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 シーズンオフの話題のひとつに、来季の年俸交渉状況があります。

 12月4日にも、東北楽天の則本昂大選手が「3年目で1億円の大台」を突破したと報じられました。「3年目で年俸1億円」というのは、日本プロ野球NPBの最速記録なので、則本選手もトップタイということになります。

 さて、今回は「NPBの選手の年俸の性格」について考えてみたいと思います。

1. 前年の仕事の成果に対する「後取り」の意味合い

 NPBの年俸の推移を見ると、前シーズンの活躍に対する報酬という性格が強いように観えます。
 
 活躍した選手の年俸は上がるのです。その上げ幅は、概ね前シーズンの活躍の度合いに連動しているようです。各球団には独自の査定方法が存在しているのでしょうが、原則として、活躍していればしているほど「大幅な率」で上がっているようです。

 もちろん翌シーズンの活躍に期待するという意味合いもあるのでしょうが、極端な言い方をすれば、翌シーズンの成績が全然ダメでも上がった年俸は貰えるのでしょうから、やはり「報酬の後取り」の性格が強いということになります。

2. 「率」から来る、キャリア全体における後取り的性格

 項目1に述べましたように、年俸は前シーズンの成果に合わせて上がったり下がったりするものなのですが、その目盛・物差しは「率」であって「金額」ではないように観えますから、結果として、当該選手のキャリア全体を観ても「報酬は後取り」の性格が強いものとなるようです。

 ここでは上がり続けている選手を例にとりますが、2年目の年俸が2000万円の投手が好成績を挙げて、3年目の年俸が3000万円に上がったとすると、アップ率50.0%・アップ額1000万円ということになります。他方、7年目の年俸が2億円の投手が8年目に3億円に上がったとすると、アップ率50.0%・アップ額1億円ということになるのです。

 当たり前のことを書き恐縮ですが、2年目の成績と7年目の成績が共に12勝であったとしても、こうした現象が起こっているように観えます。つまり、「キャリアを重ねて年俸が高くなっている選手ほど、年俸のアップ額が大きくなる傾向がある」のです。

 もちろん「シーズンを通した活躍に上限があること」も要因のひとつでしょう。
 例えば、野手なら2年目に「打率3割・本塁打20本・90打点」という成績を上げたとして、7年目にこれを上回る、例えば「打率3割5分・本塁打30本・100.打点」という成績を残すことは、容易なことではありません。
 つまり「好成績のレベルは、何年目の選手であっても同程度の水準」なのです。従って、「同水準の成績でありながら、元の年俸額の高低によってアップ額が大きく異なる」事象が発生するという面もあるのでしょう。

 これは、「本来なら3年目で挙げてもらえるべき金額を8年目に貰っている」とも言えそうです。
 一方で、3年目の選手より8年目の選手の方が、実績を積み「チームの顔」になっている可能性が高いので、アップ額も大きいという面もあるのかもしれません。

 いずれにしても、年俸が高い選手ほど、活躍に対するアップ額がお大きいという傾向は存在するのでしょう。

3. 大幅ダウンが実行されるようになってきたこと

 中日ドラゴンズの落合GMの登場もあってか、近年は「活躍出来なかった選手」の年報大幅ダウンも、数多く観られるようになりました。

 NPBにおける「年俸の下方硬直性」が崩れつつある時期と言えるかもしれません。

 少し前までは、「チームの看板選手」や「ベテラン選手」においては、1シーズン位調子が悪く成績を上げられなくとも、年俸交渉の過程で「前年年俸維持」や「少額ダウン」という形で、「翌シーズンの活躍に期待して」といったコメントが、よく見られたと思うのですが、近時は容赦なく年俸ダウンが行われてきているように見えます。

 よく言われるNPB雇用契約上の「最大ダウン率40%」をも上回るようなダウンもそう珍しくはありません。個々の選手の雇用契約内容がどのようになっているのか、詳細は知りませんし、選手会という一般の会社における労働組合的性格を備えている組織がありますから、極端な年俸ダウンは回避するような交渉・仕組み造りが行われている筈なのですが、それでも大幅ダウンが目立つのです。

 経営者側から観れば、「大幅ダウンが可能だからこそ、大幅アップも出来る」ということになるのでしょうが、こうした大幅ダウンは選手の移籍にも結び付き易く、「チームの看板選手が育ち難い」という現象を生む要因となる可能性があるでしょう。

 「昔に比べて選手寿命が短くなっている」といわれているNPBですが、こうしたところにも原因があるのかもしれません。

4. まだまだ珍しい複数年契約

 NPBにおいても、超一流選手やFA権を行使した選手に「複数年契約」を提示する球団が増えてきているように観えます。
当然ながら、当該選手の2年後3年後の活躍が担保されているわけでは無いので、球団・経営者にとっては「リスクが大きい契約形態」ということになるのでしょう。そして、NPBにおいては導入例が多いとはいえません。いまだ例外的な契約ということになるのでしょう。

 「支配選手」という概念が、複数年契約の阻害要因となっている面もあるのでしょう。球団・経営者にとっては、ある選手があるシーズンで、大活躍しようが不振に終わろうが、当該選手は当該球団の支配下にあるのですから、1年毎に年俸を見直すことで十分に対応できるという考え方もあるのでしょう。

 一方、NPBのキャリアが浅い選手や若手選手は、成績通りに年俸が上がって欲しいと考えているでしょうから、「本当ならもっと上がっていたのに」という不利益を蒙ることを回避できますので、1年毎の見直しが望ましいのかもしれません。

 従って「複数年契約」は、NPBにおいては「ベテラン有名選手」を対象としたものになりそうです。

 以上、今回は日本プロ野球の年俸の性格を見てきました。

 このテーマはとても奥が深いものでしょうから、不十分な内容であることは認識していますが、「入り口の入り口」の検討として、ご容赦いただければと思います。

 一方、こうして見てくると、「複数年契約がより一般的」な、それも「若手プレーヤーでも大型複数年契約」が締結されることが珍しくないメジャーリーグMLBとの違いも感じられます。

 次は、「MLBにおける年俸の性格」も検討してみたいと思っています。
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