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HOME   »   陸上競技  »  [100m競走] ユース世界新記録連発 桐生祥英選手に何が起きたのか?
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 男子100m競走における桐生祥英選手(きりゅう よしひで、京都洛南高校2年生)の記録更新が続いています。
 
 本2012年10月5日のぎふ清流国体・少年男子A100m決勝で10秒21の日本高校新記録で快勝しました。この記録は、ユース(満18歳未満)の従来の世界最高記録10秒23を更新する新記録でした。
 続く11月3日のエコパトラックゲームズ男子B100m決勝で、10秒19の記録で圧勝しました。この記録は、ユース世界記録・日本高校記録を更新するとともに、日本ジュニア(満20歳未満)記録をも更新するものでした。もちろん、2つの記録とも、追い風2.0m以下の公認記録です。

 この10秒19(以下10.19と表記)は、当然ですが国際陸連が管理する2012年のユース世界ランキングでもトップの記録です。以下に、世界ランク5位までを記載します。

1位 Yoshihide KIRYU JPN 10.19(追い風0.5m)
2位 Jevaughn MINZIE JAM 10.28(追い風1.1m)
3位 Zhouzheng XU CHN 10.36(追い風0.7m)
4位 Mustaqueem WILLIAMS USA 10.39(追い風1.0m)
5位 Tremayne ACY USA 10.41(追い風1.3m)

 短距離王国であるアメリカやジャマイカのランナーを抑えて、日本人ランナーがトップに居るというのは、残念ながら珍しいことで、私の記憶では史上初のことであると思います。

 加えて、10.19は日本歴代9位タイの記録でもあります。こうした素晴らしい記録を高校2年生のランナーが叩き出しているというのは素晴らしいことです。

 ここで不思議なのは、桐生選手は本年7月30日に行われたインターハイ(全国高校総体)の100m決勝までは、日本の高校の100mファイナリストの一人にすぎなかったことです。この決勝レースで桐生選手は4位、タイムは10.63という高校生としては速いが、特筆すべき程の水準ではなかったのです。このレースは、1位大瀬戸選手(小倉東高校)10.47、2位橋元選手(川薩清修館高校)10.50、3位佐貫選手(本庄高校)10.59、4位桐生選手10.63という結果で、ネット動画で見ましたが、桐生選手は良いところなく敗れています。

 それが、2か月後の10月5日には10.21というユース世界最高記録で走っているのです。この2か月間の間に、桐生選手に何が起きたのでしょうか。

 伸び盛りなので、一気に成長したのではないか、という意見があるかと思いますが、動画で見る限り体格が変わったようには見えません。(2か月で体格が激変する程成長することも滅多にないことでしょう)
 加えて、例えば12.00で走っていたランナーが11.00で走れるようになることと、10.50で走っていたランナーが10.20で走れるようになることとは、全く難度が異なります。10.20という水準が、絶対水準として極めて高いレベル(日本歴代ベスト10に匹敵する)だからです。別の言い方をすれば、全ての100mランナーが、2か月という短期間ではなく、何年かかっても辿りつきたい憧れの水準ということです。

 桐生選手の体格については、正式の数値は公表されていないようです(発見できませんでした)ので見た目ですが、身長は175cm前後、体重は65㎏位ではないかと思います。高校2年生・100m競走の日本高校生トップクラスのランナーとしては、大きくもなく小さくもない体格です。一緒に競走している他のランナーと、ほぼ同じ体格に見えます。

 10.21の時と10.19の時の桐生選手の走りを、やはりネット動画で観ました。
 低いスタートからの加速が素晴らしく、20m地点で既にリードを奪います。さらに加速して40mを超えたあたりでトップスピードに達します。その後のランニングフォームには力みが全く無く、バランスが良いので、体が前後上下に動いたりすることもありません。膝下も良く前に伸びていて、おそらく体格に比してストライドも長いと思います。ほとんど減速しないで、ゴールに飛び込んでいる感じです。

 全体としては、パワー溢れる走りではなく、極めて滑らかな走りです。無駄の無い動きが特徴で、スタート・中間走・ラストスパートの中で、ここが際立っているという走りではなく、全体がキチンとしているという印象です。

 一方で、7月30日のインターハイ決勝の走りは、スタートから起き上がるのが速く、加速の段階で両肩に力みが観られて、ゴツゴツした印象。膝下も前に出ず、ストライドも伸びていないように観えます。つまり、全く違う走りなのです。

 やはり、最初の疑問に戻ってしまいます。この2か月の間に、桐生選手に何が起こったのでしょうか。

 少し残念なのは、11月に入ると2012年の陸上競技シーズンが幕を閉じてしまいますので、しばらくは桐生選手が大会で走ることが無くなるかもしれないことです。
 どんな競技の、どのプレーヤーも共通していると思いますが「伸びている時には、どんどん試合に出場したい」ものです。

 とはいえ、日本短距離競走界に新星が現れたことは間違いありません。既に、同世代の世界トップクラスには到達しました。今冬のトレーニングを経て、2013年春のシーズンに桐生選手がどんな走りを披露してくれるのか、とても楽しみです。

 また、江里口選手、山縣選手他の現在の日本のトップランナーとの切磋琢磨の中から、1998年の伊東浩司選手の10.00や2001年の朝原宣治選手の10.02の記録を超えて、日本人初の9秒台・サブ10ランナーが誕生すること、それも複数誕生することを期待してやみません。

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Entry TAG
男子100m競走   桐生祥英   ユース世界新記録連発  
Comment
256
古い記事にコメントで申し訳ありませんが、ユース世代で日本人がトップ過去数例あります。
2009年九鬼
1997年宮崎
1991年荒川

これ以前は調べられませんでした。

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