また、ランキング1位で最終戦に臨むジョンソン選手は、今季初メジャー制覇・全米オープン優勝を果たしました。フェデックス・カッププレーオフ、前述のBMW選手権大会をも制していますから、好調を維持していることは間違いないでしょう。

 ランキング5位で進出したポール・ケーシー選手は、今季ツアー優勝は無かったのですが、常に上位に食い込むという安定感が物を言いました。

 日本からは、松山英樹選手が17位で進出しました。毎年のようにザ・ツアー選手権大会に駒を進める松山選手は、我が国の誇りであり、世界のトッププレーヤーなのです。

 また、今季はアルゼンチンのグリージョ選手とベネズエラのベガス選手が進出して来ました。近時のゴルフ界における、南米勢の躍進を象徴する事実でしょう。

 一方で、「トップ30」に入ることが出来ず、最終戦進出を逃したプレーヤーの中にも、大物プレーヤーがズラリと並んでいることは、言うまでも有りません。

 まず31位はリッキー・ファウラー選手です。アメリカの若手の中心的プレーヤーです。続いて32位はセルヒオ・ガルシア選手です。「神の子」と称された「天才的プレーヤー」ガルシア選手も36歳となりましたけれども、今季もバイロン・ネルソン選手権大会に優勝したのですが、トップ30には入れませんでした。

 36位には、今季の全英オープン・チャンピオンのヘンリック・ステンソン選手(スウェーデン)が居ます。メジャー大会に勝ったからといっても、シーズンを通してのトップ30に入ることは容易なことでは無いということを如実に示しています。48位にはグレーム・マクドゥエル選手(北アイルランド)が居ます。2010年全米オープン・チャンピオンとなってからは安定した成績を残してきた印象ですが、今季は最終戦には届きませんでした。

 フェデックスカップ・ポイントは、プレーオフに入ってから得点水準が大幅にアップしますので、「トップ30」のプレーヤーには、どの選手にも「年間ポイントトップ=年間王者」になる可能性が有ります。
 とはいえ、現時点のポイント上位のプレーヤーが、最終戦でも上位に入って来ることがあると、現時点のポイント下位のプレーヤーが合計ポイントで、上位のプレーヤーを追い抜くことは出来ません。

 「自分が最終戦に優勝」することが即座に「年間王者獲得」となるプレーヤーは、現在トップ5のプレーヤーに限定されます。
 例えば、現在5位のポール・ケーシー選手が、ザ・プレーヤーズ選手権大会で優勝すれば、現在1位のダスティン・ジョンソン選手が2位に食い込んだとしても、ケーシー選手が「年間王者」に輝くように、ポイントが配されているのです。

 従って、トップ5の選手が、やはり有利と言うことなのでしょうが、現在の上位選手が、この大会で軒並み下位に沈むことがあれば、10位以下のプレーヤーにも、この大会で優勝することで「年間王者」を獲得する可能性が十分に有るのです。(目の離せない大会となるようにセットされているのです)

 ザ・ツアー選手権大会に優勝して、「年間王者」になると、大会優勝賞金153万ドル(約1億6千万円)+「年間王者」ボーナス1000万ドル=約10億2千万円の、両方の賞金を手にすることが出来ます。

 1試合のプレーの後、「12億円近い賞金」を手にするというのは、全てのプロスポーツを通じても、個人が手にする賞金としては最高水準でしょう。(もちろん、例えばランキング30位に近い下位のプレーヤーが優勝し、トップ5の選手が上位に食い込むといった形で、必ずしも最終戦で優勝しなくとも「年間王者」に就くことはありますが)
 プロスポーツ選手としては、「超高額の賞金獲得」を目指すことは、当然のビヘイビアなのでしょう。

 2016年9月22日、世界の「トップ30選手」が「1000万ドル」のボーナス獲得を目指して覇を競う、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ大会が幕を開けます。
 リオデジャネイロ・パラリンピックの日本選手団は、合計24個のメダルを獲得しました。

 日本選手団にとってパラリンピック史上最多のメダル獲得であり、チームの力を世界に示す大活躍でした。

 一方で、意外な、そして残念なことに金メダルは0でした。

 銀メダル10、銅メダル14という結果に、パラリンピックにおける各競技・各種目の大幅なレベルアップを感じました。
 日本選手団も相当強くなったのですが、世界の各チームはもっと強くなっていた、パラリンピックに挑む選手層が、各競技・種目を通じてとても厚くなってきたという印象です。

 9月7日から18日にかけて開催された大会ですが、日本選手は毎日大活躍を魅せてくれました。

 9月8日の柔道66kg級の藤本聰選手の銅メダルを皮切りとして、連日メダル獲得のニュースを届けていただいたのです。

 9月9日には廣瀬順子選手が、柔道女子57kg級で、この種目と言うか日本女子柔道初の銅メダルを獲得しました。

 9月12日は、「1日に6個」というメダルラッシュでした。
 そして、競泳の木村敬一選手はこの日の男子50m自由形S11での銀メダルをスタートとして、計4つのメダルを獲得したのです。
・50m自由形 銀メダル
・100m平泳ぎSB11 銅メダル
・100mバタフライS11 銀メダル
・100m自由形S11 銅メダル
 連日のように泳ぎ、好成績を挙げた活躍は見事という他はない、素晴らしい活躍でした。

 陸上競技の佐藤友祈選手と山本篤選手も、世界一を目指して果敢な戦いを展開してくれました。

 佐藤選手は、男子400mT52と1500mT51/52の2種目で銀メダルを獲得しましたが、両種目共に優勝はアメリカのレイモンド・マーティン選手でした。佐藤選手は、マーティン選手とギリギリの戦いを披露したのです。この2種目では、マーティン選手と佐藤選手の力が他を圧していたのですが、マーティン選手のスプリント力が、僅かに佐藤選手を上回っていたという形です。

 山本選手も、9月12日の男子400mリレーT42-47で、芦田創選手・佐藤圭太選手・多川知希選手と共に銅メダルを獲得すると共に、17日の走幅跳びT42ではドイツのヘンリック・ポポウ選手にあと8cmと迫る6m62cmの記録で銀メダルに輝きました。
 「日本チームの金メダル獲得」に向けての、素晴らしいトライであったと思います。

 大会最終日18日の活躍も見事でした。
 初の種目となった、陸上女子マラソンT11/12の道下美里選手が銀メダル、男子マラソンT11/12の岡村正広選手が銅メダルに輝き、車椅子ラグビーでも初めてのメダル獲得・銅メダルを獲得しました。
 本当に見事な活躍の連続でした。

 今から約半世紀前の1964年、第一回東京オリンピックと共に、東京パラリンピックも開催されました。

 そして2020年、東京オリンピックと共に東京パラリンピックも開催されます。

 ホスト国としての日本チームの活躍が、とても楽しみです。
 7日目を終って、東前頭筆頭の隠岐の海は2横綱・4大関との対戦をすべて終えました。
 そして、2横綱・3大関を破りました。

 初日、「綱取り」の期待がかかった大関・稀勢の里に完勝したことで勢いに乗ったのでしょうか、2日目には横綱・鶴竜、3日目は横綱・日馬富士、4日目に大関・照ノ富士、6日目に大関・琴奨菊を倒したのです。

 「守りに強い」という印象の取り口が多く、一度、横綱・大関に相撲を取らせてから、反撃に転じ、自らの力を発揮するという相撲ですから、決して一発勝負の大技を繰り出しているわけでは無く、「地力の高さ」が感じられます。

 7日目の大関・豪栄道戦も、立合いから一気に押し込まれましたけれども、西土俵際で押し返し、「さて、ここから」というところで豪栄道の振り回すような投げが出て、さすがに土俵を割りました。

 6戦全勝同士の取組らしい、中身の濃い一番でしたし、今場所の豪栄道の好調さも感じられました。

 「綱取り」の稀勢の里が早々に2敗してしまい、鶴竜も3敗となってしまいましたが、豪栄道、隠岐の海、そして遠藤が元気です。

 横綱・日馬富士が中心の優勝争いとはいえ、これらの力士にも十分にチャンスが有りそうです。

 豪栄道と隠岐の海、遠藤には、「初優勝」を目指して、一番一番「丁寧かつ思い切った相撲」を魅せていただきたいものです。
 9月15日のボストン・レッドソックス戦に先発登板した、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は、7イニング・93球を投げて、被安打4、奪三振0、与四球3、失点1の好投を披露しました。
 ブルペンが打ち込まれ、残念ながらゲームは逆転負けとなってしまいましたが、田中投手としては、先発の責任を十分に果たした投球でした。

 この好投により、2016年シーズンの田中投手の成績が一段と素晴らしいものとなっています。

1. 防御率2.97

 シーズン通算防御率が3.00を切りました。アメリカンリーグALトップの成績です。そもそもAL唯一の「防御率2点台」の先発投手となっています。
 素晴らしいことです。

2. 投球回数193イニングと2/3

 MLBの先発投手に望まれる「シーズン200イニング投球」にあと一歩まで迫りました。
 既に今シーズンは30度の先発登板を果たしていますが、残り2~3ゲームの登板が予想されますので、200イニング突破は確実な状況です。

 MLB1年目の2014年シーズンが136イニングと1/3、2年目の2015年シーズンが154イニングであった投球回数が、3年目の今季「飛躍的」に増加しました。2016年シーズには、大きな故障も無く、順調に先発ローテーションを守り続けていることの証左であり、「ヤンキースのエース」としての活躍は見事です。

3. 奪三振0

 このボストン戦では、「珍しく」奪三振がありませんでした。MLBデビュー以降初めてのことと報じられています。「打たせて取るピッチング」を展開し、93球で7イニングを抑え込んだのです。
 2016年シーズン、田中投手は「MLBにおける投球」を完成させつつあるのでしょう。

 シーズン前、肘の故障からの回復状態が心配されていた田中投手でしたが、自身のMLBにおける最高のシーズンを展開しつつあります。

 田中将大投手が、MLB屈指のスターターに成長していく様子は、頼もしい限りです。
 サッカー競技においては、「あの時のチーム」という概念が大きな意味を持ちます。

 特に、ワールドカップの様な世界一を決める大会では、「○○年の○○国のチーム」といった形で、ファンの間で長く語り継がれることとなるのです。

 とはいえ、「○○年の○○国のチーム」といっても、メンバーは試合毎に異なります。
 実は、大切な試合に、そのチームの骨格を成すプレーヤーが出場していないことも、時々あるのです。

 当該チームにとっては「欠くべからざるプレーヤー」が出場していないのですから、とても苦しい戦いを強いられますし、本質的に言えば「○○年の○○国のチーム」と呼ぶことが相応しくないチームになってしまっているのかもしれません。

 チームの骨格を成すプレーヤーが、大事な試合に出場できない原因としては、イエローカードの累積、怪我・故障、等が挙げられます。

 今回は、21世紀のワールドカップのビッグゲームにおいて、「もし、あの選手が出場できていたら・・・」というケースを観て行きたいと思います。

① 2002年日韓大会決勝 ブラジル対ドイツ

 ロナウド選手、リバウド選手、カフー選手、ロベルト・カルロス選手、ルシオ選手らを擁したブラジル代表チームが、2-0でドイツチームを破り優勝したゲームです。

 このゲームでは、ドイツ代表チームの中心プレーヤー、ミヒャエル・バラック選手が出場できませんでした。準決勝での反則が要因であったと記憶していますが、「バラックのチーム」と言われた2002年のドイツ代表チームにおいて、ワールドカップ決勝戦のピッチに「バラックが居ない」状況だったのです。

 ドイツは、ベルント・シュナイダー選手やオリバー・ノイビル選手、そしてミロスラフ・クローゼ選手らを中心に攻撃を組み立て、再三ブラジルゴールを脅かしましたが、結局得点を挙げることは出来ませんでした。
 結果として、後世においては「ブラジルの完勝」と評されるゲームとなったのです。

 しかし、実際には後半の前半までは拮抗したゲームでした。
 「もし、ここにバラック選手が居たら」というゲームであったと思います。
 バラック選手のボールキープ力と突破力が、ドイツチームに得点を齎したであろうと感じます。

 2002年ワールドカップ決勝のドイツチームは、「2002年のドイツチームでは無かった」のでしょう。

② 2010年南アフリカ大会準決勝 オランダ対ウルグアイ

 オランダチームが3-2で勝ち、2度目の決勝進出を決めたゲームです。
 
 前半、ファン・ブロンクホルスト選手のミドルシュートでオランダが先制しましたが、ウルグアイがディエゴ・フォルラン選手のシュートで同点として折り返し、後半オランダがヴェスレイ・スナイデル選手とアリエン・ロッベン選手のゴールで3-1とリード、ゲームは決まったと思われましたが、ウルグアイが猛反撃、インジュリータイムに入ってマキシミリアーノ・ペレイラ選手がゴールを挙げて2-3と追い縋り、最後の最後まで分からないゲームとなりました。

 この大事な試合に、あのルイス・スアレス選手が出場していなかったのです。
 準々決勝ガーナ戦の延長後半終了間際、ガーナチームのシュートを手で止めて、レッドカード一発退場となってしまい、準決勝のピッチに立てなかったのです。

 スアレス選手の「点取り屋」としての能力は、現在のサッカー界でも、メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手と並び称される、あるいはそれ以上のものであろうと評されていますから、「スアレスが居ると居ないとでは『違うチーム』になってしまう」と言われています。
 その通りだと思います。

 ワールドカップにおいて2度の優勝を誇る古豪ウルグアイチームにとって、久し振りの決勝進出を目指したゲームに、スアレス選手が居なかったことは、ウルグアイの得点力に計り知れないマイナス要因となったのでしょう。
 スアレス抜きでも、2-3という接戦を演じたことを思えば、「もしスアレスが居たら」と考えてしまうのも、無理が無いところです。

 準々決勝のガーナ戦でのスアレス選手の「とんでもない反則」も、アフリカ勢初の準決勝進出を目指すガーナチームに対して、「絶対に勝つ」という気迫から生まれたプレーでしょう。
 この反則により、ガーナにペナルティーキックPKが与えられましたが、これが入らず、PK戦となって、ウルグアイが勝ち抜いたのです。

 手を出さなければ、このシュートが入り、ガーナの勝利となるという延長後半のインジュリータイム。「相手チームにPKが与えられ、自らが退場となる」ことを覚悟の上で、「PKが必ず入るとは限らない」との考えから、(あるいは本能的に)「とんでもない反則」をやらかしてしまったのでしょう。

 もちろん、決して褒められた行為ではありませんが、「チームの勝利の為に、やれることはすべてやる」という執念には、畏れ入ります。

 この執念と世界最高の得点能力が準決勝のピッチに存在したならば、と考えさせられるのです。

 スアレス選手、フォルラン選手、エディンソン・カバーニ選手、アルバロ・フェルナンデス選手、ペレイラ選手らのメンバーが揃ったウルグアイ代表チームは、古豪ウルグアイにとって久しぶりにワールドカップ優勝を狙えるチームであったと思いますし、この世代のウルグアイチームとしてのピークの時期であったとも感じます。

 もし準決勝でオランダを破り、決勝に進出していれば、全盛期のスペイン代表チームの脅威となっていたことは間違いないでしょう。
 ウルグアイが勝っていたかもしれないとさえ思うのです。

 それだけ、準々決勝のガーナ代表チームが強かったということも事実なのでしょう。

③ 2014年ブラジル大会準決勝 ドイツ対ブラジル

 ドイツ代表チームが7-1で大勝した有名なゲーム。

 前半23分から29分までの7分間に、ドイツチームが4得点し、ワールドカップ決勝トーナメント史上に残るワンサイドゲームとなり、ブラジルにおいては「ベロオリゾンテの悲劇」と呼ばれる試合になってしまいました。

 このゲームには、ブラジル代表チームのネイマールjr選手とチアゴ・シウバ選手が出場できませんでした。
 ネイマール選手は準決勝のコロンビア戦で、背後からの膝蹴りを受けて背骨を骨折しました。チアゴ・シウバ選手は、イエローカードの累積で準決勝のピッチに立てませんでした。
 「攻撃の中心」ネイマール選手と「守備の中心・キャプテン」チアゴ・シウバ選手が居ないブラジルチームは、「悲劇」に見舞われたのです。

 もし、このゲームに両選手が出場していたら、試合の結果はどうなっていたのでしょう。
 完成の域に達していたドイツチームには、やはり敵わなかったという見方もありそうです。
 ネイマール選手とチアゴ・シウバ選手が居たからといって、ドイツに勝つまでには至らなかったというのが大層の意見なのかもしれませんが、少なくとも「悲劇」は起きなかったと思います。

 このゲームで、トーマス・ミュラー選手に早々に先制点を挙げられ、クローゼ選手に2点目を取られたところで、ブラジルチームは「激しく動揺」しました。地元開催の大会で、2点のリードを許し、「早く追い付かなければ」と前掛かりになってしまって、チームがバラバラになったのです。
 「チームが苦境に追い込まれた時の精神的支柱」が、この時のブラジルには存在しなかったことが明らかです。

 ネイマール選手とチアゴ・シウバ選手がピッチに居れば、この「精神的支柱機能」を十分に果たし得たと考えます。
 ひょっとすると、ネイマール選手の驚異的プレーが序盤に飛び出し、先制点を挙げることが出来ていれば、ベロオリゾンテの6万大観衆・ブラジル2億国民の後押しを受けて、好ゲームを展開していた可能性も有るでしょう。

 チアゴ・シウバ選手のコロンビア戦後半の不用意な反則・イエローカードと、ネイマール選手の試合終了間近の負傷退場(ボール位置とは関係ないところでの意図的な膝蹴りでした。絶対に許されない行為です)が、本当に惜しまれます。

④ 2014年ブラジル大会決勝 ドイツ対アルゼンチン

 一進一退が続いた試合でしたが、延長後半、途中出場のマリオ・ゲッツェ選手のゴールで、ドイツチームがアルゼンチンチームを1-0で下したゲームです。

 このゲームには、アンヘル・ディマリア選手が出場していませんでした。
 準々決勝ベルギー戦での故障が原因でした。

 2014年ワールドカップのアルゼンチン代表チームは、「攻撃の中心」がディマリア選手、「守備の中心」がハビエル・マスチェラーノ選手、そして「超豪華なトッピング」としてリオネル・メッシ選手が配されたチームであったと思います。

 「ディマリアとマスチェラーノの運動量」が「2014年のアルゼンチン」を支えていたと思います。

 そのディマリア選手を失ったアルゼンチンは、準決勝のオランダ戦を120分戦っての0-0からのPK戦で勝ち上がり、決勝でも得点を挙げることが出来ませんでした。
 明らかに得点力が不足していたのです。

 ドイツチームとの決勝でも、アルゼンチンチームの守備は健在でした。
 ドイツにスペースを与えず、ペナルティーエリア付近で果敢なチャージを継続し、ゴールを許しませんでした。

 しかし一方で、アルゼンチンにとって得点は遠いものでした。

 このピッチの上にディマリア選手が居れば、と考えたのは私だけではないでしょう。
 ブラジルから7点を奪ったドイツの攻撃を、90分間に渡って零封した守備力をベースに、ディマリア選手とメッシ選手のコンビで1点を捥ぎ取っていれば、アルゼンチンが勝てたのです。
 もちろん、先制を許した後のドイツチームの猛攻は、凄まじいものであったと思いますから、勝敗は分からないところですけれども、チャンスは十分に有ったと思うのです。


 今回はワールドカップの準決勝以上のゲームにおいて、「もし、あの選手が出場できていれば・・・」というテーマで書きました。

 「キープレーヤーが居ない時には『別のチーム』になってしまう」と考えたのです。

 2002年決勝のドイツ、2010年準決勝のウルグアイ、2014年準決勝のブラジル、2014年決勝のアルゼンチンは、「別のチーム」であったと思います。

 勝敗は時の運なのでしょうが、勝つにしても負けるにしても、「フルメンバーで戦える」ことが、とても大切だと考えます。
 リオデジャネイロ・オリンピックで日本選手団は「41個のメダル」を獲得しました。
 これは、日本選手団によるオリンピック史上最高の獲得数でした。

 ロンドン大会との比較では、
・柔道が7個→12個で+5個と、最もメダル数を増やしました。
・レスリングも6個→7個で+1個
・卓球が1個→3個で+2個
・陸上競技も1個→2個で+1個
・バドミントンが1個→2個で+1個
・カヌーは0個→1個
・テニスも0個→1個

 となっていて、以上の7競技で+12個です。

 一方で
・水泳は11個→9個で△2個
・ボクシングが2個→0個で△2個
・アーチェリーが2個→0個で△2個
・サッカーが1個→0個で△1個
・バレーボールが1個→0個で△1個
・フェンシングが1個→0個で△1個

 となっていて、以上の6競技で△9個となりました。

 メダル総数では、ロンドン大会の38個に+3個の41個となった形です。

 大会毎に、成績が上がる競技・種目もあれば、下がる種目も有るのは当然のことです。
 特に、サッカーやバレーボールといったチームスポーツでは、大会毎に一喜一憂するのも止むを得ないところなのでしょう。

 そうなると、メダルラッシュに沸いたリオデジャネイロ・オリンピックの日本選手団において、とても残念な結果に終わったのは、ボクシング、アーチェリー、フェンシングということになるのかもしれません。

 ボクシングは、ロンドン大会では村田選手の金メダルと清水選手の銅メダル、アーチェリーでは古川選手の銀メダルと女子団体の銅メダル、フェンシングは男子フルーレ団体の銀メダルの活躍が有りました。

 この3競技もリオデジャネイロ大会でも頑張ったのですが、惜しくもメダルには届きませんでした。
 歴史と伝統を誇るボクシングチーム、21世紀に入って世界のトップクラスに位置してきたアーチェリーチームとフェンシングチームにとっては、本当に残念な結果であったことでしょう。

 2020年の東京大会では、ボクシング・アーチェリー・フェンシングのプレーヤーの、表彰台における満面の笑顔を、是非観たいものです。
 2016年も、かつて中央競馬のターフを沸かせた優駿達が亡くなっています。

 訃報を聞く度に、印象的なシーンが頭に浮かびます。

 メジロライアンとニッポーテイオーも、記憶に残るサラブレッドでした。

 まず、3月17日にメジロライアン死去のニュースが報じられました。

 メジロライアンは「おおらかな馬」でした。

 どのレースも首の高いフォームから悠然と走り、勝つときは勝ち、負ける時は負ける、といった風情で、「勝利への執念」といった概念からは、遠いサラブレッドであったような気がします。
 「勝利への執念」が不足しているというのは、サラブレッドの資質としては不十分なのでしょうけれども、その「おおらかさ」と「明るい鹿毛の雄大な馬体」が、ライアンの人気(特に女性ファンに人気が有りました)の基であったとも思います。

 結果として、クラシックレースは皐月賞3着・日本ダービー2着・菊花賞3着と惜敗を続け、3歳時の有馬記念も2着、4歳になっての天皇賞(春)も4着と、なかなか大レースには手が届かない形でしたが、良く観ると「距離に関係なく好成績」を残していましたから、その能力が極めて高いオールラウンドプレーヤーだったのでしょう。

 その「大きな才能」が種牡馬になって開花しました。
 初年度産駒の中から、メジロドーベルとメジロブライトの2頭のG1ホースを出したのです。

 まさに「ライアンの娘」であったメジロドーベルは、オークス・秋華賞・エリザベス女王杯2勝・阪神3歳牝馬ステークスとG1を5勝。中央競馬史上屈指の名牝でした。

 メジロブライトは天皇賞(春)を勝ち、父が果たせなかった夢を実現しました。こちらは、ステイヤーズステークス・阪神大賞典・日経新春杯・AJC杯と長い距離に滅法強いサラブレッドでした。

 メジロライアンは父アンバーシャダイの最高傑作であり、日本競馬を席巻したノーザンテーストの血統を継ぐ代表的存在であったと感じます。

 続いて、8月16日にニッポーテイオーが旅立ちました。

 こちらは、まさに「中距離の王者」であったと思います。

 4歳秋に本格化し、天皇賞(秋)で初のG1勝ち、マイルチャンピオンシップも制して、5歳の春には安田記念も優勝しました。そして5歳の宝塚記念(2200m)で、当時の最強ステイヤー・タマモクロスと激突、1番人気はニッポーテイオーでしたが、レースではタマモクロスに2馬身余りの差で2着でした。
 このレースは、「1600m~2000mの最強馬」と「2400m以上の最強馬」が2200mの距離で覇を競い、1・2着を分けたという「劇的」なものでした。我が国の競馬では滅多に観られない「対決」でしょう。

 競走馬を引退し種牡馬となったテイオーでしたが、産駒はあまり活躍しませんでした。ニッポーテイオーは「現役時代にその力の全てを出し切った」のかもしれません。
 産駒の中で印象的なのは「113戦0勝」という記録的な連敗で、かえって全国から注目を集めた、高知競馬のハルウララでしょうか。

 メジロライアンは29歳まで、ニッポーテイオーは33歳まで長生きしました。天寿を全うしたのです。

 多くのファンに夢と希望を与えてくれた両馬が共に、種牡馬を引退した後の余生を、ゆったりと過ごしてくれたことは、何よりであったと感じます。
 
 9月10日のタンパベイ・レイズ戦に先発登板した、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は、7と1/3イニング・102球を投げて、被安打5、奪三振10、与死球1、失点1の好投を魅せてチームの勝利に貢献、自身の登板で6連勝として、13勝目(4敗)を挙げました。

 このところすっかり定着した「低目に変化球を集める」投球に、ますます磨きがかかりました。田中投手の「MLBスタイル」が確立されつつある印象です。

 特に「ストライクが多い」ところが、MLBに適合してきていると感じます。
 このゲームでも、102球中74球がストライクでした。

 日本プロ野球では「ストライクからボールになる投球」が求められるケースが多いのですが、100球という暗黙の球数制限が有り、先発投手には「少なくとも6イニング」を投げ切り、ゲームを造ることが求められるMLBでは、「ストライクからストライク」になる球を主体にする投球が必要なのです。見逃してもストライクになる投球に対しては、MLBのバッターは打って行きますから、少ない球数でイニングを稼ぐことが出来ます。

 当たり前のことを書き恐縮ですが、三振は最低3球を投ずる必要があるのに対して、凡打打ち取りは1球で良いのですから、MLBでは「凡打打ち取り」を目指さなければならないのでしょう。

 こうして「凡打」を目指していく投球が上手く稼働すると、このゲームの田中投手の様に、二桁三振を取ることも出来るのでしょう。カウント3-2からの三振では無く、1-2からの三振が増えて行く形です。

 田中投手は13勝4敗で「9つの勝ち越し」という見事なシーズンを展開しています。

 もちろん個々のゲームの勝ち負けには運不運が有り、相手投手や相手打線そして味方打線・味方の守備力等々様々な要素が絡みますので、必ずしも良い投球を展開したからと言って勝ち星を挙げられるということでは無いことは、誰もが知っていることでしょうけれども、シーズンを通せば、そうした運不運も均等化されていくでしょうから、やはり「先発投手の貯金数」は重要な指標となります。

 田中投手は、現在のヤンキース先発投手陣では、ほとんど唯一の「貯金をしている投手」と言って良い存在ですから、まさにエースとしての投球を続けて居るということになります。

 この勝利でヤンキースは7連勝、今季通算76勝66敗として勝越数を二桁に乗せました。そして、MLBアメリカンリーグ東地区で首位を走るボストン・レッドソックスとの差を3ゲームに縮めたのです。

 残りゲーム数が20前後有ることを考え合わせても、まだまだ地区優勝の可能性が残されています。特に、ヤンキースとレッドソックスは直接対決が7試合も残っているのですから。

 7月から8月にかけて、ベルトラン選手、ノバ投手、ミラー投手、チャップマン投手、Aロッド選手と、いわゆる「ヤンキースの骨組み」となっていたプレーヤーを次々と放出したり引退させたりしたのを見た時には、「ヤンキースはどうなってしまうのか」と心配されましたが、若手プレーヤーの活躍により、「大放出」以降の方が成績が良くなっています。
 そして、現在ではポストシーズン進出を狙える位置まで上がってきているのです。

 新しい選手を前面に立てて、ポストシーズン進出を目指すヤンキースの「大黒柱」である、田中将大投手の2016年終盤の活躍が、とても楽しみです。
 シカゴ・カブスは9月6日、傘下の3Aアイオワの川崎宗則選手をメジャーに昇格させたと発表しました。

 優勝争い、シーズン終盤の戦いに向けて、ロースター(公式戦に出場できるプレーヤーの人数)を増員できる9月に入って、シカゴ・カブスとして川崎選手をメジャーに昇格させたという形です。

 川崎選手にとっては、2016年シーズン3度目のメジャー昇格となります。
 1度目は4月8日、この時は4月15日にマイナーに降格となりました。
 2度目は7月9日、この時は2日後にマイナーに降格となりました。

 ロースターは、8月31日までは25人、9月1日からは40人(セプテンバー・コールアップと呼ばれます)となります。
 MLBの試合光景で、9月に入るとベンチの中が混雑?しているように見えるのは、プレーヤーの人数が増加しているためなのです。

 川崎選手としては、今季3度目のメジャー昇格のチャンスを活かし、レギュラーシーズン終了まで、メジャープレーヤーとして活躍して行きたいところでしょう。

 それにしても、35歳になったとはいえ川崎選手・ムネリンは元気いっぱいです。
 ツィッターにも「メジャーに上がります。ぎりぎりでした。疲れましたけど、何とかぎりぎり間に合いました。9月、目いっぱい頑張りたいと思います」とコメントしたと伝えられました。

 今季、1908年以来「108年振り」のワールドシリーズ優勝に向け、快進撃を続けるカブスにとっても、頼もしい存在がベンチに帰ってきました。
 カブスファンからは「あいつはレジェンドだ」との声も上がっているようです。

 川崎宗則選手の大活躍に期待しています。
 頑張れ、ムネリン!
[9月10日]
広島カープ6-4読売ジャイアンツ

 カープの「勢い」がジャイアンツの「意地」を上回った試合でした。
 
 1回裏坂本選手が黒田投手から2ランホームランを放ち、ジャイアンツが2-0とリードしました。
 先日の阪神戦で逆転3ランホームランを打った坂本選手でしたが、そのホームランと「瓜二つ」の当たりでした。相当手前でボールを捌き、レフトフェンスをギリギリ超えたのです。坂本選手は「この打ち方」を体得したのかもしれません。

 3回表に、その坂本選手のエラーで1点を返したカープは、4回表に鈴木選手・松山選手の連続ソロホームランで逆転しました。今季のカープの勢いを感じさせる見事な攻撃でしたし、東京ドームの2/5を埋めたカープファンは大騒ぎでした。

 そして5回表、鈴木誠也選手の2打席連続ホームラン・2ランが飛び出し、カープは5-2として、そのリードを3点と広げました。
 現状のジャイアンツの打力とカープの投手力の力関係からして、ジャイアンツが5点以上の得点を挙げるのはとても難しいと考えていましたので、これで試合は大きくカープに傾いたと感じました。

 その後、両チームは1点ずつを加え6-4となって、ゲームセットでした。

① カープの25歳前後のプレーヤー・実力がしっかりと身に付いたプレーヤーの活躍

 広島の1・2・3番打者・「タナ・キク・マル」とも呼ばれる、田中選手・菊池選手・丸選手は、26歳・27歳の同世代のプレーヤーです。投手陣では、中継ぎの今村投手が25歳、クローザーの中﨑投手が24歳。鈴木誠也選手は22歳と、少し若いのですが。

 カープには、チームを支える「25歳前後の選手」がズラリと並びます。
 学校を卒業後、一気に花開いたのではなく、着実に力を付けてプロ野球界屈指のプレーヤーに育ったのです。
 この「育成の上手さ」が、今季の広島カープの優勝を支えたことは間違いありません。

② ベテラン選手の活躍

 25歳前後のプレーヤーと共にカープを支えたのは、ベテラン達でした。
 41歳の黒田投手、39歳の新井選手、37歳の石原選手、34歳の赤石選手と、その持ち味を存分に発揮してくれたのです。

 優勝決定後、緒方監督の胴上げを前にして、泣きながら抱き合う、黒田投手と新井選手の姿が、とても印象的でした。

③ マイコラス投手・5イニングで144球

 巨人の先発・マイコラス投手は、5イニングを投げ切るのに144球を要しました。球数がとても多かったのです。これは、好調な立ち上がりに見えたマイコラス投手に対して、広島カープの打者(黒田投手も含めて)が打席においてよく喰らい付いて行った結果と言えるのでしょうが、冷静に観れば「マイコラス投手の球威が少し不足していた」結果なのでしょう。

 粘ろうとして粘れるのであれば、好投手・好調な投手を迎えたチームは、皆この作戦を実行するのでしょうが、実際の試合においては「相手打者に粘りを許さない投球」が披露されることもあるのです。

 僅かに、本来の調子では無かったマイコラス投手に対して、カープ打線が驚くべき粘りと集中力を魅せた結果、「5イニングで144球」が生まれたのであろうと思います。

④ カープ女子の存在

 東京ドーム観客席の、内野3塁側から、レフトスタンド半ばまでを「赤く」埋め尽くした、カープ応援団の迫力は、凄まじいものでした。

 この試合では、応援の「声量」でもジャイアンツを圧倒していたと感じます。

 時々テレビ画面に大写しされるカープ応援席には、いわゆる「カープ女子」の姿が目立ちました。青年の姿も多かったと思います。
 一方のジャイアンツ応援席の観客は、失礼ながらもう少し年齢が高いファンが多かったように観えました。

 25歳前後のプレーヤーがチームの中核を占めている広島カープには、同じような年齢のファンも育っているということなのでしょうか。
 プロ野球の球団としては、その人気の継続性を担保するために、「若いファンの育成」も大切なことでしょうから、広島カープはその面でも成功しているというところでしょう。

 優勝決定後、東京ドームの内野で、カープの歓喜の胴上げが続きました。
 緒方監督が7回宙に舞った後、黒田投手が4回、新井選手が5回、胴上げされました。
 監督と両ベテランは、いずれも「涙の胴上げ」でした。

 前回「25年前の優勝の頃」生まれたプレーヤー達の大活躍で、9月10日の優勝決定という、史上屈指の早い優勝を、広島カープは勝ち取りました。本当に見事なシーズン・戦い振りでした。

 それにしても、セリーグにとっては久し振りの「大試合」でした。

 もちろん、圧倒的な成績で首位を走るカープにとっては、このゲームを落としても優勝は時間の問題なのでしょうが、それでも、黒田投手を立てて、「絶対に勝つ」というカープの思いと、「目の前で胴上げは絶対に見たくない」と、東京ドームでの2連勝を目指したジャイアンツの意地、この「気迫が激突」した試合は、見所満載でした。重量感満点でした。

 こういう「大試合」は、いつ観ても良いものですし、プロスポーツ最大のイベントであろうと思います。
 9月6日のフィラデルフィア・フィリーズ戦の8回裏に代打で登場した、マイアミ・マーリンズのイチロー選手は、ネリス投手が投ずるカウント2-1からの4球目、138kmのスプリットを右翼席・マーリンズの投球練習場に運びました。

 2016年シーズンの初ホームランでした。

 これでイチロー選手は、日本プロ野球NPBで118本、MLBで114本のホームランとなり、日米通算本塁打数は232本となりました。

 また、NPBでビューした1992年こそ、本塁打数は0でしたが、翌1993年から24シーズン連続のホームランとなったのです。

 このホームランで、MLB通算3019安打としたイチロー選手は、もちろん「ヒットメーカー」として不動の位置を固めていますが、ホームランの成績としても、NPB8シーズン・MLB16シーズンの計24シーズン連続というのは、ものすごい記録なのです。

 MLBの記録と比較すれば「史上2位タイ」です。
 1位がリッキー・ヘンダーソン選手の25シーズン連続。2位がタイカップ選手の24シーズン連続です。ベースボール史を彩る名選手の数字と並んだのです。

 NPBの記録と比較すれば「史上3位」となります。
 1位が谷繁元信選手の27シーズン連続、2位が野村克也選手の25シーズン連続となっています。
 
 NPBとMLBの通算本塁打数トップに立つ、あの王貞治選手とバリー・ボンズ選手が22シーズン連続、日米で活躍した松井秀喜選手が20シーズン連続です。

 こうした歴史に残るホームランバッター達と比較しても、イチロー選手の24シーズン連続という記録の素晴らしさが分かります。

 2017年シーズン以降も現役を続行すると伝えられているイチロー選手にとっては、この2016年シーズン第1号にはとても大きな意味があったと感じます。

 「歴史的ヒットメーカー」であるイチロー選手が、このホームラン記録をどこまで伸ばして行ってくれるのか。
 本当に楽しみです。
 9月7日に行われた、全米オープンテニス2016・男子シングルス準々決勝で、錦織圭選手は、イギリスのアンディ・マレー選手をセットカウント3-2で破り、準決勝進出を決めました。

 フルセット、3時間58分に及ぶ接戦を制した錦織選手は、準優勝を飾った2014年大会以来2年振り2度目の準決勝進出となりました。

 凄まじい一戦でした。

 9月8日早朝の日本のテニスファンは、一球ごとに一喜一憂したのです。
 
 第1セットを1-6と一方的に落とした時には、リオデジャネイロ・オリンピックの準決勝を思い出しました。
 しかし、第2セットの途中で雨天中断があり、その後、錦織選手の動きが格段に良くなりました。このセットを6-4で奪い、セットカウントは1-1。

 第3セットはマレー選手が6-4で制しましたが、第4セットは錦織選手が最初から押し込み6-1でものにして、セットカウント2-2。勝負は最終第5セットに持ち込まれました。

 その第5セットは錦織選手が優勢に進めましたが、ゲームカウント4-3とリードしての第8ゲーム、錦織選手のサービスゲームで40-0から「よもやの」ブレイクを喫し、ゲームカウントは4-4となってしまいました。

 ここが勝負どころであり、マレー選手としては「一気に押し込み」たいところでしたが、錦織選手の粘り強いプレー、特に驚異的なボレーが光り、このセットを7-5で勝ち切ったのです。特に、ゲームカウント5-5からのマレー選手のサービスゲームをブレイクしたプレーは見事でした。

 やはり、第2セットの後半から「打ち合い」に持ち込んだ、錦織選手の優位は動かなかったというところでしょうか。

 テニスの四大大会でベスト4に進出すること自体が「快挙」ですが、準優勝の経験もある「相性の良い」全米オープンですから、今度こそは「優勝」の期待がかかります。

 激戦を続けてきている錦織選手のコンディショニングが勝敗を分けることとなるのでしょう。

 準決勝はワウリンカ選手との対決となりました。ここを突破すれば、ジョコビッチ選手との決勝が待っているのでしょうか。
決勝のコートで、錦織圭選手の「満面の笑み」を是が非でも観てみたいものです。
 ロサンゼルス・ドジャーズの前田健太投手は、9月5日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に先発登板し、6と1/3イニング・102球を投げて、被安打3、奪三振8、与四球1、失点1の好投を魅せてチームの勝利に貢献、今シーズン14勝目(8敗)を挙げました。

① シーズン14勝はドジャーズ新人投手記録

 野茂秀雄投手の13勝を超え、石井一久投手に並ぶ、ドジャーズのルーキー記録となりました。素晴らしい記録であると共に、ドジャーズにおける日本出身投手の活躍の歴史を感じさせます。

② グレインキーとの投げ合いを制す

 ダイヤモンドバックスの先発は、昨年までドジャーズの二本柱のひとりであったザック・グレインキー投手でした。ドジャーズは、グレインキー投手が抜けた穴を埋める為に前田投手を獲得したとも言われました。そのグレインキー投手を相手にしての勝利は、前田投手の大活躍を象徴しているように感じられます。
 
 ちなみにグレインキー投手は現時点で12勝ですから、前田投手は勝ち星の面でも上回っているということになります。

③ 防御率3.29

 今シーズン27度目の先発登板となった前田投手の防御率は今季通算3.29となりました。
 150イニング以上を投げての「3点台前半」という数値は、とても価値のある成績だと思います。

 何より「ローテーションを守りながら」、防御率を上げ続けているところが素晴らしい。

 ルーキーイヤーでありながら、大きな故障も無く投げ続けているということは、前田健太投手がMLBに馴染んできていることの証左と言ってよいのでしょうし、低めの投球を上手く使いながら、「MLBの前田健太の投球」を完成させつつあるのでしょう。

 前田投手には、今季残り5試合前後の登板が予想されます。
 どこまで勝ち星を伸ばして行ってくれるのか、本当に楽しみです。
 2016年9月場所が9月11日に幕を開けます。

 大関・稀勢の里の優勝・綱取りが成るか否か、が最大の注目点です。
 5月場所、7月場所に続いて3場所連続の話題となりますが、さすがに「結論を出す場所」ということになるのでしょう。
 本当に久し振りの「日本出身横綱誕生」となるか、大相撲ファンにとっては毎日ハラハラ・ドキドキですし、稀勢の里にとっても「乾坤一擲」の場所と言うことになります。

 さて、恒例の注目力士の選定です。

1. 横綱陣

 本ブログでは長い間、この記事において白鵬を注目の横綱に挙げてきました。
 何と言っても安定感と言う面で、一頭抜けた存在だからです。第一人者としての白鵬の力は、いまだに変わらないとも感じます。

 一方で、今場所はコンディションが良くないと報じられています。7月場所で痛めた足の親指を庇っている内に、膝に故障を発症したというのです。先日の横審稽古総見も欠場しました。休場の可能性も有りそうです。さすがの白鵬も、大きな故障の影響からは逃れられないと考えるべきなのでしょうか。

 9月場所は、日馬富士に注目することとします。7月場所の優勝から好調を維持し、稽古総見でも稀勢の里相手に8戦8勝というのですから、復活は本物と観るべきでしょう。
 とはいえ、小兵力士ですから、場所中の故障発症のリスクは常にあります。日馬富士としては、序盤の取組における慎重な取口が期待されるところです。

2. 大関陣

 これはもう、稀勢の里でしょう。
 この数場所、13勝、12勝と「横綱を凌ぐ成績」を積み重ねてきました。
 土俵上での「威風堂々」たる態度も、貫録十分です。

 あとは「ここ一番」での勝負強さ、そして「優勝」でしょう。
 稽古総見では日馬富士に歯が立たなかった印象ですが、稽古総見で横綱と8番連続で取れるという「元気の良さ」を買いたいと思います。

3. 関脇以下の力士

 関脇に高安と宝富士、小結に魁聖と栃煌山、筆頭に隠岐の海と嘉風と、上位の充実は目覚ましいものが有ります。
 上位陣に新旧が入り混じっているところも、現在の大相撲の充実を如実に示しているのでしょう。

③高安

 5月場所、7月場所の相撲は「一皮剥けた」感が有ります。三役での相撲の取り方を体得したのかもしれません。土俵上で「余裕」の雰囲気さえ感じられました。
 大関を目指しての足掛かりとなる場所にしていただきたいと思います。

④天風

 7月場所の十両優勝は見事。十両11枚目から一気に幕ノ内入りとなりました。
 嘉風・豪風の「風・風コンビ」、両ベテランに代表される尾車部屋から、ついに「新しい風」が吹いてきました。
 幕ノ内でも思い切った相撲を取り切っていただきたいと思います。

⑤琴勇輝

 7月場所は苦戦しました。おそらくコンディションが良くなかったのであろうと思います。前頭8枚目まで下がった今場所は、その力を存分に発揮するチャンスでしょう。変化やはたき込みを見せることが無い取り口で、白星をどんどん積み重ねていって欲しいものです。

⑥正代

 上位の壁に苦労しながらも、着実に番付を上げています。次第に上位の相撲に慣れて来た感も有ります。「高い立合い」が指摘されますが、立合い後の対応が大切なのでしょうから、「自分の相撲」に徹していただければ、九州での三役入りもありそうです。

⑦遠藤

 とにかく膝の状態がポイントでしょう。本場所で相撲を取りながら治療して行くという、厳しい道を選んだ遠藤ですが、そろそろ良くなって来ているのではないでしょうか。
理に叶った「密着相撲」を日々展開していただきたいものです。

⑧勢

 5月場所・7月場所はコンディションが良くなかったと観ます。ギリギリの鬩ぎあいで敗れる相撲が多かったからです。
 そろそろコンディションが回復してくると思いますので、そうなれば前頭7枚目なら、十分に戦えることでしょう。

⑨栃煌山

 大関候補と言われて久しい力士ですが、最近は若手の波に呑まれてきている印象です。とはいえ、両差しから攻めに出た時の強さは、横綱・白鵬が栃煌山を相手にした時の厳しい立合いからも十分に分かります。
 その強さを魅せ、大関にトライする最後の1年間と言う気迫で戦っていただきたいと思います。

⑩千代翔馬

 渋い相撲が持ち味です。玄人好みと言うところでしょうか。
 亡くなった九重親方・千代の富士の相撲を継承する存在として、小兵力士の自在の取り口を披露していただきたいと思います。
 
 9月場所は、以上の10力士に注目したいと思います。

 この他にも、宝富士や魁聖、貴ノ岩、逸ノ城、千代鳳、御嶽海と活躍が期待される力士が目白押しです。

 そして、幕ノ内の充実はもちろんですが、十両も素晴らしい力士が揃いました。

 筆頭の宇良と大砂嵐に加えて、阿夢露、千代大龍、豊ノ島、安美錦と幕ノ内の常連がズラリと並びました。
 個人的には、安美関には「しっかり治して」から出て来て欲しいと感じますが、公傷制度が無い現在、これ以上番付を下げるわけには行かないということでしょうか。

いずれにしても、9月場所はチケットの入手が極めて難しいので、午後3時前からテレビに噛り付くのが良さそうです。
 パシフィックリーグのペナントレースは、9月3日終了時点で、福岡ソフトバンクホークスが北海道日本ハムファイターズに1.5ゲーム差を付けて首位に立っています。
 ホークスはマジックも19としていますが、残り試合数が20前後の状況では、「心細い」マジックであり、2チームの首位争いは熾烈を極めている印象です。

 攻守の各項目のリーグ内チーム成績を比較してみましょう。

① 防御率
 日本ハムが3.04でトップ、ソフトバンクが3.05で2位。両チームの防御率は、ほぼ同じです。
② 得点
 ソフトバンクが545でトップ、日本ハムが539で2位。
③ 失点
 日本ハムが398で最小、ソフトバンクが404で2位。

 以上から、両チームの「得失点差」はほぼ同じということになります。

④ 打率
 日本ハムが.267でトップ、ソフトバンクは.261で3位。(2位は西武ライオンズの.265)
⑤ 本塁打数
 日本ハムが109本でトップ、ソフトバンクは99本で3位。(2位は西武の103本)
⑥ 盗塁数
 日本ハムが117個でトップ、ソフトバンクは92個で3位。(2位はオリックスの96個)

 こうして見ると、ソフトバンクと日本ハムの投手力・守備力は互角、打力・機動力では日本ハムが勝りますが、得点力はほぼ互角となっています。
 おそらく、ソフトバンクは「試合運びの上手さ」で長打力・機動力の差をカバーしているのでしょう。

 いすれにしても、「両チームの戦力は互角」ということですから、ペナントレース争いは最後まで縺れそうです。

 2016年シーズン開始前には、2015年シーズンの強さから見ても「ソフトバンクの独走での優勝」が予想されていましたし、春先から交流戦が終る頃までは、予想通りの展開でした。
 ところが、そこから日本ハムの猛追撃が始まったのです。

 2016年の日本プロ野球ペナントレースは、大混戦と観られたセリーグが広島カープの独走となり、ソフトバンクの独走と観られていたパリーグが熾烈な首位争いという、「予想外の展開」となっています。

 日本プロ野球の「奥深さ」と「面白さ」が存分に感じられるシーズンとなっているのです。
 9月に入り、プロ野球のペナントレースも佳境に入りました。

 セントラルリーグでは、9月3日終了時点で、広島東洋カープが2位の読売ジャイアンツに13.5ゲームの大差を付けて、マジックを6とし、優勝を目前にしています。

 セリーグのチーム毎の攻守の成績を見ると、広島カープが他を圧倒しています。

① 得点614でトップ
② 失点451で最小
③ 打率.275でトップ
④ 本塁打136本でトップ
⑤ 盗塁108個でトップ
⑥ 防御率3.33でトップ

 となっています。打力主体で首位に立っているわけでも無く、投手力・守備力に頼って首位に居るのでもない。攻守にわたってこれだけの項目でリーグトップとなると、首位に立ち、早々に優勝を決めそうであるのも、「当然」のことと言えるでしょう。

 特に凄いなと感じるのは、本塁打数で2位のジャイアンツ(111本)に25本差を付けてトップという長打力を誇りながら、盗塁数でも2位のヤクルトスワローズ(72個)に36個の大差を付けて断トツのトップなのです。
 「一発の威力」で他チームに勝る一方で、スモールベースボール面でも圧倒的な優位にあるとなれば、「独走」も当然ということになるでしょう。

 とても不思議なのは、2016年シーズンの春のキャンプ時点において、この「広島カープの圧倒的な戦力」がほとんど指摘されていなかったことです。
 各種の予想でも、必ずしも広島カープを優勝候補とする専門家は多くはありませんでした。
 春の時点では、セリーグ各チームの戦力に大きな差は無いと見られていたのでしょう。

 ところが、シーズンが始まってみれば、春先こそ混戦でしたが交流戦を終えた頃から広島カープの快進撃が始まり、ついにその勢いのままペナントレースを制することは間違いないでしょう。
 何より目立つのは、広島カープと他の球団の攻守各項目の成績の差です。
 「全く勝負にならない程の差」がついているのです。

 この差は、何処から生まれたのでしょうか。単に「勢い」で片付けるには、あまりに大きな差の様に感じます。

 2016年シーズンの広島東洋カープに「何が起こっているのか」、その「秘密」が解き明かされて欲しいものです。
 リオデジャネイロ・オリンピックでは、日本代表選手による「史上初」「数十年振りのメダル」というシーンが続出しました。
 日本代表選手が、その能力を着実に上げ、ついに世界トップクラスのレベルに到達した、あるいは、その持てる力を存分に発揮できる環境づくりに成功した「競技・種目」が広範囲に及んだということになります。

 順不同で挙げて行きましょう。

① バドミントン女子ダブルス

 高橋・松友ペアが「史上初」の金メダルに輝きました。この数年間、数々の世界大会で優勝を飾ってきた日本バドミントン界の躍進を象徴する出来事です。

② 卓球男子団体・シングルス

 団体の銀メダル、水谷選手の銅メダル、共に史上初の快挙でした。
 2012年のロンドン大会で初めて銅メダルを獲得した女子に続いて、「卓球日本」の実力を世界に示したのです。

③ 陸上競技・男子400mリレー

 男子トラック種目における史上初の銀メダルでした。アメリカチームにオリンピックのレースにおいて先着したのも史上初でしょう。

 バトンパスが注目されていますが、トップスピードに乗った時の「世界トップクラスの走力」が無ければ、とても実現できない快挙であったと感じます。

④ カヌー男子カナディアンシングル

 羽根田選手が日本カヌー競技史上初の銅メダルに輝きました。「波と仲良く進む」、ミスの少ないプレーは、日本のカヌーの戦い方を示してくれました。

⑤ 陸上男子50km競歩

 荒井選手が、日本競歩史上初の銅メダルを獲得しました。この数年、20km種目での世界新記録樹立。世界選手権でのメダル獲得と、着実にレベルアップを果たしてきた男子競歩チームの力が結実した形でしょう。

⑥ 柔道男子・7種目全てにおいてメダル獲得

 オリンピックにおける男子柔道が、現在の7階級になった1996年以降、もっと言えば、別の形で7種目となった1988年以降、初めて全ての階級でメダルを獲得しました。

 今回の日本男子柔道チームが、柔道がJUDOとなり「世界のメジャースポーツ」となって以来、「史上最強」であったと言っても良いでしょう。
 JUDOにおいて、日本男子柔道がオリンピックでこれ程の強さを発揮したのは、初めてだと思います。

 個々の選手の充実はもちろんとして、バックアップ体制の星美、チームとしての力量向上も見事でした。

⑦ 男子テニス・シングルス

 錦織選手が銅メダルを獲得しました。

 1920年アントワープ大会で、熊谷選手が銀メダルを獲得して以来、なんと96年振りのメダル獲得でした。
 熊谷選手は柏尾選手と組んだダブルスでも銀メダルを獲得しています。

 錦織選手のメダル獲得は、世界トップクラスに在った戦前の「日本テニスの復活」を感じさせる快挙でした。

 この他にも、競泳男子800メートルリレーやシンクロナイズドスイミングのペア、そしてチームなど、久し振りのメダル獲得という競技・種目もあり、いずれも日本選手団に大いなる勇気と喜びを齎してくれた活躍でした。

 もはや「本番に弱い日本選手」というのは、過去の言葉になったように感じられます。
 それどころかレスリング女子の各種目で観られた、試合終了直前での逆転劇の連続などは、「勝負強い日本選手」を印象付けていました。

 メンタル面の強化こそが、日本代表選手団が次々と「壁」を突破した最大の要因であったのかもしれません。

 今大会で得た各競技・各種目における「多種多様なノウハウ」は、継承・強化していかなければならないものなのでしょう。
 ナディア・コマネチ氏(元オリンピック金メダリスト)のコメントです。

 リオデジャネイロ・オリンピックの体操男子個人総合の競技終了後、オリンピックの公式サイトで語りました。

 2012年ロンドン・オリンピックにおいて、内村航平選手が個人総合で金メダルを獲得した際、コマネチ氏は「彼を最高と称賛するのは時期尚早だと考えていた」と述べましたが、リオでの金メダルを観て、表題のコメントを述べたのです。

 「(世界選手権とオリンピックで)8年間も負けが無い。それが彼のレガシー。」と語り、「最後の種目(鉄棒)で披露した内容は本当に、本当にアメージングだった。着地でピタリと止まって、ほんの少しでもよろめいていたら金を失っていたけど、その時はいまだに彼が史上最高かどうか、議論していたでしょう」と続けました。

 「彼の体操はアメージング。時には、彼の出来栄えを観て、欠陥が全く見当たらないことがある。ひとつも。」とも評しました。

 1976年モントリオール・オリンピックにおいて、五輪体操競技史上初めて「10点満点」の演技を連発し(当時の採点法)、「パーフェクト」と称されたコマネチ氏の言葉ですから、とても重みが有ります。

 今大会の男子個人総合種目では、内村選手とベルニャエフ選手(ウクライナ)の激闘が展開されたこともあり、「採点の公平性」を始めとして、選手や関係者の間で沢山の意見が交わされました。

 その結果、内村航平選手を「ウサイン・ボルト選手やマイケル・フェルプス選手」と同等の「体操の王様」であるという意見が数多く出されたのです。

 激戦から生まれた「論争」から、男子体操というか体操競技自体が一層メジャーになったという印象です。

 そして、「ウチムラは史上最高」ということも、間違いないのでしょう。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

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