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HOME   »   駅伝・マラソン  »  [都道府県対抗男子駅伝2015] 第1区で何が起こったのか?
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 1月の広島路を駆け抜ける、都道府県対抗男子駅伝が今年も1月18日に開催されました。
 レースは、2区で先頭に立った埼玉県チームが、3区で僅差の2位に下がったものの、4区で首位を奪還して、東京都や宮城県の6区・7区の追い上げを凌ぎ切り、初優勝を飾りました。

 駅伝強豪高校を擁する埼玉県が初優勝というのは意外でしたが、レース前から優勝候補の一角でもあり、順当な勝利とも言えるでしょう。
 2位には宮城県チーム、3位には東京都チームが食い込み、4位群馬県、5位鹿児島県、6位福岡県の順となりました。

 1位と2位の差が24秒、2位と3位が41秒、3位と4位が6秒、4位と5位が2秒、5位と6位が14秒という、全体として差の小さいレースでした。
 以前の様に「強豪チームが独走する」という形にはならず、最終第7区まで緊張感十分のレースが続くということは、「全体のレベルが上がり、各チームの実力が接近していること」を示していると思います。
 
 今年のレースでも、優勝した埼玉県チームの4~7区のランナーの中にひとりでも調子の悪いランナーが居れば、直ぐに9位以下に下がってしまう可能性が有った訳です。
 第20回を数える本大会ですが、「好成績を残すためには僅かな失敗も許されない」という、「高速駅伝時代」を迎えた感が有ります。

 本大会が「少しの失敗も許されない」レベルになってきたことを示す事象が、もうひとつありました。
 1区・7.0km・高校生区間におけるトラブルの連続です。

① 福井県チームの棄権
② 広島県チームの遅れ
③ 愛知県チームの失格

 まず、都道府県対抗男子駅伝は第1回から19回までの19度の大会で、これまで「棄権したチームが無かった」のです。後から考えてみると、19度も大会を行い、47都道府県の代表チームという「多数のチーム」が参加していながら、これまで一度も無かったということの方が不思議な感じもしますが、とにかくこれまでは一度も無かった。

 それが、今大会では福井県と愛知県の2チームが「順位無し・総合記録無し」となりました。そして、優勝候補であった広島県チームの実力十分のランナーがレース途中からズルズルと後退し、区間32位という不本意な走りとなったのです。

 私はテレビ観戦していました。福井県チームの1区ランナーの様子は映し出されませんでしたが、広島県チームと愛知県チームのランナーの様子は映されていました。2人とも明らかに「脱水症状」でした。

 長距離競走レースにおいて、ランナーが「脱水症状」に陥ることは珍しいことではありませんが、「襷を繋げない」程の症状に陥ることは、そうそう起こることではない(この大会でも過去19度の大会で47都道府県×7区間×19大会=延6,251人のランナーに起きていなかった)のに、今大会で2人のランナーに発症したのです。

 この原因は何なのでしょうか。

① 極度の緊張感

 第1区は高校生区間です。そして、当然ながら「駅伝競技の第1区はチームにとってレース全体の骨格を形成する重要な区間」ですので、1区を任された高校生ランナーは「極度の緊張感」に襲われるはずです。
 「自分が失敗したらチームの好成績は望めない」という責任の重さが、高校生ランナーに圧し掛かっていたことは間違いありません。

 「それはこれまでの19度の大会でも同じ」というご意見があるでしょうが、そこに「レース全体のレベルアップ」という要因が加味されるのでしょう。多少の失敗が許されるレベルのレースと、全く許されないレベルのレースでは、プレッシャーのレベルも大きく違うのではないでしょうか。

 加えて、広島県チームや愛知県チームは優勝候補の一角でしたから、その重圧はさらに増したのでしょう。
 高校長距離競走界をリードするようなランナーでも、その重圧に耐えきれなかった可能性が有ります。
 レース前のコンディション調整も含めて、この重圧が大きな影響を与えた可能性が有ります。

② 天候・コンディション

 通常であれば十分に走破する実力を備えたランナーが、走り切れないあるいは全く本来の力を発揮できなくなってしまう要因としては、天候・気温・湿度といったコンディションの影響も考えられます。

 今大会は雨や雪が降ることも無く、気温もそれほど高くも無く低くも無かったように見えましたが、実際には「眼に見えない難しさ」が潜んでいたのかもしれません。

③ チームとしての調整段階の油断

 19度と回数を重ねてきた大会ですので、各チームの調整方法等にもノウハウが蓄積されてきていると考えられます。
 各ランナーの選出方法や、事前の合同練習、各区間試走あるいは自動車からのコース見学、宿泊場所、大会前の食事、各区のランナーの待機方法、等々について、各都道府県チームには着々とノウハウが蓄積されてきたのでしょう。

 それはレースに臨むチームにとってはプラスの要因なのでしょうが、そこから「油断が生まれる」ようであれば、マイナス材料にもなります。

 1区の高校生ランナーのコンディション調整についても、「これまでのノウハウがあるし、彼は一流ランナーだから」といった感覚から、調整が「ランナー本人に任せきりになった」「相当部分をランナーに任せた」懸念が有ります。

 まだ高校生であり、①の緊張感の中でレースに臨むのですから、十分なサポートが必要なことは、言うまでも無いことでしょう。

 これまで19度の大会で一度も発生していなかった「棄権・失格」が、今大会の第一区で2チームに発生した原因について考えてみました。

 都道府県対抗駅伝は、中学生ランナー・高校生ランナーの飛躍の場としての意味合いが大きい大会です。逆に言えば、この大会で大失敗してしまうと、若いランナーには心身ともに大きなダメージが残ることになるのでしょう。

 来年のレースに向けては、各チームに万全の準備をお願いしたいと思います。
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