FC2ブログ
HOME   »  2018年06月
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 グループリーグGLが6月28日に終了し、大会は6月30日から決勝トーナメントT1回戦、「ラウンド16」の戦いに入ります。

 GLを勝ち抜いた16チームによるトーナメント戦が始まるのですが、GLとは異なり1試合ごとに、延長戦やペナルティーキック戦を用いて、「勝ち負けを決める」ゲームが始まるのです。

 ノックアウトステージと呼ばれる所以ですが、友人の中には「本当のワールドカップが始まる」と言う人も居ます。

 かつては全出場チーム数が16であった時代もあり、出場国数が増え過ぎて「ワールドカップのレベルに達していないゲームが増えつつある」と認識している人達から見れば、32チームが出場する大会であれば、「ラウンド16からがワールドカップ」であるという見方もあるのでしょう。

 さて、ロシア大会のラウンド16の組合せを観ると、相当、大会前の予想とは異なる様相となっています。
 ドイツチームが敗退し、アルゼンチンチームがグループ2位で通過してきたこと等々、予想を覆す結果が連続した「波乱」のGLを良く表しています。

 6月30日のゲームは、ウルグアイVSポルトガルとフランスVSアルゼンチンの2試合。

 ワールドカップ優勝経験のある3チームと、現在のヨーロッパチャンピオンチームという、何とも「豪華絢爛」なカードが並びました。
 
 もともと、抽選によってグループAからDに伝統的強豪チームが集まっていましたから、こうした「豪華絢爛」な組合せは予想されていた範囲だと思います。

 ウルグアイとポルトガルのゲームは、どちらが勝つかを予想するのは極めて難しいのですが、前半20分までを上手くプレーしたチームが「(試合内容として)一方的な」勝利を収めるような気がします。
 とはいえ予想が必要ですから、これはウルグアイが有利と見ます。

 ウルグアイチームの「堅守」がクリスティアーノ・ロナウド選手の活躍を抑え込むと見ます。若手の成長が、ウルグアイディフェンスの核心である「ペナルティーエリア周辺の堅守」に勢いを与えています。
 この「堅守」をベースに、ルイス・スアレス選手とエディソン・カバーニ選手の2トップが1~2ゴールをゲットするのではないでしょうか。

 フランスとアルゼンチンのゲームの方は大接戦となりそうです。

 GLのプレー振りから見ると、フランスチームは「思ったほどでは無かった」と感じます。線が細いのです。激戦になった時の粘り強さ・勝負強さに不安が残ります。

 アルゼンチンチームもGLでは苦しい戦いを続けましたが、第3戦には迫力を感じました。「こうすれば良い」という戦い方を、チームとして会得できたのではないでしょうか。
 「長めのパスを使ったシンプルな戦法」で、メッシ選手を始めとするアルゼンチンサッカーが躍動し、アルゼンチンが勝つと見ます。

 7月1日のカードは、スペインVSロシア、クロアチアVSデンマーク。

 スペインとロシアは大接戦となるでしょう。
 GL第3戦ウルグアイとの戦いで、ロシアチームは「伝統的強豪チームの試合のやり方」を体感しました。大きな経験となったことでしょう。そして、自分達の戦い方のどの部分が通用するかも分かったと思います。
 地元の大声援を背景に、ロシアチームはスピード、縦への突破で勝負をかけます。

 一方のスペインチームは、2010年前後のパスサッカー、ポゼッションサッカーとは異なる、伝統的な戦い方に戻りつつある印象です。個々のプレーヤーのテクニックは相変わらず高いので、局地的なパス回して、ロシアチームに対抗して行く形でしょう。

 勝敗は「互角」と見ますが、最後は2010年戦士がゴールを挙げて、スペインが勝ち抜きそうです。

 クロアチアとデンマークは、GLの戦い振りを観る限り、クロアチアが有利でしょう。
 モドリッチ選手を中心とするクロアチアチームは、攻撃は勿論として、守備も相当堅く、組織的です。
 現時点の優勝候補筆頭と観ています。

 クロアチアが勝つ可能性が高いと思います。

 ラウンド16の前半の試合を観てきました。

 現代サッカーの粋を集めた、素晴らしい戦いが続くことでしょう。
スポンサーサイト
[6月27日・グループF]
スウェーデン3-0メキシコ

 グループFの第3戦、ドイツチームを倒し勢いに乗るメキシコチームの優勢が伝えられていましたが、ゲームはスウェーデンチームの圧勝でした。
 スウェーデンはF組1位で決勝トーナメント進出を決めました。

 前半から動きで勝り、後半5分のアウグスティンソン選手のゴールで先制すると、17分のグランクビスト選手の2点目、29分のオウンゴールと畳み掛け、終始ゲームを支配したのです。

 緒戦でドイツを倒したメキシコは、「黄金世代」が勢いに乗り、GL2連勝の際には「ワールドカップ初制覇」といったコメントも聞かれたのですが、「勝ちに来たスウェーデン」の攻守にわたる圧力は、想像を遥かに超えるものだったのでしょう。
 サイドからゴール前にボールを供給し続けるものの、中央での体格差とスウェーデン守備陣の素早い寄せの前に、なかなかチャンスを創ることが出来ませんでした。

 考えてみれば、今回のスウェーデンチームは、欧州地区予選A組で6勝3敗1引分の好成績でフランスチームに次いで2位。オランダーチームを3位に押しやりました。
 21世紀のワールドカップ上位常連のオランダは、ここで敗退したのです。

 続いて各組2位チームで争われるプレーオフで、あのイタリアチームを倒しました。
 第1戦のホームゲームをヨハンソン選手のゴールで1-0勝利、第2戦はミラノのスタディオ・サンシーロに72000人余りを集めたアウェイゲームでしたが、これを0-0で引分けて、見事に本大会出場を果たしたのです。
 「イタリアの居ないワールドカップ」を示現したチームと言えます。

 こうして、オランダ、イタリアと2つのサッカー強豪国を倒してきた割には、大会前のスウェーデンの評価は高くありませんでした。
 しかし、力が無ければイタリアやオランダには勝てないのは道理で、グループリーグGLの戦いの中で「真の実力」を示した形です。

 欧州地区予選の過程で、この10年間スウェーデンナショナルチームを牽引してきた、ズラタン・イブラヒモビッチ選手から「代表に復帰しても良い」といったオファーがあったものの、ヤン・アンデション監督が断ったという話も伝えられています。
 アンデション監督は着々と「世代交代」を進め、それが成果に結びついているのでしょう。
 もちろん、大ベテランのセバスチャン・ラーション選手も健在(このゲームで負傷退場したように観えましたが)ですから、バランスの良いチームでもあります。

 1958年スウェーデン大会、自国開催大会での準優勝(優勝はブラジル)が最高成績ですが、いつの時代もインパクト十分のチームを国際大会に送り込んできているスウェーデンです。

 今大会の「台風の目」になる可能性は、十分に有ります。
[6月28日・グループH]
ポーランド1-0日本

[6月28日・グループH]
コロンビア1-0セネガル

 西野ジャパンは、グループリーグGL第3戦を落としましたが、決勝トーナメント進出を果たしました。
 ギリギリの戦略と戦術の結果でした。
 このゲームの目的は達成したのです。

 第3戦には「西野監督の2つの決断」が大きな影響を与えたと思います。

① ゲーム開始前の西野監督の「決断」

 先発メンバーを、第1戦・2戦から6名替えました。
 過半を替えたのですから「別のチーム」と言って良く、好調なプレーを続けていたチームと別のチームを投入することによって、決勝トーナメントTに進出できなかった場合には、監督の判断に対して様々な批判を招く怖れがありますから、大きな「決断」でしょう。

 その「決断」の理由は、今大会の日本代表チームの大目標「ベスト8進出」にあったのであろうと思います。
 第1・2戦を戦ったメンバーの疲労回復を図り、決勝T1回戦に万全の体調で臨んでもらうことを「第一」と考えたのでしょう。

 それにしても、GL第3戦で失敗してしまえば、元も子もない状態になるのですから、勇気ある決断であったと感じます。

② 前半はスローペース=ポーランドのペース

 前半は、過去2戦、コロンビア戦・セネガル戦と比較して、とてもスローペースでした。
 暑いボルゴグラードにおいて90分間フルペースで戦い抜くのは困難と判断したポーランドチームが「後半勝負」として、スローペースのゲームに持ち込み、日本チームもそのペースに合わせたかのような展開でした。

 残り45分の戦い用に体力を温存したポーランドチームは後半、案の定攻勢に出て14分、フリーキックFKのボールをヤン・ベドナレク選手がシュートを叩き込みました。ベドナレク選手が日本ゴール前で完全にフリーだったのは、粗末な守備と言われても止むを得ないものでした。

 これだけスローペースのチームが、世界ランキング8位に位置し、ワールドカップ欧州予選でも無類の強さを見せたということは「セットプレーが物凄く強い」ことに他なりませんから、ポーランドチーム相手のセットプレーでは細心の注意が必要なことは明らかです。

③ 試合後半の西野監督の「重大な決断」と「明確な指示」

 リードを許したことは、「引分けでも良い」と考えていたであろう日本チームにとっては、当然に「想定外」のことで、一気に苦境に追い込まれました。このままではGL敗退なのです。

 点を取るために、後半20分乾選手を投入しました。

 第3戦の先発メンバーには「20m以上ドリブルでボールを運べるプレーヤー」が少なく、結果として、日本チームの「スピード十分な連動」という持ち味を出し難い構成でした。
 追い込まれた状況となって、点を取るために、乾選手の投入ということになったのでしょう。
 「全力で同点にする」方針に変更されたのです。

 ところが、同時に行われているコロンビアVSセネガル戦の後半29分、コーナーキックCKからコロンビアチームが先制し、1-0とリードしました。

 これで再び、「いまのまま(日本とセネガルが共に0-1で敗れる形)」であれば、フェアプレーポイントで日本チームが上回り(日本△4、セルガル△6)、決勝トーナメントに進めることとなりました。

 一方で、まだ15分間以上の試合時間を残している中で、セネガルチームが得点すれば、日本チームは3位になってしまい敗退です。
 「いまのまま」戦術は、他力本願なのです。
 このやり方で失敗すれば、西野監督は凄まじい非難を浴びることになりますし、いつまでも「負の遺産」として語り継がれる判断ミスにもなりかねません。

 それよりも、攻撃を続けて「同点引分・逆転勝利」を目指す方が「自力」であり、これまでの日本代表の戦い方であろう、という考え方もあったことでしょう。
 これは日本人に向いた考え方であり、こうしたやり方で失敗したとしても、「仕方がない」と納得する人も多いと思われる選択だと思います。
 しかし、攻撃の継続は隙を突かれての「2失点目」のリスクと裏腹なのです。
 「2失点」はGL突破の望みを完全に絶つものとなります。

 非常に難しい判断だったと思いますが、ここで西野監督は「いまのまま」戦術を選択しました。
 「いまのまま」でポーランド戦を終わらせて、「いまのまま」でコロンビアチームがセネガルチームに勝利するであろうという判断です。
 決勝TY進出に向けて「とても強い意志を感じさせる決断」でした。

 直ぐに日本チームの選手達に「余計なことは何もせず、いまのままで試合を終わらせるよう」に指示したのです。
 そして後半37分には、キャプテンの長谷部選手を3人目の交替選手としてピッチに送り込み、「いまのまま」戦術の遂行を命じました。
 とても「明確な指示・監督の意思表示」でしょう。重大な決断を行い、それを明確に組織に伝達するというのは、指導者の第一にして最大の仕事です。

 そして、長谷部選手も、その役割期待に良く応えました。さすがのキャプテンシーでした。

 当然のことながら、こうした「統制力」も重要なチーム力なのです。

 雑なプレーでイエローカードを受けてしまったり、このゲーム2枚目のイエローカードによりレッドカード(△4ポイント)を受けるようなことがあれば、一気にフェアプレーポイントでも逆転されてしまいますから、相当に慎重なドライブが求められたのです。

 日本チームは10分以上に渡って、ボールを自軍で回し、時間を消化し続けました。
 試合終了間際には、ポーランドのプレーヤーがピッチ中央に横になりました。故障を発症していて、交替選手を待っていたのですが、日本チームがいつまでもボールを回しているために、交替の機会が無く、立っていられなくなったのです。

 長くサッカーを観てきましたが、ピッチのど真ん中に選手が寝ていて、しかし試合が延々と続いているシーンは、初めて観ました。

 こうした試合の様相については、世界中のサッカーメディアやファンから色々な意見が出されることでしょう。そして当該ルールが成熟して行くのかもしれません。

 日本VSポーランドのゲームは、このまま1-0でポーランドが勝ちました。
 そして数分後、コロンビアが1-0でセネガルに勝利したという報がボルゴグラードアリーナに齎されました。

 西野ジャパンのH組2位、決勝トーナメント進出が決まったのです。

 ボルゴグラードアリーナの日本人応援団は、敗戦であり、「攻撃をしない代表チームのプレー」を見続けたということもあって、「大喜び」という訳には行きませんでしたけれども、歓声を上げました。

 ワールドカップにおける、日本サッカー史上3度目のGL突破は、こうして達成されました。

① 第3戦を勝つことがゲーム前のGL突破の条件であったコロンビアチームが、1点を先制した後、2点目を目指して攻撃を継続する中で、隙を突かれてセネガルチームの同点弾を呼び込むことを回避して、守備的なプレーを展開したこと
② GL第1・2戦を連敗して敗退が決まっていたポーランドチームが、21世紀の過去のワールドカップと同様に第3戦に勝利することで、「ポーランドの実力」を世界に示そうと先制点を挙げ、その後は日本チームに同点に追いつかれることを避けるために守備的になったこと(ひょっとすると、2点目を取ってしまい、日本の決勝T進出の希望を完全に打ち砕くことで、今後長年にわたる「日本からの恨み?」を避けたいという気持ちも有ったかもしれません)
③ ポーランド戦で同点を目指して攻め続けることで、隙を突かれて追加点を許してしまうよりは、0-1で「負け切ろう」と考えた日本チーム

 この3チームのこうした意向が重なり合って、こうした結果が生まれたとも言えそうです。
 4チームの中で唯一「最後まで得点を目指した」セネガルチームには、とても残念な展開だったことでしょう。

 さて、西野ジャパンは決勝Tに進出しました。
 ノックアウトステージの緒戦は、7月2日のベルギー戦。
 「ベルギーの宝石」エデン・アザール選手や「大会屈指のゴールゲッター」ロメル・ルカク選手を擁する、世界ランキング3位の強豪チームが相手となります。

 間違いなく強敵ですが、GL第1戦・第2戦のプレーを展開できれば、全く歯が立たない相手でも無さそうです。(そうした希望を抱かせてくれるプレー振りです)

 コンディションを整えて、「2018年の日本サッカー」を存分に披露していただき、なんとか勝利して、悲願の「ワールドカップ・ベスト8進出」を果たしてもらいたいものです。

 GL第3戦では、やや消化不良に終わった感のある日本サポーターも、ベルギー戦では「全力応援」を繰り広げることは間違いありません。
 大袈裟に言えば、「日本国を挙げての応援」です。

 ワールドカップ史上に、そして日本サッカー史上に輝く、素晴らしいゲームが期待されます。
[6月26日・グループC]
フランス0-0デンマーク

 グループリーグGLの戦いも佳境を迎え、全64試合の過半を大きく過ぎた37試合目に、今大会初のスコアレスドローゲームが生まれました。(同じC組のオーストラリアVSペルー戦と同時間帯に行われたゲームですので、厳密にどちらかが先ということであれば、フランスVSデンマーク戦が38試合目という可能性も有ります)

 ワールドカップのGLであれば、引分の勝点1が重要な意味を持つことも多いので、守備的な試合も観られますから、0-0のゲームはそれ程珍しいものでは無い筈なのですが、今大会は「点の取り合い」という試合が多かったのです。
 これには、いくつかの要因が考えられますが、「このままで行くと0-0の試合は無いかもしれない」と、余計な心配をしていましたが、ついに?生まれたという感じでしょうか。

 C組の事情が大きく影響したゲームだったようです。
 同時刻に行われた、もう一試合のオーストラリアVSペルーで、オーストラリアが勝利するようであれば、デンマークとしては「引分以上を確保しなければならない状況」でした。
 フランスとのこのゲームでも、前半はデンマークの攻勢が目立ったのです。

 一方のフランスチームは、2戦2勝で早々に勝ち抜けを決めていましたが、このゲームで敗れると「2位通過」になってしまうので、引分・勝点1確保が望ましい状況でした。おそらく、決勝トーナメントに向けての体力面からも、無理な攻撃は控えていたこともあるのでしょう。

 デンマークチームにとってはヒヤヒヤの状況、得点を挙げて、勝利あるいは引分を確保したいが、一方で無理に攻めに行っての失点による敗戦は絶対に回避したいという難しい状況の中で、ペルーチームが前半早々にリードしたために、ハーフタイムでは「0-0の引分で決勝トーナメントに進出できる」と判断した可能性があります。
 加えて、後半早々のペルーチームの追加点により「ペルー勝利の確度」が上がったために、フランスVSデンマークのゲームは、両チームともに「無理には攻撃しない」「引分け狙いの」ゲームになってしまい、結局スコアレスドローに繋がったという見方です。

 一部には「忖度」のゲームとも報じられています。

 2014年ブラジル大会のGLを観てみましょう。
 0-0ゲームは5試合ありました。
① ブラジルVSメキシコ
② 日本VSギリシャ
③ コスタリカVSイングランド
④ エクアドルVSフランス
⑤ イランVSナイジェリア

 2010年南アフリカ大会のGLも観てみましょう。
 0-0ゲームは6試合でした。
① ウルグアイVSフランス
② イングランドVSアルジェリア
③ パラグアイVSニュージーランド
④ コートジボワールVSポルトガル
⑤ ポルトガルVSブラジル
⑥ スイスVSホンジュラス

 こうして見ると、2018年大会GLは、0-0ゲームがとても少ないことが分かります。

 2014年と2010年のスコアレスドローゲームで、「忖度ゲーム」かもしれないのは、2010年のポルトガルVSブラジル戦でしょうか。GLの第3戦、ポルトガルチームは引分の勝点1を切望し、ブラジルチームは既に2勝していて勝ち抜けを決めている状況でしたので。

 このゲーム以外の10試合は、いずれも必死の0-0だったのでしょう。

 2010年、2014年、2018年の0-0ゲームを観ると、フランスチームが「3大会連続」となっています。偶然かもしれませんが、フランスチームが得意な?戦術なのかもしれません。

 6月27日以降のGLで0-0ゲームが生まれるかもしれませんが、いずれにしてもスコアレスドローゲームが「ワールドカップGLにおける絶滅危惧種」であることは、間違いなさそうです。
[6月27日・グループF]
韓国2-0ドイツ

 驚かされました。

 グループFの第3戦、1勝1敗で臨んだドイツチームが敗れ、グループリーグGLで姿を消すこととなったのです。
 長いワールドカップの歴史において、ドイツが1次リーグで敗退するのは初めてのことです。
 「有り得ないことが起こった」という印象です。

 今大会のドイツチームは不調でした。
 緒戦のメキシコ戦を落とし、第2戦のスウェーデン戦は「辛勝」でした。

 チームとして、プレー全体にスピード・俊敏性が不足していて、得意の「完全に相手守備陣を崩しての得点シーン」が殆ど観られませんでした。

 ワールドカップ2018欧州地区予選を「圧倒的な成績」で勝ち抜き、本大会に駒を進めてきた「前回王者」、世界ランキング第1位のチームが、良いところなく敗れ去ったのは、とても不思議な感じがします。

 要因を考えてみましょう。

① 相手チームの守備力強化

 まずメキシコチームが実行したものですが、ゴール前のゾーンディフェンスを維持し続けたことです。

 8名前後のディフェンダーDFが体形を崩さず守備を行い続けたのです。
 ドイツチームを研究した上での戦術だと思います。

 これが効果的でした。

 欧州地区予選の戦いでは、対戦相手のチームはここまで徹底した守備陣を敷かなかったのでしょう。

 2010年以降のワールドカップにおいて、ドイツチームの得点エンジンとして機能してきたトーマス・ミュラー選手が、今大会は無得点に終わりました。2010年南アフリカ大会で5得点、2014年ブラジル大会でも5得点、通算10得点を誇り、2018年大会の活躍次第では、通算得点新記録の可能性も指摘されていたのですが、残念な結果となったのです。

 このトーマス・ミュラー選手の得点シーンの特徴は「どこから出てきたのか」「ここに居たのか」という、ポジショニングの妙でした。
 しかし、相手チームが人数をかけてゾーンディフェンスを敷き、それを崩さない状況下では「どこから出てきたのか」というシーンは生まれ難かったのでしょう。
 
② 高度な決定力の不足

 以前も書きましたが「ミロスラフ・クローゼ選手に代わるプレーヤーが居なかったこと」です。
 ワールドカップ通算得点記録を持ち、「決定力と言えばクローゼ」と称された選手の代わりは、いかにサッカー大国ドイツと言えども、簡単には登場しないということでしょう。

 前述①の相手守備戦術があったとしても、ゲームの前半に「苦しい状況下でも何とかクローゼ選手がゴールを決めて先制」すれば、相手チームは得点を取りに来ざるを得ず、前掛かりになって、ドイツチーム得意の「ショートカウンター」を繰り出す余地が生まれたことでしょう。

 2014年大会で「全7試合連続で先制」したドイツが、2018年大会では「全3試合で先制を許した」ことに繋がりました。

③ コンディションが悪かった?

 上記のような要因が考えられるとはいっても、それにしてもドイツチームの動きが悪かったと感じます。コンディション作りに失敗したのかもしれません。

 もちろん優勝候補の筆頭に上げられるほどのチームですから、決勝トーナメントのベスト4のゲーム辺りにピークを持っていく形で調整していたことは間違いないのでしょう。従ってGLではまだ調子は上がらなかったのです。

 それにしても各プレーヤーの動きが悪すぎました。
 変な書き方で恐縮ですが、「集団食中毒」でもあったのではないかと疑ってしまうほどです。

 ドイツチームのGL敗退は、欧州予選のイタリアチーム敗退に匹敵する「衝撃」でした。
 ドイツとイタリアにとっては、ロシアは方位が悪かったということでしょうか。
 ロシア大会は、得点の多い大会だと感じます。

 グループリーグGL真っ只中の6月25日を終えた時点でも、両チームの得点計が5点以上のゲームが4試合も有り、1チームが3得点以上した試合も9つあるのです。
 
 GL突破に向けて、「勝点を積み上げるために引分でも可」とし、「得失点差が物を言うので失点を最小限に抑える」のがGLの戦い方である筈なのですが、今大会では「点の取り合い」といった様相のゲームが多いと思います。

 こうした「変化」については、大会後FIFAから詳細・綿密な分析結果が提示されますから、最終的な判断は、それに任せるとして、現時点でも、いくつかの要因が考えられます。

 例えば、
① 戦術の変更→得点技術が向上したということ
② GLに対する考え方の変更→引分よりも勝利を目指すことを優先する考え方の拡大
③ ボールの特性→今大会使用球「テルスター18」の操作性が良く、プレーヤーの意図に忠実に動いていること
④ ピッチの特性→ハイブリッド人工芝のピッチはイレギュラーバウンドが少なくプレーし易いこと
⑤ VARの影響

 これらは例示であり、正誤は分かりませんが、可能性のある項目をざっと挙げてみました。

 この中で、本記事は「VARの影響」を取り上げます。

 VAR(Video Assistant Referee)は、ワールドカップにおいては今大会から導入されました。
 今大会においてVARが助言できる項目は、
① 得点
② ペナルティーキックPK判定
③ 一発退場
④ 人違い

 の4項目について、「明白かつ確実な誤審」があった時のみ判定に「介入」するものとなっています。こうした時には、VARのセンターから主審に連絡が入るのです。主審は、VARから提示された映像を観て、判定を覆すかどうか判断します。最終判断は主審に任せられているのです。

 最終的な判断が主審に任せられている形式とはいえ、VARが介入するときには「明確で確実な映像」が存在するわけですから、判定が覆る確率が高いのは道理です。

 結果として、ペナルティーエリア内での反則行為の発見には相当の影響があると観るのが妥当でしょう。
 そして、今大会はPKが多く、PKによる得点も多い印象です。

 加えて、ペナルティーエリア内およびペナルティーエリアの近辺で反則を行えば、相当の確率で発見され、相手チームにPKあるいはフリーキックFKが与えられてしまいますから、ディフェンダーDFは反則行為、あるいは反則行為かどうかわからない微妙なプレーをも「回避」する傾向が高まるでしょう。
 こちらも、結果として、攻撃側のプレーが成功する可能性が高まりますから、得点の増加に結びつくことは自然な感じがします。

 ペナルティーキックPKについて、考えてみましょう。

 20世紀から2010年頃までのPKについての、観戦者たる私達の見方は、「その反則プレーがなければゴールが決まっていたと推測される」プレーはPK、というものでした。
 スタジアムやテレビの前で、私達は「いまのはPKだな」とか「今くらいのではPKはもらえないよ」などと話していたものです。

 ルール上は「ペナルティーエリア内で反則を犯せばPK」なのですから、ルールと照らし合わせれば、おかしな見方をしていたのです。
 
 とはいえ、ペナルティーエリア内とはいっても、ペナルティーエリアを示すラインのすぐ内側で、ゴールに対して確度の無い地域における反則に対してPKが課されるというのは、厳し過ぎるような気がしたのです。
 「ペナルティー(罰則)エリア」という名称なのですから、その中で反則が行われれば、「ペナルティーの対象となる」のは当然のことなのでしょうが、とにもかくにも、私とその仲間達は、「なかりせばゴールのプレー」に対して行われた反則に対してPKという見方をしていたのです。

 こうした感覚でPKが課されていた時代があったとすれば、DFから見れば、ペナルティーエリア内では、PKに繋がる状況でなければ「反則し放題」ということに繋がりかねません。
 何しろ、ペナルティーエリア内での反則と認定されればPKなのですから、「PKを出し難い状況」のプレーであれば、どんどん反則をして行った方が、守備側は得だということになりかねません。

 これは、ペナルティーエリア内での反則に対する罰則が、殆どPKしかない、というルールから生まれる「やり方」と言っても良いかもしれません。
 もちろん、例外はありますし、フリーキックFKが課される場合もあるのですが、それは例外であり、私達が普通に見る反則においては、PKしかないと言ってよいと思います。

 結果として、「PKにされない場合なら、あるいは、PKになる可能性が低そうな場合なら」反則を行うという戦術を取ることになり、従って、「堅守の前ではゴールはなかなか生まれない」という事象に繋がっていたのかもしれないのです。

 ところが、2010年頃から、このルール=ペナルティーエリア内での反則はPK、の運用が厳密になってきた印象です。
 「このプレーの次のプレーで得点が生まれる」ようには観えないプレー、「得点に向けてはあと2~3プレーが必要」なプレーに対する反則でも、PKとされるようになってきたのです。

 ペナルティーエリア内での守備に大きな変化が生まれました。足を引っかけたり、腕を相手の顔などにぶつけたりするプレーはもちろんとして、体をぶつけて行くプレーでも、反則に繋がりそうなプレーは控えなければならなくなってきたのです。
 大変化でした。

 もともとFIFA(国際サッカー連盟)には、「世界中へのサッカー競技の普及」という大責務があり、そのためにはワールドカップなどの国際試合で「面白いゲーム」を増やして行くという目標があります。
 もちろん0-0の試合にも「守備の高い技術」が楽しめるものもあるのですが、これはやはり玄人筋に受けるゲームでしょう。多くのサッカー初心者にとっては「点の取り合い」「得点がある程度入るゲーム」が面白いのです。
 ワールドカップ2018ロシア大会のこれまでのゲームでも、GLのポルトガルVSスペイン戦の3-3の試合や、日本VSセネガル戦の2-2の試合が「面白かった」と評価されているのです。

 より「得点が入るゲーム」を目指して、FIFAとしてもこれまで様々な取り組みを行ってきました。
 オフサイドルールの攻撃側に有利な見直しや、キックによるバックパスをゴールキーパーGKが手で取ってはいけないルールの導入などは、その例でしょう。

 こうした「得点を増やそうという取組」(バスケットボールのNBAでも同様の取組が行われていますから、球技を面白くするひとつの方法なのでしょう)のひとつの究極形が「ペナルティーエリア内で攻撃側の自由度を増加させる」方法があると思います。

 そして、この方法のひとつの形がVARなのかもしれません。

 従来なら、ペナルティーエリア内で、コーナーキックCKの際に、ヘディングシュートをしようとする選手を守備側が抑え込む(見え難い形で)プレーは、「しょうがないよね。飛ばれたら(点が)入っちゃうから」といった感じで、相当な程度まで許容されていたものが、映像によって反則プレーが明示されてしまうのですから、守備側としては強力な手段を奪われることになります。
 ロシア大会ではCKからの得点が、とても多いのです。

 こうしたVARの活用は、「ルールの厳密運用」には大きな効果があります。

 一方で、「ペナルティーエリアの中で反則すれば何でもPK」というのでは、少しやり過ぎではないか、シミュレーションも年々巧妙になっているし、というご意見もありそうですから、FIFAには「ペナルティーエリア内の反則ルールの見直し」にも着手していただきたいと感じます。
 例えば、ペナルティーエリア内での「軽度の反則」の場合には、ペナルティーエリア外からの間接フリーキックを課す、といった具合です。

 ペナルティーエリアは、サッカー競技の「肝」ですので、そこが「面白さの集約地域」でもあるのです。

 今大会のVAR導入は、私達の想像を遥かに超える影響を齎しているようです。
[6月26日・グループD]
アルゼンチン2-1ナイジェリア

 グループリーグGLの2試合を終えて1敗1引分と、GL敗退の危機に追い込まれていたアルゼンチンチームでしたが、最終戦を勝利し、他チームの試合結果も幸いして、決勝トーナメント進出を決めました。

 薄氷を踏むような歩みでしたけれども、ノックアウトステージに進んでしまえば、これまでのことは関係ありません。
 アルゼンチン代表の活躍が期待されるところです。

 前半14分、大エース・メッシ選手が躍動しました。
 ミッドフィールダーMFエベル・バネガ選手からのロングパスを「極上のトラップ」、これを右足でナイジェリアゴールに叩き込みました。
 まさに「完璧なシュート」、メッシ選手本来のプレーが今大会初めて生まれた瞬間でした。

 「ほれぼれするようなプレー」でした。
 アルゼンチンチームやメッシ選手のファンはもちろんとして、サッカーを愛する全ての人々が「観るべきプレー」であったと感じます。

 こうしたシーンを観ると、カウンター攻撃の有効性を改めて感じます。
 いかにメッシ選手とはいえ、相手チームが人数をかけて、引いて守っている状況では、ゴールを抉じ開けるのは容易なことでは無いのでしょう。
 「ゴール前に相手プレーヤーの人数が少ない時」が得点の好機であることは、洋の東西を問わず、時代を問わない、サッカー競技の真理なのです。

 この後は、アルゼンチン、ナイジェリア、両チームの「必死の攻防」が続きました。
 
 引分ならばナイジェリアチームが勝ち抜け、アルゼンチンチームにとっては「勝利」が突破への必要条件だったのです。

 後半に入って、ナイジェリアチームがエンジン全開、特に左サイドの突破から、アルゼンチンゴール前に「良質のボール」を次々と供給します。
 そして後半3分ナイジェリアチームのコーナーキックCK、アルゼンチンディフェンダーDFハビエル・マスチェラーノ選手が、ナイジェリアDFレオン・バログン選手を引き倒してしまいペナルティーキックPKがナイジェリアに与えられ、これをフォワードFWのビクター・モーゼス選手が落ち着いて決めて、試合は振り出しに戻りました。
 国際試合経験豊富なマスチェラーノ選手としては、VARも有る中で、とても残念なプレーであったと思います。

 さて、1-1の同点となり、アルゼンチンサポーターで埋まったサンクトペテルブルク・スタジアムは騒然とした雰囲気となりました。このままではGL敗退という危機感がスタジアム中に漂ったのです。

 時間は十分に有る筈なのですが、アルゼンチンチームにとっては「時計の進みが速い」ゲームとなり、あっという間に後半35分を過ぎました。
 場内には「悲鳴」が響き渡ります。

 それでも、両チームは攻め続けました。
 そして、両チームにチャンスがありました。しかし、決め切れない。
 アフリカ地区の代表チームには「何かアクセント」となるものが足りないと感じていた後半41分、アルゼンチンDFガブリエル・メルカド選手が右サイドを駆け上がり、中央に居た、やはりDFマルコス・ロホ選手にセンタリング、これをロホ選手がダイレクトシュート、ナイジェリアゴール右隅に叩き込みました。
 素晴らしいプレーでした。

 アルゼンチンチームのDF2人による見事な攻撃、DFも「待ってはいられなかった」のでしょう。
 やはり、「ダイレクトプレー」は守るのが難しいのです。

 85分を過ぎてからのロホ選手のゴールは、アルゼンチンに歓喜を齎しました。
 メッシ選手がロホ選手の後ろから抱きついています。
 場内は、歓声また歓声。
 この大会で、アルゼンチンサポーターが初めて心底から歓喜した瞬間でしょう。

 アルゼンチンは、D組2位で決勝トーナメントT進出を決めました。
 決勝T1回戦の相手は、C組1位のフランスチームです。

 フランスVSアルゼンチンという「好カード」が実現しました。
 蘇ったアルゼンチンチームが、好調なプレーを続けているフランスチーム相手に、どのようなプレーを魅せるのか、本当に楽しみです。

 「生還したチームの強さ」を示してくれるかもしれません。
[6月24日・グループH]
コロンビア3-0ポーランド

 20世紀において、ポーランド代表チームは強い、とても強い存在でした。
 ワールドカップ1974年大会と1982年大会で3位に食い込んでいます。

 ワールドカップの3位というのは、3位決定戦に勝利しなければならない(当たり前のことで恐縮です)のです。決勝に残った2チームが、その大会を象徴する存在とすれば、その2チームを最後まで脅かした存在ということであり、大会の骨格を成す存在なのです。

 特に、1974年大会の3位は素晴らしいと思います。
 決勝で、「史上最強」の呼び声も高い西ドイツチームと、「トータルフットボール」を引っ提げて、サッカーに革命を齎したオランダチームが激突した大会、ベッケンバウアー選手とクライフ選手が覇権を争った大会、その大会の3位決定戦でブラジルチームを1-0で下して3位となったのがポーランドチームでした。

 ポーランドチームは2次リーグ最終戦、2勝0敗同士の対決で、西ドイツチームに0-1で惜敗して、3位決定戦に回ったのです。
 試合終盤のゲルト・ミュラー選手のゴールにより敗れたわけですが、「史上最強」と呼ばれるチームに一歩も引かぬ戦いを披露したのです。

 この時のポーランドチームは、当時「ラトーとガドハのチーム」と呼ばれました。
 グジェゴシ・ラトー選手とロベルト・ガドハ選手という2名のフォワードFW、というよりは右左のウイングプレーヤーと言った方が正確かもしれませんが、この2名の得点力は抜群でした。
 ここにゲームメイカーのカジミエシュ・デイナ選手を加えた攻撃陣が、1次リーグでアルゼンチンチームやイタリアチームを撃破したのです。
 ガドハ選手やラトー選手の突進は、迫力満点でした。

 前述の通り、この時のポーランドチームは「ラトーとガドハ」のチームと呼ばれていたのですけれども、現在ではラトー選手の方が有名です。
 これは、ラトー選手が「7ゴールを挙げて大会得点王」になったことが大きいと感じます。
 40年以上も経つと、記録を持っているプレーヤーの方が人々の口に上ることが多いのです。
 もちろん、ヨハン・ニースケンス選手(オランダ)やゲルト・ミュラー選手(西ドイツ)、ヨニー・レップ選手(オランダ)、ラルフ・エドストレーム選手(スウェーデン)、ヨハン・クライフ選手(オランダ)、パウル・ブライトナー選手(西ドイツ)、リベリーノ選手(ブラジル)、そしてアンジェイ・シャルマッフ選手(ポーランド)らの堂々たるストライカー陣を抑えての得点王というのは、とても価値の高いものだと思います。(懐かしいスーパースター達の名前が並びます)

 さて、20世紀において、とても強かったポーランドチームは、21世紀に入ってもワールドカップに駒を進めるのです下ども、なかなか好成績を残すことが出来ませんでした。
 グループリーグ敗退が続いたのです。
 ポーランドのサッカーファンには、歯がゆい日々であったことでしょう。

 そして2018年ロシア大会を迎えました。

 今大会こそはという期待が、ポーランド国内で高まったのも、無理のないところです。
 世界ランキングは8位と一桁、バイエルン・ミュンヘンのエースストライカーとして、世界屈指のゴールゲッターであるロベルト・レバンドフスキ選手を擁して、堂々と大会に乗り込んできました。

 ポーランドでは「レバンドフスキはラトーを超えられるか」といった論調、期待の高まりだったのです。チームも好調が伝えられました。

 ところが、グループリーグGLの緒戦、セネガルとのゲームを1-2で落としてしまいます。
 そして、第2戦、このゲームもコロンビアに完敗してしまい、早々にGL敗退が決まってしまいました。
 レバンドフスキ選手も、2試合を終えて無得点と不振を囲っています。

 試合内容を観ると、ポーランドチームは全体として「元気が無い」、個々のプレーヤーのスピード、俊敏性、1対1のやり取りのいずれにおいても、相手チームより僅かに、しかし決定的に劣っている印象です。

 コンディション作りに失敗したのかもしれませんが、この1~2年の代表チームの戦い振りを思い出すと、この不振はとても不思議な感じがします。
 もちろん、国民の大きな期待を背負った代表チームが、緒戦の入りにおいてとても緊張していたこと、固くなっていたことも間違いないのでしょう。そうなると、セネガル戦の前半のプレー、前半37分の失点が、今大会のポーランドチームに大きな影を落としたということになります。
 結局、その後2試合、ポーランドチームは「らしいプレー」が出来ていないのです。

 レバンドフスキ選手も、決勝トーナメントに進出できなかったのですから、この大会では大先輩のラトー選手と比較されるほどの活躍は、出来なかったことになります。
 今後のリベンジが期待されるところでしょう。

 さて、我らが西野ジャパンは6月28日、決勝トーナメント進出をかけてポーランドと対戦します。
 大会前の予想では「ポーランドが圧倒的に強い」という評価が大半だったと思いますが、2試合を終えた現時点では、「日本チームの方が強い」といった論調が広がっているようにさえ見えます。

 しかし、当然のことながら、西野ジャパンにとってポーランドは「国際舞台において相当格上」のチームです。
 その格上のチームが、ノックアウトシリーズ進出を逃した状況下、「伸び伸びと戦う」こととなれば、その地力は極めて高いと観るのが自然でしょう。

 西野ジャパンの面々は、百も承知のことであり、十分な研究と対策を練られていることとは思いますが、ポーランドチームは「強敵」であり、ゆめゆめ油断は禁物なのです。
[6月24日・グループH]
日本2-2セネガル

 後半27分にピッチに登場した本田選手は、僅か6分後にシュートを決めました。

 緒戦も、交替でピッチに登場した3分後にコーナーキックCKを蹴り、大迫選手のゴールに結びつけたのです。

 ロシア大会のグループリーグGL2試合、本田選手は「交代出場後直ぐに成果」を挙げているのです。

 ワールドカップにおける、
① 3大会連続の4ゴール
② アフリカ地区代表チームを相手にして、3試合連続の3ゴール
 となりました。

 試合前、「本田選手はアフリカのチームに強い」という情報が流れました。
 根拠に乏しい情報の様に感じましたが、3試合続くとなれば、これは「強い」としか言いようがありません。
 ひょっとすると世界的にも、珍しい記録なのではないでしょうか。

 2010年大会の対カメルーン戦、2014年の対コートジボワール戦、2018年の対セネガル戦と、本田選手は1ゴールずつ記録してきました。
 もちろん、同じアフリカ地区のチームとはいっても、3か国のチームはそれぞれ異なる特徴と戦術のチームでしょう。(身体能力が高いところは共通していますが・・・)
 にも拘わらず、本田選手はアフリカ地区のチームを得意としているのです。

 ここまで、ワールドカップ通算9試合で4得点というのは、もちろん日本代表チームのプレーヤーとして最多得点記録です。
 日本サッカー史に燦然と輝く金字塔であることも間違いありません。

 この試合の得点後、本田選手と岡崎選手はピッチサイドで向かい合い「敬礼」のポーズを魅せました。
 長く日本代表として戦ってきた2人の、思いの籠った仕草でした。
[6月24日・グループH]
日本2-2セネガル

 両チームとも「一歩も引かぬ」好ゲームでした。

 攻守の入れ替わりが速く、それが間断無く続くというゲームでした。日本チームも、全員が良く動き、良く攻め、良く守りました。

 その中でも、乾貴士選手の活躍が際立ちました。

 0-1とリードされた前半34分、長いパスを上手くトラップした長友佑都選手からのパスを受け、セネガルゴールに突進した乾選手は、右脚一閃、相手ディフェンダーDFの僅かな隙間を縫って、セネガルゴール右隅に飛び込む、素晴らしいシュートでした。

 長友選手と乾選手の見事なコンビネーションとスピードから生まれた同点ゴールでしょう。

 試合の後半は、日本チームが良く攻めて、何度かチャンスを創りましたが、シュートが決まりませんでした。言われ続けてきた「決定力不足」というよりも、ハイレベルなスピードの中のプレーであったため、フィニッシュが難しかったという方が妥当な感じのプレーが続きました。
 このレベルのプレーから、2度に1回くらいゴールを取れるようになれば、日本チームももう一段階上に行けるのかもしれません。

 やや押し込まれていたセネガルチームですが、後半26分に反撃、ムサ・ワゲ選手の右からのシュートが、日本ゴール上部に突き刺さりました。豪快なシュートでした。

 再び追いかける立場となった西野ジャパンは、失点直後の後半27分、本田圭佑選手を投入しました。岡崎慎司選手とセットの交替でした。

 攻め続ける日本チームは、後半33分、乾選手が左から抉り、セネガルゴール前にマイナスのパス。これをゴール右側に居た本田選手が蹴り込みました。
 一見「ごっつぁんゴール」に観えるシュートでしたが、ゴールライン上にはセネガルDF2名が立ちはだかっていましたから、ゴールへの隙間は多くは無かったので、相当に正確なシュートと観るべきでしょう。
 本田選手の「こういうゲームにおける決定力」の高さを如実に示したプレーでした。

 この後も両チームは「疲れを見せず」攻め合いましたが、ゲームは2-2のまま終了しました。
 日本代表、セネガル代表、共に勝点1を得たのです。

 乾選手の「疲れを知らぬ運動量」と「素晴らしいドリブル」、そして「高い技術のパスとシュート」は、まさにワールドカップレベルでした。

 ドリブルを主体としたプレーで、味方チームの攻撃にリズムを齎し、時には自らシュートを決め、相手DFには守り難い形を創出するプレーヤーとなれば、2010年南アフリカ大会のスペインチームのイニエスタ選手、オランダチームのロッベン選手、2014年ブラジル大会ドイツチームのポドルスキー選手に相当するのではないでしょうか。

 日本代表チームは、素晴らしいドリブラーを得たのでしょう。

 決勝トーナメント進出に向けて、乾貴士選手の更なる活躍が期待されます。
 グループリーグの戦いが続いています。

 ロシア各地のスタジアムに、世界中からサッカーファンが集結しています。

 各国の独特な応援も、見ていてとても楽しいものでしょう。

 ここまでのゲームの中で、印象に残った「応援」を二つ挙げたいと思います。

[6月17日・グループF]
メキシコ1-0ドイツ

 ロシア大会のメイン会場であるルジニキスタジアムで行われた、F組注目の一戦でした。
 8万人を収容する大球場ですが、グループリーグGLのゲームにも拘わらず、ほぼ満員でした。特に、おそらく8割以上を占めたように観えたメキシコ応援団が、ぎっしりとスタンドを埋め尽くしたのです。

 そして、この応援団のパフォーマンスが見事でした。
 世界ランキング1位で、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられる強豪チーム、ドイツを相手にした自国代表を、終始応援し続けたのです。

 まさに「大声援」でした。

 0-0の時にも、メキシコチームを鼓舞する大声援が続きましたし、前半35分に先取点を挙げた時には、スタジアムが揺れるような喜びを表現し、後半のドイツチームの反撃・攻撃でメキシコチームがピンチになると、もの凄い声が場内に響き渡ったのです。
 とてもGLの試合とは思えない、まるで決勝戦の様な雰囲気がスタジアム中に漂いました。

 応援するチームが苦しい時こそ、それを必死に鼓舞する、それが「応援」なのでしょう。
 
 もう一試合は
[6月22日・グループD]
ナイジェリア2-0アイスランド

 ボルゴグラードアリーナで開催されたグループDの第2戦。
 0-0の前半から、ナイジェリアチームがアーメド・ムサ選手の2ゴールでアイスランドチームを破ったゲームです。

 この試合のアイスランド応援団の応援が素晴らしいものでした。

 有名になった「バイキング・クラップ」をも繰り広げての応援ですが、この応援団は「アイスランドチームが苦しい状況に陥った時ほど、応援が強まる」のです。

 特に後半のアイスランドチームのペナルティーキックPK失敗の時には、失意に沈むどころか、「3回目のバイキング・クラップ」を繰り出したのです。
 まさに「応援団」でした。
 このゲームは敗れてしまいましたが、この「応援」がアイスランドチームの強さの一翼を担っていることは間違いないでしょう。

 これに対して、別の試合では、応援するチームの不甲斐無いプレーに失望し、天を仰ぎ下を向き、すっかり声が出なくなってしまう人達や、ミスをした選手に怒号を浴びせる人達などの姿も、散見されました。

 応援するチームが好調な時には「大騒ぎ」し、劣勢になると「意気消沈」し「チームを罵倒」するのは、「応援では無く観戦」です。観戦者であれば、ゲームを楽しむことが目的ですから、少し下品ではあるけれども、そうした行動も有りかもしれません。

 しかし、こういう人達には「応援者」を名乗っていただきたくないと感じます。
 
 「応援」と言う以上は、チームが劣勢な時ほど声を振り絞ってチームを鼓舞し、たとえチームが敗れたとしても、選手を慰労し、次のゲームでの健闘を期待する気持ちを伝えなければなりません。

 味方が得点しリードしている時には大声を張り上げ、見方によっては「乱痴気騒ぎ」のような様相を示し、劣勢に陥ったりミスをすると「ブーイング」「沈黙」というのでは、チームにとっては居なくとも良い、というより居ることが迷惑な存在、「もうひとつの敵チーム」になってしまっている怖れさえあります。

 「応援者」になるのは、容易なことではありません。

 自らを律し、試合中に気落ちした時や残念な時、泣きたいくらい悲しい時も、気持ちを奮い立たせて、応援するチームの為に、プレーヤーの為に、声を出して行ける人であるべきでしょう。
 とても難しいことだとは思いますが・・・。

 ワールドカップ2018ロシア大会では、今後どんな「応援」が繰り広げられるのでしょうか。
[6月18日・グループG]
ベルギー3-0パナマ

[6月23日・グループG]
ベルギー5-2チュニジア

 ベルギーチームといえば、「ベルギーの宝石」エデン・アザール選手を中心とした華麗な攻撃のチームですが、一方で「線の細さ」が指摘されることも多く、ワールドカップの様な「あらゆる意味でのハイパワー」が求められる大会では、力を発揮できないのではないかと言われていました。

 ところが、今大会の代表チームは「迫力十分な攻撃」から得点を量産しているのです。

 中でも、パナマ戦とチュニジア戦でそれぞれ2得点、計4得点のロメル・ルカク選手は、その大きな体に似合わぬ?絶妙なボディバランスから、相手ゴール前で柔らかなプレーを披露しています。
 そして、「宝石」アザール選手もスピードとキレ満点のドリブルから、相手陣を切り裂くと共に、自ら2ゴールを挙げています。

 一方で、チュニジア戦で「不用意な2失点」を喫する辺りに、従前の淡白さも感じられるのが、らしいと言えばらしいところです。ベルギーファンには、これもご愛嬌なのでしょうか。

 世界ランキング3位の力を如何なく発揮しているベルギーチームの活躍から、眼が離せません。
[6月23日・グループF]
ドイツ2-1スウェーデン

 ドイツチームは追い込まれていました。

 緒戦のメキシコ戦で敗れ、2戦目のこの試合も90分を終えて1-1、インジュリータイムに入っていたのです。
 このまま1敗1引分となれば、まだグループリーグGL突破の可能性は残すものの、その運命は他の試合の結果に左右されるという状況だったのです。

 しかも、後半37分、「守りの要」ジェローム・ボアテング選手がこの試合2枚目のイエローカードで退場していましたから、スウェーデンチーム相手に10名対11名のプレーを強いられてもいたのです。

 ドイツ絶体絶命のピンチと言って良いでしょう。
 2014年大会の優勝チームが、準優勝チームのアルゼンチンと共に、GL敗退の危機に晒されていました。

 とはいえ、いかに世界ランキング1位のチームでも、調子が上がらない大会もあるだろう、世界最高の舞台で強豪国との戦いとなれば、GL敗退も不思議なことでは無い、というご意見も有るかもしれませんが、ことドイツチームとなれば、これは「事件」なのです。

 記憶では、ドイツチームは「過去64年間に渡ってベスト8以上を確保」している筈です。
 半世紀を大きく超える期間、ドイツチームは常に準々決勝(あるいはそれに相当するゲーム)を戦ってきたのです。

 そのドイツがGLというか1次リーグで敗退するというのは、ワールドカップという大会では、「有り得ないこと」と言っても良いでしょう。

 ところが、そのドイツが、今大会は「崖っぷち」まで追い込まれたのです。

 90分を終えての試合の様子も、決してドイツチームが一方的に攻め続けているものではありませんでした。スウェーデンチームも良く戦っていましたから、スウェーデンチームが勝ち越す可能性もあった(何しろ一人多いのです)わけで、敗戦となれば、ドイツチームのGL敗退が決まってしまいます。

 そうした「とても追い込まれた状況」の後半50分、ドイツは左サイドでフリーキックFKを得ました。
 蹴るのはトニー・クロース選手。

 ゴール前に上げて、走り込んだ選手がヘディングで押し込むプレーかと思いましたが、クロース選手はこれを直接狙いました。右から回すシュート。
 そして、これが決まりました。

 土壇場の勝ち越し。

 勝ち慣れている選手達も、さすがに喜びを爆発させました。
 ベンチのヨアヒム・レープ監督も飛び上がりました。

 今大会のドイツチームは、相手チームに十分に研究し尽くされ、ゴール前を多くの人数で固められる守備に苦しんでいます。
 トーマス・ミュラー選手の「意外性十分のプレー」も、スペースが無ければ威力は半減していました。

 加えて、ジュバインシュタイガー選手やポドルスキー選手の様な「アクセントとしてのドリブル」を披露するプレーヤーが減りましたので、ゴール前でパスするというプレーが増えてしまい、攻撃が単調なものとなっているのです。

 さらに加えて、ミロスラフ・クローゼ選手の様な「圧倒的な決定力」を具備する選手が居ませんから、試合開始走早々に得点して、ゲームを優位に進める、反撃に出てきた相手チームの隙をついて、カウンター攻撃などにより2点目3点目をゲットして、余裕綽々のプレーを続けることも出来なくなっています。

 2014年大会で「決勝までの7試合連続で先制点を挙げていた」ことに比べれば、今大会は「2試合連続で先制を許している」ことに、それがよく現れています。

 全体として「得点力が半減」している状態と言っても良いでしょう。
 この点を改善しない限り、今後も苦しい戦いが続くことになりそうです。

 とはいえ、その「勝負強さ」は健在です。

 この試合の90分経過時のように「追い込まれた状況」は、過去64年間にも何度も有ったのでしょう。もっと厳しい状況も有ったのかもしれません。
 それをドイツチームは、悉く跳ね返してきました。
 もはや、DNAと呼んで良い勝負強さです。

 後半のインジュリータイムに入った時、「いかにドイツでもこのままGL敗退するかも」と感じたこと自体が、「ワールドカップにおけるドイツチームを知らない人」の感覚であったと、反省?しています。

 本当に「ドイツというチームを理解している人」ならば、インジュリータイムに入って1-1の同点で、GL敗退の危機に瀕しているとすれば、「これからドイツが得点する」と考えなければならなかったのでしょう。
ワールドカップにおけるドイツとは、そういうチームだと認識し、「決勝ゴールかどのように生まれるのか」を凝視していなくてはならなかったのです。

 「64年間の事実」は、とても重いものです。

 今、クロース選手のゴールに驚いてしまったことを、猛省しています。
 山口県の維新百年記念公園陸上競技場で開催されている、第102回日本陸上選手権大会は6月23日に2日目を迎え、男子100m競走の決勝が行われました。

 10秒10を切るランナーが複数存在するという、日本陸上競技史上最高レベルとなっている、現在の男子短距離陣ですが、この大会も優勝の行方は「走ってみなければわからない」という状況でした。

 桐生祥秀選手、山縣亮太選手、ケンブリッジ飛鳥選手、多田修平選手といった、実績十分なプレーヤーが、揃って決勝に進出してきたのです。どのランナーも、予選・準決勝と相応の走りを魅せていました。この大会に照準を合わせて来たのです。

[100m決勝の結果]
1位 山縣亮太 10秒05
2位 ケンブリッジ飛鳥 10秒14
3位 桐生祥秀 10秒16
4位 小池祐貴 10秒17
5位 多田修平 10秒22
6位 長田拓也 10秒30

 スタートは山縣選手が飛び出しました。もともとスタートの良いランナーですが、このレースでは反応も良く、何よりその後の加速が秀逸でした。30mから40m付近の加速、トラックを押す力が素晴らしく、最高速度も41.3km/時を記録しました。
 そして、何より見事だったのは「高速を長く維持」したことでしょう。
 最高速度も60m付近で出たものでした。このレースの山縣選手は、40mから70m付近まで40km/時以上の速度を継続していたように観えます。

 当然のことながら、100m競走で好タイムを出すには、例えば42km/時で10mの走りを示現するだけよりも、41km/時で40m走ることの方が結果を得やすいでしょう。ピークは速いがスピードの上下が大きい、よりも、相当の速度で長く走る方が勝利に近づけるのです。

 このレースの山縣選手は、それを実現していました。
 「太い走り」でした。

 2位のケンブリッジ選手は、「脚が体の後ろで動いている」という本人の準決勝を終えた後のコメント通りの走りでした。腰がやや引け、おそらく5cm位、好調時より後ろに下がっていて、結果として上半身が前傾、重心が下がってしまっていたのでしょう。ケンブリッジ選手の特徴である「重心の高い走り」が出来なかったのです。

 3位の桐生選手は、スタートから40m付近までの走りは良かったのですが、40m以降の走りが「ふわっとしたもの」になったように観えました。トラックに力があまり伝わっていなかった感じ、「力強さに欠ける100m」になってしまったのです。
 原因は深いのでしょうが、まだ本来の筋力が整備されていないのかもしれません。

 4位の小池祐貴選手も良い走りでした。
 このところ伸び盛りの小池選手は、有名ランナー陣の一角に割って入る、あわよくば優勝して「サプライズ」を具現する意欲十分の気迫でレースに臨んでいたように観えました。
 さすがに、山縣・ケンブリッジ・桐生の堅陣を崩すことは出来ませんでしたが、こうした選手が伸びてくるところに、現在の短距離陣の充実を感じます。

 日本陸上選手権2018の男子100m決勝は、「輪郭のハッキリしたレース」でした。
[6月22日・グループE]
ブラジル2-0コスタリカ

 「2-0」は、サッカー競技において「完勝」を表すスコアです。サッカーファンにゲームのスコア予想を聞いた時に、完勝できそうな試合であれば「2-0」と答えることも多いのです。

 このゲームは、その「2-0」でしたが、試合内容はブラジルの完勝と言うよりは、0-0のまま、息詰まるような緊張感に満ちた時間が過ぎて行く展開でした。
 90分を終っても0-0、ブラジルチームの波状攻撃とコスタリカチームの堅守が、絶妙のバランスを保っていたのです。

 このまま引分けかと思われました。

 インジュリータイムは6分でした。
 ネイマール選手のプレーを巡って、一度はペナルティーキックPKと判定されながら、VARにより反則無と判定されたプレーや、苛立ちを見せたネイマール選手にイエローカードが出されたプレーなど、インジュリータイムが増える要素が多かったのです。

 その91分、ブラジルが再び攻め込みました。コスタリカゴール前で、ブラジルチームのフォワードFWカブリエルジェズス選手がトラップし、自らシュートを打とうとした瞬間、後ろからもの凄いスピードで走り込んできたプレーヤーが居ました。
 フェリペ・コウチーニョ選手でした。コウチーニョ選手は走りながらボールをヒットしました。強烈なシュートでした。このシュートが、コスタリカのゴールキーパーGKケイラー・ナバス選手の股間を抜けてゴールイン。

 ブラジルチームが、ついに先取点を挙げた瞬間でした。

 2014年ブラジル大会の時から、GKナバス選手のプレーは際立っていました。
 「守護神」という言葉がピッタリくる、冷静かつ良いポジショニングをベースにしたプレーは、派手さこそありませんが、確実に相手チームの壁となるのです。
 ゲームが進むにつれて、「このキーパーから、どうやって得点を挙げるのだろう」という雰囲気が増してくるのも、ナバス選手の特徴だと思います。「シュートをすれば、いつもそこにナバスが居る」のです。
 このゲームでも、そうした空気が漂いました。

 良く汗を流すディフェンダーDF陣と共に、コスタリカチームはブラジルチームの猛攻に耐え続けました。
 しかし、さすがに80分を過ぎた頃から疲労が目立ち始めました。
 ピッチに倒れるコスタリカプレーヤーが増えて来たのです。

 逆に言えば、ブラジルが「良く攻めた」ということでしょう。
 クロアチアの堅守に跳ね返され続けても、衰えることの無い攻めを続けたのです。
 チーム全体が良く動き、攻めのバリエーションも豊富でした。

 このまま引分けて、2戦2引分でも、ブラジルチームは心配ないと感じました。自分達のプレーができていましたから。

 そうした中で91分、ついに先制点が生れたのです。
 このコウチーニョ選手のシュートも、それまでと同様に「ナバス選手の正面」に飛びましたが、スピード十分な「股抜き」シュートでしたので、さすがのナバス選手もセーブすることが出来ませんでした。
 心身の疲労が、コスタリカ守備陣を覆っていたのかもしれません。

 そして97分、やや気落ちした感じのコスタリカゴール前で、ネイマール選手が跳びました。
 2点目のゴールを挙げたのです。

 ゲームを通じて、相当フラストレーションが溜まっていたネイマール選手にとっては、溜飲を下げるゴールだったことでしょう。

 セレソンは勝ち切りました。

 ブラジルチームの勢いを増大させるゲームでした。
[6月21日・グループD]
クロアチア3-0アルゼンチン

 アルゼンチンチームが苦境に追い込まれています。

 グループリーグGL突破に赤信号です。

 ゴールキーパーGKカバジェロ選手の凡ミスから失点したとはいえ、アルゼンチン不調の原因は、そこではないでしょう。
 凡ミスやペナルティーキックPKの失敗などは、そう珍しいことでは無いし、どんなチームにも起こることなのです。

 今大会のアルゼンチンチームの攻撃は、やや単調でしょう。攻撃のバリエーションが不足しているのです。結果として、得点に繋がりそうなチャンスが少ない。
 加えて、各選手の動きが悪い。2試合を戦いながら、スピード・キレ共にこれだけ悪い代表チームというのは、久し振りだと思います。

 2014年大会も、アルゼンチンらしい「ドリブルと相手ゴール前の華麗なパスワーク」は影を潜めていて、「らしくない」ゲームが多かったのですが、それをカバーして余りあったのがディマリア選手の運動量でした。

 2014年のアンヘル・ディマリア選手は、攻守にわたって精力的に動き、攻撃面ならばハーフウェイ地域から20m前後のドリブル突破が効果的で、相手チームの守備陣形に大きなインパクトを与え続け、アルゼンチンの「少ないが効果的なゴール」を生み出し、チームを準優勝に導きました。

 今大会もディマリア選手は、GL緒戦には登場しましたが、その運動量は観るべくも有りませんでしたし、クロアチアチームとの第2戦には、ピッチに立つこともありませんでした。

 足許にボールを欲しがり、前進を目指すプレーが不足している状況下、各プレーヤーの動きにスピードとキレが足りないのですから、苦戦も止むを得ないというところでしょうか。

 アルゼンチンチームのGL突破は、他チームの成績に左右されることとなりました。
 自力のみでの突破は出来なくなったのです。

 とはいえ、6月26日のナイジェリアチームとのゲームでは、「メッシのアルゼンチン」としてのプレーを魅せていただきたいものです。

 決勝トーナメント進出の可能性は、まだ残されているのです。
 ポルトガルチームのクリスティアーノ・ロナウド選手が好調です。

 6月15日のスペイン戦で3ゴール、6月20日のモロッコ戦で1ゴールと、2試合で4得点を挙げる活躍なのです。

 世界屈指のストライカーであるクリロナ選手ですから、「これ位の活躍は・・・」という見方もあるのでしょうが、2006年・2010年・2014年の過去3大会で計3得点だったことを思えば、2試合で4得点という今大会の活躍は、従来トレンドを大きく超えたものでしょう。

 加えて、「ゴールの迫力」が凄まじい。

 スペイン戦の後半43分、2-3とリードを許して迎えた試合終了目前のフリーキックFK。
 スペインゴール前にクリスティアーノ・ロナウド選手は「仁王立ち」していました。
 その立ち姿のオーラも凄まじいものでしたし、ゴールを睨みつける眼は鷹の様。
 十分に時間をかけて、右足を一閃。
 ボールはスペインゴールに突き刺さりました。
 「入った」というより「入れた」ゴールでしょう。

 モロッコ戦の前半4分。試合開始早々のコーナーキックCK。
 ショートコーナーからの低く鋭い軌道のパスがモロッコゴール前に飛んできた時、「ズドーン」というヘディングシュートが決まりました。クリスティアーノ・ロナウド選手でした。
 ロナウド選手がどこから出てきたのか、直ぐには分かりませんでした。
 VTRで分かりました。
 ゴールエリアの中央を4~5m真っ直ぐに進み、「芯を食った」シュートを叩き込んだのです。ヘディングシュートとしては物凄い威力でした。

 どちらのシュートも「軌道が太く」「残像がハッキリ」していたように感じました。

 ベースボールにおける、超一流投手の投球の軌道の様。

 モロッコ戦でゴールを決めた後、喜びを表現してピッチのコーナーに向かって走り、ジャンプしました。そのジャンプの高いことと言ったら・・・。80cm以上は浮いていたように観えました。
 世界最高水準のアスリートの身体能力を明示したのです。

 ロシア大会のクリスティアーノ・ロナウド選手は相当好調なのでしょう。
 好調なクリスティアーノ・ロナウド選手から、これからどんなプレーが飛び出すのか。

 想像も付きません。
[6月19日・グループA]
ロシア3-1エジプト

[6月20日・グループA]
ウルグアイ1-0サウジアラビア

 6月14日に開幕したロシア大会も1週間を経過し、グループAでは早くも決勝トーナメントT進出の2チームが決まりました。
 2チームとも2戦2勝で勝ち抜けを決めたのです。

 余談ですが、「2勝」したからといって、勝ち抜けが決まるわけではありません。3連敗のチームが存在すると、残る3チームが2勝1敗で並ぶ可能性があり、その場合には得失点差などの要素が関係してきます。(当たり前のことを書いてすいません)

 今回のグループAでは、ロシアチームとウルグアイチームのどちらかが「3戦全勝」あるいは両方が「2勝1引分」となることが決まったので、勝ち抜けが決まったということになります。

 さて、開催国ロシアは、「5得点」「3得点」と好調な攻撃陣が機能して、大会前の予想に反して?、悠々と決勝T進出を決めました。デニス・チェリシェフ選手やアルテム・ジュバ選手がゴールを重ねているのです。
 2ゲームで8得点というのは、ワールドカップのグループリーグGLの戦い振りとしても「得点能力が高い」ことは間違いありません。
 ロシアのサッカーファンの期待に、存分に応えています。

 一方のウルグアイは、2試合とも「1-0」の勝利という、「らしい」勝ち方です。
 「堅守」を最大の武器とするチームですし、決勝Tでの戦いに調子のピークを持っていこうとしているに違いありませんから、GLの「過ごし方」としては完璧な形なのでしょう。

 100キャップ目のゲームとなったルイス・スアレス選手は、見事にゴールを挙げました。
 あたかも、「ゴールを取りたい試合でゴールを挙げているかのような」プレーに観えます。
 エディソン・カバーニ選手とともに、決勝Tに向けて徐々にコンディションを整えて行くことでしょう。

 さて、ロシアチームとウルグアイチームは6月25日に対戦します。
 A組1位突破をかけたゲームです。

 ロシアは、開催国チームとして1位突破を目指して全力で戦うと思いますが、ウルグアイは「決勝トーナメント1回戦の相手チーム」と「決勝トーナメントの山」を予想して、「2位通過の方が有利」と判断すれば、敢えて「勝ちに行かない(引分なら得失点差で2位)」かもしれないというのは、穿ちすぎた見方でしょうか。
[6月19日・グループH]
日本2-1コロンビア

 西野ジャパンが緒戦を勝利しました。
 
 チーム全体として、良い戦いが出来たことはもちろんですが、ワントップのフォワードFW大迫勇也選手の大活躍が際立ちました。

 試合開始早々の前半3分、大迫選手が抜け出して、コロンビアチームのゴールキーパーGKダビド・オスピナ選手と1対1のシーンを現出しました。そしてシュート。低弾道の威力あるシュートでしたが、さすがにオスピナ選手はこれを弾きます。
 
 この弾いたボールが、真正面に飛んだことは、結果的に日本チームにとってはラッキーでした。
 大迫選手の後方をフォローしていた香川選手が、このボールをシュート。
 このシュートも「芯を食った」威力十分なシュートであり、キッチリと枠に飛んでいました。
 そしてこのシュートをコロンビアのミッドフィールダーMFカルロス・サンチェス選手が右手で弾きました。

 サンチェス選手はレッドカード一発退場。
 このプレーで日本チームが獲得したペナルティーキックPKを、香川選手がしっかりと決めて、1-0とリードしたのです。

 ここまで、試合開始から僅か6分間の出来事でした。

 この6分間に、この試合に臨んだ西野ジャパンの成功点がいくつも存在したと思います。

① とても良かった試合への入り

 どんなゲームでも、開始早々はなかなかペースに乗れないものですが、この日の日本チームは、最初からフルスロットル。それも「冷静なフルスロットル」でした。
 逆にコロンビアチームは、試合に馴染むのに時間がかかり、前半3分の頃は、これからエンジンをかけようという段階だったと感じます。「日本チーム相手なら慌てることは無い」といったところだったのかもしれません。

 結果として、大迫選手がGKと1対1の局面を創り出すことに成功しました。

 公平に観て、日本代表チームのプレーヤーが海外強豪チーム相手に「GKと1対1のシーン」を創り出したのは、2017年のワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリアチームとの2回戦の浅野選手以来ではないかと思います。所謂「決定的なチャンス」をなかなか創れずに来たのです。

 GKとの1対1を創れるほどに、球回しが速く、体も動いていたことになりますから、日本チームのイレブンは良い状態でゲームに入れたことになります。
 その中でも、大迫選手のパフォーマンスは抜群だったということでしょう。

② 香川選手のPK成功

 試合開始早々の、それも「もの凄く重要な」PKを蹴るのは、どんなプレーヤーにとっても「しんどい」ことでしょう。今大会のメッシ選手のPK失敗を挙げるまでも無く、ミッシェル・プラティニ選手やロベルト・バッジオ選手の「失敗」など、超一流のプレーヤー程、PKを嫌がるのです。あの、近代サッカーの申し子、「空飛ぶオランダ人」、ヨハン・クライフ選手でさえ、PKは蹴らなかったと伝えられています。
 PKにはロシアン・ルーレットの要素が有り、GKが飛ぶ方向とキッカーが蹴る方向、そしてキックのスピード、角度等々、「当たり外れ」の要素が存在するのです。
 高度の緊張の下では、どんなプレーヤーでも外す可能性がある訳で、そうでなければ、退場覚悟でサンチェス選手がハンドの反則を犯すはずも有りません。

 本試合のこのPKのキッカーを香川選手が務めることになった経緯については、あまり報じられていません。試合前に「PKになったら香川選手が蹴る」とチームで決めてあったのか、「俺が蹴る」と言って香川選手が自ら志願したのか、「俺が取ったPKだから・・・」であったのか、理由は分かりませんけれども、いずれにしても「極めてしんどいプレー」に、香川選手が望むことになったことは確かです。

 相当の助走距離を取った香川選手は、小走りに走り始めて、真ん中右サイドに蹴り込みました。
 GKオスピナ選手は、自分の右側(香川選手から見て左側)に飛びましたから、ゴールの中央部分は空いていましたので、見事に決まりました。

 香川選手のPKは「ほぼ中央」へのキックでした。
 当然のことながら、GKが動かず、真ん中に「どん」と構えていた時には、取られてしまうタイプのキックだったのです。勇気あるPKに観えました。
 
 試合終了後、「GKの動きを観て、蹴ることが出来た」と香川選手はコメントしました。
 もし、オスピナ選手が「不動」だった時は、別のところに蹴るつもりであったということになります。

 とはいえ、「フェイント」を入れてしまえばPKは失敗というか、キッカーが失格となってしまう怖れもありますから、相手GKの動きを観ながら蹴るというのも、容易なことではありません。
 シュートプレーに入った直後の「小走り」が、大きな意味を持っていたということが分かります。

 香川選手は、自身にとっての「ワールドカップ初ゴール」、日本チームにとって極めて重要なPKを決めて魅せました。
 素晴らしいキックでした。

 西野ジャパンは「試合開始直後の6分間」で、この試合を優位に進めるために大きな収穫を得ました。「先制点のゲット」と「残る84分間を11名対10名で戦うことが出来る権利」という、殆ど信じられないような成果といっても良いのでしょう。

 何しろ、「しばらく勝てていないワールドカップのゲーム」であり、大会前には「グループHの中で最弱」と酷評されていた中での、大成果でしたから、イレブンの心理に相当の影響を与えたであろうことは、想像に難くありません。
 「このまま行けば1-0で勝てる」とか「たとえ失点したとしても1-1で引分ければ勝点1を確保できる」といった考えが、脳裏をかすめたとしても、無理もないのでしょう。

 先制点以降、最初の6分に比べて、チーム全体が明らかに「守備的」になってしまったのです。

 当然のことながら、サッカー競技においては11名対10名なら、11名のチームの方が有利なのですが、その「有利」は絶対的なものではありません。
 10名のチームが11名のチームを破るというのは、そう珍しいことでは無いのです。

 特に、セットプレーとなれば11対10など、殆ど無関係ですから、11名のチームの方は、自らの優位性を活かすために、ピッチを大きく使ったプレーを継続する必要があります。

 にもかかわらず、「守備的」になってしまった日本チームが、自陣に押し込まれるシーンを増やしてしまったのは、残念なことでした。

 一方で、0-1とリードを許し、10名で試合終了まで戦わなければならなくなったコロンビアチームが、どんどん攻撃的になったことも、自然なことでしょう。
 前半35分を越えて、コロンビア攻勢の時間帯となりました。

 そして、エース・ファルカオ選手が倒れ、日本陣ペナルティーエリアの直ぐ外でフリーキックがコロンビアチームに与えられました。
 この反則シーンでは、どちらかといえばファルカオ選手の方が日本ディフェンダーDFにぶつかって行ったように見えましたが、やはり審判も劣勢な方に有利な笛を吹くことがあるのでしょう。

 コロンビアのキッカーはファン・キンテロ選手。
 コンディションが整わずベンチスタートとなった大エース、ハメス・ロドリゲス選手が居ないチームに有っては、最も得点力のあるプレーヤーのひとりです。

 キンテロ選手は、蹴る位置を反則地点から数メートル下げました。ペナルティーエリアの直ぐ外では「近過ぎる」のです。
 そしてインプレー。

 日本チームの壁は一斉にジャンプ。その足の下をキックが通過し、ゴール右隅に一直線。「芯を食った」というには、やや威力に乏しいシュートでしたが、コースは絶妙でした。

 ゴールの反対側にポジションを取っていたGK川島選手が懸命にカバーに動きますが、ボールはゴールラインを10cm程割っていました。

 ゲームは1-1の同点となりました。振り出しに戻ったのです。

 このゲームの日本チームは、全体として良く動き、献身的なプレーを継続しましたが、そのイレブンの中で唯一、川島選手だけは不調であったと思います。プレーにスピードが不足していました。
 本人もそれを感じていたのでしょう。
 ゲームを通じて「ポジションが低過ぎ」ました。

 GKがゴールラインに張り付いていては、シュートをセーブできる確率は下がります。
 PKが多くの場合に決まるのを観ても明らかでしょう。
 GKは「前に出ることによって」、相手プレーヤーのシュートコースを狭め、シュートを決めさせない、あるいは、シュートを決め難い形を創り出して行くのです。

 このゲームの他のシーンでも何度も、ここはGKが出て処理すべきだというシーンで、川島選手は出ることが出来ませんでした。コンディションが良くなかったのでしょう。

 試合開始直後の「生き生きとした動き」、「1対1で互角以上に戦っていたプレー」を封印し、「守備的」なプレーに変更した日本代表チームは、前半の内に追いつかれてしまいました。
 「11対10」にもかかわらず追い付かれたという見方は正しくは無いでしょう。
 前述のように、特にセットプレーでは、「11対10」は大きな意味が無いのですから。

 試合は1-1でハーフタイムに入りました。

 このハーフタイムで、西野ジャパンがどのようにこのゲームを考えるのかは、とても興味深いものでした。

 格上で強い相手と1-1の引分を目指す、目指すには格好の11対10だという考え方、これも決して無い訳ではない。
 絶対に「勝点1を死守」しようというのも、グループリーグGLを勝ち抜くための戦略として、有り得ることでしょう。

 いやいや「追加点を取りに行こう」という考え方も有るのでしょう。GL緒戦で勝点3をゲットする絶好のチャンスだという見方です。
 しかし、攻めに出れば、多くの場合失点のリスクも高まります。

 さらに「自分達のプレーをしよう」という考え方もあるのでしょう。
 ワールドカップに向けて磨いてきた「日本代表チームのプレー」を世界に披露したいという欲求、PKで1点を先取してから「守備的」なプレーをしてしまい、何のために「守備的」になったのか、同点ゴールを許してしまったという反省から、イレブンがやりたいサッカーをピッチ上で表現したいという考え方、この考え方になってくれると、日本チームにとって最も良いのではないか、と考えていました。

 さて、後半の戦いが始まりました。

 そして数分の後、西野ジャパンは3番目の考え方を採用したのかもしれないと感じました。
 後半も「とても良い入り」だったのです。

 動きも速く、戦術が明確なプレーが続きました。

 当然ながら、コロンビアチームも勝ちに来ました。
 前半から日本ゴールを脅かしてきたファルカオ選手が、再び日本ゴール前で「空中に居ながらボールに足を出しシュートする」のです。このパフォーマンスは、「さすがにファルカオ」と思わせるものでした。

 さらに後半14分、名将ペケルマン監督はハメス・ロドリゲス選手を投入してきました。2014年ブラジル大会の得点王にして、コロンビアで最も有名なプレーヤーです。

 しかし、日本チームは全く怯みませんでした。
 ハメス・ロドリゲス選手にも再三絡み、ボールを奪取するなど、自由なプレーを許しませんでした。
 ちなみに、このゲームにおけるハメス・ロドリゲス選手は、相当コンディションが悪そうでした。何よりプレーにスピードとキレが在りませんでした。今大会中にコンディションが戻らないようであれば、コロンビアチームにとっては大きな痛手でしょう。

 さて、日本チームも後半25分、香川選手に替えて本田選手を投入しました。

 試合開始直後に躍動した香川選手ですが、その後はボールタッチも少なく、特に後半は、日本の10番がチャンスに絡むシーンは殆ど見られませんでした。
 こうした展開の試合において、香川選手の様なタイプのプレーヤーが、「殆ど見えない」というのは、ある意味では不思議なことでした。

 交替した本田選手は、早速大仕事をやってのけました。

 この試合大活躍の大迫選手は、後半開始以降も再三コロンビアゴールに迫り、チャンスも迎えていたのですが、追加点は実現できていませんでした。

 その後半28分、日本チームの左からのコーナーキックCK、蹴るのは本田選手。
 本田選手は「大きく高く」蹴りました。最近の「低く速い軌道のCKから一度すらして、別の選手がゴールに叩き込む」といったタイプのプレーではなく、「伝統的なCK」でしたが、正確かつ何とも言えない力強さを具備したキックでした。

 コロンビアゴール正面に落ちてきた「大きく高い」ボールに対して、大迫選手が競り勝ち、ヘディングシュート。
これがコロンビアゴール右のポストに当たって入ったのです。

 素晴らしいというか、凄いゴールでした。

 「大迫勇也というプレーヤー」を世界中に知らしめるゴールでもありました。

 2~3名のコロンビアDFと競り合ってのヘディングシュートが、右ポストに当たってゴールインしたシーンは、この試合を象徴するものであったと思います。
 ポストに当たって右に弾かれノーゴールという可能性も有ったシュートが、キッチリと入ったのです。
 「入るように打ったのだから・・・」というご意見はもちろんあるのでしょうが、複数のDFと接触しながらの攻撃・守備共に「必死」のプレーにおいて、このシュートがはいったところに「サッカーの神様の微笑」があったように感じられるのです。
 
 「この試合は勝てる」と思いました。

 そして、インジュリータイム5分間という、長い長いプレーを経て、ついに日本チームは勝利を得たのです。

 これが、日本代表チームがワールドカップにおいて南米地区のチームを相手にしたゲームにおける初勝利であり、アジア地区のチームのワールドカップにおける南米チームに対する初勝利でもあったのです。
 長いワールドカップの歴史に刻まれる「歴史的勝利」は、「神様の微笑」無くしては、到底達成できないものの様な気がします。

 西野ジャパンは「大きなサプライズ」を魅せてくれました。
 多くの海外メディアにも「大番狂わせ」として取り上げられているようです。

 このゲームは、我が国のサッカー史に燦然と輝くものでしょう。

 次戦、5月24日のセネガル戦への期待は高まるばかりです。
[6月18日・グループG]]
イングランド2-1チュニジア

 イングランドチームは攻め続けました。
 メリハリの効いた攻めとは言えなかったかもしれませんが、とにかく90分間良く攻めたのです。
 チュニジアチームも、カウンター攻撃で見せ場を作りました。
 良い試合でした。

 イングランドの得点は、2点ともコーナーキックCKからのハリー・ケイン選手のゴールでした。
 ケイン選手がシュートを放った時には、ゴールとケイン選手の間には、誰も居ませんでした。ゴールを挙げるには絶好のポジショニングだったのです。

 そのケイン選手のところにボールが来る(もちろん、チームとして集めているという面もあるのでしょうが)のですから、ケイン選手には「ゴールゲッターに必須の才能」が備わっていると判断するのが妥当なのでしょう。
 フォワードFWとしてのタイプは異なりますが、かつてのゲイリー・リネカー選手を思い出させるシーンであったと感じます。

 若きイングランドチームにとっては、「2点取れたこと」「緒戦を勝利したこと」の2つのポイントにおいて、とても大きな試合でした。相当の自信にもなったことでしょうし、これだけ「元気の良い」イングランドチームを見るのも久しぶりという感じがします。

 一方、今大会調子が上がらないアフリカ地区のチームとして、チュニジアも、特に後半の守備は見事なものでした。しかし、試合を通じて「シュートが少ない」状況が続きました。
 第2戦以降、アフリカ地区予選無敗の力を示すには、攻撃の再構築が不可欠でしょう。

 それにしても、今大会はセットプレーからの得点、特にCKからの得点が目立ちます。
 CKからの折り返しなどにより変化を加えた攻めが、現在の高度なディフェンスに対して有効であることが、多くのゲームで明示されています。

 やはり、ゴールの直ぐ側でゴール前を横切るボールの動きは、とても守り難いということなのでしょう。

 少し残念なことですが、流れの中からの得点は、ますます難しくなっているのかもしれません。
 シネコックヒルズ・ゴルフクラブを会場として、6月14日~17日に実施された、2018年の全米オープン大会は、アメリカのブルックス・ケプカ選手が4日間通算281打・1オーバーパーのスコアで優勝しました。

 ケプカ選手は、昨2017年大会に続いての「連覇」でした。
 
 「最も難しいコースで開催されるメジャートーナメント」である全米オープンを連覇したのは、1989年のカーティス・ストレンジ選手以来、29年ぶりのことでした。

 2017年、エリンヒルズ・ゴルフコースにおけるケプカ選手の優勝スコアは16アンダーパーという、全米オープンとしてはとても少ない打数でした。
 主催する全米ゴルフ協会USGAとしては、これ程大きなアンダーパーが出るようでは、「全米オープンらしくない」と考えたのかもしれないと思います。
 2018年のコース設定は、とても難しいものでした。

 特に、「3日目のグリーン」は、ひょっとすると「難しいを通り越して」いたかもしれません。

 3日目の後半にラウンドしたプレーヤーは、いずれもスコアを大きく崩しました。
 優勝争いを目指すプレーヤーにとって、艱難辛苦のプレーとなってしまったのです。

 松山英樹選手は79打でした。
 ダスティン・ジョンソン選手は77打でした。
 リッキー・ファウラー選手は84打でした。

 4アンダーのトップでスタートしたDジョンソン選手は、2日目までに「11打差」を付けていたトニー・フィナウ選手、ダニエル・バーガー選手に、3日目の1ラウンドで追いつかれてしまったのです。
 フィナウ選手、バーガー選手が、前半の早い内にラウンドし、Dジョンソン選手が最終組で回ったことが、大きな要因であろうという見解は一理あるところでしょう。

 また、あのフィル・ミケルソン選手が13番ホールのグリーンで、まだ止まっていないボール・転がって動いているボールを、意図的にパッティングしたとも報じられました。
 信じられないようなプレーです。そんなプレーを、フィル・ミケルソン選手ともあろうプレーヤーが行ってしまうというのは、異常なことでしょう。「抗議」のためのプレーだったのかもしれません。

 松山選手は4パットを2回してしまいました。1m位のパッティングから3パットというシーンもありました。

 グリーンが凸凹で、ボールがどちらに曲がるか「打ってみないと分からない」ような状況だったのです。テレビ画面からも、上下左右に「ゴトゴト転がる」ボールが映し出されました。
 松山選手はラウンド後、「悪いパットは全くしていないのに・・・」とコメントしていました。

 報じられているところによると、「1日目のグリーンが考えていたより柔らかくて遅かった」ので、2日目・3日目と散水しなかったのだそうです。
 おかげで?、グリーンは茶色くなり、芝にはすっかり元気がなくなっていました。
 風が強かったことも相まって、グリーンはカラカラだったのでしょう。
 結果として出来上がってしまった「緑色と茶色のまだらのグリーン」は、プレーヤーの「読む」行為を無為なものとしてしまったのです。

 「ラインとスピードを読み」、打っていくのがパッティングでしょう。
 微妙なアンジュレーションとスピードの変化を、プレーヤーが読み切れるかどうか。
 それが難しいグリーンのことを「難しいグリーン」と呼ぶのでしょう。(当たり前のことを書き、恐縮です)
 そうした「難しさ」ならば、世界トップクラスのプレーヤー達は必死に挑戦して行くはずです。

 ところが3日目のグリーンは「打ってみなければ、どのように転がるか分からない」ような状態でした。
 これは「難しいグリーン」ではなく、「アンフェアなグリーン」ということになりそうです。「ラインとスピードを読み、プレーする」ことに、意味が無くなってしまうからです。

 3日目のグリーン上の各選手のプレー振りを観て、さすがに、3日目のプレー後、主催者によって「グリーンに水が撒かれた」のです。
 それでも、4日目のグリーンの「速さ」は、ほとんど3日目と変わらなかったと伝えられました。しかし、ラインを読むことに「意味がある」状態になったのです。
 松山選手は「グリーンは3日目の様に『汚く』はなかった。転がりは奇麗でした」とコメントしました。

 「1オーバーパーの優勝」は、全米オープンらしいスコアかもしれませんが、世界最高のトーナメントを標榜する全米オープンが、「打ってみなければわからないショット」を各プレーヤーに要求するのは、いただけません。

 そこには「ゴルフ競技の進歩に貢献する」何物も存在しないように感じられます。
 5月5日から6月9日にかけて行われた、2018年のアメリカ競馬三冠レースにおいて、ジャスティファイ(Justify)が全てを制して、2015年のアメリカンファラオ以来の三冠馬となりました。

 6戦6勝、つまり無敗の三冠馬となると、1977年のシアトルスルー以来41年振り、史上2頭目の快挙です。

 一冠目、5月5日のケンタッキーダービーを快勝した時、初めてジャスティファイの強さを確認したというのが、私の本音です。
 何しろデビューが2018年2月18日と「とても遅かった」ので、2歳レースの実績が無かったのです。
 調べてみると、「3歳デビュー馬」のケンタッキーダービー制覇は、1882年のアポロ以来、実に136年振りとのことですから、このことだけでも歴史的な勝利でした。

 そのジャスティファイが、5月19日のプリークネスステークスを制し、6月9日のベルモントステークスにも快勝し三冠馬となったのですから、「驚異的な快挙」ということになります。

 基本的には「逃げ馬」ですが、ケンタッキーダービーでも2番手から抜け出したように、器用な脚も使います。展開に左右されにくい自力勝負ができるところが、ジャスティファイ最大の強みということになります。
 また、全6走の内3走が不良馬場、残る3走が日本で言えば良馬場ですから、馬場状態への適応力も極めて高いのです。プリークネスステークス2018などは「どろどろの馬場」でしたが、見事に勝ち切りました。

 父スキャットダディは、産駒が初年度(2011年)から良く走りましたのでリーディングフレッシュマンサイアーに輝くなど、今後の活躍が期待されていましたが、2015年12月に急死してしまいました。
 ジャスティファイは、スキャットダディの代表産駒となりましたから、この血統を後世に伝えて行く役目を負ったことになります。

 スキャットダディの父はヨハネスブルグです。
 どこかで聞いたことが・・・と思われた方も居ると思いますが、現在日本で供用されています。
 2009年10月に軽種牡馬協会が購入を発表し、2010年から我が国で種牡馬生活を送っているのです。

 スキャットダディの父系は「ストームキャット系」です。
 ストームキャット系は、ノーザンダンサー系のひとつですが、ストームキャットはあのジャイアンツコーズウェイの父であり、1999年と2000年にアメリカリーディングサイアーに輝くなど、超一流と言って良い成績を残しました。
 
 ストームキャット系は「アメリカのダート馬場」に適応した脚質の馬が多いので、ややもすると「一本調子のパワー型」が多く、高速でペース変化が大きい日本競馬には向かないのでは、との見方もありますが、他の血統との配合によって「バラエティに富んだ強いサラブレッド」を輩出することが実証されています。

 ストームキャットを祖父あるいは母の父として持つ、いわゆる「孫世代」には、ロードカナロア、ファレノプシス、メイショウボーラー、エイシンアポロン、キズナ、アユサンといった馬達が並びますから、日本競馬への適応力も十分ということになるでしょう。

 ジャスティファイの大活躍によって、種牡馬ヨハネスブルグへの需要が高まるかもしれません。

 一方、ジャスティファイの母はステージマジック。その父はゴーストザッパーです。ゴーストザッパーは2004年のブリーダーズカップ・クラシックをレコード勝ち、同年の年度代表馬に輝く優駿でした。通算11戦9勝・G1レース4勝と勝率の高いサラブレッドだったのです。

 そのゴーストザッパーの父はオーサムアゲイン。カナダで生まれアメリカで走り、1998年のブリーダーズカップ・クラシックを制しています、ゴーストザッパーとの親子制覇でした。こちらも通算12戦9勝と高い勝率を誇りました。2001年にカナダ競馬殿堂入りを果たしていますから、生誕地カナダでとても高い評価を受けていることが分かります。

 そのオーサムアゲインの父はデュプティミニスター。カナダで生まれ、カナダとアメリカで走りました。そしてアメリカで種牡馬となったのです。この馬も通算22戦12勝と、良く勝っています。
 そして、デュプティミニスターの祖父がノーザンダンサーなのです。

 こうして観ると、ジャスティファイの母系は「カナダの血」が色濃く出ています。
 ジャスティファイは、北アメリカ競馬が生んだ傑作とも言えるのでしょう。

 1943年にサイテーションが「1940年代の4頭目の三冠馬」となって以来、アメリカではなかなか三冠馬が出なかったのですが、1973年にセクレタリアト(1973年)が久々の三冠馬となってから、シアトルスルー(1977年)、アファームド(1978年)と立て続けに3頭、「アメリカ三冠馬」が登場しました。 
 ところがその後は、21世紀に入り、2010年を過ぎても三冠馬は出ませんでした。特に、三冠目のレース、2400mのベルモントステークスが大きな壁になっていたのです。

 そして2015年、アメリカンファラオが久しぶりに三冠を達成したと思ったら、3年後にジャスティファイが続きました。

 20世紀から21世紀にかけて、アメリカ競馬に「三冠馬が複数登場する時期」が40年ごとに訪れているように観えるのは、とても不思議なことです。

 この「三冠馬が出なかった約40年間の競馬」と「三冠馬が複数登場する時期の競馬」に、どのような違いが有るのか、あるいは「単なる偶然」なのか、謎解きにトライしたいものです。
[6月16日・グループD]
クロアチア2-0ナイジェリア

 攻守が目まぐるしく交替する、スピード十分なゲームでしたが、クロアチアチームがセットプレーで上回り、ナイジェリアチームを破りました。

 前半32分の先制点は、クロアチアのコーナーキックCKからボールがゴール前で交錯してナイジェリアディフェンダーDFの脚に当たってコースが変わり、そのままゴールインしたもの。
 2点目は、後半25分、やはりクロアチアのCKから、ペナルティーエリア内でナイジェリアDFがモドリッチ選手を抑え込みイエローカード。このペナルティーキックPKをモドリッチ選手がしっかりと決めたものでした。

 今大会最も若いチームのひとつであるナイジェリアは、攻守ともに積極的なプレーを魅せましたが、「細部」にやや雑な対応が観られ、守備においてはそれが致命傷となりました。

 クロアチアチームの10番、中心選手である、ルカ・モドリッチ選手も32歳になりました。世界の舞台にデビュー以来、その素晴らしいプレーでクラブにおいても、ナショナルチームにおいても、世界中から賞賛を浴び続けています。
 現在の世界サッカー界を代表するミッドフィールダーMFでしょう。

 クロアチア代表チームは、このモドリッチ選手を中心に国際舞台で戦ってきました。
 フォワードFWには、マリオ・マンジュキッチ選手やイバン・ペリシッチ選手、MFにイバン・ラキティッチ選手らを擁して「クロアチアサッカー」を呈示し続けたのです。
 クロアチアサッカーの一時代を築いたのは間違いないでしょう。

 その「モドリッチのクロアチアチーム」にとって、おそらくは最後のワールドカップになるであろうロシア大会のグループリーグGLの緒戦を勝点3と、とても良いスタートを切りました。

 同じD組のアルゼンチンチームがアイスランドチームとの緒戦で引き分けに終わりましたから、「グループリーグGL1位通過」を目指しての、両チームの争いは激しくなるばかりです。
 6月20日の直接対決は、どちらが勝利してもおかしくない大一番となるでしょう。
 
 アイスランドチームも「粘り強さ」には定評があります。

 グループDの決勝トーナメント進出に向けての競合いは、混沌としてきました。
 5月31日から始まった2018年のNBAファイナルは、ゴールデンステート・ウォリアーズがクリーブランド・キャバリアーズを4連勝で下し、2年連続の優勝を飾りました。

・第1戦 5月31日
 ウォリアーズ124-114キャバリアーズ(OT)

・第2戦 6月3日
 ウォリアーズ122-103キャバリアーズ

・第3戦 6月6日
 ウォリアーズ110-102キャバリアーズ

・第4戦 6月8日
 ウォリアーズ108-85キャバリアーズ

 ファイナルを通じて、ウォリアーズがキャバリアーズに圧力を掛け続けた印象のシリーズでした。
 第3戦、地元に帰ってのキャブスが第1・第2クオーターQをリードしたことを除けば、第2戦以降はウォリアーズペースの試合展開となっていましたから、やはり今ファイナルの帰趨を決したのは第1戦、それも第4Qの終盤から、オーバータイムにかけてということになるのでしょう。

 第1戦、第2Qを終えてのスコアは56-56の同点。第3Qでウォリアーズが6点をリードしましたが、第4Qキャブスは懸命の追い上げを見せます。
 キャブスは1点差・106-107の状況下、試合時間残り4.7秒で、ジョージ・ヒル選手がフリースロー2本を獲得しました。
 キャブスにとって絶好のチャンスが訪れたのです。

 しかし、ヒル選手はこれを1本外してしまいます。

 別の見方をすれば「1本は決めて」、107-107の同点としたのです。

 そして試合時間残り4.5秒、ボールはキャブスのJRスミスが確保しました。
 最後の「勝負を決めるシュート」が放たれるものと、誰もが思った瞬間でした。

 ところが、JRスミス選手は「ボールを保持したまま」残り時間を使い切ってしまったのです。

 キャブスのタロン・ルー・ヘッドコーチHCは「スミス選手が1点リードと勘違いしたのだろう」と言い、スミス選手は「ベンチがタイムアウトを取る」と考えていたという、試合後のコメントでした。
 事の真相はともかくとして、キャバリアーズが絶好のチャンスを逃したことは確かです。

 シリーズ前、戦力的に観てウォリアーズが有利、という評価が一般的でしたから、キャバリアーズとしては敵地での緒戦を取って、勢いに乗りたい大事な試合でした。
 そして、キャブスの勝利は手の届くところにありました。

 個人的には、ジョージ・ヒル選手のフリースローが「乾坤一擲」であったと感じています。

 オーバータイムはウォリアーズの一方的な展開(17-7)となり、キャバリアーズは敗れました。

 大エースのレブロン・ジェームズ選手が、51得点、8リバウンド、8アシストという大車輪の活躍、フィールドゴールパーセンテージ59.4%という驚異的なパフォーマンスを魅せたゲームを落としたことは、シリーズの帰趨を決定付けました。

 ベンチとプレーヤーの微妙なズレも表面化したキャバリアーズは、残念ながら、為す術も無く敗れたのです。
[6月15日・グループB]
ポルトガル3-3スペイン

 今大会のグループリーグGL屈指の好カード、ポルトガルとスペインの対戦が行われました。両チームにとっての大会諸戦でした。

 有力・強豪チームが同じグループに入ってしまった場合に、そのゲームの結果は、どうしても「引分」になり易いものでしょう。
 勝ちに行くことによって生ずるリスク、隙を突かれての失点のリスクを回避するために、ゲームは手堅いものになり易いのです。
 2チームは共に勝点1を確保し、残る2チームに勝利して、一緒に決勝トーナメントに進出しようという戦略を立てることが多いのでしょう。
 戦前には、1-1か0-0の引分けであろうと予想していました。

 加えて、スペインとポルトガルの両チームは、華麗な攻撃が喧伝されることが多いのですが、実は極めて失点が少ないチーム同士です。
 2016年のユーロにおけるGLでポルトガルチームが引分けを連ねて決勝トーナメントに進出したことや、今大会のヨーロッパ地区予選10試合でスペインチームが3失点しかしていないことは、皆さんご承知の通りです。
 従って、この両チームがGLで戦って、2点以上の得点が入るのは考え難いことでした。

 こうした予想を裏切るような「点の取り合い」になった最大の理由は、前半4分のクリスティアーノ・ロナウド選手のペナルティーキックPKによるゴールでしょう。
 殆どファーストタッチと言って良いプレーで自ら獲得したPKを「ズドン」と決めて魅せたのです。スペインゴール右側中段への強烈なPKは、試合を激しいものとするのに十分な迫力が有りました。

 スペインチームが前半24分にジエゴ・コスタ選手のゴールで同点に追いつくと、ポルトガルチームは前半44分にロナウド選手のゴール、この日2本目のゴールで2-1と再びリードしました。
 このシュートは強烈で、スペインのゴールキーパーGKデヘア選手の正面に飛びながら、その腕を弾いて飛び込みました。

 後半はスペインペース。
 10分にジエゴ・コスタ選手がこの日2点目のゴールを押し込むと、僅か3分後にはフェルナンデス選手が3点目をゲットしました。左のポストに当たり、右のポストに飛んで入るというミラクルシュートでした。

 これで3-2とリードしたスペインが、このまま逃げ切り体勢に入ったかに観えました。
 スペインのポゼッションサッカーの最大の利点が、「相手にボールを渡さない」ことによる強力な守備力であることは周知のことですから、リードしたスペインチームが残り20数分間を無失点で切り抜けるというのは、「いつものこと」のように感じられたのです。

 ところが、後半43分、スペインのペナルティーエリア外側でFKを得たロナウド選手が、そのFKをスペインゴール右上に叩き込みました。
 凄い、本当に凄いシュートでした。

 世界で最も有名なサッカー選手のひとりであるクリスティアーノ・ロナウド選手が、その天才的な能力を、ワールドカップの場で初めて示したゴールと言っても良いのではないでしょうか。
 これまで、2006年・2010年・2014年のワールドカップで、それぞれ1得点ずつしか取ることが出来なかった(もちろん、それでも素晴らしいことではありますが)ロナウド選手が、今大会の緒戦でハットトリックをやってのけた、3大会分の得点を1試合で挙げたのです。
 今大会のロナウド選手は「一味違う」という感じがします。

 余談ですが、これでクリロナ選手は「ワールドカップ4大会連続ゴール」を達成しました。これは過去に、ペレ選手やクローゼ選手しか達成していない快記録です。

 一方のスペインチームは、2010年の時のチーム、シャビ選手を中心とした優勝チームに比べて、「パスの長さがバラバラ」という印象です。2010年の時は、7~10m位のパスをポンポンと繋いでいましたが、この試合では5m位の短いパスや、15m位の長いパスが多かったと思います。
 もちろんこれは「選手同士の間隔」の問題なのですが、2010年のチームは「選手の間隔が均一」であったものが、2018年のチームはバリエーションに富んでいるということになるのでしょう。特に「短いパス」が多かったように観えましたので、今のスペインチームは、ある程度集団で前進を図るチームなのかもしれません。

 いずれにしても、通常ならば相手チームを零封するか、与えてもせいぜい1点という両チームが、それぞれ3失点を喫したというこのゲームは、滅多に観られないゲームでしたし、「失点数は相手チームの攻撃力によって変動する」という当たり前のことを、改めて認識させられるゲームでもありました。
[6月15日・グループA]
ウルグアイ1-0エジプト

 強豪ウルグアイチームを相手にして、エジプトチームとしては引分で十分と考えていたと思います。
 その戦略は後半44分、つまり試合終了目前まで遂行できていました。

 しかし、ウルグアイのフリーキックFKからホセ・ヒメネス選手のヘディングシュートが見事に決まりました。

 エジプトチームの「落胆」は見ている方が可哀相になる程でした。
 出場しなかったエースのサラー選手もベンチで天を仰ぐ様子。

 一方のウルグアイチームは、大試合での勝負強さを示してくれました。
 膠着状態からの引分けは、ワールドカップのグループリーグGLでは珍しいことでは無く、勝点1を確保できることを考え合わせても、最低限の成果として受け入れ可能な物なのでしょう。

 ところがウルグアイは、勝利を諦めませんでした。
 そして勝ち切ったのです。勝負に辛いチームの持ち味が良く出ていたと感じます。

 この試合のウルグアイは、エースのルイス・スアレス選手の調子がいまひとつでした。ボールを失うことも度々でしたし、いつもは「思い切りの良い」シュートにも少し迷いが感じられました。
 エジプトのゴールキーパーGKエルシェナウィ選手の好セーブも有り、もうひとりのエース・カバーニ選手のシュートもなかなか決まりませんでしたから、ウルグアイとしてはいらいらするゲーム展開だったのです。

 こうした苦しい状況下でも、ウルグアイチームが本来の勝負強さを発揮することが出来た最大の要因は、その「堅守」でしょう。「堅守」はウルグアイ伝統の、そして最大の持ち味なのです。
 その「堅守」を前提として、スアレス選手やカバーニ選手が自在の攻撃を展開できるのでしょう。
 
 結果として勝点3をゲットしたのですから、タバレス監督としては「予定通り」ということになります。
 それにしても、タバレス監督が杖を使っていたのには驚きました。
 それでも、ヒメネス選手がゴールを決めた時には、いつものように、両腕を広げて雄叫びを上げて喜びを表現していましたので、少し安心しました。

 ウルグアイチームとしては、スアレス選手のコンディションが心配ですけれども、これが決勝トーナメントにピークを持って行く調整の一環であれば、問題ないということなのでしょう。
[6月14日・開幕戦]
ロシア5-0サウジアラビア

 ロシア大会の開幕戦は、開催国ロシアチームの快勝でした。

 戦前は、「ワールドカップにおいて史上初めて、開幕戦で開催国チームが敗れる」のではないかと危惧する声が一部にありましたが、前半12分、ユーリ・ガジンスキ選手が先制点を挙げると、ロシアチーム全体から固さが取れて、「地元の利・勢い」を存分に発揮できる形となったのです。
 参加32チーム中最下位、70位という世界ランキングで臨んだロシアチームが、絶好のスタートを切ったということになります。

 一方のサウジアラビアは、チームが全体として機能していない印象で、攻守ともに精彩を欠きました。当然ながら、地力の比較ならばロシア代表に0-5で大敗するチームでは無いのですが、ワールドカップの雰囲気に完全に飲まれてしまったのかもしれません。

 この敗戦により、残念ながら「アジア地区代表はワールドカップにおいて16戦連続勝利無し」という不名誉な記録を残すこととなりました。
 2010年南アフリカ大会のグループリーグにおいて、日本チームがデンマークチームに3-1で勝って以降、アジア代表チームは一度も勝っていないのです。

 「グループリーグで敗退していることが多い筈だから、引分が多いのだろう」という見方もありそうですが、引分は僅かに4試合。12敗4引分という、悲惨な成績なのです。

 その上、引分でさえも、2014年ブラジル大会の日本0-0ギリシャ以降は無く、それ以降は7連敗中。世界とアジア勢の力の差は「開く一方」といって良い状況でしょう。

 サッカーという競技は、相当の力の差が有ったとしても、時々は「番狂わせ」が起こるものです。ワールドカップの歴史の中でも、予想外の結果が時折観られます。
 ところが、その「番狂わせ」も観られないのです。

 抽選で決まるグループリーグの世界各地域の代表チームを相手に、「16試合で0勝」というのは、「アジア地区の代表は相対的にとても弱い」と判断するのが妥当・公平です。「何の言い訳も出来ない事実」と言って良いでしょう。

 イタリアチームやオランダチームが予選で敗退している今大会、ヨーロッパ13チームに対してアジア4.5チームという、「ワールドカップの地域毎の出場チーム数配分」に対して、疑問・批判の声が高まる可能性があります。
 サッカーにとても詳しい友人などは「ヨーロッパ16、アジア1.5」位が良いバランスでは・・・と言います。そして、「ワールドカップは世界最高のサッカーが集合する大会だろう」とも言います。

 アジア代表各チームの奮起が望まれるところです。
 ワールドカップ2018ロシア大会の幕が切って落とされました。
 グループリーグの戦いが始まったのです。
 毎日、眠れない夜が続きます。
 サッカーファンにとっては「幸福な1か月間」のスタートです。

 さて、世界中のメディアから様々な関連情報が流れてきますが、FOOTBALL CHANNELから5月31日に配信された「『CL&W杯』個人2冠達成の選手は現れるか? 過去にはわずか8名」という記事も、とても興味深いものでした。

 4年に一度、クラブチームの欧州一(実質的な世界一)チームに所属し、ナショナルチーム世界一=ワールドカップ優勝チームにも所属し、両大会の決勝に出場した選手のみを対象とした、UEFA(欧州サッカー連盟)による発表とのことです。

 歴代で8名しか居ないとのことですが、実質的にはもっと少ないのです。

 何故なら「8名の内6名が1974年のバイエルン・ミュンヘンと西ドイツ代表チームに所属していた」からです。西ドイツサッカーが世界を席巻していた頃ですし、1974年ワールドカップの西ドイツチームは、サッカー史上最強チームのひとつとも呼ばれています。
 フランツ・ベッケンバウアーやゲルト・ミュラー選手ら6プレーヤーが、「二冠」を成し遂げているのです。

 そうすると、残りは僅かに2名となります。
 1998年にレアル・マドリードとフランス代表チームの両方に所属していたクリスティアン・カランブー選手と、2002年にやはりレアル・マドリードとブラジル代表チームに所属していたロベルト・カルロス選手の2名です。
 
 ロベルト・カルロス選手は、「ロベカル」の愛称を持つ、ブラジル代表チーム不動のサイドバックでした。世界的にも有名なプレーヤーですから、ご存知の方も多いと思います。
 一方のカランブー選手は、フランス代表チームのミッドフィールダーとして、やはり不動の存在でした。2000年のユーロでも、フランス代表チームの主力選手として優勝しています。

 さて、UEFA-CL2017~18で優勝したレアル・マドリードの選手の内、決勝戦に出場したのは14名、その中でワールドカップ2018に出場するのは12名なのだそうです。

 スペイン代表チームに、セルヒオ・ラモス選手、ナチョ選手、ダニエル・カルバハル選手、イスコ選手、マルコ・アセンシオ選手の5名、ブラジル代表チームにマルセロ選手とカゼミーロ選手の2名、コスタリカ代表チームにケイラー・ナバス選手、フランス代表チームにラファエル・ヴァラン選手、ドイツ代表チームにトニー・クロース選手、そしてポルトガル代表チームにクリスティアーノ・ロナウド選手が居て、計12名となります。

 ワールドカップ2018では「2冠達成プレーヤー」が誕生しそうな感じがします。
 6月14日から17日にかけて、2018年の全米オープンゴルフが開催されます。
 サッカーのワールドカップ・ロシア大会開幕と機を一にしてのメジャートーナメントとなります。

 今年の開催コースは、ニューヨーク州ロングアイランド・サウザンプトンのシネコックヒルズGCです。
 アメリカのコースとしては珍しいであろう「リンクス」タイプのコース。「選手がプレーするエリアには1本の木も無かった」と記憶していますし、池といったウォーターハザードも殆ど無かった(おそらく1箇所だけ)と思います。

 一方で、リンクスですから「バンカーが多い」のですが、これが本場?のイギリスのコースよりも多い感じがします。意図的に配されているのでしょう。ホールによっては「バンカーだらけ」という印象です。
 いかにもアメリカ合衆国らしい?「管理されたリンクス」(この言葉自体に矛盾を感じます)といったところでしょうか。

 シネコックヒルズGCが最初に全米オープンのコースに選ばれたのは1896年ですから、1895年に開始されたトーナメントの第2回大会のコースとなった訳ですが、その後90年間は使われることが無く、2回目の開催は1986年を待たなければなりませんでした。

 そういう意味では、「新しいコースとして試用」された形ですが、全米ゴルフ協会やファン、そしてプレーヤーの評価が高かったのでしょう、1995年、2004年と使用され、今年2018年の会場(5回目)となり、2026年の開催も予定されているのですから、シネコックヒルズGCは「全米オープンに相応しいコース」としての地位を確立していることになります。

 全米オープンも、他国のナショナルオープントーナメントと同様に、「特定のコースの持ち回り型」ですので、同じコースで複数回開催されるのですが、特に全米オープンにおいては、開催回数を重ねる度に「距離が延びる」傾向が顕著です。

 シネコックヒルズGCも例外では無く、2004年の時6994ヤード・パー70だったものが、2018年は7445ヤード・パー70と、451ヤードも距離が長くなっています。
 近年の各プレーヤーの飛距離伸長に合わせて、「難しくて好スコアが出難いトーナメント」としての「全米オープンの威厳」を保っていくためには、致し方ないことなのかもしれませんが、200ヤードを越えるパー3がひとつ(2番ホール252ヤード)、500ヤードを越えるパー4がふたつ(3番ホール500ヤード、14番ホール519ヤード)、600ヤードを越えるパー5がひとつ(16番ホール616ヤード)というホール配置でとなりました。

 かつては、イーブンパーEか5アンダー未満のアンダーパー、時にはオーバーパースコアで優勝が決まることが多かった全米オープンも、2000年ペブルビーチ・ゴルフリンクスでのタイガー・ウッズ選手の12アンダーでの優勝を皮切りに、2011年のコングレッショナルGCにおけるロリー・マキロイ選手の16アンダー、そして昨年2017年のエリンヒルズ・ゴルフコースにおけるブルックス・ケプカ選手の16アンダーでの優勝と、時折は「二桁アンダー」での勝利が観られるようになりました。

 主催する全米ゴルフ協会としては切歯扼腕の状況であろうと感じますが、2018年の「長くなったシネコックヒルズ」が、協会の期待にどこまで応えてくれるのかは、興味深いところです。

 1986年以降のシネコックヒルズGCでの優勝者は、レイモンド・フロイド選手(1アンダー)、1995年がコーリー・ペイビン選手(E)、2004年がレティーフ・グーセン選手(4アンダー)となっています。
 これまでは、「飛ばし屋」というよりは「ショットメーカー」が好成績を残している印象です。

 現在の世界ランキングの1位ダスティン・ジョンソン選手、2位ジャスティン・トーマス選手、3位ジャスティン・ローズ選手、4位ジョーダン・スピース選手、5位ジョン・ラーム選手、6位ロリー・マキロイ選手、7位リッキー・ファウラー選手、8位ジェイソン・デイ選手、9位ブルックス・ケプカ選手、10位松山英樹選手のTOP10のプレーヤーを観れば、トーマス選手、ローズ選手あたりが「当代屈指のショットメーカーとして」有力ということになるのでしょうか。

 もちろん、ダスティン・ジョンソン選手やマキロイ選手、デイ選手の様に「飛んで上手い」プレーヤーも、優勝候補です。

 我らが松山選手にも頑張っていただきたいと思いますし、「復活の途上」という現状が、かえって精神面では良いかもしれません。「初メジャータイトル」のチャンスも十分に有ると感じます。
 今大会の「736名の戦士」が明らかになったところで、出場選手に対する様々な分析が行われています。
 6月6日付のSOCCER DIGEST WEBの「・・・W杯出場の32か国の『23人』を5つのカテゴリーで徹底比較」という記事も、そのひとつ。

 中に「選手輩出クラブTOP10」という項目がありました。
第1位 マンチェスター・シティ 16名
第2位 レアル・マドリード 15名
第3位 FCバルセロナ 14名
第4位 パリ・サンジェルマン 12名
4位タイ トッテナム・ホットスパー 12名
4位タイ チェルシー 12名
第7位 バイエルン・ミュンヘン 11位
7位タイ ユベントス 11名
7位タイ マンチェスター・ユナイテッド 11名
第10位 アル・ヒラル 9名
10位タイ アル・アハリ 9名
10位タイ アトレティコ・マドリード 9名

 となっています。

 レアルかバルサがトップであろうと思っていましたが、1位はシティでした。
 前期のプレミアを、勝ち点100越えを始めとする「記録ずくめの独走」で制したシティですが、ブラジル代表のガブリエルジェズス選手やアルゼンチン代表のアグエロ選手などの「有名選手」が数多く所属している形です。
 一方で、シティには外国人プレーヤーばかりかと思いがちですが、今回はスターリング選手を始めとして「4名のイングランド代表」も含まれています。

 マンチェスター・シティが、豊富な資金量に物を言わせて世界中からスタープレーヤーを集めていることは事実なのでしょうけれども、僅差にしても「第一位」ということは、「シティのプレーヤーが『ワールドカップ2018ロシア大会で求められるサッカー』に向いている」ということを示しているのかもしれません。

 2位のレアルは、「スペイン代表6名」が主体で、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手やドイツ代表のトニ・クロース選手らが所属しています。

 3位のバルサには、ヴィッセル神戸への移籍が決まったイニエスタ選手を始めとして、アルゼンチン代表のメッシ選手、ウルグアイ代表のスアレス選手らが所属しています。

 いずれ劣らぬ「豪華なクラブ」であることは、一目瞭然でしょう。

 ひとつのクラブから数多くのプレーヤーがワールドカップに出場するというのは、

① ナショナルチームの主体を成すチーム
② 海外有名プレーヤーを集めているチーム

 の2パターンが存在すると思います。

 例えば、バイエルン・ミュンヘンは「何時の時代もドイツ代表チームの骨格」を成していますし、ユベントスは「何時の時代もアズーリの守りの要を形成」してきました。
 アル・ヒラルは、サウジアラビア代表チームの主体となるチームですし、アル・アハリはエジプト代表チームの骨格を形成するチームです。
 これらのクラブは、それぞれの国のサッカー界を牽引する存在なのです。

 そう言えば、アル・ヒラルはラモン・ディアス監督です。
 横浜マリノスのフォワードFWとして、初期のJリーグで圧倒的な得点力・存在感を示すプレーヤーでした。
また、1979年のワールドユース・日本大会で、アルゼンチン代表チームのダブルエースとして、マラドーナ選手と共にチームを優勝に導きました。
 そのディアス氏が、現在のアル・ヒラルの監督なのです。

 話を戻します。

 そのチームのプレーを観ていれば、その国のサッカーの方向性が分かるチームというのは、それ自体が凄いことでしょうし、当然のことながら、「その国において常に『強い』存在」なのです。

 ビッグクラブとナショナルチームの関係は、常に興味深いものだと感じます。
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930