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 IOC(国際オリンピック委員会)は、12月8日に臨時総会を開催し、いくつかの点でオリンピック開催方法を見直す方向を示しました。昨2013年9月に就任したバッハ会長肝入りの改革推進と伝えられています。

 IOCが改革を急ぐ理由は複数あるのでしょうが、最大の理由は「開催都市立候補の辞退が相次いでいること」でしょう。

 今2014年に開催されたソチ・冬季オリンピックは総事業費6兆円という、空前の費用が掛かりました。巨大化が進むオリンピックも、とうとうここまで来たかという感じです。

 この費用額を耳にして、今後予定されている2022年や2024年といった大会への立候補を検討していた都市の辞退が続いているという次第なのです。

 「オリンピックの絶対的な人気に胡坐をかいていた?」IOCが急に焦り始めたように見える、と報道されています。
 「次のオリンピックをどこの都市で開催しようかな・・・」と権力をチラつかせ、IOC委員が立候補都市からの賄賂を強要していた、といった報道も後を絶ちませんでした。こうした報道が事実かどうかはともかくとして、「立候補都市がゼロ」になってしまえば、権力行使も何もあったものではありませんし、そもそも「オリンピックが存続できるか」という根本的な問題に繋がってしまいます。

 改革を断行することでオリンピックを魅力あるものにして、立候補都市が殺到するような状況を創り出したいというのが、IOCの狙いなのでしょう。

 2020年の東京大会についてみれば、「競技数・種目数の弾力化を進める」という方向感が示されました。大きな負担と手間をかける開催都市、開催国に、それらが望む競技・種目を咥えることを許容することで、開催都市・開催国にとって魅力有る大会にしてあげるということでしょう。野球やソフトボールが該当競技と目されています。

 2020年大会は「開催に向けての費用負担面での問題が小さい東京・日本」ですから、こうした条件緩和がメリットとなるのでしょうが、東京大会以降の大会を開催しようとする都市にとっては、費用負担の問題は全く改善されていません。

 オリンピックの開催を、ひとつの都市中心では無く、複数の都市あるいは国で行うことを可能とするといった改革案も出されているようですが、これはいただけない。

 サッカー競技のワールドカップが「国・地域」単位で開催されるのに対して、オリンピックは「都市」単位で開催されて来たものです。
 沢山の競技の世界中のアスリートがひとつの都市に集まり、全力を尽くして世界最高のプレーを展開することで、お互いを理解し交流を進める、「平和の祭典」がオリンピックでしょう。ひとつの都市に集まることに大きな意義があるのです。

 これが、複数の都市・国で開催されることも可とすると、個別競技・種目の世界大会に近いものとなってしまいます。オリンピックである必要が無いのです。
 まして、その目的が開催費用負担の分散化であったり、「開催地は自分の都市だが、お金だけ援助してくれ」などという話が横行するようになることは、回避しなくてはなりません。当然ながら、適正な費用を負担できない都市に開催資格が無いのは、あらゆるイベントに共通のことで、オリンピックに限った話ではありません。

 こうした問題への対応策として「開催都市の持ち回り・輪番制の導入」があると思います。

① 安定した財務基盤・社会体制を保持している都市・国家であること
② 世界規模のスポーツ大会を開催した実績と開催する設備・ノウハウを保持していること
③ スポーツを愛する国民性であること

 といった諸点をクリアする都市を世界中からいくつか選び出し、輪番でオリンピックを開催して行くやり方です。

 このやり方なら、競技施設については「オリンピックのための施設が常設されていますから、修理・メンテナンス費用という必要最小限の費用負担で済みます」し、開催ノウハウについても蓄積が進みますので、係員等を集める等の手間も大幅にカットできるでしょう。

 もちろん、時折は「輪番制の都市群に新しい都市を加える」あるいは「都市の入れ替えを行うこと」も可能としておくことも出来そうです。

 1984年の冬季オリンピック大会の開催都市であったサラエボの悲劇が思い出されます。あの美しい都市が、東側諸国の崩壊やその後の新国家設立の過程で戦火に塗れ、破壊されたのです。「平和の祭典」たるオリンピックの開催都市が、戦争の舞台となることを可能な限り回避するためにも、「輪番制」は有効な施策だと思います。

 例えば、試しに夏季大会の候補都市を挙げてみましょう。

 夏季オリンピックを開催したことがある都市の中から、前述の①②③をクリアするであろう都市を選んでみます。(順不同)

① アテネ
② ロンドン
③ パリ
④ ミュンヘン(あるいはベルリン)
⑤ ローマ
⑥ ロサンゼルス
⑦ アトランタ
⑧ 東京
⑨ メルボルン(あるいはシドニー)
⑩ ヘルシンキ(あるいはストックホルム)

 この10都市の持ち回りでオリンピックを開催して行くのです。
 こうした方法を取ることで「開催費用は極小化」出来ると思いますし、大会毎の大会運営レベルもオリンピックに相応しい高い水準に保つことができるでしょう。

 ただし、この方法ですと「IOCの権力」は小さくなってしまうかもしれませんから、IOC関係者には受け入れられないものなのかもしれません。

 「世界最高のスポーツ大会」は世界中のファンの人々が開催を待ち望んでいるものであり、世界中のプレーヤーも目標とするものですから、継続開催されなければなりません。
 費用が巨額過ぎて、開催地に名乗りを上げる都市が激減しているという現状に対しては、「継続開催すること」を最優先として、解決策を構築する必要があると思います。
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