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 8月24日から26日にかけて行われた、アジア大会2018の総合馬術競技は、個人戦で大岩義明選手が、団体戦で日本代表チームが、それぞれ金メダルを獲得しました。

 その成績を観れば「圧倒的な勝利」だと思います。

 総合馬術競技は、「馬場馬術」(調教審査)と「クロスカントリー」(耐久力審査)と「障害飛越」(余力審査)の3つの競技を3日間に渡って行い、減点の少なさを競うものです。
 尚、3日間「同一人馬」で競技に臨まなければなりません。
 「馬術の要素をほぼ全て盛り込んだ複合競技」と呼ばれていて、もちろんオリンピック種目です。

 我が国では、総合馬術のプレーをテレビ放送でフルに眼にする機会は、殆ど無いと言って良いでしょう。私も、特に「総合馬術のクロスカントリー」を十分に観た記憶はありません。

 とはいえ、ヨーロッパではとても人気と格式の高い競技です。
 「人と馬の絆」という面からも、とても奥深いスポーツなのであろうと思います。

 今大会の結果は以下の通りです。

[個人]
1位 大岩義明選手 22.70点
2位 ミルザ選手(インド) 26.40点
3位 華天選手(中国) 27.10点
4位 北島隆三選手 29.60点
5位 弓良隆行選手 30.10点

7位 平永健太選手 33.10点

[団体]
1位 日本 82.40点
2位 インド 121.30点
3位 タイ 126.70点

 個人戦の上位に名を連ねた日本チームが、団体戦も圧勝した形です。
 素晴らしいパフォーマンスを示したのです。

 個人と団体で金メダルを獲得した大岩選手は愛知県出身の42歳、北京・ロンドン・リオデジャネイロとオリンピック3大会連続出場を果たしている、我が国の総合馬術競技を代表するプレーヤーです。

 そして、総合馬術の世界で最も有名な大会である「バドミントン・ホーストライアルズ2017」で8位に入賞して、世界にその名を知られる選手となりました。(「バドミントン・ホーストライアルズ2017」につきましては、Sports Graphic Number Webの2017年6月7日配信の北野あずさ氏の、とても素晴らしい記事をご一読ください)

 ところで、日本において馬術と言えば、やはり「バロン西」の名前が有名です。
 「バロン西=西男爵」こと西竹一選手は、1932年のロサンゼルス・オリンピック個人障害飛越で金メダルを獲得しました。現在に至っても、我が国のオリンピックにおける馬術競技史上唯一のメダルです。

 欧米においては、馬術競技のチャンピオンに対する敬意はとても高いものが有りますので、バロン西は当時「世界で最も有名な日本人」とも呼ばれていたのです。
 21世紀の現代においても、「バロン西」の名を知る欧米の馬術関係者は数多いと聞きます。

 今大会における大岩選手と日本チームの活躍を観るにつけ、西竹一選手に続く、東京オリンピック2020における大活躍を期待するのは、私だけでしょうか。

 それにしても、初日の馬場馬術で「調教のレベル」を審査し、2日目のクロスカントリーで「耐久力」を競い、最終日の障害飛越で「余力のレベル」を観るというところが凄い競技だと思います。
 障害飛越において「飛越技術」を観るのではなく「余力」を観るというのは、6km以上のクロスカントリー競技による「心身の疲労」を3日目に判定するということになります。

 6km以上の自然地形を相手にしてのクロスカントリーというのは、まるでイギリス競馬の「グランドナショナル」レース(約6900mの距離で争われる障害競走。中山大障害のモデルとなったレース)の様です。出場馬にとっては、とても大きな負担でしょう。

 総合馬術競技においては、最終3日目の朝、獣医師によって「ホース・インスペクション(馬体検査)」が行われるのです。過酷なクロスカントリーを走り切って、馬が故障していないか、体力が十分に回復しているか、といったポイントをチェックし、3日目の競技に臨むに相応しくないと判定されれば、障害飛越には出場できないのです。
 乗り手がどんなに元気でも、出場したくとも、パートナーが不適であれば、出場は出来ません。
 パートナーの心身のコンディションをも十分に考慮しながら、3日間に渡る競技を進めなければならないことは言うまでもありません。2日目のクロスカントリーで好タイムを狙って、押しまくるというのでは、パートナーを酷使することになってしまい、出場資格を失うことに繋がりかねません。

 ここに「同一人馬」により3日間戦い抜かなくてはならないという、総合馬術競技の難しさと面白さがあるのでしょう。

 「人間と馬の長い歴史」を感じさせる競技です。

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 8月26日に行われた男子100m競走決勝、山縣選手は10秒00の好タイムで銅メダルに輝きました。

 レースはスタートから山縣選手と蘇選手(中国)の争いとなり、60m付近までは横一線の走りが続きましたが、そこから蘇選手がじりじりと山縣選手を引き離し、オグノデ選手(カタール)が追い上げて、山縣選手に並んだところがゴールでした。

 蘇選手、オグノデ選手、山縣選手のどのランナーにも大きなミスが無い、とても良いレースであったと感じます。
 蘇選手は9秒92という大会新記録で金メダル、オグノデ選手は10秒00と山縣選手と同タイムでの銀メダルでした。

 レース後、山縣選手のタイムが9秒997であったと報じられました。

 現在の100m競走のタイムは、1/1000秒まで計測し、1/1000秒の単位を「切り上げて」、1/100秒単位として発表されるのです。
 そうすると、山縣選手は「9秒99まで、あと7/1000秒」に迫ったレースであったことになります。長さにして「7cm」だそうです。
 本当に、あと僅かだったのです。

 このレースの山縣選手の走りには、今シーズンの好調さが良く表れていたと思います。
 また、蘇選手との差も「如何ともし難い」という感じはありませんでした。十分に手が届く差と観て良さそうです。

 レース後、山縣選手は「次は9秒9台の前半で走りたい」とコメントしました。

 山縣選手の「快走」が待たれます。

 今大会の200m平泳ぎで、渡辺香生子選手(21歳)は金メダルを獲得しました。
 アジア大会2014に続く2連覇です。

 渡辺選手は、2013年~15年には、我が国を代表するオールラウンダーとして、世界の舞台で大活躍しました。
 世界選手権大会2015では、200m平泳ぎで優勝するとともに、200m個人メドレーでも銀メダルを獲得しています。
 平泳ぎと個人メドレー種目における、当時18歳の渡辺選手の活躍は、「新時代の日本スイマー」を予感させるに十分なものだったのです。
 現在の池江璃花子選手の様な活躍であったと感じます。

 ところが、2015年の終盤頃から、渡辺選手はスランプに入り込んでしまいました。
 このスランプの底は深く、リオデジャネイロ・オリンピック2016では、本来の力を発揮することなく、200m平泳ぎ・準決勝13位で敗退してしまったのです。前年2015年世界選手権チャンピオンとしては、考えられないような不振でした。

 10歳台半ばから20歳にかけては、心身の成長と競技スキルのバランスが難しい時期とも言われますが、渡辺選手もこの波に呑まれてしまうのかと心配されました。

 早稲田大学に進学した渡辺選手は、しかし、着実に復活への道を歩んでいたのです。
 2017年のユニバーシアード大会で、100mと200mの平泳ぎおよび4×100mメドレーリレーで優勝し、今大会でも200m平泳ぎを制したのです。

 まだまだ、本来の泳ぎには程遠いのでしょうが、21歳の若きスイマーにとっては、東京オリンピック2020は大きな目標となります。

 渡辺香生子選手には、我が国「伝統」の女子200m平泳ぎはもちろんとして、個人メドレー種目にも再びチャレンジしてほしいものだと思います。

 世界選手権やオリンピックにおける、渡辺選手の復活・活躍が期待されます。
 8月18日に行われた「金足農VS近江」の試合の、秋田地区の視聴率(NHK総合放送)が平均で53.8%、瞬間最高が66.0%に達したと報じられましたから、準決勝や決勝の視聴率がどれくらいになったのだろうとニュースを待っていましたが、なかなか報じられませんでした。

 不思議に感じていたのですが、何と「計測していない」というのです。

 そんなことがあるのか、と驚きました。

 秋田地区の視聴率調査は「当該月の第1月曜日から2週間」の間行われるというルールになっていて、2018年8月なら6日から19日の間だけ調査されていたのだそうです。
 従って、20日の日大三戦、21日の大阪桐蔭戦は、そもそも調査されていなかったのです。

 ちょっとガッカリしました。

 そういうルールがあるにしても、秋田代表チームが決勝に進出するという「100年に一度の事象」(今後はもっと頻度が上がるかもしれませんが)に対しては、特例で調べておいてほしかったと感じます。

 それでも、決勝戦の関東地方のNHK平均視聴率は20.3%に達し、2017年の決勝の17.1%を上回ったとのこと。
 やはり、金足農チームの活躍が、夏の甲子園2018の全国的な盛り上がりに一役買ったことは間違いないのでしょう。

 先日のサッカーワールドカップ2018ロシア大会、6月16日のアイスランドVSアルゼンチンのゲームにおける「アイスランド国の視聴率が99.6%に達した」ことは、大きく報道され、地元の盛り上がりの凄さを示すというか、「異常な高率」が大いに話題となりました。
 「残りの0.4%は試合が行われたスタジアムに居た」という、洒落たコメントも報じられていました。
 「視聴率99.6%」、こういった数字は、連綿と語り継がれるものでしょう。
 それだけに、2018年夏の甲子園大会決勝の秋田地区の視聴率を計測しておいてほしかったのです。

 スポーツにおける「地元ファンの盛り上がり」というのは、時に、想像を遥かに超えるものとなるのですが、「我らの代表」という要素に、どのような別の要素が加わると、「大ブレイク」となるのかは、なかなか把握が難しいところです。

 ケースバイケースということなのでしょうが・・・。
 アジア大会2018の男子平泳ぎで、小関也朱篤選手(26歳)は50m、100m、200mの全ての個人種目を制しました。
 素晴らしい活躍でした。

 身長188cmという、日本人アスリートとしてはとても恵まれた体躯を具備し、北島康介選手引退後の男子平泳ぎにおける第一人者としての活躍が期待されてきた小関選手でしたが、これまでの国際大会では、ここぞというレースでの残念な泳ぎも目立ち、本来の力をなかなか発揮できませんでした。
 その実力を知っている国内のファンからすれば、これはとても不思議なことにさえ見えたのです。

 「小関は国際大会に弱いのではないか」という声も聞かれたのですが、アジア大会2018は、こうした心配を吹き飛ばすものとなりました。

 唯一「おや?」と思われたのは100mの予選でしょうか。
 とても遅いタイムで泳ぎ、決勝はなんと「1コース」でした。
 そして、1コースで優勝したのです。
 こうした国際大会では、とても珍しい光景でした。

 最後の個人種目となった50mは接戦が予想されましたが、何か余裕の様なものさえ感じられ、見事に金メダルを獲得しました。
 
 「日本男子平泳ぎのエース」としての戦い方を身に付けた様に観えると言ったら、何を今さらと怒られてしまいそうですが、渡辺一平選手と共に、東京オリンピック2020に向けて、日本競泳陣に強力なコンビが登場したのは、間違いないと思います。

[8月24日・決勝・バンヌ(フランス)]
日本3-1スペイン

 なでしこジャパンが、決勝でスペイン代表チームに快勝しました。

 前半38分に宮沢選手が先制ゴールを挙げると、後半12分に宝田選手が追加点、後半20分に長野選手が3点目を挙げて3-0とリードし、スペインの反撃をアンドゥハル選手の1点に抑えて押し切りました。

 U-20女子日本代表チームにとっては、6度目の出場で初の栄冠でした。

 今大会の勝ち上がりを観てみましょう。

[グループリーグC組]
・8月6日 日本1-0アメリカ
・8月9日 スペイン1-0日本
・8月13日 日本6-0パラグアイ

[準々決勝]
・8月17日 日本3-1ドイツ

[準決勝]
・8月20日 日本2-0イングランド

 グループリーグGLはとても厳しい組=「死の組」に入ってしまいました。
 大会前に組合せを見た時には、今回も相当難しいと感じました。

 U-20なでしこチームの帰趨を決める緒戦で、なでしこは見事にアメリカチームに勝ちました。これで今大会の「道が開けた」と思います。
 GL第2戦はスペインに敗れましたので、「死の組」のなでしこに求められたのは「アメリカかスペインのどちらかに勝つ」ことだったのでしょう。

 決勝トーナメントTに入ってからは、自分達のサッカーを繰り広げました。

 ドイツチーム、イングランドチームに快勝して、決勝ではGLで敗れたスペインチームを破りました。
 GL同様にポゼッションはスペインが圧倒しましたが、局面ごとの組み立てとスピードで、なでしこが勝りました。

 決勝Tでは得点力が向上し、「ひとつ壁を破った」かのような、見事な戦い振りでした。
 
 これで「なでしこ」は、各世代のワールドカップに優勝したことに成ります。

① 2011年 フル代表ワールドカップ
② 2014年 U-17代表ワールドカップ
③ 2018年 U-20打表ワールドカップ

 残るは、女子サッカーの最高峰「オリンピック金メダル」です。

 このところ国際大会で苦しい戦いが続いている「フル代表なでしこ」にとっても、今回のU-20チームの健闘は、大きなパワーとなったことでしょう。

 U-20チームからフル代表チームに加わる選手も居るでしょうし、何より「U-20の戦術・戦法」が、なでしこジャパンの財産になると思います。
 アジア大会の競泳競技は8月19日から始まり、24日までの6日間に渡って行われました。
 そして、池江璃花子選手(18歳)は、毎日競技に参加し毎日メダルを獲得しました。

 その「毎日・毎日」が見事でした。

 池江選手が金メダルを獲得した種目は、50mと100mの自由形、50mと100mのバタフライ、4×100mフリーリレー、4×100mメドレーリレーの6つでした。
 個人の4種目はいずれも大会新記録、フリーリレーは日本新記録かつ大会新記録という、記録的にも素晴らしい内容でしょう。
 
 これらの金メダルに加えて、女子4×200mリレーと混合4×100mリレーの2種目で銀メダルも獲得し、池江選手は出場した8種目全てでメダルを獲得したのです。

 この「6日間・8種目・13レース」という過密日程を乗り切ったことは、池江選手の今後のキャリアにとって、本当に大きな財産となったことでしょう。
 8月9日から日本で行われたパンパシフィック大会2018からの連続した競技でしたから、蓄積された疲労は相当大きなものだったと想像されます。
 とはいえ、この疲労は予想されたことであり、どちらかといえば、池江選手と日本水連が「自ら求めたハードスケジュール」でしょう。敢えて、この形を取ったのです。

 今大会3日目には「これ程疲れたことは無い」といった、心配なコメントも出されていましたが、最終日の50m自由形の予選では「自然に良いタイムが出た」と、打って変わったコメントになっていました。
 変な言い方ですが「疲れることに慣れたスイマー」の様子が、そこには漂っていたように感じます。

 1972年ミュンヘン・オリンピックにおけるマーク・スピッツ選手(7種目で金メダル。全て世界新記録)に始まり、マイケル・フェルプス選手らに引き継がれた、国際大会において「ひとりのスイマーが数多くの種目に挑み優勝する」というチャレンジに、池江選手も挑戦し、今大会では見事に成功させて魅せたのです。

 東京オリンピック2020に向けた、池江璃花子選手の種々のトライアルは今後も続くことでしょうし、その展開がとても楽しみです。
 かつては、代表的な「甲子園戦法」のひとつであった「スクイズバント」を観る機会は、めっきり減りました。

 20世紀においては、好投手の投げ合いで「0の行進」が続くゲームも多く、ゲームの後半になると「1死3塁」からのスクイズバントの攻防が、1試合に1度や2度は観られたものでした。

 当時は、初球から仕掛けることは少なく、並行カウントやボールが先行したシーンで、「この1球」という渾身のプレーとしてトライされ、バッテリーも相手チームのサイン、タイミングを見抜いて「(バットが届かない位置に)投球を大きく外したり」しましたから、1球毎に「ハラハラ、ドキドキ」のプレーが続いたのです。
 「スクイズバント」を巡って、どれほどのドラマが生まれていたのか、想像を遥かに超える数でしょう。

 21世紀になってからは、当然ながら、戦法のバリエーションが拡大しました。
 
 バントの失敗(例えば、フライ)に備えて、3塁ランナーが「バントが地面に転がったことを確認してからスタートするプレーが多用されるようになると、守備側も、1塁手や3塁手がダッシュ・前進して「本塁封殺」を狙うようになりました。
 「(ランナーが)確認してからのスタート」では本塁到達までに時間が余計にかかりますから、バントが成功しても、ランナーが本塁でアウトになるシーンも数多く観られました。

 そして、「スクイズバント自体が行われなくなる時代」がやってきたのです。

 そもそもスクイズバント戦法というのは、「得点を取ることが非常に難しい時代」「1点がとても重い時代」の戦法です。
 「3塁ランナーをホームに返すために最も確率の高い戦法」として、かつての甲子園大会で多用されてきたのです。

 ところが、21世紀になってからは出場チームの得点力が格段に向上しました。

 今大会でも、決勝における大阪桐蔭チームの13得点や、大会二日目の山梨学院チームと高知商チームの対戦の様に12-14という、10点以上を取っても勝つことが出来ないゲームが現出するなど、「スクイズバントで1点ずつ積み上げている場合では無い」と言わんばかりのゲームが数多く観られました。
 今大会、勝利したチームが「4得点以下」の試合は20試合、「5得点以上」の試合は35試合となっています。
 「甲子園の野球が変わってきた」ことは、間違いないのでしょう。

 こうした流れの中で、「スクイズバント」は次第に絶滅危惧種となってしまいました。
 「滅多に観られない戦法」になりつつあると思います。

 そして、この絶滅危惧種を大切に護り、戦法として脈々と使い続けているのが金足農業チームということになります。

 金足農チームは、吉田投手を中心とした堅い守りで失点を抑え、スクイズバント戦法で得点を挙げて、少ない得点で勝利するという野球を、厳然と継続したのです。

 準々決勝の近江戦などは、全3得点をスクイズで挙げています。
 「全得点をスクイズで挙げて、甲子園で勝利した試合」というのは、何時以来のことであろうかと感じます。21世紀においては、まず観られない試合でしょう。

 甲子園戦法としてのスクイズバントの伝統を受け継ぐ者として、金足農業高校チームには、これからも甲子園大会に数多く出場していただきたいと、(勝手に)考えているところです。

 横浜DeNAベイスターズのファンの方と話す機会がありました。

 今、ベイスターズファンの盛り上がりは、21世紀に入ってから最高ではないかとのことでした。

 特に、横浜スタジアムのマウンドに、クローザーの山﨑康晃(やまさき やすあき)投手が登場する時の盛り上がりは「凄い」と。

 帝京高校から亜細亜大学に進み、2014年のドラフトで横浜DeNAベイスターズから1位指名を受けて入団し、2015年・ルーキーイヤーからクローザーに定着、2018年シーズンも8月22日現在で25セーブ(セ・リーグ3位)を挙げて、自身の持つ「入団1年目からの連続20セーブ以上の記録を4シーズン連続」に伸ばしています。
 見事な活躍です。

 山﨑投手が2015年に新人王を受賞した素晴らしいプレーヤーであることは知っていましたが、「ファンの盛り上がり」がそれ程の水準に達しているというのは、知りませんでした。
 残念ながら10年間以上、横浜スタジアムのプロ野球観戦には行けていなかったのです。

 愛称は「小さな大魔神」とのこと。

 あの佐々木主浩投手の「大魔神」に形容詞を付けた形です。山﨑選手は身長178cmと、佐々木投手の190cmと比較すれば小さいので、こうした愛称となっているのでしょうが、山﨑投手に対するベイスターズファンの「愛情」が感じられます。

 この話を聞いて、久し振りに横浜スタジアムに行き、「Zomble NationのKemkraft400」に乗って山﨑選手がマウンドに向かう際に、ファンが行う「康晃ジャンプ」を、一度は観てみたいし、恐縮ながら私自身もやってみたいと思います。

 このところ、セントラルリーグと言えば「広島カープファンの盛り上がり」が喧伝されていましたが、横浜ベイスターズも負けず劣らずの雰囲気になっているようです。
 素晴らしいことだと感じます。
 8月10日に開幕した、2018~19年のプレミアリーグは、8月20日までに「第2節」を終えました。各チームが2試合を消化したのです。
 全38節の内の2節を終えたばかりなのですが、その順位がとても興味深いものとなっています。

第1位 マンチェスター・シティ 2勝・勝点6・得失点差7
第2位 リバプール 2勝・勝点6・得失点差6
第3位 チェルシー 2勝・勝点6・得失点差4・総得点6
第4位 ワトフォード 2勝・勝点6・得失点差4・総得点5
第5位 トッテナム・ホットスパー 2勝・勝点6・得失点差3・総得点5
第6位 AFCボーンマウス 2勝・勝点6・得失点差3・総得点4

第9位 マンチェスター・ユナイテッド 1勝1敗・勝点3

第17位 アーセナル 2敗・勝点0

 まだ2試合ですから、2連勝のチームが6つ、当然ながらいずれも勝点6です。
 とはいえ、キッチリと順位が付いていて、「タイ」は在りません。
 たった2試合でも、勝点・得失点差・総得点といった構成要素によって、明確な順位が付くというのは、ある意味では凄いことでしょう。
 サッカー競技の歴史に裏打ちされた「リーグ戦における順位決定基準」は、しっかりと機能しているのです。

 そして、一見して「概ね今シーズンの順位」が示されていると判断するのは、気が早すぎるでしょうか。

 以前の記事にも書きましたが、サッカーにおける「得失点は正直」に各チームの実力を表すのです。
 たとえ、たったの2試合でも、今シーズンに臨む各チームの実力が現れている結果だと感じます。

 プレミアリーグは今季も、シティを中心とした優勝争いが展開され、シティに食い下がるのはリバプールとチェルシーであろうこと、次の挑戦者候補としてはスパーズとワトフォードが続くのでしょう。
 ロベルト・ペレイラ選手(アルゼンチン)を、地元イングランド選手がフォローする形の今季のワトフォードは、相当強いのではないかと感じます。

 一方で、早々にブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンに2-3で完敗したユナイテッドは、早速守備力不足を露呈したと言われても仕方がないところです。ロメル・ルカク選手とポール・ポグバ選手という、ワールドカップ2018で大活躍を魅せたプレーヤーが1点ずつを挙げながらの敗戦は残念至極でしょう。守備陣の早急な立て直しが期待されます。

 また、2敗という散々なスタートを切ったアーセナルは、しかし、相手がシティとチェルシーでしたので、少し救いはあるのでしょうが、いずれにしても、「振り向けば降格圏の18位」というのは、ビッグクラブとしては気持が悪いことでしょう。
 こちらも第3節以降の巻き返しに期待です。

 第2節を終わったばかりの段階で、「今季の姿を観るようだ」と書くのは、もちろん乱暴なことでしょう。今後、順位は大きく変動するのかもしれません。
 とはいえ、これ程見事に「全38節の結果を凝縮したような第2節までの結果」を眼前に示されると、色々と考えさせられてしまうのです。
 8月22日「BASEBAII GEEKS」配信の「金足農・吉田投手の球質を公開!プロ投手を上回るホップ成分とは!」という記事は、とても面白いものでした。

 「秋田県・高校野球強化プロジェクト」のデータとして紹介されていたものですが、「ボール変化量」という項目が採り上げられていました。
 投球が、キャッチャーに到達するまでの変化量を数値にしたものだと思います。
 
① 高校生平均 横変化18cm、縦変化32cm
② 吉田投手 横変化10cm、縦変化53cm
③ プロ投手平均 横変化26cm、縦変化44cm

 吉田投手の投球は、高校生平均より、縦方向に21cm(53cm-32cm)上に到達するという結果なのです。
 21cmはボール2~3個分に相当しますから、夏の甲子園2018で各チームの打者の多くが、吉田投手の投球軌道の下を振って空振りしていた理由が、良く分かります。
 それにしても「21cm」というのは、凄い数値でしょう。

 高めの、キャッチャー到達時には明らかなボール球を「ストライクだと思って振った」という、相手打者のコメントも、なるほどという感じ。低めの投球に対して「ボールだと思って見送った」ケースも多発していましたが、この記事では「吉田投手のストレートは、いわゆる『真上に伸びるような』球質」であるとしています。
 昔風の言い方をすれば「ホップする」投球ということになるのでしょう。

 そのホップする度合いが、プロ投手平均を9cmも上回っているというのですから、吉田投手の将来性を感じてしまうのは、私だけではないでしょう。
 加えて、「ボールの変化量」は、必ずしも回転数だけに影響されるものでは無いと指摘しています。

 甲子園大会の試合において、吉田投手がロジンバックを使った後、投げた時の細かい粉末の飛び方は凄いものでした。吉田投手の手からボールが離れた瞬間、大袈裟に言えば、ボールの周囲70cm位の球形に「白い粉」が飛び散りました。これは、どの試合でも共通していましたから、「吉田投手の投球は、物凄いスピードで回転している」ことが直ぐに分かりました。
 今後は、その回転数の情報も、今後詳細に開示されてくるのであろうと期待します。

 この記事では、その回転数に「回転軸」の要素が加味されて、「ボールの変化量」が決まってくるとしています。
 とても興味深い内容です。

 この記事の、さらに素晴らしいところは、最後に「こうしたスキルをどのように身に付けたか」に言及しているところです。
 「・・・しかしながら、本当の吉田投手の凄さとは、測定したこれらのデータを自分の上達につなげる頭の良さかもしれない。先述の神事氏は、吉田投手の投球よりも貪欲に吸収しようとメモを取り質問する姿に強い印象を受けたという。『高校生離れ』しているのは球質だけではなく、偉業の裏側には『どうやったら上手になるのか』を自分自身で答えを見つけようとするトップアスリートの姿勢があったのかもしれない。・・・」と書いています。
 とても深い記述だと感じます。

 自らのプレーを自ら考えて、より良いプレーに昇華させようとする姿勢と能力こそが、吉田輝星投手の最強のスキルなのかもしれません。
 もちろん、このスキルが「アスリートにとっての大切な才能のひとつ」であることは、言うまでもないでしょう。

 そして、このスキルが在る限り、吉田投手の進化は続くのであろうと感じます。
 ボストン・レッドソックスのJ.D.マルティネス選手が好調です。
 打率、ホームラン、打点の3部門でトップ争いを演じているのです。

 8月22日時点のアメリカンリーグAL個人打撃成績・上位3選手です。

[打率]
・ムーキー・ベッツ選手(レッドソックス) .340
・J.D.マルティネス選手(レッドソックス) .333
・ホセ・アルトゥーベ選手(アストロズ) .328

[ホームラン]
・J.D.マルティネス選手 38本
・クリス・デービス選手(アスレティックス) 38本
・ホセ・ラミレス選手(インディアンズ) 37本

[打点]
・J.D.マルティネス選手 108点
・クリス・デービス選手 102点
・ホセ・ラミレス選手 91点

 2018年レギュラーシーズンも130試合近くを消化し、ラストスパートに入っています。
 ボストン・レッドソックスはAL東地区で89勝39敗、日本風に言えば「貯金50」という圧倒的な強さを魅せて、首位を疾走しています。
 ALとナショナルリーグNLの全地区を通じても、断トツの勝率を誇っているのです。
 このまま行けば「シーズン110勝越え」も夢ではありません。

 2番手のニューヨーク・ヤンキースも79勝47敗で「貯金32」と、普通ならば十分にトップに立てる成績なのですけれども、レッドソックスが強すぎる、というのが2018年シーズンのAL東地区なのでしょう。

 そうした状況下、31歳のJ.D.マルティネス選手も自身のキャリア最高の成績を残しつつあります。

 ホームランと打点はトップ、打率が同僚のベッツ選手に続いての2番手、十分に三冠王を狙える位置に居ます。

 打点は2番手のデービス選手に6点差を付けていますので、打点王は相当有力でしょう。
 ホームランは、そのデービス選手と並んでいます。今後も激しい争いが続きそうです。

 やはり、打率・首位打者が一番難しいと感じます。
 何時の時代も、「三冠王を目指すプレーヤーにとって『首位打者』がポイント」となるのです。
 ベッツ選手もライバルですが、現在3番手のアルトゥーベ選手は、首位打者を取るという意欲がとても高いプレーヤーですので、今後の追い上げが予想されるところです。

 いずれにしても、アストロズ→タイガース→ダイヤモンドバックス→レッドソックスと移籍を続け、MLB8シーズン目となり、これまで所謂「個人タイトル」に縁がある方では無かったマルティネス選手が、三冠王を取るとなれば、MLB史上に輝く快挙となることは間違いありません。
 2017年シーズンで45本塁打を放ち、長打力に磨きがかかって来たとは感じていたのですが、2018年シーズンの安打数と打点の伸びは、驚異的です。

 ボストンに来て、大輪の花を咲かせるのか。
 フリオ・ダニエル・マルティネス選手の活躍から眼が離せません。
 8月11日の1回戦で、鳥取城北高校チームにサヨナラ勝ちを収めた龍谷大平安高校チームが、春夏の甲子園大会通算100勝を達成しました。

 気の遠くなるような数字ですが、中京大中京高校チームに続いて、史上2校目の「100勝」です。

 春夏の甲子園大会を通じての、チーム毎の勝ち星トップ10は以下の通り。
 (2018年8月15日時点=夏の甲子園2018の2回戦終了時点)

① 中京大中京 133勝(夏78勝、春55勝)
② 龍谷大平安 101勝(夏61勝、春40勝)
③ PL学園 96勝(夏48勝、春48勝)
④ 県岐阜商 87勝(夏39勝、春48勝)
⑤ 松山商 80勝(夏60勝、春20勝)
⑥ 天理 75勝(夏48勝、春27勝)
⑦ 広陵 71勝(夏34勝、春37勝)
⑧ 東邦 70勝(夏19勝、春51勝)
⑨ 早実 66勝(夏43勝、春23勝)
⑩ 広島商 62勝(夏43勝、春19勝)

 錚々たるチームが並びました。
 甲子園大会の歴史を彩る強豪チームばかりです。

 夏の大会の方が、出場チーム数が多く試合数も多いので、一般的には夏の勝ち数の方が多くなるのが道理ですが、そうでは無いチームもあって、各チームの特徴が良く出ています。

 例えば、東邦高校チーム(愛知)は、夏19勝・春51勝と、圧倒的に「春に強い」のです。「春の東邦」と呼ぶに相応しい実績です。

 一方で、松山商業高校チーム(愛媛)は、夏60勝・春20勝と、圧倒的に「夏に強い」のです。確かに、夏の大会で「松山商は出てくれば強い」という印象が有ります。

 中京大中京と龍谷大平安は、春も夏も強いというところでしょうか。春・夏の勝ち星のバランス?(そんなものがあるのかどうかは分かりませんが)が良く観えます。
 このトップ2のチームは、「何時の時代でも、春でも夏でも、常に安定した力を披露してきた」ことが、如実に示されているのでしょう。

 今大会の龍谷大平安チームは2回戦も勝って、通算101勝としましたが、この勝利が、「京都代表チームの通算130勝」でもあったと報じられました。
 この数字を観るにつけ、京都代表における龍谷大平安チームの存在の大きさが分かります。何しろ、京都代表の甲子園大会における勝ち星130の内の101、「77.7%」が、龍谷大平安チームによって齎されているのですから。

 甲子園大会において「京都と言えば平安高校」というのは、20世紀の頃からの定番ですが、それでも、大会開催数と比較すれば1/3位の頻度でしか?(本来は「も」と表現すべきところですが、ここでは「しか」)、例えば夏の大会なら「第100回で34回目の出場となっています。

 その「約1/3」の出場回数で、京都代表全体の勝ち星の「77.7%」を、龍谷大平安チームが挙げているのです。

 間違いなく、「龍谷大平安チームは甲子園大会でとても強い」のです。

 第100回全国高等学校野球選手権大会は大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じましたが、大会通算の入場者数が100万人を超え101万5千人となって、史上最多を記録したと報じられました。
 これまでの最多は、1990年・第70回大会の92万9千人だったとのこと。

① 史上最多の56チームが出場

 今大会は「記念大会」、それも「第100回大会」という1世紀を刻む記念大会でしたから、地方大会での「2チーム出場地区」も最多となって、56チームという史上最多出場の大会となりました。

 従って、試合数も多くなり、入場者数が増加したのは、その意味では自然なことでした。

 これまでの最多記録であった1990年の大会も「第70回記念大会」でした。

② 外野席が有料化された大会

 今大会は、これまで無料だった外野席で500円(子供100円)という入場料を、初めて取ることとした大会でした。
 大会前には「有料化の影響」によって、入場者数が減るのではないかとも指摘されていましたが、全く影響が無かったどころか、新記録を樹立?したのですから、「甲子園大会の人気」の凄さが感じられます。

③ 観客・応援者の熱中症対策

 夏の甲子園2018は、私の周辺でも「甲子園に応援に行く」という人がいつになく多い大会でした。
 そして、現地で応援した人達からは一様に「とにかく暑かった」との言葉が・・・。

 特に、次の試合の応援席に入るために、球場外で待っている際の暑さは「尋常なものでは無かった」とのことでした。
 グループで行った友人は「(球場外で待っていた時)一緒に行った知り合いの男の子の具合が悪くなってしまって、係員に通報した」との話があり、応援したチームは初戦を突破したのですけれども、当該グループの人達は全員「第2戦の応援は回避」したそうです。
 スポーツが大好きで、スポーツを観るためになら大抵の試練?には耐える友人も、今回ばかりは、「第2戦はクーラーの効いたリビングルーム」で観戦したそうです。

 前の試合が大熱戦となり、目指していたゲームの開始時刻が、予定より1時間以上後ろ倒しになってしまったという特殊要因もあったのですけれども、甲子園球場外の直射日光が注ぐエリアでの入場待ちは、相当に厳しいものであったことが分かります。

 決勝戦も、午後2時開始に向けて、通常なら午前11時に開門する所を、今回は午前6時30分に開門したと報じられています。(史上最も早い開門とのこと)
 人気の凄まじさを物語る事実ですが、そうすると、午前6時30分に入場した観客は、試合開始まで「7時間30分」を待ったことになります。
 ずーっと観客席に居たわけでは無いのでしょうが、それにしても2時間半位のゲームを観るために7時間以上待つというのは、今年の様な酷暑の夏はもちろんとして、普通の夏(変な書き方で恐縮です)でも、大変なことでしょう。

 選手の体調管理に向けては、様々な意見・対策が論じられているようですが、「入場者数100万人突破」を契機として、観客・応援者の健康管理・ウェイティング方法にも、何らかの対応が必要であろうと感じます。
 8月17日~19日、大箱根カントリークラブで開催されたCAT Ladies大会2018は、プロテストに合格して3試合目・23日目の大里桃子選手が、3日間通算209打・10アンダーパーのスコアで優勝しました。
 20歳の大里選手は、ツアー初優勝です。

 最終・3日目を10アンダーパーでスタートした大里選手は、3ハーディ・3ボギーのパープレーでラウンドし、2位の森田遥選手に2打差を付けての勝利でした。
 落ち着いたラウンドが印象的な初優勝であったと感じます。

 「プロになり立ての若手」に優勝をさらわれたベテラン陣の不甲斐無さを批判する声もありますが、一方で、現在の日本女子プロゴルフに確固たる地位を築きつつある「黄金世代」の一角であるという評価もあるのでしょう。

 1998年4月から1999年3月までに生まれた女子プロの皆さんが「黄金世代」と呼ばれています。
 若いが、とても女子プロが集まっている世代なのです。
 
 アマチュア時代に15歳でツアーに勝利し、2017年にプロデビューして、ステップアップツアーの山陰合同銀行Dueカードレディス2017で優勝を飾り、2018年のLPGAツアーでも、リゾートトラスト・レディスやヨネックス・レディスゴルフトーナメントで2位に食い込むなどの活躍を魅せている、勝みなみプロ(20歳)が先導役を果たしている感のある「黄金世代」ですが、2018年になってから、新垣比菜選手(19歳)が4月のサイバーエージェント・レディスゴルフトーナメントに優勝するなど、活躍が広がっていました。
 そして今回、大里選手が登場したという形です。

 大里選手は熊本県出身、8歳の時ゴルフを始めでメキメキと力をつけ、ジュニアの時代から注目されていたと報じられています。
 
 大里桃子選手の、今後の大活躍が期待されます。
[8月21日・決勝]
大阪桐蔭13-2金足農

 2018年の大阪桐蔭高校チームの打線が、一度火が付いたら止められないものであることは、北大阪大会決勝の23得点を観れば分かっていたことでした。

 第100回記念大会の決勝でも、その威力が如何なく発揮されたのです。

 勝負のポイントは1回裏の攻防に在ったと思います。

 ノーアウト1・3塁から、金足農業高校チームの吉田投手は、3番中川選手・4番藤原選手を連続三振に切って取りました。素晴らしい投球でした。
 しかし5番根尾選手の時に暴投で1点を献上します。コントロールの良い吉田投手としては、珍しく「力み」の観られる投球でしたが、大阪桐蔭のクリーンアップを迎えての「フルスロットルの投球」でしたから、この1点は止むを得ないものとも感じました。

 そして6番の石川選手を迎えました。
 この石川選手が、吉田投手渾身のストレートを右中間に弾き返したのです。

 3-0、試合は大阪桐蔭のリードで始まりました。

 この1回裏を1失点で抑え切れば、金足農にも勝利の可能性が残ったと思いますが、3失点は大き過ぎました。
 また、吉田投手にとっても、全力投球が通じなかったというショックが残り、連戦の蓄積された疲労が一気に出てしまったのであろうと思います。

 東北のチームの初制覇か、史上初の2度目の春夏連覇か、に注目が集まった一戦は、大阪桐蔭チームの圧勝で幕を閉じました。

 惜しくも準優勝に終わりましたが、第100回記念大会を最も盛り上げてくれたのが、金足農チームであったことは間違いないでしょう。
[8月20日・準決勝]
大阪桐蔭5-2済美

 「大本命」と目されたチームが、順調に決勝まで歩を進めるというのは、夏の甲子園大会においては「至難」の技でしょう。
 大阪桐蔭チームは、これをやってのけました。

 緒戦から準決勝戦までの道のりは、当事者の眼から見れば「茨の道」だったのでしょうが、各々の試合を観ている限り「勝つべくして勝ってきた」ゲームを披露し続けたと感じます。

 このチームは、とても「強い」のです。

 この試合は、柿木投手を立てました。
 今大会最速の151kmの速球を具備している柿木投手を準決勝に先発させることが出来るというのが、大阪桐蔭チームの選手層の厚さでしょう。

 決勝では、休養十分の根尾投手を先発に立てるのでしょうか。

 狙い通りに「春夏連覇」を達成するとすれば、底知れぬ強さを保持したチームとして、夏の甲子園大会の歴史を飾ることになります。

 金足農VS大阪桐蔭。
 1915年・第1回大会の決勝、京都二中VS秋田中以来の秋田代表の登場です。
 
 いかにも、2018年第100回大会の決勝戦というところでしょうか。

 大阪桐蔭が地力を発揮して勝ち切るのか、金足農が「黄金の9人」によるミラクルな戦いを魅せるのか。

 素晴らしい決勝戦が期待されます。
[8月20日・準決勝]
金足農2-1日大三

 秋田大会から「9人の選手」で戦ってきた金足農業高校チームが、準決勝を勝ち抜き、ついに決勝に駒を進めました。

 この夏の大会、金足農チームには、代打も、代走も、リリーフ投手も、一切無かったのです。
 とても厳しい接戦も、この不動のメンバーで乗り切ってきました。
 私は「黄金の9人」と呼びたいと思います。

 もちろん、金足農チームにも控えのプレーヤーが居て、「黄金の9人」に怪我や故障が出た時には、しっかりとフォローする体制は出来ているのでしょうが、この「9人」の素晴らしいところは、ここまでひとりの落伍者も無く、勝ち上がってきたというところでしょう。

 秋田県勢103年振りの決勝進出は、もちろん凄いことですけれども、私は「不動の9人」が戦い抜いてきたことに、大きな価値を感じます。
 戦術的な一体感の高さは当然のこととして、決して「無理なプレー」に走らなかったことの証左でしょうし、本当の意味での「チームワーク」の存在を強く感じます。

 チームの中心に立っているのは「吉田投手⇔菊池亮捕手」のバッテリーなのですが、このバッテリーを支える守備陣は、上手いというより強力と言う感じでしょう。
 
 この試合でも、9回裏日大三チームの反撃、1死1塁のシーンでの佐藤英選手の強い当たりを、三塁手・打川選手は止めました。一塁への送球は間に合わず、日大三のチャンスは一死1・2塁へと拡大したのですけれども、この「止めたプレー」がチームに大いなる勇気を与え、日大三への無言のプレッシャーとなったと感じます。
 吉田投手にも、とても頼もしいプレーであったことでしょうし、ピンチの中でも「自分達のプレーが出来ている」という自信に繋がったと思います。

・1番二塁手 菅原 天空 選手
・2番左翼手 佐々木 大夢 選手
・3番投手 吉田 輝星 選手
・4番三塁手 打川 和輝 選手
・5番中堅手 大友 朝陽 選手
・6番一塁手 高橋 佑輔 選手
・7番右翼手 菊池 彪吾 選手
・8番捕手 菊池 亮太 選手
・9番遊撃手 斎藤 璃玖 選手

 金足農チームの歴史に、秋田県高校野球の歴史に、そして第100回全国高等学校野球選手権記念大会の歴史に、永遠に刻まれるであろう「黄金の9人」。

 決勝戦でも、「これまでやって来たプレー」を継続し、「黄金の9人の野球」を甲子園球場で存分に披露していただきたいと思います。

 少し前の話になりますが、恒例となっている元ブラジル代表フォワードのロナウド氏が選ぶ「世界ベストイレブン」の2018年版が、ワールドカップ2018ロシア大会開催を控えて公開され、話題となりました。

[ロナウドのベストイレブン2018]
・ゴールキーパーGK ブフォン選手(イタリア)
・ディフェンダーDF カンナバーロ選手(イタリア)、マルディーニ選手(イタリア)
           カフー選手(ブラジル)、ロベルト・カルロス選手(ブラジル)
・ミッドフィールダーMF ジダン選手(フランス)、ピルロ選手(イタリア)
             マラドーナ選手(アルゼンチン)、メッシ選手(アルゼンチン)
・フォワードFW ペレ選手(ブラジル)、ロナウド選手(ブラジル)

 相当「腹に落ちる」ベストイレブンです。
 
 華麗な攻撃ならば「セレソン」のブラジル。そのブラジルからペレ選手とロナウド選手のツートップ、サイドバックにカフー選手(ワールドカップ3度出場・2度優勝・1度準優勝)と、レアル・マドリードなどで強烈なフリーキックで鳴らしたロベルト・カルロス選手(ワールドカップ優勝1度、準優勝1度)。

 堅守ならば「アズーリ」のイタリア。そのイタリアからブフォン選手とカンナバーロ選手、マルディーニ選手(ワールドカップ4度出場。本来は左サイドバック)のGKとセンターバック陣、加えて「ザ・司令塔」のピルロ選手。(ブフォン選手、カンナバーロ選手、ピルロ選手は2006年ワールドカップ優勝メンバー)

 MFの右にマラドーナ選手、左にメッシ選手のアルゼンチン勢。
 そして、「魔術師」ジダン選手が締めるという布陣。

 ロナウド選手と「同時代の輝く星」を主体に、過去と未来から、唯一無二のプレーヤーを加えた形となっています。

20世紀、21世紀を問わずの「ベストイレブン」ですから、当然のことながら、「選出されるべきプレーヤーが漏れる」ことがある訳ですが、今回はクリスティアーノ・ロナウド選手が選ばれなかったことが、評判です。

 所謂「有名選手」となれば、どうしても得点に絡むプレーヤーが多くなるのが道理。一方で各ポジションの数には限りがあります(当たり前のことですが)から、結果として、FWやMFのスタープレーヤーが選から漏れることになるのです。

 頭書のベストイレブンを観ても、FWの「神様」ペレ選手は「誰が見ても」選ばれるのでしょうが、ロナウド選手のところに、ヨハン・クライフ選手(近代サッカーの申し子、空飛ぶオランダ人)やゲルト・ミュラー選手(ドイツ、ワールドカップ得点3位・14得点)、ミロスラフ・クローゼ選手(ドイツ、ワールドカップ得点王・16得点)らが選出されても、何の不思議もない訳で、バロンドール5度受賞を誇るクリスティアーノ・ロナウド選手と言えども、「ひとつの椅子」を競うとなれば、なかなかゲットするのは難しいのでしょう。

 ここは、ワールドカップ得点2位・15得点を誇り、レアル・マドリードやFCバルセロナ、インテル等々で活躍した、ロナウド選手が自ら選んだベストイレブンを尊重するしかないのです。

 それにしても、ワールドカップ優勝5度のブラジルから4選手、同4度のイタリアからも4選手が選ばれ、アルゼンチンから2選手、フランスから1選手が選ばれていますが、同4度のドイツからはひとりも選ばれていないのは、興味深いところです。

 ドイツにも、前述の2プレーヤーに加えて、例えば、「皇帝」フランツ・ベッケンバウアー選手やDFベルディ・フォクツ選手らのスーパースターが居るのですが・・・。

 ドイツ代表チームが伝統的に「個の力よりも組織プレーを重視する」サッカーであることも、要因のひとつなのでしょうが、それよりも、世界の強豪ナショナルチームにとって、世界中のスーパースターにとつて、「何時の時代も最も戦いたくないチーム」がドイツであることを、示しているような気もします。

 2018年ロシア大会では、ドイツチームが史上初めてグループリーグGLで敗退するという「サプライズ」がありました。(これがサプライズになること自体が凄いことですが)
 「ドイツチームも決勝トーナメントに進出できないことがある」ことを踏まえて、来年以降のロナウドの世界ベストイレブンに変化が生まれるのかどうか、こちらも興味深いところです。
[8月18日・準々決勝・第4試合]
金足農3-2近江

 金足農業高校チームが9回裏の大逆転で勝利し、準決勝進出を決めました。

 試合開始直後からの投手戦の中で、大事なシーンでの得点で勝り、試合を優位に進め、勝利目前だった近江高校チームでしたが、最期は「金足農チームの勢い」に押された感じであり、惜しい星を落としました。

 9回裏、6番高橋佑輔選手の安打などで、金足農はノーアウト満塁というチャンスを創りました。
 そして、9番斎藤璃玖選手のスクイズバントが決まったのですが、とても思い切った、とてもハイリスクな攻撃でした。

① フライとなればトリプルプレーの怖れ

 斎藤選手のバントが小フライとなり、例えば近江の林優樹投手が捕った場合には、そのまま、三塁・二塁とボールが転送され、トリプルプレーが成立していた可能性が有ります。
 金足農の3塁ランナー・2塁ランナーは、このプレーにおいて「一気のスタート」を切っていましたから、フライと観て塁に戻ることは出来なかったことでしょうし、「戻ることが出来るような中途半端なスタート」では、2ランスクイズは成功していなかったことでしょう。

② 斎藤選手のバントの強さ

 近江の三塁手・北村恵吾選手は、スクイズバントを捕球し迷うことなく1塁に投じました。
 2-2の同点にされたものの、まだまだ試合はこれからであり、同点のままで延長戦に突入するためには、アウトカウントを増やしていく必要があるという、とても合理的な判断からでしょう。

 この際に、斎藤選手のバントがもう少し強ければ、北村選手は「本塁封殺」を狙って、本塁に送球していたかもしれず、そうすれば、ひとり目のランナーは刺せなかったとしても、二人目のランナーは生還できていなかった可能性が高いのです。

 逆に、斎藤選手のバントがもう少し弱ければ、近江の捕手・有馬諒選手が捕球していたかもしれず、そうなれば、2塁ランナーが一目散に三塁ベースを回り本塁に突入してくる姿が見えた可能性が有りますから、2人目のランナーを封殺することが出来たでしょう。

 結果として、斎藤選手のスクイズバントは「絶妙の強さ」だったことになります。
 斎藤選手の技術の高さを示す事実ですが、まさに「球運」も大きく働いたようにも感じられます。

③ 2塁ランナーが3塁ベースを回ったことに、誰も気づかなかったのか?

 三塁手の北村選手がバントを捕球した瞬間に、近江チームの他の選手から「ホーム」という声がかかっていたようには観えませんでした。
 近江の守備陣全員が、金足農の2塁ランナーの動きを観ていなかったのかもしれません。

 サッカー競技では時々見られることですが、野球においても「ボールウォッチャー」という現象、チーム全員がボールを観てしまい、他の状況に気が付かなず、体も動かないという現象、が発生するのかもしれないと思いました。

 別の見方をすれば、近江の内野に居た野手の誰かが、金足農の2塁ランナーの動きに気付き、大声で「ホーム」と叫んでいれば、ホームで封殺されていた可能性が有った訳です。

 以上のようなリスクが存在する、多くのリスクが存在する中で、百も承知で、金足農チームの中泉一豊監督は敢然と2ランスクイズのサインを出したことになります。
 「スクイズのサインは、監督にとって、とても勇気がいる」といわれますが、2ランスクイズのサインともなれば、「その勇気は何倍にもなる」のでしょう。

 日々の練習を信じ、「自分達の戦い方」を貫いた、本当に見事なチームプレーに、野球の神様も思わず頷いたというシーンだったのかもしれません。

 前日の横浜高校チームとの激闘で160球以上を投げていた、金足農のエースというか、「他に投手が居ない」中では、マウンドに立ち続けなければならない存在である吉田輝星投手は、さすがに疲労の色が濃く、横浜戦で150km/hを記録したストレートも、この試合では140km台前半でした。
 それでも、「ボールのキレ」は前日同様というか、前日以上であったようにも感じられ、強打の近江高校打線を2点に抑え込んだのです。

 9回表も、ノーアウト1・2塁という大ピンチでしたが、最期は速球で三振を奪って、このピンチを乗り切りました。
 三振を奪った瞬間、マウンドから駆け下りながらの吉田投手の笑顔が、本当に印象的でした。

 金足農チームの9回裏の劇的な大逆転勝利を生んだのが、この「堅守」であったことは間違いありません。
 「稀代の好投手」吉田輝星を得た金足農チームは、秋田大会から一貫した戦いを継続しているのでしょう。

 34年振りの準決勝進出を果たした金足農チームは、休養日を挟んだ8月20日、日大三チームとの戦いに臨みます。
 僅か1日ですが、その間に吉田投手の体調が回復していることが期待されます。
 低目で良く伸びる、最近の甲子園ではなかなか見ることが出来ない「素晴らしい回転のストレート」、150kmを超えるストレートを、再び披露していただきたいものです。

 甲子園の常連、優勝候補の一角でもある大豪・日大三チームとのゲームが、とても待ち遠しいところです。
 北海道は、我が国最大のサラブレッドの産地です。

 そして、暑い夏を乗り切るために、現役のサラブレッド達の多くも、夏の北海道で静養・調教を行います。

 その夏季の北海道・札幌競馬場におけるビッグイベントが札幌記念競走G2なのです。

 1965年・昭和40年に第1回レースが行われました。砂馬場2000mコースでした。
 1969年からはダート2000mコースでの開催となりました。
 長い間ダートコースでのレースが続き、1990年から、現在と同じ芝2000mでのレースとなったのです。

 ダートコースの頃も、クラシック競走で活躍していたサラブレッドが出走していましたが、やはり「芝」馬場になってからは、夏を北海道で過ごしている重賞常連のサラブレッド達にとって格好のレースとなりましたから、強豪馬が一層多く出走するようになりました。

 そうした中で、「芝」の札幌記念を連覇している唯一の馬がエアグルーブなのです。
 「女傑」エアグルーブは、1997年と98年のレースを連覇しました。

 1996年のオークス馬エアグルーブは、4歳になって6月阪神のマーメイドステークスG3に勝つと、8月の札幌記念G2を制して、10月の天皇賞(秋)G1で、1番人気だったバブルガムフェローを始めとする強豪牡馬陣を一蹴して、重賞3連勝を飾りました。
 勢いを駆って、11月のジャパンカップG1でも世界の強豪と互角の競り合いを魅せて、勝ったピルサドスキーにクビ差の2着、12月の有馬記念G1ではシルクジャスティス、マーベラスサンデーに次いでの3着と大健闘を続けました。
 そして、1997年の年度代表馬に輝いたのです。1971年のトウメイ以来、史上2頭目の牝馬の年度代表馬でした。

 エアグルーブは5歳となった1998年も走り続け、4月の産経大阪杯G2(現在の大阪杯G1)を勝った後、7月の宝塚記念G1はサイレンススズカの3着、続いて8月の札幌記念を勝利したのです。58㎏を背負いながらも3馬身差の圧勝でした。

 この後の、11月のジャパンカップが圧巻でした。エルコンドルパサーには敗れたものの、日本ダービー馬スペシャルウィークを抑えての2年連続の2着。「女傑」の力を如何無く発揮したのです。
 私は、スペシャルウィークやチーフベアハート、シルクジャスティス、ステイゴールドらに先着した、この1998年のジャパンカップが、エアグルーブのベストレースではないかと感じています。

 この年の有馬記念を最後に、エアグルーブは現役を引退しました。

 エアグルーブ号、父トニービン、母ダイナカール、母の父ノーザンテースト。おそらくこの頃の我が国最高の血統であろうと思います。通算成績19戦9勝、主な勝ち鞍、オークス、天皇賞(秋)。
 470㎏を超える堂々たる体躯で、強豪牡馬達と互角以上の戦いを繰り広げました。

 生まれ故郷・北海道(社台ファーム早来=現在のノーザンファーム)の夏、札幌記念競走でエアグルーブは、とても気持ち良く走ったのでしょう。
 第100回大会も2回戦を終えました。
 熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられています。

 1イニング8得点というゲームがありました。
 7点のリードも、1イニングで逆転されるのかと思うと、セイフティリードは何点なのだろうかと感じます。

 そうして観ると、今大会は所謂ビッグイニングが多いのかもしれません。

 今大会ここまで=8月15日終了時点=2回戦終了時点の「1イニング5得点以上」を挙げてみます。「5得点」としたのは、満塁ホームランを超えるという物差しです。

① 8月6日 山梨学院VS高知商 5回表山梨学院8得点
② 8月10日 木更津総合VS敦賀気比 6回表木更津総合6得点
③ 8月10日 日大三VS折尾愛真 1回裏日大三7得点
④ 8月12日 星稜VS済美 1回表星稜5得点、8回裏済美8得点
⑤ 8月12日 高知商VS慶応義塾 2回表高知商7得点
⑥ 8月14日 横浜VS花咲徳栄 4回表横浜6得点

 以上の6試合7ケースがありました。
 1ゲームに2度あるのもびっくりします。
これが例年の大会より多いのか少ないのかは調べてはいないのですけれども、十分な数の「集中攻撃・集中打」が生まれていることは間違いないでしょう。

 そして、①や④では1イニング5得点以上のビッグイニングを創出しても、残念ながら敗れているチームが有るのですから、これも驚きです。
 「流れが大きく変わる」試合があるということになります。

 多くの場合には、連打に四死球とエラーが重なっての大量失点なのですが、一度傾いた流れを引き戻すのが、とても難しくなっているということかもしれません。
 堅守を誇っていたチームに、突然エラーが生まれるのも不思議です。

 プレーヤーの精神面が主な要因なのかもしれませんが、「ピンチになると動揺する」というプレーヤーが増えてきているとすれば、その原因は「強いチームを創ろう」とする指導者の皆さんとしては、把握して行かなければならないのでしょう。
 もちろん、とても難しいことなのでしょうけれども。

 野球に限らず、劣勢になった時の「強さ」は、全ての競技において求められているのです。
 「第100回記念大会」に関連して、様々な催し物が行われていますが、8月5日にテレビ朝日系列で放送された「ファン10万人がガチで投票!高校野球総選挙!」も面白い企画でした。

 投票結果も、相当味わい深いものであったと思います。

 ベスト10までを記載します。(敬称略)

・1位 松井秀喜
・2位 松坂大輔
・3位 江川卓
・4位 清原和博
・5位 田中将大
・6位 大谷翔平
・7位 王貞治
・8位 桑田真澄
・9位 清宮幸太郎
・10位 ダルビッシュ有

 番組における各タレントというか野球専門家の「1位予想」は、野村克也氏が「田中将大」、太田幸司氏が「江川卓」、定岡正二氏が「太田幸司」でした。
 これらの皆さんの予想とも、相当に違う結果となっていたのです。

 夏の甲子園大会における成績とも、無関係と言って良いほどの、ある意味では「意外」な結果でした。

① 高校野球ファンは「怪物」が好き?

 上位を占めたプレーヤーは、いずれも「怪物感あふれる選手」達です。
 元祖(投票した人達にとっての元祖)怪物・江川卓、平成の怪物・松坂大輔はもちろんとして、松井秀喜、清原和博もまさに「怪物」でした。

② 「怪物」の度合いを決めたものは・・・。

 その「怪物感あふれる選手」達の中で、その順位を決めたのは、「ファンが受けた印象の強さ」であったように感じます。

 「5連続敬遠」は、想像以上のインパクトを日本中に及ぼしたのでしょう。あの星稜VS明徳義塾のゲームで、明徳のキャッチャーは松井選手の打席で1度も立たなかったと記憶していますので、厳密には「敬遠」ではないのかもしれませんが、ファンには「松井は1度も勝負してもらえなかった」という印象が残り、それが世代を超えて「ゴジラの迫力」として深く心に刻まれたものと(勝手に)考えております。

 3位の江川投手も、「あの投球」、ボールがホップする凄まじい投球の迫力が、とても強かったのであろうと思います。信じられないようなパフォーマンスだったのでしょう。

 そして、2位の松坂投手は「甲子園で無敗」という実績や、決勝でのノーヒットノーランという「ミラクル」な活躍がありました。

 4位の清原選手も、「驚異的な飛距離とホームラン数」がファンの心を捕えたものと思います。何時ホームランが飛び出すのだろうという期待と、それに応えるプレーの現出の繰り返しは、深く心に刻まれたのです。

 優勝・準優勝は、もちろんファンにとって大きな思い出となりますが、「観たことが無いレベルのプレー」が持つインパクトは、それを超えるものなのかもしれません。
 今シーズンのメジャートーナメント最終戦、第100回全米プロゴルフ選手権は、8月9日~12日、アメリカ合衆国ミズーリ州のベルリーフ・カントリークラブを舞台に開催され、アメリカのブルックス・ケプカ選手(28歳)が、4日間通算264打・16アンダーパーのスコアで優勝を飾りました。

 ケプカ選手は、この勝利で、PGAツアー通算4勝目となりましたが、4勝の内3勝がメジャートーナメント(2017年・2018年の全米オープン連覇、2018年全米プロ優勝)という、「メジャートーナメントにとても強いプレーヤー」としての存在感を誇示する結果となりました。

 2014年にPGAツアーデビューを果たしたケプカ選手ですが、2015年のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン大会でPGAツアー初優勝を飾ると、その後はメジャーを3勝というのですから、驚かされます。
 勝つならメジャー大会といった感じでしょうか。

 日本ツアーでも、2016年・17年のダンロップ・フェニックス大会を連覇しています。
 ダンロップ・フェニックス・トーナメントは、長い間我が国の最高賞金大会として知られてきた大会です。ケプカ選手は「大きな大会に強い」プレーヤーとして、我が国でも良く知られる存在なのです。

 2014年にPGAツアーにデビューした頃は、とにかく「飛ばし屋」として鳴らしました。
 PGAツアーの「飛ばし屋」といえば、ダスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手の名前が上がりますが、デビューした頃のケプカ選手は、こうした選手達と互角以上の飛距離を誇りました。
 身長185cmの「筋骨隆々たる体躯」から、驚異的なショットを放っていたのです。

 その飛距離が少し落ちてきた感じがした2017年から、メジャートーナメントに勝ち始めたのですから、これは明らかに「飛距離を抑えている」と判断すべきなのでしょう。

 今回の全米プロでも、最終日一緒にラウンドしていたアダム・スコット選手と、飛距離では互角、時にはスコット選手の方が飛んでいました。
 もちろん、オーストラリアのスコット選手も飛ばし屋ですが、2015年頃のケプカ選手を思い出すと、意外な感じもしました。
 一方で、スコアはとても安定していました。この大会も、初日から69打、63打、66打、66打と、4日間60台のスコアを並べて、危なげなく勝利しているのです。
 この安定感に、2日目63打という爆発力も兼ね備えているのですから、強い訳です。

 おそらく、ケプカ選手は「ドライバーショットをコントロール」しているのでしょう。そして、300ヤード+αに飛距離を抑えているのです。
 方向性の正確さを向上させて、「メジャーに勝てるゴルフ」を身に付けたのではないでしょうか。

 28歳にして3つ目のメジャータイトルホルダーとなったケプカ選手の活躍は、これからも続いて行くのでしょうし、PGAツアーを代表する=世界のゴルフ界を代表するプレーヤーに成長する可能性も十分に有ると感じます。
[8月12日・大会8日目・2回戦]
済美13-11星稜(延長13回・タイブレーク)

 大会史上2試合目のタイブレークゲームは、済美高校チーム・矢野選手の「逆転満塁サヨナラホームラン」という、球史に輝く形で決着しました。

 延長13回表、星稜高校チームは2点を挙げて、再びリードしました。
 7-1から7-9と逆転され、9回表に2点を返して9-9の同点となり、延長戦に入った試合でしたから、この2点のリードは大きいという感じがしました。

 ところが済美チームは、政吉選手の「絶妙な3塁前へのバントヒット」を決めて、満塁と攻め立てます。
 少し話は戻りますが、このバントは本当に見事でした。あの局面で、これだけ精緻なプレーを披露するのは、素晴らしいの一言でしょう。

 そして、矢野選手のライトポール直撃の本塁打が飛び出したのです。
 テレビ画面で、矢野選手が「ファウルか」と観たのでしょうか、打席に戻りかけたところで、ポールに打球が当たりました。
 矢野選手が「事態を把握するのに少し時間がかかった」ように観えました。
 滅多に起こることでは無いというか、大会史上僅か2度目の「サヨナラ逆転満塁ホームラン」だったのですから。

 星稜の寺沢投手も良く投げました。
 延長12回の裏、一死満塁のピンチを2者連続三振、それも2打者とも「カウント3-2からの真ん中低め一杯のストレート」で見逃し三振に切って取ったのです。
 気迫あふれる投球でした。

 「どちらが勝ってもおかしくないゲーム」は済美チームの勝利という結果となりました。
 タイブレーク制度下での劇的な試合ですから、このゲームは球史に刻まれる好ゲームとなりました。

 それにしても、星稜チームは、第61回大会の箕島高校チームとの死闘もそうでしたが、「球史に残る延長戦における敗者」という、残念な役回りが続いているようにも感じられます。

 甲子園大会で、次こそは「星稜高校チームが笑顔でゲームセットの延長戦」を観てみたいものだと思います。
 さて、ビックデータが必要量確保できた、あるいは確保できる目途が立ったところで、次にポイントとなるのは、プログラムの巧拙です。

 良いプログラムの作成は難事でしょう。

 まさに、その目的に適合した判定、判断、結論が導き出されるかどうかは、プログラムの巧拙にかかっているのです。

 「AIによる分析」というフレーズが、いろいろなところで使われる時代となっていますが、当然のことながら、「AIによる分析」=正確あるいは精度が高い、ということが必ずしも担保されるものではありません。
 間違ったプログラム、ピント外れのプログラム、であれば不正確どころか間違っているケースも有ることでしょう。

 それは、これまで「同じデータを使っても、使う人によって、全く結論が異なっていた」、人間による分析と、何ら変わるところはありません。

 銀行ATMやスマートフォンなどで行われている「顔認証」といった、単純なAI判定(ひょっとするとAIとは呼べないレベルかもしれませんが)であれば、考え方の違い、アプローチ方法の違い、が存在したとしても、大過無く対応出来そうですが、これが空港における多数の入国者の顔認証となれば、一気に難度が増すのでしょう。

 移動しつづける多数の顔を同時に把握し、個々の顔毎に光量の異なる映像を下に、髪の長短、服装の違い、眼鏡の有無、等々の様々な変数を考慮して、例えば「国際指名手配犯」を短時間で見つけ出す作業というのは、人間の眼ではとても難しいことで、まさにAIの得意領域なのでしょうが、こうした作業となると、プログラムの巧拙が大きな影響を与えそうです。
 作業のスピードも求められますから、いくら精緻なプログラムでも点検ポイントが多数に及び過ぎて、時間がかかり過ぎるようであれば、「犯人」は歩いてゲートを出てしまいます。
 つまり、シンプルで効果的なプログラムが必要ということになります。この「シンプル」の実現が難しいのであろうと思います。

 スポーツにおけるAI活用においては、この「シンプル」実現がより大切な要素となるのでしょう。
 全国・全世界の大会や学校において、その調査や分析に使用するとなれば、大掛かりな仕組みは負担となります。小さくて効果的な仕組みが求められるのです。

 「目的を実現するための小さなプログラム」開発こそが、求められるのであろうと考えます。

 ここからは、世界中の開発者の腕の見せ所でしょう。

 さらに、「プログラム開発を行うAI」の登場も、そう遠いことでは無いのかもしれません。

 本ブログでは、これまで「AIとスポーツ」をテーマに、12の記事を呈示してきました。
 また書くこともあると思いますが、今シリーズは「12」で一度終了にしたいと思います。
 
 ご愛読いただき、ありがとうございます。
 ワールドカップ2018ロシア大会の興奮も冷めやらぬ中、欧州各国リーグの2018~19年シーズンが開幕しました。

 開幕日順に見て行きましょう。

[8月10日(金)]
① プレミアリーグ(イングランド)
② リーグ・アン(フランス)
③ エール・ディ・ヴィジ(オランダ)
④ プリメイラ・リーガ(ポルトガル)

[8月17日(金)]
① リーガ・エスパニョーラ(スペイン)

[8月18日(土)]
① セリエA(イタリア)

[8月24日(金)]
① ブンデスリーガ(ドイツ)

 所謂4大リーグでは、イングランド・プレミアリーグが先頭を切っての開幕です。
 開幕ゲームは、マンチェスター・ユナイテッドVSレスター・シティとなっていて、前シーズンの優勝チームが登場するわけでは無いところが、興味深いところです。

 4大リーグの他の3リーグ、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエAは1週あるいは2週遅れの開幕となりますが、言わば「準メジャーリーグ」である、リーグ・アン、エール・ディ・ヴィジ、プリメイラ・リーガは、プレミアリーグと同日に開幕する所が、面白いところでしょう。

 ワールドカップ2018で活躍したプレーヤー達の「移籍」が話題となっています。

 「祭典」は終わり、サッカー界は「日常」に戻ったということになるのでしょう。
 このところ充実著しく、史上最強と見られている日本男子スプリンター陣ですが、2018年7月の欧州における国際大会での活躍が次々と報じられています。

 7月18日には2つの大会が開催されました。

 ベルギー・リエージュの大会の男子100mでは、山縣亮太選手が10秒13(追い風0.2m)で優勝しました。
 男子110mハードルでも、増野元太選手が13秒59で優勝しています。

 スイス・ベリンツォナの大会の男子100mでは、桐生祥秀選手が10秒10(追い風0.4m)で3位に入りました。10秒10は、桐生選手のシーズンベストタイムです。

 そして7月25日のスウェーデン・カールスタードで開催された大会の男子100mでは、ケンブリッジ飛鳥選手が10秒15(追い風2.1m、参考記録)で優勝を飾りました。

 国際大会での優勝は、何時の時代も素晴らしいことです。

 欧州の大会には世界中のランナーが集い、高いフィールドですので、「3大会で3名の優勝者」というのは、とても良い成績だと思います。
 ベリンツォナ大会で3着に敗れた桐生選手とて、同じレースでジャスティン・ガトリン選手(アメリカ、2017年世界選手権優勝者)に0.03秒先着しています。
 世界トップクラスと戦えるスプリンターが複数居るというのが、日本男子短距離陣の現状なのでしょう。

 8月25日~30日に行われるアジア大会2018や、2020年の東京オリンピックに向けて、期待が高まります。
 欧州各国のリーグ戦、2018~19年シーズンの開幕が目前に迫りました。
 今季も素晴らしい戦いを期待しています。

 開幕に向けて、各チームが補強を続けて来たわけですが、今回はプレミアリーグのチェルシーFCの話題です。

 イタリア・セリエAのナポリが「このところ強い」という感じは受けていました。

 セリエAでは、2015~16年シーズンで2位、2016~17年は3位、2017~18年は2位と、「常勝」ユベントスに次ぐチームとして存在感十分でしたし、UEFAチャンピオンズリーグでも、特に2016~17年大会はベスト16に進出しました。

 正直に言って、世界的な有名プレーヤーが数多く居るわけでもありませんでしたから、「良くまとまったチーム」として長く戦っている、という印象だったのです。

 これが私の認識不足であったことが、今回のチェルシーの監督交代で分かりました。

 「強きナポリ」の要因のひとつに「良き監督の存在」があったのです。

 マウリツィオ・サッリ監督は元大手銀行員という変わり種、40歳の時にサッカー指導者を志してアマチュアクラブの監督に就任し、15年間に渡って下部リーグで監督を続け、セリエAに到達したのは55歳の時なのです。

 31歳の時に「9部リーグ」のチームの監督となり、銀行員生活を送りながら監督業を開始、「6部リーグ」のチームを率いていた40歳の時に、監督を本業としたというのは、やはり異色のキャリアでしょう。

 そして59歳にして、プレミアリーグの強豪・チェルシーの監督となったのです。

 あのペップ・グアルディオラ監督が「ヨーロッパ最高の監督のひとり」とコメントしているとのことです。

 2018~19年シーズンのチェルシーのプレーがとても楽しみです。
[8月7日・大会3日目第4試合]
常葉大菊川8-7益田東

 逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームでしたが、8回裏に2点をあげて再逆転した常葉大菊川チームが押し切りました。

 こうした「点の取り合い」というゲームが、近時の甲子園大会では増えていると感じます。

 ところで、常葉大菊川チームといえば、大会前から「ノーサイン野球」が話題になっていました。
 高橋利和監督(32歳)が掲げる手法なのですけれども、特に攻撃の時には一切ベンチからのサインは無いのだそうです。

 随分と思い切ったやり方ですが、高橋監督自身が常葉菊川の選手だった時に、重圧から「サイン通りのプレーが出来なかった」経験を踏まえての、やり方であると報じられています。

 当然ながら、選手たちは試合の局面ごとに「自分達で考えなくてはなりません」し、やろうとしているプレーについても、お互いに、例えば打者とランナー、ランナーとランナー、同士で、「何らかの方法で意思疎通」を行い、「何らかの方法で合意」して、プレーを続けるわけですから、とても難しい攻撃となる訳です。

 おそらくは、「送りバント」といったプレーは選択されにくくなるのでしょう。

 このゲームでも、1回裏と2回裏に「ノーアウト1・2塁」という絶好のチャンスを迎えましたが、1回裏は三振・三振・左邪飛で、2回裏は2塁ゴロ併殺・三振で、得点を挙げることが出来ませんでした。
 もし、監督からのサインに従ってプレーするチームであれば、序盤でもあり、打者のカウントを観ながら「送りバント」が指示されていたことでしょう。
 得点の確率が高かった、という見方もありそうです。

 しかし、そうした野球=監督からサインが出される野球、を展開した場合に、このゲームに勝利できていたかどうかは、誰にも分からないでしょう。

 「ノーサイン」をベースにした、とても自由奔放?な=一方でとても思い切ったプレーができる、攻撃によって、3回裏のタイムリー2塁打2本やタイムリーヒットが生まれ、4点を挙げることが出来たとも言えるのでしょうから。

 「100%監督のサイン野球」と「ノーサイン野球」の功罪は、今後の検討課題なのでしょう。

 とはいえ、近時は「選手に考えさせる」チームが、他のスポーツにおいても増えているように観えます。

 その代表格が、大学ラグビーの帝京チームでしょう。
 岩出雅之監督の下で、2009年から2017年まで、大学選手権9連覇中の帝京大学ラグビーチームは、今や「大学ラグビーの覇者」です。
 連覇を伸ばす度に、岩出監督から「選手が考えてプレーしている」「選手に任せている」といったコメントが聞かれます。その「任せ度合い」(変な言葉で恐縮です)は、毎年高まっている印象です。
 そのチームが、9年連続大学日本一に輝いているのですから、「そのやり方」が優れていることは、異論を挟む余地がありません。
 大学ラグビーにおいては、間違い無く「岩出方式」が史上最強なのです。

 試合の時に、全てを選手に任せていたら、監督の仕事が無くなると言ったご心配は、当然ながら無用なことなのでしょう。
 監督には「日々のチーム創り」という、とても重要な仕事が有りますし、試合においても故障者などが出た時の「交替判断」においては、監督の役割が大きいと思います。

 「ノーサイン野球」の常葉大菊川高校チームの「第100回記念大会」における今後の活が注目されるところです。
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カエサルjr

Author:カエサルjr
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