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HOME   »   ラグビー  »  [ラグビー] 早明戦の凋落?
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 関東大学ラグビー・対抗戦グループ伝統の一戦、早稲田大学vs明治大学の試合は、12月7日秩父宮ラグビー場に21,602人の観客を集めて行われ、終始押し気味に試合を進めた早稲田が37-24で明治を破り、対抗戦グループ2位を決めました。

 両校の対戦は90回目という節目の試合を終えて、通算成績は早稲田52勝・明治36勝・2引分となりました。

 12月の第一日曜日に行われる早明戦と言えば、説明するまでも無くラグビーの一戦です。我が国のラグビーの試合の中で、最も多くの観客を動員できるカードです。従来は、試合前・試合後のマスコミの報道も過熱気味であり、両チームのキャプテンの動向・心情などが事細かに採り上げられてきました。

 ところが、今年の早明戦について観れば、その報道の少なかったことといったら、ほんの10年前とは雲泥の差と言えるでしょう。

 例えば、12月8日・日本経済新聞朝刊スポーツ欄の紙面には「関東大学対抗戦 早大-明大」と前後半の得点が、新聞における本文の文字=最も小さな文字、で表記されているのみで見出しは皆無でしたし、会場や入場人員の表示もありませんでした。

 今年の日経新聞の取り扱いが小さかっただけに過ぎないとか、編集長の趣味だろう、といったご意見もあるのでしょうが、テレビ番組他の扱い量・内容を冷静に見て「ラグビー早明戦の訴求力が落ちていること」は、間違い無い事の様に感じられます。

 マイナーなスポーツとメジャーなスポーツの差を「熱狂的なファンでは無い人が興味を持つかどうか」という点に求めるとすれば、早明戦は日本のラグビー競技の中で、これまで最もメジャーな試合でした。
 まさに「初冬・12月上旬の日本の風物詩」であったと思います。

 そのバリューが下がって来ているのです。

 12月9日にはテレビ放送視聴率が公表されました。(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
 同じ7日の日曜日の午後に放送された福岡国際マラソン7.6%、ゴルフ日本シリーズ7.4%、全日本相撲選手権3.6%に対して、ラグビー早明戦の前半2.0%・後半2.7%。とても風物詩とは呼べない数字でしょう。熱心なラグビーファン以外には、試合の存在さえ知らなかったかのようです。

 こうした凋落の原因を考えると、対抗戦グループにおける帝京大チームの連覇が続いていることが、まず挙げられるのでしょう。2011年からの連続優勝が4に伸びました。早大も明大も全く歯が立たないのです。
 加えて、全国大学選手権大会も、帝京大が2009年以来5連覇中です。対抗戦グループでは敗れても、大学選手権で雪辱するという過去に観られた図式が、全く機能していない、つまり帝京大チームが圧倒的に強いのです。

 今シーズンも、帝京大と早大・明大との力の差は明らかですから、これから行われる大学選手権で、早大・明大が盛り返す、一矢を報いる可能性は極めて低いと考えざるを得ません。

 だからといって、「帝京大チームに弱くなっていただき、混戦に持ち込みたい」というのは、筋違いも甚だしい考え方でしょう。
 当然ながら、早大チーム・明大チームに強くなっていただき、たとえ劣勢にあるとしても帝京大チームと3度試合をしたら1度は勝てる位の実力を身に付けなければなりません。そうでなければ、番狂わせも起きようがありません。

 諸点を考え合わせると、「早明戦の凋落」は「早明戦が従来に比べて面白くなくなったこと」に主な原因があるということになるのでしょう。

 「縦の明治、横の早稲田」「明治の重戦車フォワード対早稲田の快速バックス」といった対比は、20世紀の終盤に消え去りました。
 こうした「物理的・戦術的な特徴・違い」は、全国の高校ラグビーの発展の過程で早晩消え去ることが予想されていました。高校ラグビーには、体格だけを観れば全日本クラスのプレーヤーがどんどん登場していましたので、大学名門チームのプレーヤーの体格が均一化してくるのは自然な流れだったのです。

 戦術面から観ても、フォワード9割あるいはバックス9割といった戦略・戦術では、トライが取り難くなり、フォワード・バックス一体となった攻撃・守備が求められるようになりましたので、各大学名門ラグビーチームの戦術も大差ないものとなって行き、結果として個々のプレーヤーのフィジカルの差が、そのまま試合の帰趨を決する時代が到来したのです。

 これは何も我が国の大学ラグビーに限ったことでは無く、15人制ラグビー界の世界的傾向です。結果として「番狂わせが極めて少ない」スポーツになってしまい、概ね「強いところが試合に勝つ」競技となってしまいましたから、観ている方の興味が次第に薄れて行ったのも、止むを得ない事なのかもしれません。

 加えて、「考えに考え抜いた戦術を展開したから劣勢でも勝てた」とか「亡き父の思いを胸に頑張ったから力上位のチーム相手に好ゲームが出来た」といった切り口で観ることが出来る試合が皆無となると、マスコミの採り上げも減少し、人気低下に拍車がかかるものなのかもしれません。

 とはいえ、「早明戦がメジャーな試合からマイナーな試合に変化して行く」怖れがある状況を、指を咥えて傍観しているわけには行かないでしょう。

 早明戦の人気回復は、2019年のラグビーワールドカップ日本大会を控えた、我が国ラグビー界にとっても、とても大事な課題だと感じます。

 もちろん、早稲田・明治の両チーム関係者が主体となって「チーム力向上」を図るのが第一の対応策なのでしょうが、協会関係者もあらゆる手を打っていく必要があると思います。

 来年の早明戦は、少なくとも秩父宮ラグビー場より大きなスタジアムを用意し、4万人以上の観客を集めて行うことを目標としてはいかがでしょうか。
 ラグビー場としての秩父宮は、そのグラウンドの形状・コンディション等が国内最高レベルであることは間違いありませんが、常に旧国立競技場を満員にしてきた感のある早明戦の観客数が21,602人というのでは、あまりに寂しいと思うのです。
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