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 6月25日に行われた、男子200m決勝レースは、サニブラウン・アブデルハキーム選手がスタートから飛び出し、直線でもスピードを落とすことなくゴールを駆け抜けました。
 「快勝」と呼んでよい内容のレースでした。

 ゴール直後に、サニブラウン選手が突然走るのを止めましたので、「故障発生か」と心配しましたが、これは「疲れ」のせいであったと分かり安心しました。

 伸び盛りの18歳といっても、さすがに3日間ぶっ通しの100m・200mの予選から決勝のレースは相当きついものであったということになります。
 ゴール後のサニブラウン選手は「疲労困憊」の体でした。

① 優勝タイム20秒32

 世界選手権参加標準記録20秒44をクリアしての、自己新記録での優勝でした。
 とても立派な記録です。

 一方で、前日の100m優勝タイム10秒05と比較すると、やや物足りないという感じもしました。20秒20を切ってきてくれるのでは、と(勝手に)予想していましたが、これは「疲労」のためなのでしょう。
 逆に言えば、「疲労困憊」の下では、素晴らしい記録なのです。
 世界選手権ロンドンでの走りが楽しみです。

② 200mも「5人の実力者」

 24日の100mでは、「5人の実力者」が注目されましたが、200mでも「5人の実力者」によるレースとなりました。

 3位となった飯島将太選手は、この種目の第一人者ですから、ゴール前までサニブラウン選手と激しい争いを繰り広げるものと思っていましたが、コーナリングの際に思ったほど(前のコースのサニブラウン選手を)詰められなかったことで固くなったのか、直線ではいつもの伸びが見られませんでした。
 「重戦車」タイプの飯島選手の実力は、こんなものでは無い筈ですから、巻き返しが期待されます。

 20秒47で2位となった藤光謙司選手は、「200mのスペシャリスト」らしい走りを魅せてくれました。4コーナーでサニブラウン選手に抜かれた時も、全く動じる様子は無く、直線ではサニブラウン選手と互角の走りをゴールまで継続しました。
 かつての日本選手権チャンピオンが、31歳になっても勝負師としての走りを披露してくれたのです。

 4着に入った原翔汰選手、8着になった高瀬彗選手も、日本選手権の男子200mの主役を張って来ているスプリンターです。

 100m種目同様に、200mも選手層が厚くなっていると感じます。

③ 日本選手権大会における短距離2冠の重み

 この大会におけるサニブラウン選手の様子、最終種目200mを走り切った様子を観るにつけ、「短距離2冠」の難しさを改めて感じます。

 2003年の末續慎吾選手以来14年ぶりの快挙となりました。
 2003年シーズンは、末續選手にとって最高の時期でした。パリで行われた世界選手権の200mで、見事に3位入賞を果たしたのです。オリンピック・世界選手権を通じて、個人短距離種目における日本人選手史上初のメダル獲得でした。

 ロンドン世界選手権2017における、サニブラウン選手の活躍に期待がかかる所以でもあります。

 200m優勝後のインタビューで、記録面について聞かれたサニブラウン選手は、「強い選手に引っ張られれば、記録は出ると思います」とコメントしました。
 何と頼もしいことでしょうか。
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 2017年のMLBレギュラーシーズンは、6月19日時点で両リーグに10勝投手が登場する展開となりました。

 まずはナショナルリーグNLのクレイトン・カーショー投手(ロサンゼルス・ドジャーズ)。

 「泣く子も黙る」感じの、現MLBのNO.1投手が2017年も好調なのです。
 15試合・103と1/3イニングを投げて、防御率2.61、奪三振115、10勝2敗と安定感抜群の投球を続けています。
 何より凄いのが、開幕後「中4日のローテーションを維持」しているところでしょう。
 「完璧なMLBの先発投手」なのです。

 続いてアメリカンリーグALのジェイソン・バルガス投手(カンザスシティ・ロイヤルズ)。
 14試合・87と1/3イニングを投げて、防御率2.27、奪三振68、10勝3敗と、こちらはキッチリと打たせて取るピッチングを続けています。
 トミージョン手術からの回復過程にあった2016年シーズンは3試合の登板に止まりましたが、まさに「故障からの回復」のためのシーズンを過ごし、2017年の大活躍に結びつけました。
 チームと本人が一体となった、素晴らしい復活でしょう。
 「故障前より良いピッチング」が出来ているとの評もあります。

 今季は、この2投手以外にも、好成績を挙げている先発投手が目白押しです。

 NLなら、コロラド・ロッキーズのセンザテーラ投手が9勝で続き、同じロッキーズのフリーランド投手が8勝と続きます。
 ロッキーズとドジャーズはNL西地区で首位争いを演じていますが、センザテーラとフリーランド2投手の活躍が、ロッキーズの原動力となっていることは間違いありません。

 そして、ザック・グレインキー投手、マックス・シャーザー投手、ストラスバーグ投手といったベテラン、実績十分な投手も8勝で続いていますから、NLのサイヤング投手争いは激戦となるでしょう。カーショー投手が先頭を走りながらも「激戦」というところが、凄いところです。

 ALは、2015年のサイヤング賞・カイケル投手が9勝で続き、セール投手、サンタナ投手が8勝となっています。
 NL程ではないにしても、こちらも大接戦です。「勝ち慣れている」カイケル投手がどこまで星を伸ばすかがポイントとなりそうです。

 2017年は「有力な先発投手が勝ち星を積み重ねているシーズン」となっています。(6月25日時点では、カーショー投手とバルガス投手は共に11勝目を挙げています)

 しっかりとした実力を保持する投手が、故障も無く、好調な投球を続けているシーズンということになるのでしょう。(日本人投手の名前が無いのが少し残念ですが)

 こうした好調な投手たち、「負ける気がしない投手たち」の「投げ合い」はMLB最大の見所のひとつですが、優勝争いの帰趨を決めることにも繋がりそうです。
[6月22日・グループB]
チリ1-1ドイツ

 グループリーグB組の有力チーム同士の対戦は、1-1の引分けでした。
 緒戦を勝利していたチリ代表チームとしても、「負けられないゲーム」をキッチリと引き分けたというところでしょう。

 2015年の南米選手権(コパ・アメリカ)優勝国として、今大会に出場しているチリチームは、この大会初出場ですが、明らかに優勝を狙っているチームであり、チーム力もとても充実しています。
 チリサッカー史上最強のチームなのではないでしょうか。

 攻撃陣は、エースのサンチェス選手に、ビダル選手とバルガス選手を並べています。得点力抜群の布陣。チリチームのチャンスの多くはサンチェス選手から生まれていますし、ビダル選手とバルガス選手も、得点シーンに顔を出す頻度の高さには驚かされます。

 このゲームでも、前半6分、高い位置のディフェンスからドイツボールを奪い、ビダル選手からサンチェス選手にパスが渡って、サンチェス選手が「爪先」でドイツゴール左のポストに当ててゴールに押し込みました。
 相手は名にし負う堅守のドイツ代表チーム、ゴールキーパーはあのノイアー選手に代わってゴールを守るテア・シュテーゲン選手、その狭い左側の隙間にしっかりと決めて行ったのですから、サンチェス選手の決定力、得点への嗅覚は素晴らしいと思います。

 今回のチリチームは、とても「完成度の高いチーム」です。

 センターバックのハラ選手とメデル選手は、代表キャップ100以上を誇る大ベテランですし、チリのゴールを守る「鉄壁」です。
 サンチェス選手もキャップ70以上を誇る存在だと思いますが、キャップ30以上のプレーヤーが9人も居るという、「長くこのチームで戦ってきた」という、コミュニケーション力が極めて高いチームなのです。

 個々の能力が極めて高く、チームとしてのコミュニケーション力が高い、「今、何をしなければならないか」を常にイレブンが共有できるチームが、とても強いのは自然なことでしょう。

 これ程のチームでなければ、2015年のコパ・アメリカ、2016年のコパ・アメリカ・センテナリオを連覇することが出来る筈はありません。少なくとも、2015~16年にかけては、南米最強のナショナルチームであったこと、ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイよりも強いチームであったことは、事実が証明しているのです。

 そのチームが、本気で優勝を狙っているのですから、今大会の優勝候補NO.1であることも、当然のことなのでしょう。

 ピッツィ監督は、チリにコンフェデレーションズカップを持ち帰ろうとしています。
 優勝に向けて、全ての手を打ってきているのです。
[6月22日・グループB]
チリ1-1ドイツ

 グループリーグGL・B組のドイツチームとチリチームのゲームは、1-1の引分けでした。
 B組の有力チーム同士の対戦でしたが、緒戦を勝利している両チームにとっては、決勝トーナメント・準決勝進出に向けて「負けないこと=勝点1を取ること」が最優先の試合だったのでしょう。

 試合内容も素晴らしいものでしたが、何より、ドイツ代表チームのメンバーに驚かされました。

 ドイツチームは、2014年ワールドカップ優勝チームの資格で、この大会に出場しているのですが、「その時のメンバーがひとりもいない」感じなのです。まさに「全とっかえ」というところ。

 ゴールキーパーGKはテア・シュテーゲン選手。
 ディフェンダーDF3バックは、左からズーレ選手、ムスタフィ選手、ギンター選手。
 ミッドフィールダーMFの両サイドはヘクトール選手とキミッヒ選手、中央にはルディ選手とエムレ・ジャン選手。
 フォワードFWは左からドラクスラー選手、スティンドル選手、ゴレツカ選手。

 現在のワールドカップチャンピオンであり、世界中のサッカー関係者から「ドイツサッカー」が注目を浴びている状況下、そのサッカーを創り上げ演じたメンバーがひとりもいないチームで、今大会に臨んでいるのです。(ひょっとするとこのチームのキャプテンのドラクスラー選手が、当時のメンバーに入っていたかもしれませんが、記憶に在りません)

 世界最高のGKと称されるノイアー選手やエジル選手、トーマス・ミュラー選手、トニ・クロース選手、サミ・ケディラ選手、ゲッツェ選手、フンメルス選手、ボアテング選手、フィリップ・ラーム選手、等々の錚々たるメンバーをひとりも連れてきていないチームというのも、凄いものです。

 もちろん、2018年のワールドカップ欧州予選では、前述の若いメンバーで戦っている(現時点で6戦全勝)のでしょうが、あまり見る機会が無かったものですから、私にはコンフェデレーションカップ2017のメンバーが、とても新鮮な「新・ドイツ代表チーム」に観えます。

 これほど大胆な「世代交代」を実施できるのは、ヨアヒム・レーヴ監督の力が大きいのでしょう。2014年にドイツにワールドカップを齎し、2018年大会まで代表チームの舵取りを請け負うことになったレーヴ監督ならではの「全とっかえ」だと感じます。

 もちろん、ドイツサッカーの選手層の厚さ、裾野の広さも見逃せません。

 GKテア・シュテーゲン選手は、FCバルセロナの正キーパーです。
 センターフォワードであり、この試合でも0-1からの同点ゴールを挙げたスティンドル選手は、ボルシア・メンヘングラートバッハのエースであり、前シーズンで11得点を挙げたプレーヤーなのです。
 ブンデスリーガはもちろんとして、世界中のクラブで活躍しているプレーヤーが、数多いるのです。
 思い切った「世代交代」をしても、十分に世界のトップで戦って行けるチームが造れるのでしょう。素晴らしいというか、羨ましい限りです。

 レーヴ監督は「今後10年間戦って行ける代表チーム」の創造を、目指しているのかもしれません。

 常に、目の前の大会・戦いの勝利のみを必死に求めるのではなく、将来を見据えて代表チームを造っていける国、それがワールドカップを4度優勝できる国なのです。
 役者が揃ったレースでした。

 スタートラインに並んだスプリンター達の「絵」が素晴らしい。

 これほど「輪郭」がしっかりしたランナーが数多く顔を合わせたレースは、日本陸上競技史上初めてだったのではないでしょうか。
 日本男子100m種目のレベルアップを如実に示しています。

 今大会好調のサニブラウン選手と、他の強豪選手がどのような戦いを魅せてくれるのかと観ていましたが、サニブラウン選手が「勢い」で押し切りました。
 
 この日は200mのレースも走っていて、その疲労残りを懸念する声もありましたが、コンディションが整った伸び盛りのアスリートが、少々の疲労には全く影響されることが無く、圧勝するする姿は、洋の東西を問わず、競技・種目を問わず、これまでも再三目にしてきたものです。

 サニブラウン選手は、前日の準決勝を1位で通過した後のインタビューで「決勝が待ち遠しい」とコメントしていました。
 「今すぐにでも走りたい」という感じ。

 陸上の日本選手権大会の決勝を前にして、全く怯むことなく、余計なことを考えることも無く、「楽しみだ」という心持でいる状態。この状態こそが、今大会のサニブラウン選手の強さを示しています。

 相当強い雨が降りしきる中での10秒05のタイムもハイレベル。

 風等の気象条件に恵まれれば、今すぐに9秒台、それも9秒9台の前半を叩き出す実力が備わっていると観るのが、客観的な判断でしょう。いつでも10秒0台で走ることが出来るケンブリッジ飛鳥選手や桐生祥秀選手が、10秒18、10秒26を要したレースで、10秒05で走っているのですから。
 サニブラウン・アブデルハキーム選手は、本当に強くなったのです。

 その走りの特徴は「柔軟性」にあると感じます。関節・筋肉、そして走り全体が伸びやかで、駆動域が大きいのです。そのフォームから、他の選手を凌ぐストライドが生れているのでしょう。天性の走りであると思います。

 さて、日本男子陸上100メートル史上「最高」のレースを戦った、他の選手に付いても見てみましょう。

 10秒16のタイムで2位に食い込んだ多田修平選手も見事な走りでした。
 得意のスタートでリードを奪い、50mを過ぎてもスピードを維持して、ケンブリッジ選手らの追込みを凌いだのですから、決して「スタートだけのランナー」ではありません。
 多田選手の特徴である「切れ味」に磨きをかければ、まだまだ伸びしろがあります。
 何しろ、追い風の下とはいえ9秒94で走る能力が有ることは証明されているのですから。9秒台で走るには、9秒台で走る体躯を備えていなければなりません。その体躯が備わっていなければ、追い風を受けても「バランスを崩す」だけでしょう。
 多田選手は、追い風に代わる筋力・俊敏性・フォーム対応を実現出来れば、9秒94で走ることが出来ることが、既に分かっているのですから、今後のトレーニングの方向性も明確です。

 10秒18のタイムで3位に入ったケンブリッジ飛鳥選手は、相当良いコンディションで今大会に臨んできたと思います。そして、準決勝まで良いパフォーマンスを示していました。10秒08、10秒10のタイムで決勝に進出したのです。
 ケンブリッジ選手の特徴である「体幹のブレない加速」が、20mから60mまでは機能していました。
 しかし、準決勝の残り20m、決勝の残り30mでは「固くなり」、伸びやかな走りが陰を潜めました。要因はいろいろあるのでしょうが、精神的なものが走りに出た様な気がします。
 その部分を楽に走った予選4組でのタイムが最も良かったのも、こうした理由からではないでしょうか。
 いずれにしても、70mから100mまでの30mをリラックスして走ることが出来れば、十分に9秒台は出るのでしょう。世界選手権での走りに期待がかかります。
 
 桐生祥秀選手と山縣亮太選手は、その力を発揮することなく敗れました。

 現在の男子100mの活況を牽引してきた2人が完敗するという事実を観るだけで、現在の日本男子100m陣のレベルの高さが分かります。
 かつてのレベルであれば、この2人は、各大会によってコンディションによるタイムの違いはあっても、優勝あるいは2位のポジションを外すなどということは考えられなかったのです。

 故障からの回復途上にあった山縣選手は、決勝では5位であろうと予想していました。致し方の無いところです。(その山縣選手を抑えて、川上拓也選手が5位に食い込みました。本当に選手層が厚くなったと実感します)

 一方で、相応のコンディションで大会を迎えたであろう桐生選手が結果を残せなかったのは、意外でした。

 桐生選手の特徴である、30mから70mまでのスムースな加速が機能しなかったのです。
 桐生選手のランニングは、極めて精緻なものだと感じていますので、どこかひとつの要素が不十分だったのでしょう。「精密機械」のようなランニングの、何が良くなかったのかは分かりません。
 足を地面に着く角度が1~2度違っていたのか、腰の位置が1~2cm低かったのか、あるいは1~2cm後ろに位置していたのか、顎が数cm上がっていたのか、太腿の引上げが少し高かったのか、原因はいくつか考えられますが、桐生選手とスタッフの皆さんに原因を見つけていただき、対処してもらいたいと思います。
 何しろ、10秒01という、現役の日本男子スプリンターの中で最も早い公式タイム保持し、アメリカでは追い風の中9秒台で走っているのですから、高い実力が有ることは証明されています。現時点でも、「ベストの走り」が出来れば、日本で一番速いランナーであろうと思いますので、「修正」が待たれるところです。

 7位の高橋周治選手や8位の九鬼巧選手、そして予選3組で3位だった田中佑典選手、同5組で3位だった平尾裕希選手、4位だった宮本大輔選手、同6組で2位だった魚里勇介選手、等々、日本男子100mには数多くのスプリンターが、虎視眈々と覇権を目指しています。
 多田選手の活躍を観れば、いつ何時、どんな凄いランナーが飛び出してくるのか解らない状況と言って良いでしょう。

 2017年6月24日、大阪・長居スタジアムで行われた、第101回日本陸上競技選手権大会の男子100m決勝は、素晴らしいレースでした。
[6月23日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース2-1テキサス・レンジャーズ(延長10回)

 MLBにおいて初めて実現した、田中将大投手とダルビッシュ有投手の対決は、両先発の見事な投手戦となりました。

 7回を終って0-0。両投手の投球内容も文字通りの「拮抗」したものでした。
・田中投手 84球、被安打2、奪三振7、与四球1
・ダルビッシュ投手 88球、被安打2、奪三振10、与四球0

 投球の迫力では、ダルビッシュが勝りました。4シーム、スライダーを主体とした投球でヤンキース打線から三振の山を築いたのです。
 特に、6回から7回にかけての4連続三振は圧巻。売出し中のジャッジ選手からも、糸を引くような154kmの4シームで三振を奪いました。
 7回の三者三振は、このゲームで最も力を入れた投球でしたから、この回で交替かなと感じました。

 一方の田中投手は、投球を低めに集め、スプリットを効果的に使って対抗しました。
 ストレートも154kmを記録しましたが、どちらかと言えば打たせて取るピッチングであったと感じます。
 3回の無死1・2塁のピンチ、ヒットとフォアボールで招いたピンチは、3塁手トレイエス選手の好守備もあってダブルプレーで切り抜けました。
 このゲームでは、トレイエス選手の好守備が光りました。

 ダルビッシュ投手は7回で降板しましたが、田中投手は8回表もマウンドに上がりました。そしてヒットとフォアボールで再びピンチを招きましたが、これを気力で凌ぎ、8回を投げ抜きました。
 100球を投げて、被安打3、与四球2、奪三振9、無失点という、素晴らしい投球でした。

 ベンチに戻る田中投手には、スタンドのファンから大きな拍手が送られました。

 降雨の影響で、1時間半ほど遅れて始まった試合でしたが、両投手はこの「異例の事態」にも全く動じることなく、持ち味を存分に発揮してくれました。
 MLBにおける日本人投手を代表する2人が、その存在感を発揮したのです。

 レンジャーズとヤンキースという、強力打線を持つチームをキッチリと抑え切ったのです。
 
 田中将大とダルビッシュ有が、MLBにおける存在感を十分に披露した好ゲームでした。
 中央競馬2017年上半期を締めくくるG1レース、第58回宝塚記念競走の注目馬検討です。

 11頭立てと、少頭数のレースとなりました。

 やはり、キタサンブラック中心のレースとなることは間違いありません。
 大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念と、関西で上半期に行われる、古馬を対象としたG1レースの3連勝がかかります。
 大阪杯がG1に昇格した年に、早くも快挙の報が聞けるかもしれません。

 阪神の2200mとなると、前に行ける馬の方が有利でしょう。一方で、キタサンとしては珍しく外枠を引きましたから、どれくらいの影響があるか興味深いところです。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、8枠12番のサトノクラウン。
 距離がピッタリでしょう。前走の6着は、調子が落ちていた(馬体重も12㎏減)と見ています。香港以来の疲れが出たのかもしれません。今回はキッチリと仕上げてきてくれることでしょう。

 第二の注目馬は、5枠5番のシュヴァルグラン。
 ジャパンカップ2016の3着、天皇賞(春)2017の2着と、すっかりG1レースの常連となりました。ハーツクライ産駒、大器晩成と行きたいところです。
 
 第三の注目馬は、8枠11番のキタサンブラック。
 この馬の強さは、誰もが認めています。少し走り過ぎかなと思いますが、その安定感はずば抜けています。ここでも、勝ち負けのレースを魅せてくれることでしょう。

 今回は、以上の3頭に注目します。

 ゴール前100mの競り合いが、とても楽しみです。
 2018年のワールドカップ・ロシア大会の前哨戦としてのコンフェデレーションズカップ2017が6月17日に幕を開けました。

 出場チーム8か国のラインナップを見ると、とても「新鮮」な印象があります。

[グループリーグ・A組]
・メキシコ
・ポルトガル
・ロシア
・ニュージーランド

[B組]
・チリ
・ドイツ
・オーストラリア
・カメルーン

 直近の世界各地域のチャンピオンチームと、2018年大会の開催国ロシア、2014年大会の優勝国ドイツ、という構成となっています。

 「新鮮」な印象を受ける最大の要因は、ワールドカップ優勝経験国が1か国・ドイツしか出場していないという点でしょう。

 いわゆる「強豪国」、ブラジル、イタリア、ウルグアイ、アルゼンチン、スペイン、イングランド、フランスといった、ワールドカップチャンピオンの姿が無いのです。

 何故「無い」かといえば、当然ながら、各地域の大会で好成績を残していないためです。
 つまり、世界各地域における「勢力地図」に変化が見られるということになるのでしょう。

 チリ代表チームは、2015年のコパ・アメリカ大会優勝チームとして出場しています。チリは、ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイを抑えて南米チャンピオンに輝いたのです。

 ポルトガル代表チームは、2016年の欧州選手権大会(ユーロ)の優勝国として出場しています。ポルトガルがユーロで優勝したのは、史上初のことですから、コンフェデ杯にも初出場ですので、「新鮮」な印象なのも頷けるところです。

 オーストラリア代表チームは、アジアカップ2015の優勝チームとして出場しています。
 こちらは4回目の出場ですから「常連」に近いのですけれども、中近東の国々や韓国、日本といったチームが居ないものですから、アジア代表が出場していないように感じる人も居るのでしょう。

 ニュージーランドはOFCネイションズカップ2016の優勝国として、オセアニア地域の代表としての出場となります。こちらも4回目の出場です。
 お隣同士のオーストラリアとニュージーランドが出場していますから、「新鮮」な感じが強くなっているのかもしれません。

 メキシコはCONCACAゴールドカップ2015の優勝チームとして、北中米・カリブ海の代表として出場しています。7回目の出場ですから、まさに「常連」。CONCACAを代表するチームの登場となります。

 そしてカメルーンは、アフリカ・ネーションズカップ2017を制して出場権を獲得しました。最近の大会であり、カメルーンの出場が決まって、コンフェデレーションズカップ2017のメンバーが揃ったのです。本大会には、3回目の出場となります。

 さて、「新鮮」な印象の今大会ですが、既に戦いの火蓋が切られています。

 A組を見れば、やはりメキシコとポルトガルが決勝トーナメントに進出する可能性が高いと思いますし、B組ではチリとドイツが有力でしょう。

 そして、優勝争いはチリ、ポルトガル、ドイツの3チームの争いになりそうです。

 準決勝で、ポルトガルチームがどちらのチームと対戦することになるかがポイントとなります。

 優勝候補は、「堅守速攻」のチリチームであろうと考えています。
 6月15日~18日にかけて、ウィスコンシン州エリンヒルズ・ゴルフコースで開催された、2017年の全米オープンゴルフ大会において、松山英樹選手は4日間通算276打・12アンダーパーの好成績で2位タイに食い込みました。

 4大メジャー大会における2位の成績は、日本人選手の歴代最高成績に並ぶ、見事な結果でした。

 何より素晴らしいのは、「トーナメントの展開次第では優勝も有り得る内容」であったことでしょう。

 松山選手が12アンダーでホールアウトした時、首位を争っていたケプカ選手とハーマン選手は13アンダーでした。
 全米オープンという「とても難しいセッティング」の大会ですから、この2人のプレーヤーのスコアが崩れる可能性は十分に有り、バーディとボギーが交錯するサンデーバックナインの様子次第では、「12アンダーでのプレーオフ」は十分に有り得ると感じました。

 結果的には、ブルックス・ケプカ選手が、その状況から3連続バーディという離れ業をやってのけ、今大会を制したのです。
 全米オープンのサンデーバックナインで「3連続バーディ」というのは、素晴らしいプレーであり、優勝者に相応しいプレーでもありました。
 今大会は「ケプカ選手の大会」となったのです。

 松山選手について見れば、2日目と4日目のプレーが秀逸でした。
 特に2日目の「7バーディ0ボギー・65打」のラウンドは、メジャートーナメントを戦っていくために必要な内容を、見事に具現してくれたものでしょう。
 4日目の「8バーディ2ボギー・66打」も、メジャートーナメント最終日のラウンドとしては、望みうる最上のラウンドでしょう。
 特に、15番・パー4で痛いボギーを打った後、16番と18番をバーディとした反発力は、松山選手の力量の高さを見事に示してくれたものだと思います。

 この「反発力」こそが、世界のトップで戦っていくために必要な資質なのです。

 初日の74打が惜しまれるところですが、これはラウンドの流れ・4日間の流れの中の話でしょう。
 「初日が74打・2オーバーだったから、4日間通算12アンダーが出た」のであろうと考えます。

 3日目に、「9バーディ1イーグル2ボギー・63打」という爆発的なスコアを叩き出し、一気に9打スコアを伸ばしたジャスティン・トーマス選手が、最終日の前半に3つのボギーを叩いて、優勝争いから脱落したのは、トーナメントにおける「1日1日のプレーの違い・流れ」を痛いほど感じさせるものでした。
 3日目に9アンダーでラウンドしたコースを、4日目は3オーバーなのです。1日違うだけで「12打の違い」が生ずるのですから、ゴルフというのは、それもメジャートーナメントというのは、怖いものだと思います。

 今大会で、松山英樹選手は「メジャートーナメントの優勝への戦い」を実感したことでしょう。得る物が多かったのではないかと思います。

 世界ランキング上位の3選手が、いずれも決勝ラウンドに進めなかったトーナメントで、2位に入った松山選手は、そのランキングを2位まで上げました。
 ついに2位まで上がってきたのです。ランキングは結果に過ぎないとはいえ、素晴らしいことです。

今後の様々なトーナメントにおける、松山選手の活躍が、本当に楽しみです。
 ドミニカ出身のMLBプレーヤーを代表する、2選手が大記録を樹立しつつあります。

 まずは、ロサンゼルス・エンゼルスのアルバート・プホルズ選手(37歳)が6月4日のミネソタ・ツインズ戦の4回に満塁ホームランを放ち、MLB通算600号を達成しました。
 MLB史上9人目であり、2001年4月にメジャーデビューして、17年をかけての大記録でした。(6月19日時点では602本としています)

 続いては、テキサス・レンジャーズのエイドリアン・ベルトレイ選手(38歳)。
 6月19日現在、通算安打数を2959まで伸ばしています。3000本安打まで、あと41本。
 1998年6月にメジャーデビューしていますから、19年かけての記録達成となりそうなのです。

 今季は故障で出場が遅れ、5月29日からの登場となりましたが、出場してくればいつもの「元気いっぱい」のプレーを披露して、連続試合安打を続けていますから、2017年シーズン中に3000本に到達するのは間違いないところでしょう。

 実は、プホルズ選手は6月19日時点で通算2886安打も記録していますから、現在の活躍を観る限り、3000本安打を達成する可能性は、かなり高いと思います。

 従って、ドミニカ共和国出身のMLBプレーヤーとして、初の「3000本安打クラブ」プレーヤーがベルトレイ選手、2人目がプホルズ選手になるものと予想されます。

 共に、チームの中心プレーヤーであり、迫力十分、そして「そのプレーを是非観たい」と感じさせる、本物のプロフェッショナルなのです。
 21世紀に入って、サッカー競技におけるディフェンス・守備は「ゾーン・ディフェンス」が主流となりました。

 「スペース管理」という概念が、サッカー戦術において重要性を増したことが理由であろうと思います。
 相手チームの自由な動きを抑制する、相手チームにスペースを与えないという考え方、特にゴール前では、どのエリアにもディフェンダーを一定数配することで、思いもよらぬ「空白エリアの出現」を防止するという狙いもあるのでしょう。

 加えて、ディフェンスからの攻撃参加を行う面からも、局面局面でディフェンダーの位置が概ね定まっている方が、チーム全体の動きとしても合理的であり、戦法の組立も容易である、という側面もありそうです。

 一方で、攻撃側から見れば、狭いエリアであれば比較的自由に動けるメリットがあり、ディフェンス側が決めているエリアに近づくまでは、足許への強烈なアタックも少ないという面がありそうです。
 
 ゾーン・ディフェンスとマンツーマン・ディフェンスについては、別の機会にもう少し詳細に見ていこうと思いますが、今回のテーマは「マンツーマン・ディフェンスのひとつの究極形」としてのマンマーク、それも「歴史に残るマンマークプレー」を見ていきます。

[1974年ワールドカップ決勝・ミュンヘンオリンピアシュタディオン]
西ドイツ2-1オランダ
における、ベルティ・フォクツ選手のヨハン・クライフ選手へのマンマーク。

 とても有名なゲームです。
 「世界サッカー史におけるベストゲーム10選」に常にランクインするゲームでしょう。

 「空飛ぶオランダ人」ヨハン・クライフ選手を擁するオランダチームが、「皇帝」ベッケンバウアー率いる西ドイツチームと激突した戦いでした。

 この大会は西ドイツ開催でしたから、地元としての西ドイツチームとしては負けられない一戦でしたが、一方で、「トータルフットボール」というサッカー競技における「革命的新概念・新戦術」を世に問うたオランダチームの強さは、一頭抜けている印象がありました。

 2次リーグ(この大会は1次リーグ、2次リーグ制)最終戦のオランダVSブラジルのゲームは、決勝進出を賭けた大一番でしたが、オランダチームが2-0で完勝しました。1970年大会の優勝チームであり、その時の主力メンバー(リベリーノ選手やジャイルジーニョ選手)が残っていたブラジルチームは、当然ながら優勝候補の一角を占めていましたが、そのブラジルチームが「手も足も出ない」感じで敗れたのです。

 地元開催での優勝を目指す西ドイツチームとしても、オランダは「容易ならざる敵」でした。
 そのオランダチームのエースというか「核」がクライフ選手であることは、誰の目にも明らかでしたから、西ドイツチームとしては、「クライフに自由に動かれては勝利は覚束ない」と考えたことでしょう。

 そこで西ドイツチームが編み出したというか、決めた戦法が「フォクツによるクライフのマンマーク」でした。
 「ゲームを通してフォクツ選手はクライフ選手に貼りついて離れない、一瞬たりとも離れない」という、フォクツ選手にとっては体力的にとてもしんどい戦法だったのです。

 何しろ、攻撃する側のクライフ選手は、自分が考えた通り、感じた通りに動きます。
 対してフォクツ選手は、クライフ選手の動きに合わせて動かなければなりません。
 
 普通のプレーヤーに対してマンマークを行うことも、相手プレーヤーの動きを「後追い」するのですから、とても難しいことなのですが、相手が世界最高のプレーヤー、予想も出来ない動きをするプレーヤーとなれば、その困難さは筆舌に尽くしがたいものでしょう。
 1試合を通して「張り付く」などというのは、到底不可能なことに見えます。

 しかし、フォクツ選手はこれを実行しました。
 凄まじい忍耐力と驚くべき体力・持久力を発揮したのです。

 この試合の途中から、明らかにクライフ選手がフォクツ選手を嫌がっている様子が観られました。
 気分屋とも言われていたクライフ選手の戦闘意欲が削がれていったことは、間違いないのでしょう。

 西ドイツチームに優勝を齎したマンマークであったと思います。

[1966年ワールドカップ準決勝・ウェンブリースタジアム]
イングランド2-1ポルトガル
における、ノビー・スタイルズ選手のエウゼビオ選手に対するマンマーク

 1966年のワールドカップはイングランド大会でした。
 サッカー競技発祥の地であるイングランドとしては、ワールドカップのタイトルは何としても物にしたいと考えていたでしょうし、この時期のイングランドには好プレーヤーが揃ったのです。

 ボビー・チャールトン選手、ジャッキー・チャールトン選手の兄弟や、世界最高のゴールキーパーGKと呼ばれたゴードン・バンクス選手やディフェンダーでキャプテンのボビー・ムーア選手、等々、イングランド史上最強とも言われるメンバーでしたので、イングランドチームとしては、是が非でも優勝したかったのです。

 ところが、準決勝の相手・ポルトガルチームには、あの「黒豹」エウゼビオ選手が居ました。

 現在、21世紀・2017年時点で、ポルトガルサッカー史上最高のプレーヤーはと聞かれれば、多くのサッカーファンがクリスティアーノ・ロナウド選手と答えるでしょう。
 「21世紀における」という前置詞を付ければ、この答えが妥当だと感じます。

 しかし「20世紀における」という前置詞を付ければ、エウゼビオ選手なのです。
 1960年代から70年代にかけて、エウゼビオ選手はポルトガル、そして世界を代表するフォワードFWでした。

 この時代には、ペレ選手という、サッカー史上最高のプレーヤーが活躍していましたが、場合によっては「ペレと並び称される」存在だったのです。

 個人的には、ペレに匹敵するサッカー選手は存在しませんが、ペレ選手の全盛期に「ペレに次ぐFW」ということであれば、エウゼビオ選手を挙げるかもしれません。それ程、存在感満点のプレーヤーでした。

 少し話がそれますが、エウゼビオ選手は1970年にクラブチーム、ベンフィカ・リスボン*の一員として来日し、全3試合に出場しています。
 全日本チーム等を相手しての3試合であったと記憶していますが、ゲームは3試合ともベンフィカ・リスボンの圧勝で、特に国立競技場で行われた第2戦は4-1でベンフィカが勝ちましたが、4点ともエウゼビオ選手のゴールであったと思います。
(*現在では、日本語でベンフィカあるいはSLベンフィカと書かれるクラブチーム名ですが、当時はベンフィカ・リスボンと表記されていました。海外の一流チームが来日する機会がとても少なかった時代ですので、この時のベンフィカの強さ、UEFAチャンピオンズカップ=現在のチャンピオンズリーグ、を2度制している超一流チームのプレーぶりは、とても強烈な印象を日本のサッカーファンに残しました)

 特に、エウゼビオ選手がドリブルに入ったときのスピードとパワー、その「突進」は迫力満点で、「とても止められない」と感じさせるものでした。身長175cmと決して大柄なプレーヤーではありませんでしたが、走り出した時にはものすごく大きく見えたものです。

 ちなみに、クリスティアーノ・ロナウド選手とエウゼビオ選手の比較を行うとすれば、どういう結果になるでしょうか。この比較だけで、相当の字数を要するので、ここでは詳細を省略しますが、「甲乙つけ難い」というのが、私の感想です。

 2人は、ポルトガルサッカー史に燦然と輝く両雄なのでしょう。

 さて、話を戻します。

 1965年のバロンドール受賞者であり、めきめき力を付けてきていた24歳のエウゼビオ選手は、準々決勝の北朝鮮戦(ベスト16のゲームでイタリアを破り、「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」と呼ばれた大会です。ちなみに、このゲームが「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」との評価は、現在でも不変でしょう)において、北朝鮮チームに0-3とリードを許しながら、ひとりで4点を挙げて逆転勝ちし、ベスト4に進んできていました。

 このエウゼビオを止めずして、イングランドに勝利→決勝進出は無い、と考えるのは、とても自然なことでしょう。

 イングランドチームは、ノビー・スタイルズ選手をエウゼビオ選手のマークに付けることとしたのです。スタイルズ選手は試合を通じてエウゼビオ選手に「張り付く」ことを命じられました。
 前述のフォクツ選手同様に、とても難しい使命を負ったのです。

 エウゼビオ選手のスピードとパワー、そして切れ味鋭いテクニックに溢れたプレーに対して、1試合を通して「張り付く」などということが出来るのだろうかと感じてしまいますが、スタイルズ選手はこれをやり切りました。

 この試合で、エウゼビオ選手は殆ど自分のプレーをすることが出来なかったのです。

 このゲームの、イングランドの2得点は、いずれもボビー・チャールトン選手のゴールです。さすがに「イングランドサッカー史上最高のプレーヤー」と称されるだけのことはあります。
 一方、ポルトガルの1得点は、エウゼビオ選手のPKでした。本来のプレーが出来なかったとはいっても、意地は魅せたのです。

 それにしても、ノビー・スタイルズ選手のこのゲームでの献身的な働きは、ひょっとするとイングランド優勝の最大の功労者なのではないかと感じてしまいます。

 今回は、ドイツのベルディ・フォクツ選手とイングランドのノビー・スタイルズ選手の「サッカー史に刻まれたマンマーク」を観てきました。

 こうした記憶を思い起こすと、「マンマークの効果・重要性」に辿り着きます。
 現代サッカーにおいても、「徹底したマンマーク」は、相手チームのエースを抑え込む、特に圧倒的な力を誇るエースを抑え込むには、有効な戦法なのではないでしょうか。(もちろん、プレー全般の運動量増加等、サッカーの質の変化は考慮しなければなりませんが)

 この2人のプレーヤーは、共に身長168cmと報じられています。
 当時としても、決して大きくは無いプレーヤーです。

 ベルディ・フォクツとノビー・スタイルズ、「小さな縁の下の力持ち」の2人は、母国に「サッカー界最大の勲章」、ワールドカップを齎す原動力となったのです。
 ヒューストン・アストロズが好調です。
 アメリカンリーグAL西地区の首位を快走しているのです。

 今シーズンは、青木宣親選手を始めとして、カルロス・ベルトラン選手やブライアン・マッキャン選手を補強し、その補強が功を奏して、6月17日時点でチーム打率が.276でAL2位と、攻撃力が格段に向上しました。

 今季からメンバー入りした青木選手も、生き生きとプレーしている感じがします。

 ご存じのように、青木選手は2012年にミルウォーキー・ブリュワーズでMLBデビューし、その後2014年にカンザスシティ・ロイヤルズ、2015年にサンフランシスコ・ジャイアンツ、2016年にシアトル・マリナーズ、そして2017年にアストロズでプレーしています。

 その2014年にはワールドシリーズに出場しました。残念ながらジャイアンツの前に敗れて、世界一はなりませんでしたけれども、あの時のロイヤルズの中心メンバーのひとりであったことは間違いないでしょう。
 そして今季も、ポストシーズンゲームに向けてまっしぐらと言う感じなのです。

 青木選手には「勢いのあるチームの一員となる」という巡り会わせがあるように思います。
 別の見方をすれば、青木選手がチームに「福」を齎していると言えるのかもしれません。
 当然のことながら、相当の一流プレーヤーでも、ワールドシリーズに出場することは難しいことです。まさに「巡り会わせの賜物」という気がします。

 この「招福」効果と言う点では、田口壮選手が青木選手の上を行っているかもしれません。
 田口選手は、2002年から2009年までMLBでプレーし、2006年にセントルイス・カージナルスで、2007年にフィラデルフィア・フィリーズで、ワールドシリーズを制覇しました。
 日本人プレーヤーで、2度の世界一に輝いているのは田口選手だけでしょう。

 客観的に観て、田口選手はどちらの世界一の時も、チームの中心選手とは言えなかったと思いますが、チームに勝ちを齎す存在であったことは、カージナルス時代に地元紙のアンケートで「ベストなベンチ要員」において断然トップであったことを見ても明らかでしょう。
 多くのポジションを熟せるユーティリティプレーヤーとしての側面と、ムードメーカーとしての役割が高く評価されていたのです。
 カージナルスの名称ラルーサ監督も、田口選手を大変高く買っていたと何度も報じられました。

 「招福」効果が髙いと思われる青木選手が加わったヒューストン・アストロズですから、2017年シーズンの大活躍が期待されるのです。
 6月11日、全仏オープンテニス大・男子シングルス決勝が行われ、スペインのラファエル・ナダル選手(31歳)がスタン・ワウリンカ選手(スイス)をゲームカウント6-2、6-3、6-1、セットカウント3-0のストレートで下して優勝しました。

 ナダル選手の全仏優勝は10回目。自身の持つ最多優勝回数記録を更新したのです。

 もともと「クレーコートの王者」と称されていたナダル選手ですが、4大トーナメントのひとつの大会のシングルスで10度の優勝という、男子テニス史上初の快挙を成し遂げました。

 このところ故障がちで、一時の強さは影を潜めたとも言われていましたが、見事な復活というか、全盛期の強さを髣髴とさせるプレーでした。

 全豪オープン2017ではロジャー・フェデラー選手が優勝し、全仏ではナダル選手と、かつての王者が次々と名乗りを上げる、2017年の4大大会。

 7月3日に開幕する、全英オープン=ウィンブルドン選手権大会からも、眼が離せません。
[6月14日・インターリーグ・マーリンズパーク]
マイアミ・マーリンズ11-6オークランド・アスレティックス

 5回に代打で出場したイチロー選手がヒットを打ち、チームの勝利に貢献しました。
 これでイチロー選手は5試合連続ヒットとなり、打率も.217に上げました。

 そして、このヒットはMLB通算3048安打目であるとともに、インターリーグ(交流戦)での365安打目となりました。(301試合出場、打率.318)
 インターリーグ365安打は、それまで364安打でトップタイに並んでいたデレク・ジータ選手の記録を抜いて、MLB新記録となりました。

 このところのイチロー選手のキャリアは「記録との戦い」という側面がありますが、今回も素晴らしい記録を樹立することとなったのです。
 27歳からメジャーリーグに登場したプレーヤーが、通算記録でMLB歴代トップに躍り出るというのは、「驚異的」という他はありません。

 頭書のヒットは、イチロー選手にとっての今季18本目のヒットでした。
 1ヵ月に50本以上のヒットを量産したことが何度もあるイチロー選手にとっては、とても少ない数です。

 今季はシーズン当初から出場機会に恵まれず、途中ヒットが出ない時期もあったものですから、「限界説」も囁かれました。
 伝説のプレーヤーも43歳になって、さすがに衰えが目立つようになった、などと報じる記事も目に付くようになったのです。

 私としては、そんなことはない、要は試合出場機会が少な過ぎるだけ、試合勘というよりも「試合体力」を鍛えるチャンスが無いだけ、感じていました。

 当たり前のことで恐縮ですが、どんなスポーツにおいても、「練習と試合は全く違う」のです。

 練習でどんなに真剣・正確にプレーしても、試合のそれとは多くの点で異なるのは当然のことでしょう。そもそも、アドレナリンの出方ひとつ、心持ひとつ、違うのですから。

 従って、どんなに優れたトレーニングを継続していたとしても、試合におけるパワー・スピード・瞬発力を維持するのは困難なのです。
 試合で通用するパワーやスピードは、試合に出場しながら積み上げていく他は無いのでしょう。

 レギュラーではないプレーヤーのコンディション作りの難しさが、そこにあります。

 この数年、イチロー選手は「控え」の立場でしたから、相当の準備をしてゲームに望んできたのでしょうが、シーズン60試合を越えた時点で89度しか打席に立てないという、出場頻度の少なさでは、さすがに「試合レベルのパワー・スピードの養成」は困難だったのです。
 もともと「スロースターター」のイチロー選手にとっては、尚更でしょう。

 ここにきて、少なくとも「毎試合出場できる状況」になりましたので、イチロー選手のフィジカルも試合用に向上してきたと考えます。

 もし、イチロー選手が毎試合出場し、3試合に1試合でも先発出場できるようになれば、打率も上がり、ヒット数も飛躍的に増えることでしょう。

 イチロー選手には、まだまだ、その能力が十分に有ると思います。
 
 リーグ屈指の「強力な外野手トリオ」を有するマーリンズにおいては、イチロー選手の出場機会の飛躍的増加は難しいのかもしれませんが、ドン・マッティングリー監督におかれては、DHも含めて、「イチロー選手の力をチームの優勝・成績アップの為に」活用していただきたいと思うのです。
[6月12日・第5戦・オラクルアリーナ]
ゴールデンステート・ウォリアーズ129-120クリーブランド・キャバリアーズ

 ウォリアーズ3勝1敗を受けての第5戦は、キャバリアーズとの接戦を制したウォリアーズが勝利し、通算成績4勝1敗でNBAファイナル2017を制しました。
 ウォリアーズにとっては、2年ぶり5度目のNBA王者です。

 第1クオーターQは、キャバリアーズが第4戦を制した勢いに乗って37-33と4点のリードで終えました。

 第4戦から「後手に回る」ことが多かったウォリアーズでしたが、第2Qに奮起して一気に逆転(38-23)し、前半を71-60の11点差で折り返したのです。
 結局この後は、ウォリアーズが終始リードして試合が進みましたから、この試合を決めたのは第2Qの攻防ということになります。

 このシリーズ好調のケビン・デュラント選手が要所要所で活躍を魅せました。
 このゲーム通算39ポイントを挙げ、FG%は70%という高率でした。厳しい競り合いの中で、キャブスが追い上げてくると、デュラント選手のゴールが水を差すと言った試合展開。
 フィジカルの強さもさることながら、デュラント選手の「負けず嫌い」というか精神的な強さが証明されたシリーズであったとも感じます。

 キャバリアーズでは、やはり「大黒柱」レブロン・ジェームズ選手の活躍が目立ちました。
 この試合でも41ポイントと両チームトップ。プレーのスピードと俊敏性、そして「強さ」は目を見張るものがあります。「NBA史上最高のプレーヤー」という評価が、記録面でも記憶面でも固まりつつあると思います。

 第5戦に来て、ウォリアーズではクレイ・トンプソン選手(11ポイント)、キャバリアーズではケビン・ラブ選手(6ポイント)がやや不調でした。この得点力不足をカバーしたのが、ウォリアーズではアンドレ・イグダーラ選手(20ポイント)であり、キャバリアーズではJRスミス選手(25ポイント)だったのでしょう。

 そして勝負を決したのは、ステフィン・カリー選手(34ポイント)とカイリー・アービング選手(26ポイント)の対決だったのかもしれません。

 第3戦までは、ウォリアーズのスイープかと見られていたシリーズでしたが、第4戦をキャバリアーズが地元で捥ぎ取った時、縦横無尽にガンガンと走り回るキャブスのプレーが展開された時には、2017年の再現かという見方も生まれました。

 プレーの判定を巡って、再三に渡って長時間試合が中断するという、滅多に無い位「荒れた試合」の流れの中で、大きなリードを奪われると、ウォリアーズには意外に反発力が無いようにも見えたのです。

 しかし、第4戦から第5戦の間にウォリアーズはチームを立て直し、特に第4戦・第1Q49点、前半86点(いずれもファイナル新記録の驚異的な数値)を喫したディフェンスを、相応に立て直して来ました。
 やはり「通常レベルの攻め合い」となれば、ウォリアーズの方に分があるのでしょう。

 キャバリアーズとしては、ウォリアーズの「16勝0敗のプレーオフ」を阻止したものの、2016年のチャンピオンとして連覇を逃したことは、とても残念なことでしたけれども、3年連続同一カードという、NBAファイナル史上初のシリーズを戦い抜き、過去3年間のNBAは「ウォリアーズとキャバリアーズの両雄の時代」であったことを、しっかりと証明してくれたように感じます。

 恐ろしいスピードの攻守の切り替え、フィジカルの強さと凄まじい俊敏性の併存・・・。
 バスケットボールの「新時代」を感じさせるファイナルでした。
 6月15日から18日にかけて行われる、2017年の全米オープンゴルフ大会に新しいコースが登場します。

 ウィスコンシン州のエリンヒルズ・ゴルフコースです。

 四大トーナメントの中で「最も難しいセッティング」で開催される全米オープンの会場に、初めて選出されたコースですから、さぞかし「難易度の高いコース」でしょうし、その姿・様子を観ることも、今年の大会の大きな楽しみです。

 エリンヒルズは、過去にPGAツアーで使用されたことはありません。
 一方で、2011年の全米アマチュア選手権大会の会場として使われています。従って、この全米アマでの様子が、コースを観る際のポイントとなりそうです。

 全米アマの時には、全長7760ヤード/パー72のセッティングだったそうです。相当に長いコースです。
 その時の1番ホールは、615ヤード/パー5、5番は507ヤード/パー4、6番は236ヤード/パー3、10番は504ヤード/パー4、18番は660ヤード/パー5となっていますので、間違いなく長いコースでしょう。

 加えて、インターネットの情報、写真によるコースの様子を観ると各コースのプレーをするエリアには「木が全く見当たりません」ので、風の影響を大きく受けそうなコースということになります。

 さすがは、全米オープン会場に新しく加えられたコースなのです。

 21世紀に入ってから、これまで3つのコースが全米オープンの新コースとして加えられました。

・2002年 ベスページステートパーク・ブラックコース(ニューヨーク州) 優勝者タイガー・ウッズ
・2008年 トーリーパインズゴルフコース・サウスコース(カリフォルニア州) 優勝者タイガー・ウッズ
・2015年 チェンバーズベイ・ゴルフコース(ワシントン州) 優勝者ジョーダン・スピース

 この3コースの内、ベスページとトーリーパインズは既に「全米オープンに相応しいコース」として認識されたようです。
 そのこと自体が、とても価値あることだと思います。
 ベスページ・ブラックコースは、既に2009年に2回目の会場となっていますし、トーリーパインズ・サウスコースも2021年の会場に決まっているのです。

 これまでも、新コースとして使用されながら「2度目の開催が無い」コースもあるのですから、選ばれるだけでもとても光栄なことであり、開催コースとして「定着」するのは相当に難しいことなのでしょう。

 少し話は逸れますが、この2つの新コースで開催された大会は、いずれもタイガー・ウッズ選手が優勝しています。全盛期のタイガー・ウッズ選手の適応力の高さを示す事実でしょう。

 話を戻します。

 エリンヒルズの「難しさの源」はその長い距離であろうと思いますので、ベスページ・ブラックコースと同じようなセッティングが行われると観てよさそうです。
 そうすると、全米オープン2017は、7800ヤード/パー70いったレギュレーションになるのでしょう。
 グリーンも、もちろんアンジュレーション満点の作りですから、これで風でも強く吹こうものなら、とんでもなく難しいコースに成る可能性があります。

 オークモント・カントリークラブやバルタスロールゴルフクラブ、コングレッショナル・カントリークラブ、ウィングドフット・ゴルフクラブ、ペブルビーチ・ゴルフリンクス、オークランドヒルズ・カントリークラブ、といった、全米オープン100年の歴史を支えてきた常連の難コースに、全米ゴルフ協会は新しいコースを次々に加えてきています。

 2017年のエリンヒルズ・ゴルフコースに続いて、2022年にはザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州)、2023年にはロサンゼルス・カントリークラブ(カリフォルニア州)が登場するのです。

 歴史と伝統を誇る世界最高のゴルフトーナメント(全米ゴルフ協会はもちろん、そう認識していることでしょう)は、時代の流れ、ゴルフ競技各方面の進化・変化に対して、柔軟に対応し、新しい方法を導入していかなければならないのは、当然のことなのかもしれません。

 「いつまでも継続・存続」していくためには、「常に進化・変化を続けていかなくてはならない」、「不変の為には、変化し続けなければならない」のは、ゴルフ競技、あるいはスポーツに限らず、世の中の全ての事柄・事象・組織・事業に共通したことなのでしょう。
 読売ジャイアンツが連敗を続けていた頃、ジャイアンツを取り巻くテレビ報道も増加しました。

 ある試合で負けた後、東京ドームを後にする、ジャイアンツの選手達が報道されたのです。

 どの選手も「Tシャツ」を着ていました。

 これを見た愚妻が「仕事に行く格好じゃない」と叫びました。
 このラフな服装が気に入らなかったのでしょう。

 「長嶋さんが後楽園球場入りする姿を何度か観たことがあるけれども、いつもブレザーを身に付けていたよ。気合と言うか、試合に臨む気持ちが服装に表れるのよ。監督までTシャツ。こんな格好しているようじゃ、勝てないわ」と続けます。

 連敗が続く中で、選手達に少しでもリラックスしてもらおうと考えて、こうした服装で球場入りしているのかもしれませんし、ひょっとすると球場入りする時はブレザーやスーツ姿で、球場から帰る時にはTシャツ姿なのかもしれません。

 いずれにしても、試合に臨む気合・緊張感を示す、気持ちを高揚させるためには、相応の服装をすることには意味が有ると感じます。

 加えて、子供たちを始めとするファンの「夢・憧れの対象」である選手達は、それなりの服装をする義務が有ることも、当然のことでしょう。だらしない格好では「興醒め」なのです。

 もちろん、頭書のTシャツ姿はだらしないものではありませんでしたが、「戦士」としては相応しいものではないのかもしれません。

 そもそも、仕事である野球において「連敗続きで精神的に疲れてしまい弱音を吐く」というのでは、精神的な弱さが感じられることになるでしょう。

 少なくとも、ファンの前で「弱音を吐く」「弱っている様子を見せる」こと自体が、「夢・憧れの」対象としては残念なことでしょう。「情けない」というファンも居そうです。

 スタープレーヤーには、スタープレーヤーとしての「毅然たる様子」が必須なのです。
 ニューヨーク・ヤンキースのジャッジ選手の活躍が続いています。

 6月8日終了時点で、ホームラン18本・打点41のアメリカンリーグALの二冠王。

 6月9日のボルチモア・オリオールズ戦でも、初回「弾丸ライナー」のホームランをレフトスタンドに叩き込みました。
 「弾丸ライナー」という言葉は時々使われますが、これは真の弾丸ライナーでした。
 打球の初速が時速195.8kmという、今シーズンのMLBで出た全てのホームランの中で最速、それどころか、2015年シーズンに導入された「打球初速計測機」で確認された最速のホームランだったのです。
 この3シーズンにかけて、MLBでは数百本以上のホームランが観られたと思いますが、その中で最速なのです。
 確かに、テレビカメラが打球を追いかけ、捉えた時にはスタンドに突き刺さる直前でした。もの凄い打球です。

① 十分なマイナー生活

 25歳のジャッジ選手ですが、カリフォルニア州立大学から2013年のMLBドラフト一巡目(全体32位)でヤンキースから指名されて、プロ入りしました。
 そして、MLB初出場が2016年8月ですから、3年近くマイナーリーグで鍛えられたことになります。

 大学卒のドラフト一巡目指名プレーヤーとなれば、直ぐに一軍で使って見ようという方法もあるのでしょうが、MLBでは「一定期間マイナーで育成する」ことも多いようです。

 例えば、あのデレク・ジータ選手も、1992年ドラフト一巡目でヤンキースに指名されて入団しましたが、MLBデビューは1995年5月でした。ジータほどのスーパースターなら、入団即MLBデビューしたのではないかと考えてしまいますが、しっかりと「マイナーで力を蓄えた」のです。
ジャッジ選手もジータ選手とほぼ同じ期間マイナーで育成されています。

 「本物のスターはしっかりとした育成から生まれる」のかもしれません。

 「25歳のルーキー」とは、少し遅れて来たルーキーと言う感じもしますが、それだけ「本物度が高い」のではないでしょうか。

② アレックス・ロドリゲス選手に似たシルエットとスイング

 ジャッジ選手の打席における構え、スイングはAロッドに似ている感じがします。
 ロドリゲス選手も、身長191cm・体重102㎏と、デビューした当時には「大型野手」として鳴らしました。
 ジャッジ選手は201cm・125㎏と、ロドリゲス選手よりひとまわり大きい体躯を誇りますが、そのボールの捉え方、スイングイメージはとても良く似ています。

 ジャッジ選手のホームランは、センター周辺が多く、大きな放物線を描いて飛んで行く打球が多いのですが、その点でもAロッド選手に似ています。

 通算696本塁打、MLB歴代4位というホームランアーティストだったアレックス・ロドリゲス選手に似たスイングのジャッジ選手のバットから、沢山のホームランが生れるのは自然なことなのかもしれません。

 もちろん、Aロッド選手と同じようなスイングを身に付けることは、とても難しいことであるのは間違いないことです。

③ 凄い人気

 オールスターゲーム2017のファン投票が続いていますが、ジャッジ選手はALの得票数NO.1です。
 数多いるMLBのスーパースター達を尻目に、ルーキーがトップに立っているのです。

 また、ヤンキースタジアムには「ジャッジズ・チェンバース」と呼ばれる専用席が出来ました。ジャッジ選手のファン専用の席で、ジャッジ選手のプレーを「ジャッジする」判事席の様なものです。
 ジャッジズ・チェンバースの「判事」達は、ジャッジ選手のプレーの都度、「立ち上がって応援するように」等々の「判決」を、他の観客に出すのです。

 その風貌・人柄・雰囲気が、既にファンの心を掴んでいるジャッジ選手が、ヤンキースの中心選手、MLBのスーパースターに育っていくのに、それほど時間はかからないでしょう。

 それにしても、ニューヨーク・ヤンキースの若手プレーヤーの活躍は、眼を見張るものが有ります。

 頭書のオリオールズ戦の2番ヒックス選手は27歳、5番のカストロ選手も27歳、6番のサンチェス選手は24歳、7番のグレゴリウス選手は27歳、そしてこの試合先発のセベリーノ投手は23歳と、これからのヤンキースを牽引して行くであろう若手プレーヤーが目白押しなのです。

 丁度1990年代前半に、若手としてデビューしてきた、デレク・ジータ選手、フォルヘ・ポサダ選手、アンディ・ペティット投手、マリアーノ・リベラ投手が登場してきた頃を彷彿とさせます。
 この4名が中核となったヤンキースが黄金時代を迎えたことは、ご承知の通りです。
 こうした生え抜きのプレーヤーを「骨格」として、トレードで優秀な選手を補強しながら、10年以上に渡ってMLBの主役を演じ、ワールドシリーズでの優勝を重ねたのです。

 2010年代に入って、この1990年代に登場した「骨格」プレーヤー達が次々と引退し、ヤンキースは「雌伏」の時期を迎えました。こうした時期には、ヤンキースは豊富な資金力を動員して、他球団のスター選手、完成されたプレーヤーを引き抜き・ラインナップに並べることが多いのですが、今回は数年に渡って「野手の大型トレード」は少なかったと思います。

 この「雌伏の期間」、ヤンキースは「育成」に努めたのでしょう。
 その「育成」が実りつつあります。
 こうした「育成」が得意とは言えない印象が有るヤンキースですが、実際にはGM、マイナーリーグの指導者、チームスタッフ、そして監督・コーチ陣に、素晴らしい人材が揃っているのでしょう。そうでなければ、こうは行かない筈です。

 当たり前のことですが、チーム創りはプレーヤーとベンチスタッフだけでは出来ません。チームの各部署に有能な人材を揃え、その有能な人材が高い意欲と使命感を持って当たらなければ、良いチームは創れないのです。

 頭書のゲーム、オリオールズの1塁手はクリス・デービス選手でした。
 この試合でも一矢を報いるホームランを放った、MLB屈指の長距離ヒッターであるデービス選手も、相当に大きなプレーヤーです。
 ところが、ジャッジ選手がヒットで1塁に出ると、ジャッジ選手の方がデービス選手より、ひとまわりも、ふたまわりも大きいのです。

 MLBでは、2mを超える投手は相当数いますが、野手にも2m時代が到来したのかもしれません。
 ジャッジ選手は、その体格も含めて、あらゆる点で「大きなプレーヤー」なのでしょう。
 2017年のペナントレースも60試合前後を消化しました。折り返しに近づいている時期です。

 今シーズンは、大きな連敗=10連敗以上、が多いシーズンに見えます。

① 読売ジャイアンツ 13連敗
② 日本ハムファイターズ 10連敗
③ ヤクルトスワローズ 10連敗(6月10日現在)

 シーズン序盤とはいえ、どのチームにとっても痛い連敗であり、結果として「自力優勝」は早々に消滅しています。

 加えて、今シーズンの特徴として挙げられるのは、大きな連敗を喫したチームが必ずしも最下位では無い、ということでしょうか。もっと負けているチームがあるのです。

 パリーグでは、ロッテマリーンズが長く?最下位を占めています。
 4月に10連敗して、6月にも6連敗した日本ハムから4.5ゲーム差での最下位というのですから、千葉ロッテの不振は相当重症です。今季も大きな連敗は無いものの、連敗し1勝しては再び連敗という、残念なパターンを繰り返しているのです。

 セリーグでも、ヤクルトが最下位、ジャイアンツが5位ですけれども、この2チームと4位中日ドラゴンズとの差はさほど大きくはありません。中日も、6月10日時点(以下、同じ)で24勝33敗の借金9という苦しいシーズンを過ごしているのです。

 結果として、ペナントレースは「勝ち組」と「負け組」に分かれる展開となりました。

 セリーグは、首位の広島カープが貯金15、2位の阪神タイガースが貯金11と2チームのみが勝ち越しています。
 まだ6月中旬ですけれども、この2チームの優勝争いでしょうし、シーズン後半の競り合いになれば、若手プレーヤーが多く体力面・持久力面で勝る広島カープの優位は動かないところでしょう。

 パリーグは現在の上位3チーム、楽天ゴールデンイーグルス、ソフトバンクホークス、西武ライオンズの優勝争いに絞られた感が有りますし、戦力面を見れば、楽天とソフトバンクの熾烈な優勝争いが予想されます。こちらは最後まで接戦でしょう。

 6月中旬時点で、これほどペナントレースの構図がはっきりしてしまったシーズンは、珍しいかもしれません。
もちろん、下位のチームの「大反攻」「メイク・ミラクル」を期待していますけれども、客観的に観て戦力不足は深刻だと感じます。

 広島と阪神、楽天とソフトバンク、の4チーム以外のファンにとっては、とても残念な有様でしょうし、ペナントレースの盛り上がり、プロ野球人気の面から観ても、良いこととは言えません。

 「チーム創り」の重要性が、良く分かる2017年シーズンとなったのです。
 
 サッカー・オランダ1部リーグ=エールディヴィジの2016年~17年シーズンは、5月14日に最終の第34節の試合が行われ、フェイエノールトが勝点を82として、同81で追いすがるアヤックスを抑えて優勝しました。

[5月14日・第34節]
フェイエノールト3-1ヘラクレス・アルメロ

[5月14日・第34節]
アヤックス3-1ヴィレムⅡ

 首位を争う両チームは、共に最終戦を3-1で勝ちました。
 アウェイでヴィレムⅡを下したアヤックスもさすがですが、久々の優勝への地元ファンの熱い声援を背に、ディルク・カイト選手のハットトリックで、ホームゲームを勝ち切ったフェイエノールトも、今シーズンの実力を発揮した形です。

 最終的に、フェイエノールトは26勝4敗4引分、アヤックスは25勝3敗6引分と、負け数ではアヤックスがひとつ少なかったのですが、勝ち星でフェイエノールトがひとつ勝り、僅か1点差という接戦となったのです。

 直接対決で1勝1引分と優位だったアヤックスにとっては、シーズン開始直後の2016年8月20日のヴィレムⅡとのゲームと12月11日のFCトゥエンテとのゲームを、共に1点差で落としたことが、大きく響きました。
 もちろん、アヤックスの成績も、十分に優勝に値する水準でしたから、今季はフェイエノールトが「良く勝ち星を積み重ねたシーズン」を送ったということなのでしょう。

 クラブの財政的な理由から、21世紀に入ってフェイエノールトの成績は低迷を続けました。
 エールディヴィジの3強と言われる、アヤックス、PSVアイントホーフェン、フェイエノールトですが、2001年以降フェイエノールトはアヤックスとPSVに大きく水を開けられました。

 2001年から2016年まで、アヤックスは6度の優勝、PSVは8度の優勝を重ね、名門チームとしての実績を積み重ねましたが、フェイエノールトは1度も優勝できませんでした。
 この間に、フェイエノールトは優勝回数で大差を付けられてしまいました。

 そうした「長い低迷」を乗り越えての、今季の優勝は、ようやくフェイエノールトの強化策が実り、財政面も含めたチーム力が復活してきたということでしょう。
 チームの得点王は、21点でニコライ・ユルゲンセン選手(デンマーク)、2位はイェンス・トールンストラ選手、3位はカイト選手と、中盤のプレーヤーが並びます。FWとMFが一体となって攻める「オランダ伝統のサッカー」が、今季の持ち味だったのかもしれません。

 エールディヴィジの歴史を見ると、世界的なプレーヤーの足跡を見ることが出来ます。
 シーズン得点王を少し振り返れば、1966~67年と1971~72年のシーズンには、ヨハン・クライフ選手(アヤックス)が得点王に輝きました。
 1983~87年は4季連続でマルコ・ファンバステン選手(アヤックス)が、1988~91年は3季連続でロマーリオ選手(ブラジル、PSV)が、1994~95年にはロナウド選手(ブラジル、PSV)が得点王となっています。
 所謂、欧州4大リーグではないのですが、エールディヴィジには世界的プレーヤーが活躍してきた、そして活躍している歴史があるのです。

 UEFAチャンピオンズリーグでも、アヤックスが4回、PSVとフェイエノールトが1回ずつ優勝しています。エールディヴィジは、欧州NO.1クラブチームを生み出す力が十分に有るリーグなのです。

 フェイエノールトは、長い低迷から抜け出しました。
 エールディヴィジ2016~17は「名門復活」のシーズンだったのです。
 久しぶりに串揚げ屋さんにやってきました。
 思いもよらぬ食材が揚げられてくるのが、とても楽しみな料理ですし、ビールとの相性も抜群です。

S「読売ジャイアンツが苦戦しているね。連敗記録を更新したようだし、とにかくチーム力が足りない感じがする。」

「いつのまにか、こんなに弱くなっていたんだね」

S「巨人軍の戦力低下は2015年シーズンから顕著になったと思うけれど、それ以前から『世代交代』に失敗していることは明白だったね」

「確かに、他球団に比べて20歳代のレギュラープレーヤーが少ないね。例えば、広島カープなら『たな・きく・まる』や鈴木誠也選手など、主力の大半が20歳代、それも20歳代前半のプレーヤーも多い。いまや4番に定着した感のある鈴木選手は、確か22歳だ。カープは今後10年間、4番打者の心配をしなくても良いんだから、凄いよね」

S「このところ、何故巨人軍がこんなに弱くなったのか、といったニュアンスの記事が多い。そして、『常勝を義務付けられ、他チームに比べて注目度が高いから、若手を使うのも容易では無い』といった意見も目に付く。本当に、そうだろうか」

「他球団に比べて注目度が『飛び抜けて高かった』のは20世紀の話だろう。もう20年以上も前の話。21世紀になってからは、プロ野球全体の人気低下の波の中で、人気分散化が進んできた感じがする」

S「僕もそう思う。先日も東京ドームに行ってきたが、一番上の階のお客さんは招待券を持って入場している人が大半だった。僕も、そのひとりだったんだけれども。新聞販売店からチケットをもらったりしているんだと思う。その試合はもつれて、試合時間が長くなり、一番上の階の観客は午後9時を過ぎたころから帰り始め、9時半過ぎにはガラガラだった。帰りの電車を気にしているんだろうが、やはり『ダダで見に来た試合は最後までは見ない』んだろう。東京ドームの巨人戦がガラガラでは格好がつかないから、無料券をばらまいてお化粧していることになる」

「東京ドームでの試合では、有料入場者数が少なくて売上が上がらないから、地方球場での試合を増やしているという話を聞いたことが有る。地方では、まだお金を払ってジャイアンツ戦を見に来る人が多いのだろう。ホームスタジアムでファンを動員できないチームになっているということになる」

S「そういうお化粧をしなければならないチームは『注目度の高いチーム』ではないし、もちろん『盟主』にはほど遠い。『カープ女子』に代表されるように、広島カープのホームグラウンドがいつもファンで埋め尽くされているのとは好対照に見える」

「だったら『注目度が高いから世代交代が遅れた』というのは、言い訳に過ぎないね」

S「それも、相当苦しい言い訳だろう。要は、チーム像のビジョン創り、スカウトの眼、若手育成チームの活動、試合での若手起用法、等々、全ての分野での力不足、怠慢、失敗が、ここにきて一気に出てきたということだろう」

「それにしても、どんなに下手を打っても、これだけ20歳代前半のレギュラープレーヤーが少ないチームが出来上がってしまうのは、逆に珍しいことの様に感じる。ドラフトやスカウトがどんなに失敗しても、中からひとりやふたりは伸びてきそうなものだろう」

S「そこは、とても不思議なところだ。ペナントレースを見ていると、大袈裟に言えば過去5年間、ジャイアンツには新人が入らなかったかのように見える。どのような採用・育成を行えば、これだけ『若手の芽を摘む』ことが出来るんだろう・・・」

「巨人軍は、これからどうしたらいいんだろうか」

S「奇策は無いんじゃないか。これまでのように、トレードで完成されたプレーヤーを連れてきて一時的な勝ち星を積み上げるやり方では無く、『育成』を成功させて、10年間戦えるチームにしたいところだね。かつてのV9も、そうしたチーム創りの結果だと思うんだが・・・」

「メジャーリーグのヤンキースが良い例だね。一時はスター選手が居なくなって、人気も下がったけれど、若手を鍛えて良いチームに生まれ変わりつつある。何より、プレーに生気というか意外性があって、観ていて楽しいよね」

 バナナの串揚げに続いて、御餅の串揚げが出てきました。

 「マスター、新しい食材が次々に出てくるね。とても美味しいよ」

 「店を始めて40年以上になりますが、『食材』だけ見つけても駄目なんですよ。他の食材との組合せや、揚げ方、ソースや塩との相性を工夫しないと。お客様に出しながら、感想を聞くこともあります。バナナは、この形になるまで2年くらいかかりました」

 S君と私は舌鼓を打ちながら、ビールからハイボールへと移行していました。
 5月29日から6月5日にかけて、ドイツ・デュッセルドルフで開催された、卓球の世界選手権大会で、日本チームは素晴らしい成績を収めました。

 オリンピックに次ぐ格の大会ですから、世界中の強豪選手・強豪国が「本気」で参加してくる中での好成績は、「卓球日本の復活」への道程が、着実に進んでいることを示しています。

 混合ダブルスでは、日本の石川・吉村組が優勝しました。決勝ではゲームカウント1-3からの3ゲーム連取という逆転勝利。
 同種目では、日本勢48年ぶりの金メダルでした。

 男子ダブルスでは、森園・大島組が銀メダルを獲得しました。決勝では、世界ランキング2位と3位が組む中国ペアに1-4で敗れましたが、堂々たる試合を繰り広げてくれました。
 こちらも48年ぶりの銀メダルです。
 また、丹羽・吉村組も準決勝に進出、銅メダルを獲得しました。
 男子ダブルスのベスト4に2つの日本ペアが進出したのです。

 女子ダブルスでは、早田・伊藤組が銅メダルを獲得しました。大会最終日に行われた準決勝で、中国ペアに1-4で敗れましたけれども、16年ぶりの銅メダルは見事です。

 以上がダブルス種目の好成績です。

 そしてシングルスでは、平野美宇選手が銅メダルに輝きました。
 準決勝では、世界ランキング1位の丁寧選手(中国)に1-4で敗れましたけれども、彼我の力の差が縮まっていることを実感させてくれる試合内容でした。

 今大会で日本チームが獲得したメダルは計5個。
 その5個を8名の選手で獲得したのです。
 日本チームの選手層の厚さをも感じさせる事実でしょう。

 男子シングルス種目のみがメダル無しに終わりましたけれども、日本のエース・オリンピックメダリストの水谷隼選手を、14歳の張本智和選手が破り、張本選手がベスト8まで勝ち上がるなど、この種目でも選手層の厚さを感じさせました。

 「卓球日本」復活の足取りは、とても力強いものがあります。
 今大会も「48年ぶり」という言葉が、飛び交いました。ダブルス種目で、半世紀を経ての復活が進んだのです。
 中国チームを始めとする「本気」の強豪を相手にしてのメダルラッシュには、大きな価値があるでしょう。

 道半ばといえども、世界大会のたびに、日本チームの素晴らしいシーンが増えていくのは嬉しい限りです。
 サッカーのポルトガル1部リーグ→プリメイラリーガは、5月20日・21日に最終の第34節のゲームを行い、今シーズンの戦いを終えました。

 欧州のサッカーリーグというと、スペインのリーガエスパニョーラ、ドイツのブンデスリーガ、イタリアのセリエA、イギリスのプレミアリーグが4大リーグであり、それに続くのがフランスのリーグアンというイメージがありますが、UEFA(欧州サッカー連盟)の国別ランキングでは、2012年からポルトガルのプリメイラリーガが5番手に上がっているのです。

 UEFAランキングの上昇は、ポルトガルサッカーのステータスが上がっていることを示していて、その評価の正しさを示したのが、2016年ユーロでのポルトガルの初優勝でしょう。
 ポルトガル代表チームは、突然強くなったわけではなく、ポルトガルサッカーの地力が上がってきていたのです。急に強くなったチームが優勝できるほど、ユーロが甘い大会ではないことは、言うまでもないことでしょう。

 また、UEFAランキング、FIFAランキングというのは、各国・各チームの国際試合での成績を基に算出されていますから、相当客観的かつ精度の高いものなのです。

 我が国ではあまり馴染みが無いプリメイラリーガですが、大きな特徴があります。

 多くの国の1部リーグと同様に18チームで構成されていて、成績下位チームが下部リーグ上位のチームと入替が行われるところも一緒です。

 ところが、ベンフィカ、FCポルト、スポルディングCPの3チーム以外のチームが優勝することは、滅多に無いのです。この3チームは文字通りの「3強」です。
 1934年のリーグ創設以来、3強以外のチームが優勝したのは、1945~46年シーズンのベレネンセスと2000~01年のボアヴィスタの2チーム・2度しかないのです。
 
 この「3強」の「圧倒的な強さ」、残るチームとの大きな力の差・実績の差は、主要リーグがあるサッカー強豪国の中でも際立っています。
 例えば、リーガエスパニョーラではレアル・マドリード、FCバルセロナ、アトレティコ・マドリードが「3強」ですが、21世紀になってからでもバレンシアが2度優勝していますし、1980~84年の4シーズンはレアル・ソシエダとアスレティック・ビルバオが2度ずつ優勝しているなど、3強以外のチームの優勝も時々見られるのです。

 しかし、プリメイラリーガでは3強が圧倒的に強いのです。
 2016~17年シーズンについても、優勝ベンフィカ、2位FCポルトに続く3位はスポルディングとなっています。3強以外のチームは「3位に入るのも難しい」というのが、プリメイラリーガの現実なのです。(ベンフィカの今季勝点は82、ポルトは76、スポルディングは70、に対して、4位のヴィトリア・ギマランエスは62点と少し差があります)

 「3強の覇権」にも時期による偏りが有り、1940年代から50年代はスポルディングが強く、3連覇・4連覇を魅せていますが、1990年代から2000年代にはポルトが強く、4連覇・5連覇が有ります。ベンフィカは何時の時代も安定した強さを示している印象で、直近は4連覇中ということになります。

 クリスティアーノ・ロナウドという、現代最高のサッカープレーヤーを生んだポルトガルですから、ポルトガルサッカーの裾野は広く、素晴らしいプレーヤーがどんどん出てきていることは間違いないのでしょうが、そうした優秀なプレーヤーは、「3強に入るか、他国のチームに入るか」といった選択をすることが、歴史的には多かったのかもしれません。
 そして近年は、プリメイラリーガでプレーする選手が増えてきている可能性があります。国内リーグが強くなると、代表チームが強くなるものですから。 

 プリメイラリーガからは、1~3位がUEFAチャンピオンズリーグに出場し、4・5位がUEFAヨーロッパリーグに出場できます。
 この出場チーム数は、いわゆる4大リーグに引けを取らないものです。

 様々な国際舞台・年代での、ポルトガル代表チーム、およびポルトガルのクラブチームの今後の活躍から眼が離せません。
 2017年のオークスはソウルスターリングが、日本ダービーはレイデオロが制しました。

 共に、東京競馬場の最後の直線、残り100mから「グイッ」と前に出る、安定感抜群の勝ち方でした。

 そして共に、鞍上はクリストフ・ルメール騎手でした。

 2017年のオークスと日本ダービーは、共に強力な逃げ馬がいなかったこともあり、スローペースとなりました。どちらのレースも「残り600mからのヨーイドン」となったのです。

 こうしたレースを勝つためには、4角で先頭集団に居ることが有利です。
 ルメール騎手は、きっちりと必要な位置に馬を置きました。

 特に、前半の1000m・63秒台という「珍しいほどのスローペース」となった日本ダービーでは、3コーナー手前から一気にポジションを上げ、4コーナーでは先頭に並びかけ、直線入り口では既に先頭でした。
 強烈な末脚を保持したライバルが、ゴール版までに間に合うようであれば負けてしまいますが、レース展開から見て「最も勝つ確率が高い乗り方」をしていたように観えました。

 そして、デムーロ騎手が乗ったアドミラブルの追い込みは、僅かに届かなかったのです。
 この展開を考慮すれば、アドミラブルの末脚は強烈なものでしたが、「前と後ろ」を十分に考慮したルメール騎手の騎乗が、レイデオロに優勝を齎した形なのでしょう。

 ルメール騎手は、生誕の地フランスでも、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)とディアヌ賞(仏オークス)を一度ずつ制しています。

 そして2015年から日本競馬を主たる舞台として活躍を開始し、3年目に優駿牝馬と東京優駿を制したのです。
 中央競馬デビュー早々から、ルメール騎手の全体としての騎乗成績は素晴らしいもので、文句のつけようがないが、一方でG1レース、特にかつての「八大レース」ではいまひとつといった評価もありました。ルメールは「ここ一番」では勝ち切れないという声も聞かれたのです。

 しかし、この2017年のオークス・日本ダービーの連勝で、もう何も気になるところは無くなったことでしょう。

 ルメール騎手の騎乗の特徴は、前述にもありましたが「馬を必要な場所に置く上手さ」でしょう。
 日本ダービー2017の4角先頭は、その典型です。
レースにおける多くの要素を勘案して、騎乗馬を「勝利に導くことが出来る位置」に持ってくるのです。この能力がとても高い。

 言い方を変えれば、「あとは馬の力だよ」といったところでしょうか。

 日本ダービー2016では、サトノダイヤモンドをマカヒキとの競り合いの位置に運びました。そして、壮絶な競り合いの末、マカヒキに敗れたのです。
 天皇賞(春)では、サトノダイヤモンドをキタサンブラックを追い抜ける位置に運びました。しかし、先にバテたのはダイヤモンドの方でした。京都の3200mでは、キタサンの方が強かったのです。
 桜花賞2017では、あとは直線でいつもの脚が使えれば勝てる位置に、ソウルスターリングを運びました。しかし、スターリングは不思議と伸びませんでした。

 ルメール騎手が人気馬に乗った時、ほとんどの場合「期待通りの騎乗」を魅せてくれていると感じます。観ている者は「これで負けたのなら仕様が無い」と考えることが多いのではないでしょうか。

 この「確率の高さ」が「ルメールの騎乗」なのでしょう。

 従って、ルメール騎手に「思いもよらぬ騎乗」「奇策」を見ることは出来ません。
 期待してはならないやり方なのでしょう。

 母国のダービー・オークスの勝利数に、早々に並んだルメール騎手。
 今後、東京優駿と優駿牝馬の勝利数をどこまで伸ばしていってくれるのか、とても楽しみです。
[6月1日・第1戦]
ウォリアーズ113-91キャバリアーズ

[6月4日・第2戦]
ウォリアーズ132-113キャバリアーズ

 レギュラーシーズンを圧倒的な強さで勝ち続け、プレーオフに入っても、1回戦、準々決勝、準決勝と全ての対戦を4勝0敗(史上初)、つまり12戦全勝でファイナルに勝ち上がった、ゴールデンステート・ウォリアーズの勢いが止まりません。

 2016年のチャンピオンで、連覇を目指すクリーブランド・キャバリアーズを、第1戦、第2戦とも問題なく破り、2勝0敗としました。
 これでプレーオフは14戦14勝。驚くべき強さと言えるでしょう。

 バスケットボールにおいて「20点差」のゲームというのは、「圧倒的な力の差」を明示するものです。
 その「20点差」ゲームが、NBAファイナルにおいて続いているのですから、今季のウォリアーズの強さは「桁違い」ということになります。

 3年連続で同じカードとなったファイナルですが、2015年はウォリアーズが勝ち、2016年はキャブスが勝っていますが、共に接戦でした。
 特に2016年は、ウォリアーズが3勝1敗とリードして「連覇間違い無し」という態勢を築きながら、第6戦、第7戦の第3Q・第4Qに「突然、スプラッシュブラザーズの3ポイントシュートが入らなくなる」という怪奇?現象に見舞われ、レブロン・ジェームズ選手の獅子奮迅の活躍もあって、キャバリアーズが大逆転優勝を遂げたのです。
 ファイナル史上に刻まれる大逆転でした。

 この苦い敗戦を踏まえて、ウォリアーズが取った施策は「更なる攻撃力の向上」でした。
 オクラホマシティ・サンダーからケビン・デュラント選手を獲得したのです。
 これには驚かされました。

 ステフィン・カリー選手とクレイ・トンプソン選手の「スプラッシュブラザーズ」に加えて、ケビン・デュラント選手とは・・・。
 「多彩な得点の形を保持する」デュラント選手が加入して、ウォリアーズの得点力は、万全なものとなったのです。

 NBAファイナル2017の戦前から、「さすがに今季はウォリアーズが圧勝する」という見方が多かったと思います。
 そして、2ゲームを終えて、この予想は現実のものとなりつつあります。

 新戦力のデュラント選手は、第1戦で38ポイント、第2戦で33ポイントを挙げてチームの得点王、加えて第2戦ではリバウンドも13とトップ。

 レブロン・ジェームズ選手の得点を2ゲームとも上回る成績ですから、デュラント選手の成績は、チームにひとり居るかどうかという「大エース」のレベルですが、当然のことながら、ウォリアーズにはカリー選手もトンプソン選手も居て、出場しているのです。

 これでは、得点力に差が付くのも、止むを得ないところでしょう。

 現状では、「ウォリアーズ4連勝・ファイナル制覇」を止めるのは、至難の技に見えます。

 ホームに帰っての第3戦における、クリーブランドの戦い振りに大注目でしょう。

 まずは、ウォリアーズの「16戦全勝・パーフェクトプレーオフ」を阻止することから、始めなければないのです。
[6月3日・決勝・ウェールズカーディフ]
レアル・マドリード4-1ユベントス

 接戦が予想されたゲームでしたが、レアルが圧勝しました。
 ユベントスは、再び決勝で敗れたのです。

 開始早々はユベントスの「フルスロットルの攻撃」が展開されました。こうした大きなゲームでは珍しい程の猛攻でしたが、レアルはゴールキーパーGKナバス選手を中心として、良く守り切りました。ユーベの猛攻は、前半10分前に終了しました。

 その後は、両チームの攻め合いの様相となりました。

① クリスティアーノ・ロナウド選手の先制点

 前半20分、右サイドからのセンタリングをロナウド選手がゴール左隅に蹴り込みました。
 見事なシュートでした。

 「最強」を誇るユベントスの守備陣、その中核を成すボヌッチ選手が懸命に右脚を出しましたが、ロナウド選手のシュートは、その右脚の僅かに先を通過して、GKブフォン選手の手の先に突き刺さりました。

 このゴールでレアルが勝ったと感じました。

 今大会ここまで、僅かに3失点、ベスト16・ベスト8・準決勝の3対戦・6試合で僅かに1失点のユベントス守備陣が、開始僅か20分で失点したのです。

 レアルの攻撃力がユーベの守備力を上回っていることが、明らかになったのですから。

② イスコ選手とモドリッチ選手

 変幻自在のレアルの攻撃でしたが、特に目立ったのはイスコ選手とモドリッチ選手の運動量とスピードです。

 両選手のドリブル、ボールキープは素晴らしいものでした。

 もちろん、マルセロ選手やカゼミーロ選手も見事な働きを魅せてくれていましたので、レアル・マドリードがチーム全体として良く機能していたということなのですが、イスコ選手とモドリッチ選手の緩急十分な動きは、「ゲームのアクセント」となっていて、守備対応がとても難しいものでした。

 「良いチーム」が創り出されていたのです。

③ イグアイン選手への対応

 現在のユベントスの得点エンジンであるゴンサロ・イグアイン選手が、全く目立たないゲームとなりました。

 レアルは、イグアイン選手へのマークを徹底すると共に、イグアイン選手周辺のスペースも消し続けました。
 結果として、ユベントスはマンジュキッチ選手にボールを集める形となり、前半27分にはスーパーゴールが生まれました。

 レアルディフェンダーに完全にマークされていたマンジュキッチ選手が、オーバーヘッドシュートを決めたのです。「ここしか無い」という位置へのミラクルなシュートでした。

 まさに「スーパーゴール」でしたが、これ程「滅多に決まらないシュート」でなければ得点できないとすれば、ユベントスの追加点は相当難しいだろうとも感じました。

④ 後半はレアルのゲーム

 1-1の同点で折り返したゲームでしたが、後半は開始早々からレアルの動きが勝りました。

 イスコ選手、モドリッチ選手、マルセロ選手、カゼミーロ選手らが自在にピッチを走り回り、効果的なボールをユーベゴール前に供給し続けたのです。

 そこに「世界一の決定力を保持するプレーヤー」が待っているのですから、守り切るのはとても難しいことです。

 後半16分、ゴール前の混戦からこぼれ出たボールをカゼミーロ選手がミドルシュート。これがゴール左隅に突き刺さりました。
 レアルの波状攻撃から生まれたゴールでした。

 後半19分のクリスティアーノ・ロナウド選手のゴールは、まさに世界最高水準のものでした。
 モドリッチ→カゼミーロ→モドリッチと繋いで、モドリッチ選手が抉り、ゴール右サイドへラストパス。そこに走り込んだロナウド選手がワンタッチで流し込んだのです。
 角度の無いところからの難しい筈のシュートですが、いとも簡単に決めたように観えました。
 ゴール前に走り込むロナウド選手の動きは、ディフェンダーからは見えていなかったの様でした。「無人の野を行く」ような趣だったのです。この「走り込み」こそが世界最高レベルだったのです。

 世界トップクラスのディフェンダー、GKを相手にしてのクリスティアーノ・ロナウド選手の「別次元」のプレーであったと思います。

 後半38分には、ユーベのクアトラード選手が2枚目のイエローカード→レッドカードを受けて退場しました。「ボールを保持できない」ことへの苛立ちが形となって表れたのです。

 マルセロ選手のドリブル、抉りから、マルコ・アセンシオ選手の4点目が生まれたのは、ゲームの流れでしょう。既に、レアルの勝利は決まっていたのです。

 「今回こそ」はと意気込んで決勝に臨んだユーベ、戦力的にも向上し十分にヨーロッパチャンピオンを狙えるチームに成っていた筈のユーベでしたが、残念ながら完敗でした。
 ユベントス以上に、レアル・マドリードは強く、充実していたのです。

 UEFAチャンピオンズリーグ2016~17大会の決勝は、「クリスティアーノ・ロナウドのレアル・マドリード」が魅せてくれた最強のゲームのひとつでしょう。

 クリスティアーノ・ロナウド選手の先制点が入った時、スタンドの少年が喜ぶ様子がテレビ画面に大きく映し出されました。

 小さな体を、レアルのアウェイユニフォーム・パープルのユニフォームで包み、喜びを爆発させていました。
 このゲームで、レアルイレブンが身に付けるであろうユニフォームを準備しての応援ですから、相当熱心なファンなのです。
 この子は、一生レアルと共に人生を歩んでいくのでしょう。

 人生の節目節目が、レアルの活躍とオーバーラップして行くのです。
 いわゆるビッグクラブには、多くの人々の人生の糧となって行く、「いつの時代も相応の活躍を継続して行く」責任が有るのです。

 サッカーというスポーツの素晴らしさと責任を、改めて感じさせてくれた、素晴らしいゲームでした。
[5月28日・千秋楽]
正代○(寄り切り)●御嶽海

 小結・御嶽海と前頭5枚目・正代の対戦は、両力士一歩も引かない攻防から、正代が寄り切りました。力の入った大相撲でした。

 先場所の負け越しにより西前頭5枚目まで番付を下げていたとはいえ、正代は既に三役の常連ですし、この対戦に敗れたとはいえ、しっかりと勝ち越した御嶽海も堂々たる三役力士です。

 稀勢の里が横綱になり、高安が大関に昇進するなど、大相撲の世代交代・地殻変動が続いていますけれども、正代と御嶽海は次代を背負う関取ですし、2力士の取組が今後の「看板取組」のひとつになっていくであろうことも、間違いが無いのでしょう。

 本取組のように、「がっぷりと組み合った形」となれば、現状では正代の地力が勝ります。
 御嶽海は「相手力士との動き合いの中で勝機を見出していくタイプ」なのでしょう。

 一方で、御嶽海の「相手力士についての取組前の研究・作戦立案」は、現役の幕の内力士の中でもトップクラスだと感じます。
 相手が横綱・大関といった格上の力士でも、自らが決めた作戦・戦術に則って、実に思い切った取口を披露してくれます。
 それが上手く行けば好勝負となり、上手く行かなければあっさりと土俵を割ることもあるのですが、「敵を知り、己を知れば・・・」という孫子の兵法にもあるように、自らの力量、相手力士の力量、自らの得意技・得意な形、相手力士の弱点、等々を研究し、毎場所様々な作戦を立案・実行する御嶽海の相撲は、観ていてとても面白いものですし、感心させられることが度々あります。

 どんなに力量上位の力士でも、御嶽海を相手にする時には、十分な注意が必要なのです。

 正代の方はといえば、恵まれた体躯をベースに「前に出る力」では既に幕の内トップクラスでしょう。
 立ち合いで「そっくり返ってしまう」という欠点が指摘されますが、柔らかい体の動きで、相手力士を一度受け止めてしまえば、後は存分に料理してくれます。「相撲力が強い」タイプなのでしょう。

 「正代VS御嶽海」。
 これから何番の取組を観ることになるのでしょうか。
 まさに「次代の看板取組」なのです。
 巨人軍が苦しんでいます。

 6月2日のオリックス戦も、延長12回まで縺れ込みましたが、5-6で敗れました。
 これで8連敗(11年振り)、交流戦は0勝4敗で最下位です。
 「悲惨」な状態です。

① 打てない。

 5月31日時点の打撃成績を見ると、チーム打率は.238でリーグ最下位。トップの広島が.276ですから、大きく差を付けられています。
 安打数は385本でリーグ最下位。トップの広島の484本に比して、100本近く少ないのです。
 塁打数548もリーグ最下位ですから、長打も少ないのです。

 一方で、三振数379はリーグ2位、打点151と犠打数33はリーグ5位となっています。

 チームワースト記録となる「13試合連続本塁打0」を見ても分かるように、現在の苦境の最大の原因は「打てないこと」なのでしょう。

② 頼みの投手陣は・・・。

 チーム防御率3.45はリーグ4位、トップの阪神は2.87です。
 被本塁打39はリーグ最多ですから、痛いところでホームランを浴びていることも多いのです。

 完投勝ち4はリーグトップですが、これは菅野投手の存在です。

 頼みの投手陣も、リーグ下位の成績なのです。

③ 守備

 チームの守備率.988はリーグ2位ですから、前述のような打撃成績でも、セリーグの4位に居ることが出来るのは、守備力のお蔭かも知れません。

 投手力と守備力がまずまずの成績であることを勘案すれば、やはり打撃陣の大不振が「巨人軍の深い谷」の原因と言うことになります。

 ジャイアンツのラインアップを見れば、ベテラン選手がズラリと並んでいることが分かります。若手が居ても、安定した活躍は出来ていません。
 「世代交代が進んでいない」ことは明らかでしょう。
 何時まで経っても、阿部選手・坂本選手頼みの打線では限界があるのです。

 ドラフト制度という「機会均等・平等」な制度が存在し、自由なスカウト活動が許されている野球界において、読売ジャイアンツが「世代交代」に大失敗しているように見えるのは、とても不思議なことでしょう。

 現在首位を走り、元気一杯のプレーと圧倒的な安定感を誇る広島カープは、若手の成長が著しく、その若手がそれぞれの分野でリーグ屈指のプレーヤーに成長しているのとは、対照的です。

 阪神タイガースや広島カープに比べて、熱狂的なファンが少ないと言われる読売ジャイアンツですが、20世紀には「球界の盟主」と呼ばれたチームですから、全国に多くのファンが居ることは間違いありません。

 そして、やはり熱狂的なファンも多いのです。

 私の知り合いは、「今日の試合の様子はどう・・・」と聞いて、「○対○で巨人が勝っている」「同点」という返事を聞くことは出来ても、それ以外の返事はありません。
 巨人が負けている時は「答えない」か「テレビを観ていない・消してしまっている」のです。
 この人は、数十年来の熱狂的な巨人ファンです。

 チームの現状からは、2017年シーズンでジャイアンツが「反攻」に出る可能性は、残念ながらとても低いように観えます。チーム力がとても不足しているのです。そして、チーム力は一朝一夕には向上しません。少なくとも、相応の世代交代を実現するためには、どんなに急いで、的確な施策を全方面で展開したとしても、3~4年は必要でしょう。

 前述の熱狂的なファンが言っています。
 「5年間は我慢するから、ちゃんとしたチームを造って欲しい。生え抜きの選手をリーグ屈指のプレーヤーに育てて、ラインアップを組んでほしい。溌剌と戦う巨人軍が観たい」と。

 全国に存在するであろう「こうした声」に、読売ジャイアンツは応えなくてはなりません。
 東京開催G1シリーズを締めくくる、上半期のマイル王決定戦、6月4日に芝1600mコースで行われる、第67回安田記念競走G1の注目馬検討です。

 1951年(昭和26年)に「安田賞」として創設された、歴史と伝統を誇る大レースです。

 中距離を得意とするサラブレッドなら、一度は勝っておきたいレースですから、フルゲートになることが多く、2017年も18頭が挑戦してきました。
 もともと層の厚い距離の競走であることに加えて、現在は一頭抜けた馬が存在しない時期、戦国時代の様相を呈していますから、「混戦」であることは間違いありません。

 人気となりそうな馬が、比較的外枠に集まったことも、「混戦」に拍車をかけている印象です。

 さて、注目馬です。

 第一の注目馬は、4枠8番のエアスピネル。
 強いと言われた2016年世代のトップグループを走り続けました。なかなか1着に慣れないタイプですが、一方で、安定感は抜群です。そろそろG1馬となっても良いころでしょう。

 第二の注目馬は、7枠15番のイスラボニータ。
 この馬も好走はするものの、なかなか勝てませんでしたが、前走のマイラーズカップで久々の重賞勝ち。その勢いで、ここでも勝ち負けの勝負を魅せてくれることでしょう。

 第三の注目馬は、3枠6番のレッドファルクス。
 前走G2京王杯SCは快勝でした。2016年のスプリンターズステークスG1の勝馬ですから、スピードは折り紙つき。前走から200メートル伸びたコースも、なんとか克服してくれるのではないでしょうか。内枠も味方しそうです。

 今回は、以上の3頭に期待します。

 昨年の優勝馬ロゴタイプや、ビューティオンリ、コンテントメントの2頭の外国馬の走りも、とても楽しみです。
 5月場所を11勝4敗の好成績で終えた高安が、5月31日、大関に昇進しました。

 直近3場所で34勝を挙げた成績と、3場所共に11勝以上という安定感、そして横綱をも破るという強さ、が評価されての大関昇進でしょう。

 先輩の稀勢の里や琴奨菊が、直近3場所32勝で大関昇進を果たしていることと比較すれば、星勘定では問題の無い水準なのでしょうが、比較的慎重な見方が多かったのは、「稀勢の里との取組が無い」ことを考慮してのことかもしれません。

 いずれにしても、堂々たる相撲振りでの昇進に、大きな拍手を送ります。

 今場所というか、最近の高安の本場所での相撲、特に10日目までの強さは素晴らしいものがあります。テレビ放送の解説者の皆さんも「大関どころか、その上のレベル」といったコメントを残しています。
 強烈な立ち合いから、短時間で勝負を付ける取口は、確かに「強い」という印象です。

 一方で11日目以降の相撲には、毎場所やや精彩がありません。
 ここが不思議なところです。

 5月場所も、13日目に横綱・日馬富士を破って11勝目を挙げた後、14日目・正代、千秋楽・照ノ富士と連敗しました。

 終盤に星が上がらないというのが、現在の高安の弱点とも言えそうです。

① 終盤の対戦相手は強い。

 関脇・高安の終盤戦の対戦相手は、横綱や大関であることが多いので、前半戦や中盤戦とは相手が違うというのは間違いないところでしょうが、一方で前半戦や中盤戦でも横綱・大関と当たり、これに勝利していることも多いので、これだけが理由ではなさそうです。

② ほっとする。

 八角理事長のコメントにもあったように、目標を達成してホッとしてしまった、ということは考えられるのでしょうが、そうなると3月場所や1月場所の終盤の連敗の説明が付きません。

 1月場所も3月場所も、圧倒的な強さで10日目までを戦っていたのです。
 大関昇進を目指す過程では、11勝よりも12勝、12勝よりも13勝、そして関脇での優勝の方が、より確度が上がる筈です。

③ 「疲れ」

 特に、精神面の「疲れ」が要因なのではないでしょうか。
 私は、これが大きいと勝手に考えています。

 現時点の高安は、15日間を戦い切る「精神面の持続力」が不足しているのではないでしょうか。
 11日目以降に、心身の疲れが出るのでしょう。

 そうすると、その精神面の持続力が養われたとき、高安はとても強い力士、15戦全勝をいつも狙える力士になれることになります。

 これが、八角理事長の言う「伸びしろ」なのかもしれません。

 いずれにしても、かつての鳴門部屋(元横綱・隆の里が親方)、出稽古厳禁の鳴門部屋で、互いに切磋琢磨してきた、常に2人で稽古を積み重ねてきた、稀勢の里と高安が、横綱と大関になったのです。

 相撲協会の使者を迎えての伝達式において、横綱・稀勢の里は本当に嬉しそうでした。自らの横綱昇進の時より嬉しそうにも見えました。
 そういえば、稀勢の里の初優勝の時、優勝パレードで旗手を務めた高安は本当に嬉しそうでした。まるで自分のことの様にはしゃいでいたのが印象的でした。

 私には、「とても強い兄弟力士」のように見えます。
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