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HOME   »   大相撲  »  豊真将 大相撲2015年1月場所6日目に引退表明
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 元小結の豊真将が、引退を表明しました。

 度重なる怪我・病気との戦いでもあった力士人生でした。

 あの「低い重心からの守りの強さをベースにした」取り口と、真面目な土俵態度でファンから愛された相撲が観られなくなることはとても残念ですが、本当に辛い日々が多かったであろうことを考えれば、止むを得ないのでしょう。

 豊真将の「怪我・病気」との戦いは、日本大学時代から始まっています。蜂窩織炎(ほうかしきえん)が悪化して、一時相撲を止めたのです。
 蜂窩織炎(蜂巣炎=ほうそえん、とも言います)という病気は、細胞が壊死していく病気で、血行不良が原因なのかもしれませんが、相撲取りに多い病気です。例えば、元大関・小錦も長い間悩まされていました。

 しかし、蜂窩織炎の良化に伴い豊真将は相撲を再開しました。
 大学を中退して、大相撲の錣山部屋に入門しました。2004年3月場所に初土俵を迎えた時には22歳11か月で、新弟子入門期限ぎりぎりでした。

 3年以上相撲を離れていた為もあって、入門直後の豊真将の出世は遅かったのですが、ひたむきに稽古を続けて本来の相撲を取り戻してからは番付けを上げて行きました。こうしたキャリアは、まさに豊真将の取り口そのもののような気がします。

 2005年1月場所に幕下に昇進、2006年1月場所には十両に上がりました。ついに「関取」になったのです。十両でも好成績を続けて、2006年5月場所には新入幕を果たしました。
 僅か2場所で十両を突破したのです。豊真将の相撲キャリアにおいて、もっとも順調な時期だったと思います。 
 そして入幕4場所目の2006年11月場所で大活躍、12勝3敗の好成績で敢闘賞と技能賞を獲得したのです。

 一方で、新入幕の場所で脚に故障を発症し、2008年7月場所後には左手首を手術するなど、怪我の影が豊真将に襲い掛かりました。
 前頭2枚目であった2010年5月場所では、場所前の首の怪我の影響で7日目から休場に追い込まれました。

 比較的軽度(それでも相当の重症ですが)の故障が続いていた豊真将に、深刻なトラブルが発症したのは2010年11月場所前でした。右足親指の傷口から菌が入り破傷風を発症したのです。生死をさまよう重病でした。

 その破傷風をも克服した2011年11月場所には、ついに三役・西小結に昇進しました。これ以前にも、何度も三役昇進のチャンス、そして相応の好成績も挙げたのですが、不思議と周りの力士の成績とのバランスに恵まれず、なかなか三役昇進が実現しなかった豊真将にとって、悲願の昇進でした。

 2013年1月場所は左肩腱板断裂により全休、翌3月場所には入幕以来初めて十両に陥落、翌5月場所も全休して西十両14枚目と幕下寸前の番付まで下がりましたが、故障から相当に回復していたこともあり、ここから奮起、9月場所には前頭13枚目で再入幕を果たしたのです。そして10勝5敗の好成績を残しました。
 「不屈の豊真将」でした。

 ところが好事魔多し。2014年1月場所前に虫垂炎の手術をして、この場所を全休し再び十両に陥落してしまいます。

 こうして十両で迎えた2014年3月場所では、初日から14連勝しての十両優勝を遂げます。しかし千秋楽の大道戦を落としてしまい、至難と言われる「十両全勝優勝」は逃しています。
 「禍福はあざなえる縄のごとし」と言いますが、「再入幕→好成績→虫垂炎・全休→十両陥落→十両優勝→全勝ならず→再々入幕」と続くこの時期の豊真将は、まさにそういう状況であったと感じます。
 デビューが遅かった豊真将は32歳になっていました。

 そして2014年7月場所・5日目の横綱・日馬富士との対戦で、右膝前十字靭帯損傷を始めとして右脚を4か所も痛める大怪我を負ってしまったのです。
 治療とリハビリに努めていましたが、「1年や2年で治る怪我では無い」との判断から、ついに引退を表明したのです。最後の番付は東幕下7枚目でした。

 書いていても数えきれない病気と怪我の連続です。プロのスポーツ選手に怪我・病気は付き物であると言われますが、これ程多くの肉体トラブルに見舞われたプレーヤーは珍しいのではないでしょうか。
 そして、最後の怪我を除いては「諦めることなく悉く克服」したのです。
 豊真将の精神力の強さには、本当に頭が下がります。

 引退と同時に親方・立田川襲名も報じられました。自身の経験を活かして、粘り強い力士を育てていただきたいと思います。

 5度の敢闘賞・2度の技能賞を誇る豊真将ですが、最も印象に残っているのは2009年5月場所です。
 東前頭筆頭という番付で臨んだ場所でしたが、豊真将は初日から14連敗を喫しました。滅多に見られない「15戦全敗」かとも言われましたが、千秋楽の嘉風戦で白星を挙げて18年振りの不名誉な記録を回避しました。勝ち名乗りを受ける豊真将には涙が見えましたし、場内は割れるような大歓声に包まれました。

 14日間、毎日毎日黒星が続いても、取組後しっかりと土俵に礼をして下がり続けた豊真将の所作は、心に沁みるものでした。「日本古来の相撲」を具現した、素晴らしい力士であったと感じます。
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