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 2月7日、都内で元大関・琴光喜の断髪式が行われたと報じられました。

 正式な?断髪式ではありませんから、会場は両国国技館ではありませんでしたが、白鵬・日馬富士・鶴竜の現役3横綱が出席し、「止めばさみ」は貴乃花親方(相撲協会理事)が行ったと報じられていますから、「公式度合いが高い」イベントと言えるでしょう。

 野球賭博への関与、相撲賭博への関与、自身への脅迫事件等々の疑惑の中で、2010年7月に相撲協会から解雇され、2013年9月に相撲協会を相手取って「解雇無効」の訴訟を起こしましたが敗訴、2014年2月に控訴審でも請求が棄却されたことから復帰を断念したとのこと。
 琴光喜も38歳になっていました。

 各疑惑の中で、明確に琴光喜の責任が立証された物は無いようですが、「大関」という地位の重さに鑑みて解雇されたとも伝えられました。
 大相撲を取り巻く、様々な不祥事・疑惑の嵐の只中で、最も高位の力士として責任を負った形でしょう。「生贄」として一身に罪を被ったとの見方もありました。

 こういう環境に置かれた琴光喜に対して、少なくとも琴光喜を相応に評価する人たちが集まって実施されたのが、今回の断髪式なのでしょう。

 琴光喜が、こうした処遇に相当する罪を犯していたのかどうかについては分かりませんけれども、日本出身力士としての琴光喜が角界を追われたことについては、とても残念なことであったと思います。

 
 1976年愛知県豊田市で生まれた琴光喜は、トヨタ自動車相撲部監督であった父親のもと自然に相撲を始めたのでしょう。
 鳥取城北高校2年生の時に高校横綱となり、将来を嘱望される存在となりました。進学した日本大学相撲部時代には27タイトルを獲得していましたから、日大卒業後「鳴り物入り」で佐渡ヶ獄部屋に入門しました。その実力は「折り紙付」だったのです。

 1999年3月場所に幕下60枚目格付出でデビュー、2000年5月場所にデビューから8場所で入幕を果たしました。超スピード出世です。(逸ノ城が幕下15枚目付出から5場所で新入幕していますが同様のスピードといえるでしょう)

 2000年11月場所では、横綱・武蔵丸、出島・雅山・武双山の3大関を撃破し13勝2敗の好成績を残しました。平幕優勝寸前の大活躍であり、当然ながら3賞を独占しました。最近のモンゴル出身力士の活躍を遥かに上回る活躍を魅せた、日本出身力士だったのです。

 2001年9月場所には13勝2敗で平幕優勝を成し遂げました。しかし「9.11.アメリカ同時多発テロ事件」の直後であり、優勝パレードは取り止められました。また、この場所以降の3場所で34勝11敗の好成績を挙げながら、大関昇進は見送られました。「大関が4人居たから」というのが主な理由ではないかとも報じられました。

 その後は、怪我・故障に悩まされたこともあって、なかなか安定した成績を残すことが出来ませんでしたが、2007年9月場所ついに大関に昇進しました。
 関脇の地位での3場所35勝10敗という「高いレベル」の成績を挙げての昇進でした。「関脇在位22場所」の歴代最高記録を残し、31歳3か月という「年6場所制導入以降の最年長昇進」でもありました。

 こうして見ると、琴光喜は「抜群の相撲の才能」を保持していたことは間違いありませんし、度々13勝2敗という成績を挙げていることからも「好調な場所では極めて強い」力士であったことが分かります。幕の内最高優勝も早々と果たしています。素晴らしい力士だったのです。

 一方で、本来ならば2001年~2002年の頃に、大関に昇進していても何の不思議も無かったのですから、6年間も遅れたことになります。ある意味では「不運の影」が差していたとも言えそうです。2001年頃に大関に昇進していれば、その実力から見て横綱昇進のチャンスも十分にあったと思います。
 日本出身力士として、21世紀に入って最も横綱昇進の可能性が高い力士のひとりであったのかもしれません。

 2007年7月場所10日目、新横綱であった白鵬を破り、その連勝を25で止めるなど、白鵬に対する強さも、琴光喜の特徴でした。
 この琴光喜の力士としての強さは現役力士の中でも十分に認識されていることなのでしょう。

 本来なら、日本出身力士の頂点に立って、2000年代半ばに横綱を張っていたかもしれない琴光喜でしたが、いくつかの不運に見舞われてしまいました。本当に残念なことだと感じます。

 2010年7月に解雇され、2014年2月に角界復帰が絶望となった琴光喜が、2015年2月まで断髪していなかったという事実に、「琴光喜の大相撲に対する強い思い」が表れています。
 そして、断髪式に現役3横綱、貴乃花親方が出席しているという事実に、琴光喜の大相撲界における高い位置付・評価が感じられるのです。
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