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HOME   »  2020年08月12日
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 温故知新2020陸上競技編その13です。

 陸上競技の男子トラック競技には3つの障害種目があります。
 110mハードル、400mハードル、3,000m障害、です。

 110mHは1896年の近代オリンピック第1回アテネ大会から、400mHは1900年の第2回パリ大会から、3,000m障害は1920年のアントワープ大会から、正式種目となっています。
 3,000m障害競走は、110mH・400mHと比べれば新しい種目ということになりますが、それでもとても長い歴史を有する種目なのです。
 オリンピックで実施されるようになった当初、パリ1924~ベルリン1936までの間は、フィンランドチームの選手が4連覇しています。フィンランドのお家芸だったのです。

 3,000m障害は、3,000mを走る間に「28回」障害を越え、「7回」水濠を越えなければなりませんから、約80mに1回障害物か水濠が在ることになります。
 男子の障害物の高さは91.4cmと相当高く、水濠の深さは70cm(男女共通)です。
 障害物は、ハードル種目と違い、ぶつかっても倒れる構造では無いので、激しくぶつかれば、ランナーが転倒します。大きな怪我に繋がる怖れもあります。
 従って、3,000m障害においては、障害物は「ぶつかってはならない物」なのです。
 
 さて、第2次世界大戦前はフィンランドチームが強かった種目ですが、戦後は次第にケニアチームが強さを魅せるようになりました。

 今回も、ローマ1960から観て行きます。
 金メダリスト名、記録の順です。

・ローマ1960 ズジスワフ・クジュシェコヴィアク選手(ポーランド) 8分34秒2
・東京1964 ガストン・ローランツ選手(ベルギー) 8分30秒8
・メキシコシティ1968 アモス・ビウォット選手(ケニア) 8分51秒0
・ミュンヘン1972 キプチョゲ・ケイノ選手(ケニア) 8分23秒6
・モントリオール1976 アンデルス・ヤーデルード選手(スウェーデン) 8分08秒02(世界新記録)
・モスクワ1980 ブロニスワフ・マリノフスキ選手(ポーランド) 8分09秒7
・ロサンゼルス1984 ジュリアス・コリル選手(ケニア) 8分11秒80
・ソウル1988 ジュリアス・カリウキ選手(ケニア) 8分05秒51
・バルセロナ1992 マシュー・ビリル選手(ケニア) 8分08秒84
・アトランタ1996 ジョセフ・ケター選手(ケニア) 8分07秒12
・シドニー2000 ルーベン・コスゲイ選手(ケニア) 8分21秒43
・アテネ2004 エゼキエル・ケンボイ選手(ケニア) 8分05秒81
・北京2008 ブライミン=キプロプ・キプルト選手(ケニア) 8分10秒34
・ロンドン2012 エゼキエル・ケンボイ選手(ケニア) 8分18秒56
・リオデジャネイロ2016 コンセスラス・キプルト選手(ケニア) 8分03秒28(オリンピック新記録)

 まずは、「ケニアチームの強さ」に驚きます。
 ロス1984から「オリンピック9連覇」中。
 陸上競技において、21世紀に入ってからを含めて、これほどの連覇は他にありませんし、他の競技を観ても、なかなかお目にかかれない圧倒的強さでしょう。
 継続中であることも、素晴らしいところです。
 バルセロナ1992とアテネ2004では「表彰台独占」も示現していますし、金メダルを含めて2つのメダルを獲得した大会も「6」に及びます。信じられないような強さなのです。

 さらには、少数の強いアスリートによって連勝が続いているわけでは無いところも、凄いところです。この9連覇中に2勝しているのはエゼキエル・ケンボイ選手だけですし、次々に新しいランナーが登場している感があります。
 3,000m障害に対しての国としての強化体制が確立されているとともに、様々なノウハウが蓄積され活かされていることも間違いないでしょう。

 20世紀の終盤から、アフリカ諸国、特に、エチオピアとケニアの選手たちが、国際大会における長距離種目において強さを魅せていることはご承知の通りですが、ことこの種目については、エチオピアチームの影も無く、「ケニア1強」なのです。
 世界中で行われている種目において、これだけ独占的な強さを継続していることは、ある意味では「不思議」なことでしょう。

 ご承知の通り、3,000m障害には、他の中・長距離種目同様に「駆け引き」が存在しますから、オリンピック決勝という大舞台で記録が更新されることは、ほとんどありません。どのランナーも「オリンピックチャンピオン」の称号を目指して、全ての力と知恵を集中するのです。
 そうした中で、モントリオール1976においてヤーデルード選手が世界新記録で優勝したことは、特筆に値します。ヤーデルード選手のパフォーマンスは、3,000m障害の記録を20秒位縮めたようにさえ感じられるのです。

 現在の世界記録は、2004年9月にサイフ・サイード・シャヒーン選手(カタール←ケニア出身)がマークした7分53秒63です。
 既に、15年以上前に叩き出された記録ですから、21世紀のオリンピック決勝において「7分台」が出ても、何の不思議も無いのですけれども、やはり「オリンピックチャンピオンの重み」に向けての「駆け引き」の存在が、とても大きいのでしょう。

 東京2021において、オリンピック史上初の「7分台」が出るのでしょうか。

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