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HOME   »   スポーツ共通  »  [スポーツの起源] アメリカは団体競技、日本は個人競技
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 スポーツにおいては、アメリカ起源のものは団体競技、日本起源のものは個人競技です。

 アメリカ起源の代表的なスポーツといえば、ベースボール、アメリカンフットボール、バスケットボールが挙げられます。ベースボールは1チーム9人、アメリカンフットボールは1チーム11人、バスケットボールは1チーム5人の団体戦です。
 一方、日本起源の代表的なスポーツといえば、柔道、相撲、剣道といずれも個人競技です。

 個人競技と団体競技を区別する基準は、色々な考え方があると思いますが、私は「分業概念の有無・強弱」だと考えています。

 ベースボールを例にとります。守備における各ポジションは、各々異なった役割を果たします。投手と捕手、内野手、外野手はゲームにおける守備を、チームとして実践していく際に別々の役割を担います。内野手でも、一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手は、役割が異なりますし、外野手でも中堅・左翼・右翼で役割が異なります。単にエリアのことだけを考えても、9人全員が自らの役割を果して、初めてフィールド全体をカバーできますので、極めて分業度合いが高いスポーツということになります。

 バスケットボールも同様です。1チーム5人のプレーヤーは別々の役割を担います。NBAにおける一般的な呼び名で、以下に表記します。

 まずはポイントガードPG。チームの司令塔として攻撃・オフェンスOF、守備・ディフェンスDFの両方のチームプレーをコントロールします。バスケットボールというと長身のプレーヤーが多いのですが、このポイントガードPGのプレーヤーは比較的小柄です。NBAでいえば、センターラインを越えて相手コートにボールを持ち込むのは主にPGの役割です。そこから、様々なフォーメーションでプレーが展開されるのです。番号で呼ぶと「1番」です。ラグビーのスタンドオフに似たポジションかもしれません。

 続いてシューティングガードSG。主に中・長距離のシュートを打つことが役割のプレーヤーです。3ポイントシュートは、SGの見せ場です。番号で呼ぶときは「2番」です。

 続いてスモールフォワードSF。得点が期待されるポジションです。ドリブルを多用するように思いますが、色々な角度からシュートを放ちます。カットインやポストプレーなど、プレーヤーにより様々なタイプが存在しますが、チームの得点エンジンであることは共通しています。また運動量も多いので、守備面の役割も大きいプレーヤーです。番号で呼ぶときは「3番」です。

 続いてパワーフォワードPF。SFと同様に、得点が期待されるプレーヤーですが、SFより長身で大きなプレーヤーが務めることが多いと思います。ゴール下での得点・守備のために接触プレーに強いことが求められます。攻守におけるリバウンド対応もPFの大切な役割です。番号で呼ぶときは「4番」です。

 最後はセンターC。バスケットリングに最も近いポジションでプレーします。長身で強い肉体を持ったプレーヤーのポジションです。ゴール下からのシュート、ポストプレーのポスト役、そしてPFと共に攻守のリバウンド対応が期待されます。番号で呼ぶときは「5番」です。

 上記のように、バスケットボールもベースボールに負けず劣らず「分業」が確立された高度な団体競技です。

 アメリカンフットボールの役割分担について述べようとすると大部になりますので、別稿に譲ることとしますが、アメリカンフットボールは、ベースボール・バスケットボール以上に分業化されています。
 特にアメリカンフットボールの特徴として挙げておきたいのは「自らを犠牲にして、味方プレーヤーのプレーを助ける」役割・プレーがとても多い点です。

 例えば、ボールを受けたランニングバックRBが走って前進する際に、相手チームのプレーヤーがこの前進を止めようとタックルに来るわけですが、この相手チームのプレーヤーを弾き飛ばすために、ボールを持っているRBの前を味方プレーヤーがガードするプレーは、その典型です。
 こうしたプレーは、サッカーやラグビーでは反則ですが、アメリカンフットボールでは正当なプレーとなっていますし、アメリカンフットボールの最大の特徴のひとつです。こうしたサポートプレーに対しては、ファンもスポーツ報道機関も高く評価します。ある意味では、スクリメイジライン上のプレーや、タックル・ガードのプレーなど、アメリカンフットボールのプレーの大半が、自己犠牲型サポートプレーの組合せで成り立っているようにも思います。

 一方、我が国起源のスポーツを観てみましょう。頭書した、柔道・相撲・剣道を始めとして、弓道・空手などいずれも個人競技ですし、いわゆる武道の流れをくむスポーツが多いと思います。ダブルスという形式も無い、純粋な個人競技が多いことが特徴です。

 我が国起源のスポーツにも団体戦がある、という意見もあると思いますが、これは団体戦であって、団体競技ではないように思います。
 もちろん、柔道や剣道の団体戦は、先鋒・次鋒・中堅・副将・大将といったポジションが与えられ、それぞれの役割も異なるのですが、個々の試合は個人戦ですし、「分業度合い」は小さいと思います。前述のベースボールやバスケットボールといった、アメリカ起源のスポーツにおける「団体競技」とは、別のものでしょう。

 これは、フェンシングやアーチェリーといった競技の団体戦にもいえることで、先のロンドンオリンピックの競技を観ても、個人戦の成績の積み上げが団体戦の成績に繋がるのであって、チームの3人が異なる役割を負担して一緒に戦うという「団体競技」ではありません。

 陸上競技の競走や水泳競技の競泳におけるリレーはどうでしょうか。
 短距離競走における400mリレーの場合には、クラウチングスタートからコーナーを走る第一走者と、バトンを受けて直線を走りバトンを次の走者に渡す第二走者、バトンを受けてコーナーを走りバトンを次の走者に渡す第三走者、バトンを受けて直線を走りゴールする(バトンを渡す作業が無い)第四走者・アンカー、はそれぞれ役割が異なりますので、分業されていると観ることもできます。
 水泳のメドレーリレーであれば、それぞれの泳者が異なった泳法で泳ぎますので、分業されていると観ることもできます。
 
 一方で、短距離競走における1600mリレーは、各走者が400mトラックを1周しますので分業度合いは小さいと思いますし、水泳のメドレーリレーではないリレー競技であれば、大半の泳者がクロール泳法で泳ぎますので、分業度合いが小さいと思います。

 とはいえ、400mリレー競走やメドレーリレー競泳についても、ベースボールやバスケットボールに比べると、分業度合いはとても小さいので、団体戦であって団体競技ではないと考えた方が良いと思います。

 では、ダブルス競技はどうでしょうか。テニスや卓球に存在する競技形態としてのダブルスです。これは、テニスにしても卓球にしても、2人のプレーヤーの役割分担が存在していますので「団体競技」であると思います。ただし、ベースボールやバスケットボールに比べると、分業度合いは小さいと思います。

 何故、アメリカでは団体競技が生まれ、日本では個人競技が生まれたのか、については、多くの分析を要しますし、地理的条件、民族性、文化といった話にまで入り込むことになりますので、ここでは深くは追及しません。
 
 我が国起源のスポーツは、前述の通り「武道の流れをくむ」競技が多いので、どちらかというと「個人の修練のための競技」といった趣が強いのではないかと思います。また、その精神性の高さが、柔道や剣道を世界的なスポーツに引き上げている要素であるとも思います。

 一方で、アメリカ起源のスポーツは「みんなで楽しむ」ことを主目的として生まれ、発達してきたのでしょう。基本的にアミューズメント・エンターテイメントとしてのスポーツなのです。

 アメリカでは、団体競技が生まれ、MLB、NFL、NBA、NHLの4大プロスポーツを筆頭として、全国で花盛りです。団体でプレーするのは、プレーヤーだけではありません。観客も、例えばMLBポストシーズンゲームにおける、観客全員が同じタオルを振っての応援は、4万人以上の観客が同時に行う動きですので、大変な迫力ですし、観客全員がとても楽しそうに見えます。「見事な団体プレー」です。エンゼルスのラリーモンキーなど、チーム毎に特徴ある団体応援を繰り広げているわけです。
 NBAでも、ゴール裏の観客のフリースローを投げにくくするための動きは、どのホールでも見られることです。NBAの観客も、団体プレーを積極的に展開します。

 こうした行動を見ると、アメリカの人達は、プレーヤーとしても観客としても団体スポーツが大好きであると判断できます。個人主義の国といわれるアメリカですが、スポーツを見る限り、団体プレーの国であることは間違いありません。

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