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 7月23日配信の「『今はビジネスがスポーツに勝ってしまっている』-オシムが語る2つの東京五輪」(ジャーナリスト・木村元彦/Yahoo!ニュース特集編集部)の記事を、大変楽しく読みました。
 秀逸な記事だと思います。

 何より面白かったのは、1964年の東京オリンピックに選手として参加したイビチャ・オシム氏の「感想」です。

 「・・・代々木の選手村で各国代表のために無料で貸してくれた自転車の乗り心地は最高で、毎日乗り回していた。ある日、気が付けば千葉県まで来ていた。田園地帯で休んでいると、農家の女性がやってきて梨をくれた。身振り手振りで、ノドが乾いているでしょう?食べなさい、と。その梨は、甘くて、柔らかくて、今まで食べたことのないおいしさだった。・・・」

 代々木から自転車に乗って千葉まで来たのですから、おそらく市川か船橋の辺りでしょう。そこで、身長190cmを超える大男、外国人を観かけることも少なかった時代に、鬼のような?大男を見かけた農家の夫人は、怖がる?ことも無く梨を振る舞ったのです。

 とても良い話です。

 「おもてなし」の本質でしょう。

 この時の来日で、オシム氏が「一気に親日家になった」とこの記事に記載されていますが、親日家はもちろんとして、「親・千葉」になった可能性も有るでしょう。
 後年、ジェフユナイテッド千葉の監督に就任するのも、偶然では無いように感じます。

 さらにオシム氏は言います。
 「お土産にした日本の振袖は婚約者であった現在の妻アシマのウエディングの晴れ着になった。」と。

 ユーゴスラビア代表として初来日したオシム選手は、他の選手と同様に「豊かではなかった」のですが、お土産に「振袖」を購入したというのは、とても興味深いところでしょう。余程、日本が気に入ったと見るのが自然でしょう。

 記事は、1964年当時の商業主義と現在のそれとの比較や、メッシ選手やネイマール選手が自国代表としてオリンピックに参加することによる「超ハードスケジュール」に対する、オシム氏の意見にも触れて行きます。
 なるほど、と感じるコメントのオンパレードです。

 とはいえ、やはり最も面白いのは、オシム氏の東京五輪1964への「感想」でした。
 大きな意味での感想、23歳の青年・オシム氏が肌で感じた日本・東京は、良いところだったのでしょう。

 「1964年の東京は素晴らしかった」という冒頭の言葉は、広がりが有り、深いものです。

 その「素晴らしさ」を、2020年の東京オリンピックは提供できるのでしょうか。

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 7月21日~28日に韓国・光州にて行われた、2019年世界水泳選手権大会・競泳において、日本代表が獲得したメダルは、以下の6個でした。

① 金メダル 
・瀬戸大也選手の200m個人メドレーと400m個人メドレー

② 銀メダル
・松本克央選手の200m自由形
・瀬戸大也選手の200mバタフライ

③ 銅メダル
・渡辺一平選手の200m平泳ぎ
・大橋悠依選手の400m個人メドレー

 前回2017年のブダペスト大会では金メダル0であった日本競泳陣ですが、今大会では瀬戸選手が2つの金メダルを獲得し、気を吐きました。

 競泳陣に勢いを付けたのは、7月23日の松本選手の銀メダルでしょう。200m自由形という、これまで日本競泳陣が苦手としてきた種目での、見事なスイムでした。
 スタートから競り合いを演じ、最後まで僅差の勝負を演じた内容も素晴らしいものであったと思います。
 ある意味では、「日本競泳界の歴史を塗り替えた快泳」と言っても良いのでしょう。

 主将であり、今大会での日本チームの大黒柱的存在であった瀬戸選手の活躍は、本当に素晴らしいものでした。
 200mと400mの個人メドレーは「勝ちに行って勝った」という価値有る優勝でした。
 特に、どちらのレースでも、自由形のラスト20mの粘り強さは「秀逸」の一語。
 ご本人も「調子が良かった」とコメントしていますが、「調子が良い」ことのみで世界一に成れる訳も無く、今大会に向けての様々な準備がとても上手く行き、大会に臨んでは高いモチベーションを維持できたからこその好成績でしょう。

 「世界水泳において個人種目で3個以上のメダル」を獲得したスイマーは、日本競泳史上初と報じられていますから、こちらも「日本競泳界の歴史を塗り替えた活躍」だったことは、間違いありません。

 渡辺一平選手と大橋悠依選手は、大会前からの期待に応えるメダルでした。

 男子200m平泳ぎは、大会が始まると「世界新記録レベル」での優勝争いが予想され、まさにそのレベルでの決着となりました。
 渡辺選手としては惜しくも3位という感じでしたが、決して「歯が立たない」というレース内容ではありませんでしたから、東京オリンピック2020に向けて、十分に戦えるという確信を持つことができたレースであったと思います。

 大橋選手は、最初の200m個人メドレーでは調子が悪そうでした。決勝では泳法違反で失格にもなりました。
 今大会はコンディションが悪いのか、と感じられましたが、400m種目に向けてしっかりと調子を戻し、メダル獲得に結びつけたのは見事でした。
 こちらも、カティンカ・ホッスー選手も含めて、全く「歯が立たない」という内容では無かったと思いますので、2020年に向けての、更なるレベルアップが大いに期待されます。

 オリンピック前年の世界大会においては、必ずしも好成績を残さなくてはならない、というものでは無いと考えています。「本番に向けて、良い準備」をすることが大切な時期であり、世界選手権も、その準備に含まれるのでしょう。
 当然のことながら、今大会から「1年間に渡って世界のトップクラスに居続ける」ことは容易なことではありませんから、一度調子を落として、2019年秋から調子を上げて行くという戦略も、十分に取り得るものであろうと思います。

 そういう視点からは、今大会、本来の力を発揮できなかったスイマーを始めとする日本代表チームは、しっかりと「効果的な戦い」を演じたのかもしれません。

 西前頭16枚目、幕尻の照強が素晴らしい15日間を演じてくれました。

 12勝3敗で敢闘賞に輝いたのです。

 13日目を終わって11勝2敗は、両横綱に次ぐ成績で、当然ながら優勝争いにも加わっていました。

 初日からの5連勝、中日を終えての6勝2敗も見事な成績でしたが、7月場所の照強はここからが凄かった。

 9日目から13日目までの5連勝は、称賛に値する大活躍です。
 
 中日6勝2敗、あるいは7勝1敗から、後半戦で黒星が増え、最終的に二桁勝利に結びつかないどころか、残念なことに負け越してしまうことも、決して珍しいことでは無いのが幕ノ内の相撲なのですが、7月場所の照強は後半戦で勝率を上げて魅せたのですから・・・。

 14日目の北勝富士戦は、「照強の幕ノ内最高優勝の資格」を問う取組でした。
 かつては、こうした「番付からは有り得ない取組」は組まれなかったのです。結果として「平幕優勝」も時折見られたものなのですが、近時は必ず相当上位の力士との取組が組まれるようになりました。
 こうした取組の「是非」については別の記事に譲るとして、照強も前頭筆頭・北勝富士との対戦となりました。
 これは「立合い負け」という相撲で、北勝富士の圧力に屈しました。立合いで先手が取れれば、7月場所の照強(小兵ながら前に出る力がとても強かった)であれば、勝負にはなったと思うのですが、残念な結果となりました。この敗戦で、照強の優勝の可能性は消えたのです。

 凄いと感じるのは千秋楽の取組でしょう。
 同様に好調な場所を披露してきた友風との「11勝3敗同士」の対戦でした。
 前頭7枚目の友風、明らかに格上で相撲が上手い友風を、堂々と「押し出し」て魅せたのです。

 2019年7月場所の「照強劇場」を完結させる、本当に素晴らしい白星でした。

 9月場所では大きく番付を上げる照強関の、上位陣を相手にしての相撲が、本当に楽しみです。

[7月22日・女子200m個人メドレー]
1位 カティンカ・ホッスー選手(ハンガリー) 2分7秒53
2位 葉詩文(中国) 2分8秒50
3位 シドニー・ピックレム選手(カナダ) 2分8秒70

[7月27日・女子800m自由形]
1位 ケイティ・レデッキー選手(アメリカ) 8分13秒58
2位 シモナ・クアダレッダ選手(イタリア) 8分14秒99
3位 アリアン・ディットマス選手(オーストラリア) 8分15秒70

 現代の競泳女子を代表する2スイマー、カティンカ・ホッスー選手とケイティ・レデッキー選手が、世界選手権大会4連覇を達成しました。
 まさに「快挙」です。

 レデッキー選手は、現在の自由形400m、800m、1,500mの世界記録保持者ですし、ホッスー選手は200mと400mの個人メドレーの世界記録保持者ですから、まさに「世界の第一人者」なのです。

 両選手共、バルセロナ2013、カザン2015、ブダペスト2017、光州2019と4つの世界選手権大会で金メダルを獲得しています。

 特にレデッキー選手は、世界選手権大会で計15個の金メダルを獲得していて、女子スイマーとしては「史上最多記録」を保持しているのです。
 もちろん、オリンピックでもロンドンとリオデジャネイロで計5個の金メダルを獲得しています
 レデッキー選手に付いて特筆すべきは、200m自由形でもリオデジャネイロ・オリンピックとカザン世界選手権大会で金メダルを獲得している点でしょう。200~1,500mまでの自由形のオールラウンダーなのです。
 「史上最強の女子自由形スイマー」と呼んでも良いのでしょう。

 今大会では「体調不良」が報じられていて、なかなか活躍できませんでしたが、そうした中でもしっかりと「ひとつの金メダルを確保」するところは、さすがです。

 一方のホッスー選手は「史上最強の女子個人メドレースイマー」と呼んで良いのでしょう。
 もちろんこちらもオリンピックでも3つの金メダルを獲得していますし、そのリオ五輪では100m背泳ぎでも優勝していますから、こちらは種目を問わないオールラウンダーということになります。
 
 ケイティ・レデッキー選手は22歳(22歳でオリンピックと世界選手権で20個の金メダルというのも驚異的というか空前絶後に見えます)ですから、当分の間「世界の自由形種目の主役」を務めることは間違いないでしょうし、30歳のカティンカ・ホッスー選手も当分の間「世界の個人メドレー種目を支配」し続けることでしょう。

 お二人とも、東京オリンピック2020の主役なのです。

 コパアメリカ2019ブラジル大会の記事を、更にひとつ。

 7月2日に行われた、ブラジルVSアルゼンチンのゲームは、今大会注目の一戦でした。
 南米を代表するサッカー強豪チーム同士の激突だったのです。

 その先発イレブンを見て行きましょう。

[ブラジル(カッコ内は所属クラブチーム)]
GK アリソン(リバプール/イングランド)
DF ダニエウ・アウベス(パリサンジェルマン/フランス)
  マルキーニョス(パリサンジェルマン/フランス)
  チアゴ・シウバ(パリサンジェルマン/フランス)
  アレックス・サンドロ(ユベントス/イタリア)
MF アルトゥール(バルセロナ/スペイン)
  カゼミロ(レアルマドリード/スペイン)
  ガブリエル・ジェズス(マンチェスターシティ/イングランド)
  フィリペ・コウチーニョ(バルセロナ/スペイン)
  エベルトン(グレミオ/ブラジル)
FW ロベルト・フィルミーノ(リバプール/イングランド)

[アルゼンチン(同上)]
GK フランコ・アルマーニ(リバープレート/アルゼンチン)
DF フアン・フォイト(トッテナムホットスパー/イングランド)
  ヘルマン・ペッセジャ(フィオレンティーナ/イタリア)
  ニコラス・オタメンディ(マンチェスターシティ/イングランド)
  ニコラス・タグリアフィコ(アヤックス/オランダ)
MF ロドリゴ・デ・パウル(ウディネーゼ/イタリア)
  レアンドロ・パレデス(パリサンジェルマン/フランス)
  マルコス・アクーニャ(スポルディング/ポルトガル)
  リオネル・メッシ(バルセロナ/スペイン)
FW ラウタロ・マルティネス(インテル/イタリア)
  セルヒオ・アグエロ(マンチェスターシティ/イングランド)

 さすがに、南米を代表するナショナルチームである両チームのメンバーの「豪華」なことといったら、眩いばかりです。

 一方で、ブラジルチームのメンバーの「ビッグクラブ」所属率の高さには、本当に驚かされます。
 アルゼンチンチームは、その点ではやや見劣りするのでしょう。

 2019年7月初旬の時点では、代表チームスターターの、ビッグクラブ所属率では、ブラジルの方が相当上であると判断するのが、冷静な見方だと思います。

 もちろん、ビッグクラブに居るプレーヤーばかりで固めたチームが、必ずしも強いわけでは無く、勝利する訳では無い、と言えるのでしょうが、「市場価格」が、個々のプレーヤーの力量を測る重要な物差しであることは、間違いありません。
 従って、この時点では、個々のプレーヤーの力量合計なら、ブラジルの方が上と見るのが妥当でしょう。
 別の言い方をすれば、「現在のセレソンは世界的に観ても大戦力を擁している」ということになります。

 ちなみに、控え選手を見ても、ブラジルチームは豪華です。
 エデルソン(マンチェスターシティ)、フェルナンジーニョ(マンチェスターシティ)、ウィリアン(チェルシー)、フィリペ・ルイス(アトレティコ・マドリード)、といったビッグクラブ所属プレーヤーが目白押しなのです。

 何とも、羨ましい限りの選手層の厚さです。
 さすがは「王国」なのです。

 これほどのブラジル代表チームを相手にしても、メッシ選手という「異次元の存在」、「世界サッカー史上屈指のFW」の力量と、アルゼンチン代表チームの「チーム力」「戦術・戦法」を持ってすれば、十分に勝負になると観ていたのですが、コパアメリカ2019においては、ブラジルチームの総合力が勝ったということになるのかもしれません。

 少し前の話ですが、コパアメリカ2019ブラジル大会の記事をもうひとつ。

[6月27日・準々決勝・アレーナドグレミオ]
ブラジル0-0パラグアイ
(PK戦 4-3でブラジルが勝ち抜け)

[6月28日・準々決勝・エスタジオドマラカナン]
アルゼンチン2-0ベネズエラ

[6月28日・準々決勝・アレーナコリンチャンス]
チリ0-0コロンビア
(PK戦 5-4でチリが勝ち抜け)

[6月29日・準々決勝・アレーナフォンチノバ]
ペルー0-0ウルグアイ
(PK戦 5-4でペルーが勝ち抜け)

 いかにも南米らしい、準々決勝の景色です。
 4試合の内3試合がPK戦決着でした。

 南米のナショナルチーム同士のゲームでは、まずは「負けない」試合をする、というか、しなければならない、のでしょう。
 国威をかけた戦い(元日本代表プレーヤー・ラモス瑠偉選手の言葉を借りれば「サッカーを使った戦争」となります)ですから、大袈裟に言えば「負けたら国に帰ることができない」程のものなのだと思います。まさに「絶対に負けられない戦い」なのです。

 そうしたギリギリの戦いの中で、まずは失点しないことが絶対条件となり、それが担保された状況下、得点を狙っていくサッカーになるのでしょう。
 どのチームも「国技」たるサッカーで、負けないようにプレーするとなれば、相手チームを零封することは「得意技」なのかもしれません。基本的に、高いレベルのプレーが繰り広げられるのも当然のことなのですが・・・。

 強力なブラジルチームの攻撃を零封したパラグアイチームの試合巧者ぶりが、そのことを最も端的に示していると感じます。
 もちろん、攻撃を止めると言っても、ゴール前で反則を犯さないことも、高い技術の内なのです。

 そうした環境下でPK戦決着となれば、一種のロシアンルーレット的な扱いとなりますから、敗れたチームにとっても一応の形は取れるのかもしれません。

 南米サッカーは「勝負に辛い」のです。

 その「激辛サッカー」が、とても味わい深いものであることは言うまでもありません。

 2019年7月24日、東京オリンピック2020の開幕を1年後に控えた日に、大会組織委員会から金・銀・銅のメダルのデザインが発表されました。

 とても美しいデザインです。

 表面は、国際オリンピック委員会の規程により、「ギリシャ・パナシナイコスタジアムに立つ勝利の女神ニケ像」の構図です。

裏面、大会ごとのオリジナルデザインとなる裏面は、「組市松紋の大会エンブレム」を中央に配し、周りは立体的な渦状。
渦の曲線は様々な角度で彫られているため、「どの角度から見ても輝く」ようになっているのだそうです。
 
 メダルデザインのコンペには421名のエントリーが有り、デザイナーの川西純市氏の案が採用されたと報じられました。

 大会で1・2・3位の選手に授与される=選手の首からかけられ胸で輝く、メダルの「様子」が分かると、大会が現実味を帯びるというか、開幕が近付いたという感じがします。
 ちょっとウキウキするのです。

 直径85mm、厚さは12.1mm~7.1mm、重さは金メダルが556g、銀メダルが550g、銅メダルが450g、と報じられました。
 世界最高レベルの日本の金型・鋳造・鍛造技術が駆使されたメダルは、それはそれは素晴らしい出来あがりとなることでしょう。テレビ画面で少し見ただけでも、表面のエッジは本当に綺麗でした。
 銀に金メッキの金メダルが、10年後、20年後、30年後でも輝きを失わないクオリティ(メッキが剥がれたり錆びたりしない)であることを信じているというか、確信しています。そのハイクオリティが「東京オリンピック2020」を象徴しているのです。

 それにしても、夏のオリンピック史上最も重い556gの金メダルは、トップアスリートにとっても相当重く感じられることでしょう。

 もちろん、「メダルの重み」は実重量ではないのでしょうが、実重量も重いというのは、表彰式の時に選手が疲れてしまわないかと、余計な心配をしてしまいます。
 大会終了後の各種イベント(相当長いイベントもあります)にメダルをかけて登場する時にも、選手の首への負担が大きそうです。

 近時のオリンピックのメダルは、大会を重ねる毎に、どんどん大きく重くなっているように観えます。
 大会の重みを示すのに、「小さくて軽いメダルではダメ」という考え方なのかもしれませんが・・・。

 そんなものは存在しないのかもしれませんが、「オリンピックのメダルの重さ競争」は、東京オリンピック2020で最後にしてほしいと感じます。

[7月21日・千秋楽]
遠藤-(寄り切り)-北勝富士

 9勝5敗同士の対戦となった、前頭筆頭の北勝富士と前頭2枚目の遠藤の一番は、激しい攻防の応酬となりました。

 立合いから北勝富士が押して出ます。持ち味の相撲です。
 遠藤は堪えて、まわしを狙いますが、北勝富士の突き放しが強烈ですから、なかなか回しに手がかかりません。
 遠藤は引き足で土俵伝いに後退します。これを北勝富士が追いかけ、押し立てます。

 ここで遠藤は、さがりをしっかりと掴んで、押しに堪えます。
 遠藤の持ち味である「密着相撲」を実現するためには、まわしが必要なのですけれども、まわしが取れないとなれば「さがり」を掴んででも、北勝富士との距離を保とうとしたわけです。
 「さがり」が取口の中で使用されることは多くはありませんが、この取組ではとても重要な役割を果たしました。

 遠藤を追いかけ続ける北勝富士は、遠藤との間に少し距離が出来たところを、西土俵に押し立てます。
 しかし、上体が伸び切ってしまい、自慢の押しの威力が弱かったこともあってか、遠藤が良く持ちこたえ、両力士は再び土俵中央に戻りました。

 遠藤の右下手、北勝富士の左上手の半身の体勢。
 この形からなら、北勝富士の上手投げが有利だと思いました。遠藤が寄って出た時に打つのです。

 しかしここで遠藤は「真っ直ぐに押し」ました。
 この「真っ直ぐな押し」が効果的で、北勝富士は土俵を割りました。

 両力士が持ち味を発揮した、2019年7月場所屈指の「大相撲」であったと思います。

 この場所、技能賞に輝いた遠藤は、さすがの相撲でした。
 「さがり」を握りしめての粘りや、土俵際での防戦など、随所に「上手さ」を発揮していました。当代随一の技能派の本領を発揮したのです。
 これで10勝5敗としましたから、9月場所は三役に返り咲く可能性が高いと思います。

 7月場所は膝などのコンディションも良かったのでしょう。
 9月場所でもコンディションを維持していただき、「遠藤の相撲」を存分に披露していただきたいものです。
 7月17日、MLB公式インスタグラムが「ショウヘイ・オオタニ 打者としての162試合」と題して、その間の成績を伝えたと報じられました。

 「162試合」とは、言うまでも無くMLBの1レギュラーシーズンの試合数ですので、MLB公式インスタグラムとしては、打者として1シーズン分の試合数をプレーした大谷選手について特集したことになります。
 そうした特集が公式インスタグラムに登場するだけでも、大谷選手のMLBにおける注目度の高さを示していることは、言うまでもありません。

 その162試合の成績は、打率.290、本塁打36、打点101、盗塁16、OPS.914という、素晴らしいものでした。

 ロサンゼルス・エンゼルスの公式ツィッターでは、デビュー後の162試合で「35本塁打以上、15盗塁以上」の両方を実現したプレーヤーは、アメリカンリーグAL史上初の「快挙」と報じられています。
 これも凄い記録ですが、こうした記録を洗い出してくるMLBというか、アメリカ合衆国の「記録好き」、その記録についてのデータベースの大きさ・深さ、検索力の高さにも驚かされるばかりです。

 「大谷選手の162試合」に話を戻すと、特にOPS.914が素晴らしいと思います。
 出塁率+長打率で算出されるOPSは、現代のMLBにおいてプレーヤーを評価する際の重要な指標ですが、OPSが.900を越えるのは、リーグを代表するプレーヤーと言っても良い水準でしょう。
 打者として、間違いなく一流なのです。

 そのハイレベルな数値を、デビュー早々のプレーヤーが示現しているというのは、まさに「驚異的」なことですし、2018年シーズンの途中までは「投手との二刀流」であったことを考え合わせれば、その驚きは増すばかりです。

 そして、7月13日のレイズVSエンゼルスのゲームを報じたスポーツ番組で、フランク・トーマス氏(通算521本塁打。殿堂入り)が述べたコメントも報じられています。
 「オオタニは二刀流では無く、打者に専念すべき。外野手のレギュラーとしてプレーすべきだ、一流の打者だから。1シーズンで45本塁打、120~130打点はいけると本当に思っている。それ程、特別な打者だ」と極めて高く評価したのです。

 プレーヤー大谷が「投手を封印している間」に、打者としての評価、一流の打者としての評価が高まり、固まっていくのは、止むを得ないことなのでしょう。
 
 2020年シーズンに「二刀流」に戻った時に、どのような評価が大谷投手・選手に与えられるのか、はとても興味深いところですが、このまま「打者・大谷」の評価が上がり続けると、投手にトライすることができなくなってしまうのではという危惧さえ、あるのでしょう。

 やはり、「規格外」のプレーヤーなのです。

 7月18日~21日にかけて開催された、全英オープンゴルフ2019は、地元北アイルランドのシェーン・ロウリー選手が優勝しました。
 68年振りに北アイルランド・ロイヤルポートラッシュゴルフクラブを舞台に開催された「The Open」における、見事な勝利でした。

[最終スコア]
1位 シェーン・ロウリー選手 269打 15アンダーパー
2位 トミー・フリートウッド選手(イングランド) 9アンダー
3位 トニー・フィナウ選手(アメリカ) 7アンダー
4位タイ ブルックス・ケプカ選手(アメリカ) 6アンダー
4位タイ リー・ウェストウッド選手(イングランド) 6アンダー

 2日目から首位に立ったロウリー選手ですが、やはり3日目のラウンドが圧巻でした。
 8バーディ0ボギーの63打という、コースレコードを更新する素晴らしい第3ラウンド。
 特に15番、16番、17番の3ホール連続バーディの時には「神がかりの強さ」を感じました。パッティングが「当たり前のように」入るのです。ロイヤルポートラッシュGCのグリーンの状態とロウリー選手のパッティングのタッチ・打ち方がとても合致した結果ということなのでしょうが、それにしてもこれだけ入るというのは尋常ではありません。
 ゴルフの神様が微笑んだ時間帯だったのでしょうか。

 当然のことながら、メジャートーナメントのコースにおいて、これ程のプレーを展開することは至難の技です。世界トップクラスのライバルたちがひとつのバーディを取るのに汲々としている中で、8つのバーディを重ねているのですから、「ミラクル」なラウンドであったことは間違いないでしょう。

 2位に4打差を付けてスタートした最終ラウンドも、もちろんピンチは有りましたが、結局のところ、その差を6打に広げて逃げ切っています。
 全英オープン2019は、ロウリー選手のための大会だったのです。

 北アイルランドを代表するプロゴルファーであるロリー・マキロイ選手が、初日の1番ホールで8打を叩き、2日目に懸命にスコアを伸ばしたものの予選落ちしてしまった時には、北アイルランドのゴルフファンは失望したことでしょうが、その替わりをロウリー選手が立派に果たしました。
 「その替わり」というよりは、素晴らしい「圧勝劇」を演じてくれたと見る方が正しいのでしょう。
 
 メジャー初制覇を、地元のコース、北アイルランドで68年振りに開催された大会で成し遂げるというのは、本当に凄いことです。

 32歳のシェーン・ロウリー選手の、今後の活躍が期待されます。

[7月21日・千秋楽]
鶴竜-(寄り切り)-白鵬

 鶴竜が白鵬との千秋楽・横綱対決を制して優勝を決めました。

 立合い、白鵬が左に少し変化して左上手を確保しました。
 右四つの体制となり、鶴竜はなかなか上手が取れませんでしたが、何回かのトライで、これを確保しました。
 そして鶴竜は巻き替えを狙いますが、さすがに白鵬も容易にはこれを許しませんでした。

 これも何回かのトライの中で鶴竜が巻き替えに成功し、一時はもろ差しとなりましたが、鶴竜はこの体制を嫌い、右上手を自ら抜いて、今度は左四つとなりました。
 この時の、鶴竜の動きはとても素早いものでした。

 左四つのまま両横綱の攻め合いが続きましたが、鶴竜の前に出る圧力が勝り、東土俵で今度は鶴竜がもろ差しとなって、一気に白鵬を西土俵際に押し込みました。
 白鵬は土俵際で粘りを見せましたが、鶴竜はしっかりと寄り切って白星を物にしました。

 鶴竜の落ち着いた取り口が印象的な一番でした。

 場所前は、腰の故障で出場も危ぶまれた鶴竜でしたが、初日から良い相撲を続けました。
 悪い癖である「無理なはたき込み」も無く、堂々たる取口の相撲を披露し続けたのです。
 13日目の友風戦だけは、頭を下げ過ぎてよもやの叩き込みに敗れましたが、取組後に本人が言っていたように、これはやや油断した感があります。「立ち合いで突進を止めれば勝てる」と考えたのでしょう。
 これ程に充実した場所でも、こうした一番が生ずることを思えば「全勝」の難易度の高さが改めて分かります。
 この一番以外は、とても安定した横綱相撲を展開した鶴竜の優勝は自然なことのように感じられます。
 鶴竜にとって、キャリアで最も安定した取口の優勝だったと思います。

 一方の白鵬は、今場所は「前に出る力」が不足していました。
 これは初日から不足していて、相手の動きを観ながら勝機を見出す相撲で、何とか白星を重ねていましたが、強引な技も目立ちましたから、調子は悪かったのでしょう。
 こんな状態でも「中日勝ち越し(48度目)」を成し遂げてしまうところが、白鵬の相撲の奥行きの深さを感じさせるところでもあります。

 こうした状況で後半戦を迎えた白鵬ですが、やはり疲労も出てきたのでしょう、9日目に逸ノ城に完敗を喫しました。
 相手の動きを観ながら勝機を見出していく相撲では、がっぷり四つとなっては分が悪いのです。ましてや怪力・逸ノ城ですから、ジリジリと寄られて、為す術も無く寄り切られてしまいました。

 こんなに調子が悪いのに、この後13日目まで1敗のドライブを続けたのは、ある意味では凄い感じがしますが、その内容は「乱暴な相撲」という指摘を受けそうに見えました。
 格闘技において重要な、対戦相手の重心移動の把握や、相手の体制を「合理的に」崩す動きといった、基本的な技が無く、強引に押さえつけたり引いたりする取口は、横綱=最高峰の相撲とはかけ離れたものという指摘も、止むを得ないものだったとも感じますが、一方で、その「白星への執念」が最高レベルであることは、間違いないでしょう。

 4大関全員が、場所の途中で土俵から居なくなるという「緊急事態」については、2名の横綱が締めてくれたことで、土俵の秩序は保たれたと評価されるべきでしょう。
 2横綱は、「番付の重み」を証明して魅せたのです。
 
 「当たり前のこと」というご意見もありそうですが、それはやはり簡単なことでは無く、立派なことでしょう。

 2019年7月場所は、「横綱・鶴竜の相撲の完成形」を魅せていただいた場所であったと感じます。

 快走でした。

 IAAFタイヤモンドリーグ・ロンドンの男子100m決勝において、世界トップクラスのランナーを相手に、80mまでは先頭に居たように観えました。
 その後急速にスピードを落した小池選手に比べて、アカニ・シンビネ選手を始めとするライバル選手達は、減速を極力抑え込んでスピードを維持し、激しいトップ争いを繰り広げました。
 小池選手が僅差の4位に下がったところがゴールラインでした。

[7月21日・100m決勝(追い風0.5m)]
1位 アカニ・シンビネ選手(南アフリカ) 9秒93
2位 ザーネル・ヒューズ選手(英国) 9秒95
3位 ヨハン・ブレイク選手(ジャマイカ) 9秒97
4位 小池祐貴選手 9秒98
5位 アンドレ・ドグラス選手(カナダ) 9秒99
6位 アダム・ジェミリ選手(英国) 10秒04
7位 桐生祥秀選手 10秒13

 4位というのは残念な結果かもしれませんが、これだけ高いフィールドで互角の戦いを演じたというのは、「日本男子100m史上に残る快走」のように感じられます。

 1位となったアカネ・シンビネ選手は、2016年リオデジャネイロ・オリンピック100mの5位であり、9秒89のベスト記録保持者。
 3位となったヨハン・ブレイク選手は、このメンバーの中で最も有名なランナーですが、9秒69の世界歴代2位のベストタイムを誇り、あのウサイン・ボルト選手に次ぐジャマイカ勢の2番手プレーヤーとして、ロンドン・オリンピック2012の金メダルや大邱世界選手権2011の金メダルなど、世界トップクラスの大会で優勝を争って来た強豪です。
 5位のアンドレ・ドグラス選手はリオデジャネイロ・オリンピックの銅メダリストです。

 こうしたランナー達と、少なくとも80mまでは互角の戦を演じた小池選手の走りの価値は、極めて高いものでしょう。
 「凄いパフォーマンス」でした。

 小池祐貴選手は、桐生祥秀選手、サニブラウン・アブデルハキーム選手に続いて、日本人として3人目の「9秒台ランナー」となりましたが、その記録を叩き出したフィールドとしては最もハイレベルな舞台であったのかもしれません。
 「オリンピックの決勝」に近いメンバーによるレースだったと思います。

 さらに言えば、小池選手は前日の予選時から「今大会は調子が良い。いつもの大会より1・2割方調子が良い」とコメントしていました。自らの好調を実感しながら、その好調を記録に結び付けることが出来るというのは、素晴らしいことです。なかなかできることでは無いのです。

 小池選手は「完全に10秒の壁を打ち破った」のでしょう。
 東京オリンピック2020に向けて、何と頼もしいことでしょうか。
 
 桐生選手も決勝に進み、7位と健闘しました。
 どんなレースでも、その時点の実力を発揮できるというのは、強いスプリンターの照明でしょう。

 日本男子100m陣の「世界への挑戦」は、これからも続きます。
[7月17日・リグレーフィールド]
シカゴ・カブス5-2シンシナティ・レッズ

 嬉しいニュースが入りました。

 ついに、ダルビッシュ投手に勝ち星が付いたのです。

 4月27日の対ダイヤモンドバックス戦で勝利投手になって以降、5月に6試合、6月に5試合、7月に2試合の計13試合に登板しながら、勝ち星を手にすることができなかったダルビッシュ投手。
 本当に「長いトンネル」でした。

 とはいえ、直前の登板・7月12日の対パイレーツ戦では好投(6イニング・無失点)を魅せていましたので、勝ち投手になる日は近いと感じていました。
 そして7月17日の登板を迎えたのです。

 この試合でダルビッシュ投手は、6イニング・83球を投げて、被安打2、奪三振7、与四球2、失点0という素晴らしい投球を披露し、3勝目(4敗)を挙げたのです。

 今シーズン20度目の先発登板における勝利でした。ローテーションをキッチリ守っている先発投手にしか出来ない登板数です。
 これだけ長い間勝ち星に恵まれなかった訳ですが、チーム首脳陣のダルビッシュ投手に対する信頼はいささかも揺るがなかったことを示す事実でしょう。

 これで2先発連続零封ということになりますから、「復活」も本物。
 球威、コントロール共に十分な投球が戻ってきたのです。

 それにしても不思議なほどに「長いトンネル」でした。

 今後は、文字通り「リーグ屈指の本格派先発投手」として、存分に力を発揮していただけることでしょう。

 7月12日のWBA世界戦、ロブ・ブラント選手と村田諒太選手のテレビ放送(フジテレビ)の中で、試合前の時間帯に、村田選手とビートたけし氏の対談が放送されました。

 その対談の中で、ビートたけし氏は「あんたはさ、オリンピックの金メダリストて、プロの世界チャンピオンだったんだろう。だったら、勝つとか負けるとかじゃなくて、いつも『圧倒』しなきゃダメだよ。」と言いました。

 随分と厳しいことを言うものだと感じました。

 オリンピックの金メダリストは、その種目で4年に1人しか居ないのだから、その実力も高いのは当然として、金メダリストとしてボクシングの神様から選ばれた存在なのだろう。
 加えて、プロボクシング最古の協会であるWBAの世界チャンピオンでもあった。
 金メダルとWBAチャンピオンの両方を示現出来る存在というのは、間違いなく「特別な存在」であろう。「特別な存在」であれば、いつも相手を圧倒しなければならないし、圧倒できる筈だ、というのが、ビートたけし氏が言いたいことだったのでしょう。

 とはいえ村田選手は、2018年10月のラスベガスの試合では、ブラント選手を相手に良いところ無く敗れていましたから、今度の大阪でのリベンジマッチも、大接戦になるものと予想されていたのです。

 その試合を前に「圧倒」しなきゃだめだろう、とビートたけし氏は村田選手に言ったのです。

 試合結果はご存じの通り、2ラウンドTKO勝ちという圧勝でした。

 レフェリーが試合終了を宣した時、真っ先にビートたけし氏のコメントを思い出しました。
 「ビートたけし氏」の言った通りの結果となったのです。

 ビートたけし氏の「高い見識」「正しい物の見方」に感心しました。
 これが「スポーツを知っている」ということの、ひとつの形なのでしょう。

 こういう「感性」は、誰にでも身に付くものではありません。
 「本物」にしか身に付かないものでしょう。

 やはり、ビートたけし氏は凄いのです。

[7月14日・ヤンキースタジアム]
ニューヨーク・ヤンキース4-2トロント・ブルージェイズ

 オースターゲーム2019で勝利投手となった田中将大投手が、後半戦最初の登板で好投を披露し、今季6勝目(5敗)、MLB通算70勝目(39敗)の節目の勝利を挙げました。

 6イニング・79球を投げて、被安打4、奪三振5、与四死球0、失点2という安定した投球でした。
 オールスターゲームの投球から中4日という登板でしたから、79球という少なす球数であったのだろうと思いますが、6イニングを79球で仕上げるというのは、いかにも「完成度が高いMLBの先発投手」という感じがします。

 MLB通算70勝は、野茂英雄投手(123勝109敗)、黒田博樹投手(79勝79敗)に続く、日本人投手として3人目の記録となります。
 素晴らしい記録です。

 そして、何より見事なのは勝率の高さでしょう。

 79勝39敗、勝率.642は日本人投手の中では断トツですし、MLB全体を見渡しても、70勝以上を挙げている投手としては、史上屈指の高率だと思います。
 打線との噛み合わせという面でも、田中投手が投げる時にはヤンキース打線がよく打ってくれているというよりは、「打戦が活躍し易い投球のリズム」を田中投手が示現しているのかもしれません。

 30歳と脂の乗り切った田中投手、これからも勝ち星をどんどん積み上げて行ってくれることでしょう。

 7月17日朝、大関・高安の休場が公表されました。
 これで、貴景勝、栃ノ心、豪栄道に続いての高安の休場となって、「大関不在の7月場所」となってしまいました。
 四大関体制においての全員休場は、昭和以降史上初めての事態と報じられています。

 大相撲界にとっては「恐れていたことが現実になった」ことになります。

 33歳・大関在位30場所の豪栄道はベテランであり、体のあちこちに古傷が有るのは止むを得ない面が有ります。
 31歳の栃ノ心は常に膝の故障を抱えており、悪化すればどうしても休場になります。
 貴景勝は、2019年5月場所での故障から回復途上にあり、来場所は関脇に陥落します。

 そうなると、常に土俵に立っている可能性が最も高いのが、29歳・大関在位13場所の高安なのですが、その高安が8日目の玉鷲との一番で左肘を故障してしまい、何とか10日目までは取りましたが、ついに休場に追い込まれてしまったのです。

 こうした事態=「大関不在」のリスクは、以前から指摘されていました。
 このリスクに対しては「若い大関」の誕生が待望されていたわけで、貴景勝の昇進は、大相撲界にとって大慶事だったのです。
 ところが、その貴景勝が早々に陥落してしまうとは・・・。

 さらなるリスク=番付としての大関0人、についても認識しておく必要があるでしょう。(協会関係者や多くの大相撲ファンなら、百も承知のことなのでしょうが)
 来9月場所は、高安、豪栄道、栃ノ心の3大関体制となりますが、豪栄道と栃ノ心はカド番です。
 万が一、両力士が負け越し、貴景勝が関脇において10勝を挙げることができなければ、11月場所の大関は「高安ひとり」になってしまう怖れが有ります。
 その高安も、肘の回復が遅れ9月場所に出場できるかどうかは、分からないのです。(元鳴門部屋、元横綱・隆の里から相撲を学んだ高安にとっては、左肘は生命線です)

 「悪いことばかり想像するのは・・・」というご意見もあるのでしょうが、国技・大相撲の運営・経営に携わる者であれば、しっかりと認識しておく必要があるリスク、それも可能性が極端に低いリスクでは無く、十分に起こり得るリスクなのです。

 その面からは、「7月場所で高安が勝ち越した後に休場した」ことは、とても重要なことなのでしょう。
 もし高安が10日目から休場、あるいは10日目に明生に敗れていれば、9月場所は全3大関がカド番という異様な場所、大相撲界にとってはハイリスクな場所となる可能性があったのですから。

 悪い話ばかりを書いて恐縮ですが、更なるリスクが存在することも、多くの方々が感じているでしょう。

 それは「横綱・大関0人のリスク」です。

 白鵬、鶴竜の両横綱も近時は休場がちであることは周知のことです。
 大きな怪我を負うことが有れば、引退に追い込まれる可能性もあるでしょう。

 「全横綱・大関が休場」することによる、「横綱・大関不在の場所」というリスクは、決して有り得ないことではありません。

 更には「2横綱の引退と全大関の引退・陥落」によって、「番付から横綱・大関が居なくなる」可能性も0とは言えません。十分に有り得ることのように観えます。

 最高番付が「関脇」となる土俵・場所は、協会としては何としても避けなければならないのでしょうし、大相撲ファンも「そんな場所は見たくない」でしょう。
 当然ながら「若手力士の大関・横綱への昇進」が待望されることになります。

 残念ながら、大相撲界は相当追い込まれています。

 あまり時間が無いのです。
[7月14日・決勝]
望月慎太郎選手2-0カルロス・ヒメノバレロ選手(スペイン)

 「快挙」です。

 望月慎太郎選手(16歳)がウィンブルドンジュニアを制したのです。

 四大大会のジュニア部門制覇は、日本人男子プレーヤーとして「史上初」の快挙でした。

 神奈川県出身の望月選手は、12歳の時にアメリカ合衆国フロリダ州のIMGアカデミーに渡り、テニスの腕を磨いてきました。
 そして2019年の全仏オープンシュニアでベスト4に進出しました。
 これが、望月選手の「世界へのデビュー」と言って良いと思います。

 6月3日が誕生日の望月選手にとっては、全仏オープンジュニア・ベスト4は、16歳になりたての好成績であったと思われますが、今大会の優勝も含めて、望月選手にとっての「16歳」は、本当に節目の年ということになるのでしょう。

 ウィンブルドンジュニア制覇、ローランギャロスジュニア4強は、あの錦織圭選手でさえ成し遂げていない成績ですから、今後の望月選手の活躍が大いに期待されます。

 望月選手は、身長175cm・体重64㎏と報じられていますから、身長178cm・体重74㎏と報じられている錦織選手より、小柄で細身です。
 そのプレースタイルは、強力なバックハンドのパッシングショットをベースとし、「ボレー主体」の攻撃的なものです。そして「上にも強い」感じがします。スマッシュがとても上手なのです。これはとても大切なことです。
 テニスプレーヤーにとっての「上のボールへの対処の上手さ」は「天性のもの」と言われています。練習で上達するものではないのです。これが上手い、極限の状況で「上のボールを捌ける」というのは、今後の望月選手の世界で戦いにおいて強力な武器となることでしょう。

 ちなみに、日本人プレーヤーで四大大会のジュニアを初めて制したのは、沢松和子選手でした。
 沢松選手は18歳の時、1969年のローランギャロスとウィンブルドンのジュニアを制しています。素晴らしい活躍を魅せてくれたのです。
 沢松選手は、その後、1975年のウィンブルドン女子ダブルスで優勝しています。
 ウィンブルドンチャンピオンなのです。
 改めて、沢松和子選手の強さを思い出させていただきました。

 望月選手の今大会の優勝は、沢松和子選手に次いで、四大大会における日本人プレーヤー2人目の快挙なのです。

 望月選手は「ロジャー・フェデラー選手のプレーを観るのが好き」であると伝えられています。

 私達はこれから、望月選手の素晴らしいネットプレーに、何度も何度も大きな拍手を送ることになるのでしょう。

 7月16日、安美錦の引退が報じられました。

 今場所2日目に右膝の怪我が悪化し3日目から休場していました。
 このままでは幕下に陥落してしまうと心配していましたが、この日の引退発表となったのです。
 致し方無いことなのでしょうが、大ファンのひとりとしては、とても寂しい気持ちです。

 もう「あの相撲」が観られないのです。

 相撲どころ青森県深浦町出身。
 1997年初場所18歳で初土俵を踏み、2000年の名古屋場所で新入幕、ここまでは20世紀の話です。爾来今日まで土俵を湧かせてきました。振り返ってみれば「気の遠くなるような」歳月です。
 40歳となった現在、幕内最年長力士としても長く土俵に上がり続けた安美錦ですから、輝かしい記録も沢山あります。
① 通算勝ち星 907勝(歴代8位)
② 三賞受賞 10回(殊勲4、敢闘2、技能6)(歴代10位タイ)
③ 金星 8個(現役最多タイ)
④ 関取在位 117場所(歴代1位タイ)

 角界を代表する「技能派力士」としての存在感は何時の時代も大きく、「大相撲の看板力士」として輝き続けた力士人生でした。

 とはいえ、こうした「記録」もさることながら、安美錦は「記憶」に残る力士であったと感じます。

 技能派といっても、基本的には「持ち前の前に出るパワー」をベースにした取り口でした。
 相手力士が「安美錦が何かやるに違いない」と腰を引いて準備していると、そのまま押し出すという相撲が多かったと思います。肩や背中や腰で押し出すこともありました。
 もちろん、立合いや土俵際での「巧みな相撲」は常に大向うを唸らせるものでした。
 ファンが多かったことは、言うまでもありません。

 「技のデパート」というよりは、「こうすれば相撲に勝てる」という自在の攻めが多かったのです。
 相手力士の特徴を良く把握し、その取組の流れを計算に入れ、勝つために必要なプレーを展開するというタイプの「技能派」でしょう。
 「送り投げ」や「送り引き落し」といった技は、安美錦らしい決まり手かもしれません。
 こうしたやり方が、安美関に最も合っていたのだと思います。

 その意味では、「他に類を見ないタイプ」であったようにも感じます。
 大袈裟に言えば「安美錦の前に安美錦無く、安美錦の後にも安美錦無し」ではないでしょうか。

 引退後は年寄「安治川」を襲名すると報じられています。

 安治川親方には、第二の安美錦を育てるのは相当に難しいと思いますので、個々の力士の持ち味を最大限生かす育成、に注力していただければと思います。
[7月12日・エンゼルスタジアム]
ロサンゼルス・エンゼルス13-0シアトル・マリナーズ

 初回に一挙7点を挙げたエンゼルスが、その後も着々と加点し、投げてはコール投手とペーニャ投手の継投でマリナーズ打線をノーヒットノーランに抑えました。

 この試合は、7月1日に急逝したタイラー・スカッグス投手の追悼ゲームでした。

 エンゼルスの全選手が背番号「45」のユニフォームに身を包んでプレーしていましたので、スカッグス投手がエンゼルスを「勝利に導いた」ように感じられるのは自然なことでしょう。
 エンゼルスがノーヒッターを達成した時、マウンド上に居た投手は背番号「45」だったのですから。

 マリナーズの最後の打者が強い当たりのセカンドゴロに倒れ、ゲームセットとなった瞬間、テレビの前で「こんなこともあるんだ」と呟きました。

 まだ27歳だったスカッグス選手の急逝を悼むチームメイトが、普段にも増して頑張ってプレーしたことは間違いないのでしょうが、「頑張ればノーヒッターが出来る程MLBは甘くない」のですから、今回の「追悼試合でノーヒッター」というのは、とても不思議な感じがします。

 やはり世の中には、理屈では割り切れないことがあるのでしょう。

 試合終了後マウンドに、チームメイトが着用していた、エンゼルスの赤いユニフォームが沢山並べられました。大谷選手も着ていたユニフォームを並べていました。
 背番号「45」の沢山のユニフォームが、プレートを中心に放射線状に綺麗に並べられた「絵」は、とても美しいものでした。
[7月14日・決勝]
ノバク・ジョコビッチ選手3-2ロジャー・フェデラー選手

 文字通りの「激闘」でした。
 それも、両選手の気迫がぶつかっての激闘と言うよりは、両選手の「技」の競り合いと言う意味での激闘だったのです。

 この両選手の技術が「芝コート」において世界最高水準であることに、異論を差し挟む人は居ないでしょう。
 四大タイトルのシングルス、優勝20回のフェデラー選手と同15回のジョコビッチ選手の対戦、ウィンブルドンに絞っても、優勝8回のフェデラー選手と同4回のジョコビッチ選手の対戦なのですから。

 その両雄が4時間57分の決勝戦(決勝戦として史上最長)を披露してくれたのです。
 本当に凄い試合でした。
 ウィンブルドン男子シングルス決勝の歴史の中でも、そのプレーの「質の高さ」という面では、史上最高であったのかもしれません。

 そのスコアは、ジョコビッチ選手から見て、第1セット7-6、第2セット1-6、第3セット7-6、第4セット4-6、最終セット13-12という、凄まじい競り合いです。

 今大会から史上初めて導入された「最終セットのタイブレーク」を初めてコート上で魅せてくれた試合ともなりました。それも凄いことでしょう。

 「凄い」の連発で恐縮ですが、それ程にハイレベルな試合だったのです。
 フェデラー選手のドロップショットも凄いが、ジョコビッチ選手のクロスのパッシングショットの角度も、常識を遥かに超えているものでした。
 「あんな角度に打てるものだろうか」と感じますが、「あんな角度に打たなければポイントが取れない」というのが、本当に怖ろしい?レベルなのでしょう。

 現代のプロテニス界で「クレーの鬼」といえばラファエル・ナダル選手ですが、「芝の王者」といえばロジャー・フェデラー選手と言うことになります。これは、テニスファンなら誰でもご承知のことでしょう。

 ところが、ジョコビッチ選手は芝のサーフェイスでフェデラー選手を圧倒しているのです。
 両選手がウィンブルドンで初めて対戦したのは2012年の準決勝でした。
 この試合はフェデラー選手が3-1で制しています。

 2度目の対戦は2014年の決勝で、これは3-2でジョコビッチ選手が制しました。
 3度目の対戦は2015年の決勝で、これは3-1でジョコビッチ選手の勝利でした。
 そして4度目の対戦2019年の決勝でも、3-2でジョコビッチ選手が勝ちました。

 両選手の芝コートでの対戦成績は、ジョコビッチ選手の3勝1敗、ウィンブルドンの決勝では3戦3勝なのです。

 ちなみに、両選手の全通算対戦成績は、48回の対戦で、ジョコビッチ選手の26勝22敗ですから、ジョコビッチ選手にとってはオールウェザーコートも含めたフェデラー選手との対戦成績よりも、芝コートにおける対戦成績の方が勝率が良いことになります。
 ジョコビッチ選手が「芝コートでフェデラー選手に強い」ことは明白でしょう。

 それにしても、何度も書いて恐縮ですが、この「3強」の強さはずば抜けています。

 再び何度も書いて恐縮ですが、男子テニス界への「新星の登場」が待望されるところなのでしょう。

[6月28日・男子100m決勝(向風0.3m)]
1位 サニブラウン・アブデルハキーム選手 10秒02 大会新記録
2位 桐生祥秀選手 10秒16
3位 小池祐貴選手 10秒19

[6月30日・男子200m決勝(向風1.3m)]
1位 サニブラウン・アブデルハキーム選手 20秒35
2位 小池祐貴選手 20秒48
3位 桐生祥秀選手 20秒54

 第103回日本選手権で、サニブラウン選手は短距離2冠を達成しました。
 ありそうでなかった「日本選手権・男子短距離2冠」は40年振りの快挙と報じられています。
 
 100mは「圧勝」でした。
 スタートで桐生選手が先行したのですが、サニブラウン選手との差は僅か(20~30cm位に観えました)でしたから、サニブラウン選手も相応に良いスタートを切ったのです。
 そして50mまでには先頭に立ち、50~60m付近でトップスピードに乗り、80m付近までは「減速を最小限に抑えて」、2位以下のランナーとの差を広げました。

 100m競走は「減速との戦い」ですから(本ブログ2012年8月26日の記事「[陸上競技] 100m競走は「減速」との戦い」をご参照ください)、スピード維持能力がとても高かったのです。
 ゴール前では、サニブラウン選手もさすがに急激に減速しましたが、90mまでの貯金が物を言って、圧勝となりました。

 向風0.3mの環境下での10秒02は、とても良い記録だと思います。
 自己ベストが9秒98の桐生選手が10秒16かかった環境下での10秒02は、無風から追風の環境であれば、安定して9秒台を出せる力を示したのでしょう。
 素晴らしいランニングでした。

 一方で、大会最終日の200mは、サニブラウン選手としては満足がいかないレースだったのではないでしょうか。
 4レーンのサニブラウン選手は、前を走る5レーンの小池選手を追って、コーナーで加速しました。これが「飛ばし過ぎ」に観えました。本来なら、もう少し「静かに」走るべきコーナーで、力みが観られたのです。
 結果として、4コーナーを回り切ったところでは既に先頭に立っていましたけれども、200m競走におけるコーナーでの「力の使い過ぎ」は直線路で必ず悪影響を生みます。
 残り50m以降は、苦しいランニングであったと感じます。

 このコーナーでの力みの原因は分かりません。
 アメリカでの大会、9秒97を叩き出した大会、からの連戦の疲労で、コンディションが万全でなかったために、「コーナーで一気にケリをつけよう」と小池選手を抜きにかかったのか、日本新記録としての19秒台を狙って行ったためか、要因はいくつか考えられますけれども、結果としては不満足なレースになってしまったように観えました。(ひょっとすると、実力をアップしてきている小池選手を相手にして、現状の不十分なコンディションを考慮した、「勝ちに徹した」意図的な走りであったのかもしれませんが・・・)

 サニブラウン選手のレース前の映像が何度もテレビ画面に登場していましたが、「入念なマッサージ」のシーンがとても多かったと思います。桐生選手や小池選手とは対照的でした。
 やはり、疲労が蓄積していたことは間違いなさそうです。
 そうした中での「2冠達成」は見事なプレーなのでしょう。

 それにしても、今大会の、というか久し振りに詳細に観させていただいた、サニブラウン選手の走りにおいては、「腕振り」がとても印象的でした。
 広げた手が「顔の前まで振られる」のです。本当に大きく力強い腕振りであり、サニブラウン選手のスピードの源という感じです。

 カール・ルイス選手は指間を締めて、大きく腕を振りました。
 ウサイン・ボルト選手は、手を軽く握り、肩でぐりぐり引っ張るように腕を振りました。
 
 サニブラウン選手は指間を大きく開けて、顔の前まで腕を振るのです。
 
 リラックスして素早く腕を振るために、スプリンターは「自らに合った腕振り」を実行するのでしょう。

 サニブラウン選手の腕振りは、本当に印象的でした。

 この走りを、9月のドーハ世界選手権大会・男子100m・200m決勝で、是非観てみたいものです。

[7月12日・エディオンアリーナ大阪]
村田諒太-(2ラウンド2分34秒TKO)-ロブ・ブラント(アメリカ)

 2018年10月、アメリカ合衆国ラスベガスでの試合で「よもや」の判定負けを喫した村田選手が、リターンマッチで圧勝しました。

 ラスベガスの試合は、村田選手にとっては「世界へのデビュー戦」と呼ぶべきもので、その試合に勝利し、それも圧倒的な勝利を魅せて、世界一のボクシング大国であるアメリカにおけるビッグビジネスのスタートとする目論見だったのでしょう。
 ところが、ブラント選手の「手数」、試合開始の頃には「威力不足のパンチ」を打たせ放題打たせるといった戦い振りで余裕を見せていましたが、言わばピストルのようなブラント選手のパンチを受け続けながら、自らの大砲は空振りばかりという試合でスタミナを消耗し、ダメージも次第に蓄積して、12ラウンドを戦い終えた時には勝敗は明らかという「完敗」でした。

 顔が腫れあがった村田選手にとっては、信じられないような敗戦だったことでしょうし、ファンにとっても「悪い夢」を見ているような試合でした。

 この敗戦のショックは相当大きなもので、「引退」さえ噂される事態となりました。
 「再起」に向けての動きもなかなか報じられませんでしたから、本当に「引退」するのではないかと、心配になりました。

 ようやくリターンマッチが報じられましたが、今度は「勝てるのか」が心配になりました。
 ラスベガスの試合を思い出すと、パンチのスピードでブラント選手が圧倒していましたから、村田選手のパンチが当たるのかが心配だったのです。

 この心配は、この試合のゴングが鳴るまで続きました。

 この試合の村田選手の第1ラウンドは、本当に秀逸でした。
 生涯最高のラウンドでは無かったかと感じます。

 第1ラウンド開始早々、ブラント選手が打ってきました。「手数」で勝負するブラント選手のいつもの戦い振りです。
 村田選手は、カードだけではなくスウェーバックやダッキングも駆使して、ラスベガスの試合に比べれば、ブラント選手のパンチを交わしていましたが、それでも何発か受けました。

 このまま前戦と同じ経過になるのかと観ていましたが、1分を過ぎた頃から村田選手がパンチを出し始めました。
 このパンチが強烈。
 前戦に比べてスピードが有り、威力も十分でした。

 ブラント選手としては「驚いた」であろうと思いますが、打ち合いは望むところでしょうから、パンチを返しました。手数では、やはり村田選手を上回りました。
 試合後のインタビューで村田選手は、「(ラスベガスでの試合に比べて)ブラント選手のパンチにも最初から威力が有った。腰の入ったパンチだった」とコメントしていますから、ブラント選手も前戦とは戦い方を変えていたことが分かります。1度防衛に勝利して、自信を付けていたのかもしれません。
 結果として、この試合は「第1ラウンドから壮絶な打ち合い」になったのです。

 しかし、ボディへのパンチを交えた村田選手の攻撃はブラント選手にとって大きなダメージとなりました。第1ラウンドから、相当効いている様子が、随所に観られたのです。

 ブラント選手のガードを5~10cm外した辺りに打ち込まれる村田選手のパンチが次々と当たります。
 両手ガードの僅かな隙間を付いて的確に顔面にヒットする右ストレート、こめかみやあごを捉えるフック、そしてボディへの強烈なパンチ、これらがスピード十分な形で繰り出されました。
 ボクシングの「ひとつのお手本」のようなラウンドであったと感じます。

 そして第2ラウンド。
 やはりラウンド開始直後はブラント選手が打って行きました。
 村田選手はガードを固めてブラント選手の動きを良く観察し、パンチを繰り出しました。これがしっかりとヒットして、ブラント選手が「逃げ腰」になりました。
 第1ラウンドのダメージも相当に残っていたと思います。

 フック、フック、ボディというリズムで、上から下に打ち分ける村田選手の攻撃は迫力満点。特にテンプルへのヒットが効きました。
 
 ブラント選手がダウン。

 効いていないという表情でファイティングポーズを取りましたが、試合再開になった直後の村田選手のストレートをまともに顔面に受けていましたから、ほとんど村田選手の動きは見えていなかったことは明らかです。
 あとはサンドバック状態。

 あれだけパンチを受けながら、なかなか倒れなかったことは不思議ですが、レフェリーが試合を止めて、村田選手のTKO勝ちとなりました。

 村田選手の「渾身の一戦」であったと感じます。

 今思えば、ラスベガスの試合はコンディションが悪かったのでしょう。
 体のキレ、スピード共に、この試合とは比べ物にならないものでした。
 今回はキッチリと仕上げて来たのでしょう。
 これが「村田諒太のボクシング」なのです。

 「ミドル級の世界タイトルマッチ」を魅せていただきました。
 パンチの迫力、重量感は「さすが」でした。

 ラスベガスでブラント選手が勝ち、大阪で村田選手が勝ちました。
 第3戦は行われるのでしょうか。
 
[7月7日・甲子園]
阪神1-0広島

 2019年のセントラルリーグ・ペナントレースにおいて、4月中旬に最下位に低迷した広島カープは、4月下旬から反攻に転じ、5月20日過ぎには首位に踊り出て、6月1日には「貯金14」と、独走態勢に入ったかに見えました。

 過去3シーズンを思い出させる強さだったのです。

 ところが、交流戦で最下位と低迷して首位から陥落、貯金を減らし続けて、7月5日には貯金が0になり、この試合も落として借金2となって、順位も4位に下がりました。

 約3ヵ月間で、これ程に順位を上げ下げすること自体が、カープに限らずどのチームにとってもとても珍しいことだと思います。今季のカープは「エレベーターのように順位を変化させている」のです。

 原因は色々あり、様々な視点から指摘がなされていますが、最大の要因は「打線の不振」であろうと感じます。
 これは、4月の低迷時と同じです。

 7月7日時点のチーム打率は.244とリーグ5位。
 とはいえ、リーグ3位の阪神.248、4位のDeNA.246とは大差が有りません。
 得点311はリーグ4位ですが、こちらも阪神309とほぼ同じですし、DeNA320とも大差が有りません。

 一方で、防御率3.43はリーグ2位、1位の阪神3.42とはほぼ同じですし、順位1位の読売3.65よりは良い水準なのです。

 結局のところ「競り合いの展開の中で打ち負けている試合が多い」というのが、現状なのでしょう。
 この試合も失点を1に抑え込んだものの、零敗でした。

 広島カープのチーム力については、昨季までのリーグ3連覇という実績が示すようにセリーグ屈指位のものであることは間違いありません。
 チームとしての攻守が噛み合って来れば、ジャイアンツとも互角の勝負が出来るはずでしょう。

 独走になりつつあるジャイアンツにストップをかけることができるのは、カープしかないと思います。

 広島カープ、頑張れ!

 6月14日にFC東京の久保建英選手(18歳)のレアル・マドリード入りが公表され、7月12日には鹿島アントラーズの安部裕葵選手(20歳)のFCバルセロナ入りが発表されました。

 スペイン、リーガ・エスパニョーラの強豪チームというか、世界のサッカークラブを代表する2チームに、日本の若きフォワードFWプレーヤーが連続して加入するという、素晴らしいニュースです。

 日本サッカーの国際化を示す事実であることはもちろんとして、日本人プレーヤーに対して「世界的クラブ」が注目する時代の到来を示してもいるのでしょう。
 本当に凄いことです。

 スペインのマスコミにおいては、「レアルによる5大州コンプリート」と報じられているというニュースも入りました。久保選手は、レアルにおける「アジア州初のプレーヤー」ということであり、これでレアルには欧州、アメリカ州、オセアニア州、アフリカ州の選手が居て、今回アジア州初のプレーヤーが加わったということになります。

 久保選手は神奈川県出身、身長173cm・体重69kg、安部選手は東京都出身、身長171cm・体重65kg、2人共2019年に日本代表入りを果たしています。日本の若きストライカーと呼んで良いのでしょう。

 日本の誇る若手2プレーヤーが加入するレアル・マドリードとFCバルセロナについても、おさらいしておきましょう。これほどのビッグクラブとなると、「いまさら感」があって、なかなか「おさらい」のチャンスがないので・・・。

 [レアル・マドリード]
① 1902年創設
② リーガ・エスパニョーラ制覇 33回(史上最多)
③ コパ・デル・レイ制覇 19回
④ UEFAチャンピオンズリーグ制覇 13回(史上最多)

[FCバルセロナ]
① 1899年創設
② リーガ・エスパニョーラ制覇 26回
③ コパ・デル・レイ制覇 30回(史上最多)
④ UEFAチャンピオンズリーグ制覇 5回

 20世紀から現在に至るまで、スペインを、そして世界を代表する2つのビッグクラブです。

 もちろん、日本人2プレーヤーにとっては「レギュラー争い」がとても大変なことなのですけれども、ベルナベウ(レアルのホームスタジアム)における久保選手の活躍、カンプ・ノウ(バルセロナのホームスタジアム)における安部選手の活躍が、本当に楽しみです。

[7月10日・男子シングルス準々決勝・センターコート]
ロジャー・フェデラー3-1錦織圭

 今大会、4回戦までの試合を順調に勝ち上がった錦織選手でした。
 プレー内容もとても良く、「グランドスラムで、これだけ順調に勝ち上がるのは珍しい」という本人のコメントからも、コンディションの良さが感じられました。

 そして「芝の王者」フェデラー選手と激突したのです。
 
 4回戦までの戦い振りや、疲労度合を観ると、「十分に戦える」と感じていましたが、第1セットはまさに、今大会の錦織選手のプレーが披露されました。
 素晴らしいストロークと躍動感溢れるプレーで、フェデラー選手と互角以上に打ち合い、第1ゲームをブレイクしてそのまま押し切りました。
 ウィンブルドンのセンターコートで、フェデラー選手を相手に見事なプレーを披露したのです。
 これなら行ける、と思いました。

 しかし、さすがに「芝の王者」は強かった、半端無く強かったのです。
 
 第2セットに入り、フェデラー選手は積極的に「前に出」ました。
 ボレーを多用して、早い勝負に出たのです。
 これが見事に当たりました。
 
 第1セットで目立ったファーストサービスのミスもしっかりと修正し、完全に流れを自分のものとして、6-1のワンサイドで第2セットをものにしました。

 「天王山」たる第3セット、錦織選手もサービスゲームをキープして一進一退の戦いが続きましたが、第2セットで流れを掴んだフェデラー選手は、とても落ち着いていました。
 「ここ(ウィンブルドン)は私がプレーする所」だよ、と言わんばかりのプレーを続け、第7ゲームをブレイクして、フェデラー選手が6-4で第3セットを取りました。

 第4セットも一進一退の攻防が続き、錦織選手としては何とか試合の流れを奪い取ろうと色々なプレーを展開するのですけれども、フェデラー選手は「微動だにせず」ゲームを重ねて行きました。
 そして、第9ゲームをブレイクして、このセットも6-4でフェデラー選手が奪い、試合は終了しました。

 結果としては、ウィンブルドン男子シングルス優勝8度を誇る「芝の王者」ロジャー・フェデラー選手が、その強さを見せつけた試合でしたが、錦織圭選手の「進化」も感じられました。

 再び結果として、とても面白い、見所満載の試合であったと思います。

 世界最高峰のテニスマッチを観ることができたと感じます。

 我らが錦織圭選手は「もっともっと強くなる」ことを確信させてくれた、良い試合でした。

[7月9日・プログレッシブフィールド]
アメリカンリーグ4-3ナショナルリーグ

 オールスターゲーム2019は、2回に先制したアメリカンリーグALが、その後もナショナルリーグNLに逆転されることなく押し切り、勝利を収めました。
 これでALはオールスターゲーム7連勝としました。

 ALの2番手として登板した田中投手は、2回表の1イニングを投げて、被安打1、与四球0、奪三振1、失点0という安定したピッチングを魅せ、その裏ALが先制点を挙げ、リードを保ったまま勝ち切りましたので、勝利投手となりました。
 日本人投手としては、史上初のオールスターゲーム勝利投手です。

 「巡り合わせ」というか「打線との兼ね合い」というか、幸運ももちろん味方しましたが、やはり「オールスターゲームの勝利投手」というのは、自身のキャリアにおいて「大勲章」でしょう。
 1年に1ゲームしかない上に、何度も出場することが容易なことでは無い(田中投手は5年目で2度目の選出)舞台、ましてや投手は登板できるかどうか分からない(田中投手はオールスターゲーム初登板でした)のですから、その大舞台で勝利投手となるのは、まさに至難の技です。
 田中将大投手の「星の強さ」を感じると言ったら、大袈裟でしょうか。
 MLBの日本人投手全体にとっても、大きな足跡でしょう。

 ゲームMVPには、5番手として登板し、1イニングを3者三振・無失点という好投を魅せた、ALのシェーン・ビーバー投手(インディアンズ)が選出されました。
 ホーム球場での大活躍でした。

 このゲームを終えて、両リーグの対戦成績はALの45勝43敗2引分となりました。

 90試合戦って「ほぼ互角」という戦績にも感心させられますが、ALが7連勝しての成績であることを考え合わせると、8年前まではNLの43勝38敗と、NLが大きくリードしていたことになりますから、「直近の7年間でMLBのプレー内容が大きく変化したこと」を如実に示す事実なのかもしれません。

[7月8日・決勝・エスタジオドマラカナン]
ブラジル3-1ペルー

 コパアメリカ2019「ブラジル大会」は、ブラジルチームが優勝しました。
 世界屈指のナショナルチーム同士の大会、ワールドカップ、ユーロ、コパアメリカで、開催国チームが優勝するのは久しぶりのことです。

 もとより、「サッカーはホームチームが強い」というのは長く語り継がれている「原則」ですが、一方で、こうした世界最高水準の大会での「優勝」となると、なかなか実現できない時期が続いていたのです。「ホームであることが逆にプレッシャー」になっているとの見方もあります。
 
 そうした、諸々の要因を考慮しても、今回のブラジルチームの優勝は見事なものですし、「圧倒的な総合力」で勝ち抜いたと観るのが妥当でしょう。

 まず、その得点力が抜群でした。

 決勝戦でも、前半15分にエベルトン選手が先制し、前半44分にペルーのパオロ・ゲレーロ選手に同点弾を許したものの、前半インジュリータイムにガブリエル・ジェズス選手が2点目を挙げて、前半を2-1でリードしました。
 今大会好調なジェズス選手は、決勝でも存在感を見せつけたのです。

 ペルーチームも必死に反撃し、後半は激しい攻防が続きましたが、後半45分、リシャルリソン選手がペナルティーキックPKを決め、3-1とリードし、試合を決めました。

 準決勝のアルゼンチン戦を2-0、決勝のペルー戦を3-1というブラジルチームの得点力は、見事の一語でしょう。

 他方、その守備力も秀逸でした。

 準決勝までの5試合は無失点、決勝戦でも1失点のみ、結果として「6試合で1失点」という堅守を披露してくれました。
 チアゴ・シウバ選手、マルキーニョス選手、アレックス・サンドロ選手、ダニエウ・アウベス選手という、ハイレベルなディフェンスDF陣はもちろんとして、カゼミーロ選手、アルトゥール選手、ガブリエル・ジェズス選手、フェリペ・コウチーニョ選手といったミッドフィールダーMF陣の守備への貢献もとても大きなものでした。

 攻撃が良く、守備も良い、というブラジル代表チームは「強かった」ということになると思います。
 現在のセレソンは、相当強いと観るべきでしょう。

 ブラジルサッカーの「聖地」マラカナン・スタジアムでコパアメリカを制したのですから、地元ファンの盛り上がりはいかばかりだったのでしょうか。

[7月7日・決勝・スタッドドリヨン]
アメリカ2-0オランダ

 攻撃力のアメリカチームと堅守のオランダチームの対戦は、前半オランダが持ち味を発揮して0-0で折り返しましたが、アメリカは後半2点を挙げて、そのまま押し切りました。

 実力で一枚上手のアメリカチームが、実力通りの結果を出すという「横綱相撲」でした。

 オランダの「堅守」を象徴したのが、ゴールキーパーGKファン・フェーネンダール選手でしょう。
 前半、アメリカのアーツ選手やモーガン選手の「枠内シュート」を悉くセーブし続けたプレーは、見事でした。今後の女子サッカーにおけるGKに求められるタイプを示した大会だったのかもしれません。

 前半はオランダの堅守に手を焼いた?アメリカでしたが、後半15分、モーガン選手に対するプレーが、VARの指摘もあってペナルティーキックPKとなりました。
 これをキャプテンのラピノー選手が決めて、ついに1-0とリードしました。

 やや浮足立ったオランダ守備陣に対して、後半24分ラヴェル選手がミドルシュートを決めて2-0とし、アメリカが優位に立ちました。
 
 その後のオランダチームの反撃を零封したアメリカチームが、優勝を手にしたのです。

 やはり、アメリカ代表チームの「得点力は別格」であったということになります。

 これでアメリカチームは、1991年の第1回、1999年の第3回、2015年の第7回に続いて第8回大会も制しました。8大会で4度の優勝ですから、圧倒的な実績です。

 「女子サッカー王国」としてのアメリカチームの強さは、「ランニングスピード」と「パスの速さ・正確性」がベースになっていることは、衆目の一致するところでしょう。
 
 世代が変わっても、このストロングポイントを維持・向上させているところが、本当に素晴らしいと感じます。
 特に、2011年ドイツ大会・決勝戦で日本チームに敗れて以降は、一段とチーム力を上げて、圧倒的な力を持って世界に「君臨」していると言って良いでしょう。

 今回残念ながら準優勝となったオランダチームを始めとする他チームとしては、アメリカチームと戦って行くために、前述のアメリカのストロングポイントで競い合っていくのか、他のポイント、例えば「堅守+カウンター」あるいは「堅守+セットプレーからの得点力」といったチーム創りを指向するのか、しっかりとした方針・戦略の構築と実行が必要なのかもしれません。

 7月18日~21日に開催される全英オープンゴルフ大会の会場名を聞いて、「?」となりました。

 定められたコースで「もちまわり」で開催されることが慣例となっている全英オープンですから、毎年「今年はここか」と納得してきた(勝手に)のですが、約50年間「The Open」を観てきた身でも、「初めて聞くコース」だったからです。

 R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ=イギリスあるいは世界を代表するゴルフ競技の総本山)も、ついに「新コースを全英オープン会場に組み入れたのか」と、次には考えましたが、これも違っていました。

 ロイヤルポートラッシュ・ゴルフクラブは、1951年に一度全英オープンに使われていたのです。
 「68年振り2度目の全英オープン開催」というのが、正しい理解ということになります。

 さすがに、1951年(昭和26年)には、全英オープンゴルフを観ていませんでしたので、「聞いたことが無かった」わけです。

 それにしても、セントアンドリュースやカーヌスティ―、ロイヤルトゥルーン、ロイヤルバークデール、ロイヤルリザム&セントアンズ、ロイヤルリバプール、ロイヤルセントジョージズ、といったお馴染みのコース達に、ロイヤルポートラッシュが「新たに加わった感」が強いことも事実でしょう。

 ロイヤルポートラッシュは「北アイルランド」にあります。
 アイルランドの首都ベルファストから北に約90km行ったアントリム海岸沿いに展開されているのだそうです。

 所謂英国本土というかグレートブリテン島以外の場所で、唯一の全英オープン開催コースなのです。そして今回が2回目です。
 2019年の大会は、もちろん北アイルランド史上屈指のスポーツイベントになりますが、今後定期的に開催されることとなれば、北アイルランドスポーツ界の一大イベントとして定着して行くことでしょう。

 数少ない情報を集めてみると、どうやら通常は7,143ヤード、パー72のようです。メジャー大会ともなれば、どのようにアレンジメントされるかは分かりませんが・・・。
 当然ながらリンクスコースで、アップダウンが有り、フェアウェイが狭く、グリーンのアンジュレーションも強いと・・・。難しいコースということになります。

 北アイルランドは、名ゴルファーを輩出する地です。
 ロリー・マキロイ選手、グレアム・マクドゥエル選手、ダレン・クラーク選手といったメジャートーナメントの優勝者も居ます。
 そうした「ゴルフ先進地域」で、ほとんど初めて開催されると言って良い全英オープン2019。

 その新鮮な「絵」が、とても楽しみです。

[6月29日・男子400mハードル決勝]
1位 安部孝駿選手 48秒80
2位 豊田将樹選手 49秒05
3位 松下祐樹選手 49秒47
4位 野澤啓佑選手 49秒51
5位 小田将矢選手 49秒60
6位 真野悠太郎選手 50秒07

 8レーンを走った安部選手が、素晴らしいスピードでリードし、最終ハードル後も粘りの走りを魅せて、優勝しました。48秒台という好記録でした。

 かつて為末大選手が、48秒を切る日本記録を樹立し、世界大会でもメダルを獲得するという、日本短距離界を代表する活躍を魅せてくれた種目であり、その後も相当高いレベルのランナーが続けて登場していた男子400mハードルですが、東京オリンピック2020を前にして、とても楽しみなランナーが登場したのです。

 スタートからスムースな加速でした。
 向う正面は、力みの無い走りが印象的でした。
 6台目までの走りは「完璧」という感じです。
 
 7台目以降、ハードル間の歩数が13歩から14歩に増えたかと思いますが、蹴り足を上手く切り替えて対応していました。
 さすがに10台目では少しバランスを崩しましたけれども、豊田選手の追い上げを振り切ってゴールしました。
 積極的であり、かつ、全体としてバランスの良いレースでした。

 「会心」のレースだったのでしょう、ゴール直後、安部選手は「吠え」ました。

 安部選手は、世界選手権2019の参加標準記録49秒30はもちろんとして、東京オリンピック2020の標準記録48秒9も一気にクリアしました。とても良い記録であったことが明白です。

 2位に入った豊田選手も、良い走りでした。
 こちらは前半抑え気味で入り、7台目から加速しました。
 ラスト30mの走りは素晴らしいものであったと思います。
 世界選手権2019の参加標準記録を大きく上回る、自己最高記録でした。

 さらに、このレースでは、5位までのランナーが50秒を切りました。
 5位の小田選手でも49秒60です。
 高いレベルのレースだったのです。
 東京オリンピック2020を前にして、日本男子400mハードル陣の選手層は、とても厚くなっていることを証明する結果でしょう。

 レース後のインタビューで安部選手は「秋までまだ時間がある。世界選手権のファイナリストを目指したい」と応えました。
 何と力強いコメントでしょうか。

プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
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