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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム131] 「世界3大・競馬の祭典」とレースの距離
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 私は、ブリーダーズカップ(アメリカ)、凱旋門賞ディ(フランス)、ドバイミーティングの3つを「世界3大・競馬の祭典」と呼んでいます。

 ここで言う「競馬の祭典」とは、一日あるいは同一週・同一週末に、沢山の重賞レース、多くのG1レースを同じ競馬場で開催するという意味ですが、その規模・賞金総額等から観て、この3つが現在の世界競馬における最大級の祭典であろうと認識しているのです。

 もちろん、「ロイヤルアスコット」や「香港国際競争」をこれに加えて行くことも出来ると思いますが、本稿では頭書の3つについて観て行きたいと思います。

1. ブリーダーズカップ(アメリカ)

 1984年に開始され、2004年からはブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップと呼ばれるようになりましたが、ここでは旧名のブリーダーズカップと表記します。

 低迷していた1970年代のアメリカ競馬界を活性化させるために創設されました。1日に多数のG1レースを行うことで、人々の注目を集め、競馬ファンを増やしていこうという試みでした。「世界最高賞金額」というキャッチフレーズも加わりましたので、アメリカ競馬の復権に大いに貢献したと言われています。
 こうした「エンターティンメント構築の上手さ」については、やはりアメリカが一頭抜けているのです。

① 近時は11月初旬の週末・土曜日と日曜日に開催されています。
② 施行レースを見ますと、
・土曜日 G1競走4レース(芝コース8ハロンが2レース、ダートの8ハロンと9ハロン)
・日曜日 G1競走9レース(芝コース6.5~12ハロンが4レース、ダート6~10ハロンが5レース)
③ 開催競馬場 ハリウッドパーク、サンタアニアパーク、チャールズダウンズ、ベルモントパーク等々の競馬場で持ち回り開催。

 土日の2日間開催でG1競走を13レースも行うのですから、驚きです。もちろんG1以外のレースも各日先行して行われます。

 ブリーダーズカップに対抗しようと設立されたドバイミーティング開始直後には「世界最高賞金額」の面で、後塵を拝していた時期が有りましたが、現在では再びブリーダーズカップが、「世界最高賞金額の開催」となっています。

 とても興味深いのは、その賞金のファンド・資金が「アメリカ中の種牡馬の所有者から集める『種付け料一回分のお金』で贖われていること」です。(例えば3頭の種牡馬を保持していて、各々の種牡馬の種付け料が1.回500万円・300万円・200万円なら、その所有者は計1000万円を拠出することになります。毎年のことですから、多くの有力種牡馬を保有している所有者の負担は相当大きいのです)
 まさにブリーダーズ(生産者)の祭典なのです。アメリカ競馬界隆盛にかける、ホースマン達の並々ならぬ意欲と、アメリカ競馬の懐の深さを感じさせます。

2. 凱旋門賞ディ(フランス)

 毎年10月の第一日曜日ロンシャン競馬場にて開催される凱旋門賞競走ですが、その当日と、その前日の土曜日に重賞レースを集中して開催するものです。凱旋門賞ウィークエンドなどとも呼ばれます。
 G1レースが集中して行われるのが日曜日のみですので、本稿では「凱旋門賞ディ」と表記したいと思います。

 1920年に開始された凱旋門賞は、爾来世界最高峰のレースのひとつとして認められてきましたが、アメリカでブリーダーズカップが開始された1984年以降は、その賞金額も含めて「地盤沈下」が囁かれました。

 これに対抗すべく、新しいスポンサーを募り、1988年から凱旋門賞ウィークの週末にG1を始めとする重賞レースを集める努力が続けられ、現在に到っています。現在は、土曜日に主にG2レースが、日曜日にG1レースが実施されています。

 日曜日には、サラブレッドのレースとしてG1競走が7つ組まれます。凱旋門賞もそのひとつです。7つのレースは全て芝コースで行われ、6レースは距離1000m~2400m、1レースだけ(カドラン賞)が4000mとなっています。

3. ドバイミーティング(ドバイ)

 1995年に創設されたドバイワールドカップ競走の開催日に、他のG1レースも行うことで競馬の祭典として2000年に始められたのが「ドバイミーティング」です。

 ドバイワールドカップ競走を創設した、シェイク・モハマド氏がブリーダーズカップに対抗して「世界最高賞金額レース」としたために、一時期は「オイルマネーによってブリーダーズカップを凌ぐ祭典」とも言われました。
 現在でも、ドバイワールドカップ競走の賞金額1000万ドル(約12億円)は、ひとつのレースとしては世界最高賞金額だと思います。

 毎年3月下旬の土曜日に開催され、競馬場は1995年~2009年はナド・アルシバ競馬場、2010年以降はメイダン競馬場です。
 ブリーダーズカップや凱旋門賞ディとは異なり、オールウェザーと芝のコースでレースが行われます。メインレースであるドバイワールドカップ競走はオールウェザーコース2000mで行われます。

 当日は5つのサラブレッドによるG1競走が行われますが、芝コース1000m~2410mの3レースと、オールウェザーコースの1200mと2000mの2レースとなっています。

 さて、世界3大・競馬の祭典、ブリーダーズカップ・凱旋門賞ディ・ドバイミーティングを、サラブレッド対象のレース中心に観てきましたが、これら3つの祭典は、現在の世界最高峰の競馬の祭典ですから、そこで行われるレースの距離は、現在の世界の競馬の主流であることは間違いありません。

 3つの祭典のレース距離を距離別に分類してみましょう。(芝・ダート・オールウェザーの区分無し)

・1000m~1600m未満 ブリーダーズカップ3レース、凱旋門賞ディ3レース、ドバイミーティング2レース、の計8レース。
・1600m~2400m未満 同9レース、同2レース、同2レース、の計13レース。
・2400m~ 同1レース、同2レース、同1レース、の計4レース。

 となりました。

 つまり、全25レース(13+7+5)の内、13が中距離レース(52.0%)、8が短距離レース(32.0%)、4が長距離レース(16.0%)となっているのです。

 また、中距離とした13のレースの内、1600m~2000mのレースを数えてみると全13レースが該当しました。

 現在の世界の競馬では、中距離の重賞レースが多く組まれていて、特にマイル1600mから10ハロン・約2000mまでのレースが中心であることが、ここでも明らかになりました。

 1980年代以前の主流であった12ハロン・約2400mの重賞レースは比率を下げているのです。

 もちろん、世界各国で行われているダービー競走や、凱旋門賞、ドバイシーマクラシック、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスといった「伝統的な大レース」には、いまだに12ハロン・約2400mのレースが多いのですけれども、それら以外のG1レースが1600m~2000mの距離で行われることが多くなってきているのは、間違いないことなのでしょう。

 競馬に携わる全ての人々が、十分に認識している事実なのだと感じます。

 それにしても、凱旋門賞ディに行われるG1競走のひとつカドラン賞の距離4000mというのは、さすがだと思います。
 フランス競馬のG1レースで最も古いのはジャッケクルブ賞(ジョッキークラブ賞、フランスのダービーと言われるレース)ですが、2番目に古いとされているのがカドラン賞なのです。

 カドラン賞の創設は、ジャッケクルブ賞創設の翌年・1837年ですから、今から178年前。2014年のレースで第170回を数える「歴史と伝統を誇るレース」なのです。
 1848年のフランス革命勃発により一時開催されなくなったり、1871年には普仏戦争勃発により中止されたり、正にフランス史と共に歩んできたレースです。

 このカドラン賞も、他の国の超長距離レースと同様に人気が低下気味でしたが、1991年から凱旋門賞ウィークに組み込まれ、その後凱旋門賞ディに行われるようになって、見直されてきていると言われます。

 「競馬の祭典」は、こうした大切なレースの復権のためにも効果的なのでしょう。
 
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