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HOME   »   NFL  »  [NFL] 名将ビル・ベリチックの規律
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 「ペイトリオッツ王朝」という言葉があります。

 NFLのアメリカンフットボール・カンファレンスAFC東地区に所属している、ニューイングランド・ペイトリオッツNEの強さを称する言葉です。

 21世紀に入ってからのペイトリオッツは、文字通り、王朝と呼ぶにふさわしい強さを魅せ続けています。
 2002年、2004年、2005年のスーパーボールを制し、その後もプレーオフの常連チームとして、確固たるというか圧倒的な強さを見せ続けて来ました。

 そのペイトリオッツ王朝を築き上げた両輪が、ヘッドコーチHCのビル・ベリチックとクオーターバックQBのトム・ブレイディなのです。

 この2人は、期せずして2000年にNE入りし、2014年シーズンもNEに居ます。
 そして、2001年からのNEの快進撃の中心に存在し続けているのです。

 今回は、ビル・ベリチックHCの話です。

 ベリチックHCは1952年アメリカ・テネシー州ナッシュビル生まれの62歳。
 ウェスリアン大学時代は、センターCとタイトエンドTEを経験していたそうです。

 1975年、大学を卒業して直ちに、ベリチックはアメリカンフットボールのコーチの世界に入っています。NFLでプレーした経験は無いのです。

 そして、1987年と1991年に、ニューヨーク・ジャイアンツNYGのディフェンス・コーディネーターDCとして、スーパーボールを制しました。
 輝かしいコーチングキャリアを引っ提げて、2000年・48歳の時にペイトリオッツのHCに就任したのです。

 以降の驚異的な戦績は、勝率等の基本データを含めて圧倒的なもので、枚挙に暇がありませんので、ひとつだけ書きますと、「4シーズンの内に3度スーパーボールを制したヘッドコーチは史上ベリチックHCひとり」しか居ません。まだまだ現役のコーチですが、既にNFL史上最高のヘッドコーチのひとりと言われています。
 まさに「名将」なのです。

 ベリチックのコーチングの特徴としてよく言われることは、「全てのプレーヤーを平等に使う」という点でしょう。結果として、チームに「大スターは存在しない」のです。
 前述のNEによる3度のスーパーボール制覇の際には、本当に有名選手が少ないチームでした。

 もちろん、4シーズンで3度もスーパーボールを制したのですから、その後はQBであるトム・ブレイディなどの有名選手が生まれましたが、2001年段階では、トム・ブレイディとて、2000年のドラフト6巡目(全体199番目)に指名された選手に過ぎず、QBとしても7番目の指名でしたから、さほど注目されていた選手では無かったのです。

 ベリチックは、「控えの控え」であったブレイディを、エースQBが故障した際に使い始めました。2001年シーズンの第2週ニューヨーク・ジェッツとのゲームでした。
 後から、このゲームは「ペイトリオッツ王朝が始まったゲーム」と呼ばれるようになりましたが、当時は「この先ペイトリオッツはどうなってしまうのだろう」と見られていたことは、言うまでもありません。
 2000年に来た、まだHCとしては実績不足のベリチックと2000年のドラフトで随分後位で取られた控えQBブレイディがチームの中核なのですから、そうした心配も止むを得ないところであったことでしょう。
 しかし、このゲームからNEの黄金時代が始まったのです。

 さて、こうした方針でチーム創り上げてきたベリチックが、「規律を大切にする」ことは言うまでもありません。有名選手不要、全選手に平等にチャンスを与えるやり方なのですから、「特別扱い」などもっての他なのです。

 そして今シーズン、久しぶりに「ベリチックの規律」を観ることが出来ました。

 第11週・11月16日のゲーム、対インディアナポリス・コルツ戦で、主力ランニングバックRBとして活躍したのは、ルーキーのジョナス・グレー選手でした。38回のキャリーで199ヤードのゲインという、素晴らしい活躍を見せたのです。
 このゲームはペイトリオッツが42-20で快勝しました。

 グレー選手は、アメリカ大学フットボール界の名門中の名門ノートルダム大出身のルーキー選手。全ての選手に平等に機会を与えるというベリチックの方針に則り、時々ゲームに出場しながら、少しずつ実績を積み上げ、ついにこのコルツ戦(出場4ゲーム目)で爆発したというプレーヤーでした。
 こうした新人の活躍は、エースRB不在に泣いてきたチームにとっては救世主とも言えるもので、さすがにベリチックの選手起用方だと感じ入ったものです。

 ところが、続く第12週・11月23日の対デトロイト・ライオンズ戦に、ジョナス・グレー選手は出場しませんでした。フィールドの横でいつでも出場できる準備は整えていましたが、ついにベリチックHCから声はかかりませんでした。完全に干されていたのです。

 実は、第11週と第12週の間に行われたチーム練習に、グレー選手は遅刻していたと報じられました。
 練習に遅刻するなど、ベリチックHCが許す筈がありません。

 全てのプレーヤーに平等なチャンスを与え、そのチャンスを掴んだプレーヤーを使っていく一方で、結果として「特別扱いはしない」ことが明示されているのですから、「遅刻をしても、特別に許す」などということは、有り得ないのです。
 そして、このゲームもペイトリオッツが34-9で圧勝しました。1ゲームで200ヤード近く走るRBを使わなくても圧勝したのです。

 久しぶりに「ベリチックの規律」を見せていただきました。

 日本のスポーツ界では、「アメリカのスポーツ界は自由で、規律も緩い」といったイメージを持っている人も多いのですが、それは人によるのです。
 ビル・ベリチックの規律は、いわゆる「日本式の規律」と呼ばれるものより、よほど厳しいものかもしれません。

 当然ながら、ベリチックは「ゲーム前日の深酒」など許さないからです。チームの主力選手への特別扱いなど、全く存在しない。ひょっとすると、ベリチックHCにおいては「レギュラー選手」などという概念が存在しないのかもしれません。

 さて、NFL2014~2015シーズンのレギュラーシーズン・ゲームも第13週を終わりました。シーズン全16ゲームの内、多くのチームが12ゲームを終了し残り4ゲームというところ、つまり終盤に差し掛かっています。
 そうした中、ニューイングランド・ペイトリオッツは、9勝3敗でAFC東地区のトップを快走しています。カンファレンスおよびリーグ全体の勝率トップチームでもあります。

 2001年第2週が起源と言われる「ペイトリオッツ王朝」は、2014年も全く輝きを失っていないのです。トレードや故障などでプレーヤーがどんどん入れ替わって行くNFLにおいて、14年間もの長期に渡り、常にスーパーボールを争う戦力を維持し続けているというのは、凄いことです。

 「ビル・ベリチックHCとQBトム・ブレイディのNFL史上を飾るドライブ」は、まだまだ続くことでしょう。
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