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 プロ野球の2016年シーズンのベストナインが、11月25日に発表されました。

 セリーグは、3塁手の村田選手(巨人)が4度目の受賞で最多、遊撃手の坂本選手(巨人)と二塁手の山田選手(ヤクルト)が3度目で続き、一塁手の新井選手(広島)と外野手の筒香選手(DeNA)、丸選手(広島)が2度目の受賞となりました。
 そして、投手の野村選手(広島)、捕手の石原選手(広島)、鈴木選手(広島)の3選手が初受賞となりました。

 今季ペナントレースで圧勝した広島カープのプレーヤーが5人を占めたのです。
 今季のセントラルリーグは、広島カープ一色であったことがよく分かる結果となっています。

 一方のパリーグでは、外野手の糸井選手(オリックス)が5度目の受賞で最多、投手の大谷選手(日ハム)、一塁手の中田選手(日ハム)、遊撃手の鈴木選手(ロッテ)、外野手の角中選手(ロッテ)が2度目の受賞で続き、捕手の田村選手(ロッテ)、二塁手の浅村選手(西武)、三塁手のレアード選手(日ハム)、外野手の西川選手(日ハム)、指名打者の大谷選手(日ハム)が初受賞となりました。

 球団別では、日ハムが4人と最多ですが、ロッテからも3人が選ばれている一方で、日本ハムと最後まで熾烈な優勝争いを演じたソフトバンクからは1人も選出されていないという、少し不思議な結果となっています。

 プロ野球を最も良く見て知っている新聞記者の皆さんの投票であることを勘案すれば、2016年シーズンは、日本ハムが個々のプレーヤーの比較という点からも一歩リードしていたということであり、ロッテについて言えば「来季が楽しみ」ということになるのかもしれません。

 さて、ここで目を引くのは、「大谷選手の2ポジションでの受賞」でしょう。
 投手とDHの2部門です。

 規定投球回数や規定打数に達していない、とのご意見が多数あることも認識していますが、2016年シーズンで最も印象的なプレーを魅せてくれた「投手」と「DH」が大谷選手であることに、異議を差し挟む人は少ないのではないでしょうか。

 投手として140イニングを投げて10勝4敗、防御率1.86。
 野手として104試合に出場し382度打席に立って、打率.322、打点67、本塁打22、OPS1.004。

 どちらも素晴らしい成績です。
 また、「ここぞ」という場面での活躍、記録より記憶という面からも、大谷選手は抜群であったと感じます。
 投手としての日本最速165km/hのスピード、打者としての反対方向への大ホームラン、などなど、個別の試合のシーンを採り上げれば枚挙に暇がない程の活躍でしょう。

 プロ野球が、多くのファンの支持のもとに成立していることを勘案すれば、文句無しの2部門受賞であると思います。

 「170kmのスピードボールを目指す」と、大谷投手が語ったとも報じられていますから、「世界一のプレーヤー」への道を着実に歩んでいるのでしょう。

 アスリートとしての才能の大きさという点では、大谷翔平選手は日本プロ野球史上、あるいは日本スポーツ史上、最高のプレーヤーのひとりと言えるのかもしれません。

 11月28日には、圧倒的な得票で今シーズンのMVPに選出されたとのニュースが流れました。
大谷選手は、プロ野球の「至宝」です。

 一頭抜けた能力を備えた「孤高の存在」になりつつあります。

 この現象を前にして、日本プロ野球界としては、このプレーヤーに続く選手、160kmを超える速球を投げる投手や、OPSが1を大きく超えるような長距離打者を育成し、選手層を厚くすることに注力することで、全体のレベルアップを図る時期が来ているように思います。
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 先日は、「サッカーの聖地」ウェンブリースタジアムでのNFLレギュラーシーズンゲームの記事を書きましたが、今度はアステカ・スタジアム(エスタディオ・アステカ)でのゲームが開催されました。

 第11週・11月21日のヒューストン・テキサンズ対オークランド・レイダーズのゲームです。

 アステカ・スタジアムは、メキシコシティにあるサッカー場です。
 ワールドカップクラスの国際試合が行われる競技場としては、世界最大の観客収容数を誇るスタジアムです。
 その収容人員は105,000人余。
 世界中には、ワールドクラスの国際試合を行う、数々の大サッカー場がありますが、10万人を超える収容人員を擁するものは、現時点ではここしかないでしょう。(FCバルセロナのホームスタジアム・カンプノウが拡張を計画しているという情報が有りますが、それでも102,000人収容と聞いています)

 加えて、このアステカ・スタジアムでは、数々のサッカー史に残る名勝負が繰り広げられています。
 1970年のワールドカップ決勝では、ブラジルチームがイタリアチームに4-1で快勝し、3度目の優勝に輝き、ジュールリメ杯を獲得しました。「サッカーの神様」ペレ選手にとっても3度目の、そして最後のワールドカップ優勝の舞台となりました。

 また、1986年のワールドカップでは、準決勝で「マラドーナの5人抜き」の舞台となりました。この時の大会は「マラドーナのワールドカップ」と呼ばれました。

 さらに、1970年大会の準決勝、ドイツとイタリアの対戦は延長戦に入ってからの点の取り合いという、滅多に観られない壮絶なゲームとなりました。アステカ・スタジアムの前には「1世紀に1度のゲームが行われた」と記されていると聞いています。

 標高2,286mに位置する、「空気の薄い」スタジアムでは、選手の疲労も普段のゲームより遥かに大きいのですが、極めて濃い内容の名勝負が繰り広げられてきたのです。

 こうした数々の伝説から見れば、アステカ・スタジアムもサッカー競技にとって「極めて大切な競技場」であり、1966年開場・50年以上に渡って、世界最大のサッカー場としての地位を譲っていないのも、凄いことだと思います。

 その「アステカ」でNFLの公式戦が開催されるのは、2005年以来11年振りのことでした。またこのゲームは「マンデーナイト」ゲームでしたが、全米注目(月曜日の夜、1試合しか行われない為に、全米のアメリカンフットボールファンが観戦する)のマンデーナイト・ゲームがアメリカ合衆国以外で開催されるのは「史上初めて」ということですので、記録に残る対戦となったのです。

 先日のウェンブリーでのゲームも大接戦となりましたが、このゲームも好ゲームとなりました。

 第2クオーターQを終って10-10の同点。
 
 第3Qにはテキサンズが17-13とリードしましたが、第4Qに入って双方点を取り合い20-20の同点で終盤に縺れ込みました。

 そして第4Q残り時間5分を切ったところで、レイダーズのクオーターバックQBデレク・カー選手からアマリ・クーパー選手に短いパスが通り、そのままクーパー選手が走り切ってタッチダウンTDを挙げました。これが決勝点となったのです。

 この試合では、レイダーズのパンターPマーケッティ・キング選手のパントも印象的でした。もともと、このゲームの前まででも今季21本の50ヤード以上のパントを決めて、NFLトップの成績を残していたキング選手でしたが、このゲームのパントも見事なものでした。
 飛距離・滞空時間とも十分なパントが、アステカの夜空に舞い上がりました。

 滞空時間が5秒近いパントもありました。空気の薄いアステカならではの飛距離と言うべきか、空気が薄いのだから落下速度が速くなると見るべきなのか、分からないところではあります。

 アステカ・スタジアムのフィールドは、ウェンブリーのそれよりも一回りは大きく見えました。NFLの大男達も、ゆったりと?控えていたように感じます。

 観客席は、概ね満員に見えましたから、9万人以上の観衆を集めていたのではないでしょうか。
 このゲームも、「世界進出を狙う」NFLの狙い通りのゲームとなったようです。

 レイダーズのシルバーのヘルメット、テキサンズのブルーのヘルメットに、「光の環」、アステカ・スタジアムの照明が、美しく映えていました。
 
 11月27日に幕を閉じた11月場所は、横綱・鶴竜が14勝1敗で優勝しました。
 7場所ぶり3回目の優勝でした。

 2016年に入って、3横綱と大関以下の力士との力の差が小さくなりましたので、本ブログでは「戦国時代の到来」と書いてきました。
 そうした混戦の中で、第3の横綱・鶴竜が安定した15日間を送り、結果としては14日目に早々と優勝を決めた形です。

 本場所の流れから見れば、最期は意外な形でしたが、内容の濃い土俵が続いたと感じます。

 横綱・鶴竜は、持ち味である「自在の相撲」に磨きがかかった場所でした。不利な形になった時にも「引き技」に頼ることなく、前に出続けながら、いなしを多用して、体勢を立て直していました。
 もともと、とても器用な横綱ですから、体が良く動き、相手力士の動きがよく見える状況となれば、本来の力を発揮できるのです。この場所の取口を継続できれば、今後も活躍が続くことでしょう。

 綱取りを目指した大関・豪栄道は、6日目以降、相撲のスピードが落ちました。理由は分かりませんが、スピードと機を見るに敏な取口が持ち味ですから、そのスピードが少しでも下がると体格が劣るだけに、勝ち星を続けることは容易なことでは無いのでしょう。

 大関・稀勢の里の相撲にも触れておきましょう。
 3横綱を破っての12勝は立派な成績ですが、一方で3横綱を破りながら3敗しているのは、いつものことながら「もったいない」ところです。
 特に、2敗で迎えた13日目に栃ノ心に敗れた一番は、本当にもったいない敗戦でした。
 大事な一番こそ、本来の立合いの当たりを披露することが絶対に必要なのでしょう。

 大関・照ノ富士は「不思議な15日間」であったと感じます。初日・2日目の相撲を見た時には、負け越し→陥落もあるのではないかと思われましたが、中盤から見違えるように力強い相撲が戻ってきて、横綱・白鵬を寄り切っての勝ち越しは、同じ力士とは思えない程の強さでした。
 ところが、勝ち越しを決めた後は再び力強さが無くなってしまったのです。
 今場所は、コンディションが良くない中で「とにかく勝ち越す」ことに注力したのかもしれません。膝他の状態がもっと良化するのを待ちたいところです。

 関脇・小結では、玉鷲の活躍が見事でした。
 恵まれた体躯を活かし、強烈な突き押しで白星を重ねました。9月場所から取口が変わったと感じていましたが、それを継続できたことはとても大きなことです。こうした相撲を2017年も続けることが出来れば、大関昇進も夢では無いでしょう。

 大関取りを目指した高安は、前に出る力が不足した場所でした。
 9月場所の14日目以降の不調が続いていた感じがします。体重を増やしたことがマイナスであったとの見方もありますが、とにかく「前に出ながら勝機を見出すこと」に徹していただければ、星は上がると思います。

 前頭では、前半素晴らしい相撲を披露していた遠藤の失速が意外でした。
 特に、10日目以降は先々場所までの相撲に戻ってしまった印象が有ります。膝の故障が再発したのでなければ良いのですが。

 正代の相撲は、力強く臨機応変でした。
 立合いで押し込まれるものの、体勢を立て直してからの攻めは威力十分。来場所は、初の三役の場所となるのでしょうが、このまま自分の相撲を磨いて行けば、活躍を続けることが出来るでしょう。
2017年が大関取りの年になるかもしれません。

 御嶽海は6勝9敗と負け越してしまいましたが、新小結としての相撲内容はとても良かったと思います。勝負に賭ける気迫に溢れていました。横綱・大関に1勝6敗では、なかなか勝ち越すのは難しいので、来場所はひとつでもふたつでも勝ち星を増やしていって欲しいと思いますし、その力も付いてきていると感じます。

 新入幕の石浦の活躍も、場所を大いに盛り上げてくれました。
 小さな体で一気に相手力士を押し切る相撲は見事の一語。取組を見終わった後、思わず拍手をしてしまった相撲が何番も有りました。
 来場所以降は、相手力士の研究が進むでしょうから、活躍を続けるためには一層自らの相撲に磨きをかける必要がありそうです。

 また、荒鷲の相撲も印象的でした。体に一本鋼が入っているような取口は、この力士独特のものです。「平幕優勝をするタイプ」に見えますので、「戦国時代の大相撲」においては、見逃すことが出来ない存在でしょう。

 以上、11月場所をざっと振り返って見ました。

 2016年の大相撲は、6場所を5人の力士で優勝を分け合うという、とてもスリリングな展開が続きました。
 これは2017年にも続いて行くものと思います。

 そして、2017年こそは、日本出身力士の横綱昇進を見てみたいものです。
 表彰式で国歌・君が代を歌う羽生選手は、とても力強く見えました。

 フィギュアスケート・グランプリGPシリーズの一戦でもある、NHK杯大会の男子シングル・フリーは11月26日に行われ、羽生結弦選手は前日のショートプログラムSPに続いてフリー演技でも1位となり、トータル300点を超える高スコアをマークして優勝しました。
 昨年に続く2連覇でした。

 この1~2年というか、直近の1年間の男子フィギュアの演技内容の変化・進化には凄まじいものが有ります。
2014年のソチ・オリンピック大会の頃は、4回転ジャンプをSPとフリーに1本だけ入れて、それも演技の冒頭に入れて、「乾坤一擲」といった雰囲気でそれに臨むという印象でした。「4回転の成否」が演技全体に大きな影響を与えるものだったのです。

 それが今では、例えば羽生選手のフリー演技であれば4度の4回転ジャンプを組み込み、4回転からの連続ジャンプも入っているという、「4回転は演技の流れの中」に完全に組み入れられている感が有ります。

 「4回転ジャンプを成功するかどうか」が問題なのでは無く、「何種類の4回転を何回成功するか」がポイントとなっているのです。
 
 世界中のプレーヤーが次々と新しい4回転ジャンプに成功し、それを大会で披露するというのですから、ソチ五輪以降の変化は長足の進歩というよりも、「様変わり」と呼んだ方が相応しいと感じます。

 こうした「不連続に近い変化」が起こると、その前の時代の中心選手の中には「時代に付いて行けない」プレーヤーも多数居るものなのですが、羽生選手はその時代の急流にも、キチンと対応し、男子シングル界における地位を確保しているように見えます。
 見事な対応力です。

 その面から観れば、羽生選手とパトリック・チャン選手(カナダ)は適応力の高さと大きな伸びしろという点で、頭抜けた存在なのでしょう。

 この大会のフリー演技で、4度の4回転ジャンプに挑み3度成功させた羽生選手は、優勝が決まった後、とてもハイな状態に見えました。喜びを全身で表現していたのです。インタビューでも、観客の声援に応える時でも、そして国家を歌う時でも、笑顔と力強い様子が際立ちました。

 羽生選手が「時代の急流をクリアしたこと」を心底喜んでいたように観えたのは、私だけでしょうか。

 オリンピックチャンピオンであり、「絶対王者」を標榜した羽生選手にとっても、この1年間の男子シングルの変化は「容易ならざるもの」であり、この流れに付いて行けるのだろうかと心配した時期もあったのかもしれません。
 しかし、今季のGPシリーズを戦って行く過程で、王者・羽生結弦は「まだまだやれる」「十分に戦って行ける」と確信したのでしょう。
 その心持が、優勝決定後の様子に表れていたような気がします。

 それにしても、男女を通じて、フィギュアスケートの進化は、かつてない程のハイスピードです。
 かつてなら、一度世界のトップクラスに上り詰めれば10年近くは戦って行ける印象でしたが、現在は「進歩が止まってしまえば」1~2年で置いて行かれる感じです。

 年齢制限の為にシニアの大会に出場できない若いプレーヤーの中に、例えば男子であれば、ひとつの演技の中に5~6度の4回転ジャンプを入れ、成功させることが出来る選手が複数存在するのではないでしょうか。

 男子であれば「従来の3回転ジャンプのように4回転を飛ぶ」スケーターが、女子であれば「3回転+3回転(かつてキム・ヨナ選手が得意としオリンピック金メダルの原動力となった演目)を複数飛び、6種類の3回転全てを演技に組み込む」スケーターが、続々と控えているような気がします。

 こうした時代だからこそ、ステップやスピンといったジャンプ以外のシークエンスのレベルアップと完成度の高さ、そして演技全体の構成力が問われることになりそうです。

 世界大会において「この国のこの選手」と呼ばれる有名スケーターが集い、長く大会の風景を構成するという時代は、過去のものになったのかもしれません。
 11月27日、東京競馬場芝2400mコースで行われる、第36回ジャパンカップ競走G1の注目馬検討です。

 日本競馬の進歩、世界に通用する馬の育成を目指して1981年に創設されたジャパンカップも、第36回を数えることとなりました。
 ご承知のように、第1回から10回までのレースでは日本馬の2勝8敗と、海外勢の圧倒的な強さが目立ちました。第1回のメアジードーツ(アメリカ)や第2回のハーフアイスト(アメリカ)、第6回のジュピターアイランド(イギリス)、第7回のルグロリュー(フランス)、第9回のホーリックス(ニュージーランド)といった優勝馬の強さは、「日本馬では歯が立たない」といった印象を与えました。
 地力の差はもとより、入国時の厳格な「検疫」をも乗り越えて、初めての馬場で力を発揮するサラブレッド達の雄姿を目の当たりにして、「国際馬」のなんたるかを思い知らされたものです。

 その後、日本の競馬関係者の努力が続き、20世紀の末から21世紀にかけては、日本馬と海外馬が互角の戦いを見せるようになりました。

 そして、直近の10年間、2006年~15年の10回のレースは、日本馬が全勝しています。

 もちろん、ジャパンカップ自体の変化や、他の国際レースとのバランスから、遠征してくる海外馬のレベルが下がったのではないか、といった見方も有りますが、基本的には「日本馬の実力が向上」し、「日本の硬い馬場」において海外馬が勝つことが容易では無くなったことが主因でしょう。

 第36回となる2016年のレースも、日本馬優位と見られています。

 その日本馬の中でも、2頭の強豪馬に注目が集まっています。
 キタサンブラックとゴールドアクター。

 この2頭は、その実績から高く評価されるのは当然でしょう。
 キタサンブラックは、菊花賞2015の勝ち馬であり、天皇賞(春)2016にも優勝していますから、当代屈指のステイヤーと言って良いでしょう。
 一方のゴールドアクターは、有馬記念2015の優勝馬であり、直近の10走で8勝・3着1回と抜群の安定感を誇ります。
 脚質から見ても、「逃げ」のキタサンブラックと「好位差し」のゴールドアクターですから、このレースの骨格を成す2頭であることも間違いなさそうです。

 とはいえ、ひとつ気になることがあります。

 この2頭は共に「右利き」なのではないかという点。この2頭は「右回りのコース」には強いが、左回りではいまひとつ力を発揮出来ていないところです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠16番のリアルスティール。
 前走天皇賞(秋)はモーリスに敗れて2着でしたから、敗れて強しの内容でした。2015年の皐月賞2着、日本ダービー4着、菊花賞2着と距離適性は十分だと思います。今年はドバイターフでG1を勝ち、そろそろコンディションが整ってきたと見ます。

 第二の注目馬は、4枠8番のイラプト。
 アイルランド産のフランス馬です。昨年に続いての2年連続のJC挑戦となりました。「世界を股にかけて」という言葉がピッタリの国際馬でもあります。2016年も地元フランスのG1を始めとして、世界屈指の大レース・イギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスSやカナディアン・インターナショナルにも挑み、前走カナディアン・インターナショナルG1では優勝しました。
 日本の馬場にも適性が有りそうですから、2度目の挑戦に期待します。

 第三の注目馬は、8枠15番のナイトフラワー。
 アイルランド産のドイツ馬です。直近3走はドイツの2400mG1レースを2着・2着・1着と健闘しています。いずれも58.5kgを背負っての好走なのです。4歳牝馬ですから、JCは55kgで走れます。このところ国際レースで力を発揮する4歳牝馬に期待したいと思います。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 2005年のアルカセット(イギリス)以来の海外馬優勝の可能性も、十分に有ると思います。
 先日の記事で「強豪同士の対決」としてスティーラーズとカウボーイズの対戦を書きました。2016~17年シーズンの対戦も、見事なゲームだったのです。

 この2つの強豪チーム、全米でも人気を分け合うメジャーなチーム同士の対戦の評価を決定づけたのが、1979年に行われた「第13回スーパーボウル」における激戦であったと思います。

 1979年1月21日、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミのオレンジボウルが会場でした。

① ピッツバーグとダラス

 鉄の街、自動車メーカーの街、ペンシルベニア州ピッツバーグに本拠を置くのがスティーラーズです。

 かつて世界最大の鉄鋼メーカーであったUSスチーム社や世界最大の自動車メーカーであったゼネラル・モータースGM社等が本拠を置く街ピッツバーグのチームですから、「強さ」の象徴、特に「スティールカーテン」と呼ばれる「鉄壁の守備」を誇りました。

 一方、星ひとつ=「ローンスター」がヘルメットに配されているカウボーイズは、全米最大の面積を誇る南部の雄州・テキサス州ダラスに本拠を置きます。
 ご存じのようにテキサスはアメリカ合衆国南部地域を代表する州であり、ワシントンやニューヨークと言った「アメリカの中心」を自認する東部の州に対して、独特の対抗意識を持っています。

 アメリカ合衆国から「独立しよう」としたこともあり、孤高の星「ローンスター」とも呼ばれますが、そのローンスターの象徴をヘルメットに配するのがカウボーイズなのです。

② ヘッドコーチ対決 チャック・ノールHCとトム・ランドリーHC

 AFCアメリカン・フットボール・カンファレンス代表のスティーラーズのヘッドコーチHCはチャック・ノール氏でした。
 チャック・ノールHCは非常に規律を重んじ、「いつも、手を抜かずに頑張り尽くす人間には必ず良い結果が訪れる」という名言を残しています。
 チャック・ノールHCが創り上げたスティーラーズは、この頃のNFL最強のチームと呼ばれていて、4度スーパーボウルに出場し4度共優勝しています。
 「史上最高のHC」のひとりであることは、間違いありません。

 一方、カウボーイズを率いるのはトム・ランドリーHCでした。
 実は、カウボーイズは1960年創設(スティーラーズは1933年)の、当時で言えば「新しいチーム」でした。
 この「新興」チームのHCにトム・ランドリー氏が着任したのは1960年・チーム創設と同時でした。そして1988年まで29年間に渡って指揮し続けたのです。
 カウボーイズをメジャーなチーム、全米屈指の人気チームに押し上げた最大の功労者という点に、異議を差し挟む人は居ないでしょう。

③ クオーターバック対決 テリー・ブラッドショー選手とロジャー・ストーバック選手

 スティーラーズのクオーターバックQBはテリー・ブラッドショー選手。スーパーボウルに4度優勝している3人のQBのひとりです。(残りの2人は、ジョー・モンタナ選手とトム・ブレイディ選手)この時代を代表するQBのひとりでした。

 一方のカウボーイズのQBはロジャー・ストーバック選手。こちらはスーパーボウルに4度出場し、2度(第6回と第12回)優勝しています。カウボーイズの創世期、第一期黄金時代を牽引したQBでした。そのプレー振りは「変幻自在」。ポケットの中で動くことを良しとされなかった当時にあって、ポケットに侵入してきた相手チームのディフェンダーから身をかわすプレーは、現在では当たり前のプレーですが、当時は珍しいもので、「Roger The Dodger」(ひらりと身を交わすロジャー)と呼ばれていました。
 私は、カウボーイズ史上最高のQBだと思います。

 この2人は1976年の第10回スーパーボウルでも対戦し、21-17という僅差でスティーラーズが勝利していますから、ストーバック選手にとってはリベンジの一戦となったのです。

④ ランニングバック対決 フランコ・ハリス選手とトニー・ドーセット選手

 両チームのエース・ランニングバックRBも、この時代を代表する2人でした。

 スティーラーズのフランコ・ハリス選手は、身長190cm・体重105kgという、当時としては(現在でも)大型RBの代表でした。重戦車と称された突進は、着実に5ヤード前後を稼ぎ、スティーラーズの攻撃の核となりました。

 一方、カウボーイズのRBはトニー・ドーセット選手。NFL歴代8位・12,739ヤードのラッシングを誇る快足RBでした。
ドーセット選手は、身長180cm・体重87㎏のスリムな体型から繰り出す華麗なステップとスピードで敵陣を切り裂き続けました。

 この試合は、NFLを代表する、対照的なRBの対決でもあったのです。

⑤ 35-31

 試合はスティーラーズが先行し、カウボーイズが追いかける展開。
 第3Qを終えて35-17とリードしたスティーラーズを、第4Qカウボーイズがストーバック選手の2本のTDパスで35-31と追い上げました。

そして、このクオーター3本目のTDパスが決まったかに見えましたが、これをカウボーイズのプレーヤーが落球してしまったのです。フリーのプレーヤーへの、少し低かったとはいえ「容易にキャッチできる15ヤード位のパス」であったと記憶していますが、この落球で万事休す。
 カウボーイズは再びスティーラーズに敗れたのです。

 そして、第12回までのスーパーボウルで共に「2度の最多優勝」を記録していた両チームの対戦、史上最多の3度目の優勝・単独最多優勝記録を目指した対決は、スティーラーズに軍配が上がりました。

 現在の形のNFLが誕生したのは1970年です。
 アメリカンフットボールは、スポーツ大国アメリカにおいても最も人気のあるスポーツのひとつですから、20世紀の初めから、いくつものリーグが誕生し合併・離散を繰り返してきました。

 そして1970年に現在のNFLが誕生したのです。
 新生NFLにとっては、「NFLこそがアメリカ最高のフットボールリーグ」であることを明示していくための最大のイベントが、スーパーボウルでした。
 この頃の毎シーズンのスーパーボウルは、「NFLの未来を占う試合」だったのです。

 そして、第13回スーパーボウルは、この時代における最も素晴らしいスーパーボウルと評されています。

 「NFL繁栄の礎を築いたスーパーボウル」と言っても良いのではないでしょうか。
 11月6日、レアル・マドリードから「両者の間で合意された」と発表されました。

 ロナウド選手との契約は、もともと2018年までは確保されていたのですが、世界屈指のビッグクラブであるレアル・マドリードとしても「もっと長い間チームで活躍してもらう」為の体勢を整えたことになります。

 一方、2021年6月となれば、ロナウド選手も36歳となりますので、ロナウド選手もそのキャリアの「プライムタイム」をレアルでプレーすることを決めたことになります。

 プロとしてのキャリアを振り返って見ると、
① 2002年~2003年 スポルディングCP(ポルトガル)
② 2003年~2009年 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
③ 2009年~     レアル・マドリード(スペイン)

 マンチェスター・ユナイテッドの全盛時に、ファーガソン監督のもと、かつてデビット・ベッカム選手が付けていた背番号7を付けて活躍したロナウド選手も、極めてインパクトの強いプレーヤーでした。
 この6年間に、プレミアリーグでは196試合に出場し84得点を挙げています。2試合に1点に近い成績ですので、フォワードFWとして十分なものでしょう。

 一方、リーガエスパニョーラに移籍して以降(2015~16年シーズンまで)は、7年間で236試合に出場して260得点という、驚くべき成績を残してきました。1試合1得点を優に超える成績です。
 この7年間のスペイン国王杯やUEFA-CLの成績も含めると、348試合に出場して364得点となっています。

 さすがに「世界屈指の点取り屋」の面目躍如たるものが有ります。

 既に、世界サッカー史上に輝く実績を残してきたクリスティアーノ・ロナウド選手ですが、将来このスーパープレーヤーを語る時には「レアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウド」と言うことになるのでしょう。
 2012年の牝馬三冠を制していたジェンティルドンナの「本当の強さ」を魅せていただいたのが、2012年のジャパンカップです。

 オルフェーヴル(2011年三冠、有馬記念2勝)、ルーラーシップ(香港G1・クイーンエリザベスカップ)、フェノーメノ(2013年14年天皇賞(春)連覇)といった、牡馬一線級を相手にするとなっては、いかに「牝馬三冠」を制しているとはいえ、まだ3歳の乙女には荷が重いだろうと思いました。

 特にオルフェーヴルは、前年の三冠馬にして、脂の乗り切った4歳牡馬ですから、これを倒すというのは、強豪牡馬をもってしても容易なことではないのです。ジェンティルドンナが挑んでも「勝負にならない」という声も多かったと記憶しています。

 レースは4コーナーを回って直線に入り、内ラチいっぱいを通ってジェンティルドンナが先頭に立ちました。強豪古馬牡馬を相手に3歳牝馬が、ジャパンカップの直線で先頭に立ったのですから、その光景だけでも驚きました。

 そこへオルフェーヴルが襲い掛かったのです。
 ジェンティルドンナを内ラチに押しつぶすような追い上げでした。ひとまわり大きなオルフェーヴルの馬体が躍動します。

 2頭は並んだまま競り合い、外のオルフェーヴルが一歩出たように見えました。
 3歳乙女の健闘もここまでかと思った、ゴール前50mから、ジェンティルドンナが「差し替えした」のです。
 一完歩ごとにオルフェーヴルとの差を詰め、ほとんど並んだところがゴールでした。
 
 ゴール版前で並んでいるように見えても、多くの場合には「外の馬が有利」なのですが、このレースに限っては、わずかに、内のジェンティルドンナの方が出たように見えました。

 そして「確定」。
 ジェンティルドンナが「ハナ」差勝っていたのです。

 素晴らしいレースでした。

 競馬通の友人と、「日本競馬史上の名レース10選」を選ぶことがあれば、間違いなく入るレースだろう、と語り合いました。

 このレースに端的に観られるように、「ジェンティルドンナは僅差の競り合いに強い」のです。その強さは、絶対的なものに見えます。

 例えば、秋華賞ではヴィルシーナを「ハナ」差抑えています。牝馬三冠全て2着という、これはこれで凄い記録を残したヴィルシーナの渾身の追い上げを凌ぎ切ったのです。

 2013年のジャパンカップでもデニムアンドルビーとの競り合いを「ハナ」差制しています。
 ジェンティルドンナはジャパンカップを史上唯一2連覇していますが、それは「ハナ差での2連覇」なのです。

 オークスの5馬身差のように大きな差での勝利もあり、2013年・14年の宝塚記念のように大きな差での敗戦もありますが、僅差の勝負となれば「無類の強さ」を発揮しました。

 牡馬一線級、特にオルフェーヴルのような超強豪牡馬を相手に、ジャパンカップや有馬記念を勝利するというのは、当該牝馬の評価を著しく高めてくれます。
 ジェンティルドンナは、今2016年9月、中央競馬会の顕彰馬に選出されました。それも、圧倒的な得票率でした。

 近時の牝馬では、日本ダービーを圧勝したウオッカと並び称される名牝でしょう。

 加えて、日本競馬の歴史の中でも、11戦11勝で日本ダービー・オークス・菊花賞の変則三冠馬となったクリフジを除けば、最も上位のグループにランクされる牝馬であろうと思います。

 イタリア語で「貴婦人」を意味する馬名「ジェンティルドンナ」。

 その貴婦人は、「競り合いに滅法強い貴婦人」でした。
 アメリカンフットボール競技の世界最高峰・NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の対戦カードの中でも、「ザ・強豪対決」と呼ばれるのは、ピッツバーグ・スティーラーズとダラス・カウボーイズの対戦でしょう。

 共に「8度のスーパーボウル出場」を誇り、スティーラーズが優勝6回(史上最多)、カウボーイズが優勝5回(史上2位)という、輝かしい実績を誇っています。

 これまでも、NFL史上に残るゲームを披露してきた両チームですが、今季の試合も素晴らしいものとなりました。

[2016年11月14日・ハインツフィールド(スティーラーズのホーム)]
カウボーイズ35-30スティーラーズ

① 逆転に次ぐ逆転

 何度逆転が有ったのか数え切れない程、二転三転したゲームでした。

 最終の第4クオーターQ、残り試合時間1分を切ってからも、試合の行方は全く分からないというゲームとなりました。

② 残り1分からの攻防

 残り1分を切って24-29とリードを許したスティーラーズの攻撃。試合時間が「秒単位」となってからのNFLの試合は、「如何にして時計を止めるか」がポイントとなります。

 残り50秒でスティーラーズは「スパイクフェイク」プレーからパス。これをワイドレシーバーWRアントニオ・ブラウン選手が見事にキャッチしてタッチダウンTD!

 スティーラーズが30-29と逆転しました。
 乾坤一擲のプレーでしたし、この場面でこのプレーを決める、スティーラーズの執念が感じられました。

 カウボーイズに残された時間は42秒でしたから、試合はスティーラーズに大きく傾いたとおもわれました。
 ところが、ここからカウボーイズの逆転に向けたドライブが始まったのです。

 自陣12~3ヤード付近から開始されたドライブでしたが、カウボーイズ攻撃陣は着実に前進を重ね、敵陣に入りました。フィールドゴールFGでも逆転できる点差ですから、とにかく前進することが大事なのです。

 そして残り23秒。スティーラーズは大きな反則を犯してしまいました。
 「フェイスマスク」を掴む反則でした。15ヤードの罰退。
 これでカウボーイズは、スティーラーズ陣20ヤード以内に進出しました。

 試合時間残り9秒、カウボーイズのQBプレスコット選手からランニングバックRBエリオット選手にボールが渡され、エリオット選手が真っ直ぐ走りラインを突破して走り込みました。逆転TDでした。

 35-30とカウボーイズが再び逆転したのです。

 伝統的に「強力なディフェンス」を誇るスティーラーズですが、このプレーではエリオット選手のランを許してしまいました。ディフェンスエンドのプレーヤーがQBに向かってラッシュをかけてしまい、ラインの裏側が手薄というか、プレーヤーが残っていなかったのです。

 近時「かつての『スティールカーテン』と称された強力ディフェンスが観られなくなった」と言われるスティーラーズを象徴するプレーであったという見方もありそうです。

③ 「スパイクフェイク」プレー

 試合残り時間が1分を切ってきたような状況における攻撃では、プレー後「時計を止めること」がとても重要です。プレーが終了しても時計が動き続けることが多いランプレーなどでは、あっという間に試合時間が無くなってしまうからです。

 こうした状況下で時計を止める方法には、パスプレーでキャッチの後、レシーブしたプレーヤーがサイドラインから出て「ボールデッド」と認定されること、タイムアウトを取ること、パス失敗、スパイクプレーといった方法があります。(反則行為でも止まりますが、得点を取るためのプレーには含めないこととします)

 この試合の残り1分を切った時点で、スティーラーズはタイムアウトを残していましたが、「虎の子」のタイムアウトを使うことなく、そしてボールを自軍のものに確保した状態で時計を止める方法として、「スパイクプレー」を選択すると思われました。

 フィールドにも「スパイク」という声が何度も聞こえましたから、スティーラーズのクオーターバックQBロスリスバーガー選手は、次のプレーでスパイクするものと思われたのです。

 そして、センタープレーヤーCからQBにボールが渡り、ロスリスバーガー選手がボールを地面に叩きつける仕草を見せましたが、ボールはフィールドに跳ねることはありませんでした。ロスリスバーガー選手はボールを投げ捨てなかったのです。

 そして右サイドを走るWRブラウン選手に「ふわり」としたパスを投じました。
 フィールド上の殆どの選手が「スパイク」と予想していたので、大半の選手はこのトリックプレーに反応できませんでしたが、カウボーイズのコーナーバックCBはこのパスに気づき、WRブラウン選手を追いかけましたが、ブラウン選手はこの追撃を制してパスをキャッチしました。
 こうしたトリックプレーであり、相手の意表を突いたものでしたが、そのQBのパスの精度、WRのキャッチ能力とも、大変レベルの高いプレーであったと思います。さすがは、QBベン・ロスリスバーガー選手→WRアントニオ・ブラウン選手のポットラインです。

 それにしても、「スパイクプレーのフェイク」というのは、大変珍しいプレーでしょう。

④ 2ポイントコンバージョン、両チーム合わせて6回失敗

 TDの後、ゴールキックを決めると1点が加算されます。TD6点+ゴール1点=7点が、一般的なTDによる得点となるのです。
 しかし、もう1点得点を増やしたい時には、ゴールキックの代わりに「2ポイントコンバージョン」にトライすることがあります。

 例えば、TDで逆転し、相手チームとの差が「1点」(例えば30-29)となった時に、ゴールキックGKを決めてもその差は2点になるだけですから、相手チームにFGで3点を挙げられると再逆転されてしまいます。従って、TDで逆転したチームは、その差を3点にするために、2ポイントコンバージョンに挑むことがあるのです。

 NFLにおいては、TD6点、TD+GK=7点、FG3点というのが、相手との差を測る時の基準になります。(セイフティで2点を取ることが出来ますが、セイフティプレーは滅多に観られないプレーです)
 従って、相手との差は、3点以上、7点以上を目安に、ゲームを進めることが多いのです。
 残り時間が少なくなった状況で、1点差と2点差、5点差と6点差には「有意な違い」は有りませんから、GKを決めても2点差や6点差にしかならない局面では、2ポイントコンバージョンを狙うことがあるのです。

 こうした点差を意識した上で狙って行く2ポイントコンバージョンプレーですが、当然ながら「成功の確率はGKより格段に低い」ので、トライには勇気が要ります。通常なら1試合に1度見られるかどうか、のプレーでしょう。

 ところが、このゲームでは6度も観られたのです。
 第1Q、スティーラーズがTD後にいきなり2ポイントコンバージョンにトライした時には驚きました。「何故、1Qから?」と多くの人が考えたことでしょう。
 おそらく、スティーラーズのスタッフは「このゲームは大接戦となるから、最初から1点でも多く取っておいた方が良い」と考えたのでしょうし、今季このゲームの前まで2度トライして2度成功していたこと、つまりこのトリックプレーに自信を持っていたことも、こうしたプレー選択の理由だったのでしょう。

 しかし、その最初のトライ失敗を皮切りに、スティーラーズはこのゲームで、2ポイントコンバージョンを4度プレーし4度失敗しました。

 一方のカウボーイズも2度トライして2度失敗しました。
 試合終了間際のTDで35-30と逆転した時も、「GKの1点を加えた6点差には有意な意味が無い=TD6点+GK1点の7点で逆転されてしまう」ということから、2ポイントコンバージョンを狙って行ったのです。
 「残り時間9秒」でもスティーラーズの乾坤一擲のプレー、ヘイルメアリーパスのようなプレーが万万が一決まる可能性を考慮し、「より負け難い点差を目指す」ところに、NFLの試合に勝つことの難しさ、両チーム・各プレーヤーの「勝利への執念」が存分に感じられます。

 この激戦を制したカウボーイズは、今季成績を8勝1敗としました。初戦を落とした後の「8連勝」で、NFC東地区の首位を快走しています。
 NFL屈指の強豪チームであるカウボーイズにとっても、「8連勝は1977年以来40年振り」ということですから、今季のカウボーイズの勢いは素晴らしいものです。

 特に、QBダック・プレスコット選手、RBエゼキセル・エリオット選手、WRジェイソン・ウィッテン選手やデス・ブライアント選手らを擁する攻撃陣は、とても充実しています。
 1995年以来22年振りのスーパーボウル制覇に向けて、快進撃を続けていただきたいと思います。

 一方のスティーラーズは、4勝5敗と負けが先行してしまいました。今季は4勝1敗と好スタートを切ったのですが、4連敗となってしまいました。
 とはいえ、今季のAFC北地区は全体として成績が悪く、首位のボルチモア・レイブンズも5勝4敗ですので、まだまだ地区優勝の可能性が十分にあります。
 今後の反攻に期待したいと思います。

 「スティーラーズVSカウボーイズ」は、NFLの看板カードのひとつです。

 これまでも、そしてこれからも、素晴らしいドラマを提供してくれるのです。
 2016年に入って「戦国時代」に突入した大相撲ですが、11月場所も毎日激戦が続いています。

 好調な力士を観て行きましょう。

 まずは、横綱・鶴竜。
 好調です。柔らかい取り口にスピードが加わって、万全の相撲を魅せています。
 今場所は、自らの体が良く動き、相手の動きも良く観えているようです。
 優勝争いの先頭に立つ存在でしょう。

 続いては遠藤。
 得意とする「密着相撲」に、前に出る力が加わりました。とても素晴らしい相撲を展開していると思います。特に、横綱・白鵬を破った一番は見事でした。

 続いては玉鷲。
 体に一本芯が入った印象です。もともと身に付いていたパワーを土俵上で発揮できるようになりました。対戦相手としては、この破壊力十分な相撲に対応して行くのは大変なことでしょう。

 続いては正代。
 相手の力を吸収するような取り口を特徴としていますが、今場所は前に出る力も加わりました。地力が付いた感じです。

 以上の4力士は、今場所の中心となる力士だと思います。

 綱取りを期待されている豪栄道は、5日目までは後退しない相撲を取っていましたが、6日目からは前に出るスピードと力が衰えてしまいました。相撲内容が著しく悪くなってしまいましたから、今後の横綱・大関戦に向けては心配なところです。先場所からの蓄積された「疲れ」が出ているのかもしれません。

 大関取りを期待された高安ですが、今場所はスピードが不足しています。「左下手」が取れるかどうかが「鳴門部屋の相撲」のポイントなのですが、今場所は相手力士との押し合いの過程で、素早く左下手を取ることができません。

 また、魁星、碧山、栃ノ心の3力士が、本来の力を出せていません。3人共「体幹」が弱い感じの取り口です。3人共「太った」ように見えますから、少し体に余計な肉が付き過ぎてしまったのかもしれません。

 後半戦は、「1日毎に優勝争いの風景が変わる」場所が続くことでしょう。
 それが「戦国時代」の大相撲なのです。

 横綱・鶴竜が好調さを背景にどこまで走れるかがポイントとなるのでしょうが、早々に土が付くようですと、多くの力士にチャンスが訪れる「大混戦の場所」になる可能性も有ります。
 その年に最も活躍した投手に対して、アメリカンリーグAL、ナショナルリーグNLのそれぞれから1人ずつ選出されるのが、投手にとってのMLB最高の栄誉「サイ・ヤング賞」です。

 11月16日に2016年の受賞者が発表されました。
 ALはボストン・レッドソックスのリックポーセロ投手(27歳。22勝で最多勝)、NLはワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー投手(32歳。228回と1/3イニング投球、20勝、共にリーグ最多)が選出されたのです。

 2投手の2016年の活躍は素晴らしいものでした。

 また、シャーザー投手は2013年に続いて2度目の受賞であり、2013年はALのデトロイト・タイガースにおける受賞でしたから、「両リーグにおけるサイ・ヤング賞受賞」を達成しました。

 30チームにより構成される、世界最高のベースボールリーグであるMLBにおいて、「NO.1ピッチャー」の称号を受けることは、ものすごく難しいことですが、それを「両リークで」というのですから、歴史に残る快挙ということになります。

 「両リーグでサイ・ヤング賞受賞」という投手は、MLBの歴史においても「僅か6人」しか居ないのです。
 達成した順に見てみましょう。

① ゲイロード・ペリー投手 

 1972年にクリーブランド・インディアンズ、1978年にサンディエゴ・パドレス、で受賞しました。キャリア通算314勝265敗、述べ9チームで活躍しました。MLB史上最も有名なスピットボーラーでしょう。

② ペドロ・マルティネス投手 

 1997年にモントリオール・エクスポズ、1999年にボストン・レッドソックス、2000年にもボストンでサイ・ヤング賞を受けています。「両リーグ」を達成したのは1999年ということになります。通算219勝100敗、速球(フォーシーム、ツーシーム)、カーブ、チェンジアップなど多彩な球種をコントロール良く投げ込むことから、イチロー選手が「完璧な投手」と呼んだと報じられました。

③ ランディ・ジョンソン投手

 1995年シアトル・マリナーズ、1999年アリゾナ・ダイヤモンドバックスで受賞すると、ここから2002年まで「4年連続のサイ・ヤング賞」という「連続受賞記録」(グレッグ・マダックス投手とのタイ記録)を成し遂げました。5度の受賞は史上2位。
 「両リーグ」を達成したのは1999年で、マルティネス投手と同じ年です。
 6フィート10インチ=約208cmの長身から投ずる、最速102マイル=約164kmの速球を主体に、スライダーやスプリットを投げ込みました。奪三振率10.61(9イニング当たりの奪三振数)はMLB史上1位です。
 「ビッグユニット」と称された、色々な面で「大きな」投手でした。

④ ロジャー・クレメンス投手

 1986年にボストン・レッドソックスで初受賞したのを皮切りに、1987年と1991年にもボストンで、1997年・1998年にトロント・ブルージェイズで、2001年にはニューヨーク・ヤンキースで受賞しました。そして2004年にヒューストン・アストロズで受賞して「両リーグ」を達成したのです。
 計7度のサイ・ヤング賞は史上最多、通算354勝184敗、MLB通算24年という息の長い名投手でした。

⑤ ロイ・ハラディ投手

 2003年にトロント・ブルージェイズで、2010年にフィラデルフィア・フィリーズで受賞し、「両リーグ」を成し遂げました。通算203勝105敗、シンカーやチェンジアップといった落ちるボールを得意とする、代表的なグラウンドボールピッチャー(ゴロを打たせてアウトを取る)と呼ばれています。結果として「少ない球数で打者を料理する」ことから、シーズン230イニング以上投球を5度も記録しています。

⑥ マックス・シャーザー投手 前述のとおりです。

 当然のことながら、いずれ劣らぬ名投手が並びますが、ペリー投手ほどではないにしても「多くの球団を渡り歩いた投手」が多いのも特徴でしょうか。
 マルティネス投手が5チーム、クレメンス投手も5チーム、シャーザー投手も減益ながら既に3チームを経験しています。

 MLBのピッチャーにとっての最大の勲章「サイ・ヤング賞」。

 日本人投手の受賞が待たれます。
 11月20日、京都競馬場芝外回り1600mコースで行われる、第33回マイルチャンピオンシップ競走G1の注目馬検討です。

 秋のマイル日本一を目指して、今年も18頭が出走して来ました。

 今年の特徴は、「マイルG1レースで実績の有る馬が少ない」ところでしょうか。
 かつては強さを発揮した馬は居ますが、近時はG1レースで力を発揮できていない馬や、G2・G3レースでは実績が有るのだけれどもG1の壁が厚い馬が並びました。

 「混戦」なのでしょう。

 層が厚くなったと言われる日本競馬の中距離陣ですが、2016年秋に限っては、強力な軸馬が居ない、別の見方をすれば「世代交代」の時期なのかもしれません。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠8番のイスラボニータ。
 一昨年2014年の皐月賞馬です。日本ダービーも2着でしたから、世代トップクラスの実力を保持していたことは間違いありません。ところが、セントライト記念G2に勝って以降、勝利が遠い状態です。
 持ち味の「器用な脚」を使って、最後の直線で見せ場は作るのですが、今一歩優勝には届かないレースを続けて居ます。昨年の天皇賞(秋)とこのレースで3着でした。
 5歳の秋になりましたが、このまま老け込んでしまう?とも思えませんので、混戦の本レースで久しぶりのG1勝利と行きたいところです。

 第二の注目馬は、5枠10番のマジックタイム。
 5歳になって本格化した感が有ります。牝馬には厳しいマイルG1レースですが、混戦の2016年なら展開次第で十分にチャンスが有ると思います。大器晩成型のハーツクライ血統が花開く時なのかもしれません。

 第三の注目馬は、3枠5番のヤングマンパワー。
 3連勝中の上り馬です。G1はいかにも荷が重いという戦績ですが、前走の富士ステークスG3でイスラボニータを破っている力は侮れません。名種牡馬ディンヒルの血を継ぐサラブレッドとしての活躍期待も込めて、注目馬とします。

 今回は以上の3頭に注目します。

 マイル路線から短距離路線に切り替えた感のあるミッキーアイルの巻き返しや、札幌記念でモーリスに完勝したネオリアリズムの走りも楽しみです。
[11月6日・エミレーツスタジアム]
トッテナム・ホットスパー1-1アーセナル

 アーセナルのホームスタジアムで開催された、ノースロンドンダービーの1戦は、1-1の引分けでした。
 
 前半トッテナム・ホットスパー(スパーズ)のオウンゴールで先制したアーセナルでしたが、後半スパーズがハリー・ケイン選手のペナルティーキックPKで同点とし、試合はそのまま終了しました。

 ロンドン近郊に本拠地を置く2チームは、19世紀後半からライバルと目されて、常に激しい試合を繰り広げてきました。

 このマッチが「ノース」ロンドンダービーと呼ばれるようになったのは、何時頃なのでしょうか。おそらく、そう昔のことではないでしょう。

 三菱ダイヤモンドサッカー世代の私にとっては、スパーズ対アーセナルの試合が「ザ・ロンドンダービー」なのです。

 そして、現在では、ビッグロンドンダービー、ウエストロンドンダービー、バーミンガムダービー、ノースウエストダービー、タイン・ウエア・ダービー、等々の数多くの「ダービー」が行われているイングランドサッカー界ですが、その草分け的存在なのが、トッテナム・ホットスパー対アーセナルの対戦なのです。

 サッカーがイングランド生まれのスポーツであり、サラブレッドが走る近代競馬もイングランド発祥ですから、サッカーにおける「ダービー」もイングランドから始まったものでしょう。
 そのイングランドにおいて、19世紀後半開始の古い歴史を誇るのが、トッテナム・ホットスパーとアーセナルの対戦ですから、このカードは「ザ・ダービーマッチ」と呼んでよいと思います。(他のダービーマッチのファンの皆さん、すいません)

 このカードに匹敵するものといえば、唯一マンチェスター・ダービー、マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドの対戦でしょう。こちらも19世紀後半開始の歴史を保持しています。

 さて、今2016年11月の試合においても、エミレーツスタジアムの観客席の7割方を占める「赤」いアーセナルファンを向こうに回して、少数派のスパーズファンの歓声は凄まじいものでした。

 特に、エースストライカーのハリー・ケイン選手がPKを決めた時の大歓声、喜び様は、40年前のロンドンダービーと寸分たがわぬ、凄まじいものでした。(変な言い方ですが、日本人では、あんなにも「激しく喜ぶ?」ことはできないと思います)

 「白と濃紺」がチームカラーのスパーズですから、そのファンも「濃紺」に身を固めている人が多いのですが、遠目には「黒」に見えるファンの塊が、腕と上半身を大きく振り、大歓声を上げているのです。
「イングランドの人々の魂の叫び」と言って良い光景でしょう。

 「赤」のアーセナルと「白」のトッテナム・ホットスパー、両チームの対戦は、これまでもこれからも、イングランドサッカー最高のゲームのひとつだと思います。
 「絶対に負けられない試合」という言葉は、最近多用されていて、少し軽いものになってしまった感じですが、ハリルジャパンは、まさに「絶対に負けられない試合」であった11月15日のサウジアラビア戦で勝利を収めました。

 ホームゲームであることを考慮すれば尚更、万一この試合を落とすようであれば、ロシアはとても遠くになったことでしょう。
 ギリギリの試合内容とはいえ、この1勝の価値は極めて大きいと感じます。

① 日本チームのディフェンス

 試合開始から、残り時間15分までの日本チームのディフェンスは素晴らしいものであったと思います。ディフェンダーDFからフォワードFWまで、ピッチ上の全てのプレーヤーがサウジアラビアチームにプレッシャーを掛け続け、サウジにチャンスらしいチャンスを作らせませんでした。

 この試合の最大の勝因でしょう。

 当然ながら、最初から相当の運動量でしたから、後半の後半での疲労が心配されました。
 その心配は現実のものとなりましたが、なんとか1失点で凌ぐことが出来たのです。

② シュートを打ち続けた攻撃陣

 日本代表チームとしては珍しいことなのかもしれませんが、この試合では「積極的なシュート」が目立ちました。

 いつもなら不要な?パスを出す場面でも、このゲームではシュートを打って行ったのです。

 この積極性が、1点目のペナルティーキックPKに結びついたと思います。
 清武選手のシュートに対するサウジアラビアディフェンダーのプレーが「ハンド」であったかどうかは、微妙なところでしたが、日本のホームグラウンドですので、ああした判定があっても良いのでしょう。

 とはいえ「もっとシュートを打つことができた」とも感じます。
 「ゴールが見えたらシュートする」というのは、FWプレーヤーに求められる基本的な動き方ですけれども、もっと徹底してもよいと感じました。

③ 残り15分間の攻守

 この時間帯は、一方的なサウジアラビアのゲームでした。そもそもプレースピードが全く違うのです。日本チームのプレーヤーが1m動く間に、サウジのプレーヤーは2m以上動いていた印象ですので、この攻撃を止めることは難しく、サウジアラビアの波状攻撃が続きました。

 もともと、今最終予選でのサウジアラビアチームの「後半の高い得点力」は、相手チームの最も警戒すべきポイントでしたが、この試合でもその力は如何なく発揮されていました。

 あたかも、残り15分まで体力を温存して、相手チームが疲れるのを待って攻撃を開始しているかのような試合運び。
 おそらく、本当にそういう戦術を取っていたのでしょう。

 振り返ってみれば、前半からサウジのプレーヤーは、自ゴール方向・後ろに向かってのドリブルを多用していました。日本チームのプレスディフェンスが効いていたのであろうと思いましたが、ひょっとするとこれも日本のプレーヤーを引っ張りまわして、疲労の蓄積を狙う作戦だったのかもしれません。

 サウジアラビアチームのコーチは、現役時代、オランダ代表チームのミッドフィールダーとして、「巧妙」というか「やや汚いとさえ見えるプレー」で鳴らしたファンボメル氏でした。「勝つ為に味方に有利になることなら何でもやる」感じのプレーヤーだったのです。

 PK判定を受けた時の各プレーヤーの審判に対する本当に執拗な抗議(この試合の残りの時間帯に日本ゴール前で微妙なプレーがあったときには、今度はサウジにPKを与えてくれるように、という意味?)や、後半の本田選手のフリーキックの時のとてもしつこい声掛け・妨害行為も含めて、ファンボメル氏の戦術・やり方なら、これぐらいのことはするだろう、というのは穿ち過ぎた見方でしょうか。(このサウジアラビアチームに勝利するのは、今後も骨が折れると思います)

 しかし、この試合のハリルジャパンは、この苦境を凌ぎ切りました。
 ゴールキーパーGK西川選手の好セーブも光りました。

 ワールドカップ・ロシア大会に向かってのアジア最終予選は、各チームが5試合を消化しました。
 丁度半分のゲームが終了したのです。
 そして、サウジアラビア、日本、オーストラリア、UAEの4チームが勝ち点1の差で犇めき合うという、かつて見たことが無い様な「大混戦」となっています。

 残りは5試合。

 サウジアラビアとUAEとのアウェイの2試合を残している日本チームにとっては、今後も厳しい戦いが続くと予想されますが、このゲームで披露した「精力的なプレスディフェンスからのショートカウンター」というハリルジャパンのプレーに一層磨きをかけて、是が非でもロシアのピッチに立っていただきたいと思います。
 今年3月、ドバイミーティングのG2・UAEダービーで優勝し、日本の競馬ファンをアッと言わせたラニ号の2016年の活躍は見事でした。

 アメリカ競馬の三冠レース全てに挑戦し、立派な成績を残したのです。
 もちろん、アメリカの三冠レース全てに出走した日本馬は、ラニが初めてでした。

 そもそもドバイのUAEダービーに出走したこと自体が、「アメリカ三冠レースに出走するための資格獲得」が目的だったのですから、ラニ陣営の周到な準備が感じられます。

① ケンタッキーダービー

 ケンタッキー州ルイビルに在るチャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービーが、アメリカ三冠レースの第一弾です。
 ダートの10ハロン・約2000m。2016年は5月7日に行われました。

 このレースで、ラニは20頭立ての9着でした。鞍上は武豊騎手。
 初めてのアメリカのコースでのレースとしては、健闘したと感じます。

 アメリカのレースに出走した日本馬の関係者の多くが感想として述べる「前半のペースが速い」というコメントが今回も聞かれました。
 日本のダートコースとは「土の構成が異なり」固くてスピードが出る馬場に慣れるのは、なかなか大変です。

 ちなみにケンタッキーダービー2016の優勝馬・ナイキストの優勝タイムは2分1秒31でした。
 直前に雨が降ったダートコースのレースとしては、相当速いと思います。

② プリークネスステークス

 メリーランド州ボルティモアのピムリコ競馬場で開催されるプリークネスステークスが、アメリカ三冠レースの第二弾です。
 ダートの9.5ハロン・約1900m。今年は5月21日に行われました。

 このレースでラニは、11頭立ての5着でした。

 やはり重い馬場になったと伝えられましたが、最初はついていけなかったラニは、最後の直線で良く追い上げました。

 ようやくアメリカの環境にも慣れたのでしょうか、松永調教師、武騎手共に、ラニの調子が上がってきたとコメントしています。

③ ベルモントステークス

 ニューヨーク州エルモントに在るベルモントパーク競馬場で行われる、アメリカ三冠最後のレースです。
 ダートの12ハロン・約2400m。今年は6月11日に開催されました。

 このレースでラニは、13頭立ての3着でした。

 今回は、前半から遅れることなく付いて行き、最後の直線で良く追い上げました。
 優勝したクリエイターからハナ、1・1/2の差でしたから、十分勝負になったレースでした。

 武豊騎手も「直線では一瞬勝利を意識した」とコメントしています。
 アメリカ競馬に慣れたラニが、自分のレースを魅せてくれたのでしょう。

 ベルモントステークスを終えて帰国したラニは、10月のブラジルカップ、11月のみやこステークスと、日本のダート戦を走りましたが、3着、13着と結果を残せていません。
 アメリカ三冠レースで小差の3着に食い込む力を保持するサラブレッドとしては、とても不本意な成績でしょう。

 帰国後のコンディションが良くないのか、それともコースとの相性なのかは、今後の走りを観なくては分からないところなのでしょうが、私には「ラニはアメリカのダート向き」であるように感じられます。

 ラニのお父さんはタピット。タピットの祖父はあのシアトルスルー、母系にはミスタープロスペクターが配されている「超良血」なのです。タピットは2014年・2015年の2年連続で北米のリーディングサイアーを獲得しています。今、アメリカで最も注目されている種牡馬でしょう。

 ラニのお母さんのヘブンリーロマンスはサンデーサイレンス産駒。ヘブンリーロマンスは牝馬ながらも2005年の天皇賞(秋)に勝っています。

 ラニは「日米の良血の結晶」と言っても良いのかもしれません。

 シアトルスルーの血脈を我が国に広げていくという点からも、貴重なサラブレッドだと思います。
 このニュースに接した時には、少し驚きました。

 このところ世界ランキング1位に居ることも多いアルゼンチン代表チームが、ブラジル代表チームに完敗したのです。
 それも、佳境に入ったワールドカップ南米予選の大事な一戦、フルメンバーで戦ったアルゼンチンが、一方的に敗れるというのは、予想を超える出来事でした。

 11月10日、ブラジル・ベロオリゾンテのミネイロン競技場にアルゼンチンを迎えて行われたゲームは、前半25分、ブラジルのミッドフィールダーMFフェリペ・コウチーニョ選手が強烈なミドルシュートを決めて先制しました。

 そして前半終了間際には、フォワードFWのガブリエル・ジェズス選手からのパスを受けたネイマール選手が、ゴールキーパーGKとの1対1をキッチリと決めて、2-0とリードを広げました。

 後半アルゼンチンはFWのアグエロ選手を投入し、メッシ選手、ディマリア選手、イグアイン選手との「豪華なカルテット」で反撃に出ましたが、なかなか自分達の形を作ることが出来ません。

 そうした中で後半13分、ブラジルはMFレナト・アウグスト選手からMFバウリーニョ選手へのパスで3点目を挙げて、試合を決めました。

 アルゼンチンチームとしては、豪華なカルテットにマスチェラーノ選手も加えた最強の布陣で臨んだゲームで、0-3の完封負けを喫したことは、大きな衝撃だったことでしょう。
 これで南米予選は6位となりました。ご承知のように6位ではワールドカップには出場できません。(4位までが出場、5.位は大陸間プレーオフゲームに出場)
 予選はまだ7試合を残していますから、アルゼンチン代表チームとしては、ここから順位を上げて行ってくれることとは思いますが、現在5位のチリ、4位のエクアドル、3位のコロンビアはいずれもこのところ強さを見せているチームですので、油断はできません。

 一方、今予選の序盤ではチリに0-2で完敗するなど、勝利が遠かったブラジルチームですが、第7節でエクアドルに3-0で勝ってから調子が上がってきました。その後は順調に勝ち点を積み上げ、第11節を終えてトップに立っています。
 2番手のウルグアイとの差は勝ち点1ですから、現状は「スアレス選手・カバーニ選手を擁するウルグアイとの熾烈なトップ争い」を演じているというところでしょう。

 セレソンにとって心強いのは、ガブリエル・ジェズス選手、レナト・アウグスト選手、フェリペ・コウチーニョ選手といった期待のプレーヤー達が、次第に代表戦でも持ち味を発揮してきていること、加えてフェリペ・ルイス選手やバウリーニョ選手らが力を魅せていることでしょう。そして大黒柱のネイマール選手が相変わらずのプレーを展開しているのです。
 「次代のブラジル代表チーム」が、着実に形作られている印象です。

 このチームは、相当強くなりそうです。

 ブラジルが3-0で快勝したこのゲームは、アルゼンチンにとっては「今後の戦い方を再考」させられた試合であり、ブラジルにとっては「自分達の戦い方に自信を深めた」試合だったのでしょう。
[11月7日・第9週]
オークランド・レイダーズ30-20デンバー・ブロンコス

 第8週を終えて6勝2敗で並んでいたチーム同士の対戦となりましたが、レイダーズがゲームを支配し、終始リードして勝ち切りました。

 「強力な守備陣」を誇るブロンコスから30点を奪った攻撃陣の踏ん張りが目立つ試合であったと思います。

 3年目のクオーターバックQBデレック・カー選手は、順調に成長していると感じます。
 特に、パスの「球質」が良い。「レシーバーが取り易い」パスが多いように見えます。もの凄く速く、壁をも打ち抜くような強烈なパスでは無いのですが、回転が安定していて、「暴れ」が少ないと思います。ターンボールも少ないのではないでしょうか。

 レシーバー陣も充実して来ました。
 アマリ・クーパー選手、セス・ロバーツ選手、マイケル・クラブツリー選手、アンドレ・ホームズ選手、とメンバーが揃ったのです。特に、2014年までサンフランシスコ49ersの主力ワイドレシーバーWRとして活躍してきたクラブツリー選手が2015年からレイダーズに加わり、安定した活躍を魅せています。身長185cmと決して大きなプレーヤーではありませんが、抜群の身体能力をベースとした素晴らしいプレーの数々は、レイダーズのWR陣を牽引する存在でしょう。

 ランニングバックRBも育ってきました。
 ラタビアス・マレー選手は、このゲームで20度のキャリーで114ヤードを走り、3タッチダウンTDを挙げました。
 2013年ドラフト6順目でレイダーズが指名したマレー選手ですが、順調に成長し、エースRBとなったのです。「生え抜き」というところが、一段と素晴らしい。

 ジェイレン・リチャード選手、ディアンドレ・ワシントン選手と共に組み上げられているRB陣も強力になってきました。

 第9週を終えて、7勝2敗でAFC西地区のトップに立ったレイダーズですが、今季の得失点を見ると、得点245に対して失点223となっています。失点が多いのです。
 今後、ポストシーズン進出を目指す上では、守備陣の頑張りが不可欠なのですが、このゲームでは特にランディフェンスで良いプレーが目立ちました。守備の強化への取組が、見乗って来ているのかもしれません。

 私は1970年代からレイダーズの大ファンですが、2016年の今日に至っても、「装束」「雰囲気」の変化が小さいところも気に入っています。
 黒とシルバーの配色、侵略者?のマークも昔のままです。

 このゲームの対戦相手だったブロンコスや、ニューイングランド・ペイトリオッツのように、当時と比較して「マークを変えた」チームもありますし、ヒューストン・オイラーズの様に「チーム名を変えた」チームもありますが、「レイダーズの姿」は殆ど変わりなく受け継がれているように見えます。

 当然ながら、ユニフォームの素材や染色技術の進歩、ヘルメットの素材や形状、染色技術の進化等々を考慮すれば、時代と共に「姿」「雰囲気」が変化して行くのは、自然なことであり、何の問題も無いことなのでしょうが、そうした進化・進歩を前にしても、従前の様子を維持しようとする「努力」が存在してきたのであろうと感じます。

 レイダーズは、スーパーボール制覇3回を誇る名門チームです。

 全米における人気という意味でも、ダラス・カウボーイズやピッツバーグ・スティーラーズと並ぶ存在だと言われています。

 そのレイダーズの久しぶりの快進撃は、ファンにとって、とても嬉しいことなのです。
 全く別次元の強さでした。

 11月10日から13日にかけて開催された、三井住友VISA太平洋マスターズ2016でしたが、松山英樹選手のひとり舞台でした。

 最終日の前半、パー5のホールでダブルボギーを叩き、2番手のプレーヤーと3打差になった時に、これで優勝争いが面白くなるかとも観えましたが、結局は「松山選手がスコアを崩さないと競り合いにはならない形」でしたので、その後、松山選手がプレーを立て直してしまうと、相変わらずの独走が続き、追いかけるプレーヤーとの差は開くばかりでした。

 18番ホール・パー5の2打目を池に入れた時も、続く第4打を「20cm」に付けるスーパーショットを魅せて、大観衆の期待に応えました。

 4日間通算265ストローク・23アンダーパーは大会新記録。
 先日のHSBC世界ゴルフ選手権大会と同じ、2位に7打差を付けての圧勝でした。

 かつてのVISA太平洋マスターズには、タイガー・ウッズ選手を始めとする世界のトッププレーヤーが出場して、トーナメントを彩っていました。日本国内で「世界の強さ」を感じることが出来る大会だったのです。

 2016年の大会には、欧米の世界のトッププレーヤーは出場しませんでした。

 しかし、アメリカPGAツアーのレベルの高さ、「世界の強さ」を魅せてくれるプレーヤーは参加していたのです。
 
 かつてのタイガー・ウッズ選手の役割を、松山英樹選手が立派に果たしていました。

 圧勝した松山選手から大会中に「絶好調」というコメントは一切聞かれず、ショットの調子はいまひとつだったようですが、「いまひとつ」でこの強さというのですから、ただ驚かされるばかりです。

 日本ゴルフ史上最強のゴルファーに成長した松山英樹選手の、2017年世界四大大会への挑戦が始まります。
 欧州サッカー連盟UEFAが主催するチャンピオンズリーグCLの2016~17年シーズンのグループリーグGLも各チームが4試合を終えて、過半を過ぎました。
 予想通りのグループもあれば、意外な経過となっているグループもあります。

[Aグループ]
 ここまでアーセナル(イングランド)とパリ・サンジェルマン(フランス)が3勝1引分の勝ち点10で並んでいますが、得失点差でアーセナルがトップに居ます。スイスのFCバーゼルとブルガリアのドゴレッズ・ラズグラドは共に勝ち点1と苦しい戦いが続いています。

 Aグループは、事前の予想通りの展開と言えるでしょう。

[Bグループ]
 ベンフィカ(ポルトガル)とナポリ(イタリア)が2勝1敗1引分の勝ち点7で並んでいて、ベンフィカが得失点差の関係でトップに立っています。
 3位にはトルコのベジクタシュが勝ち点6で追っています。

 この組は、ベジクタシュの健闘が光ります。緒戦アウェイでベンフィカと1-1で引分けて勢いに乗り、ナポリには3-2で勝ちました。今後も、ホームで戦うベンフィカ戦の結果次第では、決勝トーナメントへの道が開けるかもしれません。

 意外なのはウクライナのディナモキエフの不振でしょう。ここまで1引分3敗と全く良いところがありません。残り2試合のナポリ戦、ベジクタシュ戦で意地を見せてほしいものです。

[Cグループ]
 FCバルセロナ(スペイン)が3勝1敗でトップを走り、マンチェスター・シティ(イングランド)が2勝1敗1引分で続いています。3番手にボルシア・メンヘングラードバッハ(ドイツ)、4番手がセルティックス(スコットランド)という情勢。

 順当な経過に見えますが、11月1日に行われた対戦で、シティがバルセロナに3-1で快勝しましたので首位争いに含みが残った感じがします。シティはグラウディオラ監督の手の内に入りつつあるのでしょうか。

 ボルシアにとっては「悪い組に入った」というところでしょう。

[Dグループ]
 アトレティコ・マドリードが4戦全勝でトップを快走し、バイエルン・ミュンヘンが3勝1敗で続いています。ロシアのロストフとオランダのPSVは共に勝ち点1と苦しい戦いが続いています。

 D組はアトレティコとバイエルンの1位争い、特に直接対決第2戦となる12月6日のゲームが注目です。

[Eグループ]
 フランスのASモナコが勝ち点8でトップ、ドイツのバイヤー・レバークーゼンが同6で2番手、トッテナム・ホットスパー(イングランド)が同4で3番手につけています。

4番手のCSKAモスクワ(ロシア)は苦しいところですが、3番手までのチームには決勝トーナメント進出の可能性が残っていますので、各チームの残り2試合は激戦となることでしょう。

[Fグループ]
 トップは3勝1引分のボルシア・ドルトムント(ドイツ)、2番手には2勝2引分のレアル・マドリードが付けています。
 3番手のスポルディング、4番手のレジア・ワルシャワは苦しい展開です。

 レアルは11月2日のワルシャワ戦で、アウェイとはいえ3-3で引分けている分、ドルトムントに置かれている状況です。このグループも、12月7日のドルトムントとレアルの第2戦が首位争奪のポイントとなります。

[Gグループ]
 レスター・シティ(イングランド)が3勝1引分の勝ち点10でトップ、ポルトガルのFCポルトが勝ち点7で続き、デンマークのFCコペンハーゲンが勝ち点5で続いています。

 いまだ勝ち点0のクラブ・ブルージュは苦しい立場ですが、コペンハーゲンには、まだ決勝トーナメント出場の可能性が残されています。11月22日のコペンハーゲン対ポルトのゲームが注目されます。

[Hグループ]
 スペインのセビージャFCが3勝1引分の勝ち点10でトップ、ユベントス(イタリア)が勝ち点8で追っています。
 ユーベは11月2日のホームのオリンピック・リヨン(フランス)で引分けたことが響いて、2番手にとどまっています。一方のセビージャは、緒戦のユベントス戦で1-1の引分後は、順調に勝ち星を重ねています。
 ユーベとしては、11月22日の対セビージャ戦(アウェイ)でキッチリと勝ち、首位でGLを抜けたいところでしょう。

 勝ち点0のディナモ・ザグレブは苦しい立場ですが、同4のリヨンにはまだ勝ち抜けの可能性がありますので、2連勝が期待されるところです。

 こうして見てくると、

① 相変わらずCLではスペイン勢が強い。

 今シーズンも、FCバルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード、セビージャFCの出場4チームすべてが勝ち抜けそうな勢いです。

② イングランド勢の情勢

 Eグループのスパーズは、現在3番手ですが、アーセナルとマンチェスター・シティそしてレスター・シティの3チームが上位を占めています。巻き返しに向けて、体制が整いつつあるのかもしれません。

③ ドイツ勢の情勢

 バイエルン・ミュンヘンは「21世紀の3強」の一角として、相変わらずの安定した戦い振りを見せ、ドルトムントは「CLに出てくれば強い」ところを魅せています。
 バイヤー・レバークーゼンを含めた3チームがベスト16に進む可能性は十分です。

 各チームが4試合を終えた時点の、今季CLを観てきました。
 試合ごとには、色々な番狂わせもあるのですが、順位表にしてみると「概ね大会前の予想通り」と言って良いのかもしれません。

 毎回のことながら、こここからは各グループの順位による「決勝トーナメントの組合せ」がポイントとなるのです。
 11月13日、京都競馬場芝外回り2200mコースで行われる、第41回エリザベス女王杯競走G1の注目馬検討です。

 もともと、3歳牝馬の秋の大レース(現在の秋華賞の位置付け)でスタートしたレースですが、すっかり「秋の最強牝馬決定戦」として定着しました。

 淀の外回り2200mというのがポイントで、スピードとスタミナの両方を兼ね備えていないと、なかなか栄冠を勝ち取ることが出来ません。

 この形式=3歳「以上」牝馬の2200m戦、になった1996年以降の勝ち馬を観ても、ダンスパートナーやメジロドーベル、ファレノプシス、アドマイアグルーブ、ダイワスカーレット、スノーフェアリーと地力十分な乙女たちの活躍が目立ちます。

 そして、G1レースとしては「連覇」の多いレースでしょう。メジロドーベル、アドマイアグルーブ、スノーフェアリーの3頭が連覇を成し遂げています。一般的に「好調な時期が短い」と言われる牝馬ですが、スタミナを要するこのレースは、適性が有る馬にとっては十分に連覇を狙えるレースということなのかもしれません。

 さて、注目馬検討です。

 今年も15頭が出走して来ました。

 第一の注目馬は、2枠2番のマリアライト。
 前走G2オールカマーは、ゴールドアクターの5着と直線でやや伸びを欠きましたが、牡馬一線級を相手に差の無いレースを見せてくれました。3ヶ月ぶりのレースで、ズルズルと後退しなかったレース振りに、この馬の強さが表れていると見ます。
 昨年の勝ち馬でもあり、今年の宝塚記念馬でドゥラメンテを抑えて優勝した、この馬の強さを披露していただきたいものです。

 第二の注目馬は、1枠1番のミッキークイーン。
 オークスと秋華賞を勝った世代最強牝馬が駒を進めてきました。何と言っても、ジャパンカップ2015以外の9戦で「連を外していない」安定感が、この馬の特徴でしょう。
 スタミナも十分ですから、勝ち負けのレースを魅せていただけるものと思います。

 第三の注目馬は、8枠15番のパールコード。
 前走・秋華賞では惜しくも2着に敗れましたが、「本格化」を印象付けました。ヴィクトワールピサの代表産駒となる活躍に期待しています。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 過去の実績から観れば「2強」の色彩が強いレースですが、3頭出てきているマンハッタンカフェ産駒の走りも楽しみです。
 ATPツアー「マスターズ・パリ大会」の男子シングルス、錦織圭選手は11月2日の緒戦でビクトル・トロイツキ選手をセットカウント2-0で破り、ツアー通算300勝を達成しました。
 錦織選手のツアー初勝利は2007年ですから、10年間をかけての大記録達成ということになります。

 ツアー300勝は、もちろん日本選手最高記録です。

 そして、ツアー史上では153番目の記録と報じられています。

 錦織選手のこの記録が報じられるのと同時に、ツアー歴代1位の記録も示されました。
 アメリカのジミー・コナーズ選手の1,256勝です。
 久し振りに懐かしい名前を聞きました。

 コナーズ選手は20世紀後半に活躍した名プレーヤーで、ビョルン・ボルグ選手やジョン・マッケンロー選手らと共に、男子プロテニスの「黄金時代」を支えました。
 左打ちの両手バックハンドから繰り出されるショットは、強烈かつ美しい、世界最高のストロークであったと思います。

 コナーズ選手は四大大会シングルスで8度の優勝(全米5勝、全英2勝、全豪1勝)を記録しています。
 四大大会シングルス8勝というのは、もちろん素晴らしい記録ですが、当時のコナーズ選手の活躍を思い浮かべると「やや少ない」と感じます。
 ツアーで毎試合の様に優勝していた印象が有るからです。

 やはり、全英と全仏のシングルスで計11度の優勝を誇るボルグ選手や、全英と全米で計7度優勝のマッケンロー選手といった「強力なライバル」が居た「黄金時代」でしたから、四大大会ではコナーズ選手ばかりが優勝するという訳には行かなかったのかもしれません。

 一方で、コナーズ選手はその他のATPツアー大会では、圧倒的な成績を誇りました。

 シングルスのツアー109度の優勝、1,256勝は現在に至っても歴代1位です。
 勝ち続けたという点からは、「黄金時代」においてもジミー・コナーズ選手が最強であったと言えるのかもしれません。

 ツアーシングルスの歴代2位はロジャー・フェデラー選手の1,080勝です。フェデラー選手はツアー大会優勝数でも96勝でコナーズ選手を追いかけています。

 コナーズ選手は1972年にデビューし1996年に引退しました。そして、1998年にフェデラー選手がデビューしたのです。
 男子プロテニスは、コナーズ選手からフェデラー選手へと受け継がれたのかもしれません。

 それにしても、1972年に20歳でデビューしたコナーズ選手は、44歳となる1996年まで現役を継続しました。
 この25年間に及ぶ長いキャリアが、数々の大記録に繋がっているのは間違いないことです。

 「世界トップクラスのプレー」を長く続けることが多くの記録を生むのは、テニスに限らず全てのスポーツ競技に共通しているのでしょうし、そのことが最も難しく、最も偉大なことなのかもしれません。
 第1戦・第2戦を広島カープが連勝し、第3戦の7回までカープが2-1とリードしていた、2016年の日本シリーズは、その8回に日本ハムが逆転し、9回広島が同点に追いついたものの、日本ハムが押し切りました。

 結果として、この第3戦がこのシリーズのターニングポイントとなったのです。
 第4戦以降も接戦が続きましたが、結局日本ハムが連勝を重ねて4勝2敗で日本一の座を捥ぎ取りました。

 まさに「紙一重」の勝負が続いた日本シリーズ2016でしたから、テレビ放送の視聴率もうなぎ上りでした。

 その第3戦、カープの先発投手は黒田博樹投手でした。
 黒田投手に対する広島ファンの思いは、私達には計り知れないものが有るのでしょう、このゲームで広島ホームテレビの瞬間最高視聴率は74.1%を記録しました。
 
 娯楽・エンターティンメントが少なかった昭和30年代ならいざ知らず、インターネットが普及し、テレビ離れが叫ばれて久しい平成28年になっての70%越えというのは、驚異的としか言いようがありません。

 日本ハムが3勝2敗と王手を掛けて迎えた第6戦では、関東地区の平均視聴率が25.1%、関西地区は26.7%、広島地区は54.9%、北海道地区は50.8%を記録したのです。
 このゲームの瞬間最高視聴率は、関東地区で34.8%、関西地区で38.4%、広島地区で68.3%、北海道地区で66.5%であったと報じられました。
 いすれも、もの凄い数字です。

 スポーツ超大国・アメリカのMLBワールドシリーズやNBAファイナルにも、十分に対抗できる水準だと思います。

 近時は「視聴率を取れない」という理由から、地上波での中継放送が減っているプロ野球ですが、良い試合にはやはり注目が集まるのです。

 今季のパリーグ・クライマックスシリーズでは、地上波やBSでも放送が無い試合が多く、とてもガッカリしましたし、何故放送されないのか不思議でした。

 各テレビ局の関係者の皆さんには、是非地上波でのプロ野球放送を増やしていただきたいと思います。
 2016年11月場所が、11月13日に幕を開けます。
 早いもので、2016年収めの場所が迫っているのです。

 今場所は、大関・豪栄道の連続優勝そして横綱昇進がなるかどうかが、最大の焦点です。
 9月場所で圧倒的な強さを披露し、15戦全勝優勝を遂げた豪栄道が、その強さを再び魅せてくれるのでしょうか。

 また。東前頭3枚目まで番付を上げてきた遠藤の相撲も期待十分です。
 馬力と腕力で相手を倒すのではなく、理詰めの相撲で「相手に力を出させない」遠藤の取り口は、スポーツとしての大相撲の本質を示しているように見えますし、日本古来の相撲の型を体現しているものであろうとも思います。(体が大きく、力が強い方が勝つというのでは、単純に過ぎ、奥行きに欠けるスポーツということになってしまうでしょう)

 さて、注目力士の検討です。

1. 横綱陣

 先場所、久し振りに休場した白鵬の動向がポイントとなります。史上最多優勝を誇る大横綱ですから、出て来る以上はコンディションを整えていると見るべきでしょうし、場所前の稽古での好調も伝えられていますが、「第一人者」としての長いキャリアが白鵬に目に見えない心身の疲労を蓄積させていると見ることもできます。

 今場所は日馬富士に注目したいと思います。先々場所優勝し先場所も「素早い動き」が健在でした。現在の横綱陣を支える存在と見ています。

2. 大関陣

 ここは豪栄道に期待します。
 稽古場での強さを本場所の土俵でも発揮することが出来るようになった今、豪栄道は優勝候補の筆頭でしょう。
 もともと好調時には白鵬にも強かった豪栄道ですから、大横綱・白鵬の居る場所でも優勝して、堂々と横綱に昇進して欲しいものです。

3. 関脇以下の力士

③ 遠藤

 9月場所の遠藤の強さは本物でした。膝の故障が回復しつつあり、ようやく四股を踏めるようになったと伝えられていましたが、それであの強さです。11月場所までの2ヵ月間を順調に過ごしているようなら、優勝も狙えると見ます。
 遠藤の、横綱・大関との取組が本当に楽しみです。

④逸ノ城

 西前頭13枚目というのですから、信じられないような番付です。9月場所では、情けない相撲が目立ちました。バタバタせず、腰の重さを活かした相撲、じりじりと前に出る相撲から勝機を見出す取り口を実現出来れば、星が上がると思います。

⑤高安

 9月場所の14日目・15日目の相撲は、前に出る相撲を取ることが出来ませんでした。その点は気になりますが、13日目までの相撲を思い出していただければ、11月場所でも9月場所と同様の成績を残すことが出来る力を身に付けていることは、証明されています。
 自信に満ちた相撲に期待しています。

⑥勢

 9月場所はコンディションが良くなかったというか、どこか故障していたのだと思います。本来の「素早く動きながら前に出る」相撲が影を潜めていました。体調を整えて臨むであろう11月場所は、西前頭8枚目の番付けであれば十分に戦えるでしょう。

⑦御嶽海

 強くなりました。上位の力士との取組でも、自らの力を発揮できるようになっています。初の三役でも、その力を魅せてくれることでしょう。

⑧妙義龍

 かつての「スピード十分に動きながら一気に押す相撲」がなかなか観られません。少し相撲に迷いが有るのかもしれませんが、取組の流れに逆らうことなく、体の動くままに前に出ることが出来れば、「関脇」の相撲が蘇ることでしょう。

⑨正代

 そろそろ上位の相撲に慣れることでしょう。地力は十分ですから、後は自信を持って臨むことだと思います。立合いを低くすることが課題だと言われますが、もはや身に付いた相撲でしょうから、気にすることなく「強く当たる」ことができれば、自在の相撲が活きると思います。

⑩北勝富士

 北勝海と千代の富士からいただいたという新四股名での活躍が期待されます。
 思い切った相撲を魅せて欲しいものです。

 今場所は、以上の10力士に注目します。

 他にも、碧山、魁聖、貴ノ岩、佐田の海、千代翔馬、千代鳳、と活躍が期待される力士が目白押し。

 「戦国時代」に入った大相撲ですから、どのような展開になるのか、想像もつかないというところでしょう。
 10日目からの「凄まじい星の潰し合い」が、今からとても楽しみです。
 NFL2016~17レギュラーシーズン第8週の、ワシントン・レッドスキンズとシンシナティ・ベンガルズのゲームは、イギリス・ロンドンのウェンブリースタジアムで開催されました。

 ウェンブリーは、ご承知の通り「サッカーの聖地」です。
 サッカー発祥の国イギリスにおける「聖地」なのですから、世界中のサッカーファンにとって、特別なスタジアムなのです。

 そのサッカーの聖地を会場として、アメリカンフットボールの最高峰・NFLの公式戦が行われるのですから、とても興味深いことなのです。

 当然ながらNFLサイドとしては、「NFLを世界に広げていく」施策のひとつとして、イギリス・ロンドンでの公式戦実施を考えているのでしょうが、同じやるならウェンブリーで、というところがとても洒落ています。

① 「芝」は大丈夫か?

 元サッカー選手だった友人は、「芝のグラウンドでラグビーをやられると、芝が痛んで困る。サッカー場ではラグビーはやらないでほしい」と常々言っています。
 お正月のスポーツにおいて、かつての国立競技場では、元旦にサッカー天皇杯決勝をやり、2日にラグビー大学選手権準決勝2試合を行っていたのも、こうした理由があったのではないかと思います。

 ラグビーでは、スクラムやモール、ラックで、双方のプレーヤーが押し合うプレーが頻発します。押し合う以上は、地面・芝をグイグイと足で押すことになるのは自然なことですから、芝が痛むのです。
 サッカーでは、双方のプレーヤーが押し合うというシーンは多くはありません。

 アメリカンフットボールにおいても同様で、1プレー毎にスクリメイジラインを挟んで、両チームのラインが衝突しプレーヤーが押し合いますから、芝には相当のダメージとなるでしょう。

 加えて、サッカーのフィールドとアメリカンフットボーのフィールドではサイズ・形が異なります。
 サッカーは縦105m×横68m内外の大きさですが、アメフトは縦110m×横50m内外となっています。アメフトのフィールドの方が細長いのです。
 結果として、「横」が18mほどアメフトの方が短いので、ウェンブリーでNFLのゲームを行うと、「横」の両側9mずつはゲームのフィールドでは無くなります。
 この9m幅の芝の上に、数十人の猛者が立って、出場に向けての準備を行うこととなるのです。
 普段のサッカーの試合であれば「ピッチ」になっている地域を、数十人の猛者が踏み、動き回ることは、サッカーでは有り得ないことですから、このエリアの「芝」も大きな影響を受けそうです。

 一方でウェンブリーは「サッカーの聖地」ですから、その競技場の「芝」へのイギリス・イングランドの皆さんのこだわりは相当高いものでしょう。当然ながら「ウェンブリーの芝は世界一」という自負も強いと思われます。

 こうした状況下で、イングランドサッカー界がNFLのゲーム開催を許可したというのは、大英断なのかもしれません。

 また、レッドスキンズとベンガルズの試合の中では、プレーヤーが芝に脚を取られるシーンが時々起りました。アメフトのフィールドと比較して、ウェンブリーの芝の方が深いことが原因なのでしょう。

② 観客席の様子

 90000人収容のウェンブリーに、この日は85000人近くの観客が詰めかけました。ほぼ満員と言って良いでしょう。

 サッカーの試合でも、なかなか入らない大観衆が詰めかけたのですから、NFLゲームは成功ということになります。

 この観客の様子が、また、興味深いものでした。

 レッドスキンズやベンガルズのユニフォームを身に付けている観客も多いのですが、もっと多かったのは「贔屓のNFLのチーム・プレーヤーのユニフォーム」を身に付けている人々でした。

 トム・ブレイディやアーロン・ロジャースのユニフォームを着ている人や、マイアミ・ドルフィンズやダラス・カウボーイズのユニフォームを身に付けている人など、様々な姿が目に付きました。とても「カラフル」な観客席となっていたのです。

 そして「クラウドノイズ」が有りませんでした。
 ベンガルズやレッドスキンズの選手達は、いつもよりとても良くクオーターバックQBのコールが聞こえたと思います。

 この日のウェンブリーには、レッドスキンズファンやベンガルズファンというより、「NFLファン」が多く集まっていたことになります。

③ 何故「レッドスキンズ対ベンガルズ」なのか。

 イギリスひいてはヨーロッパにNFLを広めることを目的としたイベント・公式戦ですから、NFLとしては「カード」についても、入念に打ち合わせたうえで決めたことは、想像に難くありません。

 まず、世界最高水準のプレーを観ていただかなくてはなりませんから、好チーム同士の一戦である必要があります。
 とはいえ、スター選手が多く居て、世界的にも有名なチームを送り込むのでは、真の需要拡大には繋がらないかもしれません。ニューイングランド・ペイトリオッツやダラス・カウボーイズ、ピッツバーグ・スティーラーズといった人気チームは回避したいと考えたかもしれません。

 そして、ベンガルズとレッドスキンズが選出されたと見るのは、穿ちすぎでしょうか。

 ベンガルズのQBアンディー・ドルトン選手とレッドスキンズのQBカーク・カズンズ選手は、共に脂の乗った好プレーヤーです。パスプレーも上手。

 加えて、両チームとも攻撃・守備のバランスが良く、最も標準的なNFLの試合を披露出来ると考えたのではないでしょうか。

 そして、このゲームは期待通りの熱戦となりました。

④ A.J.グリーン選手のスーパーキャッチ

 ゲームは逆転に次ぐ逆転の展開となりました。
 
 第3クオーターQを終えて20-17とベンガルズがリードして第4Qに入りました。

 第4Qにレッドスキンズが逆転のタッチダウンTDを決めて24-20とリードして迎えた、試合時間残り7分57秒、ベンガルズのQBドルトン選手からエース・ワイドレシーバーWRグリーン選手にパスが投じられました。

 タイミングの合った素晴らしいロングパスでしたので、レッドスキンズのディフェンスバックノーマン選手は、「このままグリーン選手にパスキャッチを許すと、グリーン選手の走力で一気にTDまで持って行かれてしまう」と考えたのでしょう、グリーン選手のユニフォームを引っ張りました。ユニフォームが大きく伸びる程強く引っ張ったのです。

 明らかにパスインターフェアの反則で、反則を犯した地点まで相手チームの前進を許す反則・重い反則なのですが、その反則を犯してでもTDを阻止するというプレーでした。

 ところが、この反則を受けても、グリーン選手はパスをキャッチしたのです。「さすがはA.J.グリーン」と唸らずにはいられないスーパープレー。
 ウェンブリーに詰めかけた大観衆の目の前で披露した「NFLのプレー」でした。

 この後、ベンガルズはキッチリとTDを決めて、27-24と再び逆転しました。

 ところが、レッドスキンズは残り時間1分7秒でホプキンス選手が40ヤードYのフィールドゴールFGを決めて27-27の同点としたのです。

 ゲームはOT(延長戦)に入りました。

⑤ 27-27の引分け

 NFLのゲームにおいて「引分」は、滅多に無いことです。

 OTに入っても、どちらかのチームがTDやFGで決勝点を挙げて決着が付くことが多いというか、大半なのです。

 ところが、このゲームはOTでも決着が付かず、27-27の引分けとなりました。

 どちらのチームにもチャンスが有りましたが、特にレッドスキンズには惜しいゲームとなりました。

 OT試合時間残り2分10秒で、レッドスキンズは34ヤードのFGのチャンスを迎えました。NFLのキッカーにとっては「100発100中」の距離です。

 ところが、このFGをレッドスキンズのホプキンス選手が左に外してしまったのです。信じられないような光景でした。

 ウェンブリーに居るサッカーの神様が、「今日は引分でいいだろう」と考えたのかもしれません。

 「サッカーの聖地」ウェンブリースタジアムにおけるNFLのゲームは、こうして終了しました。
 とても面白いゲームでした。
 今年も、11月3日午後4時にはテレビの前に居ました。
 NHKの番組「全日本剣道選手権大会」を観ていたのです。
 おそらく20年以上欠かさずの、文化の日のテレビ観戦だと思います。

 放送は準決勝からです。

[準決勝・第一試合]
 地白允広五段と國友錬太朗五段の戦いとなりました。とても静かな試合という印象です。竹刀を振り、相手と打ち合う中で、相手の隙を見つけて打ち込むと言った試合では無く、互いに「一撃必殺」を淡々と狙うのです。

 両選手の動きが止まり、審判が正面に両選手を呼んで、試合を再開するシーンも有りました。他の競技で言えば「指導」が与えられたようなシーンかもしれません。

 試合は互角の様相から10分の試合時間を終えて、延長に入りました。
 そして、地白選手のメンに國友選手がドウで対応し、これが見事に決まりました。

[準決勝・第二試合]
 宮本敬太四段と勝見洋介五段の対戦となりました。第一試合程ではないものの、こちらも静かな立ち上がりでしたが、3分過ぎに宮本選手がメンを決めてから、一気に「動」の試合となりました。

 6分過ぎだったでしょうか、勝見選手がメンを返して1本ずつの同点となり、その直後のプレーが見事でした。
 宮本選手のツキが決まったかに見えた瞬間、勝見選手のメンが完璧に入りました。

 宮本選手のツキも強烈なもので、宮本選手の竹刀が大きく曲がる程のものでしたが、これは一本とはなりませんでした。
 真剣であれば、相手の首を切り裂いたかのように見えたツキでしたが、少し左に寄れたことか、あるいはやや「押し気味」であったために、一本とは認定されなかったのかもしれません。

 敗れたとはいえ、国士舘大学の宮本選手の戦い振り派素晴らしいものであったと感じます。その姿勢の良さ、軸のブレが少ない剣道は、今後の活躍が大いに期待されます。

[決勝]
 2014年大会の準優勝者・國友選手と2015年の準優勝者・勝見選手の対戦となった決勝も、やはり静かな戦いとなりました。

 両選手共に、ムダな動きが殆ど見られす、所謂「剣豪同士の果し合い」の雰囲気が漂いました。

 勝負は、思わぬ形で決まりました。勝見選手のコテが決まったのですが、この時國友選手はメンの動きに行っていた訳では無く、「構え」の形でコテを受けたのです。國友選手が動き出す前の、守備力十分な状況での一本に見えました。

 こうした状況で、全日本の決勝という剣道界最高レベルの試合で、コテが決まるのかと、少し不思議な感じがしましたが、試合後のインタビューで「体が浮いた瞬間」に決められたとの國友選手のコメントが披露されて、合点が行きました。

 私などの眼には「何も起きていない」ように観えた中で、國友選手の重心が浮き、そこを見逃さずに勝見選手が打ち込んだのです。真剣であれば、國友選手の右手手首から先が完全に切り取られていたような、短いが正確で強烈なコテでした。

 2016年の第64回全日本選手権は、「2本勝ち」の多い大会でした。
 準々決勝4試合すべてが2本勝ちというのは、珍しいことでしょう。準決勝でも2-1の試合がありました。
 つまり「1本を取る技術」が高かった大会と言って良いのでしょう。

 加えて、世代交代が一層明確になった大会とも言えるのでしょう。
 準決勝に進出した4選手は五段が3人と四段がひとり。「錬士」や「六段」の進出はありませんでした。

 こうした中で、30歳の勝見選手が優勝したのは、「経験とフィジカル・テクニックのベストマッチング」ということであろうと感じます。
 レース前は青学大チームの優位が伝えられていましたが、早稲田大学チームの予想外?の健闘により、優勝争いは緊張感に満ちたものとなりました。

[第1区]
 スタートから、駒澤大学の工藤選手が1区を引っ張りました。
 そして7.4km地点の給水をきっかけとして、東洋大学の服部選手がスパートをかけました。

 昨年の優勝チーム・東洋大が先頭に立ち、駒澤、早稲田、山梨学院が追いかける展開。
 9km地点で駒澤が追い付き、10km地点で早稲田が先頭に立つなど、激しいトップ争いが続きました。

 ラストスパート勝負で東洋が前に出て、早稲田が続き、駒澤が3番手で2区に繋ぎました。東洋と早稲田の差は11秒、駒澤との差は13秒、青学とは30秒差でした。

 この1区で大きく出遅れたのは明治大学チームでした。1分40秒差で2区に繋ぎましたが、結局明治はこの差をどんどん広げられることとなってしまいました。

[第2区]
 1区でやや出遅れた青学チームの田村選手が追い上げを見せました。

 4km地点で駒澤に追い付き
 5km地点で早稲田を捉えました。早稲田の平選手は、田村選手と共に追い上げに加わりました。抜いて行けると考えていたのでしょうか、平選手が後ろに付いた時には、田村選手に「驚き」の表情が浮かびました。
 6.5km付近で、田村選手と平選手が先頭の東洋大に追い付きました。
 7km地点で、追い縋る東洋大チームを青学チームと早稲田チームが引き離しにかかりました。

 ここから、2校の競り合いが始まったのです。

 9.5km付近で早稲田の平選手が田村選手を引き離しトップに出ましたが、3区への襷渡し地点が見えた辺りから、田村選手が再び追い上げを開始して、ゴール前のスプリント力の差で平選手を逆転、青学チームがトップで3区に入りました。

[第3区]
 青学と早稲田の差は1秒、駒澤が3番手で25秒差、日大が31秒差、山梨が37秒差で続く展開となりました。

 早稲田チームと青学チームの競り合いが続いた区間でしたが、4km付近で早稲田の鈴木選手が抜け出し、じりじりと青学との差を広げました。

 早稲田大学チームは、ここから最終第8区までトップを維持し続けたのです。

[第4区]
 トップの早稲田と2番手の青学の差は15秒、山梨との差は36秒、東洋との差は50秒となり、6番手には駒澤が続きました。

 早稲田の永山選手は、とてもバランスの良い走りを魅せました。5km付近から2番手・青学の安藤選手との差を広げました。
 12km地点では、その差を50秒とし、青学大チームの姿が遠くなったのです。

 この区間では、中央学院大チームの頑張りが目立ちました。順位を3番手に上げる快走でした。

[第5区]
 襷渡し時点では、先頭の早稲田と2番手青学の差は1分8秒、3番手の中央学院との差は1分41秒、山梨学院との差は1分53秒となりました。
 
 先頭と2番手の差の方が、2番手と3番手の差より、相当大きい形となりましたから、早稲田大チームが独走態勢に入るかに見えましたが、ここで青学チームが踏ん張りました。

 早稲田の新迫選手もバネの有る走りを見せましたが、青学の小野田選手も追い縋り、結局6秒差を縮めました。
 小野田選手の追い上げは大きなものではありませんでしたが、独走に入りかけた早稲田チームに待ったをかけたという意味で、価値ある走りであったと感じます。

 ここから、早稲田と青学のギリギリの戦いが続くこととなりました。

[第6区] 
 トップの早稲田と2番手青学の差は1分2秒、3番手の中央学院とは2分12秒、4番手駒澤とは2分25秒、5番手東洋とは2分42秒、山梨学院とは2分55秒差で、襷渡しが行われました。

 早稲田の藤原選手は、ピッチ走法でした。一方、青学の森田選手はバネを活かした走法でした。両チームの差は次第に詰まりました。
 一時は20秒近くにまで詰まったと思いますが、区間終盤に再び差が開きました。

[第7区]
 襷渡しの時点で、先頭の早稲田と2番手青学の差は37秒まで詰まりました。
 青学の森田選手が25秒詰めたのです。

 結果的に観れば、この「25秒の追い上げ」が青山学院の総合優勝に結び付いた形でしょう。

 3番手駒澤との差は2分44秒に拡大しましたから、優勝争いは、早稲田と青山学院に絞られました。

 早稲田の大田選手は、1年生とは思えないような堂々たる走り、日本人ランナーには珍しい「重戦車タイプ」の走りを魅せました。
 前半はゆったりと入り、青学中村選手の追い上げを受けましたけれども、5km過ぎから加速して、その差を拡大しました。

[第8区]
 襷渡し時点では、先頭早稲田と2番手青学との差は49秒に開きました。

 アンカーの力量比較では、青学の一色選手が早稲田の安井選手より、19.7kmで1分ほど勝ると見られていましたから、両ランナーのこの日のコンディションやこの日の高い気温などを勘案すれば、優勝争いに向けて両チームの差は「微妙」かつ「ギリギリ」のものとなりました。
 熾烈なアンカー同士の競り合いが予想される展開となったのです。

 ところが、一色選手の気迫は、この予想を大きく超えるものでした。

 前方を走る安井選手の背中をしっかりと見つめた一色選手は、あっという間に差を縮めました。
 5km付近では、その差は7秒となっていましたから、僅か5kmで40秒以上詰めるという「驚異の追い上げ」を魅せてくれたのです。

 そして6km付近で安井選手を掴まえました。
 安井選手も一色選手が追い上げて来ることは計算済みで、追い付かれてからの並走に勝機を見出す作戦であったと思われますが、一色選手の勢いは留まる所を知らず、7km付近では安井選手は付いて行くことが出来なくなりました。
 力の差が有ることは、一目瞭然でした。

 これ以降、青山学院チームと早稲田チームの差は開く一方でした。

 一色選手の走りは、その後も全く乱れることは無く、学生長距離界屈指の実力を存分に発揮して、ゴールに飛び込みました。
 青山学院大学駅伝チームの初優勝が決まった瞬間でした。

 これで青学大チームは、出雲と全日本を制覇して「二冠」となり、お正月の箱根駅伝に「三冠」を賭けることとなりました。
 全日本では、早稲田チームの健闘に会い、ヒヤリとした場面もあったことでしょうが、やはりその実力は一頭抜きん出ている印象です。

 結局2位に甘んじた早稲田大学駅伝チームでしたが、見事な走りであったと思います。
 特に1~3区の4年生と2人の1年生の走りは、「個性豊か」であり、型にはめることなく個々のランナーの強みを伸ばして行くという、新しい早稲田の走りが展開されたと感じます。

 関東の各大学のチームは、もともと「箱根」に照準を絞った調整、20km以上を走りきるための練習、を行ってきていると思いますが、その過程で早稲田チームがこれだけの走りを披露することが出来たのですから、かなりの自信アップに繋がるものと思います。

 今大会の上位チームは、箱根でも十分に戦って行けるものと思いますが、やはり青山学院大チームの力が、今シーズンは相当上位にあることを改めて感じさせられた大会でした。
 11月13日から、大相撲2016年11月場所が始まります。
 この場所で大活躍が期待されるのが、前頭3枚目の遠藤関です。

 遠藤は9月場所を13勝2敗で終えました。

 素晴らしい成績でした。
 15戦全勝の豪栄道が居なければ、優勝力士の成績としても何の不思議もありません。

 とはいえ、星勘定以上に見事だったのは、相撲の内容ではないでしょうか。

 立ち合いでしっかりと当たり、まわしを取り、相手に力を出させない体制を次第に構築して、勝ち切る、という取り口には、何とも言えない落ち着き、少し大げさに言えば「美しさ」さえ感じられました。

 日本古来の大相撲の雰囲気漂う取組が続いていたと思います。

 痛めた膝が相当回復し、「四股を踏めるようになった」と伝えられていた場所で、遠藤は如何なく力を発揮してくれたのです。

 膝の状態は、まだ完全ではないと報じられていますが、完全ではない状態でもこれだけの相撲を魅せていただけるのですから、期待は高まるばかり。

 11月場所で、あの美しい相撲がまた観られるのです。
 MLB2016ワールドシリーズは、シカゴ・カブスがクリーブランド・インディアンズを4勝3敗で下し、108年振り3度目の王座に就きました。

 常に凄まじい戦いが繰り広げられるワールドシリーズですが、2016年の戦いは接戦・激戦・死闘の連続という様相を呈し、歴史に残るシリーズになったと思います。

 その「歴史に残るシリーズ」をベンチの中に居て、つぶさに目の当たりにしたのが、川崎宗則選手でした。
 
 ワールドシリーズ2016の全試合を球場で観戦した人は、アメリカ合衆国には相当数存在すると思いますが、川崎選手のような形で観戦した方は、ほとんど居ないでしょう。

 川崎選手は、カブスのベンチの中から戦いを観ていました。

 一方で、今シリーズのカブスのロースター(出場可能選手)25名には入っていませんでしたから、試合に出場することは出来ない立場として、しかし、ベンチの中に常に居たのです。

 まず、こうした環境でワールドシリーズを観ることは、滅多にできないことでしょう。

 先発プレーヤーとして、あるいは控えのプレーヤーとして、ベンチに居ることはできるというか、ブルペンも含めて25名のプレーヤーは、こうした立場でゲームに関わっていました。常に緊張を強いられる立場です。

 これに対して川崎選手は、試合がどれほど煮詰まってきても、自ら出場したいという気持ちが高まったとしても、試合に出ることは出来ないのですが、緊張の極みにあるプレーヤーの隣に存在し、話をすることもでき、好プレーを演じたプレーヤーとハイタッチもする、立場だったのです。

 「ワールドシリーズに最も近い位置」に居ながら、とても冷静にシリーズを見つめることが出来る、私のような観客としての立場から見れば「素晴らしいポジション」だと思います。(不謹慎と言われそうで、恐縮です)

 川崎選手への役割期待は、どのようなものだったのでしょう。

① ベンチのムードメーカー

 おそらくは、この役割が最大だったのではないでしょうか。
 常に明るく、元気いっぱいの川崎選手は、チームメイトに勇気を与え続け、激励し続けたのではないかと思います。
 この役割を担わせて、ムネリン以上の活躍が出来るプレーヤーは、なかなか居ないのかもしれません。

② 「勝利の女神」としての存在

 男性の川崎選手を女神というのも変ですが、ひょっとするとこうした役割もあったのではないかと感じます。

 日本流にいえば「吉運」を齎す存在です。

 マッドン監督やカブスファンにとって、川崎選手は「勝利を招き入れる存在」だったのかもしれません。

 今シリーズ、川崎選手は「黒縁のメガネ」をかけていました。
 とても目立つメガネでしたから、時々カブスベンチがテレビ映像で流されると、川崎選手の存在が直ぐに分かりました。

 黒メガネの川崎選手は、味方がヒットやホームランを打つと「大喜び」し、味方のピンチには「神妙な表情」で見つめていました。

 そして、味方のシリーズ勝利が決まった瞬間には、一気にベンチを飛び出していました。
 ムネリンは「カブスの風景」の一部だったのです。

 もちろんワールドシリーズの試合に出場したかったのでしょうけれども、川崎選手はこのシリーズにおける役割を十分に果たしたように感じます。
 日本シリーズ2016における、日本ハムの中島卓也選手の活躍は目覚ましいものでした。

 とにかく「相手投手に沢山投げさせる」のです。

 2ストライクを取られてからの粘り、ファウルを続け、ボール球は見送り、「いつ果てるとも知れない」打席を続けるのです。
 「1打席・10球以上」というのも、中島選手にとっては、そう珍しいことではありません。

 相手投手にとって、これほど「嫌な打者」も居ないでしょう。

 試合前の打撃練習でも、大半の打球をバッティング・ゲージに当てると報じられていますから、「意図してファウルを打つ技術を身に付けている」ことは明らかです。

 そして、中島選手が凄いのは、粘りに粘った後でヒットや四球で出塁することです。

 先発投手が100球を投ずるとして、1人の打者の1打席に10球を要するとすれば、3打席で30球となりますから、1/3の投球を1人の打者に投ずることとなります。
 これだけでも、相手投手にとっては大変な負担となります。通常の試合なら、6イニング・7イニングを投げ切れるものが、中島卓也選手の居る日本ハムを相手にする時には5イニングしか投げられないと言っても良さそうです。

 相手チームにとって、これたけの脅威となる存在感に加えて、中島選手の場合には「出塁する」のですから、チームにとっての価値は一層高いことになります。

 中島選手は、第5戦から第6戦にかけて「7打席連続出塁」を果たしました。
 第6戦は、2安打・3四球で5打席連続出塁だったのです。チームの勝利への貢献度は、極めて高かったのです。

 第5戦終了時点で、今シリーズのMVP候補として、中田選手、レアード選手、西川選手、バース投手といったプレーヤーが上げられていました。そして、第6戦の満塁本塁打が効いてレアード選手がMVPに輝きましたけれども、中島卓也選手が「もうひとりの最優秀選手」だったのではないかと、私は思います。
 クリーブランド・インディアンズが3勝1敗として王手を掛けた、2016年のワールドシリーズでしたが、シカゴ・カブスが第5戦・第6戦を連勝して3勝3敗のタイとし、最終第7戦に縺れ込みました。

 11月2日、インディアンズの本拠地プログレッシブ・フィールドで行われた第7戦は、こちらも延長に縺れ込むという、まさに「死闘」となりました。

① 8連続フライアウト

 インディアンズの先発はクルーバー投手でした。このシリーズ3度目の先発です。
 1試合1試合、1点1点がとても重い、レギュラーシーズンの試合とは相当趣を異にする試合、疲労の蓄積が早い試合が続く状況下、中3日で3度目の登板というのは、まさに「大エース」の活躍ということになります。

 そのクルーバー投手が1回から3回にかけて、8連続フライアウトを取ったのです。

 8連続フライアウトというのは、そのこと自体とても珍しいことだと思いますが、投げているのが、「ゴロアウト」主体に打たせて取る投球を得意にする、今シーズン18勝を挙げた、インディアンズの大エース・クルーバー投手となると、本当に不思議な話となります。

 やはり、普段の投球と比べて、球筋が高く、投球の変化が小さかったと観るべきなのでしょう。
 今シリーズ既に2勝を挙げ、カブス打線を翻弄してきたクルーバー投手にも、さすがに疲労が蓄積していたのです。

 この「いつもより高く、キレの無い投球」を、カブスの一番打者・ファウラー選手が捉え、先頭打者ホームランを浴びせました。ここまで完璧に牛耳られてきたクルーバー投手に対して、カブス打線が魅せた意地の一発でした。

 クルーバー投手は4回にも、犠牲フライとセンターオーバーのタイムリー2ベースヒットにより2点を失い、5回にもバイエス選手のホームランで失点しました。
 4失点、いずれの失点も「フライ性の打球」から生まれています。

 残念ながらこのゲームでは、クルーバー投手は持ち味を発揮できなかったのです。

② レスター・ラッキー・アリエタの揃い踏み

 2回を終えたところで、カブスのベンチからレスター投手、ラッキー投手、アリエタ投手がブルペンに向かって歩き始めました。

 シカゴの誇る先発投手陣が、ブルペンに向かったのです。
 その姿は「迫力満点」。
 向かって左にレスター投手、真ん中にラッキー投手、右にアリエタ投手。

 このゲームは投手陣の総力を挙げて戦うという、マッドン監督の意志の表れだったのでしょう。

③ 不調だったミラー投手とチャップマン投手

 本来の投球を見せることができなかったクルーバー投手をリリーフしたのは、インディアンズブルペンの「切り札」ミラー投手でしたが、こちらも本来の投球とは行きませんでした。

 スピード・球のキレ共に、好調時とは比べ物にならないものでした。
 やはり、ポストシーズンに入ってからの厳しいゲームの連続で、疲労が相当蓄積されていたのでしょう。

 ミラー投手は、5回表、リリーフした直後に1失点し、6回表にもホームランを浴びてしまいました。
 5回裏に2点を挙げて、3-5とカブスが追い上げた後だけに、とても残念な被弾でした。

 カブス6-3の3点リードで迎えた8回裏、「守護神」チャップマン投手がマウンドに上がりました。
 MLB・NO.1の快速球投手にして、シカゴ・カブスのクローザーであるチャップマン投手がマウンドに上がった以上は、「これで試合は決まり」と観るのが常道です。

 ところが、このチャップマン投手も、本来の出来とはかけ離れた投球となってしまったのです。
 最初の打者に対する、最初の3球を見て「おやっ」と思いました。
 球速が160kmに届かないのです。

 8回1死からの、クローザーとしては「長い」投球になるので、力をセーブしているのかと思いましたが、そうではなくて、調子が悪いのだということに気が付くのに時間はかかりませんでした。

 長打を浴びて、1塁ランナーが一気にホームイン。
 6-4と2点差になりました。

 そして、続くデービス選手がレフトスタンドに突き刺さる、弾丸ライナーの2ランホームラン!6-6の同点。
 やや意気消沈気味であったインディアンズファンの喜びが爆発し、ボールパークは大声援に包まれました。観客として来ていた、NBAクリーブランド・キャバリアーズの大黒柱レブロン・ジェームズ選手も大喜びでした。
 カブスが押し続けていたゲームが、ついに振り出しに戻ったのです。

 今年ニューヨーク・ヤンキースから移籍してきた、インディアンズのミラー投手、カブスのチャップマン投手は、共にポストシーズンの両チームの勝ち上がりに、圧倒的な貢献を魅せてきましたが、共にこの最終戦では、全く「らしくない」投球に終わりました。

 ミラー投手には「疲労」、チャップマン投手には「右足首の故障」が大きな影を落としたのでしょう。

④ カブスファンの大歓声

 1回表、先頭のファウラー選手がホームランを放った時、プログレッシブ・フィールドには大歓声が響きました。

 アウェイのチームは、タイムリーヒットを打とうが、ホームランを打とうが、「何もなかったかのように」静まり返るのが、MLBの筈なのですが、この試合のスタンドには相当多くのカブスファンが詰めかけていたのです。

 どのような方法でチケットを入手したのかは分かりませんけれども、インディアンズファン対カブスファンの比率は、6対4というのは大袈裟にしても、7対3位ではあったという感じがします。

 赤い装束に身を包んだインディアンズファンの合間に、青い装束のカブスファンが相当数混じっていました。そして、カブスのプレーヤーの一投一打に大声援を送り続けたのです。
 これが、カブスの敵地での勝利に大きな力となったことは間違いありません。

 この試合の、良い席のチケットは、200万円近くの値段が付いたとの情報が有りました。1試合・1枚・1席・200万円というのは、驚きの価格ですけれども、それだけの価値が有る試合なのでしょうし、アメリカ合衆国におけるプロスポーツの人気の高さ、ひいてはアメリカ経済の実力を如実に示しているとも感じます。

⑤ 雨

 事前の気象情報でも、この日は夜遅くなると雨が降る、とされていました。
 そして試合は、6-6の同点で延長に入る長い試合となったのです。

 予報通り、雨が降り始めました。9回表から降り始めていた雨が、9回終了時には強くなったのです。
 ダイヤモンドには「覆い」がかけられました。

 時刻は、11月3日の午前0時を過ぎました。この時刻になっても、観客は誰も帰ろうとはしません。これがMLBなのです。

 雨足が相当強かったので、再開の目途は立ちそうも有りませんでしたから、このまま翌日に、この状況のままで再試合になるかもしれないと考え始めた頃、急に雨が止みました。

 「ベースボールの神様」が、この「死闘」にブレイクタイムを挟んでくれたかのようでした。

 10回表、クローザーのアレン投手をリリーフしたショー投手がマウンドに上がっていましたが、降雨中断後、カブス打線がショー投手に襲い掛かりました。
 そして2点を捥ぎ取り8-6として、10回裏を迎えました。

 10回裏2死ランナー無しとなった時には、これでカブスの優勝だと、誰もが思いましたが、ここからインディアンズが反撃して1点を返し、8-7。ランナーが居ましたから、ここでホームランが飛び出せばインディアンズのサヨナラ勝ち、という状況となりました。

 両チームの意地と意地のぶつかり合いは、最後の1球まで続いたのです。
 そしてインディアンズ最後の打者の打球を、カブスの3塁手が捌き、1塁に投げて、アウトとなった時にも、「試合終了」に気が付くまでに、少し(1~2秒)時間がかかりました。

 「いつ果てるとも知れない」ゲームが終ったことを実感するのは、なかなか大変なことだったのです。

 ゲームは8-7でシカゴ・カブスが勝ちました。
 そして、2016年のワールドシリーズを4勝3敗で制したのです。

 カブスにとって1908年以来、108年振り3度目の世界一でした。

 「クリーブランドの風」を制して、シカゴ・カブスは「ヤギの呪い」を完全に払拭したのです。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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