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 21世紀になってからは、ワールドカップが近づくと、過去の「名勝負」がテレビ放送されることが多くなりました。
 今大会も、NHK-BS放送などで、懐かしいゲームの映像がいくつも採り上げられました。

 こうした放送を観ると「現在に比べると・・・」という言葉が頻繁に、解説者やアナウンサーから出てきます。
 どんな分野においても、「回顧」となれば現代との比較が行われることは自然なことなのでしょうが、気になるのは、「古いサッカー」「時代遅れのサッカー」といったニュアンスが、感じられるコメントです。

 あたかも、「現在のサッカーの方が、過去のサッカーより優れている」、あるいは「サッカーが明確に進化している」、かのようなコメントなのです。
 こうしたコメントを耳にすると、いつも違和感があります。

 例えば、「こうやってドリブルでずーっと前進できる」と、ドリブル前進するプレーヤーを、中盤で放置するサッカーが古い、といったニュアンスです。

 私は、サッカー競技は20世紀に比べて「変化」してきているとは思いますが、必ずしも「進化」しているとは感じません。
 レギュレーションの変更に伴い、サッカー自体が変化していると考えています。

 レギュレーション変更の中で、サッカー競技に最も大きな影響を与えていると考える項目は「ボールの変更」でしょう。

 20世紀に比べて21世紀のボールは、明らかに「軽く」なりました。
 悪い言い方をすれば「小手先で操作できる重量」になったのです。
 そして、「皮」から「プラスティック」に素材も変わりましたから、雨が降っても濡れて水が沁みこむことが無くなり、重くならなくなったのです。
 現象面で観れば、サッカーボールは以前に比べて、良く飛ぶようになり、10m位の距離なら、軽くタッチするだけで飛ばすことが出来るようになりました。

 そして、サッカーの戦法は「ボール重量の変更に伴い」変化してきました。

 「蹴り方」によって、ボールの軌道に様々な変化を付けることが「容易になり」ました。
 かつては、ボールを30m以上速く飛ばすためには「相応の筋力」が必要であり、誰でも出来る技では無かったものが、相当簡単に出来るようになり、多くのプレーヤーにそうしたプレーが可能になったのですから、プレーにも大きな影響を与えたことは、自然なことです。

 限られたプレーヤーにしかできなかったことが、多くのプレーヤーに可能になるというのは、当該競技に劇的な変化を齎すのです。

 10m前後の「強いパス」も、20世紀においては、キチンと踏み込んで蹴らなければできなかったものが、現在では、短いストローク、面を作って軽く当てるだけで可能になっていますから、ダイレクトパスプレーは相当容易になっているのでしょう。

 こうした「ボールの変更」が、プレーの「大変化」に繋がっていると考えています。

 20世紀の名手達、ペレ選手やベッケンバウアー選手、ギュンター・ネッツァー選手や、ボビー・チャールトン選手、エウゼビオ選手らは、その「強靭な筋力」や突出した技術を持って、重いボールを正確に遠くに蹴ることが出来ました。ネッツァー選手などは、そのボールを「大きく曲げて」遠くに正確に運ぶことが出来たのです。

 そうしたプレーヤー達が、現在の軽いボールに接した時、どのようなプレーを魅せてくれるのかは、とても興味深いところでしょう。

 ボールの変更に「オフサイドルールの変更=攻撃側に有利な変更」等が相まって、「コンパクトなサッカー」、ピッチ上20m位の範囲に全20プレーヤーが入ってしまうといったプレーが求められるようになり、ゴール前の細かいパス回し、ワンタッチやヒールパスといったプレーが多用されるようになり、目の前のディフェンダーDFをふわりと超えるパスやシュートも、数多く観られるようになりました。

 かつては滅多に観られなかった、オーバーヘッドシュートによるゴール(生涯1000ゴール以上を挙げているペレ選手にして、オーバーヘッドキックによるゴールは1本だけです)が、現在では時折観られるようになった(2018年だけでもクリスティアーノ・ロナウド選手とガレス・ベイル選手のゴールが思い出されます)のは、軽いボールの貢献も大きな要素なのでしょう。(もちろん、さすがにオーバーヘッドシュートは、21世紀においても超一流選手のプレーでしか観られませんから、こうした選手の技術の高さを示していることは間違いありませんが・・・)
 「軸足を地面に着いていない」オーバーヘッドシュートは、ボールに推進力を与えるのがとても難しいので、重いボールでゴールまで、相応のスピードで相応の距離を飛ばすのは、至難の技だったのです。

 もちろん、前述の「20世紀の名手達」は、あの時代の重いボールでも、現代と同様のプレーを行うことが出来ました。
 1958年ワールドカップ・スウェーデン大会の決勝で、17歳のペレ選手が魅せた、パスを受け、DFをふわりと浮かせたボールで交わし、落ちてくるボールをダイレクトシューで叩き込んだプレー、パスを受けてからシュートまで、一時もボールを地面に付けなかったプレーは、長いワールドカップの歴史の上でも、ゴール前で観られた最も華麗なテクニックのひとつでした。
 まるで21世紀の軽いボールで行っているかのようなプレーだったのです。

 要すれば、かつてはワールドカップ出場クラスの選手の「100人にひとり」しか出来なかったプレーが、現在では「5人にひとり」位のプレーヤーが出来るようになったという感じ、そして、それに伴って戦法・戦術が大きく「変化」してきたということ、なのであろうと思います。
 決して「進化」ではないと考えています。

 このことについては、色々なご意見があると思いますが・・・。

 他の競技で観てみましょう。

 例えば、陸上競技の100m競走。
 東京オリンピック1964までは、アンツーカという「土」の走路でした。錐のように先の尖った18mm位の長いスパイクを付けたシューズを履いて、走っていたのです。
 
 それが、1968年のメキシコシティ・オリンピックでは「タータントラック」と呼ばれたオールウェザー型の走路に代わりました。分かり易く言えば「ゴム素材」のような走路です。

 アンツーカ走路であれば、スパイクにより地面が掘られ、土が後ろに飛んでいたのですが、オールウェザー走路では、地面が後ろに飛ぶことは無くなったのです。
 シューズのスパイクも、短いものとなり、形状も変わりました。

 大袈裟に言えば「違う競技」になったのでしょう。
 そして、土が飛ぶことにより「失われていたエネルギー」が走りに、前進力に利用できるようになり、タイムが向上しました。(ある意味では、当然のことです)
 メキシコシティ・オリンピック100m男子決勝で「10秒の壁」を破った人類は、その後21世紀に入って9秒58までタイムを伸ばしてきたのです。

 さて、これを「進化」と見るのでしょうか。

 東京オリンピック1964の男子100m金メダリスト、ボブ・ヘイズ選手と、現代のウサイン・ボルト選手は、どちらが強く速いのでしょうか。
 ヘイズ選手がオールウェザー走路様にトレーニングを積んで走った時、どれ位のタイムが出るのでしょうか。
 逆に、ボルト選手がアンツーカで走ったら、どれ位のタイムが出るのでしょうか。

 これは「比較のしようが無い」競い合いです。意味が無い比較なのかもしれません。
 やはり、アンツーカ走路とオールウェザー走路の100m競走は「別のもの」と見るのが、妥当だと思います。
 適応する走り方も異なりますし、必要な筋肉の部位や使い方も異なるのは、自然なことです。
 100m競走は「変化」してきたのでしょう。

 ワールドカップ1974西ドイツ大会の優勝チーム・西ドイツと2010年南アフリカ大会の優勝チーム・スペインが戦ったら、どちらが強いのだろう・・・。

 ベッケンバウアー選手、ゲルト・ミュラー選手、オフェラート選手、ベルディ・フォクツ選手、ゼップ・マイアー選手らを擁する西ドイツチームと、シャビ選手、イニエスタ選手、セルヒオ・ラモス選手、カシージャス選手らを擁するスペインチームです。
 それぞれの時代を代表する、素晴らしい、本当に素晴らしいチーム同士の戦いとなります。

 目の覚めるようなパスワークから、西ドイツチームにボールを渡さないスペインチームに対して、自軍ゴール前でボールを奪ったスイーパーというかリベロのベッケンバウアー選手がゆっくりとドリブルで前進を始めると、スペインチームのプレーヤーがボールを奪いに高い位置から襲い掛かります。

 しかし、ベッケンバウアー選手は容易にはボールを失うことなくプレーを続け、右足で素晴らしいパスをオフェラート選手に送ります。
 オフェラート選手のドリブルが始まり、ボールはセンターラインを越えて進むのです。

 想像するだけでもエキサイティングなゲームでしょう。

 ワールドカップ1970メキシコ大会の優勝チーム・ブラジルと2014年ブラジル大会の優勝チーム・ドイツが戦ったら、どちらのチームが勝つのでしょうか。

 ペレ選手、ジャイルジーニョ選手、トスタン選手、リベリーノ選手、カルロス・アルベルト選手らを擁するブラジルチームと、エジル選手、サミ・ケディラ選手、クローゼ選手、シュバインシュタイガー選手、ポドルスキー選手、トニ・クロース選手、ノイアー選手らが居るドイツチームの戦いです。

 トスタン→ペレ→ジャイルジーニョと繋いでドイツゴールに迫るブラジルチームに対して、エジル→シュバインシュタイガー→トーマス・ミュラー→ケディラといった自在な攻めを魅せるドイツチームの戦いは、長短のパスとドリブルを織り交ぜた、華麗なゲームに成りそうです。

 サッカーファンなら誰もが「夢の試合」を空想すると思います。
 サッカーの楽しみ方のひとつでもあるのでしょう。

 もし「サッカーが時代と共に進化してきた」とするなら、前述の2ゲームは、2010年のスペインチームと2014年のドイツチームが勝つことになります。40年前後の時間をかけての進化はとても大きなものである筈ですから、圧勝すると見るのが普通でしょう。

 しかし、私には1970年のブラジルチームや1974年の西ドイツチームが、簡単に敗れるとは到底思えないのです。
 もちろん、この2チームが簡単に勝つとは思われないのですが、接戦になることは間違いないと考えますし、最期はペレ選手やベッケンバウアー選手がその決定力を示すのではないかと感じます。
 これは「思い出の方が美しく見える」という現象の一種なのかもしれませんので慎重に取り扱わなければならないのですが、少なくとも「互角の戦い」になることは間違いないでしょう。

 2018年のロシア大会は、20世紀後半のサッカーを髣髴とさせるゲームが続いたように観えました。
 もちろん、軽いボールやオフサイドルールの違いが有るので、あの頃と同じとはいかないのですけれども、30mを優に超える長いパスや、10m以上のドリブル突破が、ゲームの中に数多く散りばめられていました。
 「コンパクトなサッカー」も少なかったと思います。前線とバックスの間には、大きな距離があった試合が多かったのです。

 また、イビチャ・オシム氏に代表される意見として「ティキタカ時代の終焉」も叫ばれました。「ティキタカは時間の無駄」というオシム氏の意見は、やや過激なのかもしれませんが、得点を挙げることが目的であるサッカー競技における「ティキタカの効果」、他の戦術と比較しての「効果」に大きな疑問が提示されたことは、興味深いところです。
 少なくとも「ポゼッションが試合の勝敗とは無関係」であることは、多くの試合で証明されました。

 1970年のブラジルチームから2018年のフランスチームまで、サッカーはレギュレーションの変化に伴って、様々に「変化」し、再び、良く似た戦術・戦法が多用されるようになったのかもしれません。

 「温故知新」ではないのですが、サッカー競技は「変化」を続けているのでしょう。
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[7月26日・エンジェルスタジアム]
ロサンゼルス・エンジェルス12-8シカゴ・ホワイトソックス

[7月28日・エンジェルスタジアム]
ロサンゼルス・エンジェルス11-5シアトル・マリナーズ

 先日のトレードで入団し、ルーキーとしてメジャーデビューしたばかりのアーシア捕手が2戦連続で大活躍を魅せて、チームの連勝に大貢献しました。

 26日のゲームでは4打数2安打、3ランホームランとタイムリーヒットで4打点、28日のゲームでは4打数3安打、3ランホームランとタイムリー2塁打2本で6打点、デビュー2戦で10打点というのは、MLB新記録だそうです。
 100年を優に超える歴史を誇るメジャーリーグにおいて、ましてや得点が入り易かったと言われる20世紀の前半の記録と比較しても「史上最高」と言うのですから、その凄さが分かります。

 まさに「空前絶後」の活躍だったのです。

 大谷選手の女房役として日本のファンにもお馴染みだったマルドナード捕手との「7月のトレード」で入団したアーシア捕手は、強烈なワンツーパンチをエンジェルスファンに示したのです。

 投手陣を始めとして、戦力的には劣るエンジェルスにとっては、2018年シーズン後半の戦いにおいては「ニューパワーの躍進」が不可欠なのですが、頼もしい存在が加わったということになるのでしょう。

 大谷翔平選手と共に、チームを牽引して行って欲しいものです。
[7月25日・三重大会決勝・四日市市営霞ヶ浦球場]
白山8-2松坂商業

 5回表の猛攻・6得点が効果的でした。
 三重県立白山高校が、初めて甲子園に駒を進めたのです。

 「初出場」であることはもちろんですが、毎年「惜しくも」という戦いを演じてきたというよりは、突然登場した印象です。
 2007年から2016年までは「三重大会で10年連続1回戦負け」だったというのですから、信じられないような飛躍でしょう。

 白山チームは地方大会で、いつも1回戦負けのチームでも、2年間で甲子園出場を実現できるということを証明したのです。
 全国的に見ても、こうした例が過去にあったのか?と感じてしまいます。

 新しく野球部を創設し、選手を集めて、名監督を招聘し、強化を進めれば、短期間・創部数年での甲子園出場は可能でしょうし、毎年のように地方大会の上位に顔を出した末の「悲願の甲子園大会出場」も有り得る話だと思いますが、「10年連続1回戦負け」から2年後に甲子園初出場というのは、とても考えにくい「ミラクル」なケースでしょう。
 
 2013年の東拓司監督の就任が契機になったことは間違いないのでしょうが、それにしても、草だらけのグラウンドで、投球マシンも無いという環境下、これほどまでに強くなったのには、何か要因がある筈です。

 2017年の三重大会で11年ぶりに初戦突破、3回戦に進出し、昨秋と今春の県大会ではベスト8に進出したとのことですから、2017年の秋頃から急速に力を付けたということになります。

 「要因」は追って判明するかもしれませんが、まずは「ミラクル」白山高校の第100回大会での活躍に期待しようと思います。
[7月23日・南埼玉大会・決勝・県営大宮球場]
浦和学院17-5川口

[7月24日・北埼玉大会・決勝・県営大宮球場]
花咲徳栄4-1上尾

 第100回記念大会には、埼玉からも2チームが出場します。
 地方大会も北と南に分かれて行われました。

 そして、南埼玉大会からは浦和学院高校チームが、北埼玉大会からは花咲徳栄高校チームが、勝ち上がりました。
 厳しい戦いが続く「甲子園への道」ですが、埼玉大会は接戦・激戦を経て、「21世紀の埼玉高校野球を代表する2チーム」を、夏の甲子園2018に送り込むこととなったのです。

 浦和学院チームは、圧倒的な得点力で勝ち抜きました。「ソツの無い攻撃」で着々と得点を積み上げたのです。投手力は、「伝統の継投」です。

 花咲徳栄チームは、こちらも伝統の「先発投手力」が生きました。決勝も野村投手がひとりで投げ切りました。

 浦和学院が2013年春の甲子園大会優勝校であり、花咲徳栄が2017年・第99回の夏の甲子園大会の優勝校であることは、皆さんご承知の通りです。
 特に花咲徳栄は、埼玉勢として初の選手権大会優勝チームなのです。

 例年なら1校の代表が、記念大会で2校に拡大され、その2校が「21世紀の埼玉高校野球を代表する」存在、全国的にもビッグネーム、というのは、埼玉の高校野球ファンにとっては堪らない展開なのではないでしょうか。

 浦和学院も花咲徳栄も、甲子園の決勝では打線が爆発し、17-1、14-4という大差で優勝を決めました。

 その強さを、第100回大会の舞台でも披露していただきたいと感じます。
 ロシア大会のピッチには、人工芝が使用されると大会前から伝えられていました。

 本田圭佑選手がCSKAモスクワに所属していた頃から、ロシアには人工芝のサッカー場があることは知られていましたが、ついにワールドカップでも使用されることになったのです。

 人工芝というと、野球場に使われているものしか思い浮かばなかったので、ゴム板の上に緑色のプラスティック素材の芝が植えてあるものと、勝手に想像してしまいましたから、ゴー・ストップをくり返すサッカープレーにおいては、プレーヤーの足腰への負担が大きく、大会中に故障者が多く出てしまうのではないかと、心配さえしていたのです。

 そして開幕戦、メイン会場であるルジニキスタジアム(モスクワ)でのロシアVSサウジアラビアのゲームに見入りました。
 
 ところが、見た目も、プレー振りも、天然芝とほとんど変わらない光景が広がっていました。選手達も、いつものようにプレーしています。

 さすがに、イギリスSIS社製のハイブリッド人工芝(SISGrass/シスグラス)は、とても良く出来ていたのです。
 構造の細部は分かりませんが、ハイブリッドと表記するのですから「天然芝+人工物」であろうとは思います。

 大会が進むにつれて、「わらじの様な芝」が飛ばないことが分かってきました。スライディングタックルの際などに、天然芝の試合で良く眼にした、大きな芝が舞い上がるシーンが無いのです。

 プレー中に、選手が滑るシーンは時折観られましたが、これは天然芝のピッチでも眼にするシーンです。
 「滑る頻度」は、柔らか目の天然芝ピッチよりは余程少ないように感じられました。

 そして、大会も終盤に差し掛かり、メインスタジアムであるルジニキスタジアムでは、多くのゲームが行われました。準決勝までに6試合が行われたのです。
 メインスタジアムで多くのゲームが行われるのは、どの大会でも同様です。
 結果として、これまでの大会では、決勝になるといくつかの場所の芝が剥がれていたものです。ゴールエリア周辺などは、芝が無くなっている場所もありました。

 ところが、ロシア大会の決勝のルジニキスタジアムの芝は、開幕戦の時と同じように観えました。綺麗に生え揃っていたのです。

 これが、人工芝の威力であることは間違いないでしょう。
 メンテナンス面では、とても有効なのです。

 人工芝SISGRASSに対するプレーヤー達の評価は、それほど多くは公表されていません。
 とはいえ、「ロシア大会の人工芝が良くなかった」とか「人工芝のせいで負けた」「足腰に大きな負担がかかった」といった声は選手達から聞こえてきません。(私の情報収集不足かもしれませんが)

 ワールドカップ2018ロシア大会は「人工芝の大会」でした。

 このサーフェイスへの最終的な評価はFIFAが下すのでしょうが、様々な気候が存在し、メンテナンスにかけることが出来る財力も色々なレベルが存在するであろう、世界各地へのサッカーの普及という大命題遂行という面からは、「今後も使用して行く」という方針が示されることになりそうです。
[7月23日・北福岡大会・決勝・北九州市民球場]
折尾愛真12-9飯塚

[7月24日・南福岡大会・決勝・北九州市民球場]
沖学園1-0九産大九州

 南北2地区で戦われた福岡大会ですが、折尾愛真高校と沖学園高校が制し、甲子園へと駒を進めました。共に「初出場」です。

 第100回記念大会では、大坂や神奈川等の地区と共に、福岡地区からも2校が甲子園大会に出場することとなりました。「野球どころ」ならではの複数代表です。

 そして両地区ともに、並み居る常連校を後目に新鋭校チームが勝ち抜いたのです。

 北福岡の決勝は、折尾愛真チームが打ち合いを制しました。
 5回までを10-6とリードした折尾愛真が飯塚の反撃を凌いで12-9で勝ち切ったのです。

 一方の南福岡は、沖学園チームが投手戦を制しました。
 沖学園の大エース・斎藤投手が、3回表に挙げた1点を守り切ったのです。21世紀の甲子園大会の地区大会決勝では珍しい、完投シャットアウトでした。

 21世紀に入ってから、福岡代表の甲子園での成績は芳しいものではありません。
 
 1992年の西日本短大付属以来、優勝チームは出ていません。
 準優勝とて、1988年の福岡一まで遡らねばならないのですから、福岡の高校野球ファンにとっては切歯扼腕の日々なのでしょう。

 フレッシュな2チームには「新しい福岡代表の戦い」を、甲子園球場で披露していただきたいと思います。

 初めてその名前を聞いた時、前にもどこかで・・・と感じましたが、1970年メキシコ大会、1974年西ドイツ大会の公式試合球も「テルスター」と呼ばれていたことが分かり、納得しました。

 ロシア大会のテルスターは、「18」という進化形だったのです。

 2010年南アフリカ大会の「ジャブラニ」は、良く飛ぶボールという感じで、フリーキックFKでは「ふかす」プレーが続出しました。ジャブラニをコントロールするのは至難の技だったのです。

 2014年の「ブラズーガ」は、「ブレ球」という印象です。蹴られたボールが微妙に、しかも鋭く変化をくり返すものですから、ゴールキーパーGK泣かせのボールとも呼ばれました。

 今大会のグループリーグGLで使用された「テルスター18」は、どんなボールだったのでしょうか。

 大会前6月6日「スポーツ報知」配信の記事によれば、
① 中速(時速20~40km)のパスが良く飛ぶ
② ブレ球よりはカーブ球
③ ボール面を把握せよ

 との3つの指摘がありました。

 中速のパスが良く飛ぶというのは「ブラズーガ」と同様だそうで、スピーディなパスワークを得意とするチームに有利であろうと・・・。まさに、前回優勝のドイツチームは「中速で長めのパス」によって、相手ゴール前で左右にパスを散らして「フリーな状態でシュート」するという攻撃を展開しました。

 一方で、過去2大会のボールとは異なり、ボールに回転を与えやすい構造になっているとのことで、「正確なカーブ球」を蹴るのに向いているとのこと。
 確かに、GLポルトガル対スペイン戦のクリスティアーノ・ロナウド選手の3点目のフリーキックFKや決勝トーナメントT準決勝クロアチア対イングランド戦のキーラン・トリッピアー選手の先制FKなど、見事なFKからのゴールがありました。
 ブラズーガやシャブラニより、より正確なボールコントロールが可能だったのでしょう。

 「蹴る面」によって、ボールの軌道が大きく変わるとの分析結果も出ていました。縫合線が曲線のブラズーガとは異なり、直線が多いテルスター18は、蹴る場所によって球質が相当異なるようです。
 逆に言えば、FKではボールの置き方により異なる球質を出すことが出来たということになります。

 このところ「不安定な飛び方をするボール」が続いていたワールドカップにおいて、テルスター18は「相当コントロールできるボール」であったようです。

 とはいえ、決勝T準々決勝のウルグアイ対フランス戦のフランスの2点目は、ウルグアイの名ゴールキーパーGKフェルナンド・ムスレラ選手がセーブできない程の変化もしました。蹴り方によって、微妙に、しかし決定的な変化をするボールでもあったのでしょう。

 テルスター18は「モノトーン」です。
 これは「白黒テレビでも軌道が観やすい」ことを狙ったものと報じられていましたが、決勝Tに入って「赤色」が加わりました。
 これは「テルスターミチター」という別のボールなのだそうです。
 ワールドカップの大会中に試合球が変わったのは、史上初めてであったそうです。

 「ミチター」の動きは「18」と、大きくは変わらなかったように観えました。
 おそらく、表面印刷の違いだけであったのではないかと感じます。

 これからしばらくの間、色々なゲームでテルスター18あるいはテルスターミチターが使用されることになります。

 ワールドカップ使用球は、世界中のサッカープレーヤーの誰もが蹴ってみたいボールなのでしょう。
[7月24日・トロピカーナフィールド]
ニューヨーク・ヤンキース4-0タンパベイ・レイズ

 田中将大投手が、敵地のレイズ戦で好投を魅せ、被安打3・奪三振9の完封勝利を挙げました。
 今シーズンの成績を8勝2敗とし、MLB通算60勝(30敗)に日本人投手最速で到達しました。

 投じた全105球の内、ストライクが74球とコントロールが良く、スライダーとスピリットのキレも抜群という、2018年シーズンNO.1の投球でした。

 「先発投手は100球が目途」とされているメジャーリーグにおいて、完投勝ちを収めることはとても難しいことです。「球数を抑えながらアウトを重ねて行く」ためには、相手が世界最高レベルの打者であるMLBにおいては、極上の投球が求められるのは当然のことでしょう。

 「日本のグレッグ・マダックス」といった声も聞かれているとのこと。

 ここまで、やや不安定な投球が多かった2018年シーズンですが、ようやく「思った通りの投球」が出来たのでしょう。
 ヤンキースのプレーオフ進出に向けて、田中投手への期待は高まるばかりです。

 6月8日SOCCEW DIGEST WEB配信の「英紙が『W杯の歴代ゴラッソトップ10』を選出!・・・」の記事で、これまでのワールドカップにおける、美しいゴールシーンを思い出しました。

 英紙Daily Mailの6月6日の記事だそうですが、その「トップ10」は以下の通りです。

第10位 ザイード・オワイラン(エジプト、1994年アメリカ大会)
第9位 マイケル・オーウェン(イングランド、1998年フランス大会)
第8位 エステバン・カンビアッソ(アルゼンチン、2006年ドイツ大会)
第7位 デニス・ベルカンプ(オランダ、1998年フランス大会)
第6位 マキシ・ロドリゲス(アルゼンチン、2006年ドイツ大会)
第5位 ハメス・ロドリゲス(コロンビア、2014年ブラジル大会)
第4位 ペレ(ブラジル、1958年スウェーデン大会)
第3位 マヌエル・ネグレテ(メキシコ、1986年メキシコ大会)
第2位 カルロス・アルベルト(ブラジル、1970年メキシコ大会)
第1位 ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン、1986年メキシコ大会)

 いずれも、ワールドカップ史に残る、素晴らしいゴールばかりです。

 10位のオワイラン選手のゴールを挙げているところに、この記事のレベルの高さというか、公平さを感じます。「何人抜きのゴール」という視点ならば、このゴールは突出しています。
 グループステージのベルギー戦でのゴールは、いつまでも語り継がれるものでしょう。

 7位のベルカンプ選手のゴールも見事なものでした。オランダ代表フォワードFWらしい、大柄で迫力満点のベルカンプ選手が、羽毛を扱うようなトラップから、右足アウトサイドで押し込んだのです。オランダ史上屈指のFWですが、これがベストシュートでしょう。

 「神様」ペレ選手の17歳の時のゴールは、世界中で最も多くの人が観たゴールかもしれません。大会中のみならず、大会終了後も、21世紀に至っても、時折テレビ画面に登場するのですから・・・。
 その「胸トラップ」の見事さ、相手ディフェンダーDFを交わし、シュートするまで、ボールは地面に落ちていません。まるで練習中のリフティングを観るようですが、ワールドカップ決勝の大舞台でやってのけるペレ選手の能力の高さには、ただ感嘆の声を上げるしかないでしょう。

 3位のネグレテ選手のゴールは、アルゼンチンらしい「ゴール前のパス」を駆使した、美しいものでした。ジャンピングボレーのシュートも見事なもので、このゴールがFIFAのワールドカップベストゴールに選出されているそうです。

 2位のカルロス・アルベルト選手のゴールは、史上最強との呼び声も高い「1970年のブラジル代表チーム」による、決勝イタリア戦で生まれたビューティフルゴールでした。
 相手ゴール前に陣取ったペレ選手が横に丁寧なパスを出し、後方から走り込んだアルベルト選手が叩き込んだものですが、このシュートは「地上30cm位の高さ」のまま飛び、イタリアゴールに突き刺さりました。強烈なシュートでありながら、全く「吹き上がる」ことが無かったのです。
 この大会の「finest Goal」にも選ばれたと記憶しています。

 1位のマラドーナ選手の「5人抜き」も、世界で最も多くの人が観たゴールのひとつでしょう。1986年メキシコ大会を「マラドーナの大会」にした要因のひとつでもあります。
 私は、このゴールに我流点睛を欠くところがあるとすれば、「ファンタスティックなドリブル後の最後のシュートはマラドーナ選手自身が蹴ってはいない」ように見えるところです。イングランドDFが後方からクリアしようとして蹴ったものが、ゴールインしたようにも見えるのです。
 これは、私の見損ねなのでしょうけれども・・・。

 さて、このトップ10に2018年ロシア大会のゴールが割って入ったのかどうかは興味深いところです。

 決勝トーナメントTラウンド16、ウルグアイVSポルトガル戦の「カバーニ→スアレス→カバーニ」による1点目のゴールなどは、歴代トップ10の資格が十分にあるように感じます。

 何時の大会でも、ワールドカップにおいては「もの凄いゴール」が生まれます。
 この「トップ10」にも、異存というか、「他にももっと凄いゴール」があるというご意見も多数ありそうです。
 ひとりひとりのファンが「自分のトップ10」を持っているのが、ワールドカップなのでしょう。

 こうした「凄いゴールシーン」が、ワールドカップという世界最高の舞台で、世界最高のプレーヤーが、その持てる力の全てを出し切ったプレーから生まれる、そういうプレーからしか生まれない、ことは、言うまでも無いことなのでしょう。
[7月22日・福島大会決勝・いわきグリーンスタジアム]
聖光学院15-2福島商業

 福島大会の決勝は、前半から優位に試合を進めた聖光学院高校チームが、7・8・9回に9得点を重ねて、快勝しました。

 聖光学院は、自ら持つ戦後の夏の甲子園大会連続出場最長記録を「12年連続」に伸ばしました。素晴らしい記録です。

 毎年選手が入れ替わる高校野球において、12年連続というのは空前の記録でしょう。
 福島の他のチームも「打倒・聖光学院」の旗印のもと、毎年チームを強化して挑んでいる筈です。

 当然ながら、聖光学院チームも毎年持ち味が異なるのですが、2018年のチームは例年以上に強打のチームであり、また投打のバランスが良いチームでもあります。

 「甲子園への道」は、どんな強豪チームにとっても容易なものでは無いことは、言うまでもありません。「一度負ければ終わり」というのは、想像以上に厳しいものなのです。
 特に、相手投手の調子が良い場合には、どんな強力打線でも打ち倦むもので、逆に見方チームにエラーが出たりして失点することも、十分に有り得ることなのです。

 今大会の聖光学院チームの「道」について見れば、準決勝のいわき海星チームとのゲームは、拮抗した大接戦でした。
 3回までに3-0とリードしたものの、その後はいわき海星・岩崎投手を打てず、9回表には2点目を献上して3-2の1点差となりました。聖光学院チームは、上石投手→川口投手→衛藤投手のリレーで逃げ切ったのです。
 終わってみれば、いわき海星が8安打、聖光学院が7安打、四死球はいわき海星7個、聖光学院4個と互角の試合内容でした。聖光学院としては、2つのダブルプレーを成立させたことが、勝利を呼び込んだと言えるのかもしれません。

 こうした接戦をも物にして、甲子園に駒を進めたのですから、2018年の聖光学院チームが「粘り強い」ことは間違いありません。

 第100回記念大会での初優勝、福島県勢としての初優勝をも目指して、聖光学院チームの甲子園での戦いが始まります。

 ワールドカップが行われると、関連して過去の名選手のデータが色々と発掘されますが、これもそのひとつです。

 6月22日のFootball ZONE WEB配信の記事に、クリスティアーノ・ロナウド選手がグループリーグGLモロッコ戦で「今大会4点目」を挙げて、ポルトガル代表としての通算ゴール数を85に伸ばし、欧州最多得点記録を樹立したという内容です。

 そして、当然ながら、クリロナ選手の記録更新後のA代表としての得点「世界歴代10傑」が記載されているのです。(英紙「フォー・フォー・トゥー」のデータ)

1位 アリ・ダエイ(イラン) 109得点/149試合
2位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 85得点/152試合
3位 フェレンツ・プスカシュ(ハンガリー) 84得点/85試合
4位 釜本邦茂(日本) 80得点/84試合
5位 ゴッドフリー・チタル(ザンビア) 79得点/108試合
6位 フセイン・サイード(イラク) 78得点/137試合
7位 ペレ(ブラジル) 77得点/92試合
8位 バシャール・アブドゥラ―(クウェート) 75得点/133試合
8位 シャーンドル・コチシュ(ハンガリー) 75得点/64試合
10位 キンナー・フィリ(マラウィ) 71得点/115試合
10位 ミロスラフ・クローゼ(ドイツ) 71得点/137試合
10位 マジェド・アブドゥラー(サウジアラビア) 71得点/147試合
(以上、敬称略)

 何だか、凄いデータです。(もちろん、対戦相手が異なりますので単純比較はできないのですが・・・)

 「王様」ペレやクローゼといった、ワールドカップ史に燦然と輝くストライカーが居るかと思えば、「マジックマジャール」の代表格、プスカシュとコチシュも居ます。
 コチシュなどは、代表64試合で75得点なのですから、1試合1ゴールを遥かに超える得点力です。驚異的の一語。

 一方で、サッカー発展途上国の時代に、当該ナショナルチームを背負ってゴールを重ねたプレーヤーも数多く居ます。

 1位はイランのアリ・ダエイでした。1990年代から2000年代まで、常に日本チームの前に立ちふさがった名プレーヤー。「何時まで経ってもアリ・ダエイ」と呼ばれ、長く日本チームのワールドカップ出場の「壁」として活躍したのです。

 我らが釜本邦茂も堂々と4位に食い込んでいます。何時見ても素晴らしい記録です。
 日本サッカー史上最高のストライカーとしての実績は、時代が変わろうと全く色褪せません。

 クリスティアーノ・ロナウド選手は歴代10傑の中で「唯一の現役プレーヤー」です。
 20世紀に比べて、相当ディフェンスが進化し、ゴールを挙げにくくなったと言われている中で、堂々と2位に食い込み、ヨーロッパNO.1の地位に上がったのですから、そのストライカーとしての実績は文句の付けようがないでしょう。
 クリスティアーノ・ロナウド選手は、「ナショナルチームにおける現代最強のストライカー」なのです。

 アリ・ダエイとクリロナの差は24ゴール。
 ちょっと大きいかなとは思いますが、ひょっとするとクリロナ選手が歴代トップに躍り出る日が来るかもしれません。
 7月場所最高の「大相撲」でした。

 2018年の各場所を通じても最高の「大相撲」かもしれません。

 千秋楽の御嶽海と豊山の一戦は、素晴らしい相撲でした。

 互角の立合いから御嶽海が押し込みます。
 豊山は、向う正面の俵まで押し込まれました。「勝負が速い」今場所の御嶽海ですから、このまま寄り切りか押し出しで勝負がつくかと思われましたが、豊山が粘ります。
 東の徳俵付近まで回り込み、御嶽海の押しを堪えます。

 そして豊山が反撃し、押し返しました。この押しは強烈で、御嶽海が後退、俵を伝って押しを交わしにかかります。豊山が押し出すかに観えましたが、御嶽海は何とか堪えました。

 向う正面西寄りにて2人の動きが止まりました。
 両力士の力が一瞬拮抗したのです。

 「おおー」、地鳴りのような歓声が館内に響き渡りました。

 満員の観客の心からの叫び、驚きが籠った、凄まじい歓声でした。(これ程の歓声を大相撲で耳にするのは、何時以来でしょうか)

 一瞬の静止の後、御嶽海が押しに入りました。正面東寄りまで一気に押し込みます。
 このまま御嶽海が押し出すかに見えた瞬間、豊山は土俵際で踏ん張り、投げを打ちました。

 この投げに対して、御嶽海も豊山に体を預けて行ったのですが、豊山は脚をかけて、御嶽海を腰に乗せ、ブン投げました。

 態勢としては2~3度逆転があり、共に相手力士を土俵際まで追い込み、「勝った」と感じさせる瞬間が何度かありました。
 その相撲が「スピード十分」な動きの中で連続したのです。

 その「応酬」は、息つく暇も無く、見ごたえ十分。
 勝負が決した後、両力士は呆然とした様子でしたが、観客も呆然としていた感じでしょう。
 まずは「何が起こったのか」の整理に、数秒の時間を要したのです。
 
 まさに「大相撲」でした。

 7月場所で初優勝を飾り、9月が大関取りの場所になる御嶽海にとっては、14勝と13勝の差は大きいとの見方もあるのでしょうが、この「大相撲」の前では小さな話に観えてしまいます。

 NHKテレビ放送の解説者・北の富士氏の「こんな相撲を見せられると、大相撲もまだまだ捨てたもんじゃ無いね」というコメントが総てを物語っているのでしょう。

 大相撲界最大の使命は「良い相撲をお客様に披露すること」でしょう。
 プロスポーツとしての、何にも代えられない「使命」です。

 大相撲界の明日を支える2人の若手力士、御嶽海と豊山が、その「使命」を見事に果たした一番でした。
 ロシア大会はフランス代表チームの優勝で幕を閉じましたが、そのフランスチームで中心的な活躍を魅せたプレーヤーがキリアン・エムバペ選手でした。
 
 大会前から、その圧倒的なスピードで注目されていたエムバペ選手ですが、その期待に十分に応えたのです。19歳という大会最若手プレーヤーのひとりであったことを考え合わせると、驚異的な活躍でしょう。

 1958年スウェーデン大会で、ブラジル代表チームの一員として戦った、17歳のペレ選手が大活躍を魅せ、「ヨーロッパで開催されたワールドカップで唯一南米チームが優勝する」という快挙をブラジルチームに齎したことは、とても有名な事実です。

 ペレ選手は、この後も計4度ワールドカップに出場し、ブラジルの3度の優勝に貢献しています。

 1958年大会のペレ選手は、6得点を挙げて得点ランキングの2位タイでした。
 この大会では、フランスチームのジュストフォンテーヌ選手が13得点を挙げて得点王に輝きましたが、この「1大会13得点」はいまだにワールドカップ最高記録です。

 その大会でペレ選手は、西ドイツのヘルムート・ラーン選手と共に6得点で2位となっているのです。

 2018年ロシア大会のエムバペ選手は、4得点を挙げて得点ランキングの2位タイでした。
 イングランドチームのハリー・ケイン選手が6得点で得点王に輝き、エムバペ選手はクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル)やロメル・ルカク選手(ベルギー)らと共に2位タイだったのです。

 こうして観て行くと、ペレ選手とエムバペ選手のワールドカップデビューは、「60年の時を経て」良く似ています。

 10歳台でワールドカップにデビューし、大活躍を魅せてチームの優勝に貢献、得点ランキングで2位タイだったのです。

 エムバペ選手が、ペレ選手の様に「ワールドカップに4度出場」することは、年齢的には可能なことです。
 
 大きな故障などせずに、自らの実力を磨き上げていただき、「21世紀のペレ」となれるかどうか、とても注目されるところでしょう。

 ペレ選手は、その活躍によりブラジルを世界一のサッカー王国に押し上げ、世界最高のサッカープレーヤーとして誰からも認められ、「サッカーの王様」と称されるまでになりました。
 その評価は、現在に至るまで不変です。

 もし、エムバペ選手が「21世紀のペレ」になった時には、フランス代表チームがワールドカップ優勝回数を更に増やしていることになるのでしょうし、「21世紀の王様」と呼ばれるようになるかもしれません。
 その可能性は十分に有ると感じます。
[7月20日・マツダスタジアム]
広島10-9巨人

 上原浩治投手が同点の7回に登板し、1イニングを被安打1・無失点に抑えてホールドを達成、日米通算100ホールドとして、トリプル100(日米通算134勝・128セーブ・100ホールド)を達成しました。

 日本人プレーヤーとして史上初のトリプル3達成であり、MLB・NPBを通じても、ニューヨーク・ヤンキースなどで活躍したトム・ゴードン投手に続く2人目の快挙です。

 トリプル100が極めて達成困難な記録であることは明らかでしょう。
 先発投手であればセーブとホールドを積み上げるのは困難ですし、クローザーであれば勝利を積み上げるのは容易なことではありませんし、セットアッパーとなれば勝利投手となるのはクローザー以上に至難の技となります。

 上原投手は、1999年に巨人でデビューしエースとして活躍、2006年に通算100勝を成し遂げました。
 2009年からMLBに舞台を変えた後は主にブルペンで活躍し、クローザーとして大活躍。ボストン・レッドソックス時代の2015年に通算100セーブに到達しました。
 そして2018年、巨人に復帰して通算100ホールドとしたのです。

 先発から入り、クローザーを担当し、セットアッパーに役割を映してきたことで、信じられないような大記録を達成することが出来たということになります。
 達成者が僅かに2名という事実を観ても、「達成困難度」では最上級の記録といって良いでしょう。

 上原投手が、日本プロ野球史上屈指の大投手であることは、これまでも本ブログで書いてきました。
 特にコントロールの良さは、比類無きレベルです。

 例えば、奪三振数を与四球数で割るK/BB(制球力を示す指標)においては、日本プロ野球において1000イニング以上を投げた投手の中では、上原投手が6.68で1位、土橋正行投手が4.61で2位、田中将大投手が4.50で3位となっています。上原投手は1位といっても、圧倒的な1位であり、競り合う相手も居ない比類無きトップなのです。
 当初日本プロ野球に在籍した10年間・1549イニングでの与四球は僅か206個。与四球率は1.20となり、これも圧倒的なトップとなっています。(空前の記録でしょう)

 K/BBについて観れば、MLBにおいても8.96で100イニング以上投げた投手の中で、2014年までの歴代トップです。

 フォーク(スプリット)を主要球種として投げる投手ですから暴投が多くなりそうですが、上原投手はとても少なく、2014年までの、NPB10年間で10個、MLB6年間で4個と、16年間で14個しかありません。驚異的な数値でしょう。1年間で1個も無いのですから、「上原投手の暴投を観ること」は、極めて難しいことになります。(NPB、MLBで上原投手を相当の回数観ている私も、残念?ながらお目にかかったことがありません)

 暴投が極めて少ないという事実は、ワンバウンドが少ないことをも示しているのでしょうが、それ以上に「キャッチャーが構えた所に投げ込めること」を示しているものでしょう。低めが上手く使えなければMLBやNPBにおいて投手を続けて行くことは難しい筈ですから、低めに多投している中で、暴投にならないというのは、キャッチャーが予想しているところに正確に投げ込めていることを如実に示している事実だと考えます。

 MLBボルチモア・オリオールズ時代の捕手マット・ウィータース選手は「構えた所に寸分の狂い無く投げ込んで来るから、受けるのが楽しい投手だった」とコメントしています。MLBにおいても、滅多に居ない「コマンド(狙ったところに投げる能力)が優れた投手」なのです。
 レッドソックス時代のファン・ニエベス投手コーチは「スプリット(フォーク)もただ落とすだけではなく、思い通りのコースに投げることが出来るから、打者も対応できない」とコメントしています。
 複数種類のスプリットをコントロール良く投球できる投手というのは、多くは無いでしょうし、あの驚異的な暴投の少なさに結び付いていることは間違いないでしょう。

 レッドソックス時代の2013年シーズンには、リーグチャンピオンシップとワールドシリーズで胴上げ投手となり、リーグチャンピオンシップのMVPに輝くなど、日本人メジャーリーガーとして初の、そして唯一の大記録を残していることは、皆さん良くご存知の通りです。

 上原浩治投手も43歳となりました。

 大投手のキャリアも仕上げの段階に入っているのでしょう。
 7月15日の読売新聞朝刊に「データスタジアム社のランキング」という、ワールドカップ2018ロシア大会関連の記事が掲載されました。
 とても面白い記事でした。

 これは、7月11日・準決勝終了時点で、様々なプレー項目の各プレーヤーのランキングをデータスタジアム社が調査・公表したものです。

① シュート数
第1位 ネイマール(ブラジル) 26回 枠内率50.0%
第2位 コウチーニョ(ブラジル) 23回 同26.1%
第3位 クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 22回 同36.4%
第4位 ペリシッチ(クロアチア) 21回 同14.3%
第5位 グリーズマン(フランス) 18回 同38.9%
第5位タイ メッシ(アルゼンチン) 18回 同33.3%

② ラストパス数
第1位 ネイマール(ブラジル) 23回
第2位 トリッピアー(イングランド) 18回
第3位 デ・ブルイネ(ベルギー) 16回
第4位 モドリッチ(クロアチア) 15回
第5位 コウチーニョ(ブラジル) 13回
第5位タイ ベラ(メキシコ) 13回

 この記事では、攻撃の項目として「シュート数」「ラストパス数」が挙げられていますが、ネイマール選手は2項目共にトップ、それも圧倒的なトップです。
 他競技で言えば「シュート」と「アシスト」の両項目で首位となっているのです。

 ブラジルチームの試合を観ていて、凄いパフォーマンスだと感じていましたので、その感じが数字でも証明されたことになり、納得でした。

 この大会のネイマール選手は、もの凄い活躍を魅せてくれたのです。

 シュート数項目でいえば、その「枠内率」も50%と圧倒的です。
 クリスティアーノ・ロナウド選手やメッシ選手、グリーズマン選手といった錚々たる世界の「点取り屋」を相手に、世界最大の大会で圧倒的な数値を残しているのですから、ネイマール選手のゴールゲッターとしての能力が世界屈指のものであることは、疑う余地がありません。

 また「ラストパス数」項目では、2位に大差を付けてのトップです。
 こちらも、ルカ・モドリッチ選手やデ・ブルイネ選手を相手にしての圧倒的な実績ですから、自軍の他の選手を活かして得点を狙って行くという役割においても、ネイマール選手の能力が世界屈指のものであることも、間違いありません。

 「俺が俺がと出しゃばり」、めったやたらとシュートを放って、シュート数の増加を果たしたわけでは無く、チームにとって良いと判断した時には、味方プレーヤーにパスを出し、自分が打つ方が得点の可能性が高いと判断した時にはシュートして行く、そしてその「枠内率」が圧倒的、世界最高の大会で圧倒的と言うのですから、冷静かつ客観的に観て、ロシア大会最高のオフェンスプレーヤーはネイマール選手ということになるのでしょう。
 
 ネイマール選手は、円熟期を迎えつつあるのかもしれません。
 7月5日に西野ジャパンが帰国しました。
 ロシア大会で決勝トーナメント進出という見事な成績を挙げての「凱旋」帰国でした。

 そしてチームのキャプテン、長谷部誠選手(34歳、静岡県藤枝市出身)がインタビューに応じました。

 「99%の満足感と1%の後悔」と心情を披露したのです。

 スポーツに限らず、どんな事についても、「100%満足」ということは滅多に無いのでしょうから、「99%」というのは、とても満足な期間を過ごすことが出来たということでしょう。

 世界のサッカー界には、「ザ・キャプテン」と称されるプレーヤーが居ます。
 例えば、史上最高の左サイドバックとも称された、イタリアのパオロ・マルディーニ選手は、ACミランのキャプテンとして、イタリア代表チームのキャプテンとして、「比類無き存在感」を示しました。世界最高の「ザ・キャプテン」のひとりでしょう。

 そして、我らがキャプテン長谷部も、この域に到達しているのではないかと感じます。

 2010年5月、当時の岡田ジャパンにおいて代表チームのキャプテンに就任しました。
 以来2018年7月まで「8年2ヵ月」の間、チームを牽引したのです。
 「心身の疲労」はどれほどだったことでしょうか。

 2014年ブラジル大会の指揮を執ったアルベルト・ザッケローニ監督は「長谷部はキャプテンとしか言いようがない。これほどキャプテンとして相応しいプレーヤーは居ない」と、そのキャプテンシーを絶賛していました。

 海外の監督から見ても「ザ・キャプテン」に観える、余人をもって代えられない、というところが凄いところで、ハリルホジッチ監督も全幅の信頼を置いていました。

 日本代表チームの「ザ・キャプテン」が代表チームを去ります。

 あの冷静なプレーと運動量、何より「時々見せる、はにかんだ様な笑顔」は、まさにチームの牽引役でした。

 長谷部誠キャプテンに、心からの感謝の拍手を送ります。

[14日目・名古屋ドルフィンズアリーナ]
○御嶽海(寄り切り)栃煌山●

 この一番に勝てば優勝という御嶽海でした。

 緊張して固くなるかと思われましたが、立合いから御嶽海の落ち着いた取り口が印象的でした。

 まず立合いで、栃煌山に両差しを許しませんでした。
 実力者栃煌山の最大の武器は「立合い両差しからの一気の寄り」ですが、これを封じたのです。御嶽海の左脇の固さが生きました。

 左四つからの攻防で、右をこじ入れて、栃煌山にバンザイをさせました。見事な攻め。

 そのまま正面に寄りたて、寄り切ったのです。
 「前に出る力」は見事。

 今場所の御嶽海の相撲の特徴でもある「相手力士は土俵の外へ、自らは土俵の中に居る」形での、腰を十分に落としての寄り切りでしたから、相当に余裕のある取り口でした。
 堂々たる相撲と言って良いのでしょう。

 5月場所は9勝に終わった御嶽海が、今場所連勝を続け、12日目に大関・高安を相手に惜しい星を落とした後も「連敗癖」は出ず、結局14日目を終えて13勝1敗で早々に優勝を決めたのです。
 いったい、5月から7月の間に御嶽海に何が有ったのかと言う感じがします。
 「大変身」です。

 体格もひと回り大きくなったように観えます。
 心持が体躯にも反映されている感じです。

 「3横綱+栃ノ心」が休場した7月場所は、「御嶽海の場所」になりました。

 9月場所が「大関取りの場所」になるのは間違いありませんし、今場所の相撲は既に大関レベルのものだと感じます。
 アントワーヌ・グリーズマン選手(フランス)、ルカ・モドリッチ選手(クロアチア)、エデン・アザール選手(ベルギー)の3プレーヤーが、ワールドカップ2018ロシア大会を彩る、素晴らしい活躍を魅せたことに異論を挟む人は少ないでしょう。

 各代表チームの中核をなすプレーヤーとして、見事なプレーを披露しました。
 モドリッチ選手は大会MVPの栄誉に輝きました。

 この3プレーヤーの身長は、公表によれば、グリーズマン選手が174cm、モドリッチ選手が172cm、アザール選手が173cmとなっています。
 180cm以上、あるいは190cm以上のチームメイトが多い中では、小柄なプレーヤーと言うことになります。
 確かに、試合前のセレモニー・国歌演奏の際には、この3プレーヤーの身長は一段低いように観えました。

 一方で、世界のサッカー史を飾るスーパースターの身長を観てみましょう。

 「王様」ペレ選手(ブラジル)は171cm、ディエゴ・マラドーナ選手(アルゼンチン)は165cm、ボビー・チャールトン選手(イングランド)は173cm、トスタン選手(ブラジル)は172cm、エウゼビオ選手(ポルトガル)は175cm、フェレンツ・プスカシュ選手(ハンガリー)は172cm、ロマーリオ選手(ブラジル)は167cm、デル・ピエロ選手(イタリア)は174cm、ヨハン・クライフ選手(オランダ)は176cm、パウロ・ロッシ選手(イタリア)は174cm、現役ですがリオネル・メッシ選手が170cmとなっています。(いずれも公表数字)
 こうした名選手に共通しているのは、ピッチ上では決して小柄には観えないこと、それどころか「とても大きく見えて」存在感抜群、フィールドのどこに居てもひと目で分かるところでしょう。

 多くのスーパースターが「身長170cm前後」なのです。

 20世紀から2018年へと連綿と続くサッカーの歴史上、後世に渡って語り継がれて行くであろう名選手の中で多くのプレーヤーの身長が170cm前後というのは、決して偶然ではないと感じます。

 もちろんロシア大会でも、高身長の好プレーヤーも沢山登場しました。
 大会屈指のセンターフォワードFWマンジュキッチ選手(クロアチア)は190cm、攻撃タイプのミッドフィールダーMFポグバ選手(フランス)は191cm、得点力抜群のFWルカク選手(ベルギー)は190cm、そしてクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル)が187cm。
 もちろん、これまでの歴史上にも、大柄な名選手も数多く登場しました。

 当然のことながら、身長が高ければ良いとか、低ければ良い、体が大きければ良いとか、小さければ良い、といった概念が存在するはずはありません。
 体格により、明確に「適性」が決まってしまうような類のスポーツが、長く存続し、広く愛される可能性は低いのでしょう。

 とはいえ、サッカー競技においては「身長170cm前後」のプレーヤーに、「名オールラウンダー」が多いように観えるのは、やはり偶然では無いように感じるのです。
 ドリブルが上手く、敏捷性に優れ、パスもシュートも高品質、という名プレーヤーは、このサイズに多く存在すると思うのです。
 そして、「オールラウンダーの方が、サッカー史により深く名前を刻んでいる」ようにも、見えます。

 スポーツにおいては、体格の大小は本質的には無関係なのでしょう。
 一方で、バスケットボールやラグビー、アメリカンフットボールなど、やはり大柄なプレーヤーの方が有利だと言われる競技が存在することも事実でしょう。

 そうした中で、サッカーにおいては「身長170cm前後」のプレーヤーの方が、世界的オールラウンダーを目指すには向いている、と言えるのかもしれません。

 他の競技以上に、サッカーにおいては身長の高低・体の大小は、そのプレー能力とは無関係なのでしょう。
 この稿を書いていると、ワールドカップ2018ロシア大会も幕を閉じたと、改めて感じます。
 この素晴らしいイベントを再び体験するには、また4年の月日を待たなければならないのです。

 さて「ベストイレブン」です。

 何時の大会も、素晴らしいプレーヤーがどんどん登場しますので、選出は困難を極めます。今大会も「選びようが無い」と何度も感じ、諦めかけましたが、とはいえ、自らの記録としても「選ばなくてはならない」と強い意志を持って臨みました。(少し大袈裟ですが)

 まずは一覧。

GK ティボー・クルトワ(ベルギー)

DF リュカ・エルナンデス(フランス)
  ディエゴ・ゴディン(ウルグアイ)
  ラファエル・ヴァラン(フランス)
  ホセ・マリア・ヒメネス(ウルグアイ)

MF ケビン・デ・ブライネ(ベルギー)
  ルカ・モドリッチ(クロアチア)
  ポール・ボグバ(フランス)
  ネイマール(ブラジル)

FW キリアン・エムバペ(フランス)
  マリオ・マンジュキッチ(クロアチア)

 ゴールキーパーGKはクルトワ選手としました。
 今大会も、良いGKが多かったと感じますし、GKの良いチームが勝ち上がっているようにも観えました。
 クルトワ選手のスーパーセーブは、毎試合の様に観られましたし、安定感も抜群でした。このクルトワ選手を相手にしての、原口選手と乾選手が挙げた2ゴールは、日本チームの攻撃・シュートの質の高さを如実に示しています。

 ディフェンダーDFは、フランスチームとウルグアイチームから2名ずつ。この2チームの守備は、今大会でも際立っていたと感じます。
 グループリーグGL無失点のウルグアイはもちろんとして、準決勝、決勝のフランスの守備も見事でした。派手さは無いが着実で、実にスピーディー。今後求められるディフェンスを具現していたと思います。

 ゴディン選手のインターセプト(決勝トーナメントで大会最多の13回)からの突進は、まさに「ワールドカップのDF」を感じさせるものでした。
 アトレティコ・マドリードでもゴディン選手とコンビを組むヒメネス選手の守備は、まさに「鉄壁」。23歳の若さも魅力で、GL緒戦のエジプト戦での豪快なヘディングシュートも印象的でした。

 ヴァラン選手の「最終ライン」としての安定感は、ほれぼれとさせられました。クリアが多いと感じていましたが、44回と今大会最多とのこと、納得です。
 左サイドバックのエルナンデス選手は、今大会最多の16タックルを記録。22歳の若さ溢れる溌剌としたプレーが印象的でした。

 ミッドフィールダーMFのモドリッチ選手とポグバ選手は、文句の付けようのない活躍でした。クロアチアとフランスの決勝進出の原動力であった2名のプレーヤーは、ロシア大会を代表するMFでしょう。

 デ・ブライネ選手は、その30m超の高速ドリブルと、正確なミドルシュートで、ベルギーチームの心臓としての活躍が見事でした。日本戦の「あのカウンタープレー」における、ゴール前からハーフラインを超えるところまでの突進のスピードと迫力は、今大会のハイライトシーンのひとつでしょう。

 ネイマール選手はFWとしても活躍しましたが、何より「ラストパス23回」が大会最多記録でした。ブラジルチームの変幻自在の攻撃を演出したのです。チームは準々決勝で敗退してしまいましたが、そのパフォーマンスはさすがでした。
 「王国」チームの中心選手として沢山の反則を受け、倒れ続けました(テレビ画面に映し出された穴だらけのストッキングふくらはぎ側が象徴的でした)が、MFとしてもFWとしても、良く働いた大会だったと思います。

 フォワードFWは、エムバペ選手とマンジュキッチ選手。
 マンジュキッチ選手は、相手ゴール前エリアにおける、5m以内の素早く無駄の無い動きで「得点機を創出し、得点する」という「伝統的センターフォワード」として、今大会NO.1だったと感じます。
 するすると出てきて、ズドンと決めるFWは、何時の時代も観ていてとても楽しいものですし、絶対に必要な存在なのです。
 
 エムバペ選手は、その圧倒的なスピードがミラクルでした。
 相手プレーヤーはもちろん驚かされたと思いますが、観ているこちらの方も「ここからでは抜けられないだろう」「ここからでは追い付けないだろう」という、従来の、50年間観てきた「ワールドカップのプレースピード」(当然ながら、各々の時代の世界最高速ですが)を超えるスピード、前例の無いパフォーマンスを魅せていただいたのです。
 俯瞰で見ている観客の予測をも超えるスピードと言うのは、本当に凄い。
 これから、どんな「規格外の」プレーを魅せてくれるのでしょうか。

 KaZブログが選ぶ、ワールドカップ2018ロシア大会の「ベストイレブン」は以上です。

 何と素晴らしいプレーヤー達なのでしょうか。
[7月17日・ナショナルズパーク]
アメリカンリーグ8-6ナショナルリーグ(延長10回)

 両チーム合わせて10本塁打が飛び出す「空中戦」となりましたが、終始先行したアメリカンリーグALが、延長戦の末、ナショナルリーグNLを押し切りました。

 これでNLはオールスターゲーム6連勝、通算成績も44勝43敗2引分とリードしました。

 7回まで2-2と拮抗した投手戦の様相でしたが、8回から一気に動きました。

 8回表ALは1死1・2塁のチャンスを作ると、ここでジーン・セグラ選手が代打で登場、セグラ選手はフルカウントから粘りを見せて8球目をレフトスタンドに叩き込みました。3ランホームラン。
 ALは5-2とリードし優位に立ちました。

 ところがNLも全く諦めることなく反撃、8回裏クリスチャン・イエリッチ選手のホームランで3-5と詰め寄ると、9回裏には1死1塁でスクーター・ジェネット選手がライトスタンドにホームラン。
 2ランホームランで5-5の同点として、試合を振り出しに戻しました。

 リードするのも追い付くのも「ホームラン」という、1球で局面を変えるシーンが続きました。
 そして、その流れは延長に入っても続いたのです。

 10回表、ALはアレックス・ブレグマン選手、ジョージ・スプリンガー選手が連続ソロホームランで7-5とリードし、マイケル・ブラントリー選手の犠飛によりさらに1点を加え、8-5とリードを広げました。
 このブラントリー選手の犠打による1点が、「この試合唯一のホームラン以外での得点」でした。(14得点中13点がホームランによるものというのも凄いことです)

 10回裏、NLはソロホームランで1点を返し6-8と追いすがりましたが、反撃もここまで。ALの勝利となりました。

 「1試合10本塁打」はオールスター戦新記録でした。

 これだけホームランが飛び出すと、「ホームランは簡単」なのではないかと勘違いしてしまいます。
 こうした「ホームランの応酬」はワールドシリーズ2017でも観られた光景ですから、これが現在のMLBのプレーなのでしょう。

 それにしても、NLはなかなか勝てません。
 6連敗となると、このところは「ALの方が強い」と見られても仕方がないでしょう。

 2002年までは、NLが40勝32敗と大きくリードしていたオールスターゲームですが、2003年以降のALの勝率アップ(12勝3敗)に伴って、2018年ついに逆転しました。

 「真夏の祭典」とはいえ、NLファンにとっては残念な傾向でしょう。
 2019年のゲームにおけるNLチームの奮起に期待します。
 7月2日のラウンド16・ベルギー戦を終えて以降、本田選手から「今大会が最後のワールドカップ」発言が出され、長谷部選手の「代表引退」表明がありました。
 2010年以降の代表チームの骨格を成してきた選手達、現在ではベテランとなったプレーヤーの去就が注目を浴びているのです。

 ロシア大会における西野ジャパンは、現在の日本サッカーのプレー・実力を世界に示したのですけれども、一方で「とても上手く世代交代を行った」ように観えます。

 各ポジションに、世界と戦ってきた経験十分な選手と今後の代表チームを担っていく選手が、バランスよく配されていた印象です。

 フォワードFWなら岡崎選手と大迫選手・武藤選手、ミッドフィールダーMFなら長谷部選手・香川選手・本田選手と柴崎選手・原口選手・山口選手、ディフェンダーDFなら吉田選手と昌子選手、長友選手と酒井(宏樹、高徳)選手といった形です。

 取りあえず、「ベテラン」と「若手」と区分しますが、今大会では「若手」の活躍も目立ちました。
 大迫選手や原口選手が得点を挙げ、柴崎選手が素晴らしいパスを出し続け、昌子選手が日本ゴールを死守したのです。
 そして、これまで「日本チームの顔」として戦ってきた「ベテラン」達のプレーを目の当たりにしました。
 合宿中、大会期間中にも、一緒にいる時間が長かったのですから、多くのことを学んだのでしょう。

 この経験と学習が、2022年大会に活きることは間違いありません。

 なんとなくスッキリしない書き方で「若手」と記しましたが、実は「若手」と言うより、既に「脂の乗り切った」プレーヤーが多いのです。
 乾選手は30歳で香川選手(29歳)より年上ですし、大迫選手は28歳、原口選手は27歳、柴崎選手は26歳、昌子選手と武藤選手は25歳です。

 いまさらですが、遠藤(今大会は出場していません)・長谷部・本田・岡崎・長友・香川といった「ベテラン」看板プレーヤー諸氏が、少し長く代表プレーヤーのポジションを占め過ぎたという見方もあるのかもしれません。

 前述の今大会の「若手」プレーヤーは、2022年大会が最後のワールドカップになる可能性があります。つまり「ベテラン」が軒並み実現してきた「3大会連続出場」は難しいかもしれないのです。

 こうした過去10年間ほどの代表の在り様の良し悪しは私には分かりませんが、今大会の「西野ジャパンによる世代交代」は、代表チームに求められる、現状の最良の形であったと感じます。

 今大会の「若手」プレーヤーは、今後の日本代表チームの骨格を成します。

 これらのメンバーに、FW浅野選手や中島選手、久保選手、MF井手口選手らを加えたプレーヤー達が、これからの「日本チームの顔」となるのです。

 今大会の「若手」プレーヤーの皆さんは、「伝承した日本サッカーのDNA」を次代のチームに反映させていかなければならないのでしょう。
 そして、より強いチームを創り上げ、ワールドカップ・ベスト8以上を目指して戦って行く責務があるのです。
 4試合を戦った西野ジャパンですが、どのゲームも「90分を過ぎても」選手は動けていました。
 もちろん、試合開始時と比較すれば疲労の色は観えましたが、「フラフラ」といった状態ではありませんでした。

 忘れもしない1993年10月28日、カタールはドーハで行われた、ワールドカップ・アメリカ大会・アジア地区最終予選のイラク戦、ロスタイムに同点にされた「ドーハの悲劇」のゲーム。
 日本チームは最後のイラクチームのコーナーキックの際に、殆どボールを追うことが出来ませんでした。残念ながら、多くの選手が「ボールウォッチャー」と化していたのです。

 忘れもしない2006年6月12日、ワールドカップ・ドイツ大会のグループリーグGL緒戦・オーストラリア戦、前半中村俊輔選手のゴールで先制した日本チームは、後半40分までリードを続けましたが、そこから47分までの8分間で3失点、逆転負けを喫したのです。
 最後の10分間のジーコジャパンのメンバーは「夢遊病者の様」であったと報じられました。残念ながら、多くの選手が疲れ切って「フラフラ」の状態だったのです。

 試合開始から全力で入り、必死のプレーを続けてしまえば、80分を過ぎて「疲労の極」に達するのは仕方がないことだと、当時は考えていました。

 しかし、今大会の西野ジャパンは違いました。
 
 チームとしても、個々のプレーヤーとしても、試合における「体力の使い方」が上手く、90分を過ぎてアディショナルタイムにはいっても、チームとして十分に機能していました。

① 個々のプレーヤーの基礎体力・持久力が向上したこと
② 個々のプレーヤーが「ゲームのペース配分」を身に付けたこと(そういうプレーヤーを代表として選抜したこと)
③ 無暗に体力を消耗するような戦法・戦術を選定しなかったこと
④ 疲労回復等のスポーツ科学的対応力が向上したこと
⑤ スタジアムの気候(気温、湿度、等)

 等々、いくつかの要因が考えられるのですけれども、他の出場国と同様に、日本チームも90分をしっかりと戦い抜いていたのです。
 長友選手などは、90分間走り抜いた後のインタビューにも、涼しい顔で応じていたように観えました。「心身の持久力の高さ」に感心させられました。

 「2018年なのだから当たり前」とのお叱りを受けそうですが、私は決してそんなことは無いと感じています。

 世界最高レベルの舞台では、普段のゲームより遥かに疲労の蓄積も速く大きいであろうと思います。

 そうした中で、「90分間戦い切る」ということ自体が、ワールドカップ出場資格のひとつなのではないでしょうか。
 西野ジャパンは、立派にその資格をクリアしていたのです。
 西野ジャパンの挑戦はラウンド16で終了しました。

 グループリーグGLからの4試合は、日本のサッカーファンは勿論として、世界中のサッカーファンに大きなインパクトを残してくれました。

 今回は、日本チームのシュートを観て行きましょう。

 GL第1戦コロンビア戦の大迫選手のヘディングシュート、第2戦セネガル戦の乾選手のシュート、ラウンド16ベルギー戦の原口選手と乾選手のシュート、はいずれも「サイドネット」へのシュートでした。

 大迫選手のヘッドは右ポール直撃でしたから、厳密にはサイドネットでは無いのですが、ゴールの右側一杯と言う意味では同種でしょう。

 やはり「サイドネットへのシュート」は決まる確率が高いのです。(当たり前のことを改めて書き、恐縮です)

 ベルギーチームのゴールキーパーGKクルトワ選手は身長199cmですから、長身+長い腕ということで、守備範囲が物理的にも広いプレーヤーですあり、今大会屈指のGKですが、原口選手・乾選手のシュートは、その長い手をもってしても届かないところに打ちこまれたのです。
 
 もちろん、どんなにコースが良くても、遅いシュートは止められてしまうのですが、相応のスピードのシュートであれば、コースがポイントとなり、サイドネットがベストコースでしょう。

 サイドネットを狙うシュートは「枠を外してしまう」可能性も高いのですから、10~15m位の強いシュートをサイドネットに決める確率を上げて行くことが、国際大会における得点力を上げるひとつの方法であることも、間違いなさそうです。

 今大会、「サイドネットへのシュート・ゴール」を何度も魅せていただいた西野ジャパンのメンバーに感謝するとともに、これからも日本代表のゲームで何度も観て行きたいものだと感じます。

 ロシア大会は、フェアな試合が多かったように感じました。

 例えば、西野ジャパンが戦った、セネガル戦、ベルギー戦を観ると、本当に反則が少ないゲームでした。

 ベルギー戦などは、ゲームを通して両チームでイエローカードが1枚だけでした。
 この1枚は前半終了間際の柴崎選手のものであったと記憶しています。当然ながら、「ここを抜かれたら大ピンチ」という局面での、「戦術的なファウル」に相当するものでしたが、そうした「戦術的なファウル」を含めても、ゲームを通して1枚だけというのは、ある意味では凄いことだとも思います。(ワールドカップのノックアウトステージでイエローカードが1枚だけというゲームが、これまで存在したのでしょうか?)

 両チームともに「ファウルなどしている暇は無い」と言わんばかりの展開の速さ、攻めと守りの切り換えのスピードは、見事なものでした。

 セネガル戦でも、柴崎選手から長友選手へのロングパスが決まり、長友選手のトラップがセネガルチームのディフェンダーDF2人の間を抜けてペナルティーエリアに入り、これを長友選手が取りに行って確保、乾選手へのパスから、乾選手のシュートが決まったのです。
 セネガルDF側からすると、長友選手のトラップのボールを長友選手が取りに来た時、体を当てて行くことも出来たでしょうし、長友選手から乾選手へのボール交換の際にもアタック出来た筈なのですが、これをやっていません。
 狭いエリアながら、乾選手はしっかりとシュートを打つことが出来たのです。

 この日本VSセネガル、日本VSベルギーの試合は、最もスピーディーなゲーム、「見応え十分なゲーム」として、大会全体の中でも、世界中からとても高く評価されているように観えます。
 「現代の望ましいゲーム」の在り様だったのでしょう。(今大会出場していないイタリアにおける「日本VSベルギー」戦のテレビ視聴率が38%を記録し、今大会ここまでの全てのゲームの中で最高だったと報じられています。サッカーを良く知っているイタリアの人達が「最も面白い」と評価したことを示す事実でしょう)

 一方で、相も変わらず「反則を繰り返す」チームもまだまだ存在しています。
 ホイッスルの度に試合が切れ、反則タックルをされた選手がピッチに横たわることも多いのですから、試合は断続的なものとなり、連続性に乏しいゲームとなってしまいます。
 観ていて面白くないゲームになる訳ですが、こうしたゲームはプレーヤーとしても面白くないものだと思います。
 怪我・故障に繋がるリスクも大きいことは、言うまでもありません。

 テクニックや敏捷性で攻め守るゲーム、ボールの取り合いを演じるゲームであれば、スピーディーで見所満点の展開になります。
 こうしたゲームは、サッカーの進歩にも寄与するものでしょう。

 一方で、「反則によって相手プレーヤーを止める」ことが習慣化しているようなチーム・サッカーは、あまりサッカーの進歩には寄与しないもののように感じられます。
 技術やフィジカルが劣っているから、反則に依存するという面もあるでしょう。
 攻撃や守備において、相手チーム・プレーヤーに勝るためにスピードやテクニックを磨き自己を向上させようとするのではなく、ゲームにおいて相手よりプレー能力で劣っている時に「反則」を繰り出すというのでは、粗末で見苦しい限りです。

 VARが導入された以上は「反則は丸見え」ということになりますし、VARの精度・適用範囲は今後向上・拡大する一途であろうとも思いますから、今後の世界大会では、反則を行うこと自体が「時代遅れ」という評価となりそうです。

 「反則しないこと」がこれからのサッカー競技の潮流になっていくと思います。
 「オープン・フェアの時代」のサッカーなのでしょう。

 こうした流れを加速する方策として、「反則の計量化がどんどん進む」ことを前提として、FIFAとしては「反則が多いチームの世界ランキングを下げる」という施策も有効かもしれません。
[7月15日・決勝]
フランス4-2クロアチア

 点の取り合いになると予想していましたが、合わせて6点も入るとは思いませんでした。

 決勝トーナメントTに入って、3試合連続で120分戦ってきたクロアチアチームに、さすがに疲労が観えて、これまでの運動量が発揮されませんでした。
 その隙をついてフランスチームが3点目・4点目を挙げて、押し切ったゲームだと思います。

 試合開始前のセレモニーにおける国歌演奏、フランスのデシャン監督は力いっぱい歌っていました。このゲームに対する決意を感じさせる姿でした。

 クロアチアチームは紅白の正ユニフォーム。決勝Tでは、黒と紺の副ユニフォームが多かったので、新鮮な印象でした。

 試合の入りは、まずクロアチアチームが攻勢に出ました。フランスチームが受ける形。
 前半11分頃までは、クロアチアが点を取りに行ったのです。

 しかし、前半18分に、フランスチームがフリーキックFKを獲得します。この試合最初のセットプレー。
 クロアチアゴールに向かって右側からのFKですが、これをグリーズマン選手が蹴り込みました。ボールは一直線にクロアチアゴールに飛び、これをゴール前で守っていたマンジュキッチ選手がすらしましたが、そのままゴールイン。

 フランスはクロアチアのオウンゴールで先制したのです。

 前半20分、突然雨が降ってきました。相当強い雨でした。雨中の戦いとなったのです。

 前半27分、フランスのカンテ選手にイエローカードが出されました。
 マンジュキッチ選手をマークしていたカンテ選手にイエローが出されたことは、その後の展開に影響が有ると思われました。

 そして前半28分、クロアチアがFKを得ます。これを蹴るのはモドリッチ選手。
 モドリッチ選手は右サイドに蹴り、これをヘッディングでゴール前に折り返し、さらにパスしたボールをペリシッチ選手がシュート。これが見事に決まりました。

 試合は1-1の振り出しに戻ったのです。

 準備されたシステマティックなプレーをキッチリと実行したものでしょう。
 「逆転のクロアチア」の面目躍如たるプレーでした。

 しかし、前半33分、クロアチアゴール前のコーナーキックCKからのプレーでペリシッチ選手の手にポールが当たりました。
 当初主審はノーファールの判断でしたが、VARから連絡が入り、主審はVAR画面で確認することとなりました。
 そして3分後、ペナルティーキックPKが宣せられました。手に当たったことが偶然か故意かは分かりませんが、偶然であろうと故意であろうと「手を使えば反則」なのです。
 「疑わしい行為」が、PKと判定されました。

 このPKをグリーズマン選手がしっかりと決めました。

 前半はフランスチームが2-1とリードして終えました。
 前半の3ゴールは、いずれもセットプレーからのものでした。

 クロアチアチームにとっては、PKによる2失点目が痛かったと感じます。

 後半も開始直後はクロアチアチームが攻勢に出ました。早期の同点を目指して攻めたのです。これをフランスチームは、前半と同様に丁寧に対応しました。

 後半9分、意外な選手交替が行われました。
 フランスチームのカンテ選手がヌゾンジ選手に代わったのです。
 フランスチームの守備の要であり、このゲームでもクロアチアチームのエース・モドリッチ選手の動きを封じていたカンテ選手を下げたことは、クロアチアチームに有利な交替のようにも感じられました。

 しかし、この交替がデシャン監督からの「攻撃開始指令」だったのです。

 後半14分ポグバ選手、後半20分エムバペ選手と、フランスは立て続けに得点を挙げました。
 共にクロアチアゴールのペナルティーエリア近辺から放たれたミドルシュートでした。
 「前がかり」に攻勢に出ていたクロアチアチームのゴール前の守備DFは、やや薄くなっていましたので、シュートコースが広いのです。
 こうした状況で「正確なシュート」を打たれる(それは難しいことなのですが)と、ゴールキーパーGKが止めることは困難なのですが、ポグバ選手とエムバペ選手は、とても上質なシュートを打ち、これが見事にゴールに突き刺さりました。

 また、これまでなら、中盤のプレーヤーが戻ってきて守備に加わっていたものが、エムバペ選手のシュートシーンでは観られませんでした。疲労が重なり、クロアチアのプレーヤーの運動量が落ちていたのでしょう。「どこにでも顔を出してきた」モドリッチ選手の姿も、ありませんでした。

 フランスチームが4-1とリードして、ゲームは決しました。

 後半24分には、マンジュキッチ選手がGKロリス選手の軽率なプレーをついて2点目を挙げましたが、クロアチアの反撃もここまで。
 守備を固めたフランス陣を、この後抉じ開けることは出来ませんでした。

 初の決勝に挑んだクロアチアチームは、これまで観られなかったような「フルパワーの攻勢」を前半と後半の始めに繰り出しました。得点を取りに行ったのです。
 今思えば、これは「疲れていて、長い間はこれまでの様には動けない」ことをチームとして認識していたので、「先行逃げ切り」のゲームを目指したのでしょう。
 しかし、フランスチームも体力十分な時間帯では、この攻撃は不発でした。
 「得点されても、いつものように粘り強く攻撃を繰り返す」という、今大会のクロアチアスタイルを実行することは出来なかったのです。
 相当、疲労が残っていたものと考えます。

 フランスチームは、エムバペ選手のスピードを存分に活用しました。
 エムバペ選手の「突進」は、圧倒的な威力でクロアチアゴールを脅かし続けました。
 クロアチアDFはエムバペ選手を止めることが出来なかったのです。
 19歳のスーパープレーヤーは、今後の世界サッカー界を牽引して行く存在でしょう。

 フランスチームは20年振り「2回目」の優勝を果たしました。
 ワールドカップの「複数回優勝チーム」の仲間入りを果たしたのです。
 ブラジル(5回)、イタリア(4回)、ドイツ(4回)、ウルグアイ(2回)、アルゼンチン(2回に続くものです。
 加えて「自国開催以外の大会での優勝」も実現しました。

 ロシア大会は、フランスが真のサッカー強豪国になった大会、と言っても良いのかもしれません。

 フランスは「とても若いチーム」です。
 チームリーダー格のグリーズマン選手でさえ、まだ27歳なのです。
 多くのプレーヤーが20歳代前半、10歳代のエムバペ選手も居ますから、今後2度のワールドカップは現行のメンバー主体で戦うことができます。

 当分の間、世界サッカー界におけるナショナルチーム同士の戦いは、フランスチームを中心に動いて行くのでしょう。
 
 フランスは「とても強いチーム」になりました。

 試合後の表彰式、雨が強くなりました。どしゃぶりです。
 その雨の中で、ワールドカップが輝きました。
 「フランス時代の到来」を告げる、鮮やかな黄金色でした。
 新大関・栃ノ心が、6日目の玉鷲との一番で故障し、7日目から休場することになりました。
 栃ノ心は右足親指の関節が外れたという症状ですので、休場も止むを得ないところです。

 とはいえ、横綱・稀勢の里が初日から、横綱・白鵬が4日目から、横綱・鶴竜が6日目から休場してしまっていた中で、7月場所を支えて行くと見られていた栃ノ心までが休場に追い込まれたことは、「大相撲」としては現状の「トップ4」が土俵に姿を見せないという異常事態であることは間違いないでしょう。

 いわゆる「八百長問題」により存亡の危機に追い込まれた大相撲でしたが、様々な対策を立案・実行することで、「ガチンコ相撲」が普通に披露されるようになり、その他の要因も相俟って、一気に人気が回復、現在の隆盛に結び付いているのだと思います。
 協会の歴代理事長が事あるごとに口にしてきた「土俵の充実」が図られてきたのです。

 一方で、こうした流れの中で「休場力士」が、各場所で増加してきたことも事実です。
 「ガチンコ相撲」になったので「休場」が増えたということではないと思いますが(そんなことだとすれば、かつてはどんな相撲が披露されていたのか、といことになってしまいます)、激しい相撲が故障増加に結び付いていることは事実なのでしょう。

 そして、「上位・下位にまんべんなく発生していた」休場が、7月場所では主に上位に、それも「トップ4」に集中してしまったのです。

 故障しないような体作りが叫ばれて久しいのですが、今後は、故障し難い取り口の研究・実行も必要なのでしょう。

 「トップ4」が姿を消した7月場所は、カド番大関2名、豪栄道と高安が牽引して行くことになります。
 加えて、関脇・御嶽海が7戦全勝でトップを走っています。
 現時点の7月場所の優勝候補筆頭です。
 そして、前頭6枚目の遠藤と千代大龍、同13枚目の朝乃山が1敗で続いています。

 「トップ4」の居ない7月場所の展開は、全く予断を許しません。
 日本代表チームのサポーターが試合後、自分達が使ったスタンドの掃除を行っていることが、各国のメディアから称賛を浴びました。
 別に今大会から始まったことでは無く、「いつものこと」なのですが、海外の皆さんからすると、何度見ても信じがたい光景なのでしょう。

 中には、「負け試合にもかかわらず・・・」といったコメントが付けられることもあります。
 勝ちゲームなら掃除するが、負けゲームの場合には掃除をしないで帰る、という文化は、日本にはありません。
 そんなことをすれば「気分の良い時だけ掃除する」ということになりますので、逆に人間性を疑われてしまいそうですから、勝ちゲームも掃除をしない方が、余程良さそうです。

 今大会において新たに注目されたのは、ラウンド16のベルギー戦敗戦の後、西野ジャパンのメンバーがロッカールームを綺麗に掃除し、「スパシーバ(ロシア語でありがとうの意)」と書かれたカードを残し、カードの前には「青い折鶴」を2~3個置いて去って行ったという行為でした。

 「絶賛」されています。

 このことについても、日本サッカー協会から「いつもやっていること」とのコメントが出されていますから、ワールドカップに限らず、代表チームの「習慣」となっていることなのでしょう。
 試合で疲れ果てた後、ロッカールームを掃除する代表プレーヤーやスタッフの姿と言うのは、とても素晴らしいと感じます。

 「俺は日本代表メンバーだ。偉いんだぞ、凄いんだぞ」などという「威張り」が感じられないところ、「誇り」はしっかりと保持しながら、威張るところが無いというのは、日本文化においては「あるべき姿」として当然のことと見られているというか、重要視されているポイントです。
 羽生結弦選手を例に出すまでも無く、「一流選手であればあるほど謙虚」であるというのは、とても日本的で「美しい」と感じさせる行動規範なのでしょう。
 それが、ワザとらしくなく、自然にできることも大切なポイントとなります。

 さて、話を「掃除」に戻します。

 「来た時よりも美しく」と言う言葉を、私は中学生の頃聞かされました。
 それを私達生徒に説いた先生の顔を、今でもよく憶えています。
 とても良い先生でした。

 とはいえ、その先生から、そう言われたから、そういう行動をとっているのかと言えば、それはそうでは無いのでしょう。
 幼少の頃から、日本人であれば自然に身に付いているものであろうと思います。

 もちろん、全ての日本人がそういう行動を取るわけではないことも明らかです。
 ゴミを散らかし放題、わざわざ公共の場に汚れ物を捨てて行く日本人も、少なからず居ます。
 他人の迷惑を全く気に留めない日本人も居ます。
 日本人らしくない日本人ということでしょう。

 須らく、こういうことは「比率の問題」なのであろうと思います。
 「日本人10人中8人の人」が「来た時よりも美しく」を実行し、2人は実行しない、といった位の比率なのでしょうか。

 これ位の高率であれば、それはDNAと評して良いのだろうと感じます。
 ロシア大会の決勝は、フランスVSクロアチアになりました。
 何度見ても「新鮮」なカードです。

 今大会最も「若いチーム」のひとつに挙げられるフランスは、グループリーグGLを2勝1引分で1位通過し、決勝トーナメント3試合をいずれも90分間の勝利で勝ち抜きました。
 決勝トーナメントを3戦連続90分間勝利しているところが特筆ものです。
 間違いなく、戦前の戦略通りに勝ち上がっているのでしょう。

 一方のクロアチアは、GLを3戦全勝で1位通過し、決勝トーナメントはラウンド16、準々決勝とPK戦での勝利、準決勝は延長の末の勝利で、ここまで6戦6勝(4勝2引分という見方もあるのでしょうが、ノックアウトステージということを考慮すれば、6戦6勝と観るのが妥当でしょう)。
 6戦全勝というところが特筆もので、その「勝負強さ」は驚異的です。

 当初の戦略通りにゲームを運ぶフランスチームと、逆境に在っても粘り強いプレーを続けるクロアチアチームの激突は、見所満載ということになります。

 ラウンド16のアルゼンチン戦、準々決勝のウルグアイ戦、準決勝のベルギー戦と、いずれも「先制」しているフランスは、決勝でも「先制」を狙ってくることでしょう。「先制」するための戦術も、事前に用意されていると思います。

 従って、フランスが先制すれば、決勝戦もフランスペースということになります。
 たとえ先制されたとしても、クロアチアは全く怯むことなく「いつものように」反撃を続けると考えられます。
 フランスとしては、これまでの相手以上に、「危険な攻撃」を受け続けることになりそうです。

 こうした中で、もしクロアチアが先制するようであれば、試合は全く違うものになるでしょう。壮絶な打ち合いとなる可能性も有ります。

 クロアチアは、GLのアルゼンチン戦で今大会最高のプレーを披露しました。これは「ワールドカップ史上に残る90分間」でした。
 大袈裟に言えば「サッカー新時代を感じさせるプレー」でした。

 ところが、決勝トーナメントに入るとそのプレーが影を潜めました。
 チーム全体のコンディションの影響が大きいのであろうと思いますが、チーム全体の動きが悪くなった(アルゼンチン戦と比べて)のです。
 チーム全体の動きが悪くなった状況下でも、勝ち抜いてきたのですから、そのチーム力は相当高いと判断されます。

 フランスはラウンド16のアルゼンチン戦、4-3の打ち合いでしたが、そのゲームで素晴らしい「スピード」を魅せてくれました。これは、フォワードFWのキリアン・エムバペ選手を中心とした攻撃ですが、続くウルグアイ戦以降は、その驚異のスピードが影を潜めています。
 相手チームの「エムバペ封じ策」が実っているのかもしれませんが、エムバペ選手の動きにもアルゼンチン戦の精彩が無いようにも感じられます。

 これを「エムバペ選手のコンディション」と観るのか、「デシャン監督の作戦」と観るのか、は微妙なところです。
 決勝トーナメントのゲームでフランスチームは、戦略通りに「先制」していましたから、リーサルウェポンを温存できたと観ることも出来るからです。
 「デシャンの懐」は相当深いのではないでしょうか。

 こうして観ると、クロアチアチームもフランスチームも、共にアルゼンチンチームとの試合で、最高のプレーを披露しているところは興味深いところです。(メッシのアルゼンチンは当然ながら戦い甲斐のあるチームで、他チームのリトマス試験紙のような役割を果たしていたのかもしれません)
 私は、このアルゼンチンとのゲームで両チームが展開したサッカーが、決勝で観られるのではないかと期待しています。

 クロアチアは、ルカ・モドリッチ選手を中心に、FWのマリオ・マンジュキッチ選手やイバン・ペリシッチ選手、アンテ・レピッチ選手が躍動し、そこにミッドフィールダーMFのイバン・ラキティッチ選手やディフェンダーDFのシメ・ブルサリコ選手らが絡んでいく、連動性が高く、分厚い攻撃です。

 フランスは、エースのアントワーヌ・グリーズマン選手、オリビエ・ジルー選手、キリアン・エムバペ選手の強力なFW陣に、エンゴロ・カンテ選手、ポール・ポグバ選手の「玄人好み」のMF陣に、パンジャマン・パバール選手他のDF陣が絡んで、ゲームをコントロールする力に優れています。

 特にエムバペ選手の俊敏性は、5~10m位であっという間に相手選手を置き去りに出来る程、このレベル、ワールドカップというレベルでそれが出来る類稀なものです。

① 「決勝進出」に対する達成感

 こうした大きな大会では、達成感の有無・量がゲームに影響を与えると観ています。
 この決勝はどうでしょうか。

 フランスチームは2006年大会以来の決勝進出ですが、「ジダン選手が居ないチーム」としては初めての決勝進出となりますので、達成感は相当高いと思います。

 クロアチアチームは、これは史上初の決勝進出ですので、この達成感は極めて高いと思われます。
 とはいえ、クロアチアチームのメンバーのコメント・様子を観ると、勝利への執念の強さが感じられます。意外に「欲深い?」チームなのでしょう。

 以上から、決勝進出による「達成感」は、「互角」と見ます。

② 試合展開の予想

 試合開始直後から、先制点を狙ってフランスチームが攻勢をかけると思います。
 それも、準々決勝、準決勝では披露しなかったエムバペ選手を中心とした攻勢です。

 さすがのクロアチア守備陣も、初めての「生」エムバペのスピードには戸惑うと思います。

 ・前半15分、フランス先制。エムバペ選手のゴール。

 フランスチームのさすがの先制パンチが決まったとはいっても、決勝進出で意気上がるクロアチアチームの動きは良く、フランスチームの攻撃に慣れてくると、ショートカウンターを主体としてフランスゴールに迫る機会が増えてきます。

 ・前半40分、クロアチア同点に追い付く。レビッチ選手のゴール。

 ・前半は1-1で折り返す。

 後半に入るとクロアチアの攻勢が強まり、モドリッチ選手が躍動し、マンジュキッチ選手がボールに絡む回数が増えます。

 ・後半20分、クロアチア追加点。マンジュキッチ選手のゴール。

 1-2とリードを許したフランスチームは、グリーズマン選手とポグバ選手、ジルー選手の連動でチャンスを創造し、反撃に出ます。本気のフランスです。

 ・後半35分、フランス同点に追い付く。グリーズマン選手のゴール。

 ・2-2となって、延長戦に突入。

 壮絶な攻め合いが続き、両ゴールキーパーGK、クロアチアのダニエル・スバシッチ選手、フランスのウーゴ・ロリス選手の好プレーも連発します。

 さすがに、両チームに疲労感が出てきたところで、モドリッチ選手の運動量が威力を発揮し始めます。モドリッチ選手は、今大会プレーした時間の合計ならば一番疲れている筈なのですが、決勝の大舞台でプレーできる高揚感が、疲れを吹き飛ばしているかのようです。

 ・延長後半7分、クロアチア勝ち越し。モドリッチ選手のゴール。

 ・ゲームはこのまま終了し、クロアチアチームが3-2で勝利。

 と、(勝手に)予想しました。

 こうした形で考えれば考える程、この決勝戦は見所満載です。

 ワールドカップ史上に輝く、素晴らしいゲームが期待されます。
[7月10日・夏の甲子園岩手大会2回戦]
大船渡11-2盛岡三

 夏の甲子園2018=第100回全国高等学校野球大会の地方大会が、全国各地で開催されています。
 高校球児の暑い夏が、2018年も繰り広げられているのです。

 そうした中で、岩手大会の2回戦、大船渡高校の2年生投手として先発・完投した、佐々木朗希(ささき ろうき)投手に注目が集まっています。

 身長189cmと長身の佐々木投手は、この試合で154km/hの速球を投げ込みました。
 これは、自己最高スピードであったそうです。
 そして、ゲームを通して「150km台の投球」を数多く投げたのです。

 そもそも、高校生時点で150kmの速球を投げることができる投手というのも、それ自体が滅多に居ないのですが、佐々木投手が毎回のように150km台の速球を披露したこと、つまり「150km投球を常態化」したという点は、ひょっとすると日本高校野球史上初めてのことかもしれません。
 これまでの「150km越え高校生投手」は1試合に数球というケースがほとんどだったからです。

 加えて、現時点で最高速度154kmを叩き出していますが、あの大谷翔平投手でも、高校時代の最速は150kmであったことを考え合わせると、その潜在能力には驚かされるところです。

 佐々木投手は、第100回大会に向けて「フォークボール」を習得したとコメントしていて、この速球とフォークのコンビネーションで、盛岡三高打線から11個の三振を奪いました。
 この佐々木投手の投球については、専門家筋から「ダルビッシュ有投手に良く似ている」という評価が在るようです。
 投球フォーム、投球の威力や球の回転の様子、変化球のキレ等々の比較から、ダルビッシュ投手に似ているとの評価になっているのでしょう。

 一方で、この試合で佐々木投手は「1番・投手」で出場しています。そして3安打を放ちました。
 「二刀流」という視点から、大谷翔平投手・選手にも似ているということになります。
 同じ岩手県の出身プレーヤーですから、地元で「大谷二世」と称されるのは、自然なことです。

 もちろん、佐々木投手が最も注目されているポイントは、その体格とプレーヤーとしての高い資質でしょう。この点が、最も大谷翔平投手・選手やダルビッシュ有投手に似ているのであろうと思います。

 佐々木選手を夏の甲子園2018で観ることが出来るかどうかということになると、これは容易なことでは無いのでしょう。夏の甲子園大会の地方大会を制するのは、何時の時代も至難の技だからです。
 大谷翔平投手・選手も高校3年生の夏は地方大会決勝で敗れています。
 とても厳しく、運にも恵まれて居なければ、なかなか実現しない甲子園大会出場ですが、今夏の大会に佐々木投手が登場するのを楽しみに待ちたいと思います。

 それにしても、大谷選手→佐々木選手と続くと、岩手県は「体格に恵まれた、才能溢れる超高校級の野球選手」を生む土地柄と言うことになるかもしれません。

 こうした「トッププレーヤーに関する地域的な偏り」は、他の競技でも観られることですが、いつも不思議なことだと感じます。

[7月11日・準決勝]
クロアチア2-1(延長)イングランド

 試合開始早々にイングランドチームが先制しましたが、クロアチアチームは粘り強い戦いを続け、後半23分に同点として、ゲームは延長に入りました。
 両チームとも疲労の色が濃い延長の戦いでしたが、後半4分にクロアチアがついに勝ち越し、イングランドの反撃を抑えて勝利。
 ワールドカップにおいて初めての決勝進出を実現しました。

 終始、イングランドゴールへの攻勢を継続したクロアチアチームの見事な勝利でした。
 加えて、ゴール前での「シュート精度の高さ」も印象的でした。

 前半5分、イングランドチームはクロアチアゴール正面でフリーキックFKを獲得、これをキーラン・トリッピアー選手が鮮やかに蹴り込みました。
 クロアチアチームの「壁」を超えて、ゴールに運ぶ、見事なキックでした。
 これでイングランドは、大会通算12得点の内9得点をセットプレーで挙げたということになります。セットプレーの強さが際立ちました。

 1-0とリードしたイングランドチームに「この1点を死守しよう」という気分が生じたとしても無理のないところでしょう。
 前日フランスチームが1-0でベルギーチームを破っていますし、ワールドカップにおける「1点はとても重い」のですから・・・。

 とはいえ、前半早々にイングランドチームが「やや守備的」になったことは、ゲーム展開に大きな影響を与えたと感じます。

 ラウンド16、準々決勝と120分+PK戦の激闘を戦ってきたクロアチアチームに疲労が無かったはずは無く、このゲームが「攻守が目まぐるしく入れ替わる」展開となれば、クロアチアチームにとっては容易ならざる事態になったと考えられますが、「やや守備的」になったイングランドチームの運動量が少し落ちたことは、クロアチアにとっては助かったのではないでしょうか。

 疲労が残っている状況下、「リードされることに慣れている」クロアチアチームは、ある意味では「淡々と」攻撃を続けました。「いつものようにプレーした」と感じます。

 一方のイングランドは、1-0の展開が長く続き、前半をリードしたまま終えて、後半も20分を過ぎました。
 決勝進出まであと25分、イングランドチームのドライブが進みました。

 その後半23分、イングランドの守備陣が少し前に上がった刹那、クロアチアのシメ・ブルサリコ選手から鋭いクロスがゴール前に配され、これをイバン・ベリシッチ選手がワンタッチの技ありボレーシュート。
 さすがのゴールキーパーGKジョーダン・ピックフォード選手も反応できず、イングランドゴール左隅に飛び込みました。
 イングランドゴール前にスペースが生じた一瞬の出来事であり、ペリシッチ選手のポジショニングと高度なシュート技術が際立ったプレーでした。

 「1-0で勝ち切る」というゲームプランが頓挫してしまったイングランドは、一転攻勢に出ますが、同点として元気を増したクロアチアの動きが勝り、ゲームはクロアチアが押し気味の展開が続きました。

 とはいえ、イングランドも懸命に守り、時折獲得するセットプレーで状況を打開しようとする展開が続き、1-1のまま90分の戦いを終え、延長に入りました。
 延長に入っても、流れの中の攻め合いとなれば依然クロアチアが押していました。

 そして延長後半4分、イングランドゴール前にイバン・ペリシッチ選手がヘディングでボールを流し込むと、マリオ・マンジュキッチ選手がグラウンダーのシュート。これがゴール右サイドに突き刺さりました。
 何度もイングランドゴール前への進出・シュートをくり返してきたマンジュキッチ選手が、ついに決めた、とても高度で値千金のゴールでした。

 2-1とリードしたクロアチアでしたが、その後も守備的になったようには観えませんでした。強いて言えば「人数が揃っていない無理なカウンター攻撃」は行わなくなったところが、勝利に向けての、チームとしての対応だったのでしょうか。

 リードを許したイングランドは懸命の攻撃を行いますが、攻撃の形がなかなか創れませんでした。
 セットプレーに依存した攻撃の弱点が、ここに来て出たということかもしれません。

 52年ぶりの決勝進出を目指したイングランドチームにとっては、残念な結果となりましたが、若き「新生」イングランドチームは、まだまだ発展途上にあります。発展途上の段階でワールドカップの準決勝進出というのは、本当に見事な活躍でしょう。
 2022年大会に向かって、イングランド代表の活躍・成長が期待されます。

 クロアチアチームは、決勝トーナメント3試合連続で120分を戦い切って、ついに決勝に進出しました。

 以前も書きましたが、グループリーグを突破し決勝トーナメント進出チームが決まった時点では、最も強い=優勝候補筆頭という印象でした。現代サッカーを代表するプレーを、クロアチアチームが提示していると感じたのです。

 その「クロアチアのサッカー」がワールドカップの決勝で披露されることとなったのは、素晴らしいことですし、「ワールドカップ新時代到来」を明示するものでしょう。

 フランスVSクロアチア、何と新鮮な決勝カードでしょう。
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