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HOME   »   サッカー  »  [高校サッカー] 市船・流経大柏の激突とU-19代表の不振
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 お正月の風物詩のひとつである全国高校サッカー選手権大会(第91回)の地区大会が佳境に入っています。11月11日千葉県大会準決勝・市立船橋高校対流経大柏高校のゲームがテレビ放送されていました。何気なく見ていましたが、これが中々面白くて、結局最後まで観てしまいました。

 この2校のカードは、千葉県大会の好カードのひとつで、昨年は決勝で対戦し市船が勝ち上がって全国制覇しましたし、一昨年も決勝でぶつかり、この時は流経大柏が勝って、全国大会もベスト4まで進出しました。
 現在の千葉県高校サッカーを代表する2校の対決が、今大会は準決勝で実現したのです。

 ゲームの全体の流れは、テクニックとスピード、そして体格に勝る流経大柏が6分4分で押している形で、これは試合を通じて一貫していました。一方、押され気味の市船は、堅守・速攻で対抗し、見応えのある試合が展開されました。

 前半、市船のコーナーキックCK。柏ゴールに向かって右側からのCKですが、市船の選手は、柏ゴールのやや左側に向かって縦一列に並びます。面白いフォーメーションだと思っていたら、キッカーが動き出すのと同時に、一列の市船プレーヤーが左右に散ります。列の前の方に居たプレーヤーは右側に、後ろの方に居たプレーヤーは左側に散ったように思いますが、柏ディフェンダーDFは右側に散った市船プレーヤーに引っ張られて、左側の市船プレーヤーがフリーになり、シュートが決まりました。練りに練ったセットプレーが見事に決まったゴールでした。

 1-0で市船がリード。この後、押し気味の柏の攻撃が続きます。市船ゴールに入ったように見えたシュートが3本はありましたが、キーパー以外の市船のプレーヤーが蹴り出し続けました。神懸かりというか、強運というか、市船はゴールを割られることなく後半もロスタイムに入ります。ロスタイムは確か4分と長かったと思いますが、その長いロスタイムも残り1分を切って、流経大柏の猛攻が続きます。

 市船のプレーヤー達は、完全に押し込まれて、自軍ゴール前・ゴールエリア近辺に張り付いた形。時々最終ラインを上げることが出来ればよいのですが、跳ね返したボールが悉く柏に拾われるので、ラインを上げることが出来ません。何か、2006年ドイツワールドカップ一次リーグ・対オーストラリア戦・残り10分の日本チームを観るようです。
 こうなるとゴールは時間の問題と思っていましたら、シュート、跳ね返す、シュート、跳ね返す、シュート、決まった!という感じで、ロスタイム残り10秒で同点になりました。 
 市船としては、84分間守り続け、成功してきたのですが、最後の最後で失点した形です。

 ゲームは10分ハーフの延長戦に突入しました。
 延長戦に入ってから、市船の選手が相手ゴール前でドリブルするプレーが出始めました。良いテクニックを披露していましたが、前・後半80分の中では観られなかったプレーです。市船の選手も十分なテクニックを身に付けていたのですが、このゲームで勝つために作戦として封印していたことが判りました。

 流経大柏の選手も相変わらずのプレーで応戦します。延長戦も残り1分、ここで柏はゴールキーパーを交替させます。PK戦用のGKをゲームに慣れさせるために出したとの解説に、高校チームにPK戦用のGKがいるのかと驚きました。
 結局、延長戦は両チーム無得点でPK戦に入りました。流経大柏が先攻。両チーム二人ずつ決めて2-2、柏の3人目もキッチリ決めて、市船の3人目。このPKを柏のGKが完璧に弾いて3-2。柏の4人目は成功して4-2。柏のPKはとても安定しています。市船の4人目のシュートを、再び柏のGKが完璧に弾き、ゲームセット。柏2人目のGKは、さすがにPK戦に強いといわれるだけのプレーを魅せてくれました。

 ゲーム終了後、両チームの選手たちはお互いの健闘をたたえ合うとともに、盛んに会話しています。おそらく、小学生時代から様々なゲームで顔を合わせ、時には同じチームで戦ってきた仲間なのでしょう。

 とても良いゲームでした。レベルも高く、どちらのチームが全国大会に出場しても、相当良いゲームを展開できると思いました。もちろん、流経大柏が決勝で対戦する八千代高校も強豪チームですから、どちらに軍配が上がるかは分かりませんけれども。

 この試合を観ただけでも、我が国の高校サッカーのレベルは着実に向上していると思いました。両チームのメンバーには、J1チームの下部組織出身の選手も居ました。1993年にJリーグが発足し、各チームの下部組織に小学生・中学生が入り始めました。
 それまでの日本のスポーツというのは、どの競技も中学→高校→大学とステップアップする「学校スポーツ」だったのですが、Jリーグ所属チームの下部組織は、サッカー競技に新しいルートを切り開きました。

 10年くらい前には、知り合いのお子さん達から「ヴェルディやマリノスのユースに入るのは大変だよ。倍率も高いし、もの凄いテクニシャンばっかりだよ」といった話を聞いたものです。
 我が国も、学校スポーツとは別のラインでプレーヤーが育成されて、日本代表に選ばれる時代が来るのかな、と考えたりもしました。ちょうど、メッシやイニエスタを輩出したFCバルセロナや、カシージャスやファン・マタを輩出したレアル・マドリードのカンテラのような感じです。

 しかし、我が国には我が国の落ち着きどころがあったようで、やはり主流は学校スポーツという形で落ち着いたように思います。小・中学生時代は、クラブチームに所属しながら技術・体力を磨いたプレーヤーも、サッカーの強い高校に進学して、その高校のサッカーチームに入る形が一般的になってきました。
 やはり、「高校サッカー」には、本稿で述べた全国高校サッカー選手権大会を始めとする全国規模の有名大会が複数存在し、テレビ放送も充実していますので、将来プロサッカー選手を目指す若者は、有名・有力高校チームに所属する方が有利ということなのでしょう。興味深いのは、その高校を卒業した後、大学に進学する有力プレーヤーは少なく、直接プロチームに入るケースが多いことです。
 こうした形・ルートが、おそらく我が国のプロサッカー選手育成方式になって来たのでしょう。

 市立船橋高校と流経大柏高校の両チームにも、中学生時代に全国で名を馳せた選手が多数集まっていました。そして、高いレベルの練習・ゲームで揉まれて、その実力を伸ばしているのでしょう。
日本サッカーの将来は大丈夫だと思いました。

 ところが、11月12日に19歳以下の日本代表チームが、U-19のアジア大会準々決勝で敗れ、ベスト4に入れず、世界大会への出場権を逃したとのニュースが入りました。これで、3大会連続で世界選手権出場を逃したことになるのです。
 もちろん、常に予選を勝ち抜き、必ず世界大会に進むことができるなどとは思いません。他国チームとの力量バランスもあるでしょうし、時には作戦ミスもあるのでしょう。しかし、3大会連続の敗退となると話は違います。

 以前、A代表が中々成果を出せなかった時代、私達の希望はU-20チームを始めとする若手の日本代表チームでした。U-20のワールドカップで決勝に進出したり、勝ち進むこともあり、日本のサッカーファンは「いまに見ていろ」「必ず日本は強くなる」と思っていたものです。
 そして日本はようやく、予選を勝ち上がってワールドカップに出場できる実力を備えた国になりました。今年のロンドンオリンピックでもU-23チームが決勝トーナメントに進みました。

 その日本サッカーの将来を担うU-19代表チームが、中東の代表チームに良いところなく敗れ続けているというのは、由々しい事態です。
 報じられるところによると「何ひとつ良いプレーを示すことなく敗れた」「予選リーグの出来から見れば当然の結果」ということです。惜しくも敗れたのではなく、弱いから負けたことは間違いありません。原因は何でしょうか。

 前述の全国高校サッカー選手権大会予選のゲームを観る限り、我が国のU-19層にプレーヤーが居ないとは到底考えられません。「召集が上手くいかない」のでしょうか「チーム作りが上手くいかない」のでしょうか「作戦が良くない」のでしょうか。
 いずれが主たる要因であるにしても、監督・コーチ・協会の責任が重いことになります。

 当然のことながら、このところアジア大会やワールドカップ予選でも良いところが無いイランやイラクといった中東の国々も、いつまでも日本に負けていて良いと思うはずもなく、20世紀に見られた「いつでも日本に勝利する強い代表チーム」の復活に向けて努力を続けているのでしょうから、こちらが立ち止まっていたら、直ぐに昔に戻ってしまいます。
 「何年たってもアリ・ダエイ」という言葉さえあったほど、長い間、日本代表チームは中東の国々の代表チームに歯が立たなかったのですから。

 日本サッカー協会を始めとするサッカー関係者の皆さん、このU-19代表チームの敗因を良く分析・把握して、我が国の高校生・中学生・小学生のサッカープレーヤーの目標となるような代表チームの編成に向け、再出発していただきたいと思います。

 代表チームの無様なプレー振りは、若いサッカープレーヤーの夢や希望を奪ってしまいます。

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