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HOME   »   大相撲  »  大相撲2014年11月場所を振り返って
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1. 充実した土俵

 見応え十分な取組が多い場所でした。

① 各力士の動きがとても良かったこと
おそらく、体調の良い力士が多かったのだと思います。スピード十分な技の応酬は、大相撲の醍醐味です。レベルの高さを感じました。体調十分な力士が揃うことが、プロスポーツとしての大相撲にとって、とても重要なことなのでしょう。

② 個性豊かな取り口が目立ったこと
各々の力士が「自分がやりたい相撲を展開」していました。結果として、とても面白い取組が展開されたのです。「互いに譲ることが無い自己主張の激突」は観客にとって最高の贈り物です。

2. 横綱・白鵬関の32回目の優勝

 何と言っても最大の話題でした。6日目に高安に負けましたが、場所後半に調子を上げて千秋楽にピークを持ってくるところは、まさに第一人者の面目躍如たるところです。

3. 旭天鵬関が10勝5敗の好成績で敢闘賞受賞

 40歳2か月の勝ち越しも3賞受賞も、史上初めての快挙。土俵に上がるたびに「史上初」の記録が積み上がる感じですが、今場所は9日目まで8勝1敗で優勝争いに加わるなど、元気一杯でした。

 敢闘賞受賞インタビューで「別に40歳とか年齢は気にしていない」と笑顔でコメントしていました。素晴らしい力士です。

4. 栃ノ心関が11勝4敗で敢闘賞受賞

 久し振りに幕の内に帰ってきた栃ノ心が見事な相撲を披露しました。十両以下とは違う、幕の内のスピードや各力士の個性豊かな取り口に、少し戸惑っていたところもありましたが、それでも11勝です。

 立合いを磨き、自分の形の四つ相撲に持っていける取組が増えれば、もっと星が上がることでしょう。

5. 碧山関、魁聖関の健闘

 2人のヨーロッパ出身力士が力を付けました。見事な場所であったと思います。

 碧山は、初の関脇でしたが勝ち越しました。横綱・大関・小結そして充実した幕の内上位陣を相手に勝ち越すことは、容易なことではありません。力が無くては出来ないことです。
 ついに「碧山の相撲」を物にしたように感じます。太い2本の腕でグイグイと押して行く相撲は、これからも上位陣の脅威となるでしょう。横綱が相手でも全く怯む様子が無いところが、最も良いと思います。この相撲を磨いて行けば、大関昇進も夢ではないでしょう。

 魁聖は、惜しくも7勝8敗でしたが、こちらも連日素晴らしい相撲を披露しました。幕の内上位の力が身に付いたのです。まだ三役経験が無いというのは意外な感じですが、近いうちに実現すると思います。

6. 遠藤関が二桁勝利

 場所後半の遠藤の相撲は見事でした。「相手のパワーをまともに受けない相撲」が取れていました。立合いでしっかり当たり、素早く左右に重心を移動させることで、相手力士のパワーを交わすと共に、斜め横から密着して、自分の相撲を展開しました。

 立合いの当たり・前に出る力も、これまでより強くなっていたと思います。また、後半戦では「軽い張り手」を多用していましたが、張り手の威力に期待していたというよりは、自らの相撲のリズムを取っていたように観えました。

 遠藤については、一気に幕の内上位に進出したために、そのパワー差に圧倒されていた場所が続いていましたが、ついにノウハウを得たというところでしょうか。今後が、とても楽しみです。
 
7. 高安関が2横綱を破って殊勲賞

 初日から良い相撲を見せましたので、記事にも書いたように期待していましたが、見事な場所でした。
 特に、前に出る力が強くなったところが素晴らしいと思います。

 旧鳴門部屋のルールに背いて?、他の部屋に出稽古、特に横綱・日馬富士の部屋には泊まり込みで稽古したと伝えられましたが、見事な恩返しでした。
 もともと押し・突きの強さには定評があるところですから、今後も積極的に出稽古に取り組んでいただき、色々なタイプの力士の相撲を感じ取って、対抗策を立案・実行すれば一層良い相撲が取れると思います。

 役力士、幕の内上位の力士は、例えば「重心の動き」ひとつでも、それぞれ独特なものがあります。だから、その位置で相撲を取り続けることが出来るのでしょう。その微妙かつ独特な「重心の動き」は、相撲を取って肌で感じなければ、分からないことなのでしょう。

8. なんとか勝ち越した逸ノ城関

 場所前の帯状疱疹による稽古不足が響いたのでしょうか、初日・2日目の相撲は、酷いものでした。
 特に立合いが高く・弱く、関脇のレベルには程遠い相撲でしたので、これでは大負けするなと感じましたが、場所が進むにつれて少しずつ改善し、何とか勝ち越したのは、逆に地力の高さを示したものと言えるでしょう。

 ご本人も十分に認識しているとのコメントが紹介されていましたので、初場所に向けて大いに稽古していただきたいと思います。

9. 大関・豪栄道関と琴奨菊関の不振

 これはとても心配です。
 両大関とも負け越してしまい、来場所はカド番となります。

 心配なのは星勘定では無く「相撲の内容」でしょう。

 今場所の豪栄道の相撲には「二の矢」がありませんでした。立合いから自分の形を作り攻撃するのですが、その一次攻撃が止められると、ずるずると相手ペースとなり、そのまま負けるという取組が多かったと感じます。一次攻撃後の体勢確保とともに、二次・三次の攻め口も考えておく必要がありそうです。
 加えて、土俵際の詰めの甘さも目立つ場所でした。もともと「勝ったと思うのが早いタイプ」の力士であり、土俵際で脚が伸びてしまうタイプの力士ですが、調子が悪かった今場所では一際目立ったということでしょうか。

 一方で、横綱・白鵬や鶴竜との取組では、両横綱共はたき込みで勝負したように、豪栄道の力をいかに警戒しているかが分かる内容でした。今場所の豪栄道の調子がもう少し良くて、両横綱の動きにあと50cm付いて行ければ、両方とも勝つ可能性が有った取組でした。豪栄道のスピードと前に出る力は、横綱も嫌がるレベルであることは間違いありません。

 一方の琴奨菊は、立合いの当たりと前に出る力が不足していました。特に、当たりの角度が少し上向きであったことと、当たった後に脚が出なかった感じがします。見た目には「立合いの粘り強さが不足」していたということでしょうか。

 もともと「低い押し一本」で大関に上がった力士ですから、立合いを磨き直していただきたいと思います。

 実力十分の両力士ですから、カド番については大丈夫でしょうが、幕の内上位陣の充実振りは半端な物ではありませんから、調子を整えて1月場所に臨む必要があります。

 以上、2014年11月場所の感想でした。勝手なことばかり書いて恐縮です。

 いずれにしても頭書の通り、とても面白い場所を魅せていただきありがとうございました。

 来たる2015年の大相撲は、引き続き優勝を重ねて行こうとする大横綱・白鵬に、他の力士がいかに挑んでいくかという構図になるのでしょう。逸ノ城、照ノ富士、栃ノ心、碧山、遠藤などがチャレンジャー候補でしょうか。そうすると、2015年は「ノ」が付いた力士の活躍が期待される年と言うことになるのかもしれません。

 そして、このところいつも書くことで恐縮ですが、是非日本出身力士の優勝を見てみたいものです
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